地方行政委員会 第5号
- 発言数
- 78 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/11/17
会議録
○委員長(新谷寅三郎君) ただいまから委員会を開きます。 本日は、地方行政の改革に関する調査として、まず地番の整理に関する件を議題といたします。
○小林武治君 町名地番が非常に不ぞろいである。このために一般社会生活あるいは行政上あるいは郵便電報の配達あるいは公益事業の遂行、これらの点において非常に大きなロスがあることは、御承知の通りでありまして、この問題は、しばしば国会その他においても問題になっておるのでありますが、この町名の問題は、これは自治庁の所管で、また地番の問題は法務省の法務局の所管、こういうふうな関係になっておりますが、これらの不ぞろいを調整するという問題について、法務当局あるいは自治当局はどういうお考えを持っておるか。あらためて一つお聞きをいたしたいと思います。
○国務大臣(井野碩哉君) 地番は、御承知の通り、土地台帳法によりまして登記所が定めることになっておりますので、法務省の所管でございますから、私からお答えを申し上げることにいたします。 地番の非常に混乱しておりますことは、小林委員の仰せの通り、最近いろいろの問題になっておりますし、国民も非常に迷惑をこうむっておる点もございますので、何とかいたしたいという気持は十分に持っておるわけでありますが、従って、この問題につきまして法務省の考えをお話いたしますのに、三つの点に分けて申し上げてみたいと思うのであります。 まず第一は、地番整理の必要性でございますが、この地番をきめました当時は、地租の徴収を主眼としまして土地台帳軍務が処理されていた関係上、地番の定め方も必ずしも合理的でなく、従って、地番の順序が乱雑になっておることは御承知の通りでございます。しかしこの地番は、直接には土地を一筆ごとに特定させるためでありますが、人の住所、本籍の表示等に使用されているのでありまして、地番が乱難であることから、国民生活において多大の不便不経済をもたらしておるものでありまして、かかる乱雑な地番を可及的すみやかに整理し、合理的で国民生活に便利の地番を付しなおす必要性のあることは、言うまでもないのでございます。 そこで第二の問題は、地番整理の問題でございますが、かくのごとく乱雑になっておりますが、この地番の整理は、そう簡単にできるものではございませんので、そのためには莫大な手数、費用を要しますのみならず、その影響するところもはなはだ大きいのでございます。地番の整理は、形式的に土地台帳において登記所が地番を整理変更するだけで済む問題ではないので、日本の都市のごとく、道路が大小錯雑しておる地域におきましては、地番の合理的の付し方自体も技術的に相当困難の問題でございますし、その前提として、整備された地図を必要といたすのみならず、地番を合理的に変更することによりまして、土地及び建物の敷地の表示が変更される関係上、不動帝取引の混乱を防止する方策を講ずる必要もございますし、また、人の住所及び本籍の表示が変更することから、市町村の戸籍、住民税及び固定資産税の課税台帳の記載の変更を要することにもなりますし、その他会社の株主名簿や銀行等の諸帳簿の住所の変更の記載に要した地番の変更によりまして、各方面に多大の手数、費用を負担せしめることになることは明らかでございます。また郵便等も、旧住所の表示がされるとかえって混乱を生ずるので、地番の変更を広く周知させる必要もありますので、きわめて困難なことであろうと思うのであります。従って、地番の整理につきましては、きわめて周到な用意を必要とするのでありまして、直接、間接に影響する各方面における手数、費用等もあらかじめ調査しなければならないのでございます。 そこで第三点としまして、地番整理の方法でございますが、従って法務省におきましては、地番整理のための技術的な方面、各方面に与える影響並びに地番整理及びこれに伴う各方面の手数、費用等をモデル的に調査し、本格的な地番整理の実施の基礎資料を得るために、昭和三十五年度予算におきまして所要の経費を要求しておるのでございまするが、地番整理の方法としましては、中央と実施地方にそれぞれ関係官公署及び民間人をもって構成する審議会ないし委員会を設けまして、その基本的な方策、具体的な実施方法等を調査研究し、その委員会において合理的な地番の整理を決定し、実施することを予定しておるような次第でございます。
○国務大臣(石原幹市郎君) ただいま法務大臣からもいういろいろお話があったのでありまするが、自治庁といたしましても、この地番の整理ということには非常な関心を持っておるのでございまして、この問題のいろいろ影響するところその他は、今、法務大臣からいろいろお話があったのでありまするが、相当各方面に広範な影響を与えることは事実と思うのでございます。ただし、現在の状態から考えてみましても、郵便の配達の問題あるいはいろいろ公文書の配達の問題、それから警察、消防等の活動の上から、各方面から考えまして、非常な不便を来たしておる実態は何とかしなければならない。そこで、この三十五年度の予算におきましても、この実態を一つ調査をしてみたらどうか、それからいろいろの啓蒙的なこともやってみたい、でき得ればさらにモデル地区のようなものを設定いたしまして、どういうふうに整理していったらいいものか、いろいろそういうことも掘り下げて、一つ検討してみたい、こう思うのであります。 町村合併その他等も非常に整理が進行いたしまして、今度は一つ、こういう地味な仕事でありまするけれども、民生に影響するところが多いと考えるものでありまして、その問題には今後関係方面とよく連絡協調をとりながら打ち込んでいきたい、かように考えておる次第でございます。
○小林武治君 ただいまのお話でありますが、法務省の関係の土地台帳というものは、主として権利の保全と、こういうことが目的になっておりますが、しかし、番地そのものが他の行政あるいは一般社会生活に非常な影響がある、こういうことでありますので、単に権利保全もむろん大難でありますが、他の行政との関係のためにもこれを整理してもらわねば困る、こういうふうに思いまするし、それから、今の町名の問題は、これは自治庁の所官、こういうことになっておるが、町名とこの地番というのは一括して問題になることでありまして、その所管が違うために何かこれの整理に非常な支障を来たす、こういうようなことはありませんか。あるいはこれの連絡を緊密にするために、何らかの機関を設けて、一緒になってこの仕事を遂行する、こういうふうな御計画はありませんか。
○国務大臣(井野碩哉君) 地番の整理と町名の整理は、お話の通り所管が違っておりますけれども、これを実施します際には、自治庁とも十分連絡をとっていかなければならぬことは、これはむろんなんでありまして、さしあたり法務省としては、モデル的な地番の整理の委員会を作って、そこで各地方に設けて、自治庁ともよく連絡をとって、委員会を通じてやりたいという考えで法務省としては進んでおります。
○小林武治君 今の委員会もけっこうですが、全くこれはどちらかというと不可分の関係にある。むしろ樹当局が合体して、そうしてその委員会でも作って、これの推進の気運を作る。また大蔵省、いろいろの政府部内の関係もあるので、めいめいがやるのでなくて、共同で一つこの問題を進めるというふうな考え方を持っていただけませんか。
○国務大臣(井野碩哉君) 仰せの通りの考えでおりますが、予算は分かれておりますので、法務省と自治庁と両方から予算を秘しております。従って、大蔵省が中へ入りまして、そして最近は災害でもって非常に金も要ることでございますから、なるべく金のかからない方法で有効な方法を大蔵省としては考えたがっておりますので、おそらく大蔵省が中へ入って、どういう方法でこういう方法をやらせるかも、予算査定の場合にはきまってくると思います。その方針に従いまして、自治庁とよく連絡をとりまして、調査を進めていきたい、こう考えております。
○小林武治君 この問題は長い間の問題で、これはぜひやってもらいたいということは、世間でも、また行政官庁そのものも希望をしておりまするが、来年は特に一つ飛躍をして、実行の段階に入る、こういうふうなお気持で予算を出されておるので、また予算は、これはまあ戸籍簿の改正等で相当の経費が要るのに、自治庁は大した予算の配付あるいは交付税の計算もしなかったということで、地方団体が非常に戸籍簿の改正ということについては困っておりますので、それもどの程度の規模でこの仕事を来年進めていくか、こういうふうなことをここでもってお漏らしいただけますか。
○国務大臣(井野碩哉君) 法務省としましては、御承知のように、土地台帳と登記簿の一元化をはかっております。これが非常に大きな仕事でございます。そのために相当な予算も大蔵省に要求しなければならぬという立場におりますので、地番整理の必要を認めながらも、多額の予算を大蔵省へ本年は要求するわけには参りませんでしたので、さしあたり、先ほど申しましたように、モデルケースの調査を始めたい。まず端緒を作りたい、そしてその調査のいかんによって予算の規模もおのずからわかって参りますから、それによってさらにあらためて実施の予算を大蔵省へ要求したい、こういう段取りで実は法務省としては進めております。大蔵省もどういう気持になっておりますか、まだ実際わかりませんが、金のない時でございますから、それよりほか仕方がないんじゃなかろうかという気持を持っておるようでございますので、ことしは、小林委員の言われるように、いきなり地番整理に大々的に実施計画に入るという段階には法務省としては進んでおりませんのですが、しかし、やらなければならぬという必要性は認めておりますから、今中しましたような諸種の事情から、法務省としては、漸進的な気持で予算を計上しているわけでございます。
○国務大臣(石原幹市郎君) 自治庁といたしましても、先ほど申し上げましたように、モデル地区のようなものを設定いたしていきたい、それから全体の実態調査をしてみたいという気持であるものですけれども、このモデル地区の問題につきましては、やはり法務省ともよく打ち合わせをいたしまして、この三十五年度からさっそく全体的にやり得ることには、なかなか言うべくしてそうはいかないと思います。モデル地区について十分な打ち合わせを遂げて、先ほど来御指摘になっておりまする登記所の所掌する番地の問題と、それから町名、字名等が市町村長の問題になっておるが、ここらの関係を両省でよく打ち合わせ、また当委員会等からもいろいろ御指導をいただいて、自治庁の考え方としては、できればやはり町村長あたりにいろいろのことを委任してやらせてもらえれば、非常にやりよいんじゃないかというような感じも持っておるのでありますけれども、それらのことにつきましては、さらに両省よく協調いたしまして、御指摘のように、私も、議論ばかりでなしに、三十五年度からは、何か一歩前逸したものを作り上げていきたい、こういう気持を持っておることを申し上げておきたい。
○小林武治君 今、石原長官からお話がありましたが、とにかく登記所というのは手不足で、これをやるということは大へんな問題じゃないかと思います。 それから私は、今各地が町名が非常に不ぞろいで、飛び地みたいな町名まである、こういうものを直さなければならぬと思うのですが、これを直せば、すぐに地番に影響してくる。それで今、手数の関係からいっても、なかなか登記所でやるということは大へんなことだと思いますので、ある程度一緒になるというか、今の町村に委任するとか、こんなような考え方はありませんか。
○国務大臣(井野碩哉君) 登記所の地番の整理は、なかなか町村長でもできない問題じゃないかと実は思うのです。町村長にむろん手伝ってもらわなければなりませんが、しかし、どういう方法がいいかということをいろいろモデル的に調査してみたい。今度の予算で、調査の結果町村長に委任した方がいいということになれば、それはまたそういう方法もございましょう。どういう方法で調査するのが一番金が少なく済んで、有効的な調査ができるかということをまず研究してみなければならぬ。ただここで机上の空論を戦わしておりましても、なかなか見当がつかない大きな問題でございますので、そういう実施の調査をしてみたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○小林武治君 これは、御承知のように、日本ほど町名地番の不ぞろいの国は世界中にもない。ことに大都会ほどひどい。今オリンピックも開かれる。こういうことで、せめて地方よりか主として大都会にまず最初に手をつけてもらわなければならぬ。ことに東京など、ひどい状態にあると思うのです。この町名の問題は、これはそう金をかけんでも、あるいは市町村長である程度できると思うが、町の整理というようなことはできませんか。非常なでこぼこを改めるというようなこと、町村に指示すると申しますか、勧告すると申しますか、そういうことできませんか。
○政府委員(藤井貞夫君) 町名なり字名の点につきましては、これは、町村の段階においてやろうと思えばできることでございます。従いまして、新市町村ができましたような段階におきまして、ある程度町名等につきましても改訂の措置が行なわれておることもございます。なかんずく区画整理その他が行なわれました際には、それに伴って所要の措置が行なわれておるのでございますが、いずれにいたしましても、やはり町名と地番というものが密接に結びついて沿革的に来ております。それをただ町名だけを直したといたしましても、その町の名において、下にくっついております何番から何千番に至るような地番というものについて、それをどういうふうに分割していくかということもまた問題でございましょうし、従来から町名地番というものが密接につなぎ合わさって今日まで参っておりますために、町名だけをやりましても、全体としての合理的な処置ができないということが一つの隘路になっておるのだというふうにわれわれは考えておるのであります。従いまして、町名等において整理だけをやればそれですっきりする面も、非常に少部分ではございますが、あると思いますが、そういうものにつきましては、改正の措置を講じておくということもやっていいことだと思いますが、しかし、大部分は、町名地番というものが密接にからみ合わさって今日まで来ております現況でございますので、私たちといたしましては、やはり町名地番というものを一貫してこれを整理するという方向でやっていかなければ、効果が上がらないのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
○小林武治君 この問題はじみな問題でありますが、しかし、国民の日常生活にとっては重大な関係のある問題で、非常に金もかかる、手数もかかることは当然だが、ぜひやらなければならぬことですから、自治庁も法務省も、この問題にぜひ取り組んでもらいたいと思っております。せめて一つ、来年度実質的に一歩踏み出す、こういうことをぜひやってもらいたいのです。せっかく予算も概算要求されておるのですから、これを通過させて、ほんとうに一歩踏み出す、こういうことをぜひやってもらいたいと思いますが、そういうような御決心というか、お覚悟がありますか、両省で。
○国務大臣(石原幹市郎君) 自治庁といたしましては、やはり三十五年度の、じみな仕事でありますけれども、一つ力を入れていきたい仕事の一つとして、私も取り上げている次第でございます。法務省ともよく話し合いを遂げて、何らかこの問題に一歩前進する素地を作りたい、こういう私は気持を持っておることを申し上げておきます。
○国務大臣(井野碩哉君) お説の通り、非常に大事な仕事でございまするので、明年度からぜひ何らかの手をつけたいと、今予算を要求しております。大蔵省も、今年予算がいろいろ多いものでございますから、こういうものを入れるかどうか、私どもとしても力強く押したいと思いますが、一つこの委員会からもぜひ必要性を説いていただきまして、絶大の御後援をいただきますれば、ある程度の予算は入り得る見通しを持っております。どうぞお力をお貸しいただきたいことを申し上げておきます。
○小林武治君 なお、自治庁にさしむきの問題として、やはり非常にいろいろの仕事の面で、町名、番地等の標識ですね。こういうものがもう少し明瞭なものが出れば、それでもある程度欠陥は補える。従って自治庁から市町村当局に対して、できたら、できたらというよりか、むしろ進んで、標識の方法等もあるいはきめて町村に勧奨する、こういうふうな措置をとってもらえないかと思いますが、どうですか。
○政府委員(藤井貞夫君) 今御指摘の点は、非常に青紫に当たった御質問でございまして、私たちも、この点については何とかもう少し改善の措置が講じ得るのではないかということを考えておりまして、実は特に今この点について重大な利害関係を持っておりまする一つの省として郵政省がございます。郵政省の方も、この点については特に非常に強い関心を示しておりまして、現在私たちの方ともその点について連絡をし、話し合いをいたしておる段階でございます。また、それによってどういうような予算措置を講じていくのか、これは本来町村の仕事であるから、町村自体やればいいのでありまするけれども、しかし、それにいたしましても、かなりの経費がかかる。その場合に、何かやはりそれによって直接に利益を受ける面について、財政負担のことも応分に考えていいんじゃないかというような声も一部にはあるようでございます。そういうような点につきまして調整をはかりながら、町名、地番の点といたしましてそれと並行して、今御指摘のような点についても一歩改善するという方向に一つ進んで参ったらというふうに考えております。
○小林武治君 今の問題、至急進めてもらい、さしむきの欠陥を補う暫定措置としてそれをやられただけでも、非常に便宜が増すと思いますので、なるべく早くそういう措置を一つとられて、この問題は、全体としてぜひ来年度から何らかの一つ実行的措置をとる、こういうことを期待いたしまして質問を終わります。
○委員長(新谷寅三郎君) 本件について他に御質疑はございませんか。――それでは、この問題につきましての質疑は、一応この程度にとどめます。 ―――――――――――――
○委員長(新谷寅三郎君) 次に、前回の委員会に引き続きまして、地方財政の問題について御質疑をいただきたいと思いますが、質疑の前に、前回御要求のありました資料が自治庁当局から提出せられておりますので、政府委員から、その資料についてまず説明を聞いた上で、質疑に入りたいと思います。ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて下さい。
○政府委員(奧野誠亮君) 一枚紙の方は、現年発生の災害に関しまする地方債の配分計画でございます。この前御説明申し上げましたことをガリ版刷りにいたしただけのことでございます。 国の補正予算に伴います災害復旧事業費、それに対する地方負担分といたしましては、一番上に掲げられております現年補助債の五十五億と、それから、下の方に掲げられています伊勢湾高潮対策、緊急治山、緊急砂防の関係の二十四億、合わせまして七十九億、こういうことになるわけでございます。単独災害債が七十六億、そして特例横が二十億、合計して百七十五億と、こういうようにお考えいただきたいと思います。この関係の資金につきまして、政府資金が百五十五億と、公募資金が二十五億ということになっておるわけでございますが、できる限り既往の政府資金を公募資金に振りかえまして、あとう限り政府資金へ充当するように努力したいというふうに存じております。 公営企業等の部分が二十億。等といいますのは、進公営企業も含めている意味でございます。これは公募資金でまかないたい。そのうち十億円は、公営企業金融公庫の資金で措置をしたい。公営企業金融公庫の債券発行の額を十億ふやしたいわけでありますけれども、年度のズレもございますので、現実の発行は四月以降でよろしいのではないかと、こう思っているわけでございます。いずれ来年度の発行額をきめていただきます場合に、その部分は加算をしたいという話し合いになっておるわけでございます。 それから四、五枚の紙の部分は、災害債の元利償還金に対する元利補給及び地方交付税上の取り扱いを書いたものでございます。左の区分の欄に、「補助災害復旧事業債」と書いてあります。「同上の起債対象事業」、これは、「河川、海岸、堤防、砂防施設、道路、都市計画施設、港湾施設、農地農業用施設、林業施設、漁港施設、その他公用施設の復旧事業費」、これはいずれも国庫の補助、負担金を受けて行なう事業のものであります。これにつきましては、現年度は原則として一〇〇%の地方債を認める、過年度になりますと、一応七〇%に下がるわけでありますが、被害の激甚な地域につきましては、充当率を若干引き上げております。ことしの例で申し上げますと、八〇%まで引き上げた地域、あるいは静岡のように九〇%まで引き上げた地域というようなのがございます。交付税上の取扱いは、毎年度の元利償還額の九五%を基準財政需要額に算入いたして参ります。従いまして、地方税収入が増額になりませんと、自動的に地方交付税が増額されていくということになっておるわけでございます。 その次が単独災害復旧事業債の問題でございます。その起債対象は、「土木施設及び学校施設等公用施設又は公共施設で国庫補助の対象とならない災害復旧」の問題に充てるものでございます。この単独災害復旧事業につきましては、二年で完成をするというような考え方で起債をつけております。国の場合には、御承知のように、三、五、二の割合で災害復旧の仕事が片づくようにするんだと、こういう建前がとられています。その三、五、二に対応しますのが単独災害復旧事業につきましては二年で完成をするということは、地方財政計画を作り、地方債計画を作って行なっておるわけでございます。交付税上の取り扱いは、毎年度の元利償還額の二八・五彩を基準財政需要額に算入しているわけでございます。しかし、今年度に限りまして、その次の「元利補給」の欄に書いておりますような今特例法の御審議をいただいているわけでございますが、三十四年災につきましては、政令で定める地方団体の行なう土木災害復旧事業で、一カ所の工事の費用が府県では十万円以上十五万円未満、市町村では五万円以上十万円未満、学校の災害は一学校ごとの費用が十万円をこえるものであって国庫負担の対象にならないもの、こういうものにつきましては、一蹴を元利補給するわけでございます。その元利補給の率は、その次のページのところに書いてございますが、三八・二%、しかし、被害の特に著しい団体は、三分の二まで補給をするわけでございます。そうしますと、地方交付税上の取り扱いで二八・五%が基準財政需要額に算入されますから、二八・五%と三八・二%を加えますと、六六・七%になります。六六・七%はすなわち三分の二だということでございます。国庫負担の基準が三分の二でございますので、両者合わせまして三分の二までめんどうみよう、こういうことでございます。ところが、被害の著しい所は三分の二まで見るわけでございますから、六六・七と二八・五を加えますと、約九五%になるわけでございます。 その次が、地盤沈下等の対策事業に充てられる地方債でございまして、対象の事業は、「地盤沈下、地盤変動若しくは海岸侵しょくの防除事業費及び荒廃林地復旧事業費」、こういうものは、災害復旧事業においては国でされておりませんが、実質的には災害復旧みたいなものだと、こう思うのであります。こういうもののために、特別にあるべき財政需要というものを基準財政需要額に算入していくというわけに参りません。でありますから、こういうものにつきましては、別途に元利償還額を取り上げて基準財政需要額に入れていこう、しかし、災害復旧事業費そのものではないわけでございますから、算入する率は引き下げよう、災害復旧事業費でありますと九五%まで算入する、その六制程度まで算入することが至当じゃないかということで、九五%に六〇%を乗じました五七%というものを毎年度の元利償還額について基準財政需要額に算入いたしているわけでございます。右の備考の欄に、「緊急砂防事業については一走の計画により施工されるものについては荒廃林地復旧事業と同様の取扱とする予定」と、こう書いてあります。これは、今年度の災害復旧に対しまする国の措置において議論になった問題でございます。従来は、砂防事業につきましては、これは河川改修等も含めまして河川の延長であるので、財政需要額を算定しているんだというようなことから、基準財政需要額には元利償還額を算入しておりませんでした。しかし、緊急砂防ということになりますと、これは一種の災害復旧事業でございます。今まで砂防堰堤がなかったから災害復旧事業費にならないけれども、河川の中に土砂が流入した、どうしてもそこへ堰堤でも築かなければ、全体に河川の底が上がってしまう、一種の災害復旧事業であります。そういうような性格のものでありますので、起債の充当率も上げ、この元利償還額の一定部分も基準財政需要額に、今年度以降の地方債についてはそういう扱いをしようというように考えておるものでございます。 その次が、特殊土壌対策事業債の問題でございます。特殊土壌地帯災害防除及び農地改良事業費につきまして、特にその中で災害に準ずるものだというように考えられますものにつきましては、元利償還額の五七%を基準財政需要額に算入する、上の欄と同じ取扱いをするように今年度からなったわけでございます。地方交付税法を改正していただきまして、今年からそういう取り扱いにするということになったものでございます。 その次が歳入欠陥債及び災害対策債、これは、本来は歳入欠陥のために地方債を起こすことができません。地方財政法上できません。それを、災害の激しいときだけは、特例法を定めまして地方債の対象にいたしているわけでございます。すなわち対象は、「地方税、使用料、手数料その他の徴収金の減免額及び災害救助対策、伝染病予防対策、病虫害駆除対策、救農土木対策に要する経費」、これらに要する経費に充てるための地方横を起こすことができる。同時に、地方交付税上の取り扱いといたしましては、「毎年度の元利償還額の二八・五%を特別交付税の計策に算入」をいたしているわけでございます。備考のところに書きましたように、昭和二十九年災につきまして、こういう特例を定めております。三十年災についても特例を定めております。また昨年の災害につきましてもこの特例を定めているわけでございまして、それぞれ一定の地方債資金を用意いたしたわけでございます。今年度この部分が二十億円ということになっております。 その次が農地農業用施設小災害復旧事業の特例債の問題でございまして、農地、農林水産業施設の災害復旧事業費に充てるためでございますが、一カ所の工事費が十万円をこえるものでありませんと国庫補助の対象になりません。それを限度額を引き下げるかわりに、そういうものにつきましては、本来は、農地でありますと、個人が自分で災害復旧をやるわけでありますけれども、多くの小災害をまとめまして、市町村が災害復旧の仕事をする。そうしてそれに国庫補助を出さないかわりに、国庫補助相当部分の地方債の発行を認めていく。元利償還額は、全額国庫において保証していくというやり方でございます。昨年からこういうやり方を始めたわけでございます。二十八年災のときには、端的に限度額を法律改正をして引き下げたわけでありまして、それよりはこういう行き方の方が妥当ではなかろうかということで、全額元利補給をいたしますから、別に地方交付税上は取り扱いはあらためていたさないわけでございます。すなわち、元利補給のところに書きましたように、「昭和三十四年災については、被害の著しい地域を包括する市町村で政令で定めるものが施行する一個所の工事の費用が三万円以上十万円未満のものにつきその事業費の農地については五〇%、農林水産業施設については六五%」の地方債を認め、その全額の元利補給を組み合わしたわけでございます。従いまして、自余の部分は、個人なり団体なりが資金を用意をして市町村に拠出するということになるわけでございます。その資金につきましては、農林漁業金融公庫が心配をするという筋合いになってこようかと思います。備考欄で、昭和三十四年災についてこの特例法律案を作ったということを書いておるわけでございます。今回は、さらにその次のページで、特に被害の著しい団体は、九〇%の範囲で地方債を認め、その元利の全額を国庫で補給しようとしているのだということでございます。
○占部秀男君 ちょっと簡潔に一つお答えを願いたいと思いますが、ただいまいただきましたこちらの方のやつですね。この中で、単独災害復旧事業費については、二十八年災のときはどういう扱いでございましたか。
○政府委員(奧野誠亮君) 二十八年災害につきましては、この種の地方債については、別段特別な措置はいたしませんでした。ただ、同じように補助限度額を引き下げるという問題がございました。府県工事でありますと、十五万円を十万円に引き下げ、市町村の土木工事でありますと、十万円を五万円に引き下げるという問題がございました。それに対応するような部分、言いかえれば、補助金相当部分は地方債に含めて許可しよう。この部分については、そのかわり全額の元利補給を国でやろうというような措置をとったのでございます。その金額がたしか十六億円であったと思います。
○占部秀男君 それは、元利補給金であったわけですね。 それから第二ページの歳入欠陥債及び災害対策債、これについては、二十八年のときはどういう……。
○政府委員(奧野誠亮君) 形式的には、歳入欠陥補てんのための地方債ということにいたしているわけでございますけれども、実質的には、それは今で言いますと特別交付税の増額でございます。従いまして、その元利償還額の全額は国庫で補助しているわけでございます。要するに、二十八年のときの形式的なことを申し上げますと、先ほどお話しになりました単独の地方債とか、あるいは歳入欠陥補てんのためとかいうようなものに五十億円の地方債の増額をいたしまして、その元利補給金の全額を国庫で補給をいたしております。それに対応するものは、ことしは特別交付税をやはり形式も整えて増額をしているということになるんじゃなかろうか、こう思っておるわけでございます。ですから、二十八年災と今回の措置とを単純に形だけでは比較できない。かように思っているわけでございます。
○占部秀男君 そうすると、あれですか、二十八年災のときとことしのと比べると、特交の中に、基準財政の中に算入するというような形のものは、ほぼ補給金の形でそれは出ていたと、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。
○政府委員(奧野誠亮君) ちょっと違うのですが、簡単に御説明をもう一ぺんさしていただきますと、二十八年のときには、地方財政平衡交付金の制度でございました。従いまして、自動的に従来地方財政平衡交付金が増額になるということはございませんでした。しかし、災害が起こりましたので、やはり地方財政平衡交付金も、今のように普通交付金と特別交付金に分けておきまして、特別交付金のようなものを増額してもらいたいという地方団体の要望が強くございましたし、また、そういう必要もあったわけでございますが、なかなかそういうふうには参りませんでした。しかし、いろいろいたしましたあげく、さしあたりそれでは地方団体の方で借金をしておいて、その借金のあと始末を国の方でしょうというようなことで、言いかえれば、国の政治的な解決ということになるかもしれません。そういうふうなことで増額されましたものが五十億円でございました。その五十億円の地方債に名目をつけますために、歳入欠陥補てん等のために充てる地方債だと、こういうふうにいたしたのでございます。その際に、公共土木施設災害復旧事業につきましては、限度額引き下げの問題もあわせて起こってきたわけでございます。十五万円を十万円に、十万円を五万円に引き下げるという問題も起こってきたわけでございます。それもその中で扱おうということになってきたわけでございます。その結果、五十億のうち、公共土木施設災害復旧事業についても限度引き下げに対応する部分が十六億円、特別交付金増額に対応する部分が三十四億円ということになったわけでございます。今回は、これらの措置につきましては、それぞれについて措置がとられたわけでございまして、要するに、三十四億円の部分に対応するものとしましては、今回地方交付税が八十五億円増額になっております。それを普通交付金と特別交付金というふうに分けますならば、特別交付金は四十一億円の増額になっております。でありますから、二十八年災よりはるかに手厚い措置になっていると、こう私たちは申し上げているわけでございます。なお、十六億円に対応する部分につきましては、限度の引き下げの部分について地方債を発行し、それに対応する元利補給を組み合わせて参る。一部交付税で見るものもございますが、基本的には元利補給でやろうということで、従いまして、この部分は交付税でめんどうを見るのでなしに、原則として、別途に国から元利補給の形で財源をもらうという形になっているわけでございます。
○占部秀男君 いや、僕の言うておるのは、少なく手当したとか多く手当したとかというのじゃなくて、これは、そうすると、あるものは二十八年にはどうなっておったのかと、これだけのことを聞いておるのですから、誤解のないように一つしていただきたい。 そこで、一枚紙のこれを見て、この中に、私よくわからないのでお聞きしますが、現年補助債五十五億、これと、それから伊勢湾高潮対策、砂防その他、これがいわゆる補助事業に見合うものですね。そうすると、現年単独のうちの元利補給付単独債三十六億、これは、こちらのうちのどういうところに見合うものですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 元利補給付単独債三十六億円のうちの土木小災害分十九億円というのがございます。右の備考の欄に書いてある分がございます。この分が、この数枚とじの二つ目、単独災害復旧事業債、この部分でありまして、二八・五%が基準財政需要額に算入される。同時に、別途に一部元利補給も受けられる、こういうように今回の特例法でいたそうとしておるわけでございます。
○占部秀男君 それから、一枚目の方の伊勢湾の高潮の対策ですね。これはどのくらいの額になりますか。他のものを含めて二十四億ということになっておりますけれども……。
○政府委員(奧野誠亮君) 二十四億を計算します場合に、従来のやり方として、地方負担額の九〇%をとっておるわけでございます。そういたしますと、一件限度で落ちましたり、あるいは受益者負担分で落ちましたりいたしまして、原則としては一〇〇%充当できる、こういうような形になっておるわけでございます。
○占部秀男君 いや、二十四億の総額の中に、伊勢湾の高潮対策等の起債の総額はどのくらいになるかということです。
○政府委員(奧野誠亮君) 伊勢湾対策だけですと、地方負担額が十億円ぐらいのもののようです。
○占部秀男君 十億円。概算でけっこうですから……。
○政府委員(奧野誠亮君) 十一億円ぐらいのものでしょうか。その九割ですから、まあやっぱり十億円ぐらい入っているということかもしれません。合算しておりますから……。
○松澤兼人君 そこのところだよ。伊勢湾対策というのと、それからほかの、伊勢湾でないところの激甚地の緊急治山、緊急砂防というものが含まれていると、こういう響き方になって……。
○政府委員(奧野誠亮君) その通りでございまして、伊勢湾の高潮対策の地方負担額が十億九千五百万、一般災害関連が五億七千万、それから緊急治山が五億一千五百万、緊急砂防が六億一千五百万ですか。これは、数字がかなり動いておるかもしれませんので、その点は御了承いただきたいと思います。
○松澤兼人君 そういうものを合わせたものが二十四億になったわけですね。だから、緊急治山、緊急砂防というものは、伊勢湾沿岸でなくとも、被害の激甚地の市町村だったらもらえるというわけですね。
○政府委員(奧野誠亮君) その通りでございましてたとえば、緊急砂防などは、山梨県に多いだろうと思っております。全体合わせましての問題でございます。
○松澤兼人君 もう一つ。それからさっき占部君がお聞きになった、二枚目の歳入欠陥債のところですが、これは、さっき局長の御説明ですと、災害の激しいときとおっしゃったように思うのですけれども、結局これは、法律あるいは政令による被害激甚市町村というふうに解釈するのですか。
○政府委員(奧野誠亮君) お話のように、現行法では、赤字が出たから、赤字の穴埋めに借金をするということはできないことになっております。そこで、そういう必要の特に増大いたしましたときだけ特別の立法をいたしましてそういう地方債を発行できる、こういうようにいたしておるわけでございます。従いまして、そういう地方債を発行できる団体をしぼっております。大体いろいろな災害復旧事業、学校でありますとか、農地農林業施設でありますとか、あるいは公共土木施設でありますとか、そういうものを合わせまして、その団体の標準税収入をこえておるような場合には発行を認めようということにいたしておるわけでございます。
○松澤兼人君 そうすると、いわゆるこのごろの言葉でいう被害激甚市町村ということでは必ずしもないわけですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 被害激甚地の市町村でございます。
○国務大臣(石原幹市郎君) 私ちょっと退席しますので……。きょう午後から警察大学、消防大学を皆さんが御見学をいただいて、ありがとうございます。どうぞよろしく。
○鈴木壽君 今の松澤さんの御質問にも関連しますが、今回の起債の特例で、政令でこれは団体を指定することになるわけでしょうね。当然そういうことになると思うのですが、政令で指定すると、この指定の基準といいますかね。これがいろいろ問題になると思うのです。どこでもこういう災害があってこういう経費がかかるから起債を許されるということでなしに、ある基準によって、その団体がその基準に合致するかどうかという、そういう問題が当然起ってくるだろうと思うのですが、その基準は一体どういうふうになっているのか。これは、今後政令で定めることになるでしょうが、現在考えられておりますその基準ですね。これを一つお聞きしたいのですが。
○政府委員(奧野誠亮君) 第一条に書いております歳入欠陥補てん等のための地方債につきましては、一つは、今申し上げましたいろいろな災害復旧事業費を集めると、その団体の標準税収入をこえる団体でございます。その二は、災害救助費の国庫補助基本額が標準税収入の百分の一をこえる市町村でございます。昨年この特例法を出しましたときに定めました団体と同じようにいたしたいと考えております。 その次は、第二条に書いております土木小災害と学校小災害の地方債を起こせる団体でございます。これは、その一つは、今申し上げましたいろいろな災害復旧事業費を集めると、その団体の標準税収入をこえているような団体が一つでございます。その二は、公立学校の災害復旧事業費なりあるいは公共土木施設災害復旧事業費なりにつきまして、国庫負担の特例を定めようとしております。その特例で激甚地だと指定されました場合には、その地域における小災害については、やはりこの特例債の発行を認めたいという考え方でおるわけでございます。それぞれの法律において激甚地とされますような地域にかかわりますものにつきましては三分の二の元利補給、その他の地域にかかるものにつきましては三八・二%の元利補給と、こういう考え方でおります。 第三条は、農地農林業施設の小災害でございます。これは、農地農林業施設にかかります災害復旧事業費の市町村ごとに八百万円をこえている市町村を指定したいと考えております。昨年この特例法を設けました場合には、一千万円以上の市町村にいたしたわけでございますけれども、それを少し広げる意味において、八百万円まで下げたいと思っております。で、さらにそれぞれの特例法によりまして激甚地とされ、九割の国庫負担をする地域がこの中に包含されません場合には、それはそこにさらに加えたいと考えております。そうして要するに、国庫負担が特例で九割までするというような地域にかかりますものにつきましては、地方債も九割まで充当率を高めていこう、こういう考え方でおるわけでございます。
○鈴木壽君 一番初めのお話の、歳入欠陥等のためにできる起債の団体指定の問題ですが、災害救助費の国庫補助の基本額が標準税収入の百分の一をこす市町村と、こういうお話でしたが、これは市町村が、どういうことなんですか、県の方の関係じゃないのですか、災害救助費の支出の関係は。この点どうですか。
○政府委員(奧野誠亮君) お話のように、災害救助費の負担は国と県でございます。しかし、その救助費は、市町村単位でわかるわけでございます。繰りかえ負担等も行なわれておりますので、市町村の費用を算出することは可能でございます。
○鈴木壽君 そうすると、たとえば、どこかの町村に、もちろん、お話のように、国と県で負担する災害救助費のうちどこかに、その地域にこれだけ必要としたのだ、それに対応する補助の基本額はこうだと、こういうことでやると、こういうお話でございますね。
○政府委員(奧野誠亮君) その通りでございます。
○鈴木壽君 そこで私、さっきもちょっと申し上げたのですが、政令で指定する場合のワクの問題なんですが、たとえば第三条関係の「農地等の小災害に係る地方債の元利補給」のところなんですが、災害の額が八百万円をこえる市町村に対して許可するんだ、こういうお話でございましたが、たとえば、七百万とか七百五十万とかというような問題も出てくると思うのですが、これはまあ、無制限に許可するわけにもいかぬでしょうし、どこかで線を引かなきゃいけないということも、当然私は考えられると思うのですが、これは、実際の場合には、もっと幅を持った考え方でもってやるお気持はございませんか。
○政府委員(奧野誠亮君) 農地小災害を、どれでもこれでもみな国が援助をするというところまでは踏み切っていないわけでございます。もしそこまで行きますと、法律を改正して一カ所の工事費十万円以上とありますのを三万円に引き下げなければならない、こういう議論になると思います。そうじゃなくて、小災害といえども相当な分量になってくると、そうなってきますと、ある程度政治団体がめんどうをみざるを得ないというようなことになるものだから、そういう範囲をまずきめよう、こういうふうなところから、一市町村当たりのそういうものが八百万円をこえる団体をまず指定しようと、こういう考え方に立っているわけでございます。
○鈴木壽君 だから、さっきも私申し上げましたように、どこかに線を引かなければならないということはあると思うのです。昨年は一千万円ですけれども、ことしは八百万円まで下げたというところにも、あなた方のそういう事情に合うようなやり方をしようという一つの現われだと思うのですが、ただ、その八百万円という線を引いた場合に、それに近い額でも、八百万円に達しないという所もあるのじゃないだろうかと、もちろん私は、農地等の災害を全部国でやらなければいけないという、そういうことに立っての論でなしに、せっかく、ただあなた方がこういうふうな、当然その個人なり団体あるいは市町村なりで当然もともとやられるべきだというふうに今の段階では考えられているこの小災害に対して、しかしこのままに放置できないということで起債を認めるのですから、そこら辺に、そのきちっと八百万円なり千万円なりということで線を引いてしまうことについての実際上の問題として、私、いろいろ町村にとっては困ったことが出てくるのじゃないかという、こういう心配からなんですが、その点、あくまでもこれは八百万円ということにきちっと切ってしまうのですか。
○政府委員(奧野誠亮君) どこかでやはり線は引かなければならないのじゃないかと、こう思っております。そうしませんと、あまり裁量で扱いを区々にするということになりまして、かえって不平が起こってくるのじゃないか、こう思っております。そういう線の引き方としましては、一応昨年は一千万円ということで行なったわけでありますけれども、せっかくの恩恵を、もっと広げてもらいたいというような意見があったりしまして、二割引き下げるというような考え方から、八百万円ということにいたしたわけでございます。もとより八百万円がいいか、一千万円がいいか、いろいろ議論のある問題でありますけれども、私たちとしては、どこかでやはり客観的な線は引いておきませんと、扱いでそれを変えるということは、かえって不平不満のもとになるのじゃないかという心配をいたしているわけであります。基本的には農林省が一番よく理解していると思うのでございますけれども、両者で相談し合った結果、一応昨年よりも二割見当引き下げたところで線を引こうということに現在話し合いをいたしているわけでございます。
○鈴木壽君 私も前提は、どこかに線を引くということをくずせということではなしに、これはやはりなければならぬと思います。ただ、その町村の大小なり、あるいは災害の部分的に起こるか、あるいは町村の全般、全地域にわたってのそういうものであるかによって、これはやはり額というものは相当変わってくると思うのですよ、総額は。しかし、部分的にやって、総額は必ずしも八百万円でなくても、やはりほうっておけないところも私は出てくるのじゃないかと思います。従って、何べんも申しますように、ある線というものは、これは考えておかなければならぬけれども、事情によって多少の取り扱い上のゆとりというものを考えていった方が、ほんとうにあなた方がこういうものを見てやらなければいけないという趣旨に合致するのじゃないかと、こういうことなんです。極端なことを言えば、七百九十万円まではだめなんだと、こういうことになるのじゃないかと思います。そうしますと、今言ったように、全地域にわたって、総被害が八百万円をこすという所、しかし、あまり全市町村じゃなくて、部分的にいったが、しかし、その部分的なところが大きく、個人にとっても、あるいは町村の団体にとっても、あるいは町村にとっても、やはりほうっておけない所なのだと、やはりどうしてもこの際は復旧のためにやらなければならないというような問題が、これは私出てくるのじゃないかと思うわけなんです。そういうところの取り扱いについては、さっきも言ったように、もっと幅のある考えをもってやってもいいのじゃないかと、こういうつもりなんでしょうか。
○政府委員(奧野誠亮君) どういう市町村で線を引くかという線の引き方は、なお今後検討しなければならない問題が私たちもあろうかと思っております。御指摘のように、大きい市町村もあれば、小さい市町村もあるじゃないかというような例は、最も端的に言ってその必要を示していると思います。私たちもいろいろ議論をしたのですが、やはり災害は、ある地域に原則的には考えているのじゃないか、大きい市町村と小さい市町村というよりも、そういうことを考えると、一律に金額でしぼってもそう大きな問題は生じないじゃないかというようなことから、昨年の方式を踏襲したわけでございます。しかし、これにつきましては、むろんいろいろ御意見を伺いながら、もっといい方法が発見できますならば、その方法によってよろしいものだと、こう考えているわけでございます。なお、八百万円ときめておいても、七百九十九万円になった所をどうするのかと、こうおっしゃられても、ちょっと私たちとしては、それはもうやむを得ないのじゃないか、どこかで線を引く以上は、そういう問題は常に起こるのじゃないかと、こうお答えしますよりないと考えております。
○鈴木壽君 この点に一つ、事情はですよ。私、線を引く引かないという、線を引くからには、どうも残念だという所が出て、残念賞も出てくると思うものですから、これはやむを得ないと思うのですが、やはり事情からしますと、必ずしも線が最大唯一のものじゃないということもあると思うのですから、この点は、一つ考えていただきたいと思います。また、考えるというような含みのあるところもありましたが、まあいずれさらにその点について、今後も一つ御検討いただくようにしていただきたいと思います。 それから、歳入欠陥によって生ずるものについての起債の問題、これについても、特別交付税で二八・五%の計算をしているわけなんで、これは、もっと何か見てやる方法はないものですか。これはもうまるまるいわゆる歳入欠陥になり、あるいは場合によっては全然いわば消費的なことに使われてしまう金なんで、ほかの方は多少施設が残るとか何か、後年度にわたってずっと利益を得るというようなことがあるのですが、この分に限っては、その市町村にとっては全然完全な持ち出しということになってしまう。そこで、今言ったように、二八・五%を見ておられますが、もう少しこれは、何かの方法でこの特交での率を引き上げるかなんか、見てやる方がいいんじゃないかと思うのですが、少し町村にとっては気の毒だと思うのですが、どうですか。
○政府委員(奧野誠亮君) この前も議論になった問題でありますが、私たちとしては、一応公共施設の被害額の二%を原則として災害の対策の費用として配分する、この中に含まれておると考えるわけでございます。しかしながら、団体によりましては、それではまかないきれない所が相当あるわけでございます。その間の調整にこの地方債を使っていきたい、こういう考えでおるわけでございます。あくまでも借金でございまして、この元利償還領の基準財政需要額への算入の仕方を引き上げていきますことは、それだけ補助金的性格を強めていくということにもなっていくわけでございまして、やはりあくまでも財政を一年度だけでながめないで、長期の期間に調整をしていくんだ、そういう意味の地方債だというような建前はくずさないようにしたい。しかし、その団体のこういった式の財政負担が非常に大きい、また国が御指摘のように当然めんどうを見るべきだというような色彩の強いものにつきましては、特別交付税の配分方法は、これは原則的のことを申し上げるわけでございまして、そういう団体がそういう計数が謙虚に示せるものについては、さらに特別交付税を増額したらよろしいのではなかろうか、こういうふうな気持でおるわけでございます。
○鈴木壽君 特交で今度配分される、三十四年度分の特交で見られる、それ以外の、それで見足りないようなところで必要とする団体には起債を認めていく、こういう建前だと思うのですが、ですから、一部では特交で見られて、何と言いますか、あとで痛手が残らない格好で済ます。しかし、特交でも見足りなくて、やはり起債をやってもらわなければいけないというので起債を許してもらう。やはりそこに起債の額が幾らになるか、これは地方団体によって違うでしょうが、そこにやっぱり将来にとっての痛手が残りますね。それに対して、特交で例年きめられた通りの二八・五%で見ていっているのです。幾らか見なければいかぬという考え方で見ていっている。その見方をもっと私は引き上げなければならぬじゃないか。一部の団体では新たに交付される特交で、さっき言ったような、まるまるこういうものを埋められるところもあると思うのですね。起債を必要としないで、何とかやっていけるという団体もあると思うのです。そうでない団体が起債をつけられるのですから、その負担については、できるだけ見てやった力がいいんじゃないか、それがあたたかいやり方じゃないか、私はこういうつもりなんです。どうですか。
○政府委員(奧野誠亮君) この問題につきまして、一、二点、前提問題として御了解いただいておきたいと思います。といいますのは、毎年災害のつど、こういう歳入欠陥補てんのための地方債の発行を認めるわけではございません。災害が異常に大きい年だけ、特別交付税で始末するといっても、なかなか始末しきれない部分が残るのじゃなかろうか。また、団体によりましては、そういう金額が莫大になる、さしあたりは借金で処理をしても、ある程度減免の幅を考えるとか、災害救助法で手当をしたいとか、いろいろのことをしたいということが起こってくるわけでございます。そういう場合の措置だということをお考え願いたいと存じます。毎年々々発行を認めるものでありますならば、ある程度引き上げてもよろしいのじゃないかという議論も立ってくると思いますが、その辺に違った問題がありはせぬか、こう思います。 第二に、災害復旧等に要します地方債の元利償還額につきましては、基準財政需要額に算入するわけでございますけれども、補助事業債につきましては九五%算入する。災害復旧とは銘を打たないが、それに準ずるようなものというものについては、それの六割という意味で、五七%を基準財政需要額に算入する。単独で行ないます災害復旧事業債につきましては、元利償還額を、その三割という意味で、二八・五%を基準財政需要額に算入するというまず一つの基準を定めまして、どちらかといいますと、この歳入欠陥補てんのための地方債は、単独災害債に準ずるものじゃないだろうか、こういうような考え方から、先ほど来お話しになっております率をきめておるのでございます。そういうようなことでございますので、これだけを特に上げるということにつきましては、なかなか踏み切りがたい感じを私たちは実は持つわけでございます。同時に、それでは全体の算入率を上げていけばよろしいかということになりますと、地方債の査定につきましての態度を変えなければならないということになって参りましょうし、また、地方財源をそれだけ確保していかなければ、個々の団体には補償したけれども、どこかにしわが寄っていくという問題にもなりかねないのでございますので、そういうような問題をあわせて考えていきたい、こう思います。 なお、率直に申し上げますと、団体によりましては、国の方から特別交付税をもらったそのワクの中で、いろいろな諸対策を考えていくという式の団体が一つございます。もう一つは、特別交付税は少なくてもいいから借金はよけいさしてくれ。あとは何とか自力でやっていけるのだというような団体もございます。どちらかといいますと、そういうような、とにかく特別交付税以上に今手当できる財源全体の分量の増加を望むのだというような団体につきましては、こういうような地方債でさしあたりの措置を手厚くやるというような格好に持っていった方が、個別の団体をながめてみました場合には穏当に考えられるわけでございます。そういうような扱いも若干考えながらやっていきたい、こう思っておるわけでございます。
○鈴木壽君 今の最後のお話のような扱いをするというのであれば、これはまだいいと思うのです。ただ、さっきちょっと私申しましたように、特交で今度交付される。特交で処理できる団体もあるだろうと思いますし、どうしても単なる財源をふやしたい、金のワクを大きくしたいということでなしに、どうにもやはりそれがない以上やりくりがつかぬという所があるのじゃないだろうか。そういう場合には、もっとやっぱり率というものを考える必要があるのじゃないか。私は実はこういう気持なんです。ですから取り扱いが、あなたの最後におっしゃったように団体の、何といいますか、財政運用なりの考え方からして、とにかくワクをふやす。将来は何とか起債でやってもやっていけるのだ。そういう全体の一つの大きな構想からつけてもらうのだったら、それに対しては特別の、それ以上の、現在きまったこれ以上のものは考えなくてもいいと思うのですが、実は必ずしもそういうものばかりじゃないと思いますので、実はそういうふうに思っておったわけなんです。この点一つ、やっぱり実際の各町村の実態についてよくお調べの上に、これはやっぱり将来私は問題になることじゃないだろうかと思いますので、お考えおき願いたいと思うのです。 それから、まあこれは全体の問題になりますが、いろいろ起債の問題あるいは特交の問題を、この前からあるいはきょうお聞きしておるのですが、今回の災害、三十四年度のこの災害にあたって、地方団体の財政の上からいって、果して特交なりあるいは起債というもので、いわゆる地方負担分というものを全部まかなえるかどうかということは、私は一番大きな問題だと思うわけなんです。これは、個々の団体について一々そういうことを言うわけじゃない。とにかくまあ大まかにでも、全体として、特交なりあるいは起債なり、その他の手当で一体今回の災害の跡始末が、少なくとも三十四年度分においてできるかどうかという問題、これは根本的な問題だと思うわけです。そういう意味で一つ明らかにしていただきたいのは、今回の三十四年度の災害の被害と、それから三十四年度で災害の復旧をするその事業、それに対応する国、地方の負担、特に地方負担分がはっきりしないことには、私は、今言ったような起債がどうの、特交がどうの、間に合うとか間に合わぬとかいうような議論は出てこないと思う。少なくとも、現在の時点においてあなた方が計算をし、あるいは補正予算に組んだそれに関連する地方負担分、こういうものをはっきり数字でお示し願えませんか。
○政府委員(奧野誠亮君) 今回補正予算に組まれているものから見ますと、地方負担額は百億ないし百十億と、こう考えております。それから単独事業は、今年度に行なわれるものは、まず九十億から百億くらいと、こう考えております。この前そういうことで申し上げたと思うのでありますが、両者合わせてまず二百億前後と、こう考えて間違いないのじゃないだろうかと、こう思っております。そのほかに、災害救助のために地方団体が単独でやりますものとか、あるいは減免による減収額とかというようなものがあるわけでございます。そういうことでございますので、今回とっております措置で、ことしに関しまする限りは一応措置がとれるのじゃないだろうかと、こう思っております。なお、念のために歳入の問題で申し上げますと、地方債が百七十五億円、それからいろいろの公共事業費の節減の結果二十億内外の地方負担が浮いてくるわけでございます。両方合わせますと、まあ二百億前後になるわけでございます。そのほかに、特別交付税が六十億ないし七十億円被災団体に配分される。なおまた、調整解除と申しますか、普通交付税が四十四億円ほど全地方団体に追加配分されるわけでございますけれども、被災地方団体にそのうちの二十億円くらいが回るだろうと、こう思われるわけでございます。そういうことがございますので、減免による減収補てんでありますとか、地方団体が独自で行ないます災害救助のための諸対策の費用でありますとかいうようなものは、全体としては大体まかなえるのじゃないだろうかと、こう思っておるわけでございます。将来の問題になって参りますと、まだ査定が済んでおりませんのと、高率負担が現実にどれくらいの国の負担の増加がありますとか、いろいろな問題がございますので、的確なことは今申し上げられないわけでございますけれども、いずれにしましても、将来国の予算の編成とあわせまして、それに応じた措置は、当然地方財政計画の策定を通じてとっていくことになると、かように考えておるわけでございます。
○鈴木壽君 ですから、それを私、もっと数字で、きょうもらったような起債の計画みたいな数字で、収支の工合をわかるように――収支というのじゃなくて、これで間に合うのだというふうな、事業費それから、地方負担分というような関係を一つ、あとでけっこうですから、いただけませんか。
○政府委員(奧野誠亮君) 今年度のものについて、先ほど御説明いたしましたようなことを資料にして提出いたします。
○加瀬完君 今の御説明で、地方交付税上の取り扱いとか、あるいは元利補給の基金といったようなものは明確になりましたし、それからさらに、御説明の内容から、三十四年度の災害における財政計画上の措置というものは一応見通しがついたと、あるいはつくであろうということはわかりました。ただし、地方交付税上の取り扱いで、このきょう御説明の基準で措置をしていくと、来年度以降も、地方財政の上にはいろいろの影響を及ぼしてくると思うのです。そうしますと、地方交付税の総額そのものが変わらないとすると、これは大災害でございますから、災害地に対するといいますか、災害事業に対する交付税上の取り扱いのいろいろの特典から、どうしても交付税の配分がそちらに若干傾斜を持つようになるんじゃないか。それは、逆に考えますと、たとえば、今まで当然特別交付税の配分を受けておった団体が特別交付税の配分を受けられなくなったり、あるいは普通交付税の基準が査定の上できびしくなったりということで、一般の団体に影響を及ぼしてくるという欠陥が来年度以降生じてくるおそれはないだろうかどうか、この点はどうなんでしょう。
○政府委員(奧野誠亮君) 基本的な問題としては、お説の通りであります。ただ、特別交付税を被災団体に配分いたして参りますのは、災害の起こりました初年度だけでございますから、特別交付税が被災地以外の団体にしわが寄っていくという問題はないと思います。ただ、災害復旧事業に要します財源につきましては、さしあたり地方債を許可する。その元利償還額は基準財政需要額に算入していくということになっておりますので、基準財政需要額に算入される財源を全体として生み出してこなければならないことになるわけであります。これは、毎年度地方財政計画を作りますときに、既往の地方債の元利償還額が全体としてどのくらいになる、それに対する歳入としてはどういうふうに増額をはかるかというようなことで、税制の改正その他の問題を毎年検討しておるわけでございますので、その際に新たなる任務が加重された、こういうことになっておるのではないかと思っております。
○加瀬完君 こういう方法をとるのも一つの方法かもしれませんが、交付税の配分なり、それから特別交付税の取り扱いなりというもので災害にかかる支出増というものを補てんしていくというやり方では、どうしても私は欠陥を生じてこないわけにはいかないと思うのですよ。特別立法をするならば、もう少し地方財政の見地からも何かよい方法はないものなのかどうか。特別交付税でまかなう分が当然あってもよいですけれども、全部特別交付税という操作だけでやろうというところに無理があるのではないか。これは、三十四年度で切るというわけには私はいかないだろうと思う。やはりいろいろな関係で、特別交付税に来年以降も影響を持ってくるのではないかと思うのですけれども、その点はどうなんでしょう。
○政府委員(奧野誠亮君) 特別交付税は、あくまでも雑費的なものに充てる財源として配分していきたい。事業費的なものは、必要なものについて地方債を認めるようにしたい。こういう基本的な考え方を持って従来も運営いたしておるわけでございます。やはり来年度以降につきましても、基本的にはこういう考え方をとれるのではないかと思っております。もとより例外の事情もあるかもしれませんが、それにはそれに即した措置をとらなければならないと思います。なお、災害復旧事業費についての負担制度をどうするかという基本の問題と今のお話は、関連を持っておる問題だと思います。あるときには、災害復旧事業費全額国庫負担制度をとったことがございます。特例法を非常に強く考えて参りますと、そういうところまで到達するのだろうと思います。全額国庫負担制度をとった結果を顧みると、いかにも地方団体側の依存心が増大されて必ずしも適正な復旧事業費の負担とはならなかったという問題があったりしまして、今のような制度になったわけであります。それにしましても、今度のような大災害になりますと、地方負担が莫大なものに上りますから、やはり現在においてある程度国庫の負担の割合を高めまして、将来における地方財政の荷を軽くして参らなければならないと考えるわけであります。その意味で今回の特例法が定められて参っておるわけでございます。それにいたしましても、なお地方負担は平常年度よりかなりきつい負担になって参りますので、御指摘になりましたように、将来地方財源上の措置をしていく場合に、一つの問題がつけ加えられたことは事実でございます。しかし、そういう問題は常にあるわけでございますので、毎年度の地方財政計画を考えて参ります場合に、それらについての措置を十分していかなければならないと、こういうことになろうかと思います。いずれにしましても、地方財政といい、国の財政といい、どちらも国民の負担から考えた場合同じ財政でありますから、国の財政と地方の財政と一体的に把握して、それぞれ適正な措置をとっていくような態度を今後さらに確立していくということが基本的な問題ではなかろうか。また、それが確立されるならば、事業が適正に行われるような負担制度を理論的に考えていっても何も差しつかえないのではないか、また、それの方がいいのではないかと、こういうふうに思われるわけであります。要するに、国の財政と地方財政とをもっと一体的に把握して、そうして適正な運営が行なわれるように、私たちとしては、多くの方々に御理解をいただき、そういうような方向にもっと円滑にいくように、もっと努力したいと、かように考えておるわけであります。
○鍋島直紹君 今の加瀬委員のお話に関連しますが、同じ質問になるかもしれませんが、来年度の問題で、大きな方針として、特例法によって基準財政需要額に算入されてくる財政負担が非常にふえてきますね。従ってそれが、一定の交付税のワクは毎年度大体きまるわけだし、そうすると必然的には、先ほど局長が言われましたように、一般の地方団体にワクがきまっている以上は、どうしても影響があると思わなければならないし、今度のような大災害であれば、結局さらに相当一般の地方交付税の方に影響がかかってくる。従って、来年度の地方財政計画をきめていく場合において、特例法でやる大災害なんですから、それだけの地方負担の増、すなわち交付税に対する増というものがある程度わかるのじゃないか。それは別に一応の計算をされて、そうして別途の措置をしながら、普通の交付税というものをきめていく方法で地方財政計画をお考えになっていく、あるいは交渉なさるというようなことをお考えになっておるかどうかということをお伺いしたい。
○政府委員(奧野誠亮君) お話の通りでありまして、具体的の例をあげて申し上げますと、本年は、現年災害に対する地方債は三十五億しか予定されていなかった。それが一般会計から百七十五億出さなければならないようになった。そうすると、差額の百四十億円というものは、これは財源措置を将来に残すわけであります。大体災害債でありますと、十五年間ぐらいで返します。十五年で割りますと、毎年々々はそれほど大きな額にはならないかもしれませんけれども、とにかく真実の財源措置は将来にまかしたわけであります。これはやはり、毎年地方財政計画を作ります場合に、地方債の元利償還額が幾らになるかということを計算をいたしておるわけでございますが、大災害がなかった場合の元利償還額よりも今度地方債の発行額を増加したわけでありますので、来年度以降の地方債の元利償還額がそれだけ多くなるわけであります。それを払えるような財政計画に当然していくわけでございまして、その結果、税制改正その他について問題が残るというようなことにはなろうかと思います。
○鈴木壽君 今の説明で、後年度に残る問題なんですが、特別の起債についての償還を普通交付税で見ていきますね。特別債あるいは特別措置債と、二つに分けて見ていきます場合に、これは今後、今回の災害によって、今のお話のように、相当将来に残されていく問題もあると思います。しかしまた、三十三年度、三十四年度の地方交付税におきます今の特別起債についての元利償還を見ているその額を調べてみましたが、これはまあ、三十三年度、三十四年度は、これは今のところはあまり違っておりません、基準財政需要額に算定される額は。将来は、これは非常にやはりふくらんでいくのじゃないだろうかと思うのです。同時に、この際考えなければならないことは、鍋島委員もおっしゃったように、一つのワクの中で考えていくというようなことになりますと、いわゆるよくいわれます単位費用の問題なんかとも関連してくると思いますので、何かやむを得ない措置であり、こういう年々地方団体の償還の一部を見てやる、交付税の算定の中に見てやる、やむを得ない措置ではあるけれども、一方今言ったような問題が残るというようなことで、ちょっと私も、今いかなる方法をとるべきか、これは的確な考え方に到達しておりませんが、考えさせられる問題だと思う。従来交付税がうんとふえたり、そして単位費用の問題なんかが、基準財政需要額の算定というものが実情に合うというのであればいいんですが、現在合わないとか、低過ぎるとかいって、いろいろ問題のある際でありますから、私、交付税のあり方としての根本的な問題がここに残されているような感じがしますので、これは一つ将来の問題として、そういう問題についてどういうふうにお考えになるのか、一言だけお聞きしておきたい。
○政府委員(奧野誠亮君) 地方財政計画を国の予算と並行して策定して参りますが、その際に、地方団体の財政状況を的確に反映させるようなものさえ作っておりますならば、それに応じて地方交付税制度を運用していくわけでございますので、元利償還額がふえてくれば、ふえた額の財源の方が手当されてくる。その手当された額は、個々の団体の基準財政需要額の増加に対しての交付税の増加という形で配分されていくという形になると考えております。やはり災害事業費に対する負担制度について、地方団体もその一翼をになう、これは、私はやはりそれでよろしいと思うのであります。そうしますと、その部分はさしあたりは地方債でまかなっており、そしてその元利償還額の相当部分は基準財政需要額に算入していきますと、地方団体が災害復旧事業について責任をとっていく態勢は将来とも続けられる。同時にまた、団体の財政力に応じて必要な財源が国全体で補てんをされていくという姿になりますので、まず負担制度その他の財政制度としては今の姿がいいんじゃないかと、こう思っております。問題は、地方財政計画を国の財政と一体的に把握してすなおに打ち立てられていくかどうかという問題でございます。幸いにして漸次そういう方向に確立を見つつあるわけでございますけれども、なお、地方財政の立場からいいますと、いろいろな意見もあるわけでございましてそういう方向には努力をしていかなければならないし、問題はそこに集中されるのではないだろうか、かように考えておるわけでございます。
○鈴木壽君 きょうは時間もありませんから、あとの機会にまた、こういうような問題について考え方を聞きたいと思いますから、きょうは、これで一応やめておきます。
○委員長(新谷寅三郎君) 本日は、これにて散会いたします。 午後零時七分散会