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33回国会参議院1959/11/05

文教委員会 第2号

発言数
132
登壇者
11
会派数
2
開催日
1959/11/05

会議録

相馬助治日本社会党

○委員長(相馬助治君) これより文教委員会を開く会いたします。  先ほど開会いたしました委員長及び理事打合会の経過について御報告をいたします。  まず、委員会の開会日でありまするが、従前通り毎週火曜、木曜の二日といたすことに決定を見ました。  本日の案件につきましては、まず、昭和三十五年度文教関係予算について、文部当局から説明を聴取した後、質疑を行ない、次に、名古屋市名城大学に関する件について議題に供し、文部省に対してお尋ねすることにいたしました。  次に、伊勢湾台風に伴う教育関係の諸問題及び北九州炭鉱地帯における生徒児童の長期欠席の状況並びに必要と認めるその他の案件の調査のために委員派遣を行なってはどうかという提案があり、慎重に協議いたしましたところ、これを適当な時期に行なうことに意見の一致を見ました。  以上、報告の通り取り運ぶことに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

相馬助治日本社会党

○委員長(相馬助治君) 御異議ないと認めます。つきましては、ただいま決定されましたように、委員派遣の問題に関しましては、派遣地、期間、人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じます。委員長は理事の意見を千分に参酌して立案し、本院規則第百八十条の二によって議長に対して派遣要求書を出すことにしたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

相馬助治日本社会党

○委員長(相馬助治君) 御異議ないと認めます。   ―――――――――――――

相馬助治日本社会党

○委員長(相馬助治君) 次に、昭和三十五年度文教関係予算を議題といたします。  文部大大臣から御説明願うことにいたします。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) 昭和三十五年度文部省予算の概要につきまして申し上げます。  明年度文部省所管予算については、目下大蔵省と事務的に折衝中でありまして、最終的にここでお話しする段階には至っておりませんが、文部省として考えている基本的な方針の概要を申し上げます。  まず、初めに申し上げます重要な幾つかの問題につきましては、すでにここ両三年前から計画的に着手しておりまする事柄でありまして、すでに進行を始めており、いわば既定継続的な意味を持つものであります。しかも、これに要する経費は相当の多額が見込まれるのであります。  その一つは、いわゆるすし詰め学級等のすし詰め教室の解消であります。これは五カ年計画をもってすでに着手いたしております事業でありますが、明年度は中学校生徒の激増を控えておりますので、今年度以上に教室の建築や教員定数の増加をはからなければならないと思うのであります。  その二は、科学技術教育の振興であります。昨年全面的改訂を行ないました新しい教育課程におきましては、初等、中等教育における科学教育の基礎を重視いたしておりますが、これに即応して予算的にも理科設備や産業教育の施設設備の充実をはかって参りたいと存じます。また大学におきましては、科学技術者の養成計画の第三年度といたしまして、約一千人の増募を目標に、学部、学科の新設整備をはかり、さらに研究費、施設費、設備費につきましても、その充実に格段の努力を注ぎたいと考えます。その他日進月歩する学術の進展や社会の要請に即応した学術の振興につきましては、人文社会科学と自然科学との教育研究の均衡を考慮しながら、必要な経費を確保するよう努力いたしたいと存じます。  以上は、すでに進行いたしております既定計画に基いて、明年度推進いたして参りたいと思うものでありますが、このほかに明年度においては、特に意を用いたいと考えますものは、次の通りであります。  その一つは、特殊教育の振興であります。盲者、ろう者の教育は、すでに義務制が実施されておりまして、その充実のための諸施策も進められておりますが、肢体不自由者や精神薄弱者に対する教育もこれと同様に推進する必要がありますので、年を追うて計画的にこれを進め、全体として特殊教育の振興充実には特に力を入れて参りたいと存じます。  次には私学の振興であります。わが国教育において私学のになう使命の重要さについては、今さら説明を要しないのでありますが、その振興については、国立、公立の学校と同様に力を注ぎたいと思います。私立学校の理科系の学用増募や研究教育の振興を援助するために、その施設設備について国の助成を強化する考えであります。  以上のほか、明年度予算の重点といたしまして、スポーツ、青少年活動、婦人教育を振興し、特殊教育とともに、ややもすれば日の当たりの薄い僻地の教育や準要保護児童生徒に対する施策をより充実し、さらに、目下進行中であります新教育課程の実施を推進し、教育行政秩序の確立をはかることなどを中心に考えております。  以上であります。

相馬助治日本社会党

○委員長(相馬助治君) 次に、天城会計課長より補足説明を願いたいと存じます。

天城勲文部大臣官房会計課長

○説明員(天城勲君) お手元に約十枚つづった三十五年度概算要求額事項別表がございますので、これを中心におもな点を補足説明さしていただきます。  最初は、義務教育関係の経費でございまして、まず、義務教育費国庫負担金でございます。明年度千二百三億という金額を要求しておりまして、二百億以上の増額要求になっております。増額の内訳は、備考欄にございますように、児童生徒の増減に伴います従来の基準で考えた教員の増が五千人ほどございます。そのほかいわゆるすし詰め教室の解消のために標準法を実施して参りますので、明年そのための教員が約一万人必要になって参ります。そのほか昇給原資約三・三%を見込みます。それから宿日直手当、これは現在実績が二百五十円ぐらいでございますが、これを国の基準三百六十円で計上したいという金。そのほか管理職手当を拡充して、教頭についても新たに管理職、手当を見ていきたいということで、校長を含めてこれは二一%を要求いたしております。その他は、それぞれ実績に基きます計算で退職手当、恩給費の増額を見込んでいるわけでございます。そのほか、教材費がこの負担金の中に入っておりますが、大体父兄負担の軽減ということを目標にいたしておりますので、現在の単価の約倍額を見込んで計上いたしておりますが、本年度約十七億でございますので、明年二十億ほど増額して、三十七億という金額を要求いたしております。それから三番目に共済組合費というのが入っておりますが、これは全然新しい問題でございまして、御存じの今後恩給制度が全部共済年金制度に変わることになりまして、給与費の一種と考える考え方から、義務教育について国でやはり二分の一を見るということで、長期、短期につきまして府県の負担分の二分の一をここに計上いたしたわけであります。五十二億になります。第三番目の共済組合負担金は新しい問題でございます。  次のページに入りまして、公立文教施設関係でございますが、これはいわゆるすし詰め教室の解消、建物の面から見た経費でございますが、本年度、三十四年度から一応五カ年計画をもって進行して参りました授業の第二年次に当たるわけでございます。従いまして、基本的にはその線を守って計上いたしたわけでございますが、ここにございますように、前年度七十七億に対して百十五億、約三十八億の増加になっております。この増加のおもな点を申し上げたいと思います。それは、同時に五カ年計画のある程度の修正になるわけでございます。まず小学校におきまして、御存じの通り、小学校の子供は大体今後漸減の傾向でございますけれども、一部都会地、特に工場の密集する地帯、あるいは集団住宅のできる地帯で社会増が非常に顕著に考えられますので、社会増の分をこれにプラスして考えることにいたしまして、明年度計画のほかに一万四千坪ほど社会増をこれに見込んでおります。それから中学校につきましては、これは逆に漸増の傾向にございまして、特に三十五年、六年、七年と坂を登って参りますので、一番問題の経費でございますが、この中学校の全体の計画は変わっておりませんが、明年度は少しでも先に仕事をしたいという考え方から、三十六年度分の約二割ほどを前進させて予算に計上いたしております。いわば年度割の若干修正をいたしたわけでございます。それから屋内運動場につきましては、一応小学校につきましては、戦災復旧分ということになっておりましたけれども、非常な実際の必要と要望がございますので、戦災復旧とプラスいたしまして、一府県平均いたしますと、三校分くらいの割になりますが、坪数を増加いたしております。それからあとは大体既定計画の年次割で進めて参っております。非義務につきましても大体同じでございますが、非義務の高等学校の構造比率におきまして、鉄筋鉄骨の耐火造の比率を現在五〇%でございますが、これをここの分だけは八〇%に引き上げてみたい、こういう考えを盛り込んでおりますために、約三十八億の増額になっております。  それからその次は、特殊教育関係の事項を一括いたしましたが、先ほど公立養護学校教育費等国庫負担金、これは盲ろう以外の特殊学校の教員給の二分の一負担、それから教材費の二分の一負担、これをやっております経費でございまして、明年度特殊教育の計画的な振興がございますので、その増設分を見込んでおります。現在三十校でございますが、明年大体十二校くらい新設を考えておるわけでございます。  それから(2)、(3)以下になって参りますと、これがいわゆる特殊教育の計画的な振興の計画を織り込んだ経費でございますが、大体考え方といたしまして、肢体不自由、精薄の学校の設置を促進いたしまして、やがて各府県に一校ずつ置いて、義務教育を普及したいという考え方を持っております。明年は、上にありますように大体十二校くらい新設し、五ヶ年間で少くとも各府県に関係の学校を一つずつ作りたい、それに伴いまして文部省で教員の講習会をしたり、指導要領を作ったり、それから特殊学校関係の教科書の編集をいたしたいというのが、来年度の計画でございます。三番目は、今の計画に基づきましたそれぞれの学校の設備費の補助でございます。新設として精薄三校、肢体不自由七校、病弱虚弱三校を明年見込んでおりますし、特に精薄児童に対しましては、特殊学級の併設を促進していこうと思っておりまして、毎年五百学級くらいを見込んでおります。これの設備費を計上いたしました。三ページに入りまして、同様な考え方から、就学奨励の補助金を同じような基準で見込んでいるわけでございますが、同時に奨励費の中身の充実を少しでも前進したい、こう考えておりまして、学用品、通学用品という種類のものを新たに加えていく考えでおります。御存じの通り、現在、教科書あるいは給食、宿舎の雑費というものは計上いたされておりますが、逐次中身を充実していきたい、こう考えております。それから五番目の養護学校の教員養成、これは大学に専門の課程を設けまして、教員養成の道を開きたいと考えております。それから六番目は、私立の特殊教育諸学校でございますが、私立でもって特殊教育をやっておられる学校がございますが、何分にも非常に経費のかかる学校でございますし、給与費、教材費等でお困りな分が非常に多いのでございまして、これは特殊教育の振興という面でぜひ補助したいと新たに考えたわけでございます。それから特殊教育の建物につきまして、これは公立文教施設整備の中に計上されておりますが、一応ここでどのくらいか再計いたしたわけでございますが、以上の計画に基づきまして、明年度二億四千五百万ほどの建物の整備費が必要となって参るわけでございます。  その次が科学技術教育の振興という関係の予算の経費でございますが、まず理科教育の設備費補助でございます。これは本年度五億予算がございますが、明年十七億要求いたしております。設備費関係では従来のテンポで参りますと、基準までまだ相当時間がかかりますので、現在の保有状況から考えまして、新たに四年計画を立てて残りを一挙に四年で仕上げたいという考え方から、その第一年度分として十五億設備費を要求いたしております。それから別に理科教育センターというものを設置したいという考え方で、明年度はブロックに一カ所くらいずつ始める予算を要求いたしておりますが、これは大体実験実習を中心とする場でございますと同時に、教職員の現職の教育の場所にもしたいと、こういう考え方でおります。産業教育関係の施設費の負担金でございますが、これも本年度八億、これを二十五億要求いたしておりますので、十七億ほどの増額でございます。これは従来からやっております計画的なものをそれぞれ延ばしておりますので、施設費、設備費に分かれます、設備費は十億、施設費は六億四千万ほどでございますが、特に中学校におきまして三十七年度から新教育課程におきまする技術科、家庭科が実施されますので、それの設備をぜひ充実したいという考え方で、これは従来と比して大幅に要求をいたしております。八億五千四百万でございます。  以上が初等中等教育関係でございますが、あとは大学あるいは学術関係の問題になります。  まず在外研究員の派遣、これは毎年わずかでございますが伸びておりますが、明年は二百六十人の派遣を考えております。南極地域観測事業費は、第五次観測に当たるわけでございまして、第四次観測者、特に越冬隊の収容と第五次観測を考えております。(5)は科学研究費交付金等でございますが、これは大学の研究費と並びまして、特定の研究テーマに対する研究費の交付金でございまして、非常に重要に考えております。本年度十五億でございますが、二十六億要求いたしております。非常に学術会議等でもこの経費についての増額を強く要望されておるわけでございます。六番目に民間の学術研究団体の振興費として二億三千万要求いたしております。これは法律もございまして、民間の優秀な研究機関、大体三十数団体ございますが、これに助成いたしております。特に学術振興会につきましては、本年度から流動研究員制度、あるいは特別な研究奨励金制度を振興会を通じて実施いたしておりますので、この振興会に対する補助金を大幅に増額を見込んでおるのでございます。  それからその次は、私学の振興興を一括いたしたわけでございますが、最初に私学振興会の助成、これは御承知の通り、私学振興会という特殊法人がございまして、すでに政府が五十億を支出して、ここからそれぞれの私立学校に資金の貸し出しをいたしておるわけでございます。今後第二次の計画として新たに七十五億の出資を五年間したいということで、明年度十五億を要求いたしております。四ページに入りまして、これからは補助金になりますが、私立大学の研究設備の助成、これは根拠法がございまして、私立大学の研究を助成するという考え方で従来も二億四千万計上いたしておりますが、特に私立大学の助成を推進するということと、私立大学関係の研究について国立だけで足りない面がたくさんございますのでお願いしたいということで、金額を大幅に増を見込んだわけでございます。備考にございます一般設備というのは従来やっておったのでございますが、特に明年特別設備というものを考えまして、大きな研究テーマをとらえてその設備費、それに要する施設費を補助いたしたい、こう考えております。施設は従来は計上されておりませんでしたので、新たな項目になろうかと思います。それから(3)の私立大学理科特別助成、これも本年度約四億計上しておりますが、明年度二十一億の要求になっております。これは国公私立大学を含めてのいわゆる科学技術者の八千人計画という計画の中で、私立大学についても既存の理工学部の拡充あるいは理工系の学部学科の増設という問題に対して岡が補助をいたしていく考え方でございますが、これもここに大幅に増額いたしたいと考えております。それから私立学校共済組合補助、これは従来からございまして、長期給付の百分の十五を国で負抗することになっておりますので、これは実績に基づいての大体の計算でございます。  以上、四つの項目につきまして私学の振興を考えたいと思っております。  それから五番目の育英事業でございまして、育英会は明年六十三億を要求いたしておりますが、この中で貸付金の中のおもな増額理由を申し上げますと、高等学校の採用率を現有全日制三%、定時制二%となっておりますのを、合わせて四%と採用率を上げたいということと、現在千円の単価を二部千五百円に直したいという考え方を含めております。大学についても単価の是正を若干いたしておりますが、特に大学院の奨学生の現在の貸費を給費に変えたい、こういうことであります。  それから社会教育に入りますが、社会教育は幾つかの事項が入っておりますが、青年学級の振興費、これが本年度七千七百万円に対しまして一億八千四百万円、約一億以上の増でございますが、主としたねらいは職業関係の学級、それから職場学級についての拡充を中心に考えております。それから(3)の青年の家の整備費につきましては六千万円で二カ年続けて参ったわけでございますが、なお全国的に設置したいということで要望しておりますと同時に、既設のところに運営費を補助したいというのを新たな事項として出しております。それから(4)の婦人教育の振興関係の経費でございますが、現存の六百万円程度の金で一府県五、六学級しか開設できませんので、少なくとも市、郡単位にこれを拡充していきたいという考え方で二千六百万円に拡大を要求いたしております。それから(5)の教育テレビでございますが、教育テレビは御存じの通り、最近教育テレビ局や義務教育プログラムがかなり出ておりますので、学校や社会教育で利用する面が非常に多くなって参りましたので、これの拡充を本年度からも考えておりましたのですが、明年特に幾つかの中身を盛り込みたい。一つは僻地学校にテレビを受像機を補助したい。僻地学校でも大体六〇%から七〇%ぐらいが受像できる可視地域になっておりますので、そこに六万円のテレビ受像機を補助したい。これは僻地に一応限定いたしております。全体といたしましてはその次の五ページにありますが、テレビ番組の作成実施を考えております。学校向け二種類、社会教育向け二種類、家庭向け一種類を民放の四局をネットして、全国網を考えております。これら番組の製作費、電波料を含めて一億五千六百万円の要求をいたしております。  それから児童文化センターは、本年八百万円で初めて出た経費でございますが、明年度これを拡充したいというわけでございます。(7)、(8)は公民館関係でございますが、これは図書館、博物館も含めますが、(7)の方は設備費、(8)の方は施設費でございます。従来からこれは続けております経費でございますが、率直にいってこの予算は伸び悩んでおりますので、明年度はぜひともこの社会教育施設の拡充を考えたいという前提でそれぞれ計上しているわけでございます。ここにございますように設備で八千八百万円、施設で一億四千六百万円の要求をいたしているわけでございます。(9)の国立中央青年の家、それは今年発足いたしましたが、なお整備すべき施設、設備がございますので、これを計上いたしております。(10)の社会教育特別助成、これは過去数年、こういう事項でもって社会教育上特に助成すべき事項を一括計上する制度をとっておりますが、一億程度のワクで要求いたしているわけでございます。備考につきましては、毎年若干中身は違っておりますが、備考欄に円いてあるようなものは、今までやってきたものの継続でございます。  次に移りまして、7は体育関係でございます。(1)は国民体育施設の整備、これは地方に体育館、プール、運動場、児童遊戯施設というようなものを積極的に設置しまして、国民の利用する施設を拡充したいという考え方で、本年度から始めた経費でございます。本年度は三千万円で、五、六カ所しかできなかったのでございますが、明年度はこれを伸ばしたいということで、二億七千万円の要求になっております。次は、明年ローマでオリンピック大会が開催されますので、それに日本の選手団を派遣することになっております。その補助金でございます。二百五十五人で、普通のオリンピックのときよりも、次回の東京大会を控えているために若干派遣選手団の人数がふえております。それから国立競技場運営、これはまだ未整備のところがありますので、これを整備するという金額でございます。なお国立競技場につきましては、オリンピックに備えまして基本的の拡充計画がございますが、まだそれらを基本的に予算化して明年度計上する段階に至っておりません。  四番目でございますが、体育につきましては、社会と同じように体育振興特別助成費がございまして、特に重点的に助成すべきものを盛ったものを一括計上いたしておりますが、大体本年度に準じて八千万ほど要求いたしております。備考欄にありますようないろいろな活動助成、国際的な行事の補助等でございます。六ページに入りまして、オリンピック東京大会実施に備えての経費でございますが、三億四千万という金額でございまして、これは全体から見ればほんのまだ準備費程度でございます。先ほど申しましたように、国立競技場につきましては約八万人の収容力にこれを拡充することが考えられておりまして、八億四千万ほどの総工事費でこれをやる見込みがあるのでございますが、明年度はまだ工事に着手いたしませんで、設計その他の準備の段階でございます。それから国民体育館というのが神田の一橋に文部省の所管でございますが、これはプールと屋内体育館を合わせたものでございますが、オリンピックに備えまして改修をしておこう、その他競技技術の向上等につきまして、五年の間にいろいろな準備をしなければなりませんので、九千万ほどの要求をいたしております。その他オリンピックにつきましては、五カ年の全体の計画と五カ年の割りふりを目下検討いたしておりますが、組織委員会が発足したばかりでございまして、もろもろの案が固まっておりませんので、これはきまり次第追加していきたい、こう考えております。  その次は、国際文化関係の経典でございますが、ここに取り上げておりますのは、沖繩の教育協力援助と、それから国費外国人留学生の招致の問題でございます。沖繩の問題につきましては、従来からやっておりましたイ、ロ、ハの線をそれぞれ拡充いたしたいということのほかに、新たに二といたしまして、琉球大学へこちらの教授を派遣して、向うの教育の応援をいたしたいとい経費でございす。国費外国人留学生につきましては、明年度は新規の増員を見込んでおるわけでございます。国別あるいは人数等は備考欄にある通りでございます。  それから文化財保存事業費といたしましては、事業費関係で約十億明年要求をしてありまして、本年度の倍以上になるかと思いますが、おもな事項は備考欄にございます。ここで一つ新しい問題は、国立劇場の建設の問題でございますが、ご存じの通り、三宅坂の旧パレスハイツのあとが劇場としてきまりましたので、ここに劇場を建設する計画を進めておりますが、案として第一から第四劇場までの案がございますが、土地の広さ、それから建築基準法上の制限等がございまして、現有のところ、第一期として第一及び第三劇場の案をこの場所で考えております。明年はその実施設計までという考え方で一億八千万ほどでございますが、実質的な建設は三十六年度以降になるかと思います。  それから七ページに入りまして、いわゆる準要保護児童対策が一括してございますが、現在教科書、修学旅行、それから保健医療費、学校給食、四種類につきまして実施しておりますが、全体として対象率を二%から四%に上げたいという考え方をとっております。特に保健医療費につきましては、就学予定者の健康診断を考えておりますので、これを新規に加えたわけでございます。このほかに対象率の引き上げを考えたわけでございます。  それから十一番目でございますが、学校教育関係の経費をここに一括いたしまして、少しごちゃごちゃいたしておりますけれども、実は事項のイ、ロ、ハ、これは従来からやっております教育課程の改訂に伴います現職教育の講習会の経費でございます。三年計画で進めておりますので、金額的にはその二年次として前年度と変わっておりません。それから二、ホは、今度新たに高等学校の教育課程の改訂が見込まれておりますので、その現職教育を三年計画で明年度から始めたい、これがニ、ホでございます。それからヘ、ト、これも従来からやっております。それからチの校長等の海外派遣、これも本年から始めたわけでございますが、明年若干人数を増加したいと考えております。それから教育研修所と教員の研究助成、これは新しい事項でございますが、教育研修所としましては、教職員あるいは教育行政関係の職員等につきまして、中央にまとまった教育研修所を設置したいという考え方で、ここに要求しました三千四百万はその管理運営費でございます。それから教員の研究助成、これは大学教官につきましては科学研究費のような研究助成がございますが、高等学校の先生につきましては特にそういうものはございませんので、一種の科学研究費の延長というような意味で、研究助成あるいは団体の研究報告出版助成等をいたしたいと考えておるわけでございます。それから八ページに入りまして、定時制教育の振興関係でございますが、ここで新しい事項といたしまして、備考欄の一番上の定時制通信教育手当というものを新たに要求いたしておりまする大体本俸の一〇%につきまして、国の四割補助を考えて、一億七千万、新たに要求したわけでございます。それから学校給食関係は、これも計画に従いまして施設設備の要求をいたしておりますが、新しい問題としては、栄養管理職員の設置でございます。これも実はここ二、三年要求はいたしておりますが、まだ実現に至らない経費でございまして、学校給食の栄養面の指導をする栄養士を設置したい、そのための職員の補助費でございます。  それから最後に、国立学校関係の経費をまとめてございますが、国立学校の経費、本年度四百四十六億七千四百万に対しまして、六百六十八億一千万でございますので、約二百二十億ほどの増額をいたしております。国立大学の、国立学校の経費の組み方は、基準経費と新規という分け方をいたしておりますので、最初に基準関係でどういう増額をいたしておりますか申し上げたいと思いますが、ここにありますように、庁費あるいは学生経費、教官研究費等、これが基準経典として考えられておりますので、それぞれその基準の単価ないしは基準経理の増額の形になっております。  ここで特に申し上げておきたいのは、ハの教官研究費でございますが、教官研究費、これは大学院を持っておる大学は、講座研究費という名前になっております。そうでない大学では教官研究費という名前になっておりますが、その総額において本年度約五十一億でございますが、これの七割増、四十億ほどの増額を要求いたしております。これは前々にも申し上げておるのでございますが、戦前のベースで考えまして、総額においてですけれども、戦前ベースと比較しまして、なお――何と申しますか、総額で戦前のベースを現在の物価指数で換算いたしますと、約百二十億ほど必要なんでございます。現在まあ五十億ございますので、あと七十億の差があると、それをぜひ二カ年ぐらいで解消したいというように、非常に対数的に見当を最初につけまして、それぞれの総額を中身で考えたわけでございます。従ってここで七〇%増というのは前年度に対する比率であるわけでございます。それからへの設備充実費でございますが、大学の研究、あるいは教育上の設備、これもかなり古いものがたくさんございまして、更新しなければならぬ状況にあります。これの更新費が三十三億、それから新しい研究や教育に対応するための設備の充実費として十九億を要求いたしております。それからロケット観測経費でございますが、国際観測年は終わりましたけれども、なお宇宙科学の進展に伴いまして日本の国としてもこの面の研究を進める必要が出て参っております。これは結論として大学の研究機関で進めることが適当だということになりまして、明年度五億六千万、これは東大の生産技術研究所の経費として要求いたしております。それからチが国立文教施設の整備を進あておりますと同時に、科学技術者の養成で学部、学科の増設を片一方でかたり促進しております。このために延物の新営あるいは設備等が非常に必要になって参っておりますので、別口としてここに要求しているわけでございます。  それから新樹関係でございますが、新規で約五十四億の要求になっておりますが、九ページをごらんいただきまして、最初は原子力関係の経費で、約十五億要求しております。原子力は、これもきわめて緊急な必要に迫られておりますが、現在研究能力のあります大学を中心に約三カ年ほど前から講座ないし部門の増設をして参りまして、約五十講座ほど、原子力関係は整って参りましたが、なお明年ここに増設の十四講座あるいは整備の七部門というものを要求しております。同時に、原子力関係は非常に設備費がかかりますので、ここに特別設備費として八億五千万の要求をいたしております。そのほか原子力関係の学科の増設等も考えております。それからその次の口の学部、学科の新設及び改組でございますが、これは八千人の理工系の学生増募の、いわば計画としては最終年度に明年は当たっておりますので、国立としては約千人ほどの増募を考えております。その他は私立大学で増募していただくことになっておりますが、そのために学部ないし学科の創設をそれぞれ見込んでここに経費を計上しているわけでございます。それからハの看護業務要員、これは突然と出ているようでございますが、実は社会保険、特に国民健康保険が施行になって参りますと、国立大学の付属病院におきましても、それに付随したいろんな対策を考えなければなりません。特に基準看護ということが前提になっておりまして、そのための看護要員の増員をしなければどうにもならない問題がございますので、社会保険関係として要求いたしております。  それから13に、前に申し上げましたそれぞれの事項にうまくはまらないものをその他として計上してございますが、(1)は市町村教育長等の給与費の補助、これは今年から三億八千万で市町村の教育長の給与費の補助をいたしておりますが、明年地教委の強化と申しますか、充実をはかるために指導主事と事務職員の設置を新たに考えております。それから同和教育として、社会教育、学校教育の面からそれぞれ新たな施策を伸ばしておりますが、これは同和教育につきましては、現在指定校制度をとっておりましたのをふやすということと、社会教育では特に問題の部落に対しまして、社会教育の公民館に類似した一種の集会所の施設の補助、その他指導費を計上したわけでございます。  以上で文部省の所管合計として、本年千七百九億に対しまして二千四百五十七億、約七百四十八億の増額をいたしておるわけでございます。  大へん簡単でございますが、以上御報告申し上げます。

相馬助治日本社会党

○委員長(相馬助治君) ただいま天城会計課長より補足説明が行なわれました。ただいまの説明に対して質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 特殊教育の点でありますが、現在、養護学校と特殊学級そのほかのことについて、中央教育審議会へ諮問をしておるようでございます。これは審議会の審議でありますから、自主的におやりになっていると思うのでありますけれども、やはり文部省としては、諮問をできるだけ年度内に出してもらうというような気持でこの審議会に臨まれておられるのか、その点はいかがでありますか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) もうほどなく答申案が出るように予定としてはなっておるわけであります。むろん、年度内はもちろんできると思っております。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 そこで、ここに出ております予算に基づいて養護学校を新たに十二校新設をする、それから特殊学級、五百学級の設備をやるというようなことになりますと、これはその養護学校の義務的な設置ということを考えられておられるのかどうか。それから特殊学級については、これを任意設置から義務設置に変えていくというような考え方に基づいてこの予算案は出ているのか、その点は、そういう考え方とこの予算案との関係はどういうふうになっているのか、それを一つ御説明願いたい。

天城勲文部大臣官房会計課長

○説明員(天城勲君) 予算の方面から見ました特殊教育の関係でございますが、やはり行く行くは盲ろう以外の特殊教育も当然義務制にすべきだという考え方で全体を考えておりますが、何分にも盲ろう以外は肢体不自由、精薄、病弱、虚弱というような、いろんな種類の児童がございますし、それを一つの学校でやるのも適当でないと考えますので、順を追って創設したい。そのうち肢体不自由につきましては、肢体不自由の養護学校は五カ年問に、少くとも各府県に一校ずつ置くような姿にしたい。それから精薄につきましては、もちろん精薄の養護学校の設置はいたしますけれども、むしろ特殊学級の増設の形でもってこれを推し進めていきたい、こう考えまして、これも大体五カ年間で、年間五百学級ぐらいずつの増設をいたしますと、一定の――これはこまかい基準を一応検討をつけておりますが、人口三万以上の都市には、特殊学級が設置されるという前提で考えている次第であります。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 大臣にお尋ねするわけですが、中央教育審議会の答申も近く出るし、現在要求されている予算要求も相当重点的に要求をされている、そういうことから、こういう特殊教育に関係しているものは、この予算が通過をされるということによって、法律的な整備が行なわれて、養護学校の学校教育法の付則が削除されるし、それからまた学校教育法における任意設置の特殊学級が義務設置として変更されるという期待をもって実は非常に努力しているのが現状だと思うわけです。それだけにことしの予算というものは、文部省が重点的に要求されているということと関連をして、明年度あたりからこれが法律的な整備を行なわれるのではないかという期待を持っているわけです。大臣としてはこの問題をどういうふうに鼻息に解決をされるお気持なのか、その点を一つお聞かせをいただきたいと思います。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) わが国の義務教育全体としては、世界的にも相当の地歩を占める水準に達していると考えられるのでございますが、特殊教育の面においては格段の劣勢にあるのではないかと考えております。従って、特殊教育を推進するということに対しましては、極力重点的に考えて参っているわけであります。従ってお話のように、やがては――まだ明年度ということははっきり申し上げられませんけれども、明年度でない、その次年度においてということもはっきり申し上げられませんけれども、漸次やはり立法措置も、その適当な改正を見ていかなければならぬようになるのではないか、五カ年計画くらいのことでその域に逃していきたいと、かように考えます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 そうすると、だいぶ伝えられているところとは、背の低い御答弁なんですが、予算の方からいうと、一体この予算が、予算要求が特殊教育の場合、特に養護学校、特殊学級において、完全に通った場合には、法律的にやはり義務設置という方向に踏み切っていける準備としてこれが出ているのか、それともこういうことが五カ年間実施をされなければ最終的にそれができないのか、その辺はどういう見込みをもって天城参事官はこの予算を要求されたのですか、そういう基礎的なものはどういう考え方なのですか。

天城勲文部大臣官房会計課長

○説明員(天城勲君) 先ほども申し上げましたように、予算の面から考えますと、一応年次割を考えまして、養護学校と、それから特殊学級の設置を考えております。従いましてこれを現在の盲ろうの形で直ちに実施いたし、盲ろうの姿と同じ形で明年すぐ実施できるということは話の前提に置いておりませんし、それから義務制の発足の仕方等については、なお法律的にいろいろ検討すべきではないかと思っておりますが、予算の面では年次的に完成したときに義務制も完成するという前提で予算は計上いたしております。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 もう一度、再度お聞きするのですが、そうすると、予算的にいうと、これが五カ年計画のもとに実施をされているというように聞いているわけですが、そうだと思うわけですが、五カ年聞こういうことが実施をされなければ義務設置ということは特殊学級についてはいけないのか、それとも明年度これを実施をし、なお翌年実施をしていけば、一年なり三年のこういう積み重ねが行われれば、五カ年明の途中でも発足ができるのか、その数字的の検討はどういうふうになっているのですか。

天城勲文部大臣官房会計課長

○説明員(天城勲君) これは現在、そもそもが義務設置でないものですから、設置者の方で設置する場合の補助会という見当で案を作っておりますから、どこの県でどういう形で学校がすぐできるかということは、にわかにわからないわけでございます。ただ、結果において全部にできるような予算の積算をいたしたいというのが一つでございます。  それから義務制の発足の仕方といたしまして、すでに盲ろうのときにも前例がございますけれども、あれは一年、二年、三年と学年進行で義務をやっていった例もございますし、学年編成がはっきりする場合にそういう形で発足することも可能でございますし、特殊の、特に精薄児童につきましてはそういう学年進行がきちっとした姿でとれるものか、その辺につきましてはなお検討の余地があるかと思いますので、今お尋ねのように、何年からどういう形で義務制が発足するかということは、私どもはまだ了解しておりませんけれども、予算の面では五カ年間ででき上がるという姿を考えるわけでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 大臣にお尋ねするわけですが、まあ特殊教育の振興のために答申が出る。その中央教育審議会の答申に基づいて再度この義務設置の問題については検討をして、文部省としては何年からこの義務設置に踏み切っていくというようなことを、態度を決定する用意があるのかどうなのか、答申を受けたらは、この問題については義務設置をしていくというこの文部省の態度を決定するという考え方でいるのかどうなのか。ただ答申を受けて、それに基づいてただ充実をしていくという考え方なのか。そうではなくて、答申を受けたらば、答申によって義務設置という線が出てきたらは、それを取り入れて文部省としては検討して、義務設置を明確に年数を切って発足をしていくという気持を持っておられるのか、どうなのか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) 審議会における答申案が出て参りますればそれに基いてさらに検討をいたして、はたして年次、数年間のうちに義務制度の採用というところまで持っていけるかどうかというような点については、何分にも全国的の数から申しましても精薄児童など相当の数に上るものでありますし、特殊教育、肢体不自由者その他につきましても、普通義務教育費と比べましては一人当たりの経費というものは非常に多額に上るという関係もありまして、今のところではどういう計画を何年続けた場合にはたして義務教育に切りかえていけるかということについての見当はまだ今のところでははっきり申し上げるところまでいっておりません。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 これは一つ要望なんですが、こういうふうなものを義務設置していくということを考えるという場合には、いわゆる文部省として何カ年の計画を立ててそれで発足をしていくのだという、そういうふうな態度を明確にされて、各県がそれに応じて準備をしていくということでなければ、ただ充実をしていくというだけで、こういうものが義務設置の形になっていくということは容易なことじゃないと思う。また今地方では、大臣がこの答申を受けて相当充実をされている予算を要求されているので、非常に近い機会にこれが義務設置になっていくであろうというような予測で、かねて各地でも運動が行なわれているし、また各県でもそういうふうな方向に努力をしている状況なのであります。答申を受けたらば、その答申によって義務設置がうたわれているということであれば、それに基づいてやはり年次計画を立てて、発足のめどをつけてもらうということが非常に必要だと思う。この点について、最後に再度大臣のお考えを聞かしていただきたい。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) 究極的にはむろん義務教育制度もってそこまで持っていきたいという考えでありますけれども、先に申し上げたように、今ここでまだ明確に何年あとにはそうするのであるということを、とにかくはっきり申し上げかねることはまことに遺憾でございます。

吉江勝保自由民主党

○吉江勝保君 けさ、陳情を受けておりました公立大学協会の矢野会長が陳情されておりましたのですが、公立学校の設備整備助成興ですね。ああいうのはこの予算のただいまの説明の中に、少額だから御説明がなかったのだと思うのですが、これはどうなっておるのですか。

天城勲文部大臣官房会計課長

○説明員(天城勲君) 今お手元にお配りした、項別表中、特に重点というと、あるいはまた語弊があるかもしれませんけれども、おもなものだけを拾ったのでございまして、そのほかにまだあるわけでございます。ただいまの公立大学の助成の関係の経費でございますが、私たち理工系のやはり学部、学科の……。

吉江勝保自由民主党

○吉江勝保君 何ページです。

天城勲文部大臣官房会計課長

○説明員(天城勲君) それには現在載っておりませんです。

吉江勝保自由民主党

○吉江勝保君 大ワクはどこのところに入る予算ですか。

天城勲文部大臣官房会計課長

○説明員(天城勲君) 事項ごとに入っておりませんから、その他という最後に入ってしまうと思うのですが、約一億九千万円ほど理工系大学を対象にして設備費の助成を組んでおります。

吉江勝保自由民主党

○吉江勝保君 昨年長後まで非常に文教予算で力をお入れになりました青年対策の予算ですね。昨年はたしか三千五百万円ほど要求されておりますが、あの予算の本年度における継続というのですか、これはどういうようになっておるのですか。昨年はたしか三千五百万ぐらいでしたが、内閣で最後に総理が一億ぐらいの増額をされまして、青年のための対策として認められたわけなんですが、あれは今度文教予算の中でどういうように入っておりますか。

天城勲文部大臣官房会計課長

○説明員(天城勲君) 去年の、今古江先生御指摘の三千万の経費は、青少年活動の助成、社会教育で地域青年活動の二千万と、それから体育関係の、ここに出ておりませんが、青少年活動の分としての一千万だったと思いますが、この地域青年活動は二千六百万の要求になっております。それから青少年体育関係の青少年活動の助成は、今おっしゃったのは、的確に三千万の中身を私了解しておりませんが、結果的に青少年活動の助成といたしましては、前年度三千万に対して今年は合計いたしますと約一億ほど要求をいたしております。これは地域青少年活動とか、それから若干のそれに伴います研究報告あるいは指導費等を含めての金でございます。

吉江勝保自由民主党

○吉江勝保君 いずれまたあとで何しますが、昨年の予算のときには青年の海外派遣作州なんか相当認められたのですが、今度はこれは文部省の予算の中には計上にならなかったのですか。

天城勲文部大臣官房会計課長

○説明員(天城勲君) 昨年の青少年の海外派遣は、総理府の青少年問題協議会事務局の経費に計上されておりますので、本年は内閣の方でやはりその増額を要求していると聞いております。私の方は従来から特別な助成費の中で指導の海外派遣費は若干ずつ計上いたしております。

相馬助治日本社会党

○委員長(相馬助治君) 関連して。活動の話が出たので、私天城課長へ念のためにちょっと尋ねておきたいのですが、けさほどの陳情の中にもあったように、これらの人は、公立大学の設備費について、陳情書の中でこういうことを言っているのです。「昭和三十五年度予算においても、更にこれを計上し、現在九千七百万円を要求中である。」それでこれらの人の口頭による説明によると、文部省がこれだけの概算要求をして努力中であるから、当委員会においても何分頼むという形の陳情をしているのです。それからもう一つ、国立学校の教授がかつて松田文部大臣にその待遇改善の陳情をいたしたところ、今の大学の教授の待遇がまことによくない、しかもアンバランスである、せめて検事並みにそれを考えたい。こういう大臣からの話もあり、今度の概算要求の中には、その松田大臣の説が盛られて今強力に大蔵省に要求中だというので、委員長においても何分頼むと、こういう私陳情を受けているのですね。そこでその他のその他というところに、百九十五億ほどあって――十ページですね――人件費等と書いてあるから何もかにもここに入っているのだ、今古江委員に説明したように、そういうものがここに入っているのだというふうな意味にもとれるが、その国立学校の教授の待遇改善などというのは費用を要求に盛ってあるのかないのか。それからその他のその他の中の人件費というのは、あまりここで問題にされては困るのか困らないのか。率直に申しまして、大蔵省といろいろな交渉途中でかなり微妙だから、若干の時間をかしていただきたいというような政治的な意味を含んでいるのかどうなのか。これらの点について会計課長から率直に御説明を願っておきたいと思うのです。

天城勲文部大臣官房会計課長

○説明員(天城勲君) 大へん文部省の予算の組み方は複雑でございまして、実は大臣、政務次官に御説明したときにも、どうも複雑なのでわかりにくいとおしかりを受けた点も二、三ございましたが、今委員長の御指摘の大学教官の給与費は、実は12の「国立学校運営費」の中に大学教官の経費は入っております。しかも基準経費の中に入っております。従いまして本年度四百四十六億に対して六百十三億、約百六十六億の増額、この一番下に「その他」とございます。この中に給与費関係は入っておるわけでございます。で、大学の経費で本年度四百四十六億ございますが、約七割近くは実は給与費でございます。人件費関係の経費でございます。従いまして、ここに書いてある「その他」というのは、大体給与費を中心とお考えになってけっこうだと思います。ただいま御指摘の大学教官の待遇改善のための経費でございますが、この中で約十億ほど実は金額的には要求いたしております。それは今おっしゃった検察官並み、ないしは裁判並みという考え方は従来われわれもとっておるわけでございますが、それを一挙に実現いたしますためには非常に膨大な金がかかりますので、一応検察官並みということを当面の目標にいたしまして、明年度は特に大体二号俸ぐらいの是正でございますけれども、この是正案を織り込んでおるわけでございまして、一挙に明年度そこまでいくという要求はいたしておらないわけでございます。それから全体の「その他」でございますが、別に申し上げて困るという意味でここに入れたわけでございませんが、本名関係の既定の事業費、庁費等いろいろございまして、一々こまかく書き切れないものですから、おもな点以外は一括ここに入れたわけでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 五点ばかり質問したいと思いますが、第一群は教職員のふえましたのが五千百三十人とございまして、その単価が上にございますが、この基礎になる学級の人数ですけれども、去年と同じ一学級当たりの人数を算定基準にしたのでしょうか。

天城勲文部大臣官房会計課長

○説明員(天城勲君) 生徒の自然増減によります教職員の増につきましては、従来からやっております現状についての規模でやっております。それから標準法を実施する場合には、いわゆる詰め込み学級の解消でございますので、頭の高いところをつぶして参りまして、明年は小学校は五十六、それから小学が五十三でございますか、そこまでに落とすというやり方をいたしております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 それに関連しまして、この中のたとえば結核休、産休、養護休、こういうようなものについて大体パーセンテージ、養護教員なんかについては学級数が幾ら幾らという算定基準があるわけですけれども、産休につきましても私伺いたいのは、昭和三十年の七月に産休法ができまして非常に活用しておるわけですが、あれが義務設置でございませんために非常に困っておる県に――福島県とか茨城県、千葉県、愛知県、山梨県、東京都、これらは割合によく行なわれておる方なんですが、それとてもやはり産休補助教員の単価につきましても標準単価までいってない。ひどいのは八千円とか七千円とか、こういうふうになるわけです――いろいろ問題点があるので、ぜひこれは義務設置にしたいという要望が全町にございますので、そういう点でパーセンテージを一つお知らせいただきたいと思います。

天城勲文部大臣官房会計課長

○説明員(天城勲君) これは実は、一昨年公立学校の教員定数の標準法が制定されましたときに、私こまかい資料を持っておりませんけれども、その法律でもって学級規模ごとに教員の定数、それから学校規模ごとに学校の教員の定数、こういうものを定めまして、そのときに、たとえば何学級以上の学校に対しては何人という教員の置き方の中に、養教とかあるいはそういう事故教員の代替分とかいうものを見込んだ基準を作って、その基準に従いましてこの標準法実施の増員分を見込んで県のワクを作って、この予算を組んでおるものでございますから、こまかくこの積算の中に産休何人、結核何人というずっと前にやっておりました国庫負担事務のやり方については、この法律以降はやっておらないわけでありますが、ですから産休分については何人、結核の比率何%というやつのは、この予算としては現在しておりません。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 それが明確でございませんために、年々予算要求をいたしますときに、これははっきりしていただきたいとお願いしているわけなんです。特に今の行来に参りました場合に、予算に教育費の内容としてひもつきがございませんために、県に行きますというと、非常にこれがまちまちになっている。全国的に非常にアンバランスだ。結核につきましても、お産につきましても、全国同じようにその必要化に迫られているのに、大へんでこぼこがあるということは遺憾です。たとえば一つの例で申しますと、この夏、兵庫県の神戸のところから陳情があったのです。その中には、これは明親小学校ですか、一人の女の先生が妊娠三カ月、そうすると校長さんが、「あなたは赤ちゃんをおろすか、学校をやめるか、二つのうち一つの返事をせい。」しかも、それを学校運営委員会というのを開いて、「皆さんの意見はどうか。」こういう質問をしているわけなんです。私、大へん間違いじゃないか、校長さんの子供じゃないわけです。ちゃんと御主人があるわけです。どうして御主人を呼んで、「あなたは赤ちゃんをおろすかどうか返事をせい。」そうしておろしてしまった。そうしてそれをだれにも言わなかったわけです。あとでそんなことを知りまして、校長さんというのは、お産の先生ができたらば、補充教員を県に要求して、そうして配置して、正常な教育を運営するようにというお役目なのに、逆にほこ先を気の毒な女教師に向けていった。和田岬小学校とか、たくさんの例が出ているわけです。きょうは省略いたしますが、そういうふうにして、せっかく法律がありながら、それが活用されていないし、予算についても基礎がはっきりいたしておりませんために非常に困っている。ある県につきましては、卒業生がなかなか就職できないから、それを配置するとか、いろいろ県によって苦慮しているわけです。中央でやはりその基礎をはっきりして、そういう指導をしていただかないと、せっかく法律ができましても、これがむだになってしまうので、その点について今後その指導の方法ですかを各県に極力していただかなければならないと同時に、法の不備も直していかなければならないと思うのですが、そういう点について御意見を伺いたいと思います。

天城勲文部大臣官房会計課長

○説明員(天城勲君) 産休教員のかわりの先生の問題につきましては、現在法律がございまして、おっしゃる通りの措置になっておりますが、なお実施上の問題について現場でいろいろな的確にいかない話もあることは、私も町おり聞いておりますが、その点につきましても、法の趣旨が十分徹底いたしていくように、いろいろな機会に指導いたしまして、その点につきましては今後努力をいたすつもりでございます。ただ法律の問題につきましては、一応一昨年でしたか法律ができて一応五カ年計画も進行中でございますし、第一段階の基準として、これで全体のすし詰め学級をつぶし、かつ、一定数の教員を確保したい、こういう基本的な前提でございますので、それを個々の部面についてこまかい基準を作り直すということにつきましては、今私たちはちょっと考えておらないのでございますが、私主管局長でございませんし、予算の関係だけなものでございますから、それ以上ちょっと御答弁申し上げることは差し控えさしていただきたいと思います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 ちょっと関連してお聞きするのですが、今標準法に基づいて定数ができて、産休の実施の確保に関する法律に基づく定員というものは、全然出ておらないのですか。そうなってくると、法律が守られておらないということになるわけで、それを従前、三%で結休とか産休で定員を考えていたという従前の考え方は全然なされていないとするならば、法律を守るために一体国は何の措置をしているかということになるわけですが、今の御答弁に誤りないですか。

天城勲文部大臣官房会計課長

○説明員(天城勲君) 産休の法律でございますが、あれは、別に私お言葉を返すわけではございませんけれども、予算の積算について何パーセントと規定した法律ではございませんので、当時こういう標準法はございませんので、それを実績から見て何パーセントくらいのものを予算の中に見込もうという予算積算の話はあったのであります。従って、それが現在積算の基礎にそれを入れないから法律違反だという御質問でございましたけれども、現在は標準法で実施していくという考え方でおりますので、定数の基礎になる考え方は、標準法が法律的には唯一の基礎だと思います。結核につきましても、結核を何パーセント見込むということは、予算積算上の従来のやり方でございまして、この法律施行前のやり方だったわけであります。それらの問題をみんな取り入れまして、現在この標準法というものを一括作られておりまして、これに基づいて教員定数の積算の根拠としているわけでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 標準法に基づいて定数がきめられるということは、おっしゃる通りだと思うのです。そうすると、それでは必要な財政的措置を国が講ずるということについては、標準法の中で十分だという考え方を持っていなければ、国としての財政的措置を講ずるということと、第三条と全然関係がないわけなんです。だから今お話しのように、定員というものが標準法に基づいてそういう定数を出されているということについては、おっしゃる通りだけれども、それでは特に産休の実施の確保に関する法律に基づく一体国の財政的措置というものをしなければならないというようなこの規定は、どういうふうな形で守られているわけなんですか、あなたのお考えでは。

天城勲文部大臣官房会計課長

○説明員(天城勲君) 標準法の中身についてこまかい資料を持っておりませんが、考え方として、先ほど申し上げましたように、学級規模に応じて先生の定数をきめ、学校規模に応じて先生の定数をきめる、その中に養護教員あるいは産休あるいは結核休職の先生があるということを前提に置いてこういう標準法がきめられているというふうに承知しております。その中で結核が何パーセント、産休何パーセントというようなこまかい個々のものはございませんが、こまかい個々のものにつきましては、全部標準法で中に入れているという前提で基礎にいたしているわけでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 私は今の御説明は、時間がありませんけれども、お聞きしておきます。やはりこれは研究を要するのじゃないかと思います。これは今の定数の標準法というのは、産休なりあるいは結休というものを含んで、そういうものまで考えて標準法というものはできているというふうに私たちは理解をしていないわけです。従って、あの定数法が守られていなければ教育というものは正常に運営ができない、こういう考え方で標準法が守られているので、それが特に結休なりあるいは産休というような事情が出てきた場合には、国は財政的な措置を講ずるということによってそれを救っていかなければできないわけです。だから、あの法律の中にすべてこういう産休とか結休の措置も含まれているというあなたの御説明は私は納得できません。これについてはまたもう少し私の方でも研究をして申し上げたいと思うわけでありますが、関連をしたので私は申したわけです。

天城勲文部大臣官房会計課長

○説明員(天城勲君) 松永先生の御質問で、私今ちょっと資料がなくて非常に大ざっぱな、言い方を申し上げて大へん恐縮であったのでありますが、標準法の中で、十条でもって、前三条で規定した定数の中には産休と休職者は含まないという規定がございます。ですから、これは個々の算定基礎にはそれは含まないことはこの条文でわかるわけでございますが、ただちょっと私宙でわからないのでございますけれども、全体の積算の中にはこれを含めた点がどこかにあったと思ったものですから、そう申し上げたのですが、大へん私の不勉強の点がございますので、もう一ぺんよく調べまして、的確にお答えいたしたいと思います。

相馬助治日本社会党

○委員長(相馬助治君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

相馬助治日本社会党

○委員長(相馬助治君) 速記を始めて。  ただいま発言中でございますが、これをもって休憩いたします。    午後零時二十八分休憩    ―――――・―――――    午後一時五十七分開会

相馬助治日本社会党

○委員長(相馬助治君) これより委員会を開会いたします。  本日、荒木正三郎君辞任、栗山良夫君が補欠として選任されました。   ―――――――――――――

相馬助治日本社会党

○委員長(相馬助治君) 午前に引き続き昭和三十五年度文教関係予算を議題に供します。  質疑のある方は順次御発言を願います。  午前中の質疑に関しまして、特に天城会計課長より発言を求められておりますので、発言を許します。

天城勲文部大臣官房会計課長

○説明員(天城勲君) 午前中の千葉先生と松永先生の御質問で、私ちょっと資料を持ち合わせていなかったり、思い違いがあったりした点がございましたので、大へん恐縮でございますが、あらためて御説明をし直させていただきます。午前中のは取り消させていただきます。  御指摘の義務教育費国庫負担金の積算基礎について、結核休職あるいは産休教員の代替教員をいかにプラスするかという問題でございますけれども、義務教育費負担金の積算は、午前中申し上げました通り、標準法に基きまして基準の教員定数をはじきます。しかしこれは御存じの通り、実績主義の上にのっとってやっているわけでございますので、基礎において産休……休暇休職職員は一応省いて計算をいたしまして、五月の指定統計の実員をそれにプラスするというやり方をいたしております。明年度の予算で申しますと、標準法の積算をいたしまして、それ以外に、こまかくなりますが、八千百二十三人という指定統計の数字の休職職員分をプラスして積算いたしております。これは負担金の計算でございますが、同時に地方費の負担につきましては、交付税の基準財政需要額の算定に基づきましては、標準法で考えました教員定数に二%の増を見込んでいるわけでございます。従いまして実績で約八千のプラスをいたしますのに対応する水準財政需要額での増は二%でございますので、約二万一千になるわけでございまして、国といたしまして財政措置は地方財政の面と負担金の面で、両方からいたしているわけでございます。現在のところ、実績の方が基準財政需要額で見込む二%よりも若干低くなっておりますけれども、これはまた年間の問題でございますので、実績に応じてこれは必ず負担金で処理いたす、こういう建前になっております。  以上、訂正させていただきます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 今の説明でわかりましたが、従前三%といっていたのと三%というのは、どういうような違いなんですか。

天城勲文部大臣官房会計課長

○説明員(天城勲君) ずっと前に、負担金の積算のころに結核について三%のときもございましたし、あるいはそれ以外の数字もございましたが、最近結核休職などの実績は、医療関係の進歩でございますか、非常に減って参りまして、今ちょっと結核だけの比率を覚えておりませんが、かなり落ちております。そういう実績等を勘案しまして、産休合わせて二%というのを交付税の方の基準に使っておるわけでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 そうすると、二%で十分実績を上回るのですか。あるいはこれは実績を下回っているのですか。結果においてはどうなんですか。

天城勲文部大臣官房会計課長

○説明員(天城勲君) 三十三年の実績を見て参りますと、産休の例で申しますと、代替措置の仕方は、臨時任用の者もございますし、それから特定の学校にプールしておいてほかの学校に派遣するということもございます。あるいは非常勤講師の採用というような、いろいろな方法がございますが、大体産休休暇教員の補充はできている実績が出ておりますし、それから予算の面から見ましても、二%の数字に対して実績の方がやや下回っておりますので、代替措置はできておると存ずるわけでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 初中局長にお尋ねをするわけですが、今、この問題だけでないのであれですが、産休は実際のところなかなか十分に各県で予算措置がなされてない、それがむしろ実情だと僕らは思うのです。非常によくやっているところもあるけれども、一般的に近ごろ産休については、この法律が具体的に行なわれないという声の方が実は多いわけです。そういう声を反映して、やはり今のお話でも、むしろ実績の方が予算措置より下回っておるという実績も聞いて、前に三%から二%に下がっているという実情から、こういうことについて、初中局長の方で積極的にそういう措置をすべきだということを、いつ、どういうふうな形で一体各府県にそういうことを通達を出され、あるいは実施を要望されておるのでありますか、それを聞かしていただきたいと思うのです。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) ただいま会計課長から御説明いたしましたように、実績は八千百二十三名が休職になっているのでございます。そのうち、産休は二千八百九十八名というのが昭和三十四年五月一日の指定統計でございます。実際に地方交付税の方で財源措置をいたしておりますのは、教員総数の二%で、一万一千人ですから、この差三千人というものがまだ余裕があるわけでございます。しかし、これは余裕があるからといって無理に雇わなければならぬ性質のものじゃございませんで、必要に応じて雇う。そこで、私どもとしては、結核はまあだんだん減って参りまして、今一%ぐらいでございます。産休の方は御指摘のように各県によっていろいろ御不満の事情もあるようでございますので、これも実はことしの春でしたか、私、今ちょっと記憶がございませんけれども、産休については完全に充足するようにという通達を出して指導いたしておるわけでございます。なお、各県の具体的な事例について非常にお困りなことがありますれば、それぞれ私ども各県についても指導して参りたいと思いますので、ただいま申しましたように、一般的な通牒といたしまして、ことしの春だと記憶しておりますが私の名前をもちまして産休を完全に充足するようにという趣旨の通達を出したのでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 それじゃ私資料を要求しておきますが、各府県で産休について予算抽選をしてある実情を出していただきたい。それからなお、今、八千三百二十四人の中での二千八百九十八名というものが出ているわけですが、これを各県はどの程度どういうふうに採っているのか。それと、それから予算措置をどうしているのか。そうして今の通達ですね。これを三つ資料として一つ出していただきたい。これは、私たち委員会では、町間がなくて十分に取り上げませんでしたけれども、声としては相当出てきておるわけです。まあ他の職種に比べてみては教職員が非常に工合が悪いということを私は決して言っているわけじゃないけれども、法律的に非常にきちっとされている問題が、やはり実情は相当不十分な状況にある。それであるのにかかわらず、余ったら採らなきゃいかんというあなたの御説明ではないけれども、むしろ、実情はもっとほしいのにかかわらずそういう状態であるということについては、やはりそこにいろいろな原因があると思うわけです。その三つの資料を委員会に出していただきたいと思う。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 私が申し上げたのは、産休については、労働基準法もございますので、労働基準法を完全に実施できるように必要な措置を講じていただきたいと、こういう意味の通達を出したわけであります。  五月一日のものは、資料としてございますので、指定統計を差し上げたいと思いますが、各県の予算につきましては、私ども各県の予算を全部整備しておるわけでございませんので、多少時間がかかるかと思いますが、あるだけは差し上げたいと思います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 まとまっただけでけっこうです。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 午前中、天城会計課長は、産休法は予算の裏づけがないというようなことを予算の件についてちょっと触れていらっしゃったのですけれども、今伺いまして大体産休の基礎は了承したわけなんですけれども、これは産休法の中の第三条に(国及び地方公共団体の任務)ということで規定されておって、必要な財源措置をするよう努力しなければならないと、ただ義務設置でないというだけであって、必要な財源措置をするよう努力しなければならないとあります。これを作りますとき、内藤局長御存じのように、やっぱり今おっしゃったですが、十二週というけれども、教員の場合には十六週というものを先に確保してあったわけなんです。しかし、地方の実情でもって十六週をなかなかとりにくい、そういう内容があったものですから、産休法の中には十二週とか十六週とかいうように規定しないで、「必要な」ということでやった。しかし、その内容には、あくまでも最低労働基準法の十二週を下回らないという条件が十分話されておった。そういう意味におきまして、やはり国と地方公共団体が一緒になって財源的な措置をしなければならないということが明確になっておりますので、その点を申し添えておきます。  それから、もう一つは、伺いたいんですが、これは予算の中に昇給財源というのがございますのですけれども、本俸の三・三%で一般昇給の年間所要原資が出ていますですね。この中にございますのは、たとえば文部省はいつか勤務評定等によって特別昇給云々ということを話されたわけです。そうなりました場合に、各県が勤務評定等によって特別昇給を行なった場合には、その実績の二分の一を国庫で負担するということをおっしゃったことも聞いておりますが、そうすると、三十一億円の中には一般昇給以外の特別昇給が含まれているかどうかということを伺いたい。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 国家公務員の場合におきまして、勤務評定を行なって、特に成績優秀な者につきましては五%のワク内を限って特別昇給を認めているわけであります、特にこれは人事院の指令によりまして。そこで、この国家公務員の場合には特別昇給という予算はないのでございまして、一般昇給のワクの中で操作をするわけでございます。と申しますのは、昇給をする場合に、一定の期間良好な成績で勤務したものでございますから、期間が足らない者もあるでございましょうし、また成績の思わしくない者もあるでしょう。そこで、大体五%程度なら一般昇給に支障がないと、こういうことでございますので、国と同じような昇給財源の措置をいたしたわけでございます。従って、その財源のワクの中で特別昇給をしようと思えば十分できるだけの予算が含まれているわけでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 次は、育英資金の項でございますけれども、この中に現行全日制は三%、定時制は二%、それをそれぞれ四%に引上げていくという内容のようでございますが、これは育英資金の問題については非常に熾烈な要望が各県にあるわけなんです。非常に少ないと思うのです。特に高校の場合には、育英資金を最低ほしいといっているのが三〇%、大学の場合では、アルバイトしながら学校へ行っててこれもほしいというのが五〇%以上いるわけなんです。私が今これを申し上げるのは、定時制の高校生にしろ、アルバイトをしている大学生にしろ、学校と仕事の上でからだが過酷なんですね。それで過労のために結核になっている。結核の方の対策で調べていきますというと、大学生の場合でも世界一結核の率が多いというようなことが出ているわけなんです。そうしていきますというと、やはり奨学資金をもっとふやしていくということについてしっかり国の対策を立てていかなければならない。そういう意味で、これは文部省としては最低限これだけ必要なのか、もっと必要だけれども、他の予算の振り合いでもって減らしたのか、その点伺いたいと思います。

緒方信一文部省大学学術局長

○説明員(緒方信一君) 来年度の育英資金の予算要求におきまして、ただいまお話のように、高等学校におきましては四%まで採用率を広げたいという要求をいたしております。この考え方は、今大学の方のお話がございましたけれども、大学の方はワクを広めるというよりむしろ単価の問題であります。こういうように考えるわけであります。高等学校の方は、むしろそのワクを広げるということが大事じゃないか、今お話もございましたが、要望から見ますと、まだ現在非常に低い充足率になっております。そこで四%というのはどうやって考えたかと申しますと、これはやはり経済の問題、それから生徒の優秀性の問題、両方の要素が必要でございます。そこで経済の困窮の水準から申しますと、これは四割くらいのものを考えているわけでございまして、そのうち学力が優秀だというのは一割以上の範囲内に入っているということを考えまして、そうして四%ということを出したわけでございます。来年度の要求としましてはこれでやっていきたいと思っております。なお、昨年中央教育審議会に育英制度につきましていろいろ検討してもらいました中にも、高等学校の生徒に対しまする育英奨学資金の今後のいき方としましては、やはり幅を相当広げるようにという答申が出ております。そういうようなものも勘案いたしましてこのようにいたしたわけであります。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 今の件でございますが、大学については人数よりはむしろ額の問題を、一人当たりを多くしていくという内容だと思います。やはり中央教育審議会で答申した中で、秀才教育云々ということがあったと思いますが、今の段階の問題は、それも大事ですが、もっと大事なことは、もっと勉強したくても勉強できないような者がいるので、そういう点にまでワクを広げていただきたいということを要望しておきます。  それから育英資金の使い方につきまして、育英会に全部まかせ切っておりますかどうですか。というのは、育英資金を受けている人を調べたところが、公立の学校の方が非常に多くて、私立学校が非常に少ないということで、聞くところによると、何割ぐらいが公立学校に行って、幾割が私立であるというその率まで暗々裏にきまっているということを聞いております。それから農村地方に行きますと、育英資金制度が徹底しておりませんために勢いそれが都市に偏重しているということを聞きますが、そういう点、育英会に対して文部省はどういうふうに指導しておりますか。

緒方信一文部省大学学術局長

○説明員(緒方信一君) 育英会の運営につきましては、育英会が責任を持ってやっているわけであります。御承知のように育英会は特殊法人でございまして、法律に基づいて設置いたしておりますが、これは文部大臣が十分監督はいたしております。個々の事業の運営につきましては、育英会が責任を持ってやるということでございます。今のお話の高等学校の育英資金の、配分等につきましては、これは教育委員会に――教育委員会と申しますか、支部がございまして、支部が教育委員会の中に具体的にはあるわけでありまして、教育委員会の援助を受けつつ、これは推薦がございまして、推薦を審査してこれを配分するということになっております。ただ、大学につきましては直接育英会がやっているわけであります。その配分の判定でございますけれども、これは非常にむずかしい問題でありますけれども、今申しましたように経済の水準の問題と、それから学力の優秀性の問題、両方を勘案して参らなければなりませんので非常に困難でございますが、その点は育英会におきまして非常に苦心をしてやっているような現状でございます。  今のお尋ねは、育英会に対して文部省がどの程度タッチしているかというお尋ねでございますが、文部省が全体的にはタッチしておりますが、個々の運営は育英会がやっております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 やはり各教育委員会にまかして自主性を保たせているということでありますが、やはりそこにおりますと言いにくいのですが、それを知っている方、そう困ってない方にもだいぶやっているというデータもあがっているわけでありますが、ほんとうに必要な人にいくような適正な配分と申しますか、そういう方法を一つ文部省としても一そう念入りに指導していただきたいと思います。  次に、時間がないので簡単に申し上げますが、婦人学級の件ですが、ここにたくさん予算が盛られておりますが、この中に婦人学級と教育研究の費用がございますね。婦人学級を各郡市までにいきわたるようにという予算の組み方でございますが、それと婦人教育研究協議会とどんな関係を持っているのか、あるいは単独で全国的なものをやるのか、具体的な内容を知らせていただきたいと思います。

天城勲文部大臣官房会計課長

○説明員(天城勲君) 担当でないので十分お答えができかねるかと思いますが、現在婦人学級を町村で開催しておりますのが六万ぐらいに及んでいるそうでございます。参加者も三百万をこえているという状況でございますので、従来の一府県数学級では足りないというので、これを増加していきたいという趣旨でございます。それから、地区あるいは全国の研究大会の問題でございますが、これはそれぞれの単位の婦人学級でいろいろな問題を学習したり検討された結果についての発表会、あるいは相互の研さんの機会という形を考えているようでありまして、研究会の方と婦人学級と全然切り離してばらばらのものとは考えておらないのでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 最後に要望しておきたいのですが、この婦人学級の運営については非常によくいっているところと、それからそうでないところとがあるわけです。具体的にいえば、ほんとうに婦人が自分の人権を考えて、婦人自身が幸福になることは男の人もみんな幸福になることだという相対的な観念の中で教育されているのと、それからやっぱり相変わらず、まあだれかがしんぼうすればしあわせになる人があるんだというような、昔ながらの犠牲的精神を婦人学級の中に養成している。それは、その運営に当たっている人によって非常に差があるということです。だから批判精神というものをほとんど養うような方向にいかない。たとえば時局問題について話し合いをしようというような、そういうときにはいわゆる右とか左とかということはないわけですが、右でも左でも中立でもいろいろな人が中に入って、そうして十分に話し合って、婦人自身がほんとうに判断の材料を十分吸収して、その中で自主的な判断をして力をつけていくと、こういうやり方が民主的な学級の経営じゃないだろうかと私は考えるのです。ところが学級の中には、これは文部省の方からお金がきて、そして県の方からも、社会教育課ですか、そういうふうな方々の指導の中には、あの人の講師はいけない、あれもいけない、これもいけないというので、講師も何も一切まかさない、運営についてはタッチさせない。それで意見を言うと、あなたは赤だろう、そんなら母親大会に行きなさいということで、こういうふうにして母親大会というものがほんとうに一人々々立ち上がって一生懸命になっているという、そういうことに対して水をさすような運営の仕方がいろいろ行われている。そうすると、文部省としては急にこんなにたくさん予算をとってそうして婦人をよくしていただくということはけっこうですけれども、もしも腹を探られるような意図のもとにやられると非常に問題がある。ですから、社会教育課あたりに対しても、この婦人学級の運営については十分な話し合いがなされるようにしていただかなければならない。この点を要望して、このお金の使い方については私は十分監視する必要があるのではないかということを申し上げて私の質問を終ります。

相馬助治日本社会党

○委員長(相馬助治君) そのほかに御意見ございませんか。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 時間もありませんので、途中まで一つお聞きをして、あとまた名城大学の問題もあるので、途中で切るつもりで少しやらしていただきます。  予算に出ております科学技術教育の振興の中で、中学校設備として三千四百十八校、三年計画の初年度とここに出ておりますが、この三年計画というのはさっき御説明もありましたように、技術家庭科を置くということになって、それが三十七年から実施をされるというようなことで三年計画という計画を立てておられるというように御説明もあったわけなんですが、お聞きしたいのは、文部省では技術家庭科の設備基準というものを出して、その設備基準に基づいてこの計画を立たれておるのか。その点一つ御説明願いたいと思います。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 技術家庭科は従来の職業家庭科が基礎になったわけでございます。で、職業家庭科の場合には農、工、商、水産、家庭と一通り全部を履修させる建前になっているわけでございます。ただ今日の段階におきまして農、工、商、水産、家庭一通りやるということは学習的にもいろいろ問題もあるし、教員の養成の面から考えてもなかなかそういう万能の選手というのは養成しがたいという面もございまして、今後の日本の科学技術教育を振興させる建前から、できるだけ、このうち男には工的内容のものを中心にしていき、女子には家庭科的内容のものを中心にしていこうと、こういうことで、技術家庭科が新しく生まれたわけでございまするが、これは、今申しましたように、従来の職業家庭科をさらに推進したというふうにお考えをいただきたいと思います。で、こういうような趣旨から、実は、どの程度の設備が必要かというので今検討をいたしておりまして、大体私どもとしては基準を今描いておるわけでございます。その基準の中から、本年度大体まあこの程度はぜひ必要であろうというのが、ここに要求いたしました一校当たり大体五十万でございますが、五十万程度で――もちろんこれだけで十分とは思いませんけれども、必要最小限度の基準といたしまして五十万程度の基準で、今日までこの産業教育の指定校として指定された以外の学校について、急速に三年計画で整備いたすため、三十七年度から支障なく発足をいたしたい、かように考えておるわけでありまするが、この教科は、非常に専門的なものでなくて、これは必修教科でございまするので、進学する者も就職する者もひとしく課するものでございまするので、技術的な基礎的訓練を目的としたものでございます。従って、中身は、工作と申しますか、設計、製図のこととか、あるいは木工、金工、電気、機械といったような基礎的な技術、こういう点で、非常に高度なものをねらっておるわけではございません。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 今お話しの、つまり一万三千の中で、すでに産業教育の振興法に基づいて指定校となった学校を除いた学校について、三カ年でこの設備を計画してやるというお話があるわけで、それで一校五十万ということでありますけれども、今、技術家庭科の設備基準というものがいろいろ各方面から出されているわけです。文部省自身もそういうことについて一つの基準を考えておられ、それからまた、中学校の校長会の方でも基準を考えているとか、あるいは教育長協議会でもその基準を出している。それらの基準を、伝えられているところ、あるいは発表されているところによって見ると、いずれもこの五十万という金ではとてもその基準に追いつかないということがはっきりしていると思うのでありまするが、五十万で一体どういう設備の基準を達成しようとしているのか、それは具体的にどうなんでありまするか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 先ほどの御質問の中にもありました、教育長協議会の試案、あるいは校長会の案、こういうものを勘案いたしまして、私どもとしては、必要最小限度どの程度が必要か、これは、いろいろ学級の規模によっても違うし、教育の内容によっても異なろうと思うのです。しかし、これだけはどうしても各学校にやっていただきたいという線でしぼったわけでございます。で、この中には、設計、製図とかあるいは木工、金工、電気、機械の基礎的な教育に支障のないだけの設備を見込んだわけでございます。ですから、これを非常に程度の高いものにいたしますれば、それは幾らでもお金はかかると思いまするが、まず現在の産業教育指定校で実施いたしましたのは、一校十五万円の補助で三十万を基礎にいたしまして、その成果も見まして、大体五十万程度ならば――もちろん不十分でございますけれども、まあまあこの程度なら何とかやっていけると、こういうことでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 それじゃあ、五十万でまあまあと考えられているその基準の、一つ、案をお出しをいただきたいと思う。それをこの次に出していただきたいと思います。そこで、文部省では、一体、技術家庭科の設備基準というのをいつお出しになるのでありますか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 予算が済んだあとで十分検討をいたしたいと思います。現在のところ、予算を提出するための基礎的資料としてただいま申しましたような案は一応持っておりますけれども、正式に基準を出すのは予算の済んだあとに出したいと思います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 予算が通ったあとというのは一体どういうことなんですか。一体、技術家庭科というのは、すでに学習指導要領に基づいてその指導内容は出ているわけなんです。従ってその学習指導要領に基づく最低の技術家庭科の設備基準というものは検討されているはずだと私たちは考える。従って文部省が今の学習指導要領を実施するに当たって、最低と考える技術家庭科の設備基準というものは、予算が通過するとか通過しないとかということとは関係なしに、その設備基準というものはあるというふうに私たちは考えなければいけないのですが、これは一体、どういうことなんですか。予算が通ってから設備基準を出すとかということについては、どういう意味なんですか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) お話のように、理論的には基準と予算とは別でございます。しかし、予算の裏づけのない基準を出しましても、これは私意味ないと思う。ですから、予算との関連を十分考慮しながら、技術家庭科として必要最小限度のものを出したい、かように考えておるわけでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 そうすると、今のお話だと、ことし予算が通って、三年計耳ということで認められて、そうしてそれに基づいて通った予算の範囲内で各学校で設備する基準というものをそこで考えて発表していくということだと思う。それで間違いありませんか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) そうとも限らぬと思うのです。私が申し上げたのは、予算の見通しなり裏づけというものがある程度はっきりしませんと、せっかく出した基準は室に浮いてしまうと思う。それでは困ると思う。しかし、私どもは三年間に基礎的なものはぜひやりたい。しかし、将来また年次計画を立てて充実しなければならぬ部門も出てくると思う。ですから、その基準のきめ方にできるだけ理想的なものを置いて、そのうちの一部については三年計画でやる、残りの充実する部分についてはあとに譲るという方法も考えられると思う。ですから、今のところどういう――私どもの心づもりは今持っておりますけれども、それをどういう形で公表するかについてはもう少し考えさせていただきたいと思います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 そうすると、さっきのお話から聞くと、五十万の、一校五十万の予算要求をされている、従って私がお出しをいただきたいというのは、五十万の基準というものは要求もされてあるんだから、それを出してもらいたいと――ところがまた今の御説明によると、予算が通ってから、そういうものは検討を具体的にするのだというお話があるのですが、これはどういうことなんですか。そういうこととは別に、すでに学習指導要領に基づいて技術家庭科への移行措置は来年からやられるわけです。昭和三十七年から実施をされていくわけなんです。そうなってくると、今の学習指導要領に基づく指導をする最低の基準というものは、もうすでにこの案ができると同時に考えられていくべきものであって、その基準をつまり発表すると同時に、その予算的裏づけはどうなっているかということはその後の問題だと思う。私の申し上げておるのは、当然学習指導要領に基づく設備基準というものは明確になっていなければできぬのである。予算的裏づけというのは、あなたのおっしゃっている五十万というのですから、五十万は別にあるというから、これは出してもらう。同時に、この指導要領に基づく設備基準というものは、当然別個になければできないのだから、それをあなたの方ではいつ発表されるのかということを私が聞いたところが、そういうものを発表するのは予算の様子を見てからだというお話です。それで間違いないのですか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) さようでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 そうすると、五十万の基準というものは後刻また資料として出されて、それからこの指導要領に基づく設備基準というものについては、予算の見通しを立てた上で結局出されるというお話だというわけなんですね。  そこで私がお聞きをしたいのは、文部省が現実にきめておられるのか、まあこれはわかりませんが、伝えられるところいろいろな案が出ているわけなんです。その案は、私たちの資料では二百三十八万五千と、一学級五十人としてそうなっている。この教育長協議会やあるいは中学校長会等の基準だと、大体もう一校平均五十人の学級を標準として、二百万ということは、もうすでにどこのにも出ているわけです。で私が、ここに出ているのは、これは二百三十八万五千というトータルに基づく木工加工関係あるいは金属加工関係、機械関係、電気関係それから調理関係、被服関係、こういうふうなものなんでありますが、このあなたがやっている五十万というのに対して、二百三十八万のこの設備基準に基づくこの基準の数についても、いろいろと私たちは実際に指導される方々の御意見を聞くと、非常にまあ程度の低いものである。最低のものだというふうに言われているわけであります。そうすると、五十万という一体基準で、どうして技術家庭科の学習指導要領をやることができるのかどうか、どこにそういう名案があるのかということも私たちは非常に疑問に思うわけであります。何かそういう点について、あなたの方に納得させるその根拠を持っておられるのか、その辺も一つお聞かせを願いたいと思います。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 私どもも二百三十九万ですか、今その案については私拝見していないのですけれども、技術家庭科につきまして大へん一部に誤解があるのではなかろうかと思うのであります。今日までのところ、職業家庭科の中では工的なものが中心になっているわけであります。女子についても家庭科が中心になっているわけであります。それを今回の改訂では、もう少しやりよくしようというので、精選したわけであります。ですから、現在の職業家庭科に全然設備がないという前提で話されると、これは私大へん違ってくると思っております。今日の職業家庭科の中で工的なものを中心に家庭科的なものもあるわけなんであります。その基礎の上に、どの程度設備をするかということがいろいろ問題になる。それからもう一つは、技術家庭科の内容について非常に高度な工業学校に近いようなものをお考えになっているのかどうか、ここにも問題があろうかと思います。私どもはそんな高い程度のものを考えているわけじゃないのでございまして、これは技術家庭科の指導要領をごらんいただければよくわかると思うのであります。やっていることはそんなにむずかしいことではなくて、ごくありふれた程度のものを作っていくということでございます。ですから、その幅なり深さになりますと、それぞれ主観によって違ってくるかと思うのであります。非常に工業学校のような、ある程度程度の高いものを持ってきますと、それは設備費も相当膨大な額に上ると思うのであります。で、そういうことを考えまして、中学校、特に義務教育の段階において、上級学校へ進む者も、職業に従事する者にも、ひとしく近代技術についての心がまえなり態度というものをつちかっていきたい、こういう観点でございますから、そういう高いものをねらっているのじゃなくて、普通の社会生活に必要な技術教育、こういうことでございますので、まあ私どもの見解では大体五十万程度でまあまあ何とかやっていけるのではなかろうか。そこで、いずれその百五十万を基礎にいたしました資料を差し上げますので、それを一つ御検討を願って、またいろいろ御意見を伺いたいと思います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 今の話だと、すでに職業科も実施をされているので、それに伴って設備等も少しあるので、それに加えるというお話もいろいろある。そこで、それじゃ逆に今一体小学校の家庭科等の設備がどういうふうになっているのか、現実に小学校の家庭科は学習指導要領によって実施をされている段階のわけなんです。そういうものについて二、三東京都の区内の家庭科の施設について調査をしたのを私はいただいているわけなんです。これらのに基づくと、私の持っているのは港区であります。港区で家庭科の設備の全然ない学校というものが実はあるわけです。家庭科の設備の全然ない学校が、二十七校の中で三校ある。それから家庭科教室というものがない学校というのは、二十七校の中の十四校、家庭科の教室で実習ができるものというのは二つの学校しかない。で、学習指導要領にガスを使っているというようなとも出ているが、ガスの出る学校はたった一校です。そういうことで、ここに設備としてあるいはミシンなどについても、ミシンが全然ない学校というのは、さっき話した通り全然設備のない学校がある。それでミシンが一台くら三台の学校というのは六校ある。すでに実施をされている家庭科の設備についても実はそういうふうな状況なんです。それで、今あなたが何か今ま、でやっているので設備が一部あるのではないかというようなお考えを持っておられるけれども、そういう実情というものについてはあなたの考えていることとはだいぶ違っているのじゃないか。あなた自身の出されている教育白書によっても、その点については相当触れて書かれている。そういうふうなことになってくると、五十万のを一つ拝見してからということにしなきゃできませんけれども、二百万で出ているそのものも、私が申し上げたのは高等学校の工業学校が実施をするというようなものじゃなくて、最低のものとして考えていられるもの、しかもそれをもっとこまかく具体的に検討してもらうと、一体そこにあげてある各費目については全然どのくらい消耗するのか、どのくらい一体修理をするのかということは全然考えないで、機械的にあげてあって二百万という数字が出ているわけです。だから私はこまかいことについては申し上げませんけれども、両刃ののこであるとか、といしであるとかいうことも、そういうものも員数を加えて書いてある。この五十人一クラスある学校でなしに、これは必修ですから、五学級あれば、二百万でこれだけの一学級分しかないのだから、それを五学級の子供が使っていけば、刃がすり切れてしまって、といしはなくなって、そして機械はこわれて修理をしなくちゃいかんというような結果になるわけです。で私は、今伝えられている文部省の成案ではなかろうかというようなのが出ているでしょう。具体的に中学校長会とか教育長協議会が具体的に数字を出しているのですから、その数字で具体的に検討してみても、そういうことを言われているわけです。でそうなってくると、一体この学習指導要領について基準ということを非常に強調されるなら、同時にこの設備基準についても基準性を発揮して必ずそれをやらなければできないという方向に決定をすべきだと私たちは考えるのですが、これはどうなんですか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 学習指導要領の基準につきましては、先般来申し上げているように、従来から基準でございます。この中で学習指導要領は教育する範囲を規定しているのでありまして、その深さというようなものまで規定したわけではございません。ですから、どの程度の範囲のものを教えるかということが問題になるわけです。その範囲と取り扱いについて規定しているわけです。ですから、その深さというようなものになりますと、これは結局教科書なり教師の指導力に待たなければならぬ問題が多いと思うのです。お話のように、私どもとしては学習指導要領に規定したようなことは、理科の場合でも技術家庭科の場合でも、必要最小限度の設備は確実に充足さして参りたい、こういう点から理科設備の予算も要求しておりますし、また技術家庭科の予算も要求をいたしているわけでございます。ですから、明確な基準を理科についてはお示しているわけでございますし、技術家庭科についても近い将来においてなるべく早い機会に基準をお示ししたいと考えております。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 そうすると、その基準を出せば、それは予算的な裏づけがある基準だというふうに理解していいのですか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) さようでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 まことにそういうものであれば非常にけっこうなわけです。そうすると、要するにあなたのおっしゃることをもう一度確認をしておきたいのですが、昭和三十七年から技術家庭科が発足するときには、その学習指導要領に基づくいわゆる設備というものは予算の裏づけを持った設備基準がなされて、これは拘束力を持って、予算的裏づけを持って実施をされていくという断言ですね。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 少なくともそういう見通しを持たなければ基準は出せないと思っております。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 そうすると、その予算的裏づけがなければ基準が出せないというけれども実際に学習指導要領は実施をしなければできないのに、片方が裏づけがないから基準が出せないということでは困ると思う。そこで、これは次官もおられるので、私は大臣にもこういうこまかいことを少し聞いておいてもらいたいと思うのは、今までの学習指導要領だと、たとえば小学校の家庭科では五年、六年に年に一回ないし二回調理の実習をすることが望ましいというふうに書かれているわけです。ところが、今度のこの学習指導要領では年五回やらなければならないと書いてあるわけです。だから、もう今度は年に五回その、五年と六年にそれをやらなければできない。それは基準をもって法的拘束力があると言っているわけです。それではたとえば、ここに技術家庭科の中学校の学習指導要領がありますが、これには総合実習ということが出ている。「次にあげてあるア、イ及びウのうち、いずれか一つを取り上げて指導することとし、近代技術を総合的に理解し、活用するように指導する。また、それぞれの実習においては、必要な資材の購入法、必要経費の計算法、記帳、保管などに関する事項についてもあわせて指導するようにする。」と書いてある。そうしてその次に、「おもな機械要素をもつ機械模型などの製作実習」と書いてある。必ずそれはやらなければならない。望ましいではないのですよ。だから今までの、たとえば今話が出てきている小学校の家庭科について設備の全然ない学校が港区の学校にも一校ある。それでいて、それは家庭科のその実習というものを拘束するいわゆる学習指導要領が行われているわけなんです。今度技術家庭科についてもそういうことをやらなければできないというふうに指導拘束を持つ規定をしてある以上、必ずそれと同じような設備というものが予算化されてきて、それがやはりそのまま与えられていくということでなければ、この学習指導要領をまじめに実践していくことはできないわけです。従って私が今お聞きするのは、学習指導要領はすでに出しちゃっておいて、設備の予算の見通しがなければ、少なくもあるようなものでなければ設備基準が発表できませんということは矛盾があるのではないか。それはどういうふうな一体理屈のかね合いでそういうことを一日われるのですか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) ですから私どもが今予算要求中でございます。先ほど来申し上げましたように、予算の裏づけのない基準というものは私は意味がないと思う。ですから予算の見通しをつけまして、どの程度の基準が必要かという、先ほど来基準を申しましたけれども、指導要領に規定されているという基準はその範囲を規定している、どの程度の内容かということになりますと、そこにあげてありますところの例がございます。その例を具体的に見ていただけばおわかりになりますように、そう特殊なものではございません。普通のラジオを組み立てたり、そう突拍子もない……ごくありふれた実例を出しているのでございます。ですから、そういうものを作るのに一体どの程度の金が必要か、こういうことで私どもも検討しておるし、予算で近く大蔵省ともこの問題で、今協議中でございますから、予算のきまったあとで予算の裏づけのある基準を出したい、こう申し上げておるわけでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 程度を示したのであって深さを示しているのではないというお話でありますけれども、これを具体的にわれわれも実際読んでみますと、「基本的な電気回路をもつ通信機器などの製作実習」というと必ずラジオ、それ以外にないわけです。だからこっちの設備水準の方でもラジオ受信機六というふうにちゃんと規定をしてあるわけです。で、いかにラジオ受信機六でも工合が悪いかというのは、六のを、五十人の子供が十人ずつグループをきめて五台をやるわけです。そして一日実習をやって、ほかのクラスが、五組か六組あるとすれば、その機械をほどいて、またこしらえ直さなければ、その次の組はやれない。ほどいてしまえば、この前の組の子供の実習の継続はできないわけです。しかし、五十人一組として最低のものと考えてこれを考えられたとしても、そういう矛盾を持つくらいの最低の基準になるわけです。  それでもなおかつ合わせればそういうような額に上っているわけです。で、また具体的に五十万というものをどれだけ一体技術家庭科の設備基準として、あなた方は名案をお持ちであるか、具体的なものを出してもらって、また専門家の意見等も私たち聞いてみたいと思うのですが、今お話しになったような法的拘束力を持つ学習指導要領を実施する以上、当然そこで明確にやらなければできないと規定をされているものについては、この設備を法的にやはり予算の裏づけを持ってそれを備えていくということをやる責任が文部省にある。そしてその予算の裏づけを持った設備基準を出して、この基準で確かにこの学習指導がやれるという具体的な事実を示さない限り、これは文部省の責任はとれないと思う。この点については文部次官どうですか。

宮澤喜一自由民主党文部政務次官

○政府委員(宮澤喜一君) 先ほどから松永委員のお話をるる伺っておりまして、実は私どもが大蔵省に予算を要求いたしますときに申したいようなことをそのままお話があったわけであります。そうして最後に責任がどうなるかというまことにごもっともなお言葉でございまして、非常にざっくばらんに申し上げまして、松永委員のおっしゃいましたことに完全にお答えをする、あるいは少し悪い言葉を使えば上手に言い抜けるということは私は困難だろうと思います。つまり、私どもが予算を要求いたしますときには一つの理想図を持ち、そうしてどうしてもそうでなければならないという主張をいたすわけでありますけれども、現実に予算ができましたときにはかなり違ったものができてしまうことがしばしばございます。しかも、私どもは国会に対してこれでとにかくやっていけるのでございますということをこれは申し上げなければなりませんし、またそういうふうに努めておるわけであります。ただいまのお話なども、学習指導要領が一つの理想図ではなくてもある程度の規範というものをあらかじめきめております。そこでそれには、それが完全に実施し得るだけの予算の裏づけが必ずなければ論理としては矛盾をしてしまうわけでありますが、ちょうど少し例は適当でございませんけれども、たとえば憲法二十五条にわれわれ日本国民は「健康で文化的な眼底限度の生活を営む権利」があると書いてございますが、現実にわれわれ国民はそういう健康で文化的な生活を全部しておるかといえば、正直を申して私はそうではないと、まだ現在。つまり憲法の二十五条の規定というものは、ある意味で非常に不十分にしか実施されておらないというような、現在の日本の置かれておる環境というものは、ある意味でそういうものであろう。幾らかでもその理想に近づいていこうという努力を、お互いにやっておるわけだと思います。  そこでただいまの問題でありますが、先ほどから初中局長が申し上げておりました意味は、一つの設備、基準という理想図あるいは構想を持ちながら、しかし万一予算的にそれを実現し得るだけの予算措置が講じられないときには、これこそ無意味であり、かつ無責任でありますから、一応の積算の基礎あるいは構想を持ちながら、ともかく初年度でありますから、予算を平たい言葉でいえば取ってみると、そうしますとおのずから次年度以降の予算の規模がわかって参りますから、一つの理想と、それから実現し得るであろうという期待可能性と申しましょうか、そういうものと組み合わせた上で設備の基準というものを作っていきたい。こういうことを申し上げておったというふうに私理解をいたします。  さて、そうしてできました現実の基準というものが、それならばお示しの学習指導要領にあるところの最低の需要を十分に充足し得るものになるかといえば、おっしゃるように、それをそうすることは私どもの責任である、こう思っております、ただ、必ずなりますと私が今ここで申し上げますことは、これはある意味で非常にまじめな答弁だと、あるいは正直な答弁だというふうには私はならんと思いますので、そういうふうに努力を極力いたします。こう申し上げるにとどめたいと思います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 もう少し。私は文部次官の言われるように、学習指導要領が国民の最低の文化生活だというような、そういう憲法のばく然たるものならば、私はそういうことを言っておるわけではない。  最低の文化生活とは、それじゃどういうものとどういうふうなものであるかということが、規定もされていないし、そういう中でこれがなかなか守られないし、実施されないということはそれはわかるわけなんです。そうじゃなくて、最低の文化生活とはこれなんだと、こういうふうにこれとこれとやらなければできないと、これをやらなければ法律のいわゆる違反にもなるのだという形で、実はこの学習指導要領は出されておる。そうなってくると、しかもこれに基づいて極端なことをいえば、これをやっているかやってないかということが、勤務評定の基準にもなる、あるいは昇給の基準にも影響しているといわなければできない。そうなってくると、ばく然とこれをやりなさいと、こういうことは望ましいということを言っておるのではなくて、これをやらなければできないと言っておる。いながら、しかもそこに具体的にあげてある設備がなければできない基準が、ほとんど設備をされないということであり、十分というよりも満足にも授業ができない状況において、これをこれだけを法的拘束力ありという形で実施をしていくやり方では、これは無理があるのではないか。これに法的拘束力ありといって断言するならば、同町に法的拘束力を発揮できる設備の基準を明確にして、これを予算的裏づけを持って備えつけていくということがなければ、これは当然こういうことを主張することは無理だと私は言っておるわけだ。だから、法的な拘束力を持つようにしていくならば、同町に予算的裏づけを持ってこれを実施できる基準を発表し、それを実現していく責任が文部省にあると考えるがどうだと、こう言っているわけです。それは  いかがですか。

宮澤喜一自由民主党文部政務次官

○政府委員(宮澤喜一君) いやしくも学習指導要領を出しましたものは、その指導要領が実際に実現されるだけの物的な設備を整える責任を同じく持っておると考えます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 そうすると、初中局長にお尋ねをしますが、すでに法的拘束力を持っている家庭科がこういう実情にあるということについては、どこに責任があるのですか。現段階においては、その法的拘束力を主張する根拠は私はない。今の次百の御答弁を裏書きすればそうだと思う。それはどうなりますか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 家庭科につきましては、従来からも十年もやっておるわけです。別に今度の指導要領で特に付加したことはないと思います。ですから、特別教室のある場合と特別教室がなくても理科教育をやっておるわけです。そのやり方が特別教室でやる場合と特別教室のない場合はいろいろ違うわけでございます。しかしながら、私どもは家庭科につきましては従来の線をさらに整備した、つまり精選したのです。別に新しくつけ加えたことはないと思うのであります。それから中学校の場合は今申しましたように、これは職業家庭科の中で農、工、商、水産、家庭とございますのを、そのうち精選したのだと、男には工的なもの、女には家庭的なものを精選した。そこで、その設備の仕方の問題だと思う。十分な設備をするか、指導要領を完全にやるのに必要最小限博の設備がどの程度であるか、これは今検討しているわけです。そこには私いろいろ幅があろうと思います。非常に十全にやる場合と、まあともかく何一か指導要領の線を貫いていく場合とがあると思う。ですから、その辺の線の引き方については、予算のかね合いもございますから、もうしばらく事態を見た上できめていきたい、かように申し上げておるわけ、です。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 私は、実はただこの問題について最初のことだけをお聞きしたわけです。実はそのほかの一体、教員養成とかそういうものをどういうふうに考えているのか、そういう点もお聞きしなければできぬし、現職教員の予算とも関連があるのでお聞きしたわけです。しかし、時間もありませんから最後にお聞きしたいのは、それではそういういわゆる予算的裏づけを持つ最低の基準というようなものが得られないというようなことがあったならば、それを具体的に実施できるような基準を持つようなものに変えていくという、逆に今まで出したものを再検討していくという用意が一体あるのかどうなのか、その点をお聞きしておきます。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) これは先ほどから申し上げておりますように、指導要領は範囲を規定しているので、中身の深さ、高さというものまで規定しているわけではございません。従ってどの程度の設備が必要かにつきましては、これはいろいろ議論があろうと思います。非常に完全に――完全といいますか、指導要領が要求している以上に高いものもやり得ると思うのです、指導要領は基準でございますから、これは決して拘束しておりません。しかし、指導要領は必要最小限度のところを抑えておるわけですから、必要最小限度の見方についてはいろいろ私は議論があると思います。そこで予算の状況を見て私どもとしては必要最小限度の基準を考慮したい。かように考えておるわけでありまして、それが通らないから今度は逆に指導要領を改訂するとかいうことは考えておりません。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 私はあなたのおっしゃるように、ただ範囲をきめたとかいうことであって、具体的にこういうことをきめてはいけないということについては、実はそうではないのであって、具体的にもう材料についてもちゃんと計いてある。その道具、機械についてもそうあなたのようにばく然たる内容をもって規定しているわけじゃない。今までは、さっき話した通り望ましいとか、してほしいとか、そういうことであったからこれはいいけれども、今度はやらなければできない、指導せいと書いてあるのだから、そういう形で今後実施をすることを要望しているわけだから、これはそういうわけには私はいかない。私はこの際一つ委員長に頼みたいのは、実はこの問題について、いわゆる実際の現実にそういうことをやる人たちが、はたして今考えられているようなことが、現状の学校の施設の中でできるのか、できないのか。そうしてまた五十万という一体数がここで要求されているけれども、一体学校長の協会なり教育長協議会でもすでに二百万に上るものを出している、これが最低であるとして、これを通すための年度計画の予算要求もしているので、これは非常にまさった、非常に理想的な要求じゃ私はないと思う。こういう問題についてわれわれも知識が乏しいし、また私は初等中等局長の言うようなばく然たる答えでは納得ができないので、こういう問題については実際の人あるいはそういうことを特に研究されている人に一つ考えをよく聞いて、それが実施できるような具体的な方法を考えていく必要がある。そのために文部省も予算要求を強力にやるし、また必要があれば、こういう内容等についても検討をしなければできないのじゃないかと私たちは考える。もう少しやはり今後関係の人あたりから、もう少しこまかい話を聞かしていただくような機会を委員会として考えてもらいたい。とにかくここで出ておるように、現職教員の三年計画の予算を組んだり、あるいは教員養成のことをいろいろしたり、予算的にも相当力を入れている。この問題がはたして妥当であるか妥当でないかということは、私としては非常に関心の深い事項であるのであって、こういう点について今後なお委員会として研究を具体的に進めるように、ぜひ委員長からも一つそういう方向に実現できるように御努力願いたいと思う。きょうは私の質疑は、これで終ります。

相馬助治日本社会党

○委員長(相馬助治君) ただいまの松永委員からの御希望は、委員長において文部省としかるべく話し合います。   ―――――――――――――

相馬助治日本社会党

○委員長(相馬助治君) いまだ予算関係について質疑が終了いたしておりませんが、時間の都合もございますので、委員長・理事打合会において決定いたしました通り、次に名古屋市名城大学の問題を議題に供します。  本問題については、さきに栗山委員その他から質問が通告されておりますので、最初に文部当局より今までの経過について知っていることについて御発言を願って、その報告を承り、しかる後議題にいたしたいと思います。

小林行雄文部省管理局長

○政府委員(小林行雄君) 名城大学の紛争問題の概要につきまして知っております点を御説明申し上げます。  名城大学は名古屋市にある私立大学でございまして、現在法商学部それから理工学部、農学部、薬学部のほかに短期大学部と大学院を持っておる大学でございます。なお、昼間のものに合わせまして法商学部等につきましては、夜間の学部も持っておるものでございます。その学生数は、大体六千人程度、それから先生方の数は約三百人でございます。その学校の特色といたしましては、中部地方ではただ一つの理科系の学部を打っておる私立の総合大学でございます。この学校の紛争につきましては、実はかなり前からございまして、一度途中で解決いたしたのでございますが、最近におきましてまたそれが再燃したという形態をとっております。その詳細を申し上げますと、昭和二十九年に当時の理事長兼学長でありました田中寿一氏が教授会の議決を経ないで、東京に法学部を作ろうということで建物を購入し、また文部省にその認可申請書を提出いたしました。教授会の議決を経ておりませんといったような田中氏の独断的な学校の運営に関する問題、その他日ごろ田中氏の学校の運営について不満を持っておられました先生方が、これを機会に田中氏の排斥運動を起されたといわれております。その後、この田中氏の理事長兼学長の職務をめぐりまして、名古屋の地方裁判所に訴訟市件として争われたのでございます。昭和三十年の十月に至りまして、名古屋の地方裁判所は、前の東北大学の名誉教授でありまするところの広浜嘉雄氏を理事長職務代行者に指名いたしております。ただ裁判所は、訴訟によらないで何とかこの紛争をできるだけ早く解決したいという気持から、三十二年の五月には裁判所が調停委員を任命されました。白木という判事さんが調停主任になられまして、日本医大の理事長である河野勝斎氏、それから明治大学の学長である松岡熊三郎氏、この三人の方が調停委員会を組織されまして、前後五回にわたっていろいろ双方の御意見を聞かれまして調停案を作り、これを双方に提示されたのでございますが、役員ごとに評議員の確認につきましてどうしても意見が整わない。そのためにこの調停は不調に終っております。なお、この調停の不調に終わる前でございますが、三十二年の十月には、当時の大串兎代夫学長ほか十三人から、田中寿一氏を刑事上の被疑者として名古屋の地方検察庁に告発するというような事件がございました。先ほど申しました理事長職務代行者の広浜嘉雄氏は途中でかわりまして、三十二年の十二月からは福井勇氏が理事長職務代行者に指名されております。その後しばらくの問は双方から数多くの訴訟が提起されまして、訴訟上の争いが繰り返えされておったのでございますが、先ほど申しましたような、河野勝斎氏などのほんとうに献身的な骨折りによりまして、一応評議員を確認いたしました。これによって、この評議員から基本理事を選び、そして理事会を構成することに成功をいたしまして、昨年の八月に和解ができたのでございます。この和解の成立と同時に、声明書が発表されまして、今後は学内の組織化にできるだけ力を尽くしていく、整備をはかっていく、それから今までの紛争のために特に処分者を出さない、愛校の精神に出たものについては処分をしない、それから従来係属されておりますところの訴訟は取り下げるというような声明書が発表されたのでございます。  で、昨年の八月に一応和解が成立いたしましたので、私どもはこれからは円満にいくのではなかろうかというふうに期待をいたしておったのでございますが、その後、和解以前の紛争期間中の事務の跡始末の方法等につきまして、いろいろ理事者間に意見の相違が出て参りました。そのおもなものを申しますと、先ほど申しました大串氏の処遇の問題が一つございます。それからまた、紛争期間中の金銭出納関係等もあるやに聞いております。また、学内の整備組織化ということにつきましても、いろいろと意見の相違があったようでございまして、学校法人の役員が二派に分かれるというような事態が生じました。積極的にこれを進めていこうという田中寿一氏、大橋光雄氏というような方々と、まあいわば穏健に漸次これをなし遂げていこうという田中卓郎氏、これは田中寿一氏の息子でございますが、田中卓郎、小島末吉というような方々の二派に意見が分かれて対立するような状況に至りました。この対立によりまして、学内行政が円滑にいかなかったので、本年の七月に登りまして、理事長はまず自分の反対派と申しますか、穏健派に同調していた日比野学長を理事会の議決を経ないで罷免したのでございます。さらに学長の罷免によりまして事が大きくなりますや、七月の二十六日には、反対派の田中卓郎、小島末吉の両理事を解任いたしております。また七月の二十九日には、名学部長、それから事務局長事務取り扱い、庶務課長あるいは学部の事務長らの解雇を行なっております。なお、八月の十五日には、そのほかに短大の学生部長、その他の職員、教員等に対しましても、解雇通知を出しておるわけでございます。  この間、学校の紛争の状況を申し上げますと、学長室を閉鎖する、また学長室の調度品を持ち出すというようなことが行なわれております。また、本部の電話も売却するというようなことも行なわれたようでございます。  なお、紛争に直接これは関係あることとは思われませんけれども、九月の十七日には火中が起きまして、大学の講堂その他約六百坪を焼失いたしております。大学のまあ先生方は、できるだけ学生に対する授業を続けて参ろうという気持から、いろいろと努力をされておったようでありますが、何分にも給与が払われていないというようなことから、落ちついて授業もできない。で学生の方もだんだん、たとえばガス、水道もとまってくるというような状況も出て参りましたので、安心して授業に専念できないような状況であったと思われます。なお、これは名古屋市内の銀行その他の世間の信用もだんだん落ちてきたというようなこともいわれておるわけであります。  なお、理事長は十月に至りまして、極積的な反対者と目される田中卓郎、あるいは小島末吉氏、それから日比野学長、大串兎代夫氏その他を除きまして、それ以外の方につきましては解雇を取り消したということがいわれております。なお、これは私ども確認はいたしておりませんけれども、約二カ月ないし三カ月にわたって先生方の給与の支給がなかったのでありますが、先ほども申しました火災の保険金の債権を引き当てに、先生方の方で銀行から借金をして一時給与を支払ったというようなうわさも聞いておりますが、私どもまだはっきりと確認したわけじゃございません。  大体紛争の経過の概要としては以上のようなことでございますが、文部省といたしましては、この私立大学につきましては、御承知のように、私立学校法上監督庁ということではありません。所轄庁ということになっておりまして、法的の権限としてこの仲直りをさせる、仲裁させる、強制的に仲裁させるという権限はございません。ただ、理事者剛の争いに問題が端を発しておりますので、この紛争のために学校の、正常な運営が行なわれない、授業が停滞するというようなことのために、ことに学生に非常に迷惑をかけるというようなことでありますと問題でありますので、何回か両派を呼び出しましていろいろと説得をいたしました。ことに先ほど申しましたように、田中寿一氏と田中卓郎氏は、実際の親子の関係にございますので、この親子が相争う、父が子供を罷免するというようなことは、およそ世の中の常識からはずれているんじゃないか、父がその子を解職するというようなことはおかしいんじゃないかというようなことを申しまして、何とか良識をもって和解するようにしてもらいたいということを申し入れておりますが、今日まで具体的に解決の段階には至っておりません。できるだけ私どもといたしましては、和解するように努力をしてもらいたいというふうに事実上の勧告をいたして参っております。なお、これにあわせまして、いかなる事態に至っても、授業が行なわれないで学生が迷惑するというようなことのないように、十分、紛争の当事者としても戎心して努力をしてもらいたいということを常常申し伝えておるわけでございます。  紛争の概要につきましては、以上申し上げた通りでございます。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 問題が簡単なようで複雑でありますので、ただいまの文部省の名城大学に対する経過報告について、いろいろな角度からお尋ねいたしたいと思いますが、その前に、私はきょう、実は臨時に文教委員にしていただいたのであります。なぜ、この問題を取り上げたかについての立場上のことを同僚の委員の皆さんに御了解を得ておきたいと思います。  実は、ここに列席されておる大谷同僚委員とともに、名古屋の昭和区に三人とも住んでおります。そうして、名城大学の所在地が昭和区であります。この長期にわたって、まことに何と申しますか、大学経営上というか、大学教育上、社会問題まで起こしておりまする非常に苦々しい問題の中心に住んでおるわけであります。常日ごろ関心を持っておりましたが、先ほど小林局長のお話のように、昨年、一応事態は収拾しました。それで非常に喜んでおったところが、また、前よりももう少しすごい勢いで再燃をして参りました。  そこで、まず第一に困ることは、学生が非常に動揺しておるということであります。六千に近い学生が、理市会の紛糾のために、協議会との対立のために、専心して、安心して勉学ができない状態にあるということは、これは社会的問題であります。  それから第二の問題としては、大学というものは、ただいまの理事あるいは教授、あるいは職員、学生のものではないのでありまして、将来、多数の子弟をやはり教育していかなければなりません。そういう社会的な公共性を持っておるにかかわらず、この大学が、日本の地方における総合大学として発展性を約束せられながら、社会的に信用をどんどん失墜しておるのでありまして、この点はまことに遺憾なことだと思うのであります。  それから第三は、学校の教授陣あるいは職員等が、全能力をあげて大学の使命に向って進むことができないという状態にあります。そういうようなことをいろいろ考えてみまして、やはりこの際、問題の所在点を明らかにしていただきたい。そうして一刻も早く軌道に再び乗せたい、こういう熱意にはかならないのであります。  私はたまたまこの問題を取り上げますと、現田中理事長を若干批判しなければならぬ立場にありますが、個人的には何も持っておりません。ただ、大学を軌道に乗せるという気持から、不本意ながらそういう点に及ぶことを私個人としては非常に残念に思います。しかし、さような立場でありますので、どうか文部省としても、率直に質問に答えていただきたいと思うのであります。  第一に、文部省は、私学に対しては、全然、直接の監督権はないのだ、こういうことをおっしゃったのでありますが、しかし、教育基本法なり、学校教育法なり、あるいはまた私学校があるわけでありまするから、この法に基づくところの適正な運営が、私立大学において行なわれておるかどうかということについては、やはり監督の責任をお持ちになっておるのではないかと私は考えますが、その点はいかがでございますか。

小林行雄文部省管理局長

○政府委員(小林行雄君) 御承知のように、この基礎法の建前からも、国立学校等と違いまして、私立学校法上、学校法人に対しましては、文部省は所轄庁ということになっております。で、いろいろ学校の適正な運営ということについて、指導あるいは助言はできるかもしれませんけれども、いわゆる監督庁内な命令あるいは基正命令というようなものはないわけでございます。学校教育法で規定しておりますところの公立学校に対する是正命令というようなことは、私学校では、竹に、私立学校に対しては適用しないというような建前になっておりますので、いわゆる直接の監督権というようなものは、法的には認められておらぬというふうに考えております。ただし、特別に助成をした――補助金を出したというような場合に、その範囲内においての監督権はございますけれども、一般的な直接の監督権というものは、文部省としては持っていないというふうに解釈をいたしております。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 しかし、私立学校法によりますと、第四節に解放という事項がありまして、これについていろいろ事情があげてありますが、第五十条には、「第六十二条の規定による所轄庁の解放命令」というものがあります。要するに、「学校法人が法令の規定に違反し、又は法令の規定に基く所轄庁の処分に違反した場合においては、他の方法により監督の目的を達することができない場合に限り、当該学校法人に対して、解散を命ずることができる。」こういう規定があります。で、決して、今あなたの言われるように、国がきめておりまする法律に基づいて、大学の運営が行なわれなかった、文部省は全然ものを申せない、そういうものでは私はないと思う。十分強力なる行政指導が可能である、行政指導の最大限の力というものは解放命令を行なうことができるということだ、こういう工合に私は解釈して差しつかえないと思うの、でありますが、この点はいかがでありますか。

小林行雄文部省管理局長

○政府委員(小林行雄君) 御承知だと思いますが、私立学校法の第五条に、(所轄庁の権限)というものがございます。この第一号には、私立学校の設置廃止及び設置者の変更の認可を行うこと。それから第二号には、閉鎖を命ずることができるという非常に強い権限があるわけでございますが、普通公立学校の場合には、法規違反の場合に是正命令という規定があるわけでございますけれども、私学については、第五条第二項におきまして、「学校教育法第十四条は、私立学校に適用しない。」ということがはっきり書いてありますので、これで是正命令を出すということはできない、しかし、所轄庁の権限として以上のことがあることは事実でございます。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 そこで、是正命令は、お説のように出せないにいたしましても、法令違反をしたときの最後の処断としては、解散命令が出し得るということ、であれば、その途中においては、法律による是正命令はなくても、これは私立学校の自治を大幅に認めておるという精神からさようになっておるのでありますから、従って大学の伝統と大学の権威とを侵すというようなことはよろしくないでありましょうが、こういう工合に大学の中が紊乱をして、社会的に大きな迷惑を与えておるというような場合においては強力なる行政指導というものを行ない、なおそれで聞かれない場合には解散命令をもってこたえる、そういうような強い態度というものが文部省にあってしかるべきだと思うのでありますが、いかがでございましょうか。大学の自治というものは決して大学の内部が紊乱したときにも、社会的に大きな迷惑を及ぼしたときにおいても放置してよろしい、そういう意味の自治ではないと思うのでありますが、その点はいかがでございましょうか。

小林行雄文部省管理局長

○政府委員(小林行雄君) 先ほど申しましたように、たとえば法令の規定に違反した場合には、私立学校の閉鎖を命ずることができるという規定で、その権限はあるわけでございますが、事実上、たとえば文部大臣がある大学の閉鎖を命ずるということになりますと、その事態は一応解決するといたしましても、教職員なり、あるいは学生が非常に困るわけでありますので、こういった強力な最後的な権限というものは行なえないのじゃないか。ただ、それではいかなる場合にも、大学の自治の名前に隠れてどういうことでもできるのかということでございますが、それはお話のように、学校というものは、ことに私立学校では自主性を尊重しておりますと同町に、この自主性の尊重ということは、公共的な機関であるという一面を認めての自主性の尊重でありますので、どうか私どもといたしましては、学校の経営者が責任を感じて、そういった閉鎖命令というようなものまで行なわれることのないように努力をしてもらいたいというふうに考えております。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 そこで今度の問題は、突然起きた問題ではないのでありまして、昭和二十九年以来ずっと続いておる問題なのでありますから、従って文部省としては、法則に定めるところのいろいろ大学として行なわなければならないと思うことが規定をせられております。その規定をせられておることにつきまして、たとえば理事の選任、教務員の選任あるいは協議会との関連、あるいは財産上のいろいろの処理の問題、その他さまざまのことが法規で定められておりますが、そういうものについて経営的な監督と申しますか、あるいは報告と申しますか、そういうものを出され、そしてその内容にわたって詳細に検討を加えられた、こういうようなことでございますかどうか。要するに法令にのっとって大学の経営なり教授というものが行なわれてきたかどうか。これに対して厳密なる監査をせられておるか、せられてきたか、この点を一つお伺いをしたい。

小林行雄文部省管理局長

○政府委員(小林行雄君) 御承知のように私立学校に対しましては、たとえば私立学校の経営についての財産上のいわゆる監督権というものもないわけでございまして、たとえば予算評、決算書の届け出ということもない。貸借対照表、収支決算書というようなものも別に監督官庁の承認を経るということももちろんございませんし、届け出しなければならないということもございません。ただ、現在の紛争におきまして、たとえば紛争の一つの焦点になっておりますところの理事者の選任あるいは学長の罷免問題等につきましては、町方からいろいろ意見を聞きまして一応の検討はいたしております。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 その大学経営の横行である理市会並びに理事会の構成メンバーの選任、解除の方法、評議委員会の構成メンバーである評議委員の選任、解除の方法あるいは教授会と評議委員会の関係、また教授の任免の問題等、きわめて法規で明確になっておる問題については、法規並びに学校規則の通りに厳正に行なわれておるかどうかということについては、やはり常時届けを、こういう問題のある大学でありますから、私は文部省としては二十九年紛争が起きて以来、こちらは特に私は目をかけていなければいけないと思うのでありますが、そういう特別な配慮というものはしておられたのですか、おられなかったのですか。

小林行雄文部省管理局長

○政府委員(小林行雄君) この名城大学につきましては、一応紛争解決後におきましても、たとえば私大理科の特別助成金をもらいたいというような申請もございましたが、そういう場合には、とにかく学校の内紛が完全に終結するまでは文部省としては補助金を出さぬというような態度をはっきりして大学の申し出を拒否しておるというようなことはいたしております。また、これは面接文部省ではございませんけれども、私立学校振興会の融資につきましても現状においては融資は行なわないというような措置はいたしております。学長の罷免問題につきましては、先ほど申しましたように、文部省として一応検討はいたしております。理事会の議決を経ない学長の罷免が有効であるかどうかということにつきましては私ども現在の段階においてはその点に法令上疑義があると思っております。けれども、従来の大審院の判例等を見ましても、その点については判例が分かれておりまして、はっきりそれが無効であるというところまでは言い切れない点がございます。ただ私どもといたしましては、その学長の罷免ということに、とにかく疑義があるということははっきり大学の力に申しております。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 私がごく最近の例をとってみましても、理事会が総員これは八名で形成されておりますが、当初は田中理事長の味方をする人が四人、それから田中理事長に若干の批判を加える人が四人、半々でできておりました。ところがそれが、これは登記鮮上から調べたものでありますが、その後改造をせられまして総員が七名になって、田中理事長の立場に立つ人が五人、それから田中理事長を批判する立場の人が二人になりました。最近に至りましては、さらに改められまして、田中理事長派が六人、それから田中派を批判する人はゼロ、八人の定員に対して六人、完全に田中理事長派の握るところになった。ところが、こういう理事会の構成というものは名城大学の寄付行為を読んでみまするというと、評議委員会から上げてくるものがありまするし、こういう工合に簡単に改造できるものではないように私は思うのであります。しかも、このできるものと思われない理事会というものが現に法的に根拠を持って大学の経営に当たっておる。そうして、これが教授会と真正面、学生会と真正面に衝突しておる、こういう事情であります。従って、この問題を解決する根本はかかる理事会というものがはたして適正な理事会であるかどうか、こういうことにやはり検討を加えなければ、この問題は解決しないのではないかと私は考えますが、いかがでございますか。

小林行雄文部省管理局長

○政府委員(小林行雄君) 確かにお話のように、当初は八人中の四人がいわゆる田中派であり、あとの四人が反田中派というような構成であったと思いますが、七月の理事会でそれが逆になっていったという次第だと思います。ただし、その理事会の有効無効ということが、ことに招集の手続等も含めまして現在訴訟で争われておりますので、それについてはやはり文部省が有効無効を判定するということよりも、やはり裁判所の見解を待つのが至当ではなかろうか、しかし、私どもとしましては最初の御説明にも申し上げましたように、訴訟を待ちますと相当長い期間かかりますので、できれば両派の間の和解ということができれば一番早く解決するのではないかというので、事実上の和解のごあっせんをしたのであります。確かに適正な理事会であるかどうかという点につきましては疑義があろうと思います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 今お話のあった理事会が法的に合法的かどうかということについて疑義が出てくるというのは、学校法人の設立の際に、寄付行為というものが不備であるということだと思うのです。これは私立学校法第三十条に基づいて、これは所轄庁の認可を得ているわけなんで、そうなってくると、寄付行為の、ここに出てくる申請の際のこれが非常に不備であったということになってくるのじゃないかと思うわけです。で、どうも寄付行為を読んでみますと、大へんおかしなものだというふうに私どもも、どうしてもちょっと……第七条で理事がきめられているのですが、その理事というのは、名城大学の学長が理事で、評議員の中から理事が二名選ばれておる。これは評議員の互選できめられておる。前項の規定により選任された理事以外の理事は、これは理事の過半数の議決をもって選任するというのですが、それを選任する理事というのは結局三人です。学長と、それから評議員のうちから選任されている二人と、この三人の人が、過半数で、その他の理事を選ぶわけです。それでは評議員の方から理事を選ぶ場合はどうなっているかというと、これまた非常に規約がはっきりしておらないので、さっきの2の方でいうと、評議員のうちから選任された二人ということになって、評議員の方でもまた、理事の方から二人が選ばれてくるということで、評議員と理事会との関係というものは非常に不明確な寄付行為なんです。しかも、過半数という、さっきの過半数なるものは、三人の過半数で、その他の理事が選ばれて、その理事に人数の制限は全然ないというふうなことになっているわけなんで、こうなってくると、やはりこの寄付行為というのは、文部省がやはり認めた寄付行為だと思うのですが、やはりこの点は不備な点があるのじゃないかということを私たちは考えるのです。この点はどうなんですか。

相馬助治日本社会党

○委員長(相馬助治君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

相馬助治日本社会党

○委員長(相馬助治君) 速記を復活して下さい。

小林行雄文部省管理局長

○政府委員(小林行雄君) 松永委員のお尋ねでございますが、御承知のように、寄付行為の中身の大要につきましては、私学校上に規定がございます。しかし、この私学校の建前から申しますと、この私学校に反しない限りは大体文部省としてはこれを承認するということで、各大学とも、従来それで符に紛争を生ずるというような事態にはなっておりません。名城大学の寄付行為では、たとえば第七条に、評議員から選任される理事、それから法人関係の学識経験者から選任される理事ということになっておりますが、これが平常の事態であれば、よその大学でもこういう書き方をいたしているのが相当あるわけでございまして、それが特に悪いのだということには私どもならぬのではないかと思います。なお、私どもといたしましては、先ほど冒頭の説明にも申しましたように、できるだけこの事件につきましては当事者の和解ということでいくのが妥当であろうということで、相当強く今日まで事実上のあっせんをしたつもりでございますが、何分相手が退くか、自分が退くかというような事態もございますので、なかなかその点、妥協点に達しないということでございます。文部省といたしましても、今後もできるだけ私どもといたしましては、あっせんに努力をして参りたいと思っております。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 私はやはりさっきから、栗山委員からお話があるように、私立学校法の建前はわかるけれども、とにかく申請を認可する場合でも、所轄庁の方では、私立大学審議会の意見を聞いてやっておられる。で、この寄付行為のことも今お話があったけれども、学長が理事で、そのほか評議員から選任される理事が二人だ。それで評議員の方はどうして選ぶのかというと、理事の方は、理事が評議委員の方を選ぶのだという、第一号、第一号に規定する評議員は、理事会において選任する。で、一名の名城大学の理事はきまっていて、その次の二名の理事は評議員の互選で選ばれるということであるのに、その評議員会の方は理事会の方で選ぶのだというようなことが書いてある。そうしてその次に、理事以外の理事についてはその三人が選んでいくということで、幾人になるかわからないということになっているわけなんです。初めから理事がきまっていれば、この寄付行為でやれるけれども、理事がきまってないと、これはどうして一体これで理事が選ばれていくんだろうかという疑念を持つわけなんです。で、まあそういう点で一応とにかく私立大学審議会の意見を聞いてこれを、寄付行為の方も認められて認可もされている。それからさっきお話のように、解散の事柄があるし、そのほかこの第三十六条には、寄付行為に別段の定めがないときはというような、理事の過半数をもって決するというようなこともいろいろ規定されているし、それから私立大学でも、大学設置基準に基づいてやはりなされているので、文部省のやはりそういう大学設置基準にそむいているかいないかというような考え方、大学設置基準は完全に守られているかどうかというような考え方、そしてまた、認可をした寄付行為が完全に守られているかどうか、それがまた、私学の学校法に基づく手続によってそういうことが行なわれているかどうかということについては、文部省としても相当やはり関心を持っていかなければできないし、そういう意味では監督の責任というか、そういうものも私はあると思うので、こういう点は相当遠慮されてお話をされている点があるんじゃないかと感じるので、まあ私は後に栗山委員からお話があると思うのですが、そういう観点に立って文部省は今までどういうふうな具体的な努力をされてきたのかというふうな点についてお話を聞いて、そして私立学校法の精神に基づく文部省の措置というものを十二分に発揮をしてもらいたいという気持を強く持っているわけです。で、私立学校法に基づいて文部省の打っている相当な――そういう大学設置基準に違反をしているかどうかとか、あるいは寄付行為……一体実行されているかどうかというような、そういう点については文部省としてもやはり相当責任を持っていく態勢にあると思うんですが、その点はどうなんですか。

小林行雄文部省管理局長

○政府委員(小林行雄君) 御承知のように、私立大学を認可いたします際には私立大学審議会に諮問をいたしまして、私立大学審議会の委員がいろいろと調査をなさった上で答申があり、その答申に基づいて文部大臣が認可するという従来の行き方でございます。従って、大学の発足当時には一応大学設置基準に適合しておるということがいえると思います。ただ、その後、いろいろ学生の増募等があります際に、一応の審査はいたしますけれども、必ずしも十分な諸条件が追随しないという面があろうかと思います。なお、たとえば今お話のございました、紛争の際文部省がそれほど力も持っていないという場合に、これを何とかしたらいいじゃないかという御意見もありますし、そういった点も含めまして私ども、現在の私立学校法に盛られております私学制度で、まあ文部省が責任を持つ私学制度として十分であるかどうかという点については疑問を持っております。で、私どもとしては十分関係者の意見を聞いて、改めるべきところは今後改めていきたいというふうに考えておりますが、現行法におきましては先ほど来申しましたように、十分な権限は――いわゆる指導助言の域を脱しない。いわゆる命令的な権限はないのじゃないか。で、先ほど来申しましたように、この七月から九月にかけまして双方から何回も人に来てもらいまして、ずいぶん時間をかけて話し合いをいたしたのでございますが、まだその点は妥結点に至ってないというふうに申し上げる以外ないわけでございます。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 私は、今後の問題はあとにお尋ねするといたしまして、先ほどあなたは、閉鎖命令権は持っておるんだが、これを発動すれば教授なり職員なり学生が非常に迷惑するから、事実上は伝家の宝刀は抜けないんだと、こういうことをおっしゃいましたが、これは私は運用の問題としてはそういうことが言えると思いますが、少なくとも法律というものを今解釈しているときにそういう言葉は私は適切でないと思います。これはあとで管理局長の方において言葉を訂正せられて……。  で、ただ問題として私が提起したいのは、この十一月の一日に私の名古屋の私宅を学生会の代表の人が訪れてきまして、そして切々として学生としての悩みを訴えてきました。そのときにいろいろ話をしましたときに、大体田中理事長というのはどうなんだと聞きますと、やはり学生に訓辞するときに、まあいうならば、おれは会社でたとえれば社長だ、社長が気に入らない重役や職員がおればやめてもらうのは当然じゃないか、こういう言い方を常になされておる。これではやはり組織ある活動というものは私はできないと思います。そういうことがありますからこそ、私の手にしておる資料を申し上げますというと、理事――先ほど申し上げましたように、かりに田中派と、それから田中氏を批判する方を反田中派と申しますと、理事の方は……現在この理事の構成を私は非常に疑問だと思います。これはあなたが先ほど認められた通り。その疑問のことを一応たな上げして認めるとしましても、田中派六人、反田中派ゼロです。理事会は。それから教授はどうかと申しますというと、総員六十三名、そのうちで田中派らしいと思われる人が一人、あと六十二名は反田中派です。それから助教授は三十二名、全員反田中派です。それから講師三十一名全員反田中派、それから助手四十四名全員反田中派、合計して百七十一名中、クエスチョン・マークのついておる田中派一名、あと残り全員百七十名が反田中派です。それから事務職員は八十一名おりますが、全部反田中派。それから学生は、第一学部すなわち昼間部は三千十三人全員反田中派、それから第二学部、これは夜学部ですが、二千百六十五名全員反田中派、こういうことであります。ですから、作られた理事会が――と私が僣称するならば、作られた理事会六名が田中派であって、この少数の、会社でたとえれば重役陣に対して、他の会組織内にある人は反対だということになる。これをこのまま放置しておけばこの六名の人に気に入らない教授なり職員なり学生はやめていく以外にこれを収拾する道はない。ほうっておけば事実上の自動的な学校閉鎖と同じことが出てくるわけです。ですから、伝家の宝刀は抜くべきときにはやはり抜かなければ事態の収拾は私はできないと思う。そこでお伺いをしたいのは、これだけの学校法人でありますから、解散したところで雲散霧消するわけではありません。現物は残る――学年は残るわけてあります。こればかりの話でございますよ、私はそうしろというのではありません。このかりの話として、番付行為の第三十条解散というところがありますが、これは私よく読んでみましても意味がわかりませんが、文部省はどういう工合に解釈なさっておるのですか。この三十条の解散というのは閉鎖命令が出てこの学校法人が授業ができない、認可が取り消しになったときには、自動的に学校法人を解散する。解散するときの財産はだれに帰属するのか、田中理事長のもとに戻るのか、この点が非常に不明確であります。

小林行雄文部省管理局長

○政府委員(小林行雄君) 第一の点でございますが、確かに法令上学校法人の閉鎖命令権はあるわけでございますので、これの閉鎖命令は行なえないのだというようなことではないのでございます。お話にもございましたように、これはたとえば学生の問題もあるし、教職員の問題もありますので、容易に閉鎖命令を出すということはよくないし、またみだりに閉鎖命令を出すということもよくない、そういう問題がすべて片づく見通しが立たなければ閉鎖命令というものは出すべきものではなかろうという意味で申し上げたのでございます。  なお、私立学校法にもその旨が規定してございまして、私立学校法の五十一条に「寄附行為の定めるところにより、その帰属すべきものに帰属する。」、この名城大学の寄付行為によりますと、三十条でございますが、「残余財産の帰属すべき者は、解散のときにおいて、他の学校法人その他の教育事業を行う者のうちから、理事会において選定する。」、従って、理事会において、これは現在の理事会がいいかどうかということは別でございますが、理事会で残余財産の帰属すべき者を選定する。ですから、その理事会において選定された者に当然帰属することになろうと思います。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 田中理事長は、私はそういうところが明確になっていないじゃないかと思うのですよ。自分の主張するように主張をし、自分のある意味においては意思を通していく、従わない者は排除していく、そうしていよいよ自分の意思が通らなければ、僕は学校を閉鎖するということも記者団に発表になって、大きく載っているのです。それは私の持っている新聞に非常に大きく、自分の意見の通りにならなければ学校を閉鎖する――そこまで決意しているということは、もし自分の意の通りにならなかったときは学校は閉鎖する、閉鎖すれば、ここに法商学部廃止とか、そういう何がありますが、閉鎖するということは、残余財産というものは全部再び自分のところに戻ってくる、こういう私は錯覚があるのではないかと思う。この寄付行為によれば、閉鎖、命令が出てこの学校法人を解散すれば、どっか他の学校法人その他の教育事業を行なうものに自動的にこれは移していかなければならぬ、こういうことになるでしょう。たとえば、名古屋市がこれを譲り受ければ名古屋市がやる、あるいは愛知県がやるなら愛知県、国が引き受けるというなら国、あるいはその他の大学が引き受けるということになればその他の大学がやる、これはその通りで間違いないんでしょうね。

小林行雄文部省管理局長

○政府委員(小林行雄君) 学校の運営が理事長あるいは理事者の意思通りにいかない場合直ちにそれを閉鎖する、意の通りにならなければ閉鎖するというようなことは、学校の公共性から考えまして、そういうようなことは実際行なわれないと私どもは考えております。なお残余財産の帰属につきましては、たとえば理事会で名古屋市を選定する、あるいは名古屋市内の他の大学に会、まで名城大学におりました学生さんを引き取っていただくというような場合には、そういう大学に残余財産を帰属させるというようなことが適当じゃないかと思っております。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 そこで私は、だいぶん明瞭になってきましたから、文部省が教育上このまま遷延すべき事態でない、何らかの方途を持ってこの紛争を解決しなければならぬ、こういう強い熱意があられるならば、伝家の宝刀が、今明らかになりました、そういう最後の力というものがあるわけでありますから、それを背景にするというのはおかしい言い方でありますが、その腹でもってこの紛争を処理すると、こういう態度で私はぜひとも文部省は乗り出してもらいたい。これは、宮澤政務次官にお腹のほどは追って伺っておきたいと思いますが、そういうことであります。  そこでお尋ねをするのは、先ほどあなたは、今までも和解の努力をしてきたし、今後もするのにやぶさかでない、今までもしばしば両者を呼んで聞いたと、こうおっしゃったのでありますが、その両者というのは、先ほど私が申し上げましたように、理事会と教授会以下全組織が反対しているのでありますが、そちらの双方のことでありましょうか、理事会の中の対立しておった両派でありましょうか、この点を伺いたい。

小林行雄文部省管理局長

○政府委員(小林行雄君) 私どもといたしましては、最初に申し上げましたように、事の発端が理事会の分裂ということにあるように思いましたので、現在まで、一方といたしましては、田中理事長、それから大橋理事、片方の方は、田中卓郎並びに小島理事、それから小出監事というような方に数回おいでをいただきまして、いろいろとお話し合いをし、両者でできるだけ話し合ってこの解決に努力してもらいたいということでやってきたわけでございます。一時はほとんどその両者の線が一致するところまで行ったこともございますが、その後またその線がくずれてもつれているというような状況でございます。なお、いわゆる教職員側と申しますか、日比野学長、あるいは各学部長の方々も、私どもの方で、たとえば日比野学長においでを願うという連絡をいたしましたときに、田中卓郎氏や小島氏が見えた場合もございますし、いろいろでございますが、先生方の方からも数回にわたっていろいろとお気持なり御意見を承っているわけでございます。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 これは、先ほども十分御理解を賜わったと思いますが、理事というものは権威をもって選任をせられなければならぬ。ほしいままな意思によってかえられると、裏からいえば、全く権威のない理事会と言わなければならぬと思います。その権威のない理事会と全教授団なり職員なり学生団とが対立しているわけでありますから、これの円満なる収拾というものは、やはり今残っている六名の理事者と、それから教授会以下の大学の全組織とが話がつかなければ、解決しないと私は思うのです。そこで、どうか問題の所在を間違えないようにして、文部省で和解の努力をしていただく場合においても、現実の姿はこういう工合になっているのですから、その意見が十分に紛争解決のいろいろ処理をする場合に盛り込まれまして、一たび解決したら、再びこういう事態の起きないような、そういうしっかりと腰の落ちついた解決方法がとられるように、細心の注意を払っていただきたいと私は思うのです。  特に、私が今まで接した教授の皆さん、あるいは職員、学生、校友会の人々の意見を聞きますと、一致している点が数点あります。その一つは、田中理事長が名古屋高等理工科学校から出発して今日まで営々として大学建設のために努力をしてこられたその功績については、だれ一人として否定する人はありません。これは非常に非凡な手腕家であると――その手腕という意味には若干クェスチョン・マークがありますが、とにもかくにも非常に政治力のたくましい手腕家であるということは一応認めている。認めているが、しかし、今日の近代的な大学経営の衝に当たる人物としては不適任であるということ、これもまた一人も異論がない。だから、この間の調整をどうするかということをやはり文部省で十分お考えいただかなければならぬと思うのです。一と一と寄せて二で割るという式の解決方法ではこれは解決しないと私は断言する。また、そういう方向で無理に解決しましても、必ずまた紛争は再燃をする。そこのところの割り切り方を十二分にしていただきたいと思う。  それから、この大学の非常に紛争で困ったことは、一つの問題が起きますと、すぐ訴訟合戦である。訴訟合戦で、訴訟にすべてまかすということは好ましくないということは、あなたがおっしゃいましたから、それは今までの経験上おわかりになったと思うのですが、訴訟そのものにまた不信が持たれておるのです。たとえば先ほどあなたが御説明になった昭和三十年の五月に名古屋地裁の白木判事以下三人に調停を頼んで努力をしてもらったとおっしゃる。その一番純粋な中立的な立場でなければならぬ白木判事は、御承知のように、田中理事長との間に贈収賄事件が起きて、そして裁判官訴追委員会にかかって、これは罷免になっているのですよ、白木判事というのは。だから、こういう民事の裁判というものについてこれだけでも権威を失っている。ほかの判事に対してはなはだ私は申しにくいことでありますが、しかし、たまたまこの問題については白木対田中ということで、名古屋の地元においても、裁判所というものは案外当てにならないものだ、こういうことで、きわめて不評なんです。でありますから、そういう裁判ざたで学校問題を処理するということが根本的に間違いであるということを私は認めますが、どうかそういう意味で、文部省としては、ぜひとも乗り出していただきたいと私は思うのであります。この点につきましては、さらにこまかい点は、たとえば私のいただいている資料でも、一々ここで申し上げませんが、名城大学問題の概要というところに、田中寿一理事長の経理上の不法行為というものがずいぶんたくさんございます。私読んでみて、なるほどこれだけのことをやればこれは大へんなことだと思います。相当な不法行為がある。二ページにわたって番号がついております。第一部が十一件、第二部が、五件、全部で十六件、経理上の不法行為の具体的な日時と金額の載っているのがあります。これはあなたはお読みになったかどうか知りませんが、もしお読みになっていなければ差し上げます。こういうものまでも多くの人は承知しているわけであります。そこで、どうかそういう意味で善処を願いたいと思います。まあ、私もきょうは飛び入りの委員になりまして、発言を許していただいたことを大へん感謝いたすわけでありますが、またいずれ事態の進展によっては委員としてお尋ねすることもあるし、意見も述べることもあろうと思いますが、どうか一つさようにお願とをしておきます。  最後に、宮澤次官からぜひ文部省としての一つこの問題の円満な、しかも名実ともに名城大学が再建をいたしまて、地方にある理工学部を含めた特色がある総合大学として子弟の教育に専念する機会が与えられるよう御努力を賜りたい思いますので、御所見を承りたいと思います。

宮澤喜一自由民主党文部政務次官

○政府委員(宮澤喜一君) きわめて異常かつ遺憾な事態だというふうに考えております。なお、詳細につき先刻管理局長から説明を申し上げ、また栗山委員からも栗山委員のごらんになりました現状について御説明と申しますか、お話もあったわけでございます。栗山委員のお話しになりました事実、見方はいろいろあるかとも思いますが、しかし、概して私どもの知っております事実と大差ないように考えます。従来、文部省が、この問題を扱って参りました経緯を聞いてみますと、行政として私立学校法が作られております基本精神に反しない範囲で精一ぱいのことをやって参ったというふうに私は考えておるのでありますが、しかも事態はますます異常なものに発展をしておるというのが現状であろうと思います。先ほど私立学校法六十二条に基づくところの解散命令についてのお尋ねがございました。申し上げるまでもなくこの解散命令には幾つかの前提が必要条件になっておるわけでございまして、「法令の規定に違反し、又は法令の規定に基く所轄庁の処分に違反した場合においては、」それらの前提が具体的な事実に基づいて満たされておるかどうかということについて、これはなお詳細に事実について考え、調べなければならないと思いますし、また他の前提、でありますところの、「他の方法により監督の目的を達することが、できない場合」についてもこの要件を満たさなければならないと思います。なおまた架空の問題として申しますならば、かりにそういう最後的な処置をいたします場合に、そのあとのことをどうするかということも、御指摘のように、多数の学生その他おることでありますから、考えなければならないと思いますので、従いまして栗山委員の御質問に対して私が直ちに明確なお答えを申し上げることができないのは実は残念でございます。実は、この問題につきましては、当委員会並びに衆議院の文教委員会においてもお取り上げがございまして、私の気持を端的に申し上げますと、行政として実は精一ぱいのことをしてきて、そうしてなお事態が解決をしない。そういうときに、たまたま立法府においてこの問題を調査事項としてお取り上げ下すった。で、そのことによってかなり事態というものが一般によく認識され、そうして世論というものが事態を知るようになった。そのことがいい意味での圧力となりまして、何らかの形で問題が解決をしていってくれればいい。またそれを促進いたしますために、私どもできるだけのことはもちろんいたしますし、当委員会に対しましても、私どもの知る限りのことを申し上げ、またなし得る限りのことをなしていきたい、こう考えております。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 政務次官の御答弁は私も誠意ある答弁として一応了承いたしたいと思います。ただ、とにかく卒業時期も控えておりますので、どうして卒業するかということで学生の一つの悩みになっておりますから、また来年度の新学生の募集のこともありますし、教授陣の給料の支払いのこともあります。これは労働基準署から告発されております。八月、九月分の給料を支払えということで、田中理事事長は告発されておる。そういうようなことがありますので、災害対策その他で文部省も人後に落ちない非常に御多忙なときであろうと思いますが、まあそれはそれとして、この問題についても急速に一つ何らかの動き出しをしていただいて、そうして当委員会にさらにその後の動かれたことについての報告を承ることができるように善処を願いたいと思います。

相馬助治日本社会党

○委員長(相馬助治君) この際、私から一言文部当局に要望をしておきたいと思うのですが、災害関係並びに明年度予算その他本委員会が持っている議案が輻湊している中にこの問題を取り上げたことは、この問題は異常にしてしかも前代未聞ともいうべき教育以前の問題をもはらんでいるまことに日本の文教史上にも類例のない形の問題であるというふうに考えたものですから、委員長・理事打合会においても満場一致をもってこの問題を取り上げて積極的な調査に乗り出したわけです。もともと立法府であるわれわれといたしましては、この種の問題に介在することを好みません。しかし、この問題が長期にわたって学生並びに教授に与えている迷惑等を考えて、われわれはここで取り上げたのです。ただいま政務次官より非常に真撃な御見解、御決意を聞いてわれわれは多く期待するところがありますが、どうか一片の法規にとらわれることなく、現行法ではこの種の問題の解決のために文部省が非常に苦しい立場であることを私どもはよく知っております。そしてまた行政指導上からも、この種の問題は大学の自治権と錯綜して扱いにくい問題であることも知っております。しかし、どうか一つ当委員会の意のあるところを考えられて、積極的にこれが善処方について努力するようにお願いします。この種の問題について委員長から発言したこともまた前例のないことでありますが、特にこの言葉を添えておきたいと思います。  本日はこれをもって散会いたします。    午後四時二十二分散会

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