風水害対策特別委員会 第11号
- 発言数
- 67 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1959/11/16
会議録
○委員長(郡祐一君) これより風水害対策特別委員会を開会いたします。 去る十三日資料として提出されました、公共土木施設及び農林水産施設災害特例法指定基準について政府から説明を聴取いたします。
○国務大臣(佐藤榮作君) 公共土木施設及び農林水産施設災害特例法の地域指定基準について御説明申し上げます。 公共土木施設及び農林水産施設の災害特例法はすでに災害対策特別委員会において御審議を願っておるところでありますが、これらの特例法の適用地域の指定基準につきましては、予算編成当時から各省において慎重に検討して参りました結果、次のような基本方針に基づいて決定することとし、大略の成案を得ましたので、御報告いたします。 すなわち、基本方針として、今次災害の実情を見まするに、公共土木施設、農林水産施設、公立文教施設、その他各施設ごとに被害の態様及び地域に相当の相違があることにかんがみまして、地域指定基準となる被害程度測定の尺度として、まず第一に公共土木施設につきましては、地方公共団体の税収入と被害額とを比較してその倍率、これをいかにするかという点であります。また農地、農業用施設につきましては、被害農家一戸当たりの被害金額、これを基準にする。また林道につきましては、被災林道の延長当たりの災害復旧工事費、これを基準にいたしまして、各施設について実情に即した合理的な尺度をとることといたしました。また激甚な被害を受けた地域が特例法の対象からはずれるというようなことのないよう特に配慮を加え、たとえば公共土木施設の府県工事につきまして単純に県単位の適用を行なうことなく、県内の市町村の地域にまで考えを及ぼして、その地域での被害の程度を測定して府県工事の適用範囲を決定するとか、あるいは長期湛水地域について特別の配慮を加える等の措置をとっておるのであります。半面、事業主体である地方公共団体等ごとに見て、全体として被害の程度の低いものは対象外とするなど、基準適用が乱に流れないよう配意いたした次第であります。 そこで、その基準の内容について御説明をいたします。お手元に配付してあると思いますが、公共土木施設及び農林水産施設災害特例法指定基準、これでございます。そのまず第一は、公共土木施設について申します。この公共土木施設を府県工事と市町村工事、二つに大別いたしますが、その府県工事分について申しますと、当該県の災害復旧事業費、かように申しますのは、府県工事及びその府県内の直轄工事、これを合計したものを災害復旧事業費と申しておりますが、この災害復旧事業費が当該県の標準税収入の〇・五倍をこえる府県について次の方式を採用することにいたしたのであります。当該県の標準税収入の〇・五倍をこえる府県という基準をとりましたことは、今日施行いたしております公共土木等の災害復旧に対する国庫負担法におきましても、この〇・五以下のところにおきましては、交付税あるいは特別交付税等をもってその税収入の補てんをするという基本的原則をとっております。従いまして、今次災害におきましても、〇・五というものを一つの標準にとることは適当であろうということで、〇・五倍をこえる府県についてのみ次の方式を採用するのでございます。ところでこの〇・五倍をこえる府県を申し上げますと、ただいままでのところ十六府県になっておりますが、この十六府県、今から申し上げます府県が落ちることは絶対にございません。しかし、今後さらに調査することによりまして、あるいは一県程度ふえることがあるかもわかりませんが、ただいままでのところ明確になっておる府県を一応申し上げます。愛知、岐阜、三重、長野、山梨、新潟、石川、福井、滋賀、京都、奈良、和歌山、鳥取、島根、徳島、長崎、この十六府県になるわけであります。〇・五倍はただいま御説明いたすような考え方でこれを基準といたしたわけであります。そこで、この〇・五倍をこえるただいま申し上げました十六府県、これにつきましては、混合方式により算定した災害復旧事業費、それをその県内の当該市町村の区域における直轄工事費、府県工事費と市町村の市町村工事費の合算額が当該市町村の標準税収入と県の標準税収入のうち、当該市町村に按分された額との合算額の一倍をこえる市町村の地域、先ほど説明いたしました国庫負担法におきましては、連年災害の場合は税収入と事業費の関係が一対一であればこれを法律適用するということになっておりますが、今回は〇・五をこえる府県でありまして、ただいま申し上げるような方式で算定をして、そしてその比率が一倍をこえるその市町村の地域内における当該府県の工事、これには特例を適用しようというものでございます。この意味では、全県、その県内の全部の府県工事を採用するというわけではございませんが、今回の災害の特質にかんがみまして、同一県内でありましても、市町村を基準にしてその市町村が一倍をこえた場合にその市町村内の府県工事、こういうことでございます。同時にまた、長期湛水地域、長期湛水地域と申しますのは、三十ヘクタール以上で、七日以上の湛水地域、これを長期湛水地域と指定いたしますが、この長期湛水地域に該当する市町村内の府県工事ということになるわけであります。 また、市町村工事について申し上げますと、当該市町村の災害復旧事業費、これは市町村工事でありますが、これが当該市町村の標準税収入の一倍をこえる市町村の地域、これは当然特例法を適用いたします。ただ、これだけでは不十分だと考えますので、これの一対一にはならない市町村でありましても、当該市町村の災害復旧事業費が当該市町村の標準税収入の〇・五倍以上になるものであって、混合方式により算定した災害復旧事業費が標準税収入の一倍をこえる市町村の地域、やはり市町村の場合もやはり〇・五というものを一応基準にいたしまして、それより以上で、そうして混合方式によった場合に一対一になれば、それも特例法の適用地域にする、こういうことであります。長期湛水地域について、これは府県工事と同様にやはり市町村工事につきましても、特例法を適用する考えでございます。 次に、農林水産施設について申し上げます。農地、農業用施設につきましては、市町村の地域について、当該市町村の地域内における農地及び農業用施設の災害復旧事業費の総額を被災農家戸数で除した額、言いかえますならば、被災一農家当たりの災害復旧事業費、これが五万円をこえる市町村の地域、いろいろ金額について御議論があると思いますが、今回は、一農家当たり五万円をこえるもの。また長期湛水地域の工事につきましては特例法を適用することにいたしました。また、林道でありますが、林道につきましては、当該市町村の地域内における林道の被害復旧事業費の総額を被災林道の総延長で除した額、言いかえますと、一メートル当たりということになりますが、これが四百円をこえる市町村の地域の工事について特例法を適用するという考え方でございます。 そうして、以上の場合におきまして、公共土木施設、農林水産施設のいずれにつきましても、市町村の地域と申しますのは、町村合併が行なわれている今日でございますが、旧市町村の地域による方が有利となる場合には、これによることができる、新地域だろうが、旧市町村地域だろうが、それはいずれでもよろしい、とにかく有利な方で計算をしていただくということでございます。 次に、公共土木施設及び農地農業用施設の災害復旧事業以外の災害復旧等についての被害激甚地の指定基準につきましては、まだ全部が最終的に決定したわけではございませんが、その大要について申し上げます。公共土木施設災害復旧事業と、農地農業用施設の災害復旧事業につきまして、すでに御説明申し上げた通り、その事業の性質によりまして、被害激甚地指定の基準が異なっているのと同様、その他の災害復旧事業につきましても、それぞれ事業の性質によりまして、被害及び事業主体の負担能力を勘案して、それぞれにふさわしい被害激甚地指定の基準をきめることが適当と考えておるのであります。たとえば公立文教施設災害復旧事業、災害救助事業、あるいは防疾、これは病気でありますが、防疾関係事業等につきましては、それぞれこれらの事業に要する費用と、当該事業主体である地方団体の財政力との関係において、打撃の大きな場合を被害激甚地として指定することが適当であり、またたとえば社会福祉施設の災害復旧事業あるいは除塩事業、あるいは排水、排土事業、公営住宅災害復旧事業等につきましては、それぞれ府県または市町村の区域等を単位といたしまして、被災を受けた割合や被害の深さというような観点からみることといたしまして、被害激甚地として指定することが適当と考えられますので、このような方針で、それぞれの事業に即し、公正な基準を立てて、適切な結果を得るように、地域指定を行ないたいと考えている次第でございます。 以上で説明は終わるのでございますが、この際にさらに一、二つけ加えて申しておきたいと思いますことは、今回のこの地域指定基準をきめるにあたりまして、ことしの災害の特異性を特に私どもは考えたつもりでございます。ことしの災害の特異性と申せば、多数の人命をそこなったという問題がございますが、同時にまたいわゆる集中豪雨ということによる惨害の惹起でありますし、あるいは長期湛水という今までに例を見ないような長期間にわたって水をたたえておる長期湛水自身が、工事費に直ちに関係があるとは思いませんけれども、それは同時に今回の災害の特異性でございます。そういう点を勘案いたしますと、いわゆる全体的に全県を指定するということよりも、この集中豪雨的に見舞われて非常な惨害をこうむった、あるいは長期湛水であるという、こういう特異性を見逃すことなく地域指定の基準を設けて、そうして全国各地にわたって引き起されたこの災害対策に対して、各県あるいは市町村等に不公正あるいは不公平を引き起こさないように、一定の基準のもとに全国をみていく、こういう考え方をいたしたものでございます。 何とぞこれらの点につきましての格別の御理解を賜わりまして、御審議賜わりますようお願いをいたしておきます。
○委員長(郡祐一君) 以上で大蔵大臣の説明を終わります。ただいまの御説明に対し質疑のある方は順次御発言を願います。
○栗山良夫君 実はこの委員会は、二十五件の法律案の中に明記されております特別の適用指定区域につきまして政令案を出していただく、これが審議を進める第一の要件であるということが確認をされておるわけであります。従っておそらく大蔵大臣はそれに基いて、当委員会の要望にこたえるために御説明に相なったものと私は了承いたすわけであります。ところが、この委員会が求めた適用地の問題について、ただいま大蔵大臣の御説明で満足し得るかどうかということになるというと、別問題であると思います。その意味で若干お尋ねをしておきたいと思います。 ただいまの御説明によりますというと、公共土木施設の府県工事につきまして、〇・五をこえる府県については十六府県であるということで、名前までもお示しをいただいたのであります。ところがさらにその府県の中でカッコの(イ)にありまするような一倍をこえる市町村の区域、これについて一体全国的にこの適用を受けまする市町村の数というものは幾つあるか、その名前ははっきりもう整っているのかどうか、こういう点がきわめて不明確であります。以上私は一つの例を申し上げたのでありますが、全部にわたって一どきにお示しをいただければ一番しあわせであります。もし何かの事情でお示しがないということであれば、重ねてお尋ねをしなければなりません。ごく概略的に大蔵省の今日までの作業なさった御所信について、何っておきたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま栗山委員のお尋ねの点でございますが、私どもこれが明確にできますなら、大へん事態の審議に役立つことだと思っております。そういう意味で作業をいろいろ進めております。進めておりますが、まだなかなか全地域については、まとまっておらないのでございます。その点をまことに遺憾に存じます。しかして今お手元に配付いたしてあります資料は、公共土木施設特例法地域指定基準該当率というものを、お手元に差し上げているかと思います。これは衆議院の予算委員会で要求がございまして、予算委員会に提出をした資料でございまして、あるいはまだこちらの方に参っておらないかと思いますが、事務当局に聞きますと、お配りしたようだと思いましたので、今取り上げたようなわけでございますが、まだお配りしていないようでございますから、これをお配りいたしました上で、これについて御説明いたした方がいいと思います。 ただいま私どもが取りまとめ得たものは五県、五つの県につきまして、その五つの県もこれは具体的な名前を申し上げないで、A、B、C、D、Eという県にいたしておりますが、かようにいたしておりますことは、おそらく各府県とも、自分のところはどういうようになっているかということで、非常に深い関心を持っておられることだと思いますし、一応この調査そのものにいたしましても、私ども正確は期しておりますが、まだ実情を十分把握できない部分もございますので、一応お預かりして、A、B、C、D、Eというような方法で表わしておりますが、この五つの県だけを早急に取りまとめましたところで申しますと、府県工事については大体該当率が六七・八%ぐらいになるのではないか、あるいは六七・九になるか、その辺じゃないだろうか、かように考えます。そうして市町村工事におきましては、これは六八%ということでございます。まあ大体これを市町村工事と府県工事を合算いたしてみますと、金額の相違等があるから率は変わって参りますが、大体率といたしましては六七・九ぐらいになるのじゃないか、これが公共土木についての見方であります。 次に同じような五つの県で、大体農地についてこれを検討してみますと、農地、農業用施設については、大体の見通しですが、七一・三%くらいになりはしないか。林道につきましては六八・八くらいだろう。林道と農地、農業用施設、それを合計いたしますと七一・一、こういうような一応の見込みが出るのであります。しかし、これはいずれこの表をお手元に差し上げました場合にあわせてよく見ていただきたいのは、その下の欄外に註と書きまして、未定部分、これからなお増減ある部分が残っておりますから、その点を、お配りいたしました上は、一つ十分御検討いただきたいと思います。ただいま申し上げるように、非常に申しわけなく、正確な該当率なりあるいは該当地域なりをお示しすることができませんで、非常に残念に思う次第でありますが、この点は御了承いただきたいと思います。こういうことになりますと、あるいは重ねてお尋ねがあるのではないかと思いますが、当初、私どもが大体予定いたしましたのは六割程度ではないだろうか、こういうことで大体の予算を組んだということを、たびたび御説明いたしております。そこで、ただいま御説明申し上げるように、率がその六割の一割、まあ六六、七になるとかあるいはものによりましては一割以上、七割をこすとか、こういうことになりますと、予算がそれでまかなえるか、こういう問題があろうかと思いますが、今回の予算編成は、私どもも非常に当初からこの点に苦心をいたしたのでありまして、と申しますのは、この災害対策の臨時国会は早急に開かなければいかない。また予算も早急に計上いたしまして、地方の方々に不安のないようにしなければいけない、こういうことで全地域についての査定終了前に予算を編成をいたしました。今日もなおまだ締め切りはできたが、水が引かないというような地域がございます。そういうような状態で、実地調査のおくれておる面がございます。そこで、本費に計上する分とさらに予備費に計上する分、あるいは今後の設計等によりましてさらに債務負担行為でまかない得るような道を開く。在来、年度当初に予定いたしました予備費のうちから七十億以上も使って参りましたが、それでもなおかっただいま申し上げるように、本費なりあるいは予備費なりあるいは債務負担行為なりというような部分でまかなう、こういうようなことを実は考えて参っておりますので、ただいまのところ、この程度の変更——率をどうかすることによりましては、何とか計画をした範囲内でこれがまかなえるのではないか、かように考えております。しかし、何とかまかなえると申しまして、その予算の方を先にきめて、その中へ無理やりに工事費を押え込むつもりではないか、こういうような疑問があろうかと思いますが、そういうような悪質な考え方は毛頭いたしておりません。この災害事実はすでに発生いたしたのでありまして、今日これを減らしようもございませんが、またふやしようもない。今日までの災害そのものにつきましては、十分事実をそのまま認識をいたしまして、これに対しては基本的に来年の作付に間に合うように、また、来年の台風時期までには一応の格好がつくように、こういうことを実は念頭に置いて予算を組んでおるわけでございます。もちろん本年度内だけの予算でただいま申す目標に達成するとは思いませんが、もう本年はこの三月末で終わるのでありますから、引き続いて通常国会に提案いたします災害復旧費等によりまして、来年度の四、五、六、こういうような三カ月内にさらに工事を進捗させて、いわゆる作付にはとにかく何とかして間に合わせたいし、また、台風襲来前には河川等一応の形を整えたい、かように実は念願しておる次第でございます。
○栗山良夫君 私がまだお尋ねしないところまでずっと御丁寧に御説明がありまして、その御意図は、私のこれからしようとする質問を若干事前に工合よく押えようという御意図ではないかと思う。 そこでもう一度私は最初からお尋ねいたしますが、先ほどこの予算を作るに当たっては、事緊急なことである、罹災民の不安を一掃するために急いだんだ、従ってしかるべく了承してくれということでありまして、その点はわれわれは了といたします。了といたしますが、今罹災民が不安を持っております一番根本は何かと申しますと、そういう意味の不安ではないんです。総理、大蔵大臣、通商産業大臣、建設大臣その他閣僚が現地へおいでになって、罹災については国家はできるだけの援助をすると、二十八年災には絶対に負けないような対策を立てる、安心をしてよろしいと、こういうことをおっしゃったわけです。従いまして災害を受けた所は、どこも二十八年災を下回るようなことは絶対にない、場合によってはこれを上回るところの国家の助成が期待し得るものと考えておったと思います。ところが、実際にふたをあけてやってみまするというと、二十八年災を少し切るんじゃないか、果して自分の町は対象にしていただけるのかどうか、そういうことに対する不安が出てきておるんです。で、総理以下あなた方が現地へおいでになって罹災民を慰問せられたときは、非常に安心したわけです。不安はそれからあとに出てきておるわけです。その不安をどうして解消するかということは、今日の一番大きな務めだと私は思う。そこで、そういう筆法からするならば、今数字のことをお述べになりまして、六〇%予定しておったのが一割程度以上、実際に五県では上げ得るような状況であるとおっしゃったのでありますが、この点はここであなたがおいでにならないときでありましたが、各委員から非常に執拗とまで申して差しつかえないほどに質問が行なわれまして、この予算で押えつけるのか、予算でおさまらない分はどうするんだということがしばしば議論せられまして、必ずしも抑え切ってしまうんではないという意味のニュアンスのある御答弁がありました。ところが、あなたが衆議院の予算委員会において田中織之進君の質問に答えて、もし足りないときには第二の補正をするとまでははっきりおっしゃらなかったけれども、やや含みのある御答弁があったわけです。従ってこの点では納得をしておると思います。思いますが、そういうことをひっくるめて今罹災民、罹災市町村の責任者に安心をさせる一番重要な方法は、ただいま具体的にどの市町村が一体該当するのかということを明示すること以外にないと思う。これを明らかにすること以外にないと思う。そこで、非常に困難だとおっしゃいましたが、明示せられる時期ですね、時期が問題なわけです。具体的に、全部の法案の予定しておりまする地域を、いつまでに全部公表できるか、その時期のお約束が必要であろうと思う。特に公共施設、農業、農林関係の施設については一番期待か大きいわけでありますから、これは少なくともこの臨時国会において、衆参両院において災害対策の審議をしておるこの委員会の審議中に公表せらるべきである、私はそう考える、そういう御用意があるかないかということをお尋ねをいたしておきたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) 市町村が、自分の市町村がどうなるかということに非常に心配であられる、これはよくわかります。よくわかりますが、基本的に申しますと、大蔵省はとにかく予算をきめて災害額をそれに押し込むのではないか、だからどんな基準を設けても、その基準は基準で、おれの方に対しては査定その他で適当なことをやるのじゃないか、こういうようなことが最後まで残るだろうと思います。 その基本の問題についての考え方でございますが、これは、あなたの方の衆議院における田中君の質問に私も答えましたように、普通の予算と違いまして、金がないからこれはやらない、こういう筋のものではないのでございます。他の費目でございますと、しばしば財政当局が、財政の立場からこういうことはやれないということを申しますが、現実に起きた災害、これは予算におかまいなしに、災害というものが現実に惹起するのでございますし、それの復旧工事でございますから、災害そのものが額をきめるということでありまして、予算が先にきまって災害額がきまるのじゃない。もうすでに災害額がきまっておる。それを予算化するのであります。この点では、重点が、在来のような考え方、いわゆる財政的立場だけで物事がきまるものではない。だからこそ、今回もいろいろ御批判はいただいておりますが、私どもはあらゆる面で財源の調達をいたしたつもりであります。三十四年度の予備費をほとんど全額これに投入したことももちろんでありますが、さらに今回は、本年度内の自然増収分を見込む。それだけでは不足であるということで、さらに税外収入におきましても十分考えられるものを考えるとか、あるいはまた、さらに債務負担行為まで工夫するとか、あるいは既配付の予算からも、各省から節減をしてもらって、所要の財源を捻出するとか、実はあらゆる努力をいたして参ったのでございます。ことに既配付予算の節減をお願いしたことなどにつきましては、いろいろ御議論もあることだろうと思います。思いますが、現実に起きた災害に対処するということが第一重要ポイントでございますから、私どもはあらゆる工夫をいたしましても、必要な財源は確保するという努力をいたしました。この一事をもっていたしましても、いわゆる予算をきめて、しかる後に災害額をきめるとか、工事費をきめるとか、こういう間違った考え方は毛頭持っておりません。どうかこの点は、各委員会を通じまして政府の意のあるところを十分伝えていただきたいと思います。そういう観点に立っておりますからこそ、私どもも将来の問題といたしまして、事実そのもの、冷厳な事実を無視する考えは毛頭ない。事実の前には必ず私ども頭を下げまして、必要な措置を講じますということを衆議院においても明確に申し上げた次第でございます。 そこで、それならば早く市町村をきめろという問題になりますが、市町村をきめることにつきまして、私ども別におくらすとか、あるいは国会開会中にどうこう、間に合わさないように物事を考えておるわけじゃございません。この臨時国会中にできなくても、すぐ引き続いて通常国会があるのでありますし、この通常国会におきましても、いろいろな御批判を当然受けることだと思いますから、私どもはどこまで公正な処置をとりたいと思っております。 先ほど申し上げましたように、ただいまお手元に配付しておる程度では、推定の入っておる資料にすぎませんし、また何といいましても、できるだけ早く査定を終了しなければならない。この査定を終了さすことにつきまして、非常に急いでおります。今回の伊勢湾台風についての査定がおくれておることはやむを得ないとしても、これまでに惹起された伊勢湾台風前の査定等もなおおくれておる。こういう状況でございますから、この査定を急ぐことをまず第一に考えております。 それからまた、こまかな問題になりますが、市町村の地域と申しましても、ただいま申し上げますように、災害地を救うことが主体でありますから、新旧いずれでもよろしいというようなことを申しております。また、標準税収入につきましても、これを按分する方法、一つの基準がございますけれども、新旧そのいずれをとるか等によりましても、計算上相当めんどうくさい問題がございます。そして、先ほどあげただけでも十六府県がございますが、それ以外の県におきましても、〇・五以下の県でありましても、市町村について混合方式を採用いたします以上、やはり被害激甚地というものが出て参るわけであります。そういう点を考えますと、私非常に苦しい弁解めいたことを申し上げますが、一日も早くお示ししたい市町村ではございますが、そういう意味では、いつまでにそれじゃやるのだ、こういうことを申し上げる段階ではございません。しかし私どもは、ただいま栗山委員が御指摘になりましたように、これを明示することが非常に審議も助けるし、また罹災地の方々をして、これで一応の今後の財政計画なり工事進捗についての見通しが立つ、こういう意味で、一応の目安にもなることでございますから、できるだけ急いで各市町村をきめていく。こういう方向で進めたいと思います。
○委員長(郡祐一君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(郡祐一君) 速記を始めて。
○栗山良夫君 今、大蔵大臣は、予算措置の分は心配するな、要るだけ出すんだから心配するなというので、答弁に答えられて退場せられましたが、私非常に心配しているのは、政治というのは非常に簡単なものでしてね。大蔵省はこういうこまかい計算書を作って議論をせられますが、現地の考えは非常に簡単なもので、自分の町なり村なり市なりが該当していただけるかどうか、適用していただけるかどうかという、それだけなんです。従って、安心をきせる一番いい方法は、一刻も早く市町村名を発表されるということでなければならぬと思います。僕が非常に心配しておりますのは、災害が起きて、まだ現地ではなまなましい状態にあるにかかわらず、関係府県の理事者はもとより、県会議員、市会議員、市町村長が陸続として東京へ上京してきて、まさに陳情合戦であります。これは、いかに不安が深刻であるかということを、証明しているわけです。従って、それぞれ理事者なり議会議員が災害復旧に一生懸命に現地で努力したければならぬ立場にあるにかかわらず、東京まで出てきて、東京で復興事業をやらなければならぬ。こういうまことに変態的な現象を示しておるわけです。これを解消してやることが政府の責任でないかと私は思う。もし今おっしゃったように、臨時国会の次にすぐ通常国会が引き続いてあるのだから、まあ漸次査定を進めて発表してもおそくない、こういう大蔵大臣のお話でありますが、そういう工合に査定がおくれればおくれるほど、陳情合戦はひっきりなしに続きます。これをどうして打ち切るかということが一番大切なことであります。でありますから、大蔵省としましては、とにもかくにも、具体的な基準にあげられたところの市町村の名前というものをある程度時期を切って、いつまでには発表するのだ、あるいは同時発表ができなければどういう順序で漸次発表をしていくのだ、七月から災害はあったわけでありますから、もちすでに前のものは発表できるはずでありますから、そういう工合にしてもう少し具体的な日程というものをお示しになることが必要ではないか、今大蔵大臣のおっしゃった程度のばく然としたことでは、これはますます東京で陳情合戦が始まりますよ。ですからその点を重ねて伺っておきます。
○政府委員(前田佳都男君) お答え申し上げます。ただいま栗山委員の御指摘の被災地における市町村が非常に不安に襲われておる。一刻も早くその市町村の名前を発表すべきであるという御意見、まことに私も被災地の一人といたしまして全く同じような感じでございます。ただ残念なことに査定がただいままだ進行中でございまして、査定が終わらないのにその市町村名を発表いたしまして、このままいいかげんな基準と申しますか、そういうもので発表しても困るというところで、市町村の具体的な名前の発表はいまだに進捗していない状況でございます。ただしかし、弁護するんじゃございませんけれども、この指定基準が発表されましたので、これに基づきまして、およそ自分のところは該当するかどうかというふうなことの判断はつくと思うのでございまして、その点はある程度前進しておるというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、ただいまの御指摘のように、この不安は一刻も早く解消するように査定を促進するようにさらに努力をいたしたいと思います。
○栗山良夫君 七月からずっと数日にわたって災害を受けたわけでありますから、もう前の方の災害は否定が終わっているのじゃありませんか。その辺の具体的な内容を少しお示しいただけませんか。第何号台風の分については、たとえば終わっている、で、このものさしに当てはめれば市町村の発表は大体簡単にできるのだとか、できないのだとか、そういうことを御発表いただけませんか。
○政府委員(前田佳都男君) その点につきましては、宮崎主計官より御説明をいたします。
○説明員(宮崎仁君) ちょっと数字的な問題でございますので、査定の進捗状況について申し上げます。御承知のように災害復旧事業費の査定は建設省、農林省、運輸省というような、それぞれ主務官庁で実施いたすものでございますが、現在までの進捗状況といたしましては、八月に起こりました七号台風、それから八月二十日近くに起こりました八月下旬豪雨につきましては、十月中に一応緊急査定というものが終了いたしております。緊急査定と申しますのは、災害復旧工事を早急に施工する必要がございますものにつきまして、災害直後から査定を実施いたすものでございまして、これは県で申しますれば、全体の工事個所についてやるものではございませんで、大体全体として被害全額の三割程度を至急調査をいたすというやり方をしております。この分は十月末に一応完了いたしまして、十五号台風——伊勢湾台風の分につきましては、一月二十日ごろからやはり緊急査定に入っております。現在ではもう相当の進捗を見ておることと思いますけれども、この具体的な進捗率が何%程度に行っておるかということは、私まだつまびらかにいたしておりませんが、相当進んでおることと思います。で、三十五年度予算の編成もあることでありますから、なるべく一つ早く査定を了してもらいたいということで、各省督励いたしておりますし、またこのために必要な旅費等の問題もすでにいろいろ手配をいたしておりますので、相当早く確定ができるのではないかと考えてはおりますが、いずれにいたしましても、工事個所が数万件に上るものでございますから、例年の例から言いましても、大体この本査定完了というのが十二月末ごろまでかかるというのが実情でございますので、本年度に繰り上げてやるといたしましても、それを繰り上げるということは、技術的に見てなかなか困難ではないかと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○栗山良夫君 そうすると全部の査定、九月二十六日台風、十五号台風までやりますと、全部の査定が一応完了するのは十二月末、こういうことでございますか。
○説明員(宮崎仁君) そのようになります。今度の特例法の規定も、七月から九月までの災害を合算いたしますと、やはり十五号台風まで全部査定を完了して合計したところでやりませんと、基準に該当するかいなかということは査定できないようになっておりますが、そういった点もございますので、なるべく早くやっていただきたいと思いますが、おそらくその程度までかかるのではないかと考えております。
○栗山良夫君 新聞によりますと、何市何町村がおそらく適用地域になるだろうということを発表しましたが、あの数字というものは一体どこから出ておるのでしょうか。
○説明員(宮崎仁君) 市の数について正確な数字が出たということは私聞いておりませんけれども、本務官庁の方といたしましては、すでに一部査定が、先ほど申しあげましたように済んでおりますので、この否定の状況を見てある程度の推計を加えて、そしてこの程度の町は合格するであろうということを推計いたしておると思います。しかしいずれにいたしましても、査定済みということではございませんから、推計としては出るわけでございますけれども、これでもって、告示をいたすという段階まで正確にはなっておりません問題といたしましては、非常に被害の大きいようなところはこれは問題なく入るということは大体明かでございますので、そういうものにつきましては、あるいはその推計の段階で具体的な名前が出ておるのかもしれませんけれども、やはり査定確定というところまで参りませんと、一ぺん発表いたしたものがあとから失格になるというような事態になりますと、これもなかなか重大問題となりますので、私どもとしては、やはり慎重に扱うべきであると、こういうふうに考えております。
○栗山良夫君 それでは具体的に名前をあげて一つお聞きしますが、今被害甚大なところは間違いなく入るとおっしゃいました。そういう気持で現地が待っておる。しかも東京における査定の空気というものはどうもはっきりしないというのに名古屋市があります。この名古屋市は一体どういう取り扱いになりますか。
○説明員(宮崎仁君) 先ほどの大臣からの激甚地の指定基準の発表がございましたように、府県工事につきましても、市町村の工事につきましても、長期湛水地域ということで名古屋市のごとく長期にわたって湛水いたしました地域は、基準に該当するようにいたすということになっております。ただ長期湛水地域と申しますときのその地域の範囲でございますが、これにつきましては、御承知のように名古屋市全市が水についたわけではございませんで、南の方約三分の一くらいの面積が水についたということになっております。これをまあ全市の工事について特例法を適用ということもいかがなものであろうと、こういう意見もございまして、今農林省、建設省と長期湛水地域の基準につきまして打ち合わせ中でございまして、大体本日中、あるいは明日くらいまでかかるかもしれませんが、一日、二日のうちにその基準を決定いたしまして、この分も特例法がございますので、政令案をきめたいというふうに今鋭意折衝中のところであります。
○森八三一君 今の御説明と大臣の御説明とが違うのじゃありませんか。大臣は七日以上、三十ヘクタール以上の湛水地域は市町村の区域を指定するということですから、またそれの内訳を考えるということは、大臣のここで御説明になったこととは違うのじゃありませんか。それはどういうことになるのですか。大臣ははっきり市町村を指定いたしますと、これは明確におっしゃっておる。今のあなたの御説明のようにその中でまた考えるなんということは、大臣は御説明になっておりませんよ。この配付せられた文書を見てもそうは書いていない。そんないいかげんなつけ加えた説明はおかしいと思う。これはどうですか。これは政務次官言って下さい、こんなおかしな……。
○政府委員(前田佳都男君) 本件につきましては、関係の省と目下直接折衝いたしております宮崎主計官にちょっと御説明させたいと思いますので御了解願います。
○森八三一君 関係の省と打ち合わせじゃないですよ。政府の方針が決定して、私ども真剣に審議をしておる委員会に文書をもって明確にお示しになり、その上大臣が明確に説明されたのですよ。この裏話があるというなら裏話を大臣がなされたければ審議の対象になりませんよ、そんなことは。
○政府委員(前田佳都男君) お答えを申し上げます。ただいまお手元にお配りしたこの表でございますが、この表で一方は市町村の地域とし、一方は長期湛水地域ということで分類してあるわけでございます。従いまして、この長期湛水地域と市町村の地域とは必ずしも一致しないという場合があると存じます。
○森八三一君 関連質問ですから栗山先生に御迷惑をかけますので、私はこの程度でやめますが、先刻大臣の長期湛水地域の御説明は、七日以上、三十ヘクタール以上の湛水地域の存する市町村を持つ府県は指定をする。それから市町村の場合には、そういう市町村はこの特例法の高率補助を適用する、こう明確にお答えになっているのですよ、御説明になっておるのです。その説明と今主計官の御説明とは違うのです。もし主計官の説明が正しいということであれば、大臣はうそをおっしゃったということにならざるを得ないのです。はっきりおっしゃったのです。これは速記録を見ればわかる、おそらく全員そうお聞きになったと思います。もし私の聞き違いであれば他の委員の諸君から私の聞き違いを御修正になってもいいのです。七日以上、三十ヘクタール以上の湛水地域を持っている市町村を指定する、こう明確におっしゃっておる。その中を大字別に区別いたしますとか区別に区別いたしますとか、そういうことの御説明はなかったのです。主計官の説明は、栗山委員の質問に対して、名古屋市の場合には南部の方は長期湛水をしておるが、そうでない所はそうではございませんので、それは各省と打ち合わせをしておるということなんです。その説明をさらに援用して参りますと、名古屋市に限りません。その他の地域においても大別に七日以上、三十ヘクタール以上、そうでない所はやらない、そういうことになるわけでございますね。そういうようなことであるとすれば、大臣がそういう説明をなさらなければわれわれは審議できませんよ、一体どっちがほんとうですか。
○政府委員(前田佳都男君) お答えを申し上げます。大臣の御説明は、長期湛水地域とは、三十ヘクタール以上の湛水地であって、七日間以上湛水の地域の存する市町村ということを原則とする御説明だったと思うのでありまして、ただ主計官が御説明をいたしましたのは、この長期湛水地域がその市町村のごく一部であるというような例外的な場合のことを考えて主計官が申し上げたわけでございます。
○栗山良夫君 今の点はこれは非常に重要な問題なんですよ。大蔵大臣のおっしゃったことと、森委員なりわれわれの聞いたこととの間に、また今の政務次官のお答えとの間に食い違いがあると、ずっとあとを引きましてなかなか問題なんですよ。ですから今の速記録をちょっとわれわれ委員会に、待っておりますからすぐ翻訳して持ってきて見せてもらいたい。大蔵大臣のそのところを。
○委員長(郡祐一君) いかがでございましょう。この点については現に大蔵政務次官がこの場におりまして、御質疑の模様、また大蔵政務次官が答弁をいたしておりますので、大蔵政務次官から明確に……。
○栗山良夫君 大蔵政務次官の今の御答弁じゃだめですよ。さっきの答弁と違うのですから。今の御答弁は三十ヘクタール以上の湛水をした所で七日以上湛水状態にあった市町村に適用すると、こういうふうに今あなたはおっしゃった。それじゃその言葉は先ほどの森委員の言葉と合っているわけだ。ところが最初におっしゃったことは違うのですよ、私の質問に答えられたことは。それだから速記録を調べてみる必要があると思います。
○政府委員(前田佳都男君) 長期湛水地域とは、三十ヘクタール以上の地域が七日間にわたりまして湛水している地域の存している市町村を原則とする、原則とするということが……。
○栗山良夫君 それでは名古屋市全部入るわけです。
○政府委員(前田佳都男君) いや、原則としますが、ただその湛水地域が市のごく一部であるというふうな場合は検討中でございますという意味を主計官が申し上げたわけでございます。ただこの問題につきましてはただいま検討中でございまするし、各省と今折衝の段階でございますので、あるいはここで不確定なことを申し上げても間違っちゃいけませんから、速記録を私の方でも調べまして、十分検討の上、また後日お答えをさしていただきたいと思います。
○栗山良夫君 ちょっともう一ぺん私言います。大体今の認識が少し違うのですよ。名古屋市で七日以上の湛水地帯というものは一部分だとおっしゃったのですけれども、区で言えばなるほど四区か五区なんです。ところが名古屋市全体の経済力からいえば、この五区は名古屋市を背負って立っている基盤なんです、完全な工業地帯なんですから。あの五区を除いたら名古屋市の工業地帯というものはないのです。名古屋市は富裕県だ、富裕県だから遠慮しろと最初あなた方はおっしゃっておったのですが、その富裕県のよって来たる原因は、あの五区があるから富裕県になっている。これが壊滅しているときに、一部などという認識でおられるからそういう言葉が出てくる。これを今明確にしておかないとまずいと思う。
○田上松衞君 どうも実におかしなことなんです。さっきのお話では、長期湛水地域のいわゆる三十ヘクタール、七日以上のものについて原則とするとおっしゃったけれども、それはあなたのお話で、これをお持ちだろうと思うが、これを分けまして、公共土木施設の中で府県工事と市町村工事とに分けて御丁寧に1、2と、こうつけてやっているわけです。さらにその中で長期湛水地域というのが府県工事にあたっての説明の中にあったわけですが、さっきのお話では。ところがさらにこれは重ねて市町村の工事の中の(3)の中にちゃんと説明しまして、「市町村工事について特例法を適用する」と、はっきりとここで明示されて、これに対して大臣がこれは別の解釈だとは言っていないのですよ。明らかにこれを説明しているので、速記録を調べてみるのが一番いいんじゃないですか。きわめて明確だと思う。
○委員長(郡祐一君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(郡祐一君) 速記を始めて下さい。
○栗山良夫君 そうすると、十二月末になればこの災害の全部の査定を終わって、そうして明確に市町村名を指示することができる、こういうことであります。しかもこういう基準を発表したから、それぞれの罹災府県、市町村では自分で計算をしてみて、大体その適用になるかならないかという判断がつくから一応まず安心ができるであろう、こういうお話であります。で、私はまあ一応そういうことであろうと思いますが、その場合に、私どもがこの委員会で前回態度をきめてお願いをいたしましたのは、きょうお示しになった、A、Bの公共土木施設と農林水産関係の施設だけではないのです。あの当時一欄表を全部はお目にかけませんでしたが、その二、三の例を私は読み上げましたように、今度出ておる二十五の法律案の全部にわたって今度は適用地域の基準がそれぞれ全部違うわけですから、その基準を、政令の要項ですね、これを全部きょうお示しを願いたい、こういうお願いをしたわけです。ところが、大蔵大臣がただ口頭でもって、その他の問題については若干のことを説明して退場をせられてしまった。これは一体どういうことなんですか。この委員会ではとにかく政令案の骨子というものが提出されない限り、明示されない限りは委員会の審議に応ずるわけにいかない、そういう強い態度すら委員の中にはあるわけです。そういうのをいろいろまあ調整をして、積極的に政府筋から十三日中に政令案というものは全部にわたって一応まとめる。そうして次の委員会には提出することができるから待ってもらいたい——そうすれば、われわれは全力をあげて審議をやりましょう、こういうお約束になっておるのです。ところがただいまのところでは、一番肝心の公共、水産関係のものについても、われわれの満足するような内容のものではない。ほんとうの基準でありまして、政令案の内容ではありません。これは政令案の内容でないですよ。ましてや、その他の法案については書きものになったものは何も出ておりません。これではわれわれが大いに審議をしようとして意気込んでおるその気勢をそがれるような格好になるわけでありまして、審議渋滞の責任はあげて大蔵省にある、との大蔵省の責任を一体どうするか。
○政府委員(前田佳都男君) お答え申し上げます。栗山委員から、ただいま他の激甚地指定のこの基準につきましても、きょう出せというふうなお話でございまするけれども、残念ながらきょうはとうてい出す段階までの準備はできておりません。できるだけ御指示を体しまして、極力急ぎまして御趣旨に沿うように努力いたしたいと存じます。
○小酒井義男君 今、栗山委員から政令の問題について大蔵省に質問があったのですが、前回私も質問をして、そのときに答弁をされたのは官房長官でありますから、一つ官房長官に出席をしてもらいたいと思うのです。
○藤田藤太郎君 私も関連なんですが、今大蔵大臣の御発言を聞いておりますと、ことしの災害の特異性というものを述べられ、そして市町村の対策に不公正を来たさないようにする、こういうお話がありました。これは今公共土木、農林、湛水というものの激甚地の発表があった。それにつけ加えて、公立文教とか、災害救助法とか、除塩とか、まだ一、二言われたと思いますが、そういうものも激甚地の指定をするのだ、こういうお話がありました——と認識するのですが、間違っておるかどうか、それをはっきりしてほしいと思う。それから激甚地の問題が残されておるということになりますれば、こういう市町村が総合的に激甚地の対象になる、こういうものが明らかにならなければ、市町村がものさしができないのじゃないですか。そういう問題はどういう工合になるのですか、ちょっと……。
○政府委員(前田佳都男君) ただいま藤田委員御指摘の通り、激甚地指定は、単に公共土木施設、農林水産施設ばかりではございません。除塩事業、公立文教、その他各般にわたりまして、そういう関係の政令を出さなければいけないのでございます。その点につきましては、大蔵省といたしましても、大蔵省の立場におきまして極力急いでおりまするけれども、残念ながら本日の間には合いませんけれども、極力御趣旨を休して急ぐことにいたしたいと思います。
○藤田藤太郎君 ですから、今問題になっている政令の問題なんですよ、各法案に対する政令の問題が問題になってくる。こういうものを置き去りにされておって審議をせいと言ったって、法律の審議はなかなか進まない。今大蔵省自身の言われることでも、そういう問題が上げられる。なおさら市町村がわからないということになるわけです。だからその点は、これはやっぱり今お話があったように、明確に政令をいつ出すか、そのお答えを、大蔵省がお作りになるのだから大蔵省がいつするか。努力していくけれどもなかなかできないということじゃあ困るので、いずれ官房長官を呼べばその点は明らかになると思いますけれども、大蔵省の心がまえは、やはり総合的に早くこういう問題をやってもらわなければ困るということになりはしませんか。
○政府委員(前田佳都男君) 藤田委員の御指摘の通りでございまして、その点は極力関係各省とも早くその要点を御説明できるようにいたしたいと思います。
○栗山良夫君 私は、この法案を促進する一番重要な点がつかえてしまっておるので、まことに残念だと思います。思いますが、予算委員会もただいま開かれておりまして、責任閣僚の言葉をただすということは、本委員会としても時間的に困難な状態にあることを、重々認めまして、従いまして、当委員会の理事会で決定された議事の予定によって委員会を進行されることについては異議ございませんが、今問題になりました点は、一番重要な点でありまするから、委員長理事会におきまして、緊急に政府の責任ある態度というものがここで明らかにせられるように善処されたい。その点を強く要望いたしておきます。
○委員長(郡祐一君) ただいまの御発言に対しては、お話の通り善処いたすことにいたします。
○森八三一君 ただいまの栗山委員の御発言は重要な問題でありますので、委員長で、少なくとも明日までには、要求せられておりまする資料が提出されまするように、そうでございませんというと、またから回りをするということですから、そのことを強く一つ、日限を切って措置をされるように希望いたします。 なおこの際に一つ資料として要求いたしますが、ただいま問題なっておりまする公共土木施設、農林水産業施設災害復旧の特例法の指定基準につきまして、今お示しになっておるものの内容について審査をして参りまするために、昭和二十八年のときにこれと同様の施策につきましてとられた具体的な措置はどういうものであったのか。それと、今ここに大蔵原案として出ておりますものを対比すると、どこがどう変わってきておるのかという一覧表を一つ明日までに御提示をいただきたい。
○田中一君 資料要求をいたします。二十八年度災のときにあなた方やはり現地の査定、それからでき上がったものに対する査定もむろんしたと思うのです。今回の法律案の内容、中にも仕事がなかったならば金を返せというような条項のついている法律案もございます。二十八年度災で余った金、それから支出ができなかった分、余った金というのは、その支出ができなかった分で国庫に還元したもの、それから仕事の性質上、関連事業にそれを認めて支出したもの、これはあると思います。そういうものを全部お出し願いたいのですよ。というのは、何も今度の災害でもってあなた方の査定が甘いとか辛いとかいうのではないのです。むだな金を使いたくないのです。適所適材に使いたいと思うのです。そういうわけで二十八年度災には相当そうしたものがあったのじゃないかというような気もするわけです。従って二十八年度災の、これは決算の方になりますけれども、あなたの方は出来高というものを全部調べておられると思いますから、ことに今回のこの提出された法律案の中にも、金が余ったならば国庫に返しなさいというような法案もございますから、その点は、正確に各省から出ているものとあなたの方がじかに査定したものと合わせて資料として御提出願いたい、こう思います。
○委員長(郡祐一君) 本件に関しては、なお資料の提出を待ちまして、御質疑を願うことにいたします。 —————————————
○委員長(郡祐一君) これより去る十三日付託されました医療機関の復旧に関する特別措置法案について、厚生省より提案理由の説明を求めます。
○政府委員(内藤隆君) ただいま議題となりました昭和三十四年八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた医療機関の復旧に関する特別措置法案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 この法律案の内容の第一は、公的医療機関に対するものであります。本年九月の風水害を受けた地域に存する都道府県立、市町村立等の公的医療機関につきまして、その災害復旧費に対し、国がその二分の一の補助を行なうことができるようにいたさんとするものであります。ただし、国民健康保険法により国の補助を受けることができるものに対しましては、現行制度と同様に取り扱ってこの規定の対象外といたしております。 第二の内容は、私的医療機関に対するものであります。本年八月の水害または本年八月及び九月の風水害を受けた地域に存する私的医療機関の災害復旧費につきましては、特別な金融の措置をとることとし、政令で定める金融機関から、他の法令の規定による制限をこえて、かつ、通常よりも有利な条件で、貸付を受けることができるようにするものであります。なお、政令で定める金融機関としましては、中小企業金融公庫及び国民金融公庫を予定しておりますが、医療事業の公益性と医療機関復旧の緊要性とにかんがみまして、貸付利率、償還期限等についても特別の考慮をいたしたいと考えております。以上の措置によりまして、災害を受けた病院及び診療所につきまして、その災害復旧の促進と円滑化をはからしめようとするものであります。 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
○委員長(郡祐一君) 以上で説明を終わります。 これより厚生省関係の法律案について補足説明を聴取し、質疑を行ないますが、まず各法案の補足説明を一通り聞きました上、六案を一括して議題とし、質疑を行なうことといたします。 まず社会福祉事業施設の災害復旧費に関する特別措置法案を議題といたします。補足説明を求めます。
○政府委員(高田正巳君) この法律案の内容といたしておりまするところは、一口に申し上げますと、施設の種類に二種類がございまして、一つは生活保護法による保護施設の災害復旧の問題でございます。生活保護法による保護施設の災害復旧費につきましては、都道府県設置の施設は、現行の都道府県二分の一、国二分の一の負担率を、都道府県を三分の一、国三分の二の負担率といたしたい。市町村設置の施設につきましては、現行の市町村四分の一、都道府県四分の一、国二分の二の負担率を、市町村六分の一、都道府県六分の一、国六分の四の負担率といたしたい。日赤、社会福祉法人等の施設は、現行の設置者四分の一、都道府県四分の一以内、国二分の一以内の負担率を、設置者六分の一、都道府県六分の一、国六分の四の負担率といたしたい、こういうことでございます。 設置主体によって分けて申し上げましたので、御理解をいただきにくかったかと存じますが、一口に申し上げますと、あらゆる設置主体のものにつきまして、現行は国が二分の一の補助率になっております。あるいは二分の一以内ということになっております。これを今回の災害の実情にかんがみまして、国の補助率を三分の二に引き上げるという内容を持ったものでございます。 この法律の中身の中に、施設の種類といたしましては児童福祉施設がございまするが、これは児童局長から御説明を申し上げたいと存じます。
○政府委員(大山正君) ただいま議題になっております法案の第二条は児童福祉施設の関係でございますので、私から御説明申し上げます。 その第一項は補助率に関する規定でございまして、これはただいま社会局長から保護施設に関しまして御説明を申し上げました通り、同様に補助率を高めようということでございまして、一口に申しますと、国の補助率が二分の一ないし三分の一でありますのを、激甚地の被害施設に関する限り三分の二に補助率を上げようという規定でございます。 第二項は児童福祉施設に特有の規定でございまして、平素の場合には児童福祉施設に関しましては、社会福祉法人日赤及び民間法人以外の純粋の個人立につきましては、補助規定がないのでございますが、今回の災害に関しまして、特にそのような個人の児童福祉施設につきましても国庫補助の道を開くという規定でございます。 以上、簡単でございますが、本法案の補足説明といたします。
○田中一君 議事進行。これはあなた方聞いておると思うのですが、椎名官房長官が、ここに十一日の日に見えて、そうして十三日一ぱいまでに、十三日の朝午前十時委員会が開かれるまでには政令案全部資料として提出いたしますという答弁をしておるのです。あなた聞いておると思う。従って今伺いたいのは、政令案がいつ出るのですか。今説明を聞いておるものにしましても相当政令にまかせたのが多いのです。従って、事務当局ではいつ出せるという答弁ができますか、それを伺いたいと思います。
○委員長(郡祐一君) 私が、委員長がそれについて補足して申し上げておきます。十一日に椎名官房長官が当委員会に出席し、これは各省に伝わっておることでありますが、政令案の提示を十三日までにいたし、審議に支障なきを期するという答弁をいたしておりますので、そのようにしてもらわなければ相ならぬことでありますが、厚生省関係について、特にただいま田中理事から発言がありましたから答弁を求めます。
○政府委員(森本潔君) ただいまの政令の問題でございますが、目下折衝中の大蔵省、その他の折衝中ということもございまして確定いたしておらぬのでございまして、本日まで提示いたしかねておるわけでございます。
○田中一君 今椎名官房長官に来てもらっておりますが、現段階においてまだ確定もしないで折衝中だというものを、十三日の朝午前十時までに、委員会に支障なき限りに出すと言った、これは言質ですが、われわれ信用してきているのです、これは。従ってもう一度あなたの方に好意ある質問をしますが、いつごろまでに出せるおつもりですか。いつごろまでに当委員会にお出される見込みですか。
○政府委員(森本潔君) 明日程度は出せると思っております。ただいま折衝しておりますので、大体の大目の線は見当がついておりますけれども、確定したと申しますか、完全に話がついたという線で出せないのでございますから差し控えているのでございますが、明日あたりには出ると思っております。
○田中一君 今提案されている法律案のみではございません。四つ五つ出ておりますね。これは政令が全部あした間に合いますか。
○政府委員(森本潔君) 明日まとまると思いますが、できればもう一日余裕をいただきますれば、あさってでございますか、あさってになりますと間違いなく提出できると思います。明日大体提出できる予定でございますけれども……。
○重政庸徳君 当委員会でも当初から問題になっておるのでありまして、それは当委員として私はもっともだと思います。明後日なんかと言わずに、大蔵省へもずっとこの委員会の意向を伝えておりますから、明日に出してもらいたい。明後日というようなことでなしに明日。そうでなければ当委員会の審議の進行状態にも非常に影響する。われわれも非常に困る。今夜徹夜しても明日と御答弁をお願いします。
○政府委員(森本潔君) 明日提出できるようにいたしたいと思います。
○田中一君 ごらんのように野党がこうして全員出て審議を継続しようとしているのですよ。与党をごらんなさい。こういう状態なんですよ、いいですか。あなた方が今度提出されている法案の骨子というものは政令にあるのです。従って今椎名官房長官ここに来るそうですからよく究明しますけれども、こういう状態で審議ができると思っておりますか。政府部内の問題を三日も四日も待たしておく。あり得ない。私は国民全部に訴えたいと思う。この状態をごらんなさい。従って今日は、この審議は官房長官に説明を聞き、法案の審議は進めたくない。あなた方の方の政令案が出たら、それこそ身を入れてゆっくりいたしますから、その点は委員長、しかるべくお取り計らいを願いたい。
○委員長(郡祐一君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(郡祐一君) 速記を始めて下さい。 本案に関してはなお御質疑があると存じまするが、それは後日に譲ることといたします。明日は……。それではちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(郡祐一君) それでは速記をつけて下さい。 お聞き及びのように、本日の厚生関係は明日において審議をすることにいたしましたし、また官房長官の出席を求めております。従いまして理事会で一応予定いたしました通商産業省関係並びに農林省関係は、ただいま申し述べました順序の後に、時間の都合がつきますれば、各委員諸君のしばしば御力説になりますように審議を促進する意味でも入って参りたいと思いまするが、そのような予定で明日は開くことにいたしたいと思います。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(郡祐一君) 明十七日は午前十時より委員会を開会いたすこととし、本日はこれをもって散会いたします。 午後零時三十分散会