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33回国会衆議院1959/12/22

農林水産委員会 第16号

発言数
37
登壇者
7
会派数
2
開催日
1959/12/22

会議録

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 これより会議を開きます。  第三十一回国会内閣提出、養鶏振興法案及び第三十一回国会芳賀貢君外十三名提出。飼料需給安定法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。     ―――――――――――――

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 質疑の通告があります。順次これを許します。  丹羽兵助君。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽(兵)委員 ただいま御提案になりました養鶏振興法案につきまして、一、二点お尋ねをいたしたいと存じます。  この法案は、前に政府案で出まして、二度ほど継続審議の過程をたどっております。その以前に参議院の方から議員提案という形で出て参りまして、本委員会おいて審議を進めたことがあり、審議を終わって討論にまで至るところで国会が解散になって、廃案になったという歴史を持っておる法案であります。もちろん、その当時の法案の内容と、今日政府が出しました法案の建前は、ずいぶん異なっておる点があるやに私は考えるのであります。  第一に、出されました法案の目的であります。名前はなるほど「養鶏振興法」と同じような字句が使ってありますが、かつて出しました議員立法のときの養鶏振興法と、今日のただいま審議を進められようとしておりまする政府案とは、法案の最も大きな目的が幾らか食い違っておるわけであります。そこで、今度の法案の第一条を見ますると、「この法律は、優良な資質を備える鶏の普及を図るための制度を定めることにより、養鶏の振興に寄与することを目的とする。」こういうのでありますが、続いて法案の内容を見まするときに、養鶏の振興に寄与することを目的としておると言っておられます、どうもその点が法の精神をくんだ内容ではないというより考えられないわけであります。私どもは、こうした法律が通ることを望んでおるものでありまして、社会党の方々とも話し合ったことがありますが、この法律を作ろうとし、また作ることによって、鶏そのものの品種の改良はもちろんのこと、特に養鶏業者――というよりも、養鶏農家の福祉というものをわれわれは願っていかなければならない、かように思いますので、前回、議員立法のときに、鶏が先か卵が先かという議論が戦わされたことは御存じのことと思いますけれども、そういうような根本的な問題よりも、現実の問題として、鶏を飼っておる百姓、鶏を飼うことを業としておる農家の福祉安定というものを考えていかなくてはならない。しいて言いますならば、養鶏によって農家経済の安定をはかることが、私は大いに必要なことだと思うのであります。今日のわが国の畜産の行き方というものは大家畜中心なんですね。しかし、今度政府が小家畜にも大いなる御配慮をせられたことはけっこうでありますが、これは鶏が先か卵が先かの議論にひとしいばく然たるものであって、これは、ほんとうの鶏を飼っておる農家経済の安定と、また、卵を食い、かしわと私どもは言っておりまするが、鶏肉を食べて国民の食生活の改善をこれまた願うと同時に、卵の消費というものの増大をはかっていくということも必要なんですが、そういう点がこれは全然考えられないわけです。  それから、もう一つは、以前には審議会というものを設けて、一緒になって養鶏の振興をはかることを考えたときもあるのですけれども、今日の法案には審議会などというのは全然表われてもいないわけです。     〔委員長退席、永田委員長代理着席〕  前の法案を私は全面的にいいとは考えませんが、少なくとも審議会制度というものがあって、養鶏業者、農家というものが養鶏の上に何を訴え、何を望み、どうしていくことの方がいいかということの現実を振興政策の中に織り入れていくには、やはり審議会なんかの必要があると私は思いますので、そういう点につきまして、一つ提案者である政府の御意見を承らせていただきたい。また、私どもは、まだこれは十分な話し合いはしておりませんけれども、でき得るならば、この法律そのものが養鶏者、農家の経済を安定する、また農家経済を富ますものであり、潤すものであると考えておりまするから、この法律のようにはいかないかもしれませんが、もっと突っ込んで、もっと積極的に各党話し合って、修正等も考えなくてはならぬ、こういうようなことも意見として出ておるときですから、率直に政府のお考えを聞かせていただきたい、こう思います。

小枝一雄自由民主党農林政務次官

○小枝政府委員 ただいま丹羽委員から御指摘のありましたこの養鶏振興法の目的について、政府の提案しておる原案はまだ十分でない、ことに種鶏、種卵というようなものからさらに一歩進んで、養鶏の経営者、業者、言葉をかえて申し上げますと、農民の農業の経営上これを特に取り入れるべきじゃないか、また、審議会についてもどう考えるか、これに対して両党から修正案が出ておるが、どういう心がまえでおるか、こういう御趣旨のように伺いました。  これを提案いたしました私どもの考えといたしましては、かつて、お話のように、議員立法によって参議院の方から相当内容の充実したものが出たことも記憶いたしております。ただ、現在のわが国の畜産に関する施策と申しますか、大家畜の方に偏向してはいないか、小家畜を忘れておるのじゃないかというふうな考え方もありまして、申し上げるまでもなく、特に丹羽委員におかれてはこの問題には関心を持っておられるのでありますが、私どもその点については全く同感でありまして、大家畜によって助かるものもおれば、小家畜によって助かる農家もある。ことに、零細の農家、労働力のないところの老人、子供の手によってもある程度これをやっていくことができる。ことに生活の困難なおじいさんやおばあさんでも、三十羽、五十羽の養鶏をしても生活の足しになるという、こういう重大な多数の生活の上に考えを及ぼすというと、この養鶏業も決して放任すべきではない。むしろこれは振興する必要がありますので、そこで、未完成ではあり十分とは考えませんけれども、一つの基礎を打ち立て、法的にもそういう方向へ向かって政府が進むという考えで、こういう法案を提案いたしたようなわけでございます。従いまして、審議会等の問題でございますが、これは、丹羽委員も御承知だと思いますが、従来各種の方面に審議会があまりにもたくさん設けられておりますので、大体の政府の方針としては、審議会はあまり多く作らないという方針でありましたから、政府提案としてこの審議会を先にうたうということも、われわれとして多少遠慮をいたしておるようなわけであります。そういうことで、未完成ではありますが、とりあえずこういう養鶏振興法の方向をもっていこうというわれわれの熱意のあるところをおくみ取りを願って、御了承を願いたいと思うのであります。幸いにいたしまして、本委員会におかれましても、斯界に対する学識経験の非常に深い委員の各位がおられますので、いろいろ御名案等もありますれば、それを十分尊重いたしまして、でき得る限りこれはりっぱなものにしたいということは、われわれ念願とするところであります。ただその程度の政府の考え方を述べまして、御了解をいただきたいと思います。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽(兵)委員 ただいま、最も御造詣の深い政務次官から、私どもの常に考えております気持にまで触れての御答弁をちょうだいいたしまして、大へん意を強うするものでありまするが、そこまでお考えを願っており、そこまでお気づきをいただいておったならば、この法案の内容も、もう少し養鶏者、養鶏農家の気持が救われる法案になっておったはずだと私は思う。しかし、いろいろの御事情で一応屋台骨だけ作って、今後運用の上でまた改正でもしていこうというようなお気持もあったでございましょう。  そこで、続いてお尋ねをさしていただきたいのですが、ただいま御答弁のございました審議会の問題であります。私どもは、この審議会によって、幸いにして生まれるでありましょう養鶏振興法を生かし、また、養が先か卵が先かわかりませんけれども、いい卵からいいひなを産み、またいいひなを産ませるような卵を作る孵卵器の業者の登録制度までやって、そうして、えさをなるたけ食べない、飼うに低廉な、しかも生産は高い、またできたものは安定した価格が保たれるところまで審議会で考えてほしいという気持を持っているんです。それがほんとうの行き方だと私は思う。今の政務次官の御答弁を承っておりますると、いろいろな関係で、審議会はたくさんあるが、活動していないということで、いろいろの議論も出るということでありますが、それは政府御当局が審議会をうんと御利用というか、運用をなさらないだけのことであって、私は、この養鶏振興法なんかにおいては、最も審議会の運用を考えていかなくちゃならぬと思うんです。それは、そういうような考え方があるかもしれませんが、たとえば、今日社会党さんの方から一部改正案の出ておりまする飼料需給安定法ですが、その中にも、飼料審議会というものがあって、その委員を内閣が議会の同意を得て任命なさるわけでございますが、これなんかでも一度だってやったことがないでしょう。本院の同意を得て審議会委員を任命になった。なったけれども、一度も顔合わせもあったわけじゃなく、何ら御相談はない。もちろん、審議会のなすべき、諮問を受ける分野というものはきまっておる。それで、その必要がなかったからと言われるかもしれませんが、その審議会が相談を受け、諮問され、審議する分野はきまっておることは承知しておるけれども、そういう委員が指名されたとて、いまだかつて、この委員の使命はどういうものであるか、審議会はどのような相談をするかという話なんて一度もない。有名無実です。ただ役人がこういうよろいの下に隠れて仕事をしていらっしゃるから、こういう問題が社会党なんかから出てくるわけです。そういう工合にも解釈される向きがあるのですよ。これは私だけの意見なんですが、結局、そういう工合に、あなた方は、審議会なんかあまりお使いにならないし、重視なさらないし、政府でやっていく。政府というか、役人だけでやってこられた過去があるから、大蔵省にしても法制局にしてもとやかく言っているのじゃないか。やらぬだけのことなんですよ。だから、私は、これは作ってやるべきだという考え、その方が民主的に振興法それ自身を成長させる、こういう考え方をしておるのですが、その点について重ねて政務次官にお尋ねいたしたい。

小枝一雄自由民主党農林政務次官

○小枝政府委員 審議会について私が申し上げますのは、各立法に次から次へと審議会ができるという意味でありまして、審議会は無能なものであるという意味ではないのでございますが、おっしゃるように、審議会の活用におきましては、政府といたしましても不満足な点もあり、運用にはまだいろいろ考えるべき余地があると思います。飼料の審議会もやった例があるのでございまするけれども、十分にその運用の妙を得ていないということは、全くその通りだろうと思いますので、こういう点につきましては、今後、これは飼料の審議会だけにとどまらず、われわれ農林省に関係のある審議会については、今後十分考えて、十分な審議会の効果的な運用をはからなければならない、かように考える次第でございます。この審議会の精神は、いろいろな関係の問題について、衆知を集めて、いろいろ専門家、学識経験者、その他これに対する最高の知識を持った方々の意見を聞いて検討するのでございますから、これは運用いかんによりましては非常に効果のあるものであるということは、私は十分認める次第でございます。この審議会を決して無用のものというようなことは考えておらないのであります。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽(兵)委員 ただいまの御答弁で、私どもは、今度の法案の改正の中に養鶏振興審議会なるものを入れて、あくまでこの振興法を成長させよう、また養鶏者の福祉になるいわゆる養鶏振興の法案としていこう、こう考えているわけです。そういう意味から重ねてお尋ねしたいが、ただいま政務次官の御答弁を聞いて、なるほどその審議会なるものが無能なものではなく、この中には、あらゆる角度の人が、あらゆる層の人が、また学識経験者を含めて入っている委員会ですから、こういう人々の意見を聞いて行政をなしていく必要は十分考えておる、こういうことで、ごもっともだと思う。しかし、それは、私の見るところ、また私が知る範囲内においては、政務次官はさようにお考えになっておりましても、全くこういうものがあることをじゃまもののように政府は考えている向きがある。大へん御迷惑な次第かもしれませんが、この法案を審議するにも必要でありましょうし、そればかりではありません。今後、農林省関係諸法令、諸法律の運用の上から考えまして参考にしたいと思いますので、委員長から、一つ今まで審議会及びこれに類する諮問機関にどういうような諮問をここ一年の間になさったか、何回くらい、どの審議会、あるいはどの委員会、どういう工合に答申なり、審議なり、また意見を聴せられたか、どういう内容のものを――ただ畜産局関係ではないのです。私は飼料だけを言っているものではない。全体の農林省関係の法令の中のものなんですが、一つそういうこまかいものを出していただけませんでしょうか。そうでないと、私の考えておるように、ただ作ってあるものの、無用の長物で相談をしない、こういうような思いも出てくるのですから、何も資料で与党の議員がこまかく要求する必要はないかもしれませんから、おわかりになっておったらそれでけっこうです。また私は聞く機会がありましょうから、何もそれで取り上げて問題にしようという考えは少しもない。私どもが審議会を作り、今度の法律の改正の中に入れようとしておるのですから、もう少し政府もこの審議会というものに重きを置いていただきたいという考えでお尋ねするだけでありますから、もしわかっておりましたら、資料要求ではなくてもいい、御答弁でもけっこうですから、お聞きしたい。

小枝一雄自由民主党農林政務次官

○小枝政府委員 ごもっともでございまして、審議会の非常に重要な使命があり、それが効果を上げておりまして、われわれ農林当局といたしまして助かっておる点も非常に大きいと思います。そこで、ただいま丹羽委員から御質問になりました問題は、別に資料でなくても、大体の了解がいけばというお話でございますので、ここに、簡単ではございますが、一応申し述べてみたいと思います。  大体専門委員の置かれておる審議会だけにいたしまして、米価審議会、農山漁村振興対策中央審議会、臨時生鮮食料品卸売市場対策調査会、農業観測審議会、かんがい排水審議会、それから、専門委員の置かれていない審議会といたしましては、肥料審議会、飼料需給安定審議会、中央作況決定審議会というようなものが大体あるわけでございます。この中でも、いずれの委員会におきましても、いろいろわれわれ知恵を授けてもらっているわけであります。ことに昨日も米価審議会の小委員会が開かれておりますが、米価審議会等は、年々大体一回の予定でございましたが、今年はすでに二回開きまして、米価の算定方式については、小委員会を作りまして、きのう小委員もできまして、今後一そうこの方面で算定方式と根本的な問題についての検討を願うような段階になっております。それから、飼料の審議会も、すでに夏一回と、この十二月になりましてから一回さらに審議会を開きまして、飼料の需給安定についての振興に資しておるわけでございます。その他の審議会はおおむねいろいろな問題を作定いたしましたり、予算の要求等をいたしますときに、一回は開いておるような状態でございます。昨年の年度末に開いておるわけでございますが、ことしも来年度の前に審議会を開きまして、いろいろ御相談をいたしたい、かように考ておるのでございまして、大体最も必要なるいろいろな諸施策策定に先だち、また予算のそれを使いますに先だちまして、いろいろと御検討をお願いする、こういうような方針で、農林省といたしましては鋭意これを活用するというような方針に立って進んでおるわけでございます。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽(兵)委員 まあ与党でこの法案の内容についてごてごてお尋ねする必要もないから、私は、特に今度両党で下話をして――両党というか、社会クラブをも含めた社会党と修正案について話し合っておるし、案ができておる。下話ができておる。もうすでに政務次官も、その内容については、知っておるとおっしゃらないかもしれないが、幾らか御存じのはずだと思うのです。そういう点でその向きをちょっとお尋ねしただけで、あえて異議をはさんでの質問はする必要はありませんし、私考えておりません。ただ、第一条の目的が、これでは振興法を作っても、何も――名はなるほど養鶏振興法でありますけれども、養鶏の振興にこれは根本的には役立つかもしれませんが、現実の養鶏農家にすぐと役立ってこない、こういうことで心配をしまして、まずあすの百よりもきょうの五十を与えた方が農家としては喜ぶであろう、こういう考えで私どもも修正したいという考えを持っておるのであります。政府の考えも、相当先を考えていくか、当面から考えて出発するか、こういう点に違いがあるかと思いますので、そういう点は御了承おきをいただければけっこうだと思います。  それから、審議会について今非常に御丁寧に答弁いただきまして、資料の要求はそれ以上必要がありませんから、かりに要求のように聞こえておったらお取り消しをいただいて、必要はないのですから、それで十分承知します。ただし、せっかく衆知を集めての法の運用を考えていただくし、また振興を考えていただくのですから、今後は、この審議会を、農林省関係は十近くもあるのですから、できるだけ意見を徴せられる機会を持たれるようにした方が最も効率的な形でいく、こういうように思って申し上げておきます。私は、登録制度や外形標準のことについても聞きたいのですけれども、芳賀さん大へんお急ぎのようでありますので、これで養鶏振興法についての質問は終わらしていただきたいと思います。  それから、続いてせっかく出ておりまするから、社会党から出ております飼料安定法の一部を改正する法律案についてお尋ねしたいと思うのですが、社会党の方御答弁願えますでしょうか。――せっかくお尋ねをしようと思ったけれども、提案者がおいでになりませんし、説明者がおいでになりませんので、あなたの方でも提案の内容が説明できぬようなことでは困りますから、また説明できる機会に質問をさしていただくことにいたしまして、私は、この法律の質問は留保しておきまして、終わりたいと思います。

永田亮一自由民主党

○永田委員長代理 芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 政務次官にお尋ねしますが、ただいま付託されております養鶏振興法案は、これは四月の三十日に提案理由の説明だけが行なわれておる。その後、きょう初めて与党の丹羽委員が質問されたのでありますが、この養鶏振興法案の内容を見ると、われわれとしては、せっかく政府が御提案になったにもかかわらず、内容がまことに空疎であって、この程度のことであれば、わざわざ立法措置を講ぜられてやるまでのことでなくて、行政的な措置でもやれるじゃないかとも考えますが、政務次官のお考えはいかがですか。

小枝一雄自由民主党農林政務次官

○小枝政府委員 ただいま芳賀委員から御質問のありました点についてでありますが、おっしゃるように、内容については、われわれもまだ十分なものではないと考えております。ただこれは法律がなければできぬような問題もあります。しかし、芳賀委員も御承知のように、わが国の農村の実情から見まして、政府といたしましては、処置については生きものの扱いでございまして、なかなかむずかしい点もあるのでございますが、一つ、でき得るならば、種鶏でありますとかいうような問題について、基本的な問題だけでも整えておきたい、こういうつもりでございまして、なお不完全な点については、今後、芳賀委員を初めとして、この委員会においては権威ある農政に通じられた方々が多いのでございまして、そういう意見も尊重し、それも伺いまして、今後十分充実するような方向に進みたい、こういうふうに考えておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 先ほど丹羽委員も発言されましたが、この養鶏振興法案については、二十八国会において、参議院の議員提案で、法案が参議院先議で、参議院は成立して、衆議院に回りまして、当委員会でこれは不成立に終わった経緯がある。あの当時の法案の内容についても、今回の政府提案の法案と一部内容を同じにした点もありますが、両案を比較した場合は、この前の議員提案の方が、内容の深さは別といたしまして、その幅においては、むしろまさっておったような点がなきにしもあらずというふうに感ずるわけです。それで、この法律の目的を見ても非常に単純化されておりまして、ただ単にその種鶏の普及制度を作ることによって、養鶏振興を大いに促進して、斯業の発展をはかることができるということなんですが、これだけを見ると、一体この法律の目的が、対象とするものは結局種卵業者と、それから種鶏、孵化事業をやる業者という特定の一部の業者に対象が限定されて、それらの業者の努力に期待するというようなことになると思うのだけれども、この際むしろ農業経済的な観点から見た場合、日本の零細な農家の経営の一環としてほとんど養鶏を営んでおるわけなんですが、全国の農家の七〇%くらいは養鶏をやっておるわけですね。ですから、そういう農民の大宗に対してこの養鶏振興法をどのような形で進めるかということに、むしろわれわれとしては期待と必要性を持っているわけなんですが、直接的にはそれに何らこの法律は触れていないのです。ですから、そういう点に対しては政府としてどういうようなお考えを持っているのか。

小枝一雄自由民主党農林政務次官

○小枝政府委員 芳賀委員の御指摘のように、最近の農村の状態といたしましては、いろいろ考えなければならぬ問題がたくさんあると思います。それで、農業としては比較的大きい方面の問題に力を入れるばかりでなしに、小さい養鶏でありますとかいうような問題が、今日の状態から見ますと、その生産額におきましては、畜産全体の間におきましても大きなウエートを持っていると思うのです。そういう点にかんがみまして、これは重要なものと考えますが、何分養鶏そのものが相当複雑多岐にわたりまする関係、いろいろな観点から、今日まで立法化ということが日の目を見なかったわけでありますので、お話のように今まで政府提案でこれはやれという非常な御激励もありまして、前国会にも政府で一応提案の用意をいたしたこともあるように考えておりますが、しかし、そのときには議員立法でやられるということで――これは内幕話になってきますけれども、われわれといたしましては当時与党の立場でありましたが、むしろ議員立法で出してもらった方がいいものができるのじゃなかろうかというようなことも当時期待したようなわけでありまして、そういうことで政府提案としては日の目を見なかったわけであります。そこで、今回は、一応前回のいきさつもありますし、政府提案といたしまして熱意を示して、一応端緒を開くにすぎぬかもしれぬですけれども、この程度でも法律を作っていただいて、まず隗より始めるという心がまえで、この法案を提案したわけであります。なお、これについて皆さんのお知恵を拝借して、さらに今後りっぱなものに仕上げることができれば非常にけっこうだ、かように考えておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 四月三十日に政府が提案理由を述べられたわけでありますが、その中にも、現在の段階においては、養鶏農家の数は全国農家の約七割の四百二十万戸を占めておる。産卵能力についても飼養羽数は納五千万羽を数えるに至っておる。その結果鶏卵の年間生産量は八十億個に達しておる。さらに鶏肉等を加えた養鶏生産物の粗生産額は年間一千億円に達しておる。こういう推定の数字が出されておりますね。この点だけを考えても、政府が指摘しておる通り、ほとんど日本の零細な農業経営の中に養鶏という問題はもう融和しておるわけですね。やはり不可欠なものであるということは当然言えるわけです。ですから、これをどの面から振興させるかということが問題になるわけであって、一つの方法としては、政府が言うように、まず種鶏の改良をやることによって、年間の産卵率を上昇させて、そうして経営上からいっても農家が非常な利益になるというような、そういう結果を招来するということに対しては、これは別に異論はないのですが、ただこの優良種鶏の普及をやるだけで、全国四百二十万戸の養鶏農家の経営、養鶏振興ができるということは、直ちに期待できないと思うのですね。ですから、やはりその場合には、この一般養鶏農家というものを対象にした、たとえば飼料の価格安定の問題であるとか、あるいはまた、鶏卵は季節的に非常に価格が暴騰低落が多いわけであるから、やはり安定した鶏卵の価格維持ということも必要であろうと思いまするし、また、このように年々生産が上昇する場合においては、当然これは消流面における対策というものも伴なって必要であると思うわけであります。ですから、せっかく振興法をお出しになるという場合においては、この種鶏の普及制度あるいは登録制度をとると同時に、一方においては、養鶏農家に直接的な影響のある飼料問題であるとか、鶏卵、鶏肉の価格問題であるとか、あるいは消流対策等の問題についても、この法律の中においてそれを整えて、そして強力に進めるということであれば、われわれとしても、この法案の目的に対して全面的に賛意を表することができると思うのでありますが、この点が全く欠けておるのです。ことしの春提案されて以来、あるいは各方面からもいろいろな批判とか要望もあるわけであるから、それらを政府としても御検討になった結果、たとえば、この法案では内容が不備であるからして、むしろ政府から進んで内容の整ったものを用意したいというような御意図はないのですか。

小枝一雄自由民主党農林政務次官

○小枝政府委員 ただいまの芳賀委員のお話は、結局、種鶏の品質の向上であるとかいうような問題でなしに、それ以外に卵価の安定、あるいは農業経営、農業におる養鶏の振興対策、そのほかのいろいろな飼料の問題等について、政府から進んで改正して法律案を出したらどうだろうかという御意見でございますが、われわれの方といたしましては、一応こういう点で閣議の決定を見、いろいろ省内におきましても検討の結果出しておることでございまして、この国会において直ちにこれを改めて提案をするというようなことは困難であろうと思うわけでございます。ただ、いろいろ卵価あるいは廃鶏等の問題につきましては、一方におきまして生鮮食料品調査会でございますか、そういうところでもいろいろ検討いたしておるところでございます。さしあたりこれを直ちにどうするということは不可能であろうかと考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それはその程度の御答弁ですが、私の言うように、丹羽委員もそうなんですが、この程度の法律じゃ大して意味をなさぬのじゃないかと思う。種鶏の普及制度をもっと拡充するという程度であれば、これは行政的な運用で十分できるじゃないかというような指摘が行なわれておるのですが、畜産局長はどうなんですか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 小枝政務次官から御答弁申し上げましたように、芳賀委員のおっしゃる法案の骨子でございますが、養鶏の対策全体としましては、この政府案はその一部でございますから、当然いろいろなことを成案を得次第やるべきであると考えておるわけであります。その点は、おもには予算を計上する、あるいは政府資金をワクを組む等の制度を整えまして、なお成案を得ましたならば――と申しますのは、生鮮食料品調査会とか、家畜取引制度改善調査会等を本年度やっておりますので、まだ未答申の分がかなりございますが、答申を得ましたならば、それを尊重いたしまして、法案を要するものは今後もその努力をすべきだと思っておりますが、さしあたりは、孵化業者の登録等につきましては、実は本年度の予算にそれを行なうことができる予算を計上いたしたわけであります。約三百万円以上でありますが、しいて業者の登録をせずに、標準鶏からする種卵及びそれから生産するひなに表示制度を設ければ十分であろう、表示がむずかしいときは、政府が知事をして認定せしめるならば足りるであろうということに最終案は落ちつきましたので、政府案のようなことになっておりますが、その間を考えますると、孵化業者の登録運用よろしきを得れば、一般農民の保護になり、優良ひなの配給を受け、販売を受ける養鶏農家の保護になりますので、予算の計上等ともにらみ合わせますれば、そういうこともいい一つの方法ではないと思うのであります。また、研究中のことにつきましても、養鶏、鶏卵、鶏肉ばかりでなしに、生鮮食料品あるいは家畜で、こうして調査研究をお願いしておりますが、さらにこの両調査会の御答申を、養鶏専門の審議会等がありと仮定しますれば、そこでさらにこまかく検討をするのはいいことじゃないか。また卵価、鶏肉の需給及び価格の調整等も、私どもは、本法案によりましては、駄鶏の淘汰を上手にするのと、種卵あるいはひなの生産の調整を上手にやるのが今の段階じゃないかと思って、本法案を提案いたしたのでございますが、先ほど申し上げました両調査会の御意見等を骨子にしまして、具体的に鶏卵、鶏肉等の需給、価格等について御審議を賜わる審議会等も一つの案じゃないか。また、それに応じまして、先ほど申しました予算、政府資金等を制度化して計上いたしまして、それをもって施策をしようとすることの裏打ちになるような、種鶏、卵化業者及び養鶏一般の経営をする農家、これは大規模、小規模の農家、両方ありますが、いかなる経営にてもよろしい、経費を節減するのはどうしたらいいか、そういうようなことについての一番基礎になる、国、県等の助成措置に関する面等は、精神的に見まして私どもの考えと差はございませんので、このような法案は政府から提案せずに、すなわち法案によらずにやろうと思っておりますが、法案があれば両々相待ってなおよろしいかということも考えられます。また、飼料につきましては、すでにりっぱな飼料需給安定法並びに飼料の品質改善に関する法律がございますから、これが運用よろしきを得れば、現行法をもちまして十分目的を達し得る。     〔永田委員長代理退席、委員長着席〕 現に、昨年の同月比にいたしましても、ふすまも配合飼料も大豆かすも一割方は値下がりしております。供給力は政府の在庫を豊富にいたしまして、過般の伊勢湾台風のような大きな打撃を養鶏や飼料業者が受けた場合でも、価格の値上がりをほとんど見ずに済むような運営がついておりますから、製粉業者あるいは飼料の輸入業者、特に農業団体、さらには重要な飼料製造業者について、現行法の運用よろしきを得れば、おおむね芳賀先生の御意見に沿うようになるか、こういうように考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは政府の方で示した資料ですが、国立の種畜牧場等で改良された鶏の優良品種の産卵個数は、年間平均二百九十個から三百個に達しておる。ところが、一般の養鶏農家の産卵個数は、全国平均と思いますが、大体百九十個程度であるということでありますが、これは単に優良種鶏であるかどうかの相違だけで、このような大きな産卵の差異が出るのじゃないと私は思う。もちろん優良種鶏によって交配された種卵から産卵数の多いひなが出るということはわかりますが、ただそれだけで三百個、二百個というような差というものは出ないと思うのです。むしろ、一般養鶏農家に当てはめて考える場合は、飼育管理の方法等によって、同じ品種の鶏であっても産卵量において大きな差異が生ずるということになると思うので、こういう点についても、ただ品種の改良だけやれば全国平均の産卵数が上がると断ずるわけにはいがないと思うのですが、この点いかがですか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 御指摘の通りだと思いますが、畜産経営をする上において、まず養鶏の環境衛生と申しますか、衛生対策が非常に重要でございまして、白痢や白血病等が蔓延しやすい。これが蔓延いたしますと、その一代の鶏ばかりではなく、後代といいますか、遺伝もいたしまして、非常に能率が落ちるわけであります。また、あわせまして産卵能力が、現実に国立牧場であれば三百卵ぐらい、一般農家は全部平均すれば百九十個でありますが、家畜の品種改良としましては、養鶏は畜産の中で最も進んでおるものでありまして、標準鶏として政府案に掲げましたものを上手に飼育管理いたしますれば、鶏そのものはそこまで能力がある。だから、優良種鶏を増産して、改良普及をいたしまして効率的に種鶏業者、孵化業者、農家の順に配給、販売を受けますれば、三百個と百九十二個の差は一挙に縮まるとは思いませんが、もう数カ年で全国平均は二百個をこえ、十年後くらいには二百二、三十個の目標を達成する見込みが技術的研究で立っております。しかし、これにつきましては、当然お話のように、改良品種の優良鶏が普及するということだけでは、その能力を十分に発揮できませんから、各種の措置が要ると思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 北海道の場合なんか、飼育条件から言うと全国で一番劣悪なんですね。それでも、特別の優良種卵から孵化されたひなの養鶏でなくとも、やや完全な飼育をやれば、年間大体二百五十個ないし二百六十個くらいの産卵は現実にしておるのです。そうなりますと、ただ種鶏の改良だけを重点にやっても、それでも効果は上がるとしても、全国の養鶏農家に対する、養鶏に対する考え方というものは、さらに濃密にしてもらって、経済的に養鶏というものは農家経済の分野において相当ささえになるというようなPRをやったり、あるいは、鶏舎の設備にしても、あるいは飼育管理の方法等にしても、あるいはまたそれを販売する場合の集荷、貯蔵とか、販売の方法の改善等を積極的にやれば、これは農家を中心にした生産者側の意欲によって、私は積極的、自発的に種鶏改良等が盛り上がってくるのじゃないかと思うのです。ですから、むしろ一般養鶏農家を対象にした養鶏振興というものを前面に打ち出して進めるということの方が、より効果的であると思いますが、政務次官はどう考えますか。

小枝一雄自由民主党農林政務次官

○小枝政府委員 ただいま芳賀委員のおっしゃるように、全面的に養鶏振興の熱意を農民層にあふれさせて、そうして農民層全体の養鶏に対する熱意からこれを取り上げるということが非常に効果的じゃないかという御意見については、私も同感であるのであります。ただ、私どもの考えておりまするのは、そういうことになる段階といたしまして、まずこのもとが完備いたしておりませんと困りますので、基本からまず整えていきたいというような考え方から、この法律といたしましては、種卵、種鶏の問題に重点を置きまして、そこから全体にその恩恵が普及するようにというつもりでございます。理想といたしましては、芳賀委員のおっしゃるように、農民層に養鶏に対するいろいろな知識、いろいろな考え方が充実して参りまして、そういうふうなところと両々相待っていくことができれば、これが一番いいのではなかろうか、こういうふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 先ほども、畜産局長は、飼料問題については、飼料需給安定法という法律があるから、その運用の中で解決ができると言って、あとの鶏卵とか鶏肉の価格の安定の問題とか、それから消流対策の問題とか、あるいは設備改善等の問題等については、この法律は全然触れていないのです。ですから、その点に対して、政府が、あれはもうかまわぬでおいても何とかなるのだということであれば別なんですが、もう少し熱意を示してもらわぬと、せっかく法律を出して、これを通そうとする熱意がないのならばいい、どうなってもいいというのならばいいのですが、何とか審議の結果内容を充実して通したいとすれば、もう少し何か具体的な話ができないわけでもないと思うのですが……。

小枝一雄自由民主党農林政務次官

○小枝政府委員 政府といたしましては、種卵、種鶏の向上によって養鶏の振興をはかるということ以外につきましては、先ほど局長からも申し上げましたように、調査会等によっていろいろな行政措置としてでき得る限りのことをやって、その足らざるところを補っていこうという考えでございますが、私どもまだこれをもって必ずしも完全なものだとは考えておらぬわけでございます。そういう点につきましては、なお委員の皆さんのお知恵を拝借して、将来完全なものを一つやっていきたい、こういうふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 特に私が指摘したい点は、この提案理由の中にもちょっと触れておりますが、毎年のように鶏卵の生産が上昇すると、これはやはり消費関係と非常に関係が出てくるのですね。そして、将来の問題としては、むしろ鶏卵の価格を低い方に安定させて、そうして需給均衡をはからなければならぬというような方向もここに若干出ておる。そうなると、卵を安い方へ安定させるということになれば、これは経済的に見ると振興と逆行するのじゃないですか。もしそういうお考えであれば、ここではっきりしていただきたい。

小枝一雄自由民主党農林政務次官

○小枝政府委員 ただいまの低い方に安定させるというふうにお考えをいただかずに、一つこれは生産とそれに対する報酬といたしまして、次のような方向に一つ安定させていきたいというように考えるのであります。表現の問題でありますが、これはこの振興法を作って卵価を高くするという意味ではないのでありまして、高くするというよりも安定をさせたい、そうして生産費もなるべくコストを切り下げるような方向ができるならば、それも考えなければなりません。そうして、鶏卵をたくさん生産いたしましても、それと並行して、その生産した鶏卵がはけていくというためには、コストの切り下げその他によってほどほどのところに卵価を安定させまして、そうして養鶏の振興をはかるということが当面の問題として必要であろう、かように考えておるわけでありまして、ただ安くするというだけの意味でないというふうに御了承願いたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 政府の提案の意思はそういうことが述べられているのです。小枝さん個人としてはそうでないとしても、この法案の内容に盛られているものはそうなんです。ですから、コスト引き下げといえば、もちろん品種改良によって産卵率を上げるということも、これはコストを引き下げることにもなるし、また、重要な点は、養鶏の場合はほとんど購入飼料に依存しておることは御承知の通りです。ですから、そういうことになると、やはり飼料の価格というものが鶏卵のコストには重大な影響をもたらすわけです。そういう点に対しても、細部にわたっての配慮というものは何も講ぜられていないわけです。飼料需給安定法があるからいいのだということだけで、これは酪農も養鶏も同じだということで終わってしまうのです。それから、消流対策の面でも、今の小枝さんのような説からというと、やはりこれは政府の酪農乳価対策と同じなんです。牛乳の生産が伸びれば、これは値段が需給関係で下がるのはあたまりえだと思う。もっと価格の引き下げをやらなければ大衆生活の中に溶け込んでいかないとか、そういう言葉は、結局需給均衡論からとった農産物や畜産物の価格引き下げの思想というものが底流をなしておるわけです。ですから、小枝さんがそんなことはないと言ったって、大体政府の考えはそういうことなんですから、心配がないなら、ここの中へそういうことが心配がないような法律をちゃんと作っておく必要がある。口先だけでは私たちは信頼できないですから、そういう意思があるならば、この中へ飼料問題とか価格問題とかあるいは流通問題、貯蔵とか販売あるいは諸般の設備等に対しても、たとえば国がどのような助成措置を講ずるとか、あるいは金融等についてもどの程度の考えがあるかということを明確にする必要があると思うのです。そういう考えが全然固まっていないのですか。

小枝一雄自由民主党農林政務次官

○小枝政府委員 ただいまのところでは、この法律以外には行政措置によってやっていくというくらいなものでありまして、この法律そのものにおいては、そういうことは現在までは考えていなかったわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それではお尋ねしますが、実は、社会党の方から、ことしの二月に飼料需給安定法の一部改正法律案を提案しておる。これは単に養鶏だけとの関係ではないのですけれども、飼料問題からいうと相当密接な関係がありますので、この際お尋ねしますが、社会党の提案した飼料需給安定法の改正の内容を、政務次官並びに畜産局長は今日まで御検討になったかどうか、その点をお伺いします。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 まず私から事務的な点についてお答えいたします。よく研究いたしました。研究の内容の骨子を失礼かと思いますが申し上げます。  社会党提案の飼料需給安定法の一部改正案の第一点でございますが、現行法の五条第二項を改正いたされまして、政府が取り扱います輸入飼料の政府の売り渡しは一般競争入札によることを原則にしてありますが、この道をやめる。また、その反面、輸入飼料の売渡は、養畜を行う者が直接又は間接の構成員となっている団体、すなわち農業団体または連合会だと思いますが、そのうちで特定に農林大臣の指定するものに対し行うものとするということでございますが、濃厚飼料で一般的にも市場に一番たくさん出ておる品物、また同時に政府が操作する濃厚販売飼料行政の最大の対象といたしておりますふすまにつきまして、どうしても市販になるものはえさ用に主として行くことは性質からいってありますが、広く一般的に操作をいたしたい、こういう見地からいたしまして、農業団体のみに政府が売り渡すのはむしろよろしいことではないと思うのです。やはり現行法の方がいいんじゃないか。現行法には、「政令で定める特別の事由があるときは、」、――たとえば災害対策とか他の用途に流れそうな飼料の場合、大豆かすとか専管ふすまと称しておる特殊の規格のふすまでありますとか、そういうものは特定の者に「指名競争契約又は随意契約によることができる。」と明文がございまして、現在も、数個の農業団体を中心にしたものに、配合飼料の原料である飼料は飼料製造工場に、これを限定して売っておりますので、十分改正の意のあるところはよく了承できますが、その目的も達し、改正されるためにその操作ができることを削除されることは忌むべきじゃないかと思います。  第二の改正点でございますが、これは政府所有小麦の売り渡しに関します第七条に関する改正でございますが、その改正点といたしまして、「国内の飼料の需給がひつ迫しその価格が著しく騰貴した場合において、」政府所有の小麦を飼料需給安定審議会に諮りまして、「政府は」――この場合は「農林大臣が」ということだと思いますが、農林大臣が「その小麦から生産されるふすまの譲渡又に使用に関し、」「その他必要な条件を附することができる。」という規定を改められまして、政府の権限を発動する場合にもう少し条件を緩和する。すなわち「飼料の需給及び価格の安定を図るため必要があると認めるときは、」政府所有の小麦を売り渡す場合に、飼料需給安定審議会に諮りまして、「ふすまの譲渡又は使用に関し、」「必要な条件を附するものとする。」この「ものとする。」というのは「ねばならぬ」ということだろうと思いますが、一般的には、この問題は、小麦を食糧用として扱うものが非常にたくさんございまして、食糧用以外におきましても、国内生産の麦は食糧管理法がありますし、輸入する小麦につきましても食糧用のものが飼料用より多いわけでございますので、政府所有小麦全般から出て参ります小麦粉のことも考えなくちゃいかぬ。そのふすまの必要のために、特に他の飼料をも含みました飼料の需給及び価格の安定のために、政府所有の小麦全般について、それから生産するふすまを条件づけるのは、まず第一になすべきことがあるのじゃないか。すなわち、それは、輸入等のことも考え、供給量を豊富にすることを考えて、そうしてふすまの需給及び価格の安定をはかるのが第一であろかと思うのでありますが、これもしいて改正する必要はないのじゃないか、もののウエートから申しまして、飼料も重要なウエートを持ちますが、政府所有の小麦に関しましては、またそれから出るふすまに関しましては、以上のようなことを主とした理由をもちまして、改正案の方が少し行き過ぎがあるのではないかという意見もあるやに思うのでございます。  第三点は、第十条の飼料需給安定審議会でございますが、これには従来専門委員がございませんでした。それを専門委員を置きまして、専門委員は「学識経験を有する者の中から審議会の推薦に基いて農林大臣が任命する。」ということでございますが、目下は農林省の畜産局がいわば専門委員のような役目をしまして、飼料需給安定審議会の庶務事項を取り扱っているわけであります。他に別の意見もあるかもしれませんが、目下、私どもとしましては、専門委員の役目は十分農林省が果しますから、予算もございませんので、必要はないかと思います。他に同種類の審議会があるわけでございます。その例は丹羽委員の御質問に対しまして小枝政務次官がお答えになりましたが、その場合に専門委員がある審議会は例なしとしないので、これは置くことにするかとか、しいて置かずにやるかという立法意思の問題だと思いますが、目下、私どもは、今年度は予算がございませんから、法律に専門委員を設置していないのとあわせまして、その必要はなかろうと思っているわけであります。  改正点は以上の三点でございますので、研究いたしました結果の私どもの意見をそのまま申し述べさしていただきますと、以上のようなことになります。

小枝一雄自由民主党農林政務次官

○小枝政府委員 ただいま芳賀委員から御質問の飼料需給安定法の改正をめぐりまして、大体三点の問題らしいのでございますが、政府の方から申し上げますと――この仕事を担当している方から申しますと、大体現行法で差しつかえなかろう、かように考えているわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは社会党から出しておりますし、私が提案の代表になっているので、ここで政府と議論する気はない。法律の改正が行なわれればいい問題ですが、ただ、この法案を出して以来、局長も政務次官もこれを軽く考えているようですが、相当影響があるのですよ。たとえば、飼料業者の関係あるいは国内の製粉業者の関係とか、こういう関係については、相当われわれの考えている以上の影響を与えているわけです。     〔委員長退席、高石委員長代理着席〕 また、この法案を出すことによって、畜産局長も考えの中に述べられたが、相当畜産局としてもその後の飼料行政については熱意を持って当たっている。だから、これがなくてもいいじゃないかということにもなると思うのですが、これはやはり今後の審議の結果を見なければわかりませんが、社会党といたしましては、当委員会の理事会等においても、養鶏振興法案とこの飼料需給安定法の一部改正案は不可分の関係に置かれておるものであるからして、これは並行的に審議を進めて、そうして結論についても同時的な結論を出すべきである、そういう紳士的な話し合いで今日に至っておる。ですから、政府の方であまりそっけなくこういう安定法の改正は必要ないというようなことになれば、私たちも、やはり、それではその内容の空疎な養鶏振興法案のごときも、これも直ちに法律化する必要はないじゃないかということにもなると思うのです。ですから、その辺の点は、これは局長は事務的に検討の結果を言われたのだから追及しませんが、小枝さんは、政治的な立場でこの二法案をどう扱うべきかというお考えがあって出席されておると思うのです。その御所見を承りたい。

小枝一雄自由民主党農林政務次官

○小枝政府委員 実はまだ検討中でございます。これは早く私どもといたしましてもこの結論を得たいと考えております。おっしゃるように、今日の飼料の問題には、政府といたしましては、鋭意熱意をもって、この養鶏といい、あるいはこの畜産全般について重大なこれらの業界の基礎をなすものと考えまして、常に熱心にやっておるわけでございます。しかしながら、今日業界におきましても、またこの飼料の今日の状況から見ましても、いろいろ今後努力すべき点が多々あることは、申し上げるまでもないことでございます。私どもといたしましても、部内の意思を統一いたしまして、至急にこれに対する結論を得たい、かように考えておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 委員長に申し上げますが、高石さんは委員長代理で席に着いておられ、委員の出席が少なく、私が質問しておるわけですが、これは委員会の運営上からいってもまことに遺憾なことであって、成立しておるかいないかということは別に発言する必要はない問題ですが、このような状態で、一体、委員長においても、また自民党の諸君においても、早く通せ通せと言っておるが、審議に全く熱意を失って、こういう状態で法案の審議ができるかどうかという点について、委員長にお尋ねしたいと思う。

高石幸三郎自由民主党

○高石委員長代理 理事会の申し合わせによりまして、今日は両案とも審議するというような関係で、皆さんそのおつもりでおると思うのです。しかし、御指摘の通りのことはよくわかります。委員長も、こういうことを心配されて、一応この辺で保留して持ち越したらどうかということでありましたが、芳賀委員御熱心の余り進行したわけでありました。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 やめてくれというのですか。

高石幸三郎自由民主党

○高石委員長代理 保留するかどうかということです。今日はこれで散会していただいていかがですか。――それではきょうはこれで終わります。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時四十五分散会

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