社会労働委員会 第9号
- 発言数
- 134 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/12/11
会議録
○委員長(加藤武徳君) それじゃただいまから委員会を開きます。 炭鉱離職者臨時措置法案を議題にいたします。 ただいま政府の出席者は、松野労働大臣が、ただいま閣議が終わったようでありますから、すぐ入る予定でございます。百田職業安定局長、住職業安定局企画課長が出席をしております。通産省からは、樋詰石炭局長、自治庁からは、奥野財政局長が旅行中で、松島財政課長が出席をしております。なお、大蔵省からは、銀行局の磯江特別金融課長、並びに岩尾主計官が出席をする予定でございまして、間もなく入ると思います。 それでは、質疑のおありの方は逐次御発言をお願いいたします。
○阿具根登君 きのう質問の途中で、関係官庁の方々が見えておられないので保留になっておりますので、その点を御質問申し上げたいと思います。自治庁からどなたかお見えになっておりましたようですね。
○委員長(加藤武徳君) 松島財政課長が出席をしております。
○阿具根登君 この法案で、第二章の筑四条の第三項で、五分の四を国が補助するということになっております。ところが、地方自治体からの切なる要望は、これだけの炭鉱離職者をかかえた反面には、非常に膨大な出炭減がある。鉱産税、固定資産税の非常な大きな減収と相待って、五分の一の地方自治体の負担にはたえられない、こういう非常に切実な陳情がきておるわけでございます。これに対して、自治庁の方ではどういう対策を考えておられるか、お尋ねいたします。
○説明員(松島五郎君) お答えいたします。緊急就労事業の実施に伴いまする地方負担につきましては、私どもといたしましても、この法案の作成の過程におきまして、労働省とも御相談申し上げまして、できるだけ国において多い負担をしていただくように努力したつもりでございます。なお、残りました五分の一の地方負担につきましては、それぞれ起債または特利交付税等をもって、関係団体が事業の実施に支障のないように配慮して参りたいと考えておる次第でございます。
○阿具根登君 そういうように、起債または交付金というようなことを、こうしておるとか言われるけれども、いよいよ交付金の査定をするときにそういうことが前提になったためしはないんです。交付金の場合はいろいろな状態が各地方から今度陳情がされて、きめられたワク内で配分する場合に、おそらくそういうことはこれは口実だと思う。だから、この分、交付金でふやすならふやす、あるいは起債によるなら起債による、起債の場合は、償還条件をどういうふうにするとか、利子はどういうふうにするということをはっきりきめてもらわなければ、そういうような抽象的な説明では、いよいよこれが実際に移された場合に、今度泣きを見るのは地方の自治体でございます。だから、はっきりした御答弁をお願いしたい。
○説明員(松島五郎君) 起債によりますものは、適債事業として取り上げられますものでございますので、ただ、この緊急離職者対策事業が各市町村ごとに行なわれます場合は、起債の一件限度の制限等、その他の事情がございますために、起債にできないという面もあるわけでございます。ある程度まとまった金額でないと起債の対象に現在いたしておりませんので、そういった面で、起債で救済できない面もございますので、従いまして、そういうものにつきましては、特別交付税をもって配慮をして参りたいと考えておるのでございます。ただいま、特別交付税で配慮するといっても、今までやったことがないじゃないかというお話でございますが、従来も、一般失業者の発生が通常の交付税で認めますよりも非常に多いような場合は、それぞれ特別交付税で処置をしておる例もございますので、今回のような、特に異常な発生を見ております実情にかんがみまして、関係市町村の財政負担の激増しておることにもかんがみまして、十分な配慮をして参りたいと考えておる次第でございます。
○阿具根登君 この炭鉱の離職者の集団発生の位置はもうほとんど今わかっておるわけなんですね。この問題で二万一千人、救済しなきゃできない。どこにどのくらいいるとはっきりわかっているわけです。だから起債できるところ、できないところがあるかもわからない、そういうことじゃなくてどこが起債をできないのか、どこができるのか、あなたのところではわかっているのだ。日本全国じゃないのです。わずかな数です。
○説明員(松島五郎君) お話でございますが、各団体に対する事業の割当等が、現在まだ——予算は成立いたしておりますけれども、まだ具体的に割当も行なわれておりませんので、それぞれの市町村ごとに、甲なり、乙なりの市町村がそれぞれ幾らになるかというような額までは出ませんので、ただいま申し上げましたように、たとえば現在起債の制限は、町村でございますると、百万円以下は起債の対象にしないというようなことになっております。そういった面に対しては、やはり特別交付税で救済する、また、事業のうちにも労務費が大部分であるというような事業につきましては、これは現在の起債の対象にいたしておりませんので、そういうような場合にはやはり特別交付税か何かで救済するというようなことを考えなければならぬのではないか。その事業が具体的に各市町村までおりまして、その上で善処していきたいと考えておる次第でございます。
○阿具根登君 そうすると、起債の場合の利子はどういうふうにお考えになっておるか。償還期限はどういうふうにお考えになっておるか。
○説明員(松島五郎君) 今申し上げましたような事情でございますので、おそらく起債の対象にかりになるといたしましても、それは大部分は府県の部分ではないかと思います。 で、利子につきましては、従来これはいろいろな例がございますが、三十年以前のものにつきましては、一部、利子が交付税の対象になると思いますが、三十年以後のものにつきましては、一般の公共事業に対する起債を交付税の対象といたしておりません。そのかわりに、交付税の一般的財政需要を測定いたします場合、これは非常に技術的でございますけれども、そういった——三十年以前は、御承知の通り、金の足りない部分を起債でやっていくという趣旨の財政面が地方に多いわけでございまして、そういうやり方では不健全であるということで、三十一年以降のような考え方に逐次改めて参っております。従いまして、三十年以前の分につきましては、公共事業につきまして一部財源の措置が不足であったということを、あとにおいて措置するというような意味で、交付税の対象に計算をしております。 それからこの起債によりましてはたとえば災害復旧事業債のうち、公共事業の災害復旧事業につきましては、その元利償還の分の九五%を交付税のワクの中に入れる、あるいは、私ども通常緩慢災と呼んでおりますけれども、地盤沈下でありますとか、海岸侵食というような、まあ災害に準ずるようなもののために起こしました起債につきましては、五七%を交付税の対象に入れるとか、いろいろ起債の種類によって取り扱いを異にいたしております。 で、今回の問題につきましては、今まで例もないことでございますので、その償還金をさらにどうするかということにつきましては、ただいまのところまだ確たる方針を立てておりませんが、団体によりまして、非常に因る部分が将来出ました場合にはこれまたその実態に即しまして考慮して参りたいと考えております。
○阿具根登君 それでは、今回の場合は、今まで例のないというくらいに特殊な場合であるので、ただいま言われました交付金が九十何%ですか、そういうような措置をとられるのが第一義である、こういうふうに解釈していいのですか。
○説明員(松島五郎君) 今回のようなのは御承知のように、ただいま申し上げましたように例のないことでございます。それからまた、起債をもって措置いたしますと申しましても、将来に負担を残さないような形において、当該団体においてこの事業のための経費を支弁することが一番望ましいわけでございますので、私どもといたしましては、なるべく団体の個々の実情に応じて考えなければならぬとは思いますが、特別交付税で措置をするように努めて参りたいと考えておる次第でございます。
○阿具根登君 わかりました。それでは、この五分の一に対しては、自治庁の考えでは、特別交付税をこの分だけふやす、こういうことで了解してよろしゅうございますね。
○説明員(松島五郎君) ふやすと申しましても、特別交付税の総額はすでに決定いたしておりますので、そのワクの範囲内においてどういう経費に特別交付税を配分するかということは、これは全体の中での問題でございますので、今申し上げました炭鉱離職者対策に要します経費は、重点的に優先的に配慮して参りたいと考えておる次第でございます。
○阿具根登君 そこのところが、まああまりくどく質問したくないのですけれども、これだけは、これは特別なもので例のないことであるから、特別交付税の場合にこれをふやすのだ。これは別途考慮する、こういうことであるかと聞けばそうじゃないのだ、こうおっしゃる。ワクはきまっておるから、私が最初言ったのは、交付税でこれを見てやるとおっしゃっても総ワクがきまっておるから、その中で各所各所のいろんな陳情があって、この奪い合いとなり、結局はこれがいけないのじゃないかということを最初私は念を押して聞いたわけです。だから、今、最後の御答弁になると、私が危惧しておったことがそのまま出てくるわけです。あるいは特別交付税で見ると言われても、配分された結果では、あなた方から見れば、これはこういう特殊ななにがあったからふやしたのだとおっしゃるけれども、地元から見れば、これはあたりまえのことであって、何もこれを特別ふやしてくれたわけじゃないじゃないか、こういう結果になるんではないか、だからこれをはっきり特別交付税なら交付税の中においてこれだけはふやすのだ、別個だ、こういうことですかということを聞いたわけなんですがね。
○説明員(松島五郎君) 特別交付税には、御承知の通り、本年度の特別交付税の、当初国の予算において計上せられました額は百四十九億円でございます。その後災害がございましたために、補正予算に伴いまして四十二億円の増額が行なわれまして、現在百九十一億円になっております。この特別交付税は、地方交付税法によりますと、災害その他特別の財政需要が発生した場合、ある場合において当該特別の財政需要のある団体に交付し得るということになっておりまして、あらかじめどういうことでなければならないということはさまってないわけでございます。ただこういう制度が長年行なわれております結果、たとえば災害があったならば、従来の方式によれば、これだけというようなルールは一部のものについてはございます。しかしながら、その全部の今申し上げました百九十一億全部について、すでに、こうでなければならないのだ、こういうふうに固定的なルールがあるわけではございません。と申しますのは、今申し上げましたように、その年に発生した特別の財政需要に即応し得るような、いわば弾力的運営ができることを目標にして設定されておるものでございますので、その年にそういったいろいろな財政需要に即応し得るような配分を考えていくことが建前でございます。従いまして、本年で申しますと、大災害の発生に伴いまして、必要となりました経費に対しては、これはまず考えなくちゃならぬと思っております。それから今申し上げましたような炭鉱離職者問題というようなものも災害と相並んで考えなければならぬのじゃないかというふうに考えております。なお、過去において来年はこうするというようなことが、ほぼ国会の御審議等を通じまして何と申しますか、きめられておりますとか、約束されておりますとかいうようなものもございますので、そういったものも次には取り上げて参らなきゃならぬということ、そういうふうになりますけれども、私どもの考えますところでは、たとえばこの緊急就労対策事業に対します地方負担はおおむね一億円前後ではないかと考えておりますので、従って、これを特別交付税で取り上げるといたしましても、そのために、ほかのものがあるために非常にこれが制約を受けるというようなことはないものと考えておる次第でございます。
○阿具根登君 非常にわかったようなわからぬようなことになってきたのですがね、その年における特別の事情がある場合に特別交付税の中から、交付金の中からこれを出すのだということをおっしゃっておりまして、その緊急就労対策は、これはこの年に起こった特別な問題であるから、その範囲の中に入るのだと、こういうように御答弁下さったと思うのです。そういたしますと、その配慮を当然していただけると、こういうように考えてよろしゅうございますね。
○説明員(松島五郎君) 配慮いたすつもりでございます。
○阿具根登君 それからもう一つお尋ねしたいのは、いわゆる生活の保護で非常に行き詰まっておる現実があります。きのうも質問の中でいろいろ聞いてみますと、生活保護は生活保護として厚生省に尋ねれば十分やっておるんだと、また今後もやるんだと言われておるけれども、生活保護を受けておる人が、去年からことしを比べてみると、飯塚、直方、田川、こういうところはちようど倍になっておる。この倍になっておって、しかもこの訓練所に入る人たちを一応きのう質問の中でいろいろ聞いてみますと、生活保護を受けなければならないような人も受けておらない、受けられない。こういう事情にあるようでございます。そういうものに対して自治庁はどういうようにお考えになっておるか。私どもの考えでは、たとえ少ない金額であるとはいえ、先ほども申しましたような事情で、この離職者をかかえておる自治体は非常に困っておるだろうと思うわけなんですが、これはいかがですか。
○説明員(松島五郎君) 生活保護に要します経費につきましては、普通交付税の中の一定の方式によって出ておるわけでございます。見方は人口に比例します分と、前年度の実績に比例します分とを併用いたして、一応推定するという建前をとっております。従いまして、全体的には御承知の通り、生活保護者数は漸減しているように私ども承っておるのでございますが、一部地域におきましては、ただいま御意見の通り非常に多発しているというような場合もあるわけでございます。そうしますと、一般の交付税の計算において見ておりますのと現実との食い違いが出て参りますので、これにつきましては、従来とも特別交付税の際にその状況を勘案して特別な方法を立てまして救済の対象といたしておる次第でございます。
○阿具根登君 そういたしますと、こういうふうに急激に生活保護をしてやらねばできない人たちがふえたこの地域に対しては、これも特別に自治庁の方は勘案をされると、各自治体の責任というのか、財政に圧迫を受けないように自治庁の方でめんどう見ると、こういうことですか。
○説明員(松島五郎君) 御承知の通り、生活保護費は八割が国庫の負担で二割が地方負担になっておるわけでございますので、当該地方負担に属する部分についてはそういった特別交付税でできるだけの配慮をして参りたい。かように申し上げたわけでございます。
○阿具根登君 わかりました。 それではきのうの続きを逐条審議さしていただきます。第二十三条の二項からですが、「当該離職がその者の責に帰すべき重大な事由又はその者の都合によるものでないこと。」これはどういう意味なんですか。
○政府委員(百田正弘君) 「その者の責に帰すべき市大な事由」と申しますのは、犯罪または職務上の法律違反を犯したというような、故意または重大な過失による事由によりまして解雇せられたというような場合でございます。その者の都合によるものでないというものは、いわゆる任意退職でございまするが、これにつきましては、現在失業保険の取り扱いでも、正当な事由による任意退職、たとえば一つの人員整理その他の場合におきまして希望退職の形をとって人員整理を行なうという場合には、これに含ましめないというふうに解釈しております。
○阿具根登君 それでいいです。希望退職は本人の都合によるものではなく、希望退職はこれは会社の都合で退職したものであるからこれに適用ざれるのだ、この字句は適用されないのだと、こういうことですね。
○政府委員(百田正弘君) 私が今申し上げたように、人員整理等の場合において希望退職の形式をとる、現在の失業保険ではそれは任意退職とは見ておりません。これと同じような取り扱いをいたしております。
○阿具根登君 次の二号でございますが、これはもう数回聞いておりますから深く問うことはやめますが、昭和三十年の九月一日以降ということになると、合理化法案が発効した日以降ということになる。合理化法案が実施されたのは非常に失業者がふえてきて、しかも炭鉱が自然休閉山する、そういうさなかにそういう事態があったからこの合理化法案ができたものだと私はかように思うのですが、石炭局長いかがでし、ようか。
○政府で員(樋詰誠明君) 今御質問のように、非常に石炭の需給がただいまのように均衡を失しまして非常に大きな失業者等を出してくる、石炭鉱業の将来がきびしい業態というようなことのために、この際非能率の炭鉱を教理するというような、計画的に整理するということによって無計画に倒れるというよりも、これは計画的に整理するということの方が労務者自身にとってもプラスであろうし、また、石炭業界全体にとってもプラスになるというふろに判断したために、合理化法を制定していただいたわけでございます。
○阿具根登君 そういたしますと、私の資料で見てみますと、二十八年に四万人の失業者が出ておる、二十九年に三万四千人、これは当時の石炭局長の発表でございまして、実際はそれよりも以上でございます。実際は五万六千名に三万五千名、こういう失業者が出ておったわけでございます。そこでこの合理化法ができたのでございますが、この七万四千名、当時出ておる七万四千名が全部就職しておるとは考えられません。こういう人たちはどうしてこの対象にならないのかわからないのですが。
○政府委員(百田正弘君) この法案自体としてはもちろん対象になるわけでございますが、援護会の業務の中の一と二につきまして、これをどこまでさかのぼるかという点についてはいろいろ問題があったわけでございます。しこらして三十年の九月一日以降におきましも、御承知のような事情によりまして、また、炭鉱の労務者数が雇い入れがふえまして相当ピークになった時期もございます。その以降また整理が行なわれてきた。従って、そのピーク時をとるべきじゃないかというような意見も、これをやるときにはいろいろございましたけれども、一応何らかの区切りをつけるという意味におきまして昭和三十年の九月一日という、この一号、二号の対象としては合理化法の施行をとった方が至当ではないかということでやったわけでございます。
○阿具根登君 合理化法が施行されてから今日まで五万七千人の名が出ているわけです。三十年から三十四年まで、それは移動もございます。その中の二万一千を救うというのがこの法律の趣旨でございますが、そういたしますと、合理化法を作ってそれによって買い上げたからその責任をこれでカバーする、こういうことにしかならないと思うのですが、そうでなかったならば、その前の七万四千人という人は、これは何の援護会では対策も立ててくれない、こういうことになると思うのですが、いかがですか。
○政府委員(百田正弘君) この援護会の業務のうちに移住資金の支給ということと訓練手当の支給ということが大きな業務になっているわけです。これは特別な、ほかの事例にない特別な措置でございますので、これをまあある程度そこに何らかの意味におきまして制限的に考える必要もあるということで、他のすべての、ほかの対策といたしましては、すべての離職者について適用されますけれども、これにつきましては一つの区切りを設けることが適当ではないかという観点から、この二点についてだけはこうしたわけでございます。
○阿具根登君 それでは次の「二十九年九月一日以降において一年以上引き続き炭鉱労働者として雇用された経歴を有すること。」これは今のと関連してどういうことになるか。
○政府委員(百田正弘君) 今申し上げましたように、特別に手厚い対策をとるというようなことにいたしました関係上、石炭業に少なくともある程度そこに定着して石炭業界に貢献したという人たちにつきまして、たとえば転々と動いていくというような人は一応除外いたしまして、少なくともせいぜい一年以上くらいは炭鉱労働者として貢献したという方々に限りまして、三十年九月一日といたしました関係上、その一年前の九月一日をとったわけでございます。これは「引き続き炭鉱労働者として」と番いてございますが、必ずしも同一炭鉱という制限はございません。炭鉱労働者として勤務したのが一年以上という場合にはこれを適用する、こういうことでございます。
○阿具根登君 そういたしますと、二十九年の九月一日以降において一年以上引き続き炭鉱の労働者として働いたものでなければならない、しかし、それは同一炭鉱の意味ではないのだと、炭鉱労働者の移動性から考えて、炭鉱から炭鉱へ渡り歩いておるであろうから、それも一年間継続してそういう労働をやっておると、まあこういうことになると思うのですが、理屈はそうなるかもしれませんけれども、それでは炭鉱をやめたからすぐ翌日から次の炭鉱で雇ってくれるか、こういうことはできないと思うのです。そういたしますと、そういう人たちは除外されますか。
○政府委員(百田正弘君) そこのところが、ただ今日やめて翌日から向うに入ったというように厳格に解釈する必要はないと思います。社会通念上この炭鉱を整理をされたとか、配置転換の場合もありましょうし、あるいは違った事業所に行く場合もあって、その間ある程度のズレは再就職までの間ありましょうが、その間において、ほとんどいわゆる社会通念上引き続き間に大きな開きがないというような場合であれば差しつかえないと思います。
○阿具根登君 たとえば失業保険もらって半年間食っておった、そうして仕事を探しておったがないので、半年後に次の炭鉱に入ったと、こういう人たちはどうなります。
○政府委員(百田正弘君) その場合は「一年以上引き続き」ということには当てはまらないと思います。また、そこまではこれは考えておらないわけであります。
○阿具根登君 それでは非常にけじめがおかしくなってくるんで、炭鉱を離職した、いわゆる買い上げられたということになりますと、そのうちの一部は炭鉱に直ちに就職するかもしれないけれども、そのうちの大部分は就職ができないと思うのです。そうすると、その人たちは就職するために、東奔西走するでありましょうし、その同失業保険で食っておると思うのです。そうしてやっと炭鉱を見つけて就職をした、その人たちは引き続き炭鉱労働者とは認められない、そういうふうになってくると、ちょっと私はおかしいのじゃないか。たとえばその半年間、別な仕事について、商売なら商売を始めて非常によかったけれども、半年後には今度は商売が行き詰まった。それで今度は炭鉱に入ったんだ、これとは意味が違ってくるんじゃないか。その間仕事もなく、あるいはあったにしたところで、たとえば日雇い労働者と、こういうことをやっておった方が、炭鉱に再就職した場合に、この間は炭鉱労働者じゃないのだ、こういうことになれば、せっかくのやつが非常に意味が狭まるのじゃないか、こう思うのですが、いかがですか。
○政府委員(百田正弘君) これは少なくとも一年ぐらいは炭鉱労働者として引き続いて定着して、いる、またやめた、また何かやって入った、今のお話の場合でも、あとにほかの商売をやって、やめて、それをやめてまた炭鉱に入られたという場合も、その後のものが一年あればそれはいいわけでありますが、すぐある炭鉱に入って気に入らぬからやめた、また何かしばらくやっておったが、また炭鉱に入った、またやめたというところまでこれは援護の対象と、この二つの特に手厚い援護をしておる以上は、そこまでは及ぼさなくてもいいんじゃないか、こういう考え方であります。
○阿具根登君 この失業者の数りから見てこの移動の数からみて、大臣も再三炭鉱労働者の特に中小炭鉱労働者は、移動が激しいのだということを言っておられるわけです。特に移動が激しいということはそういう点をやはりさしておられるのじゃないか、ところが、炭鉱に一年間、これはただいまの局長の話を聞いてみますと、同一炭鉱に一年間という意味につながるわけです。おそらく同一炭鉱に一年じゃなからねば、炭鉱から炭鉱を回って歩く場合に、十五日や一ヵ月で次の炭鉱に行くというようなことは、これはできないと思うのです。やはりそこに三ヵ月なり半年なりの期間がある。幸いその間を失業保険で家族は食っている。これが実態じゃなかろうかと思うのです。これは理論的にはそうなるかもしれませんけれども、これでいけば、引き続き同一炭鉱に働いた方でなければならないというのと同じ意味になつ、てくるじゃないかと思いますが、そうなりませんか。
○国務大臣(松野頼三君) 失業保険を六ヵ月もおもらいになるという方は、相当これは長期の勤続の方で、大体その次々に渡って歩かれる方は、六ヵ月の保険をもらわれる方はほとんどなかろうというので、私の方は失業保険六ヵ月もらわれる方というのは特別の方、相当長期の五年以上も勤務された方でなければなかなかもらえない、そういう意味で、ほとんど失業保険をもらえないような短期間の方が、たくさん炭鉱におられるものですから、次々と移動されているという意味は、常識的に十日や十五日あいだがらいけないというのじゃない、一応一年間を通じて、炭鉱という職業以外にほかへおつきになったことがない方というのが一つの常識で、六ヵ月も保険をもらえるというのは、おそらくなかろう、そういうのは長期の方だからおのずから次の再就職とはこれは別の意味でお考えになる……、これは渡り歩かれる方はほとんど失業保険の適用さえもないような方で、非常にお気の毒だ、こういう考え方から一年目という常識的なものを書いたわけであります。なお、その後買い上げられた方は、これは昭和三十年九月一日以降ですから、これはもう期限に入っております。その前の場合一年間というものがここに制限が出てくるわけで、昭和二十九年九月一日以降離職者、これはこの法案の完全実施になります。だからそれ以前に一年というのが、これが問題のところでありますから、まだ買い上げの実施になっておらない時期の問題であります。従って、三十年からいきなり実施するには、あまりに気の毒だから、前においても相当一年間炭鉱という職業で、安定してこれは職業についておられた方を入れようじゃないかというので、いろいろさかのぼってなおかっこういう規定を入れたわけですから、私たちは何年からやるかということは、いろいろ議論が出ました。一番激しく出ましたのは、昭和三十二年です。昭和三十三年ぐらいから非常に極端に出ております。それから離職者の数のピークから言うならば、三十三年ということもございますけれども、しかし、一応合理化資金というのは、事業団から資金を出しますから、事実団が発足した日からする方が温情があるのじゃないかというので、三十年九月を私どもはとったわけであります。離職者の数から言うならば、三十二年以降の方が非常にふえております。しかし、離職者の数ばかりじゃおかしいじゃないか、じゃ事業団の発足から認めようじゃないかというので、私の方はどっちかというと中間において、まあどちらかというとさかのぼってやろうじゃないかという方向で、三十年に引き上げたわけですから、これからもっと先をやればいいじゃないかという議論もありますけれども、これは事実団——資金をここから仰いでおりますので、前の資金の責任がだれにあるか、これもなかなか議論の多いところだから、資金の関係から事業団がこの資金を負担する、あるいは交付するということに法律がきめましたので、従って、一番当初からという意味で、こう書いたわけです。大体阿具根委員も御存じのごとく、山から山へ歩かれる方は、長いときは二ヵ月ぐらいお休みになる方もありますけれども、その間失業保険があったかというとそうでもないのです。やはり退職金とかあるいは次の職を自分は探すのだと、そういうふうなものが山歩きの方に多いものですから、大体社会通念ということで大幅にこれは導いていく、そういう意味でありますから、そう激しく、じゃ十ヵ月はどうだ、十一ヵ月はどうだ、そういう意味は私どもはこまかに審査をして、なるべく温情のあることをしたいということで、そう私どもの方では、これにこだわっているのじゃない、法律で書けばこういうことだ、こんなことをしないで……、期限が切れるものですから、衆議院でも同じような質問が出まして、同じようなことで御答弁しましたが、ここにおいて必ず一年ということは、そうしゃくし定木にとることはありません。しかし、社会通念ということで運営するのですから、援護会の性質からいえば、なるべく温情のある運営をしたい、法律で書けばこういう文句になる、こういうことで、社会通念ということで私たちは考えていきたい、こう考えております。
○阿具根登君 それでは私の勘違いのようですから、昭和三十年九月一日の人は適用しないので、昭和三十年九月一日からさかのぼった一年間の間に一年引き続きと、こういうふうになるのですか。今の大臣の御説明で、ちょつと私の考えが違っているのじゃなかったろうかと思う。昭和三十年九月一日以降の方は、これは何ヵ月でもけっこうだと、炭鉱労働者をやった人は、これはみな適用するのだと、こういうことですか。
○政府委員(百田正弘君) 三十年九月一日以降の離職者に適用するわけなんです。その人につきまして過去において「一年以上引き続き炭鉱労働者として雇用された経歴」と申しますと、二十九年の九月一日、こういうことになるわけです。
○阿具根登君 三十年の九月一日以降の炭鉱離職者はこれを適用する、ただしその二号では二十九年の九月一日以降一年間勤務しておらなければならない、こういうことでしょう。そうすると、三十年九月一日以降の人でも一年間を炭鉱におらなければできない、こういうことでしょう。先ほど労働大臣のお話では、三十年の九月一日以降の人はいいのであって、それ以前の人に対する考え方が一年間となっているのだと、こういうふうに私は受け取ったわけですが、そうじゃないのですか。
○国務大臣(松野頼三君) 私の方の説明が少し足りませんでしたが、三十年九月一日以降の離職者をます第一の限定にいたします。そのときの離職者は、九月一日にそれが出たとしますと、この人を審査するときは、過去に一年間勤続した方と、こういう条件がっくわけです。
○阿具根登君 そうすると、三十二年の九月一日に離職した人も、やはり過去において一年間金属したかと、こういうことでしょう。
○国務大臣(松野頼三君) その通りであります。
○阿具根登君 それならば私が質問している通りになってくるわけです。私は大臣の御答弁で、三十年九月一日以降の人は何カ月勤めておろうがこれは適用するのだと、それ以前の人は一年間勤めておらなければできないのだと、こういうふうに解釈したもので、これはおかしい法律だと、これは私が考え違いがあったならばこれは改めにゃいかぬがと思いました。ところが、そうじゃないようでございますから、私の質問のようになってくるわけです。たとえば三十二年なら三十二年にやめた方が、ちょうど三十一年なら三十一年に入っておったと、そうしてそれが二カ所炭鉱を回った、その間に、まあ六カ月というのは、これは失業保険の限度を私は言ったのですが、三カ月なら三カ月間、あるいは四カ月なら四カ月間空白があった、そういう場合にはこの適用できないようになるわけですね、失業保険をもらっておったとすれば。
○政府委員(百田正弘君) 今のような場合に、三十年九月一日から今日まで四年近くあるわけであります。そこで最近になってから、かりに三十四年の九月一日以後やめられた、やめられる前は半年しかなかった。これはその前に炭鉱買い上げか何かで離職されて、新しく炭鉱にことし入られたといったような人で、その前のときに——三十年九月一日以降というのは、離職が一回か二回あるわけです。その前のときにまた一年以上あればよろしいというふうなことになるわけであります。
○阿具根登君 そういたしますと、昭和三十年の九月一日に採用になって昭和三十一年の八月一日に炭鉱が買い上げられたと、そうして今日まで日雇い労働をされておる、こういう方は対象にならないということになるわけでありますね。
○政府委員(百田正弘君) ならないということであります。
○阿具根登君 それじゃ次に移りましょう。この各章を見る場合に、これはまあ法律の形式でいつもこういうことがあるのですが、この法律は特にほとんど労働大臣と通産大臣の両大臣の許可を得なければならないというのがどの項にも入っておるわけです。どの項にも労働大臣と通産大臣が認可をしなければならないと、こういうのが入っておるが、これはいずれが主管省になってくるのか。両方の大臣の認可をどれでも受けなければならない、これでは非常に問題が起こった場合に、まあ両省の意見が合わないということは、これはないでしょうけれども、問題が起こってくるおそれがないともしないと思うのですが、そういう点はどういうふうに解釈されたらよろしいのですか。
○国務大臣(松野頼三君) この援護会の関係だけが実は労働大臣と通滝大臣と協議するということになっておりまして、あの法案のほかは大体労働大臣になっておると思いますが、援護会は御承知のごとく、やはりこれは石炭事業団との関係も密接にございますし、資金面の計画もございますし、また、内容につきましても、通産大臣、労働大臣の関係もございますので、この際両大臣が一致してやろうじゃないかということで、まあ二色書いたわけで、一々これは所管争いみたいなことをするべき性質でもございません。私どもの方において両大臣一致してやろうということで、援護会だけはそういうふうにいたしました。特に私はこれで大きな議論が出るようなものは、実は性質が性質ですから、仕事を、公共事業をどっちがやるのだというなら事業主体がどうだというような議論も出ましょうけれども、内容がやはり両大臣でやるべき仕事が多いものですから、一方は合理化の方をやる、あるいは資金を出す、一方は離職をやる、これはうらはらの問題ですから、別々にやる方がかえって連絡が不十分じゃないか、二人でやるならば、これはお互いに経済関係、労働関係というものを一緒にやれるのじゃなかろうかということで、あえてこの問題は二色の方がいいという、私は積極的意見を申し述べまして、通産大臣もけっこうだ、私どもの方も実は積極的意見を申し述べたのです。合理化は向こうでどんどん進める、労働大臣が専管するならば、それは援護会は全部援護会でやるかわり合理化の金でしばられるということになると、これではやりにくいものですから、これは合理化と援護会の方と一緒にやる方が私はかえっていいのじゃなかろうか、そういうふうな意味でも私は積極的に通産大臣の御参加と、私の方と両方でやろうじゃないかということを申し出たわけでありますが、これが私はかえってこの方がやりいいのじゃないかと思います。
○阿具根登君 この問題は総括質問があとであると思いますから、そのときに御質問申し上げたいと思います。次に飛びまして、補助金の問題を御説明願いたいと思いますが、第三十三条ですね、「その業務に要する費用の一部を補助することができる。これは国の補助金でございますが、国以外の業者その他からの寄付金の問題についてちょっと御説明を願っておきたいと思うのですが、その見通しですね、それから五年問がこれは時限立法でございますが、三十四条の寄付金の収入と、この見通し、内容等を御説明願いたいと思います。
○国務大臣(松野頼三君) この寄付金は、じゃどこを対象にするかと、まあどこからでも寄付金はいただくならばこれはけっこうでありますが、まあ主体としてそうやはりこの関連産業、これは基本産業で、非常に関連の多いことであります。同時に、そのためにこの立法の趣旨をしたわけで、すべての産業の方も、やはり石炭に理解を持つてもらいたいというので、まあ一番主とねらいましたのは、他の産業から石炭産業に援助をする寄付金ということを奨励していきたい。ことにいろいろな問題で、これは一つのすべての産業機構の中で石炭がこういう不況になったことのこういう原因もございます。従って、やはりある程度産業総体で基本産業に対して寄付をするという気持を各産業界に植えつけたいというのでお話をしておりまして、各種石炭以外の産業からも、つい先日も寄付をしようという御意思決定がございまして、それはけっこうなことだというので、まあいろいろ産業人という立場、あるいは他の産業という立場、あるいは国の基本産業という石炭に同情をされて、来年早々にでも相当な寄付を私はいただけるのじゃなかろうか、こういうことで、つい先日、まあ新聞紙上でございますが、一億円全産業から寄付をしようという話がございまして、これは具体化ずるようでございます。これはもう来年の三月までにおそらくその寄付は私あるのじゃなかろうか、まあそれは期待しております。そういうものも今後また出てもらいたい。この間の新聞発表ばかりでなしに、私のところにも直接そういう意向を申し出て来られました。全産業が石炭というものに理解を持ち、労務者も全産業でなるべく引き受ける、資金も援護会に寄付いたします、一億円というのはもう私近々のうちにきまるか、きまったと思っております——まだ援護会はできておりませんから、きまっちゃおりませんが、そういう方向に段取りが進んでおるようであります。
○阿具根登君 私も最近に新聞で、日経連が一億円の寄付をするということは承知いたしておりますが、この寄付というのはどのくらいの見積もりにしておられるのか。全く寄付金というものはあるかもわからないが、ないかもわからない。多額のものになるかもわからないし、非常に少額のものになるかもわからない。しかも今はこの場合だから、あるいは経世者としても同じ資本主義の立場に立っておられる方々は、やはり共同責任ということもお感じになるでしょうし、この不況になった原因が重油等の問題もありますので、これはこういうことも、一億ということも最近言われておるのですが、これが二年たち、三年たった場合に、こういうことが予定できるのか予定できないのか、非常に私は未知数だと思うのですが、こういう点に対してはどういうふうにお考えになっておりますか。
○国務大臣(松野頼三君) 寄付金を予算に計上したり、あるいは当てにしたりするつもりはございませんが、やはりしかし、いろいろな意味でこの運営費というものがより以上効果を上げるには私は必要だという感じはいたします。従って、寄付を考えなければ予算が組めないということはございませんが、それほど全産業の方もこれに理解があるというなら、国もやはりそれに対して応ずべき予算の実は相当なあと押しになるわけであります。私の方はやはり寄付金があるというと、全産業が石炭を理解してくれるというと、国としても予算折衝の場合に大蔵省にこういう理解のある援護会だという、一つの大きなうしろからのあと押しの力にもなる。しかし、寄付金を常に予算に最初から計上することはできませんので、私は多いにこしたことはありませんが、毎年一億くるか、その確約はできません。さしあたり発足について一億円だけきまっております。来年も事業の運営を見ながら、各産業の景気、不景気もございましょうが、産業人にお願いして続けていただきたいという気持を持っております。来年の確約はできません。本年の一億だけは、発足について非常に御協力をいただいたという精神的な気持だけでありまして、来年の一億を当てにするわけには参りませんので、予算上において、運営費として別にこれは考えなければいけない、こう考えております。
○阿具根登君 わかりました。それでは第四章の雑則の第四十条、これはこの前ちょっと何かのときに御説明願ったと思いますが、定期的にというのは、一年ごとにですか、半年ごとですか。
○政府委員(百田正弘君) 私どもは一ヵ月ごとにと考えております。毎月の報告にしたい。
○阿具根登君 毎月報告ですな、毎月報告するのに違反した場合には、あとの罰則が適用されるのですか。
○政府委員(百田正弘君) その情の重い場合はそういうことになります。しかし、一ヵ月、ある月の報告がおそかった、あるいはちょっとミスがあったというようなことで一々罰則を適用するのはどうかと思いますけれども、それはまず第一に督促をしましてやっていくということになると思います。
○阿具根登君 固きにこしたことはないのですが、罰則の場合はまたあとで申し上げますが、こういう第四十六条では、四十条の規定に違反した場合には「三万円以下の罰金に処する。」と、こういうことまではっきりうたわれておるわけなんですね。そうするならば、一ヵ月に一回定期的に雇用状況を報告しなければならないということもけっこうだけれども、一ヵ月といえば、事情によっては報告がおくれるかもしれない。しかし、これは厳格に言えば三万円以下の罰金に処せられるわけですね。それではあまり酷に過ぎるから、情状酌量によるということになってきますと、一ヵ月ということでなくて、これが一回おくれ、二回おくれ、三回もおくれれば承知せぬぞということになって、法そのものは非常に死文になって来やせぬか、こういうことは考えられませんか、それとも厳重にやります、一ヵ月に一回報告しなければならないのを怠ったのは直ちに罰則を適用しますという、これならこれでわかります。また、一ヵ月というのはあまりひど過ぎるから、三ヵ月に一回なら三ヵ月に一回は報告しなければならない、半年に一回なら半年に一回は、前の一年の問題もありますから、一年は長過ぎますけれども、半年なら半年に一回やらなかったならば厳格に罰則を適用するぞというならわかりますけれども、非常にこっちをシビアにしておいて、考え方をゆるやかにしておけば私は非常に危険な法律になってくると思いますが、いかがですか。
○政府委員(百田正弘君) お気持はよくわかるのでありますが、一ヵ月に一度われわれがやりたいということで現在考えておりますのは、先般来お話がありましたように、やはり毎月の出入り、どういう人を、かりに採用したとすればどういうものを採用したか、これもやはり厳重に監督していって、優先雇用の実を上げたいためであります。とることが、この実態を知ることが目的であって、従って、罰則をもって強制してございますけれども、その場合におきまして、非常に報告について誠意がないといったような場合については罰則をかけていくということが適当である、こういう意味でございます。
○阿具根登君 それでは罰則の方で御質問を申し上げますが、第五章の罰則の四十五条では、これは援護会の役員または職員の罰則でございます。第四十六条は、これは業者に対する罰則であろうと思いますが、そうですか。
○政府委員(百田正弘君) 四十五条は、援護会の役職員に対する罰則でございます。四十六条は、おっしゃる通り業者に対します罰則でございます。
○阿具根登君 そういたしますと、援護会の役員または職員というのは、これは四十五条は個人を意味するものか、職責は別として、これは個人に罰金がかかってくると思います。そうした場合、四十六条の場合は、これは業者、非常な利潤を生む人、持っている人、この人も三万円、こちらも三万円、極端にいえば、これは報告を受けるくらいだからそうだということは言えないことはございませんが、炭鉱業者では多いところは一万人以上も採用している、こういうところで三万円ぐらいの罰金はものの数にならない、罰金のうちにはならない。そうすると、一方は、これは公僕だから大きな罰金をかけるのだということもわかりますけれども、個人の罰金というものは非常に大き過ぎる、個人の三万円というのは、これは私は大きいと思います。そうすると、あまりにも業者に対しては寛大ではないか、あまりにもこれは低過ぎやしないか、こういう考えを持つのですが、それはいかがですか。
○政府委員(百田正弘君) 援護会の役職員の場合には、三十七条の一項の規定に違反する場合でございまして、それは主として業務、資産の状況を報告させること、それから立ち入り検査等、あるいは帳簿、物件の検査をする場合におきまして、その検査を拒み、妨げ、忌避する、相当情の重いものになるわけでございます。四十六条の方は、出入りの状況を報告せしめるということでございます。そうこれによって、四十五条の場合に特にそういう悪質と申しますか、そうしたものの場合、重いものについてやってありますので、特に均衡は失しないと思います。
○阿具根登君 四十五条の場合も、「虚偽の報告をし、」こういうのがありますね。四十六条の場合も、「虚偽の報告をした者」、こうなっているわけです。そうしますと、一方は虚偽の報告をなして、個人で三万円以下の罰金、おそらく三万円以下の罰金になれば、この役員は職を退かねばならないと思います。もちろん私は退いてもらいたいと思うのです。一方は三万円の罰金に処せられても、決して職は退かないのです。この業者の罰金三万円というのは、あまりに低きに失すると私は思うのです。
○政府委員(百田正弘君) 援護会の場合に、特に一番、国の補助金と整備事業団からの交付金で業務を運営いたしております。その資産の状況というものは、常に明らかにし、これにいやしくも虚偽、不正等があることはとうてい許しがたいことでございます。これについては、政府としてはやはり厳重な監督をしていく必要があると私は考えております。
○阿具根登君 それはわかるのです。それはそうしてもらってけっこうなんです。それは役員の方が自分の職務を怠るならば、それはそのくらいの罰則でけっこうだと思っております。しかし、その上にこの人はその職を退かねばならない、罰金刑に処された者がこの職にとどまるということは私は考えられぬと思います。それでもこれはいい。しかし、一方の業者はあまり軽いじゃないか、一方の業者は三万円であとは何も罪はない。この三万円も業者個人が出すのではなくて、事業体の中から出てくる三万円です。個人は何の痛痒も感じない。これでは罰則にならぬのじゃないか、もっと強い罰則をきめるべきじゃないか。私は四十五条を軽くしなさいということではなくて四十五条と四十六条と見る場合に、あまりにも業者に対してこれは寛容ではないか、こう思うわけです。
○政府委員(百田正弘君) 三万円で安過ぎるというような御意見もあろうかと思いますが、会社の場合でございますと、虚偽の報告したものと同時に、法人の代表者、法人に対しても両罰規定が四十七条にあるわけでございます。それを足しても六万円にしかならぬかもしれませんが、問題は罰則の強制によりまして報告をとにかくさせることにしてもらう、三万円が三万円出しても報告をしないというようなことでおるばかりじゃまさかないと思いますが、われわれとしては中身を知りたい。それはよって優先雇用の実をあげたいというふうに運用していくべきだと思います。
○阿具根登君 私は何も罰則を強化するのを本論として御意見出し上げておるわけではないのですが、実際炭鉱の現状から見る場合に、個人ということでなくて、法人という立場でいかに個人が苦しめられておるかということを考えるわけです。これは極端にいえば、実者の責任を追及した法律だと思うのです。炭鉱の離職者を炭鉱の業者は必ず雇わなければいけませんぞという、一つの非常に大きな根本精神が流れておると思うのです。それに違反したその人に対しての罰則が、あまりにも低過ぎはしないか。法人の町則等はこれは個人が出すものでないから、罰金のうちに入らないのです。そんなもの問題じゃないのです。だから公務員にもこれだけの罰則をかけるならば、公務員以上の町則を、人を雇用するというような立場にある人にもっと私は強い罰則をきめなければならぬ、こう思うのです。四十六条、四十七条ではこれは罰金のうちの、個人では大きいけれども、法人や業者から見れば、これは罰金のうちに入らぬ、私はこう思うのですがね。
○政府委員(百田正弘君) そういうお考えもあろうかと思いますが、現在のこの報告は職業安定法によっても取り得ることにはなりますけれども、職業安定法の場合には現在五千円の罰金ということになっております。これはこれでは相当強化されたことになっております。特に会社の命令によってそういうことをやらされたあるいは出すなと言われた場合には、当然その会社自体が責任を持つことは当然だと思います。
○阿具根登君 あまり罰則のことばかり言いたくないのですが、御承知のように、労働者を使用して、ゆえなく賃金を遅配、欠配させたためには五千円の罰金があるわけです。ところが、何百億という資産を持っておっても、賃金遅配、欠配しておって、その罰則が適用されておらない、これが現実でございます。これがいわゆる財産も何もなくなってしまった、だから負債を払う能力がない、労働者の賃金を払う能力がないというのならいざ知らず、莫大な資産もあり、あるいは利潤もありながら賃金も遅配になり欠配になった場合にでも五千円の罰金しかない。個人に対して五千円の罰金しかないわけです。それも払わない。払っても微々たるものだ、そういうことで容易にその法の違反を行なっているものが現実でございます。そうするならば、こういうものはたとえばあったところで三万円の罰金だ。何も個人はちっともそれに対して追及されるものでも何でもないというようになれば、これは罰則だ、こういうことをきめられておっても、きのうから問題になっておりました義務規定であるか、どうであるか。あれだけ問題になっておった場合でも、労働大臣はこれには罰則が裏づけにございますから、これは完全なる義務規定ではないけれども、訓示規定ではございません、こういうことを言って非常に強調された罰則にしてはあまりに軽い罰則ではないかと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(松野頼三君) この罰則は虚偽報告したものあるいはその法人がこれだけの罰則になるわけです。法人は御承知のように、ほかの基準法でも五千円とか三千円とか、非常に軽微のものではございますが、しかし、やはり法人といいましても、社会信用と申しますか、罰則をかけられるということは、非常にその法人にとっては対外的にあるいは今後の運営に大きな社会からの指弾を受けるわけでございます。ことに援護会というのは、石炭業者がすべてですから、援護会から罰則を受けるということは、おそらく今後の業務軍営において非常に大きな支障がある。三万ではどうか、五十万ではどうか、資産があるところは十億だって、あるいは金額に差があるかもしれません。しかし、そういうものでは私は罰則というものはないと思う。罰則をかけるということは社会的にそれだけ大きな制肘を受けるのだということが、一番法人にきついのじゃなかろうか。ある法人では罰則はなくても行政罰を交けたということだけでも非常な業務運営には支障があるわけですから、金額では三万はどうか、一億ならばどうかという、これは相手の能力によって違うのじゃなかろうか。これはその行為においては不正は不正、大会社であろうと小会社であろうと、不正は不正ということがやはり大きな法律の抜け穴をふさぐ問題である。すべてこの方法が、資産内容に応じて罰金の内容を変えるものでもない。その趣旨は私は刑法をかけるということが非常に大きな罰則だ。といって、その罰則の金額は、やはり刑法上においていろいろな比率を見ながら、ここに三万円、これは相当きついものではなかろうか。こう考えますので、会社の支払い能力からいうならば、三万円の額はいろいろ議論は出ましょう。しかし、そういうことでなしに、行政というものはやはり社会からこういうものを受けるのだ、これが非常に大きな私は問題ではないか。こういう意味がすべての罰則に共通するものではなかろうか、こう思う。これは刑法上の過去においては相当きつい方で私はとっておる。こういう意味で私は妥当ではなかろうか、こう思っております。
○阿具根登君 法人の場合は、そういうような非常にあたたかい考えで労働大臣はおっしゃる。公僕の場合はどうですか。これは三万だけじゃないでしょう。私が言うように三万円払えばその職にとどまって依然としてやっていいというものじゃないのです。三万円の罰金というものは即自分の職場を去ることだと思うのです。これは死刑の宣告だと思う。どうですか。
○国務大臣(松野頼三君) もちろん個人の場合は、それはいろいろな情状配量と申しますか、本人の問題もありましょうが、罰則というのはやはり個人にとっては非常にきついものです。法人においても私は同じようにきついと思う。法人なら三万円なら払えばいいじゃないか。払うだけじゃなくて、その他の影響が法人にはある以上大きな問題がくる。社会的の信用をなくしましょうし、銀行からも信用をなくしましょう。また、援護会もそういうと不正な会社を今後そう簡単に、君のところは援護しないぞと言われれば、これは非常に大きな会社の存立に影響するようなことが出てくるのじゃなかろうか。金額が三万円だということより、罰則をかけられることが非常に大きな問題だ。また、これがあるから行政がやりやすいのだ。これがなければいわゆる訓示にしかなりません。これがあるから、私は行政上強く罰則があるのだからやるのだという一つの行政的権限が出てくる。金額の三万円とか五万円とか、これを五万円に引き上げたところで同じ理由になるのじゃなかろうか。罰則があるのだということが行政の大きさな強みになる。また、それを脱法できないように私たちは縛れるのだ、そこが大事ではなかろうかと思いまして二万円、五万円というのは、これは一つの基準と方法によって、私は一番高い方をとった。基準法でも五千円、これはいろいろ議論があります。しかし、五千円でも基準法の罰則があることは、基準監督官が非常に大きな権限を執行し得る一つの裏の裏付けになっておるのですから、私はこれだけのものがあれば十分やれると思っております。
○藤田藤太郎君 今の大臣の御意見として罰則を受けるという思想が問題なのである。私はこの思想はうなづけると思う。しかし、今阿具根君の指摘していることは、一般的な罰則に対するかまえ方の問題だと思うのですよ。一般人が感じているかまえ方の問題だと思う。それは何で処理されているかというと額で処理されている。個人も法人も同じです。しかし、たとえば、基準監督行政でたくさんな違反行為がある。まあ伝えられるところによれば三十万件、四十万件もある。五年に一ぺんしか監督ができぬ状態にある。そういう違反行為自体が通常のことだという感じの中で世の中が動いていると見てそれでは、罰則を受けたという感じは、何をもって処理するかというと、そろばん勘定だけという感じを持たれているところに、痛くもかゆくもないというような、先ほどからの言葉が出てくるわけです。だから、違反をほんとうに防ぐという建前で罰則をきめるなら、ほんとうにそういう工合に皆が感じてきめるなら、個人と法人との関係はあまりにも同じでは……、それからまた、痛痒を感じないような状態にあるというところに問題がある、こういう議論が出てくるわけです。そういうことだと私は思うのです。思想としては、罰則を受けるというのは私は額の問題ではないと思う。社会通念はそうではない。一つも痛痒を感じない、こういうところに問題が起きてきているじゃないですか。それはどうですか。
○国務大臣(松野頼三君) 藤田委員のおっしゃるように、罰則という、その言葉が非常に問題……、社会的に信用を失墜するというのが、一番大きな、あるいはその処罰の一番きついものだということであって、その上に金額がついてくるのは、金額が安いから、おれは違法をやっていいのだということでは私はなかろうと思う。やはり法を守るという立場から罰則があるということが、一番問題の重みをなすものだ、その力を現わすものだ。行政官が、罰則のある場に立って監督するというのと、道義的な監督をするというのとでは、おのずから監督行政でも違いがある。そういう意味で、罰則があるということは、非常にきついものがございます。また、私どもの指導監督も、これで非常に強くやり得るということで、法人と個人の問題が出ましたけれども、法人の場合は、法人としての制約を受けましょう。個人の場合は、個人の過失に対する責めを受けなければならぬ。というのは、一方においては三万、法人の場合も、あるいは個人の場合と二つ並用する場合もございますから、個人が悪意の場合には、個人を罰する。法人が悪いときには、法人を罰するという精神から、四十六条、四十七条は出てきたわけです。三万円だからこれを破ってもいいのだという考えは社会的に通用しない。では、罰則は何万円にきめたらいいか、一般の事例を合わせまして一番きつい方をとったというのが三万円ということになっているわけです。
○高野一夫君 これは、こういうふうに考えられませんか。阿具根さんのおっしゃること、もっとものようにも思うけれども、四十五条も四十六条も、三万円が最高であって、三万円以下となっている。そうして共通の点は、四十五条の場合でも、違反して報告をしなかった、もしくは虚偽の報告をしたということ、それが四十六条と同じ条項になっている。ところが、四十五条には、さらに検査を拒んだり、妨害したり、忌避したりする場合が規定されている。だから四十六条で、報告をしなかったり、虚偽の報告をした場合は、二万円、二万五千円の罰金になるかもしれない。しかし四十五条の場合、それに該当するような、報告をしなかったり、虚偽の報告をしたりする場合は、五千円ぐらいで済むかもしれない。しかし、検査をこばんだり、妨害したりする場合は、一万か二万になるかもしれない。こういうようなことになるわけだから、四十五条と四十六条では、その罰金を課する内容に、相当いろいろな問題点があるわけです。だから、四十六条で二万五千円の罰金を課するようなそういう事項に対して四十五条の場合は、五千円で済むかもしれない。こういうようなことに考えてもいいわけでしょう、実際問題として。
○藤田藤太郎君 いや、私、問題になっているのは、社会通念の問題だと思うのです。何億、何十億というものを持っている法人が、三万円で経済的にどれだけの負担を感ずるか、社会的にどれだけの負担を感ずるかというところに、問題があるのです。だから四十五条と四十八条との関係を問題にする前に、まず四十六条の法人や事業主の件を問題としたいのであります。事業体の罰金が三万円で、それでは何か社会的に罰を受けたということで、営業や事業やその他の経済的にどう感ずるかという、感じの問題なんです。だから、違反が起こらないという問題を主点にするなら、罰ということは額によって左右されるものでないということ、これは思想は私らも同じです。大臣の言われるのと同じだけれども、あらゆるところに違反行為が行なわれておって、たまたまこれが罰則にかかっても、三万円そろばん勘定で出せばそれでしまいだという感じの中で、三万円ということじゃ、法人の罰則はあまりにも少な過ぎるじゃないかというのが、問題なんです。だから違反を起こさないような罰金がいいのか、さらにほかに制裁をすることがいいのか、それは、私は考えようだと思うのです。必ずしも罰金でなければいかぬとか、懲役でなければいかぬということじゃない、違反行為が起こらないように最大限に食いとめる法律を作らなければいかぬじゃないかというのが、阿具根君のさっきから何回も言っている趣旨だと思う。
○阿具根登君 もっと先まで見てもらわぬから、そういう高野さんの言うような意見が出るわけです。この罰則全部読んでいただかぬと困るのです。私が四十五条と四十六条だけ取り上げておるから、皆さんそういうことをおっしゃるのだけれども、四十七条、四十八条、これをごらんになると、いかにこの罰則が片一方には優遇されておるし、片一方には過酷であるかということがわかるでしょう。四十八条では五号まで設けてある、そうして公務員は大臣の判を忘れただけでも、三万円から罰金をとられるわけです。それから、大臣の命令に違反した場合はやむを得ぬかもしれません。こういうように、四十五条以上に四十八条では、さらに五つも列挙して罰金刑を課せられておる。ところが、この罰金刑というものは、職員個人にとっては、罰金の金の多寡じゃないのです。これは職を失うことを意味するのです。それだけ過酷なことをきめられて公務員だからやむを得ぬと、……そうするならば、法人はあまりにもこれは軽いのじゃないか、金が三万円と出ておるから、金の額で論争しておるけれども、そうじゃないのです。これで法人としての致命的な法律だと言われる松野労働大臣の考え方に、私は反対しておるわけです。松野労働大臣が、こういう法人の代表であったならば、あるいは三万円でもとられたならば、もう会社の経営者としてはおれはやめだ、こういうふうに思われるかもしれないけれども、社会通念として考えてみなさい、そういう業者がおりますか、私はそこを言っておるわけです。だから罰則の、私が四十五条と四十六条を言っておるから、それだけをとらまえてそういうふうに考えてもらっては困る、これは全部一連して、四十九条まで関連して私は質問を申し上げておるのでございまして、あまりにも片手落ちだ、こういうふうに思うのですがいかがですか。
○国務大臣(松野頼三君) 法人としても相当な制約を受けますし、また、その法人の代表者も、個人的責任も追及されるわけです。従って、法人と同時に、代表者も個人的責任というものを追及されますから、法人の代表者というのはもちろん、法人の代表者であると同時に、個人の責任というものもこの中に生まれてくるのですから、個人ばかりというのじゃなく、法人の代表者というものは個人でもあるのだから、その個人についても、非常な大きな対外的制約を受けるという意味で、私は相当、法人もこれには影響がある。また、当然、援護会というものがこの問題をやります以上、石炭業者全部、援護会に大なり小なり関連しないものはないのですから、そういう制約も非常に受ける、違反される方はよほどの方でなかろうかというので、三万円の金額という、こういう罰まで課せられて、その法律を守ってもらうという精神が大事だということで、法人が三万円というのはいろいろございましょうが、私は、そういう意味で三万という罰則をかけたことは、その法人に対して致命的じゃなかろうか、いろいろほかにもあります、基準法にもありますが、金額よりも罰則をかけるということが、今後非常に大きな行政的な問題になっていく、また、罰則を受けるなら、おそらく通産、労働両省においては、その会社に関しては行政的な制約ももちろんございましょうし、そういうものが法人には、私は致命的じゃなかろうかと思います。
○阿具根登君 私は、松野労働大臣が非常に整備された、あるいは今言われておるような良心的な業者を対象に考えてやられておるならいざ知らず、この対象になるのはほとんど中小炭鉱ですよ。中小炭鉱がどういうものか皆さん御承知の通りなんです。松野労働大臣のような気持でこれをすなおに受けてくれる人があるならば、今日まで論争されたように鉱害を与えておれは知らない、自分はりっぱな家におってそして農家は畑もできないようにしてしまってその賠償もしない。自分の炭鉱をつぶしておいて炭鉱の労働者が路頭に迷ってもおれは知らないぞ、こういうようなことはあり得ぬのです。三万円の罰金でそれだけ良心的に考えるような方だったならばそういうことはできないのですよ。法をきめる場合には悪人を対象にきめることはできないけれども、悲しいかな現実はそういうものがあるのです。そうすると、そういう考え方でそれでおきめになるならば、逆にそれならば今度自分が使っておる部下、援護会が使っておる部下にこういうことがかりにあったとするならば、部下を罰するということよりも、これは上の人が責任をとるべきなんです。自分たちが使っておる個人だけには非常にこれだけきびしい罰則を設けておって、そうしてこういうことをしなければならないような原因を作っておる人、その一番責任のある方々に対してはあまりにもこれでは私は罰則が軽微じゃないか、私はこういうふうに考えるわけです。それをただ三万円と書いてあるから三万円でどうだこうだということになっておりますけれども、全額の問題で言っておるわけじゃないのです。金額の問題で言えば松野労働大臣のように、それは何百億と資産のあるところに千億くらい何でもないでしょう。金額が一万円になろうが、二万円になろうが、これは金額は二万円のやつは一万円でもいいけれども、もっと制裁の方法はないか、こういうことなのです。金額で清算するということではないのです。
○藤田藤太郎君 それに関連して、これは四十条というのはこれは六条にかかってくるわけですよ、もう直接に六条に、そうでしょう。この四十条にと書いてあるけれども、直接六条にかかってくる。今阿具根君が言ったように、六条の問題を考えてみたら、これはほかにもかかりますけれども、六条の問題一つを考えてみても大へんなことですよ。それを平気でどれだけの制約を受けるのですかね。そこにやはり問題がある、こういうことですよ。
○国務大臣(松野頼三君) まあこの罰則の金額よりもその制肘の問題を私は相当法人としては影響するのじゃないか、まあかりに言うならば、基準監督法というものの監督官が五千円取ってもこれを受けられる業者からみれば、これは大へんな社会的の問題で、というのと同じように、その法人がかりにもしも違法行為をした、あるいはあえてこれをしたというならば私は三万円の問題よりもその他に及ぼす影響は甚大じゃないか。すべての行政がそういう不法な会社に対する各行政官庁の監督があるのですから、それはすべてのものがその人、その位置、事項について出てくるのじゃないか。三万円の問題よりもその他に及ぼす、罰則を受けるような不正な会社だということが、社会的にも行政的にも、また、経済的にもあるいはその地位に非常に大きな影響を及ぼすというので、今度の基準法の罰則でも、五千円罰金でも響くわけです。同時に、これはもっと社会的に大きな影響が出てくる。それは今後の影響として私は軽いものじゃないと思う。金額じゃなしにその制約は軽いものじゃない。まあ一つの法人でも、新聞紙面に一つ出ましても信用問題という非常に大きな問題が出てくる。特に行政官が告発でもすれば大きな問題が出てくる。かりに罰金は幾らにしても、その法人にとっては信用問題という大きな問題になる。私はそう思っている。罰則をかけるということになれば、その金額よりもその事柄が行政的に十分監督できる。そういう意味で三万円というようにいろいろな基準を当てはめて、金額は書いたと、金額はそういうふうに当てはめて書いたのだと思います。
○阿具根登君 そういう労働大臣の考えであったなら四十五条と四十八条はあまり苛酷にすぎはしませんか、それでは。あなたのそういう考え方でいくなら、公務員はただ百円でもこれが法に触れて罰金だというようになれば、最初から言っているように、これは自分の首の問題ですよ。あなたは法人に対してそれだけ寛容な気持でそれだけ法人を信用され、社会の信用というものをそれだけ考えられるならば、個人の信用はなぜ考えないのか。個人であなたの判を一つもらえなかった場合、認可を受けなかった場合に三万円以下の罰金ですよ。これはあなたのおっしゃるのと違うじゃありませんか。
○国務大臣(松野頼三君) 個人の場合はもちろん、ことに今回これは非常に大きな問題の中心でありますから、違法行為があるときすべての離職者に影響するという大事な援護会ですから、まず個人的な問題から規制をしていく。非政のないように厳重にしたいという意味で、これが比率から考えて、過酷かどうかということは、やはりその立場と状況において判断すべきものであって、法人の三万円は経済的に軽いかもしれないが、個人の二万円は経済的にはあるいは重いかもしれない。しかし、その事柄を考えてみますと、援護会というものはすべての離職者に対する信用の問題すべてに影響するところは多大なものであります。従って私の方は援護会というものだけはまず守っていきたいということでやっているわけであります。これが法人の場合はどうかというと、まあ法人の場合は金額だけにあらずしてほかの問題もあるのですから、私は個人の罰則と法人の罰則ということはどちらが大切かというと、私は援護会というものも非常に大事だと思っております。
○委員長(加藤武徳君) 速記をとめて。 〔速記中止]
○委員長(加藤武徳君) 速記を起こして下さい。午後一時まで休憩いたします。 午後零時四分休憩 —————・————— 午後一時三十九分開会
○委員長(加藤武徳君) それでは再開いたします。
○藤田藤太郎君 私はちょっと三十四条の問題で聞きたいのです。この三十四条は、「交付金のほか、寄附金その他の収入をもってその業務に必要な費用に充てる。」こうある。寄付金というのはわかります。しかし「その他の収入」というのは何をさしているのですか。
○政府委員(百田正弘君) いわゆる雑収入ということになると思いますが、一つは利子収入等が考えられます。もう一つはいろいろな資産等をかりに売却するといったような場合の収入ということを考えております。
○藤田藤太郎君 寄付金ですが、けさの新聞を見ると、きのう日経連は一億円の寄付をするというようなことが新聞に載っていた。労働大臣も出席しているようなことが新聞に書いてある。そうして寄付金を援護会がもらう。ところが、この予算を見ると、寄付金とかその他の収入というものに対する使い方というものは一つも計画書に出ていないのですが、どういう工合に使うのですか、それを一つ伺いたい。
○政府委員(百田正弘君) これは午前中も大臣からお答えいたしましたように、われわれの予算といたしましては、こういう不確定なものを初めから当てにいたして事業計画を立てるわけには参りませんので、これは現在のところ全然予定はいたしていないわけであります。ただしこうしたものがあります場合には、さらに援護会の業務を質的にあるいはその幅を広げていく、さらに手厚い援護をしていけるような工合にこれを有効に使っていくべきものだ、こういうふうに考えております。
○藤田藤太郎君 幅を広げていくということになれば、寄付金が出たときにはどういうところに重点を置いてやるというような思想統一がまだできていないということですか。
○国務大臣(松野頼三君) 昨日も小柳委員から、この程度の人数じゃ足らぬじゃないかというようなお話。この予算の中に一応九十八名と二百名の協力員とが予算上きめております、足らなければどうするのだというお話があった。これは運営でやって戻ります。その中の運営費というものはさしあたり九十八名でやれるかどうか、やれないときにはこういうものを臨時に賛助員とか、協力員というような形で、定員のようにに久化しないで、最初の調査にたくさんかかりましょうから、そういうものにおそらくこういう寄付金は運用されるのだ、こういうふうな感じできのう実は御答弁申し上げているのです。
○藤田藤太郎君 さしあたり一億の寄付ということになると相当な予算額なんです。運営費にみんな使うというわけにはならない。それから新聞その他に伝えられた政府の提案のときの、私の聞き間違いかもしれませんけれども、寄付金は三億というような見積もりが政府側にあったようにも聞いているのですが、今の日経連の一億ではまだ二億足らないのですが、どういうのですか。
○国務大臣(松野頼三君) 事業団から交付金で三億円というのは今回の予算のときにお話をいたしました。それ以外の三億円というお話はまだしておりません。お話の寄付金もきのう実は初めてどうやらきまりました。私も通産大臣もある程度それを期待する。一億円というお話は、きのうの日経連の会議でどうやら正式に私たちが答弁できる程度になった、それは私の方でお話した覚えがございます。
○藤田藤太郎君 そこできょうもらいました資料を見ますと、予算関係でここに補正予算分として援護会補助金として三億円を含んで七億二千三百二十一万ですか、という概算がここに出ているわけです。その一枚めくりますと、その援護会の予算関係が出ています。歳入は国庫の今のこの補正予算の分からくる三億円、それから石炭鉱業整備事業団から三億円で六億という予算になっているわけです。しかし、昨日から問題にしていました、たとえば宿舎やまたは寄宿舎の問題が昨日から問題になっていましたけれども、移住資金というのが三億百七十八万四千円、その他のあとの三億近い金のおもに使われるのは、管理費が二千七百万です。大きいところを見ると、労務者用宿命費、これは転業したときに会社に与えるあの宿舎費だと思うのです。それからもう一つ大きいのは、寄宿舎の設置費用が一億二千三百四十三万円、これは総合訓練所の寄宿舎の費用だと思うのです。その他予備費ということになっているわけですけれども、たとえば労務者が新たに雇われたときに住宅を建ててあげるということは、これは私はうなずけると思うのですよ。だけれども、実際に炭鉱離職者が小倉や八幡、九州で福岡の例をいえば、その実際きのうの論議を突き詰めていったら、離職者は二百三十円の金をもらってその総合訓練所に行ける人はもうほとんどないというようにわれわれは考えるわけです。それにこの六億円の中の一億三千三百四十三万七千円もこの中から故意に出すということは、これを見てうなずけないのですよ。むしろ一般職美訓練所を、収容人員をふやすとか何とかそういうところに力をお入れにならなければいけない。きょう初めてこの表をもらって私も驚いているのですが、どういうことでしょうかね、せっかく援護会を作って、炭鉱離職者援護会というものを作ってそして一般会計でやらなければならぬような仕事に、この六億の中の一億二千三百四十三万円も出すなんということは、これはどういうことなんですかね、どうもよくわからぬ。
○政府委員(百田正弘君) 現在寄宿舎の設置まで一般会計その他にも見ておらぬところでありますが、今回の炭鉱離職者の場合には、炭鉱失業共済的な意味よりむしろその方々の転職、転業対策というような考え方で対策措置をしていくべきではないかと考えております。従いまして、その場合にはやはり職業訓練というのが一番大きな要素になる。その場合に一般訓練所においてもあるいは総合訓練所におきましても——総合訓練所の方がきのう申し上げましたように、訓練の内容は同じでございますが、設備等も整っておる関係もございますので、できるだけそういうところを利用できることが望ましいということで、特に宿舎を設置いたしまして、そこの利用をしていけることにいたした次第でございます。事実問題としてなかなか利用者が少ないのじゃないかというようなお話もございましたけれども、私どもある程度これによりまして促進はできるのじゃないかというふうに考えております。なお、その実施の状況によっては、それがさらに効果が上がりますような措置をわれわれ今後も引き続き考えていかなければならぬ、こういうふうに考えております。
○藤田藤太郎君 私の言いたいことは、総合訓練所というのは各府県一ヵ所しか、特別あったって二ヵ所なんですね、だからそういうものが総合訓練所を作る費用として一般予算にとってそれで今寄宿舎がない、それを補強しよう、最近の総合訓練所をやろうというところは、やっぱり寄宿舎というものを作らなければ、府県に一つだから、どうにもならない。そういう設備をやっぱりやりながら総合訓練所を建設しようというのが今の思想だと思うのですよ。ところが、これは一般会計からお出しになるなら、私はいいと思うのですよ。だけれども、せっかくここで炭鉱離職者の援護会を作ってそこへ事業団から三億、国の国庫補助から要するに補正予算で三億をとってそれでそういう離職者のためにやろうという大切な金から一億二千三百万円もの金をこの総合訓練所の宿舎費に充てるというのは、どうも炭鉱離職者の法案とは少しはすれておりはしませんかね、これは。
○政府委員(百田正弘君) 他の一般的なものについては現在やっておりますが、特に炭鉱についてはこういう特別の措置をとったということでございます。それから一般会計からも半分の三億という金は出ておるわけであります。これはまあはずれておるというふうには私は考えておりません。
○藤田藤太郎君 きのうの御説明では、総合訓練所とそれから一般訓練所の訓練内容はどうかと言ったら、同じだというお話でした。だから、失業保険の切れた人を訓練をさせるというのでしょう。失業保険の切れた人に手当を出して、二百三十円と百三十円の手当を出してその人を職業訓練をして他に転職の機会を与えよう。だから、二百三十円、百三十円というのはやつぱし家族の生活の幾らか足しになるということで、われわれは家族がちゃんと生活できるには額が少ないから何とか考えてくれ、それは一つ考えましょう、というお話でごさいました。だから、それはいいんです。いいんですが、今度訓練内容になれば、総合訓練所も一般訓練所も同じだというなら、離職者が通勤できて家族もその金で生活をしながら訓練が受けられるという、そういう格好の中で離職者対策というものが立てられて私はしかるべきだと思う。訓練内容が総合訓練所に行かなければどうにもならぬというなら、これは別ですよ。しかし、訓練内容が同じであるならば、なぜその一般訓練所をもっと現地でふやしておやりにならないのか。総合訓練所の宿舎費に一億二千三百万円も——これは一般の通常の訓練所設置に伴う予算としてお取りになるなら私はいいと思うのですよ。炭鉱離職者の七億二千万円の補正予算を組んだんだ、だから一般会計から七億二千万円のなにが入っているからこれでいいんだという理屈では、それにしてはあまりにも少な過ぎやしませんかね。私は、一般会計からこれをお出しになるなら、何をか言わぬですよ。だけれども、補正予算の炭鉱離職者のための援護会を作り、そして炭鉱離職者の援護会の予算として六億上げて、その中から一億二千三百万円も総合訓練所の宿舎費に充てるなんということは、これは私はどうもうなずけないんですがね。これはどうですか、大臣。
○国務大臣(松野頼三君) 訓練所の宿舎というものは、訓練法の一般訓練所にはございません。今回は特に炭鉱離職者にはその設備のために訓練手当と訓練所の宿舎の建設というものをつけ加えたのですから、これは炭鉱離職者だけの特別なものですから、援護会でやるということはこれは私は妥当だと。一般にすべての訓練所に寄宿舎があるというなら、そちらの一般経費で出せばいいじゃないかということになりましょうが、それは今日ございませんので、一応炭鉱離職者にとって特別扱いという特別部分だけをこの援護会で受け持ったと。なお、一億円の寄付は、先ほど申し上げたように、まず調査及び協力員という形でおそらく人件費になるだろう。同時に、やはり寄付する一般の産業人も非常に訓練所を希望されておりますから、この一億円は、おそらく訓練所の増設という方向にもあるいは運営されるのじゃなかろうか。ただ、一億円の金だけを当てにして継続的なものを作りますと、寄付がとだえたときにはどうなるかというので、なるべくそういう継続的なものにならぬように配慮はいたしますが、訓練所の設置費用にはおそらく一億円の寄付は相当部分充てられるのじゃなかろうか。これは、寄付金が参りまして援護会がいよいよきめますときにきまるべきもので、私は訓練所があるいは相当増設されるのじゃなかろうかという希望はしておりますけれども、まだ寄付金をいただいておりませんし、寄付者の御趣旨もまだ聞いておりません。ただ、援護会に寄付するということだけであって、その辺は、藤田委員の御心配と御注意の訓練所というものには一億円の寄付はおそらく相当希望があるのじゃなかろうかというので、寄付は当てにはしませんけれども、おそらくは私は訓練所の増設費用なんというものの中におそらく寄付金が含まれるのじゃなかろうか、こういう感じはいたしますが、まだ内容的に申し上げることはできません。
○藤田藤太郎君 いや、今の一億円の寄付の問題については私は了解します。これは、これからできてからの問題ですからね。大筋としてどういうところにお使いになる希望があるかということ以外に、これは出てこなけりゃできぬ問題です。私の言っておるのは、六億円の援護費の中から、四ヵ所で千人を収容する寄宿舎を建てるために一億一千三百万円もお使いになる。きのうの論議は、私らの理解するところでは、そういう総合訓練所というものにはほんとうの離職者という人は行けないのじゃないかという工合に私は理解しておる。今大臣のお話で、一般の人には寄宿舎がないんだ。これは今までの状態はそうであるかもわかりませんけれども、今日から、こしらえようという所には寄宿舎をつけるんだという話まで私は聞いております。それでなけりゃ、府県に一ヵ所こしらえるなら、泊まる所がなければ訓練が受けられない。そういう工合に労働者も指導されておるということも聞いておるわけです。だから、それは一般会計から総合訓練所に対する寄宿舎をつけて、より訓練の効率を上げようという思想ですから、私も非常にけっこうなことだと、こう思っておる。だけれども、ここで総合訓練所にこの援護会の費用から取ってつけるということは、これはどうかと私は思う。これも莫大な金ですからね。 それから、これは、たとえば寄宿舎を建てた、炭鉱の人の総合訓練所に入る人が少ないということになれば、寄宿舎が余る。それじゃ一般の人もそこにあいている所なら使わすということになろうと思うんですが、そういう人には使わさない、こういうことですか。
○国務大臣(松野頼三君) 一般の総合訓練所には寄宿舎はございませんから、今回炭鉱の方に限っては寄宿舎を設置する。これは、一般会計から出すというと、一般の方も泊めなきゃいけません。炭鉱離職者のための手厚い保護がある程度阻害されるかもしれない。まず炭鉱離職者のためのだけの寄宿舎ですから援護会で出すと、こうすれば、鉱炭離職者だけが泊まれるということで、この寄宿舎の効用が非常にはっきり確保される。それは援護会の仕事になるということがこの援護会から経費を出す理由である、こう私は思います。
○藤田藤太郎君 その話を聞いていると、非常にそうかいなと、こう思うのですよ。しかし、もっと振り返ってみて、二百三十円の手当をもらって授業料と寄宿舎費はただにしてもらえるでしょうけれども、食費が要り、その他の雑費が要るということになってくると、結局家族の方々は食っていけないということになるから、総合訓練所にはなかなか入る人がない。それで、私はきのう聞いたように、総合訓練所と一般訓練所と訓練内容が違うかと言ったら、同じだというからなおさらのこと、離職者の家から通勤できるようなところの一般訓練所に、その二百三千円のお金をもらって、細々と生活をつなぎながら訓練を受けるというのが、これが私は人情だと思う。そういうような工合に考えるのが人情だと思う。わざわざ炭鉱離職者地帯から離れたところの寄宿舎に入って、家族の生活というのは全然見られぬような状態で離職者がそこへ入るというようなことは、きのう阿具根君の話では、二千何百人の首のうち、二十五才以上の単身者はほんの数十人ですか、非常に少ない。それですから、ここへ入るのは、単身者以外に家族持ちではここへ入れないから、だから今のような総合訓練所には、おそらく離職者は行けないというふうに私は理解をしている。ところが、そういうところへこの費用から一億二千万円も出していくなんていうことは、これは他の方法にその金を使えないかという私は非常に強い感じを持つのですよ。これは離職者のために補正予算の中から援護会へ出し、それから石炭整備事業団から三億円という金を出して、ほんとうに困っている人に援助しようというのだから、第一の項目は、移住者の生活保護ですよ。これは移住者に対する生活保護的な支給金をお出しになることが第一の眼目なんです。その次にやっぱりこなければならぬのは、私はそのほんとうに離職された人の職業訓練をするためのいろいろな足らない血の費用を直接のめんどうを見るということが第二だと思うのです。だからこの寄宿舎ができること自体けっこうだけれども、こういう金を膨大に出すということは、どうも私にはわからぬのだがね、どうですかね、それは。
○国務大臣(松野頼三君) これはまあ総合訓練所の増設も今度は二億円でやるわけです。それは会計が違いますが、一般会計以外に、失業保険の利益金二億円をもって増設いたします労働福祉事業団の運営する総合訓練所に見合う宿金というのですから、趣旨からいうと、一般訓練所は一般訓練所で作っておりますが、今度は総合訓練所の費用で総合訓練所を増設する、それには不便で因るから、その増加分の宿舎を援護会で持つ、こういうわけで、あわせてこれは考えているのですから、これは藤田委員の御希望をかりに言うならば、この費用で一般訓練所を増設したらいいじゃないかというお話のように感じるわけです。この費用を削って、宿舎をやめて、一般訓練所の増設に回したらどうだ、端的に言えばそういう考えじゃないかと思います。総合訓練所は総合訓練所で別に二億円で作りますから、その足らない部分を、一億二千万円の宿舎を作るという方が、より効果的に予算運営はいくわけです。そういう意味で、これはあわせてもとがもう一つありますから、二億という総合訓練所の設置費というものを特別会計から出しますから、そうしてその不足分だけのものを援護会が持つ、これは石炭の離職者だから援護会で持つべきだ、こういう意味でここへ出ているわけであります。
○藤田藤太郎君 私の言っているのはこういうことなんです。援護会というのは、直接離職された人を援護するという建前で、たとえば、移住資金というような格好もお出しになる、訓練するための訓練手当もお出しになる、直接援護会というのは離職された人を援護しよう、そのためには他から寄付を募って、その援護の内容の拡大をできればやろうという形なんですよ、この思想は。その援護会の思想がそういうことであるのにかかわらず、総合訓練所の寄宿舎は私は全部反対だというわけではない。反対だというわけじゃないけれども、それはやっぱり今の状態から見て、二百三十円のたとえば職業訓練手当をふやして——この寄宿舎に入っていても何とか細々と生活ができるというような条件なら、これもいいでございましょう。だけれども、二百三十円の問題は、そういう状態に置いておいて離職者が実際に行けないという現状を、それは事実やってみなければわからぬことですけれども、私の感じでは、ほとんどの人が、総合訓練所の寄宿舎に入って、そして訓練を受けるということは、可能な人は少ないと思っている。そういうところに、寄宿舎に一億二千万円もつけるというこのものの考え方が私は少し、六億の中で一億二千というこれだけ膨大なものをおつけになるのは、少し無理があるのじゃないか。総合訓練所のために二億をお出しになるということはまことにけっこうなことでございます。しかし、それは一カ所ですから、福岡か小倉か八幡か、どっか一ヵ所です。そして離職者が通勤をするということは、やっぱりなかなか無理なんです。だから、寄宿舎に入らなければならぬというわけです。しかし、その寄宿舎に入る条件がここにないというような格好で私は心配しているのですよ。
○国務大臣(松野頼三君) その二億の総合訓練所は四カ所作るのです。その場所は政府委員から……。
○政府難員(百田正弘君) 同じところに書いてございますように、寄宿舎設置個所は福島、大阪、山口、北九州、ここに設置するわけでございます。それから今お話ございましたが、確かに相当年配のいった方で、家族のたくさんあるという方で、非常に困っているという方々が、二百三十円で家族を残していけるか、これは相当私も疑問があるのであります。しかし、これはいろいろ私どもの方でも実態調査いたしましたが、筑豊地区に限って考えてみますと、二十代までの人が大体三〇%の離職者がいる。若い人が、こういうところには積極的に身の軽い人が出ていかれるのじゃないか、こういうふうに考えております。これはそうした実態と、その結果によりまして、この程度ならできるだろうということでやった次第でございますが、この援護会の予算として、千人組んであるけれども、実際は七百人程度しか入らないということであるならば、そういうことで考えていってもいいと思います。私は、まあそういう実態調査もいたしましたので、これで千人作ったから千人はまず入る見込みはなかろうということまでは考えておりません。
○藤田藤太郎君 どうも失礼しておりましたが、この右の寄宿舎設置個所は福島、山口、北九州というのは炭鉱地帯ですけれども、大阪にお作りになるのは、離職者のために大阪に訓練所を作ると、これは冗費が要りますね、環境の違うところへ離職者が来るのですから、なお冗費が要ると思うのですがね。そういうことになりますと、これはなかなか……、どういうことになるのですかね、よけいわからなくなってきたのですがね。
○政府委員(百田正弘君) このうちで大阪が一つ特に異色でございます。と申しますのは、できるだけ需要地、いわゆる労務の需要地に訓練所を利用させることも一つの新しい試みじゃないかということで、これはまあ大阪を一つ予定してみたわけでございます。そういうところの職業訓練所の修了者はほとんど百パーセント就職いたしますので、そういったところに、特に大阪あたりに設置して、身の軽い人がそういうところに来られるということによりまして就職を百パーセント確保されるということにいたしたいというので、一つの試みといたしまして、需要地に一ヵ所予定してみたわけでございます。
○藤田藤太郎君 そうすると、なんですか、私はなかなかこれはいつまで議論していてもしようがない問題だけれども、これは非常に納得いかない問題だと思うのです。だからむしろ移住資金とか訓練手当とか、そういう生業のあっせん業であるとか、またいろいろの援護的な方法があると思うので、そういうものも配慮をして、行く行く先々はともかくとして、今年度のやつは離職者を中心——ほんとうに離職者を中心に、たとえば離職者の中で大阪なら大阪で、どこかへ寄宿生活をする人があるかどうかという調査も必要でしょう。そういうことで総合的に運営の妙を発揮されないと、結局莫大な金をこの貴重な六億円の中から使ってそうしたほんとうの離職者の意に沿わないような結果になるようなことになりますとこれは困りますので、その点は十分に配慮するということを一つここでお約束をしていただいて、それで自後の問題は、希望としては、私はやっぱり総合訓練所には寄宿舎をつけてあげなくちゃならぬと思うのです、これは全国の総合訓練所に、府県に一ヵ所。だからそういうのはそういう何で福祉事業団ですか、そういうところで考えて宿舎はつけていくように一般的に努力をする、そういうことにピントを合わせてもらわないと、この貴重な金から何かこう私が見ると便乗されているような気がするので、総合訓練所の福祉事実団の事業にこれが便乗しているような感じを受ける。これはしかし私はここまできたからこれ以上のことは申し上げませんけれども、十分な配慮をしていただきたいと思うのです。それでなければ、私はこう見ると何か便乗しているような気がするのです。
○国務大臣(松野頼三君) 藤田委員の御指摘のところはよくわかりますが、総合訓練所に寄宿舎を作ればこれは最もいいんですが、もうそれでなくても志願者が多くて多くて、どっちかというと選考試験をするくらい今志願者が多いんですよ。もちろん寄宿舎をつければこれにこしたことはありませんが、それより当分は増設と内部の拡充と収容人員の増大を三十五年度ははかるように指導しております。従って寄宿舎まではとても、今のところ増設と増員の方で、収容人員の増の方にこの二、三年の間はいくんじゃなかろうかということで、もちろん事実団の予算はとても寄宿舎までいかない。ただ炭鉱離職者だからこそ今回は特別に援護会で出すということで踏み切っているわけです。内容は実は御希望はごもっともですが、収容人員をふやしていくということは、これは非常な希望で、どちらかと言えば選考試験で非常にむずつかしくなってきました。本年三、四年間は収容人員の増ということに追われて寄宿舎までとても回りません。と言って石炭離職者を、場所が場所ですから、石炭地帯という居住の場所が場所ですから、特別に今回寄宿舎を作ってもいいのじゃないか、一回作れば五年同というものは大体収容ができるのですから、ことしは非常に経費がかかりますけれども、来年は経費は要らない。従って、最初のうちに作って、五年間なるべく多くの者を寄宿舎に入れる。星初はきついかもしれませんけれども、今年の予算はことに少ない予算ですが、しかし一回作れば五年先のことを考えれば早く作った方がいいということで踏み切ったわけで、この六億の中から一億二千万というと非常に過大ですが、一回作ると五年間は使えるのですから、来年作るよりは今年作る方が収容の能力ということを考えればいいものですから、最初の年はきついけれども踏み切ろう、踏み切れば五年間は援護会がある間は使えるわけです。これは一年で終わるならこれは私どもも考えます。しかし、一回作ればあと五年間は、この法律がある期間は使えるというならば、早く作る方がより私は効果があるという意味で、これは私の考えで、政府も踏み切りました。大阪の問題は御指摘のように、非常に特殊性です。しかし、大阪は大体において雇用が半分ぐらい私はきまるのではなかろうか。福岡で訓練して一々雇用先を調べるより、もっと言うならば、東京ならば訓練しながら訓練中に雇用がきまればこれはもっと安心だと思うが、東京は少し遠距離でありましたので、さしあたりおそらく大阪が雇用人口が比較的多いと、こうにらんで大阪の府知事に相談しました。どうだろう。府知事もそれはもっと早くやってくれると私の方としても世話しいいということでありましたが、一応大阪ということをきめた。現実に実行するのはこの予算が通りまして援護会できめるのですから、政府がきめるよりも一応こういうところをあれとして想定している。私はかえって大阪とか東京とかいうところに訓練所ができるならばこれにこしたことはない。もう訓練中にほとんど就職がきまると思うのです。従ってなるべくそういう意味で雇用の促進をしながら、大阪の方がいいのではないかということできめたことです。これは非常に特殊性です。大阪の人を入れるのではないのです。石炭の離職者を入れるのです。そのためにいろいろな経費もかかりましょうが、そういうふうな意味で大阪を入れてみようという考えを申したのです。ですから、これは御承知の通り、今までの考えから見るとずいぶん突然じゃないかと言われるかもしれないが、私は案外これはいいのではないかと思います。
○藤田藤太郎君 それは寄宿舎を作るという思想はいいのです。私はそれに反対しているのではない。しかし、私は寄付金までもらおうというような少ない予算である。これが一つの問題です。もう一つは、失業保険が切れた人を二百三十円、百三十円でここに入れるということ、そうなると離職者というものがそこへ入っていく条件がないのです。だから訓練手当をふやすとか、生活保護のめんどうを見てやるとか、その他の援護措置を講じるとかしてその訓練所に入れるというならば、今年一年にお作りになってもいいでしょうけれども、絶対額がたった六億円です。その中から移住資金を三億円とったあとをこういうところに使うというならば、それならば移住資金をふやして上げるという手もあると思う。だから、そういうところを言っているわけだから、そういうコントロールは十分一つ離職者の実態の意向も聞いてうまくコントロールしてやってもらいたい。私はこれ以上言いません。しかし、ただこのままでこれを見ましたら、私は何か総合訓練所に福祉事業団のこの費用で出すという、全部とは言いませんけれども、そういう感じを受けるので、その点は十分に配慮してもらいたいということをお願いしておきます。
○委員長(加藤武徳君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(加藤武徳君) 速記を起こして下さい。
○阿具根登君 逐条が終わったようですから、総括的な質問をいたしますが、まず第一に、炭鉱労働者一に対して炭鉱労働者に付随する者が十倍と言われております。そういたしますと、二万人の失業者が出る場合には十万人の失業者が出る、炭鉱労働者の十倍の炭鉱関連の仕事をしている方々の失業者が出てくる、こういうことに、言われておりますが、非常に容易ならざる問題だと私はり思うわけです。ところが、最近言われております、五千五百万トンに、三十八年度の石炭を抑えた、五千五百万トンに引き上げたとしても、大手で六万人、中小で三万七千人、こういう数字が出ておるとするならば、非常に大きな失業者が浮かび上がってくる、かように考えますが、この対策はどういうふうにお考えになっておりますか、お尋ねいたします。
○国務大臣(松野頼三君) 総体的に炭鉱地帯ではほとんど石炭というものを中心に産業及び生活が動いておるという特殊性で、今回離職者対策というものを出したわけです。それで炭鉱離職者はこれでわかった、関連産業はどうかという御趣旨ではないかとこう思うのです。関連産業については、もちろん炭鉱の総合的な意味で関連はございますが、これは経済総体的な中にも関係があるので、そこまで窓口を広げることは離職者に対する対策がややぼけはせぬかということで、私の方はその限度までは今回は考えておりません。ただここで考えておりますのは、炭鉱への関連者で言えば出入りの商人とか、もっと身近かな者はどうだというようなことはもちろんこの法案とはもっと密接な関係があるだろうと思います。従って、私の方は一応今回炭鉱離職者がこれによって救われれば、今日でもほかの産業の方は一般の失対、あるいは公益職業というものを現在やっておるのですから、はたしてこれがこういうふうに整備されればそういうように間口を広められるから、間接的には公益職業とか一般失対というものの恩典がそちらに及ぶというふうにしか考えられませんので、直接的にこれによって関連産業までは救えませんが、間接的にやはり炭鉱離職者あるいはここに緊急就労という仕事が起これば、今までなかったのですが、こういうものは関連産業の方にも影響がある。その意味でしばらくの問は緊急就労ということを一般失対とあわせて行なってそうしてそこに雇用と収入の道を得れば、関連産業の方々にも大体その影響はある、というふうな間接的な意味で期待しますが、直接的にはこの法案としては対策には何もなっておりません。
○阿具根登君 さらに、この法律案は現在までの炭鉱離職者を対象にされておりますが、今後の夫業者を見込んで業者関係からも国土建設隊、こういうような抜本的なものを考えなければ、とうてい失業者を救っていくことはできない。こういうことまで言われておりますが、今後の失業者に対してですね、労働大臣はどういうお考えをお持ちでございましょうか、お尋ねいたします。
○国務大臣(松野頼三君) 一部産業界からそういう産業隊というお考えがありますが、あれもまあ内容をお聞きしてみると、そう具体的なものじゃなしに、まあそういうふうにしてやつちゃどうだという一つの構想のようであります。私たちは政府としては今後総合国土開発、まあ北九州開発計画というものもございますし、あるいは新線建設というようなふうなものもございますから、あるいは植林事業という公共事業もございますから、なるべくそういう予算とあわせて、なるべくそういうまあ産業隊という言葉はどうか知りませんけれども、緊急就労、一般失対、公共事業、総合開発あるいは植林、災害復旧、こういうものをあわせてこの総合的な対策を立てていくべきじゃなかろうか。そういうふうな考え方で今後総合対策としては内閣において、閣議において、お互いの所管大臣と御相談して、総合的な運営をして参りたい。こういうふうな考えは持っておりますが、直接こういうふうな何々隊を作るという考えまではまだ踏み切っておりません。
○阿具根登君 さらに、これは反対の考え方もあるんですが、たとえば合理化法ができた、合理化法ができたときには失業者のお世話も考えておられたと思いますし、鉱害復旧も考えておられた、新鉱の開発も考えておられた、こういうことであったのですが、このたびは整備事業団から三億の金をこちらに回して、失業対策を援助するというのか、こういう方策になっておりますが、今後合理化法とこの離職者対策法と、どういうふうにお考えになるのでございますか、お尋ねいたします。
○国務大臣(松野頼三君) 合理化法はすでに四年もたちまして、ある程度方向というものはさまっておりますが、その中で、最近の実情からいうと、離職者問題が、非常に当初予測した以上に深刻な問題が出てきたというので、合理化法と直接これは関係はございませんけれども、やはり合理化法によって企業整備されると、その労務者については、この法律が非常に影響がありますので、やはり資金も事業団から仰ぐというふうになっております関係上、関連は非常にございますが、運営上直ちにこれがああだからこうだという、そういうものとはこれは性質が違う。ことにこれは合理化法だけを対象にしたものではございませんので、一般の離職者、一般の石炭労務者というものを対象にやりますので、直接離職者と関係ございませんが、もちろん一部は、合理化によって買い上げられた労務者も、この影響によって救われるわけであります。しかし、数からいうならば、私は石炭産業総体的な面の労務者の方が、多数を占めるのじゃないだろうか、そういう経済的要素からくれば、もちろん合理化によって買い上げられた石炭の労務者も関係をいたしますが、それだけを対象とするという小さい考えではなしに、総合的な石炭産業から出る労務者を、手厚く保護したいという精神から出ておりますので、合理化だけを拾うという意味で、こういう法律を作ったわけではございません。もちろん影響はございますけれども、これによって直ちにこれがどうだということは考えておりません。
○阿具根登君 こういう法案が出される根本原因は、これは経済のしからしめるところでもございますが、事実合理化法で買い上げるとするならば、この山の労働者は全員失業ということが前提でございますので、そういう場合に、合理化法で買い上げる山の労働者は、即これに適用させるような一つの処置を講じてもらいたいと思うのですが、その点はいかがにお考えですか。
○国務大臣(松野頼三君) 合理化法で買い上げられた方については、合理化法によってある程度の処置がきまってくるわけであります。今回の援護会は援護会として、石炭の労務者としてそこに当然勤務され、しかも今日居住され、しかも職が不安定な方、そういうものを対象に今回やろうとするわけで、直ちに即という言葉がどういう御趣旨かわかりませんが、もちろん石炭の離職者ですから、この法律の中に合理化で買い上げられた方も入ることは当然のことであります。
○阿具根登君 いや、そういうわけでなくて、買い上げが決定すれば、この山は閉山するわけなんですね、そうすれば、閉山したならば、それに勤めておる労働者は、全員山から出るわけなんです。そうするならば、一般ということよりも、それは即これに肩がわりできるのだというようなことが、同じ国の援助をもらって、炭鉱対策のためにできておるこの二つの公団であるならば、そういう連絡は十分できるはずである、かように思うわけです。
○国務大臣(松野頼三君) 阿具根委員の御指摘のように、当然そうなります。また、石炭合理化事業団の中にも、労務担当者もおりますから、おそらく今回は、そういう方にも協力していただくとか、あるいはそういう方に御委嘱することになっておりますから、事前に、おそらくそういうものの買い上げの決定前にそういうものの調整をはかって、そこの間にギャップのないように措置するつもりでおります。
○阿具根登君 最後に、今日まで長時間にわたる審議のさなかに、各委員から非常に強く要望されておりました外国との比較をしてみる場合、非常に日本は労働者に対する考え方がおくれておる、かように考えるわけでございます。あえてドイツの例をとるまでもございませんが、労働者に不安を与える政策はやらないと、まず労働者に安心を与えて政策を変えることを行なう、こういうことが前提になっておるわけでございます。日本は、私どもが考えてみると、通産省がこういう経済の政策を変えて、そうして失業者が出たあとを、労働省がその失業者の処理をする、こういうような形になっておるようでございます。私は、そうでなくて、政策を変更する場合に、あるいは、政策が変わった場合に、経済の変動があった場合に、出てくるであろう労働者に対する万全の対策を立てることが先決ではないか、かように思います。いかに不況になったといえ、一番しわ寄せが来るのは、労働者でございます。経営者の利潤が少なくなったとはいえ、経営者自体は、損害は非常に微々たるものでございます。しかし、労働者にとってみれば、職を失うということは、これは即生活を失うことでございます。その生活を失って社会問題となり、子供が弁当を持って学校に行けない、黒い羽根で世間の同情にたよらなければならない、こういう姿になってからの対策では、私は、福祉国家というものが成り立たない、かように思うわけでございまして、労働省の最高の責任者であられる労働大臣が、その先頭に立って、まず労働者に不安を与えるな、労働者は経済のにない手である、日本の経済復興の原動力である、そういう考え方から、まず不安を与えるな、まず安心して生活のできる道を講じてやるべきである、こういう信念で、今後の労働行政に携わっていただきますように、特に今後に予想される、十万人をこすといわれる失業者に対する万全の対策を立てていただきますように、切に御要望申し上げまして、私の質問を終わります。
○委員長(加藤武徳君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(加藤武徳君) 速記を起こして下さい。 暫時休憩いたします。 午後二時三十八分休憩 〔休憩後開会に至らなかった〕