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33回国会衆議院1959/12/17

農林水産委員会開墾干拓に関する調査小委員会 第1号

発言数
77
登壇者
6
会派数
2
開催日
1959/12/17

会議録

笹山茂太郎自由民主党

○笹山小委員長 これより間墾干拓に関する調査小委員会を開会いたします。  開墾干拓地の現況及び開墾干拓行政に関する政府の基本的構想並びに当面の諸問題等について、政府の説明を求めます。伊東農地局長。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 私から、現在農林省で開拓、干拓についてどんな考え方で行政を進めておるかということと、当面問題になっておりますことにつきまして、ごく簡単に御説明いたします。  開拓の今後の問題でございますが、われわれとしましては、まだまだ開拓、干拓につきましては積極的に国土を開発いたして参りたいという基本的な考え方を持っているわけでございます。これにつきましては、実は、基本問題調査会等におきましても、今後の農業の伸びはどうなっていくのだというようなことを、いろいろ試算をいたしておるわけでございますが、将来の伸びが、水田よりも、あるいは畑作、これは酪農とか果樹とかそういうものを中心にして、そっちへ伸びていくのだというような数値を、過去の所得弾性値を使いまして、いろいろ計算はいたしております。そういう趨勢から見まして、荒い試算を今農地局でやっておるのでございますが、たとえば、過去におきまして、長期経済計画でやりましたときに、農業の伸びは年率で三・三%だというようなことで、いろいろな試算をしたのでございますが、そういう同じような試算でいくと、大体十年先の耕地面積というものはどのくらいになるだろうかというような試算も実はいたしております。そういうもの等から見ますと、まだまだ、特に畑地等につきましては、今後開拓をしていく耕地が数十万町歩十年間においてやる必要があるのではないかというような数値も出ております。また、水田につきましても、これは、十年くらい先になると、大体量的には米の需給というものは一応安定するのではないかというような数字がいろいろ出ておりますが、こういうものを前提にいたしましても、前年のつぶれ地等を考えに入れますと、これはやはり十数万町歩の水田というものを作っていかなければならないというような数字が実は出て参ります。そういう数字に比較しまして、現在毎年できております農地は実は最近だんだん減りまして、水田と合わせまして二万ヘクタールくらいの耕地の造成でございますので、これから農業が三・三%伸びるというような前提に立ちますと、まだまだそれ以上の耕地を作っていかなければならぬというような数字が実は出て参りますので、われわれとしましては、開拓、干拓、水田の場合には特に干拓が問題でありますが、こういうものにつきましては積極的に従来の考え方を進めていきたいという基本的な態度はとっているわけでございます。  しかし、一面、開拓の現状を考えてみますと、過去の緊急開拓時代からのいろんな経緯もありまして、実は、開拓の、すでに入っておられる人たちの営農の状態あるいは農家経済の状態というものを見て参りますと、かなり手を打たなければならぬことが実はだいぶ残っております。そういう現状でございますので、われわれとしましては新しく伸びるためには、今まで入られた人々の農業経営の基盤といいますか、それをしっかりした上で、さらに大きな伸び方をしなければならぬという考え方をとりまして、今開拓につきまして農林省の最重点として考えておりますことは、入植者の営農なり農家経営状態をどうやって安定さしていくかということを、最も大きな柱として実は考えております。そういう点から参りますと、新規の入植の人々等につきましては、これはある程度の制限をしまして、既入植者のことをまず考えて、その上で伸びたらどうかというような考え方をいたしておりますので、実は、予算の要求におきましても、二十四年度の新規入植は千七百戸でございましたが、来年も同程度にしまして過去に入植された人々のためにいろんな施策をしていきたいというような考え方をとりまして、新しい入植者の人々につきましては、これは特に機械開墾を中心にいたしますとか、あるいは新営農類型地区を中心にする、あるいは干拓地区に入れますとかということを考えまして、再び過去のような、過去に入られた人のような経済状態を再現しないように、今度新しく入っていく人につきましては、そういう心配をしなくていいようにというようなことを中心に、新規な開拓者の人々については、これを考えているような次第でございます。  それから、すでに入られた人々について、実はいろいろ問題がございますことは御承知の通りでございますが、これにつきましては、私どもは、三十二年度にできました開拓営農振興臨時措置法というものを実は中心にして考えております。これで振興計画、営農改善計画をみな作ってもらいまして、これは約十万戸足らずでございますが、この計画を中心にしまして、私どもは過去に入られた人々の営農の安定をはかっていきたいということが、既入植者の人に対しまするわれわれの基本的な考え方でございます。これにつきまして実はいろいろ御議論があるところでございますが、私どもとしましては、振興計画を作りまして、これの改訂が実はいろいろ議論されておりますが、私どもとしましては、まず第一段階としては、せっかく作りましたこの計画をまず達成していくということが基本的な問題ではなかろうか、また、この計画の改訂なり再改訂ということは、いたずらに時間の空費になりはせぬかという考え方からいたしまして、今できております振興計画というものを中心にして、既入植者の安定をはかっていきたいというのが、われわれの基本的な考え方でございます。  それで、実は当面問題になっておりますことの大きなものを申し上げますと、過去に入られました既入植者の方々の債務につきまして、これは特に国の持っている債権でございますが、これにつきまして償還率が非常に悪くなっておる。今の振興計画を達成する上には、この国の債権を、国から借りている債務をその通り支払っていったんでは計画の達成もできないというような事態でありますので、これを相当思い切って償還の履行の延期をしてほしいということが、開拓者の人々から強く叫ばれております。これに対しまして、実は、われわれは、国の持っております債権の管理をしていく法律がございまして、その法律の範囲内で個々の人につきまして履行の延期をしていけば、これは開拓者の要望もある程度かなえられるのではないかというような考え方で実は参っていたのでありますが、この問題につきましては、昨年、今年あたりの償還率等から考えまして、あるいは今の法律の運用だけではうまくいかぬかもしれぬというようなことを判断いたしまして、来年度の新規な予算におきましては、こういう国の持っております債権につきまして、ある程度の履行延期、それから償還期の据え置き期間を設けまして、三年なり五年なりの据え置き期間を設けます。あるいは償還の期限をさらに十五年間延ばすというような、国の持っておる債権につきまして抜本的な対策を立てる必要があるのではないかというようなことで、新しく大蔵省に追加要求を実は予算としていたしておるような現状でございます。これとあわせまして、これも、開拓者の人々から、あるいは開拓農協の人々から、過去において借りました国の債務というものが非常に口数が多くなって、事務的にも繁雑過ぎるというような御要望もありまして、これもできれば金利が三分六厘五毛、五分五厘、五分と、三本立ぐらいにして借りかえてしまうというようなことも必要ではなかろうかというようなことも、実はあわせて要求をいたしておるような次第であります。  それから、開拓者の営農状態といいますか、経済状態が非常に悪くなりました一つの大きな原因といたしまして、過去の二十八年、九年、北海道では三十一年でございますか、非常にこういう災害がございまして、これを転機にしまして今の開拓営農臨時措置法もできたのでございますが、非常に借金がふえてきたというようなことになっておりまして、その結果、中金から借りました天災融資を借りかえをしまして、条件の緩和ということを実はいたしておるわけでございますが、特に昨年ぐらいからの傾向としまして、開拓者につきましては中金から天災資金を借りるということが非常に困難になってきている。開拓農協自体が脆弱だというようなこともございまして、なかなか金が借りられぬというような事態にもなっておりまして、強く開拓者資金融通特別会計から災害資金も貸してほしいと実は言われているわけでございます。これにつきましても、われわれとしましては、開拓者の現状を見まして、開拓者の中で必要性と言っては語弊があるかもしれませんが、振興農家以外の開拓者につきましては、天災融資法で災害の場合融資を受ける道は一応開いておきまして、それ以外の振興農家につきましては、特別会計から天災の場合、災害の場合の融資をしていくというようなことも必要ではなかろうかというようなことで、来年度予算としましては、これにつきましても特別会計から融資をしたいというような予算を要求いたしております。これは災害のことでございますので、幾ら要りますか当初わかりませんので、特別会計が必要な場合には中金から金を借りまして、次年度に特別会計から中金へ返していくというような仕組みの特別会計を考えておるような次第でございます。  それから、そのほかに、予算上の問題といたしまして、特に過去に入られた人々が過剰入植になっているということをよく言われるわけでございます。これは振興計画とも関係してくることでございますが、過剰入植になっているままでどうしても営農安定ができないという場合に、地区ごとに、たとえばほかの地区に移転したり、あるいは一部の人がほかの開拓地に入ったりというような場合の対策も、これは特に北海道等から強く要望されておるわけでございますが、これにつきまして一つの弊害になっておりますことは、借入金、借金がございます。それをどうするかというようなことも、これをはばむ一つのネックになっておることでございますので、来年度予算におきましては、そういう場合に負債の整理に充てられるような移転費用等の一部も国から助成するということをいたしまして、この入植対策の一助にしたいというような予算要求も実はいたしているようなわけでございます。そういういろいろな問題の予算要求はいたしておるわけでありますが、これの中心になりますのは、実は先ほど申し上げましたような振興計画をどうやって達成するかということがねらいでございまして、私どもとしましては、冒頭にも申し上げましたように、振興計画をまず達成して、その上でさらにその次の段階に進んだらどうだろうというのが、実はわれわれの基本的な態度でございます。  今申し上げましたような新しい予算要求を実はいたしておりますが、今後の問題でございますが、予算要求をします前提としましては、当然、そういうものが実現すれば、現在あります開拓営農振興臨時措置法の改正にもなりますし、開拓者資金融通法の方もまた法律改正になりますし、農林省としましては、ある程度思い切った予算の要求、法律改正をしまして、既入植者の人の安定をはかっていきたいというように実は考えておる次第でございます。  それから、干拓のことでございますが、干拓につきましては、実は今度の災害でわれわれは非常に考えさせられるものがございました。来年度干拓問題としましては、新規なものを——もちろん継続中のものをやることは当然でございますが、ああいうとうとい人命を失うというようなことから考えますと、今までは、単に経済性といいますか、そういうものの追求の方が非常に強くて、国土の保全という意味から干拓地の堤防等を考えるという考え方が、比較的経済性の陰に隠れたというようなことがございますので、われわれとしては、すでにでき上がりましたもの、あるいは工事中で竣工に近いものというものにつきましては、堤防の補強等を特別にやりまして、再びこのようなとうとい人命を失うというような事態を起こさないようにということで、うしろ向きの政策にはなりますが、すでにでき上がったもの、継続中のものにつきまして、特に国土の保全的な面から、干拓地の堤防の補強ということは、あるいは新規なものを犠牲にしましても、ぜひやりたいというくらいの考え方で、実は私ども大蔵省に予算の話をしておるという現状であります。  取りとめないことを申し上げましたが、今までやっております開拓、干拓のごくあらましのことを御説明申し上げました。

笹山茂太郎自由民主党

○笹山小委員長 次に、北海道開発庁所管の開拓関係施策について説明を求めます。木村監理官。

木村三男総理府事務官(北海道開発庁総務監理官)

○木村説明員 開墾、開拓に関する国の基本方針につきましては農林省が定めるところでありまして、その点につきましては、私どもの方は農林省と歩調を合わせてやっておるという状況でございます。ただ、北海道の特殊事情といたしまして、いろいろ学問的にむずかしい問題がありますので、そういう現状に目をいたしまして、私どもとしても北海道における開墾事業の考え方というものを常に研究いたしておりまして、最近はっきりいたしまして、これから来年の予算に盛り込もうというような事項につきまして御説明をいたしたいと思います。  第一に問題になりますのは、戦後北海道に入植させました数が四万戸であります。ただいま残っておりますのは、その七割に相当する二万八千戸、つまり三割に相当する入植者が、脱落といいますか、離農といいますか、落ちこぼれて、七割残っておりますけれども、その実情を見ますと、非常に苦労をしておりまして、収入の点、営農各般の点において非常に苦しい生活を送っておるというのが現状であります。さようなところに着眼いたしまして、既入植者の経営安定対策というものをさらに一そう進めていかなければならないであろうということに結論が到達いたしまして、しからば、既入植者の経営安定対策として、北海道開発庁としていかなることをなすべきかという問題になるわけでありますが、まず問題になりますのは、せっかく入植はしたけれども、開墾建設工事が非常におくれておるというのも、これも現状であります。残事業を見ますと、金額にして百三、四十億残っております。これは、ことしの予算のベースでやっていきますと、十年ぐらいかかってやっと安定工事が終わるというような状況でありますので、建設工事というものを早目にいたしまして、そのためには予算を増額いたしまして、おそくとも五年以内に全部終わる、特別振興措置においては三年以内に工事を終わるというようなところに目標を置きまして、本年度予算の約三倍近くの要求をいたしておるような次第であります。  それから、建設工事のほかに諸般の問題がからまるわけでありますが、次に問題になりますのは、営農指導の問題であります。これは直接私どもの役所の所管ではありませんけれども、道庁に営農指導員というのがおりますけれども、数が足りない。活動が思うようにいかない。その辺を補強するような措置もあわせて講ずるような考えでおります。  それから、金融面につきましても、救済の制度その他いろいろございますけれども、その点につきましても関係方面と連絡いたしまして、金の面あるいは指導の面から、既入植者の安定ということに大きな政策を打ち出したいと考えておるわけであります。  なおまた、既入植者の営農状況を見ますと、人力開墾でありますので、開墾が頭打ち状態になっておる。大体七割くらいで開墾がストップしておるというような状況になっておりますので、この点は機械を利用して機械開墾、重抜根その他なおやるべきことがありますので、この点につきましても予算措置を講じたいというような考えでおります。  次に、新規入植の問題でありますが、御承知のように、北海道は土地は広いのでありますが、水田というものの適地が少ない。従って畑作がおもになります。その場合に、寒冷地であることその他の条件からしましてます根釧方面におきましては酪農経営でいかざるを得ない。酪農形態の農家経営をどうするか、入植をどうするかというようなことで、今根釧地区にパイロット・ファームというものを作りまして、まず開墾を先にやりまして、資金をつけまして、それから牛を導入する金を融資するというようなことでやっておりまして、着々と効果を上げておりますので、今後の新規入植の方針としては、パイロット・ファーム方式を主軸とするような考え方で入れていきたい。そういう考え方によりまして、今後の入植の類型といたしましては、北海道の各地の状況によりまして、酪農取り入れのパーセンテージその他からしまして三つの類型に分けまして——基本営農類型と呼んでおりますが、そういうような類型に分けまして、建設工事を先行せしむるような方式で新規入植をさせていきたい。そのために、従来に比べまして入植の戸数が一時的に減るようなことがあっても、再び落伍者を出さないというような見地でものごとを考えていきます場合には、親切に設備を先に作って困らないような入れ方をするということが大事でありますので、そういう方面に力を入れようという考え方から、ことしの七百戸新規入植というのが来年は四百戸というふうに減っております。  基本的な考え方はただいま申し上げたような次第であります。いずれにいたしましても、北海道における開墾というものは、適地の面から申しましても、従来の経験から申しましても、非常に大事な問題でありまして、今後の行き方につきましては、従来のやり方を振りかえってみて、悪い点はどしどし直しまして、新しい時代に即するようなやり方で進めたいと考えておるような次第であります。  なお、干拓につきましては北海道には関係がございません。大綱につきましては、農林省の説明の通りであります。     —————————————

笹山茂太郎自由民主党

○笹山小委員長 ただいまから質疑に入りたいと思いますが、質疑の通告がありますので、順次これを許します。芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 農地局長の都合は三時までですか。——それでは、先に農地局長を中心にお尋ねいたします。その前に委員長に申し上げますが、小枝政務次官の出席を要求しておいたのですが、局長が帰られるまでにお願いいたします。  局長にお尋ねしたい第一点は、営農振興法の根本改正の問題については、これは、局長だけでなくて、福田農林大臣、あるいは与党の自民党においても、少なくとも通常国会においては営農振興法の根本改正をやるということを天下に表明しておるのです。ところが、最近の動きを見ると、何かやらぬような気配もあるので、その点について率直な御答弁を願います。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 法律改正でございますが、先ほど申し上げましたように、われわれ考えまして大蔵省に予算要求いたしておりますことは、法律改正が実は前提になっております。営農振興臨時措置法につきましても、これは改正をして参るつもりでございます。ただ、先生のおっしゃいました根本的という問題でございますが、先ほどから申し上げますように、今作っております計画をさらにまた全部新しいものに変えていくとかいう意味の改正でございますと、われわれは、そういうことじゃなく、計画自体につきましては、今の計画をまず達成することが第一段階じゃないかというような考え方を実は持っております。それで、どの程度の改正になりますかは今後の問題でございますが、われわれの予算要求の前提も、法律は改正するという前提で実は考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 それでは、現行の臨時措置法に対して具体的にどの点とどの点を改正するということを、大体法律に基いて、この個所この個所と言っていただけばわかると思うのですか……。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 改正の問題でございますが、先ほどこういう予算を考えておりますというようなことを申し上げました中で、その法律にございます災害の場合の資金の借りかえの問題等ございます。こういう問題につきましては、先ほど申し上げましたように、われわれとしましては、今度町要振興農家につきましては特別会計の方からやっていきたいというような考え方を持っておりますので、そういう個所につきましては当然改正をしていく必要があるのじゃないか。それから、間引き——間引きという言葉はなんでありますが、そういう言葉を使ったのでございますが、こういう問題が法律改正になるかどうかということは、これは今後検討していきたいという考え方であります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 その二点ですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 先ほど申し上げましたように、災害等の場合の資金につきまして特別会計から出すということになって参りますので、そういう点につきまして当然改正していくということになろうと思います。最も基本的な問題は、振興計画をどう考えるかということなんでございますが、それにつきましては、実は、私どもの考え方としましては、今の計画は、一応計画としまして、それを第一段階に達成したいというふうに考えておりますので、振興法自体としては、そこまで改正せぬでもいいのじゃなかろうかという見解をとっております。ただ、そのほかに、先ほど申し上げました中で、国の持っております債権の条件を大幅に緩和したいとかいうようなことがございます。こういうものは別な法律の改正でやっていったらどうかというような、その法律だけでなくて、開拓資金融通法の改正とか、そういう今出ております開拓関係の法律を全般的に一つ再検討しまして、必要な改正をしていきたいというつもりでおります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 そういう点だけということになりますと、これは簡単な手直し程度ということになって、全然期待に沿わないと思うのです。私たちの判断しておった限りにおいては、これは開拓営農振興法、これはかつて当委員会において審議した過程において、最初から問題があった。こういう程度のものでは全く効果が上がらぬから、これは最初に戻って出直した方がいいということを私どもは指摘したのですが、周囲の事情で、一応法律は通して、直ちにさらに検討を行なって、法律内容の改善を行なう、そういうことで了承をして、付帯決議等を付して成立したわけなんです。ですから、今回農林大臣初め開拓営農振興制度の改正を行なうということになれば、やはり法律そのものの質的な改正というものが当然必要だと思うのです。そうなれば、当然に振興法の目的とするところがどこにあるか、あるいは、目的達成のための営農計画等については、その計画に到達できるための政府の指導、具体的な営農指導はもちろん、財政的な措置等に対しても計画が到達できるように、その法律の中で配慮するということが必要なんですが、その点が今までこれは欠けておったのです。だから、改正の機会には、ぜひその点を満たし得るような内容を盛った改正が必要であるということが問題点になるわけですが、今の局長の御説明から言うと、その点には触れないというように考えられるわけですが、いかがでしょう。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 計画を作りまして、その計画を達成するには、たとえば財政的にはどういうことを確保したらいいかというようなことが大事じゃないかという御意見でございますが、われわれの今考えております中で、先ほどから申し上げますように、今できておりますその計画の内容は、いろいろ投融資の面もございますし、国の一般会計に関する分も多分にこれは工事費としてございます。こういうものを財政的に縛っていくという書き方をすべきじゃないかという御意見でございますが、その点につきましては、実はまだ、われわれの方でどういうふうにいたしますか、結論的に改正の内容はこうだというまでは詰めておりませんので、今法律のどの点をとう改正するということまでは申し上げかねるのでございます。われわれの考え方としましては、この臨時措置法の改正だけでは問題は実は解決するのではございませんので、開拓関係の法令全部を頭に置きまして、そうして営農振興ということを考えていくべきじゃないかというような考え方をとっておりますので、時措置法だけでなくて、特別会計とかそういうもの全般を総合的に一つ検討して、その上で改正していきたいという考えでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 現在の振興法だけを中心にしたのでは、これはおかしいのです。私たちの考えは、この営農振興法を中心にして、既存の開拓者関係のいろいろな法律とか、あるいは金融措置とか、そういうものをこの振興法を中心に統一して、そうして体系づけたものにして強力に進めていかなければ、根本的な解決ができないんじゃないかということです。これだけを見てどうするというのではなくて、たとえば特別会計の分野であるとか、それ以外の開拓者の資金の問題であるとか、現在のいろいろな制度的なものを、雑然としていますから、これを体系化して、そうして、その作業を進めるためには、この営農振興法の根本改正という形でやったらいいじゃないかということを指摘しておるわけですが、これは局長一存でやろうと思ってもやれぬかもしれません。そういたしますと、この法律改正については、期待に沿うような改正は考えておらぬということですね。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 法律改正といいましても、私はやはり形式の問題ではなくて内容の問題だと思います。それで、先生がおっしゃいましたように、これだけではなくて、融資だけとりましても、系統からも出ておる、公庫からも出ておる、特別会計からも出ておるというような出し方もいたしております。これには、私は、やはりそれ相当な理由でそういうような形になっておるのだと思うのでございますが、それを一本の法律にまとめるという形式だけとりましてもこれは十分でございませんので、私どもとしては、形式よりも実質的に内容がどうかということで再検討したいと考えておりますので、今たとえば法律を一本にしますとか、あるいはどこをどうしますということまで申し上げかねるのでございます。先ほど言いましたような形で、今あります予算を前提としましても、臨時措置法、それから特別会計の方というようなものの改正をしていく必要があるのじゃないかというようなことを考えています。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 それじゃ具体的な問題に触れますが、第一点は、現在の振興計画というものは、開拓者の側から見ると、実施計画であるというふうに考えて、この到達に努力しておるわけなんですが、農林省の見解は完全にこれに符合しておるのですか。振興計画というものは実施計画であるというふうに……。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 実施計画といわれます定義でございますが、われわれとしましてこの振興計画の考え方につきましては、一応目標を定めて計画を作っておるのでございますから、この計画に一分一厘違ってもこれは改正するとか、そういう厳密に考える必要はないが、この計画を中心にして、計画が考えている目標を達成していくのだというふうに考えているのであって、これを実施計画と呼びますか、あるいは目標計画といいますか、いろいろ呼び方があると思うのでございますが、われわれとしましても、この計画を基準にしてものを考えていくのだということにつきましては、そう違った考え方をしておらぬというふうに思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 これは、伊東さん、実施計画と目標計画は単なるニュアンスの相違だけじゃないのですよ。実施計画というものは、必ずこの計画に基づいてこれが実行できる、年次的にもこれは実行可能である、可能にしなければならぬということの実施の計画である。それから、目標計画とか計画目標とかということになると、その計画自体に対する努力によってこれを実行できるというのじゃなくて、多分に客観的な情勢、あるいはその目標計画というものを引き上げていく場合もあるし、そういうことが実施計画と目標計画との性格の差だと思うのです。目標計画というものは、それはもちろん努力目標ではあるかもしらぬが、たとえば経済の成長に伴って農業の部面においてはどの程度の成長が期待できるかというような経済指標的な観点、そういうものを多分に取り入れた目標計画というようなことにも解釈できると思うのです。そういうことではなくて、この振興法に基づいて認定された振興組合から出される計画というものは、やはり、これを農林省が認定した場合は、実施計画として必ずやらせる、政府としても責任を持ってやらせるという裏ずけのあるものでなければいけないと思うのです。だから、この点はこの機会に明確にされて、そうして開拓関係の諸君にも責任と熱意を持って事に当ってもらうようにしたらいいと思うのですが、いかがですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 この計画の性格でございますが、この計画には、先生も御承知のように、手段はみな書いてございます。財政投融資がどうとか、あるいは建設資金はこうしてほしいという意味の目標ではなくて、これは手段もみなついております。それで、先生は、実施計画という非常に強い言葉といいますか、でおっしゃっておりますが、われわれは実施計画という言葉は使いませんでしたが、ある目標を考えまして、その手段も実は融資なり国の一般会計でやる部分というものが書いてございますので、われわれは単にこれは目標を書いた計画だけなんだというふうには解釈しておりません。当然手段がついておりますので、その手段を極力尊重しまして、実はやっていきたいというふうに考えております。先ほど北海道から説明がありましたが、工事を早くやりたいとかいう説明もありましたし、私は特に投融資の問題を申し上げましたが、これは振興計画にほとんど入っておることでございます。私どもといたしましても、振興計画の手段につきましては、これが実現に極力努めていきたいというのが基本的な態度でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 ただ、この計画の中には、開拓農民自身の営農努力に待つものと、それから、たとえば、先ほど開発庁の監理官の言われた、政府の責任において当然行なうべき建設工事等が既定のごとく行なわれていない、残事業についてもまだ十年もかかるというような状態をそのまま放置しておいて、この開拓者の努力だけで三カ年間の振興計画に到達すると言っても無理なんです。ですから、営農の生産の基礎条件というものは、国の開拓行政の中で確保してやるということが今までは非常におくれておるわけです。ですから、そのおくれを取り戻すということも、やはり計画の一環としては重要な部門だと思うのです。その点に対しては、三カ年計画を実施していく場合においては、建設工事とか、それに付帯する事業については、必ず計画年次内に完了するようにする、という責任のある態度を予算上においても明らかにしてやらなければいかぬと思うのです。その点はどうなんですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 今おっしゃいましたように、国の工事あるいは国から出すべき投融資ということが計画の内容になっておりますことは、その通りでございます。われわれとしましても、その点につきましては、残事業等が非常に残っておる、特に北海道につきましては追加工事が多い、内地につきましては追加工事よりも開拓地改良というような形のものが今後非常に望まれるというようなことが振興計画の内容からはうかがえます。それで、われわれとしましても、極力振興計画というものを尊重しまして、なるべく早くやるべきことはやっていきたいという基本的な考え方を持っておることは、その通りなんでございますが、今御指摘がありましたように、予算の制約からしまして計画通りの工事が行なわれていないということは、実ははなはだ残念でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 その点について、北海道開発庁においては、特別振興地区に対しては、三年間を目標にして、その他の振興地区に対しては五年間に残事業の工事を完了するということで予算要求をやっておる、ということが述べられておるのです。これはやはり農林省が開拓行政等の一環の中で行なわれることなんですから、農林省としては、建設工事関係の残事業の完了に対しては、どういう計画で予算の要求を行なっておるのですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 私の方といたしましては、大体残りました追加工事なり開拓地改良なりを全部振興計画の期間内にやってしまうということは、今の財政状態ではなかなかむずかしいのじゃないかということを実は率直に考えております。一般的には、私の方は、振興地区につきましては大体四年くらいで完成したいというようなつもりで予算の要求をいたしております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 それでは、その次に、振興計画の内容の問題ですが、政府は、要綱で計画の基準というものを立てて、その基準に到達していない開拓者を対象にして、そうして振興計画の組合の指定を行なっておるのですが、当初立てた所得を、一つの粗収入あるいは所得の限界値というものをきめて、これ以上は安定農家、これ以下が不振農家ということでやっておるのですが、それに多少の地域性というものは加味されておると思いますが、今まで定められたこの基準は、これは非常に低きに失するというような非難が非常に多いわけなんです。これは法律ができてからもう数年たって、また経済事情も相当変化してきているのですが、この際やはり基準の再検討を行なって、実情に適するような修正をやる必要があると思いますが、その点はどうなんですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 今御指摘の点は、三十二年に一応基準を作ったわけでございます。われわれもこの粗収入自体が最上の基準であるかどうかということは問題があるのでございますが、今先生のおっしゃいましたように、これはさらに再検討しまして、またこの計画を作り直していくということを実はわれわれはやりますよりも、今一応この基準で要振興農家のふるい分けをしたわけでございます。ふるい分けをしまして、途中でございまして、なおかつ先ほど御指摘のありましたような追加工事が非常におくれておるというような状態でございますので、私どもとしましては、何とか、この最初の基準でふるい分けましたものにつきまして、まず計画の達成をはかりたい。その上で、次にどういうふうに伸びていったらいいかということを考える必要があるのじゃないかということを考えまして、実は一応この基準で分けられました要振興農家につきましてできております計画で、国の負担すべき部分、これをまず第一の目標として達成すべきじゃないかというようにも実は考えておりますので、この基準からさらにもう一回ふるい分けをしてやっていくということは、もう少し先になって考える段階じゃないかというのが、われわれの基本的な考え方でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 そこで、農林省の中にも矛盾があると思うのですよ。たとえば、新営農類型の場合は、安定の基準というのは大体五十万以上の粗収入でしょう。五十万に到達すれば、それ以上になれば黒字になるという判断をしているし、振興計画の場合には二十五万円以下を到達目標にしておるわけですね。ですから、開拓の一つの営農類型とか、あるいは振興計画による到達目標という点にも相互に矛盾が相当あると思うのですね。これはどういうふうに調整するわけなんですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 新営農類型のお話が出たのでございますが、これとの関係でございます。これは、実は、先ほど申し上げましたように、新しく入ってくる人につきましては再び過去のようなあやまちを繰り返したくないということで、なるべく新しい営農類型に合うような土地の配分もいたしますし、投融資もしていくことを考えてみたいということでやっておりますが、実は、これにつきましては、先ほどから御説明いたしましたように、数は実は非常に少ないものでございます。また、そういうわれわれの新しい類型として考えておりますものは、実は数は非常に少なくて、問題は、既入植者の振興をどうするかということでございます。われわれとしましては、今できております振興計画を、新しい基本営農類型まで上げまして、土地の再配分をするとかいうことまでが前提になるのでありますが、そこまでは今の段階ではなかなかむずかしいのじゃないか。今できております振興計画を達成することがまず私どもは既入植者の安定の第一歩じゃないかというふうに考えまして、先生御指摘ありましたような、ふるい分けをいたしまして振興計画を考えておるのでございますが、しかし、振興計画におきましても、計画は手段としましては三年しか書いておりません。その先の目標につきましては、やはり、われわれとしましては、収入の面からいけば新しい基本営農類型の線くらいまではぜひ考えていきたいという先の目標は考えておるのでございますが、手段として考えておりますのは三年間の計画を書いているような次第でございまして、次の段階で新しい基本営農類型の線までいきたい、そうすることが一番現実の問題として実行可能ではないだろうかというふうな判断をいたしておるのであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 新営農類型に基づく開拓者の場合は、五十万以上に到達しなければ少しも黒字が出る安定経営はできない。しかし、振興計画に基づく農家の場合には、それ以下の目標に到達しても安定経営ができるということになるのですか。その辺がちょっとわからないのです。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 今立てております振興計画の性格でございますが、われわれとしましては、この振興計画で、一応基準でふるい分けをしまして、それで要振興農家としました農家につきまして、いろいろ追加投資、工事等を考えておるわけでございますが、この人々につきまして余剰を出しまして、新しく拡大再生産ができるという段階までを計画の手段としまして、その上は一つ自分が余剰で拡大再生産をしていくということを考えておりますので、その拡大の転機になるまでのお世話をしようというのが今の計画の考え方でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 その点は、先ほどの開発庁の大村監理官の説明によると、既入植者の対策を中心にしてやって、既存開拓者の経営安定をはかるめどというものを基本新営農類型に置くということが言われておる。そうすると、あなたの方より開発庁の方が考え方が進んでいるというように見られるのですが、どうですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 今の入植者につきまして、これを全部新営農類型のところまで今の計画をすぐに引き上げて、それで施策をやっていくということは、現実の問題としては私は困難であろうと思います。過去に入られました人で要振興農家は約十万おるのでありますが、約三分の二でございます。これにつきまして第一の目標を新類型に置きまして、そこまで飛躍しますことは、私は現実の問題としてなかなかむずかしいのじゃないか。目標としてそういうものを頭に置いておくということは当然考えらるべきことでございますが、財政面全部をすぐそこに持っていくということは、私どもとしてはやはりなかなかむずかしいので、まず今の振興計画を達成した上で、その上で次のステップとしてそういうことを考えていきたいというのが、われわれの考えている点でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 それは三年計画ですぐできるとは思わないのです。それ以上の長期性の計画というものは何も示されていないわけですね。ですから、三年計画の、局長の言ったように第一次の基礎的な地固めをやる計画であるとすれば、そうなれば、次の第二次計画の中でさらに発展目標というものを十分に与えて、それに到達するように国としても努力するということであれば、可能性の点についてはわかりますが、三年でわれわれとしてすぐにも日本の農業を目標に向かって——そう順調に前進できるとは考えませんが、しかし、今の計画の線でいいのだということであると、これは重大問題だ、国民生活の水準から見ても、これではやはり人間的な生活ができないというぎりぎりの限度だと思うのです。その辺について、今後の開拓行政の中でもう少し積極性のあるものを、やはり振興対策の一環として打ち出しておく必要はどうしてもあるのじゃないですか。所得倍増論なんかやっているときに、開拓の方は所得半減論でいくということにもなると思うのです。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 お説はごもっともでございます。私どもとしましても、この計画で十分とは実は決して思っておりません。また、現実は、実績とこの計画を対比して見ましても、計画まではいっておらぬというのが現実でございます。それで、われわれとしましては、この計画が達成されても、これで開拓者の生活が、もう国が手を抜いても大丈夫だということは私は言い切れぬと思いますので、やはりこの計画を達成しました上では、さらにまたどうなっていくのだ、開拓者はどうなっていくのだ、その場合いつまで開拓と言っていいかという問題もございますが、農家として抽象して申し上げますれば、農家としてさらにどう進むべきだ、所得はどうなったらいいかということについては、当然先生おっしゃったように基本的な問題として考えるべきだと思います。ただ法律にそういうことを書くか書かないかということは、これはまた別の問題でございますので、これは一つ検討さしていただきたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 営農振興計画の提出の内容を見ても、最初三十二年に出したのと三十三年に出したのと内容を見ると、あとで出すほど内容も整っておるように見えるのです。この点は、最初の農林省の指導が非常に厳格過ぎていて、それで十年計画を立てないままに計画が出されたのが、所要資金の金額等においても非常に金額が少な過ぎたというような点も——これは比較の問題ですが、年度別に最初に出た計画の分とあとから出た分を比較した場合に、相当懸隔があるわけです。そういうことになると、あとになるほど農林省の適切な指導によって内容が整ったものが出たとすれば、最初の粗悪といっては変でありますが、十分熟さないままに出した計画というものは、やはり修正の必要が生ずるのじゃないかと思います。その点についてはどういうような指導をされておるのですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 御承知のように、この法律自体でいきますと、変更その他のことは規定を何もしておりません。現実の問題としまして、たとえば中金から融資をいたしますというような場合には、計画の事実上の修正をいたしております。私も、先生御指摘ありましたように、この計画をどう見るかという問題、この計画は実施計画なんだというお話が先ほどございましたが、私はその点、目標と手段とありますということを申し上げたのでありますが、私は、その手段につきまして、先生のおっしゃいましたように、実は指導その他で、余っておって、所要資金が少なく書いてあったということがございますれば、これは当然、国から融資をしあるいは公庫から融資をするというような場合には、事実上の問題として修正をしていくということをやりたいと思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 そうであればいいのですが、参考までに、たとえば北海道に一例をとると、三十二年に計画が出て認定された戸数の一戸当たりの所要資金の金額というものは、二十一万二千円で出ておる。ところが、二十三年に出された計画については、一戸当たりの所要資金が二十七万一千円ということになって、大体一戸当たりで六万円の増額になっておる。それから、仙台農地局の場合は、三十二年度の場合は大体一戸当たりの所要額が十四万一千円で、三十三年度に出された分については一戸当たり二十二万七千円ということになって約倍まではいきませんが、一戸に対しては八万円くらいの増額の計画が出ているのですね。ですから、これほど大きな差異があるとすれば、あとから出たのが別に誤りはないのですから、結局最初は非常に厳重なワクの中で指導されたので、当然計画としてその中に計上しなければならぬものについても、それが十分に行なわれていなかったのじゃないかと思うのですね。ですから、法律の認めない限度まで積極的な計画を作るということは不可能としても、最終段階に出されて農林省が認定された計画の内容の点が、最初に出した分に対しても適用されるくらいの、その範囲内の修正というものはやはり認める必要があると思うのですが、どうですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 計画自体を、たとえば二十一万が今度は二十二万必要だから計画を修正するというように、その計画の修正ということを非常にやかましく考えているかどうかという問題でございますが、現実の問題としまして、たとえば、御指摘がありました、最初は二十一万であった、次の年が二十五万出たとか、七万出たというものにつきまして、最初の年に出したものとあとの年に出したもので、国から参ります安い金利のもので非常に不公平が出るというようなことにはならぬように、そういう点につきましては私は役所として十分考えていきたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 ただ常識的に考えれば、それならば、最初に出したのは資金計画が非常に金額が少なくて済むからして、これは基準に最も近接しておる階層や、あるいはそういうような力の相当ある組合が先に計画を出して最も救済しなければならぬ、この法律の適用を十分それに及ぼさなければならぬような農家あるいは組合が非常にひまがかかって、ぎりぎりの段階にしか出せなかったということになるのですね。常識的に考えると、苦しい組合や階層が先に出すべきであって、幾らかでも楽な階層は少しゆっくりかけてやってもいいじゃないかということにもなると思うのです。これは逆なことになって出ておるのですが、これはどういう指導をやったのですか。楽な方から先に出して、苦しいのはあとにしろということでやったのですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 そういう指導は実はいたしておりません。これはやはり県内で必要と思われるところから先に出してきたということだろうと私は思います。思いますが、同じ所要資金につきましても、先生おっしやいますように、個々の農家によってこれはみんな違います。それは当然なんでございますが、御指摘ありましたように、同じ条件におきまして最初の年に出したものとあとに出したものとで非常に不公平があるというようなことでは、私は  これはまずいと思います。その点につきましては、私どもとしましては、なるべく不公平になりませんように考えて参ります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 そういうまじめな態度でやるならいいんですが、ただ気になるのは、この三十四年十一月二十四日の農地局長通達が知事に出されておるんですが、これは振興計画の修正の問題に触れているんですね。これによると、なかなか修正は認めがたいというようなことがいろいろ並べてあるのですが、大体天災地変によってどうしても計画達成が困難である場合とか、あるいは建設工事とか生産基礎の整備計画、資金の融通計画等に、追加としてどうしても修正を伴わなければならぬ範囲をごく限定して、一般の振興組合に対しては、今局長が答弁されたような出し方の時期とか内容を十分検討して、修正する必要がある場合には認めるということでは、この通牒はだいぶ内容が違うのです。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 おそらく、今先生御指摘の点は、中金から天災資金を借りてくるという場合の計画の修正の点じゃなかろうかと思うのでございます。われわれとしましては、計画の修正というと、法律論に実はなってきて、非常にやかましい問題になるのでありますが、政府のたとえば自作農資金でございますとか、あるいは特別会計から融資をしていくというような場合には、先生のおっしゃいましたような不公平になりませんように十分考えます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 これは非常に大事な点ですからね。今まで出して認定された計画は、これで全部心配ないというような確認ができる場合はいいんですよ。しかし、農林省当局においても、なかなかこれでは心配だという計画の内容もあると思うんですね。そういう点については、指導的に修正可能にさせてやるというような気持で十分配慮していったらどうか、そういうふうに私は考えておるのです。そういうことをやるとすれば、これは伏せておく必要はないのですから、うんと奨励しろとは言わぬが、その組合において必要と認めて一部修正したいというような場合においては、農林省の方で十分これは認める、そういうことで示したらどうですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 その点は一つ検討させていただきます。私、申し上げました気持は、政府資金等につきましては、同じ条件にあるものが年度が違っただけで不公平なる取り扱いを受けるというようなことはないように十分注意をいたします。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 次に、融資関係において一部法律改正も必要であるというお話がありましたが、先ほどの説明によると、たとえば災害融資の場合においても、振興農家あるいは振興地区の組合については、これは特別会計の方から災害資金を出す、それ以外の開拓者に対しては従前通り天災融資法の取り扱いでいく、そういうことなんですが、これは開拓者を今度は区別するということにもなると思うんですね。ですから、こういう点は、もしそれをやるという場合に、どういう分類でやっていくつもりなんですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 今御指摘の点は、要振興農家になっているかなっておらぬかということが、一つの基準というふうにわれわれ考えております。実は、災害の場合に、住宅の補助をいたしますとかいろいろな点を、振興農家であるかそうでないかということを分ける基準にいたしております。卒業生といっては語弊があるのでございますが、一応それ以外のものにつきましては、できれば、たとえば天災の場合については、一般農家と同じように天災法の関係でいく。それで振興計画を作りまして、これを要振興農家になっているというものにつきましては、今申し上げましたようないろいろな点の便宜をはかっていくというようなことで、そこを一つの分け方の基準といたしまして、われわれは開拓者を考えます場合にいろいろな点で取り扱いを異にしていくというような考え方を持っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 その場合、この基準が非常に生活上にも弾力のある基準で、少なくとも新営農類型等の基準に置かれておれば、ある程度の災害が起きてもすぐ転落するということはないと思うが、要振興農家とそれを要しない農家の限界というものは、非常に低い線に置かれておるわけです。ですから、その上位の線にある開拓者の場合においても、大きな災害を受けた場合には、すぐ下へ落ちてしまうんですね。それでなくても、今までは、要振興農家でないからあんたは、天災融資法の方で、ということになると、実際問題としてはそこに混乱が生ずると思うのです。ですから、そういうけちなことをしないで、やはり一本にするならするということにして、開拓者の災害の場合においては特別会計一本で災害資金を出すというようなことになれば、振興法の中においても従来の災害資金の固定化分をこれに取り入れてあるんですが、そういうことまで振興法で扱わぬでもいいようになると思うのです。特別会計一本でいくということにしなければ、金融体系の整理ということはできないと思うのですが、思い切ってそうやったらどうですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 今、災害の例を引いての御質問でございますが、実は、災害の場合にわれわれ考えましたのは、ある程度安い金利で——これは三分六厘五毛という金利になっております。そういう金利で、二十年間というような、かなり有利な融資ができないものかということで、予算要求をいたしたわけでございます。その場合に、開拓者全部につきましてそういう特典を与えるということは、なかなか財政当局との話でもむずかしい点がございますので、そういう取り扱いを受ける人はやはりある程度しぼっていくという考えが必要ではなかろうかという前提に立ちまして、災害の場合の資金の要求をいたしたわけでございます。ただ、もう一つ、先ほど御説明いたしました、国から出ております債権の履行の延期等につきましては、これは、単に開拓要振興農家だけでなくて、災害でそういうふうな経済状態に落ちた人についても、過去の債権についてはこういう取り扱いをしようじゃないかというような予算の要求はいたしておりますが、災害資金につきましてはある程度今のようにしぼってやる、そのほかのものについては天災法でいけるという窓があいておりますので、そっちの方でやってもらったらどうかというような考え方で進めておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 最後に、開拓者関係の融資の種別が非常に多いですね。一覧表を見ても、きょうはあまり時間がないが、これらのものを大体どの程度に分類して集約されるお考えであるかという点と、もう一つは金利全体の引き下げというものが必要なんですね。これは、開拓資金だけでなくて、農林金融全体を引き下げるという必要を感じてわれわれはやっておるのですが、きょうは開拓関係ですから……。開拓者の金利を引き下げるということもやはり効果のある成策の一つだと思いますが、その点は、資金の種目の整理統一の問題等、金利引き下げについて今どのような対策を持って進んでおりますか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 金利につきましては、実は三分六厘五毛、五分、五分五厘というような金利体系がございますが、それにつきましては、実は先生おっしゃいました農林関係の金融全般の金利の問題もございますし、われわれとしましては、この金利については特に手をつけるということは考えておりません。ただ、おっしゃいました整理の仕方でございますが、これは、過去に出ました中で、共同施設資金でありますとか、そういうものは別でございますが、個人に出ております資金につきましては、今申し上げましたような三分六厘五毛で何口にも分かれて出ておるものは三分六厘五毛一本にする、五分五厘で出て数口に分かれておりますものはこれも一口にするというような金利措置のまとめ方をいたしております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 最後に、振興計画を修正する場合にある程度期間を与えるということになりますから、あれはことしの三月で一応提出の期日は経過したわけですが、ですから、必要に応じては、振興法の改正等の中において、そういう点も明らかに計画の提出期間を必要な時期だけ延ばすとか、そういう配慮は必要と思いますが、いかがですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 将来の検討の問題でございますが、実は、先生おっしゃった中で修正の問題と追加提出、これは二つあるのじゃないかと思います。われわれとしましては、一つ三十四年の三月で切れましたものは、これは一応そこで切りまして、そこまで出た人につきまして振興をはかっていきたいというような考え方でおりますので、これをさらに期間を延長しまして、新しく要振興開拓農家ということをふやしていくという考えは、実は現在は持っておりません。もう一つ、修正の問題になって参りますと、これはどういうふうに扱いますか、私は先ほど政府の安い金利の融資等において不公平なことがないように極力いたしますということを申し上げたのでございますが、この計画の修正をどういうふうに扱うか、これは法律的に扱うか、そうではなく扱うかというような問題につきましては、一つ検討さしていただきたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 もう局長の時間が一ぱいですから、あとは次会に譲りますが、現在、与党の自民党の、たとえば政調ですか、と政府の間において、今局長の答弁されたよりもう少し積極的な、たとえば営農振興の根本改正の問題とか、いろいろ具体的な問題等が検討されておるのじゃないかと期待しておるのですが、与党の方も大体局長の言われた範囲内でやむを得ぬということで進んでおるのですか、その点を参考までにちょっとお聞きしておきます。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 これは与党との関係でございますので、私からどうこう申し上げることは筋違いでございますので、実は、私の方としましては、今先生のおつしゃいましたような空気もございますが、来年の予算要求の前提として考えておりますことは、私の申し上げましたようなことでございますので、こういうことが今われわれの考え方でございますという御説明はいたしておりますが、それで与党の方で十分であるとかどうとかいうようなことの御意見は承っておりません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 開発庁にこの機会にお尋ねいたします。先ほど簡単な御説明がありまして、入植計画の場合、三十四年度が七百戸で、三十五年度については四百戸の計画ということなんですが、北海道においてもう四百戸そこそこということになると、これは新規入植は全面的に放棄したという判断しか持てないと思うのですがね。この態勢を将来何年くらい続けるか。

木村三男総理府事務官(北海道開発庁総務監理官)

○木村説明員 今御指摘の点でございますが、私どもの考え方を率直に申し上げますと、将来北海道の未墾地が日本の開発の上に非常に役に立つ隠された資源であるということで、非常に大事なものであるということはよく認識しております。ただ、来年の入植戸数をきめる場合に、たとえばパイロット・ファームにどのくらい入るか、あれは百戸くらいであろう、それからモデル地区にどうかというと二百戸くらいだろう、こういうふうに積み上げていきますと、まず大丈夫だというところで積み上げますと、四百戸くらいが精一ぱいである。そのほかはどうかというと、今後工事をやってふやしていかなければならない。つまりもとができていない。でありますから、来年の場合としましては、可能限度を、安全なところを下から積み上げまして、頭からかぶせるのじゃなくて、やりますと、四百戸くらいが精一ぱいだろう。その後は状況によって、これが必ずしも減るということじゃないのでありましてそのときどきの情勢によってふえるような方向には持っていきますが、さしあたりの問題としましては四百戸が精一ぱいだろうということから要求した数字でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 それは、予算上、財政上の都合だけで計算した場合そうなるというわけですね。

木村三男総理府事務官(北海道開発庁総務監理官)

○木村説明員 予算上の問題じゃないのでありまして、具体的に入れる場所を探してみますと、来年入り得るようにおぜん立てできた地区で四百くらいである、それ以上は、まず最初に開墾なり何かをやりまして、基礎条件を作らないと入れないというところでありますので、そういうところはやむを得ずあと回しということでありまして、予算をしぼられるからとか、初めからあやまるとかいうことじゃ毛頭ないのであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 さっきもお話のあった通り、既入植者の安定に重点を置くということは一応わかるのですが、それでは既存入植者の安定が期せられるという計画は何年くらいで到達するわけですか。

木村三男総理府事務官(北海道開発庁総務監理官)

○木村説明員 非常にむずかしい問題でありまして、役所の関係の仕事も、御承知のように、私どもの方は公共事業的な面を担当して、それから振興の方は農林省の方でやれということになっておりますので、私どもの方のできる仕事としましては、とにかく開墾建設工事が非常におくれているので、がむしゃらに予算をとるということにまず重点を注ぎ、開発関係につきましては北海道開発審議会がございまして、その方から今私が申し上げたような建議をいたしております。これはどのようにさばくかと申しますと、農林省にも関係があるし、ほかの省にも関係がある。私どもは、事務局として、こういう点を詳しく農林省方面と折衝して、こういう方針でいるんだから、開発庁の受け持ち以外の面は一つ金融の面、営農指導の面でやってもらい、予算もそれにあわせつけるようにしていただきたい。先ほど農地局長からも話が出ましたように、営農振興計画の線は地元の北海道としてはだいぶ不満もあるようでございますけれども、とにかく建設工事の方を先に進めるということで開発庁が大いにやれば、その方もおのずから関連して進んでいくのじゃないかということで、役所は一つでありませんけれども、歩調を合わせてやっていきたい。何年後にということは申し上げられないのでありますが、開発審議会の方といたしましても、目標をどこに置くか、基本営農類型の線まで持っていくという理想で、なるべく早く進めるようにしろということでございますので、その辺を目ざして農林省方面とも折衝して、早く安定するように考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 北海道が一番不安定農家が多いわけですね。それで、次に問題になるのは、先ほど局長も言いましたが、過剰入植対策、これは実際問題として非常にむずかしい問題なんですが、これが行なわれなければ入植者の安定をはかることはできないのです。開発庁としては、既存の安定対策の中で過剰入植の問題をどのように処理していくのか。

木村三男総理府事務官(北海道開発庁総務監理官)

○木村説明員 これもぜひ必要なことを申し上げますと、予算は開発庁予算でなくて農林省の予算になります。しかし、それは、農林省の方の予算にはなりますけれども、考え方としましては、私どもの方の言い分もよく聞いていただいておりまして、間引きといいますか、移転というか、そういう関係の予算は農林省予算の方で要求いたしておりまして、その方向に向かいつつあるということを申し上げていいかと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 具体的に対策を立てる場合、総合対策が明らかになりませんと、開発庁の分だけがこれだからといっても、これは十分なことはできない。ですから、総合対策の中でそれが明らかになって、その一部分として開発庁としてはこの部面を分担してやるということになると思うのです。ですから、これは関連性というものは不可分のものなんですが、間引きをする場合も、方法としては、農業を放棄して他の産業に転換する場合もあるでしょうし、また新たに転入植するということも非常に多いと思う。ですから、転入植する場合においては、そういう人たちに対しては最優先的に配慮してやらなければならぬということになるのです。そのような点について、これを実行する場合の受け入れ態勢はどうなっておるのか。

木村三男総理府事務官(北海道開発庁総務監理官)

○木村説明員 各地区ごとに積み重ねをいたしまして全体の目標を立てるというのが筋道でありまして、ことし予算の時期にあたりまして道庁の方でまだ数字がまとまっておりませんので、根本的な問題の調査が全部済んでおるというわけではないのでありますが、来年度の方針としましてはごく小規模な点が出たということでありまして、これは、ことし来年にかけて、抜くとすればどういうところから抜いて、抜いたものはどういう方面に入れるか、それから転業させる分が何ほどあるかというような計画を積み重ねていかなければなりませんが、はなはだ残念でございますが、まだ今の段階ではそれができ上がっておらない。頭を出すという程度に今考えておるところであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 それに関連して農林省の方にお尋ねしますが、先ほど局長がちょっと触れましたが、過剰入植対策ですね。いわゆる間引き対策をやります場合に具体的にどうやるか、来年度予算にはどういう内容で実行の要求をしておるのか、その点をちょっと説明して下さい。

八塚陽介農林事務官(農地局管理部入植営農課長)

○八塚説明員 私どもの方で当初こういう考え方を作り上げました過程では、やはり北海道の道庁の意見が相当参考になったわけでございます。現在のところ予算要求をいたしておりますのは、まず過剰入植というものをどういうふうに考えるかという点でございますが、北海道であれば、今のところ二地区程度に分けまして、その地区ごとの自作農の中庸規模がどの程度になっておるかということを一応めどにいたしまして、かりにある地区から若干の人が外に出た場合に、その近所の自作農の中庸規模程度の土地は確保できるというようなところを一応過剰入植地区というふうに考えまして、そこからまた出ていく。出ていき方としてはいろいろあると思いますが、私どもの方で再入植者として取り扱うことのできる方、あるいは、これは農林省としてはなかなかお世話ができないわけでありますが、自発的に農業から離れようという方もおありになります。またそのうちで若干は海外移民の方に出るという方もあるのではないかということで、特に再入植、海外移民等につきましては、私どもの方であとまで一応お世話できるということになるわけであります。これは推定でありまして、どの程度の方が海外に出、どの程度の人が再入植を希望されるかというところは、端的に申しまして現在の段階では具体的にわかっておりません。と申しますのは、これは前提条件の与え方によっていろいろであろうかと思いますので、現在はごく大ざっぱな推定の域を出ないわけであります。  それから、先ほど局長から御説明申し上げましたように、現在そういう地区を移転する場合の障害は、非常に大きい理由といたしまして借金があるということでございます。その借金につきましても、開拓者一般にそうでございますが、政府資金が最も大きいわけであります。ただ単に政府資金といろいろな方法を講じて免除するというだけでも相当な効果があるかと思いますが、国の債権を、特別の場合ではありますが免除するということは非常にむずかしいので、私どもといたしましては、むしろ平均的な概念になりますが、個々の人によって借金の多寡というものに非常に狂いがあると思いますので、一応平均的な計算で若干の財産を処分する、さらに国の方から、要求といたしましては、北海道では二十五五万、内地では二十万という要求をいたしておりますが、その程度の補助金を出して、それとつけ加えるならば、平均したところでは相当いわゆる不義理をしなくとも足が抜けるのではないか。なお、若干の着業手当と申しますか、携行資金になるのではないかということで、予算的に補助金として応援したいというふうな考え方をいたしておるのであります。北海道の地元の具体的に要望されておるやり方とは方法において若干の食い違いがありますが、大筋としては、まあ話をしながら進めておりますので、大体いくのじゃないかという見当をつけております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 この点は、これはたとえば不振組合との関係はどうなるのですか。振興計画に関連して、その組合がいわゆる地区内の過剰入植を整理する、そうしなければこれは完全な振興計画が立てられぬという場合も非常に出てくると思うのです。これは個々の農家の方針じゃそういうことは立てるわけにはいかぬ。ですから、振興計画との関連でこれは重点的にやっていく必要があると思うのです。何か要綱のようなものでも策定してあるかどうか。

八塚陽介農林事務官(農地局管理部入植営農課長)

○八塚説明員 まだこれは三十五年度予算で要求をいたしておるものでございますから、先ほど来から御説明申し上げておりますように、一応の推定でもって見当をつけておりますが、確定的な要綱はまだございません。ただ、今御指摘になりましたように、私どもも、個々の農家が何らか主体的な条件で出るというのをただ応援するということではなくて、残った地区が適正配分になる、そして振興の目的を達することを主眼にして考えたいというふうに思っておりますので、御趣旨に沿って考えておるのじゃないかと思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 次に、開発庁にお尋ねしますが、この北海道の開拓関係の建設工事の中に、大きな問題としては水利関係のダムの建設とか、そういうものが残事業の中では金額的には相当大きな比率を占めていると思うのです。これらの点に対しては、今後の安定対策から見ても、監理官が言われたのは大体根釧のパイロット・ファームの方式で今後新規入植はさせるということなんですが、それも一つの方法ですが、既存の入植者に対しては、その農業の経営上の安定という点からいうと、やはり畑作農業よりも水田農業の方が安定度は高いのです。ですから、入植地域内において水利が十分活用できるというような条件がある場合においては、やはり積極的にその地区内における造田計画等が一部進んで、たといそれが小規模の開田であって農家の自家飯米を充足する程度であっても、これがなるかならぬかということについては、経営の将来においても非常な大きな決定的なものをそこからもたらすと私は考えておるわけです。ですから、こういう点に対しては、やはり既入植者の安定対策の積極的な対策の一つとして強力に推進する必要もあると思うのですが、これらの現況はどうなっておるのですか。

木村三男総理府事務官(北海道開発庁総務監理官)

○木村説明員 先ほど申し上げましたことにちょっと私足りないところがあったと思いますが、既入植者対策に重点を置く、建設工事を日をふやすということは、実は畑作だけではないのでありまして、水利関係を伴う残工事が非常に多いものですから、ただこれから新規入植をする場合のものを考えますと、酪農を取り入れた畑作の方が比例的に多いのではないかというふうに申し上げたのです。残工事の中で御指摘のように農業開田というものが相当ありまして、それはやはり残工事促進と同時に解決されていくわけであります。中には、最初は畑のつもりで行きましたが、開田でないといかぬというような面がありまして、これもやはり安定策としまして田でなければいかぬというところには、水利をつけまして計画変更というものが——先ほど農林省から説明がありましたが、北海道は計画変更が多いというのは、やはり水利関係を取り入れるという面が多かったことと私も思っております。  なお、残工事の中でダムのお話が出ましたが、開拓関係で残工事の中にダムというものはございません。大体一般の建設工事、水利等でありまして、ダムは含まれておりません。ただ各地区にそれぞれ残工事が軒並みに残っておるというような状況でございまして、これも、先ほど申し上げましたように、予算折衝にあたりましては、実情を説明いたしまして、既入植者が一日も早く経営安定ができるような理解を深めまして、着々と予算を獲得していきたいと思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 一々事例を申し上げるわけにはいかぬが、たとえば大きな問題としては北海道の美瑛町に水沢地区というのがありますね。あそこは、やはり開田計画を立てて、そうして水利計画をずっと立てて進めたのですが、用水路の地質が非常に悪いために、相当大きな計画変更をしなければならぬような事態に最近当面したわけです。それで、そういう障害を克服して工事を完了させるためには、これは相当大幅な計画変更をやって、そうして事業を実施しなければならぬという、そういう事例も、これはこの問題だけではなくていろいろあると思うのです。ですから、これは、最初の調査設計等においては、開発庁あるいは開発局等においても、陣容が手薄いという点とかいろいろあったと思いますが、最近においては相当確実な調査と設計ができて、この事業はこういう設計でなければいかないということになれば、当然これは計画変更の線によって当初の方針というものが実施に移されて完成されなければならぬと思うのです。こういう障害にぶつかると、開発庁等においてももうすぐしり込みをするというのが今日までの通弊になっておったのですが、それらの点はどうなんですか。

木村三男総理府事務官(北海道開発庁総務監理官)

○木村説明員 今例に出されました美瑛町の問題でありますが、その後研究を重ねまして新しい方法を発見されまして、これならあまり金がかからぬでやれるというところに参っておりますので、これは早くやりたいと考えております。従来いろいろ計画が手抜かりがあったということで大きく計画変更をしなければならないというような事態を招きましたことは、私ども非常に遺憾に存じておりますが、どうしても計画変更が必要であるということになりますれば、やはり早目に計画変更の線を出しまして、しり込みしないで予算の方の獲得ということに向かう所存でございます。ただいまのお言葉を開発庁に対する激励のお言葉として承っておきます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 そこで、予算に関係がありますが、三十四年度から変わった点は、全国の開拓関係の事業費の配分率が、北海道においては、三十四年度においては三十三年度に比べて下降の傾向を示しておる。これはゆゆしい問題だと思うのです。たとえば、詳細ではありませんが、昭和三十三年度は、開拓関係の全国の事業費の中で、北海道に対しては二八・六%の配分が行なわれたわけです。それが今度は三十四年には全国対比が一五・八%ということになって、相当大幅に低下しておるわけです。これらはいろいろ理由があると思いますが、開発庁として、これは当時山口長官の時代であったわけですが、われわれとしては、これは、開発に対する開発庁の態度等が相当消極的になったのか、予算折衝等において努力が尽くされておらなかった結果がこういうことになったのじゃないかとも判断されるのです。その点は開発庁にお尋ねしておきますが、小枝さんにもこの点を一つお聞きしておきたいと思うのです。やはり、戦後今日に至るまでの開発は、経済効果から見れば北海道の開拓地というものは効率が低かったかもしれぬが、国土の総合開発という点から見れば、経済効率が低い場合においても、やはり国としては思い切った財政の投下を行なうことは当然だと思いますが、経済効果だけを考えた場合においては、効果の低いところはあと回しにするとか重点にしないということになると、これは重大問題だと思うのです。農業関係の予算については、やはり農林省と開発庁の関係というものは一本をなしておる形なんですが、この点に対するお考えをあわせて両者からお尋ねしておきたい。

小枝一雄自由民主党農林政務次官

○小枝政府委員 芳賀委員の、開拓に対する方針と今後の予算措置について、特に経済効果のみによらずに、こういう国の大施策、大方針という建前から、北海道開発については特別な関心を払うべきじゃないかということであったと思いますが、私も全く同感でありまして、戦後の食糧増産第一主義というものが主として経済効果優先の考え方で大体推移してきたと思うのです。しかし、今日の事態から考えますと、食糧を増産しなければなりませんけれども、食糧の問題はその曙光が見えかけたという程度で、これも必要ではありまするけれども、今後の農業政策として大きい問題は、農民をどうするか、あるいは人口の配分をどうするか、営農規模をどうするかということによって、農民本位の政策というものが漸次向上してこなければならぬ問題であろうと考えます。そういう意味におきまして、経済効果ということにとらわれるというような観念でなしに、一つ十分、この北海道開発ということについては、これを積極的に開発するという考えを持って予算措置をやっていくべきだ、かように考えております。

木村三男総理府事務官(北海道開発庁総務監理官)

○木村説明員 ただいま御指摘になりました全国比でございますが、手元に持っておりませんが、大体私の記憶でも少し下がったような傾向にあると思います。食糧増産経費全体につきましても、三十三年の対全国比二一・八から二一・四に落ちているような関係になっております。その原因はどこにあるか、まだ詳細に記憶しておりませんが、たとえば八郎潟あたりの世銀のやった例がここに入りますと、自然にパーセンテージが落ちるようなことにもなりますが、私の記憶しております範囲では、開拓実施などは特に前年よりも全国比の伸びがいいというようなこともありまして、その点なお調査してみたいと思いますが、決して北海道に対するウエートを農林省の方で落としたとか、私の方でおりたというようなことはございません。なおまた、これは来年度の予算に通ずることでありますので、対全国比というものは、北海道全体の予算を組む場合にも、これは、農業に限らず、道路にしましても、すべて全国比の率は低くなるのじゃなくて、むしろ高目になるようにも持っていってもらいたい。つまり、特別な開発地区であるし、未開発の土地であるというので、その点を生かすように考えておりますが、なお、この点につきましては、大臣初め上司の方に伝えまして、なお一そうの努力をするようにいたしたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 もう時間がないから、いずれ開発庁関係は機会を改めて開発庁長官にも来てもらって尋ねたいと思いますが、最後に一点だけお尋ねします。当委員会としてことしの夏北海道調査を行なった際、たとえば金山ダムの問題におきましても委員会として実は調査をしてきております。それで、この際詳細なことを聞く時間はありませんが、たとえば現在調査進行中の金山ダムの問題、あるいは天塩川上流の岩尾内ダムの問題、石狩川上流の大雪山ダムの問題については、いずれも多目的ダムとして取り上げて調査を進めておる段階だと思いますが、最近いろいろな経済事情の影響等もあって、国としては財政の投下が相当高額になるわけでありますが、こういう北海道開発の上に重要な役割を占める問題等については、開発庁としても相当積極的に取り組んでいく必要があると思うのですが、これらの問題に対する今後の予算獲得の問題、あるいは事業実施等の問題に対してどういうような見通しを持ってやられておるか、現在の実情についてお尋ねしておきたい。

木村三男総理府事務官(北海道開発庁総務監理官)

○木村説明員 順序といたしまして一番早く実現させたいと思っておりますのが金山であります。それから石狩川上流の大雪山、今ダム・サイトをどこにするかなどの調査をやっておりまして、開発計画費の方の段階でありまして、まだ実施設計には至っておりません。おそらく来年、再来年くらいまでがその調査になるのじゃなかろうか。そのためには計画費を十分に予算としてもらいたいということで進んでおります。天塩川上流岩尾内でありますが、これも大体足並みとしては同じくらいで、両方とも計画費の方で本年もありましたし、来年もまた予算をつけたい。金山の方はことしから一応事業にかかるというようなことにはなっておりますけれども、ことしから実施設計に入りまして、来年は補償関係を主としてやっていく。それで、補償をやるにしましても、予算がないといけませんから、補償費の一部を来年度予算に、二億八千万ばかりでありますが、計上いたします。なおまた実施設計の方も並行して進む。それで完成年度、三十九年度でありますが、それに間に合うようなつけ方をいたしておりますが、来年はまだいわゆる土木建設工事の段階までは入れない。補償というものを先に片づけたいというので、そのためには、補償費を予算に計上いたしまして、誠意を持って補償問題に取り組みたいと考えております。

笹山茂太郎自由民主党

○笹山小委員長 本会議がこれからありますので、本日はこれにて散会いたします。     午後三時三十一分散会

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