内閣委員会 第4号
- 発言数
- 150 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1959/11/19
会議録
○委員長(中野文門君) これより内閣委員会を開会いたします。 航空自衛隊の次期主力戦闘機の機種選定に関する件を議題として調査を進めます。ただいま政府側御出席の方々は、赤城防衛庁長官、山下防衛庁経理局長、広岡国防会議事務局長、高山空幕技術第一課長、以上であります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○伊藤顕道君 今まで戦闘機について論議されてきました過程の中で、なかなか納得できない点が非常に多いわけですが、特にその中で二、三長官にお話をお伺いしたいと思うわけです。御承知のように、戦闘機問題が起きてから内定するまで大体一年半、内定から白紙還元まで一年三カ月、さらにそれから源田調査団が帰国まで五カ月、こういうような経過をたどってきておるわけですが、今回、調査団の報告書から論議され、それから結論までわずか数時間にすぎない。そういうことから、いろいろな問題が、また各般の疑惑が出ておるわけですが、当然に、防衛庁として、国防会議として、この面について相当責任があろうと思うわけです。ただし、今までの論議の中で、長官から御自身の責任の問題については、何ら発言がなかったわけでありますが、一体防衛庁長官には、防衛庁長官として、さらにまた、国防会議の議員の一人としていずれからも責任は免れないと私どもは思っておるわけですが、この点についてまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(赤城宗徳君) お話のように、次期戦闘機の機種決定につきましては、相当の時日を要したわけでございます。そこで、昨年四月に内定いたしまして、新しいその後機種等もできてき、その資料に基づきまして、そのつど検討を加えて参ってきたのであります。しかし、今、お話がありました通り、今年の六月に至りまして、この決定を最終的にするのにはなお慎重を要する、西ドイツにおきましても、あるいはカナダにおきましても、あるいはスイス等におきましても、調査団を現地に派遣して、そうして実際に操縦し、試験し、その他の関係も調査して決定をするというような、こういう態度はやはり日本としてもとるべき態度である、こういうことになりまして、機種還元、調査団の派遣ということになったわけであります。でありますので、私どもといたしましては、調査団の編成につきましては、日本の次期戦闘機を選定するに当たっての、操縦という点から見ましても、技術的に見ましても、あるいは学識経験者としての側から見ても、一番いい、私どもが考え得る点におきましては最もいい構成をもって、この調査団を派遣しようということで、その構成を終えて、今、お話のように、アメリカへ派遣して、八十数日の時日を要して、調査の結果の報告を受けたわけであります。でありますから、私どもといたしましては、調査団を派遣するときから、調査団の結論は尊重したい、こういう気持を持っておったのであります。調査団の調査の報告が、私どものいろいろな資料で考えておったこととの間にいろいろ検討を加えましたけれども、調査団の調査報告が至当であるという結論に達しましたので、庁議の結論を得、国防会議にかけて決定いたした次第であります。 この機種決定につきまして、いろいろ世間を騒がしたということは、私は遺憾だと思います。しかし、この機種決定につきましては、どういう機種を選ぼうかということにつきまして、真剣に検討し、国民に迷惑をかけない、こういう態度で終始一貫してやってきたのであります。そういう点から考えまして、私は責任を感ずるというよりも、十分に責任を尽くすべくやってきたのでありますので、その点につきましては、私は責任を追及されることは不本意であります。そういうような気持でおります。
○伊藤顕道君 申し上げるまでもなく、自衛隊の使う武器の種類は、まず防衛庁が原案を作って、これを国防会議に出す、これを受けた国防会議では、これを審議決定して、議長が内閣総理大臣にこれを出す、で、閣議が最終的にこれを決定をする、そういうことから推して防衛庁としては、長官はもとより空幕、そうして事務局、さらに国防会議の事務局、さらには各議員と、特に議長に重大な責任があるということはいうまでもないわけ、そういう立場から長官の感じておられる責任についてお伺いしておるわけです。この点を納得のいくように一つ御説明いただきたい。
○国務大臣(赤城宗徳君) この委員会でも前に申し上げましたように、どういう戦闘機種が適当であるかという決定をするのは、筋としては私は防衛庁か決定すべきものである。ただし、その機数をどのくらいにするか、財政負担上からそれが適当であるかというようなことは、これは国防会議できめるべき筋合のものでないか、こういうふりにもともと考えておったのであります。ところが、御承知のように、今度の機種の選定につきましては、第一次防衛計画の中に次期戦闘機が入っております。そのことから一体どの機種を選ぼうかというようなことが、国防会議の議にかかったわけでございます。そういうことでありまするから、今度のいきさつから言いまするならば、これは国防会議で機種の決定も最終的にきめるべきだということで進めてきておったのでありますが、私の考え方としましては、これはほんとうは筋ではないと、すなわち数とか、あるいは財政的な見地から検討するのは、国防会議の権限としてであるが、種類をきめるのは、これは防衛庁にまかされていいはずなんだ。すなわち、タンクのどういう種類をきめるとか、あるいは艦艇を作るとかを、一々これではいけない、ああだというようなことを、国防会議できめるべきではないのじゃないかという考えをかねがね持っておったのであります。しかし今度の場合におきましては、とにかく機種の決定を国防会議で議題としてずっとやってきましたから、これをやはり最終的には国防会議できめるべきものだというふうに考えました。そうして庁議を開きまして、防衛庁の意見というものを国防会議に出したわけであります。ところが国防会議におきましては、私どもかねがね考えておりましたようなことで、機数とかあるいは財政的の見地から検討するということは、これは国防会議の権限としてやるべきことだが、どの機種を決定するかということは、これは防衛庁にまかしていいんじゃないか。だから今度はそれを筋に戻して、防衛庁で調査団を出して、その調査団の報告に基づいて決定したところのもの、そのものを国防会議で承認する、こういう形で結論、機種の選定についてはいたしたのであります。 そういうことでありまするから、この機種選定についての責任は防衛庁長官にあります。機数とかあるいは価格の点でいろいろ検討して、結論を出したのは、これは国防会議としての権限でやったことでありまするから、これは最終的には国防会議の議長ということになりましょうけれども、それにつきましても、私の方で実は機数にいたしましても、二百二十一機というのが、訓練機を入れて二百二十一機というのが、調査用の私どもに対する要請でありました。しかし私はそれを百八十機の実機、二十機の訓練機、こういうことにして、これを国防会議にそれを、原案として出したのでありますから、その点におきましても、国防会議に対して案を出したということにつきましては、防衛庁長官の責任であります。機種の決定その他につきましては、いろいろ法的の問題はありましょうけれども、権限といいますか、責任は防衛庁長官にある、こう御了承願っている次第であります。
○辻政信君 関連。今の説明を聞きますと、機種の選定は防衛庁長官の責任、財政的の決定は国防会議の責任と、こうおっしゃるが、この前の国防会議では機種はあの通り決定されたが、国防会議の持っている本来の使命である財政的の検討をなされておらぬじゃありませんか。なされておりますか。
○国務大臣(赤城宗徳君) 国防会議の会議の内容は一々報告すべきものでありませんが、財政的の検討はされております。
○辻政信君 もう一つ。それじゃ二百機で大体国家財政に何百億と、そこまで検討なさいましたか。
○国務大臣(赤城宗徳君) これは幹事会でも検討いたしましたが、国防会議におきましても、大蔵大臣がこれからの計画、こういうものを持っていました。その計画に基づいて、これはちょっとなかなか容易でないし、機数の決定は実はきょうは延ばしたいのだ、こういうようなことも話が出たわけであります。そのときに大蔵大臣といたしましても、財政計画を持っていました。それに基づいていろいろ検討したわけであります。
○辻政信君 単価が決定せずに、いいですか、決定しておらない。単価が決定せずに、二百機を決定して、そうしてしかも佐藤大蔵大臣、主任大臣がそれに異論があったような御答弁だが、そういう重大な問題をなぜ押し切ったか、国防会議で。なぜ内定としておかなかったかというのです、私の言うのは。この前、昨年の四月は価格が決定せぬ。だから内定にしておいて、価格の折衝をやって正確な価が出たら、決定に持ち込もうとしておったのです。今度は逆なんです。価格が決定しておらぬのに、さっさと決定してしまった。しかも、その製造会社まで決定するという早手回しです。おそらくあなたは、源田報告がロッキードと出ることを予想しておらなかったのでしょう。どうなんだ。グラマンと決定したならば、これは一時間で庁議を決定してもよろしい。そのグラマンが引っくり返ってロッキードになったのだから、こんなにあざやかに庁議決定するということは無責任だ。今まではグラマンだった。そいつをロッキードに変わったのだという源田報告を聞いてから、一時間やそこらで庁議を決定するということは、一千億の買い物をする主任者として不謹慎きわまると思わぬですか。そこを私はついておる。国民の疑惑もそこにある。だからある人いわく。ちゃんと芝居は仕組んであったのだ、源田君はあやつり人形だ、隠れみのだと、こう言われておる。あまりにそこが軽率じゃないか。こういう重大問題をいかに考えますか。
○国務大臣(赤城宗徳君) 軽率ではないと思います。(辻政信君「それはあなたの答弁だ。国民はそう信じない」と述ぶ)
○委員長(中野文門君) お静かに願います。
○国務大臣(赤城宗徳君) 単価をきめないと言いますけれども、どの機種に決定するかわかりませんから、それは別ですけれども、全部の機種につきまして、どれくらいでできるかという相当の根拠ある数字をもって調査も進めてきたのであります。それからまた、国防会議におきましても、それらの数字、これはどこに決定するということがあらかじめあったわけではありませんが、その各社の各機種についての数字というものをもって、それを根拠といたしましてきめた、財政的な検討をいたしたのであります。でありますから、急に、そのときに、何にもなしにやったのではなくて、その前から十二分な調査をいたしておった。その調査に基づいて、財政当局もその他におきましても、この場合にはどれくらい、この場合にはどれくらいという検討は加えておったのであります。 それから念のために申し上げますが、生産会社を指定する。これは国防会議の御承知でありましょうが、権限ではございません。通産大臣が指定するということに相なっておりますので、通産大臣としては、その場合それぞれの準備といいますか、調査をいたしておりまして、通産大臣がこういうふうに指定したということを言われたのであります。これは国防会議の権限ではないということだけは申しておきます。
○伊藤顕道君 源田報告を聞いたその防衛庁議のあとで、ある局長がグラマンにそんな欠点があるならば、あのままグラマンにきまったら一体どういうことになったか、こういう意味のことを言われたそうですが、このことに対して長官が国会で答弁されたことには、その一端を申し上げると、あの内定が最善のものだったけれども、その後技術が進歩した結果なので、この決定は正しいと、こういう意味のことを言われておるわけですが、これはこじつけもはなはだしいことで、どうにも納得しかねるわけです。この点を一つ納得のいくよう回答していただきたい。
○国務大臣(赤城宗徳君) その一文句だけとられてお話しになると、非常に私の言ったことが意を尽くさない、こういうことに相なろうかと思います。防衛庁の庁議におきまして、局長がグラマンに決定しておったら大へんなことになったのじゃないかということは発言しておりません。しておりませんが、グラマンに決定しておれば非常な、何といいますか、問題といいますか、今ロッキードに決定したあとにおきまして振り返ってみまするならば、グラマンに決定しておかなくてよかったという感じを強くいたすのであります。そこで、私どもといたしましては再々申し上げておるのでありますが、グラマンということに内定はしてきましたが、その後にF104Cというものも開発されて、現実に米空軍の正式機として編入され、飛んでおる、あるいは先ほど申し上げましたようにドイツ、あるいはカナダ、スイス等で調査団も出して、慎重に検討している、こういうことで、ことにドイツにおきましてはF104Cを採用した、また調査団が出たちょっとあところでしょうか、カナダにおいても採用された、こういうことになると、ちょうど白紙還元にするころは、西ドイツで採用したことを聞いたあとであります、今まで現実の資料によりましてグラマン機、F11F—1Fというものも推薦はしておったのでありますが、開発されたものもあるし、また、現実に操縦しないで最終的の決定をするということはある程度考えなくちゃならないんじゃないか、こういうことで白紙還元して調査団の派遣と、その結果を尊重したと、こういう意向でありまするから、私どもといたしましては、グラマンに決定するのには早いといいますか、というような考えから白紙還元をいたしたのであります。そういう点から考えるならば、やはり今いった手段、手続というものはこれはよかったと、こういうふうに考えております。
○伊藤顕道君 現在、防衛庁の内部には、官僚だけが責任を問われそうな空気に対して、非常に強い不満が出ておる、そういうように漏れ聞いておるわけですけれども、このことは一体どういうことになるのか、長官のお考えを承わりたい。
○国務大臣(赤城宗徳君) 防衛庁内におきまして、官僚だけが責任を問われるようで不満であるという空気があるかどうかと、こういうことでございますが、私は、防衛庁内におきまして責任を問うという考えを持っておりません。そのときどきにおきまして真剣にそのときどきの資料によりまして検討を加え、何ら外部からの制圧あるいは拘束、あるいは利害の誘導、こういうことがなくしてやってきたといたしますならば、これを責むるべきものはないと思います。外部からの利害誘導とか、いろいろな要素によって動いておったとするならば、私はこれは責任を問いたいと思います。そういう事実は今のところありません。でありまするから、国会等におきまして、行政庁の内部の、内局の公務員に対して、官僚に対しての責任問題をいろいろ聞かれますが、私といたしましては、何も内局の責任を問うておるわけでもなし、政府の方は何も責任はないんだということもございません。責任を問うべきことがありましたなら問いますけれども、今のところそういう事実も、問うような実態もありませんので、別に責任を問うておるわけではございません。
○伊藤顕道君 責任ということになりますと、今度のあわただしい決定の仕方に、相当大きな責任があると思うわけです。一パイロットの決定をそのまま決定したわけですが、ここでこれが取り進んで、多額な血税が使われる。ところがそのあとで、あの飛行機はまだあぶなかったということになれば━━これはならんということはまだ言えないわけです。なる公算も相当あるわけです。そういうことになった場合、一体これはどういうことになるか、こういうことを一つはっきりとお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(赤城宗徳君) お言葉を返すようでありますが、一パイロットの試乗ではございません。四人の優秀なパイロット、将官級、佐官級、尉官級と、それぞれの能力、それぞれの場において代表的に検討する最も適当なものである、こういうものを選定いたしたのであります。それから技術面におきましても同様な観点、何ら先入主をもって選定いたしたものではありません。でありますから、この構成された調査団の報告というものは、私は尊重し、これをくつがえすべき材料があるなら別でありますが、防衛庁におきまして、庁議におきましてもそれをくつがえすべき材料を持っていないで、むしろ、なるほど調査団の実際に操縦した、あるいは技術を調査した結果がよろしい、こういう結論に達したのでありますから、これが危険になったらどうだ、安全でなかったらどうだ、こういうことを申されますが、この調査の結果が、私は一番とってもっていくべき結論だと思いますので、この結果に責任を持つわけでありますから、これがあぶなかった場合とかどうだかということに対しまして私は疑問をもっておりません。
○伊藤顕道君 三十三年四月十四日国防会議議長岸信介で、内閣総理大臣岸信介に答申しておるわけですが、今まで政府の諮問機関で、一たん出した答申を取り下げたような結果になったということは、いまだ寡聞にして聞かないわけですが、これはやはり長官としてもその議員の一人であったわけでありますので、この点どういうふうに考えておるか、この点をお伺いいたします。
○国務大臣(赤城宗徳君) 御承知のように、やぶから棒に取り下げたとか何とかいうわけではございません。三十三年の四月に内定しまして、なおその他のそのあとの手続その他を整備する必要があるということで内定をいたしておったのでありますが、先ほど繰り返して申し上げますように、新しい機種も開発され、あるいはまた諸外国において採用された、あるいは新しい資料もだんだん出てきておる、こういうことですから、これは取り消したとか、翻ったということでなくて、一つの延長です。だんだんよく、慎重にいいものを選ぼうという延長ですから、これをひっくり返したとか何とかでなくて、延長の結果、結論が出たということですから、これは取り消したとか何とかいうのには該当しない、こう思っております。
○伊藤顕道君 昨年の九月二日の衆議院の決算委員会で、グラマンの新型機の仕様書について、国防会議に提出されて、これが十分検討されたか、こういう意味の質問に対して、広岡国防会議事務局長から、この仕様書によって新機種の生産計画、生産条件、こういうものを精密に調査して最終的に決定したい、こういう意味の答弁があったわけです。そこで、この内定の段階ですらも、これはきわめて軽率であるという追及を受けておるわけです。ところが、今回の場合は最終決定であったわけです。これは軽率どころの騒ぎではなくして、全くでたらめだと言わざるを得ないわけなんです。この点は国民がひとしく疑惑を持っておる点なので、特に明確にしていただきたいと思います。
○国務大臣(赤城宗徳君) 非常に軽率だと、こういうことでありますが、軽率ではないのであります。とにかく内定してからでも年数をかけ、非常に検討してきた。その検討の途中におきましても、白紙還元、調査団の派遣、こういう慎重な態度で臨んだのでございます。最終決定の時間が短かいといいますけれども、それにつきましては、御承知のように八十数日、まあ真剣に諸外国の調査団にも例を見ないようなスケジュールのもとに、猛訓練、猛調査といいますか、そういうことをしてきたのでありますから、それをも含めて防衛庁としては最終的に検討いたした、こういうことを御了解になれば、これは軽率に決定をしたという御非難は当たらないと私は思います。それからでたらめじゃないか。これは決してそんなことはありません。そういうような感じを持たれる方がないとは申しません。ないとは申しませんが、これくらい精密に検討したのはいまだかつてありません。でありますので、これはほんとうに緻密にあらゆる面から検討をした結論である、こういうふうに御了承願いたいと思います。
○伊藤顕道君 岸国防会議議長は、前回グラマン内定の際、価格と性能については十分調査検討の上で最終的に決定したい、こういうことを言われておられるわけですが、そこで今回防衛庁は、先ほど私から申し上げておりますように、価格については全く明確な認識もないわけであります。にもかかわらず、これはでたらめでないとおっしゃるならば、他に何らかの魂胆があったのか、そういうことでないと納得しかねるわけです。通常の買物で価格がわからんで買うということは常識的に考えてもあり得ないわけです。しかもこういう、何万、何千ということでなしに、巨額な血税を使う場合、十分値段については検討を重ねて、大体これでよろしいというところで最終決定をしてもおそくはないではないか、こういう疑惑は国民ひとしく抱いておる疑惑だと思う。そういう点で特にこの点を明確にしておいていただきたいと思います。
○国務大臣(赤城宗徳君) 価格の点につきましては、前からのいきさつもありまするから、各社とも最近における価格がどうなっておるか、こういうことで価格の見積もり、その他こまかい装備のものなども書き出しまして、この点につきまして大きな一つの表によって各社の各機種の価格というものは検討をしてきてあるのであります。そういうことで検討してきたのでありまして、決して価格の点で検討を怠たったとか、ずさんなものでなくて、価格の検討を行なった。そういうものをやはり資料といたしまして検討した。価格の契約をしないで決定したのか、こういうことでありますが、私どももそういう疑問もあるかとも思いますけれども、これから折衝に入るわけであります。その価格表というものは、私どもはロッキードならロッキードということできめて調査したわけでありませんで、全部のものを調べたものでございます。価格の決定につきましては、きまった機種につきまして、これから折衝の必要があるわけであります。ことにこれはアメリカ側も負担をすることになります。その負担の率等につきまして今交渉を進めておりますが、そういう点におきまして、アメリカ側におきましても価格が安いことがもちろん望ましい。日本の方でもぜひこの価格はできるだけ安くしたい。こういうことで日本側も、アメリカ側も、その点においては共通しております。そういう点でこれからの折衝の過程においてわれわれが入手しておりまする価格をできるだけ安くさせたい、こういう折衝をいたしておるわけであります。
○伊藤顕道君 昨年四月十二日グラマンが内定されましたが、その後岸総理を中心とする政府首脳の間で、みずからきめたグラマンに反対してロッキードの方向に向いてきたと、そういうことから当時の伊能長官としては、非常に苦しい立場に追い込まれたと思うわけですが、この打開策として一応白紙還元で、表面は、何とかおさまった、そういうことから今回の源田調査団ということになったわけです。こういう過程から検討いたしますると、私どもにはどうしても調査団の使命がロッキードの優秀性を裏づけるための資料集めではなかったかと、こういう点が当然に考えられるし、その点がどうにもそういうふうに結びつけられるわけですが、この点まことに納得しかねるわけですが、明確にしていただきたい。
○国務大臣(赤城宗徳君) 先ほどから再々申し上げておりますように、新しい機種も飛んでおるし、諸外国でも採用した例もある、こういうことでありますから、こちらで集めた資料だけで、これは決定するというよりも、やはり現地で操縦して、現地で収集される資料も集めて、その方が、これは慎重を期し、また良心的である、こう考えて出したわけでございます。でありますから、今、伊藤さんがお話しのように、あるいは世間で言われておりますように、一部で言われておりますように、ロッキードをきめるために、その証拠固めみたようなものに出したわけでは全然ございません。ですから私は再々申し上げておりますように、あるいはコンベアに出るかもしれませんし、グラマンに出るかもしれませんし、ロッキードに出るかもしれない。ノースロップはまだ開発されたばかりで、実際を聞いてこれはちょっとはずれるようでございます。でその先の三つのどれに決定するかというようなことは、調査団の報告を聞かなければ、私どもはわからなかった。初めから意図して何もロッキードにするために、ロッキードのことを調査してこいということではなくて、公平に調査をしてその結論がロッキードがよろしい、こういう結論に達したのであります。先入主を持ったり、意図を持って出したわけではないのでありますので、その点ははっきり申し上げてよろしいと、こう私は考えております。
○伊藤顕道君 次の質問者が非常にお待ちかねでありますので、時間の関係を考えまして、一点だけ最後にお伺いしたいと思うのですが、ここにグラマン内定のときの報告書があり、ここに先日いただいたロッキードのときの決定書があるわけです。これをよく拝見、比較検討いたしますると、両者について言えることは、長所については過大にこれを評価しており、それから短所については過小にこれを評価しておる。そういう点が両者にうかがわれるわけです。こういうことではほんとうの報告書とは考えられないわけです。国民を愚弄する結果にもなろうと思うわけです。この点はこの内容を見ますと、当然そういうことが言えると思うわけです。この点を一つ明らかにしていただきたい。このことを最後として本日の私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(赤城宗徳君) 長所について特に長所を強調し、長所でない点については何か強調上ないような格好で作られておるじゃないか。こういうお尋ねでございますけれども、長所、これは全体として御判断を願うのが一番だと思いますが、特に長所を強調したというわけではなくて、強調されているとすれば、その通りなんでございます。その通りの長所であるということであります。それからまた、欠点とか案ぜられた問題につきましては、特に問題になっていますので、それにつきましては解明を加えたといいますか、今まで案ぜられていた点とはこういう点が違っておるというふうなことで、問題になっておる点につきましては少しく詳しくどうしても調査もし御説明をした、こういうことになっていますが、結論といたしましては、長所やその他をことさらに強調したり何かしたということではありませんので、全体として見ていただいて、全体としての結果が出てF104Cが適当だ、こういう結論を出しているわけでございます。
○矢嶋三義君 官房長官が非常にお急ぎのようですから、まず官房長官に十分間程度伺がって、それから防衛庁側に伺がいます。 この問題は、大きくは世界情勢の動向とか、科学の進歩と科学兵器の向上、そういう問題もありましようし、また、こういう軍備をやるとしても戦略戦術の問題がある、さらに価格の問題、あるいは安全性の問題、性能の問題、またきわめて広範に検討せねばならぬ問題点があるわけです。そこで、わが日本社会党が十一月十六日付で岸内閣総理大臣に申し入れをした。すなわち、国民の大きな疑惑の的であった次期戦闘機種問題は、閣議で従来の態度を一変して、F104Cと決定したことから、国民の岸政府への不信はさらに強まっている云々と、国会においてこれを明確に調査審議が終るまで閣議決定を実施に移すべきでない、こういう申し入れをしたわけです。官房長官は閣内においてこれをいかに処理されたか、ということを承りたい。特に私が承りたい点は、先ほど他の委員からちょっと質疑が出ましたが、グラマンが内定になったときには、新三菱と内定段階においてグラマンの間で十分価格の積算作業が行なわれて、そしてそれを防衛庁で検討して最終決定にするのだ、今そういう段階だということを、当時の左藤防衛庁長官も答弁されているわけです。この度はそういう積み上げ作業は一切されずに、あるいはFCSをナサールに改良する。それに全天候性でないが、これを全天候性に改良するのだ。あるいは飛行機の下部離脱を上部離脱に改造する、その改造費の負担は、日本が全部持つのか、アメリカと日本の負担の割合はどういうふうになるのか、そういうこともきまっていない。これで決定したということは、グラマン内定当時と比べて著しい変化で、どうしても国民の納得できないところで、私はしろうとでありますけれども、この調子でいけば、えらい高いものを売りつけられるのではないか、納税者の立場において心配でならないわけです。そこで、官房長官は岸内閣の大番頭であるとともに、国防会議においては会議法の第八条によって事務局の最高責任者に相なっておりますので、あなたに伺うのですが、かりに次に主力戦闘機を採用するとしましても、この際閣議決定というものを一応内定の線まで持っていって、そして新三菱に主契約させるならば、新三菱を通じてロッキードと積算をやらせて、見積もりをやらせて、二百機の場合で幾らか、FCSの改良、あるいは機体の改良はどういうふうにする、その価格は幾らで、その分担は幾らだ、そしてこれをどういう契約をして何カ年計画でかくかくするというようなことが最終的に明確になったときに、その段階において決定する。こうすれば国費の使用の仕方も合理的になりますし、たとえ採用するにあたりましても、国民が納得すると思う。従って私が伺いたい点は、社会党の申し入れをいかように閣内において処理されたか、されようとしているかということと、閣議決定を一応白紙に返して、そうして価格その他の見積もりを十分やらしてその資料を出して、しかる後に最終的に閣議決定するという取り運びをすべきである。国民はそう思っておりますので、それに対する御所見を承りたい。
○政府委員(椎名悦三郎君) お答えいたします。過日の社会党からのお申し入れにつきましては、私から関係大臣に社会党申し入れのおもむきを伝えまして、ことに赤城防衛庁長官には詳しくその趣旨を伝えたのであります。そのときの赤城防衛庁長官のお話では、明日からでもそれぞれの委員会、内閣委員会等においてこの問題を詳しく解明するつもりである、こういうことを聞きまして、私は実は安心をいたしたので、あります。御趣旨の通り計らったつもりで安心をいたしました。そういうことでございます。 それから白紙還元云々のお話でございましたが……。
○矢嶋三義君 白紙まで言っていない。内定の線に戻して価格等の積み上げをやったらどうか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 結局、この問題の取り扱いといたしましては、御承知の通り十一月の六日に国防会議の決定をいたしました。十一月の十日に閣議に国防会議決定のおもむきを披露いたしました。そうして閣議はそれを了解をしたのでございます。これを内定の線まで戻したらどうかという御意見でございますが、これはただいまとしては、さようなことは考えておりません。
○矢嶋三義君 官房長官、何言いますか、国防会議の第八条によって、あなたは事務局の最高責任者ですよ。従来政府は国会に対しては、国防会議できめる。それを国防会議の議長である岸信介氏が総理大臣である岸信介氏に答申する。そうして閣議で決定してはじめて最終決定になるのだ。披露するとか了解するということじゃないのですよ。何と言う、あなたは、了解ですか。だから、閣議の決定によって最終決定するのであるから、そこにまだ検討しなければならんところがあり、国民が納得しないところがあるから、だから全部白紙還元しろとは言っていない。非常に現実的に最小限の要望をしているわけです。価格の見通しも立たないのです。見積もりも出ていないのです。今の段階で一応内定の線に閣議決定を返して、そうして価格の見積もりその他について十分検討の上、その間に開会においても調査審議が行なわれるでしょう。その上ではじめて最終的に閣議によって決定しなさい。これを岸総理にお取り次ぎなさい。要望を含めてこの際改めてお伺いいたします。
○政府委員(椎名悦三郎君) 閣議決定のほかに閣議了解というのがございますが、これは法律的には閣議決定と大体同様でございます。それで国防会議の決定を閣議に報告いたしまして、閣議はこれを了解いたしたのであります。その法律的効果は、閣議決定と同様でございます。これを内定の線まで変更すべきではないかというお話しでございましたが、これはさような考え方はただいま持っておりません。
○矢嶋三義君 岸さんにそういうことを取り次いでもらいたい。いずれ岸総理にお目にかかることがありますから。しからば私はあなたに要求します。内定の線まで返して検討する、それからわれわれの国会における調査権を尊重して、あらゆる角度から調査する余裕を与えないならば、私は要求をいたします。官房長官、あなたは国防会議の事務局の最高責任者です。源田団長が国防会議に出した報告書、これはデータはたくさんありましょうが、その報告書のうちの概要報告書、薄っぺらなのを出して、その報告書を国会法百四条に基づいて、私は本委員会への提出を要求します。国会法の百四条を念のために朗読をしておきます。「各議院又は各議院の委員会から審査又は調査のため、内閣、官公署その他に対し、必要な報告又は記録の提出を求めたときは、その求めに応じなければならない。」。何にも制約を加えてありません。その源田報告の概要を提出していただきたい。先般防衛長官からロッキード決定に至る経過についての報告がありましたけれども、これは源田報告のなまの報告ではありません。私は源田報告は相当ゆがめられているという判断をせざるを得ない。しかも不十分なものです。従って、源田団長の国防会議に出されましたところの、あるいは防衛庁長官に出されましたところの報告書のうちの概要報告を、なまのまま本委員会に提出していただきたい、要求を含めてお伺いします。
○政府委員(椎名悦三郎君) 内定の線まで返すことについて総理大臣に取り次げとおっしゃいましたが、この要求は報告するつもりでございます。それからなお源田報告の概要というお話しでございましたが、これは便宜防衛長官の方から答えられた方がよかろうと思いますので一つ……。
○矢嶋三義君 私があなたに要求しているのは、国防会議の事務局のあなたは最高責任者です。広岡事務局長はあなたの指示を受けて働くことになっている。だから、源田団長は国防会議に何時間かおいでになって報告があったということが報ぜられていますね。皆さん承った、国防会議の議員がね。だから、源田団長はあなた方に報告してあるわけだ。その報告書をこの委員会に提出してほしい。口頭でしたならば速記をしてあるはずです。
○国務大臣(赤城宗徳君) 今お話しの点は、……
○矢嶋三義君 いや、私はこちらに尋ねたのだ。
○国務大臣(赤城宗徳君) 委員長の発言の許しを得ておりますから……。源田調査団長はチャートによりまして口頭で報告いたしました。源田団長の国防会議の報告の前に、防衛庁におきましては相当の分厚の書類によって報告を受け、その書類によって検討いたしたわけであります。国防会議におきましては、議事の要点は事務当局で摘記するといいますか、記録しておくことになっておりますが、議事録全部をとっておりません。それから議事の要領等につきまして外に出してさしつかえないものはこれは発表できるだろうと思いますが、しかし議事録をとっておりませんから、全部のものは出すことは、これは国防会議としてはできないと思います。
○矢嶋三義君 昨年来国防会議の会議の持ち方について議論があったときに、速記録もなければメモもないというので、両院で大いに追及されて国防会議の議長はこれから速記をとると約束してある。それほど重大な国防会議をなぜ速記をとらないんですか。その速記をとってないという責任を、官房長官と広岡事務局長に追及する。メモがあるならばそのメモをそのまま複写して提出してもらいたい。
○政府委員(椎名悦三郎君) 国防会議の事務局長は事務の最高責任者でありまして、この問題に関する以外の点につきましては、私は事務上上司でございますけれども、国防会議に関する限りにおいては、国防会議事務局長が私の制約を受けないで事務の最高責任者として職務を執行することになっております。御参考までに申し上げておきます。それから今会議の模様を云々ということがお話しにございましたが、その点につきましては、ただいま防衛長官からお話した通りでございます。
○矢嶋三義君 いや、それをメモがあればそのメモを提出してもらいたい。とっておるものがあるはずです。速記がないならそれにかわるメモを提示してもらいたい。それを広岡事務局長答弁してもらいたい。それから防衛長官は口頭で源田さんが報告したとするならば、あなたのところに来ているのをニュース映画で見ている。厚いのと薄い概要報告を提出しているのを見ている。その薄い概要報告を本委員会に提出されたい。
○国務大臣(赤城宗徳君) 薄い概要報告はここに出したのと同じです。もっと厚こいのを、その庁議ではこういう厚いのでやったのです。それは出せません。中に出せない数字がたくさんあります。これは出せないです。
○政府委員(広岡謙二君) メモはとっておりますけれども、そのメモをすぐ提出していいかどうかという問題については、その内容に外部に出せないものも含まれておるやに私、見受けられますので、その扱いにつきましては、私一存には答えられない。上司の指示によってお諮りしたいと思います。
○矢嶋三義君 上司とはだれです。
○政府委員(広岡謙二君) 国防会議議長でございます。
○矢嶋三義君 議長にこういう要請があったということを伝えて、次の委員会までにメモを提出してもらいたい。
○政府委員(広岡謙二君) そういう要請があったことは、議長に私からお伝えいたしまするけれども、この提出の問題につきましては、議長の考えられるところによると思います。
○矢嶋三義君 ともかく源田さんが向こうにおいでになったからと言うし、それから資料は秘密だ、秘密だと一言って出さない。それでは逐次質疑を展開して参りましょう。そういう僕らの資料要求を拒否する法的根拠はないと思いますが、念のために承っておきますが、防衛長官、あなたは拒否する法的根拠をどこに求めているのですか。
○国務大臣(赤城宗徳君) それは源田調査団が向こうに行っていろいろ入手した材料、数字等があります。これは公式にはアメリカ軍の秘密にわたるものですから、公式には入手できないものです。それをこっちの調査のために便宜与えてくれたものです。そういう便宜に与えたものを、また秘密を犯したようなものを、それをそのまま出すというわけには参りませんから、これは出せない。
○矢嶋三義君 私は法的根拠を求めている。私は広範なる国政調査権と審議権を持っている。そこで要求しているわけです。
○国務大臣(赤城宗徳君) その法的根拠は国際の慣例でございます。
○矢嶋三義君 憲法九条で軍備を否定している。日本にそういうような国際慣例というものは適用されますか。憲法違反の発言ですよ。いかがですか。
○国務大臣(赤城宗徳君) 日本は独立国です。独立国ですから、国際法の適用は受けるわけであります。国際慣例も尊重しなくちゃいけません。そういう点におきまして、国際慣例は尊重しなくちゃなりませんから尊重する。こういうことを申し上げているのでありまして、今のお尋ねは少し筋違いと思います。
○矢嶋三義君 私の言うのは、憲法九条を無視した立場からの国際慣例尊重というから、その点で憲法違反の行政権の発効をやっている点を私は追及しているわけです。しかし、これは法律論で他日に譲って、この安全性の問題について私はやや専門的に聞いて参ります。そこできょうは高山技術課長、お見えになっていますね。
○説明員(高山捷一君) はい。
○矢嶋三義君 あなたに伺います。今度ロッキードは安全になったと報告されているのですが、どういう点が安全になられたのか。かってのあなたの本院における発言では、研究開発関係は一切責任をもってあなたのところで研究をされる、そうしてデータ等は整備しておるし、上司へ報告をするのだと、こういうふうに書かれておりますので、責任あるお答えがいただけると思いますので、どういう点が安全になったのか、具体的に明確にお答え願います。
○説明員(高山捷一君) ただいまの御質問でございますが、前回のこの委員会だったと思いますが、F104Cについて技術的なデータを調査したところから申し上げますと、離着陸の滑走距離がグラマンに比べまして、長いという問題、それからエンジンがとまりましたときに特に着速等が早くなる、また沈下率が非常に大きくなる、このような数字につきましては、今回の源田調査団の結果によりましても特に変更はしておりません。どういう観点かと申しますと、詳細は私は調査団に参加しておりませんので、また主務から聞いていただきたいと思いますけれども、われわれが報告を受けております概要は、まず離着陸の問題につきましては、確かに滑走距離は長い、これはアメリカの空軍にテスト・パイロットが実際に着陸しましたり、あるいは離陸をしますときに走ります距離、これは最上級の人がやるわけですから、それに一・七五倍をして実際に使う場合の滑走路長はこれだけ、要るというような基準がございますのですが、その計算によりますと八千フィート以上というような数字が前に出たと思いますが、その辺のところが変わっていないわけでありますが、今申しましたように相当余裕のある数字である。それに対しまして前回御説明しましてから一年以上の時日が経過しておりますが、その間にアメリカでは104の部隊が二つも実際にできまして運用されております。それはハミルトンとジョージ・エア・フォースというところにあるわけですが、そこで実際に一年以上訓練をして実用してみるというと、ハミルトンで八千フィートのランウェーで使っておりまして、いまだにランウェーが短いための事故は一回もないという、こういう時間の経過によって、実績によって、安全性の点でそういう点は心配なさそうだというようなデータが、一つの離着陸滑走に対する根拠になったという工合に報告を受けております。 それから第二番目の沈下率が大きいこと、それからやはりエンジンがとまりますと着速の大きいこと、これも依然として基本的にそうわれわれのデータが変わるわけじゃございません。ロッキードからもらった数字でございます。変わっておりませんが、やはり現地でいろいろ乗ってみられますと、ロッキードとグラマンの差というものが、その間でこっちが不安全でこっちが安全だというような境界線があるのでなくて、この程度のジェット機になれば、実際に空中でエンジンがとまりますと飛行場に帰投し得る場合というのが非常に少ない。従って原則としてはもうベール・アウトと申しまして、火薬の力で脱出してパイロットだけは助かると、こういうことがアメリカにおきましても基準の操作になっている。こういうようなところからこのくらいの機種になりますと、こういうような問題においてはあまり大きな差はない、こういう問題が一つと、それからもう一つは、先ほども申しましたよな二つの部隊で一年以上使ってみた実績によりますと、初期のころ非常に多かったエンジンの事故が、GE並びにロッキードの協力によりまして、特に米空軍の指導にもよりまして信頼性が非常に高まって、エンジンによるそういうデッド・スティック・ランデイングといいますか、エンジンがとまって着陸しなければならないような場合が非常に減って、そういう実績から安心して、そういう点は心配しなくてもよろしいというような、こういう工合に観察をされたというふうに、私は報告を受けております。
○矢嶋三義君 あなたは昨年の本院における速記録、三十三年十月二十八日の速記録をきょう読んでおいでになりましたか、どうですか。
○説明員(高山捷一君) もう何回も読んでおります。
○矢嶋三義君 そこでその内容は、時間が惜しいからきょうはあまり復習しませんが、あなたはエンジンが3型が7型に変わっても、機体そのものは本質的にはそんなに変わるものじゃないとか、乗ってみなくてもデータでわかるとか、ずいぶん思い切った発言をされておりますね、繰り返して申しませんが。ところが源田さんが帰って言っている数字と、あなたのその当時述べられたそれとは一致している点がずいぶんあるわけだ。それから僕は推察するのに、あなたはアメリカで二個中隊できてやってみた結果がいいという、それから源田さんが乗ってみた結果よいというから、やはりそうかなというところであなたは賛成したと、そういうことじゃないかと思うのです、どうですか。それとも、あなたは源田調査団と何時間くらいこのメカニズムから性能、これは改良するというのですが、どういうふうに改良するのか、その後その性能はどういうふうに変わるのかという専門的な立場において、あなたは責任技術課長ですから、何時聞くらい源田調査団とデータに基づいてディスカッスをしたか、合わせてお答えを願いたい。
○説明員(高山捷一君) まず第一点でございますが、この前の説明で私が申し上げましたときにも、数名のパイロットが出かけていって乗ってみてきめることが理想的だということをまず申し上げまして、それで乗らずにきめることができるかという御質問でありましたので、以上のような理想の姿はそうであるけれども、乗らないからきめられないということもない。その理由は、その乗ってみるということにかわるべき手段が講ぜられれば私はいいと思いますと、技術の範囲内では結局わからないところもありますので、もしかわるべき方法が何かと言われるならば、やはり向うの実際に乗った経験者あるいは空軍のそれを実際に運用している経験者に、公正な経験ある意見を聞くことによってかわるべきものが得られるならば、決心をしてきめることも可能である、それで前幕僚長が三十三年の初頭に参られますときにも、その点が最大の問題点だと、現地で確認すべきことはここだという工合に申し上げて、幕僚長が出かけられ、それで帰ってこられて決心をされた。そうすれば、われわれ行かない者にとっては、結局向こうのわからなかったところを確めていただいたところが右左の分かれ目であったとすれば、われわれとしてはそれに賛成をし了解をせざるを得ない、また、それでわれわれ満足して決定に従ったと、こういう事情であります。 次に、源田調査団との、帰られましてから何時間協議したかというお話しでございますが、技術的な問題その他につきましては、出発前にすべてのできるだけの調査は全部やって、この機種についての問題点はどこだ、この機種についてはどこが確かめなくちゃいけないというような、現地でなければわからないところだけを残して、はっきりして出かけていっていただいておりますので、帰られましてから実際われわれとしてはいろいろきまりました庁議その他には出席しておりませんけれども、もうすでに審議済みのことであって、乗られた方のところだけで左右になるというような解釈から私といたしましては、どちらにきまりましても、技術担当者としては特に意義を差しはさむべきじゃないと、かように思っております。
○矢嶋三義君 それじゃ一、二点だけお伺いしますが、あなたは、これはたとえば競輪用の自転車です、グラマンは実用向きの何で、ロッキードというのは非常にスピードを出すために無理な設計をしておる、従って競輪用の自転車で長持ちしない云々と速記録にあります。それから一機落っこちると三億何千万円もするし、日本のパイロット・ソースからいって大事だから安全第一にしたわけです、グラマンでなくちゃいかぬと、こうも言った。それからもう一つは、西ドイツが採用したということを伺ったが、西ドイツはこれは他に三、四機種あるから、だからこのグラマンでよろしいのだが、日本は財政的にも何種類も飛行機を持てないから、だから日本はロッキードなんかではあぶないのだ。だからドイツでロッキードを採用したから日本でもロッキードでいいということにはならぬ。これは状況が違う。ロッキードは、三種も四種もドイツは持っておるからと、こう説明しておった。ところが、今度は西ドイツが採用したから云々と赤城さんは報告しておるわけですが、これは脱出口を上につけたからといって、メカニズムが変わらなければ重さも変わらないでしょう、安全度の、ただ飛び出るときによいというだけで、機体そのものの安全度には変わりない。競輪用の自転車が強い実用向きの自転車になるはずはない、競輪用の自転車みたいなものだと表現しておるのですが、その点は源田さんとのディスカッスはどういうふうに了解されたのですか。その間ディスカッスはしないでこの委員会にのこのこ出てきたのですか。速記録については徹底的に掘り下げてみますが、一、二を披露してみただけです。お答え願います。そして次の質問に入ります。
○説明員(高山捷一君) この前に、各機種の比較を申し上げましたが、同じエンジンをつけて飛行機をまとめるという場合に、ある性質を非常に卓越したように強調した場合に、ほかに犠牲も現われる、そういう一例として離着陸の問題だとか、安全性の問題について一例として申し上げましたが、当時やはり開発されましてからは時間がまだ若かったせいか、いろいろと機能、部品とかその他構造各部において事故といいますか、事故にならない程度のものでも工合の悪いところが非常に多かったわけであります。そういう点で私としましてはやはりこういうところにも無理がきておるのかというような感じも持って、一つの御説明の手段として申し上げましたが、今回の調査団にハミルトン並びにジョージ基地でいろいろ実用になったところを調べていただきますと、実験中に出ましたいろいろな不工合個所というものについて、米空軍が報告書をやはり向うで調べたのですが、非常に綿密に指摘して、会社を督促してその対策を非常に熱心に推進した。それがために、実用になってからは、そういうような問題も解決されて、ほかのいろいろな飛行機よりもむしろスピードが早く、改善されたというような報告を聞いておりますので、競輪というたとえが非常に不適当であったかと思いますけれども、内容といたしましては、そういうような実績で弱い点があるように見受けたものが、その後の空軍並びにロッキード社熱心な協力な改善によってよくなって、そうして現実に使われておるものはそういう点が問題がなくなってきておる、こういう工合に御解釈願いたいと思います。 それから第二は、西ドイツの問題でございますが、この記録をよく見ていただいてもわかりますように、104というものになお可能性があるか、という御質問につきましては、私はないとは申しません、あるかもしれません、こういう工合に答えまして、かりに104が採用されたからといって、日本はいろいろ国情が違うので、変わったものが採用されても、必ずしも西独と同一条件ではない、このようにお答えしております。終わり。
○矢嶋三義君 一々抗弁するのですが、あとであなたは困ってきますよ。昨年、左藤さんに読ました文章と、赤城さんに読ました文章と対照しますと、実にちぐはぐなところが出てきます。将来性がある、開発の可能性がある、将来性とか可能性とかいう言葉は、あなた方の白書の言葉を信用されぬことになる。昨年はグラマンの方が将来向上の可能性がある、今度は、危険だといっていたのがロッキードの性能上の余地ありと判断した、そういうような表現のあいまいさ、食い違いというものはたくさんあります。 それはさておいて、今安全性を聞いているわけですが、伺いますが、安全だと判断したと、それには満足できるような秘密というのですが、資料が提示されましたか、どうですか。
○説明員(高山捷一君) まず第一は、着速が幾ら、非常に大きいとか小さいとかいいましても、着いてくる場所に持ってくるまでの飛行機の安全性とか、操縦性という問題がありますが、そういう点では源田調査団がみずから乗ってみられて、104というのが翼が小さくて非常にシャープな飛行機ではあるが、非常に安定のいい飛行機で、予想外であったという報告を聞いております。そういう意味で、乗ってみて確かめた部分が半分、これは搭乗者の四名の各人から詳細にわたって報告を聞いております。 それから第二番目の問題は、実際に米空軍で実用いたしましたときの事故のデータを見せていただいております。これが先ほども長官からも御説明がありましたように、やはり米軍では秘密の数字だと伺っております。実績のデータというのが第二の実用上から出た安全性という工合に解釈しております。
○矢嶋三義君 防衛庁長官に伺いますが、次のごとき点を計算に入れたかどうかということです。それは、私に入って参りました情報では、源田調査団を向うで待遇するにあたっては、当然だと思うのですが、各社とも最も優秀に整備された飛行機を提供して、そうして特別に源田さんあたりを丁寧に教育をして、そうしてテストをしてもらったというわけですね。これは向こうとしては当然だと思うのです。ところが、昨年の段階に、当時の防衛庁長官あるいは加藤防衛局長、あるいはここにいらっしゃる高山課長さんの答弁を調べてみますと、日本は気候が激変するという要素がある、それから日本のパイロット・ソースという点からいって、みなが乗りこなせるということを考えるならば、どうしてもロッキードは危険だ、かように述べられているわけです。このたびの源田さんの調査団というものはそういうものだ。あの四人のパイロットは優秀です。それに最も優秀に整備された飛行機を提供して、特別教育をして乗ってみた、その結果、さほど困難ではない、これは積極的に安全だとはどこにも書いていない、あらゆる文章を見ても。安全性はすでに解決し、あるいは近く解決される見通しである、さして困難ではない、これの採用を否認するほど危険ではない、こういう消極的安全性肯定というような書き方をしている。これは非常に意味深長だと思うのですが、あなた方は源田さんが乗った乗ったと言うのですが、そういう点を計算に入れて、そうして安全性というものを確認したのかどうか、防衛庁長官に伺いましょう。
○国務大臣(赤城宗徳君) アメリカにおいて各会社が最も優秀な飛行機をそろえて整備を十分にした、そういうことは私は聞いていません。アメリカの軍が用意してくれたのであって、アメリカの会社との関係は承知しておりません。 それから安全性というものにつきましては、非常に心配されましたから、慎重に検討をしたと、検討した結果は憂うるべき問題はないと、こういうことでした。この決定につきましては、安全性ばかりで決定したのではありません。全部にわたって優秀な点があるので、その総合の上において決定されたのであります。ただ、安全性につきましては、いろいろ御心配もありましたから、その点につきましては特に注意して検討したと、その検討の結果は憂うべきものてはないと、改善されておると、こういう結論でございました。
○矢嶋三義君 きょうは長官、えらい力んで答弁しおるですね。私も力まぬようにしますから……。(笑声) そこで、なんですか、ロッキードの事故率というものはどうしても公表できませんか。源田さんがあなた方にこういうふうになっているから安全だ、そういうふうに報告したものをここに数的に提示することはどうしてもできませんか。
○国務大臣(赤城宗徳君) ある程度は、私もいつか申し上げたと思いますが、その数字は、先ほどから申し上げておりますように、向こうで出すべき数字でないものを出された。それを源田調査団が検討した。それでありますから、これは源田調査団の向こうから出された報告書の検討を御信用いただくよりほかないので、その書類は出しかねます。
○矢嶋三義君 それでは、私は重大なものを提示して質問しましょう。その前に、わが航空自衛隊の事故率表を要求しましたところ、出ましたから、これをちょっと伺って次の質問に入ることにします。これによると、三十三年度は、破壊が十一機、大破が四機、死亡が八人、重傷が三人となっていますか、これを十万時間にすれば、数字はどうなりますか。お答え願います。これは国際的に十万時間で表示していますので、十万時間にしたらこの数字はどうなりますか。
○国務大臣(赤城宗徳君) 事務当局からお答えいたします。
○矢嶋三義君 十万時間の飛行時間に直すと、その事故はどういうふうになりますか、数字は。
○政府委員(門叶宗雄君) 航空自衛隊関係の点を申し上げますと、F86F、これは三十四年の四月から九月まで、一八・六件に相なっております。三十三年度は、二十三件に相なっております。練習機のT33につきましては、同じく三十四年の四月から九月までの間は二十六・五件、五十三年度は二十六件に相なっております。
○矢嶋三義君 三十二年はF86Fは一一二ですね。
○政府委員(門叶宗雄君) 三十二年度の資料は今整理いたしておりますので、後刻お手元に配付いたしたいと思いますが、三十二年度はちょうどF86について非常に事故が多い年でありまして、十万時間に画しますと、当時の実際に乗った時間は、はるかに低い二万数千時間と記憶いたしておりますが、それを十万アワーに直しますと、だいたい一一二%であります。
○矢嶋三義君 大へんな数字ですね。じゃもう一つ、三十四年十月までという表がありますが、三十四年十月までは、各機破壊が十一機、大破が五、死亡が七、重傷一と出ていますが、これを十万飛行時間に直すと、三十四年はどうなりますか。これは事故は多くなりますね。幾らになりますか。
○政府委員(門叶宗雄君) 大へん恐縮ですが、もう一回ちょっと……。
○矢嶋三義君 さっき、86Fが十八、T33が二十六と言いましたね。これは、きょう出されたこの資料の三十四年の十月までのものですか。
○政府委員(門叶宗雄君) きょう御提出申し上げましたのは、陸も海も全部含めて申し上げましたが、私先ほど申し上げたのは、空の86とT33だけを拾って申し上げました。
○矢嶋三義君 大よそわかりましたが、きょう出した資料と今の十万時間に対する数字とは、計算するとぴたり合わないです。ちょっと食い違っています。しかし、大まかに大体どの程度の事故があるかということはわかったです。 そこで、あなた方が秘密と言うならば、私は伺いましょう、提示して。これから私が申し上げるのは、カリフォニア州ノートン空軍基地内の米空軍飛行安全調査センターの公式発表です、ロッキードについての。この前も答弁されたように、米軍に納入されているのは二百九十機。ディストロイ、徹底的にめちゃめちゃにこわれたのが三十一機、メジャー・ダメージ大破が十七機、それから中破が四十一機。めちゃめちゃにこわれた、大破、中破、これがトータル八十九機。だから、二百九十機に対しては三〇・一五%という事故率。乗員の死亡が十二人。このデータは、一九五九年の九月十五日まで、それは一昨年ロッキードが採用されて以来のデータはこうだという、そうして何月何日どこの基地所属の人がどういう理由でだれがなくなったということを個別にちゃんとデータとして出してある。よく週刊誌なんかに出ていますあの有名なキンチェロ、この人は一九五八年七月の二十六日になくなられたということもこの中に詳細に出ております。そうして事故の起こった一番大きな原因は、時期は離着陸の場合が大部分。率にすれば、二十七分の二十三こいうこういう数字が出ている。これは承知しているか承知していないか。それはあとでお答え願いましょう。 そこで、これを日本の場合に換算してみたんです、私は。
○委員長(中野文門君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(中野文門君) 速記を起こして。
○矢嶋三義君 そこで、今私が申し上げたこの具体例を十万飛行時間に直しますと、二百九十機のうちデストロイド、めちゃめちゃにこわれたのが九十七機、大中破が約百四十五機、乗員死亡三十七名、パラシュートによる脱出降下五十九名という数字が出て参ります、十万飛行時間に直しますと……。そいつをわかりやすく、日本が二百機のジェット戦闘機を採用した場合に、国際的に認められている十万飛行時間に焼き直してみる、その表がこれなんです。一カ月に二十五時間飛行するとします、これがM、マンス、これがアワーですね、二十五時間。そうすると、一年は十二ヵ月だから十二倍します。そうして二百機だから二百倍します。これに焼き直すわけです。すなわち、日本で一年間にどのくらい事故が起こるかという推定がこれから出てくるわけです。二百機日本がF104C—Jを採用して、一カ月に二十五時間一つの飛行機が飛んだ場合に、どの程度日本で事故が起こるかというのを計算してみる。アメリカと日本が気候の差がある、激変するとか、あるいはパイロット・ソースが差があるというものは計算に入れない。ただ算術計算する。驚くなかれ、大破壊、デストロイドは五十八機、よろしいですか。大中破が八十七機、乗員の死亡が二十二人、乗員脱出、すなわちパイロットがパラシュートで脱出するのが三十五人、こういう数字になる。そうしますと、約一年五カ月で二百機全部が事故機になるわけです、計算しますと。(笑声)今から六年たつか知らんが、その間にどのくらいパイロットを訓練するか知らんけれども、この米空軍飛行安全調査センターで公式発表として出たこれから十万飛行時間に焼き直して、日本の場合にこうしてきますと、これだけになってくるわけです。しかも、これに日本は気候が激変する、エアポケットなんかがある、そういう悪条件が加わり、それから何といってもパイロット・ソースというものがアメリカと違いますから、そういうものを計算に入れると、なお事故が起こってきますよ。それを裏づけることは、さっきあなた方が出した三十二年のF86F、これはジェット戦闘機では一マッハですね。この十万時間の指数が一一二と出ているのじゃないですか。T33なんかおもちゃですよ、ジェット機としては。T33練習機なんかは、これは福岡の築城あたり置いているのは、ちょっと練習すれば僕でも乗れそうだ。これがT33さえ二十六という数字が出ている。これだけの数字が出ておれば、今度はロッキードになった場合に、きわめてこれはその安全性は疑われる。今まで僕は加藤防衛局長とか、小山装備局長とか、あるいは高山技術課長がかつて本院で、ずっと専門的に述べられた速記録を見て、やはりあの人たちの発言は正しかったのじゃないか、こういうような感なきを得ない。一体私が今申し上げましたこういう数字は、源田さんから報告があったかどうか。この公式発表のデーターをいかようにとられるか。それからこの換算した場合の、日本の新たに採用されるであろうF104C—Jの安全性について、この数字からどういう見解を持たれるか、再検討の余地はないのかどうか。閣議で決定したから再検討を迫られても、決定したからというので、強引に行政を推進していかれようとするのかどうか、お答え願いたいと思うんです。
○国務大臣(赤城宗徳君) 後半なんですが、その調査を基礎として御検討のようですが、大へん御苦労さまでした。しかし、それは私の方の報告とは違っております。私の方の報告は、それとまるきり違っております、報告を受けているのは……。たとえば、F104A及びC合計で、まだ五万時間しか飛んでおりません。六万時間というのは、私は報告を受けておりません。五万時間でありますが、十万時間に換算いたしますれば、事故率は六十五件であります。そのうち、F104Cの事故は五件、こういうふうに報告を受けております。でありますから、御心配下さるのはまことにありがたいのですが、その報告の基礎がどうであるか、どうも今初めて聞きましたので、疑っているのです。私の方は、向うの軍の方から聞いただけでありますが、その報告を聞きますと、全部発表はできませんが、一部申し上げまするならば、そういうことになって、非常に違っております。これはなお検討してみましょう。
○矢嶋三義君 そこはやっぱり技術者と乗った人と、それからデータで十分検討しなければならぬと思う。私のここに来ているのは、カリフォルニア州のノートン空軍基地と訳される米空軍飛行安全調査センター、その長はカルデラ少将、が公式発表になっている。で、違うといえば、その後、これは私信ですが、一九五九年十一月四日付、これによりますと、ロッキードの四機が過去一週間に四機が事故を起こしたというのを詳しく書いてあります。で、一機は、ツー・パイロットがワー・キィルドと書いてある、死んだと、それからF104Cが一九五九年十月二十八日事故を起こして、パイロットはエジェクト、━━パイロットは脱出はしている。しかし、エアクラフト━━飛行機はデストロイド、徹底的にぶちこわれてしまっている。それから他の二機がこれは大破している。それから、第四のケースとしては、これはF104Aですが、離陸直後に事故を起こして、パイロットは脱出したのです。しかし、二人の子供が殺されて、一人の子供は大やけどしたと、これはでたらめな文章ではないと思うのですがね。そうして、さらに事故としては七月七日、七月十六日、七月二十日、八月十一日、事故が起こっている。この事故は、防空司令実施部隊で起こった事故だ、こういうようなのが出ておるわけです。ことに、F104Cの事故というものは一九五九年十月二十八日だから、源田さんが帰られた後ですが、こういうことをあなた方は聞いておりませんか。
○国務大臣(赤城宗徳君) F104Cの事故、私は五件というふうに承知しておりますが、その方にはどうなっておりますか、F104C……。
○矢嶋三義君 F104Cは十四件の中に二件入っている。
○国務大臣(赤城宗徳君) 私の方の調査では五件というのです。
○矢嶋三義君 だから、責任ある資料を出しておきなさいと言うのですよ。今まではロッキードは危険だ、グラマンは安全だ安全だと言ってきておったわけでしょう。それが逆になったのだから、そうして一千億余も税金を使って、これを生産するのですから、それで大事なパイロットがそれに乗るのですから、生命の関係があるわけですよ。だから、やっぱり行政を推進するにあたっては、将来、責任というものをやっぱり持たなければならぬわけですからね。だから、当時は安全と思っておった。飛行機だから若干危険を伴うということは当然です。わかっておりますよ。しかし責任の所在を明確にするためにはデータを示してもらう必要があると思う。ことに、従来の行政府の立法府に対する態度、すなわちグラマンは安全だがロッキードは非常に危険だという、こういう説明をしてきたのを変える以上は、今後の責任の所在を明らかにするためにも、秘密々々と言わぬで、資料を出すべきだと思う。あなたは秘密と言うからそれで僕はあっちこっち探した。そうしたらこれが出てきたんですよ。もしこれがほんとうだったら驚きでしょう。一年に二百機も三百機もつぶれるようなものならば、何のために飛行機を作るのかわからぬ。人命は尊いです。
○国務大臣(赤城宗徳君) その基礎について私はわかりませんが、あらゆる小さい事故までというか、ほんのことまで入れたものか、どの程度の、どこから調べたものかわかりませんが、私の方の調査により、私が報告を受けたのでは、それと全く違っております。全然違います。
○矢嶋三義君 それではさっき私の言ったのは速記に残っておりますからね、至急にあなたの方で調査をしてもらいたいと思う。そして矢嶋のこれは間違いなら間違いだということを指摘して、速記に残しておいてもらいたいと思う。将来のために。よろしゅうございますか。
○国務大臣(赤城宗徳君) 調べてみます。調べがつくかどうかわかりませんが、調べてみます。十分に。
○矢嶋三義君 こういう文章があるものでしょうかね。源田さんの報告は、「安全性は最も憂えられた点であるが、最近すでにあるいは近く解決済みとなり、特にこのため不適当と認定する必要がない」、ずいぶん工夫し無理した表現ですな。だからさっき伊藤君からも指摘をされておったが、源田さんはロッキードには乗れるんだというその一部を述べるためにおいでになる、また向こうでそれほど危険でないんだ、乗れるんだということを報告したいために、ロッキードに最も多く時間をかけて乗られてテストをしたというような推測は行なわれるわけです。それからさっき技術課長の専門家に聞いたが、なぜ安全性が解決済みになったのかということは、説明がないわけですね。エンジンが3型から7型になったということは、去年からあなたは言っていることでしょう。そうでしょう。それからここに脱出口が上になっても、それは万一事故の起こった場合ですね、低空の場合に下からと上からとでは違うでしょう、それは。しかし機体そのものの安全性というものは、これは関係はないですね。むしろスピードには影響をしてくると思う。これは一体、下に脱出口をこしらえたというのは、これはスピードが非常につくために顔なんかがやられないためにこれは下につけてあったわけですからね。だからそういう点では、近く解決済みに云々という非常にややこしい奥歯にもののはさまったような言い方をされているのですが、どうも理解ができないわけですね。 それで重ねて伺いますが、これは高山さんに聞いたらいいと思いますが、かつて速記録にこういうことが残してある。ロッキードというのはスピードと上昇能力、これは非常に強く要求するために設計を無理した、だから翼は小さくしてある、まあ一説によると、朝鮮事変のときにミグ戦闘機をやっつけるために、急に必要に迫られて、とにかくスピードと上昇能力をおもにこれは設計をされたんだと。である段階にこういう答弁をしている。このロッキードというのは非常に完成した機体だ、スピードをつけるために無理な設計をしてある、だからこれはあまり改造できないんだということを速記録に残しているのですが、その見解は今も同じかどうか。 それと私はこういうことを聞いたのですが、ごもっともだと思う。スピードを出しているでしょう。それで低空で離脱する場合は、下では危険だからというので、上につけた。ところが上につけたのは人形で実験してみた、電気を使って。するとこれにぶつかる、この尾翼に。危険だ。この科学雑誌というのに書いてありましたがね。二回人形を使って実験したけれども、ここにこれにぶつかった。だからアメリカは上部脱出口の開発というのは中止した。で、源田さんはそういう飛行機に乗っていないんだ、こういうことが伝えられているが、確かに源田さんはその飛行機に乗っていない。開発をアメリカは中止したというじゃないですか。だから今後日本が上につけるようにする開発費は、この前装備局長が答弁したように、開発費は日本が持たなければならぬ。幾らになるかということもわかっていない。その事実をどういうふうに把握されているのか、お答え願いたいと思います。
○説明員(高山捷一君) まず射出座席の件でございますが、下方に出すようにロッキードが設計をしました設計のときの考察と申しますか、ねらいは、第一には上に出すようにいたしますと、まず風防を飛ばさなければいけない。それからその次に座席を飛び出すような方法を作りますためには、やはり非常にしっかりして、締めておいたときにも問題がないような強い風防になります。それで下方から出すようにいたしますと、上の風防が相当強度にだけ持つという点で重量の軽減ができる。それでなお同時に下方に出すようにいたしますと、下の窓をあけまして、座席をはずせばふだん整備なんかのときにも非常にまあ座席の中へ下から入りやすい点便利がよろしい。この飛行機は性能を上げるために、重量軽減には非常に最初苦労いたしまして、そういうねらいもあったようでございます。それでそれが設計されました時期には、上に出す86や33の型式でも現在のものはやはり高度が五百フィート以下ではやはりむずかしいようでございます。やはり地面に着くまでは開くまでもいろいろな操作をやる時間が必要なんです。で、この下向きにしましてもロッキードの方は相当早く操作をやるようにしておりまして、四百ぐらいで大体まあ何とか、どういいますか、百フィートぐらいは損するが、上下によって下の方がだめなことにそう大差はない。それでそういうような見地から主としてまあ性能の発揮にそれほど大した差がないという二つの点から下方をねらったようでございます。それで今申されました、上方であまり火薬の強くないので打ち出しますと、尾翼に当たるというようなことも聞いております。それで先ほどからいろいろ話が出ておりますように、離着陸する直後や直前に、エンジンが工合が悪いというような事故がありますと、大てい間に合わぬわけです。それで一昨年の暮れごろから、アメリカでもゼロ・アルチチュード・エジェクション・シートというのが研究されておりまして、地面にある状況でもエジェクションをやりますと、十分高く上って開いて助かる、こういうのが真剣に研究されております。これと並行しまして、空軍からロッキードにもやはりこういう地上付近の事故を、なるべく人を助けるようにという意味で、開発が命ぜられておりまして、この前に御説明いたしましたときにも開発中であるということを御説明したわけでございます。で、今度のミッションではその開発が相当進みまして、いろいろ御存じかと思いますが、エドワードにあります空軍基地には、大体マッハ三ぐらいのスピードで、地上のレールの上を走らせて、そこから打ち出していろいろ基礎的な実験をするというのがございますが、これはそういう段階の実験も終わって、あと実際に実機につけて、空中ではちょっとむずかしいのですが、あるいはまたそのレールを使うかもしれませんが、そういうように実機に改造をして、確認をするというような実験段階に今後改造をやっておるということを聞いております。そういうような状況で、一年以前と比べますとその開発がそう簡単じゃないと思います。やはりまだできていないのですからということで完成が近づいている。そのような事情から見まして、私は米空軍としても百点の満点ではないが、今のものの86、33並みにがまんをして使ってきた。いいのができれば上側に切りかえて、米空軍も全機改造するという計画だそうでございます。われわれの見通しでは、おそらくわれわれの生産機が出る時分には、再来年になりまするので、十分この成果を取り入れて一号からやっていけるのではないか。これをやりますと、少なくとも地上付近の事故で人命を失うのが助かる、こういう意味で、安全性のプラスになることは間違いはないわけでありまして、近く解決されるであろうというのは、私はこのことを指していると考えておるわけでございます。 それから第二番目の一体どこが安全になったのかという御質問は、私が最初に御質問によりましてお答えしました離着陸の問題とそれから沈下率、並びに、エンジンがとまったときの着陸の問題、この二つの問題で、実績による確認と、それと結局初期に非常に事故が多かったわけであります。固まりまして、だんだん減ってきて、それで最近ではずっと率が下っております。ですから、全部つっ込みにして平均しますと、平均してはいけない数字までが入るのじゃないか。ですから、いろんな推定をするときが、やはり最近の期間を区切ったやつでやっていただきますと、あるいは妥当な数字が出てくるのではないか。われわれもそういうデータを見せていただいたように記憶しております。
○矢嶋三義君 それで、結局、あなたは、技術者としては大体あなたの見解一貫しているわ。ともかく源田さんが乗ってみたという実績に、あなたはやっぱりひっこまざるを得なかった。理論的なあなたの考え方は変わっていない、聞いてみておって。さすがだと思う。(笑声)この下部の脱出口を上につけるのですね。これはアメリカは今言ったレールの上で実験してみて危険だというのでやめたというのですがね。それはやめぬでやっていますかどうか。その点と、それから、それは、現にそういう飛行機ができていないわけだから、それも入れて、F104Cは危険危険と言っておったものだから、改造したということにしなければ工合が悪いから、防衛庁はF104C—J、Jなんかくっつけて、ロッキードの改良型だといって、いかにも純然たるしろうとにはごもっともらしい表現をしているわけだけれども、そういう改良がはたしてうまくできるのかどうかということは、クェスチョン・マークでしょう。プロバビリティが幾らかという、それはあるだろうけれども、これは高性能の飛行機のことであれば、その確率というものはやってみなければわからぬので、クェスチョン・マークだろうと思う。一、二点私はお答え願いたいのは、アメリカで中止したというのは、事実であるか、事実でないかということ、それとこれを、下部を上部につけかえる。それで、現在のスピードその他には影響なく、容易にそれが改造ができるものかどうか。そして開発、改造するのにはどのくらい一体金がかかるだろうか。これはちょっと無理かもしれぬが、あなた科学者としての、技術者としての直観から、責任は追及しないから大まかなところを一つお答え願いたい。
○説明員(高山捷一君) まず実験を中止したかどうかという点につきましては、先ほどわれわれが調査団から報告を受けまして、米空軍の開発が相当進んでいて、近く、おそらく来年の初めごろから、米空軍の飛行機も上方に改造されるという報告に基づいてお話をしておりますので、こまかい事情につきましては、できれば機会を得ていただいて、直接、ミッションの方にも確めていただいたら……。私は今残念でございますが、その程度しか申し上げられません。
○矢嶋三義君 あなたの方で調査してこの次答えて下さい。
○説明員(高山捷一君) 第二の問題につきましては、既製機を、今たとえばでき上がっております米空軍の飛行機を上方に改造するという問題と、われわれの場合には初めから、もう二年先ですから初めから変わったものにやるということでは、うんと手数は迷うと思います。従って、米空軍の場合にはある程度の金をかけて改造する、その間は飛行機もある程度休まにゃいかぬという犠牲もあると思いますが、われわれの場合にはおそらく初めからこれをやるものとして、それも考慮に入れた製造費というものが出ると思っておりますので、別個の予算を計上したり、考えたりする必要はないと考えます。
○矢嶋三義君 装備局長は日本の負担で改良するようになるだろうと答弁しましたよ。これはそうなるのじゃないですか。はっきり答えておいて下さい。この離脱品の改善ですね、この改善は日本の負担でやるのか、あなたが今言うように別に金は要らぬのだ、アメリカでちゃんと研究してやれるだろうと、こういうことですが、どういうふうになるのか、はっきりお答え願いたい。
○政府委員(塚本敏夫君) 私はナサールにつきまして日本型にするには、ある程度日本で開発費を出す必要があるのじゃないか。かように申しまして、それで上部脱出席につきましては、これはロッキードの申し出での中にも開発費は入っておりません。
○矢嶋三義君 安全性のこともうちょっと聞きますがね、この表現が実に奥歯に物がはさまったようで気にかかるわけですよ。さっきも読み上げた、また他のところにはこう書いてある。「安全性が低いとは言えない。」これはへその曲がった者じゃなければこんな言い方しませんよ。それから「操縦が他の機種に比して、さして困難ではない。」これは赤城さんがこの前読まれた報告書の中の文章ですよ。「他の機種に比して、さして困難ではない。」これは普通こんな間接法のような話し方しませんよ。自信があれば直接法で話をするはずですね。だから、これをはっきりしておかないと、ある時期になれば、はたしてこういう結果になればですよ、「安全性が低いとは言えない。」という答弁をしておきましたとか、「さして困難ではない。」と答弁しておきましたというようなことで逃げないとも限らない。この点は非常に僕は航空自衛隊のパイロット諸君も不安を持っているのじゃないかと思うのだね、従来空幕を中心にああ言っておりましたがね。ロサンゼルスのタイムスを見ますと、キラー・プレインと書いてある。ロッキードのあだ名をキラー・プレイン、人殺し機と書いてある。(笑声)こういうなにをつけておる。私は他の方で聞くと、アメリカの空軍の将校も、やはりそれぞれ会社の若干ひもつきがおるらしいしね、だから、ロッキードをほめる将校もあれば、グラマンをほめる、あるいはコンベアをほめるのもあるけれども、しかしロッキードは危険だというのでアメリカの空幕のパイロットは大がいそういう気持を持っている。だから、ロッキードに乗る場合には、一段と緊張した気持で乗るということが伝えられている。これはそうだと思うのです。しろうとが見ても、これから当然言えると思う。それで先ほど若干私は資料を提示して安全性を伺いましたがね、あなた方、納得できぬ点については、予算も持っておる、アンテナも持っておるわけですから、調査して私のあげた数字に反駁するなり、訂正するなり、次回に答えていただきたいと思う。 そこでさらに質問を続けますがね、技術課長が一番よろしいと思うのです。
○国務大臣(赤城宗徳君) ちょっと今の困難ではないとか、さしてどうとか、これは念のために申しますが、源田報告ではございませんで、私が防衛庁庁議が終わったときに、大急ぎで新聞記者会見をするというときに私が申し上げた、それを……。
○矢嶋三義君 おとといの文書にある。
○国務大臣(赤城宗徳君) それを予算委員会かなんかで概略どういうことが君は適当だと思ったのかと、こういうものですから、ちょうど新聞会見で読み上げたものをそのまま衆議院の予算委員会で申し上げたことがあるのです。それは源田報告そのままの文句じゃありませんので、私が新聞記者会見のときに使った言葉だと思いますが。
○矢嶋三義君 なぜ、源田さんが非常に安全だと言ったならば、源田報告が非常に安全だというふうに書かれないのですか。私は一つの文章を言っているのではないのですよ。あらゆる機会に述べられた、あるいは先般の委員会であなたが読まれましたあの文章の中から私は引っ張り出したわけです。そうすると、いずれの表現も非常に回って安全だという消極的に肯定したような、奥歯にもののはさまったような表現をしているわけですよ。それで私は発言したわけです。
○国務大臣(赤城宗徳君) この間の報告は、源田報告を要約したものですから、それは間違いありません。ただ危険じゃないか、危険じゃないかというので、そういう危険はないと、こういうふうな表現になっておったと思います。
○矢嶋三義君 次に伺いますが、時間が長くなると恐縮ですから、高山課長に伺いますが、次期主力戦闘機FXに搭載するファイア・コントロール・システム、FCSに対する空幕の要求というものがありましたね、従来。それはどういうものですか。
○説明員(高山捷一君) まずFCSに対しましては、規定しなければいけない条件がいろいろあるわけですが、まず第一には使える環境、それは全天候ということを要求しております。第二は使う兵器でございますが、機銃と空対空ロケット弾と、それからAAM、空対空誘導ミサイル、これについては赤外線ホーミングのものとレーダー・ホーミングのものの二種類を考える。それから第三は攻撃する態勢でございますが、ちょっと簡単に御説明しますが、パーシュート攻撃と申しまして、敵の後に追尾して攻撃するやり方、それからコリジョン攻撃と申しまして、待ち伏せするように衝突点に向かって飛んでいって、そこでやっつけるというコリジョンというのがございますが、まず第一の機銃に対しましては、リード・パーシュート、見越し追跡という攻撃方法を基準にしております。AARにつきましてはリード・コリジョンと申しまして、見越し衝突攻撃法を要求しております。サイドワインダー等の赤外線ホーミングのミサイルに対しましては、ピュア・パーシュートと申しまして純粋追跡法の攻撃でございます。最後のレーダー・ミサイルにつきましては、リード・コリジョン及びリード・パーシュートを要求しております。これらはミサイルの持っております特性を完全に発揮するために必要とする攻撃法でありまして、今申しました三つの条件、これによってFCSの機能なり構造なり要素がきまってくる、こういうわけでございます。
○矢嶋三義君 その空幕の要求性能を、今度の源田調査団が決定して、閣議で決定したというのに満足していますか、いませんか。
○説明員(高山捷一君) 結論を申し上げますと、第一号機に考えるべきものでは、やや不足しているところがある。将来において完成された、先ほどの要求に全部合うものになるという工合に私は解釈いたします。
○矢嶋三義君 それでは第一号機では不十分だというのは、どういう点ですか。
○説明員(高山捷一君) 第一号機では、今申しました中で全天候はもちろん満足しております。それから機銃、AAR、それから赤外線フォーミングのミサイル、この三点は問題ないのですが、さしあたりはレーダー・ホーミングのミサイルをつけないで、全天候のときにはAAR攻撃を使用する。天気のいい昼夜は赤外線ホーミングのAAMをおもに使う。そのほかの特殊の場合に機銃を使うというような使い方になっておりまして、理由はまた御説明してもよろしゅうございますが、セミアクティブ・レーダー・ホーミングのものは、少しおくらせた方が適当であるという結論になっております。
○矢嶋三義君 僕は再軍備反対だけれども、あなたは兵器を考える場合に満足しないでしょう。ナサールをつけるわけでしょう。FCSはナサールをつけるわけでしょう。ナサールはセルフ・トラッキング、自動追撃の能力はないでしょう。あっても不完全なものしかないでしょう。
○説明員(高山捷一君) 今の問題は、間違って御了解になっているようでございますが、ナサールはもちろんサーチもトラッキングもできる装置を持っております。
○矢嶋三義君 それでは裏から聞きましょう。そのMA10、それからエアロ13それからMG10というFCSを採用しないでナサールを採用した理由は何ですか。
○説明員(高山捷一君) このあたりは非常にデリケートでありまして、ミッションから聞いていただく方がなおいいかと思うのでありますが、私の了解しております要点を簡単に御説明申し上げます。 まず第一に、NG10という機材、これはFの102Aについておりまして、この種の完全なFCSといたしましては一番早く開発され、これに合わせて102及びファリコンを開発した、こういう一つの大きなシステムとして開発された器材でございまして、現在の状況におきましては容積、重量ともに非常に大きくて102あるいは106系統の飛行機でなければ搭載困難という大きな器材でございますので、われわれの対象になりますFXには装備上むずかしい、こういう難点がまずMG10でぶっつかります。それでは第二のエアロ13でございますが、これはもともとF4Dといいます海軍系統の全天候性戦闘機用に装備されております13Fという器材、これの足りないというところを足して、その改良型として前にはFX用にいろいろ候補に上っておったわけであります。ところが後ほど申し上げますが、ファイア・コントロール・システムとAAMというような兵器とのつながりは、非常に密接でございまして、でき得べくんば最初から考え、あとから考えるにしても、同じ種類系統と申しますか、そういうところでまとめていくべきものでありまして、そういう点ではエアロ13、MG10及びナサール、こういうあたりがサイドワインダーを最初に考えるとすれば一応いい相手になるわけでございます。従って前回私が御説明しましたのですが、ナサールとMA10、エアロ13、このシリーズの改良型が一応候補と考えられておって、要求性能にはエアロ13プラスというような表現がしてあり、その後いろいろと米軍機密のレリーズの関係とか値段、開発の状態その他いろいろな条件を考えてネゴシエィションされたり、きめられたりするであろうと申し上げましたが、そういうような事情があったわけでございます。そこでこのたびF104Cという飛行機がきまりますと、飛行機との組み合わせでは一応エアロ13は縁がないわけでございます。なるべくなら現在までにやっていたとか、あるいはやる計画があるという方が、組み合わせの点ではいろいろな点の開発も進んでおるわけでありまして、そういう点からいいますと、エアロ13をつけるようにすることが一番手間がかかる。今ついているMA10を改良して、足りないところを足すか、ナサールをつけるか、この辺に問題点がしぼられてくるのじゃないかと思います。そこで私も確かにMA10を改良してつけた方が、今104CもMA10ですが、その方がよくはないだろうかという観点から、いろいろと検討をいたしましたが、まず飛行機とのマッチングという点では、マリッジといってもいいですが、MA10は現在ついている強味がございます。ナサールは昨年のときまでは、ロッキードと縁がなかったのですが、去年の秋西独の問題がきまりまして、西独の104がナサールをつけるということにきまったものですから、ずっと開発が進みまして、来年の六月からは生産に入るというような104用のナサールというものがまとまってきた。その点で考えますと、時期的にはあと半年というあれはありますけれども、一応図面もできて開発も進んで、少し時間をかせば取りつくような組み合わせのナサールがまとまるというように、飛行機との組み合わせの点におきましては、大体条件が似てきたということに相なります。それではなぜ……。
○矢嶋三義君 それでよろしい。あとで聞きます。あまり専門的になっても恐縮ですから、あと聞いてからその点を答えてもらいたい。私のようなしろうととあなたとディスカッスしてもFCSはこれだけ問題がある。ほんの入り口をちょっと、しろうととやってもある。しかも、FCSが非常に飛行機の生命だということは、源田さん自身が認めておられるのですね。従って国防会議であなた方今までエアロ13を考えておったのに、グラマンが今度ロッキードになって、そうしてナサールと出てきたら、専門的な立場で、それは源田さんこれはどうなんですか、木村博士ここはどうなんですかという質疑応容が少なくとも二、三日くらいあってもしかるべきじゃないですか。庁議が、源田さんの報告を二時間か三時間聞いただけで、あとなかったということは、どうしてもあなた方公務員としての十分な職務を果したのじゃないじゃないかということが疑念として残ってくるのですね。そこであなたの今の答弁を聞きますと、西ドイツでナサールを使った云々といっても、ロッキードにおいて西ドイツが採用したが、しかし西ドイツは他に四種くらい飛行機を持っているのです。それでロッキードにつけたナサールは西ドイツでは昼間戦闘用に使っているわけですよ。夜間のしかも雨が降ったり曇ったりしたそういう場合には、不完全だから昼間戦闘用に使っておるのです。また、昼間の爆撃用に使っておるわけです。だから西ドイツの場合はロッキード、ナサールでよろしいわけですね。それからMA10、今ついているMA10は、これは全天候性じゃないですよ。不完全なものじゃありませんか。だから源田さんもMA10をチェックしたのだと思います。それではなぜナサ—ルにしたのか。これはあなたも知っておる通りに、今のFCSというものはまず自動的になるでしょう。だから電子機器をたくさん積む必要があるわけでしょう。重くなりましょう。だからFCSが優秀なほど電子機器が多い。従って重さがある。従って飛行機のスペースがよけいなくちゃならぬ。積載量がなくちゃならぬ。ところがロッキードはスピードと上昇能力を非常に要求したために、翼をこんなに小さくしてしまった。だからグラマンならもう少し重いものが載るでしょう。高性能のFCSが載るでしょう。だけれども積載量がないからナサールときたわけでしょう。そこにロッキードとナサールが結びついたわけでしょう。ナサールは何を射つか。この前聞けばサイドワインダーです。ファルコンは射てぬわけです。ファルコンとサイドワインダーの性能というのは格段の差があるということは、これは装備局長も認めている。だからあまりこういうことを繰り返えすと恐縮ですから伺いますが、今度採用するF104C—J、それにナサールをつけたというものは現存しないでしょう。どうでしょうか。
○説明員(高山捷一君) ございません。
○矢嶋三義君 従って源田さんもそれは乗っていない。従ってF104C—Jにナサールをつけて、そうしてサイドワインダーを射つ、その場合にそれがどの程度の敵の捕捉率があって、どの程度命中率があるということも、これは全くクェスチョン・マーク、わからない。FCSの改良というものはやさしいことですか、むずかしいことですか。FCS—ファイア・コントロール・システムの開発ということは、改良ということはやさしいことですか、むずかしいことですか。一般論としてそれをちょっとお答え願います。
○説明員(高山捷一君) 先ほどからのお話しで、ナサールが昼間の能力しかなくて、オール・ウェザーではないというお話がありましたがこれはわれわれの調査では違っておりまして、全天候性がございます。そういう点で、現在ドイツが考えておりますナサールは、AARによる全天候攻撃、それからサイドワインダーによるクリアー・エア・マスの攻撃、そういうものが可能でございまして、先ほど申しましたファルコンを使おうとしても、いろいろなマッチングの関係ですぐに使えない問題があるので、もう少し時期を見て、適切なるもう少し研究をして、それをつけるときに若干プラスするものがあるかと思いますが、それ以外の点ではおおむね部品としてのセットの開発は技術試験を終わっております。C131の大きな飛行機につけて、いろいろ空中で作動状況を見るというような試験をやっておりまして、これは源田空将もよく確認をしてきておられます。 飛行機の装備につきましては、モック・アップと申しまして、実物にいろいろ配置その他、チェックするための模型を使って装備を確認するものを、別に空中に上げて試験するという、こういうのが進んでおりまして、近くドイツ用のものとして空中実験にも移り、来年の六月からは生産に入れる、こういうように進んでおりますから、かりに飛んだものがないといいましても、ゼロではなくて、下地は全部できている、こういう工合に考えていただきたいと思うのであります。
○矢嶋三義君 そのことは私承知しないのです。あなたはグラマンのとき、そう言ったのです。F11F—1F、これはエンジンを3型から7型に変えるのだ、子供が飯を食って太っただけだ、こういうように表現して、この前説明している。またグラマンは、今度の先般赤城さんが読んだこれを見なさい。グラマンは非常に今度は評価が下がってきていますよ。それはロッキードを開発されたのはいいでしょう。しかし、グラマンの評価というものは非常に下がってきていますよ。私はこの比較表を書いているのだが、時間がないから、これは読み上げませんけれどもね。そのときに、機体そのものは変わらぬ、3型が7型にエンジンが変わるだけであって、子供が飯をよけい食って、おとなに太るのだ、同じやつだと、まあ言ったのですが、従ってその当時のあなたの所論をもっても、今の説明は了解できない。そこで、ではナサールについてもう一言聞いて、間もなくすぐ結びにいたしますが、一体ナサールの出力、これはこの前、装備局長知らなくて、私にしかられたのですが、出力は幾らですか。それからレーダー・ホーミング・ミサイルを射出できるのですか、できないのですか。明確に答えておきなさいよ。将来責任問題が起こりますよ。ナサールでは、レーダー・ホーミング・ミサイル、赤外線ホーミング・ミサイルは射てるということは言いましたね。それは私も認めましょう。では、レーダー・ホーミングは射てるのか射てないのか。もし射てないとするならば、その改良は簡単にできるのか、できないのか、それをお答えおきを願います。
○説明員(高山捷一君) 第一のグラマンの問題につきましては、はっきり申しまして、スポンサーがきまらずに、その以後実験は進んでいないわけです。たとえばどこの国かが、すなわち日本なら日本がきめまして金を払えば、エアロ13を積む改造もし、実験もするわけですが、それをせずに一年半延ばしておれば、片っ方でやっておって、片っ方でやっていなければ、差ができてくるのは、これは一つの当然の結果だと思いますが、今の段階で申しますと、F11では兵装やFCSのエアロ13を積むということについては、実質的な進展が全然ない。しかしながら、ロッキードは、幸いにしてまあ西独の問題もきまって、そっちを対象にしたやつがずっと進んでおりますから、そういう点でやはり一年の経過というものが状況を変えている。特にFCSの問題については、関連してそういう事態が出てくるのもやむを得ないかと思います。 第二番目にナサールの出力でございますが、これは二百五十キロワットでございます。現在いろいろとMG10の系統、それからMAI、それから計画だけでございますが、タランとか、ジェイズとか、各社のものがございますが、大体戦闘機用のものは二百五十キロワットというのが基準になっておりまして、これだけあれば、まあ一応のFXのスタンダードであると考えております。 第三番目のレーダー・ホーミング・ミサイルは、先ほど申しましたように、結局FCSにこういうミサイルがきまりますと、特性を考えて、そのものに対するコンピューターと申しますか、部分的につけ加わる部分があるわけですが、結局ミサイルがまだはっきりきまらない状況におきましては、その部分だけあとに残してあります。従って、将来研究されまして、こういうレーダー・ホーミング・ミサイルが最もいいので、ぼつぼつこういうものを装備しようというときに、そのミサイルの特性に合わせてコンピューターを追加する、こういう形式でいきますので、今までわれわれが各社から聞いております状況では、結論としてさほどの困難はない、こういうわけでございます。ちょっと誤解もあるように思いますが、先ほどからいろいろ話も出ております。エアロ13にしても、MA10にしても、ナサールにしても、去年あたりからある。現在あるものに対しては、航空自衛隊用にはある程度の改造をして要求に合うようにしなくてはならない。こういう条件はいろいろ内容的な差はあっても、ある程度のプラス・アルファをしないと要求に合うようにならない。そういう点で基本的なところさえ押えておけば、あとミサイルが変った場合とか、追加になった場合の追加というものは、そう大きな改造でなしに私はできるものと考えております。
○矢嶋三義君 私はことさらにきょうはあなたに発言を求めましたが、それは昨年本委員会に来た場合に、あなたは非常に気持よくしゃべっておる。だから僕はあの速記録を五年間とっておくとあなたに言いました。五年間。ところが半年たたぬうちに、いずれあの速記録であなたとお目にかかりたいと思いますが、半年もたたぬうちにずいぶん変わったじゃありませんか。それを源田調査団が報告したときに反問をすることなく、少なくともそれを二日か三日検討さしてくれと言うのなら私はあなたを尊敬しますよ。ところが、そんな研究の時間を要求することもなく、その場で庁議できめさせたということは、あなたみずから認めたように、防衛庁のデータを集めたり、研究するのは、私が所管であります、責任者でありますという立場から言うならば、少なくとも防衛庁長官に、そのデータはこんなにたくさんであるから、そのデータに時をかしてほしいとあなたは主張すべきである。それが公僕としてあなたのとるべき態度ですよ。そういうことをやらないでいる。きょう私は故意にあなたにまた発言をしていただいたわけですが、きょうもまたこういう調子でやっておる。これは私は将来非常な問題を惹起すると思います。第一、ナサールのレーダー出力は二百五十キロワットですか。確かにFCSのレーダー出力が二百五十キロワット程度あれば十分であるということは聞いております。しかし、ナサール自体の今現存するナサールの出力というものは八十キロワット程度だと、私の読んだものには書いてありますよ。二百五十キロワットのナサールというものはありませんよ。少なくとも僕が聞いたり読んだ範囲内では。それをあなたが二百五十キロワットというのは、どこから入手したのか。それは責任を持てるのかどうか、お答えをいただきたい。 そのあとで、防衛庁長官にお伺いをしたい点は、私は、今聞いておることは、あなた方飛行機を買うというのだから、それでロッキードを買う。それからFCSをつける。それから火器をつける。それはサイドワインダーか何かつける。それは敵をつかまえたり、あるいは万一の場合に射って命中しなければ役に立たぬわけだから、ただ気持よく飛び回ってるだけじゃ、それは何にも役に立たぬのだから、そういう組み合せでいった場合に、命中率はどの程度か。源田さんは実験されていないのですからね。全然幽霊機なんだから。乗っちゃいないんですから。ただロッキード104Cに乗ったというだけで、そういう組み合せというものは、武器としての兵器としての欠くべからざることはテストしていない。それからもちろん命中試験もやっていない。しかし、理論的に言って、他の類似の飛行機の実験から大体命中率はどのくらいであろうというようなことは報告がされていいと思います。それは報告はあったのかないのか、あったとすれば幾らという報告があったのか。課長が答弁した後に、防衛庁長官のお答えをいただきたい。
○説明員(高山捷一君) まず第一に、FCSの問題の検討を終らずに決定を早くしたことについて、御疑問があったのですが、私もFCSの重要性については、前々からも御説明した通り非常によく認識しておりまして、私の下に専任班長として田坂二佐というのがおりますが、これが電子の専門家で、今までずっとこのFCSは私の片腕として検討してきておりまして、従来の事情その他出る前に考え方その他も全部打ち合わせてわざわざミッションの技術者として入れております。私としましては、私は航空の出身で電子のことは弱い方でございまして、むしろ基本的な用兵的な面はパイロットから出していただき、技術的な検討はその班長に検討させることによって、私以上の十分な検討ができて結論が出る、こういう見通しで手をつけておりますので、早くきまったことについて、特に私はそう不思議も感じないし、抵抗も感じておりません。 次に、ナサールの出力は仰せのように105Bについております現在のものは七十五キロワットでございます。それで現在開発中のものが二百五十キロワットで、西独用のものもこの二百五十キロワットのR14Aというのがつく予定でございまして、先ほども申しましたようにすでに空中にセットとしての実験が進んでおりますので、それは試験用のセットがあって試験されている、こういう見地で私はあると申したのでございます。
○国務大臣(赤城宗徳君) 命中率はどうかということでありますが、F104Cに乗りまして実戦の訓練といいますか、これも向うで源田調査団一行やってきております。でありまするから、F104Cにつきましては実戦上からもいいと言っています。だから今ナサールを入れた場合はどうか、これは乗っていないじゃないか。これはないのですから、まだナサールの分は今空中で試験中で、その部分として検討を加わえてきたのですから、その両方の結果がよろしいということでありますから、命中率ということは申し上げる必要はないかと思いますが、戦闘を実際にしてみた、こういう報告を受けています。
○矢嶋三義君 それならばちょっと次にデータを出します。その前にもう一つ聞きますが、この前、飛行機だけじゃだめで、FCSを載せてどういう火器を使うのか各社は装備と価格を出したわけですね。源田さんに渡しておるわけです。それを持って帰ってあなたに報告してあるわけですから、その表を出してくださいと言ってお約束して行ったのですが、まだ出ないのですが、この次までに資料として出していただきたいと思うのです。向こうの会社が言うたのよりは高くなる必配ないわけですから、源田さんのテストした段階の各社で数字を出しているわけですよ。これはあなたの記者会見でもそういうことを言われておる。だから、それで価格と載せる機器というものがわかるわけですから、そういう資料を預かっておいていただきたいと思う。でなければ先ほど官房長官に要望したのですが、ああいうふうに内定まで返されて価格の積み上げをするというような態度をとってもちえぬ場合は、価格のことは心配でしょうがないわけですよ。従って、今、ナサールについての装備の面等若干やったわけですが、どういう装備をする、それからテスト、同時に各会社から提示された価格表はかくかくだという一覧表を出していただきたいと思いますが、出していただけますか。
○国務大臣(赤城宗徳君) 装備をどういうものにするかにつきましては、これは出してもよろしいと思います。それから価格は源田調査団が向こうから入手しておるということではございません。私どもが調査団が向こうに行っている間に、あるルートを通じまして全部の価格を調査いたしたものでありますが、これは今決定しましたので、なおほんとうに契約を進める段階にありますので、もう少したったら御報告できると思います。
○矢嶋三義君 そうすると、ロッキードのは会社から提示したのも出せないわけですか。
○国務大臣(赤城宗徳君) 会社から提示を受けたのじゃなくて、今申しましたように、あるルートを通じて全部調べてあるのでありますので、私がそれをごまかそうということではございませんが、その点で、もう少したつとお知らせすることもできると思いますが、もう少し待たしていただきたいと思います。
○矢嶋三義君 もうちょっと聞いておきますが、ロッキードのF104C—J、それにナサールをつけて百万ドル以上というが、百二十万ドルをこえないと了解していてよろしゅうございますか、大まかに百万ドル以上といっているが、百二十万ドルはこえないと、そういうふうに了解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(赤城宗徳君) 一つのデータでは百二十万ドルをこえております。一つのデータではそれ以下であります。
○矢嶋三義君 そうすると百二十五万ドルはこえないですね、百二十五万ドルは絶対こえないですね。
○国務大臣(赤城宗徳君) そういってくると何ですが、あなたの御質問が百二十万ドル以上をこえているかというから、ある資料では百二十万ドルをこえております。もう一つの別のところから得た資料ではそれ以下のものもあるのであります。
○矢嶋三義君 以下のものもある……絶対に百二十五万ドル以上こえることはないのですね。
○国務大臣(赤城宗徳君) それはわかりません。目下交渉中であります。
○矢嶋三義君 その経済的な面も検討したとなると、大まかにそのくらいのことは見通しがつくはずだと思うのですが、特にあなたのあの直後の記者会見では、各飛行機種の価格は万万ドルとは違っていなかった、そのように記者会見で談話を発表していますが、どの新聞記事にも出たわけです。だからそれは大体見通しがたつと思う。見通しでいいですよ、それは一か二、狂うことはあるかもしれませんですけれども、104—Jにナサールをつけた、FCSをつけたこのコンビで、二百機の場合に、一機が間違っても百二十五万ドルをこえることはない、開発にもアメリカ側からできるだけ出して、できるだけ安くしたい、こういう気持でおるのだと思いますが、もうう一ぺんお答え願います。
○国務大臣(赤城宗徳君) しっかりした見通しができるまでは、ちょっと申し上げることを差し控えます。
○矢嶋三義君 そういう点は非常に無責任なところです。だから私は冒頭に官房長官に一ぺん内定の線まで返して、そうして開発費、それから性能、それから価格の見積もり、そういうものをやって、そしてきめるなり、最終的に閣議決定するのが適当だ、こういう要望を含めて伺ったわけですが、防衛庁長官として、国防会議の議長であり総理大臣である岸さんに、そういう意向を伝えて善処していただきたいと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(赤城宗徳君) 官房長官からもお答えしましたように、御意向は十分に伝えます。しかし、私どもは早く決定して、費用の分担もし、分担もきめ、あるいはまた予算にも三十五年度、頭を出したい、こういうことでありますので、私どもとしての行政的の進め方は進めていきたい、こう思って進めておる次第であります。
○矢嶋三義君 最後に、この資料は防衛庁長官どうですか、命中比較試験結果、フロリダ州のチンドール米軍基地の公式発表です。雑誌を見ますと、F104Aロッキード型、これはサイドワインダーを搭載するのですね、それはナサールのMA10なんだな、だからサイドワインダーになってくるわけです。ファルコンなんか積めないわけですよ、それは機体の構造からくるわけですね。雨天、曇天と書いてある、五・五%、これは飛行機のこれから熱線を出す、これが太陽に向いた場合、それから雲があったり、雨があったりする場合には、その熱線がきかぬから、不足の場合には五・五%、比較的いい条件では一一%。F102、これはMG10を載せるわけですね、この前装備局長が言ったように、MG10、FCSを、だから全天候性で、一番F102系例が優秀だという源田報告もあったのですが、ファルコン八三%というチンドール基地の公式発表が出ておるわけですが、この数字は承知しているのか承知していないのか、さっそく調べてもらいたい。でなければかりにこういうことがあるとすれば、ロッキードは翼の面積や、機体の構造から積載能力がないから、だから軽いFCSを載せる、従って電子機械もよけい載せられない。そうすると、できるだけ近くへ行って射たなければならないとなってくると、危険も伴うし、兵器としての命中率は落ちてくるわけです。私はしろうとだけれども、考えるのに、これからは、これはグラマンですが、尾翼というのはこれの四倍ぐらいになっている。これはコンベアだが、これも広いわけです。だから非常にスピードを出すために、機体の構造を犠牲にしてまでも危険なものを作らないで、比較的安定性のある飛行機と、それから積載能力を大きくして、それで電子機器をたくさん載せた優秀なFCSを積んで、そうして向うにあまり近づかないで、遠方で効果を上げる、そういう方向に僕はいっていると思う。僕らは反対だけれども、やるとすれば、ミサイルになれば、三マッハぐらい出すのは簡単です。そうしてレーダー・ホーミングにしていけば、向こうにあまり近寄らぬで、危険もなくて命中するわけですから、幾らスピードを出しても、優秀なのが載っていなければ、近くへいって射たなければならぬ。そうすると危険が伴うし、命中率も落ちる。これ自体あぶないということになる。だから、そもそもこの飛行機というものは、ミグ戦闘機をやるために、朝鮮事変後に、上昇能力と、速度を非常に要求した結果、高山さんも言うたように、非常に無理をした設計をしている。そこに危険が出てきているわけです。だからそういうことを考えないと、ただこれに乗ってみた。まあナサールはまだ改良型ができていない、そういえば幽霊電子機器だ。今度採用しようというナサールは、それをつけた飛行機もまだできていない。それで、それには赤外線ホーミングのサイドワインダーしかつけられない。あなた方、万一必要のある場合、使おうというのですから、命中しなかったら意味をなさない。おもちゃにしては少し高価過ぎます。だから私はこのデータというものが重要だと思うのです。だからこれを見ているのか見ていないのか。それから承知していないならば、チンドール・エア・ベースというのは毎年実験をやっているそうです。チンドールではあらゆる飛行機をやって、そうしてデータがある。これは本年十月の実験です。これはさっそく調べてもらいたい。それでその点一つ防衛庁長官からお答え願いたい。
○国務大臣(赤城宗徳君) ちょっとお答えする前にお聞きしたいのですが、たくさんの資料を持ってきて非常に御検討なさって公式発表公式発表といいますが、それはどこの公式発表ですか。軍で発表されたものですか。それとも雑誌とか、会社からでもきたものなのですか。ニュース・ソースをお聞きして恐縮ですが、私も調べる都合がありますので、向こうの軍の公式発表かどうか。それによって私の調べ方もあります。
○矢嶋三義君 私が新聞記者なら、ニュース・ソースは答える限りにあらずと言えるわけだが、僕は新聞記者でないから、ちょっとにおわせますが、私のところには、あらゆるところの資料が入ってくるのです。恐縮ですが、あなた方の庁内からも入って参ります。それから国内のメーカーからも入ってきます。それから航空力学等の実験者等からも入って参ります。アメリカからも入ります。それから私はこういう雑誌も読んでいます。この中にはF108は開発中止というのがちゃんと四十九ページに出ている。こういうのも相当出ていますが、そうむちゃな雑誌じゃない、これなんかは。あなた方の答弁なんかを見ますとね。だから僕のニュース・ソースはきわめて広範なんです。層は厚い。(笑声)そして今のロッキードにしても、ある航空学者は、木村さんはどうか知りませんが、こういうことを言っていますよ。今のロッキード104Cで飛行場へこれが入るときに、大体ここを飛行場の入り口としますよ。十五メートルくらいでこうこなければ八千メートルでストップしない。これ十五メートルですよ。十五メートルからずっとこなければ八千メートルでストップしない。これはずいぶん技術を要するというわけですよ。ここらあたりに煙突があったって十五メートルをこえていますよ。航空法で制限していますけれどもビルディングでもこえるのだから、電柱なんかも整理しなきゃあぶない。十五メートルで飛行場へ入ってあなたの言う八千メートルになるので、源田さんが報告しているが、航空力学的に言ってF104C—Jなるものは着陸できるのかどうか。それはこれがこういうふうになってしかもこの飛行機の翼は薄いのを使って軽くしています。だから着陸するときにスピードが早いわけです。だから抵抗を強めて減速すべく工夫するわけだけれども、少なくとも十五メートル程度の高さでは入らなければならぬ。そういうのは学者からそういうニュースは入っています。僕は専門の学者でないから聞いたのを言うだけで、どの程度それが理論上正しいかどうかわからぬけれども、常識的に考えて今までのあなたがこうだと答弁した速記録と最近の決定から見て、そう僕ははずれていないのじゃないか。ともかく政治的にロッキードをきめた。だから他からも指摘されておるように、とにかく岸さんがロッキードにせにゃならぬのだ。それから赤城さんもその気持になって、源田さんも以心伝心でお受になって、とにかくロッキードは日本人でも乗れるのだ、乗りこなせるのだということを発言するために安全だということを何とか発見しようと思って、一生懸命努力されたのではないか。そこに安全の点に関する表現が奥歯にものがはさまったような表現になっているということを合わせ考えるときに、やはり疑惑は解けない。根本的には今の世界情勢の問題もありましょう。それから科学の進歩と科学技術の向上という点から防衛産業育成なんというので、こういうものを今から千七百億も使ってやるということは、はたして国家投資として妥当かどうかということが非常に問題がある、大前提として。かりにそれを百歩譲って国民の税金である千七百億も使って買い、あるいは国産するものが日本のパイロットの生命を守り、そしてあなた方が予想される万一の場合に、はたして国民の期待に沿い得るのか、命中率があるのか、そういう点がさらに問題になってくるわけです。だからあらゆる角度から問題があるのだから、それでああいう抜き打ち的なやみ討ち的な決定をして、行政が独走することなく、きょうとか、あすとか、ことしとか、来年あたりこんなものを使うということはありはせぬですよ、これは。当面日本ではもっとやることがあるわけだから、だからそう独走することなく、一応閣議で決定されたというのだけれども、それを一応内定、白紙にしろということは言わぬですよ、無理だから。一応内定の線くらいにしてそして価格の問題とか、あるいは今度の開発の動向とか、あるいは安定性の問題とかという点を高山さんあたりがほんとうに腹から満足するように、加藤防衛局長一番当面の責任者ですが、そういう点は十分納得のいくところまで庁内でディスカッションし、それから目黒の研究所で研究されて、そして結論を出すということが適当であり、また国民も反対する人でもそれなら納得すると思う。しかし、今度のずっと経緯からいって、どうしても私は納得できない。そこをただし、要望も申し上げているわけなんです。この点と、その一応内定の線に戻して、これは赤城さん、フェアにやりましょう。私はあなたのこと好きなんですよ。(笑声)私は憎まれ口を言うているけれども、私は非常にあなたの人柄に心服しているのですよ。どうもやみ討ちをかけられたような気がしてちょっとおさまらぬところがあるわけです。個人的でなくして国民を代表する選良としておさまらぬところがあるわけですよ。お答え願いたいと思います。
○国務大臣(赤城宗徳君) どうもせっかく私も矢嶋さん好きなんだけれども、(笑声)観点が違っておって残念でございます。私はやみ討ちとか何とかということでなくして、非常に慎重にきめたし、それから庁内の意見もあらゆる点から納得できる、こういう形のものですから、今のいろいろな手続もありますので、それらを含めてこういうふうに進めてきているのであります。 それから今の命中率、非常に重大な問題でありますが、これは実際にそのパイロットがやってみたことがこれは確実で、失礼ですが、矢嶋さんよりはやはりパイロットが実際に向こうの敵機を出してみて、そして空中戦をやってみた。そういう点からみれば、その方が私は確実だと思います。 それからニュース・ソースでいろいろお集めになって非常にけっこうなんですが、私がお聞きしたかったのは、そのニュースは米軍の公式の発表であるかどうかという、そういうことによって私の方の調査の方法もありますので、米軍の公式発表ということでありますれば、私の方も顧問団か何かを通じて……。
○矢嶋三義君 エア・ベースに問い合せてみて下さい。
○国務大臣(赤城宗徳君) ええ、エア・べースに公式発表であるかどうか、こういうことを聞いてみたいと思います。
○委員長(中野文門君) ちょっと速記をとめて 〔速記中止〕
○委員長(中野文門君) 速記を始めて。 本日はこれをもって委員会は散会いたします。 午後四時三十八分散会