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34回国会衆議院1960/06/07

建設委員会 第22号

発言数
20
登壇者
5
会派数
1
開催日
1960/06/07

会議録

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田委員長 これより会議を開きます。  チリ地震津波による災害に関する件につきまして調査を進めます。  この際、現地の被害の実情を調査して参りました派遣委員より報告を聴取いたします。  二階堂進君

二階堂進自由民主党

○二階堂委員 私は建設委員会より派遣されまして、去る六月一日より宮城、岩手、青森の三県下におけるチリ地震津波による災害、特に建設省関係公共施設の災害の実情を調査に参りましたので、この際その概要を御報告申し上げたいと存じます。  御承知のごとく、今回の災害は、チリ中部海岸における地震により、五月二十四日未明より北海道、本州、四国、九州等のわが国太平洋沿岸一帯に数次にわたり来襲せる津波によるものでありますが、特に東北地方、三陸沿岸一帯は、その地形上、津波の勢力が集中いたしましたため、昭和八年三月における三陸津波以来の激甚なる被害をこうむるに至ったのであります。  以下、各県下における被害の概要につきまして、簡明を期するため、特に数字的にこれを申し上げることといたします。  まず、宮城県におきましては、その被害は主として県中部より北部一帯の海岸線に集中いたしたのでありまして、そのため志津川町における家屋の流失全壊九百六十五戸を初めといたしまして、気仙沼市、女川町、石巻市、雄勝町、七ケ浜町等、全地帯における災害救助法発動市町村のみにても三市八町村に及んでいるのであります。従いまして、これらの市町村を主とする全県下における家屋の損害は戸数にして全壊流失一千四百四十五戸、半壊一千百八十二戸、床上床下浸水一万一千百四十四戸、金額にして約四十三億円の多きに達しているのであります。  一方土木関係公共施設の被害といたしましては北上川、鹿折川、七ケ浜海岸、二級国道八戸—仙台線、県道河北—志津川線の決壊、六原—女川線橋梁の流失等があげられるのでありますが、さらに運輸省関係港湾施設の被害をも加えますと、百六十七カ所、約四億四千万円余と推定されているのであります。  次に岩手県について申し上げますと、本県下における災害は、宮城県県境より中部、すなわち県中部より南部に至る海岸線一帯の市町村に集中いたしたのでありまして、大船渡市、陸前高田市、釜石市、宮古市、大槌町、山田町等が災害救助法の適用を受けるに至ったのであります。  これらの地帯を中心とする全県下における被害といたしましては、まず家屋関係につきましては、大船渡市における流失全壊三百八十五戸を初めといたしまして、流失全壊八百八十三戸半壊千百戸、床上床下浸水四千六百五十三戸、金額にいたしまして約二十七億円の損害となっておるのであります。  土木関係公共施設につきましては、小槌川、大槌川、鵜住居川の決壊、二級国道八戸—仙台線の決壊等を初めといたしまして、これに海岸、港湾関係を加えますと、百二十二カ所、約九億円があげられるのであります。  最後に、青森県につきましては、その被害の九〇%近くが八戸市周辺に集中いたしたのでありまして、家屋関係につきましては、流失全壊二十四戸半壊三十四戸、床上床下浸水五千七百六十五戸に達し、金額にして一億四千万円余と推定をされておるのであります。土木関係公共施設につきましては、馬渕川、新井田川、高瀬川等の決壊及び八戸市内の橋梁二カ所等、計二千万円余があげられるのでありますが、別に港湾関係といたしまして五億四千万円余の被害が注目されるのであります。  以上、建設省関係の災害を中心といたしまして数字的に各県の概要を御報告申し上げたのでありますが、その他今次災害で最も重点と目されている農林水産関係の被害等をも加えますと、宮城、岩手おのおの約百億円、青森県約五十億円の巨額に達しておるのでありまして、特に後進県のこれら各県におきましてはこれが復旧対策に苦慮いたしておるのが実情であります。  従いまして、これが復旧に対しまして抜本的な対策が要望されておるのでありますが、この際、時間の都合もあろうかと思いますので、すでに幾たびか当委員会におきまして問題となりました点は省略いたしまして、今回の調査を通じて感じました二、三の点につきまして、きわめて簡単に申し述べたいと思うのであります。  まず第一には、今回の災害の特徴といたしまして、公共的な災害に比べ、いわゆる個人の災害がきわめて甚大な数字を示しているということであります。これは先ほども数字的に御報告申し上げましたごとく、個人家屋の損害が道路河川等のいわゆる公共施設のそれに比べて、著しい数字を示しておることでも明らかなところであります。特に今回の被災地は、先年の伊勢湾台風時の被災地に比し、零細地の個人被害でありますだけに、これらに対し先般の特別立法を上回る強力な政治的、行政的措置が強く望まれていることも、けだし当然のことであろうかとの感じを深くいたしたのであります。  次に、今回被災現場をつぶさに見聞いたして注目されましたことは、たとい津波の波高よりはるかに低い防波堤、あるいは波返し程度の施設でさえも、それらの施設の存する地帯の被害がきわめて少ないということであります。従いまして、これらの施設の早急なる応急対策並びに恒久的対策が強く要望されているのでありますが、何分にも海岸法の建前上、所管が三省間にまたがっております関係上、なかなか思うにまかせないのが実情のようであります。先年の伊勢湾台風のときに際しましては、とりあえず三省間で協議会を作って措置を講じたようでありますが、すでに海岸法も施行後数年を経まして、その利害得失も明確になってきたころと思われますので、この際そのあり方につきまして根本的な検討を加えるときがきたのではないかと考えられるのであります。  次には、都市の防災化についてであります。現在都市の防火につきましては防火建築帯等の措置が講ぜられているのでありますが、年々の災害にもかかわらず、いわゆる水害に対する都市の防災化というものが一向に進展していないのではないかということであります。もちろん河川の改修を促進し、海岸堤防を完備することにより、都市を洪水、津波より完全に守り得ることができれば最も理想的とは思うのでありますが、それが困難な現状におきましては、やはり防火建築帯に対する補助、住宅金融公庫の中高層耐火建築物融資制度と同様の措置を水害に対しても講ずることによりまして、完全なる防災都市の促進をはかる必要があるのではないかと思うのであります。  その他、当該地域における冬季間の波浪並びに積雪寒冷地帯という気象的、地理的条件よりくる工事期間の問題、零細被災民に対する救済土木事業の問題等、幾多の問題が考えられるのでありますが、これらの点につきましては他の機会に質疑の形で当局にただすことといたしまして、はなはだ簡単でありますが、以上をもちまして御報告にかえる次第であります。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田委員長 橋本正之君。

橋本正之自由民主党

○橋本(正)委員 私は今回のチリ津波災害視察のため、建設委員会から北海道に派遣を命ぜられまして、六月二日出発、北海道庁に急行いたしました。大体の日程を申し上げますと、北海道庁で、副知事並びに土木建築部長、課長より説明を聴取し、同夜釧路に急行いたしました。釧路支庁管内の浜中村、厚岸町、釧路市、白糠町、十勝支庁管内の浦幌町、豊頃村、広尾町、日高支庁管内の幌泉村、様似町、浦河町、静内町、以上を順次視察して参ったのであります。  被害状況の概況を申し上げますと、六月一日現在死者九人、行方不明六人、負傷十五人、計三十人の人的被害を受けております。  また家屋住家の全壊五十七戸、流失百五十三戸、半壊百二十四戸、床上床下浸水を合しまして三千三百三十六戸の被害を受け、被害総額を金額で換算いたしますると、土木関係の二十億円を初めといたしまして、農林水産、商工、文教その他総額三十一億円余に上っております。なかんずく浜中村におきましては、この三十一億円余の被害中二十億円余を数えるものでありまして、土木港湾関係の被害は十八億円余に達する異常なるものでございます。  この浜中村を初めといたしまして、今回の被災町村は、昭和二十七年に十勝沖地震に伴う津波の被害を受けておりまして、僅々七、八年の間に同様二度も災害をこうむったわけであります。災害地の被災者の身の上に思いをいたしますときに、全くお気の毒の限りであり、痛々しききわみでございます。今次災害が津波によるものでありますから、海岸ないしは河口一帯に及んでおりまして、海岸、港湾、漁港等の公共施設の被害が大である。また漁船、漁具等の水産関係被害が著しく多額に上ることが、この地方の特色であります。ことに沿岸地帯一帯の漁業者は、中小零細漁業者でほとんど占められておりまして、その生産手段を失なった実情は、全く見るに忍びない惨状を呈しておるわけでございます。  次に、各地方の実情を申し上げますが、中でも一番被害の大きくございました浜中村を中心に申し上げたいと存じます。この浜中村は、北海道全体の三十一億円の被害のうち、この村だけで二十億八千万円、死者九名中八名を本村より出しておる状況でございまして、私ども現地におもむきましたとき、さながら戦場のようなありさまでございました。このうち建設関係といたしましては、約十七億二千二百万円余の被害に相なっております。  当時の状況は、午前三時四十分に第一波が琵琶瀬湾方面より襲来いたしまして、自後第二波、第三波と、前後十二回にわたって津波が襲来しております。午前五時ごろ参りました第三波が一番大きくて、これによる被害が最も大きいという現地の報告であります。  浜中村は二千二百四十六世帯でございますが、このうちで流失百五十一戸、全壊五十六戸、計二百七戸の家屋を喪失いたしておるわけでございまして、現地の村当局といたしましては、応急仮設住宅百十戸、第二種公営住宅百戸の建設を強く要望いたしておるわけであります。特にこの浜中村の被害のうちで、霧多布地区を中心とするものが、公共施設関係では甚大な損害であります。霧多布半島のくびれたつけ根の地区は、汐見橋、霧多布橋の二橋が全壊流失いたしまして、しかも津波のため陸地が切断され、浜中湾と琵琶瀬湾とが直結いたしておるのであります。従って、霧多布地区が孤立化、孤島化しておるような状況でございます。その間、海の幅が約八十メートル、ちょうど私ども参りましたときも、渡船で連絡をしておる状況でございまして、水深は約五メートルないし七メートルある模様でございます。この地方は、聞くところによりますと、明治四十三年ごろまで海峡のような状態であったようであります。四十五年ごろから自然と閉塞いたしまして陸地続きとなったわけであります。今回の津波の災害によりまして、一挙に明治末年の状態に還元したような形を呈しております。浜中湾、琵琶瀬湾に接する陸地地帯一帯は、ほとんど自然海岸でございまして、今次災害にかんがみますときに、防潮堤の建設をきわめて強く痛感されるわけでございます。大体今のところの計画といたしましては、浜中湾に面しまして約四千五百メートル、五億三千余万円、琵琶瀬湾に面しまして三千八百五十メートル、五億一千七百万円の工事費になるかに見受けられます。  なお、この地域は海岸の保全地域と港湾区域とに接続いたしておりまして、災害復旧の所管上、建設、運輸の両省の所管にまたがるものであります。従いまして、両省におかれましては、すみやかに査定を実施いたしますとともに、両省緊密なる協議の上、その災害復旧の施行区分を明確にするとともに、その復旧を促進する必要があるかと思います。特に霧多布橋より北の方約千五百メートルの間は、海岸地帯は港湾区域でございますが、災害復旧に際しましては、かりに防潮堤を設置するといたします場合には、防潮堤を海岸線より後退させまして、ここに通ずる道路とその防潮堤を併用するという方法をとることが賢明の策ではないかと考えられます。なお、現在霧多布地区は汐見橋、霧多布橋の全壊のため、幅約八十メートル、水深五メートルないし七メートルの海峡と化しまして渡船連絡をいたしておりますので、早急に仮橋並びに道路の復旧を行なう必要があると思います。おおむね仮橋に七百八十万円、道路関係で四百二十万円所要かと見込まれております。  なお、この際特に付言いたしておきたいことは、二十四日より九日間、自衛隊百六十人ないし百七十人が出動して応急復旧に当たり、また民生安定に協力いたしましたこと、警察官六十名が直ちに現地に派遣されまして治安維持に当たったこと、それから電力会社の復旧出動が迅速でありまして、災害の翌日夕刻には点灯されたということによりまして、地区住民がいたく感謝いたしておりますので、あわせて御報告いたしておきます。  次に、同じ海岸地帯の防潮堤関係について申し上げます。浦幌町の十勝太部落というのですが、約六十戸ぐらいの部落でございます。昭和二十七年の十勝沖地震以来、海岸浸食がはなはだしく、今次津波によりまして十勝川右岸河口の砂丘地が高さ約二メートル削り取られまして、高潮が直接この部落の住宅地に押し寄せたため、被害が甚大に上っておるのでありまして、ここでも同様防潮堤構築の必要が痛感されるわけであります。その距離約一千メートルで、六千万円ぐらいの工事費がかかると考えます。  豊頃村は、十勝川の流入する海岸地帯の、大津部落海岸と十勝川右岸に面して部落が密集いたしておりますが、前面は海岸に面し、十勝川に面する地域は低地帯でございまして、この地域から河水、海流が逆流して、部落全域が災害をこうむったわけであります。現在海岸に防砂堤十基が設置されておりますが、さらに三基程度増設の必要を認められますとともに、あわせて防潮堤の設置が必要と認められます。  ここで特に付言しておきたいことは、十勝川右岸の保護築堤が三十四年度より施工されておりまして、総工事費約二億円中現在まで一千万円程度施行されたのでありますが、この保護築堤の早急な工事の進捗をはかる必要があると考えられます。  この防潮堤の関係で、参考になることを一つ申し上げておきます。広尾町、これは港湾区域でございますが、二千五百万円をもちまして五百メートルの防潮堤が昨年完成しておりまして、今次津波来襲に際しまして、その防潮堤の背後地並びにそこに存する約二百戸の住家、事業所は何ら災害をこうむらなかったという、ごく近くに防潮堤の効果顕著なる好例がございまするので、こういう点も、現地住民といたしましては、非常に熱望いたしておるわけであります。  最後に申し上げますが、太平洋沿岸地帯一帯の海岸侵食状況でございます。昭和二十七年の十勝沖地震以来、地盤沈下と海岸侵食の度合いがきわめてはなはだしく、大きくは国土保全上、また地方産業振興上、道路、交通対策上、緊急な重要案件かと考えられます。産業的には、沿岸一帯がコンブの名産地でございまするので、年々ほし場がなくなっていくというようなこと、また、交通上は、道路と鉄道が海岸侵食によりまして次々に危殆に瀕していって、山べの方に後退していく。道路が逃げ、次には鉄道が逃げるというような状態を数年にして繰り返しておりまするので、北海道太平洋沿岸地帯のこの海岸侵食対策事業につきましても、抜本的な対策をお立てになりまして、早急に、計画的に実施していく必要があるかと存じます。  以上、概要を御報告申し上げました。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田委員長 井原岸高君。

井原岸高自由民主党

○井原委員 今回のチリ津波災害に対する本委員会派遣国政調査第三班の調査概況を御報告申し上げます。  第三班もまた野党側の委員一人も参加がありませんので、私一人、調査室の松川調査員を伴いまして、去る二日東京出発、翌三日から、近畿地方で最も被害甚大であった三重、和歌山雨県下の災害の実情を調査いたしたのであります。  三重県では県庁を訪れ、知事、副知事その他土木関係者及び尾鷲、三重工事事務所長等から、詳細なる被害状況並びに応急措置等について聞いたのであります。三重県の被害は、東部及び東南部海岸地方一帯にわたり、広範な区域に大きな被害を与え、その総額はおよそ百億円をこえるようであります。最も大きなのは、家屋関係三十八億円、水産関係六十三億円となっております。  今次の災害の特色は、津波急襲のため、真珠養殖施設や船舶の被害の大きいこと、また被害地帯における潮位が伊勢湾台風のときをしのぎ、家財、商品等の被害があげられるのでありますが、死者のなかったことは、不幸中の幸いでありました。すなわち、今回の災害は公共施設の災害の面では少なく、一般民家の被害、水産業、農業等の被害が最も大きかったのであります。  災害発生時の状況を見ますと、五月二十四日午前四時十五分、第一波が尾鷲湾を襲ったのを初めといたしまして、県南部地方に数次にわたって津波が来襲したのであります。特に四時四十五分、五時十五分、五時五十分の三回は潮位が非常に高く、伊勢湾南部から熊野灘の沿岸にかけては、波の高さは二メートルから三メートルにも及び、これが大被害の原因となったのでありますが、今回の災害に関連して感ぜられますことは、気象庁の連絡通報がなく、まことに遺憾であったことであります。  また、この地方は昨年の伊勢湾台風の痛ましい体験、試練等がございましたが、加えるに今度の災害でございまして、その損害はまことに大きな精神的、物質的痛手を受けておるわけでございます。津波の来襲が突然の急襲であったこと、前年の被害恐怖から、一物も持たずして退避をいたしたこと等から、一般住民の財産的損失はきわめて甚大なものがありまして、比較的経済力のある大企業等は復興力がありましょうが、中小企業は国の相当強力な対策がない限りには、復興は困難であると感じます。切に政府の援助施策が要望されているのであります。  特に、本年もまた台風襲来の時期を間近に控えまして、すみやかに防備対策の実施をしなければ、さらに新しい災害の発生するおそれが大いにあるのであります。地域の住民は、この点に対しまして非常な不安とおののきを抱いております。すなわち、伊勢湾台風による災害復旧工事が、まだ着手しておらない地域もございまするし、着手いたしましても未完了の個所がほとんどでございまして、今回の津波被害にあたって、公共事業は、そういうことで非常に新しい災害は少なかったことではありまするが、今後の台風に対しまして、既定の復旧工事の完成を急遽いたしまして、完全なる防備を固める必要があろうかと感ずるのであります。  家屋の復旧につきましても、昨年の災害による被害の家屋は、国民金融公庫、住宅公庫等の金融によりましてようやく復旧したのでございまするが、今回の災害で家財とともに二重の痛手を受けましたので、公庫側等においても、実際の貸付においては固定化する心配もあるようでございまして、これが罹災者の家屋の復旧に非常な困難を来たしておる実情でございまして、これに対しましても何らかの対策を急遽講ずる必要が感ぜられるのであります。特に沿岸地域に連檐いたしまする家屋は、かさ上げをいたしませんと、再々の高潮に引き続いてやられるわけでありまして、これに対しましては強い住民の要望がございました。これについても、何らかの助成措置を特別に、早急に講ずべきであると考えられます。  和歌山県につきましては、新宮市、串本町、田辺市、白浜町等、被害激甚地を視察して参りましたが、今回の津波の災害の特色その他一般状況は、ほぼ同様でありまするから、ここに詳しくは申し上げません。とりあえず、きわめて簡単でありますが、概況を御報告を申し上げます。     —————————————

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。  二階堂進君。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員 私は、今回の災害に際しまして、東北三県をつぶさに視察して、被害状況、被害地の方々の陳情も受けて参ったのでありますが、同僚の委員お二方も、それぞれの地域を視察されまして、ただいま委員会報告にお述べになりましたような陳情等、承ってこられたのでございます。私はこの際ごく簡単に、二、三の問題について、建設大臣の御所見を承っておきたいと思うのであります。  今回私どもは三班に分かれまして被害地を視察いたしたのでございますが、社会党、民社党の方々は、不幸にして御参加願えなかったのであります。しかしながら、地方の方々は、私どもに対しまして終始熱心な陳情をされたのであります。従って、私どもも、この被災者の方々の強い要望にぜひともこたえなければならないと、非な決意をいたして帰って参ったようなわけであります。また地方の方々も、たとい野党の方々に御参加願えないにいたしましても、災害の救済対策は一日もゆるがせにできない緊急な問題であるので、自民党の方々だけでも早急に、一つ国会においてもそれぞれ適切なる立法措置等をぜひ行なっていただきたい、こういう強い要望があったのであります。私も、もっともなことだと思っておるわけでございます。  先般この委員会におきまして、私は大臣にもお尋ねいたしましたが、今回の災害に対して政府は特別立法を考えておるというようなことが新聞に出ておるのであります。この特別立法措置について、どういうようなお考えを持っておられるか。本委員会におきましては、特に公共施設に関する復旧対策の特別立法だけをお尋ねいたすわけでありますが、特に私は今回の災害は個人の住家に与えた災害というものがきわめて大きい。しかも、住まいを失った方々は零細な漁民であり、非常に経済力の弱い中小企業の方々である。そういうような方々の住宅が、一挙にして津波によってさらわれてしまっておる。この住宅の復旧対策については、実は昨年の伊勢湾台風の際にも、私は特に力を入れて政府が敏速に住宅の復旧措置をいたすべきであるということを主張いたしたのでございますが、今回の災害につきましても、特に公共施設関係の災害の中で、この住宅の復旧対策というものがきわめて大きな問題になっておる。この対策について、一体建設大臣は、どのようなお考えを持って復旧対策に対処せられていこうとお考えになっておるか。まず、この点を第一点にお伺いいたしたい。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 今回の津波による異常な災害につきまして、建設委員会におきましては、さっそくそれぞれの地区に委員を差遣をされまして、きわめて詳細に現地の実情を御調査願い、これが報告をただいま拝聴いたしました。私どもは、まことに機宜に適した処置と感謝いたしている次第であります。特に全会一致の形をとって参りました本委員会のこの災害対策が、今回野党の方でこれに参加しておりませんことは、まことに私は遺憾に思うのでありますが、ともかく、災害復旧は一日もゆるがせにすべきものでありませんので、私どもといたしましては、ただいまの御報告を十分参考にし、また、われわれの調査と相待って、これらの被災者に対する対策を十分実施して参りたいと思っております。  ただいま御指摘になりました一般民家の被害については、御承知のように、非常に零細な力の弱い農民漁家のことでございますので、住宅については私どもは非常に大きな関心を持っておる次第であります。特に建設省といたしまして、三十五年度の予算の中から、大体公営住宅としては一千戸分、また住宅金融公庫の貸付資金といたしましては約十億円を用意いたしております。しかし、これはただ単に現行法によりましたのでは、公営住宅に対する国の助成の率が違っておりますし、特に御指摘になりましたような比較的力の弱い人たちの被害でありますので、将来この公営住宅の家賃等についても軽減をする必要があろうと思います。そういうような観点から、どうしてもこれらに対しては、伊勢湾等のあの特別立法を適用する必要があろうと私ども考えまして、目下これに対しては十分検討し、近く御審議をわずらわしたいと思っておる次第であります。     —————————————

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田委員長 この際、二階堂進君よりチリ地震津波の災害について特に発言を求められております。これを許します。二階堂進君。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員 質疑の途中でありますが、時間の関係もありますので、この際私は、チリ地震津波災害の救済対策に関する決議案を提案いたしたいと思います。  まず、案を朗読いたします。    チリ地震津波災害に関する件   今次のチリ地震津波は太平洋沿岸各地域に亘り甚大なる被害を与え、沿岸農、漁民、中小企業者を中心とする被災者は、住宅、公共事業等につき、政府及び国会の対策樹立の一日も速やかであることを待望している。よって政府は速やかに必要な措置を国会に提案するよう要望する。   右決議する。  別に説明は必要ないと私は思いますが、この決議案を満場一致御採択下さるようにお願いいたします。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田委員長 お諮りいたします。二階堂進君の提案の通り決議するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田委員長 御異議ないものと認め、さよう決します。  なお、本決議を議長並びに関係各大臣に参考送付いたしたいと存じますので、これらの諸手続につきましては委員長に御一任をいただきたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田委員長 御異議ないと認め、さよう決します。      ————◇—————

二階堂進自由民主党

○二階堂委員 さらに私は建設大臣に対しまして、もう一点お尋ねいたしておきたいと思うのであります。  大臣もつぶさにこの災害地を視察されまして、よく御承知のことだと思うのでございますが、この海岸あるいは漁港に接近した地域に漁民の住宅が建てられておる。この住宅が今回も津波によって非常な損害を受けておる。このような津波は、聞くところによりますと、大体三十年ないし四十年に一ぺん来ているということであります。私は今回地元の方々ともよく懇談をいたし、さらにまた三県の知事あるいは土木部長とも意見の交換をいたして参ったのでありますが、こういうように定期的に津波が来ている。しかも弱い漁民の家屋がそのたびに被害を受ける、流される。この対策は、やはりもっと恒久的な対策を、建設省としてもお立てになる必要があると私は思う。これは単に漁民の住宅を質的に向上する、あるいは耐久的な建物を建てるという意味のみならず、防災という立場から抜本的な対策をお立てになる必要があるのではないかと思う。昨年、伊勢湾台風等におきましては、政府の住宅建設に対する補助率等の引き上げの特別立法もされたのでございますが、なおまたこの防火地帯に建てられる建物、住宅につきましては、それぞれ建築に必要な補助というものを国が出しておる。そのために防火建築というものが非常に促進されておる。そのような建前をとるならば、津波とか波によって海岸に建てられた漁民の弱い住宅がたびたび災害を受けるということになりますので、私はやはり水防と申しますか、この対策に、建てられる家については、国が防火帯の建築に対して補助的な措置をとるのと同じような考え方をもって、その漁民の家の復旧については地域、あるいはブロック的に地域をおきめになってもけっこうかと思うのでありますが、そういうような住宅の建築については、当然防災という立場か、あるいは水防という立場から、防火帯の建築に対する補助と同じようなお考えをとる必要があると思う。こういうような考えについては、どういうようなお考えを持っておられるか。  さらにまた、漁民の家を復旧する場合におきましても、高いところに漁民の家を、住宅地域をきめて引っ越させるということも、なかなか職場を離れることは好まない。従って、私は全体相当な漁民の家が被害をこうむっているのでありますが、これを恒久的な、たとえば鉄筋の家なりあるいはブロックの家なりに建て直すにしても、相当な金もかかるし、相当な困難な事情もあるかと思うのでございますが、たとえば大船渡におきましても、あるいは山田町におきましても、あるいは宮城県の女川町におきましても、ある一定の地域にモデル的な地域を指定されて、そこに住む漁民を鉄筋等の家に住まわせる。下を作業場にして上る住居にするといったような考え方を、この際ぜひ一つ恒久的な対策としてお立てになる必要があるのではないか。こういうことを痛切に私は感じ、またこの旨を知事あるいは土木部長等にも進言をいたして参りましたが、地元の人も非常に賛成をいたしております。ぜひそういう方針で政府の方にも交渉いたしたい、こういうことでございましたが、これらの建築については、事務的にもいろいろと困難な事情もあろうかと思います。また、防火帯建築に対する補助と同じような取り扱いをするにいたしましても、これは法律改正等も必要かと思いますが、この際私は、そういうような措置をぜひ一つおとりになっていただきたいと思うのでございます。これに対して建設大臣の御所見を承っておきたいと思います。

井原岸高自由民主党

○井原委員 関連して。私、各地を回って非常に感ずることは、ただいま二階堂委員の言われましたような住宅のいろいろな理想的な問題もございますが、さしあたって二百戸、三百戸というような海岸の部落が、この高潮だけでなしに、年間に何回かの高潮で悩まされておるような実情を見ますというと、早急に何かの方法を考えなくてはいけない。地元地域の住民といたしましては、せめてどこかへ立ちのきたいが、それだけの金がないので、何とかして基礎を三尺なり、あるいはその高潮に応じまして五尺なり上げまして、その地域の埋め立てでもやれば一応何とかなるのじゃないかというような、非常に強いそういう要望を持っておるのであります。それが五戸とか十戸でなくて、多いところは二百戸とか三百戸とかというところが、毎年何回となくそういうような高潮による苦労をしておりますので、私は個人に対する起債というものはなかなかむずかしいと思いますが、せめて地元の町村等々に対しまして起債を認めてやって、そういうような仕事をやられるような方途がつかないかというようなことについても、御意見を承っておきたいと思うのであります。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 ただいま二階堂委員の御指摘になりました点は、私も現地を見て参りましたが、全く考えを同じうするものであります。場所によってはその方法以外の方法、たとえば、漁港の背後地に一つの防浪堤というようなものを作っていけるところもありましょう。しかし、なかなか、御承知のように、比較的背後地の狭いところでありますので、一応二階堂委員のお考えになられたような、いわゆる防波帯あるいは防浪帯建築とかいうようなものに置きかえられるところは、なるべく置きかえていく方法が、将来の災害を防止する意味から、私はきわめて意義深いものと思います。目下各現地の関係当局と連絡をいたしておるのでありますから、いずれ具体的なものができましたならば、あるいは私どもとしては、法の一部改正等も、また特別な立法措置も考えなければならないと思っております。ただいま交渉中でありますから、ただいまのところ、この御意見を十分私ども検討して参りたいと思っております。  なお、三百戸とか二百戸とかいう非常に大きな部落の移動、あるいはまた、かさ上げというようなことにつきましては、これは住宅金融公庫等の融資によって、そういう必要があれば措置することができると思っておりますので、この点も十分研究いたしまして、そういうことでやることがいいか、あるいは災害に関連した改良事業としてその背後地に防波堤ですか、そういうような波をよける堤防を作ることがいいかということは、現地を十分調査の上、適切な方法を講じて参りたいと思っております。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員 この住宅対策は、積極的に真剣に御検討をいただいて、そして根本的な災害防止の住宅建設という政策をぜひとも政府においても真剣に取り上げていただきたい、こう私は思うのであります。私はこの災害対策の中で、住宅対策につきましては、人一倍今日まで熱心に主張してきたのでありますが、今回、回ってみまして、これは災害のたびにそうでありますが、仮設住宅なるものを作っております。これは厚生省所管であります。実を申し上げますと、この仮設住宅なるものは役に立たない住宅なんです。とりあえず応急に家族を収容するだけの役目を持っているのであって、これ一戸やはり七、八万かかる。そういう家を何百戸作っても、何十年も持つわけではないのです。私はそういうことをやるよりも、党においても特に主張しているのですが、国が組み立ての住宅というものを五千戸なり六千戸なりを常時用意しておって、そして被災地に、とりあえずそういう組み立ての住宅を作って被災者を収容する。これは現にアメリカなんかでもやっております。私はアメリカにおいても見てきている。学校におきましてもそうです。学校の災害があったときに、組み立ての住宅を作って生徒を収容している。今被災地を回ってみましても、昨年の伊勢湾台風等におきましても同じでありますが、学校やお寺に収容されている。学校の授業ができない。これは一週間や十日では済まない。そういうような実情を繰り返しておって、そしていまだに災害のときに倒れた住宅の復旧対策というものが根本的に樹立されてないということは、きわめて遺憾だと思います。この仮設住宅のほかに、この災害住宅のワクもあります。あるいは金融公庫から金を貸し出して家を建てるという方法もありますが、いずれもこれは五、六カ月ないし一年以上もかかる。伊勢湾台風の住宅建設についての金融公庫の融資の受付もまだやっている。昨年の伊勢湾台風ですよ。そうして家を建てなければいかぬ。私はこのような住宅の対策に対しては、もう少し一元的に、とりあえず応急の対策はどうするか、恒久的な対策はどうするか、しかも、これがやはり防災という災害の損害を防ぐという建前に立っている。しかも大臣の言われる、そのために人の命を失わしめないという根本的な立場に立ってこの政策を樹立しなければいかぬ。私は災害の特別委員会等におきましても、この組み立ての住宅等をとりあえず五、六千戸持っていって、一時収容しておいて、そして時間をかけて金融公庫の金を貸し付けるなり、あるいは災害対策の住宅を建ててやる。そういうことをすることが、災害に対するきわめて適切な処置であると考えておりますが、そういうような考え方をぜひ一つ——大臣も、昨年来、災害のたびに非常に苦労をされておる。なかんずく、住宅対策については、人一倍頭を悩まされておると思うのであります。しかも、この住宅対策は急を要するものであります。だから、そういうことについては、私はたびたび繰り返しておりますが、政府におかれても特にこの点を主張されまして、そういうような措置をぜひとっていただきたいということが一つであります。  それからもう一つは、防潮堤、防波堤と申しますか、そういうような施設をぜひ作ってもらいたい。これは伊勢湾台風以来問題になっておることであります。これは当然、政府においてもお考えになっておることと思うのでありますが、これについては、昨年と同様に、これは事業が各省間にわたる事業である。従って、なかなか設計なり計画なり、あるいは事業の実施等について各省間に意見等の食い違いがあって、なかなか敏速にはかどらないといううらみもあることは、大臣も御承知の通りであろうと思うのであります。従って、今回の災害の防止についても、防波堤と申しますか、防浪堤と申しますか、そういうような堤防があったところは比較的被害が少ない。人命が失われずに済んでおるということから考えましても、抜本的な対策を立てて、そして波によってさらわれる人命なり、家屋なり、財産なりを未然に防ぐという措置を当然お考えになることが必要であろうと思うのであります。この点について昨年と同様に、やはり建設については各省間の協議会というものを作って、そうして計画、建設を推し進める考えであるかどうか。この点について、特に大臣の御所見を承っておきたいと思います。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 私もきわめて同感の御意見でありまして、まず災害直後の災害住宅、これは日本の政府の機構をもう少し検討して、災害直後の応急住宅というものは、やはり建設省で——建設省でもどこでもいいのですが、ともかくも、その次の恒久住宅にも責任を持っている者がこれをやるというように、その所管でやるべきものだと思います。そういうようなことでありますならば、そこに五千戸はできなくても、たとい三千戸でもすぐ組み立てて、その翌日にはもう家が建つような、そうして今の学校や、あるいはその他のところで寄り合い世帯を長いことさせるというようなことを、一日も早く解決していくということを考えなければならぬと思います。これは今日の行政機構の問題でありますから、私が幾らそう考えても、これは全体に通ずることでありますので、十分一つ各方面にその意見を反映させていただく。私はそうなることを切に望んでおる次第であります。  それから、防波堤あるいは防浪堤というようなものを背後地にという御意見は、私もそういうように考えております。御承知のように、三陸方面、日本の海岸は、大体港湾と漁港地区にほとんどが指定をされていると言っていいのでありますが、港湾地区に指定されたところは運輸省、漁港地域は農林省ということに所管がなっております。しかしながら、その漁港あるいは港湾の背後地に適当な場所が——今回の津波に対する対策というようなことを考えますと——適当な場所がありますならば、私はある程度の高さの防浪堤というようなものを設けておく必要があるのではなかろうかと思います。そのことによって、相当被害を未然に防止することができるということは考えられますので、この点に関しましては、すでに先週から各省それぞれ協議をいたしておるようでありますが、なお積極的に、内閣の審議室あたりで各省の連絡協議会を作って、どうすれば将来こういうことが防げるかということについては、十分検討して参りたいと思っております。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後零時十六分散会

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