風水害対策特別委員会文部、通商産業、大蔵小委員会 第1号
- 発言数
- 187 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1959/11/28
会議録
○委員長(西川甚五郎君) ただいまより小委員会を開会いたします。 まず、文部省関係の昭和三十四年八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた公立の学校等の建物等の災害復旧に関する特別措置法案並びに昭和三十四年八月及び九月の風水害を受けた私立学校施設の災害復旧に関する特別措置法案、その二法案につきまして御審議を願います。
○成瀬幡治君 大臣にお尋ねしますが、大臣もしばしば各方面から内容等を承って十分御承知の点だと思うのですが、今度の災害地の改良復旧にあたって、激甚地指定で、しかも半壊、全壊になっておる校舎のみに改良復旧を認めるというような意向もあるようです。それからまた大臣等からお話を承っておると、しかしまあそういう中であるけれども、被害常襲地帯と申しますか、長期湛水地帯のところは避難所と申しますか、せめて学校だけは安全なところにしてほしいという校区民の要請等もあるから、そういうところも一つ改良復旧にこの際加えていってもいいというような御答弁もいただいたわけです。この際、ここで一つ明瞭にどうなっておるのか、お答えが願いたい。
○国務大臣(松田竹千代君) 御承知のように、今度の台風の結果、あちこちで、これが復旧にあたっては改良復旧に持っていってもらいたいという熾烈な希望もあり、また私どもも切に、それは当然のことである、方針としては、これから漸次学校の危険校舎、老朽校舎等の改築にあたっても改良復旧、鉄筋鉄管作りのものに持っていきたい、そうすることによって、さらに学校の運営をやるばかりでなく、災害等の場合にこれが避難地、避難先、救護事業の本部というようなことにも使われるわけで、どうしてもそういうふうに持って参りたいと、かように考えるとともに、大体復旧の場合においては、全壊、半壊、大破とこの三つの範疇にみんなどれもこれも入るわけです。今度は全壊に対しては今までその三〇%であったものは今度は六〇%に措置法によって認められておる。それから今までには予算積算の上で一度も今までの災害では認められたことははい半壊のものに対しても三〇%まで改良復旧でいけるということになっておるわけであります。そうしてその補助率も公立学校教育制のものに対しては四分の三ということになっておりまするし、そうして他には起債、利子補給、元利補給ということになっております。こういう建前で参りますと、相当今度は改良復旧ということに対して躍進できると、こう思うのです。で、お話のように、長期湛水地帯も特定の場所でこれは風が強く当たってきておるのだし、ここは低地でしばしば水害のおそれがあるのだし、ここだけはどうしても改良復旧に持っていってもらいたいというようなところに対しては、必ずしもこの全壊、半壊、大破というものに縛られないでも改良復旧工事をやっていける、かように考えるわけであります。予算は非常に少ないではないかとおっしゃいますけれども、これは四十九億でありましたか、四十九億の総額、これに対して、まあ今年度はもう何カ月もないのでありますが、今度の予算に対しては十億八千万円、そうして明年度増額ということになって参りますると、二十一億六千万円ということにたりまして、それに対して査定という問題が起こって参りますけれども、これは従来の実績から考えまして、この予算をもってし、このワクをもってし、この補助率をもってするならば、御心配になるその長期湛水地帯の学校なんかに対しては、ほぼ私は地元民の満足する程度にいけるのじゃないか。大破というものの中には、非常に多数小修理で済ませるところも、たくさんそういう学校もあるのですから、また私の考えでありまするけれども、愛知県の小学校なんか一部分コンクリートであったために、あの非常な流木の襲来に対して耐え得たというようなこともありまするので、そういうことも考えられるのじゃないかと思うのです。一部分でもこれは鉄筋にすることによって災害を免れ得るのじゃないかというふうにも考えられるので、特定の学校の事情いかんによってはそういうことも考えられるのではないかと思う。で、こういうことを全部勘案いたしまするというと、大体においては御満足してもらえる程度に持っていけるという私どもは確信を持っておるわけなんです。
○成瀬幡治君 お話よくわかりましたし、明確になって参りました。実は、初めはその大破あるいは半壊、全壊が改良復旧の対象であるというふうに限られたように承っておったのですが、今お話だとそうではないという点が明確になってきて安心をするわけです。しかし、お話のように全壊、半壊三〇%あるいは六〇%と、おのおのの、そういう、それにも入らないけれども、なお改良復旧をしなければならないというものに対する、予算の中には一応入ったような気がするのです。しかし、それは過去の実績によると六〇%ときめておっても、それは七〇%くらいの卒業冠になる、あるいは市町村で辞退するようなところもあって、そこから必要なところへ回ってくるから、案外ゆとりがあるというふうに受け取れるわけですが、大臣は予算の関係では全然心配がないというようなお話ですが、何か私たちでいえば、この十億八千九百万というこの額は、学校数に直してみると、非常に少ないような実は気がしてならないわけです。学校数に実際に当てはめてみると、私も全国的なその数字を握っておるわけじゃございませんけれども、かりに愛知県をとりましても、九百くらい被害学校がある。そのうちの五百八校なら五百八校というものはどうだろうというようなことになってくる。そして、その坪数がどのくらいのこともおよそ押えられるのです。そこからやってくると、どうもこの十億八千九百万円では足らぬじゃないかという気がするのですが、もしあなたの方でこの数字にこだわってしまって、逆にこういう割当をされ、査定をされてくるということになれば、大臣のここでお話しになっているようなことが、実際には査定がきびしくなる、いや、そういうこともあったけれども、この際はここでしんぼうしてもらわなければならぬじゃないかということで、悪い言葉で言えば、申しわけ的に入ったような結果になってもいかぬと思うわけですが、予備費が大蔵大臣等の答弁によりますと八十億、そのうちの五十億これに振り向けてもいいという、従って、今のようなことが私は新しくものさしに加わったというような気がしてならないわけですが、そういうがために、大蔵省と折衝されて、予備費をある程度確保されるというような努力は文部省としては当然なされなければならないと思うが、そういう点についてはどういうふうにお考えになっているか。
○国務大臣(松田竹千代君) お話のようなことを、私は実際には一番先に管理局長と話したんです。これでも小さいので、こんなことでやれるのかというと、実際の話に、あえて報告総額を水ぶくれなんというのじゃありませんけれども、大体従来のやり方をいろいろ聞いてみますと、七〇%その額にかけて、そうしてその残余の額に対してなお査定するのでありまするが、査定する場合に、あるいはこれは場所によっては案外報告額は非常に地道で、むしろ少額に過ぎるというような場合もなきにしもあらずでありまするけれども、おおむね従来の実績から考えまするというと、七〇%総額の数字にかけて、そうしてその数字に対してなお査定をするのでありますけれども、いろいろの場合の従来の実績からしますと、相当むしろこの額でもそれは十分やれるのだというようなことが出てくるわけなんだそうですね。それでそういたしますと、大体辛い査定をしないでやっていってりっぱにそれはできる。私も大蔵大臣に、もう個人的にもだめを押してあります。どうしてもこれでやれぬ場合は、各省ともに協力することによって節約額が二億六千万円あるわけでありますが、これは大丈夫かということも確かめて、なお、たとえば大蔵大臣にどうでもこうでも困るときには予備費を出してくれないと困るぞ、よろしいかということをだめを押してあるんです。でありますから、地元との話し合いを大体やって、そうしていく場合には、私はこれでまかなえるという安心感を持っているのであります。
○成瀬幡治君 よくわかりました。そうすると、大体この法の第四条の第二項の災害によって生じた復旧であってという解釈の中に、今言っているそういうものが入っているというふうに了承いたしますし、従って、その補助率も、一般の災害法がございますが、そうではなくて、四分の三の今度の特例法の適用に従って、大体そういうことはやっていっていいというふうに了承したいと思いますし、それから査定に当たっても、大体いろいろなことが言われておりますけれども、文部省の査定が一番辛くて、大体七〇%くらいに落としていく、それがまた現地査定をやって、もう大蔵省の査定になると六五%、かれこれしていると六〇%くらいに実質落とされてしまって、そうして、しかも改良復旧をやったところが坪当たり五万二千円くらいが実際は七万円くらいになるわけですが、何か体裁よく四分の三ということになっているが、計算してみたら二分の一くらいになっておったというような点が、大体その学校建築に当たって一般父兄がそういうことを知るわけなんです。従って、政治に対する不信感というものがそういうところから出て参ります。何か政治家はうまいことを言って、いつも国家から出す、補助するということを言っているけれども、実際やっていただいてもとんでもないことになってしまって、PTAで寄付をしなければならない、無理をしなければならなくなってしまったというのは非常に遺憾だと、こういうことを今まで繰り返しておったけれども、今度五万二千円ですか、数字は確定したものではございませんけれども、それを引き上げよとは言わないけれども、否定もあまりきびしくやられてはいけないから、査定等に当たっても、今あなたの言葉を聞いておりますと、甘きに失している点があるが、辛きに失するようなことになっても悪いというような答弁のように伺っておりまして、そういう態度で公平な査定を大臣も一つしていただくというお話を聞いて実は安心しましたから、これ以上申しませんけれども……。
○国務大臣(松田竹千代君) 私も、文部省は一番きびしく査定をするということをしばしば聞いたが、そういうただやかましくというばかりが能じゃない、よく考慮してやっていかなければならぬ。ところが文部省のここにおいででありますけれども、小林管理局長という人も、とてもかたい人でありますが、かたいということはきびし過ぎるということじゃないので、真っ正直にものをそのままやるというかたい人であります。私もその点は心配しまして、特に注意をしたのですけれども、それだけにやっておることもはったりなしのやり方ですから、その点は私は、そこにかえってゆるさが幾らか見方においても出てくるのじゃないか、またやはり公共の施設というものは民間の施設の工事と違って、何といってもそこに見方が甘いところがむしろあるのであって、この点も、私は自分の責任においてこれはなにすることですから、やかましく念を入れて注意をして参ったのですから、まあ大丈夫と私は思っておる次第であります。
○山本米治君 ちょっと大臣にお伺いしますが、一昨日東海三県の協議会の代表が、やはり学校の復旧が問題になりまして、そのときに特に問題となったのは、学校復旧に関する鉄筋化の問題ですが、そのことで代表が文部大臣に面接に行ったと思うのです。さらに大蔵大臣と会ったようですが、そのときの要望は、普通の復旧ということのほかに、こういう災害、特に高潮で水びたしになるというようなことを考えて、海岸の町村等においては、公共の避難所という要素も入れて復旧を考えてもらいたいという要望が非常にあったわけですが、その陳情がたしかあったはずだと思いますが、これに対して文部大臣といたしましては、大蔵大臣等にどういう連絡、要望あるいは公約を取りつけられたか、お伺いしたい。
○国務大臣(松田竹千代君) あのときにお会いしましていろいろ話し合いいたしたそのときにも、われわれの方でも極力大蔵省に頼むから、一つ文部省からも頼んでくれと、私はあのときは話はしませんでしたが、それは予備費の点は、大蔵との間で、私はだめ押しをしておることに対しては話はしませんでした。けれども、なおよく折衝します、と言うて別れたのですけれども、そのときにそれを話せば納得してくれたかと思うのです。いよいよいけない場合には要求するから、そのときは出すのだよ、くれるのだよということをだめを押してありますから、よろしいということになっておりまするから、今お話のように、地元民の今度の経験によって、気分的にどうしてもこれは復旧してもらいたいという熾烈な要望があることを重々、私が行って地元でもみんなから聞いております。そう申してきておるのでありますから、その点はよく考えて、そうしてしばしば管理局長と会って話して、それでできるか、そういう場合にはどうだということを確かめておりますししますから、大体特定の場所に対しては、改良復旧によってみていくということはできると思います。
○山本米治君 今のお話しだと、東海三県の代表が行ったときよりも、すでにそれより前に文部大臣と大蔵大臣と話をしてだめ押しをしてある、そういう場合は必らず出すからと、こういうお話しだったが、代表団には言わなかった、どうして言わなかったのですか。
○国務大臣(松田竹千代君) どうして言わなかったかという、そういう考えも何もなかったのだが、その点の話を落としたということです。
○山本米治君 そのお話し後には、大蔵大臣に、さらにだめ押しはされなかったのですか。
○国務大臣(松田竹千代君) それは今までに何度もやっております。
○成瀬幡治君 大体改良復旧の点についてわかりましたが、一つここに助成課の方の係りの方も見えておるようでありますから、一つ間違いなく査定の場合には一つ今の趣旨に沿うてやっていただきたいということをお願い申し上げまして次に移ります。
○国務大臣(松田竹千代君) お話しの点はよくわかりました。なおこまかい点について、この際技術上その他の点について、お尋ねいただきますなら、一応みなそろっておりますから、政府委員より答弁いたさせます。
○成瀬幡治君 私は答弁は不必要でございますが、一つ省内においても意見の違いのないように、一つ査定をしていただきたいということをお願い申し上げて、次にお尋ねしたい点は、これは大臣でなくて担当の方でけっこうでございますが、実は今度の災害につきましてしばしばお願いを申し上げました臨時職員というものを、各県等は採用を実はしてみえるわけであります。ところが愛知県に例をとってみますと、期限がいつまでいいかということは非常に問題であるけれども、十二月十四日まで一応採用する、そうしてまた必要であったら当然十二月十六日から採用すると、こう言うのです。なぜ十二月十五日をはずしているかと言って聞くと、それは手当等を出さなくちゃならぬから、そういうみみっちい取扱いをしている。どういうことなどは、臨時に雇われている身分の人というか、そこで働く、一生懸命短時間であろうけれども働いてやろうという人に、どのくらい水をかけているか、実に行政としてまずいと申しますか、何か品物みたように人間を扱っているような感じが非常にしてならないのですが、文部省は一体それほどまでにこれに対しては、もう十二月十五日に採用されていると期末手当等を出さなくちゃならないから、そういうものは見ないよという通達でも出して、こういうことをやられているのですか。
○政府委員(齋藤正君) 文部省はさようなことは申しておりません。通達等もいたしておりません。
○成瀬幡治君 わかりました。そうすると、これは愛知県が独自でやっているわけなんですね、これは下手な、下手というよりもけしからぬやり方ですから、一つ官房長の責任において、継続というのですけれども、臨時工ですら続けるときには入れるということになっておるが、こういうやり方というものをさせないように、一つ注意を喚起しておいて下さい。
○政府委員(齋藤正君) お話の点、事情をよくたしかめまして善処いたします。
○成瀬幡治君 善処ということは、そういうことを認めるということはないでしょうね、こういう何か一日だけちょん切るということは。そういう場合があったら、そういうことは続けさせるということでしょう。
○政府委員(齋藤正君) 十一月に引き続いて十二月、それ以上も臨時の職員が実際上要るという場合は、わざわざその途中を必要なのに切るということは、よくないことでございますので、さようなことのないように注意をいたしておきたいと思います。
○成瀬幡治君 それに続いて、これは災害に基づく費用ですから、国がめんどうをみられると思いますが、それはどこからお金が出て、そうしてこれに対する国の負担分というもの、あるいは地方自治体の負担分というようなものは、どんなふうに臨時職員あるいは旅費、宿日直料はどういうふうにされるのか、御答弁願いたいと思います。
○政府委員(齋藤正君) 今回の災害によりまして、臨時に教職員を任用する、あるいは宿日直の要員が増加をする、あるいは集団授業のための出張旅費等がよけい要る、こういうようなものにつきましては、国の負担といたしましては、義務教育国庫負担金の給与費の負担によって半額を負うわけでございますし、それからその他の分につきましては、特別交付税等の処理の場合に、この任用した分については計算に入れていただくということで、自治庁にお話をしてあるわけであります。
○成瀬幡治君 そうすると、臨時職員の場合は半額国庫負担法に基く二分の一の負担、それから県が要求すれば自動的にそれを受け入れる、それから旅費あるいは宿日直料、宿泊料等は特交で見る、そうですか。
○政府委員(齋藤正君) 臨時職員のための給与費、それから宿日直の手当、それから集団疎開等の旅費、すべてこれは半分を義務教育国庫負担金で見る、半分は見る。その残りの地方負担分については特別交付税で処理していただく、こういうことで自治庁にお願いをしているわけです。半分は国庫負担金で見る、旅費それから手当等含めまして……。
○成瀬幡治君 わかりました。そうすると旅費は一人平均四千円というワクはありますけれども、その中から大体あなたの方に保留分等があってあるいは宿日直等保留分があって、そして大体やっていける見通しなのですか。
○政府委員(齋藤正君) この点につきましては、具体的な数字を関係府県と打ち合わせをいたしまして、こまかいことでございますけれども、担当官の間で連絡しておりますから、実際に要ったものが国からいかないということはございませんので、その点は御安心願いたいと思います。
○成瀬幡治君 次に教材関係だけでお尋ねしておきたいのですが、今までPTAが寄付をいたしまして、そして大体寄付採納になっておりますから、市町村所属のものになっておりますが、あるいはPTAそのものもあると思いますが、日常授業をやっていく上において、正常な授業をやっていく上において、そうしたものが全部流れた、こわれてしまったということが今度出てきたわけです。で、文部省から見ておられる教材費は御承知の数字でございまして、とてもこういうことはでき得ないと思います。そこでこれを補充していくには、やはりPTAの負担分ということになるかと思いますが、とてもPTAでは負担することができない。そこでやはり政府がある程度教材費のワクを広げるとか何とかして見られなければならぬが、これは当然見ていただくと思うが、見ていただくとすれば、それは何の費目で、今までの交付税の中で自治庁が見てくれるのだというようなとりつけ方なのか、これはどのくらいめんどうが見られるか、見れるかという点をお答え願いたい。
○政府委員(小林行雄君) 一般の災害の場合におきましても、学校の設備費につきましては法に規定がございまして、災害復旧の対象になっております。今回の特別措置法におきましても、第四条の一項におきまして、設備の災害復旧をするということにいたしております。ただいまお尋ねのPTAの寄付にかかわる学校の設備、これはもちろん災害のときまでに寄付採納になっておりますれば、もとはPTAの寄付でありましても、学校の設備でございますので、当然これは災害復旧の負担金の対象になるわけでございます。
○成瀬幡治君 そうしますと、大ざっぱにいって、まだ総集計が出ていないかもしれません、あるいは査定が終わっていないかもしれませんが、大体の腰だめとして自治庁に文部省はどのくらいの今度災害関係で、こういう予算と申しますか、交付税あるいは特交関係で、要求総額はどのくらいされておるわけですか。
○政府委員(小林行雄君) 先ほど文部大臣からお答え申しましたように、大体これは全部調査が終わっておりませんのでわかりません。予算要求としては二カ年間にわたりまして二十一億六千万、本年度が十億八千万、この数字に設備関係の経費も合わせて入っております。各市町村から府県を通じてそれぞれの設備費の復旧要求額があったはずでございます。
○成瀬幡治君 そうなってくると、だんだん十億八千万が少くなってしまって――来年度十億八千万ぐらいだという話を聞いておるから。そうでなくて、災害に関して交付税関係あるいは特交関係で、教育費関係で大体自治庁が見ようとするもの、それに対して文部省はどのくらい話をしてみえるかという点が聞きたい点です。
○政府委員(齋藤正君) 先ほど御答弁申し上げました臨時職員の採用、それから宿日直要員の増加に伴うところの宿日直手当、それから出張授業、連絡等のための旅費、そういうものも合わせまして、愛知、三重合わせまして、これが所要額が大体八百五十万になっておりますが、それでその二分の一、すなわち四百二十九万ほどが国庫負担金の分になりますし、従いまして同額を自治庁で、特交の方で処理していただくように連絡しておるわけでございます。これは給与費関係の点でございます。
○成瀬幡治君 その四百二十九万、八百五十万という総額になるわけですけれども、これはとても問題にならなくて、愛知などの実情を申しますと、先生というか、学校が大体七、八十校、どうしても必要なわけです。それに一名の臨時職員をつけるということになると期間が問題になると思いますけれども、とてもそれは四百二十九万ばかりでは地方の持ち出しが非常に多くて、現に愛知県が追加予算を組んだのだけでも五百万近く組んでおります。これが三重、愛知だけで四百二十九――八百五十万では、これはとても問題にならぬと思いますが……。
○政府委員(齋藤正君) ただいま申し上げましたのは、県で追加予算として組んだものを出したものでございますから、まあ実際上、日常いろいろなものがあったかもしれませんけれども、予算として計上したものにつきましては文部省としては十分手当をしたつもりでおります。
○成瀬幡治君 それでは最後に私学のことを一つだけ。大臣も大同工業というところをお見えになっておりますが、あそこが鉄筋コンクリートであったために何万人という人が助かったわけです。ところがあそこは番付金で、みんな私学ですから寄付金でやって、まだ開校式も実はやらずに災害にあった。で、こたえたのは、建物の方はこれは非常に破損しておるけれども、鉄筋のために減少――少ないということも言えるかと思います。しかし便所とかそういうものは非常に痛んでおるけれども、問題は機械ですね、実験の。いわゆる工業のために実験機械が非常に水浸しになったりいろいろなことになっておる。そこで中小企業関係でいえば大蔵省が提案しておるように、国有のものを特価の五割、しかもそれの三割五分ぐらいでやろうというんですから、大体非常に安く売るようなことになって、中小企業の人はほとんどただとは言えないけれども、非常に優遇されておる。旋盤と旋盤じゃなくて、旋盤とターレットと変わってもいいというような、工作機械ですらチェンジするようなゆとりのある法律が、今度大蔵省関係から出されておる。この学校備品というか、設備機械に対しても、文部省でも今度相当めんどうみようじゃないか、みていくという方針だと思いますが、これはどのくらいの割合でみられるのか、全額大体みていかれるのか、その比率と申しますか、額と申しますか、そういうようなものはどのくらい予定されておるんですか、答弁願いたい。
○政府委員(小林行雄君) 私学の災害復旧につきましても、公立学校の災等復旧と同様に大体考えております。設備費につきましては、公立学校の災害復旧国庫負担法に一応の基準額がございます。これをやはり私学に当てはめてやっていくつもりでございます。ただし私学の場合は公立と違いまして、国の補助率は二分の一でございますが、残りの二分の一の額につきましては、私立学校振興会の方から融資をする予定でございますので、さしあたって必要な機械設備等につきましても、十分自己負担なしに災害復旧が行なわれるものと私どもは思っております。
○成瀬幡治君 そうすると、設備関係についても二分の一をみるわけですか。それからあとの二分の一は融資、その融資はどのくらいの率ですか、それで何年くらいですか。
○政府委員(小林行雄君) 災害復旧に関する融資につきましては、振興会の方で融資の準則がございます。一般の災害復旧の場合は、たしか二年据置の十年くらいだと思いますが、こういう特別法ができまして、特別法に基いて災害復旧が行なわれるような場合には、二年措置の十五年、あわせて十七年という長期の融資をするということにいたしております。
○成瀬幡治君 率は。
○政府委員(小林行雄君) 日歩一銭五厘ということになっております。一般の場合は日歩一銭六厘でございますが、それを一厘下げて日歩一銭五厘ということになっております。
○成瀬幡治君 年六分……。
○政府委員(小林行雄君) 六分にならぬと思います。たしか年に直しますと五分五厘だろうと思います。
○大竹平八郎君 二、三簡単にお尋ねいたしたいと思いますが、先般大臣より文教関係の被害状況を拝聴いたしたわけでございますが、そのときに人的被害といたしまして、児童生徒及び半生の死亡者九百二十五、行方不明者二百三十七名、負傷者五千五百四十七名という、こういう数字が発表されたのでありますが、実に死亡者九百二十五名というのは、今次の伊勢湾台風に対しましては三〇%に近い大きな被害を受けたわけなんでありますが、これは相当前の報告だと思いますが、その後入りました新しい被害の状況について一つお示しを願いたい。
○政府委員(齋藤正君) その後十一月十六日の報告が参っておりますが、小学校が死亡六百九十九人、それから中学校が百八十四人、高等学校が三十一人、計九百十四人でございます。それから行方不明が小学校が六名、それから中学校が十二名、高等学校が五十五名、計七十三名、かように――十六日現在であります。
○大竹平八郎君 この被害のときは、これはむろん学校とか何かでなく、ほとんどこれは家庭でやられたのが多いと思うのでありますが、家庭にいたしましても学校にいたしましても、やはれふだんの私は訓練ということが多少問題になるのじゃないか、かように考えてお尋ねをしたいわけでありますが、昨日か何かの新聞でちょっと私見たのでありますが、災害予防という問題を中心にいたしまして、たしか京都大学でありましたか、初めて何か水分学の講座が設置せられるということを聞いているのであります。元来小中学校の生徒に対して、台風等に対して一体どういう教育、訓練をせられていたかということ、その点を伺いたい。私ども小さいときでも、まあ日本は地震の国とかあるいはまあ非常にきれいなところだということは聞いておりますが、必ず地震の国だというようなことは聞いているのだが、台風というようなことは実はわれわれもあまり教育を受けてもおらぬ。そういう意味で、どうしても防災の訓練とか、避難訓練ということが、こういう常時押し寄せてくる台風のためにも必要じゃないかと、こう考える。これは地震はどうにもならぬことで、予期せずしてばたっとくるのですけれども、台風は相当予期できることなんでありますから、そういう意味で訓練とか避難とかいうような注意を中心にして、どういう教育、訓練をせられているか。あるいはまた今後どういう御方針をとってやられるか、この点、お伺いしたい。
○国務大臣(松田竹千代君) 各種の災害の多いわが日本でありまするから、当然これに対して児童の特別の訓練という場合に処するドリルをやるということは、非常に大切なことだと考えております。従って詳しくどういうことをどういうふうにして、こういう訓練をやっているかということは承知いたしませんが、ある程度の訓練をやっているように私は、承知いたしております。また教科書等においてもそういう配慮が、注意すべきことの配慮がなされているように伺っております。しかし今度の台風がこの点でもよき教訓をたれていると思いますので、今後も一そうこういう方面に、実際に即してどういう適切な訓練をやるべきかということをよく考究して、一そう進めて参りたいと、かように考えております。
○大竹平八郎君 それからいま一点伺いたいことは、今も校舎の問題について質問があったようでございますが、日本のように非常に災害の多い所では、これは単に学校だけではございません。工場とか、いわゆる労務者住宅とか、こういう問題について、もう少し研究がなされなければならないのでありますが、従来、火災とか地震については相当研究されておるわけでございます。ことに火災は、日本の家屋の立場からいって、これは相当研究が進んでおることは御承知の通りであります。ところが、今度の伊勢湾台風等を見ましても、特殊ないろいろ新しい問題が出ておるわけであります。たとえば、ああいうデルタ的な、いわゆる低湿地地帯とか、さらにまた広範な埋立地とか、こういうものに相当な建物が建てられておるわけでございますが、特にそういう点において、学校の建物についての外壁の問題とか、あるいは位置の問題、こういうような問題が非常に今論議されておると思うのでありますが、これについて、一つ大臣の御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(松田竹千代君) 今度の災害によりまして、この国会においては、災害の予防ということが各方面から十分に論議され、われわれも、まことに適切な論議であったと、かように考えておるわけであります。お示しのように、これが予防対策ということに対しては、政府一体となって、それぞれの立場から十分に研究をとげ、なお、今日だんだんとこれらの問題に対処すべき新しい学問の出て参っておりますことに対しては特に注意を払い、何と申しましても、子供の間にこうした問題に対する心がまえというものを養っていくことの大切なることを十分に考えますので、文部省といたしましても、特に関係する面も多々ございましょうから、特別の配慮をいたして参りたい、かように考えております。
○大竹平八郎君 それからいま一点伺いたいことは、今度の災害によって、私立学校の施設が相当被害を受けております。先般、大臣の御報告の中にも、私立学校施設約二百十八校、六億円の被害を報告せられておるわけでありますが、その後、ここに補正予算に助成費五千三百万円を計上したことは、まことにけっこうなんでありますが、しかし実際は、私ども各個に一々当たったわけではございませんが、私立大学の被害というものは相当ひどいようにわれわれは見受けておるのであります。従いまして、これくらいの補助金では、実際問題としてなかなかもとに立ち返るということは至難じゃないかと思うのでありますが、特に国庫補助金以外に、むろん私立学校関係のいろいろな団体等もありましょうが、何か特別の配慮をされておられるのかどうか。この点、事務当局でけっこうでございますから……。
○政府委員(小林行雄君) ただいま御指摘のございましたように、私学の災害復旧費につきましては、五千四百万円ばかりの計上をお願いいたしておるわけでございますが、先ほどお答えの中にも申し上げましたように、これに見合う融資の分につきましては、私立学校振興会の方から措置するということになっておるわけでございます。なお、いわゆる災害激甚地以外で被害をこうむった学校等もございますので、これにつきましても、やはり振興会の方から復旧費を融資するということになっておるわけでございます。 なお、従来の例と異なりまして、今回の災害復旧にあたりましては、特別に、いわゆる学校法人立ばかりでなく、個人立の幼稚園等にも、災害復旧の場合は補助金を出し、また融資をするという措置を講じたわけでありまして、こういった点では、従来の、たとえば二十八災等に比べますと、一歩前通したものというふうに文部省としては考えておる次第であります。
○大竹平八郎君 私立学校振興会というものに対する私立学校の期待というものは非常に大きいものでありますが、しかし、今次のような災害が相つぐということになりますと、相当資金面にも苦しい点が出てきておるのじゃないかと思うのでありますが、そういう点について、振興会自体に対して、文部省が金融面からどういう考慮を払われておられるか、この点、いま一点伺います。
○国務大臣(松田竹千代君) 私立学校に対して、従来も、私学校振興会の方から特別の資金を融資する、その必要を私どもは強く認めておりまするし、私学というものは、やはり大きな教育の部門を担当しておる社会連帯の観念から申しますれば、公立といい、私学というも、ともに同じように見ていかなければならぬという考えがありまして、そとで、私学振興のために、私学振興会の方への融資を本年度も、十五億と思っておりますが、大蔵省の方へお願いしておるわけであります。さらに、党の方においては、特別に投融資の方からも、もう少し大きな金を出してもらうようにというような意向もございまして、その方面に対しては文部省といたしましても十分考えておるわけでございます。
○大竹平八郎君 そうすると、事務局に伺いますが、今大臣の十五億云々というのでありますが、投融資関係については、実際問題としちゃまだやられていないですか。
○国務大臣(松田竹千代君) これも強い要請が私学連盟の方からございまして、われわれも、これはできればしごくけっこうだと思っておる次第であります。
○政府委員(小林行雄君) 大臣の答弁を補足して申し上げます。 御承知のように、私立学校振興会の資金計画といたしましては、二十八年来五カ年に五十億の出資をしてもらいたいということで計画をいたしました。これが順調に経過いたしまして、三十三年度で全部の出資計画が完了いたしました。従って、三十四年度には国庫からの出資がなかったわけでございます。しかし、戦災復旧の貸付金の債権、出資その他を合わせまして、現在出資総額は、ただいま申しました五十億に加えて大体七十億程度の出資総額になっておるわけでございまして、それを回転して、一般の学校施設の整備に充てておるわけでございます。大体年間十六、七億ないし十八億ぐらいの融資を従来やっておったわけでございます。ただ、先ほど申しましたように、本年度、三十四年度には国庫からの出資がなかったために、一般の整備のための融資は相当窮屈になって参りました。従って、これにつきましては、私立学校教職員共済組合の方から一部借金をいたしまして、それを資金に加えて融資をしておるような状況でございます。ただ、災害復旧の場合の貸付につきましては、従来、返ってきますところの利子等を積み立てまして、貸付準備金というものを持っておりますが、大体本年度は三億程度でございまして、この三億のうち、約半分の一億五千万は一般の整備の資金として回しておりますが、残りの一億五千万のうち、この今回の災害以前に一般の火災復旧等に充てられますものが約二千万ございますので、災害復旧のために融資をし得るという勘定になっておりますので、これをもって本年度の私学関係の融資については十分措置し得るんじゃなかろうか、かように考えておる次第でございます。
○吉江勝保君 文教で二、三お尋ねをいたしたいと思います。第一に、先ほどあるいは質問があったかとも思うのですが、今度の災害で一番文教関係で特徴になっております低地帯というか、冠水地帯のやはり校舎の問題なんですが、今回のような機会に、文部省においては学校の校舎の建築につきまして、この低地帯、今度の問題の災害地帯の中に低地帯が相当ありますが、並びに全国の低地帯にある公立学校等の建築について根本的に何か少しお考えをお立てになる気持があるかどうかということを最初に一つ文部大臣にお伺いしてみたいと思います。
○国務大臣(松田竹千代君) これはまだ私の考えだけで、そういう私見を申し上げることはどうかと思いますけれども、実地を見まして、しばしば同じ災害を繰り返して受けるということは、非常にこれは考えを変えなきゃならぬではないかというふうな考えを持っておるわけでありまして、私としてみましては、やはり学校に限りませんけれども、住宅でもその通りであるが、近年どこでも丘陵などに邸宅を建てる。高いところはすぐ付近にあるのに、相も変らず低地海岸のそばにやはり学校なり住宅なりを建てているということはどうであろうか、今日は道路さえできれば、交通のいろいろの利器が十分に発達しておるのでありまするから、少しばかり遠いところであっても高地に建てていくようにしていったらどうか、それが外国などは昔からそういうことになっておる。周囲の環境からいっても学校の所在地としてはそういうところが適切ではないかということを私は痛感いたしておるのであります。これはむろん地元の人々の意向にもよらなきゃならぬのでありまするけれども、そういうことをつとめて考えていってはどうかというふうに私は考えております。
○吉江勝保君 一般的なお話ですが、この低地帯にある一般の住宅とか、いろいろな文教施設とか、そのほかの施設もありまするが、まずその中で公立学校を特に取り上げて今お尋ねいたすのですが、しかも低地帯というのは低地という意味じゃないのです。高いところもあれば低いところもあるというようなそういうところで、低いところにわざわざ建てずに高いところに建てるのはそれはけっこうですが、もちろんそうした方がいいんですが、全面に低地帯、水面よりも低い一帯の地帯と、こういうようなところでは、高いところに建てようとしても高い土地がみつからない。今度の冠水地帯を見ますというと、五里四方というものが水に浸ってしまって、避難するのに場所がない、ああいうときに避難しますのが、この鉄筋コンクリートでたまたま作られておった校舎に数千名の人がそこで生命が救われた、全くこれは教育の立場からの目的というよりも、もっと根本的な目的を果しておるのでありまするが、少なくともああいう地帯でこういう建造物を建てようというときに、役場でありますとか、あるいは警察とかほかの建物もあろうかと思いまするが、各市町村に必ずあって、しかも相当大きな建物といえば、今日公立学校なんでありまして、小学校、中学校でありまして、だからそういう小学校、中学校が高い地帯を一部構成しておると同じような意義を果しておるのでありまして、学校というような必要の、ほかに求めても得られないような地帯には公立学校の校舎というものは鉄筋の建物にして、しかも三階、四階の建物にしていくというようなことを相当今回の伊勢湾台風の教訓として文部省がこれをしっかりつかまえて方針を立てていかれるということは、私は今度の伊勢湾台風を将来に生かされる道じゃないか、治山治水の計画が今度非常に取り上げられましたと同じように、文教の上では、こういう点につきまして、しっかりした根本対策を立てて、その方針のもとに進んでいかれるというようなスタートを切っていただきたい。これは相当明年度計画にもなりますので、大蔵省あたりにも折衝が要りましょうが、強くこれは大蔵省にも私ども要望いたします。低地帯にありまする義務教育の校舎につきましては、年次計画を立てて改良をいたしていく、こういうような計画のもとにまず進めていただきたい、そういうことを先ほど申し上げたのでございまして、従ってそういうような方針を大臣、文部省がお持ちになれば、まずその第一着手として今回の被災校、災害を受けました公立学校等の改築につきましては、原形復旧というような形をとらずに、改良復旧で、今申しまするような目的に合致するような建物を建っていくというような積極的な計画お持ちでありましょうか、お伺いをしてみたいと思います。
○国務大臣(松田竹千代君) お話のように、全く今度の災害の結果からいいまして、お話のような方針をもって学校の再建をしていかなければならぬと私ども考えておりますが、特に付近に高地のないような低地帯におきましては、やはり堅牢にしてかつ高層なもの、高層建築というようなものが考えられる、お話のように全く災害のときといわず、何でも異変のあった場合にはまず学校というものは付近社会の本部のようなことになって、そして重要な役割を果していけるというわけでありまするから、今回の教訓にかんがみて、主としてそのような方針でもって進んで参りたいと、かように考えております。またこれを現に私ども見て参ったのでありまするが、高層建築を建てる場合に、むろん一定の基準によってこれは建てていくのでありましょうけれども、従来の学校を見ると非常に天井が高い、あるいは高きに過ぎるのではないか、むろん生徒一人当たりに対してどれだけの空間を持たなければならぬというような基準も必要でありますけれども、それ以上の空間を持つ必要はない、従って必要なだけのスペースを持てば、ある程度建築費を縮小するというようなこともできるのではないかというふうなことも考えますのでありまして、全くお話のような方針に基いて学校再建をやっていきたいと、かように考えます。
○吉江勝保君 今度の被災校の災害復旧につきまして、具体的になりますると、お話はいつも満足するようなお話を聞くのですが、実際に当りまして、相当あの地帯の校舎が今度は改良復旧に該当していくかどうか、あるいはそういうふうに進められていくかどうかというような点につきまして、これは局長の方にお伺いしてみたいと思います。
○政府委員(小林行雄君) 実際の被害の状況につきましては、十月の下旬以来文部省のそれぞれの担当官と大蔵省の係官と実態調査をいたしております。ただいま最後になりました愛知県下の被害の状況を調査中でございます。ただ、予算の点から申しますと、従来ございませんでしたところの半壊分につきましても予算の措置がとられましたし、また全壊分につきましても従来以上に、従来に倍して改良復旧の予算が積算されておりますので、今回の災害復旧に当たりましては、相当広い範囲にわたって、実際の災害復旧に当たっては改良復旧の工事が行なわれることになろうと思っております。ただ、具体的にどこどこということにつきましては、まだ一番被害の激甚でありました愛知県下が残っておりますので、現在それをはっきりと申し上げる段階には至っておりません。
○吉江勝保君 この問題につきましては災害を受けましたときに災害復旧という立場からのみでなしに、どうかこの災害復旧の問題を解決された後におきましても低地帯にある校舎の建造、建築というようなことにつきまして根本的にお考えを願いたい。それと合わせて災害を受けた機会には、そういう地帯の校舎は今申しましたような人命救助のような役も果しますので、これは必ず改良復旧にしていくというような強い方針でお進みになって、なるべくなら押えていこうという立場でなしに、そういうように積極的に進めてもらいたい、そういうように本年度から考えて、明年度からは積極的な予算を一つ組んでもらいたい、こういうことをお願い……お願いといいますか希望を申しておきます。それから、もう少しこまかい点でありまするが、そういうような場合に、具体的に、ある被災校が土地が低いので堤防等の高い所に、高い土台を構成して、土地を造成して、そうしてそこにもし新校舎を作ろう、あるいはその場所でありましても、そこに土地を高く造成して、そうしてその上に校舎を作ろう、こういうような、土地を高く盛り上げようというような計画のあったときには、その土地の造成費というものに対する助成賞はどうなるか、あるいは新しくそういう高い土地を購入して立てようというときに、その土地を購入する費用というようなものに対しては幾らかの補助をみてやられるのかどうか、そういう点についてお話を承りたいと思います。
○政府委員(小林行雄君) 従来土地を移転します場合には、特にその高い方の土地を購入する経費というものについてこの災害復旧の対象にしたというような事例は、まだあまり私ども聞いておりませんが、ただ現在の位置において地盛りをするというようなものにつきましては、これは改良復旧の一種になろうと思いますので、具体的に個々の事例につきまして検討をいたしたいと思っております。
○吉江勝保君 伊勢湾台風の被害校の視察をしました中で、三重県関係で具体的にそういうような話が起こっておりますので、こういう機会には一つ配慮をしてやっていただきたいと思います。 その次に、今度の特別措置法の第四条二項に新しく追加されましたような改良復旧を原形復旧とみなすという、こういう建前の条文ですね、こういうような条文と、この特別措置法の条文の元の法律と申しますか、公立学校施設災害復旧費国庫負担法の第五条第二項にも追加改正されるというような意向をお持ちなんでございますか。
○政府委員(小林行雄君) お尋ねのございましたように、今回の特別措置法の第二項に当たりますものは一般法においては規定をいたしておりませんが、これは御承知のように二十八年災のときの特例にあった規定でございまして、そういった前例も考えまして、また現在公立学校の施設の一般の整備の場合に当たりましては、まあただいま実施中の五カ年計画においてはできるだけ鉄筋校舎を普及して参りたい、いろいろな意味で普及をして参りたいという考えから、昨年に比べまして本年度は従来の構造比率を非常に大幅に高めた次第でもございますので、こういった改良復旧を特に強調するという意味から、また先ほど申しましたように、かたがた二十八災の前例もございますのでこういった規定を入れたわけでございます。私ども実質上のことを考えますと、一般法でもやはりこの趣旨でいくべきものであると思いますし、将来この一般法を検討します場合には、十分それらの趣旨も勘案して、改良復旧ができるだけ大幅に行なわれるように努力をいたしたいと思います。
○吉江勝保君 これは私が最初に話しました低地帯にある公立学校の校舎の建築に非常に関係を持ちますし、これは非常に重要なことでありますので、一つ大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(松田竹千代君) 従来申し上げておりますように低地帯の……。
○吉江勝保君 いや、法律改正の意思があるかどうかです。
○国務大臣(松田竹千代君) これはその趣旨をもって法律改正については検討してみたいと思います。
○吉江勝保君 今回の伊勢湾台風の文教施設に対しまするなまなましい痛手を将来に繰り返さないようにするためには、ぜひともこういう点は思い切って法律の改正を提案していただきたい、要望をいたしておきます。 次に、もう一つ重要文化財の問題につきましてお尋ねをいたしてみたいと思います。災害復旧につきましては重要文化財関係というものは、あまり何と申しますか、後援団体があるとか、あるいは組織されておる団体があるというようなことがないので、非常に重要文化財の災害につきましては手薄になりがちなんであります。本年度の災害におきまして、相当わが国の重要文化財が災害をこうむったのでありまするが、その重要文化財の災害復旧に対しましては、どの程度の復旧が本年度内になされるか、あるいは次年度にわたりまするなら、今年度受けた重要文化財の災害復旧につきましてはどれだけの年数でどれだけできるか、全体の復旧計画なり、それをお尋ねをいたします。
○説明員(岡田孝平君) 今回の文化財関係の災害につきましては七号による災害と、それから伊勢湾台風と両方ございますが、合わせまして相当額の被害の報告がございましたが、それにつきまして文化財保護委員会みずから、あるいは都道府県の教育委員会が実地調査をいたしまして、そうしてその被害額を確かめ、なおこれにつきましての復旧計画を立てております。主として建造物関係と天然記念物、二種類になるのでございますが、これらの実際におきます復旧に必要な予算を予備費で支出するように大蔵省に要求いたして、ただいまその折衝の過程でございます。まだ折衝の過程でございますので、確定的なことは申し上げられませんのでございますが、大体におきまして、本年度において復旧に要する補助金でございますが、それの半額程度のものは本年度において復旧作業を終わり、あとの半額は来年度に継続して、来年度におきまして復旧作業をいたしたいというふうなことといたしまして、必要な費用の補助金を大蔵省へ予備費に要求いたしておる次第でございます。
○吉江勝保君 どうも文教関係の災害復旧の全般の建前と申しますか、それがやや私は弱いといいますか、手薄いような感じを受けておるのでありますが、その文教関係でも、また特に重要文化財の災害復旧が、盲点といいますか、取り残されておるような感じがいたすのでありまして、今回の特別措置につきましては、もちろん民間のもの、私立のもの、こういうものにつきましても相当の補助がされておるのであります。ところが、こういうような重要文化財というような、日本の宝といいますか、こういうような指定をしましたものに対して一つの法律もない、これを災害復旧をしまするときのその基礎法もない、今日までこういうものを放任されておりまするのはどういうわけなのか、あるいはそういう法律があって、しかもそれによってなさっておるのか、そういう点について一つ局長の御見解を聞きます。
○説明員(岡田孝平君) 今回の災害につきましては、特に法律を制定いたすことはいたしません。それは、前にもそういう災害復旧の例がございますが、たとえば三十八年災害のときにもそうでありますが、根拠は文化財保護法の三十五条に、重要文北財の修理につきまして補助金を出すという規定がございまして、その規定によりまして、前の災害の場合にも補助金を出しておりますので、今回もその例によったのでございます。といいますのは、その規定に補助率のことは書いてございませんで、補助率は文化財の所有者、管理者の経済状況に応じまして何割でも出せる、別に何割というふうなことは書いてございませんが、そういう規定がありますので、やはり災害の場合にも、一般の修理の場合と同様に、その規定によりまして修理いたしたいという考えで、特に法律は制定いたしておりませんのでございます。
○吉江勝保君 私はその点について、やはりそういうように置いておいた方が重要文化財の保存、管理、あるいは災害復旧に有効なんだ、かりに、もう少し取り上げて、こういうものについては全額の補助をするということを明らかにしていった方がよいのか、そういう点につきまして、もっとその原因を突っ込んでもらいたい。予算があれば補助をする、予算がなければ補助ができない、こういうようなあいまいな制度、必ず災害があったらその災害を査定して、しかもその全額は、必ず重要文化財につきましては国の方でこれを見るというような建前を確立されていった方が、日本の重要文化財の維持管理に私は適切じゃないだろうか、こういうように思うのでありまして、重要文化財を持っておりまするその所有者関係が、非常に有力なところでありますれば自力でも相当負担できまするが、今日の重要文化財を持っておりまするものの中には、そういう財力のほとんどないものが多いように見ておるのでありまして、地元に負担をさすといいましてもなかなかできない、そういうところに、非常に私は、この重要文化財についての維持管理の難点があるのじゃないか。災害のようなときには、そのものの負担力を見まして、全額を国が見ていくというような建前をはっきりと立てていかれることの方がよいのではないか、こういうように考えておるのでありまして、いずれこの点につきましては、あらためて、また文教委員会等におきましても論議をいたしたいと思いますが、文部省におきましても、一つ十分御検討おきを願いたいと思います。 それから、これは具体的な一つの話でありまするが、今次、災害を受けました重要文化財の一つの善光寺、日本でも三番目か四番目と言われておりまするような、ああいう大きな建物が傾いて、しかもその傾いたのをもとに戻しまするのには、解体をしてもとに戻しましても、数千万円、あるいはもっとよけいの金がかかるのではないか、こういうようにいわれておりましたあの復旧につきまして、一応国の方では、相当の額を見ておったものと思うのであります。それが技官の非常な努力といいますか技術によりまして、これが引き戻されたと申しますか、ああいう大きな、日本で三番目、四番目という大きな建物を引き戻して、もとの位置に戻したというような技術というものは、私は世界におきましても珍しい技術ではないかと思うのであります。それをやりました人に対しましても、私は非常に敬意を表するのでありまするが、こういうような技術を持って、災害復旧にこれだけの大きな功績を上げておりまするような技官につきましては、文部大臣はお聞きになっておるんでありましょうか、お伺いをしてみたいと思います。
○国務大臣(松田竹千代君) あの災害のあったことは聞いておりますが、今お話のような技術者の特別の力でということは聞いておりません。
○吉江勝保君 科学技術の振興を唱えておられます文部大臣であり、文部省でありますので、そういうような災害復旧に大きな功績を上げておりまする技官が文部省内におるとすれば、そういう人の功績も、もっと上司がやはり耳に入れて、そしてそういう技術を生かしていくように、もっと活用されるようにしてもらいたい。これは、私どもも、世界に誇るべき事業をされたと、こういうように推賞申しておる次第であります。その点だけ申し上げまして私の質問を終わります。
○栗山良夫君 ちょうど大蔵省の主計局長がおいでになっておるので、文部省関係で、まず最初に一点お伺いをいたしたいと思うのです。実は、先般の災害対策特別委員会において、同僚委員から、文部省の災害復旧に取り組む態度として、相当激しく反省を求められる発言がありました。それは、高率補助の適用は、十分の九ということになっているのに、なぜ文部省だけがこれよりもはるかに切って、公共施設費も四分の三程度でがまんをするか、もう少し文部省は勉強をして、大蔵当局と交渉しなければいかぬではないか、こういう意味の発言がありましたことについて、文部省当局は、最初のうちは、文部省原案で十分いけるがごとき発言がありまして、だんだん議論をかわしている間に、さらに努力をいたそうというようなことになったようでありましたが、この点は、私の聞き漏らしかもしれませんが、どうも文部省の腹というものがはっきりしなかったようでありますので、もう一ぺんお聞かせを願いたいと思います。と同時に、大蔵省は、予算の査定において、文部省の災害復旧に対して、なぜ建設、農林等と同じように高率補助率を一律に適用することができないのか。それにはどういう理由がありますか。この点を伺っておきたいと思います。
○政府委員(小林行雄君) お話のございましたように、確かに他省の関係の災害復旧につきましては、十分の九あるいは十分の八というような非常に高い率のものもございますが、従来文部省は一般法に基づく災害復旧につきましては、負担率三分の二、それから特に高率補助を適用する場合にも、二十八災の前例によりましても四分の三ということになっておりまして、そういった前例に基づきまして、今回の特別措置法におきましても、従来の前例通り四分の三の補助率にいたしたわけでございます。もちろんこれを十分の九あるいは十分の八にしてはならぬというようなことはないわけでございますが、ただ四分の三にいたしましても、残りの四分の一分につきましては起債もございますし、またこの起債につきましても元利補給というようなこともございますので、私ども従来の前例にもかんがみまして、これで十分やっていくことができるものというふうに考えて、大蔵省に対し、それの要求をいたしたわけでございます。
○政府委員(石原周夫君) ただいま文部省側からお答えがございましたようなことで大体尽きておると思うのでありますが、御承知のように、公立文教の施設の復旧の補助率につきましては、二段がまえと申しますか、激甚地につきまして、ただいまお話の四分の三の高率補助を適用いたしたい。この点は、一般の公共土木あるいは農地農業用施設につきましても、御承知のように、一般補助率と特別補助率と分けておるわけであります。従いまして、お尋ねの点は、その間のあんばいをどう見たかというお尋ねであろうと思うのであります。これは先般来いろいろな機会に大蔵大臣もお答えを申し上げておりまするように、予算といたしましては、いずれを通じましても、災害復旧事業費にいたしまして六割に当たる金額を特例の補助率に当たるものという計算をいたしまして予算を計上いたしたわけでございます。この点は一般公共事業もさようでございまするし、公立学校も同様でございます。それを、一般の公共土木の災害と市町村の標準税収額、これを両方にらみ合わせまして、現在御提案申し上げておりまするような標準税収に対する割合をもちまして御提案申し上げ、両者におきまして、大体被害事業費に対しまする適用の割合は相ひとしいところにきておるかと思います。まあこれは実際査定をいたしてみませんとこまかい数字がきまりませんので、今申し上げましたのは大体の見当でございます。その間におきましては、均衡をとりました計算をいたし、また法令の上におきましても、そういった目安を立てまして、今御審議をいただいておるような状況でございます。
○栗山良夫君 文部省の方の御意見も十分の九の高率の補助の方が四分の三よりはいいのだということはお認めになっているのですね。まあそれは数字ですから、そういうことになると思うのです。そこで、どうも私割り切れないのは、管理局長の話をたとえ話で言えば、最初スタートで、もうおくれているのだから、ゴールインするときにも当然おくれるのじゃないかという、こういう言い方のようですね。だから、最初スタートが確かにおくれているから、それを少し勉強して、ゴールインは一緒に入るか、ちょっと前に出ようかという、そういう意欲的なものがなければいけないのじゃないでしょうかね。この点は大臣はどうお考えになりますか。
○国務大臣(松田竹千代君) 私どもも、文部省は予算に対して少しく低姿勢で、もう一つ熱意が足らぬではないかというおしかりを受けるのでありまするけれども、まず私といたしましては、やはり皆さんの教育に対する御熱意にこたえていかなきゃならぬという考えは十分持っておるつもりでございますが、事務当局の話を聞きまするというと、まあこの率で大体その均衡のとれないようなことはないのだという説明を受けて、まあ満足しておるというわけではございませんけれども、やむを得ぬという気持でおる次第であります。
○栗山良夫君 どうもよくわからぬが、ちょっとそのほかの場合と少しニュアンスが違うようですが、まあこれ以上お尋ねしても進みませんから……。希望としてはですね、やっぱり学校施設というものは重要でありますし、まだおそらく全国的には日本の学校施設はそうレベルが上がっているというわけじゃありませんから、やはり予算措置においては一段の努力を積極的にせらるべきではないかと思いますので、この点私の意見として申し述べておきます。 それから、さらに続きまして、今度の災害では、まあとにかく補助率の問題は別といたしまして、被害を受けた学校施設というものは、相当な改良復旧的なところまで進み得るわけなんです。ところが、ここで一つ疑問が起きますのは、今度そういう特例法によって改良復旧をし得るような学校施設というものは、まあ常識的に言えば、だんだん償却年限が末期に迫っているような老朽施設が一番ひどくやられたと見なきゃならぬと思うのです、そうすると、そういう老朽施設は、災害とは無関係に、やはり改築その他の計画があって、そうしておそらく文部省としては年次計画のもとに進められておると思うのですね。それとの競合関係という、この言葉はちょっと不適切、あるいは理解していただけないかもしれませんが、競合関係が若干出ているものがあるのじゃないでしょうかね。そういうものに対しては、どういうふうに処理をせられるおつもりでありますか。
○政府委員(小林行雄君) 老朽校舎の改築につきましては、五カ年計画を立てて措置することになっておりまして、年々大体二十万坪程度ずつ、これは義務制の学校でございますが、改築を実施するということにいたしております。確かに今回の災害の罹災校に当たったものの中で、従来の老朽校合として目されておるものもあったと思いますが、そういうものにつきまして災害がありました場合には、当然この災等復旧関係で復旧をはかるわけでございまして、従って五カ年計画の老朽改築の予定坪数からはこれらは省かれていく、こういうことになるわけでございます。おそらく競合関係と今栗山委員のおっしゃいましたのは、老朽校舎が災害を受けた場合に、どっちで改築されるのかというお尋ねだと思いますが、およそ災害を受けましたものにつきましては、災害復旧の特別措置法なり、あるいは一般の災害復旧費国庫負担法で措置するということになるわけでございます。
○栗山良夫君 その五カ年計画の改修計画に載っているものであって、今次災害を受けたものは、この特例法でいくということじゃないですか。そういうことでしょう、今何か二つおっしゃったんだけれども。
○政府委員(小林行雄君) 特例法の方は、激甚地に当たるものが特例法に該当するわけでございます。これに該当するものはもちろん特例法で参りますし、激甚地からはずれるものについては、一般の災害復旧の国庫負担法がございますので、それで災害復旧を行なということでございす。
○栗山良夫君 わかりました。 それから最後に、これは文部大臣に伺いたいと思うのですが、実は厚生省の方へ過日私資料要求をいたしましたところ、まことにお気の毒に、肉親を失って、身寄りを全然なくしたいわゆるみなしご、孤児が、十八才未満のもので、愛知県で二十五、三重県で三十二、岐阜県で八、名古屋市で五十九、山梨で十五、長野で三、滋賀で三、締めて百四十五人に及んでいるのです。私は、これのうちで、まだ小学校へ上がっていない小さい子供が何人いるか、調べておりませんが、おそらく学童が過半数だろうと思うのです。こういうみなしごの学校教育というものについては、青少年はやはり最近いろいろ問題を起こしているのですが、そういうことからかんがみましても、この非常な打撃を精神的に受けているのですけれども、これをすなおに育て教育をしていく、そうして成人させるということでなければならぬと思うのです。厚生省はどういう考えを持っているのかと言って聞きましたところが、遺産のある人については里親になりてが多いというのですね。後見人になりてが多い。そういうことでは困るので、後見人の選定についても、遺産の管理についても厳重にやってくれと私も要求いたしましたし、厚生省もしようということでありました。で、問題は、厚生省がそういうことを主管省ですからやっておるんでしょうが、学校教育の面から、こういうみなしごに対して文部省は一体どういう方針で行かれるか、これを伺っておきたいと思うのです。特にたまたま本年十五号台風が出て、こういう特例をとったのですが、今まで各年の災害にも、こういう不幸な人があるでありましょう。また、風水害でなくて、そのほかの原因によってみなしごになり、そうして学校の教育すら満足に受けられないという人が相当出ているんじゃないか、こういうのが社会に非常な迷惑を及ぼすような、青少年の不良化の手当が悪かったために原因を作っていくというようなことがあれば、ゆゆしいことであると思うのです。そういう意味で、どういう工合にお考えになっているか、その考え方をお尋ねしておきたいと思います。
○国務大臣(松田竹千代君) お話の点は、直接の所管は厚生省でありますけれども、文部省といたしましても、災害の子供の教育の問題、また、ちょうど不良化のおそれのある、きわめて微妙な時期にある子供と承知いたしておりますが、これらの点につきまして、これは喫緊の問題と考えまするので、厚生省とよく相談いたしまして、適切な処置をとりたい、かように考えます。
○栗山良夫君 これは、私が申し上げるまでもなく、文部大臣は非常に理解のある方でありますから、百も御承知だと思いますが、かりに十分の遺産を持ったみなしごでも、親類縁者その他に引き取られて養育を受けるということになっても、精神的に落ちつかない、どうしてもひがむところが出てくると思う。まして十分の遺産がない。ときには国の収容所に入るということになれば、精神がすさんでくるわけです。そういう意味から、このひがみをなくし、すさみをなくしていくためには、やはり未成年者の一番生活の根拠は学校でありますから、教育でありますから、教育において、教育施設において指導していくということが中心でなければならぬと思うのですね。その意味では、おそらく本人の文教に要する費用、要するに小学校、中学校の義務教育課程における学費のようなものは、こういう人については、国でありますか、地方公共団体か知りませんが、特別な法的措置を講じて持ってやる。また、さらに上級学校へ進学する者については、育英資金等を優先的につけてあげる、そういうようなやはり思い切った施策がなければならぬのではないか、こう思うのですが、いかがでしょか。
○国務大臣(松田竹千代君) 全くごもっともなお話でありまして、特定の児童に対しては、育英資金の特別のワクを設けて、特に高率のものを出してやるというようなことも必要でありまするし、また、こういう場合には、教育委員会、教育長の方へも連絡しまして、特定の児童に対する補助の点につきましては、今お話のように、遺産のある者は後見人が多いというようなこともお聞きいたしますと、これは特に特別の配慮をもって、民間の少年補導の団体というようなものの協力も求めまして、政府機関はもとよりでありまするけれども、こういう場合に処する道というのは、特別のケースケースでやっていかなければならぬと、こう思いまするので、そういう措置もとってもらうように厚生省と連絡をいたしたい、かように考えております。
○栗山良夫君 この問題は、私の意見を述べるということになると、いろいろな私考えを今この問題だけでも頭に浮かんでいるのですが、時間の関係があるから、これを省略いたしますが、考えの中心は十分御理解をいただけたと思いますので、文部省としては、やはり今度の災害の教訓を将来に生かしていく一つの重要な問題点として、厚生省とも御相談を願うこともけっこうです。あるいは閣議の問題にしていただくのもけっこうです。とにかく一つ問題として善処するように取り上げるということについては、御確約をいただきたいと私は思うのですが、よろしゅうございますか。
○国務大臣(松田竹千代君) この問題をなおざりにしておきまするならば、問題はあとに残す問題であります。急遽一つ相談すべきところは相談してやるようにしていただきたいと思います。
○委員長(西川甚五郎君) それでは、文部省関係はこれで終わります。 ―――――――――――――
○委員長(西川甚五郎君) 通産省関係の中小企業信用保険公庫法の一部を改正する法律案、昭和三十四年八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた中小企業者に対する資金の融通等に関する特別措置法案、昭和三十四年八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた事業協同組合等の施設の災害復旧に関する特別措置法案、並びに、大蔵省関係の昭和三十四年八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた中小企業者に対する国有の機械等の売買等に関す特別措置法案を議題といたします。通産省関係と大蔵省関係は午後になりますが、それ以前に、ただいまから、昨日栗山委員から主計局長に請求しておられました災害の総領ということについて御説明を願います。
○政府委員(石原周夫君) 昨日、栗山委員の御質問に対してお答えをいたしました点、補足いたしまして、その後調査をいたしました点の数字を申し上げます。 まず災害額の調べでございまするが、昨日は、内閣から御報告を申し上げておりまする災害法、それに基づきまする数字を申し上げたのでございまするが、二、三点、昨日の御報告に対しまして補足をいたしておきたいと思います。 第一点は公共関係の数字でございまするが、公共関係の数字は、昨日は、二千四百八十五億という数字を申し上げたと思っておりまするが、このうち農地関係が百八億農林水産施設の中に入っておりましたから、これは個人の方に移すべきもので、従いまして、それを差し引きまして、公共土木施設に六億ほど計算違いがございました。それを調整いたしますると、公共土木施設、農林水産施設、文教施設、交通通信施設合わせまして二千三百七十二億、減りました主たる理由は、農地を個人の方に持って参りました。これは、昨日農林水産施設の中に入っておりましたのを差し引いたわけであります。 個人関係は、昨日申し上げました農地が百八億、農作物が六百六十二億、商工業は、きのう通産省の数字で被害の数字を申し上げましたが、その千百二億というのが今の商工業の被害数字になっております。昨日は千四十二億という数字を申し上げましたが、それがちょっと変わっております。住宅と家財につきまして、昨日は倒壊棟数を申し上げたのでありますが、これは、建設省の住宅局におきまして計算をいたしました一つの数字でございますが、それを申します。それは全壊戸数と流失戸数を合わせまして、これは災害報告をごらんをいただいておると思いますが、四万五千百三十二月であります。これに対しまして、倒壊一戸当たり二十万円という見方でございます。これは、大体建物もまあ全体としては半分ぐらい償却はすでに来ておるというような見方で、新設を大体四十万という見方をいたしまして、その半額の二十万、これで九十億、半壊が十二万六百六十八戸でございます。これに対しまして十万円をかけますと百十七億、合計いたしますと二百七億という数字が出て参ります。このほかに床上、床下浸水があるのであります。これにつきましては、ちょっと計算もいたしかねるというのでありますが、住宅については二百七億という数字であります。家財につきましては、これは、昨日総理からお答え申し上げましたように、非常に判断が困難なものであります。ただ、一つの推定方法といたしましては、損害保険当たり不動産、動産の破損工合を見ますると、大体不動産一に対しまして動産が七割くらいの見当になっております。かりにまあ住宅局の数字の二十万円、十万円に対しまして七割の十四万円、七万円という数字をかけてみますと、百四十五億という数字になります。これは、全く今申し上げたような非常に大胆な仮定数字でございます。そういう意味で御了承いただきたいと思うのであります。 そういうふうに計算いたしますと、個人関係が二千二百二十四億という数字が出て参ります。合計をいたしますと、四千五百九十六億というふうに相なっております。これが災害額のトータルでございます。 それから、個人被害につきまして、どういうような予算措置をいたしておるかという点のお尋ねでございます。これに対しましては、昨日農地の災害救助を一例として申し上げたのでありますが、その後全体の計数につきまして、これは、個人的なものであるかどうかということにつきましての検討をいたしまして、一応の数字を拾ったわけでございます。 第一は、昨日申し上げました農地の復旧であります。これが七億二千百万円、それから災害救助が二十四億四千三百万円、公営化宅が十三億二千万円、漁船の共同施設として復旧いたします分が一億四千五百万円、農地の緊急排水が一億五千六百万円、商工中金の利子補給が二千五百万円、それから世帯更生資金が一億五千万円、救農土木、これについてはちょっと御議論があると思いますが、一応入れてみまして三億円、それから国民健康保険の保険料の減免補が七千七百万円、それだけ寄せてみますと、五十三億三千七百万円という数字に相なります。これに対しまして、農林水産の共同化施設というのがございます。これは部落有でもって復旧をいたしまする関係上、これは個人ということに入れるのが適当かどうか存じませんが、これは境目に属するかと思いますが、かりにこれを入れてみまするというと、五十六億八千三百万という数学に相なります。多少今申し上げましたものの中に議論のあるものがあると思いますが、そこら見当のところにかりに一線を引いて申し上げると、今のような数字に相なります。
○栗山良夫君 そうすると、財政支出は百九億ですね。公共被害は幾らになりますか。
○政府委員(石原周夫君) 公共被害は、今申し上げました数字をお引きをいただいた……あるいは栗山委員はこれをごらんになっていらっしゃるかという推定もいたしたのでありますが、十一月四日に、大蔵省から二十八年災と三十四年災を比較をいたしました補正の比較が出ております。それからその前に、補正二号の災害対策関係費の内訳ということで、今回の災害関係の三百四十三億の内訳を出しておりまするが、それに公共、非公共という言葉を使っておりまするから、あるいは栗山委員それをごらんいただいておるかとも思ったのですが、この公共、非公共という、区分をいたしておりまするのは、これは必ずしも公共と個人という区分には相なりませんので、いわゆるパブリック・ワークと申しますか、公共事業のカテゴリーに属するものとそうでないものに区分いたしたので、私どもといたしましては、公共土木の中でたとえば農地は拾うというようなことをいたしまして計算をいたしておりまするから、三百四十三億の私の申し上げました以外のものは、公共と申しますか、公共団体関係、あるいは農業施設のように、土地改良であるとかあるいは共同施設の補助のように、協同組合であるとかいうような、要するに個人以外のものというふうにお考えをいただいてよろしいかと思います。
○栗山良夫君 ちょっと速記をとめていただきたい。
○委員長(西川甚五郎君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(西川甚五郎君) 速記を始めて。
○栗山良夫君 私は、この際大蔵省に、きのうの委員会のときに保留にいたしました分として資料をお願いしたいと思います。それは、今次災害の公共被害の総額それから個人被害の総額をまず知りたい。そのうちで、特例法あるいは一般法の定めによって国が財政支出をしなければならぬ総額、それから、個人の分につきましてありますれば当然であります。それから、国が投融資をしなければならぬ総額それぞれを出していただく。それから、その内訳として、今次の補正予算に入っているものが幾ら、来年度の通常予算に入れるものがどれだけ、それからあとのものはどれだけ、こういう明細を出していただきたい。さらに、これと同じ方式で、三十四年以前のものですね。三十三年度までの分についての残額があるはずでありますから、それを加えていただいて、そして災害の財政投融資の全貌がわかるようにしていただきたいということなんです。なぜ私はそういうことを申し上げるかと申しますと、きのう総理大臣も言われたように、私は総理大臣の意見には若干異論がありますが、とにかく台風というものは、いい面もある悪い面もあると、こうおっしゃいます。これは、私は言葉が過ぎると思いますよ。日本は雨が降らなければならぬということは事実なんです。六月の梅雨だとか、そういうものはいいけれども、台風というものは、気象学的にいってちゃんと定義がありますよ。台風が来れば必ず被害が起こる。そういうものは困ると言わなければならないのに、いい面があると、それならば、政府なども、招かれざる客である台風であるということになれば、それでもって被害が起きた場合には、もう個人災害に対して、これはもう少し大幅に私は援助しなければならぬと思うのです。そういう観念からいえば、それだから、私はこういう被害に対してやかましいことを言っているのはそのことなんです。それじゃ個人被害にすぐ財政支出をしろとは言わない。それは財政法の建前がありますからね。個人の被害に対しては融資でいいでしょう。融資のつかないところに金を出すというところが精一ぱいでしょうが、とにかく長期で無利子の金を出して生活を守ってやるという、そういう建前くらいなければならぬ。そういう思想を作り上げていくところの根拠になる数字というものがないから、ちっとも出てこない、考え方が。それだから私は、その数字を出してもらいたい、こう言うわけです。そうすると、大蔵省などは、個人の被守などはわからぬとおっしゃるから、それはちょっとおかしいので、やはり平均値というものがあるんですから、どうせサンプションを立てて計算をするんでしょう。道路だってそうでしょう。今出ている被害額に査定率をおかけになる、査定率をかけるという概念がどういうことか示しておれば、道路が何メートル切れたから、一メートルについて幾らぐらい出したらいいかというふうに、ある程度解決をしておいて出している予算なんですよ。それだからこそ査定率というものが生きてくる。どうせ神様のやることでないから、正確に出るわけのものではない。そういう意味で、個人だって被害戸数が出ている。全壊、半壊、床上、床下浸水、ちゃんと出ているわけです。わからないはずはない。非常に鋭敏な頭脳の持ち主である大蔵省の皆さん方は、あやまちのないようなサンプションを置いて計算をして、はたして幾らの損害額があったのかということを計算して出してもらうということなんです、私の方は。ですから、もう一ぺん最後に申し上げますならば、私は、今度の災害というものは、公共施設を復旧しなければならぬことは当然であります。個人被害についても不可抗力でないのですね、総理の考え方からいけば。もう被害が来ることは当然認めて、そしてなお来てもらいたいと、こういうわけだから、それならば、国もやはり被害助成をしなければならぬ。そういう建前で、個人被害に対するところの大幅な援護というものを今後ぜひ政治的にしなければならない。そういう気持にかられているものだから、それで私は繰り返して申し上げているわけです。これは、あなたの今お持ちになっている思想は、私の思想と違うかもしれませんよ。しかし、いずれの思想を検討するにしても、根拠になる数字だけはつかんでおかなければならないと、こういうことなんです。
○政府委員(石原周夫君) 栗山委員の仰せられた数字につきましては、ちょっと時間を拝借いたしまして、できるだけ早く作りたい。ただ、ちょっと一言申し上げておきたいことは、公共土木、農地農業川施設、公立学校というような、三つの災害復旧が各省の行政のしに乗っておりまして、従来から被害に対しまする報告の筋道というものがあるわけです。そうでなくて、たとえば個人の住宅、家財の被害というようなことに相なりますと、これは必ずしも従来各省の行政の線に乗ってない。従いまして、後者の行政に乗ってないものにつきましては、私どもといたしましては、数字を出せと仰せられますと、非常に大胆な前提を持った数字になるかもしれないということをお断わり申し上げておきます。
○栗山良夫君 その資料をいつ出していただけるのですか。
○政府委員(石原周夫君) みな作業をする人間がこの小委員会に呼び出されているものですから、ちょっとその連中が帰ってこないと作業を命ずるわけにも参りませんので、一日、二日お持ちをいただけませんか。
○栗山良夫君 私は、おそらく補正予算の討論のときにもだれか発言されると思うのですがね。私は政府が一番――大蔵省に責任ありませんよ、政府に私は言うのですが、昭和二十八年災に対して、二十九年に十カ年計画を作り、それをすぐまた五カ年計画に改め、またチェックして、昭和三十三年から五年計画というやつをやり、今度またこれが起きたからといって、金に糸目はつけぬという宣伝の裏打ちをする意味かどうか知りませんが、また五カ年計画というやつを作って、あたかも、国民には、政府は災害のためには至れり尽くせりというようなことを言われる。ところが、私の持っている数字で、昭和二十三年からこちらの歳出総額に対するところの災害の額を申し上げてみましょうか。パーセンテージを二十三年からずっと申し上げますと、二十三年三・七%、二十四年三・四%、二十五年四・七%、二十六年五・一%、二十七年五・九%、二十八年が七・三%、二十九年は五・二%、三十年は四・九%、三十一年が四・一%、三十二年が三・三%、三十三年が三・一%、三十四年が四・八%、こういう工合に、ほとんど動いていないのです。防衛費の方と、軍事費と比較すると、二十三年からとりますと、二十三年二三・二%、二十四年一四・二%、二十五年一七・六%、二十六年一五・三%、二十七年一一・六%、二十八年一二・七%、二十九年一二・九%、三十年二一・六%、三十一年一二・四%、三十二年一二・四%、ずっとその状態、同じですがね。そうすると、大体三分の一しかないということですよ、災害復旧費というものは防衛費の。私、きのう岸総理に言ったことはこのことなんですがね。だから、えらいアドバルーンをあげられるけれども、内容的には、今までは少なくとも特別な施策にはなっていないということなんです。そういう意味合いの看板をかけて国民をまどわされることは大へんよろしくない。最近新興宗教のことがいろいろ言われておるのだが、世をまどわすのもはなはだしいと私は言わざるを得ない。そういう意味で、もう少し数字的に根拠のあるものを計算をして発表をしてもらうならよろしい。新聞に発表されている数字を私は通じて見るというと根拠がないものだから、それで私は申し上げる。私の微意のあるところをよくくんで、とにかく資料を作っていただきたいと思う。これは、おそらくこれの本会議上程までには間に合わぬようですが、間に合わなければ間に合わぬでいいですが、通常国会のときに予算委員会の問題にもしますからいいですが……。
○委員長(西川甚五郎君) できるだけ早急にお願いいたします。 それでは、午前中は終わりまして、午後一時半から開会いたします。 午後零時四十六分休憩 ―――――・――――― 午後二時一分開会
○委員長(西川甚五郎君) 休憩前に引いて続いて開会いたします。
○大竹平八郎君 私は、今災害における通産関係の問題につきましてお尋ねいたしたいと思います。繊維関係それから公益事業、中小企業それから公共企業、公営企業、こういう点で、ごくポイント的なものを時間の関係で一つお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、まず最初に、繊維関係につきましてお尋ねをいたしたいのでありますが、御承知の今度の災害、特に伊勢湾を中心にいたしまする災害におきまして、たとえば、中部電力を一つ調査いたしましても、大口消費の大体六〇%というものが繊維関係会社に供給をしておるということを見ましても、この繊維関係が、名古屋地区を中心としていかに大きな工業的な比重を持っておるかということがはっきりするわけでありますが、その意味において、今災害における繊維工業の打撃というものは非常なものであります。 まず、局長にお尋ねいたしたいのは、繊維と申しましても、綿もありますし、スフもあります。それから、ことにあの地区は羊毛繊物がだいぶあるわけでありますが、その被害の実態の最近の情勢をまずお尋ねいたします。
○説明員(今井善衞君) ただいまお話がございましたように、今回の災害地区は、繊維産業にとりましてきわめて大事な地域でございます。従いまして、繊維産業といたしまして非常に大きな打撃を受けたのでございます。この被害の内答といたしましては、大きく分けますと、島津地区を中心といたしまする毛織物並びに毛整理の関係、これは現存どうなっておるかと申しますと、御承知のように津島地区は、海水の締め出しが一番おくれまして、昨今ようやく排水ができまして地面が出てきたというふうな状態でございます。従いまして、まだこの地区は全然復興しておりません。大体織機にいたしまして、あの地区に四千五百台ばかりございまして、そのうち三千五百台が被害を受けたのでございます。大体日本全国毛織物工業のキャパシティから申しますと、二割程度になると思います。この地区は、今後私ども力を入れて復興を急がなければならない、かように考えております。それから知多地区を中心といたしまする綿紡績並びに綿の織布関係でございますが、この地区は、この綿の広幅織物で非常に輸出関係が多いわけでございます。従いまして、この地区が海水の浸水を受けましてそうしてしばらくの間操業ができなかったのでございますが、この地区といたしまして五百七十工場、約五万台程度の織機がございますうち、被害がございますのはその七割の、織機にいたしまして約三万五千であります。しばらく操業が停止しておりましたけれども、現有の復旧状態から申しますと、このうち七五%がすでに操業に入っているわけでございます。まだ二五%は操業に入っていないので、台数にいたしまして三万五千台のうち二万七千台が現在稼動しているという状態になっております。この稼動しておりますものにつきまして、これは現在どうやらこうやら動いているというのもそのうちに若干あるのでございまして、非常に応急的に手当をいたしまして動かしました関係で、故障がまだ相当多いというふうな状態でございます。それから、現在まだ復旧のできておりませんものにつきましては、これは海水をまともに受けたとか、あるいは工場が全壊したとかいうふうなために機械が非常に痛んでおりまして、織機のみならず準備機等につきましても、機械メーカーに発注しなければならぬ、部品も取り寄せなければらぬというふうな状態でございまして、現在これを進めつつあるわけでございます。 それから、この伊勢湾周辺には、御承知のように、綿紡績、スフ紡績、そういう紡績関係が非常に多いのでございまして、被害を受けました紡績は、全部で、綿糸紡績で約百十万錘になっておりますが、このうち未だに稼動していないというのは二十二万錘でございます。あとは稼動いたしております。この十月中からまた十一月初めにかけまして、これらの工場は操業が停止したのでございまして、私どもといたしましては、このほか紡績といたしましては、格納、封緘によりまして操業停止しておりました紡機がございますので、それと振りかえまして、被害を受けた紡機による減産分だけ振りかえまして、他の紡機を動かすことによって生産をカバーするということをやっているのでございまして、それでも大体十月中の減産は、綿糸にいたしまして二万梱ということになっております。現在まだ稼動しておりません二十二万錘の方は非常に被害の甚大な工場でございまして、年内はまだ動く見通しがございません。そのほかに繊維工業といたしましては、たとえば四日市を中心とする漁網だとか、あるいはタオル、メリヤスとか、いろいろの業種がやはり大きな被害を受けたのでございますが、これらにつきましては、復旧が比較的早くて、大体稼動しつつあるものが大部分であるという状態でございます。
○大竹平八郎君 そこで、一つの例を申し上げるのでありますが、今お話を聞きまして、私どもの持っている数字より、はるかにその被害の大きいことを知って一そう驚いたのでありますが、今局長のお話の通り、綿紡が非常に多いということ、特に私、あの四日市の代表的な日本の紡績工場といわれる東洋紡の工場等を災害後に見せてもらったのですが、たとえば、あそこあたりの機械なんというものは、なかなか日本で簡単にこれをかえるというわけにいかないようなものも非常に多いのであります。ことにあそこは、ほとんど高潮ですっかり潮がついているから、潮洗いをしなければならぬというような実情にある。これは一つの紡績工場としての例でありますが、そういったことは、ただ単に東洋紡のような大きい会社であると、自力でもって、大阪との連絡をもって、いろいろ応急措置をやるということもできると思うのでありますが、そうでないような、いわゆる中小紡績工場というようなところは、なかなかそういうふうに自力でもっていけないのでありますが、こういう緊急な立ち上がり処置に対しましてどういう御処置をとられたか。一つその点を伺いたいのであります。
○説明員(今井善衞君) ただいまお話がありました、たとえば東洋紡の富田工場というふうな大企業につきましては、これはまあ大企業がいち早く、たとえば部品の修理のため、あるいは部品を新たに機械メーカに発注するとか、あるいは金融問題等につきましては、それぞれの取引銀行に金融を頼んでおりまして、従いまして、政府としては、それほど積極的にお世話をしておるわけではございませんが、ただ、先ほどお話しましたように、この知多の綿織やあるいは津島地区の毛織や、こういうふうな中小企業につきましては、どうしても先立つものは金融であるという関係でございますので、金融の問題につきましては、私どもといたしまして、中小企業金融公庫なり、あるいは商工中金なりというふうなところに事情をお話しいたしまして、できるだけ御援助をいただいておる次第でございます。それから、大きな企業でございましても、一つの紡績で、自分の持っておりますすべての工場がやられたというふうな会社があるのでございまして、これはまあ決して中小企業だけじゃないのでございます。ところで、従来の取引銀行から全面的に融資を受けるということは相当困難があるというような例があるのでございまして、これらにつきましては、名古屋通産局におきまして、地元のいろいろ関係筋と相談いたしまして、できるだけ金融につきましてお世話をしておるような次第でございます。
○大竹平八郎君 それから、さらにお尋ねをいたしたいのは、この事業の再開にあたりまして一番大きな問題になりますのは、原材料の問題だと思うのでありますが、御承知の通り、流失とか、あるいは持っているものが汚染をしたとかいうような被害に対しまして、これを補給するという点に対してどういう措置を講ぜられたかという点と、いま一つは、ことに輸入原料が流失した場合、これは相当流失しておると思います。これが再輸入のためのつまり外貨の割当をどういう工合に処置をせられたか。当然これは再輸入をできるようにしなければ操業もできないのでありますが、こういう点につきましてお答え願いたいと思います。
○説明員(今井善衞君) ただいまお話のありました、たとえば原綿、原毛が倉庫の中に入っておってそのまま流失した、あるいは工場在庫がなくなったというのは、これは早急に補給しなければならぬわけでございまして、私どもといたしましては、すでに現地で委員会がございまして、この委員会におきまして、各倉庫あるいは工場ごとに見回りりまして、その実被害額を調査いたしまして、その実被害額に相当する原綿なり原毛の再輸入をすでに許可しております。今、実額はちょっとはっきりいたしませんが、綿花にいたしましてたしか五、六万俵、羊毛にいたしまして二万五、六千俵という数字であったと思うわけでございます。特に毛織物等につきましては、現在非常に輸出の最盛期でございます。ところで、糸が流れて使えなくなったというふうなものにつきましては、これはまたリンク制の対象になっておるのでございますが、それらにつきましては、その毛織工場に必要な原毛の先渡しをいたしまして、それを紡績工場に差し出しまして、必要な糸と取りかえるというふうな措置を講じて、できるだけ支障のないように措置をいたしております。
○大竹平八郎君 それから、例の繊維工業設備臨時措置法のときにもいろいろ問題がございまして、まあそれまで、例の設備過剰のものは格納とか、あるいは一応抑えた点があるのでありますが、こういうように景気も非常によくなってきて、そこへもってきて今度の災害が出てきた、こういうわけなんでありますので、いわゆる過剰しておりまする従来の織機設備というようなものの登録を変更して、これを便宜的に使わせるとかいうような処置はおとりになられたかどうか、その点をお伺いいたします
○説明員(今井善衞君) 綿糸紡績並びにスフ紡績、こういう紡績段階につきましては、被害を受けました紡績工場はそのまま動かない、従ってそれだけ減産するわけでございますので、その減産分に見合うだけの紡機を、他の工場の現有まで格納なりあるいは封緘という手続でもって動いておりませんものを動かすように振りかえておるのでございます。これは、一つの会社の中で多数工場を持っておりますときには当然認めておりますし、また、その工場が一つきりない紡績がやられたという場合には、自分と資本関係その他の関係のあります他の紡績会社と話し合いをいたしまして、そうして他の紡績会社の今まで動いていない工場を動かすように振りかえるという手続を直ちにとった次第でございます。それから織布につきましては、知多の綿織物、織布を初めといたしまして、愛知県だけで非常にたくさんの織機が被害をこうむったのでございまして、これに他の地区の今まで動いておりません織機を動かすように振りかえるという措置をやったのでございます。これは、綿織物につきましては、従来三割封緘しておりましたものを現在二割封緘ということに改めまして、一割封緘を緩和しましたもので、被災地の減産の分をカバーするというやり方を講じております。
○大竹平八郎君 その登録変更の織機の数は大体どのくらいですか。
○説明員(今井善衞君) 全体で三十五万台ほどでございますので、従いまして一割、約二万五千台程度振りかえておるわけでございます。
○大竹平八郎君 三万五千というのは災害地ですね。
○説明員(今井善衞君) 全国的に申しまして、たとえば大阪なり何なりが、その結果操短を緩和されまして動いておるわけであります。
○大竹平八郎君 災害地の変更の数はどのくらいあるか、それはおわかりになりませんか。
○説明員(今井善衞君) 災害地はほとんどもう……今まで、百台持っておりますのは三十台封緘しておるというふうな格好になっておったわけでございますが、原則として、災害地におきましては、その工場が全部やられておりますので、従いまして、災害地の振りかえよりも災害を受けない土地の振りかえの方がはるかに多いということになるわけです。災害地では、今まで、たとえば三割封緘しておりましたものはもうほとんど全部動いておるというふうな格好になっておると思います。
○大竹平八郎君 あとだいぶありますから、繊維関係は私はこの程度にしまして、小室さん見えていますから、公益事業関係、簡単ですから……。 一番先に局長にお尋ねをしたいのは、私は、この前大臣にも申し上げたのでありますが、今度の災害につきまして、いろいろ各方面に、まあこれはあとの祭りと、言っていいのかしらぬが、いろいろな問題が起きたわけなんでありますが、その中において電力関係で、あすこは中部電力が中心なんでありますが、中部電力が各般にとられた処置というものは、私も災害後に行きまして、非常によろしきを得たというような実は感想を持って帰って来たわけなんであります。まあそれは、一つは九電力会社のいわゆる平素の密接な連絡というような点も大いにあずかって力があると思います。たとえば、災害発生と同時に、関西電力それから東京電力その他が直ちに応援に来て、そうして配線工事等に非常に献身的にやられた。われわれ、そういう事実をたくさん見て参って来たわけなんであります。その点、そういう意味において、電力関係の緊急措置というものは非常に私はよかったと思うのでありますが、ただ、御承知のように、ああいうような大災害でございますので、ことに伊勢湾の問題のごときは、まあ六十メーターでも倒れないといわれるような送電の鉄塔までがとにかく幾つか倒れておる。いわんや普通の電柱などというものは、三重県だけでも数百本も倒れておる。こういうようなことで、さしあたって、そういう意味において、電線とかその他の資材というような問題が非常に当時大きな問題になっていたのでありますが、こういう緊急資材の措置というような点につきまして、これも大臣に簡単にお尋ねいたしたのでありますが、特にしかしどういうような御処置をとられた報告があなたの方に出ておりますか。また、あなたの方がどういう御指令を出されたか。その点をまずお伺いいたしたいと思います。
○説明員(小室恒夫君) お話のように、中部電力のみならず、東京電力あるいは関西電力等から数百名の工事関係の者が参りまして、復旧に努力したわけであります。その際、必要な資材についても、各社間に相互応援融通をやるということをいたしまして、幸いに最近は、資材の問題は、電源開発につきましても、あるいは保守技術につきましても、あまり隘路になっておりませんで、若干のストックを各社も持っております。中部電力自身も、被害の著しい所においては、もちろんそういうストックについての被害もございますけれども、他の地域から、安全な所からそれを持ってくるというような融通ができましたものですから、資材の点が隘路になって復旧がおくれるということは、今までのところ、概略を申せば起きておりません。ただ、ガソリンが一瞬ちょっと足りなかった所が起こっておりますので、そういうものは、緊急に東京から輸送したというようなこともございます。そういうことで、実は大体十月の末までに発電所、変電所――発電所は、水力発電所が一、二カ所復旧していない所がございます。火力発電所は全部復旧いたしました。あるいは送電線は、先ほど御指摘の濃飛幹線だけはまだできておりませんが、ほとんど復旧もいたしましたし、それから配電線についても、水没世帯を除きました全部が停電が解除になったというような状況でございます。
○大竹平八郎君 それから、この公益事業中の電気、ガスというものが停止をされるということになると、いろいろな意味において不安を抱くし、ことに市民の生活に影響があるということは、これは御承知の通りでありますが、そういう意味で、公共事業が災害にたえ得るような、いわゆる防御工事、こういうことが、私は、今度の災害等を通じて見て、必要があるのじゃないかと考えるわけでありますが、御承知のように、最近では、いわゆる火主水従と申しまして、非常に火力関係に重点を置かれておるわけでありますが、そういうわけで、火力が勢いそういう点からいって海に接して作られるということは、名古屋の場合でも、またこの東京近辺の場合でもそうで、ほとんどが火力中心というものは海辺に作られるわけであります。そういうことで、私どもはこの今度の台風を見まして、その防御工事というものを一そう痛切に実は感じたわけなのでありますが、これにつきまして、今後こういった防御工事というようなものについて、何か特別な御考慮が払われておるかどうか、その点をまず伺いたいと思います。
○説明員(小室恒夫君) 御指摘の通り、今後の新鋭火力、大規模な火力発電所は、いずれも海岸あるいは埋立地にできるようなことになっておりまして、台風、高潮の被劣等について十分備えを持たなきゃならぬということは当然でございますし、また、今回の浸水地域における火力発電所におきましても、まあ主要機器が三階、四階、つまり一階以外の所にあって、比較的被守の少ない点もあったのであります。そういうような配属もさらに進めなきゃなりませんし、また、地盤等につきましてもとかく埋立地、海洋地には、地価の弱い所があるわけでございます。そういう所に台風、高潮の被害がありますと、さらに多大な被害が起きるわけであります。そういう地盤の強化あるいは地盤の調査ということについて、まず第一に非常に従来以上に慎重にやらなければならぬというふうに、それからまた、構築物及びその内部における機器の配置等につきましても、今回の被害にかんがみて、さらに研究を堅実に進めておるわけであります。むろん財政等のかね合いもありますので、どういうところに目をつけたらよろしいかということについては、明細な結論は出ておりません。各社とも最近の事態に際して十分注意を払い、研究をいたして参っております。
○大竹平八郎君 それから、今度の災害でさらに痛感をいたしたことは、通信施設の問題なのでありますが、これはまあ私、今度の台風の気象予報というものは、かなり緻密に通報をせられていたようにわれわれは承っておるのでありますが、しかし、結局最後の段階になって、一番重大なときになって切れてしまった。これは、電源関係から勢いそうせざるを得なくなったのであります。そういうわけで、今度無線設備というものが非常に活躍をいたしたわけなのでありますが、この無線設備を大々的に私どもは今後に処してやっていかなければならぬということを感じるのでありまするが、まあこれは、相当な費用もかかると思うのでありますが、こういうことにつきましてどういうお考えを持っておられるか、一つお尋ねしたいと思います。
○説明員(小室恒夫君) 御指摘の通り、通信線は一時、有線はもちろん、いわゆる搬送電話、さらにマイクロ無線の大半までが実は不通になって、各事業者間の連絡も途絶えたような状態でございますが、従いまして、いろいろな移動用の無線で連絡するというような事態を生じました。こういう面はさらに強化する必要があるのでありますが、しかしながら、復旧の程度から申しますと、マイクロ無線がいち早く回復したというようなこともありますし、おっしゃるように無線の通信連絡、これは、電力会社は比較的実は他の会社に比べれば進んでおりますので、さらにその点について留意していく、今の移動用の無線機というようなものを並行いたさせまして、災害地における連絡が十分にいくようにいたしたいと思っております。
○大竹平八郎君 それから、ちょっとこれは違いますけれども、今度の災害を見て、私どもも一通り回って見たのでありますが、たとえば、中部電力のごときは、各種のいわゆる火力を持っているわけであります。しかし、それは全部が御承知の通り一様ではないわけでありまして、たとえば、三重火力のごときは全く露出そのもので、むき出しでありますし、それから名港火力のような旧家屋の中にあるものもありますし、さらに新名古屋のごとき新しい設備ができておるものもある。こういうような工合で、火力そのものにいろいろあるわけでありますが、今度の台風を契機といたしまして、この構造上大体どういうものが有利であるかというようなことについてのお考えがありましたら、一つ御説明を願います。
○説明員(小室恒夫君) 現地にいらっしゃっていただいたので、まことにその通りだと思うのでありますが、要は経済性との関係で、構築物をいかに合理化するか、安全性と経済性の均衡をいかに保つかという問題がポイントであろうかと思います。先ほど申しましたように、今回の異常な被害にかんがみまして、火力発電所の構築の仕方あるいは内部の機器の配置というようなことについて、各方面から専門家が検討しておりまして、ある程度時間をかせば、そういう面についてもさらに改善された設計等も発見されてくるのではないかと思いますけれども、ただいま私自身、遮蔽した方がいいか、あるいは、開放した方がいいかというようなことについてすでに結論が出たと、こういうような結論が出そうだということを申し上げるには時期尚早であると思います。
○大竹平八郎君 それから、先ほどちょっと申し上げました、火力がほとんど御承知のように海面すれすれの所にある。従って問題は、この高潮関係の問題なのでありますが、何も高潮は伊勢湾だけに来るわけではありませんし、あるいは千葉に来るかもしれませんし、また神奈川あたりに来るかもわかりません。こういうようなことで、今度の高潮の問題を中心にしまして、特に臨海地帯に新しい設備を避けるとか、あるいは強制的に防潮施設を設置させるということを、法的あるいは行政指導の面でおやりになる意思があるかどうかということについて一つお尋ねいたしたい。
○説明員(小室恒夫君) 臨海地帯全体について、単に火力発電所の問題だけでなく、こういう異常災害、特に高潮に対する対策を政府各部門で連絡して研究を進めて参っておるような段階でありますので、火力発電所だけの問題で直ちにお答えはしにくいのでありますが、従来は、どちらかというと、外洋に面して発電所を作るような場合、風波の被害、塩害をいかに防ぐかというような、防波堤を特に強化する、たとえば横須賀火力だとか、そういうような研究もいたしたのでありますが、今回の被害にかんがみまして、特に、今御指摘のように、千葉にせよ、あるいは中部、関西電力にせよ、いずれも海岸の埋立地を利用せざるを得ない実情でありまして、その海岸における火力発電所の建設の原則的な考え方を、今回の被害によって直ちに訂正するということは実際上困難でありまして、それだけに、今御指摘のような高潮等に対する対策を一そう慎重細密に講じなければならぬというふうに考えている次第であります。
○大竹平八郎君 それから最後に、これは当該電力ですが、具体的に言えば中部電力ということになるのでありますが、先ほど来お話を申し上げた通り、相当な今度の災害によって損害をいたしておるわけであります。従って、これの金融的ないろいろな措置をおそらく政府にも申請をいたしておると思うのでありますが、こういう点に対しまして、今までおとりになられた政府の実情を一つお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(小室恒夫君) 中部電力からは、何分実害二十五億というようなことでありますし、また、営業収入というものもこの間相当減収になっておりますので、被害の復旧を容易ならしめる意味の金融措置についての御相談もありました。また、開銀の融資等も考えていただけないかというようなお話も実はあったのでありまするけれども、実を申しますると、当該地区における他の産業の金融が相当逼迫しており、その方面にまず先に考えていかなければならぬような状態も一方では見えましたので、電力の方は、非常に苦しいところはございまするけれども、被害が一社としては非常に大きかったという意味で、非常に苦しいところもございますけれども、しかしながら、市中銀行等でさしあたりの融資がつかぬというような情勢でもないのでありまするから、むしろそういう点を総合的に考えて、当面急を要する所から融資を願うというような形になっております。開銀融資等、まだそのための融資が決定しているということはございませんが、従いまして、これは、今後他の災害復旧に対する融資とバランスをとりつつ考えていきたいというふうに考えているわけであります。一方ガス事業で、中小ガス事業等もございますが、こういうものは、中小企業金融公庫のワクの中で迅速に御処理願うということで、すでに話も進んでいるわけでございます。
○大竹平八郎君 そうすると、具体的に申しますると、中部電力関係に政府資金の融資というものは実際行なわれていない、こういうことでございますね。
○説明員(小室恒夫君) ただいまのところはさようでございます。
○大竹平八郎君 よろしゅうございます。 では次に、中小企業庁長官に、中小企業問題についてお尋ねいたしたいと思いますが、今回の災害対策は、中小企業政策に関する限り、すべて金融政策、それも中小企業金融対策という承のが大体中心であると言ってもよろしいのじゃないかと思うのでありますが、中小企業は、金融さえつけば、これはとにかく自力で全く立ち上がることができるし、特に名古屋地区あたりは、非常に弾力性の強い所でありますから、金融さえとにかく多くこれをつけていけば、そういう意味においての立ち上がりというものは、非常に私どもは早いのじゃないかと思うのです。そういう意味で、今度の中小企業金融対策ということは、私ども非常に大賛成でありますが、ただ、中小企業というものは、これがせっかくあれしても、しばしば大企業に金融を食われてしまうというようなことが従来しばしば多いのであります。そういう点で伺いたいのは、まず、中小企業金融公庫とかあるいは国民公庫は、一般の金融機関が融資をちゅうちょするような中小企業の長期資金を融通するということが目的であることは、これは言うを待たないわけでありますが、従って、その銀行が貸し出しをするのが適当と思われるような優良な中小企業へは、なるべく銀行から貸してもらうのが建前でもあるわけでありますが、災害のためにせっかく政府が用意していた資金が、本来なら銀行が貸すべき方面へ流れていく危険があって、せっかく災害のためにやらなければならぬ中小企業の面に流れないというような点を、これは私の推測かもしれませんけれども、そういう点を非常に私どもは憂えるのでありますが、この点について一つ伺いたい。
○政府委員(小山雄二君) 中小企業に対しまする今回の災害関係の融資の問題でございますが、今回は財政資金を百五十億追加投資したのでございます。これは中小企業関係の政府関係機関、中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工組合中央金庫は、厳格な意味での完全な政府機関でございませんが、この三つに対して追加投資をしたわけであります。これはもちろんそれぞれの制度に基づきまして中小企業そのものに金が流れていくようになっております。ただ、中小企業の金融関係は、それ以外にも相互銀行、信用金庫、信用組合、こういう金融の中でも中小企業専門といいますか、中小企業向けの金融機関の御協力も得ていろいろやっておるわけであります。それぞれのこういう金融機関も今度の災害の実情にかんがみて、全面的に協力していただいておるような次第でありまして、大企業に食われるというようなことは、こういう銀行も本来融通先が中小企業なのでありますから、大企業の方からきて、せっかく金融の道をつけたのにそれに食われるということは、一般の地方銀行その他には多少あるかもしれませんが、中小企業専門の方の金融機関については、そういうことはないのじゃないかというふうに考えております。そういう事態が、例がありましたら、関係機関を指導してそういうことのないように努力していきたいと思います。
○大竹平八郎君 それから、今度この商工中金に対する利子補給ですね、これがきまったということは、これはまあその商工中金のいわゆる特殊性からかんがみて、まことに私どもはけっこうだと思うのでありますが、商工中金の融資は、御承知の通り元来が無担保になっているわけですね。例外の場合には担保を徴して貸すということになっておるのですが、これは商工小金法でもはっきりいたしておるわけであります。ところが、実際はいつでもむしろ担保を取るのを普通のようにいたしておるわけなんです。そうしてこれを確実な組合やあるいは組合員にばかり貸して、そして有能ではあるけれども、不幸にしてそういう銀行とか、あるいはそういう金融機関にあまり信用といいますか、信用を持ち得ないような企業、こういうものに貸さないような危険というものがあるわけですね。こういう点について一つお尋ねいたしたいと思います。
○政府委員(小山雄二君) 商工組合中央金庫の長期のものは、原則として担保を取ることになっております。短期のものは取らない。今回の特に災害関係にもかんがみまして、商工組合中央金庫は、結局災害がああいう場所で起こったものですから、割に組合制度が発達した場所でもありますし、それと融資を迅速にやるために、なるべく組織金融といいますか、商工組合中央金庫を活用するという意味も含めまして、ああいう政府資金の追加役入をしたわけであります。商工組合中央金庫の方も、たとえば先ほどの津島の毛織物なんかも、従来は中金と全然取引がなかったわけでありますが、これも両方で話し合いまして、本年分に復旧したい機械の融資その他の話を進めておるわけであります。そういう意味で、従来のお得意でない人も、今度の実績では、相当商工中金の方に来ておるような意味で、結局組織金融と申しますか、なるべくまとめて早く資金が行くように努力をしておるわけであります。
○大竹平八郎君 それから信用保証協会の保証問題なんでありますが、つまり保証しなくとも、これは私がさっき申したことと相関連するわけでありますが、保証しなくとも借りれるような企業を保証して、そうして保証しなくては借りられないような企業を放任をするような、こういうような傾向がままあると思うのですがね、これについてはいかがですか。
○政府委員(小山雄二君) 信用保証協会の制度そのものは、今おっしゃいますように、担保力のないものにやるための制度なんですが、ただ、中小企業金融公庫で代理店を通じておるような関係で、おっしゃるような例があるいはあるかとも思いますが、中小企業信用保険公庫並びに信用保証協会が指導して県と一結にそれを指導いたしまして、そういうことのないように努力はいたしておるわけでありますが、代理店の方も自分の銀行の商売の関係で気をつけておるわけであります。そうすると保証協会の方も、食いいいのは食ってというようなことがあるいはあるかもしれませんが、なお今後気をつけるようにいたしたいと思います。
○大竹平八郎君 これは長官、末端に行きますと、今私が二、三項目を申し上げたのですが、こういうことは非常に多いのです。こういう中小企業の金融機関があって、逆に中小企業から恨まれるというような問題が非常に多い。ことに今度の災害関係に対しては、もう急を要することだけに、よほど一つ末端をあなたの方から十分一つ監督をして、そういうことのないように、ことに十二月の金融という問題が差し迫ってきておりますから、その点一つ十分御留意をいただきたい。 それから災害対策として、政府関係機関から低利で貸し出すようにもなっておりますが、しかし代理店というものも一応通るわけですね。そうするとやはり、何といいますか、歩積みとか両建というような関係からいって、実際は相当高い利子を取るようなことは、こういうようなことはないのですか。
○政府委員(小山雄二君) 今度の災害融資の関係は、そういう点は非常にやかましく言いましてやっておるのでございますが、一般に中小企業の金融事情の調査は詳細にやっております。最近また少し歩積み、両建がちょっとふえてきておりますが、金を借りに行って借りられなかったとか、思うだけ借りられなかったという件数は、少しずつ減っておりますが、歩積み、両建は少しずつふえております。一般的にも大蔵省から資金監督をやかましく言ってもらっておりますが、ことに災害関係につきましては、そういうことの絶対にないようにということをやかましく言っております。ただ、金融機関が自分の方の仕事とのやりくり、これは監査等も、厳格に代理店の監査はやっておりますが、表に現われてこないような形で、あるいはそういう例もあるかとも思いますが、なお一そう監督を厳重にして、そういうことのないように努力したいと思います。
○大竹平八郎君 特にその点を一つ前と同じに十分御監督願いたい。 それから最後に、これは多分昨日でありますか衆議院から来た法案で、これは議員立法で通過をしてきたわけでありますが、事業協同組合、この共同施設の復旧について政府が補助をすると、こういう建前になっております。事業協同組合に準ずる組合、これは一体何を指しておるのでしょうか。それともまた、この事業協同組合に対してどんなものを一体考えておるのか、この点を一つ示してもらいたいと思います。
○政府委員(小山雄二君) これは対象とします共同施設が四個ございまして、一が事業協同組合、事業協同小組合または協同組合連合会、二番目が商工組合、商工組合連合会、三番目に前二号に掲げる中小企業者の団体に準ずるものということでございますが、これは具体的に法的団体になっておらない、任意団体ですね、商店街等でいろいろ共同施設をしておりますような団体を指すわけでございますが、具体的には、しからばどういうものをきめていくかということは、政令で定めることになっておりますが、実際のやり方としましては、今大体考えておりますところでは、府県知事に補助の対象としていいというような認定をしてもらいまして、それを通産省あたりと協議をしてもらって、そういうものをつかまえていこうという考えでございます。
○大竹平八郎君 そうすると、まだ政令の、何といいますか、草案というものはまだできていないのですか。
○政府委員(小山雄二君) これは急に提案されまして、そういう経緯もございまして、今度は施行するときには政令で施行がされると思いますが、そういう相談はまだ各省でやっておらないわけです。
○成瀬幡治君 今おっしゃるように急な話しで、政令がきまっておらないということはよくわかりますが、しかし、少なくとも適用される地区ですね、これはどういうような話しになっておるのか。これもまだ研究中だと言われては困るのですが、これはどうですか。
○政府委員(小山雄二君) 政令で定める地域につきましては、今考えておりますところでは、農林水産業施設の災害復旧事業に対する措置法というものがございます。これの例にならいまして、その地区内に設置された協同組合等の施設の復旧費の総額、それからそれを利用する組合員と申しますか、構成員の数、こういうものを勘案しまして一定の額に達するような市町村を指定していくのがいいのではなかろうか。大体やり方は、農林水産業の共同施設の特例措置法にならいたいと、一応考えております。
○成瀬幡治君 御承知のように農林では五万円になっておるのですがね。そうして原案は御承知のように八万円、そして六万円やかましくいって五万円、こういうことになっておる。ここでそういう額をおきめになる。これはあとでこの委員会が終わってしまって、あなたの方で勝手に数字を出されるわけですが、まあ農林関係の五万円という数字は、相当下げられた数字ですが、気持ちも大体そういうような数字を考えてお見えになっておるのか。これはたとえば二百万とか三百万というような高い数字になっては、指定地域町村が非常に少なくなるのじゃないかと思います。従って、あれは御承知のように市町村も指定するわけです。ですから、これはそうしますと、数字は、あるいはこのくらいの数字じゃないかというような数字をあなたはここで言えないかもしれません。もしあるなら、それを言っていただきたい。それから「準ずる」とありますから、市町村を単位で大体指定されるものと了承してよろしいのですか。
○政府委員(小山雄二君) 従来の共同施設で融資の貸し付け等をやっておりますが、その共同施設も組合の共同施設ですが、相当大きいようにお思いになるかもしれませんが、実際問題としてそう大きいものではございません。従って、金額も相当、法律が制定せられた趣旨もありますから、あまり高いところでしばるつもりは私どもとしてはございません。ただ、今これは関係者と全然相談しておりませんので、数字はごかんべん願いたいと思います。それから地域は市町村を単位として指定することになると思います。
○成瀬幡治君 一つ立法された趣旨というものは、こういうことに対して大きく一つ補助しようじゃないかという趣旨ですから、特定のところが入るだけでなくて、相当大幅なところが入るようにしていただきたいと思います。 それから、次にこの第二条でありますが、この改良復旧ですね。原形復旧ばかりじゃなくて、改良復旧も含むと了承していいか、悪いか。
○政府委員(小山雄二君) 当然改良復旧も含むと思います。
○成瀬幡治君 その査定はどこでおやりになりますか。
○政府委員(小山雄二君) これは第三条にもありますように、府県が四分の三補助するときには国が三分の二補助するということなんでありますから、県で査定といいますか、よし補助するということをきめることになると思います。
○成瀬幡治君 わかりました。ですから県がそこでもうやれば、あなたの方では棒のみにしていく、受けて立つのだという格好はわかりました。それからここに第二条の一、二、三、四とあがって、みな施設、施設と書いてございますが、その施設の基準、政令の考えておられる施設そのものは、どんな内容を考えておられるのか、具体的に言うと、事務所がどうなるとか、あるいは生産のたとえばトラックとか、そういうようなものまでこういうものに入ってくるのかどうか、そういう点。
○政府委員(小山雄二君) 法律の文字だけから言いますると、施設は組合で設置する施設は全部入るわけでございますが、結局、政令で、何といいますか、復旧費用があまり少額なものとか、経済効果があまり少ないとかいうようなものは、対象からはずしていくということになろうかと思いますが、従来中小企業振興資金助成法でやっていますのは、そういうしぼり方が相当きつうございます。それよりは立法趣旨にかんがみましても、甘くするつもりでございますが、ただいまお話しの事務所、自動車というものは、実はこの前例があります農林水産業の復旧の特別措置法でも抜けているようでございます。そこら辺を勘案しまして、具体的にきめていこうかと、こう考えております。
○成瀬幡治君 抜けているか、入っているかということは、なかなかこれはデリケートなことになるわけですが、そこで入っておれば、農林水産の方でやれば入ると了承していいわけですか。
○政府委員(小山雄二君) まずこの法律案が急に出たものでございますから、実は十分実態調査もやっておらないわけでございます。今さしあたり、東海三県の県庁で調べました表が、資料がございますが、それでいきますと、事務所、自動車というものは、割に例が少のうございます。被害が、ということでありますが、なお、実態を十分調査いたしまして、法律の趣旨もこういう趣旨でございますので、入れるべきものならば入れたい。ただ、農林の例がありますので、政府間で話しますときは、その例にならえというようなことになるおそれがあるのじゃないかということで、今申し上げたわけでございます。向こうが入れれば当然こっちも入れるということになると思います。
○成瀬幡治君 わかりました。農林水産関係よりも少なくとも下回らない、若干は、特別立法したということは、上回ってもいいという趣旨ですから、農林関係で入ったら一つ入れると、あるいは農林関係で入っていなくても、法律の趣旨はこういうことであり、今お話を聞いておりますと、被害額が少ない、しかも、都道府県がそれに対して四分の三の補助を出したら、あなたの方は受けて三分の二でいこうというのが、大体立法の建前ですから、そういうふうに運ばれた場合には、一つあなたの方もあまりきついしばり方をせずに、受けてやっていただきたいということを要望して私の質問は終ります。
○栗山良夫君 二、三中小企業のことについて伺いますが、今度国有機械の売渡しの特例法が出ましたが、実は私、この国有機械の払下げの問題について国会で取り上げたのはずいぶん前のことだと思っているのですよ。国有財産ですから、大蔵省といろいろ御協議になって、中小企業振興のためにいろいろと施策をせられたことは了解しているのですが、まだこんな機械が残っているのかと思ってびっくりするのですが、どの程度あるのですか。
○政府委員(小山雄二君) 前に交換払下げの規定ができまして、順次はけてきているようでございますが、私どもの承知しておるところでは、今大体関東方面に、進駐軍から返ってきたものかと思いますが、千台ぐらいあるそうでございます。一台平均二十万円として、全額で二億ぐらいと、こういうことでございます。ただ、中小企業の設備近代化というものも相当進みまして、はたしてどれだけ使える、中小企業者が要望するものがあるかということが、私ども実はまだ自信がないのでございます。やはり古いものが多かろうと思いますので、うまくこれにはまっていくかどうかということについては、必ずしも自信がないのでございます。
○栗山良夫君 大体種類別にどんなものがありますか、大分けにして、わかりませんか。
○委員長(西川甚五郎君) 大蔵省が来ていますから……。
○栗山良夫君 そうすると、要するに千台ぐらいだということですね。それで、機械のどの程度使えるかということも問題でしょうが、逆に伺いますが、今こういう機械を現地で買い入れいたしたいという申し込みは、どういうふうになっていますか。
○政府委員(小山雄二君) これは私どもは、中小企業関係の需要者が財務局に申し込んで、大蔵系統でやっておりますので、具体的なことは……。
○栗山良夫君 中小企業庁はそこまで相談にあずかっておられませんか。
○政府委員(小山雄二君) 制度その他については、よく相談にあずかりましてやったのですが、内容で、具体的にどういうものについて要望が来ているかということは、現地の中小企業者が財務局を通じましてやっております。
○栗山良夫君 それは、従来は私そうなっていることは知っていますけれども、本来ならば、中小企業の合理化なり生産性の向上なり、そういう実際の企業面からの指導は中小企業庁がやるのですから、現物の売った買っただけなら、大蔵省と当事者の間でいいですけれども、もう少し通産省として、その機械をいかに高度に活用し得るかどうかという見地から、専門技術者もいるのだから、相談にあずかるべきではないですか。
○政府委員(小山雄二君) 今度の法律の制度ができまして、平生より有利な条件でやるわけでありまして、その条件のもとに、今幾ら申し込みがあるということは、ちょっと私どもの方でも資料を持っておりません。
○栗山良夫君 それは国有機械のことだから、大蔵省に聞かなければならぬことぐらいのことは知っております。私もこの法律やったのだから、知っているけれども、少なくとも中小企業の災害復旧、生産再開のために通産省がめんどうをみるということであれば、中小企業局にお聞きした方が……ただ現物のやりとりの責任は大蔵省にあるけれども、運用上の責任はより以上に的確に処置できる、そういう気持で伺ったところが、これはもう従前といささかも変わっていない。従前も間違いだったと思っておりましたが、ちょっと理解に苦しみますね、その点は。そういうことではたして、中小企業にほんとうに純粋な気持ちで貢献し得るような機械の再配置ができるかどうかということを、非常に私は疑問を持ちますね。その点はあとで残っておって聞きます。 それからその次に伺いますが、これは既存のものの運営の場合、それから新設のものも含めてお考え方ですが、工場地帯の総合的な何と申しますか施策、これは港湾から鉄道、道路、工場敷地、労務者住宅用地、公園、その他公共施設、それから学校、そういうすべてものを包括した工場地帯の通常ということについて、今度の私は災害予算をずっと検討する過程において、通商産業省の発言力というものはきわめて弱いものだということを知りましたが、それでいいかどうかということです。非常に弱い。たとえば工業地帯造成法の関係は通産省が、あれは先国会でしたかやりましたが、通産省は一応表向きの権限はある。ところが、水防にしても、災害救助法にしても、海岸法にしても、河川法にしても、そういう法的面からの発言力のないところははっきりしておりますが、実際運用面から言ってきわめて発言力に乏しい、こういうことで私はいいのかしらという一つの疑問を持っているのですが、特に東京とか、名古屋とか、大阪とか福岡、それから山口の工業地帯、日本でも指折りの工業地帯というのがありますね、産業地帯、おそらくこういうものは、さらに広げていかなければならぬから、分散態勢をとるというならば、そういう場合に産業の指導的な立場にある通産省の発言力が、こんなに弱くていいかということに疑問を持つのですが、この考え方は、一体どういうのですかね。次官がおられるので伺いますが。
○政府委員(内田常雄君) 栗山さんのお尋ねですが、私は外から従来見ておりまして、お尋ねの通り通産省が総合的な工業立地計画なり、あるいは港湾計画をやる際の発言力が弱かったと思いますが、御承知のようにこの一両年の間に、通産省が工業立地課というようなものを作りましたり、あるいはまた工業立地指導室というようなものを置きましたり、さらにこの春の国会でございますか、工業立地の調査等に関する法律というようなものが制定施行されまして、その部門も置きましたりいたしまして、それと前後いたしまして各省、建設費、あるいは運輸省、農林省、経済企画庁などを含めまして、工業立地のための各省の協議会を設置するようになりました。で、その協議会を通じまして通産省は、あるいは工業用地でありますとか、あるいはその他構造施設でありますとか、あるいは法律の運用等につきまして、発言する機会がだんだんふえて参ったと思いますが、いずれにしても今度の災害復旧の過程におきましては、そういう際に、十分各省とも連絡協議会の際における通産省の産業の助成あるいは発展のための諸質素の調整というような角度から、発言力を強化していかなければならぬことだと考えますので、さようにいたして参るようにつとめております。
○栗山良夫君 それ、私は官庁のなわ張り争いの一方に加担をして、そして大いにおやりなさい、そういう意味の発言ではないのでして、今度の特例法をごらんになってもわかりますように、通商産業省に関係の特例の法律といえば、融資関係の法律とかだけでしょう。あと重要なものは全部ほかですよ。そのほかに、ほかの省がやるべき仕事、それの過去の手落ち、施策の不十分、そういうものが招来した災害によって、産業地帯がめちゃくちゃにされておるのです。こういう現実の姿を見るというと、どうも今までのやり方に若干の手落もがあるんではないかということを痛感するのですよ。たとえば今、内田さんが、最近二、三年よくやっているとおっしゃるのですがね、一つの例をあげますと、実はことしの八月に、名古屋管区の行政管理局長の名前で、あの八月に、あの方面の水防の実態調査をやったのですよ、行政管理局長が……。広範なものをやったおけです。そうして県並びに水防管理、団体の水防計画のうちで人命救助の方法が、その現地の計画書に全然入ってない。それから警察官及び消防機関との連絡調整の具体的な方法が欠けている。こういうことでは一朝災害が起きたときには、大へんなことになりますという警告書の公表があったのです、名古屋行政管理局長の名前で。これはこれを受けて愛知県知事なり名古屋市長なり、もっと真剣に、三重県知事ももちろんそうですが、真剣に災害対策というものをやらなければいけなかったと思うのですよ。ところが、これを聞いたきりでほっておいたものだから、全然手当ができていない。大阪では私の聞くところによると、今度は台風の警報が出ると同時に避難命令の準備、それから避難個所の準備、給食の準備、給食数の準備、それからボートの準備、そういうものを全部やったそうですね。名古屋には遺憾ながらそれがないのですよ。こういうことは名古屋という産業地帯を襲われる場合に、あの地帯がやられるということはわかっておるのだから、やはり通商産業省が原局、名古屋なり出先機関もありますけれども、出先機関というものも加わって、そうして大いに発言力を高めて、進めていかなければいけないと思うのですがね。中央もさることながら、現地においても地方庁と本省の出先機関との十分な連絡というものがなくちゃいけない。まあこれは具体的な例ですけれども、そういう欠陥があるのではないかと思うのです。
○政府委員(内田常雄君) これは栗山さんのお説の通りだと思います。そのことは、今から一時間ほど前に参議院へ来る前に当委員会が設置された最初の当委員会で、栗山さんが大臣に発言をされて、通産省はなるべくその具体的な計画を作って、可能ならば、という御発言もあったことを企業局長に聞いております。ところで、ちょっとこれは横道にそれて恐縮でありますが、今、前国会から継続審査になっております臨海地域開発促進法案というものがあります。これは衆議院先議で、おそらく参議院は予備審査に回っておるというはずですが、これなどはこれからやろうということで、おそらく一億平米以上の臨海地帯を新しく産業地帯として造成して参ろう。今まで地方公共団体がやっておりますけれども、財政的な関係なんかで総合的な計画ができないので、要すれば特殊な機関、たとえば公団等を作って全国総合的にやろうというようなことを内容とした法案のようでありますが、これらの法案の中身におきますと、通商産業省のやるべき任務や立場をかなり強調して出ておりまして、こういう式でやればいいなと私は思っておる。しかしこの法案におきまして、最後に実は私は通商省へ行ってみますとどうしても直していただきたいところがあるようであります。これは一つ、どうも幸か不幸か、与党のたしか議員提案のようでありますが、たとえば私は与党としておかしいんでありますが、あれも私はかなりよくできておると思いましたところが、やっぱりこれが中心になって地方と連絡したりなんかする機能というものは建設大臣ということになっております。建設大臣を通じてまとめる。地方の、たとえば名古屋であるとか、大阪であるとかいうところへ当たると書いてあります。そういうところにまだやはり、今建設省には計画局というのがありまして、都市計画やああいう地帯の計画は建設省がやるんだ、各省の協力は待ちますけれども、建設省のあれが現われておりまして、これは私の意見では経済企画庁に開発局というものがあるわけでありますから、どこの省にも片寄らず、各省が総合的な建設的な計画が立てられるようにするためには、その辺をちょっと改めた方がいいと思う点さえも実はあるんでございますが、でありますから私どもはあれは一つのモデルで、はたして今回成立いたしますかどうかわかりませんが、ああいう機運が、これは栗山先生なんかの御意見も聞くべきでありましょうが、十分通産省にも出てきておりますから、お説を傾聴いたしまして、督励をして参りたいと思います。ことにあの池田大臣などの発言で御承知のように通産省のやるべきことは、もちろん個々の企業を指導するとか、あるいは金融の面をどうするとかいうこともありましょうが、主として経済環境といいますか、産業環境の整備等、たとえばそれは道路であるとか、港湾であるとか、工業用水であるとか、それに思い切って金を使って所得倍増計画というもののために資すべきだということを、大臣も始終言っておりますが、そうなるといやでもおうでも今の問題に入って参りますので、十分留意をして参りたいと思います。ただ今お説にもありました、今度の特別立法は、あまりそういうことの具体的なやり方には、触れておらないようでありまして、補助率の特例というようなことを骨子としております。ただしばしば政府から言明されておりますように、今度の復旧は単なる原形復旧ではなく改良復旧をとると、こういうことでありますから、通産省が改良復旧の限りにおいては発言をいたしまして、そうしてそれに産業の発達とか、あるいはそれに伴う従業員の住宅とか、工業用水、輸送、そういう面から意見を述べ、また計画を策定していく余地が、改良復旧である限りにおいては出て参ると思いますので、十分主張を強くして御趣旨に沿いたいと思います。
○栗山良夫君 私がなぜ災害対策委員会も終わりに近づいておる分科会になってこういうことを言い出すか、特にこの間、もう通商産業省としてとらるべき具体的な方策に対する意見は、池田大臣のおられるときに私申し上げてある、大臣も了承したと、研究しようということでしたから、それはそのまま私は受け取っておるわけですけれども、なぜ繰り返して申し上げるかと申しますと、もうこの予算が通過をした、この特例法が可決になればもうすぐ仕事も始まっていくわけです。改良復旧の立場から始まっていくんでございまして、そのときに今現地で問題になっておるのは、たとえば名古屋の例をとれば、名古屋から四日市へ行く名四国道を、少し背の高いものにして、それを要するに防波堤のような工合にしてやった方がいいとかよくないとか、あるいは沖の方に一千万ヘクタール埋め立てするから、そこを高くした方がいいとか低くした力がいいとか、要するに産業川地の問題と、あるいは工場地帯醸成と密接に結びついた議論が現地で行なわれて、何ら結論をつけないままに改良復旧、改良復旧ということで、現実に切れた堤防の復旧が始まるわけです、現実の姿は。それだから私は特に申し上げておる。こういうことで、毎年々々同じようなさいの川原の右積みのようなことを繰り返していいのかどうか。たとえば一千万ヘクタールの埋立計画をやるというならば、今度は東京と大阪と名古屋、あるいは有明湾等に集中的に、岸さんの発表した新聞の政策によるというと、三年も締めてやるというんだから、それならば名古屋なら名古屋だけを完成するのに、どういう規模でやるかということを、やっぱり内閣として責任がありましょうけれども、伊勢湾をやるということになれば、やっぱり一番重要な中心は工場用地ですよ。工場用地のことを手がけるならば、通産省が、今の内田政務次官の言葉を別に返すわけではないけれども、そういうふうなことでは間に合わないのじゃないかと私は思うのです。これから法律を作ってやるとか、いろいろおっしゃるけれども、現に仕事は始まっていくんだから、だから私は、その点でタイミングを十分合わせていかなければならぬ、そういう意味で通産省の腹がまえなり、決意なり、どうして発言力を高めていくかという、そういうことを強力にやってもらう必要がある、こう考えております。
○政府委員(内田常雄君) よく了承いたしました。そのことは、私は妙なものを持ち出しましたが、ここに通商産業省が、この国会のために書いた文書がある。それはそのことを通産省は意識している証拠であると思いますので、これは普通の政府委員なら読まないでありましょうが、私は国会から参った政府委員でありますので、読んでみますと、こういうことが書いてある。「通商産業省においては、昭和三十一年以来、既成工業地帯の立地条件調査を行ない、整備計画を策定し、これを関係各省で構成する鉱工業地帯整備協議会を通じて、公共事業費の重点的投入をはかることとしている。なお昭和三十三年度以降からは、全国にわたって工場立地の適地調査を行ない、この調査の結果を、通商産業省本省と、地方通産局に設けた工業立地指導室に整理して、工業誘致の実施につとめておる。」こういうようなことが書いてありますことは、あるいはこれは栗山さんのような方の御質問があったときに、逃げるつもりで書いたのかもしれませんが、これは想定問答でありますが、しかしそれにいたしましても、通産省はこの問題を意識していることは間違いないと考えます。でありますから、この通常国会におきましても、工場適地の調査に関する法律というようなものをわざわざ御制定を願いまして、そうしてこれは各ファクター、たとえば防潮堤を作るならば、どのくらいの高さでなければいかぬとか、埋立用地は今までより五十センチ上げるか、一メートル上げるかというようなこと、それに伴う工業用水計画、あるいは住宅計画というようなものの各ファクターをこの法律によって、関係者に対して調査権を持たしていただいて、整備しようという意欲は現われておりまして、ぜひ一つ国会方面からの御理解と御指導によって、これを推進して参りたいと考えます。
○栗山良夫君 それで今は抽象的な議論のやりとりですから、私はこれ以上はいたしませんが、問題は池田通産大臣にもこの前ある程度突っ込んで、あなたもお聞き願った通りですから、従ってこの災害対策特別委員会は、おそらく本会議で可決成立すれば、一応機能を停止するでしょう。でしょうけれども、それとは別個に商工委員会に、なるべく早い機会にどういうふうな工合に具体的に進められるとか、そういう点を一つ作業せられて、通産省としての意見を正式に国会で一つ答えてもらいたい。私はこれを要請しておきたいと思います。
○政府委員(内田常雄君) 栗山先生申されますることを督励いたすつもりでおります。
○大竹平八郎君 最後に私、企業局に二点だけお尋ねをいたしまして、通産関係終わりたいと思うのですが、今栗山委員から、工場の立地問題に関していろいろ御質疑があったわけですが、今度の災害の結果、各方面にわたっていろいろ反省、検討をしていることは、これはもう私どもたびたびの委員会の質疑応答の中に、その点ははっきり出ているわけです。たとえば室戸台風の経験において、こうすればよかったとか、あるいは二十八台風のときにおいて、こうすればよかったとかいうような議論が非常に多く出ているのでありますが、ことに工場立地の関係においては、今回の災害においていかなる教訓を学んだか。非常に大げさな言い方でありますが、非常にある意味において、今後参考にしなければならぬ問題というものはたくさん出たと思うのですが、これをまあ工場立地の立場から伺いたいわけであります。御承知の伊勢湾台風は、日本でも第三の重工業地帯、こういわれている所でありますので、従って問題がそこに非常に多かったのであります。それでまあ、私ども実際に現地を見て、これはあくまでもしろうと眼かもしれませんけれども、何も海岸に建てなければならない、工場をわざわざ海岸に持っていって建てなくともいいようなものもたくさんあるわけです。それからまた、たとえば、石油のような会社でございますと、これはどうしても岸壁という問題があるから、これは海岸でなければならぬというような工合で、まあことしの春ですか、通りました法案の通過したあとだけに、この点はよけい私はなまなましく通産当局として考えていかなければならぬと思っているのですが、まあ従ってそういう埋立地とか、あるいはまた干拓地というようなところに、工場というものを一体集中をして、そうしてはたしていいのか。むしろこの機会において、ある程度のものはどこかにこれを移転をさせるというような問題も出てくると思うのでありますが、そういう点についても、通産省の考えほどこにありますか、御説明願いたい。
○説明員(磯野太郎君) ただいまのお話は、今回の伊勢湾台風においてどういう教訓を得たか、こういうふうなお話しだったと思いますが、まず最初にお話しのございました、今回の台風にかんがみて、工場をもう少し臨海地より内陸と申しますか、そういう方面に移行するように指導したら、ということをおっしゃったわけですが、その点につきましては、私どもといたしましては、御承知のように、大体今後重化学工業というふうな傾向を持ってくるわけでございますけれども、電化学工業におきましては、原料の海外からの輸入、それから製品の海外輸出というふうな面、それからこれもよく御承知でございますように、従来鉄鋼等におきましては、大体百万坪あればいいということでございましたが、現存新設の基幹工場は、二百万坪以上というふうな工場敷地の巨大化というふうな問題もございます。それでそういう点を勘案いたしまして、それから片一方に、やはり内陸部で大きな工場敷地を要請いたします場合には、農地との調整の問題がございまして、なかなかうまくいかぬ。そういう一般的な傾向からいきますと、大体今後もやはり電化学工業につきましては、臨海地に工業用地を造成いたしましてやるというふうなことではないかと考えております。ただ、臨海地帯におきます工業地の造成につきましては、従来は、そういう点不勉強であったのでございますが、今後は、伊勢湾台風の教訓をよく勉強いたしまして、防災対策というような見地からも、工業地帯の造成ということを慎重に検討していかないといかぬと考えております。なお、御指摘になりました臨海地以外の地帯におきます工場の立地の問題につきましては、御承知のように、臨海地でなくてもいいような工業、たとえば電気機械でございますとか、精密機械とか繊維工業というような工業は、これは臨海性を持っておりませんので、内陸部においてその立地を指導する、立地をさせるというふうなことをやりまして、臨海地、内陸部におけるバランスをとって工業の立地をさせることが必要だと思います。
○大竹平八郎君 それから、今もお話に出ましたが、工業地帯の造成の問題ですね。内田政務次官からも、衆議院で例の臨海工業地帯に関する法案が審議をされておる。こういうことで、今ちょっとお話が出たようでありますが、いずれにしても、防潮工事というものが従来のままではいけないという点は、非常にはっきりしたわけでありますが、そういう点において、今後の造成方針というものは根本的にどう変えていかなければならぬかということを、まず一つ伺いたいと思います。
○説明員(磯野太郎君) ただいま御指摘の点は、関係各省とも打ち合わせいたしまして、せっかく検討中でございまして、まだ具体的な結論を申し上げるまでに至っておりません。ただ、ただいま感じております点を数点出し上げますと、これは一般原則でございますけれども、やはり臨海地で工業用地を造成いたします場合には、これは十分なる防潮堤を作らなければいけないということが第一点でございます。 それから第二点といたしまして、今度の名古屋地区でもその現象が言われているわけでございますけれども、共通的な産業関連施設といいますか、そういうふうなもの、たとえば道路でございますとか、それから鉄道のような輸送施設、それから先ほど御指摘がございましたけれども、電力とかガスとか通信施設、そういうふうな共通的な産業施設というものにつきましては、これは臨海地に近い所にそういうふうなものを設けます場合でも、できるだけ背後地の高い所に施設をしていく。そういうものが水をかぶらないように、また万一かぶった場合でも、できるだけ早く原状復旧ができるというような考慮をすることがぜひ必要であるというふうに考えております。 それから第三点といたしまして、御承知のように、臨海地帯につきましては、最近地盤沈下の問題がだいぶ起こって参りまして、これは江東地区、尼崎その他いろいろやかましい問題になっておりますが、特に臨海地帯につきましては、一般的に沈下の現象がございます。特に工業用水をその付近の地下水に求める場合には、沈下の状態が促進といいますか、テンポが早くなるわけでございますので、臨海地帯におきましては、できるだけ工業用水道を建設いたしまして、そして工業用水の水源といたしましては、地下水によらずに、工業用水道によって満たしていくというようなことが必要だと思っております。 大体そういうことでございますけれども、なお臨海地帯自体の地盤を極力高くするとか、それから今回の名古屋地区でもそれが例として出ておりますけれども、特に工場敷地の地上げを行なう。それから倉庫などにつきましては、二階建てにしたり、本建築にする。そういう考慮、あるいは使用機械につきましては、水に対する防御施設、やはりこれは機械によってそれぞれ違うものでございますが、そういうことが必要である。なお、そういうふうなことと同時に、一般的問題といたしましては、排水施設を良好な状態に持っていくことが必要であるというふうなことをただいま感じておりまして、建設省その他関係各省とせっかく検討中でございます。 以上のようなわけでございまして、一言で申しますと、先ほどからも御指摘がございましたように、あるいは栗山先生からも御指摘がございましたように、特に臨海工場地帯の造成につきましては、通産省の産業的な立場、それから建設省の防災的な立場、それから運輸省の港湾行政に対する立場、そういうものを各省思想統一をいたしまして、これを総合的に実施していくということが非常に必要であるというふうな教訓を感じております。
○大竹平八郎君 最後に一点伺いたいのは、これは工業立地の立場からいって、大体百万坪ぐらいを限度として……。この前の法案のときにいろいろ説明があったわけでありますが、百万坪ということになれば、今の日本の状況からすれば、結局埋め立てということになるわけで、東京湾の埋立計画なんというのが、例の産業計画会議ですか、あすこから出ておりますね。しかし、これは全く今回の台風のずっと以前の計画であるわけであります。埋め立てをして、そこに工場地帯を作るということは、比較的簡単なんでありますが、しかしこれは、今あなたの言う通り、建設省とか、運輸省とか、その他の諸官庁の関係もありますが、ただ、従来のような、そういういわゆる安易な埋立計画によって工場立地をあれするということは、今後この災害によって相当再検討されなければならない。しかし、これはまた事非常に問題が大きく、また予算のいろいろな問題もあると思いますが、こういうことについては、今あなたちょっと最後に触れられましたが、関係官庁との何か総合連絡機関でもあって、種々これは協議されているのですか。それからまた、今までなければ、今後はそういうことを密接におやりにならないと、伊勢湾というものは、どっちかというと、今まで気象的には一番安心した所なんですわ。むしろ大きな船なんかは、台風の場合は、伊勢湾に逃げれば大丈夫だというふうに言われていた所なんです。これは私は幾人ものパイロットに聞いた。あのときもだいぶそういう意味で伊勢湾にたくさん大きな船がむしろ避難したわけですね。ところが、あの大きな船がたくさんやられ、外国船のごときは、三ばいも暗礁に乗り上げたというような、非常な思いがけないことが起こったわけですが、これは、四面海に取りかこまれておる日本には、今度いつ、どこに、大阪湾に来るか、東京湾に来るか、わからない。そういう点で、工業立地がいわゆる埋立問題に依存をしておるということは、これはいろいろな面でむずかしいかもしれぬけれども、よほど検討する必要があるじゃないか、こう思うのでありますが、この点をいま一度お伺いしておきたい。
○説明員(磯野太郎君) 臨海工業地帯につきましては、今御指摘がございましたように、非常にむずかしい問題がたくさんあるわけでございます。従来のやり方といたしましては、先ほど次官が申しましたが、経済企画庁に、鉱工業地帯整備協議会というのがありまして、これに関係各省が入りまして、そこで打ち合わせをして地帯の整備計画を作っておった。具体的に申し上げますと、この協議会で取り上げましたのが、やはり阪神地帯でございますとか、あるいは京浜地帯あるいは伊勢湾地帯あるいは北九州というふうか、現実の問題といたしましては、そういう臨海工業地帯を取り上げていろいろ計画を練っておったわけであります。ただこの点につきましても、従来はあまり防災的な考え方、そういうものは非常に強くといいますか、強くそういう点を考慮すべきであったのでございますけれども、そういう点が抜けておったという点が多少あるかと思います。今後のやり方といたしましては、私ども通産省、運輸省、建設省の三省の考え方といたしましては、ただいま衆議院で審議中でございます臨海地域開発促進法というのがございますが、開発促進法の構想といたしましては、臨海地帯で特に重要な地帯につきましては、内閣総理大臣が開発計画を作りまして、総合的に開発をやっていくというふうなことになっております。それでこれは一般中央外省における公共事業費あるいは地方庁の施策として実行に移すわけでございますけれども、特に必要な場合には、そういう開発をやる機関といたしましては、特別な機関を作ることになっております。その特別の機関といたしまして、三省では臨海地帯開発公団を作ったらどうかということを考えておりますが、この公団構想につきましては、いろいろの議論がございますけれども、先ほど申し上げましたように、あるいは御指摘がございましたように、建設省の建設工事、あるいは防災的な工事、あるいはそういう考え方、それから通産省の産業関連施設を全体の経済性といいますか、そういうようなものの観点から整備していくという考え方、それからあるいは運輸省の、港湾の水面を経済的に埋め立てていくという行政、そういうふうな関連各省におきまする施策が一元的にこういうふうな一つの機構で実行されるという点は非常に妙味を持っておるのではないかというふうに考えております。
○委員長(西川甚五郎君) 本委員会の審議は、これをもちまして終了したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(西川甚五郎君) 御異議ないと認めます。 なお、本委員会に対する報告の内容につきましては、小委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(西川甚五郎君) 御異議ないと認め、ではこれをもちまして小委員会を散会いたします。 午後三時四十四分散会