風水害対策特別委員会 第5号
- 発言数
- 90 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1959/11/06
会議録
○委員長(郡祐一君) これより風水害対策特別委員会を開会いたします。 まず、労働省関係の法律案について提案理由の説明を聴取いたします。
○国務大臣(松野頼三君) 昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた地域における失業対策事業に関する特別措置法案の提案理由を御説明申し上げます。 本年は、七月以降数次にわたって局地的な豪雨及び台風の影響を受けて各地に相当な被害が発生いたし、特に九月下旬に発生をみた今次台風第十五号による被害はきわめて激甚であります。これらの被害の発生に対処して政府といたしましては、被災者の救済、災害復旧に遺憾なきを期しているところでありますが、失業対策事業につきましては、罹災による失業者の増加が予想され、また被災地の地方公共団体の財政負担が過重になると思われますので、これに対して高率の国庫補助を行ない、地方財政の負担を軽減する必要があると考え、この法案を提案いたした次第であります。 次に法案の内容について概略御説明申し上げます。失業対策事業対策につきましては、さきに二十八年災害におきましても高率の国庫補助を行ないましたが、今回の災害につきましてもこれと同様の措置をとることとし、労力費五分の四、資材費二分の一、事務費五分の四の高率の国庫補助を行なおうとするものであります。 何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。 次に、ただいま議題となりました昭和三十四年七月及び八月並びに同年八月及び九月の風水害に関する失業保険特例法案の提案の理由を御説明申上げます。 本年は、七月以降数次にわたって局地的な豪雨及び台風により、各地に相当な被害が発生し、特に九月下旬の第十五号台風による被害は、きわめて激甚であります。政府といたしましては、これらの被害に対処して、被災者の救済、災害復旧に遺憾なきを期しているところでありますが、これらの被害により事業を停止するのやむなきに至った失業保険の適用事業所も相当数に上ぼっておりますので、事業の停止により休業し、賃金を受けることができない被保険者の生活の安定をはかるため、その休業期間について失業保険金を支給する必要があると認め、との法案を本国会に提出いたした次第であります。 以下その概要を御説明申し上げます。 第一に、本法案は、失業保険の適用事業所が昭和三十四年七月及び八月の水害並びに同年八月及び九月の風水害を受けたことにより、やむを得ず事業を停止したため、その事業所に雇用されている一般失業保険の被保険者が休業し、賃金の支払いを受けることができない状態にある場合には、これを失業とみなし、災害の状況に応じ地域ごとに昭和三十四年八月三十一日から昭和三十五年三月三十一日までの範囲内において政令で定める日までの期間におけるこれらの休業について、失業保険金を支給することができることといたしました。 次に、これらの休業者が事業の再開に伴い再就業し、その後、新たに失業保険金の受納資格を得るに至った後離職した場合は、休業期間について失業保険金の支給を受けたことより、新たな受給資格に基づく給付日数について不利益が生じないように、次の措置を講ずることといたしました。 すなわち、失業保険金の給付日数は、被保険者としての継続雇用期間が長い者ほど長く有利になっておりますが、休業期間について失業保険金の支給を受けた場合、この継続雇用期間が中断されることとなりますので、再就業後離職して失業保険金の支給を受けるとき、休業前の継続雇用期間を給付日数算定の基礎から除外いたしますと、給付日数が短くなり気の毒な場合も生ずることが考えられます。従って、このようなことのないように、休業前に被保険者として長期にわたり雇用されていた者につきましては、休業前の継続雇用期間を一定の方式により通算して、新たな受給資格に基づく給付日数を算定する等の措置を講じました。また、この措置は、先に述べた災害による事業停止のため離職し、失業保険金の支給を受けている者に対しても一定期間内に再雇用ざれたときは同様に及ぼすこととし、その間の均衡をはかることといたしました。 以上が本法案の要旨でありますが、何とぞ御審議の上、すみやかに可決せられますようお願い申し上げます。
○委員長(郡祐一君) 以上で提案理由の説明を終わります。本案の審議は、これを後日に譲ることといたします。 —————————————
○委員長(郡祐一君) 次に、厚生省関係の法律案について提案理由の説明を聴取いたします。
○国務大臣(渡邊良夫君) ただいま議題となりました四件の厚生省関係災害特別措置法案につきまして、その提案の理由を御説明申上げます。 これらの特別措置法案は、第一に、本年七月及び八月の水害または同年八月及び九月の風水害を受けた地域における災害救助法による救助費及び伝染病予防法による防疫業務費について国庫の負担率を高める等の特別措置を講じ、もって被災地域における救助活動の万全を期するとともに地方公共団体の財政負担の軽減をはからんとするものであります。第二に、本年の水害または風水害による被害も大きく、施設の持つ公益性も強い伝染病院及び隔離病舎、上水道及び簡易水道、保護施設及び児童福祉施設の復旧費につきまして国庫の補助率を高める等の措置を講じ、もってその復旧の促進と地方公共団体等の財政負担の軽減をはからんとするものであります。第三に、本年の水害または風水害によって被災した母子家庭の福祉の増進をはかるため、母子福祉資金の貸付について特別の措置を講ぜんとするものであります。以下提案されました各特別措置法案についてその要点を申し上げます。 第一は、昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた地域における公衆衛生の保持に関する特別措置法案についてでございます。この法律案の第一点は、伝染病予防法に関する特例でありまして、防疫業務に要する費用及び伝染病院隔離病舎等の災害復旧費につきまして、都道府県及び市町村の負担を軽減し、それに応じて国の負担率を高めたことでございます。第二点は、上水道及び簡易水道の災害復旧費について、国が二分の一の補助を行なうことができるようにいたしたことでございます。 次は、昭和三十四年八月及び九月の風水害を受けた社会福祉事業施設の災害復旧費に関する特別措置法案についてでありまして、この法律案は、本年の風水害を受けた保護施設及び児童福祉施設の復旧費につきまして、市町村、都道府県、日赤、社会福祉法人等の負担を軽減し、それに応じて国の補助率を引き上げんとするものであります。 第三は、昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた都道府県の災害救助費に関する特別措置法案についてでございます。この法案の第一点は、本年の水害または風水害を受けた都道府県が救助のため必要な施設または設備に要する費用を支出したときは、その費用を災害救助法による国庫負担の対象にするということであり、第二点は、災害救助費に対する国庫負担について特例を設けようというものであります。 第四は、昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた者に対する母子福祉資金の貸付に関する特別措置法案についてでありまして、この法律案は被災母子家庭に貸し付ける生業資金、事業継続費命及び住宅補修資金についてその据置期間の特例を、設けたこと、被災地域の都道府県に対する国庫貸付率を引き上げたことをその要点とするものであります。 以上がただいま提案されました厚生省関係災害特別措置法案の提案理由及び要点でございます。何とぞ御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(郡祐一君) 以上で提案理由の説明を終りました。本案の質疑は、これを後日に譲ることにいたします。 —————————————
○委員長(郡祐一君) 次に、建設省関係の法律案について、提案理由の説明を聴取することにいたします。
○国務大臣(村上勇君) 昭和三十四年八月の水害又は同年八月及び九月の風水害に伴う公営住宅法の特例等に関する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。 この法律案は、本年八月の水害または八月及び九月の風水害による住宅の被害の状況にかんがみ、これらの災害による被災者に入居させるための公営住宅または産業労働者住宅の建設等を促進するため、公営住宅の建設等に要する費用についての国の補助率の引き上げ等について公営住宅法の特例を設けるとともに、産業労働者住宅の建設に融通される住宅金融公庫の貸付金の償還期間の延長等に関し、産業労働者住宅資金融通法の特例を設けようとするものであります。 次にこの法律案の要旨について御説明申し上げます。まず、公営住宅法につきましては、本年八月の水害または八月及び九月の風水害であって、政令で定める地域に発生したものに関して次の特例を設けることといたしました。 第一に、事業主体が災害により住宅を失った者に賃貸するため第二種公営住宅を建設するときは、国は、予算の範囲内でその費用の四分の三を補助することができることとし、現行法に定める国の補助率より高率の補助を行なう措置を講ずるとともに、国の補助の対象とする住宅の戸数を増加し、災害により滅失した住宅の戸数の五割に相当する戸数を国の補助の対象とすることといたしております。 第二に、事業主体が災害により滅失した公営住宅に災害の当時律していた者に賃貸するため公営住宅を建設するとき、または災害により著しく損傷した公営住宅を補修するときは、国は予算の範囲内で第一種公営住宅についてはその費用の三分の二を、第二種公営住宅についてはその費用の四分の三を補助することができることとし、それぞれ現行法に定める国の補助率より高率の補助を行なうことといたしております。 次に、産業労働者住宅資金融通法の特例といたしまして、本年八月及び九月の風水害であって、政令で定める地域に発生したものにより住宅を失った産業労働者に貸し付けるため、この法律の施行の日から二年以内に住宅を建設しようとする事業者で、主務大臣の定める条件に該当し、かつ、災害により事業場等に著しい損害を受けたものに対し、住宅金融公庫が産業労働者住宅資金融通法によりその建設に必要な資金を貸し付ける場合に、事業者が災害のため法定の償還期間内に償還することが困難な状況にあると認めるときは、その貸付金の償還期間を三年以内延長し、かつ、その償還期間内で三年以内の据置期間を設けることができることといたしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願いいたします。
○委員長(郡祐一君) 以上をもって提案理由の説明を終りました。本案の審議はこれを後日に譲ることといたします。 —————————————
○委員長(郡祐一君) 次に、通商産業省関係の法律案について提案理由の説明を聴取いたします。
○政府委員(内田常雄君) 通商産業省関係の法律案は二件ございますが、まず昭和三十四年八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた中小企業者に対する資金の融通等に関する特別措置法案について提案理由を御説明申し上げます。 本年八月の七号台風及び豪雨によって被害を受けた中小企業者に対しては国民金融公庫及び中小企業金融公庫の行なう融資につき、優遇措置を講じてきたのでありますが、九月の十四号台風に続き、伊勢湾台風がまれにみる被害を中小企業に与えるに及んで、その急速な立ち直りをはかるためには、総合的な対策を講ずることが刻下の急務となって参りました。かかる事情にかんがみまして、政府におきましては直ちに財政資金を大幅に追加して国民金融公庫、中小企業金融公庫及び商工組合中央金庫の災害融資のための資金を確保することといたしましたが、さらに従来の措置にかえて、両公庫の災害融資については一貸付先当り百万円までの金額について貸出利率を年六分五厘とすることの閣議決定を行なうとともに、商工組合中央金庫の行なう災害融資についてもこれに準ずる措置をとることを検討して参ったのであります。 次に、これらの政府関係金融機関の災害融資と並んで、災害地信用保証協会の保証能力を増大する等によって一般金融期間の中小企業に対する。災害融資を円滑化することがきわめて緊要であります。このため災害地信用保証協会に対する中小企業信用保険公庫の融資基金を増額することといたしておりますが、同時に、中小企業信用保険についても災害融資にかかる保険料率及びてん補率を優遇する等の措置を講ずることが必要であると考えられます。さらに、また中小企業振興資金助成法による設備近代化資金等の貸付のうち災害以前に貸付を行なったものについては、罹災の実情に応じてその償還期間を延長することが妥当と考えられます。 この法律案は、以上の趣旨に従いまして、八月の水害または八月及び九月の風水害を受けた中小企業者について、その事業の再建に必要な資金の融通を円滑にする等のため、商工組合中央金庫の貸付利率の引き下げのための措置並びに中小企業信用保険法及び中小企業振興資金助成法の特例を定めることによりその中小企業の再建を促進し、経営の安定をはかることを目的とするものであります。 次にこの法律案の要旨を御説明いたします。まず第一に政府は、商工組合中央金庫が風水害を受けた中小企業者であって政令で指定するものに対し、昭和三十五年三月末日までに再建資金の貸付を行なった場合において、そのうちに年六分五厘の軽減利率で貸し付げた金額があるときは、これを利子補給の対象とすることとし、三年間を限り中小企業者一人につき百万円までの額以内で通常利率との差額を支給する旨の契約を商工組合中央金庫と結ぶことができることといたしました。 第二に、風水害を受けた中小企業者の再建資金の借入による債務の保証であって、昭和三十五年三月末日までに行なわれたものにかかる普通保証保険及び包括保証保険については、そのてん補率を八〇%に引き上げ、保険料率を年百分の二以内で政令で定める率まで引き下げることとし、中小企業者一人当たりの付保限度額を災害融資にかかる額とその他の融資にかかる額とを別計算として、それぞれ、普通保証保険については七百万円、第一種包括保証保険については五十万円、第二種包括保証保険については五百万円といたしました。また、融資保険についても、災害融資にかかる分に関し、中小企業者一人当たりの付保限度額について同様な措置を講ずることといたしております。 第三に、都道府県は、風水害を受けた中小企業者であって政令で指定するものに対し被災以前に貸し付けた中小企業振興資金助成法による設備近代化及び共同施設設置資金について、その償還期間を二年をこえない範囲内で延長することができることとしております。 以上がこの法律案の提案理由及び主要な内容であります。 次に、中小企業信用保険公庫法の一部を改正する法律案につきまして提案の理由を御説明申し上げます。 本年八月の水害または八月及び九月の風水害を受け、物的担保の損傷その他信用力に著しい影響をこうむったため、その事業の再建に必要な資金の調達を困難とする中小企業に対して金融機関による円滑な資金の融通を促進するためには信用保証協会による信用保証制度の積極的な活用をはかる必要があります。しかるに、災害地信用保証協会においては、現在の保証原資の規模から見て急増しつつある災害関係保証の、需要に応ずることは、きわめて困難な実情にありますので、政府は、今回中小企業信用保険公庫に対し、産業投資特別会計から十億円の追加出資を行ない、これを災害地信用保証協会に貸し付けることによってその保証能力を大幅に増大せしめ、災害融資について信用保証協会の積極的な活用をはかることとした次第であります。 この法律案の要旨は、中小全企業信用保険公庫に対する政府の出資金十億円の増額に伴い、中小企業信用保険公庫法の資本金及び融資基金に関する規定を改正しようとするものであります。 以上がこの法律案の提案理由及び内容であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことを切望する次第であります。
○委員長(郡祐一君) 以上で提案理由の説明を終わりました。本案の審議はこれを後日に譲ることといたします。 —————————————
○委員長(郡祐一君) 次に、大蔵省関係の法律案について提案理由の説明を聴取いたします。
○政府委員(前田佳都男君) ただいま議題となりました昭和三十四年八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた中小企業者に対する国有の機械等の売払等に関する特別措置法案の提案理由を御説明申し上げます。 昭和三十四年は、不幸にして台風により大規模な水害または風水害を受けたのでありますが、八月及び九月のこれらの災害により中小企業者のこうむった損害は、膨大なものであります。このような事態に対しまして、これらの損害を受けた中小企業者の施設の復旧の促進に資するため、旧陸海軍等の所管に属していた国有の機械または器具で現に普通財産になっているものを、被害中小企業者に対し売り払い、貸し付け、又は交換する場合には、特別の措置を講ずることが適当であると考え、この法律案を排出いたした次第であります。 この法律案の概要について説明いたします。昭和二十四年八月の水害または同年八月及び九月の風水害によって自己の事業所でその所有する機械または器具に損害を受けた中小企業者に対しましては、普通財産である国有の機械または器具を、当該中小企業者の受けた損害額を限度として時価からその五割以内を減額した対価で売り払い、交換し、または貸し付けることができることといたしました。なお、この法律は、昭和三十五年十二月三十一日限りその効力を失うことといたしました。 以上がこの法律案を提出いたしました理由並びにその概要であります。何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願いいたします。 —————————————
○委員長(郡祐一君) 以上で提案理由の説明を終わります。本案の審議はこれを後日に譲ることといたします。 —————————————
○委員長(郡祐一君) 引き続き、災害対策予算の概要について大蔵省から説明を聴取いたします。まず総括的な説明を聴取いたしたいと思います。
○政府委員(前田佳都男君) 今回の補正予算につきましては、すでに大蔵大臣が予算委員会で御説明申し上げたのでございますが、私はここに災害対策関係につきまして補足的に御説明を申すし上げます。 本年における災害は先般の伊勢湾台風に至りまして、二十八年災に次ぐ規模のものとなりました。政府としましては、すでに既計上の予備費の使用五十五億円、地方交付税交付金の交付時期の繰り上げ、応急のつなぎ融資等、各般の行政措置を講じて参ったのでありますが、今回、災害の実情に顧みまして、各般の特例法案を用意するとともに、予算補正を行いまして災害対策に遺憾なきを期することとした次第であります。 災害対策関係費は、本費に三百四十四億円を計上しておりますが、ほかに今回追加計上いたしました予備費八十億円の相当部分が災害対策費に充てられることになる見込みでございます。特に、今回この予算において配慮いたしました点は、本会議におきましても申し上げました通り、第一に民生の安定と生業の回復をはかったことでありまして、特に、住宅及び農林漁業施設の復旧の促進をはかり、これに約百七億円を計上し、施策の内容においてもまた従来の措置に比しまして相当の改善充実を期しております。 第二に、今次の災害におきまして、高潮による被害が激甚であったことに顧みまして、新たな構想によって大規模な高潮対策を講ずることとして、これに六十一億円を予定しております。このほか、河川等の公共土木施設の復旧の充実をはかり、これに約百六十億円を計上することとしております。さらに、復旧の促進をはかるため、国庫債務負担行為三十六億円余の活用をも予定しております。 なお、今回の災害の規模に顧み、災害対策費にかかわる国の補助、負担の対象及び率について、実情に照らしそれぞれ拡大引き上げの特例を設定し、他面地方交付税の増加、地方債起債ワクの拡大等、地方公共団体に対し財源付与を行ない、両者相待って強力な災害対策の推進を期しております。 さらに、予備費を八十億円追加計上しております。このらち、約五十億円は災害対策費に充当される見込みであります。これはいわゆる災害査定等正規の手続を経事業費を確定するに至らない段階において、推定によって予算措置を行う関係上、災害対策費のすべてを事業別、所管別に細分して、それぞれの金額を確定して計上することは、予算の実行にあたって多分に現実に即しない不都合を生ずるおそれがありますので、一部について予備費によることとし、これに充てるため計上した次第であります。 この補正の財源は、租税等の自然増収をでき得る限りこれを見積もることとして、祖税及び印紙収入四百九十億円、税外収入四十八億円を見込んだのでありますが、なお不足する分につきまして既定の予算を節減することといたしました。 最後に、財政投融資の追加について一言いたします。今回の災害対策及び年末中小企業金融対策といたしまして、総額五百一億円の投融資の追加を行なうことといたしました内訳としては、中小企業金融対策として、災害対策関係に百六十億円、年末対策関係に百億円、農林漁業関係の災害対策として、農林漁業金融公庫に対し、四十億円、開拓者資金融通特別会計に対し一億円、住宅復旧資金として住宅金融公庫に対し四十億円、ほかに地方債百六十億円、合計五百一億円で、これに必要な原資は郵便貯金等の増を見込む一方、公募債等の増加をはかるとともに、既定計画の一部の振りかえにより支弁することとしております。 以上をもって概略の説明を終ります。
○委員長(郡祐一君) 次に、災害予算について主計局から補足説明を聴取いたします。
○説明員(中尾博之君) ただいまの前田政務次官の説明を補足いたしまして、お手元にお配りいたしてございます「昭和三十四年度、予算補正(第2号、特第1号及び機第1号)の説明」という薄い印刷物をお配りいたしておりますのでこれをごらん願いまして、それにつきましてその概要を御説明いたします。 まず第一ページに総説が書いてございまするが、要するに、今回二十八年来の大災害がございましたので、これに対する補正措置を必要とするに至ったのでございまするが、二十八災当時の公共土木その他の施設の災害被害報告が二千七百億余りに対しまして、今回は千九百六十二億ということに一応なっておりまするが、当時と現在とはだいぶん制度も変わっておりまして、たとえば進捗率のごとき非常に進んでおるのでございます。そういうような関係上、これが対策費は相当巨額に上ることになりました。つきましては年度末までに見積もりまするところの歳入の増加をあげてこれに対処するという態勢を必要とするに至ったのでございます。そういう関係がございましたので、まず一方におきまして年度末までに動員し得ますところの財源をあげてこれを拾い上げますると同時に、一方ですでに国の義務に属しておりまするところの若干の今年度必要とする経費がございまするので、そういうような経費、それから同じく災害対策と並んで問題となっておりまするところの石炭の炭鉱離職者対策等の必要を見ておりまするので、これらのものもあわせて今回の補正予算を編成いたした、ものでございます。 歳出に追加されました額はのちほど申し上げまするが、全部で六百十四億ということになっております。そのうち災害対策関係、直接に災害対策関係に当てられまする金額が三百四十三億ということになっております。その他がいわゆる先ほど申し上げました年度末までに必要といたしまするところの災害関係以外の経費と、それからこのたび歳入に、いわゆる三税の自然増収を見込みましたことに伴いまして必要といたしまする地方交付税の交付金の追加というものを合わせて予算化しておる次第であります、 以上が一般会計の概要でございまするが、二ページに総括表がございまするが、それをちょっとごらん願いたいと存じます。二ページの一番頭のところでございますが、一番上に欄が二つに分れておりまする右側の方に補正(第2号)というのがございます。そこに追加といたしまして六百四十億の追加である。一方で修正減少といたしまして七十五億円の減少が上って、おります。これはいわゆる既定経費を節減いたしました分でございまして、こういうふうにいたしまして、予算の形式といたしましては六百十四億を追加いたしましたが、一方で七十五億余りを減少いた、しまするので、ネットの形式的な額の増加といたしましては、差引きしましてそれが五百三十八億になりますが、それを追加するということに当たるわけでございます。それによりまして、この合計という欄にございまするが、今年度の予算の全額は一兆四千九百八十一億ということになる次第であります。以下内容についてごくあらましを申し上げたいと存じます。 まず六百十四億のうち、災害関係はそこに歳出の増加という欄が左側にございますが、三百四十三億七千四百万円ということに相なっております。そのうち一番大きいのが、いわゆる災害復旧事業費でございまして、それが百七十八億六千二百万円ということになっております。その説明が二ページの下の方から始まるわけでございまして、災害の関係は先ほど申しあげました通り、全部でもって千九百六十二億円という報告になっております。それで、そのうち、左側の伊勢湾高潮対策事業費というのがございますが、これを今回は特別の事業に分けて処理いたしておりまするので、それらの方に向く分がございまするが、この中にも災害復旧費分があるわけでございますが、それ以外の分をここの災害復旧事業費として予算化いたしておる次第でございます。 災害復旧関係につきましては、全体で大体、五%程度実際の査定が行なわれております。区分から申しまするなれば、まず七号台風までのものにつきましては、全部または一部の査定が行なわれておりまして、それ以後の分につきましては、例外的に実地査定が行なわれておる分もございまするが、ほとんどまだ行なわれていないという段階で、予算を編成するに至った次第でございます。災害復旧につきましては、当初予算に計上済み予算費の使用によりまして、二十六億円というものがすでに処理済みでございます。さらに近く十五億円というものを数日のうちに出す見込みになっておるわけであります。その他の分につきまして、今回の補正によって対処するということを考えておる次第でございます。ただ、今申し上げましたように、非常に早い時期に予算を編成いたしまする関係上、大部分は報告を基礎にいたしまして、それに地方並びに中央関係の各省当局の従来の取り扱いの経験に顧みまして、事業費、国費を推定いたしまして、そうして所要額を出しておるのであります。今回の災害復旧につきましては、いわゆる進捗率の点でございますが、これは法律の規定通り重要なるもの三・五・二という割合、この三・五・二という割合は初年度二五%に相なるわけでございまするが、二五%をもって充当いたしております。これは十八災当時は一六・六%程度でございました。なお今回はさらにこの進度を引き上げたいということで、実際に本年度中に工事が行なわれまして、支払いは翌年度でよろしいという部分が過去の経験に徴しまして相当ございますので、それらを見まして、さらに三%半というものを施行し得るように、別途その分につきましては国庫債務負担行為をもって手当をいたしております。債務負担行為は全部で三十六億円になっております。これは、予算書の丁号というものをごらんになりますると、その内訳が出ております。直轄の復旧につきましては、進度は一側でございますが、木曾川ほか三川というような分につきましては、特に一割を加えまして六割ということにいたしておる次第であります。なおこれに対しまして、さらに激甚地につきましての特例を設けまして、補助率のかさ上げを行なうということを考えておりまして、全体の事業量の六〇%程度というものを高率のかさ上げの適用を受ける事業量と見まして積算をいたしております。特例のかさ上げ適用につきましては、予算の取り扱いにつきましては本件に準じまして、全体の事業量の六割、大体激甚なる部分といたしまして、まず特別な部分でございまするから、五〇%というところがとまりかと思いますが、予算の関係でございまするので、いろいろ制度上の取り扱いも具体化するにつきまして安全を見まして、若干のゆとりをとって六割ということを原則にいたしておるのでございます。本件につきましてもそういうことにいたしておる次第でございます。 なお、先ほど政務次官からも御説明を申し上げました通りに、事業費の報告からこれらの事業の総体というものはほぼ過不足のないところの推定がつくのでございまするが、その事業別あるいは所管別のこまかい細分になって参りまするというと、今後の申請率、あるいは査定率、あるいはいろいろな事業の国費率というような点について相当の推定を加えてございまするので、一ぱいのものもあれば低いものもあるというようなことで、実際に適用いたしました場合の結果を的確に把握することは困難でございます。若干の異動を生ずる見込みでございます。それらの点を勘案いたしまして、おおむね一割程度でございますが、事業によっていろいろ見当をつけておりまするが、一割程度を予備費によって処理するということにいたしまして、各事業に過不足なく適切に資金が配付されるようにということを考えて計上いたしております。そういうことで、先ほど政務次官から申し上げましたが、予備費の八十億円追加のうち、約五十億円は災害対策関係のものになっておる次第でございます。ここで一括して申し上げておきます。 それから伊勢湾の高潮対策でございますが、これは今回河川の海岸部の被害が特に激甚でございまして、いわゆる原形復旧にとどまりませんで、再度災害防止の見地から大幅な改良工事を行なうということを考えまして、特別の伊勢湾高潮対笹事業というものを実施することにいたしております。これは干拓工事の国営工事中のものの堤防につきましては、もちろんこれはその復旧関係でありますので、全額国庫負担となり、愛知、三重両県の施行いたしまする対策事業は、災害復旧の部分はいわゆる土木の方の国庫負担法の負担率を適用いたします。それから助成の方の部分は、特に高率の補助を行ないたいということを考えておる次第でございます。いわゆる関連部分でございまして、この部分には被害を受けた分もございますし、受けないで一連の計画に入ってくる分もございまするが、この分につきましては八割の高率補助を行ならということを考えておるのでございます。施行の衝に当りますのは、一括した一連工事ではございまするが、それぞれその所管に従いまして、建設、農林、運輸というような各省にわたりまするところの工事に相なる次第であります。本件につきましては、いわゆる特例法というものがこの工事のために必要だと考えまして、その用意をいたしております。本件につきましては、すでに伝えられておりまする通り、仮締め切りから始めまして非常な大事業であったのでございますが、すでに予備費の使用によりまして、十億円余りを使っております。それを差し引きました金額を、今年度内に必要と思われるものをここに計上しておるのでございます。目標といたしましては、来年の台風期までの間に、こわれる前の状態に補強されまして、原形を復旧することを目途といたしまして、予算を組んでおる次第であります。本件についても国庫債務負担行為の活用を考えております。非常に工事は深掘りをいたしまして、難工事が予想されるのでございますが、これによりまして、それらの点を含めまして、新しい設計によりまして、効用としては今までございましたのと同じようなものが来年の台風期までに完成するということを目途にいたしております。工事全体といたしましては、もちろんこれでは済まないのでございまして、さらに全体計画を練りまして、完全な堤防に持っていくといえ、ことに相なるわけであります。工事の工法その他につきましては、なお検討を要する点が多いのでございまして、関係各省でさらに検討いたしまして、万全の措置を研究することになっております。それらの調査費等も別途計上いたしておる次第であります。 直轄河川改修費とございますのは、これはいわゆる災害関連事業のうちで改良工事でございまして、直轄河川の災害復旧に伴いまして関連をいたしますいわゆる直轄関連という分でございます。 それから三十四年発生災害関連事業費、これはもともと最近の取り扱いといたしまして、災害復旧という中には、相当な改良を法律の範囲内の運用において認めております。やっておりますることは、御承知の通りでございまするが、そのほかさらに純然たる改良をこの関連事業といたしまして、この際あわせて行なうという分がこの関連事業であります。二十八災当時はなかったそうでございますが、このうちの特別なものとして伊勢湾が取り上げられた、その残りのものがここに出ておるわけでございます。これらにつきましても、特例の適用を考えております。 次が緊急治山、緊急砂防でございまするが、これの追加、これはいわゆる荒廃した山地、河川渓流の崩壊防止という経費でございまして、これを追加計上いたした次第でございます。なおこの被害激甚であって、山の多いような県で、非常に緊急な地方公共団体が施行いたしまするところの緊急治山事業につきましては、三十五年度以降当該事業が完了するまでの期間、地方負担分の相当部分につき、地方債の起債を認めまして、毎年度支払い元利金のうち、一定部分を交付税の算定にあたりまして、基準財政需要額に算定するというようなことにいたしまして、災害復旧に準ずるような取り扱いで、それと同様というわけには参りませんが、それとちょうど中間の取り扱いになるように計らって、この緊急治山砂防事業の円滑な施行が行なわれるように考えておるのでございます。 次は、災害救助費でございますが、災害救助費は、いわゆる都道府県の応急救助費に対する補助でございまして、当初予算にも計上は若干いたして、予備費からも十三億ほど支出いたしておりますが、なお不足する見込みでございますので、ここにその追加額を計上いたしておるわけであります。今回の災害は、特にこの災害救助の非常に広範な活動を必要とするような特別な様相を示したことは御承知の通りでありまして、そういう関係上、まずその辺の社会秩序の回復、生活の維持ということから、応急仮設住宅の単価の引き上げでありますとか、長期収容の場合のたき出しの単価の引き上げとか、内容の改善を見ております。これにつきましても特例措置の適用を考えておる次第であります。 その次は住宅の災害復旧でございますが、これは滅失いたしましたるところの一般の住宅施設、いろいろな種類のものがございましょうが、そういうようなものを復興いたすといいますか、補うために、第一種公営住宅を建設するという部分と、それから公営住宅自体がまたこわれた、あるいは滅失したというような事例がございますので、それを復旧いたしまする分と両方がございます。法的措置といたしましては、従来滅失住宅の三割を限度として、第二種公営住宅によるところの復興を措置して参ったのでございますが、今回は特に、五割というところにこれを引き上げまして、これに対応するような予算措置を考えておる次第でございます。これらの点も、今次災害の特殊な様相に対処するところの措置として講じておるところのものでございます。 それから次は、公立文教施設災害復旧費でございますが、これが十億八千九百万円ということに相なっておりすす。いずれも従来のものに比べまして、鉄筋比率と申しますか、いわゆる鉄筋でもございませんが、木造でもないものの率を特段に引き上げまして、再受災害防止という見地から改善を加えておるものでございます。 その他の災害対策費といたしましては、ここにいろいろございますが、こまかいものになりますので、大体申し上げますと、総理府所管の分は、これは警察庁の関係でございます。警備出動等の経費並びに警察施設の復旧等の関係のものでございます。それから私立学校助成費が五千二百万円がございます。それから厚生省の所管におきまして、ここに環境衛生施設災害復旧費二億七千三百万円というのがございますが、内訳はここにございますように上下水道等の施設の復旧であります。厚生省所管としましては、そのほか医療施設災害復旧費、これは公的医療機関と伝染病の隔離病舎の復旧であります。それから社会福祉施設災害復旧費、それから世帯更生資金貸付補助。それから児童保護関係、では、いわゆる保育所措置児童の保育料の減免のための不足見込額の追加でございます。それから国民健康保険助成費、これも国民健康保険の保険料、保険税、あるいは会社の払いまする一部負担金を減免した保険者に対する補助でございます。 次は農林省所管で本経費に計上いたしておりまするものが、農林水産業共同利用施設災害復旧費で三億四千六百万円、これらはいずれも特例措置によりまして高率適用の道が開かれております。農林関係につきましては、今の農地、農業用施設の復旧、国営の干拓地等の入植施設の復旧というものから始まりまして、共同利用施設その他水産業等につきましてもいろいろございます。それから部落の復興のための共同施設の補助助成というようなこまかいものを考えておりますが、最後に、ここで災害をこうむりました農家の賃金収入の確保をはかるために、救農土木事業費を三億円計上いたしてございます。それから激甚被害部落農作業等共同化施設設置費、これはいわゆる部落全体が非常な災害を受けたというような場合に、部落ごと共用の作業施設の設置に充てるための助成でございます。次の共同利用小型漁船建造費、これは今回の災害の特徴の一つといたしまして、小型漁船の災害が非常に甚大なものがございまするので、この共同利用化によりまするところの復旧という措置を考えまして、それに応じまして、その補助金を計上いたしたものでございます。それから緊急排水事業費、これも今回の災害に独特なものでございます。それから人植施設災害復旧事業費、これも今回は特に開拓地その他人植施設の災害が特に目をおおうものがある次第でございまして、これらにつきまして、いずれも特例の適用がございますが、災害救助あるいは入植施設等につきましては、いわゆる被害激甚地区という部分のほかに、若干その適用を広げて考えたいと存じまして、先ほど全体として特例の適用は六割ということを申し上げてございますが、災害救助につきましては九割、それから入植施設、住宅等につきましては、八割まで特に特例の適用を広げております。従来の一般の観念の激甚という基準のほかに、それに準ずるような部分までを特に国庫負担で取り上げていこうという趣旨であります。通産省所管は、中小企業等災害復旧資金利子補給の関係でございまして、これは被害中小企業者に対しまして、商工中金が特別の低利で融通いたしました災害復旧資金につきまして利子補給を行なう、それの今年度内の補給の見込額を計上したものでございます。 さらに運輸省関係の風水害対策費で、室戸岬にレーダーを設ける、さらに無線ロボット検潮儀といったようなものを高潮の観測用にとりあえずこれを補強いたしまする部分が四千百万円でございます。 建設省の関係も若干でございます。これは水防資材費の関係とか、ここに書いてございますもろもろのこまかいものであります。 以上が災害対策関係の概要でございます。このほかに、先ほど申し上げましたように予備費が八十億円計上いたしてございまするが、そのらち五十億円というものは、災害復旧の関係その他いわゆる本経費に計上いたしましたものの補足と、そのほかにいろいろ措置を講じまする分——まだ被害の状況、規模等につきまして、あらましの見当はついておらぬわけでもございませぬが、関係軒並びに大蔵省におきましていろいろ検討いたしてみました結果、まだ本経費に確定金額をもって計上するまでの費用は得がたいといったようなものに対する分を含めまして、五十億というものを計上いたしておる次第であります。 なお地方交付税でございますが、これは今回の三税の増収に基きまして、いわゆる二八%五という交付率に従いまして計算をいたしますと、追加交付いたすべき金額は一応百八億円になるわけでございます。ところが、全然別のことでございますが、三十三年度におきまして、実は国の一般会計におきまして、税収がその見込みの歳入予算額に達しませんでした。同じく三税の関係でも達しないことになったのであります。従いまして交付税の交付金が、当初予算に計上いたしておりました分を交付いたしましたるところ、これが渡し過ぎになっておりまする分が二十三億出て参りました。これを追加のこういう財源が出ました際に、減額返還することといたしました八十五億円というものをここに追加計上いたした次第でございます。で、これと災害費との関係を申し上げますと、このうち四十億円ほどは、現行法に基きまして普通交付税として交付されます。残りの四十一億円弱が特別交付税になりますわけでございます。この特別交付税は、これをあげて被災の府県市町村、いわゆる地方公共団体に交付するという方針にいたしております。一方普涌交付税の四十四億円につきましても、このらち被災団体に回る分が二十億円程度ではないかということを所管庁の方では見当をつけておる次第でございますので、御参考までにつけ加えさせていただきます。 以上で災害関係を中心といたします今回の補正措置の概要を御説明いたしました。 投融資の関係は、理財局の関係者から御説明いたします。
○委員長(郡祐一君) 次に、災害関係の財政投融資について理財局から説明を聴取いたします。
○説明員(吉田信邦君) 災害関係の財政投融資に関して、政務次官のお話を補足いたしたいと思います。 今回の台風が非常に激甚であったことにかんがみまして、投融資の面におきまして、まずつなぎ融資として直ちに四十億円を追加いたしまして、各地の、さしあたりの地方団体の資金需要に応じて参ったのでありますが、目下のところ約四十億円ほど各地に出ておる次第でございまして、従いまして、そういったさしあたりの措置から、次いで基本的な措置へ変えることになったわけでありますが、予算に伴う各種の歳出と伴いまして、政府関係資金等においても種々措置をいたすことにいたしまして、今回災害関係に四百一億、年末対策百億、合わせて五百一億円の財政投融資の措置を決定いたした次第でございます。今回の財政投融資につきましては、それぞれ予算総則で各種の金庫等が必要のある場合においては既定の貸し出し等の資金ワクの五割までは措置し得ることになっておりますので、そういう予算総則による弾力条項を適用いたしまして、現に、直ちに措置に移っておる次第でございます。 これらの措置のうち、まず農林漁業関係でございますが、農林漁業につきましては、農林漁業金融公庫に四十億、開拓者資金特別会計に一億の融資を準備いたしております。このらち農林漁業金融公庫は、本年の初めにおきまして、すでに四百十二億円の資金交付を予定しておったわけでございますが、今回の台風に伴う災害復旧対策融資を約百四十億円と算定いたしまして、これに必要な資金八十五億円を手当したわけでございます。この八十五億円のうち既定ワクのうちから、災害対策としてのワクもございますし、また、予備金その他一般のワクからの振りかえ等によりまして四十五億円を出し、これに四十億円を加えて八十五億円の資金措置を準備いたした次第でございます。 次に、中小企業関係でございますが、中小企業関係につきましては、国民金融公庫、中小企業金融公庫、商工組合中央金庫、日本不動産銀行等の、政府関係資金を使って従来中小企業に金融いたしておりますこれらの機関に対し、災害関係で百五十億、年末対策資金として百億を措置いたした次第でございます。 まず、国民金融公庫でございますが、国民金融公庫につきましては、当初計画で約九百十億円の貸付を行なら予定でございましたが、今回の災害対策としてさらに四十二億円を追加いたしました。また、年末資金として三十億円、合わせて七十二億円を措置いたした次第でございます。 また、中小企業金融公庫につきましては、これも従来年間六百四十五億の貸付を予定しておりましたが、今回の災害に対する施策として六十三億円、年末資金として二十億円を措置することとして、合計八十二億円の融資を追加することにいたしました。 また、商工中金につきましては、当初の出資十二億、融資二十億の予定でございましたが、さらに今回の災害に対処するために三十八億円、年末融資として四十五億円、合わせて八十三億円を追加することとしたわけでございます。 さらに中小企業信用保険公庫につきましては、これにつきましては先ほど通産省からこの公庫法の改正の提案があったわけでございますが、今回の災害に対する施策として、出資を新たに十億円を追加することにいたした次第でございます。 今回の災害による被害総額といたしましては、中小企業関係で約八百七十九億程度というような見込みが出ておりますが、今回の措置によりまして、政府資金として直接追加いたしましたのは百五十億円。このほかこれらの金庫、公庫等におきまして自己資金のうちで災害に振りかえたものが三、四十億予定されますので、約百九十億程度か新たに災害対策の資金として実質的に供されるわけでございます。このほかに、ただいま申し上げました中小企業信用保険公庫におきましては、この十億円を基礎といたしまして、保証協会等の保証を再保険するという形で中小金融の促進をはかることになっておりまして、今回の十億円に応じまして地方の出資も二億円程度想定されますので、合わせて十二億円の追加資金として融資ワクが新たに百二十億円追加ざれるわけでございます。このほか、従来の運用資産の運用効率の引き上げ等により、二百五十億程度の保証ワクの増大をはかることを予定している次第でございます。 次は、住宅金融公庫でございますが、住宅対策につきましては、災害救助に基づきます応急仮設住宅、あるいは公営企業というものに加えまして、住宅金融公庫の貸し出しをいたすことにいたしたわけでございまして、今回の約四万の災害戸数に対して一万の新しい建設を予定いたしますとともに、また、補修につきましては六万五千戸の補修を予定いたしまして、合計七万五千戸について新たに住宅金融公庫の貸し出し増加を行なうことにいたしております。これによりまして、このために従来の資金に加えまして新たに四十億政府資金を追加することにいたした次第でございます。 また、地方債につきましては、従来千百億の予定をいたしておりましたが、今回災害復旧対策として新たに百九十五億円の手当をいたすこととしたのでございます。一般会計債につきましては、現在の、災害に予定しておりますものが三十五億円ございましたが、これに新たに政府資金二十億、縁故債百二十億を加えて百七十五億円を追加いたしますとともに、公営企業債等につきまして公募債の二十億を加えることにいたしたのでございます。これによりまして、起債等特例法による地方団体の地方負担の所要額あるいは補助災害復旧事業の地方負担額また災害復旧の単独事業の所要額のほとんど百パーセントに近いものを供給し得る考えでおるわけでございます。 以上、約四百一億の災害復旧資金を出すことにいたしたわけでございますが、その財源につきまして簡単に申し上げますと、中小企業信用保険公庫に対する出資十億円は、産業投資特別会計の既定の計画からの振りかえによって捻出することといたしております。また、資金運用部資金につきましては、三十四年度の郵便貯金の増加が従来千億と見込んでおりますが、さらに二百五十億増加することと見込み、三十二年度の資金運用部特別会計の積立金三十八億を加えて、二百八十八億の新しい資金を加えますとともに、すでに計画されておる分の融資の節減による振りかえを四十九億見込みまして、合計三百三十七億、また簡易保険の資金から新たに積立金増加等の六十九億円を加え、さらに公募債等に四十億円を予定いたしまして、合計四百五十六億円捻出し、このほか年度回収予定の四十五億円を合わせまして五百一億円の資金を捻出することにいたした次第でございます。これによりまして、従来財政投融資計画は五千百九十八億円でございましたが、これが大体五千六百十六億円程度になるものと計算をいたしておる次第でございます。 以上、簡単でございますが、御説明申し上げました。
○委員長(郡祐一君) 以上で大蔵省の御説明を終わりました。ただいまの説明について質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○草葉隆圓君 二点だけ、この際ちょっとお伺いをしておきたいと思います。 それは、この大蔵省の査定になった補正予算は、いつを中心にこの災害をおとりになったか、ちょっと奇妙な質問のようでありますけれども……。なお現在、愛知、三重あるいは山梨等におきましては、災害の実情がなお把握されておらないような所が多分にあるのでありまするし、また、現に水没しておりまするような所では、災害を見積るということもなかなか困難のような状態で、大蔵省の奔走の基準になりました災害の模様を見ますると、どうも十月の初めを抑えてこの予算の基準にされたのではないかと思われる節が多分にあります。その後、ずっと十月の初めまで、災害が起こりましてから間もない時期でありましたので、従って、この最初の予算提案の説明の中にも、二十八年度災害に次ぐ規模のものという頭が大蔵省の中にできたのではないか。私どもが現在考えておりますところでは、その総額から申しまして、また公共事業だけの総額から申しましても、二十八年災をはるかに増すのではないかと憂慮いたしておる状態であります。しかるに、その査定の中心になりました災害の基本は、十月初めごろを中心になさっておるのであります。その後、実際の実情はどんどん被害が多くなって、当初よりもはるかに大きくなった。そのために三百四十四億の追加予算となったとしか考えられないような情勢でありまするから、この点を一つ第一点としてお伺いをしたいのであります。 第二点は、しかし、これは大へん大蔵省としては御苦労がおありであろうかと思いますが、といって、それだけで補正予算がなされますると、今後災害復旧というものは支障来たしてくると見ております、予算面におきまして。法律上いかなる修正がかりになされましても、予算が伴わない法律とい状態になってくると思うのであります。そこで大蔵省では、ただいまの説明を伺いますると、従来の経験にかんがみ、推定して予算を組んだという御説明であります。これももっともだと存じます。その推定をして予算を組んだから、従って予備費を相当——八十億のうちで五十億は災害予備費として支出し得る予備費を組んだ、こういう御説明でありましたが、さような意味から考えますると、予備費は五十億では足りないのではないか、もしや予備費が五十億で足りないことになると、今後どういうふうになる御予定であるか、この二点を伺いたい。
○政府委員(前田佳都男君) お答え申し上げます。今回の災害復旧関係の補正予算は、いつを基準にして編成をしたかという御質問だと存じますが、ただいま、草葉委員の御指摘の通りに、十月の十八日現在におきましてこの予算を編成したわけでございます。その当時は七号台風までの奔走が終了しておりますが、十四号台風並びに十五号台風はまだ査定はいたしておりません。従いまして、今回の被害のうちで、約比率にいたしまして、二五%程度査定済みで、七五%未済というわけでございます。そういう点から第二問の御質問が出たのだと思うのでございますけれども、今回の三百四十三億の災害関係の予算、それに加うるに五十億予備費を持ちまして、私たちは妥当、不足はないというふうに考えております。と申しますのは、全体の被害報告が千九百六十二億でございますが、さらにこのうちからまた被害の申請がございまして、それに対しましてまた査定がございます。それに対しまして国費の負担率という過去の経験に基づきまして、実績に基づきまして査定したものが、現在皆さまのお手元にある予算でございます。また、災害復旧の進行状況を過去の例によって調べてみましても、実際支払いをいたすのはかなりおくれております。そういう、点からいたしましても、債務負担行為の活用等によりまして、今回の予算で補正予算を組む必要はない、こういうふうに考えておる次第でございます。
○森八三一君 先刻御説明には千九百六十何億ということで、説明の中にときどき二十八年災に次ぐという、言葉が出てくるのですが、本会議で総理の所信表明ですか、演説には、空前のという言葉が使われておりますが、以前のというのは二十八年災を上間回らなければならないと思いますが、空前のというのと、相次ぐということの関係はどうなるのか、これは査定が未済だから、今握っておるものからすれば千九百六十何億で相次ぐ、こういうことを言ったのだということは了解できますが、空前のということをおっしゃっているのから申しますと、相次ぐということは、あとからこうなるのですが、その関係は一体どうなんですか。
○説明員(中尾博之君) 予算の説明をいたしまして災害全体の説明に触れませんでしたので、誤解をあるいは持つ結果になったかと思いまして、申しわけないと思いますが、私が先ほど申し上げましたのは、公共土木施設の災害復旧事業費との関連におきまして、公共施設、農地、農業用施設といった、ものの災害の面を申しあげた次第であります。実はまことに申しわけございませんが、総理の御説明の分を直接実は今手元にございませんので、その方についてはちょっと申し上げかねますが、おそらくは、お許し願いまするならば、今この場で私考えますに、今回の災害がきわめて人口の過密な、居住密度の高い、また大都市あるいは部落、山間部の部落というような所に起きまして、特に人命並びに住居、家財といったような面を含めまして壊滅的な損害を与えたところの悲惨なる様相が強いということを御指摘になる趣旨でなかったかと存じます。私が申し上げましたのは、そういうことのうちで、特に公共土木施設、農地、農業用施設のような公共事業的の災害復旧の対象になる分についての数字を御披露いたした次第でございます。
○森八三一君 私は、現在までのつかまえておる数字からいけば、相次ぐということであって、さらに被害の状況が漸次判明してくるに従って、この数字は当然移動していくと思うのです。移動して参りますると、総理がおっしゃったように、空前という結果になるのではないか、おそらくそういうことを見越しておっしゃった言葉だと私は理解しておる。そこで今、草葉委員の質問に対して政務次官からこれでいいというようなことをはっきりおっしゃっておりますが、そういう事態が判明してくれば、判明した事態に即応して、当然私は予備費で足らなければ、第二次補正をやるということでなければ、これは今まで再三再四、総理以下総務課長、各関係大臣が、空前の、未曽有のという言葉を使われて、これに対処するためには最善を尽しますとか、万全を尽くすと、こらおっしゃっているのですが、その言葉が実現できないのですよ、もうこれでいいのだと言い切ってしまったのでは。当然判明した事態に即応して予算が足りなければ追加するという措置はしなければならぬと思うのです。本会議における大蔵大臣のどなたかの御質問に対しましても、そういうような趣旨の御説明があったと思うのですね。私は今ここに速記録を持っておりませんから、明確にはいたしませんが、私の耳にしたところではそういう趣旨の御答弁があったと記憶しておる。それを今、政務次官がもうこれでいいんだ、やりません、こうはっきりおっしゃったことになりますと、これは重大な問題になると思うが、これはいかがのものでしょうか。
○政府委員(前田佳都男君) ただいま森委員の御指摘の空前ということとそれから相次ぐということのこの違いでございますが、空前ということは、先ほど中尾総務課長からも御説明いたしましたように、今回の台風の特徴といたしまして、名古屋を中心とする都心部を訪れて、その受ける商工被害を含めまして非常に大きい、そういうふうな点を加味いたしまして空前という言葉を使ったものだろうと私は思いまするが、なおその被害等につきましては、ただいまわれわれは被害報告のあったものを基礎といたしまして物事を判断をいたしておる次第でございます。現在のところ、その被害報告をもとにいたしまして、私は補正予算を組む必要はない、これでよいということをお答えしたわけでございます。
○森八三一君 私が申し上げているのは、それはでたらめに予算を組むという手はないので、現在大蔵省がつかんでいらっしゃる現時点における感覚としては、これで間に合う、それは私も了承いたします。しかし、事態が判明いたして参りまして、これでは足らぬというときには組むという態度でなければ、最善を尽くすとか万全を尽くすという言葉は出てこないのですよ。いいかげんに言ったなら別ですよ。ほんとうに気の毒な、今もって水没しているあの被災者の現状を考えれば、最善を尽くすということは当然のことなんです。だから、これで事足れりということじゃなくて、事態の判明に従って不足するということであれば、それに応ずる予算は当然措置いたしますということをおっしゃらなければ、万全を尽くすという言葉になりませんよ。
○重政庸徳君 関連して。その点、大蔵省十分考えてもらわなければならぬ。ややもすると、従来の経過から見れば、一応きめたらそのワクの中におさめるべくこれは厳命して、非常にきつい査定をするとか何とかいうことが、われわれの耳に災害ごとに入る。だからここには、まあ今の予算を組む基礎というものは、それより、大蔵省が置いた基礎によるよりほかに方法はないと思います。が、少くとも十四号、十五号は七割というものがまだ査定になっておらぬのだから、だから一つ、今、森委員の言うように、御意見のように、気持にもゆとりを大蔵省持っておらねば、これは非常な問題になると思うのであります。だからそういう意味において、一つそういう気分を持って今度の災害には処すると、こういうことを言ってもらいたい。
○大倉精一君 私も同じような疑問があるわけですけれども、たとえば被害激甚地の指定は非常に重大な問題になりますけれども、新聞等によって漏れ承わりますというと、どらも閣内においても大蔵大臣と建設大臣がけんかをしておるという話も聞いておる。あるいはまた、堤防一つ取ってみても、何か六・五メーターと七メーターと意見が食い違っておる。こういう工合に、非常に重大な問題がいまだにきまっていない中を、あなたのようにコンクリートにして、あとはこれでいいのだ、こういうことになりますと、前のお二方の御質問のような非常に疑問がわれわれはわいて参りますし、不安が出て参りますし、ぜひとも事態の推移に応じては、第二次補正予算も組まなければならぬ、こういう態度でなければならぬと思いますが、あわせて一つ御答弁を願いたい。
○政府委員(前田佳都男君) ただいま諸先生から、大蔵省は一つ作ったワクに拘泥をしておるのじゃないかというふうな趣旨の御質問がございましたが、私たちは、そういう気持ちは毛頭持っておりません。ワクに押し込めるのじゃないか、物事をワクをきめて、それに押し込めて考えるという意図はございません。ただ、現在の報告額を基礎といたしまして、そういうふうに現在の予算で十分だというふうにお答えをしたわけでございます。このワクにとらわれないで最善を尽くすことをお答え申し上げます。
○森八三一君 まだ私の質問にしっかりお答えになっておらぬと思うので、それは私も重政委員と同じようなことで申し上げたのですが、そのことには一応お答えになりましたが、私も十分大蔵省の態度を理解して御質問を申し上げておるつもりなんです。現時点における把握せられた数字から申しますれば、そしてしかも、大蔵省がお考えになっておる被害激甚地の解釈とか、そういうものからすれば、この予算でやれるであろう。私もそう思う。私は事態が判明してくるとかあるいはまたお考えになっておる構想とは違った別の線が出てきたような場合には、これは違ってくると思うのですよ、自動的に……。そういう場合には足りない。足りない場合には、それに対応することを考えないというのじゃ、これは措置はつかない。そういう場合には善処するということでなければならぬと思うのです。これはもう常識ですよ。別に疑問でも何でもない。そうでしょう。そうじゃございませんか。
○政府委員(前田佳都男君) ただいまの森先生の御趣旨の通りでございます。(笑声)
○森八三一君 そこで同様の問題ですが、従来の復旧は慣行的に三・五・二の比率でいっておる。実際は二五%ぐらい。二十八年災は二五%以下だという御説明があった。今回は特に三・五%を加えて、予算措置としては現在にぎっておる数字からいたしまして、二八%五ということで大幅に過去の例を破って復旧を進捗せしめるというお話がございました。従来の慣行から申しますれば、相当進んだ施策が講ぜられるということにもなりまするが、今回の被災地はおおむね気候が温暖と申しまするか、年中通じて作業のできる地点が大体被災の中心地になっておるということでございまするので、資材、労力等が伴いますれば、さらにこの二八%というものを上回って工事の進捗を見る場合もないとはいえないと思うのであります。非常に工事が気候的に天然条件から難渋をきわめますような積雪地帯という方面でございますれば、これはおそらく困難と思いまするが、今回の地帯はそういう地帯ではございませんので、しかも交通は非常に便利な地点である等から考えますると、この二八%五という今査定されておる復旧進捗率というものが、さらに上回っていく、こういう場合においても既定の予算では措置がつかない、債務負担行為を全部さらけ出してみてもなおかつ足りない、そういう場合には、予算の関係からして、その工事は翌年回しという措置をされるお気持なのか、そういうような場合がもしありとしますれば、私は今ここでありと断言はいたしません、ありといたしますれば、それに対応して工事の進捗をはかっていく、そのために必要な予算措置は講ずるということにならなければならぬと思いますが、いかがでございましょうか。
○説明員(中尾博之君) お答えいたします。従来の三・五・二いわゆる二五%でございまするが、これも当時に比べますればだいぶ進捗率がいいのでありますが、最近の例といたしましてはそういうことになっております。しかしながら、なかなか、実際には昨年あたりでございまするが、やはりこれは静岡県を中心といたしまして非常に工事がやりやすい所でございますが、そういう所におきましても、年度末まで実際に小切手が落ちまする分は七〇%をちょっと超える程度でございます。そういう状況を顧みまして、今回は、予算に計上いたした、分は百パーセント小切手が落ちるまでやっていただきたいというのが私たちの気持であります。そのほかに、工事が事実上行われますために契約ベースにおきまして全部で三十六億円という債務負担行為権限をとっておりまするが、まず、ただいま森委員の仰せられましたような事態に対処いたしまするには、今回の措置で足りるものと考えます。これらの部分は、もちろん単年度でいたしますわけではございませんから、一番緊急なる所に集中的に厚くやっていただくというような、実行上の指導が関係省からなされておると存じますので、そういうふうな関係もあわせまして、これで対処し得るといろ見通しを立てまして予算を計上いたしました次第でございます。 なお、ちょっとお許しがございましたら、その前の質問に関連いたしましてお答えいたしてよろしゅうございましょうか。
○委員長(郡祐一君) どうぞ。
○説明員(中尾博之君) だいぶ御心配がございましたようでございますが、いつ現在をとったかということで、それ以後の分は全然入らないというような御印象かと思いますが、もちろん推定を基礎にいたしましての予算であることには間違いございませんが、端的に申しまして、報告額というもののどの程度これが信頼できるかということは非常にむずかしいのでございまして、はっきり申し上げますと、昨年も実は補正をいたしまして、結局報告がその後増加いたしまして、年度末の第二次補正で追加をいたしました例もございます。しかしながら今回は、先ほど御説明いたしましたように、洗いざらい財源を出しまして、なお既定の公共事業費その他防衛関係費の節約までいたしまして、ぎりぎりに出すというような関係から、これでまた足りないということになってはまことに申しわけない次第でございます。できるだけのことをいたしますということを方針といたしまする以上は、この点は最も槙重に私どもも考えなければならぬというふうに考えまして、関係省の方々もだいぶ現地に行っておられます。それから私ども大蔵省のその方の関係の者もおりまするし、また、こちらからも出かけまして、報告額というものにつきまして、まず方々その実体から離れることのないようにという点につきましては、だいぶ実は苦心をいたしたのでございます。このような関係でございまするから、例年の報告額に比べますと、だいぶこれは念を入れましてとりまとめた数字でございます。単に電話、電報等で地方からきたというものではございませんので、現地にも参りますし、見込みの立て方につきましての指導も各省の担当の専門の職員が特に参りまして、重要な部分につきまして、相当なアドバイスを与えましてとりまとめたようなことになっております。私どもといたしましても、そういうような関係がございまするから、この点につきましては万々遺漏のないようにしていただきたいということで、協力もいたしましたし、特にそういう点で要望もいたしましたのであります。そういう点を関係者も御理解下さいまして、御協力を得まして、見積りました見通しでございます。 それだけ補足して、御理解を得たいと存じます。
○森八三一君 また変なことを御説明になりましたが、今、課長の説明は、先刻政務次官がはっきりわれわれの質問に対して、そういうようなふうに措置をいたしますと、こういう御答弁を願って、私はその限りにおいては了解をしたのですが、また今、それを打ち消すようなお話が出ているのです。私も他の委員の同僚諸君も、大蔵省のこの数字を、でたらめだとか、うそだとかいうことを申し上げておるのではないのですよ。これは現時点において把握し得る最善のものをつかまえておるであろう。それを基礎として、今お考えになっている各種の特例法等を構想に描きつつ計算をされる、これで十分事足りるということであろう、私もそうであろうと思います。が、しかし、そういうような前提が狂ってくるといたしますれば、マイナスの方へ狂ってくれば余るのです。プラスの方へ狂ってくれば足りないのです。こんなことは三つ子でもわかる。それをこだわっていらっしゃるところに問題がある。そういうふうにこだわられるから、重政委員がおっしゃられるように、結論として査定を窮屈にするとか、ゆがめるとかいうことをおやりになる。もしおやりになっておらぬいうなら、十三号台風のときに、海岸堤防工事についてこういうような修復をしなければあとでまた問題が起きますよということを地元の諸君が申し上げた。それを、ここはそんなにやらなくてもよろしいから、この程度にしろということで、窮屈な査定をした所が現にこわれておるじゃありませんか。幾らでも事実をあげましょう。そういう乱暴な査定をやるということは、予算にこだわるからそういうことになる。そういうことになっては大切な税金を乱費する。それは大蔵省がそういうふうに押し込めたのか、原局がそういうふうにやったのか、私は今ここで究明をいたしません。いたしませんが、あくまでもそういうことにこだわられるなら、そういう点を明確にせざるを得ないのです。われわれの主張した、地元の連中が要求した通りにやっている所は完全に保たれている。ちょっと手抜きした。なぜやったかというと、それは査定で落とされました、はっきりこう言っておる。そこはこわれているのです。そういう地点が人命を失ったり、莫大な財を失っているのです。そういうことがあってはならないのです。わずかに六年にして巨額な国費を乱費している、査定の窮屈なために。だからわれわれは、今大蔵省がやっておることについて遺憾の意を表しているのじゃありませんよ。協力しようとしているのですけれども、調べた結果、数字がまたふえてくるとか、あるいは基準が変わってくるという場合には、この予算では持ち切れなくなるのだから、そういうときには善処をするという心がまえがなければならぬということを申し上げておるので、今直ちにふやせというのではないのです。同時にまた、二八%五ということは、私も過去の実績から考えれば、大蔵省としては非常に親切に心得ておやりになっているということを、感謝の意を込めつつ申し上げておるのです。それがなおかつ進んでいった場合には、二〇%も三一%も要るのじゃありませんか。その場合に、予算がなければやらせぬという態度はほいけませんよ。その際にはやらせるとなぜ言えませんか。大蔵省の金ではありませんよ。国民の税金で、そうして国土を守るために、人命を守るために、われわれは真剣に論議している。あなた方のポケット・マネーを下さいというのではありませんよ。そのときにはそういう措置を講ずるということが、事務当局でも言えぬということはおかしいと思うのですよ。そんなことは常識でしょう。政務次官どうですか。
○政府委員(前田佳都男君) あるいは中尾総務課長の言い方がまずかったのかもしれませんけれども、その点は一つお許しを願いたいと思うのでございます。ただ大蔵省といたしましては、現存の、たびたび申し上げますように、被害報告というものを前提といたしまして、その前提に基づいて、十分間に合うように、補正予算をさらに組まなくてもよいように考えておるということを、今、中尾総務課長は説明したわけでございます。
○森八三一君 私の質問にちっとも答えていませんよ。私も、今つかんでいらっしゃる調査の結果なり数字を前提にして今お考えになっておる特例法等の構想を基礎に持てば、これでよろしかろうと、私はその通り同調できるのです。その前提がこわれた場合にどうするかと言っておる。それを答えられぬということはおかしいでしょう。そういうことにこだわられるから、このきまった四百十六億円の予算で追い込めようということにならざるを得ない。どうですか。(「大臣を呼んでやろう」と呼ぶ者あり)政務次官、両方とも答えられませんか。今、大臣を呼んでというお話がありますが、これは大臣の問題じゃありませんよ、常識ですよ。これに答えられぬというのは、頭を疑わなればならぬ。
○説明員(中尾博之君) ただいま、いろいろ御理解のある御質問であるということを、私ももちろん承知しております。言い方が下手くそで、かえって御心配をかけたかと思います。その点もあわせておわびを申し上げますが、政府といたしまして予算を提出いたします以上、それにこだわるとか、そういう意味では決してございません。ただこの際、各省に節約までもお願いしてやることにつきましては、政府といたしましても十分心得てやった、その気持をおくみ下さいませということを申し上げておるのです。 それからその次は、今の二十八災の海岸堤防の問題でありますが、今のこの点もごもっともな御心配もございますが、これは例の高潮対策の方の関係になります。そして、この問題は今後の実は設計の問題でございます。問題の工法をどうなるかというようなことにつきましては、関係者で十分今後検討いたしまして、最善の方法ができると存じます。ただ今回さしあたりのただいま問題になっております予算並びに年度内の措置といたしましては、まだときどき破堤を起すというような状態でございますから、これを締め切りまして、早く来年ので水までの間に原形まで持っていきたいという分の予算でございますので、全体のことは、また別に検討しなければならぬと思います。 また特例の問題でございますが、特例の問題につきましては、先ほど一申し上げましたように、まず特に激甚な部分というものを考えまして、これが過去の経験等も考えまして、まず半分というところを、特に六〇%を基準といたして計上いたしておる次第であります。これも決してワクということではございません。実行によって若干増減はあるかと思いますが、まずそういうことに見ています。 さらに、先ほど申し上げました災害救助あるいは干拓地を中心といたします入植の方々に対する措置というようなものにつきましては、さらに激甚の程度を越えまして特例の適用をいたしたい、こういう方針で予算ができておるということを重ねて説明を補足さしていただく次第であります。
○政府委員(前田佳都男君) いろいろ申し上げましたことを御理解いただけないようで、われわれの説明があるいは悪いかもしれませんけれども、たびたび申し上げますように、現在の被害報告をもとにいたしましてこの補正予算を組みまして、その組むにあたりましては、事務当局並びにわれわれもこの財源をいかにして調達するかということを、いろいろ苦心をいたしまして、その点を総務課長がるる御説明したので、あるいは一そう誤解を招いたかと存じますが、その点あしからず御了解いただきたいのでございます。
○森八三一君 それは了解しておる、そのあとだよ。
○政府委員(前田佳都男君) 私は、現在の段階におきまして物事を考えましてお答えしておるわけでございます。その点、一つ御了解願いたいと思います。
○栗山良夫君 関連。ただいまのお話を聞いておって、実際にわからない。そのわからないということはどういうことかと申しますと、大蔵省の予算を編成された当事者の腹の中には、洗いざらい財源を出してこの補正予算をこさえたんだ、従って、あとでどういうことが起きようとも、とにかく本年度はこの予算の程度で一つ工事をやってもらいたい、こういう腹があるんじゃないですか。補正予算を組まない、そういうふうに受け取れたことが一つ。この点、あとで答弁願いたい。 もう一つは、前提条件が違うという、狂うという話がありましたが、これも現地の被害報告を土台にして予算を組んだんだとおっしゃる、ところが被害状況は、現に水没しておる所もあるから——十月十八日から以後に、今日は排水されているが——十月十八日現在においては水没をしておった所もたくさんある。そういう所の被害というものは、的確に捕捉されていないのではないか。それが出てきたときに一体どうするんだ。こういう質問で、前提条件が狂うということなんです。これに対してあなたの方は、専門の技術者を送って、克明に被害額の捕捉をしたから間違いはないとおっしゃる、その言葉の裏を私どもから見ますというと、この予算の中に盛られておるいわゆる特例でいく激甚という指定地ですね、そういうものは、あなた方は頭に入れておって、お前たちはやかましいことを言けれどもそこはもう激甚地の指定にならないのだ、だからそういうことは被害の追加にはならないのだ、いずれそのうちにはっきりするだろうというくらいのことを腹の中で思いつつ答弁をされた。私どもは真剣に、被害がある、これは激甚地の指定を受けるのだ、そういう気持で発言をしておるのに、大蔵省の方では、お前たち幾らそう言ったところで、それは激甚率の非常に低い所だから、もうとうてい問題にならぬ、それはもう激甚地の指定をしないのだ、そういう腹があって今答弁が出てきているんじゃないか。その第二の点は、この予算を組むにあたって、激甚率というものをどの程度に見込んで査定をしておられるか、これが一番問題になると思います。この点、もし私ども前提になる根本が狂っておっては問題になりませんから、もしわれわれが今の答弁で納得できない状態であれば、今度の被害を受けた所で、どことどこを激甚地として扱う、そのほかは扱わないと、そういう工合に個別に、大蔵省の持っておる案というものを示してもらうと、初めて全貌が明らかになると思う。この点を一つ明瞭にしていただきたい。
○政府委員(前田佳都男君) ただいま栗山委員からの御質問の点でございますが、大蔵省が一つのワクを設定いたしまして、これに何もかも押し込んでしまおうという考え方で物事を進めておりませんので、その点、一つ御了承いただきたいと思うのであります。 また、この予算の前提条件が、とにかく十月十八日の被害報告を基礎にいたしまして判断をいたしております。その後の報告によりまして被害額があるいは変動してくるということになれば、これはまた万やむを得ないと思うのでありますが、その点は、こちらにいたしましても、えらいおこがましい話でありますけれども、過去の被害につきまして相当自信といいまするか、経験を持っておりまして、被害報告に対して(田中一君「その自信が五千人殺したじゃないか」と述ぶ)……そういうふうに実は考えておりますので、(笑声)実は先ほど総務課長がお答えしたようなことになったかと思います。 それから激甚地の指定につきましても、前もって大蔵省が考えて調査をされてやっておるんじゃないか。どの程度予算を見ておるかという点につきまして、先ほど総務課長の補足説明にございましたように、全体の工事費の約六割程度のものを見込んでおる。それを激甚地に考えております。激甚地指定につきましては、あるいは事業別にあるいは所管別に、公共土木、農林水産施設あるいは公立文教施設等、激甚地につきましては、目下関係の各省と検討中でありまして、特に大蔵省で皆さん方に御報告する成案というものは、現在の段階においてはございません。
○栗山良夫君 それはあなたの今の答弁は非常におかしいですよ。十月十八日現在で調査をした。十八日以後に実際に被害額の増減があるかもしれないとおっしゃいましたが、おそらくここにおられる委員諸君のお考えでは、減額なんということはあり得ないでしょう。それは相当な増額を皆さんが頭の中で描いて、それだからこそこれほど真剣な質問が、森委員を初めあるわけですよ。これに対してどう対処するかということに、あなたの方でもっと明確に答弁なさらなければいけない。増減なんという数字の基本方式をやるような、そういう考え方じゃない、はっきりしているんだ、増額になる。それに対してどうするかということ、そのときにこの予算ではいけないから、さらに補正を組むか組まないか、財源がないときにはどうするか、ここまで問題が発展しなければ政治ではないわけです。それが一つ。 それからもう一つは、被害額の捕捉についてもあなたたちは予算額のうちの六〇%を激甚地指定の予定をしておると、こうおっしゃる。ところが、実際に今十八日以後の被害を調べていって、六〇%の指定を、あなたが予想されたところがふえなかったとしますよ、激甚地指定をはずした四〇%のところでどんどんふえていったらどうしますか。あるいはまた逆な現象が起きたときにどうするか、その点は、おそら自信を持って答えられないと思うのです。そこで、特に激甚地指定をはずそうと考えておいでになるような所に、私は今後被害が非常に大きく出てくるんじゃないかということを心配しております。専門家が過去の経験によって調査をしたと言われるが、一カ月あるいは二ヵ月の長期にわたって多くの農家、耕地が水没をしたようなそういう経験がありますか、今までに。今度初めてでしょう。おそらく過去の経験は役立たないわけです。そういうことでありまするから、今の問題は率直に大蔵省としては六〇%激甚地指定を予定しておるとおっしゃるが、その六〇%の中には、今後われわれが頭の中で描いておる激甚地指定をしてもらいたい——大蔵省ははずそうとしておる——その区域が抜けているじゃありませんか、その点はいかがでございますか。もう少し大まかでけっこうですから、激甚地の指定をする予定になっている大蔵省の構想というものを、ここで明らかにしていただくというと、この質問はこんなに長くかからなくてもあっさりと解決する。そうして、しかももう少し問題をしぼってお尋ねすることができると思います。そこの一番基本が非常に動揺しておるから、それでわれわれも困る。この点をもう一へん明確にしていただきたい。
○説明員(中尾博之君) いろいろ誤解を招きまして申しわけないと思いますが、今のお言葉のうち、予算が足りなくなったらどうするかというお話でございますが、よって来たるところは報告の問題でございます。報告の問題が先ほど来申し上げましたような次第であります。もちろん経験に基づいてやっておるわけでございますが、過去においてこうであったからここもこうであろうという単純なものではもちろんないと存じます。特に今回の災害が水没その他の特別な様相を呈しておりますから、さようなものについてどういう状態になっておるであろうかということは、県当局並びにこちらから出かけまして指導する担当官それぞれにおいて、いろいろ検討いたしまして作ったものでございます。特にそれについて念査をいたしまして、そうして全体として御迷惑のかからないように慎重にやっていただきたいということを申し添えておったことも、申し上げた通りであります。なお、一定のワクがございまして、それに合うようにやるというふうにおとりでございましたが、決してそうでございませんで、むしろ逆でありまして、既定の予算をとにかく節約までいたしてやるわけでございます。これらはいずれも相当な苦痛を与える面があるわけでございますが、がまんを願ってやるわけでございます。つきましては、その所要額というものも、これでもってまだ足りない。いやしくも政府といたしまして国会に予算を出します場合には、そういうことでは申しわけないと思いますから、そういう点について、むろんよけいに念を入れてやっているわけでございます。 なお、激甚地の関係において、総額の問題が御懸念のようでございますが、現在までのところ、いわゆる報告でございます。報告というのは、個所別の必ずしも積み上げではないのでございまして、工事の延工事でありますとか河川の総延長でありますとか、その辺の状況でありますとか、そういうものからの推定によるところの、あくまで報告にすぎないのでございます。現地におきまして県当局が設計をいたしまして、それに対してアドバイスを与えたというところまでは、まだいっていないわけでございます。従って、個所別に現在までの報告に入っておる分と、あるいは報告の外に出てきた分、あるいは報告違いで多少へこむ分もあるかもしれません。現実にそういう例もたくさんございます。それらのもので十八日に線を引きまして、そのときに見込んだ分だけが予算措置ができるのであってそれ以外のものは、今回の予算からはずれるということは決してございません。ただ、理屈の上から申しますと、そういうものが非常に多くなれば、この予算でも足りないんじゃないか、これは全くお説の通りでございます。足りないものは足りないことで明瞭でございますが、まず、事業別あるいは所管別等につきましての入り繰りは私も相当あるかと存じます。しかしながら、今回こういうようなデータ、こういうような状況のもとに組みまするにつきましては、その総額におきましては、まず今のところ、政府として責任をもちまして国会に御審議をお願いできるような段階までこれを固めまして持って参ったつもりでございます。しかしながら、それはあくまで総額でございまして、特定の個所がこれに入っておるとか入っていないとか、そういう考えは全然ないものでございますから、その点の御理解をまずいただきたいということと、それから先ほど私が申しました激甚の関係でございます。これは二つございまして、一方では法的な措置でこれがきまっていくわけであります。ただいまも申し上げましたように、特定の個所があとから発見されて、これが適用がないではないかということになっては困る。それは当然私どももそういうことがあっては申しわけないと思っておりまするが、そういうような関係が出て参りまするのは、要するに全体の被害というものの推定、その中で具体的にどこがどういうことになるかということの実情を調べてからでないと、具体的な措置がとれません。あくまでそれを待ってとる次第であります。ほんとうは全部が調べ上がりまして、それらの措置もきまりまして、予算と法律と、とにかく精細に全部御審議願えれば、それにこしたことはない次第でございますが、そういうことをいたしておりますというと、とうてい間に合いません。それで、予算の方はただいま申し上げましたように、まず過半ということにいたしまして、原則といたしましてはあらゆる事業六割を目見当にいたしまして、そうして特例の適用を考えております。六割分くらいが各事業につきまして特例の適用を受けるということに相なろう。これはそのものにつきましては特例のかさ上げ分とあわせて見当をつけ、それを、だんだん複雑になりますが、本経と予備費期待分とに分けまして見積りを大体の見当を立てて計算しておるものでございます。しかしながら、具体的にはそれではどういうことになるかということにつきましては、まずそれは目見当でございまして、それを実際に、ただいまもお話がございました、ように、何県がどうであるとか、どういう団体がどうであるとかいう点につきましては、ただいまほんとうのところは、関係各省においてこれを企画いたしまして、大蔵省と寄り相談を進めております。ただ、その全体の方向について申しあげるならばいろいろございまするが、公共事業系統の、いわゆる地方公共団体の負担にかかるような経費、こういうようなものは、多分に地方公共団体の財政力との関連においての判定が主たるものになると存じます。もちろんそのやり方については、いろいろ技術的にこれからございましょうけれども、しかし、かならずしもそれだけでもいきません。ある程度その絶対額におきまして、激甚なるものにつきましてはどういう方法を用いますか、その辺は苦心の要るところでございますが、いろいろ検討いたしております。 それから農地等につきまして、あるいは農家の方々の負担になるとか、あるいはそういうような個人負担の関連のものにつきましては、その負担の出ましたあるグループの方々の負担、平均負担と申しますか、そういうようなものも重要な要素になろうかと思います。そのほかにまた、今回の災害というものの特別な様相に顧みまして、独特ないろいろな助成につきましては、それぞれに応じた配慮もまた必要かと存じます。実は、ただいまの段階におきまして、それ以上何々の事業はこういうことでもってこういう仕切りをつけるというところまでの成案を固めるに至っておりません。幾つかの成案は政府部内にございますが……。なお、ただいまも部内にいろいろというようなお話もございましたが、事柄は非常に技術的なものでございますから、いろいろな案も立ち得るわけでございます。しかし、決して対立ということはございません。これは私どもここではっきり申し上げることができますが、いろいろむずかしい条件がございまするので、それぞれ知恵を合わせまして、みんなでもって案を固めつつあるという段階でございます。その辺で御理解を得たいと思います。
○栗山良夫君 今のお話を聞くと、大へんやはりはっきりしました。というのは、この予算に盛られたうちで六〇%に相当する部分は激甚地指定を行なうものと考えている、四〇%は考えていないということでした。それですから、かりにそのままで問題がきれいに計画通りにいけば問題ありません。ところが、十月十八日現在以降さらに工事がふえてきた場合は別としまして、現状のままでこの計画の通りにいく場合でも、実際に法律の力がきまって、そうして累計してみたところが、激甚地指定が六〇%じゃなくて、七〇%になり、八〇%になったときには、予算は足りなくなるでしょう。あなたの方は六〇%という目安を置いておやりになっておるけれども、法律がきまって、そうしてずっと個別に積み上げをしてきて、積算をしたところが、総額の七〇%になった、あるいは八〇%が激甚地指定になったということになれば、現実に予算が足りなくなる、これが一つ。 それから十月の十八日以後にさらに被害額の増加した分についても同じことが言えますが、かりにそれが、増加した分が、激甚地指定が非常に多かったということになれば、なおさらこの予算というものは足らなくなる。従って、最初は非常に自信に満ちて御答弁になりましたけれども、十四と十五という被害総領の七五%を占める台風の実際の被害捕捉ができていないということであれば、この予算案というものは、現地の国民が要望するような復旧をしようと思います場合には、非常に不安定なものである、こういうように私どもは理解をしなければならぬと思いますが、そうお考えになりませんか。これが一つ。 それからもう一つは、これはざっくばらんにお聞きしますが、しからば激甚地指定のうちで非常に大きな被害を受けている名古屋市というものは、指定されるべきもとのお考えになりますか。これはされないとお考えになりますか。全部個別には当たっていないとおっしゃいますけれども、一番今度の被害の中心になった名古屋市のことでございますから、これが激甚地指定になるかならないかで、目の子でずいぶん違うわけでありますが、これはどういうふうにお考えになりますか。大蔵省としては、名古屋市は激甚地指定をすべきものだとお考えになってこの予算の大骨の中に入っているか、あるいはこれははずすべきものだとして中に入っていないか、この点を明確にしていただきたい。
○説明員(中尾博之君) まだ実は——もちろん大臣、政務次官以下、名古屋市の問題を中心にいたしまして慎重に検討を進めております。ただ、現在の段階で名古屋がどうこうということについてのそのものずばりの実は御答弁を申し上げる段階ではございません。慎重に検討いたしております。
○栗山良夫君 いやいや、この予算をお作りになったときの気持だ。今の政治問題になったときの気持ではなくて、この予算をあなた方がお作りになったときの気持です。
○説明員(中尾博之君) 予算を作りました際は、ただいま申し上げましたように、目見当のまま、六〇%、過半数ということで行っておりまするが、それにつきましては、もちろんその裏づけといたしまして、どういう範囲をとればどの程度になる、こういう考え方でいけばこういう範囲になるという見当は幾多ございます。しかしながら、事柄が、いずれは、ただいまお話がございましたように個所別の被害というものが明確になりまして、名古屋の問題も、名古屋を重要に考えております、考えておりますが、名古屋の問題だけで解決する問題ではないのでありまして、ほかとの関連で、いろいろ権衡もございますし、いわゆる紛晴を来たしては困るのでありまして、その基準というものをとらえ得るところで採択というものがきまっていかなければなりませんので、そういう点から今検討いたしておるのであります。その程度で御容赦を願いたいと思います。
○栗山良夫君 政務次官、第一点の点について。
○政府委員(前田佳都男君) お答えいたします。激甚地の考え方につきましては、先ほども申し上げましたように、関係各省の間におきまして、不公平にならないように、不適正にならないよう、そういう基準を、あるいは財政力等を勘案いたしまして、目下検討中でございます。
○栗山良夫君 そのことは知っているが、それが予算に及ぼす影響。
○政府委員(前田佳都男君) 現在のところ、この予算をもって十分まかない得るというふうに確信をしておる次第でございます。
○栗山良夫君 そうじゃない。質問に答えていない。
○安田敏雄君 どうも私ども、諸先生方の質問を聞いて、答弁を聞いておりますと、納得ができないのでございますけれども、もう少しそのものずばりで答えていただきたいと思いますが、十月十八日現在を二五%の査定額で、これに見合って今回の予算措置をとったということであります。従って、これから激甚地の指定であるとか被害の増大が判明したときに、当然この予算では足りなくなる。従って、本日ここでは、大蔵大臣がいないから、補正予算を組めるとか組めないとかいうことは説明できないかもしれませんが、もし足りなくなったときに、政務次官はこの補正予算をしたいという意思表示ができるかどうか、その点をそのものずばりで一つ答えていただきたいと思います。 それから、実はこれは七号台風の直後でございますが、農林省の技官が地方へ回って参りましたときに、査定を二五%に抑えて帰ったという事実が、長野県その他にも歴然としておるわけです。それを追及いたしますというと、どらも大蔵省等がその背後にありまして、査定を二五%に押えて帰ったという一貫したところの流れがその中にあるように思うわけなのでございますが、そういう点について、被害がそれ以上にあっても、従来の三・五・二の割合を二・五に押えていくという、こういうことが何かこの予算の中にも一貫して流れておるように思われるわけでございますが、そういう点も一つお願いしたいと思うわけでございます。 それから、ただいまの課長の説明の中に、昨年の狩野川の工事の復旧については一八%というような計数が示されて復旧してきたのだが、あの狩野川の状況は、特に局地的な問題であって、そこに工事力が全部集中しても地域的に応用し切れなかったということもある。あるいは請負工事者の工事施行能力によって、たくさんの人夫を動員できなくて、復旧工事が思ったほどに進まなかったという問題もありましょう。しかし、今度の梅雨前線性の豪雨から伊勢湾台風まで全国各地において相当な被害が上っているわけなのです。従って、昨年の状況とは全然趣きを異にしているわけです。特にこれからは工事力を動員するときにおきましては、農家において十月から来年の年度末の四月初めまで、ほとんど全国的に農家というものはひまなわけなのです。そういうときに、一番その工事力が動員できるときなのです、今、現在の日本の実情の中では。従って、そういうたくさん動員できる、一年中で一番工事のできるときに、これを二五%で押えていくというような行き方では、完全な復旧はできないだろうと思う。また四月以降予算をやっても、あるいはその他のいろいろのことで予算の裏づけをして工事を執行するにいたしましても、来年九月か十月までは農家におきましても一般の労働力におきましても非常に多忙なときで、ほかの方に回ってしまうというようなことになる。ですから、一番これから工事のできるときにもってきて頭打ちをさせるような行き方については、どうも納得ができない。そういう点におきまして、これからの工事力を動員して早く復旧していく、原形復旧以上の改良工事をしていくということを強く施政方針にも言っているわけでございますから、そういうことを勘案すれば、当然ここに補正予算という問題は出てくるわけなのです。そういう点を一つ御説明願いたいと思います。
○政府委員(前田佳都男君) たびたび申し上げますように、もしこの被害報告が千九百六十二億という被害報告が、あるいは間違いであると、あるいはこれは不安定なものであるということになれば、それによって事情はおのずから変わってくると思います。政府としては重大な責任があるわけでございまして、この被害報告を基礎として、とにかく自信の持てる予算を編成いたしたということを申し上げたわけでございます。もしこの被害報告が間違ってきたというような場合には、おのずから事態は変わってくると思うわけでございます。また、ただいまのこの査定の問題でございますが、二五%に査定した。これは特に二五%で査定するようにということを、われわれ部内におきまして、そういう公示をしたわけではございません。今度のこの予算におきまして二八・五、債務負担行為を入れまして、そういうふうに工事の進捗をはかろうという趣旨の予算を今度の予算で組んでおるということを申し上げたわけでございまして、今後は、この予算が通りますと、その趣旨を十分徹底することにいたしたいと思います。
○森八三一君 先刻私の質問に対して政務次官からお答えが二回目にありまして、そのあとで課長からまた補足説明があって混乱をしたのですが、いつまで時間をとってもいけませんから、確認をしたいと思いますが、先刻私の質問に対して、前提が狂ってきた場合には善処をするという政務次官の御発言が、これは速記に残っていると思います。善処をするという意味は、予算が足りなければ、その足りない分について補正をする、適当な措置を講ずるという意味の答弁がありました。私はそれで一応了解をしたのです。そのあと中尾課長から説明があって、それを打ち消すようなふうに聞いたものですから議論が紛糾したのです。私は速記に残っていると思うのです。政務次官の最初の御発言、御回答を確認をして、私の質問をこれで一応打ち切ります。もし私の再確認が誤りであるというなれば、政務次官から御訂正を願います。私はそう記憶している。政務次官もそう言ったことは間違いないと思います。これは速記に残っておりますから。そういうことで了解いたしますが、もし私の了解にあやまちありとするならば、あなたの発言の修正を求めなければならない。どうです、それでいいでしょう。
○政府委員(前田佳都男君) 大へん私の説明が不十分で、いろいろ誤解を招いたと思いますが、この予算の前提となっておりますところの被害報告千九百六十二億というものを基礎といたしまして、そういうものの前提がまた狂ってきた場合には、これはおのずから変わった事態をもって処理しなければならないというふうに考えます。
○安田敏雄君 これから来年の三月までが一番国内においては工事力が動員できるときなんです。従って、この時期にむしろ三五二の割合でなくて、四四二にしろ、五三二にしろという声も地方から出てきている。ですから一番一年中で、特に農民諸君が農繁期を経て十一月から十二月、一月、二月、三月と、非常に工事力の動員できるときに急いで復旧しないと、動員できない。そのときに被害額にこだわって、そうしてその予算を押えていくということでは、復旧はできないと確信するのです。そういう点から、被害がざらにでかくなり、激甚地の指定如何によっては、また予算も足りなくなるのですから、そういう工事力と見合って、もっと予算を組む時期があるのではないか。そういうときにこれで押えるのは、復旧工事ができないので不当だ。そういう点を考えて今後の予算措置をつけていただきたい、私はこういうことなんです。
○説明員(中尾博之君) 御質問の御趣旨はよく理解することもできます。ただ、二五%ということの進捗率でありますが、ここ数年来ここまで改善して参りました。二十人災から一六・六%に比べまして七〇%の改善であります。しかも災害規模が比較的通常の年度におきましては、そういう面の改善もまた考える余地も、ほかの条件と睨み合わせまして、いろいろ検討に値すると存じますが、現在これだけの大きな復旧工事を擁しておりますこの際に、できるだけのことをいたしておりまして、二五%と申しておりますが、なお、今申し上げましたように債務負担行為も上げている、それから狩野川は特殊な事情もあった。この辺も考えることはございましょう。従って、今回は全部払い切るまでやっていく。さらに債務負担行為も立てまして工事を進めるということで、できるだけのことをいたしている次第でございます。しかしながら、これ以上、たとえば四・四・二とかそこまで持ってこなければならぬ——私どももそういうことになればはなはだけっこうであると存じますが、そこまでの改善は、とれだけの工事になって参りますと、やはりちょっと困難であります。しかしながら、それでなければ災害復旧はできないおそれがあるという御指摘でございますが、その点は関係省と打ち合わせまして、こういう予算を組みますに当たりましては、十分いわゆる三・五・二という比率なるものはおおむねの植付もできる、あるいは台風出水期までに大事な部分のあらましの工事ができるというめどでございますが、それらにつきまして、それをやって参りますということにつきましては、自信を持って、責任を持っての要求でございますので、その点、御理解いただきたいと存じます。
○栗山良夫君 先ほどの政務次官と森委員との質疑応答の中で、前提条件が狂ったときには善処する。その前提条件なるものは被害総額千九百六十二億、これがもし動いたときには善処する、こういうことだということをおっしゃいましたが、私は、その前提条件はそれだけでなくて、先ほど申し上げましたように、この予算の根幹をなしているのは、激甚地指定地域に当てるものが六〇%、それでないものが四〇%とおっしゃったのです。これが狂ったときにはやはり予算に大きな影響、変更を要しますから、これもやはり前提条件が狂った場合には変わるのだという工合に理解してよろしいか、その点をあわせて確認をいたしておきたいと思います。それは、先ほど私が申し上げたことについての明確な御答弁がないから、重ねてお尋ねしておくわけです。
○説明員(中尾博之君) 予算の積算の査定が始まりまして、足らない点はどうするかという点でございますが、政府といたしましてこれで足りるという見通しを一応つけまして予算審議をお願いしていると同時に、足らない場合の説明ということは、まことに失礼な話でございますし、私といたしましては非常に実は困惑する次第でございますが、今の総額の報告におきまして重要な食い違いが生じたということになりますれば、それはまた新たなる事態としての問題を生ずるであろうということは、先ほど申し上げた通りであります。これに伴いまして激甚地の取り扱いをどうするかという問題につきましては、総額が変わりますれば激甚地もおのずからそれに応じてふえて参るであろうと思いまするので、そのような取り扱いになると存じます。なお、激甚地の割合を六割とするといたしますのは、これは事業によりまして若干の手入れもございましたのでありまするが、予算の今回のごとき見積りでございますから、おおむねこれを六〇%に統一して見ておりますが、これは、たとえば仮定の線を引っぱったものではございません。先ほど申し上げましたように、いろいろな事業につきまして、いろいろな考え方からいろいろな案が成り立ち得るわけであります。いろいろなものを勘案いたしましてやっておる次第でございますから、それらに即して行なわれることになると存じまするが、事柄の前提が少し足りなくなったという場合に対する新しい問題であります。そこまでのことは、まだ検討をしておらぬわけであります。ただ、総額がふえますれば激甚な部分がふえる、これはまことにお説の通りであります。
○栗山良夫君 私は問題が混迷しているからもう一ぺん言います。 森委員が確認を求められた点は、大蔵省はこの予算で自信を持っていけるんだとおっしゃる、いけないという、そこを議論したところが、前提条件が狂ったらば考え直すという言葉が出てきたから、そこで、前提条件とは一体何だという質問になって、政府の方から十月十八日に捕捉をした被害総額千九百六十二億が変更になるようなことがあれば、新たな事態として善処する、こういう工合におっしゃった。この点はそのまま私は了解するわけです。かりにそういうことでなくて、千九百六十二億は動かなくても、この予算のままでいく場合でも、もう一つの前提条件として被害総額の六〇%は激甚地指定に当てる。四〇%は非激甚地指定と、こういう構想のもとにおやりになったということから、激甚地指定の他の法律できまってくるわけですよ。 ですから、自動的にその六〇%がうまく合えばいいけれども、合わなくて、実際にそろばんをとってみたら七〇%になる。七〇%になったときには予算が狂うではないか。従って、そういう工合にあなたの方で六〇%を予定された激甚地指定の範囲が、国会できめた法律によって実際にやってみたところが、それが変更になったときに、やはり前提条件が狂うではないか、予算は改めなければならぬではないか、こういうことを私は申し上げた。問題はこの二つにきちっと切っておりますよ。その点はもう一つ明確に答えていただきたい。それからさらにあなたの、課長の答弁では、先ほど、決して大蔵省は拘束しないのだと言いながら、六〇%は総計の中で、目安でやったんだと言いながら、今は、いや、ただの目安じゃないのだ、ある程度こまかく押えた目安だ、こういう工合におっしゃったので、そこまでおっしゃるならば、先ほど申し上げましたように、一例として名古屋市というものを入れてあるのか入れてないのか、あなた方の頭に入っているのか入ってないのか、これをはっきりさしていただきたい。総額の中で堤防が何キロメートル切れた、道路が何キロメートル決壊した、その中でこの六〇%は激甚地推定をするのだという大づかみの計算であるということならば私はわかる。しかし、今の答弁じゃそうじゃない。大づかみでやったんじゃなくて、ある程度個別にし、自信のある六〇%とおっしゃるから、それならば名古屋市は入っているのか入ってないのか、それを計算したときの構想に入っているのか入ってないのか、これをはっきりしていただきたい、こういうことです。
○政府委員(前田佳都男君) ただいまの栗山先生の御質問ですが、これは激甚地指定の問題に関連しまして、さらに補正予算を出す必要があるかどうかとういう問題につまると思うのでありまするが、激甚地指定につきましては、これは初めからなかなか問題が多くて、具体的に目下のところどこの地域がどうだとか、どこの地域ははずれるとか入るとかというところまで詰めておりません。目下関係各省の間で検討しておる最中でございます。(「そんなことは聞いてない」と呼ぶ者あり)激甚地指定が七割になる、あるいは八制になるという場合にどうするかという御質問でございまするけれども、これは補正予算を出すということを私が今申し上げましても、やはり補正予算に伴う歳入財源の問題もありますので、今十分これを検討しませんと、そういう七割あるいは八割仮定の場合のそういうことをお答えをしておいて、もしあるいはかえって誤解を受けてはいけませんから、その点、一つお許しをいただきます。
○栗山良夫君 あなたの方はやっぱり予算の執行の責任があるものだから、ずいぶん思い過ごしをして、私が質問をいたさないところまで答えておられるが、その必要はないんですよ。神様じゃないし、数字が動くくらいのことは承知。しかも、現に水の中に入っておる個所がたくさんあるのだから、これは国民はだれでも了承いたしますよ。大蔵省の計算が間違ったってだれも非難しない、ふえたところで……。従って、千九百億円の総額の動く場合も国民が了承するし、また四〇%、六〇%の比率についても、大まかな金額の中で一応過去の経験を土台にしてきめたんだ。しかし、国会で作った法律でやってみたところが、くずれたとしても、大蔵省側の責任ではないわけです。従って、その場合に予算をお出しになるか出されないかということを私は言っておるのではないので、その前提条件がくずれた場合は善処すると、こうおっしゃったから、そこで千九百六十億円も当然であるが激甚地の比率が六〇%からさらに上回るようなことがあるときには、この予算の内容そのままの被害額であっても、相当な変更をしなければならぬが、そういう変更しなければならないような事情が起きることは、前提条件が狂ったんだ、こういう工合に理解してよろしいかということを申し上げておる。だから答弁はきわめて簡単に、前提条件が狂ったものと考えますと、こういうふうに言っていただければいい。
○政府委員(前田佳都男君) たびたび同じことを申し上げて恐縮でありまするけれども、この補正予算におきましては、激甚地は六割で処理し得るという確信をもってこれは組んでおるわけでございます。(「狂ったらどうするんだ」と呼ぶ者あり)
○栗山良夫君 またおかしくなって……。この予算の中に激甚地指定のものは六〇%と自信をもってやり得ると、今度はえらい強気で発言なさっておる。それだったら、また議論が再燃するんで、それならば個別の被害個所を全部積み上げて、そうして六〇%になりました。最終計算をしましたらなりましたと、こういうことでなければ、今の発言はできないはずです。今その六〇%の唯一の基礎になる法律はまだできていないじゃないですか。まだ提案も現在されていない。それなのに、どこにそういう自信が出てくるか。それは今言葉はそれをそのまま速記に残されるということになると、これまた、おそくなっても質問を続行しなければならぬ。そういうことでなくて、前提条件がなるほど変わったものと認めますと一言だけおっしゃったら、この問題は解決するんですから、政務次官一つそういう工合にどうでしょう。
○政府委員(前田佳都男君) この六〇%につきましては、またえらい自信の強いことを申したとあるいはおしかりを受けるかと思いますが、これは過去の実績等によりまして作成した数字でございまして、なおかつ予備費もございますし、また国庫債務負担行為もございますので、現在のところ、前提条件の千九百六十億円というものが狂わない限りは、これで処理し得る。千九百六十億というものがまた基礎の数字が変わって参りますれば、またそのときはそのときで処理する。(「それはおかしい」と呼ぶ者あり)
○森八三一君 先刻の発言でこの問題は打ち切ったつもりでしたが、今の政務次官の発言はまたおかしなことで、被害激甚地についてはまだきまっていないでしょう、ただ大蔵省は、課長も御説明のように、過去の経験にかんがみて六〇%なれば大丈夫と思ってやっていらっしゃるのです。そのことを私どもは非と言っているのじゃないのですよ。そのことはそれとしてよろしい。けれども、被害激甚地というものについては、これは国会でたびたび審議せられまして、あるいはそういうことになるかもしれませんし、今お考えになっているものとは別のものさしをはめることになるかもわからぬ。そうなりました場合には、あなた方のお考えが誤っておったのじゃないのですよ、変わってこなければならぬでしょう。どうも話を聞いておると、国会なんかどうでもいいと、おれたちの考えを押し切るのだと、これでは話にならぬですよ。われわれは一体何のために審議しているのか、われわれが審議して出た結論があなた方の今お考えになっているものと変わってくれば当然でしょう。その答えができぬということでがんばるのはおかしいですよ。そんなことは常識でしょう。国会できめたものさしがあなた方のお考えになっている予算編成当時のものさしと変わった場合には、それに即応して当然ふえてくる、そのときに、財源という問題を政務次官はおっしゃいましたが、私もその点は心配な点です。しかし、財源がないからというて、ほうりっぱなしになったりするということは許されない。財源の問題ならばそれはあります。それは外為に行っても千二百億円を、これはインフレにつながるという議論も起こるでしょう。けれども被災者のことを考えれば、インベントリーの千二百億の一部を移すということによっても、財源がまた出てくるのですよ。そんなことまでは今論じません、論じませんが、前提が狂ったということは、あらゆる前提ですよ、狂った場合には、当然国会の意思を受けて善処をなさることはあたりまえではありませんか。それができぬとがんばるところに問題が起きてくるのです。これはあっさりと、前提が狂ったらそれに対応するように善処するとおっしゃったらどうでしょう。政務次官、そうおっしゃいよ。
○政府委員(前田佳都男君) 前提の点でいろいろ誤解を招きましたけれども、前提は千九百六十二億の被害報告その他の条件といいまするか、変更によりましてといいまするか、予算の修正といいますか、そういう問題もそれは起こるかもしれませんけれども、予算と法律とは相関連して政府が出すようになっておりますので、その点一つ御了承願いたいと思います。
○小酒井義男君 政務次官、私は先ほどからずっと聞いておると、あなたの方で激甚地は六〇%だということに非常に自信があるのですね。それだけ自信をお持ちになっているのだったら、これ以上ふえるという心配はないはずなんですよ。それで、激甚地の指定がふえるような、変更するような場合になったら、それが前提条件になるのだということの答弁ができぬはずがないのです、それほどの自信を持っているのなら。それが非常にとらわれている。激甚地という所を六〇%に押えようということに非常にとらわれておられるというふうに、だんだんとそういう印象が深まってきた。ですから、その自信があるならば、激甚地がふえるならばふえますと、こうおっしゃればそれで片づくのですよ。
○政府委員(前田佳都男君) ただいま小酒井先生の激甚地の指定について大蔵省が非常に自信を持っていると、ほんとうに御指摘の通りに自信を持っておりまして、ただ、その激甚地の指定の仕方が、これがなかなか今検討中でありまして、この点について激甚地がどういうふうに指定されるかということによって(「そんなことは問題じゃない「善処すると一言言えばいいのだよ」と呼ぶ者あり)まあ国会で激甚地の指定につきましてある一定の結論が出るといった場合には、その点は十分そういう条件に基づいて、その前提に基づいて物事の判断をしなければならぬと思います。(「その通り。「わかった。」と呼ぶ者あり) —————————————
○委員長(郡祐一君) 大蔵省に対しては、なお質疑もあると思いますが、それは後日に譲ることにいたします。
○委員長(郡祐一君) なおこの際、昨日の委員会において大倉委員から発言がありました桑名市における仮堤防の決壊に関しまして、ただいま建設省の政務次官並びに河川局長が出席しておりますので、これらの政府委員より説明を聴取いたします。
○政府委員(大沢雄一君) 桑名市の福地先東南干拓の第二線堤防でございますが、一日の午前七時過ぎの満潮時に、風浪のために決壊をいたしまして、再び罹災をいたしまして、多数の被災者を出すに至りましたことにつきまして、まことに遺憾に感じておる次第でございます。復旧につきましては、鋭意これを進めておるところでございますが、外側の第一線堤防がすでに昨日午後の五時に締め切りが完了いたしまして、排水にかかっておるような次第でございます。従いまして、今後は外海から直接風浪を受けるということはなくなったわけでございますが、一日も早くこの第二線堤防の締め切りを完了いたしたいと努力をいたしております次第でございます。なお、今回の事態にかんがみまして、すでに仮締め切りを了しました所につきましても、万一かようなことがありましてはまことに申しわけない次第でございますので、補強につきましては万全の指示手配を行なっておりますような次第でございます。なお、詳しくは山本河川局長から御報告申し上げ、御了承を得たいと思います。
○政府委員(山本三郎君) ただいま政務次官から現在の実情に対しての概略のお話がございましたけれども、切れた状況であるとか、現在の締め切りの状況、あるいは第一線堤防の状況等につきまして、もう少し詳しく御説明申し上げたいと思います。桑名市の福地という地先でございますが、ここは第一線堤防がございまして、これが七百メートルばかり切れておったわけでございます。それから第二線堤防は第一線堤防ができましたために——第二線堤防は桑名市の管理になっておりまして、これがやはりこの前の十五号台風のときに切れたわけでございますが、第二線堤防は桑名市におきまして復旧をいたす、第一線堤防は建設省が復旧をいたすということに分担いたしたわけでございます。そうして第二線堤防の方はずっと前に完了いたしたわけでございまして、これらの補強についてもさらに強くしていかなければいかぬということは申したわけでございますが、第一線堤防が十一月の上旬にはできるという見通しのために、第二線堤防の補強がほかの地点よりも弱かったということは、私は現地の報告によりましても認めざるを得ないというふうに考えております。ただ、実は三十一日の夜から一日にかけまして、普通の場合には予想されないような風が吹きまして、満潮時に相当な、十五メートルないし二十メートルの風が吹きまして、普通の満潮ならば一メートルニ、三十の水位にしかならないのでありますが、風のために潮位が二メートルに相なりまして、しかも波が相当に立ったために、締め切り工事をやったところの第二線堤防が切れまして、桑名市の六百町歩余りが浸水いたしたわけでございまして、しかもその中には住家が千戸余りありまして、この方々の住家が浸水したわけでございまして、非常に私らといたしましても申しわけない、遺憾のことだと存じておるわけでございます。これらの復旧につきましては、第一線堤防の完成を急ぐことがまず第一でございますが、第二線堤防につきましても、至急復旧をしなければいかぬわけでございまして、その後、第一線堤防の復旧を急ぎまして、きのうまでの報告によりましては、七日でなければ第一線堤防ができないというような報告でございましたけれども、幸い昨日の夕方、これをとめることができまして、これがとめることができましたために、第二線ができなくてもポンプで全部一緒に抜くことができる、排水することができるということに相なりましたわけでございまして、排水を急ぎまして、城南の干拓をも合わせまして、桑名市の浸水地区の排水を極力早くしようということで努力をいたしておるわけでございます。第二線の堤防につきましてもポンプ船を持って参りますし、またそだや石等も相当量、もうすでに準備をいたしたわけでございますので、これも近く締め切りはできるということに考えておりますけれども、排水の点につきましては、第一線ができましたので、排水工事はすでに着手ができる状況になったわけでございます。それから、こういうふうな事態もございましたので、直ちに中部災害本部にも連絡をいたしまして、仮締め切りができたといって安心してはならぬ、これは逐次補強をどんどんやっていかないといけないわけでございますから、本堤の仕事ができるまでの間、仮締め切りの補強をずっと続けて、強力にやるようにという指示をいたしておるわけでございまして、こういうことが再び起こらないように全力をあげてやる所存でございます。御了解いただきたいと思います。
○委員長(郡祐一君) ただいまの御説明に対して、御質疑のおありの方は……。
○大倉精一君 ただいまの報告で安心したようなわけでありますけれども、この際、確認をしておきたいことは、第二線提防の工事担当者現在どこがやっておるかということと、それから第二線堤防の完成と、それから排水の完了はいつごろになるか、これだけ一つこの際、御答弁を願います。
○政府委員(山本三郎君) 第二線堤防は、管理者は桑名の市役所でございますけれども、今回におきましては、県がそのかわりになりましてやるということに報告を受けております。 それから。ポンプ船等の所要の機械については、建設省で使っておるものをそこに回してやるということでございます。それから今これは排水の問題につきましては、建設省が直接やるわけではございませんけれども、現在ありますポンプは八台で、それだけでやりますと十五日間かかるという報告でございますが、これでは非常に長くかかって困るというように私ども考えておりますので、その点につきましては、さらに早く排水ができるようにということを、今後においても大いに努力するようにということを、現地に対しましても厳重に言うつもりでおります。
○大倉精一君 昨日、私はこの桑名市の再度の決壊に対しまして、あるいは締め切り工事がおくれれば、堤町の外にある干拓地がすでに水に浸っておりますから、その水が入ってくるというと、桑名市南部が、再び水につかるという非常に悲惨な状態になる、こういうことを心配して、この際、国の責任において工事をやるべきであると、こういうことを意思表示したらどうかということを提案したのでありますが、ただいまの報告によりまして、一応私も安心いたしましたので、その提案は一応撤回をいたします。ただし、きのうのお話によりますというと、大体二、三日中で片がつくというようなお話でございます。けれども、今の報告によりますというと、まだ十五日くらいかかる。ところが堤防を締め切ったことはけっこうですけれども、これから非常に寒さに向うおりからでありますから、十五日ほうっておくわけにいかぬと思う。でありますから、相当あそこは条件が悪いようでありますけれども、建設省においても責任をもって一つこの排水工事を促進するように努力を願いたいと思います。 なおまた、これは今後のためにも、この原因等についても質問をしなければならぬと思いますけれども、これは後日に譲って、ただいまの報告を了承いたします。
○成瀬幡治君 第二堤防を築くときに、第一堤防を築くから手を抜くということがあったかどうかということがあると思いますが、それはさておいて、そういう場合の技術指導というようなものを市がやってきておったのか、県の河川課がやっておるのか。どらも今度の締め切り全体について、桑名においてそれを一つ見るだけでなく、全体について非常に技術が悪かった、下手だったということを現地で聞くのです。僕らが見るのじゃない、現地で聞く、あるいはくろうと筋が皆そういうことを言っているのです。で、桑名のそういうような問題については、どこがそういう技術的な指導をしておられたのか、伺いたい。
○政府委員(山本三郎君) この個所につきましては、県の報告によりますと、県が自分でやってやろうと申し出たところが、市の方で、自衛隊の協力を得て自分がやると、こういうお話で、市がやったと、こういう話でございます。しかしあとから考えてみますと、やはりそれだけの波が参りましたわけでございますが、建設省がやった所とかあるいは県がやった所は、多少の危険はありましたけれども、切れるということはなかりたわけでございます。従いまして、この個所の締め切りにつきましては、やはり波のくることも考えてやらなければならぬということは、あとになって感じて申しわけない次第でございますけれども、土俵を積んだだけではやはりいかぬわけでございまして、くいなどを打って補強しておく。それからでき上がっても、さらに補強は続けるということをやらなければいけないわけでございまして、それらの点につきましては、県に聞きますと、県ではしばしば市に補強するようにということを申したと言ってはおりますけれども、その間の事情はまだつまびらかにはなっておりませんけれども、県の当局は、そういうことを報告して参っております。
○成瀬幡治君 技術指導を県、市がやっていたか、自衛隊がやっていたと言われるが、自衛隊が技術をやるわけじゃないと思うのですよ、だから市にまかしたから市の技術課が指導したのか、県の技術者がやっておるのか。ほんとうのことを言うと、三重県よりも、私が聞いておるのじゃ、愛知なんかも非常に技術が悪いということです。それですから、技術というものに対して、技術指導というものを建設省が私は積極的におやりにならなくちゃならぬと思うのです。そこで今、聞きたいのは、だれが技術指導したかという点だけ一つお答え願いたい。
○政府委員(山本三郎君) この点については、現地についてさらによく調べなければいけませんけれども、向うの報告によりますると、これは市の責任において、技術的にも市がやったということに聞いております。ただその間におきまして、県におきましては、さらに補強するようにというような忠告を与えたということを県は言っておりますけれども、その点につきましては、さらに現地におきましてよく検討しないとはっきりいたしませんが、そういう報告でございます。
○大倉精一君 それで今私が質問を保留したのは、次の機会にそういう点について詳しく一つ状況も聞きたいと思うわけなんです。今あそこに自衛隊が入ったとおっしゃったが、あそこには自衛隊は入っていませんでしたね……。若干、ちょっといたかと思いますが、私がちょうどあそこへ行ったのは先月の十二、三日だったと思う。それで締め切りの完成が十七日だったと思いますね。どうも見渡したところによると排水ポンプが一つもない、赤須賀という所に一つ、二つ、ちょろちょろあるだけだ、これは大へんだということで、助役さんを呼び出して、排水計画はどうなったかと聞いたところが、助役さんが、私は赴任して間がありませんので排水計画はよく知りませんから、担当者とかわりますと、こういう答弁なんです。私は慣慨したのです。こういう災害地へ来て、最も市民の関心の深い排水計画を知らぬというのは何事かということを言ったのですが、そういうことは、この際あまり言いませんけれども、どうか、現地について、今後の参考にもなりますので、原因その他を十分お調べになって、私の質問に次回の機会にお答えを願います。
○委員長(郡祐一君) 本問題については、本日は一応この程度といたします。 先ほど理事の諸君と協議いたしました結果、今後の委員会の運営につきましては、付託された法律案について各省から必要なる補足説明を聴し、質疑を行なうことといたします。なお、災害対策について各省から説明を聴し、質疑を行なうことは、それぞれ必要に応じていたすことといたします。 次回は十一月九日月曜日午前十時より開会することとし、本日はこれをもって散会いたします。 午後四時二十一分散会