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33回国会参議院1959/11/26

社会労働委員会 第5号

発言数
97
登壇者
10
会派数
2
開催日
1959/11/26

会議録

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) それでは、ただいまから委員会を開きます。  社会保障制度に関する調査の一環として、一般厚生行政に関する件を議題といたします。  渡邊厚生大臣もやがて出席をいたしますが、ただいま厚生省から川上医務局長、蒔田社会局長、尾村公衆衛生局長が差しつかえまして、公衆衛生局の若松結核予防課長、田波保健所課長が出席をしております。人事院からは、瀧本給与局長が出席をいたしております。なお、大蔵省からは、やがて岩尾主計官が出席をいたす予定でございます。それでは御質疑のある方は、御質疑をお願いいたします。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 それでは、きょうは三つの件につきまして、お伺いしたいと思います。民間更生施設の宿提施設に転換の件が第一、それから次に国立病院勤務医師の待遇の件、三番目に結核対策特に空床対策の件をお伺いしたいと思います。  最初に、今年の八月の十三日に社会局長から都知事あての通達で、保護施設の再建整備計画というものが出されております。それによりますと、これは緊急な問題で、東京都の民間更生施設をこの十二月の一日から全部宿提施設にするということでありますが、この更生施設の側では、現在でもまだ五割から六割が更生保護の対象者である。そういうような実情であるにかかわらず、十二月の一日から強行するということにきまっていると聞いたのでありますが、これは日にちも非常に切迫しておりますし、それから年末を控えてなかなか重大な問題だと思いますので、なぜ強行されるのか、それをお伺いしたい。

高田正巳厚生省社会局長

○政府委員(高田正巳君) この問題につきましては、実は相当前からの懸案でございまして、突如としてやるというような性格の問題ではないのであります。ただいま坂本先生からお話しがございましたように、八月の十三日付で社会局長から都の方に指示がいっておりますが、それはほんの、何と申しますか、いろいろな具体的な細部にわたったものでございまして、その前に実は本年の初め一月から二月にかけてでございますが、これは私どもの方も協力をいたしまして、現実に施設を全部は見ていないかと思いますが、ほとんど全部を見て実地視察をしたわけでございます。相当詳細な調査もいたしました結果、三月の下旬にこの施設の実態がこういうふうな点が見受けられるので、これらを直していかなければならない。従って、われわれの見方はこうであるけれども、都としてこの再建整備計画を正式に立てて、そうして厚生省の方に言うてきてくれと、こういう指示が三月の下旬にいっております。その指示の中に、実は私どもが更生施設に対する現状を改めなければならぬことをいろいろ書いて、中身として入っております。それに対して七月の十五日に都から、整備計画を立てまして、そうしてこういうふうに整備をいたしたいという計画を立ってきたわけでございます。それに対するこの細部の点についての回答が八月の十三日になっている、こういう順でございます。最近の事情は、ごく最近の本年に入りましてからの事情はそういうわけでございますが、また、さかのぼりまして、いろいろ実はいきさつがあるのでございますが、それはめんどうになりますので、省略をいたしたいと思います。  それでただいまの御質問の、なぜ、関係者は更生施設の対象者が相当多数いると言っている、しかるに厚生省はそれを宿提に切りかえろというふうなことを強行するというお話しであるが、なぜそういうことを言うのか、こういう御質問でございますが、これは詳しく申し上げますると、数字的なデータも持っております。非常に詳細な数字的なデータを持っておりますが、東京都庁の考え方によりますと、現在この収容されている方々のうちで、いわゆる更生施設、これの対象者はもう非常に少ないという考え方なんでございます。と申しまするのは、更生施設というものの性格は法律で明らかになっているのでございますが、身体上または精神上の理由により養護及び補導を必要とする要保護者ということになっておりまして、ただその家が、住むところがなくて困るとか、あるいは家族持ちだとかいうような普通の正常の人を収容いたしまする施設はおのずからあるのでありまして、これは身体上または精神上の理由によって非常に養護、補導というようなことをしなければ、就職をさしてみてもまたすぐだめになってしまうというふうな人たちを対象にした施設、むしろこの由来的に申しますと、御存じのあの浮浪癖のある保護者……。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 説明、簡単でいいです。

高田正巳厚生省社会局長

○政府委員(高田正巳君) こういうふうなものをねらった施設であります。従って、中身の収容者の実態を全部調査してみますると、そういう方々は非常に少ないわけで、これをそれぞれしかるべき施設に転換をいたしまして、そうしてこの更生施設というものは、それだけの需要が現在のところないのであるから、しかし、他の施設は非常に需要があるのであるから、他の施設に転換をしてもらいたい、こういう考え方なんです、一口に言えば。それから十二月の一日から強行するというお話でございますが、これは必ずやりたいと私ども考えております。先ほど申し上げましたように、今日突如としてやったものではございません。いろいろ長い間のいきさつもありますし、また、関係者とも十分懇談をいたし、東京都といたしましても、また、都議会もいろいろ御検討になったということを聞いておりますが、十分検討いたしたものでございますので、十二月一日からやりたいと私ども考えております。ただそれはいきなりそこでひっくり返るようなことをしてしまうという意味ではなくて、再建整備の踏み出しを一つ十二月一日からやりたい、その移り変わりというのは、これはまたいろいろ実情に即して、都とも相談をいたしまして、いろいろな措置を講じては参りたいと思いますが、とにかく十二月一日から一つそれをはっきりと踏み出したい、これはかたく考えておるわけでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 局長のお話を待つまでもなく、昭和二十七年、三十年三十一年と、今までもたびたびその宿提施設に転換の問題が議に上ってきたということは私も存じているのですが、しかし、その施設の側のかなり意見をよく聞いてみますというと、実際に施設の側と話し合うようになったのは、ことしの六月からだということなのです。だから問題としてこの正確に施設側の人たちが検討を始めてきたのは、あまり古くはないのではないか。というのは、大体今言われた通りですね、五千人くらいおるのでしょうが、今……、その中でほんとうの更生補導の対象になる人は七百数十名くらいじゃないか。ところが、もう戦後、あの戦後の混乱の中からあの浮浪者の人たちも十何年も今のような制度の中でまあきた。で、この制度の、どうも少し生活保護法というような点から見ると、それから今の法律的な面から見るとどうもあまり正しくなかったということは、これは指摘できると思う。しかし、それを変える場合には何分五、六千人という人が対象になっているのですから、よほど慎重にする必要があるのではないか。特に今度いろいろと特別な保護施設に変えていく、そうするにはやはり特別な保護施設を至急に立案をしてどういうふうにしていくか、たとえば母子家庭あるいは父子家庭、そういうような場合にどういうふうな特別基準を作っていくか。もう少し検討してからでなければ、これは五千人以上も収容している施設側としては非常な迷惑を受けるのではないか。で、まあ十二月一日から断固出発する、どうもその決意はけっこうですけれども、どうも施設側として十分な話し合いが済んでいないように私は考えられる。だから施設の従事者の方で用意ができていないんじゃないか、私はそういう点を非常におそれるのですけれども、その点、厚生省としては確信を持っておられるんですか。

高田正巳厚生省社会局長

○政府委員(高田正巳君) 施設の何と申しますか、代表者というような、施設を代表する方々ですね。これらとも厚生省は、これは元来は東京都庁が第一次の接触を、持って――これはたびたび持っておられるわけでございますが、厚生省自体も何度も接触をして話し合いをいたしております。さらに施設の代表者でなくして、職員ですね、そこに働いておられます職員の方々につきましても、厚生省にも直接お見えになりまして、いろいろとお話し合いをいたしておることでもございます。従って、その心組みができてないということは、私どもから申しますと、どうも納得がいかないところがあるんでございますが、しかし、いずれにいたしましても先ほど申し上げましたように、十二月一日からこれは必ず出発をいたしまするけれども、ちょっと先生の御発言にもございましたように、特別基準とかいろいろなものを作って、何といいますか、移り変わりを円満にしていく措置というものはこれは講じたい、かように考えておりますので、先生御心配のように、非常な混乱を来たすというふうなことは、これは絶対ないものと私どもは存じております。たとえば施設の収容者をどういうふうに措置をしていくとか、あるいはこれはまあ厚生省が直接どうこうという必要もないことでございますが、施設の現在おられる職員をどういうふうにして参るとかというふうなことにつきましても、都庁といたしましては相当詳細な計画を持っております。従いまして、非常なここで混乱が起きるというふうな事態には私どもも至らないものと考えております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 十二月一日からは看板は少なくとも変わるわけですね、それから看板は変わると同時に、一応中身は、収容者はほとんど変わらないが、一般の居宅保護並みの基準に予算的な面では変わってくる。そうすると、かなり現在でもケース・ワークの面では非常に手薄だと思う。そういう面がさらに強化されてくるおそれがあるんじゃないか。それからまた、都の方針では、そういう人がやめた場合にはあと補充しない、将来財政的にもだんだんと圧縮していく方向にあるので、人をとらない、そういうふうに聞いておるんですが、そういう指示を出しておるというふうに聞いておるんですが、そうすると、いよいよ仕事をする面でも困るし、あるいはまた、当然財政的に苦しくなるので、ケース・ワーカーなどをやめさせるというようなことが起こってくるんじゃないか、そういう点は絶対に保証してくれますか。

高田正巳厚生省社会局長

○政府委員(高田正巳君) 現在はこれは先生御存じだと思いますが、更生施設というのは先ほども申し上げましたように、非常に手のかかる人を収容するという建前でございますので、そこへ委託をいたしまして一人当たりの事務費というのが比較的高い。ところが、実態はさような人は非常に少ない。これは論議のあるところであると思いますけれども、非常に少ないということでございまするので、まあこういうことを申してはいかがかと思いますが、少しやり過ぎているという理屈になるわけでございます。それで宿所提供施設等に切り変わりますと、一人当たりの事務費というものがうんと落ちるわけでございます。そこで、先生御心配のように、その事務費によって雇っておりました職員等の人件費が出てこなくなる、こういうことになる。ところが、先ほど私が申しましたように、それではいわゆる更生施設から宿所提供施設に切り変わったとたんに、宿所提供施設の本来の事務費まで額を落としますと、非常な混乱が生ずるから、ここで特別基準等を設けて、あまり差しつかえのない程度のものにしていきたい、こういう考え方を持っておるわけでございまするので、従って、大勢から申しまして、一時に多数の失業者が出てどうのこうのというような問題は起こらぬはずでございます。  なお、将来の職員の配置転換計画というようなものにつきましても、先ほど申し上げましたように、これは都の方でいろいろ考えております。さような事情でございますので、今先生が御指摘のような、個々の問題として、一人、二人、三人というような、大勢に影響のない問題が起こってくるかもしれませんけれども、大勢といたしまして私が申し上げるように、さほど御心配いただかなくても済むような措置を講じて参りたい。かように考えております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 もう少し具体的にお伺いしたいのですが、今の、たとえば事務費は、現在一人月額一律に千四百六十円だ、それが今度は保健衛生費が二百二十円引かれる。そうしますと、こういうふうな集団収容している施設で、環境衛生面を無視するということになると思います。その点、一体だれが責任を持つのですか。

高田正巳厚生省社会局長

○政府委員(高田正巳君) 保健衛生費というものは、実は事務費の中にしばらく前までは算入をいたしておらなかったわけでございます。というのは、施設で医療券を切りまして、医療扶助でいっておるのですが、ところが、施設に収容している以上は、もちろん医療券を切っていかなければならぬ場合もありましょうけれども、しかし、まあ少々のことは、簡単なかぜっ引きとかというようなものは施設の中で処置をするという建前で、実は保健衛生費というものを事務費の単価の中に算入をいたすことになった。これは具体的な御質問でございますから、具体的にお答えをいたしますが、そういうような経費が、施設によりますと年間には百万円に近いくらいのことになるわけでございます。ところが、私の方で実際調べてみますると、そういうことに使っているのは、七、八万円で、あとは全部医療券を切っているというふうな実態も出ているわけでございます。そのようなものは実際に使ってないのですからこれは当然私どもとしては……。これは月額に計算いたしますと、そんな大した額ではございません。そういうふうなわけで、特別基準で私ども考えておりまするのは、そう無理なことはいたさないつもりでございます。やはり理由のあるものの程度で現在より落ちていくというふうなことでやって参りたい。かように考えておるわけでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 局長、答弁はなるべく簡単にやって下さい。時間がないようですから。  今の点は、全部医療券を切るということになると、一つの施設で何百人もおる人たちに一々医療券を切ることになって、非常な波乱を生ずることも考えられると思います。この点はまたあとで触れたいと思うのですが、今度宿提化した場合に、保護費を一般の居宅なみにしますね。そうすると、今度は本人受領ということになるわけですね。結局、本人に直接保護費を渡すことになる。そうすると、アルコール中毒だとか、あるいはばくち打ちだとか、浪費癖があったり、そういう連中が、女房だとか子供に飯を食わさないで、全部自分が使ってしまう。今までは、施設へ渡す、施設で飯を食わすことができたのに、今度は、本人に渡すということが原則になると、本人がそれを使ってしまうと、女房や子供が飯を食えない。そういうことが起こってくるのじゃないかと私は思うのですが、その点の考慮は十分してあるか。実は都の方では、聞いてみると、二百三十六万円くらいの予算で、自炊ができるような準備をしているらしい。しかし、その準備も、まだ十二月一日からというのでは、十分私はでき上がってないと思う。だから、こういう場合に、集団の収容施設に対して、新しい宿提施設に切りかえをやった場合に、こういった問題が起こってくるのをどういうふうにして解決していくか。むしろ私は、こういった面を整備していってから、それから宿提化する、その方ならば、中に入っている収容者も、施設側も、容易に新しい再建計画についていけるのではないか。どうも少し無理ではないかという感じがするのですが、いかがですか。

高田正巳厚生省社会局長

○政府委員(高田正巳君) 今の生活扶助費、いわゆる生活費に当たる生活扶助費は、これは更生施設の場合におきましても、宿所提供施設の場合におきましても、同じでございます。というのは、これは本人に渡すべきものなんでございます。ただ、施設側で代理受領することができるという例外の扱いはあるわけでございますが、元来は、更生施設におきましても、各世帯に渡すべきものでございます。従って、それは更生施設から宿所提供施設に変わりたことによって、法律上そういうふうに移り変わりをすべきものだということにはなりません。従って、法律的には、宿所提供施設になっても、代理受領が全然拒否されるということではございませんし、また、個々の人に渡しましても、今度共同炊事をやっていく、施設側に委託をして共同炊事をやっていくということもできるわけでございます。従って、その辺のところは、これは施設々々によりまして事情が違うと思いまするけれども、実情に応じて弾力のある態度を私どもとしてはとってよろしいのではないか、かように考えます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 ところが問題は、今度の場合、給食は居宅保護になると強制はできたいと思う。強制はできない。従って、集団で施設の飯は食いたくないということになってきた場合には、私はやはり問題になると思っております。従来のように、弾力性のある行き方ではたして済むかどうか。実際には、都の方では二百三十六万程度の炊事場の改善費用を見込んでいるらしい。見込んでおるということは、やはりそのことを考慮してのことだと思うのです。だから、その点、町長の考えるようにうまくいくかどうか疑問だと思う。それから転換に伴って、特別基準の事務費は、これが三十五年と三十六年、それまでは、東京都だけで約五千万円かかるらしいですが、東京都だけでこれは全部見ていくというように、都は財政的に踏み切っているらしい。しかし、国は全然援助も何もするつもりはないですか。三十五年と三十六年ですね。それで大体費用が五千万円、これは東京都がかぶるというわけでしょうか。

高田正巳厚生省社会局長

○政府委員(高田正巳君) 何の費用でございますか。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 今の転換に伴う特別基準の事務費の予算約五千万円。つまり、今月額保護費が二千八百円、事務費が千四百六十円でやっているわけですね。そうすると、それが今度宿提になると、これは父子家庭、ちょっと単価が違ってきますが、非常に落ちてきますね。低くなってくる。だからそれを救うために法律では特別基準を作って補っていこう、その補うのも三十五年度、三十六年度に限る、三十七年度以降はどうするかと聞いたら、まだそこまで考えておらぬというのです。三十五年度、三十六年度は、都としてはそういう特別基準としては厚生省の命令によってこういう宿提に転換せざるを得ない、その岡は都だけで約五千万円をかぶってとにかく経営していこうというのだが、これについて国はびた一文も出さぬというのはどういうわけだ、これは出すべきではないかということです。

高田正巳厚生省社会局長

○政府委員(高田正巳君) 特別基準を、たとえば宿命提供施設に転換いたしたその場合に、一般の基準でいきますと、非常に事務費が安くなる、従って、特別基準を作ってしばらくの間若干の弾力を持たしていきたい……。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 経過措置ですね。

高田正巳厚生省社会局長

○政府委員(高田正巳君) 経過措置……。一般基準と特別基準の差額は全部都がかぶるということであるけれども、厚生省はそれに対して何らの援助もしないのか、こういう御質問と理解いたします。それにつきましては、一つ十分私どもも考慮をいたしたい、何らの負担をいたさないというつもりではございません。考慮をいたして参りたいと考えております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 具体的にどういう考慮を……。

高田正巳厚生省社会局長

○政府委員(高田正巳君) 国庫補助の対象に見れるものは見て参りたい、かように考えております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 実はもう少し予算的な内容もお聞きしたいのですが、局長の方でどうもそこまで検討していないようなので、私は一番心配するのは、委員長も今お聞きになっておられておわかりになったと思うのですが、今は東京都内に、例のどや街といいますかね。最低生活をやっている人たちが二万人以上いるといわれているのです。その中で、更生施設収容の対象になる浮浪者だけでも、これは一万人以上どうもおるらしいのです。その中で今十二施設が民間の施設で、約五千人入っています。それが、終戦後のあの混乱の中から十数年今までやってきたのが、今のお話しのようなことで、この十二月一日からこれを全部宿舎提供施設に転換をする、もちろん厚生省としては、その中であるものは養老施設にする、あるものは救護施設に変えていく、ところが、実際は、養老施設にも、救護施設にも、具体的に変える構想や計画というものはできていないのに、ただ十二月一日からは宿提にやる、そうすると、予算的に今までかなりな事務費や保護費があったのがぐっと落ちてくる、法律によって宿提の事務費というものはうんと低いわけですね。その低い分については、しばらくの間、都が、一応都の意見として二年間見ていくというわけです。それを国は何とか若干見ようと言っているけれども、具体的なその内容は、今のところうかがわれない。  それで私は、委員長にもお願いしたい。今局長の話によると、たとえば、百万円ほどの保健費がついていながら、実際使っているのは、七、八万しか使っていない。あとはいわば全部施設がとっている。そういうふうな説明も若干ありましたが、私は、これは一ぺん施設を当委員会として視察をして、これは年末を控えて、相当私は大きい問題だと思うのです。そういう必要もあるのではないかと思うのです。これはあとで、委員長からこの問題についての総括的な意見として御返事をしていただきたいのですが、私は厚生大臣に、こういうふうな民間の厚生施設、戦後十何年か、ひとり苦労してきたところの民間施設の、厚生省に言わせると、もう数年来の方針を示してきたから、十二月一日からはどうしても強行すると言われるが、どうも具体的に当たってみると、まだどうも見当が立っていない。これがもし十二月一日からやるとなると、施設側で収容できない。わしらようやらぬ、民間としてようやらぬということになるおそれもなきにしもあらずと私はおそれている。むしろそうなった場合に、社会問題として、これはかえっていいかもしれませんけれども、そんな社会問題にしてしまったのでは大へんなので、これについて、今の局長の答弁だと十分保証していく、迷惑をかけないと言っておられるが、この問題について、厚生大臣御承知であるならば、大臣としてどういう御方針をとられるか、御返事をいただきたい。

渡邊良夫自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡邊良夫君) 具体的な問題については、私はまだ報告を受けておりません。できるだけ、事務当局も心配しておるようですから、早急にその具体策を講じさせるようにいたしたいと思います。

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) 速記を始めて。   ―――――――――――――

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 それでは次に、国立病院の勤務医師の給与の問題に移りますが、人事院の給与局長と、それから医務局長に伺います。

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) 大蔵省からは、岩尾主計官が出席をしております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 実は、もう皆さん御承知の通り、国立病院は、全国に七十六あります。それから国立の療養所、それから国立のらい療養所、精神の療養所、そういったものを含めると、療養所は百八十一―二百に近いものが出てくるのですね。それでこの国立病院というのは、非常に立地条件の悪い、かつ施設の非常に不備なのを克服して、従来まで国民医療の一つの中堅として努力をしてきておることは御承知の通りです。特に、再来年から国民皆保険を控える場合、この基幹医療機関として私は非常な重大な意義を持ってくると思うわけです。国立病院あるいは国立療養所、さらにあとでまた厚当生局にも伺うのですが、保健所、こういうところで一番大きい問題は中核をなす医師が得られないということ、その得られないということの主たる原因は、私は医師の待遇だと率直に申し上げていいと思う。で、たとえば国立病院の医師の初任給、これを比較してみても、これはことしの四月の改正を除いて、三十三年四月一日で国立病院療養所が初任給一万一千八百円、それから国立大学の付属病院の場合は一万三千八百円、郵政事業の病院になると初任給一万五千七百円、国有鉄道の病院だと一万八千百円、ところが、自衛隊の病院になると一万九千三百円、こういう非常な差が実はあるのですね。で、今度は法律百十九号でこの春から初任給が少し増額になりました。それからまた、七月十六日の人事院勧告でこれがもし実施されることになると、初任給において一九・八%、それからだんだんと逓減していきまして、たとえば五の十三だと九・八%、それから二の十一、これが〇・九%しかふえないのです。で、結局五万七千六百円の号俸では全然これは増俸にはなりません。これはすでに人事院の給与局長は知っておられると思うのですが、前に医療施設二百九ほど調査した資料に基づいて、国立病院の医師の給与が非常に一般から減っている、従って、少なくとも二〇%増額してもらいたいということを人事院に対してもすでに陳情してあるはずであります。また、人事院の、ことしの三十四年の八月一日の月報を見ましても、官民の職種別給与格差において民間勤務医師が国立病院の医師よりも平均三三・四%も多いということが、これは月報に載っております。医療職一表の給与格差が三三・四%だということ、これは一番官民の職種別給与格差の中で大きな差があるのが、この国立病院の医師の給与であるということはもう明らかであります。従ってこういう資料に基づいて人事院勧告をされたと思うのだけれども、にもかかわらず、今回の勧告による医師の給与の増額というのは平均六%ないし七%であって、依然としてこの驚くべき低額だという事実があります。従って、医師を招聘することが非常に困難であるばかりでなく、診療意欲も非常に低下してきている。同じこの人事院の月報を見ますというと、国立病院の転入率が一七・三、転出率が一九・四、差引マイナス二二、つまり非常にこの招聘難、医師を呼ぶことが困難だ。ほかにも招聘難なのがあります。たとえば税務だとか、公安関係もありますが、群を抜いて招聘難を示しているのはこの国立病院における、医師の問題です。で、こうなってきますというと、医者を呼ぶこともできない、しかも一方では国民皆保険をやろう、しかも低賃金だから医者も十分な働きをしない、これは国立病院だけでなくて日本の国民医療の問題において非常に重大な私は問題になってくると言わざるを得ない。で、国立病院に準じているところのいろいろな公社、現業、または県、市町村の経営になる医療機関、こういうところでは研究費だとか図書費だとかという名目のもとに相当額の、医師手当が出ております。たとえば公社関係では最高六千円から最低千円、それから都道府県立では二万五千七百六十円から三千円、国保の直営では一万七千円から最低二千百五十円、保健所――保健所も二万三千円から二千円、こういう図書手当あるいは研究手当というものが月額において出されております。で、私は医療職の第一表の給与改訂というものを直すことが基本的にむずかしければ、一応臨時の措置として何らかの方法を講じなければ医者はやっていけないのじゃないか、そういう点では、公立病院や公社、現業機関が現在やっているような手当の支給ということが一番いいのではないかとも思うのです。これに対して、人事院の給与局長として今申し上げたような事実をお認めになっているのかどうか、さらにまた、こういう事実の認識の上に立って人事院としては七月十六日の勧告をなさったのでしょうが、まだとてもそれだけでは、今言ったようにたった六、七%しか増額になっていない、一般との平均の差はまだ三三%ある。これを一体人事院としては、どういうふうになさるつもりかということをまず人事院の給与局長にお尋ねしたい。

瀧本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(瀧本忠男君) ただいま坂本委員からおっしゃったことは大体において承知いたしております。で、人事院といたしましては、これは当事者のみならず、医師のみならず、そのほかのあらゆる国家公務員の給与問題を所管いたしておりまして、給与問題はやはりバランスということが非常に大切でございます。で今回先ほどもお述べになりましたように、昨年の勧告におきましては、主として初任給の問題を取り扱いました。これは一般行政職が千円上げるところを、お医者と研究職につきましては千二百円上げるということで、お医者並びに研究者の優位ということを認めた措置をとったわけであります。これは今年の四月一日から実現いたしております。で、今年は政府としまして中級職員の給与改善ということに重点を置きましてやったわけでございます。それで御指摘のように、対民間との比較におきましては、なるほどお医者は三三%という数字が出ております。で、行政職あたりにつきましても、一般行政職は十何%という数字が出ておるのでございまして、一般行政職と今回人事院が勧告いたしました率から見ますると、やはり相当これはまだ残っているというような関係になります。しかし、人事院としましては、国家公務員全体の給与水準というものと民間の給与水準とを合わすということで、この考えを、そこに基本を置いております。それは、国家公務員の中には、公安関係の警察官でありまするとか、あるいは税務の関係の職員でありますとか、こういう高い職員がおるわけでございます。そういうことでございまするので、やはり全体的に考えまする場合には、民間の、それぞれ職種別の民間との差をそのまま上げるというわけにはなかなか参らないのでございます。現在お医者の給与というものは相当の開きがありまするし、今回人事院がやりました中級職を上げるというやり方におきまして、一般行政職より一号くらい高く、これはもっとも一番上げまするところで一号ぐらい高く、そのほかはバランスをとっておりまするので、全体的に一号高いというわけではございませんけれども、行政職あたりと区別いたしまして特に高いところをとったわけであります。現在人事院といたしましては、このお医者に対する処遇としてこれで十分であるとは思っておらないのでございまするけれども、各職種間のバランスということを考えますれば、現在におきまして、人事院のやることはこの程度である。将来やはりこの問題はこれで全部解決したとは思っておりませんので、将来の問題としては検討いたしたい。しかし、現時点においてわれわれが上げたいと思いまするのは、お医者も上げたいし、研究職も上げたいし、また、一般行政職も上げたいのでございまするので、そこはまずこの人事院勧告が実現するということが人事院のもうこれがぎりぎりの希望でございます。そこでお医者につきましては、現在これはまだ不満もあるし、行政上不便もあるでありましょうけれども、それは将来にわたって研究をいたすということにいたしたいと、このように考えております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 人事院の勧告が果たされるかいなかという点に重大な問題点があることはもちろんのことですけれども、人事院として勧告をしたものが果たされないようなそんななまぬるいことでは困るので、少なくとも勧告をしたものは必らず実行さす、同時に、今バランスのことを言われましたけれども、たとえば医療職の一表、二表、三表について、これだけについても今の一表の場合は三三・四%、二表の場合は大体差がありません。三表の場合はむしろ多いですね。だから同じ医療の中でもアンバランスがあるのですよ。だから私はこういう点でも、この医療職の一表の扱い方自体を基本的に変えるべきではないか。たとえば今言っておられた税も、あるいは公安並みにこういう特別の扱いをする、そこまで踏み切ることはできないのですか。

瀧本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(瀧本忠男君) 現在税とかそれから公安関係というものが給与が高い水準になっておりますことは、理由のあることでございます。現在におきまして、お医者の給与が低いのでこれを上げるということでありまするけれども、それでは税と公安関係、警察官とそれと同等に扱うことができるかどうかということでございますけれども、まあ人事院といたしましては、やはり現在の時点におきまして考えまする場合には、税とか公安とかいうような特別な給与政策以外の政策が当初に出て参って、そういう優位を保っておりますけれども、これを下げてしまうとかあるいはそれとバランスをとるということは、これはなかなか現在の事実上の問題としてむずかしいのであります。それから現在ありまするこの給与のバランスというものを、これを変えていくということも非常にむずかしい。たとえばすでに御承知のことと思いまするけれども、医療三の看護婦のごときは、これは民間と比較すればはるかに公務の方が高いという現状であります。しかし、それは、さればといって看護婦の給与を引き上げて民間並みにしてよろしいということは、現在の情勢におきましてとてもできることではございません。従いまして、お医者の給与を三三%引き上げて、かりに民間と合わすという措置をするためには、一方において引き下げなければどうにもつじつまが合わないというような問題があるのであります。従いまして、現在この時点において、やはり民間給与を反映さす努力を人事院はいたしておりまするけれども、その努力は現在の程度がせいぜい一ぱいである、このような現状でございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 公安とか税ですね、これは私は医者のすることを、特に国立病院の医者のすることは、これは公安の点においても非常に重大なる問題、保健ですけれども意味を持っておるので、特別の扱いをするというこれはむしろ政治的な意味だと思うのです。厚生大臣どうですか。今日のように大事な国民医療の中心になる国立病院の医師が、給与が少ないためにどんどんどんどん減っておる。これはあとで申し上げますけれども、保健所だってどんどん減っておる。これに対して何か思い切った政治的な手段を講ずる以外に方法はないと思うのですが、厚生大臣決意ありませんか。

渡邊良夫自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡邊良夫君) 先般来私も各地を回って見ておりまして、この窮状をよく知っておりますのでございます。いろいろ民間の事情と国立あるいは療養所あるいはその他をいろいろ比較し、検討してみまして、これは無理からぬ情勢だと思いまして、できるだけこれは引き上げるべく努力をする方針でございます。

勝俣稔自由民主党

○勝俣稔君 関連して、私は坂本君のように詳しいことは知りません。国立病院というものは、一体ピンから何まであるというような仕組みになっておりはしないか、こういうところにやはり私は国立病院の使命もおのずから違ってきているのじゃなかろうか、こういった意味合いにおいて、いわゆる基幹病院のようなところの院長というものは、単に治療するだけじゃなくして、日本の医学の水準をそこで高めていこうという、りっぱな大家なんです。でございますから、こういう人に対するところの俸給というようなものは、よほど考慮してもらわなければいけなくなりはしないか。私は極端なことを言うようですが、国立病院なんという病院はやたらたくさん持っているのは一体おかしいんじゃなかろうか、むしろこれは整理して、ある意味じゃ十五か二十くらいにして、そうしてほんとうに日本の最高水準の病院をお持ちになった方がいいんじゃなかろうか。もう非常に七十も八十もあるところの国立病院の看護婦さんがどうかしたとか、小使いがどうとかしたことについては、これは大臣の責任だなんて言われたって、これは困る話でございます。監督が行き届かぬのはあたりまえでございますから、そういうようなこともありまするから、私は、もう根本的問題としては、国立病院なんというのは、やはり基幹病院のようなものをおいて、あとは公的医療機関なりそちらの方へお回しになり、そうして、そういうところの先生の待遇を十分よくしてもらう。今国立病院の医長である、部長であるとかいう人がおらないで、第一でも、第二でも欠員になっている。これは皆よそへいい俸給でもっていかれてしまう、こういうわけで、今院長よりも、むしろ医長連中というものの不足をしているので、研究機関としてまた医療の指導機関として非常に困っている。こういうような実情であるというふうに私は聞いておりますが、こういう点を十分にお考えにならないと、あまり公平にいこうと思いながらついに不公平になってしまう。ほんとうに熱意を持って日本の医療の向上に努めようと思う人の熱意がみななくなってしまうのじゃなかろうか、そうかといって、私は、ほかの方々の俸給が安かれなんというような考えは持っておりませんのでございますが、というのは、やはり坂本君の言われるように、保健所のお医者さんがおらない、非常に足らない、こういうところは確かに私は、ぜひこれは上げてもらわなければならないというように考えております。また、私もせがれを持っておりますが、これは医者でございます。六、七年の間は無給で勉強していかなきゃいかぬというような状態でございますが、ほかの研究医者とはちょっと違いまして、人事院なんかはよほどお考えになって下さらぬと困るのでございます。ほかの研究医者というものは、直接生命を取り扱うのじゃないんでございますから、いろいろと研究をなさるが、医者の方はそういうわけにいかないから、修業年限も非常に長い。それがインターンをやる、インターンだけで、それで国家試験を受けてすぐ医者になったってかかる人はいません。命が大切だと思う人はかかりはしません。少なくとも、四、五年の間はただ飯を食って、そうしてほんとうにその道のある程度までいかなければ、開業するにしてもそれだけの自信を持てない。また、国としても、お願いする以上はそのくらいの自信を持っている人でなければお願いできません。こういうようなわけでございますから、普通の研究医者と一緒にしてもらうことは、これはちょっと生命を直接あずかっていますから。承るところによれば今回の、これは内輪話でございますが、人事院のあれも、医者の方ももう少しよくやった方がよかったのではないかというお話もあるかのごとく私は承っておるのでございますが、何分その辺のところを一つ人事院の方でもお考えを願いたいと思います。また、大臣におかれてもそういったような国立病院のあり方、今後のまた研究すべき課題であろうと思いますけれども、私は国立病院というものは、最高水準の治療をそこでやってやる、またそれだけの研究のできるところでございます。それを指導していく人の院長というもの、あるいは部長というもの、医長というものが相当な学力を持っておる人でなければ困る、こういうように思うので、一つそういう方面の優遇方法を一つお考えを願いたい、こういうふうに思います。

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) 答弁必要でしょうか。

渡邊良夫自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡邊良夫君) 勝俣先生の御意見はまことに傾聴すべき御意見として、私ども強く参考資料といたしたいと思っております。国立病院等のあり方につきましては、私どももいろいろな意見を承っておりまするので、医療制度の問題といたしまして、十分にこれは考慮いたしていきたい、かように考えております。もちろんことしは人事院の勧告がございまして、これは勧告は政府がのまなければいかぬだろうと思っております。その上に私どもは一〇%のさらに研究手当というような、診療手当というような形におきまして、これは大蔵当局に要求しております。それでもなおかつ民間よりもまだ一割五分くらい不足なのでございますから、十分これは私ども努力いたすつもりであります。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 医務局長に伺いますが、国立病院、療養所の医師の充足の実情はどうですか。

川上六馬厚生省医務局長

○政府委員(川上六馬君) 病院の方は比較的いいわけでありますが、療養所の方は現在二百名くらい欠員を生じております。しかし、この医長級の出入りと申しますか、退職する人と採用する人との差というものはかなり大きいのでありまして、昭和三十二年におきまして八十四名医長級でマイナスになっておる。三十三年におきましては、六十七名マイナスになっておるような状況でありましてつまりちょうど中堅のいいお医者さんというのは、今の待遇では非常にとりにくいという状況になっております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 それでは具体的に国立病院の医師の待遇改善について、今、大臣から一〇%の診療手当をつけるということをおっしゃいましたが、それ以外に何か方法を考えていますか。

川上六馬厚生省医務局長

○政府委員(川上六馬君) この医長などにおきまして、調整額をふやしていこうというようなことが……。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 内容を言って下さい。

川上六馬厚生省医務局長

○政府委員(川上六馬君) 調整額でございますが、すでにらいとか結核とか精神病とかいうようなところに働いておる医師……。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 調整号俸は今までもあるでしょう。

川上六馬厚生省医務局長

○政府委員(川上六馬君) それをふやして、医長の方は少ないのでこれをふやしていく……。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 幾らふやす……。

川上六馬厚生省医務局長

○政府委員(川上六馬君) これが結核の場合は四%を八%にするような要求をいたしております。それから副院長に対しまして、管理職手当を要求いたしております。それから研究費を増額していこう……。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 研究費は幾ら……。

川上六馬厚生省医務局長

○政府委員(川上六馬君) 研究費は、現在療養所におきましては、医師一人について一万四千円でありますけれども、これを二万五千円にしたいという要求をいたしております。それから海外派遣費というようなもの、国療の医師を五、六人一組になって一カ年として留学をさせたい。こういうような費用で、医師待遇の改善にもなると思いまして要求いたしております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 次に大蔵省にお伺いしたいんですが、今医師の待遇改善の問題を審議しているんですけれども、これは医師のただ個人的な収入をよくしようということではなくて、基本的には日本の医療行政あるいは公衆衛生、こういったものをよくしようというのに目的がある。そういうような見地から大蔵省としては、ただいままことにいじらしいような要求を、厚生当局としては、たとえば診療手当一〇%ふやすとか、調整号俸を従来四%を八%にふやすというような、ほんとうにいじらしい要求なんですが、これについて主計官としてはどういうお考えを持っておるわけですか。

岩尾一大蔵省主計局主計官

○説明員(岩尾一君) ただいまの御質問は先ほどから伺っておりますと、国立病院、保健所等の医者の不足に対応いたしまして、待遇改善によって医者をふやしてはどうかという御意見でございます。われわれの方といたしましては、保健所あるいは国立病院その他政府関係の機関、特に一般会計等でやっております診療所等の医者等は、非常に定員充足が悪いという原因は、単に待遇だけではないではないかということを考えております。で、たとえば保健所等におきましては、今非常に定員充足が悪いのでございますが、保健所のようなああいう行政をやりたいというような意欲がお医者さんの方にないんじゃないか、やはり臨床の方がいいという御意見があるんじゃないか、それから国立病院あるいは療養所等につきましては、たとえば結核問題につきましても、だいぶ結核の実は治療が徹底して参りまして、学問としての結核に対する魅力というものがなくなったということが、療養所へなかなか行きたがらないで、もっとガンとかそういう新しいところへ行きたいという気持もある。もちろん待遇が全然これに関係がないということはないと思いますけれども、やはり、待遇ももとよりでございますが、そういった、どういうわけでお医者さんがおいでにならないかという点を検討していく必要があるんじゃないか。さらにわれわれといたしましては、数だけではなしに、いいお医者さんに来てもらいたい、こういうことを考えております。そこで先ほど勝俣先生からもお話がございましたが、実際には大学を出られたお医者さんがインターンされたあと無給で働かれる。お医者さんのほんとうのねらいというのは、やはりいい先生について、そうして将来安定した技術というものが身につけられるというところにあるんではないか、単に千円、二千円というような待遇が多いから国立病院へ行こうというのではないんじゃないか、こういうふうにわれわれ考えております。今申しましたことは、そういったような意味合いでございますが、具体的には人事院で公務員の給与ベースというものをお考えになり、それを全体として大蔵省でどう取り扱うかということになりますので、そういう面を現在予算編成中でございますので、はっきり申し上げられませんが、できるだけ先生の御意見を尊重して編成いたしたいと思っております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 診療手当というのがあるでしょう。これは大蔵省でも予算のあれになるんでしょう、診療手当一〇%。

岩尾一大蔵省主計局主計官

○説明員(岩尾一君) 診療手当の問題につきましては、たとえば研究費ということになりますと、いわゆる手当でございませんけれども、手当という形で、ほんとうの個人に渡される給与という形をとりますと、全体のつり合いがございますので、私どもここではちょっとお答えしかねると思います。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 どうも大蔵省の説明を伺っているというと、何か古めかしい、医は仁術的なことを要求されたふうにもとれるし、それからもう一つたとえば待遇だけの問題ではない、結核に対して魅力が減ってきている、実際にその魅力はそんなに減ってないと思うんですよ。それは大蔵省では、結核というものは峠を越した、そういう考えで、実はこの件が済んだあと結核問題をこれはちょっと論じたいと思うわけでございますが、あなたの方ではもう結核というものは峠を越してしまったからというような考えで、そういう点の要素が多くて、結核療養所あたりに医者が来ないというふうにあなた考えておられるけれども、実際は人間なんだからかすみを食って生きているわけではない。たとえば国立へ勤める医者が、二十五才の医者が、これが基準内給与が一万四千四百円、これに時間外があります、一千八百六十円。一万六千二百六十円の給与をとっておる。ところが、同じ二十六才の国立の看護婦の場合には、給与の合計が一万六千二十四円、これは、看護婦がいいということでなくて、看護婦を私は減らそうというのじゃない、看護婦と医者では、医者が悪過ぎるということですよ。非常に長い学校の勉強を通じて、またインターン生を通じて。にもかかわらず、同じ年の医者と看護婦が給与が同じだ。場合によったら、実際は医者の方が給与が少ない国立の病院、療養所というものがあるのです。こんなことでは、いかに結核への魅力が減ったかどうか知らないけれども、医者というものは来ませんよ。だから、そういうふうな、大蔵省のような、あなたのようなお考えは納得できない。  それから医務局長に伺いますが、あなたの方では、一体人事院に対して直接に交渉したことがあるのですか。人事院の方は、ただバランス、バランスと言っておるけれども、局長なりあるいは厚生大臣がこんなことでは、日本の医療行政はつぶれる。あるいは公衆衛生行政はつぶれる。だから、特別のことをやってくれなければいかぬ。そういった、医務局長なり公衆衛生局長が先頭に立って、人事院なり大蔵省なりに交渉に行ったことがあるのですか。どうもないとみえるな。

川上六馬厚生省医務局長

○政府委員(川上六馬君) 二度ばかり、入江人事官の方にはときどきお願いいたしておるわけでございますけれども。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 お願いぐらいではだめですよ。私は、公衆衛生局長に伺いたかったのですが、公衆衛生局長のかわりに保健所課長が来ておりますね。保健所の医師の充足状況というものははるかに悪い。この悪いことについて、大蔵省の説明で納得できるかどうか。それからこれに対して公衆衛生行政ではどういう計画を立てているか、簡単に説明して下さい。

田波幸雄厚生省公衆衛生局保健所課長

○説明員(田波幸雄君) 確かに保健所に医者の来ない原因というのは、今申されましたように、二つの原因であろうと思います。これは、何といっても二つが一番主要な原因だと思います。しかし、極端なことを言えば、給与が非常に高ければ、やはりあまり興味のない仕事でもやるのが人情でございます。これはどうもそういう意味では、やはり給与問題が非常に関係している、こういうようなことも言えるのですが、この二つがあることは事実だと思います。  それから、保健所の医者の充足対策につきましては、ことしは大蔵省にも私どもの一番重要な対策として実はお願いしている最中でございまして第一番目には、給与の問題は、やはり国の方に右へならえする傾向が非常に強い。医務局長などにも、小沢医務局長のときから、いろいろお願いし、そちらの方面からの問題を解決していただくというようなことも考えております。  給与の問題としてはそういうことでございますが、そのほか問題になるのはやはり研究費のことでございます。現在研究費は、平均いたしますと、先ほど坂本先生がおっしゃったように、確かに一番高いのは二万三千円というのもあるが、これはごく例外的なものでございます。おそらく特殊な所長が一人もらっているというくらいのものだろうと思います。私ども、一番高いのは一万三千円くらいのものが最高だと思います。低いのは二千円のところがございます。平均いたしますと、月額約三千円くらいに相当しておるのじゃないかと思いますが、これを月額一万円くらいに引き上げていただきたいというようなことをお願いしておるわけでございます。  それから保健所の医師がどのような状況で退職しているかを調べてみたのでありますが、年間三百人くらい退職している。そのうち二百人くらいが臨床方面へ転換をする、しかもこれには若い医師が多いというようなこと、あるいは若いお医者さんにいろいろ意見を聞きますと、非常に勉強したいというようなことを言う。非常にけっこうなことですが、そういうような希望が強いものですから、内地留学、外地留学についても、これは予算上の問題ではございませんが、考えております。  それからもう一つ、医者の不足状況について、保健所の場合は、公舎というような問題もございます。あるいは現在図書費が非常に高くて、個人の負担にたえられないものがございますので、そういうものは公費で備えておく。そのようなことによって、絶えず学問上の刺激を受ける。こんなような対策を目下考えておるのでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 厚生大臣、今までのお話を伺っておられて、ある程度の見当がつかれたと思いますが、実は再来年から国民皆保険をやっていく場合についても、これは医師会の方では点数の問題が出ておりますがね。医師の半数以上は勤務医なんです。それからその勤務医というものは、やはり国立病院あたりが標準になって、仕事の面でも給与の面でも行なわれていくわけなんです。だから、そういう点では、国立病院の医師の待遇を改善するということが、医者個人の生計を豊かにするだけじゃなくて、ほんとうに日本の医療をよくするという重要性を帯びてくるのだと思う。特に保健所の今の問題なども、公衆衛生について申し上げても、とにかく保健所というのは、さっき保健所課長が医師の充足状況を説明しませんでしたが、たしか六〇%ぐらいは医者が足らない。あるいはもっと下だと思う。医者が足らなくては、とにかく保健所行政というのはできない。結局、公衆衛生の面でも、あるいは国民医療の面でも、とにかく医師の待遇をよくしなくちゃいかぬ。ところが、さっき私は皮肉に、自衛隊の病院の初任給をとったのですけれども、自衛隊の病院の初任給は一万九千二百円、ものすごく高い。国立病院は一万一千八百円、ものすごく低い。私は、これについては、人事院の給与局長からも、どうしてこういうことが出てくるのだか、ちょっと伺いたいのですが、厚生大臣には、こういう点で、これはもう医師の給与というものは、人事院などにまかしておったって、これはけりがつかないと思う。もっとこれは政治的な面で世論を動かして、そうして医師に対する特別な待遇をやっていかなければ、日本の医療というものは、皆保険ができても、実質的には国民の健康というものは保持されないと思います。そういう点で、この際一つ厚生大臣一ふんばりお願いしたいのですが、御決意をぜひ聞かして下さい。

渡邊良夫自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡邊良夫君) 先ほど述べた通りでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 たよりないですね。

渡邊良夫自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡邊良夫君) 大いにやれましょう。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 一つ人事院あたりや、ほかの方にもどんどん呼びかけて下さい。それから自衛隊の問題についてはどうですか。

瀧本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(瀧本忠男君) 人事院は、国家公務員の一般職だけを対象にいたしております。自衛隊は、これは特別職になっておりまして、大蔵省の方と防衛庁の方で御相談になっておきめになっております。大体の基準は一般職の例にならっておるというふうに承知いたしておりますけれども、人事院はその点何ともできないのでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 大蔵省は、自衛隊には出すということですね。

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) 速記を始めて。

岩尾一大蔵省主計局主計官

○説明員(岩尾一君) お答えいたします。  直接の主管でございませんので、多少推定で申し上げますが、今申されました自衛隊と一般のお医者さんの給与が非常に違うという問題でございますが、自衛隊の給与は、いわゆる二十四時間給与でございまして、普通の官庁におきます本俸に、普通であれば管理職手当でありますとか、あるいは超過勤務手当というものがついておるわけでございますが、そういうものを本俸に織り込んで本俸を作っております。そういう意味合いで、先生御指摘のように高くなっているのではないかというふうに想像されます。これは主計局の給与課長が主管であります。   ―――――――――――――

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 それでは次の結核対策、特に空床対策についてお伺いいたします。最初に保健所課長に、簡明に答えて下さい。  この間の結核の実態調査による要医療患者の数は何人ですか。

若松榮一厚生省公衆衛生局結核予防課長

○説明員(若松榮一君) 要医療患者数は、三十三年の実態調査では三百四万人と推定いたしております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 次に、要入院患者の数と、その病状別の分類、これは大ざっぱでいいです。たとえば手術でなおる程度の人、手術を必要とする数、あるいは化学療法でなおる数、あるいはもう処置のない、重症の人ですね、大体この三つくらいに分けて説明して下さい。

若松榮一厚生省公衆衛生局結核予防課長

○説明員(若松榮一君) 三百四万人の要医療患者の中で八十六万人程度が入院を要する患者と考えられております。さらに三百四万の患者の治療別の内訳でいいますと、化学療法のみで治療ができるといわれる者が約三〇%、一応化学療法をやってみて、その結果によって、場合によっては手術をしなければならないであろうといわれる者が四六%、外科療法をやらなければならないといわれる者が五%、その他の療法といいますのは、この中の大部分は、化学療法、あるいは手術療法によってもなかなか全治は困難であろうと予測される者でございますが、それが約一九%でございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 それでは伺いますが、開放性で入院をしていない数は何万ですか。

若松榮一厚生省公衆衛生局結核予防課長

○説明員(若松榮一君) 開放性の患者が約四十万と補足されておりますが、この中でどれだけ入院しているかということ、今ちょっとわかりかねますが、これはもう少し当たって参りませんと出て参りません。現実に別の調査から、現在入っている患者の側の調査からいたしましたので約十万人程度でございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 それでは要入院患者で入院をしていない理由の実態を、これは保健所課長に。保健婦が家庭訪問などをやっておそらくその実態をつかんでいるのじゃないかと思うのですが、入院をしていない理由の実態、これは予防課長でも保健所課長でも、どちらでもよく知っておられる方に説明してもらいたい。簡単に。

若松榮一厚生省公衆衛生局結核予防課長

○説明員(若松榮一君) その入院していない理由というものを調査いたしますことはきわめて困難なことであります。といいますのは、経済調査にわたりますので、経済調査というものは、単なる聞き込み調査、あるいは申告調査ではなかなか正確な点がつかめません。そこで、まあ一応それでもそういう調査をやってみますとある程度のデータは出て参ります。たとえば、これは入院患者だけでございませんが、治療を始める場合、医療を受けなければならないといわれながら医療を受けなかったという理由はどこにあるかといいますと、その中では経済的な理由というものはきわめて少なくて大体一二%くらいに出て参ります。しかし、これは治療を始める場合でございまして治療を始めたのが途中でやめました場合に経済的な理由がどのくらいになるかということを見ますと、やや上回りまして、倍近くになって参ります。しかし、これはそういう申告調査等でございまして、さらにこの信憑性を確かめますために、裏側から調査いたしてみたことがございます。たとえば、経済的な理由を全然申し述べていないにかかわらず、その家計の内容における栄養調査等をいたしてみますと、栄養摂取状態が一般家庭の標準に比べて非常に劣っているというような点が計数的に明らかになっている場合がございます。そういう意味からいいまして、この聞き込み調査等によります経済的理由というものは、みえといいますか、そういうようなものに妨げられまして、信憑性がかなり薄い、従って私は入院できない理由、あるいは医療を受けない理由というものに、調査面で現われたものよりもはるかに高い率で経済的な理由があるであろうということを考えております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 予防課長の、今のような、いろいろな総合的な判断の上で、結核の病床数というものは、一体何ベッドくらいあれば合理的と考えられるか、つまり今いろんな患者の種類、いろんな説明がありましたが、それらを合理的に治療していくために、外来治療もあれば、入院治療もある。そうした場合に、合理的な結核病床の数、現時点において何ベッドを必要とするのか伺います。

若松榮一厚生省公衆衛生局結核予防課長

○説明員(若松榮一君) ただいま申し上げましたように、いわゆる実態調査の推計から申しますと、要入院というものは八十六万人いることになります。しかし、この八十六万人の中で、現に自分が結核であるということを自覚して病気をなおそうという、自覚のある者は約半数にすぎません。従って、約四十万人程度ということになります。この四十万人の中で、また経済的な理由、あるいは社会的な理由――社会的な理由と申しますと、これも広い意味では経済的な理由になりますが、休んだら首になる心配、あるいは入院治療をしたら商売ができなくなるというような点、あるいは全くそういう理由がなしに、経済的な理由、特定な大きな職場にいる場合等で、職業の安定している場合は、全く経済的理由というのもあります。しかし、そのような状況を考えてみましても、現在の状況においては、入院医療というものは、四十何万自覚している中で、二十万人は今まで入院しておりますので、これ以上、もし経済的な理由だけを排除したといたしますと、まことに大ざっぱな概算でございますが、半数として、十万人程度が入院医療をしたいと思っているであろうと思われます。しかし、遺憾ながら、そういう社会的、経済的な要件のためになかなか困難である。そうして現在結核対策、あるいは社会保障等の面から、ある程度安定して参りました段階におきまして、この数カ年間、入院患者はほとんど横ばい状態でございます。従って、現存の段階において、特別の社会的な、あるいは医療保障的な情勢の変化のない限り、現在病床が八四%程度充足しておりまして、この程度でしばらく観察を続けていくことが適当ではなかろうかと存じております。なお、そういう八四%程度の充足率でございますので、約五万床の空床がございますが、この点をどう考えるかということで、私ども現存結核病床の利用方法ということで具体的な検討をいたしております。各県ごとに、あるいは……。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 それはあとで聞きます。そこまで聞いておりません。どうも厚生省の各課長は、厚生大臣よりも識見がはるかに劣っていますよ。大臣は、非常に、しろうとだけに、どうしても結核のベッドをふやさなければいかぬということを、この前、この委員会で明言しておられる。ところが、それぞれ担当の課長は、経済的な事情を排除することができぬとか、自覚性がないとか、なんとかかんとか言って患者を減らして、なるべく治療しないように治療しないようにしている、けしからぬ、実際私は厚生大臣が一番厚生行政については熱意をもっておられると私は見ております。課長はきわめて怠慢であります。あと時間の関係がありますから……。  次に申し上げますが、実は今度の五カ年計画の中では結核の増床を全然やっていない、大臣は増床をこの間やると言ったけれども、あなたの部下の出した計画には結核はゼロです。  それから次に伺いますが、予防法第三十五条による命令入所の実情、これを簡単に一つ説明して下さい。

若松榮一厚生省公衆衛生局結核予防課長

○説明員(若松榮一君) 三十五条による命令入所の実績は、三十一年度で二千二十二名、三十二年度は二千五百八十三名、三十三年で二千八百十九名でございまして、三十四年度につきましては、厚生省の予算の補助といたしまして七千件分を組んでおりましてこれが大体県では国の予算に見合うだけの予算を計上いたしておりますので、相当程度実施されるものと信じております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 命令入所の実態は、私はこれを希望する向きというのは非常に多いと思うのです。保健所の方でその実態をつかんでおりませんか。

田波幸雄厚生省公衆衛生局保健所課長

○説明員(田波幸雄君) 保健所側の報告は、すべて結核予防課の方で関与するので、結核予防課長の方から御説明になった方が適当かと思います。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 命令入所の扱いを受けたいという希望は非常に多いと思う。その実態がどれくらいで、しかしながら、県の財政、あるいは国の今の補助金のためにそれが三分の一しか行なわれていないとか、そういう実態を一つ説明していただきたい。

若松榮一厚生省公衆衛生局結核予防課長

○説明員(若松榮一君) 実は三十五条の命令入所の関係は、三十四条のように自発的申請がむしろございませんで、保健婦等が家庭訊問等をいたしまして特に緊急を要するものを保健所の側から拾い上げるという建前をとっておりますので、申請件数に対して承認件数というような割合は出て参っておりません。予算の範囲内で適当に処置をするという建前になっております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 実は今までの予算の範囲内で処置する、それはけっこうですが、しかし、来年度については今度の倍以上要求しておられる、その要求しておられる根拠は一体どこにあるのですか。

若松榮一厚生省公衆衛生局結核予防課長

○説明員(若松榮一君) 先ほども申しましたように、開放性患者は四十一万と推定されておりますので、開放性患者で在宅しておるものが相当多いことは事実のようでございます。しかし、すべてを入れるということは、現在四十万人入れる収容施設もございませんし、また、それだけの経費が獲得できませんので、やむを得ず、できるだけ予算的な制約のもとで、可能の範囲内で立案をする、方針を立てるというよりやむを得ないわけでございまして、その際に私どもは、同じ開放性の患者でも特に緊急を要するものといたしまして開放性の患者で他に感染をするおそれのあるもの、住居の関係、家族の構成の関係等を考慮いたしまして、緊急を要するものだけをまず計上するという方針でやったわけでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 次に社会局長に伺います。生活保護で扱っている結核の患者の数、現在の数、それから今後の見通し、特に社会局長さんは前保険局長でもあるし、国民皆保険が行なわれていった場合、保険の中に生活保護の結核が吸収されるかどうかについてはもう十分なる御経験がおありだと思うので、皆保険成立後の見通しもあわせて御説明をいただきたい、簡単に。

高田正巳厚生省社会局長

○政府委員(高田正巳君) 生活保護の中の医療扶助でやっております結核の人員は、三十三年五月の調査でございますが、それによりますると十三万三千六百五十人でございます。総人員の三十三万三千七百二十人の中で約四〇%に当たります。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 入院ですか、外来も合わせて。

高田正巳厚生省社会局長

○政府委員(高田正巳君) 入院、外来合わせてでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 入院は幾ら。

高田正巳厚生省社会局長

○政府委員(高田正巳君) 入院の方は総人員の六六%、外来の方は総人員の三〇%、これをあれいたしまして総体でみますと四〇%、総人員の四〇%、その人員が十三万三千六百五十名、こういうことになっております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 社会局長に重ねて伺います。局長は前に保険局長もしておられたから結核の問題は十分御承知だと思うのですが、保険の場合は、組合管掌ではもう結核問題は私は解決されたと思うのですね、済んだと思うのです。従って、あとまあ国民健康保険にどの程度ひっかかってくるかという問題がある。だから私はその点を今特にあなたに意見として伺いたかったのです。  もう一つの点は、一体結核の扱いは、生活保護の行政で解決すべきか、それとも公衆衛生行政で解決したらいいか、社会局長としてはどういうお考えを持っていますか。

高田正巳厚生省社会局長

○政府委員(高田正巳君) 大へんむずかしい御質問で私見にわたるかもしれませんが、今御指摘のように、保険の関係では、まず組合健康保険ではほとんど結核医療費というものは非常に少なくなる。それから政府管掌の健康保険では、これも二、三年前から頭打ちでむしろ減ってきていると思います。それから国民健康保険は、これは御承知のように、給付に従来若干制限がございましたので、そういう関係もございまして、従来の国民健康保険の医療費の中に占める結核医療費のパーセンテージは非常に低うございました。たしか一七、八%程度、二〇%以下だったと思います。しかし、これは御指摘のように、国民健康保険法が改正されまして、給付の範囲等につきましても健保に近くなって参りまするので、私は今後は国民健康保険におきましては他の保険とは違った傾向を示すものと見ております。  それから生活保護法の方でございますが、これは総体のパーセンテージからいきますと、二十九年の六月と三十二年の九月と、先ほど申し上げました三十三年の五月と、三回の時点の調査があるわけでございますが、医療費のパーセンテージといたしましては六四・五%、六二・一%、五九・四%というふうに落ちております。生活保護法におきましても落ちております。しかし、これは医療扶助の総ワクが広がって参りましたので、中に占める結核の医療費のパーセンテージが落ちたということでございまして、特別に結核医療豊が、生活保護法の中における結核の医療費が減ってきたという現象ではございません。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 済みませんけれども、時間がだいぶ急いでいるようですから、行政の扱いについてのあなたの私見と言っておられたけれども、簡単に一つ言って下さい。まだ、あと少し大事な点が残っているから……。

高田正巳厚生省社会局長

○政府委員(高田正巳君) さような状態でございましたが、今年の一月ごろから生活保護法におきましても、結核医療費が横ばいの状態を呈しております。それから、今のどっちで扱うべきかという御質問でございますが、これは方針によることでございまして、いずれで、経済的な負担をどういう方法でするかということでございまするので、これは方針によることであって、どっちによらなければならないというものでは私はないと考えております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 それではまだ少しお尋ねしたいことがあるのですけれども、一番関心を持っておられる与党の勝俣委員から、保留にして次回に延ばして一緒に審議をやりたいという、そういう御希望がありまするので、私から若干資料を次のときまでに出していただくことをお願いして、これで次に保留さしていただきたいと思います。  その一つの資料は、医務局長ですね、国立療養所の中に収容されておる患者さんの費用の負担別のパーセンテージ、たとえば生活保護で何人、健康保険で何人、自費で何人、特に国立療養所については生活保護の場合などは自己負担が非常に多いのです。だから、その内容の明らかになるようなものを出していただきたい。全国的な統計が困難であれば、どこか抽出して近いところの、たとえば清瀬地区の実態をはっきりわからすようなものを一つ出していただきたい。  それからもう一つは、新しい基幹療養所の計画の中に、五カ年に五千二百床の基幹療養所の計画を作っておられるようだが、この内容を一つ具体的に次の委員会までに出していただきたい。ただばく然と基幹療養所を作るのだというので、先ほどの勝俣委員のような、もう悪いものをつぶしちゃっていいものにして、そして数も減らして医者の給与をよくするというような計画なのかどうか。その具体的な資料を次までに出して下さい。そうしないというと、たとえば統廃合については勝俣委員とだいぶ意見が違いますから納得いたしません。  それから社会局長については、先ほどの生活保護の見通しについて、私見でないものを省内でまとめて出していただきたい。実はきょうの結論はそこまで私はずっと皆さんと議論をしていきたいと思っておったのです。そこで特にお願いしたいのです。結核予防課では予防法の方面で命令入所の予算を獲得しようとして一生懸命で努力しておる。それから医務局でも日本の結核医療の中心である国立療養所について国立療養所のことだけ考えて計画しておる。それから今度は保険局は保険局だけで、それから社会局は社会局だけで医療扶助のことだけ考えておる。厚生省では前から結核対策本部という案があるのだけれども、私はそんな案なんか要らないと思う。それよりも省で実際皆さん会って相談しておるかどうか。それは省議のときだけはやるかもしれませんが、もっと行政面にどう扱うかということですね、そういう点について、来週までに一ぺん会って話をしておいて下さい。特にさしあたって私は今四万床あいておるところの空床をどうして満たすかということが一番大事だと思う。世の中にはたくさんの重症の、感染源になる患者さんがたくさんあると思うのです。しかも入院ができない。入院できないということについては経済の理由だとか、いろいろな理由があげられておりましたが、これを中心にしてもう一ぺんあらためて空床対策をどうするか。四万床は私はこれは一ぺんに満たすことができると思います。大蔵省の、結核は峠を越したなんと言っている鼻をあかすことができると思う。それについての具体的な構想を各省各課で寄って集まって相談せられて、次のときに私からお尋ねしたいと思います。  それでは、きょうは時間の関係で保留にいたします。

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) それでは、本件に対する本日の質疑はこの程度にいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤武徳自由民主党

○委員長(加藤武徳君) 御異議ないと認めます。本日は、これにて散会いたします。    午後四時三十五分散会

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