決算委員会 第10号
- 発言数
- 130 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1960/03/04
会議録
○鈴木委員長 これより会議を開きます。 昭和三十二年度決算中、日本開発銀行及び日本輸出入銀行関係を一括して議題とし、審査を進めます。 まず、会計検査院当局の説明を求めます。平松第五局長。
○平松会計検査院説明員 日本開発銀行の三十二年度検査の結果につきましては、特に不当と認めた事項はございません。業務の概要が検査報告に記述してございますが、これにつきましても、特に補足して説明申し上げる事項はございません。
○鈴木委員長 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。小川豊明君。
○小川(豊)委員 開発銀行の資本金の現在額というのは、幾らですか。
○河野説明員 二千三百二十九億七千一百万円でございます。
○小川(豊)委員 開発銀行の資本金は、今お聞きの通り二千三百三十九億なんですが、この資本金は、現在ガリオア、イロア資金の返済問題と密接な関係が出てくるのじゃないか、こう考えられるのです。開発銀行の資本金は、復興金融金庫の継承分と見返り資金の継承分で、約九〇%くらいを占めているのではないか、こう考えるのですが、これはどういうふうになっていますか。
○河野説明員 今小川委員から御指摘のように、本行の資本金二千三百三十九億のうち、見返り資金の出資、復金からの引き継ぎにかかる出資等が、大部分を占めております。別途に政府の一般会計から支出されたものは約二百億、その他は一般会計及び復金からの引き継ぎに関連する出資であります。
○小川(豊)委員 ところで、この中で、見返り資金の継承分というのは、明らかにガリオアあるいはイロア資金そのものであるし、また、復金の継承分も、見返り資金の復金債償還を考えると、実質的にはガリオア、イロア資金から流れ出たものでございます。こう考える。そこで開銀設立当時の政府の出資は、百億である。これは見返り資金の特別会計から支出されたものですが、とすると、現在の開銀の資本金の二千三百四十億のほとんど全部が、実質的にはガリオアあるいはイロア資金によって構成されている、こう考えて差しつかえないのじゃないか。こうした考えから、ガリオア、イロア資金の返済問題というものを、開銀当局としては——われわれは、ガリオア・イロア資金の返済については、党としては別な考えを持っていますけれども、 一応政府としては、これは支払わなければならないもの、こう言っております。そこでこれに対する開銀の当局の考え方はどうですか。
○太田説明員 これは政府の方針がまだきまっておりませんので、われわれの方といたしましても、これは受動的な立場にございますので、まだ検討いたしておらないような段階でございます。
○小川(豊)委員 しかし、政府で方針がきまってないというけれども、池田通産大臣は、この点について、この返済は開銀の収益で十分まかなえるということを国会で言明していますね。そうすると、この言明に基づくならば、返済するということをきめているわけなのです。そこで、かりにこの返済部分というものは、返済していくものを六億ドルとすると、これは二十年間で返済するとすると、年間約百億というものが、返済の金として要るわけです。はたして開銀の収益で百億という返済を継続してできるのかどうか。こういう確信がおありかどうか、この点をお尋ねします。
○太田説明員 従来の実績を申しますと、大体毎年の納付金が百億から百二十億くらいずつやっております。かりにそれが返すものといたしますと、それでやっていける。今後、非常な経済界の変動にあいまして、利息収入が非常に悪くなるということがない限りは、ほぼ百億程度のものは、毎年国庫納付ができるのではないか、こういうふうにわれわれ考えております。
○小川(豊)委員 そうすると、さっき総裁は、政府の方針がきまっていないから、これについてはまだ腹はきまっていない、こういう答弁ですが、通産大臣は、これは開銀の収益で返済はできる。あなたの今の御答弁では、百億から百二十億くらいの返済ならば、開銀の収益で国庫納付金がそうなっているのだから、それで返済できる。こういうことだと、これは大体返済していくのだということはわかったわけですが、そこで二十八年から三十三年まで、六年間における収益というのは、百億から百二十億国庫納付金が行なわれています。この収益をそっくり対米返済に充てていかなければならない、そういうことになるわけです。そうすると、これは産業投資特別会計の面から見ると、これをそっくり返済に充てていくと、非常に困難を来たすじゃないか、こう思いますが、これはそういうことは来たしませんか。
○太田説明員 御説の通りでございまして、われわれは、ただ百億程度のものを毎年国庫へ納付しておるだけで、その金は、政府の方で、これは産業投資特別会計で運用なさるのでございますが、それが返済に充てられますかどうかという問題は、政府の方でおきめになる問題ではないかと思います。そういう意味で申し上げたのでありますが、これがガリオアの返済に使われるということになりますと、それだけ産業投資特別会計の新たな投融資に穴があくということになるのは、これは数字上当然だと思います。
○小川(豊)委員 そういう数字上穴があいてくるのは、当然なのです。それに対して、どういう対策というものをお考えになっておるかということを、あわせてお聞きしているわけです。
○太田説明員 われわれの方といたしましては、その金を政府に納付するだけでございまして、そのあとのことは、これは政府においてお考えになる、こういうことでございますので、開発銀行としてこれを今検討しておるということを申し上げられないわけであります。
○小川(豊)委員 この開銀の最近の動きを見ていますと、外資関係の業務のウエートが年々増大してきているわけです。昭和三十三年度の国内資金の貸付において、外資導入業務といいますか、国内資金貸付が四千六百億程度、これに対して外貨の貸付が五百七億、さらに外貨保証は三百八十八億、こういうふうに外資関係の比重が非常に大きくなってきておりますが、国内業務と国外業務と——こう分けていいかどうか知らぬが、この国内業務と国外業務の比重関係は、今後どういうふうなお考えでおやりになっていくつもりですか、あなたの方では。
○太田説明員 これは比重は別にわれわれは考えてやっておりませんけれども、ただ借入金についての制限がありますために、その点からある程度の制約を受けることになると思いますけれども、特に国内資金と外貨資金との比重には、それを頭に入れて運用いたしておるわけではございません。
○小川(豊)委員 そうすると、この開銀の融資政策といいますか、これを年度別に見ていきますと、国策の線といいますか、これに沿っていろいろな変化が見受けられていくわけです。昭和二十九年から三十年度にかけての、いわゆる金融の緩慢期とでもいいますか、この際には、開銀融資の縮小が行なわれている。ところが、三十年度には、当初の開銀から融資される予定の約百三十億という金が、民間銀行に肩がわりされている。三十一年度には、開銀融資のワクというものが三百六十億円と、最盛期である二十八年度の融資額八百六十億円の六割程度までが圧縮されています。一方三十二年度、三十三年度と進んで、事情が変わってきて、いわゆる神武景気、この神武景気に伴う産業界の好況期には、民間銀行でできない供給面も、あなたの方では補いをしているわけです。ところが、別な観点からの批判では今、日銀法の改正問題も検討している金融制度調査会の意見では、開銀融資は、日銀の融資政策のワク外に置かれ、しかも、協調融資という名のもとに、開銀融資と抱き合わせで多額の民間銀行の資金が動員されている。こうした開銀の存在は、日銀の一元的な統制に反する、従って、縮小すべきだ、こういう意見をわれわれは聞いているわけであります。そこで今後の開銀のあり方を、今申し上げた点から、こういう批判に対して、あなたの方は、どういうふうにお考えになっておられるか。
○太田説明員 これはわれわれの資金は、御承知のように、全部政府資金でまかなっておりますので、日本銀行からの借入金といったような、インフレを起こすような性質の金ではございません。しかも、その資金計画につきましては、例年国会におかれまして、総ワクを御承認をいただいておるわけでございます。その範囲内においてのみ仕事をしておるわけでございまして、それがインフレとか、あるいは一般の金融情勢をディスターヴしないという前提のもとに、そういう御承認を得ているものとわれわれは確信をいたしておるわけでありますが、ただ時期的に、そうすれば日本銀行との関連で、一時的にそういう金融政策として締めたいときに金が出るとか、あるいはその反対のことがあるとかというだけの問題に帰するかと思うのでございますけれども、これはわれわれとしましても、大蔵省並びに日本銀行ともかなり密接な関連をとっておりまして、できるだけそういうことを避けるような措置をいたしております。政府の政策はむろんのこと、日本銀行の政策と離れるというようなことは、これは起こり得ないのではないかと思っております。それから今後の運営につきましても、そういったことで、やはり市中の補完という建前でやっておりますので、開発銀行がいたすものに対しまして、市中銀行が協調融資をするということでございますけれども、これは市中銀行の金をむしろそういった方に動員してもらえれば、国全体として好ましい方向べいくのではないか。むしろ、そのほかの資金をカットしていってでも、そういった方に回してもらった方が、国家的にはいい資金の使い方になるのじゃなかろうか、こういうふうに考えておりますので、開発銀行の協調融資がそういった金融政策の健全なあり方と離れるというふうには、われわれは考えておりません。
○小川(豊)委員 次に、開銀法の一条には、開銀は設備金融を行なうことによって「一般の金融機関が行う金融を補完し、又は奨励することを目的とする。」と書かれているわけですが、この補完ということは、これはどういう意味に解釈していいのか。民間金融に対する量的な補完機能を重視していくのか。補完というのですから、金を回していくのも補完であろうし、補完という点には、質的な補完というものも出てくるわけですが、補完という言葉は、こういう抽象的な言葉でなく、具体的には一体どういうことをやるのが補完なんですか。
○河野説明員 開発銀行の一般金融に対する補完作用の意味でございますが、今お話のように、質的補完と量的補完と両方あろうと思います。しかも、その量的補完と質的補完との重点の置き方は、そのときどきにおける一般金融情勢によって変わって参ると思います。質的補完と申しますのは、あるいは金利の点において、一般の市中の金利ではなかなかその事業がやっていけないというものに対して、政策的にある程度安い金利を提供することによって質的に補完をする、あるいはその事業の危険性が非常に大きい、金融ベースという点から見ますると、対象にはし得るのであるけれども、商業銀行等においてはなかなかそれに対して金融をつけがたいといったものに対して、開発銀行としてそれを質的に補完をしていく場合もございます。これらは質的な補完だと思います。量的な補完と申しますのは、やはりそれらの企業の設備の近代化、合理化をやって参る必要があるけれども、そのときどきの金融情勢から、市中銀行が非常に詰まっておる。その設備の近代化、合理化を進めて参ることの必要性は国として認められるのであるけれども、市中金融が非常に詰まっているために、量的に市中から出てこない、その金を補っていくという形において量的に補完をするという場合もあるわけであります。しかし、いずれかと申しますと、やはり事の性質上は質的補完が原則であって、量的補完といいますのは、やはりそういった金融が非常に詰まっておるといったような場合に、市中金融がつかないという場合を補う場合であろうかと考えます。
○小川(豊)委員 そこで開銀の当面している最も大きな問題は、海運と石炭に対する融資の方針と債権管理の問題だと思うわけです。この点について、開銀としては具体的にどう対処されるつもりか。海運業に対する開銀の貸し出し残高は約千五百億、これは全貸し出しの約三割に達していると思う。民間銀行の海運設備貸付総額は、約千百億程度だ、こうわれわれは承知しているのですが、そうすると、それを文字通り上回って、開銀は最大の債権者だということになるわけです。もちろん、この解決は一朝一夕にしてできるとは思わないが、そこでこういうものは量的補完で解決されるのか、質的補完を考えているのか。非常に膨大な債権を海運に対して持っておる。これに対して、さっきの補完という言葉をこれに当てはめるとき、あなたの方では、この債権管理というものをどういうふうにお考えになっているか。
○河野説明員 海運に対しては、今お話のように、千六百億の融資残高を持っておりますが、開発銀行を含めた銀行、長期信用銀行、市中銀行の海運に対する総融資残高に対して約六〇%を占めておるかと思っておりますが、こういうふうな多額の海運融資をいたしておりますことに関連いたしまして、この数年来、海運市況が非常によくございませんので、これらの貸付に対する回収の状況は、決していいとは申し上げられません。私どもは、今後これらの回収については、できるだけ海運会社の基盤の強化と申しますか、企業力の強化をはかるために、いろいろな措置を講じて参る、あるいは経費の節減とか資本力の充実であるとか、いろいろな方途を講じて参らなければならぬと考えております。また一方では、政府におかれて、ある程度の財政上の援助ということがなされることも必要であろうかと考えております。これらの点と相待ちまして、できるだけこれらの融資に対する管理、回収については、遺憾のないように、今後も万全の努力をいたして参りたいと考えております。 この問題に関連いたしまして、今小川委員から御質問の、海運に対する本行の融資は、質的補完であるか量的補完であるかというお話でございましたが、これは小川委員よく御承知の通り、質的補完なりや量的補完なりやということは、ぴったり区画して申すことがなかなかできないことは御承知の通りでございます。しかしながら、概して申し上げるならば、これは第一点においては、金利を安くしておく。海運の金利は六分五厘という一般の市中では出しておらない低い金利で出しておる。それから海運の市況が非常に悪いために、市中から資金がなかなか出しにくいというような点がありますので、いずれかといいますと、量的補完の部面もありますけれども、質的補完としての性質の方が強いのではないかというふうに考えております。これは先ほど申し上げましたように、的確に区分して申し上げることはなかなか困難だと考えております。
○小川(豊)委員 最近運輸省筋からは、現在の海運債務たな上げあるいは株式化、さらには海運会社にかわる船舶管理公社、船舶保有公社というような、いろいろなものの設立の案が提出されていることをわれわれは聞いている。これは見方によると、計画造船方式の指導権というものが、運輸省から開銀に移っていった。それに対する運輸省の巻き返し戦術——われわれの言葉で言うと、巻き返し戦術とも見られるわけだ。それに対して開銀当局の態度というものは、あまり政府に依存する度合いが強過ぎて、自分自身の決断というものが少し乏しいのではないか、こういう気がするのですけれども、運輸省のこういう計画発表等に対して、あなたの方では、どういうお考え、あるいはどういう対処をなさるおつもりですか。
○太田説明員 これは御承知のように、各方面でいろいろな案が出されまして、それで運輸省におかれましては、海運造船合理化審議会という委員会で、この問題をほとんど一年半ぐらいにわたりまして、取っ組んで検討いたしましたのでございますが、これは運輸省の巻き返し策とかなんとかいうことでなしに、結局つづまるところは、やはりある程度の国家助成がないとやっていけない企業であるという問題が一つございますけれども、やはり今後海運というものは、自由企業として育てていくのが本筋であろう。昔のように、船舶公団といいますか、船舶公社というようなものを作りますと、結局これは一種の管理統制と申しますか、そういったような色彩が非常に濃くなります。これは船主側でも実は非常に反対がありまして、いろいろ審議の結果、やはり従来の自主建造と申しますか、公社みたいなものを作っていくのじゃなしに、各船主に作らせていく方針がよかろうという結論になったのでございますが、ただ、従来問題となっておりますことは、海運会社の負債が非常に過多になっております。それでこれを続けていきますと、非常に財務状態の悪い会社が、ますます悪くなるということになりますので、三十五年度からは、この新造船につきましては、企業みずからの責任において、自主建造の建前をとります。原則として、その企業の償却前の利益を中心としまして、また債務を増加させないということを目安として、融資を行なっていったらどうであろうかという、大体の筋を立てました。海運会社の一そうの経費の節減、あるいは統合とか業務の調整とかいうことを強力に推し進めてもらわなければいけないという前提は、むらんございますけれども、そういったことでいった方が、戦争中の一種の船舶公団のような色彩のあるものよりもいいのじゃないかという結論でいっております。われわれの銀行といたしましても、それと同じ意見で今後も対処いたしたいと思っております。
○小川(豊)委員 それから不況産業になっておりますが、石炭の場合も、開発銀行は最大の債権者である。開銀の融資残高が二百七十億、これに対して民間銀行の設備貸し出しはわずかに百七十億と申します。この点でも、開銀当局は民間銀行より、立場もあるけれども、少し見通しが甘いのじゃないか。方針をもっと確立すべきじゃないか、こう考えます。半期に二十数億円の赤字を計上しておる三井鉱山の例を見ても、親銀行である三井銀行の債権よりも、開銀の債権の方がはるかに多い。これを見ると、石炭は、今後開銀の資金一本にたよってくるということが考えられるわけです。開銀の融資方針なり債権管理の方針なりは、基本的にどう立てるか。従来、通産省の石炭政策というものは、変転きわまりない、こういうことが言い得るわけで、この通産省の変転きわまりない石炭政策というものに、開銀が振り回されておるのじゃないか、こういうことも言い得るわけで、こういう点についての反省なり対策なり——ことに三井鉱山に一つの例をとってみても、親銀行よりもはるかに開銀がうんと出してしまっておる。従って、石炭は、今後どんどん開銀一本にたよってくる傾向が出てくる。しかも、通産省の石炭行政というものは、一つも確立していない。変転きわまりない。あなたの方では、そういうふうに一本にたよられてくるときに、この変転きわまりない石炭行政に振り回されていってしまう傾向が出てくるのではないか。これに対して、あなたの方では、通産省とどういう折衝をし、どういう要望をして、これに対する対策を立てておられるか。この点を一つお尋ねしたいわけです。
○太田説明員 御説の通りでございまして、たとえば三井鉱山にいたしましても、われわれの債権が非常に大きいということは事実でございます。ただ、これは石炭業という事業の特殊性 にもよるのでございまして、石炭は、石炭を掘りますと、それを売ればすぐに運転資金ができるということで、運転資金というものは比較的少ない。企業整備とかなんとかやりますれば別でございますけれども、通常の運転資金というものは、それほど要らない。ただ、設備資金が非常に長期になりませんと、この効果が上がって参りませんので、勢い貸し出しの期限も長くなるということで、残高がだんだんふえていくということであろうかと思いますので、ただいまの石炭事業に対する開発銀行の融資残高が、ふえておると申しますか、かなり巨額になっているということは、事実であろうと思います。ただ、何年かたってこの効果が上がったものにつきましては、やはり回収を受けておりますので、純増としてはそれほど多くふえておらないと思います。ただ、今後の問題でございますけれども、石炭事業につきましては、いろいろの問題があることはおっしゃる通りでございます。ことに、競合エネルギーであります石油との関係等におきまして、非常に困難な産業になって参っております。しかし、われわれといたしましては、従来、通産省からこういう山に融資をしてくれぬかという依頼を受けておりまして、その中からわれわれで選択いたしまして融資をして参ったのでございますけれども、今後は、さらにこの競合エネルギー等に対抗して今後も存続し得るというような、高能率の優良炭鉱を主としまして、それに重点を置いて、そういう山から順次融資をしていきたい、こういうふうに思っておる次第でございます。 管理につきましても、これは従来よりも一そう先方とよく連絡をとりまして、われわれの方としまして、たとえばこういうものを整理調整した方がいいとか、あるいはこういった不用資産を売った方がいいとかいうことがありますれば、むろん忠告もいたしますし、できるだけ企業側と協力しまして管理を進めて、回収が一そうできるように管理に努力して参りたいと思っております。
○小川(豊)委員 それから開銀の資金が、北海道とか東北へは何%ぐらい開発に使われておりますか。
○河野説明員 数字は今調べさせてお答えを申し上げたいと思います。東北、北海道におきましては、私どもの方の融資の主たるものは、電力と石炭であります。
○小川(豊)委員 数字よりも、私のお聞きしたいのは、北海道、東北方面に使われている開発資金の量というものは、その他の地域に比較してきわめて低いじゃないか、こういうことをお聞きしておるので、低くなければ低くない、低ければ低いということをお聞かせ願いたいわけです。
○太田説明員 これは従来は開発銀行におきまして、電力、石炭、そのほかのいろいろな事業につきましても、融資をして参ったのでありますけれども、数年前、北海道東北開発公庫ができまして、これがそういう方面の金融を分担するごとになりましたので、われわれの方の、その他の地方に対するそういったいろいろな電力、石炭以外の雑産業に対する融資の比率は、ずっと少なくなっているのは事実でございます。
○小川(豊)委員 最近、地域開発公団が設立されようとする傾向が多分に出てきている。北海道、東北でそういう開発ができるように、従って、あなたの方の資金は、北海道には、理屈からいうと競合するはずはないことになっているのです。ところが、現実には競合して、盛んに北海道東北開発公庫とあなたの方の融資とが混線してしまっていることは、あなたも認めざるを得ないだろうと思う。今後そういう地域開発公団がどんどんできてくるとき、開発銀行としては、この点は最も考えなければならない点だろう。同じ政府の機関であるものが、二つが現実において競合している。開銀の性格からいうと、民間金融機関とは競争してはならないということになっている。それから民間金融の優先を原則とするということが、開銀法には出ているわけなのです。今まで私のお尋ねしたのは、いわゆる補完という言葉で表わされているわけだが、民間金融よりもあなたの方は深入りをして、しまいにはどうにも抜き差しならぬような傾向が出てくるのではないか。 それからいま一つは、今私が申し上げた地域開発公団のようなものは、北海道、東北にはできたが、これは今後方々に提唱されています。これができてきて、あなたの方は、それとの競合、混乱というものが現に北海道、東北では起こっている。そこで、今後そういうものを設立された場合の、それに対する調整というものは、一体どうするのか。この点をお尋ねして私の質問を終わりたいと思います。
○河野説明員 まず最初に、先ほどの御質問の数字を申し上げますが、東北、北海道関係の融資の残高の総残高に対する割合は、一二%でございます。 御質問の北海道東北開発公庫と本行との業務の分野の問題でございますが、これはお話のように、本行及び北海道東北開発公庫は、おのおの法律に定められた使命を持っておって、その間におのずからの区画があるのであります。しかも、北海道東北開発公庫の設立されました三十一年におきましては、関係機関の間の申し合わせができております。その申し合わせば、北海道東北開発公庫は、開発銀行あるいは中小企業金融公庫が融資するものは、原則として融資を行なわないものとする、開銀が融資するものは、北海道東北開発公庫は原則として融資しないものとする。それから、他の政府関係機関及び公団の業務の範囲は、この公庫の設立によって何ら変更がないものとする。こういう申し合わせのようなものができております。これに基づきまして、大体政府の方針はそこにあるわけでありますから、私どもも、現実にはお互いにその業務を犯さないように、相相談し合って、同じ政府機関の間の業務の分野が混乱するということのないように、極力努めております。その間の連絡は、私どもうぬぼれかもしれませんけれども、割合個々によく相談をいたして進めて参っております。最近その他の地域にも公庫の設立の声を伺うのでありますが、私どもといたしましては、三十四年度から、地方開発ということについて、政府の政策に即しまして、強く融資の活動を拡充して参ることにいたしております。本年度におきましては、大体三十五億程度のものを地方開発の融資に充てるつもりでおりますが、来年度におきましては、今、国会において御審議をいただいております。政府の予算案におきまして、大体資金計画といたしましては、地方開発のために七十億程度の資金をさきたいというふうな方針になっております。これらの資金をもちまして、今後それらの地域に公庫が設立されなくても、公庫でいたしておるような業務は、本行または中小企業金融公庫等の政府機関によって、十分果たして参ることができるのではないかというふうに考えておりまして、一そうのこれらの活動の拡充をはかって参りたい所存でおる次第でございます。
○小川(豊)委員 今あなたはうぬぼれかもしれないと言ったが、これはまさにうぬぼれでないかと思う。現に北海道、東北では、そういう調整がうまくいっておるかといえば、いっていない。盛んに競争して混乱しておる。これはまさにあなたのうぬぼれで、こっちにいての独善であって、その点の調整をしないと、今後各地にできれば、混乱するだけだ。この点を私は強く申し上げておきたい。 それから、ちょっと思い出したのでお尋ねいたしますが、開発銀行の金を電力会社等に融資する場合に、電力料金をなるべく低い価額で据え置けるようにしなければならない、電力料金を上げるようなことをさせないため、低利長期の資金を貸すのが開発の使命であり、任務である、こういうふうに私は承知しておるが、それは間違いございませんか。
○太田説明員 その通りでございまして、われわれとしては、電気だけに限りませんで、できるだけコスト・ダウンという一つの大きな目標に対しまして融資をしておるわけでありまして、電力につきましても、それは当然そのつもりでやっておるわけであります。
○小川(豊)委員 そうすると、コストを維持するというために、長期低利の金を貸す。そうすると、この前のこの委員会で、九州電力に開銀の金を貸されるにあたって、開銀がダムを建設する等に多額の金を貸しつけても、それは回収は困難になるから、この状態では貸し得ないという結論を開銀としては出したというようなことを聞いておりますが、そういうことはありませんか、ありますか。
○太田説明員 おそらく最近問題になっております九州電力の一ツ瀬ダムの話かと思いますが、それは前回われわれの方から出ました者が御説明申し上げたと思いますが、まだ正式には開銀にも申し込みをしておりませんので、われわれの方では、審査を全然やっておりません。そういう状態でございます。
○小川(豊)委員 それはまた妙なふうに発展してしまったのですが、それはまだ九州電力の方からあなたの方に融資の申し込みがない、従って、そういう審査も調査も何もやっていない、こういう御答弁なんですが、先般ここで九州電力に関する問題で審査したときに、開銀の方では、申し込みがあった、しかも、金額まで指定して申し込みがあった、こういうことを聞いた。そこであなたの方では、今の料金ではとうていそういう巨額の金を貸しても回収し得る見込みがないからだめだ。そこで九州電力では、世界銀行の金を借りるんだ。世界銀行の金を借りるに際しては通産省の方でもかなりめんどうを見てやった。こういうことが中心になって、開銀が貸さないものを世界銀行が貸すからには、電力料金の値上げというものは、当然しなければならないだろう。また同時に通産大臣が、九州電力の佐藤社長が世界銀行の交渉に渡米するその日かその翌日かに、九州電力の電力料金の値上げはやむを得ないだろうということを談話で発表している。こういうことを過般来——他のいろいろな問題は、これはあなたの方に関係ないことだからかまわないが、発表している。そうすると、電力料金の値上げというものは、大体通産省としては内諾したというか、了解したというふうにわれわれは考えていたわけなんだ。あなたの方に、開銀に対して、九電からは何らそういう申し込みがなかったんだというならば、先般のこの委員会の議論というか——かなり緊張した議論もあったわけだが、その議論というのは、根本から違ってきてしまうのですが、それでは、あなたの方で責任を持ってそういう申し込みがなかったということが言えるわけですか。
○太田説明員 ちょっと言葉が足りなかったかと存じますが、申し込みは受け付けておりますけれども、開発銀行としてはまだ審査に手をつけていない、こういうことでございまして、世界銀行に持ち込みましたのも、これは開発銀行で融資しないから持ち込んだのではなくて、政府でこういった地点が世銀からの借款には格好な対象ではなかろうかということで申し込まれたのでありまして、世銀が正式に受け付けて審査を始めることになりますと、われわれの方も、これは転貸いたすことになりますので、同時に並行して審査を進める、こういう段取りにいたしております。
○小川(豊)委員 世銀の金を借りるとすれば、窓口はあなたの方になるわけなんだ。そうすると、あなたの方では、そういう審査をしなかったというならば別なんだが、われわれが先般ここで聞いたのでは、開銀の方では、今の九電の実態では、開銀の金を貸しても回収困難だということから——これはあなたの方の答弁でなかったかもしれませんけれども、こっちからの質問であったかもしれぬが、回収困難だ。そこで世銀へ行ったんだというふうに僕らは聞いている。そこで、世銀へ行っても、窓口はあなたの方なんだ。当然あなたの方でそういう回収の責任というものは負わなければならぬわけだ。ダムをもっと作らなければならないというのは、これは九州電力の事情なんだ。それから世銀が金を貸すのは、九州の電力事情がどうであるか、こうであるかは別として、その貸した金は元利ともに返済し得る見込みがあるかないかということが、私は貸し出しの最大の要件でなければならないと思う。そうなると、これは当然九州電力としては——あなたの方はそういう診断をしてないからだが、そういう診断をしたならば、合理化だって限度がある。電力料金の値上げというものが前提にならなければ、世銀は貸すはずはないだろうと思うのです。そこで、この問題に対する開発銀行の態度というものは、私には納得がいかなかったから、今お聞きしたわけなんですが、あなたの方へは申し込みはあったが、調査はしなかった、こういうことですが、申し込みがあってそれを調査しないとは、一体どういうわけで調査をしなかったのですか。調査をしてやるべきじゃないか。どういうわけで調査をしなかったのか。調査をする必要を認めなかったのか、また調査をするに至らなかったのか、この点はどうなんですか。
○太田説明員 まだこれは工事が全然進んでおりませんので、そう急いでやるといいますか、それよりも急ぐ審査がございますので、ここまで実は審査がまだ及んでいない、こういう状態でございます。
○小川(豊)委員 私はこれで終わりたいと思いますが、いま一点聞きますが、あなたの方の金融機関は、世銀の窓口にも当然なるわけですが、申し込みがあったのに、あなたの方ではほかに急ぐものがあったからそこまで調査の手が回らなかった、こういう御答弁ですが、そうすると、九電は世界銀行への借り入れをする場合、窓口であるあなたの方の了解なしに世界銀行へ直接行ったということは、私にはどうも判断がつかない。行ったってむだじゃないか。から手で行くようなものだ。電力料金の値上げの了解を得ていますからというならば、これはわかる。それだけのことならば、窓口であるあなたの方の了解を得て行くのが私は当然ではないかと思うのに、佐藤社長は、あんたの方に何の了解もなしに、あちらへ突然行ってしまった。あなたの方では急ぐものがあったから手が回らなかったと言うのだが、私としては、九州電力がわざわざ社長が渡米してまで交渉をするというならば、あなたの方に了解を早くしてくれ、どうだ、こう いう意見というものは十分徴されなければならない、それが常識だと思いますが、そういうことは何らなさずに向うに行ってしまったということは、あなたの方を不愉快にするだけで、何の効果もないのじゃないかと思いますので、理解できないことですが、この点、もう一回御説明願いたいと思います。
○河野説明員 先ほど総裁から申し上げました点を若干補足して申し上げますが、今申し込みの点につきましては、二つの問題があるのです。同じ一ツ瀬に関しましても、国内資金、つまり開銀のプロパーの資金による貸付の問題と、それから世銀の借款にかかわります申し込みの問題と、二つあるわけです。今総裁からお答え申し上げましたのは、国内資金の方の問題について申し上げたのであります。これは今補償がようやく片づいて、請負の契約がようやく締結されたか、されないか程度のもので、われわれといたしましては、通常電力融資に対しての審査の着手の時期は、まだ来ておりません。普通の場合においても来ておりませんので、もう少し工事が具体化して参って、初めて審査に参って、その工事の経済性であるとか、妥当性であるとかいうことを調べて参ります。こういう段階に相なるわけであります。遠からず審査に着手いたさなければならないかと思っておりますが、今総裁から申し上げました点は、国内資金の問題であります。 それから世銀借款についての手続は、これは小川委員も御案内かと思いますが、これは当初からの一つの沿革的な手続がございまして、ことに相手が世界銀行という各国政府が共同して作った機関でありますから、従いまして、これに対する借り入れの申し込みは、大体政府がなすということになっております。それで政府は、この一ツ瀬の問題につきましては、はっきり日にちは覚えておりませんが、三十三年の九月、大蔵大臣が申し込みをなされたのではないかと思っております。その申し込みに従って、世銀といたしましては、これを対象として取り上げるか、取り上げないかということをいろいろ審議をいたしまして、審議の結果、対象として取り上げようということになりますと、そこから私どもの方との交渉が始まるわけであります。そういたしまして、いわばこれは、完全にとは申しませんが、大部分は共同審査、私どもも世銀の審査員と一緒に現場の審査をする、そうしてその審査に基づきまして世銀と私どもと、それから最終の借入人でありますところの九州電力と三者で十分な打ち合わせをいたしまして、そうしてその貸付の手続がだんだん進められていく、こういうことに相なるわけでございます。
○小川(豊)委員 きょうここに公益事務局長さんは来ていますか。
○鈴木委員長 見えておらぬそうです。
○小川(豊)委員 おらなければ仕方がないんですが、先般の田中委員の質問に対しては、世銀の借り入れについては政府はノー・タッチとまでは言わないが、そんな深入りしていない、こう答弁している。今あなたの答弁を聞いていると、世銀に対する借り入れ申し込みは、政府がやることである、私の方は関係ありません、きまってから初めてあなたの方と共同審査をするのだ、こういう御答弁なんですが、これは事業局長の答弁と、あなたの今のお話とは非常に違っている。私はあなたをよく知っているので、あなたの答弁を信用しますが、これは違ってきてしまうんですよ。先般の委員会で、局長は、そんなにわれわれ関知していない、知らない、こういうことを言った。知らないはずはないじゃないかと追及されても、それは政府としてはそんなに深くタッチしていないのだ、こういう答弁をしているのです。ところが、今のあなたの答弁を聞いていると、これは政府がやることだ、きまってからあなたの方が共同審査することなんだ、ここで逆になってきてしまつたのです。この点は、局長がいれば私はもっとお尋ねしたいが、局長がいないので、ここで聞いても仕方がないから、私は、この点は、きょうここで同僚の質問があると思いますから、私の質問はこれで終わります。
○山田(長)委員 ちょっと関連して伺いたいのですが、今の小川委員の質問に対して、銀行としては、電力の設備投資については、電力の需要が年々増大している、長期計画で金の必要も年々ふえていかなければならない見通しである、それで特に長期低利の資金として、財政資金の投入と外資の導入からこれを得よう、こういう基本的なものが報告書においてきめられておるようですが、そういうことを考えますと、ただいま小川委員の質問に対しましても、当然の関連があるという感じが起きるわけなんですけれども、ほんとうに九州電力の場合においては、何らの連携がなかったのであるかどうか。先般の公益事業局長の本委員会における答弁等から勘案しましても、どうも理解のできない点があるわけなんですけれども、この点一つお欠目え願いたい。
○河野説明員 一ツ瀬の発電施設につきましては、政府に電源開発調整審議会という機関がございまして、この審議会で、いろいろ電源開発の地点についての審議が毎年行なわれております。この審議会において、これは開発すべきであるという答申がなされておりまして、私どもも、この答申があり、政府が世銀に対して借り入れの申し込みをいたしたという事実につきましては、十分に承知をいたしております。また、佐藤九州電力社長が世銀との交渉に今向こうへ参っておりますことも、十分承知いたしております。
○山田(長)委員 ただいまのお答えで、どうも事業局長の本委員会における答弁とは、ちょっと食い違っているように見受けるんです。これは今ここであなた方の答弁を伺って、そうある、べきものとわれわれも思うわけです。それで電源開発審議会というものは、いろいろ答申もされておって、大体これは九州に限ったことではないだろうと思うのですが、全国的な開発計画の一環として九州の場合も進められたものと思うのです。こういう問題について、開銀は全部タッチしているものと思われますけれども、こういう点についての地区的なものなどの検討も当然されて、次の段階はどこにすべきかというようなことが検討されているものと思われるのですけれども、この際そういうものがあるかどうか。九州の場合などは、公益事業局長から伺った範囲においては、まるで知らなかったような印象を受けたわけなんですけれども、こういうことについては、通産当局との話し合いはどんなふうにされているんですか。
○太田説明員 電力の問題につきましては、先ほど河野理事から説明申しましたように、審議会で地点をきめて、そのうちどういうところを先にやるかということは、これは主として会社の判断にまかしているのではなかろうかと思います。あるいは通産省におかれまして指導されているか、その辺はちょっと存じませんけれども、われわれとしましては、会社から指定した地点について、それを受け付けるか、その経済性がどうかということを審査して融資するということになりますので、われわれの方から、こういった地帯を先に開発した方がいいとか、あるいはこれはあと回しがよかろうということを、積極的には申し上げておりません。
○山田(長)委員 今のお答えで大体わかったんですが、年々二百億から三百億の資金を必要とするということは、そうすると、どこか順々に申し込んでこないでも、そういう申し込んでくるという目安のもとに、こういう報告書の中の金額というものはあげられているんですか。
○太田説明員 九電力会社の年々の設備投資が、大体年間二千五百億円ございます。開発銀行から融資いたしますのはその一割にも満たない程度でございますので、いずれにしましても、その程度は当然必要である、こういう判断のもとに、最小限度の金額が要求されているわけであります。
○山田(長)委員 もう一点、先ほどの答弁の中にあったことで河野さんに伺いたいんですが、地方開発のために七十億組まれているというお話ですが、地方開発の内容、どんなことがこの七十億の中に入っておりますか。
○河野説明員 これは大体今私どもが中心として考えておりますのは、九州地方開発促進法という法律ができております。この法律のできた地域と、それから地方開発に関する国会の決議がなされておりまする地域、これは四国でございます。この九州地方と四国地方、この九州には、山口県が促進法の対象に入っております。それから四国では、和歌山県がやはりその対象に入っておるのでありますが、この九州、四国地方、つまり国会、政府の御意図として重点的に地方開発をやっていくべきだということがはっきり現われております地域を中心にして、今後その七十億の運用をして参りたい、かように考えております。それでその対象事業につきましては、やはり政府から示されます基本的な運用方針、これは毎年度初めに政府から閣議決定によって私どもに通達があるものでありますが、その政府の運用方針に掲げられた方針に従って、具体的にやって参りたい。現在のところでは、相当多額の申し込みが参っております。今それを審査いたしますし、本年度におきましては、すでにもう相当程度融資も実行して参っております。 ……。
○小川(豊)委員 ここに今速記録を見たから言いますが、僕の言ったのは少し違うかもしれないが、小室さんはこういう答弁をしております。「九州電力の発電所に対する世銀の借款は、前から懸案でございました。政府としてはできるだけこれを成立させるように努力したいと考えておりましたから、できるだけ成功するようにと考えました。特別のこまかい指示はいたしておりません。」こう言っております。だから、成功することは望んでおったが、特別な指示はしなかった。あなたの答弁を聞くと、これは政府がやってやることだ、僕はこう解釈したのだ。そこで小室さんの答弁というのは、非常におかしいじゃないかと考えたわけです。この点が一つ。 それからいま一点ふに落ちない点をお聞きしておきますが、あなたの方では、九州電力の申し込みがあったが、調査も審査をしないというから、何とも言えないのだが、この前は、あなたの方で調査して、これではとうていだめだから、回収が困難だからといって開銀は頭を縦には振らなかったというので、世銀に行くことになったのだ。これは今の答弁で違っておるからいいが、この前の速記録でいうと、こういうふうに受け取れる。そうなってくると、世銀から借りても、あなたの方は窓口で、責任を負わなければならないことになるので、もうこれは前提がくずれていく。このままでは回収が困難なものを、自分の金ではない、世界銀行の金ならばそうやるということは、窓口としてのあなたの責任の立場からあり得ないことだと思うのです。あなたの方は、そういう結論を出してないならばいいけれども、出してあるとすれば、そういうことはあり得ないと思うのだ。これはそういう結論を出してないというのだから、この点は議論の余地はないのだが、そういう結論が出ていた場合は、あなたの方では、自分の方で調査、審査した結果は、これはだめだ。これではだめだが、世界銀行の金だから、おれは窓口にしかすぎないのだから、そこには取り次いでやるということはやり得ないと思うのですが、どうですか。
○河野説明員 第一点の小室公益事業局長の御答弁の点でありますが、私は聞いておりませんからどういうことであるかわかりませんが、想像いたしますのに、政府といたしましては、世銀借款の成立を希望しておられる。従いまして、大蔵大臣から申し込みをされておるわけであります。しかし、その後におきまする交渉は、政府が直接タッチしないのです。これは最終の借り入れ人である九州電力当局が、世銀と下打ち合わせをする、そういうことに相なっております。従いまして、直接借り入れの事務的な交渉を政府がタッチするということはなされておらぬということじゃないかと思っております。 それから第二点の、もし一ツ瀬について審査をしてその審査の結果、経済性がない、妥当性がないということになりましたら、私どもは、その妥当性のあるように、経済性のできるように、いろいろ工事を直させるとか、いろいろそういう勧告をいたすとかということによって経済性をつけるというふうにして、対象として取り上げる場合もありますし、そういういかなる方法をとっても経済性はだめだということになりますならば、私どもとしては融資ができない、こういうことになるかと思います。
○小川(豊)委員 それはあなたの方の融資ではなくて、世銀の金でも、あなたの方ではそれは取り扱わない、こういうことですか。これはどうなんですか。
○河野説明員 世銀の借款につきましても、私どもは世銀と共同的に審査をいたしますので、その結果、経済性がない、借金の返す見込みがないということになれば、やはり対象として取り上げることは困難かと考えております。
○鈴木委員長 淡谷君。
○淡谷委員 二、三お聞きしたのですが、会計検査院の三十二年度決算報告に基づきますと、開発銀行の業種別の貸付表によって、七十五件が電気業に貸し付けされ、その貸付実行額が二百九十七億四千万とありまして、全体の比率が四一%ですから、かなり大きい。その七十五件のうちで、最高貸付額は幾らで、最低はどれくらいですか。その違いをちょっとお聞きしたいと思います。口数でけっこうです。
○河野説明員 電力の七十五件と申しますのは、件数は七十五件になっておりますけれども、会社数はそんなにございません。会社数は、九電力と、あと住友共同電力とか、そういった地方の電力会社が五つ、六つございますが、ただ、その九電力に対しましては、四半期ごとに融資をいたしております。従いまして、年に四回融資をいたしますので、件数としては四件ということに相なります。そういうふうなことで件数はふえておりますが、会社数はそんなにございません。それから最高の貸付金額は、今手元にございませんので、調べた上でお答え申し上げます。
○淡谷委員 正確に言って貸付の会社の名前、それから貸付の額はわかりますか。今でなくてけっこうです。 それからさっきからの小川委員、山田委員の質問を聞いておりますと、この大半が九電力に行っていると思うのですが、九州電力は、この二百九十七億四千万のうち、どれくらい貸付を受けておりますか。
○河野説明員 今、三十二年度の九州電力に対する貸付額は、ちょっと手元にございませんから、これも調べますが、大体の見当を申し上げますと、三十二年度における電力の貸付の残高が約二千五百億であったかと思いますが、そのうち九州電力に対する貸付残高は約三百億程度になっております。これは御参考までに申し上げます。
○淡谷委員 二千五百億のうち三百億と申しますと、あとは二千二百億で、相当大きいですね。これは会社としてはどちらに回っておりますか。
○河野説明員 先ほど申し上げました九電力と申しますのは、九つの電力会社という意味で、九州電力という意味ではございません。従いまして、東京電力、関西電力、北陸電力、東北、四国、中国、九州、中部、北海道、この九つの電力会社、九州電力というものと九電力とはちょっと違います。
○淡谷委員 資料は会社ごとにあとでお出し願いたいと思いますが、三十二年度は三百億と申しますが、毎年やはり三百億くらいの貸付はやっておりますか。
○河野説明員 これは大体二百五十億から三百億程度になっております。ちなみに、今国会で御審議をいただいておりまする予算によりますと、来年度の電力は二百五億ということで、若干金額が減って参ります。
○淡谷委員 九州電力に貸付が始まったのは、何年度からでございますか。
○河野説明員 開発銀行が設立以来、ずっと九州電力に対して貸し出しを行なって参っております。なお開発銀行ができます前にも、復金見返り資金時代にも、電力貸付として九州電力に資金が出ております。
○淡谷委員 九州電力に対する利率、それから償還期限などは、どのくらいになっておりますか。
○河野説明員 電力会社に対する貸付利率は、現在一律に年六分五厘、それから貸付期限は三十年、五年据置の二十五年返還、こういうように一律に九電力に対しては条件をきめております。
○淡谷委員 業務方法書によりますと、五年を一応期限として、あと三十年の期限をつけることができるように規定されてありまするけれども、この五年と三十年との扱い上の差別は、どういう観点に立ってなされますか。
○河野説明員 五年と申しますのは、大体長期設備資金の金融でありますから、大体五年程度の期限を基準にして考える。ただ開発銀行法で認められておりますものは、一年以上の償還期限のものを貸し付けることになっておりますので、短いものにつきましては、一年あるいは二年というものもございます。そのかわり、長いものにつきましては、三十年というものもあるわけであります。これらの償還期限の算出の方法は、原則といたしまして、大体その会社の将来予想される収益をもとにして償還原資というものをはじき出しまして、他の債務等も勘案しながら、償還能力に応じて償還年限というものをはじき出す、こういうことをやっております。その場合におきまして、その設備の耐用年数をこえるような償還年限を作ることは、金融として適当でありませんので、耐用年数にリミットを置いて償還期限をきめる、こういうことにいたしております。ただ、電力につきましては、先ほど申し上げましたように、個々の会社の償還原資というものを計算するというやり方でなしに、一律に三十年、これは大体耐用年数から計算いたしておりますが、三十年ということでやっております。また、一律に償還期限を適用いたしておりますのは船でありまして、現在貨物船につきましては十五年一律、それからタンカーにつきましては十三年一律、こういうふうに償還年限を一律に定めておるものもございます。その他のものは、先ほど来申し上げましたような原則に従って、償還原資からはじき出した償還年限というものによっておる次第であります。
○淡谷委員 業務方法書に基づきますと、「償還の期限及び方法。償還の期限は、一年以上五年以内とする。但し、本銀行において必要と認めるときは、五年をこえ三十年以内とすることができる。」というふうに書いてあります。そうしますと、あなた方の貸付は、五年を越え三十年以内のものが多いのですか、あるいはまた一年以上五年以内のものが多いのですか。貸付の実態はどっちが多いのですか。
○河野説明員 件数から申しますと、五年以内の方が多いかと思います。しかし、金額から申しますと、先ほど申し上げましたように、電力は非常に大きな金額を占め、それから船も大きな金額を占めておりますから、五年以上の償還期限の方が多くなるかと思います。
○淡谷委員 なお「利率は、年九分を基準とし、本銀行において必要と認めるときは、これを増減することがで「きる。」とあって、さっきの六分五厘というのは、あなたの方で必要と認めたときというので減じたのでしょうが、全般の貸付から見て、九分の貸付が多いのか、六分五厘といったような、あなた方が必要と認めて減額したものが多いのか、どっちが多いのですか。
○河野説明員 これも先ほどの期限と同じことが申せるわけでございますが、件数では九分が多うございます。しかし、金額では、先ほど申し上げましたように、電力、海運、これらはみな六分五厘で出しておりますが、これらの電力と船で大体八五%の金額を占めるわけでございますから、六分五厘を適用した貸し出しの方が金額的には多い、こういうことに相なります。
○淡谷委員 会計検査院の報告に基づいてみますと、電気業、運輸業が四一%、二七%と多いのですが、これはほとんど長期低利の貸付ですが、ほかに金属工業、鉱業、石炭鉱業、機械工業、繊維工業といったものは、大へん比率も低いようでありますが、これらの企業に対しては、やはり長期低利の政策がとられておりますか、短期の九分という基準で貸し付けておりますか、どっちですか。
○河野説明員 石炭につきましては、現在九分ということにいたしております。しかし、これは石炭鉱業合理化臨時措置法という法律ができまして、悪い山を買い取ることになって参りました。この関係からいたしまして、この石炭鉱業整備事業団に納付をいたします関係から、九分と六分五厘の差額に相当するものを免除いたしております。これは石炭鉱業整備事業団に対する納付金に充てるということに政府の政策としてきまっておりまして、その結果、実際といたしましては、私どもは年六分五厘の金利しか受けておらぬ、こういうことになります。それから機械工業のうち、機械工業振興臨時措置法という特別法によって、機械工業の振興をはかるために融資をいたしておるものがありますが、これはその法律の規定から、特に低利の資金を供給するという建前になっておりますので、これも年六分五厘という利率を適用いたしております。その他は、原則として九分を適用いたしております。
○淡谷委員 償還状態はどうですか。九州電力初め、あるいは運輸関係の貸付も、そろそろ償還期に入っていると思うのですが、入っておりますか。
○河野説明員 私どもの融資は、大体船につきましては十五年、電気につきましては三十年ときめておりますが、これはある一定の据え置きを過ぎました後は、年賦あるいは半年賦で償還してもらうことになっておりますから、当然その期間の経過したものは、内入れが相当ございます。電力につきましては、今までのところ、延滞ということはございません。船につきましては、先ほど来申し上げましたように、市況がはなはだ悪いものでございますので、現在内入れを猶予いたしておりますものが、相当金額に達しております。
○淡谷委員 輸銀の方からも、船舶の方には相当に金が出ております。これはこの前に、三十一年度にやった場合も、かなりの延滞ができておった。あなたの方から出しておりますのも、輸銀で出しておりますのも、ほとんど同じような会社じゃないかと思うのですが、おもなる会社は、どういう会社がありますか。
○河野説明員 私どもの方は、国内の海運会社に資金を融通するのであります。輸出入銀行におかれては、輸出船に金融をされるのでありますから、国内の海運会社に融資されるわけではございません。従いまして、対象は違っております。
○淡谷委員 造船の方は出しておらぬのですか。
○河野説明員 造船につきましては、本年度から中小の鋼造船の関係の特別法ができまして、これを整備する、合理化するというための資金を本年度から取り扱って参っております。大造船所に対しましては、最近は融資を行なっておりません。
○淡谷委員 あなたの方では、この返済が延びた場合、これに対する延滞金などの規定はできておりますか。
○河野説明員 延滞が起こった場合における損害金は、日歩四銭を徴収するということを原則といたしております。
○淡谷委員 どうもこの業務方法書には載っていないようですが、載っていますか。
○河野説明員 業務方法書には載せておりません。契約書に一々書いてございます。
○淡谷委員 延滞した場合に、その延滞利子などを徴収した事例がございますか。
○河野説明員 日歩四銭を徴収いたしました例は、たくさんございます。
○淡谷委員 今一番大きいのはやはり海運の方だと思いますが、海運で延滞になっておりますのは、全部延滞利子をとりますか。
○河野説明員 海運につきましては、先ほどもちょっと触れましたように、海運市況一般の不況ということと、それから国際競争裏にじかにさらされているという特質からいたしまして、現在のところでは、内入れ期間が参りまして、それが償却を利益でもって払えないという場合におきましては、その内入れ期間を便宜延長してやるという措置をとっております。従いまして、現在では延滞の措置をとっておりません。内入れ猶予という措置をとっております。従いまして、延滞日歩という問題をまだ生じないことになっております。
○淡谷委員 これは一つ委員長にお願いしたいのですが、きょう、この開銀関係の資料あるいは輸銀の資料の三十二年度のをいただきましたが、正直申しますと、きょうの審議にきょうの資料じゃ、検討の期間がないのです。これはやはり決算委員会は、審議の日程がきまりましたら、そのころすぐ資料を取り寄せまして、十分これを検討する期間をおいて手に入るように、委員長において御考慮願いたいと思います。
○鈴木委員長 全く同感でございます。そういうような手続をとって、各関係省に早く資料を出すように催促いたします。
○淡谷委員 それからこの開銀につきましても、私もう少し聞いてみたいと思う。きょうは、午後から本会議もありますので、保留しておきたいと思うのです。それにつきまして、この間の輸銀をやった場合もそうですが、きょうは特によく感じましたが、資金融通が、中小企業の方には九分で五年以内のが多い。大きな企業は、政府の申し入れもありましょうけれども、六分五厘で三十年以内という低利長期の融資がなされておるわけです。一方においては日歩四銭の延滞利子がとられているのに、こういう長期低利の資金の融通を受けたものに対しては、輸銀、開銀ともに延滞利子を徴収していない。これは実に不均衡であり、国策であるかもしれませんが、国策が大資本に傾いた国策であるというふうに思わざるを得ない。私どもは、この実態をもう少しきわめてみたいと思いますので、さっき要求いたしました貸付実態の資料だけでは困るのです。これでは、延滞利子の規定もないような、ペラペラの一枚に刷った業務方法書一つでは、中を見ても審議できない。少なくとも、もっと延滞その他の実績がわかるように、また貸付の会社ごとの形もわかるように、十分に検討できるような資料をもう少し詳しくお添えの上、御提出願いまして、あらためて質問をしたいと思いますから、きょうはこれで保留いたしておきます。
○鈴木委員長 きょうは一時までに大体切り上げたいと思いますから、そのつもりで御質問を願います。久保君。
○久保委員 資料提出を委員長を通じてお願いしたい。今の海運の償還猶予額の一番最近の額をお願いしたい。猶予額はどの程度になっておるか。それから、これは会社別というわけには参りませんから、幾つの会社があって、何口であるか。それからもう一つは、貸付基準というのでしょうか、銀行で業種別による貸付条件とか、金利とか、償還期間、据置期間とか、あるでしょう。それからたとえば機械工業にはどういうものでやるとか、優先は造船にやるとか、電力にやるとか、そういう基準がございましょう。——ございませんか。
○河野説明員 ないのです。
○久保委員 今淡谷委員からお話があったように、具体的に、どういう業種には六分五厘でやって、どういう業種には九分四厘五毛でいくか、そういうもの、それから償還の条件、期間、そういうのを一つお願いしたいと思います。
○鈴木委員長 出してもらえますか。
○河野説明員 承知いたしました。
○鈴木委員長 では、出してもらうことにします。手
○鈴木委員長 続いて、日本輸出入銀行についての会計検査院からの説明を聞きます。平松第五局長。
○平松会計検査院説明員 日本輸出入銀行の三十二年度検査の結果につきましては、特に不当と認めた事項はございません。業務の概要は、二〇八ページから二〇九ページに掲げてございますが、これにつきまして、特に補足説明を申し上げる事項はございません。 以上でございます。
○鈴木委員長 次に、質疑に入ります。小川豊明君。
○小川(豊)委員 輸出入銀行にお尋ねしますが、あなたの方で貸し出された額は別ですが、日本で作られた外国籍船で、それが建造中もしくは建造の直後に日本に売られた、また日本で買い取った、こういう事例はありますか。
○鈴木説明員 私の知っておる限り、ないと存じます。
○小川(豊)委員 輸出入銀行の金利は、国際的に見てもきわめて低金利ではないか。輸銀の貸し出し金利は、年四%で、非常に低い金利である、こう考えられるのです。一方、三十二年度において、輸出入銀行は、国庫納付金は一銭もありません。開銀と比較することは無理かもしれませんが、開銀は、百二十何億か、国庫へ納付しているわけです。そうすると、こういう金利は、国際競争に耐え得る金利としても、これは非常に低過ぎはしないか、安過ぎはしないか。私の調べたのでは、違っていれば御訂正願いますが、西ドイツのは四分五厘から六分四厘、フランスは五分九厘から六分四厘というのに、日本は四分だ。こういうことで、日本の輸出入銀行の金利というものは非常に低い。低いことが悪いというのではなくて、日本では、フランスや西ドイツと比べて非常に低い金利を輸出入銀行だげがとっているのは、どういう意味合いでやっているのか。
○鈴木説明員 御質問の点、ごもっともでございますが、結局私どもが貸しますのは、日本のプラントを輸出する輸出業者あるいはメーカーに貸すわけでございますが、メーカ1は、輸出入銀行の資金だけでなしに、他の市中銀行からも同時に融資を受けるわけであります。現在の融資割合が、かりに八対二といたしますと——あるいは従来は七対三というようなこともございましたが、輸出入銀行から借りますものは、その七割か八割でございまして、あとの二割ないし三割というのは、やはり一割とか九分とかいう金を借りております。そうしまして輸出入銀行の四分とそれを合わせますと、平均しまして五分五厘とか、六分近い1五分五厘前後というふうになりまして、これが国際的にもほかの金利とほぼ同じような水準の金利であるという考え方からいたしまして、輸出入銀行の金利は、さように定めておるわけでございます。
○小川(豊)委員 これでいくと、実際に当てはめてみると、船一ぱいの建造にかりに十億の融資が必要だ、こうしてみると、輸出船の場合には、あなたの方から八割、それから市中銀行から二割、こういう融資を受けるわけですね。そうすると、輸銀の金利は年四%、市中の金利は九%、これをそれぞれ乗ずると、支払い金利は一年で五千万円、二年で一億円、こういうことになるわけです。ところが、自分で建造する場合には、これは船主が全額市中から金を借りなければならない。そうすると、これは金利からいうと、支払い金利は年に九千万であるから、二年では一億八千万円になってしまいますね。輸出船は、そういう点から、自分で建造するより八千万円安くつくということになる。十億の場合、そういうことになる。しかも、金融と、さらにこれは税制上の特典があるわけです。そのために、国内の船主が、新造船を自分の国で自分が使うように発注するよりも、どこかの国へ頼んで、向こうから発注をしてもらって、それを自分が受けて、輸銀から金を借りて建造した方が非常に安くついて得だということで、再輸入とでもいいますか、また買い入れるといううわさまで私どもは聞いている。あなたは、今ないと言った。これはなければけっこうなんだが、そういううわさまで造船界では盛んに聞いている。そうすると、これは造船界の不況といいながら、輸出面に対しては、非常な恩典を政府が輸出入銀行を通じて与えている、こういうことになってしまう。こういうことは、今お聞きすればないと言うが、市中では、自分で建造するよりも、外国のどこかべ頼んで、そうして発注をしてもらって、輸銀の金を借りて建造して、またそれを再輸入する方が非常に得だ、だから、そういう手をやるんだというふうに聞いておりますが、そういうことはほんとうにないのでしょうか。
○鈴木説明員 いろいろお話がございましたが、どういうふうにお答えしてよろしいか、ちょっと私むずかしいのでありますけれども、結局輸出船と国内船の比較の問題だと思いますが、国内船の方は、開銀とか、そういうような融資がありまして、輸出船は、外貨を獲得するという意味で輸出入銀行から金が出ておるわけであります。同時にまた、輸出船の場合の鋼材の値段とか、あるいは国内の場合の鋼材の価格とか、あるいは外国におきます税金の問題、日本におきます税金の問題、あるいは向こうの船員法との関係、そういった点でいろいろ利害得失もありまして、そういう関係から問題が起こってくるのではないかと思います。これについてもどうするか輸出入銀行としては船舶であれ、プラントであれ、外貨を獲得するための輸出については、条件に該当するものについては、金融する対象としておるわけであります。さような問題は、どういうふうに考えるか、私どもというよりも、むしろ政府の方針のいかんによるのではないかと存じます。
○小川(豊)委員 なるほど、これはあなたの方の考えるべきことでなくて、政府の考えるべきことかもしれない。今までなかったとしても、今後起こり得る問題です。そういうことに敏感な事業家は、もうその手をやった方がいいということをわれわれに話しているんだから、そういうことができ得るであろう。そうすると、これに対するあなたの方の融資なり、あるいは政府のこれに対する対策なりというものは、十分立てなければならないと思います。今現にはないとしても、今後は起こり得る可能性はあるのですから……。 それから次に、あなたの方の貸し出し先の筆頭は、造船では世界一の三菱造船が九十三億円、それから新三菱、浦賀、日立、石川島、こういう順序になっておる。それから一方三菱商事、物産、日綿、東棉、伊藤忠、こういうような貿易商社、それから日本車輌、川崎車輌、帝国車輌などの車輌工業、日立、東芝の電気機械工業、一流の商、会社に集中しておるわけです。そのうち、輸銀の貸出先は、ごく少数の大資本のみに集中してしまっておる。集中し過ぎておるのではないかといいたいところなんです。大手以外にも貸し出されておるのかどうか。輸出入銀行がやるんだから、輸出を対象としておるから、小資本、中資本ではでき得ない。従って、あなた方の対象にはなり得ないだろうということを一応答弁としては考えられるわけですが、こういう大手以外にも貸し出しておるかどうか。三十二年度の残高の九二%は、大企業三十八社のほとんど独占なんです。こういう点を考えると、輸出入銀行の性格はいいけれども、こういうものを国の機関として作っておるのだから、こういう大企業だけに独占させないで、ほかにも均需させる方向はとっておられるのかどうなのか。この点をお尋ねしたいわけです。
○鈴木説明員 私ども門戸は開いておりまして、小さいからといって、融資をしないということはないわけであります。ただ、先ほど先生が御指摘になりました通り、性質上船とかプラント類になりますと、どうしても大きなメーカーなり商社が扱うことが多い関係上、結果としてそういうことになっていると思います。これは御承知だと思いますが、造船とか機械でも、直接には大企業に行きます場合でも、各部品あたりは中小から出ておるものが多いわけでございます。そういう関係では、中小関係業者も潤しているということは言えると思います。
○小川(豊)委員 輸銀の資本というものは、国内資本の不足、並びに財政収奪という言葉が当たっているか当たっていないかわかりませんが、そういう犠牲においてまかなわれておる。そして輸出市場の開拓をあせり過ぎる結果、国内市場を圧迫してはいないのか。特に三十二年度の輸出船の受注は、七十六万トンと、当初の目標の五十万総トンに比べると、五割の増加です。ところが、これは三十年、三十一年度の海運界の不況をかばうために、造船業者が先を争って安値の引き合いをしている。こういう点を見ると、これなどは国内造船に対するしわ寄せのダンピング輸出ではないか、こうわれわれは判断をしたくなるのだが、この点についてのあなたの方の見解はどうなんですか。
○鈴木説明員 無理に国内の造船業を圧迫してまで引き受けるということになりますと、問題だと思いますが、二十九年あたりから始めました輸出船は、初めはたしか先生の御指摘の通り、やはり非常に前途が暗かったものですから、安値の引き受けということもございましたが、その後は、大体業界も注意いたしまして、相当合理的な値段で引き受けることになっております。かような関係で、造船業者が相当輸出船を持っておりますが、同時にまた国内船についても、余力がないということであれば問題でありますが、さような事態がない限りにおいては、よい影響を与えることになるのじゃないかと思います。
○小川(豊)委員 私は、その後改善されたということはけっこうだと思います。今ここでやっているのは、三十二年度の決算なんです。従って、三十二年度当時の状況から見て、私は、こうでないか、こうお聞きしているのです。その当時には、私の指摘したような傾向は多分にあったのじゃないかと思うのですが、どうですか。
○鈴木説明員 三十二年になりますと、相当業界でもなれて参りまして、値段等はそう安売りをしているわけでなしに、むしろ相当高い値段で引き受けているはずだと私は思います。それからそのときにおきましても、国内造船等の余力がありまして、注文を受けておったと存じますので、御指摘の点も完全になかったとは言えませんが、大体よくいっていたんじゃないかと思います。
○小川(豊)委員 それから昨年の決算委員会で、私が質問した輸出船舶関係の融資期限の延長、この点は御承知だと思うのですが、昭和三十二年度も融資延長というのは、引き続いて行なわれていますか。
○鈴木説明員 ある程度行なわれた場合がございます。
○小川(豊)委員 それはどのくらいの件数になりますか。
○鈴木説明員 船舶につきまして、三十二年度は、金融の返済期限の延長を認めたものは十四件ございますが、三十三年度は、多くなっておりまして三十三件、三十四年度は、今までのところ十五件となっております。 それから船舶以外の一般のプラントでございますが、三十二年度中は二十件、三十二年度中は十件、三十四年度は、十二月まででございますが、九件、かようになっております。
○小川(豊)委員 この融資期限の延長というか、これはだんだん減ってきている。三十三年度は上がっておりますがね。 そこで三十二年度の輸出船舶関係における融資をあなたの方で承諾した件数は、何件ございますか。
○鈴木説明員 ちょっと今数字を調べて申し上げます。
○小川(豊)委員 それじゃ調べが済むまで、時間の関係がありますから……。昨年の十月十日に、この決算委員会で、私の質問に対して、古沢総裁はこういう答弁をされています。「御承知の通り、船舶の輸出契約におきましては引き渡し期日を特定しておりますが、その期日よりも早期に引き渡した場合、造船所が特定のボーナスを船主から受け取るのが普通となっております。従って、造船所は、引き渡しが十二月末でありましても、これをたとえば八月末に引き渡すよう、一応努力目標を立てるわけであります。そして、本件も貸付期間をできるだけ短かくする方針で、八月末に船舶の引き渡しが行われるという努力目標を基準として回収を定めて、融資をいたしておる次第でございます。」あとありますが、最後を言うと、そういう点から「期限の延長を認めるのもやむを得ない、」こういう説明をされているのですが、あとでこの速記録を読んで、私はやはり疑問の点が何点か出てきたわけです。普通の金融においては、たとえば三月の一日なら三月の一日が期日ならば、もうその期日に支払わなければ、延滞利子を払わなければならない。ところが、この場合だけは、三月一日が期日でも、これは不可能だと思う場合には、前もって期限延長をしちゃっているわけですね。輸出船舶に対しては期限延長をしてしまうから、延滞利子を払っているようなのはないということにたる。これだけ膨大な金を貸して、しがも、造船界は相当不況である、その中で延利を払わないで済むということは、まことに不思議だと思って、調べてお聞きしたところが、それは前もって契約を更改してしまって、延滞利子を払わないで済むようにしておる。そこで、どういうわけでそういうことタするのか、こういう質問をしたところが、今ここで私が読み上げたような答弁を得ている。そこで私は、あとでこの速記録を読んで疑問に思った点、矛盾を感じた点があるので、ここで二、三点申し上げて、その説明をお聞きして、私の質問を終わりたいと思うのです。 ボーナスを受け取る造船所のために、その努力目標に合わせて融資契約をすること自体が、私はおかしいじゃないかと思う。あなたの方にそんな規定があるならば、これはまことにおかしいじゃないか。われわれがもし金を借りる場合に、いつ幾日に払えると思っても、銀行と相談する場合には、十日でも二十日でも先を見て契約しておいた方が安全ではないですか、こう銀行としては言うわけですね。契約が不履行にならないように、契約が完全に守れるように、そういうふうに指導しておるけれども、あなたの方では、初めから支払い期日はこの辺でなければならないということがわかっておっても、努力目標でこの契約をしているということ、これはわれわれから見ると、非常に過当な恩典ではないか。そうして期日が来れば、それはまたさらに契約を更改しても、延滞利子は払わないで済むようにしてやる。これはまことに矛盾した措置ではないか。 それからもう一つは、これは契約を更改してしまうんだから、それ以後の延滞利子というものはとらないことになる。延滞しないのだから、延滞利子はとらないが、これはほんとうは当然とるべきじゃないか。そして契約というものをもっと長期にしておくべきではないか。相手方との契約はどうでも、あなたの方の融資契約というものは、やはり正確にしておくべきではないか。 それからボーナスの保証のために延期するというのも、私にはのみ込めない。期限よりも早くできたならば、何かボーナスをもらえる、だから早くできるようにする。その保証のためにあなたの方で期限延長をやるというけれども、あなたの方でそんなことをする必要はないことじゃないか。 この四点が私には疑問として考えられる。この点の御説明をお願いして私の質問を終わりたいと思います。
○鈴木説明員 お答えする前に、ちょっと私どものやり方を簡単に申し上げさせていただきたいと思います。うちで輸出金融をします場合には、大体その金融は、プラントあるいは船を輸出した業者の延べ払い代金が入るまでの間の金融でありますから、延べ払い代金が入れば、それで返済されるわけであります。そうしますと、その延べ払い代金は、大体輸出契約にいつ入るかということが規定されておりまして、それが輸出許可の対象となっておるわけであります。従いまして、その予定時期までに、いろいろな事情で返済されない、たとえば図面の変更とか、あるいは追加工事、さような関係で納入時期が変わってくるという場合に、契約の変更があり、そして輸出の許可がされたようなときに、私どもは、それに従って期限が違ってくるという場合に、普通期限の延長をしておるわけであります。総裁の申された点は、ちょうど船の引き合いが非常に大きかったころには、やはり早く引き渡しますと、ボーナスがついた。最近ではそういう契約もございますが、なかなかこれは実行されませんが、従来、御指摘の三十二年ごろには、そういうケースが多かったのです。さような場合に、ある程度確実にこれは納期までにでき上がるんだということがはっきりし、そして早く入金するんだということがわかっておりますれば、資金繰りの関係としましては、うちは財政資金の関係を持っておりますので、なるべく早く返すような建前をとって、一応返済期限をきめておるわけであります。しかしながら、それが正当な理由で、何らかの関係でどうしてもおくれる、しかも、それが輸出契約なりの条件変更という形で、輸出許可等が行なわれまして、その基礎になる契約——契約と申しますと、外国と日本との契約でございますが、それが変更になり、輸出許可が行なわれ、それが事情やむを得ないという場合には、うちとしては期限の延長を認めて、これをその時期まで延ばす、かような措置をとったわけであります。そのような説明でよろしゅうございましょうか。
○小川(豊)委員 それではよくない。船を作るのに、向こうから一定の部品なり何なり品物を受け取る場合があります。その場合に、その品物がもし着かない場合、おくれたとするならば、向こうの責任なんです。賠償を向こうからとるべきです。船ができて、経済上の事情で向こうが引き取らない場合もございましょう。それも責任は向こうにある。これをあなたの方で契約を延長してまで便宜をはかる必要はない。向こうからとるべきです。 それからボーナスの問題に至っては、私にはどうもわからない。というのは、先ほども申し上げたように、あなたの方じゃ、国庫納付金なんて一銭もないです。それで金利は非常に安く貸して、そしてさらにそういう便宜まではかっているということになると、これはまるで巨大資本のための金融機関であって、国の機関であるということが考えられないから、僕はこの点をお尋ねしているのです。今のあなたの御答弁によると、向こうが引き取らない場合とか、品物が供給されるのがおくれた場合は、やむを得ない。これはやむを得ないことはやむを得ないが、責任が向こうにあることだから、そのためにおくれたのだから、当然向こうから損害賠償をとっていいわけです。それまで期限延長する必要は、あなたの方に毛頭ない、私はこう考える。それをお尋ねしておきたい。
○鈴木説明員 ごもっともな点もございますが、結局先方の外国船主と日本の造船業者との契約によりまして、今御指摘のような事態が起こった場合は、日本の造船業者としても、もちろん十分主張すべき点は主張して交渉いたしますが、それがどうしても最後になってまとまらずに、しかも、その結果、それをそのままにしておけば、結局外国船主が苦しまずに、日本の造船業者が苦しむ結果になります。しかも、また、かような契約の更改が、政府の輸出許可の変更という形で行なわれるということになりますれば、うちとしては、やはりそういうような事情を考えまして、これをある程度延期するというのもやむを得ない措置ではないかと存じますが、さらに今後の問題としましては、われわれそういう点もよく注意いたしましてやっていきたいと考えます。
○小川(豊)委員 最後に一点お尋ねいたします。やむを得ないというのは、輸出の許可を通産省が変更するから、あなたの方の金融機関としてはそれに従わなければならないから、これは延長しなければならないのはやむを得ないのだ、こういうならば、その措置というものは、あんたの方にあるのではなくして通産省の方にあるということになってくると思う。通産省は、その起こり得る事態を予想して契約というものはしておくべきで、向こうが履行しないからそれでやむを得ないのだ、そういうずさんな契約というものはありようはずがないと思う。契約というものは、明確に、正確になされておるだろう。それにもかかわらず、巨額の金が、期限が来ても返済できないから、延利は取らずにそれを延長するというならば、国内の業者の立場を考えてごらんなさい。国内の業者の場合には、一日だって延利を取られる。信用も落とすのです。そういう苦しい思いをして仕事をしておるのに対して、輸出造船だけが過当な恩典を政府並びにあんたの方から与えられておる。それであなたの方は一銭も納付金はないのは別に文句は言いません。開発銀行だって、百何十億か納付金を納めるのに、あんたの方は一銭も納付金なしにやっている。その上こういう過当な恩典というものを与えなくたっていいじゃないか。与える必要があるものには与えていいが、与える必要のないものに与える必要はないじゃないかというのが、私の考えです。あなたの方で、今後是正するというなら、あとは申しませんが、そういう点は、もっとぜひ考えておやり願いたい。かように思うわけです。
○鈴木委員長 日本開発銀行及び日本輸出入銀行関係は、この程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十九分散会