農林水産委員会 第2号
- 発言数
- 57 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1959/11/05
会議録
○委員長(堀本宜実君) ただいまから農林水産委員会を開きます。 繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣送付、閣法第一号)を議題にいたします。まず提案理由の説明を求めます。
○政府委員(小枝一雄君) 繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。 政府は、さきに繭糸価格安定法に基づいて約五万俵、また、繭糸価格の安定に関する臨時措置法に基づいて約五万俵の生糸を取得いたしましたが、このうち臨時措置法に基づいて取得したものについては、繭糸価格安定法によらないで時価で売り渡しができるごとになっております。この時価売り渡しについては、市場に不安感を与えないため売り渡しのルールを定めることとし、本年三月、繭糸価格安定審議会の議を経て、申し込みに応じて十八万円で売り渡すこととし、これを本生糸年度における実質上の最高価格として運営する方針を定めました。その後、生糸価格の上昇に伴い、政府は、この方針に基づいて、保有生糸の売り渡しを行なっております。 最近、内外景気の著しい上昇や絹の流行等にささえられた生糸の売れ行きの好調という面もありますが、臨時措置法に基づく政府保有生糸の残量が減少するに伴い、各種の思惑から見込み買付が行なわれ、この面より市場の不安を濃くしている傾向が見られるに至りました。しかし一方、海外、国内ともに、生糸需要者は、本生糸年度の実質的最高価格十八万円を信頼して先約定を結んでおりますので、今もし、政府保有生糸が数万俵残っている現状において十八万円維持の努力を放棄するようなことがあれば、繭糸価格安定制度に対する信頼は再び失われ、需要者は、価格不安の少ない他繊維に転換することになります。かくては昨年の混乱を経てようやく再出発の糸口についた生糸の需要増進に多大の悪影響を及ぼすことになるのであります。 かような情勢に対処して、生糸の価格の異常な高騰を防止し、生糸の需要の確保をはかるためには、政府が繭糸価格安定法に基づいて取得した生糸についても、本生糸年度の実質的最高価格で売り渡しができる道を開くことが必要であります。その場合、本生糸年度の価格安定措置は、繭糸価格の安定に関する臨時措置法によって行なうことになっておりますので、ここに同法の改正案を提出した次第であります。 次に、本法律案の内容の概略でありますが、政府は、昭和三十五年五月三十一日までは、繭糸価格安定法に基づいて取得した生糸を同法によらないで売り渡すことができることとすることがその内容であります。 この措置によりまして、繭糸価格安定法に基づいて取得した政府保有生糸約五万俵は、同法に規定する価格によらないで、すなわち、時価で売り渡すことができることとなるわけでありますが、この売り渡しは、現在行なっております売り渡しと同様に、申し込みに応じ十八万円で行なうことといたしたい考えであります。 以上が本法律案の提案の理由でございます。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決されますようお願いする次第であります。
○委員長(堀本宜実君) この法律案の審査は後日に譲りたいと思います。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕 ―――――――――――――
○委員長(堀本宜実君) 速記を始めて。 農林水産基本政策の件を議題にして、この際、農林水産関係災害対策等について、当月の説明を伺うことにいたします。
○政府委員(小枝一雄君) 農林漁業基本政策に関連いたしまする農林水産関係の被害の概況とその対策について、御報告を申し上げたいと存じます。 九月二十六日夕刻潮岬附近に上陸した今次の台風第十五号は、紀伊半島を北々東に貫き、岐阜県を経て官山県から日本海に抜け、さらに海上を北々東に進み、津軽半島を斜めに横切り、根室の南東から千島列島方面に去ったのであります。これがため九州の一部を除くほとんど全土に甚大な被害をもたらし、中でもその進路に当たりました東海地方では高潮により海岸堤防及びこれに接続する河川の堤防が至るところで決壊し、農林水産業施設、農林水産物にも多大の被害が発生し、まれにみる惨状を呈しましたことはまことに遺憾であります。 現在までに判明した農地農林水産業施設の被害について申し上げますと、関係府県からの報告によりますれば、台風第士五号による被害総額は三百七十六億円となっております。このうち農地、農業川施設の被害は約二百八億円でその半ば以上を占め、林地の崩壊、治山施設、林道の被害は百三十九億円、漁港施設の被害は二十九億円となっております。また本年は御存じの通り六月までは比較的災害が少なかったのでありますが、七月に入りますと局地的豪雨があり、次いで台風第五号が来襲し、八月におきましては、台風第六号、第七号が相次いで来襲し、山梨、長野県等に甚大な被害を与え、さらに下旬には豪雨、九月中旬には台風第十四号があり、これらの被害を加えますと、七月以降台風第十五号までの農地農林水産業施設の被害総額は、七百九十八億円の膨大な額に達します。これを施設別に見ますと、農地、農業用施設の被害が四百十億円、林地の崩壊、治山施設、林道の被害が三百三十四億円、漁港施設の被害が五十四億円となっております。 次に、台風第十五号による農林水産物の被害の概況について申し上げますと、現在までに判明した被害の総額は六百四十五億円であります。このうち、農作物の被害については、被害面積は約百十三万町歩、被害量は約百十万トンで、その被害見込み金額は約四百億円と推定され、このほか、家畜関係の被害が約八億円、蚕繭の被害が約五億円、林産物の被害が約百六十七億円でありますが、水産物の被害が約五十九億円となっております。 また、各種の共同利用施設、個人施設にも所によっては壊滅的な打撃を与え、現在までの報告によれば、農業協同組合、漁業協同組合、森林組合等の所有する共同利用施設の被害は約百六億円、その他の施設の被害は約百十五億円でありますが、真珠いかだ、漁船の流失、沈没等、水産関係の被害がその半ば近くを占めております。 農林省といたしましては、その被害の激甚なのにかんがみ、応急対策の万全を期したのであります。すなわち、浸水地帯の食糧を確保するため、乾パン四百七十万食分を全国から調達発送し、被害激甚の愛知外二県には五日分の内地米を特配すること等によりまして、やみ米価格の高騰を防止する措置をとり、食糧の確保と安定に万全の措置を講じたのであります。 また、応急仮設住宅、公共用施設、一般住宅等の災害復旧用材につきましては、国有林において、すでに約二十万石の備蓄を完了し、さらに二十万石の集積を行なっており、地元の要請に応じ、逐次その所要量を供給いたしておりますほか、潮どめ材用丸太につきましては、国有林の緊急伐採によってその需要を充足する措置をも講じたのでありますが、民間材の入荷も順調でありますので、一時騰貴した木材価格もおおむね平常に復しつつある状況であります。 鍋田、碧南等の決壊した干拓堤防につきましては、仮締め切り工事を早急に行ない、早期に完了することを目途に目下懸命の努力を払っているのでありますが、すでにこれに必要な経費の一部は予備費の支出もみているのであります。また愛知県海部郡、三重県木曾川、長良川下流の湛水地帯におきましては、国の保有ポンプ及び新規に購入したポンプを動員して、堤防の仮締め切りの完了後、直ちに排水できる手配をいたし、すでに活動いたしている次第であります。 その他、輸入ふすま、事故麦の放出による家畜飼料の確保、緊急家畜防疫対策、災害対策用備蓄蔬菜種子の手配等についても、必要な措置を講じている次第であります。 次に、被災農林漁業者の資金対策でありますが、まず水稲及び家畜の農業災害補償法に基づく農業共済金につきましては、すでに仮渡しの措置をとっており、被害激甚地の農業共済組合連合会に対しては、漁船損害補償法に基づく国の特別会計から再保険金の概算払いも行ない、漁船に対しましても、保険金の支払いが迅速に行なわれるよう措置いたしております。また、被災農林漁業者の経営資金、災害復旧資金につきましては、天災融資法に基づく融資、農林漁業金融公庫資金、自作農維持資金の融資等を行なうことといたしておりますが、当面の所要資金については、農林中金、信連その他の金融機関の協力を得て貯払資金の確保、つなぎ資金の積極的融通等の措置をとることといたしております。 以上、農林水産関係の被害とその応急対策の概要について御説明した次第でありますが、今後の災害復旧については、従来の法律及び予算措置のみでは、被災農林漁業者の救済の万全を期するには困難と考えまして、七月以降の風水害の復旧対策を含め、今国会に所要の予算案を提出し、また所要の法律案の御審議を願うことといたしております。 まず、今次補正予算案に計上された農林関係災害対策費について申し上げますと、総額は八十億八千一百万円でありまして、そのうち公共事業関係は七十億二千三百万円、非公共事業関係は十億五千七百万円であります。公共事業関係の内訳は、農業関係五十一億五千三百万円、林野関係十二億八百万円、漁港関係六億六千二百万円であります。このほか、国庫債務負担行為として総額八億七千三百万円を計上いたしております。なお、既定の予備費中より災害対策費としてすでに支出いたしたもの七億四千百万円があります。 農地、農業川施設の災害復旧事業につきましては、被害の特に激甚な地域については、農林水産施設復旧暫定法の特例により補助率を九割に引き上げることにいたしましたほか、被害地の農業者の生産活動を促進するため、災害復旧事業の進度を高めることとし、従来の初年度平均二五%を引き上げて、その引き上げ分については、国庫債務負担行為に六億九千九百万円を計上したのであります。 このほか、災害復旧事業の施行と関連して実施する必要のある災害関連事業については、復旧費に対する比率を引き上げるとともに、被害激甚地については補助率を従来の二分の一より三分の二に引き上げることといたしたのであります。これによって補正予算額は災害復旧費、農地七億二千百万円、農業用施設二十八億六千七百万円、計三十五億八千八百万円、災害関連一億九千三百万円となっておりますが、このほか、所要の経費は補正予算予備費より支出することといたしております。 また、被害の激甚な伊勢湾の海岸及び干拓堤防につきましては、直轄工事により復旧事業の一部を行なうほか、補助手業については特例法を設け、今後の災害を防止するための災害関連事業について八割の国庫補助を行なうこととし、伊勢湾高潮対策として八億四千万円を計上いたしております。一方、被害の激甚な開拓地については、住宅、農舎、畜舎等の復旧費に対して九割補助を行なうこととし、補正予算において二億二千二百万円を計上いたしております。 また、被災地のうちで主として湛水による被害のため災害復旧事業等も行なわれず、現金収入の見込まれない地域及び被害激甚な開拓地について、現金収入の道を開くため、救農土木事業を施行することとし、そのための経費として三億円を計上いたしております。 林業関係は治山施設復旧、緊急治山(崩壊地復旧)及び林道復旧でありますが、治山施設につきましては、公共土木施設災害復旧に関する特別措置により国庫負担率の引き上げを行なうこととし、当該地方公共団体の復旧事業費が標準税収入の二分の一までを十分の八、標準税収入まで十分の九、標準税収入以上十分の十の国庫補助を行なうこととしたのでありますが、他方、当年度の事業進度につきましても農地と同様に引き上げ、五百万円の国庫債務負担行為を計上いたしたのであります。この結果、補正予算額は治山施設二千二百万円、緊急治山七億八千万円であります。他方、緊急治山事業につきましては、被害激甚の地方公共団体の負担分に対して起債の措置を行なうこととしておりますが、事業完了まで起債充当率を初年度と同程度に認め、その元利償還については、一定額を基準財政需要に算入し、交付税により補てんするよう配慮いたしております。林道復旧事業につきましては、農林水産施設災害復旧国庫補助暫定措置法の特例措置により被害激甚地の補助率を九判に引き上げることとしたほか、緊急に事業を施行する地域の進度を農地同様に引き上げることとし、国庫債務負担行為において、七千二百万円を計上いたしております。また災害関連事業の充実をはかるため通常年の復旧費に対する比率を引き上げるとともに被害激甚地における補助率を三分の二に引き上げることとしたのであります。この結果、補正予算計上額は災害復旧費三億九千二百万円、災害関連一千四百万円でありますが、このほか所要経費については補正予備費中から支出することといたしております。 漁港関係災害復旧のうち直轄漁港につきましては、当年度に四〇%の事業を行なうため千六百万円を計上いたしておりますが、補助漁港につきましては、公共土木施設災害復旧に関する特別措置により、治山施設と同様に被害激甚地について国庫負担率を引き上げるとともに初年度の事業進度を農地及び農業用施設と同様に引き上げることとし、九千七百万円を国庫債務負担行為に計上いたしております。 また災害関連事業についても農地、林道等と同様に取り扱うこととしたのであります。これによって補正予算においては漁港災害復旧費六億二千百万円、災害関連事業四千万円を計上しておりますが、このほか伊勢湾高潮対策等所要の事業費は補正予備費によって支出することといたしております。 次に、非公共事業関係におきましては、風水害により滞溜した湛水及び堆積土砂の排除については特別立法により被害激甚地九割の補助を行なうこととし、このうち農地関係の排水事業については、一億六千二百万円を補正予算に計上しましたが、このほか林業関係施設及び漁場の排土及び障害物除去事業については、所要の経費を補正予備費より支出することにいたしております。 他方、今次災害により海水の浸入により農地に発生した塩害を除去するための除塩事業につきましても特別立法を行なうこととし、灌漑排水施設の新設、揚排水機の動力費、石灰施用等につき九割、客土につき五割の国庫補助を行なうこととし所要の経費を補正予備費より支出することにいたしております。 次に、農林水産業共同利用施設災害復旧費については、農林水産施設復旧暫定法の特例措置を行ない農林水産業関係協同組合及び連合会の所有する倉庫、加工施設、共同作業所等の復旧費の補助率を現行の二割から被害激甚地九割に引き上げることといたし、これに要する経費として三億四千六百三十九万一千円を計上いたしております。このほか水産養殖施設についても高率補助を行なうこととし、補正予備費より支出することといたしております。 次に、伊勢湾台風等によって特に激甚な被害を受けた農家及び農業生産手段の大半を失った部落については、単純な復旧は困難な事情にありますので、この際、共同利用方式による営農の再建をはかることとし、これに必要な共同作業所、共同農機具等の共同化施設の設置事業に対して補助を行なうことといたし、これに必要な経費として三億四百万円を計上いたしております。 さらに、本年九月の台風により沿岸漁船、特に小型漁船に著しい被害を受けたので、共同利用の方法により再建をはかるため、その組合員の所有する小型動力船及び無動力船が特に著しい損害を受けた漁業協同組合に対し、被害漁民の共同利用に供する漁船を建造するに必要な経費について八割の補助を行なうこととして二億四千五百万円を計上いたしております。 以上申し述べました災害対策のほか、農業共済団体損害評価特別事務費、災害対策用種苗確保費、病害虫防除器具購入費、牧野災害復旧費、家畜伝染病予防事業費、製炭窯被害復旧費に対する補助金等所要の災害対策費につきましては補正予備費支出により措置いたす所存であります。 なお、最後に財政投融資計画について申し上げます。まず、農林漁業金融公庫については災害の貸付ワクを百四十二億円といたし、災害に対する諸般の措置を講ずることといたしております。これに伴い当初の原資計画を変更し、資金運用部より四十億円を追加借り入れることといたしております。開拓者資金特別会計については、今次の災害により壊滅的被害を受けました干拓地入植者並びに干拓地以外の被害激甚地の入植者に対し、その再起に資するため労農資金の貸付を行ない早期営農の確立をはかることといたし、このため一億円の借入限度の増加をはかることとし、所要の補正を行なうことといたしました。 以上の予算措置に伴って必要な法律案の提出をいたす考えでありますが、このほか、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法について貸付対象の拡大、貸付限度の引き上げ等の措置を行なう考えであり、また風水害により被害を受けた農家に対しては特別価格により米の売り渡しを行なうための法律案を準備いたしております。 最後に、農地及び農林水産業施設の復旧事業のうち三万円以上十万円未満のいわゆる小災害については、被害の特に激甚な市町村について農地農林水産業施設とも工事費の九割までの起債を認め、その償還金につき元利補給を行なうことといたしたいと存じます。以上であります。
○委員長(堀本宜実君) ただいまの御説明に対して、御質疑の向きは御質疑をお願い申し上げます。
○仲原善一君 被害激甚地というのがずいぶん出ておりますが、これは大体きまったわけですか、その標準とかなんとかいうものは。
○政府委員(小枝一雄君) これは、一日も早くこの調査を完了いたしたいと考えておりますが、まだそこまで参っておりませんので、目下調査中でございます。
○仲原善一君 考え方としては、建設省で考えているあの被害激甚地というものと、それから農林省の考えている被害激甚地というものは、大体標準は同じようなことになりそうですが、その辺ちょっと。
○政府委員(齋藤誠君) お尋ねの激甚地の考え方は、農地農業施設についての激甚地の考え方と思いますが、御承知のように、農業施設の場合における各種の補助率を考えます場合には、われわれは大体農民の負担というものを前提にして考えているわけであります。一方、公共土木の方の関係におきましては、地方公共団体の財政力というものが主になると思います。で、現在われわれの考えております激甚地の考え方につきましては、市町村の区域内にある農地あるいは農業施設によって受益する農地について耕作している農家につきまして、農地農業施設の復旧事業費を被害関係農家戸数で割った額を基準といたしまして、その額をこえたような町村は、すべて激甚町村にしたい、こういう考え方で考えているのでございます。
○仲原善一君 今の御答弁の中で、農家の戸数で割った被害の額のその金額ですね、それはまだきまっておりませんか、何万円とか……。
○政府委員(齋藤誠君) 二十八年におきます場合におきましては、その金額が三万円であったわけでありますが、今回の災害につきましては、二十八年の災害後におきましては、御承知のように暫定法の改正がありまして、いわゆる増高補助金を認め、その第一段階を八万円にして、第二段階を十五万円にするということにいたしたわけでありますが、二十八年当時におけるその後の物価の状況及び二十八年後におけるこれらの暫定法の改正の事情等も考えまして、八万ないし三万円の中で基準をきめたい、こういうことで今やっておるわけであります。
○重政庸徳君 関連して。今の議題になっておる問題で、農作物の減収というものは、この激甚の区域の指定の基準としてこのたびは考慮いたしておるかどうか。
○政府委員(齋藤誠君) 今回のわれわれの一応の現在の考え方といたしましては、農地農業施設についての激甚の基準は、先ほど申しましたような農地農業施設の被害総額を関係戸数で割った額を基準とするという考え方だけを基準にいたす考えでございまして、農作物の被害については考えておりません。しかし、それ以外の、たとえば天災法の場合における基準のきめ方あるいは共同施設の場合における基準の考え方等につきましては、間接的には農作物被害というものも入るような基準を考えております。具体的に申し上げますと、天災法の場合におきましても、今回附則で貸付限度の引き上げを認めるという措置をとることにいたしております。この附則によって、今回の風水害を受けた被害農家につきましては、貸付限度を引き上げるということにいたしておりますが、この引き上げ限度の適用すべき県を一応政令できめるという考え方をとっております。この政令できめる基準の考え方といたしましては、御承知のように、農作物被害が三割以上で、しかも、損失額が平年収量の五割を上回わるというような被害農家がその県で一定数以上おるような県を指定するというような考え方をとっていきたいと考えておるわけであります。従って、そういう場合におきましては、農作物の被害もそういう形で入る。従って、今回の場合はそれぞれの種類に応じまして、法の建前にそれぞれ即して基準の県をきめていったらどうか、こういう考え方をとっております。
○重政庸徳君 これは二十八年においては、たしか、いろんな方面から激甚地の基準をきめた、そのどの方面の場合できまった基準であっても、いわゆる高率の補助を適用した、私はこういうように記憶いたしておる。単に農地及び農業施設の復旧事業費をその被災農家の数で割った――当時は三万円ですか、三万円以上というこの一本ではなかった。いろいろな方面から激甚地の指定の基準を設けて、その基準に合ったものは、どれに該当しようとも、九割の高率補助をやった、こういうように私は考えておるのですが、七年前のことだが、そういう記憶を持っておる。それで今度農林省がお考えになっておるその基準と、二十八年における激甚地の指定の基準というものを、二十八年にはこれこれであったが、今度の場合は、ただ単にこれを高率補助の規定にするというように、一つわかりいいように、二十八年と比較して御説明をお願いいたします。二十八年と考え方が変わって、今度はこういう方法をとるのだという、二十八年にはこうだったというのを、一つよくわかるように説明してもらえば、みんな委員がよく頭に入るだろうと思う。
○政府委員(齋藤誠君) 農地農業施設についての高率補助の基準について御説明申し上げますと、ただいま重政先生から御説明がありましたように、二十八年の場合におきまする基準といたしましては、こういう方法をとっておったわけであります。高率補助の適用の第一の基準といたしましては、農地農業施設の被害総額を被害関係戸数で割った額と、それからその町村の区域内にありまする共同施設につきましても、被害利用戸数で割りまして、その額を合計したものが三万円以上の町村である、それからそれ以外のたとえば災害救助法の適用を受けた町村であるとか、あるいは農作物の減収が、三割以上の被害を受けた面積が何%以上市町村内にあった町村であるとかいうような指定の基準を作っておったわけでありまして、いずれの町村に該当しましても、結局は農地農業施設についての高率補助も適用するということで、結局、おのおの施設についての基準のきめ方をきめておりますけれども、しかし、それぞれにきめられました町村にすべてそれが及ぶという方式をとっておったわけです。具体的にもう少し申し上げますと、かりに、農地農業施設については、三万円以上の町村であった、それから林道についてみまするならば、これが三百円以上の町村であった、ある町村におきまするところの林道の総復旧事業費を総延長林道メーターで割った一メーター当たりの復旧費が三百円以上であった町村であるということにして、それを高率補助の適用地域にするという基準を設けておりますが、しかし、林道できめた町村にも農地農業施設については九割の適用を受ける、農地農業施設の九割の適用を受ける地域は、林道についても九割の適用を受けるということで、おのおの基準はありましたけれども、その町村がどれかに該当すれば、いずれも九割補助の適用を受けるというような形になっておったわけであります。それでやりました結果が、まあ二十八年におきましては、九割以上の町村をほとんどカバーしちゃったというような結果が出ておったのであります。まあ、この点につきましての検討もいたしまして、今回の場合は、農地農業施設については、農地農業施設の基準によってきめた市町村についてのみ適用する、林道については、林道の基準によってきめた市町村のみ高率適用の市町村にすると、こういう、いわば事業ごとの、事業の性質に応ずる基準によって、それぞれ市町村をきめる、こういうことで基準をきめたらどうか、こういう考え方をとっておるわけであります。この点が二十八年と違う点であります。
○重政庸徳君 よくわかりましたが、聞くところによると、農地及び農業施設の被害総額を被害農民数で割ったその額、二十八年には三万円でしたが、今度は六万円、基準の方は八万円になっておったかと思いますが、そういうこと、これがいい悪いということは別問題にいたしまして、これ一本で激甚地をおきめになるという構想のように承知いたすのですが、そうすると、二十八年よりも、ただ農地及び農業施設の被害を被害農家で割ったその額においても、いわゆる三万円が六万円になるというこの差がある。その他、今御説明になった激甚地の指定の二十八年の方式は全部このたびは採用せぬ、こういうことに了承いたしたのですが、そうすると非常に大きな後退であるということを申し述べて、私は質問を終わります。
○仲原善一君 それでは、先ほどのあれに続けて質問申し上げますが、先ほどの官房長のお話では、例の八万円と三万円の何か幅のようなお話がありましたが、その話の中で、今度の政令で規定される場合に、重政委員のお話では、今六万円というふうなお話も出ておりましたが、その辺は、はっきりきまっておりますかどうか。非常にこれは激甚地指定に影響のある問題でありますので、もし、きまっていればその点をはっきりお知らせ願いたいのです。
○政府委員(齋藤誠君) 大体農地農業施設につきましては、今、重政先生のお話がありましたように、一本の額できめまして、おおむね六万円程度ということで検討しております。それで、ただここで重政先生の御意見に対しましてお答えするのはいかがかと考えますが、先ほど申しましたような、いずれの町村にも該当すればすべて高率適用になるという結果、ほとんどの町村が高率適用を受けた、全然海に関係のない山の施設で、高率の適用地域についても、山のものまで適用を受けるというようなことにつきましては、性質上分けるべきではなかろうかという考え方に立っただけでありまして、それがどの程度の町村をカバーするかどうかというのは、これは別でありまして、建前の問題と、それからどの程度の町村がカバーできたかということとは、これは私は別個の問題ではなかろうかというふうに考えまして、先ほどのような御説明を申し上げたわけであります。つまりそれぞれの性質における基準を設けるべきだということを今回の建前にいたしたい。どの程度それによって町村がカバーされるかというのは、その基準に基づいてどう考えるかという問題でありまして、海のものを山で尺度する、山の尺度を海ではかるのはどうだろうか、こういうことを検討いたしました結果、いわば事業別の基準を設けた方がいい、こういうことを申し上げたわけでございます。
○仲原善一君 そこで今の問題に関連しますが、林道の問題は、二十八年災の場合には三百円というお話でありましたが、今回はどういうふうなお考えですか。
○政府委員(齋藤誠君) 林道につきましても、二十八年と大体同じような方式をとりまして、被害にかかっている林道総事業費を関係林道で、延長メーターで除した一メートル当たりの額が、二十八年においては三百円、今回はそれをおおむね五百円程度に引き上げたい、こういうことで検討しております。
○仲原善一君 配付になりました資料の、今御説明をいただいた十一ページですか、十一ページのそこで、林業関係の治山治水施設、これの高専適用を受ける場合の激甚地でありますが、この公共土木施設災害復旧に関する特別措置法、これによるというようなことになっておりますが、これの激甚地の指定は、これはどういう考えになりますか。先ほどお話の農家一戸当たりのあれが六万円以上というのとは、これは違うと思いますけれども、これはおそらく建設省関係の基準になろうと思います。これは同時に漁港関係の問題でもやはり公共土木施設の関係と同じ基準になろうかと思いますが、これはどういうことを考えておいでになりますか。
○政府委員(齋藤誠君) この関係の公共土木施設災害復旧に関する負担法の特別措置法に関連いたしましては、建設省が目下主管となって大蔵省といろいろ協議をいたしておりますので、いまだ基準について全般的に最終の討議を了していないというふうに聞いておりますので、私からお答えを御遠慮させていただきたいと思います。
○田中啓一君 私は、ひとり農林漁業だけではなくて、他の建設関係あるいは文部あるいは厚生関係にも及ぶことだと思います。それはいわゆる激甚地の指定の原理でございます、問題は。実は二十八年災のときにはいろいろ考えて、今、重政さんの御質問に対して官房長から説明がありましたように、いろいろなその標準を持ち出しまして、とにかく、ほとんど常識的に激甚と見える所は全部激甚地になる、つまりいろいろなものさしを持ち出して、そうしてやっておったわけです。そしてそうやれば結局は、これは全被害の、全国の県市町村に対して九割くらいまではかかる、こういう結果になっている。ところが、今度は予算を立てる際におきまして、これは九割も激甚地とすることはそれは不適当であろう、六割くらいというところが大見当でいいのじゃないか、こういうことで進んできておるわけです。そこで、結局いろいろやり方はございますが、一方やらなきゃならぬ、復旧しなければならぬものの復旧費を見積もる、他方は県市町村の標準課税収入というものが見積もられて、その比較でいっているのが一つの大きい原理です。ところが、標準課税収入というやつは、災害にかかわらず普通の年ならばこれだけの収入はある、こういう数字なんです。従って、普通の年ならばそれだけの工事の施行能力がある、それに対する補助だから、能力の大きいところは補助は少なくてもよろしい、こういう行き方になっておるように思います。ところが、私は、災害を受けました府県、市町村は現実にもう税収入が今年から減るわけです。で、その水没地帯などというものはもう米は皆無です。農村においては、もう国税も県税も市町村税も全免をしなければならないほどです。その影響は来年にも及び、あるいは再来年にも及ぶ、実はこういうことになって、災害復旧をとにかく三年でやってしまおう、こういうのでありますから、その三年間の一体その公共団体の工事施行能力、すなわち、現実のこれくらいしかないと思われるその税収入というものにたよってやっていかなければならない。でありますから、どうも、どこまでも政府側が六割くらいのところでけじめをつけてということであるならば、これは要求の方はもっともっとやってくれということに結果的にはなるような要求に、どうしても議員側からなると思う。それぞれ皆地元を代表していればおれのところは激甚地だからやってくれということになるのですが、それがほんとうにだれが考えても激甚だ、だれが考えてもそれは割合軽微で済んで、それくらいのことはそれほど高率の補助でなくても施行能力がある、これはまあ公平に私はものさしを当てがってやって、しかも、それが常識に合わぬとまことに変なことになって、そうしてまあいろいろまたものさしを持ち出すことになると思う。でありますから、どうも私はこの前のようにあの程度で全部救えるならば別だけれども、そうじゃなくて、激甚地が六割くらいでがまんするということならば、そのものさしは実情に当てはまらなければいかぬと思う。そこで、実情に当てはまる当てはまらぬは課税の標準的な収入でいくか、あるいは今後三年間の現実に見込まれる――そう何もきちんとせぬでもいいんですから、これくらいの税収入しかないという……、あるいはまた、それに対する政府の特別交付税というようなものでも勘定はできましょうが、そういうことで私はものさしをお作りにならぬと、これはもういつまでたっても要求はやまないのではないかというふうに思うので、どうも二十八年のときと今回とは、そういった少し――少しじゃない、大いに根本的なことを考えないと、国会としても非常に困ることになるのじゃないかというふうに実は思いますので、一つ政務次官、官房長の御意見を伺いたいと思います。
○政府委員(小枝一雄君) 先ほどは重政委員からの御質問であり、また、ただいまは田中委員から、この災害の適用の範囲、率等についての問題で、特に今、田中委員から、これを考え直す必要があるのじゃなかろうかというふうな御質疑であったと思いますが、ただいまのところ、官房長からお答えいたしましたような方針で参っておりますので、一つそういう御意見についてはよく検討してみたいと、かように考えております。
○重政庸徳君 私は関連質問でしたから控えたのですが、二十八年の激甚地の指定が必ずしもいいというようにも考えたわけではない。今、例をあげられた――山と海との例をあげられたのですが、全くその例に対してはそのようにも考える。しかし、救助法を適用した市町村とか、あるいは農作物の被害の限度においてこれを激甚地と指定するということは私はこれは当然なことであろうと思う。ただ農地及び施設の復旧費を標準にする以外に、今申し上げました農作物の被害の限度、これを激甚地の指定に適用する、あるいは災害の適用を受けた市町村を激甚地の指定の基準にするということがこれが当然このたびの災害においても必要なことであろうと思うのですが、この点についてお考えはどうでしょうか。
○政府委員(齋藤誠君) お話の趣旨はよくわかるわけでありますが、そういうものが結局標準額、つまり被災農家の一戸当たりの金額がどうなるかということに反映された基準とまあ考えておるわけでありまして、たとえば救助法でも一日発動されてすぐもとに返ったというような地域につきまして、農地農業施設の面から見ました激甚の度合いというものが必ずしもそれによって全部カバーされるとも限らない場合もあるわけであります。しかし、農作物等につきましては当然農地農業施設がその程度にやられておるということでありますならば、農作物についての被害も当然それにまあ反映され、むしろその中に含まれておるのじゃないかというように考えるわけであります。
○重政庸徳君 これはそういうことを考えてもらっちゃ非常に困る。いろいろなケースがある、いろいろなケースが。例をあげていえば、岐阜県の多芸輪中、これは二度決壊して二千三百町歩が冠水している。一粒もとれておらない。ところが、こういうところはあとの復旧というものがきわめて少ない。ただ決壊口とかいうようなことになってくる。だからこれはきわめて少ない。そこらの農家の負担能力というものはゼロなんだ。家財道具も家も全部やられて無一物になったというような状況が今例をあげればある、そういうものは今の農地及び施設の復旧費だけを基準にすれば、はずれてしまうものと思う。だからこれはどうしても官房長の、農林省の考えておられるところと違う。それがために非常に多くの施設が高率補助になるという性質のものでは私はないと思う。だからそういう気の毒な家に属するところも包含してやるということが当然だと思う。そういう意味において今の農作物の被害も入れねばならぬ、こう思うのですがどうですか。
○政府委員(齋藤誠君) 意見にわたって恐縮でございますが、多芸輸中のごとき地帯がこれに入るかどうかという事実問題でございまして、今、ここで入らないとかいう断定を私はいたすわけには参りませんけれども、激甚地であれば、大がいのところは当然入るというふうにわれわれとしては考えておるわけであります。しかしこれは、具体的な町村についてみなければ、ここがどうだということを断言することはできません。ただし、たとえば多芸輪中のごときものにつきましては、農業施設についての高率適用の問題を別にいたしましても、通常の場合、従来、水害等のため復旧事業が行われるような場合におきましては、かつて救農土木事業というものを取り上げた例はないわけであります。風水害等におきましては、大がいその地帯におきまして相当の復旧事業が行われておるということによりまして、その復旧事業から落ちる収入によって生活を維持するというような考え方で、風水害に伴って復旧事業が行なわれる際におきましては、救農事業というものを取り上げたことはまあないわけでございますが、今回はそういうふうな長期にわたる冠水地帯であって、復旧事業もあまり近在にはないというふうな地帯があるのではないかという今回の災害の特質にかんがみまして、特にそういう地帯における救農土木事業を行なうとか、あるいはまた非常に被害激甚な部落で、すっかり家も流され、家畜も流され、農機具も流されたというような激甚部落につきましては、おのおのの農家について復旧するというよりも、むしろ新たな角度から村を再建するというふうなことも必要であろう、そういう場合における対策といたしましては、昨年、狩野川の熊坂等の十五部落につきまして行なった措置でございますが、各農家にもと通り農機具を持たせる、あるいは家畜を持たせるというより、むしろ、共同化の方式によりまして部落としては共同の農機具を持つ、あるいは新しく共同作業場を設けるというような方法によってむしろ再建といいますか、部落復興計画を作った方が適切じゃないかというようなこともございまして、そういう激甚な部落につきましては、共同施設について助成をする、総合助成をするというような方法をとったのでございますが、今回におきましても、そういうようなところにつきましては、またそれに応ずる復旧対策を講ずるというようなこともあわせ考えまして、全体としてともかくも再建し、復興ができるように、復旧ももちろんでありますが、再建復興ができるようにと、こういう措置を総合的に考えていった方がいいのじゃないかと、こう考えておるわけであります。
○重政庸徳君 今、あなたがおっしゃったそういうことは、それとこれとは別の問題です。被害をこうむった、農地及び諸施設に対して被害をこうむったその農家を対象として議論し、これを救済するという議論なんでして、岐阜県養老町においては千数百戸の農家が集団的に全部水没した。そういう水没した農家は農地及び施設に対しては被害をこうむっておらない農家が大部分です。一方、農地及び施設に被害をこうむった農家もその中に何分の一かある、それを対象として私は今議論しておる。これはやはりほかの施設が幾らあったところが、その農家としてみれば全然負担能力がない農家、これはやはりみずからのなにを補給していかなければならない、そういう見地から論議しておるのであります。私だけ質問するのもなんですから、私は、官房長の見解と私の見解とが違うということを申し上げておきます。
○田中啓一君 今、重政委員の御質問に関連をして申し上げます。私も重政委員と全然同感なんです。先ほど実は私は公共団体の工事施行能力ということを申し上げましたが、公共団体に限らず農業協同組合なども農地農業用施設あるいは共同施設の分は補助を受けて復旧をするわけですが、肝心の組合員のところが収穫皆無で、そうなれば実はあと一年農協も立ち行かぬような実は状態なんです。従って、どうしても農業用施設を、公共であれ非公共であれ、直す場合の補助というものは、やはり復旧能力というものを大事にお考え下さらんといかぬじゃないか、今、重政委員は、私の隣村でありますが、多芸輪中を例にあげられた、まさにその通りであります。三重県の七郷輪中というものもこれは多度の近くでありますが、これも同じような状態であります。それからまた愛知県に行きまして、ずいぶん家まで流されちゃってひどいことになっておる。鍋田、木曾崎とか、あの辺の海岸地帯の所は狩野川方式でもやらなければいかぬじゃないかと私は思うのですが、あれから津島まで水がつきまして、村々ちょうど岐阜県と同じ状態なんです。そういうところはとても狩野川方式というものは当てはまりません。しかも、とにかく長期にわたって水がついていますから、見たところ、いわゆる農業の公共施設というものはふわっと残ってはいます。残ってはいますけれども、三重県、愛知県、岐阜県ともに大きな輪中の中に幾多の小輪中がありまして、みんなその境に除田と称する小堤防があるわけです。長期、水につかっておりますからふわふわです。こまかく畔に分かれて、これでやはり一応水境になって米ができておるわけです。こういうものも大手入れをしなければ、とても私は今後営農不可能だと思う。ところが、それを普通の筆法で、農業用公共施設というものの被害額というものを農家の数で割ってみれば、この前みたいに非常に少額のところをおとりになると、どんなものさしをもっていってもみな当てはまるから不公平ではなくてやっていける。今度は少しきびしいものさしでやっていこうというと、そのものさしは適正なものを使わないとさっぱり実情に合わなくなってしまう、こういうことになるのでありますから、結局、工事を負担するものの施行能力、これをいかなる場合にもお考え下さらぬと、従って、今の農業農作物の被害ということは非常に重要な意味を持つことになる、そういうことをどうしてもお考え願わないと、私は、今度のは適切にはいかない、ことに重政委員の言う通りだと思うのでありますから、これは一つぜひ御再考を願いたい。私は意見をつけ加えて御質問申し上げるわけであります。
○仲原善一君 もう一点だけお伺いいたしますが、被害激甚地の指定の地域の問題であります。農地それから農業施設については、大体先ほどのお話で標準は見当がつきましたが、地域については、これはおそらく市町村別ということになろうかと思います。その場合でも旧町村と新町村、そういうものもありましょうし、さらに部落ということは考えられるかどうかという地域の問題が一つあります。それから、それと同時に治山施設と、それから漁港関係の、特に補助港についての激甚地の指定区域でございますが、これは府県単位になりますか、あるいは町村別になるのか、その辺きまっておれば一つお知らせを願いたいと思います。
○政府委員(齋藤誠君) まず第一点の、市町村である場合においては旧町村かどうかという点でございますが、これは現在暫定法におきましても、旧町村でよければ府町村でもいいというふうに考えておりますので、旧町村の区域の中において計算した方が有利であるという場合におきましては、もちろん旧町村でする考えでございます。ただ、部落はどうかというお話でございましたが、これは一応市町村という単位で二十八年と同様に考えております。ただし、天災法における特別被災地というものは法律にはっきり明記しておりますので、これは別に問題ございません。 それから公共土木災害復旧に関する負担法における激甚地の指定につきましては、地殻省の方で大蔵省といろいろ協議しておられるように聞いておりますので、これについては、ただいま答弁いたしかねます。
○森八三一君 今まで重政委員その他からも御発言のありましたことを繰り返すのですが、抽象的に政務次官に御意見をお伺いしたいと思います。今度の災害発生とともに、当時、対策本部長が、昭和二十八年にとられた対策を基準として、これを下回らぬような最善の措置を講ずるということは、これはあらゆる機会に言明されておるのです。これは私自身が質問をいたしました質問に対しても、速記録を見れば明確に出ていると思います。昭和二十八年にとられた対策を基準として、それを後退しないように万全の措置を講ずる、こういうように表現しておりますが、これは重大な発言でありまして、そのことは政治的にもどうしても責任をしょっていかなければ、政治の不信を買うと私は思うのです。そこで、今、官房長からお話しになったようなことは、そういう趣旨にはどうしても私には合わない措置である、こう理解される。平均の三万円を六万円にするということは、二十八年の基準をとった場合には、あるいは物価の関係だとか、いろいろおっしゃいましょうけれども、六万円にするということは、今、前段に申し上げましたような発言から申しますれば、どう考えても出てこないと思います。それから三割以上の農作物の被害のあったというものを全然採用しないというふうに変えますることは重大な変更でございます。基準とするという趣旨は没却されるということは明確であろうと思うのであります。でございまするので、どうしてもこれは昭和二十八年にとられた山のものさしを海に持ってくるというような、きわめて常識的に考えて不合理なものはこれは再考の余地はあろうと思いまするけれども、救助法適用の町村であるとか、農作物被害三割以上の町村であるとか、あるいは限度三万円というものは、それを踏襲するという措置を講じなければ――これは国民に対する政府の約束であったと思うのです。約束をただ財政上の都合だけでここで変えてしまうということはこれは許されぬことだと思うのですが、そういうような趣旨をどう理解されるのか。これで総理以下の発言は十分満たされておるというようにお考えになるのかどうか、私はその点非常に遺憾だと思うのです。具体的に今、田中委員からも御発言のような地区が入る入らぬという問題じゃなしに、当然私は入るべきものだと思いますが、そういう政治的な発言というものが実践されないということに関してのお考えはどうなんでございましょうか。
○政府委員(小枝一雄君) ただいまの森委員の御質問、まことにその御趣旨におきましてはごもっともだと考えますが、御承知のように、ただいま御発言のように、総理を初めといたしまして、政府の関係者が現地に参りましたときにも、二十八災の措置を下回らぬように一つやりたいということをいろいろな機会においてこれを表明したことはその通りでございまして、われわれといたしましてもぜひそういう措置をとって今回の災害の復旧に対して遺憾なきを期したいと、かように考えまして、いろいろ災害に関する立法措置その他につきまして、大体この二十八災を標準といたしましてその措置をとってきておるのでありますが、ただ、そのもののはかり方等につきましては、二十八災当時になかったような新しい――今回の災害の特異性にかんがみまして、事例も発生いたしておりまして、なかったものを加えておる例もあり、また、多少その当時の、二十八年災害のときにおけるいろいろ世論、また災害復旧の方法についてのやり方等につきましては、ある程度の手かげんを加えましてやってきておる問題もあるのでございます。ただ考え方といたしましては、二十八災にとりました程度のものを一つの標準といたしましていろいろな立法措置を講ずる、そうして大体これの標準といたしましても、災害復旧をとって――一つ適正に、しかも、災害復旧をやっていくようにいたしたい、かように考えておるわけでございまして、あの二十八災当時を、私も十分記憶はありませんが、振り返って考えますと、その災害復旧の具体的なやり方につきましては、いろいろと改めなければならぬ問題も多少あったかと考えるわけでありまして、そういう点も考え、彼此勘案いたしまして、なおかつ、国の財政関係におきましても、なるべく最大の効果を発揮しなければなりませんけれども、また財源等につきましても適正なところでこれを抑えなければならぬ、こういう考えのもとにやっておるわけでありまして、必ずしも二十八災とすべてが同額とは参りませんけれども、大体その二十八災当時の災害復旧を標準といたしまして考えて参った次第でございます。
○森八三一君 予算査定のときにいろいろ折衝されました立場からのただいまの御答弁だと思いますが、現地におけるお話も、それからその後における委員会等の御発言も、そういう趣旨の発言はちっともないのです。二十八災にとられた対策を基準としてそれを下回らぬようにやる、それ以上に万全を期するという言葉がございますから、新しく付加される施策はこれはもう差し引かれるべき性格のものではなく、一方においてよけいやるから一方が後退するということは発言の内容にはないのです。万全を期するという後段の発言で、二十八年災にやらなかったことでも今度の災害の人情にかんがみてよけいやるということはあたりまえのことなんです。二十八年のときと同様の案件について、それが後退するということは、これは私はどうしても考えられない。そこで、お話のように、結果において二十八年の復旧と同様な効果の発生せられることが保証されるということならば、これはまた具体的にお聞きしなければなりませんが、三万円が六万円になりまして、それで一体昭和二十八年と同様な結果が今度も生まれるのだということは、これは言えないと思います。それから三割以上の農作物の被害があったというものさしを全然はずしてしまって、それで昭和二十八年と同様の復旧効果が上がるということにはこれは私はどうしても考えられませんが、もし、そういうものさしを変えても昭和二十八年の復旧と同様に効果が上がるのだということでございますれば、そういう具体的な御説明を一つ承わらぬと納得がいかない。常識的には、どうしても私はそういうものさしの変更によって結果が同じようになるということは理解ができません。結局、財政の関係からそういうことに追い込まれてきていると思います。そういたしますと、大蔵大臣は現地へいらっしゃって羽田にお着きになったときに、相当簡単に発言なさった、現地を見て、もう財政の問題に顧慮することなくやるのだということをはっきりおっしゃっております。そう言うのですから、財政の方をそんなに強く取り上げて考えるということにならなくてもいいと思いますので、私はいずれこれは特別委員会で十分究明いたしますが、農林省の方はそんなに退却せずに、最高の責任者である総理がはっきりおっしゃっておりますので、昭和二十八年のものさしと同じものさしを当てはめて、ただ実際に非常に矛盾があるものはこれを変更することもあるいは考えなければなりませんが、矛盾の存在しないようなものは、それを後退せしめるということは、政治的に重大な責任をとらなければならぬ問題に私は発展すると思います。もう一ぺん御再考を願いたいと思います。
○清澤俊英君 いろいろ御意見がありましたので、その点には触れませんが、さっきの齋藤さんの説明の中でちょっとわからぬ点が――事務上の取り扱いですが、二十八年災を基準にして、災害総額を農家数で割ったものを三万円にするとか六万円にするとか、あるいは災害道路の総額を総延長数で割って、それを三百円にするとか五百円にするとかというふうにいろいろ基準が設けられました。こういう基準の一つを中心にして激甚地の指定をする場合に、何か聞いておりますと、この町村は林道だけが激甚地の取り扱いを受ける、だが農業施設はこれは受けない、こういうところが二十八年のときと違うような御説明がありましたが、そういう点はどうなっているか、いま一度はっきり伺いたい。
○政府委員(齋藤誠君) 先ほど申し上げました通り、農地農業施設について高率適用の地域をきめる場合におきましては、農地農業施設について関係被害農家戸数で除した額を基準としてその地域をきめる。林道につきましては、高率適用の市町村をきめる場合におきましては、一メーター当たりの林道の復旧事業費を基準といたしまして、その当該市町村をきめると、こういう考え方をとっておるわけであります。
○清澤俊英君 いま一度はっきりさせますと、二十八年と違うところは、結局これを指定しまするとき、何々町村は林道について、何々町村は林道並びに農業施設についてと、こういうふうに区別してなされる、こういうことですな。意見はありますが、その意見はまあ保留しますが、事務上の手続だけお伺いしておきます。
○青田源太郎君 いろいろ説明がありましたので、そういうことにつきましては大体よろしいのですが、今おっしやる通り高率適用の六万か三万かという問題ですが、三万ということは、これはもうすでに二十八年災に実施されておることで、それを下回らないということは、これはもう一般の罹災者の感情であります。そこで、六万円の構想を持っておるという点から、六万で適用した場合と三万円で適用した場合とで大体金額においてどの程度の差があるか。また、そういうことによってどの程度の、何割程度の脱落する町村があるかというような点について一つお伺いしたい。
○政府委員(齋藤誠君) これは具体的な町村につきまして一定の基準を設けましたその基準に該当する町村がどうなるかということによって判明するわけでございますが、まあ二十八年当時における被害町村のもうほとんどが適用を受けたという状況でございます。九割以上の町村が被害の適用地域になった。今回の基準でかりに六万円というふうな基準を設けた場合におきましては、これは被害の総金額についてみまするならば、おおむね六割程度の地域がカバーされるんじゃないか、事業費についてはそういうふうな見込みじゃなかろうかというような見通しを持っております。
○青田源太郎君 大体、この前の二十八年災の当時には、この被害の申請高に対して三万円以下の場合に脱落しておるのが一割程度であったと思います。そうしますと今度六万円になると、その四割以上が脱落するという見通しですか。
○政府委員(齋藤誠君) 今、申し上げましたように、町村別にはこれから基準に照らして具体的に町村をきめていくということでなければ、確定的な数字は判明しないわけでありますが、従来の例から計算いたしましても、事業費についてみまするならば、おおむね六割程度がカバーできることになるのではなかろうかというように考えております。
○青田源太郎君 そうすると四割以上が実際に現在の被害の調査から見ると脱落するということがあるという意見ですか。
○政府委員(齋藤誠君) 専業費からみると、そういうことになるということでございます。
○戸叶武君 ちょっと農林水産物の被害の概況の説明ですが、ただいまの説明だと、総領六百四十五億となっておるのですが、八日前の十月二十八日の村上建設大臣の説明だと、農林水産業施設の被害となっておりますが、四百四十九億になり、また十月二十一日の農林省の発表だと、農林水産物の被害というのが千百五十二億で、農林施設が五百七億ということになっておりますが、こういう大きな被害の正確な数字のつかみ方というものはなかなかむずかしいと思いますが、今のところ、この六百四十五億というのが正確な数字ですか。
○政府委員(齋藤誠君) この前の本会議の村上建設大臣の報告につきましては、多分十五号だけについての農林水産業施設の被害だけをあげておったと思います。その被害の総額は、ここにあります農林水産関係の被害として、台風十五号による被害総額三百七十六億ということになっております。それから今お話しになりました六百四十五億というのは、農林水産物の被害でありまして、水稲であるとか、あるいは果樹であるとか、あるいは水産物であるとか、あるいは立木であるとか、こういう農林水産物の被害が六百四十五億、こういうことでございます。それから千幾らという御質問は、これは十五号台風につきましての施設それから農林水産物、それから共同利用施設等を合計いたしました被害総額でございます。
○委員長(堀本宜実君) 他に御質疑もないようでありますから、本件はこの程度にいたします。 速記をとめて。 〔速記中正〕 ―――――――――――――
○委員長(堀本宜実君) 速記を始めて下さい。 農林省関係の提出予定法律案の件を議題にいたします。 本臨時国会に提出され、また、これから提出される予定の法律案に関し農林水産関係のものについて農林当局から説明を聞くことにいたします。
○政府委員(齋藤誠君) お手元に資料を御配付申し上げていないのははなはだ遺憾でございますが、そのうちすでに三法案は国会に付託いたしてございます。その第一は、昭和三十四年九月の暴風雨により塩害を受けた農地の除塩事業の助成に関する特別措置法案でございます。これは暴風雨によって塩害を受けた農地につきまして、地方公共団体または土地改良区等が施行する除塩事業に対しましては、国庫補助を十分の九いたすというものでございます。ただし、事業の内容といたしましては、揚排水であるとか、あるいは客土であるとか、石灰の施用であるとかいうのが内容になっておりますが、そのうち客土だけは二分の一の補助にいたしたい、こういう内容のものでございます。 それから第二は、昭和三十四年七月及び八月の豪雨、同年八月及び九月の暴風雨又は同年九月の降ひょうによる被害農家に対する米穀の売渡の特例に関する法律案でございまして、これは従来とも被害を受けた米作農家に対しましては、おおむね生産者価格と同じ安い価格で飯米の不足する被害農家に対しまして米穀を売り渡す特例措置でございます。 それから第三点は、昭和三十四年九月の風水害を受けた漁業者の共同利用に供する小型の漁船の建造または取得に関する特別措置法でございまして、これは今回の風水害によりまして、特に小型漁船が一万数千隻も沈没あるいは損壊等の著しい被害を受けましたので、そういう漁業者の共同利用に供する小型漁船を漁業協同組合が建造する場合におきましては、これに対して都道府県に十分の八の補助を行なうという内容のものでございまして、対象となるべき組合につきましては、二十五隻以上の小型漁船が被害を受けた組合または総漁船数の七五%が被害を受けた、そういう協同組合に対して、その組合が小型漁船を建造する場合に補助をいたそう、こういう内容のものでございます。 それから第四は、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案でございまして、これは今回の災害で畜産地帯が相当の被害を受けておるということで、家畜、家禽の購入資金、それから先ほど申しましたような漁船の被害が大きかったために、小型無動力漁船の建造、取得資金についても、天災法から資金融通の対象にするという道を開くということにいたしまして、同時に、本年の七月、八月、九月の災害につきまして、被害農林漁業者、あるいは果樹栽培者、あるいは専業の畜産業者、あるいは被害漁業者に対する貸付限度額を引き上げるという措置をとったのであります。具体的に言いますと、一般には十五万円を二十万円にする、果樹及び畜産につきましては三十万円にする、それから畜産の専業者につきましては五十万円にする、それからウナギと真珠の養殖につきましては、五十万円に貸付限度額を引き上げるということにいたしたものであります。なお、このほか果樹につきましては、特に償還期限を五年から七年に延長するという措置をとることにいたしております。こういう内容の改正でございます。 それから第五点は、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する特別措置法でございまして、これは先ほど来から議論になっております農地農業施設に対する補助率の引き上げ、高率補助の適用、それから共同施設に対する補助率の引き上げ、それから法律的には暫定法にございませんけれども、補助対象を拡大いたしまして、被害激甚地の開拓地における住宅、農舎、畜舎、共同利用施設と、それから水産動植物の養殖施設につきまして補助の対象にし、これまた高率の補助率を適用する、こういう内枠のものでございます。 なお、そのほかに、従来予算措置で行なっておりましたいわゆる災害関連事業、改良復旧とあわせて、再度災害を防止するために必要な改良を加えた工事を行なうための災害関連事業につきましても、特に法律上特記いたしまして、被害激甚地につきましては、災害関連事業の補助率を引き上げる、こういう内容を持ったものでございます。 なお、そのほかに、建設省関係の法案で農林省関係の施設に該当する負担率の引き上げ、あるいは補助率の適用になる法律がございます。一つは、昭和三十四年七月、八月、九月の大水害または風水害による公共土木施設等の災害復旧に関する特別措置法でございまして、これは漁港、林野、治山施設あるいは海岸災害等がこれの適用を受けるものでございます。 それから、いま一つは、排土排水に関する法律でございますが、これまた建設省関係のものでございまして、三十四年八月及び九月の大水害または風水害地域内の湛水または堆積上砂の排除に関する特別措置法でございまして、この面におきましては、補助率を九割にするという内容のものでございます。農林省関係におきましては、湛水の排除、それから林業施設及び漁場に堆積した土砂の排除に関する事項がこの法律によって措置されるわけでございます。 そのほか、伊勢湾等における高潮対策事業につきましての特別措置法が用意されておりまして、これにつきましても、一般の負担法の適用を受けるほかに、災害関連専業につきましては、八割の補助をする、こういう内容のものでございまして、これまた農林関係の伊勢湾地帯における漁港あるいは海岸災害等が適用を受けることになるわけでございます。 以上が今のところ、用意をいたしておる法案でございますが、そのほかに建物共済につきまするつなぎ資金といたしまして、農業共済基金から資金を融通するという法案につきまして、目下検討をいたしておる次第でございます。 以上が大体法案の概要でございます。
○千田正君 ただいま官房長から、今臨時国会に提出される農林関係の法案に対する概要の説明がありましたが、その大部分の点については、災害対策特別委員会等で審議はしましょうけれども、原則的には当委員会としまして、農業の根本政策に関する問題でありますから、われわれとしましてもいろいろ注文したい面もあるし、あるいは是正しなければならない問題等もあると思いますので、この点につきましては、当農林委員会の運営の立場から、委員長としては十分考慮していただきたい、こう思いますので、要請を申し上げておきます。
○委員長(堀本宜実君) 承知いたしました。
○森八三一君 今説明のありました問題は、いずれも特別委員会に付託せられる案件でありますので、特別委員会で十分詳細に審査をいたしたいと思いますが、ただ一点お伺いしておきたいことは、天災法を改正して畜舎等を取り入れる、しかも、専業云々というお話でありました。そこで、限度を五十万円に引き上げるというお話がありました。その考え方については全く同感であり、けっこうと思いまするが、何か畜舎の場合に、一棟当たりの限度とか、一坪当りの建設金額とかいうものを考えていらっしゃるのかどうか。私の承っておるところでは、大蔵省方面では、仮設住宅等、人間の住む家ですら単価がこうだ、それなのに動物を入れる建物が、坪単価がそれよりも上だということは了承しかねるというような話をしていらっしゃるというようなことを聞くのであります。これは住むのが人間と動物との差はありますけれども、動物の方が乱暴なので、仮設住宅よりはしっかりしたものを作りませんと二重投資になるおそれが多分にあるのであります。そういうような人間と動物だというような感覚だけで坪単価を論議するということは、全く実情を無視した議論であると思います。そういう点について何かお考えになっておるかどうかという点が一点。それから共同利用施設というものに補助をするという法律を考える、これもけっこうと思いますが、その利用施設の対象は、一体どの程度までお考えになっておるのか。ただ、作業場だとか倉庫だとかいうものだけであるのか。関係機関の事務所、そういうものまでも含めて、当然私は考えなければいかぬと思うのであります。そうでございませんと、水没地帯において、全く事務所が壊滅しておるというものは、ほうりっぱなしになってしまう、そういうものも当然これは対象に入れなければいかぬと思いますが、こういうことに対するお考え等を伺いたい。
○政府委員(齋藤誠君) 第一点の畜舎に関する資金融通でございますが、これは天災融資法から資金の融通をするわけではございません。これは、先ほど申し上げましたのは、家畜・家禽の購入資金を融通する道を開くということにいたしたのであります。畜舎あるいは豚舎等につきましては、農林漁業金融公庫から個人施設として融通するということにいたしておりまして、今の貸付限度といたしましては、一応、一施設当たり二十万円ということで考えておるわけでございますが、今、坪数あるいは単価等につきましての議論は私承知しておりませんので、係の方に一つ聞いてみたいと思っております。大してそういう問題はないのではないかと思いますが、なお調べてみます。 それから、第二点の共同施設に対する対象の範囲の問題でございます。これは、対象といたしましては、現在、暫定法で共同利用施設として政令等において規定しておるものがございますので、現在のところは、それを対象に補助をするというように考えております。御質問の中にありました協同組合の事務所を、当然共同利用施設の中に含めて補助の対象にすべきではないかというお話でございますが、これはやはりわれわれといたしましては、現在の暫定法の範囲で一般に利用される施設ということに考えておりまして、この事務所の被害につきましては、今回、各県からそういう御要望があり、また、被害が相当あったということも承知いたしております。われわれといたしましては、これに対する対策といたしまして、こういう被害を受けた際こそ、系統組織の相互扶助によって再建をはかるべきであるということで、目下農林中金あるいは信連等と系統内部におきまする金融機関が協議いたしまして、特別の資金融通措置を、今回の被害を受けた農協の事務所の再建については、特別の資金手当を講じたいということで目下協議中であるように聞いております。われわれもそれに対しましては、ぜひとも、今回の措置について、こういう際こそ金融機関が政府の金融措置に劣らざる措置を講ずべきであるという勧奨をいたしておるのでありますが、まだ具体案につきましては確定いたしておらないようでありますから、いずれにしても農協の建物につきましては、金融機関としましても、系統金融機関としましても、特別の措置を講じて至急に復旧をはかりたい、こういうことでございます。
○岡村文四郎君 今度の災害に関しまする法律は、すべて災害特別委員会の方で御審議になることと思うのです。そこで、この委員会できょうもいろいろ議論をされましたが、単なる議論では非常に残念であろうと思いまするので、ここでいろいろ協議になりました事柄は、委員長の方からでも災害特別委員会の方にお申し出を願いませんと、単なる議論をするだけなら、いっそやめた方がいいのであって、その点十分お考え願いたいと思います。
○委員長(堀本宜実君) 他に御発言もないようでありますから、本件は、本日はこの程度にいたします。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(堀本宜実君) 速記を起こして。 本日はこれをもって散会いたします。 午後零時十七分散会