農林水産委員会 第18号
- 発言数
- 87 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/12/23
会議録
○委員長(堀本宜実君) ただいまから農林水産委員会を開きます。 繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を議題にいたします。 質疑を続けます。質疑の向きは御質疑を願います。
○清澤俊英君 だいぶ差し迫ってゆっくり御質問しておる時間も、出し合わせによってないようでありますから、他の同僚諸君にたくさん質問がありますので、私は大体資料を中心にしてお願いして同僚の質問が終えたあとで、時間かあったらそれに関連して質問をしたいと思います。 そこで、昨日来いろいろ参考人を呼んで聞きます際に、まず第一番に明らかになりましたことは、十八万円の糸価格で放出せられれば、製糸関係におきましては採算割れであると、これはとうてい忍び得ないと、こういう陳情がありました。また、ある人は、製糸の過程においてまだ十分検討すべき余地があるのだ、こういうような説明もありました。そこで、ただいま繭価協定等をやります際に、政府で提出しておられる生産費というものは、これは大体何を基準にして出されたのか、これを一つ明示していただきたいと思います。そこで、内容的に見ますると、同じ製糸の中でも大きな製糸会社、いわゆる自動機たけでやっておるような代表的な製糸会社においては、何かしら、まあ十八万円でもがまんができるのじゃないかというような御答弁もあったようであります。従いまして製糸設備を中心とした製糸といたしましては、座繰り製糸、これらには協会があるかどうかわかりません。座繰り製糸の生産費が幾らか。機械製糸の生産費はどうなっておるか。第三点は、自動機を中心にしました生産費がどうなっておるか。この資料を提出してもらいたい。 そこで、いま一つこれに付加してお願いしたいことは、ただいま政府等で製糸価格を出される際には、副蚕糸としてのしびですか、しびあるいはのし、サナギ等が製糸経費の中から引かれているものが大体基準になっているように考えております。そうすると、今、政府で繭価協定に使われているものより、より高い製糸価格が成立しているのじゃないか、それが引かれておるとすれば。そこでいろいろこういう紛糾が出て問題になりました際に、実際は二万五千円だとか、あるいは一万五千円だとか、これが製糸の実費である、こういう議論が出ておるのであります。そこで、その内容を聞いてみますと、いろいろ複雑な状態を呈しております。第一は、労働管理の問題、第二は、その副蚕糸の価格の差引の問題、最近はのし等が非常に、二万五、六千円もして高く上がっておる。なお、サナギは五千円あるいは六千円あるいは七千円、いろいろいわれている、そういうものを見ますと、二万何千円というものがほとんど製糸費用にどうなっているか不明なこういう実情がありますので、そういうものを明確にした資料を、設備を中心にして出していただきたい。これが一つであります。今じゃなくてよろしいですよ、あすでもよろしいですから。 第二番目には、横浜の、きのうの証言によりますと、横浜取引所においては二万俵の繭をちょうだいしなければ清算ができない。どうしても清算がやれない、こういう点です。神戸におきましては、解け合いができた。そうしますと、そこに五千俵の食い違いが出たと思う。何かきのうのあれの参考人の話を聞いておりますと、横浜が一万五、六千俵、神戸で五千俵、こうしまして、神戸が解け合いができたとしますならば、実際は一万五千俵が必要じゃないか。そこで、解け合いというものは、私の聞いております範囲におきましては、詳しいことはわかりませんが、話し合言いをつけて現物を取引しないで金で解決するのだ、これが解け合いだと、こう聞いておるのであります。従って、一万五十俵が現実に必要の数量になるのじゃないか、こういうことを考えるのです。従いまして解け合いはいかなる条件で解け合ったのか。これを資料として出していただきたい、こう思うのです。それから、横浜が解け合いができないという事情は証人として呼はれた際になおよく聞きますが、その前に、解け合いというものがなぜ横浜はできないのか、その事情を一つ参考資料として出していただきたい、どういうわけで横浜だけが解け合いができないのか。何かあるだろうと思います。そうしますと、当然売り方、買い方の内容までに、非常にこまかいものになるでありましょうけれども、それまでが出せなかったならば出せないでよろしいから、とにかく解け合いのできない事情として何が主点になっているのか、これをはっきり提示してもらいたい。従いまして、このたびの法案が通りますれば、その解け合いに、先日からのいろいろ農林大臣の補足説明等から参りますれば、きのうの安田君の説明のごとく、横浜取引所に現実に渡るという線は出てこない。この法案が通っても、大臣の言われる通りでありまするならば、その解け合いには用に足らないと思う。その点に対して御見解をはっきり書いていただきたい。時間がないから私は簡単にするために、みな古いたものをちょうたいして、そうしてあとで時間があればお伺いする。 そこで第三問。三番目にお伺いしておきたいことは、これも書面でいただければそれでいいと思います。第一が、大体二十三万円のいわゆる線が堅持していられる、この法律が通ったあと。この法律の通る前提としての三月三十一日の御説明を見ますと、政府の考え方としては十七万円か日本の蚕糸を振興する線である。これを堅持するために十八万円で今これを押えるのだ。こういう線がはっきり見えておりますので、従いまして前からきめられておりました二十三万円という線がどうなるのか。これは重大な問題であります。これは一つよくここで、できますればはっきりしたことを大臣からお伺いしたいと思う。二十三万を将来どう政府は考えておるのか、こういうことをはっきりさしていただきたい。そこで問題になることは、かりに今、政府が考えておられるような十八万円でもって将来の養蚕振興をやられるといたしまするならば、これは証言――生産者を代表している参考人が申されまする通り、これは実際やれないことであります。現実の場合やれないことであります。従いまして、生産はたんだん農民の心理から離れて減退の方向に向うだろう。繭なくして蚕糸が成立するならこれはおもしろい話であります。そこには何らかの努力が政府として必要ではないかと思います。従いまして木養蚕年度におきまして、どういう施策をいささかでも考えて予算の請求をしておられるか。その請求の予算書を参考として提出していただきたい。その次にお伺いしたいことは、あなた方か毎日相場欄を見られる。そうしますと、その相場というものに対しての御見解がお聞きしたい。相場をどう見ているのか。毎日出ている相場というものをどう見ておられるか。そこには実際問題としての清算取引の相場かあり、あるいは実物取引の相場があり、毎日のいろいろの相場というものが出てきておりますが、その相場をどう見ておられるか。それから、私どもがここで始終いろいろのことを審議しております際に、まことに解釈に困る問題があります。第一が思惑。一体思惑とは何か、これをはっきりしてもらいたい。同時に、思惑の対象としまして、実勢相場、いわゆる実勢というお言葉、実勢とは何か、思惑と実勢との差別はどうなっておるか。同時に、時価という問題がある。この時価とは何か、こういうものがはっきりしておりませんと、われわれが将来何をしていきますのにも困りますので、この審議の中にたくさん出ておりますが、ですから、それらを一つ一つ、三つをはっきりしていただく、それから適正価格、妥当なる価格これは一つたろうと思います。たまたま審議の過程に妥当なる価格が出て参りました。そこで、安田さんによりますれば、妥当なる価格を三つに分けて御説明になっておる。売れる価格、需給安定の価格、価格安定の価格、こう三つに区別されておる。なかなかこれはめりんどうなことである。そこで、妥当なる、いわゆる適正なる価格とはこれはいかなるものを考えておられるのか、どこを中心に考えておられるのか。この十八万円をきめられな線は、政府としては少なくとも、御説明によりますれば、売れる価格を妥当としておる、これならば蚕糸が振興するのだとこういう建前に立ってきめられておったと思うのでありますので、この点をはっきり出していただきたい。妥当なる線、適正なる価格、これがふらつきまして、ある場合にはこれは需給の安定の要当な線だ、これは価格安定の要当な線た、これは生産上の各バランスをとった妥当な線だ、これは売れる線だ、いろいろなことを言われてもわれわれはわかりません。だから、はっきりとこの線を出していただきたい、この見解をはっきりしていただきたい。理屈はあると思う、妥当なるものが。今、ちゃんと安川さんが言うておるのですからつ、もし何なら速記録をお調べにたってそれらを中心にして出していただきたい。まことに疑問が多い。そこで、政府がぎめられた、何を中心にして妥当な線としておきめになったのか、これを明確に書いてお渡しをお願いをしたい。ここで、あとその次には、まあこれは蚕糸対策全体の上にいずれ出て参るでありましょうが、過剰設備による異常な製糸界の混乱というものが今予想せられております。だから、これはいろいろな意味合いにおいて証言の中にたくさん出て参りましたので、従いまして、製糸設備と繭の生産量との需給バランスを中心にした過剰設備というもつのをどう考えておられるのか、この点を一つ明らかにしていただきたい。これは大体こう私の申し上げましたことを書いて一つ出していたたきたい。そこで、これは一番先にお伺いするやつを、相場という問題を取り上げる際に、あなたから受け取り方を注意していただきたいことは、相場というものが常に私は公正にだけはいっていたいのだ、と申しますことは、相場のことは私は何も知りませんか、本日の朝日の「株価の暴落の教えるもの」というような中に、これは業者自身が、いろいろ株を一中心にする証券業者などが非常的な大きな思惑をもって秣を不当に下げているというような事実もあります。こういう現実の事実もあります。あるいは、これは大体こういうことはあるべき性質のものじゃないのです。それと同じことに、昨日私が取引所の手合いに質問した通りに、政府が十八万円なら十八万円の繭を、これで抑えてくれと言うたから話し合いをした、十七人の人間と話し合いした、これは取引の何で出ております。こういう人為相場も考えられる。こういうふうな相場に対しての御見解をつけ加えて一つ出していたたきたい。 あとはだいぶ同僚諸君もたくさん質問書を持っているようでありますから、私はそれだけの資料をちょうだいした上で、時間がありましたら質問さしていただきます。
○政府委員(大沢融君) 資料をそろえます。
○北村暢君 私は、まず第一にお伺いしたいのは、最低価格と最高価格の問題についてお伺いしたいのですが、衆議院段階で、この問題について法令上の最高価格、最低価格、それから実質的な措置法による最高、最低価格、こういうことは大臣の統一見解として出ているのでございますけれども、そこで、その論議は、私は衆議院段階でだいぶやっていますから避けたいと思いますが、お伺いしたいのは、三月の審議会におきまして諮問をいたしております実質的な最高最低価格、これについて諮問の内容によりますというと、最高価格だけを諮問しているようでございます。これが俵当たり十八万、こういうことになっているようでございますが、この最低価格については、これは諮問をしたのか、しないのか、その点についてまずお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(大沢融君) 最低価格につきましても諮問をいたしました。
○北村暢君 それは速記録の何ページに出ておりますか。
○政府委員(大沢融君) 資料としてお配りしてございますが、諮問事項として、標準生糸の最低価格二千三百三十五円、最低繭価二百七十円という諮問をしております。速記録の三ページの終わりから五行目に「それではまず、諮問事項を読んでいただきます。(説明書朗読)」、ここでかようなことを読んでおります。
○北村暢君 そうすると、「(説明書朗読)」の中に入っているのですか。
○政府委員(大沢融君) そうでございます。
○北村暢君 そうすると、この速記録には現われていないわけですね。
○政府委員(大沢融君) 諮問案として別にお配りしてありましたので、速記録には書かなかったのじゃないかと、こう思います。
○北村暢君 私の持っております、この配付されました速記録によりますというと、十二ページのところで、「政府または日本輸出生糸保管株式会社が保有する生糸については、ド記によって売り渡すものとする。」ということで、売り渡しの諮問だけが出ているので、最低価格が出ていないのじゃないかというふうに思ったのでございます。それではお伺いいたしますが、臨時措置法の条文の第三条の一項の一号で、買入れにつきましては、繭糸価格安定法第二条の最低価格と、こういうことになっておるわけでございます。それで、それと諮問をいたましたこれは政令できめられているのだろうと思いますが、――その政令との関係について説明を願いたいと思います。
○政府委員(大沢融君) この臨時措置法の第三条一項一号の規定は、日本輸出生糸保管株式会社が買い入れる場合の価格が書いてあるのです。そこで、繭糸価格安定法二条の最低価格と申しますと、繭糸価格安定法の二条に、「政府は、前条の目的を達成するため、申込に応じて、最高価格でその保有する生糸を売り渡し、又は予算の範囲内において最低価格で生糸を買い入れる。」こういうにふうになっております。この最低価格で買い入れるという意味でございまして、しからば、この最低価格はどうやってきめるかということは、繭糸価格安定法の第三条にございます。これを受けまして政令があり、さらに生産費の調査をいかようにするかという省令がありまして、それらに基いてきめられるわけであります。
○北村暢君 そうすると、三月の審議会に諮りました安定法の最高価格は二十三万、それから最低価格が十九万、これに間違いございませんか。
○政府委員(大沢融君) 二十三万は間違いございませんが、最低は十四万でございます。一応十四万、正確事には十四万百円でございます。
○北村暢君 そうしますというと、私どもの理解では十九万というものが変わってないというふうに理解しているのですが、十四万に変わった経緯を御説明願いたい。
○政府委員(大沢融君) 昨年、つまり昭和二十三年糸年度の最低価格、最高価格は、御承知のように十九万、二十三万であったわけでございます。最低価格、最高価格は、御承知と思いますが、生糸年度が始まります前の三月に原則としてきめるわけでございます。そのようにして、昨年の二十三万、十九万がきまったわけでございますが、六月以降あのようなことがございまして、十二月に価格安定審議会を開きまして、二十三万はそのままでございますが、最低価格は十四万百円に改定をした。さらに昭和三十四年度、目下進行中の生糸年度については、最高、最低はただいま速記録でごらんいただきましたように、三月三十一日の繭糸価格安定審議会に諮いて、昨年と同様にきめたわけでございます。十九万円が変更になりましたのは十二月の価格安定審議会、ことしの一月に告示として出ております。
○北村暢君 それで大体わかりましたが、それでお伺いしたいのは、二十三万の最高価格、これは動いておらないわけでございますが、十八万という実質的な最高価格を決定した、これは法律的のものではないということははっきりいたしておるわけでありますけれども、これについて、どうしてもやはり第六条の関係からいたしましても、第四条の関係からしても、二十三万というものが、法律的には生きている。ところ、今、政府の考えている十八万というものは、どうしても私は安定法そのものをくずしている、このように考えるのですが、これについての見解をさらにお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(大沢融君) 臨時措置法の糸は、今御指摘がございましたように、保管会社が持っておりますものは第四条、政府が持っておりますものは第六条で売るということになります。ここでごらんになればおわかりになりますように、第四条では保管会社が時価で売る、六条でも安定法の規定によらないでということで、一般会計原則によって売るということになるわけでございます。そこで、もしこの規定のまま臨時措置法の糸を処分するということになりますると、五万俵余りのものを、政府がいついかなるときにでも、あるいは保管会社がいついかなるときにでも時価で売り出せるということになります。そういう、いついかなるときにでも売り出せるというようなことであっては、生糸をお取り扱いになっている方にとっては非常に不安感を与えます。そこで、じゃ、いつどういうふうな売り方でやるかということは、あらかじめルールをきめておいた方がいい、その方が不安をもたらさないからという意味で、この売り方をきめましたのが、先ほどお読みいただきました速記録にあります臨時措置法の糸の売り方になるわけであります。その売り方をあのようにしましたので十八万円というのが、本生糸年度の実質的な糸価の最高価格になったという役割を果たすようになったわけでございます。
○北村暢君 そこで、本年度の実質的な最高価格十八万、これについて今、政府は十八万で放出することによって価格を安定する、こういうことでございますが、十八方で放出することによって安定するのは、一体政府はどの線を考えておるのか、お伺いしたい。
○政府委員(大沢融君) 法案提出の当時は時価が十八万円でありまして、ですから、そのまますぐ断層ができないで、十八万円で放出ができるということであるならば、引き続き十八万円以下の線で糸価は安定したということが予想されると思います。
○北村暢君 私は、もし十八万で放出して時価が十八万、こういうことで、しかも、これが安定したということは、三月の審議会において諮問をした当時の考え方とは変わってきているのではないか。すなわち十八万の時価で安定するということは、当初の考え方からすれば、これは異常な状態でないか、このように思うのです。当初の安定価格というのは、やはり十四万と十八万の問の十六万円が安定価格ではないか、当初予想したものはそういうものでないか、こういうふうに考えるのです。従って、十八万の最高価格で放出をして、糸価が十八万で安定するということは、これは当初の考え方からすれば異常な形ではないか、このように思うのですが、どのようにお考えでしょうか。
○政府委員(大沢融君) 先般来、参考人からもしばしばお話がございましたように、この価格を安定審議会で議論しました当時は、その後のような、今日のような生糸の売れ行きの状態がいいということは予期されなかったと思います。しかしながら、価格安定制度と申しますのは、やはりある一定の幅、これより下に来たならは政府は買います、これより上に来たならば政府は売りますという幅でございますから、ある場合には上につくこともございましょうし、ある場合には下につくこともあると思います。ですから、その下に、あるいは上についたということのみをとって直ちに異常だということは言えないと思います。
○北村暢君 私は、それではお伺いしたいのですが、上値で安定するだろう、まあ政府は相当十八万で安定することを望んでおりますし、また、その努力をするということをしばしば申しておるのですか、そうするとその十八万に安定するという要因はどういう要因からそのように想定をするのか。
○政府委員(大沢融君) 私どもが当初考えましたのは十八万円で安定するというのではなくて、十四万十八万という安定帯の中に安定をし得るのであろうという予想で仕事にかかっておるわけです。
○北村暢君 先ほどの説明では放出することによって時価が十八万であるから、当面十八万で、上値で安定するだろう、こういう説明だったが、それについて私はお伺いしているんで、上値で十八万に安定するという見通しを、持っているその要因、どういう要素でもって十八万に安定すると、こう考えておるか、これを質問しておるわけです。
○政府委員(大沢融君) 先ほど申し上げましたのは、今日のような断層がなかった場合を予想しましてお話を申し上げたんでありますが、そうした場合、引き続いて、政府が、いつでも申し込みに応じて十八万円で売るということがあれば、十八万以下、つまり十四万と十八万の間に糸価が安定するのであろうということを申し上げたんでございます。
○北村暢君 その要因というのは、私はやはり見通しというものを持っておると思うんですよ、それをはっきり答えていただきたい。私どもは、先ほど来清潔委員からも資料として要求されておりますが、ここら辺が非常に問題になるところだと思うのです。私はこの十四万の最低、十八万の最高、こういうものをきめた当時は、御存じのようにあの大混乱のあとで、今日のような値上がりというようなことは、さらさら考えないときにきめた価格での最低、最高だと私は思う。従って、この十四万―十八万をきめたときは、僕は、非常に異常なときにこの範囲というものをきめた、安定帯というものをきめた、このように考えているんです。ところが、今日の段階においては、事情は全く予想とは反して、異なった事態に来ている。いわゆる高値を抑えるための事情に変わっておる。当時は低値を支持する、こういうときにきめられたものであり、今回の場合は高値を抑える、こういうことでありますから、これもまた私は、蚕糸の価格安定にとっては異常な事態である。しかも、それは政府が熱意を示しているように、十八万でどうしてもこの安定をさせなければならたい、その努力をしているんですから。しかも、その政府の努力にかかわらず、現実価格は国会の審議が延びているというような点はあるというようなことは言っておりますけれども、すでに二十万をこえる、こういう事態にあるのでありますから、上値で安定するということも、私は、この十四万―十八万の安定帯そのものが今日では無理になっているんじゃないか、このように考えるんです。従って、この最高価格の十八万というものは、今日ではやはり実情に即しないんじゃないか、上値はもっと高いところにいかなければ、これは十八万の高値で安定をするという自信は、私はだれも持ち得ないんじゃないか、このように考えるんです。特に政府があの昨年の大混乱のときに臨時措置法まで作って、そうして二百億もの金をかけて、そうして買い上げても、一割の生産制限をやり、減反もやり、ああいう措置をとっても、なおかつ、政府の予想するものよりもはるかに下値に行った、こういうのが私は蚕糸業の実態だと思う。政府の安定をさせようとする気持はわかるんですがね、気おはわかるんだが、従来の蚕糸業の実態からするならば、これは政府の予想通りに十八万円で放出したならば十八万に安定する、こういうことはちょっとやはり自信がないんじゃないか、率直に言ってそういうふうに思うんですよ。従って、私がしつこく聞いておるのは、十八万に安定するという要因が、どのような確信を持ってそういうことを言われるのか、この点をお伺いしているわけなんです。
○政府委員(大沢融君) 北村委員の言われる点、ごもっともな点が多々あると思うのでありますが、十四万円-十八万円をきめました当時、予想し得るあらゆることを加味してきめましたそのときと、今日と確かに事情が変わっていると思います。しかし、変わったからと言って、直ちに十八万円の方針を変えていいかというと、そうではないと思うのであります。と申しますのは、価格安定制度というものは、先ほど申しましたように年期、一年を一通じて、こういう安定をしましょうということでございます。これは国内のみならず国際的にも本年一ぱいは、こういう安定帯で行くんだ、しかも、高値については、政府は十万俵の手持ちも持っているんだということで、国際的にこの値段が信用されて今まで動いてきたわけです。そこで、たまたま臨時措置法の糸がなくなったからと言って、あとになおまだ五万俵の政府手持ちのものがあるにかかわらず、途中で安定帯を変えるというようなことは、とるべき措置でないと、こういうふうに考えます。これは昨年度も十九万円維持のためには、特別会計の金がなくなればさらに予算を追加し、さらにまた、今申されましたような臨時措置法をさらっに作って措置するという、あらゆる努力を払ったのでありまして、私どもとしては、十四万―十八万円の維持というのは、まだ政府の糸があるということですから、最後まで努力をしたいという気持でございます。
○北村暢君 そこで私は、臨時措置法による放出の分について月別、特に今年度になりましての需給関係、価格の変動の関係でございますが、いつごろから臨時措置法によるものを放出いたしたのか、これを表によって説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(大沢融君) 安定法の糸、臨時措置法の糸を売り出すということをきめましたのが三月の末でございます。実施を始めましたのが四月十五日からでございます。そこで、売れました数字を申し上げますと、四月には千六百三十九俵……。
○北村暢君 ちょっと待って下さい。何か資料ありますか。
○政府委員(大沢融君) 資料は配ってございますけれども……。念のためもう一度申し上げます。四月が千六百三十九俵、それから五月が二千三百三十二俵、六月が三千五百九十八俵、七月が千四百二十一俵、八月が、これは八月の末に生糸が暴騰したことがあるのでありますが、 〔委員長退席、理事仲原善一君着席〕 その関係があって、一万五千百五十七俵、九月が二千百十六俵、十月がふえまして、一万六千五百八十二俵、それから十一月が八千二百四十九俵、合計いたしまして、五万一千九十四俵、これだけを売っております。
○北村暢君 それで三月末にきめて四月十五日から放出を始めたというのですが、八月にちょっと上がっておりますが、その場合、放出した価格は十八万、こうですね。
○政府委員(大沢融君) そうでございます。
○北村暢君 そうしますと、八月の中旬から約十八万円、現物で十八万円になっているようですが、それ以前は十八万以下であった、そういう時期に、この十八万の糸が出て、なおかつ、これが売れてきている、こういう事態というものはどういうふうに解していいのか。安いものがあれば、わざわざ高い政府の糸を買う必要がない、こういうふうに思うのですが、十六万、十七万円台をいっているときに、十八万の政府糸が放出されてきている。これについてどういうふうな説明になるのか。
○政府委員(大沢融君) 買われた方にいろいろの御事情があると思いますが、たとえば想像し得る場合としましては、十八万円に市価がなっていない場合でも、政府糸の中にほしいものがある。そういうほしいものが、一般の市場ではないというようなこともあり得るわけです。たとえば元約定をしておって、その約定を果たさなければならぬその場合に、自分がほしい糸が市場にはないけれども、政府のものにはあるというような場合には、政府の十八万のものを、負いに来るということが予想されています。その他のことがいろいろあると思いまするが、私、ちょっと想像できるのは、そんな場合があると思います。
○北村暢君 そうしますと、これはまあ三月のこの審議会にかけた当時、もうすでにこの十八万というものが、私は出てきていると思うのです。そういう予想がついておったのじゃないか、こういうふうに思うのです。そうしますと、これは十四万と十八万の間で安定するのだ、こういう考え方であるわけですが、この当時に、すでに決定した当時には、事情は非常に違っておったのでしょうけれども、もうすでにまあそういうような傾向が出てきているというふうに見なければならぬ。四月の十五口から、もうすでに十八万で売り出しているわけなんですから。そうしますと、先ほど私が、この審議会において決定した当時の状況からいって、今日の状況というものは、とても想像もなにもできなかった、こういうふうに思っておったのですが、そうではなくして、これはもうその当時からわかっておったのじゃないかというような気もするのですが、そこら辺のところは、実際にいってどうなんでしょう。
○政府委員(大沢融君) 三月末に安定審議会をいたしましたときに、そのような事情になろうというようなことは、どなたも予想しておられなかったことだと思います。
○北村暢君 そこでお伺いいたしますが、今年度の需給の予想についてお伺いしたいのですが、生産、消費、供給不足、それから在庫がどのくらい、これの見方について、予想だついてお伺いいたしたい。
○政府委員(大沢融君) これはお手元まで資料として提出炭をしてございます。お持ちかと思いますが、資料の算出基礎ということで詳しく説明が書いてございますが、ことしの生糸の生産量といたしまして、大体三十二万俵から三十三万俵の間ということが考えられます。それから輸出なり国内での消費なり、これを考えます場合に、従来の一月から九月、十月、十一月ごろまでの実績のような勢いで今後も今生糸年度は輸出炭なり内需が推移するのだという想定をいたしまして計管いたしますと、輸出にいたしまして、生糸が、一通りの計算をしておりますが、九万俵ないし十万俵、絹製品の輸出が七万俵から九万俵、純内需といたしまして二十万俵前後、合計いたしまして三十七万俵から三十八万俵くらいの問ではないだろうかということが予想されます。そうしますと、今申し上げた三十二、三万俵の生糸の生産量に対して五、六万俵が、この価格でいけば不足するということになるわけです。そこで、今生糸年度が始まります前に、政府の在庫として政府が持っておりましたものが九万六千俵、十万俵近くあるわけでございます。これがはけまして、今生糸年度の末には三、四万俵のものが在庫として残るのではないか。この在庫は、政府の手に残るか民間の手に残るかということは別でありますが、いずれにしても三、四万俵くらいのものが来生糸年度の供給ということになるのではないだろうかというような見通しが得られるわけでございます。
○北村暢君 そうしますと、この法律が通れば、供給不足ということは一応考えなくてもよろしい、年度丙の在庫というものは来年度に三、四万俵は特ちこせる、こういうことのようでございますが、そうしますと、昨日来の参考人の意見でも出ておるのでありますが、この放出の仕方でありますが、すでに措置法の分は残りわずかになっておる。取引所と約束できるできないという問題は、証人を喚問する予定のようでありますから、そこは私は触れませんけれども、とにもかくにも、十月の十四日ですが、あの約束をした時点において措置法のものが一万俵、そうすると、二万俵の約束をしたとすれば、安定法のものが一万俵というものが予想せられる。しかも、それが参考人の意見では、取引所側の意見では、これは、三万俵というものは、法律さえ通れば一度に放出してもらいたい、こういう意見であったと思うのです。そうしますと、やはり今の高値を押えるためには、十八万の最高価格で一拳に放出しなければ価格が十八万で維持できないのか、さもなくば、月に五千なり一万なり、逐次放出していく、こういうことで価格が維持できるのか、ここら辺の点は参考人参考人によって非常に意見が食い違っているところがある。逐次やってくれという人と、一気にやってくれという人とある、こういうことが出ておるのですが、この見方としては、一気に放出しなければ価格が安定しないのかどうか、逐次やっていっても差しつかえないのか、ここら辺の見通しはどうです。
○大河原一次君 ちょっと今のに関連して。 〔理事仲原善一君退席、委員長着席〕 先ほど局長の答弁の中で、需給の見通しに関していろいろ述べられて、最後に、おそらく来年度の四月ころまでに、政府の手か、あるいは民間の手に四万、五万残るのではないかというその問題について、ちょっとわからないから、具体的にあわせて説明願います。
○政府委員(大沢融君) 順序といたしまして、あとの御質問から御説明申し上げますと、それは、仮而要として、すぐ今便りものでないけれども、買っておこうという方が買うということが予想されるわけです。そうした場合には、たとえば五月までにお使いにならぬで六月まで持ち越すということがあり得るわけです。いずれにしましても、あの需給の考え方から行けば、政府に売れ残るか、あるいは今、仮需要というような形で持っていかれて民間の倉の中に残るか、こういうふうに考たえられるじゃないかという意味でございます。
○大河原一次君 この場合、いわゆる政府か、あるいは民間かということは、いわゆる現在政府の持っておられる手持ちの数量の方から民間に流れたものが、それが四万あるいは五万残るのだ、こういうあれですか。
○政府委員(大沢融君) それは、政府の糸が残るか、あるいは政府から流れた糸が残るか、それは別といたしまして、いずれにしても、糸としてどこかにそれくらいのものは残るのではないかということでございます。 それから北村委員の御質問でございますが、参考人のお話で、一拳に放出をしたならは非常に値段が下がるじゃないかというようなお話があったかと思うのでありますが、これからの価格安定を考える場合に、この一挙に出すとか、あるいは小刻みに出すとか、上り方につきましてはいろいろ議論のあるところだと思います。そうしたことは、私ども、今まで十四万―十八万ということの維持の努力をさらに私重ねるつもりでございます。そうした趣旨から考えて、最も妥当な方法は何かということを価格安定審議会にお諮りして。最終的にはきめていきたい、こういうふうに思っております。
○北村暢君 そこでお伺いしたいのは、買いかえの問題でございます。十一月の十六日に買いかえ処置で放出しているわけでございますが、この場合の約四千五百俵ですか、これをやっているわけですが、考え方としては、局長の答弁と大臣の答弁とでは、衆議院段階における答弁の内容について若干食い違いがあるんじゃないか、局長はあくまでも十二条による買いかえ処置であって。価格の維持、支持というような点については考えておられない、関係なしに品質保持のために新しいものと買いかえするんだ、こういう答弁がなされておるようです。それでこの買いかえの処置についてまずお伺いしたいのは、売り渡し価格が今十八万、こういうことになっているのですが、この買いかえのときの価格というものは、法律的にはどういう根拠で十八万というのが出てくるのか、これをお伺いしたい。
○政府委員(大沢融君) 買いかえの場合も会計法の規定によるわけでございますが、当時、なお臨時措置法の糸を三千円、十八万円で放出をいたしまして、十四万―十八万ということの維持の努力を重ね、また安定帯が十四万―十八万ということを政府は堅持をするという立場をとっておるわけでございます。そこで、買いかえと申しますののも、安定制度、ワクの中にある制度でございますので、これを入札というようなことでやって、十八万円以上の価格が出る、政府の売りものについて十八万以上の価格が出るというようなことであってはならないので、契約の性質または目的が競争に適しないということになると思うのであります。また政府の売りものは臨時措置法の糸が、十八万円維持のために放出をされておるのでありますから、政府の売る糸の時価は十八万円という判断をしたわけでございます。
○北村暢君 その場合、審議会お決定においては、臨時措置法による売り渡し価格は最高が十八万、それから最低が十四万、これはわかるのですがね。この買いかえの処置というのは安定法による買いかえであるわけですね。そうしますと、この安定法の場合は十四万から二十三万というものが、これがきめられているので、買いかえの処置は時価区でやる、こういう理解だと思うのですがね。それが私の方の不勉強かもしれませんが、だいぶ調べてみたのですが、法律的にどこの条項でその価格をきめるのか、ちょっとわからないのですがね。
○政府委員(大沢融君) 今申し上げましたように、政府の売る糸の時価は十八万円だという判断をしたわけでございますが、これは予決令の八十六条の三の一項に「予算価格は、左の各号に掲げる価額によって定めなければならない。」、二号に「契約の目的となる物又は役務について統制額のない場合は各省各庁の長又はその委任を受けた職員が適正と認め決定した価額」、二項に「前項の規定により予定価格を定める場合においては、当該物又は役務の取引の実例価格、需給の状況」その他を考慮してきめなければならない、こういうことになっております。それであります。
○北村暢君 それではお伺いしたいのですが、この買いかえの処置が、価格支持的な要素もある、こういう大臣の答弁と、局長のあくしまでも十二条の古い糸を品質保持のために買いかえをするのだ、こういう答弁で若干食い違っておるのじゃないかと思うのですが、この今について一つ、食い違いがあるのかないのか、この点を御説明願います。
○政府委員(大沢融君) この点については、大臣の答弁と私と食い違っておりません。物品管理上の問題としてこれは処値いたしたのでありますけれど、も、やります場合に、実行する時期の選定にあたっては糸価安定という効果もあるであろうということを意識はしておりました。そういう意味で答弁が食い違っておるといたうふうには考えません。
○北村暢君 昨日米の参考人の公述にもあるのでありますが、この十一月十六日の放出に続いて二十一日にも買いかえ処置をやるのだ、こういうようなことであった。それが非常な四万俵くらいの申し込みが殺到したので一回限りで中止した、こういうふうに言われておるのですけれども、この一回限りで中止したのは、申し込みが殺到した、だからやめたのであって、当初はこの買いかえ処置で放出した、こういう考え方があったように思うのですが、この点はどうでしょう。
○政府委員(大沢融君) しはしばお答えいたしておりますように、これを買いかえのための売り渡しを始めたところ、あのようだ申し込みが殺到した、むしろ糸価をつり上げる燃え草のようなあれになったということがその過程において起こりましたので、中止したわけでございます。
○北村暢君 燃え草のような形になった、こういうことですが、これがもし法案が通って放出する場合であっても、同じようなことが言い得るのではないか、こう思うのですよ。それとのかね合いでどういうふうにお考えになるのか。それからまた、一回で中止したのは申し込みが殺到したからやめたのであって、もしこの申し込みが殺到しなければ買いかえ処置を続けていく、まあこういう考え方があったのじゃないか。ところが、これについて買いかえであったならば、同時期に、売り払いと同時に、買い入れをしなければたらない、こういうことに法律的になっておるわけなんですが、この買い入れについては、一体目当てがあったのか。さらにお心ねするのですが、この四千五百俵かの放出、買いかえ処置で出したものがあるのだが、これの買い入れの見込み時期というのは一体いつごろなのか、同時期というのは一体どの程度の期間の幅が許されるものか、まあ新しい生糸の年度が来る前に買い入れればいいのか、どうなのか、その辺の解釈を一つお伺いしたい。
○政府委員(大沢融君) 買い入れの問題でありますが、これは先ほど申し上げましたように、買いかえの制度と申しますのは、糸価安定制度のワクの中にある制度、糸価安定という目的に反するようなやり方をやっていけないということだと思います。そういう意味合いで当初予定しておりましたときは、どのくらい売れていくかということもわかりませんし、売れ工合を見る、それから生糸の需給あるいは市況を見るというような、そういうことの判断をして具体的に買い入れの時期から方法というようなものを考えようというふうに考えておりました。そこで、同時期の問題ですが、これは同時と同時期とは、むしろ同時期というのは幅のある観念だと思いますが、今、申しましたように、安定制度のワクの中にある問題ですから、時期の状況とか需給状況ということから糸価安定という目的に反しない範囲でこの期間を考えていかなければならないと思いますが、落ちつきましたならば早い機会に四千俵の買い入れをやっていきたい、こういうように考えております。
○北村暢君 今おっしゃるように買い入れをやっていきたいということはわかるのですけれども、買いかえ処置ですから、あらかじめこの話がついておって出さないというと、戻ってくるものか戻ってこないものかさっぱり見当なしでやるというのは買かえ処置じゃないと思う、法の精神からいえば、ないと思うのです。私は、そういう点からいえばやはりこの価格の値上がりを抑えるための、安定のための処置として、しかも、法案がこういう状態にある、ちょっと延びておる、こういうような時期に、たまたまこの買いかえ処置としてやったことが時期的にいってやはり法の第十二条の買いかえ処置の趣旨に違反しておるのっじゃないか、この疑いが非常に濃い、こういうふうに思うのですよ。従って、なるべく近いうちに買いたいと思っておるのではなくて、一体買いかえの処置に出すときに、その目安というものをやはり持っているべきである、一月後に入ってくるのか半月後に入ってくるのか、大体どういうところから入ってくるのか、この大体の目安を持ってでなければ買いかえの処置とは言えないのじゃないか、そういうふうに思うんですよ。ですから、早く買いたいと思いますだけでは、法の精神に反しないのか、こういうことをお伺いしておるわけです。
○政府委員(大沢融君) 今後の、この法律が成立いたしましたというような場合を予想して、そうした場合に事能はどうなるかというようなことから判断をしてかからなければならないと思っております。先ほどから申し上げますように、物品管理上の問題としてやった、こういうことでございまして、大臣の答弁の、その時期の選定にあたってはそういう価格安定という効果もあるのじゃないかということを意識してやっておりますが、あくまで物品管理という問題でやっておるのでございます。
○北村暢君 それで、今の答弁ではなお不十分だと思うのですが、そういう意味も含んでおったが、しからば、早く買いたいと思いますではなくて、その同時期の範囲というものをどのくらいに考えて、いつごろ買える予定があるのか、これをお伺いしておるのです。
○政府委員(大沢融君) 私は、この法律が通って安定をいたしますならば、早い機会にそういう機会が来るということを予定しております。
○清澤俊英君 関連。この買いかえ問題ですね、実にいろいろめんどうな御答弁をしておられるが、実際は買いかえということをあまり考えないで、新聞の報道によれば、三万五千俵買いかえの処置によって放出するのだ、これが本筋だったと思う。間違いならば間違いとしてはっきりしてもらわなければ時間がかかってかなわぬです。というのは、本気に買いかえをする必要があるならば、新糸が措置法であるのです、五万俵。そのときにできるだけのものはすっと入れかえれば問題ない。買いかえも何もないのです。古い糸だから新糸にかえるのでしょう、買いかえという意味は。そうすると、新糸というものが、三十三年度の新糸が措置法によって十八万で云々できる糸があるのじゃないが。その新糸が入ったときにぱっとかえれば何でもないんだ。何もかも済んでから、今ごろどうだとか、こうだとか言わないで、率直に、放出糸が足りないので、結局、衆議院では審議がストップしていたし、相場が上がってくるような形勢もあるから、臨時便法として、少し無理だと思ったがやりましたならやりましたとはっきり言ってもらった方が僕らはのみ込みが早い。何も無理だ、むちゃだというのじゃないのですから、あなた、責めませんよ。それを何かそんなに理屈こねられると、会計法違反じゃないかということまで言わざるを得なくなってくる。国の財産でしょう。買いかえるならば買いかえのなにがあるんじゃないですか。
○政府委員(大沢融君) 臨時措置法の糸とすりかえるということは法律改正をしたければできないことで、清澤委員が言われるようにはできないわけでございます。
○北村暢君 その買いかえの処置については、今、清澤委員も言っているように、いわばこの申し込みが殺到したから一回でやめたというだけで、やはり買いかえ処願で当座の安定をやっていこうという気持は全然なかったのですか。参考人の言では、十六日に放出されてしかも、二十一日には第二回目があるのだ、こういうふうな予定をしておったということですね。はっきり言っているわけですよ。ですから、私たちはこの買いかえ処置というものはほんとうの買いかえ処置の意味ではなしに、非常なせつなまぎれに、これを十八万円の最高価格で放出する効果というものをやはりねらったのではないか、法の精神を逸脱したのじゃないかと、こういうふうに私どもは見ているわけです、それをまあ買いかえ処置であって、若干そういう考え方もあったけれどもと、こういう問題ではないのではないか。しかも、時期が時期ですから、今非常な値上がりを示す、国会の審議状況がらいって二十万を突破する、こういうような時期にそれをやっているのですから、もちつろん価格維持の上の効果というものをねらってやった、これはだれが何と言ったってそのことは否定できない、あと二、三カ月後に人ってくるかもしれませんよね。しかし、その二、三カ月の間はこれによってやはり市場というものは高値を抑えることができる、この効果は私は十分ある、二、三ヵ月でもそうやっている間に法律も通るだろう、こういう考え方でやはり政府はやったのじゃないか、これが率直のところでないですか。
○政府委員(大沢融君) 先ほどから申し上げますように、そうした効果があるという意識は確かにございました。
○北村暢君 それでは、この問題はそのくらいにいたしまして、また、もう一度、最高価格の十八万の問題に返ります、これとの関連において。政府は、一体、昨年のあれだけの暴落によりまして、養蚕農民は非常な被害をこうむっておる。まあ製糸業者も非常な欠損をしておる。これのために被害をこうむった人は私は、非常に広範にわたっている。その中で各養蚕農民の代表の公述を聞かれてもわかるように、この法案に対して絶対反対の態度をとっておる。これは私は農民としてはもう当然のことだと思うのです。というのは、まあ繭の生産費にいたしましても、貫当たり千五百五十六円、これは一応出ている生産費です。それに指導費、それから製糸の加工費、従って、生糸の生産費ば一俵当たり二十万一千、こういうものは一応の試算として出ておるわけです。従って私は、政府が今十四万の最低価格と十八万の最高の安定帯において想定してここに安定させよう、このことについては、これは養蚕農家の合理化が急速に進んだとして、まあ千円繭が可能である場合は、これはそういうことも言えるかもしれないけれども、実際の問題として、千円繭で黒字になるというのはもうごく特殊な篤農家である、こういう実態からいって、一体、政府の安定させようというものが、ほんとうに養蚕農家の立場に立って、あるいは現在の製糸家が昨年来のあの打撃と、今年になってからさらに高い繭を買って、実際に糸にしては二十万台でなければ採算のとれないもう投資をしているのです、すでに。そういう中にあってこの最高十八万程度に維持していこう、これは海外の情勢なり、あるいはほかの繊維との競合という面から見て、あまり高値であることは将来の蚕糸業にとって望ましくない、このことはわからないわけではないのでありますけれども、当面あれだけの打撃を受けてようやっと値が回復してきて、今日二十万台にまでなってきたといった場合に、製糸家なり養蚕農家が、これは時価即十八万とはいわない、とにかく時価でやってくれ、この考え方は、清澤委員が、時価が一体何であるのか、現物価格の時価が時価なのか、それから当限ですか、先物が時価なのか、時価については大臣の統一解釈が出ておるけれども、法律が通って見なければわからないということを。はっきりしておらぬのです、時価というものは。それにもかかわらず、とにもかくにも、十八万の最高価格で安定されるということについては、これは養蚕農民として今日耐えられない、要糸家としてもすでに投資をやっている面からいって耐えられない、これは私は公述人が率直に言った態度だと思うのです。それでもなおかつ、政府が今、最高十八万の線で安定することに最大の努力をするのた、この点が私にはどうしても理解ができない。しかも、これが農林省でなく通産省かどこかならわかりますけれども、とにかく、農民なり、しかも、製糸家に直接の関係を持つ農林省として、最も、一番身近かな関係者が反対しているこの十八万円というものを、なぜ強力に支持しなければならないか、もう少し、するにしても状況を考えて、長期にわたって、長期の蚕糸業の安定対策というものを確立する中で私は考えられてしかるべきでないか、しかも、この前の十四万―十八万の安定帯の審議会の際においても、これはいわゆる三十五年の五月ですか、までの価格だということでもって決定されてしかも、これを動かすような場合においては、喜び審議会に諮るのだと、しかも、今日衆議院なり参議院の答弁において、時価即十八万円ではない、時価十八万円というものはくずれるということは、大臣の言明からしても出てきたわけだ。従って政府は、この法案が通ったなら、直ちに審議会を開くのじゃなくして、この法案を出す前にまず審議会に諮って、そうしてこの十八万というものがくずれたことに対して、審議会の意見を聞き、どこら辺に安定すべきかということを諮って、やはり私はこの法案審議に臨むのが忠実な態度じゃないか、このように思うのです。それらの点を勘案しまして、私は、この養蚕農家なり、製糸家の切実な今日の要求というものがいれられていない、しかも、審議会において十八万というものを変更する場合においては、あなたが答えている、当然審議会にはかるのがこれは常識でしょう、こういうことを答えているのですね。ですから、私はそういう点からいっても、これは当然審議会にかけるべきじゃなかったか。また、その余裕というものがないではなくして、こういうものをかけないで出したということは、まあそういう例もあるとかなんとかいう答弁もありますけれども、これはやはり政府として忠実な態度じゃないんじゃをないかというように思うんです。これに対する見解を承りたい。
○政府委員(大沢融君) 北村委員から、蚕糸業の全般の問題についていろいろ御批判があり、率直に私も受げていろいろ反省して今後に処したい、こう思っております。ただ、この前から大臣も御答弁がありましたように、今後の問題としましては、特にただいま御指摘のあった時価というようなことはなかなかむずかしい問題でありまして、今までの売り方を変えなければならないというような場合には、もちろん価格安定審議会に諮って車を処置して参るというつもりでございます。
○北村暢君 今の答弁で、価格安定審議会に諮って今後はそういうふうにしたいということはいいんですが、生産費の面からいって、繭の生産費からいっても、十四万円は千円繭の問題なので、現実の問題として、政府の発表した生産費でも、貫当たり千五百五十六円、製糸の加工費が四万七千九百十一円、こういうものが出ておるわけです。で、もう二十万になるというのが、二十万でなければ生産費を補償する要求にはならない、要求にこたえることにはならない、こういうことなんです。これはまだいろいろ、あの暴落以後において、あの臨時措置法が出るときにおいて、提案理由の説明がここにありますけれども、この提案理由の説明の中にもはっきり言っているんです。直ちにこの臨時措置法とともに蚕糸業の恒久対策について、真剣に一つ取り組みたいんだということを提案理由の中にはっきりうたっている。そうして、一年半たった今日、何らの見通しもなくして、この価格だけで十八万で安定するんだ、こう言われても、私はやはり製糸業の合理化の問題なり、あるいは蚕糸業の、何といいますか、減産をいたして、そうして均衡をとっていこうという縮小均衡の方針、これもまだ明確にできるかできないか、養蚕そのものの合理化なり反収の増加なりというものについてのこと、あるいは桑園の整理のこと、いろいろあったはずなんです。そういうものについて措置が講じられない中で、価格だけでこれを押えようとしても、現実に即しないのではないか、そういうふうに思うのです。これは率直に言って、参考人が申し述べたように、製糸業者も反対しておりますし、それから養蚕農家ももちろん反対している。これに一体、政府の考えておるこの安定法によるものすら臨時措置法に繰りかえて、そうして十八万円で価格支持をしようというこのことについて、私どもどうしても納得いきかねるのです。これについていかように考えておるか、この点の答弁が抜けておると思いますので、再度答弁願いたいと思います。
○政府委員(大沢融君) 先ほども申し上げたのですが、価格安定制度の建前から、一度きめたならば、年間維持をしようということに努力することが、国際信用、従って生糸需要の安定というためには必要なのだという立場から、そういうようなことを主張しておるわけでございますが、ただ御指摘のございました生産費の問題につきましても、ただいまのような生産費――調査による生産費を価格安定という場合にそのまま考えていいのかどうか、生産費を考える場合に、もっとほかの考え方をすべきではないだろうか、あるいは生産費以外に、ほかの要素ももっと取り入れて、価格安定ということの基準を考えていくのがいいかどうか、いろいろ私どもも問題があると思います。そういう宿題をことし一年、私ども預かって、もっぱら研究をしておるわけでございますが、これに限らず、今、御指摘のありました、一体今後の養蚕業の安定、発展をどういうふうにしていったらいいのか、あるいは、養蚕業の合理化というのは、どういうふうに考えたらいいのかというような、数多くの解決をしなければならないむずかしい問題がございます。そこで、私ども実は、ことしの春からいろいろ検討を始めて今後の考え方をきめ、さらにそれに基づいて対策を打ち出していこうという野心を持っておったのでございますが、いかんせん、私の能力不足で、結局まだ蚕糸安定のための検討資料というような形で、二、三冊のものは出せたのでありますが、ああいうものを中心にして、蚕糸業振興審議会に諮りまして、私どもさらに検討資料、あれに続くものをぼつぼつやっておりまするし、また、対策というようなことも考えておりますので、そういう一応の私どもの考え方をお出しして、振興審議会で案を練っていただき、成案を得たならば、さらに国会で御審議を願うというふうなことで物事を進めておる次第でございます。
○北村暢君 そこでお伺いしたいのは、この十八正方の最高価格で、しかもそれに近い価格で、時価で売るということは、答弁があったわけですけれども、しかしながら、十八万に近い価格で安定をさせる最大の努力をするのだ、こういうことを繰り返し繰り返し言われているわけです。そこで私は今の生糸を時価すなわち十八万とは言わないが、非常に十八万近い価格、これで時価の結論がはっきり出ない限り、何とも言えないわけです。ところが、この時価の解釈については、大臣も統一見解として、非常にあいまいとしてわからない、わからないのだが、しかし、考え方としては、繰り返し言っているところによると、十八万に近いものである、こういうふうな説明が、参考人に対しても、時の論議にしても、しはしば言われておるわけです。 そこで私は、この十八万の最高価格というこの決定をもって、時価で売っていくというのだが、一体十八万程度で価格が安定する自信があるのかどうか、先ほどの場合もこれを、最初に申しているのですけれども、この点がやはり最後に問題になってくると思うのです。で、その自信の程を承りたいのですが、製糸家の公述によるというと、高値を押えようというのだったら、二十一万くらいで出してもらったらいいのだ、こういう意見すら出ておるのでありますから、今、政府が相当自信を持っておるこの十八万の時価の放出によって、実際に政府の期待するようなところに安定するのかどうか、これが問題だと思うのです。それでない限り、この統計調査部の三十四年下期の生糸の見通しも、政府の十八万の放出によって、十八万を上値として、上限として、高水準で推移するだろう、こういう観測が出ておるわけです。しかも、その生産条件なり何なりの要素を見ますというと、決して来年度も極端な繭の増産ということは、そういう要素はないわけです。そうすると、来年度はさらにこの供給面において今年度よりも苦しくなるのじゃないか、政府の手持ちというものが、ここで放出するわけでありますから、今年の十万俵というものが来年度で、先ほどの説明によりましても三万ないし四万、三、四万の手持ちにしかならぬ。これも政府に残るか、業者の手打ち在庫になるか、とにかくそういうものしかない。そうしますと、今年度よりも供給量においては、これは見通しは暗い、そういう関係になる。そうすれば、現在の生糸の合理化が進んでいない今日、どうしてもやはりこの繭なり生糸なりというものは高値を呼ぶのじゃないか、決して下がる要素というものはないのじゃないか、こういうふうに思うのですよ。その場合、政府が十八万で安定させようというけれども、政府の思うようにいけばいいけれども、私は従来の蚕糸業の実態からいって、なかなかそういうふうにならないのじゃないか、こういうふうに思うのです。そうすると、今の言った生産費なり何なりというものから製糸業者の採算からいっても、政府の十八万に安定しょうというこの考え方というものは無理があるのじゃないか、こういうふうに思うのです。従ってその政府の自信のほどはそういうことなんですが、私はどうしても政府の考え方を了承できない、もう少し、やはり養蚕家なり製糸業者なりの面というものを考えるべきでないか、こういうふうに思うのです。そのためにこそ衆議院の付帯決議がついて、直ちに蚕糸業の振興の審議会並びに価格安定の審議会で検討せよということもあったと思うのですけれども、政府のその自信のほどが述べられておるわけですけれども、どうしてもその自信の問題については了承しかねると思うのです。この点はどうでしょうか。
○政府委員(大沢融君) 先ほど来から申し上げましたので、価格制度のあのような建前から、既定方針というものは最後まで努力をしていかなければならない、こう考えます。ただ、今北村委員が御指摘になりました生糸の値段は高くなるんだろうということにつきましては、昨日もいろいろ参考人からお話がございましたが、たとえば丹後の例でありますとか、あるいは西陣の例でありますとか、あるいは長浜ちりめんかすでに三割の操短をしておるというようなこと、高ければ内需はだめになる、さらに安田参考人でございましたが、内需がだめになるというようなことでは、輸出は高く売れることは売れるけれども、だめになるのではないかというような御意見がございましたが、そこで私どもとしては、なるべく低位に安定する、そのためには生産の合理化をして、コストをできるだけ切り詰めてやっていくというような方向に養蚕業を持っていって安定をさせる、さらにその基盤の上で拡大をしていきたいというふうに考えております。
○北村暢君 今そういう意見もありますけれども、ことしの絹織物の増産は非常な勢いで……、絹織物は倍でしょう、そういう状態ですから、現在では若干の停滞ぎみな形が出てきておりますけれども、これはやはり一時的な問題ではないか、このような感じかするので、やはり見解が私は違う、このように思っている。これはまあ答弁を要しません、何回も繰り返しましたので。 次にお伺いしたいのは、今問題になっておりまするこの第一条の目的のところと、今度の改正案の十条の追加の分、これとの関係の問題でございますが、第一条は、ちょっと読んでみますと「この法律は、昭和三十三年産及び昭和三十四年産の繭並びにこれらを原料とする生糸につき、その価格の安定を図るための臨時措置を定めるものとする。」こういうことになっておりますから、私の解釈からすれば、昭和三十三年産とそれから三十四年産の繭並びにこれらを原料とする生糸についての価格安定をはかるのだ。ところがですね、第十条のこの安定法によるものを、臨時措置法で、安定法によらないで売り渡すことができる、この条項でございますが、そうしますというと、この安定法による手持ちの政府の買い入れ実績表にありますように、昭和三十年度、三十一年度、それから三十二年度、これらの生糸が入っているわけです。そうしますというと、この点、法的にいって、解釈上、第一条を改正しないというと、第十条の追加ということは、これは無理があるのじゃないか、このように解されるのですが、この点どのように解釈されておられるのか。まあ法制局等に相談されていると思うのですが、どういう……、矛盾がないのかどうなのか、これを一つ、ごく技術的な問題ですが、お伺いしたいと思います。
○政府委員(大沢融君) 臨時措置法の第一条は、目的をいっていると思います。それの手段として第十条を考える、こういうふうに御了解を願いたいと思います。
○北村暢君 その目的と手段ですが、目的は三十三年産とそれから三十四年産の繭並びにこれを原料とする生糸の価格の安定をはかるのだと、これが臨時措置法なんです。こういっているわけです。ところが、入っているのは、今申したように三十年度、三十一年度、三十二年度の生糸が入っているわけです。これの価格の安定もやるという結果になる。従って第十条は、第一条の目的と、これは手段といいますか、その目的にそぐわないのじゃないか。このように思うのですけれども、今のような説明で、それで法制局は通るのですか。
○政府委員(大沢融君) 第一条では三十三及び三十四生糸年度の繭及び金糸について価格安定をする、これが目的でございます。それを安定させるために、昔安定法で買った古い生糸を、臨時措置法の規定によって売れるようにするという手段に使うので、別に差しつかえないと思います。
○北村暢君 合のおっしゃることでは、第一条が三十三年産の生糸、三十四年産のとあるわけです。その三十三年産生糸年度の価格を安定するというのであれば、それは三十一年のであろうと、三十二年のであろうと差しつかえないわけです。ところがここに、明らかに目的のところに三十三年産の繭並びに生糸たと、こういっているわけです。ですから、昭和三十三年産ということが、三十三生糸年度と、こういうふうに第一条の目的は解していいのですか。
○政府委員(大沢融君) 三十四生糸年度に作られる繭、生糸の安定と、こういうことでございます。
○北村暢君 今のこれは何でもない技術的なことたと思うのですがね。私は、昭和三十四年産ということは生糸年度ということと同じなんですか、それを聞いているのですよ。そういうふうに解釈して法制局で矛盾ないというのですか。これは問題になっているのですよ。
○政府委員(大沢融君) 失礼しました。生糸年度という言葉はございません。三十四年度に生産された繭及び生糸、このこういう新糸の価格安定に古い糸を使うということが十条の改正でございます。
○北村暢君 そうすると、三十三年産の生糸の安定のために三十年、三十一年の生糸が使われても、三十四年産の生糸が安定すればそういう関連で差しつかえない、法的に差しつかえない、こういう解釈ですね。
○政府委員(大沢融君) 差しつかえないという考え方でございます。
○中田吉雄君 もうたいぶ時間がないようですので、私あした質問したいと思いますので、清澤委員のように資料をお願いしておきたいと思います。 手持ちの生糸を今回の改正措置で放出することの可否を判断する資料としまして、昭和三十五年度、来生糸年度ですね、これは大へんまた三十四年の生糸年度が半分しかたっていないので非常に困難だと思いますが、一つ推定をやってみてもらいたい。特に今回の改正をしても大択局長が三、四万の在庫があると、こういうことですが、この強気の市況を反映して養蚕農家がどれたけ実際増産するか、これ非常に重要な問題たと思うのであります。昨年からやっています二方九千ヘクタールの減反がこの冬、どの程度やられるかというようなことも関連し、かりに計画通りにやったとしても、肥料を増投していけば、あるいは製糸業者もこの強気を反映して掃き立て卵量をたくさん実際より出すというようなことはいつでもやる常套手段ですが、そういうこととからんで、私はその点が非常に供給の面では重要なファクターではないかというふうに見ておるのりですが、その点はどうであろうか。それから、需要面で一体問題になるような点はどういう点か。きのうも申されておったような化繊の非常な操短をやつて、しかも合理化をやっていくというような点でかなり代替性があるので、そういう面との関係。とにかく大へんな推計で厄介なことたと思いますが、しかし、それぐらいな推計を持っていないと。供給面における強気が養蚕農家にどう反映するか。こういう高値が化繊の、競争繊維の進出がどういうふうになるか。こういうことを一つ、問題点の指摘でもけっこうだと思います。それを一ついただきたいと思います。 それから、北村委員もさきに申されたのですが、繭の生産費、それから製糸の加工費を入れると二十万一千八百四十一円ぐらいになる、それを十八万で放出しようというわけですから、繭の生産者、製糸業者ともそういう機械的な計算からいうと生産費を割るわけですね。私、まあそういう十八万円とかいうようなことで、古い設備の製糸業者、限界生産の養蚕農家をばらってしまう。そうして、この蚕糸業安定化のための検討資料にもあるように、競争力のある産業にする。十八万円にしてしまつて、製糸、養蚕農家とも限界生産のものをばらく。こういうことが、結果的にはそういう形の合理化が行なわれるかもしれない。そのために、一つ両方の標準加工賃、繭の生産費、両方ありますが、これを見ても、実際、昭和三十三年度に千二百五十九の標準調査といいますか、大体、全体が推計できるようなサンプルを選んでサンプル調査をやっておられるのですが、それで千六百六十三円なんですが、これの度数分布ですね。これはいろいろた生圧の段階があるわけなんです。その分布ですね。一千円のものもありましょうし、千二百円、千三百円、千五百円というふうな、いろいろなランクがあるのですが、一体どういうふうな度数分布になっておるか。これは製糸の方もありましたら一つ知らしていたたきたい。 それから、提案理由の古い説明の中に、「しかし一方、海外、国内ともに、上糸重要者は、本生糸年度の実質的最高価格十八万円を信頼して先約定を結んでおります」、こういうふうにあるのですが、一体、内外ともわかっていますれば、先約定しているおもなる会社なり取引業者はどういうものであるかというような点を一ついただきたいと思うわけであります。 それから、かりにこの法案が通りまして、十八万円で売り渡したとすれば、政府が買っておられる生糸の保管料、倉敷料等を入れればどういう赤になるか、もっと高い価格で買っているわけですから。そういう一つ計算もはじいて、まああまり時間もありませんから、まとめてあした御質問したいと思いますので、お願いいたします。
○政府委員(大沢融君) 一等最後の資料は、先般北村委員からお話がございまして、きょうお配りしました。あとのものは一つ取りそろえてお出ししたいと思います。
○清澤俊英君 今中田さんの資料要求の中に、あるいは入っているかもしれませんが、結局すれば糸価によって輸出額が動く、輸出の需要量薮が動く、これはきのうの証言にすっかり出ている。かりに二十三万円くらいになったら売れ行きがとまる、糸も売れない、だから十八万円ならどれくらいの線が維持せられるか、十七万円ならどれくらいの線か維持せられるか、十六万円ならどれくらいの線が維持せられるか、大体一つできましたら予想を書いていたたきたい。ということは、十五万円の糸をつけてもらえば丹後は月七万俵要る、年に八十四万俵要る、こういうことを言うているのです。何かで私はちょっと見たのです。七千俵の間違いじゃないかと思ってよく見たんですが、やっぱり七万俵といっている、そういう線が出ますか。十六万円から二十一万円くらいまでの見通しですね、いろいろな関係がそこに生じているんだろうと思うのだ、先般の化繊の問題もありましょうし、いろいろな影響力がそこに出てきて、どれくらいの線に出るか、これをついでに一緒に出していただきたい。 それから、ちょうどついででありますし、時間も残りましたから、あすでもちょっとわからないところを……私の不明かもしれませんが、ちょっと疑問でありますのでお伺いしておきたいのは、先日横浜取引所の仲買いの名簿を見ますと、丸糸というのがあるのですね、これが日本生糸共同販売農業協同組合連合会とある、農業協同組合連合会という文字は農業協同組合でなければできない、これは農業協同組合法による組合であろうかと、こう考えております。第四条による組合であろうかと考えております。それがあなたの方からちょうだいしました資料によりますと、十二条による、問題になりました糸を百五十七俵買っている。それから三十四年十二月九日の取引高を見ますと、二千百四十二円買玉をやっている。四千二百八十四俵買い上げている。ここで問題になるのは、農業協同組合法によると、どうもこういうことがちょっとできないのではないかと思うのです。八条によりますれば、営利に関する仕事はしていけない。販売できるのは、農民の作りましたものを、生産、加工、もしくはそれらのものを販売することができるのであって、それが仲買業という別の業務をやって、そうして全然別な業務に立って販売をやる、委託を受けて商売をやる、これはどうもちょっとおかしいのではないかと思うので、この丸糸とあるここの日本生糸共同販売農業協同組合連合会というものがいかなるものか。同時に、そういうことが違法であるかないかを一つ明確にしていただきたいと思います。どうも不思議なんです。この混乱の中に、農業協同組合が四千俵も買うというのです。何のためにやっているのだろう。全く私はわかりません。
○政府委員(大沢融君) それも取りまとめてお答えをいたしたいと思います。
○清澤俊英君 ついでにこれは明日になりますが、一緒に答弁を……。そこで時間をとったらまことに惜しいですから、お伺いしておきたいのは、二、三日前の新聞などを見ますと、養連が農林省と取引している。そうして養蚕事業団体法、あれを拡大してA案、B案を作って、それで将来の養蚕の対策をやるのた、こういうようにちょっと何か新聞で見ましたが、これに対して、そういう話があるのかないのか。農林省としては、そういう問題に対して検討しているのか。そういうやみ取引があるのかないのか。この三点だけ……。
○政府委員(大沢融君) ございません。
○委員長(堀本宜実君) 本日の質疑はこの程度にいたし、これをもって散会をいたします。 午後五時十九分散会