決算委員会 第17号
- 発言数
- 150 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1959/12/17
会議録
○委員長(上原正吉君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 昭和三十二年度一般会計歳入歳出決算、昭和三十二年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十二年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十二年度政府関係機関決算書並びに昭和三十二年度国有財産増減及び現在額総計算書、昭和三十二年度国有財産無償貸付状況総計算書、昭和三十二年度物品増減及び現在額総計算書を議題といたします。 本日は総括質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。
○矢嶋三義君 国家の会計経理は予算に始まって決算で完結をする。従って行政府が予算を執行した後における会計、経理、出納の決算はきわめて重要だと思うのです。ところが新憲法以来行政府においては、きわめて決算の取り扱いについて不熱心である、無関心である。われわれ立法府にも若干の責任がありますが、かるがゆえに不正、不当の事項が一向改善されない。非常に私は遺憾だと思いますが、総理に伺いたい点は、何とぞ御審議をお願いしますと検査報告を国会に提案しておきながら、国会の審議に対してはきわめて不熱心である点をいかように考えておられるか。他院のことは私はとやかく申しませんが、近日中に昭和三十三年度の会計報告が会計検査院から内閣になされ、そして近く内閣から国会にそれが提案されようとする現在において、衆議院においては与党が委員長を持っておりながら、なおかつ昭和三十一年度、昭和三十二年度、二会計年度に当たっての決算が承認されていない。しかもそのことについて、行政府内における担当の大蔵大臣から早急に審議をして承認してほしい、というような働きかけも要望も何らない。この一事をもってしても、いかに無責任であるかということは立証されると思うのですが、まずこれに対する総理の見解を承りたい。
○国務大臣(岸信介君) もちろん決算の御審議ということは、国会の重大な使命であると同時に、われわれ政府におきましても、この決算の会計検査院におけるところの検査、並びに国会における決算の御審議に際しましては、これは非常に重大なものだと思います。決してわれわれが等閑に付しているという考えはございません。ただ今矢嶋委員の御指摘のように、これにつきましては従来の扱いにおきまして私は万全とは決して考えませんから、なお一そう政府といたしましても、その点に対して今後なお改善すべきものについては、改善をするように努力をいたしたい、かように考えております。
○矢嶋三義君 内容的なことを質問します前に、検査官並びに総理に伺っておきたいと思う。 まず総理にですが、それは昨年、本院の決算委員会は、昭和三十一年度の決算の審議を完結するに当たって防衛庁、農林省、国鉄、郵政省、愛知用水公団、これらの五機関に対して重大なる警告決議をしている。その警告決議をするところの委員会に、たとえば防衛庁長官とか農林大臣は出席していない、こういう事態は今後改めなくちゃならぬ。また決算委員会が決算を審議する段階においては、所管省の大蔵省の大臣がずっとおいでできなかったならば、大臣にかわるべきどなたかが常に出席すべきものである。それから膨大なる決算関係の四案件について、本会議において委員長から審議の報告がなされ、それに対して与野党から批判、討論の議がなされて採決されるような本会議に、所管の大蔵大臣だけがお一人御出席になって、会計検査報告に関連のあるところの省庁の責任者は出席しない従来の慣例というのは、私は間違っていると思う。だから委員会において関係機関に対して警告決議をなされる場合には、当該の省庁は出席すべきであり、また本会議において委員長から報告がなされるような場合には、総理以下この検査報告に関連のあるところの省庁の責任者というものが、必ず出席した上においてなされ、将来におけるところの予算の編成あるいは予算の執行運用に、幾らかでもプラスになるようにしなければ、責務を果たすことにならないと思うのですが、この約束ができるかどうかということと。 それから会計検査官にお尋ねしたいことは、旧憲法時代には今以上に会計検査院というものは、大権に直属した形になっておって、当時は斎戒沐浴して検査院長は上司に報告に及んでおったわけです。ところが新憲法下においては、行政府内の一特殊な独立官制は付与されてはおりますけれども、しかし三権分立下において立法府は広範なる国政調査権を持って参ったわけです。従ってわれわれは旧憲法下と違って現在は会計検査院を国会に招致もいたしまするし、また現地に調査出張等もするようになったわけです。この新憲法の精神からいって、この膨大なる会計検査報告を審議する決算委員会には、検任官の方が三人いらっしゃるわけですから、お一人の方は出席すべきである。徹頭徹尾担当の局長に委任した形で検査官が審議中に姿を見せないということは、この新憲法下における点等から妥当でない。今後決算報告を決算委員会で審議する際には、検査官のどなたかが、特別の支障がある場合は別ですが、原則としては出席すべきであると思いますが、御見解を承っておきたいと思います。
○国務大臣(岸信介君) 矢嶋委員の御趣旨は私まことにごもっともだと思います。政府としては御趣旨のように事を実現するように努力して参りたいと存じます。
○会計検査院長(山田義見君) ただいまの御質問まことにごもっともだと思います。ただ検査院は検査官会議と事務総局に分かれておりまして、検査官個々としては権能がないわけでございまして(「もっと大きい声で」と呼ぶ者あり)検査官会議として意見を述べ、検査官会議の決議として外部に発表する場合が多いですからして、従ってこの委員会に出席いたしましても、直ちに意見を申し述べかねるものがあるわけでありますから、従来そういう意味において検査官が出席する場合が少なかったと存じますけれども、しかし御趣旨はまことにごもっともだと存じますから、今後はなるべく検査官が出席するようにいたしたいと思います。
○矢嶋三義君 私が指摘した点は、検査官会議の議を経て内閣に報告書を出し、それが内閣総理大臣から国会に審議を求めてくるわけです。それで私は、旧憲法下における会計検査院の持っておった特権意識が若干残っておられるのではないか、と懸念するがゆえに、国会の決算委員会における審議に対しては新たなる角度から関心を持っていただきたい、かように御要望申し上げたいわけです。 そこで内容に入りますが、総理に伺います。昭和二十八年以来過去五カ年間における会計検査院から指摘された事項の総計、並びに指摘金額の合計をお答え願います。
○国務大臣(岸信介君) 批難事項の件数は総計で八千二百九十二件、その全額の合計は三百二十七億九千五百万円と報告を受けております。
○矢嶋三義君 きわめて膨大な金額でありますが、しからば会計検査院に伺いますが、この検査施行率は何パーセントになっておりますか。
○会計検査院長(山田義見君) 書面におきましては全部にわたって検査をいたしております。ただ実地検査の浸透度と申しまするか検査率と申しまするか、これは各省庁一様ではありません。多い所はたとえば工事等におきましては六、七割にもわたっていると思います。また小さい末端の官庁については、数年に一回しか検査を経ないような状態になっております。大体において半分程度は実地検査をなし得る状態であると思います。
○矢嶋三義君 私はこれを通告をして資料として出していただきたいと要望しておいたわけですが、もう少し数字が入らないと答弁にならないわけです。たとえば昭和三十二年度の検査事項は八・六%というこの前資料が出ておりますね。二十八年から過去五カ年間三千二百七十億円余の金額が指摘されているわけです。公務員の適正ならざる行政事務のためにこれだけの指摘がなされておるわけですね。その際に一体検査施行率はおよそ何パーセントとつかめばよろしいかということを伺ったわけで、今の答弁はおよそ五〇%というような答弁なんですが、それでよろしいのですか。簡単に結果だけ数字をお述べ願えればよろしゅうございます。通告してございますから。
○会計検査院長(山田義見君) 実地にわたりまして検査いたしますのは一割に足らない八、九%に過ぎません。しかし譜面における検査は全部徹底的にやっておりますから、施行率と申しましては、これは大体において半ば以上の検査ができておると考えております。
○矢嶋三義君 そこで伺いますが、会計検査院としては年度の決算報告をしたのちに、行政府は国損を回復すべく努力するわけですね。努力した結果一体現在における国損額は幾らになっているか、という資料は未だかつて出されたことはない。今後私は検査院に御要望申し上げたい点は、年次別に昭和二十八年の回復後における国損額は幾らだ、二十九年、三十年は幾らだと、この国損額を国会に今後資料として出していただきたいことを要望いたします。 問題は、国民の知りたいことは、検査院から指摘された、しかもその検査の率というのは、実地検査としては大体一〇%足らず、書面検査を入れて大体半分程度だ、にもかかわらずこれだけの指摘金額が出ているわけです。その後回復に努力をしてもなおかつ国損は幾ら受けているかということを知りたいわけです。 そこでこれも通告してありますから、総理大臣お答え願いたいと思うのですが、昭和二十八年以来三百二十七億何がしの金額を指摘されたわけですが、最も新しい資料として国損額は幾らだとおつかみになっていらっしゃるのかお答え願います。これは通告してありますよ。
○国務大臣(岸信介君) 国損額の合計ということの御質問でございますが、国損額ということの定義についても多少議論がありますことでありまして、私は会計検査院からお答えを申し上げることが適当だと存じます。
○会計検査院長(山田義見君) 不当経理の指摘額は数十億にも達するのでありますが、国損金額は必ずしもこれと一致しないのでありまして、では国損とは何かということになりまするが、国に実際の損害を与えたものといたしましては、大体公務員の不正行為により国に与えたる損額、あるいは払うべからざるものを支払ったというような過当の支払い、そういうものがほんとうの意味の国損でありまして、そういう金額は指摘金額に対しますと非常に少のうございまして、昨年度、一昨年度大体そうありません、国損額は過去五カ年間を集計すると八億程度に過ぎないと考えております。
○委員長(上原正吉君) ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(上原正吉君) 速記を起こして。
○矢嶋三義君 会計検査院長の報告は、検査院は私は数字を尊ぶと思うのですが、なかなかそれは小学校の算術のようにお答えはできないかもしれませんが、私は満足いたしません。もう少し決算審議、さらに会計検査院の院長らしく、もう少し信憑性のある的確な数字をお答え願わないと審議にならない。これは確かに国損の規定の仕方は幾通りもありますが、しかし大体どの程度の国損額が回復できなかったというくらいな数字は、もっと自信をもって報告できなければならぬと思う。それに対して行政府は、いやそういう解釈は若干過大だという批判があれば批判があってそれでよろしい。その点で私は不満の意を表明しておきます。 で、大蔵大臣に伺いますがね、大蔵大臣は、今後検査報告を決算委員会で審議する場合に、あなたがおいでにならない場合には、少なくとも予算編成のときに重要な役割をするような適当な代理者を出席さすべきだ、特に与党の委員長がそのポストを占めている衆議院の決算委員会で、他院のことは申しませんけれども、三十一年度の決算がいまだに承認されていないのに、それに対して大蔵大臣から一言も審議を促進してほしい、というような御要望もないという事態に至っては、一体慎重に御審議を何とぞお願いしますという文書を出したあなたとして、いかなるかんばせあって、われわれ決算委員諸君にまみえんとするのかお答え願いたいと思う。怠慢だと思う。
○国務大臣(佐藤榮作君) 一々ごもっともな御意見でございます。私も全面的に賛成でございますし、また御趣旨に沿って私どもも出席をしたいと思います。大体私も出席しますが、そのつど責任者は私の方でも出席さしておると、実はかように考えておりました。ところがいろいろ御指摘がありますように、必ずしもそうできておらないというように伺いますので、今後は一そう努力するつもりであります。 それから三十一年の決算の問題でありますが、大体大蔵省ももちろん審議の促進方を実はお願いしておりまして、ただいま言われますように一度も手をつけない、こういう状況ではございません。大体二、三の保留はあるようでございますが、十一月中には審議は終了したというような報告を受けておりますので、私は三十一年度決算はいずれ近く問題は終結を見ることじゃないか、かように考えております。御指摘がございましたので一そうその点では促進方をお願いするつもりでございます。何とぞよろしくお願いいたします。
○矢嶋三義君 総理に伺いますがね、今まで会計検査院から指摘された中で早急に是正したい、是正する必要があるとお考えになっている点をお答え願いたい。 それから省庁並びに政府関係機関のうちで、比較的にあるいは最も会計検査院からよく指摘されて、成績が不良なる機関はどこだとあなたは把握されておられるかお答え願います。これも通告してありますのでお答え願います。
○国務大臣(岸信介君) 何といっても問題は先ほど会計検査院長からも話がありましたが、この問題について不正が行なわれておる、なすべからざることがやられておる。ずいぶん会計検査院の批難された事項のうちにおきましても、実際行政事務を行なう上において、まことにやむを得ないような場合の、やはりしかし批難は受けなければならない。是正する方法は考えなければならぬがこういう情状の相当酌量すべき事項もあると思いますが、いかにしても綱紀が乱れておってそのために不正が行なわれ、不当なことが行なわれておるというようなことに関しましては、最もこれは重大な問題として早急に是正をしなければならぬ、かように考えております。 官庁のうちにおきましてはやはり補助金を出しておるとか、あるいはいろいろな請負等の契約をたくさんしておるとかいうような役所におきまして、批難されておる事項も多いと思います。たとえば防衛庁であるとか、そういう意味においての農林省関係であるとかいうような所におきましては、従来そういう何が非常に多いのであります。従って私は特にそういう官庁に対しましては幾たびかそれを十分戒めて、将来そういうことを起こさないようにということを、特に注意を喚起いたして参りたいと思います。
○矢嶋三義君 総理失礼ながらあなた勉強不十分です。あるいはあなたの部下がいけないのか、問題の把握の仕方が不十分であります。私は今の答弁満足いたしません。ただ防衛庁、農林省は比較的に多いと、ことに防衛庁は伝統的に量といい質といいかんばしくない、この点はあなたの認識を是とします。しかしどういう点が指摘されて、これは早急に直さなければならぬ、直せるというのを、一度に直せなければ、私はどこかねらいというものを持ってなくちゃならぬと思う、そういう点を一般抽象論で答弁されていることは不満であります。さらにその点は今後御研究願いたいと思います。 そこで検査官に伺いますが、会計検査院は各省庁あるいは政府関係機関の検査をされておられるわけですが、会計検査院自体の会計検査並びに内部監査といろものも十分やられて、その結果を国会に私は報告すべきものだと思う。ないから私要求しましたところが若干資料が出ました。これはたとえば各機関に対して不掲載事項なんかも指摘されているわけです。だから会計検査院といえどもそういう該当事項も私は場合によったらあり得ると思います。なければないでよろしい、いずれにしても会計検査院が検査法に基づく検査と内部監査、それをやったものを当然両院に対して審議の場合に資料として自発的に出されて参るべきである、こういう点について私は怠慢であったと思うのですが、御見解を承っておきたい。
○会計検査院長(山田義見君) 会計検査院自体の検査につきましては、ほかの各省と同じような検査をいたしております。書面検査は常時厳格に、むしろほかの各省以上に厳格に微細にわたって検査をいたしております。また定時に実地検査もいたしております。決して会計検査院内部をいいかげんにいたしておるわけではありません。むしろ各省よりももっと厳格にやっております。その結果不当事項というものはございませんし、書面検査の結果においても不当と思われることはございません。そういうために議会に対して、内閣に対する報告には不当事項として載っていないわけでございます。その点御安心願ってけっこうだと思います。
○矢嶋三義君 先般会計検査院からも問題の事件が起こったことがありますから、あえて私はそういう警告を含めて要望申し上げたわけです。 それから重ねて検査官に伺いたいのですが、最近特別取り扱いの承認申請を承認するのが多くなる傾向があると思います。計算証明規則によっては特別な簡易取り扱い方を承認申請できるようになっている。たとえば防衛庁の情報とかあるいは資料収集関係の費用、あるいは公安調査庁の活動費、一般にいう報償費関係、そういうものの特免事項をあまり許可する傾向が強くなって参った。これでは十分な検査が一部にできなくなる傾向があると思いますが、この点についてはあなたはいかようにお考えになっているかということと。 それから寺岡がないから、ここでお答えになれなければよろしいから、資料として要求ありますから、現在簡易取り扱いを許しておる省庁の項目ですね、これは資料としてぜひ出していただきたい。その結果については明日なり、また他日審議いたしたいと思いますので、原則論だけ承っておきたいと思います。
○会計検査院長(山田義見君) 今、特別扱いと言われましたのは主として報償費に関することと思います。これにつきましては報償費の性質上、ほかの費目と同じような検査をすることは、必ずしも適当でないと考えまするために、簡易の検査をいたしております。しかしこの簡易の扱いをいたしますものはなるべく少なくする趣旨でありまして、最近多くなっておるというような御意見でありまするが、そういうことはないと思います。ありません。数年前その取り扱いを統一いたしましたために、そのときから以降は以前とはあるいは幾らか相違いたしておるかもしれませんが、その扱いをきめましたその後、特にそれを拡大する意図もありませんし、また現に拡大してはいないわけであります。
○矢嶋三義君 それは資料を出していただきたいと思います。 次に、防衛庁長官と農林大臣からそれぞれ一分間以内に釈明を求めたいと思います。 それは昭和三十二会計年度の発足する前、昭和三十二年三月二十六日、本院決算委員会において昭和三十年度の検査報告の審議を完結するに当たって、防衛庁、農林省、運輸省、国鉄に対して警告決議がなされておるのであります。ところがその四日後から昭和三十二会計年度が始まっておるわけですが、同じ内容の指摘事項が相かわらず防衛庁、農林省に多い。運輸省はその後よくなっております。国鉄も若干よくなっておる。しかし農林省と防衛庁は警告を受けたにかかわらず、同じことが昭和三十二会計年度に繰り返されたことについて、当時の大臣はかわっておりまするけれども一分間以内で釈明を求めます。
○国務大臣(赤城宗徳君) ただいま御指摘の通りまことに遺憾でありますが、私どもといたしましてはそういうことを繰り返さないように十分注意をいたしておるわけであります。でありますのでちょっとよけいなことでありまするが、昭和二十八年度には三十件の件数がありまして、金額にしても八億五千五百万ということであります。三十一年度は十三件で一億四千八百万、三十二年度がやはりこれが今御指摘の通り遺徳でありますが、やはり十三件ありまして金額にしましても少しは減りましたが一億四千三百万、こういうふうに指摘されたものがあります。この点につきましては私どもも十分に注意をいたしまして繰り返さないようにいたしたいと思います。
○矢嶋三義君 農林大臣は明日おいでになるそうですから、明日答弁を求めます。 それで総理に伺います。公務員のこの奉仕に対する自覚を十分にすること、それから親切をモットーにして行政事務の能率化に努力してもらわなくちゃならぬ、それで予算の効率的な運用の成果をあげなくちゃならぬと思うのですが、その点から若干遺憾な点があります。で、私は日本の大きな政治の立場から具体的な問題として承りたいのですが、あなたの諮問機関である選挙制度調査会の小委員会は去る十四日、高級公務員の立候補制限をする必要がある、というようなことを総理のあなたに答申されることが決定になった、そのことが報道されております。この内容については時間がありませんから私はとやかく申し上げません。私の見解を申し上げて総理の明快なるお答えを願いたいと思うのです。 現実とか現状とかいろいろな角度から総合的に判断した場合に、現存わが国においては高級公務員の立候補制限は大体二カ年程度の制限をすることが適当だと、私は必要だとこう考えていますが、総理はどういうお考えを持っておりますかお答え願いたい。
○国務大臣(岸信介君) まだ実は答申を受けておりませんので、その点についての答申に対する意見は別といたしまして、今、矢嶋委員の御指摘にありましたような御意見、二年が適当であるかどうかはなお私は検討をしてみたいと思いますが、少なくとも一定の期間を置かなければ立候補できない、そういうふうにすることが適当であるというのが私の見解でございます。期間等についてはなお検討をしてみたいと思います。
○委員長(上原正吉君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(上原正吉君) 速記を始めて下さい。
○小柳勇君 大蔵大臣に質問いたしますが、昨年の暮に東宮御所の建造の問題が起りました。一万円で入札された場合に、私は決算委員会を代表して、会計法二十九条に矛盾するではないかという質問をいたしました。その場合に大蔵大臣は二十九条によって——政府の契約問題がそれだけによっておるので、この問題は検討しようという答弁がありました。その後、会計法二十九条についてどのように検討されておるか、将来この政府の契約について、随意契約なり競争契約なり、これはいろいろ具体的に私は申し上げたいのですが、時間が少ないので結論だけ聞きたいが、政府の見解を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) 一年たっていてまた同じ答弁をいたしましてまことに恐縮でありまするが、なお問題が問題でございますので検討中でありまして、まだ結論が出ておりません。問題はどういうことかと申しますと、競争入札あるいは随意契約そういう事柄についてどういうように扱ったらいいか、という基本的な問題になりますので、なかなか容易に結論が出ておらないという状況でございます。
○小柳勇君 昨年も大蔵大臣は誠意をもって答弁になったので、私はあれで検討されるものと理解しておったのですが、今なお昨年と同じような答弁がある。そういうところに政府の契約が会計検査上もいろいろ不正不当となって現われると思いますが、この会計法二十九条では政府は一般競争契約の原則を定めておるのです。ところが随意契約の方が九四%、競争契約というものほ全体の一%くらいである、こういう実情にある。そういうもので、近くまた皇居の造営などもありますが、再びそういうような問題が発生しはしないかということをおそれておる。従って、いま一度早急にこの問題は解決しなければならぬと思うが、大蔵大臣の決意を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私、検討中だと申しましたのは、これは各省でそれぞれの契約があるわけですが、関係省でそれぞれの立場上の主張もございます。そういう関係でなかなか一まとめにした原則的なものの結論が出ておらない。全然等閑に付しておるというわけではございません。で、各省の契約の扱い方、これをいかにするかということで関係者の意見をとりまとめ中でございます。そういう意味で結論が出ておらない、かように申しておる次第でございまして、ただいまの御指摘もございますし、なお私どももこの促進方をさらに進めたい、かように考えております。
○小柳勇君 次の問題に入りますが、次は零細補助金の整理の問題であります。これについてもしばしば決算委員会でも問題になりましたし、新聞その他でも非常に批判が出ておりまするが、昭和三十四年度の零細補助金の件数を拾ってみますと九百八十五件です。特に一般会計で八百十二件、農林省二百四件、総理府百六十四件、厚生省百二十三件、文部省が八十二件、こういうような零細補助金が整理されておらないために、不正不当というようなものが会計検査で発生いたしております。この零細補助金について大蔵大臣は一体どういうふうなお考えであるか。ただいまそういうふうな整理中であればそういう具体的なものを答弁願っておきたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) 毎回予算編成の際に零細補助金の整理という考え方をいたしております。これはまあひとり零細補助金ばかりではございません、補助金の適正化という点については各省基本的に十分検討を願いたいと思います。で、すでに御承知のことだと思いますが、補助金によりましてはすでにその目的を達したものもありますし、そういうものはもちろん補助金としてやめていかなければならないし、またせっかく出しましても十分効果の上がっておらないものもあると、そういうことを考えますと効果の上がらないような補助金は、まあ当然整理すベきだということになります。またただいま言われる零細補助金と大体申しておりますのが五万円以下の補助金、こういうものをそれぞれしさいに取り調べまして、ただいま申し上げるように補助の効果いかんということを十分勘案いたしまして、整理の方向へ引き続いてやるつもりであります。 ただ問題は、金額が小さいからと申しましても、補助金ができておりまするのはそれぞれの理由がありますので、ただ単に金額だけでこれを廃止するというわけになかなかいきかねる。まあ十分関係の方々の理解を得てこの零細補助金は整理の方向へ持っていきたい、こういう気持で努力しておる、その点を御了承いただきまして、ことに問題が問題でありますだけに、国会の御審議に際しましても、そういう観点に立っての御協力を心からお願いをいたします。
○小柳勇君 今の問題で具体的に下をかけておるもの、あるいは検討中のものがあったら知らしておいてもらいたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまちょうど予算編成の時期に入っております。ただいま私ども省議を開いておる最中であります。そういう際でございますから、この点を具体的に申し上げることは差し控えさしていただきたいとお願いをいたします。
○小柳勇君 第三の問題に入りますが、国鉄の新線建設の問題について、去る十一月九日に鉄道建設審議会会長石井光次郎から総理大臣以下関係大臣に建議書が出ております。この建議の問題について、この建設審議会とこの建議というもの、あるいは新線建設と建設審議会というようなものについての権威、そういうものについて大蔵大臣はどういうふうにお考えであるか、まずそれからお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) それぞれ法制に基づいての権威のある機関でございますから、それぞれの答申等につきましては、あるいは決議等につきましては十分これを尊重して参らなければならない、この点は十分私どもも理解をいたしております。しかし同時にこれらの建議事項が、財政の面からその具体的実施の面にいかにこれを取り扱うべきかという点、これを尊重という点と合わして私どもも万遺憾なきを期したい、こういう考え方で取り組む考えでございます。
○小柳勇君 そういたしますとこの建議には、「鉄道敷設法第四条第三項に基く鉄道新線建設助成に関する建議、鉄道建設費の財源については、さきに本審議会の決議により、全額政府出資によることとし、やむを得ず借入金による場合は、国が利子補給の措置をするよう再三建議したところであるが、いまだ実現を見ないことは遺憾にたえない。」「政府はすみやかに利子補給等建設費に対する特別の助成方策をたて、昭和三十五年度から実現し得るよう措置することを重ねて要望する。」と建議されておりまするが、大蔵大臣のこれに対する決意を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) これらの決議事項といたしまして、私どもはその趣旨を尊重いたして参りまするが、それぞれの建前がございまして、その建前の変更を特に要望されておりますものにつきましては、その措置がまず第一にとられなければならない。ただいまのところにおきましては、大蔵当局といたしましては遺憾ながらかような措置をとる考えはございません、その点ははっきり申し上げておきます。
○小柳勇君 そういたしますると、初めの方の建議で、運輸大臣に対して石井光次郎は鉄道敷設法第四条第三項に基く鉄道新線建設に関する建議をいたしまして、十一路線の建設を建議いたしております。そういたしますと、ただいまのようなそれに関連をして同時に出された建議が、大蔵大臣はこれを考えないとするならば、初めの方の新線建設も当然これは無意味なものであると考えてよろしいかどうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) この建設審議会で決議がありまして、運輸大臣はその決議に基きましてそれぞれ予算を要求して参ります。そういう場合にこの十一線を採択と申しますか、省としてこれを取り上げるという、こういうことがきまる、そういう場合になりますと、私どももその点について十分予算をいかにつけるか、これは別でございますが、それ自身についてはこれを尊重してゆきたいというのが従来の建前であります。そういう点で先ほども申しますように、内容についての意見は十分私ども検討もしこれを尊重もして参りますが、具体的に財政的な裏づけをいかにするかということは、これは別な問題だということを先ほど来申し上げておるわけでございます。
○矢嶋三義君 大蔵大臣、会期を延長しておきながらわがままですよ。私も大蔵大臣に質問したいことはたくさんあるんだけれども、予算編成その他で、のっぴきならぬときだからという前田政務次官の切なる要望もあり、よりよき予算を組むからとか何とかいうことで、小柳委員は社会党委員と相談をして、ほんとうは筋が通らないんだけれども、ここで御退席を承認するわけですが、その点を含んで予算を組んでいただきたいと思います。
○委員長(上原正吉君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(上原正吉君) 速記を始めて。
○市川房枝君 補助金等の適正化に関する法律がございますが、これは私前に決算委員をいたしておりましたときに、大蔵省の非常な熱心な主張で提案され、参議院の決算委員会がそれを支持してできたものだと記憶をしております。実施されてから三、四年間になりますが、法務省からいただきました資料によりますと、件数が少ないことはけっこうなんですけれども、確定しました犯罪の量刑といいますか、ほとんど執行猶予であって、罰金も非常に少ないのでありますが、果してそれに相当するようなものであったかどうか、といいますか、どうも補助金の適正化に関する法律の施行に対しての熱意といいますか、それが少し足りないんじゃないか。果してこの法律を厳格に施行されているかどうかということについて多少の疑問を持つんでありますが、大蔵大臣はこの法律の施行についてどういうふうにお考えになっておりますかお伺いしたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) この法律の実施によりまして、補助金等の非常な適正化が行われておる、かように私どもは考えております。でこの法律実施に当たりまして事柄の性質上法務省関係になるもの、あるいはそこまでいかないもの、それぞれあると思いますが、特に便宜をはかっておるということはないと思います。従いましてこの法律が施行せられましてもいろいろ実情等が分からないで、知らず知らずこの法律から非難を受けるというような事項に該当する、こういうようなものについて当時の実情を十分調査して、その措置がきめられておる。かように確信をいたしておりまして、特に犯罪を作ることが私どもの考えでもございませんし、そういう点ではよく趣旨の徹底を期するようにいたしております。
○矢嶋三義君 総理に質問を返します、ただいまのは別ワクですからね。で総理に伺いますが、最近政府と政党、特に与党との関係、それから公私混淆している面が非常に近ごろ多くなった。その点で若干具体例をあげて伺いたいと思うんですが、あなたは先般海外に出張された。その場合に国会議員六人の方を、まあ自民党内の派閥構成よろしく随行としてお連れなさった。ところが、身分は国会議員のままで、外務省の参与とか何にも身分を付与することなく、国会議員の身分そのままで国費で出張させるということは、これは会計経理上違法だと思う。全く公私混淆したものだと思うんですが、この点はどうお考えになるか。 それから——よく聞いておって下さいよ。それからたとえば与党の幹市長が行政府の事務次官を集めて、これに厳重注意を与えたり、あるいは各省庁でこしらえる白書の内容が、どうも与党批判的なものがときどき出る、それは遺憾なことだ、是正しろというような注意を与党の幹事長が与えるというようなことは、いかに政党政治下においてもこれは三権分立を乱すものだと思うわけです。 例のグラマン、ロッキードの問題のときにも、グラマン内定後において、時の川島幹事長と河野総務会長が、廣岡国防会議事務局長、今井事務次官を再三再四呼びつけて、そうしてロッキードのハル社長とこういう懇談会を持て、しかも委員構成はいけないというようなことを何回も働きかけられた。これは衆議院の決算委員会の速記録に証人の発言として残っております。さらにお二人は防衛庁にはどうも汚職のにおいがある、それでグラマンは内定したが、これは防衛庁は信用できないから、防衛庁の関係者を排除した委員会を作って検討せにやならぬ、かように私は要望しましたということを、河野さんも川島さんも証人として速記録に残している。その結果かどうかはわからぬけれども、ともかく機械の問題はロッキードと相なったのでございますけれども、こういう行政府、政府と政党、与党との関係というものは私は逸脱しておると思う。 もう一つ例をあげますならば、今度の新東海道幹線の駅設置の問題については、九つ駅を作るということ自体私は多過ぎると思うわけでありまするが、さらに今後岐阜県下に一つ追加申請する予定であるというようなことが、十河国鉄総裁から楢橋運輸大臣に申請書が出ているわけです。これは完全に政治家である、大野駅であるということを称しているわけですが、こういう点は非常に私はこの三権分立を乱すものであり、行政府の独立性に政党が干渉し過ぎる姿であるとともに、公私を混淆していると思うのでありますが、まずこれらの点について総理はどういう見解を持っているか、要点だけお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(岸信介君) もちろん議院内閣制度をとっております関係上、いわゆる政治と行政面との関係というものは、ある程度従来のかつてあった超然内閣の時代とは違った形をとるべきものであると思います。(矢嶋三義君「程度がある、限度の問題です」と述ぶ)ですから問題は今お話のありましたように限度の問題であると、こう思うのであります。さらに政党が行政の面に深く立ち入るというようなことは、これは限度を越えるような場合におきましては慎まなければならぬ。今具体的ないろいろの例をおあげになりましたが、私はその一部においては行き過ぎのあったことを是認いたします。それらについては是認いたします。また一部については多少実態が誤り伝えられている部分もあるように思います。いずれにいたしましても、限界を越えないようにしていかなければならぬ、かように考えております。 それから私が外遊の際に議員を連れて参りましたことは、私としてはこの外遊の目的はこれらの国々との間に十分な理解を深め、友好親善関係を深めていきたい、また日本がとっている従来の外交政策というものが、どういう効果を及ぼしているかというようなことについて、広く向こうの各界の人とも意見も交換したい、というような広い考えを持って参りましたから、従って国会議員の数人を連れて行って、そうしてこれらと会談する機会を持たせ、またそれらの方面からいろいろと得た資料によって私自身が考えていくという意味において、そういうことが便宜であるという意味において連れて行ったわけでございます。
○委員長(上原正吉君) 速記をとめて。 [速記中止]
○委員長(上原正吉君) 速記を始めて。
○矢嶋三義君 総理、あなたの御答弁の一部は容認します。問題は外務省の参与とかあるいは顧同とかいう身分を与えて、国費を支給して主張するのはいいですよ。しかし立法府の議員の身分のままで、身分を付与することなく、これは官房長官が答弁しているわけであります。勝手にあなた国費で主張するということは違法ですよ。近くまた総理はあるいは海外出張されることがあるかもしれませんが、そういう場合も私は必要にして十分なだけの人員で旅行すべきであるとともに、その支出は当然申し上げたようにしてからでなくちゃならぬと思います。 会計検査院に念のために伺います。国会議員が行政府の顧問とか参与とか身分も何ら付与をされることなく、行政府の旅費を受けて出張するということは、経理支出上合法か合法でないか、お伺いいたします。
○会計検査院長(山田義見君) 議員さんが行政府の身分も取得しないで、行政府の旅費から出張することは不当であると思いますが、しかし私の報告を受けておりますところでは、その旅費は報償費的なものから出ているそうであります。従ってこちらから……(「冗談言うな、何を言っている」と呼ぶ者あり)
○矢嶋三義君 勝手なことを言うものじゃない。これは官房長官は国会議員の身分のままでよろしい、ということを、九月の決算委員会で答弁したから、私は総理に伺いましょうと言ったわけです。それで伺っているわけであります。約三千六百万円の旅費は、外務省の既定経費千四百万円とそれからあとは予備費から出ている。その既定経費というのは報償費とかそういうものじゃありません。いずれにいたしましても、身分を付与することなくそういうことをやるということは違法です。これは総理に是正していただきたい。(「会計検査院の今の答弁をもう一回やり直させなさい、いま一つ」と呼ぶ者あり)
○会計検査院長(山田義見君) 私が報告を受けておりますところでは、報償費から出ていると承知いたしております。
○矢嶋三義君 報償費じゃないですよ。かりに報償費にしてもそういうことは許されない。そんな報償費じゃやめてしまいなさい、予算の編成の仕方がなっていない。(「官房長官に」と呼ぶ者あり)総理お答え願います。
○国務大臣(岸信介君) 私この前の連れて参りました趣旨は、先ほど申し上げたような趣旨でございます。(「それはわかっている、趣旨はわかっている」と呼ぶ者あり)そうして出しました経費は報償費から出しているような官房長官からの報告を受けております。そういうふうにお答えを申し上げております。
○矢嶋三義君 あとからそんな作り事を言うのですよ。官房長官がそのとき身分はそのままでよろしいと再三私が伺ったら答弁したじゃないですか。それを私は問題にしているのです。 それから外務省の報償費三億一千万円の大部分は在外公館、九十六公館かの公館の何です。そんな一千四百万円という既定経費の報償費の中から出せるような報償費は外務省にはない、調べて下さい。これは苦しいでしょうからこれ以上なにしませんが、こういう公私混淆したことは、総理、是正していただかなければなれませんよ。 そこで、次に伺いますが、東海道新線の駅の問題ですが、時間がありませんから、私は詳しいデータを出して研究したのですが、詳しくは申しません。結論的には九つの駅すら多過ぎます。これは詳細に現在乗降者幾ら、距離が幾ら、それから運転時間が幾ら、現在急行、特急が何分停車して、そうして幾ら利用者があるかという資料を、詳細に私は国鉄からとって調べてみたのでずが、結論として次に申し述べたいのは、総理、国鉄側、並びに運輸大臣から答弁をいただきたいのですが、矢嶋の私見をもってするならば、この十の中で浜松と豊橋と岐阜は必要ありません、全国的な視野から見るならば。データからちゃんと出てきます。ましてや岐阜県下に一つ新駅をこしらえるというようなことは、この資料から合理的な裏づけができない、完全な政治家である、大野伴睦氏の駅であるという結果が資料から出て参ります。こういう公私混淆した政治というものは、政治の科学化というこの昭和の世代に許されないことだと思う。総理は十分データに基づいて慎重に検討される用意があるかどうか、私は伺いたいと思うのです。政治をやるに当たっては、八方美人でそのときそのときに迎合するようなことはいけないと思うのです。国家百年の大計のもとに、その当時は若干の非難を受けても、将来は必ずかくかくだという信念のもとに、私は、国政の責任者あるいは政党の責任者というものは検討しなければ、私は政治家としての資格はないと思う。かように私は考えるわけであります。人からきらわれるかもしれませんが、私はだれかが言わなければならぬことだと思いまするがゆえに、あえて資料に基づいた結論をもって総理の見解を承っておる次第であります。お答え願います。
○国務大臣(岸信介君) 御趣旨の前提となっております公私混淆ということは、政治の明朗化からいってこれは十分是正しなければならぬという御趣旨につきましては、私全然同様に考えております。 鉄道の新線の駅の問題につきましては、御承知の通り、これは非常に技術的なものでございまして、私から九つがいいとか八つがいいとか、十がいいとかということを申し上げることは適当でないと思います。十分国鉄及び運輸省等におきまして各般のことを考慮して決定すべきものである、かように考えております。
○矢嶋三義君 簡単にお答え願います、運輸大臣と国鉄側。データに基づいて研究した結果によって質問をしているのです。
○国務大臣(楢橋渡君) 岐阜県に一つ駅を作るという問題、つまり伴睦駅かどうかという問題ですが、これは大野伴睦氏から岐阜県を代表して、岐阜市に新幹線を持ってきてもらいたいという強い要望があったのであります。しかし岐阜市に回りますと百億円かかって十五分間おくれる。これは大野伴睦氏がいかに矢嶋君が言われるように政治力があろうとも、運輸大臣として聞くわけには参りません。そこでその大野伴睦氏のその意見は、私の方から拒絶をいたしたのであります。しかし御存じのように、この新幹線の駅の問題でありますけれども、特急を走らせたその間に、余っておるといいますか、線路を走らせる低速列車というものにも、これはその新幹線の速力と直線コースを妨げない範囲内において、できるだけ輸送の緩和という意味からいってサービスをするということは、国鉄本来の使命でありまして、従って、神奈川県にも二つ、静岡県には三つ、愛知県には二つ、滋賀県、京都というふうにとめることにしたのでありますが、岐阜県は一つも駅がないというので、岐阜県民は、大野伴睦氏だけではありません、社会党もあげてこの岐阜県民としては、一カ所とにかく岐阜県に駅を作ってもらいたいという要望が強くあったのであります。これはもっともなことだと私は思っております。言いかえてみますれば、岐阜県を通って一つも駅がないということは、岐阜県民としては、つまり特急ならば別として、ローカルと申しますか、低速車を走らせる場合において駅の要望があったら、それを勘案して岐阜県民のためにも便宜をはかるべきことは、これは国鉄の使命であるということで、私が一カ所追加するということにして認可を与えたような次第であります。
○矢嶋三義君 時間がありませんから多く討論しませんが、楢橋さん、政治は人情だけではいけないと思います。私は、あなたの方から出たデータで、現行の利用率、特急、急行は何本とまっているか、それから駅の間の距離が幾らか、その運転時間はどうかというようなことは、綿密に資料で、私は国鉄マンではありませんけれども、やれば、理論的に岐阜県下に一つこしらえなければならぬというような結論は絶対に出てこない。私はデータによって科学的にやるべきだと思う。毎日新聞にちゃんと三段抜きで新駅大野氏一任という記事が出ている。ことに羽島市と岐阜市と大垣市の意見が分かれているので、どこか一つ作らなければならぬというがどこにするか、大野氏に一任したというようなことが三段抜きで出ておりますが、こういうようなことから見ましても、ほんとうに合理的な、科学的な、政治的なセンスに基づいた、データに基づいた結論でないということがはっきり言えると思います。これは時間がないから他日にやりますが、ぜひ私は検討していただきたい。これは矢嶋一人になってもデータをもって最後まで対決しようと思うが、何千億という金をもって作るに当たっては、よほどこれは考慮してやらなければならぬ。鹿児島から東京まで特急で二十三時間かかる。かるがゆえに南九州、北海道は後進性から抜け出ることができない。裏日本しかり、そういう状況が、日本経済の心臓部とはいえ、新しい幹線を通す場合に、全国的視野から考えなければならぬ。人情論とかこの県を通るから一つというような格好でやられたんではたまらない。そういう立場で警告を含めて要望申し上げたわけで、時間の関係上答弁はこの次に承ります。 次は、先般災害対策の予算が成立したわけでずが、私が計算したところによると、一般会計が四百七十一億、財政投融資四百一億、合計約八百七十二億の措置が行なわれたわけですが、適正にして能率的な運用をすることによって、災害復旧あるいは民政安定がはかられると思う。しかし昭和二十八年災のように誤れば、五%のロスがあったとしても四十四億という莫大な金になりますよ。これに対して事前にどういう心がけをもって行政管理庁、あるいは当該官庁は臨まんとするか。その点を伺いたい。 なおこの災害が起こった際に、岐阜県本巣郡巣南村の山木村長という人が、被害を水増し申告をして毛布とか衣類の救援物資を多量に受け取って、その前の月にありました自分の村長選挙の功労者に配分した、というようなことが当時毎日新聞に報ぜられ、自治庁長官はこれを調べて事実とするならば厳重な取り扱いをするということであったわけですが、その調べた結果とそれから、これから財政投融資を合わせて約八百七十二億、この予算執行に当たって、どういう心がけで臨んで参るかということを、簡単に決意のほどを承っておきたい。
○国務大臣(石原幹市郎君) 先般、伊勢湾台風の災害直後に、御指摘の岐阜県巣南村の村長が、罹災救助物資の配分に当たりまして、当初災害直後に報告しました数字が若干ずさんで間違っておったのであります。その後適正な数字が出まして、間違った数字に基づいた物資を配分しかけておったのでありますが、適正な数字が出ましたために、配分したような物資についても、それを取りまとめまして適正な配分に直して、その後の措置をとったわけでありまして、警察当局その他におきましても取り調べたのでありまするが、村長に別に横領であるとか背任であるとかそういう意向も認められないので、事件としてかけないでそのままになっておるわけであります。 今回御指摘のように、相当多額の災害対策予算が成立しておりまするので、自治庁当局といたしましても関係団体市町村に対しまして、これらの予算の執行に当たっては十分注意をいたしまして、間違いのないように効果的にこれを使用するように、すでに通牒等も出しまして善処方を要望しておる次第であります。
○矢嶋三義君 通産大臣にお伺いします。大蔵大臣がおられませんので通産大臣だけからお答え願いたいと思うのですが、今われわれが審議している昭和三十二年度の決算はあなたが責任者として編成された予算の分です。三十一年の春に岸現総理と石橋さんが猛烈な総裁公選をやった後に、石橋さんが当選されてあなたが大蔵大臣となって、一千億減税、一千億施策というスローガンのもとに編成された予算で、当時この予算が通った後、四月ごろ解散をやって、そして石橋、池田、三木の体制を牢固たるものにしようというので、こういう予算が組まれたと識者によって評されたもので、従って一般会計は一兆一千三百七十四億何がし、財政投融資は三千二百四十六億、いずれも約一千億円の膨張を来たしたわけです。ところが不幸にして石橋さんは病気になって現岸総理は第一次岸内閣を組閣するに至りました。そしてその後を継いだ一萬田大蔵大臣がこのしりぬぐいをやったわけで、六月ごろから金融調整の総合対策をやって、特にこれは中小企業に大きなしわ寄せがなされたことは、御記憶に新たなるところであろうと思うのです。この三十二年度の予算は経済の好況というのを基礎として、政治的な思惑を含めて組まれた予算であります。今や立場が変わって昨年六月十八日の岸第二次内閣の大改造に当たっては、あなたは一夜にして態度を変えられて通産大臣として入閣されました。今や三十二年度予算の決算の審議を完結するに当たって伺いたい点は、第二次岸内閣の一国務大臣として回顧してどういう所感を持っておられるか。そうしてこのことは昭和三十五年度の予算編成にも影響を及ぼして参るわけでありますが、最近やや経済は過熱の気味がある、従って日銀の公定歩合も先般一厘上げた。こういうときでありますが、今後の財政運用の基本的態度はどうあるべきか、来年度の予算編成の基本的態度はどうあるべきか。特に公債発行の問題については、大蔵大臣とあなたは若干見解を異にして、積極的公債発行政策の、池田通産大臣は閣内における有力なる閣僚として発言されておるように承っておりますので、昭和三十二年度予算の編成責任者として過去を顧みて、明年度の予算編成の作業が本格化した現段階に、岸内閣の一国務大臣としてどういう態度で臨まんとするのか。その点を承ると同時に、各省庁の内部監査はやかましくいわれておりますが、私の調査した範囲では、必要であるべきところの通産省の内部監査の組織、予算、それらは最も不十分ではないかと考えておりますので、この点についても御所見のほどを承りたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。お話のように昭和三十二年度の予算は私が大蔵大臣として編成いたしました。今から考えてみましてあの千億施策、千億減税、私は非常によかったと確信いたしております。それがあったために今日も相当物価は安定しております。国際収支もよくなるし日本の経済はよくなったと私は考えておるのであります。而して三十五年度の予算につきましては、これは大蔵大臣が編成権がありますので、一国務大臣として私は協力していきたいと考えております。
○矢嶋三義君 公債政策だけ見解を表明しておいて下さい。
○国務大臣(池田勇人君) 公債政策というものは一国務大臣がとやこう言うべき問題ではありません。大蔵大臣の判断によってやるべきであります。
○矢嶋三義君 相当高姿勢の答弁をされておりますが、さすがは心臓の強い池田さんだと思うのです。それは石橋さんの病後第一次岸内閣ができて、そうして時の大蔵大臣一萬田さんが非常に苦しむとともに、中小企業者、勤労者が大きな犠牲となって支えたからあの程度いったのであって、四月予算の成立後の解散を思惑として組んだ一千億減税、一千億施策という、あのはなやかな予算編成というものは私は妥当ではなかった、そういう見解を持っている。これは見解の相違だから時間の関係上追及しません。にもかかわらず非常にあなたが高姿勢である。公債政策にしても、岸内閣のあなたは何といったって有力閣僚ですよ。あなたの言動は、吉田学校の優等生と同級生でもありますし、相当あの佐藤さんにも影響することです。にもかかわらず、だから私は伺ったわけですが、大蔵大臣に一任したというならば、あえて追及いたしませんが、ただ内部監査のことだけ一言お答えいただきたい。
○国務大臣(池田勇人君) 御質問にお答えするのを抜かしまして恐縮に存じます。通産省の事務につきましては常に気をつけております。従いまして、会計検査院の批難事項も三十二年度は四件か五件、非常に少なくなって参ったことを喜んでおるのであります。今後も監査につきましては、会計検査院の監査を持つまでもなく自分の力で十分やっていきたいと考えております。
○矢嶋三義君 その答弁は了とします。 私の答弁要求事項の最後の問題でございますが、それは防衛庁関係であります。防衛庁は非常に調達関係がずさんである。過去においてもいろいろの問題がありましたが、三十二年度においてもしかり。イタリアのスタッキーニ会社にロケット購入の注文をして、そうして会社がつぶれたために約二千三百万円の損害を受けている。あるいはT34機の機体部品購入、これも二千二百万円不経済になる、不要なる物資を購入する、こういう点をあげれば限りがありません。そうして特にこの用途とか使用方法、適応性等を考慮もしないで先物買いをする傾向がある。最近のロッキードまたしかりです。それから予算があるからとにかく何か買っておけというので買うくせがある。そのために、例年のことながら本年度においても不用となった額は全部で九十四億なのに、防衛庁だけでその三分の一、三十一億円を占めている。それから翌年度繰越額は全部で三百十五億なのに、防衛庁だけでその大部分の八十七億を占めているというように、予算編成がずさんである。しかもこの予算の執行がきわめて計画的でなく、ずさんきわまりない点を遺憾なくするわけです。おそらくこのたびも警告が出ると思いますが、私は特にこれは防衛庁に限ったことではないのですが、契約制度が問題だと思う。この点は会計検査官の答弁もいただきたいと思うのですが、契約方式は一般競争契約が原則になっている。それと、指名競争契約がある、それから随意契約、かように三つあるわけですが、最近非常にこの随意契約が多くなつた傾向があります。そうしてこれが不正不当を招来し、汚職の温床となる場合も数多いように私は判断をしております。会計検査院としてはどういう見解を持っているのか。私は一般競争契約でやるべきだと思うのです。最近、防衛庁関係で例をあげますならば、これからロッキードの問題をちょっと聞きたいと思いますが、これがやはり随意契約なるがゆえに、いろいろと国民が疑惑の眼を持っております。この点については総理に私はあとごく短時間で具体的に伺いたいと思いますが、まず会計検査院の院長に、この契約方式の基本方針はいかにあるべきか、最近随意契約が非常に多くなってきた。そうして随意契約の場合に不正不当が多く招来されている。この傾向についていかなる見解を持っているかということをまず伺っておきます。
○会計検査院長(山田義見君) 契約は、会計法にもうたってあります通り、一般競争入札を原則とすべきはもちろんでありまするが、実際上は、今申されたように、指名競争入札、さらに遊んでは随意契約が相当の部分を占めております。しかしこれは、検査の結果に徴しましても、随意契約によることがやむを得ないと認められるものであります。随意契約が、最近特に多くなっておるとは考えておりません。それから随意契約の場合に、特に不正があるとも認められておりません。 それからまた、防衛庁のこともお話になりましたが、防衛庁は、毎年不当事項として指摘されるものがありまするが、われわれの見るところでは、この数年来、非常に格段によくなっておると思っております。不当の件数におきましても、毎年幾らかずつ減少いたしております。
○矢嶋三義君 防衛庁が、だんだんよくなるのはあたりまえですよ。なおかつ、いけないということです。 総理に伺います。国民が非常に疑念を持っていますので、率直に私は承りたいと思いますから、個条書きで承りますから、お答え願います。それは、三十二年の初め頃、防衛庁の航空幕僚監部では、ロッキード104が絶対にいいという圧倒的空気だったわけです。そのライバルとして、ノース・アメリカンの100があったわけです。ところがロッキード104にいけば、これは川崎航空に従来の経過からいくから、それはいけないといって、総理が頭を縦に振らなかったのだ、こう言うのですが、いかがですか。
○国務大臣(岸信介君) そういう事実はございません。 私は、ロッキードならば、どこへいくとか、グラマンならば、どこへいくから、これをきめるというようなことを考えたことはございません。
○矢嶋三義君 しからば続けて伺いますが、その後、永盛調査団が行って、グラマンF11F—一Fというのが浮かんで参りました。それと新三菱さんが、うまく結びついたわけです。それで、新三菱さんがそれと結びついたものですから、それじゃグラマンにしょう、ときの洋島防衛庁長官にあなたがお話しになって、三十三年の四月十二日の国防会議でグラマンを決定しようとしたけれども、河野一郎さんが、国防会議の議員でありましたから、それに抵抗して、内定にとどめさした、こういうことが伝えられているのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸信介君) そういう事実ではございません。内定したときの事情は、永盛調査団が参りまして、新しいグラマン機の性能をロッキードと比較して、いろいろ検討した結果、日本にはグラマンの方が適当であるという一応の結論が出ております。しかしながら、それはまだ実体の飛行機ができておるわけではないし、また現実に成績が、テストが、まだ行なわれておらないし、なおまた、実際それに乗って、いろいろなことを実験したわけでもないから、一応内定にして、さらに、そういう具体的の各種のデータを集めた上において決定しようということで、内定にいたしたわけであります。
○矢嶋三義君 内定になって、昭和三十三年八月二十五日、国防会議で最終的にきめるという予定が立てられた。そこで防衛庁の内局と、国防会議の事務局長は、グラマンの合理性をうまく説明しようと思って、一生懸命努力されておった、ところが、その三日前の八月二十二日、田中決算委員長が、河野一郎さんの指示を受けて、衆議院決算委員会に、これを取り上げて問題となった。そこでロッキード社は、これは川崎さんと結びついておったのじゃものにならぬというので、第一物産の指導によって、ロッキード社は新三菱さんと結びついた。それからロッキードが浮かび上がって参って、今年の六月十五日、六月十八日は岸第二次内閣の大改造の行なわれた日です。あの内閣改造のさなか、六月十五日にグラマン内定を白紙還元にして、ロッキードにきめようとしたところが、時の伊能防衛庁長官が、防衛庁内局の意向を背景に、徹底的に抵抗されたので、そこでロッキードにきめないで、白紙還元という形にして、調査団を出すようにした、かように、防衛庁の内部の若干の諸君も、かように言っておりますが、国民も、そういう疑惑を持っております。 ここで総理の明快なるお答えをいただきたいと思うのであります。
○国務大臣(岸信介君) 先ほど申したように、内定をいたしましたが、その後において、まだ当時は、これを内定するときは開発されておらなかったロッキード104というものを開発をされ、さらに西独において、これを採用するというような事態も起こりました。同時に決算委員会、国会におきましても、この機種決定の問題については、いろいろの論議が行なわれたことは御承知の通りであります。こういう事態に処しまして、国民から一切の疑惑をなくして、そうして真に防衛上、日本として最も適当な機種をきめるということが必要であると考えまして、六月十五日に国防会議を開いて、従来の内定を一応白紙に還元した。決してそのときに、ロッキードにするというような、私ども、そういう何かの意図を持って、そういう意見を云々したというようなことはございません。 そうして調査団、権威ある調査団を出して、現実に飛行機にも乗ってみ、あらゆる点から検討して、その結論を尊重して、国防会議においては最後の機種を決定しよう、こういうことになったわけであります。
○矢嶋三義君 しからば承ります。 六月十五日の国防会議においては、防衛庁側から白紙還元してほしいという口頭の要請も、文書の要請もなかった。これはもう、委員会で明確になっておる。時の防衛庁長官は、白紙還元に反対したでしょう、賛成しましたか。反対した。しかも、その白紙還元にしたということは、白紙還元になっていないじゃありませんか。いかがですか。 時の防衛庁長官は、それに賛成しましたか、反対しましたか、お答えいただきたい。
○国務大臣(岸信介君) 白紙還元ということについては、結論として、白紙還元になっておると私は信じております。また、そうするために白紙還元したわけであります。なるほど防衛庁としては、内定をし、その後において、グラマンを支持するというような、いろいろな研究もあり、またそういう意見もあったことは事実であります。 しかしながら国防会議において白紙還元して、そうして調査団を送って、その調査団の調査の結果を尊重してきめるということについては、国防会議の全員が、意見としては一致して、この結論を出したわけであります。
○矢嶋三義君 私は、ここは決算委員会ですから、飛行機の性能論であるとか戦略論とか、軍事科学の動向とか、そういう問題には触れません。問題は決算委員会らしく私は触れておるわけでありますが、かわいそうなのは、防衛庁の内局の諸君と国防会議の事務局の諸君ですよ。 グラマンだというから、一出懸命グラマンで、これを合理化して国会にも臨んだ。そうしたらロッキードになったから、にっちもさっちも動きがつかなくなった。全く、ある力があって機械のごとく動かされたのが防衛庁の内局の諸君と国防会議の事務局の諸君です。私は責めながらも、心の中ではかわいそうに思っておる。あげて責任は、岸総理、あなたにありますよ、総理。私は見解を承りたいのですが、この問題がきまったのは、まずロッキード社が、新三菱さんと組んだ。川崎さんと縁を切って、新三菱さんと組んだというのが、一つの大きな山です。私は新三菱さんも川崎さんも、恩も何もありませんよ。どちらも日本の工業の進展のために努力されておるのを多とします。発展を祈ります。しかし、私は政治論から言って、川崎さんと縁を切って、ロッキード社が新三菱さんと組んだところが、その証拠である。 そうしてこの問題を解決するにあたっては、失礼ながら赤城さんと源田さんが、やや迎合されたということになる。源田報告というものは、私は幾らかゆがめられておると思うのです。これが一つの山になりまするそれから河野さんは、ロッキードになればいい、新三菱さんは、飛行機は何でもいい、ごもっともだと思います。飛行機は何でもいい、仕事さえ与えてくれればいい、仕事さえ入ればいいというのが、新三菱さんの考え方です。 それから、世間で言っておることは、岸内閣総理大臣は、飛行機をどれこれするということよりも、新三菱さんのところに仕事がいくことが、一番重点なんだ、川崎さんには、仕手をやりたくない、こういう何本かの柱があって、そうしてグラマンからロッキードヘの宙返りが行なわれたので、いわばロッキードというのは、よろめき飛行機だ。こういうような見方をしている新聞記者諸君、それから日本の、いわゆる軍事評論家、一般国民もある、矢嶋も、その一人であります。 国民が、そういう疑惑を持っておりますから、しかもこれは、経過からいって相当根拠がある。この点を一つ明快に、国民にお答え願いたい。
○国務大臣(岸信介君) 今の御議論の前提になっている三菱とロッキードが結びついたという事実は、私は承知しておりません。従ってそういうことを問題としてロッキードをきめたということは、全然これは間違いでありまして、そういう事実はございません。 先ほど私がお答えをした通りの経緯でもってきめたわけでありまして、私はロッキードをきめるにあたって、何らかこれに威圧を加えて、もしくはそういう意図でもって、これをしたということではございませんで、ほんとうにグラマンの問題については、内定をしておいたけれども、その後におけるところの各種の事情が変わってきておる。ここで、内定をしていることを前提としてロッキードを決定することは、この際適当でない。これは白紙に還元して、そうして現物について、実物について、あらゆる点から検討して、その結論によって定めることが最も適当である。こういう信念のもとにやったわけでありまして、その後におきまして、三菱社をきめる云々のこと、もしくはその飛行機の製作をどうするかというようなことは、これは通産大臣が通産行政上考えるところでありまして、私は、ロッキードと三菱が結んだとか、くっついたとかいうことは、全然その事実を知りませんし、今初めて、矢嶋委員から承わることでありまして、そういう事実は、私は全然承知いたしておりません。
○矢嶋三義君 もう三問、発します。 私は、この新三菱と川崎航空の設備、施設その他についても、あなた方から資料をいただいているほか、私は、他の方面から調査をし、それから専門家からも意向を承わっております。ところが、先般の国防会議で、即夜に通産大臣が、ああいう決定をしたという点については、判り切れないものがあります。 識者は、次期日本の政権をになうところの政治家は、日中の問題と、原子力の開発の問題と、それから日本の自衛隊の主要装備の問題、具体的に言えば主力戦闘機の問題、これらの問題に関心を示すであろう。これによって勝利を博したものが、日本の保守政党の次期首班たり得るであろう。かように見ているのです。果たせるかな、この主力戦闘機の問題については、河野一郎さんが前から関与しておりました。あなたも関与しておりました。このたびの、通産大臣の権限とは言え、新三菱さんに即夜に落した点は、総裁ダービーに参加している池田さんも、これに乗っているということを如実に示しているわけです。そういう点は、これは常識というものは総理ごまかせませんよ。こういう見方をしている人は多いのですから、だから反省していただかなければならぬと思うのです。 時間がないから防衛庁長官、一つ承わりますが、私は、この事件は、あの造船疑獄の問題が起こったときに、時の自由党の幹事長、現大蔵大臣の佐藤さんの問題があった。そのときに吉田内閣のもとに犬養法務大臣が指揮権を発動することによってもみ消した。そのあとに犬養法務大臣は辞職をされました。この事件を私は想起するわけです。 従って今度の問題については、岸内閣総理大臣のもとに、赤城防衛庁長官は、おそらくこの問題の決着した後に決意されている何物かあるのではないかと思います。伝え聞くところによると、源田空幕長は、もう答申が終わって、国会も、大体出席が終わったようだからというので、書面をもって赤城防衛庁長官に辞意を表明しているということが伝えられているのですが、この真偽のほどと、あなたの御所見を承わりたい。
○国務大臣(赤城宗徳君) 次期戦闘機の決定につきましては、いろいろの論点から御質問がありましたが、論点の根拠が、非常に独断でなければ少しく思い過ぎかと思います。 ですから、今の源田調査団長が辞意を表明しているというようなこともありません。信念をもって源田調査団長は報告しております。また、信念をもって、今の仕事に携わっております。そういう事実はございません。
○矢嶋三義君 この点についてもう一問。 それは、次に伺いたい点は、価格の問題ですが、これを掘り下げて承わりますと時間がかかりますから、一問だけ伺いたいと思うのですが、六月十五日、F104C国産予定価格として、あなた方は百七万四千ドルというのをきめたが、国会の追及もありましたので百十五万ドル以下、部品を入れて百三十八万ドル、一機約四億九千万円として、さらに、今後安くするように努力するということを発表されておりますが、F86Fの場合は、国産率は七〇%、このたびは国産率が四〇%と、がたっと下がっておる。国産率が下ったら、安くできないはずです。これは国産でなくて、日本の国内における組み立てですよ。日本は組み立て工場になると同じだ。これを国産率七〇%あるいは六五%というならば、国産ということができるでしょう。F86Fだと七〇%国産が、今度は四〇%に下がっております。このことは、お答え願いたい点ですよ。世論がやかましいので、五億以下に下げようというので非常に苦心されたのではないか。 従って、今後、あとで問題が進んでいくにあたって、後に、これは値段がはね上ってきて五億五、六千万円、将来は六億くらいになるのではなかろうかという懸念があります。 その点は、お答え願いたいのですが、源田さんは、設計変更をロッキーードに要求している。その設計変更費も、この中に入っているのですか。また、試験飛行費も入っているのか、あるいは技術援助について、向こうから技術者が来ますが、その技術援助の費用は百三十八万ドルの中に入っているのかどうか。別に装備品を官給するようなことはないのかどうか。飛行機はアメリカが、確かに百三十八万ドルは、三菱渡しかどうか。ナサールは、最初全天候性でない。それを、あとで開発するわけですが、これを全天候性に完全に開発する費用も入れて百三十八万ドルになっておるのかどうか。これを明確にしておかないと、スタートのときに百三十八万ドルということで、あとで遊んで、二千、三千と価格を上げられていったのでは、これは大へんで、そういう可能性が、相当強いと私は考えますので、その点にピンとを合わせて、明確にお答え願いたい。
○国務大臣(赤城宗徳君) 価格の点ですが、今のお話のように、これは価格の最終決定ではございません。再々申し上げておりますように、近くアメリカ政府から人が来るわけでございますが、そこで費用分担の協議をいたしますが、その協議と並行いたしまして、この価格につきましても、百十五万ドル以下に、なお両方で、できるだけ引き下げていたきい、こういうことであります。 でありますから、この百十五万ドル以下というのは、そういう前提としての、交渉の前提としての価格でございますが、その価格が決定し、費用分担が決定いたしましてから、それから予算の要求をいたしまして、予算ができましてから、正式に契約をする、こういうことが、当然の筋でございます。 そこで、その百十五万ドル以下という価格、それが将来上がる可能性があるではないか、こういう第一の御質問でございましたが、これはありません。これが下がる可能性は相当ありますが、上がる可能性はございません。内容につきまして、いろいろな部品あるいは国産率等のお話がありましたが、国産率四一%というのは、機体とある程度の部品でございます。そういうようなことで基礎計算をいたしたわけでございます。ナサール等の費用等は、これはもちろん含んでおります。その他こまかい点は、事務当局から申し上げる機会があると思いますが、結論といたしまして、上がる、また上げる、こういう意図も持っておりませんし、上げることもない、こういうことでございます。 それから、最終的には、どういうふうな形で、日本の自行隊の装備をするのかということになりますが、これは最終的には、新三菱で組み立てを終わりまして、それが自衛隊に納入される、こういうことに相なる予定でございます。
○矢嶋三義君 最後に、約束時間が延びると恐縮ですから、いろいろ伺いたい点がありますけれども、これで終わりますが、総理に最後に承りたいのですが、もう私は、いろいろ申しませんが、この問題だけは、日本のためにも、あなたのためにも、日米交渉を始めようとしておるが、私は、再検討されたがよろしいと思うのですが、そういうお気持には、どうしてもなられませんかどうか、どうしても来年度の予算に一応計上されようとするのか、それを最後に承って私の質問を終わります。
○国務大臣(岸信介君) 私はロッキードが決定された今日までの、ずっといきさつを考えてみまして、私はこれに決定したことは、先ほど来申し上げた通り、私の良心にかんがみてみても、これがよかったという考えであります。従って、いろいろな準備さえつけば、来年からの予算に、これを入れていくという従来の考えを変える意思は持っておりません。
○委員長(上原正吉君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(上原正吉君) 速記を起こして。
○小柳勇君 私は総理に綱紀粛正の問題——常に総理は言っておられますが、それに関連して、公務員並びに準公務員の行政処分の問題を第一に質問していきたいと思います。今年度の決算報告によって、不正不当事項として検査官から指摘されたものは五百一件あります。金額にして十五億円です。このような莫大な不正不当事項に対して、岸総理大臣は、一体どのようにみずからの責任を感じておられるか。昨年十二月二十二日のこの決算委員会で、総理は、各省庁におきましては、できるだけ責任の所在を明らかにして、責任の地位にある者については、機会あるごとに自粛を要望しておりますと言っておられます。 このような一年度の決算の最終的な責任は、一体、だれにあるとお考えですか、まずそのことからお聞きしていきたいと思います。
○国務大臣(岸信介君) もちろん、大きな意味において、政治全体における最後の責任は私が負うていることは、これは、もちろんでございます。 しかし、言うまでもなく、行政事務は、きわめて複雑であり、また広範でございますから、それぞれの内容の問題については、それぞれの省庁が責任を持ち、また省庁内におきましても、それぞれの仕事におきましては、責任の所在を明確にして、その責任者が負っていく、全体としての最後の責任は、政治の責任として総理大臣が負わなければならぬものである、かように考えております。
○小柳勇君 最後の責任は、総理大臣みずから負うということをおっしゃいましたが、会計検査官に質問いたしますが、この今年度の不当並びに不正事件の件数千百五十件、そういうものに対する金額十五億円、そういうもので、主としてどういう者が、行政的な処分を受けておるか、検査官にお聞きしていきたいと思います。
○会計検査院長(山田義見君) 金額が一番多いのは工事、補助工事等でありますが、これは返還を要するものは、それぞれその省庁において返還を求めております。その報告を受けておりますし、またその後の是正につきましては、検査もいたしております。 それから不正行為につきましては、その処分、これまた政府の責任に属するところでありますが、最近は、われわれが妥当と思われるような方向に進んでいると思います。大体において、相当の処分が行なわれております。
○小柳勇君 この処分の実態については、すでに表によって、ここに専門員室から出ておりまするが、これを見ていただいたらいいように、部分的に見ますというと、ほとんど局部長なんというこの責任者の方は、処分されておらない。下部末端の職員が、主として処分されておるのでありまするが、処分の基準——その総理の言われる、責任の所在を明らかにするという、その事件に対する責任、その所在を、一体どういうふうに岸総理はお考えであるか、そのことをお聞きしたいと思う。
○国務大臣(岸信介君) これは具体的に申しますというと、この各省、各庁において、それぞれ事務処理に関する規定等を設けまして、これで、この仕事についての責任者はだれであり、またこの任命権を、その長が持っておりますから、それぞれ任命する場合において、その責任の仕事というものをはっきりして、そうして仕事をさせておると思います。従って、その仕事の実際の処理にあたって、もしも不正不当なことがあれば、その責任者が処罰されるということであると思います。 ただ問題は、部課の部課長等が、直接、自分がその事務を処理する責任を今の個々の公務員に命じておいて、それがもし間違った場合において、その任命したとか、あるいはそういうことを一般的に監督するところの意味における責任がどうであるかというような問題は、これは、またおのずから別の問題でございまして、もちろんそれを任命し、それを監督するのでありますから、そういうことを任命し、監督した者の任命なり監督なりにおいて手落ちがあれば、当然責任を負っていかなければならない、かように考えております。
○小柳勇君 三十二年度のこの処分を一表にして見まして、各省庁をずっと比較してみますというと、各省庁で同じような事件——不正不当の事件に対して、各省庁でまちまちに行政処分をやっている。従って、その行政処分というものは、一体何のためにやっているのか。総理が言われるような、この責任所在を明らかにするとか、あるいは信賞必罰を明らかにしていくというようなことになっておらないで、各省庁の慣例など、まちまちなものによって処分されている。従って、ひどい処分を受けた者は、不満があるであろうし、軽い処分というようなものについては、今言われたように、責任の所在を、ちっとも感じないような者が現われておるわけです。 そういうものについて、これは年々決算委員会では問題になるのであるが、将来はっきり基準を立てて、各省庁の、そういう処分については、同じような事件については、同じような処分をやるという体系を立てなければ、信賞必罰とか、あるいは責任所作を明らかにするという岸総理の言う方針にもとると思うが、そういうものについて、今後どのようになされようとするのか、総理の見解を聞きたいと思います。
○国務大臣(岸信介君) 行政監査や、あるいはこれに基づくところの処分、行政処分等について、各省の間に取り扱いの従来の慣例なり、実際やっていることの間に、アンバランスがあるというこの大際にかんがみまして、そういうことを、なるべく各省とも歩調を合わしていく必要があると、かように考えまして、実は行政監査の点においては、連絡協議会を行政管理庁内に設けまして、相当な回数会合して、そうして各庁の同のアンバランスがないように、実は努力をいたしております。しかして、今お話のこの不正不当なことがあった場合における行政処分の問題についても、小柳委員のお話のように、各庁の従来の、それはいろいろな慣行もございましょう、また、従来のしきたりというものもございましょうけれども、やはり公務員全体の綱紀粛正、またそれぞれの奉仕者として、十分に、その義務を尽くすという点から見ますというと、これはやはり、同じ一つの基準で、そういう何か不当なことがあったり、間違ったことがあったときには処分されていくということが望ましいことだと思います。 それに関して、在来の各庁の間の取り扱いに不均衡なことがあるというような事実につきましては、まだ私、どういう方法で、どうするということを申し上げるまで、まだ研究がいっておりませんが、十分検討して、統一のとれるように一ついたして参りたい、かように思います。
○小柳勇君 会計検査官から、この問題についての決意を聞いておきたいと思います。
○会計検査院長(山田義見君) 支出担当官でありますとか、出納管理、その賠償責任につきましては、会計検査院が直接検討いたしております。これにつきましては、各劣間に、不統一なり不権衝は存在いたしません。ただ、その監督責任でありますが、これは仰せの通り、われわれが見ましても、統一を欠くんではないか、不権衡じゃないかと思うことがないでもありません。だんだんそういうことは少なくはなっておりますが、まだ、結果的に見まして、そういううらみがあります。 ただしかし、考えなきゃならぬことは、各省の組織といいますか、命令系統といいますか、たとえて言いますれば、支出官というものがずっと上の人がなっておる場合、あるいは下の者がなっておる場合、そういう点から言いまして、責任が、同じ階級の者に必ずしもいかないような組織になっております。こういうものも、なるべく統一して、同じようなやり方になりまするように、われわれ政府当局にも要望いたしております。だんだんそうなってきておるのでありますから、今後は、御希望のような方向に進むだろうと思っております。
○小柳勇君 会計検査官、今まで過去にそういうことで、私が申し上げたように、当然これは、ほかの事件に比べて処分すべきであるという事件に対して、会計検査院から、その省庁に対して処分を要求された事例がありますか。
○会計検査院長(山田義見君) 処分を要求した例は私聞いておりません。ただ、そういうものに対しては、当然処分をすべきでありますから、相当の処分があるべきものであると期待しておりまするが、こうせよというような要求はいたしておりません。ただ処分をした結果は、報告を聞いております。そして、これに対してあまり軽いようなものは、口頭で、どうかということは申しておりますが、そういうものをもって、こうやれというような要求はいたしておりません。
○小柳勇君 法的に会計検査官は、そういう要請をする権限があるのですか、ないのですか。
○会計検査院長(山田義見君) 先ほど申しました通り、出納管理、支出官、そういうものの不正行為なり、あるいは責任に属するもの、それに対しましては、こうやれということを要求はできますけれども、それ以外、監督責任につきましては、これは政府部内でやるべきことでありまして、われわれの方から、かれこれ言うべきものではありません。それから、今までこちらが、そういう要求をしなければならぬというようなもので、要求しなかったというようなことはありません。ということは、そういう事例がないということであります。
○小柳勇君 会計検査院法の三十一条、それから会計検査院懲戒処分要求及び検定規則の一条及び二条あるいは三条、会計検査官は御存じの上、御答弁だと思いまするが、ここ数年、私はずっと、こう表をまとめておりまするが、非常に不公平です。さっき矢嶋委員が言われた、たとえばイタリヤのスタッキーニ社の問題にいたしましても、防衛庁の問題で二千二百万円の国損を与えておる。すでにもう、これは決算のこの報告書に出ております。それを見ながら、会計検査院としては防衛庁に対して、これを要請をしたのかせぬのか。その事実から聞いていきましょう。
○会計検査院長(山田義見君) 御指摘の件につきましては、各省庁におきまして、ただいまの例におきましては、防衛庁におきまして、処分済みでありますからして、これに対して、さらに処分の要求はいたしておりません。ただ、先ほど御指摘になりましたように、各省によりまして、その程度と申しますか、権衡と申しますか、それは、必ずしも当を得ていない場合がないとは言えません。しかし、そういう場合におきましては、先ほども申しました通り、口頭で注意を与えた例はありまするけれども、すでに処分が済んだあとに、この処分は不当であるから、これをどうせよというようなことは申しておりません。
○小柳勇君 今の、処分をしたと言われるが、どのような処分をしたか、お聞かせ願います。
○会計検査院長(山田義見君) 検査報告で、不当として報告いたしましたものに対しましては、処分すべきものであって、各省庁で処分していないものはございません。
○小柳勇君 前からの約束の時局もありますので、時間を急いでおるので、私は非常に結論だけで質問しておるので、もうわからなければわからぬで、それは勉強していないことの証明ですから、わからなければわからぬで、またあしたもありますから、あしたやりますから、きょうは総理が急いでおられるので、私は、はしょって質問しているわけです。従って、その問題については、あらためて質問いたしまするが、今の私の調べでは、今の問題は処分してありません。そのように、各省庁同じような例が、たくさんあげておりまするが、同じようなもので、たとえば国鉄などは、非常にきびしく処分しておる、あるいは同じ農林省の中で、林野庁はきびしくやるし、食糧庁は、同じような事件でやっておらないという事例がたくさんあるわけです。従って、さっき総理の言われるように、これは会計検査官にもお願いしておきたいのでありまするが、各省庁、非常に不満がある。そういうことで責任の所在を明らかにするとか、信賞必罰を明らかにすると言っても、これは、口頭禅になりまするので、何か一つの大きな方針なり、基準をきめて、あるいは法をきめて、それによって全体的なものを見なきゃならぬと考えるわけです。その関係は、あとで質問いたしまするが、人事院総裁、おられますか。
○委員長(上原正吉君) 来ております。
○小柳勇君 人事院総裁に質問いたしまするが、昭和三十二年度の公務員の懲戒処分の概況、簡単でいいから、数字的に説明願いたいと思います。
○説明員(矢倉一郎君) 出納関係の処分状況につきましては、三十年以降の数字が明瞭になっておりまして、それまでは、実は懲戒処分の説明書が、行政簡素化の線に沿って取っておりませんので、その後の状況を申しますと、三十年に処分されましたのが、本人としては六百九十四名、三十一年が六百三十八名、三十二年が五百十二名、三十三年五百二十一名。これに対して、監督者として監督責任を問われたものが三十年に二百四十八名、三十一年が二百二十名、三十二年が百六十名、三十三年が百二十三名、これは、総計いたしますと、本人が二千三百六十五名、監督者としましては七百五十一名。以上でございます。
○小柳勇君 概況について言われましたが、私の方の数字を申し上げておきますると、同じ二十二年度のこの処分をとりましても、国損十五億を与えたこの行政処分に対して、労働運動に対する処分が莫大に多いわけです。で、これは公務員にいたしましても準公務員にいたしましても、たとえば例をとって申し上げますると、三十二年度における国鉄及び全逓の処分の概数を申し上げますると、国鉄が四万七千五百六十六名、全逓が二百八十八名、こういうことで、二十七年以降の数字をとってみますと、三十四年の三月までの計をとってみましたところが、国鉄の場合に七万七千二百九十四名、全逓が二万七千二百六十四名、このように労働運動に対する行政処分がなされております。公労法以外の処分です。このような処分に対して、いわゆる行政的な処分、いわゆる監督不十分あるいは不正不当事項に指摘されたような行政処分に対して、労働運動の処分は責任の所在どころか、一連託生というような思想で処分されておる。このような不当なる労働運動に対する処分に対して、岸総理大臣はどのようにお考えであるか、総理の見解を聞きたいと思います。
○国務大臣(岸信介君) これはおのずから性質が違う問題であると、私は、先ほど来御議論になっております経理上の責任とは違う問題であると思います。ただ問題は、私は、今小柳委員の御質問は、労働運動関係において行政処分を受けたものがこういうふうに非常に多い。それから経理関係において不当な、指摘された場合において処分されておる人間の数は、先ほど人事院の説明があったように少ない。その数だけでもって私は、これで労働運動を弾圧しておるのだとかどうだという議論をすることは、私は適当ではないのじゃないかと思います。やはり運輸大臣なりあるいは郵政大臣等がその所管の、労働組合もしくは組合に入っておって、公務員あるいはそういう公務員に準ずる立場を持っておる者が、行政上処分しなければならないような事態を犯して、その責任を明らかにする意味において行政処分がされたということでありまして、ただ単に数だけでもって両方の間に非常な何か不公平があり、一方は弾圧であり、一方はこれを見のがしておるというふうなことはなく、やはり各省の長がそれぞれ任命権者として、自分の監督下にあるところの公務員に対して、私はその点についてはそれぞれの法規なりその違反の事実というものを適正に考えて処分しておる、かように信じております。
○小柳勇君 たとえばさっき言いましたような国損二千二百万円、国に損害を与えておりましても処分をされておらない。大体の処分を見てみまして、厳重注意というのが大多数です。それほど行政処分というものは非常に慎重かつ重大に考えなければならぬと思うわけです。しかるに労働運動に対する処分はこの数万名、十万に及ぶ処分の実態をいろいろ見てみますと、その中には、自分の勤務時間以外に二十九分間職場の集会に行って、討論集会に参加したために戒告を受けるというような処分すらあるわけです。しかもその戒告というのは、この普通の行政処分から見ますと非常に重い処分なんです。しかも戒告処分というものはこれは一生経歴表に残ります。そうして昇給を延伸され、あるいは次の何々の恩典に浴する場合、それを剥奪されるというような二重、三重の処分をされる。そのように、事務上の不手際、監督不行届あるいは不正行為、そういうものに対する処分と、片や労働運動に対する処分というものは、非常に基準がないのですね。基準がない。またこれは事件が違うと総理は言われましたけれども、事項が違うどころか、基準がない。そのようなことで処分されておるが、そのことについてはまた問題がありまするが、端折って申しますると、そのような処分に対して、一生これを処分しておかれるつもりであるかどうか。いわゆる復権、これをいつの機会か取り消すとか、あるいはその権利を回復するというような御決意がないかどうか。これは労働運動だけではありません。一般の公務員、準公務員に対する行政処分を含めて復権する機会を作ろうとされないのかどうか、そのことについて総理の御決意を聞きたいと思います。
○国務大臣(岸信介君) 現在行政処分を受けた者に対する免除については、公務員等の懲戒免除に関する法律というものがございます。しかしこれはやはり大赦とか恩赦とかいうような復権の行なわれたような場合に、その振り合いでこれが懲戒処分を免除するというような趣旨でできておるように承知いたしております。一般的に行政処分を免除するというふうなことは、現在までそういう法制はございません。また今政府としてそういうものを考えておるか、将来考えておるかという点につきましては、今日までそういう考えを持っておりません。しかし一般の問題としてもちろん検討をすることは検討していかなければならぬと思いますが、今日のところではそういうことはまだ考えておりません。
○小柳勇君 それでは第二に、公務員及び準公務員の給与と処遇の問題について一、二質問いたしますが、私決算委員会として、各公社、公団などの給与を決算で見ていきました場合に、役員及び職員の給与、この一表のような表が出ておりまするが、このような表によって見てみました。この表によって見ますると、公団、公社の総裁の給与が二十万から二十五万。まあ総理大臣は、失礼でございますが、本俸と手当と加えまして十七万二千円、それから国務大臣が十二万七千六百円、政務次官が十万五千六百円、内閣官房長官が十一万六千四百円でありますが、それに対して公団、公社などの総裁、副総裁の給与は、一般の総裁が二十万、それから専売公社が二十三万、電信電話公社が二十四万、日本国有鉄道が二十五万、日本開発銀行が二十五万、日本輸出入銀行が二十五万というように、総裁の給与というものが国務大臣の給与よりも上回っておりまするが、まあいろいろ民間との比較などといわれるが、公務員に準ずるこのような給与について、総理は一体どういう御見解であるか、お聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(岸信介君) 公団等の総裁の給与は、これは確かに今おあげになりましたように、国務大臣と比較してみてこれは多いというのが現実でございます。しかし公団の総裁として、これがはたして非常に高額過ぎるかどうかという問題につきましては、これは仕事の性質上、もちろん公務員に準ずる立場でございますが、同時にその仕事が同様な、もしくは同種の似通ったような仕事がやはり民間にございますし、またそれの任用につきましても、やはり民間における経験であるとか、従来の知識、経験、その他のものをやはり尊重してこれを任命していく必要がございます関係上、一般の民間との比率といいますか、権衡というものを他の一般の公務員よりもより強く見なければ、これの実際任命もむずかしいし、その実際の仕事を十分に効果を上げていくことも、私むずかしかろうと思います。そういう意味において、今日のような額がきまつておるのでありますが、これを客観的に見て、それじゃ非常に高過ぎるものであるかというと、私は高過ぎるものだとは実は思っておりません。その意味かう言うと、これはいろいろな関係がありますから、私は高級の公務員やあるいは国務大臣等の俸給がはたして適当であるかどうかということにつきましては、おのずから別の見解を持っておりますが、公団の総裁としては私は客観的に高過ぎるとは実は思っておりません。
○小柳勇君 公営企業金融公庫の例をとって話しますと、総裁の給与が二十万円、それから役職員数が三十二名、職員一人当たり平均にいたしますると、二万三千五百三十二円でございますね。総裁の給与に比べまして職員の給与というものがあまりにも安くないかと思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(岸信介君) ちょっと具体的の——今おあげになりましたのは公庫でございますか。
○小柳勇君 ええ、公営企業金融公庫です。役職員数三十二名でございますね。
○国務大臣(岸信介君) その内容を私よく承知しておりませんが、数字だけの上からいうと適当な均衡を得ているものだと思いません。しかし、ちょっと内容自体を考えてみて、職員のこの平均とおっしゃいましたが、その職員の内容等も一応当たってみないといけないと思いますが、確かにその数字からだけでは均衡を失しておるかと思います。
○小柳勇君 それは私が言わんとするところは次にあるわけですが、国家公務員の国家行政各省庁の平均を見ますと、これよりもっと低いわけです。総理は御存じないと思いますから、数字をここで読みますけれども、一万六千三百四十五円です。国家の公務員が、あなたが信頼されておるこの国家公務員がその給与の平均が一万六千三百四十五円です。この給与について総理は一体どうお考えですか。
○国務大臣(岸信介君) 国家公務員の給与につきましては、私は、人事院の勧告を政府としては尊重してやっていく、人事院においていろいろな社会情勢や他のいろいろな面を広く検討されまして、国家公務員の本質等も考えられて適当な勧告が行なわれ、それを政府が尊重して実施する、こういう建前でいきたいと思います。
○小柳勇君 人事院総裁に質問いたしますが、人事院総裁、今総理大臣は、国家公務員の給与について低いのでというような意向の発言がございましたが、人事院総裁は、公務員の給与についてどうお考えであるかという点と、もう一つは、この夏季手当〇・一の勧告を出されましたが、残念ながらすでにこれはもう夏季手当支給後でありました。これは非常に公務員の側からいきますと卑怯なやり方ではないかと私思いますが、ずっとデータを見て、〇・一夏季手当を出さなければならぬと考えられて勧告を出されたのではないかと思いますが、出されたときには夏季手当の支給はすでに済んでおった。従って政府機関はいいことにしまして、大蔵大臣は、これは来年の夏まで支給しないといって先日も答弁いたしておるようでございまするが、人事院総裁、この公務員の給与の問題と、その○・一の夏季手当勧告されたものを今なお支給されておらぬということについてどうお考えであるか、御発言願いたいと思います。
○政府委員(淺井清君) お答えを申し上げます。公務員の給与は私は決して高くないと思っております。そこで人事院は適当なる機会に勧告をいたし、なるべくすみやかにこれを実現することを国会及び政府にお願いしておることは御承知の通りでございます。夏季手当云々のお話でございましたが、これは一年分のそのような手当をまとめまして、民間と公務員とを比較いたしまして、○・一増額する方がいいという勧告になっておるのでございまするが、その○・一を夏季に回すか年末に回すか、これは人事院の判断すべき事項だと思いまするが、従来夏季手当が少なかったものでありまするから、そこで夏季手当ということにしたわけでございます。それはもはや夏季手当支給したあとじゃないかと仰せられるのでございまするけれども、人事院といたしましては、事実は来年春になりましたけれども、夏季手当の増額をわれわれは要求しておるわけでございます。ただ問題といたしましては、人事院の勧告のデータは三月末でやつておるわけであります。ところが実際の取り扱いがこれは非常におくれている。それははなはだ遺憾である。これは過日の参議院の本会議でも御答弁申し上げた通りでございます。
○小柳勇君 人事院総裁がそういうことでありまするから人事院無用論など言われるわけです。もう少しやはり、そういう争議権を取って、組合すら結成させないような空気の中で、人事院ができておりまするから、総裁は公務員全体の立場を擁護する立場で政府に強く勧告なり、働きかけられることを要請いたしておきたいと思いますが、総理大臣、この公団、公社の総裁という人がたくさんおられるわけです。これは去年の総括質問でも問題になりましたが、国の予算をそのまま持っていきまして、それで貸したりする仕事、それは普通の——開発銀行などは若干意味が違います。あるいは国鉄なども違いましょうが、ただこの国の予算を持っていって地方自治体に貸すような、そういうようなことでも、総裁という名前のために——総裁という名前をやめたらどうかという御意見がありました。岸総理大臣は一体これについてどのような御見解か、お聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(岸信介君) これは名称を、長を総裁と呼ぶか、あるいは理事長その他の名前で呼ぶかという問題でございますが、従来の扱いの、何といいますか、標準と申しましても、資本金が幾ら以上はどうだとかということでもなかろうと思います。また、そういうことできめられない仕事の性質もございましょうが、ただそういう公団、公共的なものであれ、政府の金を持っていったならば、どれもこれも総裁にするというような、そういうような名称を用いるということは、これは適当でなかろう。やはり仕事の性質上から考えていくことが適当じゃなかろうか。まあ何も総裁と言ったって非常にえらくなったわけでもございませんけれども、世間ではおのずから一種の何があり、従ってそういう名前をなるべく用いたいというような気持もあろうかと思いますけれども、やはり仕事の性質で考えていくことが適当じゃないかと思っております。
○小柳勇君 あと二間総理大臣に質問いたしますが、一つは、きっき大蔵大臣に質問いたしました国鉄新線の建設に対する建設審議会からの建議、これは総理大臣あてにも建議が出ておりまするが、明日総理は出席ないようでもりまするから、第一にはあの十一路線を建設着工せよという建議です。これはこれが竣工した暁には年間四十億から五十億の赤字が出ることが予想せられる。これは明らかであります。そういたしますと、国鉄は独立採算制でやっておりまするので、当然第二項の建議のように国が全額出資をするか、あるいは利子補給をしなければやっていけない。そのことがひいては職員の待遇の問題なり運賃値上げの問題になって大衆にはね返って参りますが、政府として、総理大臣として、あの建設審議会の建議についてどうお考えですか、聞いておきたいと思います。
○国務大臣(岸信介君) 実は私もかつてこの審議会の会長をしておりまして、新線建設の問題といろいろとここで審議した経験を持っております。その際に、この大部分の新設鮮というものが赤字であり、これがなかなか引き合うものじゃない。長い将来は別として、当分は少なくとも赤字である。そのために国鉄の経営内容からいうと、実は新線を建設するということはますます負担が過重するものだ、これを普通の資金でもって作れということは少し無理じゃないか、やはり国家が公共上そういう新線の建設ということが国土の開発の上からいい、一般的の公共の利益からいって必要であるという点で、そのことが国鉄経営上有利であるか、有利でないかということは別に、非常に離れた高い見地からそういう新線を作らせるとするならば、少なくとも国家において何とかこれを政府において考えていかなければ、国鉄の経営というものはますます悪化するじゃないかという事情につきましても、私も当時相当にこの審議会の会長として直面した問題であります。おそらく審議会の会長の石井君も同様な考え方、立場において一般の審議を取りまとめて建議したものと思います。しかしてこの審議会の権威から申しましても、政府がこれを尊重していかなければならないことは言うを持ちません。ただ問題は、その場合において国家の財政全体の問題というものを無視しても、こういう建議があればこれを何でもかんでもその通りに認めるということ、これまたなかなか政府としては財政の全体の見地からむずかしい点があると思います。しかし事情は私はよく承知をいたしておりますし、また形式的にいっても、こういう審議会が正式に議決して政府に建議したことは尊重しなければならぬという趣旨も十分私は強く認めなければならぬと思います。そういう意味におきまして、予算編成の場合においてこの趣旨をどこまで取り入れることができるか、なるべく取り入れて実現していくように努力をしていかなければならぬと思います。しかしこう建議されたから、これを尊重してその通り予算編成のときにしなければ、政府ははなはだけしからぬことだと一がいに論断することもできない。少なくとも誠意を持ってその趣旨を実現するように努力すべきものである、かように考えております。
○小柳勇君 この検査報告の百七五ページに総理公邸の借料が入っておりますが、会計検査官として不当としてあげてありませんが、費目流用で七十七万五千円の費目が入っております。われわれとしてはこのような金の使い方はできないものと理解しておりまするが、検査官の方でこれを不当としてあげてないが、どういう見解であるか聞いておきたいと思います。
○会計検査院長(山田義見君) ちょっを私記憶にありませんから、係官から申し上げます。
○小柳勇君 検査官の答弁は明日いただきます。 総則からお聞きしておきたいのは、鳩山総理がマージャン、ゴルフなどを廃止すると同時に公邸自体を廃止されました。岸総理大臣は官邸もございますし、南平台に私邸もお持ちだと聞いておりまするが、個人として私は総理の身辺に関することをお聞きしとうございませんが、公邸をさらにお持ちになったのは、みずからお使いであるのか、あるいは自民党などが使うために借り上げになっておられるのか。実は東京都内でもたくさん家の足りない者かおりますし、全体的か大衆の生活を考えますると、一軒でもそういうものは足りない者に回すべきだという私どもの立場から、総理が自分でお使いになっておるのか、何のために費目流用までして無理してこういうふうな総理公邸という名で家をお借りになっておるのか、総理から聞いておきたいと思います。
○国務大臣(岸信介君) 実は御承知の通り、私、南平台に私邸を持っております。ところが私邸はきわめて手狭でございまして、とうていいろいろな人々に会ったり、あるいはたまには外国の使臣等を何か簡単に招くこともできないようなうちでございます。官邸は御承知の通りこれはございます。ございますが、今の官邸というものがこの利用の道といたしましては、公のオフィスとしては適当でございます。私は純粋に公のなには官邸を使うことにいたしておりますが、しかし今申しましたような決して単純な使用ということではございません。また非常なオフィシャルな公式のものでなしに、やはり総理としていろいろな人に会ったりする必要上、私の本来の私邸がもう少しりっぱなものであり、もう少し広くあるならば使ってもいいのでありますけれども、そういうことができないものですから使っております。公邸を持ったわけであります。純粋に私が公邸として使用いたしております。
○小柳勇君 坂後の質問は、初めの綱紀粛正の問題に関連します。私が会計検査官にきびしく質問いたしましたのは、先般の知事選挙でかって会計検査官であった方が県知事に立候補して当選され、現在知事になっておられます。会計検査院というものは政府機関から独立をして、政府の予算の使用を厳正中立にこれを検査するのが任務だと思います。しかるに会計検査官をやっておって、すぐ次に自民党の推薦並びに公認として衆議院なりあるいは知事に立っている。このようなことでは、政府の予算使用について厳正なる検査なりあるいは批判はできないのではないか、従ってそういうところに会計検査院の弱さが出る。私は冒頭に質問いたしましたように、各省について行政処分をやるべきだと思っても要請もできないあるいは無理だと思っても、これを調整をすることができないという弱さが出てくるのではないか。従ってさっき矢嶋委員が質問されたことに関連して、このような高級官吏が次には与党の議員あるいは与党の知事として立候補するようなものについて、再度総理大臣の御見解を聞いておきたいのであります。
○国務大臣(岸信介君) 高級の官吏がやめて、すぐいろいろな候補に立っていくということは、これは民主主義の国からいいまして、各人の自由から申しますと、またそれが適当であるかどうかということは、主権者である国民が判定するのだというような議論から申しますと、制限するということがどうだという議論が一方において起こると思います。しかし、いろいろな弊害や、また疑惑が伴うことも事実であります。特に公務の執行と選挙の事前運動とが混同されるような事実も、現実に私どもも遺憾ながら目撃している例もございます。従ってこれらについてはある程度の規制をすることは、どうもこれはやむを得ないじゃないかと考えます。またそうすることが、現在の、少なくともこの弊害が相当にあると考えておられる国民のこの意思を尊重する意味からいって、そうしなければならぬじゃないか、かように実は考えております。ただこれはどこの役所がどうだとか、こういうまた区別をすることも非常にむずかしいことと思います。どちらかというと、私はむしろ現実に弊害なり、またいろいろな風評なりを生んでいるのは、もう少し、国民に直接して、そして利益を与え、利益を与えているような役所の役人の方が実際は問題があって、会計検査官の場合には、そういう世間で考えているような私は弊害は、過去においても、また将来においてもあるとは思いませんけれども、しかし、そうだから、会計検査官は別に考えるというわけにはいくべきものじゃないと思います。十分一つ現に弊害があり、また弊害も強く言われているわけでありますから、高級官吏の立候補につきまして、ある種の制限を設けることは、これは現在の事情としてやむを得ないことであり、またそうする必要があるというのが私の考えでございます。
○委員長(上原正吉君) 速記をとめて。 [速記中止〕
○委員長(上原正吉君) 速記を始めて。
○会計検査院長(山田義見君) 私に対する質問ではございませんけれども、具体的に名前があがりましたから、一つ申し述べておきます。元事務総長である池田君が佐賀県知事に推薦され、自民党の公認を受けて知事に当選いたしたことはもうその通りであります。同氏は初めからそういう意図は全然ありませんでした。従って事前運動というようなものは全然ございません。そればかりでなく、相当勧誘を受けましても辞退いたしておりまして、いよいよ承諾を与えましたのが二月ごろで、むしろおそきに失するといわれて、渋々立ち上がったような次第であります。従って、同氏につきましては今言ったような妙なことは全然ございません。それからまた、そういうことがたびたびあるために、検査院が手心を加えるのじゃないか、そのために検査が弱くなっているのじゃないかと、そういうことは絶対ないと思います。少しお考え過ぎであろうと思います。
○奥むめお君 時間がおそくなりましたが、今は非常に国会内も与野党がしのぎを削って争っているし、また予算編成で各省とも政治家もまた血眼になって競争している。そのうしろのひももまた血眼になって競争していると思う時期で、今ここで食糧とか栄養とか質問すれば、何かひまな話を言うようでございますけれども、私は国民の健康、国民の栄養が——生活の安定がなくて防衛が何だと言いたいんです。また増産奨励といいましても、道路といいましても、その第一のことが今の政治に一番欠けでいると思うから、どうしても質問しておきたいと思うのでございます。それを大ざっぱに申しますと、食管会計の赤字、これは大へんなものでございます。これを消費者にかぶせるか、生産者価格を下げるか、どっちもできないことでございましょうが、大へんたくさん今度は農協がお米を全部売って、やみを出さないのだ、こういう運動を進めております。そうすると、政府はおそらくたくさん買わなければいけないんでしょう。売るだけみんな買う方針というんですから、買わなければならない。そうするといよいよ赤字がふえる。ことしの正月にもち米を三キロ、そのワク内からもう一キロ、四キロを出そう、もち米十日分配給する。政府は五万トンも去年手持ちしているんです。ことしまた五万トンの手持ちをしていくとしたら十万トンの手持ちになる。余って因るもち米を今正月を迎えて十日分も配給される。これでは国民としては実際がまんのほぞが切れたというわけなんでございますね。私はここで総理に伺いたいのは、これは農林大臣に聞けばまた別のことをおっしゃるし、大蔵大臣に聞けはまた別のことをおっしゃる。国の方針として、一体食糧管理制度というものをこのままでまた来年度の予算をお立てになるつもりかどうか。私から言いますと、配給の四割は辞退されている。それから農家の方では早場米を出せばよけいに高く買ってくれるから、もも米を出せば高くなるからというので、どんどん消費者のほしくないものが——どんどんもっといい質のものがほしいという食生活の変わってきた今日、消費者がきらっておるところの悪い早場米、またはおいしくないもも米、こういうようなものがどんどん政府の買い上げになっておるわけなんですね。ですから私は食糧というものは、ここまで国民生活が変わったら、消費者の要望にこたえる生産政策あるいは融通の方もお考えになるべきじゃないかと、こう思いますので、まず総理に御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(岸信介君) 食糧問題、特に米食に非常な偏重されておる日本の従来の食糧政策というものにつきましては、これはいろいろなむずかしい問題が私はそれにあると思います。一方は、日本の農村がやはり米作というものが主で、ほとんどそれに大部分が集中して、米価いかんということが農家経営の実情を支配するようになっておる。また国民も、一般消費の面におきましても、最近においてややパン食であるとか粉食の何もふえていっておりますけれども、やはり何といっても国民の主要食糧が米食であるというために、この食糧政策というものは、やはり中心として米をどうするかという問題になってくることは、これは当然だろうと思うのです。従って一方から申しますというと、日本の農村というものも、農家の経営というものも御承知の通り、必ずしもこれが一般の産業経済の発展に伴って十分に所得がふえており、また安定しておるということも言えない状況でございますかう、この面も考えなければならぬ。そうしてまた、これが国民の主要食糧であるという点において、今のお話しの栄養の点もありましょうが、また消費者の生活内容として、その米価がどういうふうにあるかということが非常に重大な問題でございます。これは両面を見て考えなければならぬことは言うを持ちません。また、農家経営としても、米作にほとんど片寄った経営をやっていくことが、自分の将来の農家経営としてはたして有利であり、またそれを持続しなければならぬことであるかどうかということも、これは大いに検討しなければならぬ時期にきておると思います。従来このいわゆる食糧のああした供出制度並びに配給制度というものは、戦時中の一っの特殊の政策であって、今日ようになってきて、特に豊作が続いてきた今日においては、むしろこれをやめろという議論もあったのであります。まだ今日においてもあると思いますが、しかしながう、同時に少なくとも、なるほど配給を断わる分もありますけれども、一月全部じゃないけれども、できるだけ一月全部配給して、主要食糧だけはとにかく一定の安定した価格で国民に入るんだということをすべきじゃないか。また農村経営から申しましても、ある種の農作物についてはずいぶん豊作凶年といわれるような、豊作であったために価格が非常に下落して、かえって農家経営が困っておる。しかしながら、米はとにかく価格が安定しており、増産さえすれば農家経営がよくなるというような点から、比較的農家経営の上から申しましても、かつて供出ということに非常に反対しておった農村が、むしろこの食糧管理制度を持続しろというようなほとんど世論になっておるというふうな情勢でございまして、なかなか私どもこの問題は大きな問題として、ことに現実の問題としては、食管特別会計の赤字の問題が財政上相当な一つのガンになっております。こういう問題もございますけれども、根本の食糧問題はどうするか。また食糧問題について生産者の側と消費者の側との要望をどういうふうに結びつけていくかという、この根本の問題を再検討すべき私は時期だと思います。 一方からいうと、農村の問題がちょうど曲がりかどにきているというのでやると同時に、食糧問題自体として従って食糧管理制度というものそのものについてやはり再検討しなければならぬ時代にきておると思う。ただ、それならその検討した結論をこういう方向に持っていくんだということを申し上げるまで、実は私自身としてもまだ結論を得ておりませんが、しかし今言ったような意味において検討し、消費者の要望というものも十分一つ頭に置いて、生産と両面を考えてこの問題の一つの行くべき道を作り上げていく、こういふうに考えております。
○奥むめお君 今やみがあるということは、生産者も今の政府のきめられた米価に対して反対である、困る。消費者も政府のきめた価格に対して困っている。だからやみが減らなくて、お互いに困っておるだろうと思う。で、農民も米を主生産としてやっておることは、これは事実でございますけれども、総理府の統計で見ましても、実際農業以外の人は一月の収入が一万五千円より少ないのはない、平均をとって見ておりますのが。ところが農民は六千六百七十五円となっている。今の農家経済というものはほかから勤労収入、つまり専業農家でなくいかなければ経営が立たない。私は何としても、国民の半数を占める農業のあり方というものを立つようにする政策をほんとうに考えていただきたいと思う。同時に今度は、今の政府は、米だけじゃございませんけれども、生産、製造、こういう方面のことには、通産省でも農林省でも厚生省でも、そのほかの役所でも、みなそういう面の指導であり、増産であり、あるいは流通である、そういう方面の仕事をしておる。だけれども、今の行政機構で欠けているのは消費の面、生産と消費を結びつけるこの一番肝心の仕事が私は欠けていると思うのであります。こういう面を今の政府の力で、私は新保守党のリーダーとしての総理の力で、この際消費と生産をほんとうになめらかに流通のなるような行政機構の確立をお立てになる、こういう問題で御意見が聞きたいのです。読んだものによりますと、アメリカでは副大統領が主宰する政府の仕事で、物価や、あるいは経費に影響を及ぼす問題を研究する調査会がある。これは私日本なんか特に必要だと思うのですね。日本はことに、決算なんか特に岸総理を初め皆さんがいろいろ疑惑の波にもまれていらっしゃいます。国民からいえば言えないけれども、何となしに不安を持って、ロッキード一台買うのでも不安を持って、ロッキードの二、三台なくたって国民が暮らしがよくなるならばよほど忠義をするぞ、国を愛するぞ、だれでもそう言っておる。この現実の社会情勢の中で、日本くらい行政あるいは政治が利権に結びついているところはないと思うのですが、この際に政府の中でほんとうに物価、あるいは政府のする仕事だけでも経費に及ぼす影響を調べる。先ほど淺井人事院総裁が御意見をおっしゃっておりましたけれども、私はいつもそう思うのです。人事院のように、これは給与の勧告をしていなさるが、物価や政府関係の経費の問題を詳細にデータを集めて、そして施策の面に反映するようなところがほんとうに必要だと思う。いかがでございますか、決算の問題というものは、私どもは決算は単に不正や不当なものを審議するだけじゃないのです。これを予算に反映しなければならない。国政の施策にこれを入れていって、そしてこれを改めさせたり、あるいは必要なことを行なわせるところまでいくのが、決算委員の任務だと私は思いますので、そういう点で、今の政治の一番欠けている点でぜひ総理に考えていただきたい、それを取り上げていただきたい、また御意見も聞きたいと思うのでございます。
○国務大臣(岸信介君) 従来の国の政策が、生死の増強、増産ということにどうも重点があって、消費の面が十分に考えられない。また消費と生産を結びつける点においてのいろいろ政府の考慮が足りないじゃないか、政治の考慮が足りないじゃないかというお話に対しましては、そのお考え自身には私も同感でございます。 実は一つの例を申しますというと、特にそれが非常に明際であると一つ考えられることは、従来の農業政策の部門において農林省の主たるなには、いかにして増産するか、たとえば酪農にいたしましても、牛乳をよけい作るという、牛を飼わして作るということにはいろいろな技術的な研究もあり、そのあらゆる研究をして、さてそれができ上がったものが配給され、消費されていくという面はややおくれていると思う。従って、牛がたくさん飼われ、牛乳がたくさんできて、むしろ農家経営は非常に困ってしまうというような点が私はあったと思います。どうしても農業政策の面においても特に流通面なり消費の面を重視した、またそれと関連さした生産政策をとっていかなければならぬということはお説の通りであると思います。一般の問題としては、そういう調査機関とか、そういうことをどこで考えているのか、そういうことがないじゃないかというお話でございますが、実は経済企画庁は大体、それは奥委員のお話のような機能を十分に達していると私は申し上げるわけではございませんが、そういう意味において一般物価の動向であるとか経済の動向であるとか、あるいはいろいろな各種の政策の浸透の部面であるとか、いろいろなことを経済企画庁において企画すると同時に調査し、いろいろな意見を出しておることも、これは御承知の通りであります。将来の政治の要点としては、ことに先ほど申しました農村政策、農業政策というようなものについては、特にそういう点が従来十分に重視されておらなかったということを考えて、特に生産だけでなしに、流通、消費の面を合わせて考える。これを一般的のなにとしましても、ただ農業政策だけじゃなしに、他の諸政策についてもその点を考えていかなければならぬということは私全然同感であります。またずいぶん生産者の方の側におきましては団体その他の組織が相当できておる。消費者の側における意見というものは、どうも私が商工省の役人をしておるときからも、物価問題その他におきまして経験したことでございますけれども、どうも生産者の側のようにまとまった組織というものがないために、消費者の声であるとか消費者の要望というものがまとまって表示されるという機会が少なかったのでありますが、最近におきましてはいろいろな組織もだんだんできておるようでありますし、十分一つ考えていきたいと、こう思います。
○委員長(上原正吉君) ちょつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(上原正吉君) 速記をつけて。
○相澤重明君 さっきの会計検査院長の答弁は、私はちょっと了承できぬ。なぜかというと、昨年の決算委員会の席でイタリーのスタッキーニ会社の発注の問題について私から総理に質問をしたのです。総理はそのとき知らなかった、あなたはお答えになった。だけれども、これはこまかいことだからということで、僕もそれをよく調べて下さいと言ってやったのだけれども、二十二年度の決算報告の中には処分をしたなんということは出ていない、遺憾であったということなんです。小柳委員の質問に対しては、こういうことを言ったということは、私はあとで、これはあしたやりますから、その処分はどういう処分をしたか明らかにしてもらいたい。三十二年度決算の中でどういうことをしたか明らかにしてもらいたい。独断で会計検査院長が決算報告にないことを言われるということは、私は了解できない。ただし、三十三年なり三十四年になってやったというなら、これはまたわかりますから、その点は幾らか私も幅を持たしておきますから。 それから総理大臣に、きのう関係各省の中で、今月の十一日の京浜第二国道でのトラックの衝突による爆発事故についての打ち合わせをされていると思う。あす私は関係大臣にそれはやりますが、総理大臣は、国民の健康にして明るい生活を求めることができる憲法に従って、これらの被害者に対して、国家的な見地からあなたはどういうふうに考えるか、それだけ一つお答え願っておきたい。あとはありません。もう理事の方の言う通りであります。それだけお答えいただきましょう。
○国務大臣(岸信介君) 最近爆発事件、特に京浜国道における火薬を輸送中のトラックの衝突によって、あたりに非常な損害を与えた事実は、実に私どもも被官者に気の毒であると同時に、将来こういうことをなくするために、一体火薬の輸送というようなものを今までのような扱い方でいいかどうか検討さしております。 今、相澤委員の御質問である国家補償の問題でございますが、この種のいろいろな災害なりあるいは不慮のことに対して、実は国家がすぐそれに補償するかどうかということは、なかなか大きい問題でありまして、この事件だけの何として処理するわけにもいきませんから、十分検討しなければなりませんけれども、なかなか国家で補償するということはむづかしいのではないか、かように思っております。
○委員長(上原正吉君) ほかに御質疑がなければ、本日の総括質疑はこの程度にとどめます。次回は十二月十八日、午前十時から昭和三十二年度決算の総括質疑を続行いたします。 本日はこれで散会いたします。 午後一時十二分散会