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33回国会衆議院1959/12/10

農林水産委員会 第13号

発言数
419
登壇者
22
会派数
2
開催日
1959/12/10

会議録

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 これより会議を開きます。  繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本日は、まず参考人より意見を聴取することといたします。御出席の参考人は横浜生糸取引所理事長石橋治郎八君であります。  本案に対する横浜生糸取引所当局の意見は前会において聴取いたしておりますので、本日は質疑においてその意見を求めたいと思いますので、さように御了承を願っておきます。  質問の通告がございますから、順次これを許します。  高田富之君。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 最初に概略お考えをお述べいただいてからがいいと思うのですが、実は、昨日、小島副理事長さんからただいま提案されている臨時措置法の一部改正につきましての御所見を承りまして、それについていろいろ質疑をしたわけでありますが、何分最高の責任者でもない関係もございまして、十分納得のいかないところもありましたので、御足労を願ったわけなんですが、念のため、簡潔でけっこうですから、ただいま提案されております重要な臨時措置法の一部改正ということにつきまして、取引所の理事長とされましての御所見をまずお伺いしたいと思います。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 ただいま御質問がございましたので、取引所の所見を述べさせていただきます。  御承知の通り、生糸は長い間斜陽産業でありまして、ほんとうにわれわれも肩身を狭くしておったのであります。しかるに、政府が昨年、生産原価を引き下げた価格を基礎にして最低十四万円・最高十八万円の価格を決定し、本年はこの範囲において糸価を堅持するというふうなことを声明されましたので、私個人といたしましては、これにおいて初めて生糸は斜陽から右翼に出たといって、満腔の敬意と感謝をささげたのです。本年の四月において日銀の総裁が静岡市においでになりましたときに、銀行業者、産業界、三十人ばかりの集まりがございました。そのときに質問がありましたので、私、指名によりまして、この蚕糸業の実態を申し上げた。そのときに、斜陽とは何ぞやという言葉で申し上げましたが、それは、少なくとも値ごろ観を忘れた不採算の、他の繊維を超越した高い値をきめておるということにおいて、いかに販売に努力しても売れないのが斜陽であるというふうなことで、しかも、政府においては今回のような処置をされたので、生糸の将来において非常な見込みが立った、私は、政府が今持っている糸は、本年から来年の春にかけて十万俵の糸は全部片づきますよ、そのくらい明るくなったということを認識していただいて今日の蚕糸業のために力を入れていただきたいということを総裁に申し上げましたところ、総裁が、四人ばかり立ってやったけれども、石橋さんの説に対してはしごくごもっともだ、賛成をいたします、最近ヨーロッパを回ってその感を一そう深くしたというふうなことをおっしゃったので、居並ぶところの銀行業者はびっくりしておれは斜陽だと思ったが、蚕糸業は将来そういうふうな優位なものか、これは大いに再検討をしてやらなくちゃならぬということで、静岡の製糸業者にもわざわざ東海銀行の支店長から電話がかかったということを聞きました。また、居並ぶところの静岡県の全銀行の支店長もびっくりして、蚕糸業に対して見直したということです。そういうふうで、私はこの正月の発会においてもそういうふうな大きな演説をいたしましたところ、何を言うのだ、大ぼらを吹くな、こんな糸は二年か三年後に太平洋のまん中に持っていって捨ててしまわなければしょうがない、今に虫がついて仕方がなくなる、でかいことを言うなというので、非常な非難を受けました。しかし、私の信念は、そういうものでないという深い信念でもって、今までやって参りました。  ところが、はからずも今度はその糸がわれわれの予想に反してどんどん売れ行きがいいということになって参りましたので、この十八万円の堅持ということについて非常に心配をいたしましたが、しかしながら、内閣と申しますか、農林大臣のお考え方は微動だもしない。どうしても本年度の糸は十八万円を堅持するということを二回にわたって声明をしておられます。また、私は、局長より、閣議はこれを二回了承したというふうなことを承りまして、いかにこの自民党内閣の決心のほどが強いか、はっきりわかりました。これにおいて、いよいよ蚕糸業は、左旋回するのでなく、右大回りして、幸いにして私も日本絹業協会の国内の宣伝委員長を承っておりましたから、この機会にできるだけ生糸の宣伝をして、そうして、今までの蚕糸業をひっくり返して、ほんとうに明るい希望の持てる産業にしたいということで、私は東奔西走して今日まで参りました。従いまして、取引所に対する方針も、この政府の意思をできるだけ尊重していきたいという念に私個人としては燃えておりました。  そこで、その堅持が非常にむずかしくなりましたので、どうかと思って、われわれは蚕糸局にいろいろ数回にわたって交渉をやりましたが、一向に意見は変わらない。大臣もその意思は強固として抜くべからず、大いにやるのだということで、そうして、今までの蚕糸業の行き方に対しての白書が出ておりますが、その白書はどうかと申しますると、今までと打って変わって、過去において蚕糸当局がやった政策の悪いことをみずから発表して、批判しておられます。こんな蚕糸局の声明はいまだかつてない。そういうふうで、あの白書に対しても私は絶対敬意を表しておる。  もちろん、生産の増額、いろいろあります。けれども、今までやった蚕糸業のざまは何でありましょう。他力本願であって、実際自力でやることは一つもない。そこで、もうからぬ産業なんというものは産業でないのだ。今までは、養蚕家はある程度利潤を得たけれども、これに関係しておる人は一人としてもうけた人はありません。問屋といい、製糸といい、仲買人といい、輸出といい、全部がそうです。そのよってくるところはどこにあるか。いわゆる政策の矛盾です。今日貿易の自由化が叫ばれておりますが、この貿易の自由化によって一番打撃を受けるのはだれか。繊維です。この繊維が一番の打撃を受ける。そういうふうな重大なときに、この問題がいろいろと討議されておるということはおかしいと私は思う。将来貿易の自由化になって、第一に繊維が打撃を受ける。また生糸は下がるのであります。下がったときにどうするのだ。今上がることばかり考えておるが、これはいかにも時代放れしておると私は思うのです。そういうことに対して非常に心配しておる。だから、できるだけやりたい。  そういうふうなことでありますから、政府のやっておられることに、私個人としては、ありがたいことだ、これにおいてわれわれは——私は半世紀この業に専念しております。五十一年であります。生糸貿易もやり、横浜の現物取引もやり、問屋もやり、製糸業もやり、絹撚糸もやり、絹加工もやり、あらゆるものをやっております。私は生糸を生命として生きるべく今日まで戦って参りましたが、最後までこの生糸として戦って自分の存在をはっきりしたいという観念は一向変わりません。従って、私は、個人的に自分の利害関係を考えて蚕糸業を論じたことは今まで一回もございません。これはここにおいて天下に告白をいたします。私はどんな場合においても個人を前提にした発表をしたことはございません。そのくらいで、私は生糸に非常に執着を持っておるということだけを、一つよく御了解おき願いたい。  そういうふうにして、何とかして蚕糸業を建て直して、私は、もう一回右旋回して、斜陽にならぬように斜陽にならぬようにということを願っておりますが、ことに、われわれが申し上げたいことは、商人と申しますか、ビジネス・マンは信用が第一である。しかも善良なる貿易をやるということが前提である。これをはずして何ものもない。これが私の信念でございます。そういう意味におきまして、もちろん、政府当局との間において——昨日小島君からいろいろ話を聞きまして、十月二十一日の問題でございますが、これなども、今までの二格受け渡し品を八格に直した。これは実際忍ぶべからざることで、いまだかつてこういうふうなことが行なわれたことはございません。しかし、私は、今まで考えてみますのに、政府の政策というもの、また政府の方針というものには絶対に国民は従わなければいかぬ。また、われわれが今日をなしたということも、ほんとうに政府の意思に沿ってずっとやってきたということが結果から見て一番いいことだった。自分らがそれに反抗してやったことはみな悪かった。政府の意思に沿ってやったことが一番よかった。それは私の五十年のこの生糸の生涯において証明しておる。だから、私は、自分は常に正しい見通しと信念を持って仕事をいたしておりますが、もし政府に従ってやったことが悪ければ、自殺する、自分の生命を閉じてしまうというくらいの決心を常に持っております。  ところが、今度おやりになったことに対しても、先ほど製糸協会においてこういうことを言われました。お前は、十九万円を堅持したときに、十九万円は破って十四万円まで持っていったじゃないか、今度なぜ十八万円を破って二十三万円まで持っていかないのかというふうな質問を受けました。そこで、私は、常に将来に対する見通しとその見通しによる信念において仕事をしておる、この前にはああいうばかげた生産価格を基礎にして糸価の維持をはかっておるが、戦後ほかの繊維は非常に安いものになっておるから、値ごろ観から言って、十九万円を堅持していては、いかに努力しても売れない、売れないものはすなわち斜陽だ、政府は二百億を出して糸価の維持をやっているが、これは国家のため業界のためにならぬという決心を持ってやったのだ、今度のことは私はそういう信念を持てないから、持てないことに対しては腹を切れないという回答をしましたが、私はそういうふうな観念を持ってやっておるのでございます。今度も、政府は十八万円を堅持するということを内外に声明をいたしておる。いろいろと世間で言うけれども、政府があれだけりっぱに声明しておるのに、まだそんなことは絶対に信じられないといって海外から注文が参りませんし、また日本を信用いたしておりません。そのくらいで、日本の蚕糸業にとって今度の声明というものは非常に重大であって、貿易を今後行なっていき、また輸出の増進をはかることについては、議員諸公は大いに考えてもらいたい。もしも一歩誤った政策をおやりになれば、蚕糸業はまたさようになって、決して将来に希望を持てるような産業にならぬと、私は自分としてはそのように考えております。また、これは、そういうふうなことをおやりになるならば、われわれも決心をす  る。  実は、昨日小島参考人がこちらに参りまして、いろいろ質疑応答をして、受け渡しに疑義を生じた、こういうふうなことを言っておられた。内閣ではこれが非常に問題になっている。疑義が起こってきたが、そんなことでは大へんだ。数回にわたって、大臣の声明なり、また局長から保証するということは、新聞にもちゃんと書いてある。ついこの間も新聞記者が参りまして私に聞くから、お前たち何を言うか、新聞には農林省発表で受け渡しを確保するということをちゃんと書いてあるではないか、なぜそのときに文句を言わなかったか、新聞の発表というものは通牒以上のものだ、全国の人が、内外を通じてみんな知っているではないか、それを今さらどうだこうだと言っているが、なぜそのときに言わなかったか、ばかもほどがあるではないかということを新聞記者に言ってやって、それ以上答弁する必要がないと言ったのですが、今度どうかというと、そういうふうな声明があって、これが委員会において疑義を生じたことは残念なことであり、一大事だ。われわれは、これを放任しておいて将来各関係業者を誤らせたならば、ほんとうに腹を切らなくてはならぬ、これは一大事だからというので、私はゆうべ神戸取引所の理事長を呼んで相談をして、そうして、昨晩は三時まで会議を重ねて、会員総会を招集して、この善後処置をどうするというふうなことで、きょうはまた八時から理事会を開きまして、この問題を討議いたしましたために、非常におくれて参りまして申しわけありません。結局、この受け渡しに対して疑義を生じたということは重大な結果を及ぼすから、取引所は当分の間休会する、立ち会いを休止することを決定して参りました。これは神戸も相互でやりました。  そういうふうなことが内外に及ぼす影響がいかに大きいか、そういうところにほんとうに慎重なる御協議を願い、将来蚕糸業のために誤りなからぬようにいたしたい。法律はどうありましょうとも、いわゆる貿易をやる上において、内外に対して大臣声明もやって、閣議の了解もついておる。私はこの問題についていろいろ考えました。いろいろやりましたけれども、それはもう新聞にまでりっぱに出しておられるのだ。それが、ここで、今ごろになって疑義があると言われると、これは一大事だから、とにかく休止しようということで、きょうは全部休止をいたしました。  これがどういうふうに影響があるかということになりますが、法律を知らぬかという話まであったけれども、あれは監督官庁の指示に従ってやった。それを一々法律に従ってやっているかどうかということは調べてはおれません。われわれは、監督官庁というものは最高機関であって、それの指示は絶対に間違いないものであるというふうに考えておりましたから、そういうふうなわけで、できるだけ政府の意思というものは尊重して従順にいくことがいいぞということを常に私は会議で言っておりました。そういうふうなわけでありますので、私は四十度近い熱を出して寝ておったのですけれども、それが疑義を生じたということでは、また熱が出るかもしれぬが、これはどうしてもはっきり究明しなければ、将来貿易の上に、また海外に及ぼす影響がいかに大きいかということを考えますと、死んでも死ねない。この五十一年の生涯を通じて有終の美をなさなければならぬ、どこまでも戦わなければならぬ、こういうふうに決心をいたしておりますが、どうかさようあらかじめ御了承いただきまして、御質問を受けたいと思います。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 理事長さんの蚕糸業を愛されるその闘魂に対しましては、全く敬意を表し、われわれも全く同感であります。ただ、委員会で何をぐずぐずしておるかと、大へん御立腹のようですが、そういうものではなくて、われわれは、あなたと同じ気持で、この重大な法案であればこそ慎重に検討いたしまして、そうして、ますます安定した発展する産業にするということでやっておるのであります。きょうは別にあなたを責めるとかなんとかいうのでは全然ありませんで、業界の大先輩としてのあなたから、いろいろこまかい点も一つお述べを願いたい、こういうことでございますので、一つぜひとも詳細にお話しいただきたい、こう思うわけであります。  そこで、まず取引所、これは、私が申し上げるまでもありませんが、正常な形で取引所が運営されまして、取引という経済行為に指針を与えて、数多くの雑多な取引が一ヵ所で行なわれることによりまして経済の指標が出てくるという、非常に指導的な重要な役割があるわけです。この役割を正常な形で果たさせるということは、やはり取引所の責任者とされましては最も大事なことではないかと思うわけです。ですから、取引所の動きを見ておれば、大体相場の動きはどうか、先行きはどうか、自分たちの経営はどうしたらいいかということが想像がつくという指標であってほしいわけです。また、なければならぬと思う。そういう点から言いまして、昨今の取引所の状態というものが、本来の取引所の機能、本来の取引所の使命、そういう点から言いまして、十分その役割を果たしておるか、はなはだ遺憾な状態にやむを得ず置かれておるかというようなことは、これは非常に根本問題であって、常にわれわれは念頭に置かなければならぬことだと思います。  そこで、伺いたいのですが、今相場が二十万円の上にいっておる。十八万円という政府の方針でありましても、事実は、はるかにその上をいっておるという実際の姿が、取引所を通じまして出ておるわけであります。そういたしますと、これをどう評価するかということです。これは、政策的に政府がかくあるべしと考えておるものよりも、ずっと継続的に一定の高いところを示しておるという事実、この事実は、取引所の方がごらんになって、これは特定のだれかが買い占めや何かをやって、市場を撹乱し、相場のつり上げをやられておる不自然なものであるのか、それとも、そう見るべきものではなく、やはりこれは正常なあり方を絶えず示そう示そうとするこの取引所の自然の形で押えておるけれども、あの程度の押えのきかないああいう形が出ておる、むしろ、こういうものを自然の姿として、そのよってきたるところや何かを慎重に検討しなければならぬのではないか、こういうふうに考えるべきか、ここはやはり出発点になりますので、あなたのお考えではそれをどう考えたらいいかということを、ちょっと一つ御説明願いたいと思います。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 今のお尋ねは、生糸の価格が非常にまちまちだが、どこが根拠になっておるのかというようなお尋ねだと思うのですが、清算受け渡しをするものと現物受け渡しをするものとは種類が違います。これは専門的のことでこまかい問題になりますが、清算生糸に渡すものというのは、従来は二格で、Aと2Aでございまして、それを十月二十一日から——終戦後取引所が行ないました受け渡しは八格でございますが、それを順次縮小いたしまして、荷物が増加するに従って、非常に多いと極度に相場が安くなるから、そういうものは八格あったものを四格、三格、二格まで下げて参りました。ところが、現状においては、非常に在庫、適品が少ない。ことに、流行の変化で、十四中に重点を置いて、一般製糸は非常に減少しておる。従ってまた、特殊繊度のものは、三十一中、四十二中、二十八中という特殊繊度のものが非常に多く需要されている。ほんとうに二十一中A格、二十一中2A格という数量は供給も減った。そういうものを基本的に今まで立てておった。ところが、ここへきて相当にそういうふうな適品が少なくなったのだから、これを八格にふやさなければ、不当の相場が出るし、政府のキロ三千円堅持、十八万円堅持ということが行なわれなくなるから、どうしてもこれは八格までに伸ばしてもらいたいという政府当局からの意向がございました。しかし、こういうふうなものを途中において変更するということは、いまだかつてありません。これは非常の場合でなければなりません。けれども、政府はあれだけ強く十八万円を堅持しておられるのだから、われわれは、これを忍んでやるかやらぬかということについては、非常に悩みました。しかし、政府は、われわれに十八万円堅持を要求しているのだから、もしもこれに違うようなやり方をするならば取引所は閉館してやめてもらいたいということを常に言われている。ことに、この取引所を開所する当時におきまして、糸価安定政策のもとに清算取引を立てるということは非常に無理がある、しかしながら、立てるとするならば、この糸価安定の規則の範囲内において立てるならばいいけれども、それ以上は許されない、それで、この条件を承知か、その要求がありましたが、それは承知でございますということを、初代石黒武重理事長が、その文書を農林省に入れております。そういうふうな関係もございますので、非常に無理ではございますが、当局から、それがいやならば一応休んでもらいたい、政府の方針に違うのだから取引所は休んでもらいたいというふうなことを言われましたから、実は進退きわまったわけでございます。また、第一、初代理事長がそういうふうな文書を入れておらなければ、これは別でございますけれども、われわれは、一定のワク、糸価安定のワクにはまった範囲で取引が許されておるのであって、ほかの取引所のように自由闊達に取引ができるものとは全然趣が違うのであります。また、乾繭取引所もありますけれども、それは最高最低がありませんが、生糸は法律できまっておるのであります。その範囲内でやれというのだから、非常に無理です。そこがほかの取引所とは非常に違うということを御了解願いたい。それで、政府が十八万円堅持をやっているのだからこれを逸脱するならやめてもらいたいと言うならば、これはどうも仕方がない。痛しかゆし。それで、私は、その政府の通達のありました十月二十一日には理事会に、二十三日には総会に諮って、こういうふうな無理な政府当局からの注文があった、これは二格を八格に伸ばすということは実に忍びがたいことである、過去においてもそういうことはないのだ、しかし、今申し上げました初代の理事長においてそういう文書が入っておる、また、この取引所はほかの取引所と違って糸価安定の範囲内において許されておるということがあるのだから、これは規則に順応していかなければしようがないというふうなことを私は説明したのです。そのときに、会員のうちからいろいろ意見があったが、清算の各限月に対して受け渡しは確保するというふうに当局は新聞発表をされておるし、また、このことは、神戸の三木理事長とともに出たときに、確保してやろうということをはっきり言われたのだから、これは、涙をのんで、国家のために、また業界のために、この糸価安定政策というものを堅持されるようにしたい。——今までは、ずいぶんあらゆる方面から、糸価安定のために取引所の不要を言われました。昨年の六月になるまでは、取引所の不要論が非常に盛んであった。それを挽回しなければいかぬということで、私は、できるだけ政府の意思に沿うような、糸価安定の上において取引をするようにするようにと持って参りましたことが、ここで多少間違いを起こした大きな原因であった。そこで、どうかと申しますと、会員のうちから、そういうふうなことを言われても、それは一応文書をもって伝えてもらわなければ信頼できぬじゃないかということが二、三の連中からお話がございました。ごもっともだ。ごもっともだが、われわれは当局に向かって何回も言ったけれども、われわれはこういう指示をしておるといって、そこまで信用しないのかというふうなことを言われますと、われわれは、監督官庁の局長が心配するなと言うものに対して、あえてこれを否認するわけに参りません。そこで、総会の途中において、蚕糸局に電話をかけて聞きましたら、それは指示は命令と解していいんだ、心配ないからやれというふうなあいさつがあったということを事務局長が報告して、それならば、当局を信頼して、できるだけ、忍ぶべからざるものを、実際でき得ないことを、この際仕方がなしに涙をのんでやろうじゃないか。しかし、この問題はきわめて重大であるから、会員全部に一々諮問をいたしまして、やめるか、当局の意見に従うか、どうするかということを一人々々に聞きました。そのときに、いたし方がないということが全員一致でございます。多数決ではありません。全会一致でございます。全部一人々々尋ねました結果、やむを得ぬ、忍びがたきを忍んで、この際国家のためにこの政策に殉じようじゃないかということをみな言われましたから、私は実にほんとうによくやってくれたと思って感心いたしました。  そういうふうなことでこれを取引をいたしたものでありまして、その当時の声明文もここに書いてありますが、二十三日に総会をいたして、そうしてそのときに新聞社にもまた一般にも声明文を出して、御了解を願って、その範囲内においてお取引を願うということで、われわれのいわゆる定款も変更して、その定款に基づいてこの取引を今日までいたしておるわけで、その間においてやみ取引だのどうのこうのなんというものは一切ございません。そんな不公明なものはこの取引所と農林省の間には絶対ないことを、ここに責任を持って保証いたします。いかなる責任もとります。われわれは、取引所と蚕糸局との間においてそんな不明朗な取引のないことを断言いたします。  そういうふうなことで、私は、この間において、決して取引所が、また……。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 石橋参考人に申し上げます。なるべく要領よく簡潔にお答えを願いたいと思います。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 そういうふうなことでて、何ら取引とかそういうことはなしに、公明にやったということは、あらかじめ御了承いただきたいと思います。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 ちょっと、ただいまのお話の中で、何ですか、初代の理事長が約束をされたとかいうお話がありましたけれども、それはあれですか、いつごろ、どなた——その内容はどうなんですか、ちょっとお話し願いい。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 お手元に「念書」というのがございますが、昭和二十六年五月十二日でありますが、「弊取引所に於て行はれる取引に就ては昭和二十六年三月八日附物二第五一号に依る生糸基準価格に関する物価庁告示の趣旨を遵守し、些かも違背することなき様万全の注意を払います。右念の為一札差入れます。」、こういうことで、石黒武重さんの名前で当時の農林大臣廣川弘禪氏に出ておりまするが、これは、御承知の通り、糸価安定ができる前にこの取引所ができたので、こういうふうな物統令の文書が出ておる。ところが、その後において局長をされました青柳局長さんが担当されまして、こういうふうなものを入れておるけれども、今度は糸価安定法ができたんだから、その糸価安定法の趣旨を十分順守してやるということに考えるから、さよう承知せいというふうなことの話があったのでございます。それで、私も、この問題について非常に心配して、石黒武重さんにお目にかかって、この問題をただしましたが、その通りだ、そういうふうにこれは糸価安定ができる前のものであって、その後において局長からそういうふうに話を承っておるから、当然そういうふうに考えてもらってよろしい、こういうふうなことが石黒さんからお話がありました。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 そうしますと、昭和二十六年五月十二日に念書という形で理事長さんが時の農林大臣に出して、その後、その解釈について、また局長さんからあらためて現在でも適用されるんだというお話があったので、それは生きているというお話でありますか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 そうです。それは神戸も豊橋も全部四カ所とも入っております。横浜だけではございません。みんな四カ所とも入っております。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 それから、今のやはりお話の中なんですが、あとで速記録を資料としていただければいただきたいと思うのですが、総会で、大へん悲壮な皆さんの御決意を語られて、万事やむを得ずという、いずれにしても国策に殉ずるより仕方がないのだというようなことで、局長に電話をかけたけれども、それは命令だという返事があったので、万策尽きてこれは命令と解して承服したということですが、これをあなたは取引所を代表されまして局長さんと直接東京でその問題でお話し合いになっておるというようなことをきのうちょっと小島さんから伺いましたが、それにしましても、私ちょっとふに落ちないのは、あなたのような気骨のある、それだけまた烈々たる闘魂を持っておられる方が、ふに落ちないことについて泣きの涙で万策尽きたというような態度で承服されるというのが、私は、それは全く政府の言うことが正しいのであってそうしなければならないということで総会で皆さんを説得して、みんながその通りだというので喜んでそうなったというならわかるのですが……。それで、そのために今念書のことを伺ったんですが、この念書があなたの頭の中にあるために、政府にも申し上げたいことはたくさんあるけれども、しかし、何としてもこの念書が入ってしまっている以上は、まかり間違うと取引停止を命ぜられるのじゃないか、——今何かそんなお話もあったようですが、取引停止ということになるとおしまいですから、御無理もないと思うのですよ。そういうふうな、実際に取引停止にでもなりはせぬかというような不安感に襲われたというようなことは事実なんでございます。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 事実でございます。それは、三千年十月二十三日の私の声明文の終わりの方でございますが、「顧るに去る二十九年二月禁止価格のため立会を停止し総解合を止むなく行ったとき、本所の商品仲買人は申すに及ばず委託者の皆様にも多大の御迷惑をお懸けしたことを想起すれば、飽くまで立会停止、解合の最悪事態に陥ることを避け、この際、誠に忍ぶべからざるものを忍ぶ思いがするが、真に隠忍自重、雲の彼方からの明るい陽光を信じてその機会の訪れを俟つより外に方法がありませんので、この衷情を御賢察の上大方の御了承を願う次第であります。」というふうなことを話をしておるのですが、それで、これはもちろん、過去において、相場が二十三万円になって、そして禁止価格が二十四万円でございましたそのときに、現物は二十七万円までいきました。二十七万円までいきましたけれども、この取引所の方はどうかというと、二十四万円で停止をして、そうして休会をして、これを解け合った実例がございます。これが、糸価安定も何もなければ、現物が二十七万円できるなら、あのとき清算を開放したら三十万円になっておったかもわかむぬ。けれども、それは糸価安定に沿わないから、われわれは、その当時涙をのんで、政府の指示に従って二十四万円で解け合いをした。それ以上は休会して休んだ、相場を建てなかったということです。現物市場だけは二十四万円以上の相場、二十七万円の相場で、禁止価格を越えてどんどん商いをいたしておる。そのときに当局はどういうことをやりましたか。何にもやってないじゃないか。だらしないことおびただしい。糸価の安定を厳重に守って、ほんとうに今度僕は、少なくとも局長はこの糸価安定に対しては一番忠実な方だと思っております。  そういう意味において、これは軌道に乗せなければいかぬ。今の蚕糸業は、軌道をはずして、近代産業の中に入っていない。そのくらいに思っておる。どうかして一日も早く軌道に乗せなければならぬという観念は私にございます。従って、おやりになっておることは、糸価安定の実をおさめていこうということは非常にけっこうなことだから、ほんとうに忍ぶべからざることを忍んで、できないことをやっておるので、われわれのその衷情をお察し下さいよ。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 その気持をその通り実は伺いたかったわけです。非常によくわかりました。そうしますと、あくまでも政府のそういう命令であるのでこれに従うということでありますが、断腸の思いでお受けになったということ。それで、私どもしろうとなんでして、今度具体的に承っておきたいのですが、たとえば、供用品のワクを八格に拡大するというわけですね。それは、すでに契約をしておったものに対しても、渡す品物は契約当時に予想しなかった品物が渡るわけですね。そういうことはあり得るわけですね。そうですね。——そういうふうな受け渡し供用品がきめられて、これは業務規程ですが、きめられておるものが、今度拡大されたというときにはその規程が改正になるわけですが、その改正した効果がずっと前に契約されておるものにまでさかのぼるというふうな改正の仕方をなさったのですか。業務規程の改正はどういうふうになさったのですか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 それは、今後受け渡し品をそういうような八格に拡大して立ち会いをするということにいたしまして、そうして取引所から各仲買人に了解をもらって、また仲買人から各得意先に対して了解をしていただくということで、今日それに対してかれこれの異論はございません。そういうことは聞いておりません。今日はやむを得ざるものとしてみなお認め願っておると思います。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 それは問題が起こっていないということですけれども、起こってなければけっこうなんですけれども、ただ、問題は、考えてみますと、そういうことをされまして、これによってそれは困るという方が出てきて、そうしてこれに対する損害賠償の要求をするとか、ともかく一種の契約不履行みたいなものですから、そういう問題が万一起こり得ないわけではないわけなんで、もし起こったようなことがありますと、かりに、皆さんが承認したから、総会にかけたからといっても、今までの定款なり業務規程なりというものを改正された効果が既往にさかのぼって、既契約の人にまで迷惑をかけるということであったのでは、これはちょっと問題があるのではないか。そうすると、万一、みんな従ってくれておるという現状では問題がないにしても、もし従わない人がいて、それはけしからぬというので異議が出た場合、これについての責任は負わなければならぬのではないか、こう思うわけです。ですから、そういうふうな欠陥のあることをあえてやったのだということも断腸の思いの中に入るのでしょうけれども、そういうことはあり得るのでしょうね。そういうふうに不服を申し立てる人があった場合、どうしてもしようがないという場合、あなたが損害賠償しなければならぬということも理論的にあり得るわけでしょう。理論的にはどうなんです。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 理論的にはそういうとうなことになりますが、業務規程を変更すれば、みなその注文を受けたとうろに各仲買人の通牒を出しておりますから、異論があればそのときに申し出ていただいておればこれはいいのですけれども、それはおそらく神戸も横浜も同文で通牒をいたしております。今日までそれに対して何も異論がないということならば、両取引所の業務規程というものは、変更したものを尊重していただいておる、また承認をいただいたものと認めております。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 それから、供用品の拡大の問題と、それから再検査のこともあるでしょう。政府でもって清算受け渡しに供用するために渡してくれる糸ですね、これは再検査をするようになっているようですが、この再検査をするということは、取引所の今までの慣例なり商慣習上の常識なりあるいは規程なり何なりから言いまして、好ましからざることなんでしょうね。どうなんですか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 再検査をしたものに対しての規定は何もございませんから、再検査したものは六ヵ月以内は通用するということです。昔は検定証に「新糸」、「古糸」ということを表記したものであります。新しい糸とか古い糸とかいうようなことを国立検査所の検定証の上に表記したものでございます。今日は古糸とか秋とか春とかいう問題についてあまり意に介しなくなりましたね。そういうふうなことで、検定の方で古糸とか新糸とかということを書いておりません。要は、検査してから六ヵ月以内のものは何でも取るのだ、検査したものは差しつかえないのだということになっております。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 そうすると、差しつかえないというお話ですが、定款なり業務規程なり、どっちかわかりませんが、検査後六ヵ月未満のものでなければ清算の受け渡しには使わないということになっておりますね。なっているんですから、本来ならずっと古く検査したやつは使えないわけでしょう。それを再検査したということによって新しい六ヵ月未満のやっと同じに流通させる、こういうことになるわけですね。そうしますと、今日はあまり気にしないとあなたはおっしゃるけれども、しかし、わざわざ、あなたの方の業務規程か何かの中に、六ヵ月未満のものでなければ受け渡しに使わぬという事実があることは、やはりこれは尊重されなければならぬのじゃないかと思うのですよ。そういう規定がないのならいいと思うのですが、そういう六ヵ月以内の新しいものでなければ清算の受け渡しに使えない、古いものをもう一ぺん再検査をするということで、何か新しいものと同じようにして流通させるというようなことは、それは、あなたの方の定款なり業務規程の建前上から言って、好ましからざることであって、そういうことは本来ならばあり得べからざることだ。そのためにそういう六ヵ月未満という規定があるわけでしょう。そういう規定はもうなくなっているんですかどうですか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 私が申し上げるのは、取引所としては、検査をした日から六ヵ月以内にちゃんと検定証を与えたものは、受け渡しに何ら差しつかえない。どんな糸でもそういうふうな区別はございません。六ヵ月以内ならば、もうどういう糸を持ってきても、国立検査所でA格ならA格と認定したものはそれでいいということになっておりますから、これは古いとか新しいとかいう区別は業務規程の上ではございません。だから、差しつかえございません。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 それは差しつかえないわけですよ、六ヵ月以内ということになっていれば。だけれども、その意味は、そういうことが書いてあるでしょう。業務規程か何かにわざわざ書いてあるということは、六ヵ月以内の新しいものでなければ受け渡しに使わないという建前をはっきりさせておるわけですね、あなたの方の規程で。そうでしょう。だから、そうでないものはほんとうはいけないわけなんですよ。それを、わざわざ二度検査して、古いものを新しいもののように見せかけて通用させるということは、これは政府の御命令でやむを得ないかもしれないけれども、本来ならば、取引所の立場からはそういうことはあり得べからざることじゃないんですか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 それは考え方が違うので、今のその六ヵ月と規定したことは、六ヵ月たってもまた一年たってもそれが通用するということになると、保管中の虫食いがあるとか故障があるとかいうことになったときにだれが責任をとるかということになりますので、一応六ヵ月の間で検査したものでなければ受け渡しができないということでして、古糸であるとか新糸であるとか、考え方がそういうことじゃない。その間に故障があったときに困るから、一応六ヵ月と切りましょう、なんぼ新糸でも何でも、それで六ヵ月たったらまた再検査して下さい、これは受けましょう、こういうふうな形になっております。ですから、国立検査所が、これはいかぬ、これは不適格品だということになれば、これは格づけにならぬ。検査所がA格と認めるということになれば、何年の糸であってもこれは差しつかえないというふうに考えております。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 それから、今の政府の命令で変えたという、そういうところを変えて、その裏づけの意味で、例のこの引き渡しには、政府の保有している糸を、二万俵ですか、十八万円で確保する、こういうことになったので、それを当てにしまして、そしてそういうふうなことをのんだ。しからば、取引所の立場から考えると、必ず各限月とも売方に対しては十八万円の糸が買える、政府から売ってもらえるということを裏づけにいたしまして、そして清算取引をやるというようなことは、これは、取引所の立場から言いまして、取引所のほとんど自殺行為みたいなものだ。法的なことはここでは別の問題だと思います。法的にもいろいろ問題があると思いますけれども、取引所が清算取引をやるのに、あらかじめ各限月とも十八万円で政府から必ず売方には品物が入ってくる、そういう裏づけのもとに清算取引をやるということは、およそナンセンスじゃないですか。どうお考えになりますか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 それはおのおの見解の相違であろうと思うのですが、今までも二千俵の取り組みがあった、けれども、その受け渡しの実際に至っては、それが半分だ、八百俵しかなかったという実情で、二千俵は、保証したからといって、全部必ず二千俵受け渡しになっておりません。今までは大てい半分以下になっております。これは、今非常に地方の状況が思惑で、現物は各地方とも非常な思惑をしております。そこで、いろいろな買い方の作戦もありましていろいろやっており、相場は高いところにいっておるから、そういうふうにお思いになるんでしょうが、一朝これが政府が売り出して十八万円の下に落ちたときには、これは一万五千俵も一万俵も要らないようになるかもしれませんで、今後の政策は、それは必ず一万五千俵保証したから一万五千俵出さなければならぬというものじゃない。どうしても農林省が十八万円で堅持しろということで、思惑を除去するような方法で適正にこの売り出しをおやりになれば、この価格というものはおのずから適当なところに落ちつくと思うんですよ。そうなれば実際心配はなくなってしまうけれども、今議会の方でいろいろと審議されているので、市場では非常に心配して動揺いたしておりますので、それがために相場が上がったり下ったりして、現実から少し離れて浮動しております。また、われわれ各地を視察したところから申しますと、地方は非常に過当な思惑をいたしておりますので、一朝政府が売り出しを始めましたならば、私は、相場は相当のところに落ちつくと、かように考えております。今は上がる上がる一方の考えですが、昨年十九万円から十五万円に下落したときは、さらにこの糸は十一万、十二万に下がるのだと大悲観したのですが、われわれは、十四万を下回ることは絶対ない、そんな不当価格には絶対ならないと言っていた。そういうふうに皆さんが気にして総投げ売りしてくずれた相場だから、その裏が出て大反発したので、今はちょうど逆でございます。その当時からちょうど一年たったところがその裏返しになっておるのですから、一朝逆転すれば、一万五千俵も一万俵も八千俵も五千俵も要らぬようになってしまうかもわからぬ。それは見解の相違でございますから、そこで相場が立っているんですから。それは私はそのように考えます。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 国会の審議の模様や何かのために相場がどうこうというようなことをおっしゃいますけれども、もっと問題は根本にあると思う。今、政府の十八万円放出の問題が価格の安定にプラスになっているかマイナスになっているか、今後の長い目で見た蚕糸業の価格安定方策の基本問題と取り組んだ場合に、簡単にこういうものを容認していいかどうかという大きな問題に取り組んでおるのでありますから、十分慎重にこれはやらなければならないところなんです。ですから、責任云々ということになれば、その十八万円で無理押ししたのが根本で、いろんな思惑が思惑を生み、混乱をさしておるのではないか。これはいろいろな議論もできるわけです。そういうことは本委員会において参考人のあなたからはお聞きする必要のないことなんで、事実を率直にお聞きすればいい。  もう一度伺いますが、そこのところを、事実をはっきりと伺っておきたいのです。というのは、事の経過ですが、あなたのきわめて悲壮な談話、声明というものの趣旨はわかりました。しかし、これに至る経過というものが、きのうもちょっと伺ったのですが、どうもはっきりしないのです。最初あなたは取引所を代表して農林省に呼ばれた。十一月の二十幾日でしたか、総会の前呼ばれましたね。呼ばれたのか積極的においでになったのかわかりませんが、どういうわけでおいでになったのか。おいでになったときに、具体的にどういう話があったのか。あなたがついにこれは万策尽きたとお考えになるその間の——これは非常に大事なところなんで、今後政府側にもいろいろたださなくてはならぬこともあるわけなんで、きのうの副理事長の話ではなおはっきりいたしませんので、そこをもう少し詳細に御説明を願いたいのです。せっかくこれだけの大決意をなすって悲壮な声明を出されるに至った過程でありますので、結果だけではなくて、その過程も大いに一つ御説明を願いたいと思います。     〔委員長退席、丹羽(兵)委員長代   理着席]

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 これは、今お尋ねがございましたが、この問題が起きて以来のことを一応御説明申し上げれば、その経過に従って全部御了解をいただけると思いまするから、その二十四日のことよりも以前にさかのぼりまして、八月の二十五日から問題が起きておりまするから、そのときからの農林省蚕糸局とわれわれとの交渉の経過を申し上げて、御了解を得ることが一番いいんじゃないかと思いますので、読み上げながら申し上げます。  八月の二十五日に、御承知の通り、福田農林大臣は、最近の糸価の高騰に対し政府は本年度の糸価俵当たり十四万円——十八万円の安定帯に堅持する、このため臨時措置法の保有糸のみでなく安定法のものも売り渡す用意があると声明されました。  それから、九月一日に、糸価の上値十八万円堅持のため、政府保有糸を取引所の受け渡し品の制限規定(検査後六ヵ月以内のものに限る。)に合わせるため再検査を政府の負担において実施し売渡す、この措置により売り渡された生糸を乾繭と交換のため日本輸出生糸保管株式会社に納入することは差しつかえないと変更された。  それから、九月十七日に、生糸取引所における清算受け渡しに供するための生糸売り渡し要綱によって政府は取引所の受け渡し品を毎月用意し申し込みに応じて売り渡しその期間は九月二十五日から明年五月三十一日までとするとした。  九月二十八日、保管会社における乾繭と生糸との交換契約は契約者の申し込みに応じて契約保証金の差し換えを認める、また需給を緩和する目的で検査日より六ヵ月を経過したもの、また政府または保管会社から売り渡したものも認めると改正した。また保管会社は交換生糸を清算受け渡しに供することができなかったのをできるようにした。  十月八日、従来売り渡している生糸のほかに繭糸価格安定法の規定により買い入れたものも買い換えということで一キロ三千円で売り渡すこととした。  十月十四日、蚕糸局長声明で、最近生糸の清算相場が投機性を濃くし、市場の先高不安を助長していることにかんがみ、次の措置を講じて価格安定に万全を期するものとする。(一)清算相場の思惑高を防止するため必要がある場合には、取引所の受け渡し供用品の範囲拡大の措置をとらしめることがあるものとする。(二)当月限について、受け渡し品の確保をはかるため、政府生糸の売り渡し措置を実施しているが、先限、各限月についても受け渡し生糸を確保する措置を講ずる。  十月十九日、糸価高騰について各仲買人の委託の内容について調書の提出を求められ、現在週一回提出いたしておりますが、これはそういうふうにいろいろ条件をつけられまして、また、その中に、非常に思惑をする者があってはいかぬというので、各仲買人に命じて毎月の出来高の内容と得意先の名前まで一切書きまして、これを厳封して蚕糸局に送っておるというふうなことで、でき得ざることも政府に対しては協力をいたしておる次第であります。  十月二十一日、蚕糸局長は、横神代表者を呼び、取引所を一時閉鎖するか、供用品現在の二格を開所当時の八格に拡大即時実施のこと、この二項を申し渡されたのであります。このときは、神戸取引所の理事長と、私と、小島副理事長と、私の方の事務局長の四人で参ったのでございますが、このときには、こういうふうに相場が非常に荒れて、政府の方針に対してどうもうまくいかない、一時取引所を休んでみたらどうかというふうなお話があったのでございます。しかし、それも困るならば、従来取引所が創業当時以来用いておったところの八格に拡大して実施することにしたらどうか、そういうことにすれば、期限は来年の五月までにして受け渡し品に困ったときには受け渡し品の方はおれの方で確保してやろう、どっちかを選べというようなことでございましたので、われわれは、先ほどから申し上げておる通り、やめるということはわれわれの生活の問題でございますし、また一般に与える影響が非常に大きいので、従来も用いたところの格を八格に拡大することがいいというふうなことで、大体お答えを申して帰って、さっそく総会を開いたわけでございます。  総会を開いたときの模様は前申し上げたようなわけでございますが、とにかく、指示と命令というものは実際紙一重なんですよ。われわれは、なぜそのときに法律を知らなかったか、こうおっしゃるかしれませんけれども、紙一重だし、閣議で二回も大臣が了解を得たというふうなことを聞いていれば、これはもう法律にひとしきものだ、議会に間に合わぬときには内閣は内閣の責任においてこういうふうなことを決定されるように、私はしろうとであるからわからぬけれども了解しているんです。それだから、これはもう法律にひとしきものだ、紙一重だ、これは命令と解してもやむを得ないじゃないかといってやったわけですから。そこで、私はおしかりを受けても、どこまでも、私はそこまでは法律家でないからわかりませんけれども、監督官庁のおっしゃることは間違いのないものとして受けて参ったわけですから、その点については御了承をいただきたいと思います。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 関連。  あなたはさっき非常な大みえを切られた。私は蚕糸業のために命をかけてやっているのだとか、いろいろ大みえを切られたが、あなたは、十月二十一日のこの蚕糸局長の強硬声明の前に、蚕糸局長に会っているでしょう。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 二十一日の前に会ったかとおっしゃるのですか。それは何回も会っております、この問題については。それは今申し上げたように十月の二十一日——初めはこの問題はもっと早くに始まっておる。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 十九日の日にあなたは蚕糸局長に会っているでしょう。では日をはっきり言いましょう。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 会っております。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 その会ったときの話はどういうことだったのですか。十九日の話はどういうことだったのですか。蚕糸局長とあなたの話を正直に言いなさいよ。どういうことです。白ばっくれないでいいよ。こっちは証拠をつかんでいるのだから……。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 十月の十九日、蚕糸局長に会っております。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽(兵)委員長代理 参考人に申し上げまするが、御発言のときは委員長の許可を得て御発言を願います。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 その会ったときの話の内容を、あなた、こまかにして下さい。正直に、どういう話を蚕糸局長にあなたがなされたのか、それをこまかにして下さい。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 私は十九日に会っておりますが、それはやはり受け渡しの問題について話をしただけで、引き続いての問題で、これ以外に何も話したことはございません。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 その十九日の日の話というものは、二十一日に正規に取引所長としてあなたを呼ぶ前に、そういうことについてあなたに話があったはずです。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 八格にふやすということでございますか、どういう話ですか。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 いや、そのときの話を言って下さい。どういう話をしたか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 そのときの話は、別に変わった話をしておりません。やはり、この取引所の問題について、困るからという話をして、何回も申し上げただけで、余分なことは何も申し上げておりません。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 十九日の日に、あなたに非公式に、政府はこういう方法をとるぞと、供用品の拡大ということをあなたに蚕糸局長が言っているはずですよ。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 そういうことは前もって予告を受けておりません、私は。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 じゃあ、あなたは自分の買い玉整理をそのときやったことを否定なさいますか。あなた自体が自分の買い玉の整理を——供用品がだめになるからと、あなた自身が自分の買っている買い玉を売りにかけて、そうして逆に売りをかけたという、こういうことはあなたはなかったのですか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 そういうことはございません。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 これはあなたの参考人としての意見ですから、いずれ証人として今度おいでを願って、私の方でも今これについていろいろ事情調査をやつておりますから、だから、それについてはいずれ証人でおいでを願って御証言を願います。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 あなたはちょくちょく局長と会っているというお話が今出ましたのですがね。今特定の日を言いましたね。十九日とかなんとか、あなたは会った、こういうわけですが、それ以前でも、ただいますと経過を聞きますと、事の起こりは八月二十五日から始まって、ずっといろいろただいま御説明をいただきました。いただいたわけでありますが、特に最後の二十一日に至るまで、その間に調書の提出、週一回ずつ提出を命ぜられた。十四日には政府声明があった。そこらあたりからもうほとんど内容はわかってきているわけです、一般に。ですから、理事長として非常に大きな責任もあり、その影響が直接この取引所の存廃にかかわるような大問題ですから、そういうふうな気配を察知すれば、あなたの方はどんどんおいでになるだろうし、あるいは蚕糸局の方からお招きもあるだろう。ですから、その点については、単に十九日のことばかりでなく、少なくとも十月の初めごろからのやつは、あなたの日記や記憶をたどられまして、いつ幾日自発的に蚕糸局へどういう用件で行った、あるいは蚕糸局へどういう用件で呼ばれたということは、一つずっとはっきりさしていただきたいと思う。今すぐできれば、日にちだけでもすぐ出してもらいたい。もし出せなければ、また別に後ほど委員会の方で御要求をいたす、こういうことにいたします。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 私は、そういうふうなことが後日あってはと思いまして、取引所の用で参りました場合には、取引所から旅費を請求いたしております。そうでないと、何日にあったということは将来わかりませんから、そういうふうで、記録はちゃんとしてございますから、後刻調べて御報告申し上げます。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 清算の各限の受け渡し品については、来年五月まで半年分、全量で一万何千俵ですか、数字もちょっとお聞きしたいのですが、神戸が幾ら横浜が幾らという数量につきましても政府の方から確約をされたということを、きのう小島さんからそんな言葉で御発言があったのですよ。もう少し明確に聞きたいと思うのですが、いつ最初にそれを言われたのか、政府から聞いたのはいつ、そうして横浜、神戸は何俵、こういうことを一つ御説明願いたい。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 詳細を事務局長が持っておりますので、事務局長とちょっと打ち合わせをしてお話をしても差しつかえございませんか。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 いいです。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽(兵)委員長代理 ちょっと速記をとめて。     〔速記中止〕

丹羽兵助自由民主党

○丹羽(兵)委員長代理 速記を始めて下さい。     —————————————

丹羽兵助自由民主党

○丹羽(兵)委員長代理 この際参考人決定につきましてお諮りいたします。すなわち、横浜生糸取引所事務局長田村信君を参考人として、その意見を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

丹羽兵助自由民主党

○丹羽(兵)委員長代理 御異議なしと認め、さように決定いたします。     —————————————

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 お手元に配付してありますが、「十月二十一日横神両取引所理事長及び横浜生糸取引所副理事長(同事務局長同道)蚕糸局に出頭を命ぜられた際、横浜一五、〇〇〇俵、神戸五、〇〇〇俵、計二〇、〇〇〇俵(一俵十八万円で)の全限(来年五月限まで)の受渡品確保につき局長に糺した処、二十一中A格、2A格のみにては政府保有糸不足につき、十四中3A格、2A格、A格及び二十一中3A格、B格及びC格の六格を既存限月に遡り供用品に加えるならば数量確保は保証出来るとの局長の言明があり、その節特に既存限月に供用品の拡大を実施することは取引所としては到底自主的には行い得ないので命令を出して欲しいと申入れた所が命令と解すべしとの強力な意思表示であったので、これを前提として十月二十三日会員総会を開催し六格を加え横神二〇、〇〇〇俵の政府糸による受渡品の確保を条件とし当局の方針に副うこととした。尚、その際臨時措置法の糸は残り少なかったので二〇、〇〇〇俵確保につき不足分は安定法の糸を放出して貰えるかどうかということを糺した処、買換えの措置により不足分は提供するとの言明であったので、当局の言明を確信した次第である。なお買換えについては十月八日附蚕糸局長よりの通達により既に制度化していたので何等疑いを持たなかったのは当然である」、そのようなわけであります。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 今お読みになったのは、それはそのときの会談内容をあとであなたがメモされたものですか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 こういうふうな向きで、その当時の理事会、総会に説明をしたわけであります。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 そうしますと、そのときに合計二万俵、横浜一万五千、神戸五千を確保する、こういうお話が政府の方からあった。しかし、それは臨時措置法の残りが少ないので非常に不安であったわけですね。そうして、あなたがそれを問いただしましたところ、買いかえ措置によって安定法で保有しておる方から出すということで、安心して帰った。ところが、事実その通りあとで制度化したから、やっぱりその通りやってもらったのだ、こういうわけですね。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 やってもらえる……。十月の八日に制度化はもうできているのですよ。キロ三千円で買いかえをするということは十月の八日でございます。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 十月八日をもう少し詳しくお話ししていただきたいのです。十月八日は、それは話を聞いたのですか、通牒か何かあったのか、十月の八日のときに来年の五月までの二万俵までも約束がされたのか、あるいは十月八日のときにはその当限だけの話であったのか、そこをもうちょっと……。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 それは、お手元に配付してある「参考」の「繭糸価格安定法の規定により買入れた生糸の買換えのたのの売渡しについて」の中にありますように、「繭糸価格安定法の規定により買入れた政府生糸を同法第十二条の規定により買換えのために売渡す。売渡しは買入年度の古い順位に売渡荷口一覧表にかかげるものについて買入れの申込みに応じて行うものとする。売渡価格は標準生糸について一キログラム三、〇〇〇円とする。」ということを、十月の八日に政府では一般に発表されたわけですけれども、このときに制度化はできておったということを申し上げたわけです。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 そうすると、十月八日にそういう政府の意思決定があって声明があった。ただ、具体的に神戸幾ら横浜幾らという清算の受け渡しに対して確実に保証したというのは、いつが初めてなんですか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 それが、今読み上げました十月の二十一日に、神戸の理事長、それから私と田村事務局長と副理事長と四人同道して参ったわけでありまして、そのときの話でございます。こういうことは単独に会って一つもきめていない。大きな問題については必ず神戸の理事長と同道いたしております。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 そうしますと、そのときのお話の内容というのは、要するに、十月二十一日にその数量的にもすっかり各限月にわたって保証されたわけですね。そして、その糸は、もうすでに十月八日に政府が声明しているようなことであって、安定法の中の買いかえ措置でもらえるものだと、二十一日のときにそういう確信を持って帰られたわけですね。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 二万俵というものは最高限度でございます。最高限度二万俵必要か必要でないかはわからなかったが、とにかくどのくらいの程度であればいいかということでありますから、大体横浜は一万五千俵、神戸は五千俵くらいの程度で十分に間に合いましょうというふうなことを申し上げたわけで、実際にはその数量が要るか要らぬかは別問題でありますが、そういう意味で私は申し上げたのです。その俵数の点は、そこでどんどん五千俵を売り出したときに、どこもここもいろんな風説が飛んで、でかい申し込みがあった。五千俵に対して、とにかく四万五千俵くらい、約十倍に近いような申し込みが出たのです。それで、われわれはびっくりしたのです。それから、そういう問題で、売り出し以前にも、出したときに一日三千俵、五千俵という申し込みが二十人も三十人も出た。それで局長もびっくりされたのだと思うのです。それまではきわめて穏やかだったのです。そんな大きな問題は何にも起きなかったのです。いろいろなところからどうだこうだというふうなうわさが出たもんだから、政府はもう売らぬのだ、何だかんだということから、関係のない者が一人で一万俵も申し込んだといううわさを聞きましたが、そういうふうで非常に混乱しちゃったのです。そこで、われわれは非常に心配したのですけれども、十月八日付の買いかえの措置があるから、そう心配しないでもいい、落ちついておれ、こういう局長の話から、もうすでに制度化しておるのだから、われわれも神経過敏になって一般と同じような騒ぎをやってはまずいと思って、静かに形勢を観望しておったのであります。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 そうすると、そのときの話では、そういう確約を得られたということで総会に報告をして、総会でもそういうことで二万俵程度のものは大丈夫だという確信を持ってこれをのんだと、こういうわけですね。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 そうでございます。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 そうしますと、そこで、ついでにお聞きしたいのですが、最近政府は買いかえ措置をとめてしまったし、買いかえ措置は違法である、違法の疑いが濃いということを大臣が声明をされてしまったし、それから、今後の——将来はわかりませんけれども、かりにこの法律が通過したとしても、十八万でそういう形で売るなんということはあり得ないだろう、違法措置というものはできませんから、そういうふうな事態になるのじゃないかという声は相当あなたのところでは出ていると思うのです。そこで、あなたとしては現在の心境はどうなんですか。これが違法でもうだめだというようなことに万一なったらどうするということは、あなたにとっては今最大の関心事じゃないかと思うのです。そのお考えを述べていただきたい。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 今尋ねられたことは一番の急所でございまして、私は昨晩から実際寝られないくらい心配いたしたのであります。先ほど申し上げた通り、昨晩の八時に、昨日ここで証人に立ちました副理事長から話を聞きまして、びっくりしてしまって、これからすぐ仲買協会、理事会全部呼べ、そうして、呼んで、こういう点をどうするのかということを協議いたしておりましたために、今日おくれたようなわけでございます。それで、理事会としては、受け渡し品が渡るか渡らないかということで、もしもそういうふうな約束が守れないということになれば、業界にとって一大事、どういうふうな恐慌を起こすか、間違いを起こすか、大へんなことになる、だから、そういうふうなことをやってしまってからではよけい収拾がつかない、われわれはもらえるということをどこまでも確信しておる、行政訴訟をしても何をしてもやるのだという考えを持っておる、しかし、そういうふうな市場に大混乱を起こしたのでは申しわけがないから、一応横神両取引所は寄って、今日の前場一節から当分休会しよう、取引を中止しようという決心をして皆さんにお諮りをした。皆さんからはいろいろな意見が出て、それはけしからぬじゃないかというふうな意見も出ました。しかし、そういうようなことをここに申し上げるのは時期でございませんから申し上げられませんが、とにもかくにも、われわれは、監督官庁のおっしゃることはどこまでもすなおに受け、そうして、政府のおっしゃることには間違いがないのだからというので理事会にも了解を得、それぞれにも了解がついたということを聞いて、それですなおに受けるということを言っておるのですから、今さら引っ込みがつかないが、ここの雲行きが穏やかでないということを聞いたものですから、とにかく取引所は休会しようじゃないか、これもできないことだけれども仕方がない、そうすれば天下に批判も起こるだろうと、こういうふうに、話をしました。おそらく海外にもわれわれの行なった今までのことは全部詳細通知が電報で行っておると思います。これを聞いて海外はどういう批判をいたしますか。これは、日本だけの問題でなくて、国際問題として大きく取り扱われることだと私は思っております。とにかく、われわれに致命傷を与えられたと同じことで、自殺を命ぜられたと同じように私は考えております。しかし、われわれは、自殺をせいと言われても簡単には死ねません。それは、筋の通らぬことは皆さんもおやりにならないし、ことに、われわれの信条から言えば、信用というものを第一にいたしております。それと、善良なる貿易をやるということは日本としては最も大事なことですが、これが裏切られたということになれば、これは法律の問題でございますから、しろうとにはわかりません。われわれは監督官庁の命令というものをまじめに受けてきたが、まじめに受けた者が悪いのだ、罪人になるのだ、引っぱり回されるのだというふうなことは、まだ日本には早いのじゃないかと深く信じております。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 それくらいあなたは政府の施策に対しては非常に忠実であって、命を捨てても政府に協力するということで終始されてきておるわけですね。今日、あなたの取引所関係の方からもいろいろな不安の声が出ている、新聞にも何だか不安らしいことが出てくるというときに、そうでないときでも相当ひんぱんに御連絡になっておるのだから、さっそく農林省に行って、そしてもう一ぺん農林省の言うことをよく聞いて、皆さんに安心するように話すというような措置は当然とられたと思うのですが、休会などという重大決意をされる前に、あなたは農林省と全然相談をされなかったのですか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 私は実は昨日まで病気で寝ておったのです。非常な高熱のために遺憾ながらここにも出られなくて、副理事長に一任いたしておったのですが、昨日午後電話がかかってきて、どうも穏やかでないというので、午後から出ました。そして、副理事長なり事務局長などに連絡をとりましたら、一切を農林省の方とよく話をして帰ってくるから待っておってくれということで、お待ちしておったのです。そのときに副理事長として局長に話しをされたようですが、局長としてもほんとうに今進退にきわまって、議会を通らぬというふうなことになればどうなるかわからぬ、今はどうも何とも言明ができない状態に陥っているから、あらかじめ了承してくれというお話があったようでございます。これはごもっともな話で、これだけ紛糾してくれば、局長としても実は言明できないだろうと思うのです。そういうふうなことで、今のところはしばらくこの問題については私どもとしては何ともあいさつができぬからというふうな話があったようです。神戸の理事長がゆうべ帰ってきて、これはえらい疑義が生じてきた、われわれはそんなことはないだろうと思ったけれども、東京では非常に疑義が出て問題が大きくなってきている、こんなに今までわれわれは忠実に国家に対してやっておったけれども、そんなことはめっそうもないことで、そんなことなら取引所を一つやめてしまおうじゃないかということで、えらいけんまくで帰ってきた。それで、私は、考えてみれば、今まで官庁のおっしゃることは従順に受けた方がいいと思ってやってきて、今までかつてないくらいに忠実にやってきたのですが、私もびっくりしたが、しかし、皆さんに相談して、これ以上取り返しのつかぬことになったら申しわけない、国際間の反響もあるだろうし、天下の物笑いになって批判を受けるのも仕方がないだろう、腹を切ったつもりで一つ休もうじゃないかということで、きょうは泣きの涙でやめたのです。あなた方にはその気持はわからぬけれども、ほんとうに私は重大な決意をいたしております。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 石橋さんのその心境は、われわれに当たったって、これは何にもならないのですよ。われわれはむしろあなたの心境をさもありなんと思っている。そのあなたのほんとうの気持を知りたいからお聞きしているのです。われわれは、あなたから事実をお聞きして、それを政府に——あなたも政府にずいぶんお話しになっているという今お話がありましたけれども、われわれの方はわれわれの方で、あなたから事実を聞いた上で、これから政府に申し上げるわけなんです。あなたが率直にその心境を披露していただけばいいんです。われわれの方へ向かってげんこつを振り回されても、これは見当違いのわけです。  それで、さっきもちょっとお話しておきましたが、今度の問題はあなたのおっしゃる通りきわめて重大なんです。われわれとしては慎重の上にも慎重を期していきたいと思います。それには、事実を誤って判断してそこから議論したのでは全然議論になりませんから、事実だけは間違いのないところを詳細に知った上で、冷静に考えて議論をしたいと思うのです。ぜひ一つ、さっきお願いしましたように、本件に関する最高の責任者であるあなたと農林省当局側との私的あるいは公的ないろいろな会談の中で、ずっとこの経過がより詳細にわかると思いますので、そういう点につきましては、さっき日記帳をたぐれば日がわかるというお話でありましたので、それをいついつというものを一つ出していただきまして、それを参考にわれわれの方でもいろいろ研究したいと思いますので、それを一つお願いしておきます。     〔丹羽(兵)委員長代理退席、委員長着席〕  委員長、今の資料要求はわかりましたね。八月の二十五日までの、今御説明がありました日からのところと、それから、農林省当局との間の公的私的の会談で石橋さんのメモにあるものを、また御記憶にあるものを一覧表に書いていただきまして、そのときの話の内容を書いていただきまして、委員会に提出していただきたいということ。それから、もう一つは、二十三日の総会の速記録を資料として御提出を願いたいと思います。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 総会の議事録は持ち合わせがありますから、読みましょうか。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 長いのでしょう。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 長くございません。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 簡単なものなら、ちょっと読んで下さい。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 十月二十三日午後三時三十分、第三十六回臨時会員総会の議事録を朗読いたします。   第一号議案 政府の指示する受渡供用範囲拡大諾否に関する件  議長は去る八月下旬の農相声明以来の政府の今生糸年度十四万乃至十八万円の堅持方針によって、これまで種々実施された高値抑制措置は遂に市場を閉鎖するか、それとも政府の方針に従って行くかの重大な返答をせまられる事になった。この間数次に亘って取引所の立場を説明し、又理事会にも諮って理事諸公の意見も伺ってこの局面打開に努力したが遂に当局の了解が得られず去る十月二十一日には正副理事長、田村事務局長並びに神戸の三木理事長と共に蚕糸局長より出頭を求められて(1)政府の十八万円堅持の妨げとなるから本所の市場を商取法第百二十一条により立会停止を命ずる用意がある、(2)若し立会を継続したければ十月十四日の蚕糸局長声明の指示に従い受渡供用品を開所当時の八格に拡大して立会を行われたいという二つに一つの強い指示をうけることになったので、当日はそれでは吾々だけでは即答致しかねるので会員の意見をきいて御回答申上げると言うことにして引下って来た、直ちに理事会も致しましたが尚非常に重大なことであるので今日ここに議案の通りお諮りする次第であり皆さんの忌憚のない意見を伺いたいと述べられた。  議事に入る前に田村事務局長より次の様に政府の指示についての説明があった。  この総会に先立ち蚕糸局に電話をもって是非臨席の上色々とお話を願いたいと御依頼申上げたが皆さん都合がどうしてもつかないので参上したいが出来ないとの御返事であった。尚この度の政府の指示は単なる軽い意味のものでなく、政策に基いた強い要請であり、命令と考えて貰って結構ですとの回答であった。  乃ち「既存限月に遡及して受渡供用品の範囲を拡大するが如きことを取引所が自主的にやる筈がない、政府の強い要請があったればこそやったのであるという解釈にすべきである」とのことであった。  堀口氏(郡是産)今回の議案の件については、取引所開所以来初めてのものであり他に例のないものだと思う、これだけのことは政府としても凡ゆる角度から検討の上やったものだと思うし、甚だ遺憾だが、又止むを得ないとも思う、取引所当局の種々努力されたことは感謝は致します。然し乍らよく考えてみるとこの措置はかなり疑義があり、指示イコール命令とするに吝ではないが将来再びこの様なことが起っては困ると思うので、これを受諾する前に政府からのはっきりした文書が来ていないということについて法令とも関連して、将来取引所や仲買人が迷惑をうけないということの説明を伺いたい。と述べられ、これに対して議長より、政府の指示に従って行ったので責任は政府にあり訴訟の対手は政府ということになる、この点は三木理事長より局長に委託者との損金の決済について心配があるからと申した処、その点は証拠金によってやればよいので証拠金が規定通りとってあれば問題はない、それをとるのに理由があるようにやっているわけだといわれたようなわけであったと説明があった。  根本氏(蚕糸商協同)も紛争を起す場合は現物にもある、堀口さんの言われるように何か公文書のようなものをとっておかぬといけないのではないか、出来るだけそう言うようにして貰いたい。  北原氏(糸連)も議長は二つに一つをとる以外に方法はないと言われるが、仕事をやめてかたがつく問題ならばよい、金で解決がつかぬことも充分予想されるので、もっと親切な説明をして欲しい。議長はこれに対して取引所は設立の時に安定法には従う旨の約束があるので国策には副わねばならぬ、今回のことは無理は承知だから充分説明はできぬが、全責任は政府にもって貰うのが至当と考える。随分これに対する方法を研究したが適当な方法がない、最善の方法をここでおききしたい。又田村事務局長よりも十四中が渡る場合の考え方として、あくまで政府の重圧で仕方なしにやったので、契約不履行ではなくて契約不能となるので責任は政府にある、取引所、仲買人には責任はないと考えると補足があった。  土井氏(昭栄)、本問題発生以来、大体政府の言うことが無理であるが、それを承知の上で受けるとなったが、問題は命令か指示かで責任の所在をはっきりすることにあると思う、今の説明で命令と考えて貰いたいというのは、あくまで命令ではなくて、議長のはこちらの都合のよい解釈をしている、それ故その責任をもつ覚悟も必要だと思う、政府と取引所というような公的機関の間のとりきめを文書なしでやるのはまづい、断固命令を出すべきで抜け道をされるのは困る、慎重に取扱って貰いたい、命令か指示かを確認することができるようやってもらいたい。田村事務局長より、それは言葉の上ではそうも言えるが、蚕糸局長は第一に今の状態では休んで貰うのが先なのでそれができないのなら第二のこちらの方針に従ってやって貰いたいというので、命令を出すなら政府としては現状の清算相場自体が気に入らないので、いきなり立場上停止命令を出す以外にないのだということで、とりつきょうがないとの説明があり、大萱氏(片倉)取引所が責任を負うことはないと言われるが、それは法律家にただしてみてのことかどうか。これに対して、小島副理事長より、その点も局長に会った時にきいたが、この声明は取引所だけでなく新聞記者等一般に伝えてあるので世間は取引所が自主的にやったのではないと承知する、又命令と解釈してよいかと念を押したが、それでよいとはっきり言われたと説明があった。  土井氏(昭栄)、お話はわかるが、証文がなければ責任のもって行き場がないのではないか、むこうも出すべきだと思うが、こちらもとるべきだと思う、たとえば政府の命令において決議したということの書面に判をもらうとかする方法はあると思う。  石田氏(蚕糸共同)今度の問題について尤もな点もあり、取引所のこれに対する努力もよくしっている、昨日までの経過では指示は命令であると解釈している、文書で出なかった事情も、又貰えぬ理由もわかるそれで議事録そのままを出してその了承を願うことはどうか。田村事務局長、十月十四日の声明には、「必要がある場合にはとらしめるものとする」となっているが、今日「必要があるので措置をとらしめる」ことになったのだと蚕糸局長は説明された。又この声明の重さについて、大きな政策を打出した八月末の農相声明もこの十月十四日の局長声明も、その重さに於ては変らず而もどちらも通知は出していないが効力はある。  北原氏(糸連)指示も命令も紙一重である、現実問題として簡単に片付かぬトラブルが起ることが考えられる、その解決に取引所が責任をとって貰えるかどうか、又どんなふうに処理されるかを教えて貰わぬと困る、口頭でもよいから肩書のある人に来て貰うことがよいと思うができぬとなったのは残念だ、法律的に問題がないと解釈がはっきりしないと判定がつかない。  竹内氏(筒井)、吾々も委託者から注文を受ける際は、報告書に取引所の諸規程、受託契約準則に基いて売買をやっていると記載してあるのであるが、商品取引所法にまでは及んでいることについては説明していなかったが、今度の問題があってその不明を詑びよく説明したら了解をして貰った例がある。  議長より、只今神戸では指示命令と解して承認した旨電話連絡があったことを報告した。  堀口氏(郡産)議案に指示となっている処を命令と書きかえることは出来ぬか、指示(命令)とする方法もある。  右に対し、田村事務局長は指示も命令も同じである、指示の字を命令と解するのだと説明したが、なお小山事務官に電話連絡した結果、指示(命令)とするのは説明を括弧書きにすることで正道でない、この場合「指示」は「命令」と解するということで諮って決議する方がよいということであった。  角田氏(角田)今まで審議して来て指示か命令かどうかが問題となっているが、要は政府を信頼するかしないかだ、信頼は活字だけではない活字は議事録によって解決する。  北原氏(糸連)、政府を信頼することは国民としてその通りだが、今まで余り当局は信用出来なかったからだ。  議長 指示するは命令と解して賛否を問う。  堀口氏(郡産)その場合議事録にはっきりするから指示は命令に同じということはわかるが、業務規程の変更届出書はその様に作って貰いたい。  議長は改めて「指示する」は「命令する」と解することを前提として第一号議案の賛否を問い、不賛成の方は起立を願いますと発言され、北原氏(糸連)が起立して反対を表明された。  土井氏(昭栄)くどい様だが、堀口さんの言われたことを前提として賛成である。  よって第一号議案は政府の指示通り受諾することに承認可決した。 こういうわけであります。  それから、十月二十七日に業務規程の一部変更の届出をいたしております。それは、「本所の業務規程の一部を貴省の御指示を命令と心得、十月二十三日第三十六回臨時会員総会において別紙の通り変更致しましたので、商品取引所法第七十八条第二項により此段御届出致します。」なお、「右は極めて重要な総会でありますので、特に同総会議事録壱部添附致しますから宜しくお願い申し上げます。」ということで、農林大臣あて理事長石橋治郎八として届出をいたしております。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 石橋参考人にお尋ねいたします。高田委員からの要求であります蚕糸局長との会見日誌の資料要求についてですが、口頭でお答えできましたら……。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 八月二十六日……。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 それでは、整理してあとでお願いします。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 日とその会見内容をずっと書いて、あとで出していただきたい。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 そこまでは書いておりませんが……。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 御記憶をたどって、どういうことということでよいのです。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 それでは、整理なさってお願いいたします。  栗原君。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 高田委員から私がお尋ねしようと思った問題についてはおおむねお尋ねがありましたので、一、二の点についてお尋ねいたします。  十月二十一日に、あなたと、神戸の理事長と、あなたのところの副理事長、事務局長が一緒に出頭を命ぜられた際に、横浜に一万五千俵、神戸に五千俵現物を渡す、こういう話が成り立ったというわけですが、それは、ここにも書いてあります通り、一俵十八万円で渡す、こういうことであったわけですか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 それは、来年五月の新生糸までの限月立ち会いにおいて、最終の受け渡しで不足をした場合には、その範囲内において糸価安定の十八万円の割合いで糸を渡すということは変わらない。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 今説明になった通り、来年の五月まで、各限月について、売り方で渡す品が不足をしたときにこれを補う。それは、二万俵を一応限度として、うち横浜は一万五千俵、神戸が五千俵、こういうことですね。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 はあ。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 そうして、標準生糸で十八万円で渡すのだ。——そこで、お聞きしたいことは、十八万円で建てておる売玉の不足分なんですか、それとも、幾らで売ってある売玉でも、渡すのに品不足になったときにはこれを十八万円で補うというのですか、この辺をはっきりしてもらいたい。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 それは建玉に対してでございます。今一万一千俵取り組があっても、相場の変化で八千俵になる場合も、また一万三千俵になる場合もございます。とにかく、その取り組んだ現状が当限に回った際に、大体今までの経験から言えば、八百か九百程度の予定で、二千俵というのがそういうことになってしまう。そういうときに足らぬ分はそれで補充をしてやる。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 その数の方はよくわかったのですが、値段の問題ですよ。値段が、各限月で取り組んで、売玉も一つの値段で取り組んでいるわけではないでしょう。いろいろの値段で取り組んでいるわけですね。それで売買があって結ばれるわけですから。そこで、各限月が当限に移って売り渡しになる。解けない。そこで、売ってあるものが品物が足らない。しかし、売ってある玉が必ずしも十八万円とは限りませんね。十九万円で売っている玉もあって、しかも現物の手当ができない、こういう玉もありますね。そういうものでも足らなければ十八万円で渡すというのですか。この辺明らかにして下さい。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 それは、そのときには一番最終の値段でありますから、いろいろな値段があると思うのです、安いのも高いのも。そういうものは調査をしないで、受け渡しの最終において渡すのですから……。最終の値段で渡すのです。最終の値段と申し上げますれば、三千三十円とか三千二十円というくらいの標準相場になるのです。相場が立っている一番最後の二十六日か二十七日の最終の値ができるのです。そのときの受け渡しの価格ということです。それが結局十八万円ですけれども……。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 それは取引所の受け渡しはそういうことになりましょうが、政府が売方の現物の足らない人に渡す値段は十八万円でしょう。これをいま一ぺんはっきりして下さい。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 それは、幾らで売ろうとも、最終の受け渡しに持っていった者に対しては十八万円で渡すわけです。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 そうすると、これはなかなか問題含みで、率直に言えば、今の先物を二十万円で売って、そして回ってくる。先行きどうなるかわかりませんが、しかし、それでも、この約束からいうと、来年の五月限でも、そして二十万円で売ってあっても回ってきたときに品物が不足だといえば、政府は、横浜なら一万五千俵の範囲内において、神戸なら五千俵の範囲内においては十八万円で渡す、こういう約束なんですね。     〔石橋参考人「そうです」と呼ぶ〕

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 今の確認を、一つ委員長に発言の許可を求めて立ってやって下さい。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 売ったものは幾らで売っても、渡してもらえるのかということでしょう。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 そういうことです。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 ところが、それならばもうかるから必ずみな売るということになるのですが、それがみななかなか売らない。その間において相場が吹けば追証金も証拠金も相当要るのですから、わかり切ったようなことではあるけれども、なかなかそれの売り手がない。売り手がないから上がる。はっきりと品物があるなら、必ず十八万円になるのだが、ならないところに妙味がある。それは、そう簡単に割り切って、売りさえすればもうかるんだという考えじゃない。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 相場の手練手管ですから、いろいろな手はあろうと思いますけれども、私は一番洗い去った残りをお聞きしているわけです。たとえば、二十万円で売った、そして最後の当限までその玉を抱き切った、渡そうと思って市場をあさってみたけれども、なかなかうまい現物がない、結局、最後に、政府ではワクがあるんだから、一つ不足分をめんどう見てくれと言えば、これは十八万円で渡るようなしかけになっているんじゃないですか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 おっしゃる通りです。今十九万円なら十九万円で売って、三千二百円なら三千二百円で売った、それが最後まで持ちこたえれば、三千円になれば二百円もうかるんじゃないか、手数料を引いてももうかる、理屈はそうでございますが、実は、なかなか、ふんだりけったりで、みなようもうけない。理屈通りにはいかぬということです。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 そこで、次にお尋ねするわけですが、十月八日の声明では、その第二項で、「売渡しは買入年度の古い順位に売渡荷口一覧表にかかげるものについて買入れの申込みに応じて行うものとする。」、こういうわけですね。そうして、これによって先般四、五千俵売り出したところが、五万俵も一般から申し入れちゃった。しかし、あなたの方は、少くとも建玉、売玉に対して不足のあったときにはもらえるということを約束し、しかも確信しているわけだ。こういうワクの中でその一万五千俵をどのように確保する約束をしているのですか。これを明らかにしてもらいたい。一般の申し込みに応じて、先般は具体的にはどういう割当をやったか、数によって按分比例で分けたか。これはあとで政府に対していろいろ審査していくわけですが、あなたの方は、政府の方が出す品物の中で必要な品物をどうやって一万五千俵を必ず受け渡しに使えるように確保するのか。この約束がなければ、数だけ言ったって品物が入っていませんね。どうやって必ず間違いなくあなた方の、しかも市場関係の売玉を持っている人たちに結べるようになっているのか、その辺のいきさつを一つ。——なるほどそれならあなた方がもらえると確信するのも無理がないとわれわれにも考えられるような約束があったろうと思うのだけれども、その約束はどういう約束なんですか。それを一つ明らかにしてもらいたい。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 しかし、情勢の変化でございましてね。その当時五万俵、六万俵の生糸があったときには、そういう申し込みはなし、その品物の内容を調べてみれば非常に不適格な十四中が非常に多いのだ。十四中は買い手がないのだ。われわれの方では、十四中を回してもらえば、それをどんどん渡してもらえばいいので、適当な今日必要なものはその方にお回しになって、十四中が半分ある、そんなものはこっちへ回してもらえば簡単に済むんだと、こう思っているのですよ。そうして、今までの売り出し方法が適正であったかどうかということについては疑問があるのだが、今後は、そういうものはもう少し厳格に、ある程度の証拠金をとって渡すようにしてもらいたい。われわれもこれに対して相当の保証金を積んで売り買いをやらしているのですから。そして、一日でも相場が上がればもうすぐ追い敷きをとる、損をすればとるというような厳格なもので、一々現金の授受ですから、これはなかなか楽ではない。現物の方だけは、保証金も何もなしに、申し込みをやったら十八万円でもらえるのだから、清算をやるよりかそれをやった方がいいのです。清算をやったらもうかるからといっても、そんなものはやる人はないから、取り組みはなかなかふえやしません。できないのですよ。そういうふうですから、われわれは、十四中というものはほとんど売れないし、そういうものは今度六万俵の中にも相当あったのだから、十四中の生糸をこっちの方に渡してもらえばちょうど工合がいいのだ、だからそれを渡してもらうのだと、こう思っている。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 そうすると、いろいろな条件がついて、取引所をやめるかわれわれの言うことを聞くか、二つに一つだと詰め寄られて、取引所をやめることはつまらぬからというので、言うことを聞いて取引を続けてきた。しかも、その取引を続けていく条件の中で、確実に受け渡しのための現物が渡してもらえると確信しておったのに、実際買いかえというので品物が出てみると約束通りにいかぬという事態なんですが、その辺について一つお考えを聞いてみたいと思うのですが……。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 実は、そういうふうで非常に荷物が売れて窮迫いたしておりますから、清算の取引も限度をきめて、それ以上の新規の売買は許さぬというふうにやっておるから、大いにもうかるから高くなったら売りたいと思っても、売れない形になっておるのです。自分の持っているものを利食いをして売るならばいいけれども、そうでない新規の売買ということはやれない形にしぼってきておるのです。そういうふうな不都合が起きるから、そこまでやっておるのです。だから、今後相場が上がっても下がっても、商いは大してできないのです。自分の方の手じまいになって余裕ができただけやれるので、だれもがやるというわけにはいかない、そういうふうになっております。それで、今やめるかどっちかとおっしゃるけれども、やめたら、実際のところ、今度は普通の公定相場だって全国の相場がまちまちになってどれくらい迷惑をするかということは、これは休んでみればわかると思うのですが、そういうことはやりたくないという一念でやったのです。ほんとうに休んだ結果どういうことになるか、見ておって下さい。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 そこで、あなた方は、休んではいかぬということで、忍ぶべからざるを忍んで続けてきた。しかも、一方において、政府の買いかえの品物は、あなたの方ヘ少なくとも優先的に回るとおそらく確信していたと思うのですよ。さもなければこういうものを確保する、こういうことになる。ところが、それが優先でない。それでそのまま黙って泣き寝入りなんですか。何か当局に対して申し入れをしましたか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 私は昨日までこれはもらえるものだと絶対信頼をいたしておりました。もらえないなどという考えを持ったことは今までございません。従って、昨日初めて受け渡しに対して疑念が生じた。疑念が生じたから、これは一大事だから、私は、休止せいと言って休止させた。それは本朝その決心をしたのでありまして、きのうまでは、こういうわかり切った問題は、こんな大きな問題になろうとは夢にも思っておりませんでした。絶対にもらえるものという確信を持っておりました。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 そうすると、自主的にとうていやれない、——遡及してすでに取り組んだものにまで供用品の範囲を拡大するというところまであなた方が取引の慣例を破って至上命令と解してやってのけたわけですね。その裏づけになる方は、これはふいになっちゃったという姿ですな、今のままでは。これでもって、とてもあなた方としてはしんぼうできぬだろうと思いますが、以上お聞きして、またあとは他の方々の質問にかわっていただきます。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 中澤茂一君。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 時間もお昼を過ぎてだいぶおそくなりましたので、簡単に伺いますが、当限の受け渡し期限は幾日ですか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 二十二日が当限落ちで、二十四日の受け渡しであります。それは十二月だけです。例月は大体二十六日です。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 当限の受け渡しの数量はどのくらいありますか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 二千六百俵ちょっと足らずです。これは何ぼになりますか、取り組んだものが解け合っておるかもわかりませんが、現在のところその取り組みのままで停止になっております。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 十一月の受け渡しは順調にいったですか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 申し上げます。九月が百三十俵、十月が八百十俵、十一月が二千九十俵です。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 その取引を休止したわけですが、これはいつまで休止するのですか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 現在のところでは、まだ——私はそういう問題をよく協議したいと思いましたけれども、今日ここに十時半に出頭しなければならぬので、とりあえず休止をいたしまして、その問題は私は帰りましてからとくと協議をいたしたいと思います。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 当限の二千六百四十俵が本法案が通過しないと引き渡しができないというような見通しで、休止をされたのですか。それとも、政府の物が出なくても、この二千六百の建玉は受け渡しができるというお見込みですか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 これは、今申し上げた通り、絶対に受け渡しは最後には政府の所有生糸を出していただけるものと、こういうふうに思っておったところ、異議が出たものですから、異議が出た以上は、この問題の経過を見て処理しなければ方法がないですから、中央における経過を見て、それに照らしてこの処置をしたい、こういうふうに思っております。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 今の御答弁はわかりましたが、二千六百俵の建玉に対して、もし政府の方から出なければ、解け合いでもしなければならぬですか。それとも、一般の市場買い入れで受け渡しができるというあなたのお見込みなのか、その点どうなんでしょう。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 これは、大体が政府に協力していく建前でこの取引所は建ててきたもので、普通の状態で建ててきたわけじゃないのですから、そこに非常にむずかしいところがあって、どういうふうに持っていけばいいのか非常に悩んでおります。解け合いといっても、その簡単に解け合いもできません。それで、もしもこれを解け合いした場合にどういう結果になるかというと、仲買人の立場は、もうかった人からは金を取り立てていくけれども、もうからない人は金を払わぬという人が出てくるかもわからぬ。そこで、こういうやり方でいけば、これは総つぶれになるということです。仲買人の破産の状態まで持っていくことは私は非常に心配でございますから、県知事なり市長なり商工会議所に頼んで、生糸界が混乱して収拾できなくなるから政治的に一つよろしく頼むと、とりあえず電話で通告をいたしておいたのですが、これは横浜の経済界にとっては重大な問題だと思いまして、そう簡単に、解け合いしたからいいのだというふうなことにはちょっと参らぬと私は思います。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 そうすると、やはり政府の物が出なければ受け渡しは困難である、こういう見通しですか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 政府の受け渡しがなければ、受け渡しは困難で、解決は容易でない、こういうふうに思います。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 そうすると、あなたは取引所の理事長であるから最高責任者であるわけですが、受け渡し困難のものを建玉にしたというところに理事長として責任をどうお感じになりますか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 受け渡し困難であると想定したことはございません。私は、政府のわれわれに対する指示は絶対に遂行していただけるもの、こういうふうな信念でやっておりまして、これは、法律上どうこうと言われたって、受け渡しができぬなんということは夢にも考えなかったわけです。そうであれば、今後さらに当面の責任者としてわれわれに伝達があったことはまじめに受けられぬ。そういうふうなことが一般的になるということになれば、行政上大きな問題だと思うのです。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 命令と法律というものはどっちが上位にあるかということは——もちろん取引所の理事長として商品取引所法というものは頭の中に各条全部お入りになっていると思うが、命令と法律というものはどっちが上の位にあるのか、命令の方が下か、法律の方が上か、この点はおわかりでしょうね。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 それは、法律があって、官吏の人はその法律の玄関番だと私は心得ております。その玄関番の人がよろしいと言うことを、またさかのぼってそれは法律がどうだからというところまではわれわれは深く言いたくないのです。また、われわれはしろうとでございますから、そこまではわかりません。法律の玄関番はそのくらいのことはのみ込んでわれわれに指示があるものと思っているのですよ。しかし、一般の官吏は法律というものを検討しないでやっておられるということはないと思うのです。一般の国民、われわれ平民たちは、官吏のおっしゃることはみなそのつもりで……。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 それは理事長の言葉としてはちょっとおかしいのです。やはり、取引所法というものは、これは国の大きな法律で、生糸ばかりじゃない。この法律で縛られてやっておる理事長は、この法律を中心に取引所の運営をやっていくというのが理事長の全責任であるはずです。そうなんでしょう。それは違うのですか。おれは取引所法でやっているのではない、おれは適当に勘でやっているのだ、こういうお考えですか、どうなんです。商品取引所法というこの法律を中心にして運営をやっていくということが理事長の全責任じゃないですか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 商品取引所法に基づいて私はやっております。その責任は非常に感じております。感じておりますが、今私の申し上げたような考えでございます。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 それじゃ、そういう法律を守ってどこまでもやっていくという考えじゃなく、前に申したような考えでいいかげんに運営していくというならば、私はあなたは理事長としての資格はないと思うのです。少なくともこの法律は公益を害しないための公正な取引を確保するための法律なんですから、その公正な取引を確保するための法律を適当に解釈してやっていくという考え方は、これは私はいかぬと思うのです。だから、理事長の全責任というものは、法律をまじめに守って——あなたは政府のいいかげんに口頭で言ったことさえ命令と解しているのだから、法律を守る人だと思うのですが、どうでしょう。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 私は、何回も申し上げた通り、法律が通るか通らないかということを見定めないでやったかということでございますけれども、最初約束したときには、実際臨時措置法の糸があったのですけれども、それがだんだん減ってきてそういうふうな結果になった。従って、その当時、声明したら、糸は百七十円ほど下がっておる。その翌日暴落しておるという事実は、やはり受け渡しができると見たからだと思うのです。その後における申し込みがあって減ったから、これは安定法にいかなければならぬという結果が出ておると思う。最初から臨時措置法以外の政府の持ち分まで加えてもらうという話じゃなかったのです。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 話が横道にそれるので、簡単に答弁してもらえばいいのですが、法律はどこまでも守って運営していくつもりか、見越しで運営していくつもりか、そのどっちかを答弁してもらえばいいのです。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 もちろん、国民として法律を守らぬというわけじゃない。法律を守ることが第一であることはもちろんのことです。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 法律を守るとすれば、あなたは取引所理事長としてこの八十八条の条文を御存じですか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 承知しております。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 その第一号は、「商品の所有権の移転を目的としない売買取引をすること。」、こういう規定がありますけれども、商品の所有権の移転を目的としない売買取引をすること、これはなれ合い取引であるからいかぬという禁止規定の第一号、これをどういうふうに御解釈なさいますか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 これはなれ合いという意味ですか。そういう意味に解していいのですか。私は第一号をそういう解釈とは思わないのです。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 しかし、前に申したことと同じことを言うと、二千六百四十俵というものがこの法律が通らなければ引き渡しができないという現実が起きて、取引所の休止をやったわけです。私はそう解釈するのです。そういう場合に、引き渡しができない、商品の移転ができないということになれば、結局どういうことですか。第一号の解釈上からいって、商品の移転ができない、そういう建玉を建てさせた理事長の責任というものはないのですか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 取引所が休止をいたしましたのは、取引所の受け渡しができないからというので停止をいたしたわけではございません。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 そうすると、さっきのあなたの言うことはおかしいじゃないですか。横浜取引所の仲買人がみんな混乱して倒産しちゃうから、商工会議所に申し込んだ、これが出ない限りはこの二千六百俵の当限はだめだということをさっきあなたはおっしゃっておるのですよ。どうにもならぬということを先ほど私の質問にお答えになっておるのですよ。そうすると、理事長として商品の移転ができないものを建玉に建てさせたというところに問題があるのじゃないですか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 それは見解の相違で、われわれ会員の中にはもらえないことを前提に考えた人はだれもないのです。会員は全部もらえるものだということを前提にして今日まで取引しておったのです。きのうは多少出ないという疑念を持ったけれども、きょうも会員はもらえるという自信を持ってやっておる。決しておれはもらえぬと思っておる人はないのです。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 それは当局とあなたがお約束になって、これはもらえると言ったから、みんな会員はもらえると思っておる。しかし、それはただ言明という形で何らの証拠書類もなくて、これで蓋然性の上に立って建玉を建てさせるということは——取引所としては、事実政府のものが出なかったら渡らないのですから、大混乱が起きて解け合いもやらなければならぬという状況が出ておるでしょう。そういう状況の中で、政府の所有物を当てにして、しかも、国会で法律が通らなければこれは出せないものだが、そういうものを当てにして建玉をやるということは、やはり問題だと思うのですが、どうでしょうか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 政府のものがもらえなければ困ると私は思うのですが、この清算の取り組みは政府の糸だけに限ってやっておるのではない。一般の糸も加えてやっておるわけだけれども、主として政府にもらう糸が多かろうし、多いということでございまして、政府の糸だけで建てておるという意味じゃないのですよ。一般の糸もこれに加わっておるということで、政府の糸がもらえなければ絶対に不能に陥るという理屈は、若干そういうことになりますけれども、取引所としては政府からいただくということだけを目標にして建てているわけじゃありません。一般の糸も受け渡しに協力できる、しかし、差し引いて足らぬときには、その分だけを政府が出してくれる、こういう意味でございます。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 そうすると、さっきのあなたの答弁がまたおかしくなってくる。そんなら、さっきのあなたの答弁が、当限二千六百四十俵は正確に一般商品で渡します、こういう答弁ならば納得できるのです。しかし、さっきのお話を聞くと、商工会議所に申し入れて、横浜は大混乱になる、みな破産してしまう、こうおっしゃっている。こうおっしゃっていて、それが一般のものでできるというなら、何も混乱することはないじゃないですか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 その点は、わからぬですからね、現在のところは。一般の糸がどのくらいで、政府からちょうだいする糸がどのくらいであるか、実際の最終にいってみなければわからない。そうして、立ち会いを一応休止したことについて、短期間で終るのか、長期間かかるのか、これはいろいろな意見が出ると思いますが、しかし、きょう大いにお話ししようと思ったけれども、こっちにお約束の時間があるから、とりあえず休止をして、私が帰ってから協議をしようということになって、この問題についてはまだはっきり決定をいたしておりません。見通しもまだつけておりません。見通しをつけてからにして下さい。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 これは私後日また法制局長官を呼んで見解をただしますが、これは第一号の違反をやっているし、第二号の前段の仮装売買にも……。そういう引き渡しができるかできないかわからぬものを目安に建玉を建てているということは、取引所として大問題だ。公正な取引という第一条に規定した原則から言って、はずれたことを取引所はやっておる、こう私は判断する。  それから、もう一つ、第七号について質問いたします。「商品市場における相場が自己又は他人の市場操作によって変動すべき旨を流布すること。」、こういう条項が禁止条項の中にある。今度の場合、政府の二万俵をもらえるぞもらえるぞということは、会員ばかりでなく、ちょっとでも関係した者はみな知っておる。あなたの方で約束したことをだれでも知っておるということは事実です。この第七号と今度の政府生糸との関係をどう解釈なさいますか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 この問題はある特定の人を限ってやっている場合じゃないかと思います。一般に全部に諮って、こういうような経過を一般に報告してやっているんだから、この問題には該当しないんじゃないか、ある特定の人  に限ってやってはまずいと思いますが、私はそう考えます。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 そういう解釈をするなら、この条文の八十八条を読んで下さ  い。「何人も、商品市場における売買取引に関し、左に掲げる行為をしてはならない。」、この「何人も」というのは、これは政府も含まれておるんですよ。政府は「何人も」の範囲外ではないんですよ。法律の解釈では、何人もやってはいかぬのです。あなたの言っている特定の者ではないという理屈は、この八十八条の何人もというところで全部押えられているのですよ。きょうは参考人だけの質問ですから、政府の責任はあとに回しますが、とにかく、何人もやってはいかぬ、政府もやっちゃいかぬ、こういう規定が八十八条の禁止条項の中にあるのです。だから、その解釈からいくならば、この第七号の「商品市場における相場が自己又は他人の市場操作によって変動すべき旨を流布すること。」、二万俵政府からもらえるんだもらえるんだとあなたが流布することは、禁止条項に違反しているのではないか。神戸五千俵、横浜一万五千俵もらえるんだ、こう言って市場に変動を与えるというのは、理事長の責任じゃないですか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 事実は、「何人も、商品市場における」という「何人」に政府が入っておろうとは思っておりませんでした。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 それでは理事長としての資格は全然ないです。この法律の解釈くらいは、理事長たる者は、どういうものであるかということを全文頭の中にいつも入れていて運営しなければ、公正な取引の確保という商品取引所の法律の本旨にもとりますよ。「何人も」に政府が入ってないというような、そんな解釈というものは成り立ち得ないですよ。「何人も」というのは、人間の全部をさしているのです。政府であろうと、こじきであろうと、どろぼうであろうと、強盗であろうと、全部「何人も」なのです。日本人である以上は、この法律の適用を「何人も」で全部受けているのです。政府も受けているし、蚕糸局長も農林大臣も人間ですから「何人も」に入っておる。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 石橋参考人、お答えはありませんか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 ありません。私はそう思っていますから。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 しかし、理事長、それなら責任をおとりになった方がいいです。そういういろいろななれ合い取引がどこにもあることは僕らも知っております。あなたのところばかりではない。そういう禁止条項の、公正な取引を守らなければならないこの八十八条の「何人も」に政府は入っていない、政府は何やつたって治外法権だ、何やってもかまわないというような解釈で取引所の運営をやっているとすると、やはりあなたは責任をとる必要があります。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 われわれの監督官庁の指示でなければ、私はあなたのおっしゃるような考え方になるのでございますけれども、取引所の監督官庁であるということですね。そこの指示によって動いたということですから、私は、この八十八条にある「何人も」というのは、政府は入っていない、自分のところの監督官庁は入ってないんだ、こういうふうに解釈しておるわけです。この中に入っておる、法律も知らずにやった、お前その責任をとれ、こう言われても、私は責任をとるくらいのことは何でもありませんけれども、監督官庁の指示に従って動いたことがいかぬ、法律違反だということだけでは——よく考えてほしいと思います。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 それは、理事長の答弁はおかしいですよ。監督官庁の責任というものは、この法律に明記されているんです。第十二章に監督事項というものがある。取引所長が越権するときは、この第十二章に、「取引所に対する監督上の処分」という見出しで、監督の条項が法律の中にあるのです。その監督という条項だけが官庁の権限です。そうして、あとの監督以外の権限というものはあなたの権限ですよ。この監督の範囲内のことだけは政府の権限なんだ。だから、それ以外の条文というものはあなたの責任において運営する条文なんです。この法律の全条文に監督がわたっているという解釈は、全然解釈が違うんです。そんなことは子供でもわかる法律論です。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 今読み上げられましたのは、「政府の十八万円堅持の妨げとなるから本所の市場を商取法第百二十一条により立会停止を命ずる用意がある。」ということだと思います。これは、この百二十一条に言われていることがあるのに、立会停止をしないで続行してきたところに無理があったと思います。そこで派生的にいろいろな問題が起きてきたと思います。原因はそこから出発すると思います。別に故意にこれをやるということではなくて、百二十一条の命令を受理してやめておればよかった。それを、やむを得ず、会員全体が自分の生命にかかわるからこれはやらしてくれというのでやってきたことから、全部派生的にいろいろな問題を起こして申しわけないと思います。そこで、私は、こういう問題を起こしては困るから、理事長として、一人々々呼んでほんとうの意思を聞いて、これはわれわれの生命にかかわるから、無理であっても仕方がないという悲壮な思いでやったことから、いろいろな派生的な問題が起きてきて、今あなたからそういうふうな質問を受けてまことに恐縮しているわけですが、故意にやったわけでも何でもない。派生的に起きたということで御了承をいただくよりしようがないと思います。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 だから、あなたにそれをやったのは、農林省の権限である監督規定の百二十一条を発動したのですよ。発動して、場合によれば停止するぞ、こうやったのです。農林省の監督はこの規定による権限以外には出られないのです。その前の条文にさかのぼって違反になるようなことをやったあなたは、やはり責任があるのですよ。法律上の責任があるのです。もちろん政府にも責任がありますよ。これはあなたの責任ばかりを追及するのではなく、きょうは参考人だからあなたの意見を中心にやっているのですがね。そういうように取引所法の違反になるようなことをやったということに対して、あなたは、ただ、それは百二十一条でおどかされたから、おれは実はあわててやったんだと言うが、今後そういう態度で運営されるのでは困るのです。だから、むしろそういう法律無視の運営をやってまことに申しわけなかったと責任をとる御意思があるかないか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 派生的にそういう問題が起きて皆さんに申しわけないと思います。私は責任は十分感じておりますが、その当時の気持を申し上げるならば、非常事態と見るか見ぬかで配慮するという立場に立って、非常事態と見なければ絶対にやってはいけない、しかし、非常事態と見るならばやむを得ず涙をのんでやるべし、非常事態と見るべきか見るベきでないか、どっちをとりますかと、私は一般会員に聞いたわけです。そうすると、会員は、非常事態と認める、これはやむを得ぬ、そうして皆さんが全会一致できめた。私は、政府はぜひやめてはいけない、継続してやるべきだと言っているというふうなことは、一つも言っておりません。これは会員の総会の意思によってきめるべきものだから、私はやめてもよいが、要はこの事態を非常事態と見るか見ないか、非常事態と見ないならば、これはやってはいけないからやめるべしという前提でやって参ったわけでありまして、その責任は十分感じておりますけれども、その当時の心境からいけば、その通りの前提のもとにやってきたということを申し上げておきたいと思います。責任は十分とります。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 これは、理事長初め、法律というものをあまり研究もせず、読みもせず、さっき役員会の議事録を読んだ中でも、法的解釈ということを集まった人が一つもやっていない。これは法律的に正しいか正しくないかという解釈を一つもやっていなくてどうすべきか、反対だ、賛成だ、そういうことばかりやっている。法を守るということがやはり理事長の責任だと思う。たとえば、あなたは非常事態だと言うが、非常事態なら法律を無視していいかということになる。そうすると、共産党が火をつけて歩くのも非常事態だからいいという議論になってしまう。だから、これは簡単な問題じゃない。これは政府の責任はあとで問題にするので、今はそれを問題にしないで、あなたにだけ聞いているのですが、やはり、あなたは、こういう大きな法律無視をやったという立場から、この際責任をとる必要があると私は感じておる。今後そういう運営をやってこられるなら、取引の公正は期せられないと思うのです。権限を与えられておる理事長が、勝手に法律を無視したり、勝手に運用をやるということでは、取引の公正という本法の趣旨は貫けないのです。だから、この際あなたは慎重にお考えになって、これは十分皆さんにも相談して責任をとるべきだと思う。あなたが一番最初に大みえを切った気持がほんとうのあなたの気持なら、良心があれば責任をとらざるを得ない段階なんです。それについてはあなたの御答弁を求めても無理だから、一つ慎重に考慮して、この際取引所理事長として法律無視の責任をとってもらう、これが正しい行き方だと私はあなたに警告しておきます。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 石橋参考人にお尋ねいたしますが、この委員会にあなたから配付された十月二十三日の「石橋理事長談」という資料が手元に来ておるわけですが、この石橋談話なるものは、あなたが理事長としての資格でいつどこで発言された談話か、お尋ねします。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 これは、先ほど申しました十月二十三日の取引所の総会の終了直後、新聞記者が見えて発表いたしまして、そうして一方に取引所にこれを印刷いたさせまして各方面に配付いたしました。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そうすると、これは、十月二十三日の取引所の総会の席上において、政府と理事長との間における諸般の話し合いであるとか、そういう進行状態の内容等について、あなたが理事長としてなされた説明ではないですね。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 説明じゃございません。総会の模様は先ほど議事録を読みましたが、これは、総会の終了後私が新聞記者に気持を発表し、そして取引所として各方面に日報を出しておりますが、その日報にこのことを印刷して出したわけです。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それから、この二枚目に、石橋談に対する石橋理事長の補足説明というのがありますが、これは、それでは記者団会見のときにさらにこのような補足的な説明をやったという意味でございますか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 これはそうではございません。お手元に配付するのに、私が二十三日に話しましたときのものを皆さんに参考にお示しするために、記録的に書いたものです。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、本日あなたが参考人においでになるために、特にこれは用意された資料なんですね。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 そうでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは非常に大事な点が含まれております。実は、あなたのところの副理事長の小島さんが、昨日横浜取引所を代表して参考人として来られた。そのときも、きょう同僚の委員各位から質問のあったような要旨の質問がありまして、小島さんも率直な答弁をされたわけです。その中で、この補足説明の資料と対照すると非常に内容の相違があるのです。これはあなたがわざわざ文書で用意されたので、軽率な口頭の表明とは違うと思うのですが、昨日の小島副理事長の答弁によると、政府が、繭糸価格安定法に基づいて手持ちしておる生糸のうちから二万俵を取引所に受け渡しの供用品として必ず提供する、こういう言明があったということを説明しておるわけです。本日のこの補足説明によると、これは買いかえ措置により二万俵を充当するということが条件になったということをあなたは記載してこられたのですが、昨日の副理事長の言明と本日のあなたの説明には非常に根本的な食い違いがあるとわれわれは認めざるを得ないわけです。従って、この点について、責任のある理事長の立場からもう一度御説明を願いたい。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 これはどういうふうに御解釈になったか知りませんが、この二万俵は、臨時措置法であろうと、政府保有糸であろうと、どっちでも、その中から最高限度二万俵の糸を確保してもらいたいという意味でございますが、この書き方はちょっとまずいと思います。(「それは小島さんの話と違う」と呼ぶ者あり)今御質問のありました二万俵の糸の件でございますが、これは臨時措置法の糸が非常に少なくなった場合には政府保有の糸からも出してもらうということでございますから、われわれの方としては、臨時措置法の糸であろうと、政府保有の糸であろうと——最初は臨時措置法の糸だけで出せた。われわれと話をしたときにはその糸だったのです。そのときにはわれわれは政府の手持ちの糸ということは考えていなかったのですよ。十分それで出せるし、それで出してやろうということだったから、全部もらえるものだと思っておった。ところが、その臨時措置法の糸がどんどん片づいてきて、それが少なくなった。少なくなっても、少なくなった分は政府保有糸も合わせてもらいたい、こういう意味でありまして、これは書き違いがありましたらそういうふうに御了承願いたい。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは私が書いたんじゃない。あなたが横浜の取引所の理事長としての非常に旺盛な責任感に基づいてわざわざ文書にまとめられて当時の状況というものを記載されてきたのです。この周到な用意と熱意に対しては、高田委員を初めわれわれとしては認めているわけなんです。ただ、問題は、理事長であっても副理事長であっても、取引所を代表して国会に出席された場合においては、その言明あるいは説明にあまりにも大きな相違があるということになると、これはわれわれとしても迷惑するし、また法案の審議にも非常な障害になる。従って、わざわざこのように、二万俵については繭糸価格安定法に基づいて政府が保有している生糸の中から買いかえ措置として二万俵を取引所に提供するということ明が農林省からあったのでということがこれに明らかに記載されておるのですが、昨日の小島副理事長の言明は、これらのことには全然触れていないのです。安定法で政府が持っておる四万数千俵の中から二万俵を受け渡し供用品として必ず政府が確保してくれるということに信頼を置いてそして供用品の変更を行なったということを小島副理事長は明らかにしている。ですから、この点は非常に食い違いがある。間違っておれば直して下さいというべき内容のものじゃないのです。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 ちょっと申し上げますが、私はきのう出席いたしませんから、副理事長がどういうことを申したかもわかりませんが、私の考え方は、たとえば臨時措置法において一万五千俵ある、それから安定法においての生糸は四万九千俵ある、合計六万四千俵あるが、そのときにおいて、臨時措置法において一万五千俵をもらってなお不足の場合は、その不足の五千俵というものは安定法によってそこからもらおう、こういうようなことと違いますか。そういう意味で私は申し上げた。ところが、その五千俵というものは、その話の当時臨時措置法の糸があったから、それはもらえるものだと確信をしておる、私はこういうふうに思っておるのですが、違うんですか。私はそういうふうに現在も確信しております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは、きょうは社会党のわれわれ委員がお尋ねしておるんですが、昨日は劈頭に自民党、いわゆる与党の蚕糸関係の権威者である高石委員が質問を行なったんですね。高石さんの明快な質問に対して、あなたのところの小島副理事長が非常に正直な態度でいろいろ答弁された中にも、この二万俵の問題については——現実の問題としてこれは臨時措置法の糸というのはないんですよ。これはあなたの方が私より知っているはずです。それで、政府が安定法に基づいて保有しておる糸を、臨時措置法の一部改正によって安定法を骨抜きにして、そうして臨時措置法の方へ移して、その中から二万俵をお前の方へやるという言明があったので、これに信頼を寄せて取引所としては運営を行なっておりますということを副理事長は明らかにしておるんですよ。それにもかかわらず、あなたが副理事長の報告等を聞かれて、きょうわざわざ参考人として出席される場合に、このような文書を持ってこられて、われわれに資料としてお配りになったのですから、昨日と関連がない問題ではない。臨時措置法による糸はもう残りがない、従って、この二万俵の分については安定法による政府の手持ち糸を買いかえるという措置によって確保させてやるから心配するなという農林省の言明があったので云々ということが、わざわざこれに明らかに記載されております。それで、私は、これは非常に重要な問題であるからしてきのうの副理事長と本日のあなたの答弁に相違があるということを指摘してお尋ねしておるわけです。この通りであるということならば、それでもいいんですよ。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 私は、十月の二十一日現在の当時の話でございまして、現在は臨時措置法の糸が少なくなっておるのでわからないけれども、この話をした二十一日現在は、今申し上げたような数字は、もう一つこまかい数字はわかりませんが、臨時措置法のやつは一万五千俵、そうして安定法のは四万九千俵ある、計六万四千俵近くある、六万俵近くのものがあるにもかかわらず、十八万円以上出るのはおかしい、そういうばかなことをするということを局長は常に言っておられた。六万俵を十八万円で売るんだ、にもかかわらず十九万円の相場が出るのはどういうわけだ、そんなばかなことはないじゃないかというふうな話があったから、そういうものを清算市場へ出してもらえば糸が下がるから、この問題を確保して下さいということが大きな問題の一つでありますから、従って、これを発表したときには糸相場は暴落した。ですから、今われわれの話をしておるのは、十月二十一日現在のときの数字で話しておるんですから、そのときには臨時措置法の糸が一万五千俵あった。現在は減ったかどうか、それは知りませんが、十月二十一日現在のときには一万五千俵の糸があった。それが足らぬので、もしも不足する場合は、政府の安定法による保有糸の方から出してもらいたい。それは、すでにそういう買いかえの方法を発表しておられるから、そういう便宜をはかってもらいたい、それはよろしゅうございます。こういうお話でございますから……。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 その点については、十月二十三日にあなたが記者会見で談話をされた直後に、このような補足的な説明を行なった資料を本日持参されたのであれば、これは何も疑義がない。これを昨夜から本朝にかけて補足説明としてわざわざ作成してこられたということになれば、これは、二十三日の談話と関係するより、むしろ昨日の当委員会における参考人の皆さん方に対する質疑に関連してこの文書が作成されたというふうにわれわれは考えざるを得ないのであります。ですから、さかのぼって、この十月二十三日に総会を開かれたわけですが、その総会の議案というものは、十月二十一日蚕糸局長が農林省にあなたと神戸の取引所理事長に出頭を命じたか要請したかそれは明らかでありませんが、とにかく、出頭を命ぜられと書いてあるから、出頭を命じて、そうして重大な決意、指令というものを命令されたということを、これは総会においても主要な議案としてあなたが説明されたと思うわけなんです。ですから、その総会における経緯の説明の中においては、安定法に基づく生糸から二万俵を買いかえ措置として政府が放出してやるということを言明されたので、取引所においてはこれに基づいて今後の運営をしなければいけないということを説明されたかどうか、その点はいかがですか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 私は、これは小島さんに聞いて書いたわけでも何でもない。小島さんが昨晩八時にお帰りになる前に書いたものであります。この総会に関連して、総会でしゃべらなかったことを、その当時東京に出て蚕糸局長とわれわれとが話をいたしましたうちの重要な部分を書き取って、ここに書き上げたわけでありますから、さように御了承願いたいと思います。念のために私はそれを書いて出したのです。それだから、小島さんがどういうことをおっしゃったか知りませんが、私は、その当時の会談については、総会の中で落ちている部分があるから、それをもう一つ詳しく皆さんにお知らせする必要があるというので、小島さんにもたれにも会わぬ先にこれを補足して書いて、参考に差し上げたものであります。さよう御了承願いたいのであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは別に追及するわけじゃない。事実を明らかにしてもらえばいいのです。これは、たとえば十月二十一日の局長の命令なるものは、今日においても根拠が明らかでないんですね。これは総会の場合においても議論の点だった。これは通達も通牒も何も出ないで、よりどころも何もない、単に口頭で横浜と神戸の理事長が言い渡しを受けたということだけでは、たよりないと思う、もう少し明確にしたがいいじゃないかというような相当強い発言があったということは、あなたがさっき述べられた通りです。ですから、そのときには、やはり蚕糸局長の十月十四日の声明、あるいは十月二十一日のあなた方が出頭された場合の命令の内容というものは、経過的にも明らかにする必要がある。ですから、この点だけ明らかにしてもらえばいい。そのときの局長の命令の内容なるものは、この二万俵については安定法で保有している糸の買いかえ措置という形で数量を放出するようにするからこれに信頼を寄せてやってくれと言われた、ということを総会においてあなたが説明したのかどうかということなんです。頭をひねっていますけれども、これには書いてあるんですよ。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 これは、御承知の通り、その当時には六万俵も六万四、五千俵もあったものだから、われわれは臨時措置法の糸であると思っている。もしもなくなった場合には、そういうふうな制度もあるから、それで心配をしてもらいたいということで、局長が自分でやってやろうということじゃないのですよ。われわれは二万俵というものはその当時それでもらえると確信しておったのですよ。けれども、ない場合にはどうする、ない場合にはそういうふうな措置があるんだから、そういうふうなことで、御心配を願いたいというようなことでありまして、事実、二万俵の糸が要るか要らぬかという問題でございますが、そこまでは言わなかったように、臨時措置法においても、政府の糸で全部まかなってやろう、まかなって下さいということは、一つも申しません。その当時には、私は臨時措置法で間に合うと思ったし、そういうようなことは考えておらなかった。しかし、不足した場合には、そういう制度もあるんだから、それで御心配願いたい、こういうふうに頼んだわけです。

高田富之日本社会党

○高田(富之)委員 関連質問。  私は繰り返して同じことを質問したわけなんですよ。そうして、ちょうど同じことを質問しましたところが、あなたの方からこの通りの御答弁がありまして、そうなんだ、残り少なくなったけれども、買いかえの措置をやって糸を出してもらえるというその言葉を信じて帰ってきた、そう報告した、事実そういう制度も前から始まっていたことなんで大丈夫だと思ったが、果たせるかな、その後四千俵の売り渡しもあって、いよいよ大丈夫なんだという確信を深めた、こうおっしゃっている。だから、あのとき質問した通りのことに、あなたはだいぶ変わってしまった。だいぶ違ってきたじゃないですか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 変わったですかね。私は、自分の気持としては、言葉を濁して二言申し上げるような考えは毛頭ないですが、言い方が悪いので、そういうようにお聞こえになったかもわからぬけれども、もともとこれは臨時措置法の糸があったから、われわれもこれに同意したわけで、その当時臨時措置法の糸がなくて安定法の糸だけであれば、こういうことはてんで受け付けなかったのです。ただ、臨時措置法の糸で十八万円で売れるということになるから、それを現物でお売りになる方をこっちへ回していただけるならば政府の方針を守ろうということになっている。私はその当時は臨時措置法で間に合うと思っていたのです。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この通りならこの通りと言ってもらえばいいのです。特にこれは非常に詳しく書いてあるのです。補足説明の中にも、十月二十一日に横浜、神戸の両理事長が蚕糸局に出頭を命ぜられた際、横浜には一万五千俵、神戸には五千俵、——規格も全部これに書いてある。「既存限月に遡り」云々、これはあなたが作ったんだから、私が聞かなくてもわかるのですが、ですから、これに基づいて、この通りのことで、蚕糸局長から命令があって今までやってきたのかどうかということが明らかになればいいのです。きのうの小島さんの説明はこれとだいぶ違うのです。安定法の方からの糸を二万俵出してやることになっておる、これは法律は通ることは間違いないのだという前提に立って、小島さんの場合は処理されてきた。ですから、この通りであればそう言ってもらえばいい。何も内容が違うとかいうことを追及しているのではない。軽い気持で答弁してもらえばいい。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 私はきのう小島さんから十分承っておりませんですが、そういう意味ではございません。はっきりとここに書いてあります通り、臨時措置法の糸によって出してもらう、それで足らぬ場合には、そういうふうな方法もあるのだから心配してもらいたいということで、それで間違いございません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、もう一回確認しておきますが、二十一日の局長の命令というものは、この二万俵については、まず臨時措置法の糸でやりたいが、残りが少ないので、二万俵に満たない分については安定法の糸を買いかえ措置という形で放出するから、それを了解してやってもらいたいという、そういう信頼できる言明があったので、今日までやってきておる、簡単に言えばそういうことなんですね。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 その通りでございます。今のお話の通りでございます。不足分があった場合には、それに安定法によって心配してやる……。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次にお尋ねしますが、先ほどお読みになった総会の議事録の中でも非常に疑義を持たれた点でありますが、二十一日にあなたと神戸の理事長が出頭して、蚕糸局長から口頭で申し渡された問題の内容は、これは商品取引法に基づく監督官庁の主務大臣、農林大臣の業務上の命令と確信して、そうしてこの内容を受け取ってきたというふうにあなたは報告されたわけでありますが、その確信には間違いないわけですね。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 最初は口頭で指示されたわけですれれども、われわれは、指示では困るから、これは命令としてやってもらわなければ取り扱い上困るというので、事務局長から、総会の席上、小山事務官に電話で照会しましたら、そういうふうに考えてもらってもよろしいという回答が事務当局に電話であったから、そういう意味でこれを決定した。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そこで、これは、総会でも、疑問があるので、局長に来てもらったらいいじゃないかというような発言もあったそうですね。それで、これは今後も、中澤委員が言われたように、取引所の問題としては、この問題がいろいろ重要な点となって残るので、幸いの機会ですから、この機会に農林大臣並びに蚕糸局長に対して私が質問をしまして、十月二十一日の局長の口頭の申し渡しなるものは、これは商品取引法に基づく主務大臣の命令として両理事長に言い渡したものであるかどうかということを、私が今質問しますから、その大臣と局長の答弁によって、あなたの解釈が正しかったかどうかということを明らかにしたらいいと思うのですが、どうですか。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 大臣並びに局長にただいまの問題についてただしまして、そうして、そこに相違があったら、その通りならばよろしいかどうかを芳賀委員は確認をしておきたいと言われるのです。それでよろしゅうございますか。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 この問題は、対決ということもおかしいのですが……。(「対決じゃないのです。あなたに言ったことが命令かどうかということを確認するだけです。」と呼ぶ者あり)それじゃ聞いていただいていいです。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、当委員会で今審議中の繭糸価格安定臨時措置法の一部改正法案に関係して、この際出席の農林大臣並びに蚕糸局長にお尋ねしますが、本日農林委員会といたしまして参考人として出席を求めた横浜生糸取引所の石橋理事長のただいままでの発言等については、御同席ですから御承知の通りであります。ここで非常に問題になります点は、十月二十一日に蚕糸局長が横浜の取引所理事長さらに神戸の理事長の両氏に出頭を命じて、そうして、商品取引所法に基づく監督官庁、いわゆる主務大臣の命令という形で口頭で申し渡しを行なったということを信じて、今日まで取引所は運営されてきておるという点であります。それで、この点は非常に大事でありまするので、法律に基づく主務大臣としての福田農林大臣に、十月二十一日に蚕糸局長を通じてかかる口頭をもっての業務監督上の命令示達をされたという点に対する責任ある御答弁を願いたいのであります。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○福田国務大臣 私は、糸価が非常に浮動しておるということは、いろいろな事情から出てくるのだろうというふうに存じまして、終始心配をいたしておったのです。さようなことでもしこの事態が続くならば、あるいは取引所を一時閉鎖するということもやむを得ないのではあるまいかという考えは持っておったわけであります。さような私の考えも受けまして、大澤蚕糸局長が取引所当局といろいろ話を行なったというふうに想像をいたしておりまするが、そのやりとりにつきましては私は承知いたしておりません。その具体的な点につきましては大澤局長から答弁いたさせます。

大澤融農林省蚕糸局長

○大澤(融)政府委員 ただいま大臣からお話がございましたように、また先ほど来石橋理事長からいろいろお話がございましたように、二十一日のやりとりの話でございます。率直に申しまして、取引所法に基づいた監督権限に基づきます命令、あの意味での命令ということでの処置ではございません。ただ、先ほど来石橋理事長からもお話がございましたように、価格安定制度がありまして、その上に取引所がある。安定制度がある場合の取引所のあり方、これはいろいろ問題があるわけです。そこで、先ほども念書という形のものが入っているというお話がございましたが、安定制度を阻害しないような取引所のあり方でなければいけない、そういうことを条件として取引所を運営して下さいという形で今日まで認可されておるわけです。そこで、ちょうどこの問題がありました十月少し入ってからでありますが、現物価格が上がってきたわけです。また、清算取引の当限にいたしましても先物価格にいたしましても上がってきたわけです。これを私どもどう判断したかと申しますと、現物価格、——これは政府の糸が十八万円で売れるものがまだたくさんあるわけです。ところが、それがなくなるのじゃないかという思惑が入ったわけです。日に何千俵と売れる。これはそれがなくなるのじゃないかということが清算の先物価格を上げるということ。それから、先ほどお話がありましたように、商品取引所の受け渡し適格品の点です。これは、政府の糸は種々さまざまなものがあって、その種々さまざまなものが一般市場の価格押えになっている。ところが、清算市場の方は、特殊な限られたものだけが価格押えになるわけです。従って、清算取引所の方は特に限られたものだけが価格押えになっている、そのものはすぐなくなるのじゃないか、そういう思惑が入るわけです。そこで、清算取引の方の値段がその関係から上がってくる。それが現物値段を引っぱる。現物値段を引っぱったのが、政府の売りものをどんどん買いあおる。それが順々に悪循環を起こすわけです。そこで、私どもは、清算取引はもちろんいろいろな思惑があってああいう取引が行なわれているわけですが、あってならぬ、あるいは除いて除き得る思惑というものは、私ども十八万円堅持の方針を貫いているからには、そういうものは取り除いていくという態度を終始とっておったわけです。そこで、この受け渡し適格品の拡大ということも一つ問題になります。先物限月についての受け渡し品の心配があるならば、それも考慮に入れるということを考えたのです。そのような形で清算市場の取引所の値段が思惑的な材料で上がることが、現物市場の値段を引き上げ、政府の売りものに必要以上に仮需要を喚起して一日に何千俵と売れるというようなことになりますことは、価格安定制度、十四万円・十八万円ということをわれわれ堅持している立場から申しますならば、そういうことを阻害する可能性のある取引所のあり方だというふうに判断をするわけです。  そこで、今大臣が言われたように、そういうようなことがさらに続くならば、それこそ、取引所の監督権限、先ほど中澤先生の言われた監督権限、あの規定によって、停止して下さいという命令を出さざるを得ないという立場になると思うのです。そういうことを、石橋理事長、三木理事長によくお話し申し上げた。そこで、そういう事態に立ち至るのは最悪の場合で、その前に、受け渡し品の拡大措置ということをやれば、取引所が価格安定制度を阻害しないような運営ができる道として残されているのじゃないかということで、われわれ寄りまして相互に知恵を出し、分析をした結果、あのようになったわけです。私ども、取引所のあり方として、価格安定制度がある場合の価格、取引所のあり方として、場合によれば閉鎖しなければならないという命令を出さざるを得ないというような強い態度も示しました。そこで、今の二格を八格にするという受け渡し品の拡大も、実質的には命令だというふうに了解されていろいろの処置をあとで運ばれたということは、私どもよく了解できます。しかし、あの監督権限に基づく形式的な命令ということで業務規程の改正を命令したということではないのであります。しかし、取引所側として命令と了解しておやりになった立場は、私どもよく了解できると思うのです。そういうことでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 大臣の答弁によると、法律に基づく命令を蚕糸局長に出させたというようなことについては、全然関知しておらぬ、覚えがないということを明らかにされたわけですが、ただ、石橋さんが出された文書の中にも、蚕糸局長の言明というものを取引所としてはとうていそれを自主的に行なうことはできないので、命令であれば命令を出してほしいと申し入れたというわけです。ところが、それに対して命令と解すべしとの強力な意思表示があったというので、命令と解して今日に至ったということは、これは石橋さんも明らかにされておる。ですから、私はその点を局長に明らかにしてもらえばいい。もちろん口頭ですから痕跡はありませんが、命令と同じだ、命令と解釈してやりなさいと言ったとすれば、その通り率直にここで明快にしてもらえばいいわけです。

大澤融農林省蚕糸局長

○大澤(融)政府委員 その場合、今るる御説明申し上げましたが、私ども、命令として出すならば取引所の停止命令ということを考えておったわけであります。ですから、先ほど理事長が二者択一と言われましたが、そういう最悪の事態に立ち至らない前の段階として、いろいろ知恵をしぼってああいうようなことに相なったわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ですから、理事長に対しては二者択一の最後通牒というものをあなたが示して、このいずれかを選べ、応じない場合には命令を出すということを明らかにしたので、それでは命令をお出しになるならば出して下さいと言ったところが、いや、これは口頭ではあるけれども命令と同じ、命令と解釈してやれということをあなたが強く言明したので、取引所としては、法律に照らした場合は異例なことも多々あるけれども、これは法律上の命令と解釈して忠実に今日まで業務を続けてきたということを言っているじゃないですか。あなたは責任を回避するのですか。命令であるか命令でないかということを明らかにして下さい。

大澤融農林省蚕糸局長

○大澤(融)政府委員 業務規程の変更をされたのは、命令に基づくものではございません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それは詭弁ですよ。それでは、この商取法の中澤委員がさっき言われた十二章の監督規定ですが、もし命令を出す場合は、このどこに準拠してやるつもりだったのですか。たとえば法第百二十一条の規定は取引所に対する監督上の処分の問題が規定されておる。この点は中澤君が触れましたが、定款等の変更をやらす場合においては、百二十一条ではなくて、百二十四条の規定に基づいて定款変更等の命令を主務大臣が出すことができるということになっておるわけです。ですから、命令を出そうとした場合には、これは両様に解釈できるわけです。百二十一条によれば、取引所のいわゆる行為、商品市場における売買取引の状況が公益上有害であるということを認定した場合の業務上の主務大臣の処分です。それから、もう一つは、今言いました通り、百二十四条の定款等の変更命令を主務大臣が出すことができる。このいずれかによって、主務大臣が命令を出す場合には出せるわけです、あなたは理事長に対してどこに準拠してやる用意があるということを言われたか、その点はどうなんです。

大澤融農林省蚕糸局長

○大澤(融)政府委員 先ほども申し上げましたように、取引所の動き方が価格の安定制度を阻害するというようなことがある場合は、今お話のございました百二十一条の一項の二号に、「取引所の行為又はその開設する商品市場における売買取引の状況が公益上有害であると認めるときは、」停止の命令をすることができる、こういうことがございます。私どもは、命令を出すならこれを出すということを考えておったわけでございます。そこで、理事長といたしましては、こういうものを出されては大へんだ、その前に、業務規程を変更する形で、こういういうことがあれば公益上有害であるというようなことも排除できるのではないだろうかということで、ああいう御措置をとられた、そういう意味でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 きょうは理事会の申し合わせで参考人に対してだけ質疑をするということになっておるので、政府当局に対してはいずれ別な機会に詳細な質問をするつもりですが、最後に石橋さんに申し上げておきますが、ただいま農林大臣並びに蚕糸局長が委員会で正式に答弁をされたことは、あなたもお聞きの通りであります。ですから、あなたがあまりに責任感で過熱して命令であるというふうに考えたと言ってはおるが、農林大臣は関知しておらぬと言う。蚕糸局長は、命令は出しておらない、しかも、業務規程の変更は何ら指示しておらぬにもかかわらず取引所が自主的に変更を行なって届出をしたのだ、そういうような答弁がここで明らかになった。そうすると、あなたは、二十三日の総会で、いかにもこれは至上命令であるというような、理事長としての総会に対する説明とか発言を行なって、議案を所期の通り議了したと思うのですが、この点のあなたの理事長としての責任上の問題というものは、政府側は責任回避してあなたに全部泥をかぶせる意思がもしありとしても、やはり理事長の責任というものは相当重大な責任もあるのではないかと私は思うわけです。これに対するところの御見解があれば、私は聞かしてもらいたい。

石橋治郎八横浜生糸取引所理事長

○石橋参考人 その問題については、私一人でそこでお聞きしたわけではなくて、神戸の三木理事長初めみなおったわけですし、われわれ、いつも、局長の話に対しては、大てい七、八人の人が同席のもとに伺っておりましたので、私の意見が違うとお思いでしたら、そういう方々を参考人に呼んでお聞きいただく方がよろしいと思います。水かけ論になりますから、これ以上申し上げてもいたし方がないと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 私はこれで本日の石橋さんに対する質疑は終わりますが、この際委員長に申し上げたい点は、先ほど石橋参考人から当委員会に資料として出された十月二十三日の石橋理事長談の内容、さらに、この談話に対する石橋理事長の補足説明、この文書の全文を本日の委員会の議事録に掲載される措置をとられんことをお願いしておきまして、私の本日の質問を終わります。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 芳賀委員の要請は了承いたしました。  参考人よりの意見聴取はこの程度にとどめます。  参考人には長時間にわたり本委員会の審査に病を押されて協力を賜わりまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。  石橋参考人の発言中もし不穏当な言辞がありますれば、後刻速記録を取り調べの上、委員長において善処いたしたいと思いますので、さように御了承願います。      ————◇—————

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 理事の辞任並びに補欠選任についてお諮りいたします。  すなわち、理事田口長治郎君、本名武君より辞任いたしたき旨の申し出があります。これを許可することとして、その補欠選任に関しましては委員長に御一任願いたいと存じます。  以上について御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 御異議なしと認め、さように決定いたします。  よって、理事に、野原正勝君、高石幸三郎君をそれぞれ指名いたします。  午後三時半より再開することとして、これにて休憩いたします。     午後二時四十一分休憩      ————◇—————     午後三時四十九分開議

永田亮一自由民主党

○永田委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  農林水産物に関する件について調査を進めます。  米価問題について質疑の通告があります。この際これを許します。  石田宥全君。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 農林大臣にお伺いします。  先般開かれた米価審議会に対する諮問案並びに資料、委員の質疑に対する答弁等を見ましたが、今般は算定方式についての諮問が行なわれておるわけであります。その算定方式は、御承知のように、今突如として起こったものではないわけでありまして、多年の論議が集積されて、ことにことしの春は米価審議会においてもあるいは本委員会においてもずいぶん議論のあった問題でありますが、ことしの春の米価決定にあたっての算定方式についての論議は、結論といたしましては、本年の春は算定方式を明らかにして筋の通った価格決定ができなかった、よって、九月ごろに米価審議会を開いて算定方式を諮問する、こういう大臣の答弁があった。従って、今回諮問された諮問案は、そういう過去の実績の上に積み上げられたところのものである、かようにわれわれは了解をいたしておるわけであります。しかも、今年の春の米価決定にあたっての算定方式については、生産費及び所得補償方式を若干需給その他の事情を参酌して決定するというようなことであったわけでありますが、そういう経過から見まして、先般開かれた米審における諮問は、もっと集約されてすっきりした算定方式を出すための諮問でなければならない、こういうふうにわれわれは理解しておった。  ところが、今度のこの諮問の内容を伺いますと、その点がきわめてあいまいになっておるのであります。特に私どもが指摘しなければならないと考えますことは、食管法の第三条で明らかでありますように、米価の算定については明文でちゃんときまっておるわけです。「生産費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ米穀ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」というふうにはっきりしておる。ところが、諮問の仕方、特に提出された資料を見ますると、この中には、たとえば時期別格差の問題とか、あるいは水稲と陸稲との格差の問題とか、もち米加算とか、予約加算というような問題に非常に大きなウエートを置いた資料を添付してある。いかにも算定方式を決定するにあたってこれらの問題に集中されるような、そういう諮問の仕方をしておるのではないか、こういうふうに考えるのでありますが、大臣の意向はどういうところにあるのか、この際この点を伺っておきたいと思います。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○福田国務大臣 私は、米の問題につきましては、ただいま行なわれております集荷、配給、この統制の根幹につきましては、これをどこまでも貫きたい、こういうかたい方針を持っております。さような前提のもとに価格問題というものも考えなければならぬというふうに考えておるわけでございますが、価格の決定につきましては、御承知のように米価審議会がある。私は、この諮問機関である審議会の意見というものをできる限り尊重していきたい、かように考えているわけです。お話のように、三十年に米価審議会の小委員会におきまして答申がありまして、八〇%のバルク・ラインを基礎にして生産費並びに所得補償方式というものを考えたらどうか、こういうことなのです。自来政府の方でもそれを検討したのでございます。しかし、なかなか結論が得られないで、ことしの夏になりまして、初めて、生産費並びに所得補償方式という思想を取り入れましたところの方式を考えて、それにつきまして米価審議会の意見を問うたわけであります。結局において米価審議会におきましては御承認はありましたが、はなはだ不満である、なおすみやかに検討して、すっきりしたものを作れ、こういうような趣旨のことでございます。さようないきさつがありますので、私どもといたしましても、すみやかに米価算定方式を再検討したい、そういうふうに考えまして、先般米価審議会の開催を要請し、これに対しまして今後とるべき米価いかんというお話をいたしたわけです。その席上、ただいま石田委員が言われるように、なぜもう少し集約した諮問方式をしないのかというような話がありました。それに対しまして、食糧管理法第三条の規定というものがある。それには、生産費、物価及び経済状況を参酌し、農家の再生産を確保することを旨としてこれを定むべし、かように書いてあるわけです。私といたしましては、いろいろな算定方式がありましょうが、この法律によらなければならぬ、こういうふうに考えている次第なんです。私どもが今まで聞きましたところでは、八〇%バルク・ラインという前提を持ちました生産費算定方式、これにつきましては、まだそれをそのまま取り入れるべきであるという結論に到達いたしておりません。かりに生産費並びに所得補償方式のあり方はいかがあるべきかというふうな諮問のいたし方をいたしますと、米価審議会の経緯もありますものですから、八〇%のあの問題かと、こういうふうに即断されても、私どもいたしまして困る。私どもといたしましては、生産費並びに所得補償方式の意図する考え方というものは十分取り入れていきたいと思いますが、一面におきまして、これは、国民経済上も、国の財政上も、それから消費者全体も、また私が申し上げました食糧管理制度の維持というようないろいろな観点から考えまして、広い角度から検討していったらどうかという気持も含めて、今申し上げましたような諮問の仕方をいたしたわけであります。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 私は、方式というものは、やはり一つの方程式として確立さるべきものであると思うのです。従って、その方式の中に当然起こってくるところのバルク・ラインの問題とか、あるいは工場規模の問題とか、あるいは地代の問題とか、資本構成とか、いろいろありますけれども、それは内容の問題であって、これは理論的に理屈で結論の出る問題ではないと私は思うのです。中には出るものもあるけれども、地代論のごときは世界の学者が議論してまだ結論がつかない。そういうような問題もあるのですから、そういうものはそういうものとして、理論的に結論のつかないものは、私はやはり政策的に決定さるべきだと思うのです。今大臣の答弁ですと、バルク・ライン八〇%というものを前提としたものではのめない、こういうお話だけれども、バルク・ライン八〇%というだけの問題ではないと私は思うのです。やはり、労働規模の問題、その他今申し上げたような問題が全部関連する問題なんだから、それを全部関連させた上でこの生産費及び所得補償方式というものはバルク・ライン八〇%を内容とするものだという考え方であると、これは方式としてはなかなか成り立たないと思うのです。ですから、これは第二次的なものである。方式は方式であって、やはり方式を確立することが生産農民に安心感を与えるゆえんではないか。それを、中身との関連において方式が確立されない。そうして毎年々々いろいろなへ理屈をこねてつかみ勘定で政治的な米価をやられる。こういうことに対して一体なぜおそれるかというと、これは、ことしのガットの総会などに現われたところの為替・貿易の自由化というような世界的な傾向もあり、国内の需給がだんだんバランスしてくるというような情勢もあり、そういう中において米作農民の経済が安定するかしないかという大きな問題なんです。そういう意味で、中身についてももちろんそれは議論のあるところであるけれども、やはり算定方式はこれでいくのだというふうに政府は腹をきめて、その方式によっていく、中身についてはこうだ、こういうふうに二段がまえでやらない限り、農民に非常に不安があるわけなんで、その点について、大臣は、一体、その中身は第二次的に考える、方程式だけははっきりやらすかやらさぬか、これは明確にできるのじゃないかと思うのですが、どうなんですか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○福田国務大臣 方式といいますか、米価のきめ方につきましては、生産者にもはっきりした方向がわかるようなきめ方をいたした方がいいと思います。その腹をきめろ、こういう話ですが、その腹をきめるために、米価審議会というものが政府には諮問機関としてあるわけであります。御意向はどうでしょうか、いろいろ資料も出しましてお伺いをいたしている、こういうわけなんです。その米価審議会のあり方、御意向等も参酌いたしまして腹をきめます。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 そう逃げ回らなくたっていいんですよ。この問題は、二十六年ごろから議論の対象になって、昭和三十年の米価審議会の小委員には私も出てずっとやってきておるのですが、米価審議会について言えば、正式には、昭和三十年の委員会から、これはもう当時満場一致でこの方式をとるべしという答申をやってきておる。歴代の大臣は、米審の答申を尊重すると言いながら、三十年以来毎年満場一致で四年間も答申をしてきておるにもかかわらず、取り上げておらないということなんです。今またそんなことを言って逃げ回る必要はないんです。私は、親切に、大臣がそれを言ってもあと大した責任がかからないようなふうにこっちで言っておる。それを、今に及んでまだ、米審の答申を尊重してなどという、そういう無責任な答弁というものはないと思うのです。だから、これを切り離すならばよろしいというなら、これはよろしいと言えないはずはないんだ。そうでしょう。この期に及んでまだ米審の答申を尊重しますとかなんとか言うことは、無責任もはなはだしいものだ。さっき大臣が言ったように、この中身を一緒にして、八〇%バルク・ラインというものを前提としたものは取り入れられないと言うから、これはそうもあろう、だから、そういうものは第二次的に考えて、理論的にきまらないものは一つ政策的にきめていく、これは政府がおやりになったらいいじゃないか、しかし、方式が確立することによって農民が一応ここで安心が得られるのだ、それを私は強調しておるわけなんです。まだやはり米審の答申待ちということですか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○福田国務大臣 これは、政府がせっかく米価審議会にお諮りをしておって、政府はこういうふうに考えるのだなどということになれば、米価審議会との間に大問題が起こってくるわけです。それでありますから、米価審議会に私どもが諮っているゆえんのものは、今まで三十年以来いろいろいきさつがある、そのいきさつを考慮いたしまして、政府も、そういう措置をとることは適当だ、こういうふうに考えて、わざわざ異例な諮問の仕方をしておるわけなんです。これはすみやかに成案得るようにいたしまして、そうして今後の米価の算定のいわゆるルールをきめていく。何も逃げ回っているわけでもありません。それは堂々とここに立っておるわけでありますから、さように御了承願いたいと思います。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 言葉の上では逃げ回っていないと言うけれども、それは明らかに責任を回避するものなんだ。しかも、米審の答申待ちというけれども、本来から言えば、——私はきょうはおそいからあまり繰り返したくないので議論を進めておるのですが、春の本委員会における答弁やら何から見ても、もう今度の米審では算定方式というものの腹案をずばりと出さなければならない事情にあるのですよ。それを、ぼかして、出さないでおいて、そうして米審に責任を負わせるなんということは、これは無責任のそしりを免れませんよ。ことに、米価審議委員の任命、ここに一つ問題がある。従来の米審というものは、生産者代表、消費者代表、これは大体違わないのです。ところが、学識経験者と称するような人の選任にあたって、生産農民にきわめて不利益な議論をするような人間を意識的に選任しておるということ、これは否定できないでしょう。そうなりますと、米審の答申というものが一致した意見の答申が求められるかどうか、私は疑わしいと思う。従来、満場一致で答申したものすら、これを無視してやってきておる。今度は、それが統一見解が出されないようであるとすれば、なおさらこれは無視されるという危険性がある。今日、日本の米作農民はその点を非常に憂慮しているのです。だから、きょうは、少なくともそういう点で大臣にそれほど大きな責任を負わすようなことのないような、そういう質問の仕方を私はしておる。これはもう計画的であると私どもは実は考えておる。今日の時点において、さっき申し上げたように、国際的な情勢、また国内的な諸情勢、そういう情勢の中において、米作農民が安んじて農業に従事し得るように、ここでやはり算定方式というものははっきりしたものを打ち出すべきだ。  聞くところによれば、米審の小委員会は六月ごろまでに答申をするということにきまったようでありますが、そういたしますと、来年の苗しろまきの後にならなければはっきりしない。一体、来年のたとえば酒米であるとか、あるいはもち米であるとか、あるいはオカボであるとか、オカモチであるとかいうような作付の心がまえというものは何によって示されるのです。ことしの春などは、田植えを終わってから酒米の指定地域などをいろいろ動かしたりやっておるわけです。そういうことは米作農民を混乱させるものなのです。やはり、来年の植付はことしから心がまえをし、ことしからちゃんと種の心配をしなければならないことは大臣だってわかるでしょう。苗しろにまいてしまってから、田植えをしてしまってから、それらのことが明らかになって、一体どうして農民が安んじてその業に従事することができると思いますか。そういう点で、私は、本日特に大臣に出席をしてもらって、この方式についてもっと政府としての明確な態度を示してもらわなければならないと考えたのです。どうですか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○福田国務大臣 格差をどうするとか、あるいはもち米の値段をどうするとか、そこまでただいま来年の問題を決定いたしがたいのです。それで、今私どもがやっておるのは、衆知を集めまして、それで今後の算定方式をどうするか、こういう問題ですね。今、その審議会になぜ具体的な提案ができなかったかということですが、私ども鋭意検討はいたしておるのです。でありますから、いろいろな資料等も整えておりますが、しかし、これが夏の政府の案と比べましてよりベターである、これならば皆さんにも御了解願えるというような案を今不幸にして持ち得ないのです。そこで、遺憾ながら抽象的なお諮りをしておる、こういうわけなんです。小委員会の方でも勉強していただきまして、なるべくすみやかに成案を得まして、私どもの意見を固めていきたい、かように考えております。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 それならば、米審のこの答申が行なわれた場合に、今度は、かりに、それは私が言うようなことでなしにやはり八〇%バルク・ラインを内容とする生産費及び所得補償方式という答申が行なわれたとして、大臣はそれを取り入れる用意がありますか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○福田国務大臣 これは、仮定の議論で、いろいろ前提もあることでありましょうから、今その案についてどうのこうのということを私が言うことはできませんが、十分検討してみる用意はあります。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 この問題は、実は議論はもう尽くされておる問題ですから、私はこれにあまり多く時間を要する必要はないと思っておるのですよ。だから、端的に聞いているわけなんです。  そうなりますと、さっき申し上げたようなことで、生産農民は非常な不安に襲われる。来年の営農方針を立てるにあたっても、ほとんどよりどころがないということになる。そこで、それは米審の皆さんの努力に待って、なおまたいろいろな角度からその問題を取り上げて、やはり算定方式というものだけはすみやかに確立するように努力してもらいたいし、われわれもいろいろな角度から努力をいたします。  次に、さっき申し上げたように今度の諮問の仕方の問題であります。米審の記録を簡単に調べてみたわけでありますが、どうも今までの歴代の農林大臣の意見と非常な相違がはっきりしておるのですね。たとえば、米価は、生産者だけでなくして消費者を含めた国民経済全体の立場から検討すべきだ、それから、算定方式全体をきめるときには需給事情も考えに入れるのがいいと思う、こういうことも言っておるのですね。これは間違いありませんか。——そういたしますと、さっき言ったように、食管法の第三条の精神と非常にかけ離れた考え方になるのです。私も米審にも三年ばかりおりましたし、自来この委員会におりますけれども、歴代の大臣で需給事情を中心にして米価をきめるというような答弁をしておる大臣はかつてないのですね。そこで、さっき言ったように、国際的にも貿易自由化というような問題がガットの総会等に出ておる。国内では需給の事情がだんだん緩和しつつある。こういう情勢のもとに、今度は農林大臣の腹がまえが、食管法の第三条のこの考え方よりもずっとずれた答弁をしておるのですね。これは、食管法第三条の拡大解釈ともとれるし、あるいは食管法第三条を改正する意図があるやのようにもとれるわけですが、どちらなんですか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○福田国務大臣 私は、法律の解釈として、食管法の第三条を拡大も縮小もいたしません。そのまま解釈しておるのであります。それから、なお、実態といたしまして、国際事情の変化等に応じて政策を変えていくという考え方も持っておりませんし、また、さらに、最後にお尋ねの法律を改正するのではないかというような話でございますが、ただいま法律を改正しようという考えは持っておりません。それで、食管法では、私は法律家でありませんから、どうもそう詳しいことを申し上げかねますが、私は私なりに——経済事情を参酌し、かつ再生産を確保することを旨として考えるべし、こういうことになって、これはその方式を具体的にどうするかといえば、いろいろ議論のある法律だろうと思います。思いますが、出てきた方式というものが現に生きておる経済事情と非常に離れておるということでは、私は、私の念願とする集荷・配給の統制の制度の維持に重大な支障を生じてくるのではないかということをおそれておるのです。平たく申し上げますれば、これは生産費並びに所得補償方式という方式を取り入れますが、なるべくその取り入れた結果が大きな常識の線のそれないものであってほしいということを考えておる次第でございます。しかし、とにかく、米価審議会という制度があって、それにお諮りをするという建前でございますから、この方面の御意見もよく承ろう、こういうふうに考えておる次第でございます。  それから、もう一つ、私が需給事情を中心にして考えるというふうなお話がありました。私はそうは考えておりません。法律には、生産費、それから物価、経済事情を参酌し、再生産を確保することを旨として定むべし、こういうふうに書いてありますので、その法律通り考えておりまして、決して需給事情が中心であるというふうに申し上げているのではありませんから、それは御了承願います。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 もとより米価決定にあたっては消費者の立場等を全然無視してやるわけにはいかないと思うのですが、ただ、やはり、考え方の基本的なものに、あまりそっちの方に考慮を払い過ぎることになると、勢い生産者の利害というものを無視した考えになるおそれがあるので、この点はかなり重要だと私は考えておる。  それから、需給事情から申しますと、食糧庁で出された資料の中でいつも議論になるのですが、エンゲル計数のことが出ておるのです。二十六年当時は五四・四%であったのが、三十三年は四五・七%にまで低落しておる。さらに、三十四年は、一—六月だが、四四・八%というふうにエンゲル計数がどんどん下がっておるのです。のみならず、別の点でやはり指摘されておるように、所得が上がれば〇・五%程度米の需要が伸びておるという資料も出ておるのです。そういうような点から見て、需給事情というものを参酌しても、私どもは、今の消費者米価を動かさないという大臣の言明がある限り、消費者にとっては非常に有利な情勢になりつつある、こういうふうに考える。  そこで、その根本的な問題になるけれども、これはどうも政府の部内でも、食管会計に赤字が出るから生産者米価を上げられない、あるいは消費者米価を上げろというような議論も出ておるようでありますね。新聞等に散見されるわけでありますが、いわゆる食管制度というような国民の食生活にとってきわめて重大な制度をとっておる限り、国が二百億や三百億の負担をするということは当然だ。生産農民の生活も経済も安定させ、また消費者の方も安定させていくという大きな役割を果たす食管の制度のもとにおいて、二百億や三百億の国庫負担というものは当然じゃないか。八千億に及ぶところの、特別会計としてはわが国ではおそらくこれに及ぶものはないわけですが、そういう大きな会計の中で、国民生活の全体を安定させるために大きな役割を果たしておるこの制度のために、その程度の赤字のために消費者米価を上げなければならぬとか生産者米価の引き上げは困難であるというような議論をすることは本末転倒もはなはだしいと思うのですが、この点について大臣の御所見を伺っておきたい。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○福田国務大臣 それは程度問題じゃないかと思います。私は、食管会計で赤字が少しくらい出たからといって、そう騒ぐ必要も程度によりましてはないと思いますが、しかし、一面において、一万二千六百円というような説もありますね。そういうようにしたらどれくらいの赤字になるか。おそらく千億円以上の赤字になるのでしょう。消費者米価を上げないで、そういう赤字が出て、これを一般会計から埋めるということになったら、この管理制度が続いていくかということを考えると、私は非常に重大なる危機に立ちはしまいかというふうに考えます。ですから、赤字論は程度問題で、私自体といたしましてはそうかたい考えは持っておりませんけれども、しかし、これが非常な重圧になってくるということになりますと、私は、制度の根本に重大な危機をもたらす、かようなことをおそれておるわけです。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 これはいろいろ見解の相違もありますが、私どもはそのように考えております。制度の問題は別といたしまして、先ほどもちょっと指摘しておいたのでありますが、今度の資料をずっと読んでみますと、時期別格差の問題、予約加算の問題、もち米加算というようなものを整理改変することがいかにも必要であるかのような印象を与えるように、これはできておる。そういう意図のもとにこれは書かれたように私は受け取っておる。何かそういう意図があったのじゃないですか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○福田国務大臣 何ら特別の意図はない。客観的に調べておるものをありのままに出しておると思いますが、私も実はあまり読んでおりませんから、必要がありますれば政府委員から答弁させます。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 なぜそういうことを聞くかというと、実は、米審が開かれて旬日ならずして、いわゆる大蔵当局の意見なるものが新聞に大きく発表されておる。それを見ますと、予約加算、時期別格差、あるいはもち米加算等を整理改変することによって生産者米価は値下げすべきであるということが伝わっておる。一体これはどこから出ておるか、だれの意見であるかというところまではつまびらかでないのでありまして、できればこれは大蔵大臣でも呼んで明らかにしたいと思いますけれども、農林省がいかにもそういうふうに受け取れるようなものを示しておる。大蔵省は、それに呼応して、米価の値下げをすべきである、値下げをするにはこういう問題とこういう問題があるということを主張するような材料をこれによってちゃんと与えておる、こういう感を深くするわけです。ですから、私は、そういう点でやはり問題提起の仕方に問題があると考えております。大臣はよく資料を読んでいないということであるけれども、事務当局は少なくともそういう意図のもとにこれは提出されておると考えざるを得ないのです。  そこで、次に移りますが、米審で、大臣は、大幅な引き上げというものは妥当ではなかろうと思う、こういうようなことを言明しておる。大幅・小幅といってもいろいろございまして、百円で大幅だといえば百円も大幅、千円で大幅といえばこれも大幅、これはわからぬことでありますが、予算米価としては、本年度の実行米価の一万三百三十三円を予算米価に織り込む意思であるということも明らかにされておる。そういたしますと、昨年に比較して八十三円だけ引き上げられておるわけです。一体、大臣は、大幅・小幅というものをどの程度にお考えになって申おるのか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○福田国務大臣 それはいろいろ客観的な情勢もありましょう。そういう情勢等も見まして、この辺がいろんな角度から見て一番常識的であろう、常識にはずれる価格が生まれると制度自体が運行できなくなる、こういうことを申しておるのです。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 制度自体にどの程度ひびが入るか、これはいろいろ見解もありましょうが、今の日本の状況では、今直接統制をはずしたりあるいは間接統制に移行したりしたら大混乱に陥ることは明らかなんであって、そういう説をなす者はあるけれども、それは、米というものの事情あるいは食管制度というものにあまりにもなれ切っておるがゆえに、その効用をよく理解しない人のなす説であるとわれわれは判断しておるわけでありますが、少なくとも、大多数の農民がその生産費が補償され同時に所得が補償されるという、こういう算定方式をすみやかにやはり確立さるべきであると思います。  そこで、さっき御議論になりました米審の答申ですね。これはさっき申し上げた通りなんで、早く出ないと明年度の作付の計画が立たないということとつながるわけでありますが、一体いつごろまでに答申が行なわれることを大臣は期待しておるのですか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○福田国務大臣 なるべく早く出していただきたいということをお願いをいたしておるわけなんです。さように米価審議会の席上でも申し上げておるわけですが、まだいつごろまでにお出し願うというふうな御返事には接しておりません。これからいよいよ小委員会が持たれようという段階でありますので、もう少し推移を見ないと見通しはつかない、かように考えております。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 この点は、どうも、政府の協力のいかん、小委員会並びに米価審議会に対する政府の協力のいかんによって、早くもなり、おくれもする問題であろうと思うのでありますが、やはり、大臣が今言われたように、本気になってなるべく早く答申されるように、政府側でもいろいろの資料を提出されるなり、いろいろの点で協力してやっていただきたい。  この根本論についてはなおございますけれども、時間がおそくなりましたので、次に、こまかな問題のようだけれども、実は大きな問題が一つ残っておる。それは、先般参議院の農林水産委員会で小笠原委員が余ますの問題で質問をしている。これは本委員会においても私は触れておったわけでありますが、農産物資規格規程によって六十キロでよろしいということは、これはもう繰り返すまでもないのであります。大臣もその通りに答弁をされておったわけであります。  ところが、その小笠原委員の出身地である岩手県でその問題が非常に大きな問題になっている。これは、岩手県だけの問題ではございませんで、今全国に大論争を起こしておるのです。これは一体どういうことかというと、岩手県では、農協の大会で、この問題に対して、大臣の言う通り余ますというものは入れないで六十キロで検査するようにしたらどうか、農林大臣は一俵六十キロあれば買い上げるとはっきり答弁しているが、これでも県穀物改良協会としては余ますを全廃する指導をする気がないのかと詰め寄った。これに対し、県経済連の専務は、穀物改良協会の立場から、余ますは今の段階において廃止するつもりはないと次のように答えた。一俵当たり四百グラムの余ますの問題に対して、農林大臣は六十キロあればよいと答弁し、また自然減量も認めると言葉で言っているが、公示されていないので、改良協会はあらためて単協へ余ますの問題で指示する気持はない、一俵当たり四百グラムという余ますは、県内で年間ざっと五千万円に及び、百五十俵に対して一俵が余ますとなっている勘定である、余ますは本県だけで行なっているものでなく、全国の農民が自主的に行なってきたことだ、岩手の米は水分の多い軟質米のため、三等米の水分を一五%まで受けつけるという農産物検査規格なのに対して、一%下げて政府は買っている、これは四百グラムの余ますがあるからという考えも成り立つ、一俵当たり一%の水分量を米に換算すると九百グラム、四合に値し、各米等級の格差が百五十円となっているので、もしここで余ますを廃止したあとに農産物検査規格そのままで検査されるようであれば、生産者は余ますどころではない不利益を見ることになる、六十キロぎりぎりのところで検査を受けるとなれば、一俵々々数量検査をしなければならない、そうなると、検査員や農協検査担当員を大幅に増員しなければならないだろう、それに乾燥によって目減りする面も考慮しなければならず、乾燥による自然減量を〇・二%に押えるとすれば、一%もの減量を見ている農協の臨時倉庫を新しく建て直さなければならないことになる、これには県下で六億円、組合員一人当たり一万円の出資増を必要とすることになる、こうした点からして、県改良協会としては、政府が自然減量を認めると言っているものの、これが言葉だけでなく数字を示して正式に指示してこない限りは、現在のまま余ます指導を廃止するつもりはない、こういうことを言っておるのです。  そうしますと、明らかにここにこういう点が問題になってくるわけです。第一に、公示されないからできないということが一つ。それから、水分含有量を、余ますを入れるから一%よけい認めておるということ。第三点は、農協の検査担当員を増員しなければならないという問題。それから、もう一つは、臨時倉庫というのをふやさなければならない、それがために農民の増資をしなければならぬ、こういう問題。それから、最後に、今度は自然減量補償の責任問題。この五つの点がここではっきり出てくる。私は岩手県の農協の大会に出た問題をなぜここで問題にするかというと、これと同じようなことが全国各地に起こって論議の対象になっておるから、そこでこれに対する見解を明らかにしておきたい。これは具体的な事務的なことですから、長官でけっこうでありますが、大臣にも聞いておいていただかなければならない。公示の問題は最後に回しますが、水分含有量の問題、これは地方によって一五%、一六%、一五・五%というふうにそれぞれ違っておることは御承知の通り。そこで、検査をする場合に、検査員は、量が五合ほど多くなっておるから、農産物規格規程は一五%だけれども、一六%あってもこれを認めるという、こういう検査をやっておられるかどうか、この点を一つ。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 余ますの問題につきまして、先般参議院の農林水産委員会で御質疑がありましたことに対しまして、われわれが方針を明らかにいたしましたことは御承知の通りであります。ただいま御指摘の点につきましては、軟質米自体と硬質米自体とでは、御承知のように水分含有量につきましてすでに規格が変わっております。これは、それぞれの米の特性に応じましてそういうふうにきめておるわけであります。余ますの問題とは直接関係はないわけで、今後におきましてもその考え方を続けて参りたいと思っております。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 当然そうあるべき問題だと思うのです。大臣はだいぶ急がれておるようでありますが、五項目を実は全部やって、それから大臣に一体公示の問題をどうするか聞きたいと思ったのです。今申し上げたように、きわめてあいまいな点がたくさん出てきておるわけです。そういう点をだんだん明らかにいたしますが、せんだって大臣が答弁されたように、これは規格がちゃんときまっておることだから、よけい入れなければならないとはだれも言えないわけなんです。ところが、今言うように、他の四点も全部ここに言っておることは非常な誤解に基づいておる。非常な誤解をしておるのです。検査員の増員の問題でもその通り。検査は農協が責任を負ってやるのじゃないのです。これは政府がやるのです。ところが、検査が繁雑になるおそれがあるが、そうなれば農協で検査員を増員しなければならぬ、こう言っておる。これは間違いですね。以下全部詰めていきますけれども、そういうふうな事態が明らかになったならば、やはり政府はこれを公示する責任が起こってくると思う。そうでないと、検査にあたって大混乱を生ずることになる。これらの問題について、やはり大臣は大臣の責任において公示する責任がある。大臣が国会において答弁したことによって全国に非常な混乱を巻き起こしている以上は、大臣はやはりそれに対してちゃんと結論をつける責任がある。そういう意味で、私は無理は言いませんよ、ちゃんとこれから長官のところへ一々詰めていって、正しいことについてはやはり公示をすべきである、こう思うのですが、どうですか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○福田国務大臣 先般私が参議院で応答した趣旨に従いまして、すでに食糧庁の下部機構にはその旨を指示して、これが周知徹底されるようにということをやっておるわけなんです。今混乱があるというような話でございまするが、おそらくそういう指示が届いた前のことであるかもしらぬような感じもするのです。もしその後の事態でありまして、なお当局の意図を明確にした方がいいという事項がありますれば、これはもう当然さようなことは明らかにいたします。これはもうあの考えておる通りのことをよく申し伝えることにいたします。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 今大臣のお話で、あるいはそうかとも思うのです。大臣が参議院の農林水産委員会での御答弁は十一月十三日です。ところが、この大会が持たれたのは十九日であります。しかし、やはり特に新潟県等も青年諸君などの間に非常な論争を巻き起こしておりますから、もうすでに指示されておるということであるけれども、何らかの方法で十分周知徹底をはかられるように、さらによく実情を精査されて、もう一度やる必要があるならば何か適当な会議なり何なりで周知徹底をはかられるように希望を申し上げて、私の分は大臣の関係はこの程度にしておきます。  それでは長官に一つ伺いますが、今も申し上げたのでありますけれども、検査担当員の増員の問題ですね。これは、中には、農協側で一時に多量の検査を受けなければならないような場合に補助員というようなものを出しておるところもあります。これはわれわれもよく知っておるけれども、これは、農民の便宜もはかるという立場から若干補助員を出すという程度にまでわれわれはかれこれ言うつもりはないわけでありますが、しかし、検査に若干ひまをとるから、そこで大増員をしなければならない、それが農民の負担に帰するというようなことはあり得ざることであると思うのでありますが、どうでしょうか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 今回の余ますに対するわれわれの考え方を明らかにいたしましたことと関連をいたしまして、実際の検査の体制等を今後どのようにして強化するか、具体的には農協等で御相談をいただきますか、それはそれぞれの現地の状況によることでありますが、私どもの考え方といたしましては、今回の処理方針によりまして、特に検査の実務の面で著しく変わって参るというふうには考えておりません。と申しますのは、現在も正味看貫は大体五%基準というようなことでやっておるわけであります。今後におきましても、その割合をふやすというようなことは、目下の段階では考えておらないわけであります。今後実際に出て参ります米につきまして、検査の状況等をさらに具体的に検討いたしまして、将来あるいは検討しなければならないというような問題が起こるかとも予想されますが、目下の段階では、検査の体制そのものをこの際の措置と関連いたしまして大幅にかえるということは考えておりません。従いまして、農協等から補助員を出してもらっておりまするような場合におきましても、そういう協力面において大きな変化があるということは考えておらないわけであります。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 今度次の点ですが、臨時倉庫という表現を用いておるわけですが、倉庫はやはり国の委託ということになる。従って、倉庫が利用率が減る、これはことしの十一月から実施された等級別はいつけ等によってかなりその点も出て参っておりますけれども、その他にやはりそういうふうなここで問題になった問題がありとしても、その倉庫の増設をする場合に、これはもちろん農協側で出資によってしなければならないかもしれないけれども、単に余ますだけの問題で倉庫をふやさなければならないというような事情が一体あり得るかどうか、私どもは常識としてあり得ないと思っておる。さっき言ったように、等級別はいつけ等を行なえば、それは若干影響があるかもしれない。ただ余ますを廃止したために倉庫が狭隘を感じて、そこで臨時倉庫を必要としたり倉庫を増設しなければならないという理由は考えられないのですが、どうでしょうか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 余ます廃止と倉庫の改修なり新設の問題を結びつけて現地でいろいろ議論をされておるようでございますが、これは、ただいま石田委員御指摘のように、直接何の関係もない問題であります。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 最後に、ここで問題になった自然減量の問題でございますが、米というものは生きものですから、若干の減量は当然あるわけだと思う。そこで、それがために、政府の方では、この制度の中で、減量については、量において二%、卸の段階で〇・〇五%、小売の段階で〇・五%、こういうものが見込まれておると思うのです。見込まれておるとすると、ここで今指摘されたような責任問題というものが生産農民にまで追及されるということは考えられないですね。この点についての見解を明らかにしておいていただきたい。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 その点につきましては、今回の余ますの問題に対するわれわれの方の考え方を申し上げます際に、第一の前提に置いた問題でございます。政府で買い入れましたあとの自然減耗は、政府の責任においてこれを処理するという考え方を前提に置いて考えておるわけであります。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 それでは、先ほど私が提起いたしました問題は、大体以上の五点に集約されると思います。大臣がはっきり言明をいたしておる通りでありますので、長官の方でもその趣旨を徹底するよう手配を願いたいと思います。  最後に、一点だけここで確かめておきたいと思うのでありますが、余ますの問題と関連いたしまして刺し米の問題がいろいろ出て参ります。先般この委員会でいろいろ質疑を申し上げたのでありますが、どうも、その検査についてのこまかな点については、統一見解があるようなないような、きわめてあいまいなことであったわけであります。刺し米というものは農民に還元すべきであるという私の主張に対して、量日検査をした後に品質検査をやって、刺しを抜けば、その分は減るからというお話があった。それは当然なんです。品質検査を先にして量日検査をあとにすれば、その刺し米というものは当然農民に還元さるべきもので、私はその点は割り切れるじゃないかという意見を述べたら、総務部長は、そうすればその通りだ、こういうことを言っておったわけです。そこで、先般総務部長とも内談をいたしました際に、新潟県等においてはこの刺し米もかなり大きな量に上りますので、その刺し米の処理でいろいろ実は問題があるわけでありまして、それを今度は根絶する意味において、今いろいろ議論がありましたように、六十キロ検査はもちろん問題ではない、刺し米の分については、やはりそれに該当する握りくらいのものはこの六十キロのほかに加算しておいて、そのかわりその分は農民に返す、こういうような措置にしてはどうか、現に北海道では何年前からかこれを実施しておる、こういうお話であったわけでありますが、ただ、その際、部長は、新潟県内の農業団体、農民団体等が意思統一ができて、それが全部くまなく了承されて実施されるならば、それでよろしい、こういう話があったわけです。私どもまだ意思統一をはかっておりませんけれども、県内の各農業団体、農民団体の間で意思統一をはかって、明年からはこれを実施したいと思うのでありますが、長官の意見を一つ伺っておきたい。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 刺し米の処理につきましては、ただいま御指摘のように、必ずしもその処理の方法が全国的には統一をされておりません。北海道においてやっております方式、それから新潟のやり方、また同じ東北の中でも秋田、山形等のやり方、みなそれぞれ違っておるわけであります。だんだんこういう問題もいろいろの事情によりましてこまかく検討されるような段階になっておりますし、私どもといたしましても、その扱い方等につきましてはできるだけ方針を統一するというような方向へ持って参りたいと考えております。ただ、問題が問題だけに、現地の事情も多分にあります問題でございますので、現地の集荷団体なりそれぞれの関係団体等の御意見も十分に徴してきめなければならぬと考えております。ただいま石田委員から御指摘の方法につきましては、さらに私どもの方で十分に検討していきたいと思います。      ————◇—————

永田亮一自由民主党

○永田委員長代理 次に、農林水産業の振興に関する件につきまして調査を進めます。  風倒木の処理問題について質疑の通告があります。この際これを許します。  小沢貞孝君。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 私は、先般の七号及び十五号台風によって国有林がだいぶやられた、その風倒木の処理との関連において、三、四の問題について林野庁長官外関係者に御質問をいたしたいと思います。  まず第一には、私どもも現地を視察いたしたのですが、たとえば長野県の状況は、関係者で死者一名、重傷一名、軽傷三名、あるいは住宅の関係者の被害が、全壊と半壊と合わせて六百四十四戸、立木の被害は四百数十万石、計画伐採量の五年ないしひどいところは十年分だということ、被害額で言えば六十億ないし百億の被害があったというような調査が出ているわけです。そこで、私ども現地を見まして、たとえば急峻な山がもう全部木が倒れてしまって、いわば皆伐と同じような状態になっている。全部切られたと同じような状態になっているというところが多数あるわけです。木曽谷のところなんですが、そういうようなところは、私はこういう心配をするわけです。倒れた直後はいいのですが、二年、三年たって根が腐ってくると、その急峻な山が、根の腐りから、何か水が入るかひび割れが入るというようなことが起こってだんだん崩落が起こってくるのではないかという心配をするわけです。これは、あの地方へ行ってみると、住民はみんなその心配をしているわけですが、この対策については一体どういうような計画を立てているかということをまずお尋ねしたいと思うわけです。  これは過去のことで私も実情をよく知りませんけれども、長野県の西筑摩郡開田村、その近くの木曽谷の中に、三森山という国有林を払い下げたところがある。そこに行くと、見渡す限り全部切りっぱらってしまったわけです。切りっぱらってしまったために、一回も水害にあったことのない開田村の奥の何とか川という川が、ことしは大被害をこうむったということで、被害の現地調査に私たちは行ったわけです。そこの古老の言うのには、ああいう上流を切られてしまったがためにこの大災害にあったのだ、この責任は林野庁にみんなあるのだということを盛んに力説するわけです。こういうふうに、現実に、去年かおととし切られた三森山の被害が、ことし下流に現われているわけです。そればかりでなくて、ことし倒れたそのものに対して、根が腐ってしまうというようなことから、二、三年後には崩落その他が続出するのではないかということを心配している向きが非常に多いわけです。これに対してはどういうような災害対策を講じられているかという点をまず第一点としてお尋ねをいたしたいと思うわけであります。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 七号並びに十五号台風によります風倒木は、国有林におきまして七百万石をこしております。中でも、長野営林局管内におきます風倒が全体の国有林の七割弱を占めておりまして、四百九十万石にも達するような状態であるのであります。これに対しまして、これの利用価値その他の点にかんがみまして、できるだけ早期にこれを処理するということが望ましいのでありますが、このためにまた一般の木材価格その他に悪影響を来たすということもあってはならないわけでありまして、それで、早期に、しかも一般木材に関係のないような方向でこれを処理いたしたいと考えているのであります。この風倒木跡地が、お説の通り、今後の災害というものに大きい関連を持つわけでありまして、われわれといたしましては、予備費を流用いたしまして治山事業を強力に実施するということを考えておるのであります。この災害によりまして崩壊等をいたしましたところについて、それの土砂流出を防止する堰堤その他の施設をいたしますことはもちろんでありますが、なお今後崩落等のおそれの顕著なものに対しましても、予防治山という考え方に基づきまして必要な施設もしていきたいという考え方でこれの保全には臨みたいと考えております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 当面のことしの予備費の流用だとか何とかを強力に実施するということは大へんけっこうなことです。特に予防治山ということに重点を置かれて、特に今年ばかりでなく来年度以降も継続的にやっていただかなければならないと思います。古老の言うには、二、三年後には必ずあの根が腐れば急峻な山は崩壊してくるのだということで、こういうことをわれわれ非常に憂えているわけですから、その点については万遺憾のないように一つ御処理をお願いいたしたいと思います。  次には、今長官も若干触れられましたが、風倒木の処理といいますか、払い下げの計画性の問題だと思います。これは、一ぺんに払い下げられると業者としては値が下がって困るしという心配もあり、安くは払い下げてもらいたいしという点がありますので、そういう計画性は具体的にはどういうように立てられておるかという点をお尋ねしたいと思うわけです。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 長野営林局の風倒木の処理の大要を簡単に申し上げますと、経営伐採を予定しております個所をできるだけやめまして、風倒木の伐採をするように変更をして参りたいということ、それから、風倒木処理につきましては、直営生産を予定して、現在行なっている場所の隣接にありますものは直営生産事業をもって処理を行ないたい、そういう地域でないものは流木処分を行なうということ。被害の調査は大体長野営林局におきましては二カ年くらいを費してやらなければならないというふうに考えております。風倒木の処理は、三十四年、三十五年の二カ年でできるだけやりたいと考えておりますが、ただ、木曽地方等のヒノキ、サワラというものを中心といたしまする地域は、地形の関係、搬出設備の関係等からいたしまして三十六年度以降にも幾分残る、翌年度以降にも処理をすべきものが残ってくるというふうに考えておるのであります。特に全体的に申し上げますと、木曽のヒノキ、サワラ等はそういう考え方で大体いけると思うのでありますが、北佐久その他の方面におきますカラマツにつきましては、民有林材にも相当の被害が出ておる関係もございまして、それと、さらにまた坑木その他が本年度の災害復旧等の関係で相当の需要もあるのではないかということも予想されますので、そういうものの需要、民間の生産の工合というものも見まして、大きく言えば木材価格とか需給等に悪影響のないような措置を講じて参りたいというふうに考えている次第であります。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 そういう工合に万全の措置を講じてやっていただきたいと思います。  次に、実は私は昔上田で県会議員を八年近くやっておりましたが、荒木貢格という、元県会議員で今上田の近くにある真田町の町長をやっておられる人からも聞いた話ですが、七号のあとのときかとも思うのですが、あの関係町村、長門町の小林茂夫町長、あるいはまた武石村の永井村長、その他この荒木貢格町長も同じですが、あるいは青木村村長の宮原栄吉さん、和田村村長笹井勇夫というような方々から、被害の応急復旧等の問題について早く営林署では処理していただきたいというようなたびたびの陳情もあり、要請もあって、公式な書類も出ているわけです。しかし、こういうのがあまり芳しく進んでおらないということで、たまたま荒木町長なり何なりが営林署にどなり込んでいった、電話でさんざん催促するというような事態が起こっておったようです。実は、その後十五号台風はたしか九月二十六日にあったわけです。先ほど申し上げた六十億ないし百億という大被害は、主として第十五号台風で、九月二十六日です。そういうところで、関係市町村長は、災害救助あるいは応急復旧工事等にすみやかに営林局、営林署の善処を要望するという声がちまたにあふれておったわけです。しかし、どうも、地元の関係者から聞いてみると、営林署の方や局の方はその方には無関心であって、どうも思うようにやっていただけないというような非難の声が私たちのところにも聞こえてきたわけです。私たちは、現地視察のときに、関係市町村長から陳情のあったのを現地においてなるべく早く処理していただくように実はお願いをしておったわけですが、必ずしもうまくいっていなかったようです。ところが、その後私が様子を聞いてみると、どうもピントのはずれたようなことについて長野営林局は力を注いでおったということがだんだんわかって参りました。そのことについて実はきょう質問をしたいわけです。  たとえば、十月十二日から、——これは十五号台風のすぐあとです。長野営林局から経営部長が出かけていって、飯山、長野、上田、岩村田、臼田各署の関係課長を集めて会議をやるとか、十四日の日には中南信ブロックの松本の御母家研修所に集まって、これは前田総務部長さんほか局から六名も出ていって、大町、松本、諏訪、伊那、駒ヶ根、飯田、こういうところの人たちを集めて会議をやるとか、木曽はまた二つに分かれて、木曽の北部の方では福島町で、木曽の南部においてはそのあくる日大桑村大だて屋旅館に集まって、朝から晩まで会議をやっているというようなことがだんだんわかって参りました。その会議の内容が風倒木の処理や地元の要請にいかにこたえるかというようなことであるならば、私どもは地元として営林局の協力を仰がなければならないその協力態勢として歓迎すべきことであったのでありますが、実はその内容は違っておったわけです。この忙しいてんてこ舞いをし人が災害で困っている最中に組合対策を一生懸命でやっておられたということを実は聞いたわけなんですが、長官は一体、この災害の直後のみんな頭にきて早く災害対策をやらなければならないというときに、こういう会議をわざわざ持たしてやるようなことを指示したのか、現地でそういうことをやっていることを承知なのか、その辺のところをお聞かせいただきたい。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 災害の発生に伴いまして、地元の公共団体あるいは一般の方々の復旧に木材の面でできるだけ協力していくということは、もちろん営林局での大きい責任であるように思うのでありまして、われわれといたしましては極力それに対応していかなければならないというふうに考えて、営林局にも指示しているところであります。今先生のお話のありましたように、関係の営林局の者がそれぞれ管下の営林署の者を集めまして打ち合わせ会議等をやっておったということは、これは当然にやるべきことではありますが、その内容が、今お話のありましたように組合だけの問題であり、一般の必要な業務というものに対しては何らの打ち合わせもしないじゃないかというふうには私たちは了解してないのでありまして、一般的な業務につきまして打ち合わしたものだと考えておる次第であります。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 一般的な問題について打ち合わしたということがはっきりわかっておるわけですか。私はその会議の内容がどういうものであるかということを知っておるわけです。ここで一般的なことを打ち合わせしましたという自信を持って言明できるわけですか。これは後藤職員課長さん一つ答弁して下さい。今の長官の答弁は正しいことかどうか。

後藤傳一郎農林事務官(林野庁林政部職員課長)

○後藤説明員 実は、先ほど御指摘なさいましたような特殊な情勢でありまして、こういう情勢に応じた事務的に必要な会議をいたしたものと考えております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それは内容が違うのです。これは、われわれも、常識的には、そういうときには地元の災害に対していかに営林局は対処するかということを会議をやっていただけるのが当然だと思ったのですが、会議の内容は実は違っているのです。いかにして組合を弾圧するか、従来の労働慣行というものを破棄するようなことを考えたり、職場大会は認めないような方向に持っていけとか、労働協約は局の指示を得てから結べというような労働対策だけに幾日も幾日も費やしておったという事実なんです。そういうことがだんだん県民にわかってきて、一体営林局は何をやっているかという非難の声がわき上がってきたので、私はこういう営林局の態度に対して是正を要望しなければならないと思ってきょう実は緊急質問に立ったわけです。これは事実間違いはありませんか。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 先ほどお話もありました通り、あるいはもちろん組合等の問題についても話が出たかと思いますが、一般的な必要な業務についての打ち合わせをしたものだというふうにわれわれは了解しております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 この打ち合わせをしたことが、一般業務のことに関して打ち合わせばほとんど何もなくて労働対策だけをやっているわけです。どういうことをやっているかというと、労働組合が言うようなことを言っているわけです。労使の間というものは力関係である、だから力でもってやっつけなければならないのだ、こういうようなことを堂々とその会議で打ち合わせをして、しかも秘密裏に会合をして、署や局のジープを使わずして一般のところのものを雇ったりして秘密にみんな集めて、そんな会議ばかりに終始しておったわけです。これは私の方がよく知っているのです。そういうことは局長の方までまだよくわかっていないかもしれません。こういう実態なんです。一体、こういうことを長野営林局はやっているのだけれども、これでいいかどうか、そういうことに対する判断をお聞きしたいと思うのです。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 先ほどお話しいたしました通り、われわれといたしましては、一般的な業務というものを目標にして打ち合わせが行なわれておるというふうに了解しておりますので、御了承願いたいと思います。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 これは押し問答になりますから、私はここで念を押しておきます。私が言っていることが正しくて長官の言っていることが正しくないとわかった場合には、一つ取り消していただいて責任をとっていただかなければならない。これは大問題なんです。地元は、何十億という被害で、人が死んだり何かして大騒ぎしている最中です。殺気立っている最中なんです。そういうときに秘密裏に人をあっちにも集めこっちにも集めて、署長や課長あるいは局からも人が出ていってそういう会議をやっているということは、長官には報告はなかったかもしれませんけれども、現実にやっているということは、これは重大な問題なんです。林野庁は民衆にサービスをしなければならないし、民衆の声を大いに聞いて地元の人々にこたえなければならない立場のものが、こういうことをやっているということは、営林局にいる、長野にいる人の感覚がずれているのじゃないかというふうに思うわけです。何も私は組合の応援をして言っているわけではありません。一般の人からそういう声があり、たくさんの陳情をされた人からも私たちは話を聞いているので、そういうところから考えると、局のやっていることは、まるで時代感覚のずれた、大衆の意向とまるっきり離れたことをやっている、こういうことを考えているからこのことを質問したわけです、これはまた白黒を明白にしていつかの機会に一つ長官にお尋ねを実はいたしたいと思うのです。  それで、このことと関連をして伺いますが、七月から九月にかけてばかに大ぜい人事異動を急激にやったわけです。たとえば、総務部長は、二ヵ月ばかりたったらば前の総務部長をやめさせて前田総務部長を据えたとか、その他の課長もだいぶ入れかえをしたというようなことをやっているわけですが、特定な意図を持ってやっているというような工合にわれわれには感ぜられるわけです。これだけの風水害があり風倒木があったときだから、なれた人がずっと続けてやればいいじゃないか、地元の人も顔なじみだから、よく行って頼むこともできるしというように、だれが考えてもそういうように常識的に考えられるけれども、この人事異動たるや、まことに、ある特定な意図を持ってやっているというようにわれわれには考えられるわけですが、この七月から十一月ごろにかけてどれくらいな人事異動を、だれをどういうふうにしたか、それをちょっと教えていただきたいと思うのです。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 七月からとはっきり実は記憶していないのでありますが、本年の夏から秋の初めごろにかけまして全国的にかなり大幅な人事異動をやったのでありまして、それの具体的な内容を今申し上げるというのは、記憶にありませんので、必要ならば後ほど調べましてお答え申し上げます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 後藤職員課長に一つ補足説明をしていただきたい。

後藤傳一郎農林事務官(林野庁林政部職員課長)

○後藤説明員 ちょうど私所管事項ではございませんけれども、先生の御要求がありましたので、私の担当しております部面から見ました限りのお答えを申し上げるわけですが、四月とかあるいは四半期ごとに、定期的な異動と申しますか、そういうものがありますことは御承知の通りでございますが、そういう全国的な一環といたしまして、長野につきましても御指摘の期間に異動がございましたことは事実でございます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それでは、二ヵ月ばかりで総務部長をちょこちょこかえちゃうというようなことは、どっかやった例がありますか。前の総務部長がやめて、新しい総務部長を据えたところが、どうも調子が悪いというので二ヵ月ばかりでまた長野の総務部長がかわってしまったわけです。しかもそれは一日とか十六日とか普通の発令日ならばいいけれども、これはたしか九月の八日の日だったと思いますが、中途半端な日に発令しておるというような前例がありますか。長野をもって一番初めのことなんですか、これは。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 長野営林局の現在の前の総務部長の問題につきましては、同人の健康上の問題等もあり、私もその当時本人に会いまして、本人の精神状態とかあるいは健康状態等を十分見まして、その結果更迭をした方がいいという考え方に立って更迭をしたという経緯であります。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それは表面立ってはそういう答弁でしょう。健康上の理由といえば、今の長野営林局長だって大へん病気です。これは十分出勤できないような病気です。これはそのまま今やっているわけなんです。ところが、総務部長だけは、二ヵ月でもって、この者ではだめだということで、九月八日発令ということで更迭をしたという意図は、まあ私は遠回りにいろいろ言っておったのですけれども、こういうような「樹海の嵐」とかいうようなパンフレットをお宅の方で作って、これで労働問題を一生懸命で講義をして、そうして、一般の者は災害でどうしようもなく長野営林局へ行って何とか救済してもらわなければならないという際に、会議をやっているわけなんです。それも何をやっているかというと、組合対策を一生懸命にやっているわけです。そういう事実があるから私はここで指摘をしておるのです。組合対策をやるためにわざわざ九月八日なんてときに前田総務部長にかえて、それ以後には、さっき言ったように、十月幾日から四日も五日もかけて、局から六人も七人も出かけていって、署の管理者を集めて、組合に対しては力をもって対決して、労使関係なんて力で押しまくってしまえばいい、そういう会議をやっているわけです。これが適正な長野の総務部長の態度であるかどうかということを私はお尋ねをしているわけなんです。これに誤りがあったかどうかということなんです。私は何も組合の応援をやっているわけではありません。一般市民として見て、まことにピントのはずれたことを長野の営林局はやっているのではないか、こういうふうに思いますからお尋ねするわけです。どうなんですか。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 総務部長の更迭の問題につきましては先ほど申し上げた通りであります。その総務部長が組合中心の仕事ばかりをやっておって一般の仕事はほとんどしてないじゃないかというふうなお話でございますが、もちろん、総務部長といたしまして、組合の問題も大きい問題でありますし、そういうものに力を入れてやるということは当然でありますが、その他の仕事についてもやはり誠意をもってやっているわけでありまして、われわれとしてはそういうふうに一方に偏してばかり仕事をしているというふうには考えていないわけであります。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 私の方が現地でよく知っているが、長官はよく知っていますか。何時間そういう問題をやっていて、あと何時間一般の問題をしているかということを知っていますか。私は現地に行ってよく見ていて、そういうこときりしていないから、こういうことでは大衆にサービスする営林局の考え方としては間違っているということで質問しているわけです。それを、一般のことも全部やっております、その一部として労務対策をやっております、こう言っていますが、長官はそれを知っていますか。そこらじゅうの市町村長からそういう声が出てくるので、私は取り上げて言っているのです。確信を持って言っているのですが、どういう証拠からそういうことを言われるのですか。これは押し問答みたいになるのですが、証拠があるなら、私を納得させるだけの客観的な説明もしていただかなければなりません。私は事実を知っているからそれを言っているのです。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 その点につきましては、今申し上げた通りでありまして、われわれといたしましては、一々どういう用務にどの程度労力を使い、何%くらいがどういう用務だというふうには、もちろん報告も受けないし、調査したわけではありませんが、そういうふうな一般的な用務ももちろん、組合の用務も同時にあわせてやっておるというふうに考えております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それでは、こういうことは認めますか。私が先ほど来言っているようなことが事実であるならば、長野のやり方は間違っておるから、長野の方針を是正させるということを長官として言明できますか。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 先生のお話の通り、組合の仕事がほとんど全部であって、ほかの仕事はやってないというようなことでは、営林局全体の仕事がうまくいくものじゃないというふうにわれわれは考えております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 そういう実態であるから、長野営林局のやり方を改めさせていただきたい。それには、一番あとから来た総務部長の方針が組合対策だけをやっているのでこういう現実になってしまったのです。あとから来た総務部長ももう三ヵ月か四ヵ月になりますから、すみやかに更迭してもらうような方法を講ずる等、適切な処置を講じてもらいたいということをまず申し上げておきたいと思います。  そこで、災害問題について、ようやく災害諸立法や激甚地指定等ができて、現地においては一生懸命で災害対策をやっているところなんですが、今の長野営林局を私はこの間二、三日回って歩きましたけれども、やられていることはどうも組合と当局の話し合いばかりで、ちっとも一般的な要望にこたえておらないという実情なんです。最近のこの状況というものは、私は正常な状況ではないと考える。この正常でない状況が起こってきた原因というものは、ほかでもない、前田総務部長が来てから、組合との団体交渉というものは認めるな——認めるなとは言わないでしょうけれども、いろいろな項目をあげて、従来の慣行は破棄してしまえとか、職場大会は認めるなとか、労働協約は局の指示を得てから結べとか、あるいは管理者はお互いに連絡をとってしっかりやれとか、団体交渉はできるだけ事務折衝で時間をかけて引き延ばしておけとか、組合幹部の言動に注意しろとか、要するに、労務対策ばかりやっておるわけです。こういうことがどうも現地で地方の人からいろいろ文句を言われるもとだと思う。今までおとなしくうまく労使関係がいっていたのを、百八十度変えて、一般地域の人にまで悪影響を与えるようなことをやらしたのはどういうことなんですか。それをまずお尋ねしたい。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 林野庁といたしまして、組合との関係につきましては、かねがねから、労使双方で十分な話し合いをいたしまして、よりよき慣行を漸次作り上げていくということに主眼点を置いていることは申すまでもないところであります。そういう趣旨に沿ってわれわれは指導しておるわけであります。組合との関係の中におきまして当局が一方的にどうこうするというふうなことをわれわれは考えておるわけではなしに、友好的な関係の中においてよりよい慣行を作っていくということに努力すべきものだと考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 関連。  今小澤委員の方から風倒木の問題に関連していろいろお尋ねがあったわけですが、御承知の通り、私も農林省は古巣でございます。ことに、今度の長野の場合で言うならば、六、七号からさらに十五号にかけて非常に大災害を受けまして、激甚地指定の県に入ったところでございますが、先ほど来質疑応答の中でも明らかなように、長野営林局の国有林関係でも、全国の風倒木の七割からの被害を受けておる、こういう実情にあるわけです。にもかかわらず、最近の情勢を見ますと、長野営林局の当局の方は、おそらく林野庁の山崎長官以下そういうお考えで下部におろされている点が影響を与えておると思うのですが、どうも仕事は第二であって、労働対策に力を注ぐという傾向が非常に顕著に出てきております。これはいろいろな経緯から見て軽視すべからざる事実であると思う。実はかねてから秋田等で問題になりましたことで、秋田営林局長の植杉氏にだいぶ前に会ったときのことを思い出す。植杉さんともわれわれかつて同じ仲間としてつきあいをしてきたわけですけれども、参議院の北村あるいは鶴園両議員とともに植杉局長に会った際に、われわれの知らぬ間にマイクを備えつけて、いろいろ会談の内容も録音をする。あるいはわれわれの知らぬ間に映写機でもって会見の内容をとった。国会議員に対して、かつての仲間であった局長が、そういう非礼な態度に出る。それがはっきりしましたので、これはおかしいじゃないか、いや、これは従来労使のいろいろな会合のときにはこういうことをやっておるので、ついつい皆さんに失礼することになって、まことに相済まぬ、あなた方が非礼だと言われるならばフィルムを焼きましょう、こういう事態が秋田の営林局にわれわれお伺いしたときに起こった。ずいぶんひどいことに営林局の姿もなってきたものだ、こう実は慨嘆をしたわけです。最近の長野における状況をいろいろ私ども伺ってみますと、それにさらに輪をかけた状態が出ているんじゃないか。いわゆる正しい林野行政というものを願って国有林野に従事しておるところの十万に上る職員や従業員の労使間の諸問題を円満に処理していかなければならぬ当局が、これがこういう台風のさなかにおいて災害対策を重点としてやっていかなければならぬ長野のような場合に、従来からいろいろ取り組んできたようなものを一方的に破棄する、あるいは団交を拒否する、こういう事態にあることは、まことに林野当局として当を得た措置ではないのではないか。現地の市町村長やあるいは現地の住民の方々からもいろいろな批判が出てきておるということは、私は大きな問題だろうと思う。こういう点を、林野庁長官といたしましては、今日の時点、今日の長野におけるところの情勢から見て、謙虚に正すべき点は正す、是正すべき点は是正をするということでなければならぬ。労使間の問題というのは、一挙に解決すべき問題ではなくて、長い間時をかけて、是正すべきは是正するということがあってもいいだろうと思う。ところが、百八十度転換のような形で、いわゆる前田総務部長を頂点として労務対策一本やりで来るような今日の姿というのは、私はまことに遺憾な姿だと思う。  それで、具体的な事例については、直接現地から出ておられる下平さんの方からもあとでお触れになりますので、私は避けたいと思うし、ことに、伊勢湾台風等があって、私最近現地にも行っておりませんので、それらの点は避けますけれども、私が特に長官にお願いしたいのは、今日、国有林野行政のあり方というものについてはいろいろ検討をされなければならぬ段階に来ており、また、災害の問題ではずいぶんな被害を受けたという段階の中で、林野庁長官が百パーセントそういう考え方であるかどうかということについて私はにわかに断定いたしませんけれども、今度の長野の労働対策等の問題については、林野庁の本局に長野対策班まで作って直接指令でやっておるというようなことも言われておる。そういうようなことになってくると、私はなかなか問題だろうと思う。そういう点について、従来取り来たったいろいろな問題については、今日の最も重要な段階からして、根本的に是正する考え方に立つべきではないかと思いますが、その点について一つ長官のお考え方を承りたいと思います。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 林野庁といたしまして、災害対策の問題あるいは地元の災害復旧についての面、そういうものに誠心誠意対応して仕事を進めていくということは、先生のお説の通りでありまして、われわれもそういう方向で考えていかなければならぬというふうに考えておるわけであります。ただ、今先生からお話がありましたように、長野営林局のいわゆる労務対策というものにつきまして百八十度の転回をしたというふうなお説でありますが、われわれといたしましても、とにかく、組合との問題というものは、今後長く双方で信頼と友好の間にあって処理し、進めていくべき問題であるというふうに考えておることはもちろんでありまして、どこまでも誠意をもって当局も組合と話をして改善すべきものは改善し、よりよく伸ばすものは伸ばしていくという考え方で進まなければならぬ、こういうふうに考える次第であります。

永田亮一自由民主党

○永田委員長代理 下平正一君。

下平正一日本社会党

○下平委員 林野庁長官に二、三点お伺いしたいのでありますが、あと三十分ぐらいで議院運営委員会が開かれますので、長官の答弁に満足がいかなければ、いつかまた別の機会にお伺いいたしたいと思います。  伊勢湾台風で長野管内を私が視察いたしました際に、木曽谷その他の営林署の署長さんに風倒木の現地を見せてもらったわけであります。およそ四百三十万石、五ヵ年分の伐採量に匹敵する風倒木が生じた、同時にまた、その傘下の市町村にも被害があったということで、非常にこの対策には頭を悩まされていたようでありました。ところが、この伊勢湾台風による被害が起きて、その後の実情を見ますと、現地では労使の問題の紛争が非常に大きくなってきているわけであります。長野県下に約二十二の営林署がございますが、どの営林署でも労使間の紛争問題で手一ぱいだ、こういう状態になっておりまするが、この長野営林局管内の営林署におけるこういう実態を長官は御存じであるかどうか、お伺いいたしたいと思います。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 長野営林局におきまして、労使の間に十分な解決を見ないと申しますか、懸案となって、紛争と申し上げますよりも両者に今後さらに十分なる交渉なりその他要すべき問題が残されていることは、よく聞いて知っている次第であります。

下平正一日本社会党

○下平委員 そうすると、ほかの営林局管内でもああいう問題は起きておりませんか。長野だけの事例なんですか。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 われわれの方に入っております最近のものから申し上げますと、長野以外の営林局からはそういうような連絡に接していないという現状であります。

下平正一日本社会党

○下平委員 そこで、私は先週の末に少し現地を市町村長の要望もありまして回って参りまして、当面、林野庁の業務が長野営林局で行なわれるためには、この問題になっている労使問題を解決しなければその遂行は困難だ、こういう印象を強く受けてきました。そこで、林野庁長官は、こういう長野の実情についてどういう認識をされているか、また、それに対して林野庁長官としてどういう対策を考えておられるか、この二点を伺いたいと思います。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 長野の現在の労使の関係につきましては、労使双方とも、誠意をもちまして、できるだけ早く問題を解決する、ごたごたをなくしていくということに努力をしなければいかぬ。これは営林局におきましても当然でありますが、組合もそういう良識をもって話し合いをして、解決していくということに両者が努力し合っていくということが必要だと思っております。

下平正一日本社会党

○下平委員 私は、あと人事の問題についてもう少しお伺いしたい。  慎重に対処するとか、相互に対処する、こう言っても、問題の本質が一体どこにあるかということがわからなければ、対処しようがない。私は、これだけ大きな労使関係の問題になってくれば、当然林野庁長官として業務の進行をはかるために何らかの措置をしなければならない段階だと思う。現実にああいう紛争が起きているのは、どこが問題点になっているのですか。あなたはつかんでおられますか。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 現在紛争になっております個々の問題につきましては、必ずしも十分に承知しているわけではありませんが、要は、当局にいたしましても、組合にいたしましても、こういう時点におきまして、問題を早急に解決して、事業が円滑に行なわれていくことが原則であるべきだと考えております。

下平正一日本社会党

○下平委員 それでは、時間が大へんないそうでありますので、焦点をしぼりますが、当局も反省をしなければならない、お互いに反省をしなければならないというふうに、反省をして話し合いを進めなければならぬと言いましたが、当局側の反省する点はどういう点を反省するのですか。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 当局が反省すべき具体的な点はどうだというふうに、個々の問題について十分承知しているわけではありませんから申し上げかねますが、要は、先ほど申し上げましたような基本的な態度であるべきだと考えております。

下平正一日本社会党

○下平委員 時間がない時間がないと言われるので困りますが、それでは私はどんぴしゃりで言いますが、今、あなたの部下であります営林署の署長あるいは前田部長あるいは局長、これらの諸君が言っていることは、長野の労使間においては、労働組合法なり営林局の通達なり公労法なりに違反する問題がたくさんある、こういうものを直さなければならぬ、そういうことが一番のねらいだ、こういうことを言っているわけです。同時に、前田部長はこういう発言をいたしております。そもそも労使関係というものは力関係であるから、秘密協約、従来の慣行などかまわず、これから後は力をもってこれを断ち切るのだ、こういうことを現実に放言いたしているわけです。こういう労務対策というものは、長官御存じですか。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 林野庁関係の業務が公共企業体という関係になりまして、団体交渉という過程を通じて物事を処理していくということになってかなりの年数がたつわけでありまして、その間労使間に慣行的なものあるいはそれに準ずるようなものがそれぞれできているであろうとわれわれも考えておりますし、それぞれそういうものにつきましても、当初から申し上げておる通り、その法令に違反しあるいは会計法その他のものから問題になるような点があれば、そういうものはやはり是正していくという方向に進まなければならぬとわれわれは考えます。また、そうでない面につきましても、双方で、よりこれは伸ばしていくべきだというものは伸ばしていかなければならぬ、双方で話し合って改善すべきものはするということにならなければならぬと思っております。

下平正一日本社会党

○下平委員 この点はあとで同僚の小澤議員の方から具体的に、そういう事例があるかどうかということを質問をしてもらいますけれども、少なくとも、労使間においていわゆる団体協約なり覚書なり正規にとりかわされた事項というものは、慣行として私は尊重されていかなければならぬと思うのです。将来にわたってこれを改正するというようなことは、お互いにそれは立場上意思表示があってもよろしいのですが、そういう慣行というものを認めないという態度は、明らかに間違った態度である、こういうふうに私は考えますが、この点長官はどう考えますか。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 これは、先ほど申し上げました通り、法令に違反し、あるいはそういうふうな性格のものにつきましては、これは、慣行であるとかなんとかいう面で、その協約としての性格その他に私は非常な問題を含んでいるものだというふうに考えておるものでありまして、そういう点は、やはり話し合いその他の場を通じて、改善すべきものは改善するということになるかと思います。

下平正一日本社会党

○下平委員 慣行はどうするかということを、一言でいいから言って下さい。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 労使双方にとり、長い将来、今後というものを考えて、よりよく伸ばしていくべきいい慣習は、当然尊重すべきものだと考えております。

下平正一日本社会党

○下平委員 最後に一点お伺いしますが、私は、これらの長野に起きた一連の労使の紛争というものが、単なる現地、限られた長野局内における問題だけではないと思う。これは、林野庁長官なり林野庁としての労務対策、そういうものの基本的な一環としてあの問題が起きておると思うのです。これは先ほど小澤君も言っておりましたけれども、人事異動の点について、先日参りまして局長さんから人事異動の状況を聞いてみると、長野に集中された人は、どういう関係か知りませんが、各局の職員課長、労務担当者がみな集まっておる。造林課長の山口さんは北見の職員課長、作業課長の長島さんは函館の職員課長から来ておる。あるいは総務部長の前田さんは林野庁切ってのいわゆる弾圧労政の一番の親玉だ、こう言われておる諸君が入ってきておるわけであります。しかも、それが九月八日という異例な措置で行なわれておる。総務部長以下全部二カ月で罷免をして、こういう人たちで集中している。あるいは、この人たちの前歴を見ても、たとえば前田さんは今度は総務部長をやっておりますが、前田さんがこの前長野にいたときにどういうことをやっておるか。たとえば、年次有給休暇をとらない人については——これは置時計事件と言われている事件でありますが、年次有給休暇を一日もとらない人には、部長が表彰して置時計を贈る、こういうようなことを平気でやっているのです。年次有給休暇というものは、置時計をくれてとらせないというような形のものじゃない。年次有給休暇というものに対する認識が全然欠除している。あるいはまた、やみ採用事件というのがある。野球の好きな人をどんどん順序とか慣例を破って常用なり常勤なりに採用する、こういうようなことを平気でやっている人であります。こういう労務管理については労働法の認識ということよりも力をもって押し切っていこうという考え方の人が、人事異動で現実に長野に集中をされて来ている。しかも、連中に言わせれば、単なるここだけの問題じゃない、これは林野庁の一貫した方針だ、長官もちゃんとこの方針でやっているんだということで、うわさによれば、長官が陣頭指揮をしておるんだ、こういうふうにまで言われておるわけであります。こうした人事異動について、これらの人をなぜ一体長野だけに集中したか、こういう点について一点お答えをいただきたいと思います。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 林野庁におきます、いわゆる今御指摘のありました職員課長というものにつきましては、これが職員課長というふうな仕事で終身するわけではないのでありまして、大学、専門学校等の林学を出ました技術者であろうと、あるいはそうでなくいわゆる一般の事務官という立場の人であろうと、いずれを問わず、適任者をそれぞれ任命していくということをやっておるわけでありまして、それらの技術者である者が、造林とかあるいは直営製炭その他の事業の関係の課長にまた帰ってくるというようなことも、これまた当然のことであります。今御指摘のような考え方に基づいて人事をやっておるわけではないのでありまして、人事は経常的な仕事としてやっておるわけであります。

下平正一日本社会党

○下平委員 もう一点。これは答弁は要りません。私は、林野庁におけるこの労使の問題等については、当局側の考え方のポイントが違うと思うのです。その一点は、さっき言ったように、力で解決していくという考え方が間違いであります。およそ林野の現場における職場というものは、御承知のように、職場そのものもきわめて封建的であります。地方に行けば、担当区の主任は依然として庄屋様と言われている。置かれている立場がきわめて封建的であります。同時にまた、近代的な労使関係が樹立されていない。たとえば、雇用区分にしても、日雇いあり、月ぎめあり、常勤ありというようなことで、五段階にも六段階にも雇用区分がされておる。賃金体系にしてもしかり。あるいはまた、砂防関係、造林関係、伐採の関係に入っていってもそうでありますが、その職場たるや、およそ非近代的な職場であります。また、宿舎へ帰って参りましても、私はずいぶん造林事務所その他の宿舎を回っておりますが、寝るところにいたしましても、いわゆる労働環境というか、厚生施設にいたしましてもきわめて不備であります。私は、そういうところに——いわゆる皆さん方が大衆行動がいけないと言うような問題、あるいはまた法規・慣行が破れていくという問題、そういう問題が出ざるを得ないのは、林野庁の労働行政の中にきわめて非近代的な要素がたくさんあるから、やむを得ざる労働者の自衛手段としてそういう点が出てくるんだと思う。そこで、根本的にこれらの問題を解決するためには、まず当局がやることは、力をもって法規法令に合わせるという形でなくて、そうした非近代的な労使関係、非近代的な労働環境というものをあなた方の責任で直していく、そこに対策の重点が置かれなければ、私は、どうやってみても、正しい結論は出ないし、問題はこじれるばかりだと思う。本日は時間がありませんのでこの程度にいたしまして、いずれ社労委員会なりで別にあらためて御質問をいたしたいと思いますが、この問題を解決するについて、考え方として今申し上げた点を十分長官に御認識をいただきたいということを申し上げておきたいと思います。

永田亮一自由民主党

○永田委員長代理 小澤君。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 先ほど、私の質問に対して、よりよい労使慣行を作りたいということを言われましたが、あるいはまた、角屋委員の質問に対して、改善すべきものは改善したいという言明をされたわけであります。その他の点についても当局の反省すべき点は反省したい、こういうふうに言われておりましたけれども、一点気になることがあるわけです。それは、関係法令に——公労法その他のことだと思いますが、違反するものは改善をしなければならないというような工合に長官は言われたわけです。そこで、どういう点が違反をするかという点を、実は今までの労使慣行の中で違反しているものがあるのかということを具体的にお尋ねしたいわけです。抽象的に何とかあるだろうということではなくて、具体的にどういうところが違反をしているかということをお尋ねしたいわけです。  実は、そういう問題があると聞きましたので、個人的に私は角屋さんなんかと一緒に長官室へ訪れて、林政部長や後藤職員課長らの同席したところでお聞きしたところが、それは私の方ではつまびらかでないから、長野の局へ行って尋ねていただきたい、こういう御返事があったわけです。そこで、私は、わざわざ後藤職員課長に電話をかけてもらって、そこへ行くから一つ資料を出していただきたいということで、先週の土曜日でしたが、忙しいところを長野の局へ行きました。前田総務部長がいて会いましたところが、これまたあいまいで、どこが何だか少しもわからないで、出していただけないわけです。きょうすぐといってもできないだろうから、二日か三日の間で出してもらいたいとお願いしていたわけですが、ついに出すことができなかったわけです。  そこで、私は、先ほど長官の言われた関係法令等に違反する今後改善しなければならない具体的な点等について、一つ具体的にお答えをいただきたいというように考えるわけです。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 そういう点につきましては、御存じの通り、いわゆる秘密協約とかいうような形で現実にそれぞれの営林署その他で行なわれておるわけでありまして、その実態把握についてはもちろんわれわれもできるだけ早くその全貌を知りたいというふうには考えておりますが、協約の性格あるいは内容自体、またはそれがやられた状態という点からいたしまして、そういうものの実態把握というものがおいそれとできないという本質的なものがあるわけでありまして、私たちは今これがこうだというふうには申し上げる段階ではないというふうに考えております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 いろいろの協約等ではっきりはわからないが、何かあるだろう、いわばそういう御答弁だと思います。しかし、これについては、少なくとも労働者と当局側とで判ことつき合った、ともかく協定文か何か判こをつき合ったということなんだから、それでは何をしたかぐらいは把握されているのが当然だと思う。それが把握できないのですか。何とかの営林署長とそこの組合長が何か協約を結んで判をついたということについて把握できないという、そういう指揮命令系統があるわけですか。それは当局側が納得してちゃんと判をついたのだから、何も法令に違反することをやるはずはないと思うのですが、そういうことがあるのですか。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 先ほど申し上げました通り、われわれとしては、そういうものがないということがまた当然であり、望ましいということはもう申すまでもないのでありますが、現実の問題としてはあるいはあるかもしれないというふうに考えておる次第であります。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 はっきり掌握できないで、現在の長野の局でやっておる労務対策というものが正しいという判断ができますか。局長がはっきり掌握をしないで、あるいは林野庁がはっきり掌握もしないで、こいつはいい、こいつはいけないということが断定できるのですか。改善するとか言われるのですが、現状を把握しておいて初めてそれが言えるのです。われわれも現地のことはよくわからないけれども何となくそういうことがありそうだという御答弁にしかわれわれは承れないわけです。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 私たちが考えておりますことは、先ほど申し上げました通り、具体的にどういうものがどうだというふうに把握しているわけではないのでありますが、一般的に申し上げまして、そういうものがあればこれは当然改善すべきものだということは言えるというふうに考えております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 現実に起こっている事態というものは、一般的とか抽象的とかいう問題ではない。この問題をめぐって問題が起っておるわけです。それは長官御存じでしょう。それを、長官は、単に抽象的に、そういうものがあれば改善すべきものだと言う。そんなことはきまったことです。法律的に違反するものがあれば直さなければいけないということはきまったことで、だれだって言えることだ。だから、具体的に長野局の管内で労使の間で取りきめたことに関して、具体的に違反したものがあるのかということです。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 それは、今何回も御説明いたしました通り、われわれとしてはその実態というものを具体的に把握していないというふうに申し上げるほかないと思います。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それでは、こういうように言います。具体的に把握していなければ、具体的に把握できたときにはその当局側の責任を明らかにいたしますか。たとえば、飯田の営林署でもいいし、松本の営林署でもけっこうですが、そこの署長とそこの組合長が具体的に取りきめしたことに法令に違反するようなことがもしあれば、当局側の責任あるいはその当時の局の責任、こういうものを明らかにしてから、労使対策なりに臨まれる、これは当然なことだと思いますが、それは言明できますか。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 われわれといたしましても、そういう問題がはっきりいたしまして、それの性格なり、それの持つ意義といいますか、そういう点を十分検討いたしまして、対処していきたいと考えております。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員 関連。  この問題につきまして私も関連して二、三お尋ねしたいと思いますが、ちょうど今、私がお聞きしようと思う問題に入ってきましたので、具体的に一点長官にお伺いしたいと思います。  実は私は岐阜県でありますが、長野の営林各署で先ほど来各同僚委員が言われておりますような問題が持ち上がりました。私もたまたま三ヵ所ばかり営林署へ調査に行ったのであります。ところが、その中でいろいろな問題を知ったわけでありますが、全部を申し上げる時間はありませんから、まず最初に一つ申し上げます。  某営林署へ参りましたところ、超過勤務をさせておった、こういう話を聞いたわけであります。いつごろからやらしておるか、もうずっと終戦以来、労働基準法ができてからやらしておる、こういうことを言うわけです。三十六条協定はあるのか、それはございません、こういうことを言うわけですが、これは一体どちらの責任であるか、お答え願いたいと思います。

後藤傳一郎農林事務官(林野庁林政部職員課長)

○後藤説明員 事務的な扱いの点につきまして私の方から御説明申し上げます。  超過勤務につきましては、私どもの方は当然農林の事業ということになっておりますが、たとえば、これの該当する事業所につきましては、三六協定を結んでやることが妥当でございます。所によっては、事務的にこれはそういう扱いを受けていない職場があるわけでございますが、現場、事業場におきましては今申した通りであります。ただ、所によりましては、これは、労使双方が協約が失効しましたようなときに、取りきめることを怠りまして、いわゆる従来の慣行といった形でやっておるところも若干あるかと思います。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員 まあ、林野事業が全部三十六条協定の必要は私はないと思います。しかし、その中の部門において、当然三十六条協定を締結しなければ超過勤務ができないところがある。これは私は率直に言いますが、組合の方といえどもそういう協定を要求しなかったという点については欠陥があると思います。あるんだが、三十六条協定が数年にわたって締結をされず、超勤が支払われ、労働基準法に完全に違反しておるという事実は、管理者として私は責任は免れないと思いますが、先ほどの長官の答弁はあいまいでわからない。あればどうするんだ、責任をとるのか、こういう小澤委員の質問に対して、責任をとりますか。はっきり御言明願いたい。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 今の超勤に関する協定の点につきましては、職員課長からお話しした通りでありますが、その実態につきまして十分に一つ検討をいたして、それにお答えをいたしたいと思います。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員 検討する必要はないでしょう。署長がはっきりと私に言明しておるんです。しかし私の方は昭和二十何年ですかに一応組合へその要請をしたんだがそのままになっておると言う。一体何月何日にどういう内容で要求したのか出してごらんなさい、こう言ったら、それは事実ないものでありまするから、全然答弁できない。長官、これは基準法違反じゃないですか。管理者の重大なる責任だと私は思う。責任をとらして下さい。はっきりあなたの言明のように責任を当事者にとらして下さい。  それから、時間がございませんから、私は先ほど来各委員と長官との質疑応答を聞いておって具体的に一つ申し上げたいと思いますが、九月二十日でございまするか、人事がかわって、従来の団体交渉に対する慣行というものが全然行なわれておらないというところに今回の紛争の原因があると思います。私は、これはまあ営林署長もそこで茶飲み話くらいに言ったことだろうと思いますから、国会では取り上げたくないのでありますが、当局側は何ということを言っておるか。一月や二月仕事なんかおくれたってかまわないから、とにかく従来の慣行を打ち破れ、これは異口同音に二十一か二十二の署長連中が組合に対して口をそろえて言っておるんです。ここに私は今回の紛争の原因があると思う。ところが、先ほど小澤君や下平君の質問に対して、従来の慣行は尊重する、こういうことを長官はおっしゃっておりますが、九月二十日を契機として従来の慣行を完全に実行しない長野各営林署長の責任はあなたはとらせますか、はっきり言明して下さい。そうしなければ、あなたの前言とここで大きな食い違いを生ずる。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 第一点の、超過勤務に対する協定がない、それに対するいわゆる管理者の責任という問題につきましては、お説の点、具体的に十分調査検討いたしまして、お答えを申し上げたいと存じます。  それから、第二の、従来の慣行無視という点につきましては、もちろん、営林局署その他におきましても、従来の慣行というものはとにかく問題なしに破棄する、あるいは無視するというふうな考え方であってはならぬわけであります。そういうものも、今まで何回も申し上げましたように、よりよき慣行を作っていくということで努力して参らなければならぬというふうに考えておる次第であります。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員 先ほどあなたは慣行を尊重するということをおっしゃっているんですから、今の答弁は私はぼやけていると思う。だから、先ほどの両委員の質問に対して、慣行を尊重するという長官のはっきりした腹がまえをもって今後に処していただければ、この問題は私は解決すると思う。問題はここだと思う。  私は具体的な例を申し上げますが、これも某個所へ参りまして話を聞いたところが、今まで数年間、交渉単位になっておりますから、分会と管理者と団体交渉をしておった従来の慣行を、人事が更新をされましてから数日たって、全部管理運営事項であるので団体交渉の対象にならない、こういうことを言っているんです。私はしろうとでありますから、どうしてそういうことになったかと思いまして、一体管理運営の定義というものはあるか、こういって聞きましたら、当局側は、設置法五十八条をもって管理運営事項と解釈をする、こういうばかげたことを言っているんです。私もこういう方面の知識はあまりございませんけれども、こんなことを公の席で言ったら笑われますよ。こんな頭の程度で労働問題を処理しようということは僣越だと私は思う。私の記憶が正確ならば、当局側は管理運営事項と言うでしょう、組合側は労働条件だと主張するでしょう、だから、その定義が具体的に出ておらないから、いわゆる議論があっても、従来の慣行を尊重して団体交渉の対象としてやるというのが、公企労法のたしか八条の精神なんです。定義というものは出ておらぬのです。設置法の五十八条で管理運営事項だといって団交を忌避されたら、組合はたまったものじゃない。これは全く団交拒否です。これは不当労働行為に当たると私は思う。こんな程度の指導者——先ほど前田総務部長ということが出ましたが、こんな知識程度で部下を指導して、そうして力をもって組合を弾圧するということでは、組合が怒らない方がどうかしているんです。  もう少し具体的に私は申し上げますが、ある分会に行きましたところが、十数項目にわたって、数年来団体交渉をし、そうして解決した同じ問題を出している。たとえば、一つの例を言いますと、いろいろな用事で自転車が一台要るという問題を出している。ところが、今まで団体交渉としてやっておきながら、九月二十日から急に態度を一変して、これは管理運営事項であるから団交の対象にならない、ここで解決するわけにいかないと言う。当時私のそばに組合の役員がおりました。おかしいじゃないか、数ヵ月くらい前か一年くらい前には、ここで団体交渉をして自転車二台買ったじゃないか、こういうことまで言っておったわけですが、一つの例をあげれば、このくらい急変しているのです。しかも、私の方が勉強が足らないかどうか知りませんが、われわれが考えると、公企労法についてもあるいはそういう労働関係についても知識がまるっきりないような態度と言行をもって労働組合に対している。ここに私は今次紛争の問題の原因があると思う。  そのほかいろいろな問題があるでしょうけれども、小澤委員の方から申し上げるだろうと思いますから、私は申し上げません。だから、今まで数年かかって団体交渉、労働慣行というものを築き上げてきているのですから、定義は出ておりません。従って、あなたの方でもしこれを是正する要ありとするならば、やはり長い時間をかけて徐々に是正をしていかなければ、私は無理だと思う。しかも、あの団体交渉の単位になっておる当局者と組合側で締結された協定書を見てみますると、ここで問題の解決しない事項についてはさらに上の団体交渉単位に上げるというように、きわめて自然に円滑に協定が結ばれているんです。それを、従来やってきたものを一擲して、これは管理運営事項だと言っている。だから、先ほど来長官は、何回も、従来の慣行は尊重する、こういうことを言っておられるので、あなたがほんとうに今日以後従来の慣行を尊重すれば、この問題は直ちに私は解決すると思う。いろいろ材料はございまするが、それ以上多くをこの国会で言いたくはありません。どうですか、長官、先ほど来各委員の言っておる従来の慣行を尊重する、この答弁をもう一回はっきり一つ言明して下さい。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 お話のありました営林署という段階におきます団体交渉というものは、協約で営林署単位に団体交渉を行なうんだということがきまっているわけでありまして、これで団体交渉をやるということは、慣行とかそういうものでない、当然の義務として当局もやらなければならないという形のものになっておることをおくみ願いたいと思います。  それから、第二の、それぞれの問題につきまして、それが管理運営の事項であるか、あるいはそうでなくて団体交渉をすべき事項であるかということにつきましては、お説のように、双方に考え方の相違もあり、またいわゆる議論もあるということは現実の問題であるわけでありまして、そのいずれであるべきかということにつきましては、やはり労使双方で話し合いということによってこの問題をはっきりさしていくことが必要だと考えておる次第であります。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員 それははっきりさせていくんじゃないですよ。きのうまで行なわれてきたことを管理運営だといって、新人事が行なわれてから態度を変えられるというところに紛争の原因がある。だから、数年間団体交渉の対象事項であるということで分会と解決した事項を、新人事以後、これは管理運営だといって態度を豹変されることは悪いじゃないですか。定義がないから従来やってきたことを、従来通りやればいいんですよ。それをやらないところに問題がある。  私は関連質問でありますからもうやめまするけれども、もう少し正常な心と頭をもって労働行政をやっていただきたい、これだけ申し上げまして、関連質問を終わります。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 私が質問をし出したのは、長野県の各市町村で、早く災害対策のために風倒木の処理やら、営林局、営林署の方でそれらしい対策を講じていただきたい、こういう要望があり、それをだんだん突き詰めて、営林署でお尋ねをし、長官の方にお尋ねをしていったら、だんだんこういう問題に詰まってきたわけです。それでいろいろな関連質問等出てきたわけです。特に調査旅費等がなさそうで困っておるような点もありますから、いま一、二点質問をいたしたいと思います。  その前に、今楯委員から質問のありました点を確認しておきたいと思うのです。長官は従来の慣行を尊重する、こういうことで私の方は理解をしてよろしいですか。それを一つ端的にお尋ねいたします。そうでないと、私はこういう問題が出てくると思います。一つは、何とか署の署長と何とか組合長とが判こをついた問題で、当局側が責任をとらなければいけない問題が出てくるのです。法令に違反するような問題があるとかいうが、もしそういうことになれば当局側も責任をとってこなければならない。だから、一般組合員に新しい慣行を作るんだからと言うからには、当局側の責任というものをまず明らかにして、それからやってこなければならない、こういうように考えるわけです。それからまた、法令に違反するというような問題も抽象的でよくわかりませんが、もしそういうことがあるならば、ほかに管理者側のやっていることで数々の法令違反がありますから、ここで読み上げる時間がありませんが、そういうものをみんなきれいに処理して、しかる後に出てこなければならないと思います。そういうことを、今から長官の答弁いかんによっては申し上げなければならないわけです。だから、従来の慣行を尊重する、そういうことだけ御答弁いただければ、その自後の質問はしないで、旅費の問題等だけに限りたいと思いますが、そういう言明がしていただけるかどうか。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 従来の組合と管理者側との慣行につきましても、それが、将来双方の間によりよい方向にそれによって導いていかれる、さらにそれを助長して進めていった方がいいというふうな性格のものにつきましては、もちろんこれを進めて参りたいと思うのでありますが、法令その他のものに非常に問題点のありますようなものは、やはり改善するという方向で進まなければならぬと考えております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 さっきから仮定のことを言っておるわけです。法令に違反するなら改める、あたりまえなことです。具体的に何かと言うと、長官は答弁ができないわけです。ただ抽象的なことではだめなんです。それだから、もし法令に違反するようなことが労使双方であるならば、まず当局の署長がやったことに対して責任をとらしてから改めるか、こういうことを私は具体的に聞いておるわけです。そうでしょう。あなたの部下の何とか署長がもしやってあったとしたならば、その人の責任をまずとって、きれいさっぱりにしてから、そういうことを改めていくことをしなければならない。当然の論理じゃないですか。  それから、法令々々ということをたてにとりましたけれども、どうもはっきりした答弁がありませんから、私は具体的に言いますが、たとえば当局者は法令に違反することを一ぱいやっておるではありませんか。私は現地に行って写真までとってきた。何とか署の何とか課長というのは一回も超過勤務をしないのに、超過勤務手当を、前期千四百八十五円、後期千四百八十五円をやっておる。数カ月前には三時間とか五時間とか超過勤務をやっておるが、今はやってない。それをちゃんと出しておるような法令に違反するようなことを当局が一ぱいやっておるじゃないですか。私はこれをこまかく説明し出したら切りがありませんからやめます。一般職の職員の給与に関する法律第三条違反、こういう明確な法律違反になることをやっておるじゃないですか。署長が管理職として手当をもらうことは、法律にちゃんとうたわれておるから、私は何とも言いません。何とか課長というのが超過勤務なんか——これは小さくてよくわからないが、七、八ヵ月前には三時間、四時間やったことがあるけれども、最近は一つもやってない。前期、後期で千四百八十五円ずつ、いわゆる三千円近く毎月定額としてもらっておるというようなことまでやっている。まだそのほか法令に違反することをここに十項目掲げてあるが、私は一々ここで言っておったのでは、汚職摘発みたいな変なことになるから、私はそんなことは言いたくありません。  私の言わんとするところは、従来労使がうまくやってきて、そして長野県の風倒木の処理、営林局との間をうまくやっておったのを、この災害対策を急いでおるときに、一般に迷惑をかけて、労働対策をやって、従来の労使がうまくいった慣行を破棄してやっていこう、こういうことなんです。くどいようですが、今までの慣行を破棄するのであったならば、あの判こをついた局長に当局側の責任をとらせてやっていくこと、もう一つは、その他数々あるこういう問題については、当局側はからだをきれいさっぱりにして、——組合員の人に一生懸命に協力してもらわなければ林野行政というものはうまくいかないのです。その後にやるべきだ、こう思うのです。だから、従来の慣行はできるだけ尊重していくということを言えばよいのです、ちっとも悪いことではないのです。労働関係について一番大切なことは、慣行を尊重していくということでありますから、こんなことを言明して何が悪いのですか。あなたは実態を知らないで、違反したことがあれば直す、そんなことはあたりまえのことです。今までやっておったことは、ちゃんといいことをやってきたのですから、できるだけ従来の慣行を尊重していく、そういう言明をすればいいのです。これ以上くどく質問させないように答弁していただきたいと思います。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 先ほどお説のありましたいわゆる課長の超過勤務という問題につきましては、営林署の課長あるいは署長というような者につきましては、管理者という制度ができたのでありまして、超過勤務という形で支給していないというふうに御了承を願いたいと思います。  それから、従来の慣行の尊重という点につきましては、先ほども申し上げました通りでありまして、よりよき慣行を今後作っていくという方向で進めたいと考えております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それではまたあとでその問題は時間があったら質問するとして、今現地の人々が大へん心配しておることは、さっきから私が申し上げた通りです。それに対しては、どうも営林局に働いておられる方々が、旅費が足りないということで大へん苦慮しているようです。どことかの署で交渉をしたところから見れば、仕事なんて全然できなくなって、そんなことは知らぬかまわぬというような当局側のずいぶん無鉄砲な答弁をしているようなんですが、今度の風倒木の処理、災害等に対する旅費等は十分出ておるかどうか。これは、経理課長、幾らやっておるのですか。

松田寿郎農林事務官(林野庁業務部経理課長)

○松田説明員 災害の旅費は、各局別の配付額は、ここに資料を持ち合わせておりませんので、詳しく存じませんが、今回の予備費、七号台風から伊勢湾台風に至るまでの総額につきまして、旅費約三千万円をすでに配付いたしております。長野のそれぞれの局の数字は確かには覚えておりませんが、その約三分の一くらいは長野ではなかったかと思います。約一千万程度の旅費が配付されております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 この風倒木の処理や、これを処理する計画を立てたりしなければいけないということで、署員の出張等が多いのですが、一千万でもし足りないという事態が起これば、これは追加ということはできるのですか。今度の国会で災害の予算の中からそういう一千万の追加旅費が出たわけですが、まだ足りなければ、ほかに財源があって、予備費だか何だか、私よく会計法上のことは知りませんが、もらって出せるようになるわけですか。実は、どうも現地に行くと旅費が足りないということでだいぶもんちゃくを起こしているようです。外から来た人につっけんどんな返事をしておる、お前らに使われているのじゃないというようなことを外からの陳情者にすら言っているということで、大へんなことだと思います。旅費は一千万出ているのですね。それ以外に、もしこれを一生懸命調査して風倒木の処理計画、災害対策等を立てなければいけないということで出張旅費がたくさん要るということになれば、その旅費はもっと追加して出せるような方向にいくわけですか。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 この風倒木の調査、その他の処理、あるいは林道の災害復旧、治山事業、いろいろな面につきまして予備費の支出が行われるわけでありまして、それの全体の事業と見合いまして、旅費はどのくらいあればいいかということが検討された結果、先ほど経理課長が申し上げましたように、三千万円くらいのものが決定したわけでありまして、われわれといたしましては、この三千万円というものを最高度に有効に使いまして、この処理に当たっていきたいというふうに考えます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それはぜひ最高度に使っていただきたいと思いますが、私の言っているのは、もしこれで足りない場合には追加は当然できますね。——御返事がないからそう理解しますよ。通運関係でお待ちになっていますから、私の質問に的確に答えていただかなければ、私の質問通りだというように理解いたします。追加は当然出していただけるというふうに理解いたします。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 これが足りないかどうかという点につきましては、やはり、この調査というものの計画自体がよかったか悪かったかというふうな問題にもなってくるわけでありまして、われわれといたしましては、足りるものというふうに考えてこの予算に臨んでおるわけであります。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 やはり旅費の問題で、現地へ行くといろいろやかましいことがあっていけないのですが、三十一年、三十二年として旅費の未払い分が三百三十一万円あるということで、これは当局側で認めておるし、そういうことについては、林野庁の経理課長ですか職員課長ですか、御存じだと思いますが、これはそれとは別途に三百三十一万出していただけるわけですね。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 三十一年、二年でありましたか、長野営林局におきまして旅費について支払いが十分でないものがあるということを組合の方から問題として提起されておるのでありますが、これが旅費法その他のいろいろな面から考えましてほんとうに当局が追加して支払うべきものであるかどうかというようなことには非常な議論がある問題であると考えておるわけであります。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 こういうことが私はさっきから問題だ問題だと言っておるのです。超過勤務手当の未払いの支給に関する覚書ということで、たとえば長野営林署のことですが、「全林野長野営林署分会は次の通り申合せ覚書とする。このことについては現在までの未払の実態について双方充分調査し、予算問題もあるので本年度中に全額支払うべく措置するものとする。」、全額支払うべく措置するものとするというようにある。これは長野営林署の覚書です。未払いがあるのです。ほかの上田なら上田、木曽なら木曽の署に行っても未払いがある。そういうものを突き合わせて千五百万もあったのです。けれども、これは過去のことでもあり、いろいろの問題もあり、三百三十一万ということで話し合いがついて、これは払うのだということにきまったのです。当局側も判こをついて認めた金額です。それで、いろいろ問題を言うわけじゃないのです。判こを押してあるのです。あなたの部下の署長が判を押してちゃんと認めたものです。これを支払わないということはないわけです。これも支払わないということになると、また法令違反だとかいろいろ問題を私は持ち出したいと思うのです。国家公務員等の旅費に関する法律の十一条にどうこう書いてあるとか、第四十六条にどう書いてあるとか、いろいろ言い出さざるを得ないのです。これは、署でも認め、組合でももらわなければいけないものだと、両方認めたのですから、出すのが当然なのですから、支払いますという言明をしていただけばそれでいいのです。話を早くして下さい。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 この旅費の問題の起こりました根源は、御存じの通り、官用車を使用した場合の日当の問題とか、あるいは日額旅費を支払うべきか、その場合の額の支払い方がよかったか悪かったかというふうな問題に関連してくるわけであります。この旅費及びその運用方針というものは、日額旅費の規定という面から見まして、違法であるとかまたは不当なものであるというふうには即断すべきものじゃないと考えております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 当局も認めたものですから、認めるでしょう。いろいろの御説明があったけれども、三百三十一万は支払うわけでしょう。一千万は、さっきより私の質問しておる通り、地方の人からの要望もあり、早く風倒木とか災害を処理するというようなことで一千万円出していただける。これは少ないと思いますが、今後は追加等していただくことにしてそれはけっこうです。三百三十一万は、前からの懸案の問題で、ちゃんと、職員局長ですか、経理局長ですか、業務課長ですか、みなよく知っておるはずです。ここにちゃんと署長と組合と判を押して、これだけのものは払うべきものだと認めておる。その認めてあるものをなぜ認めないのですか。  そういうばかなことをやっておるから、こじれた質問がいつまでも長く続くのです。そういうものを積み重ねて千五百万にもなったものを、やむを得ないという実情もあって三百三十一万にしたのです。それは署長とそこの執行委員長とがこういうように判を押して相互に認め合った。あなたの部下も認めたものです。それを払うとか払わないとかいろいろの理屈を言っても話にならないから、払うべきものは払いますと、こういうことでいいのです。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 この問題につきましては、先ほども申し上げましたように、過去のそういう問題につきまして過年度払いとかいうふうな考え方でやるという考え方につきましては、旅費法とかその運用方針、日額旅費規定というようなものから当局側の措置に違法とか不当があったからそういうものは払わなければならないというふうに考えてはいないわけであります。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 これは払うのですか払わないのですか。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 今申し上げましたように、いわゆる過年度払いとかいうふうな形における支払いは、当局の取り扱いその他の面に違法または不当がないという考え方に基づきまして、お支払いはできないと考えております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それでは、国家公務員等の旅費に関する法律に違反した問題その他、私が会計検査院でも何でも行って端から調べてあれしていいですか。農林省の職員の日額旅費支給の規定とか、そういうものにみんな対照をさしてみれば、一千五百万円も二千万円も支払わなければならなくなるのです。だから、こういうことにしようということで三百三十一万になったものを、今になって、開き直って、支払いません、そういう不信行為をするようなことができますか。これは、今までのいきさつを知っているはずだから、経理課長なり職員課長、答えなさい。長官は、何かよくわからないが、こっちであまり大きい声をするものだから、払うなんて言ってでかいことになっては大へんだと心配するが、三百三十一万なら大したことないんだから、よくいきさつを知っている職員課長、経理課長、答えなさい。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 先ほど申し上げました通り、過年度払いというふうな問題として処理いたすといたしますならば、それは当局のやり方が違法であったかまたは不当であったかという問題を十分検討しなければならぬということはもう御承知の通りでありまして、そういう形において今直ちに払うということにはならないというふうに御了承願っておきます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それでは、ここで両方判をついて、それは払うべきものだといって当局が認めた、その行為に対してはだれが責任を負うのですか。そういうことをさんざん考えて、そうして両者が話し合いをして、当局が支払うべきものだと認めて判こまで押した、そういうものに対する不信行為は一体だれが責任をとるのですか。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 その協定の内容というものを私たちは今お聞きしたばかりでありまして、長野営林署のその実態というものにつきましても、十分検討して申し上げたいと存じます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それでは、私は議事録にはっきり残しておきます。  長分協第一〇号   昭和三十三年十二月六日    超過勤務手当未払の支給に関する覚書  長野営林署と全林野長野営林署分室は次の通り申合せ覚書とする。   このことについては現在までの未払の実態について双方充分調査し予算問題もあるので本年度中に全額支払うべく措置するものとする。   昭和三十三年十二月六日  長野営林署交渉委員代表   長野営林署長 手塚義久  全林野労働組合長野地方本部   長野営林署分会   執行委員長 奥原忠利  こういう覚書がちゃんとあるのです。両方判をついてあるのです。こういうことは全然知りませんか、職員課長。私はうそを言っているわけではないのです。

後藤傳一郎農林事務官(林野庁林政部職員課長)

○後藤説明員 ちょっと補足して御説明申し上げますが、過去の旅費の問題が長野営林局の最近の労使間の紛争の問題の一つであったことは、先生が指摘されておる通りであります。ただ、この三百三十万の未払いというものが旅費法上違反であるかどうかということにつきましては、長官が申し上げましたように、必ずしも違法であるという工合に即断はできない。かといって、現実には営林署段階ではこういう下部協約がある。これは、こういうものが秘密協約あるいは下部協約という形で呼ばれて、部外秘の形で、局も知らない、林野庁も知らないという形の協約の見本の一つでございます。ただ、しかし、この協約にもありますように、予算問題もあるのでということは言っておるわけです。ということは、当局の予算の建前からして、かりに過去においてある債務なりがありましても、過年度払いということをする建前になっておりませんから、これをやればまたそれなりの一つの制限を受けるわけでございまして、そういう便法も取り得ない。従いまして、あるいは先生御承知かと思いますが、全然別な角度から長野の労使の間で話し合いが行なわれている、かように聞いております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 そう四角四面に言い出すと、この三百三十一万のかわりに百万とか六十万を出すとかなんとかいろいろ言われておるのですが、これはもう約束をしたことだから出すのは当然だと思うのです。しかし、これはいろいろやっていても押し問答になりますから、私はこれ以上質問をしないで締めくくりをつけますが、一つは、労使慣行を重んずるかどうか、従来の慣行を重んずるかどうかという問題、もう一つは旅費の問題です。  そこで、私はここで念を押しておきます。労使慣行をもし重んじないようなことがあるならば、当局側は、局長が判を押したその責任を明らかにしてから従来の労使慣行を改めていく、こういうようにちゃんとすなおにきれいにして出てこなければならないという点が第一点だと思います。それがないならば、いたずらに労働者だけ締めつけようとするところの、労使慣行を改善しようなんということは全然受け付けられないことなんです。それをまず明らかにすること。その次には、違法のことがありそうだとか、違法に近いとか、どうも違法らしいというようなことを言って労使慣行を改めるというならば、数々の問題があるから、まずその問題を改めてくること。その一つは基準法違反、——ここで具体的な例は言いません。あるいは管理者が作業中に酒を飲んでいて何をしたとかいう問題、休暇をとらせない電報を打ったという、憲法に違反するような問題、保科事件と称する、総務部長の、女を連れて日曜に遊びに行ってどこを歩いた、署の車を使ったというような問題、風倒木の処理についてどういうことがあったというようなことをあげていくと、十や二十ずっとありますから、そういうものを当局がまずきれいにしてからやってくるべき問題だ、こういうふうに私は考えます。これをやらぬでおいて、旧来の労使慣行を改善していくのだといっても、絶対に受け付けられません。そのことだけを申し上げておきたいと思います。  それから、旅費の問題については、この労使双方で判を押したものについてこれが守られないようなことがあるならば、当局の不信行為として今後日を改めてまた追及をいたしたい、こういうふうに考えております。      ————◇—————

永田亮一自由民主党

○永田委員長代理 農林水産物の輸送及び運賃問題につきまして質疑の通告があります。この際これを許します。  芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 こちらで要求した政府委員は、現在だれが出席しておりますか。

永田亮一自由民主党

○永田委員長代理 現在出席しておる方は、山内鉄道監督局長、小口業務課長、中村国鉄常務理事、三人であります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 国鉄の中村常務理事にお尋ねしますが、時間がおくれて大へん気の毒ですが、委員会の審議の方針上今日をはずすわけにいきませんので、その点を御了承願っておきます。     〔永田委員長代理退席、丹羽(兵)   委員長代理着席〕  お尋ねしたい点は、最近全国的な不安を巻き起こしております問題の一つとして、現在国鉄の貨物取扱駅がおおよそ三千八百駅ある、その三千八百駅のうちの二千駅を整理して、そして貨物輸送の集約化をはかるという方針がきめられて、現在は現地においてこれが具体的実現について国鉄の当局が努力しておるわけなんですが、特に農村関係等においては非常な影響のある問題ですから、各地に不安と動揺が起きておることは御存じの通りであります。従って、この件につきまして、まず最初に、整理の目的について常務から概要の御説明を願いたい。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 お答えを申し上げます。  ただいま先生からお話のございました貨物駅の集約は、大体お話しの通りでございまして、全国に四千ばかりある貨物駅につきまして、一応その半分くらいを減らすということを目標にして集約を考えておる次第でございます。この目的と申しますと、御承知のように、全国四千と申しますと、鉄道の営業キロは二万ございますので、大体五キロに一つずつあるということになると思います。これは、昔荷馬車で小運送をやっていた時代の遺物と申しますか、そういうものでございまして、大体欧米の各国では二十キロに一つくらいあるということで、要するに、貨物輸送を近代化するためには、どうしても貨物を扱う駅を減らしていきませんと近代化ができない。たとえば、現在の貨物列車のスピードは、大体平均十八キロというような、文明のこの世の中では考えられないくらいのおそいスピードでやっているわけでありまして、これは、貨物駅がこれだけたくさんございますので、そういう格好になっております。従いまして、もしこの貨物駅がただいま考えておりますように半分になりますと、スピードも、三十キロから三十五、六キロ、大体倍くらいスピードが上がるのでございまして、従って、全国的に考えました場合には、鉄道の貨物輸送を頼まれている荷主の皆さん方は非常に利益を得てくるのではないかということも考えられます。ただ、農林物資につきましては、ただいまも特にいろいろと問題もございますので、私どもといたしましても、相当現地の事情を慎重によく調べまして、できるだけ無理のないように、スムーズに、地元の方々の御了解を得た上でやっていきたいというような方針で、ただいまそういう方針で指導をしておるわけでございます。  なお、貨物駅がそういうように集約されますと、新しい荷役機械その他も十分残った貨物駅の方に金をかけて整備することができますので、そういう点につきましても非常にまた近代的な荷役もできるということになって、荷主さんの方にも相当御利益が出てくるのではないかというふうに考えます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 委員長に申しておきますが、先ほどこの問題について農林大臣かあるいは政務次官にぜひ出席しておいてもらいたいという要求をしておったのですが、大臣も次官も来ておりませんから、速急に出席するような手配をしてもらいたいと思います。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽(兵)委員長代理 今要求をして探しておるそうですから、さよう御承知願います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは中村さんにお尋ねいたします。そうすると、今度の貨物駅の集約の問題は、国鉄としての輸送企業の近代化、合理化の線でこれが計画されたのか、あるいは、もう収益の上がらない採算のとれないような貨物駅は、営業本意に考えて採算上これを逐次廃止する、そういう全く営利主義的な採算の上に立ったお考えであるか、その点はいかがですか。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 ただいまお話のございました先の方の理由、——近代化、合理化の線で考えておるのであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そうすると、私があとに言った問題、これは、いろいろな理由から国鉄全体の経営が非常に困難であるということは私たちも認めておる。従って、そういう営業上の不振、困難が大きな理由になって、不本意ながらこういうことをやらなければいかぬということではないですね。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 そういう面も全然ないとは申し上げかねますが、主たる目的は、合理化、近代化ということで考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そういたしますと、国鉄の本来の目的はあくまで公共企業体であるということには異論がないわけでありますが、その企業体の内容が体質的にも改善されて企業が近代化されるということが主目的であるとすれば、それは、国民全体に対して、国民経済の上からも、あるいはいかなる寒村僻地における国民に対しても、公共の福祉の鉄道の営業方針から見ても背馳しないという線でいかなければいけないと思うのでありますが、今回このような措置がもし強行された場合は、従来の何十年という歴史的な国鉄の貨物輸送と住民との間の密着というものが遮断されたり、あるいは多大の犠牲を受ける国民が相当生ずるということは当然予見できることだと思いますが、こういう国民生活あるいは国民の福祉に与える悪影響、犠牲というものを、どのようにして排除していかんとするのでありますか。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 ただいまのお話につきましては、実際問題といたしましては、小口の貨物と車扱いと若干問題が違うと思います。小口につきましては、現在ある程度東北線あたりでやっておりまして、ほとんど荷主さんに御迷惑をかけていないで、むしろ貨物の到着時間が短くなって非常にプラスの面が多いのではないかと考えておりますが、これは料金が若干増しますが、鉄道の方で負担してトラックを使ってやっております。車扱いにつきましては、お説のように、御迷惑のかかる点が絶対にないというふうには私たちは考えていないのでございますけれども、先ほど申し上げましたように、全体といたしまして、非常に鉄道の合理化にも役立つし、荷主さんといたされましても、荷役機械が相当整備されたり、あるいは相当スピードが上がって、生鮮食料品の鮮度が保てるとか、倉敷料が減るとか、そういうかなりプラスの面も考えられますので、国全体としては非常にプラスになるのではないかというふうに私たちとしては考えておりまして、そういう見地からこの際これを推進しておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これはやはり集約する場合には何か基準があると思う。ですから、基準の内容は明らかにされる必要があると思うのですが、このような大きな一つの、革命と言ってはちょっと大げさですが、貨物輸送上では大きな変革とも言えますので、そういう経営上の変革が生ずる場合においては、当然、監督の任にある運輸大臣等に対しては、これらの方針、計画を提示して、あらかじめ主務大臣の承認等を得て、しかる後にこれを進めていくというのが順序と思いますが、そういう点に対する手続というものは今日行なわれておるかどうか、いかがですか。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 集約の基準と申しますものは、あまりはっきりしたものは実はないのであります。大体年間二万トン程度以下の少しの貨物しか扱っていないところを一応の目安としておるわけでありますけれども、これは一応の目安でございまして、この基準によって一律に何でもかんでも集約するというふうには考えておりません。実情に詳しい鉄道監理局の意見も尊重いたしまして、荷主さん初め関係の方々の御了解を得た上で実施するようにしたいというふうに考えております。また、特に専用線のある駅、あるいは油の収容施設のある駅、あるいは青果野菜等で季節的に非常にたくさん出回るというような場合には、臨時にほかの駅でも扱うというように考えておりまして、なるたけ実情に即したようにやりたいというように考えております。  なお、運輸大臣に対しましては、口頭説明で全体的のお話は一応御了解願っておると思っておりますし、具体的な一々の駅につきましてはそのつど認可をいただいておるものと考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、山内局長にお尋ねしますが、今中村常務の言われたような計画については、やはり国鉄には、たとえば国有鉄道法とか、いろいろな法律、規則がありますが、これに基づいて当然の手続としての計画書の提示あるいは承認の手続等がこの貨物駅集約の問題についてはとられておるかどうか、その点はどうですか。

山内公猷運輸省鉄道監督局長

○山内説明員 国鉄と運輸省の関係は、御承知のように、日本国有鉄道法の規定するところによっているわけでありますが、こういう貨物駅の取り扱い種目の問題につきましては、法律の上におきましては報告事項になっておるわけでございます。ただ、しかし、問題が非常に重要でございまして、法律の面におきましては報告事項になっておりましても、やはり非常に大きな影響を及ぼすというようなものにつきましては、事前に十分運輸省の意見も徴して定めていくという慣行と申しますか、法律ではないわけでございますが、いろいろそういった従来の影響によりまして事前に了解を得るという実際上の慣行によっておるわけでございます。こういう問題につきましては、方針の問題について一応国鉄の方からわれわれの方に相談があったということは、もうだいぶ前からの問題でございまして、昨年の東北線の集約輸送をやりましたのがたしか夏ごろでございましたから、その前に一応方針的な話があったわけでございます。現在はまだ、ただいま国鉄の言われましたような状態は聞いておるわけでございますが、そう厳格に実施をするという段階にもありませんし、また、こういった線区の問題につきましては、全国一律に推し進めるという問題でもないわけでございまして、日本の経済のあり方、それから、その地方の経済のあり方、住民の方々のお気持というものを十分国鉄の現場におきまして検討した上でやらなければならないというわけでありますが、運輸省といたしまして考えておりますのは、ただいま中村常務から言いました国鉄の近代化、合理化というものは、やはり、交通機関というものは、御承知のように日進月歩のものでございまして、日本の経済のスピードに合ったものでなければならないし、その一つのモデルといたしましては先ほども欧米の鉄道のあり方というものも話がありましたし、われわれは、交通政策的に、国鉄の貨物輸送というものはどうあるべきかという見地から、こういう相談にのっておるわけでございます。運輸省の基本的なそういう考え方は、現在、戦後十数年たちまして、日本の各種交通機関というものも、一応戦争中の災害というものも脱しまして、日本の新しい経済とともに伸びていくという新しい転機になっておるという見地から、各種交通機関というものの持っております力を総合的にしなければいけないということを考えております。これは、日本だけではなくて、現在世界各国でそういった、あるいは自動車、あるいは船、鉄道というものの総合的な調整の問題として現在交通界では論ぜられておるわけでありますが、この点においては、われわれといたしましては、自動車というものは日本の貨物輸送におきまして中・短距離——中距離と短距離の輸送の分野をになっていくというのがいいのではないか、鉄道の輸送というものは中・長距離というものをになっていくというのが適正な分野ではないか、そういう見地から、自動車と鉄道というものの総合輸送力というものを日本の経済にどうマッチさせていくかという点から考えますと、ただいま中村常務から言いましたように、現在は非常にスピード・アップされましたし、トラックというものの輸送分野というものが経済的に相当廉価になって参りました状態においては、五キロの駅間距離というものは短か過ぎる。しかし、欧米におきますような二十キロというものは、国のあり方から見まして、遠い将来はあるいはそういう状態が考えられるかもしれませんが、具体的なそういう交通政策を考えるときには広過ぎる。十キロくらいというものが適当であるという根本的な了承はいたしておるわけであります。ただ、しかし、どの線区にどう取り扱うかということは、相当慎重に、国鉄自体も今御答弁ありましたように各種の情勢を十分勘案してやってもらいたいというのが運輸省の態度でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 私も、国鉄の近代化ということに対しては、これは原則的には何も異論はないのです。ただ、与える影響というものはどういうことになるかということを事前に十分調査検討されないと、単に経営上の問題、単に表面的な近代化だけの線で進むと、これは非常に反響が多過ぎるのじゃないかというふうに心配しておるわけであります。  それで、中村さんにお尋ねしますが、これは、今御説明によると、大体集約の基準を、年間の取り扱い量二五トンの線に置いておる、これだけですか。単に一年間二万トンということだけでこれは全国的に進めようとしておるのですか。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 これは、先ほど申し上げましたように、一応の目安と申しますか、考え方のよりどころという程度でございまして、今全国五キロ平均であるのを十キロ平均にしたいというような抽象的な問題でございまして、具体的な場合には、二万トンを基準にしたところが、二十キロ、三十キロもトラックで持っていかなければいけないというところも起こるかもしれません。そういう点は、実情に応じまして、先ほど鉄道監督局長からお話がございましたように、大体自動車としては十キロというものを基準として考えていいのじゃないかというお話もございまして、そういう点も勘案いたしました上で集約していきたいというふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 先ほどの運輸省の山内局長の話によると、おそらくまだ全国的な総合的な集約の計画というものは確立されておらないと私は推察しておるのですが、ただ、今中村さんが言われたような基準だけでいくとすれば、これはもう本社のデスクでながめて大体これは全国どの駅ということはおよそわかるわけですね。そうなると、これは、中央からの指示として、あるいは命令といいますか、そういう形で、支社、監理局、駅というふうにだんだん方針を下へおろして、それによってやれということで今進めておるのですか。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 一応、私たちといたしましては、支社及び監理局に対しては大体の考え方は話しまして、そういう方針で一応考えてみろ、ただし、実際問題といたしましては、先ほどから申し上げておる通り、実際の実情をよく勘案して、無理のないようにやっていけということ、二万トンというのは一つの目安にすぎないから、何もそれにあまりこだわることなく、あくまでも貨物輸送の合理化、近代化というのが最終的な目的なんだから、その線に沿うように考えていけということで、いろいろと指導いたしておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 一応全国の各支社とか監理局にはこれは流されたのですね。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 ええ、流しております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 その反響はどういうことになっておりますか。たとえば、全国いろいろな実情があると思うが、その現場の意向として、こういうような本社の計画というものを現地でこれがスムーズに消化できるとか、いやこういうような障害があってなかなかこれは実際問題としては不可能であるとか、そういう反響というものは国鉄の組織内においてどうであるか、当然現場の責任者というのは非常に熱意を持ってこれに当たっておると思うのですが、現在ではどういうような下からの反応というのが来ておりますか。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 お答え申し上げます。  これにはなかなかそう簡単にはいかないというような反響が、ある程度ございます。それから、場所によりましては、実は昨年もちょっとやったのでございますが、案外われわれが心配していたよりももっとスムーズに円滑に、現に荷扱いをやめてしまった駅もございます。実際上の問題といたしましては、その具体的な個々の駅々の事情によりまして、非常に千差万別と申し上げた方がいいのじゃないかと思います。これにつきましては、まだわれわれの方も十分いわゆるPRなり教育なり、要するに御納得いくような手段をとる時間的な余裕もまだございませんので、そういう点につきましては、できるだけわれわれの方でもPRの手段を講じまして、皆さんに十分御理解を得た上でスムーズにやっていきたいというふうな考えでおります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは、支社を経由して監理局の方へ方針を流しておるのか、あるいは、支社というものは経ないで、直接その監理局長に対して方針を与えて進めておるのか、その点はどうなんですか。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 支社を通じまして監理局の方へ流しております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは、全国的にはどうかわかりませんが、ある地域の支社の場合は、支社というものは関係ないのだ、これは直接本社と監理局との間においてこの問題を進めることになっておるので、支社は関係はありませんというような態度をとっておるところもあるやに私は聞いておるわけです。そういうことはないわけですね。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 私の承知している限り、そういうことはないはずでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは実際だれも取り組みたくないのですよ。現地へ行ってみると、だから、風当たりが強くなると、支社の方で、わしの方はよくわからぬということになるし、また、監理局へ行くと、いやこれは現地の駅長が荷主の皆さんと十分相談して納得のいく線でやるのですから、無理はかけませんというようなことを言う。しかし駅長の段階になると大へんなわけです。みんなが納得せぬ納得せぬという報告だけで数年も過ごすということになると、本社の方から厳達があって、お前やれないならもうやめろというようなことにもなりかねないのじゃないかと思うのです。ですから、こういう重大な問題を行なおうとする場合に、末端の駅長、現場の責任者かもしれませんが、その駅長の段階あたりにこれを消化しろということは最初から無理な仕事じゃないかと思うのですが、どうお考えになりますか。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 駅長だけでこの問題を処理させようというふうには私どもは考えておりませんので、先ほど申し上げましたように、十分PRするということは、本社はもちろん、支社、監理局から現場というところ、全国鉄を打って一丸といたしまして、各段階でそれぞれに応じたPRをやり、説得をやり、あるいは御理解を願うように極力努力する、こういうふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 私の知っている範囲では、PRといっても非常に陰性な形のPRしかやっていないらしい。たとえば、私は北海道関係ですが、北海道の支社として、関係の対象は農村とか漁村が多いですが、そうなると、廃止される駅は農産物とかあるいは林産物とか水産物というそういう物資をその駅で車扱いしないということになるのですね。ですから、これは、PRするとすれば、当然、北海道でも東北でもかまいませんが、やはり支社なら支社単位でその地域のそれぞれ関係の団体の代表に対しても方針を伝え、そうしてできるだけ協力してもらうというような方法をとることも、これをやる場合の順序として一つの方式だと思いますが、おそらくこういうことはやっていないんじゃないですか。これはやらしていないと思いますけれども、各個撃破の形で抵抗の弱いところから逐次やった方がいい。だから、集団的なあれは、これは労働組合の団体交渉にこりておるからかもしれませんが、とにかく、一つ一つ各個撃破的に抵抗の弱いところからやれという方針で進められておるんじゃないか。そういうことであれば、これは非常に陰性なやり方であって、公明なものじゃないと私は見ておるんですが、これは本社の方針でそうやっておるのかどうか、伺いたい。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 本社といたしましては、決してそういう指導方針はとってないわけでございまして、できるだけ関係の皆さんの御理解を得た上でやれ、——先ほど申しましたように、実は小口の方はそれほど問題はないと思いますので、車扱いが一番世間の関心の的になっている問題だと思いますが、それについては時間的にも今まで余裕がなかったと申しますか、小口の方が早くからやっておりますので、この方は相当PRも徹底しておるんじゃないかと私は考えますが、車扱いの方はまだそう時間的な余裕がなかったということで十分なPRもできてないということは、私たちとしても痛感しておりまして、来年あたりからこういうことのPRについて力を入れたいと考えております。ただ、先生御承知と思いますが、七尾線におきましても相当大きな集約になっておりまして、何も抵抗の弱いところからやっていくというわけではありませんので、七尾線の例をごらんになっていただけば、私の方で相当公明な態度でやっているということがおわかりいただけるんじゃないかと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 今言ったのは今後も各地で生ずることだと思うのです。たとえば、国有鉄道の組織規程というものがありますね。これを読むと、本社、支社、監理局の関係は機構上明らかになっております。監理局長は支社長の命を受けて業務を進めるのだということが明らかになっておるのだからして、支社が知らぬとかわからぬとか言うはずはないと思うのだが、一般の人たちは、そういうことを言われれば、なるほどそうかなということで過ごしてしまう場合もあると思う。私はこのことに賛成はしておらぬのですが、国鉄としてこういう大きな問題を進めるという場合は、やはり明確な態度と方針で、そうしてそれぞれの段階でみなが責任を持ってやるという体制でいくべきであると思う。そういう点はやはり指示された方がいいと思うのですが、どうですか。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 芳賀先生のおっしゃる通りでございまして、私も実は去る六月まで関西の支社長をやっておりまして、本年の春ごろの支社長会議で、当時の営業担当の石井常務理事から車扱いの集約についてはっきりした御説明がございまして、支社長全部にあの席上口頭の指示がございました。そういうふうに、われわれといたしましては各段階に応じて公明正大に仕事をやっておると考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次に、一応計画を進める場合においても、やはり、これは一挙にやるわけにいかぬと思う。それで、あなたの方では大体何年くらいを目途にしてこの目標に到達したいと考えておりますか。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 うまくできますれば三年くらい、しかし、なかなかむずかしいので、一応五年くらいはかかるのではないかというくらいな気持で参っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 もしこれがだんだん実現が進むということになれば、これらの駅はほとんど小口扱いもしておらぬし、そうすると、貨物の小口扱いもしない、あるいは車扱いもしないということになると、整理された二千に余る駅は、もう旅客だけということになるわけですね。そうすると、その次に来るものはどういうことなんですか。旅客専門であれば、なかなか鉄道の経営も不振であるからして、乗降客の少ないところは、場合によっては無人駅にした方がいいとか、あるいは、ディーゼル・カーの場合には中間の乗降場というものがたくさんできておりますが、それに準じた扱いにするとか、そういうこともやはり最初から計算に入れて進めておるのではないですか。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 貨物駅の集約というのは貨物だけを考えておりまして、一応やって、貨物輸送の近代化、合理化ということだけを考えておるのでございまして、旅客につきましては、そのときそのときの情勢に応じまして場合によってはあるいは駅の廃止というような場合も全然ないということをここで申し上げるわけにいかないと思いますけれども、全然別な面から、旅客輸送の合理化の面から考えていくというふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それはおかしいですよ。これはやはり総合的に考えるべきもので、旅客とか貨物だけを切り離すわけにいかぬですね。やはり、鉄道の営業というものは旅客とか貨物が一つの総合性の中で経営が行なわれておるのですからね。その旅客の方までは考えておらぬということは、これはちょっと論弁じゃないですか。この次の段階にはどうなるのだということを当然明敏なあなた方は考慮の中に入れてやっておるのではないですか。そういう点はどうなんです。ここではっきりしてもらいたい。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 旅客につきましては、これは抽象的な考え方になるわけでございますけれども、旅客に御迷惑をできるだけかけないようにということで、貨物取り扱い駅を集約して貨物扱いをやめたら当然旅客の扱いをやめるとか、そういうことは今全然考えていない、そういう意味で申し上げたわけです。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 私は、駅が全然なくなるとかということは言っていないのです。貨物関係は全然扱わないということになれば、当然旅客の乗降場ということになってしまうのです。そして、乗降客の数も、こういう対象になる駅はそう多くないと思う。そうなれば、あなたの方で言う近代化、合理化をさらに進めて、駅員を大幅に削減してしまうとか、あるいはディーゼルカーの中間の乗降場というのはだれも駅員がおりませんから、そういう無人駅みたいなものにだんだんしてしまうとか、そういうようなお考えは持っておるのですか。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 その点につきましては、先ほど申し上げましたように必ずこうするというようなことは、まだ全然考えておらないわけでございまして、これは正直に申し上げます。ただ、現在でも、山の中などの支線区につきましては、いわゆる閑散線区の合理化というようなことで、若干駅員を減らしたり、あるいは駅員の配置転換をしたり、そういう合理化方策をやっておりますので、今までの現にやっておりますような場合と似たような状況が旅客輸送について起こりましたら、そういうことも考えられるという程度しか考えていないわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、これと関連して、国鉄従業員の人員整理の問題はこれとどういう関係を持っているのですか。今後どういうように発展していくのですか。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 国鉄の要員につきましては、いろいろと問題がございますが、こういうような合理化をやり、これによりまして輸送力がふえて参りますので、その方に充当したいというように考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、将来ともこれによって人員整理というものは生じないということなんですね。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 こういう問題に関連いたしまして人員整理をするという考えは持っておりません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 人員整理が起きないという確信があるのですか。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 私は職員関係の担当の理事ではないので、そういう意味で、あまり責任を持った答えはいたしかねるのは非常に残念でございますが、少なくとも私の考えておりますところでは、こういう問題に関連しての人員整理というものは起こり得ない、やらないというように考えていただいてけっこうだと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そうすると、貨物取り扱いをしなくても乗降客に対しては従前に変わらないサービスを続ける、それから、そういう貨物の扱いが減ってしまっても職員の整理は全然起きないということになると、これは経営上から見るとあまり利点はないのですね。ただ、十八キロが三十五キロになる、スピード化されるという点だけが利点で、あとは何も利点がないわけですね。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 あるいは先生の御質問を若干誤解したかもしれませんが、配置転換は当然私の方では考えておりますが、いわゆる馘首をしないという意味で、私は整理ということを馘首という意味で先生のおっしゃったことを理解して、馘首はやらないのだという意味で御答弁申し上げたわけでございまして、先ほど申し上げましたように、輸送量がどんどんふえて参ってその方に使いたいということは、当然配置転換はするんだという意味で申し上げたわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それで、あくまで現地の荷主関係の納得の上でこれをやるということになるわけですから、実際問題としてどうなんです、納得しないという駅関係は当然集約できないことになると思うのです。その計算は、二千のうち何。パーセントくらいが実現可能で、あとの何パーセントぐらいが不可能だというような、そういう見通しもあると思いますが……。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 ただいまのところ、実はまだはっきり、二千のうちどのくらい集約でき、どのくらい残るかということの見当はついておりません。先ほどから申し上げておりますように、まだPRが十分に徹底しておりませんし、従って、地元の御理解、御協力ということにつきましても、場所によりましては先ほど申し上げましたように相当うまくスムーズにいったところもございますけれども、まだ全般的に考えましたときには、これからそういう問題をあちこちで十分PRした上で、先ほど申し上げましたように三年ないし五年のうちに実現していきたいというので、われわれといたしましても腰を落ちつけてじっくり慎重にやっていきたいというような気持を持っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次に、集約が進んだ場合、その関係地区の住民とか荷主に、従来に比べた場合相当の犠牲あるいは損害を与える結果が生まれるわけです。これらの損害あるいは犠牲は営業上の利害関係からやられるのですから、この損失とか犠牲に対する補償措置というものは当然講ぜられると思うのですが、具体的にはどういう計画を立てておりますか。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 はっきりした具体的な補償措置のことについてはまだ研究の段階でございまして、今はっきりお答え申し上げる段階に至っておりませんが、ただ、われわれの感じとして考えます場合に、片方におきまして、集約によって非常に利益を得ると申しますか、得をされると申しますか、そういう荷主さんがあるわけでありまして、その間の調整をどういう方法でとるかということにつきまして今研究中でございます。ただ、一般的に申し上げますと、先ほど申し上げましたように、国民経済全体としては非常にプラスになるという確信をわれわれは持っておりますので、そういう点においてある程度の犠牲は場合によってしのんでいただかなければならぬということもあり得ると考えます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 その考えはだいぶ間違いじゃないですか。たとえば、国民全体の中で被害を受ける国民の数が全体から見ればもし少数であるとしても、その少数の犠牲は多数の利益のためには当然だというような、そういう考え方が今度の集約の中に表現できる根拠というものはないと思うのです。企業上、採算上の理由がここに含まっているので、こういうようにした方がもうかるという一つの利益の上に立ってこれを進めようとする場合、あくまでもこれは公共の福祉だけに徹してやるというわけじゃないのですから、国鉄の側から見れば利益になるということが、国民の側から見れば従来より不利益になるという場合に、国民経済上の大局から見ればこれは利益になるのだからお前らは犠牲を忍ぶべきであるということは、これはちょっと条理にはずれるのではないかと私は思うのですが、どうですか。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 実は、この具体的な場合にどの程度犠牲と申しますか損害をおかけするとかという点につきましては、算定の方法がむずかしいと思うのです。たとえば、自分の近くの駅がなくなったので隣りの駅に持っていかなければならないから運搬賃がかかるが、しかし、自分の送っている生鮮食料品なら生鮮食料品が東京に来るまでに一日早くなるから、鮮度が落ちないで相当高く売れる、あるいはまた、倉庫に一日寝かしておかないで済むというような場合は、プラス・マイナス差し引きの問題になると思いますが、そういう点についてどうするかという問題であります。片方、たまたま残る方の駅の近くにいた荷主さんにつきましては、プラスの面ばかりが生じてくるという結果になりますので、その間の調整を何とか考えなければならないのではないかということは考えられますけれども、先ほど申し上げました具体的なプラス・マイナスの算定の方法なり、またプラスになるものの算定の方法というものが非常にむずかしいのでございますから、もうちょっと検討さしていただきたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そういう大事な問題の検討とか、対処する具体策が立てられないままに、ただPRだけ進めてどんどんやるということは危険だと思いますが、この点は、監督の任にある山内さん、どうお考えになりますか。

山内公猷運輸省鉄道監督局長

○山内説明員 そういう点どうするかということは現在まだ国鉄から聞いていないわけでございますが、われわれの聞いておりますところでは、——先ほどから中村理事が説明いたしておりますように、現在の鉄道の駅は近代的なトラックというものを対象にしてできておりません。先生御承知の通り、貨物駅のホームというものは大体馬車の高さのレベルに合うような作り方をいたしております。この集約の場合におきまして、レベルの荷役量とそれから段階のついた荷役量というものは非常に違うわけでございまして、その点において全国鉄の貨物駅の近代化というものには相当大きな費用がかかるのじゃないか。新しい輸送要請に対応する駅を作っていくという大きな問題があるわけでございます。ただ、今言いましたように、四千駅全部それを実施するわけには参りません。御承知の通り、国鉄は近ごろ非常に採算ベースがよくありません。しかし経済の伸びに従いまして貨物設備の改良をする必要がある。これはターミナル・ハンドリングという名前でアメリカにおいて大いに議論されているところでありますが、こういうところの経費が高くつくことが今現在アメリカの経済におきましても物の価格を安くする上において一番大きな隘路として残されておるところでありまして、その問題に今国鉄も当面いたしておるのでございまして、この駅の荷役というものをそういった点で改善し、あるいは機械設備をもっと国鉄自体が持って荷主に大きな利益をもたらすというのも今度の目的の一つでございます。そういった場合に、集約駅において国鉄がその地方の荷主さんに対してどのくらいサービスするか、それによって梱送費というものはどのくらい浮いてくるかということをさらに国鉄において今検討してもらっておりますが、そのほかにそういった点を今検討してもらっておるところでありまして、そういった点で、国鉄の受けるべき利益はその地方の荷主さんにリベートしていく、——リベートという言葉は悪いのでありますが、返していくという方向にいけば、その集約されました線区におきます荷主さんにも、もちろん不平等の点もあるかと思いますが、概括的の利益の返還はできるのじゃないか、そういう点において国鉄の努力をわれわれとしては大いに期待いたしておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 本日は時間がおそいですから、きょうここで結論を出すという考えもありませんし、一、二問題を提起したという程度できょうは終わりにしておきたいと思いますが、私のところは北海道なんですが、たとえば冬季の事情と夏分の事情というものは輸送上から見ても非常に違うのです。夏場では、最近は国道網も相当整備されてトラック等による輸送力というものは従来から見ると相当強化されておる。それが冬季になると国道を利用するトラックの量というものがごく局限されてしまう。そういうことになると、夏の場合には当てはまる事情であっても、冬季には全然実情に沿わぬという特殊性というものが、これは単に北海道だけではなくて、あるいは東北においても信越においても、そういう克服することのできない自然条件というものがあるわけです。そういうものが、先ほどの御説明によると、何ら整理基準の重要な項目とはなっていないわけですね。これは非常に危険だと思うのです。ですから、これらの問題に対しては、関係の支社、監理局等に対してはどういうような配慮を指示しておるかという点ですね。  もう一つは、私の持っている資料でいくと、これは正確の度合いは私も自信がないが、北海道にある札幌、旭川、釧路、青函の四つの監理局を通じて大体二百五十程度の駅の整理をやられるのじゃないかというふうに推定しておるわけです。この中には、たとえば整理される駅の所在地が農業関係の場合には農業協同組合の所在地であるという場合が非常に多いわけです。協同組合の場合には、当然米あるいは農産物を収納する農業倉庫というものは駅の付近に建設されておるわけですね。そうして、そういう倉庫業を営んでおる。これらが駅の集約によってほとんど倉庫としての用をなさなくなる。それからまた、農業協同組合あるいは漁業協同組合もそうでありますが、組合の経営あるいは運営上に甚大な障害を与えるという駅も、私の見るところだけでも相当数に上っておるわけです。ですから、これらの点に対しては、現地に対してもほとんど具体的な説明とか処置というものに対しては本社からも指示が行なわれていないのではないかと思うのです。ですから、こういう点は、現地だけにまかせるというだけでなく、それぞれの事例に基づいて、こういう場合にはどうする、これこれの場合にはどのようにこれを判断して扱えとか、しさいな整理基準に付随したいろいろな問題に対して対処すべき事柄というものをやはり列挙して、そうして地方の支社長であるとかあるいは監理局長の方に指示が行なわれてしかるべきであると思いますが、それが全然行なわれておらぬと思うのですが、その点はどうなんですか。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 ただいまのにお答え申し上げますと、先ほどから申し上げておりますように、現地の事情に即した方法で考えていくということで、ある程度現地の支社なり監理局にまかしておるわけでございます。  それから、先ほども申し上げましたが、北海道の支社で二百五十駅を集約するというものも、一つの標準から出た数字だということで、無理をして短兵急にやってもらっては困るという気持でむしろ指導しておるわけでございまして、いろいろと、夏冬の問題につきましても、先ほどちょっと申し上げましたように、青果物等につきましては、貨物が相当出回るときに要請によって臨時に列車をとめて扱うというようなことも場合によっては考えたいというふうに考えておりまして、相当弾力性のある運用で処置して参りたいというふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この席で中村さんから直接説明を聞くと、なるべく無理をしないと言う。それから、山内局長に聞いても、そういう無理はすべきでないということで、私どもはこの場所でそういう説明を聞くとわかるのですけれども、ところが、率直に言うと、国鉄というものは、官僚機構というか、上からの命令が非常に強く響くところだと私は見ておるのです。組合の関係は別ですが、とにかく、本社の命令ということになると、これは金科玉条でやらなければならぬということで、それがまた支社から監理局長に流れていく。局長はまた関係の駅長を集めて、お前らこれをやらなければいかぬぞということになると、死にもの狂いでこの問題と取り組むということになると思うのです。ですから、そういう無用な精力を浪費させないように、これは国鉄一家の温情の中で十分配慮されて、無理をするなという気持があるならば、末端まで全然やらぬということとは違うと思うのですが、無理をしないでやるということを基本に、でき得るならば、その無理をしないという内容はこれこれだ、いろいろな事情についてはこういうような配慮で処理しなければならぬということで、これは速急にそういう本社の精神とか考え方、あるいは監督の運輸省の方針等も下へ流してやる必要があると思うのですが、いかがでしょうか。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 お説まことにごもっともでございまして、私たちも今までそういうような気持で指導してきたつもりでございます。ただ、問題は、ちょっと御参考に申し上げたいのは、こういう新しい近代化の政策というものは、国鉄といたしましては、貨物輸送の、何と言いますか、先ほど先生は体質改善とおっしゃいましたが、そういう問題だというふうに考えておるわけでありまして、やはり、支社あるいは局、現場を含めましての幹部の頭の切りかえということが相当大事な問題だと私たちは考えておりますので、そういう面におきましては、相当頭をはっきり切りかえなくては困るというふうに強く言っている面もあるわけであります。そういう面と、それから、実際にその切りかえた頭によって具体的に政策を実施に移していく面と、そこに無理をしないように、できるだけ納得づくの上でやっていきたい、しかし、頭の切りかえだけははっきりやってもらいたいというふうに指導しているつもりなんでございますが、それが若干混同されてしまって、やみくもにやらなければいけないというふうにあるいは誤解を与えておる点があるかもしれませんので、各支社に営業担当の方もおりますので、近くそれに私から説明したいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それから、今度の集約の問題、これは農村、漁村に大きな影響があるのですから、農林省もこれは無関心じゃないと思うのです。きょうも要求しても大臣も次官も来ませんが、どの程度農林省が関心を持っているか、私はまだわかりませんが、こういう問題については、従来農林水産物資の公共政策割引の問題にしても、あるいはこれは国鉄とは直接関係ありませんが農林水産物資を中心にした通運料金の改定、これは運輸省が承認するかしないかの問題ですが、そういう問題等についても、やはり農林漁業政策の見地からも非常にこれは大きな問題だと思いますので、農林省当局等とはどのような打ち合わせとか了解をされておるか、その点を伺いたいと思います。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 貨物駅の集約につきましては、私の方から農林省の事務当局に伺いまして相当詳しい御説明を申し上げております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 その上の方の、たとえば大臣とか、小枝さん今来ましたが、政務次官とか、そういう首脳部の人たちと国鉄の首脳部と話し合いをしたことはないのですか。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 その点につきましてはまだやっていないと思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 今までいろいろな問題を扱っても、あなたの方の磯崎さんという営業局長はなかなか頭が切れる人らしくて、政策割引の問題にしても、農林省の担当者との間においては力関係でなかなかうまくいかない面もあると思います。これは私は政策的な問題だと思うのです。従って、これはもっとトップクラス、たとえば、あなたは首脳部ですから、農林大臣と話し合うとか、あるいは政務次官と話し合うとか、もう少し政策的にこの問題を取り上げてこのことが農林漁業に及ぼす悪影響というものがどの程度のものであって、今後農業政策を進める上にこれが障害になるかどうかというような政策上の利害関係というものはやはり十分に判断されて、そのことが農業政策を今後遂行する上にこれは相当障害になる、あるいは岸内閣に対しては農民は信頼しないような結果がここから生まれるかもしらぬというようなことになるかもしれないから、こういう点はもう少し首脳部の諸君と話し合いをするという必要はお感じになりませんか。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 ただいま先生から御指摘のありました点、私たちも感じております。ただ、この問題は非常に政策的な問題なので、私たちと農林省の最高首脳部の方々と直接話し合うよりも、場合によっては運輸省の方も入って話し合いをした方がいいのではないかと思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、小枝さんにお尋ねします。  あなたは聞かなくても勉強してわかっておると思うのですが、全国の貨物取り扱い駅が現在三千八百くらいあるのです。そのうち二千駅を整理して、これらの整理された駅では、自今貨物の車扱いも小口扱いもしないという事態が生まれる。対象になる駅というものは、われわれが大体推定してみると、年間取り扱い数量二万トン以下というものが一つの基準のめどになると思います。そうなると、これはほとんど全国の農村、漁村に散在する駅が対象になる。従って、今後農産物、林産物あるいは水産物等の貨物輸送上から見て、これは非常に重大な影響をもたらすとわれわれは危惧しておるわけです。それで、農林省としては、この問題をどの程度に検討されて、どういうふうな方針を立ててたとえば国鉄当局あるいは運輸当局と話し合いをされておるのか、あるいはしないならしないでいいですが、現在の農林省の態度というものを明らかにしていただきたいと思います。

小枝一雄自由民主党農林政務次官

○小枝政府委員 ただいま芳賀委員のお尋ねの、国鉄駅の問題あるいは運賃関係の問題でございますが、この問題は、御承知のように、一応十二月末日まで延期されてきたわけであります。もはや期限も迫っておる関係もありますが、この駅の廃止という点につきましても、これは同様な結果をもたらすということを私どもは痛感しております。ことに、先生御承知のように、最近農林漁業と他産業との所得の均衡の問題がありますし、農林物資の運賃が上昇するということは、農業経営に非常な悪影響を与えるということは御承知の通りでございます。従ってこの問題は、ただいま運輸省側からも答弁がありましたように、農林省としても、それぞれの主管局におきまして、これがどういう影響があるものであるかというようなこと、その他運輸省の方針等についても細部についてその説明を聞きましたり、検討いたしておる次第であります。先般大臣からも私は聞いたように記憶いたしておるのでありますが、十二月の末日までにはこれは決定しなければならぬ問題であるから急がなければならぬということで、水害等のために忙殺はされておったけれども、これは折衝も急いで結論が出せるような検討を一つ進めてほしいということを事務当局にはよく話しまして、今食糧庁あるいは林野庁その他各局の間で検討を進めまして、事務的には運輸省側との連絡をいたしておるわけでございます。われわれといたしましては、これはいろいろ重大な影響があるものと考えますので、できるだけ早く検討の結果をもって運輸省側と折衝したい、かように考えておる次第であります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 特にこれは石田委員からも発言があると思いますが、米に一例をとっても、これは現在は食管制度に基づいて政府が農民から現地で買いつけた米を指定農業倉庫に収納しておるのですから、その倉庫の所在地が貨車を取り扱わぬ場合も、これは食管の負担で移動されるから直接生産者に影響がない場合もありますが、今の自民党内閣の方針というものは、もう数年後には米の統制撤廃もやるのだというような気がまえでおるし、また、自民党のバックの財界の方では、早くやれということでけしかけておるわけですから、今は統制が存続しておるから心配ないということだけでは済まない面もあると思います。また、小枝さん御承知の通り、この農業協同組合も漁業協同組合も、この所在地の駅あるいはそういう倉庫の建設されている駅等が貨物の扱いを全廃するという事態になった場合に、この農業、漁業組合等に与える影響、あるいは農民、漁民に与える不利益というものははかり知れないものがあると思います。ですから、こういう点に対しては、運輸省の山内局長も慎重な配慮をする必要があるという発言がありましたし、それから、国鉄の中村常務理事も、これは実情に沿ったような方針を早期に立てて処理を進めていきたいというような発言もあったわけですから、一番関係の深い農林省当局としては、具体的ないろいろな問題を十分に掌握して、取り返しのつかぬ事態にならないうちに善処されたらいいと思うのですが、いかがですか。

小枝一雄自由民主党農林政務次官

○小枝政府委員 おっしゃるように、これは、小さい駅の貨物の取り扱いを廃止するということになりますと、御説のように、農山漁村が一番影響をこうむることは明らかであると思うのです。仰せのように、これは重大な問題でございますので、私ども、大臣ともよく相談をいたしまして、大臣からも運輸省と相談をするのみならず、あるいは閣僚会議、経済閣僚懇談会等において十分この問題を検討いたしまして善処いたしたいと思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 現在委員会でも取り上げておりますが、通運料金の改定の問題と貨物駅集約の問題とはどうも何か関係があるように思うのですが、これは山内さんいかがですか。

山内公猷運輸省鉄道監督局長

○山内説明員 直接私の所管でございませんので、あるいは私からお答えするのが不適当かもしれませんが、少くともこの貨物駅の整理の問題につきましては、通運料金の改定以前の問題でございまして、先ほど私、昨年の夏に東北線の集約が行なわれたと言ったのですが、思い違いでございます。実は一昨年やったわけでございます。  それで、非常に御心配の点は実はよくわかります。初めに東北線の集約を一昨年やりましたときに、非常な反対が起こったのでありまして、当時私は自動車をやっておりまして、国鉄とトラック業者その他との調整をまかされたわけでありますが、そのときにも、そう無理をしてやらないようにという趣旨で、いろいろ今までお話がございましたが、地方的の駅の事情というものもいろいろあるわけでございまして、ただいまお話のありましたような問題もございますし、あるいは集約駅等の道路の問題もあるわけでございまして、そういった点を十分国鉄でも慎重に検討をいたしまして現在集約をいたしておるわけでございますが、集約いたしました結果は、国鉄にも相当利益になり、その地方の方々にも相当貨物がスピード・アップになりまして、不平というよりは、割合にうまくいったというふうな印象をわれわれは持っておるわけでございます。  それで、通運の問題は直接は運賃の改正とは関係がございませんで、通運事業そのものであるということはよく存じております。といいますことは、廃止される駅の通運の仕事がなくなるという問題はもちろん起こるわけでございまして、それらの関係は十分検討いたしております。通運料金の改定自体とは、ただいま言いましたように、国鉄の近代化というものが相当前からいろいろ検討されました関係上、別問題としてわれわれは考えて参ったわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 表面は関係ないことになるのですが、今検討中の通運料金の改定も、ほとんど農林水産物資にしわ寄せがきておるのですね。全体から言うと〇・九%くらいの値上げということになるらしいですが、品目別に検討すると、農林水産物資は大体三〇%くらいの値上げになるということが明らかになっておる。しかも、今までの四号級の料金を廃止するということなんで、四号の該当というのはほとんどこういう小駅なんですね。ですから、この駅が今度は貨物扱いをしない、そうして今度は等級も下のものを上位の等級に繰り上げて、そうしてしかも農林水産物資の通運料金は三割以上も値上げになるということになると、たとえば国の運賃の制度にしても、あるいは通運料金の制度にしても、一番経済力の弱い農林水産業にだけ犠牲と負担がほとんど転嫁されるということに当然帰納するわけです。ですから、このことは、経営採算上から見れば問題があるとしても、先ほど来言う通り、国の政策上の問題から見ると、やはり十分な配慮をする必要があるというふうに考えるわけです。この点は監督局長の所管ではないと思いますが、業務課長も来ておられるので、それらの点に対する相関性というものに対して、明らかになる点があれば説明してもらいたい。

山内公猷運輸省鉄道監督局長

○山内説明員 本日、通運関係の料金を取り扱っております関係の者が来ておりませんので、別途また御質問願いたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、それは後日に譲って、最後にもう一点お伺いいたしたいことは、例の農林水産物資の公共政策割引の期限が十二月一ぱいとなっております。これは、小間切れみたいに、二ヵ月延ばし、三ヵ月延ばし、カンフル注射で延ばしているようなことですが、国鉄貨物運賃の十二月一ぱいまで延期されておるところの農林水産物資を中心にする公共政策割引の問題は、十二月の期限経過後はどうなるか。これはさらに延長の措置をとるかどうかという問題も当面に迫っておる。その点について、山内局長でもいいし、また国鉄の中村さん、どちらでもいいです。

山内公猷運輸省鉄道監督局長

○山内説明員 その問題につきましては、経済企画庁長官が中心になりまして、経済閣僚懇談会において、十二月末までに結論を出すということになっております。それで、われわれ事務当局といたしましては、その間あの制度の及ぼす影響その他、現在事務的に検討中でありまして、まだ経済閣僚懇談会にその議が付議されておりませんが、その結果どうなるかがきまることでありまして、われわれといたしましては、本日まだお答えする段階になっておりません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 では、大体私の質問はこの程度にして、また次の機会にあらためて質問したいと思います。  ここで委員長に申し上げておきますが、資料要求の件についてです。  当委員会において通運料金の問題に関する資料を相当大幅に要求をしたのでありますが、まだ整わないのがあれば速急に要求してもらいたい。  それから、なお追加して要求したい点は、通運料金の改定に関連して、日通の従業員の給与体系の内容に関する資料、たとえば、事務系統の社員の給与、あるいは従業員のうちの常勤労務者あるいは非常勤労務者等の給与内容等の資料が、もし配付になっておればいいのですが、いまだ配付になっておらなければ、料金改定上非常に重大な問題ですから、この資料の要求をしておきます。  それから、本日の問題について、先ほど中村常務理事からいろいろ御説明がございましたが、できるだけ早い機会に、集約の基準の内容について、単に二万トンというようなばく然としたものでなく、私が質問したような内容をも含めて、できるだけ細目にわたった集約の基準の案なりを当委員会に資料として提出してもらいたいと思うわけであります。  それから、なお、問題が明らかになりませんところの、集約によってこうむる、集約される駅の所在の関係住民の犠牲、損害に対する補償措置というものはどうやるか、それについても当局としての方針を速急に立てられて、その方針についても委員会に対して内容を明らかにしてもらいたいと思います。  それから、PRをやると言われておりましたが、この点については、決してこれは官僚的な至上主義の方針でなくて、何でもかんでも監理局長から現地の駅長に重大命令を発してこれがうまくいかなければまた考えがあるぞというような態度をとることはしないと言われましたが、やはり、官僚機構の中においては、上司からの指示というものは、私たち部外者が見るより非常に響きの強い影響が多いからして、そういう点に対しては、十分、国鉄一家の親心の中で、下部の現地の責任者にだけ重い荷物をしょわせないということを明らかにした、そういう指示を流されるということもあわせて希望して、私の質問を終わります。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽(兵)委員長代理 芳賀君に申し上げます。ただいま委員長に対して資料の要求がございました。一部は出ておるようでありますが、なお足らぬのと、新しく資料の御要求がありましたので、それぞれ手配をしていただくことにいたします。  なお、中村常務理事に申し上げますが、資料の要求と御意見が出ておるようでありますから、何かお考えがあったら述べていただきたいと思います。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 ただいまお話のございました資料につきまして、できるだけわれわれといたしましても早急に調製いたしたいと思っておりますが、特に、基準の内容につきましては、先ほど私が口頭で申し上げました程度以上には、なかなかむずかしいと申しますか、あれ以上のこまかいことはなかなかきめにくい問題でございます。  それから、犠牲の補償の問題につきましては、これまた部内で相当慎重に検討いたしませんと、あまりはっきりした具体的な方法というものはお示しするのに時間がかかるのじゃないかというふうな感じを持っておりますけれども、できるだけ御要求に沿うように努力いたしたいと思います。  命令の方は御要望事項だと思いますが、これは当然のことでございまして、先ほど申しましたように、近く支社長会議がありますので、その席上よく説明いたします。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽(兵)委員長代理 石田宥全君。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 大へん時間がおくれまして、なおまた芳賀委員の質疑で大体のことは明らかになりましたから、きわめて簡潔に一、二の点だけお尋ねしたいと思うのであります。  国鉄の近代化、スピード化等を内容とする体質改善についての構想を承ったわけであります。なお、その際特に山内国鉄監督局長も発言されましたように、厳格に実施するものでもないし、関係者の了解のもとにやるというようなことであります。聞いておると大へんやわらかくして親切な処置のように聞こえるのであります。実は具体的な例を示して伺うわけでありますが、私の地方でこういう四号級駅の集約というようなことが一般に周知されていなかった。それがために、当然集約を予定されておる駅の近くに、貨物輸送を考慮の中に入れて技肉センターの建設を始めておるのです。もうだいぶ進行しておるので今さら取りやめもできないわけでありますが、こういう事態が今後次々に起こるようなことになりますと、非常な犠牲を払わなければならないということになると思う。一つの枝肉センターのために、あるいは一つの倉庫のためにこの措置を取りやめをするようなことができるかどうか、ここに非常に疑問がある。そこで、このことの周知徹底方については、大よそいつごろからどういうふうな手続でどの程度にまでそれが徹底がされておるのか、それらの点をちょっと承って、今後そういうことのないように一つ御注意を願わなければならぬと思うのです。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 お答え申し上げます。  実は、この問題は、先ほどから申し上げておりますように、部内といたしましても、非常に新しい大きな転換なので、相当慎重な態度で、実情を最初に調査するというようなことから、昨年の秋ごろから、約一年ばかり前から調査を始めたのでございます。本社といたしましては、先ほど申し上げましたように、とりあえずの目標として、現在の扱い駅を半分くらいにして、列車のスピードを倍くらいにしたいということも、この調査の結果を参考としながらやってきたわけでございまして、従いまして、こういう問題がまだ熟さないうちに外に出ますと、地元の方々を刺激したりして、推進にも相当妨害になるのではないかということも考えられましたので、われわれの方といたしましては調査そのものは非常に慎重に行なったわけであります。それに基づきまして先ほど申し上げましたように、ことしの春ごろでございますか、大体の方針が固まりまして、支社長会議で本社の理事から指示がございまして、私もその当時関西の支社長をやっておったわけでございますが、それに並行して事務当局の方からもいろいろと指示があり、現地の方からもいろいろ相当むずかしい問題があるので慎重にやらなければならないということを申し上げてやったわけでございまして、細目的に、先ほど申し上げましたように、この駅はやめる、この駅は残すというようなはっきりした形で今までは必ずしもできておりませんので、今のお話しのような、市場ができるとかいうような問題が若干今まであったように聞いておりますが、今後におきましては、一応のめどがつきましたので、各団体なり農業団体、そういうところにも鉄道監理局なり支社なりからわれわれの考え方を一応御連絡申し上げまして、そごのないようにやっていきたい、こういうふうに考えております。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 これからおやりになるということでは、今申し上げたようにすでにおそい。関係者の間によく了解を得た上とか、これは厳格に実施するのでないとかいうようなところに非常にあいまいさがあって、そのあいまいさがあることが結果においていろいろな悲劇を生むおそれがあるのではないか。すでに一部の倉庫業者の間にはあらかじめそのことをおもんぱかっていろいろな計画を進めている者がある。ところが、そういう事情にうとい農業団体等の人たちがもうそういうことには関係なしにどんどん建築を進めるような事態が起こりますと、大へんなんですよ。今度の場合は、三千九百もあるうち、それを半分くらいにしようということですから、大へんな改革なんです。そういう事態であるのに、表面非常にやわらかく受け取れるような表現を用いられておるけれども、結果においては相当きつい措置が行なわれるのではないか。国鉄のような大きな団体というか会社というか、こういうところになりますと、やはりだんだんと官僚化して参りまして、責任が一体どこにあるのかついにはわからないようなことになって、最後には上から断を下すようなことが往々にしてあるわけです。ですから、むしろやはりすみやかに公開をされて、こういう基準のもとに整理をしたいのだという意思表示をされて、同時にまた、芳賀委員が指摘されたような、鮮魚とか果実とかいうような季節的なもの、あるいは米などに対しても、一定の季節的なものあるいはまたその他年間のものについても、関係方面でよく連絡をとって、米等は食糧庁のオーダーの切り方というようなものもそれに合わせて、臨時的に貨物の車扱いをするというような暫定措置ができないはずもないわけであります。そういう点について、不安を与えるようなことになってはいかぬからといって、ただやわらかい表現だけを用いるということが、かえってあとで大きな悲劇を起こしてはならないと私は考えるので、やはり、それらの点については、農林水産関係にほとんどしわ寄せがくるようなこういう改革にあたっては、具体的にそういう臨時的な措置や何かについても考慮しておる、やり得るというようなことを明らかにされれば、それほど不安を与えることもないと思う。それらの点をやはり十分検討されておると思うけれども、まだ農林省との関係なども十分連絡がないように承っておるので、それらの点について、具体的にわれわれが納得のできるような構想というものをつけて、こういう程度のものについて年間二万トンなら二万トンというものを標準にして整理することが、これは国民全体の利益になるのではないか、しかしながら、犠牲を払わされなければならないような産業なり地域というものについてはかような便宜措置をとるとかいうようなことをも付加されれば、必ずしも納得されないことではなかろうと思う。それらについて一つ十分考慮されまして、国鉄関係だけではなしに、あるいは運輸業者だけではなしに、その他の団体とか関係の人たちにもよく趣旨がわかるような措置をすみやかにとるべきではないかと考えるのでありますが、どうでしょうか。

中村卓日本国有鉄道理事

○中村説明員 先ほどから申し上げておりますように、案の具体的な内容が、一つ一つの駅をとっておりますと、なかなかまだ固まっておらない段階でございます。従いまして、絶対にこの駅は残すとか、この駅は絶対になくすのだとかいうようなことは簡単には申し上げられないわけでありますので、その点がPRする方法としてもなかなかむずかしいわけでございますけれども、一応われわれとしてはこういう点でこの駅を対象に考えているのだということは、先ほども申し上げましたように、関係の諸団体にはこれから御連絡をいたしたいと思っております。  それから、なお、先ほどもちょっと申し上げたのでありますが、季節的な出回り品の農産物につきましては、臨時的な駅で貨物を扱うという暫定的な方法も考えております。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽(兵)委員長代理 本日はこれにて散会いたします。     午後八時三分散会

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