決算委員会 第21号
- 発言数
- 40 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1960/05/13
会議録
○鈴木委員長 決算委員会を開会いたします。 昭和三十一年度及び昭和三十二年度決算、昭和三十一年度及び昭和三十二年度国有財産関係四件、昭和三十二年度物品関係一件、以上七件を一括して議題とし、審議を進めます。 内閣総理大臣岸信介君が出席されております。かねての理事会において御了承をいただいておりますので、この際、委員長から総理に対し、綱紀粛正その他の問題について所信をただしたいと存じます。 すなわち、本日昭和三十一年度及び三十二年度の決算の締めくくりの審議を進めるにあたり、私が決算委員会を代表して、特に二つの点について岸総理の所信を伺いたいと存じます。 その第一は、政府職員の綱紀粛正の問題であります。われわれがこの決算審議を通じて痛切に感じましたことは、予算執行に当たる政府職員に、国民が血と涙で納めた税金を尊重し、保護するという精神が足りないために、年々歳々同じような性質の不正、不当の経理が跡を断たないという事実であります。ここ数年を振り返ってみると、会計検査院の検査報告で不当、不正と指摘せられておる事項は、年を追って著しく減少してはおります。すなわち、昭和二十九年度には二千二百四十六件、金額にして七十三億四千余万円であったものが、昭和三十年度には二千百八十五件、金額にして六十六億千三百余万円、昭和三十一年度には千百二十八件、金額にして二十五億二千四百余万円、昭和三十二年度には五百二十件、金額にして十五億余万円と漸減しつつあります。このように、不当、不正の指摘が近年著しく減少したのは、会計検査院の検査のあり方の変化にもよると思いますが、大勢として国の予算の執行状況が改善されていることを物語るものであります。しかし、この指摘事項漸減の数字だけを見て喜ぶのはまだ早いので、これらの内容をよく分析してみますと、若干の点でなお遺憾な問題が残されております。この点について、岸総理の御注意を喚起したいと思います。 それは、政府職員の不正行為が、ただいま申し上げた経理改善の大勢にもかかわらず、いささかも減少していないという事実であります。すなわち、国の保有にかかる現金あるいは物品等を不正領得した事例を見ますと、昭和二十九年度に三十八件、六千余万円、昭和三十年度五十一件、一億九千七百余万円、昭和三十一年度三十件、七千百余万円、昭和三十二年度二十四件、六千五百余万円となっておって、先ほど申し述べた毎年度総批難事項中に占める割合は、明らかに年々増大しておるのであります。これら公務員の不正有為は、政府各省、各公社全般にわたって見られるのでありますが、特に大蔵省、郵政省、日本国有鉄道、日本電電公社など、職員が現金を取り扱う機会の多いところに多く起こっております。中には、非常に長期にわたって犯罪が継続的に行なわれた事例が見られます。たとえば、昭和三十二年度では、半田郵便局で、庶務会計課長が、二十七年から三十二年まで六年間にわたって、収入印紙を九百五十枚、金額にして千四百万円ほど横領しておる。また鹿児島鉄道管理局の都城出納所では、主任出納役が、二十六年から三十三年までの六年半にわたって、九百八十万円を着服している。このような例は、三十二年度だけでなく、今までに幾らでも、それこそ枚挙にいとまないと申し上げて差しつかえなかろうと存じます。 このような事実は、一体何を意味するでしょうか。いやしくも庶務会計課長とか主任出納役などという会計経理の責任者が、しかも、六年の長きにわたって不正を働いていたという、本人の破廉恥はもとより、これをみすみす見のがしていた役所内部の空気が、異常ともいうべきほど弛緩し、腐敗したものだといわざるを得ません。こういうゆるんだ、腐敗した空気、よどんだ泥沼のような役所の雰囲気が、ひとりこのような犯罪だけでなく、各種各様の経理の不当、紊乱を醸成する温床だと私は考えるのであります。これが、公務員一人々々の責任感を麻痺させる病源だと思います。 今申し上げたのは、公務員自身の犯罪行為ですが、次は、公務員自身の犯罪行為ではないが、もし当該公務員の責任感が旺盛であり、その執務精神が緊張しておりさえすれば、あるいは大部分防ぎ得たであろう、現金またはいろいろな役所の物品を、盗難あるいは紛失などによって亡失したり棄損したりした、このために生じた国家の損失となると、さらにおびただしい数字になります。もう一度数字をあげてごらんに入れます。政府及び三公社など政村関係機関において、現金あるいは物品を、盗難あるいは紛失などの事故でなくしたり、損傷したものは、昭和三十年十二月からの一カ年間に四千八百余件、金額にして八億三千万円、昭和三十一年十二月からの一カ年間に八千余件、金額にして五億八千余万円、昭和三十二年十二月から一カ年間に三万三千七百件、金額にして十九億千四百余万円になっておりまして、三十二年から三十三年にかけては、件数も金額も四倍に激増しております。 以上は、それぞれの期間に、それぞれの役所なり関係機関から会計検査院に報告があった数字で、まことにおそるべき数字と申さねばなりません。先ほど申し上げた公務員の犯罪関係の数字といい、ただいま申し上げた数字といい、納税者である国民がこれを知ったなら、おそらく憤りを感ずるに相違ありません。これ以上、こまかいことを総理大臣の前で並べる必要はないと思います。 これを要するに、今の状態は、通り一ぺんの綱紀粛正のかけ声やおざなりの対策で済まされるものではありません。政府におかれては、このような事態に対し、国民の納税の結晶である公金を守るために、どのような具体策をもって対処せらるるか、お心がまえのほどを承りたいのであります。
○岸国務大臣 決算に関連をいたしまして、公務員の綱紀粛正の問題について委員長からの御質問でありますが、決算に関して、年々相当多額の会計検査院からの批難事項もございますし、また、今おあげになりましたような公務員の不正行為、または綱紀弛緩のために盗難その他の損失を国家に与えておるという事態がありますことは、これは全く遺憾にたえないところであります。これを常に——どの内閣もそうでありますが、われわれも、公務員の綱紀粛正については、常に意を用いておるところでありますが、しかし、ただ単に綱紀粛正を叫ぶだけでは、これは十分——もちろん、常に綱紀粛正をいって公務員の心がまえに呼びかけることは必要でありますが、さらに制度としてこれは考えていかなければならぬ。 それには第一は、やはり責任体制を確立する。責任関係が不明確であり、その間に紛淆があるというようなことで、責任のなすり合いというような事態も、往々にしてあるのでありますから、きわめて責任体制を明確にして、これを確立することが必要であると考えまして、そういう意味において、各省の責任体制の確立を、特に今日まで励行して参っておるのであります。 さらに、各省におきまして、それぞれ監察、監査の制度を持っておりますが、これを十分に働かして、会計検査院の批難を受けるとか、あるいはそういう事態の発生を未然に防ぐ意味において、常時各省において監察、監査の機能を十分に発揮するように、各省の協力を求めております。 もちろん、これだけでもって、それでは一切のそういうことがなくなるという確信があるかといわれますと、この問題は、私非常に頭を悩ましておる問題でございますが、さらに公務員制度そのものについても、やはり検討を要する点があるのではないか。また、いろいろな人事の上におきましても、各省の大臣が人事権を実際に行使する場合におきましても、この点を十分頭に置いて考えていく。そうしてやはり信賞必罰というようなことを励行していって、常に公務員の綱紀粛正については、さらに一段と努力をする必要がある。かように考えております。
○鈴木委員長 質問の第二点は、決算委員会のあり方についてであります。伊藤博文公の帝国憲法義解には、予算は会計の初めとし、決算は会計の終わりとす。議会の会計を監督するに、その方法二つあり。すなわち、一は期前の監督にして、二は期後の監督とす云云とあって、予算と決算は、期前と期後の違いこそあれ、国家の会計を監督する二大支柱であることは、明治憲法においても明らかなところであります。いわんや、新憲法において、国会を国権の最高機関となし、国会中心財政主義を打ち出しておる今日こそ、決算委員会の使命にかんがみ、その運営のあり方について、朝野共通の問題として、謙虚に、かつ、慎重に再吟味して、その結論を打ち出すべき段階であろうと思います。 すでに御承知のごとく、国会の決算審査に関する問題については、旧憲法下において、最初に決算が帝国議会に提出せられた第六回及び第八回帝国議会において、活発なる論議が行なわれ、また、新憲法下においても、第一回及び第七回国会の決算委員会で、種種検討を加えられましたが、いまだその結論に達してないのが現状であります。 決算の制度は、申すまでもなく、国会の議決によって成立した予算に定められた歳入・歳出のあり方が、現実の収入・支出としてどのように効率的に行なわれたか、あるいははたして適正、かつ、妥当に執行せられたかという点を検討し、第一には、予算執行当局者の責任を明らかにするとともに、第二には、将来の財政計画並びに予算の立て方に備えるために設けられた、国家財政上重要欠くべからざる意義を持つものであることは、疑いのないところであります。 しかるに、今日の実情は、予算に比し決算は著しく軽視せられ、本来車の両輪であるべき予算と決算の比重は全くゆがめられ、国会中心財政主義を打ち出した新憲法の精神が、ほとんど無視せられておることは、まことに遺憾千万であります。 元来、民主政治は、国民が税の取り方、使い方に深い関心を持つ精神から発達したもので、自分たちの選んだ代議士に向かって、政府の作った予算の増額を要求したり、自分の納めた税金の使い道に無関心であるような国では、真の民主政治は育ちにくいものであります。予算編成における議員の増額要求の問題はしばらく言わず、自分の納めた税金の使い道を吟味する決算に関心が薄い現状は、日本の民主政治発達を念願するものにとって、まことに嘆かわしい限りでありますが、そのよってきたる原因は、現在のごとき決算の取り扱い方にあると思います。 たとえば、政府及び会計検査院の報告書の提出がおくれるために、国会の審議がはなはだしく時候おくれとなり、あたかも死骸をひねくり回すがごとき感なきにしもあらずということも、その一つでありますが、より本質的な問題は、現在の国会における決算の取り扱いが、旧憲法下におけると同様に、第一、内閣は憲法第九十条により、国会に決算を提出する場合、両院各別に提出する。第二、各院では、これを両院交渉の議案として扱わず、各院各別に審査し、議決する。第三、内閣は、各院に一度提出すれば、再び提出しない。解散の場合においても、再び提出しない。第四、各院では、提出せられた会期において審査未了となった場合、閉会中審査に付することなく、当然後会に継続し、後会では前の会期に提出したものを審査する。第五、本院では、決算全部を議題とし、これを是認するやいなやを決し、是認しない部分については、不法または不当と議決する、という取り扱いをいたしておりますために、決算審議の結果は、国家会計の運用上にほとんど何らの影響力を持たないのではないかと疑わしめる点にあると思います。 政府当局は、しばしば、決算委員会の議決は予算編成にあたり十分尊重し、考慮していると言いますが、決算審査に期限がなく、三十一年度、三十二年度の決算の議決が、今ごろまで延び延びになっていても、一向痛痒を感じない程度の尊重、考慮では、その予算編成における影響力も知るべきのみと申さなければなりません。 そこで、本委員会では、新憲法が国会中心財政主義をとっておる今日、はたして国家財政の期後監督である決算を、両院一致の国会の議決たらしめず、単に報告案件として扱ってよいかどうか、決算を両院交渉の議決案件として、国会の承認を得て初めて政府の責任が解除せられるような取り扱い、すなわち、単なる報告でなく、議案として扱うことが新憲法の精神に合致するゆえんではないか、また、決算審査を権威あらしめるためには、従来の検査院報告書中心の審査方法でよいかどうか等の問題に関し、超党派的態度をもって、すでに七回にわたり、各方面の学識経験者の参考人、及び大蔵、法制局、会計検査院当局より意見を聴取し、鋭意研究、検討を加えておるのでありますが、この際、岸総理まり、民主主義憲法下、特に国会中心財政主義の新憲法下における政府の決算の扱い方について、率直な御意見を承りたいと存じます。 もちろん、決算を議案として両院一致の議決を要するようにすることは、行政当局の側からは、今のように報告案件として取り扱うより、いろいろわずらわしいことが予想せられるでありましょうが、国民の公金を誤りなく保護する観点よりすれば、そのわずらわしいことが、むしろ望ましい結果を期待できる道でもあると信じます。 決算制度のあり方は、実は、わが国憲政七十年来の重大な懸案でありますので、今すぐに議案説をとるかいなかのお答えが得られるとは期待しませんが、この結論を得るために、関係機関を動員して、慎重に研究せしむるとか、あるいは別に審議会のようなものを作って答申を求めるとかというような、積極的御努力を、民主政治の基盤を確立する意味で、ぜひ払っていただきたいものだと切望し、岸総理の所信を承りたいと存じます。
○岸国務大臣 決算ということが、この憲法下において、いわゆる財政の上において重要な意義を持っておるものであるということは、今委員長が御指摘になったように、これは申すまでもないことでございます。ただ、予算と違って、これはすでに行なった事実に関するものでございますから、予算のごとく、全体としてこれを承認するとか不承認するとかということも、決算についてももちろん意義があるでございましょうが、さらに決算の内容となっておる個々の事実を取り上げてそれが適当であったか、妥当であったか、あるいは予算の趣旨に合っているかどうかというようなことを審査して、これに対する意見を付して政府の反省を促すというようなことにも、決算の御審査については意味があるのじゃないかと思います。従って、常に予算と同様な取り扱いをすることがいいのかどうかについては、なお考究の要があると思います。ただ現在の憲法九十条で、内閣は、今委員長の御指摘もありましたように、決算を国会に提出しなければならないということだけが規定されております。従って、この規定を文言の上からそのまますなおに読みますと、現在の取り扱いのようなことが当然出てくるのであろうと思います。それに基づいて、政府は従来行なっておるわけであります。これに対して、今申しましたような事実に基づいて、国会においてこれを全体としてどう評価し、また個々の問題を検討していくかというようなことが、審査される今日までの扱いであろうと思うのであります。しかしながら、決算そのものに対して、従来の扱い方がはたして妥当であるか、あるいはこれを議案として提案すべきものであるかどうかという問題に関しましては、これは従来の長い歴史的な問題として考えてみましても、各般のことを十分検討しなければ、結論を出し得ないじゃないかと思います。今日までのところは、政府としては、憲法九十条の規定をすんなりとそのままに受け取って解釈して、その扱いをきめておるわけであります。結論的に申せば、もちろん憲法は、国会が最高機関として承認を求めるということを禁止しておる、議案と肥して扱うことを憲法の規定が排除しておるのだというふうに見るべき根拠は、私はないと思います。ただ九十条をそのまま普通の場合にすんなり解釈すれば、決して今やっておることが憲法違反をやっておるのじゃなしに、むしろ大体の頭は、こういうような意味で、憲法九十条が今の扱いのような意味で作られたものであろうと思うのであります。しかしながら、それ自体が議案としての取り扱いを一切禁止しておるのだ、従って、議案として出すのには憲法改正を必要とするのだということを申す意味ではございませんが、とにかく、長い間の歴史的な関係もございますし、また、決算のなににつきましては、予算と違った趣旨もございますので、これを議案として扱うかどうかというようなことについては、さらに政府としては検討を要する問題である。かように考えております。
○鈴木委員長 質疑の通告があります。順次これを許します。鹿野彦吉君。
○鹿野委員 私は、第一点の綱紀粛正ということについて総理の所信をただしたいのですが、公務員のあり方というものについては、いろいろな立場から考えられるわけでございますが、一つの考え方としては、国民全体の構成上の中核になり、国民の規範になるべきだ、こういうような考え方も成り立つわけですが、そうしたことから、公務員の中にこうした不正が非常に惹起されるということは、まことに困ったことであります。しかしながら、これをやるな、厳罰に処するというようなことだけで、問題は解決されない。現在の公務員の待遇が、はたして国民全体の待遇の中にあって、収入の中にあって、適正であるかどうかということが大きな問題じゃなかろうか、こう私は思うのです。公務員が——考え方によっていろいろありますけれども、公務員としてあるまじき労働争議に参加したり、また国民の規範となるべき立場から逸脱するところの行為が数々あるわけですが、こうしたことに対して、できる限り思い切って公務員の待遇改善をやってやるためには公務員の数を減らさなければいかぬ、行政整理をやり、そして公務員の待遇を思い切って引き上げるというようなことが、緊急に考えられるべき問題じゃなかろうか。ところが、行政整理をやるためには、今の社会情勢においては、このままの姿において行政整理をやるということは不可能であります。整理されたところの人々が喜んで、安心して働けるような立場を作ってやるということが、私はやはり政治のあり方だと思うのですが、こうしたことについて、こうした不正が非常に頻発し、ますますよけいになっていくというような過程において、私は総理の御意見を承りたいと思います。
○岸国務大臣 先ほど委員長の御質問に対しまして私の所見を述べたのでありますが、その中に、一つ公務員制度についても考慮検討を加える必要があるのではないかということを私申し上げました。それは、直接に公務員の待遇改善という具体的な表現はいたしておりません。しかし、公務員がほんとうに民主主義の政治のもとにおいて——旧憲法の時代のような考え方は私間違っておると思いまして、やはり国民の公僕として、公正にそのサービスを行なっていく、そうして国民の信頼を受けるような行動をしていくというためには、やはり綱紀が粛正されていかなければならないということは、言うを待たないのであります。そのためには、公務員制度というものが今のままでいいか。待遇の問題もございます、また採用の問題もございましょう、分限の問題もございましょう、こういう点について、やはり公務員が真に国民の公僕として大事な仕事を行なっているんだという心がまえ、従って、国民から信頼を受けるような行動をするという訓練なりが行なわれるということを考えなければならぬ。それには待遇の問題ももちろんあります。一体今のような待遇でいいだろうか、また今のような待遇ではたして公務員として適格な人が多数公務員の中に入ってくるかどうかというような問題にも関連いたしますから、そういう点も、もちろん綱規粛正の問題に関連して、根本的な問題として考えなければならぬ、こう思います。ただ、今お話のように、公務員の待遇改善の問題になりますと、思い切った措置をするということになれば、もちろん財政上の関係もございます。また、あるいは公務員の数が多過ぎるのだ、いわゆる小数精鋭主義をとって、不必要な人はやめてもらったらいい、これはまさに理論はそういうふうに成り立ちますけれども、今の社会情勢のもとにおいて、そういうことがなかなか容易に行なわれることじゃございません。しかし、そういう方向に進んでいくべきことは——従って、ただむやみに今後人をふやすということについては、よほど慎重に考えていくというようなことも頭に置いて考えるべきである、こう思います。従って、綱紀粛正ということは、これは私だけじゃなしに、どの内閣においても非常にこのことに重点を置いて考えられておりますが、それにもかかわらず、先ほど委員長が指摘されるような事情があるのでありますから、今後におきましては、さっき申したような責任制度の確立であるとか、監察、監査の制度をさらに徹底して運用していくというような問題とか、同時に公務員の制度についても、待遇問題を含めて、一つ検討していく必要がある、かように思います。
○鈴木委員長 小川豊明君。
○小川(豊)委員 今委員長から申し述べたような、一と二に分かれています。この一の点について——二の点についても簡単にお尋ねしたいのですが、私ども決算委員として決算の仕事に携わっておって特に最近目についてくることは、各省の関係よりも、公団、公社等にかなりの問題が出てきている。こういう公団、公社等は、時勢の要求から今までも相当できているし、今後もいろいろな公団、公社ができてくると思う。そこでこういう公団とか公社とか、あえて隠れみのとは言わぬけれども、一応そういう直接の追及からかなり遠いところにいるこういう公団、公社に問題がある。従って、今後こういう公団、公社に対する検査の励行というものが特に必要になってくるんじゃないかと思うのですが、この点が一点。 それから、先ほど委員長が申し述べた第二の決算制度のあり方の問題なんですが、これは委員長が述べられた通り、与党、野党を問わず、決算委員全員の一致した意見として、今日の決算のあり方についてもっと真剣に検討してみようではないか、こういうのでこれと取っ組んでいるわけで、先ほども委員長が申したように、国の財政は予算に始まって決算をもって終わるわけですが、予算の場合には、これからの使い方になるわけですから、きわめて熱心である。また国会も重点がここに置かれておりますけれども、決算は、どう使われたかということで、過去の業績の審査、検討でありますから、今日までの経過の中ではきわめて軽く取り扱われてきたというのが、実情なんです。憲法九十条の「国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。」、この規定に基づいて、内閣から提出された決算については審査をしております。その形式は、両院一致の議決を要する議案としてではなく、一種の報告としてこれは取り扱われておるわけです。この取り扱いは、遠く帝国憲法の制定当時から慣行的に踏襲されてきたものであって、一種の報告と言われるのは、報告は報告でも、単なる事後報告とは異なって、厳正な審議と適正な政治的批判とを伴うところの報告である、いわば国会の権威をにおわすようなニュアンスを持つ表現だ、こう考えております。しかしながら、現行のこの取り扱いによって、国会における決算審査の大目的がはたして果たされているかどうかということになると、まさにこれは疑いなきを得ないのであります。憲法に明らかに国会中心財政主義を明示しながら、今もってこの解決は明確になっておりません。決算はどうでもいいじゃないかという意識があって取り扱われているからではないか、こうも危惧されるのであります。従って、決算委員会としては、単に不正事項あるいは不当事項の摘発、糾明に今日は重点が置かれておって、予算執行におけるこの経済効果というような点が、最も重点にならなければならないにもかかわらず、それがおろそかになっているのが、今日の決算委員会の実情だと思う。われわれは、その点から、全委員が、国の決算、国会における決算委員会のあり方について、今まで多年研究もされ、論議をされながらもなおそのままにされていたこの点を明確にしたいというて、今努力しているわけであります。今総理から答弁はお聞きしましたけれども、これを議案にするとか、報告でいいとか、こういう問題でなくして、決算というものの、ただ単に不正事項、不当事項の糾明で終わるのではなくして、予算執行における経済効果がどう上がっておるかというような点をやっていくのが、われわれとしては当然の任務ではないか、それにはどうすべきかということで、われわれとしても今一生懸命にこれを研究しているわけなんですが、これに対する総理の答弁を、いま一度お聞きしたい。
○岸国務大臣 公社、公団というようなものが設けられますのは、それぞれの理由があって設けられるわけでございますけれども、しかし、これが官庁のいろいろな監督なり監査なりをのがれるための隠れみのみたいな意味でこういうものが作られておらぬことは、言うを待ちません。従って、制度を作るときに、その必要があるかどうかを大いに検討すべきは当然でありますが、同時に、でき上がった公社、公団に対する監査や監督というものは、やはり厳重に行なっていって、ここに不正であるとか非違が行なわれることのないようにしなければならぬことは、当然であろうと思います。 それから決算制度の問題につきましては、私は先ほど一応の意見を申し述べましたが、今小川委員の御指摘にありましたように、国会における決算の御審議というものは、ただ単に、非違、不正を摘発するということにとどまるべきものでないというお考えは、私は正しいと思います。私も、それに同感でございます。もしも、ただ非違、不正というようなものを指摘するということであれば、会計検査院制度があって、一応そういうことをなにをしておるのですから、さらに予算が一体ほんとうに効率を発揮しておるかどうか、その本来の目的であるところの経済効果なりあるいは本来の行政目的というものを十分達しているか、達していないか、達していないとすればどういう原因だというようなことを御審査願うことは、私は、もちろん決算委員会においてなさるべき問題であろうと思います。 議案として取り扱うかどうかというような問題につきましては、決算委員会において真剣に御検討なさっているということは、私も承っております。もちろんこれをどう扱っていくかという事柄につきましては、結局は私は国会がおきめになるべきものであると思いますが、さらに政府としても、いろいろな点について御意見を承って、検討を進めていくべき問題である。一応政府の見解については、先ほど申し上げた通りに考えます。
○鈴木委員長 山田長司君。
○山田(長)委員 委員長の質問で、大体われわれが聞こうとする要点は伺っておるのですが、さらに総理のただいまの答弁の中から、一応申し上げておきたいと思いますことは、会計検査院制度というものが旧憲法下においては天皇の直属のものであったということは、御承知の通りだと思います。ところが、戦後における会計検査院制度というものは、主権が国民に属してきております今日においては、私は、当然ここに変わった形のものが生まれてきてしかるべきだと思うのです。ただいま決算委員長からの御質問の内容に、批難事項等の問題が取り上げられたわけですけれども、この批難事項すら、私たちはこんな数とは思っていないのです。大体きょう会計検査院長にも出ていただきましたのは、あの批難事項の報告書に掲載されておる内容が、会計検査院の検査官の三人の会議で、あれに収録をするかしないかということが論議されるそうですが、これは大体三人の検査官の多数制によってあれに収録するものか、全会一致によって収録するものか、この点、会計検査院長に最初に伺っておきたいと思うわけです。
○山田会計検査院長 今日の検査院は、検査官会議と事務総局からなっておりますことは、御承知の通りであります。検査官会議は、三人の検査官が合議をいたしまして、建前は多数決をもってきめることになっております。しかし、実際の運営にあたりましては、そう三人の意見が違うようなこともありませんし、ことに三十三年度においては、多数決によってきめたというものは一件もないくらいでありまして、大体において、結果的には全員一致ということに相なっております。
○山田(長)委員 そこで総理に伺いたいのですが、この報告書が、下級官吏のいろいろな事犯としてたくさん取り上げられておるのですけれども、決算で実際上取り扱ってみますと、この報告書に漏れているような事件がたくさん出てくるわけです。たとえば昨年千葉の船橋に起こった事件でありますが、約六千俵からの白米が行方不明になってしまった。これは報告書に当然出てくるような内容を持っています。さらに埼玉県で七千俵の麦が行方不明になりました。これは損害を補償させるという形において一応結論がついてしまっておるようでありますが、私たちが調べた範囲では、これらの大きな事犯については、中に政党人が介在しているような印象を強く受けるわけです。それで、政党人の大物を使うことのできないような、いわば下っ端下級官吏の違反だけが表面に出てくるけれども、こういう点について、会計検査院当局が旧来のように一切干渉を受けない形で実際にこの仕事に当たることができたならば、私は、これも会計検査院が指摘事項として当然取り上げてこられたのではないかと思うのです。そういう点について、総理は、会計検査院にいかなる形でこういうものの取り扱いについての叱咤激励をされるのですか。
○岸国務大臣 会計検査院は、憲法九十条二項によりまして、その組織及び権限は法律でこれを定めるということになっておって、独立の行政機関でございまして、直接内閣総理大臣が指揮命令するという機関ではございません。
○山田(長)委員 それは私にもわからぬわけじゃないのですが、旧憲法下における会計検査院というのは、全く独立した、天皇直属のものであったけれども、最近においてはそういう印象を持たれぬのです。私は、むしろこれは内閣の範疇に入ってもよいものではないかという印象を最近は持っておるわけです。ですから、今のことを聞いたわけです。 次に、これは総理に伺いたいのですが、あなたは三悪追放を強調されてきた。このことはまことにけっこうだと思うのです。ただしかし、これが有名無実になってしまうような状態に、最近では立ち至ったと思うのです。私は、特に国防会議の議長であられるあなたに伺いたいのですが、実は当委員会でグラマン問題を取り扱ったときに、吉村参事官がこれの中心人物として登場してきました。それで、今度の場合も、政府は新三菱に委嘱をしようとしておるようでありますが、この新三菱重工業の由比航空機部長、そのほか大きな電機会社等、それから天川勇なる者をこの決算委員会で何べんも呼んで聞こうとしたのですけれども、ついその機会を失ってしまったのです。この吉村参事官が赤坂かいわいの料亭十数カ所に及んで出入りをして、数百万円の供応を受けております。これは本委員会に証人として呼んで、吉村参事官自体も認めたのです。これは明らかに涜職として、当然措置がされるものと思っていた。ところが、措置されるどころでなくして、栄転してしまった。こういうことが、綱紀粛正を唱えられている政府として、やはり何となしに国民に不明朗なものを与えていると思うのです。そして今度の場合に、グラマンがロッキードに変わり、さらにそれが新三菱に委嘱をされるということになることは、私は、何となしに理解されないものが国民の間にあるのではないかと思います。こういう点について、やはり粛正を唱えられているあなたとしては、これをどう処理されるか。それから、こういうことが明確にならぬということは、これと同じような類型に属する役人がたくさんいて、吉村自体の処理ができないのではないかという印象を、国民は持っておるのではないかと思うのです。これは当委員会で扱っていまだに結論が出ませんので、ここへお越しになったのを機会に伺っておるのですが、どうぞ明確な御答弁を願いたいと思います。
○岸国務大臣 吉村参事官の身分上の問題につきましては、大蔵省に行っておりますから、大蔵大臣からその扱いについて後にお答えすることにします。 私は、三悪追放、ことに汚職の問題は、公務員だけでなしに、政治家、あらゆる者を含めて、きれいな政治をしていくためにおいては、どうしても汚職というものをなくさなければならぬという念願で三悪追放のことを申しました。今なお、そのことは考えております。そうかといって、それでは幾ら考えておったって、これが考えておるだけでなくなるものとは、私考えておりません。従って、あるいは立法を要するものについては立法も必要でありましょうが、さらに心がまえの問題であり、またいろいろな制度の問題であり、この点は、あらゆる面から綱紀粛正の実が上がるように、汚職の跡を断つように努力をしなければならぬと思います。その一つとして、信賞必罰ということを先ほども申しました。従って、汚職の問題に関連しておる、汚職があるというのに、それを栄転させるとかなんとかということは、私は毛頭考えておりませんし、そういう扱いはすべきでないと思います。 それから新三菱に新しいロッキード戦闘機を製作させるという問題につきましては、しばしば国会においても政府が答弁をいたしておりますように、防衛庁の関係において、こういう機種を作らなければならないということが決定をした場合において、どこでそれを作らせることがいいかということについては、通産省において、その設備であるとか、技術であるとか、そこにおける実際の仕事の工程がどういうふうにあいておるか、どういうふうに込んでおるかというような問題を十分検討して、適当なところにこれを委嘱するという形をとっております。従って、おあげになりました一、二の役人やあるいは嘱託等の関係によって、そういうことがきまったということでは全然ございませんで、純粋に今言ったような産業政策上の点、技術や設備やそこにおける実際の仕事の問題というようなことを考えて、これを決定したわけでございまして、その点は明瞭に申し上げておきます。 なお吉村君のことにつきましては、大蔵大臣から御答弁申し上げます。
○佐藤国務大臣 監督者の立場にあります私といたしまして、吉村君の事件が起こりましたことは、まことに遺憾に存じます。当時は、本人につきまして実情等を十分取り調べまして、戒告処分をいたしました。また管理職をはずしまして、在来の仕事から官房勤務のところに転勤さしております。この点ぼ戒告処分に該当し、また在来の仕事をしていくのに不適当だ、かように考えた次第であります。その後、在来の経歴等から見まして、ただいま法制局の方へ勤務いたしておるわけであります。ただいまお話しになりましたような、栄転というような事実はございません。また、事実に対しまして、十分私どももそれ相応の処分をした、かように考えております。御了承いただきたいと思います。
○鈴木委員長 森本靖君。
○森本委員 総理に尋ねたいことは一ぱいございますけれども、本日は時間がないようでありますから、簡単に尋ねたいと思いますが、先ほど来各委員の言われておりますように、また総理も答弁に言われておりますように、綱紀の粛正、それから官紀の粛正、それから責任体制の確立ということをやかましく答弁もし、また質問もしておるわけでありますが、その公務員の綱紀の粛正の頂点に立つのは、何といたしましても大臣、それから政務次官になると思うわけであります。おそらく総理は、長い間官僚生活をせられ、また大蔵大臣もそういう生活を送られて、官僚というものがいかに根を持ってきちんと組織を張っておるかということを、御承知であると思うわけであります。そういう際に、これは与党の内部情勢もあるし、またいろいろな事盾もあろうと思いますが、大体あまり責任の体制の頂点に立つ大臣がかわり過ぎる。実際、ようやくその省の仕事を覚えた時分に、覚えて一応次官なり局長に対して若干指示ができるようになった時分に、大臣がぼこっとかわってしまう。また、一から十まで初めから教えていかなければならぬというのが、今の大臣のあり方ではなかろうか、こう思うわけであります。また、大臣を任命する場合に、各派閥の調整、あるいはまた各それぞれの実力者というような形の任命ということでなくして、実際に大臣を任命する場合に、それぞれの適材適所という形における、その一番の適任の大臣を選ぶという形が一番大事じゃないか、こう私は思うわけでありまするが、そういう点からいたしまして、これは非常に言うはやすく、行なうにはむずかしい現実の政治上の問題でありますけれども、この大臣の任命方法について、いま少しそういう点について考えてみなければ——私は、綱紀の粛正、官紀の粛正というその頂点に立つ大臣のあり方というものについて、いま少し検討を政治的に加える必要があるんじゃないか、こう考えるわけであります。私は、しいて大臣、政務次官の名前を出しませんけれども、うわさに聞きますと、今日でも大臣と政務次官が全くけんかをしてしまって、省内で会ってもものも言わぬというふうな大臣、政務次官の間柄もあるやに聞くわけであります。そういうことでは、少なくとも公務員の最頂点に立つところの大臣なり政務次官というものの、ちっとも威力が行なわれない。そういう点において、責任体制の確立、先ほど委員長からも質問がありましたように、単に庶務会計課長が一千七百万円なら一千七百万円の汚職を行ないましても、郵便局長がいわゆる処罰を受けるだけであって、その直属の長官の、地方長官に値するようなものは、全然処罰を受けない。それが金額一件について何ぼというようなことについての、いわゆる責任体制の確立ということをもっと考えていかなければ、この綱紀の粛正というものは、言うべくして実際には行ないがたいという点を考えるわけであります。それと同時に、この決算委員会の理事会でも問題になりましたけれども、すでにこの決算と予算ということについての考え方が、政府当局においても若干決算を軽く見る——これは憲法上の建前は先ほど総理も言われましたけれども、それは別といたしまして、実際に税金を徴収をして、それをどう使ったかということについては、非常に私は注目をしていなければならぬ、こう考えるわけでありますが、当決算委員会におきまする実際の審議にあたりましても、大臣、政務次官が出てくるのは——政務次官はちょいちょい出てきますが、ほんとうの担当の大臣が出てきて答弁するということは、ほとんどないという現状であります。ほとんど事務官僚に答弁はまかせっきりということでは、その頂点に立つところの大臣が責任を持って行なうということについては、なかなか私はむずかしい、こう考えるわけでありまして、一つこの大臣のあり方について総理から御答弁を願いたいと同時に、この決算委員会に対しても、要求された大臣は極力出席をしてその所信を述べるように、総理から一つ閣議を通じてでも明確にこれは指示を願っておきたい、こう思うわけであります。 それから、もう一気に質問を行ないますが、会計検査院と大蔵大臣にちょっと聞いておきたいと思いますのは、この間、私が安保の特別委員会においてちょっと関連質問で質問をいたしましたが、きょうは三十一年と三十二年の決算を一応審議が終了する予定でありますけれども、昭和二十八年以来電電公社が米軍に対して支払いの請求権を持っておりますところの、専用料の四十数億円に上る未払いであります。これが現にこの料金の多寡について米軍と電電公社との間において一致点を見出せず、いまだに、電電公社が計算をいたしました数字によりまして、二十八年以降四十数億という未払いがあるわけであります。おそらく本年の予算編成については、大蔵大臣は十分御承知だろうと思いますが、その電電公社の四十数億の未払いがあるにもかかわりませず、本年の予算においては、七十二億円のアメリカから外資の導入をするということを予算編成に上せておるわけであります。少なくともこの四十数億の未払金を今即座にもらえば、あの外資導入は半分は必要がない、こういうことになるわけでありまして、こういう点について大蔵大臣は御承知かどうか。この点を大蔵大臣に聞いておきたいと同時に、会計検査院長は、この未払いの事実については、会計検査院としてはこの会計検査を行なった際に知っておったかどうか。その点だけを御質問しておきます。
○岸国務大臣 責任体制の確立の上からいって、その責任の頂点に立つところの大臣、政務次官等の人事ということは非常な重要性を持つということは、森本委員の御指摘の通りでありまして、大臣の任命は、新憲法のもとにおきましては、総理大臣にありまして、従って、その人事については一切が総理大臣の責任でございます。私ども、常に適材を適所にということをモットーとしてやっておりますが、しかし、実際の問題としてそこにいろいろな政治的のファクターが入ることは、これは私否定申しません。また、政党政治として考えると、なかなかこれが純枠の適材適所という——これは正しいことでございますけれども、それ一本やりで押すということは、これは言うべくしてなかなか実現はむずかしいと思います。しかし、それかといって、この適材適所主義というものを全然無視するような人事を行なうべきでないことは、言うを待ちません。私はそういう心がまえでやっておりますが、従来、今御指摘になりましたように、大臣の更迭が相当、戦後の実例を見ますと、ひんぱんに行なわれていることも、これも事実であります。一つの内閣が続いておるうちに、大臣が数回かわるというような実例でございまして、そういうことが、今森本委員の御指摘になっているような弊害を伴う、いわゆる官僚組織と、これらの責任の頂点に立っておる大臣、政務次官等との関係において、円滑にいかないというような弊害のあることも、私も感知いたしております。従って、やはり適材適所の原則をできるだけ貫き、そして適材適所である限りは、できるだけ大臣としての職責を長期にわたって尽くすように考えていくということは、当然考えなければならぬことである、かように思います。 決算委員会を軽視して、おるというようなことは、政府としてはございませんけれども、しかし、実際の問題として、あるいは大臣が出席することが少ないかもしれません。十分その点については各大臣に私は申しつけて、委員会からの要求に応ずるように——私自身も実は出方が少ないようでありますが、要求があれば、できるだけ決算委員会にも出る覚悟でおります。ただ御承知の通り、現在の総理大臣というものは、各委員会にことごとく引っぱられますと、なかなかからだが続かないというようなこともございますが、しかし、決算委員会を軽視するという考えはございませんから、もし御要求がありますならば、できるだけそれに応じて出る覚悟でおります。
○佐藤国務大臣 米軍の使用しております電話料その他電信料の電電公社との間における債務の問題ですが、ただいま四十数億に上るという御指摘でございましたが、これは実は長い間の懸条事項でございまして、日米合同委員会で絶えずこれの解決をはかっておりますが、ただいままでは、料率の扱い方について日米間の意見が相違しておる、そういうことで、いまだに決定を見ておりません。この点は、いずれにしても早く決定を見なければならない。どういうように違うかと申しますこ、料率は、旧警察が使っておりました警察電話の慣例がありますが、警察に対する料率は一番低いのであります。その他の官庁に対する料率は、相当警察よりも高いということでありす。米軍の場合はそのいずれを適用するかということで双方対立しておるということで、今日まで決定を見ておらないということでございますが、今後新安保条約ができて行政協定をいたしますれば、当然今後も引き続いて日米合同委員会においてこの問題を取り扱うということになるわけであります。できるだけ早い機会に結論を出したいと私どもは考えております。
○山田会計検査院長 ただいまの問題につきましては、検査院も承知いたしておるのでありますが、今大蔵大臣から説明がありました通り、政府の方でせっかく向こうと交渉しておるのでありますから、その交渉を持っているような次第であります。 次に、委員長の許可を得まして、先ほどの山田議員の御意見に対して、ちょっと私どもの参考意見を申したいと思います。私に対する御質問ではありませんでしたが、検査院に関することでありましたから、一応弁明と申しますか、御説明申し上げておきたいと思います。 会計検査院が、法律上政府に対して独立の機関でありますことは当然でありますが、実質におきましても、政府当局から指示を受けたり、干渉を受けたりするようなことは全然ございませんから、法律上はもちろんのこと、事実上も完全な独立の態勢をとっておりますので、この点御了承願いたいと思います。 なお、先ほど具体的に御指摘になりました千葉の問題等は、あれは三十二年度から始まっておりますけれども、三十三年度まで継続しております。そして発見いたしましたのが三十三年でありますために、三十三年度の検査報告に掲記いたしております。 それからもう一つの事件、これは先方から補てんがありまして、国損になっておりませんので、国損になっていないものは検査報告に掲記しないという従来の建前になっておりますから、それを掲記いたしておりません。
○鈴木委員長 以上をもちまして、各件に対する質疑は全部終了いたしました。
○鈴木委員長 昭和三十一年度及び昭和三十二年度決算について、委員長において議決案を作成し、各位のお手元に配付いたしてあります。 議決案の全文は、お手元に配付の印刷物をごらんいただくこととし、その朗読は省略し、会議録に掲載させていただきます。
○鈴木委員長 便宜、私から簡単に御説明申し上げます。 まず三十一年度の議決案についてでありますが、三十一年度決算におきましては、不当、不正事項として検査院の指摘を受けました件数は、前年度に比して約千件の減少を見せてはおりますが、なお千百十八件の不当事項があり、その中には、租税の徴収不足、補助金の経理についての出来高不足、設計過大、目的外使用、対象外使用、積算及び精算過大等、工事についての積算過大、粗漏工事、出来高不足等、物件の調達、売り渡しに際する不経済、各種保険事業の運用の適正を欠くことなどがあげられております。議決案は、これらの不当事項を指摘し、その善後措置を求めるとともに、本委員会の審査の過程において警告された諸点、及び本議決によって注意を喚起された事項を十分留意し、予算の執行の際のみならず、政府において予算を編成する際に、これらの点を十分反映せしむべきことを促しております。 次に、昭和三十二年度決算につきましては、不当事項は前年度に比し半減いたしてはおりますが、なお、昭和三十一年度とほとんど同種の事項があげられており、減少を見せたとはいえ、根絶を期し得なかったことは、まことに遺憾に思うものであります。 議決案におきましては、昭和三十一年度と同様に、政府当局の反省と綱紀の粛正を促しておるものであります。 以上をもって、両年度決算議決案の概要を簡単に御説明申し上げました。 —————————————
○鈴木委員長 次に討論に入る順序でありますが、通告もありませんので、直ちに採決に入ります。 まず、昭和三十一年度決算について採決いたします。 昭和三十一年度一般会計歳入歳出決算、同特別会計歳入歳出決算、同国税収納金整理資金受払計算書、同政府関係機関決算書を議決案の通り決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 御異議なしと認め、その通り決しました。
○鈴木委員長 次に、昭和三十二年度決算について採決いたします。 昭和三十二年度一般会計歳入歳出決算、同特別会計歳入歳出決算、同国税収納金整理資金受払計算書、同政府関係機関決算書を議決案の通り決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 御異議なしと認め、その通り決しました。 ————◇—————
○鈴木委員長 次に、昭和三十一年度及び昭和三十二年度の国有財産増減及び現在額総計算書、国有財産無償貸付状況総計算書、昭和三十二年度物品増減及び現在額総計算書を一括し、討論に入る順序でありますが、通告もありませんので、直ちに採決に入ります。 まず、昭和三十一年度国有財産増減及び現在額総計算書、同国有財産無償貸付状況総計算書を一括して採決いたします。 両件は、いずれも是認すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 御異議なしと認め、両件は是認すべきものと決しました。
○鈴木委員長 次に、昭和三十二年度国有財産増減及び現在額総計算書、同国有財産無償貸付状況総計算書を一括して採決いたします。 両件は、いずれも是認すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 御異議なしと認め、両件は是認すべきものと決しました。
○鈴木委員長 次に、昭和三十二年度物品増減及び現在額総計算書について採決いたします。 本件は是認すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 御異議なしと認め、是認すべきものと決しました。 ただいま御議決いただきました各件の委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 この際、政府当局より発言を求められておりますので、これを許します。佐藤大蔵大臣。
○佐藤国務大臣 ただいま御決議の点は、十分尊重いたしまして、各省、各庁と連絡いたし、その趣旨の徹底をはかりまして、万遺憾なきを期したい所存であります。 ————◇—————
○鈴木委員長 資料要求についてお諮りいたします。すなわち、政府関係機関の経理に関する調査のため、日本輸出入銀行の融資について、日本輸出入銀行に資料の提出を求めたいと存じますが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十分散会