農林水産委員会 第17号
- 発言数
- 148 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/12/22
会議録
○委員長(堀本宜実君) ただいまから農林水産委員会を開きます。 最初に、委員の異動について御報告いたします。 本日松野孝一君が辞任され、仲原善一君が選任されました。 —————————————
○委員長(堀本宜実君) 次に、理事の辞任許可についてお諮りいたします。 藤野敏雄君から、都合により理事を辞任したい旨の申し出がありましたが、これを許可することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(堀本宜実君) 御異議ないと認め、さように決定いたしました。 つきましては、直ちにその補欠互選を行ないたいと存じます。その互選の方法は、成規の手続を省略して、便宜、その指名を委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(堀本宜実君) 御異議ないと認め、仲原善一君を理事に指名いたします。 —————————————
○小笠原二三男君 議事進行。お客様を前に置いて言うのははなはだ恐縮ですが、さきの前段の日程のうち、午後委員会をスムーズにやるかいなかについては、わが党として保留しておきます。理事会において相談さしていただくということは、昨晩の外務委員会におけるああいう態度がある限り、農林委員会においても和気あいあいやってきていながら、どたんばになればまたああいうことをやるということが予測される限りでは、あまり和気あいあい委員会をやるわけにはいかないというふうな声が党内に強いいわけでして、外務委員会の方のそれを午前中どういうふうに話をつけるか、それによっては協力もいたしますし、また反撥もするということはやむない仕儀なのでございまして、一応、午後の委員会は予定は予定でありますが、理事会でまた御相談する与党の理事はこの運営についてどういうお考えを持っておられるのか、よく聞いた上で御協力を申し上げたいと思うので、そういうふうにしていきたいと思います。 —————————————
○委員長(堀本宜実君) 繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、昨日に引き続いて本法律案に関し参考人の御意見を伺うことにいたします。 参考人の各位におかれましては、年末押し迫まって格別御多忙のところお差し繰り御出席をいただきありがとうございます。この法律案は、かねて問題になっておりまして、参考人の各位も御存じのことと存じます。これから順次御意見を伺いたいと存じますが、御意見の御陳述は、一人十五分以内でお願いいたします。 また、委員から参考人に対する質疑は五人の陳述が終わってからお願いいたします。 それでは神戸生糸取引所理事長三木滝蔵君。
○参考人(三木滝蔵君) 本法律案につきましては、生糸の安定という建前から、また、需要を非常に促進する建前から当然改正さるべきことが前提であると、私は思っております。なぜならば、御承知の通り本年は非常に生糸が者外国の好況、内需の好況その他によりまして、非常に売れ行きが多かったのであります。さような点におきまして、生糸が異常な高値になったということは御承知でありましょうが、他繊維は操短の緩和あるいは合成繊維の増産等、あらゆる角度からいいましても、また、AA制の早期実施等々によって価格は下がっております。現に昨年のごときは、生糸以外の繊維は大暴落をしております。かような際に生糸値を二十三万円以下では売らぬというような方法では、将来生糸というものが非常に苦況に陥るのではないかと、かように思うのであります。今さら私が申し上げるまでもなく、ほんとうに実需品というものでない、いささかぜいたく品に類するような生糸を、高値に放置するというと、だんだん需要が減っていくということになることは私が申し上げるまでもないことであります。さような点におきまして、十八万円に近い価格でこれを放出するということは当然なことであらねばなるまいと思うのであります。蚕糸建業百年の大計から言っても、もっと養蚕家に増産を励んでいただいて、この生糸をもっと多く、いずこにでも光れるような方法になすことこそ使命ではないか、かように思うわけであります。おそらく来年は繊維は終戦後初めての乱調時代、いわゆる大増産時代になるのではないかと私は思います。さような際、生糸のみを高値に放置することは生糸を希少物資にする、生糸を真珠のような商品にする結果になるのではないか、かように思うわけであります。さような点においてこの法案を改正して時価に近い値段で放出するということは、結局、養蚕家の得る今後の益の方がよほど多いのではないか、かように思うわけであります。いろいろな点で他の参考人のお方からお話があると思いますが、それからいたしまして、この法律案の改正に対しては私は満腔の賛意を表するものであります。今後の他繊維との状態をお考えになって、一日も早く時価で放出できるようにこの法案をお通し願うことを乞い願ってやまないのであります。簡単でありますが、これで。
○委員長(堀本宜実君) ありがとうございました。 次に、横浜生糸取引所理事長石橋治郎八君。
○参考人(石橋治郎八君) 糸価安定法案の審議に当たりまして、これをすぐにも改正を願って放出方をお願いしたいというのが私の信念でございます。実は、昨年の糸価を思いますときに、十九万円の糸価を維持するために、政府は二百億以上の金を出してこれを維持されたけれども、とうていこれを維持することはできなくて、十四万円の最低価格にされた、そのときに私が考えましたことは、とにかく、この蚕糸業の価格というものが生産品を土台にしてものを考えている。だから昨年のごときは、もう申請を始めたとき、ほかの繊維は安値を出しているけれども、生糸は十九万円で維持した。いわゆる値頃を失った値で売り出そうとしたところに、いかに販売努力をしても生糸は売れなかった。それを斜陽と見た。斜陽という言葉はそこから出たと思います。その斜陽でなくするためにはどうしたらいいかということをわれわれは非常に心配したが、これは適当な価格に持っていくことが生糸の百年の大計だ、そういうふうに考えておりますが、政府ははからずも十四万円というような、二度とおそらく私はそういう値は出ないという価格で最低価格をきめられた。また最高を、今年は十八万円を最高として糸価を堅持するということを内外に声明された。これは蚕糸業百年の大計においてこんないい声明は過去においてなかった。ここにおいて初めて私は生糸は生きたもの、生糸は生きているということを私は考えておりましたが、従って、当時、私は本年の正月の元旦において、取引の発会においても、政府はこういうふうないい政策を打ち出したが、おそらく生糸のよさというものがわかって、内外の市場に進出して生糸ブームを起こして、今、政府の持っておる生糸十万俵というものは今年から来年にかけて全部売れてしまう、そして将来正しい、わだかまりのないところの、将来に光のある蚕糸業として大いに期待ができる。だから、大いに諸君努力してもらいたいということを言ったときに、そのときの批評としては、一般からは石橋はだぼらを吹くということで政府の十万俵は三年たっても売れないだろう、もうこれは太平洋の真中に捨てるか、焼き捨てるかより仕方がないだろうというのが一般の空気でございました。本年の四月に日銀総裁が静岡に見えたときに、われわれ財界人、銀行家三十人ばかりの会合があった。そのときに私は話しをして、生糸は初めて斜陽から免がれて、輝かしい生糸になった。ことしは内外の市場に進出して大ブームを起こすだろう。この生糸十万俵はことしから来年にかけて全部片づくということを申し上げたときに、山際総裁はどういうことを言われるかと思って一生懸命期待をいたしておりましたが、石橋さんの説はごもっともである、私は大賛成である、最近ヨーロッパを回ってその感を非常に深くした、こういうふうなお話があったので、その当時列席した銀行家及び産業人はびっくりして、斜陽でこんなものしょうがないと思っていたところが、いや、蚕糸業はここで大いに再検討しなければならないという戸が一般に出てきて、銀行家などはみな製糸家に対して、われわれは蚕糸業というものはだめだと思っていたが、そうじゃない。再検討して大いにふるい起こさなければいかぬということを感じた。どうかしっかりやって下さい、こう言って、東海銀行の支店長などは製糸家に電話をかけてくれたということを聞いて非常に感銘した。従いまして、そういうふうな関係でございますから、この生糸は私は相当に売れて問題を起こす。ところが、この前の審議会において、私は審議会の委員ではございませんが、十八万円を堅持するということをはっきりされた。ところが、二十三万円の最高高値というものは残されている。これは災いになる。何のために二十三万円が残されたのかということを不思儀に思って、当時、局長にお目にかかって、この二十三万円が残されたということはどういうことか。十万俵が光れたときに、糸価安定法において十四万円と二十三万円の間に放出するために残されたのか、これは問題を起こす——こういうにおいて審議会において議論が出なかったのは不思議だ、こう考えておりましたが、案の定、今回はその問題が中心になって、御承知のようにわれわれは非常に迷惑をいたしているわけでございますが、そのときに、もしあれが直されて、これがすなおにあとの五万俵が順次放出されておったら、ほんとうに蚕糸業は百年の大計に安定を待て、まっすぐにずんずん伸びて、真価を世界に発揚したと思います。不幸にして、それがために今日この問題が起きているということは、私は実に悲しいと思う。私は、五十二年間蚕糸業に一貫して従事しておりまして、ほかの業には一切関係をいたしておりません。製糸もやっている。問屋もやっている。仲買もやっている。いろいろあらゆる生糸を通じてのことをやっております。従って、生糸に対する愛着というものは人一倍以上に持っております。そうして私の生涯を通して生糸で終わるのだという覚悟をいたしておりますので、何でもかんでもこの生糸というものを、この期を逸さずにほんとうに将来が伸び伸びとしていくということになって、今もお話がございましたが、貿易の自由化という問題から申しましても、将来における一番の打撃を受けるのは、繊維業界でございます。生糸ではございません。ほかの繊維が非常に打撃を受けるとすれば、従って、生糸の価格に対する影響も非常に大きい、そういうことになりまして、この際、海外が非常に買うときに、その下地ができるようなときに、私はできるだけこの生糸というものは放出していただいて、何のわだかまりもないものに持っていくならば、今後の生糸の需要供給のバランスは、実にこのくらい繊維の中で需給の関係のいい状態に置かれたものはないと思います。従いまして、今後の生糸の新年度における心配というものはない。養蚕家においてもさらに心配がない。あるいは事業団で二十億の金を持っているけれども、そんな金は昼寝をさせて、あぐらをかいておればいいので、そんなものを発動する必要はないと安心しています。そういうよらな関係でございますので、私はぜひこの問題に対して速急に解決をしていただきたい。そうして私はいろいろ今後の御質問にお答えいたしたいと思いますが、そういうような意味で道を開いていただきまして、私は非常に喜んでおります。 なお、今度の取引の問題についても、局長からお聞きしましたが、十八万円の堅持について、内閣において二回了承されたということを聞き、なお農林大臣は二回も声明しておられる。こういうふうにして内外に対して強く声明をされた。もし、昨年においての声明が引つくり返って、ことしもまた引つくり返るというようなことになりますれば、海外における信用というものはおそらく私はゼロになる。これは取り返しのつかない大きな問題でありまして、将来非常に悔いを残すのじゃないか、こういうように考えております。どうか蚕糸業百年の大計のために、あるいはいろいろなことがございましょうけれども、われわれもそういう意味におきまして絶対に当局を信頼して、十八万円堅持が必要だということを、あらゆる忍ぶべからざるものを忍んで、この清算市場を通じて協力をいたします。この気持というものを十分おくみ取りを願い、御努力を願いまして善処されんことを切に希望をいたしまして私の意見を終わります。
○委員長(堀本宜実君) ありがとうございました。次に、横浜生糸取引所副理事長小島周次郎君。
○参考人(小島周次郎君) 生糸安定法にかかる生糸の売り渡し最高価格二十三万円を今後どうするかという問題でございますが、これは本年度の生糸の最高価格十八万円、これに準じましてこれを売却していただきたい、そういうことが私の念願でございます。生糸がト八万円であるがために海外の需要が非常に起こっておる。 最近ニューヨークにおきましても、ヨーロッパにおきましても、十八万で政府が糸を売るということで需要が非常に起こっている。先般来十八万円で生糸が放出された場合に、五千俵の売り物に対しまして三万俵の申し込みがあった。それは三万俵の申し込みはありましたけれども、最後には多少の余りが生じた。それはその一部の優良な銘柄に相当な需要が起こりまして、銘柄の悪いものには買手がなかった、そういうようなことでございまして、いいものは幾らでも売れる、そういうことでございます。今後、現在残っている糸を十八万で放出される場合には、これをなるべく一度に放出していただきまして十八万円でお売りを願いたい。そういうことにしますれば、本年の需給におきましては、政府の十八万円堅持の線がある程度まで確保されるのではないか、そういうことを私は思っております。なるべく現在のものを十八万で放出していただく、そういうことをお願いしたいと思います。先ほど理事長から御報告がございましたように、取引所というものは自由な相場を立てたいというのが念願でございます。しかしながら、政府が一定の政策をもちましてこれを指示された場合は、私どもはこれは政府の意向に従いましてできるだけ協調していくということを念願にしております。しかしながら、取引所におきましてはその値動きというものが、品物がない場合にはどうしても自然に不味相場が出る。そういったようなことが起こりますので、何とかしてその品物を確保したいということを念願としておる次第でございます。今回におきましても、さようなことが十八万円堅持のために、ある程度の糸を政府からいただくというようなことを私どもお話し合いをいたしまして、この政府の施策に協力しております。さような状態でございますので、今後とも十八万円堅持につきましては、政府の安定法の意図を十八万円で放出していただく、そういうことを私は極力お願いしたい、そういう意向を持っております。
○委員長(堀本宜実君) ありがとうございました。 次に、北信蚕糸販売加工利用農業協同組合連合会北水社会長滝沢清見君。
○参考人(滝沢清見君) 組合製糸というものは、養蚕家の委託を受けて生糸に加工いたしまして販売する組織でございまして、私は長野県の、ただいま御紹介にあずかりました北水礼の会長をしておる滝沢でございます。 私は法改正について反対をするものであります。昨年一番どん底に落ちたそのときに作りました、少なくとも三十三年度においての繭、生糸について定められました臨時措置法十四万—十八万というその安定帯、当時はたしかそれも必要であったかと思いますが、それを今なお法を改正して、そんな一番最悪の事態の十八万でくぎづけするというようなことは賛成できないのでございます。少なくとも十八万というものは、繭の生産費からいたしますならば、はるかに生産費を割った価格であるわけでございます。これは農林御当局の発表されております年産費を見ましても、千六百円くらいな繭の生産費になっておるわけでございます。それをはるかに割った価格でございまして、政府が言いまするような所得倍増論ということとは、およそ養蚕農民に対する考え方は、私どもには納得できないわけでございます。大多数の国民の所得が倍になっていくという政府の施策とは逆に、われわれ養蚕農民だけが所得が減っていくという形が打ち出されることに法を改正すればなるわけでございまして、非常に残念に思うわけでございます。先般、糸価安定というようなことで政府の手持ち糸を放出しまして、後ほどになりますと何か品質保全というようなことに解釈をされて出したこともございますが、私どもが知っておる繭糸価格安定法の精神というものはどこまでも養蚕者の立場というものを中心にして法が作られているというふうに思うわけでございます。農林省の蚕糸局で出されております繭糸価格安定法の解説というこの本もございます。これらについてもよく私も目を通したわけでございますが、どこまでも養蚕者の立場というものを中しにして法律が作られておるわけでございまして、たまたま十八万でなければ糸の売れ行きが悪くなるというようなことによって、この法というものが簡単に変えられてはならないと思うわけでございまして、少なくとも繭糸価格安走法というようなものを根本的に変える必要がございまするならば、これは通常国会なりにおいて、蚕糸業に携わるすべての頭脳を結集いたしまして、抜本的な対策を、蚕糸業百年のために立つべきであると思うわけでございまして、ただ一部法制を改正して、勝手な拡大解釈によって運行されるということは、非常に法治国の一国民としても嘆かわしく思うわけでございます。うわさには、蚕糸局等においては、日付のない、しかも、印鑑のないような怪文書が横行しているというようなこともうわさに聞くわけでございます。私は国民として、第二の多久島事件などが発生することをおそれるわけでございまして、そんなうわさも聞くわけでございますが、私にはそんなことを調べるあれもないわけでございますが、どうか一つ、諸先生方においては、その辺についても十分御調査いただきまして、われわれ国民が安心してこの仕事に携われるように一つ何分御配慮をお願いいたしたいわけでございます。たしか糸価が安いことは、十八万という価格は生糸の売れ行きをよくすることは私もわかっております。しかし、低物価政策のみが生糸の需要を伸ばしていくということには当たらない思います。ただ、それだけが生糸の消費を伸ばしていくということは、一を知って十を知らない政策であろうと思うわけでございまして、政府みずからも生糸の消費宣伝というようなことに、さらに力を入れていただいて、どうか本気にかかっていただいて、ただ繭を安くさえすれば生糸は売れるのだというような考え方は捨てていただきたいと思うわけでございます。どこの国でもおそらく農業については徹底した保護政策をとっております。イタリア等においても、産繭量はわずか長野県の半分ぐらいでございますが、しかし、これらのわずかな産繭量に対しても三億リラというような、ただ養蚕だけのための振興費をそこに費やしているわけでありまして、どこまでも、先ほど申し上げましたように、繭糸価格安走法という精神は養蚕者の生活権を保護する法律であるというふうに私は解しておるわけでございまして、ただ十八万円でいくということでは絶対賛成できないわけでございます。ことしの秋繭におきましても、非常に生糸の売れ行きがいいというようなことを、シルク・ブームというような名のもとに繭が相当高値に処理されております。組合製糸の場合は別でありますが、中小製糸の方は少なくともその線によって繭を仕入れられております。それがここで法を改正して、手持ち生糸を五万俵出すことになりますと、そのしわ寄せば中小製糸家、その波は私ども組合製糸にも当然及びます。従って、そういうことは来年の春蘭の時期においてまた安く買いたたかれるということになるわけでありまして、こんなばかげた政策はないと私は思うわけでありまして、法改正については十分一つ御審議をいただきまして、私ども養蚕農民の気持を一つじゅうりんしないように何分お願いいたしたいわけであります。どうか来たるべき通常国会において、蚕糸業の百年のために抜本的な政策を立てていただきたい。ただこれだけを一つお願いするわけであります。
○委員長(堀本宜実君) ありがとうございました。 次に、日本絹人繊織物工業会会長岸加八郎君
○参考人(岸加八郎君) 私は、絹織物の全国の生産業者の団体である連合会の会長です。私の組合は幾多、多数の中小企業団体の集まりです。昨年の十九万円堅持というあの線のそのときに、私どもは大体安心であり、今お話のごとく幾多農林大臣の声明もあり、安心であるというので、われわれの織物生産業者は原料を買付いたしました。ところが、政府の二百五十億もつぎ込んだけれども、その相場はささえ切れずとうとう十四万円までに下がりました。それから今度は織物の売り方もしきりにやってくるからというので安心して織物を織るというと、今度はまた十八万円ぐらいに相場が上がるという工合に、従来の政府の声明あるいは農林大臣の声明によってわれわれ中小企業者がそれぞれの原料の操作をいたしましたが、みんな政府のおっしゃることが当てがはずれて、われわれのそのときの損害は、二十四億円ぐらい全国の組合員の損害はありました。思えば朝鮮動乱のときに二十三万円という最高価格、二十四万円という禁止価格、そういうぐらいまでに法律が出た。その法律が無視されて、しかも、大製糸までもそれを無視してどんどん実際は三十万ぐらいまでに取引されたようでありますが、どうも元来農林省は、養蚕家あるいは製糸家という方へ偏重した、つまり援護方法をとっておられる。われわれの織物業者は、全国の生糸の生産高の三分の二以上われわれの手においてそれを消費しておるし、今年度の推定を申しますというと、約八万俵ぐらいのものは織物で輸出がされます。織物が輸出される数量は約八万俵ぐらいです。それから絹織物で内地の方へ放出されるのは約二十万俵です。三分の二以上のわれわれの消費者の言を常に無視される状態です。しかるに、今年は十四万円というような相場が出てきた。生糸相場として十四万円は相当に値が格安であるというような工合に、アメリカから、また外国等からもどんどん注文が来ました。そうしてまた内地でも今度は織りました。それで政府の方からはしきりに今年は十八万円にそれを堅持するというような工合で、今年初めて政府の施策がこれこそ蚕糸政策として最も当を得た政策だったということを、先ほど話のあったごとく、それまでは生糸は斜陽産業でだめなんだ、こんなものにわれわれはつながっておるというと、それこそけつの毛まで抜かれるというようなことで、こういうものは半分他の合繊とか、そういうものが相当の勢いで出ておりますから、それにかわりたいと思いながらも、非常に何といっても生糸は父祖伝来の業ですから、これを無意味に捨てるわけにいかないし、逡巡しておりましたが、幸いに十四万円に下ったらよく売れるようになった、そこで、農林当局は十八万円に今度は堅持すると初めてわが意を得た声明を農林省としてお出しになった。私らの考えからは、これならば大いにカをつけてもいいぞ、生糸は生きている、この信念でこの方に邁進をした、それでどんどん海外の注文にも応じました。絹織物は一時の海外の約三倍ぐらいまでに売れるようになりました。内地の方もその通り、そういうような状態で、今度はぱたんとまた十八万円はどうだというような小言がついてきた。大体生糸というものは一年ぐさです。一年ぐさだから思惑師がこれをもてあそぶには絶好の商品です。大体、物が余るとか足らぬとかいうても、最後の水の一滴です。一滴が余る、一滴が足りぬということが、商売上からいえばその需給関係を表示するものです。だから、その最後の足らぬという、最後の余るという……今の十九万円を十四万円にいったことも、言うてみれば、私は一つのある市場における行き過ぎだったと思います。今度はまた十八万円、また高くというようなことにいくことも、ただ一年ぐさであるからこれをもてあそぶ、そういうような工合で、真の需給というものを見きわめてこそ、政府百年の大計じゃないか、こういう工合に私は思います。そういうような意味合から、つまり、もしも十八万円というものが堅持されぬと一体われわれはどうなるかというようなことが心配になりましたので、さっそく私どもも組合員に檄を飛ばして、つまり輸出の方は一番それを反証をあげる材料がありますから、一一調べましたところが、つまり、詳細に申しますと時間がないから、簡単に申し上げますというと、一万四千俵ほどの来年の一月から来年の五月までの買い手当の不足のものが、輸出の織物だけでも一万四千俵足らぬという買い手当をしておるわけです。それは、政府声明を大体信じて、今度はほんとやろという工合に信じてやった結果が、一万四千俵も今輸出の織物の契約をした分の買い手当の不足のものがある状態です。そのほか、また内地の織物業者にも相当あります。そういうような状態でございますから、われわれはこの十八万円の臨時措置法の改正は絶対必要だ、織物業のつまり絹織物の百年の大計こそ、それこそ絶対に必要だと、こう思うわけです。応問がありませんから、あとからまた御質問があればお答えしますが、一体、今の生糸が政府のあれによると、二十万円と書いてあります。この政府の農林省の調査を見るというと、生糸の生産工費でも四万七千円と書いてあります。つまり全国の多数の養蚕家のその工費を検討するには、あの従来の業態の農林省の甘やかした考えで計算しておるのと、きつく計算しているのと、その差は大へんなものです。ある篤農家、ある熱心な養蚕業者は千円でできると言っております。一般に千円でできると。そうすると、繭の相場からそれを引き当てると、十四万円でできる。そういうようなことを堂々とその製糸家は言っております。その養蚕家は言っております。それはもう一人や二人の話ではないのです。だから、そういうようなことを見てももう少し先生方はやはり日本の蚕糸工業の全体に対して、それこそ百年の大計を右往左往することなく、そういうことに邁進していただきたい。つまり、たくさんな養蚕家、たくさんな製糸家、そこらを見るというと、たとえば今四万七千円で作る。十六貫生糸の生産費は四万七千円だというのも、この農林省の計画です。私は繭糸価格安定審議会の委員です。三分の二以上も使うお客である私どもの方から、私一人だけです。あとはみんな養蚕家、製糸家、そういう連中ばかりです。だから、三分の二使っておる需要者の意見を聞くことをあまりに無視しておるじゃないか、いつも私は委員会でそれを絶叫する。だから、どうかこういういい機会に先生方からせいぜいわれわれの意見をよく聞いていただくようにくれぐれもお願いします。そうして十八万円は絶対に堅持すべしということをお願いする次第であります。
○委員長(堀本宜実君) 以上で本日の参考人の陳述は終わりました。 参考人に対し御質疑の向きは、御質疑を願うことにいたします。
○小笠原二三男君 五人の方の公述を承りましたが、特に取引所関係のお三人の方々の公述は、共通して時価すなわち十八万で政府手持ちを、副理事長の言によれば、一度に放出してもらいたいということで、そして横浜の石橋さんのお話では、需給のバランスは繊維中で生糸は一番よくとれておるから、来年度における価格についても心配はない、あるいは小島さんは一度に十八万円の価格で放出しても、ある程度この十八万の価裕は確保されるであろうということを申しております。そこで、この点は一番私たちしろうとにはわからないことですが、十八万の実勢最高価格をそのままにして売り渡すというこの五万俵の売り渡し操作が十八万円の市場価格を堅持できるという根拠については、もう少し詳しく承りたい。 それから来年度手持ちがなくなっても、春繭以降の生糸札場に暴騰、そういう状態は起こってこないか、この点について確かな説明を承りたい。 それから、これらに関連しまして現状の問題ですが、昨日の相場が三千二百四十円程度にもうなっている。そういう中で時価すなわち十八万でぜひ放出してもらいたい。そうしてそれが十八万の価格を支持する、確保する道なんだ、こう言っておりますが、十八万と三千二百四十円とは相当のもう開きが出ているんですから、どういうわけでそういうお話が言われるのか、この点をまず承り、そうしてまた御質問したいと思います。御自由にお一人ずつ御発言願いたいと思います。
○参考人(三木滝蔵君) 私、先ほど十八万円は蚕糸業のために非常に現在としては妥当な値段だ、一度に放出するということを私申し上げなかったと思います。現在の値段が三千二百四十円、つまり十八万円は三千円ですから、なぜこの差があるかということは、政府で十八万円を堅持してあとの安定法の糸を売るんだという建前なれば、三千二百四十円か五十円という相場は起きなかったと思いますが、これが出ないだろうというようなことを反映し、また、この間衆議院では、これを出ても競争によって売るんだ、こういうふうに書いてあるために、なかなか十八万円で入手ができぬのじゃないかという関係でこの差が出ているんじゃないかと、こう思うわけであります。 それからもう一つ、ことしの需給関係でいろいろな観点があると思いますが、先ほど私申し上げましたように、おそらく来年の、ことに、もう上期においては相当化学繊維は増産、あるいは、いろいろな関係によって相場が低調になる。非常に低調になる。合成繊維が今非常な勢いでマス・プロダクションをやっております。かような関係で、自然高い小糸は敬遠される憂えがたくさんあると思います。先ほど岸参考人のお話があったように、機業家、機屋は何も絹織物だけ織らぬでも、どんな織物でも織れる能力を持っている。しからば、糸価の高い生糸をだんだん使わぬようになって他の繊維を織る、かようになれば、需要は減る、こういうまあ関係があるのじゃないか。ですから、今一度に二十万円というような相場をつけていると、その悪い速度が早くなるのじゃないか、かような関係で、今十八万月に売って糸価をある程度低姿勢にして持っていくということが一番望ましいのじゃないか、かように思うわけですが、十八万円で売ってもおそらく三万俵くらいな糸は来年度に持ち越されるのじゃないか、しからば、来年度の化産は三十三万俵ないし三十四万俵という方もありますが、それに三万俵プラスすれば、同じようないわゆる需要の数が今年度と変わりはない、その上にことしと違って来年は他の繊維が非常に低姿勢だということからして、十八万円で売るのが一番妥当じゃないか、かように私ども思うわけであります。
○参考人(石橋治郎八君) ただいま来年度の需給問題についてどうかというふうなお話があったと思うのですが、大体、本年はこれだけの大きな消費があったといいまするか、売れ行きがあったということの原因が其の消費かどうかということに対しては私は非常に疑問を符っております。実は、昨年のあの暴落のときに政府が十万俵の糸を持ったこの原因はどこにあるかというと、あの十九万円堅持を放棄されて、そうして相場が那辺にいくかわからない。あの当時、われわれは十五万円、十四万円以下はないと申した。一般の人気は十一万円までいくのだ。今の人気と同じでございます。十一万から十二万は必至だというような空気におおわれた。従って、内外を通じて機業家は全部見送った。もう自分の手元にはほとんどないところまでその日暮しの操業をした。これは内地の機屋は全部そうだし、海外においても、海外には常に八千俵から九千俵ニューヨークには在庫があった。それが最後にいって三千俵になった。また、ヨーロッパにおいてもしかり。そういうふうに、ですから、この十万俵の糸というものは世界にあった繭糸が全部政府に寄ってきて政府が買い上げたのだ。従って、これが一朝順調な目鼻がついて値頃なんかでいくならば、これはもとに還元するんだ。だからしてこの十万俵の糸はことしから来年にかけて全部なくなるんだ。真の消費ではありません。今までは思惑がなかったものが——思惑というのじゃないが、ある程度のいわゆる在庫を持つと、思惑という程度にいかなくても、ある程度の荷物を持っていかなければ仕事ができないという平常の状態に戻るから、この糸は十万俵は私は片づくということを強く確信して一般に話をしたのですが、その通りだと思うのです。今日、消費の数量を上げているけれども、これが真の消費の数量かというと、真の消費の数量じゃない。とにかく一応政府が引き取って、そうしてあるものも全部これは消費とみなして統計上に呪われている。そういうふうですから、今日のこれだけの売れたものを非常に過大に評価してほんとうに生糸が全部このような調子で四十万俵売れたというふうな考え方はこれは非常な私は間違いだと思う。そういう関係で十八万円というものは値頃を得たから各国内外ともにずっと糸が売れ込んでいくのだ。これは全部消費ではありません。適当ないわゆる在庫を打つということになる。従って、そういうふうになっておるのだから、これは出したからといって来年は非常に暴騰するかというと、やはり適当な需給関係におかれておるから来年においてもそういう暴騰はありません。また、ほかの繊維は、今お話がありましたように、また加速度的にほかの化繊というものは非常な増産をして、もりすでに操短をしてようやく今日の市価を維持しておる。ほかの繊維は操短を解放しておるのじゃないというところから見ますと、世界の繊維というものはまだ過剰状態にあるのだ、そういうまっただ中において、いかに生糸が品位がいいといえども、それを無視して非常に高値を出す。いわゆる需給関係では、糸価の適正なその面においてのみこの需給というものは私は想像されるのである。非需な相場が高くてもこの調子で売れるんだという考え方は私はまずいと思う。だから、これがいわゆる二十万円ときめるとか、その相場の位置というものはほかの繊維と比較して適当な基準というものは大てい出る。そこでいくならば、これは順調に売れていくけれども、やはり従来のような蚕糸政策で、ほかにはおかまいなしに養蚕家本位で生産原価で最低繭価をきめるということは、これはまた斜陽に陥ることは必然です。そういうようなことをして、養蚕家に対してはまた別途の方法で政治的に御考慮を願って、糸のその売れ行きを海外にできるだけやって、海外の声価をとってくれるというふうな御方針であれば、これは別途に考えていただかなければ生糸の将来というものは非常に苦しくなるのじゃないか。それを一つに考えてやると、アメリカにおいてはもちろん、これは世界の風潮として、農村を救済するという、農産物価格を維持するということは、いずれの国もやっております。やっておりますけれども、それは農村と別個であって、このできた製品を売るるんだということにおいては別個にやっていくべきだ。過剰農産物の処理として別にやっている。こういうふうな行き方として蚕糸業の将来を考えなければ、どうしても生産対生糸の売れ行きというものを並行してやろうということでは、これは蚕糸はだめでございますね。われわれも五十何年間これに非常に興味を持ってやったけれども、ほんとうに相変わらずそういうふうな政策をやるんだと、私はもう見切りをつけます。製糸家であるけれども見切りをつけます。将来に対する見込みがない。だから、そういったものを過激にものを考えなくても、やはりこれは景気がよければ——私は、従って、それならばこれは売れてしまった糸をどうするのだ。それは私は蚕糸局長に申し上げた。二十三万円をお置きになっておるのはそのためでしょう。私は、ここでようやく生糸というものが平常に返って需給関係が調節できた。ほかの繊維は操短をしなければならないものが、生糸は操短しなくて、そうして滞貨は見ない。まだ製糸家においても買いたい買いたいと言っている。こんな繊維の状態というものは世界中にない。だから、それは処分なさい。そうして、あとの二、三年間というものは、御承知の通り製糸においてはアンバランスで、自分でこれは解決はできない。設備は非常に多い。原料に対して製糸の設備が非常に過剰だだから、これなども大いに調節していかなければ近代産業の線に行けません。それを調節をせないで、そうして、自分の経営本位において繭の買いあさりをしておる。だから、いかに糸価安定、繭の基準をおきめになったところで、そういうもので取引したということは一つもありません。今まで過去ありません。協定で発表した値段で取引されたことはありません。全部追加です。追加であって、本年の春などは、もしもこれが安値でできたら、あとがまた高い。高ければ今度は秋繭のような値段で追加金を払わなければ繭は渡さない。われわれは非常なそういうふうなことで、晩秋にいけば晩秋がまた高いから追加金を持っていく。それでなければ晩秋は渡さない。ほかへ売るというような傾向で、この価格というものは協定値以上荷いものでやっておる、こういうふうなだらしのないことをして、蚕糸はやっていけますか。この現状もよく御調査を願いたい。こういうふうなだらしのない、近代工業の線におくれた、私は五十二年間やっておりますが、明治、大正、昭和を通じて何が蚕糸業の政策のうちに取り入れられたか。ただ自動機に変わった、販売においてもほうりっぱなしだ。繭が出たときにそれじゃできるだけ買い込んで、売るときには何も考えないで単純な成り行きで売っておるのだ。その調節もなにもしない。こんな産業、世の中にありません。こんなおくれた産業はない。実際近代産業の線に沿っていない。こんなものを議論することがおかしいのだから、どうしても来年からは私はほんとうにえらい悪いけれども、ここ二、三年間というものは自然に置いてもらって、今まで世界の温室のためにわれわれは勉強はせない、研究はせない、それだからおくれてきておる。あまり温室育ちだ。これ一ぺんほうり出したらどうです。ほうり出された自然にまかして、養蚕家に対しては別途考慮を願う。そうして製糸業は切瑳琢磨して、これを向上する。アメリカの商務省はどういうことを発表したか。この天然繊維において生糸ぐらい優秀なものはない。世界の鉄鋼線の張力においては生糸はその三分の一の張力を持っておる。今は宇宙の時代だ、宇宙の時代だからこういうふうにして生糸が将来宇宙に使われるということは将来の大きな問題だ。こういうふうな問題についてはだれがこの業界において研究しておるか。従来通り十四中から四十中の糸をどんどんひいて、政府の検査を受けて売り渡すというのじゃ私はまずいと思うのです。そういうふうな意味において私は十分に御研究を願いたいと思います。
○委員長(堀本宜実君) ありがとうございました。
○参考人(小島周次郎君) 私は生糸の取引所の関係をしておりますので、あまり生糸の一般の需給関係その他について存じないのでございますが、本年度におきましては、需給関係から見ますと、大体ある程度は余るのじゃないか。そういうふうなことで十八万円を堅持して売り出しておりまして、それは政府の臨時措置法にかかる糸が相当ございまして、これが引き続き売っておりましたのですが、たまたま政府の予想しておられたより売れ行きが非常によかった。その間に安定法の糸を引き続いて売るつもりでおられたのだと思います。ところが、安定法の糸を売る機会が、議会の協賛を得る機会がおくれた、その間に一月か二ズレができた。一般消費者の方は引き続いて生糸が光れていくものと思っていたものが、それで十八万で売ったものが世界中から、一般内地においても需要が非常にふえてきた。ふえてきて引き続いて注文が多くなってきた。それで政府の糸が引き続いて売れればよかったのに、これが議会の方の協賛がおくれたために、そこでこの売れ行きが増大したところに需給の、需要の方がちょっとおくれているわけですね。そこにギャップができたために非常な川場ができておる。依然としてストックはここにある。これが平調にずっと出た場合には十八万円ですっといったわけです。それがすっかり供給の方がちょっととまっておるものだからここに異常な相場ができたと、そういうふうに私は思っているのです。それですから、これが引き続いて十八万円で売ってくれればすっと平調で大して変化がなく安定して売られた。それで世界中の需要も増大していく。それで養蚕家の方も繭の方も次第にふやしていけば、蚕糸業は非常に安泰で、非常な蚕糸業は恵まれた仕事になると、そういうような見解を持っております。私は実は昔から生糸の、おやじの代から生糸に志しておりまして、長年の間引き続いてずっとやっておりましたのですが、あまりに暴落暴騰が激しいもので、それで生糸はあきらめまして、一時ほかの仕事をやっておりました。最近取引が安定しましたので、この最近十年間また生糸に復帰しておりまして、元来ほかの仕事を主としておりますが、さように一時、御承知の通り大正八、九年のときには四千円から相場がしておりましたものが、不況においてはただの二百円です。二百円まで暴落してしまった。それで私は、横浜でもって昔製糸家の人たちに金融をしたのです。それが札場の暴落のためにその回収ができなくて、横浜が今非常に衰微の状態にあるというのは、回収不能の手形が残っておる。今残って、片介さんとかそういうような手形も私のところの金庫の中に入っておりますが、そういったような状態で、昔非常に暴騰暴落が激しくて、生糸はもう非常にあれだったのです。それが最近もそんな……。最近は非常に安定法がこうなっておりますけれども、元来は暴騰暴落が激し過ぎる仕事でございます。ただ問題は、私どもは物があって、物はコストがあって、それがあるものが必ず利潤を得られるように光れるか売れないかということは非常に問題だと思うのですね。まあ、養蚕家のおっしゃる養蚕原価に沿うようにこれは売れなければならぬと、こうおっしゃるけれども、相手の方は必ずしもそうは買ってくれません。需給に乗じて生産価格を安定して、これに並行してこれにマッチしていくようにしていかなければならない。そこに先ほどの御意見もありましたけれども、生産コストを下げるというようなことを考えていただければ、必ずしも相場の方もあまり高値は望まなくても経営が行なわれていくと思うのです。昔は生糸は桑を植えるときに補助金を出し、今度は抜くときも補助金を出す、こういう矛盾だらけのことを非常にやっておいでになりました。ですから、こういうことはいかに養蚕家といえども、昔は生糸は国家の輸出の大宗でありまして、五十万俵出たものが、ほとんどアメリカに五十万俵売れた。ところが、現在におきましては六、七万俵であればよい、そういったような状況になっておりまして、外貨獲得の線からはある程度漏れている。そういうような状態にありますので、必ずしも養蚕家のみを保冷しなければならぬということもないと思うのです。たとえば一般の農家におきましても野菜がコストに合わなくて、ただで捨ててしまったような場合には、これは必ずしも保護を得られない場合もあるし、銀行のようなものも暴落した場合には必ずしも保護を受けられない場合がある、そういったよりに考えておるのであります。
○委員長(堀本宜実君) 参考人の力にお願いを申し上げておきたいと存じますが、今後委員の質疑に対しましては、簡明率直になるべくその問題に触れてお答えをいただきますようにお願いしておきます
○小笠原二三男君 今御三人の方がいろいろお話したことは、私の聞こうとした本意からもちょっとはずれまして、養蚕家本位ではいかぬとか、生産費に見合う需給の価格というものでは斜陽産業で成り立たぬとかいう極論があったわけですが、私たちは繭糸価格安定法による臨時措置法を審議しているので、皆さんのように根本の建前がそれはだめだという御意見であれば、この臨時措置法も反対してもらわなくちゃならぬ、お好きなように自由価格でおやりなさい、政府は政府で放出する生糸の価格は、また自由にこれはそのときの時価で適当なときに売り渡す、それでけっこうではないかと、ところが皆さんは繭糸価格安定法で十八万円は指示してもらいたいといって、この法案に賛成しておられて、繭の価格安定という方は、こんなものはどうでもいいのだというような御議論になるような御議論です。それでは実をもって困るのでして、一方だけを見てお話をされることは困る。私たちの建前からいえば生産者——養蚕農家も守られ、製糸家も守られ、そして市場価格が安定し、機屋さんも輸出も伸びていく、そういう、できるならみんなよくなるようにということで苦労しておる。どこかを犠牲にしてどこかがよくなれば、それでいいのだという考え方はとらないのです。この法律がある建前からいえば、そういうことは非常に公述としては困るので、もしも養蚕家に対しては別個の措置をとれというなら繭糸価格安定法並びに臨時措置法に反対の公述を出直してやっていただきたいと思う。 そこで今のお話ですが、昨日製糸側を代表せられた安田さんやその他の方、肥田さん等のおっしゃるのには、十八万円というようなことはどっちかといえば、輸出の関係でいえばどうでもいいのだ、いずれ安定しておりゃいろいろ海外の市沢というものは二十万であろうが、二十一万であろうが変動がないと、そこに信頼がおけさえすれば輸出は伸びる、減退する仕事はないのだということを公述しておられる、そうしてしかも今の趨勢としては十八万、十四万の中心価格十六万よりは高値になつおる、中心価格はずれてきておったのだ、従って十八万というのが適正な時価であるということについては、これはどなたも断言しなかった。従って今日三千二百四十円というものは今の公述によりますと、供給がとまったあとの思惑からそういう値上がりを示したので、適正な政府生糸の放出があれば、これは十八万に落ちつくだろうというお話でございましたが、私たちは必ずしもそうは思わぬ。結局、高値についている今の札場は養蚕農家の生産コスト、製糸家の生産コスト等を見て二十万内外のところででもその線で安定するとなれば、安定度は同じなんですから、趨勢としてはそれでも生糸は伸びていくのではないか、ただきのうの公述の中では国内向けの小幅ものについては二十万円は無理だ、十九万でちょっと強過ぎるのではないか、従って輸出向けと円内向けとでは、いろいろ川場の立て方には技術的なものを要するだろうが、大体十九万上向きでいっても生糸の伸びというものがあるのでないかという公述があったわけなんです。従って私もう市度小島さんなり、三木さんにお尋ねしておきたいのですが、ほんとうにこれは思惑だけの異常の高値であると御認定になっておられるか、またこの程度のところはやはり今の趨勢としては安定帯価格の中に入れて、そうして考えていってもいいというお考えなのか、この点伺いたい。なぜこういうことを伺うかというと、衆議院における附帯決議と政府言明等によって、十八万円の価格を今年度堅持していくということはくずれておるのです。もうこの法案審議の過税からくずれてしまっておる。そうして入札という手続が、附帯決議が尊重されるならば、すなわちそれは時価ということになる。そうなった際に、十八万円高値の方に相当ついた相場でいくのかどうか、こういう点をお伺いしたいのであります。
○参考人(三木滝蔵君) 先ほど先生の御質問に対して私御答弁申し上げたことについては、あまりピントが違ってなかったと私は思っておるのです。(小笠原二三男君「あなたはいいですよ」と述ぶ)さっき三人とも違っておったというお話でしたが。(小笠原二三男君「お二人と訂正します」と述ぶ)先ほどの十八万円の問題でありますが、私は今の価格といたしましては、十八万円は特価より安い、放出はいかぬということであったと思うのです。それは御承知の通り、政府の放出が一時とまっておった、それに製糸家さんは一万掛以上の晩春の繭を興っておりますから非常に損がいくわけです。十八万円だとどうしても売り惜しみます。これはやむを得ないのです。そういう点において政府の供給量がとまれば、当然こういう呉常価格を出すのはあたりまえだと、かように思うわけです。ところで、そういう価格ははたして十九万とか二十万という価格がいいかどうかという問題でありますが、今はよくても私はあとが大へんだということを申し上げておるのです。おそらく来年は政府といえども低物価政府による操短緩和、その他あらゆる点において、異常な生糸にかわる商品が私はできつつある。また先生方もよく御存じだと思います。さような際に、無理にこういう価格を引き上げた需給関係にすることは、蚕糸業としてはどうかと思うということを私は申し上げたわけです。十八万円という値段は、今の価格としては非常に安いようなものだと思いますが、他の繊維から見ますと、決して私は安いものではない。そうしてこの十八万円をなるべく他の繊維が悪くても永続させるのがいいのじゃないかということを申し上げておるのです。決してそれは蚕糸の根本を私は先生にお返事したわけではないと思います。根本はまた根本で、御質疑によって私は応答いたします。 それからもう一つ、製糸家さんは繭を買って糸を紡ぐより方法がないものなんです。ところが、白絹工業会の機屋さんは、絹織物でも、人絹、化繊、何でも織れる設備を持っておるわけですね。それが採算が一番いいものを織るから、原糸が高くなって採算が悪くなれば全面的に他にかわる。製糸家は他にかわれません。かわれませんから、やむを得ず無謀に繭を買ってやらざるを得ないという結果になったわけであります。現に小幅の反物は非常に採算が悪くて困っております。西陣も、これは内地需要としては相当多いものですが、輸出の方は、さっき肥田さん、安田さんのお話を承りましたが、私は今度の輸出織物で一番大きなブームを持ったものはオーガンジー・ブームでありまして、非常にオーガンジーという商品はよく売れた。最近このオーガンジーは人絹のイミテーションができ出して、最近どんどん売れて参りました。はたして絹を凌駕するかどうかということはわかりません。 もう一つ重ねて申し上げたいことは、じゃなぜ絹が売れたか。ヨーロッパにもずいぶん出ていく。私もヨーロッパに行って見ましたけれども、決してヨーロッパは一般民衆には絹は売れておりません。大体高給者に売れているわけです。あれはアメリカに再輸出されるものが相当多いと思いますが、アメリカには、景気がよくなったのと価格が安くなったのとで、一階級下の人が買っておる。今まで重役の奥さんが買った、今度は部長の奥さん、課長の奥さんと、人数がどんどん多くなるわけです。このために量が多く光れたのです。これが高くなれば、また重役の奥さんに返るということで、真珠の二の舞になりはせぬかと思うわけです。私の御質問の点はこのくらいにいたしております。
○参考人(小島周次郎君) 私は先ほど申し上げたように、現物に対しましては全然しろうとでございますので、いろいろ各方面の意見を伺ったことから観察して申し上げているわけであります。 先ほども申し上げました通り、政府の売り出しが一時ストップした、それがために今までの需要がそこでもって面なり合ったがために、そこでことさら高い相場が出ている、そういったことは私考えておりますのですが、それがまあ生産にも……(「ちょっと恐縮ですが、もうちょっと大きい声でおっしゃって下さいませんか」と呼ぶ者あり)実は政府の売り出しが一時とまりましたので、その需要の方がふえましたものがそこに重なり合ってまた暫定的に需要がふえたと、そこに最近多少相場が上がっておる。生糸の政府の売り出しが引き続きましたならば、それが平調でいくのじゃないか、そういう甘い観察でございますけれども、そういう観察だけを持っております。
○小笠原二三男君 小島さんにまた公述についてお伺いしますが、あなたは先ほどの公述で、この生糸法案に関係して、横浜市場としての経過をお話しになっておりましたが、それにはある程度政府生糸をいただく話し合いを政府として、そのかわり政府の政策に協力することになっておる、それが今立ちどまっておるので困るという意味合いのお話がありましたが、私その内応、実態をよく心得ないのですが、この法案審議の都合からどういう事情になっておったのか、詳しく御説明を願いたい。
○参考人(小島周次郎君) 概略申し上げますと、昭和三十四年の八月二十五日に、福田農林大臣は、最近の糸価の高騰に対し政府は本年度の糸価俵当り十四方円—十八万円の安定帯に堅持する。この為臨時措置法の保有糸のみでなく安定法のものも売渡す用意がある。と、そういう声明をされました。 九月一日に、糸価の上値十八万円堅持のため、政府保有糸を取引所の受渡品の制限規定(検査後六ケ月以内のものに限る。)に合わせる為再検査を政府の負担において実施し売渡す。この措置により売渡された生糸を乾繭との交換のため日本輸出生糸保管株式会社に納入することは差支えないと変更いたしました、 九月十七日、生糸取引所における清算受渡に供する為の生糸売渡要綱によって政府は取引所の受渡品を毎月用意し申込みに応じて売渡しその期間は九月二十五日から明年五月三十一日までとするとした。 九月二十八日、保管会社における乾繭と生糸との交換契約は契約者の申込みに応じて契約保証金の差換えを認める。又需給を緩和する目的で検査日より六ケ月を経過したもの、又政府又は保管会社から売渡したものも認めると改正した。又保管会社は交換生糸を清算受渡に供することが出来なかったのを出来るようにした。 十月八日、従来売渡している生糸の外に繭糸価格安定法の規定により買入れたものも置換えということで一キロ三、○○○円で売渡すことにした。 十月十四日 蚕糸局調声明 一、最近生糸の清算相場が投機性を濃くし、市場の先高不安を助長していることにかんがみ、次の措置を構じて価格安定に万全を期するものとする。 (一)清算相場の思惑高を防止するため必要がある場合には、取引所の受渡供用品の範囲拡大の措置を採らしめることがあるものとする。 (二)当月限について、受渡品の確保を図るため、政府生糸の売渡措置を実施しているが、先限、名限月についても受渡生糸を確保する措置を講ずる。 二、政府所有玉糸のうち買入適格外のものについて、毎月整理売却を行う。 十月十九日、糸価高騰について名神買人の委託の内容について調書の提出を求められ、現在週一回提出。 十月二十一日、蚕糸局長は、横神代表者を呼び、1、取引所を一時閉鎖するか。2、供用品現在の二格を開所当時の八格に拡大即時実施のこと。の二項を申渡した。この為取引所は総会をもって閉鎖は死活に関するとし、供用品を八格に拡大することに決定、実施した。 十一月十八日、本所は十月十四日蚕糸局長声明により、全限についての受渡品を確保する措置の実施を容易ならしめる為、会員の建玉数の制限を嘱施して十一月十七日現在の建玉一四・○五○俵とした。これは蚕糸局長が確保するとした数量に合わせたものである。 それで現在までに受け渡しを遂行した分は政府糸の受け渡し数量、九月百三十俵、十月に八行十俵、十一月に二千九十俵、現在建玉が一万一千五百七十四俵になっております。それでこの数量につきましては政府から臨時措置法の糸を、その当時臨時措置法の糸が一万五千俵ありましたので、それを受け渡し供用品に提供してやる、それでも足りない場合は安定法の糸を買いかえ措置によって受け渡し供用品に提供してやる、そういう話し合いによりまして現在に至っております。しかるに、先般このわれわれの話し合いの今月の当限の受け渡しにつきまして、その措置が現在講ぜられませんので、横浜取引所は受け渡し品の供用品に疑義を感じまして取引所の立会停止を行なっております。実は今日が最終立合日でございまして、この収拾がつかなくて、ただいまこの会合が終った後にこの収拾の最終の決定をすることになっております。実は当取引所といたしまして重大なことになっておりますので、この糸をぜひ、臨時措置法の糸が現在残っておるようでございますが、これをぜひいただきたい、こういうふうに考えてはおりますのでございますが、現在の取引所の状態はさような状態になっております。
○小笠原二三男君 今お話の臨時措置法による一万四千俵ですか、これの受け渡しがその当時臨時措置法で持っていた中から予定された。もう一つは、安定法による生糸を買いかえで受け渡し供用品とする。これは幾らということで約束せられてお考えになっておったものですか。計算の中では幾らとなっていたものですか、市場として。
○参考人(小島周次郎君) 十月二十一日、先ほどお話がございました、そのときには、臨時措置法の糸が一万五千俵ございました。
○小笠原二三男君 それはわかっております。安定法のやつです。
○参考人(小島周次郎君) 安定法の方は買いかえ措置によって渡してやる、そういうお話でございましたから……。
○小笠原二三男君 それが何方俵です。
○参考人(小島周次郎君) その数量ははっきりしておりません。
○小笠原二三男君 あなたは衆議院の委員会での公述はそういうふうにおっしゃっておりますか。
○参考人(小島周次郎君) 私はそのことにつきましては、安定法とか、臨時措置法とかいうことに対して、私は法律に暗いものですから、大体二万俵というようなお話でお話しいたしました。
○小笠原二三男君 大体二万俵という活でお話しいたしましたというのは、どなたと話した……、どなたと話して、その大体二万俵といったって、当時、臨時措置法で動かせるのは一万五千俵しかないのですから、それが大体二万俵という話し合いをどなたとどうされたのか、その辺のところを率直にお話を願うと、逆にこの法案が早く上がってくるかもしらぬのですよ、あなたたちが必要だということになれば。それはそうだろうな、急げということになるかもしらぬ。けれども、その実態がわからなければ、これはちょっと待ったということになるかもしらぬ。これは大事なところですから、皆さんにとっては。だから政府との従来の経過、約束があるなら、こういう約束、それはいつ、かくしかじか、しっかりしたお話をお聞かせ願いたい。
○参考人(小島周次郎君) 十月二十一日に蚕糸局長と横神代表者の理事長並びに私どもがお話し合いをいたしまして、政府は供用品の、今まで供用品は二格でございましたが、これを八格に拡大するならば受け渡し供用品を確保する、そういうお話を伺ったのであります。その数量が大体横浜で一万五千俵、神戸が五千俵、そういうようなお話が、供用品の受け渡し数量を確保する、そういうことで、私どもは大体受け渡し供用品の数量が横浜が大体一万五千俵、神戸が五千俵、こういう、これを、供用品を確保するというお話でございまするから、これは私どもが供用品を確保するものと、そういうお話をいたしました。
○小笠原二三男君 十月二十一日に蚕糸局長と会って、供用品を二格を八格に拡大するなら今後確保してやる、こういう話があった。そこで横浜市場一万五千俵、神戸の方が五千俵というこの数字は、あなた方の方で勝手に思惑できめた数字ですか。局長から言われて約束になられた数量ですか。
○参考人(小島周次郎君) 受け渡し供用品を確保するということは、十月十四日に声明しておりますので、これを確保するためには、大体横浜一万五千俵、神戸五千俵が要るものですから、それだけは確保していただきたいと、そういう話し合いをいたしましたが、これは供用品を確保するという声明をしているのだから、もちろんそういうことは仰せの遁りだと。
○小笠原二三男君 仰せの通りというのは、どなたの仰せの通りです。
○参考人(小島周次郎君) 私の……。
○小笠原二三男君 あなたが仰せの通りだと、(笑声、「局長がそう言っている」と呼ぶ者あり)あのね、これはもやもやしないで、あなたたちが利があるなら利があるということで、はっきりものを申して、そのための委員会なんで、ここは政府ではないのですし、皆さんの立場も考え、あらゆる方面の立場を考えるためにこの法案を審議しておるのですから、あなたたちが正義だと思い、約束事だと思い、そう思っていることを堂々とおっしゃっていただきたい。この点がもやもやしておられるから、いろいろな疑義が起こってぐるのです。ちゃんとその場所に出られた小島さん、あなたが話のいきかいをおっしゃっていただきたい。(「怒っているんじゃないから」と呼ぶ者あり)
○参考人(小島周次郎君) 今冷静に考えております。こういうことなれませんから、少し落ちつきまして。
○参考人(三木滝蔵君) 神戸の取引所の方もあるのですが、一向に聞いてもらえませんが、私の方から。
○委員長(堀本宜実君) ちょっと待って下さい。
○参考人(小島周次郎君) ちょっと落ちつきますから。(「水持ってきてやれよ」「休憩したら」と呼ぶ者あり)
○委員長(堀本宜実君) それではしばらく休憩します。 速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(堀本宜実君) それでは速記を起こして。小島参考人。
○参考人(小島周次郎君) その当時の模様を申し上げます。 十月二十一日横浜、神戸両取引所理事長及び横浜生糸取引所の私が蚕糸局に出頭を命ぜられました際、横浜に一万五千俵、神戸に五千俵、計二万俵、一俵十八万円の価格で前限来年の五月限までの受け渡し品確保につき局長にただしましたるところ、二十一中のA格、二A格のみでは政府保有の糸が不足であるので、十四中の三A格、二A格、A格及び二十一中の三A格及びB格、C格の六格を既存限月にさかのぼって供別品に加えるならば数量確保は保証できるとの局長の声明がありました。その節、特に既存限月の供用品の拡大をすることは、取引所としてはとうてい自主的に行なえないので命令を出してほしいと申し入れたところが、これは命令と解してよろしいと強力な意思表示があったので、これを前提として十月二十三日に会員総会を開催して、先ほど申し上げました六格を加え、横浜、神戸二万俵の政府糸による受け渡し品の確保を条件とし、当局の方針に沿うことにしました。その際、臨時措置法の糸が残り少なかったので、二万俵確保につき、不足分は安定法の糸を放出してもらえるかということをただしたところ、買いかえの措置により不足分は堤供すると言明があったので、当局の言う明を確信した次第であります。 なお、買いかえについては、十月十八円付蚕糸局長よりの通達により、すでに制度化していたので何らの疑いを持たなかったのであります。
○小笠原二三男君 ちゃんとそうしたりっぱな書きものがあり、しっかりしたお話ができるのが、水を飲まないとできないのはどういうわけですか。
○参考人(小島周次郎君) 今その書きものが見つからなかったので申しわけございません。
○小笠原二三男君 それで定ははっきりしたわけです。要するに、今、局長がおっしゃったことが前提になって、内容としては一万五千俵、七千俵、計二万俵を渡す。従って、その前提となる問題を実施するためには命令をもらわなければ、これは強制できないというあなた方の主張に対して、蚕糸局長は命令と心待てよろしいと言明をした。しかも二万俵は、確かに臨心措置法の手持ちは残り少なですから、二万俵確保のためには安定法の五万俵のうちから売り渡さなければならない。このことはどうなるのかと尋ねたら、それは貰いかえの措置で渡してやるという言明があった。この命令であり、また、買いかえという形でそれだけの売り渡し供用品を提供しようということは、局長が言明したということは明らかである。そうですね、もう一度イエスかノーだけでようございます。
○参考人(小島周次郎君) そうです。
○小笠原二三男君 そこで局長にお尋ねしますが、こういう言明は非常に重大だと思う。今参考人がおっしゃったことは事実であるかどうか、局長にお伺いします。
○政府委員(大澤融君) ただいまいろいろ話がございましたように、十月二十一日に、横神の取引所の両理事長と、小島副理事長に来ていただきまして、いろいろお話し合いをいたしましたことは事実でございます。そこで、当時糸価が、十月に入りましてから取引所の清算相場が上がってくる、従いまして、それによって現物も引っぱられ、そのために政府の手持ちの生糸の買いの申し込みが日々何千俵になるという事態があったわけであります。そこで、私どもは、生糸の現物価格の但上がりについて、横神の取引所の清算相場が上がって、それが引っぱっていることが値段を上げる、それがまた政府の売りものがよく売れるようになった、そのためにまた清算相場が上がるというような悪循環を始めた。そこでその悪循環の根を切るために、取引所の清算相場というものについて着目をしたわけです。着目をいたしまして、どういうことかといいますと、一つは、清算市場での売り渡し適格品というものが、先ほどからお話がございますように、二十一A、二十一中の二A、二つに限られておるわけです。ところが、政府が手打ちしておりますものは十四中ですとか、二十一中の三Aですとか、種々雑多なものがある。そこで一般市場での値押えについて、そういうものすべてがなっておるのにかかわらず、清算市場の方ではそのうちの限られた二十一中の二Aというものだけが清算市場での値押えといいますか、の役割りしか果たさなかった。そこで両方同じくならなければ、清算市場の方の相場が上がってきて、それが現物を引っぱる。そこで、適用品については二格から八格にした方がいいじゃないかということが一つ考えられる。それと、もう一つは、政府の売りものがある間にも清算市場の値段が上がる——なくなれば別ですけれども、それが早くなるんじゃないかということで、清算市場の相場が上がるということも好ましくない、政府の糸のある限りは、先ほどもお話がございましたが、従来からやっていますように、当限のときの政府糸で間に合わせるという、それを先限についても八月以来十四万、十八万の堅持の方針は私ども政府としてとっておりまして、当時正式な閣議決定はまだしておりませんでしたけれども、法律も国会に提案するということも決定しておりましたので、十四万、十八万の堅持の政策を実現して、方針として先限につきましても確保する措置を講ずるという一般的方針を鮮明いたしました。そういうようなことについて二十一日にお話し合いをいたしたいのでありますが、私の記憶では二格を八格に広げる。当時先ほどもお話がございましたように、臨時措置法の政府手持糸というものは、私の記憶では、二万二、三千俵だったと思いますが、それから、安定法の糸を考えてみましても、二十一中のA、二Aというものは限られているので、将来こういう八格に、一万五千俵とかという言葉が確かにございました。そういうものをそのまま確保するためには、こういうことを広げなければできないであろうというお話も出たことも事実だと思います。それから、海外のあとの問題ですが、私はこれはちょっと記憶がございませんが、いずれにいたしましても私どもとしては、十四万、十八万堅持の政府の政策を実現するための方針として、あのようなことを鮮明しておりますけれども、確保するということにつきまして、数量でありますとか、あるいは具体的にどういう方法で確保するかというようなことは、二十三日に、少なくとも二十一日にはさまっておらないはずでございますと了解しております。その後、あの方針でこれだけの数量を早くきっちり確保せいという御要望はしばしば伺っておりますが、法律が通らなければできないということでもございますし、今日にそのまま至っているということでございます。ただ、私日ごろからいろいろ蚕糸界の先輩として、いろいろ御指導願っている御三方を前にして、言ったと言わぬとか、約束したとかせぬとかということを、ここで言わなければならぬというようなことに立ち至りましたことは、まことに私残念でございますが、私自身の至らぬ点があるいはあったのかもしれません。この間の事情につきましてはさような経過でございます。
○小笠原二三男君 もしも局長の言が真実であるということであれば、これまた業界に対して非常な悪い影響を与えたものであると言わなければならぬ。また、事実ではあるが、記憶違い、記憶忘れなどということでは、蚕糸行政の当面の責任をになっている局長としてはいささかどころでない、不都合なことであると言わなければなりません。少なくとも私小鳥さんなり、石橋さんなり、その際おられたお方々にお尋ねしますが、一般的に確保するという鮮明はした。しかし、二万俵受け渡しについては約束しておらない、そういう局長のお話が、ある程度のそういう言葉を真に受けて、重要な市場の操作をするとは、私は何としても考えられない。これは非常に重要なことなんですから、そのようなうろ覚えのいいかげんな話し合いから市場を扱ったものとは考えられない。そういう立場からもう一度お尋ねしますが、局長のこの言明は事実ですか。小島さんのおっしゃったことがうそですか。一つはっきりと口述をお願いいたします。
○参考人(石橋治郎八君) この問題につきましては、私衆議院の方でもお話を申し上げておきましたのですが、事はきわめて重大でございますので、十月の二十三日の総会のときにも、これが非常に問題になりまして、それに命令であるならば仕方がない。命令でなければこれはのむことができないというふうな議論が非常に出まして、その取捨に困ったのです。しかしながら、指示するが、最初は局長の方からは、もうそういうふうに札場が目的に、政府の指示のようにいかなければ閉鎖をする、中止をせい、命令するぞということが最初の言葉でございます。これははっきり言われた。それで、もしもこの命令を用いなければ、お前は他の方において八格をしてやったらどうだ、こういうふうなお話がございました。従来にさかのぼって八格を適用するということはいかにしても事実上できない。できないから、どうしてもこれをやるならば命令にしていただきたいと言ったけれども、命令はできない、指示だということが最初の考えでございましたが、それで困りまして、私は十九日に委員会を開き、そうして二十三日に総会を開いてこの実情を詳しく話をいたしまして、そうしてもうやめてしまうか、この指示を命令と解してわれわれはこの方法をとるか、二者択一だ、どっちをとるかというふうなことを協議をいたしたのでございます。これもきわめて重大でございますので、多数決でなしに、一々その本人の意向を聞きましたが、しかし、まあ一応蚕糸局に総会の当日事務局をして何とか命令にしてもらえぬかというようなことを電話で聞きましたら、事務局から命令と解していいじゃないか、そういうつもりでやりなさいということを事務当局から言い、なお、閣議においてもこの問題が決定されたという電話がございましたので、横浜は忍ぶべからざるを忍び、ことにこれが普通の商行為なら私は全然受けません、受けませんが、御承知の通り、この取引所を開設当時、石黒武重さんの第一回の初代理事長のときに、取引所は糸価安定法という特別法があるので、ある程度のワクをはめられてもいたし方ないということを承知して取引所をやってもらいたいというようなことが言われておりまして、われわれもそういうふうに引き継いでおりましたために、これが自由にわれわれが法律に基づいてやるわけにいかないというふうな特別の市場取引に事情がございましたので、それでこれはどうしてもやめるかどっちかだというふうなことで非常に悩んだので、ことに重大問題でございますので、当局にぜひ総会に出席してもらって、ある程度言明してもらわなければわれわれ責任上非常に困る、こういうふうに申したのでございますが、当局は非常に多忙のためには出席ができないというので、先ほど申し上げましたように、電話でお聞きして、命令と解してやっていいということでこれを行なったような次第でございまして、ほんとうにそれも国策に反することでありますならば、われわれはもうこれはいかなることがあってもいたさないのでございますけれども、閣議において二回もこの問題が、堅持すると了承され、大臣は二回も言明された。法律の問題になるけれども、法律が議会で通らぬ前は、閣議が責任をもってやったものは内閣が責任をもって法律にするというふうにわれわれは解釈している、まずそういうふうに解して、忍ぶべからざるものだけれども、業界のために忍んでやろうじゃないかというふうなことで皆さんがやむを得ず、それならばいたし方ある、いというふうなことでこれを決定いたしたような事情でございますから、その点をとくと御了承をいただきまして、実は本日は十二月限の当限でございますので、この四日間かかって徹夜でやっておりますけれども、どうしても二千三百俵の問題が解決できません。売り方の方からいえば、政府は渡してくれるということを言ったことでわれわれはこの取引をしているのだから違約処分なら違約処分をやりなさい、私は天下に恥じない、これはもうどうしても妥協はできぬのでございます。従いまして、今日もやっておりますが、本日は五時をもって締め切りますので、私は最後に、今晩の午後の三時に理事会を開いて、その決定に従ってその違約処分を行なうか、取引所をやめるかというふうな重大決意をいたしたいというふうなことで、昨晩お別れのとき仲買協会の方とお別れをいたしたような次第で、今日もこういうふうにお呼びいただいておりますので出ましたが、そういうようなことでございまするから、時間の都合はありましても、三時には横浜にどうしても帰らなければならぬという関係がございますので、その辺はぜひもってお含みおき願いたいということで、私は自分の腹は、最後の腹をきめております。
○小笠原二三男君 やっぱりこれは小島さんに伺った方がいい、三時にお帰りになるというのだから急いで……。
○参考人(小島周次郎君) 実は私も三時に……。
○小笠原二三男君 だから石橋さんの方なら三時を過ぎるおそれがあるので、小鳥さんの方なら早く用が足りると、こういう意味なんです。 今、局長がおっしゃった二万俵は約束していない、このことはあなたの言明とは違うのですね。この点をもう少しはっきりお話しいただきたい。
○参考人(小島周次郎君) 供用品の先限を確保する、これはその当時一万五千俵のものでございますので、共用品の確保を約束するということをいただいておりますので、私どもは二万俵確保されたものと確認しております。
○小笠原二三男君 局長はそのことについては約束した覚えはないような話でもあれば、記憶がさだかでないような言明もしておる、今重ねて参考人からああいう言明がありましたが、記憶を失ってしまったということですか。約束はしたかもしらぬが忘れてしまったということですか、約束はしないということですか。
○政府委員(大澤融君) 記憶を失ったのではございませんで、私の記憶によれば、非常に重要な御相談をした際でございましたので、最後にきょうはこれこれのことをお話し合いいたしまして、こういうことになりましたということで、メモも実は私取っております。そういう意味で、一般的な方針はこれはその日でなく、十月のもう少し前でございますか、鮮明をしておりますけれども、具体的な数量確保あるいはその取引の問題というようなことについては、お約束はしておりません。ただ一万五千俵というようなお話は確かに出ました。そして私のメモにも控えてはおります。
○小笠原二三男君 あれほど局長がおっしゃいますが、小島さん、三木さんもおいででしたか、やはり約来したのでございましょうか。今度は三木さんに。
○参考人(三木滝蔵君) 十月二十一日、私確かにおりました。先ほどお話のあったように、八格を共用にふやせ、この問題をちょっとさかのぼって申しますと、これは十月十四日に出た問題でございます。私まず十月二十日の日に横浜に参りまして、特別委員会が横浜にございましたが、出席いたしまして、これをいかにすべきかということをまず協議したわけでございます。神戸でも理事会を開いて、いろいろけんけんごうごうの声がございまして、契約したものを途中で変えるということは商売人としてはできないことでございます。絶対にできない。商道に反する。ですから最悪の場合は、いわゆる、蚕糸局の申し出を拒否しようじゃないか、締めるなら締めろ、これだけの勇気を持って横浜に臨んだのです。ところが、横浜の特別委員会は、締められたら大へんだからやはりしょうがない、こういう結果になったために、私は追従せざるを得なくなった立場で二十一日に蚕糸局に参ったわけなんです。なぜなれば、残念ながら神戸の取引所は横浜の取引所の三分の一くらいしかないために、神戸だけ追い帰したら横浜だけ立っていく、非常に私は会員に印しわけがないから、残念ながら追従したということで、蚕糸局に参りまして、蚕糸局は二十一日のお話しその通りでありますが、まず八格の共用について強く局長から申されました。私は先ほど来申し上げるように、十八万円という値段はいわゆる蚕糸繭業を伸ばすというためには非常にいいという信念を持っておりましたが、取引所の立場は違います。もしこれを受けなければ、百二十一条によって公益を害するということで命令する、いわゆる百二十四条の商取法の命令はできない、こういうお話でございます。いわゆる二者択一というやつです。百二十一条では締める、百二十四条の商取法の命令はできない、これはどうです、私は商売人として受け入れざるを得ぬという結果にならざるを得ないわけです、取引所を締めるということになれば。もしほんとうに協力して当たることならできますけれども、残念ながらできなかった。そのときに、じゃ私は受け渡し共用品を確保してくれますか。確保する。こういうお話です。数量は何方俵、二万俵とか一万五千俵とかいうお話はありました。約架する。確保するというのです。数量は一万九千俵やる、二万俵やるという約束はなかったかもしれないが、先限は全部わかっている、それは確保するというのです。それなれば、私はもう一つ不審で聞きました。これは困るから、確保するのならば契約保証金を出すから、先物まで契約してくれぬかとまで迫った。しかし、法律が通るまでは契約できぬ、措置法の糸だけじゃなく安定法の糸も一部入るから、絶対に法律は通るから大丈夫だと、これなればわれわれとして、商売人としては受けざるを得ぬ立場にならざるを得ぬと私は思う、その点を一つ御了解おきを願いたいと思います。それで質問よろしゆうございますか。
○小笠原二三男君 そうすると、小島さんに伺いますが、今の三木さんの話ですと、法律が、あなたの先の御答弁では、臨時措置法による生糸は少ない、二万俵には足りない、安定法のものを回してもらわなければならぬ、安定法のものを回すのには買いかえの先例があるのだから、そういう措置で回してもらいたい、こういうことです。ところが、三木さんの話ですと、安定法の部分は、法律の方が審議されるその結果による、従って、この法律は絶対通るのだから心配するなということだと、局長の方は、これは法律の方の問題であるから、法律の通らない先にそういう約束をするわけはないという建前で答弁をしておるわけなんです。そこで参考人お二人、その現場に出ておって、お二人の考えが違うのですね。小島さんにお尋ねしますが、安定法の生糸は買いかえて渡すという約束になっておるのですか。
○参考人(小島周次郎君) 買いかえ措置によって渡すというお話しは承りました。
○小笠原二三男君 小島さんは伺ったそうですが、局長どうですか。
○政府委員(大澤融君) そのようなことを申し上げたことはないと思いますが、ただその日に買いかえの話が出たかどうかという記憶は私ちょっとあれなんですが、十月二十一日のことでございます。十一月八日には買いかえというようなこともしてやることがありますという方針は述べてありますので、あるいはそういう話が出たのかもしれませんけれども、先ほど来申し上げますように、私の気持は一般的な方針を述べたのであって、具体的に数字あるいは確保の方法というようなことは、そのとききめられることでもないし、また、もちろんきめるべきことでないということでございますから、買いかえで十分確保いたしましょうというようなことを言うはずはないのでございます。
○小笠原二三男君 それならばお尋ねしますが、じゃ一般的だ、確保する、先限分全部確保するのだ、こういう約束だけはできている、そうですね。
○政府委員(大澤融君) 確保する措置を講ずるという一般的方針を述べたのであります。
○小笠原二三男君 それで三人の参考人もおっしゃる、その確保するということは何万俵になるかわからぬが、先限分とにかく計算すればわかるという、まあ最悪の場合二万俵というものははずしたにしても、しかし確保するというのは、その受け渡し価格は十八万円でもって受け渡すということが前提になって確保する、これだけはもう動かないことだと思うのです。これはどうですか。
○政府委員(大澤融君) 先ほどから申し上げますように、政府としては、十四万、十八万、この線は堅持するということで、法律改正までお願いしておるわけでございまして、そういう意味で法律成立の上は安定法の糸も十八万円で出るということで、そこで取引される方だけでなく、織物をやられる方、あるいは輸出をやられる方、すべてが十八万円で手に入るという期待を持っておられたと思う。そういう意味でこのことも御解釈を願いたいと思います。
○小笠原二三男君 そうすると、これはもう大臣が出てこられてから質問をしたいので、これで私他にこの問題は譲りますが、その当時もう二格を八格に拡大するなら、先限分全部を確保する措置を講ずる、しかも十八万円の実質最高価格で売り渡す、こういうことをきめておったとして、それが十月二十一日、その後の趨勢が変わってきたから、従って、この法案の建前も変わって十八万円確保の線が出ない。あるいは業界では二万俵という約束を取り次いでおるというのを、私は知らぬと言う、こういうようなことは重大な問題だと思うんです。われわれはこの法案を提案願って審議しておって、こういう事態になることは非常に遺憾です。これは現在問題になっている政府の提案理由の説明に直接関係することなんですから、まあそう申し上げる。いずれにしましてもこの問題について経過措置が政府として適正なものであったか、なかったか、このことにおいて業界がどういう影響を受けたか、受けないか、これらを考えるというと、私は相当ここに問題が残ると思う。従って、局長はあくまでもそういうことをおっしゃる、それから業界は業界の立場でそういうことをおっしゃる、こういうふうに意見が食い追う、責任者同士の話し合いをして意見が食い違う、こういうやり方をやっておって、そしてわれわれには法案は全くすっかり審議して早く通してくれということを言われても、われわれとしてはどうもこのことがはっきりせぬことには、おいそれとはこの法案の審議を促進するということはできないと思うんです。もう少し業界の方も、市場関係者も、局長もその当時のことを思い起こして、真にどういうことが統一された見解であったかということをはっきりしてもらいたい。まあはっきりした点は、確保する措置を講ずるということですか、確保するということですか、ここまでははっきりしておる。二万俵受け渡しの問題はとたんに約束であり、約束事でないとなっておる。このことはわれわれの法案審議に非常に大きな影響がある。何も二万俵受け渡しの約束がないということであれば、今この二万俵を出さなくても、札場が千二百四十円、それがもう出ないという見込みのもとに立っておる相場がそれくらいだというなら、あるいはそれくらいの価格でみんながよくなれるというなら、それでいこうじゃないかという議論も出てくるんですから、まあ私としては以上の意見だけ申し上げて、大臣が御出席になったら質問をいたしたいし、この食い違いの点は私はどこまでも追及します。委員長においても留意しておいていただきたい。今後大臣等の答弁の関係でまたわからなくなれば、業界の方の御出席をお願いしなければなりません、何ともしょうがない、その点だけ留保しておきます。
○清澤俊英君 関連として一つお伺いしたいのは、先般臨時措置法でない生糸を巷同に九千俵出された、当時緊急の御質問を申し上げておいたことは御承知の通りなんです、あれは何日になるんですか。あの措置をされた日は何日ですか、まず簡単にお知らせを願いたい。
○政府委員(大澤融君) 十一月十六日と十七日でございます。
○清澤俊英君 それで取引所側、十一月の十六、十七日に五千俵の買いかえの糸が流されましたね、その際あなた方はどうお感じになりましたか。
○参考人(石橋治郎八君) 買いかえの措置は、前からわれわれは、この各限月確保されるというときに、私は一番最初清算市場を通じて臨時措置法のものをお流しになったら一番公平じゃないか、こういうふうに申し上げたが、それはいかないと、やはり現物で売らなければならないというところに間違いがあったわけですが、それで、そのことをなされれば、この確保ができないというふうなことになるが、そのときにはどうなさるか。それは買いかえの処置で、政府の生糸も買いかえの処置でやるのだから、そういうふうな方法で不足分は確保しようじゃないかというふうなお話です。
○清澤俊英君 あなた方の確保ということでなくて……。十一月の十六、十七日の五千俵の買いかえは、買いかえという形式は、あなた方の確保にならないでしまった。確保にならなかったから、それに対してどうお考えだということを聞いている。今どうお考えになっているのですか。
○参考人(三木滝蔵君) 十一月十六日に買いかえ処置をした。あとまた一万五千俵ほど、十一月二十一日に二万俵売るのだ。だから、市場には大体二万五千、残りの約二万帳は消算用確保である、こういうふうに私は承っておったし、そう考えました。ですから、全部賀いかえに出すのではない。清算用の二万俵は別だ、こういうことなんです。あとは十一月二十日に一万五千俵ほど出すというのは、取りやめになりました、十六日の申し込みがあまり多かったから。
○清澤俊英君 先はどから聞いておりますと、あなた方の受け渡しの糸が足らないのだ。だから、その受け取りはあなた方がしなければならないことになるのでしょう。そうでなければできない。それが十一月十六、七日に、あれは市場に流したという形になっている。そのとき、どうお考えになったか。
○参考人(三木滝蔵君) 今私から申し上げたように、全部流すのではない。二万俵を清算用に確保した残りを買いかえ措置をするのだ、こういうことです。全部お売りになったのではない。だから、清算用の二万俵は残した、こういうことです。
○清澤俊英君 局長にお伺いしますが、この五千俵を流すとまはどういう御心境で流されたか。
○政府委員(大澤融君) 先般も申し上げましたように、買いかえの措置といいますか、古い糸を新しい糸にかえて持っておるという制度、そういう意味で買いかえの売り渡しをする時期として適当だと判断して、物品管理上ああいうことをしたわけであります。
○清澤俊英君 今でも思っておりますか。今でも、買いかえをするつもりでおられますか。
○政府委員(大澤融君) するつもりはございません。
○清澤俊英君 この間私がお伺いしたときも、これは今買いかえの時期でないから、買いかえは当分しない、こういう御答弁だった。結局、それは時期でない。買いかえということは私は間違いだと考えるのです。違法だと思う。それをあえてして、受け渡しの方に渡さないで市場操作に向けられた、その考え方はどこにあったか。今の質問に非常に関連がありますよ。
○政府委員(大澤融君) やるときは、このときにこそやるのが適当な時期だというふうに判断してやったわけでございますけれども、やる過程において、この前もお話し申し上げたように、いわば燃え草になるような状態が現出いたしましたので、中止をいたしたわけでございます。
○清澤俊英君 その際は、買いかえをやられることは、旧糸を新糸に切りかえるという考え方において、むしろ市場価格を旅出によって押えるという考え方の方が強かったと思う。
○政府委員(大澤融君) これは衆議院でも大臣から御答弁申し上げておりますが、副次的な効果として価格安定の効果があるということも意識してやったのであります。
○清澤俊英君 そこで、三木さんたちにお伺いしますが、大体、こういうことを知られたとき、局長が言われたようなことを知られたとき、二万俵確保するということを約束して手持ち糸を改出して価格を下げる、こういうことを知られたときに、あなた方としてはどういうことをやられたのですか。石橋さんも三木さんも、何か抗議がなかったか、これは間違いがないかと……。
○参考人(三木滝蔵君) そのために、二万俵の確保のために、これ以上——あのときに清算市場は非常に高くなった。五千俵に四万俵の申し込みがあった。そうすると、清算市場にはバイカイということが行なわれて、非常に売買尻が多くなる。それが二万俵を突破するというので、十一月十九日でありますが、建玉の制限をやらざるを得ぬことになった。それが二万俵以内に押える、いわゆる今までのバイカイが消えなければ、次のものがやれぬ。それで二万俵の確保が自然にできた。取引所としては虫がいいのですが、そういう措置も蚕糸局と協調してやっております。全部、四万五千俵出されたら大へんですが、五千俵出されて、あと一万五千俵から二万俵は二十一日ごろやる、こういうことが中心になって、われわれは建玉制限をやむを得ずしなければならぬ。それで二万俵確保に残すということで、少しも差しつかえないと私は思っております。
○清澤俊英君 そのとき五千俵やる前提として、たしか新聞等を拝見しますと、打ち糸三万俵というのですね、三万俵を整理して買いかえる、何かこういうことが新聞に見えたと思う。そこで、第一として五千俵が行なわれた、こう考える。しかし、これは大へんだというので緊急質問した、どういうわけなんだ、こういういきさつがあります。そこでその際は、あとの三万俵は絶対やらない、こういう言明をここでせられた。そういう場合に、はたして三万俵というものが今言われたような形式で出ますならば、一大市場混乱をするであろう、そこで建玉の制限までやっていかなければならぬ、こういう話なのです。だから、それまでのことはよくわかりますが、従って、これに対して五千俵というものがやられたときに、局長に向かって、なぜわれわれのところに波さないでそういう市場に流すのだ、こういうお話はなさったのかなさらないのか。
○参考人(三木滝蔵君) それは先ほど申し上げましたように、二万俵の確保は、いわゆる建玉を制限してまで確保の方に持っていったのですから、当然われわれとしては、五千俵が出されようが、あと二万俵だけ残っていればいいのですから、少しも私は関係ないと思います。何も抗議する必要はない、二万俵やるという前捉ですから。やらぬという前提ならば、抗議はしますが……。
○清澤俊英君 それは一応はそういろ議論も立ちましょうが、建玉の制限までして価格を押えていかれるのだ。建玉を制限してということは、無限大に買われていくと工合が悪いというので、制限せられたのではないですか。
○参考人(三木滝蔵君) 二万俵を確保するために、バイカイというものが行なわれた、三万も四万もとなると、それこそ困りますので、制限したのであります。価格を上げるために制限したのではありません。むしろ制限したので価格が下落するような結果になるわけで、その制限の目的は二万俵保にあっただけです。価格の操作はありません。
○清澤俊英君 下がるものを押えていったのでしょう。あなた方は今度は逆にこれを放流すれば下がるから、押えていったというのでしょう。あなたの今おっしゃったことはそうなんです。そうですね。そうするならば、もともとが価格安定にあったのだから、問題ないのじゃないか。下がるというならば、問題ないのじゃないか。
○参考人(三木滝蔵君) ここに申し上げますように、二万俵は、二万俵を確保するというためだけで、価格の問題はないのですよ。価格は全然関係ないのです。ほうっておくと三万にも四万にもなるから、二万俵で建玉を制限したのです。それ以外は他意はありません。
○戸叶武君 局長の、受け渡し供用品は確保する処置を講ずる、こういう言明に対する業界の人々の受け取り方が、先ほど来いろいろな形において出されておりますが、局長は役人として、やはり言葉としては非常に用意周到な表現方式を使ったと思うのですが、業界の人たちの慣習からして、その受け取り方は、手前勝手といえばそれまでだが、やはり自分たちの要望に応じてそういう答えが出たというふうに受け取ったのじゃないかと思いますが、その中において、小島参考人の衆議院の発言においては、「私は、今申し上げましたように、大体二万俵ということで、その具体的な内容については、はっきりしておりませんけれども、大体、生糸の先物という長い間のことですから、常識的に考えまして安定法の糸も含んでおる、かようにとっていいんではないかというふうに思っております。」というふうに答弁しておりますが、きょうのはそうじゃなくて、もっとはっきりしてしまって、そんな言い分ではないのです。臨時措置法の糸が少なかったので、安定法の分も不足分け充足するというふうに、明確にそれを解釈したので、この辺に非常な、お役人としての局長の言い方とそれから業界の人々の受け取り方の中に、越すことのできない大きなギャップが一つあると思うのです。その問題をもっと明確化していかなければならないと思いますが、それと同時に、三木さんの発言の中に、政府側が絶対に法律を通すと言明したということでありますが、通してやろうという努力の意思表示が、通すというのを業界の人たちはこのことを望んでおるから、政府の言うことなら通し得るものだというふうに解釈したものか、非常にデリケートであるが、この問題は、とにかく政府なり役人がときどき多数を擁して国会を無視し、審議権をじゅうりんし、業界の人には、政治権力を握る者、役所の相当の地位にある者は何でもできるという印象を与えておるから、こういう一つの問題が起きてきたのでありまして、一つの事実をめぐって、政府のあり方、業界の受け取り方、国会におけるところのこの問題に対する審議の持っていき方、この点におけるこの問題が非常にこれは複雑化してきたのですが、私はその点について、小島さん、局長並びに三木さん、その三人の方に、私が言った点をもっと簡単率直に表示してもらいたい。
○参考人(小島周次郎君) 先ほどの、衆議院におきまして、安定法の糸というのは……。その御質問でございますか。
○戸叶武君 衆議院で言ったのと、参議院で言っているのと違うのだ。
○参考人(小島周次郎君) それは、私は、どっちかというと、こういうことになれませんので、ぽうっとしてしまいまして、その当時のことをお話しするのに、大体二万俵……。それに、その速記録も間違っておるのです。安定法とは言っていないで、臨時措置法と言っておりますよ。速記録をこの間見たのですけれども、私の言っているのは臨時措置法というので、それは速記録の方ももう一ぺんお調べ願うといいんですが、その速記の記録が、私のあれでは、速記録の書類を見たのですが、臨時措置法を安定法と書いてあって、私の言うことがはっきりしなかったらしいのです。それで、安定法と何か書いてあるらしいのですが、私の方も実はその当時、あまりそういったことではっきり法律的に詳しくなかったのですから、それにちょっとぼうっとしておりましたので、そういうふうに申し上げましたので、その点は理事長から訂正されております。
○参考人(三木滝蔵君) 私の申し上げることについて、法律は絶対通るから心配ないのだという問題でございますね、御質問になった問題は。確かに局長は、絶対通ると。これはニュアンスの問題ですが、通る自身がある。——私は現在見まして、この法律が通る通らぬということについては、いろいろ聞いてみましても、まあ自民党の党議まで決定したのだというお話もうわさに聞いておりますし、こういうふうなあれから見ても、うわさですが聞いておますし、そういう局長の御言明があれは、通ると思わざるを行ないと思います。
○戸叶武君 衆議院の速記録が間違っているという先ほどの小島さんの言明は、重大な問題で、どういう手続を通じてそれをするか。こういうようなまじめな、重要な法律案改正をめぐっての公述人の速記を間違えるような速記者では、速記は勤まらぬし、それに日を通す者がどういうふうにしているのか、それも大きな手抜かりですが、それに今日におけるところの、先ほどの小島さんの発言は私も速記しておりますが、安定法の糸を渡してやると言ったと、自分で言っているのです。私はいつも、そういうことが問題があるから、速記者だけにたよらずに、自分で速記している。ここにおける発言だって、そのように現に私が速記しているのにも、そういう発言をしながら、速記が間違えたなどとよくも言えたものだ。ぼうっとしているか、しておらぬかわからぬけれども、そういうような公述人を頼んできて、ここの時間をわれわれは取られるということは実に困る。ほんとうに衆議院の速記が間違っておるかどうか、このまま衆議院の力に申し入れて調べてもらいたい。ここにおける速記も出てくるでしょうが、どういう速記が出てくるか、私も調べる。こういうふうにして自分の発言したことを、他に責任を転嫁してものを言うようなことでは、実際困る。 それと同時に、これは先ほどの三木さんの——大体業界の人の受け取り方というのは、いつもそこにそういう形であるから、政治腐敗の根源はそういうところにある。役所に頼めば、与党に頼めば、国会を無視してもどんなことでもできるというようなことで、国会の権威が保てるか。与党の人たちも、これだけの侮辱を受けて、この審議に当たることができるか。これは重大な問題です。たかが局長級の役人が、役所を背景とし、与党の多数を背景として、このような経済界に重大な影響を与えるような問題が問題化されているときに、そのような軽々率々な言動をやり、そのような印象を業界に与えるというような役人は、罷免すべきだ。許せない。こんな侮辱まで受けて、しかも公述人の発言は何だ。農民を侮辱し、政治家に挑戦し、傍若無人な言動をあえてして、とにかく大切な問題に当たるや、ぼうっとしたとか、のぼせたとか、水がほしいとか、いまだこの国会の公聴会において、このような国会をふざけた言動をもって横行した公述人は一人もない。われわれは、これは取引所において今非常な重要な段階にあるので、どういう線でこれをまとめ上げようかという形において、謙虚な形において今日まで審議を進めているのだ。そういう形において役人に頼めば、自民党がこれにきまったからその通りなるというような言動のもとにおいて、この国会運営に当たられるというのなら、われわれは国会審議に応ずることはできない。 委員長、この点を究明しなければ、これ以上私たちは審議に応ずることはできませんよ。
○参考人(三木滝蔵君) ちょっと私は便所へ行っておりまして……。私の発言について、何か侮辱したことがあるのですか、それをお聞きします。私はきょう参考人として参っております。あなたからしかられるということはないつもりです、私の発言に対して。
○戸叶武君 君のことは別なんだ。はっきり頭を冷やしてくれ。
○参考人(三木滝蔵君) 私は頭を冷やして……。
○戸叶武君 あなたのことじゃない。
○小笠原二三男君 参考人とわれわれとの関係において、何も参考人に抗議をするとか何かにするとかでなくて、われわれみずからの委員会の運営についての不満を申し述べていることですから、その点は誤解のないように。また、皆さんは国会のお客さんとしておいでになっているわけで、おしかりするなどというようなことは、とんでもないことであります。まあしかし、その公述の仕方等については、非常にポイントになる点についてぼける点があると、やはり国会の審議に差しつかえるから、言葉も荒くなったと思いますが、その点は一つお聞き流し願いたい。 ただ、わが党の理事として今お話しになった委員長への要求については、これはわれわれ社会党委員の全員一致の意見と心得えていただきたい。さっきも申しましたが、業界の非常な、混乱か安定かというのに直接関係する法案審議にあたって、政府側と業界との約束の問題があいまいな形になっておるというようなことは、これは許されないし、また、清澤委員のお話ししておる買いかえの問題につきましても、小島さんのおっしゃる二万俵のうち安定法によって流す分は買いかえ措置をやるのだといい、現に十一月十六日、十七日、次は二十一日、そういうことも予定されておった事実もあるのですから、従って、何ら煙のないところにそういう業界の御発言があるものとは考えられない。やはり相当の話の行きかいがあって、取りきめがあるものと認定せざるを得ないのですが、全然そうでないということであれば、これはいずれかが責任をとってもらわなければ困るわけなんでして、まあ他に参考人に対する質疑があれば、続行することはやむを得ませんが、このことは済み次第、実はわれわれとしましては、三木さん、石橋さん、小島さん、大沢蚕糸局長、この四人を証人として当委員会に喚問しなければならない、こういう考えを持っている。理当会等で取り計らいいただくなら、それでもいいと思いますが、速記をつけて、この点だけは、われわれの今までの審議の経過からの当然の要求として、委員長に申し上げておきます。非常にまあわれわれとしてはこの審議の状況は不本意ですという点は、はっきり申し上げておいて、あとの理事会等で十分しかるべく御相談いただくようにお願いしたいと思います。
○清澤俊英君 一言だけお聞きしますが、ということは、まあ今までの参考人のお話、あるいは局長のお話を参考として述べられておることを聞いておりますと、一つの人為相場を作り出したということですね。これだけおさめなければならない、おさめるにはこうしたらいいのだ。そして小島さんの証言のごとく、それを信頼して、いろいろ話し合いをして、まあ私どもは努力してきた。実際の動きとは違った一つの種が投げられたら、それに努力して持ってきたということは、その授けられた種を中心とした、取引所が中心になってまあ人為札場を作った、こう見ている。私どもはそう解釈する。解釈は別ですよ。おのおの人によって違いましょうけれども、私はそう解釈する。 そこで、問題は、あなた方が取引所というものを持たれる。その取引所が、結局しまするならば、商品取引所法ですか、によってあなた方の取引所を持たれるときの第二条は、公正なる価格を形成していくんだということと、人為相場というものは、これはどういう関係になるのです。そこの点はどう解釈して、いろいろ話し合いをつけて、政府が言われるんだから、それに合うような努力をしてきた、これと、公正なるいわゆる価格形成を出すんだという取引所木米の使命との関連に対して、どうお考えになってやってきたか。これは重大な問題だと思うのですよ。取り方によりましたら、あなた方は自分の使命を忘れて取引所法違反を行なっていると、こう極言しても私は間違いないと思う。明快に、第一条は「この法律は、商品取引所の組織、商品市場における売買取引の管理等について定め、その健全な運営を確保することにより、商品の価格の形成及び売買その他の取引を公正にするとともに、商品の清算及び流通を円滑にし、もって国民経済の適切な運営に資することを目的とする。」、こうなっておる。これが中心です。そこで問題が出ておるのです。 十八万円を支持しますならば、製糸辛も困る、こういう線も出てきておる。これは公平ではないのです。養蚕家はなお困る。これも公平でない。あるいは売れると非常に工合がいい人もあるかもしれないけれども、灰皿においては非常に小公平になる人も出てくる。それらの線を自然にまかせて一つの取引をやって出していくのが、これが公正な態度じゃないかと思う。それを、政府がこう言われましたから、ああ言われましたからということで、それに努力して、人為相場を作ることに努力せられたということが、あなた方の業務上の立場に立ってどうお考えになっているか、それを一つ聞かしていただきたい。
○参考人(三木滝蔵君) 今お話を聞いていますと、取引所が不公正な相場である。——私は意外な御質問に驚くわけでありますが、取引所の価格は実に公正なものであります。これがどういう理由で不公正であるか。なぜなら、三千二百円、三百円とか、二十一中という糸の値段でありますが、取引所の値段は、先ほど申しましたように、八格といっていろいろな格づけがある。一番売れない糸が取引所に回る。だから、それの相場をちゃんと示しております値段ぐらい、いわゆる大衆がやる値段ぐらい公正なものはありません。だから、取引所の相場も、生糸の値段、現物の二十一中の値段も、これは公正なものであります。取引所は不公正な値段はやっておりません。
○清澤俊英君 非常にいばって御返答になるようであります。三木さんはそういう考え方かもしれませんけれども、現に小島さんは、政府がそう言われるから、政府の趣旨に沿って、いろいろ話し合いをして、その趣旨に沿うように努力いたしましたと、こう言うんです。その努力は人為相場じゃないかと、こう言うんです。一つある相場を定めるために努力したら、人為粗粉です。取引所のやるべき筋をはずしているんじゃないか、そう解釈してよろしいでしょう。たとえば、これは政府が言われるんだからと言われろが、ときどきそういうものが、あなた方の大体取引所の中に、政府といわずして前からあるんじゃないかと思われる。これは、私は生糸取引所のことはあまり知りませんけれども、取引所のことはあまり知りません。知りませんが、われわれは三者からして、外から見ておりますと、ときどき人為相場というものが形成せられる。これは現実ですよ。これは現実です。
○参考人(小島周次郎君) ちょっとお答えいたします。それは非常な間違いなのです。火は、私どもは公正妥当な相場を立てたいのです。ところが、政府当局から、なぜ糸が高いかというお話がありたですね。それについては、品物がなければ不味相場になる、そういったようなお話がある。そうすれば、品物がなければ困るじゃないか。それじゃ品物をよこしたらいいじゃないか、こういう話です。
○清澤俊英君 それでは、あなたが十八万円の趣旨を知られたので、それで、取引所の中で話し合いによってこれに努力していったと言たって、あなた方何をしたのです。何をなさっているのですか。究極すれば、政府が十八万円で出すというものがあれば、その値が下がります。八月の大高騰に対して、政府はたまげて農林大臣の意見を発表したんだ。それが市場に反映して下がってきている。これはあるいはいろいろな材料を中心にした公正の取引価格というものは出たと、こう解してわれわれはいいと思う。いろいろな外界の材料で相場が変わることはあるのです。このたびの証券相場が下がった。下がったことにつきましては、あるいは信託の取り扱いを改正するとか、信託の取り扱いを改正して株に回せぬようにするとか、これが一番重大な問題であると思う。私は相場師じゃないから知らぬけれども、あるいは公定歩合が引き上げになったとか、あるいは政府のたびたびの値ごろ抑制勧告によりますところの株価値上がりの抑制というようなものが反映して、ひどく下がってきているのが、これが相場への反映で、公正なものが出てくるであろうと私はそう思う。 それと別に、取引所自身幾らの価格にしなければならぬというて、別の材料を持ってきて、そうしてその価格を下げていく、維持していくということは、これは人為相場であって、決して私は公正とは考えられない。従いまして、それ以来出てきた相場というものは何になっている。先日もあなた方にお伺いした通り、取引所の相場は十八万を維持しておるけれども、現物は二十万円以上に行っているじゃないか。これを一体どうするのか、どう御解釈なさるのです。私はその点全くわかりません。何とかかんとかあなた方から御説明していただきますけれども、私にはわかりません。相場の価格は十八万円で押えたけれども、現物は二十万円に行っているじゃありませんか。これは一体どういうことになるのです。その点をはっきり明確に教えて下さい。
○参考人(三木滝蔵君) 取引所の相場は十八万円じゃありません。よくごらん下さい。十八万円に指示したけれども、火勢が上がって十八万円以上なのです。現物は二十一中の価格と取引所の許容八格の差はありますけれども、取引所の相場をごらんなさい。十八万円じゃありません。以上になっております。それを前提にしてお考え下さい。
○清澤俊英君 それまでになれば、もっと私は参考書類を持ってきます。取引所は、なるほど十八万円じゃないでしょう。十八万を中心にして少しぐらいずつは動いているでしょう。大体十八万を土台にして動いていると思います。現物は、現に二十万円を土台にして動いているということは間違いありません。今日は現物だけでしょう、取引所は停止しているから。これが、三千二百四十円という価格は、十九万四千四百円じゃないかと思うのです。そういう値段が現在出ている。取引所は停止されても、出ている実勢なのです。私はそういうものを見ますときに、十八万円というものは、政府が何とか約束したからどうだとか言うて、いろんなことを言うておられる。それを、何でもかまわない、政府が言うのだからこれはふんだくらなければならないのだという考え方以外の何でもないのじゃないかと思います。われわれとしましては、国民の税金でもって買い上げた約三百億の糸を放出するにつきましては、何とかこれを欠損ないように埋めくわせていかなければならない。国民の税金なんですよ。そうしてみますならば、あなた方の十八万円で渡したものが、現物では直ちに十九万円で飛んでいくようなことを、黙しているわけにいかぬという考え方も出て参ります。ただ、われわれが幾らしろうとだって、あまりそれはサギをカラスと言いくるめようったって、むちゃな話だと思う。
○参考人(三木滝蔵君) 取引所は別に十八万円というくぎづけにしたくなかった。先ほど言われるように、取引所は十月二十一日に、私さっき申し上げたように、返上してでも二格でやろうと考えたのです。横浜にも協力を求めた。しかし、政府の方針が十八万円堅持だから、涙をのんで八格を受けたのですよ。取引所は決して十八万円にしたくなかった。それで、政府のいわゆる指導方針に基づいてやったわけなんです。それでも、実勢のいいときは、先物が三千四百円以上になった。停止前には三千二百八十円、期近物はもっと安くなっておりますが、先物はそういう相場が出ておる。あなたよくごらんなさい。取引所はやむを得ず十八万円に協力せざるを得なかったと申し上げている。私はしたくないのです。
○清澤俊英君 だから、それなんですよ。したくないが十八万円で出すということが人為じゃと、私はこう言うのだ。先物だと何であろうと、あなた方はしたくないと。まだ上がる相場を押えられたということ、みずから押えてきたと。これは人為じゃないかと。そのこと、率直に言いなさいよ。
○参考人(三木滝蔵君) ですから、それであっても、実勢の強いときは、政府の十八万円という以上の相場を取引所は出しておりますと申し上げておる。現に納会のときは三千百円ぐらいになっておりますが、その前は三千二百九十九円まで行っております。ですから、政府の施策があっても、相場の強いときは現実に相場が出ておるわけです。
○小山邦太郎君 きょうは熱心な参考人に対する質問と、参考人各位からの大体事実に近いであろうと思われる御答弁もありまして、大へんに参考になりました。しかし、その答弁のうち取引所に関する答弁には、政府と取引所の責任者との間に食い違いのあるものが残っておって、これはあくまで究明をするということは大切なことであろう。それがために、先ほどこの審議についての御意見もございましたが、今日審議すべき蚕糸業の問題はただ、取引所だけに限られたものでない、もちろん取引所が重大な関係を持つことであるから、この究明すべきものは究明をし、進んで蚕糸業界全体の上からいえば、いずれかに早くその方針をきめてもらわねば、いたずらに混迷の間にその日そのひを暮らしておるということで業界のためにも困ったことだということは、昨日来の参考人も声をそろえておっしゃっておることでございまするので、どうか、先ほど来のまだ解明できない政府の答弁と、それから取引所の信ずるところを発表したその言論との間に相違はある。これはなお究明するものといたしましても、法案そのものに対してはさらに引き続き審議を進められるよう、理事会において御相談を——(「そんなばかなことがあるか、審議も進めないなんて」と呼ぶ者あり)審議を進める。審議は進めなきゃだめだ。審議を進める。審議を停止することなしに審議を進められるよう、理事会において御相談されんことを、委員の一員として強く希望を申し上げます。
○小笠原二三男君 最後にもう一分ぐらい簡単にお尋ねしますが、三木さんと小鳥さんに。政府から十八万堅持を指示されても、取引所を停止しても実勢は上がってくるという状況である。この点からいえば、特価というものは、適正時価というものはもう十八万円ではないのだ。この認識だけは私持ちたいと思うのですが、そういう認識を持ってけっこうでしょうか。
○参考人(三木滝蔵君) 政府の保有しておる四万数千俵の売却の方法で糸価は決定すると思います。これを売却しなければ、ある程度高騰相場は、ただいまのこの売却の方法も、ちょびちょびするならどういうふうになるか、こういう方法で微妙なものになってくると思います。しかし、先ほど申し上げるように、他の繊維業界との競合問題で、来年の春には、はたして十八万円が糸価であるか、二十万万が糸価であるか、あるいは十六万円になるかということは非常に予測が困難です。
○小笠原二三男君 それからもう一つお尋ねしますが、この法案に賛成である、すみやかに通してほしいということですが、すみやかに通して、現物の売り渡しが本年内にできますか。
○参考人(三木滝蔵君) 私の力はきょうが納会なんです。この審議を見たらできないために、神戸は解け合いいたしました。
○小笠原二三男君 横浜の方はどうですか。
○参考人(石橋治郎八君) 先ほど申しました通り、本日をもって取引所は法制的にいやおうなしに受け渡ししなけりゃならぬということはわかっておりますし、法案の見通しからいって、本年の売り渡しは困難だと私は断定いたしました。そのように仲買業界に対して、その善後処置を依頼いたしまして、四日間徹夜でやっておりますが、結論が見出せないというところです。それで何とか解け合いをして、これを円満にやってもらいたいという話をしているのですが、どうしてもそれが売買双方でできない。取引所の方針からいえば、取引所は場を貸しておるのだ。実際この売買は売買業者の仲買人がやっているのだ。だから、この問題は少なくとも取引所に責任はあります。ありますけれども、仲買人自体がこれを解決しなければならぬ状態にあるのです。で、その問題についてやっておるのですが、まだ結論を得ない。どうするかという理事長に対して質問ですから、私はきょうこちらへ呼ばれて、そういう関係でどうも出られないが、本日の三時をもって最後の断を下す。断を下すとは、その売り方が承知をしないで契約不履行、違約処分というふうなのが商坂法にちゃんとございますから、そういう違約処分にしたときに、どういう結果になるかというようなことを想定いたしますと、事はきわめて重大でございます。要するに、これが違約処分にいくというふうなことになって、それがうまくいかないときは、取引所はこれでもう閉鎖です。
○小笠原二三男君 そうすると、来春になりますと、いつから始まりますか、来春の取引は。
○参考人(石橋治郎八君) これは申し上げた通り、処理ができない、違約処分でどうしてもできない、どうしても折り合いがつかぬというときには、われわれは理事会を開いて、この取引所をどうするか、存続していくのか、やめるのか、こういう問題は、私はきょう三時に聞くつもりでございます。それによって、取引所の理事会の委員によっての決定によって、いずれとも私は決定いたしたいと、こう考えております。
○小笠原二三男君 それはよくわかりましたので、正常な状態においては、来春早々の取引はいつから始まるのですか。
○参考人(石橋治郎八君) それは四日の日から発会いたします。そうして新甫を立てることになっております。四日でございます。
○小笠原二三男君 そうすると、この状態が続けば、やはり四日の立ち合いもまたおくれる、こういうような状況も起こりますか、起こりませんか。
○参考人(石橋治郎八君) それは横浜は、今申し上げたように、未解決の問題がございますので、これをきょうの三時から五時の間に、もう五時以後はできません。わずかに二時間でございます。そこにしぼりました。それでもう五時以後は何にもできませんから、三時から五時までの間にこの問題は解決する。解決は右へいくか左へいくか、できるならば皆さんの協力を得て何とか無事に切り抜けて解け合いをいたして、そうして来年は続けていく。そうしてこれが解け合いできれば、何とかして今の臨時措置法の糸が千五、六百に上がっておりますから、それでもちょうだいできれば、私は円満に解決ができるから何とかお願いをいたしたいというのが私の真情でございまするけれども、できなければどういたしますか、それは未解決でございますが、私はどこまでも取引所を守るということでやって参りまして、そうしてやりたいと思っております。
○中田吉雄君 ただいまの問題とは逆に最初の問題なんですが、石橋さん初め三木さん、小島さん、長い間取引に御関係のようですが、私も昨年欧米各国を見て、実は私、生産者の代表をやっておるものですから、かなり関心を持って取引業者にずいぶん当たって、在外公館でもだいぶ聞いて、最初にいわれたように、値段よりか糸価が安定することだ、これがまあ一番順調な輸出を振興する根本だということを、異口同音に取引業者の人が言っておられたのです。しかし、まあそうかといって化繊との競合関係がありますから、その辺のかね合いは非常に大切なんで、私の党がやかましく御質問申し上げるのも、決してそういう糸価を安定して順調な蚕糸業を振興しようということと離れているわけではない、ただ、これをかえて、小島さんは政府が手持ちを出さなんだために、非常に強気になったような御発言でしたが、これを改正して出した方と、どっちが、今手持ちがあることによって、いっかは出されるのだからということで、むしろ相場を抑制しておるかですね、その関係は一体どうか。むしろ五万俵近くあることによって、それが圧力になって、やはり札場を規制しておる一つの問題になりやせぬかということと、だれかが申されたように、私も今のような強気の状況なら、来年はかなり増産になるのじゃないかということをまあ思うのです。しかし、それにもかかわらず、ここでこの法を改正して全部出して手持ちがなくなってしまったら、一体その方が、増産と差し引きしても、むしろ相場は安定するのに困りやせぬか、この関係、この二ですね。むしろ五万俵近くあることによって、もっと上がるかもしれないやつを、かなり焼制しておるのじゃないか、コントロールしていやせぬか、さらにここで全部放出してしまったら、末年の増産を予想しても、三十五年度の生糸消費の見通しからして、手持ちが、政府の庫がなくなる、伝家の宝刀がなくなるということになってしまえば、むしろ長い目で見ると、糸価安定に問題がありゃしないか、この二点についてどなたでもけっこうですから。
○参考人(三木滝蔵君) 非常にうがった、いい御質問を受けたわけでございますけれども、私の見解を申し上げます。昆布ある糸価を、もう二十三万円は出さないのだ、これ以上出さないということになりますと、必ず糸価は上がると思います。ほかの商品に逆行して。そうなると、蚕糸需要者はこれを使わぬようになると思う。そうすれば、だんだん来年度の糸の消費が非常に減るのじゃないかと、私はそう考えております。一度使用を一ぺんにやめますと、そう簡単に、ちょっといいから、すぐまた生糸を使うという状態はなかなかむずかしいと思います。この点は、本日出席された日絹工業会の岸参考人にお聞きした方が一番いいのじゃないかと私は思います。私はそういう考えを持っております。おそらくこの四万数千俵が一挙に私は売れると思っておりません。もっとも十八万円を頭で売れば、あるいはと思いますが、衆議院の附帯付きのような、ああいうことでは一挙に売れるとは私は思っておりません。 それからもう一つ、先に戻りまして取引所の問題をさっきお聞き願ったのですが、横浜の石橋さんから御答弁がありましたが、神戸の取引所はいささか見解が違うのです。なるべくこの法案が参議院を早く通過いたしましたら、神戸は年内にでも取引所は再開するつもりです。そうして八格のような、いわゆるややこしい相場を立て、実勢の相場を持っていきたいということで、取引所は熱心にその熱意を表明しております。しかし、当期も土曜日に、利気あいあいに商取引をいたしました。この点では横浜といささか違っておりますから、その点を一つ御了承を願います。
○参考人(石橋治郎八君) 私は、需給関係におきましては、非常な微妙な関係に置かれておると思うのですが、安するに、価格の位置というものが需給関係を左右するんじゃないか、こういうふうに考えておりますので、まあこの調子でいきますれば、皆さんが、みんな来年になれば暴騰して、これはどこへいくかわからないというような人気が大体市場を風靡しているのですね。ちょうど十五万円を割って、十四万円へいったときに、十一万円が出るんだという気持と同じような空気にあるように、私どもとしては、勘の上からいえばそういうことであります。決して相場というものはそういうものではない。だから、これは私は十八万円とは申しませんが、そういう内外の声明によって出せば、おそらく海外を通じてこれを買って参ります。これが縁になるんじゃないか。そうして、ほんとうに海外が生糸というものについて、非常に理解が高まって来年から買ってくる。また、中国の関係を見ますと、昨年は十九万円を維持しておるときには、中国は一万円から一万四、五千円安でどんどんヨーロッパへ売って、そうして日本は人身御供になったのですから、今度、糸が十四万円になったというときには、十五万円を切るということになりますと、中国は一つも売りません。全部売りどめでございます。そうして相場が回復して、また十七、八万円になれば売るというようなことで、ほんとうに中国にうまくあやつられるようなことがあってはならぬ。中国は、本年は約三制減と申しますけれども、来年はそうはいかない。相当増産になるというようなことを考えますと、よほど慎重にお考え願っていただかないと、私は結局、漁夫の利を中国にとられるのではないか。だから日本も、大体十八万円見当の相場が中心の相場であるということになれば、これを中心にしてうまく調節をして処分をしていただくことが蚕糸業のためにいいのではないか、こういうように考えます。
○清澤俊英君 今度は津さんにちょっとお伺いしたいのですが、あなた一番先に、昨年の糸の問題を出されて、大体十九万円で安定すればよかったんだ、それが異常価格の十四万円まで下がるような状態になって、非常に混乱して、組合全体で二十四億の損をした、これはよくわかります。一番被害を受けられたあなた方が一番御存じだと思う。そこで、大体今私が問題にしておりますのは、十八万円の札場が立って、取引所の値段がきまって、現実は二十万で出ているのですね。その場合、あなた方の買っておいでになる糸は、現実何でしょうか、二十万円近いものを始終お買いになっているのではないか。これがまあ実勢相場というのですか、現場相場というのですか、これが二つに分かれているようです。いろいろそうでないという御答弁がありましたが、毎日の新聞を見ておりますと、それがはっきり出ております。そこで、あなたのお手元に最近ずっと入っている糸は、どれくらいで入っているかということと、いま一つの関連としては、どうも十九万円を少し出ると、内需の関係から、どうも輸出の方へ影響していく、内需が非常に減ってくるのではないか。そうして糸が余れば、輸出の方も、外国が見ておって少しは下げるんじゃないか、こういう御意見でありましたが、そこでお伺いするのは、今実勢としてお買いになっている糸が、総体から見て糸屋さんに大体どれくらいで入っているか。自分で手回しで糸をとっている人もあるかもしれませんが、現実相場というものが出ているんだから、ここのところを一つわかるように教えていただきたいと思います。
○参考人(岸加八郎君) なかなかデリケートな問題であります。今、現在私どもは、先ほど申しましたように、輸出の方は年額八万俵、内需の方は二十万俵というような消費をしております。だから全部が全部手当が済まないものもあります。また、今なるほど政府手持ちの糸は、三十年、三十一年度の糸です。そういうものが、たとえば十八万円であっても、たとえば縦糸に現在の新しい糸を使わなければならぬとか、いろいろそういうような技術上の同願でまた現在の糸を買う場合もあります。それはやはり今現在の相場というもので、一部の者は二十万円か、あるいは十九万円で買うております。ただ問題は、私どもの憤概しているのは、生糸というものは、何というても一年草である。化学繊維のように、どんどんと設備さえすればできるものではありません。だから、そこで長年、千何百年と続いている蚕糸業であるから、関連している業者は、これを悪口でいえば、どうしてもばくちに利用しやすい。だからその利用する程度が、つまり化学繊維のものなら、たとえば人絹ならば、今操短しているものを解除すれば一ぺんにできますが、蚕糸はそうはいきません。まあそれらこれらの関係上、ばくちに利用する場合が、他の商品から見れば非常に多い。だから十九万円のときに、下がる、これは行き過ぎると思えば、皆が下がる運動を起こせば、十四万円で行き過ぎぬようにやってくる。今度十八万円、十九万円でいいのでも、二十万円ででもやってくる。これは、ちょうどいい例は朝鮮ブームのあのあとのときに、二十三万円最高価格、二十四万円政府禁止価格、それが三十万円でも私は買わされた。やはり一部に金力で買うておいてやるから、そうせねば飯米を買えないから、そういうような操作が蚕糸業に非常に多い。しかし、私どもは、先ほど石橋さんが、放っておけば来年は非常に高いという、そういう考えもあるでしょう。しかし、一体ほんとうの相場、ほんとうの真実はどうだ、こう申しますと、輸出は、これは三木さんは輸出の関係から非常によくわかっておりますが、アメリカへどんどん輸出もいっておりますから、そういうような状態で、輸出の力に要るものはともかくも、もはやとまりました。それから内需の方も、丹後の組合のごときは二割操短をやっております。この間、私どもの総会がありました。そのときに、ある組合から、二割操短をせぬと、このまま放っておけば、ただそういうばくち業者に乗ぜられるだけで、ますます糸が切迫すれば不当につまりつり上げられる。だから二割操短すべしという声が非常にあった。ところが、この現在の状態をしさいに調べてみますというと、今、政府の持っているのが四万五千俵持っております。製糸家の一月から五月までの生産高は、十万俵はかんかんに出ます。十二、三万俵出るかもしれない。そうすると、十四万五千俵ないし十五万俵出る。ところが、そのうちで私どもの組合の方では、内需の力は毎月一万七千俵使います。輸出の方は七千俵使います。こういうものを検討していきますというと、二、三万俵は五月までには全部を通じて余ります。ですから、糸が足らぬというので二割操短をすることは、あまりにも、ただ人為的に策動するのであるから、これはいかない。私は断じて、そういうことは自分の天命に向かってやらなければならぬという工合で、原案通りには通過させましたけれども、そういうようなことが非常にあるのです。そこで一体、今の二十万俵は政府で認めた価格だということをちょいちょい聞きますけれども、審議会の一員に山梨県の養蚕家の代表で磯野さんというのですが、磯野さんが常に言うておる。おれは一貫日あたり千円で糸を、繭をこしらえて見せる。一貫目あたり千円なら幾らかというと六千五百二十五掛です。六千五百二十五掛で四万二千五百円の生糸の生産工費を加えても十四万、十五万円だ。よく新聞で児ますというと、養蚕家の連中は一貫目あたり千五百九十円でなくちゃならぬ。千五百九十円なら、なるほど掛目は九千六百二十一掛です。そうして農林省のこの調査を見るというと、その場合には生糸の生産工費が四万七千九百円となっております。そうして二十万一千円でなければならぬ。こうなってくるというと、政府の調べのこれも、何万とある養蚕家、また私どもの織物生産から申しましても二万からあります。二万人からありますから、工費の用いようは、ほんとういうたらいろいろに用いる。同じ富士山でも、富士宮口から見るとまた違うようなもので、そういうような工合で、まず大体、先ほどよく政府の帳面を見れば買えという話だけれども、そこにいろいろなからくりがあるということ、そういうような関係から、私どもは現在の状態から申しますというと、競争入札にしてもそう大したことはなかろう、こういう考えでおります。今AA制の問題から、綿糸でも毛織物でも非常にどんどん下がっております。だから、そういう工合に見るというと、あまりに高く見るというのは、世界の趨勢をあまり甘く見ておるのじゃないか、そういうふうに考えます。
○清澤俊英君 私はめんどうなことをお伺いしたのじゃないのです。今川場が十八万円であっても、糸屋さんの中では現在は二十万円くらいで買っていると、それをお聞きしたのです。それはいいんです。そこで、たまたま先ほどから養蚕の糸の問題が出ますし、磯野さんの千円説が出るのです。それは養蚕に関係のあるものは、磯野さん一人の独走だといっています。これは米を作りますものが、十俵取りとか、十二俵取りとかいって、篤農家とかいうような者が呪われて何か賞品をもらっておられる。これは特例です。それを中心にして、いやしくも、まあ石橋さんはおれは五千年も蚕糸界に巣をくっておるのだといわれるし、あなたもそのくらいに見ております。だから全部皆さんの御経歴を見れば、われわれがかれこれいう筋のものじゃないほど、蚕糸業全体については御経験を持っておられると思うのだが、それが千円繭が中心でこうなるのだということは、これは将来の話で、私も千円繭を作りたいと思う。あなたと一緒に審議会に出ておるからしばしば言っておる。政府は早く千円繭を作るようにしてくれといっております。それほどけっこうなことはないと思う。ただ、千円繭は現たじゃないのです。現実にないものが政府の試案として、今養蚕の繭価格として出ているのだろうと思う。また、そこにもいろいろ推移もあるかもしれませんし、また、生糸の生産価格にしましても、五万幾らというこれにもいろいろ疑問もある。現実においてはいろいろなものがありましょうが、そういうことで今議論してはなりませんですから、どうぞその点は撤回していただきたいと思う。私は議論しません。だがしかし、少なくとも適正の価格を出し、そうして蚕糸業一体の形でものを持っていくとしたならば、養蚕家のことも考えてやらなければならぬ、製糸家のことも考えてやらなければならぬ。これは考えてやらなければならぬことでしょう。そうしてできるだけ、まあ現実に沿うように皆さんに努力してもらわなければならぬ。その努力の点が私にはちっとも見えないと思う。こうすれば売れるのだ、十四万で売れるか売れないか知りませんけれども、あなた方が十四万を目ざして異常価格だといっておられる。異常価格とは何だ、正常にあらざるから異常なんだ。異常価格の十四万や十五かや十六万で光ったのではダンピングで、しまいにはたかれますよ。私はおそらくそんなことをやっていたら、世界的にそんなものは取り上げられる問題じゃないと思う。私そうだと思う。そんなことを中心にして議論ばっかりしていられたってしょうがないから、その議論は一切私は取り消して下さい、そういう議論は。
○委員長(堀本宜実君) 参考人から意見を伺うのはこの程度にいたします。参考人の各位におかれましては、年末、長町間にわたりまして御陳述を願い、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。 ここでしばらく休憩し、委員長及び理事の打ち合わせの都合もありますので、再開は放送をもってお知らせをいたします。 これにて休憩いたします。 午後一時四十八分休憩 —————・————— 午後五時六分開会
○委員長(堀本宜実君) 委員会を再開いたします。 繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を議題にいたします。 まず、前々回の委員会における小笠原委員の質疑に関し農林大臣から発言を求められておりますので、これをお聞き取り願うことにいたします。
○国務大臣(福田赳夫君) 去る十一月五日提案理由の説明を申し上げましたが、その後の糸価の変遷を考えると、法案の精神である骨子には変わりはありませんが、その説明の中に申し述べてあります法案の運営の点について、これを変更する必要がある場合が認められるに至りました。さきに御説明いたしました補足説明は、このことを明らかにしたものであります。すなわち、さきに去る十一月五日提案理由の説明をいたしましたが、今日の段階の説明としては、右の通り御了承の上、御審議をお願いいたします。
○小笠原二三男君 大臣の再三にわたる補足説明でございますが、それぞれ事情のあることも了承せられますので、私はこの段階においては、この提案理由説明の補足説明については、この程度で、内容的には了承いたしませんが、たとえば法案の精神である母子とは何であるのか、りっぱな文章なのでよくわからぬのでございますが、また参考人等の説明を聞いても、それが変わったのか変わらぬのか明らかでありませんので、内容的な了承というわけにはいきませんが、審議の経過において、この事態は明らかになると思いますので、大臣のただいまの補足説明を了としまして、この点はこれで打ち切ります。
○北村暢君 私、資料要求をいたしておきたいと思いますが、昭和三十三年の繭糸価格安定特別会計の、三十三年、三十四年の経理内容についてわかる資料を提出していただきたい。 もう一つは、保管会社の損失に対する補助金の交付があれば、その内容もわかるように至急出していただきたい。この二つの資料を要求しておきます。
○政府委員(大澤融君) 承知いたしました。
○委員長(堀本宜実君) 本日の質疑はこの程度にいたします。 —————————————
○委員長(堀本宜実君) 証人出頭要求に関する件についてお諮りをいたします。 繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案審査のため、証人の出頭を求め、その証言を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(堀本宜実君) 御異議ないと認めます。証人出頭の日時及び人選その他手続等につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(堀本宜実君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。 本日はこれをもって散会いたします。 午後五時十一分散会