文教委員会 第7号
- 発言数
- 97 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/12/23
会議録
○大平委員長 これより会議を開きます。 学校教育、社会教育、学術及び宗教等に関し調査を進めます。質疑の通告がございます。これを許します。辻原弘市君。
○辻原委員 けさほどの新聞を見ますと、すでに三十五年度の予算について大蔵原案が第一次として発表されておるようでございます。特にその中で文教関係の予算を中心にいたしまして質問をいたしたいと思うのであります。 その前に、先般来からの委員会で、わが党から特に教組の専従者制限の問題について、過般岐阜県において条例をもってそれの制限をはかろうとする、この事態を追及いたしておりましたが、これらの問題が特に紛糾をいたしました一つの原因であった全逓と郵政との団交の問題も、去る二十一日に藤林あっせん案によって解決を見ているようでございます。その結果従来政府がこれらの専従者の問題の取扱いについて、国際的な立場から見れば、わが党の言うように、あげて問題は労働者及び労働組合の自主性にゆだぬべきであるという国際慣行の建前に反する行為は、ILO条約八十七号の批准を待って検討したい。しかしそれを批准をするには全逓の現在の内部組織に問題がありとしてそれを避けてきた、こういう経緯は御存じの通りでありますが、そういった問題も、この藤林あっせん案による全逓問題の解決がここに歩を一歩進めて、政府としてもILO条約八十七号の批准を避ける理由がなくなってきたとわれわれ判断いたすのであります。新聞の伝えるところによりますと、藤林あっせんが解決する場合に、当然この条約批准の問題等をもある程度含めて問題が解決せられているようであって、従って政府も当然、郵政当局がこのあっせん案を受諾したという限りにおいては、そこにあっせん案を受諾する方法というものが確定せられておる、こう見なければならぬと思うのであります。同様やはりその趣旨に従って、これも新聞の報ずるところでありますが、政府は閣議においてその方針を確定して、従来時期が明示されておらなかったのが、次の通常国会において条約批准を行なう、こういうふうに発表せられておるのでありますが、そのように閣議では取りきめをせられたのであるかどうか、この点を伺いたいと思います。
○松田国務大臣 お話のように全逓郵政関係の長い間の闘争の焦点であった点は一応今度のあっせん案によって解決を見たということは、まことに喜ばしいことと思いまするし、それによってしからば従来の争点であった点は全部解消されたかどうかということについては、なお幾分検討しなければならぬのではないかというふうに考えております。また政府において全逓の問題は一応郵政省に関する限りにおいて決定は見たものの、その決定は、むろんILO批准に向かって一歩を進めるということになろうとは考えます。さりながら、なお八十七号を批准することについて、通常国会においてこれが決定を見るということについては、まだ閣議において最終的の決定を見ておりません。その前提として、国内の諸法制、各省間の調整を完璧に整備するの必要があるから、これを急速に進めていこうではないかという話し合いはできております。
○辻原委員 国内法の整備、言いかえてみますると、公労法の四条三項、地公労法の五条三項等の整備を急速に進めて、めどとしては通常国会に批准を求める、こういう方向についてはどうなんでしょう。それは国内法の整備を進めるということも、めどなしに整備を進めるという今の事態に立って考えてみれば、そういう論議ではないのではないかと常識的に考えるわけです。従って、一応めどを通常国会ということに置いて、そうして関係法令を、いわゆる国内法を整備する、こういうことに閣議の方で検討せられておるかとわれわれ観測をするのでありますが、その点、いかがなものでありますか。
○松田国務大臣 その点につきましては、めどを早く定めなければということもごもっともでございますが、むろん、できる限りこれを進めていかなければならぬと私どもも思っておりまするが、なお、単に公労法四条三項その他を削除するということにおいてのみ万事批准の準備が整うたというふうには見られないわけでありまして、なおいろいろ波及する面が相当広い、かよに考えられまするので、それらに対して十分な整備をする必要がある、かように考えておるわけであります。
○辻原委員 国内法の整備ということになりますると、直接関連を持つ公労法それから地公労法の関係でありますが、これは大臣もこの前の委員会で答弁をせられておりますように、当然国内法的に統一をするという形になりますれば、また統一しなければならぬということになりますると、国公法の関係それから地公法の関係、これは教職員を含んで当然問題になると思うし、その場合に、条約批准の暁において国内法が整備され、それぞれの抵触部分を削除するということになれば、これは教員あるいは地方公務員、国家公務員等も包括せられる、そういう前提を持って整備が行なわれるとこれは考えなければならぬと思うのですが、その点はいかがなものでありますか。
○松田国務大臣 今申し上げましたように、ILO条約批准ということになりますると、私といたしましては、その波及するところは相当広範囲になると考えるのであります。従って各諸法令並びに地方条例等についても検討して、これの整備をはかっていかなければならぬ、かように考えておるわけでありまして、それ以上に、今日まだ決定的な閣議における結果は出ておらぬということを申し上げます。
○辻原委員 これは内藤局長にお尋ねいたしますが、そうなりますると、教職員の場合に関連する法規というものは、どれとどれになりますか。
○内藤(譽)政府委員 ただいま大臣がお答え申し上げましたように、公務員についての立場というものはまだ政府部内で十分検討されておりませんので、ILO条約批准に対する公務員の立場を明確にした上でないと、教員の問題も明確になってこないと思います。
○辻原委員 私の伺っているのは、方針は教職員をも含めるという大臣の答弁が先般あったわけであります。しかし、それが最終的に国内法の整備という形においてとり行なわれるのは、今の大臣のお話によると、若干まだ時間がかかるということでありますが、しかし、含めるという方針がある以上、それを含める場合にはいわゆる統一をして国内法の整備をやらなければならぬという建前からすれば、当然文部省部内においてそれぞれの諸法規についての検討がすでに行なわれていなければならぬと私は判断するわけです。そういたしましたならば、その抵触する部分についての関係法令はどれか、こうお尋ねをしておる。やるかやらぬかという方針等についてはあなたの方でお答えはできないと思うのです。その点を伺っておりまするので、抵触する部分はどの法規か。
○内藤(譽)政府委員 これについてもいろいろ意見がございまして、かりに地方公務員を適用するという場合に、現在の地方公務員法でいいかどうかという点を検討しているところであります。
○辻原委員 今のような形で検討せられておるということでありまするが、いずれにいたしましても全体の方向としてはILO条約批准によって当然公労法、地公労法の関係は完全にその趣旨に合致させなければ、条約批准の意味一がない。そういたしますると、それぞれの給与、人事のみならず、労働関係における均衡論の立場からしても、国公、地公も当然それに準拠するということにならなければ、これは非常におかしいことになるので、そういう意味から大臣も当然教職員も含めるという答弁があったのだろうと私は思うのです。従って、多少の議論はあるようでありますけれども、方向としては、教職員も含めてこの批准の時期においてはやはりそれぞれの労働関係というものが整備される、こういうふうに判断をして差しつかえないものと私は考えまするが、その点いかがなものでしょうか。
○松田国務大臣 先ほどから申し上げますように、私どもも、しょせんこのILO条約は批准しなければならぬ、その方向に向かって進んでおるということは申し上げておる通りであります。ただそれについての諸準備が要る。それにはなお検討を要する面が多い。従って明快にここでお答えする時期に達しておらないということを申し上げておるのであります。
○辻原委員 閣議決定の新聞報道がありましたのでお尋ねしたのでありますが、お答えによりますると、まだ正式に決定を見ていないということでありますので、この点は次の段階においてさらにお尋ねをいたしたいと思います。 次に僻地手当についてお伺いいたしたいと思います。先般へき地振興法が改正されまして、手当が従来の定額から定率に移って、それに伴う国庫負担等の予算措置が行なわれて、義務制については都道府県の条例その他で最近実施の運びに至っておるようであります。ところが高等学校の取り扱いはこれは振興法に含まれていない建前から、財源的には交付税の関係にわたるので、そこで地方としては、その交付税の中に含まれているかいないかで支給についての態度を現段階においてはまだ留保しておるようであります。従って、地方の教育の立場から見るならば、これは義務教育においても僻地あり、離島ありで、また高等学校においても特に定時制に関する限りは義務教育と同じように所在地がほとんど離島、僻地に数多くあるわけでありますから、そういう建前で当然われわれとしては義務教育に準じてその手当を支給すべきである、こういう見解をかねてから持っておりますし、参議院において法案の改正が行なわれる際においてもこれが議決をせられております。文部省もその趣旨から先般通達を出されておったようであります。ところがその後東京都においても一週間ほど前に議会においてこの問題が他の手当等の問題の予算化をはかる際に非常にもめました。ところが結果はいずれも高等学校に関する限りは従来の措置から出ていないようであります。引き続いて非常に離島を数多く持っている鹿児島県、これは奄美大島が非常に問題であります。これは現地において県議会の方もこの手当支給について非常に議論が沸騰をして取り扱いに窮しておったようであります。また現地に教職員の関係も、あまりといえば僻地高校、特に定時制教職員に対する待遇ということに冷淡に過ぎるということから、それぞれ重大な決意をして県議会に要請をしておりました。また長崎、島根、北海道等においても同様の問題が派生をしていったわけであります。問題は、当初いずれの都道府県議会も義務教育に準じて出そう、こういう方針を固めておったようでありますけれども、これを固めたのはやはり文部省の配慮による、ここにありますが、十一月の二十六日知事並びに都道府県教育委員会にあてた通達、すなわち義務教育に準ずるものであるから、当然手当も準じて支給してもらいたい。これによって大体の態度を教育委員会も固めて知事部局に要請をしておったようであります。ところがその後自治庁等に確かめたところが、自治庁御当局はそれについて一応の連絡はあったけれども、明確にそれを予算化する、いわゆる交付税においてそれを見るというような回答は与えていない、そういうことが地方にもたらされたために急転直下これは地方財政上支給することができない、そういう事態に至っておるようであります。従って、きょう自治庁の方にもおいでを願っておると思うのでありますが、その後参議院においてもこの問題が取り上げられ、内藤局長から答弁があったようでありますが、その際にはまだ自治庁との話し合いがどうもはっきりしておらなかったようであります。その後この取り扱いについて文部省もさらに再度の折衝を試みられておるようでありますから、その結果はどういうことに相なっているか、この点を一つ自治庁から承っておきたい。
○内藤(譽)政府委員 今お尋ねの義務教育につきましては特別立法で明確になっておりますが、その他の職員については国の基準によるということになっております。そこで高等学校の場合に国の基準がどっちによるかということが一つの問題になっておったわけであります。従来教員の待遇というものは国立学校の教員の例に準じておる。こういう考え方から一般公務員の給与体系よりは学校体系によるべきである、こういう見解で私どもは今お話の通り高等学校の僻地教員の点につきましては小中学校の体系によるべきことを考えておりまして、その旨の通達を出したわけであります。ところが一般公務員の僻地手当につきましては、人事院からまだ明確に支給区分及びその指定基準等が定められていない、ここにも問題があろうかと思うのであります。しかし、いろいろ自治庁当局と折衝した結果、文部省の通達によって実施した場合には、従来の通り特別交付税において考慮する、こういうことになったわけであります。
○辻原委員 自治庁の方の御答弁を願います。
○松島説明員 ただいま内藤局長からお答えがありましたように、僻地手当の問題につきましては、小中学校につきましては、僻地教育振興法の法律によって改められた問題でございます。高等学校につきましては、そういう特別の法律もございませんので、結局よるべきものは何かということになるわけでございますが、私どもは高等学校の先生方が僻地に勤務しておられるということについて、特殊勤務手当、僻地手当を出すという特別な出し方をするというふうになりますと、一般の職員、警察職員というようなものについてはどうするかということを同時に考えていかなければならないわけでございます。そこでそういった面にまで広げて参るということになりますと、従来地方公務員の給与の体系につきましては、国家公務員の基準に準拠しまして、いろいろな制度をとってきております関係上、国の公務員が僻地手当についてどういう体制になっているかということが問題になったわけでございます。そこで国の方ではまだ検討中の模様でございますので、私どもといたしましては、一般の公務員、警察職員あるいは高等学校職員を含めまして、国家公務員の線が出ますまで、なおしばらく検討いたしたいと考えておる次第でございます。
○辻原委員 今文部省の方で伺えば、高等学校についての措置もほぼ取り得たというお話でありましたが、今自治庁から伺えば、むしろ均衡は国家公務員のいわゆる僻地手当のそれに準拠して云々ということで、それがまだ決定を見ていないから、その措置についての財源は考えられない、こういうお話に受け取ったのですが、文部省の見解と依然としてどうも違っているように思うのです。
○松島説明員 私が申し上げましたのは、制度として高等学校職員について新しい制度を進めていくという場合の問題について申し上げたのでございます。従来の僻地に勤務しておられる先生方は、県によってやり方は多少いろいろでございますが、級地を設けまして定額で支給されておったようなところもあるようであります。また定率によってやっておられたところもあるようでありますが、従来の僻地手当につきましては、そういった一律の方法ではありませんから、また緑地のきめ方につきましても、府県によりましていろいろでございましたので、これを一つの基準にして交付税の対象にするということはなかなか困難であったわけであります。そこで特別交付税におきまして、それらの点を勘案いたしまして、私どもでは一応級地別に統一単価に類するものを作りまして、そうして一定部分について特別交付税の措置をしてきたわけでございまして、これは一般職員につきましても、警察職員につきましても、また高等学校の職員につきましても同様の措置をとってきたわけでございます。その措置は従来もやってきたわけでございますし、引き続き今回もやって参りたいと考えておる次第であります。
○辻原委員 そうすると、こういうふうに各都道府県において高等学校の教員に支給をする僻地手当については、従来はそれぞれ都道府県がいろいろな定額、ないしは定率のところは少なかったと思うのですが、額も異なっておったと思うのです。その実績に見合って特別交付税で措置してきた。従って今回法律改正によって義務教育の分については定率制に移行した。これは国家公務員の場合にも定率に移行しておりますが、すでに義務教育においてはこれが財源上も今年度においては考慮せられる。国庫負担金の中に入れられる。地方においてはすでに条例化してそれが支給の段階に入っておる。従って地方においてその取り扱いをきめた場合は、従来通り特別交付税でそれについての財源を見る、こういうふうに考えていいわけですか。
○松島説明員 義務教育の場合は指定基準等も文部省でもってお定めになっておるわけであります。それに準拠されまして地方でやられますので、もちろん点数のつけ方等につきましては多少県によって厚薄の差のあるところも出てくると思いますが、一応基準があってやられるわけであります。しかし一般職員や高等学校の先生方につきましては、そういう級地の決定基準というものは制度としてないわけでございますので、かりに県でもっていろいろおやりになる場合に、どこの県も統一した基準に基づいて級地が決定されるというわけにも参らないのではなかろうかというふうに考えられるわけであります。従いまして従来もいろいろな基準で級地を決定し、また級地ごとの支給額も県によってそれぞれ多少違いがあったわけでございますが、それらの点を、一々違っている状態をそのまま反映して特別交付税で措置をするわけにも参りませんので、特別交付税では一応一定の基準をきめまして、それによって実際支給されておりますところに対して財源措置を講じてきた、こういう状況でございますので、高等学校の問題につきましては引き続きそういった措置を講じて参りたい、かように考えておる次第でございます。
○辻原委員 少しくどいようですけれども、今の点をもう少し念を押しておきたいと思いますが、そうすると、従来地方においていろいろでこぼこがある。それをでこぼこのまま認めるわけにはいかぬから、そこで一応そのでこぼこを見て、ある程度の一つの単価というか、そういうものを定めて、それによって特別交付税でめんどうを見ていく。それが今回教職員も、国家公務員の僻遠地手当も改正をされたので、そこで新しい改正をされたそういった率ですね。その率をにらんで自治庁としても従来のとは違った新しい一つの基準を設けて、その基準に従って交付税で支給をしていこう、こういう考えですか。
○松島説明員 新しい基準を設けまして、たとえば二五%の段階ができましたので、二五%の段階に対応いたします単価というものを——これは給料によっていろいろ違うわけでございますけれども、一応最大公約数をとりました二五%相当の単価というものをきめまして、それをもとにいたしまして、あるいは二五%相当の単価、あるいは一二%でございますか、一六%の単価でございますか、そういう単価をそれぞれきめまして、そこのところは新しい事態に即応して改めて参りたい。そうした上で実績の人員等を考慮して措置をして参りたい、かように考えておるわけでございます。
○辻原委員 そういたしますと、実際今都道府県が、自治庁が特別交付税での財源を新しい支給率に従って考えてくれないから出せないのだと言う理由はなくなりましたね。その点はどうでしょう。
○松島説明員 私どもは、特別交付税で従来高等学校の先生方の僻地手当について一部財源措置をしておりましたことを、文部省が通達をお出しになったからやめるというようなことは申し上げたことはございません。従いまして県が、自治庁が何もしないからやめるのだとおっしゃったかおっしゃらなかったか、私は聞いておりませんけれども、そういうことは私どもとしては承知いたしておりません。ただ、文部省がお出しになった通達について相談があったかというお話でございましたので、その当時はまだ相談がなかったということを申し上げた県は一、二あるかもしれません。その後お話がございましたから、それは文部省からお話があったことはまた申し上げております。 それから県が新しい基準に従ってやるかやらぬかということは、これは県の判断の問題でございますので、私どもといたしましては特別交付税の計算は今申し上げたような線に沿っていたしたいと考えておるということを申し上げる次第でございます。
○辻原委員 今のお話によりますと、文部省が二十一日に出された通達の後段に、「したがって公立の高等学校に勤務する教職員についても、同様のへき地手当を支給することが適当と思われますので、これら教職員に対し公立の小・中学校に勤務する教職員に準じてへき地手当を支給されるよう制度上および予算上格別の御配慮をお願いいたします。なお、公立の高等学校の教職員に対するへき地手当についても、従来から特別交付税をもって措置されておりますから念のため申し添えます。」この趣旨ですね。この趣旨は特に義務教育に対するあれじゃなしに、高等学校についての僻地手当支給の通達ということになっておりまするから、従って文部省だけの考えではいかないので、やはり、これは予算を編成する都道府県の知事部局なり議会としては、自治庁の考え方が文部省の考えと同様の立場に立っておるかどうかが、現在の地方財政の立場から見れば非常に有力なあれになるわけです。従って、この趣旨について従来どうも自治庁は消極的であったというふうに私どもは聞いておるし、そういうふうに伺っておるから、地方でもめているわけです。従ってこの段階においては、さっきお話にありましたように、出す時分にはそうはっきりした相談というか、協議、同意がなかったけれども、その後だんだんの話によって十分承知しておる、こういうことになりますれば、この通達の趣旨はあなたの方でも了承せられておる、こういうふうに受け取っていいわけですね。
○松島説明員 この通達に書いてあります「公立の高等学校の教職員に対するへき地手当についても、従来から特別交付税をもって措置されておりますから念のため申し添えます。という段につきましては、これは文部省が従来の事実をお述べになったものと私は考えております。従来、こういう事実は事実でございますので、この点につきましては私どもはこの通りであると考えております。
○辻原委員 これは読む人によって、私は率直に言って含みのある文章だと思う。そうあなたの方から紋切型に言ってこられると、これはざっくばらんに言って、従来もやっているのですから、やはり当然措置しなくちゃならぬと思うのです。ただ時間的に、われわれ聞き直ると、人事院もやれと言っているのだから、なぜおくれておるのだということを言いたいです。しかし、そういうことを言うよりも、早くやってもらうことが先決ですから、そう言うのはやめますけれども、特別交付税で従来もやっているということは今後もそういうふうにやられるであろうからということの暗示なんです。日本語の文章のあやというものですね。ですから、そういう従来やっておる事実の列記ということでは、これは文部省の通達というものは何ら意味がないわけで——何ら意味がないというと少し言い過ぎかもしれませんけれども、先ほどからあなたが言われたように、従来やっておる、しかし、今新しく地方で条例化しようというときに、すでに国の法律において、教職員を含めて、国家公務員の場合でもそれぞれ定率制によって一級から五級まで最高二五%ときまったのだから、当然自治庁としてはそれに伴う所要の特別交付税の予算措置というものが行なわれるもの、こういうふうに予想しておるわけです。そのときに、それは相談にあずかっておらなかったのだということでは、ちょっとおかしいので、今の条例について高等学校を入れるわけにはいかない、こういうことになってくるわけです。ですから、先ほどもお話のように、新しい観点に立って、新しい基準によって当然交付税にそれが算入すべきもの、こういうふうにこの通達においては意思を表示しておると私は思うのです。そういうふうにその意思を受け取ってよろしゅうございますかどうか。これは先ほどよろしいというお話が松島さんの方からあったわけですけれども、せっかく通達が出ているので、その通達の意思というものが自治庁、文部省両省がそれぞれ協議をした末の意思だというふうにしておかないと、地方では教育委員会と自治庁とが対立する、こういうことになりますので、その点で念を押しているわけでございますから、いま一度私の満足のいくような答弁を願いたい。
○松島説明員 私はあえて事の前後を申し上げるわけではございませんが、その通達そのものについては、私どもお互いに話し合いをした後に出されたものでございませんので、今先生の御指摘になりましたように、十分了解の上でこういう通達が出たものと解釈していいかというお話につきましては問題がございます。しかしながら、その後いろいろお話し合いをいたしておりまして、その通達は通達といたしまして、僻地手当の支給を高等学校の先生なり一般職員なり、警察官なりにどうすべきかという問題につきましては、私どもの建前としてはやはり国家公務員の制度というものの改正と相まって、並行的に考えらるべきものではなかろうかと考えておりますが、またそれに対する、現実に行なわれています問題についての財源措置をどうするかという問題につきましては、従来も特別交付税を交付の基準としておったわけでございますから、その交付の基準を、この際新しい事態を勘案して若干手直しをするということはまた考えておる次第でございます。
○辻原委員 わかりました。 そこで、人事院にお伺いいたしますが給与局長、ちょっと時間をお急きになっておるようでありますので、今の点でありますが、これは松島さんが言われるように、高等学校の場合にはやはり国の基準に準拠してこれをやる。ところが、その国の基準が一応政令が出て僻遠地手当が一級から五級まで最高二五%ということにきまったのだが、それに伴って人事院の具体的な地域性というものですか、これがまだ行なわれていないので、それを待ってほんとうはやらなければならぬのだ、こういうふうな意味合いのことを先般の参議院の委員会でも言われているわけです。そこで、法律の建前からするならばそうでありましょうが、しかし、実際に私は地方教育という立場から見れば、これは文部省の通達にあるごとく、義務教育に準ずる措置ということの方が実情に即する取り扱いではないかと思う。そういう観点を度外視してもし国の基準を作られた場合には、義務教育のそれと、国家公務員のいわゆる僻遠地手当について設定した地域との間にもしずれが出るというようなことが起これば、これはせっかく僻地あるいは僻遠地、名前は違いますけれども、いずれもそういう不便なところに勤務する公務員の待遇をはかろう、こういう趣旨に非常にもとると私は思うのです。従ってそうした混淆あるいは競合、こういう点について人事院はどういうふうにお考えになっておるか。 それからいま一つは、非常に従来からこの種の地域指定等はわずらわしい問題でありますから、簡単にいくまいと思うけれども、すでに政令も先月二十三日でありましたが何か出ておるようであります。そういたしますと、せめて年内にはすでに大体地方の予算というのは十二月県会において年度内のものは定められるのです。それに間に合わすことができるように、地方で準拠できるように人事院としては措置すべきが私は当然じゃないかと思うのですけれども、その辺の作業の進捗、それから高等学校のいわゆる僻地手当の取り扱いについて人事院としてはどういうふうに見られるか、この点を承っておきたいと思います。
○瀧本政府委員 僻地手当の問題でございますが、人事院としましては、これは独自の立場から僻地に対してどれだけ給与を支給するのが適当であるかということを考えるわけであります。そういうことを考えました結果、三十四年度の予算において最高級地の二〇%というものは低過ぎるから、二五%に何でもする必要があるということで大蔵省とも折衝をいたしまして、最高級地二五%引き上げの予算をとったのでございます。従いまして、それに基づきまして一応政令は改正をいたしたのでございますけれども、現在の人事院の持っておりまする基準でいきますならば、中小学校と国家公務員の在勤いたしまする官署が同じ場所にありましても、大体はあるのでありますけれども、相当のずれがあるのであります。というのは、たとえば駅あるいはバスの停留所から四キロ離れておるところというようなことを人事院の基準ではやっておりますが、文部省の方の基準によりますと、これが二キロくらいになっておるというようなところがあります。それからまた先ほど島嶼の話が出ておりましたが、航行回数が月三十回くらいならば、やはり僻遠度として問題にすべきであるというような人事院の見解でおるのでございますが、これが六十回くらいないと僻遠度とするに足らないというようなこの文部省の基準と、人事院の基準との間に相当の現在ずれがある。これがこのまま実施いたしますならば、同じような地域にありまする国家公務員の官署と中小学校の間に相当の懸隔が出て参るという場合が起こり得るわけであります。こういうことで工合が悪いのである。人事院は一応人事院なりに理屈として考えまして、この程度が僻避として考えられるという基準を作ったのでありますけれども、僻地教育振興法に基づきまして文部省がお考えになる場合に、その基準よりある程度甘くなっておるという問題がございます。この問題については、やはり人事院としては、人事院が考えたように理屈の通るところへやるのがいいじゃないかという議論が一部にございますけれども、なおかつ実際問題としては官署が隣合って非常に級地が違う、ずれがあるというようなことでは実際問題として工合が悪い点がございますので、われわれとしては何としても文部省の基準に近づけたい、そのためには三十五年度予算におきまして、そういうことをどうしても認めてもらわなければならぬというので大蔵省と折衝をしておるのであります。大蔵省は財政当局でありますから、これは人事院が考えるならば理屈が通っておらぬといけないのじゃないかということをしきりにいわれまして、非常に難航しておりますけれども、われわれはやはり現実の問題としては、均衡のとれた形で実施されなければ非常に困るのだということを強調いたしまして、今大蔵省と折衝しておるのでありますが、もしそれが見通しがつきますれば、本年度予算は四月からとってあるのでございますけれども、そういうふうに基準が高くなりますと予算が多くかかる、場合によりますれば四月からやることができない、あるいは七月か八月かということになるかもしれませんが、それの見通しがつき次第われわれはやりたい、こういうことであったのであります。 ただ一つ問題になります点は、学校という特殊事情もございますので、たとえば家庭訪問をいたします。そのときに子弟のおります家庭を訪問する距離がどうだこうだというようなことがやはり文部省の場合基準になっておりますが、国家公務員の官署の場合にそういう基準にいたしようがないのであります。そういうことで大体は近づけ —得ると思いますけれども、なおかつその間に多少の懸隔はできるのではなかろうか。しかしせっかくわれわれも中小学校と国家公務員の官署との間に大きなずれのないように、大体は同じようになるように取り扱いができるようにこの予算をとることに懸命に努力しておる、こういう状況でございます。
○辻原委員 そこで文部大臣にその点についてお尋ねと要望をいたしておきたいと思うのですが、今人事院のお話によりますと、非常にその点を苦慮せられておるようでありまして、まことに善意でもって近づけるため、またそれと矛盾をしないような形で措置したい、まことにけっこうであると思いますし、当然そう措置をしてもらわなければ非常に不均衡になると思って、これまた考慮願いたいと思います。文部省としては今も給与局長のお話にありましたように、普通の公務員の官署を中心にして指定するのと、それから僻地振興法の趣旨にある教育の特殊事情というものを勘案をせられ、僻地の指定との間には要素として若干私は観念の相違があると思う。そうして考えて参りますると、高等学校、これはいわゆる地方公務員の中に含まれる。そうしてそれらをあげて国家公務員に準ずるのだという考えは、法律はそうでありますけれども、いかさま少し機械的過ぎて実情に合わぬきらいがある。従ってそういう矛盾が出る根源というものは、いわゆる学校教育の中の僻地手当というものを官署を中心にした国家公務員のそれに準ずるということに矛盾があろうと思うのです。それが義務教育の僻地振興法が出ていない場合は、これはやむを得ないものと考えるのでありますけれども、現在僻地振興法において地方教育の僻地を振興するために、所要の手当を出すという国の政策方針が定まっておる以上、高等学校も当然これは地方教育なんです。従って国家公務員のそれに準ずるというよりも、いわゆる義務教育のそれに準ずるという立場を明確にすべきが私は当然ではないか。そういたしますと人事院の御苦労も、これは半分で済む。ぜひともそういう措置をとってもらわなくちゃいかぬと思う。そうでないと絶えず地域の変動ないしは率の改訂という問題が行なわれたときに同様の問題が起こってきて、今日私が申し上げておるような地方での不要な紛争が起きると思うのです。従って高等学校は当然義務教育のそれに準ずるという立場において僻地手当は支給すべきである、こういうふうに考えるのでありますが、大臣の御所見と、それからそれに伴なう具体的な措置を一つ承っておきたいと思う。
○松田国務大臣 私は文教関係のことを常に第一義的に考えなければならぬと考えておるわけであります。お話の通りやりたいと思っておるわけであります。
○内藤(譽)政府委員 教員の給与体系というものは、特に地方の教職員の体系は国立学校を基準として定めることになっておるわけであります。ところが僻地教育の場合には、遺憾ながら国立学校の対象がないわけであります。そこで一般公務員の対象によるか、あるいは学校の体系によるかと申しますれば、私どもは給与体系の本質から考えて、小中学校に準ずるのが妥当である、こういう見解で先般通達を出したわけであります。今後もこの点は努力して参りたいと考えております。
○辻原委員 その努力の方針については、これは従来も文部省はそうでありまするし、また今後もその方針でやられることはけっこうでありまするが、問題は何かのはっきりした根拠を持たなくちゃいかぬと思うのです。現段階においては、これは文部省の通達にも小中学校に準拠するということを書いておりますけれども、しかし給与の体系なり、法律の建前からいたしますると、どうも根拠としてはいささか弱いように私は思う。そこでやはりこれをそうすることが是であり、文部省としての態度もそうであるならば、やはりはっきりした根拠を持つために所要の整備をしなくちゃいかぬ。その必要はありませんかどうか。
○内藤(譽)政府委員 これは地方の教職員と国立学校の教職員の給与体系そのものが全部同じかどうかという点に、実は問題があるわけなんです。今の僻地もその一つの例だと私は思うのであります。本来ならば、地方教職員の給与体系について、国立学校の例に準じた別途な給与体系があってもいいのではなかろうか。現在の地方教職員の給与体系そのものに対する不備、欠陥の一つの現われだと私どもは考えております。
○辻原委員 私はそこまでいかぬでも、とりあえず僻地教育振興法は、義務教育に限定し、対象といたしておりまするけれども、法律の趣旨は何も義務教育の僻地教育の振興法ではないのです。従って当然その対象の中に高等学校も含めることがいいのではないか。これは議員立法でわれわれが扱ったわけでありまして、むしろわれわれの方で考えればいいということになりますけれども、成立をして運用に当たった文部省あるいは各省の間においてそういう問題が起こるとするならば、政府にしてもその方針を確立すべきじゃないか、こういうふうに私は思うのですが、その点はどうですか。
○内藤(譽)政府委員 お話の通り、その僻地教育振興法、これは議員提案でありまして、この議員提案のときにこの点を明確にしておいていただけば、私どもは処置しよかったと考えておりますが、今日の段階においては、行政指導でできるだけやる以外に今のところないわけでございます。
○辻原委員 そういうふうにおっしゃられると、われわれの方にも若干の手落ちがあったようでありますから、将来これは政府の方でも検討していただきますし、われわれとしても現実に、実情に合うようにこの点の改正等を考慮しなければならぬと思います。時間がありませんので、僻地の問題はその程度にいたします。 次に定員の問題について伺いたいと思います。その中で特に本年から義務教育については法律ができ、計画を持って、しかも実績はかなり上がっているようであります。ところが問題は、高等学校については、これは定員のみならず、最近の傾向からいたしますると、あとで監理局長にも伺いますけれども、施設、定員等、高等学校教育そのものに、何かどうも教育振興とはいえないような問題を含んでおるのじゃないか。遠回しな言い方でありまするけれども、施設を見ましても、義務教育のそれに比較をいたしますると、どうも地方団体の力の入れ方も、また国としてはもちろんこれは主管ではありませんから、勢いそうなるといってしまえばそれまででありますけれども、状態があまり改善されておらない。定員についても政令で定めておる甲号ないしは乙号、そういう基準がすでに今日では有名無実化しておる。そこでここらで何か定員についてのもっとはっきりしたものを打ち出す必要があるのじゃないかと私どもも考えておりますし、文部省においてもその点を検討されておるようであります。義務教育と同じように定数の確保に関する法律案について、これを通常国会に提出される御意思を持っておられるか、この点をまず大臣に一つ承っておきたいと思います。
○松田国務大臣 高等学校の教育に対しては今後一段と力を注がなければならぬということは考えておりまして、お話に同感の意を表するわけであります。定員等の不足に対しても今後充足していかなければならぬと考えておりますが、今日においてどういう措置をとるべきかということについてはなお検討を要すると思っております。
○辻原委員 すでに一応の成案を前には見ておったようでありますが、これは少なくとも通常国会において取り上げていかなければ、将来中学校との関連においても、高等学校の定員問題というものは重要な問題になってくると思う。従って時期としては私は通常国会にぜひ提出をしてもらいたい、こういうふうに考えるのであります。今の大臣の紋切り型の御答弁ではどうも御意思がはっきりいたしません。これは全国的に今強く要請されておる点でありますので、実際出せるかどうかは今後の問題でありますが、大臣の御意思としてもう少し明確にしておいていただきたい。
○松田国務大臣 先ほど決しておざなりの気持で申したのではありません。高等学校教育に力を注がなければならぬということは相当切実なものがあるのであります。しかし今日の場合は、明確に御希望の線に沿うてかくかくするということは申し上げられないが、真実私は教育の充実に対して、高等学校教育に対してもっと力を注がなければいかぬ。今まででも義務教育の方は、たとえば文部省も機構の上からいっても、これは従来もありましたように、一部門を特に設置して機構の改革までやっていきたいという考えを持っております。今日高等学校の科学技術、そういった面の非常におくれておる点もありますし、また一般学力の非常に低くなっておるということも考えられますので、この点については強力に今後進めていきたい、かように思っておる次第であります。
○辻原委員 内藤局長に伺いますが、大体今の高等学校の定員を文部省が定めた乙号の基準に比較いたしてみますと、全日制の分校を除く本校においては約九四%にしか達しておらない。それぞれ種別にいたしますと、実はさらにうんと下って平均して八六%にしか達しておらない。従来は乙号は算定基準であって、本来の基準は甲号にこれを持っていかなければならぬというのが文部省の方針であった。それが現在算定基準である乙号基準をすでに下回っておるという現状です。また最近の傾向として、どうも定員が——これは義務教育も同じ傾向でありますが、義務教育の場合には法律が施行されましたので、それによって底入れができておりますけれども、高等学校の場合は定員の率は年々逓減をしていく、こういう傾向にあるわけです。従ってこれを最低乙号基準に持っていくためには、やはり文部省の確固たる方針を打ち出してもらわなければいかぬと思うのです。その場合に文部省が考えておる定数に関する法律案の骨子とするところはどこに置かれておるのか、一体何を基準に持っていこうとしておるのか、その点について承りたい。 〔委員長退席、簡牛委員長代理着席]
○内藤(譽)政府委員 高等学校の定数につきましては、従前から自治庁と十分交渉いたしておりまして、交付税の額をきめる場合にも逐年定数の増をはかっておるわけでございます。この点最近相当改善されたと私どもは考えております。それでも御指摘のようにまだ乙号基準の九四%程度でございます。私どもとしてはできるだけ高等学校の定数を確保するような方向で努力をいたしたい。小中学校の場合にはあの標準法で計算されたものが交付税の対象によって保障されておる。ここに非常に大きな強みがありますし、また半額国庫負担制度もございますので、小中学校の定数につきましては、今のところ確保されておると断言できると思います。高等学校の場合には法形式が省令ということでもございますし、またこれを交付税の方で十分保障しておるというような体制になっていないので、できますれば高等学校につきましても、小中学校のような標準法を作って、これを交付税の中で明確に保障するような方法ができないものかどうか。こういう点で今検討いたしておるわけですが、今日の段階で従来の乙号基準、甲号基準というものが二つありますが、その甲号基準、乙号基準を十分検討いたしまして、新しい基準を編み出していきたい。もちろんこの場合高等学校の定数が、現在のところ乙号基準にも満ちておりませんが、実績を考慮しながら乙号基準と甲号基準の中ほどに目標を置きながら、しかもあまり実績とかけ離れないような線で検討をいたしておるわけでございます。
○辻原委員 文部省の案によりますと、定員はどのくらいの増になるか、またそれを何カ年くらいの計画でおやりになろうとしているのか。それともう一つは義務教育よりもそれ以上に、高等学校の場合はいろいろ教員の種類というものが複雑であります。そうした場合にどの部分を定員に含めどの部分を定員外にするかということにおいて、問題は地方で予算を組むのですから、地方の場合に国の方針いかんによっては、せっかく国の方で措置をしようと考えておったものが地方で組まれない。言いかえてみれば校長あるいは一般教員、養護教員という人たち、それぞれを学校教育法あるいは免許法によってはっきりきめておるわけでありますが、高等学校においてはそれ以外のいろいろな種類がある。たとえてあげてみれば、職業指導の主事であるとか保健体育の主事であるとか、あるいは俗にいわれる生活指導の主事であるとか、こういう種類のものが学校教育の必要上、実際上ほとんど置かれておる。文部省の定員の算定をする場合にこういうものも含めて定員として配置をすることに法案を整備し、あるいは地方においてそれの予算化を指導するということになるのであるかどうか、こういう点も問題であろうと思いますが、そういう点はいかがでありますか。
○内藤(譽)政府委員 目下検討中でございますので、まだ明確な結論を得ておりませんが、大体校長とかそういうものは別に考えなければならぬと思っておりますが、教員、事務職員、実習助手、養護教諭、こういうような系統になろうかと思うのであります。今お尋ねの司書教諭とかそういうようなものは教員の定数の中で考慮すべきものだろう。あくまでも私どもは定員の確保であって、学校における配置まで規定しようとは考えていないのであります。定員総数を確保するという考え方に立っておるのでございます。 それから何人くらいふえるかというお尋ねでございますが、これもいろいろA案、B案、C案とありまして、まだどの案で進めるかというほどの固まったものでもございませんが、しかしながらこれも年度計画を一ぺんに増員するのじゃなくて、数カ年間に計画的にこれを措置する、こういうような考え方を持っているわけでございます。
○辻原委員 今言ったような実際の定員としてあげるものは教員、事務職員、実習助手、こういうものを中心にして算定をするが、そのほかのものはいわゆる教諭定員の中で勘案し配置をするものだ。ところが実際はいわゆる授業を担当する者と授業を担当しないそれぞれの管理を主体としたそういう業務に携わる教員、現状においては各学校においてはそういうことに分かれておる。少なくともそういうものを配置できるがごとく——これはそういう職名のものを定員として入れるかどうかということは、その次の問題になろうかと思いますが、少なくともそういうものが配置できるかどうか、法案としてはあるいは定員予算としては、考えられなければ意味がないじゃないかということを懸念するわけであります。これはこまかい問題になりますけれども、実際に定員をはじき出す算定方式ということが問題になる。生徒数と時間数と一学級の定員、この三者だけで機械的に計算をしたならば、それは教壇を持たざるそういう指導主事とか養護教諭とか、それぞれの管理主事というようなものがはみ出てきて、今の地方財政の現状においては義務教育の場合にもそうであったように、定員としてはまず教壇を担当する者が必要なのだからということになる。実際は教壇担当の定員をその中で減して、そしてそれぞれの主事を置くというようなことになっておる。そういたしますと、せっかく国では一週当たりの時間を算定をして、それによって当然教員というものが配置されておるのだと考えておっても、それだけのものがしわ寄せになるから、授業担当の日数というものが非常にふえておる、これは私が申し上げるよりも、十分御承知だと思いますけれども、それを十分考慮して定員を算定する方式を考えてもらいたい、こういうふうに思うのですが、その点はどうですか。
○内藤(譽)政府委員 教員の算定の仕方でありますけれども、あの算定の仕方に従来のような乙号基準あるいは甲号基準というような、これも一つの方式でございますけれども、私どもは世界的な規模において各国の実情等も考慮しながら、最も妥当な新しい方式を考えていきたいと思っておりますので、お話のような点も十分、教員の総数の中には当然考慮されるべきものと考えております。
○辻原委員 それからもう一つ重要な点は、義務教育の場合にも最後まで問題になった点でありますが、今度の文部省のお考えは、大体標準規模の学校の定員が少ない。だからその点についてかなり是正をした方式を考えられておる、こういうように、この間の参議院の会議録を見ますとお考えになっておるらしい。これは私は非常にけっこうであるし、傾向としてはそうだと思う。それと同時に問題は、小規模学校、こういうたものの取り扱いについてどの程度の——今文部省が算定せられておる基準の中でのいわゆる最低の小規模学校、それを考えていった場合に、その定員はどの程度になるか。この点が非常に大切な点ではないか。特に定時制の場合、こういうものを考えてやった場合に、その振興をはかるためには、やはり小規模学校について相当定員がバラエティに富んだ定員が持続されるように考えられなければならぬと思いますが、それらの点についてはいかがでしょうか。
○内藤(譽)政府委員 できるだけ各学校における最低教員の数というものを一面考慮しながら、小規模学校についての補正を考える、大規模学校についての逆補正も考えなければならぬと思います。しかしながら高等学校において一定の教育をしておりますので、最小限度の定数は明記したいと考えております。
○辻原委員 こまかい点にいずれ別の機会に御質問することにいたしまして、自治庁にお伺いいたしますが、先ほど局長の話にあったように、義務教育と違って、これはあげて交付税の問題になるわけでありまして、従って自治庁の基準財政需要額の算定の基礎というものが、少なくとも文部省のそれと一致しなければ意味がないわけであります。折衝せられておるようでありますが、自治庁のお考えとしては、この定数の問題についてどういうふうに考えられておるか。文部省の方針を支持されるかどうか、この点について伺いたい。
○松島説明員 先ほど内藤局長から申し上げましたように、現在の基準のもとにおける高等学校の基準財政需要額への算入につきましては、文部省の御要請に従いまして自治庁としてもできるだけの努力をしてきているつもりでございます。 新しい定員法の問題について自治庁としてはどう考えるかというお尋ねでございますが、ただいまこの問題につきましては、まだ事務の段階で検討をしている程度でございますので、自治庁としてどうかというお答えを申し上げる段階までまだ来ていないと考えておりますが、ただ将来の生徒の増減というものがどういう傾向をたどるかというようなことも、かりに定員法を作りました場合に、財政的についていけるかいけないかという問題を考えまする場合に重要な問題でございますので、そういった点をも勘案いたしまして、また事財政の問題になりますと、単に基準だけを拝見いたしても、直ちに結論は出ないわけでございまして、そのためにどのくらいの金がよけい要るのか、それに地方財政は耐えていけるかいけないかという総合的な判断も必要でございますので、今申し上げましたように事務的には一部検討いたしている段階でございます。
○辻原委員 それだけの答弁しか自治庁は今の段階ではできないとあらばやむを得ないと思いますけれども、少なくとも従来の——もちろん地方財政全般の立場というのは、自治庁のかなめにならなければならぬ立場でありまするが、地方教育ということで国の方で努力をいたしましても、それに伴う財源措置ができないというので、困っている例が非常に多いわけなのです。従って定員の確保ということについては、地方財政の立場もあろうけれども、一つ自治庁としてもせっかくこれについては検討と協力を願いたいと思うのであります。 次に同じ種類の問題でありまするが、今回の予算の要求の中に、一つ不思議なことが見当たりましたので、私は局長にお尋ねをしておきますが、それは従来三年ほど、毎年度文部省は定時制の振興というものを要望として掲げ、それに伴って、以前にあった四割の国庫負担を大蔵省に対して要求をしておりました。ところがことしの予算を見ますると、それが見当らない。定時制教育振興を引っ込めたのかどうか。この点も一つ承りたいと思います。
○内藤(譽)政府委員 定時制教育の振興につきましては、私ども今後ともしっかりやっていくつもりでございます。特にこの面が日本の教育の最も欠陥でございますので、これを振興することについては辻原先生と同じように熱意を持っているわけでございますが、本年給与費の十分の四を一応見合わせましたのは、過去数カ年間これを努力いたしましたけれども、額があまり張り過ぎておりますのでなかなか国庫負担に戻すことが困難である。御承知の通りこれは元国庫負担でございましたが、平衡交付金ができたときに平衡交付金に入ってしまったという過去のいきさつがあるわけです。過去十年間ほど毎年私どもも要求をし続けたのであります。ところが今年は特に手当の要望が非常に強かったので、一応定時制及び通信教育の手当の創設をいたしたいというので、これを一年見合わしたわけでございます。
○辻原委員 その手当についての見通しはどうなのですか。
○内藤(譽)政府委員 これも大へん困難ではございますけれども、何とかしてこれは確保したいと思っております。
○辻原委員 大臣その点について……。
○松田国務大臣 この点については強く要望いたして参りたい。おそらく一部は予算で私どもの方へ示される何にもついてくるのではないかと思いまするけれども、なお全面的にこれら要望を通したいと考えております。
○辻原委員 定時制、通信教育の振興というものは、特に比較的知恵まれざる勤労青少年に対する教育の場として、これは骨格になるものであります。従ってわれわれとしては、これは少なくとも全日制高等学校に力こぶを入れると同様に、より以上のほんとうの国民的な教育の場として力こぶを入れてもらわなければならぬと思いますが、それの具体的な対策というものは、今言ったような給与の問題であるとか、あるいは教員定員の配置であるとか、あるいは施設であるとか、あるいは育英資金であるとか、こういった具体的な問題を一つ一つ取り上げて解決していくことが、字を何百ページ飾ることよりも肝心である。従って今回文部省が手当の問題を出されたことについては私ども大いに歓迎するところでありますが、しかし戦略として四割負担を引っ込められたということは、一応わからないでもありませんけれども、しかしながらやはり給与の基本である四割負担というものを何とか引っ込めないで堂々と出していってもらいたいという気がいたします。また手当についても四割負担は引っ込めたかわりに出した一億七千万の手当でありますから、従ってこれくらいは一つ大臣の責任において確保してもらわなければ困る。このことを強く要望いたしますとともに、定時制教育についてそういった各般の問題を解決すると同時に、さらに定時制教育そのものについて一つ文部省の考え方というものをもう少し突っ込んで考えていただきたいために、若干の事柄を申し上げておきたい。 それはどういうことかというと、せっかく働きながら定時制高等学校を卒業したけれども、待っていたものは就職の隘路である。これではせっかく希望を持たせてむずかしい条件の中で勉強していくという青少年に、今日の定時制は明るい希望を与えていない。一例をあげると本年度の各企業体における採用方針を見てみますると、これは定時制を含めて大学等のいわゆる夜間部についてはこういうふうな方針を打ち出しておる。銀行においては三井、富士、勧業、住友、北海拓殖、東海、三和、三菱、東京、日本開発、日本輸出入銀行、この中には政府銀行もある。あげて夜間部は採用しないと言っておる。それから保険事業においても東京海上とか住友海上、日生、三井生命、明治生命、千代田、こういった有力な大手がこれまた採用しないという方針、その他鉄道、証券、海運、電力、自動車いずれもほとんど大半は夜間部を採用しないという方針を立てておる。これは定時制のみならず大学における夜間部の問題というものは深刻に考えなければならぬ。 〔簡牛委員長代理退席、臼井委員長代理着席〕 こういう就職の隘路を何らか——もちろん国だけの力ではいきません。十分財界その他経営者の方との協議ということも必要であろうかと思いますが、何か打開策を設けなければ、せっかく希望を持って卒業したけれども——定時制の夜間を出、さらに大学の夜間を出たけれども、その十年に近い努力がのっけから採用しないといういわゆる就職方針を出されたのではたまったものではありません。こういう点について打開策というものを文部省において考えていただきたい。文部大臣、いかがでありますか。
○松田国務大臣 お話ごもっともであります。私も高等学校、全日制の少年、またこれに入れない定時制に行っておる少年、またその他いろいろ学校に行かれていないが、何らか通信機関の方法で——この機関の少年たちに対して十分な力を入れるということに対しては、全くあなたと同様に熱意を持っておる次第であります。言いかえれば十七、八、九くらいのハイティーンの学生というものは、わが国の有する最も大切な、また最も大きい人材資源であって、これを完璧に教育し、育てていくということの重要さはいうまでもない。また定時制に行っておる学生の就職の難ということに対しては私も聞いております。従ってこれは企業家に対する啓蒙もやらなければいかぬ。ある活眼の士は、むしろこうして難行苦行しながら定時制に通い、いろいろの道をもってみずから教養を身につけようとしておる青年を進んで採用しようとする人もある。そういう方面に持っていかなければならぬと私は考えておるような次第であります。
○辻原委員 私は松田大臣はつとにそういう点については非常に深い認識を持っておられると実は想像をいたしておるのであります。今の御答弁にもありましたが、そういう御答弁を無になさらないで、一つ前進したような措置を考えていただきたい。特にこういう勤労青少年がせっかく勉強する機会を得て学校を卒業した、それが就職ということにつながり得るように、希望を持たし得るように何か文部省としても一つ手を打ってもらいたいということを要望いたしておきます。 もう一つ、定時制の振興について、これも一つのデータでありますが、私はここに定時制と全日高校のそれぞれの学校数のいろいろな統計を持っておるわけです。これを見てみますと、こういう傾向になっておる。それは、全国で高等学校の数が三千五百九ある。その中に定時制の専任校長が三百二十九あります。ずっと各府県のものを見ますと、こういうふうになっておる。たとえば北海道においては、総数二百九十六の中で定時制の専任校長が百八ある。定時制の就学率を人口に比較してみると、北海道の場合は一万人中九十七人。比較的いいところをとってみますと、岡山県においては、総数百十の学校に対して専任校長が二十五、就学率を人口比で見ると一万人で八十五人になっている。逆に悪い例をあげてみますと、たとえば熊本は、総数五十七のうちで専任校長はゼロであります。徳島、山梨、千葉などもゼロであります。これらを見ますと、定時制の就学率の人口比は、熊本の場合一万人につき十九人、徳島で三十一人、山梨で四十六人。これは文部省でお調べになればすぐわかると思いますが、私の言わんとするところは、もちろん便宜的ではありましょうけれども、全日の校長さんが兼任をされたという形においては、学校教育の向上なり、また定時制についての啓蒙ができておらぬということです。やはり一人で二つの学校を持つということでは事実上に無理があるだろう、そういうことが統計の上にも現われておるのじゃないか。従って、定時制の振興をはかる場合に、先ほど言いましたような給与負担をやって定員を確保すると同時に、専任校長というものも考えて、そうして定時制が完全なる独立校として十分なる運営ができていくような方法をこれまた考えるべきじゃないか。この点についても一歩進めていただきたいということを私は希望するわけでありますが、内藤局長はどうお考えになりますか。
○内藤(譽)政府委員 専任校長が望ましいことは御指摘の通りでございます。しかしながらこれも人によると思うのでございまして、建物あるいは設備を共用しておるような場合に、専任校長にした方がいいのか、あるいは兼任のままでやった方がいいのか、これはいろいろ地方の実情にもよると思うのです。またその校長になった人の熱意いかんにもよると思うのです。一がいに私どもは地方の実情を無視してまではやるわけに参らぬと思うのであります。
○辻原委員 次の問題に移ります。これは政府の方においても明年度の予算の中で特に特殊教育、その中に含まれる精薄児対策ということを非常に大きく取り上げておる。先般地方青少年問題協議会においても、中央教育審議会の文部省に対する答申を基礎にして、この問題に対して内閣に非常に強い要請をいたしております。従って文部省に属する部分は、従来から懸案になっておった養護学校の義務制、この点について予算要求をいたしているようでありますが、その点の見通しはどうか。新しく養護学校をふやすということ、それと義務制に移行するめどは一体いつごろになるのか、これを一つ伺いたい。
○内藤(譽)政府委員 今御指摘のように中央教育審議会の答申に基きましてすでに予算要求をいたしております。ですから各県に設置義務を負わしたい、これも年次計画を立てて完全に各県に義務を果たさせるようにいたしたい。大体見通しは五カ年くらいの想定のもとに養護学校の設置を義務づけたい、かように考てえております。
○辻原委員 地方青少年問題協議会で、養護学校を設置する場合に補助率を二分の一から三分の二に引き上げるべきが妥当である、そうでないと今の地方財政では積極的に養護学校を設置するという意向にはとうていなれぬ、だから当然補助率を引き上げて推進すべきであるという結論を出しておるのでありますが、その点についての見解を承りたい。
○内藤(譽)政府委員 現在のところ養護学校が三十七ほど各県にございます。養護学校の設置を義務づけるといたしますれば、私どもは当面のところ府県に義務を課していきたい、かように考えておりますから、府県の財政力から考えますれば、各県一つ程度のものは、これは補助率を引き上げぬでも今の二分の一でやっていけるという見通しでございます。
○辻原委員 どうも少し甘過ぎる観測であって、自治庁の松島さんがいらっしゃいますが、それではちょっと地方団体も自治庁もおさまらないだろうと思います。これは養護学校ではありませんが、私もすいぶん盲ろう特殊学校の設置を要望いたし、また地方でもそういう運動が盛んでありますが、先刻申しましたように今の地方財政では高等学校の施設までとうてい手に負えぬ段階になっている。そこで新設の学校はなかなか踏み切りがたい。ですから五カ年計画でやるとすれば二分の一では地方においてもそう簡単に取り上げられないのではないか。だからこういう特殊教育、気の毒な恵まれない施設というものに対しては少くとも国が七割、八割程度の責任を負ってやってくれという建前にやらなければならぬと思う。この三分の二のあれについてはそれぞれ地方青少年問題協議会においても与野党とも非常に一致した見解として要望しておりますから、文部省としてもそう早くからあきらめないで、一つ考えてもらいたいと思います。 だんだん時間がございませんので、次に施設の関係において特に問題になる点を質問しておきたいと思います。監理局長に伺いますが、文部省が策定をされた義務教育施設についての三カ年計画、五カ年計画というものはすでに今日においては基礎がゆらいでいるのではないかと思いますが、これを修正する必要があると思っておられるかどうか、この点伺いたい。
○小林(行)政府委員 公立学校の施設の五カ年計画につきましては、御承知のように本年度からその実施に入ったわけであります。その五カ年計画の基礎としてとりました数字は、三十三年度の数字でございまして、その当時それ以後五カ年間の推定をして予算積算の基礎にいたしたのでございまして、現在におきましては私ども推測に大した誤りはなかったと思っておりますが、なお一部につきましては当時予測されなかったような事情の出てきておるものもございます。しかし五カ年計画も、本年度は先ほど申しましたように緒についたばかりの年でございますので、五カ年計画の全体の数字を明年度から直ちに変更するという考えは現在持っておりません。
○辻原委員 特に問題になる点は、これは中学校の生徒増に伴う施設の問題であります。私の知るところでは大体三十四年から三十七年をピークにして、生徒増が大ざっぱにいって二百十万ちょっとになると思うのです。そういたしますと、この生徒増に伴う不足坪数といいますか、不足教室は三万教室以上になろうかと思われる。さらにこれを建てるための所要金額は、それから考え合わしてみますと、これまた百億をはるか突破するのではないか。そういうことになれば、本年度予算要求をされておりますが、そういう点について、少なくとも三十七年がピークになるのでとうてい間に合わない問題について、はたしてこの程度の予算要求でいいのかどうか、私は非常に疑問を感ずるのです。一体その点に対する取り扱い、手当というものはどうされておるか。
○小林(行)政府委員 中学校の校舎の整備の点でございますが、五カ年計画におきまして大体不足坪数百十九万坪というものを想定、約六十億の計画を立てておるわけでございます。私どもこの数字は、今後生徒増加数約二百十万を収容する建物といたしましては一応これで間に合うものという積算をいたしておるわけであります。ただ五カ年計画は、この中学校の校舎の整備につきましては各年度割りまでについてがっちりしたものができておるわけではございませんので、——実はこの二百十万の生徒の増減の工合につきましても年度々々によって違って参ります。二十五年度におきまして約七十万、それから六年度に約百万、七年度に四十万といったようなそういう増加の波がございますので、この波に合わせまして三十五年度以降不足坪数の解消をはかっていきたい、そういうつもりでございます。従ってこの約百十九万坪を平均に整備するということは考えておりません。できるだけ前の方に繰り上げて校舎の整備をはかっていきたい、そして明年度におきましては十九万坪、約三十八億円の予算要求をいたしておるのでありまして、これはかなり後年度のものを前年度に繰り上げて整備をするというつもりで予算要求をいたしておるわけでございます。
○辻原委員 この問題は、従来の基準に満たざる学校についてその不足坪数を補っていくという問題とは違って、その増加が三カ年に集中されてくるということと、それから基準にある程度達しなくても何とかかんとか無理をすればできるから、だからことし予算をとれなければ来年でそれを一つ補おう、こういう問題とは違うのです。これは絶対、たとえば三十五年度の中学校の収容は、七十万なら七十万というものがそこへ殺到するわけですから、どうしてもそれを入れなければならぬ。これは地方の実情を見ますと、私の地方においても、ある中学校においては来年度の生徒数が倍になる学校もある。おそらく私は都会地等においてもその傾向が著しいのじゃないかと思う。すなわち昭和二十一年から二十三年に至るまでの間に生まれた子供、これは戦後の特殊的な現象でありますが、それがちょうど今中学校へ殺到する、それが三十五年、六年、七年と続く。ですから私はたとえば予算の内容がどうなっているかわかりませんけれども、ここで三十八億を中学校で要求しておる。これをたとえば二十億でよかろう、そういう目の子算で大蔵省がもし切ったとすれば、来年度子供が入学できない学校が現実に出てくるので、これはゆゆしい問題である。今までももちろんそれらの施設は充実し、整備していかなければならぬけれども、それに倍加する、非常に形の変わった重要問題であるという認識を一般に持ってもらわなければ困る。おそらくこの点は大臣も認識せられておると思いますが、これはバナナのたたき売りのように、大蔵省査定がこのくらいでいいだろう、あのくらいでいいだろう、毎年このくらいのワクだから、ことしは中学校増があるから少し色をつけて、それではこっちの危険校舎を少し減らそう、こういうことをもし予算査定でやったということになれば、来年度の地方財政はてんやわんやです。特に市町村の場合には、この問題についてはお手上げだといっておるのです。大臣は深い認識があろうかと思います。これを最後まで確保していくという大臣の決意をこの機会に御表明願いたい。
○松田国務大臣 お話の通り、その重要性は私も深く認識いたしておりまして、すでに最初の大蔵大臣との折衝の際にも、この五ケ年計画をもってすし詰め教育の解消をするというこの計画は動かせないということははっきりと伝えておる。おそらく大蔵当局にもそれはしみ込んでおる、かように考えております。
○辻原委員 私が冒頭に五カ年計画はある程度修正する必要が生じておるのではないかという点は、特に指摘したいのは、この中学校の問題です。なぜかならば、これは現実に教室を建てなければならぬのです。ある学校においては、来年度倍にもなる生徒を収容し切れぬから、これはどうしてもどこか小学校に宿借りをするか、あるいは戦後分散教育をやったように、公民館に一教室を借りるか何かして、一時的にでもそういうことをやらなければどうにもならぬ。国の方は一体どの程度の措置をしてくれるだろうか、こういうようにいろいろ考えておる。そういう事態になれば、その事態は少なくとも三カ年あるわけですから、三カ年ということは、中学校の全課程です。ちょうど三十七年に卒業する子供は戦後の混乱期と同じような分散教育なり不完全な教育を受けて卒業しなければならぬという現実が現われてくるということを懸念いたします。だからこういう人口増加係数の順調でない、特異な一つの場合の取り扱いとしては、従来の中学校の整備あるいは危険校舎の取り扱いと切り離して、暫定あるいは臨時的な取り扱いでもいいと思うのですが、それだけは別個な形で、中学校の生徒増に伴う緊急措置としてやるべきじゃなかったかと思います。その点について文部大臣はどうお考えになりますか。
○松田国務大臣 お話のように、私も中学校の増、先ほどから局長から話しましたように、七十万の増の生徒、また十九万の坪数をどうしても建てなければ、子供が来年四月に中学校に入れないという現実に困った問題が起こってくるのでありますから、この点は先刻申しましたように、きわめて強い意思をもって予算の措置を講ずるようにいたしておる次第であります。
○辻原委員 監理局長はこの点について……。
○小林(行)政府委員 御指摘もございましたように、要求の金額の獲得がむずかしいということになると、借用校舎というようなことも起こってくる懸念もありますので、そういったことの起こらないように、不完全な教育の起こらないように、できるだけ努力をして参りたいと思います。お話もございましたように、確かに今後三カ年間の中学生の増加というものは異常な生徒増の状態でございますので、私も公立文教の中で中学校の校舎の整備の要求はいたしておりますけれども、事業といたしましては特別な緊急措置のつもりで最重点を置いて折衝をいたしておるわけでございますので、この辺は御了解いただきたいと思います。
○辻原委員 この点は自治庁にも深い認識を持っていただかなくてはならぬと思うのでありますが、文部省は最近予算の獲得と同時に、実際の配分にあたっては地方の実情等相当勘案をされて、俗にいう充足率については率を高められているようであります。ところが最近自治庁のそれを見ると、地方財政それから起債のワクのきゅうきゅう締まっている関係からでもありましょうけれども、どうも補助と起債の見合いというものにアンバランスがある。従ってそのアンバランスを取り除いて少なくとも充足率は文部省のそれと一致するごとく補助事業については取り扱ってもらわなくてはならぬと思いますが、その自信がおありになりますか。
○松島説明員 お尋ねの点につきましてはできるだけ実態に即応するように配慮しているつもりでございますが、せっかくでございますが、私起債の方の担当でございませんので、先生の御趣旨をお伝えをいたしまして、遺憾のないように配慮していきたいと考えております。
○辻原委員 財政の方で、担当の方ではないようでありますが、実情に即してはいないのです。文部省の場合、一昨年を見ると大体八〇%くらいが最低で、去年は大体九〇%、そのくらいの補助配分になっている。ところが自治庁の場合には、極端な場合には六〇%、平均において七〇%くらいの補助起債しか与えない。その負担はあげてどこへいくかというと、義務制の場合みんな父兄負担の市町村で建てるのですが、市町村は災害その他何やかやで、とても市町村の税収その他自己財源でまかなうということはできない。従って、好ましい方法ではないが、せめて起債でもってその補てんをしたいという考え方、これは説明するまでもない。それが計算上国の法律なり行政の指導から見れば、資格があればその資格に対して当然文部省においては一〇〇%、またそれに見合う起債としては自治庁においても一〇〇%、これが計算されなければならぬのであります。ところがきまってみなければわからない。こういう行政のへんぱがあるわけです。これももちろん要求の度合いが高いから勢い薄まるということもやむを得ないのでありますけれども、しかし指導としてはできるだけ充足率を高めて、そして市町村の負担なり、あるいは一般の父兄の負担というものを軽減していくという方向にぜひとも努力してもらわなくてはならぬ。地方の実情は決してあまり緩和されておりません。担当者でございませんので、その点を申し上げておきます。せめて文部省が努力をした九〇%程度は、その九〇%に見合う補助を最低としてあてがう必要がある。そういうことでないと、特にこの中学校の急増なんかに対する対策として、国の方でもこの補助が獲得された、起債もくるといいながら、実際それを通算計算をいたしてみますと、補助において一〇%切られる、起債において二〇%切られる、しかし実際建物はまたさらにその上にあるのですから基準坪数まで、三百坪の校舎を建てなければならぬとした場合に、大ていの場合にはその基準というものは二百あるいは二百五十しかない、その二百ないし二百五十に対してそれが九〇%であり、起債が七〇%である。だからその五十坪はまるきり自己負担でやらなければならぬし、起債補助を切り落とされた分あるいはその他特別の施設についても自分でやらなければならぬ。だから地方財政の貧困ということは、一つには中途半端な補助、起債の獲得、予算計上あるいはそれの配分、そこから起こる。私はこういう校舎建築は弱小な町村にとっては長い間の重い負担になってくる、こういうふうに考えるのです。だから私がここらで特別措置をしろという意味は、おそらく五カ年計画の通例のやり方でこの中学校急増に対処するならば、来年の今ごろはけんけんごうごうたる非難が文部省に集まってくる。生徒が倍になる。今まで十教室の中学校だったら、倍になれば二十教室建てなければならぬ。その二十教室を建てるとなれば、少なくともここに五百坪を建てなければならぬ。五百坪建てるとなると、鉄筋校舎でやるとすると三千万円の金がかかる。それを四〇%切り落としたならば、少なくとも千二百万円というものは起債の犠牲によってそれがしわ寄せされる。こういう負担をだれに背負わせるかという問題です。かつて不正常授業解消に対する一つの暫定的な起債の措置として十億円を出して、これは特別措置をやりました。そういう例がある。だから今回の場合においても、向こう三年間は従来の措置に対する不足の点を補う意味において何らかの特別措置が必要だという認識はそれなんです。 ちょうど大蔵省の奥村政務次官もお見えになりましたが、今論じている問題は特に義務教育に対する施設の問題なんです。本年から三十七年に至るまで急激に中学の生徒が増加「いたします。その数約二百十万、異例であります。従ってある中学校においては生徒数が倍になる。地方においてはどんなに努力してみても倍の中学校の教室を建てられません。だから分散教育なりあるいは小学校へ併置してもらう、こういう状況がもう相当数起きておる。地方の市町村へ参りますと、ほんとうにみな頭を痛めておる。それに対する国の手当は一体どうなるか、こう私は質問している。通例の五カ年計画で措置しようということになって、初年度として三十八億の要求を出しておる。この三十八億が大蔵省の一般的ないわゆる査定方針によって適当に切られるという場合があったら、地方においては教室が足らぬということになる。普通のコンスタントな場合における状態であるならば、一教室、二教室足らぬでもやむを得ぬから立てかえてでも市町村でやっておこうということになる。しかし五教室、十教室ふえてくるものはいかんともしがたい。しかもこれはことしできぬから来年まで待ちましょうというわけにいかない。来年になれば七十万が中学校の校門に殺到するわけですから、どうしてもそれだけの手当分はぎりぎりしなければならぬ。それについて文部省も努力している。文部大臣も努力されておるが、私は今自治庁にも起債の裏づけという点について努力してもらいたいと申し上げた。大蔵省はこの認識についていかようにお考えになって、これはどの程度お認めになっておられるか、また努力をせられておるか、そういう認識がおありになるかどうか、政務次官にわざわざ御出席願いましたので、お答えを願っておきたいと思います。
○奥村政府委員 お答え申し上げます。私おくれて参りましてまことに恐縮であります。今承りましたところによりますと、来年度あたり特に全国の中学校の生徒数が激増いたしまして、そのために教室が足りない、また先生も足りない、この不正常な状態をどのように解決するかということでございまして、これについては文部大臣からもかねがね承っておりますし、文部省からも具体的な予算要求も参っております。私も、来年度予算編成の大蔵省の省議に際しまして、このようなことについていろいろと論議に携わっております。具体的にどのような予算をつけてどうするかということにつきましては、一応大蔵省の考えは今晩閣議にお諮りを申し上げます。その上でまた文部大臣初め閣議で御検討願う、こういうことに相なっておるわけでございます。従いまして、今晩内示のことを今ここで何が幾らということは、実は詳しく存じてもおりませんし、また今ここで申し上げることは差し控えさせていただきたい。いずれにいたしましても文部省の御方針に沿いまして、この不正常授業を早急に解決するように努力いたしたい、かように存じておる次第でございます。
○辻原委員 次官が認識を持たれて努力いたしたいという非常に積極的な答弁でありますので、閣議決定の結果を楽しみにいたしております。その結果を見た上であらためてまた御質問をいたすかもしれませんけれども、この問題は、先刻から申しておりますように、地方財政なり地方の取り扱い上、下手をすれば混乱をする重要問題であるという認識において、例年行なわれるがごときそういう査定あるいはそういう施設に対する認識を一つ払拭していただいて、緊急かつ暫定的な必要な措置として、ぜひともこれはまるまる大蔵省としては計上していただきたい。私はこういうことを特に政務次官にお願いを申し上げておきたかったのであります。 いま一点、今度は実際の取り扱いについて文部省に一つ配慮をしてもらいたい点があります。それは先ほどから申し上げておりますように、どうしても新しく不足教室を建てなければならぬ。ところが建てる場合にややこしい計算をして、中学校の場合には、従来からお前の中学校は基準にない管理教室だとか、その他特別教室を作っておるから、お前の方の中学校は校舎五百坪を建てるのだけれども、資格については二百五十坪しかないぞよ、こういうことの例が私はずいぶん起きてくるだろうと思うのです。そうすると、これまた教室が建たぬということになる。そこで何か方法が考えられはしないか。私が暫定措置、特別措置をやかましく強調する理由は一つはそこにあるのです。普通の方法であれば、当然そういう計算方式が用いられるでしょう。そうすれば実際は建たぬということになる。せっかく予算を計上しても実際はあまり効果がない。それではいかぬから、従来の計算とは別に、最低限度普通教室が就学に差しつかえない程度に建てられるように、この場合に関する限りは基準坪数を変更すべきじゃないかと思うのですが、監理局長いかがですか。
○小林(行)政府委員 不正常授業解消の建前から申しますと、基準坪数に足らないということが国庫負担の条件になっておりますので、一般の場合には基準坪数以上のものを比較的豊かに持っておるというところには、さらに教室の使用の方法につきまして御検討を願うことが当然のことと私ども考えております。ただ資格坪数の算定にあたりまして、たとえば渡り廊下等が普通の校舎に比べて特に多いということのために資格が出てこないものにつきましては、特別に調査をいたしまして認定をするという方法もとっておりますが、ただいまお尋ねのございましたような、教室に使えば使えるもので資格坪数が出てこないというものまで特認するということは、この際無理じゃないかと私ども考えております。
○辻原委員 予算上から言えば監理局長のような考え方も一応話にはなりますけれども、しかし、実際また教育という立場から考えれば、それでは普通教室があれば普通教室を優先して特別教室はまあまあいいんだということになるので、やはりそうではなしに、一応最小限度の特別教室なら特別教室はこの程度という範囲を定めて、その場合にさらに不足する点については特別認定をしていくような方法をとることが、私は実情に沿うと思うのです。だから特別教室を普通教室に全部切りかえるということを前提にして計算をするというふうなことは少し酷ではないか。最小限度の、たとえば理科教室であるとか、理科準備室であるとか、音楽教室であるとか、あるいは家事室であるとか、こういう本来普通教室に切りかえるのには非常に繁雑であり、一朝一夕に切りかえられぬというものは、最小限度文部省も考慮されて、それ以外のスムーズに切りかえられるところはやむを得ないでしょうけれども、そうでないものは一応基準からはずしていく、こういうようなことも一応検討をしていただきたいと思う。
○小林(行)政府委員 この五カ年計画のすし詰め解消につきましては、生徒の増が平常と違いまして特に異常な生徒増でございますので、この五カ年計画の最低の線といたしまして、普通教室の整備ということを取り上げて積算の基礎といたしておるのでございまして、ただいまお尋ねの中に例示としてあげられましたものは、最低の線以上にある程度坪数を持っておるというもののように私ども考えられますので、そういうところにまで資格を特に認定して国の負担をつけるということは、それ以外のものとの不均衡も相当出てくると思いますので、そういうものまで私ども負担の対象にするということは相当困難であろうと思っております。
○辻原委員 そういうふうにやりますと、結果は必ず地方において建てられないという問題が起きると私は思うのです。一教室、二教室の場合にはいいと思うのですが、かなり大幅にふえるという場合に、それが従来特別教室を三つ四つ五つ持っておった。しかし、そのうちの二つくらいしか転用がきかぬという場合には、必ず百坪内外のものが、資格外になって自力でやらなければならぬというような状況が起きて、相当問題になるのではないかと思うので、あまりその点について——均衡もあろうと思いますけれども、特別措置ということになれば、私は割とやりやすいと思うのです。だから従来の方針を踏襲していくということになれば、従来やってきた方針なりということになりますけれども、急増に伴う緊急特別措置ということになれば、そういう点についての均衡論もかなり緩和されると思うので、そこらを文部省も考えていかなければならぬのではないか、こういう趣旨であります。しかし、その点は認識さえいただけば、あとは個々の行政指導の問題でありますから、深くはお尋ねいたしません。 その他監理局の施設の予算についていろいろ申し上げたい問題もあります。たとえば鉄筋律の引き上げの問題であるとか、あるいは土地購入費の問題であるとか、また補助率三分の一を危険校舎の場合には二分の一に引き上げる、これは当委員会ではかねての決議でもありますから、そういう点については大蔵当局、文部当局も十分一つ御配慮願いたいと思いますが、ここでのお尋ねは時間の関係で省略をいたしておきます。 次に体育局長にお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、ちょうど大蔵政務次官も出られておりますので、一つの問題は、東京オリンピック開催に伴う諸施設等について、組織委員会においてもいろいろ検討されて相当大幅な要求を大蔵当局にされておると思いますが、大体どの程度の施設を今考えられておるか、その概略を一つ承りたいのと、それについての見通し、それからそれらの諸施設についての大蔵当局の考え方、これを一つ最初に承りたいと思います。
○清水政府委員 御承知のごとくオリンピック東京大会を計画し実施する場合、予算上から見ましてこれを大きく二つに分けることができるかと思います。一つはオリンピック東京大会の一切の計画と特定の事業を実施する組織委員会そのものの運営に要する経費、もう一つはただいま御指摘のオリンピック東京大会をやる場合の主として競技施設等に要する経費、この二つに分けることができると思うのでございます。それで今お話しのございました競技施設の問題につきましては、これから五カ年計画に基づきましてやっていくわけでございますが、何と申しましてもオリンピック競技大会は国立競校場を中心にやるのが一つ、それからもう一つは、東京都のものでございますが、駒沢のいわゆるスポーツ・センターでやるのが一つ、この二つがオリンピック東京大会のおもなる競技施設になると思います。その他ヨットでありますとか、ボートでありますとか、あるいは馬術であるとかいうようなものは、その立地条件の関係で他でやりますが、大体そういうように分かれております。それで国立競技場では、御承知のごとく開会式、閉会式、それから陸上競技その他をやるのでございますが、これはどうしても国でもってこれを作らなければならぬというところに組織委員会では決定いたされております。それで、国立競技場を中心とした施設は国でやる、それから駒沢スポーツ・センターに設ける競技施設は東京でやるという建前で進んでおりますが、国立競技場のことだけ申しますと、現在御承知のごとく五万五千の座席と七万の収容力がございますが、これは八万の座席にしまして、収容力十万にする。それに要する経費が、全部入れましてただいまのところ九億二千万ばかりになります。それを年次計画でやって参らなければなりませんが、来年度は植え込みでありまするとか、あの前にどうしてもゲートを作らなければなりませんが、そういう関係で来年度はただいまの記憶では三千一百万円ばかりどうしても必要だということになっております。 それからお話がございませんでしたが、オリンピック組織委員会そのものにおきまして来年度、三十五年度に要する経費といたしましては、これは発表されたと思いますが、一億六千八百万円を必要とする。その分担の問題ですが、これまた御承知のごとく、一億六千八百万円のうち七千五百万円は国で補助し、あとの七千五百万円は都にお願いする、あと残りました千八百万円は組織委員会自体が調達するということで組織委員会ではきめられたのでございます。こういうことは申し上げるまでもないことでございますが、オリンピックが五年後に参るわけでございます。オリンピックの意義その他につきましては申し上げるまでもないことでございまするけれども、私どもといたしましては、やはりりっぱな、ほめられるオリンピックをやるためには、ただ金をかけるばかりではないので、むしろ現在ありますところの施設を十分に活用し、あるいは改造し、どうしてもできない場合にこれを新設することがあるかもしれませんが、とにかく国力に応じたものでりっぱなものをやりたいと思っておる次第であります。 それから、施設に関係するわけでございますが、オリンピック種目は御承知のごとく二十一種目でございまするが、回答書は全部やると回答しておりますけれども、正式に全種目やるかどうかということはまだきまっておりません。それによりまして施設にも若干影響があるかと思っております。以上でございます。
○辻原委員 今御説明をいただきました運営費、それから施設費、これらは当初組織委員会で問題になり、また文部省でも全体計画として立案をされました額、たしか七十何億ですか、その分に対する五カ年計画の一つとして計上されております。この点について、政務次官、今聞かれた通りでありますが、各方面の協力を得て施設の整備ということは比較的順調に進んでいるようでありますが、五カ年計画の一つとして、本年度予算要求をして計画を進められておるということで、これもやはり期限のある問題でありますから、やはりそれぞれ先に送るわけにも参りますまいから、大蔵当局としてもそういう点について考慮されておると思いますが、現在大体どういう考え方でこの査定に臨まれておるか、御答弁を願いたいと思います。
○奥村政府委員 オリンピック誘致の準備計画、運営等については、ただいまお話しがありましたように運営委員会が立案してやっていかれるわけでありますが、その運営委員会も御承知の通りごく最近できたばかりでありまして、今御答弁がありましたように、運営委員会の運営の問題とそれから施設の問題ということで、運営委員会の運営については、これは政府も一部経費は負担しなければならぬ、それから施設につきましては、これもお話しがありましたように、東京都が負担する分、あるいは国が負担すべき分、その他が負担すベき分もありましょう。また施設と申しましても、広く考えれば、道路とか、ホテルとか、競技場、そのほか公園とかいろいろな施設がございますが、道路などにつきましては、これはオリンピックに間に合うようにできるだけ優先的に促進しようということを考えておりまして、取り立ててオリンピックのための経費というような計上の仕方はしないでやっていこう、ホテルその他にしましても、オリンピックだけに使ってあとは要らぬからというわけのものでもありませんので、すべて将来恒久的に利用していく施設でありますから、そういう観点から運営委員会の御方針が確立され、具体的にいろいろお話しがありまして、それに基づいてまた国の負担を考えていく、かようなわけであります。 来年度予算についてはどうかということでありますが、これは運営委員会もできたばかりのことでかなりの間もあることでありますが、しかし多少予算の中には盛り込んでおかなければならぬと考えまして、大蔵省でもいろいろ検討いたしまして、予算に盛っております。その内容にわたりましては、いずれ今晩の閣議に諮りたい、かように存じておる次第であります。
○辻原委員 オリンピックを開催するための施設、こういうものについて計画にそごを来たさないように十分配慮してもらうことと同時に、一つ肝心なことは、オリンピックを開催するということの意義はいろいろ考えられましょうけれども、観光とか、そういう面を除いてスポーツだけを考えてみた場合にも、一つの祭典をやるのだ、民族を中心にした祭典をやるのだということだけではなくして、やはりこういう機会に国民の体育に対する関心あるいはスポーツの大衆化、こういうものをはかっていかなくちゃならぬ、そこにやはり力点を置かなくちゃならぬ。そういたしますと、従来日本のスポーツにおいて欠けておったものは何か、はたして今日日本のスポーツが国民のものになり、大衆化されているかどうか、文部省としてもこういう点をやはり一つの体育行政として深刻に検討してもらう必要があると私は思う。そういう立場に立って考えてみますと、ごく一つの例でありまするけれども、ここに文部省の予算の要求があるのを見ますと、スポーツの科学研究調査という項目が上がっております。これは非常にじみな項目であるから見過されがちであると思うのですけれども、私はやはり今後のわが国のスポーツにとっては重要な問題があるのではなかろうかと思うのです。従ってこの内容としている点は、トレーニングを中心としたスポーツ科学の調査研究、あるいはコーチについては海外のやり方を調査研究してく等々、いろいろあると思いますが、特にスポーツ医学なんという点については、わが国はきわめておくれておる。せっかくオリンピックが開催されるのでありますから、こういう機会に体育行政としても、スポーツ界としても、おくれている面を取り返すために、私は十分スポーツ医学という問題を積極的に取り上げて、スポーツに対する新分野を大いに開くべきだと思うのです。 さらに時間がありませんのではしょりますと、私は二年ほど前にいろいろ文部省の予算を研究してみた。そうすると今言ったスポーツの国民化、大衆化——ところが地方では学校を建てるのになかなか金がないというんですから、とてもスポーツ施設なんというのは容易なことではできない。戦前われわれが子供の時分に比較をいたしますと、われわれのところは海岸地帯で、泳ぎが達者です。大体昔中学校を卒業すれば、一里を泳がないと一人前と言われない、ところが最近の子供を見ると、どうも存外泳げない。なぜか。戦後これだけフランクになり、これだけスポーツが一世を風靡しておるのに、実際個々についてみると、個々の能力というものは逆に劣っておる。それはどういうところに原因があるかいろいろ考えてみたんです。これはごく一例であります。そうするとやはり近代的に最近の世相に合わすためには、それなりの施設をやらなければならぬ。ところがその施設についてどこも金を出すところがない。地方もそうであるし国もそうである。たとえばプール一つとってみても、私はプールのことについては何回も委員会で言ったのですけれども、どこからも金が出ない。だからプールを一つ作っただけでおる。そのプールを中心にしたいわゆる水泳の技術指導なり泳ぐというスポーツが、かなり十分にでき上がって、ようやく去年から文部省が力を入れて、プールについて少しではあるが補助を出しましょう、体育会についても補助を出しましょうと、存外大きな反響を起こしております。それは地方から要望される件数を見れば一目瞭然だと思います。最近おそらくいろいろな方で喜ばれておりますけれども、ほんとうに地方から非常に積極的に喜ばれたま新しいものをあげれば、私は体育監督、スポーツの補助にも指を屈しなければならぬと思うのです。本年も幸い予算を見ますと、プールについては画期的に要求をされておりまして、非常にけっこうであると思います。そういう方面を国民のためのスポーツにするためには、こういう機会に———今体育局としては非常にけっこうな場に置かれているわけです。オリンピックがあるというので、まあ率直に言えば、ある程度ほうっておいたって、この施設もやれあの施設もやれということで、かなりうけに入っている時代ですから、そのときにただオリンピックのための中心センターだけを作るということに堕してしまわないで、こういう機会にスポーツを国民のためにする指導をどうするか、研究をどうするか、そのために地方のいろいろな体育施設について、それを思い切って拡充をしていこうという意欲を燃やして、一つ御努力を願いたいと思うのです。これは要望でございますが、こまかい点は時間もございませんから以上にとどめておきたいと思いますが、一つせっかく意を用いてやっていただきたい、これをお願いいたします。 最後に一つ。これは社会局長に伺っておきたいと思うのでありますが、これは社会党と与党とを問わず、重要な問題、政策綱領としてあげている中に、同和対策の問題があります。その同和対策の中で初等中等局の関係においては、率直に言ってマンネリズムだと思う。研究校を幾ら指定しようが、パンフレットを出そうが、これはもう何十年繰り返していることであって、一こう同和教育、同和対策ということにはならぬ。もちろん同和対策は文部省のみならず、あるいは厚生労働、農林あるいは建設等多岐にわたる問題でありますから、文部省で取り上げる部面というものは非常に範囲は狭いわけであるが、特に同和対策ということについてはやはりバック・ボーンであるから、私は同和教育の上でも文部省の責任は大きいと思う。予算を見ますと、これは近ごろの社会教育局としては非常にこまかい問題であるが、ヒットではないかと思っていることが一つあります。それは何かと言うと、集会場を、約一億予算を要求をして、三分の二の補助をもって一つ各部落に作っていこうということです。事柄はきわめて小さい。しかしこのことは同和対策、同和教育という面から考えて活用する道が実に多いということ。たとえば文部省の予算の中に公民館があります。あるいは農林省の予算の中にいろいろな作業場あるいは塵芥処理場等いろいろあって、それらの施設がそれぞれの町村に作られております。ところが非常に貧困な状態にある、環境が改善されていない。これらの部落は存外そういう公共施設に恵まれておらない。ですから部落の子弟には、非常に不就学が多いという傾向が現われている。いわゆる勉強に対する意欲、それは経済関係にもよりますけれども、勉強に対する場合と、意欲というものは、学校教育ではどうにもならない。家庭に帰って社会教育でそれを補てんするということにならないと、どうにもならないという状況です。かつて私はある小さい部落に、ほんの十坪ばかりの、夜間子供が勉強する場を非常に要求して作ってもらった。そのために夜遊びをする子供が割と少なくなってきた。こういうことがあって、その村の人たちに非常に喜ばれたことがあるのですが、それと相似た性格を持った集会場をここに作っていこうという予算要求をされていることは、非常にけっこうだと思う。ぜひともこの予算を獲得して、実情に合うような施設を作ってもらいたいと思います。大きなことを考えれば、結局それはあまりかゆいところに手の届くことにはならないと思う。たとえば、私はこの委員会においても、かつて公民館の配置について文部省の方針を批判をいたしたことがあります。たとえば公民館は百坪以上でなければ、それについての補助を与えないというふうなことは、実際の公民館活動の実情に沿わないと思う。施設のないのはそういう山間僻地であり、恵まれざる部落である。だから小さくとも、そういうものについては設置を認めていき、推進していかなければならぬというように申し上げたことがあると思います。わけてもこの部落対策としては、小さいのでいいのです。十坪でも十五坪でもよろしい。そういうものをできるだけ作っていくことが肝心だと思いますので、それについてのあなた方の意欲と、それから予算に盛られた具体的な方針を承りたい。
○福田(繁)政府委員 ただいま承りましたように、私ども同和対策につきましては、大体同じような考え方をいたしておるわけでございます。もちろん同和教育の問題につきましては、学校教育で担当する部面もございますが、社会教育としても非常に大きな重要な問題でございます。従って同和地区のいろいろな施策にいたしましても、やはり根本は人権問題でございますので、私どもは教育の問題としてこれを考える場合に、社会教育の面で根本的にこれを取り上げていくのが方向ではないかと考えております。従って現在こういった同和地区の問題につきましては、各府県の教育委員会でも最近は非常に熱を入れてきております。従ってこういった面についての社会教育というものが、今までは特別の経費はございません。一般経費の中である程度重点的に考えていくというようなやり方をいたして参ったのでありますが、しかし私どもとしては、今後できれば一般経費の中でなく、今まで各府県で盛り上がってきております同和教育の問題について、さらに一歩進めて教育環境を大いに改善し、充実していくということがこの際先決問題ではないか、こういうふうに考えておりますので、そういった意味で来年度新規に補助金として今おっしゃるような集会場を含めて団体活動に必要な事業費も若干加えていく、そういった経費を要求いたしております。これは御承知のように、従来公民館には一定の規模なり基準というものが必要でございますので、公民館活動に類似はいたしておりますけれども、そういった特殊な同和教育を行なうというような場では、必ずしもその公民館の活動そのままをあてはめるということは困難な場合がありますので、そういった意味で小規模な集会場等を作れば各種の事業をやらなければなりませんので、そういう事業を中心に、教育環境を改善、充実するという趣旨から助成費を要求したい、こういうつもりでやっておるわけでございます。しかしながら新規の補助事業でございますので、なかなか現在のところ困難だろうと思いますが、できるだけ私どもとしては、これについて努力して参りたいと考えております。
○辻原委員 終わります。 —————————————
○臼井委員長代理 これより請願の審査に入ります。 本日の請願日程第一、産業教育に従事する国、公立高等学校の基礎教科担当教員に産業教育手当支給に関する請願より日程第八九三、公立義務教育諸学校の教職員定数増員等に関する請願に至る八百九十三件を一括議題とし、審査に入ります。 まず請願取り下げの件についてお諮りいたします。 本日の請願日程中第四六、三原町地内天然記念物松並木の一部指定解除に関する請願について紹介者永田亮一君より取り下げの申し出がございます。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○臼井委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。 次に、各請願の趣旨は、すでに配付されております文書表により御承知のことと思いますので、委員会における紹介議員の説明並びに政府の所見聴取を省略し、先ほどの理事会における協議の結果に従い、直ちにその採否を決定いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○臼井委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。 それではお諮りいたします。 先ほどの理事会における協議の結果に従い、本日の請願日程中、第九ないし第一八、第二〇、第二五ないし第二八、第三一、第三三ないし第三八、第四九ないし第六一、第六六ないし第八三、第八五ないし第九一、第二〇五ないし第三一〇、第三一三ないし第四〇四、第四〇九ないし第四一九、第五六五ないし第六九二、第六九八ないし第七三九、第八〇五ないし第八七三、第八七五ないし第八九三の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決し、日程中第一九、第二九、第三〇及び第四八の各請願は、いずれも議院の議決を要しないものと決し、その他の請願は、いずれもその採否の決定を保留いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○臼井委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。 なお、報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○臼井委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。 —————————————
○臼井委員長代理 なお、本日までに当委員会に参考送付されました陳情書は七十四件でございます。念のため御報告申し上げます。 次会は公報をもってお知らせいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時四十五分散会