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33回国会衆議院1959/11/05

農林水産委員会 第3号

発言数
79
登壇者
10
会派数
2
開催日
1959/11/05

会議録

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 これより会議を開きます。  農林水産物に関する件につきまして調査を進めます。  昭和三十四年産原料カンショの価格について質疑の通告があります。この際これを許します。  兒玉末男君。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 食糧長官にお伺いしたいと思うのでございますが、この前の委員会でも赤路委員からいろいろと今年度のカンショの問題で質問があったようでございますが、私の出身でございます宮崎県におきましては、大体全体で二万二千町歩、年間の生産約一億二千万貫のカンショの生産県でございますが、特に宮崎県だけでなくて、全国的なカンショの生産県におきまして非常に価格が暴落をいたしておるわけでございます。具体的には、たとえば宮崎県等の場合においては、すでに十七円を割ろうという、きわめて憂慮すべき段階であります。また、千葉や茨城等においても同じような現象が起きて、農民としてはきわめてこれに重大な関心を持っているわけでございますが、こういうふうに政府の支持価格でございます二十五円を大きく下回るような状態が発生したということについて、食糧長官としては、なぜこのようなことになったかというその原因についてどのような見解をお持ちか、まずお伺いしたいと思う。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 今回の原料カンショの値下がりにつきましては、先般の委員会におきまして、そのような事態に立ち至りました事情並びにそれに対する政府の対策につきまして中間的に御説明を申し上げたのでございますが、本年産のカンショはやはり相当の豊作でございまして、目下のところ統計調査部の収穫予想によりますと約十八億万貫程度の生産が予想されておるわけでございます。あるいは実収はその後の天候等から考えますとなおこれを上向く場合もあり得ると考えるのでございますが、そのような生産事情に対しまして、特に澱粉生産業者の考え方と申しますか着業態度が例年に比較いたしましてやや積極的でないというような面があったようであります。そのような事情がからみまして、原料カンショの値下がりが主産地におきましてかなり強く出て参ったわけであります。それで、これに対しまして農林省といたしましてすみやかに所要の措置を講じなければならないわけでございまするので、過般来関係省との間でも打ち合わせを進めました結果、ただいまお手元に差し上げましたような趣旨の措置をとることにいたしまして、昨晩農林大臣からこれを発表いたした次第であります。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 長官の答弁は少し的をはずれておると思うのですよ。なぜ価格がこんなに暴落しておるのか、こういう客観的な事実に対して中央としてはどういうふうな分析をされておるのか、その点をもう一ぺん一つお答え願いたいと思います。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 ただいま申し上げましたように、今回の原料カンショが値下がりをいたしました背景になっております情勢の要点は、本年のカンショが引き続き相当の豊作であるということが一つと、それから、澱粉生産業者の着業態度が例年に比較いたしましてそれほど積極的でなかった、そういうふうな情勢にからみまして、農家といたしましてもある程度売り急ぎの気分が出て参ったというようなことがからみ合いまして、今回の値下がりの現象を呈した、かように私どもは解しております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 今の長官の御答弁は、私は根本的な分析の誤りを犯しておるのではないかと思うわけですが、本日の新聞でようやく、この前の委員会で追及されて、そうして澱粉の買上量というものを公表した。この時期が非常におくれたということが、まず第一に、農協なりあるいは澱粉業者等において政府がそういう態度を明らかにしないのでやはり買いたたく動機になった、このように私は考えておるわけです。それに対して、長官は、この公表の時期がおくれたについてどういう見解をお持ちか。  第二の点といたしましては、この前の委員会で長官が回答されましたが、いわゆる今年度のカンショを支持価格以下で買ったところの澱粉は政府としては買い上げの対象としない、こういう通達を下部機関に出したということを言われておったようでございますが、この通達が、澱粉業者なりあるいは各農協、団体等、こういうカンショを買い上げるところの下部機関にはたしてどの程度浸透され、あるいは農民に理解されるような努力をしたか。  この二つの点についてお答えいただきたいと思います。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 今回の措置が時間的におくれたのではないかという御指摘でございますが、われわれといたしましては、先般の原料カンショ及び澱粉の本年産につきましての支持価格を決定いたしましたことと関連をいたしまして、これは農産物価格安定法によってきめておるのでありますから、その支持価格を決定いたしました以上、それに応じまして、自主調整の結果持ち込まれまする澱粉は政府でこれを買い上げるということは、法の趣旨から言いまして当然でございます。特に今回のような事態は、あの価格決定の前後の事情から考えまして、このような事態になるというような予想はいたしていなかったわけでございます。従いまして、今回こういうような事態が起きて参りました結果この措置をとった次第でございます。その間の事情につきましては御了承をいただきたいと考える次第でございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 それから、発表されましたこの政府の買上数量というものが、一万九千トンでございますか、貫目で五百万貫ということになろうかと思いますが、この程度の買い上げでは——特に先ほども長官もみずから言われましたように、非常にことしは豊作である、そのことが買いたたきの原因となっている以上、いま少しこの買上澱粉量をふやすべきではないか、こういうことを考えるわけであります。これは絶対に五百万貫では少ない。これに対して長官としてはどういうような見解をお持ちか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 昨晩農林大臣から御発表いただきました際にも、その点は詳しく報道関係者には話をいたしたつもりであったのでございますが、けさほどの記事を見ますと、われわれの考えております趣旨が必ずしも十分になにされておらないようであります。と申しますのは、五百万貫程度の数量につきまして早期買い上げをいたすことにいたしましたのは、これは、本年産のイモの価格維持のために特に早期に買い上げを開始してもらいたいというような希望が現地からも強く出ておりましたので、それに応じまして、本年度内に五百万貫程度の澱粉の買い上げを一応予定をいたしたわけであります。三十五年度につきましては、私どもは相当の数量を買い上げなければならないという考えを持っておりました。具体的な数字はこれから予算編成の過程におきまして十分検討いたしまして織り込んで参るわけでございまするが、過去の三十年産、三十一年産の買い上げの状況等から考えまして、本年産澱粉の買上数量は相当多量のものになる場合を一応想定いたしまして、目下検討いたしておる次第でございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 では、今までの大体の実績はどの程度になっておるのか、これが第一点。それから、第二点としましては、たしか現在政府の手持ちの澱粉が六千万貫ぐらいあるということを聞いておるわけでございますが、この手持ちの処理について、これは今後の買上数量ともきわめて密接な関係があろうと思うのですが、この手持澱粉の処理に対する将来の方針というものはどういうふうな考えを持っておるのか、この点を一つあわせてお聞きしたい。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 過去におきまする澱粉買い上げの実績は、カンショ澱粉だけについて申し上げますと、これは農産物価格安定法で買い上げましたのは三十年産からでございますが、三十年産は二千四百八十六万貫になっております。それから三十一年産は千三百三十万貫、それから三十二年産はございませんで、三十三年産が千二百七十二万貫になっておるわけであります。現在政府が持っておりまする澱粉は、カンショ澱粉、バレイショ澱粉を通じまして約五千八百万貫程度でございますが、これは、先般の本年産カンショの支持価格を決定いたします際に御説明申し上げましたように、一応澱粉の供給量といたしましてはこれをはずしてことしの場合は考えたわけでございます。と申しますのは、この五千八百万貫の澱粉の一部あるいは相当部分が一般市場に還流をいたす場合を想定いたしません。一応これは政府が手持ちをいたしまして、一般市場を圧迫しないような形において今後その処理方針を考えるという考え方をもちまして、ことしのカンショの支持価格は計算をいたしたわけでございます。  それで、この五千八百万貫の澱粉を今後どういうふうに処理をするかということでございますが、私どもは、これの行く先は、甘味資源総合対策の中で考えておりまする結晶ブドウ糖の引き当て原料としてこれを処理して参りたいというふうに考えておるわけでございます。それを処理いたしまする裏づけ措置等につきまして、目下それぞれ検討いたしておる状況でございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 大体、今日までのカンショ対策というのは、南九州等におきましては、生産の時期が早い関係で、政府がいつも後手を打って、農民はいつも苦しんでいる。しかも、反収大体五百貫から六百貫というのが宮崎や鹿児島の実態でございまして、二十円以下ということになりますと、五カ月間働いて反当たり一万円そこそこの収入にしかならぬわけです。とても農家の経営というものは立っていかない。こういうふうなことを毎年繰り返しておるし、ことしはまた、先ほど長官が説明されたように非常に豊作だ。この点、私は、全体的に判断します場合に、やはり、カンショの生産、植付反別等に対するある程度の規制とか、そういうことを考えなければ、豊作のたびに農民は必ず安く買いたたかれる、こういう悪循環をいつまでも繰り返しておるから農民の暮らしが豊かにならない、こういうふうに私は判断するわけでございますが、今後のカンショ対策の一環として、この植付反別に対する規制というか、そういうものに対してはどういうふうなお考えを持っておるか、それを伺いたい。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 これは主として振興局で担当いたしておりまする今後の生産指導の考え方の問題でございますが、農林省の各部局の間におきましてそれぞれ意見の調整をはかりつつ現在考えております方向といたしましては、カンショの生産費を将来の傾向としてできる限り引き下げて参るように考えて参らなければならない、そのためにはもっと反収並びに澱粉歩どまりの高い品種を奨励し、また導入するようにして参るという考え方をとっておるわけでございます。その結果、現在の面積をある程度他の作物に回しましても農家経営全体としては均衡がとれるような経営になるはずでございます。それぞれの各立地条件に即しまして、ある程度転作奨励等の方法もとらなければならぬと考えております。しかしながら、基本的には、今回の経験等から考えましても、もう少しカンショの生産費の合理化をはかりまして、できる限りカンショ価格等も可能な範囲内におきまして調整をして参るということを長期的に考えなければならぬと考えておるような次第でございます。なお、最近、カンショの飼料化促進につきまして、それぞれ飼料生産県におきまして県単事業といたしまして実施をいたしておられる向きもあるのでございます。やはり、カンショの消化の将来の一つの大きな方向として、飼料化促進につきましては、農林省としても積極的に力を入れなければならないと考えておる次第であります。そういうふうな施策を総合的に講じまして、今後のカンショ対策を進めて参りたい、かように考えております。     〔委員長退席、田口委員長代理着席〕

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 話が多少前後いたしますけれども、南九州でも、千葉、茨城でも同じような現象でございますが、カンショの出荷というものは一時に出る関係で、輸送面において非常な貨車不足を来たしておる。これもやはり一つの値下がりの原因になっておるということが指摘をされておるわけでございますが、これは毎年時期にしてもあるいは輸送の区間にいたしましても大体一定しておるわけでございまして、こういうふうないわゆる輸送面については、農林省としてはどういうふうな対策をとってこられておるのか、この点についてお伺いしたいと思います。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 カンショの輸送につきましては、現在の段階では、むしろ生産者団体、具体的には全販等で手配をいたしておるわけでございます。ことしの場合も全販でかなり前広に用意はいたしたわけでございますが、ことしの秋は例年に比較いたしまして貨車事情は全般的に非常に窮屈になっております。それに、特に最近は、東海地区の災害関係等も織り込まれまして、一段とその度合いが強くなったわけでございますが、輸送計画につきましては、農業団体の方と十分連絡をとりながら、私の方の経済局の方で国鉄当局と常時連絡をとっておる次第でございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 最後にもう一点お聞きしたいと思うのでございますが、農林省  の発表しました第一項に、いわゆる政府の支持価格以下でなまカンショを買ったところの業者からは、その澱粉については買い上げの対象としない、こういうことを明らかにされておるわけでありますけれども、現実に、二十五円以下で買った澱粉がどれで、二十五円以上で買った澱粉はどれだという区分は、私はきわめて困難だと思うわけです。結局、こういうことになりますと、澱粉業者は、農民からは安く買いたたいておいて、そうして政府の態度がはっきりしないからということでよけいマージンをとろうという結果になるわけでございますが、この辺の規制の仕方、区分の仕方、こういう点について具体的にどういうふうな措置をとってこの政府の意向というものを実行するのか、この点についての見解を最後に承りたいと思います。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 この農林大臣談話の中にも触れておりますように、支持価格見合いの価格で原料を購入しない澱粉製造業者からは政府は澱粉を買わないということは、これは安定法の中にもその趣旨のことが明記いたしてありますので、その趣旨によってやって参りたいと考えておるわけであります。具体的には、ただいま全販及び工業組合系統の澱粉生産者団体と打ち合わせをいたしておりますのは、昨年まではこの関係のトレースが必ずしもはっきりしておらなかった面があるようでございます。それで、今年産の分につきましては、政府の買い入れば、御承知のように、それぞれ生産者団体が自主調整をいたしまして、その結果政府にこれだけのものを買ってもらいたいということで、政府買上数量が自主調整の結果に基づきまして出て参るわけでございます。それで、今年度の場合には、政府において買い入れます澱粉につきましては、その見合いの原料につきまして、澱粉製造業者は農家に対して二十五円の支持価格見合いの原料価格を支払ったという売手と買手と両者がはっきり証明をいたしたものを政府に提出してもらいますように、目下両団体と打ち合わせをいたしております。そういう方法によって本年産の場合は特にこの実績を明らかにして買い上げることにいたしたいと思います。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 実際に現地に行きますと今長官の考えておることがなかなか実行されないということを非常に憂えるわけです。ですから、さらにこの点については徹底した指導を要望したいと思います。  それから、今後の問題として考えられますことは、やはり、今まで政府のこういう態度をはっきりする時期がおくれたということが何といっても最大の暴落の原因でございますから、第一点として買上量につきましては、少くとも過去の実績から判断しましても二千万貫程度の買い入れはぜひ一つやってもらいたいこと、それから、第二の問題点は、この買い上げの量なりあるいは時期というものを、少くとも南九州地区等におけるいわゆる早く出荷する地域を対象として、おそくとも十月の上旬ごろまでには政府の態度を毎年決定してもらいたいということと、この二点を特に要望して、最後に長官の見解をお伺いしたいと思います。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 全体の買上数量につきましては、先ほど申し上げました通りの考え方でございまして、本年産のものにつきましては相当大量に達する買い上げを予定いたしまして、目下作業をいたしております。例年このような事態を繰り返すことにつきましての来年以降の措置についての御注意でございますが、今年の経験等から考えまして、来年以降の問題につきましては十分留意をいたしまして措置をして参りたい、かように思っております。

神田大作日本社会党

○神田委員 ちょっと関連して……。  兒玉君から質問があったように、現在なまカンショが非常に安く買いたたかれておるのでありますが、ほとんどもう日本のイモの出荷の大半は終わろうとするようなときに、おくればせながら農林大臣がこのような談話を発表したのでありますが、農産物価格安定法の精神は原料イモの価格安定にあるということを言っておりますけれども、実際問題とすると、原料イモの価格安定というそういう基本精神がいつでも踏みにじられて、澱粉業者の救済みたようなことになっておるのであります。今度一貫目当り十五円程度の価格でもってわれわれのところからイモが業者に買い出されておるのでありますが、そういう安いイモでもって澱粉を作った業者が、今度はこの農産物価格安定法によって相当引き合う価格でもって澱粉が買い上げられる。こういういわゆる利潤をどうして農家に還元させるかという問題について、政府当局はどのような考えを持っているか。お尋ねいたします。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 先ほどの御質問に対してもお答え申し上げましたように、本年度の場合につきましては、政府が買い入れまする澱粉については、澱粉生産者から農家に対して支持価格見合いの価格を支払っておるという裏づ片証明を取るつもりでございます。政応が買い入れまする澱粉につきましイは、ただいま御指摘のような過剰利潤というようなものは発生をしないようにいたしたいと考えておる次第でございます。

神田大作日本社会党

○神田委員 いつでも、カンショの価格については、出荷最盛期を見のがして、そうして農家からは安いイモをどんどん買われるのを見過ごしておって、農家の手元にイモがなくなったころに政府がそういう態度をとることは、農民の立場に立って考えてみますると、非常に私は不届きな話であると思う。なぜこれを早くきぜんたる態度をとって農民のイモが安く買いたたかれないような施策をとらないか、この点について長官の見解をただしたい。今後もこれは大きな問題になってくるのでありますから、こういう二十五円の支持価格がその半値近くで買いたたかれるというのを見過ごしておるというような、そういう態度を改めなくてはならぬと思うのでありますが、これに対する長官の見解をお尋ねいたします。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 支持価格そのものは、ここ数年来、まだイモの作柄等もそれほど確定をいたしません段階で五月の終りに決定をするようにいたしておる次第でございます。従いまして、イモの支持価格をきめます段階では、その年の昨柄、また実際に取引の価格がどの辺のところにくるだろうかというような見通しが非常に立てにくい段階で支持価格を決定いたすのでございます。その後の状況によりまして、本年の場合はこのような措置をとったわけでございます。来年以降におきましては、ちょうど価格決定の時期がその後の実際の取引状況を十分予見をしてきめるということが困難な時期ではありまするけれども、できる限り努力もいたしまして、このような事態を繰り返さないように善処をいたしたいと出えております。

田口長治郎自由民主党

○田口委員長代理 寺島隆太郎君

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 私は、ただいま問題になっておりますカンショの価格対策に対しまして若干お尋ねをいたしたいのであります。  農林省の御当局におきましても本年のカンショ、バレイショ価格の非常た値下がり状態に善処せられまして急遽準備をせられました御苦労をまこと多とするものでありますが、特に昨品農林大臣名をもって「甘しょの価格対策について」という全項四項目からなる御発表があり、さらに、五百万貫の早期買い上げの指示をせられたのでありますが、これに即しましてさらに若干お尋ねをいたして確めておきたい点を、農林大臣談話の中から順を迫って申し上げてみたいと思うのであります。第一点は、「農産物価格安定の基本精神は、原料いも価格の安定にある」云々という項目であります。この項目に対しましては、同僚委員から今二人の御質問がありまして、かつ食糧庁尾官からそれぞれ適切な御答弁があったように考えるのでありますけれども、去る十月十七日付の食糧庁長官通達ぶ出しっぱなしであって、結局、支持価格を割って現実に買い上げられておりまするサツマイモからできる澱粉が、今度の早期買い上げによって政府の支持価格によって買い上げられるという現実に相なるのでありまして、ただいまの二人からもるる御質問がありましたが、結局、そうなりますと、不当に損をするのは農民だけであるということに相なるのでありまして、この手続、方法の具体的な問題といたしましては、この早期買い上げを第一項目にあげて、それにのっとって行ないまする際には、ぜひとも、農民の団体もしくはイモを掘り取っておるお百姓さん方の証拠書類と申しますか、確かに支持価格で取引せられたものであるという証明書を添付いたしたものにあらざる限りは、すなわち早期買い上げの対象にいたさないのだというような強い御指示を与えられるということが、この農林大臣談話の趣旨を具体的に貫くきめ手に相なるのじゃなかろうかと思う。さらにまた、現実に二十五円を割って、きょうあたりの価格形成は千葉県あたりでは大体十五円ぐらいで買い上げられておりますが、そのサツマイモから作りました澱粉といえどもやはりこれまた早期買い上げの対象に相なるとすれば、その差額は澱粉買い上げをいたします際に農家に還元させる等の方法を具体的におとり願いたいということ。第一は、農民から確かに二十五円で売りましたという証拠書類を添付願うということ、第二は、それ以外のものに対しましてはその差額を農民に還元するところの具体的措置をおとり願いますならば、御趣旨が非常にはっきり生きてき、また農民といたしましても澱粉業者と一体になりましてこの危局を乗り切るという一体的な情熱が燃えて参ると考えるのでありますが、この辺のところに対しましてのお考えを承らしていただきたいと思うのであります。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 十月十七日に私の方から通牒を出しました以後、私どもといたしましては、この趣旨を出先機関を通しまして個々の澱粉工場に周知徹底させるように手配をいたしておるわけでございます。具体的には、食糧検査員等を動員いたしまして、工場の見回り指導等をこまめにやるようにいたしまして、さらに今後この趣旨の徹底をはかって参りたい。一方、生産者団体に対しましても、県食糧事務所等を通じまして、生産者団体の販売態度と申しますか、販売活動の考え方もこの趣旨によってさらに努力をしてもらいたいということをそれぞれ徹底をさせておるつもりでございます。ただいま御指摘になりました、支持価格制度と現実に農家が受け取る価格との関係でございますが、これは、先般来全販及び購販系統の団体と、今年の場合は過去の例に比較をいたしましてこの点ははっきりさせて処理をして参りたいという一応の考え方に立ちまして、目下具体的にその手続、手順等を打ち合わせをいたしておる次第であります。趣旨は、大体ただいま寺島先生からお話しになりましたような点を実際の扱いとしてその趣旨が実現いたしますように進めて参りたいと思います。

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 ただいまの御説明でございますが、食糧庁長官通達で支持価格を割って買ったものは買い入れないという趣旨が出され、重ねて農林大臣談話でこういう早期買い上げの措置が発表せられますと、食糧庁内部の御意向、生産者団体の御理由もおありでしょうが、願わくば、役人の通牒が出しっぱなしであって一向に無視されてしまって、食糧庁長官の通牒は出しました、政府は買い上げを行ないますと言うけれども、さっぱり末端農家に行ってきき目が現われないということになりますと、私どもも遺憾であるのみならず、イモ類行政の頂点に立っておる食糧庁長官の面子にも大きく響くわけでありますから、食糧庁長官の通達がこの農林大臣の発表以降においてせめて忠実に守られるように、私が思いつきで申しましたそういう具体的方法などもあわせ考慮の上、この段階において一つ深刻に御検討願いたいということをお願い申し上げておきます。  第二の、「でん粉生産者団体の自主調整の強化、特に生粉の出荷調整措置を強力に実施せしめること」云々という項目についてお尋ねいたしたいのであります。談話の順序に従って御質問を申し上げたいのでありますが、どうもなま粉の価格が現在大体七百円を割っておるというような状態であります。これはことしの問題には間に合わない問題でありますけれども、どうもイモというものは御承知の通り劣等財でございますから、最終形態である澱粉という形において価格基準を具体的にいたさざるを得ない。そのステップとしてなまイモの支持価格が行なわれておる。なまイモとほし粉との間に支持価格が行なわれておりますけれども、遺憾ながらこのなま粉の問題に対しましては支持価格の決定がないのであります。現実に、産地に参りますと、どんどんとなま粉があめ屋の工場に運び込まれて、なま粉が大きくほし粉を左右いたしておる状態でありますので、ごく近い将来におきましてぜひそのなま粉の政府の支持価格もまたなまイモと並んでやはりお作りになるようにしていただいてなま粉の対策を全面的に打ち出していただきたい。特にこういう時期におきまするなま粉がほし粉を大きく動かしておるという実情にかんがみましてその第二の措置を弾力的に実施せしめるという抽象的なお言葉だけでなく、特にこれは農産物価格安定法の支持価格の中になま粉をぴしゃっと入れてしまうというような措置をとろうとか、まあそういう方法をとって、具体的にどういうふうにこのなま粉問題に対して善処せられるおつもりでありますか。これは長官でなければ二部長でもけっこうでありますから、このなま粉の問題につきましては、この農林大臣談話だけではどうも抽象的過ぎますので、率直に一つその間の事情を承らしていただきたい、かように思います。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 なま粉自体につきまして支持価格を作るということは、これは、寺島先生も十分御承知でありまして、技術的にもちょっと扱いかねる問題だと思います。それで、特に最近の傾向といたしましてなま粉の売り急ぎが今回の原料イモの値くずれを助長しておりまする面は確かに看取されますので、特に農協系統の団体に強く勧告をいたしまして、なま粉の売り急ぎをやらないようにしていただく。最後は完全に政府が買い上げることを十分用意を整えておる次第であります。なま粉は売り急ぎはやらないでもらう。なま粉はそれ自体買うと品物の性質上どうしても値くずれをするわけでございます。澱粉及び原料カンショの価格支持は、技術的にはやはり完全乾燥した澱粉を通じましてやる以外に適当な方法はないわけであります。なま粉自体は、自主調整で、値くずれをしないように、生産者団体の間において十分そこは気を配って調整してもらう。さような線に即しまして生産者団体の善処を求めておる次第でございます。

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 なま粉の問題につきましてはさらに御検討をわずらわしたい。特に、なま粉問題が、ただいまのほし粉に対しましても、また原料イモに対しましても、きわめて密接な関係にありますということに洞察を願いまして、第二の条項に対していま少し強力に御解決を願いたいと思うのであります。  さらに、第三の、「農協系統による原料いもの共販体制の強化、或はいもの飼料化及び切干化の促進運動を強力に展開し」云々、この条項でございますけれども、具体的に、各県によりましては、あるいは共販体制をしく場合に、価格調整の目的をもって倉庫に入れます場合においては県費をもってその利子補給をいたしておるというような県もありますし、あるいは、茨城県のように、聞きますと大体二割のイモをえさ化に回そうというような努力をしておる県もおありでありますけれども、この第三の問題に対しましても、農林省でただいま考えられております具体案と用意というものがございますれば、一つこの機会にもう少し具体的にお示し願いますとともに、いずれ行政指導のワク内でございましょうけれども、的確に強力に推進する方法がないものかどうかということも第三項に関連して伺っておきたいと思います。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 共販体制につきましては、これは、農協系統団体でも、ことしのイモが状況によって値くずれをするということを考えまして、本年産のカンショにつきましては相当共販体制を整えることに努力をしたようであります。その後状況がこういうふうになって参りましたので、全販系統でさらに強力にこれを推し進めるようにその後も推進をいたしておりますが、やはり、最近の状況等を見ますと、特に値くずれの問題が強く起きました地区におきましては、農家の販売体制が必ずしも十分整っておらなかったという地区にその度合いがきついということがはっきり現われておるようでございます。従いまして、農家の農協を中心といたしました共同販売体制は、系統団体を通じましてさらに強く推進をして参ることにいたしたい。なお、原料イモの飼料化が今後のカンショ対策の一つの着目点であることは私どもも十分承知をいたしております。これにつきましては、農林省としても特に予算的な措置等が現段階においては特に見るべきものがないと思いますけれども、これは、関係局とも十分話し合いをいたしまして、適当な方策がありますれば農林省としてもさらに積極的に措置を講じて参りたい、かように考えております。

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 最後のところに相なりますけれども、価格維持のために澱粉の五百万貫を二月、三月の間に買い入れるという措置をおとりになられるというのが第四項の趣旨であろうと思うのでありますが、けさほど来、千葉県側から、農業会議が音頭をとりまして、生産者団体も、さらにまた労組の皆さんも多数見えまして、私ばかりでなく、県選出の十三名の代議士はもとより、参議院の皆さんも全部こもごも悲壮な陳情を受けたのであります。五百万貫を早期に買い入れる、本年度予算のやりくりをいたして買い入れる、このために大蔵省の厚い壁に努力をせられたことを多とするのでありますけれども、さて、これが産地の農民並びに産地の実際の価格形成をいたしております人々にどう響いているかということを私は見たのでありますが、実は私もびっくりしたのです。とても、五百万貫やそこら買ってもらったのでは、今年度の澱粉のこういう暴落状態に対しては、あえて申しますならばこれは焼石に水だ。極論する人は、農産物価格安定法の運用の内部においてはできない相談ではないか、言いかえれば、農林省が買いに回れば逆に下ってしまうのではないかというようなすてばちの議論さえ吐いている方がおられたのです。しかも、きょう集まった人は、大体指導者と言われているような人なんです。指導者と言われているような人が、異口同音に、そういう言葉も添えて、五百万貫ではどうにも足りないのだということをるる訴えておられるのであります。よって、五百万貫の買い入れでは足りないというのがどうも一貫した農民のお考えのようでありますので、御苦労は多といたしますが、さらに一段の御協力をいただきまして、さらに場合によってはこの五百万貫にとどまらず追加をいたして本年度のワク内で買うのだ、——もとよりこの五百万貫は明年度予算の食管会計の中において負担するいわゆる澱粉の買い入れのワクとは別に五百万。その五百万でも追いつかなければ、さらにプラス・アルフアーをして、断固として価格維持をやってみせるのだ、断固として農産物価格安定法の定めておるこの最低価格はどうしても守り抜くのだという強い気魄と信念とをぜひ農林委員会を通しまして示していただきたい。きょうは大臣はいずれ予算委員会にとられておると思いますが、これは産地の生産者及び加工業者一体の叫びでございますので、御苦労は多といたしますけれども、なお五百万貫では追いつかないのだという産地の悲痛な叫びをもぜひおくみ取りいただきまして、さらにこの五百万貫にプラスいたします問題につきましても一つ深甚なる御考慮をわずらわしたい、かように考える次第でありますが、重ねてこの点につきましても御意見を承らしていただきたいと思います。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 本年度内に買い入れを予定いたしております五百万貫だけを切り離して考えますと、ただいま寺島先生からお話しのような御指摘もあるかと思うのでありますが、先ほど来重ねて申し上げておりますように、本年産の原料カンショの価格を維持いたしますために、私どもといたしましては、実際に価格支持の効果がありますような政府買い上げをいたしたいという考え方で強く関係省とも交渉いたしまして、今日の段階に至っておるわけでございます。従いまして、本年度内に買い入れますものと明年度予算でもって買い入れますものと両者合わせますれば相当の量の澱粉を買い入れるような事態を予想いたしておるわけでございまして、本年度内の五百万貫ということは、早期買い入れの要望に即しまして特に繰り上げて本年度内から買い始めるという趣旨でこの五百万貫をきめたわけでございます。従いまして、年度内に買いますものと、明年度に買いますもの、両者を通じまして原料カンショの価格維持に実際に役立つような買い入れをいたしたいというような考え方で進めておることを御了承願いたいと思います。

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 ただいまの御答弁でありますが、どうも相場の問題は気合いの問題でございますので、その気合いに対して、ちびちびと、来年度は予算をとって善処いたします、本年は五百万貫、その五百万貫に来年度予算をつぎ足しをすれば云々ということでは、どうも価格形成を実際にいたしております相場に対する影響としてはいささかなまぬるい感じがいたすのです。食管会計という現実の問題に縛られておりまして、どんと胸をたたいて、よろしい、全部買い上げるというような大ざっぱなことは申されないと思うのですが、しかく問題は深刻なる事態である。おそらく、長官から言わせれば、これも八億五、六千万の金を出してイモを買うんだということでありましょうけれども、全国から考えてみますと、イモ作り農民が受けております暴落による被害というものは全体では驚くべき金額になるだろうと思う。これを災害に比較してみれば、伊勢湾台風ほどではないかもしれませんけれども、金の欠損という立場から考えてみれば、その損害は災害に置きかえてみてもこれはどえらい金額になる。まさに事態は緊急事態なんだ。緊急事態を前にして、ようやくやりくり算段をして、おれは五百万貫を買うぞ、さらに来年は一つ金番頭の大蔵省と談判をして、党の方もしり押しをして、来年は来年の予算でたっぷり買うからというだけでは、どうも遺憾ながら値段の方にはあんまり響いてこない。となると、せっかくの苦労も、水のあわとは申しませんけれども、有効適切とは参らぬと思うのです。そこで、この御発表をなさいました当時、これでいけるだろうというふうに、食糧庁の首脳部も、また農林省の最高首脳部もこれはお考えになったのでしょうけれども、この発表を見て、響きに応ずるようにイモ価格が安定するというふうに現実には参ってきていない。しからば、これを追い打ちをして、新しい用意をいたして、この緊急事態、災害にも匹敵するような緊急事態に対して善処の方策なくんば、何をもって農産物価格安定を守るべきや、何をもってイモ作り農民に報いるべきやという農政上の問題になってくる。これは問題が飛躍いたしますので政務次官に一つお願いいたしておきますが、大臣と協議をいたして、食糧庁当局を特に統督せられまして、これだけでは何としても足りないんだという深刻な産地関係者の声に応ぜられまして、おって第二次の策を用意せられますように一つ善処方を御明言願いたい、かように思うのでございます。

大野市郎自由民主党農林政務次官

○大野政府委員 寺島委員の御説、ごもっともでありますので、大臣にこの旨よく相談しまして、さらに善処いたしたいと存じます。

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 そういたしますと、昨日発表せられました問題に対しまして、はなはだ私は突然申しまして恐縮でありますが、ごく簡単に詰めてあと二、三お尋ねをいたしたいと思います。  実は、私どもの産地ばかりではありませんが、全国的にながめてみますと、澱粉の価格形成の上の一つのネックになっている問題がある。昔、食糧庁に農村工業課というものがございました当時に、非常に小型澱粉の奨励をいたしておった。その小型澱粉の奨励が家庭澱粉の奨励になって、今日ではきわめて小規模の工場に相なって、これは工組にも農組にも関係をいたさないアウト・サイダーになっている。私どもの千葉県においてもこのアウト・サイダーが主産地においては圧倒的に多い。従って、アウト・サイダーの問題に対しまして、一つ具体的にこれを農組なり工組なりの系列に分けられるようにぜひ措置をしていただきたい。かようなことに対しましてお願いやらかつお尋ねをいたしてみたいと思うのであります。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 アウト・サイダーが相当の数を見ておりますことは、せっかくこの澱粉及び原料カンショの価格支持をやっておりますことに対しまして非常な障害になっておりますことは、私ども十分承知をいたしておるのでございます。しかしながら、これは、そのような状況にありますことは重々わかりながらも、現行の制度のもとにおきましてこれを全部農協なりあるいは工組の系統の中に網羅的に入れてしまうという制度の裏づけが遺憾ながらない。従って、順次それぞれの系列に入って参りますようにいろいろな角度から指導、助成を加えていかなければならぬと考えますが、制度的にすっぱりとそういうふうに割り切ることは、遺憾ながら現在の制度のもとでは非常にむずかしい問題であるということを御了解いただきたいと考える次第でございます。

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 もう一つ、当面の問題といたしまして、ぜひ一つお考えいただきたいと思いますのは、どうもこういうふうに澱粉の情勢が険悪になって参りますと、市中銀行はもとより系統機関におきましても融資の引き締めをいたしておりますので、これがやはり価格形成に非常な悪影響を現実に及ぼしてきておる。速急に県御当局の関係官をお呼びになり、さらに食糧庁の首脳部等と会同せられまして、市中銀行はもとよりその他の系統機関を総動員されまして、資金をたっぷり澱粉屋さんの方に回してやるという措置を緊急におとり願いませんと、この措置が出ましても、から手形で、げんこつでイモを持ってこいというようなところに議論が追い詰められて参りますので、この金融の問題に対しましても、緊急お手配を下さっておるとは思いますが、その辺の御事情、並びに、それではそれに関連してどういう手を打って参ろうかということにつきましても、ちょっと触れて御質問いたしたいと思います。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 本年産の澱粉の政府買い上げに対する考え方も、この前当委員会で御説明申し上げました当時よりは相当具体的になって参ったわけでございますから、そういう事情を背景に持ちまして、金融関係につきましても、農業団体及び工業組合系統の方と具体的によく相談して参りたい、かように考えておる次第であります。

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 それから、関連いたしましてもう一つお願いをいたしたいのですが、その買い入れをされる具体的方法でございますが、私どもの千葉県で申しますと、わざわざ深川の倉庫まで持ってくると、そこで規格に合わないと言われて、それをまたトラックへ積んで産地のあめ屋さんまで運ばねばならないという不便は言語に絶するものがある。そこで、この問題については、かつて東畑四郎氏が食糧庁長官のときに英断をもって産地の食糧倉庫において具体的に買い上げるという措置を講ぜられて、非常に農村の皆さんから喜ばれた経験がございますので、特に本年度こういう措置を講ぜられるにあたりましても、その具体的な買い上げの方法として、産地の倉庫等であとう限り買えるような措置をぜひとっていただいて、これをもっと開放をしていただきたい。これは前例もあることでありますので、特にお願いをいたし、長官の考えを承らしていただきたいと思うのであります。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 澱粉の買上場所に関連する問題でありますが、これは、澱粉の政府運送は原則としてやらないというような会計検査院あたりとの関係の事柄もございまして、かなり検討を要する問題でございます。ただいま御指摘の点は、先例等もあるようなお話でございますので、よくその辺の事情等も調べまして、よく検討いたしたいと思います。

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 当面の問題を述べていきますと際限ございませんから、あとでひざを交えましていろいろ論議を重ねていく機会を別に持ちたいと思いますが、この機会に一つ農林省の当局並びに食糧庁長官に一つ善処をお願いいたしたいと思いますのは、どうも農産物価格安定法という法律が古い法律でございまして、当初この農産物価格安定法が本院に上程付託されましたときに、私どもこの法内容につきまして審議をいたした思い出があるのでありますが、どうもこの法律が若干古いような気がするのです。どういう点であるかと申しますと、法の一条で重要農産物云々という文句があって、これが二条において書きかえられて、菜種でありますとか、カンショ、バレイショでありますとか、大豆というふうになっておりますが、この重要農産物と開通不可分の関係にあります作物、たとえば、具体的に申しますと、落花生でありますとかあるいは、これは農林大臣の選挙区と切っても切れない関係にあるのだと思いますが、コンニャク玉でありますとか、こういうような問題は一つ農産物価格安定法の中にお取り入れ願うわけにはいかないのでしょうか。農林省の皆さんにお聞きいたしますと、これは全国的、普遍的な作物ではないから、これはどうもむずかしいというようなお返事も個人的には願っておるのですけれども、しからば、サツマイモだって、東北じゃできないのだということになるし、バレイショだって、これは考えてみれば北海道以外においてはあまりできない局地的作物なんです。落花生でも関東及び関西の主要県において作っておる。こういうことを私が申しますのは、この農産物価格安定法のコントロールのない落花生もしくはコンニャクの価格というものの暴騰、暴落というものは実にはかり知れないものがあって、出回り時期になると半額以下になり、品薄時期になりますと倍以上に高騰をし、この高騰・暴落常なき作物との兼ね合いのもとにイモ作りを行わねばならないしいうのがイモ作り農民の実態でありまして、そういたしますと、ことしはイモでこりた、イモでこりごりした、イモ作りをやっておったんではとても飯が食えない、では来年は落花生に逃げようということで農家の皆さんが単純に逃げられる、ところが、どっこい、落花生の方は農産物価格安定法の適用がないから、これはこてんとやられる、もう泣きつらにハチということに相なるということでありますので、一個の経済作物は、それだけで存在するものではなくて、関連する他の作物との有機的関係においてその価格が構成されておるのでございますから、かかる見衡からいたしましても、一つ農産物価格安定法の一部を改正をせられまして、ぜひとも重要農産物のワクをお広げになるお考えをお持ちいただけますかどうか、御見解を簡単に承らしていただきたいと思うのであります。

大野市郎自由民主党農林政務次官

○大野政府委員 御説ではございますが、価格安定法の中に入れました久項目は、作付けの面積から言いましても、また農家経済に与えます所得の面から言いましても一番重要であろうと思うものを拾って入れてあるようなわけでありまして、バレイショあるいはカンショが地域的に片寄っておると言われましても、やはり全国的に、大小はありますけれども、どの県でも作っておるのでございます。また、その意味で、ただいまのコンニャクあるいは落花生でございますが、生産の総量というものがそれだけの全農家に均霑して動く性質でもございませんので、従来もその選から漏れておったと記憶しておるのでございます。農林省におきましては、その品種に対しまして重要農産物のこの中に入れるべきであるという意見はただいまは出ておらないのでございます。

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 重要農産物に入れたが最後、これは予算も伴ないますから、ただいまの答弁は、事務次官の答弁ならさような答弁になるかもしれませんけれども、あなたは自民党の党員としてそういう答弁では落第なんです。政務次官としては、白いものは白い、雨は天から降ってくる、風が吹けば斜めに傾くという答弁ではだめです。よく善処をして財政当局とも検討いたし、党とも検討して、かかる農民のほうはいたる要望を、すなわちイモ作り農民の安定をよりベターにいたすために、この問題に対しましては大臣並びに当局とよく相談いたしまして善処いたしますという答弁をしていただきたい。ということで、政務次官に一つ善処を御要望いたしておきます。  だんだん話は飛びますが、ざっとイモの問題を、私も忙しいものでめったに機会がございませんので、そこでごく簡単に二、三の問題をあと追加してお尋ねいたしたいと思います。  食糧庁長官が一番頭の痛い問題は、現在六千万貫に近い澱粉をかかえて、これを有効需要をどう伸ばそうとされるかということが一番大きな問題だと思うのです。ところが、食糧庁長官はもとより、食糧庁の首脳幹部の意見を聞いていますと、どうもこれは結晶ブドウ糖に持って参るのである、そうして、甘味資源の十年対策を立てて、そのときにおける日本の甘味の総需要額は幾ら幾らだ、総需要額はそのときにおける結晶ブドウ糖を十五万トンまで伸ばすのだ、そして、ハン、ジュースあるいはアイスクリームというふうに並べておりますけれども、私の個人的な調査と私の個人的な感覚をもっていたしますと、どうも結晶ブドー糖にのみ過大な期待をかけるということはできないのじゃないかと思うのです。実際に、結晶ブドウ糖を持って参りまして、結晶ブドウ糖と、テンサイ糖からとったグラニュー糖と、カンシャ糖と、三つをそこに並べまして、そうして家庭の人にもまた知人にもなめてもらっておりますが、どうも甘みが足りない。現実の問題はこれはどうしようもない。澱粉の滞貨六千万貫の山を前にして、結晶ブドウ糖と言うだけでは、これは対策として甘い。それがどうというわけではございませんが、あまりにそれでは私はさびしいような気がするのです。そこで、質問の要点に入りますと、そもそも、結晶ブドウ糖に踏み切ることに農林省が出発をされましたのは、かつての澱粉調査会における各権威者の討論及び検討の結論によって、この結晶ブドウ糖問題ができ上がったのだと思うのですが、澱粉調査会の議を経ましたときよりすでに日時は三年以上も経過いたしておりまして、科学は驚くべき日進月歩の勢いを示した。何しろ月の世界までもロケットで飛んでいくという時代で、澱粉問題だけが農林省でもたもたして、食糧庁長官がマンネリズムで結晶ブドウ糖と言うだけでは、私はどうも弱いと思うのです。そこで、もう一ぺんぜひ澱粉調査会を再構成されて、そうして、最近における澱粉化学、澱粉を原料とする有効需要の開拓に対する手をお打ちになっていただく必要がある。これは、農林省の政務次官にも、さらにまた長官にも御要請いたし、特にお願いをいたしたい。要旨は、澱粉調査会をもう一ぺん再開いたして、当面せる澱粉の山をいかになしくずすべきやの具体的方途をいま一ぺん詰める必要があると思うが、この点に関する所見いかん。かようなことに相なるわけであります。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 現在の政府手持澱粉は、その処理の基本の考え方といたしまして、やはり新規用途の開拓をいたしまして、そちらへ向けていくということによって、政府手持の澱粉が一般市場を圧迫しないように考えなければならぬと考えております。その具体的な方策といたしまして現在の段階では結晶ブドウ糖が取り上げられておることは十分御承知のことと存じますが、今寺島先生御指摘の澱粉調査会を開いて云々という点でございますが、問題は、いわゆる新規用途の開拓の裏づけになりまする新技術をどこからどういうふうに見つけてくるかということが要点でございます。あるいは将来何か非常に新しい化学工業の原料となるということも全然予想されないことでもなかろう。何かやはりそういう技術を見つけてくるということが大事な問題でございまするので、この前にやりましたような澱粉調査会を重ねてやりまして適当な方途が見つかるかどうかということは、私も直ちにちょっと見当がつきかねます。新技術の裏づけになります新規用途開拓という面について、単に結晶ブドウ糖だけにとどまっておらないで、もっと広く関係の専門家のお知恵を借りましてそういう面にさらに努力せよという点につきましては、御指摘を受けるまでもなく、私ども努力いたしたいと考えておるところであります。

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 澱粉調査会でなくてもいいです。食糧研究所を総動員させても、何でもけっこうです。しかし、私は、詰める点がもう二カ所あると思う。それは、一つは澱粉工場の合理化の問題です。澱粉工場を合理化いたして、現在澱粉かすとして捨てておりますものの中に含まれておる〇・三%の脂肪と〇・三%の蛋白質を抽出して、これを工業原料にする方途なきや。そうすれば、それだけ澱粉なりイモの価格の上にプラスされるものがあるじゃないか。これももう一息でできるという状態であるというふうにも聞いておりますので、こういう点についても、重ねて、単に澱粉の山をごらんになる以外に御考慮願いたい、かように考えます。  もう一つの問題といたしましては、澱粉調査会の際に結晶ブドウ糖と並んで特に取り上げられておりましたグルタミン酸ソーダの醗酵化成であります。グルタミン酸の醗酵化成に多く澱粉を用いますならば、おそらく年間三千万貫くらいの澱粉が消費されるであろう。実は速記録を全部読んだのでございますが、そのときに、ある人は、いや四千万貫にも及ぶんだということを申しておりました。この問題について、熊本県八代の三楽酒造も、あるいは旭化成も、ぼつぼつやろうという状態にあるように聞いておりますが、一つ、結晶ブドウ糖とともに、グルタミン酸ソーダの工業化に対しましても、結晶ブドウ糖以上に意欲的な情熱をもってこれをその方面に向けて参るように善処をお願いいたしたい。  それから、これは澱粉調査会の速記録にはほんのちょっと一行しか出ておりませんけれども、人造ゴムの原料としてのイモの前途ということが書かれておるのであります。それで私も方々に参りましてサツマイモをもってする人造ゴムの問題について聞いて参っておりますが、ある者は、価格二十円でサツマイモができますならば、これは人造ゴムの原料としてまことに妥当であるというようなお言葉もあるのでございます。  こういうこともございますから、結晶ブドウ糖に限らずに、一つぜひグルタミン酸ソーダ並びに人造ゴムの方面に対しましても御配慮を用いられまして、とにかく、国家財政の負担になっております、金利、倉敷料だけでも年間十億円に及んでおります澱粉の滞貨をくずしますために、ぜひさような御配慮をいただきたい。これに関する御所見をあわせて承っておきたいと思うのであります。     〔田口委員長代理退席、永田委員長代理着席〕

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 澱粉を原料といたしますグルタミン酸工業につきましては、農林省では、開銀融資のあっせんをいたしまして、そちらの方で、これが企業的に伸びていくように援助いたしておるわけでございます。  それから、人造ゴムの関係は、私実は初耳でございましてよく存じませんけれども、そのときの記録等をひっくり返してみて検討してみたいと思います。

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 今イモの値段が下がってどうしようもなくて腹の減っている農民を前にして、澱粉原料の工業化の問題をあれこれ論議いたして参ることもきわめて迂遠のように思いますので、関連点だけにこの問題はとどめまして、後日また機会を得たいと思います。ただ一つ、具体的な問題として、長官に、また食糧庁の当局にぜひお取り上げをいただきたいと思いますことは、澱粉のかすからくえん酸を取る工業が鹿児島の工業試験場において成功いたしておる。しかして、その工業化が、鹿児島県と宮崎県の一部で行なわれておる。この二つを関連して行ないますと、澱粉かすの価格が非常によくなって参りますし、これがはね返りまして結局澱粉の問題にも好影響を与えることはきわめて甚大である。ただし、この工程試験を私検討いたしてみましたが、どうもタンク培養でありませんで固形培養でありますので、従って、そのキャパシティはきわめて小さいものである。中小企業の範囲でやるようにしなければならない。翻って、くえん酸の世界のマーケットの情勢を調べてみますと、全マーケットを大体ベルギーが握っておる。日本も九割九分をベルギーから輸入いたしておる。この輸入の状態その他も貿易商社等に当たりまして克明に調べましたが、約二百円の価格で、くえん酸石灰からくえん酸まで化成合成、発酵合成されますならば、きわめて好都合であるということを確かめたのであります。通産省に参りますと、これは自由貿易の建前から通産省の課長連中が完全に追っかけております。国内の澱粉かすからくえん酸石灰の発酵合成をする工業を伸ばすためにそうしろということも個人的には申し上げてみたのですが、これこそ一つ農林省の方であと押しをしてもらえば大体できそうな気配だと思うのです。  ですから、大きな問題としては、グルタミン酸ソーダなり、あるいはまた人造ゴムなりの問題もございますが、一つ、くえん酸石灰を澱粉かすからとる工業も、私は、今この不況のさ中にある産地の農協、産地の団体等とよく懇談いたしまして、ぜひ踏み切りたいと思いますが、とかく、こういうものを澱粉産業のかかるみじめな状態に対処いたしまして義憤をもって志しましても、経済社会においてはなかなかもくろみ通りはむずかしいという諸般の事情もございますので、これが工場に対します金融的な心配等々の問題に対しましても、これいわゆるイモ作りにつながる関連産業でございますので、結晶ブドウ糖に注がれました以上の情熱をもちましてこの問題にもぜひ一つお取り組み願いたい、かように考え、お願いを申し上げる次第であります。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 私、その問題につきましては詳しい事情は承知をいたしておりませんが、澱粉の国産原料から非常に価値の高いものが生まれてくるということでありますれば、企業的に十分それが成り立つ見通し等も確かめました上で、農協系統のものでありますならばあるいは公庫の融資を考えるとか、あるいは何か適当な方法で考えていただく。いずれにいたしましても、技術的な問題、またそれが企業として十分成り立っていく可能性があるものであるか、その辺は私どもの方でこまかく検討をいたした上でなければはっきりとした考えを申し上げることは困難であります。ただいまお聞きいたしました御意見によりまして、至急詳しく調べてみたいと思います。

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 そこで、食糧庁の方にもう一点だけお尋ねいたしたいと思うのですが、どうも澱粉工場合理化の問題がおくれがちになってくるだろうと思います。と申しますのは、こういうふうに、去年も損をし、ことしは澱粉屋さんはまた最終決算においてはもうけになるかあるいは損になるか、あるいは政府にこってり高く買ってもらえば、安く買いたたいたイモからできたものですから、あるいはもうかるかもしれませんけれども、とにかく澱粉産業が原始的産業の域を出ない。そこで、これから結晶ブドウ糖をお作りになり、さらにまたグルタミン酸ソーダに向けられるというような必要の前には、現在のような自然沈澱方式でありますとか、ああいう方法ではなくて、やはり遠心分離機による分離でありますとか、あるいはまた少くともテープリングによる工場の改組等の問題と並行して参りませんと、結局規格の澱粉を作れないということで、工業化にも非常に影響が大である。その結論は、澱粉工場合理化の問題にしぼられるのであろうと思うのでありますが、澱粉工場合理化の問題に対しましては、いかような措置と、いかような準備を現在しておられますか。これもちょっとあわせてお聞きいたしたいと思うのであります。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 澱粉工場の設備近代化につきましては、バレイショ澱粉の方は非常に進んでおるのでございます。現在すでに施設いたしておりますものもありますし、また、今後の計画もあるわけであります。これに対しましては公庫及び系統の金融で処置をいたしておるのでありますが、カンショ澱粉の方は事情が違いまして、あまり近代化の計画なり意欲が表面に出て参っておりません。これはバレイショと何か特に変わった条件があるのではないかと思いますが、われわれの考え方といたしましては、澱粉工場の近代化につきまして新しく資金をつぎ込みますことについては一部に異論もございますが、しかしながら、長期的に見まして、やはり澱粉産業というものがイモの処理工業として今後も相当な規模で続いていくという考え方をとりますと、やはりある段階で設備近代化をやりませんと、いつまでたっても産業としての後進性を脱しないということになりますので、具体的に設備近代化にとりかかる計画なり意欲がありますれば、これに対する金融措置等は十分に私の方でめんどうを見るようにいたしたい、かように考えておるわけであります。

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 振興局の方にちょっと承りたいのですが、大体、日本のイモのあらねばならぬ姿、それは工業用のイモと食用のイモとえさ用のイモとに分類して作付をいたすようにしなければならぬ、三つの専門品種に分けて、そうして専門分野に即応いたしてやらねばならないという能書き、その能書きはいろいろな書物にも書いてあるし、振興局の皆さんでもさようにおっしゃっておるのだろうと思いますが、私、最近びっくりしたことがあるのです。びっくりしたというのは、最近鹿児島に参りまして、イモの原々種の試験場を見に行った。ところが、これは政務次官もぜひ聞いていただきたいのでありますが、品種の改良ということは農林省の机の上で農林省の首脳部は言っておられますが、現実にはだれがやっているのか。私は、鹿児島に行って、ぜひそれを見たいのだと言ったら、県庁の人は、そんなことをやっておるということさえ知りません。それほどの規模である。何人でやっておるかといえば、全部で所長以下九人でやっております。予算は幾ら使っておるのかと聞いたら、人件費を合わせて二百万円しか金を使っておりません。二百万円の予算で八人くらいの人間でいわゆる高澱粉のイモの品種を作れと言っても、大体言う方が無理ですよ。それは、国家財政全体のバランスから考えてみて、澱粉のイモの品種改良をしなければならぬという国家の焦眉の急から、いかに僻陬の地鹿児島県にまかせたりとは言え、その実態はわずかに二百万円である。そうして八人の人がとぼとぼとしてアサガオ鉢で交配させておるというようなことでは、政治以前の状態である。そこで、この問題に関連をいたして、イモの品種改良に関する具体的な方途並びに方針について、きょうは局長がいないようでありますが、私はきょうは意地の悪い質問はいたしませんから、ただはいはいと承るだけの質問ですから、一つ率直に述べていただきたい。

江川了農林技官(振興局普及部長)

○江川説明員 ただいま寺島先生から御指摘の点については、あるいは私どものなお努力の足りない面もあろうかと思いますが、先生十分御承知のように、イモの品種改良の点につきましては、鹿児島県の指宿の温泉熱を利用いたしましてやっておるわけでございますが、金額の割には、いわゆる温泉熱を利用した最高度の技術をもっていたしておりますので、おくればせながら次第に品種改良の成果も期待できるのじゃないかと存じております。しかし、何分、御承知のように、交配をいたしてから新品種として出て参りますには大体十数年を要しますので、まだその時期に至っていないということについてはなはだ残念に存じている次第であります。  なお、先生御指摘のように、用途別には、飼料あるいは食糧、また工業原料、それぞれ趣を異にしておりますので、それぞれの目的を持って品種改良をしていかなければならないわけでありますが、御承知のように、戦中、戦後から、食糧難の当時に対処して、もっぱら食糧用ということで従来品種改良の主目標を置いてきたわけでありまして、飼料用あるいは工業原料としての品種改良の目標を設定してその方面に力をいたしたのが近年のことでございますゆえに、いまだ十分な成果をあけ得ないということについて、はなはだ残念に思っている次第であります。  なお、しかし、その成果をさらに早急にかつ大きく期待するためには、御指摘のように、もっと大規模にやらなければならないと存じますし、また、イモ作が日本の農業にとって非常にかけがえのないなかなか重要な作物であるということからして、御指摘の方向に向かってさらに努力をしていきたいと存じておる次第であります。

寺島隆太郎自由民主党

○寺島委員 いろいろ質問したいことがたくさんあるのですが、ほかの方の通告もあるようでございますから、農林省の当局を代表した政務次官並びに食糧庁の長官に一つ最後にお願いをいたして、また皆さんの御見解があればその御見解もあわせて承らせていただきたいと思うのであります。  もうサツマイモの問題はきわめて窮迫している問題であります。価格暴落も日を追って激しさを加えておる状態であります。農民は、畑を前にして、掘り取るべきか掘り取らざるべきか、掘り取らざれば腐ってしまうから掘り取らざるを得ない。そのため息はきわめて深刻なものである。その価格は日に日に暴落いたしておる。この暴落するイモ作り農民をいかに救うべきか、いかに対処すべきかということは、あに農林省、特に食糧庁だけの問題ではなくて、われわれ政治家も、さらにまた府県の方々も、官民一体となってこの問題に取り組まなければならない重要課題であることは疑いをいれざる問題であります。その多くは、いわゆるイモ類行政を主管せられておりまする農林省、わけても食糧庁が負わねばならぬ大きな分野を占めておることは論を待たないのであります。イモの価格が目に日に暴落いたしておる現実を前にして、片や左の手に農産物価格安定法並びにこれに伴う施行細則を握りしめて、この現実の前に出されました回答が、さきに十月十七日付の食糧庁長官通達であり、この通達に基く全国の食糧事務所職員総動員による情報の収集等をいたしておられます労は深く多といたすのでありますけれども、この労をもっていたしましても、頽勢すでに挽回するに至らず、イモの価格はさらに下落を続けていっておる。いよいよ大蔵省の厚い壁を排して昨日四項目からなる農林省談話を発表せられ、伝家の宝刀とも申すべき五百万貫の早期買い上げの価格を発表いたすといえども、深刻無類なる農家並びに生産者団体の前には、これが有効にして適切なる反応をいたしていないというこのさらに深刻なる事実。これだけの発表をいたすならば、おそらく一服するであろうと農林省の皆さんも考えられ、私どももひそかに、これが七百万貫買おうか五百万貫買おうかという内輪話も実は承らないでもないのでありますが、とにかく一服つけるだろうと思ったのでありますが、本日大挙して参りました陳情隊の皆様は、異口同音に、五百万貫程度では追っつかないのだということで、昭和三十年の実績五百万貫、三十一年の実績七百万貫、その二つを想定すれば、今日五百万貫をもってすれば安定するだろうという希望図は、ある意味においてくずれ去る公算もまた大としなければならないのであります。しかも、価格は生きものである。イモは腐ってしまうという急迫した情勢下におきまして、きのうの措置だけで甘んじられることなく、次段のかまえに対して農林当局といたしましても省をあげてお取り組みになりまして、ぜひとも、耕作農民大衆、イモ作り農民大衆が安心してイモ作りを本年終わり、また明年も希望を持ってイモ作りを再開でき得ますような措置を、あとう限り早急にあとの手段もあわせ講ぜられるようにお願いをいたし、かつこれに対する御意見あらば承りまして、ごく簡単でありますが、私の質疑を一応終わりたいと思います。

大野市郎自由民主党農林政務次官

○大野政府委員 ただいまのカンショが豊作になればなるほどその苦境が参ったという現状は、お説の通り、私どももよく事情を認識して参っております。この問題に対しては、結局畑作振興の旗じるしが将来の解決に対しての旗じるしになるわけであります。ようやく、その方面について、農林省の政策も米作から畑作に目を広げまして、ここ両三年予算面においても逐次増額をせられておる実情でございます。ただいまの御説を拝聴いたしまして、なおさらに、このカンショ関係あるいは大豆の問題もございますが、畑作の振興の旗をもっともっと強く高く上げて、予算の獲得を努力いたしたいと思います。そうして、当面の問題といたしましては、やはり、食糧事務所の所員を通じまして末端の今の澱粉の製造家の方々にもよく理解をしていただいて、政府手持ちも六千万貫にも上り、過剰であることは市況の状況としては理解ができますが、やはりお互いにそのときだけちょっともうけるという格好であっては結局成り立たぬのでありますから、その意味で自粛をしていただいて自主的に規制をしていただくより手がございませんので、そのことの努力をいたさせます。そうして、五百万貫は本年度中の予算措置でございますので、これは続いて、予算措置では来年度にはなりましても、買い方は引き続いて買うのでありますから、過年度の実例もしんしゃくして見当つけてやりますから、この点は一つ、農家の方々も、支持価格より安いものでお売りにならないように、いろいろおつらいでありましょうけれども、証明書もとることになったのでありますから、がんばっていただいて、ともども——政府の力政府の力といいましても限度がございますので、誠意をもってこれらの諸施策はいたしますが、業界の方々、生産家の方々にも自主的な協力をいただいて、一つ抜本的な消費部面の——先ほどいろいろお説を承りました工業部面に対する需要の伸びというようなことを考えれば、前途はまた見通しとしては非常に明るくなると思いますので、そういうときが来るのには一年ではできないことであろうと思いますから、何とか一つ御協力をいただいて難局を切り抜けていただきたい、かように存ずる次第であります。

永田亮一自由民主党

○永田委員長代理 田口長治郎君。

田口長治郎自由民主党

○田口委員 寺島委員の話がずいぶん長くなりまして、時間がありませんから、いろいろ質問したいこともありますけれども、ごく簡単に一、二の問題だけお伺いいたしたいと思うのでございます。  農林省でも多分御調査になっておると思いますが、昨日のなまイモの価格は、茨城県が十四円から十五円で取引されております。千葉県が十五円から十六円、愛知県が十八円、広島が十九円、愛媛県が二十一円五十銭で一番高いようでありますが、長崎が十七円、熊本が十六円、宮崎が十八円、こういうような状態で取引されておるのでございます。いろいろ総論的の話もありますが、結局澱粉含有量の問題と出た価格との関係を詳細に調べていただかなければならぬと思うのでございます。今年の澱粉の歩どまりは二一・五でございますから、それ以下のところは多少安くなるし、それ以上のところは高くなる、こういうことでしょうが、このうちで、澱粉の歩どまり量の相当多い九州地方でも、十六円、十七円、こういうような数字が出ています。先ほどから各委員が非常にやかましく言っておられる現実の数字がこういうようなことになっておるのでございますから、この点を一つ御承知願っておきたいと思います。  それから、イモの問題でいろいろ議論が出、また実際に困っておる問題は、結局、イモからできる澱粉の新用途をいかに求めるか、この問題に帰すると思うのでございます。先ほどから寺島委員がいろいろ御研究になった御意見を発表されたのでございますが、それらに加えて、先般この農林水産委員会で参考人として呼びました福本博士の酵素糖化法もあるわけでして、実際にそれを事業としてやっておられますところの林原さんの工場、これを、衆議院から井出議員とそれから松浦委員、足鹿委員が実際に岡山まで行って工場を調査してきたわけなのでございますが、ここでこの両人が陳述されました事項と一つも変わりないことをはっきりさせて参ったのでございます。  御承知の通りに、今までの結晶ブドウ糖の製法は酸糖化でございますから設備費が非常に高くかかる。硫酸あるいは蓚酸で腐食しないためにはステンレスを使わなければならぬ。また、酸糖化として圧力のかかるところがあるのでございますから、これは耐圧設備をしなければならない。また、この方法によりますと、糖みつがうんと出るのだから、糖みつ分離機を設備しなければならぬ。この糖みつ分離機が非常に高い。こういうようなことで、日産一トン設備に対しましても二千万円程度かかるというのでございますから、この二千万円の償還とその金利ということを考えますと、製品に対して非常に価格が高くなる。のみならず、この方法では七〇%程度の歩どまりでございますから、この歩どまりが低い点と、設備費にうんと金がかかっておる点で、砂糖よりも少し高くなる。今まで使っておる砂糖でございますから、どうしても砂糖の方を本物と思って、あとからできたものはにせもののような感じがする。にせものが値段が高くて本物が安いということでは、どうしても販路が拡張されない。こういうことで、やむを得ずいろいろ工夫されて輸入原糖とのだき合わせで処置されておるのでございますけれども、この方法はやはりほんとうの行き方ではないのでございまして、産業としては、砂糖よりりっぱなものを砂糖より安く供給する、こういうことができなければこの産業はほんとうに育たない、こういうことで、さようなことを何とかやりたい、こういうふうに考えておったのでございますが、幸いにして福本博士が酵素糖化法を研究されて、そうして、林原氏が、一億、二億の金は捨ててもしようがない、こういうような冒険の気持でこの研究を実際にやってみた結果、非常に結果がよくて、そうして、一日五トン設備をやってみたところが、注文殺到で、これは大へんだということで、三十トン工場にすぐ拡張した。そうして、三十トン工場で作りましても注文に応じ切れないで、直ちに百五十トン工場の設備を準備し、もうすでに材料を集めて二月の中旬までには百五十トン工場を作ってしまうということで、その後には林原さんは五百トン工場を作ろうとしておられる。もしこの五百トン工場ができることになりますと、この工場だけで澱粉は大体三千五百万貫程度消費すると思うのでございますが、百五十トン工場一つででも約一千万貫の澱粉を消費する、こういうような産業、しかも砂糖の価格の二割引きでどんどん羽がはえて売れている、こういうものが出てきたのでございますから、本筋といたしましては、この酵素糖化法によって澱粉からできる粉末ブドウ糖といいますか結晶ブドウ糖といいますか、これで砂糖を漸次侵食していく、日本の輸入砂糖をこれで押えていく、そうして、使う人から言えば、砂糖よりも二割も安い、またもうちょっと生産を大きくすると三割程度安くなる、こういうことでございますから、使用する国民も喜ぶ、そうして同時にこの工業がイモの問題を根本的に解決する。林原さんの言をかりて言いますと、五千八百万貫程度の滞貨澱粉というものはすぐ使ってしまうから、農林省としてはイモの増産計画を新たに作ってもらって、そうして原料がなくなったために工場がストップするような心配がないようにぜひやってもらいたい、こういうことを言っておられるくらいでありますから、私は、この酵素糖化の方法によってイモの問題を根本的に解決する、これが最も近道だ、かように考えておるのでございます。  この問題に対しましてはいろいろ農林省といたしましても研究をされなければならぬ問題があると思うのでございますから、ここでどうだこうだという答弁は求めないのでございますが、私は、イモの問題解決のために、また、外貨を節約する意味におきまして、この問題は農林省としてあるいはわれわれといたしましても真剣に一つ取り組まなければならない問題である、こういうふうに考えておるのでございますが、私の考え通りに農林省としても真剣にこの問題について取り組まれる意思があるかどうか、大野政務次官にその点だけお伺いしておきます。

大野市郎自由民主党農林政務次官

○大野政府委員 岡山の例は先般来から承っております。ただ、当時は量が少ないのでなお研究の余地があるというふうな発表を私わきから聞いたことがございましたが、さらに設備を大きくされて、しかも単価自身がそういうふうに安いという実例が積み重ねられて参るということになれば、これは当然、もう一番手近い消化方法でございますので、ただいまの田口委員のお話の通りにそれらの工場の実態が動いておるものであるといたしますならば、これはぜひともそういう意味での拡充をしていただいて、この問題の抜本的な解決になることでありますから、それらの実態が、私は本日はまだ状態を承っておりませんので、御報告の通りであるといたしますれば耳寄りのことでありますから、これらは早速に手を打つべきものと思います。なお、その間に関しましては、長官から、実態を知っておると思いますので、さらに答弁をいたさせます。

田口長治郎自由民主党

○田口委員 長官の答弁は要りません。  従来の酸糖化による結晶ブドウ糖は砂糖よりもどうしても高いということと、それから、従来農林省で奨励対象にされておる結晶ブドウ糖は、おそらく、薬品として使用してもいい、こういうような程度の結晶ブドウ糖であるのでございますが、私の考えますのに、砂糖として使います場合においては、薬用として使用する程度の高度の結晶ブドウ糖は必要ない。一般の砂糖にいたしましても、いろいろ調べてみますと、これは酵素糖化による粉末ブドウ糖以上にとても不純物がたくさんあるのでございまして、ああいうものから比べますと、この酵素糖化による粉末ブドウ糖というものは実にまだ純度が高い、こういうふうに考えておるのでございまして、農林省といたしましては、薬用結晶ブドウ糖でなければいけない、こういうお考えも多少あると思うのでございますけれども、ここを一つ踏み切られることがイモの問題を根本的に解決する方法としては非常に大事なことであろうと思うのでございます。先般国会へ商品を持ってきまして各委員に試食をさしたわけでございますが、各委員全部が、これはりっぱだ、砂糖よりいいじゃないか、こう言うような商品でございました。それが現実に砂糖よりも二割安くどんどん売られておる。この事実がうそかほんとうかということを確かめるためにわざわざ岡山まで行ったのでございますか、すべてここで言われた通りに実際にもやっておられる。こういうようなことでございますから、この砂糖代用のブドウ糖に対しまして、純度という問題について農林省としても一つこれは飛びおりるところは飛びおりるというような決心が必要でないかと思うのでございますが、この点につきましてはあとで適当な機会に一つ農林当局とひざ突き合わしてよく研究をしてみたい、こういうふうに考えております。  これを実行いたします上におきましては、もちろん、砂糖の輸入業者あるいは従来からの結晶ブドウ糖製造業者、こういう方面が相当反対的の態度に出ると思うのでございますが、この砂糖の輸入業者の反対は、これは、日本の国情からいたしまして、外貨をできるだけ節約するために国内の資源を活用する、これが本筋でございますから、その問題は理論的にも反対にならないと思うのでございます。第二の、従来から酸糖化でやっておる工場の反対、これも、反対することはわかりますけれども、事業として考える場合におきまして、砂糖より高いもので、そして発展しようということでは、これは不可能でございますから、どうしても砂糖よりもずっと安いこの酵素糖化のものに、長い目で見ますと、いろいろな紆余曲折はありましても圧倒されてしまう、こういう結果になると思うのでございますが、ただ圧倒されるではいけないので、今までそういう研究がなかったために、生産費の非常に高くつく酸糖化が最も進んだ技術であったのでございまして、その当時に勇敢に踏み切った連中でございますから、こういう連中を酵素糖化に漸次切りかえていく、その切りかえることに無理がないような方法を考えていただいて、そうして、第一段、第二段ということで、漸次酵素糖化の方に転向させるような御配慮が必要でないかと思います。もしそういう御配慮があれば、今まで多額の投資をした連中でありますけれども、先の見通しはつくのでございますから、当然酵素糖化の方に転向していくのでございます。こういう工場に対しましては、しばらくの間何らかの処置で無理がないようにして、漸次酵素糖化の方に転向させるというような道を講じられれば、そう無理がなしに転向ができるのではないか、こう考えるのでございます。そこらもよく一つの材料とされまして、とにかく、国内資源で砂糖より安いもの、そうして外貨節約の意味におきまして輸入砂糖の数量を漸次減らしていく、そのことによってイモの問題を根本的に解決する、これが私は本筋と思うのでございますから、この本筋を踏みはずされないような御研究、御努力をぜひこの機会にお願いしておきたいと思うのでございます。非常にむずかしい方針の問題でございますから、別に今ここでどうだこうだという答弁は求めませんが、本筋だけを話しておきまして、御了承を得ておきたいと思います。  それから、立ったついででございますから、江川課長にちょっとお伺いしておきます。以前は、イモを掘るときは、大体イモづるが黄色くなって枯れたような格好になったときにイモを掘りましたために、掘ったイモは、澱粉含有量から言えば、おそらく十分に熟成しておりまして、歩どまりが非常によかったと思うのでございますが、このごろのイモを見てみますと、掘るときまで葉がまっさおで、従って、掘ったイモはまだ澱粉が熟成しておらないで歩どまりが悪い、こういうような傾向にだんだんなりつつあるようでございます。澱粉工場から言いますと、どうも水ぶくれのしたイモを持ってくる、こういうことでございますし、これもある程度の事実であると思うのでございます。これは、要するに、硫安の使い方の量の問題か、あるいは使う技術の問題か、そこらにどうも関係するのじゃないか、こういうふうに考える次第でございますが、この問題に対して、農産課長としては、何か適当な指導方法によりまして——水ぶくれのイモを作った方が百姓個人の経済のためにいいかどうか、その点まだ研究しておりませんけれども、澱粉工場が立つように、そうしてイモ作農民もまた利益があるようなやり方に漸次指導していかなければならぬ、こういうふうに考える次第でございますから、これも一つ聞いておいていただいて、将来の指導の参考にしていただきたい。

江川了農林技官(振興局普及部長)

○江川説明員 ただいま田口先生の御指摘の点、まことにありがたい御意見をちょうだいいたしましたが、とかく、一般に、関東地方でございますと、イモに硫安、窒素肥料をやると、葉ばかりできてイモができないと言われるのに対しまして、九州地方では、従来は一般に窒素肥料はやらなかった、しかし、実は九州地方ではやった方がいいんだということで、と申しますのは、結局は九州の畑地土壌が関東の畑地土壌に比べて非常にやせているということから、そういうことが指導の方針として打ち出されたわけでありますが、最近多収を目途として多少やり過ぎるという傾向にあるために、御指摘のようなことになっているのじゃないか。私、多少不勉強で、御指摘のような点まで十分感じていなかった次第でございますが、今後御指摘の点はさらに改めるようによろしく指導していくようにいたしたいと思います。

永田亮一自由民主党

○永田委員長代理 次に、昭和三十四年産大豆の基準価格について質疑の通告があります。この際これを許します。芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 先般の委員会において大豆の政府買上価格の決定について質問をしたのでありますが、当時の政府の答弁によりますと、安定法の規定に基いて十月三十一日までには価格の公表を行なうということでありましたが、いまだに発表がありませんので、どういう事情になっておるか、御説明願います。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 先般の委員会で御説明を申し上げましたような農林省の考え方をもちまして、大蔵省と打ち合わせを進めて参った次第でございます。技術的な打ち合わせをやっておりますので、一両日のうちに発表いたしたい、かように考えます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 だいぶ時間がたつようですが、それは、政府部内における農林省、大蔵省の内部的な事情によって何らか難点があって今まで延びておるのか、あるいは、順調にはいっておるのだけれども、災害対策等があるので、それで延びているのか、その点はいかがですか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 特に大蔵省と農林省との間で考え方に大きく食い違い等がありましてそれを調整するために時間的に手間どったというようなことは今回の場合ございません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、最悪の場合でも前年度の価格を下回るようなことはないのですね。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 前回申し上げました通り、前年の価格据え置きで告示いたします。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 前年度価格据え置きを当委員会で了承しておるわけじゃないのです。農林省の最初から前年通りという態度に対しては不満足であるということは先日申した通りなのです。従って、いかなる最悪の事態でも昨年の価格を下回るようなことはない、そういう根拠だけはあるわけですね。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 前回御質疑がありました経緯によりまして、芳賀先生の御意見は十分私承知いたしております。今回政府の告示いたします価格は、前年据え置きになる見込みでありまして、前年を下回るということはないと考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 なお、この機会に、先ほどの澱粉の問題でありますが、これに関連して一、二点申し上げます。  第一の点は、先ほどの長官の言明によりましても、年内にカンショ澱粉等については相当数量の買上措置を講ずるということが発表されましたが、当面の問題としては、原料生産者が澱粉工場に売り渡す取引の状態が、たとえば年内に五百万貫の買い上げを行うという政府の言明だけで根本的に直ちに改善できるとはちょっと考えられないわけです。従って、現地における原料生産者の実害をどのようにして防ぐかという問題に対しては、相当具体的な配慮がさらに必要であると思うのですが、安定法の制度によりましても、政府が買い上げする前提としては、生産者団体の調整保管行為というものを経なければならぬことは御承知の通りであります。従って、この調整保管行為を生産者団体が相当積極的にやれば、これはある程度、価格安定に対する具体的な効果があがることは言うまでもない。しかし、調整保管をやる場合において、保管期間中における倉敷であるとか金利であるとか、そういう面に対する措置が、今までは一方的に生産者あるいは生産者団体の負担に帰しておった。この点については、この制度ができる当時から、この点に対する政府の積極的な措置が必要でないかということをわれわれは指摘してきておるのでありますが、いまだに解決されていない。従って、今年度のような最悪の事態に逢着しておる。この事態を打開するためには調整保管行為に対する政府の積極的な措置が必要になるわけですが、具体的な考えがあればこの際明らかにしてもらいたいのであります。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 御承知のように、昨年度の場合は、四月以降に政府買い入れをいたしますものについては、金利、保管料を加算するということをいたした。今年の場合、年度内に買い入れますので、その辺のところをどういうふうにいたしますか、まだ十分詰めておりませんが、建前といたしまして、私どもは、ことしの場合は量的には相当思い切って買い入れをいたさなければならぬと考えております。従いまして、買い入れの予算等については相当豊富に見るつもりでございますが、金利、保管料につきまして、前年度実行いたしました線以上にさらに政府負担を考えることができるかどうか、その辺のところは少し検討させていただきたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは政府が全量を買い上げするわけではないのですから。ただ、政府が買い上げする場合においても、生産者団体の調整保管措置を対象にして、そのうちから計画的な買い上げをやるということになるのですが、全般的な販売についても、やはり生産者団体の自主共販の形の中で計画的にこれが処理されていく方が一番望ましいと思うわけです。ですから、一般の共販事業の面についても、この際やはり、この共販に対する、生産者にたとえば協同組合が融資した資金等に対する政府の助力あるいはあっせん、そういうものは当然必要だと思いますが、今までもこの点に対しては非常に消極的であったわけですが、この際共販事業に対する積極的な政府の援助あるいはあっせん措置というものをさらに強化するお考えはないですか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 その点につきましては、先ほど寺島委員からお話がありました際にも申し上げておいたのでありますが、特に農協系統の共同販売体制の整備ということは、どうしても今後の原料カンショ、原料イモ及び澱粉につきまして特に力を入れなければならぬ点であると考えております。従いまして、系統金融等を通じまする金融のあっせん等は、農林省といたしましてもそれぞれ必要な手配はいたして参りたいと考えておりますが、この際一般的な調整保管について新たなる財政負担等を考慮する用意があるかというような御趣旨でのお尋ねでありますれば、これは予算措置等も伴ないまする問題でございまするので、現段階におきましては、現在とっておりまする農産物価格安定法に基づく財政負担以外に別なものを考えるということは、必ずしもそう簡単な問題ではないというふうに考える次第であります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは緊急の事態ですから、一つ十分この面も考えてすみやかに効果のあがるような政府の指針を明らかにすべきであると思って私は申し上げたわけです。特に協同組合が中心となって澱粉の共販をやるということになれば、その場合には、当然、組合員である生産者が工場に対して、先ほど各委員が述べたような不当な安い価格で原料を売り渡してしまっては、共販の成果があがらないわけです。ですから、それを防ぐためには、一つの方法として、たとえば、農業協同組合が、その地域の原料生産者の立場を代表して、とりあえず澱粉工場に対しては委託加工のような形式をとって加工賃だけを支払って、製品は生産者が保有しておる、そうして、その製品を農業協同組合の共販事業を通じて処理するということになれば、一方においては適宜に政府の買い上げが発動されるということになれば、政府が発表された基準価格の維持というものは可能であると思う。これを、そうではなくて、一貫目十六円であるとか十八円で売り渡してしまった後に、取引が終わった後に幾ら澱粉の価格面だけで維持されても、もう生産者に対しては還元される何ものもないわけです。ですから、この際この点に対しても検討を加えて、このように暴落しておる取引の状態においては、委託加工形式というものを農業協同組合が主体になって行なうということを政府が指導してやれば、相当の成果はあがると思うのです。そのためには、財政の弱い、経営力の弱い協同組合等は、当然資金等の面についても不自由が起きると思いますが、この点は、やはり政府が適切な指導をして、たとえば中金とか信連等の系統金融、あるいはそれに対する政府の金融あっせん等の措置を講じていけば、生産者が極端に不当な価格で業者から原料をたたかれるという事態は一応免れるのではないかと考えますが、この点に対する政府の見解はいかがですか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 現在系統農業団体の方でやっておりますのは、今芳賀先生から御指摘のやり方と多少違いまするけれども、農家が系統団体に対しまして委託加工をする形をとっているわけであります。ただ、その場合、製品の処理は農業団体にまかしているわけでありますが、原料代は事後的に清算をされまして、政府の方で買ったものについては支持価格見合いの原料代が払われるという結果になっておりますが、委託加工の形式で処理をするという形は現在の農協系統の中にはすでにでき上がっているわけであります。ただ、商人系統の方はそういうふうには参りません。これは会社経営をしておりますから、今後政府が澱粉を買いました場合、商人系統の方は重ねて清算手続等をとってもらうということを話し合いの上でやることを考えなければならぬと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 今長官の言われたことは、幸いにしてその地域に協同組合あるいは連合会の工場があればいいです。農協系統の澱粉工場があれば、その地域の生産者はその工場に原料を出荷すれば、今長官が言われたようなそういう販売形態がとれるわけなんです。従って、協同組合が一応仮払いをして、八割とか九割とかの基準価格内の仮払いを行なって、そうして明年度清算を行なうということでいくから、これはいいわけですけれども、農協やあるいは系統の工場施設がない地域が、全国的に見てむしろその方が多いわけです。従って、それらの地域は、いわゆる商人系統の工場の場合においては、生産者が結局不当にたたかれても不本意ながら原料を売り渡しをしなければならぬということになるのです。ですから、それをカバーするためには、結局その地域の工場を持っておらない協同組合がその生産者の原料を集荷して、そうして商人系統の澱粉工場に対して委託加工を行なわせるということで、とにかく製品を生産者団体が保有して、それを共販事業に乗せて処理するという形をもう一つとる必要があると思う。やはり政府はこの点に積極的に助力を加うべきであると思うのですが、どうですか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 最近の例から見ましても、農協系統及び工組系統の工場がないという地域は、全般的に見まするとそれほど多くはないと考えております。ただ、地域的に集中をいたしまして、たとえば今回の千葉県に起きましたような事例を見ますると、ちょうど海上、匝瑳の両郡にはアウトサイダー工場が非常に多いというような結果、こうした今度の問題が起きているわけであります。ただ、この場合、今先生がおっしゃいますような形においてその地区の農民を指導して参りますことが現実問題としてできますかどうか、この辺の見当はなかなかむずかしいのでございまして、どうも、最近の千葉の例などを見ますると、そういうような販売体制に現地の農家を引っぱっていくということはなかなかそう容易なことではないのじゃないかと考えております。むしろ、私どもの方向としましては、あそこにアウトサイダー工場がたくさん乱立をいたしておりまするのをできる限りそれぞれの系列の中へ入れていくことによりまして、両系列から安定法の価格支持体制が実際に及んでいくような方向に持っていくということの方が、まだ何らかの可能性があるのではないかと思います。どうも、あの地区あたりの農家の動きを今御指摘のような方向に持っていくということは、ちょっと私も見当がつけかねるのでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 私は工組系統を除外して言っているんじゃないのです。農業協同組合系統の場合は、生産者の施設ですから、当然問題はないが、工組系統の場合においても、原料の取引というものは委託の形じゃない。現地においていわゆる売買取引が行なわれてしまうわけです。従って、この事象は、ひとり千葉県だけじゃなくて、九州の地域においても、先ほど田口委員が言われた通り、取引が二十円以下で行なわれておるんですよ。取引が行なわれてしまった後に政府が大量の買い上げを行なっても、今の取引では生産者には原料代としての還元は行なわれないわけです。ですから、工組系統の工場に対しても、生産者と工細工場の中に協同組合が介入して、農協が生産者の立場を代弁して、そうして農協を通じて工組に対しましても委託加工を行なわして、そしてそれをいわゆる協同組合系統の共販事業に乗せて処理することが適切でないかということを私は提起しているわけです。これは行なえば必ず成果があがると私は考える。ただ、現地の協同組合のいわゆる経済的な力、あるいは信用度というものに、ここに問題があると思うが、やはり、この際、このような方法を講ずべきであるということを政府としても十分検討されて、そして系統組織に対して速急に適切な指導を与えたらどうかというのが私の考えなんです。どうですか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 御趣旨の点はまだ私もさらに詳しく伺って検討したいと考えますが、大体御趣旨のような線によりまして、全販並びに工組系統とも相談をいたしてみたいと考えます。

永田亮一自由民主党

○永田委員長代理 本日の議事はこの程度とし、次会は公報をもってお知らせすることとして、これにて散会いたします。     午後四時三十三分散会

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