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33回国会参議院1959/12/25

議院運営委員会 第17号

発言数
16
登壇者
8
会派数
5
開催日
1959/12/25

会議録

高橋進太郎自由民主党

○委員長(高橋進太郎君) これより議院運営委員会を開会いたします。  本会議における議案の趣旨説明聴取に関する件を議題といたします。  昨二十四日衆議院から提出されました国会の審議権の確保のための秩序保持に関する法律案の取り扱いにつきましては、理事会において協議いたしました結果、国会法第五十六条の二の規定により、本日の本会議においてその趣旨説明を聴取することとし、かつ、質疑を行なうことにおおむね意見の一致を見ましたので、本件についてお諮りいたします。この際御発言願います。

横川正市日本社会党

○横川正市君 これはまことに唐突な感じがいたしますが、唐突といえば、実際上、国会の全体的な運営がはかられておるのでありますから、それは私の参加をしない委員会その他で議せられたことがわからないままに私が感ずる場合と、もう一つは、全体が相当注意をしながら、監視をしておりながら、実際上唐突だという場合と、理解をするのに二つの場合があると思います。たまたま私は今朝の新聞で、昨日衆議院において議員提出に関する立法が、その議員たちの手だけで強行採決をされたということ、そういう事態を報道されておるのを知ったわけであります。これほどこの案件に対して唐突な思いをしたことはないわけであります。たまたまそのような経緯を経て本院に回ってきたわけなんですが、私どもとしては、少なくともこの種の案件は、幾つかの法律案を審議いたしました前例からいきましても、これは全会一致の法律案である場合は、こういうような法律審議をしたことの前例は持っております。ところがそうではない、国民の権利に関するきわめて重要な法律案だとわれわれも思い、私たちの周囲のものもその点について十分関心を持っている法律案について、本日これは午前中から理事の皆さんがずいぶん努力をされたのだと思うのですけれども、それが、もうすでに会期も余すところ何日間というよりも何時間というような状態に至って、ただいま委員長の言う提出案件になってきたわけであります。ですから、私はこの際、おそらく理事会でも、この種の法律案も本会議に提出するのには十分意を尽くして論議をされて、本会議の提案説明、質疑という点を了承したのだと思いますが、さらに私はこれを慎重に審議するという建前については、一体われわれとして了承ができるような格好で取りきめが行なわれたのかどうか、非常にその点、危惧を持つわけであります。私は、こういう重要法案でありますし、しかも衆議院は、きわめてお粗末な、疎漏な審議をいたしておりますから、参議院の良識に訴えてもこれは慎重審議をするというのが、本院の使命だ、建前だと、かように考えております。その点について取り扱い上いささか疑懼を持っておりますので、これを明らかにしていただきたい。かように思います。

高橋進太郎自由民主党

○委員長(高橋進太郎君) それでは私から理事会の経過等について御報告を兼ねましてお答えいたします。  理事会といたしましては、一昨日衆議院から予備審査の形で本院に送付されて参りましたので、この法案の取り扱いについて相当論議を尽くしたのであります。社会党側の御意見では、予備審査の段階よりも本審査になってからこの問題を取り扱うということであり、今、横川さんのお話のように、他の会派では、これは前から相当重要な問題でもあり、衆議院だけではなく、参議院に関する問題でもあるので、慎重審議をする意味からも、これは本会議において趣旨の説明を聞き、そうしてお話のように慎重審議をして、この法案について一日も早くこの問題についての意を尽くすべきではないか、こういったような議論がございました。同時に、きのう法案が衆議院で成立いたしまして、従って本日はこの問題につきまして、やはり朝からそういうような御議論等がございましたが、いずれの会派とも慎重審議してこの法案を取り扱うべきであるということにつきましては御異論がなかったようであります。しかし、いずれにしても、今、横川委員も言われる通りこれだけ重要な法案であり、また提出のいきさつ等も考えて、すみやかにこれは本会議において提案者の趣旨説明を聞き、それについて質疑を行なうということに先ほどの理事会で意見の一致を見ましたので、議運を開いてその取り扱い方についてお諮りしたい、こういう経過になっておりますので、さよう御了承願いたいと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 しつこいようですが、慎重審議をするのだということで理事全体の意見の一致を見たというお話でございますが、非常に慎重審議という言葉は実は具体性がないのです。それで、委員長にだめ押しのようなことになって恐縮ですが、衆議院の方でこの法案を審議した際には、どういう審議の仕方をしましたかと、衆議院に聞いたら、きっと慎重審議して上げました、こういうふうに答えるかもしれないのです。しかし私自身の判断では、非常に時間的にいっても短いし、しかも提案された会派の人たちだけの手によって最終的に打ち上げられたということですから、私の判断はどうも慎重審議したというのに不十分ではないが、こう思うのですよ。そこで、この二院制度になっているのは、私が言うまでもなく、万一衆議院の方で慎重審議をしたと言いながらも手抜かりがあったり行き過ぎがあったりしてはならないので、参議院で十分にその欠点を補って慎重な審議をするという建前になっておることから考えましても、衆議院のような電光石火的な日程で追い込んで審議をするような実態は、委員長の使われた慎重審議ということにはそういう実態は当てはまらない、こういうふうに私どもは思うのですが、委員長いかがですか。

高橋進太郎自由民主党

○委員長(高橋進太郎君) お答えします。今、米田委員のような御議論は、社会党の理事あるいは社会クラブの理事等からもそういう発言がございました。しかしながら、理事会でこの問題を議論した段階におきましては、この議案は、社会党の諸君からは地方行政委員会に付託すべきであるという意見、あるいは自民党の側からは、これは議院運営委員会に付託すべきであるというような意見が出て、どの常任委員会でこれを取り扱うかというような問題が未決定のままでありますので、従ってその常任委員会のきまらない法案につきまして、どういうような審議過程でどういうふうな、言いかえれば今言う慎重審議するという具体的の日程なら日程を論議することは、今の段階では不適当じゃないか、こういうような話で、従って、まあ先ほど御報告申し上げました通り、抽象的ではございますが、いずれも慎重審議する、こういうような形において承認になった、こういうことでございますが、いずれその御趣旨のほどは常任委員会が決定する際に十分また御論議があることと思って、私は了承したのです。

米田勲日本社会党

○米田勲君 重ねてお聞きしますが、本会議で趣旨の説明を聞くことになっておるのですから、心配で前もって委員長にお聞きしておきますけれども、委員長の言われる慎重審議というのは、これは文字通り慎重審議をやるのだということに受け取っていて私の判断は間違いではないのですね。

高橋進太郎自由民主党

○委員長(高橋進太郎君) 米田君にお答えします。先ほど申し上げました通り、この法案の取り扱いについて常任委員会の所属の決定しない現段階でございますから、従って、たとえば社会党の諸君から、公聴会を開いてはどうかとか、あるいは各界の参考意見を聞いたらどうかとか、いろいろ具体的の話も出ましたが、理事会の段階としては、今申し上げた通り、いわゆる抽象的にこの法案の経緯その他から慎重審議ということの話は出ましたけれども、その内容にまで入って理事会が確認するということは、常任委員会の所属のきまらぬこの段階においては不適当じゃないか、こういうことで、その内容までは入らなかった、こういうことでございます。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 私も理事会でいろいろ聞きましたが、理事会で申し上げたように、まことにこれは失礼な言い方ですが、自民党の皆さんのおっしゃる慎重審議を、われわれは今でも信用できないのです。衆議院では、大体きのうあたりは、初めは参考人の意見を聞き、連合審査もやろうじゃないかという意見があったのですが、わずかの間にひっくり返され、そしてほんとうに単独審議でやられたのです。そうして、きょうから、あした、あさってまで、会期の間にやれば、あなたの方ではこれは慎重審議と言われるかもしれない。だから慎重審議というのが、今までの重要法案のように、ほんとうにその前例に照らしてやるのか、前例に照らしてやるとおっしゃっても、あなたの方は参議院に付託されただけでやられた例もあるのですから、そういう先例をとってもらってはまことに困るのですよ。世間もわれわれも、自民党さんのおっしゃることは、実際心の中から言われることが信用できないのです。そういう面で、今国会で参議院でも波乱を起こしてまでもやはりこの成立をあなた方の方でおはかりになるのか、それとも重大法案の前例に照らして慎重審議をおやりになるのか。私たちが聞くところによりますと、衆議院の議院運営委員長も、この法案は実際十日や十五日……何ヵ月もかかってやらなくちゃならないのだけれども、おれの方の七役会議で怒られて私は困っているのだと、こういうところで言っていいかどうかわかりませんが、私は本人からそういうことをお聞きしませんが、漏れ承っているのです。そういうやり方を参議院でもおやりになるのかどうか、われわれは非常に疑問を持っているのです。だから、慎重審議だけではわからないから、もう少し私は、理事会で無所属クラブからもおっしゃったように、慎重審議ということを記録に残しておいてもらいたい。自民党の方からの発言もしてもらいたい。

田中茂穂自由民主党

○田中茂穂君 先ほど委員長の方からお答えになりましたように、昨日、本日二日間にわたりまして、この法案に対する取り扱いについて十分御協議いたし、私も自民党の意見を代表しましていろいろ意見を申し述べたわけでございます。結論としましては、まだどの常任委員会に付託するかということが今の段階できまっておりませんので、所属常任委員会で十分今後の日程、審議の計画、そういったことについてお取りきめ願うものだと考えておりまするので、議運の理事の立場から昨日来申し上げておりまするように、やはりこれは重大な法案でございまするので、十分慎重審議の線で所管委員会が御審議の日程をお取りきめ願うものだと、かように私は考えております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 私は、今の委員長並びに自民党の田中理事の意見というものが、まあ、きょうの意見であってあした変わる意見だとは考えられないわけですね。なぜなら、出された案件そのものはきわめて重要だとお互いに認識しているからです。ただ、私は提案された趣旨を新聞記事で見ますと、国会の権威を保持するための法律案だということで、私はその趣旨においては、与党であろうと、野党であろうと、国会職員であろうと、それはもう期せずして一致する問題だと思う。ただ残念なのは、きのうのああいう格好の衆議院を見ておると、少なくともあの中には、私は権威を高めようとする、そういう全体的な趣旨と合致した動きだったかどうか。かえって私は、あれは権威を失墜する以外の何ものでもなかったと実は考えるのです。これは認識の相違だと言ってしまえば、平行線ですから、その点、私は強くは論議はいたしませんが、ただやはり国会の権威そのものを臨めようということであれば、私は、この法律案に関する限り、しかも国民の請願の問題やら、あるいは国会に近寄ろうとする個人の意思やら、そういったものに対して寄らしめないというような、きわめて悪例をこの法律によって作り上げないとも限らないわけです。法律を作ってしまえばひとりで動くのですから、われわれ常に法律を作って苦い経験をなめているのです。そういう意味から言えば、民主国会だという日本のこの衆参両院のあり方というのは、少なくとも、いささかの不便があっても、法律をもってこれらの制限をするということは、禍根こそ残れ、いい方向にはいかないのじゃないかと考える点も多々あるわけです。そういう点で、きわめて法律の内容というのは重要だと、かように考えておりますので、国会の権威を高めるための努力をこの法律案審議の中に十分尽くしてもらいたい、十分尽くす場所を作ってもらいたい。これは院の中で議員が集まって、やいのやいのとけんかをすることではなかろうと思うのです。そういう点ではあらゆる英知を結集して、少なくともこの種の法律案を成立せしめる段階には、私は皆さんを十分納得せしめるという方向で進めてもらいたい。そのことが私は慎重審議ではないかと、かように考えておりますので、この点を一つ委員長からさらに御回答いただいて、私は質問を終わりたいと思います。

高橋進太郎自由民主党

○委員長(高橋進太郎君) 横川君の御意見ごもっともであります。従って、近く議運委員会で、あるいは理事会等におきましても、この問題に対する取り扱いについては十分御趣旨の点を考慮いたしまして、そういったようにいたしたいと存じております。

北條雋八無所属クラブ

○北條雋八君 私は先ほど理事会で申し述べましたように、今の慎重審議の問題でございますが、衆議院で昨日やったような、ああいうような審議の仕方は、参議院では、あれを埋め合わせるために、一そう時間をかけて衆知を尽くして、また意見をできるだけ聞きましてやりたいと思います。そうして参議院の権威を高めなければならない重要な法案でございますから、その点を重ねてこの際申し上げまして、皆さん方の御希望に沿える無理のない審議を進めていただきたいと思います。

加賀山之雄緑風会

○加賀山之雄君 私も理事会で申し上げた通り、今度の事態に対しては、両院が協議して、今度のようなああいうようなことを二度と繰り返さないための根本的な対策が必要であろうということを申し上げ、それから衆議院を待たずして、本院が自主的にもいろいろな方途を立てて、議長の非常に強い声明もあったことでもあるし、結論を出すべきだということを主張してきたのですが、会期が非常に迫ってきた、そこにたまたまこの衆議院の法案が回ってきたわけです。ここにきて、私ども他院のことをそう言うべきことではないと思うので、それこそ、今度のことこそ二院制度の非常に大事な現われ方が、こういう問題についてこそあるのではないかと思うのでございまして、そういう意味から、衆議院のやり方には批判すべきことはあると思いますが、これは他院のことです。正式の手続をもって本院に送付されてきた以上は、これをもとにして、がっちりとここで正面から受けとめて、そうして本院は本院としての冷静な判断に基づいて結論を出していくということが必要であろうと思うのです。あくまでも慎重に冷静にこの問題と正面から取っ組んでいくということが必要であると思います。

田畑金光社会クラブ

○田畑金光君 十一月二十七日の事件からこういう法律が出てきたということは、まことに残念だと考えています。あの事件については、われわれとしては、あれだけの事件を起こした以上、当然主宰者側においても責任の立場にある者は政治的な責任を感ずべきであるし、同時にまた、院の秩序保持の最高責任者である議長が政治的な責任を明らかにすることも、これは当然のことだと思うし、この責任が明らかにされるならば、法律問題は、第二、第三だと考えるわけです。しかるに、今日に至るまで政治的な責任が明らかにされていないということはまことに遺憾で、そのかわりにこのような法律が出たということは、国民大衆の権利をこれによって制限しようということで、まことにこれは本末転倒と言わなければならぬと、こう思うのです。しかし、現実に法律案が出てきた以上、衆議院においては、これだけ重要な法律案が与党だけできめられてしまった、こういう姿がとられたということはまことに遺憾なことであり、今日参議院としては、第二院の使命にかんがみましても、ことに第二院が良識の府であるという、この良識は、あくまでも言論の方は言論を尊重し、尽くすべき審議は尽くしていこうというところに参議院の真価があろうと、こう考えるわけです。ゆえに、私はこの際、参議院においては、先ほど来質疑の中に明らかにされておりますが、慎重審議ということが文字通り尽くされることを切に希望するわけです。私も理事会等に出ていろいろ各派の理事の人からの話は聞きましたが、やはり約束したことはどこまでも守る、それが必要だと思うのです。議会が単なる各派のかけ引きに終始しているようなことでは済まされないと思うし、ましてや、このような国民の基本的権利を制限する法律案が出た以上は、これは与党の諸君におかれても十分に一つ国民の不安あるいははその法律の及ぼす影響を考えられて、文字通り慎重審議を尽くしていく、この態度を明確に一つ肝に銘じてもらいたいと思っております。私はこの法案が出てきたことは非常に遺憾だと思いますが、二十七日の事件からこういう法案を生み出し、しかも一番根本的な政治責任を明らかにする者がないということは、返す返すも政治道義の立場から遺憾だと、これだけ申し上げておきます。

高橋進太郎自由民主党

○委員長(高橋進太郎君) なお、御意見もあるかと存じますが、この辺で結論を得たいと存じます。  本件を本会議においてその趣旨説明を聴取することとし、なお質疑を行なうことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高橋進太郎自由民主党

○委員長(高橋進太郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  暫時休憩いたします。    午後六時八分休憩    〔休憩後開会に至らなかった〕

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