建設委員会 第21号
- 発言数
- 12 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1960/05/26
会議録
○羽田委員長 これより会議を開きます。 河川、道路及び住宅に関する件について調査を進めます。 この際、太平洋沿岸大津波の被害状況につき報告を聴取いたします。 村上建設大臣。
○村上国務大臣 津波災害の概況と、復旧措置につきまして御報告申し上げます。 五月の二十三日午前四時ごろ、南米チリ中部海岸に起きた地震によりまして、二十四日分午前四時ごろから津波が太平洋沿岸一帯に押し寄せまして、各地に相当の被害が発生し、死者、行方不明合わせて百四十五名に上っているのでありますが、建設省関係の公共一土木施設及び住宅の被害の概況は次の通りであります。 公共土木施設関係につきましては約十二億七千万円と予想をいたしております。うち北海道が七億二千六百万円、岩手県で約一億一千五百万円、宮城県で約一億七千五百万円と相なっておるのでありますが、なお詳細につきましては係官を派遣して調査いたしておりますので、今後なお相当の被害が増加すると予定をいたしております。 住宅関係につきましては、全壊または流失家屋約三千二百棟でありまして、半壊家屋は約二千棟となっております。この内訳といたしましては、北海道で全壊、流失約四百二十、半壊約百六十、岩手県で約一千二百七十、半壊が七百、宮城県で全壊、流失は一千四百七十、半壊が約八百九十棟となっておるのであります。 この措置といたしましては、五月二十五日建設省に建設大臣を本部長とする津波災害復旧促進本部を設置いたしまして、万全の措置を講じておる次第であります。被害状況を把握いたしますために、五月二十四日公共土木施設関係につきましては北海道、岩手県及び宮城県に、住宅関係につきましては岩手県及び宮城県に、それぞれ係官を派遣いたして調査いたさせておる次第であります。被害の状況に応じまして、現地において直ちに応急対策及び応急復旧工法の指導に当たらせることとしておる次第であります。なお、今後につきましては、被害状況判明次第、状況に応じ、それぞれ措置を講じたいと存ずる次第であります。 住宅災害に対する復旧対策といたしましては、地方公共団体が建設する災害公営住宅の建設費に対しまして国庫補助を行なう、これは予算として大体 一千戸分を用意いたしておる次第であります。なお、一般住宅につきましては、住宅金融公庫による災害復旧住宅の融資として、被災家屋の所有者または借家人等が住宅を建設しまたは補修する場合及びこれらに付随して宅地の整備または土地を取得する場合に、これらに要する資金の貸付を行なう予算として大体十億円、これは建設二千戸、補修四千戸分程度の用意をいたしておる次第であります。これとともに個人住宅の災害特別貸付として、被災者が個人住宅を建設しまたはこれに付随する土地を取得する場合に、これらに要する資金の貸付を必要に応じて行ないたい、かようにただいま対策を講じておる次第でございます。 以上、簡単でございますが、御報告いたします。
○山内(一郎)政府委員 ただいま大臣から概略のお話がありましたが、私から補足して説明をさせていただきます。 五月二十四日の津波による建設省関係被害状況、こういう資料がお配りしてございますが、これに基づきまして御説明をいたします。この内容は、一、津波の概況、二、公共土木施設の被害状況、三、住宅の被害状況、四、措置、こうなっておりまして公共土木施設関係について私から御説明をいたします。 一ページは津波の概況でございまして、これは気象庁の調査したものでございますが、各地の波高が書いてございます。一番高いところは青森県の八戸市の五メートル、次は北海道の広尾町の四メートル、その他ここに書いてございますが、概略を申し上げますと、北海道、青森、岩手、宮城、そのような北の方の地域が高くなっておりまして、南に行くほど低くなっている、こういう状況になっております。これらの高い波によりまして被害をこうむったわけで、公共土木施設の受けました被害は、三ページと四ページに書いてございます。 二ページは被害地域で、被害のひどかったおもな市町村名がずっと北海道から九州まで書いてございます。それを読んで参りますと、北海道、一番北が浜中村、これは非常に激甚なところであったわけでございます。それから厚岸町、豊頃村、広尾町、それから青森県に参りまして八戸、岩手県に参りまして宮古、山田、大槌、釜石、大船渡、陸前高田、こういうふうになっておりまして、大船渡市が岩手県では非常にひどかった、こういうようになっているわけであります。それから宮城県に参りまして、唐桑町、気仙沼市、志津川町、雄勝町、女川町、石巻市、牡鹿町、それから塩釜、七ケ浜、これらが宮城県のおもに被害を受けた市町村名でございます。次が福島県に参りまして、磐城市の小名浜、それから千葉県に参りまして銚子、飯岡町、それから三重県に参りまして、伊勢市、南勢町、南島町、それから長島町、海山町、尾鷲、これらの地域が非常に被害をこうむったわけでございます。それから和歌山県に参りまして、田辺市、白浜町、海南市、それらの地域が被害をこうむっております。それから兵庫県の州本市、四国に参りまして、徳島県の阿南市、高知県の須崎市、足摺岬、それから九州の宮崎県に参りまして宮崎市、南郷町、それから鹿児島県に参りまして奄美大島の名瀬市、笠利村、こういうふうに被害をこうむった地域が書いてございますが、そのうち二重まるがついてございますのは、この下に書いてございますように災害救助法適用市町村名、こういうふうになっております。これも多少いろいろ追加されまして変動を受けるわけでございますが、昨日まではこういうものであったという状況でございます。 三ページと四ページで公共土木施設の被害の概況を御説明いたしますと、四ページの一番右の一番下に書いてございますが、総額で、昨日まで県から入りました報告によりますと十二億六千八百万円、こういうふうになっております。このうち一番大きいのは、波の関係からいきましても当然でございますが、北海道で、これが七億二千六百万円、これが一番の額に上っております。それから二番目が宮城県の一億七千五百万円、三番目が岩手県の一億一千五百万円、こういうふうな数字になっておりまして、その他の県におきましては、五千万円級以下というような現在までの報告になっているわけでございます。 北海道から御説明いたします。北海道の被害の概況というところをごらんいただきますと、浜中村、これの海岸決壊七個所、それから浜中——霧多布線の橋梁流失三個所、道路決壊五個所、節婦海岸決壊二個所、これは日高支庁でございます。それから銭亀沢海岸決壊三個所、これは函館付近でございます。それから上磯海岸、これも同様に函館付近で決壊が七百メートル、以上、その他の地点を入れまして七億二千六百万円になっております。 それから青森県の八戸市は、ここに被害の状況を書いてございますように、馬淵川、新井田川、高瀬川、それから八戸市内の橋梁で二千百万円、それから岩手県小槌川、大槌川、それから鵜住居川、それから二級国道の八戸—仙台線で一億一千五百万円、これはまだ増額する見込みでございます。宮城県は、北上川、鹿折川、七ケ浜町、二級国道八戸—仙台線、県道河北—志津川線、大原—女川線、石巻—女川線、こういうような個所につきまして、一億七千五百万円、こういうようになっております。それ以下の福島、千葉、三重、それぞれ書いてございますが、和歌山、徳島、愛媛、高知、鹿児島、これらの県につきましては、大体五千万円以下でございまして、局部的にはひどいところもございますが、全体としてはそう大した被害はない、こういうふうな概況になっております。それから住宅関係は、後ほど住宅局長からお話を願いまして、現在までとっている措置につきまして、六ページに書いてございますが、第一に被害の状況を把握するために、査定官を北海道、岩手、宮城の各県に出しております。あわせまして、現地の応急復旧工法の指導に当たらしております。それから、二十五日建設省におきまして津波災害復旧促進本部を設置いたしております。査定官のいろいろ今後くる報告、それから各県からも情報が入って参りますが、それらの情報に基づきまして、今後いろいろな措置を講じていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 —————————————
○羽田委員長 ただいまの建設省当局の報告に対し、質疑の通告がありますから、これを許します。二階堂進君。
○二階堂委員 私はきわめて簡単に、一、三の点につきまして、大臣にお尋ねをいたしておきたいと思います。ただいま大臣並びに局長より、今回の津波災害についての被害状況の報告がございましたが、まことに被害甚大であることにかんがみまして、私どもも、被害を受けられた方々に対して、深甚なる同情を申し上げるわけであります。政府におかれましても、いち早く政府部内に対策本部を設けられ、また建設省とされましても、適切なる行政指導措置をとっておられることはまことに喜びにたえません。毎年片々起こって参りまする災害のために大へんな被害をわが国がこうむり、また、とうとい人命が失われていくことに対しまして、私どもはこのような被害をいかにして防ぐか、また被害対策を早急に万全なものにすべく、今日まで努力をいたして参ったのでありますが、私どもは、今回の災害はまことに思わざる太平洋沿岸の地震の影響によって起こってきたということにもかんがみまして、この対策につきましては、委員会におきましても万全の措置をとられるように、政府当局に強く懇請をいたしたいのであります。一昨日以来、私どもはこの被害の問題を取り上げまして、いち早く建設委員会あるいは関係各委員会を開きまして、そうして政府当局の説明を聞き、さらにこれに対する対策を国会としてもとるべきであるという主張を続けて参りました。実は昨日来、委員会を開くべく、社会党、民社党の方にも、災害の問題は、現在問題になっておりまする国会内外の政治上の問題とは別個の問題であるから、早急にこの委員会に出てきてもらって、そうして真剣に国土の保全、災害復旧の対策を講ずべきであるということを、社会党、民社党の理事にも強く申し入れをいたしたのであります。なおまた、理事会を開き、あるいは理事の懇談会を開いてぜひ出席をしてもらいたいということを再三再四お願いをいたしましたが、ついに私どもの主張をいれられず、けさも同じような申し入れをいたしましたけれども、出席をせられなかったのであります。いかなる理由によってか、私どもは存じません。しかしながら、私は国民の代表の一人といたしまして、かくのごとき社会党の議員あるいは民社党の方々の態度に対しましては、深く遺憾の意を表せざるを得ないのであります。(「その通り」)従って、私どもはやむなく、われわれだけで定足数をそろえまして委員会を開催いたしたような次第であります。おそらくこの被害地の国民、全国民は、われわれの意図するところをば了解してくれるであろうということを私は信じて疑いません。私はこの際、簡単に、建設大臣に対しましてお尋ねをいたしておきたいと思うのでございます。昨年の伊勢湾台風等につきましても、大臣は非常な苦労をされましたが、この対策につきまして適切なる措置をとられ、また災害特別立法等の措置を講ぜられましたことは、私どもとしてはまことに心強く感じておる次第でございますが、本年もすでにこうした災害が起こっております。さらにまた雨季にも入ります、台風のシーズンにも入ります。従って、この起こりました災害並びに今後起こるであろうと予想されます災害の対策について、先般来から岸総理を初め建設大臣は、災害に対するための災害基本法というようなものを早急に政府も樹立して、国会に御審議を願いたいというふうな意思を表明されたことがあるやに私は記憶いたしておりますが、このような災害基本法の立法について、現在どのように考えておられるか、どういうような進捗状況になっておるか、お答えを願いたいと思います。
○村上国務大臣 今回北海道、東北並びに全国太平洋岸の各地に、全く抜き打ち的とでも申しますか、はからざる大被害を受けましたことは、まことに遺憾にたえない次第であります。なお、罹災者に対しましては、私ども、衷心よりその被災民に対してのお見舞を申し上げる次第であります。 これが対策に対しましては、ただいま御報告申し上げましたように、政府としては万全の措置を講じて、これらの被害者の一刻もすみやかに平常に復すことを念願しつつ、その努力を続けて参っておる次第であります。 ただいま御指摘のありました災害基本法につきましては、御承知のように、内閣におきまして、これらの法案の審議をいたしておりまして、これも、もうほとんどでき上がったように私、聞き及んでおります。防災官の任命等につきましても、それぞれその関係方面との意見は一致いたしておりまして、近くこれが御審議を願うというような段階になっておるように聞き及んでおる次第でありまして、私どもといたしましては、少なくとも、この災害が起きてどろなわ式の措置でなく、災害の未然防止はもとよりでありますが、災害の発生以前に、それらの強力な措置をすることによって、この災害復旧あるいは罹災者に対するあらゆる措置の万全を期すための立法措置については、政府としては十分積極的にこれを御審議願いたい、かように思っておる次第であります。
○二階堂委員 もう一点、ちょっとお尋ねいたしておきたいと思います。昨年の伊勢湾台風に際しましては、国会におきましても、いち早く災害に関する特別委員会を設置いたしまして、諸般の災害救助に関する、あるいは復興の対策に関する立法措置を行なったのでありますが、今回のこの災害も、ほとんど太平洋に面する北海道から南九州、大島に至る太平洋岸の各地に、非常な被害を及ぼしたわけであります。この被害の程度も、部分的には伊勢湾各地の台風に匹敵するような被害もあろうかと私は存ずるのであります。地域も非常に広範であるし、かつまた、漁村、農村あるいは零細企業者の受けた被害というものは、きわめて甚大なものがあろうと思うのであります。従いまして、昨年の伊勢湾台風にとられたような特別の立法措置というものが、当然政府においても考えられてしかるべきものなりと私は強く信じておるわけであります。党におきましても、いち早く三班か四班に班を編成いたしまして、慰問団、調査団を派遣されておりまするが、私どもは、この委員会におきましても、委員から各地の調査派遣を決議してもらいたいと思っております。このような報告がまとまったならば、私は当然同じような立法措置がとられなければならぬと思っております。特に先ほど申し上げましたように、今回の被害はすべて海岸地帯であります。漁村、農村、きわめて生活力の弱い人たちに被害が大きかったのではないかと私は思っております。なおまた、住宅の流失あるいは浸水等によって被害をこうむった家屋は非常に大きい。こういうことから考えてみましても、私は早急に特別立法、伊勢湾台風に関してとられたような特別の立法措置が必要であろうかと考えられますが、この点について、政府当局とされましては、どういうようなお考えをとっておられるか、御所見を承りたい。
○村上国務大臣 今回の公共施設の災害につきましては、ただいま私が御報告申し上げました通りでありまして、その範囲の広い割合には、ただいまのところ、従来のものと比べまして、さほど大きなものとは言い得ないでありましょう。しかしながら、私は昨日宮城県知事と二元放送で対談いたしたのでありますが、その際に宮城県知事の報告を聞きますと、宮城県下だけで七十二億の損害を受けておるということであります。従って、全国的な公共施設の災害を引き去ってみますと、まだ北海道あるいは岩手、青森等と匹敵する程度の、宮城県下で七十二億の災害ということは、公共施設の災害より、もっと大きな災害がある。それはいわゆる建設省所管ではありませんが、漁船の災害あるいは漁港、船だまり等が非常な災害を受けているというようなことは、私ども想像できると思うのであります。ことに住宅関係につきましても、現在の援助、いわゆる公営住宅等について、現行法では満足すべきものにならないと思いますが、宮城県三浦知事の強い要望がありまして、ぜひとも政府はこの際伊勢湾台風のあの特別立法以上の立法措置をしてほしいということを、強く要望されたのであります。もし伊勢湾台風と同様の措置をとるといたしますならば、これは政府自体ではとうていできないことでありまして、政府としては、どこまでも、これは今回の全く夢のような、予知しない大災害でありますがゆえに、これらについては十分な措置をいたしたいと思いますが、これはかかって国会の御審議に待つ以外にないのでありまして、国会の公正な御審議によってこれらの特別立法を適用するかどうかをおきめ願いたい、われわれはかように念願いたしておる次第であります。
○二階堂委員 もうこれで質問は終わりますが、何といたしましても、災害の地域が広範囲にわたつております。早急に一つ調査をされまして、政府とされましては諸般の行政措置なり、あるいは法的措置を早急にとられるように強く要望いたしまして、私の質問は、本日はこの程度で終わりたいと思います。 ————◇—————
○羽田委員長 この際、お諮りいたします。五月二十四日の津波による被害状況調査のため、委員を派遣し、その実情を調査いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○羽田委員長 御異議ないと認め、さように決します。 なお、派遣地、派遣期間、派遣委員の員数及びその人選等、議長に対する承認申請の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○羽田委員長 御異議ないと認め、さように決します。 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十八分散会