内閣委員会 第7号
- 発言数
- 155 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1959/12/03
会議録
○福田委員長 これより会議を開きます。 国の防衛に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますのでこれを許します。石山權作君。
○石山委員 岸総理にお伺いしたいのでございますが、私過日秋田県の一部、青森県、宮城県の一部等を遊説に回ったのでございますが、そのときいろいろと安保の問題等についての質疑応答の中で、こういうことがよく聞かれております。たとえば今度の戦闘機種のグラマンからロッキードへ変わった点は、あまりにもあざやかな身変わりぶりだ、これは一体どういうことか、ずっと東京から遠いところにおるわれわれとしてはわからぬ、こういうような質問。その次にはベトナム賠償などというものを、ああいうふうな暁の国会を三日も四日もやって、無理に打ち切らなければならぬ理由は一体どこにあるか、そのときの岸さんの写真はまことににこやかな、きれいな写真が出ていたけれども、人が不安を感じ、心配しているときにどんどん進めていく、総理がそれが通ったからといってにこにこ、さもうれしそうに笑っているのは、どうもふに落ちないというような質問。その次は、私の方は御承知のように東北地方でございますから、農民が多いのでございます。その農民の意見としましては、農林予算が二十八年からぐんぐん減ってきておる。しかるに反面、防衛予算がぐんぐんふえておる、こういうふうな点。この三つがおもな、東北地方の人たちの不可解に思っている点でございました。これらの点に関して、私は私なりの、野党の議員として答弁をしましたけれども、これらの疑問に対して、総理はどういうふうな御答弁をなさいますか、お聞きしたいと思います。
○岸国務大臣 次期戦闘機の問題は、御承知のように昨年の四月に当時の諸事情に基づきましてグラマンと内定をいたしたのであります。しかしこの内定をいたしましたことは、決定ではなかったことは、内定という言葉が示しておる通りであります。その後におきまして、当時まだ開発されておらなかった104Cというようなものが開発をされ、また当時はまだテストの済んでおらなかったところのいろいろな戦闘機につきましても、その後生産並びにテストが行なわれてくる、また外国におきましても、西独あるいはカナダ等において104を採用するというような事情もございまして、われわれは一応内定を白紙に還元をして、そして現実にこの飛行機に乗り、これを操縦していく人を派遣をする、さらにそれに伴って技術者や他の民間の人々も加えた調査団を作って、慎重にあらゆる飛行機を検討して、その調査の結果に基づいてこれを決定するという方針を本年の六月に国防会議において定め、調査団を送り、さらに慎重な検討の結果104Cが適当であり、これを日本に導入する場合においては、さらにいろいろな必要な点において設備を変えた型が、最も日本の防空上適当な戦闘機であるという結論を得ましたので、これを採用するという防衛庁の決定を過般の国防会議において承認するという手続をとったわけであります。これは今申し上げましたように、グラマンを内定した当時の事情とその後における各種の変化、また不確実なものが確実になり、現実にこれを操縦し、現物について比較研究することができるようになりましたので、それらに基づいて正確かつ慎重な検討の結果、かようにきめたわけであります。 第二のベトナムの賠償の問題につきましては、これまたすでに衆議院の委員会において十分論議を尽くされたところであり、またこの賠償協定は、サンフランシスコ条約に基づくわが国の最後のいわゆる条約上の義務履行の問題でございます。さらにわれわれと友好関係を進め、その繁栄をはかっていくことに、われわれとしては非常な強い関心を持っておる東南アジア諸国との間における戦争に関する問題の一切を解決する問題でありますから、私どもはすでに調印をされておる条約の批准を、ぜひ国会において得たいということで審議を尽くして参ったのであります。そういう関係でございまして、衆議院がこれを通過するということにつきましては、当然われわれとしては非常な関心を寄せておる問題でございます。従ってこれが衆議院を通過することは、私どもとしては最初から意図しておるところでございますから、その予定通りいくということはきわめて適当なことであり、またそうあってほしいと願っておったことができたということでございます。 第三の農林予算と他の防衛費なりあるいは社会保障費その他のものとの関連でございますが、私どもは現実に農業振興に必要な予算につきましては、年々これが計上をいたしてきております。なるほど戦後一時の農林予算の額と比較して減るとかいうようなことが論ぜられるのでありますが、当時の農林予算のうちには、戦後の経済混乱に基づくいろいろな価格調整に関する予算等をも相当多額に含んでおったのでありまして、その後経済の安定により、そういう費目は要らなくて、むしろ農業の基礎的なことであるとか、営農の本体に触れたところのいろいろな予算をわれわれは計上してきております。現実にそれが農業経営の上に役立つようにさしておるのであります。単に数量的な予算の額だけでもって論ずるということは私は適当でない、かように考えております。
○石山委員 私は無理押しをしている岸内閣の政治、こういうふうなことがロッキードの問題であり、ベトナムのり賠償の問題の国民の一つの疑問点だと思う。それから民生安定に関して農民の方々が、岸内閣のとっている施政に対して少なからず不安を持っている証左が、この三つの中に現われていると思う。あなたは常に国防を論ずる場合に、民生の安定と日本経済のワク内というような言葉をしょっちゅう使っているわけなのですが、この原則は今でもあなたはゆがめる気持はないわけなのでしょうね。
○岸国務大臣 国防会議において、日本の防衛ということについては、内治、外交の全面にわたって、国民生活の安定なり、あるいはその向上、平和の外交の推進ということが基本になることは当然であります。さらに具体的に防衛費の問題に関しましては、国力と国情に応じて防衛力は漸増するということを申しております。従って今御質問の民生安定やあるいは日本の経済力の実力というようなものを前提として防衛力を増進していくということは、すでにきまっておる国防会議の大きな方針であり、政府としてはあくまでもそれを貫いていく考えでございます。
○石山委員 私は政治はある種の力を伴うものだということは、全然否定するものではない。しかし最近とっていられるあなたのものの考え方等は、あまりにも力にたより過ぎ、与党の多数を背景にし過ぎた格好で物事を進めていっているのではないか。その証拠として私は機種変更の問題とベトナムの問題をあげたのでございますが、ある新聞ではサル芝居とかなんとかいう表現も使っているのですが、源田さんが帰られて報告されてから国防会議が招集され、またたく間にという言葉があるのですが、全くまたたく間のうちに、二年間防衛庁の機関の方々が熱心に調査をされて、その結果二千人の防衛庁の人たちがすべて賛成をされたグラマンをば、ほんとうに数時間という表現になるだろうと思うけれども、ぐうっと変わらしたその説明を聞いても、何だかのみ込めません。一生懸命説明しているのですが、そうすると前のことが全部うそなのかというふうな反問がおのずから出るわけなのです。そんなに取り急いでおきめにならなければならなかった深い事情というふうなものがあったのかどうか、お聞きしたいのです。
○岸国務大臣 機種決定の問題につきましては、先ほど申し上げましたような経過をたどっておるわけでありますが、すでにこの機種問題の内定しておるのをいよいよ決定するということにつきましては、さらにいろいろな点を検討しておったわけであります。先ほど申しましたようないろいろな事情の変化もあります。国会においてもずいぶんこの機種問題は論議をされました。いろいろな点、十分まだ正確にデータとしてつかみ得なかったようなものもつかみ得るような事情が出て参りました。また今回は、先ほど申し上げました日本としては最も権威ある調査団を送って、各方面から純技術的に、また専門的に、また実際の操縦に当たる責任者としての責任観念の上からいって、最も適当な機種をきめるために八十数日間、現地にあって調査をし、搭乗もして、いろいろな点から検討を加えた詳細な検討ができたわけであります。帰って参りまして、調査団はさらに報告をまとめるために十分な検討を行なって、調査をして、従って防衛庁としてはその報告を聞いて十分な検討を行なった結果、防衛庁としてF104Cを採用することが適当であるという結論を得たわけでありますから、国防会議としましては、これをさらに予算化する上から申し、アメリカとの関係もあり、なおまた実際の生産に移す場合におけるところの検討等、予算編成との関係もございますので、なるべく早く決定することが適当であるという事情に基づいて決定したわけでございます。何かその背後に深い理由があるかというような御質問でございますが、そういうことは一切ないのであります。今申し上げる通りの事情に基づいて、われわれは十分調査検討された結果に基づいて結論を出したわけでございます。
○石山委員 何も背後に深いものがあったわけじゃないという御意見ですが、それならなぜ急いで物事を決する必要があるのでしょう。自信満々のものであれば、だれにも見せびらかしてやりたいというのがいい物を持ったものの常なんですよ。いい着物を着た子供が、みんなの前に着物を見せびらかしたいというのは一つの本能なんです。十分に皆さんから見てもらいたい、検討してもらいたい、しかる後美人であるか美人でないかということをきめてもらうわけなんです。それを何ですあなた、いい着物なのか、中身も全然わからないうちに早急にきめるものですから、あなたがどんなに弁解なさっても、そこには何か特別な——あなたには何とかしなければならないというふうな、あるいはよその国から飛行機があしたにでも攻めてくるという気持があったかもしれません。あるいはあなたがどこかと密約して、どうしてもロッキードにしてどこそこの会社にやらなければならぬというふうなことがあったかもしれません。そういうことがあったかどうかわかりませんけれども、そういうふうなことを思わせるような急ぎ方ですね。国防会議の決定の仕方、こういうものは何ぼあなたが答弁されても、ちょっと私にはうなずけない。これを聞きたいのです。これはあなたにも行ったわけなんでしょう。こういうのは私のところにも来ている印刷物です。白紙還元されたとき、今問題になっているコンベアの会社からあなたのところに、日本総理大臣岸信介閣下というふうに六月二十九日に行っています。この写しがたまたま私のところに来ていますが、この会社では一、二、三、四、五と区別してコンベアの優秀性を説いているわけです。調査報告を見ると、コンベアにちょっと触れている。あとで採点表をお互いが検討すればわかるのですが、源田さんはかなりにコンベアを見ている。この報告書をまじめに見て採点をすれば、ロッキードよりもコンベアが当時すでに優位な地位にあったということが報告書の中からも読み取れそうなんです。その点に関してはあなたはどういうふうにお考えになりますか。
○岸国務大臣 第一点の、御質問ではなかったかと思いますが、御意見でありましたから、私はこれは政府としても明らかにしておく必要があると思いますから申し上げておきますが、先ほど申し上げましたように次期戦闘機というものは、第一次防衛計画の一部でございます。そうして三十五年に終わる第一次計画の内容をなすものであります。従って次期戦闘機の決定は、三十五年度の予算に政府としては一部を出さなければならぬような考えのもとにあるわけであります。しかもこの製造につきましては、アメリカ側と日本側との負担の分担問題の交渉がございます。そういうことを考えると、一日も早く決定しないと、予算の編成に間に合わないという事情に置かれていることは、予算編成をわれわれが年内に終わる決意のもとに諸種の準備を進めており、またそうすることが適当であるという考えから見ますと、私は決してこれを急いだことが何かほかの理由によるものではなくして、それだけの理由であっても、責任ある政府としては当然考えなければならぬということを十分一つ御了承願いたいと思います。 なお第二の御質問の本体でございますが、その点に関しましては、源田調査団は、今度参りましてロッキード104またグラマン、ノースロップ、コンベアの各機に、できるものは搭乗をし、操縦をし、またいろいろな性能その他の技術的な検討をいたして、そのすべてのものをやっておるのであります。決してロッキードだけをやったわけでもございませんし、ロッキードとグラマンというわけでもございません。コンベアの問題につきましては、コンベアの優秀性のある点も認められております。しかし日本の防衛、防空の上から見て、どれが一番適当かという結論としては、ロッキード期104Cが一番適当であるという結論を得たわけでございます。
○石山委員 戦闘機の役目は、やはり戦闘行為を大切にするわけですね。源田さんにお聞きしますが、あなたはいろいろなことをテストなさったそうですが、実際の戦闘行為のテストをなさっておいでになりましたか、お聞きします。
○源田説明員 空中においてわれわれはいわゆる最大限度のところまで戦闘行動の検討を行ないました。しかしながらサイドワインダーを実際に撃ってみるとか、爆弾を投下してみるとか、あるいは機銃を撃ってみるとかというのは、相当経費もかかりますし、米軍の都合もありますので、実弾は撃ちません。サイドワインダーは、これを持って上がって、そうして目標機に対する照準までやって、その作動を調査しました。射撃の方は、同じく目標機に対して照準操作をやり、そして射撃の上において飛行機の操縦性がどうであるかというようなことは、最大限度まで調査を行ないました。
○石山委員 あなたが許される範囲内の最大限あるいは最善の努力をなさった。しかし私らに言わせれば、一千億ないし一千三百億のお金を使う機種の問題でございます。それに対しましては、アメリカの都合もこれあり候によってなどといって、実際の戦闘行為のテストをしなかったということは私残念に思います。あなたの調査の結果、射撃その他、あなたが技術屋としてどのくらいの効率を持つような判定をなさいましたか。いわゆるコンベアあるいはロッキード、グラマンと比較してみて、どのくらい差がある、その率をばどこに置くかということをあなたは判定なさったでございましょうか。
○源田説明員 実際のたまを撃たなかった。これは撃った方がいいにきまっておりますが、しかしさっきも申し上げましたようにわれわれがいかに希望しましても、これは米軍の飛行機であり、米軍のたまでありますから、許されなければこれは仕方がない問題であります。しかしながら戦闘行動というのは、最後のたまを撃ち、出たたまだけの問題ではなくて、それに至る過程、目標に近づく過程、いかなる方向からどういう速度でどういう工合に近づいていくか、こういう問題がその他たくさんございます。こういう問題については、実際にこれをやったわけでありまして、戦闘行動についてはその大部分をやったと申し上げても差しつかえないと思います。 また各機種の比較でございますが、これは飛行機そのものによりまして、ある点においてはある飛行機はすぐれ、ある点においてはある飛行機がまさり、長所と短所といろいろございます。しかしながらわれわれが選定の基準としましたのは、日本を基準として選定するのでございまして、日本において使う場合にどれが一番いいかということであります。従いましてその見地から判定した場合に、われわれはF104が最もすぐれておる、こういう判定に到達したのであります。一つ一つにつきましては、総合点数にしてこれをどれがどうということを今点数で申し上げることは、これはちょっと適当でないと思います。しかしながらたとえば日本においては、この地理的な状況から見まして、上昇力とか、戦闘行動における加速時間とか、最高速力とか、こういうものが非常に大きな要素を占めるのであります。こういう点においては、F104が最もすぐれております。またこの104がそういう点においてすぐれて非常にいいと申します場合でも、他に非常に大きな欠陥がある場合は、これはまた再考慮を要すると思います。しかしいわゆる安全性において大きな欠陥があると思われておりました104が、これを操縦してやってみると、今まで考えておった安全性に対する欠陥に対する不安というものはだいぶ間違っておった。この飛行機の安全性において大きな不安はないということを、われわれは体験をもって承知いたしました。従いまして日本に最も適する飛行機で、他に致命的な大きな欠陥がなければ、これが結論的にいいものとして私は104を進言いたしました。
○石山委員 源田報告の説明だと思いますが、あなたの今おっしゃったうちに二つあります。日本的という言葉と体験という言葉を使っておる。そうでも言わなければロッキードに変えることはできなかったでしょう。日本的といいましても、あなたが何ぼ日本的といったって、アメリカ式の優秀なものが日本的だからといっても、ごめんにしておくなどということはありません。私はどんどんあなたを打ちますよ。日本的だからといっても当たるということはないでしょう。命中率とか性能というものは、日本的だなんといったってそれでごめんになるものじゃないのです。 体験という言葉をお使いになった。体験という言葉は主観的な言葉でございますよ。体験という言葉は計数じゃない。防衛庁が機関をあげて二年間調査して、あなたはそれを裏づけするための体験でございましょう。体験は優先するわけではない。それをたまたま裏づけするくらいのところが体験なんだ。それをあなたは体験がいかにもあらゆる数字を越えて優秀だというようなことをおっしゃっているようですが、それは違うのじゃないですか。これはアメリカでミサイル等で爆撃したものを見ますと、あなたのおきめになったロッキードは命中率は五・五から一一%しかないと言っている。コンベアは八三・五%の命中率があるというように報告されているじゃありませんか。一体何を考えているのですか。総理大臣にお伺いしますが、こういうふうな画然としたあまりに差のある、いわゆる攻撃等の性能が違った場合にでも、あなたはコンベアよりもロッキードが日本的でよろしいというふうに言うことができるでしょうか。
○岸国務大臣 日本的と、私はさっき源田空幕長の言を聞いて、また私自身もそう思っているのですが、今石山君が御質問になっているような意味において日本的ということを申しているのではない。一体われわれが次期戦闘機を何ゆえに必要とするかというと、日本の防空上必要なんで、日本の防空体制としての性能としてどういう点を日本においては最も重要視すべきかというと、大陸には大陸に相応したものがありましょう。またアメリカにはアメリカにおいて最も重要視する性能があるだろう。日本において最も必要とする、日本の防空上必要とする性能で、最も重点を置かなければならぬ点はこういう点にあるのだ、そういう点においてF104が最もまさっているということを源田君が言っておるのであります。 また第二の点は、数字的には源田君からお答えする方が、私はよく承知いたしておりませんからいいと思いますが、しかし体験云々の問題は、いわゆる安全性という問題についての不安ということが、従来ロッキードについて言われておったのであります。グラマンを決定するときにも、その点がロッキードの一つの大きな欠陥として相当言われておったのだが、実際に飛行機に乗って操縦してみて、そうしてまたいろいろな空中におけるところの動作をしてみて——実際の数字には安全性というものをどういうふうに表わすのかよく知りませんけれども、また従来は操縦せずにいろいろな判断であったけれども、実際に操縦してみてこれは一番はっきりしていることであるという意味において、安全性を体験において云々と言ったのであって、今の石山君の御質問のような意味ではない、こう考えております。
○石山委員 戦闘行為をなさらないのですから、源田さんは体験などという言葉を使えないはずなんだよ。体験というものは、実際実弾を撃ってみなければいかぬ。あなたはアメリカ軍のために撃たないのですよ。それで体験という言葉はおかしいじゃありませんか。あなたの場合は体験なんというのはなまはんかだ。そうして命中率についてはこんなに大きな差があるということが数字に現われている。あなたは体験したならば、これを反駁するだけの資料を持ってこなければいけないはずでしょう。しかしおそらくないでしょう。あなたの報告なさったのを定本にして私はロッキードとコンベアを調べてみましたが、速力がロッキードの場合は一番よろしいと言っております。コンベアは、これは106でございますが二番目、上昇の場合もロッキードは一、コンベアが二、行動半径の場合もロッキードが一、コンベアが二、滑走路の場合は、これはロッキードは八千フィートで四番目、コンベアは三番目、武装と全天候の工合はロッキードが二、コンベアが一、偵察行動半径、これはロッキードは四です。四番目に位している。コンベアは一番です。ロッキードとグラマンで一番問題になりました安全性の問題になりますと、これは全くクエッション・マークだ。あなたに何べん説明されても、クエッション・マークだ。これはあなたはしりの方に一生懸命つけて弁解しておりますけれども、失速した場合の安全性というものは、翼の大きさその他を比べまして改造したと言っておりますけれども、これは未知数ということははっきりしておる。これらの一番、二番、三番、四番をやってみますと、こうなんです。ロッキードの場合は十四とクエッション・マークなんだ。コンベアの場合は十二なんですよ。あなたの報告書をもとにして各種の性能順位をきめてみても、もうこの当時からコンベアの優秀性はあなたは認識してきたのではないか、認識してきたのだ、この報告書から比べれば。それをコンベアが出せなかったということなんでしょう。コンベアが優秀であったということを覚えておったのですか。体験しておった……。この表を見ても、当時からコンベアの優秀性がはっきりしておる。それをどうして隠しておいたのです。知っていたのですか。 委員長にお願いしますが、私の割当の時間がありますから、源田さんに御答弁を願うとずいぶん長い。知っていたら知っていた、知らなかったら知らなかったと、最終段階ですからおっしゃっていただきたい。
○源田説明員 武器の命中精度につきましては、ただいま申された数字は適当でないと考えます。私は正確なる他の数字を持っております。またF106が優秀である、それを承知しておったかというお話でありますが、これはF106も同じく優秀な飛行機であります。しかしながら日本の立場として考えた場合にはF104がより優秀である、こういう考えでございます。
○石山委員 源田さんは体験と日本的しか答弁がないということはわかってしまった。それ以上は聞く気もしませんが、ただ有人飛行機が今後十年間あなたは必要だというふうに表現しておる。しかしロッキードからコンベアのアメリカの動き方を見ますと、いかに最新式の武器というものは動きやすいかということがはっきり現われたような気がします。今、岸首相が主宰してやっておられる国防会議は、昭和四十年でしたか、五カ年か六カ年かかってこのロッキードをおやりになると言っていますね。もう二年くらいたったら、おそらくこれはまた廃止なんでしょう。そうした場合どうなるのですか。特に私は岸首相のお答えの前に申し上げたい点は、ロッキードは川崎が一番に設備をし、熟練をしていると私たちは聞いている。それから見ますと、新三菱は飛行機は作っているけれども、傍系だ。それが今度新三菱に無理やりにきめられた。ロッキードでもグラマンでもいい、コンベアでもいいのだ、要するに新三菱と結べばいいのだという国民の陰の声をあなたは聞いていますか。三菱は、御承知のように明治の西南の役以来、いわゆる政商といわれておる。時の政府と密接な関係を持って戦前の大をなし、戦後もまたこんな格好で政府部内に食い込んで、財閥の大をなすという方向をとっているのではないかというのが、国民の心配なんです。事実その通り現われている。そういう点はどういうふうに御答弁をしていただけるでしょう。
○岸国務大臣 日本の現在の航空機工業の実情から申しますと、こうした最高の技術を持っておるものとしては、新三菱とそれから川崎が最も優秀なもののように私承知いたしております。しこうしてこの両社の間におけるところの仕事の配分やその他から、いろいろなある飛行機を作る場合におきましても、これを主とし他のものはこれに協力するというふうなことを従来も行なってきております。今回通産大臣において会社を指定し決定したということにつきましては、そういう技術の点及びそこにおけるところの仕事の量なりいろいろな点を考慮して、私は三菱を主とし川崎をこれに協力せしめるということできめることが最も適当であり、またその間の仕事の分配等につきましては、それぞれ技術的の点においてこれの配分を行なっていくということが、この飛行機を作る上において最も適当であるという産業的な見地からきめたものでありまして、今お話のような意味は私は全然この点について考えておりません。
○石山委員 私は特に岸首相に注意していただきたい点は、皆さんは簡単に飛行機が、たとえば赤城防衛長官のように百万ドル以上なんて言葉を使っているのですね。飛行機一機百万ドル以上。大へんに私はおうような、おおらかな表現で心苦しいような点もあります。しかしそれは飛行機となれば、なかなか百万ドル以上といっても、これは私たちとしては非常に情けないのです。四億というお金、五億というお金はどのくらいの価値があるかということになりますと、私たまたま五億から十億の予算を持っている町村がどのくらいあるかということを調べてみましたら、あまりないのですよ。五億から十億の予算を持って市政を営んでいるというところはあまりない、知っていますか。ですから、飛行機一機でたくさんの町があるということなんですよ。こういうことは、経済と飛行機の問題はあとで御相談をしまして、もっと私は言いたい点もあります、聞きたい点もあります。しかし簡単に五億、六億だと言われますと、泣きますよ。五億の予算を組んでいる町村はどのくらいの人口があるかと見ますと、七万から八万でございますよ。五億の予算を組める町村というものは。それをあなたの方では二百機買うと言うでしょう、それで千億飛ぶのじゃないですか。今度コンベアにしなければ追っつかないとなると、その装備と改善のために三百億使うと言うでしょう、三百億ですよ。いかにもあなたたちは、国防ということになると夢中になりまして、お金の価値ということを忘れているようだ。私たちは東北、北海道の開発等最近調べてみましたら、一年の公共公益事業は東北では三百五十億くらいのものですよ、北海道もややそれに上回っている程度だ。あの広い面積で、一年の公益公共事業が五百億以下なんですよ。そういう点を考えていただかないで、百万ドル以上、二百機なければならぬ——民生の安定は一体どこにあるのです。失業は三百六円か三百十円くらいのものでしょう。飛行機一機でどのくらいの失業者を雇えると思うのです。百万をこえますよ。四億五千万だ、五億だ、三億五千万などと、軽く五千万、一億の単位で上下さしてもらっては困るのですよ。一体赤城さんは、今度のロッキードを一機どのくらいにおきめになろうとして努力していますか、御答弁をいただきます。
○赤城国務大臣 戦闘機の価格の問題につきましては、昨年じゅもいろいろ数字が出たのでございます。あるいはまたことしの六月の国防会議の調査によりましても、各機種の価格が出まして、ロッキードにつきましては百七万四千ドル、こういうような価格が出ておるのであります。今度国防会議におきましても、私どもは直接ではありませんが、各機種についての価格について十分な調査をやったのであります。その調査に基づいて日本の国力、国情に応じて、こういうような点から機数も減らしまして、そうしてまた価格の点もできるだけ安い価格で、こういう進め方をいたしておるのであります。直接会社からとったのでありませんが、私どもはこの点におきましてはできるだけ安くしようといって今交渉中でございます。近く交渉がまとまると思いますが、それにつきましても、この間国防会議の調べた価格よりもだんだん低くするように進めておりますので、近く発表できるかと思います。ただ百万ドルと言ったのは、どの程度だどの程度だと参議院で言うものだから、それから下か上かというようなことをいえば百万ドル以上だ、こういうようなことを申し上げたので、それが的確な価格というわけで申し上げたのではございません。 それからついででございますが、私どもはもちろんあなたのおっしゃるように、日本の民生の安定の上に立ってこの自衛力というものは保たれていかなければならぬ、こう考えております。でありますので、予算の面等につきましても、日本の防衛予算は、全国民所得に対して一・七%というようなことで、これは率からいって非常に少ないのです。しかし民生をそこなっては防衛の体制が整わないということのために、私どもも漸増というような形でやっておるわけであります。決して私は民生の費用が防衛と同じだというのではなくて、一兆四千億のうちこれは大部分が民生の費用だと思います。まあ少し言い過ぎかもしれませんが、防衛費も民生を外から守っていく費用だ、しかし直接のものではないので、なるべくこれは急増等のことはいたしたくない、こういうことであります。
○石山委員 防衛も民生のうちだとおっしゃいますが、防衛をやるためにわれわれが高い税金を払って、そのためにシャツ一枚も着られないとか、御飯を一ぱい減らすとか、学校の子供の参考書を買えなかったといえば、これはちっとも役に立たぬですよ。そこに来ているということです。 それから岸総理大臣に言っておきたい点がもう一つございます。それは権威ある国防会議が二転三転して、そして確証が得られるかと日本で経験を経た優秀なテスト・パイロットが行って調べてみても、ちっとも確信がないのじゃないですか。裏づけされるものがない。あなたが一番大事にしているアメリカ側が、もうすでにロッキードは廃物だといっておる。こういう権威のない判定をなさるような国防会議には私は信頼を置けません。議長をなさっているあなたは、すべからく議長をおやめになって、国防会議を改組なさいよ。そうでなければ、国民は国防会議の権威をも認めませんし、その影の暗いのも私は晴れないと思う。そういうふうに申し上げて私の質問を終わります。
○福田委員長 次に石橋政嗣君。
○石橋(政)委員 F86Fのあとに何を国産するかという問題で、非常に国民の関心を高めたわけでございますが、それと同時に不信の念も非常に高めておるわけです。総理大臣としてあるいは国防会議の議長といたしまして、この点何とかしてその国民の疑惑を解く努力をしなくてはならない当然の義務があろうかと私は思います。 そこで今からお尋ねすることについて率直なるお答えを願いたいと思うわけでありますが、まず第一番目に国防会議自体の問題であります。ただいま石山委員も国防会議の権威ということを申しておりましたが、私も全く国防会議の権威は、そういうものがあるとするならば失墜しておる、このように考えるわけです。初めは自信を持ってグラマンを内定しながらこれを白紙還元し、再びロッキードを決定した。何か自信のない姿をわれわれ国民に見せつけておるわけでございますが、当初総理大臣がこの機種選定の問題を国防会議にかけましたのは、一体どういう根拠からでございましょう。法的な根拠といえば、おそらく防衛庁設置法の四十二条第二項の第五号「その他内閣総理大臣が必要と認める国防に関する重要事項」これに該当するのじゃないかと思うのですが、非常に国防に関する重要な事項だとお考えになって国防会議に諮られたのではないかと思うのでございますが、いかなる意味で、どういう点で重要だとお考えになって、次の機種は何にしようかと国防会議に諮問されたのか、その点からお尋ねをしてみたいと思います。
○岸国務大臣 このFXの問題につきましては、防衛力整備計画というものは、これは当然国防会議の審議によって決定をすべきものでありますが、それを諮りました際に、当然その計画の内容として、次期戦闘機三百機を作るという問題が審議されたのであります。そこで次期戦闘機とはどういう性能なりどういう機種であるかということが取り上げられて、国防会議の議題となり、そうしてこれをグラマン機を内定するという取り運びに当時いたしたわけでございます。
○石橋(政)委員 ちょっとはっきりしないのですが、防衛整備目標の、いわゆる昭和三十五年度航空自衛隊の達成目標が千三百機だ、そのうちにFXが三百機含まれておった、だからそのFX三百機を何にするかということは、この防衛計画の大綱第一次防衛三カ年計画の一環として諮ったのだ、こういうことなんでしょうか。
○岸国務大臣 当時の国防会議で扱いましたことは、今石橋君の言われるような意味においてこの機種の問題を扱った、こういうことでございます。
○石橋(政)委員 そうしますと、これは先日三百機の機数が問題になりましたときに、防衛庁長官が答弁したのと異なって参ります。赤城さんはそうお答えになりませんでした。三百機というのは国防会議に諮ってもおらぬ、この点お二人の答弁が食い違って参りますが、どうです。
○赤城国務大臣 違っておりません。総理が答弁しましたように、防衛計画の大綱というものは国防会議に諮らなければなりません。そこで二十五年度を終期とする国防計画を諮った中に、戦闘飛行機として第一次計画のうちには千三百機を達成する、こういう計画が入っておるわけであります。その中に防衛計画として次期戦闘機として三百機を必要とする、こういうことが入っております。そういうことから国防会議におきましても、しからば次期戦闘機はどういうものをきめたらいいかというようなことに議論が起きまして、そうして戦闘機種の問題が出たわけでございます。同時に機数の問題等につきまして防衛庁側としては三百機ということでずっと主張しておったのであります。しかしミサイルに転換すべき面もありますし、また財政的な問題もあると思います。そういう点で内々私どもは三百機というふうに考えて、次の国防会議におきましてはそういうことに提案したい、こう考えてお ります。この間の機種決定の際に実は源田調査団の方からは軍といいますか、航空自衛隊の立場からすれば、二百機の戦闘機と訓練機二十一機が必要だということでありましたが、結論といたしましては百八十機、訓練機二十機ということであります。
○石橋(政)委員 それはおかしいですよ。私はこの間の防衛庁長官の答弁を尊重しまして、総理大臣が国防会議に次の機種は何にするかということをお諮りになったのは、防衛庁設置法第四十二条の第二項の第五号、すなわち「その他内閣総理大臣が必要と認める国防に関する重要事項」とお考えになってお諮りになったのじゃありませんかと言ったら、そうじゃないとおっしゃる。すなわち第二号の「防衛計画の大綱」、これの一環として諮ったのだ、こうおっしゃる。そうしますと具体的に今私が説明して総理が承認されましたように、航空自衛隊の千三百機という目標、その中の三百機というものが新機種である。これは国防会議で決定しておるのだ。だからその三百機を何にするかという意味で諮っているのだ、こうおっしゃる。防衛庁の説明はこの間加藤防衛局長が代表して答えていることでも、三百機というのは国防会議と関係ないのだというようなことが今までの答弁じゃないですか。明らかに違いますよ。これは三百機とか二百機という単なる数字の問題じゃないのです。総理の言う通りだとおっしゃるならば、この間の答弁をあなた方は訂正されるつもりですか。
○赤城国務大臣 防衛庁としては、実は機種はどういうふうに決定するかということは、本筋からいえば防衛庁の権限だというふうに私ども考えておる次第であります。しかし国防計画の大綱の中に入っておって、そうしてこれが必要と認める重要事項というようなことになったでしょう。そういうことで機種の問題も国防会議に取り上げられた、こういう事情であります。でありますから機種を決定するのは本来は防衛庁が決定してもいいのだけれども、国防会議において機種の問題が取り上げられて、そうして議題となったということになれば、これも国防会議で最終的にきめてもらいたい。同時に機数の点におきましても、これは防衛庁がきめるべきことじゃない。最終的な問題もあるから、これは国防会議の問題である。だから加藤局長は防衛庁の立場として機数を防衛庁で確定的にきめるという立場ではない、こういう意味で申し上げたのだと私は了承しておったのであります。
○石橋(政)委員 そこに問題があるのです。国防会議の扱い方としての問題があるのです。一つも国防会議の方針がはっきりしていないのです。もう少し具体的に申し上げましょう。グラマンの内定をいたしましたときには、あくまで機種を何にするかということは国防会議の権限だというお気持の上に立ってやっておられます。いわゆる発表にいたしましても、そういう形式になっておりますことは、議長である総理は御承知でございましょう。すなわち航空自衛隊の次期戦闘機については一応F11F—1Fを採用することに内定した、こういう発表になっておる。だから今赤城さんが言ったことと違う。何にするかということは国防会議の権限だという建前の上に立って発表が行なわれております。審議もそのように行なわれておると思う。ところが今度の発表はそうじゃございません。防衛庁できめたグラマンを国防会議は承認するのだ、すなわち機種を何にするかということをきめるのは防衛庁の仕事だ、今長官が言ったそちらの方に変わっているのですよ。これが食い違いがあるということが一番はっきりした例です。そこでわざわざ私は冒頭に総理であり、かつ議長である岸さんに聞いている。一体どっちなんですか。機種をきめる権限というものは一体どちらにあるのですか。一つもはっきりしてないじゃありませんか。前と今度と違うじゃありませんか。そういう点からも国防会議のいわゆる権威なるものにも疑いを持たれるのです。総理からお答えを願いたいと思います。
○岸国務大臣 私は機種を決定することは防衛庁の権限に属するものだと思います。その点を今度の国防会議で、これを最後の決定をする場合におきまして、また発表する場合におきまして、その点が従来不明確であったと思いますから、明確にいたした次第でございます。
○石橋(政)委員 それではグラマンを内定したときは国防会議としてはちょいと行き過ぎだった、まずかった、防衛庁が本来やるべきことを国防会議でやった、まずかったということをお認めになった上で、そういう総理のお答えが出るわけですか。それなら承認します。
○岸国務大臣 内定いたしましたときももちろん防衛庁の原案というものがありまして、これを国防会議において論議した。私は扱いそのものから申せば、本質的にいえば変わっておらぬと思います。ただ発表等の場合におきまして、そのことが明確に出ておらない点もございまして、今のような点が不明確であったということは私認めますけれども、その内定したときにおいては、国防会議そのものが原案を出しなにしたという性格では当時からなかったのであります。従ってその点につきましては、方針が変わったのではなしに、扱いを明確にいたしたということが正確であろうと私は思います。
○石橋(政)委員 それではつじつまが合いません。しかも当時このグラマンを内定された後において問題になったときに、大自民党の幹事長の川島さん、何と言っておられますか。この問題は防衛庁だけでなく、防衛庁以外でも一応検討する必要がある。これは決算委員会の証言です。そうして川島さんが当時の官房長官である赤城さんに、あなたが主宰して防衛庁の人の意見があまり入らないような形で機種選定委員会を開いたらどうか、こういうことまで言っているじゃありませんか。政府と与党との関係はどうなんだと私質問しましたら、それは一体ですと、当時官房長官であった赤城さんはここにこられて私に答えたのを覚えておられるはずです。防衛庁の意見があまりなまのまま入ってきたのでは工合が悪いから、防衛庁の意見があまり入らないような形で機種選定委員会を、すなわち赤城委員会と当時いわれた。そういうものを作ったらどうかといって、自民党の幹事長が政府に申し出たことがある。当時は明らかに防衛庁に権限があるというような考え方はありませんでした。それが変わってきているのです。この点だけははっきりお認め願いたいと思います。 それから時間がありませんから次に行きますが、しからば国防会議で機種を何にするかということを御審議願うときに、一体ポイントはどこに置いたかということなんです。一番大きなポイントというのは私は二つあると思うのです。一つは用兵上の見地、日本の防空をいかにして全うするか、そのためにはいかなる機種がいいか、これだと思うのです。せんじ詰めていけば財政的な問題などもここに関連があるのです。もっとたくさんあればいいけれども、お金の都合でこの辺に——これは限度の問題であって、ここに私は集約されてくると思います。もう一つの見地というのは、いわゆる国内の航空機産業の育成、これだろうと思う。そこで国防会議の議長として、総理は一体これを審議する過程の中で、どちらにウエートを置いておったのか。先ほど石山さんが言っていました。巷間では新三菱にやらせさえすれば、機種は何でもいいのだろう、こういうことさえ言っている。こういう疑問をはっきりさせるためにも、一体ウエートはどちらに置いたのだということを一つ御明確に答弁願いたいと思います。
○岸国務大臣 もちろんこの機種選定につきましては、私ども最も重要視しなければならぬことは、用兵上の見地からどの機種が日本の防空の使命からいって適当であるか、これが私は第一であると思います。
○赤城国務大臣 先ほどお尋ねになったことにお答えいたします。防衛庁側で確立するのが本筋でありますが、いきさつから申し上げますならば、先ほど申し上げましたように、国防計画の大綱の中に入っておりますので、国防会議としてこれを取り上げたわけであります。ですから国防会議でこれを取り上げてはいけない、こういう理由はないと思います。そういういきさつからいろいろな問題がありましたので、国防会議として検討している途中におきまして、これは慎重にやるべきだ、慎重にやるのにはどういう方向がよいかということにつきまして、官房長官として検討を要する、こういうふうな立場で今お話のような経過はあったのであります。しかし筋としてはやはり私は防衛庁で機種をきめるのだ、どういう艦艇をきめるか、あるいはタンクのどういう種類をきめるかということまで国防会議へ諮る必要はないと思いますので、もとへ戻したという形だと思います。しかし国防会議へ諮って悪いということはないのであります。当時のいきさつから見て、そういう経過をたどっております。
○石橋(政)委員 長官にはゆっくりまた別の機会にお尋ねします。きょうは時間がもったいないので……。 そこで総理、しかも国防会議の議長であられる岸さんが、今もちろん用兵上の見地、これにウエートがあるのだとおっしゃいました。そうなりますといよいよもってわからないのです。これがかえって国内航空機産業の育成の方にウエートがあるのですと言うなら、不満ではあるけれどもそれなりに私はわかります。しかしそうじゃないとおっしゃいますと、非常に問題がたくさん出てくるわけなんです。それでお尋ねをいたしますが、しからば用兵上の見地ということにウエートを置いたのだとおっしゃる。わが国の地理的条件、そういうものから、もし日本に対して侵略が行なわれるとするならば、それは空からであろう。だから日本の防衛はまず防空第一でなくちゃならぬ、こういう基本線を政府側ではお立てになっておるわけでございますが、この点は御確認になるわけでしょうね。
○岸国務大臣 私どもは国防計画をいたします上において、もちろん空から侵略された場合に対して、防空の万全を期していかなければならぬし、海からある場合において、これに対する艦艇も必要でありましょうし、またそれを裏づける陸上の部隊も必要でありましょう。これはみなそれぞれ必要に応じて国防計画は立ててやっておるわけでありまして、日本の地理的の立場からいって、防空上のことが非常に重要であるということは私どもも考えております。
○石橋(政)委員 総理も今御確認になりましたが、従来本委員会における政府側の説明によりますと、それはいずれも大切だが、まず防衛は防空を第一義とすべきである、こういう確信をもってわれわれに対して答えてきておるのです。そうしてこれはまた次の戦闘機を何にするかということが、用兵上の見地ということにウエートを置いて検討されたという総理のお言葉とも、ある意味では一致するわけなんです。そこで私が言いたいのは、しからばこの防空が全うできるのかということなんです。特にロッキードのF104C—Jを次の機種として採用した暁において、防空の全きを期することができるのか。全きを期することができないにしても、一番確実な方向へ、前進の方向へあると確認されるのかということなんです。こういうことが問題になってくるわけです。昨日の夕刊、本日の朝刊、各紙とも取り上げておりますこのアメリカにおいてロッキードが第一線から退けられる、この問題が非常に重要になってくるわけです。日本の防空をどうするかという観点から問題になってくるし、もう少し狭い範囲で検討していけば、一体源田調査団なんというのは何しにアメリカまで行ったのだという意味でも問題になって参ります。 そこで最初に話を進めていく前提として、調査団長たる源田さんにお尋ねしておきたいのですが、あなたはコンベアの106も非常に優秀だ、こういうふうにこの間の委員会でもお答えになっておられました。ところがこの106を選ばなかった理由は一体何か、これからまず説明して下さい。私どもがもらいました資料を検討して見ましても、106がロッキードよりも劣るというのは、速力と上昇性能だけです。しかもそれもほとんど差はないというお話です。あとは行動半径にしても、所要滑走路の長さにしても、全天候性にしても、安全性、操縦性にしてもほとんど同じか、もしくはコンベアの方がすぐれております。これは私どもが説明をされたこの報告書の中で、そういう結論になっておる。にもかかわらずコンベアを選ばなかった理由は一体何か。それからわざわざアメリカまで行かれて、すでにロッキードの生産が中止になっておるというようなことを知らなかったのか。第一線から退けられる、そういう動きがあるということも知らなかったのか、この点を一つ御説明願いたいと思います。
○源田説明員 コンベアの106を選ばなかった理由としましては、第一は日本で使う場合に、104の方が日本の防空上その性能がさらに106より優秀である、これが第一の点であります。次に106と104と比べました場合に、その計器操縦の性能そのものにおいて106がまさっておるということは言えません。ある点においてはまさっておるけれども、他の点において104の方がうんとまさっておるところがあります。また空中戦闘操作そのものにおいても、現在の106は現在の104Cより雲の中での操作は装備の上でまさっております。しかしながらこの104にしかるべきファイアー・コントロール・システムをつけたならば、104は十分雲の中で使命を果し得る、こういうように考えられます。またその次に安全性の問題、この問題はたびたび申し上げましたが、これはほんとうに飛んでみなければわからないものであるし、飛んでみて初めてわかった問題であります。これについては問題はありません。滑走路の問題、これは滑走路で走る距離はなるほど数字的に106の方が若干少ないのであります。しかしながら滑走路のどこに着くか、これを選定する場合、操縦者がやり得るある操作によって、104の方が着くべき正しい場所に着きやすいのであります。従いましてこの滑走路の点について104が劣るとは考えられません。 次に第二の御質問の、104が第一線から退けられるということについて知らなかったのかというお話でありますが、この104が昨日か一昨日かのアメリカの空軍の発表で、第一線から退けられたというふうにはわれわれは考えておりません。というのは、この第一線というのはいろいろたくさんございます。問題は、この104Cがアメリカの防空部隊から他に転属させられるという問題であります。これは私は米国におる間に公式には聞いておりませんが、ある新聞の記事によって、米国空軍は将来101と106、大体こういう方面で防空兵力を固めていくというような記事を見まして、この104のみならず、他の飛行機も逐次今の101、106という線に整備される、こういう工合に了解しておりました。というのは、この104は現在アメリカで使っております。104A及び104C、この104Cは今度の発表には影響ありません。これは戦術空軍の問題であります。104Aがアメリカの防空部隊で全天候性がないというために、今逐次整備されつつある新しい地上管制装置、SAGEと申しますが、これと連結することができない、そのために104を他の部隊に回して、そのかわりは何で埋めるかということは、アメリカは一つも発表しておりません。しかしながら大体106で逐次埋めていくのだろうと思います。というのは、これはアメリカとしてはアメリカの考えがあってやったことであろうし、またそれも当然だろうと思います。しかしながら日本で今度採用するときまった104C—Jというのは、これは全天候性を持っております。従いまして将来新しい地上管制装置を日本に採用された場合は、これと連結して、新しい方式によってこの飛行機を全天候下においても、また晴天のもとにおいても自由に使いこなすことはできるのであります。従いまして、これはアメリカの空軍できのう言ったことでありますが、こういうことを続けてまた言っております。ドイツ、カナダですでに契約されて、日本も採用しようとしておる新しい104Cは、これはスーパー・スターファイターと言っておりますが、これは昨年度のコリアーズのトロフィーを確得することができた、これは速度、上昇性能において世界最初の飛行機となることを得た、これはアメリカの航空界に最大の業績を与えたものにのみ与えられるものであって、これは前年の実績において十分示された価値を立証するものである、またドイツ、カナダ及び日本向けの飛行機は新しい装置を持っておって、十分全天候性の戦闘機としてこれを使うことができるものである。こういう工合に申しております。従いまして、それではアメリカで何がゆえに日本、ドイツ等で採用しまたは採用せんとしておるその104Cを使わないで106を使うのか、こういう点が残る問題でありますが、これは私はアメリカ空軍当局に直接聞かなければわからないのでありますが、想像するところ、やはりアメリカと日本との大きな地理的な状況の違い、こういうところにあると思います。
○石橋(政)委員 どうも答弁が長過ぎるのですが、もう一つ抜けているのですよ。その生産の方が中止されておることは知っているのか、要点だけ一つ御答弁願います。
○源田説明員 それは知っております。
○石橋(政)委員 もうあなたとやっておると時間がかかりますから、総理にお尋ねしますが、総理は知っておりましたですか、アメリカで生産が中止されていることを。
○岸国務大臣 私は承知いたしておりません。
○石橋(政)委員 それがほんとうだと思うのです。おそらく総理の耳には入っておらないと思う。あなた方は今まで本委員会にはもちろんのこと、国会においても、一般国民に対してもどういう説明をしてきておりますか。ロッキードの採用された最大の理由、それはアメリカにおいて現に使われているのだ、今後の将来性というものも非常にあるし、長期使用の可能性も多い。こういうことを盛んに言い続けておられたのですよ。アメリカの方で使っているのだ、だから万事が好都合なのだ、こういうところに非常にウエートを置いた説明が今まで繰り返しされておる。われわれに対して、アメリカでほんとうのところは生産もやめておるのでございます、第一線から転属になるようでございます、これは非公式でございますが、というようなことが一回だって言われましたか。われわれに言われないだけでなしに、総理も知らないという。それで総理が公正な判断が下せますか。性能の面ではほとんで変わらないのです。あなた方もコンベアとロッキードはほとんど変わらないということは認めておられます。にもかかわらずロッキードの方をとったというのは、今後どんどん開発するにも便利だし、アメリカの方で使っているのだから補給なんかの面でも非常に有利だ、そういうことばかりおっしゃっておったのに、実際は逆じゃないですか。ロッキードの方は退けて新しくコンベアの方を採用しようというのが、アメリカの空気じゃないですか。総理はそれを知らないとおっしゃる。こんな大切なことを知らないできめられたということは、大へんなことです。国防会議があまりにもなめられ過ぎておると思うのです。総理としては調査団を信用されたのでしょう。しかし実際にはうまいことあやつられておるといっても言い過ぎではございません。こんな肝心なことがわからないということ、これが一つ。 それからいろいろな性能を述べられました。一生懸命ロッキードはいいのだいいのだという御説明をなさっておられました。しかしどうもそれはロッキードの会社側の資料のようです。会社の代弁者にいつからおなりになったかと私は言いたい。ロッキードの会社が出しているものに、全部今あなたがおっしゃったようなことが書いてあります。だからあなたとしては今ここで、なぜコンベアよりもロッキード104を選んだかと言われるとおつらいでしょう。それでどうにか筋が通りそうな理由らしきものを、あなたの答弁から拾い出してみますと、日本の場合は特別なんだ、アメリカはアメリカなんだ、こう言うでしょう。グラマンを採用されたときと同じです。グラマンの場合にはそうおっしゃった。私どもがアメリカでも使わないそんな飛行機をなぜ採用になられたのですかと聞いたら、アメリカはアメリカだ、ゴーイング・マイ・ウェイ、日本は日本で行くのだとおっしゃった。今度ロッキードのときにはアメリカアメリカと言っているが、その肝心なアメリカがコンベアに変わったじゃないかと言うと、日本は日本だと、こう言う。これはまことに不見識きわまりないですよ。一体防空に日本的なものというのがありますか。アメリカ方式でも日本方式でも、防空を全うするということにおいては同じじゃないですか。総理が先ほどお認めになりましたように、用兵的な見地ということから考えていけば同じです。ただ地理的条件からアメリカのようには参りません、財政的な面からアメリカのようには参りませんという点はあっても、指向する方向は同じはずです。防空を全うしようと思えば。SAGEの問題でもそうです。それはアメリカのようには参りません。アメリカは非常に広大な地域で、しかも隣接してカナダという広大な地域を持っておりますから、非常にレーダーの第一線も縦深が深い。先の方でキャッチできるという特徴を持っておるでしょう。それこそアラスカの北端からグリーンランドに第一線を設け、カナダの中央に第二線を設け、カナダとアメリカの国境に第三線を設ける。これほど厳重にレーダー網を配置し、その間にまた重点的なものを配置している。洋上においてもしかり、哨戒機を出している。LSTを出している、あらゆる方法を講じて一分、一秒でも早く敵機の来襲をキャッチしようという体制をとっております。そうしてこのSEGEシステムによって、早くキャッチするだけではなく、ほとんどセミ・オートマチック——半自動的に指令を出せるような体制をとりつつある。予定個所全部二十九個所が、来年くらいには完成するのじゃないかと思われておる。日本で今すぐそういうことを望めないことは、私だってわかりますよ。わかるけれども、防空第一だとおっしゃるならば、それに近づけようという努力はなされるはずです。しかもロッキードをアメリカからきょう買ってきて、きょうから使われるというならば理屈は立つかもしれないけれども、完成するのは今から六年先じゃありませんか。それまでこういうシステムは全く顧みられないというのですか。ロッキードが出てきたころには、それこそこのSEGEシステムに近い形のものが、日本でもとられなくちゃならぬはずでしょう。そうするとそれに適合した飛行機が選ばれなくて、どうして防空ができますか。こういう点は総理も御研究にはなっておられると思いますけれども、用兵的見地から選ぶのならば、もっと真剣に考えていただきたい。今はSEGEと適合しようとすまいと、日本にそういうシステムがないのだからいいけれども、飛行機ができ上がるころまでも放置しておくというのではないのでしょう。BADGEシステムなんといっても、これでは不十分であることは御承知のはずです。改善しようということは前にも答弁されております。それと結びつかないような飛行機を選んで、防空が全うできますか。いかがですか、総理。
○岸国務大臣 アメリカで云々という問題につきましては、私ども今発表されておるところを見ますと、ロッキードの104Aがいわゆる防衛空軍から他の方へ転属されたと聞いております。Cはそうでない。また日本が今回採用しようという104C—Jというのは、いろいろ日本の要求に基づいて、現在あるCを改装する点がこの中にある。(「うそつけ」と呼ぶ者あり)うそじゃありませんよ。そういうことであり、またアメリカがコンベアの106をアメリカの防空上使うというのは、今石橋君のあげられたように、全体の防空の地理的立場及び防空体制というものが、日本とは非常に違っております。日本はそういうふうな深いレーダー網も何もありませんし、地理的にも困難であります。従って日本においては、迎撃機としての性格として上昇力及びスピードということが非常な大きな問題になることは、他のアメリカなんかとは違っている面があると思うのです。それからさらにこのSEGEシステムその他につきましては、私どもは将来これが十分に完成されるというようなことに対しましては、ロッキードの104C—Jにおいて、これに応ずるような装置なり何なりをしていくという考えに立っておるのであります。
○石橋(政)委員 まだ総理は専門家と称するお方々を信用し過ぎております。今おっしゃったことの中に、いろいろ矛盾があるのですよ。たとえば104Aと104と並べまして、今度第一線から退くのはAの方だ、Cの方はまだ当分使われるらしいとおっしゃいますけれども、生産はやはり両方ともやまっております。そうすると、運命というものははっきりしておるじゃありませんか。それからSAGEに適合しないのはAもCもございません。どちらも適合しない。そうしますと、全天候性を持たない、SAGEシステムに適合しないという条件で第一線からひかせるならば同じです。今かりにCの方はそういう運命になっておらなくても、早晩そういう運命になることははっきりしておる。この点も認識がちょっと違います。それから日本が国内生産するF104C—J、これは全然違うもののような御印象を持っておられるようでございますが、そうじゃございません。たとえばファイアー・コントロール・システムをナサールにかえて全天候性を持たせるとか、あるいは座席を上から飛び出すように改装するという意味では違うかもしれません。しかしそういう改装をすることがよくなるという保証はないのです。やってみなければわからないのですよ。いずれもこの飛行機の重量はふえるのです。ナサールにかえたり、あるいはシートを上から飛び出すように改装することによって、重量はふえるのです。今度このSAGEシステムに合うようにまた改装すればいいとおっしゃるが、これはもっともっと重量がふえます。そう簡単におっしゃいますけれども、ロッキードの104Cというものの形をごらんになったと思いますが、先はぴゅっととがっている。細い。ああいうものにそんなに重たいものをたくさん載せて、唯一の特長である上昇性能やスピードというものがそのままだということが、どうして考えられますか。これくらいのことは、総理はもうおわかりになると思います。今予定されている改装自体ですら、改装したらかえって性能が落ちるかもしれない。そこへ持ってきて、また改装したらいいというのは、子供だましです。そんな簡単なものじゃありません。この調査団に与えられました防衛庁長官の指示を見ましても、非常に重点を置いておるのは、武器体系上の適合性を実機について調査しろということです。ここのところですよ。何でもかんでもファイアー・コロトロール・システムはナサールがいいから、あれをはずしてきてこっちへつけかえよう、SAGEシステムに合うようにあれを持ってきてこっちにつけよう、そんなことで本来の性能というものがそのまま維持されるなんて考えたら大間違いです。その設計に一番適合したものを積んであるのですから、無理がいくのです。そういう御認識でおられては大へんです。この際もう一度白紙にお返しになったらどうです。ちょうど条件は、あの内定後の条件と同じになってきておるのです。一たび内定はしてみたけれども、その後いろいろ情勢が変わってきた。だから白紙還元して再調査した結果ロッキード、こうなったのだとおっしゃいましたが、今度また同様に重大な変化が現われてきているのですから、もう一回白紙還元されるべきですよ。そうしなければ、こんな莫大な金をかけて買いものをして、六年先にできてみたときにはまたスクラップ、こういうことでは国民に対して申しわけできません。この104Cがアメリカにおいて昨年一月に採用されたのです。第一線から引くのに二年もたないじゃありませんか。今からゆうゆうと六年先を目標に作ったその飛行機が役に立つなんて、ほんとうに信じておるとするならば、あまりにも国民を欺瞞し、侮辱するものだと考えますが、その点いかがですか。
○岸国務大臣 私どもは今回の決定に当たりましては、先ほど来申し上げるように、慎重にわれわれとしては最善を尽くしてやっております。今改装した上においてどういう性能になるかというようなことにつきましては、専門家をしてお答えさせます。
○石橋(政)委員 専門家にはいずれゆっくりお伺いします。時間をとるばかりで、委員長にせかされぬうちに話を進めたいと思います。 総理としては、あまり盲信されない方がいいと思うのです。もう少しみずから御検討、御研究なさるという心がまえでやるべきだと思う。どうしたって、調査するからにはその人の主観が入るわけですから、大局的な立場に立って公平に、公正に検討を加えていかなければ、大きなあやまちを犯すと考えておるので、今申し上げておるわけなのです。
○飛鳥田委員 ちょっと関連。今総理は、はずされたのはAだけだ、うそじゃありません、こういうふうに僕がヤジったのに対して答えられたのですが、私たちのところに入った情報によれば、F104AもCも全部エア・ディフェンス・コマンドから除外される、そうしてこの不要のF104の一部はタラワ島の基地に配置される、そうして残ったものは標的機として使用破壊されるというようなニュースが入っておる。F104Aだけしか除籍されないというような言い方をして、うそじゃありません、こう言っておられるのですが、調べてごらんなさい。もしCもエアディフェンス・コマンドから除外されるようになっておって、私の言うようにタラワ島に送られたり、あるいは標的機として使われこわされるようなことになったら、一体あなたはどうなさいますか。調べてごらんなさい。
○岸国務大臣 私の承知しておるところによれば、米国ではこのF104Aはエア・ディフェンス・コマンドに従来使用しておったのを、今度転属されたわけであって、F104Cはタクチカル・ディフェンス・コマンドに使用されておりまして、その通りちっとも変更がないと言っております。われわれの方として調べた結果はそういうことになっております。
○石橋(政)委員 今私どもが検討した結果、白紙還元を勧めたわけでありますが、結論として言えることは、やはり今度の場合も、アメリカがお古を払い下げたのじゃないかということです。自分の方でも使えなくなったので、一つそのお古を日本とかドイツとかいうところにお払い箱をしよう、こういう意図のもとになされておるのじゃないか。だから源田さんが来ても、もうこれは第一線から引かせようと思っておりますというようなことは言わない。そういう肝心なことは知らぬふりをしておる。ほんとうに日本のために、日本が十分に公正な見地から調査ができるようにしようと思えば、アメリカはそういう不利な情報でも出すはずですよ。出さないということは、不利なことは黙っておって、なるべくロッキードを勧めておけ、こういうふうな考えがあったとしか理解できません。そういうことで一体日本の防空を全うしようなどというようなおこがましいことを幾らおっしゃったってできるものか。できるとおっしゃるならば、その自信のあるところの防衛体制を説明して下さいよ。どうしてやるのか、レーダーの配置網はどうなるのか。一分、一秒を争うこういう時代に、なおかつSAGEシステムのないような、そういう飛行機だけで十年間も防衛ができるとあなたはほんとうに信じておられるのですか。あまりにも国民を愚弄するものだと私は思うのです。あとに質問される方がございますから私はこの辺でやめます。 これは別の問題ですが、一つだけ総理にお伺いしておきます。この間国会デモ事件がございました。私もつぶさにこれを見たのでございますが、あのときに自衛隊二百人の出動待機命令を出したということがジャパン・タイムスに出ておるのでありますが、この点総理は知っておられますか。
○岸国務大臣 そういう事実は全然ございません。
○石橋(政)委員 事実はございませんと言うが、それは総理は知らなかったということだと私は思います。
○岸国務大臣 こういう問題は総理が知らないわけがございません。私が全責任を持っております。従ってその事実はないということを私は明言いたしておきます。
○石橋(政)委員 私も総理が知らなかったら大へんだと思えばこそお伺いしたのであって、あなたは知らないとおっしゃいましたが、現に防衛庁においてはやっておるじゃありませんか。中園二佐を隊長とする二百名の庁舎警備隊というものに、待機命令を出しておるじゃありませんか。いかがですか。
○赤城国務大臣 これは大へん誤解があるようでございます。どこの庁でも省でも、そこに押し破られて入られるということがあれば、これは管理権に基づいて守らねばなりません。そういうことで防衛庁といたしましても、当該警備関係職員だけで庁舎を警備する——国会から防衛庁へ押しかけるということでございますから、庁内に入られては困りますので、庁内に勤務している職員に必要な警備に当たらせたので、出動の命令ということではありませんから、誤解でありますから御了承願います。
○石橋(政)委員 御了承してくれといったって、それでは防衛庁は自分のところを守るという名目で、制服の自衛隊の出動を勝手にしていいのですか。
○赤城国務大臣 これは制服ばかりではありませんで、庁内の警備に当たる職員を集めて警備しておったということです。だから大へん思い過ぎのようですが、そういうことはありません。
○石橋(政)委員 思い過ぎじゃございませんよ。日本の国内のいわゆる邦字新聞には出ておりませんけれども、英字新聞にはっきり出ておる。しかも現にこの警備隊はみんな制服ばかりじゃありませんか。あそこの下士官ばかりじゃありませんか。そういう者を、いかに防衛庁の庁舎の警備だという名目であろうとも、独断で出動させたり待機させたりすることができるとお考えになっているのか。庁舎の警備、その周辺の警備というのは、あくまでも警察官がやるべきじゃありませんか。制服が勝手にそんなことをしていいはずはありません。そういうことがあやまちを犯すもとを作るのです。おかしいですよ、それは。
○赤城国務大臣 石橋さんの言うことがおかしいので、出動を命じたのではないのです。やはり私どもは庁内の管理をすることが責任であります。当然庁内に暴徒が入るということであれば、これを排除するということは私どもの責任ですから、その責任を全うしなければ、これはかえってしかられると思います。
○石橋(政)委員 あなたは責任だとおっしゃいますけれども、それは防衛庁の庁舎を守る責任はありましょう。しかしそのためならば制服の自衛隊を使ってよろしいという根拠がどこにあるのですか。もしそういう事態になっておれば、おそらくあそこでもみ合いをするでしょう。そうして押したり押されたりするうちに、構内から外に出るでしょう。制服の自衛隊がやり合うという事態がもしあのとき発生しておれば、ただでは済まなかったと思うのです。あなたは責任だとおっしゃるが、制服の自衛隊員がそういうことをやってよろしいという法的根拠はどこにありますか。
○赤城国務大臣 それは自衛隊の隊に命令したわけではございませんで、庁内の管理権に基づいて庁内に勤務している者です。ですから制服とかなんとかいいますけれども、私らを除いてはみんな自衛隊の隊員です。隊員に管理権に基づいて命令をしたのは当然であります。
○石橋(政)委員 法的な根拠を私は明確にしてもらいたい。 〔発言する者多し〕
○福田委員長 静粛に願います。
○石橋(政)委員 今後の問題としては、そういうことができるというならば——今はあなたの言葉を信用して、普通庁内におる者だけによって編成したかもしれぬ。しかし今後はそういう名目のもとに、もっと精鋭をえりすぐって中に入れておくという方法が出てくるじゃありませんか。外から見てわかりますか。けじめがつきますか。そういうことが一体許されるのか。あやまって運用される、非常に重大な問題を引き起こす可能性のあるようなことをおやりになってよろしいのですか。よろしいというならば管理権なんていう抽象的なことを言わずに、自衛隊法の何条によってよろしい、こう答えて下さい。
○赤城国務大臣 自衛隊に出動を命令したわけではありませんから、そこを誤解のないように御承知願います。農林省でもあるいはその他でも庁舎の管理は中でやっております。その管理権に基づいて庁内の庁員に対して守るように待機をさせた、こういうことであります。
○石橋(政)委員 出動は幸いにしなかったわけですよ、平穏だったからですね。しかしほんとうに押しかけておれば出動しておるじゃありませんか。だから出動待機ですよ。正規の命令でないからいいなんていうので逃げたらまた大へんですよ。一般の場合でも正規の命令を出さぬで、内々内輪だけの話し合いか何かで、あまり表ざたにはできぬが、部隊は待機しておけといえば、正規ではないというのですか。命令ではない——自衛隊を動かすというようなことは、かりそめにも軽々にやるべきではないと私は思う。
○赤城国務大臣 だから先ほど申し上げますように、自衛隊を動かしたのではないのです。自衛隊を動かしたのではないということで御了承願います。
○石橋(政)委員 それでは押し問答になりますから、あとの質問者の関係もありますので、私はまたゆっくり質問をいたします。
○福田委員長 受田新吉君。
○受田委員 時間をなるべく短縮してお尋ねいたします。きょうから民社クラブの立場で質問をいたしますが、われわれは御承知のように民主主義、議会主義を中心の——あなた方ともできれば共通な広場を求めて政治運営をしたいと思っておりますが、根っこは厳たる社会主義政党です。従って保守党の長期にわたる金権政治の悪政にうんでおる国民中間層の支持をごっそりちょうだいして、自民の足元をゆさぶって、革新政権の樹立に邁進することを誓っておりますから、どうぞ総理もそのお覚悟で……。 昨日のワシントンの報道によると、アイゼンハワー大統領が久しぶりに日米安保条約の改定について談話を発表しております。その談話の中身に、岸総理が一月中にアメリカへ来て安保改定の調印をするという言明をしておるのでございますが、これは総理としてはっきり御承知に相なっておることかどうか、お答え願いたい。
○岸国務大臣 安保条約の改定の問題につきましては、外務大臣より中間報告をいたしましたように、大体その結論に近づいております。私は国会において十分御審議を願う意味において、通常国会のなるべく劈頭にこれを提案して批准を求めたいということをかねて申しておりました。そういう目途のもとに交渉を進めておりまして、大体結論に近づいておりますので、できるならばちょうど国会が休会中、通常国会の再開される間において調印を済ますことが適当であろうという考えを持っておることは事実であります。そうして私自身がその際に訪米するかどうかということにつきましては、なおいろいろな点を検討いたしておる最中でございまして、まだ決定はいたしておりません。
○受田委員 アイゼンハワー大統領は、岸総理はワンマンである、尊敬すべき指導者であるが、ワンマンであるので非常に期待をしているということを言っておられておって、あなたに対する期待は非常に大きなものがあるようです。従って一月中にあなたとワシントンで調印をしたいという気持を表明いたしておるのでございますけれども、あなたに全然御連絡がなくて、向こうの御都合でこれが決定されるということになると、これはアイゼンハワー大統領としては越権であると思うのですが、あなたの自主的な立場で向こうに行かれるのですか、あるいはアイゼンハワーの招請によって行かれるのでありますか。
○岸国務大臣 行くとすればもちろん私の方から、私の自主的な決定によって行く。しかしながら同時に、行く以上はアイゼンハワー大統領と会見をする時間を持たなければなりませんから、向こうの都合も聞かなければならぬと思います。いろいろそういう点も検討をいたしておるわけでございます。
○受田委員 あなたの渡米される時期は一月中旬と見られておるようでございますが、これはさよう心得てよろしゅうございますか。
○岸国務大臣 先ほど申し上げましたように、私が渡米するとすれば国会の休会中でないと——国会開会のときはそういうことはできないと思います。そうしますと大体その時期を考えますと、一月の中旬がちょうど国会の休会中でございますことを考えれば、その時期にそれを行ないたいということでございます。
○受田委員 自民党の中も百家争鳴といいますか、いろいろ御意見があって十カ条にわたる案文を批判的に見る人々も相当あるわけなんです。従ってもしあなたがたといワンマンぶりを発揮されて一応党内をまとめていかれたとしても、後になって一部修正の動議などが出るかもしれません。そういう場合にもし国会で憲法七十三条の承認を得られなかった場合——全面的にいれられない場合もあろうし、一部いれられない場合もあろうと思うのでございますが、そういう場合、その事態に直面したときにはどういう御処置をおとりになるのか、これも一つお答えを願いたい。
○岸国務大臣 これは条約を政府が調印をいたします以上は、これをぜひ国会において批准をしていただき、これを通過せしめるため全力をあげて努力をすべきものでありまして、私ども今調印が済んだ後においてこれが批准をされなかったり、あるいは一部修正を受けるようなことがあるとは実は全然予想しておりません。党内において百家争鳴ということをお話でありますけれども、この問題に関しましては十分論議を尽くして党議を決定をいたしております。私がワンマンで云々というお話がありますが、決してそういうことではなしに、党は民社クラブと同様に民主主義の原則に従って、それぞれの機関において十分論議してこれを決定いたしておりますので、私はその点については実は何らの懸念も持っておらないのであります。
○受田委員 人間の集団の政党であります。ときにどういう事態が起こるかもしれません。これは不測の事態が起こることをやはり考えておかなければならないわけです。そういう場合に、あなたが調印をされて帰られた。しかしながら党内においては一旗組があなたを攻撃するために一部修正の動議を出したというような場合、これを全然予想しないなどということでなくて、そういう場合も考えておかなければならないと思うのです。これは人間でございますからね。そういう場合に、たとい一部修正という動議でも——はなはだやわらかいけれども、しかし調印された結論とは違った部分ができるのでございますから、そういう部分を含めてあなたがどういう御処置をおとりになるかをお尋ねしておるわけです。
○岸国務大臣 実はお話のようにそういうことがあってはならぬのでありまして、従って私ども長い間党内においていろいろと各方面から意見を出し、論議をしてきたのであります。それが外から見ますと百家争鳴というふうに言われておるのでございますが、私どもはそういう論議を十分に尽くして、もはや党としてはこれでいくのだという結論を得ておりますので、そういうことはないと思います。
○受田委員 ないと思うという御期待はあなたの御期待であって、一般的に見た場合にそういう不測の事態を考えなければならないと思うのです。不測の事態が発生をした場合の御措置をお尋ねしておるわけなんです。
○岸国務大臣 どうもむずかしいお尋ねですが、不測の場合に処するのには不測の処断でいくよりほかない。今からあらかじめ不測の場合をきめてかかるというわけにはいかぬと思います。しかし私ははっきり申し上げておきますが、政府の責任においてこの重大な問題を決定し、与党であるところの自由民主党、国民の最大多数の支持を受けておるこの政党を私は同時に主宰をいたしておりまして、党内の意見を調整し、政府与党責任を持ってこれに調印するわけでありますから、この決意だけは一つおくみ取り願いたいと思います。
○受田委員 決意を承っていることは私も了承しているわけです。しかしながらそうした事態を考えた場合にその責任はどうなるか、これは林さんもおられることでありますが、調印をやった、帰って承認を受けなかったという場合に責任問題はどういう形に進みますか。国際的な信用の問題にも関しましょうし、内閣の総辞職論という問題も起こりましょうが、そういう場合の責任処理の問題として考えられる幾つかを、あなたにお答えをしていただかなければならぬ。それは政治家の責任だと思うのです。
○岸国務大臣 今申しますように、私が全責任を持って政府与党の首脳として調印をするということを申しておりますから、それに対する一切の政治責任は、私が最後の責任は負うつもりでおります。
○受田委員 私はこれはまたあらためてこの問題を中心の討議がされると思いますので、その際に譲りますが、ただ一部修正という場合があり得ると思う。この場合いかなる措置になりますか。
○岸国務大臣 要するにこれは調印を批准する。この批准の内容において、法律と違って、全面的にこれは反対という場合もありましょう。あるいは内容の一部においてこれに反対だという場合でも、それは批准しないということであって、批准しないことの効果は同じである。国会においてこの調印した条約を修正するということは私はないだろうと思います。
○林(修)政府委員 その点ちょっと私からお答えさせていただきたいのでございますが、条約は御承知の通りに国会の承認を求めることでございます。締結権は実は内閣にあるわけでございます。それについて今後条約を発効させる、つまり批准をすることの可否を国会に御承認を願っておる。そういう意味におきまして、いわゆる立法作用とは違ったものだと思うわけでございまして、考え方といたしましては、これは全部承認イエス、またはノーというお返事が出てくるべきものだと思います。条約によりましては、可分の条約と申しますか、二つに分け得るような条約もございましょう。そういう場合には、一方を承認し一方を承認しないというような、いわゆる修正承認と申しますか、そういう形もないとは考えられませんけれども、条約というものはイエスまたはノーできまるべきものだ、一部でも不満があれば、これはおそらく国会としてはノーという御結論が出るべきものだ、そういうふうに考えております。
○受田委員 総理はその点御認識が不足でおられる。一部の場合も含むのだということでございまして、もうイエスかノーかしかないのだということでありますから、どちらにしても一部、たとえば十カ条の中の事前協議規定のところをちょっと直しても、それはもうノーということになるという決意をあなたは持っておらなければならぬ。だから、自民党内部にごく一部の修正を要求しておる皆さんが今までおるのですから、その部分の意見調整が行なわれなかった場合の危険は多分にひそんでおる。ここも一つ含んでお覚悟を願っておかなければならぬと思うのです。 私は次に今のFXの問題に触れますが、源田さんもおられるので源田さんにも一言だけお答え願いたい。岸さんは、昭和三十二年にアイゼンハワーと共同声明をされた際に、全面戦争の危険は薄らいだというふうに言われておる。しかし今後の予測される戦争の規模は、全面戦争も考えられるし、核戦争も考えられると思う。核戦争の場合に、次期戦闘機として決定されたこのロッキードがどのような役割を果たし得るか、御答弁を願いたいと思います。
○岸国務大臣 戦術上の問題については、これは専門の者からお答えいたすべきことだと思いますが、われわれこの次期戦闘機をきめる前におきまして、ミサイルと有人機との機能なり目的なりが違っておるということは十分承知しておるのであります。一切それでは有人機が要らないかというと、現実に各国の飛行機の状況を見ましても、決してミサイルだけにたよっている、爆撃機もあるいは戦闘機も全部その他の有人機をなくするというような状況になっておらぬことは、受田委員御承知の通りであります。われわれの次期戦闘機のなには要撃機として、また有人機としての機能を持っておるわけでありまして、ICBMとかIRBMとかいうようなものによって、長距離のミサイルによる攻撃というものに対しては、直接にこれをどうこうするということは私はできないものだと思っております。なおそういう技術的のことについては源田空幕長よりお答えいたさせます。
○源田説明員 F104の核戦争の場合の役割と申しますと、これは核戦争が全面戦争とか、あるいは局部戦争であるとかいうようなことによって若干異なると思います。しかしながら本質的にF104Cというのは日本にやってくる有人爆撃機を対象といたします。従ってそれは核を持つ持たないにかかわらず、有人爆撃機を対象とするのでありまして、いわゆる核弾頭をつけた弾道弾というようなものは、この戦闘機によっては阻止できません。
○受田委員 核装備をせる大型攻撃兵器の攻撃に対しての戦術上の問題でございますが、この次期戦闘機は阻止の役に立たないということも考えられます。その通りですね。
○源田説明員 私は弾道弾、いわゆるICBMとかIRBMとかいうものに対してこれは使えないというのでありまして、いわゆる有人爆撃機に対してはこれが十分役に立つ、こういう工合に考えております。
○受田委員 有人爆撃機が核弾頭をつけてきた場合に、これに対して核弾頭を付せざる次期戦闘機がこれを攻撃する場合に勝負になりますか。
○源田説明員 爆撃機が持っております核兵器は地上に対して効果を発揮するのでありまして、要撃する戦闘機には効果を発揮しません。従って要撃する戦闘機の価値としましては、相手が核兵器を持っておろうが、あるいは通常の兵器を持っておろうが、その効果には相違はないものと思います。
○受田委員 核弾頭を有する大型爆撃機に対しては何ら支障なくこれを攻撃することができる。そうしますとその被害は、その戦闘機は受けないけれども、地上は非常な被害を受けるということになる場合がありますね。どうですか。
○源田説明員 その爆撃機を阻止できれば、被害は受けないで済みます。阻止できなくて爆弾を投下されれば、地上は当然被害を受けます。
○受田委員 その問題はその通りなんですが、あなたは、今度あなたが御決定になった有人機のロッキードで、その攻撃を加える大爆撃機に対して、途中で海上でこれを要撃して打ち落とすことができるという自信があるわけなんですか。
○源田説明員 これはこの104が今のところ最良であると思います。実際百パーセント全部できるかということは、私が今ここで言ったところで、実際の場合にそれがいかなかったら、これは大うそを言ったことになります。しかし今われわれが考え得る飛行機のうちでこれが最良である。そうして将来これにしかるべき——現在はまだいっていませんが、将来しかるべき地上の施設をやっていったならば、相当有効に使えるというように考えております。
○受田委員 総理に対して時間がないので、源田さんにはまたあらためてお伺いしますが、核戦争の場合に、今の次期戦闘機は大した効力を発揮し得ない見通しはついているわけです。今自信を持ってやるということをおっしゃっていない。単機で来た場合は別ですが、編隊攻撃を加えたような場合に、この次期戦闘機の能力というものには限界がある。いわんやIRBMのような大型のものがやってきた場合は、爆撃機でない弾道弾兵器が来た場合には、てんで話にならぬと言っておる。そういうようなものを今の時代に用意するという可否の問題が起こってくる。同時に核戦争の行なわれたときには、戦闘機などが大した役割を果たさないということになるならば、有人機の無用論ということもそこから生まれてくると思う。あなたは核戦争の場合を想定して核武装しないと声明されておる。しかしながらその幼稚な兵器をこちらが用意しただけで、防衛の任務が果たせるとお考えになると大へんなことなのです。核戦争の場合において、日本の非核武装の自衛隊をもってしては問題にならぬ力しか発揮できないということが言えるじゃありませんか。
○岸国務大臣 先ほどお答えしたように、今日すべてのものが弾道弾兵器とか、そういうものに変わっていっているわけではありませんで、やはり各国はいろいろなものを持っております。日本の防衛を全うするためには、これに対応するところの要撃機を必要とすることは私は当然だと思います。またそういう弾道弾や何かの方法に対しましてどういう処置をすべきかということは、これは別途に考えるべきものであって、有人機たる戦闘機が不必要だということは、一切の国々が爆撃機という飛行機を用いて他国を侵略したり、爆撃したりすることがなくなっていくという事実が起こってくれば、そういうことは言えるかと思いますが、世界の大勢はなお有人機の存在の必要を認められておるし、それからまた日本の防衛のなににつきましても、要撃機だけではなしに、ミサイルの地対空の問題につきましても、別途これと並行して考えられていかなければならぬ。しかしいかなる場合におきましても、爆発のなにとして核兵器、核武装はしないということは、これは日本の信念であり、その範囲内において最高のことをやっていくというのが私どもの考え方であります。
○受田委員 総理はかねて、核武装せる敵の攻撃を受けた場合には、非核武装の日本の自衛隊は壊滅する場合があってもやむを得ないということを言われたことがあると私は思う。そういう幼稚な日本の自衛隊であるというときに、有人機のようなものを多額の金を用意して作ることの可否が問題になってくると思うのです。そのことを私は今お尋ねしておるわけです。 私は総理にもう一つこれに関係してお尋ねしておきたいのですが、今度の次期戦闘機はアメリカと何かかたい約束があるのですか。
○岸国務大臣 そんなアメリカとの間の約束ということはございません。われわれは、われわれが自主的に国力及び国情に応じて漸増するというなにに基づいて計画を定めて、それを遂行しているわけであります。
○受田委員 そうしますと、白紙還元してもアメリカに対して何ら気がねはないわけですね。
○岸国務大臣 もちろん自主的にわれわれがきめる問題であります。
○受田委員 はなはだ自由な立場で白紙還元ができる基礎ができておるようですから、私はもう一つこれに続いてお尋ねを申し上げます。日本の国の防衛庁の技術陣営というのは、一体どのようなことをしているのか。アメリカの古物を一々もらってそれを使用しなければならないような貧弱なものか。日本自身で考えて、日本自身の国情に合い、国力に合ったような形のものが作れる段階ではないのか。一々アメリカのお指図を受けなければ日本の自衛隊の兵器はできないのか。そんな貧弱な自衛隊の技術陣であるかどうかをお答え願いたい。哀れな技術陣なら技術陣とはっきり言っていただきたい。
○赤城国務大臣 非常にりっぱな技術陣を持っておりまして、技術研究本部におきましては、御承知のようにミサイル等につきましても、日本独自の開発を研究しております。それから今お話がありましたが、これはアメリカの古物ではありません。有人機では、アメリカでも一番性能のよい飛行機なのです。それを日本の技術陣がさらによくして、日本に適するようにしてやろうということでありますので、技術陣は、相当りっぱな技術陣を持っております。
○受田委員 アメリカのでき上がった古物をもらってきてそれに手を加えるようなことをしないで、日本自身の力で適当な計画を立てておやりになる方が、日本の自主性を尊重する上からも大事なことではありませんか。こういう次期戦闘機問題などを一々論議するのが、アメリカの支配下に属するような印象を与えたり、アメリカに気がねをしているような印象を与えたりする。その疑惑を一掃するためにも、日本自身の力でやるように考えた方がいいのじゃないですか。白紙還元をして、日本の技術陣を動員して次期戦闘機を考えたいというようなことにでもなさったらいかがですか。
○赤城国務大臣 それは一つのりっぱな御説だと思いますが、やはり戦闘機等につきましては、アメリカが非常に研究をして開発されておりますから、その開発されたものを土台として研究を進めていくというのが、現在の日本としては一番適当だと思います。これは日本ばかりではありません。西ドイツでもカナダでもスイスでも、そういう例はたくさんあります。それからもう一つは、技術陣は非常にりっぱな技術陣を持っていますけれども、やはり日本で初めからやるということになると、財政的の関係もございます。防衛予算をうんと出してそういう技術陣をやってもよいということでありましたならば、また一つの考え方でありますが、そういう制約もありますので、やはり開発されたものを土台として、それをなお日本で開発をする、それが現在の段階としては適当であろうというふうに考えております。
○受田委員 予算の問題が出ておりますが、今度の次期戦闘機を決定する際には、幾ら金がかかるかもわからないできめておられる。行政事務の中で、金が幾らかかるかわからないで行政事務が行なわれたことがありますか。非常に危険なことですね。国民の負担を多からしむるような、そういう財政上の問題が解決されないままで行政決定するということは、重大な問題だと思います。お答えを願いたい。
○赤城国務大臣 決して財政的の問題をネグレクトしてきめておるわけではありません。国防会議におきましても、各機種等につきまして、価格や財政計画等を十分検討した上できめたのであります。ただ最終的な価格は、現在交渉中でありまして、少しでも安くしたいと思っておりますから、まだ申し上げる段階には至っておりませんけれども、これはぜひ安くしたいということで目下折衝中でございます。
○受田委員 そのことが問題になるわけですが、価格はあまりにも大きい開きで結論が出る場合が起こってきておる。今度も私はそういうことを予測して心配しているのです。ほんとうにわずかのことなら別ですよ。非常な開きを持った場合に、一体国民負担を前提とする価格決定に、政府は忠実であったと言えますか。
○赤城国務大臣 非常に忠実にその作業を進めているわけでございます。
○受田委員 最初予想した価格と決定される価格との間には、大した開きはないとお考えですか。
○赤城国務大臣 データとして使ったものよりも相当安くなる見込みで、今折衝中であります。
○受田委員 総理に一つ、あなたは現在、在日米軍がロッキードを使用しておるとお考えですか、どうですか。
○岸国務大臣 正確なことは私承知いたしておりませんので、係の方からお答えをさせます。
○源田説明員 在日米軍は、コンベアの102というのを一部使っております。
○受田委員 日米の共同作戦の場合に、あちらの用いる飛行機とこちらの用いる飛行機は、できるだけ同じものがいいとお考えですか。その分は別で作戦を考えても差しつかえないとお考えですか。
○源田説明員 共同作戦を前提とした場合、同じような飛行機がいいと思います。しかしながら今アメリカで逐次転換しつつあるF102というのは、このF104に比べたらはるかに低い性能を持っております。従ってこれと同じにするということは、われわれは希望いたしません。
○受田委員 将来アメリカがコンベアを採用して、在日米軍にもこのコンベアが用いられるということが考えられるわけです。そういうときにできるだけ——こっちのものがいいという意見が今出たのですが、もうすでに向こうはコンベアに転換することをはっきりさしておる。この段階に日本では依然として昔使ったロッキードを用いるというやり方は、総理大臣、あなたとしてもどうも気まずい思いをなさるのではないかと思うのですが、いかがですか。
○岸国務大臣 ロッキードのF104C—Jというものをきめましたのは、先ほど来いろいろ論議がありましたように、これが日本の防空に最も適している性能を持っておるという見地から、これを採用したのであります。私はアメリカの空軍がどういうものを使いましても、日本自身としてはこれが最も適当であるという確信については、変わりがございません。
○受田委員 最後にあなたに念を押しておきたいことがあるのですが、幸いにあなたは、昨年の国防会議の内定から白紙還元決定に至る一連の過程において、引き続き国防会議の議長をお勤めになったのですね。ところがあとの責任の地位にある方々はほとんど変わっておられます。そうするとこの内定から白紙還元、ロッキードへの新転換、こういう一連の転換において政治的責任の起こった場合に、その責任の焦点に立たれ、最高の責任を負われるべきものは議長である岸さんということになるのではありませんか。
○岸国務大臣 そうだと思います。
○受田委員 そうしますと、軽率に内定したということをここで繰り返し発言されておる。防衛庁長官も発言されておる。そして白紙還元からロッキードに変わったということについて、その間に国民に大へんな疑惑を与えておる。あなたは今度の予算に間に合わしたいから急いだと言われておるけれども、去年防衛庁では、昨年の予算の中に入れたいということで大へんな急ぎ方をされたのですね。そういう防衛計画に支障を与えたわけです。そして防衛産業の航空機工業の上にも支障を与えておるのです。国民には非常な疑惑を与えておる。こういう問題が起こっておる。同時にこの問題に関連して、国民の世論が批判的であったからという外部の政治的情勢ということも、あなたは考慮されたと思うのです。そうした場合に、内定をされたときの決意が外部事情で変わってきたというような要素も取り入れた場合に、あなた御自身としては、政治家として、議長として、内定された責任が遂行されないということになる。責任なしとお考えでしょうか。
○岸国務大臣 私は軽率に内定したということを申し上げたことはないと思います。当時のわれわれが入手と得るあらゆる資料に基づいて、内定をいたしたのであります。私はその内定が、内定した当時におけるわれわれの持っておる調査資料その他によりましてこれを内定したことについて、誤まりがあったとは思っておりません。内定であって、しかしながら決定ではなかったのであります。ということには、とにかくまだ開発されておちない。まだテストされておらない部分もありますので、いろいろな点において、さらに正確なものをなにして、最後の決定をすべきものであるという考え方に立っておったのであります。ところがその後においてロッキード104Cというようなものが開発をされますし、また諸外国におきましてもなにするというような、いろいろな国際情勢もあり、またこの問題については、私どもは初めから大事な、非常に大きな予算を要するものでありますから、慎重に扱って、十分に検討していく。それにはやはり最後においては実際の飛行機ができ上がったときにこれを乗りこなして、それの機能を発揮するところの操縦者が行って乗って、そうしてこれを調べるというような慎重な態度によって、最後の決定をすることが必要であるということで、私どもはこの間においてのなににつきまして、何か誤まりがあったというような意味であるとか、あるいは外の勢力に侵された云々で責任をとれと言われるというようなことについては、一切そうは考えておりません。
○受田委員 あなたはそうするとこの国会で、各委員会でこの問題が提案されて討議され、国民もまたなぞの戦闘機として批判の声を送ったということに対しては、全然それは問題にしていないわけですね。そうして白紙還元なさったのですか。外部の声には全然耳をかさなかったとおっしゃるわけですか。
○岸国務大臣 白紙還元したときの事情につきましては、もちろん私ども国会内における議論というものを全然無視するというようなことは、これは許されないことであります。論議も、それはもちろんわれわれは傾聴すべきものは傾聴し、われわれが十分納得せしめ、われわれの所信を明らかにするという点において足らざる点があるならば、正していくというふうに努めていかなければならぬことでありますから、当然それは国会における論議であるとかあるいは国民の世論であるとかいうものに対しては、われわれはそれが間違っておると思えば、われわれの所信を十分納得せしめるように努力すべきものである、また傾聴すべきものがあればこれを聞き入れるということは、私は民主政治の政治家として当然考えなければならぬことだと思います。
○受田委員 そうしますと世論を尊重し、耳を傾けるものがあれば考えるということになれば、決定された場合といえども考えることができますか。考え方としてはどうですか。
○岸国務大臣 もちろん決定をしたら一切決定は動かせないという問題ではないと私は思います。もちろん国会できめられた法律であっても、後にこれを修正され、または変更されるということはあり得るのですから、いろいろな国家機関できめましたことであっても、これが間違っておるということであれば、それは決定を変えなければならぬということは起こってくる、これは当然なことであります。
○受田委員 そうすると決定を変えることも可能であるという問題について一応お尋ねしますが、そこに源田さんがおられるのです。この源田さんは、この間ここで御答弁された中に、私は乗ってみなければ自信がないということを言うたが、防衛庁が最後にきめられたらそれに従うのだと言って従われた、こういうわけです。国防会議の構成法の第六条に、関係国務大臣やその他の関係者を緊急の必要によっては列席さして意見を述べさせることができるという規定があるわけですが、そういう重大な内定を昨年あなたがされたとき、パイロットとしては戦前戦後を通じてピカ一であろうという名源田空幕長が、当時航空総隊司令としておられたのですから、この人も一つ意見を持った人として、おやめになった佐薙空幕長の独断を押える措置をおとりになるべきではなかったでしょうか。せっかくこの六条にこういうりっぱな規定があるのですから、できるだけ議員の皆さんが審議をする材料として、公正を期したいという努力をされる点において欠けておったのじゃないでしょうか。
○岸国務大臣 昨年の四月のなにはあくまでも内定でございまして、決定をしたわけではございません。従ってあるいは決定する場合におきましては、今回われわれがとりましたように、現実にこの飛行機に搭乗し、操縦してみて、その性能というものをはっきり体験してきめるということが適当だったかとも思いますが、当時のなにではそれができ得ない。まだ開発が十分いっておりませんし、現実に各種の飛行機につきましても、そういうことのできない状況であったわけであります。しかしながら私どもは今回のなににおきましては、そのなには十分尽くして決定をいたしたことでありまして、さっき形式的に決定したことを変更するということができないということはないということを申し上げましたが、国防会議の今回のこの決定は、私は今これを変更するとか決定を取り消すというような考えは毛頭持っておらないということをつけ加えて申し上げておきます。
○受田委員 今回のものは毛頭そういう考えはないわけですか。それはまた大事な問題ですから、これは白紙還元をしてもらうために、われわれからも世論を聞いていただかなければならぬのですが、あなたとしては決定はまた世論などを尊重して考え直すこともあり得るのだというこの原則は、このたびについてはどのような場合といえどもやり直さないのだということなんですか。あるいはいろいろと研究の結果、これを白紙に返す場合も起こり得る情勢がわいた場合にはどうしますか。どのような場合でもこれを拒否するという御決意ですか。
○岸国務大臣 先ほど来受田委員は、私どもが全然予想しないことを一つの仮定として、その場合にどうするかというお話でありますけれども、私が先ほど来申し上げておるのは、ただ形式的に決定したことだから、もう動かすことはできないというようなことは申しません。しかしながら今回機種を決定するにあたっては、われわれは最善を尽くして十分な確信を持って決定をしておることでありますから、これを今変更するところの考えは毛頭持っておらないということを申し上げたのであります。
○受田委員 現状においては……。将来は考えることがあり得るということになるわけですか。
○岸国務大臣 私は、私自身がこれを決定し、また国防会議の議員がきめることにおきましては、現在のみならず、将来に向かっても十分な確信を持って決定しているものだということで申し上げておる。しかしあなたのおっしゃるように、そんなことを言ったって不測の全然想像できぬようなことが起こるかもしれぬじゃないか、そのときどうするのだというようなお話になりますと、私は今そういうことは考えておらないということを申し上げます。
○受田委員 源田さんがおられますが、源田さんは佐薙空幕長の御意見にも個人的には反対だった。左藤前長官の御意見にも反対で、乗ってみなければ自信がないということを言われたのですね。しかし一たびきまれば省議に従う、こういうことを言われたわけです。それはだれが見ても源田さんのような名パイロットはおらぬといわれる人が言うておられるのですから、内定が慎重を欠いたということは言えるわけです。操縦していなかったということに対して慎重を欠いている、それは言えますね。
○岸国務大臣 先ほどお答え申し上げましたように、私はあの当時のなには、そういうことも考えて内定ということで、決定でなかったところに国防会議としては非常な慎重さをもって臨んだ。もしあのときに決定をしておるということであれば、今受田委員のお話のような議論が出ると思う。しかし内定というものはそういうことも考えて、決定は後に延ばすといったところに、その慎重なる考慮があったと思っております。
○受田委員 あなたは内定と決定をはかりにかけて、内定というものは大したものじゃない、アドバルーンを上げるのだという意味にとられております。しかしそのことから防衛庁は詐欺にかかったのです。一年間一生懸命やったのです。その間に今回の決定に関して防衛局長も責任を負うというような決意をされたとも聞いておるわけです。しかしながらあなたは在任二年有余の間に、防衛庁の長官を小滝さんから津島さん、左藤さん、伊能さん、赤城さんと五人もかえられたわけです。防衛庁長官としての責任がはなはだあいまいになってきているわけです。だからそのときの大臣をかえておけば、内定の責任などというものはどこかへ消えてしまうといったようなことになってしまうのです。そうして内局の皆さんだって、ほかの省に適当にかわられる傾向がある。だからこの責任問題が非常にあいまいになってくる。内定して一年間作業にかかって、そして次の航空機工業生産の方も構想を持って進んでおったものを、ぺちゃんこにされてきておる立場からいったならば、防衛庁の立場は大へんなものだと思うのです。内定というものは簡単なものじゃなかったのですよ。軽い内定というお考えですが、内定というものには相当の制約を受ける背景があるということをお考えですか。
○岸国務大臣 私は内定を非常に軽く見ているというのではありませんが、しかし決定と内定というものを比べてごらんになれば、そこに意義がおのずから違っておる。まだ内定をした当時においては、いろいろな不確定な分子もありますし、なおいろいろな点において検討を要する点があるから、そういうものを前提として内定をした。ある一つの具体的な機種を内定しないというと、そういう具体的のデータを入手し、もしくは検討することが不可能であり、もしくは非常な不便があるということをおもんぱかって内定をしたわけであります。決して私はそれを軽く見ているとか、だからそれは平気で変えていいのだというような考え方ではもちろんございません。
○受田委員 源田さんのような名パイロットをその場に呼んで意見を聞くというような点の慎重を期することができなかった、これはいかがお考えですか。
○岸国務大臣 おそらく源田氏を呼んでも、飛行機がまだできておらなかったのですから、幾ら名パイロットでもまだ乗るわけにはいかないと私は思います。従ってそのときはむしろ源田君の意見を聞くよりも、いろいろなデータについて当たるということのほか仕方がなかったと思います。その後における開発状況や現実のものからいいまして、いよいよ最後の決定をするについては、それが内定にとらわれて決定するということではいかぬから、白紙に還元して、そして名パイロットに乗ってもらって、あらゆる点から検討してもらい、結論を得る、こういう態度に出たわけであります。
○受田委員 乗ってみなければわからないのだから、源田さんがおってもそのときはだめだ、そういう軽率な内定をしたわけなんですね。とんでもない内定です。私はこれには驚き入ったです、そういう無責任な内定をして。その当時の議長であられた岸さんがこれを検討してくれというならいいけれども、内定しておいて防衛庁に準備さして、一年たって白紙還元をして、それから今度また新しいものをきめるというようなやり方は、政治家としてはなはだずるいやり方だと私は思うのです。それをこの間においては自分は何ら政治的な責任を感じない、毛頭私は責任を感じないという——国民がこれに疑惑を持ち、いろいろ国会で討議され、防衛庁関係では内局の各位は苦労しておって、辞職でもしようかというような責任を感じておるときに、一連の会議において終始議長を勤められた岸さんは、何ら政治的責任をお感じになりませんか。
○岸国務大臣 この機種の決定に関します過去のずっととってきたところの経緯につきまして、これに関係したところの人々が何らかの意味において責任をとらなければならぬような間違ったことは一切ないということを私は確信しております。従って今お話のように、何かこれについて政治的責任を感じてどうしろというようなことにつきましては、私は責任を感じておらないということを申し上げるほかないのであります。
○受田委員 防衛庁長官を二年間に五人もおかえになるということは、防衛庁の仕事というものは半年か三カ月でできるような簡単なものだから差しつかえないのだという、総理としてのお考えがあるわけですね。
○岸国務大臣 防衛庁長官のみならず、各国務大臣の地位をそう簡単にかえるということは、これは私は適当でないと思います。しかし同時にこれはやはりいろいろな広い政治的の見地からかえなければならぬような事態も起こってくると思いますが、なるべくどの行政長官も、特に防衛庁長官は御指摘のように重大ななにを持っておりますから、その選任なりあるいは更迭ということは、慎重の上にも慎重にすべきものであるという受田委員のお考えは、私も同感でございます。
○福田委員長 受田君、もう食事の時間も過ぎており、時間のあれがありますから……。
○受田委員 これで終わります。もし前の伊能さんがその任におられたら、とても長官としての答弁はできませんよ。幸い赤城さんが交代しておられるから、平然として答弁しておられるのですが、前任者がそのまま続いて、津島さん、伊能さんが続いてやっておったとしたら、防衛庁長官は勤まりませんよ。責任の所在はきわめてはっきりしてくるのです。あなたは平然としておられるが、総理であるあなたは議長を長くお勤めになられて、下僚の者に、適当に長官を交代させて涼しい顔をしておられるけれども、責任の所在、政治責任の所在、行政責任の所在というものだけははっきりしておかぬと、責任政治を主張されるあなたとしては筋が通らぬと思うのです。何らかの意味における責任の所在をはっきりすべきじゃないですか。
○岸国務大臣 その点は先ほどから申し上げている通り、国防会議の問題につきましては国防会議議長として私は全責任を負うております。また国政全体について内閣総理大臣としての責任を私が持っておることにつきましては、これは決して責任の所在が不明確であるという問題ではない。きわめて明確な問題で、私は責任を負っております。
○受田委員 長官が続いておったらどうしますか。
○岸国務大臣 続いておりましても、国防会議の問題につきましては私が全責任を持ちます。
○受田委員 それではこれで質問を終わります。
○福田委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時二十七分散会