農林水産委員会 第5号
- 発言数
- 131 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1959/11/12
会議録
○委員長(堀本宜実君) ただいまから農林水産委員会を開きます。 沖縄周辺海域における漁業保全の件を議題にいたします。 沖縄島周辺海域において、米軍の演習あるいは実験のため、十数カ所に及ぶ危険区域が設定されて漁場が閉ざされ、また操業が制約を受け、わがカツオ、マグロ漁業を崩壊に導くものとして、その撤廃が要望されておるのでありまして、この際、御要求もあり、委員会の問題として事情を究明することにいたします。 まず政府から事情を聞くことにいたします。 なお、政府の出席者は、外務省アジア局北東アジア課長中川君、水産庁長官代理高橋君であります。
○政府委員(高橋泰彦君) それでは沖縄周辺におきまするアメリカ軍の演習の概況について、まず、経過と現状を御説明申し上げます。 沖縄周辺におきまするアメリカ軍による演習区域は、昭和二十六年八月以来実施され、公示されてあります。で、この演習区域でございますが、これはたしか記憶によりますと約八カ所くらいあると思いますが、この区域は相当漁業上重要な区域も含んでおりますので、従来とも漁業者からしばしばお話は承っておるような次第であります。ことに、沖縄周辺の海域は日本のカツオ、マグロ漁業の主要な漁場でありますので、私どももこの演習の状況については関心を持っておる次第でございます。それで、なお十月十二日に至りまして、那覇日本政府南方連絡事務所長から私どもの方に対しまして、新しくナイキの発射をいたしたいというような連絡がございました。この連絡によりますと、まず、場所でございますが、これは沖縄本島の残波岬と申しますが、それを中心といたしまして東経百二十七度四十八分、北緯二十六度二十八分及び東経百二十七度四十分、北緯二十六度二十八分に至りまする残波岬を中心とした扇形の射撃場でございまして、実施期間は十一月及び十二月の両月中、毎週三日平均で、実際のミサイルが発射されるということでございます。なお、この扇形の射撃場の中の区域では、次の期日に限って九時から十八時までの間、船舶、航空機、人員に危険であるというような趣旨の発表が米側からあったわけでございます。 なお、つけたりといたしましては、米市側の説明によりますと、射撃演習場として残波岬を選定したけれども、選定にあたっては、あらゆる角度から周到な分析が行なわれたということ、特に経済活動の破壊を最小限度にするために考慮を払ったと、従って、この区域内での漁業のなるべく実施されない時期を選んで計画したのだということが、同時に書かれておるような次第であります。これに対しまして、私どもとしては、この区域が日本のカツオ、マグロ漁業者、その他の漁業ももちろんあるわけでございますが、一番大事なのは、カツオ、マグロのいい漁場でございますので、重大な関心を漁業者が持っているということ、そしてこういうような演習は望ましくない、やめてもらいたいというようなことと、少なくとも水産庁におきましては、このような通報には接したけれども、公海において漁業をする権利を持つのであるから、従って、水産庁といたしまして、漁業者に対しまして、そこに行くなという趣旨の制限をする気持のないことを明らかにしたいということ、従って、そうなりますと、漁業者が出漁した場合に、不測の事故が起こるかもわからないけれども、それについては、水産庁としても責任を負いかねるので、そこら辺をはっきりしていただきたいという趣旨のことを外労省に連絡したわけでございます。従いまして、その後外務省は、聞くところによりますと、アメリカ大使館を通じて外交折衝を目下しておられるというふうに承っておる次第でございます。 これが今日までの経過の概略でございます。
○説明員(中川豊吉君) 本件につきましては、外務省に対しましても、業界から九月二十五日外務次官まで陳情がございまして、それ以来問題のありますところを、問題の概要と関係日本漁民の考えとを、引き続きまして米国大使館と交渉して現在に及んでおる次第でございます。 ただ、これまでの折衝によりまして明確になった点を申し上げますと、まず、問題の発端となりました八月以降の那覇の海岸無線局の放送内容でございますが、これは必ずしも米軍当局の意向を正確に伝えていないということが明らかになったわけであります。また、米側といたしましては、沖縄周辺海域の公海を閉鎖するというふうな意図はもちろんない。ただ、他国の利益に妥当な考慮を払う限り、海、空軍の演習のために公海を使用することは、国際法上適法なこととして認められているという立場に立って危険区域を設定しようとしているのにすぎない、こういう立場を明らかにしております。さらに、米軍によります区域指定表中にありますところの永久危険区域、いわゆるパーマネント・ゲインジャー・エリアという言葉が使ってございますが、これは永久に立ち入りを禁止する区域、こういう意味ではございませんで、これらの地域が長期――ロング・タイムという言葉を使っておりましたが、ロング・タイムにわたりまして、断続的に、インターミッテントリーに使用されるという意味である。またさらに、危険区域というふうなものを指定いたしましても、軍が実際に演習を行なっていないような場合には、原則としまして船舶の航行及び漁撈は制限しないという方針をとっているということを明らかにしております。 次にまた、米国側では、右指定海域を実際使用いたします際には、そのたびごとに予告をいたしまするとともに、使用に先だちまして、レーダー等によりまして船舶がその地域にいないということを確実に確かめた上で演習を行なうものでありますので、演習中に万一船舶がその地域に入ったというふうな場合には、同船舶を待避せしめるように誘導する措置も講じて、要するに地域の安全を確かめた上でなければ演習は行なわないようにしているということを申しております。さらに、沖縄海域におきます米軍の演習が、ナイキの問題を含めまして、最近特に強化されたというふうなことがあるのかどうかというふうなことも聞いているわけでございますけれども、別にそういうふうに特別に演習を強化したという事実はないそうでございます。ただ、目下の時期は、毎年演習が割にひんぱんに行なわれる時期に当たっているというだけであって、特別の企図をもって大規模の演習を行なうということはいたしておらない、こういうふうなお話でございます。さらに、米軍演習区域の使用にあたりましては、できるだけ経済的な影響を軽くすることが米軍の方針であるから、日本側から漁期とか、漁場等の使用時期、使用漁期等の関係で使用時期等について具体的な申し入れがあれば、十分その点は考慮して演習計画を調整する用意があるということを言って参っております。 以上のように米側も日本側の立場を考慮して、好意的に善処する態度を明らかにしているわけでありますが、ただ、米側によります従前の危険区域の設定の通報の仕方や、その表現というものが必ずしも適切でないわけであります。そのために関係漁民の間に必要以上の不安を呼び起こしている原因もございますので、米側に対しましては、今後もう少し親切に周知徹底するような手段を講じてもらいたいということを要請しているのでございますが、米側ではそのような、前に申しましたように、他国の利益に妥当な考慮を払う限り、演習目的等のために公海を使用することは、国際法上適法であるという立場から、日本漁民の経済的な利益をできるだけ守りたいとの意向も表明してきていることにかんがみまして、目下水産庁を通じまして、同海域におきます漁業の実態とか、遠隔漁場へ行くために――行かなければ起こる損害とか、こういうことに関しまする具体的な資料の収集をはかっているわけでございまして、これらの資料に基づきまして必要があると認めまする場合には、さらに米側に対しまして演習区域や時期等の調整を要請する考えでございます。また、そういうことは、これは国際法上の論議でございますけれども、その国際法上の議論とは別に、平和的な漁業に従事しておられまする人々の利益はできるだけ優先的に守らるべきである、こういう関係者の強い要請は、日米関係の大局的な関係にかんがみまして、最大限に考慮さるべきではないかということを申して米側の了解を得るように努めている次第でございます。簡単でありますが……。
○千田正君 私は、まず第一に、今まで禁止区域として指定されておる分が沖縄の領海をも含んでおるかどうかということ、いわゆる沖縄は日本の領土であるという原則に立って、その領海を含む点までも禁止区域に指定しておるのじゃないかという疑いがあるのであります。私の手元に届いておりますところの、かつて禁止区域とされておる沖大東島をまん中にしてその周辺に、いわゆる沖縄の東南方に設定された禁止区域、さらに、先ほどお話のありましたミサイル、ナイキの演習場として指定されておったところの東経百二十七度四十八分、それからノース二十六度二十八分、この沖縄本島西北端の点におきましても、沖縄の領土、領海を含んだところに線を引いておると思うのでありますが、この見解について、外務省の見解をお伺いしたいと思います。
○説明員(中川豊吉君) ちょっと質問の意味がよく受け取れなかったのでございますが、演習区域に指定されておりますところの区域の一部が日本の領海に接近した公海上に設定されておるという事実でございますが、これは、それらの地域の使用が行政協定の対象になるのではないかという御質問でございますが、沖縄周辺海域に設定されました米軍の演習海域は、行政協定上の在日米軍によって使用されるものではございませんから、行政協定に基づく附表の変更として合同委員会を通じて決定されるものではない、行政区域の管轄外である、こういうように解釈しております。
○千田正君 そういう外務省のお答えを得るだろうと私思ってお尋ねしたのですが、行政協定におけるところの米軍の管理地域じゃないとすれば、沖縄というものは、いわゆる日本の領土である、この原則は間違いないわけでありますか。行政区域内とするならば、当然これは日本の領土に属しておるものを含んだ、領土に属しておる島を含んだところにラインを引いておるのですよ、おわかりですか。行政協定と関係のないところに、日本の領土であるというところを中心としてここに一つのラインを引いております。そうしますというと、日本は領土権を主張する意味からいうと、日本の領海をも限定しておるということになりますね、今度の禁止区域については。
○説明員(中川豊吉君) 日本と米国との安全保障条約の第三条には、「アメリカ合衆国の軍隊の日本国内及びその附近における配備を規律する条件は、両政府間の行政協定で決定する。」という規定がございまして、かつて国会でも「国内及びその附近」という言葉の論議があったのでございますが、行政協定上は「附近」という言葉を使いましても、それは公海に関しましては何らの意味がない、ただ法律上の意味といたしましては、日本の領空、領土、領海、これのみに適用があるのだ、従いまして、領海外の公海につきましては、実際上ほとんど意味がない、こういう答弁をしていたように記憶しております。
○千田正君 それでは、その領海の問題はしばらくおきまして、公海の自由の原則からいえば、こうした一方的の、国が宣言する、あるいは禁止区域を指定する。相手国である、早くいえば、被害を受けるだろうと想像される国においては、やはりそれに対抗して公海自由の原則を主張することができるはずです。日本としましては、こういうふうにアメリカが一方的に、これは禁止区域である、禁止区域だから漁業の操業なんかはやってもらっては困るというようなことを通達してよこしましても、日本としては、やはり生産というような立場からいっても、独立国の面目上からいいましても、生産上、ここはそういうことを言っても、公海自由の原則に基づけば、操業も自由であるはずであるから、それは水産庁が強く主張しておるわけです。これに対してどういうふうに考えておられるか。公海自由の原則に対しては、原則において、演習のために危険区域をアメリカが指定することができると主張しておりますが、わが方にとっては平和産業、ことに、生産に従事する操業に対しても、当然公海においては自由操業できる、これは国際法のいかなる点を見ても、これは主張でき得るわけなんですから、その双方の食い違いに対して、外務省としては、どういう見解を持っておりますか。
○説明員(中川豊吉君) 昨年の国際慣習法規の編さんに当たりましたジュネーブの会議におきましても、公海における漁業の自由というものが慣習法上確立されたものであるということが認められましたともに、同時に、演習等の目的のために公海の一部を使用することができるということも認められた次第でございます。従いまして、二つの権利と申しますか、自由と申しますか、公海上におきます自由が消失しておるわけでございます。そこで、これはどういたしましても、両者間の利害の調整、もちろん演習等のために、この公海に設定します際は、関係国の利益に関して適当な考慮を払わなければならないという条件がついておるわけでありまして、問題は、アメリカが適当に考慮を払ったか払わないかという点に尽きるのじゃないかと思います。
○千田正君 今、中川さんは、昨年ジュネーブにおける海洋法上の論争を一応話されましたが、あのジュネーブにおけるところの海洋法は、国際法としてまだ限定しておりません。確立しておりません。それは学者の意見であり、あるいは代表者の意見であって、国際法上いまだ各国がそれを承認しておらない、こういうのでありますから、われわれとしましては、強くそういう点については疑義を生ずる、こういう問題が起きたことによって、日本の立場からはどういうふうに考えられるかということを、あえて私は主張しておるわけでございます。
○説明員(中川豊吉君) ただいま御指摘のありました通りでございまして、ジュネーブのその点は、そのまま各国の承認を得ておるものではございませんが、例示いたしましたのは、非常に、国際法上の慣例法規の編さんをしておる会議でありまして、それによって認められたということは、その一つの有力な証左であるということだけを申し上げたにすぎません。従いまして、私の方は、先ほども御説明申し上げましたように、漁民の、要するに沖縄周辺におきます漁場、漁期等の問題につきまして、水産庁の方に厳にお願いをするわけでございますが、そういう資料が整いましたならば、それに基づいて、米側の演習区域の設定あるいは演習の時期その他を調整してもらいますように十分交渉をするつもりであります。
○千田正君 これは水産庁の次長にお伺いしますが、九州の漁業団体並びに四国あるいは中国地方、ここを根拠として漁業をやっておる各漁民からの要望は、李承晩ライン等において締め出しをくった日本の漁業、この地区の人の、特にカツオ、マグロ、あるいはサバ等の漁業に従事する人たちはまたここに締め出しをくうのだ、これではとてもわれわれは生計を立てていけないのだ、だからアメリカ側がどういうことを言うかもしれぬけれども、われわれは絶対承服できない、ぜひここで漁業しなくちゃならないのだと、こういう強い請願であり、主張なんです。あるいは、アメリカとしましては、かつてビキニの場合においてもこういうような論争をしたのでありますが、それは漁業に対して迷惑をかけたから、ある条件としては、何とかして漁業者の損害は補償するというような条件がましいことを言うてくることは、おそらくそういうことも言い得るだろうと思うのです。しかし、日本の漁民として、そういう補償は要らないのだ、そんなことよりもわれわれの漁場は締め出され、そこにまた外国のなわを張られるということはとてもたまらぬのだ、どうしてもわれわれはここを一番の漁場としてやっているので、これを抑えられるということは、自分らの生業を断たれると同じことだ、賠償なんか、そんなことは要らないのだ、とらしてくれということが強い主張なんですが、水産庁としては、この点についてどういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(高橋泰彦君) 今、千田委員からの御質問のありました漁業者の持っている気持というものにつきましては、私ども全く同感でございます。ただ、政府部内といたしまして、ただいま外務省の方からの御説明がありましたように、何らか調整する方法はないか、こういうお話を、ただいまのところ、外務省からも受けておりまするが、私どもとしては、その調整の問題に入ることの前に、とにかく漁業者は、非常に素朴かもわかりませんけれども、補償はもう要らない、とにかく魚をとりたいのだという非常に素朴な、純粋な、しかも、私どもの考えでは、かなり正当だと思われるようなことを言っているのだから、まず調整の問題に入る前に、そこら辺を十分に考慮していただきたいということで、ただいまいろいろと話し合いをしている最中でございます。
○千田正君 このミサイルの演習地区に指定されましたさっきのところ以外に、ほかに約七カ所くらい禁止区域というものを通達を受けているはずであります。これに対してはどういうふうにお考えになりますか。そこへ行ってもやはり漁業は全然できないのか、あるいは事前に向こうから通達するまでは、平常の通り漁業ができるのか、そういう点については、どういうふうに考えておられますか。
○政府委員(高橋泰彦君) その点も若干経過の御説明を含んで御説明申し上げたいと思います。実は、この演習区域は、相当沖縄の領土にきわめて近接いたしました、三海軍以内に近接した演習区域も相当ございます。しかし、そうでなくて、明らかに三海里よりこえた区域にも従来から設定されている区域もございます。それからなお、それじゃ全部そういう公海上に設定された区域が漁業ができないのかと申しますと、必ずしもそうではなくて、ある区域におきましては訓練、演習をする区域にはなっておりますけれども、漁船の漁業活動並びに船舶の航行、これを一切制限しない区域もございます。しかしながら、御指摘のように、公海上における演習区域が全部そのように、何ら制限を受けていないということではなくて、ある個所は制限を受けていることは事実でございます。なお、経過を申し述べますと、これらの演習区域は、相当マッカーサー・ラインが撤廃された当時から設定しておりました関係で、格別問題にならなかったことも事実でございます。また一方、先ほど外務省から御説明いたしましたように、実際演習区域内で、しかも、演習をしている時間内であっても、日本の漁船がこの区域に入っていったような場合に、これを誘導するとかいう格好で、実際はその両者の調整が事実問題としてはかられておったということも事実のようでございます。従いまして、過日のラジオ放送の問題が起こる前までは、実際問題としては、鹿児島県の漁業者も、この沖縄周辺の演習区域が設定されていることに対して、格別の何といいますか、問題がなかったと言っては申し過ぎだと思いますが、事実上制限を受けなかったということから、さして私どもの方に非常に重大な問題としては耳に入らなかったいきさつもございました。しかしながら、今般のように、新しく演習の内容を追加することによって、かなりこの問題が表面に出て参ったといういきさつになっております。要約いたしますと、領海内の演習区域と領海外の演習区域と二つあるようで、かなり領海内の区域では艦砲射撃、対地爆撃その他の区域があったのだけれども、これはあまり漁業者が近寄らなかったので問題は少なかった。それから公海における禁示区域も、マッカーサー・ライン撤廃当時からあったけれども、それは米軍の誘導その他の問題でさして問題はなかったのだけれども、このたび新しく追加するとか、ラジオ放送し出したということの契機で問題が表面に打ち出されてきたという経過に相なっております。
○千田正君 過去からあったというようなものも相当広範囲に飛び飛びあるのですがね、これは現在まで何も支障なかったら、むしろこういうラインは取り除くことがいいんじゃないですか。そして今しぼられてきておるところのミサイルの演習地として指定されておるところ、これにしたって、やはり期間であるとか、あるいは全然漁が少ないとか、いろいろな限界があると思うのですね、やり方によって。それはむしろ外務省としては、水産庁の要望を入れて、そういう折衝を強硬にやるべきだと私は思う。今までのそういう大して支障のなかったところでもラインとしては残っておるのですから、指定地域として。そういうことはこの際全部解消してもらう。現実に必要な問題に対しては、漁の時期あるいはそういうことをはっきりとして漁業に差しつかえない期間もあるとかいうようなことも考えられるのではないか。漁民の要望としては、一切撤廃してくれというのが要望ですから、そういう点についての外務省の見解を一つお聞きしたいと思います。
○説明員(中川豊吉君) 米軍の方に対しましては、法律論は別として、日米間の大局的な見地からこの問題をみるようにということを申しておるわけでございますが、米側から今般横須賀に特別の事務所を設けまして、これらの地域の演習区域の設定の目的、方法、時期その他につきまして、現在全部書き直しております。要するに、現在まで那覇の特連を通じまして、水路部から告示されておりますところのものは、非常にわずらわしい、誤解を招くようなところが非常にあるというので、今度はできるだけその態様を明確にして、要するに、必要のない場合には、船舶も入ってもらっていいんだということを明らかにするようなラインで全部書き直すということでその告示を者き直しておりますが、まだ全部はできていないそうでございます。なお、その際に、今御指摘のありましたような点もさらに話すつもりでありますが、ただ米側といたしましては、現実に使ってなくても、危険予防というふうな点から、常時ではなくても使うことのある地域については、予防的に日本に達しておきたいというようなことがあるのではなかろうかと思います。しかし、その場合には、そのことが告示なり、あるいは設定区域の目的なりに、きわめて明確に書いてあれば、そういうふうな誤解は起こさないということになるわけでありますので、そういうふうにはっきりしてもらえばいいというように思っております。先方もそのラインで作業を進めている実情でございます。
○千田正君 最後に、小笠原委員からもお尋ねがあると思いますが、水産庁にお尋ねするのですが、これは昨年の十二月二十七日海上保安庁から、こういうことがあるのだという通達があったはすですね、告示になって。この告示に従って各県の漁業団体なり、あるいは漁業者なりに対して、この地区に立ち入りしてはいけないとか、あるいは将来こういうことだというような、こういう通達は十分行き届くようにやっておったかどうか、私は最近になってこういう問題が起きてきたのじゃないかというふうに感じられるのですが、その点はどうなんですか。
○政府委員(高橋泰彦君) この点につきましては、先ほども申し上げましたような、那覇日本政府南方連絡事務所長ないしは水路部その他から、このような通知に接しましたときには、漁業者の団体なり県に対して、連絡をしているつもりでございます。ただ御指摘の、それではそこへ漁船が行ってはいけないとか、どうだとかいう指示をしたかというような御趣旨の御質問であったと思いますけれども、私どもといたしましては、そういう危険区域に立ち入ってはいけないとかなんとかというような趣旨の、制限的な指令は一度も発したことはございません。
○千田正君 それでこの問題は、このミサイルの演習が始まって損害を受けるというようなことは、おそらく予想されるのであります。で、そういう問題が起きてからでは間に合わない、そこで、その前にこういう問題は、はっきりしためどをつけておかなくちゃならないと思う。そこで、水産庁としてはどういうふうに考えるか、業者として、あるいは漁民としては、どこまでもこれは撤廃してもらいたい、われわれの生活はこれによって壊滅する、こういう強い要望なんです。これに対しては水産庁はどういうふうにお考えになっておるか。外務省との折衝ばかりやっていて、どうも外務省は煮え切らないとか、そういうことだけではこの話の結末はつかないのでありますから、水産庁としてはどういう一体方針で進むのか。外務省といたしましても、どうもこういう問題となると、ビキニの問題でも、その他の演習地の問題にいたしましても、どうもアメリカ大使館の代理みたいなことを、よく委員会等において申されることがある。きょうはそうじゃありませんけれども、そういうことのないように、国民の強い要望が背後にあるということをはっきりして、やはり独立国の面目にかけても、こういう問題は解決してもらいたい。特にその点を強く要望いたしまして、それで水産庁から一つその点についてお伺いして、外務省の心がまえも聞いておきたい。
○政府委員(高橋泰彦君) 何だかむずかしい問題ですが、しかし、私どもとしては、ただいま御指摘のような、漁民がそういうような気持でいるということを、正確に外務省に伝えているのでありますが、それじゃ水産庁の方針としてはどうかということですが、やはりただいまのところは、この問題につきましては、外交ルートを通して交渉するという以外のことは、ちょっと私としては申し上げかねると思いますが、いずれにしても、そういうことで正確に、私どもなり漁民の考え方は外務省の方に伝えているつもりでございます。
○説明員(中川豊吉君) 外務省といたしましても、高橋次長の御説明がございましたように、この問題の根の深いことは十分承知しているわけでございまして、単なる法理論でもって米側とやり合うということだけで済む問題でないというふうに考えております。従いまして、日米間の友好関係というような点から、大所高所から、単なる法理論でお互いにやり合うことで争っていたのでは問題にならぬわけでありますが、そういう点からできるだけ日本の要望をそんたくして、問題を解決するようにしてもらいたいという趣旨で交渉を進めるつもりでおります。
○小笠原二三男君 さっき水産庁側の態度としては、連絡があった後に、公海の航行あるいは漁撈の権利の自由があるから、従って、各漁船に対しては制限する気持がないし、水産庁としては外務省を通じてこの種の演習は望ましくない、やめてもらいたい、こういう演習区域は。そういう申し出をしておるということですが、その態度は、さっきからの質問の経過から見ると変らないということで了承してよろしゅうございますか。
○政府委員(高橋泰彦君) 一応その線で貫きたいと思っております。
○小笠原二三男君 このことは農林大臣も承認しておりますか。
○政府委員(高橋泰彦君) 経過の報告をいたしております。なお、私の意見も申し上げてあります。
○小笠原二三男君 外務省アジア局の方には、その通り水産庁の態度が伝えられておりますか。
○説明員(中川豊吉君) 水産庁の方からそのように伝わっております。
○小笠原二三男君 外務省としては、それを外交的な配慮からその通りやはり外務省の主張とすることでなしに、別途アメリカ大使館と折衝してきたというのが真相なのでしょう。その通りこの種演習は区域を設定し、ナイキの演習をやることは望ましくない、日本国側としてはやめてもらいたい、位置とかそういうことを外務省の態度として向うに折衝された事実がありますか。
○説明員(中川豊吉君) 先方に、やめてもらうことができないかと話したことはございますが、先方では絶対に承服できないと申しております。
○小笠原二三男君 それで外務省の態度は、日米間の大局的見地から、この問題を処理するようにということで、単なる法理論では問題にはならぬ、そういう見地で折衝してきたというのですが、先ほどそれは政府の態度としてという御発言でしたが、それは外務省アジア局限りの態度とは違うのですか。日本国政府の態度がそうですか。また、そうきまったとすれば、それはどこできまったのです、そういう態度は。
○説明員(中川豊吉君) 水産庁と御相談いたしまして、私の、アジア局の方だけで考えておるのでございます。
○小笠原二三男君 そうすると、日本国政府としてアメリカ側に対する基本的な態度というものは、最終的にはきまっておらない、今、各般な折衝をし、日本側はまた漁撈の実態等の調査も進め、今後においてこの折衝を進めて、あげてこれからの問題であるというふうにも聞いたのですが、そうですか。
○説明員(中川豊吉君) もともと本件は、那覇の無電放送の問題から起こったわけでございますので、その問題の解明が終りますと、引き続きましてナイキなり、かねてありましたいろいろの撤廃という問題が出てきたわけでございます。従いまして、われわれとしましてはそれらにつきまして、次々起こってくる事態に応じながら折衝するということでございます。
○小笠原二三男君 さきにはアメリカ大使館と折衝しておるやのお話もありましたが、あとには横須賀かにその方面を担当する向こうの軍ですか、外交機関ですか、知らぬが、あって、いろいろのことをやっているという様子でもありますが、相手先はどこです、この折衝しておる。
○説明員(中川豊吉君) 横須賀の機関と申しましたのは、横須賀の米軍の海軍司令部の中にできました調整機関でありまして、これは技術的な問題を扱うところでございます。たとえば演習区域等に関します調整を行う技術的な機関でありまして、あくまで外務省の折衝の相手はアメリカ大使館でございます。
○小笠原二三男君 それで先ほどあなたのお話では、単なる法理論では問題にならないと言いましたが、単なる法理論では大国アメリカ側に小国日本側などでは問題にならないという意味ですね。
○説明員(中川豊吉君) そういう意味で申したのではございません。法理論で衝突すると言いましたのは、日本側にも沖縄周辺の海域に漁業を求める自由、公海の自由の原則を主張する自由がありますとともに、米側でもやはり関係国に一定の合理的な考慮を払えば演習区域を設定できるというのが、国際法上認められた慣習法の規則であるということでございます。
○小笠原二三男君 だから、その国際法上認められた慣習法の規則であるという、その規則であるというものを日本側も認めておるということなんですね。広めておらぬ国もあるんでしょう。
○説明員(中川豊吉君) 演習区域の設定について反対をした国は、ビキニの演習等の、要するに水爆とか、あるいは原子爆弾につきましては、反対した国はございますが、演習区域の設定等につきましての反対は、ジュネーブの会議におきましても非常に少なかったように記憶しております。
○小笠原二三男君 だから、ジュネーブのその協定ですか、あるいは規則制止ですか、そういう国際会議の立場を日本側としては現在認めておる。従って、アメリカ側のそういう演習区域の設定も合理的であるし、日本側のこの公海の自由な漁業権の主張もまた合理的である、それでその点の調整のために、日米間で、大局的見地から見るようにという前提のもとに折衝しておる、こういうことですね。そこで、この折衝の経過は、結論として、日本側はどこへこれを持っていこうという基本的な方針を定めて折衝しておるんですか、演習区域はこれは合理的なものだからやめろとは言えない。これは旗をおろしておる、日本側で。しかし、水産庁はここにこの内地漁船業者が、そこに立ち入って漁撈をしては危険だからやめろという指示をする考えは毛頭ないことも明らかである。そうしたらこの演習区域の中に入って業者が漁撈をやる、たまたま被害を受ける、これはアメリカ側がこの損害を補償するという建前は、日本側として旗をおろしておる限りはないのですね。日本国側でこれは処理しなければならぬし、また、水産庁のような立場なら、そういう危険区域を設定されておるところに日本人が入っていくことを、何ら誘導もしない、禁止もしないで国民の生命財産を保護しないなんという国家権力はどこにもない。だからこの点は外務省側と、水産庁側の考え方は矛盾しているんじゃありませんか。だから、これはどこまで折衝をもっていこうとしておるのか。九時から六時まで一週間に二回、二カ月間の断続的な演習期間がある。その間は入らないようにしよう、この辺が外務省の考えじゃないですか。じゃ、入らない、その間漁撈できなかった損害はどうする。水産庁はその損害を現在までの実績において補償するお考えがありますか。何らその態度、対策がなくて折衝をしておる、大局的にまとまるように努力しておると言われても、これは私たちにはわからない。だから、水産庁としては、国の方針としてどうしてもらいたいと思っておるんですか。外務省としては国の方針としてどうしてもらいたい、どう解決するというめどをもって外交折衝を進めておられるのです。端的にこの点を立場々々において御主張なされる点をお聞きしたい。
○政府委員(高橋泰彦君) 私どもとしては、こういった演習区域がなくなることが望ましいということを申し上げる以外にないと思います。
○小笠原二三男君 それはまことに社会党みたいに大へんりっぱなお話をなさって、慶賀にたえないが、国際慣行あるいは国際法的なジュネーブにおける海洋法ですか、の決定というもので、それはだめなんだということは外務省ではっきりしておるんですよ。だから、この段階では、そんな答弁では私は答弁として、同じ日本国政府の機関から聞こうとは思わない、だめです、そんな意見は。
○政府委員(高橋泰彦君) このように考えております。それはやはり外務省で言われておるように、演習する権利があるということも、私どもとしては認めざるを得ないようなふうに考えております。ただし、一方公海においては、障害を受けることなく漁業をする権利のあることは申し上げるまでもないと思います。ただ問題は、この二つのかなり札いれないような格好の権利が、同時的に起こった場合にどうするかというところの考え方が、一つのポイントじゃないかと思っております。その場合に、私どもの考えによりますと、やはり漁業と演習とが相いれないような場合で、これは行政協定その他によって協定し、または国際的な協定によって、漁業が制限される場合を除いて、とにかく一方的にアメリカ軍によって演目区域の設定を知らせてきた場合に、少なくとも私どもとしては、直ちにそこへ入ってはならないというような措置はとるべきではなかろう。従いまして、その点はたしか外務省と見解を異にするかわかりませんが、私どもの考えでは、やはりその漁業する権利の方がやや優先するのではあるまいかということで、ただいま外務省の方にお話し申し上げておる段階でございます。
○説明員(中川豊吉君) ただいま水産庁の次長もおっしゃいましたように、これは水産庁の方のお考えと外務省の考えは、内部的には若干意見の相違があります。それはやはりその権利、国際法上の慣習権が二つあるわけでありますが、それがいずれが優先し、いずれが優先しないというふうなことは、正直なところ、これは法理論としてはなかなかむずかしい問題であろうと思います。ただ演習区域の設定につきましては、関係国に適切なる考慮を払うべきである、関係国の損害を少なくするために、できるだけの考慮を払うべきであるということがあるのでありますが、その点につきまして、はたして米国が十分隣接国の地で、最も利害の関係の深いわが国の利益を考慮したかどうかという点に関する問題でございます。これは米側の説明によれば、たとえば、ナイキの演習時日にいたしましても、その他の問題にいたしましても、できるだけ先生方の持っている資料で、日本側の漁業に最も損害を与えない時期を選んだというふうに、まあ彼らは考えてやっているわけでございます。従いまして、私たちの考え方といたしましては、それがはたしてそうでない、要するに十分な考慮を払わなかったという証拠を日本が集めて――水産側の方にお願いするわけでありますが、出していただきまして、それでもって先方の議論をたたく、その際にできるだけその演習区域の範囲の設定を狭めてもらう、少なくしてもらうということがねらい、そういう点を考えている次第でございます。
○小笠原二三男君 水産庁としては、こういうふうの主張をなさっておられる、しかし、事、外交折衝であるから外務省の考えというものが大きくウエートを占めるだろうと思うのですが、結局、折衝をして区域を狭めることが最終の目的である、区域が狭められれば関係国の利害を考えたものとして、この演習区域そのものを認め、演習も認めよう、こういう態度、しかし、演習区域を狭めても、漁業者の漁業できない事態というものは起こってくるわけですね。日本側としては、そういうものはどうされますか。アメリカ側と合意いたした日本国が、あとは日本国民のそうした権利は保障するということになるのですか。当然実績上漁撈し得べきものが漁撈し得なかった損害というものは日本国政府が補償するということになるのですか。それはもうやむを得ないことなんですか。泣いてもらうということになるのですか。
○政府委員(高橋泰彦君) これは公海におきまする漁業活動が必ずしも漁業者の要望通りにできないところが相当たくさんあるわけでございます。この問題もただいまのところは、そういったようなことをなくするという方向で進んでおりまするが、かりにこれが非常に合理的な格好で、区域が設定されたといたしましても、補償その他の関係ではなかなか解決できないのでありまして、これに対してほかの漁場をめんどうを見るとかなんとかいう格好でお世話をする以外にはない。そういう格好で漁業者の損害を少なくするために努力する以外にはないのじゃなかろうかというふうに今のところ考えております。
○小笠原二三男君 あとで私は、海域における漁撈の実態、カツオ、マグロ漁の水揚げ等をお聞きしたいと思うのですが、そういう不都合なことが起こってくるということなら、区域を狭めるということで、日本国側が日本国民の利益に反して、この演習区域は範囲が狭まったからよろしいのだと承認を与えるということはできないと思うのです。あまりに大きな損害がここにある、従来の水揚げ等からいって相当の損害があるという事実があれば、関係国としてこの演習区域は望ましくない、やめてもらいたい、こういうことにならざるを得ないと思うのですね。それを、外務省だけで一方的に、日米間の友好的な関係を保持するため、大局的に日本国民の利益に反して泣いてもらおうなどという、そんな外交折衝をやってもらっては困る。アメリカの都合よりは、水産庁がおっしゃるように、日本側の都合、利益、このことが重点に置かれて問題が処理される方が私は正しいと思う。今はアジア局だけの考えとして、区域を狭めるという程度がもしもできるならば最終の目標だなどということでは、われわれとしては承服できない。そこで、水産庁にお尋ねしますが、実態の調査はどういうふうにやっておるのですか。
○政府委員(高橋泰彦君) 一応漁業者の団体、県御当局からのデータを集めてございますが、ただ具体的に、区域全体の漁業の中から、この区域だけを分離しての漁獲量の確認並びにこっちの方からこっちにこう移したらより損害が少ないではないかということを具体的に調整し得るような資料についてはまだ不備でございます。従いまして、まだそういったような調整の話ではなくて、全体としての大体どの見当のウエートがあるかというデータについては、調査は一応済んでおるような段階でございます。
○小笠原二三男君 この問題にだけこだわっておれませんから、私はこの程度で質問をやめますが、水産庁並びに外務省一部局との話し合いでさえも意見の異なるところがある。こういうような形で、アメリカ大使館を相手にして、外交折衝ですか、事務折衝ですか、やることで大きな目的を貫徹するという期待がわれわれには持てない。従って、私の気持では、この委員会でこの程度にしてこれで終わったものと思われては困る。終わったものとは考えられない。外務大臣、農林大臣協議の上、確固たる方針を立てられて、そのことが委員会においても披露せられて、国民の前に明らかになるように、私は委員長を通して要求しておきたい。それでなければ今後われわれがどうするかという考えを打ち出すことができない。委員長に要請いたします。
○秋山俊一郎君 ただいま両委員からいろいろと突っ込んだ御質疑がありまして、私から別に特にお尋ねする点はございませんが、ただいままでの質疑応答の状況を伺っておりますと、まだ水産庁あるいは外務省のアジア局でやっている、折衝しているという程度にしか承っておりませんが、これはもちろん古いことでありません。最近起こった問題でございますけれども、この海域に出ておる漁船というものは三百三十数隻ある、そうしてそれらの船が今日まで揚げておる大体平均の漁獲高は六百万貫をこえておるということであります。そうしますと、これらは水産漁場としては大きな漁場である。しかも、これに関係しておるところの漁業者は一、二でなくて、かなり多くの県の漁業者が、鹿児島とか高知県とか、あるいは静岡県、その他出漁しておる各県はかなり多数に上っております。そういう点から見ますと、これは、一地方の問題として見るにはあまりに大き過ぎる。そこで、この問題を処理するにつきましては、今まあ折衝の段階かもしれませんけれども、一体日本の政府としてこれを取り上げてやる気があるのかどうか。一部の部局でこの折衝をしておって、どうにも手におえなくなったら投げてしまうのか。これではあまり物を軽視し過ぎると思う。業者といたしましては、これらの漁場は、こういうふうな危険区域ができたから、そこは危険だからというのじゃなくして、もちろん入っていけば危険な点もありましょうが、その辺でぼかんぼかん大砲を発射され、ミサイルをぶっ放されますと、そこは日本の南海面における非常に優秀な漁場です。カツオあるいはカジキマグロの漁場なんです。その漁場であり、しかも、沖縄の西側は、瀬つきの魚もおりますし、また、魚があれを通過する、通ってくる重要な地点になるのです。そこを脅かされますと、過去のいろいろな例から見ましても、たとえば長崎県の西にあります鳥島なんという所をやられましたために、全然漁業できなくなっております。そういう事例から見ましても、これをぼかんぼかんやられますと、その危険海域ばかりでなく、その周辺で仕事ができなくなる。魚がいなくなります。そういった関係から、アメリカ軍の方は、漁場というのにどれだけ認識を持っておるか知りませんけれども、日本の漁業者にとりましては非常に大きな問題である。それで水産庁当局も外務省も、地方の要請があり、水産庁から言ってきたからというので、小手先でちょこちょこやりおったのでは、これはけりはつかぬ。今までのお話を聞きますと、国際慣行といいますか、海洋法といいますか、そういう面からいうと、公海においてどこの国でも他の相手国に対して著しい被害を与えないような考慮を払うならば、どこでやってもいいのだというふうな一つの慣行がある。そこへ持っていって、片一方では、公海であるからだれでも魚をとってもよろしいという、そこに食い違いが出てきておるのです。そこで、それを折衝していかなければなりませんが、ただ、そういう法理論で突っぱっておったら、いつまでたってもこれはおさまりがつかぬ。実情に即した交渉をすべきじゃないかと思う。ことに日米間は友好的な関係にありますから、そういう点から考えましても、私は、もっと日本の政府としてこれを交渉するということでなければ、一部の部局でやっておったんじゃとても解決つかぬと思う。そこで、そういったようなふうに、たとえば大臣と大使とが直接交渉するなりなんなりということに持っていって話をしていかなければならぬと思うのですが、両当局は、そういう点について――両当局というよりも、外務省としてはどう考えておるか、水産庁としては、農林大臣から外務大臣と相談して、国の方針として考えてもらうのでなければ、アジア局長が言うてみたって、私はそれは解決せぬと思う。ことに、漁業者としては、範囲を狭めるとかなんとかじゃなくて、今、伺ってみますと、この演習区域は大小合わせて十四カ所あるようですが、あの沖縄周辺に十四カ所のそういう演習場を設けられたら仕事する場所ありませんです。そういう点から考えまして、もっと大きな問題として扱ってもらいたい。そうしなければ、こそこそやっておったって話はつきません。非常に長い間これに時間をとることもできますまい。今後も残る問題でありますが、そういう点について外務省はどう考えておりますか。あなた方今までの通りでずっとやっていくつもりであるか、もう少し政府の態度をきめてかかるつもりであるか、その点を一点お伺いしておきたい。
○説明員(中川豊吉君) ただいまお話の趣旨は上の方に申し上げまして、問題の要点をお話ししたいと思います。私の方で従来説明を怠っていたわけじゃございませんで、局長から全部交渉の経緯というものは申し上げ御指導いただきながらやっていたわけでありますけれども……。
○秋山俊一郎君 これは真剣な問題ですよ。もっと大きな声で言って下さい。
○政府委員(高橋泰彦君) ただいまの御趣旨に沿うように、今後とも努力していきたいと思います。
○秋山俊一郎君 上に持ち出して上の方で折衝させるようにあなた方やるつもりですか。その点はっきり言って下さい。そうせぬと、あなた方だけで――部長見えておらぬが、話しておったって何にもならぬと思う。それは課長は権限はどうかしりませんけれども、大体こういう問題を折衝するのにあまり軽く扱い過ぎてはおらぬかと思う。もう少し幹部の、首脳部によってその問題を取り上げることにして、お互いに相手も軽く扱うし、こっちも軽く扱うのじゃ進みっこないと思う。これは業者がこういうことができないから補償してくれということを要求しておるんじゃありませんよ。そういうしみったれたことを考えておるんじゃない。仕事ができなくなるから、こいつを一つやめてくれということなんです。これはもっともな話だと思う。こっちは飯の問題ですからね。それですからして、この問題は一つ上まで持ち上げて、そして首脳部と首脳部の話し合いにしてもらわぬと、あなた方が折衝してこういうふうな慣行によって、どうだ、こうだからなかなかむずかしいということじゃ、国民は、関係者は特に納得いきません。われわれも納得できない。そこまでやるということはお約束できますか。
○説明員(中川豊吉君) ただいまの要請の趣旨は大臣まで申し上げます。
○秋山俊一郎君 それでは、私はこの問題はきょうはこういうことにしておいてもいいですが、次は外務大臣を呼んでやろうじゃありませんか。そうしなければだめですよ、これは。委員長にお願いします。次の機会に外務大臣を呼んで外務大臣の意向をはっきり聞く、それから農林大臣も一緒に呼んでもらいたい。そういうことできょうは私はこの程度にいたします。
○委員長(堀本宜実君) 他に御発言もないようでありますから、本件は、本日はこの程度にいたします。 政府当局は、本日の委員会の経過に照らして遺憾なく処置されるよう要望しておきます。
○秋山長造君 今の秋山さんの御希望ですね、外務大臣なり農林大臣なり、これはけっこうですが、やはり沖縄だけでなくして、全国にある問題ですから、これはもう日本の国土の周辺の全部の漁場についての問題について、両大臣を呼んで少し委員会として時間をかけて真剣に討議をすべきじゃないかと私は思うのです。その点もあわせて一つ取り上げていただきたい。
○中田吉雄君 その際に、水産庁なんか資料やメモを持っていろいろ御説明でしたが、もっとメモをよくわかるようにそういう危険区域の設定とか、いろいろ資料や地図を、沖縄だけでなく全国的に資料を整えて一つやっていただきたいと思います。 ―――――――――――――
○委員長(堀本宜実君) 昭和三十四年九月の風水害を受けた漁業者の共同利用に供する小型の漁船の建造に関する特別措置法案に関する件を議題にいたします。当局の説明を求めます。
○政府委員(高橋泰彦君) 過日、昭和三十四年九月の風水害を受けた漁業者の共同利用に供する小型の漁船の建造に関する特別措置法案につきまして、趣旨の御説明を大臣からいたしたわけでございますが、これにつきましての補足的な説明を申し上げます。 まず、この法律案の第一項でございますが、本年九月の風水害による小型漁船の被害が著しい都道府県が漁業協同組合の共同利用小型漁船を建造する費用に対して八割の補助をする場合には、国がこの都道府県の補助に要する経費の全額を補助することができるということを規定いたしておるのでございまして、これが法律の骨子となっておるわけでございます。で、この制度の適用を受ける被害の著しい都道府県は政令によって定められることとなっておりますが、今次の風水害で修理不能となった小型漁船の数が、一定隻数以上であること、及び小型漁船につきまして被害を受けた地区漁業協同組合が当該都道府県にある地区漁船協同組合の総数に対しまして一定割合以上であること、というような以上の二点の趣旨が基準として規定される予定で目下検討を進めておる次第でございます。 以上のように第一項では、本法による特別措置の仕組みを規定しているわけでございますが、第二項では、これらの仕組みを構成する具体的な事項につきまして明確にしなければならない点について規定しているものでございます。 まず、補助の対象となる共同利用の小型漁船の建造費というのは何かということについてでございますが、被害を受けた組合員にかわって漁業協同組合みずからが小型の漁船を建造して協同組合員の共同利用に供する場合の経費をいうものであるというふうに規定しているのでございます。 なお、詳細な具体的な事項については、政令で規定することになっておりますが、これにつきまして若干御説明いたします。 建造される小型漁船というのは、無動力船または、原則として三トン未満の動力船であるということ、及び漁業協同組合の建造するこの小型漁船の数は、当該組合の所属船のうち修理不能な漁船三隻に対して一隻の割合で認めるというようなことなどを規定する予定でございます。 次に、補助の対象となる漁業協同組合についてでありまして、第二項の第一号または第二号のいずれかに該当する漁業協同組合であるべきであるということが規定されておるわけでございます。で、まず第一号の規定では、本年九月の風水害で、沈没、滅失等の被害を受けた組合員の所有し、漁業の用に供していた小型漁船の合計隻数が政令で定める一定隻数以上と、こういっておりますが、これは政令では二十五隻を予定しております。従いまして、この一組合二十五隻以上の修理不能船ができた漁業協同組合であることということを予定しておるわけでございます。第二号では、第一号で、ただいまのように二十五隻というふうに、一定数で表現した事項を、一定割合ということに規定しようとするものでありますが、この趣旨は、小さな漁業協同組合で被害が相当ある場合には、二十五隻に達しない場合もあろうかと思いまするので、万全を期する意味で、補足的に、二十五隻で落ちる漁業協同組合を割合で救済する予定でございまして、この率につきましては、目下データによって検討しておる段階でございます。 以上が昭和三十四年九月の風水害を受けた漁業者の共同利用に供する小型の漁船の建造に関する特別措置法の補足説明でございます。
○小笠原二三男君 今、出しておられる予算では、このものの補助の総額を幾ら見ておるのですか。
○政府委員(高橋泰彦君) ただいま組んでおります予算は、二億四千四百九十六万二千円でございます。
○小笠原二三男君 それは小型船建造費単価幾らと見て、その八割の合計額が二億四千万と、まあ大ざっぱに考えますと、単価は幾ら、何隻分……。
○政府委員(高橋泰彦君) この予算の計画でございまするが、この法律の対象となる漁船被害の中で、修理不能となる漁船の数は、大よそ三千九百隻前後というふうに考えられます。この内訳を申し上げますと、大体動力船が千五百隻前後、無動力船が二千三百隻前後でございます。で、これにつきまして、先ほど申し上げましたように、三そうに対して一そうの隻数を見ていくということでございまするので、全部合わせますと、建造する予定の隻数が大体千三百隻となっております。この千三百隻のうち、本年度はこの七割分を、来年度において残りの三割分を建造する予定でございます。従いまして、ただいま申し上げました金額は、本年度分の金額でございまして、三割分は来年度の方に回るということになっております。 なお、御質問の単価その他の点ですが、本年度は、この千三百隻の七割として、大体九百隻前後、これを考えておりますが、建造費は、三トンの動力船で六十六万円、一・五トンの動力船で三十一万五千円、〇・七トンの無動力船では三万五千円、〇・五トンでは二万円というふうに相なっております。この建造費の八割を補助するという計算でございます。
○小笠原二三男君 この三千八、九百隻は、修理不能のものである、そのうち今明年中、千三百隻を対象にして建造させ補助を出そう、――そうしますと、あとの二千五、六百隻というものは、この政令事項に該当しないために、船は作り得ないという結果が出てきますが、これはやるなら自力でやれということですか。
○説明員(高橋泰彦君) この法律全体のまず御趣旨からその点を御説明いたしたいと思います。で、従来、二十八年度災害でもそうだったのでございますが、漁船の建造につきましては、主として金融措置によってこの回復をはかって参ったのでございますが、しかし、今度の災害の深度と、それから従来の経験から考えまして、金融措置だけでは不十分な地帯がある、ことに、相当激甚な災害を受けた地帯では、金融はどうしても漁船の建造をすることができない、その場合に、今、全部漁船を金融措置によって回復できない地帯については、小なくとも三隻に対して一隻くらいは、漁業協同組合に、共同利用をするという趣旨で、八割の補助をすることによって、とりあえず、三隻のらち少なくとも一隻分については急速に漁船を作らせるという趣旨でございます。従いまして、これに該当しない地帯と、該当しない、たとえば、ここで小型漁船だけが対象となるわけでございますから、小型漁船より大きい大型の船舶並びに、組合で申しますと、二十五隻より少ない被害のあったところにおいては、御指摘のように、天災融資法による無動力船の建造費取得と、それから農林漁業金融公庫法による建造資金の借り入れということでその他の地帯は船を作っていただくと、このように考えておる次第でございます。
○小笠原二三男君 これは理詰めな話ですが、三千九百隻が修理不能の船である、そのうち、政令に該当しないから初めっから落とされる隻数がある、そうしてなおかつ、三隻に対して一隻の割合で補助をするということですから、千三百隻というものは、これは基準通りいけばよけいであるということになりますね。千三百隻の建造は必要としないということになりますな。
○政府委員(高橋泰彦君) いえ、そうではございません。この修理不能の船が約三千九百隻あるわけでございますが、このうち協同組合の共同利用施設として建造する分が千三百隻ということでございます、とりあえず。それで残りは、これは金融措置その他によって、個人の漁船としていくと思いますけれども、しかし、それには相当時間がかかる予定でございます。なお、その建造……
○小笠原二三男君 わかりました。
○政府委員(高橋泰彦君) 以上でございます。
○小笠原二三男君 私の申しているのは、そういう答弁のことではないのです。ただ予算上の措置からいえばね、建前からいえば、該当しない、わずかな、二十隻以下なり一定割合以下になっておる漁業組合の損害隻数というものは、この共同利用施設としての補助対象にならぬで、初めっから落ちますから、従って、三千九百隻からそういうものが落ちて、落ちたあとの三分の一なんですから、千三百隻は必要でないのだと、こういうことになるのだということを申し上げたのですよ。そこで、まあそれはそれでいいとしまして、やっぱり問題になるのは、多分、個人の財産を国が補償することができないという建前から、共同利用施設などと名をつけて漁業協同組合に補助をする、従って、組合はこの船を持つ、こういうことになると思いますが、組合がこの船をどういうふうに利用させるかということは、一世帯当たり一隻持っておったものを、三世帯の生活を守るために一隻を利用せいというのはどういうふうにまあやるのか、その手だては私にはわかりませんが、問題になると思うのですね。が、それ以上やっぱり問題になるのは、八割も補助を出すというこの制度ができた以上は、その他該当しない漁業組合、少ない隻数の損害であろうが、五隻なり六隻なりの損害もあるというところは、全然この恩恵を受けられないというのは、この法律の欠陥ではないですか、建前からいって。その点はどういうふうにその地域の人たちにお話しするのですかね。お前さんのところは、残念ながら一漁業協同組合としまして二十五隻に足りなかったのだと、従って、作らせる金は出すことはできない、お気の毒です、それでいいんですか。
○政府委員(高橋泰彦君) これは、先ほどちょっと補足的に申し上げましたように、修理不能船が二十四隻以下の漁協でありましても、当該漁協に所属する小型漁船総数に対する修理不能船の割合を、別の方でただいま検討しているということでございますが、それにいたしましても、御指摘のように、どこかでその線が引かれて、片っ方は相当率の補助金があり、片っ方では、隣の組合では、場合によってはその線から漏れるということは、やむを得ないと思っておりますが、ただ、それにいたしましても、その趣旨からいいますと、今回の特別措置が、特にその被害の大きな漁船が集中しておる漁協を対象として、限られた範囲で高率補助を行なうということだと思っておりまするので、従って、どうもその点は若干そこら辺に差ができるのは、全部の漁船について八割補助ができない、また、そういうことが現実にできないとすると、それはやむを得ないのではないかと一応思われるのでございます。 なお、この建造の能力から申しましても、実はこの被害漁船を、ただいま本年度並びに来年度の早い時期を考えますと、ちょっと建造能力から推算いたしますと、被害漁船の全部を急速に回復することは、かなり技術的に困難である予定でございます。従いまして、それがその特定の、何らかの意味で、特に金融的な能力のある漁業者だけにその船が回復されることがあっては――まあそれも一つの考え方でございますけれども、それでは必ずしもその実情に沿えませんので、どうしても船の建造能力がなくて、今のところ三隻に対して一隻くらいの割合でしか当面建造ができないとすれば、それはやはりその個人というよりは、従来もそういう例がこの天災の場合には非常に多いのでございまして、現在でも非常に船が足りない、災害を受けた漁村では、組合が事実上漁船を管理して、それでお互いに船を回し合って使っているというような実情もございますので、その実情に従って、その点は少し無理かと思いますが、どうせできないとすれば、三隻一隻の割合でできないとすれば、それは漁協に建造していただくと、その場合にある程度の補助をすると、こういう建前をとったものですから、従いまして、御指摘のように、ある限度のところでは若干そこを来たすのはやむを得ないのではないかと、こう思っております。しかし、この法律の建前は、県のそういったような補助事業に対して国がそのある率以上の全額を見ようと、こういう建前でございまして、その点は、たとえば北海道その他の府県についても、現にただいま連絡中でございますが、そういったようなお隣の組合でちょっとこの対策から漏れたものにつきましては、たとえば北海道は独自の補助事業で、この八割というところまではいかないにしても、ほぼこれに類するような措置をとりたいというように府県御当局で言っておりますので、私どもとしては、そういうことを期待して、ここではかなりそのはっきりした考え方でいきたい。どっちにしても工合が悪いところは、若干ボーダー・ラインのところについてはあるわけでございますが、それは県の方の補助事業で期待したい、こういう気持でございます。
○小笠原二三男君 あなた方の気持、あなた方の建前を勝手に作って、そうして人に言われれば、やむを得ないということで済ますんなら、これくらいけっこうな行政はないと思うのですよ。しかし、こういう災害に対して公平の原則を適用して、あまねく救済をしていきたいという精神からいえば、この建前はやむを得ないと言い切れるかどうかは問題なんです。少なくとも、この法律案の表題にあるように、漁業者の共同利用に供する小型の漁船の建造に関するというものが、初めから漁業協同組合の共同利用に供しておった船の損害に対して助成をしていこうというのならこれでもいい。そうでない。助成したい、助成するための方便として、まず一応、共同利用施設として漁業協同組合が申請してくるものにこれは補助しよう、助成しようということなんですよ。便宜なんです、その建前は。個人々々の持っておった船がなくなったから、まずみんなで助け合って、その船を利用して生活を立てるようにということなんですよ。そうでしょう。そうだとすれば、この政令の基準によっていかようになろうとも、三隻については、個人の損害を受けた船三隻については、一隻の割合で漁業協同組合に建造させるようにという趣旨なんですよ。ところが、あなたの意見は何ですか、被害が集中しておる、そして二十五隻以上、あるいは割合でいえばそれは十五隻になるかどうかわかりませんが、そういう被害が集中しているところは当分困るんだから、そこには団体に補助をしてやろう、片方の方はたった六隻なんだから、それは被害額が小さいのだから、それには補助してやらなくともいい、この精神は私にはわからぬ。被害額というのは何ですか。それは個人漁業者の個人々々の受けた被害なんです。被害激甚地の一漁港における漁業協同組合の、ここに一人の被害を受けた漁民と、激甚地でないと言われ、五、六隻しかやられなかったところの、それでも五、六隻の、五、六人の一人々々の被害というものは、損害というものは、生計が困難というものは激甚地のやつも同じなんです。そうしたら三世帯について、一隻ずつ船を与えようというなら、一般的に全部三隻について船一隻ずつを与えて一つ仕事をさせていこうというのが、これがつまり救済の原則じゃないですか。それをあのボーター・ラインを引いてしまって、あなたは気の毒だけれども、あなたの漁業協同組合は五、六隻しか被害はなかったのだから、あなた方は天災融資法なり金庫の方の金を措りてやりたかったらやりなさい、こういうものは国の政策として私はまことに残酷というか、冷酷というか、そしてまた、公平の原則に欠ける、そういうふうに思うのですがね。
○政府委員(高橋泰彦君) そのような趣旨ではございませんで、やはりある一定隻数以下のところでは金融措置によって漁船の建造が可能であろう、しかしながら、被害が非常に集中した漁業協同組合につきましては、これはなかなかその金融だけではやっていけないであろう、こういう考え方でございまするので、被害のやはり一定のある限界を引きまして、それ以上の漁業協同組合についてはこのような措置をとって、それ以外の漁業協同組合につきましては、共同利用という格好ではなくて、個々の漁業者に金融によって船を作っていただく、こういうふうに進みたいと思っておる次第でございます。
○小笠原二三男君 だからね、借りるというのと、もらうというのとではこれは天地の差なんですよね。被害の激甚地の一漁民の被害と、そうでないところの漁民の被害とが違う、片方は借りる能力がない、片方は借りる能力がある、どこでそういうことを判定できるのです。個人々々にとったら同じことでしょうが。
○政府委員(高橋泰彦君) これは、被害を受けた小型漁船に対しまして、漁業協同組合の新しいその船を作る場合に、三隻に対して一隻の割合でござまして、三隻分をそのまま全部八割の補助をするということではないのでございますから、その点はこの二十五隻以下の漁協では、金融措置をはかることによりましても、大体これでいけるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○小笠原二三男君 私は、あなたの意見と全く食い違うんだよ。三隻なくなったら、三世帯に一隻、漁業協同組合が船を作って、これを共同利用させるということなんですから、従って、激甚地でなくとも当面三隻被害を受けておるところがあったら、その三隻に対して一隻分を協同組合で作らせ、まずこれを利用させていく、将来は激甚地のものであろうが、激甚地でないものであろうが、個人持ちの船を建造することになるのですからね。なるのですから、だから、同じに施設を持って、当面共同利用させようというなら、どこで線を引くもなにもなくて、三隻について一隻は国が金を出して作ってあげましょう、そして組合が管理してそれぞれの該当者が共同利用できるようにしなさい、これが政治でないか、これが救済の原則でないか、こういうことを申し上げておるのです。個人が融資を受けて船を建造するしないということは、これは激甚地であろうが、激甚地でなかろうが、個人の能力によることなんだ。
○政府委員(高橋泰彦君) この法律のやはり全体の趣旨は、災害の特に集中した、漁業協同組合の金融ではやっていけないものに対する漁業協同組合の建造する漁船に対する特別措置だというふうに考えておるわけでございまして、従いまして、たとえば三隻ないしは四隻の被害のあった漁業協同組合では、やはりこのような共同利用その他の形をとらなくても、実際問題として金融その他の措置で解決できるものだというふうに考えておりますが、ただ、相当災害が集中した漁業協同組合では、そういう金融措置だけでは不十分なんで、その点を特別な措置としてやろうというような趣旨もありまするので、その点どうしてもその間には若干の差ができることはやむを得ませんが、しかしながら、考え方としては、特に災害の集中した漁業協同組合に対してこの措置をとるというふうにやるのが妥当ではないかというふうに考えた次第でございます。
○小笠原二三男君 どこまでもその建前に対する考え方が違うのだよ、私とあなたとは。漁業災害でなくて、農林災害で一々の農家に対して補助をする、あるいは融資をする、そういう場合の例を見ても、ここにたとえば炭がまがつぶれた、そうすればそれに対して幾ら、サイロがつぶれたらそれに対して幾らというようなやり方をやる。あるいは養蚕の問題で、国策として畑を減少させる、そういう場合には各農家反別当たりどれだけの金をやってこれを反別を縮小させる、こういう措置をとっておるのです。だから、あなたの方の建前のことはわかるけれども、国から国民が利益する、援助を受ける立場の建前からいえば、三隻当たり一隻の共同利用という原則が国の原則であれば、いかなる被害地に対してもその原則が適用されることを望んでくることは当然なんですよ。それを、それは北海道のようなところは道がやるであろう、他のところは県が適宜めんどうを見るであろう、そういう扱い方はどうも納得がいかない、こういうのが私の趣旨なんです。あなたはあなたの方として、政府はそういう建前なんだということなら、それならそれでもいいでしょう。しかし、そういうことはこの種災害について、結局は間接的な助成ではあるけれども、直接個人に対してそういう援助をすることのできない建前から、こういう仕組みになっておるものと私は考えるのだから、そういう意味からいえば、非常にこれは冷たい扱いである、このボーダー・ラインからはずれた漁業協同組合、その組合員たるものの被害者は、これは国の援助を受けられないということで非常に実損がある、こういうふうに私たちは考えるのです。まあ、これ以上は当委員会でやることでないから私申し上げませんが、同じやるなら、公平にそういうものは扱われる努力を水産庁としてやるべきであろうということだけは、私は固執して申し上げておきます。これ以上はもう質問しません。
○中田吉雄君 この共同利用小型漁船建造費二億四五百万の予算審議に対してどういう資料が一体出されているのですか、水産庁から。やはりどうもさっきの沖縄水域の説明を見ましても、非常に水産庁の出されている資料が乏しいので審議に非常に時間がかかると思うのですがね、どういう資料が出ておるわけですか、たとえば、その点をこの提案理由の説明に見ましても、漁港施設の被害が百八十億で小型漁船の被害を受けたものが一万数千というようなことが出ておるのです。そういう府県別の分布とか、先に言われたトン数別の建造単価とか、そういうものをちゃんと出されれば、ただいまのような説明をされても非常に審議が早くいくのではないかと思いますが、どういうのが出ておるのですか。決定しましたもの、どういうのが出ておりますか、その点。
○政府委員(高橋泰彦君) 詳細な数字については、まだ当委員会に提出しなかったのでありますが、もし御必要であれば、資料を整えて持って参りたいと思います。
○中田吉雄君 私は、今回まで二億からの予算を審議するのに、自分だけ資料を持っておって、委員会に出さずにこの予算の適当かいなかというようなことの審議を要求されるというのは、かつてないと思うのですよ。もっと沖縄水域の問題といわず、ただいままで説明されたような資料を具体的に整えて出していただきたいと思うわけであります。その点、委員長、一つよろしく。
○石谷憲男君 修理不能小型漁船が三千九百隻あって、そのうちの三分の一ですかのものについて、本年度七割、来年度三割の計画でこれを漁協の施設として再建する、こういうことなんですね。そこで、漁協の施設として再建するという考え方についてお聞きしたいのですが、ただ、非常に今回の風水害は被害が大きかったから、そこで、被害激甚地に対しては何らか強力な援助手段を考えなければならないということからこれは来ておる。そこでただ、その補助をしやすくするというか、補助を可能ならしめるための手段としてそういうことをやられるのか、ないしは、むしろ将来何といいますか、漁業の共同化というか、共同漁船を持って漁業の共同化というようなことを推進する、こういう機会にその試みをやろうとする意図でこういったことを考えられたのか、その点一つはっきり。
○政府委員(高橋泰彦君) 最初の趣旨から御説明申し上げます。従来、利用者個人の漁船の修繕といいますか、災害に伴う建造につきましては、従前は天災融資法、公庫法による融資ということで措置して参ったわけでございますが、今回は災害の程度が非常に大きかったということと、もう一つは、やはりただいま御指摘のように、これは農林大臣もたびたび言っておられるわけですが、この共同化の方向については、何らかの補助的な施策で協力いたしたい、こういう農林大臣のお言葉も一般の問題として御説明申し上げたわけですが、やはり私どもも一つのやり方だと、こういうふうに考えておるわけでございます。 なお、先ほどもお答えいたしましたように、そのほかに実際は建造能力の問題がございます。従いまして、どうしても急速に全漁業者に漁船を特定の漁業者個人だけではなしに、何かの格好でその漁業協同組合の方でそれを建造し、管理して、そうして組合員の共同利用に供させるということも、実態として考えざるを得ない立場じゃないかと、このように考えるわけでございます。それでは非常に空想的なことかと、こういう御質問だとすると、必ずしもそうではなくて、現に目下漁村では非常に乏しい残った漁船をフルに使っておるわけですが、そのフルに使っておるというのは、やはり漁業協同組合である程度の管理をいたしております。そういう実態にも応ずることであるのであります。従いまして、要約して申し上げますと、かなり実態的なその着想からこういう考え方をとったということと、それから個人に補助するという考え方よりも、共同化の方向に対して援助していきたい、その大臣の趣旨にも合わせて考慮した、こういうことだと思います。ただ将来とも、それではこの格好で進めるのかどうなのかということにつきましては、これは実は研究問題でございまして、なかなかむずかしい点もあろうかと思いまするが、私どもといたしましては、やはり実態的にも漁業協同組合が漁船を持って共同利用の格好でやっていく若干の例もございまするので、できますれば、そういったようないい意味での共同化の芽をそこで出しておきたいということもございます。ただ、この芽がはたして伸びていくか、それとも全くの応急的な措置で終わるか、そこいら辺についてはまだ確たる見通しは持っておらないわけですが、希望としては、いい方向であればその芽はあくまで残していきたい、これが非常に無理であればいたし方がないとしても、そういういい芽をここでやはり出しておきたいという意図を持っておるものでございます。
○石谷憲男君 なるほど、これだけのものが回復をしていく過程におきましては、能力等の問題もあって相当の時間がかかる、そういうことは十分に予想されるわけです。そこで、今おっしゃった、説明をされましたことを文字通りに受け取りますと、それだから、いわゆるこの三分の一に相当する協同組合の利用施設として再建造する千三百隻につきましては、とにかくこれだけでもやって、早く、何といいますか、非常にこの漁船不足の状態というものを解消する、こういうところに力点がありまして、従って、残りのもの、従来のような金融措置等でやっておる残りのものにつきましては、それほどあなたの方では急速にこういうものが再建造をされるという見通しはないということなんですか。
○政府委員(高橋泰彦君) そのようなことは決してございません。これは、ことにこの施策の対象となる隻数は限られております。しかも、小型の漁船について、かなり被害が集中的に起きた地帯についてだけの集中的な一つの施策でありますから、もちろん残った問題が非常に、むしろ多いといっても過言ではないと思います。従いまして、金融措置につきましては、この措置と並行して力を入れませんと、なかなか所期の目的を達することができない、このように考えております。
○石谷憲男君 今、質問いたしましたのは、三千九百隻というものがそのままの姿において再建造されるかどうか、問題かもしれませんが、一応再建造されるとすると、そのうちの千三百隻につきましては、これは国の強力な補助のもとに行われるわけでしょう。残りのものは、従来のように、金融だのなんだのというような方法で行われる、そこにおそらく建造能力等の問題もあって、なかなか一挙に回復しがたいという問題があるから、従って、その千三百隻の補助金交付のもとに行われるやつだけは、せめてこれは、何といいますか、見通しがつく、残りのものについては、その金融措置等でやるものについては、それほど安定した見通しを得られない、こういう建前の上に立って今の説明を行われておるわけですか。並行するという建前ですか、あくまでも。
○政府委員(高橋泰彦君) もう少し具体的に申し上げます。この措置の適用を受けなかった漁船、具体的に申し上げますと、三トン以上の動力船、それからこの適用を受けない漁業協同組合、いろいろな漁業協同組合、これ全部救えることになっておりませんので、そういったような適用外の大事な漁船がたくさんございますので、それにつきましては、これと同時に金融的な措置をやりませんといけないと思います。ただ、問題は、対象の三千九百隻の中の千三百隻を引いた残りの三分の二の船をどうするか、こういう御質問だと思いますが、この点は、まずこのやり方で、三隻のうちの一隻を建造し遂げて、その次から金融でそれをさらに残りの三分の二のところをバツクアップしていく、こういうふうに考えております。
○石谷憲男君 そうすると、とりあえずは補助金を出してやる千三百隻だけに集中してやるのだ、そうしてその次の段階として金融措置等でやるものを考える、こういう考え方なんですか。
○政府委員(高橋泰彦君) この補助金を受けるところはそういうふうに考える、補助金を受けないところは同時にやりたい、こういうふうに考えております。
○石谷憲男君 補助金を受けるところは激甚地でしょう、あなたのおっしゃるのは。いわゆる激甚地については、二段階で復旧させなければならない、こういう考え方ですね。
○政府委員(高橋泰彦君) またこの趣旨の問題に入るわけですが、この趣旨では、金融だけでは措置ができませんので、こういう少し変わったやり方をとるのでございまして、できればこの三隻のうちの一隻に対して補助金と、残りの二隻に同時に金融措置をとりたいのでございます。しかし、実際問題としては、これはなかなか建造能力と、金融となりますと、どうしても信用力の問題になりますが、そういう被害激甚地帯は、どうも漁村の方を拝見すると、今度の実態を拝見すると、どうも信用力のある漁協が現実にございませんので、従って、私どもの一応の言い方としては、三隻のうちの一隻の補助金と、残りの二隻に対する金融措置とほぼ同時にやりたいのだ、こう言った方がいいかとも思いますけれども、しかし、実態としては、そうはなかなか楽観はしておりませんので、そういうふうに努めますけれども、このような被害の激甚な漁協では、ほとんどもう金融だけでは船を作ることはできまいと、少なくとも、当初重点的に補助金を差し上げて、急速に回復して、そうしてしばらく共同利用という格好で御不自由していただくわけですが、追っかけて――そういう表現がいいかどうかわかりませんが、追っかけて金融措置でそういう不自由なところも漸次回復していきたい、このように考えているようなわけでございます。
○石谷憲男君 とりあえず三分の一回復しさえすれば、その地域の従前通りの漁業活動というものは維持できるという建前ですか。
○政府委員(高橋泰彦君) 共同利用と一口に申しましても、やはり従前三隻あったものを、フルに動かすというふうに仮定いたしましても、三分の一では、従前通り、全く同じように生産活動ができるとは必ずも過信しておりません。
○石谷憲男君 そうすると、被害前の状態には返らぬということですね、この激甚地は……。
○政府委員(高橋泰彦君) 金融の措置を考えないで、この補助金を分離して考えますと、これだけでは不十分だと思います。御指摘のように、この措置と同時に金融措置が伴いませんと、なかなか従前の生産力の回復がむずかしいのじゃないかというふうに考えております。
○仲原善一君 二つばかりお伺いいたしたいと思いますが、最初は、この措置の対象になるのは、昭和三十四年九月の災害ということになっておりますが、これはほかの、たとえば他の災害救済の施設では、米の安売りの法律にしても、七、八、九月と、その他そういうのがたくさんありますが、九月だけに限られた特別な理由があるわけですか。
○政府委員(高橋泰彦君) この大体の考え方は、全部ではなくて、ある程度被害の集中したところをこの措置でやっていくというふうに考えますと、九月以前の災害でこれに該当するものはございません。
○仲原善一君 次に、「都道府県で政令で定めるものが」ということになっておりますので、政令案の内容によっては、落ちる県が相当あろうと思います。政令案の内容というものが大よそわかっておれば御指示を願いたい。
○政府委員(高橋泰彦君) これは、実際は修理不可能な漁船の確認が非常に必要なわけでございますが、一番あぶない点は、無動力船の確認がかなりむずかしいと思います。無動力船につきましては、登録制度も廃止されましたので、なかなか確認がむずかしいわけですが、その点が判然としませんとなかなかむずかしかろうというふうに思いまして、現在いろいろとデータを確かめ中でございますが、ただいまのところ、この件に該当するものといたしましては、北海道、愛知、三重、和歌山、長崎等の諸県がこれに該当するものというふうに考えまして、その他の府県につきましては、なお被害漁船の隻数、漁業協同組合の中の修理不能の、たとえば先ほど申しましたような二十五隻以上に該当する組合の実態、これを漸次確認してはっきりして参りたいというふうに考えておる次第でございます。
○仲原善一君 ただいまの御説明で具体的な県の名前も出ましたけれども、それをきめる場合の尺度というものは一応あるわけですか。
○政府委員(高橋泰彦君) これは、法律案では政令で定めるということになりますが、私ども今考えておる基準と申しますか、尺度と申しますか、二つを考えておるわけでございます。それは、まず修理不能となった小型漁船の数が何隻以上というふうであることが一つの基準ではないか、このように考えております。もう一点は、小型漁船につきまして、被害を受けた漁業協同組合が、その当該県の全部の漁業協同組合の何割ぐらいになるだろうかと、ある割合以上の場合、こういう二つの基準できめたらいかがかと思います。従いまして、ある一定数と、その一定数を捕捉し得るようなある割合を――これは大きい県と小さい県がありますので、大体隻数で概定して、それを大きい県、小さな県に不公平のないようなある一定割合を引き移したような割合というふうに、二つの基準できめたらいかがかというふうに予定しております。
○仲原善一君 ただいまの第一の修理不能の隻数でございますが、その数と二番目の被害を受けた協同組合が、その該当県の全体の組合に対するパーセンテージ、比率ということで大体の構想はわかりましたけれども、具体的にその数と何割ということはおきめになっておりますかどうか。
○政府委員(高橋泰彦君) これはただいま、私の方ないしはほかとの関連の問題もございますので、数字を具体的にいろいろと検討いたしております。
○中田吉雄君 ただいまの御説明で、被害した船の三分の一を補助金でやり、三分の二を融資で建造することを非常に期待されているのですが、そうすると、非常にこの被害を受けた漁船の復興ということでは金融の問題が大きな割合いになるのですが、それと関連してお聞きしたいのですが、一体どういう資金ルートでやり得るか、それから財政投融資の方で、農林漁業金融公庫の本年度の貸付額が四百三十二億で、今回災害関係で百四十億ワクがふえたようですが、この百四十億の中に、ただいまのような漁船で、融資対象になっているものがあるかどうか、そういう点。
○政府委員(高橋泰彦君) これはおよそ二つのルートがあるわけでございます。一つは、天災融資法によりまする主として経営資金の融通の問題と思いますが、これは従来の天災法では、御案内のような漁船の修理が対象になっているわけでございますが、今度天災法を改正いたしまして、小型漁船建造もこの中に入れることに大体きまりましたのでございます。それから金額も従来の金額を二十万というふうに高めることにいたしましたので、この二十万円の範囲内における小型漁船の建造が天災法関係によって可能になる、こういう道を開いたわけでございます。ただこれは、あくまでも小型漁船の関係でございまするので、もちろん二十万ではまかないきれない漁船につきましては、公庫資金に依存せざるを得ないわけでございますが、これもただいま漁船の建造につきましては、ワクとしては最高限一千万円というワクがあるわけでございますから、この最高限度の範囲内において公庫の貸し出しを行ないたい、なお、この貸付条件その他については、ただいまそれぞれの方面と折衝中でございますから、これも何らかの改善をいたしたいというふうに考えている次第であります。
○中田吉雄君 そうしますと、三分の二の方に対して、天災融資法の改正と公庫資金でやれるわけですが、三分の二が幾らぐらいになりますか、一体この両方で。三分の二が融資で三分の一が補助金、三分の二の融資に期待することが多い、こういうわけなんです。そこで、その内容としては天災融資法を、これまでは修理であったものを建造も対象にする、それから公庫の方もワクを拡大したと言われるのですが、そうすれば三分の二の中のどの程度がこれで救済されるかということなんです。
○政府委員(高橋泰彦君) これは先ほど諸先生からおしかりをこうむった点でございますが、実は、それほど私ども残った三分の二の融資の問題については、必ずしも楽観はいたしておらないのでございます。と申しますのは、この本来の法律の趣旨が、どうしても金融ではどうにもならない災害地帯が過去もあった経験にかんがみまして、現在の、先ほど申しました、組合で二十五隻以上というふうな災害になりますと、とてもこれは天災法その他のいろいろな融資措置は考えても、それがなかなか措置としてはできましても、現実の問題としてはなかなか金が流れない、こういうことであったわけであります。従いまして、今度はこのような特別の措置をお願いしたわけでございますから、あるいはお答えとしては、それは融資でやらすからすぐできるのですというふうな答えにすべきかもしれませんけれども、しかし、実態はそのようになかなか簡単にはいかぬだろう、そうはしたいけれども、なかなか簡単にいかないので、このような補助金制度を作らざるを得なかった。従いまして、その残りの三分の二は、大丈夫か、こういう御質問を受けても、それが大丈夫だということになりますと、この補助金もおかしなことになりますが、私、正直に申し上げますが、直ちに残りの三分の二は追っかけて補助金に乗せたいけれども、実情はしかし簡単ではなかろうという点を非常に憂慮しているような、むしろ逆にいいますと、道は開いてもはたしてそうなるかどうかについては非常に懸念している、こう申し上げるほかないと思います。
○中田吉雄君 そうしますと、農林漁業金融公庫の災害関係で、百四十億、ワクを拡大したやつも、これはやはりつかみ分けでこうしたのではないのだ、林野庁関係、耕地みんな積み上げて、この百四十億がきまっているのです、私の知っているところでは。この中の幾らになるのでしょう。
○政府委員(高橋泰彦君) これはただいま御説明申し上げましたのは、主として小型漁船を中心にして御説明申し上げたわけですが、この小型漁船以外の、いわゆる動力三トン以上の船になりますと全く公庫の方にお願いせざるを得ないわけでございます。ちょっと御質問のそれでは、公庫の方では具体的にどれくらい計上したかという点でございますが、ただいま資料持ち合わせございませんので、調査の上ではっきりしたお答えをしたいと思います。
○中田吉雄君 それから天災融資法の方でもやはり同じことが言えるのじゃないかと思うのですが、それもあわせて。それから私の聞いているところでは、やはりこれは融資でなしに補助金にやらせざるを得なかったということは非常に意味があると思います。私の聞いている限りでは、農林漁業金融公庫の融資で最もリスクの多いものは漁船で、全くこれはリスクが一番多くて船を担保に入れても、抵当に入れてもどこにあるかわからないし、担保価値というような点からいっても、まことに困るのです。返済不能になれば、会計検査院その他の方もあり、実質的にはやはり補助金に変えられなくてはならなかったということと非常に関係があって、非常に問題だと思うのですがね。私が聞いた限りでは、とにかく危険が多くて、保証人をつけたり、船を建造したやつを担保に入れるといっても、なかなかこの捕捉もめんどうだし、農地のようなわけにいかぬ、あるいは他の地上にある共同施設のような保証ですね、そういう担保価値というようなことからいっても、また魚をとって売って、それから返すというような点からいっても、ある意味ではもう実際三分の二はかまわぬという結果に私はなると思う。私聞いてみたんですが、農林漁業金融公庫では最もリスクの多い、あぶなくてしょうがない融資対象だということを聞いているんです。そういう点もありますので、一つ最初にお願いしました資料その他が出まして、さらにこの百四十億の内訳等を見せていただきまして、いろいろ御質問いたしたいと思います。
○委員長(堀本宜実君) 他に御発言もないようでありますから、本件はこの程度にいたします。 ―――――――――――――
○委員長(堀本宜実君) 昭和三十四年七月及び八月の豪雨、同年八月及び九月の暴風雨又は同年九月の降ひょうによる被害農家に対する米穀の売渡の特例に関する法律案の件を議題にいたします。当局の説明を求めます。 ただいまの出席は、食糧庁長官須賀君、諌山業務第一部長でございます。
○政府委員(須賀賢二君) ただいま議題となっておりまする略称米の安売り法律と申しております法律につきまして、さきに提案理由の御説明を申し上げましたが、簡単に補足をして御説明を申し上げたいと思います。 この法律は、毎年相当程度の災害がありました際に、その被害農家に対しまして、次期の収穫期までの飯米を生産者価格見合いの価格で販売をいたしますように特例措置をとりますための法律でございます。昭和二十八年災以来、毎年特別の立法措置をとりましてやっておりまするので、今回の場合もおおむね従来の立法内容と同一でございまして、特に取り立てて御説明を申し上げる点もないのでございますが、一、二従来と変わっております点を申し上げておきたいと思います。 それは法律第二条でございますが、法律第二条で「この法律において「被害農家」とは、米穀を生産する農家であって、」「災害により著しい被害を受け、これにより」云々と書いてございます。この「災害により著しい被害を受け、」というところの表現につきまして、従来とやや変わっております。と申しますのは、従来は災害によりまして立毛が被害を受けまして、そのために飯米がなくなったという場合に対する手当のための法律であったのでございますが、今回は、立毛のみならず、古米の保有しておりますものが流失をいたしたという場合につきましても、その分についてやはり安売りをいたすということに改めた次第でございます。その点が従来と変わっておるわけでございます。 それから二十八年災以来の取扱いと同様に、この対象地域は政令で指定をいたすことになるのでございまして、それは法律の第一条に「政令で定める地域内において生じた災害に係る被害農家」云々ということになっております。これは現在政令案を政府部内において検討いたしておりますが、考え方といたしましては、米の平年作に比較をいたしまして、一割以上の被害がありました県をおおむねその基準で指定をいたしたいと考えております。昨年の伊豆災害の場合等は、政令によりまして県と郡の段階まで指定をいたしたのでございます。今回は政令で県を指定いたしまして、それ以下郡、市町村を定めます基準は、別途に基準を作りまして、都道府県知事の申請によりまして、農林大臣がこれを承認するという扱いにいたして参りたいと考えておる次第でございます。地域指定につきましては、従来もこの法律の御審議の際に常に問題になっておりました次第でございますが、やはりこれは災害農家に対する特例の措置でございまするので、ある程度のやっぱり被害の深さというものを織り込んで考えて参らなければならない次第でございまして、今年の場合も、ただいま申し上げましたような基準で地域の指定をして参りたいと考えておる次第でございます。 簡単でございますが、補足として御説明申し上げました。
○委員長(堀本宜実君) ただいまの御説明に対しまして、質疑の向きは御質疑を願いたいと存じます。
○石谷憲男君 ただいまの御説明で県を単位にして指定する、それから県以下の段階では、県知事に基準を示して、それによって県知事の申請するものを農林大臣が認可するというんですか。ということは、たとえば県内のある部門というものであっても、この法律は適用されるとこういうことですか。
○政府委員(須賀賢二君) 昨年までの例を申し上げますと、県段階で被害率が一割、それから郡段階で被害率が二割、それから市町村段階で被害率が三割、その一割、二割、三割の基準に入ります市町村を具体的に指定をいたしておるわけでございます。ことしの場合は、おおむねその基準によって参りたいと考えておるのでございますが、まだ大蔵省との話し合いでは、そういう内容で今打ち合わせが進んでおるわけでございますが、政令段階では県の指定だけに一応とどめまして、郡及び市町村段階の指定の基準はさらによく検討いたしまして、一定の基準を作りましてそれを知事に示して、それを受けて知事が申請をいたしましたものを承認をするという形をとって参りたいと考えております。
○石谷憲男君 そのことは、たとえば平年作に対する減収額ですか、そういうものが一割以上というふうな県でない場合であっても、郡段階あるいは市町村段階のものが、都道府県知事の申請によってこの法律の適用を受けることになりますか。
○政府委員(須賀賢二君) その点は非常に重要な点でございますが、やはり政令で指定を受けておりません県では、都道府県知事が申請をするということはできないと思います。そういう点からは申請を認めることはできないと思います。
○石谷憲男君 これは具体的な問題なんですが、たとえば兵庫県などがかなりの被災地なんですが、御承知のように兵庫県下の但馬地方に被害があった、あの部分だけをとってみると、何郡かにまたがって相当の被害があった、しかし、県全体としてみますと、はたして平年作の一割以上だったかどうかよくわかりませんが、そういうふうな場合が今回の災害にしばしば出てくるんじゃないかと、こう思うんですが、これは法律上ではどうしても救えないということなんですね。
○政府委員(須賀賢二君) 大体被害率一割でとりますと、ことしの七月から十五号台風までを通じまして、主要被害県は指定対象となるわけでございます。従いまして、まだ県の名前を具体的に申し上げるまでの段階に至っておりませんですけれども、政令案を御説明申し上げます段階では、ほぼ県の名前を具体的にごらんいただきますれば御納得いただけると思います。ただいまお話のように、ことしの災害は、一部の府県におきまして、県全体の規模ではそれほどではないのでありますけれども、特定県内の特定地区につきましては非常に大きな災害を受けておるという地帯が二、三の県についてあるわけでございます。そういう県は、ただいまのこの基準の建て方によりますと、安売りの対象とはなりかねるわけでございます。ただ、私どもとっております措置は、被害農家に対しまして、食糧を確保しなければいけないということは、これはどの地方の農家につきましても、共通な問題でございます。それで都道府県知事が延納売却で被害農家に対して無利子、一年間の延納で食糧を売り渡すという処置をとるために、農林省の方にその借り受け申請があります場合は、これは地区の指定等には全然関係なしに、私どもの方でその要請に応じて売り渡しているわけでございます。従いまして、やはり一年間の無利子、延納で必要なる飯米は確保するということは、災害農家の共通の措置になっているわけでございまするけれども、この法律が適用されるかされないかによりまして、いわゆる値段の違いが出て参ります。その点は、先ほども申し上げましたように、やはり一つの特例措置でありまして、何か基準を設けまして、対象を決定して参ることになります。従いまして、そこの点を具体的に地方を比較して参りますと、つり合いが十分とれてないという事態も、今のこの政令の建て方からは避けられないような結果になっているわけでございます。
○石谷憲男君 なぜそこまで県という段階をとらまえて、固執して指定しなければならぬのですか。そうすると、要するにその部分々々に、これはもうどうも不均衡のものが出てくるということは明らかなんですね。大よそのところは救われるというところで、おそらくそういうねらいで作られたものだと思いますけれども、しかし、大よそのところでは、まあ全部のものが満足しないということになるので、どうしても県というふうに相手方を限定をしなければならぬのはどういうわけなんですか。
○政府委員(須賀賢二君) これはいろいろ、この法律が二十八年災以来実施されております経過の中におきまして、地区指定の問題はそのたびごとに問題になっているわけでございますけれども、経験上からいたしましても、やはりこの基準で地区指定をするということが、この法律の建て方としては、どうしてもとらざるを得ないのではないかと思うのでございます。と申しますのは、これは延納でございまするけれども、その手順といたしましては、農林省が都道府県知事を相手にしまして、米を一年間の無利子、延納売却をいたす。そういたしますと、都道府県知事がそれを市町村長に売却をいたす、市町村長が農家へ渡す、農家と市町村長との関係で末端は決済をされるということになるわけでございます。そうすると、やはり都道府県知事が、そういう措置をとるということがこの法律の現実に発動するきっかけになるわけでございます。それで広く一般的にこの制度を置きます場合、都道府県知事といたしましても、やはり県内の災害の全体の状況から考えまして、これはある程度はやはり都道府県の財政負担等も結果的に若干出てくることもございます。県内の災害、全般の災害状況等を見て、この措置をとるかとらないかということは、やはり判断をする必要のある問題でございます。そういう点もございますので、農林省としましては、一つの基準を作っておきまして、その基準に当てはまる都道府県、また末端も、先ほど申し上げましたような、ある程度の災害の深さというようなものを一つの考慮に入れまして、それを対象にして発動するということにしておいた方が、政府としましてはうまくいくのではないか、全面的に広くおっかぶせますことと、今の建て方の利害得失は、十分に判断していかなければならぬ問題ではないかと考えております。
○石谷憲男君 たとえば市町村というふうなものの単位において具体的に政令できめて、やはり相手方というものは都道府県知事を選ぶというわけにはいかないのですか。その市町村の所属する都道府県知事を選ぶ。
○政府委員(須賀賢二君) 御趣旨はわかります。従いまして、今度は郡段階を政令で規定いたしませんのは、場合によると、郡という基準、郡二割という基準には当てはまらないけれども、市町村三割というような基準でどうしてもふるい分けなければならぬという場合もあり得るというような考え方で、政令段階で郡を指定することは今回やめた、ただ、先ほどからお話の点で残っておりますのは、県段階一割というものをはずすかはずさないかという問題が最後に残るわけであります。それは、先ほどから申し上げております趣旨で進めております。
○石谷憲男君 まず県というものをとらまえるからそういうことになる。むしろそうではないのであって、ずっと下部の中からとらまえていくならば、そういうふうな考え方をとる必要はない。にもかかわらず、今おっしゃるように、相手方は県なんだからという意味で県をとるというならば、一たん指定するのは下部段階のものをとにかく指定しておいて、農林省の相手にするのは都道府県知事だという仕組みというものはできないですか。
○政府委員(須賀賢二君) これは同じようなことを繰り返して御答弁を申し上げることになって恐縮でございますが、やはり都道府県知事ももちろん災害対策としては当然やらなければならぬことではありまするけれども、なかなかこれは実際にやってみますると、代金の回収の問題でありますとか、実務的には非常に厄介な問題があるわけでございます。それで、一般的に広くこれをおっかぶせた制度にしておきますよりも、むしろやはり一つの基準で県は指定をいたしまして、少なくともその県については、知事、市町村長は相当これについては財政負担が残る場合があり、また実際の実務の処理としてもめんどうなことがあるにしても、ぜひこれはやってもらいたい、やるべきであるというような実質上の効果も今の制度の建て方の方が便利であるというようなことで、その辺は見方にもよる問題でございまするけれども、私どもの方では、そういうふうな考え方も含めまして、この指定の制度を従来からとっておるような次第でございます。
○委員長(堀本宜実君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(堀本宜実君) 速記を始めて。 他に御発言もないようでありますから、本件はこの程度にいたします。 残余の議案は後日に譲り、本日はこれをもって散会をいたします。 午後四時二十分散会