社会労働委員会 第6号
- 発言数
- 102 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1959/12/01
会議録
○委員長(加藤武徳君) それではただいまから会議を開きます。 社会保障制度に関する調査の一環として、一般厚生行政に関する件を議題といたしまして御質疑を願いたいと思うのでありますが、ただいま、政府からは渡邊厚生大臣、厚生省の川上医務局長、尾村公衆衛生局長、高田社会局長が出席をいたしております。太宰保険局長も間もなく参ります。それから大蔵省の石野銀行局長、岩尾主計官もやがて参ります。それから行政管理庁からは原田行政監察局長が出席をする予定でございますが、まだ大蔵省、行管は出席いたしておりませんので督促をいたさせます。 それでは御質疑を願いたいと思いますが、本日、午前中の案件といたしましては、坂本委員から結核対策、特に空床対策問題についての御質疑を願う。引き続き鹿島委員、竹中委員等から、私的医療機関に対する融資の問題を取り上げて御質疑を願う、かような段取りで進みたいと思います。逐次御質疑を願います。
○坂本昭君 まだ出席していない政府委員の出席を早く督促していただきたいと思います。
○委員長(加藤武徳君) はい。
○坂本昭君 それでは、前回の当委員会の審議に引き続きまして、結核の空床対策について質問を申し上げたいと思います。 で、先回の質疑を通して、現在結核の要医療患者が三寸四万、しかもその中で自覚をしているのはわずかに七十九万にすぎない。また、医療を受けているのは五十八万人にしかすぎない。さらに要入院患者は八十六万人いる。で、現在入院している者は二十一万数千、しかも空洞を持っておって感染源になる患者の数が四十一万人もいる。この空洞を持っている感染源になる四十一万のうち、自覚をしている人は二十二万程度しかない。それからさらに、患者の内容を見るというと、かなり重症で化学療法のみをやらなければならないというような人が二十五万人、将来手術を必要とする、あるいは現在必要とするそういう人が四十二万——非常に膨大な数の資料、細密に答弁をいただいたわけであります。 これらの数を通して率直に感じたことは、もう結核はすでに峠を越しておると言われながら、いかに多くの結核の患者が現在取り残されておるかということが非常に明瞭に出されて、しかもこれに対して厚生大臣は比較的熱心に増床しなければならぬというような見解を持っておられるのにかかわらず、担当の人たちがむしろきわめて消極的であるという印象を受けました。で、きょうはさらにこの問題を進めまして現在病床が幾らあるか、そしてその利用率は近年どういうふうになっておるか、そして空床がどういうふうに生じておるか、そのことについて公衆衛生局長から報告をいただき、さらに医務局長から国立の結核療養所についてはどうなっておるかということを簡明に御答弁いただきたい。
○政府委員(尾村偉久君) 現在、わが国の結核総病床は二十六万三千床でございまして、これに対しまして利用者すなわち現に入院しておる者、これは二十一万六千人でございます。以上の数字は三十三年度末でございます。従いまして、その差であります約四万七千床が空床ということになっておるわけでございます。で、最近の病床に対しまして、先ほど坂本委員から、先般の当方からの説明に対しまして御意見の発表がございまして、これはその迫りでございますが、このうち実態調査に基づきます総数というものは、これは日本全国民の約千分の一を抽出いたしまして、これを綿密にして発見いたしました率を全国民に乗じて得ました推定数でございますので、従いまして、この数があるであろうということは確実に確信しておりますけれども、これを直ちに右から左に連れてきまして病院に入れるという、どこのだれが悪いということは、これは現在把握しておらぬ数でございますので、この点は一応御説明いたしておきます。それから今の病床と患者数の推移でございますが、さしあたり五年前の二十八年との比較を申し上げますと、当時の入院患者数は十五万八千人でございましたのが、ただいま申し上げましたように最近は二十一万六千人の入院患者ということでございますので、約五万八千人の実際の入院患者の増になる。これはこの数字から申し上げますと、五年間に入院保護をいたしております患者数は減っておらぬのでございまして、平均年々一万人程度これは増加をいたしておるわけです。ただし、この五年間のうち、前半期の三十一年ごろまでは、この増加率が非常に著して、三十二年以降は大体横ばいに、少し傾斜、上がると、こういうような六日に固定的になって参りました。これに対しまして、今の二十六万三千床対しまして、二十八年当時のベッドはどうなっておったかと言いますと、当時はベッドははるかに少ないのでございまして、十七万八千床でございます。従いまして、ベッドは当時から比べますと、四八%も増加し、入院患者数は先ほど言いましたような差によりまして、三五%増加しておる。従って、当時よりも空床の率がふえたということは、入院患者数も非常にふえたけれども、それを上回って結核病床が増加をした、その増加の方が若干上回ったために空床率がふえた、こういうことでございます。病床が固定しておりまして、空床率がふえますと、これは前よりも入院を抑制した、ないしは入院が減ったことになりますが、そうではないのでございます。この入院患者数も著しく増加し、それを上回って病床が着々と増加した、こういう差でございます。従いまして、これを、いま一つの先ほどお話しの資料、すなわち、二十八年当時百三十七万人の要入院患者数があったのが、昨年の実態調査の八十六万人に、三五%も要入院の推定数が減ったことと、逆に入院患者数が三五%、ふえたということから言いますと、これは傾向だけでございますが、傾向は、これが総和されまして七〇%、これは比率の上だけでございますが、前よりも改善が行なわれているということに対しましては、この入院保護の改善が行なわれおる、まあ、こういうことが、この国民総数から見ますと言えるわけでございます。以上のようなことでございますので、要は、今の実態調査の結果、推計的に出ました患者の中から、実際に入院治療が得られ、ないしは医療の対象になりますのがどこのだれかという具体的なことをつかむ、これが先決でございまして、いかに八十六万ございましても、そのうち、本人も自覚しておらない、それから客観的にも、その人が病気で、さような病状であるということをだれもつかめないというのでは、これは空をつかむようなものでございます。推定だけではどうにもならぬということで、これを確実に本人並びに客観的に把握いたしまして、入院の対象にする、ないしは医療の対象にする、これがもう一番大事なことであろう、さような趣旨で、この一番そういうところが残っております——比較的学校は割合とつかまれておるのでございますが、そういう一般国民ないしは小企業等、非常につかみにくいところの健康管理を非常に強化していく。これによりまして、さような、知らない、だれもが知らないという、つまり、病気を持っておるという者を早く発見いたして、これを医療の対象に早くする、これが一番結核対策の、まず第一の重点である、かように存じておるわけであります。
○委員長(加藤武徳君) 政府から、太平保険局長が出席をいたしました。なお、厚生省の黒木百医務局次長、北川医務局管理課長、若松結核予防課長、橋本療養所課長が出席いたしております。行政管理庁からは、原田行政監察局長並びに稲木監察審議官、佐藤監察官が出席をいたしております。
○坂本昭君 次に、医務局長、簡明に答弁して下さい。
○政府委員(川上六馬君) 国立の結核療養所の空床は、大体全体の病床の一割あるわけでありますが、地域的に見まして、個々の療養所でございますと、最近の調査におきまして、病床利用率が七()%以下のものが全国で十二カ所ございます。私どもは一割くらいの空床は、これは病床の運用上当然なことだと考えておりますので、全体として一割という数字は、他の公的な療養所あるいは私的な療養所におきまして、利用率がだいぶよいような状態にあるわけであります。従って、私ども、一割ぐらいも特に空床だというような考えはいたしておりません。ただ、先ほど申しましたような、地域的に利用率の低いものがあるということについて今後これを利用率を高めていくような大体の考えをいたしておるわけでございます。
○坂本昭君 両局長の御答弁、大体の要は得ていますけれども、結核の空床の理由は結核の患者が減ったためだというふうに指摘がないことはわかります。さらに一歩進んで内容の分析ができておりません。だから、空床の理由をいろいろと分析する前に、現在入院しておる患者の少し分析を一つお願いしたいと思うんです。まず、公衆衛生局長に、三百四万も患者がおる、その中で自分が結核だということを知っておるところの要入院患者は一体どれくらいあるか、入院しなければいけない患者、そうして自分は結核であると知らない者は、それは入院しないかもしれませんが、自分で知っておって、そうして入院しなければならないにもかかわらず入院していない人がたくさんおる。そういう人が、現に要入院患者で結核だということを知っておって入院しておる者が一体どれくらいあるか、それからまた、同じことは、自分が病気だということを知って医療を受けなければならない、そうして、そういう人で実際に医療を受けておる受療率といいますか、それはどれくらいあるか。
○政府委員(尾村偉久君) これも先ほど申し上げました実態調査の推計からの数でございます。現在二十一万人入っておる、現につかんでおる関係からの推計でございませんので、そこに若干の有意の差があると思いますが、昨年度実施いたしました実態調査から見ますと、八十六万人の、要入院という、国民の中の数に対しまして、八十六万人のうち、自覚のない者が四十七万人——千の位は省略いたします。それから自覚がある者、これがその差でございまして、三十九万人、それから三十九万人の自覚があるうちで入院しております者、これが約十四万人、こういうことでございます。従いまして、八十六万人と推計されます要入院患者のうち、自覚をして入院しておるという者が約十四万人ということに相なるわけでございます。それから今度、これらを含めましての要医療でございますが、要医療患者の率の中の実際に医療を受けております率を申し上げますと、登録しております要医療患者の中の自覚しております者が七五%、それから自覚しておらぬ者が二五%、それからこのうち自覚しておる者で医療を受けておりません者が約半数で三三・八%、こういう工合になっておりまして、ただいまの残りの自覚をしておりまして医療を受けている者が四一・二%で、そのうち約半数である二二・五%が入院し、残りの一八・七%が入院をしないで通院ないし在宅の医療を受けている、こういう状況になっております。
○坂本昭君 今明確な入院率、受療率という数で説明していただけなかったので、今ちょっと私急いで計算してみましたが、入院率は三五%、受療率は七四%、間違いないでしょう。大体そんな数でしょう。つまりこれは大体の数でいいのですが、受療率は七四先、これも低いのです。ところが、入院率の方は三五%で、これはまた驚くほど低い。この事実を私はこの結核対策の場合に一番先にあげておかなければならない事実だと思うのです。さらにこの驚くべき低い入院率につきまして、今度は保険加入の状況別にどういう状態になっているか、実はこれは一々保険局長にお伺いしてもいいのですが、ちょうどここに資料が出ておりますので、大体これで見ますと、受療率と保険加入の状態、これで見ますと、自分が結核であることを知っている要医療患者の受療率は総平均七四・四%、健康保険の本人は七四%、それから健保の家族は八三・五%、家族と国保、これは八七・五%と非常に高い。それから国保が七一・九%、保険に入ってないのが七一%、私はこれを見ますと、保険局に指摘したいのは、保険に入っているその家族と国保との二重加入の場合には、受療率が非常に高いという事案であります。これは昨年の十二月に国民健康保険法を新しく制定されたときには、二重加入を取りやめることになっておりますが、実は二重加入があることによって受療率が非常に高まっている。この高まっているのを新しい国保ではわざわざつぶそうという御計画らしい。それからもう一つ、自分が結核であることを知っている要入院患者の入院率は、今申しました通り総数で三五・四%、非常に低いのですが、この中で一番高いのはやはり家族と国保、これが六六・六%、健康保険の本人は四八・三%、非常におもしろい事実が私は見られると思うのです。そこで保険の場合に、受療率並びに入院率というものが比較的高く維持されるということは、保険局長も認められることだと思いますが、次の問題は、先ほど公衆衛生局長も指摘した通り、これは昭和三十二年七月十日の調査で、七月十日現在で入院二十六万三千、外来十万四千、計三十六万七千という患者さんが外来並並びに入院の治療を受けておって、この数は昭和三十一年に比してほとんど変わりがない。患者さんの数の方は変わっていないが、この内容を先ほどのいろいろな保険との関係で見てきますと、つまり治療費の支払い方法別に見てくるというと、健康保険の本人の入院患者数が減少して、国保及び生保の入院患者数が増加しているということが、こまかい統計から見ることができるのです。たとえば昭和二十九年の場合の入院で見ますと、健保本人は八万九千人、それが三十年には十一万人になっている。それが三十二年の七月になると九万に減ってきている。ところが、生活保護は、昭和二十九年には七万六千であったのが、だんだんふえてきて三十二年の七月には八方六千にふえてきている。それから国保もそうであります。国保も昭和二十九年が一万四千人であったのが、三十二年の七月には三万五千人にふえてきている。つまり健保本人は入院は減ってきているが、国保と生保はふえてきている。そうして総体的には病院、診療所の患者の数は減っていない。私はこのことは非常に興味のある事実であると思うのです。 そこで公衆衛生局長に重ねて伺いたいのですが、入院並びに外来の患者の数は減っていないが、空床はふえてきている。その空床のふえてきた面はどの層か、治療別に言ってくるというとどの患者が減ってきたから空床がふえてきたのか。私の質問が悪ければ、もう少し率直に申し上げると、今のような統計の数から健康保険の入院患者というものが減ってきている。つまり健康保険の入院患者が減ってきて、そうしてあと生活保護や国保がずっとふえてきているけれども、そのふえ方というものは、やはり押えられていると思うのです。だから健康保険の入院患者の数が減っただけどこかの面でそれだけずっと入院をふやしてくれば、おそらくこういう空床というものができなかったのではないだろうかというふうに見るのですが、公衆衛生局長いかがです。
○政府委員(尾村偉久君) 今の御持参の資料にもございますように、空床の問題でございますが、外来より入院の問題が中心と思いますが、そのまん中におります三十二年以来約六万三千というこの入院数は減っていないわけであります。固定しております、総数では。これに対しまして先ほど御説明申し上げましたように、この三年間にも、その前から比べまして、いわゆる病床数が国全体でふえておるという形でございますから、患者数が固定いたしまして、入れものの方の数がふえるために、いわゆる空床率、すなわち病院におけるおいているベッドがふえておるわけです。さような意味に解しておりますので、従いまして、この空床がふえることが入院患者数が減ったためにふえたというのは、それは個々の病院につきますと、一つ一つの面につきますと若干その傾向が出て参りますけれども、全体といたしましてはそういうようなことはないのでございます。むしろ増床をされたためにそれに追っつくだけの入院患者数がふえないためにふえただけの分がふえておる、こういうふうに解釈しております。
○坂本昭君 保険局長に伺いたいのですけれども、保険行政の面ですね、ことに保険財政の面で入院患者と保険との関係は近年どうなっているのですか。
○政府委員(太宰博邦君) ちょっと最近の資料までございませんが、数字ではなしに、結核性の一般の診療費の中で占める割合というようなもので一つ統計がございますので、これで大体の傾向を申し上げますと、政府管掌の健康保険におきましては、二十八年の十月、本人の分では入院が約六二・二という。パーセンテージ、それが二十九年の十月、一年ぐらいたちましたあとでは六五・九と上がっております。その後下がって参りました。三十一年の九月には五七・八、それから三十二年の九月にはそれが五五と、こういうふうに下がっております。入院だけで家族のやはり同じような割合を比べてみましても、二十八年十月には四二・二のものが二十九年十月が四四・九と上がっておりますが、その後下がりまして、三十一年九月には三七・二、三十二年九月は三七三と、まあちょっと傾向だけもこれである程度察知できますが、ただいま申し上げましたのは、政府管掌の健康保険の入院の点について申し上げたわけでありますが、組合管掌の方はやはり今ちょっと資料持ち合わせございませんが、結核の問題はいろいろな対策が進みまして相当改善されているように承知いたしております。政府管掌の分につきましても、ただいま申し上げましたようなことで相当改善される方向に進んでおるように感じております。
○坂本昭君 公衆衛生局長は結核の増床の方に重点を置いて、大事な点をどうも十分把握していないような感じがしますので、さらにもう少し見ていきますと、結核医療費の支払い方法から見ると、入院患者では健康保険の本人、これは共済組合を含んだ健康保険の本人が三四%、それから生活保護が三三%、つまり入院患者のうち三分の一は保険関係、それから三分の一は生活保護、それからあと国保が一四%、健保の家族が一一%、それから自費その他のものが八・七%、これは入院の場合、それから外来の場合には、健康保険の本人は入院とほぼ同じ程度の三三%であるけれども、健保の家族の場合は二三%、自費その他が二〇%、国保が一九%で入院患者の場合よりも割合が大きくなってきている。ところが、生活保護の方は七%、これは入院患者の場合に比してずっと外来の場合は割合が小さくなってきておる。これらの事実は、入院の場合には健康保険の本人、つまり全額払ってもらえる、見てもらえる、あるいは生活保護を全部見てもらえる、こういう人が非常にたくさんの割合を占めておる。言いかえれば、入院を決定するものは経済的な要素が非常に大きいという、私はこのことをこの結核の実態調査の中で十分つかまなければ、何のために実態調査をやったのだか私は結論が出てこないのではないかと思うのであります。で、結核医療費全体から見ても、昭和三十一年度の年間に六百三十三億という数が出ている。その六百三十三億で入院患者が七六%の四百七十九億、圧倒的に多い。そしてその負担区分から見ると、公費負担分は、これは生活保護などの公費負担分が、入院では三〇%、外来では二二%で、入院する場合には外来より一・五倍多い。言いかえれば、外来なら安くて済むけれども入院なら金がかかる金がかかるものにつては公費負担というものが非常に利用せられているということが私ははっきりわかる。言いかえれば、入院している患者の側から見れば、健康保険の本人なり生活保護なりで全部見てもらえる場合には入院が安んじてできるので、その入院の率も比較的多い。私は、そういうことをこの患者の側から見ていって要するに、入院の条件というものは何が条件かというと、経済的な条件が一番私は重要視すべきではないか。たとえば、結核の予防検診をやって、早くたくさん見つけることができたからたくさん入院しているとか、あるいはその病院が設備が非常によくて医者もそろっているから入院がよくできるとかということよりも、患者の側から言えば、経済的な条件というものがこの入院というものを決定するのではないか。まずこの点を一つ皆さんとともに明らかにしていただきたいので、この点については保険局長もはっきり私は知っておられると思う。たとえば、清瀬地区あたりでは組合管掌の委託ベッドというものは、今もうがらがらあきになっている。それはあるときに組合管掌の健康保険の場合には安心してどんどん入院した、予防検診も十分できたし、また、入院も楽々できた。結局結核患者がなくなったからこれは解決された。言いかえれば、組合管掌の健康保険で結核が解消したということは、結核に対してフルに経済的な負担をすることができたという、私はそのことだと思う。言いかえれば、入院する患者さんの側から言えば、経済的に見てもらえるのが十分であればあるほど安心して入院ができる、療養ができるということになるのじゃないか。まず、保険局長にこの結核の入院の条件についてのあなたの意見を伺い、それから生活保護についても同じことが言えると思う。社会局長、それから医務局長、それから大臣のこの入院の条件についてのお考えを一つ伺わしていただきたい。簡明にお願いいたします。
○政府委員(太宰博邦君) ちょっと御質問の趣旨にあるいは沿わないかもしれませんが、入院の条件……。
○坂本昭君 つまり保険行政を通して、健康保険の、特に組合管掌の本人の場合に非常に入院が徹底的にされた。そのために現在なくなっておるではないか。言いかえれば、あなたが保険行政から見れば入院の条件ということは、本人の負担をなくすることではないか。もちろんそれだけでは合わない面もあるでしょうが、保険行政の面からのあなたの御意見を聞きたい。
○政府委員(太宰博邦君) お答えいたします。先ほど申し上げましたように、政府管掌においても最近相当結核の問題が改善されております。組合管掌の方は御指摘のように、非常に結核問題が解消したといってもいいくらいにまで進んでいるようには感じられますが、やはりその、原因は、一つには御指摘のように、まあ病気になりましたときに早く入院させて、至れり尽くせりの手当をするということも大きな原因であろうと私どもも思います。ただし、そればかりではございませんで、申し上げるまでもなく、大きな企業などでは非常に職場の労務衛生管理というものが進んでおりますし、また、はなはだしき場合においては、当初入社試験のときから健康診断等で相当きびしくテストを、スクリーンにかけるというようなこともやっておるわけでございます。また、退院した者につきましてもアフター・ケアーの点も相当進んでおりまして、さような点からすると、まあ大企業あたりがまず結核問題が解決されてくるのは、これは理の当然であろうかと思います。政府管掌におきましても先ほど申しましたように、だんだんと改善されて参っておりまして、この点はまあ大企業に続いて政府管掌のものが改善されております。国民健康保険の方はちょっと資料のこまかいのを持ち合わせがないので、恐縮でございますが、まだ今のところは改善されてきたというふうには私どももちょっと考えておらないので、あるいはしわ寄せがこの保険の分野においてはこういう方面にきているのではないだろうか。それで国民健康保険におきましても、この方面に力を注ぐ必要があろうかと思いまして、御案内の通り、今度通りました法律の中に特別調整交付金の交付の場合においても、結核に費用が多くかかった場合においてはそれに対して調整金を交付するような措置も講じておるわけであります。国民健康保険の方にもさらに今後力を尽くしていきたいと思います。
○坂本昭君 保険局長に今のことに関連して二点伺いたいと思います。先ほど健康保険の、国保と家族の二重加入の場合に治療率が非常に高いことを指摘しました。ところが、新しい国民健康保険法だと二重加入をこれを認めない。認めないということは、結局この高い治療率というものが引き下がる、これでよろしいかということが一つと、それからもう一つ、社会保険の場合だと、医療扶助との併給を認めているけれども、国保の場合においては認めていない。これはむしろ社会局長に聞いたら御承知かもしれませんけれども、保険局長に聞いておきたいのは、この医療扶助の対象となった場合に、三カ月間はめんどうを見てもらえるが、三ヵ月たつと今度は国保の方は打ち切りになって、全部医療扶助一本になってしまう。しかも保険料は今までの通り支払わなければならない、こういう矛盾がありますが、この点は将来どうされるおつもりですか。
○政府委員(太宰博邦君) 三毛加入の問題は、申し上げるまでもなく、御承知のところでございますので簡単に申し上げますと、制度といたしまして国民をそれぞれの社会保険制度でもって医療費の問題を解決しようという場合に、こちらかあちらかのその両方に入るということは制度としても好ましくないと考えております。それからただいま御指摘のように、二重加入になりますと、どうも実際を見ておりますというと、受診率は相当他よりも多くなっているようでありますが、その点のバランスも問題があると思います。結核のような場合におきましては、合わせて十割になりまするからはなはだけっこうなようにも感じられるのでございますけれども、やはりこれはよく考えてみますると、本来の結核の対策としてできるだけ考えていくという方向で解決すべき問題だと考えておる次第であります。それから国保の被保険者と、それから生活保護との関連でございまするが、これは国民健康保険の被保険者が生活保護法の適用を受けるようになりました場合においては、国保の被保険者からこれをはずしまして生活保護の方の対象にするわけであります。その場合の手続の規定でございまして、三ヵ月というのは生活保護の方に移します手続、それから国保の方ですぐにこれを翌日から云々ということもいかがであろうかということで、これはむしろ事務的な問題が多くなりまして、三ヵ月という期間があるわけであります。この点については、なお検討する余地があろうかと考えております。
○坂本昭君 それでは次に、公衆衛生局長に先の点でありますが、空床の理由と、それからそれについて若干公衆衛生局長、その対策について御説明をいただきたい。
○政府委員(尾村偉久君) 空床の理由につきましては、全体の大づかみといたしましては、先ほど御説明いたしましたように、現にわが国の二十六万ベッドがあいているという点につきましては、これは従来よりも保護の患者数を減らしたためではなくて、一番大きな理由はやはり入院保護の増加以上にベッド、いわゆる結核ベッドの増設をしたものもございますし、それから一般の内科病棟等を途中から結核病棟の認定を受けたものもあるのでありまして、これらの増加率が上回っているというのが現在の五万という大きな空床を現に示しているということの相当な大部分を占めていると存じますが、そのほかにもちろん御指摘のように、それぞれの地域におきまして、従来満床であってベッドは増加しないにかかわらず、最近減っているというような療養所につきましては、これは今のようなその地域の医療費の経済的な裏づけの問題も、これも一つの理由になっておるところもございまするし、あるいは最近の医学の進歩の状況によりましてある信用の——いわゆる患者側から言うぜひ入りたいという療養所の方に特に集中して、その他の療養所が前よりも患者が減ったというような理由もあります。これはまだまだ幾つかの要素はそれぞれにつきましてあると思います。それから今後の対策といたしましては、空床対策ということよりも、やはり国内に推定八十六万人という要入院患者があるわけでございますから、やはりこの中から現に入れるようなものを拾い出すということが先決であろうかと思います。架空にあるという推定ではこれはどうにもなりませんので、これをできるだけ拾い出す。そのためには今まで健康診断を受けにくい階層で自覚もしないで放置されているというような——一般国民とわれわれは称しておりますが、学童とかあるいは健保の組合の加入員とかを除いた一般的な者を言っておりますが、主婦その他あるいは自営業者というような、これに健康診断をもっと強化いたしまして、この中に隠れている要入院患者をできるだけ発見する。それからせっかく医師が結核と認定いたしまして、年間約五十万人の保健所の届出結核患者があるわけでありますが結局あるということだけで放置されたのでは、これは何にもならぬのでありまして、いわゆる登録された結核患者をあと管理追及を加えていくことになりまして、要入院であるならば入院をさせるような手段を講ずる。それから家庭の治療で済む者は適正な家庭の医療を続けられるようにする。この結核医療につきましては、現在も公費の補助を出しておりますので、こういう保護も加えておりますのてこれを実施したい。さらにそのほかに濃厚に菌を排泄している、しかしながら、経済的にいろいろな健康保険、その他本人でありますと全額で入れるわけでありまするが、こういうような保護に薄いいわゆるボーダー・ライン、それで子供があるというようなことでは、これは本人の治療のほかに、さらに次に感染を起こすという危険があるのでございますから、これは二重に重要でございますので、これに対しまして、本年から始めました、前回よりも引き上げた高率の国庫補助による公費入院、いわゆる隔離を兼ねました入院、これを相当大幅に増加していく、これを一番主体にいたしますならば、個々の地域々々の療養所の、せっかくあいていながら患者が入っておらないというものの全部は片づかぬと思いますが、それはその地域ごとには必ずしも満たさぬでも、需要がないというある地・域のある療養所というものはあるかもわかりませんが、全般としては、この二十六万床あるものが、さらに相当程度能率的に有効にまだ活用される、かように思っております。
○坂本昭君 公衆衛生局長の、あなたの考えをやっとつかんできたのですが、どうも少し間違った考え方を持っているのではないか。なるほど八十六万という、要入院は架空の数です。だからあと今余っている五万床には何とかして入れる者を拾い出してくる、しかし、実際は届出の患者約五十万あるでしょう。この届出患者約五十万のうちには、もちろん入院している患者二十一万も入っているでしょうが、あと二十九万くらいの患者さんがいるわけです。これははっきりわかっている。この中には入院を必要とする患者は一体何人いるのですか。一人もおらないのですか。
○政府委員(尾村偉久君) これは医師から届出がありますと、保健所で登録をいたしまして、入院が必要な患者は、これは医師から、また、本人のむろん要請に基づきますが、入院をしたいという結核審査会にかけるべき申請を出すのであります。それが各保健所で入院が必要なものにつきましては、結核審査会で手術前後の入院という形でこれは許可するわけでございますが、従いまして、五十万、年間ずっと続いて出ますのは、これは毎年の実数でございまして、あるときには五十万ぽこっと現在いるというのではなくて、年間三百六十五日、毎日かかった医師が新しいその年の患者を届け出た数であります。現に二十一万入っているというのは、ある種の断面、現に入っているということでございますので、この差し引きが全部きょう現在、そのうちの何分の一が入院という意味ではなくて、これは年間を通じて入れかわり立ちかわりの入院の数でありますので、この点ちょっと結びつけた御説明はしかねると思います。
○坂本昭君 ですから、今待機患者は一体何人いるかというのです。待機ということはいろいろな意味があるのですよ。あなたの方は入院の申請なり書類を出さなければ入院を必要としていると認めないという立場をとっている。しかし、中には入りたくても金がない、申請を出してもなかなか通らないからしようがない、ボーダー・ラインの人で、生活保護にもなれない、自分の自費でも入院できない、そうした場合には番数を出すところまでいかないしかし、ほんとうに入らなければならないし、入りたい、そういう人の数は結核の実態調査では全然調べていないのですか。一番大事な点が欠けている、何のために実態調査をやっているかわからない、それこそ実態ですよ。
○政府委員(尾村偉久君) 今の、要入院としての現実につかんだ届出患者実態調査の方はとにかく推計で全国民出しましたわけでございますので、この何十万という方は、これは直につかんで入るという形ではございませんが、今の医師の届出された年間五十万人、これの中につきましては、むろん要入院と、それから医師が外来治療で結核予防法の補助を受けてやろうというのと両方、これはそれぞれの地区ごとに明白になっておるわけでございます。
○坂本昭君 保健所で感染源としてははっきりつかむことのできて、しかも入院を必要とする患者で、まだ入ることのできていない人が私はかなりいると思うのです。局長の説に従うと、もうそういう患者は一人もおらぬ、あとは一生懸命集団検診をやってほじくり出していけば出てくるので、現在ではおらない、あとは全部架空の数であって、これを実施をしなければならないという、私はそうじゃないと思うのです。実際はおるのですよ。東京の町に行ってごらんなさい、入りたいけれども入れない患者さんが、東京の町でもたくさんいますよ。もしそれを信じないというなら、どっかの保健所の保健婦と一諸に見に行きましょう。今のあなたの説明聞いていると、もうそういう患者はおらぬというのです。私はそういう患者がかなりいる、その数は何人いるかと聞いている。
○政府委員(尾村偉久君) 御質問の趣旨を取り違えておりまして、少し見当はずれた答弁で申しわけありません。今の現に医師がとらえた患者、届出患者、これは年々五十万でございます。これは毎年たまっていくわけでございます、登録が。しかし、五年間たちますと約二百五十万人くらい登録が次々とたまるわけでございます。これらの中でまだ現に入院治療等も終わっておらぬ、医師がつかまえたときは、安入院であったのに、その後入院治療を受けておらぬというような具体的な数でございます。これがわらぬので、実は今年からその登録患者票を整備して、知らぬうちに死んだ者等がわかっておらぬというようなことで、これを確実につかまえていくということで、今年からの特別対策を始めたわけでございまして、これを具体的に入院治療が必要なものが現に登録患者の中にいるという実態を把握すれば、先ほど言いましたように、それぞれの保護の道があればそれによって入院を進める、それからその道がなくて濃厚感染源になっておれば、今年から始めました法律の補助入院によりまして入院させる、こういうことでございますので、現につかんでおって、それがいろいろな理由で入らぬというのではなくて、せっかく登録されながら、入る者は入っておるわけでございますが、入らない者がどこにどういうふうにいるかということは、今までこれが各保健所でつかめなかった、これが今度の特別対策の理由になっております。
○坂本昭君 厚生省の怠慢ですよ、何しているかと私は言いたい。実際私はこの数だけ見て重症の化学療養の患者が二十五万ということは厚生省があげておられる。現在入っている二十二、三万のうち私は十万くらいは安静度一度から三度くらいの比較的重い人だと思う。この十万のうち八、九万は生活保護で入っている。ところが、あと入ることのできない者が、重症の人が私は少なくとも十万人くらいいるんじゃないか、それが今の二十五万という数から推定ができる。もちろんそのほかに化学療養をやって場合によりますれば手術をする、そういう人が四十万くらい、そういう人は必ずしもすぐ入院しなくてもいいかもしれない。あなたの方はしかし四十万のうち、要入院となっている。だからそれは十万人くらい一応入って、そのうち二、三万くらい手術を受けているだろう、今一番早急に必要とするのは、きわめて重症で手もかかるし、濃厚感染源となる人が少なくとも十万人ぐらいはちまたに放置されておるということです。そのことをつかむことができなかった。昭和二十八年以来つかむことができなかったとすれば厚生行政は何をやっていたのかということになる。これは大体大臣に申し上げますけれども、厚生行政というのは、ほんとうは現場の仕事なんです。ところが、厚生行政のお役人さんたちは、昔の内務官僚のように、外にはサーベルをつっていないけれども、心の中につっていて、内務官僚的なことしかやらない。もっと局長や課長、町へ出て行ってみなさい。実際みんな町におるのです。私は自分自身であちこち行ってみて重症の患者さんを見せられる、入院させようとしてもなかなか入院できにくい。生活保護にかかれない、健康保険がない、そういう例が幾らでもあるのに、今局長は、そういうものはひっかかってこぬから空床がずっとふえていった、十万くらい余っておる、そんなばかなことはありませんよ。だから私はこの四万を少なくともすぐに満たすことができると思うこれは空家です。もちろんこの空家にはりっぱな家主としての医師や、設備において不十分なものもあるかもしれない。しかし、とにかく空家にして放置しておくことは非常にもったいない。だからこの四万、五万を充足するということは非常に容易だと思う。だから空床の直接的な対策としてこれをもっと具体的に一体四万から五万の空床をいかにしてやったらよろしいか、公衆衛生局長の今の御説明を聞いていると、特別調査費を出して集団検診をやって四万、五万の要入院の患者を拾い出してくると言っておるが、現在幾らでもありますよ、あるけれども、入院できないのは経済の理由、非常に早い話がただにしてしまったら十二月一ぱいをもって入院患者を全部ただにする、空床になっておる四万、五万についてはただにして上げると言ったら、一週間以内で私は一ぺんで満たされると思う。公衆衛生局長そう思いませんですか。
○政府委員(尾村偉久君) 坂本先生お話の十万あるであろうという数字は……、もう少し詳細な数字はこれは厚生省全体の予算を組むために必要でございます。それをつかんでおる。ただしそれはあくまでも数字でございまして、現在、あるところに百ベッドのベッドが用意されておる。これを満たすというためにはどこのだれがどういう病状を持ってそこに入るかということをつかみませんといけません。これは結局各保健所でそういう病状ごとに必要な患者というものをつかみませんと、全国的にいろいろな推計を、今の十万、そういう患者がいるということは出ますけれども、直ちに入ってこない、入れようがない、そういうことでありますので、その点が二つありまして、われわれとしてそのくらいいるであろうということはこれはつかんでおりますが、それを現実に入れるように個人々々をつかみ出すということがないと実現しないわけでございますので、それがことしの特別対策ということで、何もかも皆無であったというわけではありません。その場合、今お話しの医療費問題であります。それは今のように、個々の要入院の必要な患者の生活の状況等を同時にそれをつかんで、それが医療費の不足のために、自分じゃ自覚をしていても、医者に言われても隠しておいた、医療費さえあればという者も相当数出てくるだろう。家庭の事情で入れない者、医療費以外の、これもこの際明白にいたしまして、一人片々を療養所なり結核ベッドに結びつけようということが今度の対策の中心だと思います。
○坂本昭君 この間、結核予防課長に命令入所件数を聞いたところが、本年度が七千件でしたか、七千件ということは、命令入所が必要な件数は七千件しかないというふうに予防課長は考えておるが、私は幅を広げたら、実際に命令入所というものを扱う場合に、相当の幅は出てくると思います。出てくると思いますけれども、それは七千件くらいのものではなくて、ずっと四万、五万にも私はふやし得ることだと思う。むしろあなた方の方が怠慢をしてこれを広げようとしていないのじゃないか、少なくとも結核予防法の面で日本の結核というものをなくしていく、少なくとも結核の空床約四万数千をなくするのについて、私はそれぞれ所管の局長がどういう方針を持っておるか。先ほど保険局長あたりは、入院管理の問題にしても、その結核対策は保険の大筋じゃないから保険行政ではやらない、と逃げてしまう。一体結核対策の大筋はだれがすべきか、それから、特に結核対策の基盤は経済問題なのです。入院費用を何とか見てやれば私は解決し得ると思う。だからその解決の主体を、責任をとるのはどの局か、私はそれを追及したいと思っている。ところが、肝心の調査が、公衆衛生局の方ではただいまから特別調査をやって患者を調べるのだ、そんななまぬるいことを言っていたのでは間に合わない。保険局行政ですべきでないならば、公衆衛生局の結核予防法の行政でおやりになるか、あるいは社会局で……これは社会局長に伺いたいのですが、生活保護は逐年一応ふえてきている、この生活保護の患者を全部空床に対して医療扶助で入れてしまう、私はそういうこともできるのではないかと思う。今度は社会局長に伺います。あなたの方としては、結核に対する生活保護法の適用を、どういうふうにして結核をなくしようと考えられておりますか。
○政府委員(高田正巳君) お答えいたします。生活保護法の医療扶助で扱っております結核の趨勢は、先般の委員会でお話し申し上げた通りであります。それで一つ申しますと、全体の医療費の占める割合は減っておりますけれども、絶対数はどんどんふえておるということでございます。 それから今生活保護法の医療扶助で空床対策について何か考えはないかというお話でございますが、生活保護というものは、御存じのように、特別に空床を埋めるためにとか、結核をなくするためにこの法を運用するというような性格のものじゃないのでございます。結核でも何でございましても、病気になって金の払えない人が出てきたならば、一定の限度以下の人はこれを見ていきましょう、こういう建前の制度でございますから、私から空床にどうこうするということを申し上げるのはいささかこれは私の所管外であるかと思います。
○委員長(加藤武徳君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(加藤武徳君) 速記を始めて。
○国務大臣(渡邊良夫君) 簡単にお答えいたします。公費負担の増額あるいは医療給付の内容の改善をやりたいと思っております。
○坂本昭君 実際大臣、この間うちからほめておったのだけれども、そんなことではいかに今日の政府が無能無力、ふまじめだと、実際ふまじめですよ。たとえば公費負担をふやすならば、どういう点でふやすか、生活保護法でふやすか、結核予防法でふやすか、それについての大臣の決意を聞かして下さい。
○国務大臣(渡邊良夫君) まず結核の関係においてできるだけふやしていきたいと思います。それから生活保護の面におきましても、もちろん当然考えていきたいと思っております。
○坂本昭君 私が今厚生省の予算を見たところでは、来年一万七千件の命令入所くらいしかあげていなかったと思う。こんなことで空床問題は解決できない。私が特に空床を取り上げているのは、要入院患者さえも八十六万もおる。これは架空ではないと思うのです。架空な数ならば、こんなものを発表しなくてもいいのです。実際調べたら、その人たちがおるからこそ次々と感染されて結核はなくなっていかない。ですから、八十六万人、あるいはさらに要医療の三百四万人を全部なおすとなると、これは非常に理想的であって膨大な金が要る。しかし、少なくとも今遊んでいる四万床から五万床の空床だけは全部入れてしまって、感染源を除くということは、具体的にでき得るだからその場合に、一番の隘路は入院費の問題、私は入院費だと思っているのだけれども、厚生大臣はそういうふうにお考えになりませんですか。
○国務大臣(渡邊良夫君) 先ほどからのお話の通り、ただいま空床は約一割くらいございます。しかし、地域的にこれを見まするというと、一割以上になっているところもございます。そういうところの療養所に対しましては、特別なまた措置を考えております。
○坂本昭君 私は地域的な差よりも——もちろんその地域的な差の原因となるものには、これはほかの要素が入っております。たとえば、これは特に行管が指摘していることでありますが、しかし、それにしても、この地域的な差、たとえば行管が指摘している国立の療養所については、——これは国立の療養所についてですよ。今大臣は、国立だけでなくて、全日本の結核のベッドについて考えていただかなければならないので、そこは取り違えないでいただきたいと思うのですよ。国立の療養所については、前の国立病院であった、陸軍病院であったというような関係から、配置だとかあるいは施設が老朽になったとか、そういう要素はもちろんあります。そういう要素はあるけれども、全般的に言うと、日本の結核対策の中で要入院患者がありながら、なおかつ四、五万の空床ができているということは、私は今のような地域的な配置だけの問題だとは思わない。少なくとも健康保険の本人だとか、生活保護で入院している人の数が非常に多いということは、さらに健康保険の本人の適用をふやしていく、もちろん患者がなければしょうがないけれども、要するに個人負担がなくなれば、入院が容易になるということ、だから個人負担がなくなるような制度を厚生省のどの課か局で集中しておやりになったならば、空床を少なくともなくするということは第一段階で可能だと、私はそう思うのです。だから生活保護で、特に結核の入所については医療費の医療扶助をずっとふやすとか、あるいは国民健康保険の場合だと半額負担というものを、国保の結核入院については特別の措置をして全部見る、あるいは予防法の中で医療入所というものを大幅に広げていって全部患者の負担を軽くして少なくともあいている四万から五万、言いかえればまあ空床ということにとらわれなくてもいいです。さしあたって五万人新しく入所させようじゃないかという対策はとることはできないか、私はその点を伺っているわけです。ところが、今の公費負担の予防法でおやりになるというけれども、来年たった一万九千件ぐらいではこれは解決できない。少なくとも私は五、六万人をそれで解決するような決意を持っていただきたい、いかがでございますか。
○国務大臣(渡邊良夫君) 先ほどから簡単な答弁であるということでおしかりを受けたわけでございまするけれども、坂本さんのおっしゃられることは、やはり経済的な事情をいかに緩和するかということでございます。結論といたしまして、私どもあらゆる面から総合いたしましての公費負担の増額という点に尽きるんだろうと、かように考えております。
○坂本昭君 それは、その公費負担の増ということよりも、方針は私けっこうだと思いますが、あとその金額をどうするかということについて、大臣の政治的な手腕に多大の期待をもって空家を十分満たしていただきたいと思っております。 さらに、医務局長に伺いたいのですけれども、国立の結核療養所が今まで果たしてきた結核対策というものは、私は非常に高く評価すべきだと思います。少なくとも治療の中心的なものを国立の結核療養所が、傷痍軍人療養所以来ずっと果たしてきた。そうしてこのことは、皆さんみな評価されると思いますが、特にこの中で、国立の結核療養所が今でさえも比較的多くの患者さんを入れて、利用率が商いということの中には幾つかの要素があります。今の技術的な商さということもあるでしょう。それから施設の非常に悪いにもかかわらず、こうしてたくさん入っている理由には、二割引きということですね、これは非常に大きいと思います。それから特に今まで一般会計でやって、国が責任を持ってきたということ、これが私は一番大きいことだと思う。だから、むしろ言いかえれば、国立にある約六千ぐらいの、六、七千の空床ですね、空床を率先医務局でなくしていけばいいじゃないか、これはなくしていくことができるのです。それは、たとえば二割引きをもっと下げるということもありましょう。これは現実に減免の規定がある。この減免の規定をずっと大幅に広げていって、ボーダー・ラインの人あたりもどんどん入れて、国民健康保険でなかなか入院できない、そういう場合に、非常にこの減免の規定を拡大解釈すると言うとおかしいですが、できるだけそれを有利に扱って入れてやれば、少なくとも国立の結核療養所が今まで果たしてきた結核対策をさらに私は完成することができると思う。そういう方針をお持ちになるべきだと思う。まず医務局長に簡単に御意見を聞きたい。
○政府委員(川上六馬君) お説のように、確かに国立療養所というのは、日本の結核対策に対してきわめて重要な役割を演じてきておりますし、今後特に長期重症の患者あるいは低所得者の療養という問題で一そう役割を果たして行かなければならぬというふうに考えております。この国立療養所が向い利用率を持っているということの中には、私は、非常に優秀な技術を国立療養所が持っているということに自信を持っているわけでありますが、そのほかただいま御指摘のように、二割引き、減免というような制度がありまして、特に貧しい人の療養に役立っておる。しかし、まあ二割引きをさらに増していくというようなことは現在考えておりません。しかし、先ほどもお話がありましたように、入院治療するためには経済的な理由というものが私も非常に大きいと思います。今度の行管の監察結果を見ましても、国立療養所の退所患者の二割ないし三割というものが経済的理由によって療養半ばにして退所しておるということを指摘されておるのでありまして、そういう事情を顧みましても、私はケース・ワーカーなどをなるべくそろえまして、そして個々のケースにつきまして、しばらく、経済的な理由で療養を続けられないというような人につきましては、できるだけのめんどうを、減免などで見ていく。現在の減免のやり方にも改正を要する点がありますので、ワクは必ずしもこれを増大しなくても、その中でもっと適正な方法があろうかというふうに考えております。なお、そのほかの理由といたしましては、医者が足らないとかあるいは施設が非常に老朽化して不備だというような面もありますので、こういう面につきましても、一そうその整備に努めたいというふうに考えております。
○坂本昭君 行管の監察局長来ておられますね。 先般行管が監察された国立結核療養所についての御報告、なかなか熱心にいい点を御指摘しておられると私も思います。特に空床の点について、あなた方の御報告をまとめると、ある程度の見解というものが出ているように思います。私だ皆さんの報告を見たところでは二点あるように思う。その第一点は配置計画がきわめて不良だということ。これは、まあ陸軍病院であったという関係もありましょう。それから老朽化している、また設備が非常に悪い。たとえばレントゲン線、エキス線の装置やボイラーやあるいは洗たくの点、かなりこまかい点を指摘しております。これは全部厚生大臣の責任でございます。で、こういう施設の面が一点と、それからもう一つは、今医務局長も言っておった経済的な理由で二〇%から三〇%も療養半ばにして退所せざるを得ないという点の指摘があり、これに関連して経費無料の適用についてもっと的確にせよ、これはまあ行管としては何も空床をなくせということを指示するのが月内でないかもしれませんが、しかし、今の二つの点をあなたの方では一応指摘しておられると思うのですが、国立の結核療養所を監察せられた結果、特に空床対策として具体的にどうしたらいいかという何かヒントがあればお示しいただきたい。
○説明員(原田正君) 私どものこのたびの監察は、国立療養所の運営に関する監察をいたした次第であります。その結果といたしまして、ただいまお話のありましたような諸点を報告いたしておる次第であります。 空床に対しまする対策というものにつきましては、まあ空床がどういうふうな原因で多いのであろうかということは、今お話のありました通り、その配置が必ずしも適切でない。あるいはまた、ある特定の地域に非常に集中しておる。お互いにその診療圏を侵して競合を生じておる。こういうようなことの欠陥、あるいはまた、その施設が非常に老朽なものが多い。また、その設備も不十分なものが多い。まあそういうふうないろいろな事情が相交錯いたしまして、いろいろな影響を与えておる。 そこで私どもの監察いたしました結果の感じといたしましては、以上申しましたような各種の空床を増加せしめておるような原因、こういうものをでき得る限りなくしていくということ以外にないと思うのであります。まあこういうことの一つの結論と申しまするか、としまして、現在非常に老朽化したものが多いにかかわらず、年々のそれに百要しまする整備の経費というものが非常に少ない。まあこういうふうな状態では、全体の整備を完了いたしまするのに非常に長期を要する。まあこういうことでもあります。従って、全体的な配置について十分な検討を行ないまして、現地の事情にもよく即応して施設の統合等を要するものが——した方がよろしいというものがありまするならば、統合について検討して、そうしてその結果によって施設の整備あるいは設備の充実強化、こういうものをはかっていくということが必要じゃないか。そうすることによって、また、不便な土地等にあって適当な、医師等も得られない、こういうものについてもその充足をはかることができるのではないか。まあこういうふうなことを考える。そういうふうなことがおのずから空床を減少せしめることに役立って参るのではないか。かように考えておる次第でございます。
○坂本昭君 行管のあなたのお考えによると、なるほど古いものをよくするということは、これは私も賛成ですけれども、配置の悪いところをなくしていく、あるいは古いものをこわして新しくする、そうしていくと、国民皆保険の立場から言うと、今まであった診療施設を失うという危険が生まれてくると思う。それはなるほど国立療養所の運営そのものから言えばいいかもしれぬが、皆保険全般から言うと、行管の今のお考えはおかしいではありませんか。
○説明員(原田正君) 私どもの考えております施設の統合整備と申しまするのは、むろん今お話のような趣旨ではないのでございまして、施設をたとえば小さい施設が幾つもある、そういうものを統合してそれらの現在ありまする療養所等も合わせて、さらによりよい充実したものにいたしたい。こういうような考え方でございまして、今お話のような趣旨に相反するのではない。かように考えておる次第でございます。
○勝俣稔君 関連事項。行管の方では結核の関係者は行ったわけではないでしょうね。行管の職員のうちには結核行政に関係した人は行っておるんですか。行政に関係した人は行かぬでしょうが、専門家が一緒に何か監察なさったのですか。
○説明員(原田正君) 私どもの方の監察は、現地におりまする管区、行政監察あるいは中央行政監察の職員が行って実情を調査いたしたわけでございます。
○勝俣稔君 事務的の監察をなさったわけですね。
○説明員(原田正君) さようでございます。
○勝俣稔君 そうすれば、ベッドを減すとかふやすような監察はなさらなかったわけですか。これだけの患者がおるのだから、なおベッドは必要なのじゃなかろうかということはおやりにならなかったわけですか。
○説明員(原田正君) 各療養所につきまして、病床の利用状況、そういうものは十分に調査をいたしました。
○勝俣稔君 そうすれば、減少するなんということはむろんおやりにならなかったわけでしょうね。ただ整備拡充と内容の拡充であるのか。ベッドを整備する、空床が多過ぎるというようなことを事務的の考え方でやっていくというようなことがもしあるとするならば、日本の結核対策というものに非常に重大な疑義があるのでありますから、その責任は私は行管ではとれないのじゃなかろうか。少なくとも日本の結核対策というものは厚生省が責任をとらなくちゃならないのであってその辺のことについて、一言どういう結論が出たか、明確にお答えを願いたいと私は思うのです。
○説明員(原田正君) 行政監察局としまして勧告をいたしましたのは、国立結核療養所の利用の効率化をはかるために施設、建物及び設備の整備を促進してもらいたい、そうして結核療養施設として利用率の低いものについては、統合とかそういうものを検討して、この充実強化をはかりたい、こういうような勧告をしたわけでございまして、決して病床を減少しろとか、そういうことは勧告をいたしておりません。
○坂本昭君 今、勝俣委員の聞かれたことは私も続いて聞いておこうと思ったのですが、行管の一番大切な点は、結核対策、この主務官庁は厚生省の各局です。しかし、厚生省は国立の結核療養所も持っている。それからまた、結核対策は現実には社会局の生活保護の対策の中で非常に大きく見られている。だから、行政全般として結核行政を大きな面から見てこれを指摘し、これを直すべきところは勧告をする。その中から初めて結核療養所に対する具体的な問題が出てこなければならないと思う。特にこの際私は要求したいのは、先ほど来のずっと審議をお聞きになったらおわかりになったと思うのですが、厚生省の中にも各局がみんな結核の患者のはねかけ合いをやっている。こういう行政については、これは行管としては、何らか機構上においてこれについて勧告をするという義務というものはないのですか。
○説明員(原田正君) ただいま御質問のありましたような全般的な結核予防対策に対する監察といたしましては、前に三十一年の七月から九月にわたりまして結核予防行政の監察をいたしました。そのときの監察の重点は、健康診断及び予防接種の励行の状況、それから医療費公費負担の運営状況、こういうものに重点を置いて監察をいたしました。さらに結核予防行政全般の一部といたしまして、このたび結核療養所に対する監察をいたしました。さらに医療行政関係としまして、次いで国立病院等も監察いたしておりまするが、そういうふうなものをさらに全般的に、総合的に見た結論というものを出してみることも必要なことだと、かように考えておる次第でございます。
○坂本昭君 お約束の時間がきましたから、私の質問はこれで終わりますが、結核の問題が峠を越したといわれながら、実は三、四百万も医療患者がおるし、しかも統計の面からいったって、諸外国から比べて十数倍も結核の患者並びに死亡で多い面が多々ある。私はその中で、今日の議論を通して、厚生大臣が、結核対策について公費負担の線を推進しようと思っている、ただその推進の方向はいいんだけれども、推進の力がどうかと、私は非常に疑うのです。これは一つ大いに予算的な面で力を十分伸ばしていただきたいことをまず要望しておきます。 それからさらに、このような大事なときに当たっているにかかわらず厚生省の結核対策行政がまだ一つも具体的なものがない。わずか四、五万の空床を満たして、四、五万の入院患者を救済するということについての積極的な施策というものを持っておらないということは非常に遺憾であります。これについては、各局、特に公衆衛生局と、それから現業の結核療養所を持っている医務局においては、もっと積極的に私は施策を講じていただきたい。決して結核の患者というのは探さなければおらぬというようなものじゃ絶対ありません。そんなことを言っているようでは、予防衛生というものは達せられない。私は自分の目で、幾らでもおる。だから、これらの人をとにかく一日も早く入院させるところの手段を講じていただきたい。そうすれば感染源もなくなる。それだけの熱意を非常に欠いているというふうに私は先回並びに本日の審議を通じて感じて、これははなはだ遺憾だと思います。特に各局の行政を統合して、これを結核対策あるいは五万の空床対策に焦点を合わせて集中させるのは厚生大臣の私は責任だと思います。そういう点で大臣のお考えは、方向はいいということだけは私も一応認めますが、まだ大臣としての十分な責任を果たしておられないという点、はなはだ遺憾だと思います。ただいままでのこの審議を通じて大臣に何か御意見があるならば聞かしていただきたい。
○国務大臣(渡邊良夫君) 十分御意見を尊重する次第でございます。
○委員長(加藤武徳君) それでは結核対策につきましては、質疑はこの程度にいたしまして、次に移りたいと存じますが、御異議ございませんか。
○高野一夫君 私はきわめて簡単に坂本委員の御質疑に多少関連をして感じているので、官房長に伺いたい。実は今坂本委員の御質疑を聞いておりますと、実によく御調査になっていることに対しては、御意見の是非は別として深く敬意を表したいと思う。ところで、厚生省から、結核にいたしましても、公衆衛生にしても、それからあるいは保険行政、社会局の行政、国立公園行政、引揚援護、その他そういうような各厚生省の部門の行政を、一般国民あるいは関係者は十分利用してもらうためのいろいろな資料、刊行物の作成をやっておられると思うのでありますが、どういうようなものが主として——こまかいものはいいけれども、お出しになっているかを官房長から伺いたい。
○政府委員(森本潔君) ただいまお話のように、役所におきましていろいろな調査研究をいたしました結果をまとめまして発表いたしておりますが、この発表の形式につきましてはいろいろございまして、厚生省で政府の刊行物として定期的に発表するものがございます。それから政府の刊行物として臨時に発行するのがございます。それからもう一つは、関係団体等におきまして、役所の資料を基礎にしまして出版いたす、こういう形式がございます。あるいは関係団体でなしに、一般のこの印刷物としまして、市販の書籍と同様な形で出版する場合、いろいろございますが、最初の政府の定期刊行物としまして、月に一回とか週に一回という形をとって参っておりますのが現在のところ八種類ございます。内容を申し上げますと、おもなものを申し上げますと、簡易生命表でありますとか、あるいは人口動態の毎月の概数、それから衛生統計の月報、それから社会福祉統計の月報、それから国民健康調査の速報、それから伝染病統計の週報、それから保険関係の利用現況、こういうのは役所におきまして定期的に発行いたしております。これが一つの型でございます。それからなお、この配布先は、主としまして関係の行政機関——府県なり、保健所、あるいは福祉事務所、市町村、こういう行政系統へ主として配布いたしております。それからなお、必要なものにつきましては国会でありますとか、あるいは広報関係の方へも配布いたしております。これが一つのスタイルでございます。 それから、臨時に発行いたすものといたしましては、これは正確にまだまとめておりませんが、たとえて申しますと人口白書でありますとか、あるいは引揚関係の経過の報告書でありますとかいうようなものを臨時に役所において発行いたしております。その他若干あると思いますが、なお正確にはあとで申し上げたいと思います。
○高野一夫君 そこで私は伺いたいのでありますが、国会において、衆参両院の社会労働委員会においてはもっぱら厚生行政についての討議をやっているわけです。そういうような定期刊行物、あるいは臨時に出る厚生行政を理解せしめるための資料というものを、国会議員に知らせる必要はないのですか。
○政府委員(森本潔君) ただいま申し上げましたうちの、特に関係あるものはそのつど差し上げておると思っておりますが、どれとどれをいつ配布したかとはちょっと今即答いたしかねますが、おもなものは配布いたしております。 それから、途中になりましたが、たとえば各団体で発行する形式をとっておりまして、たとえば「厚生」というような雑誌でありますとか、あるいは「厚生広報」、それから「国民衛生の動向」でありますとかいうような、団体で発行いたすものがございます。それは各団体から直接、関係の方面へ配布するという形と、それから、あるものによりましては政府で買い上げまして、それを所要のところへ配布すると、こういうような形をとっております。大部分のものは政府の刊行という形よりも、団体で発行しまして、それを必要なものは政府が買い上げている、それ以外のものは、団体におきまして関係先へ配布する、こういう形が大部分でございます。
○高野一夫君 今お話になった点で、ほかの議員はいざ知らず、厚生省のそういうような仕事を理解せしめるような広報活動に必要な資料、印刷物というのは、何一つわれわれは配布を受けておりません。そこで、これを厚生省が衆参両院の限られたる委員に配るのが惜しければ、われわれは買います。そのかわり、こうこういうものが月刊に出ていると、臨時に何月何日こういうものが出たというぐらいのことは、衆参両院の社会労働委員会の委員諸君にはこれは当然知らすべきだと思う。そうすると、われわれはひまひまにそれを見ますと、質問をいたしますにしても適切なる質問ができると思う。こういうようなことでせっかくそれをおやりになっておって、ことに人口問題なんかについては実にりっぱな私は月刊雑誌が出ていることを承知している。こういうようなことを承知しているけれども、何一つわれわれの方にはそういうことが知らされておらない。われわれがみずから努力してあっちこっち探し歩かなければ手に入らない。これでもって社会労働委員会に、もっぱら厚生行政の御審議を賜わりたいということは、これは私は言語道断だと思う。これはまあ大臣はこういうこまごましたことは御承知ないことであるし、かつまた、各局それぞれあることであるから、官房長、あるいは次官のごとき、その全体を統率されるべき方が十分配慮されて、そして統計調査部もあるんだしするから、そういうところから出ている——結核の問題にいたしましても、今これは私見ていると、医務局長なんかいろいろすばらしい雑誌を見ておられる、こういうものを見て答弁されておるが、こういうものを私は初めて題目を見た、こういうようなことでありまして、そういうものをわれわれが見ているならば、もっとわれわれは時間も節約して、もっと適切な質問をして、厚生省にお手伝いもできるんじゃないかと思うんだけれども、われわれはあっちこっちから探してこなければそんな資料は手に入らない。こういうようなことでは私は厚生省の努力が足りないと思う。労働省、通産省のごときは、必ず資料がありますならばその資料をすぐ配布され、あるいはこういう資料が出たということを通告される。そこでわれわれはただでもらったりあるいは買ったりして資料をそろえて一応勉強して委員会に臨むことができる。非常にりっぱな資料をお出しになっておるにもかかわらず、われわれ委員は、どういう資料が出ておるか、刊行物が出ておるか、名前すらも知らない。われわれは買いますから、だからどういうものが出ておる、こういうことくらいは表でも作って知らせてもらいたい。これを官房長、これから実行なさるかどうか、伺いたいと思います。
○政府委員(森本潔君) ただいま御指摘がありましたが、気をつけて配布するようにいたしておりますが、今お話を承りますと、非常に不十分な点があるようでございます。その点十分注意いたしまして、御参考になるものにつきましては、できるだけ配布いたすように……あるいは予算等の関係で配布できないというような場合には、今お話のように、しかるべき方法でできるだけ配布いたしたいと思っておりますから、これまでの不行き届きの点は御了承願いたいと思います。
○小柳勇君 ちょうどいい機会ですから私も発言しておきたいと思います。「朝日ジャーナル」を私は某方面から寄付してもらっておる。あの中には歴代の厚生大臣、それから厚生官僚のことをぼろくそに書いてある。しかもそれはそれだけでなく、各新聞に、厚生省と医師会との対立というものが非常にでかでかと書いておる。私どものように医師会の内情をよく知らない、あるいは厚生省についても細部までよく知らぬ者には、そのことが一方的に正しいように受けとれるのです。従って、そういうものについて官房長はどういうふうなPRをやっておられるか、あるいは弁解なり釈明なり、これに対して正しい世論の喚起をやっておられるか、この点を聞いておきたいと思います。
○政府委員(森本潔君) これは、役所のことにつきましていろいろ新聞雑誌等で解説なりあるいは批判なりが出ておると思いますが、これは物事によりまして、直ちにこれを正すような宣伝をすることがよろしいのか、あるいはそういう必要のない場合もございますし、まあ内容によりましてそのつど必要に応じたことをいたしたいと思っておりますが、一がいに、記事が出たというので直ちにそれに応ずるPRをするということも必ずしも適切でないと思われますので、その内容によりまして、また状態に、客観情勢に応じまして適当に処置して参りたいと思っております。また、従来もそういう方針で参っわけであります。
○小柳勇君 あの「ジャーナル」の内容を、官房長ごらんになりましたか。「朝日ジャーナル」の内容を……。
○政府委員(森本潔君) 拝見いたしました。
○小柳勇君 もう一つ要請だけしておきますが、私も、今高野さんの御発言にもありましたように、厚生省のそういうようなものはわれわれは知りません。ところがそういうような医師会などの外部の新聞や雑誌はたくさん送って参ります。しかし、そういう一方的なもので厚生行政を判断することは私は正しくないと思う。従って、今、高野さんのおっしゃったような発言でも、私も正しい厚生行政のPRなり、あるいは医学的なことは私どもわかりませんけれども、私どもにわかる程度のことを教えてもらうように要請しておきます。
○委員長(加藤武徳君) 両委員の御発言を森本官房長もよくおわかりになったようでございますから、資料問題はこの程度にして打ち切りたい、かように考えます。 —————————————
○委員長(加藤武徳君) それでは次に移りたいと思いますが、私的医療機関に対する融資の問題を議題といたします。ただいま大蔵省から、石野銀行局長は差しつかえがありまして、銀行局の磯江特別金融課長並びに岩尾主計官が出席をいたしております。 逐次御質疑をお願いいたします。
○鹿島俊雄君 私的医療機関の特別融資につきましては昨日成立いたしました。実は医療機関の方では法律の成立まで融資の申し込みその他については待機する形になっておりました。そういったような事柄を一つきょうは私は要望を含めてお尋ねをしたいと思います。もちろん銀行局におきましても非常に御理解のある御協力があったことも医療機関もみな高く買っております。しかしながら、せっかくここできました特別立法ですから、実際の金融面に関して適切に行なわれるように一つお願いをしなければならぬと思うのであります。 まず第一に、この貸付の現状でありまするが、大体中小企業金融公庫が六十三億、国民金融公地が四十二億ときめられておりますが、その貸付の現状についてちょっとお伺いしたいと思います。
○説明員(磯江重泰君) 中小企業金融公庫と国民金融公庫につきまして、災害融資の現況につきまして答弁いたします。 災害資金といたしましては、ただいま御質問にもありましたように、政府といたしましては、中小企業金融公庫に六十三億円、国民金融公庫に四十二億円の資金を追加いたしたわけでありますが、これに対しまして、一般の中小企業からの災害復旧資金の需要はかなり強くなっております。ことに出足が割に早いようでございますが、最近までの状況を申し上げますと、中小企業金融公庫につきましては十一月二十七日までの数字でございますが、貸付決定をいたしましたものが約三十億ございます。実際に貸付を実行をいたしましたものが二十四億円となっております。それから国民金融公庫でございますが、これは十一月二十五日現在になっておりますが、貸付決定をいたしましたものが約二十五億円、そのうち貸付を実行しましたものが十八億円という数字になっております。
○鹿島俊雄君 そうしますと、この貸付のワクは第三四半期の分だけですね、応急措置として。第四四半期は入っておらぬわけですね。
○説明員(磯江重泰君) ただいま申し上げました数字は第三四半期のワクの範囲内の数字でございます。
○鹿島俊雄君 そこで、実は先日私も現地をよく見て参りました。もちろん二公庫の支所は非常に熱心にやっておられますことは私も満足しておりますが、実は医療機関の方では先ほど申し上げましたように、法律が制定されてから団体交渉をしようという形だった。ところが行ってみますと、ワクがないというようなことで、代行機関である地方銀行の方でさようなところが二、三出てきたわけです。そうなると非常に困ってくるのでして、われわれの方としては、法律が制定されてから実施されると思っておった。そこで不満を訴える面が出てきたわけです。また、そうなってくると、この特別立法の精神から見ましても片寄った金融が行なわれてしまって、医療機関の方では健康保険の実施の問題もございますし、どうしても焦眉の急を要するもので、その点何とか調整ができないものかと思うのですが、それについてちょっとお尋ねをしたい。
○説明員(磯江重泰君) ただいまの御質問で、ワクがなくなるとか、あるいは窮屈になったとかというようなお話がございましたのですが、これは先ほど申し上げました資金ワクにつきまして、大体公庫の方で時期的に見当をつけまして、第三四半期でどのくらい、そのうち各月にどのくらい割り振ったらいいかという見当をつけてやっておりましたのでございますが、実際の資金の申し込みが、先ほど申し上げましたように、出足が早いということで、その申し込みに対しまして、各月に予定いたしましたワクが窮屈になった、あるいは申し込みに応じて貸していったために月末近くなってワクがもうなくなったというような実情が起こったという点でございます。それに対しましては、とりあえず十二月につける予定にしておりました政府資金を、両公印を通じまして十億以上を十一月に繰り上げて措置いたしましたので、十一月につきましてはおおむね支障なしにやっていけるような状況になっております。また、その結果、十二月につきまして穴があくという点がございますれば、そういった点は今後の資金需要の状況によりましてさらに第四四半期から繰り上げていくというような措置によりまして対処したいと考えております。
○鹿島俊雄君 まあよく中央の御説明はわかりますが、実際問題として現地に行って見ますと、ワクが足らぬので、どうしてもその貸付は弾力のあるものに貸してしまって、結局零細な私的医療機関はどうにもならないのです。そこを何とか一つ銀行局の方から調整をするように窓口銀行に対して御指示願いたいのですが、ただ私としては、ワクを幾らにきめるということはできないと思いますが、少なくともそういうふうにしていただきたい。特に中小企業金融公庫の方にそういう傾向が多いようです。熱心にやっていただいていることはわかるのですが、その点どうか考えていただきたい。 もう一つは、たとえば国民金融公庫の方で四十二億円のワク外の手持ち資金、それを六分五厘の特別融資のワクに振りかえてやるというようなことをちょっと聞いたのですが、そういうことは可能なわけですか。
○説明員(磯江重泰君) 一応四十二億円は今度の災害関係で政府資金として追加いたしました金額でございますが、災害融資として国民金融公庫から貸し付ける金額は四十二億というふうに固定されたものではないわけでございます。回収金等あるいはその他の資金によりまして災害融資を行なうことはもちろん可能でございますが、大体の見当は一応四十二億ということを目標にしてやっているわけでございますが、全体の資金需要、それから一般の災害以外の資金需要、その他の関連において災害の方にやはり重点を置いてそちらに資金を回さなければならぬということでございますれば、四十二億以上の災害融資が行なわれることはもちろん可能でございます。その場合、六分五厘が四十二億でワクだというようなことはないのでございます。
○鹿島俊雄君 そうすると、時間がございませんから、簡単にもう一回お尋ねしますが、手持ち資金の四十二億以外のものを、考え方によって六分五厘で貸付が可能なのですね。それはわかりました。 そこで一つ、先ほど申し上げた医療機関に関しては立ちおくれの形になっている。同時に金融に関してはふなれなものですから、他の業種と違うものですから、従って、特別に団体で交渉するような形も話して置きましたが、その点をどうか格別めんどうを見ていただきたいと思います。 第二点は、今度は査定の問題です。大体一部借り受けている者もあるのですが、大体三分の一程度に査定されてしまう。御承知の通り、医療機関の方は、これは他の融資と違って、最小限度の設備資金を大体要求しているのですから、あまり強く査定されると今度これができなくなる。また、医療機関関係からは必要以上のものを申し立てる者はほとんどありません。現在ある地区で一億三千万円と言われておったのですが、実際に申し込んでいるのは五千万円程度まとめて申し込んでおります。従って、非常に削った線で、最小限度の線を出しておりますから、その点は特別に一つ査定についても御配慮を願いたい、こういうことも何とか御指導、御指示はできませんか。
○説明員(磯江重泰君) いわゆる私的医療機関に対しまする融資につきましては、特別立法も成立いたしましたことでございますし、現在これの実施について政令を準備しておる段階でございまして確定いたしましたならば、大蔵省といたしましても、関係機関に対しまして十分その運用について指導し、融資の円滑に支障のないようにいたしたいと考えております。 ただいまの査定の問題でございますが、これは全体の問題といたしまして、たとえば国民金融公庫につきましては割に零細金融ということを従来からやっておりまして従いまして一件当たりの金額というのは比較的少ない。これは災害の場合のみならず、一般の場合もさようでございますし、災害の場合につきましてもやはり平均的に見ますと、金額としては少なくならざるを得ない実情でございますが、従いまして、申し込みなり、御相談になった金額に対しまして、これを実際に貸付いたしますのは下回るというような実情になっておるわけでございますけれども、これはやはり大体国民金融公庫の従来の行き方からいたしましてその程度はやむを得ぬのじゃないか。しかし、三分の一に査定するとか何とかいうことは、平均的に見ますとそういう極端なことにはなっておりませんが、個別的によく御相談に応じて支障のないようにいたしたいと思います。
○鹿島俊雄君 次に、担保の問題なんですが、もちろん担保の力のあるものは提供するようになるのですけれども、御承知の通り、非常に大へんな損害を受けているので、担保がない。そこで、大多数の私的医療機関は——ほとんどですが、社会保険を担当しております。そこで社会保険診療報酬を担保として保証として貸し付けていただければ、ほとんど償還に不都合ないと思うのです。従ってそういうことをまず考えていただきたい。特に代行機関の窓口銀行ですね、これに、大体のところ、支払基金からの報酬が行くようにしている。従って、保険医は皆それの中で償還することも簡単に参ります。そういうことと、もう一つは、もし、そういう状態で担保力の保証に欠けるとあれば、その借り入れたものによって購入する施設機械等を担保として認めていただけるような特別措置も、一つ特別な指示も、もしお願いできれば一つ考えていただきたい。
○説明員(磯江重泰君) 担保の点につきましては、災害融資の場合には、一般的に普通の場合よりかなり緩和して運用いたしております。それで中小企業金融公庫につきましては、普通の場合には物的担保を必ず要求するのでございますが、災害の場合には金額百五十万円以下のものにつきましては物的担保は必ずしもなくてもいいという扱いをいたしております。で、物的担保につきましては、医療機関の場合には、たとえば病院でございますとか、あるいは医療の機械でございますが、復旧いたします施設がございますから、そういうようなものが当然担保になるでございましょうし、それから物的担保のないものにつきましては、保証等の方法によりましてやっていく。それからただいまお話のございましたような点も、今後の問題としてよく研究して参りたいと思っております。
○鹿島俊雄君 次に、利子の問題なんですが、われわれは当初利子については六分五厘、全期間その線でやってほしいのですが、まあ現在のところ、三カ年間に限って六分五厘、これを何とかならぬですか、七年間の期間に延長して全部適用していただけることを考えられないでしょうか。
○説明員(磯江重泰君) 六分五厘の特別金利の適用につきましては、これは一般の中小企業全体についての問題にも関連いたしますわけでございますが、普通、通常の場合に金利九分三厘でございますのを、特に六分五厘ということに軽減いたしました趣旨は、災害によりましてこれの復旧と、復旧して実際に事業が軌道に乗るまではなかなか急速にはいかない。そこで立ち直りをやはり促進するためには、復旧当座の金利負担というものを軽くする必要がありましょうということで、ああいう特別金利ということを始めたわけでございます。立ち直るまで一体どのくらいかかるだろうかという問題がございますが、一年とか二年ということでは短いのじゃなかろうか。そこで三年くらい軽くすれば、まあ三年くらいたてばあとは通常の金利負担でもやっていけるようになるのじゃなかろうか、かような判断におきまして、一般中小企業につきまして三年という原則を立てましたのでございます。大体それと同じような考え方でよろしいのではなかろうかという考え方でございます。
○鹿島俊雄君 ごもっともな点もあると思うのですが、われわれとしては六分五厘で出したのですが、やむを得ません。 次に据置期間が一年、七年間の年賦償還、これは通算八年なんですね。
○説明員(磯江重泰君) 据置期間は、国民金融公庫の場合も中小企業金融公地の場合も償還期限の中で据置期間というのがございますから、一年据置で通算七年ということになります。
○鹿島俊雄君 そうすると、六カ年間の償還ですか、実際は。
○説明員(磯江重泰君) さようでございます。
○鹿島俊雄君 その点ちょっと誤解があるように思います。据置を一年、七年間で償還、通算八年……。結局七年の中に入るから六カ年の年賦償還になりますね。
○説明員(磯江重泰君) 貸付の日から償還の最終期限までが七年ということになります。
○鹿島俊雄君 通算七年……。 もっとお伺いしたいことがありますが、時間の関係がございますので、一つ先ほど申し上げましたように、非常に医療機関の方は立ちおくれの形で融資の申し込みをしておった。また、ふなれな点が多いものですから、どうか一つ窓口銀行に対しましても格別な一つ御配慮を特に賜わりたいと思います。私どももできるだけ現地に参りまして、結局中央の御指示だけでなく、私たちも参りましてお願いするつもりでおります。見るつもりでおりますけれども、格別に一つその点をお願いしておきます。よろしくお願いします。
○竹中恒夫君 いずれ日ならずして政令が出るということでございますが、その政令の内容は、立法の精神によって、他の法令の規定による制限をこえて有利な条件でということになっておりまするが、従いまして今御説明聞きました中に、中小企業金融公庫に六十三億、あるいは国民金融公庫に四十何億という融資の中には医療機関が借りておる人があると思うのですが、そうした場合政令が出て有利な条件で借りることができた場合に、はたして切りかえができるかどうかという一点をお聞きしたいこと。 もう一つの点は、医療機関というのどうしてもしろうとの考え方からいうと、病院などに響くわけなんです。災害などの場合は、実際においてほんとうに必要なのは個々の開業医に貸すことが一番大事なわけです。そこで三十人以上の私的医療機関に対しては貸付の対象になっておりますが、その三十人以上の私的病院に対する考え方と、あるいは貸付の条件と申しますか、貸し付けやすいと思うのですよ、大きいところは。零細の私的機関にはどうしても貸す方がちゅうちょすると思うのですが、そういうことのないように一つ措置を講じていただきたい、指導していただきたいということに対するお考えと、医療機関とは、もとより医師の一般診療所、歯科医師の歯科診療所及び薬局も含むと思うのですが、その三者に対して申し出があった場合の貸し出しのワクですね、予算と申しまするか、たとえば六十三億と四十二億は四半分の一つだというような考え方からいきますと、医療機関に対しても何らかのワクがあろうと思うのですが、そのワクの振り合いは三者どういうふうなお気持でおられるのか。全然そういうワクは考えずに、無制限といいまするか、求めに応じて貸すんだというようなお考えか、この三点をお聞きしたい。
○説明員(磯江重泰君) 御質問、三点ございますが、最初のすでに現在までに貸付を受けている者はどうなるかという点でございますが、まあ他の法令の規定にかかわるということになっておりますが、今度の場合、三十人以上の従業員、三十人以上の個人も極力融資の対象にするということにいたしますわけでございますが、これにつきましては、法律施行前におきましてはかかる融資は中小公庫としてはできないわけでございますから、実際問題としてはそういう融資はすでに行なわれておりませんので、三十人以下のものについては行なわれておるか知りませんが、三十人以上のものについては行なわれておりませんので、そういう問題は今後起って参ろうかと思います。それから条件等につきましては、すでにやっておりますものにつきましては、普通の条件でやっておるわけでございますが、と申しますのは、百万円まで六分五厘ということでございます。百万円までの六分五厘は適用しているものがあると思います。こういうものは法律施行後どうなるかという、点かと思いますけれども、私ども実情まだよく聞いておりませんのでございまして、実際に百万円以上貸出を行なったものがあるかどうか、大部分のものは、おそらく既往のものは百万円以下のものが多いんじゃないかというふうに考えておりますが、また、件数としてもそれほど多くないのじゃ、ないかと思いますが、実際問題として、そういう問題がございましたら、そういうものに対しても法律の趣旨に従った運用ができるように取りはからいたい、かように考えます。 それから二番目の点につきまして、まあ三十人以上やると零細の方に行き渡らない懸念があるのじゃないかという点でございますが、まあ零細の、医療者につきましては、従来から国民金融公庫の方が主としてやっておるのでございまして、病院の場合もまあ三十人以上の大きなところになるというと、これは大体中小企業金融公庫の力の対象になるのではなかろうかという感じがいたしたわけでございまして、まあ両公庫やっておるわけでございますから、大きい方は中小公庫、それから個人の小さいところは国民金融公庫という工合に振り分けて大体対象を考えておりますので、その点は御心配のようなことはあまり起こらないのではないかと、かように考えます。 それから三番目の貸出ワクの問題でございますが、これは両公庫も災害融資ワクとして一本のワクは作っておりますが、その内訳としまして業種別に検討をいただいてワクを作るということはやっておりませんので、融資の申し込みの実情に応じましてその与えられたワクの範囲内で貸出を行なっておるという状況でございます。従いまして、医療ないしは、また、そのうちのそれぞれにつきましてどの程度のワクということはもちろん現在特に定めておりませんし、将来もまあ定めるようなことは別に必要はないと思います。貸出の申し込みがございますればそれに応じましてワクの範囲内でと、こういうふうに考えております。
○竹中恒夫君 最後のワクの問題なんですが、必要ないとおっしゃるわけなんですけれども、実際問題としては、われわれ考えますというと、どうしても医療関係者の場合は、ただ災害に対する資金として一本にやられた場合に、医療関係者の方が借りに行った場合に、他の方に重点的に考えられたり、あるいは金を借りることが下手なお医者さんがなかなか借りられない。ある程度のワクなり、あるいは優先的ということは語弊がございますけれども、立法の精神が、医療機関の公益性とその復旧の緊急性によってこれはできている問題でございまするから、他の業種の方々も、もちろん公益性はございまするが、特に皆保険という建前から言うと、保険料を国がとっておいて、保険料を国がとっておきながら医療機関がないということは困るわけですから、そういう意味合いの緊要性というものを十二分にお考えいただきまして、行政指導の面でもいいですから、通牒その他でよく徹底さしていただきたい。そうでなければむしろワクをもらうか、何かしてもらえませんと、実際において他にとられてしまうということを私は懸念するわけですが、そういう点についてどうお考えですか。
○説明員(磯江重泰君) 各機関とももちろん医療をまま子扱いにするというような考えは全然もっておりません。もちろんこの特別立法ができたことでございますし、主務官庁といたしましては、この法律の趣旨に従いまして、私的医療機関に対する災害融資につきましては、十分配意するよう各医療機関に指導いたしたいと、かように考えておるわけでございます。ワクを作りますことは、ワクを幾らにきめるかということは、なかなか実際問題としてむずかしいことでございます。ワクというものに固定されますと、かえって窮屈になるという点もございますので、むしろ作らぬという方が適切じゃなかろうかと、かように考えております。
○鹿島俊雄君 関連して。ただいま竹中君の質問で大体私も了解いたしますが、とにかく実際問題としてワクが設定できないということはごもっともなんですが、どうかその融資の均霑ですね、これが十分に行なわれるように、一つ格別にお願いしたいのです。一つ医務局長におかれても……。私もちょっと要望しておきますが、この際われわれ医療担当者側の要望をよく体して、一度ぐらい一つ現地へ行って一つ実際を見て円滑に融資が行なわれるよう、まあ医務局長行かなくてもけっこうですが、医務局として、もっと強くやっていただかぬことには、なかなか金融というのは簡単にいかないのです。その点だけどうか一つ強くやっていただきたい。厚生大臣も今度非常に熱心にやられたので、ワクが百五十一万円まで広げられたこともよく知っております。従って、今度非常に御努力をいただいたのですから、今後とも一つ要望していたことをやって下さるようにお約束願いたいと思います。
○委員長(加藤武徳君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(加藤武徳君) 速記を起こして。 私的医療機関に対する融資の問題はこの程度にとどめたいと思います。 一般厚生行政に対する本日の質疑はこの程度にしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤武徳君) 御異議ないものと認めます。 暫時休憩いたします。 午後零時五十四分休憩 〔休憩後開会に至らなかった〕