文教委員会 第9号
- 発言数
- 263 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1959/12/10
会議録
○委員長(相馬助治君) これより文教委員会を開会いたします。委員に変更がありましたので報告いたします。本日、井野碩哉君辞任、上林忠次君が選任されました。
○委員長(相馬助治君) 本日の委員長及び理耳打合会の経過について概要報告いたします。 本国会の会期も接迫して参っておりまするので、明日及び明後日、必要ある場合には文教委員会を開くことにつきまして、これを委員長に一任することに協議されました。 前回の委員会において、岐阜県における教職員のいわゆる専従制限に関する件を議題といたしました際、県教育長の教育委員会出席の有無及びその間の経緯について文部省において再度調査の上、当委員会に報告することになっておりましたが、本件の取り扱いの時期については委員長におまかせ願うこととし、二法案の取り扱いの後にその報告を求めることにいたしました。 次に、大学の自治に関する参考人の出席問題、岐阜県における専従問題に関しての参考人の出席の問題等は理事会の懸案となっておりましたが、いまだ結論を得ておりません。 次に、三法案の取り扱いに関しては会期の関係もあり、本日質疑を続行して慎重に審議の結果、本日中に質疑終局の運びとし、修正案等の関係上、必要あらば、明日本会議開会前にも委員会を開いて、相なるべくこれを議了するとのことに意見の一致を見ました。 以上報告の通り、取り運ぶことに御異議ありませんか。 口異議なし」と呼ぶ者あり]
○委員長(相馬助治君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(相馬助治君) ただいまより市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案を議題に供します。 質疑のある方は順次御発言を願います。なお、衆議院側を代表して衆議院議員加藤精三君が出席をしております。
○野本品吉君 若干の点につきまして提案者側にお伺いいたしたいと思います。この法案を提案されますおもな理由は、地方自治の本義ということが大きな柱になっておるようです。そこで、これは言葉で読めばわかるのでありますが、地方自治の本義から見てかような措置をとらなければならないという御解釈、お考えを持たれるようになりました点につきましてもう少し明瞭に御説明願いたい。
○衆議院議員(加藤精三君) 地方自治の本義というと非常にいかめしいのでございますが、ありていに申し上げますと、この法案を提出いたしました理由を簡単に申し上げますが、皆様御承知のように、戦前には市立の商業学校とか、工業学校とか、そういうのが昼間部と夜間部の両方あったものが五大市に多かったのでございますが、ところで都の場合は、他の五大市と違いまして、この府県と市が一つになっておるようなものでございますので問題はないのでございますが、この他の五大府県の場合におきましては、市の方がいつでも財政力が豊かで、そして待遇がよかったのでございまして、これはまあずいぶん昔からの沿革的な関係もございまして、府県庁よりも市役所の月給が高い、府県立学校よりも市立学校の方が月給が高いというような、何十年前からの惰性もあったと思いますのでございますが、それ以外に五大市の方、市町村の方が財政が比較的豊かで、そういうふうな教育費の負担力があるというような現実があるのでございます。それで、この義務教育として行なわれているものじゃないものでございますから、その給与の関係は小学校、中学校違うわけでございますけれども、この特に市町村立高等学校というような場合は、この学校職員の給与負担法、これは昭和二十三年七月十日法律百三十五号によりまして都道府県の負担に定時制の方はなったわけでございまして、これは昼間部の方はこれは市立としてその都市の方の財政で負担しているわけでございます。で、そういうふうな関係で、今度は昼間の先生の方の待遇がよくて、夜間の方の先生の待遇が悪くなったということがかなり著しい現象として残っているのでございます。で、従来同じ学校で、単に昼間と夜間との差があるだけで給与は同じ水準で支給されておったものが、今度は法律の改正によりまして急に差別ができまして、いかにも夜間の高等学校の方が質の悪い高等学校のごとき観を呈しますことは市町村自治の統一、円満なる発達の上から望ましくないのじゃないかということがこの法律案を提案いたしました理由でございます。で、他意はないのでございますから御了承願いたいと思います。
○野本品吉君 その点でもう一つお伺いいたしておきたいと思いますことは、まあ地方自治の本義からかような措置をとるという方針でこの問題が提起されているわけですが、その論理を突き詰めていきますというと、将来定時制高校というものは市町村立に皆移行する、こういうことまでもお考えになったわけですか。
○衆議院議員(加藤精三君) その点は、そこまでわれわれも考察の範囲を広げてはおらないのでありますが、現在行なわれております制度ですね、これは必ずしも定時制が府県立でなければいかぬという規則は別にないのでございますが、六三制が実施になりますときに、野本委員は特にその辺に御精通しておられるのでございますが、この高等学校教育というものを、アメリカの教育使節団はできるだけ全国民に与えたいということを一つ考えておったという事実がある。それから、同時に、高等学校設置のしおりというものを文部省から出しているのでございますが、その中には定時制は府県立であることが望ましい、そういうことがあるのでございまして、私その当時市長をしておりましたのでございますが、その文部省の方針によりまして設備その他は全部市町村で負担して経営しておったのでありまするが、名義は県立になっておった、各府県ともおしなべてやったという現象がある。それで、本件のような市立と、それから府県立との間の差があるという現象はほとんどこれは五大市特有の現象でございまして、一般の市町村の地域におきましては、御承知のように大体において市町村よりも府県の方が財政負担力が強いわけでございまして、こうした特殊の立法の必要がないわけだと、そういうふうに考えております。
○野本品吉君 私が特にその点をお伺いしますのは、これはあとで別の機会に文部当局にも十分意見を承わろうと思っておるのですが、現在日本の勤労青年で中学を卒業してからほとんど教育の機会に恵まれない者の数が何百万とおるわけです。で、これらの者の教育をどういうふうにしていくかということは、やはり定時制との関連において考察されなければならない問題の一つであると私は思います。そういうときに、市町村へ持っていくという一つの方向づけがされますというと、今問題になっております年々百万に近い中学を出たきりで教育の機会に全く恵まれない者たちの問題がなかなか解決できない。従って、そういうような問題の解決のためにはやはりある程度財政能力を持っておる府県の段階においてそれらの勤労青年大衆の教育は考えらるべきだ、こういうふうな私は意見を持っておるのですが、そこで、それとこれとを比べてみますというと、ちょっと市町村に引き下げるということを、原則的に将来の勤労青年教育の問題を考えられることは、実情に合わない措置である、かような考え方なんですが、その点伺いたい。
○衆議院議員(加藤精三君) 私も野木先生の御意見は御意見として、その点においては非常に賛成なんでございまして、今、社会党の方でもそういう説を持っておりますように、定時制青年学級という教育はロー・エデュケーションで、一般の国民の全部は、あまり十分な教育を与えて、りこうにし過ぎないようにというようなきらいがあるということを社会党の議員さんたちは衆議院でもおっしゃっておられるのであります。それで、十分なる高等学校教育を与えるために、すでに現在でも中学を卒業した者の五三%が高等学校教育を受けているのだから、それでまあより充実した高等学校、そうして機会均等にという、制度論としては私は満幅の賛成をいたすものでございまして、戦前は青年学校というものがありまして、それは軍事教練の部分を省いても相当な教育があったわけでありますが、それがもし今の定時制と対比され得るものといたしますならば、その青年学校が義務教育になっておった。現在は義務教育じゃございません。ただし、戦前の青年学校は義務時間数が非常に少ないのでありまして、現在の定時制は非常に義務時間数が多い、そういうふうな関係で差があるだけでございます。そういうことでございますが、すでに五三%も高等学校教育を受けているということになりますと、多分に国民教育的な一つの教育分野でございまして、しかも職業指導というような面からいいましても大きな意味がある教育の部分でございます。この部分に対しまして、国家が財政的にほとんど関与していないといいますことは、私、現在のわが国教育行政の面におきましての大きな一つの欠点だと、そう考えておることについては、野木先生と同感でございます。ただ、私は、今回の提案の趣旨は、そういうような制度論に立つものじゃないのでございまして、現制度の中におきまして一つのミゼラブルがある、非常に気の毒なことがあるということ、そうしてその学校の先生の中におきましても大へん気の毒な事情があるし、また同時に、それだけの財政的な保障であるがゆえに、定時制教育が五大市におきましてはより質の低い教育だという感じを抱かせますことは、そこに学ぶ生徒及び父兄に対してもおもしろくない影響を及ぼし、地方自治のためによくない。現制度のもとにおけるミゼラブルの処理として、そういうふうにして受け取っていただきたいのでございます。
○野本品吉君 大体お話は、今までのことに関する限り、のみ込めたような気がいたします。 そこで、その次の問題ですが、市町村のらち、比較的に財政力の強いものということになっておりますというと、財政力が強いか弱いかということはこれは比較論になって参りますので、どれだけ以上のものが財政力が強い、あるいはどれだけ以下が弱いのだというそこに線を引くということは、かなりむずかしいことになってくると思うのです。ただいま御答弁の中に五大市云々という言葉がございますが、この法律自体からは五大市という膏薬はどこにもない。この法律をすなおに文章だけから見ていきますというと、五大市ではなくて、財政力の強い市町村と、こういうことなんです。財政力の強い弱いというようなことはさっき申しましたようなことになる。非常に微微妙な問題である。従って、これをこのままでいきますというと、非常に連鎖反応を起こしやすい問題になる。たとえば、これは横浜なら横浜というものを一つの市を指定するということになっておりますというと、ほとんど横浜と一体といっていいくらいの川崎市の問題がすぐ考えられる。川崎市と横浜というのは財政力がどう違うかということになってくる。それから市の財政能力というものは必ずしも恒久不変のものとも考えられない。あるときには非常に財政的な豊かな力を持っておりましても、何か非常に大きな事態でも起こりますというと、そのときには財政力の少ない市になってしまう。そういうようなことで、この法律の文章このままでいきますというと、多分にいろいろな面において連鎖反応を起こしてくる。またそれと関連いたしまして教育の現場に待遇の問題を中心としました何だかんだという問題を起こしやすいと、私どもはこの点を非常に心配するわけなんです。その点についての結論的な考えを一つ。
○衆議院議員(加藤精三君) どうも正直に言いまして五大市からあまり範囲を広げないで、野本先生のおっしゃるような連鎖反応を断ち切りたいという考えなんでございます。それから五大市が、横浜も最近連合国に接収された設備もだんだん返りますし、だんだんよくなっておりますが、また五大市が大体最も不交付団体ないし不交付団体に近い状況でございます。 それから新興都市の問題がございますけれども、新興都市には従来そらした市立の商業なんかをたくさん作る実力も余地もなかったのでございますが、新興都市は大きく見ます。また非常に工業用水の必要性についても、屎尿処理の設備の必要もあり、これらはすべて五大市のように整頓しておらぬのでありまして、従って財政需要が非常にあるのでありまして、こうやった特別措置で、府県で引き受けていた定時制高校の施設者負担をみんな引き受けるというようなのもちょっと酷なような気もするので、大体法文にはそういうふうなことを書いてないので、「政令で指定する市町村を除く。」とございますけれども、われわれの提案者の意向は大体五大市から広げることはよもやあるまいということを、要請してきておりますのも五大市でございますから、それ以上にはならないという考えで考えておるわけでございます。
○野本品吉君 大体今の点も了解いたしました。もう一つの問題、これは何と申しますか、私は教員処遇の問題で一番考えなければならぬ問題は公平の原則が全国的に貫かれるということ。そこで、この案は五大市に勤めておられる定時制の先生方が、市の一般の他の高等学校の先生に比べて待遇が悪い、それを是正するためにこの法律を作る。しかるに市という一つの範囲で考えます場合に、定時制高校の先生を優遇されようとするそのお気持は十分理解できるわけでありますが、全体として見た場合に、給与体系その他に何やら相当な影響を持ってくる。市の中における両方の高校の先生のバランスがとれて、しかも定時制の先生が優遇されるのはそれはよろしいです。それはよろしいが、その市と、それからして他の府県とのバランスの問題はどう考えるか、他の市との関係はどう考えるか、こういうことになって参りますと、給与制度あるいは一般の処遇の問題で一番貫かれなければならない全国的に公平の措置、公平の原則というものは、こういうところに多少のひずみが入ってくるのではなかろうか。このことは特に加藤ざんは明るいですから申し上げるまでもないと思うのですが、私は過去の日本の教員の待遇の問題を考えたときにこの点を特に申し述べたい。それはかつての教員の待遇等は各府県まちまちです。この法案の提案理由の説明書にありますように、財政力によって全く違っておる。たとえば東京都とあなたの県の山形県、それから私の県、それを比較しますと、すでに師範学校卒業生の初任給におきましても八円も十円も違っておる。その他の点において非常な違いがある。そのために地方の優秀な教員というものは勢い都市に集中するという傾向がありますことも御承知の通りであります。そこで、五大市だけが優遇されたということが今公平、公正を欠くという角度から他府県の定時制の諸君に相当な影響を与えるのじゃないかということを心配するわけなのです。市の内部におけるアンバランスの調整が結果的には他の市、他の府県とのアンバランスを生じてくる。こういうことを考えてみなくちゃならぬと思って、その点を問題にして私はおるわけなんです。
○衆議院議員(加藤精三君) 実はその点は、たとえば横浜市立商業高等学校の定時制と、それから小田原の県立の商業の定時制の高等学校があるといたしますね。その二つの間の比較でございますね。その二つの間の比較をいたしますれば、どうしたってより強い財政負担力のある横浜の方の学校の先生が待遇がいいのは常例だと思います。しかしながら、今度の法律によりまして、横浜市立の商業高等学校プロパーの給料と県立小田原商業高等学校の先生の給料プロパーとの間の差が変わるのではございませんで、その点は富裕団体と貧弱団体との間の高等学校教育に対する県市の不均衡というのは別の問題でして、解決を迫られておる他の問題としては残るというふうな考えで私たちは考えておるのでございます。
○野本品吉君 そこで、私は定時制高等学校の先出方の職務の実態その他について相当知っておるつもりですから、定時制嵩校の先生方に対する待遇の改善の問題は当然考えてあげなければならない問題であるというふうに今考えておったわけなんです。そこで、そういう考え方から言いますというと、むしろ積極的に財政力の強いとかなんとかいったようなそうう考え方でなしに、定時制の教職員全体の処遇の改善という全国的な問題としてこの問題を取り上げたらどうかというようなことも実は考えられないでもないので、そういうことを考えておりますので今のような質問を申し上げたわけなんです。そこで、さらに他の問題でありますが、給与体系その他の問題に関連しまして、これから別に心配するようないろいろな問題は派生していない、こういうふうにお考えになっておられるようでありますが、ここに文部省の方がおりますから参考にお聞きしておきたい。文部省としましてはそういう点については、どういう御見解をお持ちになっていますか。
○政府委員(内藤譽三郎君) 実は定時制の給与の問題につきましてはいろいろいききつがございまして、昭和二十三年に定時制高校が発足いたしましたときは御承知の通り、市町村で給与を負担するということがこれは大へんなことでございますので、都道府県の負担に移しまして国庫が十分の四を負担するという制度をしいたわけでございます。その後、その当時の定時制と申しますのはこれは夜間と分かれておりまして、特別の時期及び時間において行なうのを定時制教育と言ったのです。その後、昭和二十六年ごろになりまして学校教育法の一部改正がございまして、これは司令部との関係でございましたと思いますが、夜間の学校を定時制の範疇に入れてしまった。そこで、従来の定時制の学校を持っているところの五大市で大へん給与の不均衡という問題が起きたそのときまでは、これはもちろん夜間は市町村立でございました。ところが、二十六年の法律改正によってその夜間の学校が一般の定時制の範疇に入れられまして都道府県の負担になってしまった。そこでこの問題につきましては、現実には五大市及びその周辺の全日制高等学校と定時制高等学校の給与の面におきまして初任給の面において、あるいは退職年金あるいは退職手当その他について不均衡があることは私どももよく承知しておったところでございます。で、原則といたしましては現在の法律は都道府県負担になっておるわけでございます。ですから、またこの都道府県の負担において給与の全面的な改善をしていくことが理想だとは考えておりますけれども、ただ五大市の場合には、昭和二十六年に五大市の関係者の十分な御了解なしに都道府県の負担に機械的になってしまったという点で、現実に給与のアンバランスが免じておるというのが実態でございます。そこでこの場合に、その給与についてのアンバランスをどうするかということが前々から問題になっておりまして、私どもとしては、これをどういうふうに改善するかという点については、まだ政府の見解は統一されていなかったのでございます。ただ、こういう特殊なケースでございますので、実はやむを得ないものと思っておりますけれども、まだ他の給与体系との問題もございますし、財源の問題もございますので、文部省としてはまだ結論が出ていない問題でございます。
○野本品吉君 そこで、ただいまの文部省の内藤局長の御答弁によりますというと、初任給においても退職金等においても非常に違う、現実に横浜なら横浜、あるいは東京なら東京の、具体的な事例として一体どのくらいの違いがあるか。
○衆議院議員(臼井莊一君) 資料を先般の委員会のときにお約束いたしましてお配りしてございますが、その第一面に資料の説明がしてございまして、初任給においては、第四表で神奈川なんぞは初任給において違っております。京都は府と市は同じでございます。さらに昇紬の率が期間におきましてだいぶ差があります。これが別表の1から3まで書いてございます。それから退職のときの給与の表が5から6の表でごらんいただきますと、市と県でそれに差があるわけであります。たとえば別表第一表でも神奈川県においては、県におきまして十号俸でございますが——そこまでは同じですが、十五号俸においては十五ヵ月で県においては昇給する。ところが、市においては十二ヵ月でずっと通っている。一例を申し上げますとそういうふうなことであります。大阪においては、十六号俸において府においては十五ヵ月であるのに、市においては十二ヵ月、そういうようなことであります。
○野本品吉君 資料が手元にありましたので、お話の点はよくわかりました。 最後にもら一つお伺いしたいのは、今でもそういう傾向が非常に強いのですが、この法律を出すことによって大都市への優良教員の集中、地方から大都市へ大都市へとそういう傾向を作りはしないか。今私ども学校教育で一番の問題は学校の格差の問題だと思っております。学校の格差をどうしてできないようにするか、どこの学校も同じような力を持った学校にしなければなりませんので、そういう点についてこの法律が何か一般の地方の教員、周辺の教員を刺激する心配はないかどうか、こういうことも考えられる。これはどうですか、どういうふうにお考えになっておりますか。
○衆議院議員(加藤精三君) ただいまの御質問は、もう一回承りたいのですが、高等学校教育における給与の格差というものが教育行政上非常に大きな問題であります。しかるがゆえにそれを統一して均衡を保たしめるべきための方策がないか、こういう御質問でございますね。
○野本品吉君 こういうことです。五大市がよくなりますね、五大市がよくなったということが、五大市の周辺の教員が五大市へと五大市へと詰めかけて、そうして五大市と、周辺の府県の教員の素質にも違いが起こる。そういうところから、文教委員会等でいつも問題にしておる学校の格差の問題が起こってくる心配はないか、こういうことなんです。
○衆議院議員(加藤精三君) 文部省からお答えすることでしょうけれども、まあ提案者の方への御質問だといたしますと、提案者の方の責任の範囲でお答えしたいのでありますが……。それから提案者といいましても私が全部を代表するということは困難でございますが、そういう意味で文部省からお答えした方が適当じゃないかというような気がいたします。
○政府委員(内藤譽三郎君) 本法案は定時制の職員の給与の改善ということが中心になっておりますので、直接五大市の問題、五大市に一般教員が入ってくる問題とは関係はございませんけれども、事実問題として現在のところ五大市に優秀な教員が集まるという傾向が一般的な傾向でございます。この法案のために特別に助長するということはないかと思っております。
○野本品吉君 もら一つ伺います。これは文部省の方にはっきり伺います。それは五大市における定時制の教員と一般の高等学校の先生とが初任給においても、給与、昇給昇格の期間から見ても非常に不均衡がある。かようなことをいつまでも全国的に一体許しておけますか。私はこういうところに文部省の勤労青年教育に対する熱意とか意欲というものがどらも足らないのじゃないかということを感ずるので、どらですか、そういうことをいつまでも自由に放任しておいていいんですか。
○政府委員(内藤譽三郎君) 御承知の通り、教員につきましては、国立学校の教員を基準として給与を定めることになっております。そこで都道府県の場合でも、市町村の場合でも、国立学校の先生の給与を基準にしてきめておるのが現実でございますけれども、その共準の幅が財政力によって若干違うわけでありまして、都道府県の場合でも、東京都のような場合といなかの府県とにおいてはある程度の差ができておるのが現実でございます。それから市町村の場合でも、五大市が設置した学校と、それからそうでない市町村の給与につきましても、これもある程度の幅があることは現実の問題としてやむを得ない。私どもは国立学校の基準にできるだけそろえたいという気持は持っておるわけでございます。
○野本品吉君 もう一つお伺いしたいのですが、これが実施された場合に、この法律が実施された場合に、五大市の財政的な、あるいはその他いろいろな面における受け入れ態勢と申しますか、これが一応考えられなければならぬ。これによる五大市の財政負担というものはどれくらいふえますか。また、そのふえた財政負担に対してどういうふうに財源その他を見ていこうとしておりますか、これは文部省の方こ……。
○政府委員(内藤譽三郎君) 現実に定時制の給与負担として五大市にある定時制のものを現在は都道府県で負担しておる、その負担額が三億八千八百万、それで、それ以外に五大市側が若干プラスをしておるのでございます。四千三百万円ほどつぎ足しているわけでございます。これは適法ではございませんけれども、現実にこういう問題があるわけでございます。そこで合わせまして四億三千百万円というのが実際支払われている額でございます。そこで交付税の方で保障しておる額を申しますと、これが三億三千九百万、約三億四千万程度は交付税で保障しているわけでございます。それ以上のものは、これは市町村の、五大市の保有財源から当然見るべき性質のものでございます。ですから、約一億程度のものは、これは五大市が負担しなければならぬ額ですが、そのちち現実に五大市が負担しているのは四千三百万でございますから、実際の持ち出しが約五、六千万になろうかと思うのでございます。それで、交付税の基準でございますから、五大市側は現実には不交付団体が多いのでございまして、京都市だけが赤字団体で交付税をいただいておるところでございますので、五大市として、五大市の財政状況から申しますと、これだけがまるまる新しい負担になろうかと思いますが、そのうち京都市につきましては交付税の方から四千三百万参りますので、ほぼ京都市の分はまかなえると思っております。
○北畠教真君 いろいろと質疑応答をされておりますが、端的に申しますと、全国的な給与体系、これが破壊されておるということはいなめないのでございます。つきましては、こういう立法に対しまして文部省の心からなる賛意を得ておるかどうかということを一応お聞きいたしたいのでございます。 次に、先ほどもちょっと野木先生から御意見の中にお話がございましたけれども、定時制高等学校の先生方の給与を高めるということにつきましてはわれわれ一同賛意を表しておりますが、こういうふうな全国的な給与体系が乱れて参りました以上は、全国的な、教員に対しましてこういう制度を一般に施行するというようなお気持が文部当局にあるかどうかということを一応お聞きをいたしたいのでございます。
○政府委員(内藤譽三郎君) 一般的に私どもはこういう考え方はとっていないのでございます。負担区分を乱すことは厳に倶しみたいと思っております。ただ、本件の場合は、これは先ほど来申しましたように、歴史的ないろいろな事情もございますし、同じ市町村立で、全日制と定時制との間に給与の不均衡があって大へん学校内の融和が欠けるというような面もありまして、事情やむを得ないとは認めておりますけれども、政府部内では関係各省の間に十分な協議が整っておりませんので、賛成という結論にはにわかに達していないのでございます。
○北畠教真君 ただいまの文部省のお気持よく了解ができたのでございますが、この立法に対して心からなる賛意を表しておらないということでございますが、万やむを得ないというお気持にも感じられるのであります。 これは別といたしまして、衆議院の先生方に二青お尋ねをいたしたいのでございますが、こういう立法に際しまして、当該市の当局に対して始終御懇談をお願いになったかどうか。市当局の意向を十分聴取してかかる立法の手続をとられたかどうか。この点を一つ明瞭にしていただきたいと思います。
○委員長(相馬助治君) ただいまの答弁をなさる前に、今の政府委員である内藤君からの答弁については、この際何か文部大臣、あるいは政務次官で御意見があらば、今の質問に答える前に開陳して下さい。
○松永忠二君 関連。先ほどからの質疑を伺っていますと、負担区分が非常に乱れるというようなお話がだいぶ出てきておるのですが、私は提案の理由の説明に出ているように、負担区分といっても、むしろ全日制の高等学校の教員の市町村立の場合における給与負担を行なっておるのであって、定時制について奨励措置として、つまりこれを府県負担にしていったという、そういうふうな建前から、従ってその奨励措置として行なった措置が事実上奨励措置になっていないという実情から、そこでその五大市から全日制と同様な措置をしてほしいという要望が出ておるのであって、法的にはその提案に書かれておる趣旨説明のように一応筋は通っておる問題だと私は思うのです。負担区分が非常に乱れているというお話だけれども、むしろ負担区分といえば、ただ定時制の中の負担区分が乱れるのと違うということであって、それならば現在の全日制の市立の高等学校についても同様なことがいえるわけで、むしろそういう点からいえば提案に説明されたように自治体みずからがその所要経費を負担するのが当然だと考えていいのじゃないかと思うのです。それから、持ち出し持ち出しという財政的なことのお話もあるのですが、交付税の保障の中に三億三千九百万円保障されておる。保障してもなおかつそこは富裕県であるので交付金額がないわけです。従って、もう五大市には交付税の保障がすでにされておるわけです。されていてなおかつこれがいけないということであって、むしろその交付税の保障をしておきながら、交付金のときの積算の基礎におきながら、なおかつ別途に定時制の給与を負担をしているということの方がむしろ全国的な財政からいえばおかしな話だということになると思うのです。それでまあ、今すぐ五大市については直接な財政負担にはなるけれども、これがまた各方面に、結局貧弱町村なり貧弱府県に回るのだから、これだけを財政持ち出しという点を強調されておるけれども、その点についても少し今の説明ではちょっと納得がいきかねるのであって、やはり私たちは、その趣旨、提案理由の説明の中になかなかごもっともな点が十分あると思うし、これについてはやはり文部当局としてもこの一応の趣旨は認めていかなければいけない筋合いのものだと思うのです。こういう点についてやはりはっきり見解を明らかにされて、そうしてどこの点が困るのかという点についてはやや私たちとしては今の説明ではわからないのです。こういう点に関連して一つ御回答いただきたいと思っております。
○政府委員(宮澤喜一君) ただいま委員長から御指摘がございましたし、また松永委員の御発言の趣旨とされるところはよくわかるのでございます。負担区分の観念というものも確かにございますけれども、それならば定時制はない方がどうかといったような御指摘もその通りだと思うのです。そこで、衆議院でこのような法案をお作りになりまして、私ども考えますことは、文部省の基本の気持といたしますればやはりできるだけ教員一般に十分な給与を支給をいたしたい、しかもその際にできるならばその各地方団体の財政の負担力がより豊かな所に負担をしてもらうということは、これは待遇改善という意味からも望ましいことでありますし、また地方財政の面からいってもそのことがむしろ自然でございます。 そこで、先ほど初中局長が申し上げましたような、従来からの沿革もございますし、現在の指定都市と申しますか五大都市というものは、概して相当な財政負担力があるのでございます。このような御提案を衆議院においてなされたということは意義もございますし、また現実にこれを行ないました場合に、現在よりもベターな結果がその限りで包まれるであろう、ただ私どもの心配いたしますことは、これが五大都市以外に波及をしていくというような傾向を見ました場合には、御承知のように、多くの市町村は一般的にいって各県に比べますれば財政の負担能力が貧弱でございますから、そこで、そこまでこれが発展をいたしますと、定時制高校をなるべく奨励をしてやっていきたいということの私どもの目的というものが危うくされる心配がないわけではない。従いまして先ほど加藤、臼井両議員からお話がございましたように、との御提案の御趣旨はごもっともと考えますについては、ただいまの現状から考えまするならば、これは五大市というところで一つ問題を区切っていただきたい。その限りにおいて私どもは十分な意義がある、この程度に考えておるわけでございます。
○衆議院議員(加藤精三君) ただいまはかなり本質的な問題に入りまして、提案者の方としても考えさせられるところがいろいろあったのでございますが、大体この定時制高校を県立にするということは、県立にすることが望ましいということを文部省で指示しておるのですが、この指示しておるときに、現在の文部省の御当局がその方面に携わっておられたものかどうかわからないのですけれども、私たちの理解によれば、設置しやすいからということもあったと思いますけれども、それ以上の問題もあるのじゃないかと思っておるのであります。で、わが国の教育行政制度におきまして、明治初年からの慣行がありまして、大学は国でやる、それから初等教育は市町村でやる、それから昔の中等学校ですね、中学校、高等女学校、これは今の高等学校に当たりますが、それは府県団体でやるという長い間の暗黙の伝統があったのであります。そういうようなことで、定時制教育の態容の統一ということから考えて府県立にすることが望ましいということになっておるのじゃないか、私はそう考えるのですが、その点は文部省の方のさっきの御説明と若干違うように私たちは考えておるのでございます。一面、それにもかかわらず高等学校で市立のものがあるということは、これもまた財政の問題に関係してくるので、どらも、まあたとえば、人口何万人に対して二偽等学校とか、あるいは各郡市に一高等学校というそのワク内では、都市の膨張、都市に対する人口集中その他の勢いから、部市に対する富の集中ということから、都市の入学志願者が非常に多くなって、それを県で定めたワクではなかなか収容し切れぬので、市立というものが市町村会、市会議員等の要望もあり、地方の要望もあり、相当地元の都市で負担して、府県立の高等学校のほかに市立の高等学校を作ったというのが歴史的沿革であることは御承知の通りであります。そういうことでありますの一で、現にその特殊の学校の市立高等学校というものは独自の発展をして、市立の高等学校というものは、その学校教育においては特別の色彩を持ち、特別のニュアンスを持つようになっているという、また特別の伝統を持つようになったということが、これはわが国の教育における歴史的な事実であります。そういう意味から、その歴史を尊重するということを、学校教育におきましては、ある程度これは必要なものの考え方だと、そういう意味からいいまして、市町村自治というものが、歴史と伝統を非常に尊重して、都市の住民の意思をまとめていくような行政でございますので、そういう意味におきまして、同じ市立の高等学校の先生でございましたら、昼の先生も夜の先生も同じ待遇にしたい……。(「なるべく簡単に答弁して下さい」と呼ぶ者あり)そういうふうなことで、まあ意を尽くして御説明しようと思っているのでありますが、(「自治体との関係はどういうふうになっておりますか」と呼ぶ者あり)しかし、そういうことになりますと、どらも答弁の意を尽くされないような答弁しかできないということは、国会の審議権の制限じゃないかと思います。
○委員長(相馬助治君) 自治体も含めて詳しく答弁して下さい。
○衆議院議員(加藤精三君) それで、そういうことから見まして、私は文部省のとっておりまするどこまでも市立の高等学校の定時制の負担は例外とするということは、存在の意味のある例外であって、そして実際は国全体の定時制ということからいいますと、他の高等学校とともに、府県立が望ましいというようなことで、府県立の例外の範囲を、そしてまた府県で負担する範囲をなるべく狭きに解するという文部省の御解釈と、われわれ提案者の解釈は一致しているのだということを申し上げたいのであります。
○委員長(相馬助治君) 自治庁との関連をですね。
○衆議院議員(加藤精三君) 自治庁との関連はこういうことでございます。自治庁の方は、これは私、立案者を代表して折衝したのでございますが、政府提案ではこれは出しにくい、しかしながら、議員立法として出すことは、これはわれわれ何も言わないという立場でございまして、いわゆる消極的賛成と理解しております。 それからなおついでに、どらせ御質問があるから申し上げますが、五大市の方の御了解を得たかという問題でございます。これはありていに言いますれば、五大市はやはり数千万の負担を増すことについて、それをその理事者からいえば、理事者がそんなことをうかつに賛成したら、議会の議員さんの方からえらい食ってかかられる問題でございますし、負担軽減というのがにしきの御旗でございますから、地方自治体におきましては……。それから理事者の方から、また議員さんの方からいえば、そんなことをうかつに承諾いたしましたら、また他の会派から糾弾されたり、いろいろのことがございますものでございまして、そんなことは表面上賛成なんていうものじゃないですよ、これは……。それで、しかしながら、われわれといたしましては、衆議院の地方行政委員会と非常にしばしば接触し、五大市事務局とも非常にしばしば当たり、なお、五大市の理事者やそれから議会の議長さんたちにも非常にたびたびお目にかかっておりまして、まあこちらからは、積極的にその地方自治の本義から見て、そうされるのがいいのだと、その都市内の教育機関の中に平和があって、公平があって、みんな喜んで仕事をするということから見て、ことにかわいそうな定時制の質をよくすることについて、少しの財政負担を惜しむような、そういう五大市当局じゃだめだということを、私は口が悪いから言いますが、そういうようなことを言って暗示を与えてあるのでございまして、そういう意味におきまして、そういう不見識なことはよもや言わないと思っているのでございます。五大市の理事者というものは、相当なものです、見識において……。それであまりけちくさいことは言わないものです。もらそして、積極的にわれわれ承諾したなんて言えないけれども、もし法律がきまったら、かれこれそれに対して不平がましいことや、反対の措置なんかするものじゃないというぐらいの確信を持って私たちはやっておるのであります。
○野本品吉君 まあいろいろ話がございまして、議論すれば私はいろいろな問題があろうと思うのです。しかし、先ほど来提案者と文部省の方のお話を聞きますと、この提案の理由には、非常にぼやけた問題を多く含んでいるような表現をされておりますが、実質的には五大市の定時制の先生の不遇をこの際いろいろ問題があっても直すのだ、こういうふうに受け取って考えざるを得ないと思うのでございますが、それでいいですか。
○衆議院議員(臼井莊一君) ただいま野本委員の御質問の通り、さように考えます。
○野本品吉君 文部省当局……。
○政府委員(宮澤喜一君) 衆議院の御提案の御趣旨は、そのように解釈しております。
○荒木正三郎君 先ほどから野本委員、北畠委員から御質問がございまして、相当私も根拠のある賛同が行なわれたように考えます。やっぱりその趣旨とするところは、定時制高等学校教育の振興をはかるべきであるという点がその根本の考え方であるように受け取ったのでありますが、そういう点に立って考えた場合、私は文部大臣に一点伺いたい点があるのです。 従前は、定時制教育に従事する教職員に対しては十分の四の国庫補助があったわけです。それが臨時措置法によりまして、たしか明年の三月末まで停止するというふうになっておる。これは私は時制教育振興の立場から考えて非常に遺憾なことであったと思うのです。ただ、しかし、過去のことを今かれこれ論議する考えはありませんが、幸いにして明年の三月末でこの臨時措置法が一応切れることになっておる。で、どうしてもこの定時制教育振興のためにはこの十分の四の国庫補助を復活するということが非常に大きな問題じゃないかというふうに私は考えておるわけですね。そこで、文部大臣に伺いたいのは、そういう決意を持っておられるのかどうか、その御所見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(松田竹千代君) 定時制高等学校の育成、これが強化発達をやりたいと私は強く考えておるのであります。 今お話のような点につきましては、とりあえず夜勤手当等のことに対しては十分に考えて、さらに今後よく検討、して、現在の酷な点を是正して、その発達を期したい、かように考えております。
○荒木正三郎君 ちょっと明瞭を欠くように私は思いますが、十分の四の国庫補助は復活するという方針ですか、どうですか。その点を明白に一つお答え願いたいと思います。
○政府委員(内藤譽三郎君) お話のように、従来定時制の給与費負担につきましては、十分の四の国庫負担をしておりましたが、シャウプ勧告のときに、これが一般交付税の、当時は平衡交付金と申しましたが、平衡交付金の方に算入されて、自来今日まで文部当局としては毎年要求を続けて参ったわけでございます。 で、最近、まあ交付税の単位費用の大幅な改正もございまして、約三割程度の増額をいたしまして、一応地方の財源については手当をしたわけでございまして、来年度はとりあえず定時制通信教育の手当の要求をいたしたわけでありまして、今後お話の十分の四の国庫負担につきましては、地方財政事情とも十分にらみ合わせてさらに検討して参りたいと考えております。
○荒木正三郎君 まあ、検討というお言葉は非常にあいまいで、復活する方針であるのかどうかということが私にはよく了解しにくいのですが、文部省としては復活するという方針でいかれるのかどうかという点を伺っておるわけです。
○政府委員(内藤譽三郎君) この点につきまして、結局、まあ地方財政の問題なんですから、地方財政についてのどういう財源措置をするかという問題になろうかと思います。ただいまのところ、来年度は手当の新設をいたしたいということを考えておりまして、十分の四の国庫負担制度につきましてはさらに検討を続けていきたい。今のところ、復活するとかしないとかという結論を出しておりませんです。
○荒木正三郎君 私はこの定時制教育の振興の立場から考えて、現行法規第二条に示すように、一般論としては、この定時制の教職員の給与の負担を都道府県がやる、こういう原則はやはり正しいし、あくまで守っていかなければならぬ、かように考えます。従って、この点は明白にしておく必要があると思うのです。 ただ、今ここに提案されているのは、一般的な問題でなしに、先ほどからの説明によると、五大市に限って当該市が負担をするというふうにしたい、こういう内容のものであります。これは、私は現実の困難な問題を解決する手段としては、これしかないじゃないか。現実の問題としては、ない。それはいろいろ野本委員も他の府県等の均衡等についてもお話がありました。これは私はもっともな御意見であると思う。しかし、そういう多岐にわたった論議ということをすれば、私は現行の給与問題についていろいろ欠陥があると思う。これは現に義務教育においては各府県において相当水準に相違があります。で、この水準に相違があっていいか悪いかということもやっぱり相当な論議になると思う。なると思うのですが、原則としては、私は全国の義務教育の教職員の給与水準というものが大体一致しているという状態が好ましいというふうに考えておるわけであります。しかし、現実はそうでない。そういう点から考えると、この問題を根本的に検討するということになれば、定時制教育のみでなしに、非常に広範にわたってこの給与の問題を検討する必要があると私ども考えておるのです。で、私ども常々義務教育について国庫負担八割の線を主張しております。それは結局富裕府県は給料がいい、貧弱府県は給料が低い、そういうことを是正する道は、国庫が大幅な財政負担をするという以外にないのじゃないかという考えに立っているわけであります。しかし、これは今直ちにここでそれを論議するということは、私はなかなかむずかしい問題であると思います。ですから、給与全体に対する問題としては私は幾多あると思いますけれども、当面五大市等におけるいろいろ困難な事情、たとえば給与のアンバランスがあるために人事交流ができないで困っている。同一の高等学校に勤めておって、昼間と夜間の教職員に給与の不均衡を来たしている。また、同一市町村内において給与の不均衡を来たしているために、簡単に転任等の措置ができないというような状態がここ数年続いてきている。それには非常に理事者も因っている。教職員も困っている。そういう実情については、私はこれは根本的な解決策とは考えませんけれども、そういう好ましくない事情の解決手段としては、今日のところ、これ以外にないのじゃないか、こういうふうに考えているわけであります。おそらく提案者も、この提案理由の説明を見ると、そういうふうに述べておられますから、私はこの点は参議院の文教委員会としても、せっかく衆議院の全会一致で回付されて来た問題でもありますし、そういう点は参議院の文教委員会としても十分考慮をしてやっていかなければならないのじゃないか、こういうふうに考えているわけであります。そこで、先ほどからも質問がありましたが、原則としては府県負担が正しい。しかし、五大市等についてはその特例を認めてやっていくということが現実に即した解決策であろうというふうに考えるわけであります。従って、この市町村は政令で定めることになっておりますが、これをはっきり五大市というふうに明確にしてもいいのじゃないかというふうに考えるのですが、提案者の方のお考えはどうでしょうか。
○衆議院議員(臼井莊一君) そういうふうにいたしても私どもの方では別段異議はございません。
○荒木正三郎君 それでは、これは文部省に伺いますが、政令は文部省の方で作られるわけですから、この政令で、五大市ということがやはり提案者の趣旨であるということは十分考えていただきたい、かように思うわけです。 それから、給与問題に関連をして、もう一つ文部大臣に私は聞いておきたいことがあるのです。それは従来は地域給という名前で呼ばれておりましたが、先般の法律改正で暫定手当ということに名称が変わっております。ところが、非常に困った問題は、これとよく類似した問題です。やはり同一市町村内にあって暫定手当に均衡を失しているというために、人事異動等に非常に支障を来たしている、こういう問題があるわけであります。これは私は全く同じ性質の問題でないかと思うのであります。で、この点はやはり、提案者はもちろん提案されておらないわけですが、この点はやはり文部省としても十分考慮して、長年の懸案ですから、少なくとも同一市町村内における暫定手当は同一にする、こういうふうな改正をする意思があるのかないのか、こういう点私は伺っておきたい。特に私がこの文教委員会で言うのは地方公務員の中には、行政職の地方公務員もあります、しかし、行政職の地方公務員の場合は、実際問題としては解決されておるわけです。その勤務している場所が支所にあろうと、またはへんぴな所にあろうと大体その市町村の木部に在籍するような措置をとって、事実上解決している。教員だけが解決できない、残されておる、こういう問題があるわけです。これはこの法案と同趣旨でありますから、これはどうしても解決する必要があると思うので、私は文部省の意見を聞いておきたい。
○政府委員(内藤譽三郎君) 沿革的には私は違うと思うのでございます。と申しまするのは、五大市の今の定時制の問題は従来から一結にやっておった、それが都道府県の負担になってアンバランスが起きて大へん現実に困っておる、何とか解決しなきゃならぬということです。今お話の分は、これは主として町村合併に伴う問題が多いように思うのでございまして、その当時、たとえば甲乙丙と分かれておったのが一緒になった。そこでその母体の市が甲地域だ、そうなると、同じ市町村におきまして、現実には甲乙丙というランクがおきて、人事異動に困るということなので、沿革的には違うと思いますけれども、教育的な見地から見ると、こういう事態は好ましくないと思うのです。私どももなるべく早く解消したいというので、この点につきましては、関係各省と十分打ち合わせを今までもしてきたし、今後も続けるつもりでございますし、また予算要求もいたしておりますけれども、やはり国家公務員等におきましても、そういう措置がとられておりませんので、私どもはその教育の場合には、特に同一市町村内の人事交流という点から考えて大へん困っておりますので、なるべく早く解決するように今後も努力を続けるつもりでおります。
○荒木正三郎君 私が同趣旨と言ったのは、給与にアンバランスができておるという事実については、これと同じ性質のものだと、こう言っておるのです。沿革等については言っておらないのです。この問題については私大臣に伺いたいのです。この問題はしかく簡単に実現できるというふうには今までの経緯から考えて考えられない。これはやはり大臣が本腰を入れてやるかどうかという点にかかっておると思うのですが、大臣の御所信を伺います。
○国務大臣(松田竹千代君) 先刻来いろいろ御指摘のように、教育上の問題だけでも全般的に見ていろいろのアンバランスやでこぼこのあることはまことに遺憾でありまするが、これをしかしできるだけ早く、またでき得る限りにおいてこれを是正していきたいということは、今初中局長の話にもありました通りであります。しかし、これは、いろいろの問題についても、その他のいろいろの点についても、この傾向が必ずしも全面的に容易に是正し得るものでないと思う。それは日本の国内の町村合併あるいは大都市集中的傾向、そういったような問題から考えてみましても、是正した、すぐまた他に出てくるというような問題も起こるのでありまして、その方針をもってわれわれやっていきたい。つまり、これをできる限り是正して、アンバランスを正していきたいという考んではおりますけれども、全面的にこれを急激に是正し切ってしまうということがなかなか困難であろうかと思う。しかし、大体の方針としては、御指摘の線を正しく是正していくことに努力して参りたいと考えております。
○松永忠二君 それは大臣、まだ初中局長なりが話をしていないのじゃないですか。これはもうこの前、去年も予算要求をして削られてしまった。だから、もう文部省としては同一市町村に合併したところについて暫定手当に差ができたものについては、これを同一にしようという予算要求をしている、これは前の文部大臣のときにも、これは松永文部大臣のときにも、そのころからもう予算要求をして、それが毎回落とされていっている。従って、そういう検討をするとか、そういう方針とかじゃなくて、もう文部省としてはどうしても解消しなければいけない。それでなければ人事異動も非常にスムーズにいかないし、それからさっき話の出た行政関係の職員は全部その職員として、勤務地の問題は別として取り扱っているのであるから、これについては今そういう方針でいくということじゃなくて、もら決定して交渉している段階だとわれわれは理解している。これはやはり大臣、金額からいっても二億だという話を聞いているので、そんな大きな金じゃないにかかわらず、こんな不合理なことが事実行なわれている、これはむしろ人事院とかそういうところでもこういう問題について解決する努力をすべきであるけれども、文部省自身はもら決定をして予算要求をしている段階であるので、これは大臣の熱意によってはこれは実際実現できる、そういう段階だと私は理解しているのですが、この点は局長どうですか。
○政府委員(内藤譽三郎君) この点は私どもはすでに方針を決定して関係各省と協議しているわけですが、何分にも地方の教職員の給与の基準は国立学校の例によることになっている。で、国家公務員と他の地方公務員とのバランスの問題があって、人事院なり、自治庁なり、財源の点で大蔵省、特に給与面を担当している給与の当局等も十分これは協議しなきゃならぬので、その点になかなか関係各方面の十分な了解が得られないのが現状でございまして、私どもは現在予算を要求しておりますし、今後もできるだけの努力を続けるつもりでおります。
○松永忠二君 この点について自治庁なり大蔵省がどういう点を異議があると言っておるのですか、具体的にですね。
○政府委員(内藤譽三郎君) 先ほど申しましたように国の、もともとこれは勤務地手当と申したものでございます。勤務地手当の基準をきめるのが人事院なんです。その人戸院の基準によって地方がそれに適応するのが原則でございます。教員だけを取り出して、同一市町村のものを同じ手当を出せと、こういうことを要求しているわけなんです。そこで、従来のいきさつから甲地のものもあるし、乙地のものもあるし、丙地のものもあるし、丁地のものもある、これが町村合併で現実には一緒になった。名前はお話の通り同じ市でございますけれども、住んでおる案態が違う。ここに問題があるわけです。ですから、この問題を根本的に解決する一番いい方法は、人事院が市町村ごとに地域指定をしてくれることが私は一番いいと思う。それができていないので、私どもが教育の問題として、この問題をやっていますところに難点があるわけであります。
○松永忠二君 人事院は市町村別に指定をしないこと自身がおかしいのであって、町村合併をしてしまって新しい市に合併しているにかかわらず、旧来の地域を指定をとりくずさないところに問題があるわけです。むしろそっちの方が間違っているのであって、こっちのとっていることの方が正しいと僕は思うのです。その町村合併をして地域指定を改むべきのが当然であるのにかかわらず、町村合併をする前の地域指定をそのまま用いているところに問題があるわけなんです。こんなことはむしろあれですね、僕らは大臣あたりが直接努力されれば直ちにでも解決をすべき問題だと思う。政府がみずから町村合併を奨励をして、そうして一つの市ができたのにかかわらず、地域指定だけは合併前の地域を指定して、それだから地域給の変わった暫定手当は支給できない、それでいてほかの、それじゃ行政職に関係しているものはどらかというと、同じ町村の中に住戸していても中央にある役所にいるという形で地域紬を全部出しているわけです。だから、昔の合併された旧役場が支所として勤務している場所にあるにかかわらず、本庁の勤務として地域給は全部そういう形で暫定手当を支給しているのが実情なんです。教員だけが残って、現在こういう状況にあるわけなんです。だから、これはもうよく法律を守れ守れなんというようなことを言っているけれども、こういうものを守らぬでおいて、それでしかも法律を守れなんてずいぶんむちゃな話だとわれわれは思うのです。私は、文部省がそういう考え方で努力をしておるわけなんですが、ただこれはいつ……、たとえば局長は関係方面と努力をするということではなくして、やっぱりこの考え方を次官も大臣も一つ推進してもらって、長年非常に懸案になっておるし、金額もそんなに多くはないにかかわらず、現実には非常に困っておる。御承知のように自治法もいろいろ改正をされて、地方でこれを財政負担することができないのだから、必然的に金額を切り下げるか、あるいはほかのところで負担をしてやっている実情なんだから、こういうものに一つ熱意を示して下さい。いろいろなところへ熱意を示されることはけっこうですけれども、こういうところにまず熱意を示して、一つ新しい大臣になったらこの問題はとにかくことし解決できたということを一つやっていただきたいと思うのです。その点について大臣、さっきのことは何かここで言質を取られると困る困るというようなお考えでおられる点があるので、こういうものはむしろ言質を与えて一つ実現を願いたいと思うのです。
○政府委員(内藤譽三郎君) ちょっと事実上の問題がございますので、私ちょっと言わしていただきたいのですが、現在の暫定手当は法律によって凍結されておるのですから、法律の方を直していただかなければ、おそらく人事院も指定しようがないと思うのです。ただ、従来人事院が指定しておりましたのは、町村全部を指定しておるのじゃない、その市町村の市街地なら市街地の特定の地域を定めて甲乙丙ときめておる。(「それはわかっている」と呼ぶ者あり)ですから、その実態と、新しく今の給与法によって指定はできないということで凍結されておりますので、この法律の方を改正していただかなければ、私は人事院も処置のしようがないではなかろうかと考えております。
○国務大臣(松田竹千代君) 御熱心な松永委員のお話、また詳しい御説明もありまして、私もよくわかった気がいたします。またごもっともだと思います。せっかくその点は実現するように努力いたしたいと思います。
○吉江勝保君 議題になっております市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案に関する質疑も、大体提案者並びに文部当局からも答弁をいただきまして、大体質疑も終わったように思いますので、ここで質疑を打ち切っていただきまして、この案に対しまする態度をきめるために暫時休憩をしていただきたいと思います。
○委員長(相馬助治君) ちょっと速記をとめて。 [速記中止〕
○委員長(相馬助治君) 速記復活。 ただいま吉江委員から本件に関し質疑打ち切りの動議が提出されておりまするが、この動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(相馬助治君) 御異議ないと認めます。従って質疑は終局したものといたします。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
○委員長(相馬助治君) 暫時休憩いたします。 午後三時二十三分休憩 ————————————— 午後四時二十九分開会
○委員長(相馬助治君) 休憩醜に引き続き会議を開きます。 ただいまより日本学校安全会法案について、これを議題に供します。質疑のある方は順次御発言を願います。
○千葉千代世君 先般提案者の方から説明がございましたが、そのときに児童負担の問題、それから市町村支弁の問題等がまだはっきり額も決定していないわけなんです。それで、この法案を見ますというと、父兄から徴収するのが建前になっている、こう思いますが、今文部省の方で考えているのは一人当たり幾らを徴収する予定になっておりますか。そのことについてお伺いします。
○政府委員(清水康平君) お手元に資料として差し上げました中に、掛金といたしましては義務教育諸学校では大体二十円以内、それから高等学校につきましては三十円以内、幼稚園につきましては十五円以内というのが、先般お手元に差し上げました政令案の骨子の内容でございます。これが掛金のそれぞれの児童生徒の一人当たりの一年に一度の掛金でありますが、この掛金の割合と申しますか、持ち分と申しますか、これは設置者が相当部分持ちまして、他の一部を保護者が持つように政令として考えて参りたいと思っております。
○千葉千代世君 二十日以内とおっしゃいましたのですけれども、以内でもいろいろあるわけなんです。伝え聞くところによりますと、初め十七円のお話もあったそうだし、だんだん下がって十一円までいったというようなこともうわきで聞いておるわけです。そうしますと、二十円以内といっても大へん範囲が広いんですが、具体的にお答えいただきたいと思います。
○政府委員(清水康平君) これは、御承知のごとく、二十条の三項でございまして、「政令で定める範囲内で当該学校の設置者の定める額を徴収する。」、ということになっております。 それから、この共済掛金の額は二十条の一項でございましすが、「共済掛金の額は、政令で定める」、今申しましたが、二十円とか十円とか三十円とか、政令に定める範囲内で定款で具体的に、政令ではたとえば二十円といたします、定款では十六円とか、あるいは十八円とかいうように定款で定めるということに和なるわけでございます。
○千葉千代世君 定款で具体的に幾らときまるとおっしゃったんですが、計画の中に、それではこの法案が通ったならば、幾らにきめるかということの案がおありでございますか。
○政府委員(清水康平君) 今申しましたのは法律上の文理のことを申し上げたわけでありますが、政令で定める範囲内で定款でどれくらい定めるかという問題は、この法の成立後各県にある安全会の事情をよく聞かなければなりませんが、ただいまのところでは政令で二十円といたしまして、定款でもただいまのところ二十円にしたらと思っております。具体的な問題につきましては、今後もっと検討いたしたいと思っております。
○千葉千代世君 現在二十県くらい学校安全会ができている。その中で父兄が負担をしないで市当局が持っている、こういうところが五、六あると伺ったのですが、そういうところは大体児童一人当たりについてどのくらいの額を持っているのでしょうか、市が負担するにつきましても。
○政府委員(清水康平君) これは各県の財団法人のあれによって一定はいたしておりませんが、所によりましては二十円のところもあり、中学校と申しましても二十五円のところもあり、あるいは三十円のところもあり、十五円のところもございます。小学校でも二十円、十五円というようなところがあるわけでございまして、各県によっていろいろ違うようでございますが、法ができますれば、これはやはり全国一律に掛金というものは実施していかなければならぬ、それがまた共済事業の精神じゃないかと思っておるわけでございます。
○千葉千代世君 今まで父兄が負担して学校安全会を運営しておって、お金がかなり余っているところがあると聞いたわけです。足りないところと、余っているところがどのくらいあるかということがわかりましたらお願いします。
○政府委員(清水康平君) 具体的にどの安全会がどのくらい余裕金が出て、どのくらい赤字だということは今手元に資料がございませんが、たとえば静岡などは最初小学校十円で、中学校十五円で始めたわけでございます。ところが、実績などを考えてみますというと、その後小学校を本年度二十円に上げまして、それから中学校を三十円に上げておるようでございます。それからある県に行きますと、もちろん余裕金も出ておるところもあるかもしれませんが、これはわずかなもので、もし余裕金が相当余ればこれは翌年度の掛金を少なくするというようなことも考えられますし、あるいは非常時の場合に積み立てて置くというようなことも考えていかなければならぬと思っております。
○千葉千代世君 現在お金が余っているところについては、この法律ができるというとそれを取り上げられてしまうのじゃないかと、だからお金の運営についてもいろいろ問題がある。その点についてはそう急がぬでもいいという意見も聞いたわけです。その点について。
○政府委員(清水康平君) ただいまの御指摘のことにつきましては、先般もちょっと申しあげたのですが、それぞれの各県にあります何々県学校安全会というのは、このような法律の出るまでの暫定措、として出発いたしたことは先生御承知の通りだと思います。それは認可はそれぞれの県の知事によって忍可された地方法人でございます。そうしてその財団法人の寄付行為を見ますと、御承知のごとく最後に解散の場合はそれぞれの手続を経まして、これに類似のところに寄付すると、こう書いてございます。ですから、それだけ見ますると、日本学佼安全会の木部の方にくるようにありますが、私どもといたしましてはそれぞれ芥県に支部を置きまするので、支部の方にそれを寄付せられるならば支部の方に寄付せられたらいいんじゃないかと、かように思っておる次第でございまして、日本学校安全会がそれを受け取るということにしないようにいたしたいと思っております。
○千葉千代世君 この間の質問で申し上げたのですけれども、やはり義務教育でございますために、しかも不慮の災害にあったり、それからけがをしたり、紫雲丸の事件があり、あるいは三重の水難事件があり、学校給食の集団中毒とか、そういうようなものが頻発しておりますね。これはやはり子供たちの災害については一刻も早く救うということについては賛成であります。そういう意味で学校安全会法が必要だということもよくわかっている。ただ問題になりますのは、今申し上げました父兄負担の問題、三十万人ぐらいの都市の人口、それに比例した児童、それらに要するお金か大体二十万円くらいで足りたという今までの様子を聞いたわけであります。もちろん完全治療でないわけなんですが、そういうふうな意味からいきますと、地方自治体の負掛というものはそう多くなくて済むのじゃないかとこう考えまして、一人二十円徴収するということは、現在、なかなかたくさんの子供をかかえた家庭では容易ではない、こういう意味でこの間保護児童、準保護児童についても今までそういう扱いを受けていた者についてはそれを適用すると、こう聞いたわけです。しかし、けがとか病気とかの場合については準保護児童までいかないけれども、その境にいる者がかなり多いわけなんです。そういう者についてはやはり認定して免除するとか、そういう方法については討議なされたかどうか。
○政府委員(清水康平君) 順序としてちょっと国のこれに対する立場を申し上げたいと思います。この日本学校安全会法案は、不慮の児童生徒の災害を救済する方法といたしまして、契約によりまして災害共済給付金を行なう。そのためには特に義務教官におきましては国と設置者、それから保護者が何と申しますか、三者三存と申しますか、みんなでもってこれを盛り上げていかなければならぬという意味合いで国も安全会本部の事務費、それから設置者、国にもやはり小中学校を設置しておる場合もございますので、国の設置者としての持つべき分、それから今お話のございました経済上の理由で、父兄が、保護者が持つべかりし掛金の中の一部でございますが、持つべかりしものについて経済上の理由で持てないものについてはそれに対して国が補助をする、これが国の内容でございます。それからもう一つは、設置者といたしましては学校の教育の管理下において発生する災害というものては、これは設置者として非常に何と申しますか重大関心を持っておりまするので、設置者の責任において契約を結び、掛金を全額日本安全会にかけるのでございますが、設置者といたしましても相当部分、たとえば二十円のうちの相当部分持ちましてまた父兄は学校安金に対する理解と協力の意味におきまして金額も小ないことでございますので、一部持っていただくというのがこの法案の本則でございます。
○千葉千代世君 お金の徴収などについてそういう事務費はどこが持つのですか。それからもら一つは、今まで実施しておりますところで学校の父兄からお金を徴収する場合にだれが徴収しておったのですか。
○政府委員(清水康平君) 法案の三十六条に、学校の設置者が地方公共団体である場合の事務処理の規定がございまして、地方の公共団体の教育委員会が処理することになっております。いろいろ事務が教育委員会としてはたくさんこれについてあるだろうと思うのでございますが、これはやはり設置者として、また学校者側として災害というものは未然に防ぐというお気持が十分ある。また、特に学校の校長先生初め先生方としては日夜災害の発生しないように非常に苦心しておる。それにもかかわらず、多くの児童生徒を収容しておる特殊性から不慮の災害というものが出るわけでございます。そのつど校長先出初め諸先土方非常に痛心あるいは事後措置について御苦労願っておるわけでありますが、裏務的にはこの法律によりまして教育委員会がその事務を処理いたすわけでございます。しかし、それが事務の中で、たとえば千葉先生今御指摘をなさいました、その掛金を徴収する場合どうするかという問題、あるいは同意を得るときどうするかというような問題につきましては、やはり学校側の心からなる協力が必要じゃないかと思うのでございます。それで私どもの考えといたしましては、もちろんこれは任意加入であって契約によってなさるものでございますが、法的に見れば、そういうような問題につきましては教育委員会から学校に事務の一部を委任をして、そうして御協力願うというようなことが多いのではないかと思うのでございます。それで学校では、御良知のごとく安全教育ということについては非常に近ごろ熱心でございますが、それにもかかわらず、不可抗力と申しますか不慮の災害がパーセンテージにすれば年に大体〇・八かそこそこでございますけれども、一たん出たらこれは実に大へんでございますので、いろいろ苦労せられるのでございますが、発生率は、たとえば千人の児童生徒のところで調査によりますというと、一年に一人あるかなしかということでございます。それから徴収するのは大体年に一度でございますので、非常にその点は学校としても関心といいますか、関知しないところであるというものではございませんので、やはり学校としても重要な問題でございますので、心からなる御協力を私どもは期待いたしておるような次第でございます。
○荒木正三郎君 関連。私はいろいろ質問があるのですが、今千葉きんの事務の処理について関連してお尋ねいたしますが、結局は掛金を徴収したり、それからまた安全会ができてそれで勧誘するといいますか、そういうことは結局教員がやらないと教育委員会がやろうとしても手がないのですから、実際やれないと思うのですが、そういう点は実際どういうふうにお考えになっておりますか。先ほどなかなか清水さんがいい言葉でこの事務は教育委員会がやる、しかし、学校関係者が協力せぬとうまくいかぬと、それは協力といっても主たる事務は金を集めるということですから、大へんなことですが、それをだれがやるのですか、それをおっしゃって下さい。
○政府委員(清水康平君) 教育委員会でその事務を処理することになっておりますが、これはどこで発生するかというと、やはり学校内で発生する、教育の管理下に発生することでございます。しかも先生方としては災害の発光しないことについて日夜苦労しておられるにもかかわらず、不慮の災害が……。
○荒木正三郎君 それはいいんだ。
○政府委員(清水康平君) だからして学校側としても非常に市大な関心を持っておられるので、事務もそう多くないものでございますから、私としてはおそらく教育委員会でやることになっておりますけれども、その事務の一部、たとえば徴収するとか、あるいは同意を求めるというようなことは教育委員会が委任してお力添えを願うというようなことが多いのじゃないかと思っておる次第であります。
○荒木正三郎君 そういう点もやはり明確にして、そうして文部省としても方針を立てておく必要があると思うのです。私の方針というのは、今実に学校教員は雑務といってはいけませんが、教育本来の直接の仕草以外にやる事務が多いのです。これはやむを得ずそういうふうになるのです。たとえば学校給食費の徴収にしたって教員が徴収する、これはもう当然な仕事かもしれませんけれども、そういう事務は、PTAの会費を納める、徴収する、これも教員がやる、それで今度できる安全会の掛金についても、しかもですよ、持ってくる子供もあるし、持ってこない子供もあるし、実際に担当してみると、きよら持ってくると言っても、きょう持ってくる子供が半分、あした何ぼとばらばらになってくる。持ってこない子供もある。相当なやはりこれに手がかかるわけです。教員にやらすならやらすでいいのです。そのかわりに学校に一人ぐらいの事務職員を置くなら置くと、そういう事務の処理について、この問題だけでなしに、やはり検話しておく必要があると私は思うのです。相当教員がこれだけの事務をしている。そうしたら、一人ぐらいの事務職員というものを置いてもとてもこういうものはできませんよ。できませんけれども、そのかわりに事務は事務職員にきせると、こういうことは金の扱いですから、教員がしなければなかなかめんどうです。そういう方針をちょっと承っておきたいのですがね。そうしないと、やたらに事務がふえてきて、しかもこういう事務は大切な事務ですよ、ちょっと間違うと困る事務です、金の問題ですから。そういう点、どんどん事務がふえていく、こういうことについて事務職員等の配置について考慮されているのかどうか。最近の傾向としては事務職員がだんだん減らされているのです。教員定数の関係から事務職員を置くよりも教員を置いた方がやりいいということです。小学校にはほとんど事務職員というのはないじゃないですか。そういう点をどういうふうに考えておられるのか。これは体育局長に対する質問というよりも、むしろ文部大臣なり政務次官からこれは対策をお聞きしたいと思うのです。そうしないで、やたらに仕事だけをふやしていくというような方針はよくない。こういうふうに思うのです。
○千葉千代世君 関連して。全国の先土方が教育研究集会でもって学校のお仕事について調査したわけです。その中で、やはり教師自身としては、教育の本来の使命、それに向かって全力を尽くしたい、ところが実情はそうではなくて、今、荒木委員から言われたように、事務職員も置いていなかったり、いろいろの関係でもって非常に雑務が多い。その雑務を調べてみたら、百二十種類あった、こう言うのです。その中で、お金を集めるのが圧倒的に多い。だから、どこの学校の職員室に、どこでも行ってごらんなさい。休み時間にはだれかしら必ず金勘定をやっているのです。そうしてかねが鳴りますというと、休み時間に金を勘定して、それを机の中に入れておく、こういう実情なんです。仕事そのものをきらうとか、どうとかいうことじゃなくて、ほんとうにやっぱり教育の、実績を上げていくための環境の整備と申しますか、そういう配慮とともにあわせて行なっていかなければならない。特に会計係でございますと、事務職員がおりませんと、給料でござれ、何でござれで、しかもそれが今度は、女の人は割合に金が正確だからあなたは金勘定の係に回りなさい、全国の女の先生を調べてみたところが、少し年取ってきますと大てい金勘定の係に回されてしまう。これは男でも女でも、学校の教師をしているのですから、お金に正確なのはわかり切っているから、だれでもいいのです。しかし、私はこういう場合に、もっと大きな立場から、金勘定でまつ黒な手をして、ひまなときにはやっぱり子供と一緒に一分でも多くといちので、子供と接触する機会を作ってやる、こういう姿に持っていく。学校安全会法については、やはり、子供たちがほんとうにけがした場合に安心して治療を受けられる、そういう意味で児童災害補償法を出すときにはほんとうによかったなと思った。そういう精神がくみ入れられてこの学校安全会法がよりよいものになっていくということについては私は賛成なんです。しかし、問題となるのは、繰り返して言いますけれども、お金の負担の問題、徴収の問題、たぐきんの問題がある。そういう意味で荒木委員の質問に付加して伺いたいわけです。
○国務大臣(松田竹千代君) 今度のこの金の徴収、掛金の徴収に対してはどうしても教旦の御苦労を願わなければならぬ。きなきだに教員の事務がいろいろとあってめんどうである。特に金の徴収というようなことは、零細な金であればあるほど、やっぱりなかなか厄介なことが多い。何とか教員の仕事を、そういう事務の仕事を軽減することをかねてから文部省でも考えておりまして、ぜひとも全国で六百人くらいの専務船員の増の要求を今度の予算でもいたしておりまして、何としてもこれは一つ確保いたしたいと考えております。
○荒木正三郎君 六百人というと、それは中学校ですか、小学校ですか、どれを対象にしておりますか。
○政府委員(内藤譽三郎君) お話のようは、学校には相当に事務が多いのでございます。教職員からできるだけ学校の事務の負担を軽減したいと、かように考えまして、義務教育諸学校の定数の標準に関する法律によって、小学校は十八学級以上には必置できるように、中学校は九学級以上には必ず一人の事務職員を置けるような定数基準を整備しておるわけでございます。これに伴う予算も、国庫負担金も要求しておりますし、当然これに伴うところの交付税の基準についても改訂を進めたいと、かように考えております。それ以外に市町村に事務職員をできれば配置いたしたい、各市町村に事務職員を配置して、できるだけ学校の事務の軽減をはかって参りたい、かように考えております。
○荒木正三郎君 十八学級以上に一人を必置する、これは前進した形においてけっこうだと思いますよ。しかしそれでは、これだけのいろいろの仕事を次々にふやしていくというようなんでは、私は十八学級以下の学校ではどうなりますか。で、学校の数は、私は小中学校ははっきり覚えておりませんが、大体三万くらいあるのじゃないかと思うのです。大臣はその中で、百人ふやすと言っているが、これはちょっと焼け石に水じゃないかと思うのですが、三万はあると思うのですが、そのうちで六百人……、もう少し配慮があってしかるべきだと思うのですが、どうでしょうか。
○政府委員(内藤譽三郎君) 六百人と申しましたのは、つまり今約一万くらいですから、それを漸増していくという計画でございます。もちろんこれ以外にも、各教育委員会、市町村の教育委員会が三千数百ございますが、その各教育委員会で教育事務をやるように、予算要求といたしましては各市町村に一人の事務職員を要求しておるわけでございます。ですから、三千数百人おるわけであります。
○荒木正三郎君 だからね、私は各学校に一人は必置する、これは最低の措置としておとりになったらどうですか。学校に一人の事務職員を置くと、それくらいの態勢でこの法律を実施されるということになればそれはいいと思うのです。一人の事務職員は要りますよ。どうでしょもかね、文部大臣。
○国務大臣(松田竹千代君) 文部省としては、そういう点についてできる限り十分な措置をとりたいという気持は十分あります。しかし、あなたも御承知の通り、いかに文部省がやっきになりましても、やはり見通しというものもつけていかなければならぬ。そんなにわれわれの気持だけですべてを料理できるものでないことはおわかりいただけるはずである。極力その方面についても努力していることの証左として、六百人程度を増員するということ、また他にも事務員を市町村にも置けるように配慮してやっていることでもって御了承願いたいと思います。
○岩間正男君 ちょっと関連してお聞きしたいのですが、事務費を取るのですか、取らないのですか。
○政府委員(清水康平君) 事務費でございますね、事務費につきましては、国は本部の事務費を補助をいたすことになっております。
○岩間正男君 木部だけで、そのほかに府県段階、さらに市町村段階でこれはどこから出すのですか。そちすると全部の負担を、結局教長のこれは労働負担という形でまかなおうとするのですか。その点明確にして下さい。
○政府委員(清水康平君) 支部は、この法案の附則によりまして、地方の府県の教育委員会がこの仕事に支障のない範囲内において協力するという規定が法律に入っております。県の教育委員会がこれに対して協力をしていただけることを法律に基づきまして期待いたしておる次第でございます。
○岩間正男君 こういうことでは、この会自身の健全な発達、自主的運営ということは非常に不可能だと思う。事務費をやはりこれは見て、そうしてそれによって運営を具体化しなければ、こういう問題というのは今言つたように、教育委員会のこれに対する協力だとか、さらに最もひどいのは教員のこれに対する協力という形ではこういう問題ははっきり具体的な措置にならないじゃないですか、相当大きな金を取り扱うのでしょう。その点ですね。ただ本部段階だけの事務費を見ると、これはこういうふうに考えているのですが、この点どうです。
○政府委員(清水康平君) 支部の事務費が一番問題になると思いますが、本年度の、三十四年度の予算につきましては、木部だけの事務費がついておるわけであります。また支部につきましては、現在の二十あります何々府県安全会におきましても、先ほど申しました十五円、十円あるいは二十円、二十五円という掛金のうちの一部が事務費に回っておるわけでありますが、これは決していいとは思いませんので、来年度は支部の事務費をもただいま要求いたしておるような次第でございます。
○岩間正男君 これは大へんなことだと思うのですね。この法案は、今の子供の掛金の中から事務費を取るということは聞き捨てならぬですよ。私はきっとそういうような法案じゃないかと思っていたがはたしてそうだった。たとえば農業共済組合なんかはこれは御存じの通りだ、農業共済組合の場合は国家でまかなっておる、膨大な金をまかなっておるわけです。そうして補助を全部やっていて運営ができるようになっています。しかし、これは一つの社会保障なんだ、こういう社会保障費をこういういたいけな子供の掛金の中からこれを支出するということになったらどういうことになりますか。それだけでこれはこの子供に対して返ってくるものは少なくなる。この点でこの子供の教育の立場から、私は当然事務費というやつはこれは国家の段階ではっきり見る。いやしくもいたいけな子供の掛金に手をつけないという建前でなければこの法案は非常にごまかしになると思うのです。文部大臣どうなんですか。この法案をやるときに、このくらいの少なくとも最低の決意を示さなければならない。事務費のごときはこれははっきり国家で見る、中央段階だけ見たのでは話にならぬ、この法案としての怖怖の上で非常に重要な性格を持っております。この点、文部大距どう考えておりますか。
○国務大臣(松田竹千代君) そういうことはあまり知らぬですが、この法案が委員会で御決定願い、そうしていよいよ法律が公布されるのが三ヵ月以内ということになっておりますから、実質的にはほとんど本年三十四年度は要らないのではないか私は考えるのですが、その点どうなんでしょうか。(笑声)
○政府委員(清水康平君) 今の御指摘の話でございますが、本年度の予算は本部だけの事務費でございます。それではいかぬというので、来年度からは支部の事務費も見るようにただいま大蔵省に要求いたして折衝中でございます。そして現在までの県の財団法人もそうでございますが、たとえそれが一部であったとしてみても支部の事務費に回ることは非常にいかぬと思いますので、それで先ほど言いました通り、そういう意味合いもありまして、掛金、たとえば二十円のうちの相当部分設置者が出しまして、あとの一部を父兄から取るように、なるべくその点は政令を書きます際、あるいは行政指導でもって相当部分を設置者が出すように指導して参る所存でおります。
○岩間正男君 今折衝中だと言うが、どのくらい折衝しておりますが、額は。大体見当つきませんか。どのくらいの額を目当しておりますか。
○政府委員(清水康平君) 設置者がそういうことも入れまして、相当多く掛金のうちで負担金を持つというふうにいたしたいと思っております。
○岩間正男君 そうすると、こういうことは約束できますか。子供の掛金を事務費には回さないのだと、こういうことが明言できますか。こういう御決意をはっきりしてもらいたい。それは文部大臣御存じないですか。
○政府委員(清水康平君) 設置者が自己の責任にまりまして日本学校安全会に払い込む、たとえば一人二十円、そのうちの相当部分が設置者が持つわけです。あとの一部分が理解と協力を得るために持っていただくのでございますが、気持からいえば、実際からいえばその保護者の持った金は事務安に回らぬだろうと思いますが、実質上はプールにしますから、その点がなかなかどこからどこまでがどうだということは言えない。ただ、父兄からなるべく取らないようにして、設置者が多く持つように指導いたしたいと考えております。
○岩間正男君 そうすると、もう一つお聞きしたいのは、この金を十円、二十円徴収すると全国で年間どのくらいになりますか。これが完全に実施できて皆加入した、こういう場合、総額ですが、どうですか。
○政府委員(清水康平君) 大ざっぱなことを申しますと、たとえば義務教育小学校から高等学校までの児童生徒が千八百万ちょっと、それで任意加入ですから八制入りますと十四百万ということになります。千四百万につきまして掛金が二十円といたしますと三億八千万円ということに相なるわけです、年に。ですから、一つの学校、たとえば四百人の児童の学校としますと、先ほど申したかもしれませんが、一人二十円でありますと八千円、あと四千円ずつということになるわけであります。
○豊瀬禎一君 ほかに質問もあるのですが、関達した問題だけを聞いておきたいと思います。大体全国で五、六十万人教職員がおりますが、内藤局長の偉大さを非常に痛感しておることの一つは、事務量が非常にふえた、このことから内藤局長の存在の偉大さを痛感しておるわけですが、この事務量が多くなったために、しかも荒木委員が言ったように、雑務に類して、学校教育法の五十八条や、地方公務員法その他の法令に基づくところの教員の本務でない雑務が非常にふえておる。従って、そのことから疾病とか欠席とか、いろいろ早期死亡といったような現象が続出しておることは初中局長も十分御承知のところです。新たな安全会法は、御指摘の通り、児童生徒の保護をするのが目的ですから、この目的に対して異論を差しはさむものではありませんけれども、そのことによって教職員が新たな、しかも任意団体の事務を担当することによって教職員に新たな事務がふえるということについては、これは十分な配慮がなされなければならないと思う。大臣はさすがに六百人ふやす、と言うときには、恥ずかしそうな顔をして言われましたけれども、ほんとうはこれは大臣としては恥ずかしい限りだろうと思う。私のお尋ねしたいのは、先般もお開きいたしましたように、憲法二十六条の無償の原則からして少なくとも漸次これに近づけていくという大臣の答弁でしたけれども、少なくとも安全会法の事務だけは、いわゆる教育本務に携わる者あるいは事務職員の従来の事務として規定をしそおること以外に新たにふえてくるとすれば、これは当然この安全会法の三十五条が適用あってしかるべきだと思うのです。文部省としては教育委員会が正式に安全会の事務に対して教職員ないしは事務職員あるいは養護教諭等に事務を委任した場合には、三十五条の「安全会の事務に要する経費の一部を補助することができる。この条文を生かして、当然私は末端の事務を取り扱う者にまで最小限度の事務費が補助される、これで望ましいことは荒木委員が申しましたように、全校一人の事務職員を配置することですが、そのほかに事務職員には事務量が新たにふえてくると思います。従って全校漏れなく事務職員を配置するという原則と、同時に最小限度具体的にこの安全会の事務に関する項に対しては、三十五条を適用して、事務職員なりしかるべき学校で末端事務を取り扱う者に対して当然事務手当が支給されるものと考えていますが、政府並びに衆議院で修正討議をされた過程において教職員ないしは事務職員等に対して、事務量がふえるということに対してどういう配慮をし論議をされたか、もし論議をされたとするならば、それに対してどういうふうな手段方法を講じるように政府に注意されたか、両者の御意見をお願いしたい。
○政府委員(清水康平君) 法律そのもの読みますというと、これは原則として教育委員会がやるわけでございます。この問題は、ただ先ほど千葉先生からお話がございましたように、やはり教務以外できないのじゃないだろうかというお話がございました。私の率直な気持として、法律しでは教育委員会がやることになっておりますが、学校の立場からいうと、自分の学校から不慮の災害が出たということは、学校の先生にとつては非常に心配です。非常に今まで苦労をされておるからいろんな点で御協力を願うということがあ7のではないかということを申し上げておる次第でございます。いずれにしましても事務がふえるということは、もしゃらなければならぬというようになれば、ふえることは否定できません。その点につきまして先ほど内藤局長からお話がございました。実はその点私も注意したのでございますが、注意して調べたのでございますが、定数規定によりまして、現在一万近くだったと思いますが、それが数千名ふえるということで、これでも決して十分とは思いませんけれども、これが任意加入でもあり、快い御協力もあれば、安全会の加入もますますふえ、設置者も多くなるのじゃないかというようなことを期待しておるような次第でございます。
○豊瀬禎一君 僕が聞いておるのは、安全会法二十五条との関係においてこれは金を徴収するのは一年に一回ですよ、ところがおそらく私の想像するところでは、この安全会に対して給付の請求をする事務が起こってきやしないかと思うのっですね。こういう事務と、いわゆる安全会の事務に関する経費ですね、この一部を負担するように言ってある、ところが局長は、先ほどはこれは本部の金だけだ、こう言っていた、少なくとも三十五条の第一に関する限りは、本部というように規定していないように見えますが、かりに規定してあれば当然修正さるべきだと思いますが、私は安全会の末端の事務補助をする人に対する二十五条の規定の発動に対してどういう配慮が払われていますかということを聞いている。
○政府委員(清水康平君) 三十五号の、「安全会の事務に要する経費の一部」というのは、これは本部の事務費と、将来もし地方の事務費が取れますれば、そういうことも意味しておるわけでございまして、ただ地方の事務費も先ほど申しました通り、設置者が相当分持つということで設置したいと思っておるわけでございます。それからもう一つ、給付の請求のお話がございましたが、これは御承知の通り、非常に数は年間は大体十五万三千ぐらいになりますけれども、一つの学校から見れば非常に少ないもので、そうして安全会ができてもできなくても、おそらく学校内に発生した不慮の災害につきましては、学校の先生方はその証明とか、どこでどういうふうになったかということをやはり御配慮願うわけでございまして、安全会ができたからといって急にそれだけふえるということではないんじゃないかと思っております。量からいきましても、それは非常に年に数えるほどてかございません。
○豊瀬禎一君 これで終わりますが、そうすると、三十五条については末端の安全会の事務を取り扱う者については適用しないというお考えなんですか。
○政府委員(清水康平君) 末端の学校の先生方のおやりになる事務費については考えておりません。
○豊瀬禎一君 そうすると、先ほど申し上げました学校教育法五十八条やその他の法令に準拠して、現場の教職員がその事務に全く関知しないということもこれは当然のことであると、このように考えての適用しないという御判断ですか。
○政府委員(清水康平君) これも先ほど来申し上げておる通り、学校の教員の管理下において不慮の災害が発した際に、法律的には設置者が非常にやはり関心を持ちますけれども、率直に申しまして、学校の教員管理下において常に平素から災害が起きないように未然に努力しておるにもかかわらず発生した場合、一番苦労し、心配しておられるのは学校の校長先生であり、先生方じゃないかと思うのでございます。従いましてこういう制度ができまして先生方が心から御協力を願い、そうしてその災害を未然に防ぐように努力していただくと同時に、不幸にして発生した場合には、私は御協力を願えるんじゃないだろうかと、私はそういうように思っておるわけです。
○豊瀬禎一君 最後にもう一つだけ。そういう着意の期待可能性については、あなたがおっしゃるまでもなく、それは教員個々の自主的な判断にまかぜらるへきが法律に規定されておるところです。これを行政権者がそこまで立ち入って解釈し、それを前提のもとに法律を制定するということは明らかに不当であります。そのことは、これは個々の教職員なりそれぞれの人の自主的な判断にまかせらるべきであって、ただ私がこの法律を作った文部省という行政権者に対して聞いておるのは、新たにこのことによって事務量がふえるということに対して、三十五条の国の補助という規定を発動すべきであるが、なぜこれを発動するように配慮しないかということを聞いているんです。今のところはそれはそういうことは考えていない、こういうふうに判断して差しつかえありませんか。
○政府委員(清水康平君) 先生方がこの点に御協力を願うための事務に対する補助はただいまのところ考えておりません。
○千葉千代世君 やはりよりよいものを作ってゆくために、もう少し明らかにしておかなければならないと思うんです。 先ほど一人の負担額は二十円とおっしゃいましたね、今度は設置者が事務費としても幾ら出すんでしょうか、それから国では大体どれくらい出すんでしょうか、この区分を明らかにしていただきたい。今、中央の事務費については国が負担するとおっしゃったんですね、大体その額はどのくらいですか。
○政府委員(清水康平君) 地方の支部におきまする仕事は、附則によりまして教育委員会に協力してもらうことになっておりますが、しかし、それが兼任という形になると思います。しかし、それだけではできませんので、二人ぐらいを雇うようになるんじゃないかと思っております、支部では。それで中央の本部になりますというと、本部の普通の事務費が二千三百万ぐらいになるんじゃないだろうかと私ども計算をいたしております。それから地方に対する支部の金といたしましては五千万円程度になるんじゃないだろうかと考えております。
○千葉千代世君 今、じ務費について伺ったんですけれども、事務費を含めて常に設置者は幾ら持つんでしょうか、パーセンテージにしまして。かりに二十円児童から取るとしますね、そうすると、その設置者はそれに対してどのくらいの、子供の数に比例して何パーセントぐらい出すか、こういうことです。
○政府委員(清水康平君) 設置者が責任において掛金を二十円払うわけでございますが、相当分設置者が持つ、そのうちに事務費が若干入るわけでございますが、大体の支払い事務は支部の方でいたすことになりますので、支部の方へ、掛金のうちの若干が支部の方で使われると思っております。
○千葉千代世君 そういたしますと、任意加入でございますね、そうするとその地方々々によって設置者が出す額が違ってはこないでしょうか。一律に二十円子供が出すとおっしゃったですね。けれども、その二十円の裏づけとしてその設置者が出す額というものは、任意加入であっても一律になるわけですか。同じように、東京であっても北海道の山の中であっても、市町村なら市町村がそれだけ負担するという額の率でございますが、今はっきりしていなかったようですから。
○政府委員(清水康平君) その掛金は、たとえば小中学校の掛金二十円だとかりにきまりますれば、その掛金は全額、その内容は別といたしまして全額設置者が本部に払うわけでございます。
○千葉千代世君 それはわかりますが。
○政府委員(清水康平君) そのうちのどのくらい事務費になるかということでございますが、これはさっき申しました通り、県の大小がありますが、私どもの調査によりますと、支部長か教育委員会の教育長がなるとか、あるいは事業の実際の仕事をする体育保健の課長がなるといたしましても、下働き——下働きと言っては変かもしれませんが、働く人が二人ないし三人ということでやっておりますので、二十円前後掛金を出してもらえばやっていけると思っております。
○千葉千代世君 どうもはっきりしませんけれども、子供が二十円払いますね、払ったものは設置者へ行くわけでしょう。それをまとめて中央へやるわけでしょう。そうすると、設置者はそれ以外に一銭も出していないのでしょうか。(豊瀬禎一君「二十円のほかに設置者が幾ら出すかを聞いている。それは根拠はどこにあるか上と述ぶ)
○政府委員(清水康平君) その二十円の内訳でございますが、内訳と申しますか……。(千葉千代世君「そうじゃございません」と述ぶ)
○委員長(相馬助治君) 二十円は子供が出すんじゃないんですよ。(千葉千代世君「いやさっき二十円とおっしゃった」と述ぶ)内訳でいいんです。
○政府委員(清水康平君) 掛金は、これはもう一律でございますけれども、その二十円の掛金の内訳と申しますか、区分と申しますか、それは先ほご来申し上げている通り、設置者が相当部分を持ちまして、他の一部を保護者に持っていただくという考え方でございます。
○荒木正三郎君 関連。そこで相当部分という言葉ではわからないわけです。そこで八円五十銭なり九円なり、そこまでは要りませんけれども、大体二十円のうち十円とか十五円は設置者が負担するのかどうか、その区分ですね。私は父兄が幾ら負担するのか、それから設置者が幾ら負担するのか、国の事務を負担すると言っているが、どの程度まで負担するのか、そういう点を明らかにしてもらいたいんです。
○委員長(相馬助治君) 千葉君の言うのはそれなんだ。
○政府委員(清水康平君) その点は非常に率直に申し上げますと、政令で定める範囲内で、これは二十条の三項でございますが、「政令で定める範囲内で当該学校の設置者の定める額を徴収する。」政令でどういうふうに定めるかという問題でございます。その範囲内で徴収するわけでございますが、「政令で定める範囲内」は、今申し上げましたような気持で政令を作ろうと思っております。具体的に幾らぐらい要るかということになりますと、これはまあ二十円といって、そのうち何円ということは言いにくいでしょうけれども、私の気持といたしましては、政令を作る際に、設置者は半分を下らない、半分以上を持つように指導いたしたいと、こういうふうに政令に書けないものだろうかと思っている次第でございます。
○千葉千代世君 私がくどく聞いたのはそこが聞きたかったのです。というのは、二十円なら二十円というものを全部一人当たり二十円持つのか、そのうちに政府の持つのが半分、設置者が持つのが半分、実際父兄からもらうのは十一円とか十円とか言われている。幾ら、ほんとうに親御さんのふところから出すのは幾らかということ。十円か十一円、その残りは設置者が出すということを言われています。さっきも一人二十円と聞いたのですが、二十円まるまる子供からもらうということではちょっと話が違うというので聞いただしたわけです。それから、それに関連しましてお金を徴収するについて、先ほどお話のあったように、学校にまかせるように、善意に頼って教育委員会にまかせるようにおっしゃったわけです。ところが、実際に一人の子供がけがをしましても大へんな手数がかかるわけです。ただお金をもらって、集めて出せばいいというわけじゃない。具体的に申しますと、東京都で調査したのが、昭和三十二年度の児童生徒災害実態調査というのがございまして、小中とございますが、小学校だけ見ますというと、四百四十三校だけ調査した中で、医者の治療を受ける相当重いのが三千六十一件あるのです。そうすると、一件の治療費が二千九百九十七円かかっている。その費用の負担区分はどうしたかというと、公費だけが七百五人、私費だけが五百六十五人、公費と私費と合わせて千四百五十八、保健費の中から二百六十一、PTAの見舞いというのが八百四十四と、こうなる。そうするというと、今までこれだけの生徒の実情調査をし、それからけがしたところは登校中、下校中か、それから授業中かによって、その学校々々によってものさしが違うわけです。事件の発生を見ていきますというと、やはり休憩中が一番多い。三千六十一件のうち、休憩中が一千六百一件、こうございます。それから登校、下校の際というのが非常に多い。そうすると、責任のなすり合いが出てくるわけです。そのお金は下校中だから払わないと出てくるし、登校中だから払わない、学校の中だから全部払うとか、こういうふうにまちまちです。そういう意味におきまして登校、下校、つまり教育の行なわれている監視下にあった場合には全部払う、こういう趣旨については私は非常にいいと思います。だけれども、こういうふうに、たった一人の生徒がけがしたときに、こういうふうにいろんな手続が要るわけです。そうしますというと、お金を単に集めるだけではなくして、それに付随した前後の手数を考えますときに、教育の場における子供の問題ですから、教師は十二分の善意を持っている。善意も重なり重なっていきますと、自分が倒れてしまう、こういう実情の中にございますので、そういう点もやはり明らかにして事務職員を配置するなり、あるいはその他の方法でもって雑務の中に入らないような方法をやはり考慮していただかなければならないのじゃないか、こういうふうに考えます。
○荒木正三郎君 掛金に関連してお尋ねをしておきますが、この安全会法の事務費ですね、大体どのくらい見込んでおられますか。もしかりに、先ほどの説明の中にあったように、八〇%が安全会を作ると、こういうふうに考えて、事務費というのはどのくらい要るというふうに考えられているか。それに関連して来年度予算において国庫は、事務費の一部を負担すると言いますが、どのくらいの負担を考えているのか、それが第一点。 それからもう一つは、これは私の不勉強かもしれませんが、給付する場合に、集めてきた金を全部本部べ持ってきて、全国を一本の会計にするのか、市町村単位でやるのか、市町村で集めた金は市町村の集めたワク内でやっていこうというのか、あるいは学校単位でやるのか、全国一本でやるのか、その仕組みはどういうふうになっているか、あわせてお伺いしたい。
○政府委員(清水康平君) 最初の事務費の問題でございますが、本部といたしましては、先ほど二千二、三百万円と申しましたが、まあ大体やはり一千二、三百万円と考えております。それから支部の方といたしましては五千万円くらいかかるんじゃないだろうかと思っております。それからただいまの掛金をして、どこでやるか、どこを中心にするかというお話でございますが、支部単位といたしまして、大部分支部へそれを流しまして、また仕事もこれはどちらかと申しますと、きまりきったことが多うございますから、まあきまりきったと言っちゃ語弊があるかもしれませんが、事務的にそういう処理をすることが非常に多いだろう、ただし、ものによりまして、これがはたして教育の管理下であるかどうかというような具体的な問題になりますと、支部の運営審議会がありますので、そこで審議してやってもらうというようなことがあり得るかもしれませんが、金は全部支部の方に県単位でもってやるようにするつもりでございます。
○荒木正三郎君 私の質問を誤解のないように答弁してもらいたい。掛金をしますね。たとえば東京都で五千万円の掛金額がある。その五千万円を東京都だけで処理してしまって、他府県との関連なしに処理するのか、あるいは東京都で集めた金も一応全部、本部に集めてしまって、全国一本でこの共済の給付をするのかということを尋ねている。今の説明ですと、各県単位でやるのだ、こういうような含みになっているようですが。
○政府委員(清水康平君) 今のお話は支払い事務です。それについて申し上げたのですけれども、掛金は設置者が責任をもって本部に送金して参ります。しかし、これは全国的なものでありますから、平衡資金として、右手、たとえば約一割ぐらい……。
○荒木正三郎君 全国単位でやるわけですね。
○政府委員(清水康平君) もちろん全国単位です。
○荒木正三郎君 そうすると、事務費の総額及び国庫負担はどれくらいか。
○政府委員(清水康平君) 本部の事務費は大体二千三百万円ぐらい考えております。それから地方の支部の事務費は全部合わせまして五千三、四百万円ぐらいと考えております。
○荒木正三郎君 国庫負担分は幾らか。
○政府委員(清水康平君) それに対して、国は半分は出さなければならぬではないだろうかと考えております。
○豊瀬禎一君 これは前回、資料要求しておった事項と関連するのですが、私の要求しておった資料はほとんど詳細なものが出ておりません。先ほど千葉委員の発言に関連して落ちているものがある。これは岩間委員も、前回、同様の資料要求をしておりましたが、「政令で定める」ということになっておる条項については、すべて政令の構想を今回出してもらうということになっております。それが出ていないようですので、質問をしたいと思います。まず第一番は、十八条と十九条に関連する事項ですが、特に十九条二項の、「児童及び生徒の災害の範囲については、政令で定める。」、このことによって、どの程度管理下における児童の災害が給付できるかということがはっきりしてくると思うのです。この政令の骨子とするところを説明願いたいと思います。
○政府委員(清水康平君) 日本学校安全会法に伴う政令につきましては、お手元にその内容の骨子の印刷物を……。
○委員長(相馬助治君) あります。「日本学校安全会法施行令(案)に規定すべき事項の内容骨子」という三枚にわたる印刷物が文部省から出ております。
○豊瀬禎一君 済みません、ちょっと説明して下さい。
○政府委員(清水康平君) 今の災害の範囲でございますが、これは十九条の第二項でございます。一ページのまん中から書いてございますが、負傷、疾病、廃疾、死亡がその種類でございます。それで、負傷は学校の管理下で発生したもので、医療に要した費用が百円以上というものを現在考えております。それで学校の管理下につきましては、その前に(1)(2)(3)(4)と四つの場合を考えております。それから疾病は、これはいろいろ問題がございますが、私どもといたしましては、学校の管理下において発生した食中毒等、その他特定のものに限定いたしたいと思っておる次第でございます。それから廃疾は、学校の管理下におきまする負傷がなおった場合において、所定の程度の身体障害がまだ残っておるものを廃疾といたしたいと思っております。それから死亡は、学校の管理下における即死をいたした場合、あるいは管理下におきまする負傷あるいは廃疾によりましてなくなったというようなものを考えておるわけであります。
○豊瀬禎一君 失礼しました。問題になるのは、廃疾のための死亡で、特に死亡ははっきりしておると思うのです。ところが疾病の場合が問題だと思うのですね。これは局長御承知のように、たとえば以前にも幾つか起こった事件ですが、開放性の結核菌を持っておる者、その周囲の座席におる子供かやはり胸を侵された。こういう事態が生じたり、あるいはこれに言うところのいわゆる法定伝染病じゃなくても、軽度の皮膚病とか、接触することによって数人に感染したという事例は、そう例として珍しくないと思うのです。また、これは体育等の時間によく起こる例ですが、鉄棒の練習中にあやまって落ちたり、あるいは飛び箱をやっておるときに飛び方が悪かったり、こういう際に、学校の管理下における何らかの其故によって、しかもそのときすぐには起こらなくっても、帰って、そのことが原因となって軽度の内出血を起こしてみたり、あるいはそのことから骨膜炎等を起こしてみたり、こういう事例が特に小学校の場合は少なくないと思うのです。こういう点を医者の証明、あるいはその他の方法によって、しかるべき客観性を求めて適用されなかった理由についてお聞くせ願いたいと思うのです。
○政府委員(清水康平君) 因果関係は非常にむずかしい問題だと思うのです。特に疾病の問題につきましては、たとえば学校給食において相当集団中毒が出たとかいうような問題は把握できるのでございますが、インフルエンザでありまするとか、あるいはしらくもでありまするとかいうものは、どこからどういうふうにうつってきたか、因果関係をきめるのが相当困難でありますので、疾病につきましては、食中毒あるいはその他の学校でもって行なう、食事を出して病気になったとかいうようなものに限定をいたしたいと思っておるわけでございます。その因果関係をどこで切るかということはきわめて大切なことでございますが、きわめてむずかしいものではないかと思っておる次第でございます。
○豊瀬禎一君 仏教上の因果関係は、これは非常にむずかしい問題でございますけれども、疾病の因果関係というのは、大体、何時間前になぐられたのが何時間たつと内出血を起こす、あるいはこの骨膜炎は脚部の、たとえばここを打ったとしますね、飛びおりた場合に。この骨膜炎はどういう衝撃によって起こった、それはいつごろやったのだということは大体立証できるのです。まあ非常に客観性を求めることのむずかしい場合もあり得ると思うのですが、私はむしろこの疾病は、起こった件数としては、私の二十年近い教員生活の中では、食中毒の場合よりも、むしろ私があげたような、明らかにある一定の何とか、白癬といわれましたね、そういうものであっても、その机の周囲の者が、ある一ヵ月なら一ヵ月の間に四、五人かかるという場合は、これは家庭伝染とは考えられないのです。まあ呼吸器病の場合でもそらですが、先ほどいった特に体育時間におけるところの、すぐ現われないところの傷害というのは非常に多いのです。こ弔いち点は一ヵ月もニヵ月もたって起こる場合もありますけれども、大体家庭に帰って、その日の夕方か、夜か、あるいはその翌日ごろまでには症状として現われてくるのです。こういう点については、医者がすべてこういうものをごまかす、あるいは父兄がすべて虚偽の申請をしておる、こういう判断に立つときわめてむずかしい問題だと思うのですけれども、大体、局長さんも先ほどから教員の善意を信頼しておられるようですので、その善意に立って判断していくと、そういう当然学校の管理下の、しかも授業時間中に起こった疾病というものは、単に食中毒という異例の、非常に件数としては珍らしいものに限定することにおいては問題があると思う。そうして、しかも死亡廃疾の場合は別問題ですが、赤チンを二、三日塗ればいい病気とか、あるいは何か簡単な、こらやくを貼っておけば四、五日でよくなるというような場合よりも、私があげたような疾病の場合の方が、家庭の療養費としてはかなりかさんでくる。そうして、この第二項こそが、貧困な十供の場合には非常に困る。そうすると、安全会法の趣旨の重要な一つは、第二項の適用解釈といいますか、範囲をどうするかということによって、大体、法のある重要な部分を持つと思うのです。この件について、もう少し私があげたような具体的な例を、校医その他の客観妥当性を持つ証明書によって適用してもらいたいと思うのですが、どういう御意見ですか。
○政府委員(清水康平君) ただいまの点は非常に大切な、重要な問題でございますが、建前といたしましては、疾病につきましてはなるべく限定をいたしたい。しかし、食中華にけではいけませんので、そこに食中毒等と書いてあるわけでございますけれども、この点はなるべく限定をいたして、だれが見ても、学校の管理下に発生したという客観性がないといかぬものでございますので、その点については限定する立場でもって、今、先生のおっしゃいましたようなことは、今後検討いたしたいと思っております。
○豊瀬禎一君 大体意図がわかりましたが、食中毒等という「等」の適用は、世にいう法令の常識による、大体列挙したものに限定して、これに、だれが考えても類似しているものだけに限定するという意味でなくして、私が列挙したような具体的な疾病についても、客観性というところに主眼を置いて適用されていくと判断して差しつかえありませんか。
○政府委員(清水康平君) これは具体的に放くに書きますときにどうなるか、具体的にはまだきまっておりませんが、こういう問題は、事の性質上、できることならば、例示でなく、限定になるだろうと思います。そこで、限定の最後に、その他支部の運営審議会において適当と認めたものはその限りにあらずと、こういうものが入るかどうかわかりませんが、趣旨としては限定いたして、今、先生のおっしゃったようなことは検討いたしたいと思います。
○豊瀬禎一君 次回までに、十分その点を検討していただいて、幾つかの、だれが考えても客観性を持つというものについては、ぜひとも政令の中に列挙していただきたいと思います。 次に、附則についてお尋ねいたします。二十九ページ、第十条、「(共済掛金に関する特例)」というのがあります。この中で、小さい文字の中の中段のところに、一当該学校の設置者は、当分の間、その旨の文部大臣の認定を受けた上、」とあるこの「当分の間」というものについて、どういうふうにお考えになっておられるか。
○政府委員(清水康平君) 十条は修正せられた案でございますが、これは建前といたしましては、先ほど来申しましたように、三者三存と申しますか、国、設置者、それから父兄が、相ともに力を合わせて災害を少なくしていこう、そうして万一発生した場合は、災害共済給付事業を行なってもううというのが、この法案の建前でございます。そういう関係から、附則として十条に「当分の間、」と書いたのでございますが、これはこの法律を実施いたしまして、いろいろの実績、推移というものが出てくるだろうと思います。ここで、当分の間はいつまでというようなことは言えないと思っておる次第でございます。
○委員長(相馬助治君) ただいまの豊瀬委員の発言中にも、修正部分について質問があり、政府委員からこれが答弁されておりますが、特に衆議院から、本日は加藤精三君が見えておりますので、修正部分の衆議院の意思その他について御質疑があったら、この分はなるべく早く一つお取り扱い下さるように御考慮願いたいと思います。
○豊瀬禎一君 それじゃ衆議院側の方にお尋ねしたいのですが、附則十条の中ごろに「当分の間、」というのがあるのです。この「当分の間、」という言葉の持つ意味、それから将来性といいますか、あるいは検討された内容と申しますか、こういう点についてお話し願いたいと思います。
○衆議院議員(臼井莊一君) これは大体、こういうあれには、こういうふうに「当分の間、」と書くのが、何かこう例文といいますか、慣例のようになっているらしいので、従って別に深いあれはございません。
○豊瀬禎一君 ━━━━━━━━私が聞いているのは、討論されているかどうか、それからどういう趣旨があったのか、こういうことを聞いているのです。だから、討論していないならしていない、こういうふうに質問にまじめに答えていただきたい。というのは、私がお聞きしたい趣旨は、前回もお聞きだったと思いますが、憲法二十六条の関係とにおいて、文部大臣は、これを漸次二十六条が適用されていくように努力すると、こう言っておる、この二十六条の基本精神とは幾分違いますけれども、やはり父兄負担でなくて、設置者が負担していくということも暫定措置としては意味あることだと思う。こういう点に関して、もう少し将来を見通して、単に条文の慣例用語というま味でなくして、検討されたかどうかということを聞いておるわけです。
○衆議院議員(臼井莊一君) この法案の趣旨から参りまして、設置者が全部持つということになることは、本法案の趣旨とは少し違うのじゃないか、ただ父兄の負掛を軽くするという意味において軽減をすると、こういうことは好ましいことであり、まあ当然そうしてほしい、こういうことから、こういう「当分の間、」というようなニュアンスを入れたと思います。前の御質問を私聞いておりませんでしたから、多少答弁が違ったかもしれませんが、これについての、衆議院においてこの修正に対し特に論議ということはございませんでした。やはり父兄にも一部を持ってもらうと、こういうことが児童を危険から守る、こういう点についても関心を持たせると、こういう意味においても必要であるという意味において一部を負担してもらうことは、やはりこの法案の根本の趣旨から言えば、そう思うのがほんとうだろう、ただし、できるだけ軽減するということは望ましいことである、こういうふうに考えております。
○委員長(相馬助治君) 先ほどの豊瀬委員の発言中に、あるいは私の聞き違いかどうか知りませんが、若干穏当を欠く発言があったように思いますので、後に速記録を調べて、それを適当に処理することを委員長におまかせ願いたいと思います。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(相馬助治君) なお、他院の議員に対しては、礼を失しないように御発言願うことを委員長として期待します。
○豊瀬禎一君 先ほどの言葉は失礼いたしました。 ただいま臼井先生の答弁によって意図はわかったのですが、私は今の御答弁では、「当分の間、」というのが積極的な暫定措置でなくして、むしろ父兄と設置者が相互分担するといいますか、こういうことに移行するまでの経過措置のような気がするのですが、私が二十六条をあげて聞いたのは、大臣も答弁しておりますように、やはり義務教育はこれを無償とするという方針に近づけていく、そうすると、その趣旨に立って安全会法の基本精神というものを考えてくると、やはりそれを貫く精神というものは、父兄負担でなくして、国またはそれができなければ地方自治団体、こういったところが負担していくと、こういう方向が望ましいことである。従って、かりにこの法案が成立した後にでも、設置者が財政上から、あるいはまた憲法二十六条の精神に立って費用々負担したい、こういう意思を持った際に、今あなたの、本法の趣旨からして父兄が一部を持つことが望ましいという考え方が、私が今言ったところのそういう二十六条の精神に適合するような措置を、自治体が積極的にとっていくことも抑制する意図を持っておるかどうか、これをお伺いしたい。
○衆議院議員(加藤精三君) 言葉の言い回しだけなんでございますが、こういうことじゃないでございましょうか。教育行政の側といたしましては、なるべく義務教育の全額国庫補償が望ましいわけでございますけれども、現案が、いつも問題になっております教材その他でも、それからそのほか教育に関する諸多の父兄負担ということは現存しておるのでございまして、その額がまた数十億あるいは百億以上になっているかもしれません。そういう面から言いまして、ここで直ちに義務教育経費の全額国庫補償というふうなところまでを考えるという段階で、われわれ修正案を作った者たちも考えておるのではございませんのでありまして、その関連についての、まあ義務教育は全額無償とするというその無償になるまでの経過措置というふうな意味の「当分の間、」ではないわけでございます。で、ありていに申しますれば、こういう問題がある。市町村自治体がその中に介入して仕事しておるわけでございますが、わが国の現段階の情勢におきましては、市町村自治団体がある仕事をする、ある経費の負担をするということについては、大体市町村の自発的な意思に基づきまして、市町村の自治権というものをできるだけ認めていくことが望ましいという一つの要請もあるわけなんです。しかしながら、これはまた一方から言いますると、それよりもより大きな保障のもとに学校安全の経費を支弁したいという、そういう教育面からの要求もあるわけであります。それらの調和の問題であるとわれわれとしては考えておるものでございます。それで、もっと突っ込んだことを申し上げますれば、一応は自治庁の方にも話をしてみたのでございますが、従来、児童保護者の一応負担になっているものを、全額市町村で出せるところは出してもらう方がいいばかりじゃなしに、将来そういう意図のあるところは、市町村で全部出してもらったっていいじゃないか、幾らの経費でもないんじゃないかということを要求してみたのでございます、われわれ修正案を作る者の方からですね。しかしながら、市町村の方といたしましては、地方自治法第二条でしたか、市町村の行なうべき事務の概略を規定した部分がございます。それから地方自治法の附則の中の市町村の行なう事務の列挙、その方の法律を直さなければならない。そこまで直して、こういう問題について市町村の画一的な取り扱いを強制するほどのこともないんじゃないかという議論でございますが、しかしながら、この全部または一部でございますから、九九%くらい市町村が負担するのであっても、それは事実行為であって、そうなれば市町村の自由にできるということでございますから、それはかまわぬじゃないかというような考えにも立っているわけなのであります。その点は少し余裕ある解釈をしていただきまして運用してもらったらどうかというふうに考えておるのでございます。 それからなお、「当分の間、」というのは、これはもう先ほど臼井議員から申し上げましたように、こういう法令では、例外を認めたときに「当分の間」という言葉をつけるのは例文のようになっておりまするので、大体まあ、何年間で打ち切るというような考えは毛頭ないことを、修正側としては特にお断わり申し上げておきたい、こう思っております。
○衆議院議員(臼井莊一君) 先ほどの言葉でちょっと訂正いたしておきますが、さっき、この「当分の間、」の問題で衆議院で論議がなかったかというお話でございますが、この第十条の修正の全体を通じては、すでに設置者において全部負担しているところがある、従って、わずかな掛金でもあるしするから、全部設置者でもって負担するように法案を修正するべきではないかという、こういうもちろん論議はございました。しかしながら、先ほど申し上げたような、本法案の根本が、父兄にも一部持たせることが、やはり災害を防止することの趣旨を徹底させることにもなるし、関心を持たせる上において、やはり一部負担をさせる方がこの趣旨においてよいと、こういうことでございましたけれども、そう考えたのでありますが、しかし、すでに徴収してないところを、この法案が出たために、逆に父兄から負担させるということまでしいるような形になることはいかがかと、そう考えましたので、すでに施行してあるところで大臣の認可を得たところは、この法案の趣旨からいって、当分の間全部または一部を徴収しないことのできるように、こういうふうに修正して、一つの妥協をそこでしたわけなんです。
○豊瀬禎一君 御両氏の懇切丁寧な説明で、いききつについてわかりましたが、この附則の十条の全体の把握に立って局長にお尋ねしたいのですが、先ほど私が質問しましたように、この条文全体ないしは当分の間というものは、地方自治体が自発的に全額負担をする措置を抑制するものでないと解釈して差しつかえありませんか。
○政府委員(清水康平君) 附則第十条は、先ほど申しましたような本則の建前の例外でございます。従いまして、これからどうするかという新しい問題でありますが、それはこの本則の趣旨で申しました通り、設置者も、保護者も、国も、災害の発生しないように努力し、理解と協力を仰ぐ意味におきまして、金額は少ないけれども持っていただく、こういう考え方でございます。
○松永忠二君 関連。建前の問題については、局長にも大臣にもお聞きしたいんですが、何かやはり保護者が負担をするということが当然だというような考えが述べられているわけなんですが、これについては、今財政的な負担が非常に過重になるので、暫定的な措置として、今可能な範囲の措置として、こういう措置が行なわれるというようなふうに考えておられるのか、これは財政的な余裕ができても、やはりこういう建前がいいんだというような考え方を持っておられるのか。この点については、私たちもそういう考え方は全然持っていない。そういう点で、もし、かりに、その経過的な措置として、こういうことを行なうとしても、非常に不十分な点な点があるというように私たちは思っているわけです。今の建前のところを一つ聞きたいということと、もう一つは、かりに、あなた方のおっしゃるようなことであるとしても、たとえば借入金が出てきた場合には、借入金でなしに、借入を必要とするような場合においては、ここでいうと、文部大臣の認可を受けて、しかも、それを借りかえていくというやり方をしているんだが、こういうことについては、補助金で国が——一時借入金をしても、なおかつそれを償還できないというときには、借りかえていくということではなくて、もう安全会自身として借入金は返していかなければ経理が成り立たないから、補助金を国が出していくという方向に、第三十条のごときはいくべきだと思う。いつまでも借入々々でいかなければできないというような点については、安全会を実施をしておるところでも事実困っておるわけなんです。こういう点については、安全会独自でやっていったけれども、結果的に工合が悪いので、一部負担や補助金が出ていくという方向にいっておるわけであります。だから第三十条のように、借入金で全部やっていくというような点も非常に消極的だと思うのです。建前の点を一つお話を聞きたいことと、それから、特に借入金で安全会の経理をすべてやっていく、もし赤字ができた場合には。そういうやり方は、やはりでき得れば国庫補助で一年ぐらいで切りかえていくというような方向にいかなければ、非常に消極的な安全会の運営しかできないのじゃないかというような考え方を持っておるんですが、その点はどうなんですか。
○政府委員(清水康平君) ただいま三十条の一時借入金のお話がございましたが、これは、この種の特殊法人にはこういう例はございます。第二項に、「当該事業年度内に償還しなければならない。ただし、」云々とございますが、一時借入金をたとえば一月にした、ところが当該年度はあと一月か二月しかないというようなものを予想して、このただし書きが入っておるわけでございます。それから、どういう場合に一時借入金があるかと申しますと、運営が赤字というよりは、むしろ掛金その他がまだ集まうないというような問題を予想して、この種の特殊法人にはこういうのが通例になって書いてある次第でございます。
○松永忠二君 建前を一ついって下さい。今のお話ですが、そういう面の点の、まああれですか、掛金といいますか、その金が集まらないから借入金ということが考えられるのであって、安全会としては経理的に赤字は出てこないという自信を持っておられるのですか。もしそうだとすれば、打ち切り補助をやるとか、いろいろな補助のつまり制限をせざるを得ないというようなことになってくるんじゃないか。事実上は、この安全会はこの掛金で、この程度のことは非常に無理な点が出てくるということは私たちは考えているわけで、そうなった場合に、一時、やむを得ないから安全会としては借入金をやって、そしてその経費を翌年も考えていくというようなことは行なわれているし、あるいは掛金の変更ということになってくるのかもしれませんが、そういうような場合に経理的に赤字が出てくれば、その程度の補助金を国がやっていくという道を開いておく方が、安全会として、今行なわれておる各地の安全会の実情からいって適当だと思っているわけです。その点、あなたは掛金を徴収できないときに、こういう借入金を考えたのであって、全然安全会については赤字というか、そういう経理的な面で借入金をする必要はないというふうに考えておられるのか、その点を再度……。
○政府委員(清水康平君) 本部の事務費につきましては、これは不足ある場合には適当な方法によってまかなうつもりでおります。それから一時借入金の問題は、これはここにちょっと例を申しましたが、災害が大きく出た、それで給付の金がないので、一時借入金というものを予想しておるような問題でございます。
○委員長(相馬助治君) ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(相馬助治君) それでは速記を復活して下さい。
○豊瀬禎一君 再三質問して恐縮ですが、なお、先ほどの附則十条について、政府委員の答弁で了解しかねるところがありますので、最後に簡単にただしておきたいと思います。附則十条の趣旨につきましては、先ほどからも御質問いたしておるように、設置者が自発的に、積極的に全額負担しようとする意思を抑制するものではない、このように解釈してよろしいかどうか。
○衆議院議員(臼井莊一君) この十条の趣旨は、従来ありまするものにつきましては、これを保護者から徴収するように積極的にすべしというあれはございませんけれども、しかし、今後新たなものに対しては、これを設置者だけで全部負担しろと、こういう趣旨ではもちろんございませんから、その点を申し上げます。
○豊瀬禎一君 先ほど清水局長の答弁の中で、この安全会法を貫く精神の一つが、学校における災害の防止である。その防止のためには父兄から金を出させることが、それを徹底していく一つの方法である、これは大臣も、このような趣旨を答弁されたように記憶するのです。このことの可否は別問題として、この安全会法案の文部大臣の提案理由の説明によりますと、安全会法設置の趣旨が二点にわたって述べてあるようですが、その中には、子供を学校でけがさせないということを目的とするために、父兄からその金を出させるということが、それを達成する一手段であるかのごとき見解を持っておられることについて重大な疑義を感ずるのですが、その点、いま少しく明らかに御答弁をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(松田竹千代君) 将来のことについては、父兄負担の軽減をできるだけやっていきたいということには今も将来も変わらず、ただこの法案については、清水局長から言われたように、やはり防止ということが究極の目的である、また共済という建前でもある、そういうような点からいたしまして、父兄も一部負担するということは、それによって関心を深め、また父兄に、この学童の災害を防止することに一そうの熱意を持たせるというような点から好ましいことであると考えます。
○豊瀬禎一君 災害を防止するというために、もちろん防止するということが目的であるということは異議がありません。防止するために生徒から、父兄から金をとる、これは全く考え方が違うと思うのです。また、一歩譲りまして、今の文部大臣の御答弁のように、共済あるいは相互扶助を建前とすると、こう言われておりますが、これが私が前々からたびたびただしておりますように、もともと安全会法を貫ぬく相互扶助ということが憲法二十六条でしょうか、あれに照らしてみますと好ましいことではない。従って相互扶助を建前とする安全会法の精神というのは基本精神において誤謬を犯しておる。従って当然財政的な問題のために、現段階では国が負うべき憲法上の責任を父兄に負ってもらうという建前であるならば、あるいは一歩譲歩して、了としないこともありません。しかし、この相互扶助が当然の傾向であるというお考えは、世界各国の例から見ましても、少なくとも義務教育に関する限りは好ましいことではないと思います。従って、冒頭に大臣が答弁された、漸次国庫負担の方に持っていくという数次にわたる御答弁を善意に理解いたしまして、相互扶助というのは、父兄から金をとれば、それだけ金を出したから子供がけがしないようにするとか、こういった誤まった性悪観ではなくして、むしろ文部大臣としては、自分の子供がけがすることを望むような父兄はないという性善説に立って、しかも、どうしても前段の基本精神を貫きたいけれども、やむなく、現段階では漸次移行していく経過措置として、費用を父兄に負担してもううのだと、こういうふうに理解いたしたいんですが、そのように理解して差しつかえありませんか。
○国務大臣(松田竹千代君) 相互扶助というお言葉を用いられたんですが、私どもの考え方は、この災害を防止するためには、父兄も国も、特に多くの父兄が皆寄って注意しなければならない。だから相互扶助というよりは、社会全体の連帯観念、こういうような点から私は申し上げておるわけでございまして、ややそこに違いがある。ただ、将来の方向としては、できる限り負担の軽減をはかっていくようにいたしたいと、かように考えるということを申し上げます。
○岩間正男君 さきにもらった政令案の骨子ですね、この中で(二)のところですが、災害の範囲ということになっておりますが、この災害の認定をするのはだれです。だれが認定をするんです。
○政府委員(清水康平君) これは最後は、普通の災害につきましては、学校内におきまして、たとえば体操の時間に、あるいは休憩時間にけがしたというようなものは、当然、学校教育の管理下でありまするから、負傷として見られます。それでいろいろな問題について、これが問題になる場合には、地方に運営審議会がありまするので、そこでもって審議して、学校教育の管理下かどうかということを認定することになると思います。
○岩間正男君 そうすると、まず第一にこれを認定して、それで給付を申請する。そこにいま一つ学校側、それかう設立者がそれをやる。そういうことになるわけですね。その点はどうですか。
○政府委員(清水康平君) 現実に災害が発生した場合の給付の請求でございますが、これは支部に請求して参りますが、その際、この学校内において、いつ、どこで、どういう程度のけがをしたというような、何と申しますか、調書と申しますか、そういうものをつけて支部に請求してくることになると思います。
○岩間正男君 そうすると、最後的認定の場合には、現地調査をやるのか、あるいは書類だけでこれはいいのか、そういう点についてはどういうふうに考えておりますか。つまり、件数が多くなってくることも予想されるわけですね。そうすると、大体二億くらいの範囲内ではまかないきれないという事態も起こり得る。そうすると、実際はこれを適用するときに、やはり相当切らなければならないというようなことになって、実際は適用の恩恵を受けることが少ないという事態が、予算がこういうことになっていると、起こりかねない。そうすると、この運営について、私は、との点がどういう標準なり、どういうふうにこれは具体的にやっていくのかという点が非常に必要だと思うのです。せっかく法案は作った、しかし、実際はなるたけこの適用をしない方がいいというようなことで金を余すということでは、これは話にならぬ。ところが、えてしてなりやすい。こういうものについての保障はどうしますか。
○政府委員(清水康平君) 負傷、疾病、廃疾、死亡というような問題は、これは前提として学校の管理下に発生した災害だけをとるわけでございます。それで、それなら学校の管理下とは何かと申しますと、お手元に差し上げました政令案の骨子にございます通り、(1)から(4)番目まであるわけでございます。ですから、その範囲内で発生いたしたものは、これは当然学校教育の管理下の発生として処理できるわけであります。ただ問題は、今御指摘になりましたように、ものによりましては、これが果たして学校の管理下の問題であるかどうかという問題が出てくるだろうと思うわけです。そういう場合は、先ほど申しました通り、地方の支部に運営審議会があり、そこできめる。それから、そこできまらない場合には、中央に運営審議会がありますから、そこで処置して参る所存でございます。
○岩間正男君 しかもこれが処分が非常に即刻に行なわれるようになっていますか。申請されて、すぐにこれを認定して、そうしてこの給付をやるというような形にならぬと、もう一年近くたってきたころに、その金がおりてくるというようなことではしようがないと思いますが、運営審議会を通してまたどうだ。それから、実際は認定が違ってきて、申請者と認定者の間に争点が出るというような場合もあり得る。こういうものについての、もっとこまかな、この点の規定というものを頭にちゃんと描かれていないと、さあ発生してみて、中にはこれがなかなかうまくいかないというような面が出てくると思います。こういうことについてどういうふうに考えておられますか。
○政府委員(清水康平君) ただいま御指摘の問題でございますが、これはたとえ事例が非常に多くても、大部分が機械的に処理できるものでございます。ただ、御指摘の問題が、果たして管理下であるかどうかという問題がありますけれども、建前といたしましては、この給付は一ヵ月以内にやることにいたしております。
○岩間正男君 まあこの点は十分に運営をやってみなくちゃわからないのでありますが、今の点が私は予想される。何しろ千八百万から二千万近い生徒、学生ですね。そのうちで今までの事故率を報告になりました。しかし、やはり今まで適用しない形でこれらの統計がとられていると思います。しかし、こういうものが出て、そうして適用が非常に範囲が拡大された。それから件数が多くなるというと、これに対する選択の問題が一つでありますが、この点は非常にやはり将来一つの問題になる。第二点の場合、政令の骨子の安全会の支払い責任という問題がありますが、そこで何ですか、これは年度別に更新されるんですか。毎年更新になるんですか。
○政府委員(清水康平君) 安全会の支払いの責任の問題でございますが、これは小学校を例にとりますというと、毎年六年生が出て、毎年一年生が入ってきますから、その限りにおいては、毎年やはり契約しなきゃならぬということになると思います。
○委員長(相馬助治君) 残余の質問は一括して、一つ一つじゃなくして、全部そこで御発言願えませんか。
○岩間正男君 年度更新なんですね、毎年。そこのところをはっきりしないと、あなたの説明では、個人については今言ったような、六年生が出るというようなことが出ましたけれども、しかし私お聞きしたいのは、これは段階を設けるわけでしょう。五月十五日まで払った場合には、四月一日から適用できる。しかし、そうでなくて、それにおくれた場合は、今度払った日から遡及はしないのだね。しかし同じ掛金でしょうこれは。これはどういうふうになるのですか。(イ)、(ロ)、(ハ)、つまりあなたの出した資料の政令の骨子の中にある。どうなんですか。
○委員長(相馬助治君) それだけですか、質問は。ちょっと待って下さい。そのほかに質問ありますか。
○岩間正男君 第三も……。
○委員長(相馬助治君) それも発言してくれませんか。
○岩間正男君 どうしてですか。
○委員長(相馬助治君) 一括して答えられるから……。
○岩間正男君 いいじゃないか。
○委員長(相馬助治君) まあ言うて下さい。関連のあることもあるから。その質問はわかりました。続いての質問をちょっとおっしゃって下さい。
○岩間正男君 どうして……。まだ時間がある。そんなに制限しなくてもいいじゃないですか。
○委員長(相馬助治君) 制限するというのじゃなくて、あと二つあるんでしょう。
○岩間正男君 今のやっと、もう一つ。
○委員長(相馬助治君) それと二つ一ぺんにおっしゃってくれませんかと言うんです。
○岩間正男君 どうしてですか。
○委員長(相馬助治君) その方が時間の進行に……。
○岩間正男君 それはここだけで、そんな押し問答をしていたってしようがない。
○政府委員(清水康平君) ただいまの安全会の支払い責任の問題でございますが、学校は四月一日から始まりますが、掛金はその前に払うとか、いろいろなことはございません。従いまして、普通の場合、原則といたしましては五月の十五日までに払ってもらう、その場合に十五日がきても四月一日からの災害の発生に対しては救済しようというのが(イ)の問題でございます。それから(ロ)の問題は、五月十五日後に、これは契約でございますが、たとえば九月ごろ入ろうといった場合、その場合、まさか四月にさかのぼることはできませんので、その場合には支払った日から救済していこうと、こういう趣旨でございます。
○岩間正男君 そうすると、これは掛金は同じでしょう。期日を早く払ったものは、この適用について非常に早く恩恵をこうむると、いわば奨励法ですか、これはどうなんです。私は奨励法であってはいかぬと思う。だから、ひどく年度を越したとかいう場合は、これは問題があると思うけれども、掛金が事情によっておくれた、そのことのために、掛金が五月十五日過ぎたものはそれ以後でなければ適用しない、遡及はしない。しかし、その前の五月十五日までに出したものは、特別これは景品付みたいに四月一日に遡及する、こういう精神では、私はこの法の精神に反するのじゃないかと思う、この点どうなんです。
○政府委員(清水康平君) 事業年度は四月一日から始まりますので、私どもとしては五月十五日までに払うように、通知、連絡するわけでございます。ですから、それまでにかけて、それをめどに五月十五日にかけていただくということになるわけでございますが、契約の関係で秋ごろになって、さっきから申しました通り、急に入りたいといった場合には、やはりその支払った日から災害をみるよりいたし方ない、こういうような事例は、ほかのいろいろな共済関係の法律にも、すべて支払ってきたということに相なっているわけであります。
○岩間正男君 私は年度を毎年々々更新するのかどうかということを聞いたのは、そのためなんですがね。年度を更新して、ことしはもう新たになったのだということになると、今のようなことは成り立ちますが、しかし、ずっと掛金をかけて、しかし今その掛金は都合によっておくれた、おくれたのは、五月十五日までにかけたのは、四月一日に遡及する、しかし今は、それ以後の時期がおくれたのは、今度はそういう恩恵がない、こういうことになるので、これは一つの奨励法なんで、私はこういう一つの相互扶助、社会保障的な意味を持ったものに対しては、ちょっとやはり精神に合わぬのじゃないか。
○委員長(相馬助治君) 岩間君、これは誤解があるのじゃないですか。更新された分については、五月幾日にかけたものは四月に遡及して支払っていくというから、継続年度がずっと続いていくものについては何ら問題はない。体育局長の説明は、新たに契約が発生した場合には、その契約の発生した日から給付金も効力を発生するのだ、こういう説明をしているようなのです。
○岩間正男君 委員長の説明通りで違いありませんか。よく答えて下さい。
○委員長(相馬助治君) よく御了解願って……。次の質問。
○岩間正男君 第三に、法案に戻ります。第八条に、役員をきめる、理事長一人、理事三人、監事二人を置く、こういうことになるのですが、これは文部大臣の指名によるのですね。指名によるのですが、第一、これはどういう資格の人を文部大臣は考えておりますか。それからその次に、委員長の要望があるから、続いて有給なのか、無給なのか。それと続いて、中央の事務局の構成はどうするのか。この三点答えて下さい。
○政府委員(清水康平君) 「役員は、文部大臣が任命する。」と第十条に規定してあります。これは申すまでもないことでございましょうが、安全会の目的を達するために必要な学識経験を有する適当な人から文部大臣は任命されるのではないかと、私は思うのでございます。 それから役員は、理事三人及び監事二人ということになっておりますが、そのうちで、理事長は常任、それから理事二人のうち一人は常任、監事の二人のうち一人は常任、あとは非常勤という予定でおります。
○岩間正男君 それから有給か、無給か。
○政府突貫(清水康平君) それで理事長と常任理事の一人と、常任監事の一人は有給というふうに考えております。
○岩間正男君 先ほど末端の事務は教員の肩にかかる、こういうことで無給でしょうな、無給の何とか。それでこういうのは有給、これは一つ問題のあるところです。 それからもう一つ、答弁漏れがあります。中央事務局の構成はどうなんですか。
○政府委員(清水康平君) 大へん失礼いたしました。事務局といたしましては、職員を十人予定いたしております。そうしてそのうちに学校安全の普及充実の問題、それから予算、庶務の問題を処理するための一つの庶務課と申しますか、それを置きたい。それからもう一つは、災害共済給付事業をやります事業課というようなものを置きたいと思っておるわけでございます。
○岩間正男君 有給というお話でありましたが、これはどこから支出されるのですか、それからどれくらいの額になるのか、大体目安を持っているかどうか、これは文部大臣わかっているでしょうな、その点。それから職員は十人というのですが、これは十人でやっていけますか、実際問題としてどうですか、その点。
○政府委員(清水康平君) いろいろ法律に基づく特殊法人はございますが、すべて特殊法人の常任の役員は有給ということにいたしております。それで有給の額でございますが、これは文部省におきまする他の特殊法人の有給の役員と同じ待遇を考えておる次第でございます。同じ程度の。
○岩間正男君 どこから出るのです、それが。
○政府委員(清水康平君) 本部の事務費の金は全部国から補助をいたすわけでございます。
○松永忠二君 一点だけ。この第二十一条に、「給付金の支払の請求及びその支払は、政令で定めるところにより行うものとする。」と、これについて、今少し話が出たのですが、実際のところ安全会の支払いが、地方でやっていても、実はひどいときには五ヵ月くらいたってからということになっているわけです。何かこの政令で定めたというのは、形式だけでなくて、何か資金的な面で、具体的にこれが早急に実施されるような方法を考えている政令なのか、あるいは、ただ手続をきめるというだけなのか、その点を一つ。そういう点について何か特別な配意を考えておられるかどうか、この点。
○政府委員(清水康平君) 第二十一条の「災害共済給付に係る給付金の支払の請求及びその支払は、政令で定めるところにより行うものとする。」というような内容でございますが、これは主として手続のことでございます。たとえば支払い請求、支払いの経由機関、あるいは安全会の支払いの手続でありますとか、安全会の支払い日、安全会の支払い責任というふうなものが規定される予定でございます。先ほどの安全会の支払い責任というふうなものがそれでございます。
○松永忠二君 その点はわかったのですが、さっき出てきておる遅延をするとか、そういう点について何か特別な配意をされておられるのかどうか、何か工夫を持っておられるのか。地方で実施していても、実は安全会の一番不満な点は支払いがおそいということです。全国一本でおやりになることだし、こうなってくると、その点についてどういう配意があるのか、そういうことなんです。
○政府委員(清水康平君) 設置が支払いの請求をいたしますときに、内容が適正であるかどうかということはもちろん審査いたしますが、多くの場合、これは機械的に処理されることが多いのでございますが、これはすみやかに郵便振替貯金あるいは銀行送金でもって払うというふうに規定いたしたいと思っております。それからこの種、たとえば社会保険などのいろいろな組合がございますが、その例を見ましても、私どもといたしましては、一ヵ月以内にそういう方法で現地に送れる確信を持っているわけでございます。ただし、ときたま学校の教育の管理下であるかどうかという問題につきまして問題になった場合には、若干、一ヵ月以内というわけにいかないこともあるかもしれませんけれども、その場合でも、すみやかに措置できるようにいたしたいと思っている次第でございます。
○委員長(相馬助治君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(相馬助治君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(相馬助治君) 次に、市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案を議題に供します。 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否の態度を明らかにしてお述べを願います。なお、吉江君より、修正意見のある旨申し出でられております。討論中にこれをお述べ願います。
○吉江勝保君 ただいま議題に上がりました市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案、この法律案につきましては、午前中から引き続きまして十分質擬が行なわれまして、その質疑の趣旨に基づきまして、私は自由民主党を代表いたしまして、修正案を提出いたしたいと存じます。 なお、この修正案につきましては、お手元に配付いたしましたので、ただいまその趣旨を申し上げます。 この修正案の骨子となりますものは、「政令で指定する市町村」、この「政令で指定する市町村」というのを、もう少し明白にいたしたのでありまして、それは質疑のううに明らかになりましたように、この法律が五大都市に適用になることが趣旨でありまするので、五大市の適用を明確にいたしまして、他の政令で指定する市町村という場合に波及しますような給与のいろいろの諸問題につきまして、それを起こらないようにいたしますためには、明白に五大市というように修正いたしたのであります。ただし、五大市というような書き方をいたしますることは、これは少しく問題がございまするので、その書き方は、ここの中にあげられておりまするように、地方自治法第二百五十二条の十九の第一項の指定都市、こういうようにいたしまして、今日地方自治法の第二百五十二条の十九の第一項で指定をいたしておりますのが五大都市となっておりますので、なお将来、この地方自治法第二百五十二条の十九第一項によります指定都市というようにいたしまするから、これで指定をいたしますれば、当然これはこの改正法作が適用になるのでありまするが、現在は五大都市になっておりますので、五大都市に適用になっている、こういうように改めまするのが主眼であります。 次に、附則第二項以下、相当条文がたくさん修正になっておりまするが、これはいずれも、政令で指定する市町村という書き方を地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市というように書き直しましたことにつきまして、条文が整備された次第でありまして、ただいま申しまするような修正動議を出しますとともに、あわせて自由民主党を代表いたしまして、修正されましたところの本案に対しましては賛成をいたすものであります。
○松永忠二君 私は日本社会党を代表して、市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案並びにその修正案を含めて賛成をいたしたいと思います。 市町村立の定時制の高等学校について、この設置を促進し、その充実をはかるというために、教職員の給与について都道府県の負担としたのでありますけれども、五大市等においては、こういう措置がかえって全日制の教職員の給与との差を多くし、あるいはその事務的な処理に非常に困難をきわめ、なおかつ異動交流の上に支障を来たしておるという現状から考えてみて、特にその財政の事情等も考え、五大市についてこういう措置をはかるということは、現段階において妥当な措置ではなかろうかというふうに考えるわけであります。 なおこの際、定時制の教育の充実をはかるために、従前、政府が考え、また促進して参りました定時制教職員の給与の四割国庫負担は、ぜひとも今後実現をはかって参らなければいけまいということを強く感じておるのでありまして、以上の理由に基づいて、法律案は修正案を含めて賛成をいたすわけであります。
○委員長(相馬助治君) 他に御意見もないようでありまするので、討論は終局したものと認めて異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(相馬助治君) 異議ないと認めます。 採決を行ないます。まず、討論中にありました吉江君提出の修正案を問題に供します。 吉江君提出の修正案に賛成の方の挙手を求めます。 〔賛成者挙手〕
○委員長(相馬助治君) 全会一致でございます。よって吉江君提出の修正案は、全会一致をもって可決されました。 ただいま可決されました修正部分を除き、原案全部を問題に供します。 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。 「賛成者挙手〕
○委員長(相馬助治君) 全会一致であります。よって本案は、全会一致をもって修正可決すべきものと議決されました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
○委員長(相馬助治君) 異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(相馬助治君) 次に、日本学校安全会法案を議題に供します。 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。なお、松永君より、修正意見のある旨申し出られております。討論中にこれをお述べ願います。
○松永忠二君 私は、ただいま議題になっております日本学校安全会法案に対して、日本社会党を代表して修正案を提案いたすわけであります。 お手元に修正案をお配りいたしましたので、ごらんをいただきたいと思うのでありますが、この際、修正の理由の大要を御説明いたします。 この日本学校安全会法案は、学校の設置者が共済掛金を支払うことになっておりますが、その一部は設置者が保護者から徴収することとなっております。しかるに、現在、義務教育に要する父兄の負担は非常に大きく、その上さらにその負担分を増すということは、憲法第二十六条の義務教育無償の精神にももとり、私どもの了解しがたいところであります。これが私どもの修正の骨子でございます。 次に、修正条の大要を申し上げます。 第一に、義務教育諸学校については、共済掛金に相当する分は父兄の負担とせず、設置者の負担といたしました。ただ、地方自治体の財政等の事情によりまして、私どもの念願しております設置者負担というものが現実に行なわれがたい場合がありますので、当分の間は父兄から掛金を徴収することができることといたしました。なお、これに関連いたしまして、国が災害共済給付に要する経費の一部を安全会に対して補助することといたしました。 次に、この法案によりますと、義務教育諸学校を中心といたしまして、高等学校、幼稚園はこれに付加して行なうということになっておりますが、高等学校と幼稚園につきましても、義務教育聾学校と同様のものといたすため、所要の修正をいたしました。 次に 私どもといたしましては、この災害の給付については国が責任を持って、従って国が負担するという建前のもとに新たな法律が制定されることを期待しておりますので、国立及び公立の学校の児童及び生徒についてのこの法律による災害給付は、昭和三十七年三月三十一日までに限り適用することといたしました。 以上が私どもの修正部分の大要でございます。 なお、予算につきましては、これを全額国庫負担にした場合において、約四億の所要経費が要るのでありますが、直ちにこの経費を所要するということではなくて、昭和三十七年三月三十一日にこれを全額を設置者負担とするという暫定措置をとっておりますので、このため特に費用が増大するということはないような配慮を加えてあるのであります。従って私たちの提案いたしております修正案に御賛成をいただきたいと思うわけでございます。
○荒木正三郎君 この修正案全文を速記録に載るように委員長において御配慮を願いたいと思います。
○委員長(相馬助治君) ただいまの松永君の御意見の中に日本学校安全会法案に対する修正案の趣旨説明がございましたが、修正案の原文については時間の都合上これを省かれました。委員長において、修正案の全文を速記録に掲載したいと思いまするが、御了解を願います。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(相馬助治君) 御異議ないと認めます。
○北畠教真君 自由民主党を代表いたしまして、ただいまの修正案に対して反対を申すものでございます。 本日、長時間にわたりまして種々質疑応答を重ねて参ったのでございますが、現在の段階におきましては、やはり衆議院を通過いたしました修正案に対して決議をすることが最も妥当ではないかと存ずる次第でございます。どうぞ、そういう意味合いにおきまして、われわれ自由民主党の考えておる根拠を御賢察いただきまして、原案賛成をも含めまして、皆さん方の御同意をお願いしてやまない次第でございます。 以上、社会党の修正案に対する反対の発言にいたす次第でございます。
○委員長(相馬助治君) ただいまの北畠君の御意見は修正案反対、衆議院送付案賛成の御意見です。
○岩間正男君 私は、ただいま議題になっておりますこの法案に対しまして、衆議院修正送付案には反対、それから社会党提出の修正案に賛成するものです。 賛成の理由は、わずか総額四億くらいの金です。義務教育費国庫負担をうたっておる。しかも二千万人にわたる関係者、これは小中高校を含めて約二千万にわたるこの次代を背負う子供たうの将来の問題を処理する、これが父兄負担を含めなきゃならぬ、こういうような理由については、これは納得のできないものであります。われわれは社会保障が言われ、それから子供の安全が口にされながら、その内容が実に乏しい。しかも、今まで自然発生的に行なわれたものが一本に統一されるという点は非常によさそうに見えますけれども、この運営の面についても、これは官僚機構のように、この内容が運営の面において非常に問題があると思いますので、私は修正案に賛成、原案に対して反対いたします。
○委員長(相馬助治君) ただいまの岩間君の意見は、社会党修正案に賛成、原案には反対の御意見でございます。 以上をもって討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
○委員長(相馬助治君) 御異議ないと認めます。 まず、討論中に松永君より提出された修正案を問題に供します。 本修正案に賛成の方の挙手を求めます。 〔賛成者挙手]
○委員長(相馬助治君) 少数であります。よって松永君提出の修正案は否決されました。 では原案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を求めます。 〔賛成者挙手〕
○委員長(相馬助治君) 多数でございます。よって本案は、多数をもって原案通り可決すべきものと決定をいたしました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(相馬助治君) 異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(相馬助治君) 次に、幼稚園教員の待遇改善に関し、千葉君から発言を求められております。これを許します。
○千葉千代世君 私はこの際、市町村立幼稚園教員の給与の改善をはかることについて決議案を提出したいと思います。 案文を印刷する時間的な余裕がございませんでしたために、口頭で提案いたしますことを御容赦いただきたいと思います。 決議案 幼稚園教育の実情をみるに、これに従事する教員の給与は、同一資格を有する小学校教員との間に、著しい不均衡がみられる実情である。 従って、この際、政府は義務教育の充実状況をあわせ考慮しつつ、すみやかに実情の調査を進め、その待遇の適正を期するよう努めるべきである。 提案理由を簡単に説明いたします。 現在、市町村立幼稚園の保育料とか、入園料とか、これは全部市町村役場に入りますが、その入りましたものの七割が幼稚園教員の給与に充てられているのが実情でございます。従って、市町村負担の消耗品費等は、園児一人当たりわずかに八円、備品費が十三円でございます。で、そのしわ寄せが父母負担にいきまして、父母負担率がだんだん多くなって、保育料、入園料以外のPTA負担は約五割をこえている現状でございます。そういうような中でございますために、各県の幼稚園教員の身分、待遇等につきましては、非常に幼稚園教員相互の問にも不均衡がございますし、それから小中学校の教員と比較いたしましても非常に差がございます。一例を申し上げますと、五大市だけは幾らかよろしゅうございますけれども、そのほかですというと、小中の学校の教員との給与の比較は全国で平均約二号低いという実情でございます。それから小さい町村でございますというと、これは非常に劣悪な条件でございまして、たとえば二万一千人ぐらいの町の幼稚園でございますというと、勤続年数、十年をこえているのにわずかに六千五百円、資格は小中の教員と同じ短大卒でございます。こういう実情がございますために、長い間一生懸命に幼児教育のために尽していられた方々に対して適正な改善をして、よりよい幼児教育の充実をはかっていきたい、こういう趣旨で提案いたした次第でございます。 どうぞ皆さんの御賛同をお願いいたします。
○委員長(相馬助治君) ただいま千葉君から、各派共同提出にかかる本決議案の趣旨説明がございました。 本決議案に対し、近藤君より賛成の意見を開陳すべき旨の発言があります。発言を許します。
○近藤鶴代君 各派共同提案でございますので、あらためて賛成の言葉を述べる必要もございませんが、ただいまの千葉委員の御提案になりました決議案は、まことに義務教育の充実ということに関しましての適切なる御決議でございますので、心から賛意を表する次第でございます。(拍手)
○委員長(相馬助治君) 他に御発言はございませんか。——ではお諮りいたします。ただいま千葉君から提案されました各派共同提案にかかる本決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を求めます。 〔賛成者挙手]
○委員長(相馬助治君) 全会一致であります。よって、本決議案は全会一致をもって可決されました。 なお、この問題に関し、文部大臣より特に発言を求められております。
○国務大臣(松田竹千代君) ただいま御決議いただきました決議に対しては、政府としてはこれを尊重いたします。
○委員長(相馬助治君) 速記をやめて。 [速記中止〕
○委員長(相馬助治君) 速記を復活して。 本日はこれをもって散会いたします。 午後七時一分散会