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第34回国会衆議院1960/04/13

決算委員会 第18号

発言数
79 件
登壇者
4 名
会派数
2
開催日
1960/04/13

会議録

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 決算委員会を開会いたします。  国会の決算審査に関する件について調査を進めます。  本日は、会計検査院より大沢事務総長が出席されております。この際、事務総長に申し上げます。すでに御承知のごとく、当委員会は、国会の決算審査に関し、検討を進めております。前回の委員会におきましては、本件について大蔵省側の見解をただしております。本日は、事務総長より、検査院としての御説明または見解をお聞かせいただきたいと存じます。御発言いただく点は、あらかじめお渡ししております「国会の決算審査に関する諸問題」に掲げております諸点を中心として、特に会計検査院に関係のある点について、御発言いただきたいと存じます。大沢事務総長。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 国会における決算審査に関する諸問題につきまして、会計検査院としての意見を述べるようにというお話でございます。いただきました諸問題点のうちに、(一)に会計検査院の検査に関する問題、(二)に内閣の提出に関する問題、曽に国会における決算の取り扱いの問題、こうお示しいただいておるのでありますが、会計検査院といたしましては、このお示しになった問題点のうち、直接関係のある会計検査院の検査に関する問題、ここに掲げられておるものにつきまして説明させていただきたいと存じます。あと内閣の問題、国会の問題ということに対しましては、会計検査院としての意見を申し上げるのはいかがかと思われますので、その点に対しては省略させていただきたいと存じます。もちろん憲法その他の法律の解釈につきましては、法制局その他有権的な御説明に待つべき筋合いのものでありまして、これから申し上げることは、あくまでも会計検査院の見解ということで、御了解を願いたいと思います。  会計検査院の検査に関する問題の第一点としまして、旧憲法におきましては、会計検査院が決算を「検査確定する」という文句がある。ところが、新憲法におきましては、ただ「会計検査院が検査し」とあって、「確定し」という文句がなくなった。それで何か会計検査院の決算検査に関する権限なりあるいはその仕事の範囲なりというものが違ったのではないか、あるいは同じなのか。こういう点に対する会計検査院としての見解でありますが、これは旧憲法の七十二条に、「会計検査院之ヲ検査確定シ」といっておりましたが、この「確定シ」という文句は、旧憲法時代旧院法にもまた同じ文句があったわけでありますが、この文句をどう解釈してきたかといいますと、会計検査院といたしましては、元来旧憲法で「確定シ」という文句を使っておったのは、決算の数字を会計検査院が法律的に不動のものとするというような創設的な効力を持っておるものではなくて、決算が法令または予算に違反していないか、経済的に不当な点はないか、あるいは計算が間違っていないかというような点を調べまして、その当否について判定、確認する、こういう意味であると、旧憲法の時代にも解釈して参っております。従いまして、この限りにおきまして、新憲法におきまして「確定」という文句が削られましても、内容においては同じである。やはり会計検査院は、内閣から送付された決算を検査いたしまして、それが法令または予算に違反していないか、経済的に不当な点はないか、あるいは計算が間違っていないかという点を調べました結果の、会計検査院としての見解を固めまして、これに対する見解を表示するということが検査院の責務であって、旧憲法の「検査確定シ」という文句と、新憲法の「検査し」という文句とは何ら異なるところはない、かように考えております。従いまして、現在の会計検査院法の二十一条に「検査の結果により、国の収入支出の決算を確認する。」という文句が使ってありますが、今申しましたような趣旨の、つまり調べて、その結果、当、不当ということの当否の判定を下す、こういう意味に解釈しておりまして、決算の数字を固めるといいますか、不動なものとするというような趣旨ではない、かように考えている次第でございます。これが問題点の、お示しになった第二の点の御説明にもなろうかと思います。  それで、今度は第三の点としまして、検査院の未確認部分というのは確定にならないのかという御疑問でありますが、先ほど申しましたように、検査院の検査は、いわゆる決算の数字を不動なものとするというような創設的な効力がないのでありますから、未確認部分というものは、決算そのものの数字においては関係がない、つまり検査院の確認、未確認ということは、決算の確定——確定という文句を決算の数字を動かさないものにするというような見地からいいますいわゆる確定ということとは関係がない、かように考えているのであります。しからば、未確認とはどういうことかといいますと、これは検査した結果、まだ当否の判定をするのに熟していない、まだどちらともきめかねるということが、この未確認の表現で出ている次第であります。  そこで、次に第四点として掲げてあります、会計検査院の検査報告には、決算を受領して、その検査を了して内閣に回付する、こう書いてあるのとごの未確認との関係はどういうことであるか。この点が御説明申し上げなければならぬことであろうと思いますが、会計検査院法の第二十一条は、先ほど申しましたように、「検査の結果により、国の収入支出の決算を確認する。」こういう表現を用いております。これは、検査という一つの仕事を観念的に段階を分けまして、まず取り調べる段階、それから調べた結果によって当否を判定するという段階、この二つに観念的に検査の一連の仕事を分けまして、会計検査院法二十一条によりましては、「検査の結果により」というのは、平たい文句でいえば、調べた結果ということになろうかと思いますが、その結果、当否を判定する、つまり決算を確認する、こういう趣旨に解釈しまして、とにかく検査は終わった。終わったといいますか、検査をした。そして内閣に送った。ところが、検査をしたものの、まだ検査の結果により確認するに熟してないものがある、これがいわゆる未確認という表現で、検査報告に、左記未確認額を除いて確認した、こういう表現を用いている次第であります。いずれにしましても、確認部分も未確認部分も、一応検査を了した、こういうように考えております。これは少しくおかしいではないかという疑問をわれわれとしても持っているわけでありまして、いわゆる検査というのは、確認までしなければ検査が終わったどいうことにならぬのではないか、こういう疑問もあるのでありますが、これは一方、検査報告の提出時期といいますか、検査報告の作成時期というものが限定されておりまして、御承知の通り、内閣が検査報告書を決算に添付して国会に提出する。決算は、翌年度の常会に提出するのを例とするということになっておりますので、検査報告を作成して決算に添付するという時期は、おのずから限定されるわけであります。ところが、検査の方はなかなか時間的にそれまでに全体の当否の判定が熟しないという部分がありまして、この部分をどうするかという問題が残るわけでありますが、結局検査院の取り扱いといたしましては、この当否の判断の熟しない部分はあっても、一応検査しなければ決算が国会に提出できない。決算の国会提出時期というものは、時期的に制約されているので、検査した結果、まだ当否の判断の熟しない部分はこれだけあるということを表現しまして、次の年度の検査報告において、その結果をあらためてまた検査報告に掲げる、こういう方針をとっている次第であります。従いまして、「検査を了して」という文句と、「未確認」というのはおかしいではないかという疑問に対しましては、やはり一応検査は終わったんだ、そして当否の判断の熟しない部分があるんだ、こういうようにわれわれとしては考えております。さように御了承願いたいと思う次第であります。  そこで同じような問題が、(5)に掲げられております財政法第四十条に「内閣は、会計検査院の検査を経た歳入歳出決算を、国会に提出する。」検査を経たと書いてあります。この検査を経たのは、検査院の確認した部分だけか、ま逮未確認部分を含むのか、こういう疑問でありますが、先ほど申し上げたように、検査は一応終わっているという意味におきまして、検査を経た決算というのは決算全体である。いわゆる確認部分、未確認部分も含めた決算というものを、一応検査を経たもの、こういうように考えている次第であります。  次に、会計検査院の検査は、国会における財政監督上の審査のための準備をなすものでないのか、という点でございますが、この点は、法的に見ますと、会計検査院の検査は、憲法及び会計検査院法に基づいて行なっているものでありまして、法律的にこれを国会の財政監督上の審査のための準備と解することは、困難ではないかと思います。しかしながら、実際問題といたしましては、検査院の検査報告というものが、国会の決算審議の上の重要な資料になるということは明らかな点でありまして、この意味におきまして、何と言いますか、法的には準備段階ではないのだけれども、国会の決算審議においては、重要な資料になるだろうと思っております。  それから最後に、決算が決算として成立するのはいつかという問題でありますが、これは決算というものをどう考えるかということにもなろうかと思いますが、会計検査院といたしましては、決算といもうのは、予算の執行の結果を計数的にまとめた事実の集積である、こう考えまして、決算を作成するのは大蔵大臣なり、内閣なり、行政府の問題であって、会計検査院といたしましては、その作成された成立した決算を、送付を受けてこれを検査して、先ほど申し上げた確認行為をする、こう考えておりますので、決算が決算として成立するのは、少なくとも会計検査院に決算が送付される前である、こう解釈しております。「大蔵大臣は決算を作成し」という財政法三十八条の規定に基づいて決算を作ったときか、あるいは財政法三十九条によりまして、内閣が会計検査院に決算を送付するときか、この点に対する解釈はいろいろあろうと思いますが、会計検査院といたしましては、いずれにせよ、会計検査院に送付を受けた決算は、これは成立した決算である、かように解釈いたしまして、会計検査院の確認あるいは国会の議決で決算が決算として成立するのではない、かように考えている次第であります。  (1)から(7)までに書いてありますことを申し上げましたが、非常に簡単な御説明に終わって恐縮でございますが、一応会計検査院としての考えを、お示しになった諸問題点の順を追って御説明申し上げた次第であります。     —————————————

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 質疑の通告があります。順次これを許します。小川豊明君。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 今(1)から(7)までの御説明があったわけですが、そこで(1)に対しては、確定とは、法令または予算に反していないか、あるいは当否について判定確認する意味であって、従って新憲法は「検査し」として「確定」というものはなくなっているけれども、これは旧憲法と同じであるという大体の御説明であったと思いますが、そう解釈して差しつかえないかどうか。それから(2)の「国の収入支出の決算を確認する」というのは、これは当否の判定である。それから(8)の場合には、数字を不動のものにしたのではなくて、未確認とは判定し得なかった部分である、これが未確認だ、こういう御説明であったと思います。それから(4)の場合は、未確認部分も確認部分もあわせて検査は了したのである。ただ判定がつかないのが未確認だが、検査だけは了したのだ、こういう御説明であったと解するわけです。それから(6)の財政監督上の審査のための準備をなすものではないのかという問いに対しては、これは国会の準備ではない。ただ、実際問題としては重要な資料を提出している。(7)は、決算を確定するのは内閣である。こういうのが御説明の骨子であったと思うのですが、さように解釈してよろしゅうございますか。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 ただいま御質問の通りに御解釈願ってけっこうだと思います。もう少し敷衍いたしますと、旧憲法の「検査確定シ」という文句、これが旧憲法の時代も相当論議されたことでありまして、旧憲法及び旧会計検査院法にも「検査確定シ」という文句があったのですが、これは私外国の法制はよくは存じませんけれども、聞くところによりますと、当時旧憲法を日本政府が作り上げたときの資料になりましたプロシャの憲法に、やはりこの検査確定という言葉に該当するドイツ語があるのだそうであります。それをそのまま翻訳して「検査確定シ」とした。ところが、当時のプロシャの憲法学者の説も、会計検査院の検査確定ということは、先ほど申しましたように当否の判定をすることであるというのが、当時のドイツの法学者の見解であったように聞いております。従いまして、旧憲法、旧会計検査院法時代におきましても、会計検査院といたしましては、検査院が数字を確定する、いわゆる不動のものとするというのではなくて、やはり検査院としては、確定という文句は使っているが、これは当否の判定をすることである、こういうように解釈して、明治二十三年以来の検査院の取り扱いをずっと一貫してそういうようにやってきている、さように承知している次第であります。その他の点は、先ほども申しました通り、また御質問にありました通りでありまして、また何かつけ加えることがありますれば申し上げますが、大体御質問の通りと御了承願いたいと思います。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 われわれが、決算委員会において、いろいろ検査院から出た報告を資料にして審査しておるのは、今までずっと見ておると、ただ支出が不正、不当であったかということに実はおもに重点が置かれているわけですが、私どもとして考えるのは、法令に反しているかいないか、それから予算編成の精神が守られておるかどうか、さらにその経済効果が上がっておるかどうか、こういうことが決算委員会としては審議しなければならない焦点でないか、こう思うわけです。そこで、ここの御説明にあった当否についての判定というのは、これが法令に反しているか反していないか、それからその予算の支出が不当であったか、不正であったかということの当否の判定であって、その経済効果というようなものに対して、検査院としては重点を置いてやっておられるかどうか、この点をお尋ねするわけです。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 現在の会計検査院法の二十九条に「検査報告には、左の事項を掲記しなければならない。」とありまして、そのうちに「検査の結果法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項の有無」とありまして、これを検査報告に掲げるということになっておりますので、検査報告の主体をなすものは、御質問になりましたいわゆる不当事項、法令または予算の目的に違反しておる、その他不当な事項、これが検査報告に書かれておる次第であります。なおさらに進んで、不当ではないが、予算の執行上もっとベターな方法があるのではないかというような点に関して、会計検査院の検査はどうやっているかという点につきましては、この検査報告の記載内容といたしましては、ただいま申しました会計検査院法二十九条のほかに、会計検査院施行規則におきましてて、「その他必要と認める事項」を記載することができる、こういうように書いてあります。従いまして、検査院といたしましては、単なる不当事項の指摘ということだけでは十分なる会計検査院の責務は全うできないのではないかというような意見もありまして、こうしたらいいではないか、よりベターではないかというような問題も取り上げて審議する必要があるということは、絶えず言われておりまして、その結果、いろいろ調べまして、そうした事項がありますれば、この検査報告の何号々々という番号をふります以外のところに、たとえば何省の所管のまつ先に概説といたしまして、こうした方がよりよくはないかというような点を述べることによりまして、ただいま御質問にありましたような予算の効率的使用の面ということもあわせて検査して、その結果、検査院の意見を表示することが適当であると認めた事態は、不当事項とは別に、その他必要と認めた事項として記載する、こういうような取り扱いをいたしておる次第であります。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 未確認についてお尋ねいたしますが、未確認というのは、数字のつき合わせをするという意味ではなくて、当否の判定がまだできないのが未確認だ、こうなってくるわけですが、そうしてなぜ未確認が起こるかというと、これは政府に報告を提出しなければならぬ時期からこの未確認ということは起こってくる、こういう御説明であったわけですが、この未確認というものは一この決算委員会でも、確認部分、未確認部分というものが、非常に問題になっているわけです。この未確認の部分をあなたの方ではなくすることはできないものかどうか。未確認というものがどうしても起こるものか、それともこれをなくすることができるのかできないのか、できるとするなら、どうしたらできるか、この点の御意見があったら、承りたいと思います。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 検査院といたしましても、未確認というものは、なるべく減らさなければいかぬというので努力しているのでありますが、時期的にどうして起こるのかと申し上げますと、大体決算が、三月に結了しましたものがまとまりますのが七月、八月ごろになります。そうして会計検査院の決算に関する検査も、どうしても時期的に九月あるいは十月ごろまでかかる。そうして検査の結果、書面検査あるいは実地検査の結果、相手方に疑問の点を照会する。そうすれば、相手方からそれに対する回答がある。ときには回答が非常におくれてくる。あるいは回答を受けたところが、どうもまだ釈然としないが、そうかといってこのまますぐ不当ときめつけるのには資料が足りない。あらためてまた資料をまとめる意味において再照会をするというような手続を、相当いたします。そうすると、どうしてもその年一ぱいには終わらない。ところが一方、決算は次の常会に提出することになっておりますので、内閣としましては、大体十二月の常会開会の堅頭ぐらいに提出する。そうすると、それに検査報告を添えなければいけないというので、ただいまの検査院の取り扱いとしまして、大体十一月の末あるいは十二月の初頭に検査報告というものをまとめ上げる、こういう時期的な関係になっておりますので、そうすると、どうしてもこの未確認部分というものが、勢い時期的に出てこざるを得ない、こういうことになってきます。努めてこれを減らそうという努力は絶えずしておるのでありますが、実態としては、遺憾ながらそうしたところから未確認が出てくる、こういう次第でございます。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 そうすると、これは予算や人員の関係でできないのではなくて、時間的に未確認部分というものが出ざるを得ない、こういうことですか、どうなんですか。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 これはやはり人を増しましても、相手方の回答がおくれる。相手方としても、調べるのに時間がかかって回答がおくれる。あるいは回答のきたものが不満足なものであるために再調査するというような事態になりますので、どうしてもある程度の未確認というものは生ぜざるを得ないのではないかというように、私は考えております。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 「国の決算と検査」というものをあなたの方からいただいたのですが、これを見ると、会計検査院全体の経費というものは三十三年度で五億三千二百万ですね。その中で人件費が四億一千七百万出て、旅費が六千五百万です。庁費、その他というものはごくわずかです。国の一兆何千億という予算、特別会計を合わせれば大へんなものです。そういう国の予算の執行を適正にやっているかどうかというものを検査するためには、このようなことではとうていできないじゃないか。検査院は独立した機関なんですから、あなたの方で、こういう予算でこれは十分だというならば、これは別ですが、われわれが見てさえも、これではとうていできないじゃないか。先般、海外の在外公館をお調べになったかと言ったら、これはなかなかできない。ことし九十何万かの予算を盛ってもらったから、幾らかできるようになるという答弁でした。九十何万かの金なら、一人か二人でアメリカヘちょっと行ってきたら、これはおしまいで、膨大な在外公館の支出の当、不当の調査というものはできないのです。そういう点を考えるとき、あなた方の方で、国の予算の執行の適正を期するというなら、勇敢に、予算がこれでは不足だから、もっと盛るべきだという要求がなされてしかるべきだと思うのです。これで十分だというなら別ですが、われわれから見て十分だとは思えない。独立した機関であるあなたの方では、予算はもっと要求されておるわけですか。要求されたものがこの程度に減額されているのですか。これでいいということで満足なさっているのですか。この点はどういうことになっているか、お尋ねしたいと思います。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 検査の人員の問題でありますが、これは非常にむずかしい問題でありまして、理想論から言いますれば、会計職員のいる個所一ヵ所に一人ぐらいは検査要員を配置して検査すれば、ほんとうに徹底した検査ができるのではないか。またそれをやっても、まだ補助工事の現場などは相当多いから、より以上の人数を要するのではないかということが考えられますが、一方、検査した結果、ただ検査をした、何もなかったというようなことで、人件費なり旅費などを使うということは、国家経済的にも非常に好ましくないのではないか。どの程度の人数を擁して、どの程度の検査をしたら、最も検査の効果が上がるか、この判定がなかなか困難であります。ただ、検査院といたしましては、現在千百七十名程度の職員を擁しておりますが、これで十分だとは思っていないのであります。ただ、戦前の会計検査院というのは、御承知の通り三百数十名の人員を擁してやっておりましたので、そのころから比べますれば、格段な拡充をいたしまして、検査の浸透度も非常に多くなっていると思いますが、それでもまだ十分ではありません。これは増員を要するのではないかという意見も相当強くありますが、一方またいわゆる国家公務員を多く作るということがどうであろうかというような意見もありまして、どこで線を引いて増員をやっていくか。そこで結局結論といたしましては、少しずつでも増していって、人員を充実しよう。ただ人員充実に一番困難でありますのは、検査という仕事はちょっと特殊な仕事でありますので、他の庁から人をもらってきてすぐそれを充当するとか、あるいは民間会社にいた人をすぐ充当するというようなことがなかなか困難でありますので、結局新卒業生を養成してやっていかけなければならない。そうすると、あまり一挙に多人数を増加するのは困難であるというので、逐次増そうという方針を一応とっておるわけであります。最近といたしましては、三十年度に、今数字は忘れましたが、相当人数の増員を一応見ました。それがだんだんとほぼ一人前になりつつある。いずれまたそのうちに、もう一度増員の必要があろうと考えております。もちろん大蔵省に対しましては、絶えず多少の人員増加の要求はしておるのでありますが、結論として、国家公務員の人員増加はこの際抑制したいというような方針、それと先ほど申しましたような検査院のいろいろな考えというもので、じゃ一応ことしはやめておこうというようなことで、三十五年度も、人員増加の要求は一応いたしましたが、最後には撤回をした、こういうような次第になっております。なお、旅費との関係でありますが、現在の職員千百数十名の数で書面検査と実地検査をしていこうというのには、実地検査の旅費だけがあまり多くなっても、これまた書面検査がおろそかになるというので、そのかね合いにもなるのでありますが、もう少し増してもいいのではないかというので、実地検査の旅費は、外国旅費以外に多少増加をいたしまして、また逐年増加していこうと考えております。それから外国の検査でありますが、これは御承知の通り、戦前におき日ましては、全然海外の在外公館の実地検査ということはやっていなかったのであります。みな書面検査だけで終わっておったのでありますが、それでは実態がよくわからないのではないかというので、絶えず外国検査ということを強調して参ったのでありますが、三十五年度に一応大蔵省の方との話がつきまして、先ほどお話にありました九十数万円、百万円足らずの金額でありますが、これで一応実地検査をやる必要があるかどうかということの根本的なところを見てくれというような意向もありまして、検査院といたしましては、実地検査も兼ねまして、将来在外公館に対する実地検査の必要等を十分検討していきたい、かように考えておる次第であります。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 今の御答弁を聞いておりますと、検査した結果何もなかったというようなことでは、人員や予算を増してもおもしろくないから遠慮しているというような点があったが、私は考えが違う。何もない方がいいのであって、たとえば堤防をこしらえるなど、これは洪水がない方がいいのであって、そのために堤防を強化しておくために金をかけていくわけです。会計検査院が検査に行って、何かないか、何かないかといって、何もなかったら無理にもこしらえてくる必要は毛頭ないのです。ない方がいいと思う。従って、今あなたが言われた、何もなかったということでは、人や予算をかかえておることはおもしろくない。これは非常に良心的な考え方のようだが、一方あなたの方から検査報告として出されてきているもの以外に、この委員会でいろいろな問題が出てきていることは、あなたも御承知の通りだと思うのです。それが取り上げてみて正しいことであったかないかということは議論もあるでしょうが、しかしながら、あなた方の決算以外に、かなり大きなものが出てきている。そういう点から言うならば、私は、もっとあなたの方の予算や機構を充実していくことの方が、国の予算の執行が正しく行なわれる意味において非常に効果があるのではないか、こう考えるし、ことに海外の場合には、書面審理のみであった、今度初めてわずかだが盛ったというのですが、書面の審査をして、それで間違った報告をするばかなものは、普通一つもない。私はみな正常な報告をしてくると思う。それを実地に行って、証拠書類といろんなものを照らし合わしてみるから、そこに問題が出てくる。あなた方の経験からいって、おそらくそうであったろうと思う。そういう点からいうならば、書面を全部取り寄せることは当然でありましょうが、その中から、行って実地に検査して、初めて効果が上がってくるので、初めから書面で、この点まずいということで出してくるところはありませんよ。そういう点からも、私は何も会計検査院の予算を盛れ、盛れと無理に盛らせる意味ではないが、これではできぬでしょう。会計検査院としての、国家の予算が適正に使われたかどうか、使われているかどうかということを検査し判定するには、人員、予算きわめて貧弱ではないのかということを考えているわけですが、もう一度この点について、これで足りているか。逐次ふやしていこう、こういう御意思のようではありますけれども、それならば、政府に対して予算の要求をどのくらいしているか、どのくらいに査定されているか、この点を御答弁願いたいと思います。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 方針といたしまして、今の現状で十分だとは考えておりませんので、逐次ふやしていきたいということは先ほど申しました通りでありまして、これからもそれに対しては努力いたしたいと思っております。なお、三十五年度予算要求に対してどれほど査定されたか、ちょっと手元に資料を持っていませんので、記憶で申し上げて失礼でございますが、三十五年度の予算要求は、ちょっと従来と変わっておりまして、検査院の庁舎移転、いわゆる通産省に移転する、この方の予算要求、いわゆる施設の予算要求、これが相当にウエートを占めておったわけでありますが、これは今のままでは狭隙だから、増築する必要があるという予算要求をやったのでありますが、とりあえず一応増築予算はこの際見送って、今のところで何とかできないかという話で、こちらとしても検討しました結果、一応多少は窮屈であろうが入ろうというので、その予算を全部落としました。これが相当大きな金額で、ちょっと数字は覚えておりませんが、億単位で、そのための減があります。そのほか、一般の検査の経費としましては、二十五名程度の増員要求をやったのに対しまして、先ほど申しましたように、国家公務員の人員増加をこの際抑制したいというので、ことしは一応見送ろうということで、金額はちょっと覚えておりませんが、金額の減があります。あと旅費の方は、もう少し多く要求したわけでありますが、昨年よりか百万円くらい増というところで落ち着いた、こういうような次第でございます。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 さらにもとに返ってお尋ねしますが、既往年度の未確認部分で確認したものを、なぜ年度決算の指摘事項の中に入れて記載したのか。この年度決算の指摘事項は、別に記載できないものかどうか。旧憲法時代にはそのようにしていたと思われるわけですけれども、この点、取り扱いについてお尋ねしたい。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 ただいまの御質問は、確認した、つまりたとえば三十二年度で確認した部分について、何か事故があったときには、三十三年度に掲げるような取り扱いになっておるのが、従来と違っておるのではないか、こういう御質問かと存じますが、これは、原則としましては、確認した部分に対しては、もちろん検査報告としては取り上げないという方針でありますが、ただ三十二年度と三十三年度と関連してきている仕事、それが、三十二年度では、検査の結果明らかでないが、三十三年度の検査で明らかになったというようなものは、三十三年度の部分だけ取り上げて書くと、記述が非常に困難になるので、三十二年度分を含めてその全貌を明らかにする、こういうようなことで記述しておる点があります。これは旧会計検査院法当時も、記述の方法は多少違いまして、たとえば総額何千万円のうち何百万円は既往年度に属するものであるというような除外的な記述になっておったのですが、趣旨としましては同じような方法で掲載しておったと考えております。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 最後に、今この委員会で問題になっておるのは、せんじ詰めていくと、これは国会に提出するということになっておるが、それは両院別々に提出され、両院がそれぞれ異なった議決をする場合も出てきておる。そこでこういう報告主義をとらずに、議案として出したらば、そういう弊害はなくて済むのではないか。この決算制度のあり方というものをせんじ詰めていくと、報告主義でいくべきか、議案方式をとるべきか、こういうことになってくるわけです。そこでわれわれとして、今までここへ学者の方方にもおいで願い、また会計検査院からもこうやっておいで願っておる。法制局からも今度来てもらうつもりですが、そうして結論を出したいつもりですが、ここで報告主義でいいのか、報告のしつぱなしでいいのか、あるいは議案の方式をとるべきか。これについては会計検査院の事務総長としての答弁の権限でないといえばそれまでですが、これに対するあなたの方のいわゆる決算の効果を高める、権威をあらしめるためには、どの方法をとった方がいいとお考えになっておるか。この点での御見解を承りたいと思うのであります。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 決算を議案とするかどうかという点につきましては、会計検査院として、これはこうすべきものだというような見解は、ちょっと立場上申し上げかねる次第でございます。またいわゆる学説的に見ましても、いろいろ聞いてみますと、学者の御意見も、憲法において、承認を求めることになっていない、議案として出すことになっていないから、議案としては憲法改正も必要ではないかという御意見もあります。また一部には、いや、憲法はそのままとして議案として出し得るというような御見解もありまして、こういう憲法の解釈もありますので、どうもこれに対する会計検査院の意見としては、この際申し上げかねるのでありますが、ただ会計検査院といたしましては、先ほどもお言葉がありました通り、決算というものは十分国会において御審議願って、いわゆる会計検査院の検査報告だけで、もちろんそれに限定されるものでもないと思いますが、そこで縦横に決算の御審議を願って、いわゆる政府の責任をただすべきものはただすということによりまして、決算というものが非常に重要なものであるというふうに扱っていただくことを非常に望む次第でありまして、会計検査院の検査ということも、この国会の決算委員会が御審査を十分していただくことによって、その検査の結果というものの効果が上がってくるのではないか、かように考えておる次第であります。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 会計検査院が検査報告を政府に出されて、政府はこれを国会に出してきますが、そこで国会がこの検査報告に基づいていろいろ審議をして議決するから、これが何ぼかまだ決算に対する関心というものがあるわけですが、これがここで審議もしない、ただのあなたの方で政府出しっぱなしであったとするならば、おそらくもっと軽視されていくのではないかと思うのです。予算を編成するときに、この決算の結果の報告というものが予算編成に十分に取り入れられて、予算編成の反省の材料にならなければならない、こうわれわれは考える。そういう点からいくと、ただ報告であったのでは、これは報告なんだから聞きおけばいいわけだ。ここでいろいろ審議しても、あるいは議決しても、それは申しわけなかった、遺憾であった、今後気をつけますと言えば、それだけのことです。そこでさっきから申し上げておるように、予算というものがあれだけ重要視されているのだから、予算に対する決算というものは、もっと重要視され、権威のあるものにしなければならないではないか。そういう点からいうならば、あなたの立場からは御答弁は無理かもしれませんが、今の報告の形でいくよりも、議案としていった方が、その権威というものは十分高まってくるのではないか、こうわれわれは考える。さらにそうするためには、憲法を改正しなければできないという学者の意見があることもおっしゃる通りです。同時に、憲法を改正しなくても、財政法なり国会の諸法規を改正すればできるだろうという御意見もあるわけですが、今決算のやり方というものを見ていくと、あなたも十分に御承知のように、ほとんどこれは慣例、慣行でやられておりますね。私は、慣例、慣行も、国会においてはもちろん尊重しなければならないことはその通りだと思いますけれども、しかし慣例、慣行が必ずしも正しいという結論にはならない。そこで正しくないもの、間違ったものがあるならば、この慣例、慣行というものはやはり訂正すべきではないか、こう思うのです。そういう点から、この決算の慣例、慣行で今やっている中に、かなりの矛盾がある。たとえば国会が最高権威であるとするならば、国会の意思、議決というものは政府が十分に1十分どころではない、絶対に重んじなければならないものです。ところが、決算に対してかりに両院が別々な議決をしてしまった場合には、政府としてこれを尊重したくとも尊重しようがなくなってくるわけです。そういう点からいって、両院が協議できょうにするためには、議案として提出することにした方が、その効果、権威というものは高まるではないか、われわれはこう考えています。あなたは、会計検査院の事務総長として、会計検査院の検査の結果は、政治の上に、予算編成の上に、十分に反映することが望ましいということだけはお考えになっておると思うわけです。そこで、今の会計検査院の検査あるいは国会の議決というものが、予算編成の上に、政治の上に、予算の執行の上にも、十分に反映しているとお考えになっておるかどうか。これはお立場からいうならば、十分に反映していると思いますと答弁なさる以外に方法はないと思いますが、一つきょうは、その点についても、あなたの方で何か会計検査院の検査の結果が、予算編成の上にも、政治の上にも、これ以上に反映する方法をお考えになっているかいないか、お考えになっているとすれば、どうしたらできるかという御意見を、お聞かせ願いたいのです。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 どうも今の御質問に対しましては、会計検査院としての意見を申し上げることは立場として非常に困難でございまして、ただ繰り返すようでございますが、会計検査院といたしましては、決算というものが国会におきまして、また国民におきましても、より以上に強い関心を持たれ、決算の中の違法、不当とか、その他また別の見地から、予算の執行にこうしたよりベターな方法があるというような検査院の検査報告なり、あるいは国会の御審査の結果の議決なんというものが、より重要なファクターとして活発に予算に反映されるということを非常に望んでおる次第でありまして、これがなければ、検査ということが単なる検査で終わっては仕方がないと思っております。それにつきまして両院共同の議決がしかるべきではないかということになりますと、これは検査院としまして申し上げることはちよと立場上困難でございますので、申し上げかねますが、ただ個人といたしまして、旧帝国議会のころは、貴族院と衆議院とそれぞれが議決されておつたわけでありますが、当時は検査報告の一件々々についてそれぞれの議決があり、また極端になりますと、衆議院は政府の措置は適法と認めるという議決をされたのに対して、貴族院では政府の措置は穏当を欠くというように議決されておったような例もあります。こうしたことになると、ちょっと政府とじでむ困りますし、会計検査院の検査は一体どうであったかということに対して、何か非常に割り切れぬものを感ずるというようなことが過去においてあったことを、事実の話として一応お話し申し上げておく次第であります。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 検査院の方に、今私の申し上げていることの答弁をここで求めようとすることは、無理であろうということは私も考えますが、ただ検査院は、そういうために政府とは離れた独立の機関であるわけです。独立の機関であるということは、あくまでも公正に検査が行なわれなければならないという趣旨で独立の機関にしてあると思うのです。そういう点からいうならば、この検査をいかに厳重におやりになっても、どうその結論を出そうとも、これは使ってしまったものです。征って、それが今後の予算の執行や予算の編成に反映してくるのでないならば、ただこれはしかりおくという程度のものであり、国民には不愉快を与えるだけのことで、何の効果もない。これを効果あらしめたいということからいうと、議案でなければならないとかなんとか、より効果をあらしめる方法として今までよりももっと前進させる道はないのかということを痛切に考えて、三十三年度決算に入るにあたって、ぜひこの点を明確にしておきたいということで、今度皆さんにお出ましを願って御意見を聞いておるわけなんです。検査院の立場というものは十分に考えますが、同時に、実際にその仕事に当たっておられる最高の立場としていろいろそういう点での御意見がなければならないと私は思う。あるものがそのまま表現できない、しかねるということも、私にはわからないわけではありませんが、今の会計検査院の検査制度というもの、それから国会における決算委員会の審議というものに対しても、われわれは非常に遺憾な点がまだ多々あると考えておる。会計検査院の事務総長としておいでになっておるわけですけれども、事務総長としての立場でなくても、今の会計検査院のあり方、また決算委員会のあり方に対して、学者の意見より、実際に当たっているあなたとしての御意見が、多々おありだろうと私は思うので、ぜひそれを聞かせていただきたい。その言葉じりとかなんとかでなく、そういうものを十分参考にして今後のわれわれの意見をまとめ上げたいと思っているので、一つごだわらずに、聞かせていただける点があったら、お聞かせ願いたいのです。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 決算検査の結果が予算に反映するということは、非常に必要であり、検査院もきわめて望んでいる次第であります。その方法としては、検査報告に掲げたことを、内閣の方で検査報告の内容に基づいて予算の編成の参考にされることも一つの方法でありましょうし、またごの検査報告を中心とし、またその他の資料に基づきまして、国会の決算委員会において縦横に決算を審議していただくことによりまして、その結果が次の予算編成に何らかの予算節約その他のデータになるということが、きわめて望ましいことで、これがなければ、お話のありました通り、決算はただ決算の審査として、これに対して当、不当を判断するだけではやはり何かもの足りないのではないかという感じは、私も持っている次第であります、なお、過去におきまして、検査報告に、補助金の使途が悪いことを相当たくさん検査の結果摘発して、並べました。ああした点につきましては、予算編成の当局である大蔵省におきましても、そうした検査報告の内容から、これはどうも補助金が少し甘過ぎるのではないかというようなことから、それに基づいて予算の削減を行なったというような話も聞いております。こうしたことが絶えず行なわれていくことが、検査院としてはきわめて望ましいことである、かように考えている次第でございます。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 もう一点お尋ねさせていただきたいと思います。検査院の人員は三十三年度で千百七十八名、予算は五億三千二百万、こういう形ですが、これで海外は今までやらなかったとしても、国内の諸機構を検査なさるのには、おそらくその検査しなければならないものの。パーセンテージからいったら、ごく少数、ごくわずかより検査できないではないか、こう思うのです。そこで、検査しなければならない諸機関に対して、検査は、比率でいうなら、どのくらい行なわれていますか。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 検査の個所というのは、一応会計職員が所在する官署というように定めまして、それに対して実地検査を行なった個所全部まとめてみますると、八%程度の施行率になっております。しかしながら、これは全国一万数千ある郵便局もそれぞれ一ヵ所、電話局も一ヵ所、駅も一ヵ所ということにして、そのうち実地検査を行なった個所を拾ったのでありまして、いわゆる中央官署はもちろんのこと、地方官署でも、重要な地方官署というものにつきましては、毎年実地検査を行なっておる次第でございます。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 もう一点お尋ねしますが、重要な個所は毎年検査しておると言われるけれども、また同時に御答弁において、総計してみると八%にすぎない、こういうことなんで、そうすると、これは全く個所でいうならば、一回検査があったら、十年もたたなければそこへは回っていかない。書面は取るでしょうが、実地検査はできない。こういうことで、さっき私が申し上げたように、書面で不正や不当を発見できるとは私は思わない。疑惑は持つでしょう。それを今度行って実地検査で初めてはっきりしてくるわけで、それがわずかに八%にしかすぎないというなら、八%の検査の中で、あなたの方から不正、不当として指摘された件数は、何%ありますか。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 今の八%というのは、個所としてのあれですが、そのうち不当事項のあった個所ということになろうかと思いますが、検査報告をごらんいただいてもわかりますように、不当経理の行なわれているのは、まず一般官署としましては、大きな官署といいますか、中央官署の契約だとか、地方の主要官署の契約だとか、これが大半であります。それからあとは補助の不当——これは先ほど申し上げた八%ということは、補助はそれぞれ一個所々々々計算しない個所でありまして、補助としましては、また農林補助の率はどのくらい、建設補助の率はどのくらい、それぞれ違っております。たとえば農林の公共事業の補助は、三十三年度の検査によりますと、補助現場について約一〇%程度検査した次第であります。そして補助の現場を検査しますと、指摘の個所は、ほかの検査よりは非常に多くありまして、二十八年度ごろは、検査した個所のうち三〇%程度の個所に不当な個所があった、そういう事態があります。その後だんだんと、同じ目で検査しているのでありますが、減ってきまして、三十三年度におきましては、〇・三%程度が検査した個所のうち指摘した個所、補助の方ではそういう事態になっております。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 非常に膨大な機構をごく少数の人員と経費で検査するのですから、わずかしかできない。検査した結果は、何年だからょっと聞き漏らしましたが、三〇%もあって、今は非常に減ってきております。これはけっこうなんですが、検査をすると、こういうふうに三〇%も不正、不当なものが出てくる。しかも、検査をするパーセントというものはきわめて少ないというならば、検査の重要性というものは、数字の上からもはっきり出てくる。従って、この検査制度自体について、もっと変えなければならない、増強しなければならない、こういうことがわれわれ自身でも考えられるわけです。従って、あなたの方で、国の予算の執行を監査し、監視していて、これは大へんなことだということは十分に当事者としてお考えになっていると思うのです。であるがゆえに、今の決算の制度については、答弁は非常に困難だ、遠慮した方がいい、これはわかります。ならば、もう一回くどいようですがお尋ねしますが、会計検査院の検査の制度については、これを十分に充実なさる御意思、そしてそれを国に要求する御意思はございませんか。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 先ほど三〇数%あったのは二十八年度、それで非常に補助現場において不当事項が多いというので、三十年度の予算の要求におきまして増員要求をいたしまして、局も四つの局を五つにふやしまして、そして補助検査のための課を増しまして、検査を充実したわけであります。その後、だんだんと、同じ人数でやっているのでありますが、最近におきましては、先ほど申し上げましたように、そのパーセンテージは非常に減少している状態でありまして、これからも一つの事項に鞭臓まして非常に不当事項がふえるということになれば、当然その問題に関しての人員増加を要求して徹底しなければならない、これは当然考えております。ただ現在のところはそういうわけで、同じ目でやってだんだん減っておりますので、そういう意味において人員増加の要求が困難でありますが、むしろ全体的にまだ足りないのではないかという感じから、人員の増加を要求したい、かように考えている次第であります。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 けっこうです。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 それでは僕から一つお伺いしたいのですが、会計検査院法の二十九条ですね。その三号、「検査の結果法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項の有無」という点で、「予算に違反し」ということに私はちょっと疑問を持っておったのですけれども、先ほどこの条文を引いたあなたの御説明を聞いておると、予算の目的に合しているかいないかというような御説明があったと思います。もし「予算に違反し」という言葉を、予算の目的に合しているかいないということをあなたの方で検査せられるということになりますと、これならばもう単に不当、不正の検査だけでなしに、予算がはたして効率的に使われておるかいなやという問題に触れていくことができるばかりではない、その責任もある。つまり予算が効率的に使用せられておるやいなやということについて、検査院は当然その有無を検査していかなければならぬというふうに考えられて、現在の検査報告とすれば、はなはだ物足らぬような気がするのでありますが、その点はいかがでありましょう。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 ただいまの検査院法の二十九条の三号は、旧検査院法の十四条の第二号に同じような規定があったのですが、それをそのまま持っていったのです。その当時の規定は、いろいろな予算の執行が、「其ノ予算ノ規程又ハ法律勅令二違フコトナキや否や」、こういうのが検査報告に掲げる事態だ、こう規定してあったわけです。この予算の規定というのは、予算の目的、つまりたとえば大蔵本省という予算の項がある、その項の目的以外に予算を使っていないかどうか、こういうことを調べる、こういうふうに旧院法時代にも解釈されておりました。また現在の「予算に違反し」という言葉も、いわゆる予算の項の目的に違反していないかどうか、こういうふうに解釈されて、今まできております。新院法でこの点が違いましたのは、「又は不当と認めた事項」というので、経済的に不当な事項も検査報告に掲げるということを明らかにした。従来この規定がなかったというのを明らかにした点で違った、かように解釈してきておる次第でございます。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 わかりました。それからもう一点。これはできるかどうかということなのですけれども、会計検査院というものは、大体大蔵大臣が決算を決定して提出した、それに基づいて不正、不当がありゃいなやを調査するのが使命なのです。ところが、われわれは実際問題として考えますときに、昭和三十三年度の決算というのは、ようやく昨年の暮れに報告が提出せられた。そうして今これをわれわれがこれから審議しようというのですが、そのときには、もう三十五年度の予算は成立してしまっておる。それで具体的な問題として、こういうことがあり得ると思うのです。現在昭和三十五年度の予算が執行せられつつある。その過程において、どうもあの予算の使い方はルーズではないかというふうに考えたときに、会計検査院とすれば、政府からの報告が出なければ、そのルーズということがわかっておっても、それを調査することはできぬということになるでしょう。それがようやく昭和三十七年になって、決算委員会の審議に付されるというようなことになるわけであります。そうすると、現に進行中のものについて、そういう疑いがあった場合といえども、それはほったらかしておいて、大蔵大臣からの決算の決定を見て受け取った上でなければ審査ができぬというのでは、どうも次の予算の編成——たとえばそれが早くわかれば、三十六年度の予算編成の上に、その過失を参考にすることができる、予算編成に影響させることができることになりますけれども、そういう場合に、もし国会がある特定の問題について、その支出の方法について至急調査してほしい、そういう資料を要求したいと思うけれども、それを会計検査院にやってくれと国会が要求した場合に、会計検査院はそれをすることができますか。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 ただいまの会計検査院法によりますと、会計検査院は内閣の請求により検査することができるという規定があります。でも実際問題になったことはございませんが、これも解釈といたしましては、会計検査院は独自の見地から検査するのだ、ただ内閣が検査してくれということを検査院に請求することはできるのだという意味においてここに入っておるのだというふうに解釈されております。やはり会計検査院の検査というものは、検査院として独自の立場で検査をするのだという立場が、最も公正妥当ではないか、かように考えておりますので、ただいま御質問のありました、国会から要求されたから検査ができるかということは、国会の要求があったから検査しなければならぬという意味においては、現行法上困難ではなかろうかと思います。しかしながら、国会の方でこういう疑問があるということがありますれば、検査院としてはそれを一つの検査の資料といたしまして、その点を検査院として調べる、こういうことは実際問題としては当然あり得るのではないかと考えておる次第でございます。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 それでは、国会の要求によって、会計検査院が現に進行中の年度の支出について調査するということはしないけれども、国会の方でそういう疑問を持って、こういう点について調査してほしいと希望するとか、あなたの方へ指摘するとか、注意を与えた場合は、会計年度の終了しない年度の会計についても、調査することができるのですか。検査院独自の立場においてですね。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 会計検査院の検査は、もちろん決算検査でありますが、いわゆる予算執行の終わったものに対しては常時検査をするという建前になっておりますので、進行中の年度のものでも、その経理が終わっておりますれば、すなわち契約が終わっている、あるいは支出が終わっているということになりますれば、当然検査の対象として検査し得る権限があり、また当然これは検査しなければならぬ場合が生ずる、こういうことになっておりますので、進行中のものでも、検査院独自として検査することは、当然可能であり、また必要なる場合も出てくる、かように考えております。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 そうすると、もう一点お伺いしますが、会計検査院は、政府からも、国会からも、独立した機関だ。しかし、政府から検査してほしいという要求があれば、会計検査院は検査しなければならぬ。ところが、国会が要求しても、検査をしなくてもいいんだ、こういうことになるのですか、事実問題としては。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 先ほどその点をちょっと御説明したのがあるいは足りなかったのかもしれませんですが検査院法には、内閣の請求により検査すると書いてあるが、これは内閣がむしろ検査をしてくれと請求することはできるのだという意味において規定されているのであって、請求があったかお会計検査院は検査しなければならないという趣旨の規定ではない、会計検査院はあくまでも独自の立場で検査するのだ、こういう趣旨であるというふうにこの法律を解釈しておりますので、今までは例はありませんですが、内閣から検査してくれと言われたからとい。て、すぐそれを検査しなければならないということにもならないのではないか。やはり会計検査院としては、そらしたものを一つの資料としまして、こういう請求があったから、なるほどこういう点を調べなければならぬと思ったときには、独自の立場で検査する、こういうふうに考えておる次第であります。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 そうすると、会計検査院というものは、同じく内閣からも国会からも独立した機関ではあるけれども、内閣はとにかく要求することはできる。それに基づいてやる、やらぬは独官の見解で検査院がやるけれども、内閣がそれを要求することができるとなっておるのに、国会からはそれを要求することができぬのですね。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 これは、法律がどうしてこういう格好になったのか、今はちょっと因縁は明らかでありませんですが、法律上は、国会の要求によりという文句は出てはおりませんです。しかしながら、先ほど申しましたように、これは法律に書いてある、書いてないという問題よりも、実際問題としては同じではないか。こういう問題があるということ、これは検査の必要があるのではないかということを国会からの御要求——御要求という格好になりますか、あるいは内閣の請求、あるいは一般の国民からの要望、投書、こうしたものも、検査院として検査するときは一つの参考資料としまして、これはどうしても検査する必要があると認めれば、検査する、こういうことになるんじゃないかと思います。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 それは現に進行中の、現実の生きた収支についてやることができるんですね。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 さようでございます。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 久保君。

久保三郎日本社会党

○久保委員 それじゃ今のに関連してちょっとお尋ねしますが、予算執行中にもチェックすることができるということでありますが、これは会計検査院独自の立場でということであれば、それと同時に、今委員長からお尋ねの国会からの請求権というものは、あった方がいいか、今のままがいいか、どういうふうに検査院はお考えになりますか。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 会計検査院という組織が、内閣から独立してこういう機関ができているという立場からしますれば、やはり会計検査院の検査というのは、独自の立場でやるという建前をとった方が公正妥当な道を保てるゆえんではないか、かように考えている次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 公正妥当というのは、検査の内容に注文をつけるということじゃなくて、国会の請求は、これにどうも疑問があるという場合に、請求をするということだと思うのです。そうだとすれば、これを受けて立って、検査院は独自の立場から独立の機関として検査して国会に報告するのが、国民に報告するのが当然ではなかろうかと常識的に思うのですが、どうでしょう。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 こうした問題があるということが国会などで論議されまして、そうした疑問があるような事態ならば、これは当然会計検査院としても検査する必要が出てくる、これは言うまでもないことじゃないかと思います。ただ、それを国会がこういう問題があるから調べて報告しろといったときに、これを、すぐ調べた結果こうであったと報告するということには、現在の法制上はなっていないんではないか、かように考える次第であります。

久保三郎日本社会党

○久保委員 あなたの御意見を聞いているのでありまして、実際は今のような御説明に法律の建前はなっている。国会の請求権が今度法的にできましても、決して会計検査院独自の検査機能、権限を侵すという意味ではなくて、請求する権利は当然あってしかるべきではなかろうかという考えを持つんだが、あなたのお考えはどうだろうかと聞いているのです。いかがでしょうか。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 ただいまのは、いわゆる国会が請求して、会計検査院の検査を命ずるといいますか、請求することはできる、会計検査院はこれを受けて検査しなければならないというようなことを法律に規定することがどうであろうか、こういう御質問かと思いますが、これに関しましては、これは法律で規定することは立法府の国会の方で御審議願うことでございますが、私、会計検査院事務総長としての私の立場から申しますれば、こうした会計検査院という独立した機関を設けておるのでありますから、やはり会計検査院は、そうした請求に基づいて検査しなければならないというような義務づけを受けることはどうかという感じが、私としてはする次第でございます。これはもちろん立法府としてそうした法律を制定されるならば、これに従ってわれわれとしては検査して報告するのは当然だろうと思います。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 今の問題にちょっと関連するのですが、その場合に、国会がこういう問題について調査してほしいというのであなたの方を刺激して、もっともだからこれは調査しなければならぬといって調査した場合に、会計検査院ではその調査の結果を報告するのには、やはりその年度、三十五年度の決算報告書の中で報告するだけであって、われわれがそれを要求したのは、早く反映せしめたいという意味で要求しているのだが、調査の結果を、衆議院の要求に刺激せられて、あなたの方が独自の見解で調査の完了次第すみやかに国会に報告するということはできるんですか、できないんですか。やはりある年度の会計決算がきまって、その報告書の中でなければ報告はできぬことになるのですか。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 現在のところでは、中間報告というような制度が規定されておりませんので、やはり不当と認めた事項は、その年度の検査報告に掲げるということになって、公式に発表になるのは、やはり検査報告に掲げるときでありまして、相当おくれる、こういうことになろうかと思います。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 ちょっとお尋ねしますが、会計検査院は、報告書を政府に提出しますね。そして政府はそれに説明書をつけて国会に出してくるわけでありますが、そこで会計検査院という独立した機関は、その検査の結果について、内閣に対して責任を負うが、国会に対しても負うのか。内閣並びに国会に負うのか。会計検査院の責任の所在——所在というよりも、どこに責任を負うことになるのですか。内閣に報告書を出すだけが責任で、それだけで、ほかには何もないわけですか。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 今の責任を負うということがどいうことかちょっとはっきりいたしませんですが、検査院の責務といたしましては、検査報告の問題を別にいたしますれば、検査報告を作成して、決算に添付して内閣に回付する、こうしたことが検査院の責務になっている次第でございます。そのほか、出納官吏の弁償責任その他はありますが、これはまた別の問題である、かように考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 先ほどのお話ですが、われわれは、決して会計検査院の独立的な立場を変更させようという意味で御質問をしているわけではないのです。どうもあなたのお考えでは、よそからいろいろな注文をつけられるのは、独自の立場を侵害されるというお考えのようでありますが、そういう意味の独立機関じゃないでしょう。どうなんでしょうか。独立機関というのは、注文はそれぞれ受けても、これに基づいての検査の内容、あるいは仕方、ものの判断、これはあらゆるものから制肘を受けない、こういうのが独立機関だとわれわれは了解しているのですが、どうでしょう。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 おっしゃる通りでございます。先ほど申しましたのはそういう趣旨で、つまり国会あるいは内閣、あるいは一般その他から、こういうことを検査してほしいという要求がありましても、そのために検査するという立場でなく、それを検査することが適当であるか、必要であるかということを独自に判断して検査する、そういう立場において独立の機関であろう、かように考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 だとすれば、たとえば請求権があっても、あなたの方の立場からすれば問題はないのではないですか。ただあなたの立場は、お話は、どうも四角四面のようでございまして、立法府がおきめになることならば、自由でございます。——ここは今大体意見を交換しているところでございますから、貴重な御意見をお伺いしたいということで、そういう意味でお伺いしているのですから、勝手にやればいいというのはちょっと語弊がありますが、それは作りたければ作ってもいいですよ、そういうことじゃなくて、あなたの立場から見ればどうか、こういうことなんです。もう一ぺんくどいようですが……。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 同じことを御返事申し上げることになるかもしれませんですが、検査院といたしましては、これは検査する必要がある、そうしてこれが結論としてどうであるか、これを独自の立場で決定する建前をとっていくのが妥当ではないか、こう考えますので、国会からこうしたことを検査の必要があるのではないか、あるいは検査してほしい、こういう要求がありましたならば、それを一つの資料として検査院として検査する。これは、特に国会で問題になるような問題は、検査院でも、おれは独自の立場だから、これを検査しようがしまいが勝手だ、検査しないのだ、こういうことでなく、これは独自の立場であればあるほど、こうした問題はきわめなければならぬ、これは当然であろうと思います。ただ、検査の結果どうであったかという報告を、法律上義務づけられてやるということになると、検査院というものが何か独立機関である点がなくなるのではないか。やはり報告も、検査院独自で報告する、いわゆる検査報告書で報告することになるんじゃなかろうか、こういう建前が必要ではないかというように考える次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 例にとっては少し違いましょうが、たとえば裁判ですね。裁判は、請求によって裁判するわけでありますが、その場合には、裁判しなければならぬわけですね。それでもやはり独自の立場だということだと思います。請求があったら、やっぱりそれを受けて立つということがなければ、独自の判断によって、やらなくてもいいのだという判断だけでは、ちょっとどうかとわれわれは思うのですが、そういうのはどうでしょうか。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 裁判は、結局だれかの請求に基づいて裁判するのでございますが、検査の方は、やはり検査院が検査をするという建前で検査をするということになりますので、多少違うかと考えるのですが、今まで私が申しましたのは、あくまでも一つの理論として申し上げたのでありまして、実際問題としまして、国会の方でこういう問題があるということになれば、検査院としては当然それに基づいて——検査をほうっておくということはまずないと思います。検査がその結果どうであったかということを、報告としてこういう文書で出さなくても、何か審査の途中において、こういう問題をあなたの方で検査をしたか、検査をしました、その結果どうであったかという質問に答えるということは、実際問題としては出てくるだろうと存じます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 実際問題のことは、そう問題ないんじゃないかと思うのです。今当委員会で審議しているのは、決算全体に対しての筋道を審査しているのでありますから、そういう点でお尋ねしているので、実際ではそうでしょう。  ところで、決算報告が、死児のよわいを数えるというか、そういう格好になって、正式には内閣、内閣から国会ということになってくるのでありまして、さっきの予算執行中の中間におけるチェックの問題でありますが、実際の効果からいけば、中間におけるチェックの方が比重が重いのじゃないか、またそうあるべきじゃないか、こういうふうにも考えるのですが、実際問題としていかがでしょうか。今あなたの方の検査院が、独自の立場で検査をやられていることは、もう欽定憲法以来おやりになっているのでありますから、それでいい、ということばかりではないと思うのでありますが、これはどうも死児のよわいを数えるこひとしいものだ。もう少し積極的にチェックして、会計検査院としては、機能を十分に発揮すべきではないか、こういうふうにも考えられるのですが、どうでしょう。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 その問題は、実際問題として中間に何とかまとめて、それである程度公表とはいかぬでも、意見というものをまとめたらいいのじゃないかということは、検査院内部でもだいぶ論ぜられておるところでありますが、今度は、実際の運行はどうかということを非常に苦心しておるのでありますが、結局国の経理というものは、一年度といいましても、支出などが一番多く集中するのは、どうしても年度末になるのであります。三月、四月という時期の支出が多い。そうすると、それの検査がどうしてもだんだんおくれて、本庁——主要な官庁の検査は、八月から九月になる。それが終わって、討議をして当否を判断すると、やっぱり十月、十一月になって、結局検査報告になってしまう。中間報告までに判断の熟するというのは、きわめて軽易な問題だけになってしまう。そうして一度中間整理をやったことがあるのですが、結局どうも大したまとまり——いわゆる予算の編成上参考になるというような問題は何も出てこないというので、検査院内部の努力の不十分ということをいわれると、そうかもしれませんが、現在の人員、能力をもってすると、どうしても中間にまとめるということが、実際問題として困難であるというのが、立場でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 あとからお話があった実際の機能というか、今の人員という問題で制肘があるようにわれわれも見ているのであります。先ほど小川委員からも御質問のように、会計検査院の機構拡充をやるべきではないかというふうな考え方も、片方にはあるわけです。実際に予算の執行中にヂェックができなかったものを、二、三年たったあとに、正式に国会まで参ってからどうのこうのといっても、これは始まらぬことでありまして、特に汚職追放というのが岸内閣の使命でもありますし、国民全体の世論というか、強い希望でもありますので……。それからもう一つは、汚職がなくても、予算というものの効果的な使用、こういうようなことを考えますれば、会計検査院の検査の使命というものは、もっと幅を広げた形で、道義的な立場でおやりになるのがいいと思う。  そこで機構拡充の問題でありますが、単に中央において会計検査院が千何名かおられるということじゃなくて、重要な地区には、そういうものの地方機構も設けて、常時検査機能をフルに動かして、国民の期待にこたえていくという制度の拡充はぜひ必要じゃないか、こういうふうにも考えますが、そういうお考えは、部内でもないのでしょうか、どうでしょうか。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 検査院の地方支部というか、支局を設けたらどうかという点は、新会計検査院法制定のときに問題になりまして、一応法律上は支局を設けることができるという規定になっておるのであります。それがなぜ実現しないかといいますと、結局検査院としての意思決定というのは、五名の合議制たる検査官会議において決定する。そうすると、地方支局を設けても、地方支局に委任し得る事務というものは、きわめて限定されて、ただ証拠書類を集めて、調べた結果を東京の方へ報告して、東京の方からまたまとめて照会するというようなことになって、むしろ地方支局を置くよりも、実地検査に方々回って歩いて見た方が、より中央集権といいますか、まとめて見られるのじゃないかという意見の方が強くて、今日まで、法律上では支局を設けることができるといいながら、支局設置の予算の要求をいたしたこともございません。これはそのままになっておる。これは内部でも相当論議されたのでありますが、やはり支局を置いても、それにまかせ得る事務というものがきわめて限定されるので、支局設置のために相当の金を使うということは、あまり好ましい方法でないのじゃないか、こういうふうに考えて今日まできておるわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 それではまたもと通りの話になってしまうのでありまして、先ほど私が申し上げたような拡充というか、そういうものにはならぬと思う。これはこれからの問題でありますが、今の制度に改革すべき点があるなら、これは率直に改革の要求をするなり、独自の立場でやるなり、もうすでにそういうことをすべき時期にきておるのではなかろうか、こういうふうに思うのですが、やはりどうにもならぬから、このままでいくというのが、今の会計検査院の支配的な空気ですか。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 どうにもならぬからこのままでいくということよりも、むしろ現状では、まだ人員不足であろうということは考えております。だから、これをステップ・バイ・ステップに増加していきたい。この根本方針は別に変わってはいない。いつ増していくかということに対しまして、最近では、先ほど申しましたように、三十年度で、ちょっと人数は忘れましたが、約六十名程度であったかと思いますが、増員をいたしました。それがこの四年、五年で逐次充実してきたというような状態でありまして、いずれまた早晩、この全般的な拡充のための人員ということの要求が熾烈になってくるであろう、かように考える次第であります。

久保三郎日本社会党

○久保委員 日本の機構は大体そういうところですが、外国の機構については、お調べになっておりますか。大体外国の機構も、こういう程度の機構でしょうか。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 外国のことは私あまりよく存じませんが、人の話を拾い聞きした程度でございますが、アメリカの会計検査院では、人員は非常に多いようであります。それからインドの会計検査院というのも、非常に多いようであります。しかしながら、これは現在の日本の会計検査院のしておる仕事以上に、現在日本ならば大蔵省がやっておるような、予算の確認といいますか、あるいは支出の負担行為の確認というもの、そういうような仕事もその方でやっておるというために、人数が多い。また地方公共団体も、インドなどは地方、州などの検査は、全部インドの会計検査がやっているというように聞いております。そのために人数は非常に多いと聞いております。なお、今度はフランスとかイタリーというのは、裁判所的な会計検査院になっておりますので、この方の人数はさほど多くはないのじゃないかといふうに承知しております。各国それぞれ、検査院といいましても、検査院の機能が違っておりまして、人数もそれぞれであります。ただ余談でありますが、アメリカとしては、会計検査院は少な過ぎるのじゃないかということは、終戦後にもよく意見が出て、そのために、三百五十名ぐらいが今日の千百何名になったということは、そうしたアメリカなどの意見も一つには相当バツクになっておる、こういうような状態でございます。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 この「国の決算と検査」、この中を見ると、さっきの御答弁で、独立した機関であるから、国会からも政府からも要求されないで云々と  いうことでありますが、ここに「会計経理の取り扱いについて利害関係人が行なう審査の要求に対する審査決定並びに法令」ということがあるので、その点からいうと、利害関係人が審査の要求をした場合には、審査し、決定しなければならないと義務づけられておるのです。国会や内閣からはそういうあれは受けないが、利害関係人からする要求があった場合にはやるということになるのですか。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 これは会計検査院法の第三十五条でございます。これに規定されておることは、旧会計検査院法にはなかった規定でありまして、これはアメリカの制度だそうでありますが、クレーム・セッツルメントといいまして、各会計職員から、たとえば金の支払いを受けたとか、あるいは徴収の要求を受けたというような場合、相手方の会計職員の態度がどうも不法ではないか、違法ではないかといったときに、訴訟を起こすといいますか、そうしたときにこれを審査請求という格好で会計検査院に審査請求していく。そうすると、会計検査院は、それに基づきまして、会計職員の措置が適法であったかどうかということを審査しまして、これは是正する必要がある、これは是正する必要がないということを判定する、こういうような制度をとっておるのでありまして、それに基づきましての審査請求が、年に一件か二件ずつ出てくる次第であります。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 だから、利害関係人が審査請求してくればあなたの方ではこれをするわけなんですが、国会でこういう点を調査してほしということがあっても、これは独立した機関であるから、便宜上はやっておるけれども、そういう請求は受けないのだというのが、あなたの答弁であったと思う。そうすると、利害関係人である個人が審査請求した場合にはやりながら、国会がそういう請求をしてもやらないというのは、どういうことなんですか。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 利害関係人の請求に基づく分だけをこの三十五条に規定しておるのでありまして、いわゆる国家機関からの請求ということは、この三十五条には包含されてないのであります。これはあくまでも個々の会計行為というものに対して、たとえば、私は国に百万円の物品を納めておるが、いつまでも代金を支払ってくれない、これに対して審査請求するというような点がこの三十五条になっておるのでありまして、今のこうした点を国会から調べてくれというような、国家機関からの請求というのは、これには含まれていない。これはどういうあれかといいますと、ちょっと建前が違っておるので、こういうことになっておるのじゃないかと思います。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 それから「制度及び行政の改善についての意見表示または処置要求等も、会計検査院の権限に属している。」こういうことが書かれていますが、そうすると、会計検査院がなさる仕事というのは、支出が不正であったか、不当であったかということだけではなく、この点からいうならば、予算を政府が提出するときの予算の説明なり説明書というものがあるが、そういう趣旨に沿ってその予算が使われたかどうか、あるいはそれに対する経済・効果が上がったかどうかということも、当然ここに書かれてある「制度及び行政の改善についての意見表示」という中に含まれてくると思うのです。含まれてこないならこれは別ですけれども、含まれるとするならば、こういう経済効果の点について、予算説明の趣旨に沿うか、沿わないかという点について、会計検査院としては政府に処置等を要求したことがございますか。あるとすれば、検査報告にはそういうのが出ていますか。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 これは、この条文に基づきました点はございます。三十三年度には、指摘するような事項はありませんでしたが、過去におきまして、ちょっとうろ覚えで恐縮ですが、たとえば物品の検収という制度があまりはっきりしていない、これをあくまでも補助者として、契約担当官、支出負担行為担当官の補助者として、正規に任命してやるべきじゃないかという意見を表示したこともございますし、あるいは会計職員の資質がどうも戦後非常に落ちているのではないか、だから、資質向上のために研修制度を設ける必要があるのではないかという意見を表示したことがございます。これが今日の大蔵省の会計職員研修所発足の原因になったのてございますが、その他いろいろそうした制度上意見表示した例は今までもあります。これは意見表示した各年度の検査報告にそれぞれ掲載されております。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 これはさっき久保さんの御質問か委員長の御質問かに対しての答弁ですが、予算の執行が年度末に集中されて行なわれている。従って、検査院の方でも、時間的に検査報告等を作成するのに非常に困難をしておるということ、これは事務上の困難ですが、予算が年度末に集中して使われていくというところに——いよいよ年度が切れるからというので、急いで使っていくという傾向があることは、これはあなたも認められるだろうと思います。従って、そういう予算の執行の方法というものは、改めることが当然だと思う。そうなってくると、そういう意見というものは、当然会計検査院から、この点からでも「制度及び行政の改善についての意見表示」という中には出てこなければならぬと思う。そういうことを会計検査院としてなさったことがありますか。あったとすれば、そういうふうに行なわれているのだから、政府がいまだかつて守っていないのだということにわれわれは解釈せざるを得ないわけなんですが、そういう点を具申されたことがございますか。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 この意見表示は、やはり検査院といたしまして、これこれの原因がこれだからこれはこうあるべきではないかというので、ある程度具体的に表示しないと、ただいまのような場合にばく然と、これはおもしろくないじゃないかというのでは、やはり検査院の意見表示としてはちょっと不十分じゃないかというような考えもありまして、ただいまの年度末集中の傾向というのに対して、これはいかぬじゃないかという意見表示をしたことは、今までございません。これはなぜないかといいますと、結局何が原因だといいますると、やはりいろいろな原因があって、どれを是正したらこれが直るかという点に対して、検査院としては、はなはだあれですが、的確な改善対策といいますか、そうしたものが考えられないで、これに対してはまだ意見表示したことは、従来もないと記憶しております。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 ここはやはり重大だと私は思うのです。私は建設委員会でもこの点を発言したことがあるのですが、たとえば冬になってどんどん凍ってくる、時間は短くなる、そういうときになって舗装がどんどんやられている。これは効果が上がっていないじゃないか。従って、もっとコンスタントにやるようにしたらいいじゃないか、こういう意見を述べたことがあるのですが、当然会計検査院としても、予算の執行が適正に行なわれて、その経済効果が上がるか、上がらないかということが、大きな問題だと思うのです。そうしてここに何十万の不正があった、ここに何百万の不当事項があったということだけでなく、会計検査院というものは、そうした予算執行に対する経済効果というものを十分に考えていける権限というものがあってしかるべきだと思う。そういう点からいうならば、何が原因かということがわからなかったからとおっしゃられますけれども、予算というものは、年間に使われるわけなんで、それが年度末だけに集中して使われるということ自体に対して、原因がどこにあろうとも、その原因を究明して改善すべきだという意見というものは、当然あるべきでないか。これはなかったとすれば仕方がありませんが、あったとするなら、それが今もって年度末に集中して使われている。この事実の中に、これは政府がその意見というものを重んじなかった、無視していたということになるわけで、今までにそういうことをしていなかったと言えば、それを軽視したということにはなりませんが、そういうことも当然会計検査院の行なう権限の中にあってしかるべきじゃないか。そういうことこそ、会計検査院として——行政管理庁というものもありますけれども、十分に連絡をとってそういう点の警告なり要望なりがあってしかるべきじゃないか。そういう権限というものはないわけですか、ありますか。

大沢実会計検査院事務総長

○大沢会計検査院説明員 これは三十六条に、制度または行政に関し改善を要求することができるとありますから、権限としては当然あるわけでございます。また、絶えずそうした面において改善要求をする事項がありゃせぬかということは考えております。ただ、これは検査院の取り扱いですが、これを単独の改善意見として表示するか、あるいは先ほど申しました検査報告の概説として掲げるかということは、やや取り扱いが区々になっておる点がありますが、こうした全般的な予算に対する盲点といいますか、降路といいますか、そうした点に対する検討というものは、絶えず検討しつつあり、また将来もこれは大いにしなければならぬ事柄であると思います。ただいまお示しになった年度末集中のことに対して、今まで意見表示をしなかった点があることは、御指摘の通り、もっと早くこうした点に対しては検査院として意見を表示すべきであったと存じますが、今まで実情においてしていなかったということが事実でありまして、さよう御承知を願います。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 そこで原因をあなたの方で確かめなければならないということよりも、どこにそういう原因があるかということを十分に調査、検討してこれを是正すべきであるということで、これは行政管理庁の職務に属するかどうか知らぬが、私は、会計検査院はそれでいいと思うのです。その原因まであなたの方で確かめなければできないのだということならば、なかなか仕事が進まない。やはりその原因までも当該各省で探究して改めるように要求することは、会計検査院としてやっていいことであって、原因をあなたの方で確かめなければできないということならば、それはさっき言った人手が足らないのだ、予算が足らないのだということになってしまう。そういうことを今後十分におやりになることを、われわれは、会一計検査院の権限、職務として望んでおるわけです。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 次会は、法制局山内第一部長の出席を求めて、意見を聴取することにいたします。  本日は、この程度にとどめ、散会いたします。     午後零時三十四分散会

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