議院運営委員会 第23号
- 発言数
- 46 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1960/04/13
会議録
○荒舩委員長 これより会議を開きます。 この際、椎名官房長官が御出席になっておりますので、前回の委員会において柳田君から御要求のありました、ILO八十七号条約の締結について承認を求めるの件及びこれに伴う関係法律の整備に関する法律案の提出時期に関する問題について御質疑を願いたいと思います。柳田秀一君。
○柳田委員 官房長官にお尋ねします。従来から問題になっておりましたILO八十七号ですが、本年の六月にILOの総会もあることでもあり、さらに、過日の参議院の予算委員会において、岸総理から、二回にわたって、四月上旬には提出する、こういう累次の言明もあったわけです。四月上旬を目途としてということなら、四月十日までに提出する、こういうことと同じなんですが、十日も過ぎましたけれども、いまだに提出されておらぬ。政府としては、総理の言明もあり、これをいつごろ提出される予定ですか、官房長官からはっきりお答えを願いたいと思います。
○椎名政府委員 この問題については、昨年の二月、閣議におきまして、すみやかに国内法の整備を完了して批准の運びに到達するようにということで、内外に声明をいたしました。最近、今、柳田委員から言われたように、国会においても、再度、総理大臣から、四月上旬を目途として提出したいという意向を明らかにしておるのでございます。政府は、この意図のもとに、極力関係国内法の整備等につきまして研究を重ねて参りましたが、御承知の通り、これを公務員法に全面的に適用するということになりますれば、関連する範囲が非常に広い、従って、この広い範囲にわたっていろいろ検討を加えまして、大体問題の所在を一々拾ってその見通しをつけておるような段階でありますが、まだ政府・与党内部において十分調整の域に達しておりません。今、極力急いで最後の成案に到達するように努力をしておる最中でございます。おくれておりますが、できるだけすみやかに御期待に沿うようにいたしたい、こういうような状況であります。
○柳田委員 これは御承知のように、ジュネーブにおいて国際問題になった問題でもあります。さらには、国内においては、国会における総理の言明もありまして、ただいまの長官の御発言のようでは、われわれは了承できない。ただ、新聞の報ずるところでは、総理みずからが閣議で提出を急がされておりますことは了承しております。従って、総理の意のあるところもわれわれ了承しておるわけでありますから、必ずしも、あげ足をとるとか、あるいはいじめるなどという立場ではなく、国際信義の問題でもあるし、国会における言明もある問題でもあるから、目下極力努力しておるということだけでは、これは相済まぬと思う。従って、少し具体的に承りますが、まず、条約本文は大体原案ができておるかどうか。さらに、これに関係する公務員関係の法案は、大体どの程度成案ができておるのか。さらに公労法関係、労働省所管に属するところの法案は、大体できておるのかどうか。新聞でわれわれは次官会議の結果なり、その他、今までの進み工合はおおむね了承しておるわけですが、やはり国会で、四月上旬を目途として、それまでに提出したいと、二度にわたってまで——私、速記録を持ってきておりますが、総理は非常に熱意を込めて確約をしておられるわけであります。それが四月上旬を過ぎてもまだ出ておらぬのですが、これくらいのところは一つ率直に官房長官もここで言われて、その上でさらに、いつごろを目途としてこれを提出するということを言明なさるのでなければ、国会における総理の二回にわたる発言が全然守られぬということになってきて、これは審議の問題に関しまして、自後のわれわれ社会党の国会審議全体にからんでくる問題でございますから、具体的に御説明を願いたい。
○椎名政府委員 最小限度、公労法、地公労法、鉄道営業法、こういったものはどうしても改正せざるを得ないのでありますが、これらの原案については、ほぼでき上がっております。それから批准は、これはきわめて簡単であります。公務員法に全面的に適用されるということになりますれば、やはり公務員法に手をつけざるを得ない。どの程度にするかといったようなこまかい問題がございます。それからまた、広い公務員全般のあり方にも関係のある問題でもございますので、従来の人事管理の機構でよろしいかどうかというような問題については、これは熱心な討議が繰り返されたわけでありまして、これらの問題についても相当突っ込んだ研究をしております。それで、事務段階においては大体において見通しはっけておりますけれども、与党、さらに広く政府部内において、また別ないろいろな見地からこれに吟味を加える必要もあるというようなことでございまして、今後急いでそれらの調整を行ないまして、できるだけ早く提出するようにいたしたい、こういうふうに考えております。
○柳田委員 そうすると、今の官房長官のお話では、条約本文は簡単であるから、これは成案はできておる。ほとんどできたと言ってもよろしい。それから公企労法関係も、大体成案ができておる。問題は公務員関係だけだ、こういうことだろうと思う。新聞の伝えるところによると、在籍専従を残すのか、廃止するのか、組合員の構成をどうするのか、あるいは人事管理体制を組合対策としてどういうふうに持っていくようにするかということにしぼられていると思う。しかも総理が言明された問題でもあり、この問題が提起されたのは今に始まったことではない。それがいつまでも自民党の中できまらぬ、政府首脳部でもって煮つまらぬということでは、これは私は政府の責任だと思う。決してほかのところに責任を持っていくわけにいかぬと思う。先ほどの国会対策委員長会議で、官房長官は、残った問題は、今週中に提出できるかどうかという、社会党側、さらに民主社会党側両方の国会対策委員長からの要求に対しては、それは極力努力する、こういうふうにお答えになったというように聞いておるのですが、その点はどうですか。
○椎名政府委員 大体おっしゃる通り、今週中にどうだというお話がありましたが、今週中ということについては、なかなかお引き受けするわけにいかぬけれども、とにかく極力努力する、こういうことで御了承を願ったわけであります。
○柳田委員 そうすると、官房長官のお言葉としては、社会党並びに民主社会党から、今週中に出せということに対しては、絶対に自信を持ってお引き受けはできぬが、今週中に提出するように最大の努力をする、こういうふうにお答えになったと理解してよろしいですか。
○椎名政府委員 できるだけ努力いたします。
○柳田委員 これは確かめておかなければ、六月にはILOの総会がありますから、そこでわれわれとしては——この問題を社会党のわれわれが何か安保にひっかけるようなことを皆さん御心配になっておる向きもあるかもしれないが、われわれはこれをひっかける意思は毛頭持っておりません。むしろ、自民党よりこっちの方が審議を促進しますから、どうぞ御安心なすって早く提出していただいてけっこうです。そういう意味で聞いておるわけで、先ほどの国会対策委員長会談でも、両社から、今週中に提出できるかということに対しては、それは絶対にできますということはお引き受けできぬが、今週中に出すように極力努力します、こういうふうにお答えになったと理解してよろしいかどうかということです。
○椎名政府委員 そういうふうに御理解を願ってけっこうです。
○荒舩委員長 よろしゅうございますか。
○柳田委員 よろしいです。 —————————————
○荒舩委員長 それでは、石原国家公安委員長がまだ見えませんので、その間に、国会の審議権の確保のための秩序保持に関する法律案を議題といたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○荒舩委員長 それでは、議題といたします。 ————————————— 国会の審議権の確保のための秩序保持に関する法律案 〔本号末尾掲載〕 —————————————
○荒舩委員長 まず、提出者から提案の趣旨について説明を求めます。佐々木盛雄君。
○佐々木(盛)議員 ただいま議題となりました、国会の審議権の確保のための秩序保持に関する法律案につきまして、私は、提案者を代表いたしまして、提案趣旨について説明を行なわんとするものであります。 昨年十一月二十七日に、日米安全保障条約改定交渉の打ち切りを要求する集団示威運動が行なわれた際に、集団陳情に名をかりた一万数千名のデモ隊が国会構内に乱入した、わが国憲政空前の不祥事件の発生を契機として、再びかくのごとき不祥事件の発生を繰り返さないために、加藤前衆議院議長は、さきに議院運営委員会理事会において、おおむね本案同様の試案を提示されたのであります。 私たちといたしましては、立憲政治擁護のために、与党と野党との政争を越えた立場から、議長の諮問にこたえて、議院運営委員会全員一致の立案といたしたいと、あらゆる努力を試みたのでありますが、不幸にして野党諸君の同調を見るに至らず、ついに、議長試案に若干の補足を加えて、ここに議員提案の形式をとるのやむなきに至ったことは、まことに遺憾にたえない次第であります。 まず、この法律の目的は、国権の最高機関である国会がその機能を完全に行なうために、国会議事堂周辺の静穏を保つことによって、国会議員の登院と国会の審議権を確保せんとするものであります。従って、何人も、この目的達成のため、国会議事堂周辺の静穏の保持によって、議員の登院と国会の審議を妨害しないようにしなければならない旨をまず規定いたしたのであります。 しかしながら、このことは、憲法において保障された集会や表現の自由を否定するものでは毛頭ないのでありまして、私たちは、国会の審議権の公正なる行使を確保する立法措置を講ずることこそが、最も合憲的にして、かつ、議会政治擁護の根本要件であると信ずるのであります。 従来、国会の周辺に集団示威運動等が行なわれた場合には、国会としては、なるべく不要の摩擦を避けるために、やむなく当日の国政審議を中止するなどの措置をとって参ったのでありますが、今回の不祥事件において、議事堂周辺の道路においては、議員の国会登院が著しく妨げられたのみならず、ことに、議員会館と議事堂との間の道路は全くふさがれて、議員の通行は不能となった事実にかんがみまして、この際、国会として万全の措置を講じ、もって不測の事態の発生を予防することが絶対に必要であると考えるのであります。 さて、私たちは、この法律案を起草するにあたりまして、次の二点に特に意を用いたのであります。 第一は、本法に規定する国会周辺と申しましても、なるべくその範囲を最小限にとどめたことでありまして、英、米、西独等の諸外国におきましては、国会周辺一帯の広範なる地域を指定して、集団行動についての厳重なる禁止規定を設けているのでありますが、本法におきましては、その適用区域を国会周辺一帯としないで、主として国会に通ずる道路と一部国会用地のみに限って秩序を保持すべき場所といたしたのであります。 第二は、その限られた道路や区域におきましても、集団示威運動等をあらかじめ全面的に禁止することを避けて、必要やむを得ない場合にのみ適当な措置をとり得るようにいたしたのであります。 すなわち、国会周辺道路上における集団示威運動等のために国会議員の登院と国会の審議権の公正な行使が阻害されるおそれがあると認められる場合には、衆参両院議長は、連名で、東京都の公安委員会に対し、その集団示威運動等の許可の取り消しや条件の変更を要請したり、または、警視総監に対して、その集団示威運動等を制止するための必要な措置を講ずるように要請できることといたしたのであります。従って、この要請がなされたときは、公安委員会は、これに対応して必要な措置を講ずるようにすることとし、また、警察官は、その集団示威運動等の主催者、統括者その他の責任者または参加者に対して、必要な限度において、警告を発したり、その行為を制止したりすることができるようにいたしたのであります。しかしながら、これらの要請を受けた公安委員会や警視総監がいかなる措置をとるかは、もっぱら、その自主的決定にゆだねたのであります。 次に、請願につきましては、憲法において定められておりまする通り、平穏に行なう限りにおきましては、言論、表現、集会の自由とともに、国民の基本的権利として認められておるところでありますが、しかし、たとい請願、陳情の名目のもとに行なわれまする集団示威運動等でも、実際上平穏な行為と認められないものは本法の適用を受けるべきものといたしたのは、当然の措置であると信ずるのであります。 また、罰則につきましては、集団示威運動等に参加した者が議事堂またはその構内に侵入した場合には、本法によらずして、一般刑法の規定によるのでありまするが、特に、他人を指揮し、他人に率先して侵入した者に対しましては、本法の適用によって刑を重くいたしたのであります。すなわち、国会議事堂こそは、国民の代表者が国政を審議する神聖なる殿堂であって、これを群衆の陣頭に立って侵害することは、単なる住居侵入のみならず、実に立憲政治の存立を危うくするものであるからであります。 また、集団示威運動等の威力を用いて議員の登院を妨害した者についても特に罰則を設けたのは、国会の構成員たる議員の登院こそは、国政審議のための不可欠の前提要件であるからであります。 以上が本法律案の概要でありまするが、私は、ここに、同僚議員各位が、わが国議会政治擁護のために、この際、政党政派の対立を越えて、大乗的見地に立って、満場一致の御賛同あらんことを心から期待して、提案趣旨の説明を終わる次第であります。(拍手)
○荒舩委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 本日はこの程度にとどめ、本法律案に対する質疑は次会に譲ることとするに御異議ありませんか。
○池田(禎)委員 委員長の提案は異議ありませんが、ただ、この提案に伴って、この際、衆議院議長の心境を一つ伺いたい。 ただいま佐々木盛雄君から提案されましたいわゆるデモ禁法は、提案者みずからが冒頭において述べておるごとく、昨年十一月二十七日のいわゆる国会乱入事件に源を発しております。この事件について、当時の衆議院議長加藤鐐五郎君は、議長の職権をもって、社会党の淺沼稻次郎君外三名を懲罰委員会に付されております。しかるところ、懲罰委員会は、これを継続審査として後会に持続したわけです。その間、加藤衆議院議長は、一身上の都合をもって辞職されまして、新しい議長、副議長が、この院議をもって選挙されまして当選なさいました。清瀬議長は、前議長のとったこの議長の職権によるところの懲罰委員会付託の事態について、新しい議長、現議長としてこの方針を踏襲されるものであるか、それとも、あなた方自身の何らかの見解をお持ちになっておるか、この際、私は議長にお伺いいたしたい。
○清瀬議長 前議長のおとりになった行動は、そのまま私は承継いたすつもりでございます。しかしながら、審議の内容については今委員会で御審議中でありまするから、私よりかれこれ申す事柄ではないと思います。
○池田(禎)委員 そういたしますと、私は、これはたびたび唱えておることですけれども、こういう懲罰事犯でなくして、国会は、やはり政党政治であり、立憲政治の府であるから、こういうことは、懲罰委員会とか、法規をもって規制するということについては、かねがね反対を主張して参りました。ただ、しかし、いかなることが平然として行なわれてもなおかつ法規上の規制ができないかというと、それをもいけないというわけにはいかない。やはり秩序が乱されるならば、その秩序を回復するところの手段と方法は必要ではなかろうか。それがために、私は、しばしば、当時の責任者の政治的な責任の態度を明らかにせよということを主張して参りましたけれども、ついにこれはいれられなかった。そうして一方において、衆議院議長のみその責任をとるという形でもって行なわれた。この事態というものは、双方のそれぞれの人々に——たとえば、時の衆議院議長があの事態を阻止し得なかったといえども、たまたまその任にありし人の不幸な事態としてその政治的責任を追及した。ところが、今日懲罰委員会に付託されておる人々においては、何らのことが表明されない。従って、懲罰委員会は独自の立場において審査を進めておる、かように聞いております。けれども、新聞紙上その他の情報によりますと、近く懲罰委員会は結論を出すやに聞いておりますが、私は、そういうことで結論を出すことについては今なお多くの疑問を持つと同時に、そういうことでこの種の問題を将来絶滅できない、こういうように考えておる。従って、議長、副議長というものは、ともに院の最高の責任者であり、国会の全般の運営についてあなた方は大きな責任をお持ちになっておるのですから、私は、この点について、何らかの機会において、議長、副議長は、懲罰事犯の結審を待たずして、やはり院の秩序を保持するため、あるいはこういうことの絶滅を期するためのお考え方があってしかるべきではないか、こういうふうに思っております。ただ、議長は、前議長の方針を踏襲するのみという御答弁でありますが、その点の御配慮はいかがでありましょうか。
○清瀬議長 懲罰事犯については今申した通りでありますが、その他のことについては、事態に応じて最善の力を尽くしたいと思っております。ただいま提案されておりまする秩序保持のための法案も、またその一つでないかと思っております。その内容については、皆様の御審議を賜わって、御決定に従うつもりであります。
○池田(禎)委員 この国会の審議権の確保のための秩序保持に関する法律案というものは——私が特に議長、副議長にその心境をただしておるのは、あなた方はともに法律家として立っておる。たまたまその職責が議長であり、副議長であられるが、やはりこういう国民の行動を規制するという法律で、自由を拘束する何らかの制限が出てくるということは、私どもはでき得る限り避けたい。従って、これはこの委員会でわれわれが当然黒白をつけなければならない問題でありますけれども、その審議に臨むにあたって、議長、副議長のごとき法律家がどういう見解を持っておるかということを私は承りたい、こういう意味で言った。ただし、審議についてあなた方が容啄をしないということは当然でしょう。けれども、その審議を始めるにあたって、議長や副議長が法律家としての心境なり見解というものがあるならば、私は承りたい。すなわち、こういう法律でなく、もっと高い角度から院の秩序を保持し、院の権威を高めるという方法について、何らかの所見がございませんか、こういうことを私は伺っておるのでございます。
○清瀬議長 国会の秩序を保持し、国民の信頼を一そう重くしたいということは、私、議長に就任いたして以来、日夜考慮いたしておることでございます。かつて申しました通り、この国会終了後、それらのことを皆さんによく御研究していただく会合も持ちたいと思っております。この案は、やはり国民の自由にも関しまするけれども、国会の審議の自由にも関係することであって、これも一つの考え方で、前任者がこれと同様の希望を述べられて、この委員会で成案をお作りになっておるのでありますから、十分に御審議下さいまして、最善の結論を得られんことを切に希望いたします。
○池田(禎)委員 それでは、要約いたしますると、議長や副議長は、今日の事態においては、本法案のごときものを立法化することが必要である、こういうことをお認めになるのであるかどうか、この点を伺っておきます。
○清瀬議長 前任者がお考えになった通り、現在の社会情勢に照らして、国会の審議の自由を確保することも必要なことです。また、国民の自由に関係することも考えなければなりません。ここに一つの原案があるのであります出るから、これに基づいて皆さんの最善一の御審議を求めます。皆さんの御結論には私は服するつもりであります。
○池田(禎)委員 この考え方は、正副議長ともに御協議なされたお考え方でございましょうね。
○清瀬議長 この答弁について二人で相談したのではありませんから、副議長は別にお答えになると思います。
○中村副議長 別にこの問題について二人で協議をいたしたことはありません。私も、国会の議事の運営が保たれるということは当然なことでありますから、原則論としては、国会の運営というものを妨げられるというようなことのないようにすべきだと思いますけれども、こういう法律を作ることがよいか悪いかということについては、私も個人的にはいろいろの気持を持っておりますけれども、現在すでにこういうふうに提案をされて審議をされておるときでありますから、あまりわれわれとしては意見を述べないことの方が、かえって審議に忠実だと思いますから、原則論としてはいろいろ意見を持っておりますが、具体的問題については意見を差し控えた方がよいと思います。
○池田(禎)委員 私は正副議長の御見解を承りました。それぞれの個人としての見解はあろうと思う。従って、それを前に立ち戻って、あなた方は院の最高の責任者として何らかの政治的配慮というものがありませんかということを私は冒頭において申し上げた。しかし、これ以上皆さんに私は本法案に対する見解を聞こうとか、あるいは、そういう措置をあなた方がとる意思があるかどうかということをこれ以上ただそうと思いませんので、私は希望だけ申し上げておきます。
○荒舩委員長 それでは、本法律案に対する質疑は、本日のところこの程度といたしまして、なお自余の質疑につきましては次会に譲るということに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○荒舩委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決定いたしました。 では、まだ石原国家公安委員長が見えませんので、次の問題を先に御審議願います。 —————————————
○荒舩委員長 次に、本会議において趣旨説明を聴取する議案についてでありまするが、内閣提出にかかる輸出入取引法の一部を改正する法律案について、日本社会党及び民主社会党から、本会議において趣旨説明を聴取いたしたいとの申し出があります。 本案につきましては、先ほどの理事会での話し合いの通り、次回の本会議において趣旨説明を聴取し、これに対する質疑を行なうこととするに御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○荒舩委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 —————————————
○荒舩委員長 次に、次回の本会議の件についてでありまするが、次回の本会議は、明後十五日午後三時から開会することといたします。従いまして、次回の委員会は、同日午前十一時から理事会を開き、理事会散会後に委員会を開会することといたします。 —————————————
○荒舩委員長 ただいま石原国家公安委員長が出席いたしました。 国会議員の身辺保護に関する問題等について質疑を行ないます。池田禎治君。
○池田(禎)委員 石原国務大臣にこの際私はお尋ねいたします。先般、本委員会で、あなたは私の質問に対し、そういうことは常識で考えられない、あり得ざることである、それは、すなわち現地における警察本部長の談話、国会議員の身辺の保護が不可能である、あるいは、議員が警察の出動を阻止しておる、これがために非常に現地においては困難を来たしておるということ、私は直ちにこのことをただしに参りまして、福岡県の警察本部長である宮地君が、三月二十八日のようなあの事件というものは、とうてい常識ある労働組合として考えられなかったということは、明らかに録音で残っております。これは関係の者が全部認めております。同じくわが党の視察団に対して、宮地君が、国会議員が多数おって、警察は出動してはならないという言葉につきましては、私はやはり国法を守らなければならぬということを知りつつも、現地においてそういう議員団に抗議を受けるということは、自分としても行動力において欠けるところがあったと、明らかに申しております。そういうことを、あなたは本委員会でよくもぬけぬけと、常識では考えられないとは何事ですか。あなたの調査の結果をまず私は伺いたいと思う。
○石原国務大臣 あれから現地と連絡をとりまして、いろいろ聞いてみたのでありますが、調査団がおいでになりましたときにいろいろ話がありまして、署長がそのとき病気か何かで寝ておりまして、かわって、警部でありますか、次席がいろいろ連絡をとったようでございますが、そのときに、旧労が非常に興奮しておるので危険であるから、現地を回るときはよく注意をして下さい、こういうような意味のことを言っておるようであります。池田委員がいろいろおっしゃいました一つの問題は、そういうことであったと思うのであります。 それから、宮地君がいろいろ言ったことにつきましては、宮地君と私も電話で直接に話してみたのでありますが、この前の委員会で池田委員がいろいろ言われましたことは、どういうことを宮地君が言ったのか、よく私わからなかったのでありまして、現地の部隊を指揮しておりまする警察本部長でありまするから、本部長がそう非常識なことを言うはずはあるまいと思いまして、そういうことを現地の本部長が言うということは私としては考えられないのだが、こういうような意味で答えたのでございます。宮地君にも、調査団が行かれたときに、何かいろいろ君の言葉が行き違いがあったようにこちらでは話が出ておるがというようなことを言いましたらば、私としてはいろいろ実情を申し上げたところ、どうも別にそのときにそういうふうな感じを自分では受けたことがなかった、こういうようなことを言うておりました。いろいろの事態に処して部隊を指揮しておりますので、それ以上のことはあまり私からこまごまと言うこともどうかと思いまして……。そういう経過でございます。
○池田(禎)委員 では、あなたは、衆議院の演壇の上で、断固として、断固としてと、何べんも言われたのですが、断固どういうことをやったのですか。たとえば、四月九日までにはあなたから何らの訓示、訓令も受けておらないと宮地君は言明をいたしました。その以後のことは私は知りませんが、それ以前においては何らない。宮地君はさらにこうも言っておる。閣議でどういうことをきめられたか知らない、いろいろなことが閣議で相談をされておるようなことは、情報としては聞いておるけれども、私は内閣総理大臣から直接指揮さるべき権限は何らないから、私はさようなことを聞くべきものを持たない、私は当該の責任者として国家公安委員長から今までにおいて何らの訓令もなければ、指図も受けておらぬ、従って、今までとった行為というものは、私の個人の判断において私はとったのである。いまだ国家公安委員長から何らの指図、訓令も受けておりませんと、明確に答えております。あなたはそれまでに何もしておらないのですか、したのですか。そのことについて聞いておきます。
○石原国務大臣 現地は、福岡、熊本両県にまたがっておりますので、九州管区局長村井君が指導いたしております。また、国家公安委員長は警察を管理するといいますが、警察庁長官に対し、いろいろのことを、指示といいますか、連絡をいたしまして、長官が現地を指導いたしておるわけであります。しかし、私も、事態がいろいろ動いておりますので、九州を管轄しております村井君とは直接いろいろ現地の模様を聞きましたり、私の気持を伝えるために、指導といいますか、連絡をいたしておりますが、宮地君とは、池田委員がこの前言われました問題につきまして、一応の連絡をとりましたが、私として、警察庁長官なり、あるいは現地の村井局長を通じまして、われわれ公安委員会の意向をいろいろ伝え、指示をしておるような次第であります。
○池田(禎)委員 あなたがいかに弁解されるとも、四月九日までにおいてはあなたの訓令というものは何ら受けておらないと、明確に答えておる。だから、あなたは、今聞くと、今度は、九州全体の責任者である村井君ないしは警察庁長官を通じてと言うけれども、警察本部長は、何ら国家公安委員長から指図を受けておりません、今までのことは私の良心に従ってやりましたと言っておる。あなたは、そういうようなことではなくして、なかったらなかったと言ったらどうです。なかったからといって今さらあなたの責任を追及したって何にもなりません。あなたに言っても今さらどうにもしようがないでしょう。
○石原国務大臣 私は、警察本部長をいろいろ指揮したり何かはいたしておりません。職制上というか、建前上、やはり警察庁長官あるいは管区の局長、これらを通じましていろいろ指示したり、私の意見を伝えております。こういうことであります。
○池田(禎)委員 従って、あなたが、緊急質問に対しても、あるいは本委員会において答えたことは、みな違っておる。済んだことを今さらあなたをとがめてもどうにもならぬ。私はただ残念なことには、今日いかなる形態にあろうとも、大牟田の事態というものは重大な社会問題です。同時にまた、政治問題です。このことをいかにして終息するかということは、国民だれ一人として願わざる者はない。だから、場当たりの答弁はやめていただきたい。真剣に一つ考えてもらわなければならぬ。そういうことによって、あなた方がただ口先の上で、断固として取り締まるとか、そんなことでなく、真剣に、この事態についてどういうふうにしてすみやかに治安を回復するかということを考えなければならぬ、こういう点です。あなたもりっぱな議員として、政治家として、いわんや、国務大臣としての重大な責任があります。その場限りの答弁というものに対して、私はまことに不満足にたえません。もちろん、警察の行動範囲とか、そういうことは本委員会の扱うところではありませんから、私は、あらためて地方行政委員会にあなたに出てもらって、具体的のことについてはそういうところを通じて審議をしたいと思いますが、とにかくあなたの言ったことは、正直に言えば、みな違っておる。そのことだけは重大な反省をしてもらうと同時に、あなた方は、警察庁長官なら警察庁長官が、どういうふうに現地に訓令をし、指図をしておりますか、そのことを私はこの際警察庁長官にお聞きしたい。
○柏村政府委員 大牟田におきまする三井三池の事態が非常に重要な段階に立っており、また、二十八日、二十九日等におきまして不祥な事件を起こしておりますことは、まことに遺憾に存じておるわけでございます。これにつきましては、石原国務大臣からも強い御指示もございましたし、また、国家公安委員会におきましても、大臣から大体お話し申し上げたように、しっかりと事態の静ひつを保つようにという御意図がございまして、私は、村井管区警察局長並びに宮地本部長に対して、電話をもって、しばしば、現地の治安の確保について相当具体的に示唆をいたしまして、現地の治安確保に努力するようにいたしたわけでございます。たとえて申しますれば、まず、炭住街における不安な状態のために、第二組合と申しますか、新労の人たちが疎開せざるを得ないというような状況は、少なくとも生活権の確保ということに非常に遺憾な問題であるということから、炭住街における部隊の警らを厳重に行なうということをまず励行させるようにいたしたわけであります。また、非常に気分が険悪になっておりまして、従って、棒切れその他を始終持って、民間的な検問をする、あるいはピケを張るというような状況につきましても、これを直ちに押収するということは法律的にできないにいたしましても、厳重な警告をしてこれを取り上げるようにするということを示唆いたしまして、こん棒等千数百本を取り上げておる状況でございます。なお、二十八日、二十九日、またその以前に起こりましたような不穏な事案、特に暴行傷害等の事案につきまして、捜査がなお徹底を欠いておるのではないかということから、本庁の専門の捜査第一課長を現地に派遣し、いろいろと相談に当たらせ、そうしてその捜査態勢を確立することに努めたわけでございまして、現在までに相当数の被疑者の逮捕をいたしておるような状況でございます。こういうふうにいたしまして、炭住街を中心とするあの地区一帯の治安の確保、民心の不安を除去するということに、今までのところ、福岡、熊本両県警におきまして全力を傾注しておるようなわけでございます。また、そのために警備の要員が不十分であるという場合におきましては、現地的な判断において九州各県内の応援を求める、さらにまた、必要とあれば、中国、近畿等からも応援を派遣し得る態勢をとるということで、それぞれの管区局長にそういう準備をいたさせておるような次第でありまして、目下、九州各県から約千名の者が大牟田、荒尾地区に応援に出向いておるような状況でございます。もちろん、まだ十分とは申せませんが、次第にあの地区の治安も、幾分なりとも平静を取り戻しつつあるという状況でございます。しかしながら、あれだけの問題を起こし、また非常に根深い事案でございますので、今の表面の平静というものがいつまたかき乱されるか保しがたいので、警備につきましては特に万全を期して、今後も十分に治安の確保に当たるように指導をいたしておる状況でございます。
○池田(禎)委員 治安がどうとか、あるいは警察がどうとか、そういうことは実はこの委員会で扱うことはできないのです。ただ、国会議員が調査に行ったときに、あなた方の保護はできぬ、こういうことを答えた。あるいは警察本部長が、国会議員が常駐してたくさんおられて、警察は出動してはならないと言う、その圧力で、われわれはなかなか出られません、あるいは、二十八日の朝の西日本テレビに、警察本部長が、きょうの乱闘事件というような問題は、第一といい、第二とい、えども、労働組合だ、紳士の集まりであるから、こんなことになろうとは思わなかった、そういうぬけぬけとしたことをよくも言えたということを、私はこの前、長官を呼んで聞いたのです。事実はありました。私も行って参りました。私は、そういうことでは警察は何をしておるか、国会開会中に現地に調査に行くということは、容易ならぬことである、そういうことで身辺が保護できぬというなら、警察は要らぬ、そういう暴論さえ言いたくなる。私は、警察の警備の内容についてとやこう言うのではないが、国会議員の身辺の保護に関する問題から事は始まった。私は、警察官も人間である以上、一つも手落ちがない、万遺漏がないということはないと思うけれども、許されることと許されないことがある。これほど治安が乱れておるあの大牟田の町というものは、一種異様な、殺人的な雰囲気をはらんでおる、こういうことが、法治国においてどういうわけで放置できるかということを私は言っておる。私は何も石原長官に前言を取り消せとは言いませんけれども、あなた方の、壇上を通じてのその場限りの虚言はやめてもらいたい、このことを私は厳に申し上げておきます。第一、現地では、現地の警察と管区との間に大きな意見の相違がある。このことはあなた方はわかっておると思う。そういう警察の不統一の姿というものは許されません。こういうときこそ、ほんとうに警察が一体となって、治安の確保のために懸命の努力をしなければならない。これは福岡県下における一つの不祥事件ではございません。今、全国的な視聴を集めておる問題について、警察のてんでんばらばらな方針というものは、あなた方が統制ある指揮命令、指図を行なっていないからだと思う。従って、そういうことについては厳重な反省をして、参すみやかに治安の回復のために全力をあげるように私は希望いたします。
○荒舩委員長 よろしゅうございますか。——他にこの問題について御質疑はございますか。 本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十九分散会