運輸委員会交通の秩序と安全に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 79 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1959/12/03
会議録
○委員長(天埜良吉君) ただいまから交通の秩序と安全に関する小委員会を開会いたします。 去る十一月十九日の第一回の当小委員会におきまして、小委員会の運営及び調査の方針などを協議いただきましたが、さしあたりトラックの事故防止に関する件を調査することとなりまして本日は、さきに委員会に配付されました資料、「長路離トラック事業の監査について」のうちで、当局において事故防止に参考となると思われる事項などを指摘され、御説明を願いたいと存じます。
○説明員(国友弘康君) 先般の運輸委員会で長距離トラック事業の監査について私の方から概要を刷りましたものをお配りして御説明申し上げたわけでございますが、さらに改善勧告をした内容につきまして、先般お配りいたしました資料等につきまして御説明申し上げたいと思います。 まず、最初に「路線トラック事業の監査において改善勧告をした事項の内容」というのがございますが、これはずっと読み上げまして御説明申し上げた方がいいと思いますので、ずっと読み上げていたしたいと思います。「路線トラック事業の監査において改善勧告をした事項の内容、昭和三十四年十一月十七日」でございます。 「一、悪質交通事故の発生、監査において悪質事故として指摘したものは、主として居眠運転によるもので、これらの発生時刻や発生地点は略々一定の範囲に入っているものが見うけられる。又、上記の外には飲酒運転による悪質事故も見うけられた。」たとえば、上り便で参りますと、箱根あたりで早朝になるわけでございますが、そういう所で事故が割合多く起こるというようなことが見受けられたのでございます。そのほか飲酒運転等も中にございました。 「二、重大事故の報告洩れ、自動車運送事業者は、道路運送法第二十五条及び自動車事故報告規則(運輸省令)により下記の」━━一から四までございますが、「事故が発生した場合は、運輸大臣に報告すべきことが義務づけられている。これは事故警報を発令するなどの事故防止対策を促進し類似事故の再発防止をはかるためのものであるが、一般的に、事故の処理に当っては損害額の賠償又は事故運転者の責任追求のみに終っているものが多く、上記の主旨を認識せず、事故報告を行っていないものがあった。一、転覆、転落、火災、踏切。二、死者又は重傷者を生じたもの。三、物的損害額が五十万円をこえるもの。四、かじ取装置等重要保安装置の車両欠陥によるもの。」、 これらについては報告をしなければならない、こういうことになっております。 「三、運転者の安全服務規律のないもの又は整備を要するもの、路線貨物自動車運送事業者は、自動車運送事業等運輸規則第二十七条及び第四十三条の規定により、乗務員が事業用自動車の運行の安全の確認のために遵守すべき事項及び乗務員の服務についての規律を定めなければならないことが規定されているが、これについての認識がなく、安全服務規律を明確に定めていないもの、及び改正運輸規則の主旨に沿って内容の整備をはかっていないものがあった。」 「四、車両の非常信号用具不備。運輸規則第一十九条及び第四十六条の規定により、貨物自動車運送事業者は、踏切警手の配置されていない踏切を通過するときは、非常信号用具を自動車に備えつけなければならないことが規定されているが、備付状況の不良なものがあった。」 「五、無休乗務又は乗務交番の適正化を必要とするもの。監査の際、調査した運転者百七十六名中一ケ月間に四日以上の休日を取っている者は約四〇%であり、全体の七〇%は少なくとも二日以上の休日を取っている。しかし中には、通常のものより長く連続勤務をしているもの又は連続勤務者の多いものが見受けられたので改善するよう勧告したものである。」 この後段に書いてございますことは、一カ月間の調査の中で、一日しか休ましておらない、あるいは一日も休ませておらない、こういうようなものも少数でございますが見受けられたわけでございます。 「又、乗務交番の適正化を要するものとしては、乗務交番が計画的に行なわれず、出勤の都度その日の勤務割りをしているもの及び乗務員の乗務状況を適確に把握していないものが見うけられた。」 こういう乗務交番を計画的にしていないことにもなりまして、出勤簿も早く出勤させなければいかぬ、こういうようなことにもなりますので、これらの点についても改善を要する点がある、こう考えるわけであります。 「六、異状気象時に対する措置が確立していないもの。貨物自動車運送事業者は、運輸規則第二十条及び第四十六条の規定により、暴風雨、津波、高潮、洪水等の異状気象時における運行の安全を確保するため、乗務員に対する気象の伝達、退避、又は運行の中止の指示その他必要な安全措置をとることが規定されているので、このような場合に備えて、あらかじめ措置の対策基準を明確にしておくことが必要であるが、これについての認識がなく、措置を講じていないものがあった。」 この異状気象時の対策というのも大切なことだと思っております。 「七、運行管理者、代務者の職務権限の不明確。路線貨物自動車運送事業者は、運輸規則第二十五条及び第四十六条の規定により運行の安全の管理及び乗務員の指導監督のため、運行を管理する営業所毎に運行管理者を選任し、これに必要な権限を与えるよう規定されているが、その権限を明確にしていないものがあった。管理者が病気等のためやむをえず休む場合に備えての代務者についても同様のものがあった。」 これは、運輸規則で運行管理者を置くことを規定しておりますが、その権限についても各事業者ごとに定めさすべきである、こう考えておるわけであります。 「八、夜間、早朝、運行管理代務者以外の者が職務を行う。運行管理者及び代務者は、上記した通り安全な運行を確保するため、特に所要の権限を附与した責任者であるので、事業車」——事業用の車でございます。「の運行が行なわれている間は、そのいずれかが」、これはすなわち運行管理者あるいはその運行管理者の代務者でありますが、「執務しているよう指導しているが、中には早朝夜間においてこれらの者以外の者が執務している場合において、責任体制の不明確なものがあった。」 これらについても考えさせなければいけない、こう思うわけでございます。 「九、休憩所の施設の改善を要するもの。今回の監査で休憩施設の改善を要するものと認められるものは、主として採光、通風及び寝具がよくないものであるが、中には、営業所の施設を建築中のため過渡的現象であるものがあった。」 この休憩所の設備等については、神風タクシーのときにも諸先生方にもごらんになっていただいたわけでございますが、労働基準関係の一定基準がございますのですが、それらに該当しておるかどうかというようなこと、及び私どもとしては採光とか通風とか寝具とかいうところも見たのでありますが、よくないというように思われるところも見受けられたわけでございます。 次に、「長距離路線トラック運転者の勤務実態」、それと、その次に「長距離路線トラックの運転者の給与実態」でございますが、「長距離路線トラック運転者の勤務実態」につきましては、会社をABCというように、資本金一億円以上の会社について見ましたものと、資本金五千万円以上の会社について見ましたものと、資本金五千万円未満の会社について見ましたものとを整理いたしまして、最高労働時間、最低労働時間等をここに書いてございます。 それから「長距離路線トラック運転車の給与実態」につきましても、資本金一億円以上の会社の給与状況と、資本金一億円以上の会社で最高のものと、給与の低いもの、それから五千万円以上一億円未満の会社で最高のもの、最低のもの、それから資本金五千万円以下の会社で最高のもの、最低のものというようなものを書き、それから平均運行速度についてもここに簡単に書いてございますわけですが、これらの資料が監査の結果出ました業務の運営状態、それから勤務状態あるいは給与に関しまして書きました概要でございますが、これに基づきまして、ちょうど私どもとしましては、年末輸送の繁忙期にも向かいますので、これら監査結果につきまして、改善をすべき点は直ちに改善をさせなければいけませんので、十一月の二十六日にこれらの結果を取りまとめまして、陸運局長あてに自動車局長から依命通達で路線トラックの事故防止について通達をいたしたわけでございまして、今読み上げましたような点に関しまして通達を立案いたしたわけでございます。これもちょっと繁雑になるかと思いますが、一応読み上げまして、簡単に御説明を申し上げたいと思うのですが、「路線トラックの事故防止について(依命通達)」、十一月二十六日の通達でございますが、「路線トラックの事故防止については、今年度は、特に東海道、山陽道の主要幹線を路線とする三十六業者に対し事故防止に重点を置いた監査をいっせいに実施し、不備の事項はすみやかに改善するよう個々に勧告を行なったところであるが、本監査の結果から見て、下記事項は、事故防止上早急に措置を要すると考えられるので、強力に指導徹底されたい。」 書いてございますことは七項目ございます。 一番目は、「適正かつ計画的な乗務交番の実施。長距離にわたる路線トラックの現在の運行態様からみて、乗務員の過労防止には、特に万全の措置を講ずることが必要であるので、乗務交番の実施に当っては、自動車運送事業等運輸規則の関係競走を遵守するとともに、計画的な勤務割りを行なうこと。」 先ほど読み上げましたように、勤務につきまして二日以上の休日をとっておりますものが全体の七〇%ほどございますのですが、一日あるいは連続勤務をさしておるものもございますので、こういう適正かつ計画的な乗務交番の実施をするようにということをいったわけであります。 二番目は、「乗務状況の的確な把握。いわゆる「トンボ返り」や神風運転を防止し、計画的な乗務交番を実施するためには、まず運転者の乗務実態の適確なは握が必要であるので、運転日報の作成に当っては、運転者ごとに主要地点の発着時刻、走行粁及び運転交代状況を必ず記録させるとともに、これにより乗務状況を管理すること。」 この乗務状況につきまして、たとえば運行スピード等につきましても、私どもとしては平均スピードをとっておりますわけですが、今度の計算でもそういうふうにしまして、あるいは区間ごとのスピードはそれで出るわけでありますが、今後運転日報等に詳細な記入をさせて、乗務状況を的確に把握するようにしたい。それによって十分事故防止とか過労防止とかの観点から措置させるように指導をいたしたい、こう思うわけであります。 三番目、「適正な運行基準の整備。神風運転を防ぐとともに、休憩を適切な時期にとらしめるためには、運行系統ごとに適切な運行ダイヤを作成し、実施せしめることが必要であるので、運行系統ごとに主要地点問の標準走行時間、休憩時間、休憩場所、交代運転者との標準運転交代区間、中間営業所における荷扱時間等につき標準の運行ダイヤを整備すること。」 三番目のものによりまして状況を把握して、三番目は適正な運行基準、こういうふうに書いてありますようなことについての運行ダイヤの整備をはかれ、こういうことを申しておるわけであります。 四番目に、「出発前の勤務時間の適正化。監査の結果によると、一般に運行開始の相当時間前に乗務員は出勤しているのが実情であるが、長時間労働による事故を防止するため、特に出発前の待機時間を短縮するよう作業内容を合理化すること。」 これは先ほど読み上げました中にもございましたが、乗務交番がその日にきまるというようなものもございますので、これでは相当出発前、長時間前に出勤をさせなければいけないというようなことも起こりますので、これらについてはもっと乗務交番について事前によく割り振りをして、そういう待機時間をあまり持たせないように短縮するようにということを申しておるわけであります。 五番目に、「事故原因の調査と事故防止対策の樹立促進」でありますが、「事故の原因調査は、事故運転者の単なる責任追及のみにおわることなく、類似事故の発生防止のために間接原因までさかのぼって十分な検討を加え、対策をたてることが必要であるので、事故の実態及び原因を完全には握し、もって適切な対策をすみやかに樹立すること。なお居眠り運転による事故には、その発生時刻及び発生地点がほぼ一定の傾向を示している例が少くないので、このような場合には運転交代の時期若しくは方法又は休憩場所等について検討を加えることが必要と考える」ということで、この事故原因の調査につきましては、予算は私どもとしては割合少ないのでありますが、重大な事故については、現地に陸運局あるいは陸運事務所等が参りまして調査することもございますが、要するに事故に関しましては、直接原因から間接原因までさかのぼって十分調査をした上で対策を立てなければならないと思いますので、官庁としてこういう調査をすることはもちろんでありますが、事業者については、もっと、自分のことでありますので、十分にその事故原因の調査をさせ、居眠り運転等による事故等は起こさせないように措置を考え、検討を加えさせるということを申しておるわけであります。 六番目に、「安全管理体制の強化。運行管理体制の充実、運行管理者の権限を明確にするとともに、点呼の確実な実施、乗務員の服務の厳正を図る等運行の安全管理体制の充実強化は、事故防止上最も基礎的な対策であるので、運行管理者の研修等により、さらに運行の安全管理の徹底を図ること。」運行管理者の研修等をやり、服務、連行管理者の充実をはかっていけということでございます。 二番目に、「定期整備及び仕業点検の完全実施点検時期、段階、項目及び点検票等の点検の実施体制に不備が多く、また実施の確認についても十分管理されておらないので、点検実施体制及び実施状況の部内監査を充実すること。」 会社の内部におきまして、こういう定期整備とか仕業点検の完全実施というようなことについて十分に措置をさせたいということであります。 七番目に「給与体系の適正化」でありますが、「(1)固定給額の著しく過少な給与体系の事業者には、歩合給額の適当額を固定給化する等の方法により給与体系の適正化を図ること。(2)超過勤務の基礎となる基準貨金が不明な事業者が見受けられるので、これを明確にすること。」 こういうふうにうたっておるのでございますが、七番目につきましては、調査した運転者百六十九名の固定給と歩合給の割合は、平均三十六対六十四でございます。この前御報告申し上げましたように、調査いたしましたのが六月でございますが、六月の一ヵ月間の平均給与は三万一千八十六円でありますが、これらの中にはこの平均以下の固定給額の著しく少ないもの等もございますし、また超過勤務の基礎となる基準賃金が不明なものもございますので、これらについては適正化をせよという指示をしたものでございます。これらで私どもとしまして監査の結果に基づきました改善措置というものを全国に通達いたしまして、このような方向で陸運局長が管内の各業者を指導するようにせよということを申しておるわけでございまして、年末を控えまして、これらのことを十分強力に実施させまして、事故防止をやっていきたい、こう考えておるわけでございます。
○委員長(天埜良吉君) ただいまの説明に対して質疑のある方は逐次御発言を願います、
○松浦清一君 局長、今の通達はなはだけっこうな通達だけれども、これは労働基準法はどういうことになっているのですか、自動車の運転者に対しての。
○説明員(国友弘康君) 労働基準法は、労働基準法上の要件全部適用になるわけであります。
○松浦清一君 ところがもう一つの、あなた説明されなかった「長距離路線トラック運転者の勤務実態、」これによると、資本金一億円以上の会社でA社を調べたところで、労働時間が十六時間三十分になっている。これは拘束時間ですね、大体。そのうちで乗務時間が九時間十分になっている。十六時間二十分というのは、これはどういうことなのですか。
○説明員(国友弘康君) これは時間外勤務及び休日等に関しまして、労働基準法の三十六条で、管理者と組合とが協定をしますればいいということになっておりまして、大体こういう会社では協定をして、こういう勤務をしておるのだと思います。 それから長距離の路線に関しましては、やはり路線事業としての特殊性がございまして、たとえば東京—大阪間で申しますと、早いもので十六時間から十七時間運転していくわけでございまして、途中で積みおろしをやりますと、もっと時間がかかるわけでございます。そういう場合には、交番を組みます上で、たとえば名古屋で運転手をかえるとか、あるいはもっと中間でかえるというようなことをやっておるところもございますが、協定によってこれらのものが時間延長等もできることになっておりますので、そういうことになっておると思います。その協定なしでこういうふうにしておるかどうかということも、その点に関しましては、実態の把握をやって参ったと申しておりますが、労働基準法三十六条で協定をするということになっておりまして、それでやっておりますれば、基準法の基準は一応オーバーしてもいいということになっております。
○松浦清一君 たとえばこの資本金一億円以上のA社だけに例をとってみての話ですが、十六時間二十分かかる長距離の運転をする場合に、運転手は一人で突っ走るわけですかね。これだけを読み流してみると、そう受け取れるような書き方になっている。
○説明員(国友弘康君) 大体これは二人乗務をさしております。運転者は二人乗務ですが、これの調査といたしましては、一人乗務の両方を調べるということでなしに、運転者をピック・アップして調べましたので、二人乗務の人を、同時に両者を調べないで、指定された人を調べておりますので、こういう結果が現われておるわけですが、大部分の会社が二人乗務であり、一部の会社では時間を切りまして、たとえば浜松で乗り継ぎをさせる。それからあるいは名古屋で乗り継ぎをさせるとかいうようなたぐいのものもございます。そういう場合には一人運転の場合もありますが、大体の原則としては二人乗務で、交代しながら運転していくということになっております。
○松浦清一君 どういう調べ方か知らぬが、仮眠の時間が三時間四十分になっている。その他の時間は、合計するというと二十一時間二十分になっている。どっちにしたところで、この書いてあるものを読み流してみると、一日に三時間か四時間しか寝ていない。あとは何か仕事をしている。
○説明員(中川楽水君) それでは今の労働時間の内容を、一番上の、資本金一億円以上のA社について申し上げます。 一日当たりの労働時間が十六時間二十分でございますが、そのうち乗務した時間が九時間十分でございまして、その九時間十分の内訳を申し上げますと、運行そのものに当たった時間が四時間五十分でございます。集配に当たった時間が四十分でございます。仮眠に使った時間が、そこに書いてあります通り三時間四十分でございまして合わせまして、乗務した時間が九時間十分になります。 それからその他の時間、たとえば洗車が一時間十分、荷扱いが四時間四十分、それから休憩が一時間二十分となりまして、乗務以外のその他は、合計七時間十分でございまして、総合計十六時間二十分になります。 以上であります。
○松浦清一君 結局十六時間二十分働いておるということでしょう。
○説明員(中川楽水君) 十六時間二十分働いておるのであります。その間におきまして休憩時間が一時間二十分ございますし、仮眠時間が三時間四十分あるわけでございます。
○松浦清一君 そうすると、労働時間十六時間二十分というのは、どういうことですか。実働じゃないのですか。
○説明員(中川楽水君) 休憩の一時間二十分を除く、いわゆる十五時間になりますか、それが拘束時間となるわけでございます。
○松浦清一君 休憩も拘束に入るのだから、労働基準法や、われわれの普通の労働者の労働協約の方からいうと、休憩しておっても、職場にある間は拘束時間になる、そういったものの調べ方をするわけだね。何にしてもそんなことを詮議してもしようがないが、とにかくトラックの運転手というやつは時間をよけい働いておるわけだね。ということは、固定給よりも歩合給の方の事が大きいから、それだから、やはり協約をもししたとしても、できるだけ月収を多くするためには長時間働かなければならぬという宿命的な関係に置かれている。そういうことが事故を発生する大きな原因になっていることは疑うべくもない事実なんです。これは、だから、局長の通牒の中に、いろいろ勤務関係のことについても書いてあるけれども、こういうことで、時間の制限等についてびしっとやるというようなことはできぬものかね。そういうことをやれば、幾らか事故の防止になるんじゃないかな。それから収入の大部分を固定給にするとか、それから営業者の方の事業そのものの関係からいっておる立場もあるだろうけれども、事故防止の方法としては、労働時間に対しての制限を加えていくとか、固定給を多くして、歩合給を少なくする。そうしてからだをそこねても長時間働かなければ収入がふえないというような弊害を少なくするということを考えるとか、酔っぱらい運転をやめさせるとか、そんなことより方法はないんじゃないか。
○説明員(国友弘康君) 先ほど申し上げましたように、長距離路線事業の運転者の給与につきましては、これは一番最初にお配りしました資料の中に書いてございますのですが、三万一千八十六円というのが一人当たりの月平均給与額でございますのですが、これは三万一千八十六円というのは、労働種別としましての見方から申しますと、相当高額になっておるわけでありますが、しかし、今のお話にありましたように、産業別の平均賃金を見てみますと、平均一時間当たりの給与額は、長距離トラック運転者は百円になっておりまして、全産業の全労務者の平均一時間当たりの給与額は八十円二十銭になっております。平均よりは上でございますが、同じ運輸業の中におきましても、国有鉄道の機関士等は百二十三円十銭、それから国有鉄道の全労務者の平均は百八円七十銭となっておりまして、長距離トラック運転者よりは高くなっておるわけでございます。これをタクシー運転車とか、バスの運転者について見てみますと、バスの運転者の平均は九十四円八十銭、タクシーの運転者の平均一時間当たり給与額は百三円、こういうことになっておりまして、長距離運転者につきましては平均よりは上であるけれども、他産業においてはもっともっと高額のものがあるということで、これは先般お配りしました第六号表に記載してございますが、こういう状況でありますので、よけい働いて給与額は高くなっておるという形にはなっておるわけでございますが、その点実は歩合給等の比率が多いので、先ほど申し上げましたような、全平均は、固定給三六、歩合給六四ということになっておりますが、これらの歩合給の中には、その荷物を取り扱うことによって必然的に給与される歩合給というようなものもございまして、まあこれらの点に関しましては、私どもはその固定給の方に繰り入れさせるというようなことを今後指導していきたい。それがこの7にいっております趣旨でありまして、そういうことによって固定給の割合を多くしていきたいと思っておるのですが、勤務時間に関しましては、労働基準法にいうところの勤務時間がございますが、長距離トラック運転者の特殊性から申しまして、協約によってこれが延ばされるケースが非常に多いわけであります。これらに関しましては、適正な時間にするように陸運局長に指導させるようにして、ここに申しておるわけで、まずわれわれとしては実態を把握してそういうところで不合理あるいは過度のもの等については是正措置を指示、指導させるというような方向で、この際は持っていきたい、こう考えておるわけであります。
○松浦清一君 ほかの方をお調べになったか、どうか知りませんけれども、給与体系が固定給三六%の歩合六四%なんという賃金の条件は、ほかの労務者であるかしら。ちょっとこれは多い、歩合給の方の率が高過ぎるような……。そして三万一千八十六円というのを局長、高いとおっしゃるけれども、今のこの説明によると、十一時間二十分働いて三万一千八十六円というと、八時間労働になると二万二千円ほどになる。決して給与高くない。八時間労働という単位で見ればね。ちょっと計算してみるとそういう格好になる。
○説明員(国友弘康君) それで今申しましたような平均一時間当たり給与額というものも出しておりますのですが、それにつきましては、平均が八十円二十銭でありますから、一時間当たりは百円になっておりますので、平均よりは高いが、非常にいい部類には入っておらないということは言えるのじゃないですか。それで長時間働いて給与額が高いということは、もう確かに言えるのでありますが、これを実は私どもとしては、確かに歩合給の占める割合が大きいと考えております。ことに、これは平均でありまして、もっと歩合給の多いものもありますので、これらに関しましては固定給の方に繰り入れさせる。ことに走行しますれば、当然ある一定限度のものはこれは収入になるわけでありますから、われわれとしては、その歩合給の中からべース的な部分を固定給に繰り入れさせることができると思いますので、そういう方向に指導していきたいと思っておるのであります。
○松浦清一君 飛び入りみたいにやってきていろんなことを聞いて相済まぬのですけれども、この通牒が完全に実施されれば、事故が全然なくなるということはないだろうけれども、ある程度まで防止ができるとお考えですか。それね、この中でちょっと気づいたことで、思いつきみたいになるかもしれぬけれども、やはり労働時間についての制限と、それから固定給とその歩合給の比率の関係をもう少し指導するような方法はできないもんですかな。それが大事なことじゃないのかな。骨が抜けているように思われるのだけれどもね。
○説明員(国友弘康君) これに関しましては、私どもは今もっともっと実態把握をしたいということも考えておりますので、この中には実態把握的要素を含んでおるものが相当にあるのでございます。この通達の中にはありまして、その実態把握が明確にできるような措置を、この前の方ではだいぶやっておりますので、これらの実態把握ができやすくしておきまして、それによって今度次々と監査をいたします場合には、十分今までよりもより以上にその実態を把握いたしまして、そういう方面の指導をしていきたいと思っておりますのと、それから私ども本年予算もつけていただきまして、そういう運転者の疲労度調査というようなものもいたしておりますので、これらの結果が出ましたら、長距離運転者は何時間走ったらどの程度の疲労度が出るかというようなことも勘案しました上で、この労働時間等についても運輸省、これは労働省の関係でもございますが、運輸省としましても適正な労働時間というものを考えて参り、そういう線が出ましたら、それによって強く指導したいと思っております。そのほかに固定給等につきましても、先ほどから申し上げておりますように、歩合給の方から固定給の方に繰り入れさせるように、十分に陸運局に指導させるように考えたいと思いますので、これは抽象的にそういうふうに要点をここに書いてございますが、具体的に陸運局で各事業者に対して指導させるということをはかっていきたいと思っております。
○松浦清一君 あなた方がいろいろ事故防止のために苦労なさっておられることはよくわかりますけれども、自動車の事故というやつはみずから損害をこうむるのみならず、他人に対しても損害を与える非常に重要なものである。私の今思いついただけを拾い上げて申し上げましても、給与体系に対する考え方、それから労働時間に対する考え方等について、もう少し的確な方針を考えられて指導されるべきだと思うのです。あまりそう官僚統制が強くなり過ぎちゃいけないけれども、そこら辺のところを調子よくおやりになるといいんじゃないかというようなことを思うのですがね。まあ一つよろしく頼みます。
○小酒井義男君 松浦委員の質問に関連する問題ですが、この貸金の実態調査をされた場合ですね、概して賃金の低いところは営業成績の悪いところということになるのでしょうが、営業成績が相当よくても賃金が悪いというような例も相当あるのじゃないかと思うのです。こういうような点を一つお尋ねしたい。そういうところには、特に私は勧告なり何なりが、特殊な、一般的なものじゃない内容のものが出されておるかどうかということをお尋ねしたいのです。
○説明員(国友弘康君) 具体的な点につきましては貨物課長からお答えいたしますが、まあ個々の事例等につきましても私の方は監査いたしておりますので、そういう会社の経営実態と実際の給与状況等については、十分陸運局とも連絡をとりまして指導させるようにいたしたいと思っております。
○小酒井義男君 それを調査されておる間、ほかのことをちょっと局長にお尋ねしますが、この「路線トラック事業の監査において改善勧告をした事項の内容」というので、先ほど説明があったのですが、この監査をしたのがどのくらいの業態で、勧告をしたのがどのくらいあったというパーセントといいますか、勧告を要したものとの比率というようなことはわかりませんか。
○説明員(国友弘康君) 今度監査をいたしましたのは東海道、主として東海道線、山陽線に路線を持っておりますトラック業者につきまして、三十六社監査をいたしたわけでありますが、全国では五百三十業者ございます。これは私どもとしては事故防止の観点と、やはり監査をいたします場合には、その他の経営面とか事業の運営面の監査も、あるいは整備関係の監査もいたしておりますが、それらに基づきまして勧告をしましたのは、もうほとんど全部の会社に具体的に勧告をいたしております。でありますから、個々の会社につきましては、その会社はこういう点が悪いから指導をせよというようなことを陣運局長あてにこちらから送りまして、そうして陸運局長は個々の具体的な会社についてそれらの内容を指示し改善をさせる、そうしてその改善内容については陸運局の方に改善措置を報告させる、そうしてそれを本省まで送ってくる、で、それは、改善をされました結果について、改善をした上で報告をさせる、こういうことにいたしておりますので、勧告をしましたのはもうほとんど全部、全部の会社に対して勧告をいたしております。
○小酒井義男君 そうすると、大体全部の会社がまだ勧告を受けなければならぬような実態だということですね。
○説明員(国友弘康君) これは勧告されますものについても、事項について軽重があると思いますので、居眠り運転なんかをしておる運転者がある会社、あるいはめいてい運転をしておる、これなんかは悪質だと思います。これらの勧告については相当強く指導、監督すべきだと思いますが、そのほか比較的軽いものもございますが、全業者について勧告をしておるわけでありまして、たとえば運行省理者等についてもいろいろの不備事項がありますわけで、運行管理者を届け出をしていないというようなもの、これは四七%ある。これらについては届け出を直ちに励行させなければいけない。それからたとえば点呼をしていないものが二三%ある。これらについてもやはり届け出をさせなければならない。異常気象時における措置の連絡体制が不備であるものが一四%ある。これらについても連絡体制を十分に立てさせなければいけない。こういうようにございますが、これらが交錯して各社でおのおの違ってはおりますが、不備事項が全部ある、それらについて具体的にこういう点が悪いのだからこういう点を改善せよということを勧告をいたしているわけでございます。
○小酒井義男君 今の局長から御説明のあったパーセントというのは、三十六社に対するパーセントですか、全業態に対するパーセントですか。
○説明員(国友弘康君) 三十六社のうち、これだけのパーセントはやっておらないと、こういうことでございます。
○谷口慶吉君 局長、この歩合給というものは、稼ぎ高に対する歩合給だけですか、水揚げですね。
○説明員(国友弘康君) お答えいたします。これは一番最初にお配りいたしました資料の第三号表に給与調べがございますが、お配りしてございます第三号表にございますが、この中で平均の固定給と歩合給の「その他給」の類、比率が出ておりますわけですが、歩合給というのは、ここで右の欄の方の歩合給九千七百九十円というのが上段に出ておりますが、これが三一%ということになっておりますが、これが運び高等に対しまする歩合給で、そのほか運行乗務手当、能率給、その他というような、歩合あるいは奨励給というようなものがございまして、その他の給与としまして時間外勤務手当というようなものがここに合計七千三百五十八円計上しておりまして、まあこういうここにございますような給与調べのような平均の額があがっております。それでこの、「その他給」の中から、この中には固定的な要素を持っておるものがございますので、その固定的な要素を持っておるものは固定給の方に回せと、そしてこの三六%というものをもっと上げるようにわれわれとしては努力しなければいけない、こう思っておるのであります。
○谷口慶吉君 わかりましたが、こういうことはお調べにならなかったですか。今度の調査の対象にされた三十社のうち、長距離輸送に従事している運転者の経験年数あるいは年令、これの平均というものをお調べになりましたかどうか。お調べになったら一つお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(国友弘康君) 年令は、平均で申し上げますと、年令の平均は三十四・三年でございます。それから勤続年数は、これは各社を総人員で平均しましたものが、勤続年数は七年でございます。
○谷口慶吉君 なお、関連してお尋ねいたしますが、その中で妻帯者と独身者ということについて御調査なさったことがございますか。
○説明員(国友弘康君) 扶養家族は二・四人になっております。これは、妻帯者とそうでない者とを全部入れましての平均が扶養家族二・四人になっておるのでありまして、今の資料ではその妻帯者か家族持ちかということをこちらへの全体報告としてとっておらないようでありまして、これはあるいは調べればわかるかと思いますけれども、現在、私、本省の手元には持っておらないのでございます。
○谷口慶吉君 本委員会の調査の目的は事故防止ということにあるとしますと、事故を起こしたその件数で、独身者と妻帯者ということは、私は、これは重大な関心を持って御調査なさる必要があるのじゃないかと思うのです。と申しますのは、実は私自身が長距離輸送をやった経験者ですが、概して独身者の方が休養の時間を与えても寝ようとしない。何とかして遊ぼうと努めるようなケースが非常に多かったような覚えがあるんですがね。ことに、長距離路線については、時間的には深夜運行ということが非常に行なわれるわけなんですよ。そういう場合に、昼間やはり休養の時間を十分とらないというところに事故発生の大きな原因があるんじゃないか。従いまして、少なくとも長距離路線の運転者たる者は、妻帯者の方が事故率が少ないのじゃないか。これは次の機会にお調べいただいたら非常ないい参考になるのじゃないか。たとえば、これは必ずしも長距離路線だけに限らず、一般の運転者の事故率というものを年令別あるいは家族別、妻帯者あるいは独身者別ですれ、そういうところから掘り下げていきますと、もっとすっきりした何か対策が生まれ出るものじゃないか、こういうことが考えられるわけですがね。それと、ここに出ています「その他給」の中で、能率給というのはわずかに一%なんですね。この能率給は、支給される会社ごとにそれぞれ違うと思うんですけれども、非常に会社経営の面から問題になりますのは、ただ水揚げだけにきゅうきゅうとしている会社、これは私は大きな問題だと思う。と申しますのは、自動車の耐用年数を一年延長できるかできないか、あるいはタイヤの破損、車両の修繕費、あるいは燃料の消費量、こういうものなどを節約しようと思えば幾らでも私はできると思う。会社の経営の主たる目的というものは、必ずしも水揚げとかによって決するものとは私は判断しない。だから、今後調査なさるとすれば、少なくとも会社の経営の内容にまで、これは自動車局として調査の権限があるかないか、しろうとで存じませんけれども、自動車局だけでできなかったら、他の省の力を借りて共同ででも━━この前から監査もやっておられるように私承っております。やはり重要なポイントはそこにあると思う。これは必ずしもトラックだけの会社でなくて、乗用者、人間を対象にする会社でも、ここが私は大きな問題じゃないかと思う。従業員の給与という問題につきましても、経営さえよければこれは何といってももっと出してくれという要求は当然起こるんだから、そういう経営面の御指導ということについてやられたことがありますかどうですか。
○説明員(国友弘康君) 今先生のおっしゃいました年令別とか、あるいは家族別の事故率、妻帯者別とかの事故率に関しましては、これは資料から見ますればある程度出し得るかとも思いますので、確かにそういう点はあると考えますので、できるだけ計算をして出してみたいと思っております。 それから経営面に関しまする節約とか、そういう点に関しましては、自動車局としましても関心を持ち、指導はすべきであり、しておるのでありますが、トラック協会等におきましても車両資材委員会というような委員会もありまして、ここで経営の合理化に関しまする研究討議もいたしておりますので、それらを通じ、あるいは私どもの検討の結果も出しまして、そういう方面の指導もやっていきたいと思っておりますが、トラック協会は、割合経営の合理化等についても、熱心にやり始めておりますので、われわれも、それを推進し、われわれの意見もまた述べて各業者に浸透させるという方向に持っていきたいと思っております。
○谷口慶吉君 こういうことは、御調査になったことがありませんか。少し専門的になりますけれども、区間内における盈車率、空車率、これは運転者にとっては重大なことです。 というのは、その他の給与の面も、三一%というような歩合給で占められておりますから、空車率が幾ら、八対ゼロなんですから、だから盈車率をどういうふうに高めていくか、空車本をどういうふうに低めていくかということなどについての業界の研究とか努力とかいうものは、私は当然なされなければならないものだと思うんです。 そういうことについて、過去に御調査なすったことがございますか、あるいはなかったら、トラック協会あたりでも、そういう問題について、もっと━━先ほど経営の合理化をはかっているんだとおっしゃいますけれども、そういう面の調査が行なわれておるかどうか。
○説明員(国友弘康君) 今回調査いたしましたのは、路線トラック、ことに東海道線あるいは山陽線について調べましたんで、これは全部が、いわば盈車でして、私どもとして持っております数字は平均八六%、積載は効率として八六%程度、東海道線あたりでは積んでおります。今、区域トラック事業まで入れました全体については、大ざっぱな数字はありますと思いますし、出せると思うんですが、的確にそれを調査したということは、今までにないと思っております。 ただ、来年の四月からサンプル調査で、これはトラックに関しましても、乗用車に関しましても調査をいたしますけれども、輸送実態調査を指定統計でやることにしておりますが、この調査が出て参りますれば、今、先生がおっしゃったようなことが、比較的正確な数字として出てくるんじゃないかと思っております。これは来年の四月から指定統計として調査をすることにいたして、今、着々その措置を講じておるような次第であります。
○谷口慶吉君 たまにタクシーなどに乗ってみて、よく運転手に聞いてみますと、燃料費ということについて関心が払われていないんですね。ただ片道、遠い所まですっ飛んででも、その日の水揚げになればいい。帰りは、何十キロ空車で帰っても、平気なんですね。 こういうところは、私はやはり会社も、もっと自粛自戒、あるいは経営の合理化のために研究する必要があるのじゃないかと思う。運転手にも、そういう考え方に変わるような指導も、あわせておやりにならないと、これはやはり、先ほどから松浦委員から出ておられるように、非常な過重労働をしいながら、その割に賃金が、そう高くないというようなことも、そういうところから私はくるんじゃないかと、こういうふうに考えられるんですがね。 また、将来のやはり行政の指導の方針としましては、一つのことだけを取り上げて突き詰めていっても、これは私は万全な策はできようとは考えられない。すべてが、労務者も経営者も一体になって、そして自分たちの経営もよくなるし、運転者の給与もよくなるには、どうすればいいか、そういうことがよくなることによって、それが、ほんとうに事故防止になるんだ、こういうことであるんじゃないかと思いますが、局長、なおこの問題について、御調査にいろいろ御苦労は非常にされておられるようですけれども、ほんとの根本の問題点というものを、もっと突き詰めてお考えになって、そこからやっぱり判じていかれたらどうかと、私は、こう思うのですが、どうですか。
○説明員(国友弘康君) お説の通りだと思うんでして、まず、そういう方面に指導の方針を向けていきたいと考えております。 たとえば燃料に関しましても、燃料節約手当というものも出しておる会社はあるわけでありまして、そういうところは、いわば給与の面から燃料節約というものを推進するというような形をとっておるのでもありますが、全体的に、今、先生のおっしゃったような指導方針でやっていくことがいいと考えますので、その方向に、これから進めて参るようにいたしたいと思っております。
○大倉精一君 このトラック、タクシー、バスですね、こういうものの事故防止を検討する場合に、これはおのおの労働条件その他の問題を検討するについても違うと私は思うんです。 たとえば、先ほど松浦君から労働時間当たりの質問がありましたけれども、私は、一日平均何時間とか、一カ月平均何時間という労働時間というのは、事故防止については、総平均では問題にならぬと思うんです。つまり、連続労働時間、連続就業時間が一体どれだけか、これが、やはり大きな問題じゃないかと思います。ですから、これは将来、この委員会において検討して、必要があれば、トラック運転手なり、バス運転手の連続運転時間の制限というようなことについても考えなければならぬのじゃないか。たとえば東京—名古屋間を行って、トンボ返りをやってくるということでなくて、たとえば東京—静岡間ぐらいで交代をして運転をする、こういうことを考える必要があると思うんです。そういうことについても御検討願いたい。 それから、もう一つ、賃金というものについての考え方、これも、たとえば路線トラックにしても、地場トラックにしても、運転手が非常に先をあせって運転をするという心理的な原因ですね。たとえば、早く向こうに行かないと、いい荷物が取れないという場合が非常に多いんですね。これは、運転手は歩合給が多いから、自分の生活に直結するものですから、理屈じゃない。早く向こうへ行って、早くいい仕事を取ろうという、こういうところに、また、早くうちへ帰ってというような心理状態があるので、こういう問題を考えていかなければならぬのじゃないかと思う。 それで、抜本的な問題として、運輸省としては、一番第一義的な事故防止の対策について検討しなければならぬことは、業者間の不当競争を、いかにして自粛させるかという、こういう問題にぶつかってくるのじゃないかと思う。だから、ただいまの路線トラックにいたしましても、あるいは、その他のトラックにいたしましても、実際の収受運賃料金は、一体、どのくらいになっておるか。認可料金というものがあって、これは適正料金なりとして認可しておるけれども、実質料金は、どのくらい取っておるかということをお調べになる必要がある。おそらく、これは、相当下回っておるものを取っておるのじゃないか。そうなってくれば、重量制限をこえて過積みをどんどんやっていく、あるいは安い人間を使う、さらに、この安い人間を、ちょうど馬の鼻先にニンジンをぶら下げて追いまくるような格好でやらなければ、経営が成り立っていかない、こういう悪循環が起こってくると思います。 ですから、運輸省として第一番に検討すべき問題は、業者間の不当競争についての実態を把握していくことが非常に必要があるのではないか、こう思うわけです。 この点について、どうですか。いろいろ三つも四つも、一ぺんに並べて言ったんですけれども。
○説明員(国友弘康君) この連続運転時間の制限等に関しましては、先ほど申し上げましたように、疲労度調査、あるいは運転者の実態調査というようなこともいたしておりますので、この結果、出ました結果について是正し、そういう方向によく指導していきたいと考えております。 それから賃金に対する考え方としましては、今さしあたりの点としましては、固定給の増額ということを考えているので、これらについても、実態調査を今後とも進めていきまして、その結果について、漸を追うて改善していきたいと考えております。 それから路線トラックの業者間の不当競争の防止でありますが、確かに先生のおっしゃいますように、運賃等についてダンピングをやって、お客さんの奪い合いをするというようなことは、一番不当競争になるもとでありますのですが、この運賃の実収の状況については、これは監査のたびに、私どもとして調査をいたしておりまして、割引、ダンピングをしているようなものにつきましては、そのつど各社に対して勧告はしているのでございますが、実情としては、相当のダンピングというものは出ております。で、今度調査しましたものにつきましても、今、パーセンテージは出ているのでございますが、御承知のように、トラック運賃に関しましては、認可運賃がございまして、これにトラック運賃の特殊性としまして一割の幅を持たしている、これは、まあいわばトラックについては、従来昭和二十七年に定額制を実施いたしましてから、定額制ということを守るように指導しているのでございますが、取引の実態がきわめて複雑であります関係で、最初二十七年にきめますときに、今申し上げましたように、一割の幅を認めたのでございますが、そうしてそれの割引とか何とか申しますのは、大体業者は、上の方の定額から何割引というようなことを言っている場合が多いのでありますが、私どもとしましては、しかし定額は、その一割の幅の範囲内であるべきだということで、監査をいたしておりますので、今回の監査の結果現われましたのは、三十六業者のうちの違反二十五業者が出まして、で、この監査の総件数千五百四十件のうちに、二五%に当たる四百件が、運賃計算を誤り、または特別割引をして収受しているものでございます。それからまた金額からいいまして、その定額よりも下回っているものについて、多いものは、認可の最低運賃、その下の方の運賃、下限の運賃から一割引程度で大口割引をしている、大口荷主に対して割引をしているというようなのが多いわけであります。 これらに関しましては、私どもとしては、やはり定額は守らせるべきである、不当競争は、防止しなければならないという観点から、現在、その方面の指導を強くいたしているのでありますが、路線ごとに業者が集まりまして、路線委員会を作りまして、ここでお互いに業者が連絡協議をして、運賃ダンピングを防いでいるというような実例もございますし、今後自動車ターミナル法等に基づきますトラックターミナルができてきますと、これによりまして、共同的な荷物の扱い、あるいはまた現在新潟その他でやっております共同集荷、共同集金というようなものにまで参りますれば、この不当競争というようなものも、防止できるというような形になると思いますので、その方向に指導していきたいと思いますし、不当競争は、ぜひなくして、円滑に、公正に運営ができるようにしたいと、こう考えております。
○大倉精一君 まあ普通、一般論としては、そういうことでいいと思いますけれども、問題は、その実現が大へんだと思うのですね。不当競争をなくしたいということなんですけれども、これは非常にむずかしい問題だと思います。 そこで、いろいろ御調査になることもけっこうなんですけれども、事故防止に関する調査の場合ですね、これは、一般の統計とは少し違うのじゃないかと思う。この間も、そう言ったのですがね、平均数字を出してみて、こういう傾向だ、ああいう傾向だと言っても、これは事故防止にならぬと私は思うのですね。 たとえば今業者を、何業者を調べて何%の違反があった、であるから、こうであるという、傾向として、そういう資料でもって判断していいのかどうか、たとえば地域によっては、全然不当競争を何もやらずに、認可料金をきちんととっても、営業をやっていける地域もある。あるいはそうじゃなくて、半分以下でないと、とても、それはやっていけないという地域もあるのですね。ですから、これはやはり、一般の統計と違った観点でもって、お調べにならぬというと、統計そのものに対する価値判断が、だいぶ変わってくるのじゃないかと私は思うのですね。 たとえば東海道路線においても、非常に過積みが多い、不当競争が非常に激しい、ですから箱根でもって検量をやるといった場合には、今度箱根を通ると、ひっかかるからというので、御殿場を回って、狭い道をのこのこと回って、東京までやってくる、そういうことになる。そうしないと、商売やっていけないということですね。そういう現象を野放しにしておいて、統計ばかりとっておっても、これは、どうも事故防止にはならぬと思うのですね。ですから統計々々といいましても、あまりこの問題は、統計ばかりじゃなくて大体常識でわかるのじゃないかと思うのですが、通行時間とか、あるいは疲労度でみましても、やはり路線の状態、道路の状態、照明の状態、道の幅、あるいは輻湊の程度によって違うだろうと思うから、これまた、一体どの程度、どこまで疲労度を調査するのか、非常に問題になると思うのです。ですからそういうものをやはり具体的に突き詰めて、この対策を立てていかないと、工合が悪いのじゃないかと思う。特に最近バスがひっくり返ったり車がひっくり返ったりしますけれども、これもやはり、道路の関係が非常に多いと思うのですね。ですから、これもやはり関係省と連絡をして、この際幹線道路その他については、抜本的に根本的な道路調査をやる。そうしてその危険なところは手直しをするという、全国的な、そういう活動をしなければいかぬのじゃないかと思うのですね。 これは、自動車というものは、どんどん発達して、これからは、もう自動車だ、こういう時代に、道路の根本調査をしないで、あっちでもひっくり返った、こっちでもひっくり返ったじゃあ、事故対策、事故防止といっても、これは始まらぬと思う。 そういう問題も、十分に関係各省が連絡をとる必要があると思うのですが、そういう点は、いかがでしょうか。これは、簡単なお答えでいいのです、きょうはあれですから。
○説明員(国友弘康君) 事故防止等の調査の場合に、平均ではいけないということ、これは確かにそうでして、一番顕著に是正さすべきものは、やはり是正しなければいけないのでありますが、そういう意味から申しまして、きょうお配りいたしました長距離路線トラック運転者の勤務実態に対しましても、最高労働時間、それから最低労働時間というふうに、会社の名前は明示いたしませんでしたけれども、最高最低をやはりお知らせする意味で、きょう提出申し上げたわけでありまして、それで、これらについて、むしろわれわれが見ましても、改善をすべきだなあという点に関しましては、具体的に個々に改善を指導していくというふうにしたいと考えております。 あと過積防止の点、あるいはこれらにつきましても、あるいは道路の問題につきましても、われわれとしても、そういう方面の関心は持っておりますのですが、ただ実は、人員が非常に私どもの関係の方に少ないことと、そういう意味から、ここまで手が及びかねるということと、道路に関しましては、私どもも輸送という、あるいは交通量という観点から、これに関する関心は持っておるのですが、今申しました人手不足と、むしろ道路については、建設省の方で今五カ年計画も立て、これについては、国家的にも非常に取り上げられてやっておりますので、今のところ道路の改善については、建設省の推進をわれわれとしては希望し、われわれからも申し述べ、望んでおるというたぐいのところなんです。 事故防止に関しましては、内閣の事故防止対策本部も結成されておりまして、これには、関係各省は全部入っておりまして、またこの十二月中には、その内閣の事故防止対策本部も開くということになっておりますので、その際には、私どもからも、各省への希望、要望というような点に関しましては、大いに述べまして、そういう改善措置を講じられるように、はかっていきたいと考えております。
○大倉精一君 きょうは店開きだから、あまり奥へ突っ込むわけにもいきませんが、内閣の事故防止対策も、従来からあったのだけれども、どうも、これ見ておるというと、人間の問題を解決しようとしないのですね。だからやっぱり人間の問題を解決するように、大いにハッパをかけてもらうことと、それから今度の伊勢湾台風の災害対策と同じように、交通事故についても抜本的な対策について、少なくも内閣各省のこの所管大臣が出てやるのですから、抜本的な対策について、まじめに大胆にやっぱり推進してもらわないというと、部分的なものをやっても何にもならないと私は思うのですよ。道路状態の全国的な再調査というものは、伊勢湾台風と同じように、海津堤防、あるいは地盤沈下と同じことなんです。そういうような抜本的な関係からやってもらいたいし、この委員会も、やつぱりやらなければならぬと思うのですね。 それからこの先、この委員会においても、営業車ばかりでなくて、白ナンバー、自家用車、特に砂利トラックとか、あるいは陸送とか、その他の点も、やっぱり調査しなければならぬと思うのですが、それは、今後の委員会の運営としてやっていただかなければならぬと思うのですが、そういう抜本的なものを、この際せっかくですからおやり願うようにお願いしておきます。
○説明員(国友弘康君) 今お話のところは、ごもっともでありまして、そういう方向に、私どもとしても努力いたしたいと思っておりますが、人の問題につきましては、この事故防止対策本部で、われわれとしては述べたいと思うのですが、この点は、事故防止に直接関係のあるものに限るということを必ず総務長官あたりから言われると思いますので、この点は、もっと大蔵省へなり、行政管理庁へなり、あるいは国会を通じてなり私どもは努力をしたいと、こう思っておるわけでございます。 それから今、道路状況の調査等については、建設省の方にも、その希望も申し述べ、これらについては、十分打ち合わせをしたいと思っておりますが、関係者省が相当、道路交通については警察とか、道路については建設省とかいうようなこともございますので、本委員会におきましても、関係各省からも意見なりを聞いていただいて、できるだけいい結論が出ますようにお願いしたいと思っておるのであります。
○大倉精一君 今の言葉尻をつかまえるわけではないのですが、人間の問題をいうと、それは、直接事故防止に関係のあるものといって総務長官あたりから言われるだろうというお話なんですけれども、人間の問題ですよ、事故というのは。トラックというものが、事故を起こすのじゃない。人間が、事故を起こすのです。極端にいえば、幾ら道路が悪くても、人間が、道路の悪いなりの格好でいけば、事故は起こらない。踏み切りは何にもなくても、人間さえしっかりしていれば、事故は起こらないのですよ。すべては人間の問題に帰着すると思うのですが、どうもその点が、少し認識が違うのじゃないかと思うのだな。事故は、トラックが起こすものでも道路が起こすものでもなくて、人間が起こすものなんです。 その人間が起こす欠陥を、施設がどうであろうか、踏み切りは、どういうふうに補っていこうかと、人間の問題を解決しなければ、そういう点を最重点にして考えてもらわないと、これは少し、本末転倒しているのじゃないかと思うのですね。 ぜひ一つ、これは要望だけしておきます。
○説明員(国友弘康君) その点に関しましては、お説ごもっともだと思いますので、機会あるたびごとに事故防止対策本部では、そういうことを申し述べたいと思っております。 私の、その人と申しましたのは、増員等の、たとえば役所の増員等のことを申しましたわけなんですが、運転者の何と申しますか、素質といいますか、仕事のやり方とか、そういう点は、最も事故防止に関しての根本だと思いますので、そういう点は、私どもとして、今後も究明し、十分やっていきたいと思っております。
○谷口慶吉君 先ほど大倉委員が言われました業界の不当競争を、どうして防止するか、これは先ほどの話にも出ました通り、歩合給というものが三一%のウエートがあるとしますと、どうしてもやはり、運転者はかせぎ高を上げることにきゅうきゅうとなるのは、これは当然です。ところが、半面に、不当競争まで起こす原因を作っているのは、自家用トラックの道路運送法違反の目に余るものがある。これは、乗用車の場合には、白タクとかいって、相当騒いで取り締まりも厳重にしておるけれども、自家用トラックが、道路運送法違反を平気でやっておることが、これが見のがされておる現実、私はやはりここに、大きな問題があるのじゃないか。 こうなりますと、先ほど、人の問題が出ましたが、これは、どうしても自動車局、あるいは陸運局あたりの人手が、非常に少ないということからも、取り締まりができないのでしょうが、他の各省との連絡などもよくとって、もっと徹底的に、こういう面を洗いませんと、かりにそんな事故防止を、われわれがここで一生懸命研究するのですが、自家用トラックと営業用トラックと、一体どっちが事故率が多いのかどうか。これをわかっていたら、お知らせいただきたいと思います。
○説明員(国友弘康君) この点に関しましては、自家用トラックの違反に関しまして取り締まりを進めることは、年来指導しておるのですが、いかんせん陸運局、陸運事務所の人手が足りませんので、その実効があがらないということで、これは、はなはだ遺憾に思っておりますので、来年度の予算要求に関しましても、私どもとしては、異常な努力を払って、この点を、できるだけたくさんもらうように努力したいと思っておる次第であります。 で、最近白タク問題が取り上げられまして、白タクの取り締まりということを全国的に実行いたしておるわけでありますが、これは実は、私どもは白タク取り締まりの通牒と称するものを陸運局にも流しまして、これに基づいて取り締まりをしておるわけでありますけれども、これは、実は白クタの取り締まりだけではなくて、白タクとそれからもぐりトラック、そういうようなものを、道路運送法違反行為をする自動車に関しましては取り締まりをするということで指導しておりますのですが、ですから、実際の取り締まりの件数から申しますと、現在もぐりトラックの取り締まり件数というものは、全国的に相当な件数に上っておりますのですが、いかんせん、数が多い。もぐりトラックの数が多い。そして陸運局、陸運事務所の人間の数が少いということで、私どもの期待するような取り締まりが実行できないことは、非常に遺憾に思っておる次第なのであります。この点については、しかし増員等について、今後大いに努力をいたしたいと思っております。 それから事故率に関しましては、普通トラックで、自家用と営業用とを比較してみますと、普通自家用では千台当りの件数が百十九件、死者が九・七人、千台当りの統計であります。死者が九・七人ということになっております。それから普通営業用では、千台当りの件数にいたしますと、百二十二件、死者が七・八人ということになっております。これは昭和三十三年の統計でございます。 これは、総体の数字を申し上げないといけないと思いますが、全部の件数で申しますと、普通自家用は、昭和三十三年に一万五千四百八十八件の事故を起こしております。それから普通営業用は七千五百六十件の事故を起こしております。これは自家用の場合は、これは、もう全自家用を含めて平均計算をいたしておりますので、走行キロの比較的短いものも、この中に入っておりますので、統計面では、こういう形を示しております。
○谷口慶吉君 もし走行キロ率で出すとすれば、私は今の百十九、百二十二というのは、これは信用される数字ではない、営業用のトラックというものは、相当な走行キロを持っている。自家用車は、そんなにないですからね。走行のキロ率で出せば、自家用車の方が、はるかに私は事故率が高くなってくるんじゃないかと、そういうふうに考えますが、そこまでは調査は困難かもしれませんけれども、やはり将来の、私たちはそういう資料から判断する場合には、そこまでぜひ御調査がお願いしたいものだと思います。
○説明員(国友弘康君) これは、ちょっと古い昭和三十三年の数字でございますが、昭和三十二年億車キロ当たりの数字を出しておりますが、これは、すなわち走行キロで言えるわけですが、億車キロ当たりの数字の件数及び死者を申し上げますと、普通自家用では、件数が五百七十九件でございます。死者が四九・一人であります。それから普通営業用では、億車キロ当たり件数が四百二十五件、死者は二七・三人という数字を示しておりまして、営業用が走行キロは長いのでありますが、その走行キロ億車キロ当たりについては、件数は営業用が低い、こういうふうな結果を示しております。
○谷口慶吉君 それで、運輸省では毎年優良運転者の表彰を行なっておられる。これはしごくけっこうなことで、今後ともやっていただきたいと思うのですが、優良運転者を生むに至った原因、動機、これは私は、会社の経営━━先ほど大倉委員が言われた人の問題である。優秀な運転手を生み出すためのやはり業界の私は努力というものが、当然その陰にあるものだと、こういうふうに考えるわけなんですがね。 従いまして今後、そういう優秀な業者も、あわせて何か、何と言いますか、信賞必罰をはっきりするような努力をする御意思はございませんか。 たとえて言えば、今度二千八百両ですか、これはタクシーの関係ですけれども、こういうものの個人トラック、あるいは特殊の進駐軍の離職者の連中に許す以外のものなんかに、つきましても、やはり優秀な業者、事故を起こさないような業者を優先して、やはり認可なんかもされないと、自分たちが反省するということを全然しない。この前運輸大臣が、大きな業界の連中を、あちらの言葉をかりて言えば、洗脳すべきだとおっしゃった。洗脳の手段としても、この辺ではっきり、そういうことも大きな認可の条件だというふうに、やはりお考えになって、必ずしもこれはタクシーだけでなくて、トラックなんかの面の認可なんかも、そういうことにやはり重点を置いて、信賞必罰をはっきりするというような基本のお考えをお立てになるような御意思はありませんか。
○説明員(国友弘康君) その点は、ごもっともと考えておりまして、私ども、その方向で考えて参りますつもりでおりますが、今、事故の少い優秀な業者等についても、表彰等の考え方があるかという御質問に対しましては、これは陸運局においては、事故の少い業者を表彰したこともございますので、まあ、これには、現在の優良運転者の表彰に関しましては、各陸運局からの推薦に基づきますが、まあ、それを各業者からの推薦にもよりましてそれを陸運局で選定をして、こちらに進達してくるという形をとっておりますので、ちょっと優良運転者の表彰との体系が、研究を要する点はあると思いますが、今後、事故の少いような会社について、何らかの措置を考えていくというようなことについては、まあ十分検討をして、内部的にも検討を加えていきたいと考えております。 それで、事故の少い会社あるいは道路運送法違反をしていないような会社等について、信賞必罰の意味から、増車とか増便とかの場合に考えるべきだということに関しましては、私どももそうあるべきだと考えておりましてこれはあえてタクシーのみならず、今回東海道路線に関しまして免許の認可をいたしたわけでありますが、それから増便についてはこれからいたすわけでありますが、その増便の場合等につきましても道路運送法違反がないかどうか、事故があるかないかというような点に関しましても十分審査して、その増便の場合にそれを考慮してやれ、というような通達を私の方からいたしておりまして、陸運局におきまして増便の回数を考えますような場合にも、この違法行為があるかないか、事故の点がどうかというような点に関しまして考慮しながら、そういう悪質事故があるというような所においては慎重に検討して、それに相当するような回数減なりそういう認可をするようにという指導をしておりますので、今、先生のおっしゃいますようなことについては、今後も十分考慮しながら行政措置をやっていきたいと考えております。
○大倉精一君 ちょっと要望だけしておきたいのですけれども、今、自家用車と普通車の事故件数の比較がありましたけれども、そのいうところの自家用車の実態というのを把握してもらわないと、案外セミプロもよくこの中にまじっているのですから、ですからこれは必ずしも純然たる自家用車ではないかもしれない、そういうことも十分に一つ考えてもらいたいと思います。特にそういうセミプロの連中は労働条件、労働時間等もでたらめをやっている所が多いのですから、特に注意してもらいたいと思います。 それからもう一つは、これはあなたの方の所管でないかもしれませんけれども、事故原因の間接のものを一つ把握をする、たとえば最近のかみなり族とかマッハ族とかああいうものとか、あるいはオート三輪とか、あるいはまあその他のいろいろな間接的なものですね、そういうものが出てくるためにハンドルを横に切る、それが事故のもとになる、二重、二重の衝突の原因になる、こういう間接のものも調査を願わなければやはりいかぬと思う。これはあなたの方でなくて警察かもしれませんが、そういうことも一つぜひ御調査願いたい。そういうことだけです。
○委員長(天埜良吉君) ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(天埜良吉君) 速記をつけて下さい。
○小酒井義男君 これは事故の直接の問題なんですが、前回のこの委員会でも相澤君から最近踏切事故が非常に多いじゃないかという指摘があって、そのとき相澤君の言われた、名古屋鉄道に非常に踏切事故が多いということで、私ちょっと聞いてみたのですが、この間起こった事故の箇所では最近二回起こっておるのですね。やはり自動車と電車の接触です。この二回とも静岡県の自動車なんです。静岡県の自動車が二回起こしておる。これは偶然かもわかりませんが、静岡県を見ると高速の地方鉄道というものがないのですね、国鉄以外には、地方としては。そういう所で運転をしておる運転手が速力の地域に行って、地理的事情のわからぬ所へ行って、そうして同じようなスピードの感覚で警報機が鳴っておっても横断しようというようなことをやることが、やはり踏切事故の一つの原因をなしておるのじゃないかというような気がしたのです。それで自動車が踏切における事故を起こす件数として、自県内いわゆるなれた地域で起こす件数が多いのか、あるいは不なれな所へ行って起こす件数が多いのかというような点について、これはきょうお答え願わなくてもけっこうですし、特別、印刷物にして配っていただかなくても小委員会等で口頭でお答え願ってもいいのですが、そういう点をやはり一ぺん、これは直接の事故発生の原因として一つお調べ願いたい、これをお伺いしておきたいことと。 もう一点は、年末から年始にかけて旅客の面でも貨物の面でも、当然輸送が非常に輻湊をするわけなんですが、これに対して踏切の一たん停車の注意をおやりになるようなことは考えておられるか。あるいは最近そういうことをやっておられるかどうか、この点を一つお尋ねしておきたい。
○説明員(国友弘康君) 踏切りにおきまする事故、それでこれらの点について、自分が平生やっておる所についてどうか、あるいは遠方の地域に行ってやった場合どうかということにつきましては、まあ総体的な数字、これは出ますかどうかと思いますが、警察庁の方でないととれませんので、警察庁の方と打ち合わせまして私どもとれます限りとってみたいと思っておりますが、あるいはまた警察の方の方がこの委員会に出られたときにでも打ち合わせておきまして聞く、という手段もあるかと思っておりますので、できるだけ調べるつもりでございます。 それから年末年始の輸送輻湊期に対する措置、ことに繁忙になりますにつれて事故が激増する可能性があるという考え方は、私どももそう考えておりまして、それに対する措置を年末繁忙期に対する対策として、きのう付で年末繁忙期の輸送対策についての通達を決済いたしまして、鉄道監督局長と自動車局長の両局長の名前で陸運局に通達いたしまして、事故防止の万全を期したいと思っておりますが、踏切におきまする一たん停車等に関しましてもその中にうたい込みまして、十分具体的に業者なりそういうものを指導するようにということを申しておりますので、十分その方面で指導したいと思っております。
○小酒井義男君 一つ末端まで徹底するように出先を御指導いただきたいと思います。
○鳥畠徳次郎君 関連して。事故の問題でいろいろずいぶん難局もデータもとっておられるし、真剣に取っ組んでおられることは非常にけっこうだと思います。それで年末の輸送の問題についてただいま局長の御答弁には、各陸運局に監督局長と二人の名前で、年末輸送無事故という問題についていろいろ通達も出しておられるということを聞きましたが、これは大へんけっこうなことでありますが、事故だけは今日まで長い間事故絶滅とかまた事故の件数の低下とかいうことについては、これはもう業界もまた運輸省ももうあげてやっておる問題で、決して目新しい問題ではないようでありますが、しかるにもかかわらず依然として事故というものは、車の台数が年々歳々多くなってくるということにまさに比例して、事故も決して低下というような目新しい一つの答えも出てこぬということで、大へん遺憾な問題が続いておるようでございますが、これは何といっても繰り返し繰り返し一つ熱心に強力に事故防止というものをやってもらいたいと思うのでありますが、まあ、やはりそういうときは年末の輸送であるとかあるいはまたお盆の輸送であるとか、あるいは米の出回りであるとかあるいはまた秋の収穫時期、いろいろなそういうチャンスをつかまえて一つやってもらいたいと思うのです。今の監督局長と二人の名前で通達を陸運局へ出されたということだけではこれはほとんど月並み式のもので、それよりかもっと私は各地方陸運局ともう一つ陸運事務所、これらの所長会議を開くとか、具体的な指示をやったらどうか。それからまた地方の放送局を通じて、年末は非常にいろいろ精神的にもまた実際の物的の方面でも非常に事故を起こしやすい年である、何とか一つ年末だけは皆さん大衆の御協力を願って、ぜひ一つ事故というものを絶滅したいと思っているが御協力を願えないか、また御理解願えんかということを、地方の放送局を通じてPR運動といいますか、お願いといいますか、そういうような具体的なことを一つ考えていただきたいのです。そういうことで目新しい構想は別にありませんか一つお尋ねいたします。
○説明員(国友弘康君) 通達の中には今先生のおっしゃったようなことは入れておりませんですが、この点については確かにそういうふうにして事故防止を推進すべきだと思いますので、陸運局にも十分連絡をとりまして会議で浸透するなり、放送あるいは報道機関を通じてPRするということを十分連絡して、できる限り進めていきたいと考えます。そういうふうにいたしたいと思います。
○鳥畠徳次郎君 同じことをダブって申し上げるわけですが、そういう場合に必ず地方のやはり有力な各界の代表者を寄せて、商工会議所の会頭であるとか警協連の会長であるとか、利用者側の有力な荷主、お得意、それに報道機関をまじえて、いろいろそういうことを少なくとも二、三回くらいやってほしいということを上級の一つの通達命令として強力にやってもらう。同時にその陸運事務所単位で、陸運局ならもっといいのですが、それらの単位で、この期間においてほんとうに無事故であった、しかも非常に特筆大書すべき一つの美談があった、というような具体的な問題があればこういうものも取り上げて、そうして一月早々何らかの形で表彰してやる、あるいはまた各界の人に感謝状を上げて、御協力ありがとうございました、今後も一つ頼むというようにもう少し、至って平凡な言葉でございますけれども、ほんとうに大衆の中に溶け込んでいくだけの一つの施策を今後ともやっていただきたい、こういう希望を持っております。
○松浦清一君 だいぶおそくなりましたけれども、二、三次の段階に進む準備として希望を申し上げておきたいのですが、先ほどからいろいろ問題になっていた給与体系を、固定給三六%にその他給六四%というのを、固定給をもう少しふやして逆になるようなことを考えてみたらどうかということが第一です。 第二は、荷扱い、洗車、点検、乗務時間等を含めて、労働時間をもう少し短縮する配慮はないかどうか。これは御提出になった第六号表によって見ましても、普通のバスの運転者が一日九時間、タクシーが九時間三十分、それから国有鉄道の機関士が九時間ということになっているのに比べて、長距離トラック運転者は十一時間三十分になっている。これを大体国有鉄道、バスその他同様の運転業務に従事している者と同じ程度の時間に短縮することができるかどうか、ということを一つ考えてもらいたい。 それから業者の不当競争を防止する方法は、具体的に考えておるかどうかということです。考えてみればあるのじゃないかと思うのです。それから運転技術の向上をはかるのには具体的にどういうことをやったらばかれるか、というようなことを一つ専門的に、次の段階に進む段取りとしてお考えおきを願ったらどうかと思います。 それからもう一つは、トラック輸送の時間ですね、これは変なことを例に出しますけれども、アメリカの真似はできませんが、アメリカでは自動車の運行路線といいますか、輻湊している所では、片一方四つくらい線があって、そして並んでどんどん前に進んで行きさえすればどこにも障害がない、交差点はほとんどが立体交差になっているという状況です。そういう中でありながらトラック輸送を夜間やっている。昼はほとんど乗用車でトラックはさほど運行しているということは見られない。いつやっているのだというと、汽車よりもトラックの方が貨物輸送をやっているそうですが、夜やっている。だからそういうようなことを考える余地があるかどうか。考えてみたら一体どうなるか、そういう問題を投げかけておきますから、一つおひまなときに検討して下さいませんか。
○説明員(国友弘康君) このことにつきましては十分検討いたしたいと思いますが、五番目のことは、トラックを夜間だけ通すような方法も考えてみたらどうかということでございますか。
○松浦清一君 そういうことです。これは僕の思いつきですけれどもアメリカあたりではそうやっておる。昼はほとんど乗用車でトラックと輻湊していない。トラック輸送はいつやっているのだ、見かけんじゃないかというと、夜だという。だから昼休んで運転手は夜働くということになるのでしょうけれどもね。
○説明員(国友弘康君) これらは検討いたしたいと思います。
○委員長(天埜良吉君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(天埜良吉君) 速記をつけて下さい。
○説明員(中川楽水君) それでは「長距離路線トラック運転者の勤務実態」とありますページのうしろから二枚目の表の4から申し上げます。そこの「資本金五千万円以上、一億円未満の会社で最低の」と書いてあるD社でございますが、それが給与総額一人当たり二万一千九百七十六円になっております。固定給が四四%で九千六百二十一円。この会社の収支状況でございますが、大体この会社は資本金が六千万円でございます。収入が四億八千二百万円、支出が四億三千三百万円でございまして、益金が四千九百万円でございます。 その次の5のE社でございますが、これが資本金が一千万円でございまして、収入が一億一千六百六十万円、支出が一億一千四百七十万円でございまして益金は百九十万円になります。 それから6のF社でございますが、Fの会社は大体資本金が二千万円でございまして収入が八千三百九十万円、支出が七千八百万円でございまして、益金が大体五百九十万円になります。 以上でございます。
○小酒井義男君 ちょっと……、私がお聞きしたがったことは、監査をされた会社の中で、会社の営業成績と給与なり労働条件と比べてみて、もう少し上げられる余地があるんじゃないかというような所で、極端に悪い所があったというような所は発見されなかったでしょうかという、具体的に言うとこういう質問だったのです。 それと、もしそういう場合があれば特別の勧告をされますかどうかということです。この一点だったのですがね。
○説明員(中川楽水君) 各社によりまして運賃収入はこれはまちまちでございまして、その運賃収入を人件費に出すか、車両の償却費に出すか、設備費に使うか、結局使い方はいろいろございますが、この収入の益金の状況は会社の人件費のベースにもよりますし、あるいは車両償却費を税法上にいうところまで一ぱいやっているか、あるいは税法一ぱいやらずに今期は償却を差し控えているか、そういう会社の都合によりましていろいろな政策がございましてやっておるわけでございまして、このいわゆる水揚げとして上がった会社の収益をどう使うかということは、これは役所で強権をもって指導すべき問題じゃなくて、むしろ会社の自律的な健全経営として、よく人件費面あるいは事故防止に役立つ車両の代替その他を考えまして、効率運営をやるべきであって、この点強く今法規的にも出ていくのは……、一応今後の問題点として考えることは必要でございますが、今直ちに出れない状況にあるわけでございます。
○鳥畠徳次郎君 今の御説明の、これは貨物のトラックの償却を差引してのそういう利益をおっしゃったのですか、償却前のあら利益をおっしゃったのですか。
○説明員(中川楽水君) 償却後でございます。
○鳥畠徳次郎君 そうですね、承知しました。 それからもう一つ続いて、多少関連しておるわけでありますが、きのうも実は決算委員会で大蔵大臣も出ましたので質問しておったのですが、ちょうど御承知の通り来年度の予算が大体一兆五千億だ。それは自動車の税金の負担、それからガソリン税の負担、すべて自動車に賦課された税金という名のつくものだけで一千三百億になるのですが、まさに一割だというわけです。そこで何か一つ、もう少しガソリン税なんか上げないようにということをきのういろいろ注文して、上げないという言質を一応もらっておいたのですが、車の償却のただいまいろいろお話も出ましたが、現在のような走行距離から計算して参りますと、今の大蔵省なり国税庁が考えておる償却ではとうてい実際には少なくて足りないと、こういうのです、新車の入れかえができないと。それ以上償却する場合は必ず税金を相当大幅に負担しなければならない。こういう問題が残っておるわけなんで、こういう問題については自動車局におきましても、できるだけ一つ将来大蔵省と、これらの問題を含みつ、つ償却をもう少し大幅に認めるというような、一応交渉なりあるいはまた折衝をしてもらいたいと、かように考えておりますが、いかがでしょうか。
○説明員(国友弘康君) この点に関しましては、自動車の諸税が非常に多いというようなこと、私どもの方でも関係庁に申しておりますので、これらの点は、国会においてそのような御論議があり、ガソリン税等についても私どもとしては位上げ反対をいたしておりますので、ぜひその方向に推進していきたいと思っておりますのですが、今おっしゃいました車の償却の点については、耐用年数の算定ということになると思うのでございますが、この点実は私どもの方の案を作りまして大蔵省の方に連絡をし、大蔵省の方でもそれを実施する運びに持っていこうと考えておったのではないかと思いますが、私はこれは新聞だけで的確に把握しておりませんけれども、その耐用年数の変更ということについても、あるいは今度の災害その他の関係から延びるのじゃないかということも、ちょっと私新聞で読みましたのですが、この点私どもの方で出しております案等についても、今後も大蔵省の方と十分打ち合わせて進めていくようにいたしたいと考えます。
○委員長(天埜良吉君) 本日はこの程度でとどめまして散会をいたします。 午後零時五十九分散会