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33回国会衆議院1959/12/04

農林水産委員会 第10号

発言数
203
登壇者
13
会派数
2
開催日
1959/12/04

会議録

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 これより会議を開きます。  参考人決定につきましてお諮りいたします。すなわち、繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について参考人より意見を聴取することとし、参考人の出頭を求める日時及び参考人の人選等につきましては委員長に御一任願いたいと存じます。以上につきまして御異議ありませんか。     [「異議なし」と呼ぶ者あり]

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 御異議なしと認めて、さように決定いたします。      ――――◇―――――

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案及び繭糸価格安定法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。  この際、福田農林大臣より前回の本委員会での質疑に関連して発言を求められておりますので、これを許します。福田農林大臣。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○福田国務大臣 過般の当委員会における高田委員と蚕糸局長との間の問答に関連をいたしまして、私から、その中でおも立った諸問題に関しまして政府で検討いたしました結果をお答え申し上げます。  まず時価の問題でございまするが、時価の判定が非常に困難であるということは御了承願えると思うのであります。今日現物相場におきましては二十万円をこえておるという状況でありまするが、取引所の当限の方は十八万円というような相違も出ております。一方国会におきまする法案の審議の状況なども反映しておる事情があろうかと思うのでありまするが、生糸価格の変動が非常にはなはだしい。さようなことで、一そう今日時価の判定ということには困難な事情が存するのでございます。私といたしましては、法案通過後の生糸の時価、これを見る必要があるというふうに考えておりまするが、諸般の事情を慎重に見守りましてこれをきめていきたいという考えを持っておるのでございます。かりに、私どもが、時価が十八万円ではないんだ、これをこえるものであるというふうに考えました場合には、もちろんこれは国の会計法の原則に従いまして処置をいたす、かように考えております。売り渡し方法などを変えることがその際予想されるわけでございまするが、そういう場合におきましては、もちろん繭糸価格安定審議会を開催いたしまして、これにお諮りいたしましてきめていきたい、かように考えておる次第でございます。  次に、二十三万円と十八万円という二つの価格があるが、その二つの価格の関係いかんというような点でございます。二十三万円という価格は法律上の最高価格であるというふうに考えております。また、十八万円というもの、これは時価をそういうふうに十八万円と見ておるわけでありますが、この十八万円という価格は政府糸の売り渡し価格でございます。すなわち、二十三万円は法律上の最高価格、十八万円は臨時措置法に基づきまして政府糸を売り渡すところの価格でございます。しかし、政府糸を売り渡すということでございまするから、経済的に見ますると、この売り渡し価格が経済上の最高価格の役割を果たす、かような働きをいたす次第でございます。  それから、第三の買いかえの問題でございます。この買いかえの問答を私も承っておったのでございますが、どうもいろいろと行き違いが重ねられておったようでございます。買いかえは物品管理上の目的から実施したのでございまするが、その買いかえを実行する時期の選定にあたりましては副次的に生糸価格の安定という効果をねらう、そういう意識のあったことはこれは事実である、かように考えております。しかし、これを実施して見ますると、かえって弊害を生ずるというようなことにも相なりましたので、直ちにこれを中止するというふうにいたした次第でございます。また、御質問がありましたが、すでに行ないました分の買い入れにつきましては、法律の趣旨に反しないようになるべくすみやかなる機会にこれを実施いたしたい、かように考えております。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 午後一時三十分より再開することとして、これにて休憩いたします。     午後零時三十七分休憩      ――――◇―――――     午後二時八分開議

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件につきまして調査を進めます。  ビール麦の取引問題について質疑の通告があります。この際これを許します。神田大作君     〔委員長退席、丹羽(兵)委員長代   理着席〕

神田大作日本社会党

○神田委員 ビール麦の生産あるいは販売等に関しまして当局にお尋ねしたいと思います。  最近ビール麦の生産並びに販売等に関しましてとかくの問題が起こっておるようでありますが、この問題におきまして、農林省当局としてはいかなる見解を持っておられるか、あるいは、現在までにこれらに対してやってきました農林省当局の施策等について御説明を願いたいと思うのであります。

江川了農林技官(振興局普及部長)

○江川説明員 ビール麦の生産並びに販売に関しましては、御承知のように、ビール用大麦は、まずビールの醸造に適した品質でなければならない、また、栽培、調製、収穫といった面におきましてもビール醸造に好適するような特殊なやり方をやらなければならぬ、そういったことから、ビール麦については特別の指導措置を講じてきているわけであります。かてて、ビール麦に関しましては、全国代表的な品種を拾いましても二十種類くらいあります。それぞれ地方の気候、風土によってもまた品質を異にいたしております。そういった関係から、ビール麦の生産と販売に関しましては、これがビール醸造用以外には有利には販売されないということからいたしましても、都道府県が適当な生産者団体とそれからビールの醸造業者、この間に生産並びに取引について一定の契約のもとにこれを取り進めていくというようなことで、従来農林省といたしましては指導してきている次第であります。

神田大作日本社会党

○神田委員 ビール生産地の都道府県にまかせておるというような答弁のようでありますが、これはやはり、農林省としては、特産品といたしましてのビール麦の位置というものは非常に大事な地位を占めておるのでありますからして、こういう問題につきましては基本的にもっとこれらの問題と取り組んでいただきたいと思うのであります。  最近、茨城県の稲敷郡下におけるビール麦耕作者がこのビール麦の特に検査規格の問題につきましていろいろと農民側の意見を申しておるのでありますが、これを聞きますと、今まで検査規格というものが、この粒の大きさは二・二ミリであったものを、〇・三ミリ上げて二・五ミリにした、二・五ミリでないと検査規格に合わぬ、そういうような決定をしたことに対しまして、農民側から非常な不平が出ておりますが、こういう問題についてはぜのような見解を持っておられるか、お尋ねします。

諌山忠幸農林技官(食糧庁業務第一部長)

○諌山説明員 ビール麦の検査規格の問題だと思いますので、私からお答えをいたしたいと思います。  今おっしゃいましたように、三十三年の五月二十三日に改正をいたしまして、三十四年産麦から、今御指摘がございましたように、ふるい目を二・二ミリのものを二・五ミリに上げております。そのほかに、色沢の問題におきましては、三等級のものにつきましてのやかましい色沢を除外いたしまして、少々雨に打たれて色沢が悪いものも三等に入れるという緩和の措置も講じているわけでありますが、そういう改正をいたしております。  どういう理由で改正をしたのか、こういうようなお尋ねだと思いますが、ビール麦は、御承知のように、ビール会社が使用いたしておりまして、普通の麦よりもある程度高値で取引をされて、全部ビールに使用されておるわけでございます。ビール会社の方で、この使用の面においては、御承知のように、粒がそろっておって発芽力がある程度そろっておる、麦芽を作る場合にそういうことが非常に重要な問題になっております。それで、実際上ビール会社が普通の麦をスクリーンといいますか調製をする段階におきまして二・五ミリ以上のものを非常に重視して、それ以上のものを一番ものと称しまして別に取り上げて醸造を行なっておる。そういう意味で、二・五ミリ以上の粒がそろっておるということが重要なファクターになる、二・二ミリのところではその麦の良否というものに対して非常に問題がある、こういうような問題が従来からございました。検討いたしておったわけでございますが、実際は二・五ミリで一応の線を引くことがビール麦の良否を分ける意味において重要である、こういうふうに考えましたので改正をいたしたわけでございます。

神田大作日本社会党

○神田委員 なるほど、ビール会社じゃ粒が大きくて粒がそろっていた方がいいにきまっている。農民側からすれば、そういう大きい麦を作ることに対しましては、肥料の点におきましても、あるいはいろいろの耕作の点におきましても問題がある。ところが、今まで、昭和三十三年まで二・二ミリでもって差しつかえなかったものを、なぜ二・五ミリにしなければならぬのか、どうもあなたの今言ったことについては理由が非常に薄弱でありますから、この点について、農民側に立って一つ答弁してもらいたい。

諌山忠幸農林技官(食糧庁業務第一部長)

○諌山説明員 実需者がビールに作る場合に一番重要であるというファクターを漸次取り入れていく、全部がビール用の麦でございますので、そういう要望をある程度いれていくということは、今後のビール麦の品種を改良していくというか、そういう方向で非常に重要であろう、こういうふうにも考えるわけでございます。私どもは、そういうように規格が上がれば、それは今すぐの農民側の問題といたしましては価格問題その他で補償が当然なされていく。その要望するものがだんだんいい方へ、改良の方向に向かわなければなりませんので、規格というものは順次それを使う側の要望に合わせていきたい。いきなりやったのがおかしいじゃないかという今のお話でございますが、そういう意味では、順次おくてもふえて参っておりまして、実際上漸次大粒のものがふえてきておるような段階にもございます。検査の結果を見ましても、一%くらい二等が減っております。そういう結果が出ておりますように、そうえらく大きな影響というものは検査成績の上にも出ておらない。大粒のものが非常に愛好されておりますので、生産者の方も順次それに合わすような方向で考えて、ずっと昔に比べますと改良が進んで参っておる。この段階であるならば、二・五ミリというものに踏み切りましても、そう大きな打撃を農民に与えないだろう、こういうふうに考えまして、今後の品種改良問題その他もあわせて考える必要がございますし、それから、加算というのは、要するにビール会社が使ってみたメリットの問題といたしまして、それが価値があるということで四百円なり三百円なり加算をいたしておるわけでございますから、そういう意味では、できるだけその要望に沿っていって、今度価格の改正になってきた場合には、いい麦ができるならばそれは高く買えるわけでございます。そういう面で、加算の問題その他でカバーが当然やれるはずである、だから、できるだけ、品種改良の方向というか、農民が作る方法あるいは調製をする方法も、ほんとうに使ってみて価値のあるようにしていけば、それだけ加算額をふやすことにはね戻ってくるのじゃないか、こういうふうに考えまして、実際上生産の方も順次大粒のものがずっとふえる傾向になってきておりますので、一応踏み切ったわけでございます。

神田大作日本社会党

○神田委員 だんだんと品物がよくなってきたのでそういうふうに直したというようなことでありますけれども、農業経営というものは何もビール麦ばかり作って農業経営をやっているのじゃない。ビール麦も作る、タバコも作る、いろいろほかの作物を作って多角経営によってやっている。粒が大きいものを作るためには、おくてを作らなければ粒が大きくならぬ。そういうことについて、農民はおくてを作ったのではあと作に非常に影響があるというので実は非常に迷惑がっておるのです。しかしながら、ビール会社が、そういう大粒のものでなければ買わぬ、そういう指導をし、そういう方針を立てておくから、農民は、損をし非常に農業経営上は不利であるということはわかっておっても、やむを得ずこれをやっておる。三十三年前までは検査規格が二・二ミリでもって何も差しつかえないものを、そういう会社の要望だけをいれて規格の変更ということをしたことに対しては、納得いっておらない。価格の問題等につきましても、加算をしておると言うが、僕はきょうは詳細に価格の問題等については検討して参りませんからわかりませんけれども、私の聞いているところによりましては、〇・三ミリ大きくしたために加算をふやしたということは僕は聞いておらないのでありますが、そういう点はいかがでございますか。

諌山忠幸農林技官(食糧庁業務第一部長)

○諌山説明員 価格の問題は、今おっしゃいます通り、二・五ミリになりましていきなりふやしておらない。その前に十円ふやしておるようでありますが、これは相対の契約の問題でございますので、自分の欲する、ビールとしての歩どまりが一番いいような麦が買えるならば、加算額というものはゼロから今の四百円まであるわけでありますから、私は当然上げるのが至当である、こういうふうに考えます。しかし、今のところそれが実行されていない面では、おっしゃる通り、多少農民に苛酷に当たるのではないか、こういうふうな気持はいたしております。

神田大作日本社会党

○神田委員 農林省としては検査規格というものをきめる場合どういう考えできめたのかどうか知らぬが、そういうように会社側がいい品物を買ってビール醸造に対する原価計算を有利にするというようなことは、会社側としては当然なんで、いい品物を安く買えばそれだけ利潤が出る。しかし、農林省としては農民の側をやっぱり考えてやらなければいかぬ。農民の農業経営やあるいは採算の問題、そういう問題を考えて検査規格というようなものも考慮しなければならぬと思うのでありますけれども、従来二・二ミリでもって何ら差しつかえないものを、〇・三ミリ上げたことによって農民のこうむる被害というものは甚大なんです。そこが今度いわゆるビール耕作農民が大きな不満を持ってきた大きな原因である。特に、合格にならない不合格のビール麦をいわゆる残麦と称して、これを業者が買いあさって、そうしてこれが業者から何らかのルートを通じて会社に流れる、会社はこの麦を安く買ってビールの醸造をやっているというようなこともわれわれは聞いておる。こういうことになると、ますますビール麦耕作農民を不利に追い込むことになるのでありますから、そういう観点に立って、このような規格改正が正しかったかどうか、この点についてわれわれは大きな疑いを持っておる。特に、ビール麦の取引というものは、日本、朝日、麒麟、宝、この四社が協定をして、独占的な組織のもとにおいてこれが買い上げをやっておる。農民が文句を言うと、それじゃお前ら作らなくてもいいんだ、ほかに幾らでも作ってくれるのだ、一般の麦よりも四百円高いんだから、文句を言うならば作るな、そういうふうな圧力がかかっておるのです。そういう非常に独占的なにおいのあるこういう作物を、農林省当局が会社の言うなりになったというと語弊があるかもしれないけれども、会社の要望を取り上げて検査規格を改正したということに対しては、大きな疑問と不満を持っておるのでありますが、この点については――私はきょう大臣を要求したが、大臣はどうした。大臣にもこの問題について僕は徹底的に吟味してもらいたい。一つこの問題について当局の見解をただします。

小枝一雄自由民主党農林政務次官

○小枝政府委員 ただいまの神田委員の御質問は、農林省はこのビール麦の問題に対しては一つ農民側に立って問題を考慮せよという趣旨の御質問でありまして、農林省が会社側の言うなりになっておるのじゃないかということでございますが、農林省といたしましても、ただいま神田委員もおっしゃったように、農民の利益ということをどうしても考えなければならぬ問題であると思うのです。また、一方におきましては、農民の耕作するビール麦がやはり商品価値としての資格を十分持つものでなければならぬということも考えまして、この両方の立場に立って考えなければならぬ問題だと思うのでございます。しかしながら、ただいまもお話しになりましたように、これが規格を上げたが、しかし、規格外のものについて、これを商人がある種の機関をもって買いあさって、これをビール会社が安く買ってビールを作ることができるというような方向に向かっておるのじゃないかということでございますが、そういう問題につきましては、私どももはなはだ遺憾であると思いますので、こういう問題につきましては、十分検討いたしまして、遺憾のない方向に指導していかなければならぬ、かように思うのであります。  また、このビール麦の問題は、一方においてそういう商品価値の問題も今農林省としては検討いたしておるところでございますが、また、一方におきまして、農協側が、農民代表の機関といたしまして、これに対して販売体制を強化いたしまして、その利益の保護をはかろうというような傾向のあることも聞いておりますが、そういう問題につきましても、一つ両者を調整いたしまして、円満に解決をいたしまして、双方とも納得のいくような処置のできることを期待いたしまして、将来善処いたすつもりでございます。

神田大作日本社会党

○神田委員 何も〇・三ミリ上げなくとも、もしそういうふうな品種改善が主であるならば、不合格品とする必要はない。今まで合格品で二・二ミリで買っていたのだから、これを不合格品とする必要はない。等級における格差をつけてもいいわけだ。ところが、買い上げの対象から除いて、そうしてそれを残麦として裏取引しているというような、そういうことはわれわれとして聞き捨てならぬことです。特に価格の補償もない。〇・三ミリ大きな粒になればそれだけ醸造の効果は上がるわけです。これに対する価格的な裏づけもなさらずして、ビール四社の大きな圧力によってこれを遂行して、ひとり耕作農民にだけ犠牲を払わせるなんてことは、もってのほかである。これを黙って見ておるという農林省も腰抜けだと思う。この問題は重大問題でありますから、この価格補償について一つはっきりした責任のある答弁をしていただきたいと思う。

小枝一雄自由民主党農林政務次官

○小枝政府委員 規格外の麦が十分ビール醸造に間に合う、そういうものを規格外として不利益な立場において農民が処分をすることは見捨てておかれない問題ではないか、こういう御趣旨の質問でございますが、これに対しましては、ごもっともでございまするし、農林省といたしましては、先ほど部長からも申し述べましたように、農民の作る商品を価値のあるものとして、十分な価格を農民として要求することのできるような立場に持っていきたいというような意味から検査規格を改正したものと考えておりますが、しかし、ただいま御質疑のありましたような欠陥がありまして、せっかく農民の作ったものを、しかもそれがビールの醸造に適するものであるにもかかわらず、それが規格外の品物であるとして販売しなければならぬということになると、これは問題でございますので、そういう問題はよく検討いたしまして、規格外のものをあるいは一つ等級の差を設けるとか、適当な処置をもって、そういう農民に対して不合理な不利益を来たさないように将来善処をいたしたい、かように考えております。

神田大作日本社会党

○神田委員 政務次官がそういうように言明したことに対しまして、一つ責任を持ってこれを実行してもらいたい、こういうようにお願いします。と同時に、このビール麦の検査につきましては、とかく今まで食糧庁が弱腰であったようにわれわれは見受けられます。たとえば、今までの検査にいたしましても、いわゆる下見検査というものをやりまして、できたビール麦を二合ずつ各生産農家から全部集め、そして下見会をやって、そして、これがいいとかこれが悪いとか、ビール会社立ち会いのもとに見て、そして、その下見した二合のビール麦がどこへいったのかわからぬというようなことを聞くのであります。そうしてまた、今度はビール会社立ち会いのもとに検査をする。その検査をしたものはまたビール会社が検収検査をやるというように、三回にわたって農民に多大な労力と神経を使わしてこれをやっておる。ほかの農産物検査にはない。農機具や肥料や飼料の検査の場合はずさんな検査をして市場にはんらんさして、見て見ぬふりをしている政府当局は農民が血と汗で作った農産物は三回も厳重に検査して、農民に神経を使わせ労力を使わせて、それをいいと思っているのか。こういうようなやり方を何十年とやってきた。それに対して文句を言うと、作らなくてもいいというような圧力をかける。これを今日まで政府当局は見て見ぬふりをしておる。見て見ぬふりじゃない、これはそれに対して協力を与えたと私は思うのでありますが、現在ビール麦検査に対してはそのような非常に厳重な過酷な検査をやって、そしてビール醸造に利益を与えておったとわれわれは思うのでありますけれども、こういう問題に対してもあなたたちはどのように考えておるか、お答えを願います。

諌山忠幸農林技官(食糧庁業務第一部長)

○諌山説明員 今お話にもございました下見というようなことが行なわれておるようでありますが、これは食糧庁がやっておるのではないことは御承知の通りであります。ビール会社が耕作組合あたりとやっているようでございますが、そのときに頼まれて行っておるというのは、おっしゃる通りあるかもしれない、あるように思います。それで、私どもとしましては、本式に検査をするのが役目でございますから、そこで検査してビール麦の等級を決定する。それで終わるわけでございますが、ビール会社があとから買う場合に自分で検収をやるというのは、これはビール会社がやられることでございますので、やむを得ないと思います。――相対問題でございますから。今の下見検査を何か役所の人間がそういうものをさしてやっておるというような印象があるならば、さようなことは至急やめさせたい、こういうふうに思います。

神田大作日本社会党

○神田委員 それは、下見はもちろんあなたたちの検査の人たちが立ち会っておるわけです。これは、立ち会ったといったところで、農民は、一等になるか二等になるか三等になるか、合格になるか不合格になるかによって直ちにそこに金銭的な問題がつくのでありますから、これはもう大変なことなのです。そういう意味合いにおいて、やはり一つの圧力といいますか、そういうものがかかるわけであります。私は下見検査に対して私なりの意見を持っておりますけれども、全然そういうものをやってはならぬということではないけれども、ただ、そういうふうに農民が非常な負担のかかる、苦労するようなやり方は、もっと改善しなくてはならないのではないかと私は考える。とにかく、農民の作るものに対しましてはそのような厳重な検査が行なわれているということだけは一つ認識して、農民側に立っての検査というものを御考慮願いたい、こういうように考えるのであります。今度の規格変更に対しましては次官からも言明がありましたので、これ以上私は追及しませんけれども、この問題につきましては一つ耕作農民側の立場に立って考慮して解決をしてもらいたいということを強く要求いたします。  それと同時に、ビール麦の残麦処理について農林省当局は今までどのような資料を持っておるか、あるいはまた、これら残麦処理について、政府にも相当ビール麦が不合格になったものが売り渡されていると思うのでありますけれども、これらの残麦はどういうふうにしてその後処理されているか、この問題についてお尋ね申し上げます。

江川了農林技官(振興局普及部長)

○江川説明員 残麦につきましては従来そういった検査の結果残麦がある程度出る。また、あるところにおきましては、非常に成績優良で、残麦が出ないばかりか契約数量に満たないというようなこともございますので、契約数量の上下一割の範囲内においてそれは取引をしなくてはいけない、とにかく余分のものでもとってくれということで指導をいたしてきております。  なおかつ、先ほどもビール用大麦はビール以外には有利な用途がないと申しましたが、実はウイスキーその他の洋酒の原料もございます。これは量的にはビール用の麦に比べますとわずかでございますが、そういった残麦はウイスキー等の洋酒の原料に極力差し向けるようなことで指導して参りまして、従来は、残麦があり余っていわゆる残麦として処分に因るという事態は幸いにしてほとんど見なかったわけであります。たまたま、御指摘のように、今回規格の引き上げによって残麦がだいぶん出そうであるというように仄聞いたしておりますが、その実態について私ども目下調査をいたしまして、そして、先生御指摘のように、私どもとしてはあくまでビール麦耕作者の立場に基本線を置きまして問題を解決していきたい、こういった方針からどこにも処分の道がなくて困るというようなことのないようにしたいというように心がけております。

神田大作日本社会党

○神田委員 昭和三十三年度に規格の変更があったのでありますから、残麦はどこへも売れないからやむを得ず政府に売るということで、政府でも相当買い入れをやっているのではなかろうかと思うのでありますけれども、これらの残麦に対してビール会社から払い下げの申請が出ているようにも聞いているのでありますが、この点はいかがでございますか。

諌山忠幸農林技官(食糧庁業務第一部長)

○諌山説明員 ことしの三十四年産麦から規格を改正いたしたわけでございますが、ビール麦としての買い上げはもちろんいたしておりません。一般麦として多少入っているかどうか、まだ十分承知いたしておりませんけれども、ビール屋からそれを売ってくれというような要望はまだ参っておりません。

神田大作日本社会党

○神田委員 この残麦処理の問題については、ビール麦で売れば四百円高く売れるが、普通の麦で売ったのでは四百円安く売らされる。そして、それがちまたの業者によって百円くらい高く、四百円加算のものを百円加算にして、そうしてそれが何らかのルートでもってビール会社へ流れておるということをわれわれは聞いておるのです。故意に、農民が四百円高く売れるものを百円しか高く売れない。場合によってはまたそれが普通麦によって政府に売られて、精麦業者がそれを安く払い下げを受けて、それがまたビール会社へ安く流れておるというようなことも聞いておるのでありますけれども、この規格外の残麦の処理に対しましても農民は大きな疑惑を持っておる。この点について、一体残麦が幾らあった、それがどういうふうにして取引されておるかというようなことを、私はこの次の委員会に資料として提出を求め、その資料によって今後質問したいと思いますので、一つ資料を提出してもらいたい。これは残麦処理についての大きな問題でありますから、この問題点等につきましては、この次の委員会において御質問申し上げたいと思います。  次に、価格の決定でありますけれども、ビール麦の価格の決定は、いかなる方法によって、いかなる機関によってきめられるのか、それをお尋ねします。

江川了農林技官(振興局普及部長)

○江川説明員 従来、ビール麦の価格につきましては、県が中に入りまして、契約栽培の当事者でありますビール麦の耕作者団体とビール醸造業者との間で話し合いの上できめるということにいたしております。なお、その際に、政府の普通麦の買い入れ価格というものが当然基準をなして、それに対してビール麦の生産にどれだけ手間がよけいかかるかといったようなことを考慮して決定するようにいたしております。

神田大作日本社会党

○神田委員 ビール麦の価格の決定は、いわゆるビール麦の耕作者団体といわれておる麦耕連とビール四社の間において決定をされると思うのでありますが、その点、県が中へ入ってきめるというようなことは聞いておらないのでありますが、この価格決定の方式といいますか、そういうやり方について、われわれも非常な関心と疑惑を持っておるのでありますけれども、この点、農林省当局としては全然タッチしておらないのか、あるいはこれらに関して資料の提出等もさしておらないのか、この点をお尋ねします。

江川了農林技官(振興局普及部長)

○江川説明員 価格決定については、農林省といたしましては、あるいはおしかりを受けるかもわかりませんが、先ほど申し上げたような一つの基本的なやり方を通達をもって都道府県に指示いたしている以外は、実はタッチしておりませんで、具体的な基準の作成とか、あるいはそういったようなものについては農林省としてはタッチしていない次第であります。

神田大作日本社会党

○神田委員 この決定の方式をいま少し詳しく御説明願います。

江川了農林技官(振興局普及部長)

○江川説明員 決定の方式は、先ほども申し上げましたが、普通麦の政府の買い入れ基準価格を基準といたしまして、ビール用大麦の普通大麦栽培に比較してのかかり増し分というものを考慮してきめるということでございます。

神田大作日本社会党

○神田委員 それはどなたがきめるのでありますか。

江川了農林技官(振興局普及部長)

○江川説明員 ビール麦栽培並びに取引の契約の当事者でありますビール麦の耕作者の団体とビール醸造業者との間できめるというふうにいたしております。

神田大作日本社会党

○神田委員 このビール醸造業者が個々にこれら契約者の耕作団体と話し合ってきめるのでありますか。その点いかがですか。

江川了農林技官(振興局普及部長)

○江川説明員 通達ではビール醸造業者ということにいたしております。

神田大作日本社会党

○神田委員 ビール醸造業者は、日本では朝日と麒麟と宝と日本とあるのですが、この会社がどういう形で耕作団体ときめるのですか、その点をはっきりしていただきたいと思います。

江川了農林技官(振興局普及部長)

○江川説明員 指導要領にうたっておりますところは、あくまでもビール醸造業者ということにいたしておりますが、実態は、ビール醸造業者――先生の御指摘の四社で麦酒協会というものを組織いたしまして、四社で結成しておる麦酒協会が、代理と申しますか、代表してとりきめているように承っております。

神田大作日本社会党

○神田委員 公正取引委員会から来ておるようでありますが、このように四社が協定して、そうして耕作者団体と取引価格の決定をするということに対して、公正取引委員会としてはいかなる見解を持っておるか、お尋ねします。     〔丹羽(兵)委員長代理退席、委員長   着席〕

八尋昇総理府事務官(公正取引委員会事務局審査部第一審査長)

○八尋説明員 ただいまの件につきましては、十一月の末に、ビール四社が協定をしている、こういう趣旨の申告と申しますか審査の請求をいたして参りましたので、ただいま事務段階で研究中でございます。

神田大作日本社会党

○神田委員 これは私的独占禁止法に違反していると私は思う。四社が価格の決定に対して協会を通じて耕作者団体と話し合いをして、そうしてきめるということは、公平なる競争を阻害することであって、まさにこれは公正取引委員会においてこれを取り上げてやるべきであると考えるのでありますが、この点、あなたの方へ提訴もあるそうですし、大会社が一致して弱い耕作者に対して価格に圧力をかけているきらいがないとも限りませんので、厳重なる審査を一つお願いいたします。  それから、価格決定に対して、農林省当局としては一体生産費調査というものをやっているのかどうか、ビール麦の生産費というものは一体どのくらいかかっておるのか、そういう調査があったならば発表を願います。

八尋昇総理府事務官(公正取引委員会事務局審査部第一審査長)

○八尋説明員 ただいま申し上げました通り、十一月の末に報告を受けましたので研究いたしておりますが、審査の結果の見通しにつきましては何とも申し上げられませんが、できるだけ早く調査の結果を出したいというふうに考えております。

江川了農林技官(振興局普及部長)

○江川説明員 ビール大麦の生産費調査につきましては、私ちょっと記憶が間違っているかもわかりませんが、正式のいわゆる農林省統計調査部の生産費調査はビール大麦についてはやっていないのではないかというように存じますが、あるいは間違っているかも存じませんので、いずれ調査いたしました上でお答えすることにいたしたいと思います。

神田大作日本社会党

○神田委員 これはとんでもない話を聞きました。農民の作っておる五十億からの生産物の生産費の調査を農林省がやっておらないなんということはとんでもない話です。これでは一体何のために農林省があるのか疑わざるを得ない。大事な生産費調査をやらないで、農民の利益が守れるか。あるいは生産農家の福利増進を来たすことができるのか。とんでもない話です。もしなかったとすれば、これに対して大臣の責任を追及する。もしあるならば、これを速急に資料として提出していただきたい。

江川了農林技官(振興局普及部長)

○江川説明員 私、直接生産費調査に関係いたしていないものですから、大へん誤ったことを申し上げたようになるかと思いますが、農林省といたしましてはビール大麦については生産費調査をいたしているようでございます。

神田大作日本社会党

○神田委員 そういう監督官庁の立場にある者が、五十億からの農産物のビール麦の生産費調査がやってあるのかやってないかわからぬ、今よその人から注意をされて初めてそれを見るようなことで、一体農産物価格に対するあなた方の認識はどうなっているのですか。そういうずさんな話があるか。だから農民はそういう大会社の圧迫を受けて価格を低く押えられるおそれがある。もってのほかの話です。そういう認識をもってするから、こういうような問題が起きてくるのだと思うのです。あるならば、それは資料を提出してもらいたい。価格の問題については後ほど厳重に追及しますから、そのつもりで資料を整えてもらいたいと思います。  いま一つお尋ねしますが、一体ビール会社においては一石のビール麦でどのくらいの生産ができるか、そういうようなビール会社のビールに対する原価計算のこまかい資料を、これはあなた方の管轄でないでありましょうから、大蔵省にこのことを申し入れてその資料を入手してわれわれの方へ提出してもらいたい。この点要求します。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 資料要求に対して政府は答弁しますか。

小枝一雄自由民主党農林政務次官

○小枝政府委員 資料につきましては文書をもちましていずれ後刻提出することにいたしたいと思います。先ほど神田委員御質問のビール麦の生産費調査でございますが、これもいずれ文書でお手元の方へ届けることにいたしたいと思います。

神田大作日本社会党

○神田委員 ビール麦に対する私的独占禁止に関する提訴が行なわれておるようでありますが、われわれも非常にこの問題について重要視しておるのでありますが、一体、麦酒麦耕作組合連合会というものはどういう性格を持っておるのか、あるいはまた、朝日、日本、麒麟、宝の四社によって組織されておるところの麦酒酒造組合とか麦酒協会というようなものはどのような性格を持っておられるのか、この点についておわかりであれば御答弁を願いたいと思います。

江川了農林技官(振興局普及部長)

○江川説明員 神田先生の一御質問の前段のビール麦耕作者の組合でございますが、これはビール大麦の栽培並びに取引についてビール醸造業者との契約の相手となる農業者だけで結成した団体でございまして、それを通称麦耕と称しております。また、その耕作組合が県単作に連合会を結成しているというようになっておりますが、その大半がまた系統の農協になっているというのが実態でございます。  麦酒協会につきましては、所管外でございますので、私よく存じません。

神田大作日本社会党

○神田委員 それじゃあとで大蔵省の関係者を呼んでお尋ねすることにします。  この麦耕連、――麦酒麦耕作組合連合会というものが、価格の決定、作付に対する割当、こういうようなことをやっておりますが、一体、現在の日本のビール麦に対する契約栽培はいかなる方式といかなる方法によって行なわれておるか、お尋ね申し上げます。

江川了農林技官(振興局普及部長)

○江川説明員 先生御承知のように、また、先ほども申し上げましたが、ビール用大麦は、大体ビール醸造用以外にはまず有利に取引されませんので、そういった関係から、結局特定の用途以外には向けられない、また、ビールの生産計画とそれがマッチしていなければ、結局それ以上の生産分は先ほども御指摘のような残麦というような形になって、いろいろトラブルをとかく起こしやすいということに相なります関係上、そういう特定用途に仕向けられる農産物について一般的に行なわれておりまする契約栽培、つまり、契約の内容は、生産量と取引量、それからそれの価格、当然価格につきましては受け渡しの場所、そういったものが契約の内容としてうたわれることに相なっております。

神田大作日本社会党

○神田委員 その契約の方式ですが、これは朝日あるいは麒麟、日本、宝、こういう各会社が個々に麦耕連と話し合いをして契約をするのか、それとも麦酒協会が一本になってやっておるのか、その点をはっきり願いたいと思います。

江川了農林技官(振興局普及部長)

○江川説明員 ビール大麦耕作者の相手側であるビール醸造業者は個々のビール醸造業者ということに相なっております。

神田大作日本社会党

○神田委員 これはあなた方の見解と私は実質において非常に相反すると思う。麦酒協会は四社が結成しておる一本のものなのです。それがどうして個々に契約するのですか。それはおかしいじゃないですか。何か次官の隣の人が知恵をつけているようですが、どなたですか。あまり知恵をつけちゃいかぬよ。さっきからおかしい。その点、はっきりしていただきたい。

江川了農林技官(振興局普及部長)

○江川説明員 先ほども私申し上げましたが、農林省といたしましては、これの生産並びに契約につきましては、次官通達をもちまして、個々のビール醸造業者とビール大麦生産者団体が契約をするように通達、かつ指導いたしております。先ほどちょっと触れましたが、その実態として、四社の連合会である麦酒協会でございますが、ビール醸造業者の団体が契約の取りかわされる中にいろいろあっせん的に入っているように承知いたしております。しかし、あくまで契約は、通達にもそう言っておりますし、指導方針も、あくまで個々のビール醸造業者とビール大麦耕作者の団体との間に契約を締結するように指導いたしております。

神田大作日本社会党

○神田委員 それでは、証拠を示してそれを反駁するから、よく聞いて下さい。十月二十四日、四社が単協あてに契約についての文書を発送しておる。四社の契約促進についてという文書を出しておるのでありますけれども、これは朝日とかあるいは麒麟とか書いてない。ビール酒造組合として四社を代表してこういう契約に関する文書を各単協に対して出しておる。これはどうなんですか。これは四社が協定してちゃんとやっているじゃありませんか。その点いかがですか。

江川了農林技官(振興局普及部長)

○江川説明員 ただいま神田先生のお示しの事実は、私は不勉強でその書面なり内容をただいま初めてお聞きする次第でございますが、なおよく実態を調査いたしたいと思います。

神田大作日本社会党

○神田委員 それは君ら勉強が足らない。十月二十四日の文書をよく調べて、大事な問題をゆるがせにしてはいけませんよ。これは大へんな問題です。ビール会社四社が横暴をきわめているという声は、ビール耕作農民の間に長い間――これは一年や二年じゃないのですよ。これは何十年という長い間そういう怨嗟の声があるのですけれども、それを聞いても聞かないふりをしているから、君らこういうずさんな答弁をするのだ。この点はわれわれは徹底的に追及しなくちゃならぬことでありますから、農林当局も、一つ農林省という使命を十分自覚して、耕作農民の立場に立ってこの問題を処理してもらいたいと思う。この問題は私はちゃんとした証拠に基づいて申したのでありますから、私の言うことは間違いないと思う。  そうなりますと、公取の方にお尋ねするのでありますが、いわゆる四社がこういうような協定をして麦耕連と耕作に対する契約をするというようなことに対して、これはやはり独禁法違反であろうとわれわれは考えるのでありますけれども、この問題についてはいかなる見解を持っておるか、お尋ねいたします。

八尋昇総理府事務官(公正取引委員会事務局審査部第一審査長)

○八尋説明員 ただいまの件は、やはり正式に審査してみませんとわかりませんので、もう少し時日をおかし願いたい、こういうふうに考えております。

神田大作日本社会党

○神田委員 このようなビール会社の耕作農民に対するいろいろな不利な問題が提起されたものですから、一部の耕作農民――一部じゃない、ほとんどの耕作農民でしょう。公取に提訴したのは一部の農民でありますが、これらの問題を不当としておるのは全耕作農民であろうと思うのでありますけれども、これらの人たちはこれらの四社の独占的なやり方に対しまして非常な憤懣を持っている。それでもって、麦耕連に頼んでいたのでは、価格の問題にいたしましても作付の問題にいたしましてもどうもうまいわけにはいかぬ、これはもっと大きな農民の団結の力によって解決しなくちゃならぬ、こういうような考えのもとに、過般いわゆる全国販売農業協同組合連合会によるところの共販体制というものを整え、そして今までの一人々々の単協の取引から、これを全販連の共販に乗せて、契約にいたしましても、販売にいたしましても、価格の協定にいたしましても、全販連を通じてやろうというような運動が起きておるのでありますけれども、この点は農林省としては御存じであるかどうか、お尋ねします。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 ただいまの御質問の農業協同組合系統で共販をやろうというような動きが最近起こり出しておるということは仄聞いたしております。

神田大作日本社会党

○神田委員 そういう問題が起きるのは、現在の麦耕連あるいは現在のビール四社が作っておる麦酒酒造組合というような、こういう今までの取引形態からいたしましても、農民側がこれでは困るというような考えが起きるのは当然であろうと思うのであります。ところが、こういう全販連で共販をやろうというような耕作者あるいは耕作者の団体に対しまして、ビール四社が圧力を加えておるというような事実があるのでありますけれども、この点は御存じであるかどうか、お尋ねします。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 ビール会社が圧力を加えているかどうか、そういう点につきましては私もよく存じておりませんが、ただ、実際問題として、いろいろ、系統農協の共販体制に対しましても、全体としてそういう気持に全部がぴったりいたしまして、そうして全体としての動きに現在なっているかどうか、そういう点については今の段階では相当疑問があるのじゃないだろうかというふうな感じがいたしております。

神田大作日本社会党

○神田委員 耕作農民にとりましては大事なこういう問題を経済局長ともあろうものがまだ知らないというようなことは、どうもはなはだもってわれわれは納得いかぬ。こういう問題をもし聞いておってもあなたが知らないというような答弁をしなくちゃならぬような立場にある農林省であるならば、あしたから解散した方がいい。とんでもない。  委員長、私は提案します。これは重大な問題でありますから、茨城県下のそういう問題が起こっておる麦耕連あるいはその他の耕作者、あるいはビール会社関係者等に対し調査の必要があるから、本委員会から調査団を編成して派遣してもらいたいということを私は提案します。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 後刻理事会を開きまして十分検討の上善処いたします。

神田大作日本社会党

○神田委員 それで、そういう運動をやっているものに対しまして、いわゆる麦酒酒造組合から派遣された非常な重要な地位にある者が、お前らがそういう運動をするならば、来年から作らせない、契約を少なくするぞというようなことを言っておるという事実があるのでありますけれども、そういうことであるとすれば、農林省当局としてはいかなる態度をとられるか、お尋ねします。

江川了農林技官(振興局普及部長)

○江川説明員 ただいま御指摘のような、ビール大麦栽培農家に対して、一口に言えば既得権を侵害されるというような実態が起きているようには実はまだ聞いておりませんが、もしそういったような事実があるとすれば、先生の御指摘のように、われわれといたしましては、あくまでビール麦耕作農業者の立場を基本的に考えていくという線から極力善処いたしたい、かように考えております。

神田大作日本社会党

○神田委員 これは重大な問題です。ビール麦を作ったところで、ビール会社しか買ってくれない。また、ビール会社に売らなければとても採算というものは合わない。そういうような特殊な関係にあるビール麦を、四社が作っておるところの酒造組合が、お前ら文句言うのなら作るなというような態度に出ると、これはゆゆしき問題になります。あるいはまた、販連がこれを取り扱ってビール会社に売ろうとしたところが、お前らのところのものは買わぬと言っておる。これも重大な問題だと思う。この点について、もしそのようなことが事実とすれば、これは大臣に聞かなくちゃ責任ある答弁は聞けないのですが、あとで大臣出席のときにこの点は大臣から答弁してもらいたいと思うのですが、政務次官としてはいかなる見解とこれに対する態度をとられるか、お尋ねします。

小枝一雄自由民主党農林政務次官

○小枝政府委員 御承知のように、生産者が作ったものを売るところが一応きまっておるわけでありますから、そのものがそういうふうな圧力をかけるということになりますと、農民側といたしましては勢いこれは不利益な取引をせざるを得ぬことになると思うのであります。農林省といたしましては、ただいま普及部長からお答えいたしましたように、そういう事実があるということをまだ実は聞いておらないのでございますが、よく調査いたしまして、そういう事実がありといたしまするならば、農民のそういう利益を守るという立場からも適当なる処置をとらなければならぬ、かように考える次第であります。

神田大作日本社会党

○神田委員 それではその点、そういうことに対して農林省として耕作農民の側に立って速急に善処してもらいたいということを要望いたします。  次に、麦芽の輸入に対しまして、ビール四社から、四社だかあるいは一社だかわかりませんけれども、麦芽をチェコスロバキアあたりから輸入したいというような申し出があるというようなことも聞いておるのでありまするけれども、この点はいかがでございますか。そういう話があるかどうか、もしあるとすればそれをどうするか、お尋ねします。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 輸入申請は通産省の問題でございますので、私は存じません。

神田大作日本社会党

○神田委員 それでは通産省の関係者を呼んでお尋ねをすることにします。  このビール会社は麦耕連と話し合って価格の決定をしますが、そういう場合に天災やその他のことでもって農家が被害をこうむった場合に対してはいかなる補償をやっておるか、この点をお尋ねしたいと思います。

江川了農林技官(振興局普及部長)

○江川説明員 契約の内容といたしましては、先ほど御説明申し上げましたように、生産数量、取引数量、価格等でございますが、今先生の御指摘のような天災等による異変を生じた場合においては、これは両当事者において話し合ってよくきめるように指導をいたしております。

神田大作日本社会党

○神田委員 現実として、こういう災害をこうむったときに対する支払い金額、被害に対する支払いの方法、そういう問題について、これはただ契約に基づいてやっておると言われてもわからぬから、その契約の内容あるいは現実的に支払った金額、そういう問題を一つ各県別に資料として提出してもらい、その資料が出てから詳しくお尋ねすることにいたしたいと思います。  一応以上で私は質問を終わりたいと思うのでありますが、これはビール麦耕作農民といたしましては非常に重大な問題であります。特に過般、実は、ビール会社のこのような独善的なやり方に対しまして、福岡県の耕作農民がこれに対しまして異議を申し立てたときがあります。ところが、これに対しまして、ビール四社は、福岡県にはそれではビール麦を作らせない、お隣の山口県の麦耕連にその二万俵の契約をやろうといって交渉した事実がある。こういうように大きな独占的な力をもってこの貧しい切ない農民を圧迫しておるというような現実に対しまして、それが何十年となされておったのにもかかわらず、知らぬ存ぜぬでしらを切るというような、こういうような農林省であっては、農民の農林省じゃない。ビール会社の農林省ではなかろうかというように言われても、これはいたし方がないことになるのでありますから、こういう問題について、一つ耕作農民の立場に立って農林省はそれらの弱い人たちの立場を守る観点に立ってこの問題に対して善処をしてもらいたい。そしてまた、調査団が派遣され、資料が出ましたら、再び大臣、大蔵省関係、通産省関係等に来てもらって質問を続行したいと思います。きょうは一応これでもって私の質問を終わりたいと思いますが、今の点について政務次官の御答弁を承りたい。

小枝一雄自由民主党農林政務次官

○小枝政府委員 ビール麦の耕作者の立場に立っての神田委員からの御質疑であり、なお、ビール会社が独善的な立場に立って圧力を加えるような場合に対しては農林省は農民的な立場に立って善処せよという御要望であったと思います。農林省といたしましても、申し上げるまでもなく、決してビール会社の農林省ではございませんので、あくまで公正な立場に立ちまして、農民の適正なる利益を擁護するという立場に立って十分善処をいたす所存でございます。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 関連。  今神田君の触れた天災による賠償の問題だが、これは契約栽培というものに対して農林省は基本的な態度をきめておく必要があると思うのです。たとえば、タバコの場合は、これも一種の契約栽培ですね。農民と専売局の一種の契約栽培と言えます。ビール麦とは本質的には若干違いますが、しかし、この場合には明らかに損害補償規定というものがあるのですね。たとえば、昨年福島、茨城でやられたひょう害か、今回の台風による災害というものに対して、明らかに損害の補償規定がある。要するに、共済方式的な規定があるわけなんですね。これは契約栽培で、今回の災害の場合でもホップがそうなんです。ところが、これは非常にもめているんだ。最終結論が出たところもあるし、まだ出ないところもあるのです。ホップが全部倒壊して、花が全滅して収穫が皆無だ、こういう場合、ビール麦と同じように、契約栽培というものに対して、やはり一つの行政措置として、少なくとも私はタバコに類似した一つの農林省の基本的な態度をきめておかねばいかぬと思うのです。一つの行政措置として、タバコと同じように、契約栽培に天災とかその他でこういう災害があった場合は、大体三分の一なら三分の一、半分なら半分というものは補償しろ、こういうことが私は必要だと考えておるのです。特に今回の災害で、ホップの契約栽培で痛感しておるのです。だから、これは農林省に、今すぐここで政務次官に基本的な態度を言えといったって無理だと思うのだが、これは、態度として、農林省は契約栽培に対しては災害の場合こういう基本的態度で臨むのだというようなものを、今度大臣が来て神田君の質問に答弁するまでに基本的態度をきめておいてもらいたい、こういうふうに思うのです。

小枝一雄自由民主党農林政務次官

○小枝政府委員 先ほどの神田委員の質疑といい、ただいまは中澤委員から共済に関する問題の御指摘でございますが、実は、私も、おしかりを受けるかもしれませんが、ビール麦が五十億もあるというようなことを今聞いて、実は重大な問題だと思っております。そういう意味で、おっしゃることはごもっともだと思いますし、十分検討させていただきたいと思います。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 ちょっと今のに関連してお尋ねしますが、検査規格を強化したことによって、規格外として落ちたものの増減の比率、それは今おわかりですか。わからなかったらあとでいいですよ。

諌山忠幸農林技官(食糧庁業務第一部長)

○諌山説明員 まだ正確にわかっておらぬそうでありますから、後ほど資料として提出いたします。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 先ほど来問題になっている価格の問題ですが、検査規格が強化されたということは、これは選別購入ということになると思うのですが、そういたしますと、当然それに対応する価格によるものだ、こういうふうに考えるのです。そうすると、現行取引価格というものは農林省としては妥当であると考えておるかどうか、この点お聞きしたいと思います。

江川了農林技官(振興局普及部長)

○江川説明員 従来の契約価格につきましては、格別生産者側からも不服なしに決定されておりましたので、大体妥当なものと存じております。ただ、今回特に検査規格が引き上げられた、それに対して価格は引き上げられていない、その辺の事情がどうなっているかということについては、なお調査をいたしまして御返答したいと思います。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 今のものは直ちに返事はできないと思います。生産費調査等の関係等から勘案して、私は、当然、検査規格が強化されて粒がそろえられて、選別購入ということになると、それに対応して価格を出すことが妥当だ、こういうふうに考えますから、十分御検討を願いたいと思います。  それから、もう一点ですが、契約裁培地区外におけるビール麦の栽培はございますか。

江川了農林技官(振興局普及部長)

○江川説明員 ほとんどございません。ただ、契約栽培はビール醸造業者とビール大麦生産者との間に契約を取りかおしておりますが、先ほども申し上げましたように、一部ウイスキー等の原料がございますので、それらについて、今申し上げました契約以外で若干あるようにも聞いております。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 若干あるようなお答えだったと思いますが、若干でけっこうですから、それの反別と数量、わかりましたら資料として御提出願いたい。  以上でございます。      ――――◇―――――

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 次に、農地転用の問題について質疑の通告があります。この際これを許します。小沢貞孝君。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 実は、これは社会労働委員会へ伊東農地局長が呼ばれて小林委員等からもいろいろ質問があった点でありますが、私も実はこの問題についてはあまり知らなくて、労働問題ということで現地まで行ったわけです。労働組合が労働者を首切ったというようなことがあったので、これは大へんなことだと思って行ってみたところが、なかなか、その工場のあるところ、いわゆる電気化学工業青海工場、その町の青海町というところは非常な暗黒の町というか、恐怖の町というか、大へんなところで、地方行政委員会あるいは警察関係、あるいは人権問題等々、問題が山積しているわけですこれについては社会党では国会対策委員会で正式に取り上げることを決定し、代議士会等でも正式に各委員会で追及するとの方針を実はきめて、きょうは農地問題について関係者からお尋ねしたいわけなんですが、その前に、ちょうど八尋公取審査長が来ておりますので、伺っておきたいのですが、この問題について電気化学工業青海工場が不公正取引による不当妨害があるということで提訴されて、たしか、私の聞くところによると、公取でも電化の青海工場に乗り込んで、独禁法による、四十何条ですか、書類を押収したというようなことまで実は聞いておるわけです。そこで、提訴の内容、その後の審査の経過、発表できる範囲でけっこうだと思います。それから今後の見通し等をまずお尋ねしたいと思います。それからあと農地局長にお尋ねいたします。

八尋昇総理府事務官(公正取引委員会事務局審査部第一審査長)

○八尋説明員 ただいまお尋ねの件につきましては、ことしの二月に、電気化学工業会社が明星セメント株式会社のセメント工場用地の買収を妨害したという趣旨で、独占禁止法違反だ、こういう趣旨の提訴がございました。四月、こちらの事務局から担当官が参りまして、その後研究審査を続けておりますが、まだ結論には至っておりませんので、内容について実は申し上げかねるという状況でございます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 内容に立ち至ってはここでは発表できないということは、私もそうだと思いますが、審査がどの程度進んでいるか、いつごろ結論を出すかというような見通しくらいは発表しても支障がないと思うわけですが……。

八尋昇総理府事務官(公正取引委員会事務局審査部第一審査長)

○八尋説明員 その後審査中参考人を呼んだりしまして、審査は段階としては相当進んで参っております。委員会の方にも逐次御報告いたしておりますが、まだ結論になっておりません。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 これはあとで私は農地局長にお尋ねしたいと思いますが、実は電化青海工場はほかの工場がセメントをやろうとしたらば農地法の違反までしてその地方に工場を入れないというようなことを盛んにやっているわけです。私はしろうと目でよくわかりませんけれども、こういうことをされたならば、どこかの工場がどこかへ行って何か作りたいときに、同業者がそこへ出かけていって農地法に違反をして、――これはあとでまた農地局長に尋ねたいと思うのですが、その土地を占有してといいますか、そういう格好でどうしても工場を建てさせないということは明らかな不当妨害だと思う。こういう不当妨害が許されるはずはないと思うわけですね。だから、すみやかに一つ審査をして結論を出していただくことをまず要望いたしたいと思います。  それでは、農地局長に、明星セメント株式会社から第五条転用申請が出ているわけですが、この扱い、また、その経過、現在の段階等について、詳細に一つ承りたいと思います。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 明星セメントから県に対しまして、先生のおっしゃいます農地転用の許可の申請が出たのは、たしか昨年の八月と思います。その後計画が変わったりしまして内容を変えたりしていることはございますが、大体八月でございます。それに対しまして青海の農業委員会では意見をつけませんで県の方へ出しております。県の方の農業委員会では許可していいのじゃなかろうかというような意見をつけて県へ出したというようなことになっております。それから、県では、実は、県がこの問題に判断を下します前に関係の会社の間で話し合いをつけて円満にやった方がいいのじゃなかろうかというようなことで、昨年の十二月と思いますが、知事さんが一回中に立ちまして調停をしたことがございます。これは実は調停が成立しませんで、うまくいきませんで、ことしの二月になりまして県から金沢の農地事務局の方に一応許可してもいいのじゃなかろうかというような意味の意見をつけた書類が出ております。出ております直後にも、実は、知事さんは、そういう意見書は出したけれども、やはり、自分の県内のことでありますし、その青海の秩序を保つというような意味から言っても、やはり自分は中に立って調停をしたいという意見を強く言っておられまして、ちょうどあれは知事選が四月ごろでございましたか、ある直前にも、これは文書で、また中に入って調停をしたいということで一案を出しておりますが、これも両方が承諾しないというような形になっております。その後われわれは知事さんといろいろ相談したのですが、知事さんが、この問題は一応意見は出したけれどもやはり中に立って調停したいからというようなことを言ってソ連に出られたことがございました。帰ってから中に立って調停に立ちたいということを言いおいて行かれまして、帰りましてから、これは文書で出さぬでまた一回中に入ったことがありますが、これも話し合いがうまくいかなかったということに経過はなっております。われわれ農林省としましては、県の意見はもらいましたが、先生御承知のように、いろいろ複雑な問題がございますので、農林省だけでこの問題を判断するのもどうだろうかと思い、また、二次産業の大きいものにつきましては、生産制限をしておらぬかどうかというような意見をずっと徴しておりますので、通産省にも意見を徴しまして、返事は参ったのでございますが、実は、生産制限はしてないが、本件は非常に異例なものであって、にわかに生産ができるかどうかは判定しかねるという回答をもらっております。農林省としましては、事柄が狭い町の中のことでございますし、大体、農地転用をやります場合には、その農地自体が転用していいものかどうかということについてまず判断をするわけでございます。実は、つい最近、生産力の非常に低いところとか都会の近辺とか、ほかの産業の発展上やむを得ぬものについては農地転用を認めるようなことを少し計画的にやろうじゃないかということで、新しい転用基準を作ったわけでございますが、その農地が転用していいものかどうかという判断に立ちまして、していいという結論になりましても、その上にできます新しい施設によって周囲の農村あるいは農業経営に支障がないか、離農者の対策はどうかということも判断し、また、工場ができます場合には、地元の誘致運動というものが通例ございます。あるいは、誘致運動はございませんでも、地元との話し合いがついて円満に工場が建つというのが大体原則になっておりますが、そういうことにつきましてまだ地元で話し合いがつかぬ問題がだいぶ残っておりますので、われわれの希望としましては、できるだけ円満に事を運びたい、また、実は、知事の希望もございまして、自分の県内の産業のことでもあり、自分が中に立って何とか円満にやりたいという強い要望が過去においてはございましたので、そういうことがうまくいった上でという考え方で、農林省としましては、まだ右左の結論を出さぬで検討しておるというのが今までの経過でございます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 今の答弁には私はだいぶお尋ねしたい点がございますが、その前に、五条転用の許可基準の事務的なことでけっこうですが、それからお尋ねしていきたいと思うのです。  五千坪までは知事の権限ですね。五千坪以上五万坪までは農地局長の権限、五万坪をこえたものは農林大臣のところまで持ってくるのだ、そういう内規だか大臣訓令ですか取り扱い規則ですか、そういうものがあるそうです。それはどうなっておりますか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 今先生がおっしゃいますように、五千坪までは知事さんの権限になっております。それをこえるものは農林大臣ということになっております。それで、五千坪をこえるものは農林大臣でございますが、大部分のものは地方の事務局長にまかせております。ただ、五万坪以上のものは、相当大きな問題にもなりますし、一応中央まで持ってくるようにということを内規で作っております。それから、五万坪未満でございましても、実は、中央の官庁といろいろ交渉したり、何か問題があることがございます。こういう問題につきましては、事務局からよく相談をして参りまして、その坪数に限定せずに中央と相談し合ってくれというような形になっております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 これはちょっと大事なことですが、八千坪のうち、知事が幾らか削って、六千何百坪だと聞いております。それは、金沢農地事務局長からぜひやってくれと言ってきたものか、こっちの本省の方から、それは待っている、こっちへ持ってこいと言ったものか、その辺をはっきりしていただきたいと思います。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 これは問題によりましていろいろございます。ただ、この問題は、先生御承知のように、非常に現場で紛糾しておりまして、一農地事務局長だけで判断することも困難な問題でございますので、一つこれは事務局と本省とよく相談してやろうというようなことで、今この問題をこちらで預かりました。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 私の答弁にそのものずばりでやって下さい。こちらから持ってこいと言ったのか、金沢農地事務局長が本省の方にお願いしたものか、ずばり言って下さい。これは規定でもって金沢農地事務局長が自分でやれることになっておって、自分で判断を下そうとしていたんです。私は今までの経過を知っておるんですから。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 この問題は、金沢の意見もはっきりしておりまして、知事さんの意向は今言ったようなことでありますので、なるべく知事さんが中に立って解決するのが一番いいという判断を実は金沢の事務局でもいたしておりますし、われわれも同じ意見でございます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それについてはあとからだんだんお尋ねいたしたいと思います。  大へん事務的なことで恐縮ですが、先ほど、離農者の問題とか、周囲への影響というようなことも許可をするときにはいろいろ調べてやりたいということでありますが、何によってどう調べるか、それを項目をあげて説明して下さい。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 過去にやっておりましたのは、昭和二十七年に農地法ができたときでありましたか、転用の許可基準について通達を出しております。その通達に基づきまして、たとえば工場を作るときに、その工場の生産能力から言ってそれだけの面積が必要であるかどうか、あるいは塵芥を出したりします場合にあたりの農業にどういう影響を及ぼすか、あるいは汚水を出すときそういうものの防止の施設をしますとか、あるいは離農者に対しましてどういうことをやるか、というようなことでやっております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 私は、農林省はこの許可の方針といいますか、その通達によって判断すると思うのです。これは法の命ずるところに従って厳粛にやらなければいけないと思う。ですから、申請してきたものを許可していいものか悪いものか、第一項についてはどういう判断を下しましたか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 失礼ですが、先生のおっしゃいました一項というのは……。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 いや、局長が第一項と言ったから私は一項と言ったんです。だから、その基準でいいんです。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 基準に書いておりますのは、一番目は申請の目的の検討というのであります。これは前の通達でございます。それから、転用候補地の検討というのがあります。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 目的の検討からでいいです。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 目的につきましては、これはセメントを作るということでございますが、これにつきましては、そういう産業をやります場合に、生産制限をしておるかどうかということも当然判断をする必要がございますので、通産にもこの点は照会いたしました。通産からは、現在はセメントの生産制限はしておらぬという返事をもらっておりますので、セメント生産という目的自体が転用に反するとわれわれは考えておりません。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それでは、目的の検討は許可相当でいいわけですね。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 現在の経済情勢でセメント生産につきまして農林省としましてこれはいかぬという考えは持っておりません。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それでは、第二項はどういうことをうたっていますか。申請転用候補地の検討ですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 その通りであります。申請転用候補地が、われわれとしてはなるべく農地以外でやってもらいたいというようなことをここで書いております。こういうことについて、当然、あの地帯がどうかという検討はいたしておるわけでございます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 この明星セメントから出されたこの第二項の申請の候補地の検討、これは検討なされて具体的にこことこことここをやるのだという図面をつけ、本人との契約を規則第六条によってつけて出してきた。これは許可に該当しますか、不許可に該当しますか。そういうことを事務的に法律的にイエスかノーかを答弁して下さい。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 農林省としましては、できれば農地以外でやってもらいたいのが原則でございます。ただ、あの地帯につきましては、これも御承知のように、石灰石開発株式会社というものができております。これは、あの奥で石灰石を掘りまして、カーバイド原料に持っていこうというので、明星の親会社が作ったことは明らかでございます。あの場合にもたしか農地転用申請があったと思うのでありますが、ここの地帯といって限定しますと、全然農地以外のところでやってもらいたい、農地はつぶしてもらっては困るということは言えないところであろうと考えます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 そのことはるる検討し、県も検討しただろうと思うのですが、だから、要するに、その転用しようとする土地については、これはやむを得ない、許可してよろしいということに該当しますかどうか。そこはイエスかノーかです。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 一つ一つで言いますと、相当判断することが困るわけでありますが、今の点であの地帯で全部農地以外でやってくれと言うことは酷だろうと私は考えます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 だから、やむを得ないところはよろしいということになりますか。農地以外で山のてっぺんに持っていって工場を立てろということは無理だから、あそこの下でやることはやむを得ないかどうか。第二項だけでいいのですが、許可ということに該当しますかと言っているのです。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 今お答えしたことは、大体先生のおっしゃるような意味でお答えしたつもりであります。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それでは、第三項についてはどういうことをうたっていますか。通達は、申請目的実現の確実性ということですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 その通りでございます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 申請目的の実現の確実性というものは、あの第五条申請によってはあると判断しますか、ないと判断しますか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 私はこの点が一番問題だらうと思います。申請についていっております図面等も先生はあるいは御承知かと思いますが、非常に普通の工場建設の場合と違いまして、かすりと言ってはなにですが、転々とした農地転用の許可申請が実は出ております。そのような場合は非常に異例でございます。これにつきまして、もしも農地転用の場合に工場がはたしてできるだろうかというようなことも非常に私ども心配の大きな点でございますので、実は通産省にもその図面をつけまして判断してもらったわけでございますが、通産からは、にわかに判断いたしかねるというような回答をもらっております。普通の場合と非常に違っております。それから、もう一点は、非常に狭いところで、御承知のように、どの道を通すとか通さぬとかいうようなこともいろいろ実は言われております。そういう中でこれをやりますことが、はたしてうまくいくかどうかということが、実はわれわれが判断しますときの一番大きな問題でございます、今までの例は、先ほどから申し上げますように、大体もう地元と話し合いがつきまして円満に工場が建てられるというのが原則でございます。ほとんどそういうことでこの農地の転用はいたしております。この場合はなかなかまだそういう段階に至っておりませんので、個々の問題がわれわれものを判断する一番大きな問題になるわけです。それから、もう一つは、先ほどから申し上げますように、知事の意向もございますので、なるべく円満にやりたい、この申請の目的実現が確実にやれるようにということが判断の一番大きな内容になっております。この点をまだ検討しているのが実情でございます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それでは、その三項の問題だというところはしばらく預かって、知事は何と言っていますか。要するに、知事は許可相当という意見書をつけてきているわけでしょう。その意見書の中には問題点になるところはどういうふうにうたわれていますか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 この問題点につきましては、今資料を持ってきておりますので読み上げますが、知事さんは、先ほど私が申し上げました通り、一応書類は出すが、自分としては――これは、先生も御承知のように、県内の二つの会社の争いのような形になっておりますが、実際は四つであります。その四つの会社が全部同じ県にあるわけでございます。でありますから、知事としましては、なるべく自分が中に入って、自分の県内のことは円満におさめたいから、自分が中に入る機会を作ってくれという意見でございましたので、ものを判断しますときには、この申請目的の実現の確実性とあわせて、それも大きな判断材料にいたしております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 これはここで経過を説明しなくても局長は十分わかっておるはずだと思っております。知事が妥協案をたびたび出して、あるときには電化に断わられ、その次は両方だめだということで、これは法の命ずるところに従って転用許可申請に自分はイエスという判をついて出す、こういう経過になっておることだと思っております。間違っていたら一つ指摘して下さい。知事は、そういう妥協を十分やって、この法の命ずるところに従って、一部だけはだめだ、この一部だけはよろしい、これで第一期計画だけはやりなさいということで、許可をしてくれという意見書をつけて出してきてあるわけです。それに間違いがあるかないか、あとで御説明願いたいと思います。  そこで、知事が妥協案、調停案を出しますからぜひまかしてほしいということを、前に小林委員にも答弁しております。これは十一月の十三日の社会労働委員会で局長が小林委員にした答弁であります。「私どもとしましては、先ほどから申し上げますように、新潟の知事から、この問題は自分の責任で何とも解決したいということを数回言われておりますので、私の方といたしましては、知事さんの調停によって平和裏にこの問題が解決できないかということを待っておるというのが現状でございます。」こういうように答弁いたしております。知事は、私がさっき言ったように、何回かやったのです。県内産業の平和のためといって、片方から拒否され、その次のときはとてもだめだということになった。だめになったから、これは法の命ずるところに冷厳に従ってやってもらわなければしようがないといって出しておるのですが、それを今でもまだ知事は調停に乗り出すと言っておりますか。これはもう一回そこは念を押したいと思いますが、言っておりますか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 先ほど先生がおっしゃいました、どういうものを出したかということでございますが、ちょっとその部分だけ読んでみますと、「直接第一期工事に必要と認められる部分については、工場敷地として建設上困難の点を予想するも、明星会社は技術的に可能なる旨主張して止まざる故、企業自由の原則並に申請書の都合上提出後相当日数を経過した事情もあり、農林大臣に進達することと」いたしますというような旨のことを言っております。そういうことを可能かどうかという判断は自分の方としての判断ということよりも会社側が……、こういう意味のことを言っております。あとまだ長いこといろいろ言っております。そういう意見がついて出ております。  それから、調停の問題でございますが、これは、先ほど御説明しましたように、何回か中に入っております。案も出しましたのがございます。最後はソ連から帰られてから話されたということになっております。それで、現在の動きは、何回も中へ入ってみたがうまくいかなかった、自分としては今のところはしばらく静観してみようというような意見のようでございます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それでは、十一月十三日に小林委員に答弁したこれは間違っているから、ここで取り消すという言明をいたしますか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 私は間違っていないと思います。それはこういうことでございます。知事さんとしては、自分の県内のことでもあるし、何とか自分が中に入ってやりたいということを常に言っておられる。それから、ソ連から帰って中に入った場合も、実は調停しましたがうまくいきませんでした。それで、自分は全然これで終わりというわけではない、ここしばらくは静観する、もう少し時期を見てまた話すということにわれわれとの話し合いでなっております。でありますから、私がこの前答弁いたしましたことはその通りでございます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 実は、十一月十三日の、知事の調停を待つというような新聞発表が新潟県で大きく出たものですから、これはおかしい、知事は調停打ち切りの公文書まで出して、許可相当という意見も出したのに、また調停をするということはおかしいじゃないかということが新潟県下で問題になって、知事に面談した議事録か何かもあります。  それからきのう知事に行き会いましたか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 私は会っておりません。会っておりませんし、先ほど読み上げたようなことが出たのは二月六日でございます。その後二回調停に入っておられます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 二回調停に入っているというのは、農地局長の名前も使ってよいかと、こういうことで入っているのでしよう。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 調停に入りましたのは二回と申し上げた。四月の選挙の前が一回ございます。これは文書で出しておられます。これは農林省はどうということは、私の記憶では言っておられません。それから、ソ連から帰りまして中に入るときには、農林省とも打ち合わせてその上で自分が中に入るということを口頭で言っておるはずでございます。ただ、私とはそういう話し合いになっておりますが、会社へ行ってその辺をどういうふうに言われたかは別にしまして、私と知事さんの話では、農林省もそういうことを希望しておると言うことはけっこうだというような話し合いをした上で調停に入っておるはずでございます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 私は、知事は調停を打ち切って、やる意思なしということだ、これは確認しておるのです。だから、あなたがもし、知事が進んでたびたび農林省へ申し込んできたという、小林さんの質問に答えたそういうことでやっていると言うなら、私たちもわかるように説明して下さい。いつどっちの方へ行って、どういう案を出しておるとか、その後現段階において知事がどういうことをやっておるかということを、私どももわかるように説明してもらわなければ、知事は打ち切ったと言って、もう調停に入る意思なしと言ってやっているのです。農地局長は知事にまかしたと言っているのです。私も実はゆうべ知事に会って、会ってではなく、電話で連絡したら、そんなことは絶対にありません、こういうようにちゃんと答弁を受けておるから、確信を持って今農地局長に聞いておるわけです。だから、知事が今どこかあっせんか何かに入っておるというなら、私たちにもわかるように、いつ幾日電化側に行ったとか、どこへ行ったとか、こういうように客観的にわかるように説明して下さい。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 知事は、しばらく時期を見てまた入るということを言っております。それは、ソ連から帰りまして、調停に立ちまして、やってうまくいかなかった。それで、これにはやはりある程度時期を待つという問題もある、そのときを見てまた自分は中に入ってやるということにわれわれは了解いたしております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それが大問題なんです。実は、局長は、知事にまかせた、知事は、もうこれは意見をつけて出したものだからおれの知ったことではない、農林省の判断だ、こういうことです。だから、地元の町会議員はこういうことが非常な問題なので、これは十一月二十八日ですから、今から五日ばかり前です。名前まで申し上げます。戸田、小川両青海町町会議員です。それで、会った場所は直江津市において、北村知事と十一月二十八日午後七時より四十五分間面会した。質問、十一月十三日の社会労働委員会における伊東局長の答弁中に、農地の問題については知事の責任であるように言っていたが、食い違いがあるのではないかどうですか。知事答弁、とんでもない話だ、伊東局長が言い違いか考え違いをしているのだ、私は二回までもあっせん案を出して不成功に終わったので、今後はあっせんに出ないことを声明した、二回目も農地局長がたのむからやったので、伊東局長は言い違いか思い違いをしている。――いいですか、もう言明をしているのです。地元へ行けば、私がきのう電話で聞いたときもそうだ。四二三局の何千何百何十何番か、電話番号は忘れたが、きのう私は確認して、それは大事なポイントだから、私もこのことを質問しているのです。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 私は、先ほどから答弁いたしました通りでございます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 間違いないですか。いつそういうことを知事が言ってきましたか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 いつ言ってきたということではなくて、先ほどから申し上げました通り、ソ連から帰りまして、一回調停に入った。これはうまくいかなかった。それで、この問題についてはやはり時というものが一つ問題を解決することにもなりはせぬか、もう少し静観して、その時が来たらまた中へ入るということを私と話しております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それではこれは押し問答です。あなたの方へはそう言って、こちらの方へは違うことを言っているということになると、これは知事の政治的生命にもかかわる問題だと思う。だから、議事録の上でもう一回確かめてみるか、証人をここへ連れてきてよく尋ねるよりほかに方法はないと思うのです。  それでは、また話はもとに戻りますが、先ほど来、一項の目的の検討、二項は何とか……。三項の問題になっておる点についてお尋ねをいたしたいと思うのです。まあ、かすりみたいに点々となっておるというけれども、これでできないという判断をしているのですか、していないのですか。農地が若干飛び地があるのです。けれども、それについてやるといって申請をし、知事もそれについて意見をつけておるわけです。それをできないと農地局は判断しておるのですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 これはわれわれだけで判断することもなかなかむずかしいということで、先ほどから申し上げますように、この担当省であります通産省にも実は意見を聞いたわけでございます。その結果が、にわかに判定いたしかねるという返事を実はもらいまして、われわれとしましても、これが今までと違いまして非常に異例なものでございますから、これでうまくいくかどうかということにつきましては、今のところまだ検討しておるところでございます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それは、通産省は農地局の方へそれをひっかぶせるつもりで、イエスとかノーとか返事をしっこない。おれは判断しかねるという答弁をよこすに違いないと思うのです。今工場でオートメーションとか近代化というようなことからすれば、どれだけのことをやるかということは農地局や通産省でそうわかるはずはないと思うのです。だから、農地法に従って県の意見を聞いて判断する以外には方法はないと思うのです。通産省は農地局でやることを自分でひっかぶってこれはいけないとかいいとか言うはずはない。判断いたしかねますということは、判断できぬのだから、あとは農地局が判断するよりほかないのです。農地局の判断は何によってするかというと、その会社ができて、いっ幾日までにどういうようにしてやるという申請をして、知事もそれができるのだという添書をつけてやったら、それによってやるよりしようがないじゃないですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 これは、通産省に意見を聞いておりますが、これだけではございません。いろいろな問題を聞いております。問題によりましては、いかぬという返事をもらったものもございます。われわれは今二次産業につきましてはほとんどの場合通産省の意見を聞いております。それに対しましては、大体いいとか悪いとか返事をもらうことが多いわけでございます。この問題につきましては、先ほどから申し上げますように、図面をごらんになりますとわかりますように、非常に点々としたところがございます。これで、たとえばキルンの支持の能力が通常の幅より非常に狭くなっておるので安全性について疑問があるとか、いろいろな理由も実は書きまして、判断いたしかねるというような返事をもらっておるのでございますので、われわれとしましては、こういう農地転用をしますときに、農地転用によりまして、工場がうまくいかぬ、あるいは狭いところの秩序が乱れるというようなことは望ましくないことでございますので、工場も必ずできるし、円満裏にいくということが、われわれが農地を転用いたします場合にも最も望ましいところでございますので、そういう今までの考え方でこの問題は検討しておるわけでございます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 これはいろいろ言い出すと長くなりますが、円満にいくということは、農地法の命ずるところに従って冷厳にやりさえすれば円満にいくのです。それを政治的にあっちへ動かされこっちへ動かされしているから、こういう問題が起こってきている。現地においては恐怖の町だと言われるような状態まで起こってきているわけです。農地法の命ずるところに従ってやればいいのです。会社がこれでできますと言って図面までつけてきているものを、あなたはこれがいいとかいけないとか判断する能力がありますか。片方の工場ができると言ったら、それはできないともしあなたが言ったとする。片方ができると言うものを、できないと言って、国家賠償など請求されたときに受けて立つことができるのですか。片方の、これでちゃんとできますからやって下さいという申請に対して、おれはできないと思いますと勝手なことを言っていいのですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 そういう判断につきましては、先ほどから申し上げますように、われわれとしましては、担当の省もございますので、そういうところの意見を聞いてやるということが従来からやっている取り扱いでございます。それから、これは一般論でございますが、工場ができると言った場合は、たとえば、あたりの平和を乱すようなことがあっても、何でも農地転用はすればいいのだというふうなことでなくて、そこはやはり、法を運用しますときには、円満に、ここに周囲の農業も行なわれ工場も操業ができるということを見通してやりますのが、私どもとしましては法の運用を考えます場合には最も考えるべき問題の一つであるというふうに考えております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 そこのところについては問題があると言うなら、問題のあるところについて県は何十回と調査をして、ちゃんと意見をつけてきているはずです。それを発表してみて下さい。実現の確実性が問題になっているのだから、知事はちゃんと意見をつけてきているのですから、それを発表して下さい。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 今農地課長からその点話しますが、実は、先ほど申しましたように、一応意見書は出すが、自分が中に入ってやりたいということをあわせて強くわれわれに要望したのであります。そういう点も私はこの意見書と一緒の価値をもって考えております。

中島正明農林事務官(農地局管理部農地課長)

○中島説明員 ただいまの知事の意見について申し上げますと、工場の建設計画については、要約して読んでみますと、「全体の計画は工場配置計画図のように、主要な回転窯は敷地の中央よりやや南側に配置しているが、用地取得の関係上やむなく変更したもので、結果的には全般の配置が当初設計の逆の位置に変更せざるを得なくなったものである。この回転窯は専用側線の線路を東側に移動し、その部分と農道との間に回転窯を設置することにしており、農道は直接使用しないものである。この具体的な移動については、側線敷の左右をコンクリートの障壁をもって可能な限り敷地を狭めると同時に、東側の余剰地があるので直線コースを曲げて回転窯敷を造成しようとするものである。もちろんこの設計変更については、金沢鉄道監理局の承認と監督下に行なわれることとなる。この工事が完成すると、狭いところで約七メートル、広いところで約十一メートルの空地が出るので、施設は可能と認められる。」  それから、建築基準法に基づく手続につきましては、これは建築基準法に基づいて手続をとるということを言っております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 十一メートルの空地ができるので施設は可能と認められると公文書で明確にうたっているじゃありませんか。しかも、それを、施設はできるとか施設はできないとか、そんな判断ができますか。知事は、ここのところは余分なところだからやめておけと言って、六千何百坪に制限して第一期工事だけやるのだ、許可してもらいたいと出しているじゃないですか。それをどういう判断でいいとか悪いとか言っているのですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 知事さんから許可してくれと言ってきたものは全部許可することは実はいたしておりません。これは、一般の場合でも、実は、添書が来た場合でも、われわれとしては、これは望ましくないと判断して、許可いたしませんということをいたしたこともございます。この場合は、先ほどから申し上げますように、知事さんの意見は今申し上げましたが、われわれから見ますと、いかにも工場としては変形なものじゃなかろうかという危惧の念を持っておりまして、先ほど申し上げましたように、通産省にも技術的に可能なのかどうかということを照会したわけでございます。われわれとしましては、知事さんから言ってきたものは全部そのままのむのだということは実はいたしておりません。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 知事がもうさんざん現地へ行って寸法をはかったり何かして、これは可能だと言ってきているものを、どうして握りつぶしているのか、客観的なことを私に説明して下さい。知事はこう言っているけれども、ここがこうでできないということを言って下さい。基礎がどうだとか具体的に言って下さい。そうでなければ、いきなりおれたちはこうだと言っても、わからないと思うんです。知事は可能であると言って公文書で出しているのですから、具体的にここがだめだと言わなければならぬ。政治的なことではだめです。事務的にここがだめだということを言わなければだめです。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 先ほどから申しますように、通産省にも技術的な問題として照会したわけでございます。その返事は、物理的に、生産すべき工場の価値については、施設の配置状況が通例の場合と異なり、いろいろな問題点もあるので、にわかに断定いたしかねるということで来ました。技術的な問題でございますから、一番大きく言われている点は、キルンの支持構築物の幅が通例の場合に比べてかなり狭いので、キルンの運転の安全性について特別の考慮が必要だというようなことが一番強く、これが理由の大きなものであろうと思います。そのほかに、貯鉱場とか、クリンカーの貯蔵能力とか、セメントの粉砕機の粉砕能力が十分でないというようなことが、回答には書いてございます。そういうふうに、技術的な判断を照会したのに対しまして、断定いたしかねるということをもらったわけでございます。われわれとしましては、技術的な問題だけでなくて、やはり、申請目的の実現の確実性ということにつきましては、これは、それだけの判断でなくて、周囲の市民との関係の問題でありますとかいうようなことも、当然この農地転用で工場に認める場合には判断の材料といたしております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 その通産省で出した資料をあとで出して下さい。この判断がしかねるということは、私も通産省からいろいろの回答は聞いております。だから、何か計算をしたとかなんとかいう判断があったら、それを出して下さい。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 これは私の方の書類でございませんので、一応通産と相談しましてから御返事いたします。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それは、しかし、通産省がいけないと言うから、それでは農地局もいけない、こういうことなんですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 われわれはそれだけを判断の材料とはいたしておりません。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それでは、ほかに何ですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 先ほどから何度も御説明いたしたのでございますが、農地転用をやり、工場を誘致します場合に、地元の市町村あたりの意見、あるいは周囲の農民の意見というものは、私どもは常に尊重いたしております。農地を転用しまして工場ができます場合には、そこに平和裏に円滑に操業が行なわれるということが前提でなければ、農地転用ということを考えるべきじゃないというふうに私は考えております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それでは、周囲の農民が今どういうことをやっているか、その辺を一つ、もう農地局は十分おわかりだと思いますから、説明をしていただきたいと思うんです。農地法上だいぶ問題があると見ているのですが、農地局は十分知っていると思うんです。どういうふうな工合にしてどういうふうにしているか、それを説明してもらいたい。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 全部が全部でございません。何も手続をしていない人もありますし、われわれ聞いておりますのは、片方の反対側の会社に、農地法によります許可を停止条件付にしまして賃貸借とか所有権の移転の仮登記をする、そういうことをしておる者があるということを聞いております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 その仮登記は、知事の許可のあったときというようなことで、停止条件付の仮登記をやっておる、こういう賃貸契約または売買契約、これは農地違反になりませんか、なりますか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 許可を停止条件付にして仮登記をいたしておるわけでございますが、それ自体では農地法違反というわけにはいかぬというふうにわれわれは考えております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 この契約に基づいて金を支払っているのだが、それでも農地法違反になりませんか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 その金の性質でございますが、これは、保証金でございますか、内金という性質になりますか、その辺は契約当事者でないとわかりませんが、今の段階で何も引き渡しをしないということで、許可を停止条件としたそういう仮登記、賃貸借あるいは所有権の移転の仮登記につきましては、法律上違法ということはまだ断定いたしかねます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 その契約に基づく金を支払っているんです。それで違反になりませんか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 その金の性質でございますが、保証金というような形で払っておりますか、内金という形でやっておりますか、われわれよく存じませんが、そういう段階ではまだ農地法違反ということには断定いたしかねるというのがわれわれの考えでございます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 大きな会社が――ここで名前を出してはいけないですが、たとえば東急なら東急というのが、大観光地を作ろうというので、たんぼのまん中の土地を買いたいというときに、許可を停止条件付にして仮登記する、それで農地法違反になりませんか。日本中の土地を大きな会社がみんな取ってしまうことになりませんか。これは小林委員から質問がありまして、調べますと答弁したが、調べましたか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 先ほども申し上げましたように、賃貸借あるいは所有権移転の請求権の仮登記をしておるということを聞きました。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 だから、金の支払いをしていることがあれば農地法の違反ではないか、――局長が調べますと答弁してるじゃないですか。現に支払っておるんだから違反ではないかどうかということを聞いておるんです。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 許可を停止条件付にしました契約をしまして保証金を払うというだけでは、農地法違反と断定いたしかねるというのがわれわれの今の見解でございます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 県から意見書が出てきたのに、ちゃんとそういうことが詳しく書いてあるのです。「賃借権設定仮登記、原因、昭和三三年六月一日、停止条件付賃貸借契約(農地法第五条による転用許可ありたるとき賃借権の効力が発生する)権利者、東京都、電気化学工業株式会社、借賃、壱ケ年壱坪に付その年の産米生産者基準価格壱升相当額、借賃支払い時期、毎年十二月二十日、存続期間、契約締結の日より満拾ケ年、右登記する」、これは登記から取ったものだと思います。ここで県庁の意見が書いてある。これは農地法違反ではありませんかということが書いてあるじゃありませんか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 われわれの見解は、先ほども申し上げた通りでございます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 そうすると、大きな会社が幾ら契約を結んで、毎年々々年貢だといって、ここでは米一升ですから一反歩三万円ですか、賃貸契約に基づいて払っておっても、違反ではないということになるんですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 それは許可がなければ有効とならぬという停止条件付でございますので、われわれはそういうことだけではまだ違反というふうには今のところ断定いたしかねるというのがわれわれの解釈であります。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 重要なことだから、念を押しておきますよ。契約に基づいて金をちゃんと支払っておっても違反にならないのかということを念を押しておるんですよ。契約に基づいて毎年年貢を納めておる、金を支払っておっても違反になりませんか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 その金の性質でございますが、これを保証金というふうに解釈すれば、今の法律の解釈からいきまして、すぐにそれで違反だというふうには解釈いたしかねるというのが見解でございます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それは調べてみましたか。先ほどから聞いておると、電化の弁護をしようしようということで、農地を守るという意思はないじゃありませんか。現にそういうことがあれば違反になりますから調べますと言って、調べてみましたか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 われわれは、県の農地部長に照会して、調べてくれということで頼んだわけでございます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それじゃ、県の見解は間違いですか。農地法違反だと思われますとか、疑いがありますとか、公文書で来ておるのは間違ってるんですか。終わりから二枚目に正式に書いてあるから読んで下さい。あとで口頭で県としてはいいと言ったなんて、そんなこと言ったってだめですよ。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 県から来ておりますのは、若干疑義があるということを書いてございます。それは先生お持ちだと思います。われわれは、それに対しまして、その段階ではまだ法律違反という段階じゃないという見解をとったのでございます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 これは重要な問題になりますよ。これは相当現にありはしませんか。東急なり何なりが停止条件付で賃貸契約か売買契約か知りませんが結んで、知事の許可を停止条件として結んで毎年年貢を払う、それは違反ではないということを言明しておりますから、重大な問題になります。それでいいんですか。念を押しておきます。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 われわれの今の解釈では、そういう解釈をいたしております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それでは、その問答を続けていても仕方がありませんから、次に進みたいと思います。  それでは、小林委員の質問で、両方で土地を買いたいということが出ておるようですが、電化でも土地を借りたいという申請が出ておりますか。これを読んでみますと、「県の方でも、許可して差しつかえないのじゃないかという意味の意見をつけて金沢の農地事務局に申請が出ております。これはことしの二月でございます。そういう申請が出ましたが、新潟の知事としましては、やはり」――ずっと略しまして、「両者で工場を建てたいということがございまして、両方で農地の所有者と話い合いをして農地転用の許可を申請するということになっております。」、こういうふうに断定していますが、申請が出ていますか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 私もその後の速記録を読んでおりませんが、たしか、電化の分については出ていないということで、取り消したかと思いますが、もし取り消しておりませんでしたら、電化から申請はございません。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それでは、それでけっこうです。  そこで、すぐ隣に電化の八万何坪の許可をしてるところがあるのです。また、申請のときと違ったならばこれを取り消すということで条件付の許可をしてるわけです。その後その申請通りに工場が建てられてるのかどうか、その辺はどうですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 われわれの調べでは、農地につきまして三分の一くらいの整地をいたしまして、うち工作物の進度は五三というわれわれの調べでございます。そういうことになっておりますので、まだ工場は完全に建ってるということはございません。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 これは地元でも大騒ぎしているんです。あの八万坪も許可を得たけれども、ちっとも転用しないじゃないか、地元の農地委員会でも大騒ぎした問題です。農林省は知らぬ顔してるわけです。よく調べてみると、申請後に違反することがあれば許可を取り消すことがあると、ちゃんと留保条件があるのです。これについては小林委員の質問にもずいぶんうたわれているのでございますが、一体調べられたかどうか、その後のことをお尋ねしているわけです。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 今申し上げました土地の進行率でございますが、若干訂正させていただきます。今のはカーバイドの方の許可したものの進行率でございます。電化の分は、北と南になっておりまして、今先生おっしゃいましたように八万坪でございますが、北の分については、一応整地を終わりまして、屋根のできたもの六棟・五百四十五坪、あるいは基礎工事中のものが九棟・千九百九十五坪という調査を金沢の事務局でいたしました。ただ、半分に分けました南の分につきましては、まだ着手いたしておりません。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それでは、お尋ねしますが、八万何がしの許可を得て、どのくらいちゃんと申請通りできておりますか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 手をつけましたのは、約半分です。三万ないし三万五千坪程度であります。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 これは、昭和三十二年四月二十日に申請を出して、三十二年七月十五日付でスムーズに八万坪許可になっておる。そして、申請記載事項に違反ある場合には許可を取り消すことができる。これは新潟県の農地開拓課からの調べです。手をつけていないとすると、許可を取り消すとか、効力停止の措置をするとかいうことをしなければならないのに、それを、何万坪か占有して、それも農地法違反ではないということになれば、これはほかの工場はそこに作ることができないし、そういうことになると農地法にもちっとも影響がないということになる。そういうことでいいのですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 農地転用の許可がありましたあとにおいて、これが必ず転用されるということは、われわれとしては最も望ましいところであります。ただ、全国的にも例がございますが、その後の経済情勢が変わったりして手がつけられなかったりする例が出ることは間々ございます。全部が全部すぐ手がつくということには実はなっておりませんということは、はなはだ遺憾でございます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 私は最後にいろいろ申し上げたいと思うのですが、実は、この問題を起こしているのは、農地局長、要するに農林省の態度だと思うのです。法に従って許可すれば一切の問題は解決するわけです。農林省が中央から地方へせっかいを入れて、それをおらが方へ持ってこいと言って政治問題にしたわけです。そして、みずから通産省に問い合わせたり何かして、問題をこんがらかしているわけです。具体的に、たとえばことしの三月二日でしたか、金沢農地事務局から青海の役場へ出かけていって、大月管理部長、蓮川管理課長以下、県からもたくさん出ていってやった。このときには、大月管理部長は新聞発表までして、法の命ずるところに従って私は自分の権限でやります、――これはさっき言った取り扱い規則で金沢の農地局長がやれる権限がある。法律通りにみずからやろうということで、そのときは、もう一切どっち側の陳情も受けないように、遠い旅館に入ってそこから通って、そうして青海の工場に行って、参考人を呼んで、まるで裁判のように厳粛にやって結論を出そうとした。そこへ電話をかけたのはだれですか。結論を出してはいけないと電話をかけたのはだれですか。みずから勝手に政治問題にしておいて、こっちへ持ってこいと言っているじゃないか。三月三日、時間まで申し上げましょう。電話の取り次ぎ者まで申し上げましょう。町の総務課長の山岸というのが電話を取り次いできた。今電話がかかってきたから、ここで結論を出しちゃいけないという話になった。ちゃんと法律通りにやっていれば、こんな問題は起こらないのですよ。青海における、あるいは新潟県における問題というものは、一切農地局長が自分から買って出て政治問題にして問題をこんがらかしているじゃないですか。そうして、今までの答弁を聞いていると、あれも農地法違反ではない、これも農地法違反ではない、答弁を聞いていると、まるで青海電化の代弁をやっているんじゃないかと思う。この前小林委員も質問しているじゃないか。現地へ行けば、だいぶもらっているんじゃないかと勘ぐられている。そういうふうに解釈できるのです。なぜわざわざ、金沢農地局長の権限でやれるものを、農林省に持ってこいということを言ったのか。これは五千坪以下なら知事ができたのです。そうして、これを新潟県の問題にし、今度は全国的な問題にし、日経を見れば全国版に出ているような問題にしている。みずから買って出て政治問題にしているじゃないですか。そのとき電話をかけさせたのはだれですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 今電話の話がありましたが、私はそれは記憶がございません。ただ、先生のおっしゃいますところの、六千坪の場合には中央は全然タッチできないということは、実は決してそうではないのでありまして、問題によりましては全部東京に持ってきて事務局と相談してやるという例はたくさんあります。本件につきましては、先ほど申し上げましたように、私どもとしては何とか円満に解決した上で農地転用をやりたいというような考えを持っておりますので、私どもといたしましては、今申し上げましたような態度で両方に話し合いをして、そうして円満にやりたい。これは知事も同じ意見でありますので、そういう態度をとっておるわけであります。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 知事の態度はもう私は聞いておりますし、農地局長から聞いたことと違いますから、それはまた別の機会に対決することにいたします。知事は、もうこれは農林省のやることだと言って、全然タッチする意思がないわけですから、そんなことを繰り返したってしようがない。ただ、問題を起こした原因をいろいろ調査してみたところが、三月三日に、金沢農地事務局長が、県の人を大ぜい従えて、法の命ずるところに従ってやりたいと言って新聞発表までして現地に乗り込んで行ったわけですよ。そうしたところが電話をかけてきたんですよ。町の総務課長が取り次いで、ここでそういうことをやってはまずいぞということで、それをわざわざ農林省に持ってきたじゃないですか。だれの圧力でそれをやったのですか。あなたは前の新潟県の岡村という部長を知っておりますか。それとはこの問題についてどこでどういうふうに会合したか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 岡村君はよく知っております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 だから、電話をかけさせたのはだれかというんです、法律通りにやりさえすれば、現地でもって解決できる問題なんですよ。それをわざわざ農林省へ持ってこいと言った。六千坪ですよ。知事の権限は五千坪だ。知事の許可が相当であるということは、全部で八千坪の申請があったが、そのうち二千坪くらいは飛び地もあろうから、六千坪にして許可相当だと言って判を押して出したじゃありませんか。それをわざわざ通産省あたりに問い合わせておる。近代工業はどのくらい進んでいるか知れません。それをわざわざ押えよう、引き延ばそうとしたのはみんな電化の作戦なんです。片一方は、石灰石をもう毎日何百トン何千トンと作って、そのずりが四〇%もたまって、一日も早くキルン一基を設置しなければならぬというところにきておる。それを電化のぺース通りにやっておるじゃありませんか。この電話をかけさせたのは農林省じゃないか。それをはっきり答弁して下さい。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 その電話の問題は別といたしまして、この問題につきましては、先生のおっしゃいましたように非常にむずかしい問題がございまして、現地でも問題になっておることは先生御承知の通りでございますので、われわれといたしましては、そういう問題につきましては事務当局だけで判断することが非常に困難な点もございました。これは何もこの問題に限ったことではなくて、六千坪が六千五百坪でも、場合によっては中央で相談したこともあります。そういうことでやっております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 農地を売ります場合、農地法ですか、規則の第六条ですか、それによって契約書をつけるでしょう。そういうものをつけて出して、知事はそれをよろしいと言って、金沢農地局長がそれで許可しようとしたのを、わざわざ口ばしを入れて政治問題に巻き込んでいったじゃないですか。それが電化のぺースなんですよ。電化のぺースでやっておるんですよ。現地に行って調べておるんです。電化の方は、それを売らせないように、一反歩三十万円も出して、また、賃貸契約においては一反歩三万円も出してやっておるのに、なおかつそれを農地法違反ではないと言う。その隣の八万坪を許可したのは金沢の権限で許可をした。ところが、その八万坪確保したものには今工場も何も建っていない、こういう状態じゃないですか。一体だれのための農地管理をやっておるのですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 農地転用の問題につきましては、先ほどから申し上げますように、そのことをなるべく平和裏に円滑にやりたい、そうしてやるのがやはり法の運用に一番いいのだというような態度をとっております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 平和裏にやりたいということは、私たちも願うところです。平和裏にいかないから、知事は法の命ずるところによってやってもらいたいと言ってきたのです。だから、一項目々々々知事の意見や何かを検討して、法的に何も差しつかえないものだったら、許可してやればいいのです。あした判を押してやれるのです。知事のところでは、農道はどうなっているのか、今言ったような問題を全部詳細に調べて、この通りで差しつかえない、具体性がすぐある、セメントの需要というものがあるから、これを早く許可してもらいたいとちゃんと書いて出しているじゃないですか。それを政治的に押えているのじゃないですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 先ほどから繰り返して申し上げますように、この二月六日の書類が出ました直後にも、知事さんはまた調停に入っております。ですから、先ほどから申し上げますように、書類は一応出すけれども、自分は中に入って円満に片づけたい、自分にまかしてくれということを実は強く言われたのでございます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それじゃ、知事の言っていることと違いますから、私はタベの話をちゃんと申し上げます。知事としては、考えたあげく出した調停案が、明星の方は受けたが、電化の方で拒否されたので、知事選の直前打ち切りますと正式に通告した。ところが、そのあと金沢の農地事務局長が、そう言わないでぜひもう一度やってほしいと懇請された。セメントだけでなくて、上の石灰石も含めて共同でやってくれということで、知事は局長名を出してもいいかということを念を押した。ところが、選挙が済んでも答えがない。そのあとはソ連に行ってしまった。そのあと大臣が三番町の別館に来いと言われて、出ていった。局長もそこにいた。多分八月ごろかと思う。ぜひ知事が調停してくれといって、あなたの方から頼んだことじゃないですか。知事がおれがやりますおれがやりますと言って来たようなのと違うのだ。あなたの方が頼んだ。しかし今は局長の方で何かやっておるでしょうから私は知らない――明確に夕べの話です。そんなごまかしばかり言っておってもだめなんだ。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 今私申し上げましたのは、この二月六日の書類が出た直後におきましても知事さんが私にそういうことを言ってきたということを申し上げたわけであります。それから時間の経過がございます。そのあとからまた、知事選のときにも文書を出して、これが終わっても返事がなかった。それから、ソ連に行っておる間にも、県の人からは、知事が帰ってこれをやるということを言っておるのだからまた知事が入る場を作っておいてくれということを頼まれたことも事実であります。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それでは、最後に念を押しておきたいと思います。国民としては職業選択の自由はあるはずだと思うのです。それを妨害しておるわけです。とにかく石灰が出て――私は現地に行って石灰のところまで見てこなかったけれども、日本経済新聞には大々的に出ております。六億円も砂利がわりに寝ておるそういうことで会社は非常に損害をこうむっておると思うのです。損害を与えた責任はあなた方が負わなければならないと思うのです。国家賠償法に従ってそういうことは当然なことだと思うのです。当然国家賠償法の対象になると私は思うのです。農地は、売りましょう、買いましょう。知事もそれでよろしいと言う。そうしたところが、何となく政治的なことで許可を引き延ばしておる。片方は、申請をしたけれどもちっとも許可にならないで、一年半もほったらかされておって、六億円もふいになって寝ておるわけです。その損害については農林省としては責任を負わなければならないと思う。当然そういうことになると思う。いいですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 この問題につきましては、先ほどから申し上げますように、われわれの態度はなるべく円満にこの問題を解決したいということであります。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 これ以上やっていても、おそくなるばかりですから、きょうは一応これで終わります。しかし、この問題は、さっきも申し上げたように、党の国会対策委員会、代議士会できめて、これは徹底的に追及することになっておりますので、また機会をあらためて、新潟県知事を証人として呼ぶなり現地の人を証人として呼ぶ等して、具体的な追及を続けたいと思いますので、きょうはこれで一応終わりたいと思います。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 本日はこの程度にいたします。次会は公報をもってお知らせいたします。  これにて散会いたします。     午後四時三十五分散会

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