決算委員会 第12号
- 発言数
- 19 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1960/03/11
会議録
○鈴木委員長 これより決算委員会を開会いたします。 昭和三十三年度一般会計予備費使用総調書(その2)外五件を一括して議題とし、審査を進めます。質疑の通告があります。これを許します。小川豊明君。
○小川(豊)委員 前の水曜日の決算委員会で、この予備費の資料として要求してあったわけですが、その要求は、一つは一般予算にすでに組み入れて出すべきような性質のもの、すなわち前年度も前々年度も同じような形で予備費が要求されているものがあるではないか、こういう点から、資料をお願いしたわけですが、その資料というものが今ここに出たわけです。この資料に対する説明をお願いしたいわけです。
○中尾説明員 御説明いたします。お手元にお配りいたしました資料について申し上げます。ここに、おもな経費で三十一年、二年、三年、四年——まあ四年は途中でございますから、数字が入っておるところもあり、入ってないところもあるわけですが、予備費を毎年出しておるようなものが、そこに並んでおります。裁判費、それから訟務費、租税還付加算金、それから退官退職手当、災害救助、それから政府職員に対する退職手当のうちの失業保険の関係から付加されまする手当、こういうようなものが載っておりますが、これらは、御承知の通り、いずれもいわゆる俗に補充使途といっておりますが、客観的ないろいろな条件が数量的にふえたり減ったりいたしますと、それに応じて予算を積算して、それで生活をしていくという経費になっております。これらのものにつきましては、査定上といたしましても、いわゆる財政運営上の政策的な査定というものは、その色彩が薄いのでございまして、その年度に間違いなくこの程度は要るであろうという金額を正確に見積もりまして、予算化するということが目標になる経費でございます。しかしながら、一方で幾ら正確を期しましてこれを計上いたしておきましても、もし、たとえば裁判費について申しますれば、新しく措置するところの件数がふえる——訟務、検察あたりもそうであります。登記にいたしましても、登記の件数がふえるということになりますと、これは予算生活をしておるから、その範囲内でがまんをして差し繰ってやるということをいたしましても、やはり限度がございます。足りない分は、どうしても数量的に補充をしていかなければならぬという経費でございます。これらの経費につきまして、この数字を見ていただきますと大体おわかり願えると思いますが、たとえば、裁判費について申し上げますと、三十一年度予算額は十二億八千九百万円あまり、それに対しまして、九千八百万円の予備費の使用をいたしております。三十二年度の予算を組みまする際には、これが十四億三千八百万円、一億四千八百万円ほどふやしておるわけであります。この予備費の使用のもとになりました事件発生の傾向がございますが、これをさらに伸ばして推定をした結果、こういう見積もりを立てたわけでございます。三十二年度はそれで済んだ。三十三年度になりますると、またここで新しい資料になりまして査定をいたしております。十三億八千万円の予算を計上いたしておりますが、予備費がやはり必要になりまして、六千六百万円ということになっております。三十一年度に比べますと、若干下回りますが、やはり足りなかったということであります。三十四年度におきましては、前年度六千六百万円を予備費で使用いたしましたが、そのもとになっておりますところの実績資料を基礎にいたしまして、それで三十四年度中の見通しを立てまして予算を査定いたしました結果、十四億六千七百万円あまりというものを予算化いた出しておるわけであります。このようなことになっております。 あと、訟務関係等も大体みな同じでございます。それぞれ若干の程度の違いはありますが、いずれにいたしましても、客観的な債権・債務関係というものが発生いたしますところの原因と言うものが数量的に出て参りますと、それに応じてやっておるわけであります。予算の計上の方も、こういうものは多くの場合、過去の実績の最近の資料に基づいて計上いたします。従って、予備費使用というような事実の基礎になる資料が、そのまままた翌年度の予算の査定の資料と重複する部分が多いものでありますから、おおむね予備費を使用したようなものにつきましては、その翌年度予算がふえることになります。もちろん、ものによりましては例外もございまして、かつて御質問もあった、例の還付加算金あたりは、減っておることもございます。裁判費、これは主として自動車の増加に伴う交通事件の増加が大きく響いたのであります。増加傾向に終始いたしますが、還付加算金あたりになりますと、今度は経済情勢、法人の収益を中心といたしますところの事業の収支決算の趨勢というものの見込みになりますので、そういう見込みによって査定いたしました結果、こういうことになっております。御質疑の御趣旨は、予備費でございますから、予見し得べからざる経費に使用いたすべきものである、しかるに、予算の査定において不十分があったのではないか、予見し得たものを予算に計上しておらなかった、その結果不足をして予備費を出す、これは当然予見し得た経費に対して予備費を使用しておるのではないかということかと存じます。そういう点と承りました。予備費使用は、もちろん緊急なものでございます。また、予算といたしましても、例外の措置でございますので、私どもも、一番念査をいたしますのは、その点であります。いろいろ具体的にやっておりますと、当然普通の常識を持っておれば予見し得たであろうというような事項につきまして、予算が用意されていないというようなことのないように、予算の編成の際には十分に気をつけておるのであります。その姿を御理解願いたいと存じまして、これを提出させていただいたわけであります。
○小川(豊)委員 今御説明をお聞きしたわけですが、おっしゃる通りに、予備費というのは予測し得ない費目に対して組むわけですから、そこで私がこういう資料をお出し願ったのは、こういうものは、予備費としてとっておくのでなく、一般会計に入れておくべきではないかという筋合いから御質問して御説明を承ったわけで、その点については了解つくのですが、ただ今度は、具体的にこれを見ますと、運輸本省ですが、予備費はたくさん——たくさんとは言わないが、相当要求しているが、それはそう使用されずに、不用額としてかなり出ている、そしてさらに予備費は要求されている、そういう点が見受けられる。この三十二年度一般会計予備費使用総調書の中の二四ページの運輸本省の中にあるわけですけれども、これを見ますと、ここでは予備費の使用額としては六十四万九千円と出ている。片一方には不用額として三千七百七十四万九千何がしというのが出ているのです。これは港湾事業工事事務費、こうなっているわけです。そこで、今度後段を見ますと、超過勤務手当三万五千円、使用額としてはこういうふうになっている。不用額としては百二十二万三千三百四円、こういうふうな金額が出ている。次の常勤職員給与を見ても、一万六千円の使用額になっておって、不用額としては膨大な数字が出ている。この点を一つ説明していただきたいと思います。三十三年度の四二二ページ。
○向井政府委員 ちょっと御質問の御趣旨を取り違えまして、時間をとりまして申しわけございません。御質問の御趣旨につきましては、予備費といたしましては六十三万円、そこに内訳がございますように、超過勤務手当で二十七万円、その他になっておるわけでございます。御指摘の不用額を多額に生じておりますのは、そこに下の方に御説明がありますように、三十三年度におきまして、定員法の一部を改正する法律が施行されたのであります。そのために、港湾の工事におきまして、相当多数使用しておりました常勤職員の給与でありますが、この給与は、常職員が一般の予算定員に繰り入れられたわけです。従いまして、常勤職員給与として港湾の工事の関係の費用に計上されておりましたものが、運輸本省の方の人件費の方に繰り入れられた。従いまして、それだけのものが不用になったということになるわけであります。ちょっとまだ御説明が不十分でございましょうか。
○小川(豊)委員 今御説明を聞いたが、それじゃまだ僕は頭の中に入らないので、もう一ぺんわかるように説明書してもらいたい。
○中尾説明員 ここで予備費が使用されております。これは二本になって使用されておるようでございますが、これは災害の関係の事務費でございます。これに対しまして、不用額が大へん多く出ております。全部で三千七百七十四万円というのが出ておりますが、御指摘の通り、その大宗をなしますものは、常勤職員給与であります。常勤職員給与は、いわゆる常勤労務者という職員の給与でございますが、これが定員法という法律がございますが、これは毎年審議をお願いしているわけですが、その定員法で、この常勤職員のうちの相当部分を定員に振りかえていたのであります。それに合わせて予算も作ってあったのでありますが、それが国会に提出されまして、その後におきまして、さらに政府職員全体につきましては、七千人程度であったと思いますが、この運輸省所管を含めまして、それ以外の所管も入れまして、さらに定員法の方で定員をふやしたのであります。これは常勤労務者を吸収するという意味で定員をふやしました。その結果、予算と定員法との間に不一致を来たしまして、そこで、一部は常勤職員が定員の中へ入って参りますから、常勤職員の給与の方は余って参る。そのかわり、今度は定員の方の職員の俸給の方が若干足りなくなつたという関係が出まして、この余りました分を流用をいたしまして、ほかにも回しておりますが、なお使う必要がなかった。常勤労務者が減りました、そういう制度の切りかえのためであります。この問題は、定員法が上がりましたのがだいぶあとでございまして、さだかに記憶しておりませんが、おそらく五月か六月ぐらいかと思います。議院修正が行なわれたのが。そういうような段階で、この定員が、常勤労務者が、どうなるかという問題が非常に未解決といいますか、ペンディングな姿になっておる。そこで、この常勤労務者給与の予算を執行するもとになりまするところの常勤労務者の給与、あるいはこれを定員化する——これは定員法をふやして定員化する場合もございまするし、ふやさないで、順次繰り上げていく場合もあるわけです。そういうような常勤労務者の人事が、おそらく若干円滑を欠いたんじゃないかと考えます。これは、特に私がここの所管でそういうことがあるということを聞いておるわけではありませんが、この三十三年には、そういう特異な現象が各省を通じてございました。そういう関係で、ここに大へん多く流用減額が出て、なおかつ不用額が出た、こういう形でございます。そういうことでございますから、この予備費を出しました系統と、それから常勤労務者の今の事情を中心にいたします当初の予算の関係の不用とは、一応関係はないわけでございます。この予備費を使用いたしました方の分につきましては、やはりその必要がございまして、それでまかなったわけでありますが、当初の計上額の方にそういう問題を含んでおりまして、こういう姿になったわけであります。この際非常におかしなことになっておりますが、この二つのものが重なりましたので、こういうことになっておるわけでございます。
○小川(豊)委員 ちょっと、重なったというのはどういうことなんですか。
○中尾説明員 重なったと申しますのは、同じこの港湾事業工事事務費という項目の中のことでございまするが、一方では災害がございましたので、災害のために、特別に事業がふくれるわけでございます。それに基づいての事務費を必要とするという事情がございまするので、予備費の使用をいたしました。ところが、根っこの方の金額に、今申し上げましたような常勤労務者の定員化という事情がございましたので、そのために非常に多くの流用減が起こり、なおかつ不用額があった。それから人事の運用上、常勤労務者の定員化の問題が非常に不明確であった関係上、人事が主として活発に行なわれまする年度当初におきまして、その任命その他がノルマルにいかなかったという関係から、その金額が非常に減った。その不用といたしました事情は、これは当時非常に各省を通じての問題でございまして、事実常勤労務者がおりまして、それを定員化するということで、定員法の方は用意をされておるわけでありますが、現実に常勤労務者がいつから定員の方に切りかえられていくであろうかというようなことは、私も、当時非常に心配したことでございます。結局全国に散っておりますから、法律が出た瞬間に、特定の人を指名いたしまして、直ちに切りかえるというような措置は、なかなかとれなかったようであります。各省それぞれ定員法が改正になりまして、その定員法の改正された定数をいただきまして、それを各末端の人事管理の責任者のところに配分をする。それによって、今度はその末端でそれをもらいまして、順々に繰り入れていったというようなことでございます。この間に、結果におきましては、こういう不用額が出たわけでございまするが、足らなくなる筋合いのものではないということはわかっておりましたけれども、こういうような不用額が出るというような事情というものは、当時十分につかみがたかったというのが実情でございます。予備費でありますから、計上額も八十億円というふうに限られておるわけです。この使用につきましては、私どもも非常に慎重に念査をいたしまして、歳出減は、この予備費の使用の限度額を非常に大事に使うように私どもやっておりまするが、結果においてこういうことになってしまったということは、私としましても、まことに残念なことだと存じます。しかし、事情は今申し上げましたようなわけで、やむを得ない当時の状況があったわけでございます。重なったと申し上げましたのは、そこの点を申し上げたわけであります。
○小川(豊)委員 これは今事情を聞けばいろいろやむを得ない事情があったからこうなった、これはわかりますが、これを見ていくときに、不用額がこういうふうに多額に出てくるということは、予備費の使用、配分、そういうことを十分に考慮しなければならぬ点があるのではないかと思う。 それから、これとは関係なくお聞きするのですが、この全般を見ていくときに、支出とか支弁とかいう言葉が使われておるが、この相違。財政法あるいは会計法で見ても、「支出」とか「支弁」とかいう言葉が盛んに使われておるのだが、あなたの方では、支出とか支弁をどういうふうに区別してお使いになっておりますか。
○中尾説明員 御質問の点は、先日も御注意がございましたので、取り調べてもおります次第でありまするが、おそらく財政法三十六条の問題に関連しているかと思います。支出という言葉は、いろいろな意味に使われております。一つの言葉が異なった意味に使われておるというのは、法制上あまり感心したことではないと存じますが、事実はそういうことになっております。支出という言葉が比較的明瞭にされておりますのは、財政法の二条でございます。「支出とは、国の各般の需要を充たすための現金の支払いをいう。」ごう書いてございます。これが比較的はっきりしておる。それと、支払い額そのものをいう場合もあり、支払いというアクションをいう場合もあります。その点も、現実にいいますと明瞭を欠くという御批判もあると思いますが、両様に使われておる場合もあります。それから憲法上の関係で参りますと、憲法八七条第二項では、「すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。」ということになっております。この「支出」の意味につきましては、これは予備費の使用ということで財政法は読みかえておりますが、今申し上げました国の各般の需要を充たすべき現金の支払いをいうのではございませんで、予備費という特別な制度、これを使っていくという意味におきまして、この八七条第二項は「支出」という言葉を使っております。この「支出」という用例は、実は憲法のここだけでございます。ここに書いてございます八七条第二項の「支出」という意味と、それから同じく憲法にございまするところの八五条の「国費を支出し、」という場合の「支出」とは、表現は同じでございまするが、国費を支出すると合わせて申しました場合には、財政法にございまする支出金額を支出するという意味に用いておりまして、八十七条の方は「これを支出する」、要するに予備費を支出するという用例になっておりますが、この場合の予備費の支出というのは、国費の支出とは別の用例でございます。従いまして、「支出」という言葉は、厳密に申しますと、何を支出するか、どういう用い方をしているかということによって、実は両様の場合があるわけであります。予備費を支出すると言えば、予備費を使用することでございます。国費を支出すると申しますれば、財政法第二条に規定する趣旨による支出というふうに用いておるわけであります。 それから「支弁」でございますが、この「支弁」は、会計法系統ではそう用例は多くございませんが、三十六条に「支弁」という言葉が出ております。この場合の「支弁」という意味は、憲法にございます予備費の支出というものと同じ意味に用いておるものでございます。そのほかに「支弁」という言葉を使う場合がございます。たとえば繰りかえ支弁といったようなので、さしあたりたれかが払っておくとか、負担ということではない、まあとにかく一応払っておくというような用例もございますし、あるいは経済的な意味で負担をするといいますか、まかなうというような意味で用いることもございます。いずれにしましても、あまり法律的な意味で、あるいは会計技術的な意味で、支弁するというのは、そう独特な意味を持った用例はございません。経費を支弁する、あるいは繰りかえ支弁をするというような場合に「支弁」という言葉がしばしば使われますが、それぞれにつきましてそれぞれの意味を持って使われております。
○小川(豊)委員 今憲法八十七条の「支出」と財政法二条の「支出」の説明をいただいたわけですが、この「支出」というものが、たとえば「支出」というのは、われわれ通念的には使われた金、いわゆる支弁された金が支出、こう考えていた。この予備費の場合の「支出」というのは、予備費総額が、各省に割り当てたのが「支出」として計上されておりますね。従って、この場合には、使われて支弁されてしまった金と、まだ割り振りを受けて使わない金額と、二本建てになって出てくるではないかと思うのです。従って、ここで予備費としてかかってくるものの中には、使われた使用済み額と、まだ使用未済の額と、同じ支出の額として出てきていはしませんか。
○中尾説明員 実態は今お話の通りでございます。予備費の支出ということは、いわゆる予備費の使用ということでございます。予備費の使用というのは何かということになりますれば、予備費というものは、本来予備費でございますから、それを用いますことが予備費の使用になるわけであります。それを予備費の支出と言っているわけです矛偏費を支出いたします、憲法の表現を用いて申し上げますならば、予備費を支出する。財政法の表現を用いますれば予備費の使用でございますが、これをいたします。それはどういうことであるかというと、法律に書いてありますから、それでいくわけであります。今お話の点は、予備費を使用いたしますと、予備費が、今度は完全な意味の目的を持った予算金額に配分されるわけでございます。そこまでを予備費の使用あるいは予備費の支出と申しております。従って、そういうふうに配分されました歳出権限、その歳出権限の最後の運命は、これが支出済みになります部分、あるいは不用になる部分——不用をあまり出すと、先ほどのような問題があるわけですから、問題は問題ですが、形式的に申し上げますならば、不用になる分もある、繰り越しになる分もあるということになるわけでございます。従って、御指摘の両方に分かれるかという点でございますが、今申し上げましたような関係で、使用いたしまして、完全な意味の予算定額ができます。その予算定額の金額の中には、支出済みになるものもある。それから不用になるものもある。繰り越しになるものもございます。あるいはよほど異例でございますが、流用減というようなものもあり得るわけであります。
○小川(豊)委員 そこで、この決算委員会としては、決算委員の任務というのに、五項目ばかりあげてあるわけですが、ここに「予備費支出の承諾に関する事項」というのが、第二にあげてあります。そういう点から、決算委員会というものは、支出された金額の当、不当を主として審査していく。従って、決算については、会計検査院の報告、さらに政府の説明を基礎にしてわれわれは審査に当たってきているわけなんですが、この予備費というのは、補正予算の一種じゃないか、そう解釈しているわけです。それが使用されたものは決算として上がってきますから、できますが、まだ使用されていない部分までが、ここへ承諾を求めてきているわけですね。予備費支出としては、この予備費の総ワクの中から各省にそれぞれ割ったときに、これは求めてきているわけです。そうすると、これは決算委員会として、その点まで入っていき得るのか、どうなのか、この点が僕にはわからない。支出されて決算へ出てくるのはわかりますけれども、この中には、使用済みにならない金額というものがあるわけです。それを承諾を求めるなら、予算の方で求めるべきであって、決算で求めるのは筋違いじゃないかという気がするのですが、この点は、私はわからないから質問するのですから、教えて下さい。
○中尾説明員 御一質問の点が、実はちょっとっかみにくいのでございますが、第一は、決算委員会と予算委員会とどちらでやるのが適当であるかということについての御質問か、あるいはこの予備費の使用というものが、その本質においてどういうむのかということか、どちらかと思いますが、後者の方を主として中心に申し上げたいと存じます。前段の問題は、御質疑でもございますが、実は国会側の御責任でおきめになることでございますので、はばかりもございますから、事務的に何か申し上げるというのもどうかと思います。予備費の使用の関係でございますが、ただいま予備費の使用というのは、予算の補正のようなものではないかというお話がございました。ある煮味でそういう面がございますことは、お説の通りだと思います。ただ、その本質と形式とをしさいにながめますと、私はむしろ予算の執行であると解しております。予備費というものは、憲法八十七条に規定いたしておりますこの場合の憲法の条文は、いずれも密接に関連がございます。たとえば、この八十五条で、国費を支出するのは国会の議決があるということが必要であると書いてありますが、その次に、八十六条の規定で予算を作成するという言葉が出ております。この国費の支出というものは、国会の議決が必要でございますが、八十六条とあわせ読んで、予算という形で議決を願うということを、憲法というものは、規定しておるものと解されておるわけです。同様に、この八十七条も、この八十六条とあわせて読んでいただくように、規定がされております。国会の議決に基づいて予備費を設ける。この議決は、予算の議決であるということを予定いたしております。と申しますのは、予備費という言葉にしておるわけでありますが、むしろ、この予備費というものの言い方は、予備金という言い方に比べますと一さらに新憲法において、法制で予備費という言葉に統しているわけですが、これは予算の定額ということをやはり表わしております。そこで、現実に予算の中に予備費という項目を設けまして、それで予算の定額として予備費が設けられております。それの国会の議決も、単なる議決あるいは法律の議決というようなものとは異なりまして、予算の議決の手続によって御議決を願っておるわけで、これは予算の一部をなしております。予算は、この中にいろいろございますが、その中の歳入歳出予算、その歳入歳出予算のうちの歳出、その中の一つの項として御議決を願っておるわけでございます。それから項は、財政法の規定によりますと、経費の目的に従って運用すべきものとされております。ところが、この予備費という項は、その目的が特定されておりません。ただ、予見しがたい予算の不足を補うものでなければいけないという重大な制限がございまするが、その制限の範囲内で、その目的を内閣がきめることができることになっておるわけであります。これに似た制度は、財政法にも規定がございますが、移用でございます。項の目的を変えるという場合は、移用になっておるわけであります。これもしいて申しますならば、補正予算と申しますより、むしろ移用と同類でございます。項の金額を彼此動かすものでございます。ただ、予備費という項では、まだその目的がはっきりいたしておりません。それを確定いたしまして、ほかの項に移されたときに、初めて完全な意味の項、普通の一人前の項になるわけでございまして、その間一つの移用がそこに行なわれるわけであります。従って、予算の執行という段階におきまして、流用あるいは移用、これはいずれも予算の補正といえばいえないことはないと思いますが、それといわば同類でございまして、予算の執行にかかわるものでございます。予算という面から申しますと、ただいま申し上げましたように、予算の一つの項といたしまして、すでに国会の御議決を願っておるものであります。ただ、それがいわば半分白紙委任的な御議決を願っておる。従って、あとでどういうことに使ったかはちゃんと届けてこい、これに対して、よろしいかどうか、国会がこれに承諾を与えるという制度になっておる。これはあくまで事後の措置に対する、予算実行の段階におきまする一つの移用という措置に対するところの、国会の承諾というものを規定しておるのであると存じます。そういう意味で、これは流用、移用と同類の行為でございます。予算の執行にかかわるものでございます。なお、決算と申しますると、金が幾ら入って、幾ら余ったか、幾らか残ったか、これが多いか少ないかというのが普通の決算でございますが、予算の執行の決算はそうでございませんで、国会の御議決を願いました歳出予算、これが幾ら使われたか、幾ら使い残されたか、いわゆる不用、ほかの目的のためにどういうふうに回して使ったか、流用ということを明らかにいたしまして、それを出発点にいたしまして、使われた金額が合法妥当に使われておるかどうかということの御批判になるわけでございます。従って、それらの関係から申しますと、予算の執行という段階でございますから、決算の審議というものにむしろ通ずるものでございまして、予算の編成あるいは議決と申しますより、むしろ決算の御審議につながることであろうかと存じます。しかも、もう一面から申し上げまして、これは事後の措置に対する批判であるわけでございます。予算の執行でございますから、執行すべき予算を論議されるのではございませんで、予算の実行として行なわれる予備費の使用ということに対する御批判であります。事後の御批判という意味におきましても、決算の御審議に相通ずるものかと考えます。御質疑の御趣旨に沿い得ましたかどうか、私どもはさように心得ておる次第でございます。
○小川(豊)委員 決算委員会は、執行された予算に対する批判だと私は思うのですけれども、国会の承諾を求めるのだ、こういう御答弁でしたが、あなた方、国会の承諾をほんとうに求めているのかいないのかというような点は、決算委員会として、決算全体として考えなければならぬ点だと思うのです。きょうは予備費だけの問題ですから、この点でおきまして、あと決算委員会の任務なり権限なり、こういう問題については、日をあらためて私の方でも質問してみたいと思います。どうも私には、憲法や財政法や会計検査院法その他を見てみて、ますます決算委員会の任務というものは不明確な点が出てきたので、この点を明らかにして、三十三年度の決算報告に臨みたい、こう思うわけですから、この点の質問はあとに譲らしていただきまして、きょうは、質問はこれで打ち切ります。
○鈴木委員長 ほかに御発言がなければ、以上をもって質疑は終了いたしました。 —————————————
○鈴木委員長 次に、討論に入る順序でありますが、通告もありませんので直ちに採決に入ります。 昭和三十三年度一般会計予備費使用総調書(その2)、昭和三十三年度特別会計予備費使用総調書(その2)、昭和三十三年度特別会計予算総則第十四条に基づく使用総調書、昭和三十三年度特別会計予算総則第十五条に基づく使用総調書、昭和三十四年度一般会計予備費使用総調書(その一)、昭和三十四年度特別会計予備費使用総調書(その一)、以上六件について承諾を求めるの件について採決いたします。 各件をそれぞれ承諾を与えるべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 御異議なしと認め、承諾を与えるべきものと決しました。 なお、各件についての委員会報告書作成につきましては、委員長に御一任をお願いいたしたいと存じます。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十五分散会