社会労働・商工委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 260 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1959/12/09
会議録
○委員長(加藤武徳君) それでは、これより社会労働・商工委員会連合審査会を開会いたします。前例によりまして、私が連合審査会の委員長の職を務めさしていただきます。 それでは、炭鉱離職者臨時措置法案を議題といたします。ただいま政府からは、労働省から松野労働大臣、百田職業安定局長が出席をいたしております。通産省からは、原田政務次官、樋詰石炭局長、経済企画庁からは、大来総合計画局長が出席をいたしておりますが、菅野長官がやがて出席をいたすことになっております。建設省からは、千葉監察官が出席をいたしております。 それでは、ただいまから質疑に入りたいと思いますが、質疑の御希望の方は順次御発言をいただきます。
○栗山良夫君 私は、連合委員会を持ちまして、商工委員の立場から本法案の審議に参加する機会を得まして、喜んでおるのであります。と申しますのは、石炭鉱業が、政府の増産政策によって、炭のコストを切り下げて、そうして日本の産業に貢献させようという一つの大きな指導方針がかって立てられまして、それによって進められてきたところが、この方策は、はたと行き詰まりを生じたのであります。従って、増産をいたしましても需要がない、またコストも、その計画で増産ができないわけでありますから、下がらない。非常に苦境にただいま石炭鉱業が追い込められておりまして、そうして多数の炭鉱労働者諸君がちまたにあふれ出ざるを得ない。まことに悲惨な状況にあります。このことは、国会でその悲惨さを云々すべき段階はもう過ぎておりまして、一般報道機関を通じて、現地のなまなましい悲惨な状況が報道せられておるのでありますから、国会の問題というよりは、すでに国民各層を包んだ大きな社会問題に相なっておるのであります。従って、この社会問題をいかに解決するかということが、当然政治の責任でなければならないわけであります。さような意味において、炭鉱離職者臨時措置法案なるものが政府の手によって国会に提案をせられ、そうしてこの社会問題の困難な一部を解決する、こういうスタートを切られましたことは、私どもといたしましても、賛意を表したいと思うのであります。ただ問題は、こういう法案ができまして、国民に一応の安心感を与えましたといたしました場合、実際にその内容の実施にあたりまして、くつの上からかくような現象を呈し、そうしてほんとうに効果が上がらなかったということになりますというと、政治の責任が追及されることになるわけであります。私が最もおそれますのはこのことであります。従って、国会における私どもの役目といたしましては、この法案が文字通り、名実ともに炭鉱労働者の救済について長大の効果を上げるようにいたしていかなければならぬと思うのであります。そういう観点から一、二御質問を申し上げたいと思いますが、実は私がただいま頭に考えておりますことは、この炭鉱離職者臨時措置法案のワクからちょっとはずれた考えを持っておりまするので、これについて当面の所管省でありまする労働省、通商産業省並びに建設省等はどういうお考えをお持ちになるのか、私の意見に御賛成をいただけるか。また、御賛成をいただけるとするならば、どういう具体的な方途をおとりいただくことができるか、こういう点について若干ただしてみたいと思うのであります。実は私はなはだ不勉強でございまして、数字的な検討を加える余裕がないために、今数字をあげてお尋ねをすることができないことを大へん遺憾に思います。ただ間もなく建設省に要求をいたしましたから、午後にはこれをあげることができると思いますが、それは一口で申しますと、わが国のただいま土木建設業の工事量というものはものすごい増加をいたしておると思います。これは常識的に私が判断をするわけでありまするが、おそらく昭和二十五年あたりを基準年度にとりまして、その後毎年増加しておる土木建設工事の総量というものを本年度まだあげて参りまするなら、ものすごい増加分であろうと思うのであります。これは電源開発、道路、港湾、町のビルの建設、その他いろいろなものを全部総合計いたしましたときの土木建設の工事量というものは、ものすごい状態になると思うのであります。一方、これに見合うところの工事能力の総量というものは一体どうなっておるのか。これは最近の新しい機械の発達によりまして、人が機械力に置きかえられておりますることは、私も否定をいたしません。けれども、機械力に置きかえられたとは言いながらも、なお依然として多数の人がこれに従事しておることも事実であります。そうして機械力と人力とを合計したところの工事能力というものが、どういう歩みをいたしてきたか、しかもそれらに従事するところの団体の数は一体どうなっておるのか、こういう点をつぶさに検討を加えまするというと結論がはっきりは出ないわけでありまして、この点は質問の前提として私も結論をつかんでいないので、大へん不安定でありましょうが、いわゆる常識的な観点からの質問として御了承願っておきたいと思います。 そこで第一点は、率直に申しまして炭鉱事業というものは、私も現地をしばしば拝見をいたしまして、率直に印象に残っておりますが、こういう工合に表現してよろしくはないかと思うのであります。要するに、土建事業のうちで隧道工事とかあるいは岸壁工事とか、いろいろなものがございますが、それらの技術からはるかに高度の技術をもちまして、地下数百メートルの下までも大きな穴をあけて、そうしてしかも地下に眠っておりまするところの鉱物を掘り出すわけでありますから、これはきわめて高度の土建事業である、土木事業である、こういう解釈をしていいのではないかと考えるのであります。で、大地に穴をあけ、そうして鉱物を掘り出して地上に運搬をする、こういう運搬業と、そうして土建業の総合されたものが炭鉱産業ではないか、こう私は考えるのであります。土木建設業という概念と石炭鉱業という概念との間には、そんな大きな隔たりは作業状態から見まするならばないのではないか、こう考えるのでありまするが、この考え方は各省としてどうお考えになるのか、これを伺いたいと思います。
○国務大臣(松野頼三君) 建設業の雇用市場から申しますと、相当拡大をいたしまして、昭和三十年から三十一年、三十二年には多少減りましたけれども、三十三、三十四は非常な増勢の数字になりまして、雇用者数も一応百五十万からをこえる大きな、実は雇用としての大きな産業であります。これも統計のとり方でいろいろでございますが、大体百五十万以上の実は雇用指数というものが出ております。従って、まあ建設業における労務者というものは、非常に労働市場では大事な実は産業である。また、今後とも日本の建設というものが増進されるという計画的に考えますと、非常な有望なところであります。まあ今日逆に石炭が三十万を割るという雇用指数になりましたけれども、考えてみれば、やはりこれは雇用というものが一つの大きな石炭の将来の関連としては、私は建設業というのは労働省から考えますと、これは転換の可能な産業だと思います。過去におきましても幾らかは転換しておりますが、ただ一番今回、特にこういう法案を出します理由は、石炭産業の労務者というのは比較的他の産業に実は転換が薄い、非常に少ない労働特殊性を持っております。従って、今回こういうふうな特別の措置をとるという意味であって、それではこの特別な措置をとればどこへいくのだというならば、やはり建設業というものは労働省としても当然考えられる一番転換の身近な産業だと私も考えておるわけでありまして、幸い市場の建設業の事情も、将来割に明るい雇用指数を示しておるというならば、これに対するものが一番ただいまの御指摘のように、私は卑近の例としては一番いいのじゃなかろうか、これは常識的に言えます。しかし、ほうっておいたのでは、なかなか転業してくれません。転業してくれない大きな理由は、やはり石炭地帯というものの労務者、あるいは炭鉱住宅、そういう性質を持っておられますために、なかなか転業が思わしくなかった。従って、今回の措置によって御指摘のように、建設業に相当な方を私は期待するという気持でございます。
○栗山良夫君 大体考え方の基本については、労働大臣のお考えと私の考えと違いないようでありますから、そこでお尋ねをいたしますが、これはまあ労働者の方の御専門でありますので、よくわかっていらっしゃると思いますが、今日ただいまの時点で今回の総土建、土木建設業に従事しておる人というものは、いわゆる百五十万人とおあげになりましたが、それがはたして正確であるかどうかということをもう一度お尋ねをいたしたい。 それからそれと同時に、石炭鉱業にただいま従事しておる人のうちで、いわゆる政府なり経団連の方が、石炭鉱業再建のために他に転業を求めておる人数というものは一体どれだけあるか、これを向いたい。第一点。
○国務大臣(松野頼三君) 一応三十三年平均の一つの労働省の雇用統計を申しまげて御参考に供したいと思います。総数が千九百七十三万、この中で鉱業、これは石炭鉱業ですが、五十一万、建設業が百五十六万、製造業が六百八十四万、卸、金融業が三百六十万、電気、ガス、通信二百八方、このほかにいわゆるサービス業として三百三十万、公務員として百二十三万というのが三十三年の一つの平均の雇用統計であります。これを見ますると、建設業百五十六万というのが、これは大ざっぱな一つの項目別の割当ですが、鉱業が五十万ですから、従って、建設業が一制伸びるということは、これは相当な雇用が伸びると考えられますし、まあ私たちが労働市場として一つの構想としては、栗山委員御指摘のところは実は私たちも非常に常識的に考えているわけです。今までのことはちょっと政府委員から御答弁いたさせます。
○政府委員(百田正弘君) 本年の十月以来、石炭鉱業の離職者につきまして、労働省といたしまして、極力いわゆる広域職共紹介に努めたわけでございまするが、そのうちに、現在まで約八百三十六名の人が、他産業に就職しておられるわけでございます。そのうちに、今御指摘の建設業には、八百三十六のうち三百一名、これが現在就職しておるわけでございます。
○栗山良夫君 私がお尋ねをいたしましたのは、鉱業ですか、五十一万人のうちで石炭企業の再建のために他に転業を要請せられておる人数というのは、どれくらいであるか、こういうことなんです。
○国務大臣(松野頼三君) 石炭以外の一般鉱業におきましては、特に最近は人員が減少しているという傾向は見られません。やはりある程度、人員というのは上昇気分にある。ただ、石炭鉱業だけは、この二年間、三十三年、三十四年に非常に急激に減少が見られた。ことに三十三年の下期から三十四年のよ期については、相当な実は離職者が現実に出ております。従って、今後の問題はどうなるかということについて、いろいろの見方がございまして、経営者の方は経営者で発表しております。しかし、それを私どもは、まるまるうのみにするわけに参りません。一番大きな問題は、石炭の今後の経済べースをどこにおくか、経費をどうするか、そうしてエネルギーをどうするかという中に、将来のある程度の想定ができるわけで、そういうものがきまりませんと、盛んに八万だとか六万だとか、今、各企業者は御自由に発表されておりますが、政府としてそれをうのみにするわけには参りませんので、私は、その数はもう少し労働省としては再検討したいというので、今後の数は実はまだ私たちは確定をいたしておりません。確定しておらない理由は、やはりエネルギー総体の問題、石炭の合理化の問題、それから将来どうするのか、その上で今度は段階をきめていきたい。ただこの法案で、今後の目標を立てるようにきめております。目標を立てる理由は、第六条かに規定いたしましたが、今後は石炭鉱業者は労務者を雇うときには、必ず職安に報告をする。あるいは、石炭労務者から必ず移動して雇用するということが、規定されております。従って、ほかの一般から、石炭労務者が今後は自由に採用ができないということで、大体今日は自然減も見ながら、今後の石炭のワクを児ながら、その上で離職者対策というものを立てなければいけないというので、今回実はこの法案が通りましてから、初めてそういう規定がございますから、今度はすべての石炭の離職者と雇用者がはっきりと報告をする義務を課しておりますので、今後は正確に把握できると思います。今までは、いかに労働省が奨励しましても、ただ奨励であって、他の産業から自由に、あるいは自分たちが勝手に採用されれば、片一方は離職者が出る。片一方は、雇用者が新規に自由に雇用するということでは、なかなかざるみたいなもので、雇用の総数がつかめませんでしたから、そういう意味で今回の計画を立てるために、一条そういう規定を置きました。従って、今後はこの規定に応じて計画が立てやすい、ある程度私は正確に立てられると考えますので、今後の問題というのは、この法案が通りましてから、あるいは石炭総合エネルギー対策が出ましてから……、私は一方的な経営者の発表をそのままうのみにする気持は毛頭ございません。
○栗山良夫君 現在の時点で、石炭政策の建前から、他に転業を求められるであろうという数字は、いろいろな方面から、あるいは八万とかいろいろ言われているが、労働省としてはまだそこまでお固めにはなっていない、そういうことですから、そこはわかるといたしまして、一応の数字が出ておることは、労働大臣もお認めになっておるわけです。そこで、この問題は、大臣も指摘されたように、通商産業省が所管するところの総エネルギー政策の中における石炭のウエートを将来どういう工合に持っていくかということに一にかかっているわけです。従って、通商産業省は、かつては八千万トン・ベースでしたかを考えられたのでありますが、ほぼ恒久的な、日本の総エネルギーの中で、石炭ベースを一体どのくらいに持っていくか、そうすれば、政府が求めておる――日本の石炭企業を弾力性のある、活力のある企業として経営していくために、政府なり資本家側がしょっちゅう言われる過剰人員の整理というものについて、われわれは若干意見を異にしていますが、政府なり経営者側の意見として、そういう通商産業大臣がただいま考えておられるわが国の将来のエネルギー政策から見た石炭鉱業の再建の方策に基づいて、必要とする人員というものは、一体どのくらいになっておりますか、こういう点はおわかりになるでしょうか。
○政府委員(樋詰誠明君) 午後から大臣がお伺いいたしまして、あるいは重ねて御答弁申し上げるかと思いますが、われわれ通産省といたしましては、現在、石炭鉱業審議会の中に、基本問題部会というものを九月に設けまして、今後、重油その他の競合エネルギーとの関係において、石炭はどうあるべきかということを労使、消費者あるいは学識経験者という方々に御検討を今願っておる最中でございまして、大体年内、できれば一週間以内くらいに一応の中間的なものを出していただけないかということで御検討をお願いしている最中でございますので、そのところで一応の結論というようなものが出ましたならば、それを参考に、役所側として、それをどういうふうに受け取って措置するかということについての態度をきめなければいけないのじゃないかということで、今、われわれ事務的には作業いたしております。ただこれを通産省としてどういうふうに考え、どう措置するかということにつきましては、午後から大臣が伺いましたときに申し上げるということにした方がいいのではないかと思いますので、そういうことで御了承いただきたいと思います。
○栗山良夫君 その点は、私も非常に関心を持っておるのでありまして、それじゃ午後に伺うことにいたしたいと思いますが、一言、大臣が午後おいでになるときの腹がまえとして、一つお伝えを願っておきさたいと思うのですが、それは、今日、かつて八千万トン・ベースを主張した当時と比べて、これほどに激減をしてきた理由は、重油の進出であることは申すまでもありませんが、一方、たとえば国鉄の電化を例にとりますというと、おそらくこれもつかみの数字でありますが、東京から博多まで電化が完成いたしましたときは、おそらくその時代になれば、国鉄のローカル線もディーゼル機関車に全部置きかえられるということになると、国内の石炭の代表使用者の一つである国鉄というものは、石炭はほとんどゼロに近くなってくる、町の工場も石炭を使わないということになれば、いかに通商産業省が独自で石炭政策をお立てになろうと思いましても、なかなか困難なことであろう、そこでそういう全体のエネルギーの計算の立場から、ここでやはり政策的に考えなければならぬことは、この際何としても、やはり計算以上にふえておる電力、この電力に石油というものがいろいろ問題になっておりますが、ここに大量に石炭を投入して、そうして石炭による電力の開発ということを考えて、ここに石炭企業の安定点を求めなければ、非常に困難ではないかということを私は考えるわけです。これは、電力が伸びないという企業であるならば別でありますが、その電力の需用量というものは、毎年々々通商産業省、企画庁の計画された数字を上回って、一回も停止したことはない、今後もそういうことであろうと思いますから、従って、どういう工合にして、合理的に電源開発に石炭を投入していくか、その具体的な綿密な方途が研究されない限りは、私は、この問題は解決しないと思う。そういう点について、通商産業大臣がどうお考えになっているか、これを、もし機会があれば、私は別の機会にお尋ねをしたいと思っておりましたが、たまたま石炭と関係がありますので、その入口くらいのところを、午後お尋ねするかもしれませんので、お伝えを願っておきたい。 そこで、さらに話を前に戻しますが、そうすると、三十二年ごろから石炭企業に出始めましたところの離職者というものは、今日の状態においては、総計何名くらいになるか、大金業、中小企業全部合わせまして、何名くらいになりますか。
○国務大臣(松野頼三君) 栗山委員御承知のごとく、石炭離職者の数だけで、これが離職したというわけではありません。離職したものが直ちに再就職する、移動性が非常に強いものですから、ある年は、七万人離職して五万人吸収されたと言えば、二万人の減になります。逆にある場合には、五万人離職して七万人吸収されたというと、これは二万人の増加になるわけで、差し引きの問題が議論になるわけであります。離職者の数を、一般的な失業保険の受給者ときめて、総数をきめるわけにはいきません。三十一年、三十二年は、ある程度ふえまして、三十万人をこえました。それから、今日二十八万何千、約二万人ばかりの自然減という数字が出て参ります。それでは一方、石炭合理化によって買い上げた人数はどうだというと、これは、大体二万一千人くらいの数字が合理化で……、総数で三百万トンに相当するものを事業団で買上げました。これを数字で参りますと、二万一千何百人という数が、合理化で買上げられた数であります。従って、どこをとるかによって、いろいろ議論がありますけれども、しかし、総体的に五万人くらいは、三十年から今日まで、一応離職者として出たという数字が妥当ではなかろうかとも見られますので、正確にどこまでを離職者だ、再就職したものを入れますと、正確にはここではわかりません。やはり一応石炭を買い上げたのは二万一千名であります。そのほかに中小企業から、事業団以外から出たものを合わせますと、三十年から五万人というのが、一応常識的に使われている数字でありまして、よく離職者の数字を議論されますが、そういう意味で、ある場合には、答弁と質問の食い違いがあることがいろいろありますが、私は、三十年から五万人というのが、一番総体的に合理性のある数字じゃなかろうかと思っております。
○栗山良夫君 それで、ただいま、健全な労働力を持ちながら、自分の意思に満つるような職場に再就労していない、そういう五万人の中で、本法案によって一応救済しなければならぬ、そういう目標になっている人数はどのくらいございますか。
○国務大臣(松野頼三君) 約二万一千人を対象にいたしております。この数は、現在離職しております者の実態調査を全部いたしまして、約一万六千人の方の実態調査をいたしました。その方の個々の家庭事情を勘案いたしまして、二万一千数百という数字、これは大体地方の府県知事からの御要望が二万五千人でございます。ことしの九月御要望がありまして、それにあわせまして調査いたしましたところ、大体二万一千数百人、これが数においては大体合理性があるというので、今回は、二万一千数百人を採用いたしました。
○栗山良夫君 先ほどもお話がありましたように、将来石炭鉱業が、何名の人員によって再建が軌道に乗るかということは、その基本になる石炭政策の基本点が固まらない限りは、何とも言えないわけです。その点は、私、論及いたしませんが、ごく大づかみにして、経営側等で発表されている、将来転夫を求められるであろうと一応考えられる八万人、これに今日出ている二万人、都合十万人ぐらいを予定して、石炭企業から再転職をする人の政策的なものを考えておかなければならぬことに、私は一応結論としてはなるのではないか。非常に不確定な要素を、たくさん未解決のままで、こういう議論をするのでございますから、きわめて乱暴ではありますが、まあ乱暴は乱暴として、今日の段階では、そういう常識的な判断をしなければいかぬのではないかと思いますが、この点はいかがですか。
○国務大臣(松野頼三君) 栗山委員の御指摘の通りであります。そういうものを基本として今日想定するならば、善意で想定すれば、そういう数を基本とする。ただこの中に、自然減耗と申しますか、定年による、病気による退職者がどの程度あるかということが、そのほかにプラスする要素であります。このはじき方はいろいろありますが、八%、ある方は一二%、いろいろとり方がございますが、まあ八%というものを、私は基準にとって、自然減耗、病気による退職者、あるいは定年による退職、あるいは女子の方は結婚による退職、こういうものが八%以上はじけるのではないか、こういう考えは、過去の実例のとり方ですが、そういうことも、今後の中に入れて計算していい要素ではなかろうかと、こう考えております。
○栗山良夫君 そこで、さらに、先ほどお話を伺いました建設省関係の百五十六万人というのでありますが、これは今日はそれだけでありましょうが、これの、たとえば昭和二十五年から以降は、どんなような数字でふえてきておりますか。
○国務大臣(松野頼三君) これは、労働経済指数を一つ参考にしていただきたいと思いますが、昭和三十年の平均、これが指数になっております。三十年を一〇〇にしますと、三十一年は九九・五、三十二年は一〇九・一、三十三年は一一五・八、従って一一五・八というのが、先ほどの百五十六万人に当てはまるのではないか。これはもちろん常用工をとっておりますので、臨時工は多少差がございます。一応総体的にいうならば、百五十六万と申しましたのが、三十三年、平均の指数でいうと一一五・八というのが百五十六万人、こういうそろばんを、一応基準をおいていただいて間違いなかろうと思います。
○栗山良夫君 御承知のように、先ほどもちょっと述べましたが、いよいよ来年度からは――今年から始まっておりますが、道路関係で申しますというと、道路整備五ヵ年計画に一兆円の予算が組まれている。それから、海岸堤防を中心にしたところの公共土木に、災害復旧だけでもずいぶん、けさのラジオを聞きますと、四千五百億円という国家予算が使われる。さらに電源開発は、御承知のように、毎年一千億をこえる金を使っておる。鉄道がある。その他、たくさんの土建業がずっと集積をして、増加をしておるわけでありますが、これの将来の展望はどういうふうになっておりますか。たとえば、三十三年には百五十六万人でありますが、これが、将来五年間ぐらいの間に、どんなような歩みでふえていくか、これをおつかみになっておりますか。
○国務大臣(松野頼三君) 三十三年の一一五、それから三十四年を御参考に申し上げますと、一月、二月、三月、四月の順序になりますから、総体的に、概略的にお聞きいただきたいと思いますが、大体三十四年一月から、一一八・七、一一五・九、一一七・四、一一九・〇、一二〇・五、一二二・四というふうに、毎月見ますると、一二〇をぼつぼつ上回っている。一一五と一二〇、指数で五ですから、相当の数がふえているということは言えると思います。先ほどの一一五・八が百五十六が人としますと、指数一が大体三万人強と考えますと、五万から六万ふえておるというような傾向は見られます。
○栗山良夫君 この点は労働省の方でやはりこういう問題が起きたのでありまするから、同じ状態で横すべりが可能な状態だと私も見るし、労働大臣も見解を一にしておると思いまするから、従って、ここで余ったものをこちらへ移すという場合にはやはり日本の全土建業の工事量というものをチェックされて、そして所要資金の方につきましては五ヵ年計画というプランがどんどん進んでおるわけであります。これに要するところの人的資源というものは一体どういう工合にふえていくか、こういうことはやはり的確に計画としてつかまなければならないと私はそう思います。ただいまのお話は、ただここ一、二年の増加の趨勢からいってふえることは間違いなかろう。特に本年度の増加からいって三十年をもとにして五万人くらいにはなるであろう。将来その程度で増加していくであろう、こういうあろうあろうのお話でありますが、そうでなくてもやはりある程度計算の基礎に立った数字というものをお開かせを願うということが必要ではなかろうかと私は考えるのです。
○国務大臣(松野頼三君) 実はなかなかこの指数のもう少し的確に私の方も建設業については細分をいたしますが、日雇いの方の、実は臨時の労務者を見ますと、建設業が必ずしもそう大きく実はふえていないのです。これは臨時工が常用工にかわる方もありましょうし、そういうわけで臨時日雇い人員の指数を、これを建設業を一つ御参考に御説明いたしますが、三十年を一〇〇にしますと、三十一年が逆に一○四、三十二年が九七・八、三十三年が九六、それからずっと三十四年の毎月を見て参りますと九〇から八〇、必ずしも指数が日雇いの建設業における延べ人員というのは必ずしも常用工と同じように伸びておらない。ここにも私はもら少しこの内容を、突然の御質問でございましたが、もう少し内容的に検討したいというのは、そういう指数も同じ労働調査に出ているものですから、もら少し私の方もせっかくの御指摘ですから、内容的に実は調べたいというわけで実は二つの指数を読んでみますと、片一方をとれば非常に有効である、片一方は少し日雇いの方が減っている。それが常用工になったのなら非常に理屈に合う。ある程度は常用工になったと思いますが、そういう指数を両方勘案して私は申し上げているのです。今回栗山委員の御指摘の商工業の方――これの離職者を商工業に使ったらどらかという御意見は私どもは大賛成であります。その意味で今回の離職者の対策の中に共同宿舎というのを入れまして、共同宿舎の貸与というのがつい先般御審議いただきました予算の中に入っております。これは何だというならば、相当集団的に共同宿舎によってこの離職者の勤務先を援護しよちというその趣旨は、やはりこの建設業とか、ある場合には災害復旧とか、ある場合にはやはりそういうものが当然対象になるのじゃなかろうかという趣旨で実はそういうものを予算に入れたわけであります。政府のねらっておるところも、栗山委員の御指摘のところも焦点は同じなのでありまして、ただ実態をどら合わせるかという点につきましては、もう少し時間を与えていただきたい、こういうことであります。
○藤田藤太郎君 関連。私は今の労働大臣と栗山委員の発言の中で建設業に対する労務者の吸収の問題を弄われたが、たしか公共事業に占める建設土木については、労務者の六〇%を吸収するということが法律の建前になっていると思うのですが、実態はどういうふうになっておりますか。今の言われた数字と見合って一つ。
○国務大臣(松野頼三君) 法律的には大体五〇%以上吸収するように労働大臣は勧告する、ただし、その事情によっては必ずしもその通りにならぬこともあるというのが法律の建前ですが、今まではやはり住宅の問題とか、距離の問題とか、家庭の事情で平均で二五、六%の吸収率であります。五〇までいっておりません。ということは、やはりこれは建設業の地域的な問題とか、あるいは労務者が必ずしもその通りにいかないということによるのかもしれませんが、平均的に言いますと、二五、六%の吸収率だと思います。
○藤田藤太郎君 私の把握しているところでは、一〇%もいっているかいないかという工合に私は判断しているのですが、今いわれた実態の資料をぜひ出してもらいたい。
○国務大臣(松野頼三君) 政府委員から答弁いたきせます。
○政府委員(百田正弘君) ただいま大臣から申し上げましたように、公共事業におきましては今お話のように、都市あるいは農村それぞれ率は違いますけれども、一定の吸収率をきめているわけです。ところが、これが距離の関係、あるいは非常に山奥で行なわれるといったようなことのために、直接安定所から紹介すべき失業者がいないという場合におきましては、直接雇い入れを安定所の承認を得て認めているということになっておるわけです。実績といたしましては、本年の安定所から紹介いたしました失業者の公共事業における吸収状況は本年の四九月の平均で月間延べ四十四万人ということになっておるわけであります。従って、これは安定所が現場々々で把握した数字でございますので、多少の違いは、全体としては多少狂いがあると思います。これが約二五%程度になっております。詳細な資料は、大体現在のところで、安定所の把握した程度といたしましては二五%程度、こういうことになっております。
○藤田藤太郎君 それで地域別事業別の資料をいただけますね。
○政府委員(百田正弘君) まだ用意しておりませんが、それはお届けいたします。
○小林英三君 関連。三十三年度の平均の雇用者数約二千万人、千九百七十二万人と労働大臣は言われたわけですか、非常に重要なデータですからさらに承りたいと思いますが、建設業というものは、ダム建設とか、あるいは建物の建設とか、そういうことばかりでなしに、たとえば鉄道が鉄道建設をするという場合にはどうなんですか。それからサービス業で三百三十万と言いますが、一体サービス業というのはどんなものをさしているのかということですね。それから三公社工現業、これは公務員の中に入っておりますが、国鉄はどこに入っておりますか。それから製造業の中に八幡とかいうような製鉄業が製造業に入ってくるのか、鋳物だとか。それから民間の雇用者ですね。約二千万人、これが公務員でなくて、官長の工場なんかに使われている民間の雇用者と官業の雇用者の数、つまり公務員というのでなしに、そのほかの製造業等につきましても民間と官業の中がどうなっているのですか。全部公務員の中に入っているのですか。
○国務大臣(松野頼三君) 百二十三万というのはいわゆる純公務員でありまして、それにただいまの小林委員の御指摘の三公社五現業は運輸、通信、電気、ガス、二百八万の中に入っております。それから六百八十四万の製造業はこれはもらタバコ、繊維、木材、窯業、鉄鋼――鉄鋼も製造業の中に入っております。機械ももちろん製造業の中に入っております。従って、これはほとんど民間産業の大から小までほとんど入れましたのが六百八十四万の製造業であります。従って、公務員というのは純公務員でございまして、主としてこれはほんとうの公務員であって、企業体はすべて通信、電気に入っております。 サービス業の三百三十万の一番大きな問題は、旅館とか飲食店とか、こういうのは数が一番大きな問題になっております。旅館業というものは三、二十万のサービス業の中に計算されております。三百六十万の卸小売り、これが一番多いのですが、それに金融、保険、これが三百六十万、これはもうほとんど中小の商業の方が一番大きくその中に入っております。
○小林英三君 学校の先生はどうですか。どこに入っておりますか。
○国務大臣(松野頼三君) 公務員の中に入っております。
○小林英三君 そうすると、私立大学はどうですか、私立の中小大学は。
○国務大臣(松野頼三君) 公立は公務員ですし、私立大受はちょっと統計が取れましたものが、そこに入っておりませんが、一般の小学校の方は公務員に入っておりますが、私立大学もこれは大事なことですから、いずれまた御答弁いたします。
○小林英三君 こういう機会に聞いておきたいと思います。
○国務大臣(松野頼三君) ちょっとこれに内訳がありませんから、大事なことですから、この内訳をもら一度資料で御参考に出したいと思います。
○栗山良夫君 そこで、大体大づかみのところはわかって参りました。一言で申しますというと、ただいま石炭企業から他に転業を求められるであろうと思われる人、今日もすでにそういう人が二万人おるわけでありますが、それをひっくるめておそらく今話題にしておりまする土建業にそのままぴったりおさまり得ると思われる人は全部ではないのです。そのらち若干、八〇%になりますか、七五%になるか、歩どまりがもちろんあると思いますが、それくらいの人数は施策よろしきを得れば土建業に全部吸収し得る……、最も自分が長年やってきた近い仕事に再就労し得ると私はそういうふうに確信をしたいのでありますが、この点は大臣のお考えはいかがですか。
○国務大臣(松野頼三君) 石炭の労務者の、これは二十八万のうちで十八万がいわゆる大手筋であります。大手筋のうちの十八万のうち十二万がいわゆる坑内、六万が坑外という職業別の区分けがございます。従って、その全部が坑内夫というならば、これはまた土建あるいはまたそういう労務方向がきまりましょうが、坑外夫の六万人という方はこれはある程度一般産業的な仕事を今でもされておる方たちです。従って、その内訳を全部が全部、その中の多少の相違はあるかもしれませんけれども、私どもは大体建設丈には適当だと、その意味で五千五百人の緊急就労というものを今回この予算で御審議をいただいたわけであります。それがやはり緊急就労は何をするかといえば、やはり河川とか道路とかが中心になります。緊急就労には一番適しておるという意味で単価を一般失対から上げまして五千五百人の方をこれに入れるわけですから、やはりそういう意味において、方向としては政府の方向も土建業に吸収し得る。全部が全部というわけには参らないかもしれませんが、そこに住宅をお貸しするとかあるいは移動資金をお貸しするとか、職業訓練をやるとかいうことにして、なるべくすべての産業に吸収をしたい。しかし、大筋はどこだといえば、やはり建設業というものが一つの目標であることは、これは間違いありません。緊急就労というのもやはりその意味で、建設業の緊急就労であります。特別に事務の緊急就労じゃないという性質を見れば、やはりその方向はその方向だ、こう考えております。
○栗山良夫君 私がお尋ねいたしましたのは、現実の石炭企業からながめたのでなくて、土建業からながめて、工事量がどんどんふえてくる。そうすればどうせ人は要るんだ、その人の要り方から考えて、石炭企業の中から出てくる転職者はその中へ十分吸収できるくらいの土建業の工事量の膨張の規模である、こういうことを私は申し上げたのでありまして、この点は大体お認めいただいたのでありますので、次に移って参ります。 そういう意味でいくといたしますと、ただいま労働省が、通商産業省なりあるいは建設省なりとお打ち合わせになっておるかなっていないか知りませんが、その点を伺いたいと思いますが、一体石炭企業の離職者に対して土木、建設業への転換をさせる具体的な方策というものはどういうことをお考えになっておるか。この法案はある程度私も拝見をし、ずっと通読いたしましたから頭には入っておりますが、この法案のねらっておいでになりますところの具体的な方策というのはどういうことか。しかもそれは成功の可能性があるかどうか、こういうことをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(松野頼三君) 一番最初にこの法案のねらいといたしますのはまず石炭離職者が石炭鉱業内における融通でまず使っていただきさたい、これが第一であります。第二番目は緊急就労において、ある程度のプール機関を置く。第三番目に職業訓練によりあるいは移動資金によって他の産業に吸収していただく、ここが問題だろうと思います。他の産業とは何だとなれば、一番大きなものは私たちは産業別に言うならば、これは建設業が一番大きく期待されるんだ、しかし、その方法としてはいきなり建設業に押しつけるという方法よりもやはり企業体の関連がございますから、石炭のまず系統別に、大手もありましょうしあるいは中小もありましょうし、系統別に自分の関連産業にまず使っていただく。関連産業の中に一番期待するのはおそらく建設業である。こういう順序であって、いきなりこれを建設業へもっていくといってもなかなか建設業で雇ってくれるかどうかわかりません。従ってまず、雇用者の方が優先的にお互いの関連産業の中に、建設業もあります、今田の大きな鉱業は大がい建設網を持っておりますから、そういう意味で、その方から業種別にいくならば建設業にいくであろう、いきなり建設業とこういう態度でなしに、やはり企業別のルートを通じて建設業に大きく期待する、こういう手はずをとることが今日の日本の企業別からいうと、系統別からいうと妥当ではなかろうかというので、他の産業の方も全部お呼びいたしまして、そうして労働大臣から、今回この法案を提出するにあたって各産業とも進んで使ってくれという奨励をしますと、さっそく実は製鉄業の方も、それじゃ使おうというので、百五十万年内でも採用してよろしいという話がありましたし、建設業の方もまだ確答は得ておりませんけれども、おのずからそういうふうな方向にいくのじゃなかろうかという期待をするのであって、これは労働省でも、まず第一には企業者がその方向で努力してもらいたいということで、どうしても足らないものをこの法律で救う以外にないというのが今回の案でありますから、いきなりこの案で直ぐ救ってしまうには少し早過ぎるのではないか。どうしても最後の場合は私の方で救わなければならない。第一には企業者の努力によって、みずからの会社の企業整備に当たるときには、みずからの会社の系統別で吸収してくれというのが第一意義であります。
○栗山良夫君 その会社の系統別に吸収をさせる場合には、事業主の自由意思にまかせないで、ある程度国家的な規制のもとにある程度の拘束力を与えて、そうして系統別の職場に吸収をさせなければいけない、こういうことはお考えになりませんか。これは私はやろうと思えばできないことはないと思います。野放しでなく、相手の善意に期待をする、こういうことでなくて、若干の国家の権力による拘束を加えて実施は可能である、この点もあわせて。
○国務大臣(松野頼三君) なかなか権力でこれを拘束するということは非常にむずかしいものですから、今回石炭鉱業についてはある仕度ほかの雇用者を雇ってはいけないというのですから、石炭鉱業が新規雇用するときには石炭の離職者を雇うということだけは、今回の法律で実はある程度義務づけておる。しかし、ほかの産業に義務づけるまでにはなかなかいかないのではなかろうかということで、私自身各産業に対しまして、勧告をしたり、お話をしたりしながら、任意的にやっていくのであって、これを強制というまでにはなかなかいかないのではなかろうか。やはり採用権、雇用権というものは今日やはり自由契約でありますから、雇われる方も自由であるとともに雇う方も自由であるという精神の上に立っているのでありますから、いきなりどこに何人雇えということはなかなかむずかしいのではなかろうか。ただし、石炭産業だけは新規雇用者を雇うときは石炭離職者から雇えということが今回の法案で義務づけられておりますけれども、ほかの産業にまで義務づけるというわけにはなかなか参らないのではなかろうか、こういう考えで、今回の法案で石炭産業だけにある程度義務づけたわけです。
○栗山良夫君 それは私の言葉が足らなかったのですが、たとえば石炭鉱業は土建業と同じだというふうに割り切って申しましたけれども、内部をしさいに検討すればありとあらゆる業種があるわけです、労働者の中にも。従って、同系列の関連産業でもこれまたたくさんな業種を持っているわけです。従って、関連企業の方において、その業種の中に人員が不足をいたした、それを見合う石炭企業の中の業種の人を吸収するということは一向私は無理でないと思うのです。そういう意味でできないことではないのではないか、こういうことを申し上げたのです。これはデスクも現場もどちらも言えるはずである。もう最近の企業というものは全部分業化していますから、それぞれの専門の立場にあるわけであります。従って、石炭鉱業の中にも電気工はたくさんおります。また分析屋もおれば、その他ガスの管理者もおる。たくさんな業種があるわけでありますから、それを関連産業の方に、同じ業種を一般公募するというときには、優先的に石炭企業の同じ親戚会社のものを、離職者を雇用するようにしてほしい、こういうことについて義務づけることは私は決して僣越ではないと思うのでありますが、石炭企業の中だけでなく、労働大臣、もう一つ踏み切っておやりになることが社会政策的に必要ではないでしょうか。
○国務大臣(松野頼三君) 義務づけるということがいろいろございますが、この第二章の第三条の職業紹介の中に、「職業紹介に関する計画を作成し、その計画に基き必要な措置を講ずるものとする。」これが栗山委員の御指摘のように、職安及び労働省のある程度の行政機関を使いまして、そういう所には同じような者はまず離職者を先に雇用するという計画を実はやるわけであります。従って、雇えという言葉は少し言葉が強過ぎますけれども、栗山委員のおっしゃるようなことはちょうど第三条で、これが通りますれば、この法律に基づいて労働大臣が作成する。作成するときには日本じゅうの産業の雇用指数を見ながら、お宅はこれだけ伸びているから、石炭離職者にこういう方がおるからこれを雇ってくれないかという話をして計画を立てますので、第三条がおっしゃるようなことに当てはまる条文なのではなかろうかということで、強制という言葉が、私の答弁の中では言葉が足りませんでしたが、そういう趣旨がこの第二条の計画の作成のときにおのずから取り入れられなければならないことだと考えております。
○阿具根登君 関連で質問いたします。今大臣が鉱業権者に対しては義務づけでやるということを御説明になったが、これは第六条を言われていると思うのです。これは義務規定であるかどうかはっきりしてもらいたい。
○国務大臣(松野頼三君) 報告をとるようになっております。報告をとることができる。報告をとるというと、報告に違反する場合は今の職業安定法によってある程度の罰則が実はかかっております。罰金刑まであるわけです。報告の規定に違反した場合にはそちらの方の義務規定がありますから、それでこれはやると、こうなりますと、おのずから義務規定であります。基本は報告をとるという義務が今日あるわけでありますので、その義務を怠った場合には罰則がある。その基本法をここに当てはめますから、おのずから報告をとるということをきめれますれば、報告に違反したときは今日の法律によって義務規定があるわけです。従って、報告をとるということが義務規定であって、ただちに雇い入れなければならないということの義務づけはありませんけれども、間接的には基本法において義務規定がありますから、今度ここに適用するのだということは義務規定の一種であります。
○阿具根登君 報告をとって、その報告に違反した場合には罰則がある、これは当然です。しかし、第六条では、「炭鉱労働者の雇い入れについては、炭鉱離職者を雇い入れるようにしなければならない。」ということ、新規に炭鉱を開く場合あるいは炭鉱が雇用をやる場合には炭鉱離職者でなければできない、これははっきり義務づけていると考えてよろしいですか。
○国務大臣(松野頼三君) 第六条の二項に、「鉱業権者は、炭鉱労働者を募集する場合には、公共職業安定所に求人の申込をしなければならない。」ということがありますから、職業安定所において、その求職というものを承認しなければならない、申し込んだときに、その職業安定所を通じなければならないということが今回法律で規定されますので、今度雇った方は報告を取りますから、おのずからそこにおいて義務規定が生まれる。いきなり直接に義務規定とは申しませんが、義務規定を背景として今回は強いものを入れた、こういうわけであります。
○阿具根登君 そこで、第六条の二項が問題になるわけです。「炭鉱離職者のみを雇い入れようとする場合は、」公共職業安定所は求人の申し込みをする必要も何もないのだ。そうすると、この一項と二項は非常に性格が変わってくる。一項、あたかも炭鉱業者が雇い入れする場合には炭鉱労働者の失業者を雇い入れなければならない、こうなっていて、いかにも大臣の説明でも、開いておればこれは義務づけられているのだというようなふうににおわしておられる。しかし、第二項では「公共職業安定所に求人の申込をしなければならない。」さらにそのあとに、「炭鉱離職者のみを雇い入れようとする場合は、この限りでない。」第一項では、炭鉱離職者のみを雇わなければならない、こうなれば義務規定だと思う。ところがそうじゃないようにちゃんとここに第二項に裏づけされている。そうするならば、炭鉱離職者を雇わないということになる。これは公共職業安定所に求人の申し込みをするだけであって、その中から炭鉱離職者がどのくらい入るかということは、これは安定所の話し合いによってできてくるものであって、決して炭鉱離職者を絶対雇わなければできないということにならない。その場合にはもう安定所に申し入れる必要もない。だからこれは義務規定じゃない、単なる訓示規定になる。私はこういうふうに感ずるのですが、違いますか。
○国務大臣(松野頼三君) 炭鉱離職者を雇うときには必ず公共職業安定所に求人を申し込まなければならない。求人を申し込めば、私の方の職安におきましては、この法の精神にのっとってまず離職者を先に紹介します。その離職者がどうしてもいやだ、これは個人の家庭の事情もあるのですから、離職者を強制的にここへ雇えということはできませんので、たまたま離職者を紹介したけれども、その数に足らないという場合には、職業安定所と相談の上、他の者を雇うということがあるかもしれません。そこまでやっていけないと規定してはおりません。第一には、炭鉱離職者を紹介するという、職安の申し込みでありますから、まず職安に全部申し込みなさい。職安は離職者を優先的に全部紹介します。これで満てればけっこうだけれども、個々の方がどうしてもあんな遠くはいやだというようなことで、数が満たなかった場合には、片一方は人間を欲し、片一方では離職者が数に満たないという場合もあることは想定できますけれども、全般的には、その趣旨というものは、強制的に相当強い指導と権限をもってこの法律ができればやるつもりであります。雇ってしまってからは報告を徴しますから、勝手に鉱業権者がほかの方から雇ったということはできません。そのときには、職安を通じてなぜお雇いにならなかったかということを強制的に勧告いたします。それでなおかつ報告をしなかったときには罰則にかけるというので、さしあたり特にこれで一足す一は二のように強制権はありませんけれども、まあ労務雇用契約というものの性質からいって、強制割当もこれはできません。と同時に、雇用者の方にも、離職者の方にも強制移動の命令はできません。そういう意味で、この辺はある程度行政的に幅を持たせませんと、それじゃきめた以上は、今度は労務者に、あなたここに行って働きなさいと命令しなければ数が足りないかもしれない。それも今日の実情から不可能であります。従って、労務者の方の自由意思を個々に尊重する意味において、炭鉱離職者の方もぎりぎりにまでこれを規定すると、かえって差があるのじゃないかということでこの第三条の規定でやっておるわけです。私は第一に、炭鉱離職者を雇うことは、この法律が通りますれば間違いなしにやると思います。しかし、行きたくないという方があった場合のことも考えなければなりませんので、これは強制できません。その二つの意味を考えていただくと、この第三条くらいが今日の実情に合うのじゃないが、こういう考えであります。
○阿具根登君 炭鉱離職者が炭鉱に再度勤めるのをいやだという場合は、これは問題にならないはずなんです。これは炭鉱の離職者対策――炭鉱離職者が何とかして仕事につきたいという人に対する対策であります。しかもこれの精神というものは炭鉱が長い間労働者として雇用しておったものを、こういう経済状態の変化によって締め出さねばならなかった、その責任はこれによってカバーしなければならない、責任があるのだということがこれにうたわれておると思うんですよ。そうするなら、これは炭鉱業者の責任の問題である。だから、この第六条をただ見る場合には、ある人は炭鉱では全部炭鉱の離職者を雇わなければできないだろう、こういうように感じるでしょうし、ある人では公共職業安定所に行って、今度はその場合に炭鉱離職者を世話してくれ、世話するというのじゃなくて、どういう仕事のできる人をくれ、どういう人を世話してもらいたい、こうなってくると思うんですよ。そうした場合に同じ炭鉱の離職者であっても、会社が言うような求人がおらない、こういうことに非常に私は不安を感じるわけなんです。そこで大臣、炭鉱離職者という範囲はどういうように考えておるか。数の範囲じゃない。質の範囲ですよ。炭鉱でも職員もおれば鉱員もおります。指導監督の任にある者もおります。そういう範囲をどのくらいに考えておるのか。ただ漫然と炭鉱離職者を全員雇えといっても、炭鉱は成り立つものじゃございません。だからといって、こういう規定を設けておくならば、ただいま私が言ったように、自分の好きな人間だけを雇うような結果になってくる。離職者対策にならない、私はこう思うんです。
○国務大臣(松野頼三君) 炭鉱の今の労務者の中で、先ほど十二万と六万というのは大手であります。これが大体十八万。そのほかに中小が約十万、そのうち坑内夫の数が約七万、坑外夫の数が約二万七、八千人。坑外夫と坑内夫の率が世界から見ると、坑外夫の方が日本は少し高めであります。諸外国は一〇〇と四〇くらいですが、日本は一〇〇と五〇で、一〇〇が坑内夫で五〇が坑外夫です。一〇〇と四〇というのが一つの標準かもしれませんが、どっちかというと高めの方です。さしあたり企業合理化とかいろいろな問題は坑外夫が多いということは日本の一つの特殊性じゃないか。その坑外夫というものが今度の離職者の中に相当出てくるということを想定しなければならない。坑内夫はもちろん出て参ります。そうなってくると、炭鉱を経営される場合はいろいろこういう者がほしい、ああいう者がほしい、その人がぴしっと当てはまれば別ですが、坑外、坑内は場所によってそう違うものではありません。私はそういう特殊のものは何人かであって、大部分の人が炭鉱離職者の技能が次の炭鉱に行って当てはまるというその論拠は何かというと、今までの石炭産業内における移動は大へん多いんです。先ほども統計で示しましたように五万人くらい移動しております。五万人離職して五万人が同じ石炭の仕事に行っている。移動性が多いといっても大体労務というものはそんなに差がない、そんなに炭鉱の山々によって違うものではない。特殊な人が違うのだ。炭鉱労務者の移動性があるということはどこの山も共通なんだということは過去の統計が示しておるじゃないか。従って、石炭労務者は石炭艦業に吸収しなければならぬ、特殊の人が家庭的に地域的にどうというような議論もあるが、しかし、年令的に違いが出てくるだけであって、おそらく石炭の離職者は石炭に吸収できる。できない方は特別の深い竪掘りとかあるいは特別のところであって、私はそれはおそらく労務がむずかしいから離職者が出る、中小の山というものは非常に労働が過重であります。そうして能率が上がらないから先に中小に離職者が出たり、だんだんいい山ほど実は経済的にコストが合うのでいつまでも整理がされずに安全だという逆な現象も出てきております。やはり現在離職された方はどっちかというと労務的に非常に苦労された方です。従って、次の山に行くときには十分間に合う。統計的な調査をしまして私はこう申し上げておるわけです。そんなに特殊の方は別ですが、大体石炭の労務者は石炭の鉱業に吸収できる方はほとんど全部――全部とはいいませんが、中には特殊な技能者もおります。そういうことを勘案するならば、石炭の離職者はまず石炭鉱業に吸収してくれというのはそう不当なものではなかろうというところから、私は過去の統計から調査いたしまして実は申し上げておるわけです。阿具根さんは一番専門家で、私以上に実情を御存じでしようが、私の言うことは総体的にははずれておらない。阿具根さんの専門的な知識からいうならば私の答弁は不十分かもしれませんが、私はそういう意味で離職者のことは調査して間違いないのじゃなかろうかと思います。これがこの法案の趣旨であります。
○阿具根登君 関連ですからやめますが、総理大臣がそれだけお考えになっておるとするならば、炭鉱離職者は雇い入れるようにしなければならないという非常に解釈が両方にできるようなものでなく、たとえば炭鉱をやめた人は登録してくる、職安にちゃんと登録してくる、その登録の中から雇わなければできない、こうすれば、今大臣の言われたやつがぴちっとこれに当てはまるわけです。だから私は心配して今の質問をしたのですが、大臣が言われたように、非常に中小炭鉱は移動が激しい、しかもその人たちはどこの炭鉱に行っても仕事ができるのだ、これが大部分であるということになるならば、こういう漫然とどちらにも解釈できるようなことでなくて、この人は炭鉱の離職者であるという登録をして、そうしてその登録をしておる中から採用しなければならない、こうするのが私は正しいと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(松野頼三君) 御趣旨のようにこの法律が通りますと登録いたします。全部調査しまして、それで一定の条件がありまして、過去において一定期間炭鉱に勤務した方、年限は三十年の整理から以後の方、しかも現在炭鉱地帯に居住しておる方、この三つの基本条件を備えまして登録いたします。他の職業についておる方は登録いたしません。そういう三つの条件で求職を希望される方というのは今度全部登録いたします。この法律が通りますと行政的に炭鉱離職者は正確に把握する。その方は優先的に就職するという意味で、そういう三つの条件を備えて、なおかつ、就職希望の方を全部登録いたしましてその方を優先的にやるわけであります。この法律にはございませんが、そういうことはこの法律が通りますと直ちにやるわけでございま
○栗山良夫君 私はただいま話題になりました第六条によって失業者を同じ石炭鉱業に横すべり吸収をするという案、また、同系列の会社に私は義務づけて行なわるべきであると考えますが、まあ大臣はそこまではやれない、誠意を持ってやりたいとおっしゃる。しかし、そういうことをしましても――何べんも申しますように、石炭政策の基本がまだ未確定でありますから断言はできませんけれども、今日のエネルギー源の状況からいえば、それでは石炭企業を私は大乗的に安定させていくことはできない、石炭企業の労務者を安定させていくことはできない、こういう観点に立ちまするので、そこで先ほどから御質問申し上げているわけであります。 大へん長時間になりましたから、最後に結論的にお尋ねをいたしますが、私は、日本の労働者はやはり労働力を持っておって、しかも精神的に安心感というか、安定感を持って働かせるということが必要なんです。その場合に、日本の労働者はどういう立場にあるかと申しますというと、欧米各国のように要するに、労働を売る、会社側が労働を買う、こういうような単純な労働契約で随時に職場を転々と移行するというような、そういう性格までまだ行っていない。やはり一つの企業イズムというものがありまして、会社の役員が自分の企業に対して非常に魅力を感じ、哀愁を感ずると同じように、そこに一たび職を奉じた職員、労働者の諮れもまた同じように哀愁を感じておる。そこでそういう長年の習慣、習性を持っておる労働者について、企業がうまくいかないからというので、若干の人目を失業させて、そうしてばらばらにして、他の職場に配置するといいましても、労働力はありましょうけれども、安心感というか、安定感、これが非常に欠けておる。これではうまくないので、私が考えるのは、たとえば、ただいまの石炭企業の中にもいろいろな会社が、大中小さまざまあるわけでありますが、そういうところで抱えている多数のまとまった労働者諸君を職場に置けない、産業の状態で、置けないというような事態になったときには、それをみずから、今二つの私が申し上げました条件を満たしつつ配置転換する方法としては、それらの会社がただいま需要の非常に多いところの土建部門というものを新しく設けて、そこにやはり組織体をこさえて、そして公共土木、民間土木に進出をしていく、そういう道を開くことが一番いいのではないかということを考えるわけです。で、一部には何か建設隊を作るというような話があるようでありますが、それと私の考えとは違うのであります。やはり日本の持っている企業の長い習性というものを十分に念頭に入れて、労働者に労働力とそして安定感というものを与えつつ、しかも国の仕事に協力してもらうという意味においては、何としてもそういうことが必要ではないか。たとえば一つの例を申し上げますならば、ただいま問題になっておる三池の鉱業所にいたしましても、あれだけの整理をするということであるならば、あそこにはたくさんの業種の人がおるのでありましょうが、そういう人を包含して、やはり三井の一つの土建会社というものを建設をし、そうしてこの土建会社をして労働者を一応安心させて、そして全国に今ふえていく工事量をこなしていく、そういう組織体を作ることが必要ではないか。私はそう考える。これほどたくさんな工事量、土建業の工事量がふえているのに、既存の銘柄の通っておる業者だけがこれを独占してしなければならぬという規則は何もない。完全な自由企業でありますから、従って、工事量がふえただけはそういう業者がふえていってもよろしい、私はそう思います。そのときには国としてやはり腹をきめることは、最近の土木工事は機械化が進んでおりまするが、しかし、今日の大手の土建会社があれだけ機械化が進んでおる土建業というのは、大てい注文主が、アメリカなりヨーロッパから優秀な土木機械を入れて、最初は貸与です、工作機械を貸して、そうして運転の仕方までも教わって、要するに労務賃と設計料と、それから技術の請負のような格好になっているわけです。それが現実の姿ですから、そういうことであるならば、新しく建設部門の拡張を石炭部門がしていこうとしましても決して不可能ではない。私はこれはできると思うのです。国がそういう腹をきめさえすれば非常にそういうことをやることが一番好ましくないか。で、労務者を全国のいろいろな職場に移動する場合におきましても、そういう一つの企業イズムの上に立った組織体ができて、そうして労務者をこちらの土建の現場に配置するということであれば、家族も安心するし、本人も安心する。どうしてもそういう道を開くことが必要ではないか。私はこの法律に一番欠けているところはそこではないかということを、通読をいたしまして一番最初に考えたわけであります。この点は私も別に専門的に掘り下げて具体案を持っているわけでありませんから、ある意味では思いつきかもしれませんけれども、何としてもこれをやらなければならない、こういう気持にただいまかられているわけであります。労働大臣はこういうことについてどういう工合にお考えになるか。もちろんこれは通産大臣も……一番任のあるのは建設大臣でありますから、建設大臣の御所信も伺わなければならぬ。建設業というのは登録業でありますから、従って、建設大臣がどういうお考えをお持ちになっているかということがこれを決するわけであります。そういう意味で建設大臣にもお尋ねをいたしたいと思いますが、当面この法案を御提案になりました責任者であられる労働大臣の所見、これを伺っておきたい。
○国務大臣(松野頼三君) 栗山委員の御指摘の、この法案には確かにその条項がある程度欠けております。欠けている理由は、実は、この法案は、現在離職している方に対して、非常にもう他に職業がないという一番お困りな方に対する緊急措置でありますので、その意味においてはそこまで実は……、大企業ばかりではない、主として中小から出た方が非常に多いものですから、この離職者法案はそういう趣旨で、その方向というものはある程度欠けている。将来大企業がぼつぼつそういうふうな方向に来る場合には当然そういう方向を私はとりたい。その中に建設業というものも当然入ってくる。今後やはり大手の方がおやりになる場合に、資本力、経済力また人数から言いましても相当な数になりますので、栗山委員の御指摘のように、産業別に作って、なるべく離職しないで、その施業の系統内における他の産業に転業してもらうということは、これは一つのいい案だと考えて、今後その方向を私も研究したいと考えております。 もう一つ、先ほど実は小林委員の教員はどこに入っているかということをつけ加えて、ただいま参りましたので、教員は国・公・私立はサービス業の中に、先ほどの分類の中に入れております。公務員は国及び地方の非現業の公務員だけを百二十三万と申し上げまして、それは先ほどの教員を国のサービス業の数の中に入れておりますので、小林委員おられませんけれども、あわせてこれをつけ加えておきます。
○栗山良夫君 ただいまの私の意見について、労働大臣は当面の危機を打開する方法としてこの法案を提出したので、将来の問題については十分に考え、善処したいというお話でありますから、私はぜひそういう工合に進めていただきたいと思うのであります。 建設大臣がおいでになりましたならば、もう一度所信をただしたいと思いますが、問題は、たとえば独占企業というものは自分がやろうと思えば何としてもやるのです。たとえば四国の新居浜に行けば、あそこのそもそもの発展は別子鉱業所でありますが、ただいま別子鉱業所の方が隅っこになってしまって、あそこの系列の大会社が全部港を埋めている。従業員の総数からいっても、別子鉱業所と他の住友系の諸会社と全然問題になりません。おそらく大布田の三井でもそうでしょう。三井の石炭というものが始まりで、それからあと三井にはさまざまな大会社が煙を吐いておるわけであります。これと同じ筆法で、あるいはそれよりももっと近い方法で、最も似た業態、最も近い業態である土建業というものが進出をして、そうして中小の都市の石炭炭鉱労務者もいるでしょう。そういうものを石炭屋は石炭屋という一つの系列の中から組織体を作って、そうして土建建設業へいどんでいくということであれば勇ましいだけでなくて、内容的にも労働者は非常に私は精神的に安心感を持つのでありまして、そういう方法をやはり何としても急速に立てて、必要であれば法的措置を講じなければならぬでありましょう。その他いろいろなやるべきことがありましょうけれども、とにかくそういう道を開いていくということが必要ではないかと思いますので、これは慎重に一つ考慮して、そうして具体化をはかっていただくことを要望しておきます。
○阿具根登君 私のは関連質問だからもうやめたいと思っていたのですけれども、今大臣は非常に重大な発言をされた。いやしくもこういう委員会で、しかも毎日のように新聞やテレビで三池の問題が騒がれておる、その騒がれておるその中に、私どもから言わせるならば、ほとんど会社が考えておる今度の離職勧告をしたものは社会党員が大部分である。私どもは政治的な弾圧を企図しておるのではないかと、こう考えております。しかし、労使の紛争の中に国会が入るということは避けねばならない、こういうことで質問も避けておるわけです。ところが、今大臣の話の中には、三井鉱山で港務所を分離する考えがあると、こういうことを言われたとするならば、今の闘争に火をつけるようなものだ、そういうことが全然組合員にも知されておらない、全然知らない、それを国会で責任のある大臣が三井鉱山は港務所を分離しようとしておるのだということをここで、この公式の場所で言われたならば大へんな問題だと私は思う。現実にあるならばはっきり説明してもらいましょう。非常に重要な闘争をやっては、おるのに、国会はなるべく介入しないようにということで私自身避けておるのに、大臣からこういうことを言われるということになれば問題は非常に大きくなると思うが、この点どうですか。
○国務大臣(松野頼三君) 後ほど阿具根委員が速記録をお調べいただけたらなお正確でありますが、私は三井とも住友ともあるいは会社を一言も言ったことはありません。ただいま港務と言ったのは港を持っておる運送業の意味の港務という話をしたかもしれませんが、その鉱業所とも言っておりませんし、三井のことも言っておりませんし、私は三井の紛争のことを委員会で一言も発言しないように注意しております。ただいまの港務というのは港の運送という意味を念頭に置いて話をしたわけであります。だから三井とも言っておりませんし、三菱とも言っておりません。それはどうぞ後ほど私の言葉が、私も自分の言葉ですからもしあれでしたら速記録を取り調べて私も訂正いたしますが、私の先ほど言いましたのは、三井とも三菱ともどこの会社とも一切言っておりません。港務という言葉を言ったのは、港の運送という感じで港務ということを念頭に置いて言ったのでありまして、鉱業所ということは一切言っておりません。会社の名前も言っておりません。運送とか建設とか港というようなことを念頭に置いてそういう意味で港務ということを言ったことはあるかもしれませんが、それは一つ大きな誤解ですから、私もそれを取り調べますし、あとで阿具根委員も速記録をお取り調べの上、もし言ったならば私も今の言葉は間違い、私は万々言っておらないつもりであります。会社の名前は非常に用心して一切言わないようにしておりますので、さよう御了承願いたいと思います。
○阿具根登君 時間を長く食うのがまずいので私から申し上げます。今までの栗山委員の質問は炭鉱離職者法案について炭鉱の問題で質問されて、三井建設の問題が出ておったわけです。それに対するあなたの答弁で、港務を分離する、港を分離するということを言われたが、日本の炭鉱で港務所を持っているのはどこがございますか、あなたは三井とも言わない、三菱とも言わないとおっしゃいますけれども、どこに港務所を持っている炭鉱がありますか、三井だけです。そうならば、三井と言わないとしても、今の質問から見てみるならば、これは三井をさしておることは事実です。そのほかに炭鉱で港務所を持っておるところはございません。そうすると三井ということがはっきりわかるじゃありませんか。この闘争のまっただ中に二井は港務所を分離しようとしておる、このようにしかとれないわけです。こういう不穏なことをここで、公式の場所で言われるというならば、その根拠を私は問いたださなければならない。事実だとするならば、これは非常に大きな問題が出てくる。そういうふうにあなたはお考えになって言われたかもしれませんけれども、おそらくこれが速記録に載り、これからこれが新聞に載るとするならば、どこをさしているかということは、炭鉱を知っている者は全部わかるはずです。だから、あなたは三井とも言いません、三菱とも言いませんと言いますけれども、それは詭弁です。あなたの発言からいうならば、それをさしている以外にさすところはありません。私はそう思います。
○国務大臣(松野頼三君) 栗山委員の御質問も、一つの大企業ということで、三井という言葉を対象にして私言っているようなことは毛頭ございません。栗山委員の頭の中にも、三井を対象にして話をしているということはございません。従って私は、港務という言葉がどういう意味か知りませんが、港あるいは運送、建設という中において話をしたのでありまして、三井に港務所があるかどうか私は知りません。ほかの会社にもあるかどうか知りません。そういう固定な考えで申したことは断じてございません。質疑の内容をお聞きになればわかります通り、会社の名前を一音半句も言いません。栗山委員も会社を対象にしての御質問ではありません。港務所がどの会社にあるのか、三井にあるかどうか知りません。かりに言うならば、運送、建設というものが一つの対象として、新しい意味において建設業を興こす、あるいは運送業を興こすのだという新しい産業の場面において話をしているのであります。企業整備の話を念頭にしての、その中には一つも出ていない。新しい産業をどうお興こしになるだろうかという中で話をしているので、それはどうぞ阿只根委員も速記録をお調べ願いたいと思うのであります。
○阿具根登君 それでは委員長にお願いしますが、全労働大臣が言われた趣旨と反しておるものがあったならば、全部削除していただく。私は自分の耳が曲っているとは思いませんが、港務所を分離するという話を聞いております。そうはっきり大臣は言われたと思うのです。ところがあとからの答弁では、それがない、とするならば違った答弁をされておるから、全部削除してもらいたい。このように委員長にお取り計らいを願いたいと思います。
○高野一夫君 議事進行について。ただいま労働大臣のお話もありましたから、双方ともに速記録を十分お調べになった上で、午後適当な措置を委員長、理事において取り計らうことができるようにして、この辺で午前の委員会を休憩にしてはいかがかと思いますので、お諮り願いたいと思います。
○委員長(加藤武徳君) それでは、ただいまの阿具根委員の御発言の点よく承知をいたしまして、速記録を調査の上処置をしたい、かように考えております。 それでは手前の質疑はこの程度にいたしまして、午後は一時半から再開いたしたいと思います。暫時休憩いたします。 午後零時三十八分休憩 ―――――・――――― 午後一時五十一分開会
○委員長(加藤武徳君) それでは午前に引き続いて再開いたします。 質疑を続行いたします。
○栗山良夫君 午前中労働大臣が御出席になりましたときに、通産省の政府委員並びに建設省……。
○委員長(加藤武徳君) 大沢政務次官が間もなく参ります。
○栗山良夫君 政府委員等の御出席を得まして、炭鉱離職者に関する法案を二、三点お尋ねしたのですが、その中で、特に政策的なもので、通産大臣にあらためてお尋ねしておきたいことが二、三点ございます。この点については、もっとこまかく申し上げなくても、先ほど政府委員の方でお聞き願っておきましたから、私がお尋ねをする要点については、大臣にそれぞれ御連絡をいただいたことと思いますので、ごく簡単にお尋ねいたします。 一つは、しばしば今までに商工委員会あるいは社会労働委員会で問題になりましたように、石炭の今日のこういう危機というものは、政府の政策よろしきを得なかったんではないかというところに問題がしぼられておるのであります。それは八千万トン・ベースまで増産をする。増産をすることによって縦坑開発を中心にしてコストを引き下げていく。これで日本の石炭企業は十分外炭とも対抗し、重油とも対抗する、こういう一つの構想のもとに進められたんでありますが、これは政府の立案が間違ったのか、あるいは経済情勢がその後激変したのか、それぞれ見方が違うわけであります。社会党としては、政府の施策がきわめてずさんであった、こういうことに一応なっておるわけであります。とにもかくにも計画通りいかなかったことだけは事実であります。そこで、この際石炭企業というものをどの程度で安定をさせて、そしてどの程度で日本のエネルギー源の重要な責任を負担させるかというところに問題があると思います。私は、少なくとも、もうすでにある人は斜陽産業だと言い、人員を整理しなければならぬと言いますが、少なくとも今日まで国家的な相当な庇護を受けて、終戦後回復してきた企業でありますから、今日の出炭ベース、これくらいはもちろん保証、その保証の上で安定経営ができるようにすべきであると考える。ところが、肝心のエネルギー源から見た政府の石炭政策というものはまだコンクリートになっておりません。そういうところに国民としては割り切れないものがありますから、これを通産大臣がどういう工合に始末しようとしておられるのか、この点が伺いたい第一点であります。 そこで、この問題が基本点になりまして、それから石炭の問題はどうする、労務者の問題はどうする、そういう具体化の問題が出てくると思いますので、そういう点をお含みの上で御答弁をいただきたいと思うわけであります。
○国務大臣(池田勇人君) 石炭鉱業の現在の不況の原因にはいろいろございまするが、政府といたしまして、見通しにつきまして誤りのあったことも事実でございます。また、他方、石炭鉱業者自体並びにその関係業者の努力の足りないところもあったと思います。また、三点には世界的経済の変化と申しますか、重油あるいは原油に対する船賃の非常な引き下がりによりまして二、二年前対抗し得ると考えておったのが、対抗し得ない。この三つの点からきておると思うのでございます。従いまして、その中心をなしまする石炭鉱業がいかにあるべきかということにつきまして検討を加え、政府がこれにどういう措置をとるかということを考えておるのでございます。いろいろの御意見もありましたので、法律で設けられました石炭審議会のうちに新たに石炭の基本問題研究部会を設けまして、いろいろ業界の現状、それをどうしたらいいか、これは石炭鉱業ばかりでなしに運送その他消費者の面等につきましての検討並びにこれに対しての政府の施策等につきまして諮問をいたしまして御検討願っておるはずでございます。今月の十五日ごろには結論が出るかと開いておりまするが、その石炭基本部会においての御研究と相持ちまして通産省といたしましても検討を重ね、そうして、政府としてとるべき施策はどうしても来年度の予算に盛り込む必要がございますので、ただいま検討を急いでおる次第でございます。
○栗山良夫君 先ほど労働大臣を中心にして将来の問題をずっと議論というか、お尋ねをいたそうと思いましたけれども、一番根本になっているただいま御答弁を願った点がまだきまっていないものですから、こうきちんとした話し合いというものはできないわけです。この点は事情は通産大臣おわかりだと思いますので、緊急にその基本点を確定をされたいということを強く要請しておきます。 それと同時に、第二の問題は、ただいまの出炭べース、これが維持できるかできないかということが一つ、石炭企未の安定経営という前提条件のもとに維持できるかできないかということが一つの問題なんであります。そこで、いろんな情勢を考えてみますというと、かりに重油と石炭とが価格的に同じになりましても、片方は流動体でありまするから、便益は多い、どうしても自由に放任しておけば重油の方に流れていくということになります。そういう一般経済界のエネルギー源に対する扱い方の問題もひとりでに出て参ります。 それから、もう一つは積極的に石炭の消費を今減らしているのは鉄道があります。大量消費者でありますが、電化を、あるいはディーゼル機関車に置きかえを大へん急いでおります。これがだんだんだんだんと鉄道合理化で徹底していけば、鉄道に使う石炭というものはゼロにだんだん接近してきます。 そこで、これらの諸条件を考えた場合に、ただ一つ明るい見通しとして電力の需用というものは計画量を毎年上回って伸びている。ですから水力、火力の開発が計画を常に修正をしながら進んでおることは主管相であるあなたが一番よく御存じであります。従って、その中でも日本の水力資源というものは、もう先が見えて参りましたから、当然将来増大をしていく電力需用に伴うところの電力生産というものは、熱エネルギーにたようなければなりません。そこで私としては、いろいろ方法はありましょうけれども、とにかく石炭企業という、この社会問題化したこの危機を乗り切って、そうして、なおかつ国家的な貴重な地下資源を安定して経済界に貢献させていくという一つの道は、一にかかって、電力界が率先して石炭を電源開発に使っていく、こういう一つの大方針がきめられなければいけないのではないか、こう思うわけであります。で、この水力との問題につきましては、私、ただいまいろいろ資料も作っていただいておりまするから、商工委員会において、あらためて詳しくお尋ねをいたしたいと思いますので、きょうばいたしませんけれども、そういう考え方で電力開発に石炭をどんどんつけていく。そうして出炭べースを維持し、石炭経営を安定化していく、こういう一つの方途というものが考えられないかどうか、この点が問題であります。で、火力発電をする場合に、現在の九電力でやるのか、あるいは電源開発にやらせるのか、あるいはもっと別なものを考えるのか、そういう方法論は別であります。別でありますが、少なくとも、とにかく国家の一つの政策として、社会問題を解決する方法として、石炭を主とした火力発電というものに国が本腰を入れていくかどうか、こういうことがやはりこの問題を解決していく一つの重要な問題であります。この点を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) ただいま生産された石炭の最大の需要者は電力でございまして、全体の二割二、三分程度、しこうして、以前は水主火従といっておりましたが、最近はやはり火主水従というような状態になりました。今後火力発電の伸びていくということは当然と思います。従って、火力発電の場合に、どちらが採算がいいかと申しますると、ただいまのところでは、やはり遺憾ながら油の方が非常にいいようであります。しかし、所によりますと、すなわち、産炭地におきますると、これは逆でございます。しこうして、現在電力の需用はどこが一番伸びるかと申しますと、産炭地以外の東京、名古屋、大阪方面、しかもこれからはどんどん大規模の火力発電ということになっていく。そうして石炭の面から考えますると、そういう大規模のところに石炭をたくさん使っていくことが望ましいのでございまするが、採算的に申しますると、非常に電力料に影響するほどの赤字になっている。しかも今ボイラー規制法によりまして、重油専焼を許しませんで、さしむき使わない石炭ボイラーを置かなければならない。こういう不経済的なことを考えますると、産炭地でない、しかも非常に高くつくところに、今後の火力発電を、やはり混焼ということでいくか、あるいはそういうところは重油専焼でやむを得ないが、電力界全体としては石炭鉱業を考えて、全国的に相当程度やはり毎年ふやしていく、こういう考え方になってもらって、両者が立ちいくような方法を考えるべきではないか。同時に、産炭地におきまして低品位炭等を使って、そうしてこれを消費地の、たとえば京阪神地区の方に持っていく場合に、輸送の運賃を考えるのと、そうして送電線を考えるのと、どういうふうに違っていくか。送電線を使った方が石炭自体を運搬するよりも非常に安くいくという場合の研究等もいたさなければならぬと思います。また、最近では、石炭鉱業の方々も非常に真剣になられまして、石炭業者自体が、相当の施設を持って、完全ガス化ということの研究を始めようというふうにいっておりまするが、いずれにいたしましても、御質問の電気関係と石炭関係につきましては、私としては、毎年計画的に相当石炭を使うように電力界自体で考えていくことを強く要請しようと思っておるのであります。
○栗山良夫君 この問題は、そういう方針がきまれば、あと解決する方法論というものは、いろいろその方法があると私は考えております。ただ問題は、やはり公益事業でありますから、電力料金というものの引き上げということが非常に困難であります。従って、需要者側からいえば、安い電気を求めるわけでありますので、石炭の値段が高いときには、やはり自由経済下においてはいろいろ問題が起きる。そこで、社会政策的に、石炭で発生したところの電力と、それから水力、重油が発生したところの電力、そういうばらばらにいろいろ発電原価というものが出てくるわけでありますから、その間の調整を国がどういう工合にして、そうして需要家に満足するような供給をするかということに一にかかると思います。そういう方法論の問題については、先ほども話した通りに、商工委員会で私はあなたにお尋ねをしたいと思っておりますが、根本の考え方としては、電力のための出炭べースを維持し、できるならばこれを増していく方法を――将来は予想以上にふえていくところの電力エネルギーの消費が原子力にまで待たなければならぬほどの見通しを持っている電力に相当荷物をかぶせる、こういう方針でなければならぬということについては、原則的にお認めいただけるかどうかということなんです。
○国務大臣(池田勇人君) 全く同感でございます。
○栗山良夫君 それから第三点は、炭鉱離職者の直接の問題でありますが、先ほども労働大臣に伺いますというと、五十一万人の従業員のうちで、出入りはありますが、すでに今日二万一千人が離職している。それから業界のいろいろな声によるというと、あるいは七万人といい、あるいは八万人といい、石炭危機ということのために転職を要請されなければならぬ人員が出ている、こういうことであります。そこで、それを解決する一番いい方法はどういうことかということもいろいろお尋ねをいたしましたが、この法案には、どうもそういう精神が入っておりませんから、お尋ねをいたしますというと、これは現在出ている当面の者の解決策で、恒久策ではないんだ、こうおっしゃいましたから、私はまあ一応理解をして引き下がったのであります。しかし、恒久策を考えなければなりませんので、その恒久策としては、ただいま一番石炭企業によく似ている日本の業態は土木建設業である。石炭鉱業というのは、穴を掘って、そうして地下の鉱物を運び出す。こういう掘さくと運搬の仕事で、もちろん他の仕事の面も持っておりますが、簡単にいえばそういうことである。一番かわりやすいのは土木建設業である。ところが、土木建設業の工事量の増加状態を見ますと、もう昭和三十年からものすごくふえております。将来も、道路、水害対策あるいは港湾、鉄道、電源開発、その他あらゆる部面を見ますると、国土開発を中心にした土木建設業の工事量というものは、さらに格段の増加をしていくでありましょう。ですから、炭鉱の離職者の中で、土木建設業に向く人が、全離職者の中の何パーセントに当たるかはわかりませんけれども、とにかく相当な部分が、そんなに無理をしなくても、建設業に回せるのではないか。こういうお尋ねに対しても、労働大臣は同意を表明せられたのであります。そこで、やり方でありますが、離職した人を個々ばらばらにあちらこちら分散をするということは、日本の労働者は好まない。アメリカなりヨーロッパの労働者と違いまして、日本の労働者は、外国のように自分の持っておる労働力を労働契約によってその瞬間々々売った買ったでやっておるのじゃないのでありまして、やはり一つの企業イズムの中にありまして、役員の諸君がその企業に対して非常な愛着を持っておると同じように、そこに職を奉じた労働者諸君もまた同じ考えである。従いまして、そういうことがないというと、労働者の精神的な安心感というものはなくなってくる。そうしてうまく働けないということになりまするから、それを一番よく解決する方法は、土木量が非常にふえるわけでありまするから、ただいま三井なり、三菱なり、古河なり、住友なり、日本の大全美は、かつて地下資源開発を母体にしていろいろな化学産業まで伸びてきたのでありまして、そういう例にならって、やはり土木建設業という新しい一つ仕事を興こして、そうしてそこへ母体であるところのマイニングの方で仕事をする人が余るということでありまするならば、それを配置転換をしていく、みずからの力で配置転換をしていく、そういう組織を作っていく、こういうことが一番時宜に適した方法ではないかということを私は考えておる。ところが、どうもそういうことはこの法案にはないわけであります。まあ閣議でそういうことを御論議なさったということも私は聞いております。そこでこれはあとで建設大臣がおいでになると思うから、今度建設大臣の御意見を伺いますが、少なくとも当面関係のある三大臣が同意を表明せられたときには、一つ十分に具体化をする用意を持って研究をしていただきたいということが私の希望になるわけでありますが、これについての御所見はいかがなものでありましょうか。
○国務大臣(池田勇人君) 今後出ることを予想されまする炭鉱の離職者におきましては、これはどうしても離職する方々の行く先をわれわれでいろいろ考えなければならぬと思います。今でもある会社は関係会社の方へほとんど吸収したと、これはいんしん産業を持っておるところの一つの産業団体ではできますが、しかし、これは今後また起こることあるべきものをまたそういうような方法でいけるかどうか、なかなか疑問でございます。従いまして、できるだけ関係の、まあ中小企業は別でございますが、大手の山は皆ありまするから、自分のところで吸収する。そうしてもしそれが余るような場合には、また余りましょうが、それを今栗山さんのお話のように、三井関係の者なら三井建設がございますから、それへ入れるとか、あるいはないところはそれをこしらえてやったらどうかというぐらいのことを労働大臣あるいは建設大臣と相談いたしましてやっていきたいと考えておるのであります。
○栗山良夫君 これはやはり同業種は同業種でありまするから、中小炭鉱の離職者もやはり三井なり、三菱なり、古河なり、住友なり、そういうところに土建部門という一つの組織を作って、そうして既往の土建業者と協調しながら、膨大な国家資金を使っていく公共土木、その他民間土木について参加をしていくということになれば、石炭屋は石炭屋同士のグループとして訓練もできまするので、非常に心の安定も得てりっぱな土建組織もできると思います。そういう意味でただいま御賛意を表しましたから、ぜひ一つ具体化するように、この法案とは別でありまするが、将来の問題として内閣で取り上げて善処を賜わるようにお願いをいたしておきます。
○吉武恵市君 私も池田通産大臣に石炭の基本の考え方についてお尋ねをしたいと思います。 実は本委員会におきましては、目下石炭離職者の法案を審議しておりますし、さきに政府といたしましても、予算において約七億近い予算を立てられ、これに民間の拠出金を合わせますと約十億に近いと思います。なお、政府の予備金でも相当の金を出されておるのでありまして、それは非常にけっこうだと思いますが、いわばこれは炭鉱から離職している失業者の救済の処置でありまして、消極的な処置にすぎないのであります。今後いろいろまた合理化も行なわれましょうし、引き続き石炭の失業者というものも出てくると思うのでありますが、この基本の石炭業というものがどういうふうになっていくのかという点に少なからず不安を持っておるのであります。政府はすでに他の委員会、あるいは本会議等でも、この基本の問題につきましては論議されておることでありますし、また、先般の本会議でも総理並びに池田通産大臣からも大体の御答弁は私ども聞いておるのでありますが、重ねてこれらにつきましてもう少し具体的な方向が知ることができればと、かように存じて実は御質問申し上げるわけであります。重ねて申し上げたいのは、石炭は日本の国内資源でありまして、世界的な今日油のいわゆる進出によって石炭というものがいわゆる産業革命と言われて、斜陽産業に追い込まれているということは、これは日本ばかりではございません。よその国でも同様のことでありますが、しかし、石炭産業は何をおいても日本では国内産実として相当大きい産業部門であり、それから雇用量から申しましても三十万、その家族を含めまするというと相当の大きい数になるのであります。外貨の点につきましても、私から通産大臣にお尋ねをするまでもなく、油を入れれば相当の外貨を使わなければならぬことでありまするから、できれば何とかしてこの石炭産業を維持したい、もし願えればもう少し拡大をしていけないものかという感じを持つわけであります。先ほど栗山委員のお尋ねも、ややそれに関連したお尋ねであったように思いまするし、通産大臣も目下その点は石炭審議会でも審議しているから、近く結論が出るだろうというお話で、すでに政府としてもある程度の腹はきめられておると思いまするが、もしお差しつかえがなければ、大体どういうふうな構想を持っておられるか、お聞かせ願えればしあわせだと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 石炭鉱実に対しましての私の根本的の考え方は、今吉武委員の言われましたように、国内で最も大切なエネルギー資源であり、外貨との関係もあり、一つの産業でこれだけの雇用を持つ産業は、機械、石炭と、こういう重要な雇用関係がありますので、これを少なくとも維持し、できれば伸ばしていくということが根本でございます。しかし、あくまでこれは経済行為でございます。合理化をはからねばなりません。従って、合理化をはかった場合の資金、また、過剰人員ということにつきさましては、政府がやはりあとを見なければならぬ。で、御承知の通り、いい山があるからといって、これをすぐやり出しましても、四年も五年もかかる状態でございます。大手の十八社は三十八年までに八百円ぐらい下げたいという案をわれわれのところに持ってきておりまするが、われわれといたしましては、各会社の外山ごとに年次計画をずっと検討いたしております。私の考えとしては、そういう検討をしながら、少なくともやはり四千七、八百万トンの今の状態は、大体年によって起伏はありましょうが、維持していきたい。そうしてこれが合理化するならば、もっとふやし得るのであります。それにはやはり資金も要りましょうし、今の離職者対策等につきましても十分な措置をとりながら、長い日でやはり石炭鉱業というものを伸はしていきたいという考えで研究を続けておるのであります。
○吉武恵市君 大体通産大臣のお考えの基本はわかったのでございますが、実は、今お話しのように、現在の四千八百万トンを維持したい、こう言われましても、石炭が高くつけばどうしても重油の方に流れがちであると思います。石炭協会あたりでも、今のお話しのように、三十八年までの間に八百円ぐらいのコスト引き下げをする。これは私は心ずしも不可能ではないし、また、ぜひやらなければならぬのじゃないかと思うのでありますが、そういたしましても、今日重油というものは、まだまだ私は下がってくる可能性があるのじゃないか、こう思うわけであります。そうしますと、石炭は御承知のように、相当輸送費も食っておるわけでありまするから、輸送賛の点はなかなか今日以上に節約をするといっても、これはなかなかむずかしいのであります。そうすると、輸送責を除いた面において八百四下げるということになりますると、大ざっぱに言って、二割あるいは二割以上のコスト引きさ下げ、これは私は必ずしも不可能ではない。山によっては、大きい、いい山であって、今日一人当たり十五トンしか出さないという山もあることですから、これは大いに体質改善もし、あるいは合理化もして、私コスト引き下げができると思いますけれども、しかし、相当困難を伴う。伴って八百円の引き下げをいたしましたときさには、さらに重油の方は下がっていく可能性があるのじゃないかと思うわけであります。それでそういう場合に、なおかつ四千八百万トンというものを維持するということには、政府のそこに何らかの施策というものが入りませんというと、なかなかむずかしくなります。かように考えております。 それから、先ほど栗山君の意見の中にもありましたように、かりに同じだとして、同じまで切り下げた。そうして重油の方も限界があって、そうやたらに下がらないといたしましても、私は使う方の面から言うと、やはり重油を好む。この点はあまりふれられておりませんけれども、私の見るところでは、大体重油が日本に入ってきた原因というものはどこにあったかというと、最初は重油の方が石炭より高かった。高いけれども、なおかつ重油に切りかえられたのは、いわゆる二十七年から、毎年のように争議によって石炭というものが安全性を失い、一時は電気がどうなるか、あるいは工場でもボイラーがとまる、これじゃ大へんだ、こんな不安なエネルギー源を使っておったのではやっていけないから、やはり少しは高くついても重油に切りかえようじゃないかというお話が一部にあった。一部じゃない。私は相当協会の中に流れておったのじゃないかと思います。従って、かりにコストが同じまで努力して下げましても、重油はさらに下がる可能性がある上に、今言ったように、石炭を入手する点において、重油は簡単に入ってくる。石灰の方はいざとなると押えられるおそれがあるということになりますると、好むと好まざるとにかかわらず、どんどん重油の方に切りかわっていく。今、通産大臣が四千八百万トン維持するとおっしゃいましても、使う方はやはり好む方を使うわけでありまするから、そこにやはり政府が国策として、ある程度のテコをお入れになりませんというと必ずしもそうならない、かように存じまするが、その点につきまして、どういうふうにお考えでござざいますか。
○国務大臣(池田勇人君) 重油がどんどん伸びた原因の一つには、お話のような点がありまして、それは認めます。そういうこと以外におきましても、御承知だと思いまするが、たとえば一トン・ボイラーを置きますのに、重油ならば五百万円でできますが、石炭だったら七百七、八十万円、五割以上高い。しかも火の使い方が非常に違って参ります。ところによりますと、ガスの処分に困る。いろいろのメリットの差があるのであります。従いまして、同じ価格であってもなかなか石炭を使うということになれない。そこで世界ではやっていないようなボイラー規制法というようなものをやりまして当座をしのいでおるのであります。ボイラー規制法の問題につきましてもいろいろ検討いたしておりまするが、何と申しましてもエネルギーというものの原価は日本の経済、物価のもとをなすものでございます。石炭鉱業ばかりを与えて日本経済全体のことをゆるがせにするわけにも参りません。そこにむずかしいところがある。いろいろの点を考慮いたしまして今結論を急いでおるのでございます。重油が今後まだ下がるだろう、こういうことは、やはりガソリンが高くて石炭との関係で重油を各国よりも高くしておる、そういう経済のやり方で相当高い重油でございまするから下がりやすい、しかし、一面では海運界が今のような状態ということも必ずしもあれでございます。また、重油の、あるいは原油に対する関税上の措置等もいろいろの問題がございますので、私は先ほど申し上げましたごとく、年によってここ二、三年の起伏があるかもしれませんが、極力今の四千八百万トン程度には私維持したいという念願で研究を進めておるわけでございます。
○吉武恵市君 私は今ここで具体的にどうという施策まではお聞きしようとは思いません。できればお聞きしたいのでありますが、目下石炭審議会の方に諮問され、検討されておるということでありまするから、おそらく、具体的な何らかの措置が出てくるだろうと思います。今申しましたように、石炭のコスト引き下げは余地はありまするけれども、一定の私は限界があるのじゃないか。重油の方の面につきましては海上輸送賃が安いからという点もありまするけれども、私はこれは相当続くのじゃないか。そういたしますというと、石炭のコストを下げましても、片方が追っかけて、やはり競争ということがありますから、下げてくる。それから、かりに同じになってもいろいろな面がございまして、重油の方に変わる可能性が多分にあるわけでありまするから、ただ経済におまかせになったのでは私はやはり維持がなかなか困難だ。そこで政府の施策として一つの、ボイラー規制法も私は一つだと思います。これは変則的な措置で日本だけとっておることではありますけれども、こういう特殊性を考えますれば、やはり維持される必要があるのじゃないか。それから、なおそのほかもっと重油というものが下がってくるという場合もあれば、私は決して石炭業界を甘やかすという趣旨で申し上げておるのじゃございません。これはもうやはり業界も相当自粛もし、わかつてきておるようでありますから、今後とも労使ともに考え直さなければならぬ点があると思いまするけれども、しかし、限界がありまするから、その限界を越えて維持できぬときには、やはりその際にテコ入れをする処置もおそらくおえになっておると思いまするが、ぜひ一つ御考慮を願いたい。 そこで、その一つとして私は、先ほど東山君からも御指摘がございましたが、結局は電力用炭にこの問題を吸収するということが非常にいい方法じゃないか、かように私は思うわけであります。石炭の用途は今言われたように鉄道関係は、もうどうしたって電化の一途をたどっておる。政府の施策として石炭をたけといってもこれは無理でございます。暖房用炭もだんだん近代化してきますると、なかなか容易にそう期待もできない。幸いに電気関係はまだまだ日本としては需用を増さなければならぬときでありまするので、水力という点もございますが、やはりその土地その他の買収で相当のコストもかかっておるときでありまするので、何とかして石炭を使う火力発電に伸ばしていく施策をおとりになったらどうか、それで、現在先ほどお話になったように約二割、千二百万トンばかり火力に使われておりまするけれども、これを倍加することも、私は決してそうむずかしくないじゃないか。そうかというて、電力会社といえども、一つの経済を目的とした会社でありまするから、困っているからといって、高い石炭を無理をして使えといっても、これはなかなか容易なことじゃありません。そこで、やはり火力発電で石炭を使わせるためには、政府の多少の援助、たとえば財政投融資の面で大いにめんどうを見るとか、あるいは金利の面でめんどうを見るとか、一般の電力の需要者に転嫁をさせるというわけにもいきませんので、そういう点を考えて、石炭産業というものが、一定の限度は維持しなければならない、それに雇用する人間及びその家族を含めれば、相当多数の人間の雇用をしておるのでありまするから、その点等を考え合わせますれば、ただ出てきた失業者に多額な金を使って救済をするという消極的な面に金を使うよりも、積極的にそういう面に金を使って、そうしてできるだけ維持して、維持するだけでなく、拡大していくということが、よい方策ではないかとかように存じておりまするので、この点は、先ほど栗山委員の質問に対して大体のお答えがございましたが、今後、火力発電にどれくらい吸収するお見込みをお持ちになるか。なお、私が聞いておりまする点によりますると、ある電力会社、これは決して京浜地区ではございません、炭田に近い地区でございますが、その地区の電力会社でも、最近重油専焼の発電所を作ろうかという計画があるように私は聞いております。最近それも、通産省のお考えがあって、取りやめになったという話もありまするけれども、先ほど申しましたように、多少重油の方が高くついても、業界の方では、便利な重油を使うという傾向があるときでありまするから、それに対しまして、政府からよほど国策的な立場から、火力発毛には石炭を使うようにという御助力と、それに対する何らかの施策をとられる必要があるのじゃないか、かように存じまして、重ねてお尋ねをする次第でございます。
○国務大臣(池田勇人君) 石炭の割高ということは、山自体にもありますし、そしてまた、運送にも相当あるのであります。今、八百円下げるということは、実は外会社とも三、四百円の赤字があるのであります。その赤字をゼロにしてというのだから、石炭の値は八百円以上、千円か千百円下がるということに相なるのであります。また、輸送の点に至りましても、私は、相当の助成をしていけば、今、九州から大阪まで千二、三百円、あるいは東京に着きましては、二千円近く運賃がかかります。これを一割減額しても、相当影響がある、輸送の問題につきましては、やはり荷役施設の増強であります。そしてその次には、炭種の統一化であります。炭種を統一して、何千という品種を、品種ことに梱包するということをやめて、そうして、積み場所で相当一諸にして運ぶ、また、運ぶ船につきましてもいろいろの改善すべき点があると思います。こういうことをやっていくべきだと自分は考えております。従って、今お話の火力発力の方に補助するということよりも、その元に対しての政府の助成が、私はけっこうだ、こういうふうに考えております。もちろん九州におきましては、重油を使っておるところはほとんどございません。中国の例におきますると、あるいは所によりまして、山口県では石炭がよろしいでしょうが、岡山で発電する場合には重油というものをほしがることはやむを得ないと思います。しかし、この点も、私は、将来を見て、九州、あるいは山口で発電して、相当の高圧で送ったならば、それの方が採算がいいということも考えられぬことはございません。あらゆる面から、一つ石炭企業運送のうまくいくようにやっていきたい。もとは、やはり石炭自体であって、火力――電力会社は二の次だと、自分は考えておるのであります。
○吉武恵市君 もう一点、終わりにお尋ねいたしたいのでありますが、石炭は、私、多少戦前からも関係を持って、常に考えておりますることは、どさくさがあるわけであります。非常に好況に恵まれるというと高くなり、また足りない。大騒ぎする。そうかと思うと、また三、四年たちますと、石炭が余ってきたというので、大へん騒ぐというのが、戦前から幾たびか、私実は経験をしておるのであります。最近の石炭の不況は、そういう景気の変動ということよりも、世界的なエネルギーの変化ということに大きい原因がありまするので、なかなか不況が解消しない点もございますが、しかし、昨今貯炭が、千二百トンから三百万トンある貯炭が、今日では半分ぐらいに減ったというようなことも新聞に出ておるように、やはり石炭業というものにはどさくさがあるわけです。それで、石炭が余ってきまするというと、業界の方では、その貯炭を持ちこたえられないで、投げ売りを始めるというようなことで、非常にそういう状況が出るのであります。何とかこれを調整する方法はないものかと私は思うのであります。ちょうど生糸やその他についても、政府で、需給調整の方策を講ぜられていると同じように、石炭についても、何らかそういう需給の調整の方法というものを考えるというと、今日ほど、そういう不況で騒いで、そうしてばたばた倒れていく、倒れていくかと思うと、いつの間にかまた貯炭が減って立ち直る。まあ背のように根本的に立ち直るということは容易ではございませんでしょうけれども、しかし、そういう傾向がある。最近貯炭が減ったということも、その一つであります。それで、何か政府が調整機関――まあ昭和石炭等がございまして、大手には、一部そういう方法を講じておるようでありますけれども、一部でなくて、全体の石炭について、そういう政府機関によって需給調整、ある程度よりも以下で買い上げて持ちこたえる、そうして石炭が足りなくなり、あるいは値が上がったときには、それをある程度で放出をして、調整をするという方法はつかないものか。それから、かりにその点が、これは昔、いろいろ配炭公団等をやって、弊害の点も出たものでありまするから、なかなか私容易なことではないと思いますが、それが無理だということであれば、先ほど申しましたように、今日、相当の数は火力発電として納めておるわけです。そこで、火力発電としても、一定の限界以上に買い込んで貯炭をするということは、とうていできませんから、ある程度の限界は、長期計画をして、どうせ火力で使うのでありますから、そういう余ったときには、一定の価格より下回ったところで買い込んでおかせる。しかし、それには、政府から融資なり、あるいは貯炭場というようなものを助成して、抱え込ませるというようなことをしまするというと、今日のようなどさくさ、いわゆる不況ということはある程度解消できるのではないかと思いますが、この点についてどうお考えでしょうか。
○国務大臣(池田勇人君) ただいまの貯炭は、山元の貯炭が四百七、八十万、全体の貯炭は、まだ一千万トンこえております。一時千二百万トン近くあったのですが、百四、五十万トン、あるいは二百万トン近く滅っているのではないか。まだまだ通常の貯炭の七百万トンから言えば相当多いのであります。それで吉武委員のようなお考えが出るのでありますが、根本的には政府の責任であるということは非常にバルキーのものでございますし、品種が非可に違っておりますし、それから風化その他の問題がございますので、これはやはりもち屋はもち屋でやられた方がいい。私は薪商は石炭というようなものを活用していくのがいい。それから御承知のように、大手と申しますと、中小企業とはいろいろ違ってくるものでございます。中小企業の方は、個々の山につきまして中小企業金融公庫から金融をつけましてやっておるわけであります。問題はやはりどさくさの起こうないように大口需要者とは長期の契約をしていく、こういうことがやはり一番望ましいのじゃないかと思います。で、まあ非常な長期間のストが起こるということになりますとあれでございますけれども、私はそういうことをなくし、安定した生産と消費を考えていく方に進んでいきたいと思いす。
○徳永正利君 関連して。先ほど吉武先生の御質疑に、通産大臣は、四十八百万トンくらいを維持したいというお話でございましたが、四千八百万トンの中には石炭でなければどうにもならぬ、重油とかガスとかじゃどうにもまかなえない、もう石炭でなければどうにもならぬというものはどのくらいあるのですか。
○国務大臣(池田勇人君) 御質問の点がどうにもならぬというのは、今の重油の施設を持っていないところでございますか。
○徳永正利君 そうじゃなくて、もう石炭を使わなければいけない。重油とかガスとかではまかなえないというものなんでございますね。
○国務大臣(池田勇人君) 新しい設備を設けてやる場合におきまして、今石炭でなければならぬというのはやはり鉄鋼の原料炭だとか、その他暖房、汽車にいたしましても重油でやれぬことはございません。まあガスにおきましても最近はLPGの問題があって、石炭でなしにそういうものでやろうというのがございます。どうしてもいかぬ場合には粘結炭、それは大体一千万トン足らずでございます。
○川上為治君 私は一般的な、あるいは基本的な燃料政策なり、石炭政策につきましては、別途商工委員会において機会を得て御質問したいと思うのですが、この際この法案の内容につきまして、二点だけお伺いをしておきたいと思います。第一点は、これは二十三条の第七号にあるのですが、炭鉱離職者で独立で事実を行ないます場合に、生業資金のあっせんということが書いてございますけれども、なかなかこの生業資金のあっせんというのはむずかしいのじゃないか、そう私は考えるのであります。というのは、これは結局生業についての開業資金でございますので、一般の金融機関としましては幾ら援護会があっせんをしましても、なかなかそう簡単に金を貸すということはしないのじゃないかというような気持がするのですが、たとえば商工中金にしましても、あるいは中小企業金融公庫にしましても、国民金融公庫にしましても、これに対しましてたとえばその保証の問題でありますとか、あるいはまた金利の問題、この金利の問題は、なかなかそう簡単にいかないと思いますけれども、保証の問題とかあるいはまた、貸付期限の問題とか、あるいは担保の問題とか、そういう問題につきまして何か特別な措置を講じておきませんというと、なかなかこれは簡単にあっせんというのもできないのじゃないかというような気がいたすのですが、その点につきましては通産省なりあるいはその他の方面におきまして、これに対しまして特別な措置を講ずるというようなことになっておるのでしょうか。その点を一点お聞きしたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 離職者の方々が生業につかれるよう政府といたしましてあっせんをすることは当然でございますから、法案に入れたのでございます。従いまして、個々の問題でどういうふうな機構があるか。たとえば国民金融公庫とか、あるいは中小企業等におきまして今の保証協会等を利用するとか、やはりそのつどつどにおいて考えていかなきゃならぬと思います。たとえば離職者の方々につきましては金利をこういうふうにするのだとか、また、普通の補償率を特別に扱うとかという問題につきましてはこれは研究する余地はございましょう。衆議院の方で附帯決議で、早く成案を考えろ、こういう附帯決議がございましたので研究はいたしてみますが、一応われわれといたしましてはそういう気がまえを持って、あたたかい手で援護会が離職者に対して接する、こういうことを書いたのでございます。今後御決議の御趣旨によりまして、できるだけ成案を得るようにいたしたいと思いますが、なかなかお話の通りに、つるはしを持った人がこれから荒物業をやろうといってもなかなかむずかしい点はわれわれも承知いたしておりますし、だといってほっておくわけにいきません。そういう点につきましてこれから研究を続けて参りますが、非常に困難な問題だと思います。
○川上為治君 援護会のあっせんをいたしましても、なかなか援護会だけにたよっておりましても私は簡単にいかないと思います。でありまするから今大臣がおっしゃいますように、その点を早急に研究していただきまして、さっきも申しました特に政府関係の金融機関であります中小公庫とか、あるいは国民金融公庫とか、そうした方面の貸し出しにつきましては特別な保証をしてやるとか、あるいはまた、金利の問題は非常にむずかしいと思いますので、貸付期限の問題とか、いろいろな担保の問題とか、そういう点を十分具体的に研究されて、そして生業がうまくいくように一つやっていただきたい。これを特に私は希望しておきたいと思います。 それから第二の問題につきましては、この法律の期限を見ますというと、五年以内にこれは廃止するということになっております。それからもう一つ援護会の方につきましては、これは解散については別に法律によって定めるということになっております。これをちょっと読みますというと、どうも援護会の期限というのは、これは五年以内か、あるいは五年を過ぎてなお存続をしているのか、これはよくわからないと思いますが、その問題。 それからもう一つは、石炭鉱業合理化法ですね。これはこの法律とは少し期限も違うと思うのですが、私はどうもこういうような問題はすべて非常な緊密な関係があるのじゃないかと思いますし、同時にまた、援護会というのはこの法律の一つの中核体をなしているのじゃないかと思うのですが、どういう理由でこの三つの点が時期について違っているようなふうになっておるのでしょうか。それを一つお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(松野頼三君) この法律を一応五年としましたのは、五年でなきゃいけないという議論もあれば、五年でもいいという議論、これはいろいろありますので、さしあたり五年ときめましたのは、三十年から石炭事業団が発足しましてちょうどことしが大体四年半目か五年目になりますので、そういうものを考えてあと五年という一応の基準をきめただけで、五年でなければいけないという意味ではございません。それから同時に、離職者を目標とするものにつきましては、期限付でなければだらだらしていけない。特に離職孝対策は緊急な場合でありますので三年でははけないかもしれないということで五年ときめたわけで、特にこの五年というものに法律的な根拠を求めたわけではございません。一応石炭の合理化かできましてから四年何ヵ月、それから考えるとあと五年なければこの離職者法は短きに失するのではなかろうかというわけで五年と定めたわけでございまして、特別のほかに根拠というものはございません。なお、一応法律で五年ときまっておりますから、援護会の方も五年ということになっておりますが、やはり援護会の方は多少残務整理とか、あるいはいろいろな貸付金などがありましたときには、取り立て事業とかいうようなものもあるやも存じませんので、援護会を五年と区切るのはちょっとおかしい。ことにこの中にはある程度集団住宅の貸与ということが書いてあります。貸しましたほかに、ある程度のものはあとまで残ることは事実上多少ございますので、一応援護会を五年ときめたいと思いますけれども、法律ではきめずにおいて残務整理を見ながらきさめるべきだということで、あとは政令事務に譲ったわけでございますので、一応一般業務としては、援護会は五年、あるいはこの法律も五年を目標にしてやりたいと、こう考えております。
○阿部竹松君 松野さんにお尋ねしますが、実は石炭問題について四、五年前から政府は四千九百万トンとか、五千二百五十万トンとか、あるいは五千六百万トン必要であるとかということで、前尾さんの商工大臣時代、あるいは高碕さんの時代、あるいは経済企画庁長官もいろいろかわりましたが、そういう方針でやってこられて、私どもは商工委員会、その他を通じて石炭をどんどん掘れといってもそう経済界の見通しは甘いものではございませんよということで、委員会で何回か論争をやって、社会党の見解は見解として承っておくが、私どもは見解が違うということで、石炭経営者がいやだというのを無理に押し切って、政府の方針に従わせて石炭を掘らせたわけです。それが積もり積もって今日の現状に至ったわけです。僕などは炭鉱経営者の実態からして池田通産大臣のお説には賛成できませんが、今日労働大臣にしわ寄せが来てあなたが跡始末をされて、僕は非常に労働大臣に気の毒だと思いますが、二、三あなたたちに、同じ閣僚ですから責任がある。二、三お尋ねしますが、この法案の内容について十六条に、今、川上委員が発言された中にありました通り、五年以内ということになっている。一方今度の臨時議会で通った予算七億二千八百二十一万円、これを見ますと、きわめて短い期間ですから、その後どうなるか、このお金を使ってしまえば法律は五年以内ですから、二年になるか、三年になるか、今のあなたの御答弁を聞きましたが、これはわからないとしても、あとのお金の問題はどうなるか。通常町会では当然こういう順序で私は出てくるものだと信じておるわけですが、労働省はそれぞれ予算折衝の段階にも入っておりますし、御構想もあろうかと思いますので、初めにその点からお尋ねしておきたいと存じます。
○国務大臣(松野頼三君) 今回予算を通過させていただきましたのは七億二千三百万、このほかに五百万の遠賀川汚水処理事業調査費に合わせまして七億二千八百力になっております。これは二万一千人分、二万一千人分は九月以降年度末までに要対策人員を想定いたしましてやりました。この予算はさっそく十二月早々から、もう十二月に入りましたけれども、この法案が通りますと、早々に発足いたしまして緊急就労のものを来年三月三十一日までに予算で消化したい、また、緊急就労を起こしたい、こういうことであります。三十五年の事業につきましては、この法律案が通りますと、さっそく予算編成になりますので、来年その後における離職者状況を見ましてその来年の離職者の人員に応じてこの予算をはじき出すということで、離職者の状況を調査いたしまして、三十五年の予算に計上していきたい、こういうことでありますので、これは継続して、三月二十一日までで切れるわけじゃございません、継続しながら離職者状況を勘案して考えなければならぬのじゃないか、こう考えております。
○阿部竹松君 労働大臣の御答弁ですが、離職者の状態によってやはり予算措置を講じるというお説はごもっともだと思います。ただ通産省のそれぞれの御発言なり、新聞等を見ても、減るというような予想はとてもつけられない。従って情けない話しであるけれども、ふえると考えなければならぬ。そうしますと、もし私の話しが事実となって来年三月、四月、五月、六月というようにだんだんふえてきた場合には、ふえるものと理解しておいてもよろしゅうございますね。
○国務大臣(松野頼三君) 離職者の数、おそらく御指摘のようだったと思いますが、離職者の数は、もちろんある程度のものはふえるということは、今は想定されますが、現実に出て参りませんとわかりません。どこを基礎に予算を編成するのだ、十月、十一月、十二月、この間の離職者の状況と、就業希望者の数というものを基準にして大体一月、二月、三月というものを想定して来年度の予算を組むということで、離職者、すなわちこれが直ちにこの法案にひっかかるか、そうでもございません。離職者の中で再就労希望者というものがこの法案の対象になるわけでございましてなおその離職状況並びに失業対策人員の状況を見れば一応の基準は出ますけれども、離職者、すなわち要対策者、そうでもございません。従ってそこにやはり各職安を通じまして実態の調査をはかっていかないと、その対象人員というものに多少ズレがある。もちろん、三十五年を見通しますので、今回は二万一千人とはっきり申し上げられますが、来年何千何百人かということはそう的確には参りません。一応の基準はきめながら、ある場合には変動ということもこれは予測しなければなりません。従って、今日はこの数は変動いたしませんけれども、三十五年を見通すときには、ある程度の幅を持ってこの対策を立てなければ、私はこの運営はうまくいかないのじゃなかろうか、三十五年の見通しとすると、なかなかこれはちょっと軽々に、まだ私は基準もつかみ得ないでおります。この法案が通りますと、ある程度権限ができます。すべての職安は離職状況の報告をとる権限が与えられておりますから、もう少し的確につかめるのじゃなかろうか、こういうことで、この法案が通りますと、ある程度の報告を求める権利ができて参ります。そうすると、三十五年度予算には同に合うかどうか非常に心配しておりますが、技術的にはそういう意味で、この法案を臨時国会に提案したわけでございます。
○阿部竹松君 私が松野労働大臣にお尋ねしているのは、そういうことではないのです。時間もありませんし、私のほかに質問されたい委員がたくさんございますから、聞いただけ単刀直入にお答え願えばいいんです。あなたにお開きしているのは、こういうことなんです。一問一答形式ですからきわめて簡単です。今あなたのおっしゃった通り、二万一千なら二万一千にベースを組んで、たとえば来年三月になれば三万人になる。そうすると五割上がるか、そういうことで理解してよろしいでしょうということで、四月になったら何千何百人になるとか、あるいは何方何千人になるということをお尋ねしているのじゃない。それは予算は短い予算しか組んでないから、法律は五年以内ですからわからないけれども、当然やはりそういう実態があれば、その離職者の数がふえたべースによってあなたの方でも予算はういう措置を講ずるのでしょう、そういうふうに理解してもよろしいでしょうということを言っているのです。
○国務大臣(松野頼三君) 一人ふえれば単価が一人ふえるかと、そうでもございません。総合的には離職者がふえれば予算はふえるということだけは申し上げられると思います。その内容は、なお緊急就労一人ふえれば予算単価はこれは一人ふえる。広域職業紹介で一人ふえましても、単に広域職業紹介料だけですから、単価は非常に少ないということで、一人のふえ方が、緊念就労に一人ふえれば確かに単価は一人ふえます、これは間違いございませんが、その方が広域職業紹介で行かれた場合には、単価にはあまり出てこない、そういうことで総合的に考えればふえればふえるということは申し上げられますが、一人ふえれば単価で直ちに一人分ふえるかというと、これは就労の状況によって単価が、予算が変わってくるのじゃないか、この辺を実は先ほど考えながら申し上げたわけです。
○阿部竹松君 一人ふえた、二人ふえたというのじゃなくて、そういうべースで行くのですかということを聞いているので、どうもあなたに質問すると、答弁の方が時間ばかり使って、労働委員会の皆さん方非常に困ると思うのです。一問一答でやっていただきたい。そうしますと、二万一千人のべースでこの予算措置は臨時議会できめておる、こういうことで理解してもよろしゅうございますね。
○国務大臣(松野頼三君) その通りでございます。
○阿部竹松君 そうしますと、これは労働省の下部機構の人にもお願いしたのですが、私の方で調べたのは、北海道が千八百八十七名、福島県が三千八百五十九名、山口県が一万五千八百九十四名、福岡県が四万七百五名、佐賀県が五千百十名、長崎県は、これはわからなかったのですが、合計して六万三千名ほどになるのですがね、僕の数字が全然根拠がないのか、それともあなたの方の数字が根拠がないのか、どちらが正確であるか不正確であるかは別として、相当違うわけですが、私の方もあなたの方の下部機関まで依頼をして調べたのですがね、ずいぶん違うのですが、とのあたりで何かこういうことで違って明いるのではないかというようなお気づきの点はございませんか。
○国務大臣(松野頼三君) それはおそらく離職者という数じゃないかと思います。今回は要対策者、緊急に対策を立てなければいけないもの、こういうものが二万一千人、その差額はございます。
○阿部竹松君 そうしますと、その他の人々は炭鉱離職者でないと、こうおっしゃるわけですか。
○国務大臣(松野頼三君) 炭鉱離職者でございますが、緊急に就労ざせる、緊急だという緊急度合いと、本人の希望と、それから本人がぜひ再就職したいという登録者というものの相違があるだけでございます。
○阿部竹松君 私の方の調査も、まだこの法律は衆院すら通っておらぬのですが、まあいつかは通ってくるのだと思うけれども、こういう法律の条項に照らし合わせて、この法律に該当して救済される者はどのくらいいるかということで調べたわけです。あなたのおっしゃる通り、確かに今やめて六カ月失業保険もらっている人もあるかもしれませんし、また、法の適用を必要としない炭鉱離職者もいるかもしれません。しかし、実際問題として、この法によって救済されるという数はどれだけかというと、北は北海道から南は九州まで、大体六万三千名いるということで、あなたの方で二万一千名ということになると、約三分の一程度しか完全に救済することができないという食い違いが出て参りますか、こういう懸念はございませんか。
○国務大臣(松野頼三君) 離職者の中には、もちろん本人が希望をして、みずから営業を営まれる方もございます。あるいはみずから家庭事情で、もうおれはよそにいかないという方もございます。あるいは失業保険を今日まだ受給されている方もございます。そういう方をずっと引いて、さらにどうしても自分は再就職したいのだという希望者、また、今日非常に緊急な場合として、この方を就職させなければいけないのだという希望者を選び出しましたのが二万一千人です、六万三千人との差があるのは、必ずしも六万人の方が全部職があるのだというわけではありません。本人がそれほど緊急でない、あるいは自分たちでこういう計画を持っているという者を六万三千から除外して参りますと、ちょうど二万一千が緊急対策者である。この統計は実態調査をいたしまして、福岡県を主として、個々に実は希望を聞きまして、その希望の状況がこうやって出てきたわけであります。この離職者の中からさらにこれを拾い上げると二万一千人、こういうわけです。
○阿部竹松君 そこで重ねて労働大臣にお尋ねいたしますが、さいぜんの御答弁で、明年度になって離職者の実態をつかまなければ、予算措置を講じたり、正確な措置を考えることができないという御答弁でございましたが、明年、あるいは明後年、その次の年で六万名整理するとか、七万名整理するとかということをわれわれは聞くわけでナ。それが現実の問題として出てしまってから、労働省ではやはりあわてて臨時国会を開いてやるわけでもないでしょう。そうすると、当然その同じ閣僚ですから、通産大臣は石炭政策はこうであるのだから、労働省はこう考えてほしいという連絡ぐらいあってしかるべきじゃないか、あなたの方には全然――とにかく来年になって、そういうことはない、こういう御連絡ですか。それとも通産省の方で石炭政策はこうなったからといって、あなたの方に連絡をして、あわててまたやるということなんですか、そのあたりの連絡を、私はよくわかりませんから、実態処置としてはどうするかということをお尋ねをしておきたいのです。
○国務大臣(松野頼三君) 三十五年度予算を編成するまでには当然労働省の一応の基本計画、それに合わせまして一応の人災の問題を御相談しまして、その上で三十五年度予算を編成するつもりでおります。なお、ただいまの六万人の中で二万人まだ差がございますが、今後再就労の希望も出てくるかもしれません。それは今後この予算編成までに出てくることも予想されます。あるいは来年一月になって出てくるかもしれません。そういうものを総合して私ども計算をしてもちろん基本的な問題は通産省、労働省で基本計画をきめてから離職者対策のワクをきめるべきだ、こう考えております。
○阿部竹松君 関連して池田通商算業大臣にお尋ねいたしますが、今松野さんの御答弁で、当然三十五年度の予算編成期にあたってそもいう問題等論議して結論を出すというお話でしたが、通商産業大臣は商工員会でたまたま、まだ石炭政策をどうするという段階でない、炭鉱経営者の諸君も一生懸命心配しておるようだから、それと両々相待って通商産業省の石炭政策の見解を出すという御答弁があったように私承っておりますが、あなたの方ではやはり、おそらく予算編成はいつかわかりませんけれども、年内に最終結論を出すということになれば、政府の石炭政策のあり方ということも年内に明確にお出しになる、こういうように理解しておいてもよろしゅうございますか。
○国務大臣(池田勇人君) 先ほど栗山委員にお答え申し上げました通り、ただいま石炭審議会で今月十五日くらいまでには中間報告か、あるいは最後の報告かがあるようであります。それと見合いまして石炭政策を立てて、それが全部の石炭政策が年内に立つか立たぬかはわかりません。一応の石炭政策を立て、そうして離職者の問題につきましては、労働大臣と相談いたしまして善処いたしたいと思います。
○阿部竹松君 そうしますと、石炭経営者諸君、あるいは石炭経協という経営者の団体があるようですが、そこの結論がなければ日本の政府としてはどうしなければならぬという結論を出すことは不可能だということなんですか。
○国務大臣(池田勇人君) 法律によって設けられました石炭鉱業審議会というのがございます。その審議会に石炭鉱業の基本問題につきまして諮問をいたしております。私はその答申を得て最後の決定をいたしたいと思っております。
○阿部竹松君 そうしますと、その結論が出て年内に政策を立てるというふうに理解しておいてもよろしいのか、あるいはその審議会の結論が今日まだ出ておらぬとしても、通産大臣と内々の連絡で、やはり年内大体まとまるだろうという判断がでまるものかどうか、そういう点はいかがでしょうか。
○国務大臣(池田勇人君) その基本部会には通産省の職員が行って傍聴いたしております。いろいろの点は中間報告はいたしておりまするが、その審議会に通産省の意見は、私の意見は申しておりません。しかし、審議会の内容は、私はおもなる問題は耳にいたしておるのであります。しかして先ほどお答え申し上げましたごとく、およそ今月半ばころには出てくるのではないかということを期待いたしております。また、それと同時に、私の方でもいろいろな問題を検討いたしております。
○阿部竹松君 その審議会で論議の内容が、あるいは通商産業省の担当者がおっしゃられたかどうかわかりませんけれども、石炭合理化法のワク内をふやして、もう二百万トン一つ買い上げしようという意見が出ておるというようなお話を承ったのですが、もしそれが実行されるとすれば、もうすでに何万何千名自動的に炭鉱離職者が出るということを明確になるのです。しかし、そういうことは根も葉もない単なるうわさ話、あるいはあわてた新聞記者が先走って書いたということであって、通産大臣としては二百万トンの山を買い上げる気持はないということをあるところからお聞きいたしましたがこの点はいかがでしょうか。
○国務大臣(池田勇人君) 基本部会の審議の内容につきまして、私が今ここでとやかく御返事を申し上げることは差し控えたいと思います。
○阿部竹松君 その審議の内容云々でなく、炭鉱合理化法案のワク内を広げて二百万トンの山を買い上げて、一つの合理政策の要素とするということをお開きしたのですが、大臣はいかに考えられるかということをお尋ねしておきたい。
○国務大臣(池田勇人君) いろいろな考え方として耳に入っておりまするが、石炭対策の根本に触れる問題でございます。いましばらく私の意見は待っていただきたいと思います。
○阿部竹松君 大臣は就任以来、私の意見は待ってくれ待ってくれということで、半年たった今日でも石炭政策はいかにあるべきかという構想の片鱗だも示さないわけですが、それを無理々々聞くわけにはこれはなかなかいかぬと思うので、事人権問題に関してきては困るので、わからないということであればやむを得ませんが、その次にもう一つお尋ねするわけですが、ざいぜん三十五年度四千八百万トンのベースでいくという話が、私は途中で出席しましたのではっきり記憶しておりませんが、聞いたように記憶しておりますが、衆議院の方へ大臣が出られて、委員会でいろいろ質問あるいは討論なさって、その過程の中の話で五千万トンベースでいく、来年は五千万トン掘ってもらって五千万トン使うという御答弁をなさったやに承っておるのでありますが、そうしますと、ここのお話と二百万トン食い違うわけであります。私の聞き違いであれば、これは聞き違いだとおっしゃっていただけばけっこうですが。
○国務大臣(池田勇人君) 石炭の計画は五千三百万トンであります。で、四千八百万トン程度に落ちるのではないか、こういうふうなことは言われております。私は通産大臣として、五千万トン生産するのだと返事した覚えはない。今の、誤解があっては困りまするが、日本の石炭業はどうか、今年の四千八百万トンというのは一つ維持したい気持を持っておりますというので、私が掘るわけじゃないのでございます。将来の石炭生産につきましてもあるいはでこぼこはございましょう、各年。しかし、今行なわれた四千八百万トンという線を維持したいという希望でございまして、大体の見通し、そういうふうなことで案を立てるべきではないかと検討しておるわけで、何ぼ何ぼということは申しておりません。
○阿部竹松君 速記録を見ればわかることですから、きょうは大臣はそのように言明されるのであれば、それで本日は了としておきます。 その次に、私は経済企画庁長官にお尋ねいたしますが、来年日本のエネルギーの総消費目、の中で石炭がどのくらいで、重油、原油がどのくらいで、原子力はまだ出ておりませんが、そういうことで五年後は原子力が出るというように中曽根さんがおっしゃっておられましたが、来手、明後年、五カ年問ぐらいまでの石炭がどのくらいのべースでいくか、重油、原油がどのくらいのベースでいくかというベースを、こういう何十何万トンという小さな数字はなかなかむずかしい問題ですからお尋ねいたしませんが、そういうベースを一つお尋ねいたしたい。ただ単に人が離職したから助けなければならぬ、労働省よろしく頼むということであってはこれはいかぬので、私は離職者対策よりも根本問題にメスを入れなければ、これはとても、五千人余ったから五千人何とかせいというのは愚の愚であって、やはり根本問題を何とかしなければならぬということに重点を置きたいのですが、そういう点については各委員からお尋ねがあったので省くとして、現実の問題として、五カ年間くらいの数字を一つお聞かせ願いたい。
○国務大臣(菅野和太郎君) ただいま実施しております新長期経済計画で大体石炭の消費量など算定いたしておりますので、数字につきまして政府委員からお答えいたさせます。
○政府委員(大来佐武郎君) 三十五年についてはまだ詳しいものはできておりませんで、三十四年の実績の推定だけ、計画と対比した検討はいたしております。 エネルギーの消費総量といたしましては、三十四年度の長期計画に見ました想定に比べまして、エネルギーの総供給といたしましては、約九六%という程度になっておりますが、石炭が大体八二%というような実績の見通しでございます。
○阿部竹松君 そういうばく然としたのではわからないですよ。第一、何の九六で何の八二か、どこを基準としているか、答えが、主になったところが一と一を足したか、二と二を足したかわからぬ。
○政府委員(大来佐武郎君) これは御承知のように、長期経済計画は三十七年度の目標を掲げておりまして、中間年次については数字をあげておらないわけでございますが、ただ実績対比の便宜上、三十一年度の実績と三十七年度とをつなぎまして平行線を考える。その上の予想されます計画上の数字と、それから三十四年度の実績見込みとを対比いたしまして、エネルギーの総供給が計画の線上の線からいえば、これは七千カロリー換算の、標準換算でございますが、一億三千五百九十万トン、それに対して実績見通しが一億三千八十万トンというようなことになりまして、比率といたしまして九六・二%。それから石炭がこの標準炭に換算いたしまして、輸入炭と国内炭を含めまして、計画線上の予想からいえば、六千百六十万トンに対して実際が五千八十万トン、これで比率が八二・四%になるわけでございます。
○阿部竹松君 五千幾らですか。
○政府委員(大来佐武郎君) 五千七十八万トン。
○阿部竹松君 六千七十八万トン……。
○政府委員(大来佐武郎君) 六千百六十三万トンに対しまして五千七十八万トン、その比率が八二・四%。その内訳は、標準炭換算で五千七十八万トンのうち輸入が六百二十三万トン、国内が四千二百五十七万トン、三十四年度実績見込みでございます。
○阿部竹松君 そうすると、経済企画庁の計算は、すでにもう五百万トンくらい、一カ年に五百万トンくらいどこで狂ったかは別として、計画はもう事実と違うということですね。ペーパー・プランであって、机上プランであったということが言えるのですね。そうでしょう、企画庁長官。
○国務大臣(菅野和太郎君) お説の遮り、石炭では計画よりも、実績の方が少なかったということになるわけです。そのかわり石油は、われわれの計画しておったよりも石油はふえておる
○阿部竹松君 そうであるから問題であって、しかし、その石油がどうしたとかと聞いておらぬのです。それをあなた、こういうことで、ことし一年だけでもちすでに五百万トンもふえてしまえば、こういうべースで三十七年まで、五年前にきめたものであるからといって、そのままのべースで進行するわけですか。その責任は一体だれが負うか、こういう出たらめな……、経済企画庁の長官にあなたがなられたのは半年くらい前だからまだよく知らぬかもしれないけれども、こういうことは少なくとも経済企画庁の局長連中はよく知っているわけだ。まるで手放しで、経済界の見通しが甘いからいかぬということを僕は何回も言っている。しかし、悪いことは悪かったとして、そういうベースで三十七年度までいく、しかし、通商帝業大臣の話を聞けば、四千八百万トンとか五千万トンとかいって、一千万トンも食い違っている、こういうことを是正せずに、春野さん、あれですか、三十七年度まできめたことを通してやるわけですか。
○国務大臣(菅野和太郎君) 今私どもの経済審議会でエネルギー部会といものを設けまして、そうして、今まで十五、六回会議を開いておるのでありますから、それでもって根本的に今後のエネルギーの問題を今研究いたしております。従いまして、その成案ができますれば、従ってこの計画も違ってくるということになるわけです。
○阿部竹松君 その審議会の結論が出て、そうしてこれと違った数字が出れば、この計画というものは誤りであるということで、燃料政策なり石炭政策、油も含めてのエネルギー対策を政府が変えると、今までの決定したことは誤りであった、こういうことでやるとおっしゃるわけですね。
○国務大臣(菅野和太郎君) 私の方で今根本的にエネルギー問題の需給計画を策定いたしておりますが、それによりまして通産省の方であるいはいろいろ計画を立てていかれる、こう思うのでございます。
○阿部竹松君 通産省の方でやるとおっしゃっても、あなたの方ではそうすると何をおやりになるのですか。日本全体の経済に、大きく言えば世界経済全体の見通しの上に立ってでしょうが、全体の日本の経済状態の診断をやって、そうして今度大体石炭がどのぐらい要ると、油はどのぐらい輸入しなければならぬというようなことは、あなたの方で一応やられるのじゃないですか。通産省でやるなどといっても、やはりあなたの方で、逆産省の外局であればともかく、あなたの説でもけっこうです、外局であれば。しかし、あなたは池田さんの一局長じゃないでしょう。少なくとも日本の経済企画庁、前には世耕弘一さんという有名な人がおられたけれども、一国の経済界をどうしなければならぬという診断をするあなたは博士なんです。池川さんの方は実施庁なんです。通産省の御意見を伺わなければなどと、そういうことはおやめになった方がよろしい。
○国務大臣(菅野和太郎君) 私の方で需給の計画を立てて、その実施計画は通産省がするということを申し上げたわけです。
○阿部竹松君 その実施計画を私が聞いているわけですよ。そうしたら、このぐらい石炭界がてんやわんややっている、聞くところによれば、十万人余の失業者が出るといろときに、十六回も審議会を持ったというのはまことに御苦労だけれども、回数多く持つのがすべてじゃないです。一回でもりっぱな結論が出れば一回でもけっこうです。あなたは当時長官じゃなかったから責任は追及しないけれども、少なくとも自民党の一閣僚なんですよ。当然責任は負わなければならぬ、誤りを犯して会議々々で小田原評定をやっているなんということは理解できない。 もう一つ外国炭を、このぐらい日本で石炭が余っていると言いながら外国炭を相当入れている、外国炭を日本炭にすりかえて、日本炭だけを使うというわけにはいかぬのですか。
○国務大臣(池田勇人君) 外国炭は主として原料炭、粘結炭でございます。無煙炭も入ります。従いまして、製鉄のいわゆる増産によりまして、国内の原料炭の不足分を燃料炭で埋めておるのであります。
○阿部竹松君 という御答弁ですが、無煙炭が日本で今一番余っておる、山口県のあの宇部鉱山の山陽無煙炭鉱、池田通産大臣のすぐ隣の県の山です。アメリカから入れる必要はない、原料炭でも今余っておるのです。たとえば北海道炭鉱汽船株式会社から出るああいうものも今余ってきておる、どちも大臣の答弁はぴんとこない。一般炭と比較しては貯炭の率は少ないですよ。しかし、外国から入れなければならないほど足らぬことはない、無煙炭も余っておる、そうなると大臣の御答弁がちょつと違いやせぬかと思うのですが。
○国務大臣(池田勇人君) 外国から参ります無煙炭、朝鮮、北ベトナムから来る無煙炭は内地の無煙炭とあわせてやっておるのであります、まあ量としては少のうございます、主として原料炭。で原料炭にしましてもそれは一時的に余るかもしれませんが、御承知の通り、国内の原料炭は非常に不利なんです、外国炭の輸入に比べますと非常にコストが高うございます、しかし、外国炭をやめて全部日本の原料炭でまかなえるかというと、そうはいきません、原則として国内の原料炭は使いますが、やはり採算上相当の原料炭を外国から入れざるを得ない、コストの関係上また産出の関係から申しまして。
○阿部竹松君 通商産業大臣がおっしゃるように、コストの関係で日本の原料炭が高い、外国炭が安いということになれば、アメリカから十三ドルの石炭、船賃を入れて二十ドル、中共から持ってくると七ドル、船賃を入れて十ドルぐらい、それで日本の施業を保護せぬ、一切がっさい価格重点主義でいくとすれば、政府が補助して一生懸命に苦労して、日本のおかしい自動車を使わぬでもよろしいということに、僕はなろうかと思うけれども、しかし、政治というものは、通産大臣もそういう気持でおっしゃたのではないと思いますが、ただコストがどうだから外国炭を入れるということについては僕はとても理解もできませんし、賛成もできません。しかし、またそれはそれとしてまた話しは戻りますが、この今度の法案ですね、これによって二万一千名の人が救われるとおっしゃるんですが、北海道、九州あるいは常磐、山口のあれはどういうことになるでしょうか、この数ですね。
○国務大臣(松野頼三君) 地域別のことは政府委員から御答弁させます。
○政府委員(百田正弘君) 大体現在推定しておりますのは、福岡において約一万三千、佐賀、長崎それぞれにおいて約二千、山口が千七百、福島が千百、北海道が約千七百、こういうことでございます。
○阿部竹松君 そうしますと、数字についてはきいぜん労働大臣のお話しと私の発表した数字と相当食い違いがあるわけです、しかし、全然それは数字が違うので……五百人や千人はこれは出たり入ったりしても、もしそれよりふえた場合には、これは適用せぬという、ここまでは予算があるからやってあげましょう、ここからはこの法文に照らしての該当者の分でもやってあげられないというようなことが生じてくるような心配がありますが、こういう心配はしないのですか。
○国務大臣(松野頼三君) 阿部委員の御指摘の六が何千というのは三十二年、三十三年、三十四年とずっとで、三十四年だけではないと思いますが、その数字の六万何千というのは三十二年ごろからの統計だと六万何千という数字が出るかもしれません、まあ大体先刻の阿部委員の質疑を拝聴しませんので……。従って、要対策人員の二万一千というのは今日の問題です。一応今度の予算措置としてこれだけは必要なんだ、で今後出たらそれに対処しなければならぬということは、当然とるべき措置はしたいと思います。
○阿部竹松君 私の心配するのは、三月なら三月までお金があればけっこうです、その前に膨大な人数が出てきた場合、たとえば大臣のおっしゃる通り、僕の数字が間違っておったとしても四万人も間違っておるとほ僕は考えなたい、そうすると、当然予算のワク内で問題が起きてくるような気がするわけです。将来のことについてあなたからざいぜん承ったら、やはりそのベースでいくとおっしゃるから、それはいいでしょう、だが現在この期間内です。
○国務大臣(松野頼三君) 今日は三月まで想定しまして二万一千人で十分やれると私は思っております。
○阿部竹松君 そこで重ねてお尋ねいたします。そうしますと、私どもはもう予算をきめるのにあと三週間か幾らしかないので、当然来年は一体どうなるかというので予算折衝が始められ、最終決定を見ておるものだと、ところが、各大臣の御意見を承っておると、これからだというお話しなんです。どこに基礎を置いて予算折衝をなさっておるか。たとえば通商産業大臣のおっしゃった石炭の問題についても何千何百万トン出しますよという方式に基づいて財政投資なり何なりなされる。しかし、そういう失業者が全然きまっておらないで、あと三週間後には本予算最後のものをきめなければならぬということについて僕は疑問を持つわけなんですがね。
○国務大臣(松野頼三君) ただいま御疑問の点はごもっともでございます。これは、失業保険が今日継続しているものは当然次の三十五年度予算の最初にこれは要対策事業の中に計算をしなければならぬという一応の基準が出て参ります。従いまして、失業保険受給中の者は第一順位として離職者、いわゆる今回のこの法律の適用される方になり得る要素を持っている人であるという数字は、ある程度基準として今日でもはじけるわけであります。しかし、今日ではまだ中小の離職者の綿密なものは入っておらない。しかし、大略の予想は当然ついて参りますので、一応それを基準として概略的なものを考えてきめる以外にないと思いますが、今日直ちに――三十五年度の予算は現実にまだ交渉もいたしておりませんし、私どもも正確な数字ははじいておりませんが、一週間の離職の状況というのは、継続して動いている状況でございますから、それを基準にまず第一に予算編成の基準をきめるということが今日あり得る、想定し得る最大のものでございます。そのほかに政府のエネルギーの基本的な問題が出て、これに労務問題が当然対象になって参りますれば、またそれを加味してこの数字をきめる、これが離職者の数を決定する一つの要素ではなかろうかと、こう考えております。
○阿部竹松君 そうすると、もうすでに予算要求を大蔵省に出していると思うのですが、そういうものは全然きめておらぬ、こういうふうに理解してもよろしゅうございましょうね。
○国務大臣(松野頼三君) 予算要求は一応九月ごろのものを想定して出しておりまするが、今回の離職者対策というものはまだ実は新規には計上しておりませんので、離職者対筑を今日継続しながら大蔵省と交渉しておりますので、もちろんまだ決定はしておりません。
○阿部竹松君 それと関連して池田さんにお尋ねいたしますが、やはり同じ問題で、あなたは五千万トンか、四千八百万トンか、いわゆる最終決定は見ておらぬとおっしゃるけれども、当然やはり予算要求をするときにはそういう問題は大臣とし心の中にかまえながら要求れると思うのですが、そういう点はこれは審議会の答申の決議を待たなければならぬ、しかし、これは、予算要求は別途だということで概算をはじいてやっていると、こういうことでしょうか。
○国務大臣(池田勇人君) その、石炭生産需要の問題と、それから将来の根本対策としての予算の問題は、あなたがお考えになるようにそう密接じゃないのですが、御承知の辿り、今の石炭生産能力は五千三百万トンと見ております。しかし、需要の関係――需要は私は昭和三十四年度は五千百六十万トンと見ている。しかし、貯炭が、前からの繰り越しがございますから、生産の方は四千八百二十万トンという程度でやったらどうかと思って業者にわれわれの考えを述べております。来年の石炭の見込みはどうかと、私は大体今年消費見込みの五千六十万トンくらいあるんじゃなかろうか。しかし、このことは昭和三十五年度の石炭行政の予算に直接関係のあるものではない。それは私は先ほど来申し上げているように、今業者がどういう考えを持っているか、それから審議会の方でどういう方向で研究されつつあるかということを考えまして、一応来年が需要が五千百六十万トンある場合、これを石炭の合理化をどの程度やっていくか、そうして最後の三十八年を基準にするかあるいはもっと先に延ばすか、私どもとして考えて、石炭の合理化についてどういう措置をとるかというので、今の四千八百万とか、五千百六十万とは予算の要求は直接の関係はございません。今後行なわれるべき石炭対策、助成その他、生産あるいは運送等に対する助成対策等で予算の関係をするわけでございます。石炭の消費の部分と直接に関係はございません。
○阿部竹松君 決して意地悪く質問するのでないから通産大臣理解して御答弁願いたいのですが、今、大臣御答弁になった点ですね、つまり石炭経営者が合理化ということは、企業整備、コストを下げる、いろいろありましょうが、それをやらなければ通産大臣が政府の政策として補助なり何なりしないものか。あるいは通産大臣がみずから陣頭に立って、炭鉱経営者こうやれ、政府の方でもこうしてやりましょうというような政府の方式でいくのか、そのあたりを私は聞きたいわけですよ。大臣のお話を承っていると、私の曲解かもしれませんけれども、とにかく炭鉱経営者に盛んに、審議しているからこの審議と相待って、それから審議会の答申と相待って大臣が収後の判断を下すというふうに聞こえるのですが、なかなか事態はそういうような事態ではない。私は政府の政策の一環としてこうやるということで、大臣が指導的立場に立ってやられる方がいいのですが、そこらあたり同じようでちょっと違うのですが、そこをもう少しできれば詳しく御説明を承っておきたい。
○国務大臣(池田勇人君) あくまで自由主義経済のもとにおける連帯をやっておるのであります。しかし、石炭企業の状況を見まして、通産省といたしましては石炭業者あるいは消費者関係、労働者、学識経験者等々のお考えを用きまして、そうしてその考えを業者にも見せて、業者はどういう態度をおとりになりますか、そうして政府に対してどういうふうな御希望がございますかということを聞きまして、政府として考えるのであります。私は石炭の、この山に縦坑を掘れとか人をどういうふうに整理せよということは申しません。法律で設けられました制度による答申がこういうのが出た、業者はどう考えるか、君らの再建方策を労使協調して考えてみなさい、政府としては国民の汗である税金によってどの程度の助成策をしていくかということで、政府はあくまであとから彼らの意見を聞いて措置いたしたいと思います。
○阿部竹松君 そこで重ねてお尋ねいたしますが、この法案とはちょっと関係ないようですが、やはり間接的に関係あるのは、これは過日通産大臣も委員会に出られて問題になった、ガス料金が上がる、電気料金が上がるということを承っておる、通産省に申請しておるかどうかわかりませんが。そうして、これは燃料代が高くなるという一項目がある。そうすると、石炭代が高くなるということを考慮してあなたの方にこれは中請するのだろうと思うのですが、片方で石炭をたく大会社が、おそらく電気会社なんか一千百万トンぐらい使うといっているのですから、そういうところが燃料代が向くなるといって電気料金を値上げしなければならない。一方石炭が高いから下げなければならないというのはいさざか矛盾した気持になるのですが、この点の理解の仕方は通産大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(池田勇人君) 電気のことからお答え申し上げますが、電気料金を今全般的に上げる考えはございません。きょうある新聞に出ておりましたごとく、関西電力は三十六年か三十七年ぐらいまでは上げることは要らぬ、こう言っております。先般非常に困っておった東北、北陸は一割七、八分上げましたが、その他の電力会社は今電気料金値上げの計画は持っておりませんし、通産省も考えておりません。ただ一つぐらいは最近――と申しましても今年度はもちろんございません。近い将来に起こり得るかと思います。電力料金の値上げの申請もございませんし、通産省もただいまそういうことは考えておりません。 それから、物価の問題で、電気料金が上がったとき、そのために物価が〇・五、〇・四影響した、こう言いますが、その原因は三割頭打ち廃止の問題と言っておりますが、三割頭打ち廃止は来年の四月からの夏料金が安く、軽くならぬということでございまして、今年の更料金の安かったのが冬料金にかわったということだけで、事実物価に〇・四%は響いていないのであります。われわれの計算では一般の卸売物価に響くのは〇・〇六九ぐらいのものと思っております。これは日銀の方で、計算が違っているということを私は聞いております。電気料金で問題になっておりますのは、いわゆる電気料金の算定方式をどうしようかということを委員会に諮問いたしまして、こういう方式で電気料金を算定すべきだという意見が通産省にきております。私は外資導入の関係から年内にその答申についての考え方をきめる状態になっている、これは電気料金の算定の方式の問題でございまして、将来のことを今きめておくということでございます。 次にガス料金につきましてはただいま検討いたしておりますが、もちろん公益事業でございますから、いろいろな点を考えてやっております。将来の、石炭の値下がりということを頭に入れましていろいろ検討いたしております。これも年内には最後の決定をいたしたいと考えております。
○阿部竹松君 それに関連してもう一つお伺いしますが、実は電気料金の方はそういうことで、単なる料金の算定方法の違いということであって、料金は上がらぬのだということであればよろしいわけです。ガス料金については、今大臣の御答弁あったように、あのガス会社が出した資料を見ると、石炭の値段が高くなるというようなことで、一方大臣は石炭の値段を合理化によって下げようとする、こういう矛盾について私はきわめて遺憾に存じているのであります。そういうこともこれと関係がありますから、あわせて今後の問題としてよく大臣の心にとめておいていただきたい。 それからもう一つ、石炭会社でもガス会社でも、これはもうからぬもうからぬ、上げなければならないとか、企業整備しなければならない、合理化しなければならない、こういうことをおっしゃっている、新聞その他の記録を見ると、何百万という膨大な政治献金をやっている、そうして実は今度会社が困ったと言っている、政治献金をやっても。とにかくあまりけっこうなことでなく、汚職などは……、大臣は衆議院ですが、わが参議院には、とにかくまだ法廷で白黒つけませんから何とも言われませんが、とにかく新聞をにぎわす原因が出たり、会社が膨大な政治献金をやる、それで最後は労働者の首切りだということになりますとどうも私はすっきりしない。 最後に、ほかの委員の質問もありますから私はこれでやめますが、労働大臣にお尋ねをいたします。そうすると、さいぜんの御答弁の通り、この五十とか百とかとにかく合理化によってやられた人は当然こういうベースで、離職者対策の一環としてやっていくということができるわけでありますね。それともう一つ、それにつけ加えてくどいようですが申し上げますと、労働省の算定した二万一千人という数字、もしこれをオーバーした場合には当然若干の誤算あったものとして、この者たちと同様に、この法に言う資格があれば措置せられるというふうに理解してよろしいわけですね。
○国務大臣(松野頼三君) もちろん措置いたします。
○田畑金光君 重複するかもしれませんが、数点についてお尋ねしたいと思います。 この法律案を読みまして、実は一番最後を見ますと五年という時限立法になっておりますが、これは五年の後にはこの法律の意図する目的が達成されるという予測のもとに立てられているとこう見ているわけですが、一応なぜ五年という期限でこの法律を考えられたか、その辺の事情を少し説明してもらいたい。
○国務大臣(松野頼三君) 五年間と一応きめました理由は、三十年から石炭の合理化を進めまして、ちょうどそれがことしが四年目であります。そうしてこれらの処理ということが今日緊急の問題であります。そうしてまた、四年たっておりますから、今後五年間の間に総合的にこの離職者対策を済ませたい、こういう意図のもとに五年をきめたのであります。四年でもまたそれは議論でございますが、しかし、今日四年たった離職者というものを、今度五年の間に処理できょうじゃないか、そういうので一応五年というものをきめたのでありますが、特に理論的に五年間でなければならないという強い意味は、ざいません。無計画でやるわけにはいかないから、一応の目標は、経済五カ年計画とか、十カ年計画とかございますので、特に人間の問題でございますから、できれば二年の間に全部できることがこれはいいかもしれません。しかし、それは多少の余裕を見ながら五年とこういうふうにきめたわけでありまして、特別に理論的に五年にしなければいけないという積極的な意味はございません。
○田畑金光君 お話の中に出たように、合理化法が実施されてからもうすでに四年たっている。この間、今大臣のお話によります、今まで四年間のやつをこれから五年間に処理しようというようなお話ですが、実際四年間に現実に石炭合理化によって出てきた失業者を、これはどのように政府としては対処されていくのか、どういうふうにこの人方の失業対策というものに重点をおいて一般に処理されてきているのか、その辺の事情を一つ御説明願いたいと思います。
○国務大臣(松野頼三君) 三十年から石炭の経済的変動がございまして、三十一年、三十二年とある程度石炭は好況に見舞われて、離職者というものが非常に減りました。しかし、やはり三十三年、三十四年という時期に総合的にやはり離職者というのがふえて参りました。そういう変動はございましたので、三十年、三十一年、年々まあこれはいろいろな理由がございますが、いずれにしましても、四年間のしり押しが今日出てきて、非常に緊急な数字は総数はどれだけかといえば、今日までただいま阿部委員の御指摘のように六万人ぐらいの方が出ております。しかし、それが全部今日停頓しているのかといえば、そうではございません。三十二年、三十三年の間には相当変わっております。しかし、その一番あと押しの方が緊急要対策として今日二万一千人、十月現在できているというこの対策をまず立てようじゃないかということに対して、緊急に臨時国会にその対策を立てたものであります。今後問題はいろいろまだ見通しなりございましょうが、いずれまだ今後も出てこられることはこれは間違いございませんので、一応五年間というものをきめながら、その離職者対策を完全にやって参りたい、そういう考えでございます。
○田畑金光君 それでは通産大臣にお伺いしたいわけですが、石炭合理化臨時措置法が、先ほど来お話のように、実施されてからもうすでに四年経過しているわけです。まあいろいろ能率の悪い山の改善であるとか、あるいはまた、坑口の開設制限の問題であるとか、炭鉱機械化に伴うあるいは合理化の問題であるとか、いろいろ合理化計画を進めていかれたわけです。この間すでに四百三十万トンの中小炭鉱の能率の悪い山を買いつぶすという目標のもとにそれぞれ施策を進めてこられているわけでございますが、この法律の目的が一体今日どの程度達成してきたのか、これを石炭の長い見通しに基づく安定施策の面から見た場合に、すでに実施された、あるいはまだこれから実施されるであろう四百三十万トンの買いつぶしによって、石炭の合理化というものがどの程度体質改善というものが行なわれるのか、あるいは将来はこれはどういうまた発展をしていくものか、一つこの辺の今後の通産大臣のお考え方について承っておきたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 石炭合理化法によりまして、ただいまのところ四百三十万トンを買いつぶすと、今三百万トンあまりではなかったかと思います。実施中は。この方法は、私はやはり適当な措置だったと考えております。やはりあのときからこの程度のものはやってよかった。しかし、結果が不十分であった、あるいはそれでちょらどよかったという問題は、いろいろ議論があるところでございましょうが、買いつぶしの方法ということはやはりやってよかったと私は考えております。最近世界の石炭国の状況を見ましても、イギリスにいたしましても、ドイツ、ベルギーにいたしましても買いつぶしの方法でいっておるようであります。それじゃ将来買いつぶしの方法をどの程度やるかということにつきましては、先ほど来御輿間がございましたが、私は、この問題につきましては、石炭の根本対策として考えておるところでございます。まだ結論は出しておりません。
○田畑金光君 これは、先ほど、私途中で参りまして、阿部君の質問に対しいろいろお答えになっておりましたが、今月の中ごろには、石炭鉱業審議会から答申があるだろうから、それを待って処理する、こういう方針ですか。おそらくこれは石炭局等においても、政府通産省部内においても、当然ある目標があって、そうしてその目標の達成のためにはこれこれの施策が必要だ。炭鉱についてはこのような体質改善が必要である。それがためには従来の買い上げが四百三十万トンにきまっておるが、将来これはどこまでいかなくちゃならぬ、こういういろいろな施策とか準備とか見通しなんかをお持ちだと見ておるのですが、その点どうでしょうか。
○国務大臣(池田勇人君) 事務当局でいろいろ研究いたしておると思います。しかし、私は事務当局でこれだけという意見もまだ聞いておりません。また、自分としてはやるかやらぬかも決心していないわけであります。また、先ほど来の石炭審議会においてもいろいろ議論があるやに聞いております。私お答え申し上げました通り、自分としてはまだ結論を出しておりません。
○田畑金光君 もしその答申に基づいて、かりに伝えられるように、なお二百万トンの買いつぶしが必要である。こう答申された場合には、その答申を尊重するという意味に解してよろしいのかどうか。この点、すでに石炭に関係されておる権威ある機関等のいろんな検討の内容をわれわれが見ておりますと、相当やはり今後においても買いつぶしが必要であるというような結論を出しておるようで、この結論から参りますと、相当数いろんな面に影響が波及してくると、こう見るので、この点は、もしかりに、答申の結果によってなお必要であると出てくる場合には、通産大臣としては、それに基づいて次の通常国会には提案したい、こういう御意向なのかどうか。
○国務大臣(池田勇人君) 二百万トンあるいはそれ以上のいろんなものもあるようでありますけれども、私は全体の問題としてきめるべきだ、こう考えて結論を出していきたいと思います。
○田畑金光君 全体の観点から見るという、その全体とはどういうことなのですか。
○国務大臣(池田勇人君) 他の大手また中小企業の炭鉱のあり方と関連して考えるべきことだと思います。
○田畑金光君 石炭鉱業整備事業団の重要な仕事の内容として、これは今進められておる非能率炭鉱の買い上げ整理、こういう問題があろうと考えておりますが、すでに四百三十万トンのワク内の消化というので、ことし一ぱいで大体調整も終わる、仕事も終わると聞いております。そうしますと、来年の一月以降たとえば三月にわたる間は実際こういう面は仕事がなくて遊休化すると、こういうことになるわけで、ただ単にそういう点からだけに問題をしぼってお尋ねするわけじゃございませんが、いずれこの問題は大臣はそうおっしゃいますけれども、必ず私は次の通常国会あたりにはまた追加買い上げが出てくると、こち見るわけで、この点はどうでしょうか。
○国務大臣(池田勇人君) 四百三十万トンのうち今計画いたしておるのは三百五十万トン、八十万トンの分につきましては三十五年度で実施をするのでございまするから、整備事業団が仕事がなくなってしまうというようなことはございません。しかし、そういう問題より別にこの事業団の買いつぶすのが四百三十万トンでいいか、あるいはもっとふやすべきかということは、これはやはり石炭対策の大きい要素でございますから、これは私は答申を見まして、来年度の予算その他に盛るべきものがあれば盛らなきゃならぬ。それまでには結論を出すつもりでおります。
○田畑金光君 先ほど、労働大臣のお話によりますと、とにかく今緊急に対策を要するものが二万一千名にのぼっておるので、それを対象にして今回の対策をやったのだと、こういうお話でございますが、当然これは来年の三月末までの予算措置だと、こう思うのです。また、これから炭鉱離職者の数がどうふえていくかということは未定かもしれませんが、しかし、来年度においても継続的な予算措置というものが当然とらねばならぬと思っておるわけで、労働省といたしましては来年度の予算措置についてどのような見通しの上に立って、もうすでに予算編成期にも入って、大蔵省と折衝されておられるのか、折術一の経過等についてはなかなか答弁しにくいでしょうが、来年度の見通しというものについてはどういう考え方でいっておられるか承りたいと思います。
○国務大臣(松野頼三君) まだ大蔵省と折衝は実は始めておりません。部内で来年どの程度予想されるものが的確にあるかということについて省内でただいま検討いたしております。
○田畑金光君 それじゃ省内の縦付に限定してもよろしいですが、省内では、労働省としてはどのような見通しを立てておられるのですか。
○国務大臣(松野頼三君) 過去におきます離職者の方が再び再就労の希望を持ってこられる方も幾らかございましょう。同時に一番大きい問題は、今日継続的に失業保険を受給されておられる方が来年になって切れる方がございます。こういう方は一応この数字に載せなきゃならぬ、こういうので的確に申し上げられる一番基礎的な数字だ、こう考えております。
○田畑金光君 そこで、私はそこをお尋ねしているわけで、百田局長はおいでになりますが、現在失業保険を受給していて年間に保険金の切れるもの、これが一体どれくらいに炭鉱離職者の場合になるのか。さらにおそらく二万一千の離職者対策をやっても政府の今日までとられた失業対策の事業の経緯を見ますならば、おそらく他の仕事に転換する数というものはそう期行できないと思うのです。多くは滞留し、長期化し、停滞する失業者じゃなかろうかと、こう見るわけで、そういうことになってきますと、当然二万一千の基礎数字の上に立って来年一年間に何ぼ合理化に伴う失業者が出てくるか、あるいはまた、現在失業保険を受給しているものが何ぼ切れるか等々見通しを立てるならば当然幾ら幾らの失業者というのは予想されるということは出てきょうと思うのです。だからその点を労働省としてはどうつかんでおられるのか、それをお尋ねしているわけです。
○政府委員(百田正弘君) 労働省としては、まあ大臣のお話のように、内部でこの数字を検討中でございます。その基礎になりまする来年の石炭業における見通しという点につきましては、予算当局とも打ち合わせをいたしまして、その要素からくるものは予算措置をしなければいけませんが、われわれは一つ確実なことは、現在すでにこの本年度下期におきまして離職をいたしまして、失業保険の受給を受けている者、この数は大体下期推定で約二万二千ぐらいに上る見込みでございます。そこでこの人たちは、本年の下期でございますと、大体来年度に入って切れる、まあこの二万二千の人たちが失業保険受給期間中にどの程度就職するかといったような問題もございます。そういう点もあわせて、これも一つの要素として現在検討中でございます。
○田畑金光君 そこで今二万二千名、一応年間においては失業保険の受胎期間が切れるだろうと、そうなってきますと、その中で一体何一〇%が再就職を求める者であるのか、あるいはまた幾らが帰農し、あるいはまた自営業に携わるのか、相当いろいろ皆さんとしては、従来の実績から判断を立てておられると思うのですが、どの程度見ておられるのですか。
○国務大臣(松野頼三君) これは個々に当たりませんとわかりませんし、あるいは雇用状況、雇用市場の影響もございますので、一がいに幾らだとは申せませんが、一つの調査をしましたところが、三〇何%という数字が出て参りました。実態調査しましたところが、三〇何%に緊急就労対策という数字が出て参りますので、あとの七〇何%はどうするのだ、やはり帰農きれる方、あるいはみずから職を求められる方、あるいは自分で都合によって就職される方というふうに、就職は過去においてはなっております。しかし、この数字を常にこの通りだという一つの自信もございませんので、一応今日まで実態調査しましたのは、三〇数%というものが実際に出て参った数字でございます。
○田畑金光君 その三〇数%というのは、何か筑豊炭田で実地に調査されたのかもしれませんが、それが一つの基準になって三〇何%に押えられる、こういう説明のようです。直接見ておりませんが。しかし、三〇何%で妥当であるかどうかということは、これは多く疑問だと思います。また、われわれからいうと低過ぎると、こう思うのです。しかし、まあこの点は水かけ論になりますのでやめますが、そこで来年度の予算措置等について、いろいろ伝えられておりますが、通産大臣にお尋ねしたいことは、この重油関税の問題、関税定率法に基づく一〇%なら一〇%まで取って、そうしてその財源をもって三十五年度の石炭施策に充当すべきだ、こういう意見を大蔵大臣自身は強く持っておられるということを新聞でこれは承知しておりますが、来年度の予算の編成に伴う財源の見通しを見ましたとき、税の自然増以外、どこに新しい財源を求めるか、これは重要な問題だと思うのです。しかも来年度また災害予算を数百億追加支出しなくちゃならぬ、あるいはその他の既定経費あるいは恩給費の正常化というようなこと等を、こう見ましたときに、相当これは来年度の予算編成上財源をどこに求めるか、これは大きな問題になるだろうと思うのです。そこで私たちは、来年度一体石炭対策というものが、予算措置においてどのように考慮されるかということに、重大な関心を持っているわけで、どうしてもその一つとしては、重油関税の定率通りの徴収ということが具体的に問題になると思うのですが、この点について、大臣はどういう考えをお持ちであるか、これを一つ明らかにしてもらいたいと思うのです。
○国務大臣(池田勇人君) ただいま定まっております原油、重油の関税率、またそれに対しましての臨時措置等につきましての問題は、所管が大蔵大臣のところでございます。通産大臣として、税率を増徴すべしというふうな意見は、言うべき筋合いのものじゃないと思います。ことに産業大臣としては、原料エネルギー等につきましての課税は、産業全体に及ぼす影響が大でございますので、通滝大臣として、税金を徴収することを進んで申し出るようなことはございません。しかし、財源がない、財源がないといっても、これは石炭対策は一般会計で出すべきものだ、私としては大蔵大臣に、何としてでも石炭対策の予算を組めと言うことにとどめたいと思います。しかし、閣僚の一人として、大蔵大臣がどうしてもということになれば、それはそのときに考えればいい、私は今石炭対策が必要だからといって、産業の基本である原油、電池の課税をやるべきだという私は意見は持っておりません、ただいまのところ。
○田畑金光君 この問題は、お話の通り、大蔵大臣の所管だから、大威大臣が熱意を持っていると私は申し上げたわけです。まあ産業大臣としての池田通産大臣が、この点についてどう考えるか、これは産業全般をあずかる立場だから、ある意味においてはその利益を代表する立場だから、それは徴収することについては、消極的になることも、職責上やむを得ないと、こう思うのです。ただ問題はやはり来年度の石炭対策、離職者対策等々考えたときに、当然これは切り離して考えるわけには参らぬと思う。ことにまた来年の十月になれば、重油ボイラーの規制法というものが期限が切れてくるわけだ、これとの関連においても、これは当然問題になってこようと思う。そこでそれは石油ボイラーの規制法というものと、今申し上げた重油の関税との関係が、いろいろ取りざたされておりますが、この点については、いずれ通常国会には、大臣はこの立場というものを明らかにしなくちゃならぬと思うのですが、この点はどうお考えになっているのですか。
○国務大臣(池田勇人君) ボイラー規制法は、お話の通り来年十月で切れるのでございます。通常国会におきまして、ぜひともこれが対策についての御審議を願わなければならぬと思います。ボイラー規制法をそのまま今のままでおいて、お話のように、原油には重い税金を取るということになりますと、なかなか厄介な問題が起こってくると私は思うのであります。重油の問題につきましては、私は石炭対策と同様に、所管大臣として検討いたします。しかし、たっての御質疑でございますが、関税の問題につきましては、先ほどお答えいたした通りでございます。
○田畑金光君 この法律案に戻りまして、この援護会というものができまして、いろいろな業務をこれはやることになっておりますが、幾つかの項目にわたっているわけで、主としてどういうことを重点においてやろうとするのか、これを一つ大臣から御説明願いたいと思います。
○国務大臣(松野頼三君) 炭鉱離職者の援護会の一応の概略予算の内容を御説明する方が端的だと思いますが、移住資金として約三億円、職業訓練寄宿舎手当として一億四千万円、移動式宿舎の貸与八千六百万円、職業あっせんの協力一千五百万円、生活相談その他管理費を含めまして約五千六百万円、合計六億を基準にいたしております。このほかにもちろんこれは概略でありますから、多少の人員の異動があればこの中でやりくりをして、多少の変動はあるかもしれません。一応今日提案いたしている予算の範囲内におきましては、この六億を計算をいたしております。
○田畑金光君 移住資金とか、職業訓練手当とか、いろいろ出ておりますが、これはどういうような場合に支給されるのか、それがどのような額に上っておるのか、また、人員等についてはどの程度の予算に組んでおられるのか、これを一つ明らかにしてもらいたいと思います。
○国務大臣(松野頼三君) 移住資金は一応四千名を対象といたします。移動式住宅につきましては、大体二千五百名を対象にいたしております。その他広域職業紹介で約四千人、そういうものを一応対象として、この予算の援護会関係としてはいたしております。
○田畑金光君 たとえば職業訓練手当は、これは失業保険が切れた人たちについて考慮されておると思うが、これは訓練を受ける個人の立場から見ましても、あるいはもっと大きく経済効果の点から見ても、失業保険の受給期間中において実施することも、これは一つの方法だとこう考えられるわけであります。あるいはまた、職業訓練を受ける炭鉱離職者に対して訓練手当を支給するという問題は、たとえば失業保険の期間の延長という点からも、これは救済できるように見るわけです。むしろそのような点が、そのような形に処理することが、合理的な感じもあるわけでありますが、その点は労働省部内等において、どのように検討されてきたのか、一つ伺いたいと思います。
○国務大臣(松野頼三君) 失業保険の受給内に訓練をやってもらうということが第一でございますが、今回の離職者は相当古い方もおられますので、失業保険の切れた方というのが対象の大部分でございますから、大業保険の切れた方に再び失業保険を支給できませんので、援護会からその期間中の手当を支給する、こういう形をとっております。
○田畑金光君 私のお尋ねするのは、これは技術的にできるかどうかいろいろ問題もありましょうが、たとえば炭鉱離職者の受給期間というものをもっと時局を長くして、その間に職業訓練を実施する、こういうことも一つの方法だと思うのですが、この検討というものは労働省の中でなされていないか、あるいはそういう考え方がこういう矛盾があるのだというような御意見なのかどうか、その辺を承っておるのです。
○国務大臣(松野頼三君) 御趣旨のように、失業保険の受給者は、なるべく訓練所に入っていただく。期間中にかりに訓練所において失業保険が切れた場合には継続したいということはただいま検討いたしております。なお、失業保険の使用方法は訓練所の設置、総合訓練所失業保険金の益金の一部を今日あてておりますので、従って、訓練所の方に失業保険の一部をあてておりますので、本人には失業保険を支給する。失業保険の益金は一部は訓練所の施設及び運営にあてておるのが今日の段階であります。できれば訓練所の失業保険が切れた場合には延長できるという方法も一つの案だと思ってただいま検討いたしております。
○田畑金光君 それからもう一つお尋ねいたしたいことは離職者の人が「昭和三十年九月一日以降の日であること。」こう指定されて、さらにまた、次には「昭和二十九年九月一日以降において一年以上引き続き炭鉱労働者として雇用された経歴を有すること。」こうなっております。例の合理化法の施行後に離職した人が適用されることの意味だと思いますが、その前のたとえば不況期において離職した者、あるいはまた、合理化法に基づいて買い上げにならなくても、その間にいろいろ石炭の企業の合理化によって失業者が出ておるわけです。こういう人方の取り扱いというものは一体どうなっておるものか。それからもう一つ、この法案が抜けておるのは関連産業、たとえば石炭が一つの企業が休山する、こうなってきますと、当然、関連産業に失業者というものが赴きてくるわけです。この問題等について、この法案は何ら考えていないわけです。ことに将来これは中小で全円までは済まされていたが、今、日経連や石炭協会等の考えておるあの合理化計画に基づけば十万近くの失業者が出てくる。こうなってきますと、当然これは大手の山にも波及してくる。現実にその問題が今起きておるわけです。こう見てきますと、当然それは関連産業の失業者ということも相当の数に上るのではなかろうかと判断するわけです。ところが、あの法案においてはそういう面が何ら顧慮されていない、関連産業の失業者の問題は。この点はこの法律を立案される過程において考えなかったのか。考えたが、そこまでは手が及ばないというのか、あるいはまた、そういう失業者については別の面で救済することを政府としては考えておるのだ、こういうお話なのか、その辺の事情を一つ説明願いたいと思います。
○国務大臣(松野頼三君) 一応三十年にいたしましたのは、やはり石炭の一つの不況状況というのが合理化法という法律によって制定されたという契機をとりまして、三十年からというものを採用いたしました。なお、石炭の関連産業と申しますが、ほとんど石炭は石炭の景気によって町全部が非常な大きな不景気、好景気に見舞われる産業でございますから、石炭産業というものの特殊性から労務者というものを対照にいたしました。そのほかに緊急就労というものを地元に起こしまして、そうして地元にその方々の就職の道を開こうというので、緊急就労の内容を入れたわけであります。もちろん、関連産業を考えなかったわけじゃございませんが、関連産業一般的な雇用対策あるいは経済対策の中に含めて私は考えるべきものである。今回の石炭合理化というものの一つの焦点から、その離職者対策をまずやろうというワクをしぼってきて、これをすべてに及ぼしますならば、石炭離職者に対する手当がぼけてしまいます。また、問題が非常に広く波及してしまう。これでは石炭離職者に対する対策としては手薄になってしまうというので、石炭離職者だけに限定したという意味でこの法案を提案いたしました。
○田畑金光君 石炭離職者に重点をしかれたということも理解できますが、私の質問の最初に申し上げたように、昭和三十年の九月一日以前の離職者、合理化法によらざる離職者、あるいはまた、合理化法実施後のいろいろな企業において、人員の整理等が現実に起きているわけです。これもこの法律案の対象に考えておるかどうか。これを見ますと、九月一日以降でも全部この法律に基づいて買い上げになって、そこから出てきた失業者をこういうふうに狭く解釈されるように見受けるのですが、そうじゃなくて、山は買い上げになられたが、現実にある企業において合理化が起きて、そこから失業者が出てきた、こういう問題があろうと思います。それからまた、この合理化法が実施される前の不況期において、戦後石炭の動きを見ますと、三回大きな不況に見舞われております。この法律の実施以前の失業者については、一体どう考えておられるのか、もし何なら百田局長から一つ明確に御答弁願いたい。
○政府委員(百田正弘君) ただいま二十三条に書いてあります、昭和三十年九月一日以降云々と書いてございますのは、一つのめどをそこにつけたのでございます。これは援護会の事業の対象となるものでございます。従いまして、その他の部分、緊急就労対策事業、あるいは職業訓練、あるいは広域職業紹介というような措置につきましては、全部の炭鉱離職者に該当するわけです。従いまして、三十年九月一日以前の離職者でありましょうとも、あるいはその後の買い上げ以外の原因によるみずからの企業整備その他の原因で離職しても、全部がこの本法の対象になるわけです。ただ援護会の事業の対象にはいたしておりません。そういうことであります。
○田畑金光君 そこで、大体わかりましたが、先ほど阿部委員の質問に対して、二万一千名の各地域に対する配分はということで、いろいろ大臣から説明がありましたが、たとえば、炭鉱というものは御承知のように、ある特定の地域に集団して生活し、また、集団して離職者が発生するわけです。そういう場合には、たとえば福岡なら福岡に一万三千名、福岡といってもある特定の地域にある山において、何千名とか何百名発生したということになろうと思います。 そういう場合は、この緊急就労対策事業というものが、要するに、その離職者本位に事業を考えておると思うわけですが、その村、あるいはその町とかという具体的に発生した地域を対象として、緊急就労対策事業というものが行なわれる、実施される、こういうようなことになるのかどうか、その辺一つお尋ねしたいと思うのです。
○国務大臣(松野頼三君) 緊急就労対策事業は、その石炭の離職者が集中的に出ておる場所を中心にやりまして、その他の場所にこれを散らばすということは考えておりません。その場所を中心に就労対策を実施いたします。
○田畑金光君 よくわかりましたが、ただそうなってきますと、通例緊急就労対策事業に基づいて、もうすでにその辺は、多くの場合は失業対策事業によって、公共事業等多くの仕事が、たとえば管渠の整備とか、道路の改修とか、港湾の改修もありましょう、そういうような仕事は一応終わっておる地域が多い、こう見るわけで、そういうようなところに仕事を持っていくとすれば、まさに人のために仕事を作るということになってきて、適当な仕事があるのかどうかという点もこれは相当疑問なんです。そういうようなところまでよく考えて、もちろんこれは地方公共団体の長の計画に基づいて、あるいはそれと相談されて、いろいろ実施されるものと考えますが、この辺の事情はどういうことを予定されておるわけですか。
○国務大臣(松野頼三君) 今回特に緊急就労という項目を起こしましたのは、今までの失対事業ではなかなかうまくいかない、うまくいかないその理由は何だといえば、いわゆる単価において労務費だけであって、何ら資材費もなければ、その他の管理費もないということで、建設的な仕事ができない、ことに資材費が緊急事業には少なかったということで、今回単価を引き上げましたのは、大きなものは、その資材費を含め、なお市町村営であると、やはり仕事の量が限定されますので、ここにある程度請負に出してもよろしいということで、建設事業の中に吸収できるように、一般の公共事業、広い意味における公共事業と合わせて吸収できるように、資材費を含めたわけでありまして、従って、今までの単価では何も仕事ができなかった、今回はある程度埋め立てをやるとか、山を崩すとか、市街地をある程度建設するという建設的な意味を今回含ませましたので、今までのようなものとは多少性質が違ってくる、それで、今回各市町村、府県からは相当数出ております。今までの失対では間に合わなかった、資材費がなかった、今回は建設事業として仕事ができるのだということで、非常に希望がたくさん出ておりますので、その消化は完全にできると考えております。
○田畑金光君 そうしますと、賃金並びに資材費あるいは事務費等、従来の失対事業のそれに比べると、どの程度有利な条件が加えられているのか、具体的に一つ御説明願いたいと思います。ことに、賃金は一体どの程度になるのですか。
○国務大臣(松野頼三君) 特に賃金を幾らという規定をここに設けたわけではございません。一応単価として八百五十円。この中で想定されますのが、資材費が三百円くらい。賃金が、場所によって違いますけれども、これは失対のように統制的賃金にはいたさないつもりです。しかし、資材費として、八百五十円の中には二百円ぐらいは資材費、百五十円、二百円ぐらいは管理費及び施設の経費になるだろう。三百五十円か四百円ぐらいが賃金になるだろうという想定であって、仕事の内容及び性質によって、請け負わせるのでありますから、工事の内容によって違う。失対賃金みたいに幾らだときめずに、実はそういう想定をあわせて、単価を八百五十円、こういうような計算をしておるわけであります。
○田畑金光君 炭鉱離職者の優先雇用ということを規定されておりますが、これを見ますと、今後新鉱の開発とか、あるいは新しい坑口の開設等に基づいて、新規に炭鉱労務者を必要とする山々があろうと見るわけで、そういう想定のもとに、炭鉱離職者の優先雇用ということが規定されておりますが、この規定というものは単なる訓示規定で、別段鉱業権者、租鉱権者がこれに拘束されて、炭鉱離職者を優先的にどうしても使わなければならぬ、こういうことにはならぬようにこれは見受けるわけで、これはもっと、せっかく法律を作られるならば、義務づける、どうしても、炭鉱等で労務者を必要とする場合には、こういうようなところから出てきた炭鉱離職者を採用しなければならぬという強行規定ぐらいになさるのならば期待できますけれども、これではとても、単なる訓示規定で、所期の目的というものは達成できないと見るのですが、この辺は、どうしてこのような規定にとどめたわけですか。
○国務大臣(松野頼三君) この規定が、いかにも言葉では非常にやわらかく見えますが、こういう規定を設けたのは、ほかの産業にはございません。今回が一番きつい規定であります。その言葉の中に、職安を通じてすべてをやらなければならぬ、職安は常に安定所に労務状況を報告しなければならぬ、報告を違反しますと罰則がかかっております。従って、その運営においては、相当実は強い規定であって、言葉は、そうしなければならぬという言葉が書いてありますけれども、職安を全部通ずるということは、行政指導でやろうと思えば、相当きついことであって、その後においては常に報告をとります。報告違反をすれば罰則がかかりますから、どちらかといえば、言葉はやわらかく出ておりますけれども、行政的には、今までの雇用問題にこういうきついことをつけたものは一つもございません。今回初めてこんなものを置いたので、ある場合において、きつ過ぎるじゃないかという批判さえ出ておるわけであります。見ようによっては相当きつい規定で、過去の例から見ると、こんなものはございません。
○田畑金光君 今までの規定にはないきつい規定であるという御答弁ですが、それは、そうであるかもしれません。ただ、しかし、今回の炭鉱離職者というものは、伝えられるがごとく、一つの産業革命というか、消費構造の革命というか、そういう一つの大きな流れから発出したものであるとすれば、やはりここから出てくる失業者をどうするかということは、当然政府の責任でもあるし、あるいは産業界みずからの責任でもなければならぬと思うのですが、そういう意味において、この法律というものも解釈できると思うのです。でありますから、今回の炭鉱離職者というものが、従来の産業から出てくる、あるいは景気の摩擦から出てくる、あるいは景気、不景気の波から出てくる失業者というものではなくして、もっと本質的な、一つの構造的な変化からきた失業者であるとするならば、当然それに応じて政府の施策が義務づけられるべきであって、産業界が自分の問題として自発的にこの問題に取り組む責任というものが生まれてこようと思うのです。そういう点から見ますなら今までの法律でない問題であるかもしれないが、今当然もっと力を入れてもこれは差しつかえなかろう、こう思うのです。そういうようなことを考えてみたとき、まあこの法律でいいかどうかということを今後の運用の面において十分一つ配慮してもうわなきゃならぬ、こう思っておりますが、まあそれはそれとして、その炭鉱離職者の援護会というものができるわけで、これの機構とか、とれの今後やっていく仕事ですね、これについて一つもっと内容について御説明願いたいとこう思います。
○政府委員(百田正弘君) やっていく仕事といたしましては、先ほど大臣から大体予算に基づいて御説明がございましたので、その機構について申し上げますと、大体全体の人数が九十八人くらい。そこでそのほかに役員、職員のほかに、協力員といたしまして二百人を別途置くことになっております。そこで法律にもございますように、東京に本部を置きまして、九州が特に大きいのでございまして、九州に支部を置き、その下に八つの支所を各地に置くことにいたしております。また、必要の個所には駐在員を置くというような組織に相なっております。
○田畑金光君 今お話の本部に九十八名ですか、それから協力員として二百名というお話ですが、これは本部から支部、支所、駐在員、いろいろまあ段階があるようで、どのような配置を考えておられるのか、協力員というものは一体どんな仕事をやられるのか、また、これは労働省等の天下り人事でやられるつもりなのかどうか、この辺はどういうことになってくるわけですか。
○政府委員(百田正弘君) 支所その他はできるだけ石炭炭鉱の中心地に置くわけでございますが、まあ人数といたしましても、そう一カ所に大ぜいおるわけではございません。しかしながら、協力員を置きましたのは、従いまして、この業務をやっていきます場合におきまして、民川の方々あるいはまた、炭鉱の求職者の事情にくわしい方々、一々お役所式にそこまで相談にいかにゃいかぬというようなことのないように、そうした意味におきまして積極的にこの業務に協力していただくためにそうした支所のあるところに協力員をお願いしていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○田畑金光君 援護会は政府の方で三億でしたか、予算、それで同額を交付金から政府事業団から同額を受けるということになっておるわけですが、結局まあそうしますと、例の合理化法に基づくトン当たり二十円ですか、負担金をあてにされているわけです。で、来年度も当然、先ほど来予算の問題でいろいろお尋ねいたしましたが、当然援護会の仕事を強化していくとすれば、相当傾これは事業団から回顧の補助金を受けるということになるわけですが、それはそういうことになるわけですか。
○政府委員(樋詰誠明君) 今回はとりあえず政府半分、事業団半分ということで六億やっておりますが、これは来年も必ず半々ずつ出すかどうかということにつきましては、これは必ずしも今はっきりきまっておらないわけでございます。もし来年度以降事業団の方から、その割合は別といたしましても、さらに援護会の方にお金を出すということになりますと、現在の買い上げ四百三十万トンというものを対象に三十六年の八月までに二十円でとるという金で、この三億円以外に出す余裕はございません。来年度以降援護会に金を出すために事業団から資金を交付するということであればこれは当然次の通常国会で事業団の方の納付金の期間というものを変更するということであらためて法律を出すということになるというわけでございます。
○田畑金光君 今の樋諮局長の御答弁ですが、三十六年八月までの期間においては三億が限度であって、それ以上の納付金をとろうと思えば次の通常国会においてさらに合理化法案の延長以外にないのだ、こういうことですか。
○政府委員(樋詰誠明君) その通りでございます。
○田畑金光君 そこで私通産大臣にお尋ねいたしますが、今樋詰局長から御答弁がございましたように、炭鉱離職者援護会にこの法律措置に基づいて政府の三億に同額の事業団として三億の負担金を支出しなくちゃならない。ところが、それは三億というと三十六年八月までの納付金を充当してようやく三億に該当するわけです。そうしますと、来年予算措置をやるとなれば当然三十六年八月以降も交付金を延長しなければ予算財源がなくなるわけですね。そこでこの問題はそれだけでもこの法律案が五年という期間になっておりますから、これから五年間実施をするということになれば、非常に大事な仕事をやる援護会が仕事の能率を高めていくためにも、仕事の機能を充実するためにも、どうしても炭鉱整備事業団からの負担金というものに財源的な依存をはからなければ、かりにそれをはからなければ一般会計の支出がそれだけふえるわけで、労働省としても大蔵省に予算措置を要求するについてはなかなか苦労されると思うのです。ことしの第一年度における、最初の年における予算措置が事業団で三億の負担をしている限りにおいては、おそらく来年度の予算においても一般会計支出と見合う同額の負担は免れないと思うのです。そうなってきますと、当然次の通常国会にはこれだけでも合理化法の改正ということが考えられて、そうしてトン当たり二十円負担、あるいはまた、開銀や中小企業金融公庫から借り受けている中小の山等においては、例の三分五厘に相当する利息相当額を事業団に納める、こういうようなことになってきょうと思うのですが、通産大臣としては次の通常国会にこの合理化法案の改正ということを予定されているのかどうか。この点一つ承っておきたいと思うのです。
○国務大臣(池田勇人君) いろいろな問題がございますので、あなたのおっしゃるような結果になると私は考えております。ただ、今回援護会に政府の一般会計からの分と事業団と同額にいたしておりますが、これは将来同額でいくか、私としてはもっと政府の方から出してもらうべきじゃないか、こういうふうな気持を持っております。いろいろな点をやはり石炭対策の根本問題として今検討中でございます。何と申しましても、半分整備事業団が負担することになりますと、今の買い上げ分、鉱害その他の分を負担しておる関係上、なかなかそう楽には出せない。どの程度にするか、また、いつまで延ばすかということにつきましては、検討中でございます。
○田畑金光君 今のお話しのように、延長することも考えておられるようですが、やはり石炭の合理化を進めていくためには、あるいは今言われておる競争エネルギーと太刀打ちできるような体質改善、あるいは石炭の合理化をはかっていくためには、いろいろな面からこれは検討されていかなければならぬと思います。まあその一つの石炭経営の合理化の問題として、炭鉱に対する財政投融資の問題等があろうと思うのです。ことに開銀や、先ほど申し上げた中小企業金融公庫等からの貸付金の利息の面というものは、利息の軽減という問題は、これは私は今後の炭鉱経営の上からいって重大な一つの経営合理化の要素だと、こう思うのですが、伝え聞くところによれば、通産大臣においても炭鉱に対する融資の利息の面等についていろいろ考えておるということも聞いておりますが、この点は大臣としては、次の通常国会の石炭合理化の総合施策の中でこれを一環として考えておられるかどうか、この点を承っておきたいと思うのです。
○国務大臣(池田勇人君) 石炭鉱業の合理化、また、成り立ちますようにするためには、資金面、利子面等も一つの問題であるので、検討いたしたいと考えております。
○委員長(加藤武徳君) 田畑君に申し上げますが、だいぶ時間も経過いたしまして、あと質問者もございますので、なるべく端折ってお願いいたします。
○田畑金光君 この辺で終わりますが、それじゃ一つ今の点は通産大臣に私特に希望として申しておきますが、炭鉱に対する金利の軽減の問題とか、あるいはまた、これをたとえば鉄鋼とか電力等のごとく長期返済については、やはり十分同じ基礎産業のことであるし、ことに今日いろいろな物の面に波紋を描いておる石炭問題でありますから、十分一つ考慮されることを希望しておきたいと、こう思うのです。 そこでただ一つだけ労働大臣にお尋ねしておきたいのですが、これはこの問題と離れておるのです。離れておりますが、しかし、関連することです。私もよく勉強はしておりませんが、中小企業退職金共済法というのが今実施されて、事業団を設けていろいろな仕事をやっておるわけです。この事業団の仕事をやる上において、たとえばあるいは退職金の支給並びに掛金、申込金の収納及び返還に関する業務の一部を労働大臣の認可を受けて特定の金融機関を指定してやらせる、こういうことがありますね。ところが、この金融機関の中に、ほとんどの銀行、相互銀行、信用金庫、信用組合までこれは入っておるわけですが、この法律に一番関係の深い、しかもまた、中小企業者の福利の増進のためにこれはできた法律でございますが、この指定された金融機関の中に労働者や労働団体と最も密接な関係にある労働金庫というものが全然除外されておるのです。信用組合まで指定されておりながら、労働金庫というものが除外されておる。しかも、これは中小企業に働く労働者の退職共済制度であるということを考えたとき、これは何か間違っておられやせぬかと、こう思うのです。でなければ、労働省の一つの労働金庫に対する考え方というものが、あの立法の精神からいってもはき違えておられやせぬかと、こう思うのですね。この点は突然質問されたので、まあ私も実はここで質問しようと思わなかったわけですが、労働大臣の顔を見ましたら、また、労働大臣に私はお会いする機会もないので、この機会に一つ労働大臣からその辺の事情を明確にしていただきたいと思うし、むしろ答弁というよりも、そういう片手落ちな行政措置というもの、あるいは指導というものはおやめになった方が、反省なさった方が賢明ではなかろうかと、こう思いますのでこの問題は答弁いかんによってはまたあらためて別の機会にお尋ねしたいと、こう思いますが、一つ御記憶ならば御答弁願いたい、こう思うのです。
○国務大臣(松野頼三君) この金融機関の指定につきましては、労働省としては直接金融機関の監督権がございませんから、大蔵省に金融機関の指定のことは御相談をいたしまして、しかし、その趣旨とするところは、中小企業の未組紙の方が多いですから、大体本年十万人予定されておりますが、順調に参りまして十万人以上に本年はなる予定であります。相当順調に進んでおりまして、この対象者が組織的な労働組合にあらずして、これはほとんど企業で申しますと組織の非常に少ない零細な、実は個人企業の方が対象人員にありますので、従って、労働金庫を入れなければいけないという理論もおかしい、また入れちゃいけないという理論もおかしいのでありますが、従って、私の方は一般的に普及して取り扱い事務ができるものはどういうもんだという照会を大蔵省にしまして、大蔵省の方からこういう機関だというのでその通りにしたわけで、労働省では別にこれに筆を加えていません。といって削ったわけでもありません。私も現実にたくさん来ておりますので、これでいいのかと思って署名した記憶があるくらいで、特に労働省で色目をもって労働金庫について議論したことはありませんが、大体総体的に未組織の中小企業の方でありますから、資金の取り扱いをするのに便利な金融機関であるということで決めたわけであります。別に労働金庫が不適当だとは思いませんけれども、全般的に言うならば、支所が少なかったとか、地域的にへんぱであったということで指定から落ちたのではなかろうか。ただいま突然の御質問でありますから、そういう印象で署名したように思いますので、あとのことは、再質問の方は取り調べましてからあらためて別の機会に御答弁しますから、本日はこれでごかんべん願います。
○田畑金光君 この点は今労働大臣の御答弁ですが、大蔵省、大蔵大臣に問題の重点を移しておられるようだが、これは非常に誤解のようです。むしろ、大蔵省、大蔵大臣の方がこの問題については正しい理解を持っているようです。あるいは事務当局の連絡のそごが労働大臣をして今のような答弁に至らしめたかもしれませんが、未組織であるからといって、これは労働金庫の建前、あるいは労働金庫の会員というものの単位からいうと問題になりません。むしろ、たとえば未組織の中から親和会とか、共済組合とか、こういう一つの福利事業をやる団体を自主的に作らして、それが労働金庫に加盟する。そういう組織がなければ加盟できないもんじゃないのです。そういう金庫の構成から見ても、これは労働大臣の答弁としてはいささか金庫の精神にも反するようで、大体御答弁の趣旨は了解しましたが、この点はあらためて質問いたします。労働大臣としても十分検討なされて、一つ労働金庫もその他の金融機関と同様に扱うことを強く要望し、またそのように処置されるように期待して、また別の機会に譲りたいと思います。
○委員長(加藤武徳君) だいぶ時間も経過いたしましたので、阿具根委員には恐縮ですが、なるべくはしょってお願いいたします。
○阿具根登君 委員長から御注意もございましたし、約束の時間もございしますので、はしょって簡単に御質問申し上げたいと思います。 まず、冒頭に、今までたくさんの方が御質問されましたが、それに関連した点から御質問申し上げたいと思います。経企長官に一つ申し上げますが、先ほどの御答弁では、予定計画であるから、実施は通産省の方だ、そういうことを言われております。すでに阿部委員より指摘しておりますが、その予定計画が年間に一千万トンも違っているとするならば、もうすでに先ほど通産大臣も言われましたように、今月の半ばには石炭部会では一応の線が出されるというところまで来ております。道端国会は二十九日に招集がすでにきょう告示された。そうするならば、この予定計画が間違っているならば、さらに違う計画ができておらねばならない。間違っておらないとするならば、あなたの計画ざれたやつが一千万トンも今年で違っている。これはあなた御自身の計画ではなくて、政府が認めた計画だと思うのです。そうすると、一体どれを信用していったらいいのかというようになるので、あなたの計画をもう少しはっきり示していただきたい。 それから、一億三千五百九十万トンの総エネルギーの量でございますが、その中から六千六百六十万トンを、七千カロリーの石炭に換算した石炭の量を引いてしまえば、それが輸入油だということにはならないと思いますから、油の量と、それから輸入量、これを一つお知らせ願います。
○国務大臣(菅野和太郎君) 数字の点につきましては、政府委員からお答えいたさせますが、今あなたの御質問にちょっと誤解の点がおありだと思うのです。なるほど昭和三十四年度におきましては、計画と実績が違っております。そこで、このエネルギーの根本問題をまず研究しなければならぬというので、経済審議会でエネルギー部会というものを設けまして、今目下調査研究中でありまして、大体十四、五回も集まっていただいて、いろいろ研究してもうっているのでありますが、その結果によって、これはいつできるかわかりませんが、できるだけ早くその成果を上げたい、結果を上げたいと思っております。その結果によりまして、大体石炭は何ぼなら何ぼ、重油は何ぼなら何ぼというふうに、計画を私どもの方で立てまして、それによって通産省の方で石炭の方はそのうち輸入炭を何ぼにするかということを、通産省の方でまた具体的に案を作ってもうらということを申し上げた次第であります。なお、石炭が何ぼで、重油が何ぼだというようなことは、今政府委員からお答えいたさせます。
○政府委員(大来佐武郎君) これも先ほどの数字と同じベースでございますが、三十四年度実績見通しといたしまして、七千カロリーの標準炭換算で、総エネルギー量と石炭を申し上げたのでございます。そのほかのエネルギーといたしましては、水力と石油でございますが、水力をやはりその標準炭に換算いたしますと、計画三千三百八十万トン、それが実績三千六百十九万トン、一〇七・一%、石油が計画が三千二百六十万トン、実績三千六百五十七万トン、比率が一一二・一%、つまり全体のエネルギー計画といたしましては、三十四年度実績見込みが、計画の線に比べて三・八%低い九六・二%でございまして、その内訳は水力が一〇七・一%、石炭が八二・四、石油が一一二・一、そういった状況になっているわけであります。
○阿部竹松君 企画庁長官は今審査をしておるのだ、なるべく早くこれを作ってそうして通産省に渡して、通産省にそれを実施計画に移してもらう、こういうことを言うておられるわけなんですね。ところが、石炭部会の方からは、すでに今月の十五日には石炭のあり方というものに対して一応の結論が出るのだということを通帳大臣言っておられるわけです。それに経企長官の方はまだ見通しも立たない。これは計画があとからいってさか立ちしておりはしませんか。実際もう業者の方でも、先ほど通産大臣も言われましたように、八百円の値下げをする、大手十八社で六万人の首切りを行なら、中小炭鉱で三万九千人の首切りを行なう、こういうことまで言っておるわけです。それに責任のある経企長官がまだ計画も持たない、計画は人が作ってしまって、それに合わせるのがあなたの計画ですか、そんなことじゃないと思うがどうですか。
○国務大臣(菅野和太郎君) 私どもでは今根本的にエネルギー全体について研究いたしておりますので、通産省といたしましては来年度の予算の関係がありますので、中間的な発表をしたいということで、私らと相談して今いろいろ数字を検討中であります。
○阿具根登君 経済企画庁の方では一応一億三千五百九十万トンの総エネルギーの量ということをきめられるならば、その中から大体油を何パーセント使うのだ、石炭を何パーセント使うのだ、こういうことが相談されてきめられるはずなんです。その油なら油、石炭なら石炭、きまった中でこの石炭の中から必要やむなく輸入する石炭はどのくらいだ、重油はどのくらいだというのをきめられるのだと思うのですよ。それをあなたは今持っておらなくて、もう通産省はすでに実施計画をしなければならぬ、今度の国会に出さなければいかぬのですよ。岸総理大臣も予算委員会ではっきり言明されている。それを持っておられないというのは、私が先ほどから言っているようにさか立ちしておりませんか。経済企画庁というのはそんな机上の空論なんかというものはあとで勝手に立てなさい、おれたちはどんどん駒を進めるのだというふうになると、経済企画庁なんて要らなくなってしまうのではないかと思います。まず経済企画庁が立てて、それが実施面にどう反映するかということをすでにやっておかなければならぬと思うのでナ。それがまだできておらぬというのはおかしいじゃないですか。
○国務大臣(菅野和太郎君) ただいまも申し上げました通り、私の方ではエネルギー全体についていろいろ需給計画を立てておるのでありまして、が、しかし、通産省といたしましては来年度の大体石炭、重油何ぼという計画を立てなければいかぬので、そこで中間的に通産省と相談して、今数字を出しておるということになっておるのであります。
○阿具根登君 総合エネルギー対策を立てられるなら、一応総エネルギーが来年度はどのくらい要るのだということは立てられるはずです。今一億三千五百九十万トンというのは私はそう変わっておらない、ふえこそすれ、減ることはないと思うのです。そうすると、その中をどういうように比率をきめるかという問題だと思うのです。今きめられている一億二千五百九十万トンの総エネルギーの量というものは変わったのか、変わらないのか、それをお尋ねいたします。
○政府委員(大来佐武郎君) ただいまの数字は、先ほど申し上げましたように長期計画には年次別の計画がございませんで、ただ実績と対比する便宜上三十一年度計画、最終年度の三十七年度の数字をつないでみました傾向線を見まして、その線上の点が今おっしゃいました一億三千五百九十万トンということになるわけでございまして、長期計画そのものからは、この年は何トン掘らなければならない、エネルギーを何トン消費するという政府計画としては出ないわけでございます。長期計画として数字を出しておりますので、その間に景気変動やいろいろ動きがございますが、ただエネルギーにつきましては前の国会でもいろいろ御指摘もございまして、実際の動きが長期計画とだいぶ離れてきた。それで審議会を設けまして研光して、その審議会の報告をもって実質的には画を修正する、なお計画全体が来年に所存倍増の関係で、また新たな計画に移るわけでございまして、今までの計画が次の長期計画に乗り変わるわけでございますから、その際には経済全体との他の部門の関係も含めて新しい計画に修正されるというふうな段取りになっているわけでございます。
○阿具根登君 それではその計画というものは何にもならぬ、実績が先に走って計画は参考にも何にもならない。しかも長期エネルギー計画では昭和五十年には七千二百万トンの石炭を使う、二億七千万トンの総エネルギーを使う、こういうことをきめられておる。それをきめておいて今年までグラフに線を引いてこのくらいになるだろう、そんなものじゃないだろうと私は思うのです。計画を立てられる場合にはやはり現実から立脚して来年はどのくらい、再来年はどのくらい経済が伸びるだろう、五年後はどのくらい伸びるだろう、そういう元がなくて先がきめられるわけがないじゃありませんか。それをあなた方はただ頭の中で描いて何年後にはどのくらいになるだろう、それから斜線を引いてそうしてこうなるのだから、だから実質はもうきまらないのだと、実際面においてこれは変えなければいかぬと、そうなれば何のためにこういうことをきめるのかわからぬじゃありませんか、要らぬじゃありませんか、そんなことは。実質面においてこれが変わってくると実質面をそれに合わせるためにこれは作られたものだと私は思うのですよ。それが全然これの効果もないとするならば、何のためにこんなことをされるのかわからない。それは目標だからあるいは変わることもありますよ、変わることもあります。しかし、これが一応の目標としての政策を私は立てられるべきものだと、かように思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(菅野和太郎君) 私の方で今エネルギー部会を設けておるということを申し上げましたのは、今長期経済計画、国民所得の長期経済計画を立てておりますので、それでやはりエネルギーというものは根本的に先に考えなければならぬということで、今エネルギー部会で長期計画を立てておるのであります。そこで、大体それで見通しをつげまして、それから計画経済でありませんから、自由経済ですから、そこで毎年々々およそ来年は石炭が何ぼ要るとか、あるいは重油が何ぼ要るということを計画を立てて、そうして通産省の方でいろいろまた計画を立てられるということになっておるのでありまして、従いまして私どもで初めから何年度は何ぼ石炭が要るということは、十年後なら十年後の経済がどうなる、そのときのエネルギーがどうなるということの計画を立てているので、その点は誤解のないようにお願いいたします。
○阿具根登君 あなただけがわかって、私が誤解しているように聞こえるのですが、私はあなたが誤解しているように思うのです。自由経済だからといって野放しじゃない、自由経済だからといってその場当たりじゃないのです。あなた方は自由経済ということを盛んに言われるけれども、自由経済であってもその見通しを持った自由経済でなければならぬと思うのです。あなた方はその場当たりじゃありませんか。来年はどうなるかわからない、所得倍増論を池田通産大臣がうたわれた、だから所得が倍になるかもしらぬからというのでその構想もふうふうしておる。そういう場当たりじゃないはずです。一応の目標がずっとあるはずなんです。ところが、それがわずか六千万トンの石炭が一千万トンも違っておる、こういうことになってくれば、これはまことにずさんきわまりないものだと、こうなってくると思うのですよ。それが私は心配いたしますのは、総エネルギーが、経済の伸びが何かの変化によって総エネルギーが伸びなかったというなら、また一応がえんじられる。ところが、総エネルギーというのはそう違っておらない。いいですね、あなた方が言われているのはわずか一万三千のうち五百ぐらいしか違っておりませんから、そう違っていないのですよ。その中の比率になってくるわけです。比率になってくるといえば、これは政策なんですよ。いいですね、外国の問題とか、経済の極端な変動とかそういうことではないのです。そうでなくて、そうすると今までそれでは総エネルギーの中で石炭を何パーセントに踏んでおられたか、今後総エネルギーの中で占める石炭の比率は何パーセントを考えておられるか、それを一つお尋ねいたします。
○政府委員(大来佐武郎君) 先ほど来御指摘の数字でございますが、先ほどの数字は輸入を含めた石炭の総体の数字を申し上げておりますので、一千万トンの違いと申しますが、国内の石炭から申しますと、八百万トンぐらいの開きになります。それから比率につきましてはちょっとここにパーセントがございませんが、三十七年度に一億六千万トンの総エネルギー消費というものがありまして、そのうちの石炭が国内炭が五千六百六十万トンという計算になっているわけでございます。経済計画全体を二年前にできたものと現在私どもの方でもいろいろな分野につきまして、その後の実績と対比していろいろ研究してみているわけでございますが、全体の経済規模がやや計画を上回っておりますが、特にエネルギーの面について実績と計画にかなり大きな開きがございます。その点、私どもの計画の作成のときの見通しにやや正確でない点があったと反省しているわけでございますが、諸外国でもこの一年間に非常にエネルギーの見通しが変わりまして、イギリスあるいは欧州経済協力機構等もすべてエネルギーの見通しを目下改訂しつつあるわけであります。この辺のエネルギーの構造的変化というものがどういうテンポでくるかということについての判断に二年前の計画作成当時に幾分甘い点、見通しが不十分な点があったと思うわけでございますが、そういう長期のエネルギー構造の変化という問題を含めて、今いろいろ私どもの方でも研究しておる段階でございます。
○阿具根登君 通産大臣にお尋ねいたしますが、ただいま企画庁長官が御報告されたように、石炭は計画の八二%しか入っておらない、油は逆に一一二・一%入っている、それならば当然こういう石炭危機だといわれるような状態がくるのは当然だと思う。一方は計画されているものの八二%しか入らない、しかし、業者や労働者は計画面に達するために私は相当努力してきたと思う。予算委員会でやったのを蒸し返したくありませんから、結論として言っておくのですが、そういう状態になってきているのに、油は一一二・一%、これは油はただ入ってきたわけではない、日本の外貨を切っているはずです。そうすると、そのときにもっと政策があるはずだと思います。極端に申しあげれば、石炭が八二%に下がったのは外貨を切って重油を一一二%ほども入れたから下がったので、エネルギーの総量が変わらない、こういうことになると思います。だから、それを石炭が高いからとおっしゃるならば、先ほどだれかが言っておった論争を蒸し返してくることになってくる。そういう点をどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(池田勇人君) 数年前からいわゆる炭主油従政策のもとにいろいろ通産省――企画庁といたしましても石炭を使い、原油並びに重油を押えるようにいたしておるのであります。通産大臣になりまして今年の下期の予算を作ります場合におきましても経済の伸びはございましたが、石炭を使うように外貨を切っております。しかし、いかにも先ほど来議論のありますように、重油を使った方がメリットが非常にいいもので、しかもまた重油ばかりじゃございません、ガソリンの関係もございます。軽油その他の関係もございまして、原油の輸入を絶対にふやさぬということも経済の伸びからいってできません。従いまして、片一方を押えることによって、少しでも石炭の消費を多くしようと努力をいたしておるのでございまするが、今の各国の状況から申しまして、ほかの国でも予想よりは非常に油も伸びるし、石炭は沈むという状況にあるので、従って今後石炭が経済面においても太刀打ちできるように、将来、これを今考えることが私の仕事の中心であると思うのであります。
○阿具根登君 それはわかりましたが、その場合に、諸外国のことをおっしゃいましたから、一、二私も例を申し上げてみたいと思いますが、たとえば西ドイツの場合ですね、西ドイツの場合もちょうど日本のような状態になることは事実なんです。ところが、そのとき閣議で、政府で考えられておるのは、石炭がこういう状態になってきた、しかし、ドイツの経済における石炭というものは非常に貢献をなしてきている、その労働者が生活に不安を覚えるというようなことであったならば、政府の責任としてこれは救わねばならない、こういうことがきめられて、そして今日出されておるこの離職者法案と全く精神的に違うものが出されておる。たとえば、炭鉱を離れて就職した場合に、家族と別居生活をしなければならないとするならば、別居手当は政府が出しましょう、また石炭を離れて他の職業について賃金の格差が出てきた場合には、その差額も政府が保障しましょう、ここまであたたかい手を差し延べてあるわけなんです。ところが、日本では逆になっておると私は思うのですが、通産大臣いかがでしょう。
○国務大臣(池田勇人君) お話の通り、ドイツにおきましては非常な重油に対しての課税をし、そうしてまた手厚い離職者への保護を考えておるようであります。何分にもわが国におきましては従来のあれから申しまして、私が補正予算で要求いたしました離職者に対する措置はわが国としては画期的なものなんです。で、将来の問題としては、ドイツのああいうやり方につきまして、しかもドイツはほとんど完全雇用のような状態のときでございますから、われわれは十分それに沿うように日本の国力を伸ばしていくということを考えておるわけです。従って、今回の分は見方によっては画期的な処置だという見方もございましょう。しかし、非常になまぬるいという非難もあると私は思いますが、われわれといたしましては労働大臣と相談の上、大蔵省に二人で参りまして、とにかくこれだけはやらなければいかぬというので、十分ではもちろんございませんが、できるだけの努力はいたしたつもりでございます。
○阿具根登君 私も、野党でございますが、池田通産大臣の手腕は十分承知いたしております。非常に実力があられるから、私はこういうことを特に強調しておるわけでございます。それが通産大臣の御説明を聞いておりますと、たとえば重油の関税につきましても、これは大蔵大臣の所管であって、私が今云々するところではない、こういうことを言われておりますけれども、新聞面等で拝見いたしますと、大蔵大臣はこの税金は取りたいということを言っておられるが、その反面、通産省の御意見を同かなければというのは、池田さんがおられるからこれは勝手なことをしたら大へんなことになるぞと、あなたの御意見でどうにでもなるように私は考える。それからもう一つ、日本には諸外国に例のないボイラー規制法案まで作っておるではないかと、確かにこれは外国に例のないことです。しかし、ただいまもおっしゃいましたように、ドイツでは三十マルク――二千五百円からのトン当たりに税金をかけておる。そういう規制法案は作らぬでも十分太刀打ちでき、しかもまた石炭は基本産業として、国内産業として、基礎産業として十分にとれは重要産業としての国の保護を与えておる。こういうことになって参りますと、どうも通産大臣の言われておることがぴんとこない、こういうように感ずるわけなんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(池田勇人君) ぴんとこないのが私は当然だと思います。いろいろな施策を出していないのでございます。従いまして、おわかりいただけるように、まあ私のまずい知恵でございますから、御満足のいただくようにはいかぬかもわかりませんが、できるだけの努力をいたしましておわかりいただくようなことにいたしたいと思います。 大体ドイツの今の案も、向こうの下院と申しますか、それは通りまして、上院の方で非常に反対がありまして否決になりまして、今下院に戻っておるようでございますが、この課税の問題にいたしましても、ドイツは日本の生産力に比べまして三倍もあるいは四倍も生産力がございます。しこうして、このエネルギーにおける石炭と重油の地位がよほど違うのでございます。大体日本で千万キロばかり重油を使っております。千百万キロ……。ドイツも大体そのくらいでございます。石炭は日本の倍以上でございます。そういう関係で、ドイツがこうやったからといって、すぐ大へんな課税をいたしますと、先ほど申し上げましたように、物価その他経済全般に影響し、輸出にも関係いたしますので、私は通産大臣といたしましては、石炭対策に急な余りに、産業のもっと重要な点を度外視はできません。しかし、大蔵大臣の意見を聞きまして、私とすれば重油も上げない、石炭に対しての十分の予算措置をとっていただくのが一番いい。だから、それで一応進んでみて、そうしてそういうわけにはいかぬというときには私もまた大蔵大臣の相談によって全体として考えなきゃならぬことがくるかもしれません。ただいまのところで、自分の方で石炭対策に金が要るとか何とか言うて、重油を上げなさいということは自分としては言えないということでございます。
○阿具根登君 そういたしますと、先ほど通産大臣は、石炭の対策については石炭部会が答申をこの十五日ごろするようになっておると、こうおっしゃいましたが、阿部君の質問について、自由経済であるから、どれだけ石炭を出しなさいということは言えないのだと、こういうことを言われたと私は思っておるのです。そういたしますと、石炭が余っておるときはそういうことを政府はおっしゃる。石炭が足らなかったときはどうであるか。終戦直後から、それから朝鮮ブームから……、石炭の足らなかったときは、通産省からこれだけの石炭を出してくれということを言われたわけなんですよ。石炭が余ってくれば、自由経済だから、だから私の方からどれだけ石炭を出せ、どれだけ使うのだと言えないのだということを経企長官も通産大臣も詳っておられる。そういたしますと、苦しいときは計画的に、どのくらい石炭使うからどのくらい出しなさいといって、やっさやって掘らせる。余ってくれば自由経済だから知ったこっちゃない、こういうことになってくるのじゃなかろうかと思うわけなんです。だから、今度の場合でも、私はまあ答申案が出てからのことになるとは思いますが、すでにそういうエネルギーの量というものはほとんど変わらないほど一応きまっておる。そうするならば、その中のパーセントが、重油を一体どのくらい使うのか、石炭をどのくらい使うか、それが問題になってくると思う。それを通産大臣は、業者が一体幾らに下げるのか、重油と太刀打ちするためにはどのくらいお前たちが下げるか、お前たちがやってきなさい、こう言われる。そうすると、結果は、そのしわ寄せは全部労働者が首を切られてくる、こういうことを、業者は池田通産大臣の意向に従ってこういうものを今度出してきた。そうすると、結局一番ばかをみるのは労働者であった。業者は決して損はしない。太刀打ちするだけの利潤を取って、太刀打ちするだけのお前たちは計画を立てなざい。こう言われれば業者はちっとも損はしない。損をするのは労働者で、その労働者に対する対策がこれではあまりにもみじめじゃないか。こういうことを考えるのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(池田勇人君) 私は石炭の何と申しまするか、損失につきまして、今の規定上、先ほど申し上げましたごとく通産省は全然タッチしないというのじゃない。能力は五千三百万トンあるが、状況によって生産の制限ということは法律に基づいてできるのでございます。しかし、自由主義経済のもとだから政府の干渉し得るのは限度がございます。しかも今度の石炭対策ということにつきましては、全般をこうしろということはなかなか言えない。たとえば今でもすでに、何と申しますか、株価の何百回、払い込みの三倍、四倍しておる会社もある。しかし、片一方で非常に苦しくて赤字で困ってる。こういうもの全体を見まして、個々の会社、個々の山ごとについて合理化計画が、向こうから出てくれば、どのくらい掘って、どのくらい金が要って、どのくらいの炭価になる、何年度。こういうふうなことを検討しまして、これが石炭事業全体の合理化になって、そして重油と競争力が強まってくれば、そういうことについては政府がめんどうを見よう。初めからこれだけ掘りなさいということはできない。生産制限はいたします。しかし、産業をあずかっている通産大臣として、ときに重油を入れちゃ困るからもっと増産してくれないかということは、法律的じゃなしに言うことはございましょう。しかし、今の制度では、生産の制限と価格の点についてだけでございます。で、私はそういう生産制限その他も起こらないように、とにかく企業家がお互いに話し合って、そしてうまく石炭企業全体がいくような縁の下の力持ちにはなりましょうと、こう言っておるのでございます。
○阿具根登君 通産大臣の言われることはわかりますが、私はそれではせっかくのこういう法案も私は意味をなさないようになるのじゃないかと思うのです。先ほど自民党の方からも御質問がございましたが、重油はもっと下がる余地があると私は思うのです。一応計算されておるのは、今九千三百円、カロリー当たり九十三銭、それが八十三銭にはなるだろうといわれておる。それが八十三銭になるだろうということで、八十三銭で計算をして、協会は八百円の値下がりを出しておられると思う。そうすると、炭価がそれに見合うようになってくれば、私は今の重油業者というものはもっと利潤をらんと見込んでおるから、これはもっと下がると思う。そうした場合に政府の政策がないならば、自由主義経済だからと競争さして石炭が勝つわけがないと思うのです。どうしてもそこに政策で保護するものを持ってこなければ、重油と石炭を競争ざせたら、どこの国でも勝つところがないと思うのです。私は、しかも合理化法案ができて炭鉱を百六十買い上げた。買い上げた裏にはすでに百五十七の炭鉱は再開を許可されておる。しかし、それもあの合理化法案では大体十八トンですね。目標は十八トン、一人当たり月産十八トンを上回る山に許可するようになっております。ところが、実際に通産省の計画でも業者の計画でも、二十一トンなり二十二トンの山でなければ見合わないといわれておる。そうすると、一方でせっかく山を買い上げて、そうして炭鉱をつぶして参りながら、また一方では百五十七の同じような炭鉱を許可して、そうして、これはほとんど全部を買い上げなければならなくなってくる。これはほとんど十八トンぐらいしか出てない。そうすると、何がためにこういう法案を次から次に出しておるかということになるわけです。そういう点はどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(池田勇人君) あなたのお話を聞くと、非常に今まで通産省のやっておることが不合理のように聞こえますが、しかし、通産省の事務当局からもお答えさせますが、新しい鉱区の開発には相当な制限をいたしておると思います。今後そういう問題につきましては、一方ではつぶし、一方では大して安くない石炭を掘るというようなことにつきましては、これまた相当考えなければならぬのではないか。あれやこれや考えまして、私はとにかく重油と太刀打ちできるのだというところ、これは地方によりまするが、相当の合理化によって値下げをして、そう無理なことなしにいけるように、行く行くは考えたいと思うのです。八百円の引き下げというのも私は認めたわけでない。ただ、そういう答申がきている。しかも八百円のうちには、今までの赤字の分を見ているから、平均一千一、二百円にはなろうと思いますが、しかし、八百円の値下げでいいと言っているのではありません。一応の答申が出ている。私は今後の問題は、もっと下げられないか。下げる場合にはどれだけの金が要るか。しかも八百円引き下げを三十八年までに実現するというが、これをもっと早目にするときには、どういう施策をしたらよいかということを検討している。また新規の炭鉱等につきましては、事務当局からお答えいたさせます。
○政府委員(樋詰誠明君) 御承知のように、現在事業団で買っておりますのは、平均にして、価格、カロリーというものが六割に満たないというものだけを買っておるわけであります。一方、新鉱として許可しておりますものは、地域によって違いますが、大体全国平均いたしますと、二十六トンから二十七トンの生産能率に達し得るという見込みのあるものに限って、それぞれの地方に設けられました坑口開設の委員会にかけて、そうして関係者の厳重な審査を更けた上で許可しているわけでございます。
○阿具根登君 御答弁のときは、いつもそういう答弁をなざるのです。合理化法案のときにもそういう答弁を聞いたのです。今理化法のときの答弁を言ってみましょうか。これで必ずいけるということを言われるわけなんです。ところが、合理化法案は十八トンだったと記憶しておりますが、そうじゃありませんか。十八トンである。十八トン以上の山は許可していいということになる。それをたてにとって、おれの方の山は規格に合うじゃないか、許可せいということを言ってこられる。そうすると、やっぱり通産省の出先はこれを許可しなければならな一い。そうしてそれをここで釈明されるときには、将来二十六トンになりますと言われるけれども、私はならないと思う。一部ならあるでしょうが、平均二十六トンにはならない。許可した中小炭鉱の一部にはなるところもありましょうが、しかし、平均はそういうことにならないから、そうすると、今許可しているのをまた買い上げなければならない時期がくるじゃないか。しかも、通産大臣が言われるごとく、今五千三百万トンの石炭を出すだけの能力を持っている山が四千八百万トンにしぼられている。そうしてその中から三百三十万トンにまた百万トン追加して買い上げようとしているのに、一方どんどん許されている。こういうことは何回やっても同じことだ。それよりも私は開発をやるならば、政府がこの二年間に約八千万円と思いますが金を投じて有望炭鉱を調査しておられる。九州の三池の北部、宇部の棄部、常磐あるいは北海道、こういうところのそれぞれ一応の炭量から何から調査されている。ところが、そういうところも鉱区が入りまじってなかなか政府の思うようにいかない。炭量はある、一つの縦坑を掘れば相当の石炭がこれから出せる、しかもそれは一人当たり三十トンもそれ以上の計画で掘れるということがわかっておるにかかわらず、それを掘ることができないのが現実でございます。とするならば、そういう中小炭鉱の方々が自分の山は十八トンの規格に満てるから、これは掘らしてくれ、あるいはその掘らしてくれという方は、自分の持っている別の山を買い上げてくれといって買い上げられておる。一方は買い上げてもらって、一方は新しい坑口を許可してもういたい、こういうことをされておる。これでは何べんやってもだめだから、それよりも鉱区を整理統合して、そういうところにりっぱな炭鉱を掘っていけば能率も上がるし、人間も吸収できるじゃないか、こういうように思うのですが、鉱区統合ということについて、その点はいかがですか。
○国務大臣(池田勇人君) 鉱区統合の問題につきましては、前から答えておりますが、しかし、私は鉱区統合というものに絶対反対するというのじゃありません。新鉱の場合におきましては、措置法によってある程度勧告によってできるのでございます。また先ほど答えたかと思いますが、直方の東南方のところも調査してみたい。それからお話のように、優良炭田につきましては、私が先ほども申し上げましたように、将来の石炭の価格の点からいこうという気持を持っております。今のをつぶしてまた新たに認めるというふうなことにつきましては、せっかくのあれでございますからよく調査いたしまして、今後そういうことのないように十分調査して参りたいと思います。
○阿具根登君 これちょっと筋がはずれるようですけれども、たしか漁業法であったと思いますが、ここではその業者に対して許可するのに非常な厳重な規制があると私は記憶いたしております。ところが、炭鉱に限ってはそういう規制も何もない、こういうことがいわれておる。たとえば自分がもうかるときはさんざん掘っておいて、鉱害を与えておいて、鉱害の補償も払わないで、退職金も払わないで、損するようになったら山をつぶしてしまって、今度その人がまた違う山を見つけて、あるいは譲渡を申請をする場合にはそれをまたその人に許可する、こういうことができるようになっておるが、この許可に対して業者に対する規制を考えておられるか。
○国務大臣(池田勇人君) 御存じのように、鉱業法の改正につきまして委員会で検討いたしておりますので、私は全般の問題につきまして結論を得たいと思っております。漁業の問題は今から十年くらい前根本的な改正をいたしまして交付公債その他で措置したあとでございます。相当に厳重な許可制度が出ておるはずだと思っております。
○阿具根登君 これは、特に今の問題は通産大臣に御要望申し上げておきますが、漁業の問題でそれだけの規制をして、そうして安心して仕事ができるようにされておるのに、炭鉱は依然として昔の施設が残っておる。こういうことでは非常に困りますので、十分その点考えていただきたいと思います。 時間がないので早く終わりたいと思っておりますが、一つ、労働大臣と通産大臣に今度はお尋ねをいたしますが、衆議院の予算委員会でも松橋国務大臣は答えておりますが、さらに参議院の運輸委員会におきまして昭和三十四年の十一月十九日、結論を申し上げますと、炭鉱の離職者対策について緊急失業対策をやる場合に、公共事業にこれを吸収しなければならない、これについては通産大臣も公共事業だということでは、これは今までできなかったじゃないか、こういうお考えをお持ちであるようでございますが、私どもも今のままではだめだと思うのです。ところが、この計画の中に、公共事業で千五百人を吸収するように計画されておる。ところが、その問題につきまして楢橋国務大臣は、緊急失対法の十二条及び第四条を改正しなければできないのだ、これを改正してもらえば非常に有利になるのだということを二回も三回も言われて、そのあとで「松野君にも、私は閣議でも言ったのですが、運輸大臣が、こんなに心配しておるのに、一体通産大臣や、今の労働大臣は、もう少ししっかりしてくれということをやかましく言っている」けれども、言うことを聞いてくれない、こういうことを言われておるわけです。一体当面の責任者のお二人の方が、運輸大臣がこんなに心配しておるのに、当の通産大臣、労働大臣は一つも心配しないじゃないか、こういうことを言われておる。なぜか、これは川崎線の問題、油須原線の問題、これは御承知の通りで、北海道の白糠線の問題が出て参ります。そういう場合に、一番手近な炭鉱労働者が仕事されるのにはこの法律を変えなければせっかくのやつが使えないのだ、自分のところは使いたい、だからこの法律を変えてくれということを僕は言っておるのだ、これに対して松野労働大臣は、これは検討中でございます、という御答弁が予算委員会でもなされておりますが、もう一ヵ月以上もたったから検討も済んでいると思うが、十二条と第四条は変える意思があるかないかお尋ねいたします。
○国務大臣(松野頼三君) 運輸大臣の発言に私は全面的に賛成いたします。それではその労務者を吸収するのにどちしても緊急失対事業の改正をしなければならないのか、しなくてもいいのかということだけが検討であって、その本質については私は大賛成なんです。ただ問題は、あとに残りますけれども、いろいろな方法があるという、その方法を念頭に置いて検討するのであって、私はそれをしなければ絶対ならないのか、しなくても吸収できるのかということは、まだもう少し検討したい、三十五年予算の策定もすぐ目の前であるし、今後労務計画を立てますのでということで、私の方では趣旨においては大賛成なんです。しかし、そのやり方において、絶対それを改正しなければいけないのか、改正すればどうなるのだという。そういうことをもう少し検討さしていただきたいというのであって、その趣旨において反対じゃないのです。改正しなければどうしてもできないのか、あるいは請負契約の中に労務者を入れるという契約を書けばできるのじゃなかろうかということも考えられるわけです。しかし、緊急失対法を変えなければ絶対できないものなのか、あるいは請負契約でこれを吸収できるものなのか、あるいはそれを改正したらいいものかということを、それを検討さしてくれということであって、私は趣旨において運輸大臣の発言に賛成なんです。やり方をどうすればいいかということは、国鉄の運営ということももう少し検討さしていただきたい、こういうことであって、そういう意味でありますので予算委員会でそういう説明をしたわけです。私は、そのものを改正することに反対だという意味ではありません。改正すれば完全に吸収できるのか、あるいはいろいろな契約のときにそれを条件として入れればいいのか、そういうことを検討ざしてくれということであります。運輸省の方ではぜひ検討する方がいいだろうというお話、それは拝聴しております。私の方でも改正するのに反対ではありません。改正だけでいいのか、まだほかに方法があるのか、そういうことを考えさしていただきたい、そういう意味であります。
○国務大臣(池田勇人君) 労働省関係の法律問題の内容につきましてはよく存じませんが、石炭関係の離職者について十分これをあたたかい手で迎えてやろうといへ運輸大臣のお言葉、閣議でも賛成しております、私は一つのいい方法だと考えます。
○阿具根登君 それでは両大臣とも非常にいいことだというお考えのようでございますから、これは御提案申し上げますが、一つ早急に改正をしていただきたいと私は思うのです。なぜかならば、この工事費が一億円あった場合に今のままでは四千人しか就業できない、かりに一億の工事費を出した場合に今の法律の第十二条、第四条があるとするならば、その法律の条項に引っかかって就労させることができないので、四千人しかできない、ところが、これを改正するならば、一億円の場合には一万人就業することができるということを当局は言っておられます。そういたしますと、九州の川崎線、これは年間工事費が三億二千万円であります、そうすると、そのままの数字を信用するならば九州の川崎線だけで三万二千名の人が就業できる、こういうことになるわけです。さらに北海道の白糠線の場合、年間に四億五千万円、これもそのまま信用するならば四万五千人の人が就業できるじゃないか、こういうことになるわけです。これが完全に数字が当たっておるか、当たっておらないかは私もよく検討しておりませんが、これは当局の説明によるものでございます、そういたしますと、今一千五百人というのを公共事業で吸収されようとしておるけれども、これを変えただけで、おそらく三倍ぐらいの吸収はできるのじゃないか、私はこういうふうに思うわけです。だから早急に緊急失対事業の第十二条、第四条は五項目までありますが、これを変えていただきたい、かように思いますが、いかがですか。
○国務大臣(松野頼三君) 吸収の方法は検討さしていただきますが、吸収していただくことには大賛成であります。従ってそれを直ちに改正すれば吸収できるという意見もございましょうし、またその条件によってほかの方法でもできるという意見もありますので、どちらが完全にできるかということであって、私の方は改正を渋っているわけではございません。改正もしながら、またそれによって今後も起こりますことを考えながら、最大限に吸収できるように私は賛成したい。従ってその趣旨において少しも反対ではございません。ただ、そういう改正をすれば直ちにできるというなら、これは改正してもけっこうです。
○阿具根登君 時間がないのでやめますが、どうもこれはまあ政府の責任のある方々が私どもの質問に、いやそうやりましょうと言うことは、なかなか独断でお答えにくい点もあると思うんですよ。しかし、こういう問題は私どもがそうしなさいと言うのではなくて、皆さんと同じ責任を持っておられる一つの省の方が、そうしてくれればこれだけおれのところで使いたいんだと、使えるんだと、炭鉱労働者を使いますと、使うから使えるようにしてくれと、こういうことを同じ国務大臣の中から言っておられるということたんです。そうするならそれに同調するように法律を変えればそれができるとするならば、直ちに法律を変えるか、法律を変えなくてもそれができるとするならば、直ちにその手を打たなければならないと私は思う。それだけ失業者がふえておるわけなんです。だから、そういう点はただ趣旨には賛成だけれども、いろいろな点を検討しておるということでは、せっかくこういう目の前に何千人かの失業者が救われると、相手では使いますと言っておるんだから、もう少し私は積極的にこういう問題は進めてもういたいと思います。 五時の約束が過ぎてしまいましたので、途中になりましたが、明日大臣がお見えにならないのなら責任者の方々が出ていただきまして、あしたの質問に譲って、きょうはこれで打ち切りたいと思います。
○委員長(加藤武徳君) 他に御質疑はございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)御質疑もないようでありますから、社会労働・商工連合審査会は終了いたすことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤武徳君) 御異議ないものと認めます。よって連合審査会はこれで終了することに決定いたしました。 本日はこれで散会いたします。 午後五時三十七分散会