P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
33回国会参議院1959/11/19

大蔵委員会 第3号

発言数
110
登壇者
12
会派数
3
開催日
1959/11/19

会議録

加藤正人緑風会

○委員長(加藤正人君) それでは、ただいまから委員会を開きます。  まず第一に、十八日付をもって、委員のうち、植竹春彦君が辞任されまして、その補欠として前田久吉君が委員に選任せられました。   —————————————

加藤正人緑風会

○委員長(加藤正人君) これより、法人税法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取することにいたします。

前田佳都男自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(前田佳都男君) ただいま議題となりました法人税法の一部を改正する法律案について、提案の理由を御説明いたします。  現行の法人税法におきましては、青色申告書を提出する法人につきましては、正確な帳簿を備えつけ、その欠損金の計算も明確に行なわれておりますので、ある事業年度に欠損を生じた場合に、次の事業年度以降五年間はこれを繰り越して控除することを認めているのでありますが、それ以外の法人にはこのような制度を認めておりません。  しかしながら、災害によって生じた損失は、他の損失とは事情も異なりますので、本年四月所得税法を改正し、青色申告書を提出していない個人につきましては、災害によりたな卸資産等に損失を生じた場合にその損失を繰り越すことを認めたのであります。  従いまして、今回の大災害を機会に青色申告書を提出していない法人につきましても、震災、風水害、火災等によりその法人のたな卸資産、固定資産等について損失が生じたため、その事業年度に欠損を生じたときは、その欠損金のうち災害によって生じた損失の金額に限りまして、青色申告法人の場合と同様五年間の繰り越し控除を認めるよう改正を行ない、これにより災害を受けた法人の事業の復旧に寄与することを期待している次第であります。  何とぞ御審議のうえ、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。

加藤正人緑風会

○委員長(加藤正人君) 次に、補足説明を聴取いたします。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) 補足説明は、担当の税制第二課長の塩崎にいたさせたいと思います。

塩崎潤大蔵省主税局税制第一課長

○説明員(塩崎潤君) 簡単に補足説明を申し上げたいと思います。  内容は、先ほどの提案理由にもございましたように、青色申告を提出しない法人につきましても、自然災害によりますところの損失につきまして、五年間の繰り越し控除を認めようとするものでございますが、そこで、法文を見ていただきますと、改正の内容が書かれてあるわけでございます。で、改正の趣旨は、九条の法人税法の所得計算の規定を直そうとするものでございます。その直し方は、提案理由にもこれまたございましたように、個人所得税の白色申告者の繰り越し控除の規定にならいまして、おおむね同様に書いてございます。  若干、内容につきまして御説明申し上げます。「前項の規定の適用がない場合においても、」云々と書いてございますが、これは九条の新しい六項の趣旨は、白色申告者につきましても繰り越し控除を認めている意味におきまして、「前項の規定」と申しますのは、青色申告の五年間の繰り越し控除の規定でございます。そういう規定が適用なくても繰り越し控除を認めるのだというのが、改正の第一点でございます。  なお、ここに長々と十八条、十九条第一項ただし書き、二十一条、二十二条の二、二十三条というふうに条文が書いてございますが、この趣旨は、無申告法人については損失の金額の確認も容易でございませんので、これを排除する趣旨におきまして、法人に要求されておりますところの各事業年度の申告書を出した法人に限る、その条文を引いたのでございます。  それから、ここにどういう場合が災害に入るかという点が、この九条の六項に規定してあるわけでございますが、「震災、風水害、火災その他命令で定める災害」となっております。災害の損失というものは普通の事業上の損失とは違うのだということをいっておりますので、この災害の趣旨は自然的な災害に限定するという、こういう趣旨でございます。個人所得税も同様な趣旨で書いてございますし、「その他命令で定める災害」というのは、たとえば落雷、噴火、その他自然的な災害を、所得税法にならいまして限定する趣旨でございます。  それから、その次は、どういう損失がまあ控除できるかという点でございますが、ここに書いてございますように、「商品、原材料、製品、半製品、仕掛品その他たな卸をなすべき資産又は固定資産」、こういうふうに書いてございます。これもおおむね個人所得税にならって書いてございます。「これに準ずる命令で定めるもの」というふうな命令に委任した点もございます。これもこまかい規定でございますが、たとえば港湾設備利用権みたいなもの、これは一つの固定資産に準ずるものであります。一種の繰り延べ費用という意味で資産とは言っておりませんが、まあ減価償却をその専用度に応じまして認めております。物的なものに結びつきましたところの費用でございますので、当期の費用ではございませんが、将来にわたって投資されるべきところの費用だという意味で、固定資産に準じまして償却を認めましたもので、やはり物的なものが損失を受けました場合に、その損害が出た場合、これも控除の対象に入れる、こういう趣旨でございます。  なお、損失の金額につきまして「命令で定める」となっておりますが、これはたとえば災害による損失と営業上の損失をどういうふうに分けるかといったような規定、あるいは固定資産の損害というものはどういうものかという、こまかい技術的な規定を設けようとしてございます。  ただし書きは、先ほど申し上げました無申告法人は除外されるわけでございますが、なおこれも連続して一つ申告書を出していただいた場合に限る。これも同様に、個人所得税に合わした規定でございます。  九条の三、十二条の二第五項、十七条の第一項、十九条第九項、二十条第四項及び二十六条第四項中の技術的な改正がその次に規定してございますが、御承知の通り、九条六項法人というのが現在ございまして、これは特別法人に関する規定でございますが、この条文が相当各条項にまたがって規定されております。条文の移動によりますところの改正でございます。  そこで、その次は附則でございます。この法律は、公布の日から施行することは当然でございますが、そこで、どういう、いつからの災害から適用するかという点でございますが、この点につきまして二項に規定してございます。提案理由にもございましたように、個人所得税法の改正規定は本年の四月一日から施行されておりますが、そのときの規定では一月一日以後に生じた災害から適用されるとなっておりますので、それと合わせまして、法人税法につきましても、ことしの一月一日以後に生じました災害につきまして生じた損失金額から適用する、こういうふうなことにいたしております。それについて、一月一日以後に生じた災害、それに基づいて生じた損失で、繰り越し控除の適用の対象になるということになるわけでございます。これも個人所得税法の規定と合わせたわけでございます。  第三項は、そうなりますと、すでに申告書を出した法人が考えられるわけでございます。一月一日以後に災害を生じた、しかしながらもうすでに申告書を出しておる。ところが、今回の改正によりますと、この損失の金額を申告書に記載するということが控除の要件であります。そこで、その救済規定を設けましたのが第二項でございます。そこで、そういう申告書を出した法人あるいはこの法律施行前にすでに申告書を出した法人、もう一つは、この法律施行後非常に時期が短くて、すでに申告書を出す、たとえば十二月一日から施行されまして、一二月二日に申告書の提出期限で出した、その法律の趣旨が周知徹底しなかったために損失に関する記載事項を書かなかったというような法人が想定されるわけでございます。この二つのカテゴリーの法人を救済するのが三項でございまして、一号が、今申しました最初のカテゴリーでございますところのすでに申告書を出した法人、二号は、四ヵ月以内に申告書を出す法人でございますが、損失に関する明細書が出なかったという法人でございます。これはこの法律の施行の日から四ヵ月以内に、今申し上げました災害による損失の金額に関する事項を記載した書類を納税地の所轄税務署に出しますれば、今回の改正をいたそうといたしますところの九条六項の適用が受けられると、こういう規定でございます。  次は、附則の第四項でございます。これは非常な稀有な例だと思いますが、たとえば、一月末に事業年度が終わる法人があるといたします。そこで、今回の改正法律がかりに国会を通過いたしまして、一月一日以後の災害に適用になる、こういうことになりますと、一月末の事業年度分につきましては、三月にすでにもう申告しておる。その次が、たとえば半年の決算でございますると、七月で事業年度が終わりまして、九月末に申告書が出る、こういうことになります。そうなりますと、一月の損害につきまして、本来ならば、この九条六項がすでに施行されておりますれば、二月一日から七月末で終わりますところの事業年度におきましての繰り越し控除の特典が利用できるのでございますが、これももうすでに申告書を出しておりますと救済の方法が、ほうっておきますとなくなるわけでございますが、その場合には、更正の請求適用の資格があるのだということを税務署に申し立てまして、更正の適用を要求いたしますれば、税務署の方で更正いたしまして、今申し上げました二月一日から七月末までの事業年度の所得につきまして繰り越し控除を認めようという、非常に稀有な例でございますが、法律問題といたしましてそういうことを想定いたしまして、規定いたしましたのが四項の趣旨でございます。  附則の五、六、七、八は、九条の六項が新しく追加されますことによりまして生じましたところの他の法律の条文の整理でございしまして、技術的な改正点でございます。  簡単でございますが、補足説明は以上の通りでございます。

加藤正人緑風会

○委員長(加藤正人君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。   —————————————

加藤正人緑風会

○委員長(加藤正人君) これより、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  御質疑のある方は、順次、御発言を願います。

山本米治自由民主党

○山本米治君 今度の新しい基準価格というのは大蔵大臣が決定するように思うのですが、大蔵大臣は単純に大蔵省内の相談によって決定されるのか、その他価格決定についてどういうような手続をとられるか、御構想を伺いたいのでございます。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) 価格を決定いたします場合には、その価格の決定の要素になります事項についてよく調べなければなりません。決定の要素になりますものは、製造者価格でありますれば、いろいろな原価ということであろうと思います。これは、実際に作っております製造者のいろいろな勘定を調べて、また製造者の組合というものもあります、そういうものからまとめて意見を聞くというようなこともあろうかと思います。販売に行きますれば、販売マージンの問題は、同様な意味でその業界の意見を聞く。もう一つ、価格決定の大きな要素は、やはりその価格で買う消費者がどう見るかという問題であります。これはなかなか数字には乗りにくい問題でありますが、役所といたしましては、やはり消費者の利益ということもいろいろな角度から考えてきめなければならない。大体それらの要素をそれぞれ必要な角度から聞き、または調べまして、そしてきめて参るということであろうと考えております。

山本米治自由民主党

○山本米治君 実は、小売業界から陳情を受けているわけです。それで、その要旨は、価格決定について審議会式なものを設けてくれという陳情なんですが、この陳情について若干お尋ねしたいのですが、政府はいろいろな価格の決定その他の場合に審議会というものをよく設けられる。これは終戦後非常な行政の一つの特徴のようです。ある場合には、これを政府は隠れみのにするというような、言葉は悪いかもしれませんが、そういう場合もあるのですが、今度のこの価格決定について審議会を設けられるというような意向はおありになるのか、全然お考えにならないものか、その辺の感触をお伺いしたい。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) 審議会の問題は、本案が動いておりまする間にたびたび出て参りました一つのアイデアではございまするし、また、そのアイデアの根本にありますところの、関係者といいますか、なるべく広い範囲で意見を聞くということは、役所ももちろんやるべきだと考えております。ただ、何分にも価格決定をいたします場合に、たとえばお話の販売業界から意見を聞くということになりますと、販売業界はまず自分のマージンが大事だという角度で、マージンは昔はこうだった、これだけほしいという角度で言われるわけです。それから、メーカーはメーカーで、その立場の利益をまず主張されるということになる。消費者の方はなるべく安く売ってくれと、こういうことになるわけです。従いまして、最終はなかなか判断のむずかしい、押し合い、水かけ論というようなことになりかねない事柄であります。今までも、大体この価格につきまして、米価審議会というようなものはありますけれども、公定価格をやっておりました間も、そういうようないわば一つの取引的に価格がきまるということは必ずしも望ましくないというような意味で、政府が責任を持って決定するというような態勢がずっととられてきたと思います。で、私どもは、やはり今後こういう点、基準価格等をきめる場合には、やはり政府は各方面の意見を十分は聞くけれども、しかし、それによって決定されるというのには不適当なことがある、決定はやっぱり役所が十分意見を聞いた上でその責任で決定するということであろう。従いまして、まあ審議会という形を法律上あるいは事実上設けましても、それはそういうふうに意見を聞くという形のものであって、それによって決定されるべきものとしては不適当な議題ではないかというふうに考えております。この審議会的なものをどうするかということにつきましては、いろいろそういう御要望も強いことでありまするし、実行上何らかの形でそういうようなことをやることをやったらどうかというような気持で、担当の部局内で話し合っておるという実情でございます。

山本米治自由民主党

○山本米治君 審議会に諮問される場合に、政府は必ずしも従来審議会の意見通りにはとっておられないのですが、米価でも何でもそうでありますが、そういう意味で審議会の意見を十分聞くということで、政府が最後に責任を持って決定されること、それは差しつかえないんですが、そういう意味で非常に要望が強くて、しかも、それは各界それぞれ自分の利益を主張するでしょうが、そういう一つの広場、土俵を持って、そこで各界の意見を聞くということはけっこうなことじゃないかと思うのですが、その審議会を作るについては、まあ法律上のもの、事実上のものがあるでしょうが、法律上のものというと、法律のこの原案の改正という問題にもなりますが、事実上のものでもお作りになる大体の意向がおありかどうか、伺いたいのですが。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) 事実上そういうことをやろうということは、私どもそういうつもりでおります。

山本米治自由民主党

○山本米治君 今までマル公、現在もマル公なんですが、このマル公時代に価格を決定された場合に、たとえば生産者から末端の小売りまでのマージンというか、利益、そういうものを一〇〇とした場合に、その三業界ですね、生産、卸、小売の三業界の百分比というのは大体どんなふうになっておりますか、ちょっとお伺いしたいのですが。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) 大体、御案内の通り、いろいろな企業統計や製造利益、それから販売利益というようなものがございます。やはり大きくはそういうようなものと比準ずるということになりましょうが、やはり品物がああいうびんだのたるだのに詰める液体であるというようなこと、それから税が非常に大きいというような特殊性から、若干の偏倚といいますか、調整が必要だろうというふうに考えております。ただいま御質問の点は、全体としてはちょっと何でございますが、しりの方から申しまして、小売の差益率、それから酒類によって違いまするが、まず一〇%から━━これは仕入れ価格に対してです、仕入れ価格に対しまして一〇%からまあ一三、四%、まれに高いのは二割ぐらいというものがありますけれども、そのぐらいが小売の差益率であります。卸の差益率はまず四、五%から七、八%というようなところになっております。(「閲歴は」と呼ぶ者あり)卸がそうでありますから、まあ問屋さんがそれでございますね。製造の方は今ちょっと率が出ておりません。大体いろいろな事業、それも類似する清酒ならば、年に一回回転するというような事業の波を見て、ただし、その中で税を入れますと何ですから、税を抜いて見るというようなことで、他の産業と比準してきめておるわけでありますが、後ほど数字がもし出ましたら申し上げます。

山本米治自由民主党

○山本米治君 私は、陳情の取次ということじゃないのですが、小売業者は、一割程度では非常に少ない、ことに、いろいろな設備をよくしなければならぬとか、あるいは最低賃金がしかれているとか、いろいろなことで少ないということを言っておるのですが、これはむろんもう少し上げてもらいたいという要望があるわけです。たばこの方でも最近、御承知のように、小売のマージンを上げてくれという要望があるようでありますけれども、この酒の小売のマージンをもう少し引き上げるというような要望に対して、政府はどういう感触を持っておられますか。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) なかなかむずかしい問題でありまして、私どもも毎回の改訂の際に非常に頭を悩ます問題であります。全体の方向としては、やはり統制時代にそういうマージン、また製造者の利益というようなものも、マル公ということで、もう極力がまんをするというような角度で扱われておった。そのため、ただいま申し上げましたような率も、統制の盛んな時分にはもっともっと率が低かった。それがだんだん自由経済になるに従って、自由な経済の要求する線というようなもの、非常にむずかしいわけでありますが、それをまさぐりながら、だんだん率が上がってきているという状態であります。まだこれでも戦前の率には及ばないと、自由であった率には及ばないということ等で、小売、卸でもそうでありますが、要望があります。これらにつきましては、先ほど来申しましたように、小売、卸売、あるいはメーカーの言うことだけを聞いておりますと、勢い、消費者が高く買わなければならない。こうなりますと、非常にむずかしい。そういう四者の利益をどこに公平にバランスをはかったらいいかということになりますので、そういう要望ももっともなところがあると思いますが、それら全般を見て、今後十分検討してやって参りたい。全体としてそういう小売なり卸なりの差益あるいは製造者の利益が、統制時代からかなり押えられておったということに対しては、われわれも同情的な気持で見ておりますけれども、全体としては、ただいま申しましたような角度で今後やって参りたいと思います。

山本米治自由民主党

○山本米治君 むろん、消費者から見れば安い酒がいいので、酒の値段をこれ以上げることは好ましくないと思うのですが、価格を、現状を前提とした場合に、今の三業界というか、利潤の分配の問題ですか、これはやはり先ほど言われましたように、何も法律上の審議会でなくても、各界のあれが十分反映されるように、むろんその配慮でやっておられると思いますが、先ほども大体運営はそういう方向でやっていく予定だということを言われましたので、私はそれをさらに希望としてつけ加えて、質問を終わります。

大矢正日本社会党

○大矢正君 八十六条の二に制限販売価格というのがありますね。これは書いてあってもむずかしくて、ちょっとわからぬけれども、要は、これ以上高く売ってはいけないという一つの価格というものを設定するという、簡単にいうとそういう解釈になるのですか。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) これはいかにも、マル公を廃止だというようなことをいわれていながら、おかしいようにちょっとごらんになると思いますが、これはこういう事情でございます。清酒が一番いい例ですが、特級、一級、二級とある。そこで、マル公をやめて基準価格でいくと。基準価格というのはもう基準であって、なるべくその近辺で売りなさい。売りなさいというと何ですか、売られるとよろしいという価格です。若干はそれより高くても、また競争で安いのができても、そう神経立てて言わないというものでありますが、そうしますと、たとえば、一級に出している酒屋さんが、もうちょうどいいから、一級やめてこの酒は二級にしておこう、うちの名前でこれだけいい酒なら、基準価格なんだから、一割や一割、役所のというか、みんなの顔色見て、文句言われない限り高く売ろうじゃないか。そうすれば利益はうんと入る、税は二級のうんと低いのになってしまうわけですから。そうしますと、特級、一級で相当今よけいな税収が入っているのが、すっとんでしまうというようなことになりますので、それは困るから、ここにありますように、二級は最高これ、一級はまた、特級が下がってくるといけませんから、最高これ、特級の場合は、これはもうほんとうの実力であとはないから、それより高く売れるなら若干高くてもやむを得ないというので、最上級は手を触れませんというようなことになっている。そういう意味で、この条文をお願いしているわけでございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 多分そういうことだろうと思って質問をしているのだが、そうすると、特に特級なんかでも名前の売れているものは、現状の価格よりはむしろ高くなるという危険性を招来するのではないか。それから、一級、二級という問題については、特級を一級に下げることによって、今原さんが言われたような、税金が安くなるから、その分だけ酒屋の方にしてみると非常に利益が上がるというような結果になるわけです。そうすると、そういう場合に一体どこを、どの程度をかりに基準にして、制限販売価格というものを設けるのか。たとえば、特級を一級というふうにして売った場合に、その場合には一級というものはどの程度の販売価格なんだということをやはりきめなければいかぬわけだから、それは一体どの程度を求めるのか、具体的に一つこの際お答え願いたいと思うし、そういうことを含んで、実際問題として、今の特級、一級、二級という酒の値段が、二級は、三級というものはないから、これは下げるわけにいかないけれども、一級を二級、あるいは特級を一級ということはあり得るわけですから、そういう非常に名のある、特に特級なんかの価格の問題と、それから今原さんの言われた一級を二級に下げたり、特級を一級に下げたりする、下級酒に下て税金を安くすることによってみずからの利益を得ようとする方向が出る場合に、これを封ずるための制限販売価格というものは、一体どの程度でとどめようとされるのか、その点一つ、将来のために聞いておかないと、酒が一体高くなるのか安くなるのか、マル公を廃止したけれども酒が高くなってきたということでは、国民の側としては大きに迷惑な話なんです。この際、ちょっとお尋ねしておきたいと思います。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) 第一のお尋ねの、特級は頭を抑えないということで高いのが出るという点は、理屈ではそのおそれがないではないと思います。実際上、私はもうこれはおそれる何はないと思います。若干出ても、そこまで、もうその辺なれば、実際不当な利益でそれだけ上がるのか、よほどいい蔵のよほどいい酒が高くなるのか。今千七十五円ですから、それよりも相当高いということになりますと、かなりそういうメーカー自体のメリットがものをいうのじゃないかというふうな私は感じがいたしますし、実際的にはそういうものはほとんど出てこないだろうと思います。  その次の、制限販売価格のきめ方でありますが、要するに、先ほど来申したようなことでありまするから、下の級に落として、そうしてもうけが非常にといいますか、普通をかなりこえていいということになると、そういう引力が働く。そういう引力を働かさないというようにということでありますから、たとえば特級を一級に落とすかどうかという場合でありましたならば、通常特級をきめる際の利潤率、それと一級の制限販売価格の利潤率とが、ぴったり一緒になるかどうか。あるいは若干の何があるかもしれませんが、やはり特級の利潤額よりもあまりに上回らぬと、大体その辺を目安にきめていくということではないかと。大体特級と一級とでは、やはりもとが特級の方が高いですから、利潤の額も一級の通常の何よりも高いということになりますね。で、その差額はまあ少なくとも上に乗っけてよろしいと。ぴったりとそれでいくか、若干どうするかという点は、実情を考えてその辺にきめていくというようなことであろうというふうに考えております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 これは、私は、酒の一つの級別の体系上混乱が起きるんではないかということを実は懸念しているわけなんですが、原さんは今、特級酒の場合はそう大きな心配はないというような御意見ですけれども、実際現状は、マル公の時代においても、名の通ったものはもう、むしろ酒を取りにいかなければならぬくらい非常に需要が盛んである。しかし、名が通っていないものは、比較的、まあ極端なことをいうと、ある程度プレミアムをつけて売らなければならないようなところまであって、非常に品種別の需要に対する実態というものはやはり大きな開きがあるのですね。ですから、その開きを何とかして解消しようということになれば、特級酒の名の通ったものはまだまだ高く売れる、片方名の通っていないものはこれを下げなければならないという事態になって、下げることによって辛うじて価格の点で対抗していこうというような結果が出てくると思うし、もしそれでもなお困難であるとすれば、これは特級酒を一級に落として売るというようなことで、級別の体系上私は非常にこのマル公の廃止によって混乱が生じてくるのではないかと、こういうように思いますし、ひいては、そのことが税収の面で多大の影響を及ぼすのではないかというようにも考えられるのですが、原さん、そういう心配は絶対ないですか。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) 全体としてはごもっともな御疑問なんでありますが、具体的に、特級が、あるいは一級酒を作るところが苦しむだろうかどうだろうかということになりますと、その辺は、何といっても、酒屋の中でも相当名の通ったりっぱなところなので、今おっしゃった問題は、もうほとんど二級酒だけを作っているという酒屋さんで、しかも名も売れていない、規模も小さいので、非常に市場のかみ合いもなだらかにいかぬというようなところに問題がある。これは私どもも、今清酒の場合が出ておりますが、清酒の業界における非常に大きな問題だというふうに考えております。  で、これはとうてい価格制度だけではいかない。むしろ価格制度では、今の級別の問題よりも、もうそういうクラスの酒屋さんでは、酒といえば二級酒で、一級、特級はとても考えられない。その二級という酒の値段がくずれては、あっぷあっぷになる。そういうところこそ、この法律にあります協定価格を作る。あるいは、政府がきめてくれる基準価格で酒屋さんが忠実に売ってくれると。強いのが下げて売ってきたら、そういうところはすぐあっぷあっぷしますから、価格面では協定価格、基準価格で、下をささえる。同時に、反面、今言われた銘柄も通っていない、販路も確立していないというようなものをよりよくするために、四千以上あるメーカーが、小さいのは小さいなりに、やはりお互いに、近ごろよくやっております共同びん詰めとか、場合によってレッテルを共同にしてしまうというようなことでやれば、単位が大きくなって、そうして市場との吻合関係もよりよくなるということがあります。この辺はなかなか実行上困難が多いところでありますが、大きく見てやはりそういうような方向がぜひ必要であろうと。これはもう業界内部でも具眼の士はそう考えて、だんだんそういう努力が行なわれつつあります。われわれ役所におります者としても、そういうような趨勢にできるだけ力を合わせてやって参りたいという気持でおる次第でございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 原さん、将来どうなるかということはむずかしい問題だろうと思うけれども、今、原さんが考えて、かりにまあ特級を一級に落として売る、一級を二級に落として売るという場合、税収の関係上制限価格というものもある程度考えなければならぬという問題もあるが、そういう面で、今の時点で考えた場合に、マル公廃止後制限価格を一体どの程度で求めるかという点は、さっきもちょっと聞いたのだが、お答えがないようなんですが、何かそれに対する考え方はないですか。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) それでは、もう少し具体的に申しますと、しっかりした数字を今持っておりませんので、ごく概略の数字を申し上げますが、清酒の二級と一級という間の関係でそれを申し上げてみたいと思います。ごく概略の記憶でありますが、清酒の二級の一升当たりの製造者利益というものは二十円くらいであると記憶いたしております。で、その二十円を含めて基準価格ができるということをまず仮定する。それから、一級は値段が高くて、そこがちょっと確かでないのですが、二十円が、かりに二十五円とか七円とかいうようなことになっておると思いますが、まあ二十五円なら二十五円といたしましょう。そういうことで一級の基準価格がきまるといたしますと、具体的な心配というのは、一級を二級に下げた場合に、今の差の五円だけ乗っけたところに一級の制限価格を置いとけば、まずよろしいということに一応なる。しかし、それは利潤だけの話ですから、実際には、一級酒並みの酒というものは、利潤のもとになっているいろいろな諸原価、つまり米の搗精歩合もよくついておるというようなことがあって、原価自体がふくらんでおるわけです。ですから、そういう利潤以外の原価がある。これはやはり十円なり十五円なりという差があるだろうと思います。その辺をどの程度考えるか。この二級に落として売る酒は、全部一応一級並みのものを作るだろうという前提もいかぬだろうけれども、やはりその辺のところをどの程度組み込むかということで、今の五円が十円になるか、八円になるか、あるいは十五円になるかというようなことであろうと。それらを二級の基準価格に乗っけたところを制限価格とするのだというふうに御理解いただきたいと思うわけであります。

大矢正日本社会党

○大矢正君 あまりよくわからないけれども、仕方がないと思います。制限価格というのは、これは実際に市場で販売されている実態というものが、相当、この級に応じた、酒としては予定された価格より基準価格が中心になるのでしょうが、基準価格より上回ったという事態が発生してから制限価格というものを設けるのか、そうでなくて、制限価格というものは最初から、特にこのマル公廃止後混乱が起きるという前提で、最初からこれを設けるお考えなのか、この点、ちょっと念のために聞いておきたいと思います。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) 基準価格はすぐにも作りたいと思います。制限販売価格は、今申したような目的のものですから、観念的にはすぐそろってやった方がよろしいという感じもありますが、すぐに必要がないという場合に、初めから作るかどうか、その辺は情勢を見ていいのではないかという感じであります。

大矢正日本社会党

○大矢正君 そうすると、酒が、絶えず値段が、市販される価格において不安定であるということは出てこないですか。あなたが言うように、実際に市場でどの程度高くなった場合に制限価格を設けるかはわかりませんけれども、とにかくある一定期間を経過して、当初の基準価格より相当上回っているという事態が発生して初めて制限価格を設けるということでは、実際問題として、酒の消費者の側としては、絶えず値段が変化をするという危険性が生ずると思うのですが、そういう心配はないのですか。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) ごもっともな御心配でありますが、私どもとしては、そういう御心配が現実になる前に手を打たなければならぬし、打てるだろうと思っております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 この基準価格━━逆戻りするようですが、基準価格というものは、大蔵大臣は必ずしも作らなくてもいいわけですね必要があるとき作ると、こういうことになるわけですから。そうすると、それと制限価格との関連というものはどうなるのか、私わからぬのですが、かりにマル公が廃止された、ややしばらくの間に酒は従来のマル公時代の価格よりも、中身は内容的には別としても、価格の上で急上昇したという場合に、まず基準価格を作って、それからさらに制限販売価格を作る、こういう段取りになっていくのか、その点はどうなんですか。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) 基準価格は、法律上は作ることができるということでありますが、私どもといたしましては、マル公をはずすという際には、すぐにこの基準価格は定めて参りたいというふうに考えておりますので、お話の、最初の何もなくてわやわやするという段階はないというふうに思っております。で、先ほど来お尋ねの、基準価格と制限価格の問題だけがある。これもできますれば、それは制限価格を初めから作った方が私はいいと思います。ただ、先ほど来申しましたように、二つの級の間の利潤の違いだけで調整するなら、それは簡単でありますけれども、やはりその前の原価自体、つまり作り方自体まで考えてきめるとなりますと、なかなかむずかしいので、それは若干必要になるまでの時間を見て、要するに情勢を見てもいいのではないかと思いますだけであります。基準価格は最初から作って参るというつもりでおります。

大矢正日本社会党

○大矢正君 この法律の条文から私感じ取るのですが、あなたの方で、基準販売価格というものは、かりにマル公を廃止した場合に、直ちにこれを作りたいという御趣旨の説明がありましたけれども、基準価格というものが、将来ともに、いついかなる事態においても設けておきたいというお考えがあるならば、基準価格というものは大蔵大臣が定めることができるということではなくて、基準価格というものを大蔵大臣が定めると、明確にうたうべきではないかと思うのでありますが、ここに「定めることができる」と書いておることは、たとえば、マル公廃止後直ちに基準価格というものを作っても、またいずれか、酒の需要の状態とか、その他メーカーの状態にもよりましょうけれども、そういうようなことの変化によっては、基準価格が全然ない時代もあり得る。  一度作った基準価格を取りやめることがあるのだと、こういうような解釈になると思うのですが、そういうふうに解釈をしてよろしいわけでありますか。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) この改正は、業態か安定しながらいくということが酒税の確保にも大事だという前提でおりますので、ただいま申し上げましたのは、現在の状況においては、すぐに基準価格をきめなければいくまいということでありますが、これはもうどんな時代においても基準価格は必ずきめるということではございません。先ほど来申しました清酒における業態が、だんだんそうやって企業が相提携して単位がより強いものになる、そうしてよけいの酒を作る、そうなりますと、だんだん組合自体の協定価格というような制度がより楽に動いてくるわけです。そういうようなものが楽に動いてきて、あえて基準を必要としないというようなときには、なくてもよろしい。ちょっと、さっき無条件に申したのはおかしいので、現に雑酒はもうマル公もない、もちろん何もなくてやっておるのです。ここではかなり、御案内の通り業態も大きいし、それらが相協力してやっておるというようなことで、こういうものについては私どももすぐに作る必要も一向ないというふうに考えております。

平林剛日本社会党

○平林剛君 ちょっと私、関連してお尋ねをいたしますが、結局、この法律についていろいろ質疑をやっておるのだけれども、はっきりしないことがある。それは実施の時期ですね。今、酒の基準価格、販売価格、制限販売価格とか、いろいろ議論しているけれども、この法律が一体成立してから公債制度が廃止されるまでに、酒類行政を一体どういう順序で、どういうおぜん立てで行なわれるかということがはっきりしていないのですね。だから、これからの酒類行政をいろいろな目的をもってやられることはわかりますけれども、法案が成立してマル公が廃止されるというようなとこまで進む過程ですね、大体どんなような構想でいくのかということを、まずはっきりさせておいてもらわないと、先々の話ばかりになって、ぴんと来ない。第一、その点が、酒税行政の施政方針だね、それを一つ聞かしてもらいたい。  それから、第一は、今質問に答えられて、新しい価格制度へ移行する時期というものは、業界の受け入れ態勢あるいはその準備ができてからだと、こう言われる。一体、その時期をいつごろに見ているのかということも明瞭じゃない。やはりこれだけの法律を出すからには、政府としても、大体いつごろまでに業界の受け入れ態勢ができるか、そういうめどが立っていなければいかぬ。最初提案したときも、法律は通っても一年くらい先にならないとこういうことはできないというようなことがありまして、私どもは、あまり緊急性を感じなかった、そういう審議態勢をとっていたという過程もあるのですね。だから、一体業界の受け入れ態勢、そういう準備ができてからというのをいつごろに見ているのかということも、この機会にはっきりさせておいていただきたい。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) この法律が成立してから実際に新しい価格体制に移るまでの段取り、また移るときの時期、それらを通してのわれわれの方針と申しますか、態度というお尋ねでございますが、まずその全般を通しましての態度を申し上げます。たびたび申しますように、戦中戦後を通じて、作れば売れる、要するに酔う飲みものならは売れるというような時代、非常に業界にとっては楽な時代が続いたわけです。今や世の中が変わって、やはり酒の業界も合理化し、大いにいい酒を安く供給するというかまえをはっきりとらなければならない時代になったわけです。そこでは、そういう理念的な問題とは別に、現実に競争ということがかなり、場合によって能率の悪い企業は倒産するというような事態まで起こすようなことにもなってきている時期であります。私どもとしては、そういう自由にやっていくという態勢の経済競争のよさというものを業界が取り入れてやっていくということが、やはり必要であろう。ただし、そういう態勢に移しますについて、あまりに急激に行きますと、今度は過当な競争に行くというので、まあその辺のテンポ、段取りについて非常に慎重にやるということにいたしております。  この問題は、単に価格だけの問題ではありませんので、酒の事業全般について、あらゆる面でございます。簡単な例が、今やはり部内で議論いたしております、清酒なら清酒の米の割当石数をどうするか、どれだけ作らすかという問題、また清酒業界には、御案内の通り、長年の権利石数というようなものがある。すべて権利の上に正比例して相似的に伸ばすか、あるいは合理的経営をやる能率のいいものをよけい伸ばすかというような問題があります。これは清酒業界だけでなくて、その他の業界にも類似の問題がいずれもあるわけでありますが、私ども、それらに対しましてはやはり全般として、いたずらに今までの権利の上に眠るというようなことではいけない。合理化をし、よりよい経営をするというふうに持っていってもらうというために、ただいまの米の割当の問題あたりについても、ある角度をとって業界に協力を━━協力といいますか、業者自体に脱皮して進歩していただきたいという気持でおります。この価格の問題も、そういう意味で、戦争中、戦後のマル公ということで、これ以上高く売っては経済がこわれるという形のマル公、むしろこれより安く売るのはけっこうだというわけでありますが、そういうような古い着物でやっていくのは、いかにもおかしい。やはりそれははずして、しかし今は値くずれしては困るのだというならば、はっきりと、これ以下に値くずれしては困りますというものを設けさしていただいていこうということでありますから、酒の問題全般にわたってそういうようなとうとうたる流れの中にわれわれはおる。そして、従いまして、この問題はそういう一環として御理解願いたいわけであります。  そこで、そうなりますと、これの今後の段取り、ないし、実際にマル公廃止の時期というようなものも、いわば、何といいますか、その時期が、その時点一つが百パーセントの事柄であるというようなことでなく、すでに流れは大きく流れている。現にこういう法案を提案し、御審議願っておるというようなこと自体が、業界に非常にそういうような面での改良なり、あるいは考え方の転換なりを迫っておるわけであります。で、まあ先般継続審議になりましたが、そういうような大きな考え方のものでありまするし、その考え方は私は非常に大事な考え方と思いますので、この法律案は、ぜひ早く通していただきたいとお願いするわけであります。  何だか、先ほど来申し上げているのは、そういうような意味で、流れの問題だから、時期ははっきりしないのだというようなことにもなりかねないのであり、事実、私は、今これをお通しいただいて、すぐ一カ月、二カ月でこれをやれるかどうかと言われれば、私はそうはいかないだろうと思います。しかし、そうゆうちょうな問題でもない。ただ、それがそうゆうちょうな問題でもないといいながら、何ヵ月かあるだろうと、それならばというようなことでなくて、やはり酒の業界をやっていきます場合の大きなかまえを規定する一つの憲法のようなものでありますから、そういう御趣旨に御同意だったらば、ぜひ早く通していただきたいというふうな気持でおります。まあ時期の問題、あわせてただいまお答えしたようなことになります。  段取りは、従いまして、この価格面でいきますれば、やはり業界が、率直に申しまして、いろいろ今までのところでは、協定価格その他の段取りについて十分腰が入っていないというようなことがございます。そういうものを早く腰を入れて検討してもらうというようなことが、一番大事な段取りじゃないかと私ども思っております。それらをできるだけ役所も協力して進めていって、そうして適当な時期に何する。で、そう長く何ではありませんが、また非常に性急にということでもない。ただ、くれぐれも一つ、大事な憲法でありますので、法案の御審議を一つ早くお願いしたいということをお願い申し上げます。

平林剛日本社会党

○平林剛君 わからないんだな。この法律が今後の酒類行政の憲法である、そうしてこれの法律を出したこと自体が、今日酒類業界におけるいろいろな問題を、欠陥とすべきもの、あるいは解決すべきものの解決促進を迫っているものである、そういうだけの法律をわれわれ今審議しているのですか。むしろ、最近の酒類の取引の状況に見て、基準販売価格や制限販売価格の制度を作って、今後いろいろなことをやっていくというには、もう少し具体的な時期の目安がないというと、われわれも審議するのに差しつかえるわけです。今お話の中で数字的に出てきたのは、一、ニカ月というような近い期間ではない、しかし適当な時期であると。これを私は知りたい。大体適当な時期というのはどのくらいなのか。それによって、政府の大まかな方針によって業界自体の考え方も違ってくるだろうし、また政府の考え方によって業界でも考えるだろうし、われわれも法律の審議に大体どのくらいの見当をつけてやったらいいかという理解が出てくるわけです。ただ、早くやってくれ。━━早く審議してくれということは、よくわかりますけれども、私の質問に適切な答弁になっていない。大まかな見込みでもいいから、やはり時期的な方針というものを明らかにしてもらう段階になっているのじゃないですか。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) いろいろな条件で動く問題でありますので、確定的なことは申し上げられません。しかし、先ほど申し上げたのがあまりに、一、ニカ月という一番端っこのことだけだという御趣旨ならば、これは私の個人的なと申しちゃ大へん恐縮でありますが、感覚で申しますれば、やはり短くとも半年以内でやれるという見込みは私はないと思います。しかし、年をもって数える何年ということはないと。一年くらいの間には移行し得るような状態になるのじゃないかという感じを私は持っております。

平林剛日本社会党

○平林剛君 まあ私は関連質問ですから、またあとでお尋ねします。

大矢正日本社会党

○大矢正君 きょうだけが質問の委員会じゃないから、まだまだ質問の機会もあるのですから、次の八十六条の三の再販契約についてちょっとお尋ねしておきたいと思うのですが、その前に、ビールの問題について非常に、何というか、不審感を持っているのですが、ビールの小売マージンというのが、他の清酒、合成と比べた場合に低率であるということの理由は一体どこにあるのかということをお尋ねしたいのです。特に、これに関連して、私が聞いている範囲では、ビールの卸売の場合のマージンというのは幾らという固定したものがなくて、つかみ金でマージンを与えているのが実態であるという話をちょいちょい聞いているわけですし、それからまた、ビールを小売が売った場合も、金の回収というのは非常に厳格であって、小売業者なんかはビールの金の返済の期限というものがあまりにも短いために、また取り立てがきびしいために、みずからの他の商売の売上代金までビールの方につぎ込まなければいけないと。もしそれが現実に守られなければ小売の取り消しというようなことで、酒屋と違ってメーカーがわずかであるということのために、非常に圧力が小売業者にかかってきている。卸売業者にも同時にかかってくるわけであります。しかし、最初申し上げた通りに、小売マージンというのは他の清酒、合成に比べて非常に低率であるという点を考え、私はどうも現在のビールのあり方について不満があるし、それからさらに清酒の一部においても、当然上級酒メーカーの名の通ったものはある程度再販価格の契約をすることができるかもしれないけれども、大部分の清酒の場合にはそういうことが不可能じゃないかと思うのでありまして、ごく一部のために再販価格というものが作られて合法化されようとすることはどうも理解ができないので、まず、第一に、ビールの小売マージンが非常に低率であるということに対してどう考えておられるかということを、この際承っておきたい。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) 個々の酒類についてのマージン率がどうかという段になりますと、私、今御質問を受けて、すぐとっさにお答えするだけの記憶を新たにいたしておりませんので、そういう問題でありますれば、なお勉強しまして、後ほどお答え申し上げたいと思います。他の酒類それぞれ若干差益率は違っておりますが、取引の状態も、清酒でありますれば、やはり小売はダース単位ではなくて一本単位で売られる。ビールはダース単位であります。その他、またこの小売なり卸なりとメーカーとの結びつきの関係も、御案内の通り、ビール卸などはきわめて特殊な結びつき方をメーカーといたしておるという事情があって、このことが他の酒類と違うというようなことにもなっておるわけでありますので、それらについては、私どもとしては、現にきまっておりますものが一応他の酒類ともバランスはとれているというふうに考えておりまするけれども、なお、今後具体的にやる場合には十分慎重になにしたいし、またそういうお話はそれぞれの業界からあるわけで、十分、大へんなんですが、伺わしていただくという形で参りたいという気持でおります。

大矢正日本社会党

○大矢正君 清酒の場合でしたら、私は、特級酒と、それから一級の一部の特に非常に名前が通っているものが中心になると思いますし、それ以外のものが再版価格の契約をするということは、およそ不可能であると思いますから、酒の場合にはそう大した問題はないと思いますが、やはり問題は何といってもビールだと思います。ビールというのは製造業者が少ないという実態から推して、ほんとうに価格を、ある意味でいえば、事実において独占するというか、しているのですね。そこで、特にこれはビールの場合には、特段制限価格というものはないわけでしょう、原さん。そうなってくると、ビールそれ自身の価格維持という問題は一体どうなるのか。しかも、再販価格の契約をやらせる━━やらせると言っちゃおかしいが、認める、値段の独占を。これは独禁法はこれに触れないという酒税法の一部の法律の中にありますから、それはいたし方がないことといたしましても、さらにそれが増徴されるような内容のものが、特にビールを中心にして考えられるということにつきましては、私たちとしては非常に不可解なことである。制限価格のとにかく設定もない中で、どうもわからぬのだが、局長から一つお答えをいただきたい。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) この条文をごらんになってもおわかりになりますように、再販売価格維持契約を締結しようとするときには大蔵大臣の認可を受けなければならないことになっております。私どもとしては、その場合に、お話のように大きなメーカーが卸なり小売なりを圧迫してマージンを浮かすというようなことは、もう当然抑えるつもりでありまして、三項にもそういう場合のいろいろなことが書いてある。特に三項の第三号に「消費者又は当該契約に係る酒類販売業者の利益を不当に害する」というふうな場合には、認可してはならないというふうにはっきりうたっておるわけでありますから、お話のような点は、認可をいたします場合に十分注意をしていくというかまえにいたしておるわけであります。なお、この再販売価格維持契約は、ビールについて御質問がございましたが、ビールだけとは限らない、どんな酒類でも、それができます場合には、それは申請の対象になろうというふうに考えておるわけであります。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 私、都合により、平林理事その他同志各位の了解を得まして、先に質問を許してもらうことにいたします。先ほど同僚からの質問がございましたが、その前に一つお伺いしておきたいのです。  大体、酒税法には免許の点がはっきりなっているのでございますけれども、この酒類を製造する者が免許を受ける場合にいろいろな規定がございます。しかし、その中で、戦争中にたまたま統制をしいられまして製造をやめさせられた者があるのです。それがその後復活をいたしまして、免許の申請をしたのですが、たまたまその統制中にやめるときには、今後あなたのところが復活する場合は優先的に免許を与えてやるというわけで、安心してやめたわけです。ところが、その後復活したいから申請をしたところが、許可されない。聞くところによると、既存の業界が反対をしてだめだということなんです。すると、法律より組合の方が優先するわけですか、その点をはっきりお伺いしたい。よくわからぬので。皮肉のようではあるが、要するに、組合の方が法律より権限があるのですか。

泉美之松国税庁間税部長

○説明員(泉美之松君) お話のように、昭和十八年、戦時中におきまして企業整備を行ないまして、酒造業者の業者数を当時の約四割にまで減少した。つまり、六割をなくした。これは戦争中の非常な措置でございますが、そういった措置がとられまして、戦後、そういう企業整備によりまして廃業いたしましたもの、あるいは保有蔵となっておりましたものにつきまして、復活復元ということが行われることになりまして、昭和二十二年から二十五年までを第一次復活期間といたしまして、そのときには昭和十八年の企業整備によって残存業者というものができておりますが、その残存業者に基本石数を譲ってやめております、その残存業者から基本石数を譲り受けることによって復活をするということで、第一次の復活復元が行なわれたわけでございます。しかし、第一次の当時は、御承知のように、食糧事情が非常に悪うございまして、酒造用に米を回すことが非常に困難でございましたので、復活復元を行ないましたものの、なおまだ不十分でございましたので、さらにまた、昭和二十九年に酒造用米が約百万石になりました、一番少ないときには三十万石ぐらいしかなかったのでありますが、約百万石になりましたので、その機会をとらえまして、さらに第二次の復活復元ということで、だいぶ復活復元が行なわれたわけでございます。現在のところ、復活復元の全然行なわれておらない場数と申しますのは、昭和十八年の企業整備のときにやめました三千数百場のうち八百五十場ほどがまだ復活復元ができておらないのでございます。このうちの大多数のものは、資金その他の関係からいたしまして、復活がもはやできないという状態になっておるのでございます。  復活復元する場合におきましては、今申し上げましたように、昭和十八年の企業整備で基本石数を譲り渡しておりますので、その基本石数を譲り受けることによって原料米の配分を受けられるということで、復活復元が認められるわけでございます。ところが、まあ残存業者との話し合いが円滑にいかない場合に、譲り受けができないということになるわけでございます。その残存業者との話し合いにつきましては、税務署、国税局、国税庁も介入いたしまして、円満に話し合いを進めるように努力をいたして今日に至っておりますが、八百場ほどにつきましては、本人の意思ももう復活復元するという意向のないのが大多数でございます。大体そういうことでやってきているわけでございます。その譲り受けることについて話し合いがつかない場合に、困難なのであります。要するに、法律に優先するというものではございませんことは御了承願いたいと思います。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 ただいま泉さんから御答弁ございましたが、泉さんはその衝に当たられておるのでございますから、よくおわかりのことでございますが、御心配を願ったのでありますけれども、その結果は何にもならぬ。であるから、私は今のような質問をしたのです。組合が法律に優先するというようなことはない、そんなばかなことはあり得るものではないと私は思うし、またあってはならぬと思うのですが、現実にはあるのですね。残存業者と税務署との間に話をしてというのでございますか、そんなものは幾ら話をしたって、いわゆる税務署が残存業者の威力におびえてかどういうことか知りませんが、その酒造組合なら組合に幾ら話をつけてみたところで、前にやめたところの、いわば統制のためにやめた人の中には、いまだ許可を受けられないで困っておる者があるのですよ。だから、どの程度まで一体残存業者と税務署の間には話ができ得るものか、そういう点について、監督官庁であるいわば泉さんその他当局の諸君の考え方を、私はお聞きしておきたい。現実に泉間税部長さんはよく御承知である。  具体的に例をあげるなら、長野県駒ケ根市字中沢林浜子さんという女性によって申請をした。それが現在上伊那酒造組合の反対に会いまして、税務署もぺしょんことなり、にっちもさっちもいかぬ。何年越しもこれは許可申請の闘争展開中でございますけれども、この点は衝に当たられる泉さんが非常に心配していられる。いかんのほど進行しない。この点について、もう一回御答弁をお願いいたしたいと思います。

泉美之松国税庁間税部長

○説明員(泉美之松君) お尋ねの林さんの場合におきましては、実は復活はいたしておるんです。合同復活といたしまして、昭和十八年の企業整備のときにやめました方々が、数人集まりまして法人を作って、その法人の名前で復活いたしておるのでございます。たまたま林さんが戦前に持っておられました蔵に免許がおりておらない。従って、法人を復活して、分けて、そうして林さんの蔵に免許をほしい、こういうお話なのでございますが、酒税法の七条にありますように、酒類の製造見込み数量が六十キロリットルに達しないと免許を与えることができません。これを現在の基準指数で申しますと、基準指数が一〇〇以下では、一〇〇未満では免許を与えることができないということにいたしております。大体、まあ基準指数が一〇〇でありますと、六十キロリットル余できることになっております。そういう運営をいたしておるわけでございます。そこで、林さんの場合におきましては、林さんの分だけではこの基準指数が一〇〇にならないのであります。そこで、林さんとその他の業者とが一緒にならないと、免許を与えることができない。その一緒になる相手方がつまり見つからないということによりまして、今日まで免許を差し上げることができないということが現状でございます。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 そのことについては、また後日懇談を重ねることにいたしまして、いま一つ最後の意見を申し述べておきます。  統制を実施されまして業界で廃業するときに、復活する場合はお前この次には優先的に許可はしてやるが、六十キロリットル以上なければだめだぞという約束をして、業者を統制でやめさせたわけではないのです。ですから、その当時の経過から見て行政指導者は考えて、その間の調節なり、あるいは行政の指導なり措置をするということにしなければ、気の毒である。事情がわからないで、統制はしたわ、優先的に復活後は免許はくれるわ、いやお前六十キロリットル作らないからだめだ。これでは、ちょっと血も涙もないと思うのですね。ですから、そういう点について、これは後日私は懇談の際にとくと申し上げますから、主税局長と十分御相談おき願いたいと思います。  次に、私がお聞きしたいことは、酒税法一部改正の点についてでございますが、先ほど来、大矢、平林委員等からいろいろと質疑がございましたが、特にお聞きをしておきたいことは、たびたび一部改正の法案を出しているんですが、何んだか思いつきか、さもなければ、たまたま新聞で見るように、政府の財源捻出のため運賃や酒、たばこ等の値上げということを意図して、改正をしようというようなふうにも考えられるのでございますが、そんな意味も含まれておるのでございますか。

前田佳都男自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(前田佳都男君) その点につきましては、全然、財源確保のためとか、あるいは増収のためにこの法律を提案したとか、そういう理由は全然ございません。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 どうもそういう誤解の起こるようなことがあるので、まことに遺憾だと私は思うのでございます。一体、今回の改正法律案でございますが、米の増配と価格制度の点に重点が置かれておりますけれども、原主税局長の先ほどの御答弁を聞いておりますると、単に価格だけでなくて、大体先に、関係しておるすべての制度等について、全体において検討を加えていかなければならぬ。特にその意味で、今回のこの法律改正は、酒造界の憲法ともいうべきものだというようなことまで言われておるのでございます。大体、私自身もそう思っています。一部清酒の価格だけでなく、酒類全体の、雑酒の問題であるとか、あるいはビールの問題であるとか、あるいは洋酒の問題、まあ洋酒は雑酒ですけれども、そういうような全部の価格改正をするのでなければ、酒類全体のバランスがとれない。それを清酒だけが浮き彫りされていて、酒税法の改正にはならぬと思うのでございますが、こういう点について、今回のこの一部改正によってもう再び酒類に対する価格改正というものは行なわないのだという検討の上に立っての御提案でございますか。その点を少し聞いておきたいと思います。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) 今度のは清酒だけじゃございませんで、ビールも雑酒も、酒類全般に通ずる価格制度を、現在のマル公中心のものから新しい体制に切りかえようということでありますから、全部をカバーするものであります。従いまして、これをお認め願いますれば、いわば価格面で新しい体制に入るという類いのものでありますから、どうも一部改正はなはだおきらいのようで何でありますが、若干の部分的改正はしないとお約束するわけにはいきませんけれども、大きく価格に関する体制が改まるということで、その新しい体制は、これはもう相当といいますか、いわばかなり長い間続くのだろうというふうに私は見通しております。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 そうすると、価格全体の改正をねらいとしておるのだそうでございますが、そうすると、その価格全体の改正のねらいはよろしいが、このねらうところの基本的構想ですね、たとえば消費者側に立っての考え方が、あるいは税徴収の立場に立っての考え方か、あるいはメーカーとしての立場に立っての考え方か、小売関係の立場か、どの点に重点が置かれているのか、この点がはっきりわからないと、私ども審議するにあたり一つのめどがつかないのでございますが、この点一つお伺いしておきたいと思います。

平林剛日本社会党

○平林剛君 ちょっと、関連して。私も今質問のあった点と同じ点を疑問に思っておるのです。先ほどお話しのように、この法律が、公債制度が廃止される場合に備えて、いろいろ酒類の新しい価格制度を設けようとしておる、そういう憲法であるとお話があったわけです。そうしますと、消費者に対する面から見て、従来マル公、いわゆる公債制度の役割というものは、現在はそれほど実質的な役割を果たしておらないにしても、やみ値があった当時には消費者の保護という面もあったわけですね。ところが、今回における新しい価格制度の中には、消費者の保護についての規定がないわけです。少なくとも、今後の酒類行政の憲法ということになるとすれば、われわれは第一にこの点を考えていかなくちゃいかぬじゃないか。今の情勢ではそういう心配はありませんということだけで、いわゆる酒類行政の憲法という法律を済ましていいかどうかという点が問題なので、野溝委員がお尋ねになったように、新しい価格制度のもとで、消費者は一体どういうふうに保護されるかという点を明らかにしておいていただきたい。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) 今回の改正を意図するに至りましたのは、ここ数年来、今のマル公というものを隠れみのにして、マル公で売るということは非常なまやかしではないかという御非難がございました。これは国会筋においても、委員会の席上等でたびたび私ども伺ったわけであります。その趣旨とするところは、マル公というのは要するにこれ以上高く売ってはいかぬという値段であろうと。しかるに、マル公マル公といって、これ以上安くは売りますまいというのは、非常におかしな話ではないかという御非難があったわけです。私どもまことにその通りだというふうに思っております。で、これ以上安く売らぬということは、これは必要なんです。必要なんだけれども、これ以上安く売らぬというについては、今お話しの消費者の立場も考えて、合理的に安く売れる限りは安く売らぬ努力をするという角度も入れなくちゃいかぬということなのであります。で、今回の改正におきましては、基準販売価格、また組合による協定価格、また業者による再販売価格維持契約というような系列を設けておりますが、まず、消費者のためにという角度で申しますると、第一には、今までマル公というものがそういうふうに、実際上はこれ以上高く売ってはいかぬのだけれども、これ以下に下げますまいということになっておった体制を切りかえて、要するに基準という中心を一つ与えて、そうして、それを中心としてお売りなさいということにするということで、価格にいわば弾力性が若干ついておるものというようなところで、この消費者面の利益というか、主張が入る分が一つございます。それから、基準は中心であるから、若干それより安く売って競争してもよろしい。そうなればその点はますます消費者に有利である。それから、ある程度高くてもよろしいということにつきましては、今申した低い級の分では、制限販売価格というようなこともありますし、また再販売価格維持契約におきましては、先ほど読み上げましたように、はっきりと消費者の利益を不当に害するようなものであってはならない。こういうことがございます。また全般に、メーカーにいたしましても、その他にいたしましても、八十六条の基準販売価格自体の基底として、酒類の標準的な原価及び適正な利潤を基礎として、これをきめるというようなことになっておりまして、不当な値段で消費者を苦しめるということがないようにというような構想が入っておる。おもなものをあげましても、そういうようなことがあるわけでございます。で、野溝委員のお尋ねの一つの点である消費者のためかどうかという点は、消費者のためでもありますということをただいま申し上げたわけであります。  反面、じゃあ税の徴収のためか。いや、その他にメーカーまたは業者のためかということにつきましては、そのためでもあるというふうに私は申し上げたいと思います。この酒の団体法自体が、根本は酒税の確保ということだろうと思いますが、やはりそれには業界が乱れてはいけないというので、業界の安定ということを二本建にしておる。そういう意味で、やはり業界が適正な利潤を得ながら、正々堂々と経済行為ができるようにという配慮が行き渡っております。今申し上げましたように、そのほかに、目的はやはり酒税の確保というようなところにつながる。これは、この法律の初めからずっと書いてあるようなことで、やはり秩序ある生産販売によって酒税がほんとうに確保されるようにというような、まあ三本建でできておるというふうに申し上げてよろしいと思います。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 原さんの御答弁は、まあ普遍性な御答弁でございまして、どれにも通ずるので、主点が不明である。私の聞いておる重点は、なるべく消費者の点を重点に考えていただいてもらいたいのです。といって、やはり業者がどうあってもいいというのではない。そこで、今、原さんが御指摘になりました業者のためも考えている。━━けっこうなんですが、その業者の中にもいろいろあるわけですね。製造業者もあれば、卸業者もあれば、小売業もある。その業者のためのうちのねらいはどれが一番役立っているのか、重点に考えておられるのですか。どれも同じですか。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) また普遍的になってしまいますが、やはりそれは公平に三者にですね。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 原さんの見解が明かになったので、質問するのですが、してみると、この業者三本建はいずれも公平に考えておるというのですが、先ほどわれわれの同僚が質問したように、ビールのごときにおけるマージンは何たる状態ですかね。農林経済研究所の調査によると、ビール一本当たりの価格が、キリン、サッポロ、アサヒの卸マージン、二・二七%、小売の方は一・一四%、卸・小売加えて三・四一%。しかるに酒の方は清酒二級で八・一七%、それから新清酒がやっぱりそのくらいですね。そうするというと、全酒類販売量を一〇〇とした場合に、ビールの数量は四〇・八%を占めておる。清酒関係が二九・二%、新清酒関係が八・七%、しょうちゅうが一六・五%、雑酒が四・二%、その他二%。これはちゃんとあなたの方でよく調べた数字です。そうすると、何といってもこのうちの王座商品というのはビールなんですね。国税庁の調べによる、これは泉さんの方で調べているのだが、一本当たりの販売価格は推定でマージン二円七十銭、現行のマージンが二円六十銭しかないのです。こういう状態で、小売業はビールを多く売れば損をする。しかし、この損をすることをあえてしなければならぬというのは、やっぱりこれが必要飲料品であるから、これを置かないとほかのものを買わない。だから、どうしても小売屋が置かなければならぬようになっているのです。その弱みをしっていて、ぼろいもうけをこの三大会社が全くあぐらをかいてのさばっているのです。これが大衆のために少し税金を下げろとか何とか言っているが、思い切って値下げもしない。そして小売業を泣かしているビール会社に対し税の捕捉を徹底したらどうですか。  ちょっと筋違いであるけれども、税の捕捉に対して最近国民の不愉快なのは、大衆を踏み台にしてボロイもうけをしている会社並びに一連がある。たとえば、ある映画会社は俳優募集にあたって、あのばかでっかい法外の給料を出している。私はざっくばらんに申しますよ。あなた方の反省を促したい。それから野球界の選手の奪い合い、何たる無鉄砲の給料、手当か。ああいうものを見ておるので、多くの子供たちはいかにも歌を歌うことが上手になったり、芝居、演劇のまねしたり、まね事ができるようになると、ああいう莫大な給料をもらえるかと思って、非常に誤った考え方を持つのが多いですね。このごろ男の子供たちなども、野球の選手になれば一躍莫大な手当をもらえるというようなことで、学業などやらないで野球ばっかりやっておる。これは全部じゃございませんよ。こういう傾向は、実際日本の将来、近代的日本を作るにまことに困る。これはアメリカの消費生活教育に罪があるが、大蔵省にもその責任がある。特に主税局長が最も責任があると思う。私は、こういう一つの課税制度のあやまちの矯正を、あなたが一つ思い切って近代的官僚として立案してもらいたい。ちょっと逸脱したように見えますが……。酒税に関係しては、特にビール会社なんというものはそうだと思う。大衆のためだ、大衆が、最近婦人までがビールを飲むので、これをいいことに、それを一つのいい理由にしまして、税金を下げろ、税金を下げろ。━━それでは、失礼でございますが、あの会社がどのくらい利益を得ておるかということについて、大蔵委員会に、保守党の方々は会社の内容を知っておるが、われわれ知りませんから、この次の機会までに、戦争前の一カ年と五十四年度、それがわからなければ最近の、最も近い機会の決算でよろしゅうございますから、営業成績の資料を一つこの大蔵委員会に提出していただきたい。  こういうわけでございまして、ビールはもちろん以上の通り、酒に至りましても、醸造家の方々と小売屋の方々と比較すると、経済上大きな違いがあると思う。それで、先ほど主税局長さんは、小売業者の利潤というものは大体一〇から二一%あると言われておりますが、われわれの調べでは、一切合わせまして九分八厘、いわば九・八%というところに至っておるのでございます。卸の方は大体七%、まあ卸の方は、これは別に末端の責任を負うわけじゃございません。御承知のように、伝票操作によって受けておるわけです。伝票をひょっと切れば入ってくる。業界では伝票利潤といっているのです。これは封建制でございまして、昔のままを今も踏襲しておるので、これは酒類全体、業界の悪いくせです。この悪いくせを脱皮する。この点だけを脱皮すれば、このマージンだけ安く売れば、消費者に莫大な利益となり、小売も喜び、国庫収入も多くなると思うのです。問屋側が失業するじゃないか、失業問題が起るがどうか。━━これは小売にいっそ転業したらどうですか。  昔は売春業界には二枚鑑札というものがあったのです。今は、業界に二枚鑑札があるのは酒類界なんです。酒類界には二枚鑑札がある。それはどういう鑑札かというと、一つはおやじが卸をやり、かかあが小売をやる。これが二枚鑑札といって、ととうが卸のマージンをとって、小売のマージンをかかあがもうける。それで大きなところへどっとやっておるものだから、相当な利益を上げられる。これが私は悪い。この点を賢明なる主税局長知らぬことはないと思う。私は、こういう点を一つ、これは現実の問題として改めてもらえれば、相当価格制度に改善ができるのではないかと思っております。  その次に申し上げたいことは、小売業者の諸君は全くマージンが少ない。しかし、ビールと同じように、日常生活品のような状態になっておりますので、利益のあるほかの品物と包み合わせて商売がどうかこうかやっておられるというわけです。うまい汁は二枚鑑札に取られてしまう。卸と小売をやっている大きなところへ取られてしまう。そしてマージンはない。そして小売をやっておる諸君は、仕方ないから、カン詰をやるとか、あるいはその他利益率の多いところのものを一緒に、みそとかその他のものをかかえて売っておるという始末でございます。  こういう現実の状態をよく見てもらって、特に税収入として起こっておる酒税の徴収はだれがやるかというと、末端の第一線業者なんです。二千四、五百億の税収入をみなこれは小売がやるわけなんです。そして最近におきましては、非常に小売業の競争が盛んになって参りまして、商売にもなかなか困難です。かといって、現金の取扱いをしなければならぬ。ところが、現金の金が入らぬ。だれが損をするかというと、卸は損をしない。メーカーはもちろん損をしない。結局、損をするのはだれかというと、末端の小売業者なんですね。この危険な商売を真剣になって戦っておる小売業者の諸君でございます。こういう点においても、私は、価格制度は業者のためにということを主税局長はお話しになったが、実際においてこの小売業者の現実の苦しみというものをどういうふうに、今後価格政策を規定する上において調節していこうとするのか。この点、あまりきちょうめんにならないで、一つあなたの私見でもよろしゅうございますから、ぜひ一つ、意のあるところをそんたくして、御答弁願いたいと存じます。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) 非常に広い範囲でお話が、ございましたのですが、まあ焦点は小売のマージンといいますか、また小売の業態が大事であるというところに焦点をしぼっておられるようでございますが、私はその点はまことに同感であります。もちろん、製造、卸もそれぞれやはりそれに並ぶ機能を持って、三者協力してやっておるというわけでありますが、まあその中で小売についていろいろ御心配いただくというのは、非常にありがたいことだと思います。  その場合に、特に今お話がありました中で、この直売、卸が直売してしまうという問題は、年来業界の大問題であります。私もあまり商売のことはよく知りませんが、やはり卸が小売で売ってしまう。あるいはもっと飛びこえて、メーカーがもう小売で売ってしまうというようなことがある。これはやはり、小売なり、あるいはメーカーが売っちゃえば卸も一緒にすぽっと抜かされてしまうわけですね。そういうのは、やはり取引の秩序としてはあまりほめたことではないのだろうと私は思っております。横山町という所があって、あそこへ行くと、何といいますか、小売はいたしませんという。まああれがやはり商売の術じゃないかというふうに私は思っております。まあ業界の中では製造、卸の方は必ずしもそうでない気持を持っておりますが、ただいまのお話で私が個人的に特に申し上げたいと思うのは、そこで私は、やはりそういう点はだんだん卸なりメーカーなりの方ががまんをしてといいますか、自制をする必要があろうというふうに考えております。ただ、その中でも、メーカーにもいろいろある。もう山奥の酒屋さんで、小売はやってはいかぬというけれども、その小売で買おうというところに、ほかの酒が来ればいいけれども、なかなか来ぬということがありますので、簡単にはいきませんけれども、お話の趣旨は、やはり私は一つの商業取引における公理みたいなものじゃないかというような感じでおります。  その他、ビールのメーカーが大きいから十分注意をするようにということ、あるいは小売のマージン自体について全般的に留意をするようにというような点は十分承っておきまして、慎重に、決定する際によく考えてみたいというふうに考えます。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 最後に一つだけ、質問とも希望ともどちらも兼ねているのでございますが、申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。  今、主税局長はそういう点については慎重に考えて善処したいと思うという意見ですが、結局、基準価格は行政指導で当局の思うところに落ちつくでしょう。しかし、そこで問題になってくるのは、この基準価格をきめるときに、幾ら主税局長さんが考えましても、それが消費者その他が納得するとは思えない。また、業界の意見というものも強いのでございましてね、今までの動きから見ましても、なかなか容易ならぬ状態にあるのでございまして、そこで業界のあらゆる、階層を初め、消費者代表━━労働組合でも農民組合でも、りっぱな民主的な消費団体がございますし、あるいは市民組織、学識経験というけれども、学問があるというのじゃなくて、酒に対する造詣、それは値段や味の点がもちろん中心になります。しかし、酒を飲む階級である労働組合とか農民組合とか、そういう人たちの市民組織、それから業界(卸、小売)、そういうようなものを入れた審議会を作って、そこで今行政指導に当たられることが最もよいと信じる。原局長の見識ある私見なり御意見なりも審議委員の諸君によく徹底して、またそれらの諸君の意見をよく聞いて、協定価格を制定し、あやまちなきを期する運営をやっていただきたいと思うのでございます。この点に対しては特に力を入れてお聞きしたいと思うのであります。お答えのいかんによっては再質問いたします。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) お話の通りの気持でおりますから、どうぞ御了承いただきたいと思います。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 それでは、審議会を作ると解釈してよろしゅうございますか。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) まあ審議会というふうに非常にごつい名前にいたしますかどうか知りませんが、とにかく業者はもとより、消費者またはなるべく広い角度で見れるような人という方を入れて、価格のもろもろのそういう問題をきめるについて御意見を伺うということをいたしたいと思っております。

永末英一日本社会党

○永末英一君 二点御質問したいと思います。第一点は、この法律全体として見て、消費者の立場をどうやって守るかということについては、いわゆる価格をいろいろな基準をもって押えようというところに尽きていると思うのです。だから、従って、その基準価格の設定なり、政令価格の設定なり、あるいは再販売価格の設定というものについて、低くすれば消費者は喜ぶということになろうと思いますが、問題がそうなら、価格において幅が狭くなれば質において消費者の立場を擁護しなければならない。消費者が考えているのは、たとえば清酒にいたしますと、何もイモ等から作ったアルコールを飲みたいのではなくて、米から作った酒を飲みたい。従って、そういうことをやらそうとすれば、必然やはり米の割当総量を大きくしなければならない。そしてまた、総量を大きくしても、それぞれのメーカーの設備に応じた、いわゆる能力に応じた酒を作らせなければならぬということになろうと思います。ところで、この法案が成立して、そして実施をするについては、一年くらいじゃできないというような、今までのいろいろな長い酒製造業界の慣行等においてそういう御意見が出ると思うのでありますけれども、しかし、原局長、この前の委員会、さらにまたきょうの委員会でも、しばしば繰り返しておられる通り、たとえこの法案が、こうやって今継続審議になっておりまするけれども、これが成立を目途として準備はしておられると思う。そこで、酒造米の割当数量、またはそれぞれの酒造家の能力に応じて割り当てるということに対して、昨年と今年と、大体今年の結着をつけられたと思いますが、どういう努力をされたかということを明らかにして、いただきたい。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) ただいまの点は、一つには、酒を競争をよけいにさせるためには、酒の供給をより伸ばすということ、もう一つは、伸ばした総体の供給を権利石数で接分するというようなことでなしに、競争力のあるものによけい作らすという、二段の問題になると思います。  清酒の場合でありますが、酒を作る総量といたしましては、今年の酒は三百五十三万石だったと思いますが、今度の冬にはこれをだいぶふやして作りたいというので、まあ役所はふやせふやせという方に若干力を置き過ぎる傾向があるのですが、まあ置くようなかまえで、業界はどうも保守的な傾向がどうしても出て参りますから、いろいろ折衝をいたして話し合いをいたしております。四百万石というような数字が引かれてる状態であります。それをどの程度上回るかというようなことになってきております。  それから、権利通りにやらせるかどうかという問題については、昨年来どうもそういう古い体制はいかぬということで、総体の石数のうち、ある程度のものは力のあるもの、合理的なものにやらしていく。その力のあるもの、合理的なものというのが非常にむずかしいので、実際にはやはりその中でも均等割になるというようなものが相当出て参りますが、極端な例でいいますれば、今まで委託醸造というようなことをやって人に委託している、自分は使わないで、いわば権利を持っているだけというようなことをしているものは減らしていいのではないかというようなことで、だんだんそういう方向に行っております。私、まだ最後のところは聞いておりませんが、本年度はだいぶそういう意味の権利比例でいかない石数が相当ふえてくる、前年よりもふえてくるというように承知いたしております。  なお、恐縮でありますが、実際にやっております国税庁間税部長の方から詳しく……。

泉美之松国税庁間税部長

○説明員(泉美之松君) 主税局長から大体お答えがございましたのでございますが、補足して申し上げますと、お言葉のように、競争力のあると申しますか、販売能力の多いものに米の配分を多くするということで、昨年から中央保有米というようなのを設けたのでございますが、昨年は実施の初年度でございましたので、なかなか私どもの希望するようなところには参りませんでした。本年から比較的私どもが希望しているようなところに近い状態で実施できるようになると思って、私、現在組合の方と交渉いたしておりますが、大体三百五十万石をこえる所要見込量の数量、これは五十万石余りになりますが、それに、その製造に要する米につきましては、四割を基準指数プラス五石というようなほぼ均等割に近い数字で、残りの六割につきましては製造業者の課税移出数量に比例いたしまして配分するという、つまり販売能力の多い、他からおけ買いする、あるいは受託をしているものについては多くやる、反面、委託をしたものには全然やらない、あるいは基準指数の譲渡をして生産規模を縮小するようなものにはやらない、滞納者、反則者にはやらないというような制度で、だんだんと販売能力の多い、堅実な経営をやって酒税の滞納をしないというような人に米が多く行くという制度をとることにいたしております。

永末英一日本社会党

○永末英一君 ただいまのいわゆる能力に応じて割り当てるというものの考え方ですが、昨年度程度のものはそれぞれ前例に応じてやってしまう。あと残ったものについて四分六に分けてしまうということで、六に分けたところで、今現実に酒の業界で行なわれている能力がどの程度カバーできると考えておられますか。

泉美之松国税庁間税部長

○説明員(泉美之松君) もちろん、その中央保有米だけで、販売能力があるけれども、それだけ、自分のところで作るだけの米がもらえないというものをカバーすることはできないと思います。私どもとしましては、片一方におけ取引ということを、これは古来からある制度でございますが、おけ取引という制度も活用しまして、製造してもそれを課税しないで、未納税でおけ取引をする、それによってカバーするということもあります。おけ取引は大体供給石数に直しまして、今のところ三百五十万石のうち五十万石ぐらいはおけ取引で取引されております。従って、まだまだ保有米の現在の四分六というところで十分にカバーするというわけには参りません。しかし、これは逐年やっていきますと、相当カバーするような状況にここ数年の間になっていくのではないか。業界が、御承知のように、保守的な業界でございますので、急激な変化は避けなくてはならないのでございますが、ここ数年たつうちには相当の変化が現われるというふうに期待いたしているわけでございます。

永末英一日本社会党

○永末英一君 その能力に応じた割当をここ数年の間で大体完了したいというお言葉ですが、それとこの法案が実施せられることとは、どういう工合に関係づけてお考えですか、局長さん。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) 能力に応じた割当ができるときがこの法案の実施の時期と何らかの関係があるかといえば、私は別段関係はないのじゃないかというふうに思います。そういういわば操業の低い状態というのは、戦争前に相当ふくれたものがまだ残っているというような状態であるわけですが、この法案でお願いいたしておりますことは、操業度あるいは実能力が全部出ているかどうかという問題とは別に、やはり並行してこの価格そのものを合理的なものにする。それの形成について業界なりあるいは消費者なりの利益をより合理的に形作っていくというワクを作るわけですから、並行してやはり進んでいかなければいかぬのじゃないかと私は考えます。

永末英一日本社会党

○永末英一君 局長さん、私が前段に申したのは、この法律が実施された暁には価格に重点が置かれて物事が考えられていく。消費者は価格が安い方がいいにきまっているが、結局において質において良質の酒を飲みたいというのが消費者の考えである。だとしますと、今間税部長が言われたように、何も能力の多い者にたくさん割り当てればすむという問題ではなくして、品質において競争させるということが、あなたの先ほど述べられた雄大な酒に関する施政方針の中に組み込まれてこなくちゃならない。だから、片一方ではとにかく能力に応じた割当を逐年やっていくのだ、この法には関係ないということでは、これが酒造界に対する憲法なんていうものにはなり得ないと思うのですが、どうですか。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) 憲法というのは、これだけで憲法というつもりはないので、酒の行政については先ほど来申しているような大きなかまえで全体が動いている。その動いているのに対して、率直に申して、業界というのは現状維持的な、現にやっている人たちの業界ですから、現状維持的なことになりやすいのです。役所は若干業界から見れば進み過ぎているのじゃないかというふうにも見えるかもしらぬぐらいのところでやっております。それが憲法なんです。その憲法のいわば価格面における——価格だけじゃございません、生産面もありますが、この相当部分がこれに入ってはおるのですが、やはり今の米の割当などというのは法律にはっきり規定のあることでなくて、行政上実際上やる面でありますから、そういう面はそういう面で大きな流れの底にある今申しましたようなかまえに立って、われわれは米の割当についても業界をそういうような形である方向に引っぱるような形でやっておるわけです。ですから、価格面でこうやって合理性を入れる。同時に、質の面におきましても、御要望のような価格に対して私たちはできる限り努力をいたしておるつもりであって、これはまあ酒の事業については万般いろいろな面で出て参ります。そういう場合に、おしなべてそういう場合に、おしなべてそういう態度でやっておるわけでございます。

永末英一日本社会党

○永末英一君 このものの考え方でございますが、今のように価格で押えて、これが実際の場合には、内容についても、やはり行政面において合わしていくということを御答弁願いたいと、これは希望いたしておきます。  質問の第二点は、八十六条の五「酒類の種類等の表示義務」というようなことで、酒はこれだということで、ちゃんと表示したものを売ろうと考えているとすれば、たとえばみりんのごとく、酒税法における酒として、取り上げられておったものは、まあ表示がされると思うんですね。ところが、酒でない同じようなみりんという名前をつけたものがたくさん売られておるのですけれども、ところが、みりんという名前をつけて酒税法に包括されたために税金を払うけれども、同じような名前でアルコールが入っていないものは税金は払わない。ところが、消費者の方は、そういう表示があるからみりんであって、表示がないからみりんでないとは思わない。これはみりんという名前が使ってあれば、これは全部みりんだと思います。アルコールを抜いて上等にしたと思うのが消費者です。みりんだといえば、それもそうかと思うのです。従って、これの表示を厳格にしようとするならば、今のような問題についてどう考えるか。  もう一つ、さらに逆に、今度はみりんという名前をつけないけれども——アルコールが入っているみりんはいい調味料だ。そのアルコールは飲料に適するから、それは酒なんだ。片一方のみりんという名前をつけてないが、アルコールを含んでいる。そのアルコールは飲料に適さないから、酒税法の範囲に含まないのだ。これもあなたの方でつかまえないから、これは不公平じゃないか。これらの問題について、八十六条の五に関連して、どのような御方針をお持ちか、お伺いをいたします。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) アルコールが全然入っていないで、みりんといいますか、何みりんといいますか、そんなような名前で売っておるという場合には、お話の通り、八十六条の五の規定外のことで、ちょっとこれでは縛れない。そういう問題はおよそ世の中にいろいろあると思いますが、私、そういう問題をさばくのに法的な規制がどの程度あるのか、全部は知り尽しておりません。現在の法律では、不当競争防止法というのがあるそうでございます。よくみりんという名前で、世の中がこういうものだと考えるものと全然違うものは、それでいえばインチキだというものでございましょうね。そういうような何がある。それで縛るなら縛れるんじゃないか。それから、アルコールは入っておるが飲料でないというのは、私まだ具体的ケースに実際ぶつかっておりませんので、法律には、「酒類とはアルコール分一度以上の飲料をいう」とありますから、飲料でないとかなり問題になると思います。これは少し調べて何しませんと……。具体的に何かケースがございますか。

永末英一日本社会党

○永末英一君 ございます。あるからお伺いしているのであって、空想を申し上げておるのではございません。つまり、この法律が適用せられる場合に、やはりこの酒税に関する包括的な取り扱いをしていこうということになれば、今のような問題も、いやこの法律は関係ないがよその何かあるだろうということでなくて、あなたの方は責任を持って、税制の公平を期するためにそういうことも考えていただかなければ、不公平だということを申し上げておるのであって、御研究が進まなければ、研究して、あとでまた一つお考えをお聞かせ願いたい。

平林剛日本社会党

○平林剛君 この法律について私もかなり質問を用意しているのでありますが、本日は保留をいたしておきます。ただ、先ほど消費者の立場から見て、その保護の面に欠ける点があるのではないかという指摘をいたした。ところが、野溝委員の質問に答えて、政府としても消費者その他を含めた、審議会のようなものを設けますという答弁をなさったのです。これは従来の酒類審議会と一体、どういう関係があるのか、あるいは全く別個のものであるのか。そこまで言い切ったら、法律として、酒類行政の憲法という言葉をやたらに使いたくないけれども、まあ相当長い期間における基本になる法律だとすれば、法律に加えてもよいのじゃないかということもあります。きょうはお答えは要りません。私の方は研究しますけれども、政府の方でもそれまではっきり言われるるならば、法律の中に加えるということについていいかどうか検討しておいていただいて、次回またお尋ねするときにはっきりしていただきたい。きょうは答弁も要りませんし、質問もこの点留保いたしておきます。議事進行をお願いいたします。

加藤正人緑風会

○委員長(加藤正人君) 本案に対する質疑はこの程度にいたします。   —————————————

加藤正人緑風会

○委員長(加藤正人君) 次に、国家公務員共済組合法に基づく掛金率の問題を議題といたします。  質疑のある方は、順次、御発言を願います。

平林剛日本社会党

○平林剛君 きょうはだれか御出席になっておりますか。

加藤正人緑風会

○委員長(加藤正人君) 前田政務次官、船後給与課長の両名であります。

平林剛日本社会党

○平林剛君 私の質問の中身からいって、主として給与課長に向けられることになるかもしれませんが、この人は政府委員ですか。

加藤正人緑風会

○委員長(加藤正人君) 説明員です。

平林剛日本社会党

○平林剛君 私の質問に対する答弁者としてあまり適格者でありませんけれども、予定しておりましたから、質問を続けたいと思います。  現在、国家公務員と政府との間に共済組合の掛金率をめぐって紛争が生じておることは御承知の通りであります。これは、国家公務員共済組合法の改正に伴って、共済年金制度に切りかえられ、その掛金の率が従来の千分の二十から一挙に倍率に引き上げられたということ、それから、その掛金率のきめ方が権力的で、公務員の意思を無視して強行策がとられているということ、第三には、国家公務員共済組合法の法解釈そのものがゆがめられているのではないかということなどから発したものでありまして、その権力的な張本人がどうも大蔵省らしい。現に大蔵大臣、事務次官、主計局長、給与課長、会計課長は、国家公務員の組合から告発を受けておるわけです。きょうもその告発を受けた一人である給与課長が説明員としておいでになっておるわけですが、これは本委員会の主たる対象機関である大蔵省の行政としてきわめて重要視すべきものを持っているのじゃないか、こう思うのであります。法律自体は本委員会の直接対象になるものでありませんけれども、私はそういう意味から大蔵省側の見解を聞きたいと思っておる。しかるに、給与課長が説明員としておいでになって私の質問に答えるというのは、まことにふさわしくないので、本来はもっと責任者が来られて、大蔵省全般の運営について、法解釈についてお尋ねしなければならぬのでありますが、この点をまことに遺憾といたしますから、そのことをまず申し上げておきたいと思います。次回はかようなことのないように、一つ御配慮を願いたい。  そこで、問題となっている掛金率をきめるのに、一体だれがきめるのが正しいかということを私も調べてみたのであります。国家公務員共済組合法によりますと、かなりはっきりと、これは単位共済組合がきめるということになっておる。それを、大蔵省の方で、共済組合連合会の定款を直すことによって掛金率をきめて、単位組合にも押しつけてしまっている。これは、そのこと自体が法律解釈の上から間違っているのじゃないか、法解釈の上から間違っていることで紛争が起きているように理解をされるのであります。一体、どうしてこういうような法律の運営をしたのか。これは給与課長が答弁するのが適当か、政務次官の方でお答えになっていただくのが適当か、私もどうも判断に迷うのでありますが、このことについて一つ。

前田佳都男自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(前田佳都男君) ただいま平林委員の御指摘の通り、この掛金をめぐりまして、今いろいろ政府と組合との間でもいろいろ問題があるわけでございますが、この掛金率の決定にあたりましては、ただいま平林委員が御指摘の通りに、組合の運営上、この共済法の規定によりましても、やはり運営審議会の議を経て、單位組合の定款を改正いたしまして、それに基づいて掛金を徴収するということが私は穏当であろうと思います。ただ、運営審議会を開くことができなかったという事情がございましたので、連合会の定款の改正という手続によりまして、この掛金を徴収することにしておるわけでございます。その点、連合会の定款変更でそれじゃできないかといいますと、その点を法規的にいろいろ検討いたしましたが、連合会の定款変更でできるという法律的解釈ができたので、そういう手続をとったわけでございます。

平林剛日本社会党

○平林剛君 その法律解釈のまっすぐな角度からいえば穏当でないということを、今政務次官が述べられました。穏当でないことをなぜおやりになるのか。理由は、單位組合の審議会が開けなかったという事情があったからだと。そんなことは理由にならない。単位共済組合の運営審議会が開けるように努力をすべきで、そこに障害があるならば、いろいろ納得させて、まずそのために努力をする、これが順序じゃありませんか。ところが、それが開かれない、どういう事情があったにせよ、これは私またあとで申し上げますけれども、どういう事情があったにせよ、穏当な解釈を曲げて、別な法解釈を作るなんということは、まことに適当な法運営ということはできないんじゃないか。私は、今度もし今のお答えの通りであれば、政府はまことにけしからぬ、穏当でないようなことをおやりになった、まことに困った運営をしておる、けしからぬ話だと思うんです。そこで、今別な法律解釈ができないことはない、こう言われますけれども、どういう法律の解釈をなさったんですか。

船後正道大蔵省主計局給与課長

○説明員(船後正道君) 法律解釈の問題でございますので、私からお答え申し上げます。  長期給付の掛金率につきましては、国家公務員共済組合法第百条の第二項に規定がございまして、「掛金は、大蔵省令で定めるところにより、組合員の俸給を標準として算定するものとし、その俸給と掛金との割合は、組合の定款で定める。」、かようになっております。しかるに、連合会加入組合にかかわるものにつきましては、やはり法律の第四十一条の第一項に、組合を連合会と読みかえる規定がございます。従いまして、連合会加入組合にかかわる長期給付の掛金率につきましては、法第百条第二項の後段の規定は、その俸給と掛金との割合は連合会の定款で定めるということになるわけでございます。  新法がかような規定をいたしました趣旨といたしましては、法によりますと、連合会の加入組合にかかわる長期給付の決定、支払い並びに責任準備金の管理運用につきましては、これは当然連合会の業務とされておりまして、いわば連合会が保険者の立場に立っております。この連合会加入組合にかかわる長期給付につきましては、連合会においてプールして統一的な保険計算をすることになっております。この点は、旧法当時の連合会と、この新しい改正後の法による連合会とは、法的にも性格が違っておるのでありまして、旧法当時におきましては、各單位組合がそれぞれ法律的に保険者でございまして、その長期給付の実施を連合会に委託する、かような法律関係になっておりました。これとは新法におきましては違うのでございます。従いまして、このような新法の長期給付に関する全体の仕組みからいたしましても、法百条第二項を第四十一条第一項の規定によりまして読みかえまして、連合会加入組合にかかわる長期給付の掛金率をこの連合会の定款で定めるというのが法の正しい解釈、かように考えております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 この法の解釈に入る前に、この紛争の状態がどういうことになっているかということを一応聞いておきたいんです。大体定款を改正していない━━まだ単位共済で定款を改正していないところはどれだけあって、改正しているところはどれだけあるかということですね。それと、今の紛争の状態がどういうふうになっているのか。現状はいろいろ組合の方から折衝の申し込みがあるんでしょう。それに対してどういう折衝を今しているのか、現状を一つ伺っておきたいんです。それから、法解釈の方へ移っていただきたいと思うんです。

船後正道大蔵省主計局給与課長

○説明員(船後正道君) まず、定款改正問題につきましては、連合会の定款は改正されております。それから、單位組合の定款につきましては、総理府共済組合外七組合が改正されております。従いまして、連合会加入組合は十九ございますので、残余の十二につきましてはこの新しい掛金率に関する定款改正は行なわれておりません。  それから、第二に、政府と労働組合の方々との話し合いの現状でございますが、これはこの九月の初旬に連合会の加入組合にかかわる新しい長期掛金率が算定されまして、この掛金率に基づきまして連合会並びに各組合の定款の改正が必要となるわけでございます。従いまして、連合会の方では、まず九月の初旬に評議員並びに各組合の業務担当者に対する説明会を開きまして、そういたしまして、各組合並びに連合会の定款変更を大体同時に行うという考え方のもとに、それぞれ指導を重ねて参ったのであります。しかるに、各單位組合におきましては、一部の委員の方が運営審議会の開催に応じられませんでしたので、運営審議会の開催ができないという事態に陥りまして、先ほど申しましたように、十二の組合につきましては、いまだに本件に関する運営審議会が開かれませんので、定款改正の手続は踏まれておりません。  この間、国公共闘の方々から大蔵省の方に申し入れがありまして、本件は国公共闘対政府という問題として取り上げたということで、数項目にわたる要求がございました。これにつきましては、政府といたしましては、もちろん掛金率の基礎等に関します問題は十分御納得いくまで説明会は続けます。従いまして、それと同時に、運営審議会の開催にも応じて下さって、その場で一つやっていただきたい。と申しますのは、この掛金率に関する事項はどこまでも保険数理の問題として算出された問題でございますので、共済組合法に定めるルールに従って、その場で一つ御討議いただきたいというように申して参った次第であります。ところが、十月分の俸給の支払い期が迫って参りましたが、依然としてその話し合いがつきませんでしたので、連合会定款を改正いたしまして、先ほど申しましたような法的解釈のもとに、十月分の俸給から掛金を控除した次第であります。その後、さらに国公共闘の方々からは、引き続きまして大蔵省の方へ申し入れがございます。で、大蔵大臣は先月の末日に国公共闘の方々と面会いたしまして、そういたしまして、ともかく紛糾しておる事態というものを解決するためには、いずれにいたしましても、国公共闘の方々に対するこの計算基礎等の説明が十分に行なわれていないというのは事実でございますので、従いまして、そのような説明会は至急に持とうではないか、そうしてその席上で当局から十分に基礎数値につきまして御説明申し上げ、そこで質疑を重ねていただきたい。そういたしまして、いろいろな問題点をしぼっていって、その上で合理的な解決をはかろうではないか。このような考え方のもとに、十一月六日には、第一回の説明会を開いたのでございます。さらに、九日に至りまして、国公共闘の方から、その説明会を続けるについては、ともかく政府の方で千分の四十四という新掛金率をたな上げして、暫定の何らかの率でとるということでなければ、これ以上説明会の続行には応じられないという意味の申し入れがございました。それ以後、私どもの方は、この二回目以降の説明会を開くように呼びかけておりますが、依然として了解が得られないまま、現状に至っております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 ただいまお話を伺いまして、非常に私矛盾に思うのですが、組合側の方でいろいろ不満があるのは、今お話しのように、この掛金の率の算定等について十分説明されていなかった、了解されていなかった、そういうことがやはり紛争の原因になっているので、十一月の六日に説明会を持ったというお話ですが、ところが、十一月一日から、さっきお話しのように、給料からあの掛金を差し引いてしまっているのでしょう。十分納得のいかないうちに、差し引いてしまっている。それは、さっきのお話では、單位組合の定款改正については審議会を開かなければならぬが、それが開けないので、それで連合会の定款改正によって強行してしまったというところに問題があると思うのです。それですから、今第二回以後は開かれない、対立状態になっている。そういう状態で一体いいと思うのかどうか。現状をですね。それは政務次官から、ちょっとその点伺いたいと思います。それから、まあ給与課長から伺いたいと思いますが、今の状態は一体いいのかどうか。

船後正道大蔵省主計局給与課長

○説明員(船後正道君) 事実関係をちょっと私の方から申し上げます。先ほど、第一回の説明会は十一月の六日と申しましたのは、十月三十日に大蔵大臣に会いまして、その話し合いに基づく説明会でございます。しかしながら、組合の方々に対する説明会は、これは先ほども申しました通り、九月の七日に各共済組合の方々にお話と、各單位組合におきましては、その結果に基づきまして運営審議会あるいはその予備会あるいは説明会といったものを持たれたわけでございます。さらに、大蔵省といたしましても、国公共闘の方々を含む労組の方々には、すでに九月十八日に説明会を開いております。そのように、九月中におきましても、各省庁ごとに、あるいは大蔵省といたしまして説明会を開く努力は続けたのでございますが、いずれも労組側の方々の出席が得られないまま中断したというような状態で、十月を迎えた次第でございます。

前田佳都男自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(前田佳都男君) お答え申し上げます。掛金率の千分の四十四の決定に際しまして、單位組合の運営審議会を開いてきめようといたしましたけれども、そのきめることが、開くことができなかった。開くことができないがために、連合会の定款変更できめたというこの事態は、まことに遺憾なことでございますが、この法律の審議にあたりましては、国会でも相当審議され、かつ法律は十月一日から実施するということに相なっておりまするので、掛金の収入を確保するという意味においてそういう措置をとったわけでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 私が聞いているのは、そういう前田次官のお話によっても、遺憾である、それで手続の問題として十月一日から差し引かないと財源確保に困る、そういう意味で、非常に遺憾であるけれども、無理にしたように思うわけです。その結果、今そういう紛争が起こっているのですよ。そういう状態を一体いいと思っているのかどうか、今の状態をよろしいと思っているかどうか。

前田佳都男自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(前田佳都男君) そういう紛争の起こっておりますることは、まことに残念なことでございまして、それで大臣会見も━━私たちも会見いたしましたけれども、さらにまた大臣とも会見をするということで、最高の責任者である大臣との会見も十月三十日にいたしました。それで、とにかく説明をよくするということになって、説明会を十一月の六日にいたしました。さらにまた、第二回の説明会をやろうということを申し入れたような次第でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それで、この状態を非常に遺憾だと思っているのでしょうし、いいと思っていないのでしょう。ですから、積極的にどういうふうにしてこの事態を打開しようとしておるのですか、こういう状態は。

前田佳都男自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(前田佳都男君) この事態の打開といいまするか、とにかくこの千分の四十四というものをよく御説明するか、あるいはパンフレットに、あるいは説明会等によりまして、極力御説明をいたしまして、事態を平穏に進めたいというふうに考えております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 そこに非常に無理があるからであって、では、私は法律解釈に入る前に、一体この共済組合法というのは何のために作ったのですか、この目的はどこにあるのですか、それをまず聞いておきたいのです。

前田佳都男自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(前田佳都男君) この法律にも、国家公務員共済組合の目的が第一条に「目的」として規定されておりますが、この目的にございます通りに、国家公務員の病気、負傷、出産その他死亡、被扶養者の病気、負傷、出産等、適切な給付を行ないまするために、相互救済を目的といたします共済組合制度を設けておるようなわけでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 そうしますと、この目的は、この法律にもはっきりしているように、三つあるのでしょう。公務員及びその遺族の生活安定、福祉の向上、これが一つ、それから公務員の公務の能率的運営に資するということ、これが第二でしょう。それから相互救済を目的とする共済組合であるということ。この中で一番重要なことは、この法律の第一条の最後にありますが、「公務の能率的運営に資すること」、これが結果的には非常に重要なことだと思うのです。今のような状態であると、この事態が円満に打開されない。そうして政府の無理があるからそうなっておるので、ただパンフレットを出したり説明したって、その根拠というものが、そういう合理性がなければ納得されないわけですから、組合の方だっていたずらに理由なくして反対しているのじゃないのです。私も、組合の人からいろいろ事情を聞きました。で、ちゃんと今の国家公務員の共済組合の改正の経緯とか、それからその目的、その趣旨も十分に私も承り、この際検討してみたのですよ。どう考えたって、第三者的な立場で、公平な立場で見たって、非常に無理がある。法解釈をこれからしていけば、なおはっきりしてくると思いますが、こういう状態をほうっておいたら、それは国家公務員の遺族の生活安定、福祉にも役に立たないし、資することにならない。公務の能率的運営にも資することにならないでしょう。この法律を作った目的に反していると思うのですよ、今の事態は。そう思いませんですか。

前田佳都男自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(前田佳都男君) 運営審議会等がこの法律に規定する通りに運営できなくて、その間紛争が起きましたことは、まことに遺憾に存じております。

加藤正人緑風会

○委員長(加藤正人君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

加藤正人緑風会

○委員長(加藤正人君) 速記をつけて下さい。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 これは、政務次官ばかりじゃなくて、大臣にもしっかりこの点はたださなければならないと思いますが、本末転倒ですよ、この法律を制定した趣旨に今の状態は反しておるのですから。公務の能率的な運営に今の状態が資していると思っておりますか。組合の人に納得がいかないで、こういう状態にしておいて、そうして今後の公務の能率的運営に資することができると思いますか。政府と、何というか、対立状態になっているのでしょう。非常に不満な状態、協力できないそういう状態を放任しておいては、そもそもこの法律を作った趣旨に、目的に、反しているように思うのですが、どうお考えですか、その点について。

前田佳都男自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(前田佳都男君) 木村先生御指摘のように、ただいま紛争があるということは、その事業の円滑な遂行といいますか、能率的な運営から見たら、まことに遺憾なことでございます。従いまして、また言葉を繰り返すようでございますけれども、説明会等も十分いたして、よく納得いくようにしていただきたいというふうに考えております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 紛争があるという、紛争の現象自体だけじゃないのですよ。さっきお話ししましたように、單位組合でも定款改正審議会は開かぬというところがたくさんあるわけでしょう、さっきの御説明でも。これはみんな不満を抱いているわけでしょう。ことに、そういうような広範な、公務員大部分ですよ、大部分の公務員についてそういう不満な状態が現われているということですよ。これは重大な問題ですよ。大部分の公務員がこの問題について不満を抱いている。そうしたら、能率的な運営なんかできやしないんですね。これは今、国公共闘とそれから大蔵省側において説明会をやって、それで第二次説明会に応ずるとか応じぬとか、ただそういう表面に現われた現象だけじゃありませんよ。その背後に多くの国家公務員がこの不満を抱いているのですから、これはもっと慎重に考えなければならぬと思いますね。

平林剛日本社会党

○平林剛君 そこで、ただ政務次官言うように、説明会だけ開けば問題が解決するということじゃないのですよ。法律の解釈自体、これは私はあとにしますが、間違っている、穏当を欠いているのです。それで無理をしている。私は一つ一つ尋ねていけばもっとはっきりするけれども、少なくとも掛金の率をきめるというのは単位共済組合できめなければいけない、政府のような連合会できめればいいというようなわけにはいかぬですよ。それにかかわらず、掛金を強制的に徴収しているというところに紛争を拡大していく根源があるのです。だから、政府の方で、この掛金率が單位組合で説明され、よく納得され、理解され、同意をしたときに掛金率はきまり、そうして支払われるというふうにしなければだめですよ。だから、第一に、掛金を強制徴収しているのをやめるということが一つの解決の条件です。  それから、もう一つは、先ほどから、公務員の組合の方では運営審議会をボイコットしているとか、あるいはこれの審議に来てくれないと言うけれども、運営審議会そのものが問題だと思う。なぜかというと、現在の国家公務員共済組合の運営審議会というものが、これはそこに来て説明すればすらすらと通っちゃうという仕組みになっているから、運営審議会を開いたらすぐそのまま掛金率がきまっちゃうということをおそれて、審議に応じないという態度をとっているのです。だから、運営審議会そのものが形式的な運営をやめる。形式的にやるのじゃないのだ、そうして公務員側の主張も十分その中に取り入れていくのだということを政府自体がはっきりさせる。そうしなければ、いつまでも解決の道はあきません。現在運営審議会の中で、一部のところは別にしても、大体は組合側の代表なんというのははっきりした人は入っちゃいない。みんな政府やあるいは官庁側で指名した人が入っているのだから、そこで説明したって、何ら理解と納得を得る場所にはならないですよ。だから、運営審議会の場そのものが形式的な運営に流れている。政府の方の解釈は、議を経ればいいのだ。議を経るというのは、説明するも納得しないもない、ただそれできまるのだという、こんな法律運営をやるということになるから、みんな反対するという結果になる。ですから、政府は遺憾だと思えば、これを解決するためにどういう手を打つかということをはっきりしてもらいたいと思います。  その方法は、第一に、法解釈について、私が一方的に言うのはおかしいかもしれないが、穏当でない。逐条やっていけば、あなた方もおそらくそうだと感づかれると思う、穏当でないんだから。また、單位組合の了解を得られないうちに掛金を強制徴収することをやめる、とりあえず見合わせて、きまってから引き去るという態度をとること。もう一つは、運営審議会は説明するだけじゃないんだ。ただ一方的にそこで採決してやって、多数あれば通すというようなことでなく、やはり公務員側の主張も十分取り入れて、そして理解と納得を得るまでそこで話し合いをする。こういう基本的な態度を明らかにすること、これをやってもらいたいんですが、いかがですか。それが解決の道ですよ。

前田佳都男自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(前田佳都男君) 掛金率の変更につきまして、これを單位組合で運営審議会の議を経まして定款変更するということは、組合運営上望ましいことでございますけれども、連合会加入の組合につきましては、連合会の定款でできるということに解釈をいたしておりまして、その点でそういう措置をとったわけでございます。また、この運営審議会の構成につきましては、第九条の第四項に規定がございまして、「各省各庁の長は、前項の規定により委員を命ずる場合には、組合の業務その他組合員の福祉に関する事項について広い知識を有する者のうちから命ずるものとし、一部の者の利益に偏することのないように、相当の注意を払わなければならない。」、この第四項の規定によりまして、運営審議会の委員は、この法律の精神に沿ったものが選ばれておるというふうに解釈いたしております。

平林剛日本社会党

○平林剛君 政務次官はまだ実情をよく御存じないんじゃないか。総理府その他の七組合ぐらいは了承されたと、こう言うけれども、その委員は、大がい官側の方のそういう問題を担当しておる係あたりが委員になっておる。特に掛金なんというものは、これは公務員にとっては賃金と同じようなものですよ。それが二倍に上がるんだから、そういうときは、やっぱり全般の意志、それこそ、一部の意見でなく、官側の意見だけでなく、全般の意見を聞いてきめなければいかぬ性質のものです。労働条件や賃金に類する問題ですよ。だから、今の運営審議会の実情というものは、組合側から提出されたメンバーの中から命じたのでもなければ、そういう意向を汲み入れてきめたものでもなければ、みな政府の方からきめておるのですよ。これは政務次官、少し実情を御存じないのじゃないか。十九——全部で二十幾つある、その中で公務員の組合の方からこの人が適任だと推薦を受けてきめたのがどのくらいありますかということになると、困るでしょう。ないですよ、そんな人は。だから、そういうことでは困る。  議を経て、という解釈についても、説明すればそれでいいんだ。今の安保条約の事前協議と同じように、説明をして、納得するしないにかかわらず、とにかく、その議を経ればいいんだというように、安保の方は知らないけれども、そういうような仕組になっておるから、これに応じないという態度をとっておる。だから、これは、先ほど言ったようなことを、まず政府方がそういう立場で運営するということをはっきりさせる。  この二つですが、法律上のことをいうなら、法律の解釈について議論したいと思いますが、やはり無理があるのです。

船後正道大蔵省主計局給与課長

○説明員(船後正道君) 運営審議会の問題でございますが、先ほど政務次官から御説明しましたように、運営審議会の委員は各省各庁の長が任命いたしておりまして、その中には、御指摘のように、いわゆる労働組合の役員でない方をもって委員としておるところもございます。大多数の省庁におきましては、いわゆる労働組合の役員である方が組合員を代表する意味において任命いたしております。  それからまた、議を経て、の解釈でございますが、これは、この法律の構成上、運営審議会は組合の議決機関ではございませんでして、いわば諮問機関的な立場に置かれております。しかしながら、この共済組合は組合員の相互救済を目的とする制度でございまして、過去におきましても一、二の問題がございましたが、大部分の現在までの運営におきましては、やはり十分に議題につきましては討議を重ねて、その上で決定していく、こういう運びで運営しておったのであります。

加藤正人緑風会

○委員長(加藤正人君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

加藤正人緑風会

○委員長(加藤正人君) 速記を始めて。  では、今日はこれをもって散会いたします。    午後一時三十九分散会    —————・—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗