風水害対策特別委員会 第9号
- 発言数
- 115 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1959/11/12
会議録
○委員長(郡祐一君) これより風水害対策特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。本日小林武治君が辞任し、その補欠として鍋島直紹君が選任されました。 —————————————
○委員長(郡祐一君) まず、昨日付託になりました昭和三十四年八月及び九月の風水害による任意共済に係る保険金の支払等にあてるための資金の融通に関する特別措置法案について提案理由の説明を聴取いたします。
○国務大臣(福田赳夫君) 昭和三十四年八月及び九月の風水害による任意共済に係る保険金の支払等にあてるための資金の融通に関する特別措置法案につきまして、その提案理由の御説明を申し上げます。 今回の第七号台風、伊勢湾台風等によりまして、農家の建物に甚大な損害をこうむりましたので、農業共済組合連合会の建物共済にかかる保険金の支払い等も相当な額に上っており、ことに愛知、三重、岐阜、山梨、群馬の五県の連合会は手持ちの資金のみでは保険金の支払い等が困難な状況であります。政府といたしましては、この事業が任意共済であります建前から、できる限りみずからの努力により対処するよう指導したのでありますが、自主的な解決はきわめて困難な実情でありますので、被災農家にできるだけすみやかに共済金の支払いを行なうために保険金の支払い等に充てるための資金を融通する特別措置を講ずる必要が生じて参ったのであります。この融資につきましては、農業共済残金は、その資本金の半額である十五億円が同基金の会員である農業共済組合連合会の出資によるものであることにかんがみ、臨時応急の措置として同基金から行なわしめることとした次第であります。しかしながら、農業共済基金法によりますと、農業共済基金は農作物、蚕繭、家畜の必須共済にかかわる保険金の支払いに関して会員である農業共済組合連合会が必要とする資金以外の資金の貸付ができないことになっておりますので、任意共済にかかわるものについては、特別法により農業共済基金の業務に特例を設ける必要があるわけであります。これがこの法律案を提出した理由であります。 次にこの法律案の内容といたしましては、今年八月及び九月の風水害を受けた建物についての任意共済にかかわる保険金の支払い等に要する資金に限り、特に農業共済基金から貸付を行なうことができるものとするとともに、この場合対象となる農業共済組合連合会は被害状況、資金需要等を勘案して農林大臣が指定することとし、さらにこの資金の貸付を受けた農業共済組合連合会は借り入れの目的外にこれを流用してはならないことを規定するものであります。 以上がこの法律案の概要であります。何とぞ慎重に御審議の上すみやかに御可決下さるようお願い申し上げます。
○委員長(郡祐一君) 以上で提案理由の説明を終ります。 —————————————
○委員長(郡祐一君) 農林省関係の法律案について順次補足説明を聞き、質疑を行ないます。 まず塩害を受けた農地の除塩事業の助成に関する特別措置法案を議題といたします。補足説明を求めます。
○政府委員(伊東正義君) 先般政務次官から提案理由の説明がございました除塩に関する法律につきまして、簡単に補足説明をいたします。一条、二条、三条、簡単な法律でございますが、除塩関係の法律の補足説明をいたします。 これは二十八災のときにも除塩関係の法律が特別立法がなされたのでございますが、この法律では、第十四号、第十五号台風によりまして海水の浸入を受けまして、被害が大きいという所を対象に考えております。地域につきましては、政令で市町村の指定をいたすつもりでございます。大体塩分濃度が〇・一%以上、これは〇・一%以上になりますと、作物の生育に被害がございますので、〇・一%以上という基準と、それから海水の浸入を受けまして、かなりの面積がやられておるというようなことで、大体ある市町村の中で十町歩ぐらいあれば指定するというような実は基準を考えております。大体そういう基準でやりますと、これは予想でございますが、正確には調査の上申し上げる必要があるのでございますが、大体愛知県、三重県、佐賀県でありますとか、あるいは静岡、長崎というような県内の特定の市町村が入ってくるのじゃなかろうかと思います。これはまた調査の上で追加増減はあり得ると思われますが、そういう地帯を考えております。二十八災のときには愛知、三重、静岡の三県が対象でございましたが、おそらく今度は対象の県はそれより広がるのではなかろうかというふうに考えております。今県からいろいろ希望等をとっておりますが、大体面積で一万四千ヘクタール余りが来ております。この基準でいけば、大体ほとんどの希望の市町村が入るのではなかろうかという実は予想をいたしておるような次第でございます。そういう政令で今申し上げましたような基準で市町村の指定はしたいというふうに実は考えております。 それで行なう事業でございますが、これは一条に四番まで書いております。これは二十八災のときと同じでございます。ただ一つ御注意願いたいのは、これも二十八災と同じでございますが、一番目に「かんがい排水施設の設置」ということがございますが、新しく機械等を入れまして、揚水機、排水機等新しく入れたという場合には、購入価格と残存価格の差がこの事業の対象になるというふうに考えておりますけれども、その点は二十八災と同じように考えております。あと客土の量でございますとか、あるいは石灰の量につきましては、まだ詳細は実はきめておりません。これからいろいろ相談しました上できめたいというふうに考えております。 それから助成でございますが、これは指定になりましたところの補助率は九割でございますが、客土につきましてはこれは多分に土地改良的な要素も持っておりますので、これだけにつきましては実は他と違いまして、二分の一という補助率を用いております。先ほど一万四千ヘクタールを上回る希望があるということを申し上げたのでございますが、客土は実はその中で非常にわずかでございまして、今の希望では百ヘクタール内外というようなことでございますけれども、事業量としては非常に少ないものでございますが、これだけは土地改良的要素が、あとに残りまして多分にございますので、補助率を変えておりますのが前と違うような次第でございます。対象が、これは実は二十八災のときにやりまして、非常にこれは検査院から指摘を受けました事業の一つでございまして、私どもその点は十分注意したいと考えて、この事業を施行します事業主体は、県なりあるいは市町村なり土地改良区というような責任ある団体に一つやってもらいたいということを考えておるような次第でございます。 それに要する予算でございますが、これは共はまだ対象地域も確定いたしておりませんので、これは一応補正の予備費ということに入っておりまして、確定次第に予備費から出すという約束になっております。私どもが要求いたしました金額は大体二億二千万ぐらいてございますが、まだこの予算は確定しませんで、対象が確定し次第予備費から出すという約束になっております。二十八災の当時は七億ぐらいの査定をしまして事業にかかったのでございますが、現実に使いましたのは二億程度でございます。これは災害を受けましたあとで雨が降りましたり、その他で査定は一応したのでございますが、その後塩分濃度が薄くなって使わなくてもよかったというようなところができまして、大体三分の一ぐらい使いました。そのような実績でございます。それで、今申し上げましたように補正予算につきましては予備費から出すということにいたしておりますが、私どもは来年度の植付までにはきれいにしてしまうという考えで、三十四年度には進度率を七〇%ぐらいに考えておりまして、あとの三〇%は来年の植付までに終わらせる。三十五年の当初にかかりまして除塩の事業を終わりたいというふうに考えております。 簡単でございますが、御説明をいたします。
○清澤俊英君 ちょっとお伺いしたいのですが、「かんがい排水施設の設置又は変更」というのは、これは機械のことですか。
○政府委員(伊東正義君) お答えいたします。これは揚水機、排水機のようなものもそうでございますし、水路とかそういうようなものも全部含めております。
○清澤俊英君 筋二号の「揚排水機による揚水又は排水」というのが、水路も含まるのですか、これはまた別なんですか。
○政府委員(伊東正義君) 二は大体既存の揚排水機によって揚水をしたりまたは排水をして土壌を洗うというようなことを考えております。一番目の方は新しく揚排水機について、今それを設置と言っておりますのは新しく設けるというようなことを頭に置いておりまして、変更というのはほかにあるものを持ってきたりなんかする、その費用というようなことも考えておりますし、一番の中の灌漑排水施設は揚排水機だけでございませんで、水路等も当然含めて考えております。
○清澤俊英君 それで、ちょっと聞き漏らしたんですが、いま一度灌漑排水の旧機との取りかえはその差額の何パーセントか、新機は何パーセントかというようなことを、補助率を各項目別に全部いま一度教えていただきたいのですが。
○政府委員(伊東正義君) 補助率は三番の客土を除きまして、指定になりますれば全部九割でございます。客土だけが五割ということになっております。それで、先ほど申し上げました、これは新しく揚排水機を新設するという場合に九割の対象になりますのは、実はその設置費の全部でございませんで、購入価格と、それからここで排水なり揚水なりをして使いまして、〇・一%以下に塩分濃度を戻したあとに残存価格がございますので、残存価格と購入価格の差について九割の補助をしますということで、それは二十災とその点は同じ取り扱いにしたらどうかというふうに考えております。
○清澤俊英君 新設はどうなんです。
○政府委員(伊東正義君) 今申したのが実は新設の場合で、新しく買って、この揚排水をやりましたものについての考え方で、古いものにつきましては、これは古いものを使って揚水なり排水をします動力費について見ておりますので、古いものについてはそういうことを考えております。
○清澤俊英君 いま一度。そこがよくわかりません。前に揚排水機があった。それを今度は改良工事によって揚排水機を大きくする場合、その場合、前のものとあとのものとの差額を補助する、こういうことじゃないのですか。新設はまた別じゃないですか。
○政府委員(伊東正義君) 私の申し上げましたのは、新設の場合に、購入価格と残存価格の差の問題を申し上げたのでございます。古い揚排水機につきましては、それをどこから持ってくるという、一号に「変更」ということがございますが、これを持ってきて設置しますとか、そういう場合にはその持ってきます費用、そういうものは当然九割の対象になるわけです。そしてそれで水を何しますれば、二番の方でその動力費について九割やるということを考えております。全然新しく設ける場合につきまして、これはあとで残存価格が当然残っておりますから、その分については補助の対象としないので、購入価格と残存価格の間だけが対象でございます。というのは、これは新規に揚水機なり排水機を購入しましてやる場合だけでございます。
○清澤俊英君 これは昨年だか一昨年の三十二年度災ですか、あの早害による千葉県、茨城県における塩害のときにおきましても問題になったんですが、そういうことはこのたびのものには考えられませんか。災害中に海水の塩害を除去するために行ないました作業費といいましょうか、それに総括した中に機械等も当然含まれるが、そういうものに対してはどういうお取り扱いになるのですか。
○政府委員(伊東正義君) この法律は九月に出ました十四号、十五号台風の被害で、海水が田畑に流入したその被害だけを考えておりまして、その前にありました早害とか、そういうものは実はこれから除いております。
○小酒井義男君 私はこういうことはあまりわからないのですが、この法案を見ますと、第一条の定義の第四に「石炭等の施用」というこれはどういうことでしょう。
○政府委員(伊東正義君) それは「石灰」でございます。「石炭」と書いてございますか。
○小酒井義男君 「石炭の施用」と書いてある。
○政府委員(伊東正義君) それはまことに申しわけありません。これは完全なミスでございます。
○委員長(郡祐一君) 確かにお手元の印刷物には間違えておりまして、後に正誤表を御配付いたしております。
○森八三一君 ただいまの局長の御説明で、二、三点お伺いしたいのですが、最初に御説明のございました政令の構想ですが、塩分の濃度が一%以上のものと、それから市町村にそういう地点が十町歩以上存在する場合、二つの御説明がありましたが、この二つが同時に成立しておらなければ指定をしないという意味なのか、十町歩以上海水が侵入した地点は、これはその条文を基礎として除塩施策を実施し、面積は五町歩、三町歩でありましても一%以上の濃度を持っている海水侵入の場合がありますれば、それをも対象にするという意味なのか、私はこの趣旨が来年の作付に十分な収穫を上げ得るようにするというのがねらいである限りは、別々の尺度ではかるべきであるというように考えるのでありますが、農林省のお考えはどうでございますか。
○政府委員(伊東正義君) お答えいたしますが、今一%とおっしゃいましたが、これは〇・一%でございます。それでわれわれの考えとしましては、〇・一%以上の濃度があって、かつ十ヘクタールということを実は考えております。それは堤防が決壊しまして、海水の侵入ということを考えておりますので、今われわれ考えられます事例は、十ヘクタールということを考えましても、今県からいろいろ要望がありますが、ほとんど満たせるくらいな規模になっておりますので、ある程度の私は団地がまとまっている、あるいは一町村の中で五町が二つあって十町でもいいという考えをとっております。その程度まとまったものをやっていく、小さいものは一つこの対象から除くという考えで、この政令は考えようということになっております。
○森八三一君 施策をする側から考えますれば、そういうことも一応考えられないわけではありませんが、この施策は公共的な災害に対する救済の施策ではなくて、個人災害に対して援助の手を差し伸べるという趣旨に基づくものと思う。そういたしますると、幸いにして今お話のように、海水の侵入ということでありますから、おそらく相当の面積が海水のために侵されるというのが実態であろうと思います。思いまするが、必ずしも海岸堤防あるいは河川の堤防が破壊して塩水が侵入するという場合だけではない、それはその堰堤を海水が乗り越えて入ってくるという場合も存在すると思うのであります。そういうことになりますると、必ずしも一団地十町歩というような大面積ではなくて、あるいは一町とか二町とか、ごく小面積のものも存在するのではないかと、これは私現地をつぶさに調査したわけではありませんから、今そういうものが存在するという具体的な事例を持っておりません。おりませんが、この立法の趣旨が、個人災害の救済をして、来年もりっぱに食糧の生産をやっていただけるようにするための施策であるということでありますれば、今お話のように、一市町村内に三町歩ぐらいのものが四つあれば十町歩になるから、それは救う、これはわかります。わかりますが、もし三町歩の地点だけという場合でありますると、それは救われない。そのことは立法の趣旨とは私は非常に距離を生じてくるということになると思いまするので、今私の申し上げまするように、堤防が決壊したという場合はおそらく十町歩以上になると思います。しかし堤防を乗り越えて海水が侵入したというような場合は、必ずしもその十町歩という面積があるかないかということについて疑問を私は持つのです。だといたしますれば、そういうものも救済をしなければ、立法の精神とは離れてくるということになろうと思いますが、いかがでありますか。
○政府委員(伊東正義君) 今先生のおっしゃいました、まあ極論いたしますれば、一反歩でも二反歩でもやったらどうかということにあるいはなるかもしれませんが、私ども考えましたのは、例の暫定法でも、実はそういう災害の場合は、三万円以下は補助の対象にせぬということでやっております。これも農地等につきましては、個人災でございますので、そういう例もございます。そういう例もございますし、ある程度のやはり規模になったものを指定していく。ただそれは団地で十町歩に限るわけではないということで、さっきも申しあげましたように、十ヘクタールというものを一応基準に置いて考えているような次第であります。
○森八三一君 今の点は、十分一つ再考を私は希望しておきます。立法の精神がそういうところにあることは間違いないのですから、そういうふうに小さなワクに縛って、法律の精神を十分末端に浸透せしめない、そのために来年の作付に、収穫に非常な影響があるということは遺憾千万であります。その点は一つ十分御再考をお願いしておきます。 その次にお伺いしたいのは、先刻清澤委員からも御質問がありましたが、残存価格ですね。新設の場合には、購入価格から所期の仕事をいたしまして目的を達したあとに残る残存価格、その残存価格ということは抽象的にはわかります。わかりまするが、いつ〇・一%以下になったかということは、これは必ずしも明確なる時期というものが問題であろうと思います。現在は〇・五%の塩分を含有しておる。ところがこの施策によってずっとやっていって二カ月たったら〇・一%になっておるかもわからない。しかし、それは分析その他やってみなければわからぬことですから、そういうものを継続して半年もずっとやっておったが、実は二カ月後に目的を達しておったのに、半年もその作業を実施したという場合、残存価格というものに非常な問題が残ると思います。そういう場合には、どういうようにそれを解決なさるのか、それが第一点。もう一つはその残存価格の査定です。ポンプなり何なりを使ってやることですから、最後に残存価格の評価というものは一体だれがやって、どういう方法できめるのか。これは常時そういうような排水機を、あるいは揚水機を必要としない地点は、それを撤去いたしまする場合には、ときによってスクラップになってしまうという場合も理論的には存在すると思います。そういう場合の残存価格だとすればほとんどゼロに近いものとなる。しかるに、その揚水機なり排水機を他に必要とする地点が存在しておって、そういう所に譲っていくということになりますれば、そういう場合の残存価格というものは、また新しく譲り受ける人の経済価値というものは別に判定してくるということになれば、そこで非常に残存価格の認定というものが問題になるだろうと思います。その認定をいかになさるかというのが第二点、とりあえず以上二点をお答えいただきたい。
○政府委員(伊東正義君) 残存価格の査定の問題と時期の問題、二つのお尋ねでございますが、〇・一%があるかないかということをだれが判断するかという問題に関連してくると思います。これは私どもとしましては、その県の農事試験場なりあるいは県の農務課まあ農産課といいますか、そういう公の機関の認定に基いて〇・一%以上あるかないかということを判定しようというように実は考えておりますので、やはり○一あるかないかということを判定する時期は、そういう機関にやってもらいたいというふうに考えております。それから査定の問題でございますが、これはお説の通りなかなかむずかしい問題でございます。大体二十八災のときにはその辺を概定しまして、二十八災はやはり二年間でやっております。概定しまして、ポンプでありますとか原動機、ポンプは残存価格が四割ある、原動機は五割あるだろうというような一応の概定したものを最初にきめておきまして、それで実はやったような実例がございます。今度の場合も、どういう方法でやるかということは、実はまだ大蔵省とつめておりませんが、二十八災のそういうものを参考にしまして、きめていきたい、こういうふうに考えております。
○森八三一君 そこで先刻もお話があったように、昭和二十八年災のときは、会計検査院の非常な指摘を受けまして問題を起こしたことを承知しております。そこで今お話がありましたような残存価格を四割か三割かきめてやりますと、それで一応の形式的な処理は済みます。ところが、その残存価格三割と見たものを五割に売却しておるという事態があとで発生してくると、これは会計検査院の指摘する案件に該当してきます。そのことは処理をしたときとはぐっと時間が経過したあとで起きる場合が多い。いわゆる二カ月たって県と当該工事の実施者との間には計算が進んで処理されてしまう。その施設そのものが残存しておる。そうして一年も一年半も経ってから、その残存設備というものを処分したというときに、前の三割なり四割なりというふうなことで処置した場合と逆の結果が出てくる。これはプラスの場合もあるしマイナスの場合もある。マイナスの場合になれば、これは実施者が損をしたことになるし、プラスの場合には指摘を受けるという問題が発生する。そういうことを伊勢湾台風に関連して再たび繰り返してはならぬと思います。別に悪意があってやるわけじゃありませんから、そのときに市町村なり土地改良区が、そういう責任者が非常にいじめられて気の毒だ、そういうことを繰り返してはいかぬと思います。その辺はどうお考えになりますか。
○政府委員(伊東正義君) 森先生の御指摘ごもっともでございまして、実はまだ大蔵省とこの残存価格をどういうふうな査定をし、どうやっていくかということまで最終的につめておりません。今おっしゃいましたように損をしたり、あるいは得をするというような事態が概定すれば出て参ります。その間のところを今後どういうふうにして過去の検査院の指摘やなんかを是正していくかということにつきましては、もう少し検討さしていただきたいと思います。これが実際の仕事にかかり、その査定をします時期までには当然そういうことをおきめして一回御報告いたしたいと思います。
○森八三一君 それでは一つ実態に即して関係者に不安を与えませんように十分な措置ができることをお考え願いたいと思います。 その次にお伺いいたしたいのは、第一条で除塩に関する付帯的な施策事業の内容を一項目から四項目まで列挙されておりまするが、地点によりましては石灰等を施用することによって、かえって土地の力を減損するというような土壌の存する場合もあろうと思うのです。といって、水を上流から引用いたしまして、それでやるということになると、上流との関係において水利上の問題を起こすということが現実の問題として存在する。そういう場合にはその地点だけに限って水を流して除塩をするということを考えなければならぬと思います。客土のことも困難で、石灰を施用すると土壌の基礎をこわしてしまうという不利益が存在する。といって水を流すのは上流との関係において水利上の問題が起こって簡単にいかぬ。いずれにしろ塩害をこうむる地点は川の下流で海岸に接した所が多いと思うのですから、そういう場合には、さく井して所要の水を調達するという道を私は考えなければならぬと思います。そのさく井ということを考えたらどういうことになるか、ここに一つの欠陥が存在しているのじゃないか。この事業そのものの考え方は非常にけっこうだ。しかし、その目的を達成するために一号から四号までの施策では、地点によっては目的を達成し得ない場合がある。その場合にはさく井によって考えるということが考えられるべきだと思います。理論的に。ただし、今回の災害地にそういう地点があるかないかということについては、現実にはどうという事例は持っておりませんが、理論的にはそういう場合を考えるべきじゃないかと思いますので、第一条の列挙されている四項目のほかにさく井というものを一つ入れることが農林省のお考えの全きを期するゆえんであると思いますが、いかがでございますか。
○政府委員(伊東正義君) 私の方も、実はまだ具体的な地帯でどういうことをしなければならぬということまではっきり実はまだわかっておりません。今、先生がおっしゃいましたような水をかけなければならぬというような地帯であれば、私どもとしてはあとは客土をするということで考えていきたいというのでございますが、その客土の中に、おっしゃいましたような場合に客上する土を持ってくるのにも非常に金がかかるという場合に、井戸を掘った場合に、どっちがどうだということも出てくるかもしれませんが、これは井戸の場合はどうしてもほかの施設でどれも使えぬという場合には、灌漑施設というものをあるいは解釈しまして例外的にそういうものも考えていくということがどうしても出てくる場合があるかもしれません。検討してみます。
○森八三一君 今のお話で私も大体わかりましたが、第一号の「かんがい」という中には必ずしも水路を通して水を引っぱってくることだけが灌漑ではなくして、井戸を掘って水を流すことも灌漑であるということには広義の意味において間違いないと思いますので、具体的にそういう地点が発生いたしました場合には法律を変えませんで、第一号の「かんがい」という中へ広義に解釈しますれば、私の指摘したような場合は入っても別段拡大解釈は、ゆがめて解釈するものでないということは言えると思いますので、そういうことに一つ構想をまとめていただきたいと希望を申し上げます。 それからこの第一条の第一号の「かんがい排水施設の設置又は変更」という中には、更新という意味を含んでおるのかどうか、設置の方は新設ですね。変更というのは、更新、すなわち現在設置されておる施設は十馬力なら十馬力の排水機があるが、その十馬力の排水機は非常にもう老朽化しておるのみならず、十馬力のものでは、来年の植付時期までには十分な成果を期待し得ないという場合には、これは二十馬力なり三十馬力に更新しなければならぬですね。それは変更という中に更新という意味まで私は含んでおるものと了解をいたしておりまするが、そう了解してよいしいのかどうか。
○政府委員(伊東正義君) 今おっしゃいましたことと私も同じ考えでおります。ただ先ほどのように、残存価格の問題と購入価格の問題は、同じ問題としてやはり考えなければならぬと思いますけれども、おっしゃいましたような更新も含めて考えていいというふうに私は解釈しております。
○森八三一君 最後に、第三条の「予算の範囲内」ということが、これはまあどこの法律にもこういう文句がついてくるのですけれども、予算の範囲内ということと、それからその中にある十分の九とかあるいは二分の一ということとの関連が一体どうなるか。これは、現在予算がない、具体的に工事を施行していかなければならぬ地点というものを政令の確定の上であてはめまして、予備費からとるということですから、予算の範囲内ということは、二分の一もしくは十分の九の方が優先するという結果になるだろうとは思いまするが、なかなか予算の方が窮屈でございますから、十分の九もらえるつもりでやっておったが、予算がないからということで削られるという場合が存在する、あるいはそういうことをやるわけにいきませんから、無理に〇・一%があっても、そいつはその県の割当の予算からして、どうもそう全部入れてしまうというと、農林省と県の関係が食いつかないということで、〇・一%は存在しないのだということに一種の査定が行なわれるというと、これは農民の諸君は、そういう科学的な検査をしたりする実力はございませんから、農務課なりあるいは試験場の係官のおっしゃることが絶対なんです。その絶対が、そういうような作意のもとに行なわれるということになると困るということになります。そこで私のお伺いいたしますのは、補助率の方が優先するのであって、予算額の方はそれに見合うだけのものが当然くっついてくる、こういうことに理解いたしますが、それでよろしいかどうか。
○政府委員(伊東正義君) 結論的にいいますと、私も農林省としましてはそういう気持でこれは運用したいというふうに考えております。ただ法律に「予算の範囲内」と書いてございますが、実は暫定法でも予算の範囲内ということは法律に使ってございます。これは法律論になりますが、公共土木負担法は、これは国の義務があるということで、予算の範囲内ということを使っておりませんが、農林省の暫定法等も実は予算の範囲内ということは書いてあります。ただ私どもの気持としましては、今先生のおっしゃいましたような気持でこの法律は運用していきたいというふうに考えております。
○斎藤昇君 一点お伺いいたしますが、この第一条の中に、補助の対象になる事業が掲げられておりますが、長い間冠水しております地域には、塩を多分に含んだ物件が相当堆積しておると思う。一番考えられる大きな問題は、稲が腐ってしまって、どうしてもそれをのけなければ除塩ができない、あるいは稲以外のいろんな作物とか、あるいは雑草とか、あるいは海草とかいうようなものがたまって、それをのけなければ除塩ができないので非常に困難ではないか、その場合に一番労力のかかるのは腐った稲の刈り取り除去、焼却だろうと思うのですが、そういうものについては補助の対象の中にお考えにならなかったのか、また考えてみたんだけれども、入れなかったのか、これは相当な労力費を要すると思う。おそらく普通の稲の刈り取りの数倍の労力費を要するだろうと思います。反当一万円以上、あるいは二万円もかかるのではないか、かように思うのでありますが、この点についてお伺いをいたします。
○政府委員(伊東正義君) 今御質問のありました点は、実は除塩法の対象にはいたしておりません。実はそういうものを終わりましたあとで、水をかけますとか、石灰をまくとかするということを考えましたので、先生の御指摘になりましたことは、実はこの法律の対象には考えなかったのでございます。二十八災のときも実は考えておりませんで、対象事業については前と同じというふうに考えております。
○斎藤昇君 二十八災のときは私が今申し上げましたような例はほとんどなかった、稲はほとんど刈り取られております。二十八災のときに一カ月以上も冠水した所はないと思っております。今日では稲は全部腐食してしまって、そして今の除塩のためとかいうのでなければ、刈り取らないで中に突っ込んでしまった方が労力費としては安いのです。これを田の中に突っ込んでしまったのでは、除塩がほとんどできぬということになるのです。あるいは石灰を使うにしてもそのほかの費用をかけるにしても、よけい費用がかかるのみならず、除塩の目的が達せられぬのではないかという気がするのです。いかがですか。
○政府委員(伊東正義君) 二十八災のときにそういうものがなかったという御説明でございますが、われわれとしましては、実はそういうことをするのは、かりに除塩のためだけかどうか、もっと別な広い面から考える必要があるいはあるのかもしれませんが、この法律の対象としましては、そういうものは一つ自分でやっていただいて、そのあとの土壌自体をよくしていくということだけを実は対象にしたようなわけであります。
○斎藤昇君 それはあるいは耕地の復旧にも入りますまいし、耕地の復旧に入れば確実だと思うのですが、しかも若干の手数ならいいと思います。しかし私の考えではよほどこれは手数を、労力費を、要するものだと思うのです。どの程度の手数が、労力費が要るかということについて十分御調査をいただきたい。私はおそらくこれは普通の稲の刈り取り、雑草除去なんかより数倍する費用を要すると思いますので、これは一つ二十八災の例になかったと言われるだけではちょっと納得しがたいと思います。今後現地において除塩事業をやろうと考えておる農家の人たちは、この点を一番大きな問題として心配しておるだろうと私は推測をいたします。場合によってはここにこの条項を一つ修正でもしなければなるまいかとさえ私も思うのですが、十分検討をしていただきたい。本審査のときにはさらに御意見を伺うつもりでありますが、十分一つ調査を進めていただきたい。
○藤田藤太郎君 私は一点だけお伺いしたいのですけれども、三条の前の方はよくわかるのですけれども、その「都道府県が十分の九」というところから最後の全額補助をするというところがどうもこの文章ではなかなかわかりにくいわけです。農林省の法律用語かしりませんが、ちょっとそこのところを具体的に説明していただけませんか。
○政府委員(伊東正義君) 第三条でございますが、前段は都道府県が市町村なり土地改良区なり、あるいは土地改良区連合に対しまして補助します場合に十分の九を補助しておりますれば、国はその都道府県に対して十分の九の全額を補助しますということを言っておるわけでございます。それから後段でございますが、後段は都道府県が市町村なり土地改良区に十分の九以上の補助をしている場合でございますが、それは十分の九を越している分は除きまして、十分の九だけ補助する。たとえば県が十割補助をした場合は、国は県に対しましてはやはり十割じゃなくて九割の補助をするという意味のことをこれは書いておるわけでございます。
○藤田藤太郎君 そういうふうにこれは理解できますか。うしろの方の文章で、都道府県が十分の九、カッコして同号に掲げる事業に要する経費は客土の問題をさしているのだと思うのですけれども、こういう率で補助をする場合には、そのこえる部分の補助に要する経費を除いた経費、カッコして、全部を補助するというのは、そういう意味ですか。
○政府委員(伊東正義君) 今私の言うような意味でこれは書いております。
○小酒井義男君 どうなんでしょう、今御説明になったようなことだと私ども非常にわかりいいのですが、そういう法律に表現をするということはできぬのでしょうか。
○政府委員(伊東正義君) これは法律用語の問題ですが、これがそういう意味での法律用語というのでわれわれ書いたんでございますが、意味は私が申し上げましたような通りのことでございます。
○清澤俊英君 これは第一条の第三号の客土が五割に減りましたね。これは何か非常な理由があるのですか。二十八年災から見ればかえって後退しているのですが。
○政府委員(伊東正義君) 客土を減らしましたのは、これは非常に土地改良としてあとあとまで残っていくという部分を非常によけい含んでいる。土地改良として前の方は大体それっきりで、除塩をいたしましてあとにあまり残ってそれが働くということは少いわけでございますが、客土につきましては、将来ともそれは土地改良的な表示が多分に残っておるわけでございます。そういう関係で、そういうものについては補助率は下げてもいいんじゃないかという趣旨で二分の一にしました。ただしかし、客土を希望しておりますのは、実は先ほど申し上げましたように、一万四千ヘクタール余のうち約百くらいでわずかでございますが、われわれ差別をつけましたのはそういう理由で差別をつけたわけであります。
○清澤俊英君 そうすると、あとの分は土地改良でまた逐次直していくと、それに別な方法で補助していく、こういうことでこういう措置をとられたんですか。
○政府委員(伊東正義君) 客土をしましたあとでまた土地改良をするということを考えたわけではございません。あるいは場所によってはそういうところが出てくるかもしれませんが、そこまでは考えませんで、客土自体を取り上げまして、これは相当あとに土地改良としての効果が残るものだという判断で二分の一ということにいたしたわけでございます。
○安田敏雄君 関連して。そうしますと、大臣が始終言っておるように、今度の災害は二十八年災害を下回らないということを言っておるわけですよ。そうすると、今のお答えによりますと、客土については二十八年を下回るというような結論が出てくるわけなんですが、この点どうなんですか。
○政府委員(伊東正義君) 大臣の申されましたことでございますが、これは個々の法律について、大臣全部そういうことをおっしゃったかどうか、私は了解いたしかねるのでありますが、この除塩法においては先生のおっしゃったようなことがその客土について出ておりますが、たとえば開拓等をとりますと、前のときには開拓住宅について半壊などをとっておりませんのですが、今度はとるということを考えております。全部の問題といたしまして、上か下かということはいろいろ議論のあるところだと思いますが、われわれとしましては、一つ一つの法律でどうということを考えませんで、全般的に見まして、二十八年災とどうかということを考えておるようなわけでございます。
○清澤俊英君 そうしますと、除塩事業については、二十八年災害のときよりも法律案としては下回っているように大体考えられますが、この点どうですか。
○政府委員(伊東正義君) 二十八年災と比較いたしてみますと、今先生から御指摘のございました客土につきましては、前は九割でございましたが、今度は五割ということで程度は前と違っております。
○委員長(郡祐一君) 本案に関してはなお御質疑もあるかと存じますが、後日に譲ることにいたします。 —————————————
○委員長(郡祐一君) 次に米穀の売渡の特例に関する法律案を議題といたします。補足説明を聴取いたします。
○政府委員(須賀賢二君) ただいま議題となっておりまする米の売り渡しの特例に関しまする法律につきましては、前回その提案理由を御説明申し上げましたが、簡単に補足をして説明申し上げますと、毎年相当規模の災害に対しましては、そのたびごとに特別の法律をもちまして、被害農家に対しまして飯米の安売りをいたしておるわけでございます。今回の法律では、本年七月、八月の豪雨、八月、九月の暴風雨並びに九月の降ひょうによりまして、伊勢湾沿岸府県を初め各地において飯用米穀に事欠きます農家に対しまして、飯米の安売りをいたしたいと考えておるわけでございます。法律では被害の対象と、それによりまして実際にこの法律を当てはめまする地域を政令できめることにいたしておるわけでございまして、これは別途その対象府県を従来の基準等を参酌いたしまして、目下検討いたしておる段階でございます。本年の場合におきましては、対象府県を政令で指定をいたしまして、それ以下の郡、市町村等につきましては、一定の基準によりまして、都道府県知事の申請によりまして農林大臣から承認をするような形をとりたいと考えておるわけでございます。 第二点といたしましては、この法案によりまして米の売り渡しを受けます農家は、その生産する米につきまして災害により著しい被害を受け、これによって飯用消費に著しく不足をする旨の都道府県知事の認定を受けることといたしておるのでございまして、従来の法律と違いました点は、従来の法律では、その年の産米が被害を受けましたことによって飯米が欠乏するという場合に、それに対する措置をとって参るということになっておったのでございまするが、今回の場合は、災害により著しい被害を受けたという表現に直しまして、古米の流出をいたしましたもの等につきましてもこの法律によりまして手当てをすることにいたしておるわけでございます。 第三点といたしましては、この安売りは都道府県及び市町村長を通じまして農家に行なうわけでございまして、都道府県知事が政府から買い入れまして、これを市町村を通じて配給をするという形をとっております。そのような形をとりますることと関連をいたしまして、この安売りにつきましては一年間の代金延納を、しかも無利子の代金延納を認めることにいたしておるわけでございます。来年の収穫期に返済をしていただくということになるわけでございます。なお価格につきましては、被害農家がおおむね生産者価格をもって買うことができるような売り方をいたしたいと考えておるわけでございます。農家の供出価格、政府に売ります価格と大体同じ価格でこの飯米を買うことができる、そういう買い方になりますような売却価格をきめておるわけでございます。具体的には第四条できめておりまするように硬質米地帯と軟質米地帯で若干値幅が違っておりますが、軟質米地帯につきましては六十キロにつきまして三千八百八十六円、硬質米地帯につきましては三千九百十円、こういうふうにきめておるわけでございます。 簡単でございますが、補足説明を終ります。
○委員長(郡祐一君) 以上で補足説明を終わります。御質疑のある方は順次御発言を願います。
○森八三一君 二十八災害のときの例が基準となって行なわれておりまするので了承できますが、もう一ぺん重ねてはっきりお聞きをしたいと思います。 「著しく不足」をする農家という「著しく」の解釈は、何か基準的なものをお考えになっておると思うのですが、二十八災のときと同様なのか、今度何か特定にお考えになっているものがありますかどうか、具体的に御交渉の内容を示していただきたいと思います。
○政府委員(須賀賢二君) これは二十八災以来同様の基準で毎年やって参りまするので、今年の場合におきましてもこの基準は二十八災以降の基準を踏襲して参りたいと考えております。
○森八三一君 具体的にその内容を一つお示しを願いたいのですが……。
○政府委員(須賀賢二君) 少しややこしくなりまするけれども、具体的に申し上げますと、「著しく不足する」基準は、従来とっておりまするのは完全保有農家につきましては米の保有期間が九カ月以下となる場合、それから準完全保有農家につきましては米の保有期間が六カ月以下となる場合、それから不完全保有農家につきましては平年作であれば六カ月以上の保有期間のあるものでありまして、その保有期間が災害によりまして六カ月以上減少をしておるという基準を従来使っておるわけでございます。今回の場合もこの基準を踏襲して参りたいと考えております。
○森八三一君 それから第二に、これもわかっておりますが、もう一ぺん明確に聞いておきたいと思います。「生産する農家」の定義ですね、「米穀を生産する農家であって、」これは今お話の著しい不足を生じておるということで、完全保有農家、準完全保有農家、不完全保有農家という三つにお分けになりましたので、いわゆる通例申します飯米農家というような、一反歩でも幾らでも米を作っておる農家で、こういう基準に当てはまるものというように了解してよろしいかどうか。
○政府委員(須賀賢二君) ただいまお話の通りでございます。
○森八三一君 それから第三条の消費量は、食糧管理の場合に通例言われまする自家保有量というものを消費量と見るのか、不完全保有農家等の場合には配給量の方で見るのか、消費量はどこで一体押えるのか。
○政府委員(須賀賢二君) 消費量につきましては、これは二十八災以来やっております方法を今回も踏襲したいと思っておるのでございますが、今回は、一般配給の基準量が十一月から変わりましたので、それに応じて多少の変更があったわけであります。具体的に申し上げますと、完全農家につきましては、月六キロとそれに百四十グラムの三十日分を加配として加えておるわけであります。繰り返して申し上げますと、一人当たり月六キロとそれに加配分といたしまして一日百四十グラム当たり三十日分を加えておるわけでございます。それから準完全農家、不完全農家につきましては、月六キロをその基準量といたしております。なおこのほかに、準内地米をもし御希望があるようでありますれば、月二キロの範囲におきましてやはり安い価格で特配をするように——現在のこの準内地米と申しますのは台湾米でございますが、これを二キロの範囲内で希望があればやはり安い価格で配給をするようにいたしております。
○森八三一君 第一条の政令の地域は、今どういう御方針になっているのか。
○政府委員(須賀賢二君) 政令の地域につきましては、目下政府部内でいろいろ意見の調整をいたしておるのでございますが、この法律の適用対象といたしましては、ただいま打ち合わせをいたしております考え方は、災害による米の減収量の平年収量に対する割合が、おおむね県単位で一割をこえまする県を指定をいたしたいと考えているわけでございます。今回の場合は、ただいま申し上げましたような基準で県を指定いたしまして、あと郡段階、町村段階の地域のきめ方につきましては、一定の基準を設けまして都道府県知事からの申請によってこれを承認していく、政令では県の名前だけを指定するということにいたしたいと考えておるわけであります。
○森八三一君 今のお話ですね、もう一ぺん確認いたしますが、災害によって平年作と対比いたしまして一割以上の減収が見込まれる都道府県を、県として指定する、そうしてその中の町村についてはまた別の基準で考えていきたい、こういうことですね。
○政府委員(須賀賢二君) その通りであります。
○森八三一君 その次に、先刻延納は一カ年認めるというお話がございまして、そうしてそのあとに来年の出来秋に返済するというお話、よくわかるような気もしますが、一カ年の延長といいますると、来年の八月に配給を受けた人は、再来月の八月まで一カ年ということになる、それが出来秋でいいということになれば、そのものについては一カ年ではなくなってしまう、一カ年ということと来年の収穫期ということとの関連はどうなのか。
○政府委員(須賀賢二君) その点は、正確に申し上げますと、ただいま御指摘の通りでございますが、一カ年と申し上げます趣旨は、来年の出来秋には代金を払っていただくという考え方でございまして、ただいま売りますものは一カ年になります。それから毎月順に売って参りますから、先に売りますものは一カ年よりもっと短い期間ということに具体的にはなって参るわけでございますが、一カ年延納をいたすという趣旨は、来年の出来秋には代金を支払っていただくという趣旨でございます。
○重政庸徳君 関連。今の問題は重要な問題でして、実は、だいぶ議論を食糧庁とやったのでございますが、裏日本、表日本、九州という所で皆出来秋が違うのです。それで、とにかく収穫せねば払えぬということは現実的な問題であるのです。そういう解釈に間違いがないように、あるいは来年の十一月の末とかというように切ってもらえば、これは日本全国十二月になって収穫しておらぬ所はないのだから、そういうような意味に考えておいていいですか、その点一つはっきりさしておく必要がある。
○政府委員(須賀賢二君) これは私どもの方で多少技術的なやり方なんでございまするけれども、各県ごとに新米食いつきの時期というものをきめておるわけでございます。それで、延納期限も各県の新米食いつき時期を基準といたしまして個々にきめて参りたい。もちろん早場地帯は早くて、おそ場地帯はおそくなるという形に当然相なると思います。
○重政庸徳君 そうすると大体わかったようなんですが、各地帯でおのおの異なるということになる、それから地帯と申しましても、たとえて言えば富山県は、早場地帯だとこう言いましても、全部これが早場米が売れるのじゃなくて、そういう所にも非常に差が生じてくる、まあ食糧庁の考えも、収穫してから原則としてその代金を支払いせしめるという、こういう原則なんだから、一つそういう地帯とか何とかでなしに、個々にわたってその原則を守っていただきたいと思うのです。
○政府委員(須賀賢二君) これは安売りをいたしました米の代金を政府が受け取りますのは、都道府県知事から受け取るわけでございます。都道府県知事に売りまして、都道府県知事がそれぞれ市町村長を通じて農家に売り込むという形をとっておるわけであります。政府との決済関係は、都道府県知事との間に行われるわけでございまして、その決済期限を、ただいま申し上げましたように、各県ごとに新米食いつき時期等を基準といたしましてきめて参るそういたしますと、さらにそれが知事と市町村、市町村と農家というような関係において処理をされて参る。従来の状況等を見ましても、この末端処理はいろいろこまかい問題があるのでございますが、ただいまお話のように、実際に新米がとれませんと、現実に払うことができないわけでございまして、お話のような趣旨で末端において行われますように私どもとしても考えております。
○森八三一君 今の場合、売るのですから、その場合は金で回収をするということになりますが、物ができたときに回収するという観念からいけば、現場で六キロなら六キロという現物を返還するということはお考えになりませんか、どうか。
○政府委員(須賀賢二君) これは二十八災以来このやり方につきましてはいろいろな方法が検討されたのでございますが、実際の実務処理等の問題がございまして、現在のやり方に落ちついておりまするので、現物で返していただくというようなやり方は、実際問題として非常にむずかしいんじゃないかと思っております。
○森八三一君 むずかしいということはわかりまするが、金で返すんじゃなしに、できたときに返すという観念からいけば、現物でも決済をせしめるという道を考えるのが真実ではないかと思いますので、困難性はあろうと思いますが、そういう点についてもさらに一つ御考究をいただきたいと思います。別に政府に損害を与えるわけではないんですから、農家の被災者の方の便宜になるような方法を考えてやるということが、とるべき対策の精神でもあろうと思いますので、そういう点を一つ考えていただきたい。 それからその次にお伺いすることは、出来秋に、それは重政委員の御質問になりましたような点等も勘案しながら返させるということになるんですが、そうなりますと、来年の収穫せられたものによって、そのときから向こう一カ年間の飯米をまかなって、その余剰で過去の分を返していくということにならなきゃならぬ、そうでございませんと、どうしても現金で回収するということに無理が起こりますというと、自作農創設資金でも借りて、現金で決済をしなければならぬという問題になる。それでは、せっかくこういう施策をすることが十分でなくなる、こう思うので、そこで来年作が非常に順調にいって、収穫時期から向こう一カ年間の飯米を十分保有をして、その上に過去一カ年分の安売りをしていただいた食糧の代金を決済するにふさわしいだけの収穫があればけっこうでございまするが、被災地は特に先刻議題になりました除塩等の関係から、地域によりましては、来作が十分な成果を期待し得ないという点も存すると思うのであります。そういう場合に、何が何でも一カ年以上いけないんだと、こういうように縛ってしまうと、そういう農家は、自主的に借金をして返済をしなければならぬというところに追い込まれるわけです。あたたかい思いやりが、結果においては非常に不親切になっていくと思いますが、そういう点は一体どうお考えになりますか。
○政府委員(須賀賢二君) この延納の問題は、私から申し上げるまでもなく、ただいま議題になっております安売り法律で延納いたすのではございませんで、延納は「国の所有に属する物品の先払代金の納付に関する法律」、この法律を当てはめまして、無利子延納を認めるわけでございます。この法律で延納期間が一年以内になっておりますので、ただいまお話のような事態はちょっとうまくそこが食い合わないのでございますが、先ほど申し上げましたように、延納関係は政府との関係におきましては都道府県知事との間に起きるわけでございまして、都道府県知事からは一年以内に返していただくということになるのでございまするけれども、末端の農家との関係は、具体的には市町村長との間に起きておる問題でございます。それで、ただいまお話のように特に今回の災害等の場合については、来年の作が完全に平年作の事態にまで回復しないというような事態もあるいは考えられるのではないかと思うのでありますが、現在の建前では、それを直ちに救済するような手段が法律的には備わっておりません。今後また事態に即しまして、そういう場合、その最終処理をどういうふうにして参るかということは、十分検討いたさなければならないと考えております。
○森八三一君 昭和二十八年のときにその問題で非常に悩んだ事例があるのです。というのは、ことしの十二月から麦を裏作に麺えて、来年の春収穫をして、そのあとに米を植えていくというのが並通の農業経営形態なんですね。ところが、農家はこの秋作る麦が相当飯米に回るのですよ。その回る飯米になるべき麦というものは、実質上収穫皆無ですね、この段階にきますというと。そうして来年の米だけでやっていくというのでは非常に無理がある。だから今お話のように、政府は県と約束するんだ、県は市町村と約束するんだ、その先のことは知らぬとおっしゃいますが、結局上の方からのずっと一連の関係が最末端まで行っちまうのです。そこで来年の返済期になって借金をしなければ返せないという農家が発生した事例はあるのです。苛斂誅求ということではございませんが、町村としてはそうせざるを得ないということで、非常に難儀をした農家が現実に存在しているのです。そういうことを考えてやることが、この安売りをするという趣旨に沿うことなんですよ。だから国の財産の売り拡いに関する別の規定によって一カ年間の延長を認めるということはわかります、わかりますが、その法律のさらに特例を作るということを御交渉になっていないところに問題がある。だから、まだ結論を言ったわけではございませんが、そう長い期間とめるというのではなくて、政府も、国の財産の売り払いに関するその法律ですね、その法律の特例を認めるという措置をこれは考究していただくことが、この安売り法律の売り払いの問題としては非常に重要な内容を持つと思いますので、これは大した金額でもございませんし、大蔵省でもそんなにこのことについて目を三角にして議論をするというような内容の問題ではありませんから、農林省の方から委細をきわめてお話しになれば、やっていただけると思う。これは政務次官どうですか、そういう御交渉をなさいませんか。
○政府委員(大野市郎君) 二十八災のときにそういう実例があったというお話でございますし、今回またそれを上回るような大きな災害でもございまするので、特例法の問題につきまして、御趣旨のように折衝はいたしてみるつもりでございます。
○森八三一君 最後に、直接この法律には関連いたしませんが、間接的にはその内容をなすのですが、政府に対して米は余剰米全部を売らなければならぬという食管法の規定、それに関連してそれぞれ生産農家は政府と予約する、その予約したものに対して概算金が渡っているのですが、この概算金の中で、非常にお気の毒な、御主人がなくなったとか、夫婦とも死んでしまったというような農家で、どうしても米作から、労力関係その他で、離れていかなければならぬというほんとうに気の毒な農家が、数は多くはございませんが、存在していることは事実なんです。そういう場合に、概算金を返せと言ったって、これは返しようがないのですね。そういうようなきわめて困難な気の毒な状態にある農家にして、現に本年の生産米を当てにして予約をし、その予約をしたものに対する概算金が、刈り取りほんの一週間か十日で壊滅したというものに対しては、これは当然免除の措置を私はなすべきであると思います。このことは、十月の十二日の農林水産委員会で農林大臣にお伺いをしたのですが、一応、政府としては概算金は全部調達するが、そのかわり、立てかえて払ってもらうのだから、立てかえてもらう集荷指定団体に対して金利の助成等によって実質上は迷惑をかけぬようにするというお話がございました。その金利の助成にいたしましても、一年限りの助成であっては迷惑を及ぼすという現実は残ると思う。さらに、今申し上げましたように立てかえ払いをしたその元金が、どうしても、どう考えたって返済が不可能であるという農家が数多くはございませんが、存在することも間違いない事実と私は思うのであります。そういう間違いないということの認定がついているのに、元金だけは立てかえて払え、金利を補助してやるといったって、しわ寄せば集荷指定団体に行くことは間違いない。そういうものに対する措置をどう考えているか、これは重大な問題でありますからお答えいただきたいと思います。
○政府委員(須賀賢二君) 今回の災害によりまして、予約概算金の処理につきましては、いろいろ重要な問題が出て参りますことは私どもも十分承知をいたしておるわけであります。われわれの方でも、できる限り早期に被害の実態と、それに関する概算金の処理につきまして見当をつけますように、極力努力をいたしておるのでございますが、なお現在の段階では、末端の状況等から考えまして、的確な資料の把握に非常に困難を来たしている状況でございます。私どもといたしましては、概算金の処理につきましてはできるだけ早くその方針をとりまとめまして、適当な機会にこの問題について御説明を申し上げる機会をいただきたいと考えておりますが、制度全体の建前といたしましては、ただいま森先生からもお話がありましたように、予約は最近は農協の代弁済の形をもちまして返済をしていただくことに相なっております。しかしながら、それに伴いまして、ただいまお話のありましたように、農家が完全にその機能を失ったような場合、またその他いろいろ問題があるわけでございますが、それについての実質的な処理方法を目下極力検討いたしておる段階でございます。いずれ具体的な考え方がまとまりました段階で、あらためて十分御説明を申し上げたいと思います。
○清澤俊英君 これはちょっとありふれない情勢かと思いますが、翌年度この借入金を支払います場合に、かりに米の価格が下った場合、この法律から参りますと前年度の高い米の価格で納めなければならぬ、こういう問題が現実に出ている。そういうことは、今の場合、物価の騰貴等から見ましてあり得ないことと考えますが、もしそういう場合があったときには、やはり特別な何か考慮せられる用意を持っておりますかどうか。
○政府委員(須賀賢二君) 実際問題といたしまして、ただいま清澤先生のお話のような場合は、今回の安売りについて、そういう事態が起きるということは私どもも想像いたしません。もしそういう事態が起きますれば、これはやはり一度一定の価格にきめましたもので売りました米でありますので、やはりその見合いの価格を返してもらうという考え方はとらざるを得ないと思います。
○清澤俊英君 それはどうもおかしいですね。ただ、今、米が足りないから貸してやる、だから一年たったら貸しを取るというような、高利貸しのような考え方が非常に強いと思うのですね。貸してやるということ自身が、今も森君が盛んに言われた通り、それ自身が将来の営農の上に重大な影響を持つことであり、従って、その趣旨が貫徹するように常に考えておられれば、実際問題として、かりに今年九カ月分お借りしたが、非常に家族が多くて、保有量が非常に量数もたくさんに要るんだというような人が、そういう二倍も三倍もとれるかというようなことは、なかなか考えられないような場合も非常に想像されますし、また、災害地自身がだいぶ塩害などの場所もありますし、土砂等によって崩壊した土地もあるので、すぐ翌年正常な収穫も得られないというようなこともちゃんと予想できる。そういうものをむやみに取ってしまったならば、翌年からまた災害が起きたと同じような状態を営農上受けることはわかっておるのですから、そのくらいのことは、やはり法律の延納をする、貸付米をするという趣旨を生かすようなことを常に考えておられることが正当ではないかと思う。貸したんだから、これは規則通りすぐ取るのだ、これでは私はあまり法律自身に自分が縛られて、実際のものの運用というものが、そこに非常な食い違いを来たしておるのではないか、こう思いますが、これは政務次官どうです。私はそのくらいのことは含みとして常に考えておらるべきものだと思う。何も考えないで、すぐこういう規則になっておるんだから、すぐこうやって取るのだというような考え方は、私は無理だと思う。だから森さんの言われるような議論がたくさん出ると思う、実際そういう無理が重なって、私は今日ここではやりませんが、いつか時期を見てこの委員会でやろうと思っておりますが、開拓農民なんか実際今離農をする、開拓地を放棄するというような問題が、そういう取り扱いから出てきておるものが非常に多いのです。それの集積が多いのです。次官も知っているでしょう。南魚沼郡塩沢町の奥添地の開拓地の開拓農民が、十九戸全部解散をして立ちのいております。状況を調べれば、こういうものの集積ですよ、全く。全くもうやっていけないということなんですよ。少しはそういうことを含みとして考えてもらわなかったら、いかなる災害対策などといってやってみましても、それは問題にならぬと思う。大臣の代理としての大野さんはどう考えておられるか。そんな冷酷なことでは全く問題にならぬ。
○政府委員(大野市郎君) 法律はすべてどうも現実の事態が起きてから、その事態を処理するために制定せられているようなことで、従来のどの法律を見ても、そういう形がありまして、今、清澤委員のお話のような、現実に法律を運用するときには、われわれもよく不自由を感じ、矛盾を感ずることがございます。ただ、ただいまの問題は、当面の問題として、まあ景気がこういう状況で続くような現状の判断からいきますと、下ることはないように思われます。また上る場合を考えますと、価格でいった場合には、またそこでゆとりも出るのでございますが、私はこの問題で、米の値が下ったならばどうするという法律を、今ここで法律の内容として、どんなふうな形で検討されますか、その予測を——将来の予測でございますので、この法案の御審議に当たりまして、ただいまの御心配の点をすぐに法文で表わすというような事柄はどうかと存じますが、気持は同じでございまして、そういうような事態が一年間の猶予がございますので、社会の急変で起きるようなことがございましたら、一つ御相談をしていただきたいと思いますが、この点について、気持はよくわかるのでありますけれども、法律技術の上で、今ここでどういう対策をとるかということに対しては、お答えができないのでございます。
○清澤俊英君 私は何も法律を直せとか何とかいうことを言うておるのではない。そういう場合が起きたならば、幾らか考えるような気持があるのかないのか、こういうことを聞いておる。あなたの答弁だけで事は済んでいるのです。ところが、木で鼻をくくったような話で、こういう法律があるからこれはすっかり取るんだ、そんなことは考えておられぬような答弁でしたので、私は少し怒ったんです。あなたの言うように、そういう事態が出てくればいろいろ考えなければならない、こういう気持があれば、森さんの先の質問などは非常に生きたものが出てくると思います。もっと大蔵省に対して、十分こういう機会を中心にしてお考えいただく、再交渉していただく努力が、私はまだ払わるべき余地を十分残していると思うんです。そういうことを言っているのです。
○藤田藤太郎君 私は二、三点確認をしたいと思います。 第一の問題は、森委員と清澤委員から言われた中に入っていると思うのでありますけれども、この一年延べ払いをするといっても、また災害の問題や、またはいろいろな面で減収をして、十分に払えないというような状態の農家に対する配慮は、考えてみて、研究してみて、その時期までに結論を出す、こういう工合に確認していいのかどうか、これが第一点です。 それから第二点は、この著しい不足をした場合の農家の基準が言われました。これは済みませんが、もう一度言っていただきたいと思うのです。
○政府委員(須賀賢二君) 一年延納いたしまして、来年出来秋に農家の復旧の状況等から考えて、そのまま約束の通り代金を支払っていただくことが非常にむずかしいというような事態が出ました場合、これは従来のこの安売り法律の場合は、最終的には市町村と農家との間でそのあとの処理はやっていただいているわけでございます。県と国との間では一応指定の時期はきめられているわけでありますが、ただいまお話のような事態がもし出ましたような場合、さらに国と県との間において延納の期間を延長するというような事態がどうしても必要であるということになりますと、これはおそらく特別立法を要するようなことに相なるのではないか、従いまして、それは今後の推移を見まして、全体の規模等から、どうしてもそういうことを考えなければならぬというような事態が、万が一出て参りますれば、これは立法問題とも関連をいたしまして、十分検討をいたさなければならぬ。 それから著しく不足する農家の基準でございますが、これは繰り返して申し上げますと、完全保有農家につきましては、災害によりまして米の保有期間が九ヵ月以下となった農家でございます。それから準完全保有農家、これにつきましては米の保有期間が六カ月以下となりました農家でございます。それから不完全保有農家につきましては、平年作であれば六カ月以上の保有期間があるものでありまして、その保有期間が災害によって六カ月以上減少した農家ということでございます。
○藤田藤太郎君 そこで、もう一度確認したいのですが、これは今度の災害によって全地域における問題を、農家個々において摘出された基準だと思うのであります。で、先ほどお話を聞いていると、県を指定するのに一〇%以上のなにがあったときに指定するとかいうことのお話があったと記憶するのです。そうなると、県の一〇%以下の場合の農家は、どういう基準によって末端におやりになるんですか。農家というものは、災害地には全体の場合と個々の場合があると思う。個々の農家について、そういう府県を指定されない農家については、どういう基準でこの末端の処理をおやりになるのか、それがどうもさっきから疑問になってきておる。たとえば、指定された所は、こういう基準でやる。指定されない所は一般配給米でしんぼうせいというのか、負担を県や市町村にまかすのか、そこらのところは、問題は農林省の関係からいえば生活の問題ですから、全土というか、全区域の農家にこの基準で渡すということになれば、県の指定というものは何を意味するのか、そこらの問題がはっきりしない。
○政府委員(須賀賢二君) ただいま御質問の点につきましては、県で米の被害率がおおむね一割ということを基準にいたしまして、それに当てはまる県を県として指定をいたすつもりでございます。そういたしますと、その指定を受けました県につきましては、この法律によりまして米の安売り措置をとられる。従いまして、この指定を受けません県につきましては、御指摘のようにこの安売りの措置がとられません。これはなぜこういうことをいたすかと申しますと、やはり相当の財政負担も伴います問題でありまするので、やはり被害の程度、深さ等は一応の基準になりまして、その対象はある程度これはしぼらざるを得ないわけでございます。それでは、同じように被害を受けておる農家がほかにもあるではないか、そういうものに対してはどうするかということでございますが、これは従来の例からいたしましても、全県といたしまして被害はそれほど大きくない。ただ特定の地域については被害が非常に強いという所は、やはり県内で救援米でありますとかいろいろ実質的な措置もとられておるわけであります。しかし、それだけでは十分でございませんので、われわれの方は安売りではございませんが、一般の配給価格によりまするやはり無利子延納売却は、これは災害農家に対しましては知事から申請があれば、どの場合においてもやっておるわけであります。従いまして、被害が非常に、何といいますか、その県の規模としては軽かった県につきましては、安売りではございませんが、知事がやはり買い受けまして、その農家に次の出来秋まで代金を取り立てない。延納売却をするということを知事から申請して参りますれば、それに対しまして、それの必要な土地にはやはり次の出来秋まで無利子で延納してもらうという建前で一時売却いたす。だから安売りか安売でないかというところに指定を受けました場合と指定を受けない場合の差が出て参る。これは繰り返し申し上げますが、やはり相当これは政府としましても財政負担を伴っておりまする災害対策でございまして、どこかやはり一つの基準を置きまして、その基準の範囲でしぼって参るということは、これはやむを得ないと考えております。
○藤田藤太郎君 財政上というお話がありましたが、今想像されている財政上の負担は一〇%以上ということを仮定して、どれくらいになるのですか。
○政府委員(須賀賢二君) これは今後具体的に知事からの買い受け申請が上って参りまする結果を見ませんと、はっきりしたことは申し上げかねるのでありますが、今私どもが先ほど申し上げました被害率一割ということを基準にして対象府県を考えまして、ごく大まかな概算をしてみますと、政府負担は一億円を多少上回ると思います。
○藤田藤太郎君 その財政負担が一億円だと今の見通しでおっしゃった。それは一銭の金も大事な税金ですから、負担がふえるということは、できるだけ正確に使うという建前からは、それでいいでございましょうけれども、集中豪雨とか何とかですと、一定の区域というものはもうこれは限られます。しかし今度の台風というのは、台風の姿から見て、大体本土を縦断するとか縦にいくとか横にいくとか、それによって影響を受ける。そうなると、農家個々にしたら片一方は府県が一〇%以上になったら安売りの米が売れる。一〇%以下の所は同じようにこの自然の台風の被害で、地域が限られた所に被害があっただけで、その農家が配給米の価格で、延納というのは知事の申請があったときには配給米の価格の延納は考えるけれども、というお話でございますけれども、被害を受けた農家にしてみたら同じじゃないですか。それをその県の財政でまかないなさい、個々の農家は、公平に対処するのだから、その一〇%以下の所は県の財政でまかないなさい。そのめんどうは国がみてやると、何割か、百パーセントか、何十パーセントか国が見てやろうというのならば、私は筋が通っていると思う。しかし、同じように被害を受けた農家が、一〇%以下の所は配給米の価格、上のところだけが安売りだというような、私はそういうものの考え方というものはちょっとどうかと思うのだがね、それはどうなんですか。もう少しそれはっきりしてもらいたい。それで、もう一つは今の見通しだけで財政負担が一億円だというのでしょう。個々にふえてどれだけふえるのですか。そこのところをもう少しはっきり……。
○政府委員(須賀賢二君) きわめて基準対象府県を抽象的に申し上げておりまするので、あるいはただいま御指摘のような御批判をいただくのかと考えるのでございますが、大体この七月以降の今年の被害の状況から考えまして、県単位一割で、個々に対象県を拾ってみますると、ほぼ災害との関係において安売り措置を講じなければならないと考えられまする県は、おおむね入って参るように私どもは考えております。これは別に個々の県からの要請によってやっておるわけではございませんで、一定の基準でやっておるわけでございますが、今まで安売りについて特段の御希望等も特に私どもは聞いておりませんような県も大体入っておるわけでございまして、大体今年の災害で安売り措置等で手当をしなければならないと考えまする県は、おおむね入るのじゃないかと思います。形の上だけで御検討いただきますと、今お話のように、同じように災害を受けておりながら、甲の農家と乙の農家と違うというような問題がある、まあ災害対策として考えました場合、やはり今回の基準以内でおおむね必要な所には手当ができるのじゃないかと、さように考えております。 財政負担の点は、これは一億が多いか少ないかという問題は考えようでございまするけれども、私どもといたしましては、この基準によりまして現実に出て参りまする財政負担は、当然これは対処すべき行政措置だと考えております。
○藤田藤太郎君 声がちょっと小さいから、あとの方もう一ぺん言って下さい。
○政府委員(須賀賢二君) 別に財政負担が多いか少ないか、どうということを申し上げるわけではございません、今回の基準に当てはめまして必要な財政負担は、これは予算的に十分考えていかなければならないと考えております。
○藤田藤太郎君 私は、今度たくさん災害がありましたけれども、ほかの災害対策についてはいろいろな議論が——自治体の財政負担のいろいろな問題や再建、復旧の問題で議論のあるところですけれども、何といってもこれは厚生省がやっている災害救助法の、その生活をどうするかと同じような性質のものだと、ものの考え方と生活の問題ですから、同じような性質のものだとやっぱり判断をしてもらわぬと……。今のような大ざっぱにすべきものじゃないと思うのです。農家は米がなくて食うものがなくなっている。そういうのに基準を一〇%単位なんというようなところへ置く性質のもので私はないと思うのです。それを今のようなことでおおむねいけると言われますけれども、おおむねということで、実際問題としてできるのかどうか。風水害でも八月の災害、九月の災害、この両方かぶった所は、ほとんどだめです、農家は。しかし九月の災害は実ったときだから幾らかましな所があるけれども、八月の災害を受けたものはほとんどだめです。そういうのが私は各県ごとに個々にあると思うのです。そういう農家を考えてみますと、同じように風水害を受けて、こういう基準でやる。たくさん財政がかかるというのですけれども、今の見通しでおおむねいけるという財源は一億円だという。根本の基準は生活の問題ですから、こういう基準をきめるならこういう基準でぴしゃっとやる。そういう建前にしなければ、私はこの法律は生きてこないと思う。そういう感じがするのですがね。特別にその今の問題は考えてもらえるかどうか。長官からもう一度はっきり御所見を承りたいと思います。
○政府委員(須賀賢二君) いずれ地域指定につきましても、さらにわれわれの方で検討いたしました結果を政府案として私の方で御説明申し上げる段階もあるかと思いますが、具体的に対象府県を御検討いただきます。大体私どもは、今考えております線でことしの場合の災害対象は十分カバーできると考えております。そういう考え方で進めておりまするけれども、さらにそういう点がございましたら、なお御検討願いたいと思います。
○清澤俊英君 簡単ですがね。平年作の定義は変わりましたか。平年収穫の一割、定義は変わったのですか。平年作の一割を減退する県を指定すると言われるが、平年作とはいかなることを意味せられるのか。定義だけ簡単でいいです。
○政府委員(須賀賢二君) 平年作は、統計調査部で作っておりまする平年基準収量というふうに考えております。
○清澤俊英君 それじゃちょっとわからないのですが、統計の何ですか。
○政府委員(須賀賢二君) 統計調査部で作成して指示をいたしておりまする県単位の基準平年収量がございます。それを当てはめて計算をしております。
○清澤俊英君 それは毎年出ているのですか。
○政府委員(須賀賢二君) 毎年出ております。
○清澤俊英君 そうすると、三十四年度分の統計調査部の発表による平年収穫水準を基準とすると、こういうことになりますな。
○政府委員(須賀賢二君) そうでございます。
○小酒井義男君 簡単に一点だけお尋ねをしたいのですが、先ほどから藤田委員からいろいろ質疑が行なわれておった問題の結論として、指定を受けた県と指定の受けられない県との農民の、個人てすね、個人として同じような性質の損害を、被害を受けておっても、取り扱い上内容において非常に違ったものがある、結局受けられない所は相当な不利益な条件が中に入ってくるのだ、こういうことは出てくるのですね、あるのですね。
○政府委員(須賀賢二君) これは二十八災以来やっておりまする方法によりまして、やはりこの安売り措置を講じまする対象府県を、一定の基準で指定をするという制度をとっております。ただいまお話のような事態が個々の農家について、比較をいたしますると出て参りますことは、これはやむを得ないことだと思います。
○小酒井義男君 これは問題点は明らかになったのですが、やむを得ぬという考え方は、どうもわれわれとしては納得ができぬのですが、ここで議論を蒸し返しておってもあれですから、別の問題として私はこれは検討したいと思います。
○委員長(郡祐一君) 本案に関しては、なお御質疑もあることと存じますが、それは後日に譲ることにいたし、本日の質疑はこの程度といたします。 次回は明十三日午後一時より開会し、自治庁関係の法律案について審議を行ないます。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時六分散会