外務委員会 第10号
- 発言数
- 206 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/12/03
会議録
○委員長(草葉隆圓君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について報告いたします。 昨日羽生三七君が委員を辞任され、その補欠として小林孝平君が選任されました。
○委員長(草葉隆圓君) 日本国とヴィエトナム共和国との間の賠償協定の締結について承認を求めるの件、日本国とヴィエトナム共和国との間の借款に関する協定の締結について承認を求めるの件、以上衆議院送付の両議案を一括して議題といたします。 前回に引き続き質疑を続行いたします。
○吉田法晴君 私は、ベトナム賠償の問題について実質的な審議に入ります前に、資料の点について要求しあるいは問いたださなければならぬことは、大へん残念です。審議の前提となる資料については、これは十分外務省の方からも御協力を願わなければならぬのでありますが、要求いたしました資料の中で、バオダイ政権等がインドシナにおいてフランスのかいらい政権であると認定せざるを得ないという事務当局の見解を含む記事等を載せておりますインドシナ三国の地位、インドシナ三国の政治経済情勢、これを提出することを求めましたが、非公式に委員会が始まります前に伊関局長の釈明によると、予備がないからそれはお貸しをするように言っておったという話でございまするが、まだ手元には届いておりません。お出しになるかどうかもう一ぺん伺いたい。
○政府委員(伊関佑二郎君) 予備は事務用の分がございますので、これをお貸しいたしたいと思います。御了承願いたいと思います。
○吉田法晴君 十一月二十七日の本委員会において藤山外務大臣がベトナム賠償協定に関する外務大臣の説明としてわれわれの了解しておったところでは、経過報告ということでベトナム賠償協定に関する見解を表明せられました。これはどういう性質のものでしょう。それまでいろいろございました政府の見解その他を総合して、政府のベトナム賠償に関する公式の見解として表明されたと思うのですが、もう一度この性格について承っておきたいと思います。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 経過報告をということでありましたので、経過報告に際しまして、そういう経過をたどりますときにとりましたわれわれの考え方というものをあわせて御報告申し上げた、こういうことに御了承願いたい。
○吉田法晴君 経過報告ということでやられたことはわかるのです。しかし、経過報告だけでなくて見解が述べられ、さらにその後、委員会で論議をいたしますときも見解を述べられておりまするが、与党の委員長あるいは理事諸君からも言われたわけですが、その経過の部分だけでなく見解の部分について、従来いろいろ説明あるいは見解が表明されてきたけれども、それらは統一してこういう政府の見解になつた、こういう二十七日の説明は政府の公式見解だととって差しつかえないかということをお尋ねしておる。
○国務大臣(藤山愛一郎君) ただいま申し上げましたように、経過にあわせてその経過をたどりますときにわれわれとりました見解というものを申し述べたわけでありまして、むろん政府の公の見解でございます。
○吉田法晴君 そうしますと、それまでに説明がいろいろあるけれども、その説明はここに集約されて、ここに出てきたものは政府の正式の見解だ、こう考えてよろしゅうございますか。あるいは外務省で相談された段階のものもございましょう。それから衆議院の、まあ最近参議院の本会議でもそれは首相も出られました。それから委員会にも総理も出ておられますから、政府の、総理大臣を含めて、見解も交えて、ここに政府のベトナム賠償協定に関する見解だと、こういう工合に解してしかるべきものじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか、もう一ぺん。
○国務大臣(藤山愛一郎君) ただいま申し上げました通り、経過を説明するにあたりましてです、そういう経過をたどるときにとりました政府の公式の考え方を申し述べたわけでありますから、いわゆる公式な見解、政府の公式な見解というふうに御了解願って差しつかえございません。
○吉田法晴君 政府の公式見解だという御回答で、少なくともその説明については審議の対象になり得ると、ところが、この説明の中には、いろいろ間違いもあるし、あるいは他の資料との食い違いもございます。いわば公式な見解かもしらぬけれども、あわてて取りまとめたために、至るところに矛盾があり、ぼろが出ておりますが、小さいところから聞いて参りますが、この説明の最初のころにベトナムのトラン・バン・フー首相が昭和二十六年九月、サンフランシスコ平和条約の賠償末項に関するベトナムの態度を明らかにした際、労務提供の形式によって与えられた賠償は、原料をほとんど持っていないベトナムには、あまり役に立たない、従って役務賠償による賠償を文けることは、法定通貨でない貨幣を受け取ると同じようなものであるとして、他の賠償請求国と同様、単なる役務賠償のみならず、生産物賠償を規定している旨を声明するとともに━━そこからまあ問題です。賠償要求額については、ベトナムは日本に対して少なくとも二十億ドルの賠償支払いを要求するであろう、と宣言して、賠償交渉ができるだけすみやかに開始されることを希望する旨を言明しました、こう言われている。ところが、外務省から出版されました昭和三十六年九月刊行のサンフランシスコ会議議事録によると、こういう日本に対して少なくとも二十億ドルの賠償支払いを要求するであろう、こういうことは言われておりません。言われると大臣は言われるのでありますが、それならばサンフランシスコ会議のトラン・バン・フー氏の発言記録をフル・テキストで出してもらいたいと思います。いかがですか。
○政府委員(伊関佑二郎君) これはサンフランシスコ会議のときの声明ではございませんで、その後で彼がワシントンに行ったときの声明なんです。
○吉田法晴君 どういう声明ですか。どういう場所で、だれと会っての声明ですか。
○政府委員(伊関佑二郎君) だれと会ったかということは、今のところ私の方でわかりませんが、とにかくワシントンにおいてこういう声明を発表しておるということでございます。
○吉田法晴君 外務大臣が協定の審議を願う際に、先ほどの説明によると、公式見解と言いますが、公式見解で説明された際に、そのときの説明、これは記録によっても明らかですが、トラン・バン・フー氏が、サンフランシスコ会議で労務提供の形式による賠償だけではベトナムにあまり役に立たぬ、生産物賠償も期待しておる旨を声明するとともに、要求額について言明をした。こういう宣言したと言われるのを聞くと、だれでもこれはサンフランシスコ会議の席上で言われたと理解するのは当然じゃありませんか。しかも、今、聞いてみると、ワシントンでやったのだ、私は、この説明によるとサンフランシスコ会議で公式の会議で言われたと理解されますから会議録を見たのであります。そうすると、外務省から出した記録の中にはございません。それでここに言われた藤山外相の説明は不十分であった。あるいは声明するとともに、言明をしたというのは、今のように違う場所だ。これはここではとにかくあれは違うのだ、間違っておるのだ、こういうように訂正されますか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 御承知の通り、この経過報告は、経過報告をいたします前日の夕方に、経過報告をしろという御要求がございましたので、私ども取りまとめて、翌日早急に御報告をいたしたわけであります。従いまして、むろんこの経過報告で十分意を尽くさないところ、あるいは期日が必ずしも十分でなかったという点があろうかと思います。そういう点は一つ御了承をいただきたいと思います。
○吉田法晴君 そうすると、これはサンフランシスコ会議で前半は述べられたことであるけれども、三十億ドルの要求額については、サンフランシスコ会議の席上述べられたことではない、それはワシントンで述べられたことである、こういうお話ですが、その点はそういうようにとれる表現をしたことは間違いであった、これはその通りですね。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 今申し上げました通り、表現等につきましては、早急の際でありますから、必ずしも意を尽くしていない点があったと思います。その点は御了承いただきたいと思います。
○吉田法晴君 意を尽くしていないという点は、要するにサンフランシスコ会議の席上で後半の要求が出たわけではない、これは間違いありませんね。
○国務大臣(藤山愛一郎君) その通りでございます。
○吉田法晴君 そうしますと、ワシントンで述べられたということですが、ワシントンのどこで述べられたのか、審議の資料に、基礎になります最初の賠償要求額がワシントンのどこで述べられたかわからないようなことでは、われわれ、とにかくこの言明を基礎にするわけには参りませんが、もう少し明らかに責任を持って答弁をしてもらいたい。
○政府委員(伊関佑二郎君) ワシントンに九月十二日から十八日まで滞在いたしまして、それが新聞会見において発表いたしたのであります。(「もう少しはっきり」と呼ぶ者あり)
○委員長(草葉隆圓君) ちょっとはっきりしないから、もう一ぺん。
○政府委員(伊関佑二郎君) ワシントンにおきまして新聞会見において発表したものでございます。
○吉田法晴君 九月十二日から十八日までワシントンに滞在して、その間、新聞記者会見で発表された。いつどこで新聞記者会見が行われてそういうあれがあったのですか。これは賠償審議の基礎になる第一の発言ですが、それが十二日から十八日までワシントンにおられたその間になされたのだろう、そういういいかげんな話では、大臣がサンフランシスコ会議で言明をした、あるいは宣言をしたというように言われたあれを訂正するには、あまりにとにかくいいかげんな答弁、あるいは事実の究明じゃないか、もっとはっきりして下さい。
○政府委員(伊関佑二郎君) 九月十八日の新聞会見を行なって発表したということがわかっております。それ以上、その新聞会見がどこで行われたかということについては、今のところわれわれにはわかっておりません。
○吉田法晴君 それでは、大へんこういう問題で時間をとろうとは思わぬのですが、ベトナムが日本に対して二十億ドルの賠償支払いを要求した、こういうことが国会のとにかく審議の基礎になる大臣の答弁であったのに、それは十八日であったらしい、しかし、どこであったか、それから、その言葉といいますか、発表の文章が正確にどうであったかということが明らかでなくて、これを引き合いに出されるのですか。いいかげんじゃないですか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) むろん、私が経過説明に申しましたことは、その当時の状況なり、あるいはその当時の昔の考え方というものを一応述べたわけでありまして、そういう意味において初めからそういう考え方を持っていたということを申し上げたのでありまして、従って、新聞会見等でもそう言っていたのだというような意味において申し上げたと御了解願いたいと思います。
○吉田法晴君 そうすると、これはサンラフンシスコ会議で最初述べたと言うたけれども、伊関局長によると、ワシントンの十八日までの滞在の間に新聞記者会見がされたらしい。そういう説明があり、大臣は、いや、どこで言うたかは明らかでないけれども、賠償交渉の当時から別の考え方として、こういうことが言われておった、こういう賠償交渉当初のいわゆる話として、ばく然とした話として言われておった、こういうことですか。ずいぶん、最初にワシントン会議の席上で宣言をした云々というのと、おしまいの、どこで出たかわからぬけれども、とにかく賠償の交渉当時の考え方は二十億ドルだったらしい、こういう、まあ、あいまいなものになって参りましたが、そういうことですか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) ただいま申し上げましたように、時期等につきましては、非常に未熟であった点があろうかと思います。今、私が申し上げたような意味において御報告をいたした次第でございます。
○森元治郎君 関連。サンフランシスコの当時を振り返ってみると、ベトナム側は全権団に大いに接触をはかってきたようでありましたが、吉田全権はいつの場合でもこれを断わり続けてきておる、こういう態度から、これはどこかほかで放送せざるを得なかったのじゃないかと外務省の説明を解釈してみるのだが、この点どうお考えになりますか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 当時、吉田総理がベトナム側との接触を避けたか避けないかということにつきましては、私ども詳しく承知しておりません。ただ吉田首相が特にトラン・バン・フー氏と会って何か懇談したという事実はないようでございます。
○森元治郎君 どうもこの当時からベトナムというものは、同じ連合国という待遇を受けて会議に参加しましたが、現場では、やはりAクラス、Bクラスというクラスがあることのこれは証明で、大国とはおつき合いするが、裏の方から、外の方から呼ばれたこういう小さい三国というものが軽く取り扱われたということが、はっきり当時の事情からわかるのです。日本政府はベトナムというものを軽視していたということを、その事情からくみとれるが、その点についてはどうですか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) サンフランシスコ条約の調印に参加しました、あるいは会議に列席した、国の一々と吉田総理が接触されたかどうかということについては、はっきりむろん今日からわからないわけであります。大国とだけ話し合いをして小国と申しますか、その他の国は非常に軽く扱ったというのではないかという御質問でありますが、むろん、これらの会議の主要な運営をやっております国というのは大国になろうかと思うのでありまして、主としてそういう国に接触されたことは当然だと思います。ただ接触されなかったからといって、非常に小国を軽んじた、あるいは小国をネグレクトしたということには言えないのではないかと、こう存じております。
○森元治郎君 もう一点。その間の事情を当時参加した人もたくさんおるのですから、お調べになって御報告を願いたいが、そういうベトナムという新興国を大事にしないところからこういう多額な金が━━親切にもっと話をすれば、初めから二十億ドルなんという大きな数字が出なくても済んだのじゃないかという感じを私は受けるのです。その間の事情をどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) もちろん、小国だから非常に軽く扱ったという、その結果として多額の要求が出てきた、何かけしからぬから多額の要求を出そう、そういうふうには解されないのではないかと思うのでありまして、やはりそれぞれの国といたしましては、自分の戦争損害その他について、十分なその国なりのやはり一つの意見を持って出ておったと思うのであります。日本が軽視したから多額の要求をしたのだというようには解すべきじゃないと存じております。
○吉田法晴君 それでは十一月二十七日の、サンフランシスコ会議の席上で生産物賠償を期待している旨を声明するとともに、二十億ドルの賠償支払いを要求するであろうという宣言をしたというのは、これは取り消されて、そしてワシントンで新聞記者会見で話をしたらしい、こういうように訂正をせられますね。訂正をせられたものと了解してよろしいですか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 御報告申し上げました趣旨は、要するに、その当時からこういう考え方、こういう気分を持っていたということを申し上げるのが主だったわけでありまして、従って、今お話しのように、特にサンフランシスコの会議の席上とか、あるいはワシントンにおける記者会見の席上とかいうふうな意味で、公式的にこう言ったとか、ああ言ったという意味で申し上げたわけではないのでありまして、その点を御了承いただきたいと存じております。
○吉田法晴君 サンフランシスコ会議で宣言したわけではなくて、そういう非公式な話があった、こういう答弁に訂正されましたから、それは了承いたします。政府のその日の説明あるいは答弁等を通じて、ベトナム共和国に対して今回の賠償百四十億四千万円━━三千九百万ドルを全ベトナムに対する賠償として支払うという日本政府の唯一の根拠は、サンフランシスコ平和条約にあるとされておりますが、これに対しては、ベトナム民主共和国こそ、これまで占領しておった日本軍、それからこれまで植民地としておったフランスに対して戦って独立を実現したものであり、インドシナ全土の住民の選挙によって選ばれた大統領を持ち、憲法と国会を持った新しい民主国家であり、従って、日本がアジアの一国としてアメリカに従属せず、自主的な国民として戦争関係を終結をし、戦争の被害を賠償して、ベトナム民族の自主的な国家として承認するならば、あるいは友好関係を結ぶというならば、ベトナム民主共和国であって、そのベトナム国民の支持でなく、フランスの支援のもとにきわめて制限された主権しか持っておらず、フランス国籍を持って、フランス政府の信任状を持っていかなければならなかったトラン・バン・フーを、平和条約あるいは賠償交渉の相手とすべきでない、政府のベトナム賠償の唯一の基礎とする平和条約のベトナム国と日本国との関係の効力は、これは今後争って参りたいと思いますが、その実体的な点はここでは質問を保留いたします。 その次には、外務大臣の説明は、十一月二十七日の説明は、三十八年の九月十六日、東京で二百二十五万ドルのベトナムの沈船引揚に関する賠償協定を仮調印したが、この沈船引揚協定は賠償総額に触れることなく、中間協定として交渉したもので、それはそのときベトナム賠償の主要部分が解決されたものではなく、総額の決定は将来に譲られることになっていたと説明されております。ところが、本委員会に提出せられた資料、沈船引揚協定に関する日本国とベトナム賠償会議、第十二次合会議の合意議事録1、2、3と出ておりますが、それによると、外務大臣の今の説明とは異なるようであります。矛盾するようでございますが、その点を資料によって明らかにしていただきたいと思います。 第一、議事録を英文のまま、そのまま出してくるというのは、きわめて不親切、不穏当、日本国会の審議の参考資料としてならば、当然有権的な日本文の解釈文を、日本文をつけて出さるべきであろうと思うのです。おそらくこの仮調印のときにも日本文があったろうと思うのであります。どうして日本文を出してこなかったのですか。
○政府委員(伊関佑二郎君) あの仮調印のときは英文だけで仮調印いたしておりまして、有権的な日本文は作っておりません。英文だけでございます。
○吉田法晴君 それでは資料として出すならば、外務省のとにかく解釈による、あるいは翻訳によるあれをつけるべきではなかったのですか。
○政府委員(伊関佑二郎君) 御要望がありますれば翻訳文をお配りいたします。提出いたします。
○吉田法晴君 御要望ではなくて日本の国会に提出する資料には当然つけるのがあたりまえである。それでは日本文で出されますね。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 吉田委員からの膨大な資料の御要求がありましたので、とにかく急いで出さなければならぬ、ですから、先ほどお話のありましたように、予備のないものについては一部とにかく差し出す、従って、あるいは二十部しかなくて全委員にお渡しすることのできない資料もあります。それを印刷して出しますれば若干日にちがかかりますので、予備のあるものだけは出した。今申し上げましたような翻訳に関しましても、そういうような意味においてとりあえず出しておりますから、翻訳を必要とするものは翻訳をして、若干日がおくれますけれども、出して参りたいと考えております。
○吉田法晴君 今言っているのはこの十二セッションの記録ですよ。合意議事録の一部ですよ。あなたの言われたのは、あとからこれだけではだめだから全部について出しなさいと言ったものだろうと思います。そのことはそれはあとで出してもらうことにして、これについてどうして日本文をつけて出さなかったか。まあ御要望があればという伊関局長のお話でありましたけれども、御要望じゃなくて初めから日本国会の審議の資料ならば日本文をつけて出すのがあたりまえじゃないか、こういうことを申し上げているのです。
○政府委員(伊関佑二郎君) 衆議院において御要求がありましたときは、この合意議事録そのものを出すようにということでございまして、それを差し出したわけであります。衆議院に差し上げましたものを参議院の方にも一括して御提出しておった次第でございます。
○吉田法晴君 これは委員会の審議の始まる前に参議院での資料を用意するというならば衆議院で出された資料のごときはそのつど参議院に出さるべきじゃないか、あるいは出しておくべきじゃないか、こういうことを申し上げたところが、委員会の審議が始まって出してこられた。その中にこれはむろん入っておったわけです。しかし、委員会の審議が始まってわれわれが資料として要求をして出すときには英文だけでなくて日本文をつけて出すべきじゃないか、いういうことを今お話ししておるわけでありますが、追って、出すというのじゃなくて、出すときには当然審議の有力な資料になる、こういうものについては日本文をつけて出すのが当然じゃないか、こういうことを申し上げているわけですが、先ほど大臣からあれがありましたから、大臣からはっきりお答えを願いたい。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 今、アジア局長が申しましたように、衆議院においては原文のまま、英語のまま出せということであったように記憶しておりまして、それを出しましたものですから、あるいは参議院の場合にそのままでいいのではないかと思って出したと思います。従って、翻訳をして出すことにいたします。
○吉田法晴君 経過の説明と、それから日本文をつけて出すということは、これは別問題です。経過じゃなくて日本文を出しなさいと、そう言ったのですが、出しましょう、ということですから……。そこで、英文とそれから事務局常任委員室にやらせた仮説によってこれは議論する以外にないのですよ。この十二セッションの合意議事録の二項には、——これは私どもがこの翻訳を正しいと理解するわけですから、間違いがあったら訂正を願いたいと思いますが——ベトナム代表は一九五三年七月二十七日の第七次会議において出発点とすべき数字として提出されていた日本に対するベトナムの全体の賠償要求の数字を撤回したと書いてあります。なお、引き続いて同代表は同会議——これは七次会議ですが、第七次会議において表明された日本が負担すべき経費の点で沈船引き揚げの役務がその数字の中で占める大体のパーセンテージに関する同代表側の見解をも撤回した、こう書かれております。英語で言うと、They withdrew thefigure of Vietnam’s total reparations claim against Japan.と書いてあります。それで二行おいて as well as their views as to the approximate percentage 云々と書いてありますが、要するにウイズドリューという言葉であります。これは撤回という翻訳以外にはどうしてもない。保留ではもちろんありません。沈船引揚協定以外の賠償総額がここの合意の場合には残っておったとは考えられません。あるいは説明にあるような賠償額と沈船引揚協定の二百二十五万ドルという最高額とを比較するのは間違いだと書いてありますけれども、ここでこの記録で賠償総額の要求と沈船引き揚げの役務の指標が要求総額の中で占めるパーセンテージに関する見解が第七次会議で表明されたことは、この記録でわかります。しかし、それは一緒に撤回されたのであるから、沈船引揚協定で賠償交渉は一九五三年九月当時、一応合意が成立したことは明白ではないでしょうか。いかがですか。 —————————————
○委員長(草葉隆圓君) 委員各位にお知らせいたします。ただいま当外務委員会に米国下院議員でハワイ州選出のダニエル・井上君が傍聴のためお見えになりました。 〔拍手〕 —————————————
○委員長(草葉隆圓君) 伊関アジア局長。
○政府委員(伊関佑二郎君) 先方は二億五千万ドルという損害の要求を出して参りまして、これに対しまして、しかも、この沈船引揚協定による二百万ドル程度のものは、その一%ないし二%であるというふうな言明をしたわけであります。それに対しまして、日本側は、ベトナム側の賠償が非常に小さいものであるということを主張いたしまして、結果におきまして、この合意議事録で日本側はベリー・スモールという言葉を使いまして、先方はトック・ノートする、そうしてこの際賠償の総額についてはディスカッスしないということを申しました。しかし、向こうの言いました一億五千万ドル、そうしてそれが二百二十五万ドルが一%ないし二%に当たるという主張は撤回しているわけでありまして、ここでは、ですから、問題が将来に残されたわけでありまして、総額については何もきまっていないということになっております。
○吉田法晴君 パーセンテージを撤回しただけでなくて、合意議事録の二項の三行目に書いてあります賠償総額についても撤回したと書いてあります。賠償総額について撤回をしたというのなら、賠償総額についての二億五千万ドルというものが撤回された、これはここにははっきり書いてある。
○政府委員(伊関佑二郎君) その通りでございますが、ただ一億五千万ドルという数字は撤回いたしましたが、それじゃ、それをどうするかという点にろきましては、ここではデイスカッスしない、将来に残されたのであります。
○吉田法晴君 将来に残されたという文字はどこにもない。それは七次の会議で述べられたということ。それから総額と沈船引揚協定との関係筋も述べられたと書いてある。しかし、パーセンテージの撤回ということをさっきあなたもおっしゃいましたが、総額についての撤回した。それなら賠償総額について撤回したのであって、あとその総額の問題についてはあとに残したと、こういうことは少なくともこの記録には全然残っておりません。これは政府が出される沈船引揚協定の合意についての公式の議事録であるならば、これ以外に解釈のしょうがない。もし、それ以外に総額については別に討議をする、こういう記録があるならば、お出しを願いたい。そういう意味で全部お出しなさいと言ったのだが、少なくともこれを唯一の資料とするならば、総額とパーセンテージともに撤回をした、こういうことになること明らかです。
○政府委員(伊関佑二郎君) 一に、日本側はベリー・スモールであることを主張いたしまして、それから二の最初に、ベトナム側はこれをテーク・ノートし、プロポーズド・ノット・ツー・ディスカス、この問題をこの際討議しないということを向こう側から提議しておるわけであります。そこで、実際に問題が残ったので、二億五千万ドルという数字はあまりにも大きい、日本側がそういうことはあまり大き過ぎるということで、これを撤回いたしたのでありまして、それでは総額を幾らにするかということはこのステージとしては討論しないということを申し入れて、そのままになっておるわけであります。
○吉田法晴君 日本側が、ベトナムに割り当てる賠償の金額が非常に少ないものだ、こういうことを述べたことは第一項に書いてあります。それをテーク・ノートしたということは第二項の当初に書いてある。その次には、賠償の総額についてはこの段階では相談をしない、ネゴーシエートしない、そういうことはもちろん書いてある。総額について討議しない。そうしてベトナム代表は、日本に対する賠償総額、賠償要求の総額はこれを撤回する、第七セッションで表明した総額については撤回をする、その沈船協定とのパーセンテージの数字も撤回をする、こういうならば、その十二セッションでは、賠償総額についての要求、賠償要求の総額については撤回をする、これは明らかでありませんか。将来どこに残ると書いてあるか。第七セッションで述べたけれども、それは十二セッションで撤回をすると書いたならば、それは撤回をして、最後に合意されたということは間違いない。
○政府委員(伊関佑二郎君) 一億五千万ドルとか、それから二百二十五万ドルがその一%ないし二%に当たるというような主張は撤回いたしたのであります。それでは総額が幾らかということは論議されておらないわけでありますから、将来に残っておる問題でございます。
○吉田法晴君 この文章を読んで、この文章だけが唯一の資料ならば、これは私のように解釈する以外にない。これは日本文は出してくるということですから、日本文と彼此比較して解釈をすれば、審議をすればいいことですけれども、少なくとも、これは論議を聞いておる皆さんもそうだろうと思うのです。七セッションでは述べられたけれども、しかし、十二セッションでは要求総額と沈船協定とのパーセンテージの数字も撤回する、こう書いてある以上、この沈船協定の合意としては、要求の総額を含んで撤回をされたと見る以外にないんじゃないですか。もしそういうあとに残すという記録があるならば、その残すという記録の部分を含んで、全部分を出していただきたい。
○政府委員(伊関佑二郎君) あとに残すという記録はございませんが、ここで撤回いたしましたのは一億五千万ドルという大きなこの数字を撤回いたしたのでありまして、それならば、一億五千万ドルが一億ドルになるか一億五千万ドルになるかというふうな問題は残っておるわけでございます。それはこの文章からもわかりますし、前後の折衝の経緯からもはっきりいたしております。
○佐多忠隆君 ちょっと関連。折衝の前後の経緯その他から見ては、むしろ、今の撤回をしたということは、トータルの問題自体を撤回したというふうに解釈する以外にないのじゃないか。文字はその通りであるにかかわらず、当時われわれが国会でこの折衝なり交渉の問題をいろいろ論議したときには、大体そういう含みで政府は答弁を現実にされていた。従って、たびたび引かれますように、昭和三十年度に出した国の予算、大蔵省が出した国の予算には、それをはっきり明記していると思うのです。あらためて読むまでもないと思いますが、読みますと、「ヴェトナムに対する賠償については、二十八年七月両国政府代表の間で合意に達した沈船引揚げによる賠償協定によって、大部分解決されるはず」のものであった、こういうふうに書いてある。従って、少なくともあの時点については、これは全部撤回をして沈船協定で問題の解決をする、それで賠償は全部解決をするという心組みであったということは、この記録によって明瞭であるし、あの前後政府が説明されたときにはこぞってそういう気持でおられた。少なくともあの段階ではそうだったということは明瞭である。それを、今になってそこまで、いや、そうなっていなかったのだといって固執して抗弁をされる必要は毛頭ないのじゃないか。あのときはそうでしたということを明瞭に言われたらどうですか。
○政府委員(伊関佑二郎君) わが方の交渉当事者に、これをメージュアー・パートにしたいというふうな意思あるいは希望があったことは事実でございますが、それは両者の話し合いの上では何ら向こうが合意したものではございませんから、両国の関係としましては、賠償総額については未定のまま将来に譲られたということになっております。ただ、わが方の交渉当事者がそういう希望を持っておった、そういう意思を持っておったということは事実でございます。
○吉田法晴君 賠償総額については撤回をしたという点は認められました。賠償の要求総額がなくなれば、賠償総額の要求というものの数字が残るはずはございません。賠償総額についての別の機会に討議をすると、こういう議事録があるなら別問題です。あるなら、資料を出してもらいたいと思うのです。そういう意味で、全部合意議事録のフル・テキストを出してもらいたい、こういうことを要求しておるのでありますが、なければ、今お話のように、二億五千万ドルという数字を含んで要求額は撤回された、これはこの資料ではっきり言う以外になかろうと思うのであります。どういう工合にされますか。
○政府委員(伊関佑二郎君) これ以外に議事録等はございません。それから、この文章も、彼らはこのフィガー、数字を撤回したというふうに言っております。二億五千という数字を撤回したというふうに、われわれ解釈しております。
○吉田法晴君 賠償総額というものと数字というものは、これは関係ありませんか。賠償総額というのは別にあって、そして数字とはそれは関係ないのだ、こういう御答弁ですか。
○政府委員(伊関佑二郎君) 前後の経緯からいたしまして、二億五千万ドルというこの数字、これを撤回したのでありまして、その他の数字については何ら合意いたしておらぬ、こういうことであります。
○吉田法晴君 それは三百代言というか、言いのがれですよ。賠償総額というものは金額にしかなりません。賠償総額が二十億ドルであるか、あるいは二億五千万ドルであるか、あるいは一億五千万ドルであるか、数字で表わされる以外にないじゃありませんか。その賠償総額の数字、トータル・レパレーション・クレーム、その数字というものが、トータル・レパレーション・クレームというのとフィガーというのが別々ですか。賠償総額というものはこれは、数字じゃありませんか。そして、そのほかの数字だけ撤回した、しかし賠償総額だけ残っている。——そんなべらぼうな話がどこにありますか。これは子供に聞いたってわかる。これは子供の算術ですよ。
○政府委員(伊関佑二郎君) 先方は二億五千万ドルという数字を出したわけであります、賠償総額としまして。それに対しまして、日本は、とてもそんな大きな額は払えないのだ、そんな大きなものではあり得ない。それで非常に小さいということを言いまして、向こうはそれはまあテーク・ノートするが、これはこの際総額については論議しないということを申しまして、そのあとでこの二億五千万という数字並びにそれの二百五十万ドルに対する比率というものを撤回したというのでありますから、二億五千万ドルには固執しないということでありまして、それ以外の数字がきまったわけではございません。
○吉田法晴君 この述べられたことは、二億五千万ドルという数字、それから沈船協定との比率が述べられたことは、ここにも書いてございます。しかし、賠償の総額、日本がベトナムに割り当てる賠償の額、アマウントはきわめて少ない。それをテーク・ノートした。そうしてこの協議の段階では賠償の総額については論議をしない、そうして数字を撤回した。パーセンテージも撤回した。そうして賠償のための沈船引揚協定というものを額を含んで合意いたしたというなら、賠償総額についての論議は撤回をされ、あるいは数字も撤回されて、二百二十五万ドルの沈船引揚協定ができ上がった。こう解釈する以外にないじゃありませんか、常識的に考えても。 だから、先ほどのその、当時の予算に計上された説明にも書いてありますように、日本が賠償をすべき総額に関連をして沈船協定を結び、そうしてそれを予算に計上しておる。これはもう一目瞭然じゃありませんか。どこに弁明の余地がありますか。
○政府委員(伊関佑二郎君) われわれの方の解釈は、私がたびたび申し上げた通りでございまして、先生のおっしゃる見解とは違います。
○吉田法晴君 大臣の答弁をお願いします。
○国務大臣(藤山愛一郎君) ただいまアジア局長から御説明申し上げた通りであると思うのであります。特に、まあ外交折衝の場合におきまして、こういうような要求をして折衝をして参ります場合には、むろん、賠償そのものを、これで片づいたんじゃない、賠償をこれでもう要求しないんだという意味ではございません。賠償額について、今まで言っていた数字は一応撤回するというようなことは、外交折衝のときにはよくあることでございまして、そのこと自体が全部の請求権をそれでもう確定的にして、放棄したという意味と解すべきではないと思っております。
○吉田法晴君 実は実質論議に入ろうと思わないんで、これだけでは政府の説明のような賠償総額の論議が残っておるということが考えられないから、そこで合意議事録全部について出してもらいたい、こういうことを要求したんですが、その資料要求の合意議事録全文について出してもらう点はいかがでしょう。それを見た上で、なお実質的な論議はあとの機会に譲りたいと思うのであります。
○政府委員(伊関佑二郎君) 合意議事録はこれだけでございます。ほかにはございません。
○吉田法晴君 そうすると、第七セッションのお話の模様、それからそのあと等についても、あなたの方が言われる賠償論議が残っておる、賠償総額論議が残っておるということを書いた記録というものは全然ないわけですか。まあ少なくともそういう主張をされる以上、一応私どもとしては議事録全部をお出し願いたいと思う。
○政府委員(伊関佑二郎君) 合意されましたものはこれだけでございますが、第七回以後、総額につきましてはたびたび議論はいたしておりますが、これは外交折衝の中身として、記録としては私の方にはございますが、御提出すべき筋合いのものではないじゃないかと考えております。
○吉田法晴君 提出すべき筋合いのものでないと……。ここに第七セッションのことが書いてございますが、十二セッションだけ出して、あとは出せぬということは、どういう理屈ですか。少なくとも第七セッションでどういう議論がなされたかということは、ここに第七セッションでこういうことが言われたという以上、第七セッションの記録を出しなさい。こういうことは十分な主張をすべき根拠がある。 それから、いや、総額の論議は残っている、こういうお話。ウィズドリュー、ロー、撤回をしたというけれども、残っているというなら、そのあとの議事録を出しなさいと言うのに何の不思議がございますか。
○政府委員(伊関佑二郎君) 両国間で正式に合意されました議事録はこれだけでございまして、そうしたものは向こうの政府でも異存がございません。公表されたものでございますから、提出いたしておるわけでございますが、外交折衝の経緯につきましては公表を控えるのが通例と考えます。それから、この総額の議論があとに残っているということは、われわれはこの合意議事録を読みましても明白である、こう解釈いたしている次第でございます。
○吉田法晴君 そうすると、その第七セッションの記録も、それからあとの方の記録も、出せぬというわけですか。かりに、たとえば外交の秘密々々ということで、第十二セッションだけは出して、あとのあれは秘密、そんなばかな話はない。論議の経過を、この文書、この合意議事録だけ見ても、前後の関係があるんですが、その関係のある前後、それから全部見てみなければわからぬから、全部出しなさい、こう言うのに、その外交の秘密と、こういう理由があるのですか。納得がいきません。
○政府委員(伊関佑二郎君) 両国間に合意されました議事録というものはこれ以外にはございません。その他のセッションでは議論はいたしておりますが、その経過をまたわが方の担当者が書きましたメモはございますが、こういうものはわが方だけで書いたメモでございまして、通例、外交折衝を行ないます場合のそういう交渉経緯等につきましては両方で合意したもの以外は発表しておらない次第でございます。
○吉田法晴君 サンフランシスコ会議、これはまあ平和条約でございますが、サンフランシスコ会議での議事録、こういうのは賠償協定に関連しても非常に大事な資料ですから、われわれも、あるいはこれは進んで提出されるべきだと思いますが、この沈船協定に限ってはこれだけの合意議事録しかない。とにかく会議の記録がメモその他あるけれども、ないと言いますけれども、私は議事録はあると思います。この合意に達した、あるいは協定は出ているんですから、協定に達するこの会議の経過というものは記録されていると思うんですが、それは秘密だという点は私ども納得がいかぬ。そう言われれば、サンフランシスコ会議の議事録だって、これは秘密だということができる。あるいは、賠償問題ならば賠償問題について、あなたたちは都合のいいところでは、公式の会議の、秘密でない新聞記者会見、非公式な場合でさえ、それを引き合いに出されるのです。で、公式のときに、協議をし合意に達したその会議の議事録はどうして出せぬ。
○政府委員(伊関佑二郎君) 先ほどから申し上げておりますように、議事録というものはこれしかないのでありまして、サンフランシスコ会議は、これは公開の会議でございまして、二国間の会議の交渉経緯というふうなものは通常、これは発表いたしておりません。
○吉田法晴君 時間も参りましたし、この次に移りますと、だいぶ時間もかかりますし、今の点は論議と、それから関係資料を要求することを留保いたしまして、ここで質疑を中断をしたいと思います。
○小林孝平君 本協定の審議は、参議院の当委員会において本格的審議が始まっているのでありますが、従来の国会における本問題に関する審議の経過を見ますと非常に疑問の点が多々あります。また、私自身について申し上げますれば、本院の予算委員会において政府に質問をいたしましたけれども、十分な御回答が得られないままで今日に至っておるのであります。それで今、国民は全部この問題について非常に関心を持って見守っておるわけでございますので、私はこの審議と関連いたしまして、この審議に幾多の外務当局の説明だけでは納得できない点がございます。従って、どういう点か、一々ここで指摘しなくとも、委員長においてはよくおわかりのことと思いますが、それらの点を解明する意味からも、この南北ベトナムに、国会の各派代表者で編成をして、調査団を派遣して、現地において実地調査をいたす必要があるのではないかと考えるのです。これは従来国会において重要なる議案の審議にあたりましては、国会の開会中に現地におもむいて調査をしているのは先例が幾多あります。従来そういう調査を行ないましたものに比べますれば、比較にならないほど本件の重要性は高いのでありますから、私は委員長におかれまして、すみやかに各派の代表者をもって現地調査団を派遣して、この審議に遺憾のないようにしていただきたい、こう思うわけであります。それで、この国会の会期は十四日までということになっておりますが、すでに政府、与党においては、本案の審議のために十二月二十六日もしくは二十七日まで会期を強行延長されることを決定されたそうでございますので、調査の日から考えましても十分日程があると思いますので、ぜひすみやかに委員長は、理事会において私の提案を審議していただきまして、実現をされることをお願いいたします。特に草葉委員長は、前の鹿島委員長にかわられまして、本件の審議には特別の御努力をされるという含みをもって委員長になられたそうでございますので、ぜひこれは実現するようにお額い申し上げます。
○委員長(草葉隆圓君) ただいまの小林君の御発言につきまして、理事会でよく御相談申し上げることに御了承をいただきます。 これにて暫時休憩をいたし、午後、大体二時から再開いたしたいと存じます。 午後零時四分休憩 —————・————— 午後二時十九分開会
○委員長(草葉隆圓君) 休憩前に引き続き、委員会を何開いたします。 質疑を続行いたします。
○小林孝平君 先ほど吉田委員からの御質問がありました、この外務大臣の説明という書類でございますが、この書類はどういう性格のものでございましょうか。先ほどもお尋ねになりましたけれども、こういうことを衆議院の予算委員会及び外務委員会において説明されてきた、こういうものですか。説明したほかにつけ加えて、こういうことが正しいものであると考えておる、こういう意味でこれをお配りになったのか、はっきりしていただきたい。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 今朝、御説明申し上げましたように、参議院の外務委員会の審議にあたって、経過を説明しろということがお話がございました。従いまして、経過を説明いたしますことにいたして、急速に今、使ったものでございますが、その経過を説明するにあたって、われわれとしてはこういう考え方で、こういう経過で来たんだということを御説明した方が適当だと考えまして、こういう御説明をいたした次第でございます。
○小林孝平君 そうしますと、過去においてこういう答弁をしたというものだけでなくて、新たに、われわれはこういう考え方をしておるということもつけ加えて書いてあるわけでございますか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 大体、過去において説明をいたした点が書かれておるわけでございまして、また、それが今回の賠償経過においてわれわれのとってきた見方でございますので、そういう点を説明、敷衍いたしたものでございます。
○小林孝平君 この内容をちょっと見ますと、相当事実に明らかに相違した点があるわけでありますし、また、この表現も、漢字は少ないけれども、非常に難解晦渋をきわめて、何が書いてあるのかわからないようなところもあります。私はまあ指摘してもよろしゅうございますけれども、そういう点から考えまして、私は、この説明というのは、非常にこの書類が問題であろうと今考えておるわけです。 そこで、私はこれに関連いたしまして、委員長並びに外務大臣にお願いをしておきたいのは、今後相当長時間にわたってこの審議をいたしますけれども、過去においてこのベトナム賠償の論議の経緯を見ておりますと、われわれの質問に対しまして、まともに外務大臣が御答弁にならない、あるいは事務当局の補佐がまともの補佐をやらないので、問題の所在をそらしておるといううらみが非常に多いのです。それで、相当長時間にわたって論議をいたしましても、問題の核心に融れることができないという場合が多々ありまして、その結果はどういうことになるかというと、そういうふうに問題をそらされるものですから、中には新聞等にもやゆしてあったように、クイズ的な質問をして外務大臣を戸惑いさせるというような場面が出てくるわけであります。これはひとえにその責任は外務大臣にあるのであって、われわれの質問をまともに受けてお答えになれば、そういうことはないのです。従って、今後また従来と同じような質疑応答を繰り返さないように、一つ外務大臣に特にお願いをいたしたいと思います。また、あわせて、われわれがこの国会で論議をするのは、事務当局と法律論のやりとりをやるためにやってるわけじゃないんです。政治的な判断に立って、政治家としてこの問題の審議に当たりたいので、法理論、法律論、そういうもので事務当局とやり合っても、これは事務当局が専門家であるから、当然それは一応は筋の通ったような説明が行なわれるかと思いますけれども、われわれはそういうことを望んでおるわけじゃないんです。その点を十分一つ外務大臣は今後お考え下さいまして、従来と同じような質疑応答の形にならないようにお願いしたいと思います。 それからもう一つは、これも外務大臣に特にお願いを申し上げたいのは、私は、政党政治のもとにおいては、政党政治が円滑に運営されるためには、官僚組織が確立していなければならないと思うのです。フランスの例を見ましても、内閣はひんぱんに交代いたしましても、国政がさほど支障を来たさないで運営されておるのは、官僚組織が確立しておるからである。あるいはイギリスの例を見ましても、官僚組織が確立して政党政治を円滑に運営させるようになっておるからだと思うのです。ところが日本の例を見ますと、この官僚組織の確立に水をさし、あるいは官僚の良心を麻痺させるような働きかけが行なわれるわけです。当然、議員の質問に対して事務当局としては答えられない。答えられないのが当然だ、こういうような場合に、答えられないのを、こういう役人が悪いのだということで、妙な圧力をかけるということになって、その官僚諸君も良心を麻痺させてこれに迎合して答弁をやらなければならないというような場面が相当あると思うのです。私はこれは単なるベトナムの問題だけではなくて、今後における政党政治のあり方として非常に問題だろうと思うのです。このベトナムの問題の審議の当初において、外務省の事務当局がしばしば立ち往生した、戸惑ったということは、これはおそらく良心の命ずるところによって答弁をしようと思うものだから、できないで戸惑ったのだろうと思います。これは準備が不十分だとか、あるいはレジスタンスだとか、そういうものじゃないと思うのです。そこでだんだんそのうちに今度はすらすらと御答弁ができるようになったというのは、やや良心が麻痺した結果、そういうことになったのではないかと疑われる節もなきにしもあらずだと思うのです。従って、特に外務大臣にお願いしたいのは、そういうことのないように、私はこの問題だけでなく、これは重要な議会政治全体の問題だと思ってお話し申し上げておるのですから、どうかわれわれをして外務大臣を戸惑いさしてやろうというような質問をしないでもいいように一つお考え下さいまして、まともに質問に答えていただきたいと思うのです。外務大臣、何かお答えがありましたならば伺いたいと思います。
○国務大臣(藤山愛一郎君) もちろん国会におきます御質問に対しては、私といたしましてそれをはぐらかせるとか、あるいは他意をもって御答弁を申し上げておるつもりはないのでありまして、私どものとっております立場において御答弁を申し上げておるつもりでありまして、それができるだけ御審議の参考になりますようにということを念願して、そうして御答弁申し上げておるつもりでありますけれども、あるいは私の答弁技術の下手な関係もありまして、御質問を十分に把握しないような場合もあろうかと思います。そういう点につきましては、今後むろん注意をいたして御答弁を申し上げたいと思います。なお、専門的な知識につきましては、私ども外務当局の平素からの意見の上に立って仕事をいたしておるわけでありまして、私は、省内の仕事をしておる上におきまして、各外務当局の人及びその意見を信頼いたしております。従って、その上に立っていろいろな政治的な判断あるいは考慮をいたして、いろいろな仕事をいたしておるわけでありまして、私が事務当局を圧迫して━━しいて何か法律の解釈その他を曲げるように圧迫はいたしておらぬつもりでありまして、その点は一つ御了承をいただきたいと存じております。
○吉田法晴君 賠償は戦争損害、それから日本の支払い能力、他の国の賠償との均衡においてきめると、こういうような御答弁があったのですが、ベトナムとの賠償交渉の基礎になりました損害の基礎は、これからお尋ねして参りますが、これと均衡をとるために勘案をしたと言われるインドネシアに対する賠償の基礎になった戦争損害、それからフィリピンの戦争損害、ビルマの戦争損害、これらについては、それぞれ相手国側の主張せる戦争損害というものが出ておりますが、日本の認めた戦争損害というものは、私どもの手元には参っておりません。そこで、向こうの主張はこうだという資料のほかに、こちらで認めた━━日本側で認めた戦争損害の表というものをお出しを願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 賠償交渉にあたりまして、ただいまお話のように、他国との、関係国との賠償のつり合い、あるいは大きく要素になって参りますものは日本の支払い能力だと思うのであります。向こう側の損害見積り及びその請求額というものについて、われわれはそれらの見地から、できるだけ少ない金額において、しかし戦争によって与えた苦痛を向こうに満足してもらうということを考えてやっておるわけであります。で、御承知のように、かりに日本が何億万ドルの損害を与えたのだと、日本自身がそういうことを表明いたしますれば、それはそれだけ日本が与えたと日本自身が認めているのなら、それだけのものを支払うのは当然じゃないかと、こういうような向こうが要求をいたす根拠になるわけであります。従って、賠償交渉においては、こちらがどういうふうに見たかということは、一切明らかにしておらぬのでございます。
○吉田法晴君 そこで、まあ実質論議をしようとは思わぬのですが、賠償が戦争損害━━戦闘行為なりあるいは占領なりによって外国に与えた迷惑、その損害を賠償するということは、国際法に関するいろいろな書物、理論を読んでも、これは一致していると思うのです。だからあなたの方でも、戦争損害はどれだけでもいいんだ、戦争損害がなくても賠償するんだと、こういうことは言われないと思う。もしそう言われるならば、それはおっしゃってもいいのです。そして、向こうの主張する戦争損害に対して、これは説明の中にも入っているのですが、損害というものも勘案し、あるいは支払い能力あるいは均衡といったようなことを言われますけれども、それは戦争損害を賠償するときの副次的な要素、あるいは賠償をするとしてもこれだけの能力しかないから、平和条約に言われているような、平和的な日本が自立していくためには役務賠償しかできないんだと、こういう平和条約上の限定がございますが、そういう能力という点も、これは考慮に入ることはもちろんでありますけれども、しかし、何といっても、損害があったかなかったか、これを考えることなしに賠償交渉というものはされぬでしょう。それを、戦争損害の相手国の主張だけはこれを出しておられる。ベトナムに対する戦争損害がどの程度であるのか、これはおそらく腹づもりの中にはあったでしょう。それと各国の戦争損害、それに対する賠償、こういうものを均衡をとりながら交渉をされたというのですから、戦争損害を、向こうの主張するだけでなくて、あるいは金額が出せなくても、どういう損害を与えたかという認定等は、これはおありになると思う。ベトナムの場合にも、資料の検討として私はこれから入りますけれども、向こうの要求の資料だけでなくて、日本政府のできる見解というものは表明されたいと思う。ベトナムについては言えるけれども、ほかの国の戦争損害については何らの見解も表明されぬというのですか。速記録を見てみますと、フィリピンの戦争損害賠償の問題のときに、向こう側の査定だけれども、十二億ドルという査定が行なわれた。それに対して、五億幾らのアメリカからの援助があるから、残りの六億五千万ドルについて━━五億五千万ドルでしたか、日本の方へ請求する、こういう説明がなされた。戦争損害というものは、これはきちんとしたものではないけれども、出されておる。そういうものを、インドネシア、それからフィリピン、ビルマについて、資料としてお出しを願いたいというのに、何のこれについて反駁する理由がありますか。出していただきたい。
○国務大臣(藤山愛一郎君) この賠償にあたりましては、むろん直接の物的損害、あるいは間接の経済上の損害、もしくは与えた苦痛というようなものを考えて参らなければいかぬことは当然なことだと思っております。がしかし、それらのものを日本側がどういうふうに推定をするか、またこれだけの損害━━苦痛を通じてこれだけのものを与えたということをはっきりいたしますれば、向こう側からすれば、日本自身がそれだけのものを認めておる以上は、それだけのものを払えという向こう側が根拠にできることは、ただいま申し上げた通りであります。従ってわれわれとしては、むろんそういう問題についても念頭には置きますけれども、確実な資料として御提供するようなものを作っておらぬことは、御理解いただけると思うのであります。そういう意味において、向こう側の出しましたものを念頭に置いて、それを否定しながら、われわれとしては、日本の支払い能力、あるいは他の国との均衡をあまりに大きく害さないように、むろん、こういう問題でありますから、ことに精神的苦痛というようなものも加味されて参りますから、完全な均衡をとるということはほとんど不可能に近いものと御理解いただきたいと思うのでありますが、できるだけまあ要求額に対してそう各国の場合においてあまりに激しいアンバランスがないようにという考慮をもって処置して参らなければならぬ。そういう意味において、お話のような資料をお出しすることができないということを、衆議院においても申し上げてきたわけでありますが、どうかその点を一つ御理解いただきたいと思います。
○吉田法晴君 精神的な損害というものについても賠償をしようということですか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) そうでございます。苦痛というものに対しても、相当考慮をしなければならないと思います。
○吉田法晴君 精神的な苦痛だけに対しての損害賠償の問題は、これは名誉回復と同じに、日本の裁判等についても、非常に何といいますか、評価が低いのですが、戦争損害の場合に精神的な苦痛まで認めるという態度は、おそらく、それを第一にあげられたのは今までなかったことだろうと思うし、それから多少の考慮はしても、それが戦争損害であるとまっこうから言われる態度は、これは妥当でなかろうと思う。それは実質論になりますから他の機会に譲りますが、それでは、この戦争損害について、日本が腹づもりといいますか、さっきは評価とか、勘案とか言われましたが、その事項についても衆議院その他で答弁されたような資料さえも出せぬのですか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 衆議院で申し上げた通りのことはむろん参議院でも申し上げるわけであります。衆議院と参議院と違った態度で臨んではおらぬというように御理解いただきたいのであります。
○吉田法晴君 他の国との賠償の問題に関連をして、均衡ということを言われるから、そこで、戦争損害について賠償をする、その戦争損害自身はどうなのか、あるいは、これに対する賠償はどうなのかということを比較検討するためには、もし資料を出されなければ、一々聞いていかなければならぬ。あなたはそのときに、衆議院で答弁したようなことは答弁するとおっしゃるけれども、しかし参議院は参議院、それから、あるいはインドネシアの場合はさかのぼってどうでしょうか、参議院等でも審議しているが、ずいぶん時間をかけなければならぬ、資料として項目なりについて、あるいは今までのインドネシアなり、あるいはフィリピン、ビルマの賠償については、すでに解義が済んで協定が実施されているのでありますから、過去のことでありますが、その過去にさかのぼってまで質問の形でやらなければ、あなたの方からは答弁ができぬ、資料としては出せぬ、というわけでありますか。それならそれで、われわれもこの委員会で時間をかけて質疑をしなければなりませんが……。
○国務大臣(藤山愛一郎君) もちろん過去の場合におきましても扱ってきました態度というものは変わっておらぬわけであります。従って、過去においてもそういう資料を特に用意し、あるいはそれを扱うということがなかったことは、御了承願いたいと思うのであります。でありますから、私どもとしては、むろん資料の御要求がありますれば、出せるものに関してはできるだけすみやかに出すように手続をいたして参りたいと思うのであります。ただ、御要求によっては、あるいは出せないものがあるかもしれませんけれども、御要求がありますればむろん十分御要求を尊重して、出せるものはできるだけ早い機会に出して、御審議の便宜をはかっていくことは、当然われわれの義務だと、そういうように考えてやって参りたいと思います。
○吉田法晴君 戦争損害についての日本側のビルマ、フィリピン、インドネシアについての評価というものを、最大限に出せるものを出してもらいたいという要求をしたところが、それは出せぬとおっしゃる、答弁はできる。それじゃ委員会でこれから逐一やっていく以外にはないですかこう言うと、要求される資料は出します。要求される資料を、今、インドネシア、フィリピンそれからビルマについてお出しを願いたい、こういうことを言っているのですが、話はまたもとに戻りましたけれども、いかがですか、お出しになりますか、なりませんか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) ただいま申し上げましたのは、資料の御要求がありましても、出せるものと出せないものとあるということを申し上げたのであります。出せますものについては、できるだけ迅速に出すように私どもも心がけて参ることは当然のことだ、どういう資料を今後とも御要求になるかわかりませんから、御要求のあったものが全部出せるとは、今ここで申し上げることは行き過ぎだと思うのであります。でありますから、よく御要求がありました資料について、そのものについて拝見した上で、出せるものはできるだけ迅速に出して御審議の便をはかっていきたい、こう考えております。
○吉田法晴君 その要求があったら、出せるものについては出しましょうということじゃなくて、インドネシア、フィリピン、ビルマの賠償、その基礎になった戦争損害について、出せるものを出しなさい、こう言うのですが、出せるものがあるならば、出せるものを具体的に言って下さい。
○政府委員(伊関佑二郎君) 具体的に提出できるものはございません。
○吉田法晴君 今、藤山大臣は出せるものは出すという話でしたが、大臣は今、全部じゃないかもしれないが、出すということでしたが、あなたの方は何もないのですか。
○政府委員(伊関佑二郎君) このビルマ、インドネシア、フィリピンの三国につきまして、わが方で査定したというような資料はございません。
○吉田法晴君 それでは委員長を含んで外務大臣、外務省に確認をしておきたいのですが、質問に対して答えよう、こういうことですから、インドネシア、フィリピン、ビルマの賠償の基礎になった戦争損害については、質問をしてもらう以外にない、こういうお話でございますから、それでは資料はあきらめて、審議の過程で、それについて特に時間をとって質問をする以外にないようでございますから、そういうように一つお取り計らいを願いたいと思うのです、いかがでしょうか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 御質問がありますれば、御答弁できますことはむろん率直に御答弁申し上げます。あるいは資料等のない関係で、御答弁できない問題もあるかと思います。御質問の内容等によってそれはきめられていくことになろうかと思いますけれども、先ほど来申し上げておりますように、決して誠意なき御答弁をするつもりはございません。
○吉田法晴君 委員長に御確認を願っておきたいところを先ほど申し上げたわけですが、いかがですか。従来のビルマ、フィリピン、インドネシアの、それぞれの賠償審議の場合において、戦争損害について論議がございました。それらのものを基礎にして、まとまったものがあったら出してもらいたい、政府の評価といいますか、査定という言葉がありましたが、それを一覧表にして出してもらいたいと言いましたが、それは出せない、それから質問があったら答弁はしよう、こういうお話でしたから、私は質問の時間を省略する意味で資料として出してもらいたいと言ったけれども、資料は出せない、質問があったら答弁しよう、こういうお話でしたら、仕方がありませんから、さかのぼってのことでありますけれども、インドネシア、ビルマ、フィリピンのそれぞれの賠償の基礎になりました戦争損害について質疑をするということを、別にとってもらいたいということを、仕方がございませんからお約束を願いたいと思います。
○委員長(草葉隆圓君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(草葉隆圓君) 速記を始めて。
○吉田法晴君 他の国との賠償の基礎になりました戦争損害について資料を提出願いたいと言ったところが、資料の提出はできぬと、で、質問をされれば答弁はいたしますと、こういうことですから、インドネシアの賠償に対する戦争損害、フィリピンの賠償に対する戦争損害、ビルマの賠償に対する戦争損害に対しては、十分な時間を与えて、資料をそろえる時間を委員会としてお与え下さるように委員長にお願いいたしますが、委員長の明確な答弁を願います。
○委員長(草葉隆圓君) 委員長といたしましては、審議の十分なることを望んでおる次第であります。
○苫米地英俊君 関連して、政府にお伺いしたいのですが、私は賠償というものは、損害の積算によって出てくるものではなくて、これはたとえてみれば独仏戦争の場合でも、ドイツ軍がパリを囲んでドイツ国内には何の損害もなかったのです。であるのに、あの五十億フランというような莫大な損害賠償を取っておるのです。これはドイツが受けた損害を計算してやったものじゃなくて、戦争に勝った国が理屈をつけた要求を出して力で押しつけたものであると思うのです。それでその場合でも損害の積算というのはなかったと思うのです。それから第一次世界大戦の場合に、いわゆる天文学的な数字を要求したけれども、この場合でも損害を一々積算して出したものでもなく、その要求を受けた方でも独自の積算をし、これと対比して受けたものじゃないと思うのです。日本で北支事変のときに、五千万ポンドですか、あの損害賠償を日本から要求したときも、日本の損害を積算して、これだけになるから出せといったものでなくて、こういうものは今までの世界の歴史で戦勝国もしくは条約によって損害を要求する権利を取った国が要求をしてそれを払う方の側でできるだけ支払う能力とかこうすべきとかいう線で議論をし、交渉をして、そしてこれならば支払いができる、このくらいでやった方が将来のためにいいというところで妥結したと思うのでありますが、この損害賠償を支払う国で数字的に資料を集めて積算して賠償を払ったという例は世界にあるでしょうか。その点を一つお伺いしたいと思います。
○政府委員(高橋通敏君) ただいま御指摘の点でございますが、たとえばドイツとの第一次大戦におきまするベルサイユ平和条約でございますが、それの規定も一般のたとえば二百三十一条でございますが、戦争の結果、この同盟及び連合国の政府及び国民のこうむりたる一切の損失及び損害に対してドイツは責任を負う、ということをはっきり規定いたしております。そうしてその各項の一つとしましては、同盟及び連合国の各国は、ドイツ国との交戦の期間中にドイツの侵略によってなされた人民及び財産に対する一切の損害について賠償をすべし、というふうに大きな原則を定めております。ただ、御指摘のように個々の具体的な損害を集積してやるということはあまり聞いていないわけでございます。何か大きな特別な大事件が起きたという場合は、それだけを抜き出しまして特に別個の損害の項目とすることはございますが、一般的に損害というふうな問題は、そのような考え方に立っているのではないかと思います。
○苫米地英俊君 そこで……。
○委員長(草葉隆圓君) 吉田君の質問に関連した範囲でお題いいたします。
○苫米地英俊君 あるのです。その積算の基礎がわからない、日本の方でどういうような資料があるかというお話ですけれども、私は今の御答弁でもはっきりしておるように、こういう問題は敗戦国が積算をして出すというのは、いまだかつてないと思う。向こうの方から要求したものをいかに処理するか、ということが外交交渉であって、それをこちらの方で、商取引のように双方から材料を持ち寄って相談するという性質のものではないと思う。ですから政府に向かって積算の基礎を出せということは、これは無理じゃないかと思うのです。それで今まで日本でビルマに対しましても、フィリピンに対しましても、インドネシアに対しても、今度と同じ方式でやって問題が通っておるのです。今度の場合にのみこれをしなければならぬという理屈はないと思いますが、政府としては、これはどこか従来のものと違った立場をおとりになったことがあるのでございますか。その点をお伺いいたします。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 先ほどアジア局長から申し上げましたように、従来の賠償におきましても、資料としてこちらのそうした物的、精神的損害というものを積算したものはございません。今回も従来の例にならい交渉をいたしたのであります。別段変わった交渉をいたしたのではございません。
○森元治郎君 関連して。苫米地さんのおっしゃっていることを黙って聞いていると、とんでもないから、それをお返ししようと思って伺うのですが、われわれは他意があって証拠を見せろということを言っているのではない。外務大臣に伺いますが、私たちは賠償交渉に当たる心がまえとしては、平和条約がこんなにありがたくてうれしくてならないものだと言ってやっているのじゃない。もし賠償、賠償というならば、阿波丸事件という有名な事件がある。負けたために賠償請求権を放棄している。これはどこから見ても当然要求さるべきものが、条約でもって請求権を放棄せしめられている。広島でも、長崎の原爆の賠償だって、立場が変わればこれは相当ちょうだいしなければならぬ。二千兆ぐらいもらわなければならないかもしれぬ。そういうふうにいろいろな不合理な平和条約が、あれが吉田総理はあの当時は敗戦国に対しては友誼と信頼のこもったものでござんすという意味で、先生も苦しかっただろうが、受けてきた、これが出発であります。積算云々という点は、これは当然賠償条項でいうところの十四条なり、二十五条なり、そういう中に、もしわれわれが戦敗国家が求償国から要求があったときには、その希望に応じて交渉をしろと書いてあるので、そういう事実を無視してただ積算しちゃいけないとか、どうしていけないかということは、まことに日本国民としてはこれはさびしいことだと思う。不見識だと思うから、お取り消しを願って、いやだけれども、戦争を引き起こしたという責任を感じてわれわれは正当な賠償を払いたい、払いたいがためには、一体どんなものがあったんでしょうかと伺うのは当然でありますから、その点外務大臣から私の考えについてお答えを願います。
○国務大臣(藤山愛一郎君) お話のようにサンフランシスコ条約において賠償の義務を負っております以上は、われわれは戦争中にかけました迷惑、苦痛あるいは損害に対して、できるだけ善意をもって相手国に応待をいたさなければならぬと思います。ただいまお話がございましたように、しかしながらそういうような交渉をいたす場合において、やはり日本としても日本の賠償を支払います能力等もございますから、できるだけ好意をもって、善意をもって相手国と折衝はいたさなければなりませんけれども、日本の支払い得べき能力その他も勘案して、向こうの好意に対して、できるだけ少額で償うような方法で交渉を進めていくのは、賠償にあたっての私どもの当然の任務だと思っております。従って向こう側から出しました要求に対して、十分それを査定いたすと申しますか、あるいはそういう金額が払えない、この程度でがまんしてもらわなければならぬ、俗な言葉で言うならば、この程度でがまんしてもらえないか、少額でがまんしてもらえないかという交渉を続けることは、われわれの任務だと思います。その際に、われわれはこれだけの損害をはっきり与えたのだというようなことを、資料で日本側自身が立証いたしますことは、その金額を向こう側に与えなければならぬような羽目にも陥るわけでありまして、そういう意味からいいましても、われわれとしてはそういうような確定的な資料を作成することなしにこういう交渉に当たりますのが、普通の例だと思います。今日までの交渉に当たりましても、それでありますから、そういう意味においてそういう資料を作成はいたしておりません。でありますから、御要求がありましても、それが出せないということを申し上げておったわけでございます。
○小林孝平君 関連質問。先ほどからの論議を聞いておると、非常に矛盾をしておると思うのです。苫米地さんの御意見は、これは御意見として、お聞きしておくだけでよろしゅうございますけれども、政府は、このさっき申し上げた資料を外務大臣の説明の十二ページを見ますと、下の方から四行目に、「次に三千九百万ドルの賠償金額算定の根拠についてでありますが、そもそも賠償総額の決定にあたりましては、戦争損害が一つの大きな基礎になることは論をまたないのでありますが、そのほかにわが国の対外支払能力や他の賠償要求国に対する賠償支払額との均衡等をも勘案して、」云々とあるのですね、ちゃんとここにございます。勘案してというのは、「戦争損害が一つの大きい基礎になることは論をまたないのでありますが、」というのでありますから、これが基礎になって、それにさっき申し上げた支払能力や均衡ですね、そういうことを勘案するのですから、戦争損害というものが一番大きい基礎になっておることは、ちゃんとここに書いてあるのです。そこでそれは大き過ぎるとか、まけてくれとかいう交渉をやるのは、そういう戦争損害をどう見るかということが基礎になっていることは明らかなんです。ここにちゃんと書いてあるのです。こう書いておきながら終りの方の勘案するところだけを強く言われるのはおかしいのです、これは論理的にさっき申し上げたように、この文章はきわめてすらすらと書いてあるようだけれども、よく読むと、きわめて難解晦渋をきわめたというのは、私はそれを言っているのです。わけのわからないことを書いてある。漢字は少ないからやさしいように見えるけれども、よく続んでみると何が書いてあるのかわからない、これを先ほど私は一々指摘はいたしませんけれどもと申し上げて、たまたま今指摘することになったのですが、この文章からいえば、当然肝心の「論をまたないのであります」と書いてありますこれで、その資料がないとかなんとかいうけれども、おかしいです。そこで委員長に申し上げておきますが、先ほど申し上げたように、こういう論議をやるならこれはつまらぬですよ、もっとまともにちゃんと質問に答えて、そしてここに書いてあるならここに得いてあることに、責任をもって答弁したらどうです。わけのわからないことを書いてわれわれをごまかそうなんというのでは、これは困りますよ、初日からこんな調子では私は困ると思うのです。苫米地さんの御意見御訂正されるのには当らぬと思いますが、こんなことはまあそれでいいですが、これはどうなんですか、一体外務大臣はこの責任はどうされるのですか、ちゃんと書いてあります。
○国務大臣(藤山愛一郎君) むろん、戦争損害に対する賠償を払うということは、この賠償の一つの本質だと思います。でありますけれども、これは全体としての損害というものを考えるわけで、一々の損害、個々の損害を必ずしも積算するわけではございませんし、ましてや苦痛その他がありますから、それを金額上表示するということは、非常に困難でもあろうと思います。われわれとしては、全体としてベトナム側に、あるいは従来の国でいえばフィリピンなり、インドネシアなり、あるいはビルマなりに対して戦争損害を与えた、しかも向こう側はこういうような要求をしてくるけれども、その要求に対しては、われわれは必ずしも賛成できないというような立場において、それらのことを勘案していくわけでありまして、一々の損害を積算をした書類を作りまして、そしてそれの金額を確定していくという方法はとっていないということを申し上げておきます。
○小林孝平君 私は、そんなことをおっしゃったってだめなんです。十二ページのこれ、外務大臣お読みになったら、おわかりになります。この十二ページの下から四段目のこの文章は、日本語の知識をもってすれば、これは総額というものをまず基礎に一番大きく取り上げる、そしてそれに勘案するにこの支払能力や他国との均衡をしてやらなければならぬ、事実そうやっておるのであります。こう「決定されるのであります。」と、こう書いてあります。これは日本語の文章の、あまり上手でありませんけれども、ともかくこれを解釈すれば、そういうふうになるのです。あなたが幾らおっしゃったって、これは戦争損害が大きい基礎になる、これに、これは大き過ぎる、支払能力がないから、もう少しまけてくれとか何とかといって決定をしますと、こう言っている。その戦争損害の総額というものは、積卸しなければ総額が出ないじゃありませんか。それは現にあなたの方で餓死者が三十万とか二十万ということを調べられたのも、そういう必要があってお調べになったのじゃありませんか。
○剱木亨弘君 資料があるよ。
○吉田法晴君 どこにある。
○剱木亨弘君 日本側のじゃなしに、向こう側が出しているだろう。
○小林孝平君 そんなことを言っているのじゃない。私は日本語の解釈、この外務大臣の説明というものは、それ以外に解釈できないのですよ、日本語の……。この文章を言っているのですよ、外務大臣の。日本がやると言っているのですよ。だからこういうふうにしてやりましたと言ったから、そんならそれはないはずがないじゃないかと、こう言っているのです。委員長もそう思うでしょう。うなずいているじゃありませんか。(笑声)外務大臣、そのほかのことは要りませんよ。あなたこの文章を取り消すとおっしゃるなら、これは別です。こういうところ、私がざっとこの席上に来てちょっと見ても、非常にこの文章には多いのですよ。一々指摘してもいいですけれども、同じ十二ページにもまだある。今、それは別にしまして、今の点をお答え下さい。私はほかのことは要らないのです。この文章はそういうことなんです。あなた、特に藤山さんは実業界の御長老であったのですが、こんなでたらめな、積算をしないで総額が出るなんて、そんなことで会社経営されたのですか。そんなことはないだろう。論理的におかしいのです。私はこまかいことは申し上げません。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 先ほど来申し上げておりますように、向こう側としては、いろいろな積算した数字その他を出しております。それをどうわれわれが見るかということは、これはわれわれが判断して参らなければならぬと思います。また、日本側でもってそういう数字を出しますことは、賠償交渉にあたりまして適当でないと思うのでありまして、われわれとしては、その方法はとらぬということなんでございます。
○小林孝平君 だめですよ。私が先ほど申し上げたように、まともに御答弁願いたいのです。ここにちゃんと書いてあるじゃありませんか。総額の決定にあたりましては、その戦争損害が大きい基礎になった。それにちょっと勘案したと、日本語で言っている。勘案というのは、勘案の方が軽いのですよ。ともかく戦争損害のこれを基礎にしたと、こう書いてある。そうして決定したと、書いてあるじゃありませんか。従ってその総額を論議する場合には、総額というものは、これはどう見るかは別ですけれども、ともかくこの積算をした結果総額というものはきまるのです。そういう御答弁では、ここに書いたのは、これは取り消すと、これは間違っているとおっしゃるなら、納得ができますけれども、こういうものを書いておいて、われわれも相当勉強しているのですから、藤山さん、一つしっかり、ここにこんな紙に書いたものなど見ないなどと思っていたら困りますよ。これは間違いであったと言うなら、私は納得しますが、これがはっきりしたものならおかしいですからね。先ほどからの御答弁は、ちっとも御答弁になってないのです。だから、これに基づいて論議をすれば、これは吉田委員の言われたようなことを要求されるのは当然なんです。特に、これは普通の政治家ならそういうことをおっしゃるだろうけれども、藤山さんのように、多くの会社を長年経営された方が、こんなでたらめな、積算の基礎がなくて総額が出るなんという、そういうそろばんは、私は日本のそろばんでは出てこないだろうと思う。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 申し上げております通り、賠償金額を最終的に決定しますのは、むろん戦争損害ということは一つの目標であることもちろんでございますけれども、先ほど申し上げましたように、日本の支払総額なり支払能力なり、あるいは他の国との関係も考慮して参らなければならぬのであります。そうした場合におきまして、日本がベトナムに対して━━ベトナム以外の国に対しても同じでありますが━━お前の国にこれこれの損害を与えたということを申しますことは、普通なら、それだけ与えたなら、これだけ賠償を払ったらいいじゃないか、お前の与えた分だけ払ったらいいじゃないかということが交渉ではなるわけでありまして、そういう意味からいって、そういった資料を作成いたしませんし、向こう側の資料そのものを検討してわれわれとしてはきめておるわけなんでありまして、その点を御了承いただきたいと思います。
○小林孝平君 くどいようでありますが、この点をはっきりしなければ、吉田委員の要求している問題は、わけがわからなくなる。大臣のおっしゃるようにこれが大き過ぎる、日本の支払能力からだめだ、あるいは他の国との均衡から大き過ぎるという話はわかりましたが、ここにちゃんと書いてあるのです。ここにちゃんと書いてあることについて言っているのです。これが正しいものだとか、これを否定しているのじゃないのです。その前に、あなたのおっしゃる前に「戦争損害が一つの大きな基礎になる」と、こう書いてある。だから基礎になるならば、基礎というのは、向こうはこれだけあると言っているのだから、それは大き過ぎるのじゃないか、基礎からいってもこれは大きいので、われわれは、君の方は百万死んだと言っているが、実際は三、三十万じゃないか、これは参議院の予算委員会でおっしゃった、そういう資料をあなたの方はいろいろ調べられたはずです。そこで、そういうものをやって、総金額においてもむちゃじゃないか、さらにそれに加えて今度勘案する部分が出てくる。藤山さんはその勘案するところだけをおっしゃっているが、勘案する点はわかりました。これはみんな書いてある、基礎になることは論を待たないと書いてありますから、どういうふうにこれはやられたか、こういうことを申し上げている。この点藤山さんがあいまいにはぐらかされると、今、吉田委員がやっておりますが、私もまたこれをやろうと思っておりますが、資料の提供を今のあなたのおっしゃるようなことからいって、資料の提出を拒まれれば、そんならこれを私ら認めますから、これは間違いであったということをおっしゃっていただかないと困るのです。こっちはこっちでこういうふうに書いてある、一方ではこの書いてあることと別なことをおっしゃるということでは困ります。こういう審議をやれば、これは今後すべてこういう審議のやり方でいって、それで委員会を通ると思うと困りますから、それでまず本日はこの問題からはっきりさせたいということで伺っているので、その点はっきりしていただきたい。
○政府委員(伊関佑二郎君) 当時ビルマとかインドネシア、フィリピンの交渉に当たりました政府の当局者が、先方のビルマについては三十億、フィリピン八十億、インドネシア百七十二億という要求を出しまして、その向こうの要求を当時の関係者が検討いたしまして、いろいろ人の話を聞いたり、あるいは先方の説明を求めたりいたしておりますが、そういうことは提出できるようなまとまった資料というものにはなっておらぬわけでありまして、断片的にいろいろ話を聞いたり、何と申しますか、客観的な妥当性があるかどうか、その一部を知っている、当時おった人たちの話を聞いてみたりいろいろしまして、当時の交渉をしたというのは、向こうの要求は妥当であるか、これは相当大きいとかということを頭に描きながら交渉しておったわけであります。
○小林孝平君 やはりそれではだめです。あなたそういうことを言っても、ここに書いてある文章の説明にはならない。断片的であろうが何であろうが、向こうは人間が二百万死んだと、こっちは三十万、こういうふうにやったのでしょう、いずれ。そのほかまだありますよ、その次のページでございましたか、十三ページの下から五行目にこれまた「戦争被害は北にのみ限られず南にも及んでいるのであります。」こういうふうに書いてある、これは調べた結果こういうことがわかっているのでしょう。もう初めからどこでもとにかく被害があったのだからということならば、こんな文章を書かなければいいでしょう。こういうことを書くのは、被害があって書いているのでしょう、資料が全然ないとか、断片的であろうが何であろうが、その断片的なものを足せば総額になるじゃないですか。だからわれわれはそれを要求しているのであって、すべてあなた方はこの前に言ったこととあとから言ったことと矛盾横着し、それから文書に書いたものとその文書に書いてあることを説明することとが矛盾撞着しておる。こういうことでは幾ら論議をしても私は困ると思う。こういう点から一つずつあなた方の態度をはっきりしていただかなければ、吉田委員が幾ら出せと言ってもないないと言って拒まれる。こういうようにちゃんと書いてあるじゃありませんか。これは間違いですか。
○政府委員(伊関佑二郎君) このベトナムの餓死者のように、先方の主張いたします数字百万あるいは二百万と言ったこともあるのでありますが、二百万ないし百万というようなことも言っておるのでありますが、それもわが方はいろいろな話を聞きまして三十万以内、まあ二、三十万というふうに、これほど大きく損害についての数字が開いた例はほかの国にはございません。そして、大体われわれはこの賠償を要求する方に損害についての挙証責任がある、こう考えておりますので、先方の出してきました要求というものを見まして、その範囲内でもってこれにいろいろと人の話を聞きながら検討を加えているのでありまして、それ以外の資料というふうなものは、われわれとしてはこれを特に探すというふうなことはいたしておりません。
○小林孝平君 今の、向こうは二百万と言ったのにこっちは三十万、ちゃんとあるじゃありませんか。そういう一つの例としてあげている。それからこういう例はほかにはなかった。フィリピンでは幾ら、こちらは幾らと、だからちゃんと今あるとおっしゃったじゃありませんか。ないはずはないですよ。そんなことがなくて人と交渉ができますか。大体そんなことでやったんだから問題が起きているのです。だから、その点を明らかに、吉田委員が追究されるのはもっともなんです。そうして現にアジア局長はあると言ったじゃないですか。私はこれ以上まあ言いませんけれどもね。おかしいですよ。これはまたあらためて……今はこれだけにしておきます。(「進行」と呼ぶ者あり)進行なんと言うならやるよ。これは明らかにものをしたいと思って言っているのですよ。それを中途半端に、進行だとか……委員長はそういう調子でおやりに……まあそんなことは雑音として、取り上げられないとは思うけれども、そういう態度じゃ困りますよ。私らは一応外務大臣の反省を促す意味においてやめようと思ったんです。ヤジウマ的に議事進行なんというようなことを言うなら徹底的に、ここで何時間かかってもやります。
○大和与一君 今のあなた戦争損害と、それから対外支払い能力と他国との均衡、これは一体それじゃどういう考え方において、比率でおやりになったのですか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) むろんこういう問題について正確な比率を出すということは、非常にむずかしいことだということは御理解いただけると思うのであります。その当時の財政事情、将来の財政の見通し等も大蔵当局においてはいろいろ考えるところだと思います。でありますから、必ずしも賠償の時期等につきまして、その見解必ずしも同一であろうとは思いません。われわれとしてはむろん苦痛━━苦痛でありますとか、損害でありますとか、あるいは賠償に対する支払い能力とかいうものを彼此勘案しながら話をいたしていくわけであります。交渉でございますから、何割の支払い能力、この賠償の中で何割の支払い能力そういうことが少しも動かせないものとしてパーセンテージを作ってやったというようなことはございません。
○大和与一君 私はこの戦争損害がやっぱり一番大きなファクターになってその上で各国との均衡なりあるいはその支払い能力がある、これは常識だと思ってすなおに聞いたのですよ。ところが今の大臣のお話ですと、これはうたい文句で、そんなものはないのだ、こういうふうなことをおっしゃると、これはまるっきり何のためにどういうふうな考えで、基礎でおやりになったのかわからないのですが、これは総額の決定の基準になるのですから、やっぱり戦争損害が一番重要な要素である、こういうふうにお書きになったのでしょう。それは違うのですか。もう少しはっきりと三者のお考えの重さを言って下さい。
○国務大臣(藤山愛一郎君) むろん賠償を支払いますことでありますから、戦争損害というものを対象にいたすことは、これは当然のことであります。でありますから、それが大きなファクターであることも当然でございます。 ただしかし、同時にいかに戦争損害が大きくってもそれに対する支払い能力を考えなければ、むげに大きなものをきめて参るわけには参らぬと思います。また交渉をやりまして、これが忠実に日本の財政負担の上で履行されていくのでなければ、途中でもってそれが停頓する、何か遅滞するというようなことがありましては、かえって信義にもとることになりますから、そういう意味から申しますれば、やはり支払い能力というものも相当なやはり率で、重さで考えて参らなければならぬことは当然だと思います。ただ本質から申しまして、今申し上げておりますように、戦争で与えた損害もしくは苦痛というのがその本質であることは御指摘の通り問題ないと思います。ただそれを交渉に当たりまして、日本側がこういう損害を認めているんだということをはっきりいたしますことは、それならばお前、日本自身がそれだけ認めているから、それだけ払ったらいいじゃないかというような状況になるわけでありまして、外交交渉としてはやはりそういうものを策定いたしませんで、向こう側の出しましたものをできるだけ査定をし、あるいはまあ俗な言葉で言えば、値切ると申しますか、そういうようなことで交渉をいたして参る。それには支払い能力から、日本の状態からいって、こういう状態だということもあわせて申していくことに相なろうかと思うのであります。でありますから、今日までの賠償にあたりましても、同じような賠償交渉においては、内閣が同じような方法でこれを扱ってきたということを御理解いただきたいと思うのであります。
○大和与一君 その次の十三ページのまん中ごろで、資料がないとおっしゃるけれども、これも「戦争損害の全貌を適確に評価することは、資料も不足し、なかなか困難でありますが、わが方の資料によってヴィトナムの戦争損害の一端を検討して見ましても」、こういうふうに、これはたくさんあるように書いております。残った資料、どこへ行ったのですか、その一端を披瀝するとほんとうはあるんだ。しかもさっきの前文の「論をまたない」というのは、これは仮定だけれども、そうして「三千九百万ドルを遥かに超えることを論をまたず、」この結論を出すために、戦争損害に対する資料もたくさんあって、その一端をちょっと伺ってみても、はるかに超えることは論を待たない、こういうふうにはっきりと結論をお出しになっているんですから、これの資料はおありになってもいい、その資料に基づいて話し合いをして結論はこうなった、こういうことは言えるわけですから、吉田委員の言われている資料を出すことについて、どうしてここでちゅうちょ逡巡されるのか、私はもう一度お伺いしたい。
○政府委員(伊関佑二郎君) ベトナムにつきましては、ベトナムが出しました資料をお手元に差し上げてありますが、そのうちの米とゴムだけをここに例にあげたわけでありまして、そのほかにもいろいろな生産の減退というふうなものはございます。その他にまだ精神的苦痛とか、その他ございますが、まあ米とゴムだけをあげましてここに掲記したわけでございまして、それでわが方の資料と申しますが、これは向こうが出しました資料も、わが方で調べましたものも、これは同じ統計を使っておりますから、わが方の資料と同じ資料になるわけでございます。でありますから、向こうが出しました資料よりわれわれの方がやや統計の詳しいものを参照いたしたということで、どちらの資料も同じでございますが、向こうの資料の範囲内でその米とゴムの二つだけをあげてみてもこのくらいになる、こういう意味でごいます。
○森元治郎君 関連して。もちろん今アジア局長からの御答弁でもいろいろな人に会ったり検討したりやっているというお話ですが、外務省の機構として、この損害の関係の調査をやるのは一体どこで何人くらいの事務官を置いて、その期間は、ベトナムに関する限りは、いつごろからこっち側の腹がまえを作る上についての損害の調査をお始めになったか、この三つの点を伺いたい。
○政府委員(伊関佑二郎君) そういう調査をいたしますのは、ベトナムの場合、みなこれは外務省のアジア局の管轄でございます。ビルマの場合も、インドネシアの場合も、フィリピンの場合も、全部アジア局でありまして、それぞれ課が違う場合もございます。それと、その当時の局長とか、次長とか、特別の参事官とかというものが交渉の担当官になっております。こういう人たちが当たったものでございます。
○森元治郎君 ベトナム側で言う二百万人死んだ、こっち側で三十万人くらいだろう、こういう数字を見ても、二百万人というのは、ハノイならハノイ、あるいはユエ、サイゴン、こういう一カ所でもって二百万人あるいは三十万人というなら調査も簡単ですが、あの広い所でどういうふうに調べるのか、大へんな人に会わなくちゃならぬ。軍人さんもいるだろうし、商社の方もいる、新聞記者もいる。それが一カ所でなく、全般的とすれば、その応接には大へんな時間と人手がかかったと思うのですが、どの程度の御苦労をなされたか。
○政府委員(伊関佑二郎君) どの程度の係官が何人で、何人くらいの人々にお会いしたというほど詳細な記録もございませんけれども、まあわれわれの方で一番古い記録を見ますと、終戦直後、二十年の九月でありますか、当時のハノイにおりました西村事務所長から、居留民を早く引き揚げさせたいという電報が来ております。それに、昨年の暮からこの春にかけて百万の餓死者が出た、それでまた今度そういう事態が起こると困るから、今残っておる居留民を早く引き揚げさしてくれというふうなことが出ております。これがわれわれの公電に出ました最初のものであります。終戦後の混乱状態では、やはり当時も百万ということが常識的に言われておったのではないかという気もいたします。また先般来のこの参議院におきます辻議員の質問では、辻議員も向こうにおられたということでありましたが、これは非常に少ないというお話をしておられます。いろいろと軍人の方、あるいは当時おられました商社の支店長、新聞記者等にも聞いておるのでありますが、非常に小さい数字と非常に大きい数字が出て参りまして、これはほんとうにわれわれが常識的に判断しまして二、三十万ではないかと、われわれも確信を持って申し上げておる次第ではございません。いろいろの人の話を聞いて、まあいいところ、その辺ではないかという判断にすぎないことは、たびたび御説明いたしておる通りでございます。
○森元治郎君 西村だれかということが一つと、吉田委員がさっきから言っておるのは、たとえばそういう終戦直後の混乱状態の資料、西村総領事か何か知らぬが、そういう資料あるいは今おっしゃった新聞記者が帰ってきた、だれだれさん、そういうもののぽつんぽつんとしたものでもいいから、そういうものを見たいというのがわれわれの趣旨だろうと思う。あなた方は相手方と交渉するのに、手のうちを見せちゃまずいという面もありましょうが、私たちのほんとうの気持は、そういう御苦労をなさった結果を幾つでも出してもらいたいというのが希望だと思うのです。
○政府委員(伊関佑二郎君) 当時の電報には、私がただいま御説明しました通りのことが書いてありまして、昨年の暮から今年の春にかけて約百万という餓死者が出た……。
○森元治郎君 西村というのは……。
○政府委員(伊関佑二郎君) 西村君は、前の条約局長、それからフランス大使をしております。
○森元治郎君 どこから打ってきたか。
○政府委員(伊関佑二郎君) ハノイであります。そういうのが公電としてございます。あとはいろいろな人にお目にかかっておりますが、皆さん、自分はこう思うというのでありまして、この人がこう言われた、この人がこう言われたということを、一々名前をあげますことは、その方に対しても悪いのじゃないかと思います。たくさんの人から伺っておりますが、名前を一々あげまして、いつ、どなたに伺ったというのは差し控えたい、こういうふうに思っております。
○森元治郎君 西村さんの資料も、もらえたらもらいたいと思います。
○政府委員(伊関佑二郎君) ただいま申し上げました通りでございまして、別に違ったところはございませんが、そこらの二、三行の抜粋でよろしければ書いたものを差し上げます。
○吉田法晴君 実は、実質論議をするつもりはこの段階ではないんです。それから戦争に関連する賠償というものはどういうものだという点で議論をするつもりでは実はなかった。その点は多少衆議院段階の論議の聞いておりますと、あいまいですけれども、しかし小林君が指摘をいたしましたように、戦争の損害賠償は、対象は戦争損害だけれども、賠償総額の決定に当たっては、戦争損害が、「一つの」と書いてありますけれども、「一つの」じゃない。総体の、あるいは唯一の基礎になることは論を待たぬと思うのでありますが、「一つの」と書いてあるところに少しあいまいなところがございますが、あとは支払い能力、あるいは均衡というものがその総額を決定するために必要な要素である。その点は私はサンフランシスコ条約の十四条にも明らかだと思うんです。十四条の(a)項に、「日本国は、戦争中に生じさせた損害及び苦痛に対して、連合国に賠償を支払うべきことが承認される。」、その次は支払い能力の問題ですが、「しかし、また、存立可能な経済を維持すべきものとすれば、日本国の資源は、日本国がすべての前記の損害及び苦痛に対して完全な賠償を行い且つ同時に他の債務を履行するためには現在充分でないことが承認される。」こう書いてあって、しかし、また支払い能力その他からこれは限定される。損害の賠償は、その損害に対してなされることは、これはあたりまえです。これは国内法であろうと、あるいは国際法であろうと同じことだし、その点は私は条約局長その他に補佐された外務大臣は、問題はないと思ったんですが、しかし、先ほど来の答弁を聞いており、あるいは衆議院段階での討議を聞いておっても、支払い能力がとにかく第一の決定の大きな原因であるような答弁をしばしばされている。先ほども、一つのファクターである云々といったようなことを言っておられますが、その点まず明細に願いたいと思います。具体的に聞くと、それでは損害に関係なしに、連合国であれば、平和条約に調印をしておれば、損害があろうとなかろうと、戦争損害について賠償されるんですか。その点を明瞭にしていただけばおのずから明らかだと思います。
○国務大臣(藤山愛一郎君) われわれは、サンフランシスコ条約の十四条にございますように、与えた損害なり、あるいは苦痛というものを勘案して、そうしてこれに対して報いていくということは、サンフランシスコ条約の忠実な履行の上において考えておるわけであります。
○吉田法晴君 それでは戦争損害の賠償は、戦争損害に対してなされるんだ。これは間違いありませんね。支払い能力で決定されるとか何とかいうことは、それはあとの話し、戦争損害に対して賠償すべきものだという点は、これは異議はないでしょう。どうですか。
○政府委員(高橋通敏君) ただいまの御指摘の点でございますが、第十四条(a)には二つながら書いてあるわけでございます。従いまして、横書及び苦痛をこれを、全部払えという場合と、それと同時に、引き続きやはり経済のことも勘案しなければならない。従いまして、全部払うということと、経済勘案ということが一体をなしておると私は考える次第でございます。たとえばベルサイユ条約では二百三十一条には、損害に対してこれを支払わなければならないという責任を規定しながら、二百三十二条には、やはりその損害の全部に対して完全な賠償をなすことはできないから、やはり経済その他のことを考えるべきであるというふうになっております。
○吉田法晴君 しかし、損害賠償は、損害に対してなされるということは、これは間違いないでしょう。
○政府委員(高橋通敏君) もちろん損害に対してなされます。
○吉田法晴君 それでは、総額を支払い能力でとにかく決定をきれる前に損害があったかなかったか、損害がどれだけあったかということが第一の問題になることは、これは当然じゃありませんか。それはあとで支払い能力によって限定されるから、支払い能力の範囲内で賠償をする、これは十四条の(a)項後段に書いてある。しかし、損害があったかなかったか、損害がどの程度あったかということは、これは考慮されておりませんか。
○政府委員(伊関佑二郎君) もちろん損害がどの程度あったということが最初でございまして、そして支払い能力というものからこれをだんだん小さくしていく、こちらの払います額を小さくしていく、そういう関係でございます。
○吉田法晴君 そうすると、大臣にもう一ぺんお尋ねいたしますが、戦争損害に対して賠償をするのであり、あるいは戦争損害がどの程度であったかということをまず考え、そして日本の支払い能力あるいは他の国に対する賠償の均衡というのはあとから出てくるものである。損害がどれだけあったかということが結局損害賠償をするかどうかの第一の前提だということは大体明らかになったと思うのですが、その点どうですか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) ただいま条約局長が御答弁申し上げた通りです。サンフランシスコ条約第十四条によってわれわれはこの義務を履行しておるのでありますから、戦争の損害があったということに対してその義務を履行するわけであります。
○吉田法晴君 支払い能力はその損害を賠償するところのわが方の能力、それも平和条約第十四条(a)項後段に認められておるところだから、決定をする際にはそれを勘案する、これはその通りで、大体まあお認めをいただいた。だから、損害がどれだけあったということが問題になるから、そこで損害の請求に対して、それは公表をされぬと言われるけれども、皆さんとしては、あるいは交渉に当たられて全権として判をつかれるときには、損害があったかどうか、損害がどれだけあったかということはお考えになっておったでしょう、お考えにならなかったのですか。損害がどれだけあったかということを考えて、とにかくこの賠償交渉の最後の調印に当たられたのじゃないですか。損害がどれだけあったかわからぬということで調印されたのですか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 与えた損害があるということを前提にしておることはむろんでございます。ただお話のように、それを積算して資料的にまとめて、そうしておきますことは交渉上適当でないと思うのでやっておらぬということを申し上げたわけです。
○吉田法晴君 それは公表しなかった、あるいは相手側には示さなかった、しかしとにかく腹の中で賠償金額をきめるときには、それが間違っておるかどうかは別問題として、私どもそれが間違っておると思うから、検討するわけですから、あなたの方としては、藤山全権としては、損害がどのくらいあったか、これは考えておられるでしょう、どうですか。その点は公表はしなかった、だからあなたの腹の中にも損害がどのくらいあったということは全然考えなかったのですか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) むろん与えた損害があるから賠償を支払うという一つの前提が出てくるわけなのであります。従って、それらの点につきましては、先方側の出しました資料等を検討しまして、そうして、われわれとしては考えていくわけでございますが、先ほど申し上げたように、日本側の確定的な資料というものを持ちますことは交渉上適当でないと考えておりましたので、そういうものはございませんということを申し上げた。
○吉田法晴君 提示しなかったということはわかりますけれども、腹の中ではとにかく損害があったかなかったかという点は腹の中にあったとおっしゃる。そしてここに審議を求められるのに、こういう金額で賠償交渉を妥結をした、調印をした、そしてそれは損害を勘案し、それから戦争損害が大きな基礎であることは論を待たないが、支払い能力や、あるいは他の賠償要求国に対する、賠償支払額の均衡を勘案して交渉した、こう書いてありますから、そこでそれではその戦争損害はどれだけあったのか、こういうことをお尋ねしようとして要求をしている。とにかく向うからの損害主張の要求は出ています。しかしながらそれに対して、あなたの方で交渉の当事者として腹づもりされたのはどういうことか、それから他の均衡云々というところにこれは数字をお出し願わなければ審議のしょうがないじゃありませんか。いいですか審議をするのに、とにかく調印をしてきたから通せと、これじゃ審議はできません。与党はとにかく数が多いから、どんなに疑問を提出しようとも、あるいは鶏三羽に対して二百億というような不当な賠償だ、こう断定をしてもあくまでとにかく数でもってこれは批准を押し通していくのだ、こういう態度ですか、少なくとも審議を求めるというなら、この交渉が妥当であるかどうか、あるいは戦争損害に対して賠償をするのだが、その戦争損害とこの賠償とが、どういう工合にとにかく相関連をするのか、あるいはどういうことになるのか、あるいは支払い能力、あるいは他の賠償要求国に対する賠償金額との均衡を勘案してというのなら、その勘案し得る材料を出さなければしょうがない。あなたの方はもっぱら外交交渉の技術的な面から出しにくい、こういうお話ですが、それならば祕密会でもかまいません。審議の材料を出さないで審議してくれ、こういうことは、これは政府の審議を求められる態度じゃないのじゃないか、そういう意味において材料をお出し下さい。ベトナムの問題についてはこれから入りますけれども、その前にインドネシア、ビルマ、それからフィリピンについて資料をお出し下さいと、こういうのですが、先ほど質問を受ければ答弁をされるということですが、その後の答弁を聞いておりますと、ふるいは公にすることはどうこうというお話もございました。それなら秘密会でもかまいませんよ。とにかく材料を出す決意があるのかどうか、もう一ぺん聞いておきたい。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 先ほど来申し上げましたように、そういう資料を作成いたしておりませんので、お出しすることはできないと思います。
○吉田法晴君 それでは、資料要求は、具体的にその都度していくほかありませんし、それから先ほど確認されましたように、インドネシア、ビルマ、フィリピンの戦争損害の資料は委員会で一つやっていきたいと思います。また十一月二十七日の当委員会における外務大臣の説明と関連をして参りますが、あの二十七日の説明によりますと、「戦争被害は北にのみ限られず南にも及んでいるのであります。」これは印刷になったところでは十三ページ。それから「仏印の輸出貿易は若干の鉱産物及び水産物を除けば、全く米、ゴムを主とする農産物によって、立っていたのでありまして、これら主要産品の生産、輸出の大巾な減少によって、それらの産地たる南の受けました損失は莫大なものがあるのであります。」こう言われている。この参議院に対する説明と、それから、衆議院における戦争の損害は北の方が多かったという答弁、これは参議院にも出て参っておりますけれども、ベトナムの主張する戦争損害及び苦痛を基礎にして私は従来答弁されて参ったと思うのですが、それとは違っております。われわれのところに出された資料について見てみましても、このベトナムの主張する戦争損害及び苦痛と、それから先月二十七日の大臣の説明は根本的に違っておりますが、どっちがほんとうですか。もし、大臣は、今までいろいろあれをしてきたけれども、二十七日の説明は結論だというならば、これはこの大臣の説明に付け加えて、この大臣の説明の基礎になる資料とはなりません。別に資料を一つ出してもらいたい。答弁と資料の食い違い、今までのあれは、藤山外務大臣が二十七日やられたのですから、大臣から答弁を願いたい。
○国務大臣(藤山愛一郎君) むろん北にも大きな損害はありましたけれども、南にも、われわれはとり三羽というようには考えておらぬ、南にも大きな損害を与えておるのだということを申し上げておるわけであります。
○政府委員(伊関佑二郎君) 損害が北に限られておるというような議論が多かったものでございますから、そうでないという意味でわれわれが書いておりますので、そういうふうな意味でお読みになれば、よくおわかりになるのじゃないかと思います。
○吉田法晴君 書いております方は、これは資料でしょう、あなたの書いておるというのは資料でしょう。大臣は、戦争の損害について、ここに、これは三十分近かったと思いますが、説明をされましたものが文書になっておりますが、それが南の方の損害だけ、これは大臣の説明はいろいろ今まで答弁をしてきたけれども、二十七日の説明がこれが政府の公式的なものだ、こう言われておる。そうすると明らかに説明と資料との間に食い違いがあるんじゃないですか。説明をもう一ぺん読んでごらんなさい。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 戦争被害が北にのみ限られず、南にも及んでおるのでありますということを申し上げておるのでございまして、北に非常に多くて南は皆無であるというようなことではないのだ、ということを申し上げておるわけでございます。
○吉田法晴君 資料に出された、ベトナム共和国の提出する資料と、これに関連して衆議院で説明されたものに基づいて、一々具体的な内容について松本委員その他から反駁をされて、人的な損害あるいは物的な損害、あるいは鉱産物についても、それから製造業関係の被害についても、これはいずれも北ベトナムのものであるということが明らかになったから、北のものを説明の中では除いたわけじゃないですか。北の部分を除いた説明は三千九百万ドルで出て参っております。審議の対象の賠償の基礎になった、ベトナムの主張する戦争損害及び苦痛は、その根拠がなくなった、こういうことを言うのでしょう。そうじゃないですか。
○政府委員(伊関佑二郎君) われわれが餓死者の点を除いて経済的な損害を見ます場合に、むしろ南の方が、われわれの持っております数字、向うのあげております数字を見ましても、南の方が多いということを言わんとしておるのであります。それは米とゴムという二つをとりましても、これは貿易総額の三分の二ぐらいになるわけでありまして、この米とゴムは南のものであるからそうなった。それからマイニングとかあるいは工業生産、これはマッチの工場が一つ南にある以外は全部北でございます。ただし、その生産高を見ましても、一年分を取りましてここに計算いたしておりますが、約五千万ドル程度のものでございます。ほかにもいろいろございましょうが、こういう北の生産物は大体生産減が五千万ドルと見られる。このうちの無煙炭等は海外向けに出るわけでございます。南の方を見ますと、米とか麦だけの計算をいたしてもこういう数字になるので、こういう経済的な面を見ると南の方が大きいということを言わんとしておるわけでございます。
○吉田法晴君 それでは今まで出されました戦争損害の具体的な内容、これに対する判断を一つ政府の方で出してもらいたい。たとえば人的損害で政府が認めた二、三十万という数字ですか、その二、三十万の年次別、地域別の一覧表を出してもらいたい。
○政府委員(伊関佑二郎君) 年次別と申しますと、大体四四年の十月か十一月頃から四五年の春四、五月頃にかけてでございます、多分。それから地域的に申しますと、トンキン・デルタ地域というものが中心になります。そうしてややその周辺に及んでおるということでございます。
○吉田法晴君 これは衆議院で審議をされておる最中に、局長であったかと思いますけれども、ベトナム側が提出したエード・メモワールというのですが、これは伊関局長の口から出ておるようでありますが、ベトナムの主張する戦争損害及び苦痛というわれわれのところに出ておる資料、これはこちらで作られたもののようですね。十一月二日に作られたもののようですが、向うから主張された資料、向うから提出された資料というものは伊関さんの答弁によるとエード・メモワールという名前で呼ばれておる、それをお出し願えますか。
○政府委員(伊関佑二郎君) 一九五六年九月十八日に先方がエード・メモワールというものを出しております。そのいろいろと数字を上げております主な数字だけを拾いまして差し上げたものでございます。全部の数字が御入用ならば提出いたします。
○吉田法晴君 これは抜粋ですか。十一月の二日にこれを作られた、そうしてこれに付随しておる書類は日本側で作ったもの、こういう説明がなされてきたようでありますが、ですから、それ以下の計算、これは日本側で作ったということは、これは従来も明らかになっております。ベトナムの主張する戦争損害及び苦痛というのは向うから出たものですか、それとも日本側で作ったものですか。
○政府委員(伊関佑二郎君) 一年分に直して計算いたしましたのは日本側で私の方でやったものでございますが、その他の数字は全部向うから出た数字でございます。
○吉田法晴君 こちらから作りました資料の中でベトナム側から提出されたその一部だというのですが、ここに出ておる損害及び苦痛、その中にある生産あるいは貿易に関する損害の資料を基礎にして、一九四四年九月から一九四五年八月の生産及び貿易の減少による損失額、資産、これは一九三九年を基準にしておるこの表自身にも間違いがございます。たとえば一九三九年の鉄鋼生産は、これは説明によると十三万八千二百トン、それに比べて減産をしたのは六年間で五十五万八千七百トン、一年間に直したら十二万三千トン、十三万八千二百トンが十二万三千トンも減ったということは、これはまあ間違いじゃないかと思われるのですが、そういう点はどうなんですか。
○政府委員(伊関佑二郎君) 一九三九年の鉄鋼生産は十三万八千二百トンでございます。それが一九四四年には二万九千七百トン、一九四五年は七千九百トンというふうに激減しております。われわれは最後の一年をとります際に、一九四四年の三分の一、一九四五年の三分の二というものをとって一年間と計算いたしております。そういたしますと十二万トンくらいになるわけであります。
○吉田法晴君 間違いはございませんか。
○政府委員(伊関佑二郎君) 間違いはないと存じますが、あるいは計算の間違いがもう一度チェックしてみるとあるかもしれませんが、おそらくないと思います。
○吉田法晴君 それからベトナム側から提出したという戦争損害は、これは一九三九年からですか、四五年までというと六年間、日本政府の作った説明、これは試算だと思うのですが、これは一九三九年基準の一九四四年から四五年の一年間というのですが、実際十一ヵ月ちょっと、それの減少分。ところが大臣の説明の中では南方の主要産物である、あるいは輸出物である米、それが一九四三年基準それから一九四五年の輸出減の額、今度は四一年四三年の平均生産量から四五年の生産減を出している、少なくとも資料と大臣の説明とは違っておりますが、それはどうですか。
○政府委員(伊関佑二郎君) 先方は全部一九三九年を基準にいたしております。一九四〇年に平和進駐が始まっておりますので、そういう異常なる事態の起きる前をとっております。それからわが方は戦争期商を四四年八月二十五日以降としておりますので、最後の約一年というものの損害を見ておるわけであります。それから経過説明に引用をいたしました数字は三九年はとっておりません。米の場合は四三年という数字をとっております。これは三九年をとってもよかったわけでありますが、この四三年に比べても━━三九年をとりますと、おそらく百四、五十万トンという数字になります。四三年は百万トンという数字でございます。これは当時輸出が減りましたと申しましても、日本側がそのくらいのものを買っておったんだと思いますので、ずっと四一年、四二年、四三年というそういうふうな、日本側が買っているというものがそこに四、五十万トン近くあったのではないか、はっきりした数字はございません。ですからむしろ四三年をとりまして、日本側が買ったとした、四、五十万トン買って残った百万トンから見ても、四万五千トンしか出ておらないというふうな数字を引用したわけでございます。食い違っておることはございません。ただ年度をどこにとったかということであります。
○吉田法晴君 一九三九年を基準にとれば、これはベトナムにおいてもあるいはフランスにおいても、日本も当時そうだと思うのですが、太平洋戦争の前で総動員態勢がとられた、最大の生産のピークだ、それと比べるということは、これは妥当を欠くのではないかという議論が一つ。それから一九四三年が戦争開始時期だという政府の主張と矛盾するのではないか。こういう指摘と相待って、大臣の説明の方は訂正をされたのだと思うのですが、そうすると大臣の説明とそれから資料との間には明らかに食い違いがあります。大臣の説明を撤回をして、衆議院段階のような説明をされるか、それとも資料を作り直すか、どっちかとにかく歩調を合わしてきてもらわなければ審議の資料にはなりません。
○政府委員(伊関佑二郎君) 私は、これは資料をごらんになればよくおわかりになると思うのでありますが、三九年をとりますと、これが平常な時代でありますから、それに比べて損害を見るというベトナム側の主張は、ある意味で私は当然じゃないかというふうにも考えますが、まあ戦争が始まって、戦争は四四年なので、今度はその直前をとってみたらどうかという議論もございますし、いずれをとりましても大して違いはないと思いますけれども、米とかゴムにつきましては日本が買いましたものなどを計算に入れますと、ほとんど違ってこないわけでございます。そこでゴムにつきましては四一、四二、四三の平均をとってみましても、むしろゴムにつきましては四一、四三、四三をとった方が多いわけでございます。三九年は六万五千トン、四十年は七万二千トン、四一年、四二年、四三年をとってみますと、生産は七万五千トンぐらいの平均になっていますから、この場合はむしろ多くなります。それから米にとりますと今度は三九年の方が多くなっておりますので、別に意識的にその点をとったというわけではございません。全体の数字をごらんになれば、どこをとってもちょっと違っているというだけでございます。
○吉田法晴君 数字については私も持っております。ゴムの生産高、米の生産高、持っております。持っておりますが、戦争の期間と、それから損害の期間とが、計算において、基準と、それから期間というものが一致しなければ、政府の説明、あるいは資料というものが統一されておらぬということが言える。そういう意味で、どっちをとってもかまわぬが、どっちをとるか、とにかくあなたの方の説明なり資料は統一されなければ審議ができぬじゃないですか。そういう意味において、資料を訂正してくるか、あるいは政府の答弁を訂正するか、どっちかにしておいでなさい。
○政府委員(伊関佑二郎君) 両方申し上げた方がかえってよくおわかりになるのではないかと思いますから、矛盾はないと思います。
○吉田法晴君 そういう、とにかく具体的に逐年の生産とか、あるいは輸出とかいうものを調べなければ、妥当であるかないかということが審議できぬじゃないですか。これも出さなければ出さなくてもいい。そのときになって一々論議をしていくほかない。 もう一つは、最後の戦争損害の資料ですが、政府は衆議院の審議の段階で、伊関氏その他も認めた、六年間南北にわたるものをのんで、そののんだ理由は、局長、大臣等が衆議院の外務委員会で認めたように、損害がどれだけあるかという事柄でなくて、ダニムの発電所その他経済協力の金額の集計を集めたものだ。そうしてその説明として、戦争や占領による直接損害でなく、貿易の減少や、あるいは米やゴムの生産の減少等、間接損害と言われるものかもわからん、戦争あるいは戦闘行為に因果関係のあるなしにかかわらず、日本側が試算をしたものだと思われるのですが、伊関さんが、そのことをベトナム側が出した数字、それを金額に換算した総額ですね、これが交渉のとき、基礎になったか、こういう質問に対して、金額が貿易のみ云々、その他は数字だけ——金額は貿易だけで、その他は数字だけ、金額は、最近の数字を基礎にして、そして一年分を出しておる。いわば南の方の損害が、鶏三羽といわれていますが、その鶏三羽の損害に対して二百億といわれる金額が不当だということを指摘をされるものだから、その説明のために集めた計算数字だということは、これははっきり言えると思うのであります。 で、もしそうでないというならば三千九百万ドル、これは戦争損害に対する賠償として適当かどうか、政府の方では賠償だと言われるのだけれども、その根拠になる損害が、いつどこで幾ら、これを提出してもらいたい、戦争損害の実態を、いつどこでどういうものがあった、それがないと、この戦争損害に対して、賠償が妥当であるかどうかということがわかりません。
○政府委員(伊関佑二郎君) このベトナム側の出しました資料には、貿易につきましては金額をあげております。たしか八億ドルか九億ドルになりましたか、その他の生産の減退につきましては、数量だけをあげております。インフレーションにつきましてはこの比率をあげております。生計指数といいますか、物価指数をあげておるというふうなものでございますが、衆議院における説明の際にも、これじゃわからぬじゃないかというあれがございましたので、最後の一年を、時価でもって取ったものを作ったわけでございます。 それから、われわれは先ほども申し上げましたが、向うがよこした資料の範囲内でそれを検討している。それを検討いたしましても、この最後の一年で、たとえば貿易でみれば二億何千万ドルという貿易の減少がある。その中で、おもな米とゴムをとれば、こういうことになるのだ、生産減とか貿易減とかが。そういうふうに申し上げておるのでありまして、三千九百万ドルよりは、はるかに大きな数字が、米とゴムだけにいたしましても約一億五千万ドル近い数字が一年間で出ているわけなんです。
○吉田法晴君 これに対する日本の責任が——日本軍の責任がどれだけあるか、どこまであるかという、こういう因果関係についても、向こうからおそらく資料はあったのだろうと思いますが、そういう因果関係を出してもらいたい。 それから、これは全体について、どこでどういう工合にあったかという年次別、あるいは地域別その他数字、それから戦争損害として政府が認めたかどうか。こういう点について日本の認めた戦争損害を、ベトナムの場合についても、これはぜひ出してもらいたい。出さなければ、三千九百万ドルが妥当であるかどうかという審議は、これはできません。
○政府委員(伊関佑二郎君) 年次別につきましては、すでに八月二十五日からの約一年間ということは、はっきり申し上げている通りであります。 地域別につきましては、そういう米とかゴムとかは南である。米ならば、大体サイゴンの南が虫でございます。そういうことでサイゴン米と言われておるのであります。ゴムにつきましても、ほとんど大部分が南でございます。それから工業生産、その他マイニング、それからインダストリー、これらは北であるということは、たびたび説明いたしております。
○吉田法晴君 説明しておりますと言ったって、ここでは、何も説明したことがないじゃないですか。 それから、一部分だけ答弁をして……。全体について答弁を願わなければならぬのですが、問題は、戦争損害がどれだけあるかということを資料にしてお出し下さい。出さなければ、われわれは審議が進まぬ。審議をするわけにいかぬ。こういうことを申し上げているわけです。
○政府委員(伊関佑二郎君) 戦争損害は、向こう側の言っておりますものだけに限りまして、ここにお出ししているわけでありますから、これを基礎にして、御審議願いたいというわけであります。
○吉田法晴君 われわれの方は、審議をすべき資料がそろわなければ、審議は進められぬ。こういうことを申し上げている。 これは、まあ並行線になりますが、私どもとしては、この賠償が妥当であるかどうかを審議すべき資料、まあ他の損害賠償を要求している国の戦争損害については、これは勘案するのでありますから、面接ではありませんけれども。ベトナム賠償については、ベトナム賠償の金額が妥当であるかないか、こういうことを審議すべき直接の資料でありますから、これは、絶対的に要求いたします。
○政府委員(伊関佑二郎君) 御提出できる資料は、これしかございませんわけでございます。 そして、一つわれわれが御審議願う際に、このベトナムの損害というものと、インドネシアの損害というものが、非常によく似ておりますので、これと同じような意味において、御審議願ったらいいのじゃないか。こう考えます。
○吉田法晴君 それは、何べんでも言うのですけれども、資料を出さなければ、戦争損害の、向こうの要求じゃない、こっちで認めたと言われる資料が、出されるまでは審議を再開するわけに参りません。出して下さい。
○委員長(草葉隆圓君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(草葉隆圓君) 速記をつけて。 それでは、本日はこの程度とし、明四日午前十時から、ベトナム関係二件につきましての質疑を続行いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後四時十八分散会