大蔵委員会 第5号
- 発言数
- 74 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/12/01
会議録
○委員長(加藤正人君) ただいまから委員会を開きます。 法人税法の一部を改正する法律案を議題といたします。 御質疑のある方は、順次、御発言を願います。
○成瀬幡治君 今まで青色に対して白紙は、個人関係でいうと非常に、何といいますか、帳簿が完備しておらぬ、そういうことがあって、この四月改正をされるときにあと回しになったというか、抜いたというか、こういうことがやられておらなかったのが、今回の改正でやられるということに承っておりますが、先ほどちょっとプライベートにお話をしたときに、帳簿の整備がなかなか困難じゃなかろうかというような理由も、三年、五年にからんであったわけですが、今後こういうふうになっていけば、あなた方の方で帳簿記載の面について行政指導か何かおやりになるお考えがあるのですか。
○政府委員(原純夫君) ただいま損失の繰り越しを認める期間が、個人は三年であり、法人は五年であるということが、両者の記帳の度合いを考えてのことのように思うが、そういう点について今後指導を加えて改善する気持があるかないかというようなお話のように承りましたが、現行法で青色申告について認めております損失繰り越し控除の期間を、個人は三年、法人は五年というふうにいたしておりますのは、お話の通り、記帳の度合いが一般に法人の方が正確であるということもございます。しかし、半面で繰り越される損失というものが、個人の場合よりも法人の場合の方が、毎年の所得に比べてより大きいということが多いということも考えております。それは、法人の所得は、御案内の通り、事業主はもちろん家族給与まで含めましたところを損金に落として、その残りのいわゆる純粋の利潤の部分が所得になるわけでありまして、個人のは、青色でありましても、業主の働きによる所得部分というのは損金になりませんので、それの含まったものが所得になる。今回お願いいたしております場合の白色——今回は法人でありますが、個人で白色の場合には、家族の給与も控除できないというようなことになっております。そうなりますと、個人のそういう事業の損は、業主を含め、また家族の分を含めた給与を含んでおる所得がどれだけの損を受けるかということでありますが、法人の場合ほどフラクチュェーションが多くないというのが通常でございます。つまり、何と申しますか、そういうコンスタントな給与的なものを払った残りの、純粋な景況の影響の出るのが法人の場合であり、個人はそれにプラス、コンスタントの給与が相当入っておるということが、フラクチュェーションの度合いがはるかに違うというふうに考えられます。まあこの辺が個人と法人との間に三年と五年との区分をつけたゆえんだと考えております。 なお、つけ加えますれば、個人の所得は、事業所得のほかに配当所得、不動産所得、山林所得というようないろいろな所得がございます。繰り越した場合に、それでもって埋めますプラスの方の所得には、事業所得以外の所得がいろいろある。従って、埋める期間も短くて済むというようなこともあると考えております。 末段にお尋ねの記帳指導ということは、私どもも常々そういうことが大半であるということを心がけてやっておる次第でございますが、三年、五年というのは、そういう意味で本法の基本原則から分けておりますので、もちろんそこは検討事項の一つではありますが、そういう基礎からできておるということを御了承いただきたいと思います。
○成瀬幡治君 ことしの四月に、こういうたなおろし決算の繰り越しが個人の場合認められておる。そしてこれは、何か、私がちょっとよそで聞いたわけですが、個人の青色は大体三三%であるのに対して、白色の方が六七%というように、法人と比較しますと青と白が逆になっておって、結局非常に個人の白色が多いわけなんです。ですから、やはり青紙になれるような、記帳が正確になるということは、一つは経営が合理化されてきたとかそういうようなことで、非常に好ましい姿だと思うのです。ですから、全部という強制的なことはできないと思いますけれども、ある何年かのうちには、やはり法人と相似形のような姿が好ましいと思うわけです。ですから、それに対する末端指導というものを、何か、基本方針だとか基本原則だとか何とかということではなく、国税庁等を通して行政指導をおやりになっておると思っておるわけですけれども、実際問題として、そういうことが活発に行なわれておるのか。ただ、税の捕捉に行かれたときに、どうだこうだと言って、これじゃいかぬじゃないかというような度食いで終わっておるものか、プログラム的なものを立ててやっておられるか、その辺、御説明願いたい。
○政府委員(原純夫君) 税務行政におきまして非常に大事な点でありまして、私どもとしましては、法人はもちろん、個人でも、なるべく青色が多くなるようにということで従来やっておりますし、今後もそういうつもりでやって参りたいと思っております。ただいま、法人は七割強が青色になっており、事業所得者、個人全体では約五割、農業は四%程度になっております。これは、シャウプ勧告で青色申告制度というのができましてから、だんだんふえてきておることは周知の通りでありますが、ますますふやしたい。 ただ、そこで特に申し上げておきたいのは、これはほんとうに記帳がよくなって青色がふえるということでありたいのでありますが、実際には、青色にいろいろ特典があるために、青色の実を備えるよりも、その特典がほしいというような形で、政治的に広げろという御要求がたくさん出ます。それは、私どもはいかがなものかと思っております。やはり税が確実に公正に課税される基礎ができるという意味で、青色制度の中心になっておりまする記帳——帳簿の正確さということは、何としても大事な要件だと思っておりまするので、近ごろはそういう点にも力を入れまして、この青色の制度が伸びるようにという気持でやっておるわけであります。率直な話が、この制度が始まりましてから相当の間は、かなり、今申しましたなるべく青色と見てくれという形の話が多くて、まあ普及のためにかなり帳簿の要件あたりも簡易にするというような努力をしてやっておりまするが、決して税負担を軽減するための制度ではない。やはり税が、明るいガラス箱の中で、課税標準というものが世の中に明らかになるということでありまするから、課税標準が適正、公正に申告されるということが大事だということを心がけた制度であるということを申し上げたいと存じます。
○成瀬幡治君 一つ組織的に計画的に御指導を願って、そして、いつかは、法人が青、白のような、個人の方に対してもそういう比率になるような御指導をお願いしておいて、次に……。
○木村禧八郎君 ちょっと、御質問が続くようですから、障害にならぬ程度で関連して。 ただいま、青色申告をだんだんやはりふえるように指導するのだと、こういうお話でしたが、御承知のように、これはいろいろ問題があるわけです。青色申告会というものができまして、今の税が、根本的に全体に税金が商いというところに問題があるのでしょうが、その特典をみんななるべく利用して、それで軽減を受けたい。今、主税局長さんは、軽減のためにこういう制度を作ったのじゃない。——それはよくわかるのです、私は。しかし、税金が何といってもまだ、局長さんも御存じのように、高いわけです。それで、全体として生活費に食い込んでおるような実態だと思うのですよ、税金がね。高いから、それをやはり利用してやる。ところが、実際の税務行政を見ますると、いつごろからか知りませんが、なるべく青色を逆に少なくするように、あまり積極的に青色申告を指導しないように、消極的になったというのですか、そういうふうに転換したように税務行政の面で見えるわけなんですよ。ただいまの局長さんのお話とちょっと実際の税務行政と違っておるのです、現実においては。それで、全体としてあれでしょう、ことに所得税は戦後において非常に人数が多くなりましたから、徴税の費用も多くなるし、それも繁雑になりますから、だんだん所得税の方は減らして、それで間接税の方に移行しようという大きなかまえを持っておるように見受けられるのですけれども、どうもそういう点から、先ほど主税局長さんがお話しになったことと実際逆になっておるのですよ。なるべく青色を指導しないように税務行政の方ではなっておると思うのですが、その点、ちょっと実際と食い違っておるように思いますので、もしそういうふうに指導されるならば、もっと親切に、そういう特典があるならば、もっともっと積極的に指導をしなければならぬと思うのです。今のお話のように、ほんとうなら、実際なら一〇〇%に近い程度にまで指導していかなければならないわけですけれども、それをやっていないのです。それ、お話と違うのです。実際はその点はどういうことになっておるのですか。
○政府委員(原純夫君) 私、先ほど申し上げました際に、伸ばしたい気持は持って努力をいたしておりますと。しかしながら、この制度は特典があるから、その特典を受けたいということで、政治的に青色を認めろ認めろという角度が今まで相当強かった。しかし、それはこの制度の本来の形ではない、やはり課税の対象になります所得というものが正確に計算され、申告されるということを目的としたものであるから、そこを見失ってはならないと思います。ということを申し上げたわけです。それはつまり、言うてみますれば、今までの青色の実際の人たちの実態というものが、そういう意味で、青色申告の本旨に十分沿いがたいというような感覚がなきにしもあらずだということを含んで申し上げたわけです。ですから、そういう点は、私どもはやはり遺憾なく本旨に合ようなところにお願いしなければいけないじゃないかというふうに考えておる。 従って、先ほど申し上げました言葉は、大いに伸ばしたいけれども、やはり青色の実態をここで固めながら伸ばすというためには、相当時間はかかるという含意を持って申し上げたつもりであります。表現が足らなかったら、大へん失礼でありますが、そういうことでございますので、ただ、現在やっていることは抑えようとしているということでは決してございませんので、御了承いただきたいと思います。
○木村禧八郎君 まあ成瀬君の御質問がありますから、簡単に申し上げますが、まだ、この税務行政の面におきまして、実際納税者がいろいろ特典があるのに知らないでいるという人がずいぶんあるのですよ。それで、ですから、この青色申告をすれば、そういう特典があるということを、もっと積極的に一般の人に知らしめる努力をする必要があると思うのです。それで、税金が高いといいますけれども、税法を変えなければ税金が安くならないと考えている人もありますけれども、そうでなく、今の税務行政の面でも、ずいぶん、いろいろこまかく検討すれば、軽減される余地があるのですけれども、そういうことについて知らない人もずいぶんあるのです。ですから、もっと親切にこれは指導する必要があると思うのです、そういう点はね。 ところが、実際問題として、たとえば減税をする、そうすると税収が減りますから、どうしても徴税の面できつくなる傾向があると思うのです。それで、たとえばこの捕捉率をきつくするとか、そういう点、まあこれはまたほかの機会に御質問したいと思うのですが、そういう点は十分やはり留意されたいと思うのです。現実の問題として、実際は先ほどお話しになったことと逆になっておりますから、実際の税務行政の面をもっと少し検討してみていただきたいと思うのです。局長さんが言っているような方向に行っていないのです。むしろそれと逆です。なるべく青色申告を排除する方向に行っていることは、これはもうだれだって知っているのですよ。青色申告会とか、そういうものが、ございまして、そういうところと税務署と折衝する過程でも、はっきりわかっているのですから、実際は主税局長さんの言われたことと逆なんでありますから、また御調査されまして御答弁されてけっこうなんですがね。
○政府委員(原純夫君) いろいろ御注意、ありがとうございます。私どもも課税、税の執行にあたっては、何と申しますか、ただいま御注意のあるような、納税者に利益のことは教えないというようなことではいけませんし、また、減税したからよけい取るというような気持でもいけない。十分気をつけて参りたいと思います。 ただ、一言申し上げておきたいと思いますのは、残念ながら、日本の所得税、特に申告納税の所得税、それから法人税におきまして課税の基礎が適正に申告され、また調査においても適正に十分やるかどうかという点についても、世上相当心配の目をもって見られておりまするし、私どももそこに決して十分な点数をとっていると思われないということで、日夜努力をいたしおります。その努力の一つの手だてが青色申告制度であるわけでありますが、また、ただいまお話しの減税、税制の合理化というものも、大きな一つの手だてであるというふうに考えております。おっしゃる通り、減税の場合に、減税したからよけい取るという気持ではないのでありますけれども、税負担が合理的になれば、今まで十分正確に出せなかった納税者も出していたたけるだろうという気持は、私ども強く持ち、それを大きな、そういう不十分な、従ってバランスのとれない申告の出るような事態を直したいという気持で、税制改正の際にそういう気持を相当大きな柱としておりますということも、一言申し上げておきたいと思います。御注意の段は重々気をつけます。今後改善をはかって参りたいと思います。
○成瀬幡治君 所得税の関係で、災害減免のことについて、ちょっとお尋ねしたいわけですけれども、今度の災害の際に、今まで現行法があるじゃないか、だから特に立法する必要はない、しかし、まあこれを十分活用するようにというような通達ですか、あるいは活用をせよというような通達が出されておるやに承っておりますが、実際はどういうような指導をされたものか。
○政府委員(原純夫君) 災害がありました場合に、それによって損を受けたという個人の所得税の納税義務について配慮いたしますためには、所得税法で雑損控除という制度がありまして、たなおろし資産以外の資産について受けた損を所得から控除する。控除し切れなければ、三年間繰り越せるという制度がございます。この春、今年からたなおろしの損につきましても、これを三年間繰り越せるということにいたしてございます。そのほか災害減免法というこれは略称ですが、そういうものがありまして、それでは、所得のそう大きくないクラスの方々については、雑損控除というような正確に損害額を判定してやるというのでなくて、大体のところで、住宅または家財の半分以上に損害があったという場合には、所得の階層に応じて納税義務を全免し、半減し、あるいは四分の一減らすというような制度を設けております。なお、この法律は、そのほかに、申告期限の延長、また徴収の猶予というような、災害後の当面の対策もするようになっております。従いまして、今回の台風、またそれ以外でもそうでありますが、そういうことがありますと、関係のあるところに、国税庁から、これらの法律の適用について十分役所側として備えをして、周知徹底をはかりまた災害減免法によります、そういう一括して費目の範囲に全免あるいは半減というような措置をとります場合には、相当税務署も人手を要してやらなければならない。そういうようなところに配慮をいたしておるわけであります。個々の場合について、それらの法律を、何といいますか、注意して、十分活用するようにという意味での通達が出ておる次第であります。
○成瀬幡治君 これは議論をすると大へん長いことになるし、またこの法律とも離れるかとも考えますから、あまり議論めいたことはやめたいと思いますが、当然、損害の住宅とかあるいは家財というものは時価だと思いますけれども、それにしても、半額以上でなければ災害減免の措置がとれない。しかも、それは五十万円以下で、税が全免されるというのですから、正確に引き直してみれば、個人の場合でいえば、わずかなお金にしかならないし、五十万円から、八十万円までは、五〇%、税額の半分。八十万円から百二十万円では四分の一というようなもので、非常にわずかではないかと思います。しかも、その年限り。あるいは、そうじゃなくて、雑損控除の方でやればいいのじゃないか、こう言われるかもしれませんけれども、それにいたしましても、損害額の合計の一割をこえたものが所得から控除されるというのですから、まあわずかなことしかないと思います。あなたの方としては、そういう災害等があって、税にしわ寄せされては困るという考え方もあるかもしれないと思います。そういうものは、税は一つ取る方は取る。そのかわり、他の方面でやったらいいのじゃないかと言われるかもしれませんけれども、被害を受けた側に立てば、やはり税というものについて、何か一つ考慮が払われてしかるべきじゃないかという気持がするのは当然だと思います。 これがいいことか悪いことかということになると、これを修正せいということになると思いますが、一つこの災害を契機として、どのくらい一体適用されて、相当の額にはなると思いますが、員数が相当多かったと思います。そうして平均すれば非常にわずかの額しか実は税では見ていなかったという結果になるのじゃないかと思います。従って、その結論を一つ御調査を願いまして、そして検討を加えていただきたい。もう一度これは検討して、私は通常国会に修正の案をあなたの方からお出しになるのがしかるべきじゃないかという意見を持っているわけです。ですから、そういうことに対して御所見を伺いまして、私の質問を終わろうと思うのであります。
○政府委員(原純夫君) ただいまのお尋ねは、災害減免法によります税の軽減免除を受ける条件が、住宅または家財の半分以上やられたというようなことがあるということが一つと、雑損控除等所得税法で本法で手当てをしておりますことが、どうも所得から控除するというたけではどうかというようなお話であります。もちろん、こういう困る方というのは、税の面では、困るからこれに補助を与えるというものばかりでなくて、困って担税力が少なくなるから、その少なくなったのに応じて税負担は減るというのが、税法での建前であろうと思うのでありますが、そういうものとして雑損控除、あるいはこの春の通常国会でお願いいたしました、白色のたなおろし資産の繰り越し損というような問題と災害減免法の規定とどういうふうに調和させていくかという点は、一応検討問題でありますので、私どもも再検討をいたしておるところで、今後これを続けて参りたいと思います。 ただ、その際、やはり所得から控除する以上のことはできない。所得で控除し切れない分はたとえばお金で返すということは、まあ、例の損失の繰り戻しという例がありますが、まあ、そういう問題としておっしゃったのであれば、それは一つの検討事項であろうと思いますが、実は雑損の規定と災害減免法の規定は、やはり雑損の規定というのは、かなりに納税者の実態にこたえるようになっておると思いますので、これを中心にして災害減免法の規定を何らか調整するというようなことがいいのではないかというような議論が、かなり部内にあるわけです。災害減免法の方は非常に大ざっぱに、半分以上被害があった場合には、階層に応じてこうというふうにありますから、お話の通り、人によって厚薄が出ますのです。実際には、やはり雑損のようなきちんとした制度でやる方がいいのじゃないかという議論が相当強いのでございます。五割を三割にしたらどうだというような御議論も、衆議院の御審議のときに出ましたのですけれども、これは災害減免法の規定というものはきちんとやるなら、雑損という制度がある。しかし、大災害で軒並みやられてしまっておる。納税者の方も一々それを計算してという気分にならぬ。もう全部負けるか、半分か四分の一かというような荒っぽいやり方でもいいというときに適用するものとして、この災害減免法があるわけでありますから、やはり大体そのクラスの納税者の持っております財産というようなものが、なかなかむずかしい問題ですが、国富調査で家計階級別財産の調べというようなものがございます。そういうようなものから見まして、大体このクラスの人は財産をどの程度の範囲で持っておるだろう。とすれば、まあ大体どの程度のところがよろしかろうかということを考えて五割ということを前提にして、この五十万、八十万、百二十万というものを見ておるわけです。 先般も、最近の予算ににらみ合わせまして、そういう基礎で五十万、八十万、百三十万というふうに置きかえたわけです。そういうことがございますので、若干のでこぼこのあることはお話の通りでございますが、そういう趣旨でできており、なお検討は続けたいということを申し上げたいと思います。
○野溝勝君 直接この法案には関係ありませんが、この際、一つ関連してお伺いをしておきたいと思います。 目下、問題になっております農業法人に関してでございますが、特に災害などの問題に際会した農民は、一そうこの農業法人の制度確立の意見が強く出ておるわけです。先般、愛知、三重、岐阜三県の日本農民組合の農民代表者会議に参りましたところ、特にかの地には温床栽培をやっておる諸君が相当多いのでございまして、その諸君からも農業法人に対する現況についていろいろ聞かれたのでございます。目下、当局としては農業法人に関しまして、いろいろと説が出ておるのでございますけれども、どういうふうに一体政府並びに大蔵当局は考えておられるのですか。
○政府委員(原純夫君) 農業法人の問題につきましては、非常に大きな問題として、国会におきましてもたびたび御審議がございました。政府部内におきましても、いろいろ国会その他各方面の意見も伺い、いろいろ検討いたしました結果、この券の通常国会の会期中でございましたが、政府部内関係部局と相談いたしまして、農業法人に対する課税上の取り扱いをどうするかということを決定いたしております。その趣旨は、この農業におきましても法人の設立ということは当然あり得ることであり、法人ができた。この法人が正当にできた以上は、法人税を課するというのが建前である。しかしながら、農業法人というものの中にも、きわめて個人的な農業法人がある。一家一法人というものでございます。そうして、その場合には、と申しますか、農地の所有権ないし使用権というようなものにつきまして、農地法上の制約もつけておるというようなことで、いかにもこれは実質は個人ではないかというようにも見られる場合が相当ございます。そういうような場合には、所得税法の規定に従って、個人である実質所得者に課税をするということにせざるを得ないだろうというようなことで、政府部内の見解を統一して、ただいま第一線の事務を整えておる状況でございます。
○野溝勝君 法人税法の一部改正、本改法律案は、罹災者大衆のために考えておる改正法でございますから、もちろん、これは賛成にやぶさかではないのです。ただ、商人の方々の、青色申告関係者の方々に対して心配しておるのはわかるけれども、ここでは大体たなおろし資産を対象にしておるようになっておりますから、商工業者関係の改正立法です。農民はいつも恩恵からはずされているような気がする。この際、一般災害救助法や、その他今回できた諸立法の数々の中には、農民政策が考えられていますが、その立法もほんの僅少の利益を、認めておられるだけだ。これで、今、原さんの御説明は何だか行ったり来たりで、答弁がうま過ぎて、さっぱり私みたいな専門的能力のない者にはわからない。一般農村の問題になっておるから、農民も一般人も対等の位置に法の恩恵に浴させるようにしたらどうか。現在どんな反省が行なわれているのですか、それを一つお聞きしたいと思うのです。ただ問題になっておるというだけでなくて。
○政府委員(原純夫君) 今回お願いいたしておりますこの法律案は、白色の法人でも災害による損を繰り越しできるようにいたしたいというのでありますが、災害によるたなおろし損の繰り越しにつきましては、実は農民が一番先に利益を受ける形をとったんです。というのは、前回の通常国会で、所得税の上で白色申告者は損が出ても繰り越しはできないということになっておるのを、主として農民の災害被害というような場合には、農民は青色申告が少ないし、災害によって作物がやられてしまった、そうして赤が出たという場合には、繰り越せないのはいかにも気の毒じゃないかという声が非常に強く各方面でございましたので、その声に従いまして、先般の通常国会で白色でも繰り越せるという制度を置いたのです。ですから、農民が一番先にその利益を受けたのです。 で、まあその場合になぜ法人をやらなかったか。大体今までの自然災害では、町部がよけいやられるということは少なかった。大体やられるのが農村部が多かったということで、まずこちらを手当をした。今回の十五号——伊勢湾台風で中京地域の市街部が特にやられたというので、まあこの前の通常国会に手当をしておくべきだったという御議論もありましょうが、おくればせでありますが、追っかけて市街地の中小企業個人はもうできておるわけですから、法人についても認めようというわけで、私ども農業について決してこれをあとにするというような気持は毛頭ございません。 なお、農業法人に関連しておっしゃっておるのであるとすれば、お話の趣旨は、商工業、中小企業においては法人になるというのが非常に多くて、まあこれがほとんどもう是認されているじゃないか、農業についてだけどうかという御疑問があると思います。これは私はごもっともな御疑問だと思います。税法的には、中小企業でも実質課税の原則というものは働き得る建前になっておりますけれども、なかなかむずかしいというようなことがあって、その辺は確かに問題点だと私どもは考えておりますが、ただいまの税法では、先ほど申し上げましたようなことでいく以外に道はないのではないか。しかし、問題はあるということで、なお部内でこれは十分検討いたして参りたいというふうに考えております。
○野溝勝君 原さん、本改正法案は便宜立法でしてね、まあ捕捉の仕方でどうにもなるわけです。あなたがおっしゃる通り、確かに白色申告に対して便宜を与えたというが、税の捕捉の建前からいえば、何というても、青色申告を強要しておるんですからね。今度は災害者からの減税措置の強い声もあるから、この方々にもこたえなければならぬというので、白色申告に対しても相当重要視するということになったらしいのですけれども、それがざっぱくとしておって、どうでも解釈できる。そういうようなわけでしてね、便宜をはかったといえばはかったようになるし、またごまかそうと思えばまたできるということにもなる。ですから、もっとはっきりした筋を立てる一つの立法が必要じゃないか。先ほど源氏自身が言うておるごとく、ほかの人民には法人格を認め、百姓に対しては法人格を認めることができない。——おかしいじゃないですか。これは封建制じゃないですか。私は、そういうところに人民の怒りと理解に苦しむところがあるのじゃないかと思う。賢明な原局長の所見があいまいでわからぬのですが、現在そういう気持にこたえてやろうとするのか。ただ研究しておるというだけじゃなくて、通常国会には一つ提案しようという意思を持っておるかどうか、その点、はっきりお伺いしておきます。
○政府委員(原純夫君) なかなかむずかしい問題でありまして、それを農地法、つまり農業系統の法律の方で何か手を打つか、あるいは税法で手を打つか。税法で農地の問題をどうするというわけにいかぬだろうと思うのです。要するに、個人的な事業が法人になった場合の扱いようをどういうふうにするかという問題として、税法は考えていくことになりますが、その面でどうするかというのが税制上の大きな問題としてあるわけです。これは、ただいま設置いたしております税制調査会においても御検討願うということで、寄り需寄り準備を進めております。ただ、税制としては相当むずかしいデリケートな分野に属するものでありまするし、私として、今度の通常国会にお願いできるという見込みは非常にむずかしいのじゃないかというふうに考えております。しかし、大問題でありますから、一日も早く結論を得るように検討したいというふうに考えております。
○野溝勝君 それでは、私は、強い希望を述べて、この点に対する質問を打ち切りたいと思います。局長、御承知のごとく、農地問題で農業法人が難関に直面したということを聞いておるのですが、実際心外にたえないのです。市街地住宅の問題などについては、農地法もたやすく改正される。こういうことは自由なんだね。そうして農民が有利になることに対して改正したらというと、ああでもない、こうでもないと、わけのわからない意見を引っぱり出してきて、そうして煙幕を張ってしまうんだね。こうなると、人民はさっぱりわからぬのだ。そういう点を、ここに賢明な塩崎課長もおられるし、主税局長ももちろんおられますけれども、一つ私の意のあるところを十分御了承願って、あらゆる角度から検討されて、人民がなるほどこれならいたし方ないという政策を当局から打ち出してもらいたい。私も、農業法人を作るにあたりましても、農村にそういう制度ができると、法人外の農民と農業法人の農民との間に、ここにも制度上不公平のおもしろくないことが出てくると思う。ですから、大体、私の農業法人を作れという考えの骨子になるものは、あまねく人民が法律の平等の恩恵に浴するという気持なんです。その気持で私は意見を出しておる。そこで、農業法人になった農民だけが有利で、ほかの農民が不利益になるというようなことになってはいかぬので、その点は一つ十分考えていただきたいということなんです。 さらに、今申し上げましたように、農民に対する政策及び運営のやり方に割り切れない気持を持っておるのでございますから、こういう点について、法律は公平であることを示してほしい。至急この農業法人の問題も、検討だけしていくのでなくて、具体化してはどうか。各方面とも共通しておるように私は思うのであります。さような意見を述べて私の質問を終わります。
○委員長(加藤正人君) これは災害立法でありますから、ほかに御質問がなければいかがでしょうか。 ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(加藤正人君) 速記を始めて下さい。 別に御発言もなければ、これで質疑は打ち切ったものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤正人君) 御異議ないと認めます。 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に発言もなければ、これにも討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤正人君) 御異議ないと認めます。これより採決に入ります。 法人税法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手をお願いいたします。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加藤正人君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、諸般の手続につきましては、慣例によりまして、これを委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤正人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
○委員長(加藤正人君) 次に、専売事業等に関する件を議題といたします。 御質疑のある方は御発言を願います。
○野溝勝君 この際、専売局にお伺いいたします。 これは昨年も本委員会において問題になって、すでに各委員の方は御承知だと思うのでございますが、昨年の十月の八日に四国高松地区を中心に、塩害被害の問題で大騒ぎになりまして、特に私、平林両委員が、これは自発的でございますけれども、事の穏やかならざる事態をまず考えまして、一応調査をして参ったのでございます。 その内容はすでに御承知のことと思いますが、最近、塩田方式というものが流下式枝条架になったわけであります。流下式方式をとるに至りましてから、農民の経営に及ぼす被害が非常に多くなった。特に、この流下式方式は風速五メートル以上の場合は塩害を起こすからというわけで、専売局は中止の方針をとっておるわけです。にもかかわらず、昨年におきましては、高松市下笠居地区生島塩田を初めといたしまして、各地区に被害が起こって、それがために塩霧で家の戸板やトタン屋根、また庭木、柑橘——あそこは、ミカンの産地です。その他農作物がいたんでしまって、ほとんど枯れ葉のごとくなっておったのです。農民は、全くこれは一年だけの被害でなくて、次の年にも影響するというようなことで、非常に憤激をもちまして、この対策に当局に対して要請運動を起こした。それで、高松地区における田村局長を初め塩脳部長その他それぞれの幹部の諸君に、私も会見をいたしまして、この処置を早くとるようにということを強く要請した。しかるに、そのときに、当局は、われわれと協力して、至急業者の方にもさような被害を及ぼさないような処置をとることに努力するということ、それからいま一つは、被害に対する補償料といいますか、補償金を出す、この二つを大体決定したわけです。ところが、今日に至るも、今もって話がつかないというのです。 そこで、またまた先般、私、四国に参りましたところ——ちょうど私は十一月の二十三日に参ったのです。その前に、坂出大屋冨地区の農民がまた騒ぎ出して、約二、三百名が塩田組合の本部室に押しかけて大騒ぎを演じて、話が塩業組合との間でつかない。そこで、最後に、坂出地区の小島支局長が参りまして、それで組合と被害者との間に話をつけるように努力するから、二十四日まで待てということになっておったのでございますが、昨日また地元からの通信によると、今もって解決しない。私は帰ってくると同時に、これらの問題を合わせまして、本局の塩脳部長にこのことを申して、早く解決するように伝えたのでございますが、いまだ解決しておらぬようでありますが、この際一つ、石田副総裁なり、あるいは塩脳部長なりから、その間の経過を承りたいと存じます。
○説明員(小林章君) 塩害につきましては、だいぶ前からいろいろ御心配をかけておりますが、御承知かと思うのでありますが、三十二年ごろと思います。ただいま野溝先生のおっしゃったように、製塩方式が流下式枝条架方式に変わりまして、自来三十二年ごろになりまして全国的な問題になったわけであります。その際、これはいかぬということで、逐次お互いに話し合って、どちらも地元の産業であるからということで、地元でそれぞれ話し合って、全国的な相当大きな問題でございましたが、一応全部それぞれの地区で解決をいたしておるのでありますが、ただいま野溝先生のおっしゃったように、香川県の生島地区——下笠居村と申しますか、塩業民の言葉では生島地区といっておりますが、その生島地区だけがその問題がずっとくすぶって参りまして、われわれとしましても、そういうようなことではどちらの事業もうまくいかない、両者話し合って円満に解決するようにということを強く現地に申して参りました。 現地でも、われわれの意のあるところをくみまして、たとえば飛沫が散るのを防ぐネットを施設するとか、また塩田の端の、風が吹く方向にそれを防ぐための垣を作るとかいうようなこともいたしております。それから、風速計を置きまして、ある程度の風速があったらその枝条架の操作をとめるというようなこともいたしておるようでございますが、何分、生島地区だけがどちらも言い分があるようでありまして、解決しませんでしたが、私、先月の末に現地に参りまして、そのことを現地でもよく言って参ったのでありますが、そのうちにも生島地区の方だけ私のところへ、生島地区のいわゆる被害をこうむっているという方、また生島地区の塩業者が参りまして、お互いの話し合いを進めるようにお願いしまして、また、現地としても十分措置をするようにということで、帰って参りました。 ところが、先般帰って参りまして、ただいま野溝先生がおっしゃったように、先生からお電話がありました。同時にまた、高松地方局からもお電話があったのでありますが、ただいまおっしゃった坂出の大屋冨と申しますか、大屋事地区でそういう問題が突如として起こってきたというお話がございました。それで、至急問題をお互いによく話し合って解決するように申してやりました。 けさほど、私が出てくるときに、生島の南原専務が見えまして、生島地区は先般、中に立つ人があって、解決いたしました。同時に高松地方局からも電話がありまして、生島地区は解決しておるという……。
○野溝勝君 いつです、その南原専務の話は。
○説明員(小林章君) けさです。けさほど、私が出てくる直前に、南原專務が見えまして、解決しましたから御安心下さい。同時に、高松地方局に連絡いたしましたが、同じように、解決したということで、一方、ただいまお話のありました大屋富の方は、現在地元の、名前を聞くのを忘れましたが、二名の方が中に入って仲介の労をとっていただいておる、こういう状態でございます。
○野溝勝君 それはまことにけっこうなニュースでございますが、その生島地区並びに大屋富地区の解決の内容も、それじゃ耳に入ったことだと思いますが、この際一つ御発表願います。
○説明員(小林章君) ただ聞いてきただけでありますが、生島地区は、南原専務の話では、十万円出すことによって一応解決いたします。大屋富地区の方は、ただいま申し上げましたように、現地仲介の労を仲介者にとってもらっておる段階で、まだ決しておりません。
○野溝勝君 それは私としては了承に苦しむんでして、大屋富地区の方では百五十万円を補償料として要求しておるし、すでにこの生島地区の方でも、それに近いだけのものを要求しておるわけなんです。それと、あとは完全施設、さもなければ撤去を要求しておるわけなんですね。ですから、そのことに対しましては、私はまだ今あなたの言われたことに合点ないし納得はできません。さらに、被害者側からの要求については、もう小林君も了承しておるわけです。そんな十万くらいで片がつくか片がつかないかということは、おわかりだと思うのです。だから、部長はそんなばかにしたような意見を真実に受け入れて答えるということになると、私は義憤を感ずるんだ。あなた、昨年来の生島地区の塩害被害を、そんなことで要求の解決がつくと思っておるのですか。いま一度答えなさい。
○説明員(小林章君) この問題は非常に前々から議論されておりますが、複雑な問題でありまして、一体どれだけの塩のあぶくが、飛んだのか、それがどういうように引っかかって、それによってどういう被害があったか、その点は非常に判定がむずかしいということで、常に話し合いで解決されてきた問題でありますので、私、現在そういうことを話し合いで片がついたということを聞いて参りましたので、おそらく片がついたんではなかろうか、かように考えておるわけであります。
○野溝勝君 その問題については、では、また後日に私はあれするとして、とにかく、小林塩脳部長、これは静かにあなたに考えて、一つその処理を誤らぬようにして下さい。 私は、これを副総裁にまた一つお伺いしようと思う。というのは、今私が申したように、災害補償として、被害補償としては幾ら、その他の設備としては、むしろこの際やめてもらいたいという意見が強いんですよ。また、目下当局でも問題になっておるのは、不良塩田といいますか、そういうものに対して整理をするという方針を立てておるのでございますが、この不良塩田とはどういうものか。こういうように農民から非常な不満を買い、非難を受けておるような塩田に対して、設備をしろと言っても、設備をしない。そうして依然として対立の状態にあるというような場所は、これは優良塩田でございますか。
○説明員(小林章君) 現在進行中の塩業整備でありますが、非能率塩田、非能率なものがやめていって、能率がいいものが残るということになっておりますが、その非能率か非能率でないかは、それはやめていくという方々につきましては、これはもう大体そのまま受理するのでありますが、残るという企業につきましては、合理化計画書というものを公社に、これは法律に基づきまして出していただきまして、それを法律に基づいて作られておりまする臨時塩業整備審議・会というものにかけまして、その審議会の判定を受けるわけでありますが、その際に、そういう一人様に損害をかけるおそれがあるというようなところにつきましては、特に念を入れて、そういう装置がされてあるかどうか、特にまた、もし損害を与えるようなことがありますと、当然それだけの損害賠償というような不時の支出があるわけであります。また、損害を与えないようにすれば、それだけ作業も落ちるというような点を、その判定の中に入れていただいて、それで能率のいい企業か、いわゆる合理化されていく健全企業か健全企業でないかということを判定願うようにいたしております。
○説明員(石田吉男君) 不良塩田の整理といいますか、現在やっております塩業の整備は、生産コストの高いところから塩田をやめてもらいたいというのが中心でございます。従いまして、ただいま小林部長から申し上げましたように、自分のところが、はたして今後塩業として成り立っていけるような塩田であるかどうかということは、一定の基準がございますが、その基準に照らして自分で自主的な判断をして、廃止するなり残存するなりの意向をきめていく。廃止する場合については問題がございませんが、残存したいという場合には、臨時塩業整備審議会というのがございまして、そこに、ただいまお話の出ました企業合理化計画書というものが出て参ります。その合理化計画書の内容を審議会で審査いたしまして、これで将来とも企業として成り立ち得る塩田だという場合には、それが残るということになっております。 その場合に、ただいまの塩害の問題でございますが、ただいま小林部長からお話し申し上げたと同じことになるのでありますけれども、そういう塩害については必ず当事者同士の間で、ある程度の補償をするとか、あるいはそのために何らかの施設をするとかいう経費がわかるわけであります。そういうことも合理化計画書の中に織り込んで、残存し得るようなコストが出るかどうかということを検討するという建前にいたしておりますので、お話のように、今後残る塩業につきましては、やはり十分にそういう塩害問題のことも考慮に入れて、残るか残らないかという判断をするということにいたしております。
○野溝勝君 一つ、その場その場で便宜的な答弁でなくて、私どもも、こんなことを二年間も通じて申し上げることは、ほんとうにいやなことなんです。こんなことを言いたくないんです。副総裁、なぜ、こう言わざるを得ないかというと、私の気持にもなってもらいたい。被害者の気持にもなっていただきたい。そこで、われわれとても、能率が向上するとか、あるいは生産コストの高いものを中心に考える。1これは反対するものじゃないんです。しかし、生産コストを低くするには、百姓はどうなってもいいかということなんです。 そこで、副総裁並びに小林部長の話によると、そういうことも考えて今度は審議会に一つ諮って善処するつもりだ、こういうんですが、しかし、それでなくても、すでに塩専売法の第十条には、「公社は、製造者に対し、塩又はかん水の製造方法、貯蔵場所又は貯蔵方法についてあらかじめ公社の定めたる標準に従うように指示することができる。」ということになっております。さらに、この項によれば、流下式枝条架式製塩に対して、塩害の起こらないようにいろいろと公社が指示をしておるわけでございます。それをも今日行なわれておらぬわけであります。さらに、十八条におきましては、「公社は、製造者が左の各号の一に該当するときは、製造の許可を取り消すことができる。」とあって、こんなものを審議会などに意見を聞かなくとも、当然法文にちゃんとあるじゃないですか。これは専売法という法律です。れっきとして、こうあるんです。こういう法律に基づいて公社が指示した事項に従わない。それで今日二年間もずらしておる。 さらに、今質問をするというと、専売公社副総裁並びに塩脳部長は、十万円で話がついたと言う。それで、皮肉のようでございますが、私はあなたがたの常識を疑るね、失礼でございますが。これだけ大騒ぎな問題を十万円で片づけて、当局が真に受けておられるとするならば、私は悪口を言いたくないけれども、ちょいとおかしいじゃないですか。これは、子供の悪さじゃないかぐらい、それはどうかしてやせぬか、間違いではないかぐらいのことを、なぜたださないのですか。また、こんなことでいいというなら、これだけ、二年間にわたって大騒ぎが継続されておるものじゃないと思うんです。その場をお茶を濁すということでなくて、かようなことを再三忠告しても聞かぬ場合には、断固処断する決意を当局は表明してもらわなければ、質問の答えにならないじゃないですか。当然法律にもあれば、今度の合理化の方針にもちゃんとそれがあるというのでございますから、かようなものが解決しない場合においては、もう最後のきめ手を一つこの際に立法府のわれわれにもはっきりしていただかぬというと、われわれ政治家としてまことに困るのでございます。右の点についてはっきりした御意見を伺うまでは、ちょいと質問をやめるわけにはいきませんから、お答え願います。
○説明員(小林章君) ただいまの御質問、十万円で解決したというのは子供だましだというお話でございますが、これは先ほど申しますように、私、ただいま国会に出てくるときに南原専務が見えまして、そういう話があったので、私、当然念を押しました。彼は、私の名前も言ってもらってけっこうですということでございますので、申し上げたので、それ以上ここでおかしいじゃないかと言われても、ちょっと私もその点答弁に困るのであります。 それから、なお、専売法に取り消し規定があるじゃないかというただいまのお話でございますが、十条のこの条文は、当然われわれといたしましては、この解釈は、専売取り締まりとか、また塩品質防止とかというような、専売行政上の必要範囲に限ってこれを発令すべきものでありまして、ただいまのお話のようなそういう問題については、この規定はそこまで広げるのは行き過ぎであるというように解釈いたしておりますので、従来、公社がいろいろ塩業者に、ああせい、こうせいと言っておりますのは、これは当然事実上の、法律に基づかない事実上の指導をいたしております。これは当然のことでありまして、人さまに迷惑かけるなよ、そういうことをすると、一方自分も損するのだからという、事実上の指導といいますか、勧奨といいますか、そういうことをいたしておりましたので、こういうことで取り消しということは、あまりにも行き過ぎた法律の解釈だと、かように考えております。
○平林剛君 ちょっと関連してお尋ねしますが、生島塩田に対する解決について、私もこれ大へん関心を持っておるのであります。昨年来から、この問題について、専売公社として法律改正の検討や根本的解決を要望して参りましただけに、お話のように、十万円の補償金を出すということで解決したというのは、これはもうほんとうに常識で信ぜられないのであります。そこで、今小林塩脳部長のお話は、単に南原専務の話をわれわれに紹介なさったのか、けさ出がけにこういう話が南原専務の方からありましたという紹介をなさったのか、それとも、あなたはやはりこの問題について直接参与せられ、いろいろ事情もおわかりのことでありますから、専売公社の塩脳部長としても総合的に判断をして、これで解決したものであると国会に対して御報告になった言葉なのか、私はそれをはっきりさしておいていただきたいのです。後日現地から話があって、いやそれは違うのだというようなことがあったり、これは一時的な問題で、本質的なことはなお話を続けているということなどがあれば、あなたの答えいかんによっては国会に早まった報告をなされたことになるわけですから、その点は私も大へん疑問に思うし、あなたの御答弁の真意がどこにあるか理解できませんので、この点を一つ明らかにしていただきたい。
○説明員(小林章君) ただいまの御質問の御趣旨は、一時的に解決したのか、または根本的に解決したのかということかと思いますが、その点につきましては、当然私も若干疑義を感じております。一時的に解決したのか、またはほんとうにそれでもう問題がなくなったかという点につきましては、なお現地に問い合わせる必要もあろうかと、かように考えております。
○平林剛君 それでは、きょうの大蔵委員会に対するお答えは、これは南原専務の話を紹介したというふうに私は理解しておきたいのですが、それでよろしいですか。
○説明員(小林章君) その通りです。なお、地方局にも問い合わせましたが、この点は電話でありましたので、それで、一時的なのか根本的に解決をしたのかという点に疑義があると申し上げたのでありまして、なおその点は、必要があれば、念を入れて問い合わせてみたい、かように思っております。
○野溝勝君 私は、小林君、議員なるがゆえに行き過ぎた言葉を使うのじゃない。この重大な問題のときには、当局は答弁なども注意してもらいたいと思うのです。別に、私は速記録をあらためてまた追及しようとはいたしませんが、きょう南原専務に会って、生島の方は十万円で解決しました、専売局に聞いてみても同一の意見です、こう言うのでしょう。そういう決定的なことを、あなた自身が疑問に思っておるものを、決定的な答弁をするということは、これはよほど注意してもらわぬと、今平林委員の助け舟みたいな質問で、よほどあなたは助かったが、私も別にこれ以上追及はいたしませんが、一つこの問題については、十万円を一時金のあれとして、補償金の一部として納めたのか、今後今までの被害に対する防衛処置をどういうように講ずるのか、どういうふうな話し合いをしたかというようなことに対して、一つはっきりお答えを、この次の委員会にまたお願いしたいと思います。 なお、副総裁からはお答えがないのでございますが、私の先ほどの質問に対して、はっきりしたお答えを願いたいと思うのです。 それから、いま一つ申し上げておきますが、小林塩脳部長、あまりこだわっちゃいかぬと思うのです。やはり専売行政といえば、専売をする上における能率あるいは技術、そういうようなもののみが私は専売行政じゃないと思うのですね。やはり行政というものは、消極的ばかりに解釈せずに、積極的にもまた解釈しなければならぬ、特に近代的行政官としては、そういう点を考えぬと、あまりに固定した面のみを考えておるならば、私はこの専売法なんというものは専売技術法でよろしいと思う。だから、そういう点で、専売行政というものをほかの関係者は無視してかかるという考え方に固定するということは、これは全文から見てごらんなさい、専売法の全文からそんなものじゃないのですよ。第十条に、そうでなくとも第十八条にちゃんとはっきり規定しているじゃないですか。ですから、部分をまずあれする前に、全体の上からやはり見解を述べて、さらに部分に対する関連においてはこれこれだという説明の仕方なら、わからぬわけでもない。私の質問の意図と少しく食い違っておるようですから、この点一つ、副総裁からお答えを願いたい。 皆さんの方では、誠意を認めて努力する。——ただ努力するといったって、二年も引きずってきちゃかなわぬから、もうそろそろここらで委員会で、おざなりの答弁でも許されぬから、ここで一つ腹をきめようという気持の意思表示をしていただく、こういう点で私は質問しているのです。
○説明員(石田吉男君) この塩専売法の第十条の問題につきましては、これはずっと前の国会でもいろいろそういう御意見がございまして、私の方でもこの法理について十分検討したのでありますが、ただいま塩脳部長から申しましたように、これはただいまお話しのような塩害問題を扱うとか、そういう規定ではございませんので、やはり法意といたしましては、塩の品質とか、あるいは製造の仕方、専売取り締まりの見地というふうなものに関連して、こういう規定があるのでございまして、それを非常に拡張して、とにかく文章でそう読めるからそういうふうに使ったらどうかというふうな御意見にうかがわれますけれども、そういうことはやはり行き過ぎであるということで、ずいぶん検討もいたしましたが、それは無理であるということにまあ見解がなっておりますので、なかなかお話のようには参らないと考えております。 それから、塩害問題は、これはそれぞれその土地でいろいろな事情もございます。それから、場合によりますと、人的な関係で、感情的な問題もはさまつておるというふうな問題もありまして、単に技術的な面からだけではなかなか片づかない場合が多うございますので、さっきの生島地区の問題につきましても、高松の局が中に入っていろいろ努力もし、常にそういうふうにいたしまして、現実に塩害の問題が起こっておるところでも、当事者同士で、場合によりますと公社が中に入っておることもございますし、円満に片づいておるところがほとんど大部分で、むしろ現地のいろいろな感情問題がこじれてそういう問題に発展しておるところが、なかなか片づきにくいのでありまして、そういう問題につきましては、もちろん公社といたしましても、できるだけ誠意を尽して努力いたしておりまして、決してここで一時のがれの答弁だけ申し上げているわけではございません。やはり利害関係がいろいろ複雑になっておりますので、こちらの方で誠意をもってやっても、お互い同士が納得できなければ、なかなか片づかないというふうに問題がこじれて参ります。そういう問題につきましては、できるだけ私ども誠意を尽くしてあっせんの労をとりながら片づけるよう努力して参りたいと思います。
○平林剛君 私は、この問題については、やはり毎年々々繰り返す補償問題だけでは解決つかないのではないだろうか。それから、もう一つは、今日製塩方法の変化によりまして塩害があるという事実、また塩害を予想して何らかの措置を法的にも講じなければならないということを痛感をしているのであります。今お話しのように、塩専売法には塩害ということを想定して立法されたのでない、従って、これについての適用というのが困難であるとすれば、やはり塩害という厳然たる事実がある以上、それを頭に入れて、それに対する法的措置を講ずるというのが、今日専売公社の積極的な解決策、また積極的な態度である、こう思うのであります。それをしなければ、やはりいつまでもこの問題は解決できないというふうに理解して、かねがねこの点を強く要望しておったのであります。 そこで、私聞きますけれども、それならば、今野溝委員が指摘されましたように、公社が第十八条によって、「左の各号の一に該当するときは、製造の許可を取り消すことができる。」という法律は、現在までどういうときに発動なさったのか、効力を生じてどういう行政措置をおとりになったのか。私はその具体的な例を聞きたいのです。もし、かりに、この問題について現在まで該当する事項がないとすれば、むしろ塩害の問題について、公社は積極的にこういうことを考えるべきであって、われわれは、未然に紛争がないためにいろいろな措置を考えて法律化しているのでありますから、そういう意味では、塩害に対する対策を急速に急ぐ必要があるという逆論にもなってくるわけです。私は、この意味で現在まで製造の許可を取り消したような行政的な例があればお示しを願いたい、それを一つお尋ねをいたします。
○説明員(小林章君) この取り消し規定は、専売法そのものにとりましてはいわば非常に極刑と申しますか、非常にきつい一種の刑罰のようなものでありますので、私の記憶しているところでは、これまた記憶間違いがあるかもしれませんが、記憶しているところでは、取り消し規定を発動したことは今までにはなかったように記憶いたしております。
○野溝勝君 そこで、この問題はいろいろ、なかなか当局の答弁が実にあいまいで、はっきりした答弁がないのですが、今もお話があったように、十八条にはそういうことになっておって、すでに問題が出ておって、その問題については公社も指示をしてあるわけです。注意の指示をしてあるわけです。これに対して副総裁はどう考えておりますか。
○説明員(石田吉男君) 先ほど来申し上げておりますように、そういうむずかしい問題の場合には、公社もできるだけ誠実に解決するように努力をするという意味で、指示がしてあるわけでございます。別に十条に基づいた法律上の指示ということではございませんので、できるだけそういう指示をして、塩業者に話をして、その指示を守らせるように努力をするということは、これは当然のことだと思います。
○野溝勝君 私は、きょうは質問はこれで留保する。とにかく承知ならぬよ。そういう意味で指示したのじゃないとは、何のことです。一体、委員会を侮辱するもはなはだしいじゃありませんか。十条ではない。十八条にもちゃんとあるじゃないですか。だから、指示をした。指示をしたけれども、なかなか業者の諸君の間にもいろいろ意見があってまだ解決点に至らぬというなら、わかるのでございますが、指示はこれに基づいた指示ではない。ほかに何の指示をするのですか。根拠のない指示を行政官がするということはできますか。ある程度法規のよりどころによって指示をするのが理論であり筋じゃないですか。ただむちゃくちゃに、指示や通達はないよ。そんな子供だましのことを言ったのでは、承知ならぬ。総裁を呼んできたまえ。まじめにこっちはやっているのですから、まじめにあなたの方も答えてもらいたい。指示はそういうわけでした、あなた方の要請もあったからやったと。やったけれども、なかなかそれは思うように徹底しないので、さらにあらためて努力するというなら、わかるのでございますけれども、指示は根拠がなくて、それらの条文に関係がなくてやったというのは、何のことですか。
○説明員(小林章君) ちょっと恐縮ですけれども、私から補足的に申し上げさしていただきます。専売行政をいたします上につきまして、これはそういうお考えもあるかもしれませんが、法律に基づかないで、事実上、機械一つ作るのにもこの方がいいじゃないかとか、あの方がいいじゃないかとか、(「そんなことは注意事項だ」と呼ぶ者あり)先ほども申し上げましたように、そういうことをいたしておりまして、先生のおっしゃる十八条に基づく云々になりますと、法律十条に基づく指示ということになるわけですが、これはそういう場合には発動いたさないという解釈になっておりますので、従って、この法律十条に基づく指示はいたしていない。いろいろ注意と申しますか、干渉と申しますか、言葉にいろいろありますけれども、そういうことはいろいろいたしておりますので、その一つとして、そういう注意と申しますか、指示をいたしておる、そういうことであります。十条に基づく、この法律による指示ではない、そういう意味のことであります。
○成瀬幡治君 ちょっと関連して。副総裁にお尋ねしますが、塩害というものは全然予測しておられますか、おられませんか。
○説明員(石田吉男君) お話の、質問の趣旨がよくわからないのでありますが。
○成瀬幡治君 製塩に対して塩害というものがあるかないかということです。
○説明員(石田吉男君) これは土地の状況によりますし、それから製塩方式にもよりますが、ただいま問題になっておりますのは、枝条架と申しまして、(「そんなことを聞いておるのじゃない」「予期しているか予期していないか」と呼ぶ者あり)それを申し上げておるのでございます。そういう枝条架によるところですと、風下にあるところは塩のあわが飛んで、鹹水のあわが飛んで参ります。そういうところでは、距離にもよりますが、予測できるということは申し上げられると思います。
○成瀬幡治君 予測しておれば、それに対してどういこうするということは、法律の中の規定があってしかるべきだと思う。あるいは立法されるときに、当然予測されて私は立法されておると思うのです。それは、どこにそういうことが書いてありますか。
○説明員(石田吉男君) ただいま申し上げました枝条架方式と申しますのは、ごく最近、ここ数年の間にできて参りました。この法律ができます当時には、そういう製塩方式がございませんでしたので、おそらく、ただいま問題になっておりますような塩害ということは、この法律制定の当時には予測できなかった、また事実もなかったということだろうと思います。
○成瀬幡治君 そうすると、数年前から始まっておることに対して、塩害が出たということはいつごろからあなたは御承知になっておりますか。
○説明員(石田吉男君) 昭和三十一年ごろからでございます。
○成瀬幡治君 そうすると、今から三年くらい前ということになります。それについて怠慢じゃないですか、何もやらぬでおるというのは。怠慢を認めませんか。
○説明員(石田吉男君) 従来ありました塩害問題というのは、大体そう大きな問題にならずに、その場その場で円満に話がついておるのがほとんど大部分でございます。ただいま野溝先生から御質問のありました分が昨年ごろから問題になって、これがなかなか当事者同士の間で話がつかないというふうなことでございまして、それについて公社もまああっせんに立って、いろいろ当事者同士の間で話のつくように努力をして参ったという実情でございます。
○成瀬幡治君 解決したとか解決していないとかいう問題じゃないのですよ。解決したとか解決しないとかじゃなくて、三年くらい前から予測しなかったことがあった。そして、しかも新しい問題として出てきたというなら、当然それに対する法律の対処というものをやられるのがあたりまえの話です。そうじゃないですか。だから、怠慢じゃないですか。
○説明員(石田吉男君) こういう問題は法律で片づけるべき問題かどうか、いろいろ検討も必要だと思いますが、また、そういうことを法文化するということについても、いろいろむずかしい問題があろうかと思いますが、まあ一般的には民法の相隣関係の規定がございまして、そういう方面で片づけるというのが普通でございます。従いまして、特に塩害だから塩の専売法に入れるかどうかというふうな点は、なお十分検討の必要もあろうかと思います。
○成瀬幡治君 冗談じゃないですよ。そんな民法上云々の損害の問題じゃないですよ。少なくとも、現実にそういう問題が起きたら、法律はそういう場合を予測して、たとえば許可あるものを取り消すとか何かするというのは、あたりまえのことなんです。それをやらずにおって、そして何ともしょうがないのだというのは、それは不誠意きわまるといってもいいと思うのです。だから、あなたの方として善処する意図があるのかないのかわからぬのですよ、聞いておって。一体このままほおかぶりしておって、ずっと過ごしていくつもりなのか。善処しようとする誠意をもって事に処そうとする、そういうものがあるのかないのか、ここで聞いておってもさっぱりわからないのですよ。どうするつもりなんですか、一体。
○説明員(石田吉男君) ただいま申し上げましたように、一般的にはこれは民法の損害賠償の問題になるわけであります。従いまして、特に塩専売法にそういう規定がなくても、それは法律的には処置できる問題でありますが、事実問題としまして、やはりなかなか、法律問題にするよりも、お互い同士話し合う、その中にまた専売公社が中に入っていろいろあっせんするということで解決しているのが、非常に多いわけであります。これはまあ従来からいきさつのある問題でございまして、公社といたしましても、できるだけ円満に解決したいということで、いろいろ善処はいたしておるのであります。
○成瀬幡治君 たとえば、どんな仕事でもいいのですけれども、製造方法によって被害が起きる、そういうことがあったら、それは民法上の補償ができることだから、どんな製造方法でも許可しますというような、そんなばかげた行政というものはないですよ。どんな製造方法でもよろしい。たとえば花火工場で、どんなものでもよろしい、損害が起きたら、それは民法上の問題ですから、どんな製造方法でも許可しますということにはなっていないですよ。少なくとも製造方法があれば、それに対して何かの被害というものが起きてきたら、それをどうこうするという規定が当然あってしかるべきなんです。それを、それは民法上の問題だというような、そんな答弁でこれを糊塗しようとか、それを過ごすということは、私は不適当だと思う。不謹慎というか、ちょっとあいそうがこちらの方が言葉がないのですよ。そうじゃないですか。どんな製造方法でもいい、損害が起きたらそれは民法上の問題だ、そういう態度なんですか。私はそれは違うと思うのですよ。当然そこには、許可制の問題ですから、認可を取り消すとか何とかという行政措置というものがおのずからあってしかるべきですよ。それが今までの過去のいろいろな法律体系じゃないですか。
○説明員(石田吉男君) 先ほどお答え申し上げましたのは、法律的にはそういう救済の道があるということを申し上げたのでありますが、この問題は、私の方でもどの程度の塩害があるかということはずっと研究いたしておりまして、最近、この程度離れればこの程度の塩害があるというふうなことが、研究の結果だんだんわかってきたわけであります。非常に、風の向きとか、あるいは枝条架の高さとか、その他いろいろむずかしい点がございまして、ある程度の不必要に、非常に遠いところに作れというふうなことも、これも塩業者としてはなかなか問題でありますし、まあ一方的にその塩業者に対してやかましいことを言い過ぎるということになりますと、これは塩業者に対しても相当な損害を与えるわけであります。そういう関係で、塩業者の方と塩害を受ける方との関係といいますか、そういうものがなかなか計数的には規制しにくい問題でありまして、御趣旨としては、そういうことも考え得るかと思うのでありますが、それを法文化してしまって、動きのとれないようにするということになりますと、今度は不当に塩業者の方の利益を害するという面も出て参ります。その辺十分検討いたしませんと、なかなかここですぐ法文化するとかというようなことはむずかしい問題なのでございまして、十分な検討はさせていただきたいと思います。
○成瀬幡治君 これは重大な答弁だと私は思うのですよ。今のおっしゃっている答弁、あるいは野溝委員、あるいは平林委員に対する答弁を聞いていて、何か業者が金もうけならどんな被害を起こしてもいい、それを制限することは金もうけをやめることになる、被害よりもそちらの方が大切だというような受け取り方になるのですよ。少なくとも公共の福祉を守っていく立場というものの制限というものは、おのずからあると思う。従って、これ以上ここでどうこうするのは、これは野溝さん、だめですよ。それで、次の委員会で私は一つ総裁をお呼び願うことと、通産大臣、あるいは岸総理を一つ呼んでいた、たいて、ああいうものの考え方でやっていいものかどうか、これは私は究明せざるを得ない。これは委員長に一つお願いしておきます。
○平林剛君 結局、この問題については、私は専売公社の方で塩害を解決する意思を示すことが必要だ。そのためには法律的な欠陥があるから、法律についての検討をして、次回までに公社の考え方をまとめてもらう、それが必要だと思います。なぜかというと、副総裁のように、これは民法によって救済する措置があるのだからというお話なら、専売公社は何にもしないでいる方がごりっぱですよ。私は関係ありません、これは民法があるのだから民法でおやりになればいい、法律は専売公社はそこまでやる必要がないのだということであれば、これは私に関係ありませんからと突っぱねているのがりっぱですよ。しかし、今日、塩専売法という法律があって、それぞれ関係の条項がある。これに塩害を含めるというのは、現在の情勢から見て当然でたきやならぬと思う。だから、その塩害に対する措置が欠けているとすれば、それをやるべきです。それを、この間の生島や今度の地域に対する指示というものはこの第十条によらない指示だ、こう言われましたけれども、この十条によらない指示というものは現在の法律の中にはないのですよ。それは専売公社の拡大解釈です。 この間も、委員長初め各委員も御承知のように、酒団法に関する問題を議論をしまして、酒の値くずれなどあったときには強制的な措置を行なうという法律が当初の政府案であった。ところが、いや、それより前に大蔵大臣の勧告というものを認めてやろうではないかという修正案がございまして、これまた法律の権限に基づく勧告というものが生まれて、そうしてみんなが納得をして成立をした経緯もあるのです。だから、専売公社としても第十条によらない指示ということはあり得ないので、十条によるか、ノータッチかというしかないのです。今日まで塩害問題が解決しないというのは、専売公社の指示が法律によらないものだから、利害関係もあって、そんなことは聞けないというところにあるわけですね。幾ら専売公社が権限のないことを言ったところで、自分の利益にならないことをおいそれと聞かないというこれとになるわけです。だから、いつまでたっても解決できないのだから、問題は、この専売公社がやる場合には十条によらない指示ということでなくて、塩害についての指示はこれだけということをはっきりさせるか、あるいは法的な裏づけ——公社の言い分は相当権威のあるものにさせなければ問題の解決にはならないのです。そういう点を、きょうは各委員も、ここでは解決できないといって、次の段階を要望せられておりますが、私は、公社が次の機会にはそのことを、当事者としてこういうふうにするということを相談をしてまとめてきてもらいたい、自分で解決をしてもらいたいということを要望いたしておきます。
○野溝勝君 私が質問したことから、波紋が大きく発展したのですが、大体、成瀬、平林両君の言われたことで尽きるのですが、今までにないあいまい、かつ不明朗なお答えをしているわけです。全く関係委員としまして、こんな不明確なことでは、質問を打ち切れない。答弁がだんだん疑惑を起こすと思うのです。塩専売に対する行政上のやり方、今日までの動き、こういうこともあらためて突き上げていかなければならぬと思う。ですから、今度の合理化、能率増進については、先ほど、野溝委員のお話のように被害の問題をも考えて、十分整備審議会においても処理していくものである、こう言っておりながら、副総裁の方は、それはどうも十条の精神じゃありませんとか、それはどうもやかましくなりますので、どうか両者の間で円満にと言ってみたり、こういうようなことで品は、もうほんとうにわれわれとして人民に、政府はどういうことを考えておる、当局はどういうことを考えておると、徹底するように話ができません。でありますから、先ほど成瀬委員もお話しになりましたごとく、一つ次回はそれぞれの政府関係の首脳陣を呼んで、その際にあらためてまた当局の意見を正確に整理されんことを……。きょうはこれにて終わります。
○委員長(加藤正人君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(加藤正人君) 速記をつけて下さい。 それでは、本日はこれをもって散会いたします。 午後零時三十七分散会