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33回国会衆議院1959/12/23

懲罰委員会 第4号

発言数
151
登壇者
10
会派数
2
開催日
1959/12/23

会議録

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員長 これより会議を開きます。  議員淺沼稻次郎君懲罰事犯の件、議員岡田春夫君懲罰事犯の件、議員柏正男君懲罰事犯の件及び議員小林進君懲罰事犯の件を一括議題といたします。  本人淺沼稻次郎君・同岡田春夫君、同柏正男君及び同小林進君が御出席になりましたので、これより四君から一身上の弁明を求めることといたします。岡田春夫君。

岡田春夫日本社会党

○岡田議員 私は、この機会に、真実に照らして一身上の弁明をいたしたいと思います。  私の今日の心境は、みずからの責任を他に転嫁したり、あるいは弁解しようという未練がましい意図を持って行なうことではないことを先に明確にいたしておきます。各位の冷静、かつ、厳正なる御判断を私は期待をいたす次第であります。  そこで、私の最初に述べたいことは、去る十一月二十七日の問題について、重要な点で誤認があるということであります。しかも、その誤認が、あたかも真相であるかのごとくに伝えられていることは遺憾に思いますので、私が、以下、最初に述べて参ります事実関係は、私の知っている限りで真実であり、また、必要があれば、その真実性を立証することもできることを冒頭に明らかにいたしておきます。  十一月二十七日の当日は、午後四時十分前ごろチャペル・センター前に集まっていた多くの請願者の中から、議長に面会するための代表者三十名が選ばれ、その案内に社会党の議員団が当たるように指示を受けました。私は、同日正午の社会党議員総会において、衆議院議長がすでに請願者の代表三十名に対しては会見することを承諾していると聞いておりましたので、その指示のありました直後、二十数名の社会党衆参両院議員及び三十名の請願者代表とともに、衆議院の正門前に集合をいたしました。ところが、そのとき、十数名と思われる衛視たちが急に正門のとびらを閉じ、衛視の一人が「議長と面会することは、自分も知っております、だが、そのためには左側の道路を回って議員面会所に行ってもらいたい」と述べました。しかし、付近の状況は、すでに警察官や警視庁の装甲車などで左側の道路は遮断され、裏側にある議員面会所まで回ることはとうてい不可能であると判断される状況でありました。その判断は、私一人だけの判断でなかったように思います。そこで、私は、衛視に対して「議長の承諾を得てあるから直ちに門をあけろ、国会議員も一緒に入るから大丈夫だ、直ちにあけろ」と言ったところ、門は開かれました。そして衆参両院議員及び請願者代表は入りまじって中に入り、門は再び閉じられたのであります。中に入った衆参両院議員及び請願者代表たちは、自然に二列ないし三列の隊伍に組まれ、舗装された通路を衆議院玄関方向に向かって進んで参りますと、先方から警務部の一幹部が現われて、先頭の列にいた私に対して、「議長に御面会の方たちですか」と尋ねましたので、私は「そうだ」と答えました。すると、その人物は、「それでは、私がこれから御案内します」と述べて、われわれの先頭に立って、衆議院玄関横、南通用門出入口の方向に向かって進んで参りました。ところが、その人物がいつの間にか列外に離れて、もう一人の警務部の一幹部と入れかわりました。だが、この人物は、われわれを先導しながら次第に衆議院南側通用門の方向に向かって進んでいくので、私は不審に思い、大きな木のある付近を過ぎたころ、私は、「われわれをどこへ連れていくのか」と問いただしました。これに対してその人物は、「南側通用門から議員面会所へ回るのだ」と答えました。ところが、その付近の状況は、すでに南側通用門は完全に閉ざされており、内と外から多数の警官と衛視が立ちふさがり、とうてい進行が不可能な状況であったために、私は、「ここまで来て、なぜ遠回りをするのか、目の前の議員面会所へまっすぐ行けばよいではないか、君がそれをできないなら、私が案内するから、君は先導をやめてもらいたい」と述べましたところ、この人物は、「それでは、この状況でありますから、議員面会所の裏口から御案内をいたします」と答えて、陸橋の横の裏口まで先導をされ、そこから議員面会所の一般面会室に案内されて、全員入場したのであります。中に待機をしておりましたわれわれが、あとで柏、小林両議員らのあっせんによって正木副議長に会見した経緯は、両議員から詳細に述べられると思いますので、ここでは省略をいたします。  正木副議長との会見中は、十一月二十八日、議院運営委員会で副議長の発言のありました通りであって、きわめて静粛に行なわれました。  当時の事実関係は、概略以上の通りでありますが、重要な点について重ねて要約をいたしておきまするならば、  一、われわれ二十数名の衆参両院議員も、警備に当たっていた警務部関係者及びわれわれを先導した警務部の二人の幹部も、当時、請願者代表に対しては、衆議院議長が承諾を与えておったので、議長みずから会見することになっているという前提に立って、このすべてが運ばれたものであります。  二、従って、衆議院側正門から入った請願者代表は、議員面会所に到着するまできわめて静粛、かつ、秩序ある行動をもって行ない、その先導は、全行程のほとんどが警務部の二人の幹部によって行なわれたことであります。その氏名を私は知っておりますが、この機会においては、私は氏名を明らかにいたしません。必要があれば、私は明らかにいたしたいと思います。  三、衆議院側正門を入るときに私の現認した限りにおいては、淺沼書記長は先頭部にはおりませんでした。後方部において、たしかとびらの締まる直前に入ったように記憶をいたしております。  四、請願者の代表の中に、旗を立てている者がいたということを議長の懲罰委員会付託の理由の中には書いてございますけれども、これは私の知っている限り、全く事実無根であります。  事実関係については、概略以上の通りであります。  次に、今度の事件について、いささか私の所見を述べさしていただきたいと思います。  十一月二十七日、安保改定阻止第八次行動が行なわれる前後の情勢は、あらためて申し上げるまでもなく、衆議院外務委員会においてベトナム賠償協定の審議の最中でありました。私も、柏、小林両議員とともに外務委員として審議に参加いたしました一人でありますが、審議の経過は、政府の答弁がきわめて不十分であり、質疑を進めれば進めるほど、新たな疑惑が生まれてくるという状況である。この点については、当時の新聞が一斉に報道いたしておる通りであります。この状況にあわてました政府と与党側は、多数の力でしゃにむに審議の打ち切りをはかり、三日間にわたって徹夜の国会が行なわれた結果、ついに押し切られたのであります。それだけに、審議に不可欠な資料十数件の提出は、政府からついに提出が行なわれず、質問を希望して順番を待っておりました野党側委員大名の発言が封鎖される結果となり、不当な外務委員会委員長の採決、多数の暴力による二十七日未明の衆議院本会議などが、国民の疑惑をより一そう深めておったことは、いなみ得ない事実であります。ベトナム審議に対する政府と与党一部の議員の暴挙がいかに不条理であるかということは、この協定の本会議の採決にあたって、与党側議員の約百名が採決に加わらなかった点を見ても明らかであります。のみならず、ロッキード問題、安保条約改定の無理押しなど、政府と与党の行なっている態度は、ただ多数の力を頼むだけで、形式的には民主的採決という方法をとっても、実態は、明らかに民主主義に反し、国会の審議の本来のあり方に反する行ないがままあったのであります。  政府・与党のこの不条理、この疑惑、この専横に対して国民は強いふんまんを持っており、この強いふんまんが、今回の国会デモ事件といわれるものの基礎になったことを忘れてはなりますまい。国会は数さえあればどんなことでもできる、質問にさえ答える必要がない、われわれの税金を独占資本とスキャンダルの疑惑に使われている危険があるのに、多数の力ですべてを押えていく、はたしてこれでよいのか、この不満の爆発として、いわゆるデモ事件が……(発言する者あり)この不満が——言い直して申し上げます。この不満が、いわゆるデモ事件と最も深い関係にあることを忘れてはならない。だから、われわれに与えられた懲罰も、ベトナム賠償とよくいわれるのであります。それだけではありません。議長のとった措置については、私は納得がいきません。  第一は、事犯が懲罰に値するならば、なぜ事件後直ちにその措置をとらなかったか。懲罰にかけるがごとく、かけないがごとく、三週間近くもほうっておいて、突如懲罰を宣告する。  第二、事犯を慎重に調べるために時間を必要とするのならば、なぜその間にわれわれに直接事情を聴取しなかったか。議長は、確信もなく、今回の懲罰は与党の政治的圧力に屈して行なったのである。  第三、「国会周辺のデモ規制を実現するために、また、憲法に明定されている請願の権利を制限するために、安保条約改定調印のために、われわれを血祭りにあげて進まんとしている。今回の議長のとった処置は、この意味においても断じて承服するわけにはいきません。あなた方は、懲罰委員会で多数の力で押し切ってわれわれを懲罰にするかもしれない。しかし、日本がアメリカの手先となって戦争の火つけ役となり、海外派兵や徴兵制度がやがて行なわれる安保条約改定という日本の歴史的な曲がりかどに立って、この事実をおおい隠すために、デモ事件をことさら誇大にクローズ・アップして、われわれを断固処断しても、国民はこれを忘れないであろう。安保改定とベトナム賠償が懲罰問題に結びついているということは、国民が知っておる。  かつて、齋藤隆夫議員が処罰をされました。そのときも、多数の力で、国会のルールに乗せて齋藤隆夫議員は懲罰をされました。この齋藤隆夫議員が懲罰に付託されたときに参加している中には、たしか加藤議長もおられたはずであります。そして、その他のここにおられる自民党の議員諸君も懲罰に参加された方がおられるはずであります。その懲罰に参加された議員が、今、齋藤懲罰の問題について、諸君の胸中にいかなる思い出が残っておるか。議長並びに与党の懲罰委員諸君が、今後何年かあとに再びこの思い出を繰り返すことは……(発言する者多く、聴取不能)今回のことにより——諸君は、このような事実を、今冷静な判断に基づいて、過去の歴史的な事実と照らし合わせて、冷静な行動をされることを私は望むものであります。  われわれは、常に平和と独立と民主主義を守っている主権者、国民とともにある。私自身は以上の所感を申し上げるとともに、前段においては事実関係を明らかにいたしたのであります  以上をもって私の一身上の弁明を終わります。(拍手)

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員長 柏正男君。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 委員長、議事進行……。われわれは、きょうは一身上の弁明だから、なるべく平穏に聞きたいと思うが、一身上の弁明にあらざる自己の主張をここでやろうとするならば紛糾する一方ですから、委員長にも注意してもらうし、また、陳述者にも、そのつもりで一つやって下さい。

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員長 わかりました。柏君。

柏正男日本社会党

○柏議員 十二月十八日開かれました本会議において、議長職権をもって懲罰委員会に付されました私柏正男であります。本日この懲罰委員会で一身上の弁明をさせていただきます機会を得ましたので、この際、十一月二十七日における私の行動を皆さんに申し上げて、はたして議院の秩序を乱し、議院の品位を傷つけたものであるかどうかを、委員各位において十分に御考察をいただき、加藤議長が懲罰に付されたことが正しかったかどうかを御判断いただき、納得のいく結論を得ていただきたいと考えるものでございます。事実関係につきましては、岡田議員が申し上げました通り、岡田君と私とは行動をともにいたしておるのであります。事実関係においては、岡田君の陳述の通りでございますが、私は、私なりの実情を御報告いたしたいと思います。  私が今回懲罰に付せられました理由としては、第一に、当日請願代表団を本院正門から不法に侵入することをとめなかったこと、第二には、本院構内を請願代表団の先頭に立って行進したこと、この二つになっていますが、どうもこの二つの理由は、当日の私には該当しないものであろうと思います。以下申し上げたいのでございます。  私が当日、チャペル・センター前に参りましたのは午後の三時半ごろであったと思います。請願代表団三十名の人々を議長のところに連れて参り、陳情をさせてやりますのが社会党議員団の任務でございまして、これは当日の正午の議員総会において、私どもはその任務を受けたのでございます。ちょうど午後四時ごろだったと思いますが、議会の正面前の広場に出て参りました代表団三十名くらいの人々と一緒に正門に参り、ちょうどその少し前に閉ざされました門扉のところで、「議長との面会については、もうその前日から話し合いがついておるので通してほしい」と衛視に話しましたところ、少し手間取りましたが、すらすらと門をあけてくれましたので、私は代表団三十名を引き連れて門を入ったのでございます。決して、懲罰理由にありますように、代表団は不法な侵入をいたしたのではございません。議長との約束のあることを確認して、議員面会所へ行くために門をあけてくれたのでありまして、不法侵入の事実はございませんし、また、従って、これを阻止する必要のなかったことはもちろんでございます。  それに代表団は旗など持っていなかったので、旗を立てて入ったことはございません。私が代表団を引き連れて入って、衆議院の玄関の方に向かって参ります途中ごろ、右の方の門から構内に入って参った様子の一群の人々が、勢いよく正面玄関の方に向かって突っ走って参りました様子がございました。私と一緒に参りました陳情代表団においては、旗などは最初から持っておりませんので、そういうことのなかったことは確言できると思います。さらに、私が先頭に立って歩き出しました請願代表団一行三十名に対しましては、十人くらいの衛視の人がつき添っておりました。これらの衛視が、もし旗でも立てておりましたならば直ちに取らせてしまったでありましょうし、旗を立てて構内を行進するなどということのなかったことは、明白なことであります。また、私が先頭に立ちましたが、ちゃんと私が道を間違えないように衛視の諸君が私のまわりにおりましたので、間違った先導をする気づかいもなく、請願代表団はよその混乱とは別に、実に順調に議員面会所へと向かったのであります。途中衆議院の南出入口のところでちょっととまりましたが、議面へは衛視諸君が手ぎわよく誘導してくれたのであって、少しも不法な行動をとったものではございません。  議員面会所に入ってみると、議長室との連絡がうまくとれてなかったのでございましょう、私はさらに電話で連絡をつけ、しばらく様子を待ったのですが、事態はなかなかほうっておけないと考えられるように感じました。私はその際、それまでの情報に基づいて、請願代表団は二十名にすること、院内に出かけて議長室で会うことはむずかしいかもしれない、その場合にはこの議員面会所でもいいだろうかどうか、またもし議長が都合の悪い場合は、副議長ということになる場合もあるかもしれないということなどにつきまして代表団と話し合いをした後、私は参議院の坂本議員と一緒に院内に入って参りました。  議長室に入ってみますと、ちょうどそのときには、議長、副議長、荒舩議運委員長、その他二、三人自民党の議員が何か会議を開いておられた様子ですが、私は「議長さん、お願いがございますが、請願代表団の人たちが今議員面会所まで参っており、議長さんにお目にかかって請願を申し上げたいということですが、いかがでございますか」と申し上げましたところ、しばらく外で待っていてほしいとのことでしたから、次の部屋に参りました。そこへ鈴木事務総長が出てきましたので、事務総長室に参り、「事態はだんだんと切迫してきた様子ですが、このまま時間がたてばたつほどむずかしくなるので、どうしてもこの際、一刻も早く請願代表団の人々の手によって、構内に入った人々を説得させて退去させることを考えなければならない。そのためには、この際正式に請願を受けて、事態収拾を急ぐことが必要だと考える」と鈴木事務総長に言ったところ、「大丈夫ですか一と言うので、「私たち社会党議員は、この場合からだを張ってでも無事退去させるようにいたしますよ」と答えました。鈴木事務総長は再び議長室に入り、しばらくして議長室から二、三人の自民党議員が出ましたから、私が呼ばれて議長室に入りました。  議長室には、加藤議長の左手に正木副議長、その隣に鈴木事務総長、議長の右手に荒舩議運委員長がすわっており、この人々の前に立った私は、「先ほど議長さんに申し上げました通り、請願代表団の人たちが議長さんにお目にかかり、請願をいたしたいと言ってただいま議員面会所まで参って、三十名のところを二十名に代表を選び直してお願いをいたしておる次第です。どうかお目にかかるようにお願いできませんでしょうか」次に「私の考えですが、事態はだんだんに変化いたしております様子で、私の感ずるところでは、大衆心理はなかなかむずかしいものがあり、ここ二、三十分というところを手ぎわよく乗り切らなければいけないことがわかりますだけに、この際のお考え合わせをお願いするとともに、私どもも、絶対に構内からの退去につき責任を持って当たることを申し上げる次第です」ということを申し上げましたところ、議長は「よくわかります。それでは正木さんに、私にかわって会っていただきましょう」と言われました。正木副議長は「それでは議長にかわって私が請願代表の人たちにお目にかかって参りましょう。それでは柏正男君に先導していただいて、今から議員面会所に行って参ります」と言われました。そのとき荒舩議運委員長も「柏君大丈夫か。ともかく頼むよ」ということだったので、私は正木副議長と一緒に議面に参りました。  もうそのときは五時を過ぎたころだったと思います。まだ明かるかったが、刻々に夜に近づいていました。議面では、二列横隊に並んで二十名の代表が待ちくたびれていた様子ですが、直ちに議面の広場で、正木副議長との面会の段取りに移りました。私はここで「ともかく皆さん、ここ十分か二十分間にこの請願を終えて、直ちに皆さんたちは各団体に帰って請願報告をし、そうして全員解散への処置をするようにしていただきたい」ということを代表団に申し、ちょうどその場におられました社会党顧問黒田議員にお願いをして、正木副議長を代表団に紹介していただき、正木副議長からあいさつがあって、各代表が手短に陳情の趣旨を述べ、各請願書を差し出し終わって、時間がないので私が各代表を一々指で示して代表氏名を正木副議長に申し上げて、この請願は無事に終えたのでございます。  そこで請願代表団の人たちは、直ちに全員解散の措置をとるということになって、それぞれに出かけることになったので、私は再び正木副議長と院内に引き返し、副議長室に参りましたときには、すでに一部の者が構内から退去をする姿が見え、私はほっといたしたのでありました。  それから議長室に参りまして、この陳情・請願代表団の報告をしておりましたところ、自民党の議員の人たちが二、三人入ってこられて、「議長片々、また新しく構内へデモ隊が入ってきた。これじゃどうも、どうなるかわからぬぞ」と非常なけんまくなので、私も驚いて窓に立って見ますと、この間にすっかり薄暗くなってしまった構内へ、南側からどっと入り込んできた人たちの群れが見かけられたので、これでは大へんと考え、私も院外へ飛び出していきました。外は薄暗く、写真班のフラッシュやフライヤーや、デモ隊の旗、プラカードで混乱いたしておりました。私は正面玄関に向かいましたが、見かけほどのこともなく、やれ疲れたというふうにへばっている連中がたくさんいたので、「おい、陳情・請願代表団に副議長が会って、君たちの請願は聞き届けられたぞ、安心して解散してほしい」と呼びかけて歩きました。そのうちに、あちこちで私と同じように呼びかけている声が聞こえ、呼びかけのマイクも鳴り始め、社会党議員団も現われて、すわり込んでいた連中も立ち上がって動き出したので、私は再び院内に入り、鈴木事務総長に「もう大丈夫。全員解散しますよ」と報告し、院内の社会党控室に入ったのであります。  以上が、二十七日の当日、現場における私の行動でございますが、私はこの行動の全体を通じまして、加藤議長から議長職権をもって懲罰委員会に付託せられるような、議院の秩序を乱し、かつ、議院の品位を傷つけるような行動をいたしたのではなくて、むしろその私の行動の全体をしさいに御理解いただきましたならば、議院の秩序を乱したものではなく、議院秩序の回復に対して誠心誠意を持って努力し、これ以上に議院の品位を傷つけることを、未然に防いだと言っていただけることであろうと考えられるのでございます。  去る十二月十三日の毎日新聞夕刊一面に掲載されました「十字路」という欄において、加藤衆議院議長が十一月二十七日の事件について語った感想の中で——この原文はどこかになくしましたが、その大体のところは次の通りでございます。自分は、自民党の議員連中が右往左往あわてふためいた中で、とっさに、今警官隊とデモ隊とをぶっつけたら、構内において流血の惨事が起こるであろう。それはどうしても避けなければならないと考えていた。そこへ社会党の柏正男代議士が来て、陳情を受けて事態をおさめるようにすることが第一とのことを言ったので、柏代議士にまかせることにしたのだとの趣旨のことがありますが、この話は、きっとその通り加藤議長が話されたものだったと考えています。ともかく加藤議長が、流血の惨事を避けようと決意をされたことと、私がこの間にありまして、まだ一年生議員で少しおこがましいとのそしりはありましょうとも、何とかして事が無事におさまるようにと念願して行動いたしましたことは、同じ考えであったと思います。それだけに、請願代表団の入門を阻止しなかったとか、先頭に立ったとかいうことをもって懲罰に付託することは、私にとっては、どこか大事なことが抜けてしまっているのではないかという感じがする以外の何ものでもありません。  今回、加藤議長が懲罰委員会に付託したこのことは、単純な懲罰事犯というだけのこととは考えられません。むしろ、以上のような事情について最もよく理解しておられるのは、加藤議長、正木副議長、荒舩議運委員長、鈴木事務総長等の人々であります。それだけに、この人たちは良識を持っておられるので、このような、懲罰に付するというような、おとなげない措置をとられるはずはないと信ずるのであります。それともまた、罪は罪、罰は罰、賞は賞というようなお考えになって、柏正男を一方では懲罰に付し、一方では院議をもって、議院の秩序を保持するのに努力し、議院の品位を失わしめざるために功績があったものとして、表彰でもされるというお考えがあってのことであるかもしれませんが、以上のそのいずれもが、心ある人々によってはなさるべきであると考えるのであります。議院の秩序、議院の品位は、懲罰とか表彰とか、そういう形に現われたものだけではなく、すべてがもっと大きなところにあらなければなりますまい。民主主義の根本原則を貫くということ、すなわち、主権者たる国民の意思を心から尊重していく、この一事に尽きると思います。十一月二十七日の事件を、これ幸いにこのような懲罰をやったり、国会周辺のデモ規制法を作ったり、会期を大幅に延長してベトナム賠償協定の自然成立をはかったり、これらのいずれもが、主権者たる国民を愚弄する、まことに民主主義を無視するやり方であって、心ある国民は、加藤議長を初め、岸政府と、与党たる自民党をこそ、国民懲罰に付すべきだと考えているのでないかと考える次第でございます。  以上をもって、私は、私の一身上の弁明をさしていただきました。(拍手)

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員長 次に、小林進君。

小林進日本社会党

○小林(進)議員 小林進でございます。  十一月二十七日行なわれた国会の集団陳情について、当日の私の任務を申し上げておきたいと思うのでございまするが、私は、他の社会党の議院運営委員の諸君と一緒に、衆議院議長に対し陳情をする方々を院内においてお世話をするという、こういう任務を受けておりました。すなわち、事前に議長と打ち合わせをしたり、当日は、陳情代表を面会所から、議長が指定をした院内の面会場所まで案内をする、そういう指令を受けておりました。  議長との事前の打ち合わせば、下平正一議運理事が主として当たっておりましたが、その内容は次の通りでございます。すなわち、事件当日の前々日の十一月二十五日、下平君は事務総長のところに、請願のことに関し第一回の打ち合わせに参りました。そのときに、事務総長は、「代表が二十名以内ならばよろしゅうございましょう」という程度の打ち合わせをいたしました。次いで前日の二十六日には、今度下平理事と事務総長と議長三人で、議長室で、この請願代表との面会の件の打ち合わせをいたしました。そのときの話は、「二十名以内にしてくれれば、議長は正式に面会をいたしましょう」こういうことでございましたに対し、下平君の方で、「了承いたしましたが、人数のことでございまするので、あるいは二十名を若干上回ることがあるかもしれませんが」ということを申し上げました。「いずれにいたしましても、しかし三十名以内には必ず陳情団をとどめまするから、御了承をいただきたい」こういうことについても暗黙の了解が成り立ちまして、なお議長の方から、「当日三十名以内のこの陳情団は、だれが一体責任を持って面接の労をとってくれるか」こういう問い合わせに対し、下平君は「私がとります。面会所から院内への連絡は小林君がとりまするが、議長への直接の面会の責任は私がとります」こういう回答をいたしました。なお、面会の時間は二十七日の午後四時という時間を約束いたしました。場所は議長応接室、こういう約束もいたしました。しかも、面会時間は十分以内、こういう打ち合わせもいたしました。これが二十六日の陳情に対する打ち合わせでございまして、私は逐次、この報告は下平君から受けておったのでございます。  次いで事件当日の二十七日でございまするが、二十七口、下平君と打ち合わせの上で特に念を押す必要があるということで、当日の午前中に下平君が三たび事務総長室に参りまして、この三十名以内二十名という人員の打ち合わせの念を押して参りました。ところが、当日午後になりまして、正木副議長から——下平君と一緒にわが党の国会対策委員室にいたのでありますが、そこへ下平君に副議長からの呼び出しが参りました。下平君が行きますると、副議長のお話では「陳情代表の面会の話は、議長、事務総長から話を聞いた。その面会時間が十分だということだけれども、あるいは十分では陳情団が承知をしないかもしれぬ。しかしそのとき、下平君、君責任を持って十分で引き上げさしてくれ。ただし不満足の点があれば、その陳情団を副議長室に案内をしてくれ、自後の話は、私が議長になりかわってその陳情団に会って、満足のいくまで話を聞こうではないか。なおその話は、君と私だけの話ではいかぬから、山野警務部長にも立ち会ってもらおうではないか」ということで、山野警務部長を副議長室に特に呼びまして、そこでその話を申し上げました。なお、そのときの副議長、下平理事、山野警務部長の三人の打ち合わせの話の要点は、副議長室内部の警戒は要らない、しかし面会所から院内に陳情代表が通行する間の警戒は一切警務部長にまかしていただきたい、警務部長が取捨選択をいたしましてその警戒は私が行ないます、こういう打ち合わせを当日いたしました。なお、その日の約束の午後四時には、なおかつ下平理事が議長室に参りまして、「いよいよ陳情団も参る時刻になりましたから、用意をして下さい」という最後の申し込みをいたしておるのでございます。  さて、そういう下平理事と議長、事務総長、副議長との打ち合わせによりまして、当日私は、下平君と連絡をとりつつ、議員面会所から陳情者を導いて院内において下平君に引き渡しをする、このことが当時の私の具体的な仕事の内容でございました。二十七日の午前一時から開かれました深夜国会で、睡眠不足と疲労で当日は非常にからだが疲れておりましたので、陳情団の集会が行なわれるという午後の二時になっても、私は院内の党の国会対策委員室で、他の議員二、三名と待機をいたしておりました。午後の三時半ごろと存じますが、「一応院内の様子を見てくる必要があるから、君一つ見てきてくれ」こういう話で、私は初めて構内に出て参りました。そしてチャペル・センターの方向に向かって正門を出ました。そのときには門はあいておったのでございます。そして会場に行ってみますと、だれか私の全く知らない人が宣伝カーの上で演説をしておりましたので、これではもう集会も終わりに近づいたのではないか、こういうような感じを受けたのでございまするが、そのときに、何か大衆がざわめいて異様な声が聞こえて参りました。何だ、何だと言ううちに、それは右翼の人々が宣伝車に乗ってなぐり込みをかけてきて、集会の妨害をしているのだというようなことであったのでございまするが、そういうことのありましたその直後に、ともかく私は、その会場の様子を見ることだけが仕事なのでございまするので、十分くらいにして集会所を引き返そうとしたのでございます。しかし、そのときには警察の装甲車がバリケードを作っておりまして、なかなか人一人通ることも困難なように道路がふさがっておりましたので、チャペル・センター側の方向へ行きますと、舗道は全学連と警察官で一ぱいでございます。そこでもごもごいたしておりますと、親切な警察官がいて、「先生こっちの方が楽ですよ」ということで、私を国会図書館分室わきの舗道から正門の方に案内をしてきてくれましたので、私は今でも感謝の気持を記憶しておるのでございまするが、こうして私は正門に引き返して参りました。そのときには、出た門はすでに閉ざされておりましたので、私は門内におりまする衛視に、衆議院に向かって一番左側の、衆議院側の、普通写真屋がおりまするような一番はじっこのところへ参りまして、「さっき出たから、ここから私を入れてくれるように」と声をかけました。そうすると、そのときの衛視が、「先生かんべんして下さい。きょうはここをあけぬように命令をされておりまするから」こういうふうな返事をいたしましたので、それではというので、私は大きな声も出しませんし、無理も申し上げません。それでその場を離れたのでございます。ちょうど三時四十分か、五十分ごろに至らないころと存じまするが、そのころは、まだ全学連のデモも起こらず、小さな蠢動さえ見えぬときでございましたし、正門の前に十数名の人がばらばらに立って、ぼんやりチャペル・センターの集会を見ておりました。その中に国会議員がいたかどうか、私の記憶ははっきりいたしませんが、警察の車が二、三台と、警察官も数名のんびりしておったと私は記憶いたしておりまするし、門内にもつ衛視か警察官かが二、三十名おったように記憶をいたしております。そこを離れて、そうして私は、衆議院の第二、第三会館から入る通用門——南側通用門というのだそうでございますが、そこへ行きました。ところが、そこも門が締まっておりましたが、向かって右側の小さな小門を押すと、そのまま開きましたので門内に入ることができたのでございます。その第二、第三会館側から、いつも出入りする衆議院の正門玄関に行きますと、そこが全く門が締まっておりました。南側の入口に行きますと、その入口の下のところに、二、三十名の方々がおられたのであります。あとでわかったことですが、これがすなわち、正門から入ってこられた陳情団であるということがわかったのでございます、衛視も十数名おりました。社会党の議員の方々も数名おりました。衛視と盛んに話のやりとりをしておられるところに、追いついて行ったのでございます。聞いてみますと、これは正式の陳情団であるから、院内に入るためにこの入口をあけなさいというのです。こういう交渉が行なわれておるのでございます。私も早く院内に入れてもらわなければならぬ。気があせっておるのでございまするから、私も一緒になって、それから交渉を始めたことは事実でございます。院内にどうしても私も入れてくれ、こういう交渉をいたしました。そのとき一人の衛視、たしか幹部でありますが、係長か班長か、その人の具体的な職責はわかりませんが、その人の態度も行動も実にりっぱでしたから、今でもその人を知っております。名前も知っておりますけれども、ここでは申し上げません。私はこの衛視はりっぱだったと思っておりますが、こういうことを言われた。「しかし、何といっても南側の門を開くわけには参りません、議員面会所の入口から入っていただきます、どうか、そこから入ることだけは一つ御容赦願いたい」、こういうことで受け付けない。なお、「南側の入口から議員面会所まで勝手にばらばらで行くことは困ります、私が案内をいたしますから、私に従ってきて下さい」、こういうあいさつでございました。そこで、この衛視を中心にいたしまして数名の衛視が先頭に立って、陳情団がそのあとについて、そして、その衛視の先導のもとに議員面会所に行った。私も、そのときからその人たちと行動をともにいたしまして、その人が導いてくれるままについていった。そして議員面会所の七十八号室であります。あの陸橋のすぐわきの、普通私どもは出入りしたことはございませんが、その小さな面会所の入口に連れていかれて、議員面会所に入ったのでございます。私といたしましては、国会議員でもございますので、構外からの議員の入り口が一つもない、私を入れてくれる口が一つもないということで、その当日は、私は非常に不満で仕方がなかったのでありますが、しかし、何しろ、やはり一緒についていってそこから入る以外には入り口がない状態でありますので、やむなく一同に従って入ったというのが、偽らざる事実でございます。  なお、院内における私の行動でございますが、議員面会所に入りまするや、私はすぐ一同と離れて、急いで一人あの陸橋を渡って院内に入りました。そうして党の控室で、もっぱら議長と連絡をとっております下平君に会いまして、「陳情団が議員面会所に入ったが、議長との打ち合わせばどうなっているのか」、こう尋ねますと、ちょうど下平君は、午後四時に議長との最後の打ち合わせをしまして出てきたところでございましたので、「議長とは今も打ち合わせをしてきたばかり、すっかり準備はできている、いすもできている、人員は三十名以内で、場所は議長応接室、議長と会う時間は短いのだから、君急いで早く連れてきてくれ」、こういう、せいたような下平君の返事でございました。それで、私は急いで引き返して議員面会所に至りました。そして、そこにいる人たちに、「代表者をきちっと三十名以内ですぐ選んでくれ、それ以上はいけない」ということを言いますとともに、今度は面会所の受付の方に参りまして、衛視に、「議長も急いでおられるから、これからすぐ三十名の人が来るから先導してくれ」と申しますと、その受付におりました第一外来係長の小出信一郎君が、「先生ちょっとお待ち下さい、ただいま議長室に電話中ですが、承諾の返事がございません、もう一度今電話をかけて承諾を受けつつありますから、ちょっと待って下さい」、こういうことでございます。そのときには、衛視数十名が入り口をふさいでおりました。議長は急いでいるという下平君の返事でありますので、私もだんだんじりじりして参つりました。これは、まごまごしていたら議長に会えなくなるのではないかと思いましたので、今度は窓口から受付の電話を借りまして、私が直接、議長秘書室に電話をいたしましたが、返事はありますけれども、さっぱりわけがわからない。「今お話中ですから、ちょっと待って下さい」。「おれは議運の小林なんだ、議長と話が済んでいるから」と言ったら、「ちょっと待って下さい」、こういうことでございました。私は、これではみんなを連れて入ることはできません。それで、今度再び電話を置いて、私は、また院内に引き返してきたのであります。一人で引き返しました。そこで下平君に会って聞きますと、「だめだ、議長は絶対会わぬと言い出した、デモ隊が構内に入ったので、これで様子が非常に硬化をして、事態が正常に帰するまで会わぬと言い出した、もう小林君、これはだめだよ」、こういうことを、非常に悲痛な顔で私に報告をいたしました。「何だ下平君、われわれが今度陳情団をだましたことになるではないか、それは困る」、こう私が言って、今度は私が直接議長に会って、そうして交渉してみようと思って、私は議長室に飛び込んでいったのであります。飛び込んで参りますと、そこにはすでに議長のほかに副議長、荒舩議院運営委員長、それから議運の理事の山村君、松澤君、それから池田禎治君等の方々がおられまして、そうして、異様な興奮状態で何か大きな声で議長に迫っておられました。断片的な言葉でございますが、「未曽有の不祥事件である」とか、あるいは「直ちに非常事態の宣言をせい」とか、あるいは「自衛隊の出動を要請せい」とか、そういうようなことが繰り返し述べられておりましたので、私はこれを聞いて、実は、もう議長に陳情団の面会の話をするというふうな勇気もなくなってしまいました。これは大へんなことだ、初めて私はびっくりいたしまして、そうして、直ちに議長室を出ますと、今度はわが党の控室に私は参りまして、そこで待機をしておられたわが党の鈴木委員長に、今の議長室の模様をつまびらかに報告をいたしました。これに基づいて、委員長は直ちに党員全員に指令を出された。そういう無秩序はいかぬということで、「あらゆる努力をもって国会に入った集団を構外に出てもらうように一つ説得工作を続けよ」、こういうふうな委員長の指令が出て、それから終始党の全員が努力をいたしましたことは、先ほど同僚議員が報告いたしました通りでございます。その間、私は、もはや構外にも、議員面会所にもついに行きませんでした。そのまま私の控室に残りました。国会対策委員室に残りました。内外の情勢を収集したりして、委員長のそばで、デモ隊を退出させるようなあらゆる努力を院内において続けておった、こういう状況でございます。従って、私は、代表団を先導したこともございませんし、ただ入口を探して、自分の入口を探してさまよっていて、そうして、ようやく案内をしてくれる衛視がいたので、それについて面会所から入った、こういうだけでございます。私の懲罰の理由は、旗を立てて、何か先導して行進をしたということでございますが、もちろん、さようなことはございませんし、私は、その旗さえも実は見たことがないのでございます。  以上が、二十七日の国会乱入事件に関する私の行動の全部でございます。ただ、その二十七日の午前一時、深夜に行なわれましたベトナムの賠償に承認を与えるという国会において、私は外務委員会の理事を仰せつかっておりましたが、あういう重大なる法案を外務委員長の小澤佐重喜氏が質疑を打ち切りまして、社会党の私ども理事といたしまして十項目の疑問点を提出いたしました。この項目と、この項目とだけは、一つどうかわが社会党に質問をする時間の猶予を与えてもらいたいという、切なる私どもの願いを、ついに外務委員長は無視して、その質疑を打ち切られて採決を強行せられました。しかも、その採決に対しては、私どもは、間髪を入れず委員長の不信任案を外務委員会に提出をいたしました。不信任案は、質疑の打ち切りその他に優先をするというのが国会法の今までの習慣、定めであります。にもかかわらず、外務委員長は、その自分の不信任案を手で払いのけながら質疑打ち切りの動議を成立せられましたので、それは、どうも議院運営上、委員会運営上遺憾なことであるということで、私どもは二十七日の深夜の国会において小澤委員長の解任決議案を提出いたしまして、私が外務委員会の理事であるということで、この趣旨説明をいたしましたが、この説明の内容が逸脱をしているということで、懲罰に付せられたのでございます。そのベトナム賠償に関する本会議場における私の演説の内容ということではございませんが、副議長から注意を受けたのがいかぬ、五回注意を受けたのがいかぬということで、懲罰に付されたのでございまするが、副議長は、六回目に中止を命ぜられました。中止後は、直ちに、私は一言も発せずして、すなおに席に戻りました。けれども、それがいけないということでございまして、「君は、それと、午後のデモ隊と構内をふらふらしていたのと合わせて一本だ」、(笑声)こういう話を受けておるのでございます。懲罰には、そういう「合わせて一本」というふうな懲罰の仕方があるのかどうか、寡聞にして私は知りませんが、ともかく、本会議場における私の演説の内容も、どうか賢明なる懲罰委員の皆様方には速記録などをごらんいただきまして、演説の内容のどこが悪いということをお示しいただきまするならば、私自身まことに幸いの至りでございまして、その悪い点があれば、直ちに改めて、国会の権威のために努力をいたしたい、かように考えておりますので、どうか、一つよろしく御援助をいただきまするよう——私は、神かけて、当日の私の行動に断じて偽りのないことを重ねて申し上げまして、私の陳述を終わる次第でございます。(拍手)

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員長 淺沼稻次郎君。

淺沼稻次郎日本社会党

○淺沼議員 先日、議長が本会議において私どもを懲罰委員会に付するという宣告をしたのでありまするが、実は、私、その際に自己弁明の発言を求めまして、自己弁明をしたいと考えておったのであります。しかし、議事の都合上より、そういう機会が与えられなかったのでありまして、そのときに申し上げようと思いましたことも含めまして、申し上げるのでありまして、この点を一つ御了承を願いたいと思うのであります。  まず、最初に、私は、議長がどういうような理由でこの懲罰委員会に付したのか、全く理解に実は苦しんでおるものであります。これは、何も私一人でもなく、国民もまた、ひとしく議長のやり方に対しては憤激しておるものと信じておるのであります。  現在私の立場は、個人淺沼稻次郎、衆議院議員としての立場がございます。同時に、鈴木委員長とともに、いやしくも日本社会党を代表する書記長の役割にあるのであります。その私を、何ら明らかなる理由なく懲罰に付するということは、単に私個人に対してでなく、党全体に対する侮辱である、また、わが党に対する明らかなる挑戦であると思いまして、非常に遺憾に考えておるわけであります。それのみならず、今日まで曲がりなりにも二大政党政治を誇ってきたわが国の議会政治において、その一方の政党の代表者を、軽々しく懲罰するということは、政党そのものを軽んじ、ひいては政党政治の権威をそこない、議会政治そのものの権威を議長がじゅうりんする結果になりはしないかということを感ずるものであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)  この問題の経緯からいっても、自民党では七役会議で相談した結果、議長一任という手段をとったのでありますが、議長は、何らなすことなく、三週間余りも放置しておったのであります。そのことは、私に対して何ら懲罰に値する理由が発見できなかった証拠であるとともに、自民党が議長に圧力をかけ、議長またこれに屈して、議長が与党の走狗となり果てた姿の現われにほかならないと思うのであります。昨年、警職法改悪問題の起きたあとを受けて、議長、副議長はその党籍を抜き、不偏不党なる立場だったものが、一党の圧力に押された議長となったものでありまして、まことに遺憾といわなければなりません。また、われわれが憤慨にたえないのは、この問題の取り扱いにあたって、与党たる自民党並びに議長は、私への懲罰をデモ規制の立法とからみ合わせて、ひいては、ますます大きくなりつつあるベトナム賠償やロッキード戦闘機の問題等の疑惑を国民から隠蔽するために利用し、さらには、会期延長の口実を作る道具としょうとしたことであります。すなわち、不純にして、かつ、卑怯きわまる態度であるといわなければならぬと思うのであります。  そもそも、新憲法のもとにおいて国会が始まって以来今日まで、議長職権による懲罰事犯は前後三回あったと思います。それらは、いずれも明らかに国会法の規定による議院の品位を汚したり、院内の秩序を乱したるものでありますが、このたびの問題は、そういう理由は何らなく、全く政治的意図によって行なわれたことに重大な問題がひそんでいることを指摘せざるを得ないのであります。私は、むしろこの際、いやしくも議長の地位にある人は、国会正常化のあり方の本質的な解決について深刻にお考えになり、大所高所から国の政治のあり方について思いをいたすべきが至当であると考えるのであります。与党の言うなりになって議員を懲罰に付したり、あるいは一片のデモ規制法によって、憲法により国民に与えられた正当な請願権を奪うことによって国会の正常化ができるなどと考えることは笑うべきところの態度であり、真の政治家のとるべき態度ではないと私は思うのであります。  思い起こせば、加藤議長は、あのいまわしいクーデターの第三十回国会のあとを受けて第三十一回国会が召集された後の四日目、かろうじて妥協の結果選挙されたのであります。そのとき加藤議長は、今一番重大なことは、国会が国民から信頼を得ることだ、国民から国会が軽視され、軽侮されることのないよう最善の努力をすると、初の新聞記者会見で語っておるのであります。まさに、その通りであろうと思うのであります。国民が今何を考え、国会に対して何を望んでいるかを、今こそ真剣に考うべきときだと思うのであります。ベトナム賠償の審議の状況といい、ロッキード戦闘機の政府の態度といい、民族の運命に関する安保改定の問題といい、国民の憤激の声は、議会の厚い壁を通してわれわれの耳にひしひしと感じてくるのであります。  また、最近の警職法を審議した第三十国会においては、自民党は星島議長を軟禁し、椎熊副議長をして抜き打ちの会期延長を行なわしめたのであります。これは明らかに国会法、衆議院規則に違反し、法律的には明らかに無効であり、政治的には、およそ民主主義とは縁のないものといわなければなりません。  さらに、警察法の審議をしたとき、過ぐる第十九回国会においては、自民党は四度目の会期延長を行ない、その最後の機会に、当時の堤議長は、警察官を外部から導入し、その力をかりて会期が終わる午前零時の数秒前に、議長入口のとびらの外で指二本を上げて、それで二日間の会期延長が宣言されたのであります。わが党はこれを認めず、会期は終了したとして、その以後の議事には参加を拒み、自民党だけで五度目の会期延長を行なって、警察法を可決いたしました。そうして他方、わが党議員四十五名を懲罰に付したのであります。  およそ、これらのことは、議会の議事として異常きわまるものでありますが、今ここで立ち入って批評はいたしません。問題は、どうしてこのような事態が、国権の最高機関である国会の会議に生じたかということであるのであります。これは多数党が、まさに多数党であるということのために、その欲する立法なり、その他の案件を、十分な討議を経ず、法律に認められている国民の利益や権利も考えず、それらに対する反対党のなぜ激しく反対するかということを省みず、多数で可決すればよいという観念が原因であるのであって、これは民主主義の憲法の精神とは全く無縁のものであります。それは事実上、多数党がきめたことはすなわち法律であるという観念であって、かりにもこのようなことが国会正常化という言葉で言われるならば、それは国民を欺くもはなはだしいといわなければなりません。はなはだ遺憾でありまするが、こういうことから、国民の多くは、今日の議会について、自分を代表する機関であるという満足や信頼を抱き得ないものがあります。そして、議会がますます形骸化していけば、国民をして、より直接的に自分の意思を政治に反映しようという気持にするのは当然であります。少なくとも、わが国における労働者階級、勤労者大衆が、国会に対して全幅の信頼を抱かず、不断に議会外の大衆運動を通じて、みずからの経済的要求のみならず、高度の政治的目的を達成しようとする事態に対しては、単に多数決の論理や形式的な法治国観念の主張をもって対するだけでは、何事も解決しないのであります。  国民は、今韓国の議会がそうであったように、安保改定や警職法や、民主的警察制度といったようなものが一度制定されると、次々に憲法で保障された基本権や個人の生活は、全く無に帰せしめられていく過程を日本において最も憂えておるのであります。私は、さきにあげた日本の国会の変革の原因の多くは、この種の民主主義の本質である基本権についての法案であるとか、民族の運命に関するような条約の審議等にあったことを、重ねて力説せざるを得ないのであります。  議会政治のもとで、確かに多数党が自己の正当と考える政策を、政府をして実行せしむることは多数党の権利であり、義務でありましょう。しかし同時に、常に政府を批判し、攻撃し、政府の立法を修正し、あるいはこれを葬ろうとするのも、反対党が国民から与えられたる権利であり、義務であると思うのであります。反対党が政府の立法や予算その他の政策に真剣に反対することがなければ、それこそ、まさに議会政治の機能は喪失するといわねばなりません。すなわち、朝野両党切薩琢磨の中に憲政の前進はあると思うのであります。いやしくも議長たる者は、私が以上述べたごとき議会政治の本質に真剣に思いをいたすべきであって、今回とった小児病的態度は、議長みずから議会政治の墓穴を掘る墓掘り人と化し、後世にその恥をさらすゆえんであるといっても過言ではないと思うのであります。  かつて満洲事変の前夜、美濃部達吉博士は、当時の議会において、政党政治の崩壊を憂えて、時の政府に警告を発したのでありますが、静かなその主張は軍部に汚され、当時の政府によってむざんにも圧殺されたのであります。今日われわれは、また議会政治が次第に行政権優位の態勢にとってかわられ、多数与党またこれに追従して、反対党を無視し、政党政治を否定せんとする態度が顕著に見られることは、はなはだ憂うべきであって、今こそお互いに新憲法の精神に基づく民主的議会政治、政党政治を守り抜いていかねばならぬと信じているものであります。われわれは、今日の段階においては、保守党こそ、真の民主主義、議会政治をじゃまものとし、われわれ革新政党こそ、彼らの捨て去った民主主義、議会政治の旗を守っていくものであることを信じて疑わないのであります。本来人類解放の武器である議会を、人民圧迫の武器に転化せんとするものこそ、まさに保守反動の岸内閣並びに自民党といわなければなりません。  さて、当日の私の行動については、国民の圧倒的な安保阻止運動の請願行動について、チャペル・センター前の集合者に対し、党を代表してあいさつを行ないました。また、この問題に関しましては、ちょうど十月二十二日のころだと思いますが、川島幹事長とNHKのテレビ及びラジオにおいて対談をやったことがございます。その際に川島幹事長から、「今度社会党では十万人ばかり人を動員して、その陳情運動をやるそうだが」、こういうことを言われたのでありまして、その際にも私は申し上げたのでありますが、「われわれ社会党としては、院内に多くの議席を持っておるのがわれわれの大きな務めであって、従って、陳情・請願の媒介はやるが、その任務を全うするつもりだ」、こういうことを話しました。そのあと中央執行委員会が開かれた際に、私は川島幹事長の言われた言葉を中央執行委員会に通じまして、「はたにおいては、今度の大衆的な請願運動について大きな疑問を持っておるように考えられるから、党の態度を明白にしておくべきである」、そういうことを申し上げまして、私は、この大衆的な請願運動の主体は、それは安保改定阻止国民会議であることには間違いはない、しかしその場合において、社会党の持つ任務はどこに置くかといえば、それは社会党が多数の議員を持っておるということが大きな誇りでもあり、それがまた一つの任務になるから、その陳情者、請願者を衆参両院の議長、総理大臣あるいは官房長官、これらの者に会わせる媒介体の役割をすべきではないか、これを私が提案をいたしまして、それが確認をされまして、しかし、またあとで新聞にも何か書くようなことがございましたから、それも私どもはまた確認をいたしまして、社会党の態度ということは明白にして参ったのであります。従いまして、私に対していろいろ総指揮者だとか、あるいは責任者のようなことを言われておるのでありますが、私ども社会党代議士の任務、責任はどこにあったかといえば、いわば陳情及び請願を媒介いたしまするところの役割ということにきめたのでありまして、この点は明白にしておきたいと思うのであります。  さらに、このことにつきましては、執行委員会できめるばかりでなく、執行委員会できめたことを議長とも連絡、すなわち、表門から入るというような場合におきましては、あるいはマークを持つか、あるいは許可を得た者ということで制限になっておるのでありまして、この点を明白にしなければならぬと思いまして、下平議運理事をして議長と交渉をせしめまして、表から入るという一つの交渉をいたしまして、承認を得たという結果になっておるのであります。従いまして、その日に、私どもといたしましては、なるほど大勢集まっておるところであいさつをいたしました。それからその席上において、三十名の代表者を選んで、議会に行って議長に会うということが言われたのでありまして、その三十名という宣言がせられたときに、私は車からおりまして、この人たちと一緒に参ったのであります。そうして参りまして、門がそのとき一たん締まりました。締まったのでありますが、これは話がついておるのに、締まるのもどうかと思いましたところが、自然また話がついたと見えまして、あきましたから、私も中へ一緒に入りまして、入りましてから、一たん議会の中へ入ったのでありますが、しかし表の状況を考えてみますと、いろいろ問題があるようでありまして、一たん私は表へ出まして、いわゆる集まるところに指定した場所をみな視察しました。すなわち、特許局前、さらには人事院前、そこに請願者が集まることになっておりまするから、どういうことだろうと思いまして参ったのでありますが、私が参るときには、総理大臣前の門の中には多数の人がおりまして、そこから下がることができずして、私はずっと遠回りをして特許局の前まで下がって参ったのであります。ところが請願者はおりませんでした。さらに加えて、人事院のところへ参りましたところが、おらぬ。おらないで、こちらに帰って参りますと、多くの人が院内に入っておるのでありまして、それを見たときに、この状態はいけない。それで、私は声を大にいたしまして、実行委員会の各位に、すなわち、国民会議の実行委員の諸君に、「これは一刻も早く帰してもらいたい」、こういうことを要望しました。まあ、私どもの要望もあり、実行委員会でもきめたようでありまして、中に岩井君が車に乗って入って参りまして、そうして、もう帰ってもらいたいという宣言をやっておりました。そう言って、みんな帰りますから、私は中へ入ったのでありますが、しかし、まだ帰らない全学連の連中が、まだがんばっておるということであったのであります。しかも、先ほど小林君が申されました通りに、議長も心配されておる。また私どもが院内に入って聞きますと、警官五千名を入れて、そうして、これの退去を命ずる、いわば、いろいろの都合で入ったとして、その入ったことに対していろいろ議論がありましても、これもやはり主人公であり、統治権者である、それに対して、また議会の方から警官を出して、これで圧迫するということになると、議会政治そのものが警官に守られ、さらに加えまして、その次に私どもが聞きましたのは、非常事態の宣言をして、そして自衛隊が出る、自衛隊に守られながら警戒をやるということになれば、もう議会政治ではございません。それは一つのフアッショの政治に変わる結果になるのでありまして、私どもは、先ほど小林君が申されました通りに、委員長を中心として集まっておりました代議士の各位が、「これは一つ書記長、先頭に立ってみんなに帰るようにしてもらいたい」、こう言いますから、私は出て参りまして、この集まっている各位の中に入って、もう帰ってもらいたいということを私どもは強く要望したのであります。なかなかいきり立っている者の前に出て、帰れと言うことは、非常に苦痛な点であり、また反撃も相当あったのでありますが、議会そのものを考えて、一歩誤って議会の中に血を流すようなことがあっては、議会の権威は落ちるということになるのでありますから、実際議会の権威と品位を保つためには、無理をしても帰ってもらわなければならないというので、おりました方々を説得して、約三十分ほどでみんな帰ってもらったのであります。従いまして、自分のやりましたことを考えてみますならば、まず議会の権威と品位を維持するために、秩序を維持するために行動したのが、懲罰委員会にかけられておるというのでありまして、この点が了解に苦しんでおるのであります。  そればかりではありません。これは法務委員会において私どもを召喚して何かやろうということで、まあ召喚があるようなことがいわれました。それで法務委員会におきましては、いろいろなテレビを見、あるいは映画を持って参って見ました結果、私どもの態度は明白になったということで、結局証人には呼ばぬということになったようであります。それが懲罰委員会にかわるということになったのでありまして、この点につきましてはどうも私どもは納得がいかないのであります。すなわち、納得のいかない反面においては、私は非常な政治的な意義があるということを考えざるを得ないのであります。しかし宣告を受けたのでありますから、これはやむを得ません。従いまして本日ここに参りました後においては、まず私は議長がなされた、いわば宣告文並びに議長の言明、それについてわれわれに対する質疑応答が行なわれまして、その結果最後に、お前の考えはということになるのが普通だと思っておったのでありますが、そうでなく、質疑応答があとになって、自己弁解といいますか、これが先になったようでありまして、この点はもう一ぺん私は最終的の場合においては、ここにおいて意見を述べさせる機会を与えていただきたいと思うのであります。  そういうようなわけでありますが、最後に一言申し上げておきたいのは、この間起きた事件は、まさに偶発事件であろうと思います。これはやはりこの間その相手方、支配する側の方の議会における答弁におきましても、そのことを裏書きしておるようでありまして、この間起きたことは偶発事件でありまして、この偶発事件が起きたことは、まことに私は遺憾に考えます。しかしながらこれが起きたからといって、院外においては請願者に対して弾圧を加えておる、さらに加えて院内においては懲罰を加える、これだけによって問題は処理されるものじゃないと私は思うのであります。  ここで私は一言申し上げたいのは、こういうような事態になったのは、どういうようなところからきておるか、この点をよくお考えになって、ある意味においては政府与党並びに議長それ自体が、私は反省をしなければならぬ段階ではなかろうかと、こう考えておるのであります。さらに社会党の立場を申し上げますが、社会党は国会を通じて、平和的に、民主的に社会主義を実現する政党であります。国会の権威と秩序を尊重する立場に立っていることは明らかになっておるのでありまして、この点だけは明白にいたしておきます。  以上をもちまして自己弁明を終わります。(拍手)

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員長 以上で本人淺沼稻次郎君、同岡田春夫君、同柏正男君及び同小林進君の一身上の弁明は終わりました。  この際、暫時休憩いたします。     午後零時二十五分休憩      ————◇—————     午後三時三十一分開議

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  飛鳥田君から発言を求められております。この際、これを許します。飛鳥田一雄君。

飛鳥田一雄日本社会党

○飛鳥田委員 およそ、先般委員長が取り次いで読まれました本件事案を懲罰に付する理由、この理由というものが非常に不明確でありまして、人を処罰しようとする以上、その起訴状にも当たるべきこの理由が不明確なままで審議が進むということは許されないだろうと考えるわけです。従って、今後のいろいろな論争、今後のいろいろな立証を整理して参りますためにも、すなわち、不必要なことを削除いたして参りますためにも、明確にしていただくべき点が数多かろうと考えるわけです。そこで、一体どなたにこの不明確な点をお尋ねしてよろしいのやら、わからないわけです。本来でありますならば、議長にこれをただすべきところであろうと考えます。しかし、議長は出席しておられませんので、これをかわって朗読、委員会に紹介をせられた委員長にお伺いをし、委員長を通じて議長の回答を求めたい、こう思うのであります。もちろん、あまりにもひどい、不明確な御回答でありますならば、場合によれば、御本人からじかに伺いたいと考えるわけです。  第一に、釈明を求めたい点は、「無記章の陳情者が常に本院正門から入ることを許されないのみならず、」と記載をせられておりますが、この場合の「常に」という意味は、いつも、平常はという意味であって、衛視その他の承諾があるような場合は別であるという、例外を認めている意味であるのか、それとも、絶対にという意味であるのか、この点が一つ。  第二には「本院正門から入ることを許されないのみならず」と書いてありますが、一体、正門というのはいずれの門を称するのか。すなわち、あそこには五つ門があります。中央門、その両わきに衆議院の門、参議院の門、そしてさらにその外側に小さい門があります。どの家でも、正面の門と、くぐりとは違うはずです。この場合に「本院正門」というのはいずれの門をさすのか、個人の私宅のくぐりにも相当する通用門をも含むものであるかどうか、これが第二点であります。  第三点は、「しかも当時特別警備のため本院正門を閉鎖している状況であったにもかかわらず」とありますが、この特別警備はいかなる程度の警備であったのか。すなわち、議事堂外特別警備実施要綱というものを見ますると、警備の状況は、第一段階、第二段階、第三段階の情況というふうに分かれ、しかも、それに対応した措置が記載をせられております。そのいずれの段階であったのか。  さらに、第四点は、「本院正門を閉鎖している状況であったにもかかわらず、議員淺沼稻次郎君、同岡田春夫君及び同柏正男君は、」云々と書かれておりまして、すなわち、「本院正門を閉鎖している状況」というこの状況と、その後、旗を立てて入る人と一緒に入ったとか、あるいは行進したとかいうことと因果関係が明白でありません。その関係を明白にしていただきたい。  第五点は、「本院正門から不法に進入するのを止めることなく、」と書いてありますが、「止めることなく」という言葉は、旗を立てていることをとどめることなくであるのか、あるいは不法に進入するのをとどめることなくであるのかが明白でありません。従って、この「止めることなく」というのは、両者いずれにかかるものであるか、さらには、両者を含めるものであるか、このことを明らかにしてほしい。  さらに、「止めることなく」とありますが、これは当然、不作為の事実であります。どちらかと申しますれば、不退去罪その他のような純正不作為犯に相当する事実であろうと思います。従って、このような不作為を処罰する場合には、不作為を対象とする場合には、当然何らかの反対の作為義務がなければなりません。しかも、その作為義務は、宗教上あるいは道徳上の義務を含まないことも世界の通則でありますから、いかなる作為義務があったのか、規定、法規を示して明白にしていただきたい。  さらに、次の問題は、「これと共に入門し」とありますが、「これと共に」ということは、単に事実的に行為を共同したというだけであるのか、それとも、不法に進入する者と意思を共通にした者というのであるか。すなわち、単に外形的行動が「共に」、こういう点にとどまるのか、あるいは入ってくることそれ自体について共謀の関係があったというのか、この「共に」という言葉は非常に不明確であります。この点を明白にいたしませんと、今後のいろいろな立証、議論等を複雑多岐に陥らしめる危険がありますので、この点について明らかにしていただきたい。  さらに、続いて最後のところでありますが、「陳情代表団の先頭にたって行進した。」と書いてあります。「行進した」というのはいかなる身体の状況を言うのか、歩くのか、歩いているのとどれだけ違うのか、こういう点を明白にしていただきませんと、非常に重要だと思います。  さらに、最後に、衆議院規則第二百九条を見ますと、「衛視は、議院内部の警察を行う。警察官は、議事堂外の警察を行う。」となっておりまして、議院内部ということが非常に不明確であります。従って、この点について、議院内部の意味を明白にしていただきませんと、本件の基礎的なものが失われますので、これを明らかにしていただきたい。  なお、対象の四議員は、議員としての職権行使中の行為であったのか、この点もあわせて明白にしていただきたい。  以上、ごく概略的でありますが、疑問と考えております点を明白にしていただいて、その正確な理由の把握の上に立って、議事を進めていただきたい、こう考えるわけです。

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員長 お答えいたします。ただいまの飛鳥田君の御発言につきましては、委員長においてしかるべく取り計らうことといたします。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 この際、証拠調べといっていいかしらないが、本件の起訴事実を明確にするために、証拠の申請と申しましょうかをしたいと思います。  第一は、議院の警備の任に当たっておった警務部正長が一番の責任者でもあるし、事実を知っておるものと心得まするがゆえに、まず、山野警務部長を説明員としてお呼び出しを願って、ここでわれわれは事実に当たって聞きたい、こう思います。それが一つ。  それから、いろいろの写真が警務部の方へきておるか、または警務部でとったのか知らぬが、あるやに承っておりますから、その際、参考になる写真があれば、持ってきてもらうことを、つけ加えてお願いしたいと思います。  次いで、警察で当時とりました写真を、われわれは法務委員会で見せてもらったのでありますが、法務委員会で見たのはもちろん、そのほかにも参考になる写真があれば、警察本部でもよし、警視庁でもよろしゅうございますが、そこから持ってくるように、取り寄せの手続をお願いしたい、こう思います。  それから、第三といたしまして、法務委員会において、警備の責任者である柏村警察庁長官並びに警視総監に対して詳細に質問をしておりまするから、この両者に対する質問の速記録を取り寄せていただいて、ここの参考にいたしたい、こう思います。  なお、この事実を写しておる映画があるようでありますが、この映画を一つお取り寄せ願って、映写をしてわれわれに見せてもらいたい。その映画の取捨選択については、委員長におまかせいたしたい。  この四つを、とりあえず申請いたします。

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員長 ただいま鍛冶君からお申し出の件につきましては、委員長においてしかるべく取り計らいいたします。  山野警務部長が出席しましたので、順次質疑を許します。   [発言する者あり〕

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員長 速記をとめて下さい。     〔速記中止]

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員長 速記を始めて。  それでは鍛冶良作君。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 山野警務部長に、去る十一月二十七日、本院で起こりましたデモ隊の侵入事件につきまして、大体の事実をお伺いいたしたいと思います。  第一番にお聞きしたいのは、この日に、いわゆるデモ隊が国会周辺へ押し寄せてくるということは、相当前からわれわれも聞いておったのでありまするし、新聞紙上にも出ておったのでありまするから、衆議院においても、その責任者であるあなたとして、相当情報を得ておるとか、また、いろいろなことを聞いておられたと思いますが、どのようなことを聞いており、しこうして、それに対してどのような警備の方法をとっておられたか。これは概略でよろしゅうございますが、まず、それを承りたいと思います。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 お答え申し上げます。この情報は、事件が起こりました約十日前ごろから、警視庁の方からも入手いたしております。あるいは警視庁の警備部長と、外部のことについて、院内に影響を及ぼすことあるべきかの点に関しまして、いろいろと打ち合わせもいたしております。  警備の方針といたしましては、われわれ相当数の衛視を持っておるわけではございませんので、このような場合には、できるだけ国会の周辺にそういった集団の方々が近寄られないように、常に警視庁に依頼をしておるのでありますが、このときの情報は、実数約二万六千名というのを得ておるのでありまして、事実も大体そのようでありましたが、できるだけ国会周辺の方には近づかないで行動をしてもらうようにしてもらいたいといったような打ち合わせをいたしました。従いまして、門及びさくの中が議長警察権の及ぶ範囲でございますので、この範囲につきましては、私の責任がございます。それで、われわれ事務的に——こまかいことは省略いたしますが、いろいろ警備の段階を設けておりまして、二万数千名がこの周辺に集まられるということは、われわれの事務的な段階といたしましては、最高の段階でもって臨んだわけであります。やや具体的に申し上げますと、衛視の各門配置を厳重にする、あるいは一課、二課、主謀、四課とありますが、第四課が機動的な性質を持っておりますので、四課長を構内の警備の指導隊長といったようなことで、各門の配置、あるいは構内に何か起きた場合には、どういう処置をするかといったようなことについて、常とは異なった心がまえを持って対処せよということで警備に当たったのであります。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 二万数千名が来ると言いましたが、いかなる名目で国会へ押し寄せてくると聞いておりましたか。これは、何か俗に言うデモ隊であったのか、それとも請願とか陳情とかいう適法らしい名前でも使っておったのか、その点は聞いておりませんか。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 これは国会に請願・陳情を行なうといったような目的でやられるというふうに情報を得ております。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 請願・陳情というのは、法律にも書いてありますように、平穏なる請願はできるということになっておる。数万人の力をかりなければできない請願なんというものは、われわれには平穏なる請願とは認められないのだが、あなた方は、それでも平穏なる請願をやるものと思っておられましたか、いかがです。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 私ども得ました情報によりますと、当時、その行動に参加せられた方々の一つの方法といたしまして、一人々々の人が請願書あるいは陳情書というものを持って、連鎖的に請願なり、陳情を行なうといったような情報を得ております。そこで、そういったような場合に対処します場合には、ただいま仰せのようにいろいろの問題もあろうかと思いまして、十一月二十四日に、院内の警察及び秩序に関する小委員がございますので、松澤小委員長を初め与党、野党の先生方が小委員になっておられますが、そこで御審議を願ったわけであります。その場合、御審議を願った点が数点あるのでございます。第一には、当日議員一人について原則として一個ということでお貸しをしております通行証は、場合によってはやめてしまおうという話が出たのでございますが、野党の議員さんの御反対がありまして、やめてしまうということはよろしくない、制限するということならよかろうというお話がございました。それが一点。第二点は、個々の請願といえどもこれが連鎖的に行なわれる場合には、その行動その他の事情から判断して集団陳情とみなして——集団陳情取締要領というのがございますが、その形態が、多数が抑しかけて、そしてかりに一人ずつ持ってくるとしても、それは憲法にいわゆる平穏なる——これは多少私の注釈がついておりますが、平穏なる請願とは認められないような場合には、それは集団陳情取締要領によって取り締まる。と申しますことは、三十名なら三十名の代表以外は認めないということを小委員会において御決定になったわけであります。ほかに一点、警務部で発行しております記章の数が多過ぎるのではなかろうか、これは追って警務部当局において研究するように命ずるということが、当日の小委員会の決定されました御方針でございまして、私は当日も、その線に沿って警備をいたした所存でございます。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 先ほど来四人の被懲罰事犯の人々の一身上の弁明を聞いておりますと、請願は平穏にやるのであって、議長とあらかじめ約束ができておった、しかもその約束をするときには、警務部長であるあなたも立ち会いの上で、議長室で約二十名くらいの者ならば面会してもよろしいという約束ができておったというのですが、そういうことはあったのか、またどういう意味でそういう約束をされたのか、お聞きしたい。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 議長室において、私が立ち会ってさようなお約束があったという事実はございません。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 それは大へんなことだが、下平議員が特に議長とも約束し、事務総長及びあなたも入れて、それは一ぺんだけではない、そして二十名といっても少しくらいは超過してもいいが、三十名以内ということで議長室で面会することに確約したというのですが、あなたは立ち会われぬでも、あなたのおられぬところでだれかと約束された事実はございませんか。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 先ほど、私が議長室で云々と仰せがありましたので、さような事実はないと申し上げましたが、議長が、二十名くらいにはお会いになるようだという話は聞いておりました。  それから副議長が私をお呼びになりまして、そうして自分は三十名の代表と会う、そこで自分の部屋の警戒といったようなことは、やめてもらいたいというようなお話がございました。そこで「議長さんからのお話——直接ではございませんが、お話は、二十名というお話のように承っておりましたが」と副議長さんに私申し上げました。副議長さんは、「それはそれでいいのだ。おれは三十人なんだ」という仰せがあったことは事実でございます。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 それはおそらく、憲法にいう平穏な陳情と思うから、言われたのだろうと思う。そこで私が不審にたえないのは、先ほど来あなたに聞いているように、何万人という者があとについて、入るのがどれだけであろうとも、われわれから見ると、それは平穏なものとは何としても認められない。しかし、平穏であればという意味であったかもしれないが、しかしそれは、平穏であろうとなかろうと、来れば会うという意味なのか、憲法にいう平穏なれば、二十名そこそこの者なれば会うという意味だったのか、その点を確かめておきたい。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 私はもちろん、面会規則、衆議院集団陳情取締要領等にいうところの取り締まり方針で臨み得る対象の場合と考えておりました。従いまして、平穏でない場合には、それはお通しすべきではないという事務的な見解を堅持していたわけであります。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 それからこの理由書を見ますと、「無記章の陳情者が常に本院正門から入ることを許されない」と書いてありますが、これはどういう意味なんですか。いつでも、記章のない陳情者は、正門から入れぬことになっているのか、それから記章があれば入れるということになるようだが、どういう記章を持って、どういう手続を踏めば入れるのか、そこを伺いたい。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 それは衆議院集団陳情取締要領に、明らかに「前庭は記章帯用者及び許可を受けた者以外の通行を厳禁する。」ということがあるのでありまして、正門は、ずっと前から記章をつけない人は通しておりません。歴史的に申しますと、議員のみしか通さなかった時代もあります。その後だんだん、院内通行の各種記章がございますが、その種記章をつけた者は通してもいいのではなかろうかといったふうに変わってきております。  なお、昨年別館ができまして、議員さんが、別館の受付へおいでになって面会人に会えば事足りるというふうになりましてからは、無記章者は、正門のみならず、ほかの名門からも通行を禁止しておるのであります。ただ、それがまだ議運の決定を得るに至っておりませんので、私ども、事実上の取り扱いとしてさようにいたしておりますが、前には、議員面会所が門の中にありましたので、議員さんに御不便をかけてもいかぬので、無記章でも通したことがございます。しかし、正門だけは、議員さんの権威のためにも、むやみに人を通さぬという建前をとっておるのでありまして、これはいかなる場合においても、記章のない者は絶対に通しておらないのであります。何も当日に限ったことではございません。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 そうすると、記章があれば通すのですね、陳情であろうが、なかろうが。それはどういう記章でも、それを門の外でもらえば正門からでも入れるのですか、その点はどうですか。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 具体的に御説明申し上げた方がおわかりになるかと思いますが、たとえば、議員の秘書さんがこられまして、そして、自分の先生のところへ面会に来ている人がいるのだが——当日貸しの記章というものがありまして、当日だけ有効のものがありますので、それを一つ貸してくれないかといって警務部へこられます。そうすると、秘書さんがその記章をお持ちになって、そして、会いに来た人は入れないわけでございますから、門外で待っているので、門外に行きまして、秘書さんがその方にその記章をお渡しして、入り得るといったようなことがあろうかと思います。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 そうすると、その記章があれば正門からでも入られるが、その記章のない限りは、陳情であろうが、請願人であろうが、正門からは入れない。  もう一つ聞きますが、記章がなくても議員が帯同していく場合は入れるのですか。幾ら議員がおられても、記章がなかったら入れないのですか。この点を明確に御答弁願いたい。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 正門に関しましては、記章のない方は、たとい議員さんが帯同されても、お断わり申し上げております。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 その次に、この正門という意味ですが、これは、あそこの門ですが、門には、まん中に大きな広い門が一つあります。それから、こちらからいうと、参議院側の方に門が一つある。衆議院側の衛視のおるところにも一つ門がある。これだけの三つだろうと思うが、正門とは、この三つをさして言うのか、それとも、まん中の一つをさして言うのか、また、そのほかにくぐりでもあれば、くぐりまでも入るのか、この点はどうですか。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 理屈はいろいろございますが、私どもの取り扱いといたしましては、まん中にございますのは、正門の中央門と称しております。それから、衆議院側の門は衆議院大門と称しております。参議院もそうであろうと思います。なお、その右に小門がございますが、これをも含めまして、数としましては全部で五つになりますか、五つ全部を総称しまして正門と申しております。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 この理由書を見ますと、「しかも当時特別警備のため本院正門を閉鎖している状況であった」とあります。これは「当時特別警備のため」というのは、数万人の者が正門へ向かって押し寄せてきたものだから、平生の守備では足らぬというので特別警備をやった、その特別警備をやろうとして、一切正門から何人も通行のできないように閉鎖しておいたということであろうと思うのですが、この点はどうでしょう。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 状況が切迫いたしましたので、特別警備の態勢に入って、仰せのような処置をとったわけであります。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 そこで、その切迫した状況といいますが、その前に、この門を閉ざすまでに、門の前において、ことにチャペル・センター前のあの広場において相当緊迫したる状態になっておったと聞いておりますが、この点は、あなた方の目で、どういうことがあって、これは大へんだと思われたか、それとも、大したことはないと思われたか。特別警備をやらなければならぬのは、こういう状態だったから特別警備をやったということがあろうと思いますが、この点を一つ明瞭に答えてもらいたい。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 先ほども、二万数千名が構外において集会を持たれるということは、これは、われわれ構内を守る者としては重大なことであると考えました。従いまして、当初から特別警戒の態勢に入ったのであります。しかしながら、この正門を閉ざすということは、時によると議員の通行も阻止するという物理的な現象を呈しますので、正門は議員の通行確保のために、状況が切迫しない限りはあけておく、これは議員の通行以外、何ものも目的とするものではございません。従って、当時事が起こりましたときには、切迫した状況にかんがみまして、私の下の者が門を閉ざしたわけでございます。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 その切迫したる状況ということは、どの程度のことで、これはいかぬと思われたかということなんです。具体的にそれを……。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 これは報告に基づくものでありますが、しかし、これは私の責任においてお答えしておるわけでございますが、チャペル・センター前で集会を持たれて、こちらの方に緊迫した状況といいますか、こちらに向かうという状況がまだないといったような場合には、まだ正門を閉ざしていないわけであります。しかし、当時事が起こりましたしばらく前から、こちらの方にだんだん人が押し寄せるという状況を配置の警戒員が見まして、門を閉じたというように聞いております。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 私らの聞いておるところでは、チャペル・センター前で集会をやっておるとき、警官はトラックを並べて、デモが国会正門へ押し寄せないように警備をしておったと聞いておる。しかるに、それがだんだん勢いを、増してきて、ついにそのトラックの閉鎖を突き破って入ってきて正門へ押し寄せたというのですが、あなたの言われる緊迫というのは、そのトラックの閉鎖を突き破って門へ押し寄せてきたときなのか、それとも、まだトラックのある時分からやったのですか、それはどうですか。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 これは構内と構外とがございます。先ほど申し上げましたように、御承知のように、構内はわれわれが警備いたしますが、ああした場合には、外のことは全然知らぬというわけに参りませんので、構内の警備員も、もちろん外の様子を見ておるわけであります。ただ、権限はございませんが、見ておるわけであります。そうして、その当時の構外のことでありますから、私どもの部下から報告書をとるわけには参りませんで、警察官から聞いておるところでは、きわめて正確な記憶ではございませんが、大体、今、先生が仰せのような状況であったように聞いております。従いまして、その状況に即応して、門のところの非常警備をしたというふうに聞いております。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 その非常警備は、おそらく議長の命によってあなたが出されると思うが、あなたは、どういう命令を部下に出されたか、それが一つ。それから、非常警備であるがゆえに、議員といえども入れないようにという命令であったのか、議員であればやむを得ぬという命令であったのか、これはどうでしょう。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 そのときどきに非常警備というものを議長から出されるわけではございません。これは、私が御委任を受けておると考えております。  それから、議員といえども云々という仰せでございまするが、あのときに、私から、議員といえども絶対に通してはいかぬという命令は出しておりません。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 それじゃ、どういうのですか、何人も通してはいかぬということは、どういう意味になるのですか。閉鎖してあるんだから、議員ならば閉鎖を解いてもいいのですか、特別警備というものは。その点……。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 もし開門して議員さんを入れれば、その議員さんの生命に危険が及ぶといったような場合は、現場にいる者としても絶対に拒否すべきであろうと思いますが、議員の門からの出入については確保しなければならぬというのが、私ども前々からの部下に対する指示でございます。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 それはわかっておる。非常警備であるから門を閉鎖したというのでしょう。閉鎖した以上は、あけたら大へんだということでしょう。そこでそういう場合にも、どれほど大へんがあっても議員ならば仕方がないというのか、議員といえども大へんが起こってはいかぬから、何人も通さぬというのか。あなたが、別に議員にはどうとか言われぬでも、門を閉鎖して通行をとめたということは、何人をもとめたということじゃないか、こういうことです。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 これは原則としては、仰せの通りだと思います。ただし、当時の状況はこれは現実にそのところにいた者に聞いたわけでございますが、議員さんの非常に強い御要求があったので、議員さんだけは通した方がいいという判断をしたということでございます。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 そこが大事な点で、非常警戒であるから門を閉ざす、閉ざす以上は、何人も通さぬということが原則だと私は常識上考える。そこで議員といえども、あけたが最後大事に至ろうとすれば、通さぬのは当然だろうと思う。しかし、議員の要求があったから通したということと、議員は通るのがあたりまえだということとは違いますよ。通ってもらっちゃ困るのだが、議員の要求が強いのでやむを得ずあけたというのか、それとも通るのがあたりまえだからあけたというのか、どっちなのか。そうでなかったら非常警戒とはいわれぬでしょう。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 それはやむを得ずあけたということでございます。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 これはそのときの部下からも聞いてみなければならないかもしれませんが、あなたとしてはよくおわかりだろうと思う。あけたら大事に至るに違いないのだが、議員なるがゆえに、責められてやむを得ずあけたということになると、これは私はまことに遺憾だと思う。そこで今あなたの言われるところでは、陳情団代表を案内するからあけろと言ったようですが、私だけが通るんだと言わないで、陳情団を案内するのだからあけろと言ったと聞いておりますか、その点はどうなんですか。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 それは衛視の報告によりますと、その間の事情がやや詳細に書いてあるのでありまして、無記章の方は、議員さんが何と言われてもここを通すわけにはいかぬのだから、これはどうもごかんべんを願いたい、どうか受付の方へお回り願いたいということをるる申し上げているようでございます。しかし、議員さんの中には、そんなはずはなかったというふうに——これは私、そうお思いになったのだと思うのですけれども、そう言われた方もおありのようでございますし、いや、何でもいいからあけろと、しつこく言われた方もあるようでございます。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 もう一つ、先ほど来言われるところを聞いておると、議長と約束があって陳情団を案内するのだからあけろ、こういうことであったようです。約束というのは、かりに平穏なる陳情団であればそれは会おうということであろうが、先ほど来聞いておると、幾ら約束があっても記章なしに正門から入っていいという約束はなかった、これが第一。かりにそういうことがありましても、今聞いておるように、緊迫したる状態において正門をあければ大事に至ると思うから、なおさらこれを通すわけにいかぬ。そこで衛視の方で、通っては困ると言ったのだろうと思うのだが、それをも聞かないであけさせたというのが、実情じゃないのですか。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 当時の状況は、記章がなくてはだめであるというのは、いかなる場合でもだめなのでございますから、その点は強く申し上げてあるはずでございます。かつまた、平素ですらいけないのでございますから、緊迫した状況下においてはことに支障がありますので、そのようにお断わりをしたはすでございます。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 そこでしつこくあけろと言って迫り、とうとう衛視は負けてあけたのでしょうが、そのあけさせた議員のうち——これはたくさんあろうけれども、今懲罰の要求をせられておる四名の人々が、入っておったことだけは間違いございませんでしょうな。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 小林進先生は、中に入られてから、いわゆる陳情団の先頭に立たれたようでございます。一度表においでになったようでございますが、その後、一度姿がちょっとわからなくなっておるという報告になっておりますので、全部がと申し上げるわけにはいかぬと思います。  なお、淺沼先生は、その間答のときに、何でもいいからあけろとはおっしゃっておらぬようです。衛視が「無記章者は正門は入れないのですから、ごかんべん願いたい」と申し上げたときに、ほかの方々はあけろと強く要請されたのでありますが、淺沼先生は「そんなはずはないはずだ」と言って、不審そうな顔をされておられたという報告になっております。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 そこで、これは陳情団を案内するというのだから、議員が入れば、陳情団と称するものが一緒に入るのはやむを得ませんですね。それはあなた方の方で、議員だけ入れて陳情団は入れるなと言ったのか、あけた以上は、陳情団を案内するというのだから、不法な陳情団を先導していくということになりますか、この点はどうでしょうか。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 これは私どもの仕事の上から重大なことでございます。私どもは下の者に対して、たとい議員さんが帯同されておっても、無記章者は平素といえども入れないのですから、いわんやあのときに、先ほど来るる申し上げておりますように、やむを得ず——この処置は適当であったかどうかはわかりません。わかりませんが、やむを得ず議員さんの要請によって門をあけたのは、当時議員さんの入場だけを確保するためにやったのでありまして、その後、あけたために同時に破られまして、数十名の無記章の方が入られたのでありまして、この方々は——議員さんは別でございます。このあとにくっつかれた方は、あくまで不法侵入者であるということには間違いございません。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 その入ってきた者どもは旗を立てておったか、立てておらなかったか、先ほど来問題になっておるのですが、ここには旗を立てて入ったとありますが、旗を立てて入ったことは間違いありませんか。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 旗を立てていたという報告を受けております。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 第一、先ほどから聞いておると、無記章者で議員にあらざる者が入ったことは、すでに不法である。いわんや旗を立てて入ったにおいては、ますます不法を大ならしめるものであるが、それを制止しないで、議員は、先導すると言って、先頭に立って進んでいったのですね。これはここにそう書いてあります。「議員岡田春夫君、同柏正男君及び同小林進君は、本院構内を旗をたてて行進するこの陳情代表団の先頭にたって行進した。」こう書いてある。これは間違いございませんね。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 この点はきわめて明瞭であろうと存じます。この点は、普通の衛視ではございません、私どもの第四課長が、現実に旗を立てておる人に「旗を巻いておるしてくれ」と言ったのでございます。ところが、「なに立ててやしない。半分じゃないか」というようなやりとりがございました。かつまた、その第四課長が——田口衛視長でございますが、「困る。無記章の者は、正門から入ってくることもとんでもないことだし、かつまた、ここは議員さんと一緒でもだめだ。通れないのだから出ていってもらいたい」と言って、実は正玄関の前から、できれば南通用門から排除しようとしたのでございますが、当時第二、第三会館の方からの群衆が押し寄せまして、あそこの門をあけたら逆に入られてしまうという状況でございました。そこでやむを得ず、今度は通用門と申しまして、総理官邸の方の門から排除しようとしたのでございますが、これまた、群衆が外から押し寄せてきて、こちらから一生懸命防いでおる状況でございますので、そこでやむを得ず、八十八号と申しまして、別館の食堂の入口のところがございますが、そこから議員面会所の方にお入れした。これは何か誘導したとかなんとかいうお話をちらほら聞いておりますが、衛視長は、あくまでこれを排除しようとして努めております。従いまして、この無記章者を正門から入れるということもとんでもないことでございますし、かつまた、構内を通すということもとんでもないことである。ただ、当時いかに排除しようとしても、各門とも外からの押し寄せが強くて、そこから出すわけにいかなくなってしまったので、万やむを得ず、緊急行為として八十八号から議員面会所の方に案内した。平素ならば、議員面会所の方に案内するということはとんでもないことでございますが、当時の状況はそのような状況でございます。「旗を巻け」と言ったのに対して、「旗は立てておりはせぬ、半分じゃないか」といったようなやりとりがございます。かつまた、制止に当たったのは、その前に木高という衛視長が当たっておりますが、「これは困る」と言って一応なにしたのでありますが、その直後に、田口という第四課長に場所が引き継ぐところになっておったものですから、そこに引き継いだ。田口第四課長が機動隊の最高責任者であります。従いまして、この課長が記憶にあること、報告書にも出ておりますが、それらから推しまして、これは自分の直近の部下の報告書であり、かつまた、本人の話でありますから、私はこれは信ぜざるわけには参りません。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 あなたは、当時の写真がありますか。写真をお持ちになりましたら、参考のために見せていただきたい。     〔山野参事、鍛冶委員に写真を示して説明〕     〔「発言は委員長の許可を得てやれ、何をしているか、立ってみなにわかるように説明しろ、そんな個人だけの説明があるか」と呼ぶ者あり〕

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 委員長、御説明申し上げてよろしゅうございますか。

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員長 どうぞ。     〔山野参事、鍛冶委員に写真を示して説明〕

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 それともう一つ。議長と約束があったにもかかわらず、議長は当時会われなかった、こういうお話がありました。約束のことは先ほど聞いたが、ある程度あったかもしれないが、それにもかかわらず、会われなかったのはどういうわけでしょうか。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 私が承知しております限りにおきましては、いわゆる陳情団の本院構内への入り方が違法なので、そのような人には会わなかったということだったそうでございます。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 ところが、副議長は会われたようですが、副議長は喜んで会われたのですか、それとも、事をおさめるためにやむを得ず会われたようにも聞いているが、その点はいかがですか。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 後日正木副議長さんからお伺いしたことでございますが、副議長さんは、あの場合自分が会って、そうして何とかして解散をさせなければならぬので、自分はその目的で会ったのだというお話を私になさいました。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 その旗ですが、どんなような旗だったか、聞いておりませんか。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 旗の種類、格好等については聞いておりません。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 まあ、旗があったということがわかればそれでいいです。  ただ、もう一つ重大なことは、先ほど来、このデモ隊が押し寄せてくるということについて情報をいろいろ聞いておられたと言われましたが、このデモ隊について、一九五九年十一月十一日、日本社会党中央執行委員会特別指令、並びに一九五九年十一月十八日発、日本社会党東京都連合会執行委員長重盛壽治、安保特別委員長角山良道、同じく事務局長曽我祐次、これらの指令に基づいてこの行動をやったもの、とわれわれは聞いておりますが、あなた方は、これらについて、そういう指令があったということを聞いておられたかいなか。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 事件当日までは聞いておりません。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 その後に聞きましたか。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 その後には聞いております。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員 もう一点。先ほど聞いたのは、議員が執拗にあけさせたのは、先ほどあなたが言われた衆議院大門だったのですか、そこの門を入ってから、社会党の議員諸君がいわゆる先導していって、先ほど言われたあなたの方の衛視長が、仕方がないからさらに議員面会所の方に案内した、こういうことだったのですが、そのときに、まん中の大門ですか、中央門を突破して突入した、こう聞いておりますが、これはどういうのですか。その時間的の相違、もしくは衆議院大門だけから入ったのか、中央門はあとでこわれたのか、その点大事なことですから……。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 衆議院の門に議員さんが来られまして開門を迫られて、陳情団がその後に入りました。それを、陳情団の入門を阻止すべく一生懸命押えたわけですが、やむを得ず破られたわけでありますが、これをもとへ戻すことに成功しました。その直後に、中央門と申しますか、衆参両院の門のまん中にある門が破られたようでございます。

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員長 横路節雄君。

横路節雄日本社会党

○横路委員 警務部長にお尋ねをしますが、先ほど鍛冶委員の質問に答えて、あなたは、事前に十一月二十七日の行動についてはいろいろと聞いておった、大体実数は二万六千名だと思っている、また事実、実際の人数もその通りであったと言われた。こういうことは、あなたとしては、当然本委員会ばかりでなしに、議院の運営委員会でも述べられているわけですね。十一月二十八日の会議録を見ると述べられている。しかし、議運の理事の下平議員からこの間のいきさつを詳細に私はお聞きをしているわけです。十一月の二十五日には議運の下平議員は、議長、副議長、事務総長にお会いをして打ち合わせをし、その間の会合から引き続いて下平議員と事務総長との間に話をして、事務総長も、代表は二十人に制限をしてもらいたいというお話があった。さらに下平氏は、そのときに、代表は二十人であるが、しかし実際には、いろいろな各団体が来るから、三十名になるかもしれない、従って、この点については、三十名を限度にして自分たちの方でも一つそういうことでいたしたいと思う、時刻は十六時、午後の四時、場所は議長応接室で十分以内、こういうことで、十一月の二十五日にそういう話し合いが進み、そうして十一月の二十七日の午前中には、事務総長と議運の理事の下平議員との間にこれを確認をして、そうしてこの件については、同日正午に院内で開かれた社会党の両院議員総会でもその点について報告があり、代表者三十名以内を限って議長が会う、午後の四時、こういうことになった。さらに二十七日の午後は、先ほどあなたが鍛冶委員に答弁されたように、副議長はあなたとお会いをして、議長に代表団が十分程度会っても、なお代表団としてはもう少しいろいろお話をしたいという意向もある場合においては、副議長室で代表団にお会いをしよう、その間における副議長室の警備については必要がない、その点についてはあなたが先導してやる、このことは間違いないでしょう。副議長室においてあなたと正木副議長との間にこういう話し合いがあったことは事実ですね。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 ただいま先生の仰せのうち、十六時に会うとか、十分以内とかといったこまかいことについては、事務総長から聞いておりませんが、あとのことはすべてその通りでございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 そうすると、実数二万六千の人々が国会に請願をする、しかしあなたは、今私から尋ねた通り、事務総長からお聞きをしている。また、副議長との関係は、あなた自身が確認をしている。そうすると、当日の代表者三十名以内でお会いするということは、別に二万六千来たから、五万が来たから、七万人の人が来たからということではないわけですね。二万六千の人が初めから来ることはわかっていた。だから、そういう状況のもとでお会いするということについては、別に何万来ようと、そのうちの代表者にお会いするということについては、あなたの方でそういう判断のもとに、会いましょうということになっていたわけですね。先ほどから、ばかに人数のことについていろいろやりとりがありましたから、私はお聞きしておる。五万あろうと、十万あろうと、あなたの方で二万六千の大衆が来ることは知っている。しかし、代表は院内でお会いするというんだから、その大衆が来ることと代表団が来ることとは、人数は院内に三十名を限度にして入るのであれば、しかも正式の紹介の議員が立って入るのであれば、差しつかえないということですね。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 何か先のことを言っておしかりを受けるかもしれませんが、先生の仰せの通りだと思いますが、ただ、入って来方については問題があることを付言いたします。

横路節雄日本社会党

○横路委員 それから次に警務部長にお尋ねをしたいのですが、十一月二十八日、議院運営委員会における山村委員の質問に対するあなたのお答えのところで、こういうことを言っておられるわけです。「私は、正門のところにはおりませんでした。自分の部屋におりましたので、そういうことがあったということは報告を受けておりますが、そのことを現認いたしておりませんので、今後いろいろな写真とかそういうふうなものがあるいは出てくるかと思いますので、そのことも警視庁に命じております。」さらに、引き続いての質問に答えて、「私は外に出ませんで、いろいろと警備の関係その他の連絡のために議事堂内におりましたので、その報告によって申し上げておるのでございます。」こういう答弁がある。これからいくと、あなたは、先ほどからいろいろ質疑がかわされている、たとえば正門のこと、あるいは構内におけること、それらについては、あなた御自身の目で見られて判断をしたのではなくて、あなたの部下といいますか、衛視の方々の報告を受けて、あるいは警視庁その他の写真を見て、その上であなたが判断をされて報告をされておるのだと思うが、それで間違いはございませんね。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 議運でお答え申し上げましたのは、事件の翌日でございまして、報告書の整理に忙殺されておりまして、いまだその信憑性について確認することができなかったから、あのように申し上げたのでございます。その後におきましては、その報告書のうち怪しげなるものは切り捨てております。それから本人についてよく聞いております。そのほか、ニュース映画を見ております。そのほか、警視庁も、開会中常時ここに九十二名参っておりますが、構内でも警視庁はその範囲においては原則としていつも働けるわけでありますが、その警視庁の警察官の報告も聴取いたしました。それらすべてのことを総合いたしまして、もちろん私一人で見て回ったわけではございませんが、本日申し上げておることは、それらを総合いたしまして、間違いないという確信に立って御答弁申し上げておる次第でございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 あなたが判断をされたのは、衛視の報告、あるいは警視庁の写真、ニュース映画等をあなたがごらんになって、確信を持っておやりになったというが、私があなたにお尋ねしておるのはそうではないのです。ここの議院運営委員会の会議録を見ると、あなたは自分の部屋におった。だから、そういう状況については、あなたは正門の状況は見ていないわけですね。だから私が聞いておるのは、それらは写真とか、ニュース映画とか、それから衛視の報告であって、あなた自身の目で現場を見ておるのではないのですね。このことをお尋ねしておるのです。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 大へん失礼いたしました。その通りでございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 今、委員長もお聞きのように、警務部長は非常に重要な発言をなさっておるわけです。それはニュース映画、それから警視庁の写真、報告、その他をまとめて自分は確認したものについて、議長に事務総長の手を通して報告書を出してある。それに基づいて議長はこういう懲罰事犯あるものとして宣告をされ、さらに理由を付せられて本委員会に付託されたのであります。ですから、そういう点からいけば、これは当然、警務部長から事務総長を通して議長に出された報告書というものをぜひ本委員会にお出しいただかなければならないと思うのです。これはあとで私は正式に委員長を通して要求いたしたいと思っております。  そこで次に警務部長にお尋ねをしたいのですが、この衆議院集団陳情取締要領、昭和二十七年十二月十日制定、改正は昭和二十九年三月三日並びに三十年三月二十日、これはあなたの方が専門だからお持ちだと思いますが、この6番に「必要により、議院構内の通行を制限する。(イ)前庭は記章帯用者及び許可を受けた者以外の通行を厳禁する。」とあります。あなたは先ほどから、記章帯用者、記章帯用者と言っておる。これはちょっと違いますよ。許可を受けた者は前庭を通行することができるのです。現にやっておるではありませんか。修学旅行の生徒その他一般の参観人については、警務部へ行って前庭の許可を得れば、これはちゃんと前庭を通って、あの門をくぐって出られるではありませんか。そうしてあの構内においてどんどん写真をとっておるではありませんか。ですから、このことは、あなたが記章帯用者、記章帯用者とばかり言うから、前にも鍛冶委員のような誤解を生ずるのであります。許可を得た者については、これは通行ができるんです。そうでございますね、その点は。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 これは修学旅行のときに……。

横路節雄日本社会党

○横路委員 一般参観者も……。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 そういうことは絶対にありません。修学旅行のときに議員さんがついてこられて、あのちょっと前に出て写真をとらしてくれないかと言われたときには、それは私が許可したことはあります。しかしあの大衆が押し寄せてきて、ここから入れたら大へんだというときには、それこそこれを活用して、許すべきではないと私は思います。

横路節雄日本社会党

○横路委員 私はそのことを聞いてないんだ。警務部長、私はただ要領に基づいて聞いているんで、あの事態において許可することがいいかどうかということを聞いているんじゃないのです。いいですか、あなたが記章の帯用者でなければ通すことは相ならぬのだ、こう直接の警務部長が言うから、私はそうでない、そこに「及び許可を受けた者」となっているじゃないか。そのことについて、あなたは記章帯用者、記章帯用者と言うから、私はあのことと別に聞いているんですよ。この集団陳情取締要領の6の(イ)について聞いている。そのことを、あなたはそうむきにならぬで……。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 先ほどお問いのときには、あの事件の時を中心にお問いになっているものですから、私はあの事件に関連して、ああいったような場合には無記章者は通さぬのだということを申しておったのでありまして、今横路先生の御指摘のように、一般論としてはどうじゃと言われれば、ここに書いてある通りでございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 私はやはり、一般論についてもお尋ねをしておかなければならぬと思う。  その次に、あの正門については、先ほどから言っているように、あなた自身は、初めは議員についての通行を禁止する何ものもない、こういうようにお話をされた。だんだん私も聞いておると、最後には、何かの事態によると、議員の通行についても禁止することができるような御答弁でございました。しかし私がお聞きしていて、あなたがいろいろな質問にお答えをされている中に、答弁が非常に微妙でございますから、重ねてお尋ねしておきますが、あの正門については、議員は、いついかなる場合でも通っていいわけですね。それを制止する、あるいは禁止する何ものもないわけですね。この点だけお聞きしておきたいと思います。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 私は先ほどこう申し上げたつもりでおります。もしか門から入れたために議員の身辺に危害が及ぶといったような緊急状態でもあれば、これはあえて通すべきではない。しかし原則としては、議員の通行は森厳なるものであって、確保しなければならない。さように申し上げたつもりでおります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 それでは警務部長にお尋ねをいたしますが、あのときの状態は、別に議員を構内に入れたから、議員の身辺について危険を感ずる、こういうものではなかったですね。十一月二十七日のあのときの状態では、議員を構内に入れたからといって、議員の身辺について危険が及ぶという、そういう状況ではございませんでしたね。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 議員さんだけがお入りになって、さようなことがあるとは考えません。

横路節雄日本社会党

○横路委員 それでは、警務部長、私の質問で御了承なさったんですね。そこら辺がどうもはっきりしなかったのですが、私の質問は、あのときの状況で、議員を構内に入れたから、別に議員の身辺に危険を感ずるような、そういう状況ではございませんでしたねと、こう聞いている。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 議員さんだけは入れて差しつかえなかったと思います。ほかの者が入られることは迷惑でございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 警務部長、これは十二月二日の法務委員会における会議録から、柏村警察庁長官の法務委員会における答弁をあなたにまず申し上げて、そうしてそのときの状況についてさらにお尋ねをしたい。菊地委員の質問に答えまして柏村警察庁長官は、「門から淺沼さんが入られて、静々と歩んで行かれた行動そのものを違法とは考えておりません。」これが一つ答弁の中にある。あなたごらんになったかどうかわかりません。さらに今度はあの門ですね。これは十二月二日の法務委員会の会議録の、もしもお開きになるのでしたらどうぞ九ページをお開きになって下さい。重ねて申し上げますが、九ページの一番上の段の、菊地委員の質問に答えて柏村警察庁長官は「門から淺沼さんが入られて、静々と歩んで行かれた行動そのものを違法とは考えておりません。」さらに第二段目の菊地委員の質問に答えて、さらに柏村政府委員は「あのときの状況はテレビだけでは明確を期しがたいかと思いますが、テレビによって見るところでは、代表団の方は小門の方から入り」これは間違いないわけですね。「ただ、そのあとに殺到した群集が若干そこから入った事実があるかもしれませんが、大勢のものは正門を押しあけて入っておりますから、これは別個な集団といいますか、一応あの門を入る形は別個な形であると思います。」これは非常に大事なことなんです。次に私、あなたに聞きます。これは読んだだけです。  私が今あなたにお尋ねをしたいのは、柏村警察庁長官は、いわゆる事案における最高責任者であります。この事案の最高責任者が、まず陳情団の方は小門の方から入った。そのあとにどういうような格好になったかわからぬが、大勢のものは正門から入った。——陳情団は小門から入った、言うならば勝手口から入った、大門の方は大勢の力であけた。だから、小門から入った方の陳情団の行動と、正門から入った方の一般大衆の行動とは、これはやはり別個な形です。こうなっております。これは非常に重大なんですよ。この点についてはあなたもそうですね、これは違うとはおっしゃらないだろうと思うのですが、この点について一つ明らかにしていただきたいのです。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 私ども誤解のないようにお願いしておきたいのは、私どもは議長に報告書は出しております。今の、何というのか私よく存じませんが、この理由書によっていろいろお尋ねがあるわけでございますが、この理由書は私のあずかり知らぬところです。しかしせっかくお尋ねがありますから、それに従ってお答えをしているわけでございます。  そこで申し上げたいのは、淺沼先生が云々ということは、議員の行動に対して私は批判すべき立場にございませんから、この点については御返事いたしません。  それから第二段の、柏村君が小門と正門と言うのは、これは明らかに衆議院の正門のことを小門と考え、中央門のことを正門と考えておるのであって、これはもう明々白々ではないでしょうか。われわれがいう小門というのは、くぐり戸みたいなものを小門というのでございます。陳情団が衆議院の門から入ったのを、柏村君はおそらくそういう言葉をよく御存じないのだと思います。正門というのは何でもまん中の門だと考えておられるように私は思います。柏村君に別に聞いたわけではありませんが、中央門を突破して入ったのは、議員さんと何の関係もないのです、私らの言っている報告では。あれはさっき鍛冶先生から仰せがあったように、衆議院の正門を議員さんがどうしてもあけろと言われたので、わが方の衛視があけたわけなんです。そこであとからどっと陳情団が入ってきたということは、これはニュースでも何でもはっきりしているわけでございます。その入ってきたやつを、困ったことになったというので、一生懸命こちらから押えたわけなんです。押え切ったと思った瞬間に中央門が破られて、全学連を中心とした暴徒が侵入してきたわけです。従って、そのことを柏村君がここでそう言っておられるのだと思うのでありまして、人の言われることを間違いだとは断定しませんが、私が諸般の状況から判断しまして、ここにいう小門というのは衆議院の正門のことであり、ここにいう正門というのは中央門のことに柏村君が誤解なさったんだと思います。

横路節雄日本社会党

○横路委員 今、私あなたにお尋ねしているのは——警務部長、あまりそんなにいきり立たないでもけっこうですよ。——柏村警察庁長官が言う大門とは、自動車の通るところですよ。もちろん自動車はみな通るけれども、あなたが言うように、まん中の門については、なるほど大衆が入ってきたわけですね。こちらからいえば——どちらからいってもまん中はまん中なんだが、チャペル・センター側からくれば、左側の門が衆議院の通用門になっている。これから議員が入ったわけです。ですから、私のお尋ねしているのは、議員が入ったということ、それに引き続いて三十人の陳情団が入ったということ、それから、大衆がまん中の門から入ったということは、それは別個な形ですということを柏村長官が言っているが、この点については間違いございませんですね、と、こう聞いているのです。そうでしょう。そのことを言っているんですよ。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 そのことは、そうでございますが、ここに小門とか正門とか書いてあるのを御引用になりまして、この事実に間違いがないかという仰せですから、柏村君、字の使い方を知らないで間違えておるのじゃないか、こういう御説明を申し上げたわけなんであります。     〔発言する者多し〕

横路節雄日本社会党

○横路委員 これは警務部長、うんと大きい門を大きい門と言うんです。それに比べて、小さい門を小さい門と言うんです。それは決して柏村長官の言に間違いがあるわけではない。まん中の門の方がはるかに広いことは言うまでもない。  次に、私があなたにお尋ねしたいのは、先ほど鍛冶委員の質問に答えて、最初は木高衛視長ですね、これは、きょうの岡田春夫君の一身上の弁明からいうと、「私が御案内しましょう」、こう言った。岡田君と一緒にこられた代表は三十人ですから、決して世間で言うような大集団でもなければ、大衆でもない。わずか二十人なんです。わずかなものです。そのとき誘導されたことは——ところが、それを途中で田口衛視長にかわられた。そこで田口衛視長は、衆議院の議員面会所のこちらの門ですね、あれから、岡田春夫君に、ぜひ一つ外へ出て回ってくれと言った。しかし、そのときの情勢は、すでに門はびっしりとめられて、中からは衛視並びに警察官、外も警察官、門はびっしり閉ざされていますから、岡田君は、そのとき田口衛視長に、「状況はこういうふうで、これは外を回れといっても回ることはできない、だから、このままそこの陸橋のわきを通って中に案内をしてもらいたい」、こういう岡田君たちの要請をいれて——また、事実上、状況は、そこの門をあければ、あるいは首相官邸前にいた大衆があの門から中へ入ったかもしれないという状況であった。そこで田口衛視長は、岡田君のその意見に同意をされて、あの陸橋のわきの下のところからくぐって議員面会所に案内をされた。このことは、私は間違いないと思う。この点どうですか。表に出ろといっても、表から回って、あの議員面会所に出ろといっても、そのときはそういう状況ではなかった。だから、田口衛視長も状況判断をされて、外へ出ることはできないから、中から入った、これはどうですか。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 私は、本日ここへ呼ばれまして、議員さんの行動について判断的な御質問を受けようと思っていなかったのでございますが、しかし、ただいま仰せがございましたので、私の主観をまじえて、御返事を申し上げます。  木高衛視長が先導したとか、誘導したとかいうことは、これはとんでもないことだと思います。衛視長というのは、衛視の最高のランクにおる者でございます。これは本人の報告書は出ておりませんが、私自身がそばにおりますから、聞きましたけれども、それは困るといって、両手を広げてとめたわけなんです。ところが、とめたところで、衆議院の正門を破って入ってこられて、先頭に立たれて、もう正玄関の前までこられたのですね。それで、とめても、正門のところまで押し返すということはできないわけです。そこで、田口課長というのがすぐそばにおったものですから、警備の大将である田口課長に引き継いで、自分は引っ込んだわけです。そこで田口課長は「それはいけません、正門から無記章の者を連れてくるのは困ります、旗を巻きなさい」。ところが、旗は半分だからいいだろう——これは議員さんの発言ではないようです。ほかの者の発言のようです。そこで田口課長は——これから先は先生の仰せの通りだと思うのです。排除をしようと思って、南側の通用門はだめだ——これは先ほども申し上げましたが、通用門の方もだめだ。そこで、やっと八十八号という別館の入口へ連れていったのであって、後段のことに関しては、先生仰せの通りでありますが、正門を無記章者を連れて入り、構内を行進されたということと、そのこととは、私は違うと思います。

横路節雄日本社会党

○横路委員 それから、先ほどの鍛冶委員の質問に答えて警務部長は、小林進議員は衆議院の正門から入ったのではない、これは中におって、その人々とともに歩かれたようだ、こういうことを、先ほど鍛冶委員の質問に答えておるようであります。この点は、小林進君の非常に重要な点なんです。ですから、その点は、もう一ぺん確認をしておきたい。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 これはあまり申し上げたくないので、そのように、ごまかすというわけじゃございませんが、言葉をかえて申し上げたわけなんでございますが、もしか、お許しがあれば、全部読みましょうか。

横路節雄日本社会党

○横路委員 差しつかえございませんよ。  ちょっと委員長、今の警務部長の言葉の中に、鍛冶委員の質問に、何かごまかすような、そういう発言が——今あなたがそうおっしゃったから……。やはりここではあくまでも真実を言ってもらいたい。(「平穏に案内したと言うから、平穏じゃないと言うんだよ」と呼ぶ者あり)いや、待ってください。警務部長にお尋ねします。私の聞いていることは、柏正男君、岡田春夫君等は、陳情団と一緒に正門から入った。しかし、小林進議員については、そうでなしに、そこから一緒ではなしに、(「どこからだ」と呼ぶ者あり)本人は他の門と言っていますがね。そこで一緒に歩かれたんだと、今鍛冶委員の質問に答えておりますから、その点……。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 今の言葉が悪かったら取り消します。表現の方法を、このままでは少し下品なので、変えるようにして、品位のために申し上げたつもりでおりますが、仰せでございますから、報告書そのままに読まさせていただきます。  前がございますが、前略いたします。「その後十五時から再び正門へ勤務したが、チャペル・センター前は多数のデモ隊が集結しており、それぞれの代表者からあいさつを受けていた。それが終ると赤たすきをかけた陳情代表者の一部が正門、中央門前に集まった。このときデモ隊を阻止していた警察官の阻止線が突破され、デモ隊が正門前に向け殺到したので、上司の指示に従い正門を閉鎖した。その後、正門直前に来た陳情代表団のうち、小門前に来た小林進議員が、口調は穏やかであったが「議員を通さないのか」「門をあけろ」などと言ったので「しばらくお待ちになって下さい」と答えたが、小林議員は「あけなければ入るよ」といって、小門上を乗り越え、門内に入った。」こういうことでございます。(「人違いだ」「でたらめだ」と呼ぶ者あり)

横路節雄日本社会党

○横路委員 警務部長にお尋ねをしますが、私は、あなたが社会党の国会対策委員会に御出席になられた、そのときのことは、私、当時おりませんから存じておらないわけです。しかし、あなたの方で、この淺沼書記長以下三名、四君のほかに、いろいろと当時この集団陳情の先に立たれて、いわゆる請願のあっせんをした——その報告の中に、衛視が一人々々見かけたその人の名前をあげて報告されたわけですね。報告というよりは、あなたはお話をされておる。私は、社会党の国会対策委員会で報告されたのを聞いた。その中に静岡県選出の勝澤議員の名前があがっている。しかし、勝澤議員は、同じ日に、静岡県内において同じような、こういう集会の催しがあって、その時刻には汽車に乗っていたわけです。いいですか、勝澤議員は汽車に乗っていた。その勝澤議員は汽車に乗って、その十一月二十七日のこの国会周辺の集団陳情デモと請願には全然あっせん者としても参加していない。勝澤議員について、あなたの方は衛視の報告に基づいて名前をあげられている。(「一人ぐらいはあるよ」と呼ぶ者あり)今、一人ぐらいというお話がありましたが、この点が大へんなんです。やはり、衛視については、私は、写真をとったというならば、これは証拠がおありでしたら、お見せいただきたい。そこで、私があなたにお尋ねしているのは、これは本人からも私は十分お聞きしているが、これは人違いである。これは、勝澤議員については、明らかに人違いである。人違いであるということは、私はあり得ると思う。しかし、勝澤議員については、別にこれは懲罰事犯に付せられませんで、ただ、社会党の国会対策委員会で、あなたの方でこれこれの人がおりましたという名前をあげた程度にとどまっているから、それは差しつかえございませんでしょうが、しかし、私は、そういう誤りがあると同様に、小林議員についても、そのことは、私は明らかに衛視の諸君の誤認であると思うのです。この点は、どういう証拠に基づいてそういう報告書ができているのでしょうか。ただ衛視一人、二人が見て、ああ、これは小林議員であろう、こういう確認、それならば、勝澤議員がちょうど静岡で集会があって汽車に乗っているのに、勝澤議員についておあげになっている。その点についてお尋ねをしたい。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 勝澤先生のことについて一言申し上げます。これは当時、朝、おたくの国会対策委員会で、とにかく衛視の報告に出ている議員の名前を全部言えとおっしゃったわけです。そこで私ども、お見かけした議員の名前の中に入っておるので、あとでああいう仰せがありましたので調べました。それで、勝澤先生は、議員面会所に赤いたすきをかけて来ておられたという報告なんであります。そこで、あの日の朝、そういう御発言がありましたので、当時の責任者を呼んで——結論を先に申し上げますと、これは間違いでございます。そのいきさつを申し上げますが、たくさんの議員さんと陳情団があの狭い議面にこられたわけです。そこで、その係長である衛視が、一人では思い出せないわけですね、議員さんのお顔を全部。それでもって、何でもかんでもお見かけした議員さんの名前を出せという私からの命令によって、——あそこに分担している女の子がたくさんいるわけです。その女の子に、議員さんの顔の入っている要覧をやりまして、これを見て、思い出して書きなさいと言ったところが、まことに申しわけないのですが、勝澤先生の名前が入っていた。これは明らかに間違いでございます。ただ、そこに居合わせられた議員という意味で、別に正門から入ってきたとか、あるいは先導したとかいうような、そういうことでなしに、議面に居合わせた方のあれとして誤認しておるようでございます。しかし、誤認は誤認でございまして、この点は、まことに申しわけないと存じます。

飛鳥田一雄日本社会党

○飛鳥田委員 関連。社会党の国会対策で、あなたがおいでになって述べられた二十二名の中には、私も入っていたと思いますが、(「ふだん行状が悪いからだよ」と呼ぶ者あり)いかがでしょうか。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 入っております。入っておりますが、中身を見ますでしょうか。別にどうということではありません。

飛鳥田一雄日本社会党

○飛鳥田委員 私のふだんの行状が云々というヤジがありました。しかし、今小島さんの不規則発言で、一人くらいの間違いはということですが、私自身、その日は党の許可をいただいて神奈川県のデモに参加しておったはずです。全然東京にはいないわけです。このいない者の名前をお出しになる。いかにあなた方の調査というものがずさんかということは、それで明らかじゃありませんか。小林君の小門を乗り越えた云々などということは、人違いでないという保証がどうしてできるんですか。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 飛鳥田先生のも、今のと同じところに書いてございます。議員面会所においでになるお顔が見えたということだけの報告でございます。この点は、やはり同様にまことに申しわけないと思います。

横路節雄日本社会党

○横路委員 警務部長、これは公にされなかった名前にしろ、しかし、社会党の国会対策委員会に出られて、名前を二十二名あげられたうちに、今の勝澤議員並びに同僚の飛鳥田議員の名前が出ている。これは両人とも、それぞれ自分の選挙区においていろいろな集会があって、片方は汽車に乗っている。これはまことに重大なんです。一人や二人くらいの誤りがあってもしようがないじゃないかということについては、これはまことに重大な問題で、そういう意味で、私はあなたに、この小林進議員についての今の点については、いずれあとの機会に、一つ写真なり、あるいはその他でお示しをいただきたいと思う。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 警務部長の出したものに名前が書いてあります。その顔の上に書いてあるが、ここに大西正道というのがある。大西正道君は長いこと入院しているんだが、これはだれが書いたんです。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 それは別に私が書いたものじゃございません。(西村(力)委員「そんなものをなぜ出した」と呼ぶ)見せろとおっしゃるから……。(「違うんじゃないですか」と呼ぶ)

横路節雄日本社会党

○横路委員 警務部長にお尋ねいたしますが、今、西村委員の質問に答えて、あなたは、大西正道君のことを言われたら、見せろというから出したんだと言う。しかし、正規の委員会に出した以上は、やはり一つの明らかに資料なんです。大西君は、今長いこと入院中なんだ。その大西君の名前を指摘されたら、これは見せたくなかったんだというような、そういうことは、私は非常に遺憾だと思う。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 今の言葉は済みませんでした。取り消します。

横路節雄日本社会党

○横路委員 警務部長にお尋ねをしますが、あなたは、先ほど鍛冶委員の質問に答えて、「正木副議長が、私の聞き違いであるかどうか知らぬが、いわゆる請願の代表者に会ったかどうかわからぬ、会ったとすれば、正木副議長の独断でやったんだろう」、そういうようなお話でしたが、あなたは、正木副議長が請願の代表者にお会いになったことは御存じないんですか。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 その当時は存じませんでした。  それから、正木副議長が勝手にお会いになったんでしょうといったようなことは、申してはおらぬと思います。

横路節雄日本社会党

○横路委員 警務部長にお尋ねします。あなたは、正木副議長が請願の代表者にお会いになったことは、それでは知らないのですね。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 お会いになったその瞬間は御存じ申し上げませんでしたが、その直後、警察官の派遣要請等をやりまして、正木副議長さんはお骨折りになって、そうして、何とかして穏やかに帰すようにするのだから、お前は実力を行使してはいかぬという命令を受けておるのでございますから、そのときには存じておるわけでございます。お会いになった瞬間には御存じ申し上げなかったということでございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 警務部長にお尋ねしますが、それでは、その瞬間は知らなかったが、あとで承知した。あとでというか、今は承知しているわけでございますね。そこで正木副議長が請願の代表者に会ったというのはどういうふうに聞いているのですか。ちゃんと議長と正木副議長と打ち合わせをして、そうして議長の代理として——副議長ですからね。それが議長とお話し合いの上でお会いになったと聞いているのか、それとも、議長と相談なくして正木副議長が——議長と相談なければ、独断でということになるが、私どもは、相談したと聞いている。その点、あなたはどういうように事務総長からお聞きしているのか、その点をお尋ねしたい。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 今の先生のお尋ねは、私は、翌日の議院運営委員会で正木先生から御発言があったので、ああ、そうだったのかと承知したわけであります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 そうすると、私は警務部長にお尋ねしたいのは、何か、先ほどからの鍛冶委員の質問に答えて、あなたは、たとえば、警備状態を非常の警備状態にした。これは不法な請願なんだ、だから、不法だということになれば、代表者に会うことも、不法であれば会わないということになるわけですね。そうすると、請願の代表者について、これは柏正男君、それから小林進君が議長とお会いをして構内の状態を話されて、その上で、議長は副議長と話をされて、副議長は議長の代理として議員面会所で請願の代表者にお会いをされて、そして請願についていろいろお話を聞いた。そのときに副議長は、なお一つ、代表の諸君に、「帰ってすみやかにこの構内に入っているそれぞれの団体については至急退去するようにさしてもらいたい」ということをお話ししたわけです。ですから、そういう意味では、やはり今回は、あなたが一番最初に話されたように、とにかく二十七日のあの行動は、安全保障条約の改正については交渉を打ち切ってもらいたい、こういう請願でこられた。途中においていろいろな問題があったが、最後には、議長や副議長が相談をされて請願の代表者に会っている。私は、そういう事態からすれば、小林進君と柏君については、これは、ああいう事態を静めるために努力をした、しかも、それに応じて議長はお会いをされた。十二月十三日の毎日新聞の夕刊では、議長は、柏君の行動について、あの事態をすみやかにおさめてくれるようにやった、そういうように取っているようだし、柏君から、先ほど一身上の弁明もあった。柏君については、議長みずから認めている。こういう点について、あなたの方の衛視の報告、それに基づいてあなたがいろいろ確認をされて、そして議長に報告された、その柏君の行動はどういうようになっているのですか、その点についてお尋ねしたいと思います。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 先ほども申し上げましたが、この理由書とかなんとかいうものは、私のあずかり知らぬところであります。私の方は、当日の状況報告をしたのでありまして、その議員さんの行動が何か——言い方は悪いかもしれませんが、非難さるべきものであるかないかといったようなことについて私に判断をお求めになりますならば、私は御返事を差し控えたいと思うのでございます。私は、どういう報告書を出して、どういう事実を確認したのかという御質問にお答えするつもりで来たのでございますから、その点は、一つどうぞ御了承願いたいと思います。

横路節雄日本社会党

○横路委員 だから、私はあなたに、柏正男君について、あなたの方では衛視の報告並びにあなたの方で先ほどから話をされておる警視庁からの写真であるとか、その他によって、あなたが報告書をお書きになったのでしょう。その報告書は、柏君についてはどうなっているかとお尋ねしているのです。前段の方は私の考え方で、事務総長の手を通して議長の方に報告を出されている柏正男君についての報告はどうなっているか、こう聞いたのですよ。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 柏正男先生につきましては、報告書が三十通近く出ております。何か、そのうち、どれを選ぶかということでございましょうか。

横路節雄日本社会党

○横路委員 警務部長、それでは、僕はあなたにお尋ねしたいのですが、衛視全体から何十通出ているのやら、いかにも私の受ける印象は、あなたはそうでないと言っても、八十人いた、八十七人いた衛視から出ているのが、柏君については三十通出ておるというのであるならば、淺沼書記長については何十通出ておる、岡田春夫君については何十通出ておる、小林進君については何十通出ておる、その点をお聞かせをいただきたい。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 私は、別にその数を数えてきたわけではありませんけれども、ここにお尋ねもあろうかと思って抜き書きをしたラフなものをちょっとお読みしたので、あとで、また三十通と言ったと言われると困るのでありますが、三十通前後だと思います。衛視が出しておる報告書の数は五十通前後であります。それから、今仰せの小林先生については十二、三通あります。それから淺沼先生については十通程度であります。これは、社会党の国会対策で申し上げたときにも非常に誤解があったようですが、この報告書は、俗な言葉でいえば、何か悪いようなことを拾い出してという意味ではございませんので、たとえば、淺沼先生をお見かけしたというのであって、先生を中心に書いておるわけではありませんし、各衛視が受け持ち、受け持ちがあったものですから、今の中心は、不法侵入者と私が思う陳情団、中央門を突破してきたデモ隊、それの報告書を書かせたところに議員さんのお名前を散見しておるわけであります。この通数の数がどうだ、こうだというようなことは、全然考えておるわけではありません。ただ、それだけのものがございますということを申し上げておるわけであります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 しかし、それとあわせて岡田春夫君について答弁をしてもらいたいと思うのです。警務部長にお尋ねをしたいと思う。岡田君のことについては今御答弁をしていただきますが、私が今聞きたいのは、この問題については、国会の構内であって、何も衆議院側の構内ばかりではない。特に、いわゆる正面玄関というのですか、あすこは、いわゆる参議院側の構内になっておる。この点について私あなたにお尋ねをしたいのは、この国会の構内で起きたこれらの事件について、十一月二十七日以降、参議院の警務部長との間にいろいろ当時の状況等についてお話をなされたかどうか、この点を私はあなたにお尋ねをしたい。あるいはまた、構内においては図面ではうまく線を引けますが、なかなかあの構内に線がくきっと引いてあるわけではない。しかし、実際に大衆が入ったところは参議院の構内です。そこで私は、あなたがもしも相談をされたかどうかということは、そのうち参議院の警務部長と一緒に、あるいは警視総監その他にお会いをされるとか、あるいは警察庁の長官にお会いをされるとか、あるいは資料の提出を求めるとか、あるいは参議院側の——当然あってしかるべきだというのが私の考えなんですよ。この点は、いずれ、またあらためて私は参議院の議長なり警務部長においでをいただいてお尋ねをしたいと思うが、しかし、あなたはこの国会の構内において線を引っぱった、ここからここまではおれの方だ、ここからこっちは参議院の警務部長のところだ、そういうわけでもないでしょうから、その点について私は当然御相談をなすったと思うんです。十一月二十七日以降、二十七日の夕刻に起きたあの件について御相談をなすったかどうか。御相談をなすっているとすれば、どういうようなことについて御相談をなすったか、その点についてお尋ねをしたいと思います。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 岡田先生が散見しております報告書は、約二十通前後でございます。  それから、結論から申し上げますと、参議院の警務部長とあの事件の後において何か打ち合わせをしたとか、警視総監あるいは警察庁長官ですか、それと、あの事件について、国会構内のことに関して別に何らの打ち合わせばいたしておりません。かつまた、いろいろと議員さんの行動の様子とか、今の、ほかのあったところの客観的情勢の報告などを求めておりますが、これはやはり私どもがお預かりしておるのは、厳然として線が引かれておるわけであります。それじゃ、片一方の足はこっちの線にかけ、片一方は向こうにかけたらどうかという問題もありますので、従前から参議院の警務部長と、あの境界線に起きたことについては、われわれ共同の責任においてやろうというような打ち合わせをしておりますが、それは事前のことであります。事後においては何ら別に打ち合わせばいたしておりませんし、また、従いまして、いろいろと、どうであった、こうであったという報告も、参議院側の方で行なわれたことについては別に報告を聴取しないという建前をとっております。多少いじくった報告みたいなものが五十数通の中にあります。ありますが、これは参議院の構内において行なわれたことであろうという考えを持っております。そういう中に議員さんの名前が入っているのは、先ほど申し上げました数字の中には入っております。

横路節雄日本社会党

○横路委員 先ほどあなたは、柏村君がどういう判断をしたか、私の知ったところではない、そういうお話でありました。しかし、法務委員会の十二月二日の会議録を見ますと、柏村政府委員は「門から淺沼さんが入られて、静静と歩んで行かれた行動そのものを違法とは考えておりません。」こういうことなんです。この点は確かに今あなたが御指摘のように、淺沼書記長は入れてもらいたい、そうしたら淺沼書記長は、そこの衛視に、記章がないとうまくないんですよ。——その記章というのは、私の考えでは、衛視は、入られる陳情者は記章が要るんですよ。——まさか、議員は議員バッジをつけているのですから。だから淺沼書記長は、何か記章がないとうまくないのかとお思いになったらしい。そこでちょっと戻られて、そのことをどなたかにお尋ねしている間に議員諸君が入られたので、そのほとんどうしろというか、末尾につかれて入ったような状態であると思うのです。この点は、警察庁長官の答弁もこうなっているから、そこで私は、あなたにぜひ淺沼書記長のこの門を入られるときの状態が一体どういうようになっているのか、その点をお尋ねしたいと思うのです。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 私はこれと何も関係ないのでございまして、淺沼書記長と急に言われても、探さなければならぬわけです。探しますから、ちょっとお時間をいただきます。——こういう報告書があります。「丸山班長は議員団の方に行ったので私も議員団の方に行き」これはまだお入りになる前でございます。「正門の入場については三十名という話は聞いているが、記章はありますか、なければ議面の方に回ってもらいたいと依頼したが、柏議員、岡田春夫議員は、そんなばかな話はない、いまだかつてそんなことはないと強硬な言動であった。その場には淺沼議員もおり、そんなはずはないと言って不審な顔をしていた。再三言っているうちに代表団と思わしき者が警察官の人がきを突破してこちらにかけ寄って来たので、その場はそのままにし急ぎ正門を閉鎖した。」それからお入りになったときの様子は、先ほど申し上げた通りでございまして、別にまっ先に入られたといったようなことは書いてもございませんし、私は報告をいたしておりません。

横路節雄日本社会党

○横路委員 警務部長にお尋ねしますが、丸山班長ですか、ここから入れません、そこで議員面会所の方にお回り下さいという話をされた。ところが、議員面会所にお回り下さいと言われたときの議員面会所側の道路その他については、警察官が多数動員をし、いわゆる装甲車というのですか、トラックというのですか、それがずっと並べられてあって、しかも多数の大衆もおられて、あのチャペル・センターの前の、いわゆる国会の正門から、衆議院の議員面会所までは相当長い距離であって、しかも当時の状況においては、多数の警察官等が配置されて、そうしてすでに当時は第二議員会館、第三議員会館からも大衆が逐次前進をしてきているし、それから首相官邸前の大衆もずっと前に出てきている、そういう状態で、とても衆議院の議員面会所に回ることのできない状況であったと私自身も考えておるのですが、この点は警務部長はそのときの状況はどういうふうに報告されておりますか。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 状況だけについて、それだからどうということは御返事できませんが、状況については、聞くところによりますと、門があるとしますと、こっちの方は人で一ぱいだったようですが、右へ回れば、右はがらあきだったという報告を受けております。参議院側の方は……。

横路節雄日本社会党

○横路委員 参議院側の話ですが、参議院側の議員面会所ではないわけですね。私が聞いているのは、当然、誘導した諸君は衆議院ですから、だから、回れと言ったのは衆議院、そこの衛視も衆議院の衛視だから、おいでなさいと言ったのは、あなた方は参議院の議員面会所においでなさいと言ったわけではないので、衆議院の議員面会所においでなさいと言ったはずですね。衆議院の議員面会所への途中は、今の警察官の配置、特に大蔵省前から逐次、衆議院の南門というのですか、そこへ来たその大衆、それから首相官邸前からそちらの門の前に来た、ちょうど午後の四時ごろの状態では、とても通ることのできない状況であった。これは私自身は三十人の代表を連れて通る、一人ぐらいはどこかそれをくぐって通れたかもしれない、そういう状況であった。これは私自身はそう判断しておりますが、あなたはどういうふうにそのときの状況をお聞きになっておりますか。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 衆議院側の方は、仰せのように一ぱいだったように報告を受けております。ただ、参議院の方を回っていけば、行けるような状況であったという報告を受けております。

横路節雄日本社会党

○横路委員 私は、山野警務部長についてはもっと聞かなければならぬ点がたくさんあると思う。特にこれは、議長が懲罰事案に付したのですから、ここで警務部長にお尋ねする点ではないけれども、しかし、ここにある「本院正門から不法に進入するのを止めることなく」、一体これは、衆議院規則のどこに、衆議院の集団陳情取締要領のどこに——議員がそういうものについて制止するなんというような、そういう権限もなければ、責任もないわけです。何かこういうことについて特に責任を問うておる、これは非常に遺憾だと思う。そこで、この点について私が最後に警務部長にお尋ねをしておきたいのは、今あなたと議論していると、一々あなたはお開きになるわけです。願わくば、淺沼書記長以下その他三君についての、各衛視から出ているものをお聞きすると、あまり多くないようですね。私はまた、五十通ぐらいずつ四人だとすると、二百通ぐらい出ておるのではないかと思っておった。聞いてみると十通だ、十二通だ、二十通だ、多くて三十通だという。議員に関してまことに重大な懲罰事案に関する件をここで議論しているのですから、私は、その各衛視から出ている報告書、この四君について出ているものについて、ぜひ一つこの委員会に御提示願いたいと思う。今ここで、一々あなたは開いて見るのだけれども、時間がかかる。われわれは先ほどの理事会においても、委員部の諸君に、きょうの淺沼書記長その他の三君の一身上の弁明については、明日の午前十時までに全部ガリでもよいから、正規の委員会の紙でなくてもよいから、配付してもらいたいというので、委員部も今どんどんやっておる状況です。あなたの方は速記でもなし、きちっと文章になっているのですから、そういう意味でぜひ出していただきたい。そのことは、懲罰委員のわれわれがこれを公正に判断する実に大事な材料ですから、その点は一つ出していただきたい。この点は、警務部長、差しつかえございませんですか。

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員長 横路君に委員長より申し上げます。ただいまの横路君の御発言に関しましては、理事会において協議いたしますから御了承を願います。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 先ほどの警務部長の答弁の中で、一カ所訂正をしてもらわねばならぬところがある。今速記を調べて参りましたが、こういうところがある。「ところが、とめたところで、衆議院の正門を破って入ってこられて、先頭に立たれて、もう正玄関の前まで来られたのですね、それで、とめても正門のところまで押し返すということはできないわけです。」と、こうなっていますが、衆議院の正門を破って入った、こういうところは訂正を願わなければならぬ。

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 先生は速記をごらんでしょうから間違いないと思いますが、私の申し上げた意味は——破って入ってきたという意味は、先生方のことを言っておるのではございません。それは、一緒に入ってきた陳情団は、私はあくまで破って入ってきたものだと考えております。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 「破って入ってこられて、先頭に立たれて」と、こういうふうになっている

山野雄吉衆議院参事(警務部長)

○山野参事 それは前の部分があるのだと思いますが、言葉の意味からいって、議員さんの行動であるかのようでございましたら、訂正をさしていただきたいと思います。

横路節雄日本社会党

○横路委員 先ほど理事会におきましても、委員部の諸君の骨折りで、けさ方午前中に一身上の弁明を行ないました淺沼書記長その他三君の弁明されました内容について、明日の委員会の前にその速記が出されるようにも聞いております。なおその速記に基づいて、さらに明日警務部長に質問を続行させていただきたいし、だいぶ時間もおそくなりましたので、きょうは、そういう意味で保留しておきたいと思います。

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員長 本日はこの程度にいたし、次会は明二十四日午前十時から理事会を開き、午前十時三十分から委員会を開きます。  本日は、これにて散会いたします。     午後五時三十七分散会

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