社会労働委員会 第10号
- 発言数
- 15 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/12/15
会議録
○委員長(加藤武徳君) それではただいまから委員会を開きます。 まず委員の異動を報告いたします。十二月十五日付をもって片岡文重君が辞任し、その補欠として羽生三七君が選任されましたので、御報告をいたします。 —————————————
○委員長(加藤武徳君) それでは、医師等の免許及び試験の特例に関する法律等の一部を改正する法科案を議題といたします。 提案理由の説明をお願いいたします。発議者、衆議院議員田中正巳君。
○衆議院議員(田中正巳君) ただいま議題となりました医師等の免許及び試験の特例に関する法律等の一部を改正する法律案の提案理由を御説明いたします。 終戦前に満洲国、朝鮮、台湾、樺太等の地においてその地の制度によって医師または歯科医師の免許を得ていた者で終戦により日本に引き揚げた人々につきましては、医師等の免許及び試験の特例に関する法律により医師または歯科医師の免許を取得するための選考及び特例試験の措置が講じられております。また、これらの者のうち、昭和二十八年三月以前に引き揚げた者と終戦前満洲方面向けの医師の養成を目的として内地に設けられた医学校を卒業した者等については、医師国家試験予備試験及び歯科医師国家試験予備試験の受験資格の特例に関する法律によって国家試験予備試験の受験資格が与えられております。 しかるに、この両法律による特例措置は、昭和二十四年末をもって期限が切れることとなっておりますが、これに該当する者が現在なお、若干名実在しておるのであります。 従いまして、今回これらの措置を一年間延長して医師または歯科医師となり得る道を残し、将来の希望を持たせることが適当と存じまして、本法律を提出いたした次第でございます。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決せられるようお願い申し上げます。
○委員長(加藤武徳君) ただいま提案理由の説明のございましたこの一部改正案に対しまして、御質疑のある向きは逐次御発言をいただきます。
○木下友敬君 戦時中の特例でございますけれども、この人たちは、戦時中は満州その他の地で相当献身的な働きをしておった人でございますし、医師以外にはおそらく生計の道を立てる方法を知らない人たちではないかと思うのです。それで、こういうような、毎年一年ずつ延ばすというようなことが行なわれておりますが、一体現在こういう方がどのくらいおられるか。
○政府委員(川上六馬君) ただいまお尋ねの受験資格者がどのくらいおるかという点でございますが、この点につきましては、引き揚げ関係団体等にも照会いたしまして調べてみましたけれども、どうもはっきりした数字がつかめないのでありまして、およそ二百名くらいではあるまいかというような話も聞いておる次第でございます。現在までに特例試験に合格した者及び選考での免許を受けました者は、医師歯科医師を合わせまして千六百八名に及んでおります。そうしてこれは本年十月までの調査でございますけれども、この本年の秋、実施いたしました予備試験及び特例試験の資格別の受験者数を申し上げますというと、医師八十三名、歯科医師十五名になっております。そうして秋の合格者は医師が二名、歯科医師が一名というような、非常に少数な合格者に終わっているわけであります。
○木下友敬君 私がざっと聞きましたところでは、三百四、五十人おろうかというようなことも聞いたのですが、そのうちで、八十三人と十五人がこの秋に受験したということから見ますと、そういう方々はおそらく受験をする勉強ができない方であろうと思う。私もこの間、ここ数年間の試験問題を集めまして見てみましたら、相当むずかしい問題が出ているので、あれを十分にこなせればそれは医師としてりっぱなものでございます。むろん生命をあずかる医師の免許をやるかやるまいかということですから試験は相当厳格にやってもらわなければいけない。その点は非常に賛成です。ですけれども、そのためには、あの試験に合格するためには何か講習をやってやるとかしないと、ただ野放しにしておいて……。そういう方々は食べるために何か働いておりながら、受験勉強をしてあの試験に受かるということはちょっとむずかしいということで、八十三人に二人の合格ということはよほどむずかしい。普通ならば、あの問題で合格できないのが普通だろうと思う。というのは、現在医師として開業しておる人でも、町に開業しておる人でもあの試験をいきなりやられたら、合格は——私も見たけれども、これはどうも合格の見込みがないなというので、いささか心配をしたのでございますが、そういう点からいえば、講習をしてやるくらいな親切さがないといけない。現在保健所のお医者さんも非常に少ない。それから無医村のお医者さんも非常に少ない。無医村に行き手がない。こういう方々は相当年もとっておられるし、自分たちは医者になりさえすれば、どんないなかでも、無医村でも行って献身的な働きをしようと決意をしておられる方々ばかりのようにも思うのです。それからまた、保健所にそういう方が行って衛生技術方面を担当してもらうこともできるし、何かこれは特別な講習会でも開いて、そうして勉強できるようにしてあげてそうして堂験を可能にしてやって受かるようにしてあげなければ、一年延ばしに延ばしたところで八十三人に二人、士五人に一人といったのでは、いつまでも手数をかけてやらなければいけない。一つ何かそういうような考慮を払われることを今のところ厚生省としてはお考えでないだろうか。これはぜひそうしてもらいたいという意味で、希望と同時に質問するのですが……。
○政府委員(川上六馬君) ただいまのお話の講習会も、実はもうすでに引き揚げの医師の団体と話し合って、合格者を多くしたいという話し合いをいたしております。厚生省自体がするということはむずかしいと思いますけれども、その施設なり、講師なりの世話をいたしまして、できるだけ実効をおさめたいというように考えております。 それから今、現在の職業の調査をいたしておりますが、どうしても試験に合格できないような人たちに対しましては、できるだけ一つ就職のあっせんをいたしたいというように考えておる次第であります。
○木下友敬君 まず第一に、私はこの世話をする方がおられると思うのです。引き揚げ医師ですか、現地開業の医師の世話をする方、ああいう方に頼んで、もう一つそういう方が実際どういう動きをしておるかということをキャッチすることも必要だと思うのです。あなたの言われた通りに、厚生省自体が講習をするということは不適当であれば、医師会などに一つ連絡をとって、医師会などに御奮発をいただいて、そして講習会を開いてもらうというようなことでもして、ぜひ一応けりをつけないといけないと思うのですよ。もうこういうふうに法案を出して、一年延ばし延ばしというだけでは何かあまり手際がよくないように思います。どうしてももう受からぬというような人はあきらめてもらって、ほかにも行かなければならぬから、一つぜひそういう方面に考えを向けていただきたいというように希望を述べまして、私の質問を終わります。
○勝俣稔君 これは八十三名でございますようで……。約二百名ぐらいあるという話を言うておりますが、八十三名だけしか受けないということは、一面において準備ができなかったという点、それから一面においては、それを知らなかったというようなことを言うておるようなこともありますから、今木下先生の言われたように、私はいわゆる蘭医会と申しますか、蘭のお医者さん、満州におった蘭医会という会を作っておるし、ことに医務局長は満州に長い間おったので、そういう連中をよく知っておるはずでございます。そういう連中によくPRをして、そして今のように講師なり、自営的に自分らが一つ講習を受けるというような心がまえにさせるようにして、受かった人は受かったで、自分は医者になっちゃったからもう別だ——私の郷里にも非常に繁昌しておるお医者さんがおりますが、自分のところだけはもう片づいたというような心がまえでなくしてみんなにそういうようなことをさせてやるように、医務局長、一つ満州以来の関係もあるのですから、一つお骨折りを願って今の木下さんのお話のように、また一年、また一年というようなことをやったのじゃ困るし、よくPRもして、ぜひそういう線でやっていただきたいということを私は厚生省にお願いいたしまして、この案には私も賛成でございます。
○山本杉君 別のことなんでございますが、ちょっと厚生省に続けて伺いたいのですが、こういう人でなくて学校を出ていながら国家試験に通らないお医者さんがどのくらいあるのか一つ……。
○政府委員(川上六馬君) 今はっきり数字を覚えておりませんが、千二、三百人おりますか……。
○委員長(加藤武徳君) ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(加藤武徳君) 速記を起こして下さい。 それでは、本案に対する本日の質疑はこの程度にしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤武徳君) 御異議ないものと認めます。 本日はこれで散会いたします。 午後二時散会