運輸委員会 第8号
- 発言数
- 123 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1959/12/10
会議録
○委員長(平島敏夫君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。昭和三十五年度運輸省関係主要施策に関する件を議題といたします。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○松浦清一君 きょうは、委員各位の御了承をいただきまして、海運全般の問題について、若干御質問を申し上げたいと思います。この前の委員会では、大体、きょうは一日海運問題の質疑に充てていただくようにお願いを申し上げてそういうことになっておると思って了承していたのですが、先ほどの開会前の委員長のお話によりますと、ほかにもかなり問題があるようでございまするので、ごく簡潔に、重点的に、大臣に御質問申し上げたいと思いますから、お答えを願いたいと思います。 運輸省関係から大蔵省に、すでに提出されております昭和三十五年度の予算案に対する要求の各項目については、断片的に御説明を今まで承っております。私の考えとしては、海運問題に関する限り、運輸当局から大蔵省に要求されている各項目についての考え方は、おおむね賛成であります。ところが、最近の大蔵省の動きを新聞等で見ておりますると、まず計画造船の点について二十三万五千トン、財政資金百八十億円という当初の運輸省の予算要求が、受け入れがたいという、そういうことの意思表明をいたしました。その理由として本年の下期における海運業績の決算が、若干償却前の利益において前期より上回り、さらに上昇の過程をたどりつつある、そういうことが一つの理由として、二十三万五千トンという当初の運輸当局の御計画が十三万三千トン、百五十七億円以下の財政資金でやったらどうか、こういう意見が、大蔵省側に台頭している、こういうことを私ども聞くのであります。 また、いよいよあすの閣議には、大蔵当局から来年度の予算編成方針の大綱が示されるということが、きょうの新聞で報道されているわけですが、この予算編成方針の大綱が、大体大蔵省の中できまって参りますと、私どもの今までの経験によれば、各省に対しての予算総額の総ワクというものが内定をして、その積み重ねた総額が一兆五千四百億円程度になりそうだということが報告されておる。今すでに運輸当局と大蔵省との間に、事務的な段階ではあろうけれども、予算の折衝が行なわれていると思うのですが、今まで私どもが聞いて参りました報告、要求の内容と、今の交渉過程における食い違いがあるか、また要求が全面的に受け入れられるという態勢にあるか、その辺などについて、大臣から承りたいと思います。録第八号
○国務大臣(楢橋渡君) 海運問題は、運輸省におきましても重要なる施策の一つとして今日まで取り組んで参りまして、いろいろと各方面等の意見等も聴取した結果、先般報告しましたようは案をもちまして、大蔵省に折衝を実はいたしておるのでありますが、基本的に、海運問題に対する大蔵大臣と私との間に、この問題について、事務当局はさることながら一応折衝はしておりますが、一体どうするかという基本的は問題を話し合おうということを、先般の閣議のときに、大蔵大臣からも私の方にお話がありまして、おそらくこの四題に関して根本的な一つのプリンシパルなものとして、それを政治的に一つ、一応両大臣の間で折衝するということの機会は、明日か明後日くらいに、この問題を佐藤氏と話し合おうということにしておりまして、その間事物的な、主計局長等との間におきましは、海運局長がいろいろと折衝いたしておりまして、きのうも、そのことで折衝を実はさしたのでありますが、この辺のことにつきましては、海運局長男から一つお答えさしたいと思います。
○説明員(朝田静夫君) ただいま大臣が、お答え申し上げました通りでありふして、私も二日ほど前に主計局長とね会いいたしまして、海運の基本的な対策に伴う予算措置につきまして、いりいろ意見を交換をいたしたのであります。基本的な対策の中で、御承知のように各方面から対策が出ております。ことしほど海運対策を根本的に広く論議されたときは、かつてないのでありますが、海運造船合理化審議会はもとよりでありますが、自由民主党、あるいは社会党、あるいは経団連、経済同友会、各方面から対策が提唱され申して、この案を通じて考えられますとは、やはり日本海運企業の脆弱な企業基盤というものを、どうして強くそ、国際競争力に耐え得るかという問題でありますが、この各案に対して共通して言い得ることは、やはり資本費の重圧の軽減が、まず第一に措置すべき事項であるということが共通して取り上げられていることは、御承知の通りであります。そこで、海運企業の体質の改善の対策と、今御指摘になりました新造船の問題とをいかに調和して行なっていくかということが、やはり一つの大きな問題であります。ただいま大蔵省側の意向として私どもが出しております二十三万五千トンというもの、財政資金、すなわち開発銀行の借り入れ金に仰ぎますところの資金を百六十五億として要求をいたしておるのでございますが、これに対して、もっと小さい規模に圧縮して新造船を来年度考慮して言というような大蔵省側の話につきましては、具体的に、私どもは数字を伺っておりません。今申し上げましたような基本的な論議が、考え方が先決でございまして、まだ数字の査定といったような段階にまでは入っておらないのが現状でございます。
○松浦清一君 日本の海運を、量質ともに増強しなければならんということ、そうして国際競争に耐え得るように、外国の例にならって、大きな国家助成をしなければならぬという、そういう基本的な問題については、もはや論議の域を越えて、実行しなければならぬ段階に達しておると思います。 私は、運輸委員会にずっと出るようになりましてから四年になりまするけれども、その間歴代の運輸大臣が、海運の量質とも強増しなければならぬということや国家助成を強くしなければならぬというような事柄について、反対をされた大臣は、一人もなかった。今運輸大臣がおっしゃる通り、増強すること、大いに賛成である、国際競争に耐え得るための国家助成をしなければならぬことは当然である、こういうことは、何人もの大臣がおっしゃってこられまして、そうすることは無理であるとか、あるいはそうする必要はないということを答弁されたり、そういうことをお考えになっておられるような様子の見られた大臣は、一人もなかった。ところが、今日に至るまで、その実行ができなかった。できないことには、いろいろ事情もあるでしょう。国家財政の大ワクの中において、海運にそれだけのことはできないという、そういう財政力の問題もありましょうし、また運輸大臣御自身の大蔵省に対する、あるいは閣内における政治力の問題もありましょうし、いろいろと理由はありましょうけれども、来年度の予算編成を前にして、今日ほど日本の海運に対して国家助成や量質ともの増強をしなければならぬという意見の一致を見たときは、今までかってなかったわけであります。ということは、ごらんになったでしょうけれども、すべて関係方面の意見が、海運研究所というところから、これはどういうところか知りませんけれども、出されておる。海運造船合理化審議会の答申、自由民主党の海運政策、日本社会党の海運政策、海運造船振興協議会の考え方、経団連、経済同友会、神戸商工会議所、これらの日本の海運を思う、すべての関係者の一致して、ここに指摘しておることは、第一には、先ほどから申し上げたように、量質とも増強しなければならぬということと、国家助成を行なわなければならぬということは一致しておる。ごく少数の街頭経済評論家の一部の人たちには、海運に対して、それほどの助成をする必要はないとか、計画造船を、そんなにたくさんする必要はない、こういうような議論をする人がおりましょうけれども、これは、世界の海運、世界の経済の大勢の中における日本の海運の持つ役割についての知識がない人が言っておる。少なくとも日本の経済に及ぼす海運のそのウエートというものを、ほんとうに知る者は、ここに収録されてあるように、すべての人が、増強、助成ということを言っておる。これだけの背景を持っている運輸大臣は、来年度の予算編成に当たるわけなんですからして、その心がまえを、そこで演説なさるばかりでなしに、もしもできなかったら、どれだけのことをやるのだという一つ度胸のほどを承っておきたい。これは、上手に質問して上手に答弁するという、そういうありふれた域を出て、もう実行しなければならぬ、こういうことになっておるのですから、その辺のところの腹がまえを、一つ御答弁いただきたい。 おそらく大蔵省は、運輸省から出されておるこの要求に対して、相当重、圧された否定を行なうであろうということが、昨今のうわさ、動きを見て、私は予想をされる。それに対応する大臣の態度、まだ大蔵大臣と、あなたとの間に、大臣同士の海運関係についての予算の大綱についての打ち合わせもやっていない。しかし、大蔵省は、どんどんと、その具体的な編成を急がれておる。すでにあすの閣議には、方針の大綱を示される段階にまできておるどういうことになっておるのですか。
○国務大臣(楢橋渡君) ただいま、松浦委員がおっしゃいましたように、海運の問題につきまして、今くらい各般の一致したことはない、もっともでありまして、私も、その事態をよく認識しまた海運の問題を打開するために、そういうような態勢を作るべく、今日まで努力してきて参っておるのでありまして、いよいよ最後の段階になっておるのでありますが、御存じのごとく大蔵省は、非常に渋いことを考えておりまして、ことに利子補給その他についても、いろいろと事務当局は、意見を持っておるようであります。ただいま松浦さんの言われましたように、たとえば多少海運界が上向きになったから、もういいじゃないかというようなことを、育っておるようでありますけれども、先般も、私は佐藤氏と話したことは、目前の小さな現象に一喜一優するような、そういうような政策の立て方はいけない。基本的に日本の海運が、どうしてこんなに行き詰まっておるか。たとえば今大蔵省が言っておりますように、多少景気がよくなったからといいましても、少し景気がよくなれば、各国は千何百万トンの係船をやっておりますから、その船が稼働しますから、たちまちに日本の船は重圧される。根本は、やはり資本電圧、戦時補償を払わなくて七千億あるいは八千億くらいに評価さるべき戦時補償を、国家目的のために船を徴用しながら、これを一文も払っていない。あるいは金利の点におきましても、開発銀行は六分五明、市中銀行は九分何厘、英国その他は三分で戦時補償を払っておる。あらゆる助成をして、国際競争にたえるようにしておるのに、日本は、これを全然顧みないというような行き方はいけないということで、これはただ、漫然演説したり、どうこうということではなくて、具体的に、そういうことについての考え方を変えさすべく、あらゆる努力を今日まで払ってきておるのであります。 たとえば自民党におきましても、今までない運輸交通特別委員会という広範な委員会を作りまして、しかもこの委員会は、ほとんど海運問題をもって主とするという態度で、先般結論を出して、大蔵省にこれをぶつけるということをやっておりますし、社会党の方におかれましても、この海運問題については、やはり商い見地から、日本の海運の増強という問題について、真剣に御支援を願っておりますし、ことに海員組合の中地さんのごときは、率先して今日まで、自民党にいっても、自民党の者が、むしろ顔負けするくらいの建設的な意見、しかも率直大胆な意見、ことに組合の立場をむしろ超越して、犠牲にしてこの問題を取り組もうというような真剣な態度をもってやっておられるのは、私も、実は深く敬意を表しておるのでありましてそういう点で、いよいよ大蔵省との間に折衝の段階で、いろいろと今まで事務当局と大蔵省との間には、この問題についてやっておりますが、なかなか大蔵省は、御存じのように、やれ経営者の合理化が足らぬとか、あるいは労働条件がどうとか、いろいろなことを言って、この問題について、大蔵省は大蔵省の立場としていろいろ言っておりまするけれども、こういう世論の背景並びに日本海運の持つ世界経済における立場、ことに国際収支におけるこの重要な役割等を勘案してこの問題は、ぜひとも私が大臣になりましてから、やはり十分な期待に沿うように一つ努力をしたいと思っておるのでありまして、それで、先般来まあ、前哨戦みたいなことをやっておりましたが、この問題については、大蔵大臣と私との岡に、根本的に一騎打ちといってはなんでありますが、話し合いをしようということで、先般閣議のときに発言をしておるのでありまして、今おっしゃいました御趣旨は、十分に私もわかり、またそういう線に沿うて、今日まで非常に運輸行政の中でも、一番苦労をして、実は今日まで参りました。局長も、そのためにずいぶんいろいろと、一部の、特に無責任なとは申しませんけれども、ただ批評家がやっている、そういう態度に対しましても、いろいろと手を尽くして、それらの人たちを説得してそっちへもってくるというような苦心をいたしているような次第であります。私としましては、どういう結果になりますかはなんですが、全力をあげて、この問題はぜひとも、前進に前進を重ねるようにしていきたい、こういうことを考えているのであります。
○松浦清一君 あなたのお考えのほどはわかりましたが、この機会に、私は、なぜ日本の海運を増強しなければならぬか、なぜ国家助成を行なわなければならぬかという、私は私なりの考えを披瀝しておきたいと思うのであります。 三十四年度の予算が審議された予算委員会で、私は大蔵大臣に、ずいぶんこの問題につきましての質疑を重ねたわけですが、そのときに問題になっておったある点、これは、大臣も御承知でしょうが、せめて、その辺のところでも実行しなければならぬじゃないかということを、公式の質問の場所でなしに、非公式に、ちょうど私、一番前の席に座っておったので、大臣と向かい合わしたのですが、時間のある限り、雑談の中でそういうことを話してきたんです。そのときに、大蔵大臣が、どう言われたかというと、そんなことを言ったって、運輸大臣、ちっとも来ないじゃないか、これは、あなたじゃない。名前はもう、人の名前を言うのは、はばかりますけれども、運輸大臣がけつをまくってこなければ、私が先に立って、大蔵大臣が先にやるということはできぬ。運輸大臣がけつをまくってくるならば、私は、政治的な影響というものが現われてきて、そうして実行ができる可能性なしとは考えないけれども、大体運輸当局は、だらしがないという話を聞いたんです。 そういう非公式な話を、公の委員会で持ち出すのは、まことに残念しごくであるけれども、その轍を、今度の予算の場合にも踏んではならぬと思うから、あらかじめ申し上げておくのですが、私の考えている海運増強の必要というのは、世界の荷物の動き、これは、荷物をどっかの船に積むことは、これは間違いない。日本の船が足りなくて、日本の船の質が悪くて、性能が悪くて日本の船に荷物を積まなければ、外国のいずれかの船でこれは荷物を運ばなければならぬ。日本の船に荷物を積めば、貿易外の収入としての外貨の獲得ができる。外国の船に積めば、少なくとも日本に輸出入される荷物に対しての運賃は、外貨をもって支払わなければならない。日本の経済を強くするということは、すなわち、外貨を大きく確保するということで、これは基本的な条件だと私は思うんです。 だから、海運会社の何々に助成をしてやる、何々を助けてやる、こういうことでなくて、日本の経済自体を強固にするためには、外貨を確保するという手段について貿易の振興と併行して考えなければ、幾ら貿易の振興が、日本の経済を強固にし、産業を発展せしめる大事なことであるといっても、その荷物が、外国船に積まれて、外貨で運賃を払っているようなことでは、何にもならぬわけです。このことは申し上げるまでもなく天下周知の問題ないんです。 ところで、今の日本の海運というものは、先ほども大臣がおっしゃられた通りに、日本の海運が、外国の海運に比べて弱体である、競争にたえないほど弱体である、これも、天下周知の事実である。その弱体であるという原因をなすのは、戦時補償五千数百億円を打ち切られて、そうして外航船というものが、他人資本によって作られている。三千億あまりの借金を背負って、二百億あまりの利子を払わなければならぬ。こういう中で、外国との競争をしなければならぬのでありますから、日本の海運が、弱体であるということは説明の要なきほど自明な問題である、それに対して若干の経済評論家等が、利子補給などというものはけしからぬというような議論をはいたとしても、それに日本政府が気がねをしたり、そういう意見に拘泥してそして積極的な施策を講じないというのは誤まりである。日本の船が、量質ともに向上され、増強され、そして海運の経営基盤というものが、国家助成を増強することによって強化されてくれば、すなわち日本経済をしっかりしたものにしていく、こういうことになることは、もう間違いのない問題なのですから、ひとり運輸大臣のみならず、日本政府全体が協力をして、そして日本のために、日本経済のために、この実現を期さなければならぬと、こういうふうに私は考えておるわけなんです。 そのことを繰り返し繰り返し、四年ばかりの間言い続けてきているのですけれども、先ほど冒頭に申し上げましたように、何しろ運輸大臣が、あまりしっかりしねえと、こういうことを大蔵大臣に言われなければならないような、へっぴり腰では、今度でも、これはだめじゃないかと思うのですよ。幸いに、おせじを言うわけじゃないけれども、長い間の政党人で、党内においても力のある運輸大臣を、われわれは持っておるわけですから、今度は一つふんどしを締め直して、私また大蔵大臣に会ってみたら、運輸大臣一つも来ねえよとか、腰がねえよとかいうことを言われないようにしてもらわなければならぬということを申し上げておきます。
○国務大臣(楢橋渡君) どうも、松浦さんのおっしゃる……。佐藤大蔵大臣というのは、どうも一々、端的に言うと、でたらめを言うわけです。この前も、三十四年度の利子補給の問題について、私相当談判をしてやっているのに、海運業者に向っては、楢橋来ないからと、私やかましく言った佐藤に……。大蔵大臣は、こういう人だから、いろいろ言っていますが、大蔵大臣に逃げられないようにしなければならぬという、そういうことを考えて、実はやっておるのでありまして、私も、多少馬力の強いところもありますから、今度は一つ、松浦さんから御激励を受けた以上は、できれば大いに大蔵大臣と何したい。 ちょっと端的に言うと、海運助成政策、利子補給ということになりますと、すぐに暗影が漂うのは、造船疑獄という問題、造船疑獄のかつて中心人物とは言いませんけれども、佐藤榮作氏も、やりにくい点があるということは、率直に私申し上げたいのだが、佐藤氏が、動きのとれないようにするということも……、当然やはり人間としてやるべき道じゃないかということを考えておるので、そういうことで、今まで党に相当強力なる態勢を作って、佐藤氏もやりやすいようにしようと、そういう、いろいろ松浦さんが言われましたように、大蔵省が、一番大事なことは、国際収支を改善するということで、国際収支の最大の、大きな原因をなすものは、やはり船からあがる収益でありますから、それを外国船に取られるようなことは防がなければならぬということは、これは大蔵大臣の当然の責任だと思うので、一文惜しみの百知らずというようなことをやめて、やはり国際競争に堪え得るように強化しろということは、今やっております。 これはさいぜんも申し上げましたように、党も社会党の方も、ほとんど全部が一致してその点についてやっていますが、一方に業者の方もまた、なるほど助成を受けなければならない、助成をしてやるのは当りまえだ、むしろ当然の措置だというだけの、つまり会社側も、そういう国民の信頼を受くるような、合理化なり真剣さなりで取っ組むということを、業者にも実はやかましく言っておるような次第でありまして、今、松浦さんから御激励を受けましたから、一段と、一つ力を入れて、この問題をやりたいと思います。
○松浦清一君 海運業者自体が、自粛をして、いろいろな意味における企業整備をやらなければならぬということは、これは当然のことなので、昨年も、運輸省の指示によって、七十四億円かの一般経費の節約をやった。船会社みたいなところで、カレンダーも刷らないような節約をしている。全面的には、そこまでは私はけっこうだと思いませんけれども、役員で、ほとんど賞与をもらっている者もいない、船に乗っている者は、御存じの通り大手筋で一カ月とちょっとぐらいの年末手当しかもらわない、小型に至っては、一カ月足らずの年末手当をもらって勤務している。その中で働らいている者も、とにかく最大限のしんぼうに耐えて、そうして日本海運の発展を期待しているというのが、現在の海運界の大勢なんです。今の船会社が、一体これ以上企業整備をやらなければならないということは、これは具体的には、どういうことなんです。重ねて言いますけれども、海員組合の話が、先ほど大臣から出ましたので申しますが、海員組合は、非常に会社に対しては、強い私は組織をもっていると思うのです。今でもストライキでもやって、年末手当ニヵ月よこせということをやろうとすれば、一週間や十日ぐらい組合の争議基金の積み立てでもって、給料を払って、ストライキをやるだけの実力を持っている。しかし、そうしてもんでしまって、もみくしゃにして、日本の海運を、さらに弱体化してはならぬ、日本の海運が増強されてその企業内容が強化されて、その中において働いている者の生活の安定をはからなければならぬというのが、私は海員組合の方針だと心得えているわけであります。それほどしんぼうしているのに、これ以上一体船会社に何しろと言うのですか。 そういうことをこの前から言っているけれども、そうしなければやってやらんぞということは、実際には、やってやろうという熱意が乏しくて、実力がないから、この際は、相手方に責任を背負わせる、責任逃れのために言っているのじゃないかと思う。一体、これ以上船で働らいている人に、どんなしんぼうをしろというのでしょう。
○国務大臣(楢橋渡君) 今の私が申し上げていることは、これは非常に世論が、相当そういうふうに、海運会社に対して利子補給し、あるいは債権の棚上げをする……。私初めに、出しているような構想を進めるにつきましては、やはり海運会社としても、国民のそういう一つ、何をしてもらうのだから、それだけに受け入れるだけの態勢をとらなければならぬということを、実は申しておるのでありましてすでに海運局長からも報告を受けておりますが、今、松浦さんが言われますように、実に、よく海運業者というものは、労使一致して、ほとんど限界線まで、合理化の点について協力しているということは、御指摘の通りであります。 しかし先般、私が海員組合の代表と船主組合の代表を呼びまして、この海運問題の打開について協力一致して、一つ事態の打開をはかろう、一方、海員組合に対して合理化を船主側が要求している点に、ついても、私が中に立ちまして先般、いろいろ懇談をいたしたのであります。海員組合の方から申されたことをかりて言えば、船主側で合理化を要求する、たとえば船に乗る船医の問題、あるいは無線の技師の問題を、外国並みに扱えというような要求をされるならば、海員組合の方から、一つ船主側に要求したいことは、陸上に働いている者と海上に働らいている者との、つまりお互いの能率の相違といいますか、そういう点から、船主側に取り組もうということに話がなりまして、そこで、私が仲裁をしておる。両方が話をして一つ練ってみろということを、今やっているところなんで、まあそういうふうで、今内輪におきましては、これは非常に真剣に、その問題と取り組んでいる。それを、やはり大蔵省なり、批判している方面にまで反映させるということをやることはいい。 これは松浦さんに申し上げますが、私も政府でありますけれども、この海運問題については、海運組合の代表でもあり、船主の代表でもあるということで、実は率直に、これはやっているのでありまして、また、いろいろと御指示等も受けますれば、それによって、大いにやろうと思っておりますが、要は、やはり利子補給でもって、債権に対する一つの重圧といいますか、そういうものをどう軽減をして、国際競争に耐え得るような経済的な基盤を彼らに作ってやるかということについて、やはり国民のにも理解を持つような、やはり徹底したPRをする必要がある。漫然何かといいますと、船会社というものは、もうけたときには、どえらいことを昔から、内田さんが……、ああいうようなことが国民の頭に印象があるものだから、船会社というものは、ずい分べらぼうなことをやっているというふうに思われて、そういうことが、現在の船会社というものは、いかにみじめであるということも、割合徹底していないんですな。 たとえば船主協会のいわゆる昔の華族会館を借りて、あそこでもって、ゆうゆうとやって、すばらしい油画、何十万という油画を掲げておる。これは、よほどもうけておるのではないかという気を持たれるのだが、こういう点も、やはり信頼の置けるようにしなければならぬということは、実は私は申しておるのでありまして、今、これより以上合理化を、あくまでも強要して、しこうして今海運の、つまり国際競争に耐え得る態勢を作ることに対しての努力を怠って、転嫁しておるということは、毛頭ありません。これは、逆でありまして、この点は、一つ御了承願いたいと思います。
○松浦清一君 運輸大臣が、船主に対して、その企業の合理化をやれ、自粛をやれ、こういうことは、国家助成をつけさせようとするからには、強くそれを要望、要求されることは当然です。それはしなければなりませんがおそらくは今大蔵省に要求しておる予算が、最終的に査定が行なわれ、話し合いをつけるというときには、まだ足りんじゃないか、こう言うにきまっておると、私は思うのですよ。私は政府じゃないから、からに入ったようなことを言って、相済まぬけれども、そういうことに違いないし、大臣は、それはそうだ、あいつは何だとか、もっとしなければということになっては、これは困るから言っておるのです。大臣自身が、その方は責任持って、合理化をやらせる、そのかわり、これはやるべきだという自信のほどを固められて、大蔵省と折衝される要がある、こう私は考えたのですから、激励かたがた、こういうことを申し上げておる。 だからまだまだ企業の合理化なんということについては、やるべきところはあるでしょう。通信士の一人や二人減らしてみたところで、金額にすれば、大勢を決定するということじゃない。それよりまだほかに、大きなところで合理化をやらなければならぬ。船主自身が、自粛をやらなければならぬというところがあるでしょう。その方は、よし一つ、おれが引き受けた、自粛をやらせる、合理化をやらせる、そのかわり、それとは別に切り離して日本海運態勢のために、これだけのことはやらなければならぬということの信念を固めてやっていただかないと、今までの運輸大臣は、実際弱かった、あなたに、こんなことを申し上げてはしかられるかもしれませんけれども、与党の中では、運輸大臣は伴食大臣で、ほんとうに党の中でも閣内でも、あまり力のないのばかりやっているのだというような、陰ひなたなしに、だれがなしに言われてきた。今度の大臣だけは、私は頼りにしているわけですから、その辺のところを腹をきめて、一つやってもらいたいと思う。 幸いにして、あなたの影響力があったか、自民党さんの中でも、海運対策の特別委員会ができてそうして増田さんというような大物が中心になられてこういうりっぱな案を立てられておる。ほとんどこれを見るというと、内容的に指向しておる海運強化策というものは、ほとんどこれは同じです。だれが見た目も、同じです。ただ、それを前線に立って、実行するかしないかということは、あなたと大蔵大臣との話し合いの結果に、それはあるので、それを今の海運界というものは、またわれわれ船員の関係の方は期待をしているのですから、その辺のところを一つしっかりとお願いをしたい。
○国務大臣(楢橋渡君) ごもっともで、一つ御趣旨に沿うて、私、今ちょっと、松浦さんの非常にありがたいお言葉で、感謝申し上げますが、これは、船会社の方の合理化が前提だというようなことは、これは、こういう建前をとって、ばかな交渉はしませんから、これは要は、その点はやはり、いろいろな世論等もありますから、私が、そういう点について努力しているということも、御了承願いたいと思います。
○松浦清一君 それから、この機会に私は、今海運強化の必要性を述べて、政府当局のお考えを聞いたわけですから、それならば、外国は一体どうしているか、こういうことを申し上げたいんですけれども、時間をとって恐縮ですから、それは申し上げませんが、これは運輸当局からも、幾たびかの資料が出ておる。造船に対する助成、それから航路に対する助成、それから金利の問題、どの国の新船建造に関する補助金、それから航路に対する補助、それから金利の問題、こういうものを調べてみても、日本よりも、はるかに金利は安く、はるかに強い助成が行われておる。 で、外国で、ほとんど戦争中に船を全部日本みたいに失ったという国はない。ほとんど自己資金で船を作っておる。自己資金で船を作っておるにもかかわらず、それに対する国の航路補助があるし、それから造船の補助を与え、さらに借り入れの借金については、利子がきわめて安い。ドイツあたりは、よく日本と似ておる状態で、戦争が終わってからの海運の発足を見たわけですが、ほとんど船を作ることと、それから住宅を建てるということについては、利子は特別の扱いをして、そうして西ドイツあたりは、すでに日本を凌駕する海運国にならされている、こういう状態です。これらは、まだ世間に知られていない。外国が、どれほど強い助成をして、そうして、その国の経済発展のために海運というものを強く推進しているかということを、世間には知られていない。こういうことのPRも、われわれに資料を与えるのみならず、世間に対して、一つ堂々とやってもらいたいと思います。 これも、一々申し上げれば、非常に長くなりますから申し上げませんが、大臣自身、よく御了承の通りの状態です。われわれ関係のある者だけ知っておったって、世間は承知しないんですから、こういうことが、世間に対して知られるようなPRを、ぜひ私はやる必要がある、こう思うのです。これは、一つ頼んでおきます。 それから、最近の日本の海運で三国輸送、第三国の間における輸送という問題ですが、非常に重要になってきて、昨年の予算でも、若干の補助が与えられたわけですが、これを、さらに推進する必要がある。これを推進していくに従って、——日本の港を出て何ヵ月も、あるいは長いやつは一年以上も、日本の港に帰ってこない。外国の港から港へ、三国間輸送をやっておる。そうして純粋の外貨を獲得しておるという船が、相当大量にあるんです。これらに対しても、船員の福利厚生施設、これは、それが好きで船員になったんだからいいじゃないかといえば、それまでですけれども、それにしたところで、自分の家を離れて、数ヵ月も自分の家に帰ってこないというような状態の中で働いている者に対しては、それ相当のことを、船主もこれはやらなければならぬでしょう、それから船員の組合も、やらなければならぬでしょう。やらなければならぬでしょうけれども、その元は、やはり政府がやるべきだと思う。 これも、外国の例を見まするというと、相当多額な国家補助を与えて、そうして船員の休養施設をやっておる。これは船員局長、外国において見てこられて、いろいろな資料を取り寄せられておって、御承知の通りですから、これに対しても、予算の要求が出ておりますが、昨年は、非常に削減をされまして、わずか四千万円、今ニューヨークとカルカッタに、そういう施設を作ろうというんで準備をしておる。この間、私ニューヨークヘ行って、向うの船に乗っている人たちの話を聞くと、ニューヨークあたりで、一千万、二千万の金を出しても、間借りぐらいしかできないという。外国から外国に航海をして、たまたま港に入った船員が、腰かけるのも十分でないような、間借りぐらいを与えて、これで、政府が補助しているんだというような顔はできぬと思う。少くともああいう物価の高いところであるけれども、船員にとっては、まことに必要な場所ですからして、その場所に適応するような予算を取って、これを補助金として、船主にも協力させてやるべきだ、こう思うんです。
○国務大臣(楢橋渡君) 御指摘の通りでありまして、第三国の、この航路のもたらす日本における経済的な大きな一つのプラスということは、これははかり知れないものがあることであります。従いまして、長い間海上において、祖国に帰らずに、第三国間を回っておる船員の諸君に対して、十分なる厚生施設をするということは、これは、もう当然やらなければならぬことでありますので、運輸省といたしまして、国内及び国外の船員厚生施設の整備、円滑な運営をはかりますために、来年度は五億円の政府出資による日本船員厚生協会を設立いたしまして、これによって、今おっしゃいましたようなことをやりたい。一方、先般ある国際的な会議がありまして、私から、実は提案もいたしまして、外国の持っている、こういう施設も、日本船員に、一つ活用させてもらいたいということの提案をいたしまして、その会議におきましても採択して、アメリカが中心となって、これをやるというようなことも、いろいろ心配してもらうことも何したんですが、いずれにしましても、日本で、やはり今おっしゃいましたような、相当の施設をして、これらの海に、家庭を離れて働いている人たちに対して、十分な慰安なり、厚生施設をするということは、これは、もう一番の大事なことでありまして、何といいましても、船に大事なのは動かす船員諸君でありますから、船員諸君の、やはり気持を尊重して、十分なことを考えなければならぬということを考えまして、この点につきましても、御指摘のように、極力努力いたしたいと思います。
○松浦清一君 船員局長、方々の外国施設を見られたり、非常に熱心にやっていただいて、はなはだ感謝しているわけですが、大臣が今おっしゃった通り、これが実現のために、最大努力を払ってもらいたいのですが、大体、どういうところに、どういう施設を作ろうという御計画であるか、あなたのおつもりを一つ、この機会に承っておきたいと思います。
○説明員(土井智喜君) ただいま松浦さんから、ニューヨークにおけるお話がございましたけれども、まことにニューヨークのような物価の高いところで、しかもなかなか場所が求めにくいようなところで、この施設を設けるということにつきましては、関係船主並びに海員組合から、非常な強力な支援がございまして、ただいまのところ、海外船員厚生協会が誕生いたしまして、受け入れの母体はできましたのでございますが、今まで準備としまして、ニューヨークは関係の船主会を中心にしまして、先般も船主協会から、米田理事長が参りました際に、マンハッタンにある仏教教会の施設を借用するというようなことで大体場所は内定して、目下それの施設の設置について努力しておるような次第でございます。 なおカルカッタの方は、これは炎熱の地でもありますので、船員の宿泊休養という実質的な方面にむしろあてるという関係方面の意向でございますので、実は、今度の四千万円の予算の補助金は、それに船主関係の基金等を合わせまして、八千万円として運用する。そうしまして、大体六対二の比率でもって、カルカッタに一応重点を置く、これは実質的な意味において、そういうようなことで、目下進めておるわけでございます。なおカルカッタの施設の設置については、目下調査中でありますし、総領事あるいは在外の船主会等に目下具体的な場所等につい備準てさしておるような次第でございます。 なお今後の計画につきましては、ただいまお手元に配りましたけれども、先ほど大臣からお話がありましたように、できればまず五億円のファンドを確立いたしまして、そのファンドによりまして、海外の厚生施設の継続的な設置と維持をはかっていきたい。 なお、来年度におきましては、できれば欧州方面、まあ候補地としてはハンブルグでございますが、そういった方面について、ニューヨークと同様な施設を設けたいと、こういうように考えておる次第であります。なお五億円のファンドの運用につきましては、大体、五カ年計画をもって国内の施設の融資と、それと海外施設の設置並びに運営にあてたい、こういう所存でございます。
○松浦清一君 いろんなことを聞きますけれども、この予算要求の資料の中に、太平洋客船の建造二十五億円、二隻作るとして五十億円の金を出して、三十五年度は四億六千万円の財政資金を出すのだ、こういう計画があるようにお聞きしたのですが、これは、一体何の必要のために、この金のないときに、太平洋客船なんか作るのですか。もっとほかに、することがありそうだと思う。
○説明員(朝田静夫君) 太平洋客船の問題についてお尋ねがございましたが、これは、現在の海運の一般の強化対策という考え方からいたしますというと、非常に急迫をいたしている海運企業の国際競争の強化という観点とは、いささか感触の違うものであることは、ただいま御指摘の通りであります。 しかし、観点をかえて考えて見ますというと、現在の太平洋の旅客航路の輸送状況を見てみますというと、もちろん永川丸という貨客船一隻が、これに従事いたしているのでありましてこれがすでに非常にもう古い老朽船でありまするし、太平洋航路の航権の維持の観点からいたしますというと、アメリカはもちろんのことでありますが、ことに英国のPアンド〇系のOPラインといったようなものも、太平洋を中心に客船の航路の開設、あるいは増強について、ししとしてその努力を続けている、こういうようなことが一方に考えられますと同時に、国際収支の改善という点、あるいはまた日本の国際的な地位という観点、海運国という点から考えて見ますというと、少なくとも太平洋航路における客船航権の維持は、今日において整備しなければ、再び将来長きにわたって回復するチャンスはないであろう、こういう観点から、ぜひこの際、東京オリンピックの開催のこともございまするので、日本に客船の二隻くらいは持って、観光振興の問題、あるいは国際収支の問題、あるいは海運国としての、日本の国としての地位といったものの発揚に努力すべきであるという考え方から出ている構想であります。
○松浦清一君 これは、特殊法人の客船保有公団というものを作ってこの公団の持ち船にして、どこかの船主に運航させる、こういうことになるらしいのですが、今の海運局長の御説明によりますというと、何だか日本は、海運国としての体裁のために、客船の二はいくらい持つ必要があるというように解釈できるのですが、私の感ずるところでは、海運の世界的競争の本場所というのは、太平洋における貨物輸送だと思うのですよ。 その貨物輸送を、アメリカその他諸外国の優秀な貨物船と競争をしてそれに勝っていけないだろう。置き去りにされていくかもしれないというような不安定な状況にあるときに、それができて、後に金が余ったから客船を一つ作ろうじゃないかという話なら、私は納得できるけれども、それさえもできないのに、客船が頭を出してくるというのは、どうもどうかと思うのですが、非常に熱心にやっている人があるらしいけれども、これはおかしいと思うのだ。まあ通らぬでしょう、これは大蔵省は通らぬだろうと思うけれども、そういう海運の力の入れどころのポイントがはずれているように思う。 今すでに太平洋じゃ船の快速優秀船をこえて、飛行機で貨物輸送が始まっておるわけですね。ほとんど、アメリカの飛行機は、一日に一回くらい出ているのじゃないかと思われる貨物輸送が始まっている。日航でも、ジェット機に変ってくれば、今の旅客機を貨物輸送に変えていくという話もあるらしい。これは飛行機にとられてしまっては大へんだというので、この間、三井、郵、商三社の代表者が見えてこのまま手をこまぬいて見ているわけにいかない状況になってきたから、これをやらなければいかぬというふうになってくるほど、その荷物が、船から飛行機にとられようとしている。 それにもかかわらず、船が、快速度においてアメリカの今の船とは太刀打ちができないというふうな状態に追い込められて、いる。これをそのままにしておいて、客船という夢をみておるということでは、大へんな考え違いだと思うのです。熱心にやっておられる人たちの考えもわからぬことはない。わからぬことはないけれども、それも力を入れなければならぬということがあるのだが、なぜ、こういうことを言うかというと、これまた大蔵大臣の話が出ますけれども、この間大蔵大臣に会って、今度の予算についてもやっておられるらしいが、どうしているのだということを聞いたときに、一番大事なやつは、一番あとに残しておかなければ、どうせ切られるよという話なんです。一番大事なやつは残しておかぬと切られる。このまま通りっこはない。あれもこれもといって、持っていったところで、そんなことのために焦点がけずれて、どうしてもやらなければならぬ大事なことが削減されてくるというような傾向になっては困ると私は心配するから、こういうことを申し上げておるのであります。せっかくの権利をここで消しなさいということは言わぬけれども、そういう感覚であってはならぬ。体裁上から言えば、日本は世界に冠たるとは言わないけれども、有数の海運国であるから、客船の太平洋航路に二はいやそこら持っていてもよさそうなものだと、観念的には思われるけれども、今の海運全体の体質の上からいって客船まで、まだ手が届かぬという状況にあるのが、日本海運の真の姿ではないかと思うのです。 その辺のところを、かね合いもありましょうから、捨てなければならぬものがあるなら、いさぎよくこんなものは切り捨てて、大事なものをとる。こういう技術上の点について、おぬかりはあるまいけれども、御考慮願いたいと思います。答弁の要はありません。どうか一つ御注意願いたいと思います。 それから国内旅客船公団の問題ですが、これは昨年われわれ非常に熱心に、政府の方でも熱心にやられました。議会の側の方でも熱心に、これを推進するために、政党政派の関係なく努力をしたわけですが、計画通り予算が去年はとれなかった。今度は、三億の九億という予算の要求を打ち出しておりますけれども、これをやらなければ、人命安全の上からいっても、内航旅客船の船主の経済からいっても、悠遠に二十年以上、あるいは二十五年以上たっている老朽船の体質を改善するということは不可能な状態にある。今、もうすでに三十隻ほどの新造等の要請が出ておるようですが、それだけでは済まぬわけですね。船齢二十五年以上のボロ船で客を運んでおるという、ここに数字は持っていますが、申し上げませんが、非常にたくさんある。これも、外航海運の増強に変らない努力を払って、一つやってもらいたいと思うのですが、この点については大臣、十分お考えおき願っておるでしょうな。
○国務大臣(楢橋渡君) これはもう御指摘のように、極力この問題については、努力をいたします。
○説明員(朝田静夫君) ただいまの問題につきましては、衆参両院の付帯決議の趣旨も体しまして、本年度の国内旅客船公団の政府出資の増額、財政資金のワクの拡大、こういうことにつきまして、当時の決議の趣旨を体しまして措置いたしましたのが、その金額でございます。 なお、当時の状況からいたしまして、公団の創設早々の際でありましたので、いろいろな見解なり、予算の査定が不自然に行なわれたというような感じを、私どもは持っておるのであります。そこで、あらためて当時の当委員会の御討議の模様等も十分頭に入れまして、もう一ぺん実態調査をいたしまして、それからまた、二十五年以上の鋼船、十五年以上の木船と、こういう本年度の樹立いたしました計画を再検討いたしまして、その点を二十年、十年と修正をいたしました。また、船齢構成等につきましても、ただいま申し上げましたように、実態調査をいたしましたところが、相当の構成要素に変動が生じて参りました。 そういう点からいたしまして、三億、五億と、こういう予算の要求をいたしまして、さらに公団の事業の発展をはかって参りたい。御指摘の御趣旨に沿うように、予算の措置につきましても、万般の努力を払いたい、こう考えておる次第であります。
○松浦清一君 それは一つ、努力をしてもらいたいですが、国内旅客船の問題が出ましたので、ついでに承っておきたいのですが、最近、日本旅客船協会から出ておる資料、陳情書によりますと、バス路線が非常に進出をしてきて、そして国内旅客船の航路が経営困難になってきて、一つ私の方でも、バスをやりたい、こういうことを言い出してきておるということなんですが、このいい悪いは別としてそんなことだから言いませんが、この前、バス会社が、船を持って、船の航路に割り込んできたりするのを運輸省は許可した経験もあるのだから、そういうことのために旅客船航路事業がやれなくなった、ずいぶんたくさん出ております。たくさんつぶれた会社がある。だから、そういうところは、並行してバスと両方やれば、どうにか立っていけるという、そういう見込みのある所には、自動車局長、お見えにならぬけれども、運輸省の力から、考えておいてもらいたいですね。バスにこみやられて、船がやれなくなったんだろう、それはしようがないじゃないか、自由競争であるから、ということでは、ちょっと気の毒な気がするのですが……。
○国務大臣(楢橋渡君) 今おっしゃいましたが、内航について、いろいろな事情で、今まで公共的な仕事をやっておった人たちが、時代の推移によって大きな衰亡を来たして、従って、バスをやれば、多少いろいろなことができるというような場合に、いろいろ客観的な情勢等もありますが、やはり過去の、そういう内航についてサービスをやった等を勘案して、やっぱり尊重して、できれば優先的と申しますか、考慮して、これを取り扱いたい、こういうふうに私は考えます。
○松浦清一君 私は、再々、たびたび言いませんから、発言の機会をいただいたときに、ついでに何もかもみな申し上げておくんですが、航路標識整備の問題ですね。海上保安庁灯台部長、見えておられますね。これも、今度要求が出ておりますが、日本の海運に対しての認識がしっかりしていないのと同時に、海上旅行の一番根幹をなす航路標識の整備だとか、それから海洋気象だとかいうものについては、全く力の入れ方が弱い。大臣々々、何言うたかわかっておりますか。
○国務大臣(楢橋渡君) わかっております。航路標識の問題でしょう。
○松浦清一君 灯台問題だ。灯台とか気象とかいう問題については、割合世間の関心が薄くて、これは全く大事なことなので、だいぶむずかしいらしいが、どうなっておりますか。もう折衝を始めていますか。
○政府委員(林坦君) 航路標識の問題につきましては、実は私どもの方でも、日本の現状が、世界的にみまして非常に不整備の状態にある。大体現存のところ百マイル当り十五基見当でございます。世界の航路標識の一流国オランダのごときは一マイルに一つずつの割合、百マイルに百の航路標識を持っておる。せめて、そこまではいかぬでも、イタリア並みの百マイルに二十五ある程度に整備するということを、ひとまずの目標にして計画を作っておるのでございます。 そのために、実は来年度といたしましても、新設関係で約十三億程度の予算、それから改良——もう古くなって、非常にぼろぼろになりかけたようなところを直したりなんかする問題とか、見回りその他の関係もございますので、それらを合わせまして、全体で約二十一億程度の予算を来年度要求いたしております。大蔵省と、いろいろ折衝しております経過は、まだ具体的には申しておりませんが、本年度とれました航路標識関係の予算は五億一千万円、ちょっと今のところ、事務的には、なかなかその線を越していくことは非常な困難を感ずるんではないかと考えております。 しかしながらわれわれは、航路標識の問題は、海難の場合にも問題になって、昨日も衆議院で決議されて、航路標識の整備拡充という問題を決議されたのでございますが、われわれとしては、この点について非常に地方の零細なる漁民の方々、また海運業者の方々からも、非常に熾烈なる航路標識の整備の要望がございまして、それらを何とかして、その要望に沿うためには、とうてい、現在本年度の予算では、どうにもならぬということを今強力に大蔵省と折衝しておる次第でございます。どうしても、われわれが要求しておる二十一億を、何とかして、一つできるだけ大蔵省にも納得せしめるべく極力努力をいたしておる次第でございます。
○松浦清一君 海難の原因というものは、航路標識の不整備であること、それから全く天災によること、それから船員の操船技術の足らざるところ、そういうところに百原因があることは申し上げるまでもないので、そのうちの船員の技術を向上しなければならぬことはもちろんでございまするけれども、航路標識の整備によって、海難を逃れるということは、予算の総額二十一億円要求ですけれども、その不整備のために遭難される船舶の海難損害というものは、これに数倍する金額に、見積ればなっておるので、そういうところを一つお考えを願いまして、計画造船も、最重要な問題であるけれども、単に事務折衝に任されずに、大臣が政治折衝なさるときに、忘れずに、落さないように一つ力を入れてもらいたい。いろいろありますから、せっかく保安庁、来ていただいたけれども、その辺にしておきましょう。 今度は港の問題、港湾の整備をしなければならぬということは、私はもう概論的なことは述べませんけれども、最近銚子の港の航行が非常に何か調子が悪くて、そうして海難事故が非常に多いという報告を受けておるのですが、具体的な事例がありますか。
○政府委員(中道峰夫君) 銚子の港につきまして、先ほど漁船の遭難事故がございました。これは御承知のように、利根川の河口でございますので、自然条件から申しましても非常に危険な場所である。昔から海の難所と害われておるわけでございます。 銚子の漁港は、これは農林省所管の港でございますが、先般の遭難事故の漁船も、銚子の漁港の対岸の波崎の漁船だと聞いております。運輸省の方といたしましては、そういった前からの、いろいろな要望がございましてちょうど裏側になりまするが、名洗に避難港を現在築造をしております。大体、防波堤が約七割くらいできておると思います。この前の漁船の避難のときにも、そのうちのたしか六はいは、名洗に避難いたしまして、事なきを得たというふうな事情でございます。運輸省といたしましては、銚子の付近につきましては、できるだけこの避難港を急望まして、これの海難に備えていきたいと、こういうふうに思います。
○松浦清一君 ここに出ておる資料によりますと、三十二年に四隻、三十三年八隻、三十四年八隻という、銚子の港だけで遭難しておりますね、これは漁港でしょうね。
○政府委員(中道峰夫君) はい。
○松浦清一君 漁港だと、運輸省の管轄外かもしれぬけれども、ここで避難しているのは、漁船ばかりでなしに、機帆船等遭難しておるので、これはよく農林省水産庁の方と御相談なすって、港全体の整備充実をはからなければならぬということは、これはもう申し上げるまでもなく必要なことですけれども、こういう特別の遭難の多いところについては、優先的に、やはり手を入れるようなことをお考え置きを願った方がいいと思うので、お心におとめおき願いたいと思います。 この間、衆議院の方で、小型船の通信施設の整備をはからなければならぬという決議をしておるわけです。予算の方も要求をされておりますが、先ほどの港の整備、航路標識の整備と相並んで海難防止をするということのためには、絶対必要なものだと思うのです。 内容は政府の方から出ておるのですから説明を申し上げませんが、この三つは相関連して、日本の海難をできるだけ食いとめて損害を少くすると同時に、また漁獲船においては、事は人命にかかわることでありますから、十分留意をして予算要求折衝の際には、お忘れにならないようにやってほしいと思います。 それからこれは参議院の委員の方々への御相談ですが、衆議院の方では、この促進をはかるための決議をなされておりますが、きょうは、いろいろ問題があるようですから、また後ほど御相談を申し上げますから、御相談に乗っていただきたいと思います。
○委員長(平島敏夫君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(平島敏夫君) 速記をつけて。
○松浦清一君 今度は人間の問題ですが、今、何隻あるのでしょうか、外航船はおおむね大型船の方は最低賃金が労使間で協定をされておりますが、その協定をされていない小型船の方で、大へんたくさんな、最低賃金法の制定によって、この実施を行政監督をしなければならないということになっておりますね。 それで予算をみると、何人か最低賃金関係の人数の要求が出ておりますが、これはどうなんでしょうね、運輸省全体の海運局関係の定員というものは、ここにある表によると、昭和三十二年には六千五百八十九人、これが三十四年には一千百五十一人に減っておる、三分の一になっておる。これはほかの役所も、そんなに減っておるのですかね。船はどんどんふえているのに、人間はどんどん減っておるが、これは、どういうことなんですか。戦争直後の二十二年や二十三年は別問題としても、二十五年、六年の計画造船の始まったころに比べても、千人も少ないということなんです。これはどういうことなんですかね。 これは船員局長じゃなく海運局長から。
○説明員(土井智喜君) ただいま、まず最低賃金の問題から御質問がございましたから、私から、最初に最低賃金の問題に関しましてちょっと申し上げます。 最低賃金は、本年七月から全面的に実施されまして、それの対象になる小型船舶、すなわち機帆船あるいは漁船等、約その乗組員が十万を超えておると思いますが、それが対象になるわけでございます。それにつきまして本年の七月から実施されたにかかわらず、実は定員と申しますか、それを施行していく上の人員はついておらないわけでございます。そうでございますので、これは地方の海運局並びに船員局、地方労働委員会等、それぞれ法律に基づきますいろいろ権限、あるいは調査等やらなければなりませんのが、とかくおくれたような状況でございますので、来年度においては、それぞれ定員の要求を出しております。
○政府委員(細田吉藏君) ただいまお話がございました海運局関係の定員、二十二年に六千三百とおっしゃいました、これが三十四年には二千百という数字だというお話でございますが、他の役所全体の比率と比べて、これは非常に大きいのじゃないかということでありますが、私、本日資料のこまかいものを持っておりませんが、少し、この数字は大き過ぎるのじゃないかと思いますが、さらに調査をいたしましてお答えしたいと思います。ただ、定員が減いたしておりますのは、資材関係の仕事がなくなって参っておるということでかなり人数が減らされておるということは事実でございますし、また行政整理の関係で、戦後数回にわたって一律の削減等の問題がございましたので減っておりますが、ちょっとこの数字は、大き過ぎるのでよく調べたいと思います。
○松浦清一君 これは地方海運局の定員なんですが、米の配給をやっておったのです、船用米の。そのときの人数が、全部減員になっておるんですよ、ほとんど整理済みなんですよ。だからこれは、今度の予算に要求しているように人数の増員をはからなければ、船用米の配給のためにおった定員というものは、もうすでにおらなくなっているのだから、新たに最低賃金法の制定によって、その行政監督といいますか、行政事務をやる人たちがプラスされなければ、それだけ労働が過重になるわけですね。だから、要求が出ておるのだろうと思うが、そういう事情だから、大臣は、人を減らしたりなんかするようなことなしに、二十一人の要求の出ているものは確保をする考え方をとらなければならぬ、よろしいか。減員なんかしたらいけませんよ。よろしいか、大臣。——速記に載らぬ、頭下げただけでは。
○国務大臣(楢橋渡君) これは、大蔵省から減員を要求してきたらしいのですが、減員なんかしないように、こちらから何しますから……。
○松浦清一君 その点、よろしくお願いします。 それで地方海運局に行きましても、人手がなくて船体の検査など、われわれ仲間で八そう飛びという言葉がある。八そう飛びというのは、一ぱい一ばいとてもできなくて、船の上を飛んで歩いて検査をしている。そういうことをよく考えてもらって、この際だから、五十人も百人も一ぺんに増員してくれといっても無理だから、せめて要求している人員が実現されるようにして、最低賃金が、完全に実施されるように指導を行なってもらいたいと思います。
○国務大臣(楢橋渡君) 私も地方を回りまして、海運局からたびたび陳情を、その点受けております。現状等も見ておりますから、定員を減らさないはもちろんでございますが、増員の問題につきましても、極力充実をするようにいたしたいと、こう思います。
○委員長(平島敏夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(平島敏夫君) 速記を始めて。
○国務大臣(楢橋渡君) それは、定員の問題というよりも、新しい仕事に対して人をふやすということについては、私も趣旨に賛成いたしますし、そうしなければならぬと思うので、今申し上げたように、定員を減らさざるのみならず、今日、最低賃金法等の問題もありますので、私地方を回りましていろいろその点について、切実な陳情も実は組合から受けておりますので、その点は、実際に充足するような方向に、極力努力したいと思います。
○松浦清一君 だめ押しのようですが、最低賃金法の施行に伴う定員増という問題は、ほかのところから人間を融通されたりするというようなことで、最低賃金の方をやられるというのじゃ困るのです。それだけ仕事がふくれ上っておる。今の海運局には融通するだけの人間はおらぬ。検査官なんかもふやさなければ気の毒です。船は、どんどんふえているのだから、その増ということが、私の趣旨であります、から、その点御確認願いたいと思います。 いろいろのことを飛び飛びで申してきましたけれども、問題が多過ぎて、舌足らずのところがありましたが、要は、日本の海運が、世界の海運との競争場裡において負けないように、充実強化をはかっていただいて、そうして充実強化をはかった上、日本の海運が、外貨獲得の最大の目標を達成できるように、大臣の全面的な御尽力を最後にお願いをしておいて、私の質問を終りますが、まだ一点残っておるのは、国鉄の連絡船の労働時間問題、船員法に関連した問題があるのです。 これは、相澤委員の方に一つバトンを譲って、そっちの方からやってもらいましょう。私は、これで終わります。
○相澤重明君 運輸大臣、前回決算委員会で、私、運輸省の決算の際に、国鉄連絡船の船員の労働時間について、運輸省の見解をただしたわけですが、そこで、きょう運輸委員会で、その問題はやろうということを私から申し上げて、本日の委員会に持ち越したわけです。今松浦委員もおっしゃるように、きょう、少しくその点を、運輸省の見解並びに国鉄当局のこれに対する善処方を、私はお伺いをしたいと思うのです。 そこで、この国鉄連船舶の、いわゆる船員の労働時間の問題については、もうこれは十年も実は前の、さかのぼった話が必要なわけです。 これは当時、いわゆる終戦後ですね。船員法の改正という問題についても、常に労使間から、ともに主張をされたことなんですが、何剛も、お互いに団体交渉もし、あるいは、労働者、経営者も含んでの船員労働委員会、あるいは中央労働委員会等にも諮問をされ、またその答申も出ておるわけなんです。すでにこのことについては意見はそう違わないはずなんです。違わないはずなんだが、国鉄当局は、結局は、どうも船員法を適用すると、やはり定員をふやさなければいかぬだろう、こういうところに、まあ重点がしぼられておるように思う。 これは、この前決算委員会で、船員局長に私から申し上げたように、船員法の適用というものが、国鉄の現在の連絡船の船舶職員に与えられておるのかどうか、これがはっきりしないと、やはり問題の焦点というものは出てこない。ですから、きょう大臣も、運輸委員会ですから、専門委員会ですから、よく御了解をいただくために、船員局長から、一つ説明をしていただきたい。
○説明員(土井智喜君) 国鉄の連船船の乗組員に対しまする船員法の適用問題でございまするが、もちろん船員法は、船舶乗組員に対する労働基準法でございます。従って船員法の労働基準というものは、国鉄の連絡船の乗組員にも適用になるわけでございます。ことに、航行区域が沿海区域ではございますけれども、やはり船舶におきましては二千トンこえてているわけでございますので、その方の労働時間の法律関係から申し上げまするならば、航海当直をなす者の労働時間は、一日につき八時間、一週について五十六時間というのが原則でございます。なお港に停泊中の場合の労働時間は、一日につき八時間、一週につき四十八時間、これが船員法の規定いたしておりまする労働時間に関する原則でございます。 もちろん、それならば、そういう船員法の原則に対して、国鉄連絡船の乗組は、実際違った就業の形態をとっておる、一週間における労働時間につきましては、四十八時間ないし五十六時間の時間内でございますけれども、労働条件の厳密な規定としては、なるほど御指摘の通り、船員法のとっておるプリンシプルとは、若干食い違っております。 そうでございまするので、現行船員法が成立いたしましてから、随時、国鉄の方と、いろいろ話し合ったのでございまするけれども、実は、昭和二十五年当時におきまして、国鉄の労使関係で、大体乗組に関する協定ができております。それに基きまして、まあこの就業規則を、どう制定するかということで、運輸省の方といろいろ打ち合わせをしたのでございまするが、たまたま、そういう船員法の適用関係につきまして、昭和二十八年の十二月に、船員法の規定の適用上、改正問題につきまして、船員中央労働委員会に対しまして、運輸大臣から諮問がございました。その諮問の一項目としまして、労働時間、休日及び定員に関する規定の内容を改正すること、という一項目が含まれておるわけでございます。従いましてそれ以来、運輸大臣の諮問を受けました船員中央労働委員会におきましては、船員法改正委員会を1設けまして全面的な検討を開始しております。で、ただいままでも国鉄船員の労働時間に関する審議を行なっておるわけでございます。 その審議の大体を申し上げますと、国鉄船員につきましては、勤務の形態が、一般の商船と違っておって、しかもそれは、労使間において、長い間の慣行になっている。従って、これにつきまして、改めるためには、さらに具体的に検討を要するということで、いろいろ調査が実施されまして、その結果に基づきまして、この小委員会で、これは石井先生が委員長でございまするが、その小委員会において、いろいろの試案が出されたのでございますけれども、いずれも労使双方で、それぞれ難色もございまして、今まではっきりした結論が得られておりません。そうこうしておりますうちに、船員法の改正につきましては、船員中央労働勢委員会として答申をせざるを得なくなりまして、実はこの七月に、船員法の改正に関する中間答申を行なった次第でございます。目下、それに基づく改正法律案を通常国会に提案すべく、運輸省としては努めておるわけでございまするが、ただいま申しました国鉄連絡船の船員につきましては、ことしの五月二十九日の船員法改正委員会におきまして、国鉄に対しまして、労使双方からなる特別の委員会を設けて、協議検討して、意見を出してくれ、こういうようなことを要望いたしまして、正式に要望書は、六月一日付をもって発送してございます。 従って船員法改正委員会としては、その意見を得た上で、実際の改正案を出す段取りになろうかと思っております。
○相澤重明君 今の船員局長の答弁であると、運輸省としては、非常に努力をしておるということが言えるわけです。 そこで吾孫子常務理事が御出席ですから、吾孫子常務理事にお答えいただきたいと思うのですが、今、船員局長の言うように、三十四年の六月一日に、労使双方で特別委員会を設けて、そして、よく相談をして返事をしてもらいたい、こういう運輸省の意見なんだが、その特別委員会というのは、どのくらい開かれて、どういう意見がお互いに出されたのか、お答えいただきたいと思う。
○説明員(吾孫子豊君) ただいま、船員局長から御説明のございました通り、六月の一日付で船員中央労働委員会から国鉄の船舶局長に対して、特別委員会の設置をして協議検討されたいというお申し入れがあったことは、お話の通りでございます。 これに基づきまして、まあいろいろな事情で、委員会の開催はおくれておりましたが、この申し入れに基づいて特別委員会を設けまして労使それぞれ四名をもって構成した委員会を作ったのでございますが、この十二月の四日に、第一回の委員会を開催いたしまして今後の議事の運営方法その他について打ち合わせをいたしております。まだ内容に入っての検討ということまでは話が進んでおりませんですが、今後の議事の進め方その他について、十二月四日の日に、第一回の打ち合わせを済ませましたので、これからは、ひんぱんに開きまして、できるだけすみやかに結論を出すようにいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○相澤重明君 この労使も四人というのは、どういう顔ぶれです。
○説明員(吾孫子豊君) 国鉄労組の方からは中央執行委員会の山田書記長初め長谷、秋山、治多という四人の中央執行委員が出ております。それから国鉄当局側の方からは、職員局の労働課長、職員課長、それから船舶局の総務課長及び海務課長、こういうメンバーで、特別委員会を構成いたしております。
○相澤重明君 まあ、とにかく六月に運輸省から指示をされて、半年たってやっと委員会ができたということは、まことにおそいことは、もう話にならぬ。国鉄の汽車は速いのだが、どうもこの作ることは、おそいということが言えるわけだ。まあこれは、まことに残念だが、しかし、おそくとも発足したことはいいと思う。 そこでこれからよく相談をされて、先ほど運輸省のいうように、この特別委員会が少なくとも結論を出して、そうして通常国会に、運輸省としては提案をしたいというのだが、国鉄当局は、そういう考え方で、今後やるつもりなのかどうか。それを先に聞いておきたいと思う。
○説明員(吾孫子豊君) ただいまの御質問にお答え申し上げます前に、私ちょっと間違って申し上げましたので、訂正いたしますが、さっき山田書記長と申し上げましたが、書記長じゃございませんで、中央執行委員の山田君という方であります。 それから、この委員会を設けましたからには、私どもとしても、できるだけ早く結論を得るようにいたしたいと思っておりますが、これはやはり、労使双方で構成した委員会でございますので、なかなか一方的にばかりも進められない点もございまして、よく協議の上、できるだけ早くお答えを出すようにいたしたい、さように考えております。
○松浦清一君 ちょっと関連して。 現在の船員法には、船員である国鉄連絡船の乗組員だけを除外するという、そういうことは現存の船員法の中にないので、ほんとうをいえば、本筋からいえば、今まで船品法を実際に適用するという建前をとらなきやならなかったわけだわ。 ところが、この記録を調べてみるというと、国鉄側から、今までの勤務状態というものが船員法通りにいっとらんで、慣行的にやってきたので、これは認めてほしいと、こういう国鉄側の主張になっているように思われた。だから、まあ労使の間で、それが済むということであれば、話をされることは差しつかえないですけれども、できるだけ、船員である船員に、船員法を適用するということは当然なことだから、船員法が適用される者に近いような点において妥結されるように努力をされることがいいのじゃないかと思うのですが、そのように、一つ御努力を願いたい。 いつまでも、だらだら引っぱっておってもしようのないことですから、すみやかに会議を重ねられて、そうして船員たる船員に船員法を適用するということは、これは当然の筋道だから、それに近いような方法において、話が妥結されるように、一つ努力していただきたい。
○委員長(平島敏夫君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(平島敏夫君) 速記をつけて。
○相澤重明君 運輸大臣に、今の船員局長なり国鉄の吾孫子常務理事のお話、御理解いただけたと思う。で、現状については、今松浦君も、言うように、どこの船員であろうと、これはいわゆる一般船舶であろうと、国鉄の船舶であろうと、船員法というものがあれば、これは、船員法を適用するのが私は当然だと思うのですね。 ところが、どうしてもそれができない場合やはり特例というものがあると思うのです。それを、まあ国鉄当局では、慣行ということを言ったんだろうと私は思うのです。しかし、やはりこれは、法律にないことをやるということは、これはいかぬと私は思う。そこで、やはりどうしても不備な点があって、改正をしなきゃならぬということになれば、法の改正を、やはりやると、こういうのが、先ほどの船員局長の、運輸省としても、通常国会にできれば提案をしたい、こういう趣旨になる。 そこで大臣は、この問題は、国鉄の船舶職員が、普通のこの船員法にきめられた一日八時間、週四十八時間、一般の場合。それから、特に航海しておる場合の五十六時間という、この法の適用が、特殊の例であるとするならば、その特例を認めるにしてもですよ、認めるにしても、やはりこの航行の安全、それと職員のやはりからだを守るというこの船員法の趣旨を生かさなければ私はいけないと思う。 そういうことについて、この今までの、いわゆる船員中労委なり、あるいはまた船員法の趣旨からいうところの意見というものを、運輸大臣は取り入れるつもりがあるかどうか。これは大臣から一つ、答弁を求めておきたいと思う。
○国務大臣(楢橋渡君) 船員法は、国鉄の船員だから、これを特例を認めるということは、これは法の根拠がなければ——まあ話し合いで、今やっているという話でありますから、やはり船員法という建前を尊重するということが妥当であると思うのでありますが、おそらく、私は、まあしろうとだからわかりませんが、あの青函線の、つまり時間等が、半端が出るために、そういう問題が起こっているんじゃないかと思うのでありますから、やはり実情に即して、船員法の趣旨を尊重した意味における改正なり何なりをするのが妥当だと、実は考えますので、そういうように指示したいと思います。
○相澤重明君 大臣が、現実をよく理解して、しかも船員法に基づいた趣旨に基づいて、たとえばそういう法改正の場合もあり得るという御答弁だと思うのですが、これは少なくとも私は、航海の安全ということは、運輸省の一番大きな問題である。これはもう北川丸にしても、紫雲丸にしても、いろいろな事故が起きているけれども、やはり定員過剰ばかりが問題ではなくて、とくにかく船にお客さんを乗せた以上は、船を無事に目的地につけてやる、これが何といっても、運輸大臣の一番大きな責任だ、そういう航行の安全ということをまず考える。それから二つ目には、そのためには働く者が幾ら船に乗っておるからといって、一時間でいい、二時間でいい、睡眠が、ろくにとれないということはいけない、少なくとも最低四時間はとる、今の法律でも、そういうように規定をしておるわけです。労働者のいわゆる勤務条件を守るために、からだを守るために、そういうようになっておる、そういうことを入れて、そうして特殊の航路であるならば、航路でけっこうだから、それは、今まで慣行というか、むしろ実際に即した不乗便扱いをしておったのだから、そういう形でやはり特例法律の中に生かす、こういうことが、私はやっぱり運輸省として適切な処置だ、またそういうことを、みんな学識経験者も一言っておるのだし、また労働委員会も、そのように答申しておるわけです。 国鉄当局でも、今までそういうことをやってきたんだから、だから、莫大な要求だからということでなくて、そこは、よく事情をお話し合いして、そうして最小限の定員要求かもしれぬけれども、そういうところは、よく話し合いの上できめていく、こういう形で、すみやかにこの通常国会に提案をしたいというのだから、運輸大臣が、責任をもって提案をするということに、私は、今の大臣の答弁を了承しておきたいと思う。 大臣、そういうことでよろしいかどうか。
○国務大臣(楢橋渡君) まあ国鉄と運輸省との間で、その趣旨を尊重したということで善処したいと思います。
○相澤重明君 船舶の船員法の問題については、そういうことで、大臣が努力をすることを私も認めて国鉄当局は、単なる名前だけの問題にこだわらないで、そうして今大臣の誠意ある答弁のように、やはりこの問題を、長い間の紛争ですから、そういうことを解決するように、これは、私からも要望しておきたい。 次の問題に入りたいと思うのです。それは前回の委員会で、私から年末年始の輸送について、特に運輸省は国民の希望に、一つ期待にこたえるようにしてもらいたい、こういうことで、踏切事故の問題だとか、年末年始の国鉄の輸送であるとか、あるいは私鉄の輸送等について申し上げておいた。 そこで、国鉄当局と大臣にお伺いしておきたいのですが、公務員には十二月十五日に、法律で年末手当を支給されるということになっておるわけですが、国鉄は団体交渉できめられる、こういうことになっておるのですが、今朝来のお話を、ラジオ等を聞くと、団体交渉もまとまったというように聞いておるのだが、運輸大臣は、それをすでに、国鉄職員の年末手当の問題については、団体交渉でまとまったと聞いておるかどうか、国鉄当局は、その通りであるかどうか、お答えをいただきたい。
○国務大臣(楢橋渡君) きょう八時過ぎに、広瀬国有鉄道部長から報告を受けまして、五時何十分かでありましたか、妥結したということを聞いております。
○説明員(吾孫子豊君) 今朝午前四時四十分ごろから明け方の八時ごろまでの間に、四つの労働組合との間で、お話の通り年末手当の問題については、妥結いたしました。
○相澤重明君 懸案の年末手当の問題が解決すれば、先ほど私が申し上げたように、年末年始の輸送というのは非常に大きな問題であると思う。 特に来年の、これは、運輸大臣に特に聞いておいてもらいたいのだが、政府は、米の配給について日数をふやす、今までよりは多くの配給をする、こういうことをきめておる。ところが私は、現状の国鉄の輸送状況をほのかに聞くというと、どうもなかなか輸送がしきれない。しかも正月になれば、人の輸送もしなければならぬ、こういうことになると、貨物輸送というものは、きわめて制限をされる、こういうことが予想される。そこで国民生活に大事な食生活というものを度外視するわけには、これはいかぬ。 そこで運輸省としては、この米の輸送あるいは薪炭等、国民の生活に必要な物資を完全に輸送する考えがあるのかどうか。また国鉄当局は、巷間伝えられる二百万トンとか二百三十万トンとかの輸送量を見込むと私は聞いていて、はたして国民に安心をしてもらうような輸送が、できるのかどうか、これも、ちょっと国鉄当局から、お答えをいただきたいと思う。
○説明員(山内公猷君) 国鉄の十二月の出荷情勢は非常に経済の効果、景気が非常によくなりまして、貨物の出回り時期に季節が一緒になりましたために、大体国鉄で、今十二月の輸送要請は千八百五十万トンというふうに考えております。 これに対しまして、国鉄当局は、いろいろ輸送力の捻出に現在努力をいたしておるわけでございますが、まずやっておりますのは、貨車を本年度追加いたしまして、三百両新しくまた追加しました。また五百両廃車すべきものの寿命を改造によりまして時期を繰り延べさせたというようなことをやっております。また列車の増発、貨車運用効率の向上というような諸般の施策を講じまして、この千八百五十万トンの輸送要請にこたえるように努力をいたしておるのでございますが、この問題につきましては、御承知の通り操車場の能力、あるいは隘路線区の線路容量というようなものによりまして、列車の増発というものを制限される、それでぎりぎりまで現在の現有勢力で運べるかというものを計算いたしますと、月間千六百三十万トンというような計画にならざるを得ないわけでございまして、ただいま申し上げました千八百五十万トンと千六百三十万トンの、二百二十万トンというものが、大体十二月送り不足になるということが予想されております。 それで御承知のように、全国的に、現在輸送力が詰まっているというのではなくて、線区によりまして輸送力が非常に落ちているところがある。たとえば北陸線でございますとか、常磐線、あるいは一部東海道線というようなところが、現在の輸送要請に対しまして、線区が細いという段階にありますので、そういったところでは、相当の滞貨が予想されておりますが、全体としては、最近相当輸送能力が増強されておりますので、三十一年に見られましたあの神武景気の場合の輸送隘路という状態にはならないというふうに考えられておりますが、二百二十万トンというものの送り不足は、どうしても避けられないのではないかというふうに見ております。輸送の大勢から言いまして、十二月が終わりますと、大体一月、二月というのは閑散期になりますので、この程度のものは、平生にこなし得ますので、そのころになれば、平常に返るというふうに推定されておりますが、年末の輸送につきましては、ある程度線区によりまして、相当の滞貨を生ずるであろうという見込みでございます。
○相澤重明君 国鉄当局。
○説明員(中村卓君) ただいま山内監督局長から詳しくお話がございましたので、特別、私の方からつけ加えることも、あまりないのでございますが、若干補足さしていただきますと、ただいまの二百二、三十万トンの送り不足というものの一つの大きな原因は、伊勢湾台風でございまして、私たちの計算によりますと、伊勢湾台風の関係のみで百五十万トンくらいの輸送ができなかったということになっておりまするので、これが大きな原因になっておると思います。 それで、あとは貨車の配車の繰り延べとか、あるいは新造の繰り上げ、これはもう監督局長がおっしゃいました通りでございまして、御承知のように昨年は、景気が悪かったものでございますから、だいぶ貨物の輸送が低調だったので、ことしは急に、景気が直りまして、われわれの方でも、いろいろ対策を講じたわけでありますが、なかなか必ずしも十分に、それができていないというのは、まことに遺憾に思っておりまするけれども、それに対しまして、最近の情勢を申し上げますと、大体沿線在荷は百九十万トンくらいになりまして、一日の輸送が大体五十五万トンくらい、貨物列車の運転キロが三十九万キロから四十万キロになっております。 国鉄当局といたしましてはできるだけ力一ぱいの輸送はやっておるつもりでございます。御了承願いたいと思います。
○相澤重明君 運輸大臣、伊勢湾台風の被害というのは、これはもう実にお気の毒なのですね。だから、この臨時国会を持ったのも、その一つなんです。ここの住民の人たちは、実際もう裸でおるわけなんだから、特に政府は五十万俵の炭を、木炭を放出をするというようなこともきめておるわけですね。それで、特に五年続きの豊作であるから、米もよけいに配給もしたい、こう言っておるが、伊勢湾の地帯の人は、よほどその気になってやらなければ、これらの被害地の人たちは、なかなか一般の人と同じようにいかないわけです。今話を聞くと、その伊勢湾の関係で百五十万トンも実は滞貨ができちゃった。その上に、この日本国民の一年一回である年末年始、お正目を迎えようとしておる、そういう国民の祝うときでもあるし、また生活必需品も、よけいに要るときであるから、よほど運輸大臣が、その気にならなければ、これは、この問題は解決しない。監督局長並びに国鉄当局が、今言われておることで、やはりこの滞貨というものは送られる、月を越すということが予想される。これは、私は車両の整備というものはもちろんだけれども、全部努力してもらうことだけれども、これは、自動車による輸送も考えていいと思う。できるだけ、近いところは、そういうことも考えていいと思う。 とにかく、あらゆる手段を尽して、政府は、このいわゆる国民の期待に沿うような努力を私はすべきだと思うのだが、運輸大臣は、どういうふうにやって、これを解決しようとするのですか。
○国務大臣(楢橋渡君) 和澤委員御指摘のように、ことに年末の滞貨について、今鉄監局長も、それから国鉄側も申し上げましたように、全力をあげてやると申しておりますから、運輸大臣としては、全力をあげてやるように鞭撻するつもりであります。 また、滞貨という問題は、ひいて物価の問題に大きな影響を与えるのでありますから、先般も、経済閣僚懇談会におきまして、国鉄のこの年末における特に最近の滞貨という問題は、やはり輸送の隘路という問題があるから、従ってそういう根本的な問題を、やはり経済閣僚懇談会、ことに大蔵大臣は、十分に考慮してもらいたい。つまり経済の流通を妨げる、これはひいて物価の騰貴を来たすと、こういう点から言っても、いかに運輸行政というものが、先駆せなければならぬかということを強調しておるような次第でありまして、そういう点で、こういう機会に、一段と鞭撻さすべきである。それを契機として十分にそういう隘路の打開に邁進したいと思います。
○相澤重明君 大臣の答弁は、まあそういう形式的なことになってしまうだろうけれども、実際に、やはりこの前の委員会で、私どもが心配しておるように、たとえば列車輸送をしても、無人踏み切りで事故を起こせば、それだけ十五分なり三十分なり、場合によれば半日も混乱をするわけだね。だから、最も通行の多いような無人踏切というようなものは、臨時人夫を配置して、そうして列車がスムーズに通るように、やはりこれは考えるべきだ。あるいは荷物の場合でも、人が足りなければ、幾ら今度は車を整備したところで、これは載せられないわけだ。荷物を積み込むことができない。そこで、やはり臨時のそういう措置を、これは運輸省として政府の中で、そういう御努力を運輸大臣がしていただくなら、私はやはり、国鉄のめんどうを見てやるべきだと思う。大蔵省が、予算上や、あるいは経営の若干の問題について、いつも理屈を言っておるけれども、これは、先ほども一般運輸省の重点政策の問題について松浦君が言ったように、運輸大臣が腹をきめて、そういう国民の最も大事なときに、この輸送を完遂をする、こういうことになれば、これは通るはずだ。 そこで、そういう臨時の人を雇い入れたり、予算のうち若干のものを取ってやるという、国鉄に、そういう仕事をさせると、こういうことを、運輸大臣がやる気があるか、ないか、一つ運輸大臣の答弁を聞いておきましょう。
○説明員(山内公猷君) これも、釈迦に説法のきらいがありますが、年末輸送と人手の問題でございますが、年末になりますと、御承知のように輸送が張って参りまして、各方面の人手が不足になって参ります。それでただいま踏み切りの問題がございましたが、踏み切りにいたしましても、単純労務ではないわけでございまして、列車の事情なり、やはり相当程度以上に、国鉄の知識がなければ、輸送の知識がなければ、勤まらないものでございます。 それでわれわれの方で、余談になりますが、法案を考えておりますが、踏切保安人という一つの制度まで作ろうというような立場でございますので、一般の人をお願いして、すぐできる仕事ではございません。一般の人をお願いいたしますのは、単純労務に属するものでございまして、この点は、運輸省がとやかく言わなくても、毎年国鉄が十分使っておるということは、先般決算委員会でも、兼松常務から詳細に御答弁申し上げた通りでありまして、実は、そういう単純労務でない熟練労務の点に、ある程度不足を来たしますので、そういう点につきましては、従業員の一段の御奮発を願いますとともに、管理者も、またそれに伴って、大いにその年末輸送の完遂を期して参りたいというふうに運輸省といたしましては期待いたしておるわけでございます。
○相澤重明君 委員長、国鉄から、具体的にこの年末年始の輸送について、そういう山内君の言うような、とにかく荷物を運ぶ必要、そういうような滞貨を避ける努力をされるために人を考えておるのか、それを一つ発表して下さい。
○説明員(中村卓君) ただいま、実は手元に、そういう資料を持ち合わせがございませんけれども、私が、この前まで大阪におった責任者でございますので、相当やはり、いわゆる臨時人夫と称する単純労務者を、かなり年末年始に使っております。もし御必要があったならば、監理局へ照会いたしまして、数字を取り寄せます。ただいま、本社としては持ち合わせがございません。
○相澤重明君 運輸大臣、私の一言っておるのは、国鉄は、非常に人が少ないのではないか。少ないから滞貨がある。国民の、そういう希望で出荷をしておっても、滞貨がやはり多くなる。これは、輸送の隘路という問題もある。これは国鉄の五カ年計画なり、あるいは新線建設なりという問題もあるが、しかしこの年末年始というのは、目前の問題なんだ。だから、さっき申し上げたように、あなたが、運輸大臣が、よほど一生懸命やってもらわぬと、国鉄でも、なかなか自分だけではやり切れぬという、そういう点でも、今の臨時人夫の問題等にしても、これは国鉄でも全能力をあげて、若干の問題があっても、やはり国策のために、国民生活の向上のために、これは運輸大臣もやはり閣内でも努力してもらいたい。 このことを要望しておきたいと思うのですが、この点はよろしいですね、運輸大臣。
○国務大臣(楢橋渡君) その通りでありまして、とにかくそういう停滞しておる輸送について、全力をあげて打破するように国鉄その他もしますし、私からも、よく申したいと思います。
○相澤重明君 それは、国鉄の年末年始の輸送については、あとで、僕はどういうふうにやるということは、中村常務の方で、地方局も調べてもらって、報告をしてもらうということで、年末年始の問題についてはけっこうです。 次に運輸大臣に、自動車行政について一つお答えいただきたい。自動車局長はどうしましたか……。
○中村順造君 国鉄に一つ。私は本日は、ちょっと形が変った質問なんですが、聞くところによりますと、国鉄当局は、現在、従来もやっておったようですが、自衛隊の隊員の教育をやっておる、こういうことを聞いたのですが、これについて、二、三の質問をしたいと思います。 まず国鉄にお尋ねをいたしますが、自衛隊の隊員の教育について、いつから始めて、どこで教育をして、今日何人くらい、その教育を終わっておるのか、その点を先に聞きたいと思います。
○説明員(吾孫子豊君) 自衛隊員の養成について、国鉄が依頼を受けまして養成を行なうようになりましたのは、三十三年度からでございまして、三十三年度では十七名、それから三十四年度の上期では四十名ほど、四十名の内訳を申しますと、そのうちの十七人は、すでに養成を終了いたしまして現在、二十三人の人が養成中でございます。
○中村順造君 続けてお尋ねしますが、それは、どこから頼まれたのです
○説明員(吾孫子豊君) これは、防衛庁長官から国鉄総裁に御依頼がございまして、それに基づいて、国鉄としては指導いたした、こういうことでございます。
○中村順造君 その防衛庁長官から依頼を受けた際に、これは、どういうために国鉄が、そういう教育をやるのかという、その理由については、国鉄当局は確かめられましたか。
○説明員(吾孫子豊君) 防衛庁長官から最初に御依頼がございましたのは、先ほども申し上げましたように、三十三年度でございます。三十三年の六月に、御依頼があったわけでございますが、輸送業務の実態についての見栄、あるいはまた緊急時の部隊輸送とか、鉄道沿線警備とか、有事の場合に備えての自衛隊の任務遂行ということの完璧を期したいと思うので、国鉄の教育機関及び現業機関等においても、教習及び実習を受けたいから、格段の配慮をしてもらいたい、こういうような御趣旨の御依頼があったわけでございます。
○中村順造君 私はこの際、率直に申し上げたいと思うのですが、国鉄の現在、まあそういうことで機関を使って、自衛隊の隊員を教育する。国鉄の中にも、たくさんの従業員もおるわけですが、その真意について、やはりほんとうのことを、労働組合を通じてなり、あるいは教習所の過程を通じてなり説明をされ、完全に説明をされて、こういう趣旨で、だれから頼まれて、どういう計画でやるのだ、こういうことが協議された、協議といえば語弊があるかもしれませんが、そういう努力を、当局は私はしておらぬと思う。そのために、いろいろ不必要ないわゆる疑心暗鬼が生まれてきまして、何のために国鉄の業務について、自衛隊の隊員が、特に運転部門を中心にして教育を受けているのか、いわば一つは、国鉄従業員の誇りの問題にも関連する問題であろうし、あるいは将来、差し迫って、日本が、かつて戦争前のように、鉄道連隊の教育を、国鉄がやっておった時代があるのですが、あたかも形が、そういうふうな、いわば、今日いろいろ戦争態勢だとか、逆行するのだという心配も生まれている中で、特別に、今この時期を、三十三年、三十四年、将来の問題は、私はまだ聞いておりませんけれども、こういうことを続けていくということになると、その必要度について、多くの疑惑があるし、私ども、これは納得できないと思うんです。 これは国鉄当局に、その点を納得できるとか、できないとかと、言ってみたって仕方がないんですが、大臣もおられますが、この点について、大臣は一体、どのようにお考えになっているのか。自衛隊の隊員を、今差し迫って国鉄の機関を通じて教育をする必要があるかどうかあるとするならば、何のために、そういう必要があるのか、一つ政府としての見解をお聞きしたいと思う。
○国務大臣(楢橋渡君) 今、国鉄が自衛官の教習を防衛庁の委託によって受けさせているということを聞いておりますが、私の見解としては、国鉄職員の教習に差しつかえない限り、自衛官の教習を、国鉄が委託を受けて行なうても差しつかえないんじゃないか、こう思うんですが、支障あれば、これはいけないですけれども、そう考えます。
○中村順造君 大臣と、だいぶ私は考え方が違っているようですが、いやしくも日本には、国有鉄道というのがありまして少なくとも輸送の任については、四十数万の従業員が、これを一致協力して現在担当しているわけです。言葉をかえて言いますなら、そのことが、なぜ結局、そのことに満足できないのかということになろうと思うんです自衛隊のやはり国を守るという立場から、鉄道の運転をやらなければならぬということが……。それは戦争前のようにあるいは満州を征服して満鉄を経営しなければならぬとか、あるいは大陸鉄道を経営しなければならぬとかいう考え方があれば、いざ知らず、少なくともこういう考え方は、今日まだないわけ、ですが、そうしますと、何の必要があって今日、日本の国内の、少なくとも国鉄を通じての輸送については、四十数万の者が、一手にこれをやっている。その中に、あえて自衛隊の隊員に運転の業務を習わせなければならないか、私どもは、さように考えるのですが、大臣が、お前の考えがおかしいというなら、その点お聞かせ願いたい。
○国務大臣(楢橋渡君) 別におかしいとは思いませんがですな。私も、何のために自衛官を防衛庁長官が国鉄総裁に頼んで教習をさせているのか知りませんけれども、おそらく何か国鉄の従業員の人たちにかわって、万一の場合に自衛隊を使うとか、そういうばかげたことを考えてやっているとは思えない。二十人だったか、四十人だったか、これは別の意味で、私の考えとしては、自衛隊のものを、国鉄の従業員全体の……。何かそういうために、やつているのじゃないのじゃないかと思うのですが、その点は、私はまだ調べてないから、お答えできません。
○中村順造君 それでは、大臣と私と、ここで論議しても仕方がないので、防衛庁長官を呼んでもらわなければわからぬ。
○小酒井義男君 関連して。 今私も、そういうことを初めて聞いたのですが、大臣は、御承知だったのですか。
○国務大臣(楢橋渡君) 知らない。
○小酒井義男君 それでは、国鉄の方へお尋ねするのですが、どういう目的というようなことでやっておるかということは、御承知だと思うのですが、そういう点は、どうなんですか。
○説明員(吾孫子豊君) 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、昨年の六月に、防衛庁長官から御依頼がございました書面がございますから、それを読み上げさしていただいたら一番はっきりするかと思います。「陛上自衛官の教育委託について(依頼)」ということで、「みだしの件につきましては、従来とも貴社の多大の御配慮を煩わし、輸送業務の実態についての見学や御説明を賜わる等により、緊急時の部隊輸送や、鉄道沿線警備等に関して、有事の場合に備えての自衛隊の任務遂行上非常な便宜をえてまいったことは、深く感謝しているところであります。 さて、鉄道輸送の治安に及ぼす重要性にかんがみて国会等におきましても再三輸送確保の見地から質疑のかわされましたことは先刻御承知のことと思いますが、これとあわせ考え、更に、従来の教育を一層推進して自衛隊の任務遂行に完ぺきを期したいと存じ、貴社の教育機関及び現業機関等におきまして、教習及び実習を受けたいと存じますので、今後とも格段の御配慮を賜わりますようお願い致します。 そういうような御趣旨なんでございます。でございますから、「自衛隊の任務遂行に完ぺきを期したい」と思うと、こういうことが御趣旨であるというふうに読み取れます。
○小酒井義男君 そうすると、国鉄側は、やはり自衛隊の任務遂行と、そういうことが必要だということに同意をなさって受け入れられたわけなんですか。
○説明員(吾孫子豊君) 国鉄側といたしましては、防衛庁長官から、こういうような御依頼がございましたので、部内の養成機関に、それだけの余力もありますので、できるだけ御希望に沿うようお取り計らいいたしましょう、そういうお答えをいたしておるわけです。
○小酒井義男君 大臣、どうですか、そういうことは。私は、あまり必要のないことがやられておるような気がするのです。輸送というのは、国鉄に協力を求めればいいことであって、教習機関にまで入っていってやるということは、少し防衛庁としては、行き過ぎたことを私はやっておると思うのですが、大臣は、そう思われませんか。
○国務大臣(楢橋渡君) どうも、私も三十三年からやっておるということで、今聞いたのですけれども、いずれ防衛庁長官にも私から言って、今のような言葉だけでは、多少、私も理解に苦しむところもありますから、一ぺん防衛庁長官にも聞いてそれからやはり、国鉄の持っておる本来の使命あるいは防衛庁の考えておる考え方は、どういう考え方だということを突き諦めましてそれからお答えしたいと思います。その程度しか答えられません。
○小酒井義男君 そのときでもけっこうですが、その必要がないという結論に、そういう意見になれば、やめさせるということもお考えになるわけでございますね。
○国務大臣(楢橋渡君) やはりよく聞いた工合で、国鉄本来の輸送の使命並びに防衛庁の長官が、たとえば今の自衛官の輸送なんかに関する教育というようなことでやっているという趣旨が、私が考えておるような線に逸脱していなければ、そのときに、また考慮してみたいと思っていますけれども、大体に、国鉄の持っておる教習所の使命の中で、自衛官が、今日そういうものをやるという必要性等についてもう少し防衛庁長官と話してみないと、ちょっとわからないと思うのですが、そういうことになると思います。
○中村順造君 大臣、その内容は、国鉄当局が一番よく知っていると思うのですが、国鉄一般輸送を、鉄道輸送というものは、どういうものだという教育ではないと思うのです。私の聞いている範囲では、少くとも動力車を操縦するという技術を習得するというようなことをやっているということを言っているものだから、少し行き過ぎではないかという感じがしたのです。 鉄道の輸送というものはどういうものだとか、あるいは複線における輸送はこうだとか、単線における輸送はこうだとか、一般的な、少なくとも社会人として受けるなら、別ですけれども、今の文章の中でも、一たん事ある場合にはと、こういうようなことを言っているということは、おだやかでない。 それから国鉄当局に、私は最後に尋ねてみたいのですがそういうような考え方で、労働組合が、どういう経過で、だれから頼まれて協力をしておられるのかということを、団体交渉ではないと思うのですが、それを折衝した場合に、全然それを説明しておらぬということを私は聞いたのですが、なぜ説明されないのか、現実には、協力をされている、かたわらよってきたる、その原因、あるいは理由というものを、一つも説明しておらぬというふうに聞いておるのですが、その点は、どうなんですか。
○説明員(吾孫子豊君) 別に秘密にすることもないと思うのでございますが、国鉄の養成機関というものは、申すまでもなく国鉄職員を養成するのが目的でございまするけれども、余力があれば、こういうものをお頼まれした場合には、お引き受けすることもありますし、また外国の鉄道の従業員等も、お頼まれして、国鉄が養成をお引き受けしているというような例もございます。 ただ、今のお尋ねの、労働組合の方から、何かこのことについて当局に質問があったということは、実は私は、初めて伺いますので、それをお断わりしたというようなことも、どこかであったかもしれませんけれども、もし私のところにでもおいでになれば、いつでも御説明いたすつもりでございます。
○相澤重明君 今の点は、運輸大臣が調べて、そうして赤城防衛長官に話を聞いてみて答弁するということだから、その結果によるけれども、何か今の文章では、ちょっと納得できないですよ、今のような内容ではね、これは、ちょっと疑問があります。 自衛隊が、動力車の技術を習得をして、一たん非常の場合には、自衛隊がやるのだという、そんな思い上った考え方だということだったら、けしからぬ、そういうことは、万々ないと思うけれども、それは、運輸大臣がよく話をして、国鉄はおれにまかしておけ、運輸省の所管だ、こういう考えで、これは言うべきです。だから、吾孫子常務も言ったように、そういう誤解のないように説明もされるように、特に運輸大臣に注文つけておきたいと思う。運輸大臣、どうです。
○国務大臣(楢橋渡君) お説、ごもっともでありますが、国鉄従業員も、やはり一朝事あって、混乱しないように、一つしなければならぬ。
○相澤重明君 それでは、今の自衛官の問題は、あとで答弁してもらうことにして、国友自動車局長にお尋ねをしておきたいのですが、先日、個人タクシーについて百七十三台ですが、楢橋運輸大臣の自動車業界に新風を吹き込むということで、認可をされたと思うのですが、具体的にこれはいつ、その車は町を走るのか、その見通しというものを一つ、説明を簡単でけっこうですから、してもらいたいことが一つ。 それから、あとの申請者も多数いると思うのですが、その人たちの審査というものは、どういうふうに、これからやろうとするのか。三つ目としては、いつもここの運輸委員会で、私ども申し上げておるところの閣議決定である駐留軍離職者の申請にかかる事案について、東京都の場合、いつその認可をするのか、現状について、どういうふうになっておるのか、そういうことも報告してもらう。 四つ目として、神奈川県からも出ておる——これは全国的な問題でもあるけれども、神奈川県からも出ておるが、いつごろ、そういう聴聞をやったり、あるいは審査を終わったものは、やる見通しなのか。非常に今運輸大臣が、業界に新風を吹き込むということで、この間努力されたことは、私も陸運局に敬意を払っておきたいと思うのです。自動車局長も、大へん努力されたと思う。御苦労であったと思う。しかし長年の希望である駐留軍離職者の生活と、そしてまた希望を持たせるためには、一日も早く、それはやはり閣議決定の線を生かさなければならぬ。こういうことで、局長の現状についての報告を求めたいと思う。
○説明員(国友弘康君) 個人タクシーにつきましては、本月の三日に免許をいたしたのでございますが、その後、個人おのおのが、自動車の購入の手配をしておると思います。自動車の事情は、購入し得る状況であると私どもは判断しておりますので、これは、いつということは申し上げかねるのでありますが、年内には、ある程度の車両は運行し得るようになるのではないかと、私どもは考えております。 それから百七十三名を免許したわけでありますが、今後、どういう審査を個人関係についてやっていくかという御質問に対しましては、第一次的には、警視庁の優マークを授与されたもので、四十才以上の者というのを第一次的に審査いたしましたが、今後は、全部で六千三百六十名申請しておりますが、これのうちから、第一次的に審査いたしました者が千百名、その自余のものにつきましては、今後、急速に審査を進めていくことにいたしまして、この十二月中も、個人に対しまする審査を進めておる状況でございます。 それから駐留軍関係の、閣議決定によりまする駐留軍関係離職者の、団体の申請でございますが、これにつきましては、東京の関係は、全部で——一部、駐留軍関係離職者の加入しておりますものも取り上げますと、三十七件ございます。で、これらにつきまして、大体——大体ではございません、審査を了しました、これらにつきましては、これらのうち一部について、本日中に免許し得ると考えております。これは、東京陸運局で手配いたしますが、決裁がとり得るのではないかと思っております。 この関係について申し上げたいと思いますことは、今回の増車が、二千八百両ということになっておりますが、これにつきまして、本来から申しますと、すべての申請事業の審査が終わってから、それら全部を合わせまして、個人タクシーについても、駐留軍関係についても、法人についても、あるいは既存業者の増車申請についても、最終段階において、その審査をして比較してみてきめるべきでありますが、特に早めて免許をするという方向をとりましたので、この際、一番最後になっても免許を確実にとれると考えられるものだけにつきまして、今回は措置をする、その他の申請事案につきましては、駐留軍関係についても、しばらく免許の可否については、保留しておくという計画であるわけでございます。 それから神奈川県関係につきましては、これはやはり、この閣議決定の線に沿いまして、早目に聴聞会をいたしまして、審査を進めておるわけでございますが、現在神奈川県では、免許されたものが横浜地区四件、川崎地区一件、横須賀地区一件で、六件ございます。申請中のものは十二件ございますが、これに関しましては、聴聞をもうすでに了したものもございますし、逐次審査中でございます。
○相澤重明君 運輸大臣、今御説明をいただいたんですが、二千八百両の答申云々については、私どもはいいとか悪いとか言っておるわけではない。これは答申であるから、運輸省でも陸運局でも、一応その数字を知っておるんだろうと思う。しかしこの自動車が、国民の足として全体に足りな、こういうことについては、この個人タクシーを申請する人が多く出た、この事案を見ても、これは明らか。しかも楢橋運輸大臣が、今までに運輸省としてやらなかった個人タクシーを認めた。こういうことは、私は英断だと思うんです。 そこで、それだけの英断であり、必要性があって認めたんであるから、特に政府のいわゆる日本の国政全体の中で、最も長い間御苦労された駐留軍離職者に対する閣議決定の線は、これを、もう尊重することは当然な話であって、若干の問題点があれば、行政指導の中で直して、この閣議決定の線を生かしていくと、こういうことにならなければ、私は運輸大臣の親心というものはないと思う。運輸大臣は、その点について、どういうふうに考えておるか、これは運輸大臣の答弁を……。
○国務大臣(楢橋渡君) 個人タクシーの問題も、えらいほめられたんですけれども、一面業者から、だいぶたたかれたというようなこと……。 そこで、私は運輸大臣として、自動車局長及び陸運局に申しておりますことは、やはりこの自動車というものが、国民大衆の足みたようになっておるのに、今日非常な、つまり需要供給のアンバランスからくる、いろいろな派生した問題というものは、一面から言えば、率直に言って運輸行政のまずさということも、素直に認めざるを得ない。そこで増車の問題も、私率直に言って二千八百では足らぬ、もっとふやさなければならぬと思うのですが、答申がそうなんだから、来年でもまた、人口的なことから考えなければなるまいと思っているんですが、駐留軍の離職者の問題は、閣議決定等もありまして、閣議決定も、タクシーにしろということは決定してないんだ、実際言うと、あらゆる国家機関のものにおいて、駐留軍というものを考えろというんで、たまたま自動車の、タクシーの問題が起ったから、これをやはり許可すれば、直ちにこの人たちが、やはり生活その他も安定するんだから、こういうことで考えておるのでありまして、従って局長にも申しておりますことは、この間も、実際、個人タクシーとなるべく一緒に発表するようにしたらどうかということだったけれども、調査その他の関係のこともあって、きょう一部発表するんだから、留保されたもの、たとえばきょう発表にならないものも、却下せずに、やはりよく慎重に考えて、いろいろ諸般の情勢等見て、できるだけ親心を持ってやれということを、私は指示しておるような次第でありますが、何しろ限られた数に、限りない要求があるんですから、七千何百申請があるというような状態でありまして、自動車の全部の車両にすれば、何万ですか、二万八千かぐらいのタクシーだけでも要求があるということで、これは、実際大へんです。そういうふうだから、そういうことで、まああなたが今おっしゃいましたことも、十分考えてやりたいと思います。
○相澤重明君 これは運輸大臣、業界からしかられたというけれども、私がいつも委員会で言っておる通り、労務管理も満足にできないで、そうしてとにかく国民に迷惑をかけるような悪徳業者というものは、これはもう免許を撤回しなければいかぬですよ。だから、いつも事業場を閉鎖したり何かするようなものは、そういうものは、免許を取り消しなさい。そうして、ほんとうに国民の足として、まじめにやってもらうものに認可を多くしなさい。国民の需要に応じなさい。こういうのが運輸委員会として、今まで言ってきたことですね。運輸大臣も、その通りお考えになって、悪い業者については、これは厳罰に処する、こういうやはり監督官庁としての立場というものは、はっきりしておると思う。だから、業界が何と言おうと、悪いものは、これはやらない、増車なんか認めるのは、とんでもない、免許を、これは取り消すぐらいの行政指導がなければ、実際業界の悪徳業者の粛正はできませんよ。だから運輸大臣が、そういう腹でいけば、自動車局長だってそういうふうに指導ができるわけです。これは私は、今後の増車のワクを見て、増車のワクというか、業界に対する増車が、どういうふうに行なわれるかということを、この前も申し上げたように、厳重に監視するつもりだ、そういう悪い業者にされるということになったら、これは運輸委員会でも、問題にしなければならぬ。 そこで、そういうような一般の国民が必要とするものであるから、当然国策の犠牲になっておる駐留軍の離職者については、これは何といっても、優先的にやるということは、政府も認めておるんだし、また一番手近だと思う。自分が今までやっておった仕事、その仕事を生かすわけなんだから、そうして、しかも生活は安定するわけだから、そういう点から、政府としても取り上げたことであるから、これは私は、駐留軍に働いておった者が、若干のいわゆる申請をする書類に不備な点があったところで、これは、こういうふうに直しなさい、こうしなければこれは運輸省の免許基準になりませんよということで、指導をして、それを直して、認可を与えるべきものだ、筋として。そういうことを今後は、やってもらわなければいかぬ、こういうことを私は強く要望しておきたいと思うのですが、きょう、国友局長が発表になる東京のは、大体七、八〇%はできるんでしょうね、今の御答弁ですと、全部終了はしたんでしょう。審査は、全部終了したということだから、手続上、そういう書類の不備の点がある者については、若干、それはあと回しになるかしらんけれども、これは行政上、あとで指導してもらうことにして、当面審査が全部終了しておれば、私は、七、八〇%はいくんだと思うんですが、この点、いかがですか。
○説明員(国友弘康君) 初めからお答えしたいと思うんですが、業者の指導等につきましては、監査を十分にいたしておりますので、取り締まりその他と思いますし、増車の際にも、その監査の結果を十分にしんしゃくして、増車措置をいたすというつもりでおります。 それから駐留軍関係の申請について、書類その他についても指導をせよというお話でございまして、この点は、閣議決定の線を、われわれとして十分に尊重していくわけでございますが、個々の事業者に対する、申請者に対する指導ということは、これは、陸運局なりが表面だってやることはできませんので、こういう点は、十分私どもの免許された事例等を、申請者がよれ考えて、いい申請をすべきだと考えております。 それから駐留軍関係の今回免許いたします者については、これは先ほど申し上げましたように、全体の法人、駐留軍も法人でありますので、全体の法人の関係の審査も、将来どうなるかということを予想しながら、駐留軍関係を免許しなければならないと考えておりますので、これらの点、駐留軍関係は、一応聴聞その他の審査も了したのでございますが、その他の法人の関係等にらみ合わせますと、この際、最後においても、確実に入る者、そうして申請において欠陥のない者、たとえば何車か、その中に、こういう欠陥があるというのが出ましては、われわれとして不本意でありますので、欠陥のない者を、実は非常に審査したのでございます。それによって、実際欠陥のない者だけ選びましたので、この点は、非常に数が少なくなりました。その点だけ補足をしておきたいと思います。
○相澤重明君 時間がおそくなるから、これで私は終わりたいと思うのだか、本来内閣で、駐留軍離職者の問題を取り上げてそうして生活安定をはかろうとすることは、特別な考え方なんです。一般的な考え方じゃないわけなんだ。今回、この臨時国会でも、炭鉱離職者の問題を、政府が提案すると同じようなことなんだ。 従って本来ならば、政府自体がこういうものに対する特別な措置というもりは、基準あるいは免許内容等についてもきめて、そして実はやるべき性格のものだと私ども思う。しかしそれでは、今全体的な道路運送法に基づく取り締まりをしている運輸省の権限問題もあるから、私どもは、特に運輸省に、そういうことをやってもらう。こういうことで、運輸省は、本来からいえば、そういう性格というものは、はっきり認識した上で、この事案の審査に当たるべきなんです。 だから確かに、形式的には国友局長の言う通りに、これは、業界の人と駐留軍離職者と、文書の書き方や書類の申請の仕方を比較すれば、商売でなれている者が、上手なことははっきりしている。しかし、それではいかぬ。形式的には、国友局長の言うような答弁になるかもしれないけれども、これは、もう内容的には運輸大臣が、さっき答弁されたように、やはり政府の方針として、駐留軍離職者に対しては親心をもって、一日も早く生活設計が立てられるようにしていく、こういうことでなければ、私はやはり、これだけの大きな問題を解決することはできない。 そこでその点は、大臣より、先ほど御答弁いただいたから、おそらくこのあとでも、そういうふうに御答弁願えると思いますが、今、だれがどこから見ても、もう絶対間違いがないから、一部のものを認可することにして、あとのものについては、慎重審議をというような御答弁だったのですが、少なくとも私は国友局長に、東陸に年内に、やはりできるだけ残ったものでも、これは大へん御苦労な話だけれども、認可のできるように、やはり努力してもらいたい。もう三年も四年もかかって、やっとこさっとこ、三回も四回も聴聞を受けたものまで含んで、苦労されている離職者のことを考えてみれば、全く、私ども胸が詰まるものがあるわけなんです。 そういう点を一つ努力してもらいたいことと、運輸大臣も、この際、そういうことで、大へん陸運局の皆さんには御苦労かけるのだから、できるだけの一つ、運輸大臣もサービスをしてもらうように、この際、要望しておきたいと思うのだが、運輸大臣は、どう思うか、御答弁願います。
○国務大臣(楢橋渡君) 先般、個人タクシーの発表をする前の晩でありますか、陸運局の人たちは、ほとんど不眠不休で、しかも病気で倒れる者もあるというような状態で、いかに新風を吹き込むことが、実際をいうと、大きな行政面に犠牲を払わせるか。ことに運輸省では、時間超過で徹夜をしても、一文も超過勤務手当を払わないものだから、金がないものだから、そういうことで、非常に僕は実際苦しんでいるので、ポケット・マネーを出してやっているというような状態なんです。私に相当強引に、国友局長もやかましくいわれているけれども、実際いうと、限りないのに限られた人員でやっているということは、人道問題みたいな問題だから、今後どういうふうに、これを早くやるかということについても、基準をきめて、もっと迅速にいくようにしないと、これは隆運局それ自体が、肉体的にもたないというような段階に、実際追い込まれているのです。 そういうこともありますし、今おっしゃいましたような趣旨に沿うて、できるだけ行政というものを、やはり親心といいますか、愛情をもってやるべきものであるし、形式よりも、実体に即して事を運ぶべきであるというのが、私の主張でありまして、従って、そういう点については、御趣旨に沿うた指導をいたしていきたいと思うのであります。 個人タクシーの問題にいたしましても、率直にいって、全面的に業界はみな反対でありまして、また業界新聞等においては、私は悪逆無道のような人間になっている。一般からは、ほめられておるけれども。また業界では、個人タクシーの申請を出したやつは、全部首切るというので、自分の方の運転手を威嚇している。そういうことをやった会社は、私が行って、ぶっつぶしてやるといったくらいにやっている状態でありまして、なかなか相澤さんも元気がいいが、これは、むずかしいのだ、実際いうと。長い間の政治的な問題もあるし、いろいろ苦労しているのだから、同情を持って、一つ御指導願いたい。
○相澤重明君 今の大臣の誠意のある答弁で、私は、そういうふうになることを期待をいたしております。従って、国友局長も頭もいいし、熱心にやっていますから、運輸大臣も、局長を慰問して、そうして、できるだけ今言った駐留軍離職者の希望に沿うように、一日も早く明るい灯を見出だすことのできるように、一つ最善の努力をしていただくことを心からお願いをして、私の質問を終わります。
○委員長(平島敏夫君) ほかに御発言もなければ、本件については、この程度にとどめます。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(平島敏夫君) 速記をつけて下さい。 —————————————
○松浦清一君 海難防止の一環として、小型船舶に無線通信施設を整備するということにつきまして、衆議院において先般の運輸委員会で、これが促進の決議をなされたこともございまするし、本院においても、これを決議をいたして、予算獲得を強力に推進することの動議を提案をいたしたいと思います。
○委員長(平島敏夫君) ただいま松浦君から、御動議が出ましたが、これを取り上げて審議することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平島敏夫君) 御異議ないと認めますので、これを審議いたします。
○松浦清一君 ありがとうございました。それでは、これを朗読いたします。 小型船舶に対する無線通信施設の整備に関する決議案国内旅客船及び内航貨物船は、貴直な人命及び財産の輸送に重大な使命を果しつつあるが、その大部分は無線通信施設を有せず航行しており、海上における航行の安全を確保し難い現状にある。 よって政府は、国内旅客船及び内航貨物船に対する無線通信施設の整備について強力に指導するとともに、これら事業者は概ね零細企業であり、かつ現下深刻なる海運不況に苦悩しつつある現状にかんがみ、これが所要資金については国庫補助及び財政資金の融資等の如き施策を考慮し、また通信従事者の技術教育について万全を期すべきである。 右決議する。
○委員長(平島敏夫君) ただいまの松浦君御提出の小型船舶に対する無線通信施設の整備に関する決議案について、御意見のおありの方は、お述べ願いたいと存じます。
○天埜良吉君 自由民主党を代表して……。 小型船舶に対する無線通信施設の整備が非常に大切で強調されておるにもかかわらず、なかなかその実現が見られないので、海難の発生の原因になっておるというような実情でありますので、ただいまの動議に満幅の賛成をするものであります。
○相澤重明君 私ども社会党としても、今の松浦君の小型船舶に対する無線通信施設の整備に関する動議には、全面的に賛成いたします。
○委員長(平島敏夫君) ほかに御意見もなければ、お諮りいたします。 本決議案を本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平島敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 なお本件の取り扱い等につきましては、委員長に御一任願います。 この際、楢橋運輸大臣から発言を求められております。これを許します。
○国務大臣(楢橋渡君) ただいま、当委員会において決議を得ました小型船舶に対する無線通信施設の整備に関する件は、まことに私から申し上げますれば、むしろ感謝に耐えないところでありまして、これは運輸大臣といたしましても、この決議の趣旨を尊重いたしまして極力予算措置等に満幅の努力をし、その実現を期したいと思う次第でございます。どうもありがとうございました。
○委員長(平島敏夫君) それでは、次回は来週月曜日、十四日に開催することにいたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後一時三十六分散会