決算委員会 第11号
- 発言数
- 72 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/11/27
会議録
○委員長(上原正吉君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件について、お諮りいたします。 昭和三十二年度決算を審査するため、国民金融公庫その他の政府関係機関等の責任者を参考人として出席を求めることにいたしたいと思います。 人選その他の手続は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 [「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上原正吉君) 異議ないと認めまして、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(上原正吉君) 昭和三十二年度一般会計歳入歳出決算、昭和三十二年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十二年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十二年度政府関係機関決算書、昭和三十二年度国有財産増減及び現在額総計算書、昭和三十二年度国有財産無償貸付状況総計算書、昭和三十二年度物品増減及び現在額総計算書を議題といたします。 本日は、農林省の部の審議を続行します。 本件に関し御出席の方は、林野庁長官山崎齊君、清野農林省農地局建設部長、藤波農林大臣官房経理厚生課長、高橋水産庁次長、家治食糧庁経理部長、庄野農林省農地局管理部長、村田食糧庁業務第二部長、会計検査院からは宇ノ沢第四局長の諸君であります。御質疑のある方は順次御発言を願います。
○武内五郎君 昨日農林大臣から、農地改革の成果保持に関して、あくまで農地改革の成果は保持するという意思表示があったのでありますが、今日依然としてまだ、農地被買収地に対する補償運動が継続されておる。その農地価格に対する補償は、これをしないという表示があったのでありまするけれども、農地被買収者問題調査会の目的というのは、被買収者の社会的生活的な状態の調査をするのだという趣旨のようでありまするが、すでに農地改革が施行されてから十数年たって、それらの人々の生活も、一応その帰趨を決定されておると考えるのであります。ある者はかりに農地を失ったとしても、あるいは銀行に就職するとか、あるいは会社に就職する、官庁、学校の教師等に就職して、その方向は決定されている。 それ以外の、それらのものを除いた生活に困窮しておるものということは、すでに十数年たって、なお依然として救済を必要とするような状態であるとすれば、それは、私は農地に対する補償という方針をとらない、少なくともこれは社会保障的な別の意味において、社会保障制度の意味において救済しなければならぬ部類のものであると考えるのですが、そういう点について農林当局は、どういうように考えておるか、お伺いしたい。
○説明員(庄野五一郎君) きのう大臣からも御答弁がありましたように、この調査会においては、農地の価格補償をさらにやる、そういったことは、もうすでに最高裁の判決でも明確になっておる通り、そういう考えは毛頭ない、そういうものを前提とするものではないということを明確に御答弁になっております。 それで、この調査会においては戦後の二十年、二十一年、二十二年農地改革が行なわれましたが、その際に、農地を強制的に買収して解放したわけでございますが、そういう買収を受けました旧地主の方々が、その後のインフレーションの影響を受け、あるいは生活の基盤になっていた農地が全部買収された、そういうようなことで今日生活上、あるいは生業上いろいろ問題が起きているじゃないか、そういった問題が、どういうような形で今日起こっているだろうか、そういったような問題を調べて、もしそういう生活なり、あるいは生業上憂慮すべきような状態がありとすれば、その対策を、調査会においてよく調査してもらう、そういうような趣旨で、この調査会法案が出ている、こういうふうに承知いたしております。 それで、これまでも総理なりあるいは厚生大臣からも申されましたが、もし生活困窮の人があるとすれば、現状においても、いろいろな社会保障があるので、そういう点で、できるだけ救わなくちゃならぬ、さらに調査会でも、そういう状態に即応したようなことを調査していただいたらいいじゃないか、こういうように考えております。
○武内五郎君 それでは、強制買収をせられた元の地主の数は、どれくらいで、救済を要すると見込まれるものは、推定どれくらいですか、お伺いしたい。
○説明員(庄野五一郎君) 農地を解放いたしました地主の数は、大体百七十万程度、その中で不在地主と考えられるのが、大体三十六万程度の地主でございまして、その中で生活に非常に支障を起こしているといったような推定は、まだ私の方ではついておりません。
○武内五郎君 それでは、いずれ明らかになるのでしょうから、その際は、資料として提出されたいと思うのです。 次に私、最近農業法人化の問題が論議されて参っておりますので、農業法人について、特に私問題になると思う点は、今日農地は、自作主義をとっておる。その自作主義に基づいておりまする今日の農地法がある限り、法人化されて参りますると、農地法にかなり抵触する部分が出てくると思う。 その点についてどういうふうに考えているか。農林省においても、法人化の問題について、だいぶ研究されているようでありまするが、特にその点を、どういうふうに調整されていく考えであるか、お伺いしたい。
○説明員(庄野五一郎君) 農業法人の問題は、一昨年から徳島の果樹地帯で、そこの勝浦町を中心にいたしまして、一農字一法人といったような有限会社の形をとって発生いたしまして、当初は、税金問題というようなことで、昨年から今年の三月にかけまして、農林省、大蔵省で法人に課税をすべきか、個人に課税すべきか、あるいは実態に着目して法人課税をすべきか、あるいはそれは農地法の許可がないから、個人課税をすべきか、そういった問題で検討いたしまして、所得が法人に帰属する実態ならば、農地法の許可の有無にかかわらず法人課税をすべきである、こういった結論が出たわけでございます。 この農業法人につきましては、課税上の問題のみならず農業経営の合理化、あるいは家計と経営の分離、そういった農政上のいろいろな問題なりあるいは利点がありまして、課税の問題とは別に、農業法人化という問題が、農政の非常に大きな問題になってきたわけであります。これにつきまして、農林省といたしましては、現在におきまする農地法の自作農主義をとっておりまして、この自作農というのは、労働の成果を公正に享受し得るような農地制度、これは農地法に規定されておりますように、耕作する者に、農地の所有権が帰属する方が最も適当でありとする制度でありまして、さらに自家労働を中心として農業生産力の発展、農業経営の安定をはかる、こういった理念でございますが、そういう自作農主義の上に立っておりまして、自作農は、個人を中心にした世帯を考えているわけでありまして、法人というような形のものは、現在の農地法においては、制定当時考えていなかった。そういうような点から、この有限会社なり、既存の商事会社に農地法上の所有権なりあるいは賃借権、耕作権の帰属を認めるということについては、相当重要な検討をしないと、農地法の自作農主義を守るためにとっております小作料の最高限の制限なり、あるいは不在地主の発生の防止なり、あるいは土地兼併の防止といったような、そういった重要な農地法の規定が励行できなくなり、弊害発生の懸念が非常にあるわけでありまして、そういう点を考えまして、当時、そういう有限会社あるいは合名会社といったようなものには、農地法上の権利を帰属せしめるのは不当であるということで、農林省としては対処したわけであります。 ただ、そういういろんな法人は、経営の合理化に資するということで、われわれも検討いたしまして、やはり自作農主義の上に立った考え方で、この法人のあり方なり組織なりを考えたらどうか、そういうことで、ただいま検討中でございます。まだ農林省として最終的な案ができたわけではありません。ただいま検討中でございます。
○武内五郎君 それで、私どもは、この農業法人化になる場合において、特に農地の非常な安定度を欠くまた大きなてこになることをおそれる。私は、そういう一般的に考えられまする有限会社方式による法人化は、そういう大きな弊害を、実は伴うおそれがあると思うのであります。そういうことのないように、私は、これが日本の農業の大きなまた転換の問題にもなると思うのでありまするので、これは、そう軽々に付するようなことがあっては困ると考えておるわけでございますが、十分その点を、農地制度の崩壊のてこにならぬように、一つお願いしたいと思います。
○北村暢君 私は、最初農地局関係の問題を先にやりたいと思いますが、まず災害関係について、海岸法によりまして三十三年の十二月から実施されておるわけでございますが、この海岸保全の設備築造基準によりまして、この今次の伊勢湾台風によって破壊せられた鍋田干拓の防災堤防工事というものは、この海岸法に照らして十分であったのかどうなのか、このことをお伺い申したいと思います。
○説明員(清野保君) お答えいたします。 海岸法と鍋田干拓の堤防工事に関連する御質問でございますが、まず海岸法との関連をお話しする前に、一応鍋田干拓の経過につきまして最初に御説明申し上げました上でもって、その関連について御説明申し上げます。
○北村暢君 発言中だけれども、それは災害の方でやっておりますから、時間の関係があるので、ごく簡潔に一つやって下さい。
○説明員(清野保君) わかりました。 海岸法の築造基準は、三十三年十二月に農林省農地局、水産庁、運輸省港湾局、建設省河川同等の間でもって、相互の技術者が協議の結果決定されたものでございまして、この海岸法築造基準によりますというと、過去におきますところの暴潮位、つまり記録潮位に、さらに波高を加えて、さらに余裕を加えて堤防高をきめる、こういうふうになっております。この考え方は、鍋田干拓が設計された場合に、すでに取り入れておりました。従いまして、海岸法による堤防決定と鍋田干拓の間には、何ら矛盾はございません。 なお、この海岸堤防の築造基準は、あらゆる面について書いてありまして、たとえば今申し上げました堤防高あるいは堤防の断面あるいはその構造等のいろいろな基準がございますが、これをもちまして、直ちにあらゆる場合に適合し得るものを、作成するということは若干困難の面がございます。つまり応用の部分が相当ございまして、その応用の部分の解釈のいかんによりましては、いろいろな問題が出て参りますので、現在は、伊勢湾台風に関する高潮対策といたしまして、御承知の通り三省連絡協議会を開きまして、堤防高並びに構造等につきまして検討を加え、各省の連絡を十分はかった上で、今後の災害復旧に当たりたい、こう考えております。
○北村暢君 今度の伊勢湾台風の経験にかんがみまして、鍋田干拓が、農林省が二十二億の巨費を投じて十年がかりで作った六百三十三ヘクタールの耕地と千八百戸の農家が、しかも生産された米の出荷直前に二万数千石の米と多くの人命を失ったという、非常に悲惨な結果が現われたわけであります。そうしてこのことに対するいろいろな批判が出ておるわけですが、その中で、やはり干拓事業そのものについて、干拓の建設費というものが、いわゆる反当たりの農地造成費というものが、その後における農家経営というものにぺイする、こういうような考え方のもとに、堤防そのものが建設省の安全第一主義の堤防とは違って、非常に弱かったということが言われておるわけです。 そういうような点からして、今後の手拓事業を進める上において、私は非常にやはり考え直さなければならない、検討しなければならない点があるのではないかというふうに思のです。特に農林省所管の干拓地は、海面干拓が七十八個所、湖面干拓が二十個所、四万三千町歩のゼロ地帯というものがある。海岸よりも——海面よりも低い干拓地があるわけですが、これらについて、この伊勢湾台風の経験にかんがみまして、いかような対策を持っておるのか。従来の有明干拓なり児島湾干拓なり、これらの問題をめぐって、伊勢湾台風の轍を踏まないために、干拓事業そのものについて検討を加える必要があると思うのですが、当局は、どういうような対策をとろうとしておるのか、これをお伺いいたしたいと思います。
○説明員(清野保君) 伊勢湾台風に関連いたしまして、干拓事業の今後の方針についての御質問でございますが、まず干拓事業を今後進めます方針といたしまして考えられます点は、二点あるのでございます。一つは、現在あります、干拓堤防、または、現在実施中の干拓堤防の技術的な面からの検討が一つ、次には、経済的に見た干拓事業の今後のやり方、あるいは資金面から見た干拓事業の方法、こういう点があるかと思います。 最初に、技術的な点につきまして御説明申し上げますというと、現在農林省が代行または直轄工事をもちまして、すでに工事の終わりました干拓堤防につきましては、極力その堤防の断面の補強、たとえば断面のかさ上げあるいはのり面の保護または天端舗装、のり面舗装等によりまして、将来伊勢湾級の台風が参りまして、堤防を潮波が飛び越えましても、決壊に、至らない、かような方法を考えまして、直ちに財務当局に対して予算追加の要求をいたしております。これはぜひかような方法によりまして、現在すでに完了したものにつきましても、さようにかえていきたいと思っております。現在実施中のものは、それぞれの海域の特性に応じまして、伊勢湾台風級のものが参った場合に、同じように波が越えないというような条件を考えまして、設計変更の手続をとり、特別会計により予定の期間内に工事が終わりたい、かように考えて、これまた七カ年計画の特別会計予算の改定をいたすべく大蔵省に要求いたしております。 次に、資金的な問題でございますが、先ほどもお示しのように、干拓堤防が、建設省堤防に比べて弱いではないか、こういう御意見もございましたが、私どもといたしましては、極力干拓堤防が、災害を受けないということを前提にいたしまして考えておったのであります。 従いまして、かかる点から議論いたしますというと、建設省の堤防も農林省も変わらないというのが一般的な技術的な見解でございましょうが、そのような点につきましては、農林省の堤防は、高さにおいては確かに普通の一般海岸堤防と比べて、決して低くなかった。ただし、そののり面保護とか、あるいは天端舗装につきまして十分でなかった点も反省されますので、それらの点につきまして、先ほど申し上げましたような点についての今後の補強について十分考慮いたしたい、こう考えております。 資金的の問題でございますが、干拓の費用の大部分を占めますのが、干拓堤防でございます。従いまして、干拓堤防の工費の負担の割合、現在では干拓堤防といわず、内部といわず、基幹工事といわず、一様に国が八割負担いたしまして、二割は地元の入植者が負担をするというような方法をとっておりますが、この点を若干変えまして、建設工事であるべき干拓の堤防につきましては、極力国が全部持つか、あるいは残りのものにつきましては、地元の市町村または府県で負担をしてもらう、こういうような方法を目下検討いたしております。 なお、干拓堤防というものの考え方を、単なる農地造成という考え方だけでなしに、国土保全、いわば昔後地の国土を守る、農地のみならず道路あるいは農村の施設、こういうものを守るのだという考え方も織り入れまして、今後の干拓堤防の資金的なあり方を検討を加えまして災害を防止いたしたい、かように考えております。
○北村暢君 ただいまの干拓堤防の御答弁で、大体了承しますが、特に申し上げたいのは、干拓堤防の入植者の負担分二割、これが鍋田干拓の場合におきましても、反当たり二十五万くらいの入植者の負担、こういうものがある。そのために工費がかさむというと、従って、入植者の負担もふえる、そういうような点からして、合建設部長が言われているように、高さは十分であったが、のり面保護の面が不十分だった、こういうようなことが、やはり出てくるのじゃないかと思うんです。 従って、今建設部長が言われている全額国庫負担にするか、あるいは地元負担、いわゆる国作りというような形で、これを入植者の負担にしない、そういうようなことでいかなければ、干拓堤防というものの防災というものは完全にいかないんじゃないかということが感ぜられますので、この点は答弁は要りませんから、ぜひ、趣旨説明のように一つ実現をはかるように努力してもらいたいと思います。 それから次に、指摘事項にあります建設省関係との多目的ダムの関係について御質問いたしますが、建設省関係の多目的ダムがすでに完成しているのに、農林省関係の工事が進まないために、その効果が上げられていないということが指摘せられているのでありますが、これに対して農林省は、いかなる処置をとっているのか、この点をお伺いします。
○説明員(清野保君) 建設省の多目的ダムと農林省のそれに関連いたしますところの土地改良事業との間の進度のアンバランスのございましたことは、ただいまお示しの通りでございます。これにつきましては、会計検査院からも指摘を受けておりますし、またわれわれといたしましても、その点については、かねがね注意をいたしておりますが、今後の問題といたしましては、御承知かと思いますが、建設省では、三十二年に特定多目的ダム法を設置いたしまして、それによって実施をする、実施する場合には、必ず同法の第四条の規定によりまして、基本計画を作成する場合には、関係各省に協議をする、また基本計画を変更する場合にも、関係各省に協議をする、こういう規定がございまして、新たにダムを作る場合には、必ずこれらの法律規定によりまして、協議が整った上でもって事業に差手するということになっておりまするので、今後の問題につきましては、さようなことが起こらないだろうというふうに確信をいたしております。 ただ、現在行なっておりますところの事業、今回御指摘を受けました北海道美唄地区のダムと、農林省の土地改良事業との関係でございますが、これらにつきましては、極力その後予算の配分を注意いたしまして、現在では進度率が六一%、効果の発生面積で申しますというと約八〇%の効果を上げまして、そのダムの水の利用に遺憾なきを期している次第でございます。 なお、農林省所管とは特に関係はございませんが、農林、建設両省の事業のアンバランスを是正する厭味におきまして、経済企画庁に調整費という費目が設置されまして、それによりまして、各省周の実施のアンバランスを是正している現状でございます。なお、特に内地の国営土地改良事業につきましては、かかる事情をも考慮いたしまして、土地改良特別会計に一般会計から振り替えを行ないまして、それによって事業の促進をはかっているというような現状が、やはり指摘のございました十津川、紀の川農業水利事業の一部大和平野につきましては、さような措置を講じて、極力その間の調整を行なっております。
○北村暢君 ただいまの説明で大体わかるわけですが、国営基幹工事の進度率と県営、団体営の工事の遅延、これが非常にはなはだしいので、国営の基幹工事がせっかくできても、事業効果を発揮しておらぬ、こういうことが指摘せられておるわけでございます。 そこで今御説明ありましたように、特定土地改良特別会計が設置されまして、おくれた国営事業の進度率を早めるための施策というものがなされたのでありますが、今度の指摘事項、不当事項にも相当多数上っております事業者負担の不足、こういうものをめぐりまして、私はこの事業主体者の負担の不足ということは、国営の基幹事業が進んでも、県営なり団体営なりというものがついていけない、このことを、はっきり物語っているのじゃないかと、こういうふうに思うのです。 従って特定土地改良特別会計が設置されて、国営事業はますます早くなるし、それに引き続いて、県営、団体営が、それに応ずるだけの、経済効果を上げるだけの工事の進度率になるかどうか、特別会計施行後の——施行後といいましても去年ごとしでございますが、その進度率は、一体どのような傾向を示しているのか、これを御説明願いたいと思います。
○説明員(清野保君) 国、県、団体営の耕地両の進度のアンバランスに対する御輿間でございましたが、御承知の通り、国営は特別会計で進んでいるが、県営はいかがか、これにつきましては、県営、国営付帯日宮というような費目を起こしまして、特に県営事業の中でも、これに重点を置きまして、仕事の進捗を進めております。 三十四年度予算につきまして申し上げますというと、六億一千万円の経費を計上し、三十三年度に比べまして約二四、五%の増をはかって、国営と県営との進度のアンバランスの是正に努めております。 指摘事項にございます両総用水について一例を申し上げますというと、国営事業は、三十五年反以降の残事業が約十四億四千万円で、おおむね三十七年度に完了いたします。県営事業につきましては、三十五年度以後の残事業は、十三億三千八百万円ございまして、三十四年度には、さらに追加配賦もいたしまして、二億つけております。従いまして、私たちの予定といたしましては、今後の予算の拡大も見込みまして、おおむね三十八年に終ると、国営よりも一年ないし二年のずれでもって終わっていきたい、かように考えます。今後とも予算の拡大に努力いたしたいと考えております。 ただ問題は、団体営でございまして、団体営事業は、非常に残っております。これの措置といたしましては、一般の補助金によるところの団体の販売事業とか、あるいは耕地整備事業のほかに、三十三年から施行されました非補助土地改良事業による融資事業をあわせ行なうことによりまして、国、県営のアンバランスを是正したい、かように考えて、土地改良区等に、さような指導を行なっております。 両総用水につきましては、おおむね残事業の団体営事業の中で、半分を融資事業、半分を補助事業というふうに区の方で決定をいたしまして、それによって、それぞれの事業が総合的に行なわれるようにやって参る予定でございます。
○北村暢君 そこで、今日の土地改良事業の団体営なり農民の負担、これが国営の土地改良事業、あるいは県営の土地改良事業、こういうものは予算的にも相当な前進を示した、こういうふうに言われておるのでありますが、今日、土地改良の負担というものが、いわゆる食糧増産政策としての意味から言えば、非常に効果はあがってきたということは言い得るのでありますけれども、そのことが、今日の農業経営、農家の経営の問題から言いますというと、土地改良事業が、非常に農家の負担になってきている。 従って、農林省の今までとっております補助、並びに融資による金利補給、こういうような点も、低金利の長期融資というようなことも考えられてきておりますけれども、それでも、なおかつ土地改良事業そのものが、農家経営にマッチしてこない。そういう点が、今日非常に大きく出てきているわけです。農家が負担に応じられないという形が出てきているわけであります。 このことは、お役所的、官僚的に言えば、土地改良事業を推進するための非常に大きな補助金その他を通じて、行政としては強力にやられるでしょうけれども、そのことが、農家の経営にマッチしないという形が出てきているということを考えてもらいたいと思う。で、今後の運営に当っては、この面から土地改良事実というものは、私は根本的にやはり考え直さなければならない段階にきているのじゃないか、こういうふうに思っているのです。 その点は、会計検査院の公共業に対する国庫補助金等の経理当を得ないものという指摘事項の中に、毎年毎年、非常に多くの土地改良区における進度率ばかりでなしに、いろいろな補助金によって事業を済まして、負担分はやらない、こういうことが非常に多く出てきているわけです。これは実際において、できないからやらないのであって、無理矢理に補助率をきめても、国の補助分だけの範囲内においてしか工事をしない、こういうことが出てくる。結局、この土地改良事業のやり方そのものが、結局弱い農民に押しつけることになるものだから、こういう結果にならざるを得ない、こういうことになってきているのだと思うのです。従ってこの根本を直さない限り、会計検査院で幾ら指摘したって、土地改良区のこの問題は解消しないでしょう。 だから、従って今後の土地改良事業を運営する場合においては、この農民の土地改良に対する批判というものを、十分農林当局は勘案をして、今後の土地改良事業というものを進めていかなければならないのじゃないか、このように思いますので、これは、私の意見でありますから、当局に考え方があったら、また対策があったなら、お伺いいたしますが、なければ、それはそれでけっこうです。
○政府委員(小枝一雄君) ただいま北村委員から御指摘の土地改良事業が、ややもすると農民の負担過重になって、これが非常にまあ農家の重圧となっておるし、なお国営事業に比べて、県営、団体営——特にこの団体営が、仕事がおくれるということも、その点に原因があるのではないか、そういうことについて、農民の負担を軽減をし、あるいはまた、それらに対して適切なる施策を講じて、土地改良を、ほんとうに農民の生産力の向上、経済の安定等に資するように方法を考えるべきではないか、これに対しての当局に考えがあればという御質問でございまして、この点におきましては、私どもも、北村委員の御調に全く同感であるのでございまして、ただいま建設部長からお答えをいたしましたように、国営事業につきましては、やはりこの特別会計をさらにこれを活用いたしまして、仕事のすみやかな成功を企画いたしておるわけでございまするが、県営、団体営が、非常に仕事がおくれておるということを特に御指摘になりました。これは全くその通りでございます。 そこでまあ、いろいろと本年度におきましても、特別に、あとから追加配分等の措置もいたしまして、これらの特別におくれておりますところの地方に対する措置を講じてきたのでございますが、将来のこの対策といたしましては、やはりただいま御指摘のように、できる限り、この団体営等の末端における土地改良事業の負担というものが、でき得るならば、一つ軽減をはかる方向に持っていかなければならぬということを考えまして、鋭意その力価に努力をいたしておるわけでございまして、これは、一つは補助の道と、一つは低利長期の融資を提供いたしまして、そうしてまあ農業経営にマッチするところの措置を講じるということも必要だと考えまして、この農林金融の問題につきましても、われわれといたしましては、根本的に一つこれを検討いたしまして、いろいろの措置を講じたいというようなことを今考えておるのでございます。 なお、ほんとうにこの土地改良事業というものが、実情に沿うようにやらなければいかんじゃないかという御説でございます。これも、全くその通りで、私どもといたしましても、今まで団体営等におきましても、相当まあ広いものでなければならぬ。かつては、まあ二百町歩が団体営の補助の対象になっておったのですが、現在は、御承知のようにこれは二十町歩、これを、特別のものにつきましては五町歩程度まで引き下げ、さらに畑地等につきましては、来年度くらいから、さらにこれを引き下げまして、経済的に投資の額が少なくて、しかも増産の効果、伸びがはかられるというようなもの、これが食糧増産の第一主義の当時の政策であるかと考えられますので、今後は、ほんとうの困るところの農民、農民に喜ばれるところの土地改良に、漸次変えていくべきではなかろうかというようなところから、いろいろそういう点も、特に検討いたしておるところでございます。 いずれにいたしましても、補助金におきましても、少しでも農民の負担を軽減するような方向に、これは持っていくべきである、かように考えておる次第であります。
○北村暢君 経済局長が見えたようですから、農業共済関係の点について質問をいたしますが、農業共済の再保険の不当事項については、指摘事項が他の保険事業に比較いたしまして非常に高いわけでございます。毎年この保険事業に対しての指摘不当事項について改善が要望されておるのでございますけれども、三十二年度現在の決算会計検査におきましても、調査件数の三十四件に対して、十五件の指摘事項があるのです。これは非常に高いので、半分ぐらいが指摘せられておるわけでし。 この原因について、どのように従来対策を講じられてきたのか、簡単に説明を願います。
○政府委員(坂村吉正君) 農業共済事業につきましての会計検査院の指摘が比較的多いのでございまして、この点につきましては、非常に遺憾に思っておりますわけでございます。 御承知のように農業共済制度は、実施いたしましてから非常に長い年月たっておるのでございますが、いろいろ農作関係につきましての、何といいますか、情勢の変化等もございまして、その運用面におきましても、いろいろな問題が起こりつつあるような状況でございます。またこの制度も、どちらかといいますれば、非常に複雑でございまして、そういう制度の趣旨も、あるいは農民のほんとうの末端まで徹底していないというような点もあるのじゃないかというふうにも考えられるのでございまして、まあ、そういうような点からいたしまして、末端にいきますと、いろいろの問題がありまして、会計検査院からも指摘を受けなければならないというような事態が往々にしてあるのでございます。 で、政府といたしましては、すでにそういうような情勢にもございましたので、これがほんとうに農民に、何といいまするか、喜ばれるようなそういう制度にしようということで、昨年新しく、末端におきまするある程度の制度の改正をいたしまして、そうして昨年から、これを実施をしたのでございまするけれども、これらの制度の改正も、どちらかといいますると、その全体の農作の安定とか、あるいは災害の態様が最近変わってきましたとか、そういうような問題に追いつけないような状況になっているんじゃないかというふうに考えておるのでございます。実際の現行の制度におきましては、できる限りこういう不正あるいは不当の事例が起こりませんように、農林省といたしましても、極力指導しておりまするし、また県に対しましても、これが指導あるいは監査、そういうための経費も出しまして、そうして極力、こういうことが起りませんように、一つ指導を徹底していく、こういうような態勢で、現在まできておりますわけでございます。まあその効果といいまするか、だんだんこの不当事項あるいは不正事項といいまするものは減って参りまして、昭和三十一年には、指摘を受けた組合数が大体全国で五百二十もございましたわけでございます。しかしこれが、三十二年には全体で百六十一、それから三十三年度の検査の成績を見ますると、指摘を受けましたのは十三というふうに、非常に滅って参っております。この点は、非常に農民の方でも、あるいは共済組合の方でも、この制度軍用に対する理解と、それから農林省あるいは県の指導や監査、そういうようなものが、だんだん徹底してきたのじゃないかというふうに考えておりますわけでございますが、いずれにいたしましても、今の制度が、現在の状態に必ずしもぴったりしているものじゃないというふうなことは事実でございまするので、こういう点につきましては、今後、やはりこの制度については、根本的な検討を加えまして、そうして、ほんとうに共済制度の実効をあげますような、そういうような形に、一つ作り直していきたい、こういうことで、近くその根本的な制度の改正のための、学識経験者を入れて研究会等も開きまして、そうしてで制度の改正に乗り出したいというふうに考えておりますわけでございます。
○北村暢君 ただいまの答弁では、根本的な改正の方向を検討している、こういうことのようですが、この法律は、三十二年に改正されまして、一筆反建制から一筆石建制になった。そして保険の種類も五つにして、農民の決定にまかせる、こういうようなことで改正されたことは御存じの通りで、しかしながら、これはやはり根本的な改正になっておらなかったということで、今日、会計検査院の指摘せられるような事項が起こってきているのだと思います。 そこで、具体的にちょっとお伺いしたいのでありますが、今次の伊勢湾台風において、岐阜、三重、愛知等の三県の共済連合会において、共済の手持ちが全然なかった、こういう実情にあるようです。そして全額、農業共済基金から融資を受けなければならなかった、こういうことのようですが、一体県連合会が基金から融資を受けなければならない、手持金が全くないというようなことは、これはあり得ることなのか、どうなのか。 しかも、今度の災害では、相当多額の保険金を支払っているということなんですが、そういうことがあるのか、どうなのか、一つお伺いしたい。
○政府委員(坂村吉正君) 今のところ数字の持ち合せがございませんので、三県の連合会に、全然手持ちの金がなかったかどうかという点については、はっきり申し上げかねますけれども、連合会の実情は、いろいろ時期によって、金の支払い、それから掛金が上がってくるものというようなものが、いろいろ時期によって出入りがございますので、ときによっては、金が非常に少なくなって、支払いもできないというような状態が起こるのでございます。ですから、そういうようなことのために、農業共済基金というものを作りまして、そこで、まあそういう場合のつなぎの融資をする、こういう制度ができているのでありまして、ですから連合会といたしましては、いつでも災害が起こった場合に支払いができるというほどの、それほどの余裕のある金を持っていない。一年中持っているというようなことは、全体といたしましても、ないのじゃないかというふうに考えておりまして、その間、だから穴埋めは、農業共済基金がやる、こういうような制度になっているわけでございます。 そういたしまして、いずれ被害、あるいは被害の支払いが、はっきり固まって参りますれば、国からの再保険金も出まするし、そういうようなことで、基金にも金が返せるということになるわけでございまして、そういう工合に金融の措置をとっているわけでございますので、必ずしも三県の連合会が、金が少なかったということが、連合会の運用がいけなかったというようなことではないのじゃないかというふうに考えております。
○北村暢君 そこで、お伺いしたいのは、最近この共済制度が任意加入で、それ以外は、強制加入ということになっているのですが、最近百以上の単位共済組合が、共済事業の停止を決議し、あるいは解散を決議するというような実情が、特に東北地方に多く出てきている。また逆に、災害の多発地帯においては、国家保障を増大しろ、いわゆる国の再保険金額を増大しろ、こういう要求、非常に矛盾した、農民側からいえば相反する要求が出てきている。しかもこの強制加入を任意加入にするというと、この共済制度は成り立たないだろうということをいわれているのですが、どんどん解散決議をし、停止をしてくるというようなことが出てきている。これは、この保険に対する農民の意思というものが、はっきり表われてきているのじゃないかというふうに思うのですが、これに対する対策を一つお伺いします。 もう一つお伺いします。それに関連をいたしまして、共済組合が市町村に、その業務を移譲した。これは長野市の出題で、これはすでに出ておりますから、御承知だろうと思うのですが、この掛金が集まらないために、長野市が強制徴収をしよう、しなければならないというようなことが起こって参りまして、現在これは県が認可すれば、地方税と同じように差し押えもできるような形になっているのでありますが、しかしながらまあ長野市の市長は、これを強行しようと言われておりませんけれども、強制徴収に反対する空気が非常に強く出ている、こういう結果が出ているのです。しかもこの制度自身について、技術員ですらも、お百姓さんを説得する自信がなくなっている。こういうようなことがいわれているのです。 そういうような実態が各所に出てきているというふうなことがあるわけでございますが、これらが、この制度自身を危殆に瀕するような方向に追い込んでいる実態じゃないか、こういうふうに思うのですが、これに対して、根本的な施策というものを検討中ということでございますが、この法律は、三十二年に改正したばかりでありまして、まだその実績が出るか出ないかのうちに、もう根本的に改正をしなければならない。こういうようなことのようでございます。 従って、私のお伺いしたいことは、そういうような根本的な解決がない限り、この制度に対する不当事項なり指摘事項はなくならないのじゃないか。私はそういうふうに思うのです。 先ほど来経済局長が答えておりますが、今年度の調査で、不当事項として指摘されたのは十三件だと言っておりますが、これは、十三件は十三件ですけれども、調査したのが少ないのでありますから、やはり十三件ではありますけれども、調査した件数についての比率、指摘されている率というものは大して下がってない。半分くらい、三十何件か検査をし、十三件の指摘事項を受けているのです。 ですから、これは決して、件数が少なくなったから、これが前進したのだ、こういうことにはならない。しかも、今度検査したのは、農作物でなくして蚕繭共済について主として調査しているわけです。従って、従来の検査の重点が、農作物にあって、しかも相当の指摘率が出ておる。特に三十八災あとのときには、もう八〇何%、大部分が不正不当だ、こういうふうに指摘されておる。今度の伊勢湾台風等においても、このことが起こってくる。ことしの災害においても起こってくる。災害がなければ、賦課金の徴収もできないし、整理もできないし、あるいは未納の掛金処理もできない。災害が出てくるのを組合は待っている。こういうのが実情なんです。 そういうような形でありますから、斜月災害が起こつて、従来の未払いの掛金を整理をする。災害が出ても、保険金が農家には全く微々たるものしかいかない。こういうのが実態なんでありますから、この制度については、やはり根本的に検討をし直す必要がある。しかも、この中で大きく考えなければならないのは、国費を投じて、二十一億程度の賦課金に相当する事務費を負担をしているわけです。しかも、そのほかに組合員から賦課金と称するものを取っておる。これは、長野の場合においては、掛金よりも賦課金の方が多い。従って、災害が起こったときに、保険金によって救われるよりも、共済組合の運営をする組合の事務費なり人作費なりというものをやっておる。農民のための共済ではなくして、組合の幹部のための共済になっておる。これが実情ではないか。こういうような点を徹底的に改めない限り、農民になじむような共済制度にするといっても、それはならないのじゃないかと思うのです。 こういう点からいって、この制度自身は、やはり私は、公営に持っていかなければならない。賦課金その他市町村でやるといったような形に持っていかないというと、農民に親しまれるような共済制度にならないのじゃないかと思うのです。このほかの件についても、いろいろ意見はあるわけですけれども、根本的にそういう面が非常に大きく出ておりまするので、対策をお伺いいたしたい。
○政府委員(坂村吉正君) ただいま、非常に詳細な事例をあげての北村委員の御質問でございますが、実際は、全くその通りだと思うのでございます。 そこで、非常に、この制度につきましても、いろいろ各方面から問題が起こっておりますわけでございまして、表価的に見まして、一番やはり問題になりますのは、農民から文句が出ておりますのは、賦課金の方が掛金よりも多くなっているというような所が多い。それから、自分でせっかく金をかけているのに、その金が、低災害地においては、いつどこで使われているのかわからない。自分の所へはなかなか共済金がもらえない。災害がないからもらえないのは当たりまえでございますけれども、農民というのは、そういうものではないので、どうも金を出すと見返りがないと不満が起こってくるというのが実態じゃないかと思うのです。そういうようなことで、せっかく金を取られているのに、災害がないのでもらえない。何年たってももらえないというようなことが一つあるだろうと思います。 また一面から言いますと、災害地におきましては、お話のように、災害が起こりましたのに、金のもらい高が少ない。どうも足しにならぬじゃないかというようなことで不満があると思うのです。 この最後の点は、昨年の法律改正が、どちらかといいますと、個別化をいたしまして、個人の農民の自由意思を相当生かすような方向で法律改正をやりまして、いろいろ選択の範囲を、何と言いますか、共済金の限度額の選択の範囲を非常に幅を広くしたわけです。そういたしますと、現実に起こりましたのは、非常に低い金しか選択していないというのが、そういう傾向になってきたんじゃないか。というようなことで、結局、災害が起こりましても、小さな金しかもらえないというような現実になって現われておる。ですから、災害が起こった場合には、大きな金をもらおうと思えば、大きな金額を選択しておけばいいのでございましょうが、現実には、そういうことが行なわれないで、大体においては低い金しか選択していないというふうなことだろうと思うのですが、そういうふうなことで、いろいろ農民の方からも、実際問題として不満があろうと思う。 しかし、現実に災害が起こってみますと、やっぱり一番早く金が来ますのは、この農業保険の金なんでございまして、ほんとうに災害を受けた所では、この制度が一番ありがたいというようなことが、現実の声でもあるわけです。 そういうようなことで、非常に複雑でございまして、特に災害の多いような北海道なんかでは、非常に農業災害保障制度を、何と言いますか、ありがたがっておる。どの制度よりも、これが非常にありがたいというようなことになっておるのでございまして、そういうようなことで、いろいろ災害が、あるいは、昔は病虫害というものが非常に多かったのでございますが、農薬の発達、それから農作技術の進歩等によって、そういうものが非常に少なくなって、安定して参りました。そういう関係で、背と、災害の形が変ってきているわけであります、そういう意味からしまして、やはりそういう農作物の実態面からしましても、何かやはり考えなければいけないのじゃないか。この制度自体を根本から考えなければいけないのじゃないかというようなことで、そういう点が、大体根本的に今後の改正をしようとしておる中心の問題になるだろうというふうに考えておるわけでございます。 いずれにしましても、現在の実情は、そういうことで、場所によっては、農民の不満がありまして、農業共済組合は解散したらどうかという空気も起こっております。今まで解散決議をしております所は、三十数組合ございます。それにつきましては、大体低災害地でございまして、ほとんど何年となく災害が起こっておらない所でございます。しかし、かりに一例を申し上げますと、新潟あたりは非常に農作物が安定いたしまして、今までは低災害地だということで、解散の空気というようなものも相当強かったのでございますが、このたびやはり愛知、三重、岐阜というような災害の中心地ではございませんけれども、相当あすこでも被害を受けた地帯がございます。そうなりますと、やはり農業共済制度というものが、やはりそこではありがたい。だから、どうもこの制度をあまり変なふうにいじられても困るというような、やっぱり考え方が起りつつあるというような状況でございます。 そういうようなことでございますので、根本的に、いろいろ制度改正をするといいましても、これはすぐ一月や二月でできるという問題ではございませんので、ある程度、やっぱり時局もかかることと思っておりますので、取りあえずの問題といたしましては、そういうようなところには、よく、とにかく制度の趣旨を一つ徹底させまして、制度の運用の面につきましても、十分県からも、あるいは農林省からも指導を加え、そして農民に、ほんとに理解を行っていただいて、そして組合とか連合会とかにおきましても、不仕事項、不当事項というようなことがありませんように、そういうようなことが起りますと、かえってそれがきっかけになって非常に制度の本体に対する不満にもなってくるというようなこともございまするので、そういう点がありませんように十分一つ指導をいたしまして、そうして根本的な改正という時期まで、とにかくその間に災害が起りました場合の、災害補償制度というものが、その間でも働いて、そして農民が救済されますよう、そういうようなつもりで、一つ極力指導していきたいというふうに考えておりますわけでございます。
○谷口慶吉君 ちょっと関連。 一つ経済局長に伺いますけれども、やはり北村委員がおっしやいますように、制度そのものを根本的にお考えにならないと、これは、かようなことを申し上げて、あるいは私叱られるかもしれませんけれども——あなたが今度参議院議員に当選したから、あの悪い制度だけは何とかしてやめてもらう方法はありませんかと、しかも、私は鹿児島県でございます。私はやはり、かような制度があることによって、今御指摘の通り、仰っしゃる通り農民を災害から守るんだということで、これは非常にありがたい私たちは制度だと思っておる。しかしながら、やはり末端の農民は、それほどまでこの制度を正直に言って、ありがたがらないような気がする。すべて四百四から四百九までのこの指摘を全部見てみますと、かなり米収賦課金あるいは掛金、こういうものに、災害があったのを機会に、そっちの方に充当していく、こういう実態が、例年私は出ているんじゃないかと思われるのですが、先ほど北村委員も言われましたように、災害様々で、災害がきたら共済組合の経常は楽になる。こなかったら、ほとんど経営難だ。万一、こういうことにでもなりますと、これは私は大へんなことじゃないかと思いますから、何かのついでで農林省でできなかったら、県あたりに委託して、幸いに南九州は、去年とことし二回災害がなかったから、ほんとに賦課金とか掛金というものが、それだけうまく入っているかどうかお調べになったらどんなものですか。おそらく私は経営難に陥っていると、こう判断している。災害がなかったら経営難になるような共済組合では、私はしょうがないじゃないか、この辺は、もっと御研究いただきたいと思う。 これは要望ですが、それと四百九で指摘しております未収建物共済掛金を相殺していますね。あれは任意共済ではありますけれども、全国共済連が建物共済をやっておりますので、あれとこれとの関連について、両方とも経済局長の管轄下にあるわけなんですが、これの調整をおやりになる意思がありますかどうか、承っておきたいと思います。
○政府委員(坂村吉正君) ただいまの御質問の中で、最初の問題は、仰せの通りでございます。まあ、いかにりっぱな制度を作りましても、それが末端で、ほんとうに運用されませんと、これは効果がないということになるのでございまして、そういう点が現実問題といたしまして、私も、これはだいぶ前に県の部長をしていたことがございますが、農家にいろいろ制度をやります場合に、一番困るのは、農家は、何でもないときに金を出すことを非常に嫌うわけなんです。だから、これではたしていいのかどうかということが、将来の問題としては根本として考えにゃいかんと思いますが、やはり金を自分で出すものは出して、それで制度を使うなら使うというような考え方もこれは、指導として必要じゃないかと思いますけれども、現実に今は、やはり何もないのに金を出して、いつ災害が来るかわからないのを待つのはいやだと、端的に言えば、そういう農民心理だと思うのです。 ですから、そこいら辺を、十分制度の上にも考えていかなければならぬということと、一面から出しますと、それじゃそのまま、農民心理の上に乗っかったままの制度でいって、将来も農民が、やはり進歩していくのだろうかというようなことも考えますと、そこいら辺も、やはり必ずしもその農民心理のままの制度がいいかどうかという点は問題じゃないだろうかというふうに、私は考えております。 それから、あとの任意共済の問題は、現在も農業協同組合系統と、それから農業共済組合系統と両方やっておりますわけでございまして、この点は、主として建物を対象にしておるのでございます。ここで非常に各県の中におきましても、両分野の調整が、だいぶ前にごたごたいたしまして、結局同じ農民のために、仕事を両方やっておるのでございますから、これが両方の団体が同じ農民をバツクにする団体が、お互いにけんかをしたり、あるいは仕事の取り合いをするというようなことは、おかしな話でありまして、この点は、県内で十分調整をとって、それから県知事の調停といいますか、まあ県知事にも指導していただいて、事業分野の調整をはかるようにというようなことで、数年前から、農林省はそういう方針で、いろいろ指導して参っておるのであります。 今のところ大体各県ともに、大部分の県は、そういうような形で、両方で調和がとれたような形で行われておるというふうに考えております。
○野本品吉君 私は今までの質問から、農林当局の御答弁を承っておって、日ごろ考えておることを思い出したのでありますが、どうも、たとえば農業協同組合にいたしましても、あるいはこの共済組合にいたしましても、農民を指導するときに、つまり利をもって導くこれがいけない、これに入ると幾らもうかるのだ、これに入るとどれだけの得があるのだ、そういうことで臨んで、それで固めていくところに、こういう根本問題があると、私は農業協同組合にせよ、共済組合にせよ、やはり協同組合の精神指導、思想指導というものが、十分に行われておるかどうかということは非常に疑っておる。 たとえば各市町村の各地方の農業協同組合の予算を見るときに、そういう金というのは、ほとんどない、共済組合にいたしましても、大勢の者の負担において全体を守る共済の思想、保険の思想、こういう思想指導の問題精神指導の問題に、非常に大きな欠けておる点があり、また、そういう点に重点を置いての指導が足りない、そこから先ほどの質問のような各種の事態が起こってくる、こういうふうに考えておる。 従って、農業だけでなく、中小企業もそうだと思いますけれども、お互いに、大勢の力で個々の生活を守っていくという場合に、利をもって臨む、利をもって導く、利をもって釣る、こういう行き方をしておる限りにおきましては、必ず今までの制度のような事態が起こってくる、その点について、私はもっと農業団体というものが、共済組合にせよ、協同組合にせよ、もう少し思想的に、精神的に高められ、深められなければ、永久にこの問題は解決しないと思う。農林省は指導の面において、そういう点に、完全だと思っておりますか、その点をお伺いしたい。
○政府委員(坂村吉正君) 仰せの通りでございまして、実際問題として、協同組合あるいは共済組合といいますものは、その性格上からも、大体経済的な団体というような形で生れてきておるのでございまして、そういう意味から言いますと、いわゆる精神的な指導というようなものに、最近やはり欠けるところがあるじゃないかというふうな感じがいたしております。もちろんこれは戦争前の、あるいは戦争中の農民精神作興というような、そういうようなものではないと思いますけれども、いわゆる民主的な農民のつながりとか、あるいは民主的な農民の組織とか、それによってお互いに一緒になって、一つの仕事をやって行こう、そういうような気持の指導が、どちらかといえば終戦後の経済的な復興に非常に追われまして、そういう点は、幾分やはり欠けておるのじゃないかというような感じがいたしておりますが、最近におきましては、あるいは全国の中央会とか、あるいは県の中央会とか、そういうようなものができまして指導団体も、大体整備をされておりまして、そうしてある程度経済的にも安定して参りました。こういう状況でございますので、そういういわゆる農民の精神的な組織とか、あるいは指導とか、そういう面につきましても、相当力を入れてきておるというような状況であろうと思います。 それに、やはりどうしても、一緒に経済もからまって参りますけれども、どちらかといえば、やはりそういう農民の共同組織でやっていくのだという気持がないと、いかにそれは、ある程度の利があっても、それは利と利で比べてみれば、やはり利の高い方につくというのが実態でございまするので、なかなか円満な、完全な、円滑な運営というわけにいかぬだろうと思う。そういう点は、今後も協同組合のそういう指導団体等につきましても、十分そういうような考え方で農林省としても指導をしていくように考えたいと思っております。
○野本品吉君 農業協同組合なり共済組合が、一つの経済組織として経済的な活動の面を担当しておることは、当然のことなんですが、しかし、やっぱり経済経済といって、そればかりでいきますと、結果的には、やはり経済的な行為というものが、円満に、スムースに行ない得ない事態が起ってくるのである。これは精神運動ですべてを臨めと言っておるのではないのです。的確な経済行為をするために、農業協同組合なり共済組合なりというものは、その経済的な行為の底に、やはり一つの大事な思想あるいは精神の問題がないというと、完全な経済行為は行われない。 従いまして、そういう点に、相当工点を置いて、全農民を指導すべきであると、こういうことを申したのであります。
○武内五郎君 農業共済組合解散問題につきましては、共済組合の抜本的な改正を必要とするという今お話なんで、大体、解散を決意する——解散を希望する地帯というものは、こういうふうに考えられるのじゃないかと私は実態を見ているのですが、その一つは無災害地、これはもはや、共済組合に加入している必要を認めないという考え方の方が強くなってきた地域、その次に、もう一つは災害常襲地帯、これは、特に山間地帝における収量のきわめて低い地帯、特に基準収量というもののうんと低い地帯、そういうような地帯で、しかも常襲的に災害を受けているのでありますけれども、共済の恩恵に浴することのきわめて少ない地帯、この二つの形があるのじゃないか。もし、抜本的な改正をされるような場合においては、こういう二つの形における解散要求があることを、やはり考えなければならぬのじゃないか。まあこれは、私はお答を求めるのではなくて、私の考え方を述べておきます。
○北村暢君 ちょっと関連して。 今、武内委員から指摘されておりますが、この問題は、当局も抜本的な改正の方向に鋭意努力するということですから、そのように理解はいたしますが、次官も御存じのように、これは衆議院の方では小委員会か何か設けて、この問題をやることになっているわけですね。でありますから、ぜひ一つ農林当局といたしましても、次の通常国会等において、抜本的改正ができるように格段の努力をしていただきたい。それに対して、一つ次官の考え方をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(小枝一雄君) 先ほど来、委員の皆さんから共済制度の問題について切実な御意見を伺いまして、私も非常にその必要を痛感いたしているのであります。 私どもが考えておりますのは、農業共済制度には、大体三つの柱があると思っております。その一つは、御承知のようにこれは農民みずからが助からねばならぬという立場と、一つは自分が助かるという問題と同時に、お互いに一つ助け合おうという精神があると思うのでございます。さらにそこにもってきて、こういう問題を政府が一つ、その一翼をになって、そういう災害に対しては、大いに努力しようじゃないかという、この三つの問題があると思いますので、これはどうしても、こういう根本の精神は非常にいいのでありますから、これはあくまで育てて、りっぱなものに完成するということがわれわれの背任であろう、かように考えておるわけでございます。 従いまして、ただいま北村委員から御指摘のように、衆議院におきましても、農林水産委員会の中に、そういう小委員会を作られているのでございますが、農林省当局といたしましても、先ほど経済局長からお答えいたしましたように、研究会を作って、いろいろ省外の学識経験者も加えて、その問題を研究するということにいたしておりますので、ただいま北村委員から御要望のございましたように、われわれといたしましては、一日も早くこの制度の確立ができるように、根本的な対策を検討いたして、その案を立てたい、かように考えているところでありますが、何分にも、こういう問題でございますので、この席で、私がそれでは、この次の国会に必ずこれを提案いたしますということは、請け合いかねるこれは問題であろうと思いますけれども、要するに誠意をもって、その方向に向けて努力をいたすつもりでございます。
○委員長(上原正吉君) 午前中の質疑は、この程度にとどめまして、午後は一時二十分から再開することとし、それまで休憩いたします。 午後零時二十一分休憩 —————・————— 午後一時四十二分開会
○委員長(上原正吉君) ただいまより委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き農林省の部の質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○北村暢君 次は国有林野特別会計について質問いたしますが、従来から国有林立木並びに製品の売り渡しにおいて、随意契約が多過ぎることについて指摘せられておるようでありますが、またその改善が要望せられておるのであります。当局から資料を提出願ったのでありますが、昭和二十九年から三十二年までの販売方法別の数量並びに比率の従来の実績について、調査資料をいただきましたが、これによりますと公入礼、指名競争入札、随意契約、この区分に従いまして、昭和二十九年が公入札が石数にして二百三十八万九千石、指名競争入札が二百三十八万石、随意契約が一千二百二十六万三千石、こういうことで率では公入札、指名競争入札がともども一四%、随意契約が七二%、それが三十三年度になりますと、公入札が五百十万九千石、指名競争入札が七百二十万二千石、随意契約が一丁四百十五万七千石、それぞれの比率が一九%、二八先、五三%と、このようになっておりまして、随意契約が二十九年が七二%のものが三十三年度五三%、これは立木の分でありますが、製品関係においても二十九年の随意契約の五八%が三十三年で四八%、このように改善の状況は見られるのでありますけれども、しかしながらなおかつ公入札の比率が非常に低く、随意契約の比率が約半ばを占めているということは、これは会計検査院が指摘いたしておりますように、取引上における疑惑というものも持たれるし、また国有林野事業の収入の上からいきましても、随意契約は公入札、指名入札に比較して収入も相当低くなっておるわけでございます。それはそれなりに理由はあるといたしましても、今後の国有林野事業特別会計運営の上においてきわめて重要なことである、このように考えまするので、当局の今後の方針について御説明を願いたい。
○政府委員(山崎斉君) 国有林の売り払いにつきまして、立木のまま売り払いますものあるいはそれを直営生産によりまして丸太にして売り払うもの、というようなものにつきましての売払いの方法別の比率につきましては、先ほど先生の申された通りの推移をたどっておるのでありますが、林野庁といたしましても、このそれぞれ売り払いますものの市場性の問題、あるいは銘柄の問題というふうな点にかんがみまして、それぞれ内容的に具体的に検討いたしまして、随意契約をやめまして指名あるいは公売等の入札による売払い方法に極力転換さしていきたい、という考え方で進んで参ったのでありまして、三十四年度におきましても、先ほど先生のお話のありました三十三年度の比率よりもさらに一割程度切り下げたい、ということで現在臨んでおるのでありますが、根本的に考えてみますと、この国有林の材の売り払いというものは、国有林経営が七十年もの歴史を持っておるのでありまして、そういう背景のもとにあるいは林業というものの特質というふうな面から行なわれて参ったのでありまして、これが現在の新しい段階に対応いたしましてほんとうに適切なものであるかどうか、それが果しました役割というものはどうか、また今後におけるこの役割はどういうふうな意義を持つのであるかというふうな点につきまして、十分な根本的な検討を加えて参りたいというふうに考えておる次第でありまして、本年八月庁内に学識経験者等を中心といたします協議会を設置いたしまして、この協議会に、しかもそれにさらに相当有力な事務局のようなものを設けまして、この売り払いの今後のあり方という点に根本的な検討を進めまして、なるべく早い機会に結論を得て、新しい、もっとも適正な観点に立った売り払いをしていくという方向に努力して参りたい、というふうに考えておる次第であります。
○北村暢君 ただいまの改善の処置について根本的に審議会等を設けて検討せられる、こういうことでございますから、ぜひ一つこれはやっていただかなければならないと思います。 なおお伺いしたいのは、公入札と随意契約との価格の問題ですが、この実績からいきますと三十三年を例にとると、公入札が処分の石数において一九%でありますが、それの価格が三二%に当たっておる。指名競争入札は石数では二八%であるが価格は二二%、それから随意契約が石数では五三%、金額では四六%、製品処分においても同様な傾向が見られるのでありますが、従ってこの随意契約の中には、公共あるいは災害その他によって安売りしなければならないものが、もちろん含まれておるわけでありますけれども、この随意契約の件数等について資料を求めたのでありますけれども、これはわかりにくいということで出て参りませんから比較がちょっと困難でありますけれども、とにもかくにも随意契約の方は価格において安くなっていることは事実であります。従って、これを改善するということによって一体どの程度の国有林の収入の増加というものが見込まれるか。まあ言っているところによると二十億、三十億程度の増収というものは考えられるというふうに言われていることも聞いておるのでありますけれども、これらに対して一体どの程度のことが考えられるのか、この点を一つ説明願いたいと思います。 それからもう一つは、国有林野事業特別会計の最近における収支決算においてどの程度の黒字を出してきているのか、それからまた民有林に対する造林、林道等の補助金が出されておるわけでございますが、それとの関連において国有林が黒字を出しておる、しかも国有林野特別会計においては相当の治山関係の直轄工事もやっておる、いわゆる林業、木材の生産だけでなしに、国土の保安関係の機能にも、また事業も相当多額の費用を出しておると思いますが、それを含めてなおかつ国有林野事業特別会計は黒字である、こういう点について私はいささか疑問に思っておるのでありますが、民有林は相当な補助をしても、なおかつなかなか林業そのものの採算性というものは簡単にとれない。というのは、林業が従来産業として成り立つのかどうか。相当の保護政策が加えられなければならない、このように言われてきておりますが、それとの関連において国有林の黒字の内容というものがどのようにして黒字になってくるのか、その点について一つ御説明を願いたい、こう思うのである。
○政府委員(山崎斉君) 第一点の、随意契約によって売り払います数量の比率が高いのに対して、売り払い金額の比率は相対的に低いんじゃないかというふうな点のお話がありましたが、御存じの通り国有林といたしましても、随意契約によって売り払いますものはやはり市場性の確立というようなものを必要とします。新しく利用されはじめるというふうな、いわゆるブナその他の広葉樹というふうなものを中心にいたしまして随意契約が多いわけでありますし、また市場性が確立して売り払いにそう心配が少ない針葉樹は、極力これを公入札その他の入札による売り払い方法に転換して持っていく、というふうな方針をとって進んで参っておるわけであります。そういう点で、御存じの通り広葉樹の価格というものは、同じようなものでも針葉樹に比べて相当低いというふうな関係がありますので、御指摘のような数字が、数量の比率と価格の比率というものの相違となって現われてくるというふうにわれわれは考えておるのであります。 それから売り払いの方法を改善することによりまして、特別会計の増収というものはどういうふうに考えられるのかという点につきましては、御存じの通り公入札にいたしましても随意契約にして売るにいたしましても、その予定価格というものは同様であるわけでありまして、三十三年の実績等を精細に調べて参りますと、公入札による売り払いにおきましては、予定価格に対して落札価格が一割程度高いという現状でありますし、また随意契約による売り払いにいたしましても、予定価格よりも四、五%はみな高いというふうな実態にあるわけでありまして、その両者におきまして売り払いの方法を改善することによって、どれくらいの増収が期待できるかというふうな数字的な点につきましては、今直ちにどれくらいという点は申し上げかねるのでありますけれども、これも先ほど申し上げましたような見地で根本的な検討を加えた上で、一つこの売り払い方法について検討を治めて参りたいというふうに考えておる次第であります。 それから第二点の特別会計が黒字であるということの原因は、どういうところにあるのだろうかというお話でありますが、特別会計も企業会計といたしまして、一般の民間会社というふうなものと同様な経理組織でこれをやって参っておりまして、相当精細な損益計算というようなものを実施いたしまして、それによって年々の経営の成果を出すという制度をとっておるわけであります。極端に申し上げますならば、民間におきましてはいわゆる治山事事等に対しましては、国と県で全額事業を実施いたしまして、受益者負担はない。林道につきましては受益者負担が五割程度あるし、造林につきましても六割程度の受益者負担といいますか、そういう制度を布いてやつておるのでありますが、逆にまたその経営の成果というものに基づきます税金というものも、相当に考えなければならぬというような立場にもあるわけであります。国有林の治山事業、林道、造林等につきましては、もちろん国から補助があるというわけでなしに自力でやっておるわけでありますが、逆に税金というようなものが全然考えられておらないというような立場に立っているわけであります。民間の仕事と国有林がやっておる仕事というものを大観いたしますと、そう大きい差がそこにないようにわれわれは考えておるわけでありまして、そういう観点からいたしまして、厳密な損益計算というようなものの結果から、三十三年度におきましては十億円程度の利益金が出たという結果になって参っておるのであります。
○北村暢君 この資料によりましても、立木処分の数量と素材のいわゆる製品処分の石数とでは、相当立木処分の方が多くなっているようでありますが、これについて従来直営生産事業というものが民間の事業と比較して非常に効率が悪い。従って非常に効率の悪い直営生産事業については立木処分に切りかえていく、こういうような考え方も一部にあったようであります。しかしながら国有林野事業が企業会計として独立採算制をとっていく、こういう点からすれば当然直営生産事業というものがこれは多くなっていかなければならない、私はこのように考えますし、立木処分が多くなるということは、いわゆる巨大な地主的性格を持ってくるのでありまして、この直営事業をやることで企業的性格が強くなってくる、こういうふうに考えられますが、今後の国有林野事業の運営にあたって当局は一体どのように考えておられるか、これについて所見をお伺いいたします。 それからもう一つは、先ほど御答弁のあった中で、国有林が税金を払っておらぬから黒字になる、それが一つの大きな原因であるというふうにいわれておるのでありますが、これが事案そうだとすれば、これは当然やはり国有林所在地の地元に対して相当の何といいますか、地元に対する還元ということが考えられなければならない。それが最近木引税の撤廃等が行なわれ——完全に行なわれてはおりませんけれども、だんだんこれが廃止の方向へ行く。従って地元の市町村に対してこれが収入として入ってこない、このかわりとしていろいろ考えられておるようですが、その中に非常に地元の市町村からいわせれば不満が出てくるのは、国有林の資産評価について非常に民有林と比較をして低いのじゃないか。これは自治庁あたりではそういうような見解を持っておるようであります。しかもこの評価については立木は評価しないのでありまして、土地そのものについて評価しておる、こういうことのようであります。従ってお伺いしたいのは、そういう面からして国有林の資産評価についてどのような……自治庁の見解としては低いということのようでありますが、これに対して林野庁はどのような見解を持っておるか、また国有林所在の市町村に対してそれなりの還元というものが考えられるのだが、これについて木引税の撤廃と関連して、一体どのように市町村の財政に国有林が寄与していくかということについてお伺いいたしたい。
○政府委員(山崎斉君) 直営生産と立木処分の量的な点につきましての第一の御質問でありますが、三十三年度におきましては、今お説の通り用材におきましては立木で売りましたものが二千六百万石、製品にして丸太として売り払いましたのが一千五百四十万石程度でありまして、この一千五百四十万石というのは、経常的な姿としては一千六百万石程度が経常的な姿ではないかと思っているのであります。これを立木にいたしますと二千三、四百万石というふうな形になるわけでありまして、大観いたしますと、立木で売りましたものと丸太にして売るものとが大体半々程度というふうに考えていいかと思っておるのであります。で、今後こういう直営生産の仕事というものにつきまして、林野庁といたしましては今先生がお話になったような考え方も取り入れまして、今後この直営生産という仕事を漸次縮小していくというような方針はとっていないのでありまして、現状程度を続けていきながら、しかもその事業を合理化していくという方向で進んで参りたいと考えておる次第であります。 それから第二点の地元市町村に対する財政的寄与という問題でありますが、今までに国有林といたしましても交付税交付金の制度を設けておりまして、土地価格の千分の十四という固定資産税に相当する程度のものを、交付税交付金として地元市町村にこれを出しておるわけであります。その金額は約五億円程度かと考えておるのであります。この場合に、国有林におきましてその計算のもととなる土地価格が、一般民間の土地と比較しまして安いのではないかという問題が一点あるわけでありますが、国有林の土地並びにそれに、はえております立木の価格評価につきましては、昭和二十九年の四月にこれを実施して参ったのでありますが、民間におきましては五年ごとにこれを評価がえするということが法律上規定されておりますが、国有林その他の国の行なっております公営企業につきましては、その資産に著しい変化がなければ再評価はしないのだ、というふうな法律上の建前になっておるのであります。で、国有林の現在持っております資産の中で、土地の占めますものは率からいえば非常に低くて、大部分は立木で構成しておるというふうな観点にも立てるわけでありますので、現在の段階におきまして直ちに再評価等のことをやらなければならないというふうには考えていないのであります。 さらにもう一点の問題といたしましては、固定資産税におきましては千分の十四というのが基準でありまして、町村によりましてはその最高である千分の二十五という程度まで固定資産税を徴収する、というふうな町村もあるわけでありまして、特に北海道、東北においては高い率をとっておるというふうな現状にもあるわけであります。そういう点からいたしまして、国におきましても千分の十四というふうなもののままで従来通りいいのかどうか、そういうものも再検討すべきじゃないだろうか。あるいはまた地元の町村が火災の警防その他有形無形に、非常に国有林の経常上密接な関連を持ってやっておるわけでありまして、そういう点からいたしましても、この地価とかいうものの直接関連なしに、やはり地方財政に何らか負担するような方法も考えるべきじゃなかろうかというふうにも考えまして、これもまた早急に結論を得たいということで現在検討をいたしておる過程であります。
○北村暢君 次に不当事項についての御質問をいたしますが、秋田営林局の湯沢営林署における指摘事項の四百十三号の問題でございますが、これは随意契約によって三同にわたり、山形県の早森某に天然杉等の立木二百九十六本三百四十石を、たる丸用材等として十七万三千五百円で売り渡した。ところがこれを過少に見積もったために、六十七万四千八百五十九円が低額となっておる。これは過小に貝積もったというのでありますけれども、程度が一側や二割ならこれは間違ったということもあるでしようけれども、十七万三千円何がしに、六十七万四千余円を低額に見積もる、これは非常な間違い方で、これは間違ったとはいえないものじゃないか。それからまた立木以外に百六十七木で四百八十三石、評価額で三十万一千円余ですね、使用人によって不法に伐採されたというこの事項、これは非常に悪質なやり方だと、私はそういうふうに感ずるのです。これは先ほど来長官が言われておりますように、七十年来の国有林を運営してきている中で、職員その他も地方の業者との間に密接な関係を持ってくるというようなことも起り得るのかと思いますが、たびたびこういう経済行為をやっている官庁として、この種の問題については会計検査院もしばしば指摘をしているのでございますが、なお跡を断たないのは非常に遺憾でありますし、また今の例を見ますと、過少評価をしたという業務上の間違いのほか、そういうルーズなことをやっているからして業者につけ込まれて盗伐も起る、こういう結果になっておるのではないか。こういうふうに思われまするので、これについて林野庁はいかような対策をとり、処置をされたのか、この点お伺いいたしたい。
○政府委員(山崎斉君) この湯沢営林署におきまする問題は、まことに残念といいますか、われわれといたしましては、こういうふうなことがあるということは予想もできないような申しわけない事態でありますが、これを調査し、引き渡しをし、あるいは土地検査をしたという者が同一人でありましたということが、こういう問題の発生を、早期に、しかも防止するといいますか、ということができなかった一番の原因であるように思うのでありますが、そういう点にかんがみまして、調査員と引き渡しする者、あるいはまた上地検査をする者というふうな者がそれぞれみんな人を違えるというふうな、内部牽制という制度を強力に行なっていくという方針で進んでおるのでありまして、この点それらの措置にきわめて遺憾の点があったということは、申しわけないと存じておる次第であります。ただ、この事案につきましては、この調査した者が誤ってこういう調査をし、売り払いをしったというわけではないように思うのでありまして、調査員がこれを故意に行なった、すなわち立木の調査をいたします場合に、木の高さとか直実というようなものを故意に過少に、実際よりも過少に野帳に記載するというようなこと、あるいは生立木を挫折木であるというふうに偽って調査をする、またその結果生産の歩どまりというものを非常に生立木でありながら小さく見るというふうなことを行なった、ということに原因いたしておるわけでありまして、そういう調査に対しまして当初に申し上げましたように、引き渡しする者が別の人が行ってこういうことを引き渡しをやりますと、すぐ誤りであるということがわかるわけであります。そういう点についてまことに遺憾である、今後内部牽制の制度というふうなものを十分活用いたしまして、こういうことのないように努力いたしたいというふうに考えている次第であります。
○武内五郎君 ちょっと関連。ただいま北村君からいろいろ御指摘があったのでありまするが、私はそういう問題に関連しまして、実は広域事業地帯における立木その他の処分の問題なんですが、かなり膨大な立木その他の国有財産が消滅することが数字でわかるのであります。そこでそれに関連しましてお伺いしたいのは、そういう立木または製品等の材の処分について、先ほど北村君から随意契約による処分の数が非常に大きいことが指摘されておりますが、特に随意契約等になって参りますると、今指摘されたような不当芽項等も往々にして起り得る。特にそういう事態をできるだけ避けなければならぬことはもちろんでありまするが、それを避けるためにもやはり地元民を満すという形において処分するような方法が考えられないものか。特にたとえば具体的に申しますると、奥只見電源開発工事に関連しまして、水没地になる所は面積においてもこの数字によると五百十ヘクタール以上をこえておる。そこに立っておりまする立ち木その他を合せますと二十一万八千石をこえておる。こういうような大きな数字のものが水の中につかって全くむだになってしまうことは明らかなんであります。これらの処分は随意契約によって、またその他の方法によってやったということを言われますが、これをたとえばやったとしましても、なるほど林野庁としては帳簿上差しつかえない処分をしたと考えておられるかもしれませんが、われわれ国民から見れば、この水没地における立木その他の処分というものは、これはとうていできないので、むだに埋没してしまうことはこれは明らかなんです。もしこれを地元民を中心にした処分の方法を考えられれば、もっとこれらのものが役立つ形において処分できることは明らかなんです。ことに奥只見電発事業に関連して、奥只見電発がその姉妹会社である共益会社というものがあって、奥只見電発が一括払い下げを受けて、さらにそれをその姉妹会社に売り渡しをしておる。その姉妹会社の処分というものは、おそらくこれはできないことは明らかなんです。こういうようなことは私は非常にむだだと考える、国家のために。国の財産をむだに費やしてしまうことは明らかなんです。この処分方法等についての改善の考え方があるかどうか。
○政府委員(山崎斉君) 国有林の立木とかあるいは製品等を払い下げます場合に、地元の山村民あるいは地元の中小企業というようなものを重点においてやっていくということは、これはもう当然でありまして、現にそういう方針に基づいて売り払いを行なっておるわけでありまして、特に薪炭林等におきましては、その大部分は地元の山村民の方々に対して売り払っておるというのが現状であるのであります。お話の奥只見の電源開発に伴います、水没地の立木あるいは工事に伴いまして飯場とかあるいは電力をよそから当分の間持ってくるための、いわゆる電線敷地というようなものの枝檜木、そういうものの売り払いにつきましては、一部は地元の農業協同組合というようなものに指名入札その他の方法によって売り払ったものもあるわけでありますが、大部分は電源開発株式会社に売り払ったというのが実態であるのであります。御存じの通り、国有林といたしまして立木を売り払います場合には、それの搬出の期間が一年とか量によりまして二年とかいうふうに限定をいたしまして、その条件によって買い受け人は事業の経営に資するという計算基礎に基づいて買い受けをするわけでありまして、電源開発等の工事がいわゆる年度割りというふうな、場所との関係におきましてしっかりした工事計画が立って、その一方必要な搬出機間というものが確実に保証されるというふうな形であります場合は、それをもとにして国が責任をもって直接電源開発以外の人々に立木を売り払うというようなことも可能でありますし、またその出たものをもよりの駅等に運びます場合におきましても、その木材の輸送と電源開発等の資材の揚げ荷というようなものとの関連が非常にはっきりしまして、木材の輸送というものが通常の形で支障なく行われるというふうな場合におきましては、お説の通り営林局署といたしましても、その電源開発等にそれを随契で一括売り払うということはしないで、薪炭林等はもちろん地元の農山村の方々に、あるいはまた用材にいたしますと地元の木材その他の協同組合、あるいはそういう仕事をしておられるならば農協というふうなものに売り払っていくということは、当然われわれとして考えなきゃいかんように思うのであります。しかしながら、この電源開発の仕事というものが、なかなか進度というものを明確に場所ごとにきめることが非常に困難だと、で、工事がもし半年とか三月でも繰り上って進められるというようなことになりますと、せっかく搬出期間その他をきめて国が売り払いましても、その売り払い条件に重大な支障がくるというふうな問題にもなって参りまして、国と買い受け人、あるいは工事をしている電源開発と、三者の間に非常に炉雑な補償関係というふうなものも出てくるんじゃないかというふうなことも予想され、またそういう現実も他の場所においてあるわけでありまして、そういう見地に立ってまあ一括して電源開発に売り払って、その買い受けた字源開発に良心的に仕事をしていただくというふうに考えてやった次第でありますが、今御指摘の点はわれわれ林野庁といたしましても十分に検討いたしまして、はっきりした工事計画、あるいはそれに基く搬出期間というふうなもの、あるいはそれの輸送というふうな面につきまして十分なる見通しの立つものは、極力これを地元の方々に供給していくという方向に今後なお一そうの努力を加えて参りたい、というふうに考えておる次第であります。
○武内五郎君 あまり僕は文句を言いたくないですけどね……。たとえば電源開発工下等になって参りますると計画が明確になっておる。どこからどこまで水没されるということははっきりしておるんです。その中の立木であっる。それがそういうふうなことで答弁されると私は納得がいかん。はっきりしておるんです。それを今のような御答弁であれば私は納得できないと思うのです。しかも地元民からいろいろその点についてひんぱんに営林署へ願い出ておる、地元民に払い下げをやってくれということを願っておる。それを全く聞いていない。芹沢というほんの一部だけ払い下げたんで、しかもこれは非常に奥です。部落に近い所なんかというものは全然これは払い下げていないんです。そういう御答弁は全く私はごまかす……、納得できない。
○政府委員(山崎斉君) この電源開発に伴います水没の区域がどの区域であるかというような点につきましては、もう先生のお説の通り大体明らかにわかっているわけであります。ただ、立木のその間の伐採というものと、その水没地内におきますそれぞれの場所の工事というものとの関連は、なかなかまあ営林局署においてこれを的確につかむということも非常に困難であるということを御説明申し上げたのでありますが、それからなお三十数万石を売り払っているわけでありますが、この売り払いを年度別に見てみますと、二十八年度あたりから道路の支障かと思いますが、そういうものを少量売り払い始めまして、一番大量に売り払ったのは昭和三十二年度で、その三十二年度に売り払いました数量が二十数万石、全体の壁の六、七〇%に達する——七〇%にも達するようなものを三十二年度にも売り払ったというふうな形にもなっているわけでありまして、その点からいたしまして、林野といたしましても原則的にはやはり工事との関係におきましてなかなか確定し得ない、不確定要素が多いという関係から、先ほど申し上げましたような考え方に立ってやっているわけでありますが、なお、そういう工事の時期と場所と、それから林産物の搬出の期間というふうなものとの間に摩擦のないようなものは、極力地元等の方々にこれを供給していくという方針で、十分な今後検討を加えていきたいというふうに考えている次第であります。
○野本品吉君 林野庁関係のことで指摘事項の四百十四号、立木を売却しその代金を宿舎建築費等に使用しているもの、実は私ども決算委員会といたしまして、先般出張いたしまして前橋営林局管内の坂下の営林署の実地の視察調査を行ないました。当時私どもの聞いたところによりますと、奥只見の田子倉その他の電源開発の大きな仕事が始まったために、坂下の町及びその周辺の宿舎の事情がきわめて悪くなった。大ぜい相当な金を出して入ってくる者ができたために宿舎を見つけることができない。非常に困難をした、その結果が宿舎を何とかしなくちゃならんというふうなことでこんなふうなことにもなった。それからもう一つは林野庁の末端の営林署に対する予算の配賦と申しますか、事業費の配賦と申しますか、それがその常林署管内の事業量に応じてなされておる。従って小さな所には金が少しきり回っていかない。しかし宿舎とかそれからして一般の経費というものは、大きい所でも小さい所でもそう変わりはない。その二つがおもな理由ごあるということを一応感じてきたわけなんです。そうしますと、ここの人たちがかようなことをするようになりましたのは、むろん本人の責任もありますけれども、そういう臨時に起ってきた特殊な事情に対する林野庁の適切な措置に欠けるところがあったのじゃないか。もしそうだとすると、会計検査院から指摘され、本人はやめなければならんという事態の発生の陰には、単に本人の責任だけでなしに、林野庁の適切な措置に欠けたという点において本庁の責任もあるのじゃないか、こういうことが言い得ると思うのであります。その点についてのお考えはどうでございますか。
○政府委員(山崎斉君) 今の宿舎の問題、それからいろいろないわゆる事業に伴う共通費というふうな問題が御指摘の点であると思いますが、事業の量に応じて全部そういうふうな経費が出せるものだというふうなことにも現実にはなってないのでございますが、そういうそれぞれ地元におきます実態というものを営林署長は営林局に、営林局は林野庁に十分そういう点を説明して、実態の把握を徹底するというふうな方法が誠心誠意とられるということになりますと、こういう事態はもう相当救うことができる、改善されるというふうな予算の組織になっておるわけでありまして、もちろん林野なり営林局にいたしましても、そういう点をみずから認識しなかったという点は遺憾な点があるわけでありますが、現場におきます署長等の責任者は、また直接のその衝にある者として上司に対してその辺のことを十分よく説明して納得してもらうという努力は、当然しなければならぬものだというふうに考えておる次第であります。
○野本品吉君 今の御答弁、私も一応はそう考えられる。ただ問題は、私どもが国家公務員なり、地方公務員なりに対して厳正な服務、忠実な任務を強く要求いたします。要求いたしますが、その半面におきましてああいう山奥で働いている人たちに対しては、やはりそれなりのあたたかい考慮と扱いを考えるべきで、今後そういう点につきまして十分御配慮を願っていただきたいということを特に申し上げておる次第であります。
○政府委員(山崎斉君) こういう事件を契機ともいたしまして、営林署に対しまいろいろな経費の配賦、あるいは営林署における経費の使用というふうな面につきましても一定の基準を作りまして、そういうものに応じてそれぞれ支出していく、という新しい制度も作って改善を加えておるのでありますが、なおこの職員宿舎の建築というふうな点につきましても、できるだけ営林局あるいは林野庁というような所におきます宿舎の建設を繰り延べいたしまして、末端におけるそういうものの建設を促進するというふうな方針で現在進んでおる次第であります。
○北村暢君 食管特別会計の件について御質問いたしますが、まず第一番目に国内麦の勘定のことについて、全般的に食管特別会計の赤字の問題についてやりたいのですけれども、時間がございませんし大臣がおられませんので、具体的な問題で御質問を申し上げます。最近の内地麦の逆ざやの傾向、しかもこれが恒久化している状態を簡単に御説明を願いたい。なお三十四年度において年度末までにどのような形になるのか、そしてまたその予算的な面についてどのように考えておられるか、この点について質問いたします。
○政府委員(須賀賢二君) 国内麦の食管特別会計としての経費につきましては、ただいま御指摘がありましたように、数年前から逆ざや、赤字になっておりまして、特に本年は完全に逆ざやになっております。特に本年度、三十四年度でございますが、麦の買い入れが当初予算で見込みましたものよりも相当増加をいたしまして、当初の見込みでは平年作を前提といたしまして百二十七万トン程度であったと思うわけでございますが、最終買入見込みは百四十九万トン程度に増加をして参る見込みでありまして、この結果当初予算に計上いたしました予値費も全割買い入れ費に充当いたしまして、なお不足を来たしましたので、この国会に麦勘定の補正をお願いいたしまして御審議を願った次第でございます。特に本年度当初予算から二十万トン以上も上回りましたのは、価格の関係ももちろん多分にあるのでございますが、今年度は麦が平年作を上回る豊作であったわけです。それらの事情も織り込まれまして当初予算を相当上回ったわけでございます。
○北村暢君 数年前から逆さやということですが、赤字続きですが、これは三十一年度で六十七億、三十二年度で七十九億、三十三年度でちょっとわかりませんが、三十四年度でまた相当な赤字を出す、百億程度の赤字になるのじゃないかと思うのですが、そういう麦の赤字ということが非常に恒久化してきたということに対して、決して思わしくない傾向でありますから、これに対して農林省としてどのような赤字克服のための対策をとられようとするのか、この点をお伺いいたします。
○政府委員(須賀賢二君) 麦の管理がただいま申し上げましたように数年来赤字続きでありまして、現在のような管理制度をこのまま続けて参りますと、相当これは食管会計の負担といたしましても、また麦の管理のあり方の問題といたしましても、問題が非常に大きくなって参る可能性が十分あるわけでございます。農林省といたしましては、数年前から麦の管理の方法について、今後どういうふうにこれを改善工夫を加えていくべきかということにつきまして、麦管理研究会、その他部外の関係者等も入れまして検討を続けて参ったわけでございますが、一応の考え方はでき上がっておるのでございますが、これを実行段階に移しますのには、その前提としていろいろ考えなければならない問題があるわけでございますが、私ども麦の管理をいたしておる者の立場から考えますと、現在の逆ざや関係を改めまするように、麦の買い入れ価格について、もう少し実勢等を織り込まれましてしかるべき手直しをいたさなければならない筋合いでございますが、さようにいたしますと農家の麦の収入等に相当大きな影響があるわけでございまして、これらに急激な変動を伴うような直し方も簡単にはできないわけでございます。それで農林省全体の考え方といたしましては、まず今後の麦作の動向等も十分把握いたしまして、麦の生産性の向上、いわゆる生産性を向上いたしまして、できる限り安い生産費で麦が作れるようにということをまず第一段階といたしまして、麦の生産性向上対策に明年度から振興局の方で積極的に乗り出していただくようにお願いをしておるわけでございます。農林省としてもそういう態勢で進んでおるわけであります。そういうことを前提といたしましてある程度の基礎を作りまして、その上で管理制度全体をしさいにどういうふうに手直しをしていくか、という一応の構想はできてきておりますが、それを日程に載せます過程といたしまして、そういう段階を踏まなければならないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○北村暢君 政務次官にお伺いした方がこれはいいと思うのですが、やはり現在の逆さやを転換するためには、もう五、六年ずっと続けてきておるのですから、今になって麦の生産性の向上をやるのだというようなこと自体が私は非常な怠慢でないかと思うのです。すでに国会においても相当畑作振興なり何なりというものが検討も加えられ、有畜農業というものが検討せられておるのでありますから、麦の生産にあたって大麦、裸麦等は飼料に回わしてしまう、小麦は食糧と飼料の両方に持っていく、こういうようなことを考えておるようでありますけれども、根本的にはやはり麦の生産費を低下させる、安い麦を作る、こういう農家の経営からいって生産費の引き下げということが、もう絶対に要論せられておる、こういう事態だと思うのです。そうでない限り安い外麦との競争はもちろんできない。相当内麦に上回わる年々の輸入をやっておるわけでありますから、この点が真剣に考えられなければならないと思うのでありますけれども、今食糧庁長官のお話ですと急激な変化を与えてもいけないというようなことで、麦生産の十カ年計画も庁内ではきまったんだかきまらないのだか、本格的にやり出そうとするのかどうか、ここらのところちょっとわからないようですが、今後の見通しについて一つお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(小枝一雄君) ただいま北村委員からの御指摘の麦の問題でございますが、これは食管会計の立場から申しましても、これを合理化いたしまして生産コストを下げて増産をいたさなければならぬ段階に迫られているわけでございます。また国民の食生活の面から申しましても、農家の経営から申し上げましても、これはどうしても実行しなければならぬ段階でございまして、この問題はもうすでに数年前からやるべきだったというお説はまことにごもっともなことでありまして、われわれもそういう考えのもとに今後この問題を解決していくところの方向に努めなければならぬ、かように考えるわけでございます。この生産費の低下につきましては、いろいろただいま政府でやっておりますところの、いわゆる農林漁業の基本問題の調査会等の問題もございまするけれども、お説のように、これはそう調査が完了しませんでも当面の問題としてやるべき施策であると考えまして、振興局の関係におきましても、来年の予算の中にもそういう費目を要求いたしまして積極的に乗り出そうといたしているところであります。そこで御承知のように外麦の関係もございますし、いろいろ価格の調整等につきましては国難な問題ではございまするけれども、何と申しましても、食糧あるいは飼料に重大な影響をもたらす問題でございますから、国内の生産の増高と相待って外麦に対する対策を考えなければならぬ、こういう状況でございまして、ただいま御質問になりましたように非常にいろいろな面から重要な問題でございますので、麦の価格の逆ざやを是正するという食糧会計の合理化の立場から申しましても、また農家経済の面からいいましても、これは早急にやりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○北村暢君 次に澱粉の問題について御質問いたします。澱粉の在庫が二十二万トンで年々保質料その他で十億といわれている。こういう膨大な澱粉の滞貨を持っておって、食管特別会計における農産物勘定の中の赤字の大きな原因の一つになっている。これに対する対策がそれぞれ講ぜられてきているのでありまするが、その一つとして結晶ブドウ糖の問題が出ております。政府はこれを助成をいたしているのでございますが、この結晶ブドウ糖の糖化の問題について政府のとつておりますものが、どうも実情に合っていない。それは酸糖化法と酵素糖化法の問題が新しく出て参りましだ。酵素糖化法は非常に有利である。これは小枝政務次官が衆議院の農林水産委員会で参考人を呼ばれて聞かれているようですから、もうすでにはっきりした事実として出てきていると思う。政府のとっている甘味十カ年対策、一体今の結晶ブドウ糖の工業の育成というものに対しての計画の概要を簡単に御説明願いたいと思います。
○政府委員(須賀賢二君) ただいま御指摘がありましたように、現在政府で相当大量の澱粉を保有をいたしておるわけです。また今年度のイモの生産事情等から考えますと、今年度におきましても、ある程度の買い入れはいたさなければならんという用意はいたしているわけであります。従いまして政府の手持ち澱粉量は相当の量になるわけでございます。これに対する澱粉の処理対策、ひいてはカンショ及びバレイショの価格支持対策といたしまして、澱粉の新規用途の開拓ということを、二年ばかり前から農林省で積極的に取り上げたわけであります。それには今まで澱粉が使われておらなかった分野でございまして、しかも量的に相当大量のものが消化できるという部面を探しませんと、澱粉の処理対策として効果的なものになりません。われわれといたしましては、現在結晶ブドウ糖と、さらにそれに若干加えましてクルタミン酸ソーダを対象といたしておるわけであります。結晶ブドウ糖は、昨年農林省が策定をいたしました甘味資源十カ年計画におきましても、将来は相当の分量を結晶ブドウ糖に置きかえて参りたいという考え方で進めているわけであります。現在とっております措置といたしましては、工場の基準等を作りまして、基準に合いまする工場に対して農林漁業金融公庫から融資をする。それから、そういう対象工場に対しましては、澱粉を政府で買い取りました値段より百円程度引き下げまして、特別の価格でこれを売却するというような措置をとっているわけであります。なお、製品の消化を促進をいたしますために、前期から輸入粗糖のリンク割当等もこれに付け加えて実施いたしているわけであります。
○北村暢君 今申し上げるように、非常に結晶ブドウ糖の育成のために政府が特別な措置をとっておる、それが五カ年後ぐらいに十五万トンの生産を目標にしているようでありますけれども、しかもそれが今まで対象になっている工場がすべて酸糖化法をやっている。そういうことだと思いますが、それに間違いございませんか。
○政府委員(須賀賢二君) この結晶ブドウ糖工業の育成を私どもの方で考えました段階におきましては、技術としましては酸糖化法以外のものがまだ発見をされておらなかったわけであります。現在私どもが指導の対象にいたしておりますのは、全部酸糖化の方法でやっておるわけであります。
○北村暢君 そこでお伺いしたいのは、酸糖化法によって十五万トン目標に五カ年もかかってやろうということのようなんですが、この手持もの二十二万トンの処理の問題と関連をして、酵素糖化法による結晶ブドウ糖の工業化、これを岡山の林原君ですか、そこで今年試験的に日産五トン、来年の三月末、日産百五十トンの生産設備をする、それからさらに来年の末には日産六百五十トンの生産できる工場に持っていこう、年間約六千万貫の澱粉を消費する、こういう計画を持っているということを、過日の衆議院の農林水産委員会で参考人として呼ばれて供述をしているわけです。そういうことになりますと、従来、食糧庁が振興計画として現在千社ですか、十社の日産六十二トンの工場に対して助成を行なっている、こういうものと比べまして、これは一社で自力でもって日産六百五十トンもやるというのですから、今の政府の助成している六十二トンと比較しまして大へんな差があるわけです。そういう膨大な助成をするもののこれは約十倍に当たるものをたった一社でもってしかも来年の末までにこれを作ってしまおうということなんです。そういうことになると、この結晶ブドウ糖の糖化の政府の育成措置というものが、ここでもう根本的に改められなければならなくなってくるのではないかというふうに考えられますし、今後における澱粉の結晶ブドウ糖、糖化に対する需要というものが飛躍的にふえてくる、こういうことになれば政府のとっております七十五万トンの甘味資源のうち、結晶ブドウ糖によって十五万トンを計画している、これはもう五年もかかって十五万トンなんてやっているのだが、これは根本的にやり直さなければならないのではないかと思うのです。そういう点について一体酵素糖化法を知らなかったというのですけれども、これは政府が始めたのは今年の四月の問題なんですね。何も政府の助成策というものが三年も五年も前からやったのではないので、その当時わからないというんだったならばわからないという理由もあるかもしれませんけれども、今年の四月から始めた助成なんです。それに対して酵素糖化法がわからなかったということでは、画期的な発明として出てきたわけでございますから、根本的に考え直さなければならないのではないか。しかも来年度の助成の農林漁業金融公庫の融資等に対しても、相当額これは融資の希望額として出ているのですね。そういうような点からして、今後この結晶ブドウ糖に対する考え方というものはどういうふうにしていくのか。もしこれが本格的になったとするならば、現在の農産物勘定において滞貨を持っている二十二万トンの澱粉というものは、これは軽く処理できるのではないか、しかも特別な処理をして安売りをして助成をしようとしているのでありますから、その助成をしようとする対象の酸糖化法よりは三割以上もコストの合理化された、有利な酵素糖化法というものが出現したのでありますから、助成しなくても自力でもやっていける、こういうような形が出てきたのであります。これに対しましてどのようにお考えになるか。
○政府委員(須賀賢二君) 結晶ブトウ糖の育成計画を農林省で考えている段階において、酵素糖化の問題を考慮しないで進めたかということでございますが、これは現在の酸糖化法の納品ブドウ糖の育成対策を立てまして、それを実行に移します段階におきましては、酵素糖化法は実際にそういう技術が実用化されるという段階までの確認はいたしておらなかったのでございます。従いまして、今回岡山県のある工場におきまして酵素糖化法による技術が実用化をいたしましたということは、私どもといたしましてもこれは非常に注目すべき事態であると考えております。いろいろ化学的なブドウ糖としての組成なり、そういった点の問題になりますと、酸糖化でやりますものと酵素糖化でやりますものとはいろいろこまかくは違うようでございますが、いわゆる甘味料としてのブドウ糖としては十分実用的に使えるものではないかというふうに考えているわけであります。私どもの方も岡山県の工場に私どもの方の食税研究所の技術者を派遣をいたしまして、具体的にこまかく調査もいたしているわけであります。それでこういう新しい技術が出て参りましたので、従来の酸糖化法だけで考えておりましたブドウ糖の育成対策というものは、私はこの段階で十分検討してみなければならないと考えております。ただ林原工場の将来の計画等につきましても、いろいろ工場が持っておりまする計画の数字につきましてお話がございましたが、非常に積極的に進めておられます点につきましては、私どもそのきわめて旺盛なる企業努力に敬意を表しているわけであります。実際の今後の見込みといたしまして日産数百トンというブトウ糖の生産計画は、それに伴いまする製品の消化の見込み等も十分もちろん持って進めておられることと考えるのでありますが、私ども現在上社を対象にしましてブドウ糖の育成指導を行なっておりまする考え方の中で、やはり一番苦労をいたしておりまするのは、最終製品の有効需要をどのように喚起して参るかというところにあるわけであります。現在できております結晶ブドウ糖の製品は、特に酸糖化によって作っておりまするものはきわめて純度の高い、製品それ自体としてはまことにりっぱなものではあるのでございますが、従来の甘味料に対する長年の使用慣行等からいたしまして、なかなかその最終製品が活発に実際の有効需要の中に人っていかないということが、私どもとして一番苦労をしております。その点について林原さんが非常に横桁的な見込みをもってやっておられるわけであります。その成果には私どもは非常に大きな期待を持っております。今後の扱い等につきましては、私どももこの新技術の完成を高く評価をいたしまして、いろいろ検討いたしておる段階でございます。いずれ方針等もかたまりましたらまた改めて申し上げます。
○北村暢君 これは嗜好の問題もありますし、従来の慣行の問題もありますし、いろいろむずかしい問題だ。そういう問題ばかりでなしに、これは砂糖を含めて非常に政治的にもむずかしい問題であるということは十分私承知している。十分承知しているのですが、しかしそれにもかかわらず酵素糖化法によるこの結晶ブドウ糖というものが、きわめて砂糖に似かよった、しかも純度の高いものであるということは、もうはっきりしておりますし、しかも現在市販に出てこれが相当成績よく受けているわけですね。これも実証されている。従ってこの育成の仕方いかんによっては、私はやはり輸入砂糖との関係からいって、今後十分検討はしなければならないと思いますけれども、可能性のある問題だ。しかも国内産業である、今非常に因っておるこの澱粉の処理の問題について、需要が拡大せられるのでありますから、水あめ等の消費の減退と関連して、これはもう当然農産物勘定の赤字の克服の面から、また畑作振興の意味から農林省として当然考えていかなければならないと思います。 それからこれに関連してアメリカのコンポロ社の外資の進出の問題がある、結晶ブドウ糖の工業会の方からこの外資の進出を阻止してもらいたい、これはもうパテントを取っているようでありますけれども、そのパテントの内容等についてもはっきりしないし、このコンポロ社の技術というものは酵素糖化法であるから、国内においても酵素糖化法はすでに今申したように非常に可能性もあるし、実績も持ってきたわけでありますから、外資が入ってくることには、国内産業を維持する上において反対の陳情があるわけです。これに対して政府は一体どのような考え方を持っておるのか、これが一つ。 それから私はこの二十二万トンの澱粉の対策の問題でありますが、この処理の問題は結晶ブドウ糖工業の育成をまってこれを処理していく。まあ今年産の澱粉を書き人れれば一年の半分以上のストックを政府は持つ。こういうようなことになるようですが、しかもこれを結晶ブドウ糖の工業育成のために安売りをするということでありますから、しかもそれが今の計画でいけば五年も六年もかかって処理をしよう、これでは金利倉敷料でも一年間に十億くらい食糧庁は赤字を出していく、こういう実態にあるのでありますから、すみやかなるこの二十二万ドンの処理というものは、この赤字克服の意味からいっても非常に重要だと思う。そのためには結晶ブドウ糖以外にこれを処理する方法はないのかどうか、輸出をするという方法はないのか。これはもちろん価格の問題がありますけれども、国内結晶ブドウ糖の育成のために安売りするというくらいの賞悟を持っておるのでありますから、そうするならばこれは輸出をして解決をするという方法はないことはない。しかもこれは砂糖の輸入の問題とも関連して再能性というものがあるのではないか。こういうことについて食糧庁は——政府は一体この検討をしたことがあるのかどうかということをお伺いいたします。
○政府委員(須賀賢二君) コンポロ社と国内の製造業者との資本提携、技術導入の問題は私どももその計画のあることは承知をいたしております。ただこれにつきましてはただいまお話のございましたように、すでに国内でも酵素糖化の技術が一応完成をいたしておる段階でもございまするので、当初企画をされました当時の事情ともまた多少変わって参っておりますので、この問題はきわめて慎重に扱わなければなりません。私どもの方でも鋭意研究しておる段階でございます。 それから非常に政府手持ちの澱粉が滞貨になっておりますることとの関係におきまして、さらに値段を下げてなるべく早くこれを放出をするかどうかという問題でございますが、確かに値段を下げますればある程度放出をする放出計画も、時間的に短縮ができるとは考えますが、値段を下げますことはいろいろやはりイモないし澱粉の全体に対する価格の影響等ももちろん考えなければなりませんし、また今当面対象になっておりまする酵糖化法によるブドウ糖の原料の放出といたしましても、今新しく出て参りました酵素糖化等の問題とも、ここであわせて検討をしなければいけない段階になっておりますので、一応私どもの方ではさらに値下げをして結晶ブドウ糖を放出する計画も組んではみたのでございますが、その実行につきましてはなお検討をいたしておる段階でございます。 それから澱粉を輸出いたしますにつきまして若干の引き合い等もあるようでございますが、やはり問題は価格でございます。現在政府の支持価格の見合いになっておりまする千五百五十円のべースでは、輸出が困難であるということに大体なっておるようであります。従いましてある程度値下げをいたしますれば輸出の可能なる面もあるわけでございますが、政府手持ちの澱粉についてこれを値下げをして安値放出をして輸出をするということは、この政府が持っておりまする澱粉の処理計画としては十分これは慎重に考えなければならぬ。いろいろ北海道澱粉等につきましても輸出引き合いの計画等もありまして、いろいろ努力をされている面もあるのであります。われわれとしてはいろいろ民間側で販売努力をいたしまして、それのどうしても残ったものを政府で買い上げるというような措置を考えておるのでございます。これを直ちに輸出向けには安値で放出するということは、建前の上としても若干の異論のある問題ではなかろうか。さような点から現在はまだ輸出に安値で放出するという考え方には、踏み切りかねておる段階でございます。
○北村暢君 一点だけ。今の輸出の問題ですが、これは私は恒常的にやれということを言っているのでなくて、今持っている二十二万トンの処理の問題なんです。しかもこれは安値で放出する、こういうただそれだけではないのでありまして、やはり輸入砂糖との関係において従来テンサイ糖の奨励のために輸入砂糖との関連を考慮している。こういうこともあるのでありますから、輸入砂糖との関連でやはり食糧庁がこの輸入砂糖の問題についても取り扱いをしているのでありますから、そういう面との関連性、これはどういうふうに表現していいかちょっとあれですが、そういう考え方で澱粉だけを安売りするということを考えてはおらない、輸入砂糖との関連を一つ考えたらどうだろうか、こういう意見です。これは検討してみないと簡単にいくかどうかわかりませんけれども、そういう面を一つ考えたらどうだろう。しかもこれは今持っている二十二万トンの滞貨を処理する。あとは納品ブドウ糖も本格的になってきたのでありますから、将来のカンショは生産制限よりもかえって生産を奨励するというような形になる。それ以外にカンショの飼料化の問題なんかも出ておりましたし、とにかくイモ作をやっている農家に対してカンショの価格を維持するということは非常に心労をしているし、食糧庁としても、ことしのあれだけの作業と意欲を、農民なり農村出身の議員さんの圧力で下げざるを得なかったくらい、非常に大きな問題なわけです。しかしながらそういう今までの苦しい状況というものの今後見通しというものが出てきたのでありますから、そういう意味で二十一万トンの処理を早急にやる、これは非常に臨時的なもので、これが輸出面において恒常的なものであれば、私も積極的にできんというふうな考え方も成り立つかもしれませんが、しかし臨時的でありますから、商行為の上からいって輸出が簡単にできるとはなかなか考えられないと思いますが、そういう面においてもすでに北海道のバレイショ澱粉の問題も、輸出の問題等について考えているようでもあります。十分一つ考慮をしていただきたい、このように思うわけであります。
○政府委員(須賀賢二君) 輸入砂粒とのいろいろからみ合いにおいて考えてみる余地はないか、という御示唆でございますが、これはいろいろ複雑な問題でございまするので、ただいまの御意見によりまして私どもの方でも一つ十分検討してみたいと思っております。
○委員長(上原正吉君) ほかに御質疑がなければこれをもって農林省の部、検査報告批難事項第二百七十二号から第四百十五号までの質疑は、一応終了したものとすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上原正吉君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 以上をもって本日の審議は終了しました。次回は十一月三十日午前十時三十分より住宅金融公庫、国民金融公庫、中小企業金融公庫の綿を審議する予定であります。 本日はこれをもって散会いたします。 午後三時二十九分散会