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33回国会参議院1959/11/27

風水害対策特別委員会 第19号

発言数
266
登壇者
26
会派数
5
開催日
1959/11/27

会議録

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) ただいまより風水害対策特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。本日草葉隆圓君が辞任し、その補欠として佐野廣君が選任されました。   —————————————

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 昨日、委員長及び理事打合会を開き、本委員会の運営について協議いたしましたので、その結果を御報告いたします。  本日は、総理大臣ほか関係大臣に対し総括質疑を行ないます。総括質疑の方法は、次のように行ないます。各会派の質疑時間は自由民主党六十分、社会党六十分、無所属クラブ十分、社会クラブ十分、緑風会十分。質疑の順は社会党、自由民主党、無所属クラブ、社会クラブ、緑風会の順によって繰り返して行ないます。関連質疑は自粛していただくことといたします。  次に、明日以降の日程につきましては、明日二十八日より小委員会において審議をし、三十日は午前十時より委員会を開き、小委員長の報告を行ない、直ちに討論採決を行なうことにいたします。  以上のように申し合わせがございましたから、このように取り運ぶよう御了承願います。   —————————————

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 次に、小委員会の設置の件についてお諮りいたします。  現在本委員会に付託されております法律案の審査のため、次の小委員会を設けることにいたしたいと存じます。厚生、労働小委員会、農林水産小委員会、建設、自治小委員会、文部、通商産業、大蔵小委員会、以上四個の小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたします。  次に、各小委員会の小委員の員数及び小委員、小委員長の選任、並びに小委員の異動につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたします。  小委員及び小委員長は、追って委員長において指名の上、公報をもって御報告いたします。  なお、各小委員会において審査すべき案件は、関係各小委員会の所管において委員長において決定することに御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたします。   —————————————

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) これより付託法案全部を一括して議題といたします。  質疑の通告がございますので、順次これを許します。田中一君、

田中一日本社会党

○田中一君 議事進行。昨日の理事会で、私どもはおそらく衆議院では暁の国会になるであろう、であるならば、総理以下各大臣ともに疲労こんぱいをしておって、肉体的にはとうてい今朝十時から開くのは無理であろう、このような愛情ある解釈から、私どもは午後一時に開会をしたらどうであろうかということを申し上げました。ところが、与党の自民党の各理事並びに委員長が最後には裁断を下して、きょうはどうしても十時にやってくれというような御要請がありましたけれども、緑風会の方から、それでは十一時にしようじゃないかということで十一時になったわけであります。従ってその際に委員長は、自分が責任をもって要求大臣は必ず出席させる、従って十時五十分には理事会を開催し、十一時きっちりから質疑を始める、こういうような委員長のかたい決算があった。そこでわれわれは、おそらく自民党の閣僚諸君はタフなからだを持っておって、そうして委員長が責任をもって出席させると言っておりますから、一応これを了承して今日臨んだわけでございます。そこで、今拝見いたしますと、まだ要求した大臣は全部出ておりません。従って、これは委員長が昨日われわれに強行押しつけたところのこととは異なっておりますから、私としては、各大臣を急速にお呼びになりまして、その上で質疑をいたしたいと、かように思います。

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 委員長におきまして、昨日の委員長理事打合会後、また本朝におきましても、事実衆議院の本会議が非常に今朝長い時間を要したことは事実でございましたけれども、同時に本委員会の緊急性にもかんがみまして、御約束通り開きますように努力をいたしましたが、事実相当の時間おくれておりますることは、まことに委員長として申しわけなく、遺憾の意を表する次第でございます。大体要求大臣はかなりの数にそろうておりますから、どうです、田中君、お始めを願いまして、現に委員長の手元にも、それぞれ間もなく、きわめて間もなく登院いたす通知が参っておりますから、災害の委員会でもあり、お始めを願いたいと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 これは委員長からそういう言葉を聞くのは、はなはだ意外なわけです。間もなく来るならば、一時間時間を空費したのですからそれまで——間もなくということは一時間か、あるいは十分か、五分かわかりませんけれども、お待ちになった方が委員長としては昨日の言葉をそのまま守れると思いまるから、そう一つ御了承願いまして、間もたく参ったならば質疑をいたします。

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 田中君、御発言を願います。

田中一日本社会党

○田中一君 私は、今次の災害まことに遺憾なことであり、かつまた国会としても、これに対する応急、あるいは国民の生活の安定のための施策が数々出た面に対しましては、まことに喜ばしいと考えております。そこで、最初に私が伺いたいのは、総理がたしか十月の三日と思いましたけれども、現地におもむかれ、そうして根本的な対策を立てたいと、治山治水に対しましてもそうした方途を持ちたいということを、たしか読売新聞で私は拝見したのでございます。そこで伺いたいのは、その対策というのは何であるか。二つの要素があると思います。防災、いわゆる予防であるが、あるいは災害が起こったために、これを復旧並びに救助等の施策を持とうとするならば、この点について総理の見解をまず伺いたいのでございます。同時にまた、閣内でも予防の面につきましては、まず第一に大蔵大臣がいろいろ反対しているようなことも新聞紙上に見えております。従って、今次の災害で受けた各大臣の所管のうち、自分たちの方は防災、いわゆる予防対策としてはかくかくの構想を持っているということがあるならば、むろんあると思うが、これらについては各省関係大臣からそれぞれ御答弁を願いたい。これがまず最初に伺う点でございます。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 今回の、特に伊勢湾台風によって非常な被害を受けました。まことに遺憾にたえないところであります。また年々歳々こういう災害を繰り返しておるという実情から考えまして、この災害に対する考え方をはっきりときめて強力にこれが推進をしなければならぬ。第一はこの考え方は二つあると思います。現に生じておる災害を受けた事実に対してできるだけ早く現状を回復し、同時に将来に対してその地域に再びかかることのないような改良等を加えた施設をして、そうして民生の安定をはからなければならぬということは当然考えなければならぬ。しかしながら災害が起こって、それに対してそらした復旧なり復興の処置をとるというだけでは足りないのでありまして、どうしても予防的な措置を講ぜなければならぬ。すなわち今回の体験にもかんがみまして、治山治水、防潮、あらゆる面の点からこの日本の国土全体に対する予防の措置を講じなければならぬ。その際はさらに台風そのものの科学的な研究、またこれに対する画期的た措置等もあわせて総合的な根本対策を立てて、将来に向かって日本国土のどこにもそういう災害が起こらないような予防措置を講ずる、この二つのことを考えなければならぬと思う。今回この臨時国会におきましては、言うまでもなく主として前者、すなわち現在起こっておる被害に対してこれを早く復旧し、またその地域を将来再びかかることのないような方法によってこれを復旧して、民生の安定に処したいというので補正予算及び特別措置を御審議を願った、こういうわけでございまして、根本の問題につきましては、通常国会に十分に一つわれわれとしては総合的な、また科学的な案を立てて将来に処したい、かように考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 過去の予算措置を見ましても、私は今岸総理が今回の災害にお驚きになって、そうして予防の立場に立って一切の公共事業を行ないたいという御意思、並びに三十五年度の予算では必ずそれを実現する、こういう力強いお約束と拝承してその点は満足でございます。しかしながら、私は翻って過去の公共事業全体を見ますと、これはことごとく一貫した総合性ある施設がなくして、大部分が政治的な配慮によってのみ行なわれておったというのが実態でございます。時間がないからそういう例示その他をたくさんあげることはできませんけれども、過去十数年間私はそうした現場々々を歩いておりますけれども、ことごとく政治的な公共事業であったということはいなめないのでございます。おそらく並んでいらっしゃるところの各閣僚とも自分の所管の面については、それぞれ三十五年度の予算にかつての間違いを正し、そうして民用安定のための、国民のための公共事業という建前の腹案をお持ちだと思います。私はここで各省大臣から、いわゆる法律にございますところの原形復旧の原則、災害復旧は原形復旧というのが目安になっております。これを改良復旧というところまで飛躍する御構想があると思います。従って建設大臣以下各所管大臣からそれぞれの所管に対する構想をお漏らし願いたい、こう考えます。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(村上勇君) 災害の復旧につきましては、一応原形復旧ということが原則になっておりますが、昭和二十八年以来、この原形復旧だけでは非常に再び災害を起こすおそれのあるというようなところにつきましては、十分この災害に関連して改良復旧を積極的にやることになっておりますし、また将来も改良復旧を十分やって参りたい、かように思っております。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 農林省所管で、災害の対策といたしましては治山の問題がございます。上おきめざれば下おさまらず、かようなことで昨年昭和三十三年から治山五ヵ年計画というものをやっておりまして、ただいま鋭意やっておりまするが、さらにその資金量を充実いたしまして、必要なるものにつきましては、災害につきましては改良復旧もやりますが、同時に基本的に治山の計画を進めていきたい。山につきましては、私どもは大体昭和初期の安定した状態ということを目標といたしておるわけなんです。これをやるには、ただいまの財政状況から見ますると、よほど努力いたしまして十年かかる、四十万町歩ぐらいの荒廃地があるのです。それを十年計画で逐次整備いたしまして、そうしてこれを昭和初期の九万町歩ぐらいのところまで持っていきたい、そのために必要な予算を来年度はぜひ確保したい、かように考えております。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) 今回の災害にあたりまして、特に銘記いたしましたことは、災害に対する予防のいかに重大であるかということを銘記せざるを得ない事情でございました。そういうわけでありまするから、危険校舎などの改築に対しては鋭意これが推進に努力いたして参りたいと思います。明年度の予算も特にこの方針をもって要求し、危険校舎の改造をやっていきたい。しかも特にこれに当たる場合にはできる限り鉄筋鉄骨組みの堅牢なものをという考え方でやって参りたい、かように考えております。

渡邊良夫自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡邊良夫君) 災害が発生いたさんといたしまする事前に予見いたされました場合におきましては、私ども特に今次の災害に対しまして感じましたことは、まず第一に避難命令が徹底しない、こういうことでございまして、この避難命に対しましては、建設省の水防法あるいは警察庁の職務執行法ともにらみ合わせまして、基本法の設定というものを考えておりまして、集団避難命令というものをいかにしてこれをやるか、こらいちことにつきまして目下検討いたしておるような次第でございます。自後の措置につきましては、私ども厚生省におきましては万般の策を、これを徹底きせるように平素これにつきまして各府県とも協力いたしまして、これにつきましての方策を立てているような次第でございます。

楢橋渡自由民主党運輸大臣

○国務大臣(楢橋渡君) 私の所管では港湾関係でございますが、今回の伊勢湾台風の災害にかんがみまして、港湾に対する防御その他の対策といたしましては、今まで五ヵ年計画がありましたが、これに大きな修正をいたきなければならないということで全面的にその点を検討いたしておるのであります。港湾によって受けました被害は約六十四億ぐらいでありますが、今回の補正予算の査定におきまして、十六億要求いたしまして、十一億の否定で大蔵町の了解を得たのであります。なお高潮に対する対策といたしまして港湾、ことに名古屋港とかあるいは衣浦とか、あるいは東京湾、大阪湾、こういうところは非常に今回の経験によりまして、危険にさらされる濃度が強くなって参りましたので、全面的にこれらの港湾に対する防災の対策を立てるべく大蔵省との間で折衝いたしておるのでありまして、たとえば名古屋の港湾の湾口に約九キロメートルの防波堤を作る、こういうようなことを今計画しているような次第であります。  気象関係は、今回の災害によりまして非常な気象関係の強化が必要であるということで、ことにレーダー等のものを増設する必要があるということで、今回は室戸岬に気象レーダーの設営をすることを了解を得てこれに何している。約四ヵ所レーダーの費用を要求しているような次第であります。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石原幹市郎君) 災害復旧にいたしましても、さらに今後の治山治水あるいは防潮、いろいろの対策にいたしましても、地方団体といたしましていろいろ財政的に措置しなければならない問題が多いのであります。地方財政にできる限り弾力性を持たしていかねばならぬと思っております。しかし現在の地方財政の現状から見まして、なかなかそういう余力もないので、できる限りこういう根本施策につきましては、国の負担をふやしてもらうように今努力を続けております。  国家公安委員長といたしましては、警察であるとか、あるいは消防の防災訓練をさらに徹底をしていきたい。それから今までのいろいろの体験からいたしまして、数県にまたがるようなこういういろいろの災害につきましては、やはり災害対策本部といいますか、こういうような機構を常に考えておかなければいけないと思います。こういうようなことを考えている次第であります。

田中一日本社会党

○田中一君 大体政府の方針が十月三日の日に岸総理の国民に言明した通り、三十五年度の予算というものは少なくとも災害予防のためには大幅な抜本的な計画を立ててその実行の第一歩をしるすのだ、こういうように理解します。そこでこれに対する大蔵大臣は、むろんこの構想に対しては国民全部の要望する点でありますから、最後に一つ大蔵大臣からはっきりと資金面の裏づけの言明を一つ願いたい、こう思います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど来、関係各省からそれぞれの治山治水計画、あるいは港湾計画、あるいは老朽校舎の改築計画、それぞれの計画を持っておられるお話がございました。特に私ども今回の災害につきまして、総理あるいは内閣、与党の基本方針でもございますが、治山治水についても基本対策を立てるということになっております。あわせて防潮対策を加えておる。その構想そのものは、政府におきましても企画庁を中心にして規模その他を決定することになっております。いわゆる関係閣僚の懇談会を持ちまして、そうして治水計画、あるいは治山計画、あるいは防潮計画、この規模を十分相談をいたしまして、決定することになっております。まだ、ただいまその結論を得ておりません。この結論を得ました上で、これらについての必要な措置を講じて参るということでございます。しこうして、来年度の予算編成に当たりましては、各委員会を通じましてしばしば申し上げておりますように、災害対策復旧費、並びに治山治水の基本的対策、これが予算編成の大きな柱になっておるその一つであるということを指摘いたしております。十分財政的にも検討いたしまして、緊要度、緊急度等を勘案して、これが実施についての措置を講じて参る、かように考えるのでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 今の各大臣の気持はわかりました。そこで三十三年に建設省が策定しておるところの新治水緊急五ヵ計画、これがいまだに閣議決定になっておらぬということを聞いております。御承知のように、われわれは昭和二十八年の災害のときにも、内閣は急遽緒方副総理を首班として対策本部を総理府の中に作り、そうして抜本的な対策を立てるのだという構想を発表し、それが旧五ヵ年計画の骨子になっておりますが、それすら実は閣議決定になっておらなかったのでございます。われわれは各委員会で、あれだけの構想を持って出発したところの五ヵ年計画というものは実施されるものである、むろんこれは閣議の決定されたものであるというような誤認をいたしまして、この推進に努力して参ったのでございますけれども、これはそうでなかった。現在建設省は内閣に、総理府に提示しておりますところの新五ヵ年緊急計画にいたしましても、いまだ閣議決定になっておらぬ。これは一体何によるものか、ことにもう三年間の実績を見ましても、ただ三五%できたにすぎません。一体これに対しては、総理は今回の新治水事業緊急五ヵ年計画、これに付随するところの財源等の特別会計算、どういう御見解を持っているか。かつての二十八年災のときには、燃えるような意気をもって、国民を瞞着しながら、それを実行に移しておらないという事実、今回も三十三年策定したところのこの計画に対しては閣議決定しておらぬということは、総理は一体どういう考えを持っておるのか。そうしてこれを今回の災害によってあるいは改定すべきものは改定し、いつごろこれを政府の方針として打ち出すつもりであるかどうか、この点について明言願いたいと、こう思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 根本的な治山治水の計画につきましては、今御指摘になりましたように、従来これに対するいろいろな計画についての考え方というものはございます。さらに現内閣におきましても、治山治水の関係閣僚懇談会を設けて、これが検討をいたしております。先ほど大蔵大臣がお答えを申し上げましたように、企画庁を中心に今回はこの長期的な計画の規模、内容等を十分に検討して、政府がそれによって一定の期間の間にこれを完成するという計画を立て、さらにそれを裏づける、これは財政的な裏づけと、それから推進をしていくいろいろな建前と申しますか、あるいはそれに対して法律、制度等を完備していく必要があると思います。そうした計画をはっきりきめ、さらに財政的または法律的、制度的の裏づけをいたしましてその計画を実施する、こういう考えでもって通常国会にわれわれは提案したいと、かように考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 私は、現在事業特別会計として政府が持っているものを調べてみますと、特定多目的ダム、道路整備、特定土地改良、特定港湾建設と、このように持っております。そとで今回はいよいよ治山治水に対しましても、特別会計制度によって事業を遂行したいというようなことが新聞に出ております。そこで、これはむろん今日のすべての公共事業も単年度制度になっておるから、むろんこれはあるものについては認める点もございましょうけれども、財政の裏づけとしてはそれがないというところに起因するものと思うのです。従って大蔵大臣は、この特別会計制度がはっきりと政府としてこれは確立したものであるかどうかという点について、現在までの閣内におけるところの——閣内と申しますか、あなた方与党並びに政府の中において、どういう話し合いがっいているかという点について説明していただきたい。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 新聞その他でおそらく田中委員のお耳に入っておることだと思います。与党また政府部内にも強い特別会計設置の要望がございます。しこうして、この特別会計の内容についての具体的な検討がまだ遂げられていないように私は感じております。先ほど申しましたように、やはり治山治水計画あるいは防潮対策、それらを合わしての一つの規模を考えまして、そうしてしかる上でこれの所要財源をいかに生み出すかということを考えていかなければならぬ、かように実は考えるのでございます。で、ただいま総理も非常に含みのあるお答えをいたしたと私は伺ったのでございますが、この点は十分検討を要するのではないかと思うのでありまして、いわゆる特別会計の内容等をいかにするかということ、これは一つの問題でありますし、将来の財政、従来のあり方からも相当検討を要する点があるように実は考えておるのでございます。これらの点をあわせて十分検討いたしまして、要契にこたえたい。ただ、その場合に、ただいまのお話にもありましたように、ただいまの財政計画そのものは一年々々の計画になっております。いわゆる長期財政計画というものは、なかなか立ちにくい状況になっております。しかしながら、ただいまのような長期計画を推進するという場合におきましては、ある程度の財政的の見通しを十分立てまして、これが五年だとか十年だとかいらわけにはなかなか参らないと思いますが、一年でないやや長期にわたる財政の見通しを立てて、これらの遂行についての所要財源を生み出すと、こういう工夫を必要とする、かように実は考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 現在ありますところの四つの特別会計の事業を見ましても、これはことごとくいわゆる経済原則と言いますか、早期経済効果というものをねらっていることは明らかなんです。そうしてこれらのものは必ず資本主義経済と申しますか、現在の繁栄している経済に結びついている政策ばかりであるということが指摘されるのでございます。むろん港湾にいたしましても、すべてのものがそこに基盤をなしているということが言える。そこで治山治水の場合は何かと申しますと、これはむろん山間僻地もこれによって救われる。同時にまた経済ベースに乗らない場合もたくさんあるのでございます。私は、大蔵大臣がこの特別会計に踏み切らぬということも、一面山の中にはあまり投票を持っている選挙民もおらぬから、そういうこともあるいは考慮しているとも考えますけれども、これはもう当然治山治水の問題につきましてはもっと早く、継続的な計画は持っておっても、資金的な面でもって継続されなきゃならぬと思っている。幸い今度は、今の言葉はあいまいでございますけれども、新聞等の伝えるところによりますと、総理も相当な決意を持って踏み切るのではないかというふうに聞いておりますが、この点につきましては、どうか三十五年度には実現するようにしていただきたい。そして国民を災害から守るために、安心して生活ができるようにしていただきたい。その点について、今の大蔵大臣の言葉とあわせて総理からもう一ぺんその点にっいて信念を伺っておきたいと思う。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 特別会計を設置するかどうか、また設置するとしてどういうふうにするかというような点につきましては、ちょうど三十五年度の予算編成の時期に当たっておりますので、政府としては十分な検討をして参りたい、かように考えておりますが、いずれにいたしましても、先ほどお答え申し上げましたように、こうした計画、過去のわれわれの経験から申しまして、そういうことがあってはならないのでありますが、ややともすると、のど元通れば熱さを忘れるというふうなことで、そのときには非常に緊切に考えているが、時間がたつというと、だんだんそれに対する感覚が薄くなって、そうして十分な対策なり施策が講じられないということを考えまして、そういうことがあってはならない、従って計画をはっきり立て、それを遂行するに必要な財政的の裏付けを十分見通しをつけ、立て、またそれを遂行するについて、途中でそういうような今申したようなことのないような制度なり、あるいは法律なりというようなものでもって裏づけて、そうしてこの計画を、相当長期にわたることは当然でありますから、それの間においてくじけないように推進したい、かような決意でおります。

田中一日本社会党

○田中一君 そこまで話を伺いましたから、これから、じゃ、どうして防災の計画を立てるかという点について一、二質問してみます。  まず第一に、今回の名古屋の災害、東海地区の災害というものは、もはや数年前に、堤防が切れたならばあの地域まで全部湛水するということは学者が証明しておるのでございます。私はそれがそういう基本的な調査によって樹立されたところのものであるならば、五千名の人間を殺すはずはなかったろうと、こう考えております。これは今、総理並びに各大臣にお見せしますけれども、これは建設省の所管であるところの地理調査所が作成したものです。この地図で示すように、今回の災害というものはこの地図通りにこれは実現されております。一つも狂いはございません。湛水区域はかつて三年前に技術家が作った地形図によって証明されておるという事実を知らなきゃならぬと思うのでございます。そこで、これは何によってできたかと申しますと、地理調査所空中写真によって五万分の一の空中写真をとって、これを専門家がこれは陸地である、これは高さは何である、これは川であるということを色づけしたものでございます。従ってすべての計画が、まず第一に地形図の作成でなくちゃならぬと思うのです。これに対して建設大臣はどういうお考えを持っているか。同時に三十五年度の予算には、防災の第一歩としてこの地形図作成に対する熱意をどういう工合に持っておられるかどうか、伺いたいと思います。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(村上勇君) 大体ただいまお示しになりました地形図、これはもら全国のすベてがプラス、マイナスの地形はわかっております。従いまして、伊勢湾方面にも相当がんじょらな堤防があったのでありますが、しかし二十八年の十三号台風の実績から見まして、これでは少しどらも不安だというので、それぞれ年次予算をつけて復旧いたしておったのでありますが、それがまだ復旧の完成しないうちに今回の未曽有の大台風となったのでありまして、私どもはこのいわゆるデルタ地帯その他のこういう緊要度の高いところには、でき得る限りその重要度とにらみ合わして、あくまでも施設を完璧に施したい、かように思って三十五年度予算にはそれらを十分検討いたしましてこの対策を講じたいと、かように存じておる次第であります。

田中一日本社会党

○田中一君 この日本全国土の地形図を作るには、たかだか二百億程度でできるのでございます。空中写真五万分の一をとって、これは十五億程度でできます。あとこれを都市部におきまして二千五百分の一くらい、山間等で五千分の一くらい、これで百八十五億あればこれは作成できます。これなくしてはすべての計画は立たないことなんです。学者の実証によってのみ計画が立たなければならないということを申し上げるのであります。  そこでもう一つお目にかけます。都市における地盤沈下の実態でございます。松永構想として東京湾を埋め立て、ここに臨海工業地帯を作るなんというのは、これは絵にかいたもちでございます。実際に東京湾の地盤あるいは東京都の地盤、大阪、名古屋等たくさんの臨海工業都市がございます。これらはことごとく歴史的に全部常に高潮に襲われているところなんです。これを一つごらん下さい。現在公有水面埋め立てによって——これは通産大臣よくお聞き下さい、公有水面堀立法によって埋め立てを認可している土地というものは、もう現在の臨海工業地区、これらはことごとく高潮常襲地帯なんでございます。幸いに東京は約四千件ほどの建築工場の申請がありました。そのために地盤の実態がわかっているようです。これによって地質学者、建築学者等はこの図面を作成いたしました。この問題は二、三年来建設省所管の建築研究所が、この地盤調査をしなければ、いかなる公共事業、いわゆる堤防を築いても必ず地盤沈下するものであるということを証明しております。これに対して建設大臣並びに通産大臣はどういう御見解を持つか。また将来防災に対する対策としては、こうした学問的な学問理論等をどこまでも基礎となして計画を立てるかどうか伺いたいと思います。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(村上勇君) 国土の海面以下の地帯ではどこどこかという点につきましては、こういう今お示しになりましたようなことがはっきりと測量ができております。ただそういうような、どの点ということは、色塗りにして一目瞭然にはなっておりませんが、この日本の全国土について海面のところは、水面以下である、あるいはプラスーメートルというようなことは、これはわかっておりますが、ただ田中委員のただいまお示しになりましたように、これをしろうとにもわかるようにはっきりと表わしておくということは、これは私ども将来の水防対策の上から十分考えなければならないと存じております。従いまして、このいわゆる海面以下の地帯、これらに対しましては、その重要度の高いところ、たとえば東京あるいは大阪、あるいは有明湾、あるいは新潟、これはいわゆる他の原因によるところの地盤沈下であろうと思いますが、これらに対しましては十分な対策を講じて参りたいし、また現在も東京湾等につきましても、その堤防等については施工いたしておりますけれども、今回の伊勢湾台風等の様相からこれを検討いたしますと、もう少し私どもとしては積極的にこの対策をやる必要がある。かように考えておる次第であります。

田中一日本社会党

○田中一君 対策を立てるためにこれが必要だと思うのです。日本にこういう地図はないのです。これはすべて民間の篤志をもって学者が作っているものです。国が作っているものではないのです。この地盤図なり地形図なりができなければ、たとえば高潮対策の堤防を幾らかさ上げしてもむだであると言いたいのです。御承知のように、河口における扇状地、いわゆる沖積泥という地区は、すべて地盤沈下するものなのです。必ず地盤沈下するものなのです。それを自然と戦って守り、堤防をしたところが、必ず水はかぶるものであるということを言いたいのです。従って基本的な研究をなさずして計画を立てちゃいかぬ。従ってそこにすべての計画のもとを置くかどうかということを何っておるのです。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(村上勇君) ただいま御指摘になりましたように、こういうだれにでもわかるというような地図はまだ全部できていないようでありますが、しかし大体日本の国土のどの地点はマイナス幾らである、あるいはプラス幾らであるということははっきりいたしておりますので、逐次、年々地盤沈下しつつあるような、新潟とかあるいは大阪、東京等につきましては、御指摘のように、毎年そういうような地図を作り、そうしてこの対策を講ずる必要があろうと存じております。

田中一日本社会党

○田中一君 毎年作るものじゃないのです。あなたはその場のがれの答弁をしちゃいけないのです。実際の日本の国土というものが、どの地区はどのような地盤沈下が行なわれているかという点をはっきりさせながら対策を立てなければ何にもならぬと言っているのです。あなた方は一尺下がれば一尺堤防を増してやれば、選挙区は喜ぶでありましょう。しかしこれは国民をだますものなのです。現にこういう研究が政府の手では行なわれていないのです。従って、通産大伍は、今後、臨海工業地帯に対して、産業を守るためにどういう施策をもって、これらの学者の研究というものをどう評価しているか伺いたいと思います。これは後には運輸大臣からも伺います。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(村上勇君) 毎年やるのはおかしいというような御意見でありますが、新潟のように毎年地盤が沈下しているところは、毎年それを基本的な地盤沈下の調査をいたして、それを表わして参っております。

田中一日本社会党

○田中一君 あなたの言っている地盤沈下は人為的な地盤沈下を言っているのです。むろん沖積泥層、沖積層、これは泥でございます。従って、ガスや泥をすくい上げれば、これは当然沈下するのはあたりまえです。人為的なものです。従って、沖積層というものは何にもしないでも、あれは何千年、何万年の間には沈下するものであるということの実態をつかまなければ、すべての施策はだめだということを申し上げているのです。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(池田勇人君) 通産省といたしましては、工場の立地条件につきまして、従来全国各地につきまして調査をいたしているのであります。御承知の通り、十年くらい前から関西地方におきましても、地盤沈下の問題は非常に重要な問題となっております。また、今回の災害を考えまして、私は工場の立地条件調査につきまして、十分新たな構想でまた調査を進めていきたいと思います。われわれといたしまして、この地盤沈下の一つの原因が、地下水による工業用水が相当のウエイトを持っているということを考えまして、地盤沈下の問題と同時に、工業用水につきましても、あわせて考えていきたいという気持を持っております。

楢橋渡自由民主党運輸大臣

○国務大臣(楢橋渡君) 御指摘のように、やはりそういう地盤沈下の問題につきましては、科学的に十分にこれを研究して、そして万遺憾なきを期すことが妥当であると思うのでありまして、今御指摘になりましたような点は、なお至らない点は十分に考えるべきものであると思うのであります。  私は港湾関係の担当の大臣でありますが、港湾局といたしましては、やはり臨海工業地帯の造成等についても責任を持っておりますから、その点について港湾局においてもその埋め立てる土地、その土地の土壌が今おっしゃいましたような性格のもの、その他のものと、十分やはり勘案して、これに対して施工をなすべきものであると思うのでありまして、ことに今回の台風によって得ましたあの大災害が、やはり地盤沈下という問題のために、非常に大きな悲劇を巻き起こしていることは如実に証明しているのでありますから、港湾局におきましても、地盤沈下に対する根本的な対策を立て、これに対する防災等、あるいは工業用地の造成等についても万遺憾なきを期したいと、こういうように思っておるのであります。

田中一日本社会党

○田中一君 ところで、総理に伺います。総理は一体常襲する台風というものに対する評価、これをどう考えておりますか。台風に対する評価、台風というものはプラスかマイナスかという点について御答弁願いたいと思います。あなたの信念です。これはむろん日本は御承知のように何千年か、有史以来台風の常襲地帯です。従って、台風というものが国民生活にいかなる価値を持っているか、伺いたいと思います。これは総理大臣以下各大臣から伺いたい。大蔵大臣、建設大臣、通産大臣、運輸大臣、中曽根長官等からも伺いたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 台風をどう評価するかという御質問でありますが、私は台風にはいい面と悪い面とあると思います。特に日本の農業の点から見ましても、台風がもたらすところの雨によって、この日本の農業というものが非常な利益を受けているし、また電力等の関係から申しましても、雨というものが相当大きな利益をもたらしていることは当然である。ただ問題は、台風によるところの、また今回の台風のような非常な惨害、従って台風というものを、ただ何でもかんでも台風というものは日本にとって一つの宿命的災害であるというふうには実は考えていないのであります。できるならば、いい面はこれを十分にわれわれとしてはその利益を享受し、その悪い面の災害を科学技術の発達とともに、またわれわれが計画的に総合的にこれに対する予防措置を講じて被害を最小限度にして、そうしていくべきものである、かように考えております。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま総理がお答えした通りであります。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(村上勇君) 総理のお答えした通りでございます。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(池田勇人君) 総理が詳しくお答えした通りであります。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 私も総理のお考えと同じでございますが、しかしまた日本民族性の習慣、個性にも台風は非常に役立っているように思います。方丈紀のような文学作品が出てくるのも台風の影響じゃないかと思いまして、そういういろいろな面から考えてみますと、台風というものは日本の国家、日本の歴史というものと離すことができないような意味もあると思います。しかし科学的な国民生活の現実的な利益の面から見ますと、やはりこれは人知の可能な範囲でわれわれが挑戦して、ある程度人為的に調整できるように措置すべきものと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 中曽根長官は、今台風に挑戦してというお言葉がございました。なるほどあなたはかつて水戸の駅頭において、原子か水素か知らぬけれども、台風を追っ払おうじゃないかという活発な発言をなされたことが、この中央公論社から出ておるところの十二月号の「自然」にも載っております。そうしてあなたは、学者というものは札束でほっぺたをたたけばいつでもついてくるのだという表現をなさっておる。そこであなたは台風に挑戦して人力で台風を屈服する、そうしてそれが日本の民族の幸いであるというようにお考えになっておりますか。あなたは何をもって台風を追っ払おうとするつもりなのか、水素爆弾か原下爆弾か知らぬけれども……。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 私は札束で学者のほっぺたをたたくというようなことはございません。それは雑誌の間違いであります。よくそういうことを書かれておりまして非常に迷惑をいたしております。それから台風に対する科学的処理でございますが、現在アメリカにおきましては、ハリケーン・プロジェクトという非常に大きな台風に対する研究が進んでおります。また豪州におきましてもそれに関係いたしまして、人工降雨の研究が非常に進んでおりまして、ドライアイスや沃化銀をまくことによって雨を降らしております。アメリカや豪州等の研究を結合させますと、アメリカも実験しておりますが、台風の初期、あるいはある程度の力になるまでの間に雨を降らしますと、エネルギーの構造が変わりまして、そこで方向の転換が可能であるかもしれない。そういう予想もありますので、その研究も進んでおるのであります。まあ今から五年ぐらい前には月にロケットが行くなどということを考えた人はいなかった、そう言うと笑われたのじゃないかと思いますが、今日台風を人間が屈服することができるなどと言うと笑うかもしれませんが、実はロケットと同じような現象になると思います。われわれは人知の限りを尽くして人間の意に沿らように台風というものを調整していくべきものだと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 あなたは今のような発言をしばしばなすっております。しかしながら、あなたが、これに同調しておると言っておりますところの気象庁の高橋さんは、これに対して笑っております。あなたはかって海軍の技術将校か、ほんとうの将校か存じませんけれども——と存じております。少なくとも科学者、気象学者が現段階においてはかかることはあり得ないということを言っているにかかわらず、あなたは科学技術庁の長官としてそれを放言した。私は放言としか開かれません。なるほど月ロケットにいたしましても、人類が初めて裏側を回ったというようなことも了承いたしますけれども、あなた自身が何の権威を持ってその発言をなさるのか。あなたは科学技術庁長官としてその権力の上に立って言うのか、これはここでは時間がございませんから、私もゆっくりといずれあなたとはこの問題については討論してみたいと思う。いたずらに国民をまどわしてはならないのでございます。  そこで、今総理が言っているように、よい面と悪い面とある台風を南極の果てに追いやったならば、よい面がどらなるのでございますか。日本の利益の資源というものは水であると極言したいのであります。水を持ってこそ日本の国民は今日まで長い間生きてきた、かように考えております。日本の立地条件から見ましても、水なくしては生きられないのでございます。従って水の価価というものを今総理が言うようによい面も、台風を太平洋のかなたに追っ払ってしまうということになると、ことしの台風の前に新聞に何と書いてあったか、水である……。

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 田中君、持ち時間が終了いたしました。

田中一日本社会党

○田中一君 これによってどのくらいの農民が騒いだか、という点から見ましても、水に対する価値というものを重要に考えなければならぬと思う。ことに権力のために、中曽根長官が日本の唯一の資源であるところの水を追いやろうという考えがあってはなりません。従って時間がございませんから、この問題はもうこの辺でやめますけれども、慎重に発言なすっていただきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 私は、気象庁の高橋博士、この人は雨の権威者である、あるいは和達博士等の意見も徴しまして、慎重な検討の上に申し上げたので、荒唐無稽なことは申し上げておりません。現にアメリカにおきましてはナショナル・ハリケーン・プロジェクトという大きな計画によりまして台風の処理をある程度やっております。まだ現実に的確にこうなるというところまではいっておりませんですけれども、それが夢ではない、不可能ではないというところまできておるのでありまして、世界で一番災害を受けているのは日本やアメリカでありまして、日本国民がこういう自然の災害に対して黙って見ているという手はないと思うのであります。  それから、私は台風に関しましては調節するという言葉を申し上げたのでありまして、これを日本に全然よこさないということは一言も申し上げておりません。つまり台風を見ましても、夏の前半の台風というものは相当雨をもたらしまして、また梅雨の原因にもなりまして稲作によい影響を与えているわけであります。しかし集中豪雨というものがここに出てきて、夏の後半の台風は暴風雨化していきまして、非常に災害を与えておる。それをまた適当にコントロールして日本国民に役立つように努力をしていきたいということを考えております。全部を日本に寄せつけない、全然雨を降らせないということは考えておらないのであります。   —————————————

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 小平君。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 台風が過ぎ去って二ヵ月になりますし、また補正予算も成立した今日でございますので、いかにして一日も早く民生を安定し、また生業に励まさせるようにするにはどうしていくか、そのような建設的な観点から二、三御質問を申し上げたいと思うのでございます。  岸総理大臣が、あの史上まれに見るような大災害にかかわらず、相当の措置が緊急に行なわれたということは十分に認められていると思います。とこのように御答弁になられました中部日本災害対策本部ですが、これは今日どのような活動をしているのでしょうか、この点についてまずお伺いいたします。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(村上勇君) 石原副本部長がおいでになりませんので、私からお答えいたします。中部日本対策本部は締め切りあるいは排水等について、また厚生施設その他につきまして、各省との緊密な連絡をとる、その上にありまして指揮命令をいたしておるところであります。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 そういたしますと、もう実際には活動していないのでございますか。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(村上勇君) すでに締め切りも完了いたしましたので、大体もう積極的な活動の必要はないようになっております。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 よく災害のあるごとに言われるのでありますが、私財を投げ打って治山治水に尽くしたというようなお話もよく聞くのでございますが、今の政治だと、宴会とかゴルフだとか、別荘だとか、あるいは陳情攻めとか、そういう話が多過ぎるのではないだろうかというように私は考えるのであります。何か一つの事件にいたしましても、本人が不注意で、ぼやぼやしていて受けた災害もありますが、少なくとも堤防が切れたというような災害は、本人がぼやぼやしていたせいではない。それは政府の責任ではないか。もちろん総理大臣一人の責任だというわけには参りませんでしょうけれども、総理大臣として、堤防が切れて何千人の人が一瞬にして死んだというようなことに対する政治の責任ということについて、総理大臣の御見解をお伺いしたいのでございます。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) お話しの通り、この災害が起こりまして、これを現実にそういうことを体験し、そのよって起こってきた原因等を十分検討してみるというと、こうもしてあったらばこういうことはなかったろうに、この点はこうした措置を講じたならばこれだけの被害は出なかったであろうというような事柄が考えられることは、これは当然でありまして、従ってそういうこの一つの経験を十分に生かして、将来にそれを繰り返すことのないように、またそういうような事態が起こった場合において、最も適切な措置が迅速に行なわれるということが、私はこういうものに対して政治的にわれわれが考えていかなければならぬ問題であると思います。もちろん過去におきまして相当な堤防も作り、相当な治水事業も行なってきておるのでありまして、全然何らの施設をしておらなかったというわけでもないし、またそういう事態が起こった場合に処するのに、あるいは救助法があり、またその他の国家機関がどういうふうに動くというような建前もできておりますから、十分それが適切に迅速に効果を発揮したかどうかということを検討して将来に対する必要がある、かように考えております。こうした災害を、私としては一番政治の要諦として考えなければならぬことは、そういう災害が生じた場合において、これは非常に遺憾なことであるけれども、とにかくその緊急の事態に処してわれわれが全力をあげて適切な措置を講ずるということ、将来に対してそういうことを繰り返さないような一つの方策を立てて、これを推進してゆく、こういうことにあると思います。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 まあできるだけのことはしていかなければならないというわけでございますが、実際に活動すべき災害の救助にいたしましても、また今後の災害の復興にしても非常に大事なことだと考えますのは、一人も漏れないように——幾ら一人も漏れないようにとよほど入念にやっても、なかなか全部の人の救助に手が回るということは困難なのでございますが、特に一人も漏れないようにという考えが今後の復興にしても非常に大事なことではないかと思うわけであります。で道を直すとか、あるいは橋をかけるというようなことは、もともと税金を納めておりますから当然でありまして、あるいはまた地方財政の国庫負担率の引き上げというようなことも当然なことでありますが、今私がここで問題にいたしたいことは、はたして今回の台風を受けた人がどれだけの救助を受けることができたかという点でございます。まず救援物資とか、あるいはお金も借り入れるとか、あるいは見舞金をもらったとか、いろいろ項目としてはあると思いますが、これだけは政府として漏れなくやったはずなんだと、この点だけは一人も漏れないで、救援活動が行なわれたはずだという点がありましたら、お教えを願いたいんであります。

渡邊良夫自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡邊良夫君) 災害救助法につきましては、ただいま政令以下の措置に委任いたしておりますので、このたびも各種の措置をとった次第でございます。単価の引き上げその他につきましては、応急仮設住宅、あるいはまた食糧の単価の引き上げ、その他十一種類につきまして弾力性を持たせまして、あらゆる措置を講じたような次第でございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 厚生大臣にお伺いいたしますけれども、単価の引き上げ、あるいは応急仮設住宅の建設、その他のことをおやりになったことはよくわかるんでありますが、この点だけは被災者全員に行き渡ったはずだ、たとえば仮設住宅にいたしましても全部の人が受けられたというわけではございませんから、中には必要のない人も——家は必要ない、衣類は必要だという人もございましょうし、あるいは医薬は必要ないけれども、家がほしいというような人もありましょうし、まあいろいろでありますが、この点だけは一人も漏れなく行き渡ったはずだということがありますか、ありませんか、その点だけ一つ。

渡邊良夫自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡邊良夫君) 地域の事情によりまして十分な措置をまんべんなく、これを地方庁長官の要請によりまして措置した次第でございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 地方長官の要請でございますけれども、実際には被災者が一人残らず恩恵を受げたという点はないんでしょう。まあ非常に本会議におきましても、岸総理大臣が対策本部で大活躍をなさったとお答えになりましたけれども、実際には当時の新聞の見出しも、おそ過ぎた救援の手とか、非常食備えなしとか、とにかく惨たんたる状況にありまして、中にはとても市や県から持ってきてくれるのを待っていたのでは死んでしまうからといって、親戚やあるいは友人のところへ逃げた。その他、市から若干の見舞金をもらった人もございましょうけれども、あるいは毛布を二、三枚もらった人もございましょうけれども、政府がほんとうに責任を持って、これだけは全員に行き渡ったはずだと言えることは私はなかったように思いますが、いかがでしょうか。

渡邊良夫自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡邊良夫君) 食糧その他につきましては、当初水没地域が多く、従いまして連絡機関が途絶いたしておった関係上、当初はそういう非難の声もありましたけれども、医薬、食糧等につきましては、まんべんなくこれは各方面に徹底いたしたような次第でございまして、従いまして防疫対策等につきましても、われわれが当初思ったよりも疫病等の発生というものが少なかったと、かように私どもは結果的にみることができるのでございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 もうこのことは繰り返しませんが、要するに、そらその一人も残らず救援の手を差し伸べたとは言えないということは事実だと思います。そこで基本法を必要とするんではないかとか、あるいは将来の救援対策としてああいうことが必要、こういうことが必要と、いろいろ必要になってくるのでありますが、特に私としては今後の復興にあたりまして、一人も漏れなく、中には家を建てようとしても、お金は借りられることになっているのだけれども、何かの条件が合わなくて借りられない、あるいは中小企業者として資金の融通ができるはずなんだが、何かの事情でここがこうだからできないというような人が実際には非常に多いんじゃないかと思うのでありますが、そういう点を一つ一人も漏れないように、ほんとうに民衆の一人一人の苦しみというものを問題にして復興に当たっていただきたいと思うわけでございます。  それから建設省といたしまして、再び同じような災害を受けないようにしっかりした堤防を築くということがもちろん必要だと思うわけでございますが、先ほど田中委員から非常に研究の結果を示されたわけでありますが、低い地帯ですね、すぐ水がつくようなそういう低い地帯を、実際まだ家を作りますと水につかりますから、一つ徹底的に、工場は地盛りをしているのですから、住宅にも必ず地盛りをするように、まして学校とか公会堂とか、そういうような公共建物は地盛りをしなければ建築を許さないというような方針でいかれたらいかがかと思いますが、いかがでしょうか。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(村上勇君) 水面より低い部分につきましては、御承知のように建築規制法がありますので、この規制法によって、県条例等によって、水面より低い所は盛り土をするとか、あるいはまた恒久的な建物にするとかいうような建築に対する規制をさせたいと、かように思っております。

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 小平君、残余の時間がわすかでありますから御注意願います。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 労働大臣はみえていますか。

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 労働大臣はあなたの要求でありましたが、御質疑が労働関係がないというあなたのお話なので、ちょっと退席いたしましたが。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 終わるまでに帰るからということでしたので。

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) それじゃ労働大臣帰りますから、その分は保留していただけますか。残余の時間はもう一分ございませんから、労働大臣今参りますから。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 職実安定局長が来ているようですから……。

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 政府委員より答弁を求めます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 先ほど来申しましたように、一人も漏れなく救済するという観点から参りましても、労働省で今回とられました失業保険の特例法の適用は、非常に日雇い労働者が漏れる、また失業保険の非適用労働者が漏れる、非常に穴だらけなんでありますが、今後そういうようなことのないように、ほんとうに一人も漏れないような救済の方法をお考えなさっていらっしゃるかどうかをお聞きしたいの言です。

百田正弘労働省職業安定局長

○政府委員(百田正弘君) 仰せのように、今回の場合には一般の失業保険の被保険者がこの特例法によって救済される、こういうことになるわけであります。これは特に失業保険の現在の制度によりまして救済できる失業保険法の特例としてやったので、こういう結果になっておりますから、日雇い労働省その他につきましては、就労日数の確保ということで善処して参った次第でございます。なお、失業休校の強制適用になっておりません五人未満の事業者に使用される者に対しましては、昨年来、御承知のように法律を改正いたしまして、これが適用の拡大をはかっておるところでございまして、現在までにすでに十万七、八千の者がこれによって加入した次第でありますが、今後一そうこの措置を強化して参りたい、このように考えております。   —————————————

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 向井長年君。

向井長年社会クラブ

○向井長年君 私はまず、岸総理に質問いたしたいと思いますが、昭和三十四年の七月以降、今次の伊勢湾台風による風水害の被害は、天災とはいえ国土保全及び国民生活安定よりいたしまして、当然海岸の保全あるいは堤防の完備並びに治山治水等に対する砂防補強を怠っておった結果、五千名の人命をより多くなくし、なお被害を拡大せしめたと言えると思うのでございます。この実例は各所に現われております。特に先般来のわれわれ災害対策の予備審査、あるいはまた建設委員会等でいろいろと各大臣に質問いたしました中で、あらゆる事業を完備いたしたいと考えておるけれども、やはり予算の点で十分ではなかったということを認められております。従ってそういう観点から、政府は今次の風水害の被害に対しまして重大なる過失を犯していると思うのでありますが、これに対して総理はその責任を痛感しておるかどうか、この点ます一点お伺いいたしたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 先ほど来お答えを申し上げましたように、こういう惨害が起き、その体験にかんがみ、またその原因を検討してみますると、こうもしておいたらばこういうことがなかったであろう、あるいはこういう場合にこういう措置をとったならば、被害を最小限度にとどめ得たであろうというようなことがあることは、これは事実でございます。もちろん、今回の非常な大きな被害を受け、伊勢湾一帯においての長期の冠水の事実を生じておりますが、これらの関係におきまして、そういう被害を生じました、また破壊されましたところの堤防等の問題につきましては、あるいは過去のいろいろな統計やその他の何から見て、これだけの施設をしておけば絶対大丈夫であろうというような見通しも立ててやられたことであろうし、あるいはまた、それが十分にいっていないということがその後にわかって、これに対する補強工事を行なっていくと、ただそれがまだ完成していなかったというような、いろいろな事情が私はあると思うのであります。もちろん政府としては何としても、生じたところのあの尊い人命の失われたこと、あるいは非常に大きな被害が出ておるというこの事実そのものに対して、私は十分な反省をしてそうして将来に向かってこれらのことをさらに根本的に検討して、科学的にかつ総合的に対策を立てていく、そうして万全を期していくという決意をいたしておるわけでありまして、そういう被害を上じましたことに対しては、十分に私は反省もし、そういう意味において、政府の今後に処すべき方策については十分な一つ決意をもって当たっていきたい、かように考えます。

向井長年社会クラブ

○向井長年君 今岸総理は、今次災害に対する政府のあらゆる恒久的対策の不備もあったというように広められたと私は了解いたします。従って、今後これに対して十分予算をとりつつ対処していきたいと、こういうことで、責任を痛感されているように了解をするのであります。  しからば、政府はこの災害に対する罹災者の救済並びに被害地に対するところの復日、これについて努力されていることは私たちも認めます。しかしながら、予算の点におきまして万全を期しておるとは言えないと思います。特に今次の補正予算の中で、災害予算が三百四十四億計上し、なお五十億の予備費によって、政府はこれで十分この被害を復旧でき得ると、こういうように言われておりますけれども、これが被害の実態に即応したいわゆる予算計上であるかどうかということは、非常に疑問に私たちは思うのでございます。特にわがクラブは今次予算に対しましては賛成することができません。反対の態度をとって参りました。こういう立場から、この予算はいわゆる予算総額で押えて、そして災害の予算を見積っておる、こういうように私たちは解釈するのでございます。特に岸総理は、災害救済に対しましては万全を期すということを一般被害者に言っております。この万全を期するというところと、現在の予算、これとの矛盾を感じないかどうか。これは、もちろん大蔵大臣にも大きく関係あるわけでございまするが、今まだ査定中のところがほとんどでございまするが、こういう中において不足が生じて参ったときには、どういうようにして対処するか。再び補正を組むか、あるいはまた、これに対して何らかの別な方策を考えるか。この点が第一点の質問でございます。総理大臣に……。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 今度の台風の応急対策としては、とりあえず、当時ありました予備金でもって、これらの緊急施設をいたして対処して参ったのでございますが、さらに大幅なこの予算を補正予算として組んで、これを御審議を得、その補正予算の成立を見たのでありますが、もちろん、この対策につきましては、私ども今回の被害の状況、また、これに対する対策というものについての基本的な調査が十分にいっていなかった場所もあったのであります。何分にも緊急にこれに対する諸施策を講ずる必要があるという見地において補正予算が組まれたのでありまして、従って、補正予算としては、五十億のこの予備費によって充当するというふうな建前は、本来の予算の編成から申しますというと、非常に異例であろうと思うのであります。しかし、それも緊急であればやむを得ないという点から、かような措置をとったわけでございます。しかし、政府のこれに対する根本的の考え方は、災害が起こっておる、その災害を復旧しなきゃならないという、この事実をあくまで基礎に私どもが予算を立てて参ったわけでありまして、決して、今お言葉にもありましたように、何か予算の方で一つの総額をきめて、それに当てはめるような考え方で立てたのじゃないかという御質問でありますが、決してそうじゃございません。そんなことはこの災害予算の性質上すべきものじゃないと思う。ただ、今言ったような点においてまだ多少の幅があるということを、この補正予算には性格的に持たざるを得なかった。従って、私どもはもちろん政府としていろんな点を——推定も入っております。それからまた、過去のいろいろな経験に基づいて一つの見通しも立てて、われわれとしては十分これでやっていけるという一応の確信のもとに補正予算を出したわけであります。しかし、先ほど申したように、当時編成するときに、まだ未調査の地域もあったわけでありますから、そういうようなことが調査されて、私どもの過去の経験から間違いないという見通しや推定というものが、もしも実際上に合わないというような結果が出てくるならば、これに対して、われわれがこれをほうっておいていいというものじゃありませんから、どうしても善処することを考えていかなきゃならない。しかし、私どもが、いろんな点から相当な確信を持ってこの予算を出しておるのだということを、大蔵大臣も答弁出し上げておると思いますが、私もここに申し上げておきます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 関連。今、向井君の質問に対して、岸総理が、今後科学的な研究をして、いわゆる海岸堤防なんかもしっかりとして、再び災害を起こさないようにしなきゃならぬと、こういう意思を表明されましたが、徳川時代にできた堤防が、総理もヘリコプターの上から見られてよくわかっておると思うのでありますが、徳川時代の堤防が今度の伊勢湾台風では切れずに、科学的に研究して作ったはずのあの海岸堤防がずたずたに切れておる。こういう状態でこのたくさんの地域が冠水しておる状態なんです。そこで今、科学的科学的と言われるが、私は科学的にどう研究しても、やはりその地形と、それから特に先ほども質問の中にありましたように、地盤沈下による問題が十分検討されていなかった、そういう点が今度の大きな災害をもたらした原因ではないかと思うのであります。そういう点から考えると、ただ口だけで科学的に科学的にと言ったって、再びあの災害を繰り返さないとは、私は考えられない。この点、一体科学的に研究すると言われるが、科学的にどういうふうな研究をするか、その点を一つ総理からはっきりと意思表示をお願いしたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 今御指摘になりましたように、先ほど来また御指摘があったように、地盤が沈下するというふうな地域においてどういうふうな措置をすべきか。ただ、日本の海岸堤防は何メートルあり、どれだけの強度ならそれでいいんだというふうなことをわれわれはきめようというわけじゃありませんで、また、高潮の状況にいたしましても、そこの湾の地形等から見て、どういうふうな高潮になるというふうなこと、また、各地における特殊の事情というようなものを十分に科学的に研究して、そうしてこれに対する措置を考えるべきものである。ただ、いわば机の上で海岸堤防というものは何メートルあるべきものだというようなことを、学者に研究してもらって研究するという意味じゃございませんで、今御指摘になりましたようなあらゆる点を総合して、十分科学者やあるいは技術者等の知恵をしぼって結論を出してこれに対処しよう、こういうことであります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 ちょっと、今のは重大問題です。今、堤防の高さは科学的研究の中に入らないというようなお話がありましたが、私はこれは非常に重大な問題だと思う。この災生後に起こった政府の言動によりましても、いわゆる海岸堤防は二・五メートルかさ上げをして七・五メートル、一メートル当たり八十五万円、これが建設省の案です。ところが、大蔵省はこの案に対しまして、いわゆる六・五メートル、一メートル当たりの単価を二十何万円ですか、けずっておる。一体この科学的という——堤助の高さあたりはどこできめるか。今まで本来ならばこれは科学的な良心というものが優先しなければならぬのですけれども、この科学的良心というものが財政の理由によってひん曲げられる。こういうところに今度の災害が人災と言われるゆえんのものがある。私も鍋田の干拓堤防や、あるいは海部部の干拓堤防を見て参りましたが、今度の国会におきましてたびたび言われるように、外の方はなるほど石垣あるいはコンクリートでやってあるが、裏の方は全く砂である。たとえば鍋田干拓あたりは、あそこで現実に聞きますというと、一平方メートル当たり幾ら、こういう予算で縛られておるので、とても堤防までは、手が回らなかった、こういう話も聞いておる。でありますから、今総理がお答えになったように、堤防の高さあたりは云々と言われますけれども、これは非常に重大な問題だと思います。一体提防の高さは何によってきまるのか。財政の権威によってきまるのか、あるいは科学技術者が技術的に見て、当然必要な限度をもっておる、こういうことを基準としてきめるのか、一体どちらか。にこにこ笑っていないで、これは大切な問題です。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(村上勇君) ただいま総理は、堤防の高さをきめるのに科学的な云々ということを、私は申したように聞いておりませんが、堤防の高さはまだきまっておりません。(「どうしてきまらんのだ」と呼ぶ者あり)堤防の高さにつきましては、非常に慎重を要するのでありまして、建設、農林、運輸の三省で高潮対策協議会を設けまして各省から専門技術官が出まして、専門的に検討いたしております。そしてなお各省の検討したほかに、民間から学識経験者をも入れまして、それらによってあらゆる科学的な検討を加えて、そして初めて堤防の高さを決定いたしたいと思っております。大体ただいまの予定では、来月中旬までには堤防の高さ、あるいは強度、構造等が決定するものと思っております。

向井長年社会クラブ

○向井長年君 先ほど総理は、今回の予算は、過去の経験と推定の中から作ったものだ、まあこう言われておりますが、先ほどから言われますように、特に今回の災害に対しては、原形復旧にとどまることなく、改良を加えて復旧しなきゃならん、こういうことを認められておるわけでございますが、そうなりますと、今名地において道路にいたしましても、もちろん海岸堤防も当然でございますが、その他全般的についてどう改良するか、いわゆる地方公共団体がどういう形を作り上げるか、そのために各省はどうこれに対処するか、この問題についてはまだ未定だと思います。 おそらく全部きまっておるということは言えないと思うのですが、こういう点から考えて、先ほど言った予算の点につきましては、十分とは私たちは言えないと思います。従って、先ほど岸総理からは、一応これに対して不足であるならば、置きざりにできないから何とか対処しなきゃならん、こういうことを言っておられます。もちろんこれは大蔵大臣にする質問かと思いますが、不足を生じた場合においては、当然これに対する補正を組むということですね、こういうふうに考えられるものと思うのでございます。  なお、もう一つは、特にこの予算の中で激甚地のいわゆる予算が六割をとる、こういうことが考えられますが、まだ指定区域がきまらない中でこういうことが言われておったわけでございますが、指定区域のいわゆる基準の拡大によって、非常に圧縮されるような状態が各所に現われるのじゃないか、各府県において。特にこういう場合においては何と申しますか、貧困な府県においてはしわ寄せされるのじゃないかというような憂いがあるのでございますが、こういう点についてどうか、お伺いしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど総理からお答えいたしましたように、災害復旧の予算でございますから、今さらふやすとか、減らすというわけのものじゃない。現実にできている災害に対する復旧費用を捻出することが大蔵省の役目と、かように考えまして、自然増収も考えますし、さらにいろいろ御議論はございますが、各省の既配部分についての節約までもお願いいたしまして、所要の財源を計上いたしたわけであります。そこで今回の災害の復旧の全体の進行の問題でございますが、本年度並びに来年度の四、五、六というようなところまでの予算で、一応作付をなし得るように、また台風襲来前には、一応原形復旧程度にまでは工事が進むように、その意味の予算を計上いたしたわけでありまして、初年度の予算といたしましては、従来の災害復旧よりも進行度を相当高めております。で、これらの点から見まして、私どもは今回の予算で、初年度の事業量に対しては一応これでまかなえるのじゃないか、こういう考え方を持っております。  ただ、今つけ加えてお尋ねになりました被害激甚地の指定、これが最終的に私どもが決定いたしましたこの案によりますと、当初予算を編成いたしました際よりも、この特例法の適用区域は拡大されるということになると思います。大体工事量の六割程度というものは被害激甚地と当初予定いたしておりましたが、建設関係におきましては、五七、八%、また農林関係では七一%、こういうように範囲が拡大されております。そういう点が、それではまかなえるかどうかということでございますが、もともと今回の予算は全部の査定を終了したわけでございませんので、予備費五十億が取ってある。あるいはまた工事の進捗状況等を勘案して、必要ならば債務負担行為で工事も進行し得るようにしてあるとか、こういうような余分の分がとってございますから、私どもはまずこれでまかない得るのじゃないか。最近査定を終了いたしました災害の各地点等の金額等も、大体予想したような金頭が査定として最終的な決定を見つつあります。大体来月の中ば過ぎれば、査定も順調に進むだろう、かように考えます。その点から、初年度の工事量に対する予算としては、私どもは十分自信を持っておりますが、先ほど来総理からも申し上げておりますように、問題は、起きた災害に対する復旧費でございますし、その対策費でございますから、必要な事態に対して政府がこれに対処するのは当然だ、かように御了承いただきたいと思います。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 大蔵大臣に関連してお尋ねいたしたいのでありますが、昭和三十四年の一般会計予算のうちにおきまして、公共事業費が災害の復旧のために六十九億円削られたわけでありますが、これは私は措置としては緊急やむを得ないことだと思うのでありますが、しかしながら、各省にわたりまして六十九億円というの、相当緊急を要する事業が多いのであります。あるいは省によりましては、災害とほとんど同様視してやらなければならぬというような点もあると思うのでありますが、こういうような七十億円になんなんとするところの一般公共事業費を削られて、これが三十五年度の新予算の中にさらにこれを組まれるおつもりなのか。あるいはこれに対する特別な御考慮というものがあるのか。この点を一つ伺いたいつと思います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) この節約を出していただくにつきましては、各省と十分協議を遂げまして、そうして節約額をきめたつもりでございます。これにはいろいろの事情がございまして、災害地における工事は当然災害復旧の方と振りかわる、こういうようなものがあったり、あるいは工事の進行状況から見まして、繰り延べが可能といいますか、年度内になかなか完成しない、こういうような比較的工事進捗に支障を来たさないような工事費目から節約を計上いたしたわけでございます。しこうして、そういうわけで金額は各省の御了承を得て参ったのでございますが、本来の工事自身は結局繰り延べの形において処理していく、こういうような考え方でございます。

向井長年社会クラブ

○向井長年君 時間もございませんので、総理並びに大蔵大臣の質問はこれで終わりますが、次に建設大臣並びに農林大臣にあわせて質問をいたしたいと思います。ただいま、治山治水に対する恒久的な総合的な欠除というものが今次の災害をなお甚大ならしめたということは認められておる通りでございますが、今回の災害の、特に渓流砂防、あるいは山地砂防と申しますか、これの復旧に対する国の補助でございます。これにつきましては三分の二、それで足らざる場合は一応起債、こういうことになっておるようでございますが、なぜこれが九割の国庫負担ができないのか、この点お伺いします。その理由は、特に公共土木施設の災害復旧事業としまして、農地、林道の復旧については二十八災に準じて特別立法化されていると思うのでございます。従ってまあそういう形から高度な国庫負担がなされたとは思いますが、今申しました山地なり、あるいはまた渓流に対する砂防の復旧に対しましては三分の二ということになっておりますが、この点について九割の国庫補助をなぜやれないのか、この点をお伺いしたい。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) お答えいたします。昭和二十八年度の災害につきましては、九割補助をやったのです。今回はそれを三分の二といたしたことはお話の通りでございます。昭和二十八年度は九割をやりましたのでございますが、それは当年度だけなんです。すなわち災害年の事業について九割をやったのです。翌年度にもちろんわたるものが多いわけでありまして、ものによりましては翌々年度にわたるものがある。そういうようなものに対しましては、一切何もやらなかったのです。今回はそれじゃあとの方との権衡がとれないじゃないかということを検討いたしまして、それで初年度のみならず後年度の同一継続事業につきましても補助をする、ただし補助率は三分の二である。それから三分の二で、あとの残りの分につきましては、市町村に起債を認めるわけでございます。で、起債の認め方を九制認めるということにいたしまして、その認めました起債に対しましては、後年度にわたる分につきましても国において五七%の元利補給をする、こういうことにしたのです。それで、事業全体を通じて見ますと、二十八年度の九割補助主義、今回の三分の二補助主義、これを比べまして考えますと、前よりは全体として地方の負担は二割方安くなっている、かように御了承願います。

向井長年社会クラブ

○向井長年君 ちょっと農林大臣、そうすると、結局この点について、九割の国津補助よりも、現在の三分の二とそうして地方起債の元利補給ですね、こういうものを認めると、地方においては二十八災よりも下回らないという答弁でございますか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 下回らないどころか、前よりは今回の方が地方においては二割方負担の軽減になると、かように御了承願います。

向井長年社会クラブ

○向井長年君 上回っちゃうのですね。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) そうです。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(村上勇君) 建設省といたしましても、ただいま農林大臣のお答えした通りであります。主としてこの砂防につきましては、ただ砂防の崩壊した個所だけでなく、将来起こり得るであろうというようなところに手当をするのでありますから、私どもはこの三分の二、しかも当年だけでなく、これを三年間やるということになりますれば、この方が地元といたしましても得策であると思っております。

向井長年社会クラブ

○向井長年君 農林大臣に重ねてお伺いいたしますが、特に林業施設に対する、これはまあ建設にも関係があるかと思いますが、先般の特別法で、昭和三十四年八月及び九月の暴風雨による堆積土砂及び湛水の排除の特例法でございますが、政令で、林業施設でその区域の堆積土砂の量が一万メートル云々という政令が出ておりますが、これについて林業施設という問題について、森林組合の施設なんかは入るようでございますが、木材協同組合、——これは農林大臣ですね、木材協同組合といういわゆる業者の施設でございますが、これには先般の予備審査の中においては建設次官が入る、こういうお話があって、最後にこれは成瀬委員の質問に答えて入るという答弁がございましたが、調査した結果、入らないということで議事録は訂正されております。従って、なぜこれは入れないのか、また当然この協同組合の施設に対しても救済する必要があると思うのですが、なぜこれをできないのか。特に森林組合におきましては、もちろんこれは御承知のごとく山持ちの一つの組合でございますが、木材協同組合はこれは業者でございます。これの貯水場なんかが流失し、あるいは土砂堆積がある、これの復旧に対する補助ができないというように聞いておりますが、これはどういうわけでございますか。またこれをなぜ救済しないのか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 木材協同組合につきましても、森林組合同様助成をするつもりでございます。

向井長年社会クラブ

○向井長年君 入っていますか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 入れる考えでございます。補助をする考えでございます。

向井長年社会クラブ

○向井長年君 ちょっとそれを明確にして下さい。どこでですか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) さような予算の積算にあたりましても、さような考えを持っておりまするし、予算上さような措置をいたす考えでございます。

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 向井君の時間はちょうど終わりました。   —————————————

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 次に、森君どうぞ。

森八三一緑風会

○森八三一君 建設大臣に……。

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 森委員のに要求はございませんでしたが、ちょっと……。

森八三一緑風会

○森八三一君 包括的に総理にお伺いした方がいいかと思いますが、ゆうべからのお疲れの上に、食事も進んでおらぬということですから、後刻御出席の上で包括的に伺いますが、むしろ当局大臣にお伺いをした方がはっきりすると思いますが、この際農林、建設両大臣にお伺いをいたします。  非常に残念なことであり、遺憾なことでありまするが、終戦後だけを考えましても、冷害、水害、台風というように、相次いで毎年のように災害が襲来をいたしております。そのつどこれが対策のために救農国会とか、あるいは災害対策国会というような意味のもとに数次国会が召集せられまして、対策に取り組んで参りました。そのつど、ときの総理ももちろん、関係の大臣各位におきましても、再びこういうような災害を繰り返してはなりませんから万全を期する、その万全を期するという中には、当面の対策もありますれば、恒久的なものも含めて相当われわれの納得し得る、了解し得るような御所見の表明を承って参ったのであります。で、もしそういうように万全が期せられておったといたしますれば、今回のこの台風に際して巻き起こりましたような、空前ともいうべき災害は、相当に私は回避されておったのではないかと思うのであります。そこでお伺いいたしたいのは、お気持では万全を期するということで、一生懸命におやりを願ったことに対して、私とやかく申すものではございませんが、どこかにその万全でなかったという点があったのではないか、そこでどういうようなところに万全を期するつもりであったが、万全でなかったと思われる節が存在しておるとお考えでございましょうか。また、そうしてそういうような結果に相なった原因なり由来がどこに存在をしておるとお考えになるのか、その点を一つまずお伺いをいたしたい。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(村上勇君) 今次災害は、その予定しておる施設、それをはるかに凌駕する大台風でありましたので、そういう点においては私どもは遺憾ながらやむを得なかったのじゃないかと、かように思います。しかし、だたいま御指摘になりましたように、従来も常に万全を期すということを言いながら、ともかくその災害復旧が遅々として進んでいなかったという点につきましては、私どもこれを率直に認めざるを得ない点もあるのであります。御承知のように、昭和二十八年のあの異常な大災害の復旧は約六年ばかりかかりまして、ようやく本年をもってこれが一切終了することに相なっておるのであります。ところが昭和三十年に三・五・二の災害復旧率というものが法定されまして、その率によって災害復旧をやっておりまするいわゆる三十二年の災じからこちら、三十年、三十一年、三十二年の災害の復旧は、これは法の命ずるままに三・五・二の復旧率によって進捗いたしております。従いまして、今回の大災害につきましても、これは三・五・二の比率によって災害復旧を行なうことにいたしておりますので、私どもは改良を含めて将来かようなことのないように、十分抜本的な措置を講じて、その復旧をいたしたいと、かように思っておりますので、従来と違う面のあるということを御了承願いたいと存じます。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 災害の対策につきましては、私の所管する治山の関係につきましても、重大な問題があると思うのです。山は戦争によって非常に荒れております。昭和初期と今日とを比べてみますると、まあ非常な荒れ方でございまして、何とかして昔のような安定した状態に復元をいたしたいと、かように考えておるわけでございます。やはり戦後の十四年間、国の財政、さような方面からもなかなか力がそこに及び得なかったというような状況でございまするが、今日国家の経済も復興いたして参りまして、財政も力がついてきております。いよいよ思いを新たにして、来年からさような目標に向かって実現に努力したいと、かように考えておる次第でございます。

森八三一緑風会

○森八三一君 私の質問に対して農林大臣は率直に、考えたけれども、財政等の関係から制約があって思い通りにいかなかったという点に欠陥を発見しておるというお話で、私もその点は十分了解いたします。建設大臣は、そういうような御趣旨ではなくて、とうてい人知で考え得る程度のものではなかったのだ、万全は期したけれども、それ以上のものが来たから今回の災害をもたらしたのだと言うて、全く天災であるということに割り切っていらっしゃいますが、それでよろしゅうございますか。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(村上勇君) 私の申しましたのは、災害復旧が、昭和二十八年のああいう大災害の復旧事業がともかく今日のような三・五・二で、三年間で復旧していなかったということを取り上げたのでありますが、しかし今回の伊勢湾の災害の状態を見ますと、あの地点も二十八年の災害からずっと検討してみますと、もう少しかさ上げをする必要がある、もう少し施設を完備する必要があるというので、その施設の施行中であったのであります。その施行中に今回のような異常の大台風によりまして、かような被害が起きたものだ、私はかように思っております。ただ何も計画をしないで、あぶないが、ほうっておったというものでないのでありまして、あの個所につきましては、これも十分改良事業を行なっておるやさきでありましたので、私はこれを天災とか、あるいは何災というようなことに区別して申し上げたのではないのであります。ただ、ただいまの御質問に対して、どういうふうであったかと申しますと、現状をありのままにお答えいたしたのであります。

森八三一緑風会

○森八三一君 昭和二十八年の災害を例にとってお話がありましたが、昭和二十八年の災害で、復旧工事の途中ではなくて、建設省としては完成をしたというように申されておる地点が、今回の災害で再び被災をいたしておるのであります。現地に参りまして、いろいろ関係者に話を承りますると、その復旧工事については、技術的に考えて、かくかくの工事をすべきであるという主張をし、ある地点はその通りに行なっておるが、ある地点になりますると、もう予算がないということで、完全な修復がなされずに完成をしたということに相なっておる。それが今回の災害に際して、その部分が被災をこらむって非常な災害をもたらしております。ですから、今お話のように途中のものではなくて、完成をしたということになっておる地点がやられておるという事実を建設大臣はどうお考えでございましょうか。それでも、なおかつ自然のカには勝てなかったということだけであって、今までの工事に何らの反省をすべき部分はないというようにお考えでございましょうか。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(村上勇君) 二十八年の災害で完全に復旧をしておるところは、私どもの検討したところではやられていないと思います。ただ災害助成で施業中のものがやられておる、かように思っております。

森八三一緑風会

○森八三一君 大臣のところに報告がなければお調べをいただきたいのですが、私は現地をつぶさに回りまして、二十八災に被災を受けたところが完成をした。それが相当の被災をこうむっておる。しかし現地の方なり、あるいは関係の技術者がかくかくに修復をすべきであるというように技術的に判定をした通りに行なわれておる部分は、その連続地点においても被災をこうむっておらぬという事実がございますので、その点はよく御調査をいただきたいと思います。  次に、農林大臣にお伺いをいたしますが、過日の本会議において、私は新しい日本の農林水産のような、零細規模経営のものを近代的な経営に直していきますと言われておるように、農業と非農業との所得のだんだん格差が開いていくということを一歩でも改善をしていくように努力をしなければならない。そのためには個々ばらばらの経営ではいかぬので、どうしても今後の方向としては、共同の経営の方向に持っていかなければならないということを申し上げた。大臣もそのことについては全く同感だということで、例として今回の災害に際してとられました漁船の復旧について、漁業協同組合等に共同の施設をやらせるということで、政府も思いをそこにいたしてやっていくという方向は、全く同感だというような御説明がありました。私もそういうような御説明から、おそらく他の方面にもそういうような施策が強く出てくるものと期待をいたしておりましたが、漁船の問題たけは具体的にいたされておりますが、その他の部分については、具体的な施策というものをやるという状況には参っておりません。このことは、昭和三十五年度予算においてそのことを強くお取り上げになり、予算的な措置を含めておやりになるというようなことで、まだ案が固まっておらぬということでございますのか、もうこの程度で方向としては是認をするが、具体的には取り上げるものがないというようにお考えになっておるのか、その辺の御所見はいかがでございますか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 森委員の先般の本会議におけるお話を承りまして、私も全く同感であると、かように申し上げたのでございますが、それでその方向をこの災害復旧にあたりましても打ち出していきたいというふうに、私これは災害復旧にあたっての重要な考え方として打ち出しておるわけであります。その一つの現われといたしまして、漁船に対しましてさような考え方を徹する、かように申し上げたわけでございまするが、その他につきましても、まあ大きな復旧事業になりますると、市町村が行なうものにいたしましても国がこれに助成をし、また国の指示で、指導で行なうものが非常に多いわけでございます。さような指導方針といたしまして共同化の考え方を出していく、かようなことで具体的な現われ方としては、その出し方はいろいろ変わってきますが、相当広範囲にその考え方が出てくる、かように御了願承いたいのです。  なお、今回の災害の復旧にあたりましては、予算上も約三億円の金を計上をいたしておる次第でございます。それは部落復旧補助という金でございます。ある部落が大半流されたというようなものにつきましては、一般の事業単位の補助と異なりまして、その部落に対して補助をする、その部落に対して復旧資金を補助するという場合におきましては、あるいは共同作業場を作りますとか、あるいは共同の飼育場を作りますとか、あるいは農機具の共同購入を助成しますとか、さような共同化の考え方というものを全面的に出していきたい、かように考えておる次第でございます。

森八三一緑風会

○森八三一君 今、総理のお食事中に建設大臣と農林大臣にお伺いをいたしました。それは今まで巻き起こった災害に際しまして、私どもは政府と一緒になって復旧に努力をして参りました。そのつど、当時の総理、関係大臣はいずれも万全を尽くして今後再びこういうような災厄をくり返さないようにいたしましょうという誠意ある所信を披瀝され、われわれもそれに信頼をしてきたのであります。もしその通りにいっておったとすれば、今度のような災害に際しまして、これほど大きな被害というものをこらむらんで済んだのじゃないか、一生懸命に万全を尽くすつもりでおやりになったことについては、私はとやかく申しませんが、そこには尽くすつもりであったにいたしましても、何らか欠けた点があったのではないか、この際反省してみる必要がある。そこでどんな点に欠ける点があったのでございましょうか。そうしてまた、それはどういうところに起因をしておるとお考えでございましょうかというような趣旨のお尋ねをいたしました。それに対しまして、農林大臣からは率直に、山の問題を例にせられまして、やろうとは思った。戦争中に切り払われて全く文字通り荒廃をしており、早くこれをやらなければならぬと思ったけれども、やはりそれは財布の方には限界があるので、思えども財政との関係でできなかったということでありました。私もまさにそうであろうと思います。そこで総理にお伺いいたしたいのですが、今度の災害というこの苦い経験をこうむった上に、また気持の上だけでは万全を期するとこら申しましても、財政とのにらみ合わせをもちろんこれは無視するわけには参りませんが、そっちの方が優先をしてくると、結局また災害というものは避け得ないという結論になってしまう。こう思うのでありますが、そこで財政のことも考えなければならぬことはわからぬわけじゃありませんけれども、今回の被災地域の復旧はもちろんです。多少でもその心配をされる地点、特に私は大阪とか東京なんかの大工業地帯を持っておりまする地点なんかにつきまして、今のままにほうっておきますれば、もし今回のような台風がその地点に襲来したとすれば、あるいは今回以上の被災を実現したのではないかと、しろうとながらに考えるのであります。そういう愚かを繰り返してはならぬと思いますので、そういう点について思い切ったことをやらなければいかぬのじゃないか、ところが一方財政の制約があるので、どう一体これを処理されるのか、むずかしい問題ではありますが、総理の気持を一つ伺っておきたい。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 今回の被害地に行って被害の惨たんたる状況を見ますというと、先ほどもお答え申し上げたように、いろいろこれを反省し、検討してみまするというと、こうもしておいたらよかった、あるいはこらいち措置が講ぜられておったら、これだけの被害は最小限度にとどめられただろうというような点を、いろいろわれわれ反省して考えております。そこで必要なことは、今後これに対して再びそれを繰り返さないという点を考えて、そうすると災害復旧という何につきまして、ただ単に原形復旧ということだけじゃいけない、どうしても関連事業をやり、あるいは改良復旧もしなければならぬという問題が当然必要なところには考えなければならぬということが一つと、それからさらに年々こういうことが繰り返されたり、そうしてこれを総許するというと、一年に数千億という損害が毎年繰り返される、こういうことを考えてみると、日本全体の国土の保全ということを頭に置いて、一つの治山、治水、防潮ということを総合的に考えた根本政策を立てなければならぬ、これは先ほどもお話がありましたように、二十八年災のあったときにも、そういうことが痛感されて、当時計画が立てられたものがございます。ところがそれはまだ計画であって 一部はそれは実現されておるけれども、全体としては計画倒れになっておるのじゃないか。今回のわれわれのこの災害に対してで反省し、考えておることは、この過去のそういうことを繰り返してはならぬ、一つ計画として十分に根本的に検討した総合的な計画を立てよう、これにはただ計画だけじゃいけないので、それを裏づける財政の見通し、裏づけというものがなければならぬ。またこれを実行していく上における制度と申しますか、建前の問題も考えていかなければならぬ。いろいろ治山、治水等の問題につきましても、すでに森さんも御承知のように、治山の点は農林省でやり、治水の点は建設省でやる、しかし一つの河川は治山と治水というものは不可分であることは、また有機的な関係を持っておることは当然でありまして、そういうことを考えてみるというと、従来も十分連絡はしておりますけれども、あるいはこれは緊急度というような点について、両省においてあるいは意見が必ずしも一致していない。治水の点からいうと、この川が非常に緊急である、治山の方からいうと、こちらであるというようなために、ちぐはぐになっている点も皆無ではないというようなことを考えますと、建前の上からもこれを考えていかなければならぬ、こういう点を実は苦心をいたしておるのでございます。今お話の通り、国全体の財政というものをもちろん無視してこれだけをやるということはできないことは、これは言うを待ちませんけれども、しかしそのときの財政の都合で、いろいろとこれが計画は立てられておっても、動いていくのであるというようなことになりますと、つい惨害が遠のきますというと、自然その方に力を用いることが薄くなるというようなことがあってはならぬと思うのであります。そういうことを考えてみまするというと、計画として一つ出す、どうしてもこれをやっていく上においては、ある種の長期の財政等の見通し等と関連して一つの長期的な計画にするほかはない。そうすると緊急度といいますか、今御指摘になりましたように、東京湾であるとか、大阪湾であるとかいうような、現実に相当に施設はされておりますけれども、まだ非常に不備である、今度の名古屋の経験から見るというと、あれと同様な台風が来たならば、この両地域においてどうなるかというようなことを考えてみて、こういう点については、とにかく急いでやらなければいかぬという緊急度も考えて、また財政の点も先ほどからお話がありますように、その年一年こっきりでなしに、ある程度の長期の見通しを立てて、この長期の計画を裏づけるに必要な財政的措置というものをしないというと、私は計画倒れになるおそれがあると思う。そういうことを来年度の三十五年度の予算編成にあたりましては、一つぜひ考えて、そうして治山、治水、防潮、国土保全という見地からの計画と、またこれを実行することについて必ずやれるというような、その見通しを立て財政的裏づけや、あるいは建前の問題等について制度やあるいは法制というようなものを一つ整備して御検討を願うということに、私は通常国会ではぜひするという決意でおるわけでございます。

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 時間になりました。

森八三一緑風会

○森八三一君 抽象的なお話としては、私はよく了解いたします。いたしますが、新局は機構の問題など、これは人間が考えれば考えられるのですから、それはできます。また計画も、りっぱな施策をお持ちですから、これもできると思います。最後は、佐藤さんは今うんうんとうなづいていらっしゃいますが、財政だと思うのです。長期にわたって財政計画を立てるとおっしゃいますけれども、一方では、税はこれ以上増すわけにいかぬ。やらなければならぬ国家的な、今の一兆四千億の予算でやっておる仕事は、そんなに簡単に打ち切れる仕事はそう簡単に見つからない。そうして一方には計画が立ててあって、やらなければならない緊急度の高いものはたくさん存在している。どうしてもそろばん勘定が合わないのです。だれが考えたって総理は口先でうまく長期計画を立てるとおっしゃっても、立たぬのではないかという感じを持つのですが、その穴埋めをどうお考えになるか。一兆四千億の予算で、節約できるものがうんとあるとおっしゃるならばお示し願いたい。私はないと思うのです。そうたくさんはない。といって、増税をするということは考えられない。やらなければならない緊急度の高いものはずっと計画上出てきてしまう。今まではその立てたものが財政の圧迫によって、まあまあと一年送り一年送りに来ておったから問題はなかったのですけれども、今後はこれはやらぬということになると、解決しなければならぬ。そこにどうしても食い違いの面が起きてくる。それをただ口先だけで何とかつじつまを合わせましょうということではならぬので、具体的に、一体何をお考えになっているでしょうかということを私は聞きたい。何を一体お考えになっているか。これは大蔵大臣がお答えになるかもしれませんが、総理の率直なお気持ちを聞く方がむしろいいかと思うのですが、どうでしょうか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) これは申すまでもなく、われわれからいえば、日本の経済全体の立場を考えてみると、何といっても健全財政はこれを堅持しなければならない。これにインフレの危険やそれからいろいろな不安が出てくるということになるというと、これは大へんなことで、あくまでもこれを堅持しなければならない。ここにむずかしさがあるわけです。お話の通りごくラクに考えれば、なに、金が足りなければこれだけの国なんだから、公債発行して一つやったらいいじゃないかというような議論もございます。新聞等にも出ている。しかし健全財政ということはあくまでも私は堅持していくということが、全体の経済が安定しておって、そうしてその上に発展していくということが、国民全体の何といったって基礎的ななにでありますから、それは災害を受けた部分を考えますというと、これに対する非常な、われわれとしては考えますけれども、国全体として考えると、健全財政ということはあくまでも保持しなければならぬ、そこで一体そういう立場をとりながら、この治山、治水に対して、それではどれだけの金を一般会計なり国庫収入から出し得るかという問題を考えるという、これが、この方から出すということが一番正当な考え方であります。しかし何といっても私どもが今検討しておりますのは、治山、治水あるいは国土保全の計画の内容、またそれの緊急度によって非常な大きなものが要るということを一応想像しますけれども、予算であるとかいろいろな順序を考えてみて、どれだけのものが要るというはっきりした数字をつかんで、それの財源だけはどうしても何らかの方法でもってこれを捻出するという考え、しかも健全財政をこわさないという基礎の上に立ってそれはまあやってみようというのが今の考えでございまして非常にむずかしい点もあることはあります。しかし私は必ず計画倒れ——従来のように財政上の何でもってできないということでこの問題を等閑に付するというようなことには絶対にさせないように、一つこれから予算編成まであらゆる知恵をしぼってみようと思っております。大蔵大臣にもそのことを申しており、関係閣僚におきましても検討をいたしておるわけでありますが、今どの方法でその財源をどうするのであるかという結論までは、まだ得ておりません、率直に申し上げまして。しかし、私は今申し上げた気持はただ健全財政を主張するがゆえに、その健全財政を主張する以上は、財源がないんだから仕方がないということでこれを押し上げることは絶対にしないつもりでおります。

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 森君、時間が経過いたしました。

森八三一緑風会

○森八三一君 大蔵大臣一つ釈明を、名案を一つ聞かせて下さい。

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 御答弁ありますか。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 今総理から詳しい基本的な方針を説明いたしました。私今当面しておる経済情勢の認識いかんということ、これが一つの非常に大きな問題でございます。そういう意味で公債がもう絶対にいかぬ、こういう議論はなかなか成り立たないだろうと思います。ただ公債と取り組むその時点が非常に実は問題だ、かように私どもは考えております。そこで、先ほどもちょっと申したように長期の財政計画は立てかねますが、ある程度の見通しというものは立ち得るのじゃないか。ことに所得の倍増計画もそれぞれ検討を進めておりますが、そういうことになりますと、これは所定の計画通りいくとか、あるいはそれに近い線で成長していく、こういう場合に税収入その他の見つもり、これは比較的容易だと思います。そこで財源確保の問題もこれをいわゆる治山治水や長期計画、こういう点にもある程度の弾力性を持たすべきものではないか、かように考えて参りますと、ただいまの治山治水計画をいかに策定するか、そしてさらに財政の相当長期にわたる見通しを立て、いかにこれを実現していくか、こういうことを結びつけることは可能ではないか、かように実は考えておる次第でございます。この公債だとか、あるいは特別財源が新聞等でいろいろ云々されておりますが、先ほどお話になりますように、増税の困難なことは私どもも非常に承知をいたしておりますし、また一面インフレ的な要因になるようなものはまた避けなければならないことはこれは当然であります。しかしながら、経済そのものが非常に落ち着いているときならいろいろの議論も立つだろうと思います。しかし今当面している今日の経済情勢、これはそら楽観をできる状況ではないというのが実は私の見方でございます。まあそういう意味からこの健全性を確保していく、そういう上において、いろいろ苦心をしている。さらに長期計画実現の場合にやはり相当長期にわたる財政の見通しを立て、そしてそれを消化していく、こういうことを工夫すべきではないか、かように実は考えております。

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 森君、時間が経過いたしました。   —————————————

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) では、栗山君。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 建設、農林……。

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) ちょっと食事をしておりますが、すぐ出席してもらいます。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 議事進行。私全部関連している質問なものですから、各大臣まことに恐縮ですけれども、至急にそろっていただきたい。

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 至急手配をいたします。……そろいましたから御発言を願います。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 今次災害、三十四年度の災害におきまして、公共災害の被害額と個人災害の被害額とはどれほどになっておりまするか。まず伺いたいと思います。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(村上勇君) お答えいたします。  公共土木の災害が千三百五十億でございます。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(池田勇人君) 商工業関係の災害は伊勢湾台風によりますものが八百八十億でございます。そしてガス、電気等公益事業の災害が約四十億、その程度でございます。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 私は今のように答弁を願うというと、ここで全部そろばんを入れなければならないことになるのですが、内閣全体として、総計どういうことになっているのですか、締めてどうなっているか、こういう工合に御答弁を願いたい。

石原周夫大蔵省主計局長

○政府委員(石原周夫君) 先般、内閣から昭和三十四年災害による被害状況調べというのを御提出申し上げたと思います。これは栗山委員がお尋ねになりますような金額に換算をいたしておらないものでございますからその点は御了承いただきたいと思うのでございますが、建物の被害におきまして、全壊が三万九千五百六十二棟、半壊が十一万六千六百八棟、以下流失、埋没、床下浸水、床上浸水でございますが、これにつきましておのおの単価を掛けますと、栗山委員お尋ねの数字になると思うのであります。内閣としては、まだそこまでの取りまとめをいたしておりませんので、なまの被害戸数の数字でございます。今お尋ねのような意味におきまする数字は、今の戸数であります。棟数であります。  公共土木施設、農林水産施設以下につきましては、公共土木施設は、先ほど建設大臣がお答えになり、農林水産施設が七百八十六億、これは金額でございます。農作物の被害が六百六十二億、文教施設の被害が六十三億、交通通信の施設関係の被害が百五十億。  以上が大体この間御報告申し上げました数字でございます。実数だけのものでございます。その点、御了承願いたいと思います。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 総理大臣に伺いますが、総理大臣たる重責にあられる方は、本年度の災害で公共災害の被害がどれだけあったか、国民が受けた個人災害の被害がどれだけあったかぐらいは念頭に入れておくべきじゃないか。私はこの資料を出していただくことが私の質問を展開する基礎になりますから、取りまとめた金額でお願いしたいと思います。

石原周夫大蔵省主計局長

○政府委員(石原周夫君) お答え申し上げます。  先ほど申し上げましたように、公安委員会からの建物被土の報告は棟数になっておりますので、それの金額当たりにつきまして、なお計数が出ておりませんのですが、それ以外の公共施設並びに農作物及び一般商工業被害を合わせましたものを報告申し上げます。公共土木施設、農業関係の施設、文教の施設、それに交通、通信の施設、それを合わせますと二千四百七十九億という数字になります。それに対しまして、農作物被害と商工業被害を合わせますと千六百八十六億という数字になっております。これ以外に建物被害がありますが、それは先ほど実数としまして公安委員会からの報告を申し上げました。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 個人災害、個人の持っております私有財産の受けた被害は入っておりますか。

石原周夫大蔵省主計局長

○政府委員(石原周夫君) 中小企業あるいは商工業の関係におきましては、商品の関係の被害が当然入っておると思います。ただ、個人用の建物の中におきまする家具、什器等につきましては、公安委員会の方の数字もないようでございますから、ちょっとその数字はわかりかねるかと思います。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 総理に伺いますが、国民の立場に立って誠意を持って災害の復旧対策をきめようと思いまする場合には、今私がお尋ねをいたしておりまするところの基本的な数字というものを政府がつかまれるということが絶対に必要ではありませんか。その点をちょっとお考えを伺いたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 個人の被害、これはまあ災害について国民がこうむる被害というものは、もちろん政治の対象として重要な問題であることは言うを待ちませんけれども、これはなかなか調査もむずかしい。公共土木費やその他の共同施設であるとか、あるいは被害商工業等、まとまっている場合における評価とか、損害とかというものは、割合推定いたしましても一部は推定されることでありましょう、つかみ得ますけれども、個人のものになりますというと、なかなか調査が行き届かない、また実際の数字をつかむことはむずかしいのじゃないか、こう思います。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 ただいまお示しいただきました数字に対応して、財政支出並びに財政融資をせられた額の内訳をお願いしたいと思います。

石原周夫大蔵省主計局長

○政府委員(石原周夫君) 今回の補正予算で提出をいたしておりまする災害関係の費用は、三百四十三億七千四百万という数字に相なっております。これ以外に、予備費八十億のうちにおきまして五十億が災害対策関係に予定をせられておりますから、それを合わせますと、三百九十四億という数字に相なっております。これが今回の補正におきましてとりました措置でございます。  なお財政投融資につきましては、これからちょっと今計数を寄せました上で御報告申し上げます。でき次第すぐ御報告申し上げます。——財政投融資におきまして今回御説明の際申し上げておりまする金額は、合計いたしまして五百一億に相なっておりますが、このうち年末融資分百億ございますから、それを差し引きまして四百億という数字が財政投融資関係に相なっております。  それから、なおつけ加えて申し上げまするが、先ほど申し上げましたのは、今回の補正予算におきまする災害関係の費用でございまして、これ以外に、既定の予備費をもって支出をいたしましたのが四十一億、それをつけ加えて財政支出本来の方でやっております。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 私、持ち時間が、こういうことでお尋ねすると、なくなってしまいますから、委員長の方でよく事情を御了承願いたい。  今の三百九十四億は、公共関係と個人関係とどういうことになりますかというのが私のお尋ねなんです。

石原周夫大蔵省主計局長

○政府委員(石原周夫君) 先ほども申し上げました三百九十四億のうち、個人関係ということで分類をいたしますときに、大体農地の関係と、災害救助の関係が一番大きいわけです。その二つだけについて申し上げますると、災害救助の関係が二十四億四千三百万円、農地が七億二千百万円、これに対しまして農地の方は予備費の方に約一割程度のリザーブを見込む予定でございます。大体農地の方は八億と考えていただいたらよろしいと思います。なお、こまかいものにつきまして個人関係のものがございますが、金額的にはその二つのものが大きいものと思います。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 大蔵大臣にちょっとお尋ねいたしますが、私が今お尋ねしているのは、私もある程度計算して持っているのですよ。個人関係が今度財政支出になっている総額は九十三億ばかりあります。それは利子補給とかそういうものを全部入れてですよ。今のああいう答弁ではでたらめですよ、二十四億幾ら、七億とかというのは。私は今の答弁では満足いたしません。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまの数字、もら少し精細に調べないと、ちょっとお答えができません。今の特例法の関係、その他もございますから、いずれ調べた上でお答えをしたいと思います。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 私のお尋ねしているのは、今年度の補正予算に出されている分を主計局長は御答弁になっておりますが、最初に公共で二千四百八十五億、個人で千六百八十六億、これ、まだ相当抜けておりますよ。個人の私有財産のものは公安関係のものはないとおっしゃいましたから、締めて四千百七十一億円です。それについて、この被害額について、ことしも来年も再来年も出てくるでしょう。その長期にわたって国が財政支出をすべき金額は幾らなのか、国が財政投融資をしなければならぬ金額は幾らなのですか、これをお尋ねしているのです。そうしてあと内訳がことし幾ら、来年は幾らということになってくる、それをお尋ねしようと思っているのですが、ピントがちょっと合っておらぬのです。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 今のでお尋ねの趣旨、よくわかりますが、御承知のように、今回の予算編成は非常に急いでおりますし、しばしば申し上げましたように、査定を全部終了しておるわけではございません。また伊勢湾台風の措置等、堤防の規模、強度等につきましても、なお検討を要するものが残っております。従いまして、次年度、あるいは第三年度、また一部はおそらく四年度のものが残るでございましょうが、そういうものの見当は、ただいままだつけかねる部分があるだろうと思います。しかし、大体の気持で申しますと、今回の予算編成にあたりましては、重要な公共事業については三、五、二のこの三ヵ年で復旧する、同時に相当の改良工事も見込む、こういうことで初年度の計画を立てております。そうしてこの重要工事以外のものにつきましては、これは大体四ヵ年で復旧工事が完成するとして、その予算を計上いたしておるわけであります。そこで、この初年度に計上いたしておりますものは、しばしば申し上げましたが、本年度とまた来年度の四、五、六、この三ヵ月くらいで使われる予算と合わせてみまして、農地については大体来年の作付に間に合うように、さらにまた河川あるいは海岸堤防等につきましては台風襲来時期前に原形復旧にしようと、こういうことを一応の目途として今回の予算は組んでおる。従いまして、全額の問題あるいは割り振りの問題、これはなお今後の問題として検討を要するものが残っております。この点を御了承いただきたいと思います。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 私は、新聞に発表された政府の治水五ヵ年計画、改定五ヵ年計画なるものの中に数字がずっと上がっております。ですから、それらの数字はいかなる根拠のもとに出されたか、それを尋ねていきたいと思って今質問を始めたところが、今のように全然数字はつかんでおられないのじゃないですか。にもかかわらず、こういう数字が出てくるということは、これは実行不可能なはったり数字かもしれません、その点は、私そら極言した場合に、もし反論ざれるならば、それを私の目の前に数字を出してもらいたい。これは何の根拠でこういうものが出たか。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 新聞に出ておるとおっしゃる数字がどういう数字か、私はちょっとわかりかねますが、先ほども申し上げましたように治山、治水五ヵ年計画、これと同時に海岸堤防の防潮、高潮対策の費用というものはいかにするかということを、企画庁を中心にしてただいま取りまとめ中でございます。まだその金額はまとまってはおらないというのが現状でございます。あるいはどういう記事が出ておりますか、おそらく各省で要求している記事ではないかと思いますが……。この新聞に出ておりますのは、ここにちゃんとはっきり断わっておりますように、建設省では云々という書き出しが出ておりますが、この三千五百億という治山、治水計画、これがさらにその後増額を要求しておる、こういう一つの計画の数字になっております。こういうものを企画庁を中心にいたしまして十分検討するというのが、先ほど来の私が申し上げておる点でございます。この数字自身が全然ない数字ではございませんが、まだ企画庁を中心にしての金額までに上がっておらない現状でございます。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 とにかく私は国民の側に立って申しますならば、こういう新聞発表がどんどん出されて、もら災害は大丈夫だと、こういう印象を与えながら、中を一つ伺ってみるというと、きわめてずさんなもので、はっきりした総ワクの数字すらつかまれていないということが明らかになりましたが、こういうことでは、私は国民は安心しておれないと思います。緊急にこういう数字を整えて御提出を願いたい。  時間がなくなりますから次に移りますが、総理は、先ほど田中君の質問に答えられて、台風の評価いかんということについて、いい面もある、悪い面もあるとおっしゃいましたが、これは招かざる客ではないという意味でございましょうか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 日本の国土から見まして、日本の資源、産業の上から見まして、何千年にわたって台風が雨を伴って参っておりまして、これが国土に対するいろいろな貢献をしているという面があるのだ、しかしながら一面において、その来たったときに必ず風害やあるいは水害、風水件というような面において、国土に対し、また国民に対して惨害を与えておるという部分もありますし、われわれから言えば、台風が日本の国土に対してもたらしている利益というものは、これは十分に利用していき、できるだけその与えるところの惨害を少なくするように努力し、あるいは施策することが必要であろう、こういう意味で申し上げたのであります。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 私がなぜこんな愚問のようなことをお尋ね申し上げるかといいますと、必要という言葉が最近よく使われますが、台風というものは日本にとって必要悪であると、そういう意味の理解をするかしないかによって、非常に災害対策というものが私は変わってくると思いますので、それでお尋ねをしておるわけです。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 今お答え申し上げましたように、台風が日本の国土に与え、あるいは日本の国民に与えておる被害というその害悪を、できるだけわれわれは科学的な研究や、あるいは総合的な施策によりまして、これをできるだけ最小限度にとどめるようにしていこうというのが私どもの風水害対策の根本の考え方でございます。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 質問に真正面に答えていただきたいのですが、台風というものは、たとえば、あなたが中共がお嫌いのように、あるいは安保条約を作ることに一生懸命になっておられて、外敵の侵入を懸念されるような、そんなたぐいのものではないということです。来ても何がしかの恵みを持って来るから、全然否定すべきものではない、こういうお考えですか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) ちょっと、あるいは私のお答えが御質問にぴったりしないのかとも存じますし、私も栗山君の御質問がのみ込めないところがあるのかと思いますが、とにかく台風というものが日本国土に与えておる——一面においては非常な惨害を与えておるが、一面においてはこれが全然来ないというようなことになるというと、一体日本の電力の水源の意味から申しましても、あるいは農作物の点から言ったって、非常に困るのではないかと思うのです。従って、台風そのものがもう何といいますか、悪だというふうには、私は実は考えていないのです。そういうことでございます。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 そこで第一の方の本論に入りますが、今までもそらでございましたが、今度の場合は特に個人災害が非常に多いのです。数も多いし、金額も多い。ですから個人災害に対して、もう少し徹底した政府の援助をすべきだと思いますが、私がこのただいま出ておりまする予算を全部分類いたしますと、三百四十億ばかりのうちで、公共関係の財政支出になっておりますのが二百五十億、それから個人災害に対してが九十三億、比率から申しますと個人災害に対するものは二八%しかない。これではあまりに少な過ぎはしないか。社会党は特別に社会党提案の法案をもちまして被害者に対するところの援護措置を講ぜられたいということを要求いたしましたが、これはこういう工合に数字が少ない。あなたがおっしゃるように台風というものは絶対にいかぬものだ、しかもこれが日本に来るからやむを得ないということであれば、不可抗力だ、メイファーズだという思想も出てくるでありましょうが、台風に来られないというと日本も若干困るのだ、そういう意味であれば、台風を受けて被害が発生すれば、公共施設はもちろんのこと、個人被害についても何か思いやりのある措置を、今までよりももっと大幅にすべきではないか。私はそういうお考えを伺いたいために長々と今までやってきたわけであります。この点に対して、総理及び大蔵大臣、その他各大臣のお考えを伺いたい。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) もちろんこの災害対策としましては、国として当然やらなければならぬ。公共施設というような、国民が広く利用し、共同的にその利益を受けているような、道路の問題であるとか、その他そういう公共的なものは、これは国が国の力でやるべきものである。国と地方公共団体が一緒になってやる。そこで、個々の人々がこうむるところの損害についてどうするか、私は今までの例の考え方からいうと、これは個人の人々が受けた被害というものを、もちろんその瞬間的な状態において衣食住が困る、生活ができないというようなことをほうっておくべきものでないことは、これは言うを待ちません。いわゆる災害救助に関してこれが十分であるか十分でないかということは、これは大いに検討しなければならぬけれども、もちろんこれもやらなければならぬ。さらに個人が立ち上がって、そうして自分の生活を作っていくといち問題につきましては、一応これをいろいろな状態なり、あるいは個人の状態によって取り扱いが違うという問題がありましょうが、あるいは中小企業のごときは、できるだけこれは金融の措置において、一般の金融じゃなしに、そういう場合において有利な条件のもとに金融していく、補助で金を渡し切ってしまうということでなしに、そういうことによって立ち上がってもらい、また立ち上がることができるものであろうという見込みのもとでやる。あるいは農地等においてはそら簡単にいかないというものについては、これは補助を一部与えていかなければならない。農林水産業等においてもそちいうことを、また個人の住宅とか、一般市民の、そういう農業とか商工業とかいうことでなしに、一般の勤労者やなんかの問題になるというと、住宅の点においては、あるいは住宅の公庫であるとか、あるいは住宅に関する国家の施設を利用せしめてその便益を与えるというような方法によって立ち上がってもらう。こういうふうな、いろいろな事態に即応するように考えておるわけです。ただ、これを一般的に、あるいはそういう損害を受けた人に対して一人当たり幾ら幾らの補助金を出して立ち上がり資金を出そう、あるいは見舞金を出そら、あるいは災害に対する補償をしようというふうな考え方は、私どもまだ直ちにそこまではいけないのではないか。あるいは必要なものについては災害によって生ずるところの損害を一つの保険的な施設によって、利用によってやらしめるというふうなことも、農業等についてはすでにありますが、これをさらに拡張すべきものは拡張していく、こういうふうにわれわれ一般的には考えております。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま総理から詳しい総理の考え方をお答えいたしましたが、この災害に対する各種の対策、これを経過的とでも申しますか、歴史的とでも申しますか、非常に古いところは別といたしまして、いわゆる近代国家になってからの災害対策の扱い方をずっと見て参りますと、それぞれ災害対策も徹底して参ってきておる。これだけは見のがせない事実であろうと思います。ただいま御指摘になります個人の財産等につきましても、いわゆる保護政策をとっておりますような観点から、農業災害というものについては特別な処置をとっておる。あるいは従来は金融の面においても特になかったものが、金利なり、あるいは金額、あるいは貸付条件等を緩和していく、こういう方法もとっております。しかし、大体の考え方から申しますと、台風による災害だとか、あるいは火災による災害だとか、あるいは地震による災害だとか、こういう原因をあまり区別しないで、一面各種社会保障制度の内容を充実していく、こういうことでそれぞれの対策を立てていく、実はこういうふうに考えております。従いまして、今のその時点においてどの程度が可能か、こういうことになりますと、ただいま総理がお答えしたような点に尽きるのでございます。これは実に経過的な問題なり、また社会保障制度の現状等をもって考えて参りますと、なお不十分な点はあるが、今日の財政状態ではこの程度だというふうに私はなっておるように考えます。これは政治の方向として、過去の災害対策を通観して見るとそういうようなものだと、かように考えます。

渡邊良夫自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡邊良夫君) 公的機関につきましては公衆衛生施設、あるいはまた医療施設につきましては、当然国が補助をしております。しかしこのたびの災害におきましては、私的医療機関に対しまするところの金融措置、あるいはまた私的養護施設等に対するところの国の補助というものが、このたび決定を見ておるわけでございます。その他、私的といいますか、いわゆる地方におきまする農協関係の病院等の施設に対しましても融資並びに起債のワク等におきまして予算的な措置を講じておるような次第でございます。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 先ほど総理がちょっとお触れになりましたが、わが国は災害国でありますので、従って火災、生命の保険制度はございますが、こういう災害に対する保険制度というものは、今のところないわけであります。従って、国民の大きな連帯責任というか、連帯保証のもとに、家財を全部なくしてしまったというような人が救われるような、そういう広義の保険制度というものを、政府の力、指導によって作るべきではないかと私は考えるのでありますが、そういう点についての考えはございますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 私は実は考え方としては、こういうものに対してただ国家が一人当たり幾らの見舞金を出すというようなことでなしに、何か保険制度、共済的な制度でもって何かできないかということを、私は構想的には考えております。しかし、これは御承知の通りなかなか保険のなにについてはいろいろな統計的な基礎をもって考えないというと、ただ思いつきでやるわけには参りませんから、なお検討して参りたいと、今度のことにつきまして特にそういうことを私も関心を寄せております。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 この問題、この程度で終わりたいと思いますが、最後に総理のお考えをまとめてお聞きをしておきたいと思います。とにかく災害があるたびに公共施設が受ける被害もきることながら、災害によって個人が被害を出し、そうして非常に悲惨な目にあっておることが非常に多いわけであります。これに対して、今まで政府がとってきた施策というものは個人対象にしてはきわめて不十分である。これを将来何とかしなければならぬと、こういう考えでおられるかどうかということですね。この点についての所信を伺っておきたい。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 御指摘のように災害において個人の個々に受ける被害、損害というものは非常に大きな額のものでございます。しかもそれはなかなか数字的に今申すようにつかみにくい。大ざっぱに言ってあるいは公共的な数字のはっきりつかめるものの二倍あるんだとか、三倍あるんだとかいうような議論もございます。とにかく相当にその被害が大きいことと、それによって個人があるいは生活の基礎を失い、非常に悲惨な状態にあるという事態も、私どももこれをそのまま放置しておいていいとは実は思いません。ただ、それらに対してはいろいろな近代国家としての社会保障制度もございましょうし、あるいはその他一時的の救助のなにもありましょうし、金融の方法もありますけれども、何か現に農業の災害について、ああした共済制度もあり得る。これもさらに農業の上において、米だけでなしにこれを果樹その他のものにも拡げる必要があるかどうかというようなものも研究しなければならぬと思います。そういう意味において、これはぜひ考えていかなければならない。このまま放置しておいていいとは私は考えておりません。十分一つ検討して考えてみたいと思います。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 次に、私は主として大蔵、建設、農林、運輸と自治庁等に関係することでありますが、一つお尋ねをしたいと思います。それはいよいよ予算も通り、法律も可決になりますというと、復旧工事に着手されていくわけでありますが、ここで非常に、私は過去の経験からして二つの疑問を持っております。その一つは、改良復旧をする場合に、その改良復旧なるものが、はたして将来再び被害をこうむることのないような、そういう基礎に十分耐え得る設計なり施工状態になっておるかどうかということが一つ。  それから第二番目といたしましては、その工事をやるのに、今までは本省、各省、自治庁、地方、県、市町村、いろいろばらばらにやっております。そういうふうに区々ばらばらにやったことによって、はたして完璧を期し得るかどうか、との二つの問題について非常な疑問を持っております。  これは時間がありませんからこまかい例は申し上げませんが、具体的な例が今の二つの点については随所に疑問が出ておるわけです。そこで端的に私はお尋ねをいたしますが、まず重要な地点に対する防潮堤であるとかあるいは防波堤であるとか河川堤防であるとか、そういうようなものの復興工事の構造上のスタンダードであるとか施工方法であるとか、こういうものを、やはり内閣として、政府一本で特別な機関を置いてこれを策定をして、そしてそれによって進めるべきでないか。それに用いられる資料というものは、権威ある気象台の資料がありましょう、そういうものを使ってやるべきである、今までのような態度では許されないということが第一点。  それから第二点は、工事をいたしまする場合には少なくとも本省直轄にすべきである、もう重要地域におけるところの一連の海岸なり河川がありまするものについては、台風はここは建設省だから、ここは運輸省だから、ここは農林省だからというので区分けをして来るわけではありませんから、従って一括してこれをやるべきである。その場合に起きるのは地方庁と本省の関係、本音、各省の関係があります。これを思い切って、重要地点については一元的に政府が全責任を持てる形においておやりになる意思があるかどうか、この点をお尋ねしておきたいと思います。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(村上勇君) ただいま御指摘になりましたような、たとえば海岸堤防というような非常に重要な、しかもとうてい一省だけで勝手に計画を立てましてもどうも不安である場合、こういう場合には、関係各省がそれぞれ協議会を作って、そして緊密な連絡のもとに工事の規模等をきめていく必要があろうと思います。また施工に当たりましては、それぞれ管理者がきまっておりまするので、それらが責任をもってその作業を行なうということになるのが適当と思います。  なお地方の自治体等におきまして、そういう重要な海岸堤防等を管理していく場合には、これはその重要度によりましては、本省で、委託されて施工するということが適当であろうと思います。たとえば今回の伊勢湾等の海岸堤防につきましては、一応本年度はこれを建設省が委託を受けて、委託として施工いたします。そうして来年度からは直轄工事として直轄に切りかえて施工するというようになっておりますので、かような重要度の高い所につきましては、十分政府が責任を持ってやることが最も望ましいことと思っております。

楢橋渡自由民主党運輸大臣

○国務大臣(楢橋渡君) 栗山委員のおっしゃいますことはもっともでありまして、私今回の伊勢湾台風等を見まして、あの災害を見ますると、やはり海岸の堤防である干拓、つまり農林省のやっておる干拓及びあそこに木曽川その他の多くの河川がありますが、これはことに建設省、私の方の港湾、こういうものはやはり総合的に高潮その他に対して強固な一つの態勢をとって、その災害を防止するものをしなければ、たとえば干拓の方の一角から破れまして一帯が全部やられてしまうというようなことが、今回苦い経験を見たのでありますから、閣内においてもそういう議論もありまして、総合的に災害を一本でやる一つ方法はないかというような議論も出ましたが、現在のところ、私はやはりそういう過去の経験に基づきまして、できるだけ各省の緊密な連絡をとって、農林省及び建設省、私の方と、それぞれの在来の関係等もありますので、この苦い経験を契機といたしまして、総合的にやはりお互いに技術その他あらゆる面で協力してこれを防止するということにやりたいと、こういうふうに思うのであります。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石原幹市郎君) 栗山委員のお話、私も同感でございまして、これは事業の重要さといいますか、大小、こういうことで若干の相違はあると思いまするけれども、重要度の強い所については、今お話のありましたように政府が指導して、事業も直轄的にやるということは、私は全く同感であります。ことに今回の中部の災害については、仮締め切りすらなかなか県の独自の力でこれはできないので、総合的に今度はやったわけであります。それから名古屋港について、港湾地域の中の庄内川の堤防が、これは運輸省の堤防ですら——運輸省の締め切りだということで非常に錯雑しておるということは、私ども身をもって体験しておりまするので、これはやはり総括的に、総合的にやらなければならぬということをつくづく痛感しております。  先ほど御指名がなかったので別に答弁しませんでしたけれども、個人災害について、いろいろ地方団体としても災害救助法による救助はもちろんでありまするが、いろいろ見舞金を出すというような場合には、特別交付税等であと若干それを見ていく、あるいは税金減免措置等もやっております。それから融資については、中小企業その他にあるあるいは天災融資法によっての利子を若干負担しておるというような問題もありまするし、また農地の小災害については、これは今度の立法にも出ておりまするように、十万以下三万くらいまでのものに特別の起債を認めて、その元利償還についてほとんど国が責任を持って見る、こういうふうないろいろな措置を講ぜられておるということを、私の方からもつけ加えておきたいと思います。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ただいま建設大臣からお答えがあった通りに考えておりますが、特に栗山さんからのお話で、各省を、重要地点については機構も一元的にしてやったらどうかと、こういうような話でございます。今政府の機構といたしまして、あなたがお話しになるような仕組みといたしましては、北海道でやっているのです。北海道開発庁ですね。これは各省のものを一元化いたしまして、予算的にもこれを統合いたしましてやっております。将来の方向として、国の重要地点につきましては、私は、さような考え方をとり入れていくべきではあるまいかというような感じをいたしております。私個人の考えでございますが、なお御意見の点もありますので、十分遺憾なきょうに努めたいと、かように考えております。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 これもまた最後に総理に締めくくりの所信を伺っておきますが、各大臣からのお話では、特定重要地帯についての一元的な施工ということは御異議がないようでありますから、これをいかに組織として推進をしていくかということが残された問題ではないかと思います。少なくとも、すでに復旧工事に入るわけでありますから、早急に内閣に工事の計画、設計、工事法、こういうようなものに対するところの統一された見解を集約するための機関、それから第二に、工事のでき上がりの場合における立会監察のできるような、各省の立場をはるかに越えて、国として監察のできるような、一段高度の機関、そういうものをぜひとも私は作るべきではないか。こういう工合に考えるのでありますが、そういうことについて御用意、御検討をいただけるかどうか。これを伺いたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 今回の伊勢湾台風における海岸堤防につきましては、先ほど建設大臣がお答えしたように、建設省、運輸省、農林省の専門の人の連絡協議会を作りまして、これによって海岸堤防の高さであるとか強度であるとか、施行方法等について十分協議をしていく。そうしてその結論に基づいて予算を編成して実行していく。こういうふうにいたすようにいたしております。  なお、一般的に今後やはり国十の保全の面から重要な地域についての問題につきましては、それを少し恒久化したような制度についての今お話でございましたが、そういう点は一つ検討してみたいと思います。  それからなお、これが監査のなにについては、各省を超越して考える必要があるというお話でありますが、これは今の行政管理庁の制度を十分に活用することによって、御趣旨のようなことを達し得ると私は思いますから、なおその点をあわせて考えていきたい。(栗山良夫君「専門家を入れなければだめだ」と述ぶ)なおそういう点についても、強化していく点について検討していきたいと思います。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 関連してお伺いしたい。  ただいまは栗山君が工事施行に関する総合的な御質疑でありましたが、私はかねがね考えておるのでありますけれども、災害救助法が発動される、こういうような場合においては、自動的に災害非常態勢というものに移行するということも考えてしかるべきではないかと思うのです。つまり、今度の災害におきましても、あるいは自治体相互間において、あるいはまた各省の相互間において、あるいはまたそれぞれの分担相互間において、必ずしも連絡その他がうまくいってない。こういうことで災害地においては非常に貴重なロスが出たと思う。従って、最近自衛隊の方で、尾西作戦とか長島作戦、こういう用語はあまり気にいらぬけれども、災害というものは毎年やってくるのですから、その場合に自動的に災害非常時態勢に移行して、系統的に組織的に、民主的にそういう組織を作って、自動的に非常時態勢にして、有効な措置がとれる、こういうことも考えなければならぬと思いますけれども、総理にこの点、御所見をお伺いしたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 今次の伊勢湾台風につきましても、今御指摘のような点を考えまして、実は現地に中部日本災害対策本部というものを作って、中央から関係の責任者を出しまして、関係地方庁やあるいはその他のあらゆる面と十分な連絡をし、また緊急に措置することを目的として、ああいう本部を作ったわけであります。一体、災害が年々発生することを考えてみて、今日あるいろいろな法制、制度がわかれわかれになっておって、十分に緊急な措置がややともするとおくれるような点もあるということを考えまして、何か災害基本法というような——そういうような場合においてすぐ発動する機構ができて、その支配下にすべての関係のものが入って緊急な措置ができるというような、基本的なものを作っておく必要があるのではないかというようなことも、実は私ども今回の体験によって感じておるわけでありまして、こういうことも今検討いたしております。そうして何といってもああいう場合に必要なことは、急に応じてすぐ措置されるということと、それから何といっても関係するところが広いものでありますが、それが一つの命令系統のもとに、きちっと動いていくというような、非常事態に即応する非常態勢というものがすぐ作られないといけないと思うのです。そういうことについての一つ基本的な法制を考えようじゃないかといって検討をいたしておるのでございます。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 次に第三点として、私は首相と防衛庁の長官にお尋ねをいたしたいと思います。  今次の災害にあたりまして、自衛隊が出動せられ、しかも非常に身を挺しての活動に対しましては、地元民から深い感謝をされている。しかし私は、感謝と仕事の成果とは別である、また、努力と成果とは別であると思います。そこで、あれほどまで自衛隊の諸君が一生懸命やってくれたのにかかわらず、防衛庁の指導よろしきを得ないために、成果としてはより以上に上げ得らるべきものが上げ得られないで済んでしまったのではないかということを心配しております。それはどういうことかと申しますと、自衛隊は自衛隊法によって、災害出の規定を持っておりますけれども、その規定はきわめて消極的な規定であります。私は災害出動につきましては、もら少し積極性を持った規定を作り、条文にし、そうして常時災害出動に対する具体的な訓練というものを、自衛隊においてすべきではないか。私はきのうは加藤防衛局長に来ていただきまして、いろいろ委員会でお尋ねをいたしましたが、そういう訓練はしていないようであります。従って、災害忠勤に対して、地震もあれば火事もあれば、こういう河川の堤防の決壊もありましょうし、高潮もありましょう。いろいろなことを想定いたしまして、特科であろうが、普通科であろうが、全自衛隊として災害出動の訓練をする、資材の準備をする、そういうことが必要ではないかと思いますが、この点について総理並びに長官の御意見を伺っておきます。  それから特に自衛隊法は第百条におきまして、これは政令がどういうことになっておるのか、私はよく勉強しておりませんが、土木工事等の委託というのがございまして、土木工事を委託して、自衛隊員が訓練のために施行することができる。おそらくこれは今までおやりになったことはないだろうと思いますが、そういうときに、災害対策ということを中心にして、一つの訓練要綱をお作りになっておやりになる  ことが必要ではないか。そういう御用意があられるかどうか、これを伺いたい。

赤城宗徳自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(赤城宗徳君) お話のように、災害出動に関する規定はあるのでありますが、何か軽く取り扱われているような傾向があったと思います。しかし、私どもはことしの災害もそうでありますが、そういうような災害に際しまして、これは十二分に活用したい、私は法律の改正というよりも、やはりこの運用よろしきを得ることがやっぱり政治の要諦だと、こういうように考えております。で、今おっしゃる通り今度の災害につきましても、通信とかその他本来の仕事そのままが災害に活用できます。それから施設部隊、これもそのまま災害に活用できます。それから今お話がありました百条の建設部隊の問題であります。これは訓練の目的のためには各方面から要請を受けて出ております。たとえば隧道、道路、河川、堤防、これも非常に効果を上げております。そういうことでありますので、私はこれは十二分に活用していきたい。今お話のように、やはりたとえば東京地方に災害があった場合にはどうするか、大阪地方に災害があった場合にはどういうふうに出動するか、日ごろ災害に対する訓練——災害に対してはどの部隊とどの部隊が出るという構想をあらかじめ作って、訓練もし、資材も用意し、そうして災害に十二分に役立つように事業の面でやっていきたい、こういうように常に私どもその準備をさしていく、命令を出しておるような次第であります。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 その場合に、きのら加藤防衛局長と話をして、防衛局長も納得をされたのでありますが、いわゆる訓練はしていないからこれからするということであります。しかし、普通科ですら土をすくうシャベルぐらい持っているから仕事ができるとおっしゃいますが、それは論外といたしまして、少なくとも堤防の締め切り工事、海岸堤防の締め切り工事というようなむずかしい仕事は、これは我流ではできないのであります。図面をもらって幾ら頭数を揃えたってできないのであります。機材もさることながら、やはり専門的な知識を必要とする。そういう意味で自衛隊は建設省、農林省あるいは運輸省と常時こういうものについて連絡協議会を持って、技術の研さんをせられる必要がある。こういう工事に対する訓練をせられる必要がある、こういうことを私お尋ねをいたしました。今日まではできていないそうであります。そういうことをおやりになる用意があるかどうか。社会党は自衛隊を国土建設隊に切りかえるべしと、こういうことを言っておりますが、おそらく自民党岸内閣においては、そういう御用意はないと思いますが、少なくとも国民の要請にこたえて災害出動をいたし、災害を迅速に、しかも最小限の被害にとどめるために手当をするということは、国民の望んでおるところでございましょうから、そういうところに自衛隊の性格を若干前進せしめて、この機会に措置をするということが私は必要であるとふらのであります。この点は長官それから最後に総理から、しっかりしたところをお聞かせ願いたいと思います。

赤城宗徳自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(赤城宗徳君) お話のように、各省とも連絡はとっております。建設省とはすでに災害時にどういうふうに出動するかということについての約束というか、取りかわしをしております。しかし今お話のように、実際に共同訓練というようなことはやっておりません。やっておりませんけれども、私の方で言いますならば、前に話がありました戦争前の工兵塚のようなものがあります。これは工兵隊と同じような形で堤防とか橋梁の架設、こういうこともやっております。でありますので、私の方でそういうそれぞれの訓練はいたしておりますが、なお多少ほかの省との関係におきまして連絡をとるべきものはとって、災害出動によって人命の保護、財産の保護、その後の災害復旧等に十分協力するような方向に施策を進めていきたい。こういうふうに考えております。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) ただいま防衛庁長官がお答えをしたところで尽きているかと思いますが、とにかくこの日本には年々風水害があり、その他の災害もあることでありますので、自衛隊法におきましても、自衛隊の任務の一つとして、そういう場合に出動して人命を救助したり、あるいはさらに財産を保護するというような任務を遂行すべきことが明定されております。従って、私はやはり平素において、先ほど防衛庁長官がお答えをしたように、そういう自衛隊の任務があるわけでありますから、その任務を直ちに果たすに必要な訓練を常時しておく必要がある。その訓練をする上において、いろいろな関係省との連絡を十分とることももちろん、それからもら一つは、やっぱり平素からそういう場合の出動計画というものをはっきりやはりきめておいて、その計画に基づいて時を失しないように出動できるようにする必要がある、この点につきましても防衛庁長官がお答えをした通りでございます。十分にその運漕の面においてそれぞれの任務を果たすようにやりたい、かように思います。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 それから第四点になりますが、これは災害を受けました場合には、それを教訓にしてすぐ施策をしなければならぬということはしばしば言われている通りであります。御異存はないと思いますが、先ほどもわが党の田中君から、資源調査会がちゃんと水害の地域図を作っているのに、こういう水害が起きたではないかということを言われました。またことしの八月に名古屋管区行政監察局長は、愛知県下の水防の実態とその問題点という報告書を出している。その報告書の中には、水防の計画には十分人命救助策が明らかにされておらず、また警察官及び消防機関との連絡調整も十分でない、こういう批判がなされている。にもかかわらず、これに対して適切な施策がなかったために多数の人命を失った、こういう工合にわれわれは理解するわけでありまして、要は、役所が少し災害になれすぎてしまって、緊張感が足りないのじゃないか、合持っておる行政組織、今持っている調査機関の結論、そういうものを十分に活用すれば、それだけでも随所において災害が未然に防ぎ得る態勢があるのではないか、現行法規においてそれが十分に運営ができていないのじゃないか、こういう疑問を持つのであります。この点について関係閣僚は自己反省をせられる余地はないか。私は実はここで御披露いたしますと、あなた方はお読みになったかと思いますが、これは朝日新聞の十一月二十五日と二十六日であります。「自然災害から国土を守れ」というので、これだけたくさん書いてあります。これを克明に読みましたら、もしこれを国民が読んでこの通り信用いたしますならば、政府は何をやっているかという批判を受ける。それほどまでに現地の事情が至れり尽くせりにこまかく書いてあって、一々ごもっともである、そういうことについて、政府としては少し足りなかった点があるのじゃないかということについて、御反省の余地はないかどうか、この点をお伺いいたします。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(村上勇君) 専門的な設計にあたりましては、ただいまと、先ほど田中委員の御指摘になったようなデルタ地帯とかいろいろなことはよくわかっておるのでありますが、これを非常にだれにでもわかりよく、いわゆるそういう災害の際に避難等をスムーズにどこまで避難すればよいということを示すための拡大された地図が完備していないということは御指摘の通りであります。しかし、これは先ほども田中委員も御指摘になりましたように、非常に大きな予算を必要とすると思いますので、私ども特別な地域に対する最も危険だと思うような所につきましては、予算なんかかまわないで、一つ今後十分検討して、その責めを負いたい、かように思っております。

田中一日本社会党

○田中一君 関連。今、村上建設大臣は、金がかかるからということを言っておりますけれども、佐藤大蔵大臣は、われわれの委員会へ出まして、できたものは幾らでも金をかけて復旧いたしますと、こういう説明をしているのです。先ほど岸総理も、少なくとも今度は恒久対策を立てて予防をやるのだということもおっしゃっておる、従って今のような予防に対する施策というものがあるならば、これはもう当然、ことにまあ五千名の人命を失うことはなかったということです。従って、これは大蔵大臣に伺うのですが、やりたいけれども金がないということを村上建設大臣は言っているけれども、大蔵大臣は、必要な金は出すのだという言明をここでできるならしてほしいと思うのです。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。この財政的な制約があること、これはおそらく田中委員も御承知を願えるだろうと思います。ただ、私ども非常に残念に思いますのは、今回の伊勢湾台風におきまして、さきの二十八年災、この復旧工事が実は少しおくれていた、計画そのものが。だから海岸の補助事業分については、三十五年に完成するようなことになっていた。もしこれがもっと早目に完成していたら、あるいは被害を減少さすことができたのじゃないか、こういう点は、実は私どもも感じておる次第でございます。ことに二十八年災の災害復旧工事が非常におくれておって、これがいろいろ各方面からも批判され、そういう関係から、この三十八年災の災害復旧の経験にかんがみまして、いわゆる三、五、二の、重要工事についての三ヵ年復旧という原則を樹立した、これが樹立されましてから、また同時に、原形復旧にとどまらず、改良工事もあわせ行なう、こういうことにいたしましてからは、比較的復旧工事などは順調に進んでおる、かように私考えております。今回の伊勢湾台風において、十五号台風が非常な異例な大きな強い台風であったということが、災害を大きくしたゆえんでもあろうと思いますが、ただいま申し上げますように、使い方の面におきまして少し計画自身がおくれていたという点は、今後私ども考えなければならないと思います。ところで、予算にやはり最終的には制約を受けますので、よく緊要度なり緊急度なり、これを十分検討して、そういう意味においては、この点で所要なものをまかなっていくということを最小限度でもしていかなければならぬのではないか、かように実は考えておる次第でございます。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 栗山委員御指摘のような要素が必ずしもないとは言えないと思いまして、われわれも今後大いに反省して万全の措置を講じなければならぬと思っております。特に今回多数の人命を失いましたことは、これはわれわれも非常に考えなければならぬことでありまして、こういう遺憾なことがないようにしなければならぬと思います。今度の経験に徴しまして一番考えさせられますことは、現地の方々が油断をしておったということが一つあると思います。なぜそういうことになったかというと、今まで台風がそこへ来なかったということもございますが、高潮とか、台風に対する知識が足りなかったということが一つあると思います。また、そういう知識を注入するという努力が関係方面になかったということもあると思います。具体的な。ポイントとしましては、もしあのときに、高潮警報が出たのが午前十一時でありますが、しかし現に高潮が来たのは夜の七時ごろです。時間がかなりあったわけです。そこで、もしあのとき伊勢湾地方には四メートルないし六メートルの高潮がくる、従ってこういう数準十報を伴った警報が出れば、堤防が五メートルであれば、一メートル・オーバーすれば、黙っていてもみんな逃げ出したろうと思います。その数値予報ができなかった、そこに一つの問題点があるように私は思うんです。人命の損害というものはわれわれの努力で防げると思います。その数量予報ができなかったというのは、測候所の人手の不足あるいは機械の設備が足りなかったとか、あるいは潮の高さをはかる検潮所の設備がまだ不十分であったとか、いろいろな要素があります。今後大阪湾、名古屋あるいは東京湾につきましても、あるいは有明湾につきましても同じようなケースが予想されますので、そういう点につきましては万全を期して参りたいと思います。数値予報をすることが非常に重大であると思いますので、私はこの点につきましても関係方面と連絡をとりたいと思いますし、また、今まで測候所に人はありましたが、どうしてもちょっと足りないようです。そこで何時何分ごろにはどの程度の風が吹くとか、どの程度の雨量になるというようなことを、地元のラジオとか、あるいは地方団体に知らせて、水防訓練をするなり、地元の人たちにその心がまえを持っていただくような防災気象官というようなものも必要だと思います。そういうような人員の増強もある程度重要な地点にはやっていただいて、「民一体になって台風に備えるという態勢を作るべきだと思いまして、この点についても努力をいたしたいと思います。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 関連して。防災関係についてお尋ねしたいんでありますけれども、ただいまの長官のお話はまことにけっこうだと思う。それから今までの警報は大体気象警報だけであって災害警報はなかったわけなんですが、この災害警報もあわせて出すようなことを考慮しなければならぬと思う。それについては、これは気象庁だけではいけませんので、やはり建設省なり、あるいは運輸省なり、あるいは農林、警察関係等が一体なって災害警報というものを発しなければならぬ、こう考えるんですが、今の中曽根発言に関連をして、この点について岸総理大臣のお考えをお尋ねしたい。  それからもう一点は、気象関係につきましては、本日冒頭に運輸大臣がうっかり気象のことを忘れて報告なさったように、災害が起こるというと、その当初は気象関係に非常に関心を持った発言なり、いろいろな現象が起こって参りますけれども、日にちがたちますと、気象関係ははとんど忘れられてしまう。その原因としましては、私はたとえば災害関係は……。

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 関連質問はなるべく簡単に願います。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 各地から陳情が参りますけれども、気象関係の陳情がほとんどない、そういうところから気象関係につきましては非常に関心が薄くなるのではないか。そこで、簡単しというお話がございますので、簡単に一点だけお伺いしたいと思いますけれども、十一月の十日の閣議におきまして、中曽根長官が、日本には災害を直接観測するために飛行機がぜひとも必要である、こういうふうな発言をされております。その通りだと思います。日本で自主的にやっているのは南方の定点観測だけだと思います。そこで米軍の飛行機十二機をもって観測しておりますけれども、B29の改造型であって、非常に古い、こういうものではとうてい役に立たぬわけですけれども、これに関連いたしまして、赤城防衛庁長官は、自衛隊では戦闘機の整備に手一ぱいだから気象関係の方に手を回すのはもったいない、こういうような発言もおありであったように思います。これは非常に重大だと思います。岸総理大臣も飛行機を買うことには賛成だというような御意見があったように開いております。そこで、在日米軍軍事顧問団を通じて、気象観測用の飛行機の譲渡についての交渉をするという一応の御意向もあったようでありますけれども、赤城防衛庁長官の方では、今申しましたような理由で乗り気でない、こういうような御意見があるようであります。私はこの際、やはり台風はその進路と速度、強度を間違いなく国民に伝える、こういうような観点から、ぜひとも日本で自主的に直接観測のできる飛行機を持つのが当然だと思います。今アメリカ軍で持っている飛行機で十分だと長官はおっしゃっておりますけれども、十分ではありません。あれはアメリカの軍事目的のために、軍事上の必要のために観測するのでありまして、日本の要請によって随時随所に観測機が飛んでいくということはないのであります。ですから、この際やはりロッキードもお買いになるのでありますから、その機数を少しぐらい節約してもらって、この際十二機ぐらいの観測機をお買いになっても、あまりばちは当たらぬと思いますが、この点について一つ総理大臣のお考えをお伺いしたいと思います。二点であります。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 第一の点は、ただ単に気象予報だけでなしに、その上に災害のおそれのある場合の災害通報をするようなことを考えなければならぬ、確かにそうだと思います。それは先ほど中曽根長官がお答え申し上げましたことも、そういう特別のなにを置きたい、こういう今の人員、あるいは設備等においては不十分でございますから、そういうものをぜひ完備していきたいと、そのように思っております。  第二の気象観測の飛行機を持つ必要があるという点に関しましては、私も同感でございます。ただ、これをどういうように整備していくかということにつきましては、私の承知しているところでは、今米軍が南方に二個所の基地を持って、もう一つは横田に基地を持って、この三つの基地から所要の飛行機が出ていって、そうして気象の観測をしている、台風の進路等のなには、それによって気象台の方へ連絡をされ、気象台の方において一般に通報しておる、そのように聞いております。これは従来米軍が持っておりましたレーダー施設等を日本に漸次引き継いできておりますが、同様にこの向こうの気象観測機の日本への引き継ぎということをまずアメリカの方と交渉してみたらどうだと、ぜひそれを実現するようにということを申しまして、今防衛庁とアメリカの方との交渉、話をするということになっております。これと別個に、防衛庁の方で今日すぐ持つということを直ちにきめることが適当であるかどうか、私は今なおアメリカとの交渉がそれがうまくいけばこれを引き継いでいき、またその飛行機を改良する必要があるならば改良していくというようにしていったらいいんじゃないかと、まずその方の結果に待って、さらに二段的に考えてみたいと、こう思っております。

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 栗山君、残余の時間がおすかでありまするから、御注意願います。    〔大倉精一君発言の許可を求む〕

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 大倉君の質疑は、もう尽きているんじゃないですか。(大倉精一君「ちょっとです。」と述ぶ)じゃきわめて簡単に願います。自粛の申し合わせをいたしておりまするから、そのつもりで。委員長は理事と、の打ち合わせに従って注意をしておるのですから。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 はい、わかりました。自粛して申し上げますが、今の防衛庁がアメリカ軍と交渉をしておるというのは、聞くところによりまするというと、防衛援助の形式によって交渉をしておるということを聞いておりますが、その真偽についてお聞かせ願いたいと思います。

赤城宗徳自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(赤城宗徳君) 気象観測機は、援助は全然含んでおらないものです。軍事援助関係とは全然関係ないです。これはこちらへ引き継ぎができるかどうかということで、目下話はこうまで入れております。見通しとしては、今すぐというのは非常にむずかしいというような見通しでございます。(大倉精一君「防衛援助の方は」と述ぶ)防衛援助は全然ない。(大倉精一君「そういう形でないんですか」と述ぶ)防衛援助は全然含んでおらない、こういうことです、向こうの話は。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 私は簡単に中曽根長官の発言に関してお尋ねをしたいのでありますが、行政管理庁長官が見えておりませんから、逆に自治庁長官にお尋ねをいたすのでありますが、この伊勢湾の大体一カ月前に名古屋行政管理局から、この伊勢湾台風の大体一ヵ月前でありますが、河川の問題に関し、あるいは水防団の問題に対し、あるいは自衛隊の出動等の問題に対し、まあこれは伊勢湾台風自体をむろん予想したわけじゃございませんが、大台風を予想して名古屋行政管理局から非常な警告的な通県を発したように聞いておるのでありますが、自治庁といたしましては、これをいかに各府県に通達をせられたか、また、これに対してどういう御解釈をしておられたか、その点を伺いたい。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石原幹市郎君) お答えいたします。素直に申し上げまして、私も中部日本災害対策本部ができ、現地へ参りましてから、行政管理局長からまあこういう調査をし、こういう資料を出しているんだというようなことを私も承ったわけでありましてあの報告書を受けた愛知県その他でも検討をしておったと思うのでありまするけれども、あれに基づいて特別に演習をしたとか、訓練をしたという話は聞いていなかったのでありまして、まあ今後ああいうものはやはり十分参考にしてやっていかなければならぬということを、私もまあ反省すべき一つの材料として痛感しているような次第であります。(「関連」と呼ぶ者あり)

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 栗山君の御発言を願います。(田中一君「関連して一点だけ」と述ぶ)田中君は理事ですから、あなたはよく御存じの通りです。(田中一君「自粛しますが、きわめて聞き捨てならぬ言葉があるからお尋ねいたします」と述ぶ)では簡単にお願いいたします。

田中一日本社会党

○田中一君 今、中曽根長官は、地元の方々が安心しておった、油断しておったというようなことをおっしゃっておる。むろん多くの中には油断しておった者もあるかもしれませんが、水防では、はっきりと気象庁長官は必ず状況報告をしなければならぬと、義務づけられているのです、法律で。ところが、名古屋気象台の実態はどうであったか、ちょうど十七時十五分にはもはや気象台の東側の方の観測室の窓は吹っ飛んでいるのです。二十時には壁が落ちて観測室もこわれているのです。それまでは、それを被覆したり何かして、電話で連絡をとっておった。ところが観測室そのものが崩壊しておるのです。これで何の通報ができますか。これは気象台の、名古屋観測所の一職員が伊勢湾台言風を反省して書いている手記でございます。従って、通報しようもしまいも、観測室そのものが破壊されている現状、これは二十時ごろです。これでもってなぜそれができるのか、あなたは被災をされた者に対して責任を問うているような口ぶりがあったけれども、何らの通報が行なわれなかったということがここで証明されている。これに対しては運輸大臣並びに中曽根長官は、一体こうでなかったということをおっしゃりたいのかどうか。この点については十分に御答弁願いたい。そうしてまた、他の気象台の実態というものが、名古屋気象台と同じような形であったならば、これは災害を招くためにできている観測所にすぎません。従って法律がどうであろうとも、それを伝達することができなかった事実、将来に対しての決意というか、対策を伺いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 私が申し上げましたように高潮警報は午前十一時に出ているのであります。そうして台風が上陸したのは今おっしゃった午後の八時、あるいは七時ごろのように考えられます。従いまして、かなりの時間があるのでありますから、午前十一時の高潮警報のときに何メーターから何メーターというような数値予報ができておれば人命の損失はなかったかもしれないと私は思うのです。台風が来てしまってからは、これはろうそくも消えますし、トランジスター・ラジオを持っていないと、ラジオも電気が切れますから動きません。そういうことで、なかなか困難が多いと思いますが、来る前にそういう万全の措置をとるような対策をこれからはわれわれは講じなければならぬと思っておるような次第であります。それから測候所や気象台の設備その他につきましては、今御指摘の通り、必ずしも十分ではございませんので、今後ともわれわれは充実するように努力いたしたいと思います。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 時間が十分ないそうでありますから、最後に総理大臣の所信を伺っておきます。社会党は、外敵の侵入はないという前提に立って外交政策を進めておりますが、自民党は、特にあなたは、外敵の侵入があるかもしれぬという前提で、いろいろ自衛隊の増強等をおやりになっている。しかし、しょせんそれは考えの相違は別といたしまして、国土と人命と財産を守るということについては、だれも異議がないわけであります。そういう意味におきまして、外敵の侵入に備える、国土と人命と財産を守るために外敵の侵入を防ぐことと、台風の被害を防ぐということには、甲乙はないと私は思うのでありますが、あなたはどうお考えでございましょうか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 日本に対する外部からの不正不当な侵略、これはあくまでも独立国としてこれを防止して、またそういうことがあったら排除していかなければならぬことは当然であります。それがいつくるか、近くある予想がどこにあるのかというようなことは、これは実際国際情勢の現実から見て、そういうことは私は言うべきことではないと思いますが、もちろん私は災害によって国土が破壊されたり、あるいは尊い人命が失われるということ、これを防がなければならないことはこれは言うを待たないのであります。今お話のように、どちらに甲乙があるのかないのかということは問題ではないので、いずれに対しても、そういう場合においては政府として万全を尽くしていかなければならない、私はこう思っておるのであります。

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 栗山君時間が経過いたしました。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 もう一点だけ。そういたしますと、おそらく今まで議論をしてきたことでおわかりのように、外敵の侵入ということと台風の襲来ということにつきましては、その確率ははるかに台風の方が多いということが言えると思います。そういたしますると、国民の側から考えて国土と人命と財産を守るという観点からすれば、国家予算というものは、非常に確率度の少ない外敵の侵入のために多額の経費を使うというよりは、直接毎年襲われておる台風の被害のために国費を使うことの方が重点でなければならぬと私は思うのです。ところが、政府の予算をずっと終戦後見ておりますと、おおむね終戦後というか、自衛隊ができましてから……。

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 時間が経過いたしております。御注意願います。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 予算を見ておりますと、国の歳出予算の一〇%をこえる額が軍事費に使われておる。そうして災害対策費は四%以下であります。四%前後、これはまさに三分の一、あるいはそれに近いような開きがありますが、この際——先ほど大蔵大臣の御答弁のように、明年度の通常予算においても財政的に非常に困る、公債も出せない、画にかいたもちに治水計画がなりそうだという意味の、言外のにおいがいたしましたが、この際、やはり軍事費というものを相当圧縮して、そうして災害対策を優先したところの財政措置を講ずる、こういうことが国民の側からすればきわめて望ましいことである、強い要望であると思いますが、これは東京湾も大阪湾も全部やらなければならぬでしょう、従って、強い要望であると思いますが、そういう考え方はございませんかどうか、具体的に防衛費を圧縮して災害費に振り向ける、そういうお考えはないかどうか、これを最後に伺っておきたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 防衛費を圧縮するという考えはございません。私どもは国防会議において、国力と国情に応じてこれを漸増していくという基本方針を定めておりまして、これに従って進んで参っております。しかし、それの基礎であるところの国力と国情に従うということでございますから、今回のこの災対策策、これはもう発生した災害に対して処催すべきことは、これは何をおいてもやらなければならぬことは言うをまちません。それから国土の保全ということ、今度の体験から見ましても、非常に重要視しなければならぬから、来年度の予算の編成においてこれを最重点の一つとして考えなければならぬということは、大蔵大臣がお答えをしているように、政府もそういう方針で編成をしたいと思います。そういう結果として私は、大蔵大臣もお答えしているように、国防費を来年度において激増するというようなことは絶対にすべきものではない、かように考えております。ただ栗山委員のお話のように、これを圧縮しろということは、私は考えておりません。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 増加はさせないというのですか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 今申し上げるように、これを激増するというような——絶対に増加しない、現在の通りだということも、これはまだ編成の前でありますから申しあげることはできませんが、しかし、何か世間では、安保条約の改定等とからみ合わせて、来年度この防衛費が激増するのじゃないかという不安を持っておる向きもございますから、そういうことは私は日本の財政の現状から見て、やることはできない、従ってそういう意味において激増するということはないということを申しておきます。   —————————————

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 藤田君。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は、できるだけ重複しないように御質問をしたいと思います。  まず第一に取り上げたいのは、今度の災害が起きました——暴風が来て非常に大きな被害を受けている原因は何かというと、防潮堤と河川だと私は思います。今度防潮堤の問題については、今、栗山委員の質問の中で一貫して規格をきめて、少々の津波が来てもこたえられるような一貫した計画で建設をするという工合に私は承りました。問題は河川改修の問題も同じように重要な問題だと思います。それで、近畿、中部の河川を見てみますと、一部は改修ができている、ところが橋をかける所を川を狭めておるとか、または川の中に植林があるとか、島がそのままに置いてあるとかして、周囲の家屋、耕地が全部詰っている。年々の河川改修費はどういうことかというと、非常にちょっぴりとしか出されていない、こういうことをやっていると、改修されたところの下の方は——紀ノ川の例をとってみて——いいのでありますけれども、上の方へいってめちゃくちゃになっている。これは一つの例でございます。ですから河川改修というものが非常に重要でございますから、これについての基本的な構想を承りたいと思います。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(村上勇君) 御指摘のように、木曽川三川につきましては非常にめんどうな河川でありまして、これのいわゆる防災対策はまことに困難であります。しかしながら政府といたしましては、今次の災害等にかんがみまして、河口に面する、いわゆる海岸に近い河川につきましては、これを海岸堤防と同じような考え方をもちまして、たとえ高潮が突入いたしましても、絶対に破堤しないような強固なものにいたしたいと思っております。またその他上流につきましては、たとえば揖斐川につきましては、もっと上流に多目的のいわゆる防災ダムを作るとかあるいはその他の方法によりまして、この地域に対しましては十分今後災害の憂いのないような措置をいたしたいと、かように思っておる次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこで、次にお尋ねしたいのですが、たとえば淀川のように大阪、京都というような大都市を持っている所においては、たとえば多目的ダムとか防災ダム、こういう格好で早く備えをせなければ、私は問題が起きると思います。たとえば、一つの例をとって、亀岡という所は昔ダムであったから水がつかってもしようがないのだといって、あの岩盤を削らずにそのまま水がつく、淀川があぶないと、こういう例はたくさんあると思うのです。だから、これは一つ共本的な対策を立ててもらいたい。それから私は問題になるのは、ダムの種類に三つあると思います。多目的ダム、それから防災ダム、それから電力のダム。で、多目的ダムや防災ダムはおのずから目的があるわけですからいいわけですけれども、最近関西であった和歌山の日置川の電力ダムの問題、京都では天若ダムという工合に問題を起こしております。ですから、気象通報その他で、上流で雨が降ったら、単に電気を作るという経済だけじゃなしに、その調整をして、早くから相当な水を流しておれば下流は被害を受けないということになると思うのです。そういうことで、私は通産省の電気事業法にかかってくるんだと思いますが、その電気事業法によるダムは、とにかく経済べースだけ考えて、ダムが一ぱいになってあふれる時に流していいということになっているので、もら少し河川と住民の関係を、上流の雨量との間に調整をするということの指導がされないと、非常にたくさん下流で被害を受けているけれども、許可を受けて作ったのだから、河川さえ直せばいいじゃないか、こういう理屈が言われておるので非常に残念だと思います。そういう点も聞きたい。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(村上勇君) ダムの操作規程につきましては、建設省といたしまして十分その一つ一つのダムについて通告をいたしております。ただいま御指摘になりました和歌山県の例は、殿山ダムだと思いますが、あれは決して上から来た水以上に出したものではないのでありますけれども、しかし、下流に通告していなかったというように私ども聞き及んでおりますが、そういう点につきましては十分注意いたして参りたいと思っております。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(池田勇人君) ただいま建設大臣がお答え申し上げましたごとく、堰堤操作規程というのがございまして、各河川、各発電所、各ダムにつきまして十分注意をして遺憾なきを期しております。今回の災害につきましても、それによって下流に被害を与えたということは、今まで聞いておりません。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 ですから、今の電力ダムで下流に被害を与えた。十分に指導すると言われるけれども、被害を与えた所はだれが補償するのか、この問題を聞きたい。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(村上勇君) その被害を与えたことがはっきりすれば、私は、そのダムの事業主が負担すべきものじゃないかと思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そうすると、ダムの排水の運営については、上流に雨が降ったときに、事前にコントロールをするということになっておるわけですね。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(村上勇君) 上流に降った水量以上のものを流していげないというようなちゃんと規定があるのでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 いや、私の言っているのは、上流に雨が降ったら、何時間後に雨がくるというときには、ダム自身が調整をして防災の役割を果たすということに指導しているとおっしゃったから、そういう指導を現地でされておるかどうか。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(村上勇君) その通りに指導いたしております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 それでは、次に総理にお尋ねしたいんですが、今度の災害に際して災害救助法があります。この事実は、たとえば、食事費の問題や、それから仮設住宅の問題や、資金の貸付や、いろいろと現地の要求によってといいますか、その場所によって適切な処置を講ぜられたというか、とにかく災害救助法というものは、私は根本的に変えなきゃならぬ、もっと住民の災害を救うという建前から変えなきゃならぬと、私はそう思う。ところが、先ほどからお聞きしていると、災害基本法というものを研究し、作ろうとしているのだと。これはどういうものとどういうものと含んで、どういう格好で進んでいるか、お尋ねをしたい。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 実はこれはまだ研究中でございまして、具体的に内容を申し上げる程度まで行っておりませんが、先ほどもお答えを申し上げましたように、そういうことの必要を感じますのは、とにかく災害が起こって、今回の体験から見ましても、きわめて緊急にしかも強力に、いろいろな救助やあるいは救済の方法が講ぜられなきゃならないのに対しまして、いろいろな救助法であるとか、あるいは警察官職務執行法においてこうなっているとか、あるいは地方公共団体で県、市あたりにおいてこういうなにがあるのだというふうに、いろいろ機関によって権限も分かれておるし、また、同じような権限を行ならこともございまして、その間における連絡等については十分にいかないというようなことが、ややともするとある。そのために多少でも処置がおくれるというと、非常に被害が大きくなり、また、取り返しのつかぬ事態もできますから、そういうことに応ずるためには、私ども今度のなにに、中央対策本部を現地の愛知県庁に置いて、こちらから出かけて行って、そうして必要な関係各省の機関がそここ集まって対策を協議し、直ちにその協議に基づいて活動するということでやってみまするというと、とにかくある程度の効果を上げ得たことはこれは事実でございます。そういうことから見まして、非常事態が起こったときにそれに応じてすべての機関が統一的に動き得るような基礎の何か法制が必要じゃないかと。また、それを作れば、当然いろいろな今日分かれ分かれになっておる規定であるとか、あるいは一部は特別措置というような形でそのつどの災害に応じて出しておりますが、ほぼ従来の経験から見まして一つの型ができておるような特別措置法もあります。ところが、それはそのときに臨時国会か何か開いて立法しないとやれない。しかし、あらかじめそういうものを基本法の中に取り入れておいてすぐ発動できるというようにすれば、国会をそのつど開かなくとも処置ができるというようなこともございますので、今全体を総合的に検討いたしておりまして、どういうものの内容を持ち、また、どういう形にするかということにつきましても、なお検討して参りたいと、かように思っております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 それはいつ時分に大体成案を得られる予定ですか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) できるだけ早くと思っておりますが、この通常国会においてぜひ成案を得て御審議を願いたい、こら思って検討いたしております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 時間がありませんので……。今度の災害を見てみますと、財政的にゆとりのある者は丈夫な家を建てている。だから一番押しなべて困っているのは貧困者だと思うのです。で、貧困者が非常に困っているのに対して、今の災害救助法では一応臨時の処置は講じられますけれども、たとえば住宅のワクを広げて建てて上げるとか、生業資金を拡大するとかして、特別な貧困者等に対する処置をお考えになっているかどうか、これを一つ。

渡邊良夫自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡邊良夫君) 災害救助法によりまして、あるいはこの内容、あるいは期間の延長、あるいはまた基準の引き上げ等を講じたのでございますが、そのほかに世帯更生資金のワクの拡大、あるいは償還期限の延長、あるいはまた生活資金等の一ヵ月三千円を三ヵ月一万五千円まで引き上げた、あるいはまた母子福祉資金のワクの拡大と二年間の償還期限の延長等も考慮いたしまして、そのほか長期にわたりましてお困りの方に対しましては、生活保護法で職種あるいは医療費というものにつきまして十分これを見ることといたしているような次第であります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 もら一つお聞きしたいのですが、それは国民の鮮度保持という問題に関してでございますが、今度の災害が起きましても、たとえば失業保険に対する緊急な処置が講じられない。で、失業保険と健康保険という雇用者の保険があるのですけれども、まだほかに共済保険とかあります。その他のもら一つの面は国民健康保険なんであります。ところが、何といっても雇用者の保険関係は五人未満は適用がないわけであります。だから今度の罹災地においては五人未満の事業所に勤めておられる方々が、たとえば会社がつぶれて、病気になっても、健康の診断といっても、今度の災害の医療扶助だけでは、なかなかなおし切れないものがある。先日から災害委員会でこの問題を私は何とかめんどうを見る方法を考えてくれと主張しているわけですけれども、たとえばこの五人未満の事業所に働いている労働者に社会保険を適用する意思があるかどうか。  それから国民健康保険なんかはまだ名古屋ではしていないのですけれども、どういう順序で国民健康保険を施行せられようとしているか、お考えを伺いたいと思います。

渡邊良夫自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡邊良夫君) 五人未満の中小企業の従業員に対しましては、これは国民健康保険に加入を今進めております。  それから名古屋屋地区におきますところのいわゆる国保でございまするが、これは東京都が先般——この二十八日までに二十三区が全部これが契約を見ましたと同様に、五大市におきましても逐次、明年度の国民皆保険制度と並行いたしまして、これは明年度約七百万人を目当てといたしまして、残っている者は全知これに加入するところの準備を進めております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 時間がありませんから、最後に一つ総理にお聞きしておきたいと思います。それは直接災害に関係する分と、しない分とがありますけれども、今の日本の失業者に対する対策の問題でございます。石炭の離職者の問題もございます。離職者対策の問題が国会に法案として出てきておるわけでございますけれども、何といってもこういう失業対策という根本は、国の経済政策の面から私は操作しない限り、なかなかむずかしい問題だと思うのです。ですから、失業対策の根本である、どういう場合に経済政策を立て、どういう場合に失業対策を立てていくかという構想を、総理からお聞かせ願いたい。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) お話のように、失業対策の根本的な問題は、経済政策すなわち日本の経済を拡大をいたしまして、そうしてふえるところの労働人口を吸収するのみならず、現在失業にある人々に職を与える。それにはどうしたって経済が拡大し、経済全体がそういうふうに繁栄してこなければならぬわけでございます。従って私どもとしては、常に経済を安定した基礎の上に拡大していく。しかも労働人口のふえ方を考えて、その拡大の規模というものを考えて、それに応ずるようにしていかなければならぬ。言うまでもなく経済政策の、あるいは政治全体といってもいいかもしれませんが、完全雇用を目標として進んでいかなければならぬことは、これは言うを待たぬのであります。私どもが大体十年を目途として日本の経済の拡大——その結果が国民所得の倍増になるように拡大していくということを一つの目標としてあらゆる施策を進めていきたいということも、基礎としては、今申しました完全雇用へのわれわれの理想を到達せしめる一つの根本的の施策であると考えます。ただしかし、それにはやはりある長期の期間を要することでありまして、その間において出てくる失業者に対してどうするかということは、これはまた別途に、あわせて一つ同時に考えていかなければならぬ。それにはいろいろな今日やっております失業対策の事業あるいは公共事業において、これらの失業者を吸収していく。また、どうしてもそういうことによって職を与える人々に対して失業保険の制度を考えていかなければならぬことも当然でありますが、私は、やはり失業者に対しては職を与えて、その職をもって努力ができるというふうに振り向けていくということが必要である。その基礎としては、先ほど言ったように根本的には経済を拡大していく。また、時々起こってくるところのものは、公共事業や、あるいは失業対策事業等においてこれが吸収をはかる。石炭の問題に関して吊るこの失業対策につきましては、この国会にとりあえずその援護に関する必要な措置を講じておりますが、さらにこの石炭業自体の根本的立て直しという問題と関連して、相当数将来出てくることの予想される失業者に対しての問題は、今申しましたような一般的の政策と同時に、これらに対するその地方々々の実情にも応じて、特に吸収の方策について考えていく必要がある、かように考えております。

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 藤田君、残余の時間はきわめてわずかでありますから、御注意願います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 今、総理の御意見で、経済力が拡大して就職の場がふえる、その面は否定いたしません。しかし今は機械化、オートメーション化で、生産は上がっても、就労する労働者が減るという時代です。ですから、そういう問題に深く手を入れて、たとえば外国がやっているように、労働時間の短縮をして、そこに就労の機会を作る、そういう一つの方法が必要でございます。  それからもう一つ私が言いたいのは、今の失業者というのが、見てみますと失業保険をもらっている者とそれから失業者として登録をしている人との数が、労働力調査の完全失業者というところに出てくる倍も出ているという現状でございます。そのほかに潜在失業者というのも、これも的確な把握がない。こういう格好で、ただ労働力調査から出てきたのが完全失業者であるから、これを救済したらいいというようなことのないように、もっと就労の状態の把握のために相当な力を入れて、的確に、国民のだれが見ても、ほんとうにこれだけが失業者だ、これだけが半失業者だということがわかるような調査機構を整備してもらいたい。だから、二つの問題について御所見があったら承りたい。

松野頼三自由民主党労働大臣

○国務大臣(松野頼三君) 藤田委員のおっしゃる通り、必ずしも労働統計が正確無比だとは私も考えておりません。諸外国の例を見ても、日本の統計を整備するには、やはり多少の時間はかかるかと思いますけれども、やはり一歩々々改良していかなければ、労働力調査のほんとらの実数というのはなかなかつかめない。しかしこれ以外に、今日世界も同じようなルールをとっておりますので、今日これを採用しておるわけでありますが、これで完全だとは私も思っておりませんので、今後なおこれを精密に度合いを高めて参りたいと、こら考えております。  なお、先ほどの御質問の中に、多少漏れましたけれども、五人以下の事業所に対しましては、御承知のごとく、雇用関係がなかなか的確につかめませんので、といって放置もできませんから、任意加入あるいは団体加入という道をとって、今日なるべく普遍的に五人以下の事業所にも失業保険が適用されるように、ただいま指導しておりまして、ある場面はこれは前進しておりまして、まだ強制加入までいっておりませんから、全部五人以下の事業所が失業保険の対象になるとは、まだ言い切れませんけれども、その方向で今日やっておりますので、しばらく時間をかしていただいて、完全に整備をしたい、こう考えておりますが、今日多少御指摘のように、五人以下の事業所全部が失業保険の対象になっておらないということは、これはまた今後大いに努力する必要があるかと考えております。

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 時間が経過いたしました。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 答弁漏れがある。経済の拡大はけっこうだけれども、しかし、それじゃ就労者が減るばかりじゃないか。どうして就労者をふやしていくかという問題。

松野頼三自由民主党労働大臣

○国務大臣(松野頼三君) 藤田委員の御指摘のように、一つの産業をとって参りますと、そういう現象が出ておることはこれはわかります。かりに言いますれば、今非常にふえております石油化学、これの雇用者は非常に少ない。そういう産業別に考えて参りますと、非常に近代産業においては必ずしも雇用数がその投資数に応じてふえたとは私は考えておりません。しかしやはり産業総体から見ると、生産性向上に応じて、逆な意味では第三次産業が非常にふえておるところもございますから、総数からいうならば、生産性向上によって雇用を圧迫するという数字は、まだ日本には出ておりません。しかし一つの産業、一つの場面をとりますれば、おっしゃるように、ある場面には非常な拡大した設備の割に雇用がふえていないじゃないかという場面は、御指摘の通りであります。しかし、総合的に日本の経済全般を見れば、生産性が向上しましても雇用が減少したという数字は、やはりこれは基、本的にはまだ出て参りません。願わくは、雇用のふえる経済成長というものがあれば雇用と経済がマッチする。これはおのおの個々別々に議論しなければ、多少意見が違らのじゃないかと、そういうふうな考えを持っております。   —————————————

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 小酒井義男君。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 いろいろ各委員から質問がありましたので、若干重複になるような点があるかと思いますが、総理にまずお伺いをいたしたいのです。  先ほどから災害復旧、むしろ災害防止の問題と国保の関係などでいろいろ御意見が出ておったようでありますが、もら少し違った観点で見まして、日本の今の産業の近代化されている実情、あるいは都市におけるいろいろな建築の近代化の様相、あるいは科学技術の進歩というような、こういう一面を見まして、また最近では後進国に対するところの経済援助をするとかというようなことまでどんどんやっているのですね、そういうことがやられている反面に、毎年々々の災害に非常に国民がおびえているというようなことは、やはり私は国の政治全体の均衡上非常な問題があるのじゃないかと思うのです。そういう点について、総理はどうお考えになっているか承りたい。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 御指摘のように年々日本が風水害、台風の被害を受けて、これの損害の総額は年々数千億に達しておる、こういうことが繰り返されており、従ってそれに対して国民が一つの不安を持っておるということは、これは事実でございまして、これに対して、どうして起こってきたかということをいろいろ反省してみまするといちと、やはり計画性を持った防災の基礎である治山、治水、防潮対策というようなものの計画があり、その計画に対して相当領の予算がつぎ込まれて、年々そういう事業が進んでいっておったならば、こういうことはなかっただろうと思われるのです。従ってそういうことを反省してみると、今、小酒井君の御指摘のように、日本の過去の予算、特に最近の予算において、そういう点に対する国家の予算が、他のいろいろなものに比較して、ややバランスがとれていないのじゃないかということは、これは率直に認めざるを得ないところです。従って来年度におきましては、通常国会にこの治山、治水、国土の保全ということに対する対策を、今回の現実に起こっている災害復旧の仕事とともに、そういう恒久的なことを最も重要なる施策の一つとして、予算の大きな柱にしようということを考えております。過去におけるそういうわれわれのやはり十分に尽くしておらなかったことを、将来に向かって是正する意味においても、この根本策を最重点に置いた一つの予算編成をすることが必要である、こう思っております。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 今、総理から率直のお話で、過去の経験等を考えて来年度の予算を通じて災防止のためにいろいろな施策をやっていくという御方針のようでありますが、先ほどの栗山委員の御質問で、国防と防災とを甲乙をつけるわけにはいかないということをお答えになっているようでありますが、今日国民の世論というものは、言論機関等を見ましても、これはあげてやはり現状においては防災に重点を置くべきだということが圧倒的だと私は思うのであります。総理は、そういう国民の世論というものをお考えになったことはありませんか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) もちろん民主政治のもとにおける国民の世論というものは、特に尊重していかなければならないということは言うを待ちません。ただ、国の防衛の問題というのは、なかなか一朝にして、必要が生じたからそのときにすぐ拡大してできるという問題ではないので、平素からやはりそれに対する備えをしていかなければならぬことは言うを待たないのであります。私どもはしかし、日本のこの防衛力の増強という問題については、先ほどお答え申し上げましたように、国情と国力を常に考えて、そうしてその範囲内において漸増するという方針で、非常な無理——ここに非常な重点を置いて、他の予算や何かを圧迫してもここに垂点を置いてやるというふうな、いわゆる防衛偏重の結果にならぬように、国防会議でもその方針をきめております。その方針に従ってのことは、やはり平素からだんだん積み重ねていかないというと、一朝われわれが他から不当な侵略を受けたというような、また受けるおそれが緊迫するというようなことがあってはならぬわけで、そういう平素から備えをしておくことが、そういうことを未然に防いで、そうして国民が安心しておのおの業務に励むことができると、こういう性格のものであると思う。従って、私ども決してこの防衛費というものを最重点に置いて、そこにうんと重点を置いて、他の予算を圧迫してここに集中するというようなことは、これは考えるべきものじゃない。また、来年度の予算編成にあたりましても、先ほど申しましたように、この防災のことに重点を置いて考えるというと、財政の諸種の実情から見て、その防衛費というものを大幅にふやすというようなことは、これは絶対にすべきものでない、こういうふうに私ども考えておるわけであります。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 繰り返すようですが、今までの歴史を見ますと、災害が八十年くらいずつ循環的に日本に襲来をしておる。で、最近の十年間ぐらいがその時期に当たっておる。こういうことがいわれておる。今その時期に入っておるということを、私はある書物によって見たのですが、そういう非常に危険な時期に今入っておる。その認識と、それでは国防がそれほど緊迫しておるかという認識ですが、こういう認識においては、少し総理の考え方は国防にとらわれ過ぎておられるんじゃないかという私は気がするのです。たとえば、国防のために予算が使われれば、当然いろいろな方面に影響があるわけなんですが、そのことから、つまり来年、再来年の災害に国民が大きな被害を受けるという結果ができるかもわからぬ。そういうときに対して、予算のとり方が国防に偏重しないと言うのじゃなしに、もっと現状に即した形で私は考えられるべき時期に、国際情勢等から考えても、きておるんじゃないか、こういうふうに私は思うのですが、私の考え方は違っておるでしょうか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 私ども、この防衛費というもののふえていく事柄に関しましては、決してこれが国力や国情を無視したようなふえ方をさしてきてもおりませんし、将来もきすべきものでない。特に来年度において、戦後における災害のこの状況から見ましても、どうしても長期におたる根本的な災害対策というものを立てなければいけない。立てて、今日でも、いろいろな、治山治水五ヵ年計画であるとか、新五カ年計画というものがあるけれども、結局それが紙に書いた一つの計画倒れになるということは、やはり財政的な裏づけがないからで、その財政的の裏づけをするということ、これは相当なこの方面に予算を必要とすることだと常識的に考えられるわけです。そういうものを来年度の予算編成の重点の一つに指向しようというのが私どもの気持であり、また、そういう意味において、われわれが従来考えておる国力と国情に応ずる増強、漸増ということは、むしろそういう国情から見て、また日本の国力、来年度予算の歳入の減を考えてみまするというと、そういうことを一方に行ないながら、また防衛も必要であるからというので、これを大幅にふやすというようなことは、とうていこれは国力が許さないのですから、国力と国情にのっとった基本方針でわれわれは考えていこうということでございます。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 まあ来年度の予算にどれだけ災害防止の性格が織り込まれてくるかということは、予算ができてから拝見しなきゃ何も言えないことでありますが、そこでもう一つ、今度の政府の——これは総理大臣にやはりお答え願った方がいいと思うのですが——災害復旧に対するところの考え方が、改良復旧というものは確かに取り入れられておるのです。しかし、改良復旧が、私は、予算の制約やいろいろなことを受けて、ほんとらの改良復旧ができるかどうかということに一つの疑問がある。で、政府のこの災害復旧なりあるいは防災に対する政策が積極的であれば、改良復旧をするという建前にこの法律が出されてきて、そうして現存危険であった所はやはり改良にしなきゃならぬというようなふうに持ってきて、そこで予算の裏づけをしていく、こういうことがやられて初めて復旧の積極性というものがそこに認められるのじゃないか。今度その点で改良復旧が認められてはおるが、少し消極的な結果に陥るのじゃないかという心配をしておるのでありまするが、この点に対して、一つ、総理あるいは関係大臣のお答えをいただきたい。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(村上勇君) ただいま御指摘のように、改良復旧は、いわゆる被害の復旧部分と、その重要度によって改良する部分というものを一緒にして、そしてその上で予算をつけておりまするので、改良だけをあとに回すというようなことはいたしておりません。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 建設大臣、私は、あとに残すと言っておるのじゃなしに、積極的な政策としてとられるなら、改良というものを、これを絶対的な条件とするようなことをやらなければ積極性がないじゃないかと、こういうことを言っておるのです。それをなぜおやりにならぬかということを言っておるのです。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(村上勇君) 原則としては、これは原形復旧ということが原則でありまするが、しかし、その必要な部分に対しましては、十分改良を積極的に取り入れてやるということにいたしております。最近のあり方は、従来と相当変わっておりまして、どこまでもその必要度によって改良するということでありますので、十分積極的にやる所存であります。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 積極的に改良復旧がやられるようなことになればいいのですが、私は、これは大蔵大臣にお答えをいただいて、それから関係の名大臣にお答えをいただきたいのですが、今回の特別法の各法案の中に「予算の範囲内において」という文句が出てくるのです、各法案とも。これで、大蔵大臣は、先ほども、予算というようなことにはとらわれない、現状に即して必要なことをやるんだと、こうおっしゃっておるのですが、そういうことに対する各省関係の意思の疎通がされておって、実情に即するような査定が行なわれるかどうかということが私は問題だと思うのです。それで、聞くところによると、ある部分においては非常にきびしい査定が行なわれておるというふうな話も私は聞いております。むだな金を私はお出しなさいと言うのじゃないのです。必要なところにはやはり必要なだけの査定を認めて、そうして予算の裏づけをしていくことが必要だと思うのです。そういう点で、政府部内の意思統一ということが完全にできているかどうかということを一つ確かめておきたいのです。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほどの改良復旧の問題ですが、非常に最近ははっきりして参りまして、今建設大臣がお答えいたしましたように、たとえば、従来は木橋であったが、その橋がしばしば流れる、こういう所につきましては、交通量を見て、これを永久橋にかけかえる、こういうことはどんどん認めております。また、しばしば災害を受けるような河川堤防等につきましても、特にそういう点を注意しております。また、今回の伊勢湾海岸堤防等にいっては、積極的に工夫をこらしている、こういうことでございますので、この点では、もらすでに過去の方針からよほど前進してきている、かように御了承いただきたいと存じます。  なお、ただいま御指摘になりました「予算の範囲内において」という字句が入っております。これは、当該復旧事業、災害復旧の場合の助成が義務的な支出の場合には、かようなことを書かないつもりでございます。ただ、それが助成的な意味を多分に持つ補助でございます場合には、「予算の範囲内において」ということを書きます。従いまして、たとえば文教施設等のごとく、本年度においてはっきり補助率のきまっておりますものは、もうそのままの書き方がしてありしまして、決して「予算の範囲内において」というような字句はないはずであります。これは言葉の使い方といいますか、そういう少し味のある書き方がいたしてあります。ところで、これは、そういうように書いてあるからと申しまして、災害復旧の工事進行途中におきまして不足いたしました場合には、これはもら当然予備費その他で処置することは、これは当然でございます。そういう意味にお考え願いたいと思います。  また、査定上において、何か非常に大蔵省は範囲を拡大した方がいい、窮屈になる、こういうようなお話をしばしば聞くのでございますが、私どもの方の係官につきましては、十分注意いたしておりますが、根本の工事査定そのものが、建設省なり、あるいは農林省が担当いたしておりまして、大蔵省はこれに立ち会うという、いわゆる係官を立ち会わして、場合によりますと、本省あるいは地方財務局の係官がこれに立ち会うということでございます。従いまして、工事の要求官省であります農林省なり建設省自身が工事査定をしておる、この現状等をごらん願いまして、ただいま言われますようなことのないことを一つ御了承いただきたいと思います。なお、いろいろお話もございますから、私ども予算編成につきましては十分御趣旨のほどを体しまして、特に、これらの点について誤解を受けないように、十分注意するつもりでございます。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(村上勇君) 査定を、もしもきびしくやり過ぎますと、私ども、復旧の仕事をする上に非常に支障を来たしますので、絶対にきびしくやらないし、あるいはまた、でたらめな査定はいたしません。ありのままの査定をいたしておる次第であります。  それから「予算の範囲内」ということは、ただいま大蔵大臣がお答えになりましたように、私どもとしては、あの「予算の範囲内」という文字は、別に何とも気にいたしておりません。

渡邊良夫自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡邊良夫君) 大蔵大臣のお述べになりました趣旨と同様でございまして、私どもの方におきましては「予算の範囲内」というふうにうたわれておりますのは、公衆衛生施設、いわゆる水道の二分の一、あるいは屎尿処理の三分の二、あるいは公的医療機関の二分の一、こういうのが原形復旧を目ざしておりまするけれども、大蔵大臣が申されましたように、味のあるころの補助というような意味におきまして、これは私どもは、この被害のはなはだしいものに対しましては、融資または起債をもってこれに充てて改良復旧にやらせよう、こういうふうな方針でおります。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 農林省の所管の法律におきましても「予算の範囲内」という言葉が使ってありまするが、必要なものは予算を取ってこれを実行する、かように御了承願います。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) 今度の災害の結果、改良復旧ということは、まさに合言葉のようになってきております。地元住民の声も熾烈なるものがある。これが反映いたしましてできる限り改良復旧に持っていきたい。大蔵省でも文教施設、特に義務教育関係におきましては四分の三、社会施設については三分の二、こういう率に定まっております。なお、それでももちろん全部が全部改良復旧に持っていくというわけには参りません。所要の資金が潤沢であるとは申し上げられないのであります。従って、その結果、査定するにあたっては、きびしきに過ぎるのではないかという御心配でございますけれども、査定にあたりましては、できる限り精査をいたしますけれども、決してそういうきびしきに過ぎるということは、特に注意をいたして参りたいと思います。あくまでも適正公平、卑賤な言葉で申し上げれば、甘きに過ぎてもいかぬと思いますが、しかし、辛きに過ぎればなお一そう悪い、どこまでも精査して、そうして、何しろ、文教施設は、これは国のものであり、国民のものであり、そうして災害にあったというようなことでありますので、四囲の事情を十分に勘案いたしましてやって参りたい、ほぼ相当の程度にいくのではないか、かように考えております。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 格関係の大臣から、査定はそう無理しない、実情に合うようにやるということを約束いただきましたので、私は現地で実情に沿うように査定が行なわれるものと信頼しておきます。  そこで、文部大臣にもう一点お尋ねをしたいんですが、長期の湛水地域、いわゆる危険区域、ああいう所の学校などは避難所を兼ねさせるというようなことをお考えにならなかったかどうか、そういうことをしておけば、災害が起こったときにも非常に役立つわけですし、危険性もないわけなんですから、それをお考えになるべきだったと思うんですが、こういう点はどうですか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) お話の通りに私どもも考えておりまして、低地、長期湛水の地域につきましては、なるべく改良復旧に持っていきたい、また、持っていける。特定の地域についてはそういうふうに考えております。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 私は、大成大臣、あなたの方の査定が、学校をいつまでも放っておくわけにはいきませんから一応手を入れて授業を始めるわけですね、そのあとに査定に行かれると、被害の状態が非常に変わっている姿になる。そういう関係で、実情に合わないような査定があるのじゃないかということを聞くんです。そういう実情は一つないようにやっていただきたいということを御要望を申し上げておきます。  それから労働大臣に一点、ここで失礼ですがお尋ねしておきたいんですが、過般の委員会で、被災地の労働金庫に対する融資をごあっせんになったという話を聞いたんですが、一応あっせんされた金額が、もし現地で貸し出しをしてしまって、あと足りなくなった、あるいは新しい地域でそういう希望が出てきた、こういうようなときには、同じような条件で追加あるいは新規の融資をやっていただけるのかどうか、この点をお尋ねしておきたいんです。

松野頼三自由民主党労働大臣

○国務大臣(松野頼三君) 労働金庫は、連合会がある程度資金を持っておりましたために、さしあたり、連合会からの資金の融資を第一回にやりました。それから、各府県からの預託金を使いました。そのほかに、政府としては預金部資金を融資いたしまして、金利も二銭五厘、労働金庫は平常の場合は三銭三厘ですが、二銭五厘に下げまして、なお、三重、愛知県では、県から七厘補助しまして、御本人には一銭八厘で今回の場合は貸す、すでに七千万ばかりは預金部資金が行っております。今後とも預金部資金の余裕の限度を見まして、必要な項目について必要な金額は準備いたしたいと、こう考えております。

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 小酒井君、時間はあときわめてわずかであります。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 もう一点だけ。  石原自治庁長官に一点だけお尋ねしておきたいのは、石原さんには現地に行っていただいて、非常にてきぱきと仕事をしていただいたというので、大へん現地の者は喜んでいるのですが、これから地方の財政が、いろいろな面でしわ寄せといいますか、困難な事情がだんだんふえてくるのではないかと思うのです。今後も罹災地の地方自治体の財政的な問題には心配をさせないようにやはりお世話を願う必要があるのではないかと思うんですが、そういう御決意を一つ承っておきたいと思います。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石原幹市郎君) お答えします。予算委員会を通じ、その他でもたびたび申し上げておりますので、まあ同じことになるのでありまするが、今回の災害が地方財政にしわ寄せされたり、あとに大きな負担を残さないようにいろいろな措置を考えてもらっておりまするが、一つは各種の特例法によりまくて、国庫の補助を多くしてもらって、地方の負担をできるだけ少なくしたい。  それから特別交付税が今回の補正予算によりまして相当増額になりました。直接回し得るものが四十一億ぐらい、それから年度末近く回し得ると予想されておった既定のその中から、二、三十億回し得る。特別交付税等によって、まあいろいろの処理をする。同時に、そういうことをしましてもなお足りないようなところに対しましては、減税その他の措置をとって、歳入が減ったというところには歳入欠陥信というようなものを認めて、将来その償還についてまあいろいろめんどうを見る。また起債についても現年災に対して三十五億くらい予定されておったのがさらに百六十億ふえまして、百九十五億ということになっております。まあこれらの起債のワクが非常にふえたということになっておるのでありまして、三十四年度はそれによってまあ大体まかない得ると思うのです。三十五年度で、やはり災害関係で百五十億から二百億くらいふえてくると思うのです、地方負担が従来よりは。それと、一般に地方財政がさらにだんだんいろいろの負担がふえておりまするので、むしろ三十五年度の地方財政計画の策定にあたりつまして、一つ十分いろいろの措置を講じて参りたい。大蔵省とよく折衝いたしまして、地方財政の方に大きなしわが、ことに今回の災害によっての大きなしわが残らないように、十二分の配慮をしていきたいつもりでおります。

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 時間が経過いたしましたから……。   —————————————

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 石谷君。

石谷憲男自由民主党

○石谷憲男君 質疑もかれこれ出たようでございまするし、重複する問題は避けまして、二つの問題だけにつきまして農林大臣にお尋ねしてみたいと思います。  本年度発生いたしました数々の災害をあわせまして、近年の災害の特徴ともいうべき事実は、護岸、堤防等のいわゆる防災施設の被災するものが非常に多くなっているということとあわせまして、中小河川の災害が非常に多いわけでございます。これは特徴的な事実じゃないかと思うのでございます。中小河川になりまするというと、いわゆる山間地帯、山間部の河川の被災でありまして、こういう地域の防災対策が当然大きな重要な問題として浮かび上がってこなければならない、かように考えるわけでございます。御承知のように、そういう地帯におきましては、洪水もさることながら、あわせて上砂の流出による影響というもの、これを無視することはできない。むしろ土砂の流出によりまして、いわゆる洪水被害が倍加するといわれているわけでございます。従って、保全対策を考えようといたしますと、何としても土砂の流出を調整するということを考えなければならぬ。まあこれに対しましては、いろいろ手段、方法もあると思いまするが、何といってもその一帯をおおっている森林を整備し、保全をする、こういうことに対策の重点が向けられてくるのは、これはまた当然ではないか、かように思うのでございますが、特に本年度の数々の災害の事実にかんがみまして、そういう問題について、今後何らか積極的に措置しなければならぬというふうにお考えになっておりますことがあれば、一つ農林大臣からお話し願いたいと思います。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 石谷委員のお話、まことに私もごもっともと存じます。今回の台風の体験等から考えまして、来年度の予算では、政府全体といたしまして治山、治水、ことに私どもの所管しておりまする治山の問題は、これが災害対策の基本、根幹をなすものである、かように考えているわけです。そういうようなことで、今御承知の通り五ヵ年計画というものは進行いたしております。しかし、遺憾ながら実は十分でまだないのです。そこで、構想をさらに改めまして、十ヵ年後の安定した状態というものを目ざして、来年から一つ新しい計画、規模でやっていこう、こういう考え方をいたしているわけです。さようなことで、まあ大体政府におきましても意見統一をしつつあるのでありますが、治山に関する会計は、これを特別なものといたしまして、一般会計から区分していく、そうして財源等につきましても十分間に合うように検討をしていこう、かように考え方をいたしております。

石谷憲男自由民主党

○石谷憲男君 現存しております崩壊地、はげ山等をすみやかに防災的見地から修復をすることは、これは当然でございますが、やはり森林を整備し、保全をするという面におきまして、御承知の通り保安林というものがあるわけでございますが、従来保安林というものは、指定をしきえすればそれは指定のしっぱなしだという状況であるのでございまして、そこで、まあいわば保全機能というものが、長い年月の間に相当こわれてくるという事実もございますし、さらに一そうこの保安林の保全機能というものを強化するための何らかの手だてというものも加えて参らなければならない、という実情にある保安林が非常にあるようでございますが、これらの保安林をさらに内容を強化するといったようなことにつきまして、何かお考えがございますか、予防治山といったような意味合いからいたしまして、崩壊する前にこれを防ぐような積極的な措置を講ずる、こういうふうな面の予算措置等について、さらに大幅に増額をされるようなお考えがありますかどうか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 今後の治山対策を進めていく上におきましては、もとよりこれは荒廃地を整備いたしまして、木を植えて、くずれることのないような状態に置くということが一つだと思います。さらにまあ新しく毎年毎年山がくずれる、そのくずれそうな山に対しまして予防的な対策をとる、こういうことが第二にあろうというふうに考えております。しかして、ただいまお話の保安林でございますが、これは第三の問題といたしまして、これまたきわめて重要である。で、お話のようにこれが放置されているというような実情もありますので、今後、保安林改良事業というものを始めることにいたしまして、その裏づけとなる予算も整備して参りたい、かように考えております。

石谷憲男自由民主党

○石谷憲男君 もら一点お伺いいたしたいと思いますが、まあ今次の、特に伊勢湾台風におきましては、損傷されました人命があまりにも大きかったこと、さらに被災しました堤防、護岸等の施設がこれまたあまりにも数多かったこと等々によりまして、まあ比較的忘れられておるのではないかと思うのでございますが、農林大臣御承知の通り、十数府県におたりまして、ほとんど二千万石に達する、いわゆる風損木が出ておる。まあこれは私どもの承知いたしておる限りにおきまして、おそらくわが国におきましては史上節二回目の大風害、まあかように存じておるわけでございます。まあ数々の特別立法もされておりまするけれども、特にこれらの事態に対しまして格別な配慮のあるような内容を持ったものもないようであります。これまた御承知と思いますが、それをそのままにしておきますと、虫害あるいは火災発生のもとになる。これを整理しようといたしますると、生産費は相当かさむにもかかわりませず、おそらくそれから得られる収穫というものは、平常時の場合の三分の一以下になって参るということであります。さらに跡地を再造林いたそうといたしますと、これまた普通の場合に比べてみると多額の経費を要する。まあ非常に被災を受けられた人は因った事情にあると思うのであります。しかも、これらの林を造成するにつきましては、国をあげての造林推進ということでやって参った事実等に徴しまするならば、当面、さらに今後何らかのこういった場合に対する抜本的な措置をぜひとも講じていただきたい。つきましては、この種のものにありましては、従来はいわゆる何らの災害補償制度もないわけでございます。こういった事態にかんがみまして、将来災害補償制長のようなものを研究して実施して参られるようなお考えがございますか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 風倒木につきましては、これは北海旭の場合、非常に出まして、それの処理につきましては貴重な体験も持っておるわけでございます。そういう経験等も基礎にいたしまして、今度の災害に対処するという考えでございます。それで、民有林につきましては、まあ主として伐採等は森林組合が担当しておられると思いますが、これに対しましては、融資につきまして、政府におきまして極力援助すると、かような方針をとっておるわけであります。  それから跡地に木を植えなければならぬということにつきましては、補助金を出すということを考えておる次第でございます。それからさらに病害虫につきましては、これは予算にもそれを見ておりますが、これが発生しないように、事前に防除剤を出すとか、さような施策を講じたいと、かように考えておるわけでございます。  それから国有林の風倒木につきましては、これを一挙に切りますると、国有林伐採計画と重複するのです。さような関係で、木材の市価に非常に影響があるというようなことを考えまして、国の既定の計画をおくらせるというようなことをして、その際は調整をとっていこうと、かように考えておるわけです。また伐採にあたりましては、なるべく躍災者等の救農的な意味を持つようにということを配慮しながらやっていきたい、かように考えておる次第でございます。

郡祐一自由民主党

○委員長(郡祐一君) 以上で通告者の発言は全部終了いたしました。総括質疑は終了いたしました。明二十八日は、先ほど申し上げましたように各小委員会が開かれますので、念のためにお知らせいたします。次回の委員会は十一月三十日午前十時から開会いたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後五時二十七分散会

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