文教委員会 第6号
- 発言数
- 211 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1959/12/01
会議録
○委員長(相馬助治君) ただいまより文教委員会を開会いたします。 本日の委員長及び理事打合会の経過について報告いたします。本日は、まず、付託になっておりまする二法案を議題に供します。次に、去る十一月二十七日の安保改定反対第八次統一行動における全学連の行動に関連し、質問の申し出がありましたので、本件は、本日の議事の劈頭にこれを取り上げることにしたいと思います。 なお、幼稚園教員の待遇改善に関し、衆議院文教委員会で決議を行なっておりますが、当委員会としても、何らかの意思決定を行なってはどうかという提案がございます。本件につきましては、理事会において検討してみることにいたしましたが、以上の通り、ただいま申しました各件について取り運ぶことに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(相馬助治君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(相馬助治君) 日本学校安全会法案(衆議院修正送付)を議題に供します。質疑のある方は順次御発言願います。
○北畠教真君 二法案が出ておりますが、衆議院の修正案もあるようでございますし、ところが衆議院の方の御出席がないようでございますので、第一に、政府の原案に関する質問を始めたらどうかと思いますが。
○委員長(相馬助治君) ただいま北畠理事の御発言の通り、いまだ衆議院側から出席がありませんが、間もなく見えられる予定でございます。従いまして、政府原案についてこの際御発言を願うように、政府委員はそろっておりますので、そのように取り運びたいと思います。
○野本品吉君 学校の管理下におきまして起こりますいろいろな児童、生徒等の傷害その他の事故の問題につきましては、従来これを解決処理するための適切な方法がなかったために、父兄と学校の間、あるいは一般社会のものとの間に各種のトラブルと申しますか、起こして、非常に遺憾な点が多々あったわけです。そういう点につきましての、一応の解決の方途としての学校安全会法案が今度提案されたということは、私は子供の幸福のためにも、また教育の問題をめぐりましてのいろいろな紛糾あるいは混乱を起こさないという意味におきましても、大へんけっこうなことだと、こう思っております。そこで、政府の提案されました法案につきまして、一、二の点についてお伺いいたしたいと思います。 この提案の理由の説明の中に、すでに各地方において独自の立場から設置者その他によって学校安全に関する規定と申しますか、仕組みができておる。どの地方に、どんなふうにできているか、どんな内容を持って従来のものが実施されてきておるかということについて、具体的な事例の一、二をあげて御説明を願いたい。
○政府委員(清水康平君) お答えいたします。 最初に学校安全会のような仕事を始めましたのは島根県であったわけです。それは任意的な団体でございまして、そこで学校の教育の管理下において不慮の災害が発生した場合に、父兄あるいはその他の寄付を仰ぎまして、災害に対してこれをやっておったわけでございます。ところが、その後、それは任意団体でありまするので、そういう保険機能的な仕事がはたしていいのかどうかという問題が起こったわけでございます。それで、新しい災害に関する法律ができるまでの間、各県で財団法人を作りまして、そして法律のできるまでの間、今日までそういう学校教育の管理下において発生した災害に対する給付事業をやって参りました県がございます。それは、だたいままで大体二十県になっております。県を申し上げますと、大分、島根、愛知、岐阜、その後静岡、長野、三重、宮崎、福岡、岡山、広島、高知、山梨、富山、兵庫、それからさらに鹿児島、群馬、山口、長崎、神奈川、こういうふうになっております。どれもこれは小学校、中学校、高等学校、幼稚園というものを対象にいたしているのでございます。ただ、二、三の県で、幼稚園が入っておりまする関係上、保育所も入っているところがございます。これらの何々県学校安全会の事務所は、ほとんどがそれぞれの県の教育委員会事務局の中に置いているようでございます。事業といたしましては、災害が発生しないように、学校安全という立場から、学校安全に関する普及啓発の仕事をやりますほかに、これらの児童、生徒の学校の管理下における災害に関していろいろな援助をやっているわけでございます。これらは財団法人でございますので、役員が置かれておりまするけれども、大部分これは非常勤の方でやっております。専任の人はわずか一人か二人でございます。それで、職員はどの程度やっておりますかというと、県によっても違いますが、大体二、三人程度で処理いたしております。それに対しましては、事務局がそこにあります関係もあり、各県の教育委員会も非常に大きな関心を持っておりまするので、大体のところ教育委員会の学校保健課という課がございますが、そこの協力を受けております。それで災害共済給付に要する資金の関係はどうなっているかと申し上げますと、どれも一般の有志から寄付によって、大体保護者がその中に入っているわけでございますが、寄付によって調達いたしているのが実情のようでございます。 大体以上でございます。
○委員長(相馬助治君) ただいま衆議院文教委員長大平正芳君が出席されましたので、修正分についても御質疑をお願いします。
○野本品吉君 次にお伺いしたいと思いますことは、今二十の県でそれぞれの形で学校安全のための仕事をやっており、給付その他について最高、最低と申しますか、そういうようなことはわかっておりますか。わかっておりましたら一つ……。
○政府委員(清水康平君) 事業は、学校教育の管理下における災害、すなわち児童、生徒の疾病、負傷、廃疾、あるいは死亡というようなこれらの災害に対しまして共済給付事業を行なっておるのでございますが、疾病、負傷に対する医療費の問題は、大体のところ健康保険でありまするとか、国民健康保険、その他の社会保険で半分は救われるわけです、扶養者でございますから。あとの半分を、これを見ておるところが多いようでございます。それから死亡した場合の何と申しますか、見舞金というようなものは、これは県によって違いまするけれども、一、二県は死亡の場合は、最高十万円まで出しているようでございます。少ないところは、四、五万、六万、七万というようなことに相なっております。
○野本品吉君 先ほど伺いますと、その金の出し方が寄付という形で行なわれておると、そういうことになりますというと、寄付金の増減によって給付の額、これが変わってきて、安定性を欠くんじゃないかという感じがしますが、その点はどうですか。
○政府委員(清水康平君) 実際におきましては、これはPTAが中心となりまして、小学校は小学校、中学は中学というふうに学校別に寄付目標額を設けております。それで、寄付目標額はどうして設けるかというと、大体その県の統計をとりまして、災害共済給付事業に要する金額はどのくらい要るだろうかという目標額をきめまして、そうして保護者、その他からの寄付でまかなっていくという実情でございます。
○野本品吉君 そういう地方の今までやっておりました給付の内容と、今度提案されました法案による給付の内容とは、どういう関係になっておりますか。どちらがよくなっておるか。
○政府委員(清水康平君) 大体地方でやっておりまする、現在の財団法人がやっておりまする災害共済給付の線に沿うております。たとえば今度の法案におきまする災害給付事業の種類といたしましては、医療費と、それから死亡見舞金、廃疾見舞金というふうに分かれておるわけでございますが、医療費につきましては、社会保険損害賠償というものを除いた他の半分を見るということにいたしております。それから廃疾見舞金、これは県によっても高くなったり、低くなったりいたしますが、最高これの案といたしましては十万、それから廃疾の程度によりまして十万から下がってくるということになっておりますが、死亡見舞金につきましては、十万円ということを考えております。それでそれぞれ県で、二十県で金を寄付、その他によって集めておりますので、その金額は現在のところ、県によっても違いまするけれども、大体小学校は二十円か二十五円程度が多いようでございます。掛金といいますかその点はこれは全国一律になりまするので、給付内容、それから掛金というようなものは全国的に統一されておるわけでございます。それから現在都道府県にありまする二十の学校安全会と、災害共済給付事業という点においては同一でございますが、性質が違う点のおもな点を出し上げまするというと、現在ありまする財団法人は、いわゆる何と申しますか、私法人と申しますか、民間の団体でありますが、この案にありまする日本学校安全会は特殊法人であるばかりでなく、現在あります地方の学校安全会は、大体父兄と財団法人との契約によって給付していくものが多いのでございます。もちろん、その同学校も介入というか、お手伝いしておりまするけれども、まとめてあるいはその契約もかわってやるというような実情が多いようでございますが、この法案の趣旨は、学校の管理下において発生する災害は、これは大部分は不可抗力と申しますか、不慮の災害でございます。多くの児童、生徒を収容しておりまする学校の立場としては、たとえそこの災害が不慮の災害であってみても、親の立場はもちろん、設置者の立場から申しますと非常に大きな責任と申しますか、重大関心を持っているわけでございまして、そういう教育的な配慮からこの契約の責任者と申しますか、契約の当事者は、設置者ということに相なっております。それと同時に、設置者は契約金の掛金の全額を設置者側の責任において特殊法人である日本学校安全会に全部これをかける、そして掛金の相当部分は原則として設置者がこれを持つということが、現在地方で行なわれている財団法人と性格においては根本的に違うことじゃないかと思っている次第でございます。
○野本品吉君 そこで、すでに設置されております財団法人としての地方の学校安全会と、今度の安全会法による安全会との移行の場合における権利義務の問題ですね、それはどういう形で引き継がれるのですか。
○政府委員(清水康平君) 先ほどちょっと申し上げたわけでございますが、現在地方にあります財団法人は、一日も早くこのような法案のできることを鶴首待望いたしているような次第でございますが、その間財団法人でやっているような次第でございます。それで、もしこれができました暁においては、それぞれの財団法人の寄付行為を見ますというと、理事、評議員、その他の人が集まりまして、大体四分の三でございましたかによって解散を決議するわけでございます。それで残余財産というものがあるわけでございますが、その残余財産は類似のあれに寄付するというふうに規定されております。しかし、私どもといたしましては、それぞれの県にあった残余財産がかりに、これは発展的解消をしてくるわけでございますが、残余財産があった場合の処分は、私どもの考えといたしましては、本部に寄付していただくよりも、たとえば木部に寄付していただいても、その金は、各県の支部ができますので、その支部でもって最も有効に使われるのが最もいいのじゃないだろうかと思っている次第でございます。
○野本品吉君 この法律の実施の途上において、これは非常に善意のもとにできている法案ですから、問題はあるまいと思いますが、運用の上において一番問題として起こりやすいのは、学校の管理下という解釈の問題、この解釈のいかんによりましては、父兄と当事者との間に見解の相違を来たして何やら物議が起こるのじゃないかということが心配されるわけです。そこで、学校の管理下ということについてはよほどしっかりした考え方をもって臨まないというといけない、その点について一応の説明は先般形式的には伺っておりまするが、文部省で考えております学校の管理下というのはどういう場合を言うのだか、これはやや具体的にあなた方が想定しておることのあらゆる場合を御説明願いたい。
○政府委員(清水康平君) それはこの十九条の第二項に「前項の学校の管理下における児童及び生徒の災害の範囲については、制令で定める。」その学校の管理下は何かという問題でございますが、このことは政令で定める予定でございますが、この内容は関係各省とも折衝いたしておりますし、現在私どもで考えておりますのは、大体こういうふうに考えております。まず第一に、これは申し上げるまでもないことでございますが、学校教育の実施中、これはだれが見ても学校教育の管理下でございます。しかし、学校教育あるいは教育課程、教育課程と申しましても御承知のごとく各教科があり、あるいは道徳教育というようなものの授業時間中は申すまでもありませず、それから特活——特別教育活動、それから学校行事等の実施中をさしております。学校行事等の実施中でありまするから修学旅行でありまするとか、学校給食でありますとか、学芸会、運動会、そういうような、あるいは健康診断というものが当然教育課程の実施中であります。それからその次は学校の休憩時間中であります。形式的に申しまするというと、学校の休憩時間中は学校教育課程の中には入っていないようでございますが、過去二、三年にわたりまして全国的な統計を調べてみまするというと、この学校の休憩時間中の災害が非常に多いのでございます。そういうことから考えますと、どうしても学校の休憩時間中を入れなければいかぬと思っているわけであります。それから学校によりましょうが、特に小学校などは授業が始まる前、授業が終わってから——早く学校に行き、それから授業が終わっても学校にある程度おるわけでございます。朝、学校が九時に始まるのに朝五時ごろから行っても困りましょうけれども、授業の開始前あるいは終了後における在校中で、その学校の在校につきまして校長が一般的に承認している時間中に発生したものでございます。この場合には学校教育の管理下ということにいたしたいと思っております。それからもう一つは、これも非常に災害が多いのでございますが、学校へ登校する場合、授業が終わって学校から帰る場合、通常通る径路でもって災害が発生した場合、これも学校教育の管理下に入る予定でおります。申すまでもなく以上のような教育計画上の教育、何といいますか、拘束する時間に発生する場合とか、あるいはその他学校教育に関連するものも教育時間に入れたいというのが私ども考えておりまする学校教育の管理下というふうに思っておる次第でございます。
○吉江勝保君 ちょっと関連して。今その管理下という説明がだいぶあったようですが、この管理下に関連しまして義務教育諸学校等の管理下というのは第一条の目的で出てくるのですね。この義務教育諸学校等の等というのはほかにはどういうものを予定するのですか。
○政府委員(清水康平君) この義務教育諸学校等の等の中には高等学校、幼稚園を考えております。先般の衆議院の修正を見ますと、その中には保育所が入っておるというふうに解釈していいと思います。
○吉江勝保君 そうすると、今あげられたその三つを大体予定するのですか。
○政府委員(清水康平君) はい。
○吉江勝保君 そうすると、高等学校と幼稚園と保育所と、あとはもう義務教育諸学校、そのほかのものはもうないのですか。
○政府委員(清水康平君) それ以外のことは考えておりません。
○野本品吉君 私は衆議院から参りました修正案について一点お伺いいたしたいと思います。 その一つは、十八条の保育所の災害共済給付の問題です。この安全会法の精神を保育所にまで拡大して、これを適用しようとする気持は十分わかっております。ただ問題は、私が申し上げるまでもなく、保育所は厚生省の所管に属しております。そこで、安全会法の点においては義務教育諸学校その他の学校と同じように扱うが、他の点については保育所と幼稚園の扱いというものは相当違っております。そこで、その点について厚生省と文部省との間に話し合いもできておるんだとは思いますが、衆議院の方では厚生省と文部省との話し合いをどのようにおつけになっておられるか、その点を一点お伺いしたいと思います。
○衆議院議員(大平正芳君) 所管外の問題でございますから、政府の御決定に待つということにいたしたいと思います。
○岩間正男君 議事進行について。この法案を審議するに当たってできるだけ資料を出していただいた方が早いのじゃないかと思います。ただいまの質疑を聞いておりまして、実は資料を出してもらえばずいぶん助かることがあると思います。一々やったら大へんです。第一に傷害、疾病、廃疾、死亡、こういうものは全国でどれくらい年間起こっているのか、これは大体ここ三、四十年の統計があると思います。こういうものが出されることが必要だと思う。それから、それに対してこれをまかなっていくとすれば財政的にどうなるのか、どれくらいの大体めどをつけなくちゃならないのか、そういうものは見当がついていると思いますが、国庫からどれだけ出ているのか、それから一般の負担はどういうふうになるのか、こういう問題はいろいろ政令なんかできまると思いますが、その内容というものがもう少し明らかになることが必要だと思います。 それから、先ほど野本委員からも質問がありましたけれども、現行はどうなっているのか、二十県というお話がありましたね、これについていろいろの形があるだろうと思いますが、こういうものについても現状について教えていただく。そのほか必要な資料を出してもらって、われわれがそれを事前に見ておけば、一々ここで質問しなくてもだいぶわかるのじゃないかと思いますので、こういう準備はあるのですか。ことに私がお伺いしたいのは災害の現在数ですね、最近の統計、そうしてこれがどういうふうに増加の傾向にあるのか、縮小の傾向にあるのか。これは大体年間の計画というものを立てなければならぬ。それに対する財政的な裏づけの問題、この問題が一番私はこの法案を審議する上に必要な問題だと思うので、この点特にはっきりした形で出していただきたい。こう思うのですが、どうでしょうか。委員長から……。
○豊瀬禎一君 関連して。たとえば先ほどの説明の中で、都道府県の幾つかの例があったのですが、それぞれの県あるいは町村において掛金がどうなっているか、あるいは市町村がどれだけ負担しているか、詳細な一覧表なり、設置された後にどの程度の給付が行なわれたか、あるいはきのうもちょっと尋ねてみたのですが、大体資料があるようですが、全国の、いわゆるあなたが先ほど申された管理下における少なくとも義務教育なら義務教育における傷害ですね、あるいはそれから管理下でなくっても学校教育の影響のもとに起こった疾病というものがどういう程度に出てきておるか、こういった具体的な、口頭説明でなくて、資料の提出をやっていただきたいと思うんです。
○北畠教真君 関連。ただいま資料の要求がたくさん出ておるようでありますが、この法案の運営をやります政令というものが、すでにもう原案ができておるんじゃないかと思うのでありますが、もしも政令の原案ができておるということであれば、お持ち願えれば非常に万全を期し得るんじゃないか、こういうふうに考えておるんですが、どうでございましょうか、一つお答えを願います。
○千葉千代世君 今資料の要求がございましたけれども、もう一つ追加していただきたいのは、現在まあ東京でございますと各区なら区に保健費というのがございますね、その保健費の使い道を聞いてみましたところが、区によって大へんまちまちであるということで、まあ材料費とか、薬品とかを買ってしまうというとほとんど治療費なんかに渡っていないと、その治療費はだれが持つかというと、PTAが非常に負担している。全国的に一億幾らあるということも聞いたわけですが、しかし、これは詳しく資料を調べたわけでございませんので、できましたらばその資料をいただきたいと思います。都会地の学校と、それから山間僻地の学校、一、二校でけっこうでございますが、昨年度学校保健費を公費支弁した分の使い道ですね。それはすぐわかるんじゃないかと思います。
○政府委員(清水康平君) 先ほど保育所の問題がございましたが、この法案を作ります際に、初めにちょっと申し上げたのでございますが、各県で二、三保育所も扱っていると思うと申し上げたんですが、それで保育所の問題は今度最初の案として入れるか入れないかということについていろいろ審議したわけでございます。ところが、学校の教育の管理下における災害ということが頭に入っておりまして、しかも学校教育の管理下、すなわち学校教育法、それから保育所は根っこが児童福祉法、根拠とあれが違う。しかし、われわれの立場からいえば保育所も幼稚園も実質的に大して違わない、入れようかという感じが一致したとまあ考えておったわけでございますが、文部省提案としては一まず落としておったわけでございます。その点につきまして、衆議院からやはり実体的な面から入れるべしという御修正を受けたのでございますが、その前、厚生省の方から連絡がございまして、これは厚生省でやるべきことかもしれぬが、一つこの中に入れてもらえないだろうかということが私の方にも連絡があり、おそらく修正せられた衆議院の方からも連絡があったのじゃないかと思っております。従いまして文部省といたしましては、保育所が附則の第十一条に入るということについては少しも異存はないわけでございます。 それから資料の問題でございますが、最初に岩間先生からも災害率でありまするとか、それからいろいろございましたが、これも一応資料整ってございます。ただ、そこでちょっと申し上げたいのでございますが、昭和三十一年、二年、三年というふうに調査いたしたわけです。それで義務教育諸学校に例をとりまするというと、大体年間を通じまして〇・八三%くらいが医療費その他どうしても給付しなければならぬという統計が出てきております。従いまして千八百万といたしまして十五万ばかりというものが年にどうしても医療給付しなければならぬものとして出てきております。 それからこれは三十一年の調査でございますが、学校教育の管理下において児童、生徒が死亡した数は二百二十六人の数に達しております。
○委員長(相馬助治君) 答弁中ですが、資料の要求があったのでして、質疑じゃないのですから。
○政府委員(清水康平君) はい、失礼いたしました。そういう資料を作りましたので、中にはできてないものもありますので、できるだけ早く作って御提出申し上げます。(「政令の方は」と呼ぶ者あり) 政令のものも検討いたしまして、政令案そのものはできておりませんけれども、政令の考え方はもちろんございますので出したいと思います。
○委員長(相馬助治君) 諸委員から要求のあった資料については、できるだけ提出して下さい。それから衆議院の審議過程で、衆議院の文教委員会から要求されて出した資料があると思いますが、参考のためにそれらのものも添えて出してくれるように努力して下さ
○吉江勝保君 関連して。私のはごく簡単で、先ほど言ったのですが、もう一度。「義務教育諸学校等」のことなんですが、衆議院で保育所をこの等の中に含ますという解釈をされたようですが、「義務教育諸学校等」という、この等の普通の使い方だと、やはり学校関係の同じものをずっとあげて、そうしてそれを等でしぼる、しぼるというか、まとめるならわかるのですが、厚生省関係の保育所というものを「義務教育諸学校等」の等の中に入るというように衆議院で御解釈になった、その御解釈を一つお聞かせ願いたいのです。
○委員長(相馬助治君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(相馬助治君) 速記をつけて。
○政府委員(清水康平君) 今、吉江先生からの、第一条の「義務教育諸学校等」のお話がございましたが、この等は幼稚園、高等学校をさしております。それで保育所の問題は、この本則の方にはありませんので、附則として当分の間十一条として入っておりますので、この等の中には保育所は入らないわけでございます。先ほど私ああいうことを申しましたが、これは間違いでございますので、まことによけいなことを申しまして、まことに失礼いたしました。取り消します。
○大谷贇雄君 関連して。今の等の話ですが、私立の学校、私立の幼稚園等はこの中に入っていますか、この点お尋ねします。
○政府委員(清水康平君) もちろんこの法案の対象は私立学校も、国立学校も入りますが、この場合の等は、先ほど申しました通り幼稚園と高等学校、私立学校も義務教育は諸学校の中に入ります。
○野本品吉君 もう一つ、私が保育所の問題についてお伺いしておったのは、大体学校の方、つまり義務教育の諸学校を中心とした学校の方は、設置者というものは市町村長であり、あるいは府県知事、府県であるわけですね、それで保育所の設置者というものは必ずしもそうではないと思う。その点をどういうふうに考えられているか。保育所はすべて市町村の設置であるとはいえないと思います。
○政府委員(清水康平君) 私の了解するところにおきましては、保育所はいろいろの設置主体があるやに承っております。公立のものもありましょうし、それから普通の法人のものもありますし、私立のものもありますが、それはちょうど幼稚園に国立のものもあれば私立のものもある、それから公立のものがあるというのと同じじゃないかと私は考えております。
○野本品吉君 今の点ですね。保育所はまあむろん市町村で建てている場合もありますし、あるいは農業協同組合等で建てている場合もある。その他の私人で建てているものもある。この場合に、この法律で一様に義務教育の諸学校と同じようにそれらの団体設置者を扱うことはできるか、また扱われることに何の不安はないかという点でありますが、文部省はどう考えていますか。
○政府委員(清水康平君) 御承知のごとく、この法案は設置者が保護者その他の者の同意を得て日本学校安全会と契約をいたすわけであります。私どもにいたしましても、なるべく多くの設置者が入ることを期待いたしておるわけでありますが、その辺保育所は、もちろん幼稚園も同じでございまするけれども、設置者と、それから学校といいますか、幼稚園、その父兄ですね、保護者その他政令で定める者の意思が一緒になりましてやっていかなければならないと思っているわけです。ただ、おっしゃる通り保育所は、もちろん幼稚園もそうでございまするけれども、非常に事務的にこれを処理するのは繁雑でございまするけれども、繁雑と言っちゃ語弊があるかもしれませんが、これはやはり事務的には整備していなければいけないと思って、今からこれは準備をいたしておるような次第であります。
○野本品吉君 今の点については、保育所までも含めて児童の安全を期するという考え方についてはもう全面的に私は賛成なんですが、実際の仕事を進めていく上においてはいろいろと問題があろうと思う。それらの点については十分お考えの上で手落ちのないように、またせっかく学校安全の考え方について途中でそごを来たさないように十分の御注意を願いたいということを申し上げて私は終わります。
○豊瀬禎一君 この法の建前と申しますか、精神というか、これについて大臣にお尋ねしたいのですが、大臣が御承知のように憲法第二十六条に「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。」こう規定してあるわけでございます。この二十六条の建前からいたしましても、また先回の教育白書の論議の際にも大臣に質問し、また意見を申し上げましたように、日本の教育は父兄負担の額というのが非常に膨大であるというよりも、むしろ戦後の教育というものは父兄の一方的な責任において幸うじて維持されてきたと言っても過言でないと思います。もちろん現在の傷害、疾病に対する学校予算の範囲内におけるこれの治療というものはきわめて不十分な状況にあることは論を待たないところでありまして、それから見ますと、この法律というものは一歩進んだ案であるということは否定できないと思いますが、これだけ画期的な立法をしようとする際に、なぜ大臣としては憲法二十六条の建前にのっとって、少なくとも国または地方自治体が、この金を完全に負担するような趣旨に立ってこれを作成しなかったか、この点について大臣の見解を聞きたい。
○国務大臣(松田竹千代君) お話のように、憲法の条章に基づいて義務教育はできるだけこれは父兄の負担を軽減し、国が主として国の負担においてその義務教育を果たしていかなければならぬということは、まさに私どももお話のように考えておるわけであります。ところで、今日、父兄の負担が膨大な額に上っておるということも承知いたしておりまするが、その中には、むろんとうていそこまではいけないものもあろうかと考えております。しかし趣旨においては、お話のようにできる限り将来の方針としては、国の負担において義務教育はやっていかなければならぬ、かように考えておるわけであります。
○豊瀬禎一君 大臣の言葉じりをとらえるわけではないのですけれども、できるだけ義務教育は国家が国庫で負担した方がよろしい、憲法にはできるだけとは書いてありません。「義務を負ふ。」「義務教育は、これを無償とする。と明確に規定しておるわけです。この憲法二十六条の精神というものは、教育に対する国の責任の中で最も重要な責任であると思うのです。ところが、このごろの文部省の教育行政のあり方を見てみますと、こうした憲法の建前の方は策二義的に取り扱われて、管理規則であるとか、あるいは勤評であるとか、その他の教育の根本を貫く法の精神というものからはるかに遠い末梢法規の順守というような点について、非常に執拗なまでに熱心に進められております。このことは教育白書の中に随所に現われております。日本の教育に対する国の責任の放棄というデータとなって現われておるのですが、精神に賛成するということでなくして、せっかくこれだけの立法をするならば、やはりこの際文部大臣は従来の文部官僚の行きがかり、基本観念に拘泥せずして、政党大臣としてのはっきりした立場に立ってもう一度これを、父兄負担の問題を国庫で、ないしは市町村で、この二十六条の精神は当然私は国庫負担を意味していると思うのですが、これに立ち返るだけの決意がないか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(松田竹千代君) お話の点につきましては、むろんその基本観念においては全く同様の考え方を持っております。しかし、今日一気にすべての義務教育費用を国庫で負担していくということは、いかなる決意を持っておりましても、一気にこれを成就するということは至難であると考えるわけであります。しかし、さればといって基本観念においては少しも後退をしておるわけではないのであります。
○豊瀬禎一君 文部省の五カ年計画ですか、これは大体三十八年だったと思うのですが、間違っておるのかもしれませんが、そうすると、一気にできないとすれば、三十八年度を一応目途とする五カ年計画の中で、今大臣が基本観念として持っておるという趣旨を三十八年までの間にどういうふうに具体的にこの法案に関して実現しようとする計画を持っておられるかをお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(松田竹千代君) 方針といたしましては、漸次、漸を追うて父兄の負担を軽減するようにしていきたい。従って、あるいはそれは末梢的だとおっしゃるかもしれませんけれども、PTAの負担のごときものに対しても、明年度の予算にこれを軽減していく方途をもって予算を要求いたしておるような次第であります。
○委員長(相馬助治君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止]
○委員長(相馬助治君) 速記を始めて下さい。
○豊瀬禎一君 大体大臣のただいまの御答弁で、心がまえは、ある程度出てきたと思いますけれども、先ほどから具体的に聞いております点を、もう一度確かめておきたいと思うんです。やはり文部省の文教五カ年計画というのは、これは一つの明らかな見通しを立てられたものであると思う。そうしてこれを貫くものは、個々の施策の問題ということでなくて、少なくとも教育に関して、憲法の条章の中に明らかに規定されておる大原則については、三十八年度までには完成するということが骨子でない限り意味がないと思います。 そこで、もう一度大臣にお尋ねしたいのは、少なくとも来年あるいは再来年どうするという具体案はないとするならば、三十八年までには、この安全会法の内容は明確に憲法二十六条に規定される、「義務教育は、これを無償とする。」という精神にのっとって国庫で負担されるように実現できるというお約束ができると思いますが、その点はいかがですか。
○国務大臣(松田竹千代君) 五カ年計画は、もとより文部省といたしましては予算要求に当たりましても、これは計画の明確なる線に沿って、最も最重点的な意向をもって臨んでおる次第でありまして、従って、計画通りあくまでも遂行いたしていくという考えを持ってやっておる次第であります。
○豊瀬禎一君 私が同じことを何度もお聞きしておるのは、そういう抽象的な御答弁じゃなくして、ただいまの議題は、日本学校安全会法案の審議中でありますので、この法案につきまして、父兄負担を排除して、国庫負担にする、年度は三十八年度で完成するということが、先ほどの大臣の御答弁からしまして、精神においては私の趣旨に賛成しておられますので、予算上これを実現するとお約束できますかということをお開きしておるのであります。だから、約束できるとお答え願えれば、それでけっこうであります。
○国務大臣(松田竹千代君) 予定通りの方針をもって行きまするならば、五ヵ年計画を遂行するということはできると思っております。安全会法の問題につきましては、それと同じような方針をもって進んでおる次第であります。
○豊瀬禎一君 よくわかりました。
○千葉千代世君 関連して。この間の自民党の修正案の中に、現在、学校安全会の費用を市なり、あるいは地方で負担して、父兄から取っていない所がある、その所はこのままにしておく、しかし将来は父兄負担への道を考えていく、というようなことがございましたね。私どもは無償にしたいという考えであります。そうすると、今文部大臣のおっしゃったのは、五ヵ年計画の内容の中で父兄負担をなくしていくという方向にやっていくというようにとってよろしゅうございますか。それでは、自民党の修正案の説明とは違いますが、いかがでしょうか。これは非常に大事な問題で、具体的にいえば、学校安全会法案が今のこの中で児童一人当たり十何円を取る、こうなりますね。しかし、将来はなくしていきたいという方向にいくのだ、今地方で支弁して、将来は父兄に払わせていくようにしようというふうな分かれ道になりますが、食い違いはございませんか。
○衆議院議員(大平正芳君) この法案の構造、性格は共済給付、共済保険費が主組みになっております。それで、今、先生がおっしゃったような御意見が衆議院でも出て参ったようでございまして、もしそういたしますると、学校安全会法案全体をもう一ぺんやり直さなければならぬということになるわけでございます。それで今の段階といたしましては、私どもの態度は学校安全会法案の構造全体を変えるわけに、施行を急いでおりますから、いかない、この骨格は保持していきたい。従って衆議院の方の修正の趣旨は、しかしながら、現在市町村当局の方で全額を負担しておるような、それをどうするのだという問題が出て参りましたので、この法案の構造からいうと、実は変則でございますけれども、現状はそのまま認めるということにして、将来の問題といたしましてはおっしゃるようなことを、そういう性格を持たそうとすれば、この法律をもう一ぺんやり直さなければいかぬということに相なると思うのです。そこでとりあえず、施行も急いでおることだし、現状は市町村で負担しておる現状まで改変するのは無理だから、一応これだけは認めよう、将来の推移に待っておっしゃるようなことにするのか、それとも今この法案の原則の線でいくのか、そのあたりはまだ見きわめがつかないわけでございます。当分は現状を認めるという妥協をいたしたわけでございます。あるいは文部大臣の言われたことと食い違うかもしれませんけれども、私はそういう気持でおります。
○千葉千代世君 ちょうど昭和三十年だったと思いますが、二十二国会で児童災害補償法というのが議員提案で出されておる。その骨子とするのは、先ほど豊瀬委員からおっしゃったように、義務教育の全額国庫負担の線にのっとって全額を父兄負担でなくする、これが骨子であったために、その後国会で大体八回ぐらい開かれておったと思いますが、ずっと継続審議になっており、難航したもとというのは国庫負担の問題であったわけです。今回出されました学校安全会法の内容の中で将来全額国が負担するという方向の道が一つもここに盛られておりません。その点非常に私問題だと思うわけです。今おっしゃいました衆議院の方の御説明の中に、将来についてはまだこれからの問題だとおっしゃっているわけです。見通しは全然ないわけですか。その点、大臣、どうなんでございましょうか。
○国務大臣(松田竹千代君) この学校安全会法は設置者の自由意思によって児童の災害の場合に一定の金を給付するという建前であって、その基本的な考え方というものは、やはり児童の災害というものを、できるだけ将来なくしていこうというところにあると考えるわけであります。そうして、設置者の自由意思に基づいて特殊法人として発足する、設立したのであります。しかし、これは先ほど申し上げた学校及び義務教育五カ年計画とは全く別個のものであって、しかし、できる限りいずれも義務教育関係のものでありまするから、将来はできる限り憲法の趣旨にうたわれているところを体して、漸次父兄の負担を軽減していきたいという方針でもって進んでおるということを申し上げたいと思います。
○豊瀬禎一君 衆議院におきます自民党文教委員の多数の意向にもかかわらず、大臣が将来におきまして、しかも三十八年度を目途にして、この児童の傷害の費用を国庫負担するという自信と決意を持っておられることに対しまして心から敬意を表しますとともに、三十八年度まででなくして、もっと早くこれを実現していただくように要望いたします。 なお、局長にお尋ねしたいのですが、これは少なくとも第十八条の二によるところの管理下におけるこれらの災害については、完全治療を目途としておられますか。
○政府委員(清水康平君) 管理下において発生いたしました疾病、負傷の問題につきましては、医療費を出すわけでございます。その出し方は健康保険法、あるいは国民健康保険法の支給基準によるわけでございます。それによって治療を促進するということでございます。
○荒木正三郎君 ちょっとあんたの問題に関連して一言だけ確かめておきたいのですが、大臣は五カ年計画で、父兄の負担を全部なくしたいのだ、こういうことを言われたのですね。
○国務大臣(松田竹千代君) そういうことを言ってない、漸次その方向に……。
○荒木正三郎君 豊瀬君の質問に対して、五カ年計画で父兄の負担をなくしたい、そういう方向に進むのだとおっしゃったのですね、そうじゃないですか。
○国務大臣(松田竹千代君) 豊瀬さんが今おっしゃった言葉に、私は三十八年度までに父兄負担を全部なくしてしまうというお約束を申したようにおっしゃいましたけれども、それは私は先ほどから申したことは、そういう具体的に三十八年度を期して全部父兄の負担をなくしてしまうというようなお約束を申し上げておるわけじゃないのです。漸次この義務教育に対しては、父兄の負担を軽減していきたいという方向をもって進んでおるということを申し上げたのです。
○荒木正三郎君 これは明確にしておきたいと思うのですがね。豊瀬委員の質問は学校安全会法について質問があった。そして父兄の負担、これが主になっている。それをどうするかというふうにおっしゃるのですが、大臣は漸次減らしていこうとおっしゃるのですが、今質問したら、全部なくするという答弁はしていない、抽象的に憲法二十六条の答弁だけに終わって、安全会法についての質問に対する答弁はなかったのですが、私は安全会法の質問について、父兄負担をなくしていきたい、こういう答弁のように聞いたので、確かめておきたいと思って質問したのですが。
○国務大臣(松田竹千代君) 私はこの安全会法の問題に対しましては、これはこの法案にうたってありまするように、設置者の自由意思に基づいて特殊法人として発足しておるので、この点もこの義務教育に関係するところが多いのでありまするから、これも漸次父兄の負担はなるべく軽減していくような方針で進みたいということを申し上げたのです。
○荒木正三郎君 裏を返していえば、あるいは国庫、あるいは市町村、あるいは設置者、そういう人が負担をだんだん肩がわりをしていく、そういう方針でもって進めていきたい、こういうことですか。
○国務大臣(松田竹千代君) 義務教育関係に対しては、できるだけ憲法二十六条の趣旨を体して進んでいきたい、かように考えております。
○荒木正三郎君 それでは今のなには、文部大臣の個人の気持を言っておられるのか、政府としての方針であるのか明確にしておいてもらわぬと、法案の審議に重大な関係がありますから、これは政府の方針として聞いてよろしいですか。
○国務大臣(松田竹千代君) 政府の方針としてそう聞いていただいてけっこうです。
○豊瀬禎一君 少し晴後曇りになったような御答弁ですが、漸次というのは、大体せっかくりきんで五カ年間の文教政策を立てられたので、私は三十八年というのを政府の文教確立の一つの重大な目途と理解しておったのですが、その三十八年という目途とは完全に別個に漸次ということですか。言いかえますると、五カ年計画とは全く切り離して漸次という意味ですか。
○国務大臣(松田竹千代君) 五ヵ年計画に対しては、三十八年度を目途として現在の計画をその通りできるだけ遂行していこうという考えであります。
○豊瀬禎一君 こちらは……。
○国務大臣(松田竹千代君) こちらに対しても、義務教育国庫負担の趣旨にのっとって漸次父兄の負担を軽減していきたいという方針で参っております。
○豊瀬禎一君 もう一度だけこの問題について質問しておきたいと思います。大体漸次という言葉は、よく善意に了解しますと間もなくということになるし、政治答弁としては非常に長年月になる危険性がありますが、少なくとも大臣はこの法案を作成するに当たって、憲法違反の疑いがある基本綱領に対して、漸次というのをどのくらいのおよその年限の中に今言われた趣旨に改正しようとする見通し、決意を持っておられますか。
○国務大臣(松田竹千代君) 漸次ということは漸次でありまして、そうお答えすること以外には私は頭にはありません。何年後には漸次が済んでしまうというような考えは私にはありません。ただ義務教育と申しましても、教員の養成もありますし、直接の義務教育の関係でないその他の学校の関係もありますし、教育全体を推し進めていくという上において、やはりすべて国庫の負担が漸次ふえていくようにして、やがてわが国の国民所得も増大し、そして教育に一そうの国費を充当することができるようになるならば、私は完全な義務教育の国庫負担が達成できるものと考えておる次第であります。
○豊瀬禎一君 松田大臣にしては近ごろ珍しい不誠意な答弁をなすったようですが、一回ぎりという約束を取り消して質問を続行します。 あなたは大臣だから、少なくとも二十六条に違反するという用語が不適切であるとするならば、この精神に好ましくない法律を作っておきながら、少なくとも二十六条に合致するような方向にいつまでにこれを改正していこうという目鼻を持たないということは、きわめて大臣として不誠意である、少なくとも文教政策については五ヵ年計画というのを持っておられる、そして二十六条の精神に好ましくない安全会法の立法について、いつ好ましい方向に向けるということが、漸次は漸次だとは何事ですか、……待ちなさい、僕は、質問中だ。
○国務大臣(松田竹千代君) よろしい。
○豊瀬禎一君 漸次というのは、これは日本語の不明瞭な言葉であって、少なくとも二、三年後には、四、五年後にはとかいうあなたの見解があるはずです。その点もないならない、あるのならば私は漸次という言葉は不明確だからはっきりしてほしいと言ったのだから、その点をもう一度明確に答弁してほしい。
○国務大臣(松田竹千代君) 私は繰り返して申しますけれども、漸次御趣意のあるようなところに向って進んで参りたい、四、五年というようなことを明確に私は申し上げないところに私の誠意のこもっておることを御了承願います。
○豊瀬禎一君 大体きわめて誠意のないことが明らかになりましたので、次に局長にお尋ねします。 先ほど大平さんの御答弁の中にもあったのですが、現地市町村で負担しているものはそのままにしておられるようですが、少なくとも漸次、大臣の誠意というのが信用できるとすれば、国庫負担に持っていくということが原則ではあるけれども、父兄に負担させないという点からすれば、市町村ないしは県で負担するということも、過程の措置としては、必ずしも否定する必要はないと思う。またそういう精神があったから、現在やっているところはそのままにされたのだろうと思うのですが、これらの方式を抑制していく考えですか、それとも助長していく考えですか。
○政府委員(清水康平君) 現在あります地方の掛金の集め方はいろいろありますが、大部分は父兄その他から寄付金の目標額を作って集めております。ただ例外と申しますか、数は非常に少ないのですが、山口県とそれから兵庫の一部に設置者が掛金の全部を持っているところがございます。それが対象となりまして、附則の十条が出たと了解いたしておる次第であります。最初に私御説明申し上げました通り、この日本学校安全会の、教育的な配慮の一つとして生まれたことは、日本学校安全会に対して、設置者が責任をもって契約の当事者になり、そうして全額を設置者が払い込むということは、それからその掛金の払い込んだ、全額を払い込むのは設置者でありますが、その払い込み掛金の相当部分は設置者が持ち、一部分は父兄、保護者に持ってもらう、ただし現状今申しましたような山口、兵庫につきましては、附則十条でそれは現状を認めている。それで問題は、第二十条の三項の問題になるかと思うのでございます。「政令で定める範囲内で当該学校の設置者の定める額を徴収する。」ということに相なっているわけでありますが、そこでもってどういうふうに政令で定めるかという問題になろうかと思うわけでございます。この点につきましては、この政令の定め方もございますが、学校教育の管理下における不慮の災害、この原因のいかんを問わず、これは設置者として重大な責任を持つものでありますから、相当部分設置者が持って、なるべく少ない部分を保護者その他が持つようにいたしたいと思っている次第ございます。
○豊瀬禎一君 局長、僕はお尋ねしておった趣旨は法案の……。
○政府委員(清水康平君) 違いましたか。
○豊瀬禎一君 いや、そう大して違っておりませんが、この法案の内容ではなくて、市町村負担ですね。市町村の負担の方を将来精神として育成していくつもりですかということを聞いている。
○政府委員(清水康平君) ただいまのお話でございますが、この学校教育の管理下における発生という重大な趣旨にかんがみまして、行政上の問題といたしましては、今後なるべく設置者の立場からこれを負担援助して参るように指導して参るつもりでおります。
○委員長(相馬助治君) 本法案の質疑の継続中ですが、一時三十分まで休憩をいたします。 午後零時三十五分休憩 —————・————— 午後二時五分開会
○委員長(相馬助治君) 休憩前に引き続き委員会を開きます。 まず最初に、安保改定反対第八次統一行動における全学連の行動に関する件を議題といたします。本件に関しては文部大臣、大学学術局長、公安調査庁次長が出席をいたしております。御質疑のある方は順次御発言を願います。
○野本品吉君 二十七日の、ただいま委員長からお話のございました安保改定反対に伴いましての運動が、勢いのおもむくところついに国会の構内に大衆の乱入となりましたことは、御同様国会議員といたしましてまことに遺憾なことでございます。このことにつきましては、あるいは衆参両院の議長においても、また各党各派の間におきましても、いろいろと論議を重ねられておるということを承っておりますので、私は本日は文教委員会という立場から、一つには法案の審議もありますので、もっぱら教育問題という点に焦点を合わせまして、簡単に御質問申し上げたいと、こう思います。 この問題につきまして、われわれ文教委員といたしまして、日本の教員の問題について日夜考えておりますものといたしまして、何としても見落とすことのできない問題は、学生の諸君が多数入って、そうして度を過ごした行助に出ておるということでございます。全学連の諸君の問題が新聞にもその他の方面におきましても大きく取り上げられておるのでありまして、私どもはこれを教育という角度から見る場合に、全学連というものがどういうものであるかということについて、正しい理解と正しい認識とを持つことが、将来学生のもろもろの問題を考える場合に必要なことになってきている、かように考えるわけです。 そこで、まずお伺いいたしたいと思いますことは、これは公安調査庁当局にお伺いしたいのでありますが、私はここで全学連の全貌と申しますか、そういうものについて一応大体の御説明をいただきまして、以下順次お伺いいたしたい、かように存じます。
○説明員(関之君) お答えいたします。 全学連の全貌はどういうふうに相なっておるかという御質問でございまして、この全学連と申しますのは、全日本学生自治会総連合の略でございます。そこで、各大学あるいは大学の学部に学生の自治会というものがございまして、その自治会が集まって今の全学連を作っている、こういうことに相なるのであります。全国の大学数はおよそ五百あるのでありまして、その学生総数はたしか六十万前後と、こう記憶しておりまするが、その中で、この全学連に参加しておるのがおよそ百校余りでありまして、その構成員は約二十九万と踏んでいるのであります。そういうような組織的な勢力、組織を持っておりまして、さてその組織を持った全学連が、この去る二十七日の安保改定阻止の闘争において、最後までこの国会の庭の前にとどまっておりまして、ほかの労組の退出にもかかわらず最後までとどまっておって、いかにも飛び上がった矯激な運動をしているのでありますが、なぜそういうことに相なるかという問題があるのであります。そこで、私どもはその理由ないしは原因というようなものについて次のように判断しているのであります。全学連の約二十九万ほどの組織の中には、大体共産党員ないし共産主義者と認めらるる者が二千人いる、大体二千人前後いる、こう考えられるのであります。それからその二千人を中心としまして三、四千人、多く見て五千人ぐらいのこれにきわめて同調する者がいる。さらにこれはいろいろの闘争におきまして全国的な闘争に参加した者とかいろんなことから見まして、さらにその周囲におよそ二万前後の、いわばこういうまん中の指導を受けて喜んでこれと共同して各種の果敢な闘争に出る、そういう者がいるのであります。結局今申し上げたような数の者が全学連というその組織の名を借りて運動を展開している。一般、その自余の二十六、七万に当たる学生の皆さんは、私はそうその飛び上がった行動をするということを日夜考えているわけではない。まあ学生でありますからいろいろと若げの至りで各種の飛び上がった思想を持つ者もないではないでありましょうが、しかしそれらの者がすべて今のようなことはない。やはり今申し上げたような数の者が全学連という名前を利用し、そしてその場にあってその組織を利用して、そしてその組織全体をある方向にどんどん引っぱって行っている、こういうような内容かと、こう考えているのであります。
○野本品吉君 大体の数等はわかったのでありますが、さらに私がお伺いいたしたいと思いますことは、公立大学それから私立大学に分けた場合に、これらの全学連の諸君がどうなっているか、この点。
○説明員(関之君) 学校数は国立が約五十五、公立が十、私立が三十五、これで大体百になりますが、大体こんなところで誤りがなかろうかと、こう考えます。
○野本品吉君 さらにそれをこまかくお伺いしたいわけですが、各学部別、たとえば法学部であるとか、あるいは文学部であるとか、あるいは学芸学部であるとか教育学部であるとか、この学部別に分けた数というものは大体おわかりでしたらお伺いしたい。
○説明員(関之君) 全学連には、これは御承知かと思いますが、学校の単位で加盟しているものと、そして学校内の各学部の自治会単位で加盟しているものと、この二様の形があるわけであります。それで、このおよそ百の学校の中でどういう学部が全学連に加盟しているかということを調べてみますと、学芸学部が、これはおおむね単科的なものでありますが、学芸学部が二十七、経済学部が三十五、それから教育学部が十八、文学部が十八、工学部が十、医学部が十九、農学部が十八、法学部が十一、教養学部が十五、それから理学部が十、まあこんなところが多いところで、あとは家政とか法経とかが二つか三つくらいの数字が出て参っているわけであります。こんなようであります。
○野本品吉君 そこでまあ、そういう学生の諸君が一つの組織的な活動をしておるということになるわけですが、一つの組織としていろいろな運動をし、活動をする場合には、やはり運動の基本になる組織の綱領といいますか、運動方針といいますか、そういうものが必ずあるだろうと私は思う。そこで全学連の諸君の行動綱領といいますか、活動綱領というか、そういうものがこの際わかっておりましたらお伺いいたしたいと思います。
○説明員(関之君) 全学連につきましては、今日まで綱領的なものを作るという努力はあったようでありますが、具体的な形となってまだ現われておりません。しかし、規約がございまして、この規約の第二条、第三条というものが、この全学連の性格とそうしてどういう行動をするものであるかということをうかがうに十分足りるかと思うのであります。 御参考までにここで主要な部分を読み上げてみたいと思います。この規約第二条に「この連合は、日本学生の自主的な自治会の全国的単一連合組織であり、学生戦線を統一し、内外の民主勢力と提携して次の目的を達成するために努力する。1、われわれは、恒久平和の実現のため国際緊張緩和と日本の完全独立のため闘う。2、われわれは、民主主義の擁護と草間の自由、学園の自治のため闘う。3、われわれは、民主的教育を擁護し、文化、科学の創造的発展のため、学生生活の向上のため闘う。」 これが第二条であります。 次に第三条。「この連合は右の目的を達成するため、左の諸活動を行う。これらの活動は全国大会の決議にもとづき、中央執行委員会および中央委員会の指導の下にこの連合の各組織によって遂行される。1、基本方針にもとずき、大衆運動を展開する。2、学生戦線を統一し、国内諸民主勢力と提携する。3、国際学連のもとに、各国学生組織と提携し、平和愛好諸国民との連帯を強める。4、内外情勢の分析、調査とその周知徹底。5、学年運動に関する情報、経験の交換。6、教育制度および学生生活に関する調査情報の蒐集とその交換。7、機関紙、誌その他の印刷物の発行。8、その他目的達成のため必要な諸活動を行う。」 こういうことになっているわけであります。
○野本品吉君 今ので大体まあ活動の綱領といいますか、規約のようなものはわかったわけであります。その文字に表現されたことから見れば、大したことではないのでありますが、それが非常にわれわれから見れば、度も過ごした、あるいは矯激に見えるような運動にまで売展してきているように感じられる。そこら辺のことは私はどうもよくわからないのですが、それについての何かお考えはありませんか。
○説明員(関之君) この規則から見ますると、今の二条、三条を総括して考えてみますのに、内外情勢の分析調査をなし、そうして国内の各民主勢力と提携して、そうして民主主義の擁護とか、こういう文化、科学の創造とか、こういう面で大衆運動を展開すると、こういうような規定づけがありまして、それに基づいていろいろなことをするということに相なろうかと思います。さてところで、しからば具体的な今日の世界情勢、国際情勢、さらに国家内外の諸問題の当面する問題について、やはりこの内外情勢の分析の目が向けられ、そしてそれを中心として各種の考え方を発展させて、そうしていろいろああいうような行動にまで出るような行動的な原則、行動指針というものを織り出してくると、こういうことに相なると思うのであります。そこで結局今日のこの対立した世界のもとにおきまして、学生が、世界情勢の綱領に基づく、規約に基づく分析の仕方でありまするが、これは今申し上げたような党員二千、従いましてその周囲に三千、そしてさらにその周囲に二万前後の非常に元気のいい飛び上がった学生諸君がいる。そしてその学生諸君がこの学生自治会、全学連、あるいはほか二、三の組織を作りまして、そしてその組織においてこれが当面の情勢分析を行なってやっていると、こういうことになるのであります。そこで結局それらの関心の焦点は現在の社会がいかなる変化、発展をするか、まあ端的に申しますと、マルクス・レーニン主義というものをどういうふうに理解し、これに対して信奉するかしないかというような問題にずっとしぼられてきてしまうのであります。そこで、そういうような観点からこの全学連を基礎として活動する学生諸君の考え方は、今の問題と関連しまして、およそ二つに分けて考えることができるのであります。一つは、これは代々木の日本共産党の本部のコントロールに服するもの、そうしてその他はコントロールに服さないもの、こう二つのグループに分けられるのであります。そこで共産党の本部のコントロールに服するものの考え方は、大体革命的な戦略戦術は共産党のそれと同一のことに相なるわけであります。世界情勢の認識、現状分析あるいは日本国内のこの現状分析というものがすべて共産党のやり方、考え方の指導、支配を受けていると、こういうことに相なるわけであります。従って当面においては民主民族戦線の統一発展をはかり、そうして比較的柔軟な戦術によって党勢力の拡充発展をはかると、こういうような考え方のもとに運動を展開しておると、こういうことになるわけであります。ところが、その反本部派と申しましょうか、共産党のコントロールさえ受けつけない学生がいるわけであります。今の全学連の全体の比率から申しますと、これはなかなか複雑な問題でありまして、結局代議員とかいろいろなところから見まして大体四〇%が代々木共産党の本部のコントロールに属する、あと六〇%はなかなか服さない、こういうことに相なると思います。昨年六月一日に、これは六・一事件として共産党側でも手をやいた事件でありまするが、代々木本部が元気のいい学生連中に一時占拠されまして、そうして党の二、三の幹部もあやまり証文をとられた大へんな問題があった。そのころから共産党におきましてもがぜん反代々木派の学生に対する統制といいましょうか、態度を強化いたしまして数十名の共産党員を除名するというような強硬手段にまで訴えてこれらの連中のコントロールの強化に努めているわけであります。 そこで約六〇%と踏まれまするが、その連中の考え方はどういうところにあるかという問題があるわけであります。その考え方は、結局現在の、たとえば共産党のやり方は要するになまぬるい、そういうことでは革命なんかできない、われわれは今日の独占資本ないしはアメリカの帝国主義との対決においてもう少しからだを張って、そうして実力行動に訴えてまでやらなければならないのじゃないか、こういうまあ考え方、結局その実力行動に訴えるというニュアンスにおいて一段と共産党より現在強い、こういうようなところに相なるのでございます。それらの考え方がすべての問題の考え方に及んでくるのでありまして、昨年来の実は勤評闘争におきましてもこの考え方が出て参り、各地区の勤評闘争の中に参加し、みずからその先端を買って出て、そうしてきわめて激越な行動をとる、その考え方の延長として警職法の反対運動、さらにまた今度の安保闘争の問題と発展して参ったのであります。それでまた、安保改定の問題につきましてもこれは大体のところは、それが日本の復活しつつある軍国主義ないしは独占資本主義とアメリカとの軍事同盟であるというような規定づけ、これはおおむね共産党ないしは国際共産主義及びこれに類する諸団体と同一歩調の規定づけでありまするが、やはりそういうような規定づけのもとにより一そう力強い、そうして実力に訴えてまでこれは阻止すると、われわれはその先端に立ってこの運動を盛り上げるのだ、こういうような考え方が今申し上げました反代々木派の学生の指導者の中にあり、そういうような考え方がおのずからこのような運動にまで展開してくるものである、こういうふうに考えておるわけであります。
○野本品吉君 今のお話によりますというと、まあ全学連の諸君のうち、特に六〇%に近い、反代々木派という言葉を使われましたが、それらの諸君がいろいろな学生運動の中心勢力と申しますか、指導勢力になっておる、こういうことでございますか。
○説明員(関之君) そういうことであります。
○野本品吉君 それではそれらの者が中心勢力、指導勢力になっておるということになれば、現在の全学連の組織における執行部その他もまたそういう人たちによって構成されておるのではないかと、まあ想像されるわけですが、この点についてはどういうことになっておりますか。
○説明員(関之君) 執行部は執行委員約三十人をもって構成されておるわけでありまするが、私どもの調査によりますると、その大部分は共産党員ないしこれに準ずる共産主義信奉者である、こういうふうに判断されるわけであります。
○野本品吉君 私がお伺いしたのは、その執行部の三十名というものが一部先鋭化しておる諸君によって占められておるのじゃないかというふうに想像するわけなんですが、その点をお伺いしておるわけです。
○説明員(関之君) お尋ねの点、それらの三十名はやはり先鋭化した意識を持った学生たちである、こういうわけであります。
○野本品吉君 そこで、そういうことになって参りますというと、特に執行部の諸君によって、中央執行委員会における決定に基づいて全国の傘下の学生諸君がいわば引きずり回される、きわめて少数な者によって全学生というものが動かされておるということに考えてよろしいのですか、その点はどうです。
○説明員(関之君) 全学連の総数と、そうしてその中における今申し上げたような数の比例からいいますると、やはりきわめて少数な先鋭分子によって二十九万の全体が利用されて動かされておる、こういうふうには相なると思うのであります。
○野本品吉君 そういうことになりますと、一般の学生の諸君の良識というものは、そういう少数の者に全国の多数の学生が動かされておるということの事実を認識した場合には、それらの者に動かさるべきでないという批判勢力というものも当然あるべきだというふうに考えられるのですが、その点はどうですか。
○説明員(関之君) その点につきましては、お言葉通り、やはり批判勢力といおうか、全学連の幹部ないしは中心的な積極活動家の行動に対しては、非常に批判的であるようであります。ところが、学生の一般、良識ある学生の多くは、就職の勉強であるとか、試験の勉強であるとか、あるいはその他のことにかかずらわって、それらのまるで職業的な活動に相対して立ち上がって、これに反対運動をするというようなところまでは、どうもまだ盛り上がってはおらぬようですが、常識的にはまことにお言葉通りと私は考えております。
○豊瀬禎一君 関連して。野本さんの前段の質問にあったCPまたはこれに類似するものが、三十人の執行部の大多数を占め、そうしてあなたの言葉によると、その者たちによって全学連二十九万が動かされ、利用されている、この答弁の具体的内容を明らかにしてもらいたいとともに、二十九万が三十人によって動かされ、利用されているというあなたの答弁と、今言われたた三十人の、あなたの言葉によると、過激、先鋭的な分子に対する批判勢力が出ておるということの関連を明確にしていただきたい。
○説明員(関之君) 三十人だけですべてを動かしておるというようなお尋ねでございますれば、それは私の今までの御説明はそうはなっていないわけでございます。執行部が三十人ございまして、そうしてその中の大部分は、共産主義者ないしは共産党員、それを中心にして、全体で約、二千人くらいの党員がおる。その周辺に約三、四千人おり、そうしてその周辺に二万人ばかり。こういうのが大体全学連の方向を決定する人的構成の段階的なものなのであります。そこで、私は、そういうものによって動かされておる、別に三十人だけで引きずり回すということじゃないわけです。 それから、そういうようなことによって、組織全体が動かされている。そこで、全学連——これは今、全学連という名前でいろいろなことをやるということになると、やはり全学連全体の一つの問題に相なるわけでございまして、その意味において全学連が動かされているというふうなこともいえるであろうと思うのであります。この反対側の批判勢力というものでありまするが、これも今の全学連の幹部の指導ぶりに、行動をもって反対するというところまでの立ち上がりがなければ、やはりそれは見送るという——やかましい問題だからわれわれは見送るというようなことであって、その程度に反対勢力はとどまっているというのがおおむねの状況であるというふうに考えられるのであります。そういう意味で申し上げた次第であります。
○豊瀬禎一君 せっかく野本さんが質問しておられるのに、途中から関連して聞いておるんですから、答弁者は、もう少し私の質問を的確にとらえて答えていただきたい。僕がお聞きしているのは、あなたが今付加説明した意味において、二十九万が動かされておるという内容と、それから利用されておるという内容と、それから批判勢力が出ておるというあなたの説明の内容の関連性を聞いているんです。答弁にわかりやすくするために、簡単に言いますが、僕の常識では動かされておるというのは、あなたの言った中心勢力、それを囲繞する二万程度の共闘体制による勢力、これらの者によって、二十九万がその方針のもとに統一行動をした場合に、動かされておるという言葉は適当ではないと思う。その点を前段の説明の際に、あなたは、全学連の組織の名をかりてこれを利用しておる、この中核グループ、囲繞グループをこういう表現をしたんですが、そこのところの関係が、今の答弁では少しも関連がないので、もう一度その三つの関係を簡単でいいですから、的確に説明して下さい。
○説明員(関之君) 私の申し上げましたのは、大筋の問題といたしましては、たとえば、全学連の中央においてある行動をしようということになりますと、それに出てきて参加する、これが動かされた——具体的には動いておることになりますからして、動かされたということに相なると思います。従って、その自余の批判で、感心しない、それに関心を持たず、出るところへも出ないというような人たち、そういう人々が多かろうと思います。そこで、それらの人々は、なるほどそれは動かされていない、ですから、言葉の意味からいえば、二十九万が動かされているというのは、あるいは当を得なかったかもしれませんが、ただ申し上げたいのは、二十九万という全学連の(豊瀬禎一君「その関連を明確に」と述ぶ)組織がありまして、その組織の名において行なっているというようなことになると、あれは全学連だというように一般の評価がそこに出て参りますからして、そこに、言葉はあるいは相当ではないかもしれませんが、やはり全学連全体をそういう考え方で動かしておるというようなことがいえるのではなかろうか、こう私は思うのであります。
○豊瀬禎一君 その利用と先ほどの批判勢力との関係は……。
○説明員(関之君) これはいろいろ今まで申し上げましたから、それらの中から一つ御想像、御類推をいただきたい、こう思うのであります。
○野本品吉君 次にお伺いしたいと思いますことは、やはり一つの組織として活動し、運動を進める上においては、どういう組織でも、組織の拡大あるいは組織の強化に向かって努力する、これはあたりまえのことだと思うのです。 そこで、次にお伺いしたいと思いますことは、私どもは今まで全学連の運動というものは、大体において、大学の学生の段階においてこれが行なわれておるものというふうに一応考えておったのです。ところが最近、聞くところによりますと、それが大学の学生段階だけでなしに、さらに、高等学校の段階に全学連の諸君の運動の手が伸びつつあるということを聞いておるのですが、かような事実についてどうお考えになりますか。
○説明員(関之君) 全学連自体の組織といたしますれば、これは、現在は全部大学に限られておるようであります。かつては二、三の高校も入っていたということもあるようでありまするが、現在においては、全部大学に限られておる、こういう状況であります。 ところで、高校生の方の運動、いわば学生運動というものが、京都であるとか、あるいは高知であるとかいうような方面にかなり激しく出ておりますが、そこらと、全学連にいて学生運動を指揮する学生との関係の問題でありますが、これは大体次のようなことに相なっておると思うのであります。全学連の中に、中と申しましょうか、これの中心勢力となって、この方を動かしている人々が、社会主義学生同盟、これは反戦学生同盟というものの発展したものでございますが、社会主義学生同盟という同盟組織を作っているわけでございます。その総数は、およそ千七、八百、最近は少し減っているように思うのでありますが、そういうものがあるわけであります。で、これはいわば、その学生の中でもきわめて意識の高い分子の結集体であります。これは、そういうものを結集して、そうして学生運動全体の作戦を立てて、そうしてこれを動かしていこうというようなのが、きわめて意識の高い学生たちの結集になるわけでありまして、その中の党員は約一千名、こういうふうに考えます。その社会主義学生同盟などが高校の分野に触手を伸ばして、そうしてそこに支部の結成を昨年あたりから企ててきている。これは昨年の勤評闘争などを転機といたしまして、この学生のかなり広範囲の全国的な一つの連絡協議会のようなものも生まれまして、そうして勤評闘争などあるいは原水爆反対というような問題について、かなり広範の横の連絡組織ができて参りました。そこで現在社学同の支部を持っている高校が全国でおよそ二十余りあるわけであります。東京におきましては、日比谷、新宿とかの有名校を中心として東京が最も多く、地方においても二、三これに参加している高校もある。これと相並行いたしまして、共産党の青年の組織であるところの民主青年同盟などもこの高校分野に何とかして支部を作りたい、連絡をつけたいというわけで、その方向に触手を伸ばして、その高校生の組織化という問題に昨年あたりから乗り出してきているのであります。それらの動きがありまして、大学程度の学生の運動がさらに高校の分野に波及しつつあるというのが、昨年から今年までの段階なのであります。そこで、この分野はまだまだいわば運動がスタートした、年半なり二年たったところでありますからして、もう少しこの方面は今後問題となる可能性があるというふうに判断いたしているのであります。
○岩間正男君 関連して。党員、党員と言っているが、これは共産党員のことなのか、はっきりしてもらいたい。自民党員もあれば、社会党員もある。党員、党員というのは、あんたたちの用語かもしれませんが……。 それから、今の社学同の中に党員が一千名あるというようなことを言っているが、社学同の運動方針というようなもの、これに対して共産党がいろいろの批判を加えているわけだ。あんたたちそれを知っていなければ職務怠慢になるわけだな。それはそこにあるだろうと思うが、その点明確にしてもらいたい。その中に党員が一千名いるというのは、どういう根拠なのか、それを聞きたい。都合のいいときだけ党員というのは困るぞ。
○説明員(関之君) 党員と申しますのは、話の筋から共産党員であるということを申し上げる言葉を簡略する意味において申し上げたので、他意はございません。党員はすべて共産党員であります。御理解いただきたい。 第二の、千名の党員でありまするが、これは私の方の調査によって、そのような党員のいる疑いがある、こういうことに相なるわけであります。 次に、今社学同の、これは岩間先生などは十分に御承知と思いまするが、念のためにここで御披露申し上げたいと思います。これはまず日本反戦学生同盟自体のことはおきまして、一九五八年ですから、昨年の五月二十五日に反戦学生同盟から、日本社会主義学生同盟というものに発展解消いたしまして、そのときの綱領、規約というものがあるわけであります。だいぶ長いものでありまするが、おもな点だけ若干申し上げてみたいと思うのであります。綱領には「偉大な時代が切り拓かれつつある。人間労働の巨大な蓄積が、今や人類の生活圏の宇宙空間への拡大を可能ならしめる生産力の発展を生み出し、人間の自然征服とその自由な発展の未来に限りない展望を開いている。労働者階級の解放運動の発展が、広大な社会主義国を作り出し、人間の人間による搾取と、貧困と屈辱との地上からの一掃の時を日一日と近づけりている。」という書き出しのもとに、いろいろいわゆる第二次大戦以来の歴史の発展というものをたどって、そうして終わりの方にいきまして、「日本社会主義学生同盟は、社会主義の権威の全世界的な拡大と、学生運動の力量の増大という条件の上に立って、この日本反戦学生同盟の革命的な伝統をうけつぐものである。日本社会主義学生同盟は、学生運動の活動家を社会主義の旗の下に結集し、学生運動を更に発展させ、それを労働者階級の解放運動と結びつけ、全世界の人民と共に社会主義の実現をかちとることを目的とする。」これが同盟の目的と相なるのであります。 「日本社会主義学生同盟は、すべての社会主義を指向する学生を、その哲学的、思想的立場の如何にかかわらず結集し、その内部討論に於て、社会主義の者理論を研究し、その民主的討論に基いて行動して行くことを性格とする。」というような前文を置いて、そうして七項目にわたるこの綱領というようなものを掲げ、十八の規約を持っているわけであります。 それで、その綱領のおもなものを申し上げてみますると、 「綱領 一、我々は戦争と搾取と抑圧の原因である帝国主義に反対し、労働者階級の解放の闘いを支持し、日本と世界に於る社会主義の実現のために闘う。二、我々は、全世界の労働者階級を中心とする人民の解放闘争を支持し、これを固く団結してその発展のために闘う。三、我々は帝国主義の戦争と搾取と抑圧の政策に反対する人民の反戦・民主的権利擁護・生活擁護の闘いを支持し、その発展のために闘う。」 こういうようなところを掲げているわけであります。
○岩間正男君 もう一つだけ。あなたはさっき反代々木派というような言葉を使われましたね。その学生たちは、共産党のやっていることはなまぬるい、それで独占資本とアメリカ帝国主義に対決し、戦わなければならない、からだを張って実力行使をしなければならぬ、こういうような考え方の人が社学同の中心幹部だ、こういうふうに関連づけて言われたのですが、その点はようございますか、それで……。
○説明員(関之君) その通りお答え申し上げたと思います。
○岩間正男君 そうしますと、これはあなたも一般的な書類だけで見ておるのだが、公安調査庁というのは、もう少し内容的にも私は研究をしなければならないと思うのだが、どこが違うのですか。たとえば共産党の綱領と、それからあなたの言われた、今言った、いわゆる反代々木派という連中の大きな違いはどこです。あなたたちなんて大きな違いはわからない。一般的な何だけやっている。実際やっている、主張している、それから行動しているその面で、非常に違うところがあるから、その点あなたはどういうふうにつかんでいるか。
○説明員(関之君) お尋ねにつきましては、何回かアカハタに載りまして、私ども何回かこれを読んで了承している点であります。一言で申しますと、要するにトロッキーズム的性格というところが、これらの人々の代々木派が非常に攻撃されておる焦点でありまして、要するに国際的に、トロッキー主義、こういうものが共産党側と非常に違うということ、こういうところに了解するわけであります。
○岩間正男君 トロッキストの何はどこです、一番何のところは……。そういう言葉じゃだめだ。そんな言葉ならば中身はわからない。トロッキストの一番何は何だ。これを明確にしてもらいたい。現段階の中で最も明確にこれは違っているところがあるわけだ。ここのところがはっきりしなければ、今の問題はあなたたちは職務怠慢だということになる。俸給も何ももらっているのに。実際とにかくわれわれは、公安調査庁というのは好かぬのだけれども、それは認められておる。そうして国家の税金で養なわれておるのだから、その職員がどういうことをやっておるのだかということをわれわれは明確にするのが、本委員会の任務でもある、国会議員として……。従って聞いておく。どうです。
○説明員(関之君) えらい革命論争になりまして大へんどうも恐縮でありまして、あるいはこういうところでこういうことを申し上げるのは適当でないかと私は思います。さりながら御質問でございますから申し上げてみたいと思います。 結局、そのトロッキストとして非難するその根本は、革命の運び方について、共産党的な例の人民民主革命から社会主義、社会主義から共産主義革命へと、その移行の過程において彼らが違った考え方を持っているというところが私は根本的な違いに相なると思います。
○岩間正男君 関連で一つ。野本さん、あとで伺いたしますけれども、今の革命の段階において、いきなり社会主義革命に向かっている。その点も確かに違っております。その中で、しかし、今の現実の中で非常に重要なのは統一戦線を認めるか認めないか、こういうところが非常に重要な問題だと思う。あなたはさっき統一民主戦線と言いますが、これは違います。共産党は民族民主統一戦線という言葉を使いましたけれども、厳密な意味では。民主統一戦線、これはあなた不勉強だと思う。それは別として、統一戦線を認めるか認めないかということ、これは非常に違っておると思うのだ。そして日本の次に来る革命の段階は、これは民主革命です。はっきり共産党の綱領は社会主義革命にいきなり入るということは言っていません。革命の段階論です。はっきりしている。ところがトロッキストといわれる連中は社会主義革命を指向する。いきなりそういう条件の中で、従っていろいろな平和の勢力、その他中小企業、あるいは民族資本、こういうような人たちとも力を合わせて日本の独立を全うする、それから日本の平和を守る、そういうような革命の段階については、これは肯定しない。ここのところは最も明白です。従って、たとえばフルシチヨフ、あるいは毛沢東、こういう者はこれは右翼、ひより見主義だと言うのですね。こういう者は非常にダラ幹だと、こういうふうに言っている。この点に逢いが……あなたは明確に述べなければこの社学同諸君の抱いているこの思想というものをこの委員会で明らかにするということにはならないと思う。この中に共産党員が千名いるということを言っているのだけれども、あなたたちの調査ではそうなっているけれども、これは非常に共産党の綱領とは、ここのところで基本的に対決している問題なんです。この点どうですか。あなたどういうふうに調べられたか、私の言った通りかどうか。アカハタをよく勉強されているのだから、その点よくお伺いしたい。
○説明員(関之君) どうも試験を受けるような感じでございますが、私が申し上げた点は、要するに革命のプロセスにおいて考え方が違う。党は人民民主主義革命から社会主義革命、社会主義革命から共産主義革命へと主張している。社学同は異なるのです。あなたの言ったことと同じなのであります。
○岩間正男君 そのあと、そこのところが大切ですよ。
○説明員(関之君) 人民民主主義革命を認めないという立場に立てば、統一戦線については非常に違った考え方が出てくるのは当然のことであろうと思います。
○野本品吉君 そこで、高等学校の生徒への影響の手が伸びて、すでに一両年の間に二十校以上のものがこれに参加するようになった。この傾向は、あの人たちの情熱的な運動を考えますというと、今後とも相当伸びていく可能性があるというふうに私は想像する。まあその人たちの立場に立って私が考えると、高等学校にそういう手を伸ばしていくということは、やがて高等学校の子供というものは大学へ上がると、そうするというと、大学へ上がってからそれらの人たちの陣営の予備校になってくる。こういう見方が一応できると思う。従って、高等学校の今後の問題につきましても、いろいろと教育という面から考えさせられる問題があるわけですが、今私が申しました高等学校への運動の手がさらに拡大されて、私の申しましたような結果が、意図的であるとないとにかかわらず起こってくるのではないかという私の心配に対しての御感想を一つ。
○説明員(関之君) まことにお話の通りでありまして、高校生にもしそのような組織ができ、強い闘志でもできると、それがおのずから大学に進級して、そうして同じような運動の貯水池、供給源となるというおそれは十分にあることと思うのであります。
○野本品吉君 そして問題を別の問題に移しまして、先ほど私は各学校別にこの組織に加盟しておる学校の数を伺ったのでありますが、そこで、特に私の関心をひきました問題は、学芸学部、これは少なくもわれわれの考えるところでは一般的には教員養成の学校であると考えられておるわけです。それから教育学部、これもまたそれに類似のものと考えて間違いないと思います。そうすると、百校のうち学芸学部の数と教育学部の数を合わせますというと四十五校、約半数になっておる。このことは、事の当否は別といたしまして、事教育に対して、日本の教育の将来に対して関心を持つものといたしましては見落とすわけにいかない。軽視するわけにいかない。この点については、大臣も今までいろいろとそこでお聞き下すっておったのでありますから、私は文部大臣にこの点についての御所見を伺いたい。
○国務大臣(松田竹千代君) 学芸大学並びに教育大学に最も多数の全学連の先鋭分子と申しますか、そういう人々がおるということに対しては、私は驚きとともに非常に将来の日本の教育のために憂慮にたえないと、かように考えております。
○野本品吉君 私も大臣のおっしゃる通りでありますが、こういうところからわれわれが絶えず念願しておりますあるいは教育の政治的中立性の確保の問題であるとか、あるいは教育を正常なものにしようとする努力、あるいは苦心というものがここから崩壊してくる心配が多分にある。従って、私は学芸学部の問題、教育学部の問題に関しまして、特に深い関心をお互いに持たなければならぬというふうに考えるわけであります。 そこで、時間が大へんたちましたから、主として大学の関係のことに移りたいと思いますが、大学の自治、あるいは学内における学生自治の問題は、相当な教養を身につけ、まじめに勉強しておる学生諸君の問題といたしましては、学生の自治というものはできるだけ健全な形において育成していかなければならぬ、こういうふうに考えております。しかしながら、自治を尊重するからということは、これを放任しておいてよいということではないと思います。なすがままにまかせておいてよいということではないと思う。そのためにこそ各大学には主として大学の学生の生活指導をすることを担当しております教授、あるいは教官があると思う。そこで、文部省にお伺いしたいのでありますが、現在大学における学生補導機構、学生補導の組織、それはどういう形において行なわれておるかをここでお伺いしたい。
○説明員(緒方信一君) 大学の内部組織といたしまして、会計、庶務等を扱います事務局があるわけでありますが、それと並びまして学生の厚生捕導を担当いたしますために、厚生補導に関する部というものが各大学に置かれております。国立大学におきましては、国立学校設置法施行規則におきまして、その内部規則を定めておるわけであります。在来公私立大学におきましても、大体同様に、学生一部あるいは学生補導厚生部といったようなものが置かれておるわけでございまして、ここで学生の厚生補導、あるいはいわゆる課外活動、自治活動等につきましても、管理と指導とをやっておると、これが実情であります。
○野本品吉君 厚生補導の問題、あるいは課外活動の指導を担当されておるといいますが、やはり、大学の学生であっても、まだ若いことでありますから、その学生の生活指導という面にこの補導組織というものが及んでおらぬのですか。
○説明員(緒方信一君) 厚生補導の内容といたしましては、これはいろいろな問題があるわけでありますが、いわゆる生活指導と申しますか、学生生活の改善向上という面につきましても、もちろんこの厚生補導の仕事の内容としてやっておるわけでございます。たとえば健康管理の問題とか、あるいは学生の就職の問題とか、そのほかいろいろな学生の文化的な行事とか、体育行事とか、こういうようなものを含めまして、いわゆる学生の教室におきまする教育以外に、教室外におきまする課外活動と申しますか、教室外におきまする教育ということにつきましてやっておるわけでございます。ただ、これは、今もお話がございましたように、その事務組織といたしましては、今申しましたように、学生部といったようなものがこれを担当しておるわけでございますけれども、しかし、多数の大学生を相手にいたしまして、この組織だけで完璧を期するということは、これはとうていむずかしいことでございます。これは、厚生補導の事務の中心になりまして、全学的ないろいろな企画を立てるとか、それから実際にもこれは当たるわけでございますけれども、要するに、学生に接触いたしまする教官全体が学生を教育するという建前でこれに接触していくということが大事でございまして、多くの大学におきましては、そういう意味で補導委員会というようなものを作りまして、教授の中から補導責任者をきめて、広くこの補導をやっておるというのが実情でございます。
○野本品吉君 その各大学にあります補導委員会といったようなものと文部省との連絡と申しますか、それはどういう形において行なわれていますか。
○説明員(緒方信一君) 補導委員会は、各大学の定めでいろいろな形をとっておるわけでありますが、今申しました事務の中核になっておりますのが学生部であります。学生部の学生部長会議あるいは課長の会議というものを定例的にも開いておりまするし、あるいは事あるごとに打ち合わせをしてこの仕事の推進をはかっておるということでございます。
○野本品吉君 そういうことで仕事をおやりになり、お進めになっておられるというのですが、率直に申しまして、また文部省の方々が正直にいって、この補導機構、補導組織というものは遺憾なくその機能を発揮しておるかどうかということに対する文部省の所見はいかがですか。
○説明員(緒方信一君) これは、率直に申しまして、まだ盛わない部面が非常に多いわけでございまして、実はこれは、学生の厚生補導全体の問題につきましていろいろ問題がございますので、一昨年でございましたか、文部省に学徒厚生審議会という審議会を作りまして、この審議会に文部省は学生厚生補導の全体の問題につきまりして検討をしてもらっております。その審議会には、各方面の学識経験者を網羅いたしまして、相当長い年月をかけまして、いろいろな専門的な研究をしてもらっておりますが、その際に現状を反省し批判を受けました点につきましても、非常にたくさんの問題が摘出されております。ただいま私が申し上げましたように、学生の指導ということは、やはり学生の教育に当たる教授が、その教育の課程を通じて学先をしっかり把握していく、学問を通じて把握していくということが非常に大事だと思うわけでございますけれども、大学の段階になりますと、どうしても学問の研究ということに重点が置かれまして、間々いたしますと、今申しましたような面が閑却されやすいのであります。この点につきましては、先ほど申し上げましたように、大学でいろいろ工夫はいたしておりますけれども、補導委員会等を作りまして工夫はいたしておりますが、しかし、なかなか、今申しましたような関係から、十分な効果が上がっておうないのが実情でございます。それからまた、学生部の事務組織にいたしましても、この学生部長あるいは課長に適任者を得がたいということもございます。これは、厚生補導という仕事は、一つは管理的な事務面もございますけれども、しかし、今申しますように、教育的な性格の仕事も非常にたくさんありますので、そういう適格者を得るということが非常に必要であります。そういう観点からいたしまして、教授が兼任でこれに当たっておるというところもたくさんありますけれども、教授はまたかたわら研究を持っておりまするし、本来の教育の仕事もございまするので、この厚生補導の仕事にそういう人が専心打ち込めないというような状態でございます。そういう意味で、学生厚生補導の学内におきます組織を再検討するという問題が残っておるわけでございまして、これは私ども、職制につきましても、あるいは予算面等につきましても、検討を続けておる次第でございます。
○野本品吉君 私どものところへは、大学に子供を送っておる父兄が相当多数来るわけであります。そうして、何と申しますか、父兄が期待しておるような、望んでおるような方向とおよそ違った方向に子供が伸びでいくことを非常に嘆かれる向きがあるわけでありますが、これは、大学の先生といえども、研究あるいは教授ということだけに自分の仕事の限界をきめて、そうして生徒の生活の全体を指導する——父兄から託されておる、あるいは期待されておる、学生の将来を誤らしめないようにといったような配意についての熱意あるいは努力というものがもっとほしいということを、私も父兄等の家庭を通し、あるいは実際に幾つかの例を通して感じておるわけなのでございます。従って、研究だけが学者の使命でなくて、そこで学んでおる生徒の生活全体についての指導というようなことについてもう少し頭を置いていただきたいということを、私は日ごろ希望しておるわけなのであります。ただいまのお話によりますというと、学生の補導の問題につきまして、組織、運営その他につきまして、文部省がせっかく御検討中ということでありますかう、ぜひこの点につきましては、十分の研究を遂げうれ、また万全の体制を整えられて、一つには父兄の期待にそむかないように、また本人の将来のためにそういうことについて遺憾のないようにしていただきたいということを特に希望申し上げます。 最後に私は、先ほどから何っておることでありますけれども、今度の問題に関連しました全学連の問題を通して考えますときに、先ほどもお伺いしたのでありまするけれども、教育学部、学芸学部にこれに加盟しておる者が最も数多く占めておるというこの事案、それから、高等学校のまだやわらかい頭の持主、ちょっと話しかけられれば、呼びかけられれば、もう白にも黒にもどちらにでも動いてしまう。その子供への影響、これらの問題は、日本の現在及び将来の教育の問題として、まことにゆゆしい問題だと思うので、当局においても十分この点について思いをいたされたいと思う。ここで私は質問を終わりますが、最後に、これらの点について文部大臣に重ねて御所信のほどをお伺いしておきたい。
○国務大臣(松田竹千代君) ただいま御指摘の点は私どもも全く同感でございまして、私も直接に父兄の人々から、学生の将来のことについて、特に国立大学において、国費によって多く教育を受けさしておるそういう学校において矯激な行動に出る、学生の本分を忘れた姿において矯激的な活動に常に参加しておる状態を非常に嘆く父兄の人々にも会いまして、これは全くゆるがせにできない問題として、機会あるごとに、先般も国立大学の七十人の学長がみんな集まったところで、特に学生補導について力を入れてもらいたいということを要請したような次第でありまして、全く御回感、御同憂の気持でこの問題に対処して参りたいと思います。
○荒木正三郎君 関連して。野本委員の質問並びに文部大臣の意見を聞いて、若干、ふに落ちない点もあるわけです。学芸学部の部として全学連に多数入っておる、これは非常に危険だとお考えになっておる。だから教育の自立性が崩壊云々、こういうところまで発展するような内容を持った質問をしておられるわけです。これは私は全くふに落ちないのです。全学連は学生の自治組織ですから、これはみんなが入って、これを民主的によい運営にしていく。入るということが何で悪いのですか。当然学生の自治組織ですから入っていくべきです。これは学部としてたくさん入っていいのじゃないか。問題は、その組織された学生の行動が行き過ぎがあるのかどうか、法の規制を乗り越えてまでその行動が行き過ぎておるのかどうか、そこに問題があるのであって、この組織に入っているから、学芸学部が相当入っておるから非常に憂慮にたえない、こういうふうに直結させてしまうということは、私は非常に危険な考え方であると思う。大臣もそれを同意である、こういうふうに言っておられることは私はふに落ちない。その点どうですか、文部大臣。私は全学連の組織に、学生の自治組織に入るということについて教育の自立性を崩壊せしめるというような、あるいは憂慮にたえないというそういう結論に持っていくべきではない。むしろその入っておる半生がどういう行動をしているか、行き過ぎた行動に対しては批判をしなければならない、是正をしなければならない、そこに問題があるのであって、そういう線から言えば、全学連から学芸学部の生徒を脱退せしめるのが正しいのだという結論が出てきますよ。そんなことをすれば学生の自治組織は崩壊する、そういうふうに受け取れる、私は受け取った。(野本品吉君「違う、違う」と述ぶ)違うなら文部大臣からはっきり言ってもらいたい。
○国務大臣(松田竹千代君) 学生が個人として、あるいは自治会に団体として入るということを何も排撃しておるわけではございません。ただ、入って、そうして矯激な行動に移って、たとえば二十七日も四千数百名の学生がデモに参加したというようなことを見ますにつけて、多くの学生がこの全学連などに加盟しておるということを考えまするときに、それに比例して、やはりそうした不法行為に参加したものも自然に多かろうというところから申しあげたわけなのであります。
○荒木正三郎君 大臣が再説明して、そういう形で自治組織に入るということに反対しているのではない、とにかく行動について批判すべきものがある。その言葉であれば私はいいと思うのですよ。そうしないと、今後、何か自治組織からはずしていくという考えがあって言っておられるのじゃないかというふうに感じたものですから、私は言っているわけです。 もう一つは、文部省の緒方局長は学生の補導について、その組織、機構等について再検討すると言って、予算の点も考えている、こういうことですが、それは学生の指導が十分でないので、なお充実するようにしたいという趣旨においては、それはけっこうです。しかし、これは先ほどの質疑と関連をして、いわゆる行き過ぎた考え方を持つということになれば、これはまた非常に問題になると思うのですが、どういうことを内容として検討しておりますか、言って下さい。
○説明員(緒方信一君) 学生の厚生補導、これが大事であることは何人も異論がないと思います。特に新制大学におきましては、これは学制文革によりまして学生の年令もずっと若くなってきております。旧制におきましては高等専門学校を経て大学に来ております。高等専門学校の段階におきまして、相当学生の補導教育というものが徹底して行なわれております。ところが今の大学におきましては、それが十分に行っておらないと思うのであります。新制大学の一つの大きな使命は、やはり学生の研究面のみならず、人間的な修養、人間形成につきまして教育を施していくということが非常に大きな意義があると思うわけでありまして、これが必ずしも十分にされていないということを先ほどお答え申し上げたのでございます。それに対処しますための大学側の体制というものを、私はやはり早急に確立すべきものだと、かように考えるわけであります。先ほど申し上げましたように、これは各界の専円家によって構成しました審議会におきましても、それを文部大臣に答申をいたしているわけでありまして、その答申の線に従って、私どもはこの整備をはかっていきたい、かようなことを考えているわけであります。
○荒木正三郎君 私の質問しているのは、検討している内容のことです。
○説明員(緒方信一君) 具体的な内容といたしましては、これは申し上げておりますけれども、学生厚生補導部というようなものがございますけれども、これが必ずしも専門の職として確立していない。教官が兼務でやっておる学生部長もありまするし、それからあるいは事務官がこれをやっておるところもございます。それらをもう少し専門的に学生の厚生補導に当たられるような職制を作っていくということが必要じゃないか、これが一つの問題になっておるわけであります。それをどういうふうに具体的に組織していくかということは、なおまだ研究の段階であります。それからまた、厚生補導に当たる人の資質を高めるために、研修会、講習会等をやっていくという問題も一つございます。それからなおそのほかに、これは物的な面におきましても、学生のいろいろなめんどうを見る、学内生活の環境を整備していくために、あるいは学生会館を建てていく、あるいは寄宿舎を整備していく、あるいは学生の健康管理のための施設を十分にしていく、こういうふうな問題もあろうかと思います。これらを総合して検討しているわけでございます。
○荒木正三郎君 専門的な指導の機構を作りたい、こういうことですか。そういうことになると、この補導のために専門的な人を教授以外に大学に置く、そういう方向に進んでいくのですか。
○説明員(緒方信一君) 現在におきましても専門の組織はあるわけであります。ありますけれども、それが今申しましたような実態でありますから、これをもう少し充実していきたい。そのためには、それに専門に当たるような資質の人間を養い、そうしてその人に専門に当たらせるという態勢をさらに充実したい、こういうことが必要であろうと思います。これは、繰り返して申し上げますけれども、今の芥大学の専門家等によって作りました審議会におきましても、そういう勧告、答申が文部省に出ておりますし、それから国立の大学協会の総会等からも、早くやってくれという要望が文部省に出ております。その線に従って私どもは勉強しているわけであります。
○委員長(相馬助治君) ちょっと議事の進行上いろいろあれもあると思うので、委員長から質問するのはどうかと思いますが、私からもここで一つ開いておきたいのですが、今の大学学術局長の持っている構想の中に、かつて行なわれたような思想善導的な、あるいは思想警察的な、そういう任務も負わせる御予定ですか、そういうことは考えていないのですか。
○説明員(緒方信一君) 思想警察的なことは全然考えておりません。
○豊瀬禎一君 今の緒方局長の答弁を通じてもなおかつ疑点が残るのですが、というのは、野本先生の質問に対する答弁と関連して、あなたの、厚生補導が不十分である、これを再検討し、強化していきたいという意味はもう少し明らかにしてもらいたいと思うのです。というのは、なるほど今回の大学生が会の中に乱入してあのような行動をしたということは、これは問題があると思います。これはしかし、文部大臣や局長の所管のことでなくして、大学自体がまず検討すべきことである。第二には、自治会組織が民主的にこれらの幹部の行動ないし幹部を容認するかどうかという問題であろうと思います。このことに籍口して、厚生補導というのが、一定の——昨年でしたか、内閣時報にあるところの防衛思想の培養の方針というがごとき一つの特定の思想に学生を補導するということの契機になるとすると、国会乱入よりももっと重大な学問、思想の自由を侵し、大学の自治を侵す問題だと思うのです。で、大臣もきのうの本会議の答弁の中で、各大学の自治会が極左的革命方式を信奉する一部の学生に引き回され、激しい行動を行なっていることは近憾である、こういう言い方をされたやに聞いておりますが、二十七日の際に、これは警察当局が来ていないので、公安調査庁次長の関さんでは不明確だと思うのですが、四千名から五千名のあの行動した者が、野本先生が言われたような人を含んでいるのか、それとも次長が言った第一グルーブの千名、第二グループの二千名、第三グループの二万名、この範囲内でとどまったのかどうかこれも問題だと思います。こういう具体的な全学連の動きと具体的な行動の分析を持たずして、ここで学生の厚生補導を強化する必要があると考えてみたり、あるいは父兄の期待に反した思想を学生が持ちつつあるということを懸念するがごとき処置をするとすれば、重大な問題だと思います。父兄がどのように子供の人生観、思想を希望しようとも、子供の思想、人生観というのは全く本人の自由にまかさるべき基本的な人権であると思います。ここまで立ち入って、この問題に関係して大臣や局長が大学当局あるいは自治会当局に何らかの指導監督を行なおうとしておるのか、それとも単なる、あの行動をとらえて、大学自体の自治の範囲内において処理することを期待しておるのかをはっきりと答弁してもらいたいと思います。
○国務大臣(松田竹千代君) 学生がこれまでも、特に全学連の名において、しばしば騒擾ざたに加わったというようなことがある事態にかんがみて、文部省としては、私は常に大学の方で適当な、よりよい学生の指導をしてもらいたいという、いわゆる助言をして参ったわけでありますが、それが今回の国会乱入の不法行為に当たって一そう強い感じを持つわけでありまして、さらに大学当局、指導部長あるいは補導部長に対してそういう指導助言をしたい、かように考えている次第であります。
○豊瀬禎一君 午前中も御答弁が非常に不明確な点を指摘しておったのですが、まだ同様の漠とした御答弁ですが、私が聞いておるのは、いわゆる学生規則による、大学の諸規則にてよる範囲内において今回の事件を処理させようとしておるのか、今回の事件並びに今、大臣がいみじくも言われたように、総評などと同一行動をとる学生の思想内容まで助言を与えようとしておられるのか、この点を簡単にお答え願いたいと思います。
○国務大臣(松田竹千代君) 思想内容というようなことについては私は一言も触れておりません。ただ、大学当局の直接指導する立場にある人々に対して文部省として指導をしていきたい、もう少しよろしく学生を補導してもらいたいものであるという注意を喚起していきたい、かように考えております。
○豊瀬禎一君 関さんにお尋ねしますが、あなたの色分けされた三つのグループの中で、二十七日の問題をとらえてみて、四千名ないし五千名入ってきたと警察庁の方で言っているのです。この全学連の旗じるしを持った五千名程度の学生は、大体あなたの見るところではABCのグループに属するものか、それとも各大学から、ある程度均等に出てき、あなたの先ほど言った批判勢力と目される、あるいは全学連の旗じるしを利用されていると目される分子も同様の行動をしたと見ていますか。
○説明員(関之君) この点は推定でありまして大へん恐縮でありますが、意見を申し述べてみたいと思います。 大体約五千でありますが、私の申し上げました中心とその次と、そうして全体二万程度、その辺のところではなかろうか、こう思うのであります。それは、東京都におきましてこの学生のいろいろなデモあるいは他のデモに参加する等、最近におけるいろいろのケースがあって、そこへ動員するのでありますが、その動員の例を見、そうしてまたあれを見まして、大体その程度のものが、いろいろな助員に積極的に狩り出されてくる分子であるというふうにどうも私は思うのであります。その批判的なものなどは、おそらくその中にはいないのではないか、こんなふうに考えております。
○豊瀬禎一君 大体この程度で終わりたいと思うのですが、私はこの事件に関して、先ほど私が述べたような意味における、文部省の持っておる行政権の範囲内における監督指導ということは当然だと思いますが、かつてある人が、国という言葉は最も危険な言葉の一つであるといったように、ここでもっと別な一つの言葉ないし目的のもとに、大学の自治あるいは学問思想の自由というものに対して、行政権が人の価値観を決定していくような出過ぎた行動に移っていくとすると、そのことはより重大な憲法違反の問題であると思います。このことに対しては大臣もはっきり答えておられますので、一応安心いたしておりますが、この問題の処理につきましては、私が申し上げましたように、学問思想の自由を侵さず、大学の自治を侵さない範囲内において、しかも次長の答弁にあったように、二十数万の全学連の中で参加した分子というのも、もしその言葉を信用するとすれば、ある程度の色分けはできると思います。こういった点を十分考えて、この事件に藉口して行政権の範囲を逸脱して、内閣時報にあったような、戦争の惨禍を知らない青少年に対して、これこれの思想を養っていくものが次の時代を支配することができるであろうといったような一つの考え方のもとに大学を指導されることがないように、特に要望しておきたいと思います。
○岩間正男君 最後にちょっと。先ほど学生の補導について言われたのですが、これは補導といっても、今補導が行われておりますか。私は指導のやり方について、道に表面的な形の上だけの補導ということでは、今の学生の実態をつかめないのじゃないかと思います。というのは、一体学生はどうですか、今どういった心配を持っているか、どういうことで不安を持っておるか、生活条件は満たされておりますか、満たされていない、環境が非常に悪いのです。この悪い環境において、そうして学生を単に取り締まるというような、そういう形の補導をやったんでは、私は絶対にこの問題は解決しないと思う、どうですか。たとえば日本で平和憲法を教えられている子供たちは、この平和憲法で教えられておる子供のところに、すでにもら自衛隊の募集のビラがどんどんどんる。一方ではどうか、学園の研究施設は一体どうですか、内容はどうです。学生の生活はどうです、一体。学資でもまだまだこれはアルバイトでやっておる学生が多い。学芸大学の問題が出ましたが、学芸大学はどうなっておるのです、苦しんで卒業するのです。卒業するけれども、一体完全に就職は保障されていますか、何%です、一体今。こういうような非常に悪い環境においておる、しかも一方ではどんどんと軍事費はこれは膨張していく、膨張させないという名前のもとに膨張していく。一機五億円以上のとにかくロッキードが、二百機もこれは五年間に買わされることになった。そうしてベトナム賠償の問題が出ておる、こういう大もとの問題をたださないでおいて、その結果、敏感な、感じやすいこういう学生たちが、もしも一朝戦争に巻き込まれるということになれば、まず第一に被害を受けるのは学生だということを身をもって知っておるのです。本態的に知っておる、だれよりも。これは年寄りの想像のつかないところだと思う、実際私たちは。二十代になって、十五、六才になって、そうして今、日本のこの政治をおおっておるこの空気を感じるときに、不安でたまらないだろうと思う。この不安の気持わかりますか。こういうところに入らないで補導なんといったって、全然これは形式的だ。そうなら、やはり補導というのは、逆に今度現実から目をそらし、見るな聞くな言うな、こういう格好で、再び高い上の方からの命令に協力するという、過去のいまわしいそういうような補導にこれはなりかねない。従って、私は何よりももとをただすということが最大の問題だと思うのです。今度の問題だって、これは常識的に考えてみればわかることだ、どうですか。この学生たちのそういう心配、不安、そうしてほんとうに学生の胸の中に入っていって、この問題を解決するための相談相手になる、少なくともそういうようなものを理解し、そうしてそういうものを解決する方向に行かぬのだったら、補導という名に値いするでしょうか、これは全然別の方向にいっているのが現状じゃないかと思うのです。従って、私は文部大臣にこれは要求したいと思うのですが、私はやはり教育予算の不足が、大学というものを非常な困難な経営の中に立たしております。卒業生は依然として不安です。そうして、そのあとにやはり戦争との関係がどうしても意識の上に上がらざるを得ない、こういう根本の問題をたな上げしておいて、そうして出生の指導などということは、実はこれは木によって魚を求めることでおかしいことだ。そういうことをするのではなくて、やはり学生たちの不安にあたたかい手を伸ばして、この問題を解決する方向にいくことが、私は学生運動の本道だろうと思うのですが、そういう点についてはどう思っていますか。これは文部大臣に先にお答えしていただきたい。
○国務大臣(松田竹千代君) 学生に限らず、すべて国民の生活を安定せしめていくということが、まずもって第一の要件であると私どもは考えております。私どもも、むやみに軍事関係のことに多くの金を使うよりも、できるだけ多く教育費の方に金を使って、そうして正しい教育を徹底せしめていきたいと、かように考えております。
○吉江勝保君 全学連の問題につきまして午後質疑が行われまして、詳細に御答弁をいただいたのでありまして、私も野本委員の質問に対し、また他の委員の質問に対しまする当局の応答を承ったのでありまして、きょうは全学連の問題につきまして質疑応答をやったのでありまして、大学のまた行政方面につきましては、あらためて、きょうの質疑応答等を参考にいたしまして、本文教委員会でも取り上げたいと思うのでありまするが、本日、全学連に関しまして行なわれました質疑応答を通じまして、私の感じたことでありまするが、全学連という名前が最近非常にしばしば世上、世間に伝わるようになっておりまして、非常に関心を持たれておるのでありまして、これが全国の大学の学生の自治合の連合会であるということのだんだん実態もわかってきつつあるようであります。そういうような大学の学生のこれらの連合会の組織であって大学の学生の行動である、こういうようにわかって参りますというと、大学の学生というものが、ああいうような行き過ぎた行動をやっておってよいのかと、こういうような世論が引当最近強く起こって参っておるのであります。一部の特殊な人がやっておるというような、全学連というものがはっきりわからぬときには、そういうような見方もあったかと思うのでありまするが、全国の学校のほとんどの生の参加しておる組織でこういうことをやっておる、こういうことになってきますというと、父兄におきましても、また一般の世人におきましても非常に深い関心を持ち、また心配を持つようになってくるのでありまして、今までも全学連という名前におきまして、新聞あるいはその他のものに報道されておりまする事件の中には、相当問題になりまするものもあるのでありまして、そういうものは、次にまた本委員会等におきましても具体的に取り上げたいと思うのでありまするが、しかし本日は、去る二十七日の国会構内乱入事件というようなものが発端になりまして、全学連というものの全貌が質疑応答されたのであります。概括的に、私はこういうような質疑応答が行なわれました結果感じましたことは、世人の考えておりまする大学というものは、専門の学芸を深く研究をいたしますために設けられておりまする施設でありまするので、こういう大学におりまする学生の行動には、やはり一定の知的な、技術的な限度というものもあるのでありまして、しかもそれが大学という最高の知識水準を持っておりまする人たちだけに、その行動につきましては、人から言われなくても、自分自身で自律するところがあってしかるべきだと思うのであります。で、私は今日、国におきましても学生一人に対しましては年間二十万円程度の国費を出しまして、そうしてわが国の学問の向上のためにも、その人の人格陶冶のためにも最高のものをおさめてもらいたい、こういう意味で税金の中から学生一人にただいま申しましたような国費が支出されておるのであります。学生はあらゆつる面におきまして十分な活動をやられますことはけっこうでありますが、それは常になすべき限度というものを十分に自覚されまして、自分のまず学問の研究というような点につきましては、もう論ずるまでもないと思いまするが、十分の研究をされまして、そして本業の後におきましては、本人はもちろん、社会のために有意義な人材になってもらいたいと思うのでありまして、もし大学に在学いたしまして学業をおろそかにし、しかも大学に登校もせずに、あるいは一種の運動に専従するような立場で、こういうような運動をやっておるというようなことになりますと、私どもが大学に対しまして期待をし、また国費を出しております趣旨にも反しまするので、私どもは大学の学生の諸君が最高の学問を、学芸を深く研究されますことに最善の努力をされまして、そして学内におきましても、学外におきましても、そのとられます行動につきましては、大学の学生としてふさわしいような行動をとっていただきますように、私は強く念願をいたすものでありまして、このことは本委員会におきましては、党派は違いましても皆さんの御賛研を得られることと思うのでありまするが、あえて私はそういうものを決議というような形には申しませんが、私は委員の一員といたしまして強く要望いたしまして、本日の質疑応答の所感にさしていただきます。
○委員長(相馬助治君) ちょっと速記をとめて。 [速記中止]
○委員長(相馬助治君) 速記を起こして。 —————————————
○委員長(相馬助治君) 次に、教育白書を議題にいたします。 これに関して、東洋化工爆発事件について岩問君より文書で質疑が求められております。岩間君の発言を求めます。
○岩間正男君 私は先月の二十日に起こりました東洋化工の爆発に関しまして、ことにあそこが文教地区というような、そういう場所にああいう丁態が起こったことに対して非常に関心を持っておるものです。この問題につきまして簡単に賛同を申し上げたいと思うのでありますが、まず、学校関係の被状況を、これは文部省は調べられたと思うのですが、その結果について御報告願いたい。
○政府委員(小林行雄君) 先般、十一月二十日の横浜市金沢区の東洋化工横浜工場の爆発事故につきまして、付近の学校施設がこうむりました被害を調査いたしました。その結果について御報告申し上げます。 事件の起こりましたのは二十日でございますが、その翌日二十一日に、私どもの方の係官が出向きまして、神奈川県の教育委員会、横浜市の教育委員会等と連絡をいたしまして調査いたしたものでございます。被害の学校について申しますと、国立学校については被害はございません。また神奈川県立のものにつきましても、特に被害というものはございません。学校の施設、種類別に申しますと、これは公立でございますが、大学が一、高等学校が一、中学校が二、小学校が六というような状況になっております。横浜市立につきましては、横浜市立大学、それから金沢高校、それから中学につきましては金沢中学と六浦中学、それから小学校につきましては六浦の小学校、八景小学校、金沢小学校、大道小学校、文庫小学校、釜利谷小学校というような学校でございます。なお、私立の関東学院につきまして多少の被害があったように承っております。ただ、ただいま申しました学校のうちで、被害の特に大きい学校は横浜市立大学、金沢高校、六浦小学校の三校でございます。 横浜市立大学の被害でございますが、これは東洋化工の工場から三百メートルというふうに承っておりますが、これが最も被害が大きく、屋根、天井、窓ガラスあるいは建具等に相当の被害を受けております。市立大学の事務局の被害見積りでは、大体二千万程度であるというふうに評価をいたしておるようでございます。それから金沢高校の被害でございますが、これは大体爆発現場から四百メートル程度の距離があったようでございますが、これにつきましては、窓ガラスあるいは出入りの戸等の被害がかなりございます。また、屋根もかわらが相当浮いておるというようなことでございまして、これも被害の程度から申しますと、かなり大きいようでございます。なお、六浦の小学校、これは距離といたしましては六百五十メートルくらいの距離があったわけでございますが、教室並びに廊下の天井等にも被害がございました。また、ほとんどの窓ガラスがやられたという状況でございます。なおそれ以下の金沢中学校、これは七百メートルくらいの距離があったものでございますが、これはガラスに相当な被害があった。大道小学校につきましては約千百メートル、一キロ以上の距離があったわけでございますが、これも建具並びにガラス等に相当の被害があったようでございます。なお、六浦中学校、八景小学校、金沢小学校と文庫小学校、釜利谷小学校については施設の視察はいたしておりませんけれども、一応私どもの方として数字を持っておる次第でございます。 以上、大体学校施設に対する被害の状況について御報告を申し上げた次第であります。
○岩間正男君 学校の施設はいいのですがね、子供の被害ですね、生徒の被害、これの方が先にほんとうは言ってほしい、感覚として。命の問題ですからね。これはないのですか、これをちょっと。
○政府委員(内藤誉三郎君) 実は調べてあるのですけれども、私ちょっと急ぎましたので、手元に持ち合わせておりませんので、あとでお届けいたしたいと思います。
○岩間正男君 ずいぶんけが人があったわけですが、その半分以上ぐらい学校で壷軽傷者があったわけですね。こういう事態を聞いて非常に心配しておるわけなんです。その後、これに対していろいろな措置が考えられておると思うのですが、この被害のあとをどのように復旧するか。そのて中で、たとえば横浜市大のごときは二千万円余の損害がある。これについて補償の問題なんかもあるんでしょうが、何よりも授業を継続しなければならない。こういう点で文部省がとった措置並びに現地の教育委員会のとった措置、こういうものについては、ちょっとお伺いしたい。
○政府委員(小林行雄君) 従来こういった危険工場の爆発、たとえば花火工場等の爆発の事例がございます。これは御承知のように、学校施設の災害復旧につきましては、災害復旧費国庫負担法という法律がございますのですが、こういった人為的な爆発事故というようなものにつきましては、これはその対象になっておりません関係上、特に被害の大きいものにつきましては、自治庁にも連絡をいたしまして、災害復旧の起債等の要求が地元市町村から出てきた場合には、応援をしてやってくれというようなことを自治庁の方に申し入れをいたしております。ただ現夫の問題といたしましては、横浜市の方で特別補修費等を流用いたしまして、現在すでに補修にかかっておるというふうに私ども承知いたしております
○岩間正男君 それから負傷者に対する措置なんかはどうしておりますか。それからこの問題は、まあこれは市の問題としてやられておると思うのでありますが、今後、補償の問題なんかはどうなんですか。つまり市と東洋化工ですね、経営者側との間でこの問題を話し合うのかどうか。それから緊急の問題として、今のような市の予算でとりあえずやるのでしょうが、そういうときには、たとえば自治庁の方をわずらわす必要があるならば、そういう措置をとる、文部省からそういうことのお話が今あったのですけれども、この全般についてもう少し調査し、それからこれに対する具体的な指導の方策を立てられなかったのですか、もっと詳しく……。単に自治庁の対策だけじゃ非常に不十分だと思うのですが、どうでしょう。
○政府委員(小林行雄君) 従来そのような場合におきましては、その損失補償等につきましては、事故の原因者がこれを補償するという事例でございますので、私どもといたしましては、市立学校等についての損失補償は、事故の原困者である東洋化工と市の教育委員会との間で話が進められていると思っておるわけでございます。なお十分でないような場合等がありまして、たとえば市の起債というような事態がもし起こりまするならば、そういった点については、できるだけ起債のめんどうを見てくれるようにということを自治庁に連絡をいたしているわけでございます。
○岩間正男君 負傷者はどうですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 負傷者に対する治療費は、当然、東洋化工が負担すべきものと考えております。
○岩間正男君 現在どうなっていますか、たとえば入院しているとか、そういう何はないですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 先ほど申しましたように、資料を今とり寄せ中でございますので、しばらくお待ちいただきたいと思います。
○岩間正男君 それじゃその問題はあとにしまして、文部大臣にお伺いしたいのですが、これは文教地区ですね、とにかく関係学校が非常に近いところにあるのです。先ほどの距離は私が予算委員会でもらった資料とだいぶ違っておりますが、たとえば六浦小学校は四百二十メートル、さっき六百五十メートルというお話がありましたけれども、金沢高校は四百三十メートル、横浜市大は三百メートルのが二百八十メートル、一番、市大が近いのですが、こういうところに、とにかく年間三百トンからの爆発火薬を製造する、こういうおそろしい工場があるわけです。危険を含んだ工場があるわけです。この問題は単に横浜だけの問題でなくて、非常に今後の文教政策の上において重要な問題を持つと思うのです。これについて文相はどう考えられるか。こういう地域にこのような危険物の製造をする工場がある、こういうようなことは非常に工合が悪いのじゃないかと思いますが、どうですか。
○国務大臣(松田竹千代君) 危険を予想せられるような工場が学校の付近にあるということは、はなはだ好ましくないことと考えております。従って、今後学校を建てるときには、そういう点に十分注意し、並びに学校だけあって、今度新たにそうした危険を含む工場の設置されることに対しては、その節には適当な、あらかじめそういうことのないように、できるだけ注意していただきたい、かように考えます。
○岩間正男君 具体的にこの横浜市大とか、金沢高校あたりが非常に心配しているわけですね、そうして、この工場はともかく撤去してもらいたい、今、通産省では緊急の命令を出して制造を中止しているようですが、これは池田通用大臣からこの間伺いました。しかし、これをまた継続されたのでは——先にいって何かバリケードを築いてやれば大丈夫だなどということでまた再開を計画されている、こういうことも聞くのでありますけれども、これは文教政策の両から文教地区の安全というものを守る、こういう点からいいますと、これは文教地区の名に値しないのです。現在、これに対処して、とりあえず文部省としてはどういう見解を持たれるのか。私は当然もうこのような危険物の製造工場は、ほかの安全地帯にこれは待避すべきものだ、こういうふうに思うのです。そしてまた学生たちもそのような要望を持っておるし、学生だけでなくて、付近の住民も、もう再開についてはほとんど全町をあげ、全校をあげて反対をしているのでありますが、その反対は別問題としましても、文教政策という立場から文部大臣はどうお考えになりますか、この点を明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(松田竹千代君) 今度そうした災厄を受けた事実を考えてみましても、そうした工場を引き続いて同市に再建されるというようなことは、むろん文部省としては好ましいことと思っておりません。しかし、これに対してそこに再建をする、土地の使用者なり何なりがそういうものを再建される場合においては、文部省としては当然それのなきょうに特に主張して参りたいと、かように考えております。
○岩間正男君 どうも今の御答弁ではちょっとあいまいだと思うのです。好ましくはないのだが、再建されるような場合には、そういうことのないようにというお話があったけれども、これは大体技術的にいって、バリケードぐらいでは、なかなか危険は完全に防げないというのが今の状態だと思うのであります。従って好ましくない、そして文教政策の観点に立てば、当然このようなものはやはり再開しないでほしい、これは文部省側の見解として、文部大臣が通産省なり、内閣、閣内で発言をされる、申し入れをされる、そしてこのような学生、市民の不安というものを除くために努力されるのは、文教政策の立場から当然だと思うのでありますが、そういう考えはございませんか。
○国務大臣(松田竹千代君) なるべくそういうふうにやりたいと思っております。
○岩間正男君 これは非常に今要望しているのですが、さっそく行動に移してほしいと思います。 次に、文教地区ですね、この区画の中に、どうですか、二百八十メートルしか離れていないところにこういうものを作るという、これは一般の問題になりますけれども、何か文教地区の一つの保安条項というのですか、そういうものの中にはっきりこれをうたって、そうしてこの点を明確にもっと規律化する、こういうことは非常に必要だと思うのですが、これはどうお考えになりますか。
○政府委員(小林行雄君) お説の通り学校環境をできるだけ安全に保つということは、教育政策士の最も重要な点の一つでございますので、その点については今後十分注意を払って参りたいと思います。御承知のように、火薬の取締法につきましては、その施行規則に保安距離というものがございますが、これは私ども現在までの経験から申しますと、現在の保安距離というものは必ずしも十分であるというふうに考えられませんので、この東洋化工の事件が起こりました直後に、この保安距離を再検討してもらいたいということを通産省の方に申し入れをいたしているわけでございます。実は本年の五月にも長野県の飯田市で花火工場の爆発がございまして、小学校と高等学校に被害を受けたのでございまして、そのときにも申し入ればいたしたのでございますが、そのときには実現しなかったわけでございます。今回、不幸中の幸いと出しますか、火薬の取締法の全面改正をやるというふうに承っておりますので、この学校周辺の保安距離というものにつきましては、もう少し文部省の立場から適切な保安距離がとられるように努力をしていきたいと、かように考えております。
○岩間正男君 すでに、これは二十日に起こったことだから、とられた措置だと思っておったら、まだこれからとられようと考えておられる段階なんですね。これははっきり池田通産大臣は、今度爆発物取締法その他関係法の改正をやりたい、そうして通常国会に出したい、こういうので関係業者の人、ことに火薬の大きなメーカーなんか集めて、いろいろこれを調査したり、話し合いをしているのです。そういう中で文部省は当然——これは通産省側の法案ですけれども、文教地区の安全を守るという立場から考えて申し入れをすると同時に、あなたたちの見解をやはり明確に出さなければならない。ある場合には、これは文教地区の安全を守るための立法化を文部省が考えてもいい、そうして関連があれば通産省とここで交渉してもいいのですが、さような措置を考えておられないのですか、どうも積極性がないですね。
○政府委員(小林行雄君) これはもうすでに申し入れをいたしております。ただ、これは御承知のように、学校環境の安全ということは、これは学校教育法の施行規則にも規定がございますが、現在の法律制度上から申しますと、たとえばこの火薬の取締法にも規定があるし、あるいは消防法にも規定がある。各種のいろいろな法に、それぞれその必要に応じて、適切な保安距離というものをとっているということが実情でございますので、これらを一括取りまとめて、そういった立法をするということを文部省がするということにつきましては、まだ相当問題がございますので、これは将来の問題として、文部省としてもやりたいというふうにいたしたいと思います。
○岩間正男君 文部省でもこういう機会を不幸中の幸いとして、さらにほんとうに学園を守る、学園の平和を守るという点で私は努力されるべきもので、将来の問題などと言わないで、一刻も早くこういう問題について研究に取りかかって少しも悪いことはないと思うのです。これはやはりやってほしいと思うのです。 それからその次に、これは横浜市立大学では、この工場が米軍から返されまして、それから爆発物製造工場にされた、そのとき、今から五、六年前だと思うのですが、小笠原通産大臣のときに反対運動を起こしたのですね、学生たちが。そうして国会にも陳情し、それから通産大臣にもこの申し入れをしたわけなんです。そのとき情陳が取り上げられておって、この問題が解決されておれば、今度の被害は起こらなくて済んだわけです。ところが、そのとき通産大臣はこれをほとんど相手にしなかった。そうしてこのような学生の切なる願いというものは通されなかった。その結果、こういう大きな被害を受けているわけなんです。私はそういう点から考えて、学生たちが今こういう運動を起こしているのですが、これは文部大臣どうですか、これはさっきの問題なんかと私はやっぱり同じ性質だと思うのです。生命の安全を守り、学園の平和を守るという立場に立てば、やはり学生だってじっとしておられませんよ。工場がバリケードを作り、そういう格好のものを作って、また工場が再開される。しかも、これは私ちょっと調べたのですが、昨年の製造量が六百トンぐらいだったですね。ことしは上半期で大体そのくらいです。ですから、これは下半期はもっとふえるということになりますと、昨年の二倍以上になるのです。そうしてその爆発物の中にキールン行きという箱が出てきているのです。これは台湾へ爆発物を相当輸送しておるのです。どうも軍工場に転換するようなおそれがあるのじゃないか。かっては軍工場でした。そうして朝鮮事変がおさまって特需がなくなった。二十分の一ぐらいに減って、ダイナマイトを作ったところが、それがだんだんと量がふえまして、最近は内容もいろいろな研究を重ねられて、また重工揚に転換する可能性があるのです。それから今度の原因の一つといわれた、何か染色——色がついているのを無色にする研究というのがある。技術的な専門的な点は私たちわかりませんけれども、どうもそういうことがあるのです。そうしますと、非常にこれは重大問題であるので、学生たちがこういう運動を起こしておるのは当然だと思いますけれども、こういう点であくまでこの要求を取り上げて、そうして学園の平和を守る、これは文部省として当然の見解だと思いますが、そういう方向にこの一つの要求を実現するように努力をお願いしたいと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(松田竹千代君) だんだんとお話、まことにごもっともであり、かつ御親切な御危惧と存じます。せっかく御真意のあるところを体して、学校の安全、学生等の安全を期したいと、かように考えております。
○岩間正男君 もう一つ最後に。私、心配しているのは、横浜の問題はこれで解決したからといっていい問題じゃない。同じようなケースが全国にたくさんあるのじゃないかということを私考えるのです。これは私は調査をまだしておりませんし、またそのような調査を十分にやる機構も持ちませんから、これはその点ははっきりしませんが、しかし文部省としては、こういうような調査をされておると思うのですね。これは単に花火工場、それから爆発物工場あるいはこのような軍の弾薬を作るというようなところだけでなく、現に火薬貯蔵庫が全国にたくさんあるだろうと思います。これはこの前の決算委員会で私は昨年も明らかにしたのでありますけれども、十一年分の火薬を持っておるわけです、日本の自衛隊は。そうしてそれをしまうために火薬庫を作っているわけです。その火薬庫の建築費だけでも百億近くの金がいっているのです。何のために十一年間の火薬を持っておるのかわかりませんが、この問題は別として、それと関連して、やはり近くに学校がたくさんあるところがあるのじゃないかと思うのです。これは大へんだと思うのです。こういう調査はもちろん文部省にできておると思うのですが、これはございますか。そうして、このようなところまで徹底して今度の不幸な問題を、災いを転ずるという方向にはっきりやるための措置をされておるかどうか、この点お伺いしたい。
○政府委員(小林行雄君) 学校環境につきましては、実は昨年から本年にかけましていろいろの事例を調査をいたしまして、たとえば騒音のためにいろいろ困っておる学校、あるいは保健衛生の観点から困っておる学校、あるいは風紀その他の点から困っておる学校、あるいはまた通学途十の学校安全というような点から、いろいろと学校の環境の調査をいたしました。この中で、たとえばガスタンクの危険というような報告も中には入っておりますが、ただいま問題になっておりますような火薬製造所の危険というようなものにつきましては、府県並びに市町村から実は報告が参っておりません。従って、現在の調査は必ずしも完全のものとは私ども考えませんが、一応の調査をいたしたわけでございます。今後こういう事態が起こって参りますと、やはり学校安全上、これは注意しなければならぬ問題だと思いますので、将来これらにつきましても調査をすることにいたしたいと思います。
○岩間正男君 そうすると、これは通達を出して調査される必要があると思うんですよ、学校を守るために。そういうようなことについて資料的なものをいただけないですか。やはり国会でも問題にして、ほんとうは文部委員会が責任を持たなければいけないと思うのです。これは千八百万の子供の人命にも関係する問題で、重大な問題です。これは決して努力して少しも悪いという問題ではない。だからそういうものを文部省でも協力してやると思うのですけれども、そういう問題はできましょうか、どうでしょうか。
○政府委員(小林行雄君) ただいまの問題でございますが、たとえば、およそ火薬庫があれば危険であるという建前から、その実際の保有量と申しますか、作業量がどの程度であるかわからず、一応これだけの保安距離があれば安全であるとなっておりますけれども、特にそれは危険であるぞというような観点から、それを調査するということは非常にむずかしい点もあるわけでございます。従って、どういう形で調査をするのがいいか、それらも十分検討してみなければなりませんが、一応まあ危ないというような感じを持たれるというところであれば、やり得ないことでもないと思います。私どもこの点につきましては、現在まだ確信を持てるわけでありませんので、十分研究いたしたいと思います。
○国務大臣(松田竹千代君) 私も同様に考えます。 —————————————
○委員長(相馬助治君) 次に、市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案を議題に供します。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○野本品吉君 一点だけお伺いしておきたいと思います。それはこの提案理由の説明の裏の二行目に、「かようにいたしますと、同一市町村の教職員相互間における給与待遇の条件が均一化することとなり、」、こういう御説明があるわけです。これは裏を返して申しますと、現在は相当均一でない、まあ不均衡がある、こういうふうにも読めるのでありますが、この点については、提案者の方ではこの点お調べになっておりますか。あるいはもしお調べになっておらなければ、文部省でもおわかりのことと思いますので、いずれでもけっこうであると思いますから、御説明願いたい。
○衆議院議員(臼井莊一君) 一応調査いたしておりますが、初任給におきましても、それからまた昇給の率でございます。昇給の期間においても、また退職年金、退職手当等をもらう場合においても、市の方が有利になっております。そして県から給与を受ける現在の県立の定時制の教員が、市から給与を受ける全日制より、それらの点で不利ということになっております。
○野本品吉君 現実にどういうことになっておるか、その今の臼井さんの御説明が、現実にどの程度の食い逢いになっておるかということは文部省おわかりですか。
○衆議院議員(臼井莊一君) 一応資料がございますから、この次までにその表を詳細にまとめまして、お配りするようにいたしますが、大体のことを申し上げますと、初任給におきましては、初任給の額は名古屋市は県より二号俸高い、こういうことになっております。それから採用の第一回の昇給に際しては、市費の兼職の方が三ヵ月から六ヵ月ぐらい早く昇給する、こういうことになっております。名古屋市以外のあれは初任給は市と県とが大体似ているんでありますが、名古屋市などはそういうふうに違っております。それから昇給期間に非常に差があるのであります。従って勤務年限が長くなればなるほど、県費で支給される職員の方が本俸は低くなる、こういうことになる。それから、そのほか横浜市のように、昇格に伴う昇給として、経験年数が一定の年限に来たときには次期昇給を早くする、大体六ヵ月ぐらい早くするという特別な給与制度を市費の職員に適用しております。従いまして、県費職員との差がそれだけあって市の方が有利だと、こういうことになります。それから退職の給与のときにおきましても、退職中金あるいは退職手当についても、その支給年限、それから支給率において市費職員の方がかなり有利に取り扱われております。その詳細の表はこの次に一つお配り申し上げることにいたします。
○野本品吉君 そういたしますと、これは別な角度から見ますというと、ある意味における定時制高校の職員の優遇法案、こういうことになるわけですか。
○衆議院議員(臼井莊一君) お説の通りであります。この法案の趣旨は、同じ学校に勤めている先生方でも、定時制と全日制によって、全日制の方は市から給与を受けるのに、定時制の方は県から給与を受けると、こういう規定があるために、非常に今申し上げたような差があって不利を来たす、それがために同じ学校にいても、どうも先生の間でおもしろくない。極端なところでは、たとえば市から給与を受けている先生は、何か洋服ですか、ボーナスみたいにもらったけれども、県の方ではそれがなかったというようなことがございますので、定時制の先生方の一つの優遇案、こういうことになるわけであります。
○野本品吉君 それから、その前にあります「市町村のうち、比較的財政力の強いものについて、」ということで、五大市は財政力が強いからこういう方法をとるということは一応わかる。それと関連しまして、連鎖的に、おれの方は財政力があるのだから、僕の方もこっちもそうしてほしいと、連鎖反応を起こすという心配はありませんか。
○衆議院議員(臼井莊一君) そういうことも考え得られないのではないのでありまして、定時制の職員の方から、財政力のいい市においてそういうような意見が出てこないとも限らないと思いますが、しかし今日まで経過的に見ますと、五大市が二十六年度でございましたか、法律の改正までは五大市はそういうふうに市で負担していた、ただ二十六年に法律が改正になったときに、ほかの市町村と一緒にこれが県から支給されると、こうなったために、今言ったような、五大市について非常に不利ができた、ほかの市町村では一般的にいえば県で負担した方が有利なわけなんですが、ところが五大市については、今言ったような市に負担力があるために、ほかと同じように県負担にされたために非常に不利になった、そういう歴史的な経過がありますから、一応、五大市に政令できめてもらうというところの根拠があると、かように考えております。
○野本品吉君 一応政令で五大市にきめるということはわかりましたが、私はやはりそのことが五大市に次ぐ大都市という問題に波及するのではないかということ、また、そういうことになって参りまするというと、給与体系と申しますか、給与制度そのものについて一つの混乱を起こしてくるんじゃないかと、こういうようなことが気になるわけであります。この点についてのあらかじめの御配慮があってのことですか、その点。
○衆議院議員(臼井莊一君) その点も一応考えないではございませんが、しかし今申し上げたような歴史的な、経過的な過程を見て、そして、まあ世間でいわゆる五大市というものが、そういうことになっているわけでありますから、そういうふうなことがほかでぽつぽつ出るというようなことは、そうたくさんはないと思いますが、かりにあっても、そういうものは一応御納得を願って、私どもの方では現在それらについては考えていないと、こういうところであります。
○野本品吉君 それは個人々々の待避上の問題でありますから、非常に具体的に直接にぴんとくる問題ですね。従って将来、五大市に準ずるところ、つまり町村の財政力の強いところにこれが波及するのではないかということを、先ほども申しましたように一応心配するわけなので、この点については、この法の実施上細心の注意を払ってやりませんと、せっかくの優遇案が教育の現場の混乱を起こし、あるいは不平不満の種になるんじゃないかということをおそれておるわけです。それだけです。
○委員長(相馬助治君) よろしいですか。——まだ質疑中でございますが、本法案については次回においてもこれを審議したいと思います。 本日はこれをもって散会いたします。 午後四時二十三分散会