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33回国会衆議院1959/12/11

地方行政委員会 第9号

発言数
79
登壇者
11
会派数
2
開催日
1959/12/11

会議録

濱地文平自由民主党

○濱地委員長 これより会議を開きます。  この際、連合審査会開会に関する件についてお諮りいたします。理事会の申し合わせによりまして、ただいま国土総合開発特別委員会において審査中の臨海地域開発促進法案は、本委員会の所管とも関係を有するものでありますので、同法律案審査のために同特別委員会に連合審査会の開会を申し入れることといたしたいと存じますが、これに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

濱地文平自由民主党

○濱地委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、連合審査会の開会の日時は追ってお知らせすることにいたします。      ————◇—————

濱地文平自由民主党

○濱地委員長 地方自治及び地方財政に関する件について調査を進めます。  質疑の通告があります。順次これを許します。阪上安太郎君。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 私がただいまから質問申し上げるのは、大阪府下の衛星都市の給与に関する事件の問題であります。これは自治庁関係等ではすでに御案内のことと存じますが、本年の夏季手当支給の場合に、大阪府下の衛星都市、たしか二十二あると思うのでありますが、これが衛星都市の職員と団体交渉いたしまして、その結果国家公務員の基準を越えて支給をしているという事実に端を発した問題でございます。一例をあげますと、茨木市という市があるのでございますが、この市におきましても、やはり国家公務員の基準を越えて支給しておる。枚方市もやはり同様のやり方をやっておる。そのほかに泉佐野、これが千七百円越えて支給しておる。貝塚市が千八百円、岸和田市が二千五百円、守口市が三千円、先ほど言いました茨木市が五千円、高槻市は一・ニプラス四千円、堺市が〇・七五プラス七千円、和泉市が〇・九プラス四千五百円、八尾市が二千円、布施市が一・一一プラス千七百円、それぞれ給与の額は異なるのでありますけれども、こういった国家公務員の支給基準を越えて支給しておる事実があるわけであります。  そこで茨木市の方においては、市会がこれを取り上げまして、これは地方自治法二百四条の三項に違反したところの支給である。すなわちその条文に基づいてそれぞれの自治体においては条例でその額をきめなければならぬということになっておるけれども、その条例にきめられた額以上に支給しておるので、これは違反であるということで監査を請求した。こういうことから大阪地検がこれを取り上げまして、これは住民に大きな不利益を与えたものである。従って、これは背任容疑が濃厚であるということで非常に大きく取り上げまして、次々と市長を目下喚問いたしまして、新聞等にもっと大々的に発表いたしましてその捜査に当たっておる、こういうような状態であります。そのために関係市の市当局、議会及び住民は非常に不安と動揺を来たしておる、こういうことなのであります。  そこでわれわれの考えといたしましては、こういう給与関係について事実条例できめられた額以上に支給しておるのでありますけれども、その支給の実情は、これは全く真にやむを得ないものであって、周辺の民間の給与等と考え合わせてみるときに、どうしてもこの程度のことはしなければならぬ、こういうふうに考えられるわけなんでありますが、たまたま今言いましたように、条例改正等の手続がとられていないということと、一方それをやり出す場合に、自治庁においては、この衛星都市の大部分の市が再建団体でありますので、再建計画を変更しなければこういうことができないという一つの難点が出ておりますので、そのことのために事荒ら立てて一そういうことをしなければならぬ実情にあるにかかわらず、再建団体の適用を受けておるので、荒ら立てて計画変更等を申請して問題化することを遠慮して、そういった条例の改正手続もとらずにやったというのが真相のように思うのであります。これに対して、今申し上げましたように検察庁が非常に大きく取り上げまして、そしてただいま言いましたように市長を次々と喚問し、そうして市民、市当局に大きな不安動揺を与えておる、こういう実情なんであります。そこで伺いたいのは、こういった問題について自治庁当局はどういうふうにお考えになっておるか、これをまず一つ伺っておきたいと思うのであります。公務員課長の今枝さん一つ……。

今枝信雄総理府事務官(自治庁行政局公務員課長)

○今枝説明員 ただいま阪上委員から御質問のありました大阪府下の衛星都市における夏季手当の支給と関連して問題になっております事項は、御質問の中にお述べになりました通りの事実があるということを私どもも承知いたしておるのであります。問題は、夏季手当を条例の定めるところ以上の金額を支給したということが刑事事件になるかどうか、こういうことについては私の口からお返事申し上げることはできないのでございます。いろいろと財政再建計画の変更の問題あるいは他の都市または民間企業の賃金の動向、そういうものを勘案されまして、国家公務員の水準を上回った夏季手当を支給されたという事柄については、それぞれの事情なり理由もあろうかと思います。しかし自治法の建前は、給与その他の諸手当はすべて法律またはこれに基づく条例に従って支給することを建前といたしておるのでございます。地方自治法のただいまお述べになりましたように二百四条の二の規定も、給与が乱脈にわたることを防ぐ意味において昭和三十一年に新しく付加された規定でございまして、そういう規定ができました経過から考えてみまして、いろいろな事情のあったことは私たちもよく了解できるのでございますが、やはり名目のいかんを問わず、実質的に給与と考えられる手当の支給に際しては、条例の整備改正等の措置をとるような慎重な扱いをするのが適当ではないかと考えております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 それではお伺いいたしますが、全国的に見てこういった給与が国家公務員の基準を上回っている給与を夏季手当等においてなしておるという、そういった事実はほかにございますか。

今枝信雄総理府事務官(自治庁行政局公務員課長)

○今枝説明員 全国の都道府県ないしは市町村において、夏季手当等の期末手当の支給が国家公務員の水準を上回った給与を出しておるという事実もございます。的確にどこがどういうふうにという資料は持ち合わせておりませんが、そういう事実はございます。ただその際にも、条例そのものを変更して出しておる場合と、今回のように条例の変更をしないで別途出しておったという事実のあったこともございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 そこで二つのケースがあるということを今おっしゃったのでありますが、その場合、条例を改正して支給したという場合に、それが再建団体である場合に自治庁はどういう措置をされましたか、これをさらにお尋ねいたします。

今枝信雄総理府事務官(自治庁行政局公務員課長)

○今枝説明員 条例を変更して国家公務員の水準を上回った措置をしておるのは、ごく特定の団体でございまして、そういう措置を財政再建団体について行なっておるところはないように承知いたしております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 今のところそういう例は大阪府の衛星都市以外にはない、そういうようなことでございます。そこで伺っておきたいのは、さらにこれらの都市が、昭和三十四年度の年末手当支給に対しまして、やはり同様の給与をしなければならぬということで、そのためにはすでにとかくの問題があるという点から、条例を改正してやろう。こういうことで、さらに職員組合との話し合いで円満にその話がされまして、これを実施しようとする段階に今入っておるのでありますが、このとき突如として自治庁の方からこれに対しまして、再建団体が国家公務員の基準を上回って支給するということであるならばこれは適当でない。従って、それを支給する場合には当然計画変更を申し出てこなければならないので、その場合に自治庁としては計画変更を認めない、こういうふうに訓令、指令をされたというふうに伺っておりますが、この事実はあるのですか。

今枝信雄総理府事務官(自治庁行政局公務員課長)

○今枝説明員 ただいまの御質問の点は、私の直接の主管ではございませんが、給与条例を変更いたしまして国家公務員の水準を上回ったものを支給するということになりますと、財政再建団体における再建計画の給与は、あるいは具体的には期末手当等については、国家公務員の支給率と同額のものとして計画ができているはずでございます。それを上回るということになれば、当然再建計画の変更が必要になるのでございます。そこで自治庁といたしましては、財政再建団体における給与費の膨張はできるだけこれを抑制したいという考えを持っておるのでございます。公式にこの取り扱いについてどういうふうな指令あるいは訓令をした、そういうふうな事実はございませんが、しかし非公式に、そういう意味の内容を持った再建計画の変更については、自治庁としてはにわかにこれを承認するというふうな態度はとれないということを非公式に連絡しておるような事情でございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 そこでさらに伺っておきたいのは、今、再建団体については、財政再建の建前からいってそういうことは許されないというような考え方に自治庁は統一されているようであります。しからば再建団体でないものが国家公務員の基準を上回って、しかも条例に抵触しないという建前からそういう。プラス・アルファ的な給与をやったという場合には、自治庁はどういうふうに取り扱われますか。

今枝信雄総理府事務官(自治庁行政局公務員課長)

○今枝説明員 財政再建団体であろうと再建団体でなかろうと、地方公共団体における給与費の取り扱いにつきましては、基本的な考え方としてはやはり同じものであろうと思います。そこで地方自治法なりあるいは地方公務員法なりの趣旨にかんがみまして、地方公務員の給与については、国家公務員の給与に準じてその給与制度を定めることが要請をされておるのでございます。財政再建団体以外のところで条例を変更になられますことは、法律上可能なことでございますが、しかし私どもといたしましては、やはり国家公務員に準じた給与制度というもので運営をしていただきたい、かように考えておるわけでございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 ただいま仰せになりました地方公務員法の二十四条でありますが、この三項に「職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定めなければならない。」こういう大原則がうたわれておる。そうしますと、今自治庁で統一見解を持っておられる再建促進法との関係において、再建促進法では、こういった給与関係でそういうことがなされることについて別にこれを規定していないと私は思うんです。そうすると、当然地方公務員法に基づいた給与の考え方というものが優先されなければならぬと思うのですが、この辺の見解はどういうふうにお考えになっておりますか。

今枝信雄総理府事務官(自治庁行政局公務員課長)

○今枝説明員 ただいま申し上げましたように、再建団体であろうと非再建団体であろうと、給与の取り扱いにおいては地方公務員法に定める原則に従って取り扱うという建前でございまして、特別に区別をしなければならないという筋合いのものではございません。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 そうしますと、先ほど述べました大阪府下衛星都市の中で条例によっていろいろと定めておりますが、その条例はもちろんまちまちであります。あるものは国家公務員の例にならう、こういうふうにうたわれておる。あるものはその額については市長がこれを定めるというふうにうたっている。こういう場合に、市長がこれを定めるとうたっておる条例を適用して、国家公務員の基準以上に支給した場合に、自治庁の扱い方としてはどうなんですか。

今枝信雄総理府事務官(自治庁行政局公務員課長)

○今枝説明員 御指摘になりましたように、大阪府下の衛星都市における給与条例の中の期末手当の支給の額を定めた定め方に、支給の率については市長の定めるところによるというふうに定めておるのが一団体あるようでございます。その他は具体的に〇・九になるような定め方をしたり、あるいは国家公務員の例によるという定め方をしたり、そういうふうな形があるようでございます。従いまして制度上の取り扱いとしてはいかような定め方もあろうかと思いますが、かりに市長が定めるところによる、こういうふうに定めてございましても、趣旨としてはやはり国家公務員の支給率に準ずる扱いをするのが適当ではないか、かように考えておるのでございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 ただいまあなたがおっしゃいましたように、百分の二十五の超勤というものを定めている条例もあるわけです。これは重要なポイントだと思うんです。国家公務員の例に従う、ならうという場合と、それから基準にならうといいますか、そういう表現をしている場合に、準ずるというような言葉が使われておるのが通例でありますけれども、準ずるという解釈はどういうふうに解釈するのですか。もしこれが国家公務員のままでなければいかぬということであれば、準ずるという言葉にならぬと思うのですが、多少へ理屈かもしれませんが、その辺明らかにしてもらいたいと思います。

今枝信雄総理府事務官(自治庁行政局公務員課長)

○今枝説明員 条例の定め方の形に国家公務員の例による、あるいは国家公務員に準ずる、かりにそういうふうな表現がなされておる場合の取り扱いでございます。これは文字通り国家公務員の制度そのままであるという意味ではないと考えております。例による、準ずるという表現に若干のニュアンスの違いがあります。国家公務員の制度そのものに、例によるというふうなのが近いという説明をする人もございます。あるいは準ずるということと同じ意味だという説明をする方もございます。いずれにしてもそのような定め方が国家公務員の制度そのままであるというふうには考えておりません。基本的な制度の立て方としては同じものであって、その運用と申しますか、実際の場合には若干の幅がある、こういうふうに取り扱って差しつかえないと思います。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 そうしますと、自治庁の解釈では、準ずるという場合はそれに近いものだということであるとするならば、上下があるわけですね。そこで国家公務員の基準にまでいっていないところのものに対しては、どういうふうにお考えになっておるのですか、どういうふうに措置されるのですか。

今枝信雄総理府事務官(自治庁行政局公務員課長)

○今枝説明員 国家公務員と地方公務員と比較する場合、期末手当のような場合には、支給率として出て参りますので、これは上下が明瞭になると思います。そういう際には、先ほど来申し上げておりますように、期末手当等については国家公務員に対する支給率と同じことにしておくことがむしろ建前として、取り扱いとして適当なのではないか、こういう考えを持っております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 そうしますと、結局自治庁は、行政措置として、あるいは行政監督として多少上下があっても別に差しつかえないということになるのではないかと思いますが、それでいいのですか。

今枝信雄総理府事務官(自治庁行政局公務員課長)

○今枝説明員 ただいま申し上げましたのは給与制度の建前として申し上げたのでございまして、その制度を定める場合に若干の幅があっても、給与の条例で準ずる、あるいは例にならう、そういう書き方をしておれば、そういう意味に解釈ができる、こういうことを申し上げたわけでございます。ただそれでは具体的に期末手当をどうするかというふうな具体的な取り扱いになると、やはり国家公務員の支給率がかりに〇・九カ月というふうになっておれば、その率をとるのが適当な運用ではないか、こういうことを申し上げておるわけであります。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 大体これに対する見解というものはわかったのでありますが、さらに私はお伺いしておきたいと思いますのは、最近になりましてから再建団体の単年度黒字額というものがかなり出てきたということをもって、自治庁では、別に法律できめられていないにもかかわらず、そういうものに対しましては、御案内のようにあなたの方から指令を出されまして指導されておると思います。その場合の再建債の償還、こういったものについて、これはあなたの関係ではありませんけれども、繰り上げ償還するようにということでもって盛んに指導しておられる。そういうことは平気でやっておられて、反面給与の問題になると、とたんに硬化しまして、非常に厳格にできるだけ最低限の解釈にとどめて、そして当然民間給与その他大都市周辺の衛星都市あたりは非常にアンバランスになっておるにもかかわらず、あくまでもその線を堅持して押えていこうという考え方、私はこの考え方は決していい考え方ではなないと思うのですが、この点はどうなんですか。

今枝信雄総理府事務官(自治庁行政局公務員課長)

○今枝説明員 財政再建団体において単年度の黒字が出た場合の取り扱いとして、御指摘のように再建債の繰り上げ償還あるいは年度間にまたがる財政調整積立金、そういうものに充てるようにという指導をしておることは御指摘の通りでございます。これは何と申しましても、財政再建法の適用を受けておるということ自体が、地方団体の行政運用としてはむしろ異常な形でございまして、できるだけ早く再建計画を達成する、こういうことが一つのねらいでございます。また、たまたま単年度に黒字が出たといいましても、後年度において再び財政需要の増高が予定される場合もあります。そういう際には、やはり財政調整資金として、積立金として留保しておく必要があろうかと思います。そういうことで、これは財政再建の合理的な運営という点からそういう措置を講じてもらっておるわけでございます。給与費だけについて特別に、というふうな御意見でございましたが、そういうふうな感じが受け取られるのは、申し上げるまでもなく、地方財政における給与費の占める割合が、かなり高い割合を占めております。また給与費の性格上、きわめて弾力性の乏しい、むしろ義務費的な経費だと見て差しつかえないわけでございます。そういう意味で、給与費の総額がふえていくということは、財政構造の健全化の点から考えてもいかがかということで、かなり慎重な取り扱いをしておることは事実でございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 この再建促進法によりまして、これが最初に出発する段階のときに、実は私も当時大阪府の高槻市の市長をやっておったのでありますが、この適用を受けるか受けないかでもって大へんな議論になった。その場合自治庁からも、適用を受けた方がいいということで、地方一課長等を通じまして盛んに宣伝啓蒙これ努められた。そこで各衛星都市においては、いろいろと審議したのでありますが、その中で、もしこれの適用を受けたならば、利子補給等の財政的な便宜も与えられることは事実であるが、同時に、準禁治産者的な扱いを受けて、地方自治体がほんとうに地方自治の本旨に基いた自主的な運営をすることができないような状態になるのじゃないだろうかということで、大へんその点を危惧したわけであります。でありますので、ある市におきましては、そういうおそれがあるので、金は補給してもらいたいけれども、地方自治の本旨が失なわれるということになっては大へんだということになって、拒否したというところもあれば、あるいはせめて利子補給だけでも受けないでおいたらそういう危険性は少なくなるんじゃないかということで、一部適用を受けた市もある。こういうような事情で、この問題は大へん大きな問題だったのであります。最近になりましても、この問題が大阪の地検で取り上げられるようになりまして、今市町村のこれらの責任者は、議会といわず、理事者といわず、あの当時われわれが危惧したような状態にいよいよ入ってきた。しかも地検はこれを取り上げて、きわめて重大な犯罪を犯してしまったような扱いでもって、新聞その他に盛んに掲示しておる。実にこれはおそるべきことになってしまったということで、一部においては、この際もう再建団体の適用を辞退するというようなことも言い出し、また議会の議長会議等では——きょう、あす開いておるようでありますけれども、そのことを強く理事者に要請していく、そしてわれわれは地方自治を守っていくんだというような考え方にまで今入ってしまっておる。こういうような状態でありまして、まことに事態は憂慮すべき段階にきております。  そこで、私、この際大臣に伺っておきたいのでありますが、再建促進法の建前からのみこれを主張して、そうして地方公務員法にはっきりと明示されている民間給与等を勘案して考えていくという考え方は、自治庁の方ではあまり強く重要し視ておられない。そして今の御説明を承ると、何か単に国家公務員に準じ、国家公務員に準じと言われるが、国家公務員だって、民間給与と比べてみたら一体どうなるか。たとえば超過勤務の問題一つ取り上げてみたとしましても、わずかなワクしか設定しないでもって、むりやりに超過勤務をしておる。しかし命令を出さないから別にやらなくてもいいんだというようなことで逃げてしまっており、実際は大きな負担になっておるというふうな現実を考えていくときに、今言われたような行き方でこれを進めていくということは、ほんとうに無理があるのじゃないか。その無理が積もり積もって、今のような大阪府下衛星都市のような現象になってきているということを考えてみた場合に、いつまでもそういうものにこだわらずに、そういった実態に即したような行き方をするという考え方が、何かここで当然に出てこなければならぬと私は考えるのでありますが、大臣どういうふうにお考えになりますか。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○石原国務大臣 先ほど来自治庁当局との間にいろいろ質疑応答があったのでございますが、御承知のように再建促進法によりまして、地方団体の赤字財政が好転して参りましたことは否むことのできない事実であろうと思います。すでに再建整備を終えた団体もあり、また間もなく終えんとしておる団体もあり、せっかく今整備中のところもあるのであります。そこで原則といたしましては、再建計画の一応のルールによって一刻も早く軌道に乗せていかなければならないことは、これは私、守ってもらわなければならないと思うのでございます。今回の問題、そういうふうに一角からずっとくずれていくということであれば、これは他の再建団体、それから全体の再建計画、こういうことにすべて影響を及ぼすものでありまして、もともと再建整備をやるにつきましては、いわゆる本来の自治といいますか、こういうこととある程度抵触することはやむを得ないことでありますけれども、しかし、それを思い切ってここまでやってきておるのであります。他のいろいろな地方団体の財政状態その他にも影響を及ぼすということを考えてもらいまして、自治庁といたしましては、自由な計画によっていろいろ勝手な行動をされるということにつきましては、その再考を求め、またそういう事態に対してはにわかに賛成することはできない、こう考えておる次第であります。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 ただいまの大臣の御意見でございますが、私は、大部分正しいと思います。再建団体である限りにおいては、多少の犠牲はしんぼうしなければならぬという気持はよくわかります。また、こういうことに対して容認を無制限に続けていく場合には、それが全国的に波及して、再建の目的がくずれていくおそれがある、この点もよくわかるのであります。その面で見れば、そういうことも言えると思うのでありますが、逆に民間給与とのアンバランスの問題等を考えて参ります場合に、あるいは地方公務員法の二十四条の趣旨等も考えて参りますときに、最近こういった問題を契機といたしまして、どうも赤字団体であるがゆえに、当然われわれが要求するところのベース・アップないし夏季手当等の要求が達成できないというようなうらみがあって、そのことのために、このやり方に対しまして地方公務員は大へん不満を持っておりますし、不安も感じておる。こういうような逆の面の要望というものを考えてきたときに、自治庁はここでこの問題と真剣に取り組んでいただいて、実際にしわ寄せを食っておるところのこれらの人々に対する配慮というものが、再建計画を実施していくそのこと自体の大目的を阻害しないような方法でもって何か調整できる方途を考える必要があるのじゃないか。こういうふうに思うのですが、どうなんですか。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○石原国務大臣 私は、やはりこういう問題がここまでになる前に、地方の実情を訴えて自治庁といろいろ打ち合わせるとか、そういうことをもっと真剣にやるべきであった、こう思うのであります。ここに至ってこういうことになったのだから、これはこうしてもらわなければならないというふうな行き方には、私、にわかに賛意を表するわけにはいかないのであります。ただいまの自治庁とのいろいろの論議応答によりまして、再建整備の過程においては相当な苦痛なり不便をしのんでもらって、一刻も早く財政を再建して本来の自治の姿に戻ってもらうということの方が、私は手っとり早い道筋であろうと思うのでありまして、こういう事態になったのだからこれは認めてもらわねばならないという行き方の議論には、くどいようでありますが直ちに賛成できないと思います。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 そこで、たとえば単年度黒字を再建計画以上に出してきたというところがある場合にも、やはり今の大臣が言われたような行き方を厳守されますか。

松島五郎総理府事務官(自治庁財政局財政課長)

○松島説明員 ただいまお尋ねのございました赤字団体である再建団体の単年度黒字の処理の問題でございますが、この単年度黒字処理の問題につきましては、昭和三十二年度は御承知の通り神武景気といわれましたような当時でございましたので、当初予定をいたしておりました以上に相当の自然増収があったわけでございます。そこでその自然増収をどういう形で処理するかという問題に関連いたしまして、一部の再建団体は行政の水準をある程度押えて再建に努力しておられるという点を勘案いたしまして、やはりその分については相当程度増収のあった一般財源を使って行政水準を引き上げていくという方向に踏み切りますとともに、一方においては、冗費を避けまして早く再建を終了していく、こういう方向に持っていくのがいいのではないか。こういうことで、四、六とか、半半とかいう方式もあったようでございますが、そういうような考え方で三十二年度の自然増収を処理いたしたわけでございます。その具体的な現われが昭和三十三年度になって現われて参ったわけでございまして、これが昭和三十三年度におきまして再建期間の短縮を各団体がそれぞれおやりになったわけでございます。しかしながら本年度におきましては、御承知の通り昭和三十三年度はそれほど増収があったという状態でもございませんので、しいて再建期間を短縮するようにというようなことは自治庁としては指導して参らなかったつもりでございます。  それからまたいろいろな行政方面の経費を伸ばすことにつきましても、その団体が財政的に立ち直っていくという見通しのもとにおいては、やはりその状況に応じまして、必要なところに必要な金を使っていくことが必要でございますので、再建計画の変更等につきましても、その後そういう考え方で御相談に応じてきているわけでございます。ただ、ただいまお話のございました給与の問題でございますが、これにつきましては、たとえば本年度、府県の場合などは当初は非常に窮屈で、初任給改訂であるとか、あるいは期末手当の増額等も計上できないのではないかというような意見もあったわけでございますけれども、私どもといたしましては、給与のようなものは、やはりきめられた線は職員に支給できるように、何をさておいても考慮してもらいたいというような要請を計画変更等にあたってはいたしてきたような次第でございます。     〔委員長退席、吉田(重)委員長代理着席〕 私どもは給与の問題については、上にも下にもならないように適正な指導を行なっているつもりでございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 再建団体でもって単年度黒字が出る、最近ではまたそれが経済の変動によってだんだんと出てこなくなっておる、こういうことでありますが、しかしこれは自治団体のそれぞれの立地条件によってやはり単年度黒字を出してきているところもあると私は思うのです。その場合に、六割は償還財源に回して四割を行政水準を高めるために回せというのが、今までの指導であったと思うのですが、その行政水準という考え方の中に、ベース・アップなり、あるいは給与その他の是正というようなものは含まれるという考え方をお持ちなんですか、どうですか。

松島五郎総理府事務官(自治庁財政局財政課長)

○松島説明員 四割、六割と申しますのは、先ほども御説明申し上げましたように、たまたま昭和三十二年度のときに、何にも基準なしでやるということが、実際具体的な問題を処理する上に差しつかえがございましたので、一応の目安といたしたわけでございまして、四割が一銭も欠けてはどうかとか、五割が一銭も欠けてはどうかとかいうことで扱ったわけではございません。一応の目安としてこれを目標に置いて、個々の団体の実情に応じて御相談に応じたわけであります。  そこでなお給与の問題を含めて行政水準の引き上げを考えておるかどうかというお尋ねであったと思いますが、府県などにおきましては、現在なおたとえば昇給を延長しておったというような府県もあったわけでございます。そういうような府県においては、適正な昇給がそれぞれ行なわれますように御相談に応じたつもりでもございます。また宿日直手当の引き上げ等につきましても、必要に応じて御相談に応じたわけであります。また超過勤務手当の支給率の引き上げ等についても、それぞれの団体において再建法の適用後において相当の改善を見ておるものと私は考えております。要するに、給与は絶対入らないということを私申し上げておるわけではございませんが、少なくとも通常の団体なりの給与が行なわれておるならば、やはり再建団体である以上は、それ以上のことが行なわれるについては慎重な配慮が望ましいということを考えておる次第でございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 質問が非常に広がって参りましたので、こういう論議をやりますとまた相当時間もかかります。そこで私が自治庁に質問いたしたいのは、さらに縮小いたしまして、今申しましたような事態にある大阪の衛星都市、これがよく自治庁とさらに話し合いをして、そして自分たちの窮状を訴えて、なお条例等を改廃することによって、できるだけ一つ事情をくんでいただいて、何とか特殊事情に合うような給与に持っていきたいというような考え方を持っておるようでありますが、この点について、そういうふうな衛星都市の窮状をくみとって何とか話し合いをしてやるという余地は残されておるのかいないのか、今枝さんから一つ……。

今枝信雄総理府事務官(自治庁行政局公務員課長)

○今枝説明員 財政再建計画の変更の問題に直接関連をいたしておりますから、どういう方針で処理をするということを申し上げかねるわけでございます。再建計画のことでございますが、当然個々の団体においていろいろと事情が違うかと思うのであります。私どもが伺っておる範囲では、正式に財政再建計画の変更の協議があったという段階ではないようでございます。所管のところと十分に連絡をいたしてみたい、かように思います。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 自治庁にはこのくらいにいたしまして、一つ法務省関係で伺っておきたいと思います。先ほどからお聞きになったような状態の衛星都市の給与の実態でございますが、これに対しまして検察庁がこの問題を取り上げて、山根検事がこれを担当されて、そして次々と市長を喚問されて、そして新聞等で大々的に発表して、盛んに地方自治体がいかにも大へんな悪いことをやっておるんだというような印象を与えて、これに対する用語といたしましても、自治体はやみ給をやっておるんだ、こういうような高飛車な態度で取り調べが行なわれておるのであります。もともとこういった給与等につきましては、自治体の実態をながめてみたならば、市長はこんなものについてはあまり詳しく知っているはずはないのです。従ってそれぞれの担当の事務屋を呼べばよくわかるのですが、ことさらに市長を引っぱり出して調べていくというような行き方については、何といいますか、非常に検察ファッショ的なにおいが強くなる。そのために地方住民もこれに対して何ら疑いを持っていない、われわれが重大な損失を受けているなどということは一つも思っていない、にもかかわらず、ことさらにそういうふうに植えつけていこうというような態度に出ておられるのですが、この点につきまして法務省ではどういうふうにお考えになりますか。そういう態度がいいとお考えになりますか、一つ伺っておきたい。

長島敦検事(刑事局参事官)

○長島説明員 ただいまお話しのような新聞記事が出ておりましたというようなことは私ども存じておりませんが、調べます過程で茨木、枚方の市長さんのおいでをいただいたということを聞いております。そのほかのものにつきましては、おおむね総務課長に来ていただいたというふうに報告を聞いておったわけでございますが、もし御指摘のような事実があるといたしますると、事情をよく調べなければわかりませんが、少し行き過ぎになるかと思います。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 実はこの二つの市が最初に呼ばれて調べが行なわれたのでありますが、その際、取り調べの過程において、私の承知いたしております範囲では、これは自分のところの市だけではない、よそでも幾らでもやっていることなんだということをそれぞれの市長が言ったために、そのことからさらに軒並みに今大阪府の市長は取り調べを受けております。すでに八尾の市長、それから市長会長の池田市長、それからあすは布施の市長、こういうようにして次々と召喚の計画を立ててやっておられるのであります。最初の段階では、赤字団体だからいけないんだ、こういうことで調べておったのですけれども、これが逆に突っ込まれて、それは黒字団体でもやはりいけないんだということでもって次々に呼んでおる。こういうことはだれが考えても、逃げも隠れもしない人間でありますし、それから新聞に堂々と発表してやっておるのですが、こういうことなんであります。これは明らかに検察庁は行き過ぎだと私は思う。市長なんか呼んだってわかりっこない、何も知りはしません。表面上知らないということで責任回避はできないから、仕方なく行っておるので、そんなことは市長を呼ばなくたって大丈夫だと思う。しかもその調べの中で、市長がこれに対して改悛の情著しいものがあった場合には、これはもう問題にしない。そこで大阪府の市長会長に、給与の支給明細書を全部出しなさい、この明細書を出したならばかんにんしてやる、こういうことまで言っているのです。実に言語道断だと私は思うのですが、どうなんですか。

長島敦検事(刑事局参事官)

○長島説明員 昨日、参議院の地方行政委員会でも、この点について御質問がございまして、詳細な事情がわかりませんので、ただいま最高検察庁の方から現地について詳細な事情を調査中でございまして、現状では調査中でございますので、御了承をいただきたいと思います。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 なお、この担当検事なんですが、私は前に一、二回取り調べを受けたごとがある。そうして何一つ起訴できないというようなものを取り上げた。そのときにも新聞記者等のクラブには暴言を吐いている。この間うちも、新聞を通じまして言っている言葉は、自分がもう生涯地方自治を粛正するんだ、まるで地方行政というものは自分でやるようなことを考えておる。今の行き方だと、地方自治は赤字が出ても検察庁の方でまかなってくれるのではないかという錯覚を起こす。実に不遜きわまる態度ではないかと思う。自分の目の黒いうちに断固として地方自治を粛正するんだ。まるで地方自治体が犯罪の親方みたいな考え方をしている。こういうようなものの考え方でやっているからこそ、ただ単なる捜査でなしに、ゼスチュアまがいの、点数かせぎのような行き方になってしまって、その結果が一体どうなるかということを一ぺん考えてみたらどうかと思う。どういうふうに不安と動揺を与えているか、自分たちが選んだ市長がこんな悪いことをしておったのかというふうに誘導している。しかし、先ほどからお聞きになったように、条例を改正する手続は踏んでいない。そのことのために今言ったようなよりどころを検察庁に与えている。検察庁としても、やはりある程度は取り上げなくちゃならぬことも私はわかる。けれども、今言ったような担当検事のゼスチュア、PRは全く不要なことだと思う。これが次の選挙に影響して、ひいては政治的な一つのかけ引きまでそこから出てくるというようなことになって、無用な混乱を自治体に起こしているということは、私は許せないと思う。きょうは課長が来ておりまして、責任ある答弁はしていただけるが、なかなか言いにくい面もあろうかと思う。いずれまたこの問題につきましては大臣にお伺いして、さらにただしていきたいと私は思うのですが、地方行政への干渉これに過ぎたものはないと私は思う。そこでこの際、まだ十二分に事情がわかっていないということであるならば、さらにあなたの方で事情を調べていただいて、この委員会に報告してもらいたい。同時に、私が今まで申し上げましたこと、あるいは参議院の地方行政委等で取り上げられた問題について、ある程度の考え方というものが是正されるということであれば、法務省は適当な措置を早急に講ずべきではないか、こう思うのであります。  条例などというものは、市長が提案し、議会がこれを了承してやった場合に、手続を踏まなかったということは、これは確かに間違いであります。間違いであるけれども、それ自体直ちに住民の不利益をもたらすということにはならないのですよ。改廃しようと思えば、それだけのメンバーがそろっておればいつでも改正できる。それをあえてやることができなかったということは、再建整備法の適用を受けて国のお世話になっておるということを市長たちは十二分に考えておればこそ、そういう手段に出ることはできなかったというので、今言ったような明朗でない面が出てきたことは事実なんですが、そういう事情のものなんです。やろうと思えば、こんなものはいつでもできるんです。しかも罰則が伴っていない。考え方の適不適の問題です。その適不適の問題を取り上げてやるということは、私は非常にいけないことだと思う。  答弁をいただいてもどうにもなりませんので、さらにもう一つだけ申し上げておきます。先ほども自治庁に御質問申し上げておったんですが、三十四年度の年末手当についても、条例を改正して何とかやっていこうという考え方に今地元はあるわけなんです。その場合に、検察庁はこれをさらに取り上げて、自治庁が適当でないと言っているものをあえてやろうということであれば、さかのぼって今までの条令違反、従って法律違反の事案について、われわれは強固な決意でもってこれを処理していくんだというふうなおどかしまでかけている。ここまでいったときにはどうなるか、こういうことなんです。これは法務大臣の答弁を求めたいと思っておりますが、そういったことについてどうお考えになりますか。それだけちょっと伺っておきます。

長島敦検事(刑事局参事官)

○長島説明員 ただいまの点でございますが、先ほども申し上げましたように、ただいま事実を調査中でございまして、事実があるかないか確定いたしておらないわけでございますが、本件につきましては、単に条例に違反して支給したというだけでは犯罪にはならないわけでございまして、それが当該の町に損害を加えるとかあるいは任務違背であるとか、いろいろほかの要件が必要でございまして、そういう事実があるかないか捜査しているものというふうに考えているわけでございます。私どもの受けている報告では、まだ正式に事件を立てまして本格的に捜査をやっておるというふうには聞いておりませんで、各関係の市につきまして広く広がっておるということであるから、それぞれの事情を伺っておるというふうに聞いておったわけでございますが、この点は先ほども申し上げましたように、詳細ただいま調査中でございまして、早い機会におきまして何らかの結論が出るものというふうに期待しておる次第でございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 最後に一つこの問題につきまして長官の御意見を伺ってみたいと思います。どうでございましょう、そういうことをやっておるのです。許すべからざる行為じゃないかと私は思うのです。ましてそれが犯罪を構成しないということまでわかっておりながら、もっともっと政治的な慎重な配慮のもとに取り扱われてしかるべき段階だと思うのです。そういう行き方をしておるのですが、自治庁長官、どういうふうにお考えですか。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○石原国務大臣 検察当局のやっておりますことに私がとやかく言うことは、これは差し控えたいと思っております。ただ給与一般の問題につきましては、先ほど再建団体の立場その他からも申し上げたのでありますが、私は、その地方にいろいろ財政的ゆとりができたから今度はこうするとかどうするとかいうことだけで公務員に——国家、地方を通じて、これを律することは私はできないと思うのでありまして、そのために地域差とか、いろいろのことがあるのでありまして、やはり一定の水準、基準のもとに給与体系というものが打ち立てられておるのでありますから、その範囲内で地方団体、自治体の市長というものが善処してもらわねばなるまいと思うし、ことに再建団体等につきましては、援助を受けたりあるいは指導監督を受けたりしておりまする当局と十分連絡のもとにやってもらわねばならぬのが、やはり市長としての当然とるべき態度ではないかと思います。そういう意味で今後自治体、市長各位の善処を要望する次第であります。  検察当局のやっておりまする態度につきましては、ことにただいま当局で十分の資料を得てないということでございまするし、私からここでいろいろ意見を申し上げることはお許し願いたいと思います。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 ごもっともな御答弁でありますが、ただ後段の方は、あなたはわが国の治安を担当しておられる大臣でございます。治安大臣として、はやりこういう行き方が出ておるということでありますので、大臣も一つ政治的にこの問題を配慮していただけなければならぬと思います。その点だけお願い申し上げまして、この件に対する質問を終わりたいと思います。

吉田重延自由民主党

○吉田(重)委員長代理 小沢貞孝君。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 大臣は参議院に呼ばれておってお急ぎのようですし、三時半から本会議があるようですから、詳しく説明をして実態を聞いてもらって、それからお答えをしていただけれは大へん好都合でございますが——ちょっと委員長にお願いしたいのですが、私は「恐怖の町オウミ」という。パンフレットをいただいた。委員長の許可を得て国務大臣、刑事局長あるいは人権擁護局長等に配っていただきたいと思うのですよ。よろしいですか。これに基づいて実は説明をしたり御質問をしたいと思うのです。委員の方には事務局が配ってくれたようです。

吉田重延自由民主党

○吉田(重)委員長代理 先ほど委員長からよろしいというような御返事もあったようでございますので、お配りいただいてけっこうだと思います。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 これに要約されていることについて具体的に質問をいたしたいと思うわけです。これは問題が新潟県の青海という人口一万七千ばかりの町に起こったということなんです。私が最初聞いたのは、こういうパンフレットが私の机の上にあったので、これは一体何だろうと思ったけれども忙しがって見ないでおったのですが、党本部の方から労働問題だから行って見てこいというので出かけていったのです。なかなか奥が深くて、これは通産省関係、自治庁、国家公安委員会、あるいは法務省、農林省等々広範な問題になっておるわけです。そこできょうは法務省、自治庁、それから国家公安委員会、これに若干の御質問をいたしたいと思うわけです。  その経過その他については日本経済等の全国版にもすでに出ておりますし、十二月八日付の日刊工業新聞の全国版にも出ておりますし、また毎日の新潟県の地方版をにぎわしておりますので、あるいは内容は御存じかとも思いますけれども、これを説明し出せば大へん長くなるわけです。それで要点だけをお尋ねをいたしたいと思うわけですが、事の起こりは、電気化学工業株式会社の青海工場、こういう工場が青海町にあるわけです。青海町というのは、この工場が発展したために発展していった町であるわけです。最初は人口三千の町でしたが、今は一万七千の町になったわけです。その町に明星セメントというセメント会社が入ってきて、セメント工場を作ろう、実はこういうことになったわけです。いわば資本家対資本家のけんかでもあり、それに労働組合対労働組合のけんかが結びついたというような格好にもなっておるわけですが、私は、その労働組合対労働組合の問題とか、資本家対資本家の問題等ということとは関係なくお尋ねをいたしたいと思うわけです。  会社に協力をするところの組合が二人、三人の従業員の首を切った。組合が組合員の首を切る、これはユニオン・ショップというのを運用したような形ですが、そういうようなことから事が起こってきたわけです。そこで行って調べてみますと、実はことしの四月ですか、地方選挙があった。そのときにその会社が——電化々々と地元の人は呼んでおりますが、電化がほかの工場に来てもらわないように、来てもらいたくないということで、地方選挙に非常に力を入れたわけです。そこで選挙の結果を見ますと、定員二十四名ですか六名ですか、そのうち一位から十五位までがそこの会社の工場次長とか課長とかいう人がずらずらっと当選をしておるわけです。そのうちにたった一人だけその会社に出入りしておるところの、やはり会社の自由になる下請の小野貫一という人が入っておるだけで、あとはずっと一番から十五番目まで工場の偉い順序に、工場次長とかいうような順序にちゃんと当選をしておるということになっておるわけです。そこで選挙のやり方については公職選挙法違反等こまかい問題がたくさんありますから、後ほど聞きたいと思いますが、そういうことになって、たとえば工場誘致条例等も電化という工場の有機合成関係の工場の招致のときに作ったわけなんですけれども、それをあとから入っていった工場には適用をしないというような問題が起こってみたり、あるいはまたこの九ページに「町費で永久橋に」という題名で写真まで出ておりますが、御幸橋というものを作ったわけです。地元の人は、こんな不便なところになぜ橋ができるか、いぶかっていたわけなんですが、橋ができていよいよ使うことになったら、セメント工場を新しく新設するということになって、その工場のためにやったというようなことが出てきてみたり、あるいはまた宝の山といわれているところの黒姫山、これは標高千二百何メートルだそうですが、これは全山日本有数の石灰石の山なんです。それが町有地か何かよくわかりませんけれども、それを日セルにやるとかどこかにやるというようなことで、鉱業権、租鉱権というような問題で工場が非常にもうかるような工合にして、町の方に当然もっと金が入るべきようなものを入れないようにするとか、そういうことがたくさんあるわけです。端的にいえば、いわば一工場が地方自治体を完全に支配しているという格好だと思います。警察のことはあとで聞きますけれども、警察権はやはりその工場の私警察にひとしいものだ、こういうような格好に見えるわけです。このことについては、先般十一月十三日の社会労働委員会に自治庁関係の方も呼び出されていろいろ答弁しているようなんですが、警察も私警察のごとき観を呈しているというような工合に、極端に言うと一工場の何々課、何々事務部門というようなことと同じように、町が一つの部門のように実はなっているわけです。町議会の方は、先ほど言ったように過半数を制しておるので、工場次長という人が代々町議会の議長をやるのだというような不文律にもなっておるそうですし、町長はその会社の元従業員であるというようなことですし、会社に出入りしている者が四人ほど当選しているわけでありますから、定員二十六名中十八、九名は完全に会社の言うなりになっておる。こういうような格好になっておるので、幾多の問題がそこに出てきておるわけです。地方自治法を制定するときには、そういうことはおそらく予想しておらなかったと思います。全国の中にも、この小林委員の質問によると若干そういう町があるそうですが、今私が申し上げたようなトラブルは起こっておりませんし、恐怖の町と呼ばれるような実態は起こっておらないと思います。おそらくこの町だけであろう。全国初めてのケースであろうというように考えておるわけですが、こういうようなことになったのでは、一管理部門のごとき町政あるいは村政というようなことで、まことに嘆かわしい次第だというように考えるわけです。これは自治法の制定当時こういうことを予想しておらなかったことなんだから、端的に結論から質問しますが、自治法を一つ再検討していただくなり何なりしていただかなければならないのではないかというように考えるわけですが、そういうここについては自治庁長官の立場からどういうようにお考えでしょうか。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○石原国務大臣 私もこの青海町のことは実はあまり承知していなかったのでありますが、きょうこの委員会に入ります前に、こういう問題だということでちょっと聞いたわけであります。一般論といたしまして、町の構成によりまして、従来小さな町が、大工場とかあるいは大きな鉱山が開かれたために、急に発展したというような町につきましては、その町の人口構成その他からいたしまして、そういうところが中心になっておるというところも、これは間々あることであります。そういうところでいろいろの選挙、あるいは市長を選ぶとか、そういうことが行なわれます際に、そういうものが中心であれば、従って自然の民意の意思の発露といたしましても、そういうことで、いろいろの意向がきまっていくということもあるかと思うのでございます。一般論といたしましては、工場側あるいはそういういろいろな施設の方からたくさんの人が出ているから、そういうあり方はおかしいじゃないかとかどうとかということは、私は言えないと思うのであります。やり方についていろいろ不法不当のことがあれば別問題でありますが、一般論としては言えないのではないか、かように考える次第であります。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 これは先ほども申し上げたように小林委員から十一月の社会労働委員会において質問があったはずです。そうしてたしか岸行政課長がいろいろ答弁をされていると思います。そのときにいろいろの調査資料を出すように調査いたしますということを答弁されていると思いますが、これは事務的なことでありますが、岸行政課長はその後実態調査をいたしましたか。その要求された資料を提出できるような状態になっておりますか。

岸昌総理府事務官(自治庁行政局行政課長)

○岸説明員 ただいまもお話しの通り、社会労働委員会で資料の御要求がございまして、それに基づきまして私どもは、これは一般にそうしておるわけでございますが、この青海町の属しております新潟県を通じまして、御指摘のありました資料を集めております。印刷をいたしましてお配りするということはこの前の委員会でも御要求はございませんでしたので、印刷してお配りいたすつもりではおりませんが、ただいまここにその御要求に基づく資料は用意いたしております。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 配るだけ持っておりますか。

岸昌総理府事務官(自治庁行政局行政課長)

○岸説明員 持っておりません。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それでは、先ほど長官は、自治庁という立場からは、民意を適正に反映してそういうことになるようなこともあるだろうというような御答弁でありましたから、だんだん質問しながら実態を明らかにしていきたいと思うのです。たとえば六ページにあるわけですが、この四月に行なわれた選挙のときには、非常にでたらめな選挙をやったわけです。このページの一番下の右から五、六行のところですが、「社宅内五カ所に備えたスピーカーを利用して、会社側の候補が来ると、『全員外にでて聞いて下さい、』反対派が来ると、『皆さん家にはいって戸をしめなさい』。社宅の人たちは障子にうつる影にも、『お前聞いとったろう』とあとでやられるので気を配らねばならない。通行人も立ちどまれない。ビラを受け取る者がいない。子供がビラをもらうと早速スピーカーが、『子供がビラをもらっていますから、やめさせましよう』とくる。演説箇所を指定して、そこ以外では演説させず、そこに社宅係がどかっとタムロしているので誰も近づけない。あまりの露骨さに選挙妨害だとこれが問題になったら、今度は音楽放送を始めた。選挙妨害だと重ねて抗議されても、業務上やっているのだ”と平気のカッパ。音楽も曲目をきめて『この曲が鳴ったら会社側だから外に出なさい』『この曲なら反対派だから引っ込むこと』と、はしにも棒にもかかる相手でない。」こういう選挙を実はやったわけです。その次には七ページの「奥さんの分もはんこ押せ」と書いてある左側を見ていただきたいと思うのですが、「会社は、投票前日までに従業員全部のはんこをとった。ある職場で『奥さんの名も署名してくれ』と言われて『おかしいんじゃないか。私は会社に勤めているからはんこを押すが、女房の分まで署名はできん』と言った人が『お前は明星派だ』と烙印を押され、のけものにされた。電炉職場では、組合頭が地区ごとに従業員を集め、候補者と係長が出席して、一人に百円ずつ配り、飲まし、投票を依頼した。」云々、こういうように書いてあります。その次のすぐ下の欄ですが、「『君がもし本当に電化に協力するならば投票を棄権し入場券を持ってこい。それによって君の本心が明らかになる』とせめられた。こうしたことは自分だけでなく、仲間がほとんどせめられている。」というような工合になっておるわけです。そういうことをいろいろ列挙していくと切りがありませんけれども、私も実は労働問題だと思って現地にちょっと行ったわけです。そして選挙の様子を聞いたので、警察の出張所ですか、派出所まで行って、青海の署長さんに、一体その当時調べましたか、こう聞いたら、何の返事もないというようなことだったのです。それで何も返事がないということで、国会の委員会に一つ出て証言をしてもらおうと言ったら、いや、実は調査したけれどもよくわからぬ、というようなことなんです。こういう問題は実は数々あるけれども、その町の警察というものがその会社の私警察のような格好になっている。全くその会社に支配されているという弊害が実は出てきているわけです。そのことについては、この前の社会労働委員会で小林委員もこのような質問をしています。「まことに電化一辺倒という形が現われている。先ほども申し上げましたけれども、選挙なんかにも非常に露骨な、青海電化一本の選挙が行なわれているけれども、警察というものはなかなか手も出せない。選挙の取り締まりもできない、そういう形が現われている。電化さんのおやりになることならば警察も黙って見ておる。」こういうようなことを質問の中で小林委員も言っているわけです。それから七ページの下にあるように、警察まで尾行されたというような状態に実はなっているわけです。警察まで尾行されるということになっておったのでは、まさに無警察状態ではないかというように私は考えるわけです。ここに自治法を改正するなりあるいはこういう問題について研究をしなければならない問題が出てくると思うのです。  そこで国家公安委員という立場でもいいし、この実態、選挙の問題等について正式に調査をしていただけるかどうかということが第一点です。これは選挙のときのいろいろな話を出せばもう切りがないから、一、二の例を出しただけですから、正式に一つ実態調査をしていただけるかどうかということをお尋ねしたいと思うのです。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○石原国務大臣 御指摘のように選挙のときに非常に不法、不当があったとか、いろいろのことがあったということで御要求があれば調査をしていいと思います。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それでは調査をしていただけるということですから、これは非常に大きな問題だと思いますから一つ真剣に調査をしていただきたいと思います。  このほかにも、電化側に協力しないという人が商売を始めたところが、その商売を妨害されたり、なぐられたり、なぐられた者の名前まで出ています。白川部長という人のところまで出かけていったそうです。これは九ページに書いてあります。本人の口述もここにあるのですけれども、九ページのまん中ごろに、白川部長は、「電化さんの行き過ぎにも困ったものだ。相当数の投書もきているが、これらの解決は最高裁まで行かなければね」と、取り上げてくれないので泣き寝入りになってしまったというようなことがあって、営業の自由もここでは侵されているということのようです。映画館を町で作ると、どうもこれはいかぬ、従業員が見に行って遊んでばかりいるからといって映画館も作らせない。料理屋も聞くところによると一軒もない。一ぱい飲んだり何かして会社の能率に影響するというようなことがあって、青海の町には一軒も作らせないで、仕方なしに青海の人たちは糸魚川に一ぱい飲みに出かけるというようなことさえ聞いているわけです。そういうようなことでなかなかこの実態というものは奥深く、しかもやっていることが警察まで支配したような形でやっているので、なかなか容易なことではないと思いますので、末端の警察に指令をして、もう一回調査をしてみろというようなことではなかなか簡単にいかないと思います。しかもこれは新潟県下あげての問題ですから、なかなか簡単にはいかないと思いますから、一つそちらの方から本腰を入れて調査をしていただくような手配をしていただかなければならないというように考えておるわけです。  それから実は私たちも、ここに来ている柏委員あるいは猪俣代議士それから参議院から亀田参議院議員外二名、六名ばかりの国会議員が現地に行ったときは、われわれは明星派の使い者だという宣伝をされました。何か宣伝カーをわざわざ持ち出して、明星派に買収されたいわば電化の敵だというような宣伝を町の中でやったそうです。だから直ちにその場において、警察でその実態を調べて告発をして参りましたけれども、それが一体その後どうなっておるかということも同時に御調査をいただきたい、こういうようにお願いしたいわけです。よろしゅうございますか。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○石原国務大臣 よろしゅうございます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それでは警察関係のことは調査をしていただけるということなので、大至急調査をして、来週かその次のまた当委員会において実態について御報告をいただきたいと思ひますので、至急手配をしていただくようにお願いをいたしたいと思います。  それでは次に法務省の人権擁護局長にお尋ねして参りたいと思います。この青海町には青海電化の社宅が七、八百戸あるわけです。その社宅に新聞が配られておるが、会社に都合の悪いような記事の出た新聞が配られたときは、会社で手配してその新聞を買い占めてしまって、社宅に入っておる者に見せないということが二回ほどあったそうです。こういう問題は法律的に何か罰則になるであろうかと思っていろいろ調べてみると、どうも弱ったことには、民法上、新聞を売ります、買いますということで、二日もらっていなかったら、二日もらっていなかった分の損害賠償を取る以外に法律上方法がないらしいのです。こういうのは明らかに新聞を読もうとする人権が侵害されていると思うのです。そういうようなことがたくさんありますけれども、この青海の人権侵害の問題について、人権擁護局は調査をされたことがあるかどうか、そういう点をまずお尋ねしたいと思います。

鈴木才藏法務事務官(人権擁護局長)

○鈴木説明員 ただいまの青海電化工場の点に関連いたしまして、人権侵害であるとして申告がありましたのはただ一件のみであります。そうしてただいま新潟の地方法務局の人権擁護部では、問題が非常に大きくあらゆる面に関連しておるというので、基礎情報の収集中であります。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 その基礎調査というのはいつごろ始められたのですか、ずっと前からですか、その進行状況等をお聞かせ願いたいと思います。

鈴木才藏法務事務官(人権擁護局長)

○鈴木説明員 これは相当前から問題になっておるような事件と私ども聞いておるのでありますが、この事件がいろいろと新聞に人権問題があるような報道がありましてから、いろいろ情報を集めてまります。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 これはもうどっちの方に聞いていいのか、両方から御答弁をいただきたいのですが、社宅が七、八百戸あります。そこへ行く道路というものは会社が作った道路だと思います。社宅のある地域もその会社の地域だと思います。その会社へ行く道路というものは、バス等もかよっておる道路なんです。そういうところで、実はまず一つとしては、この七ページの中段にありますが、この前の選挙のときです。「公安委員会の許可を得た公明選挙のたれ幕を下げた自動車の前に会社のトラックが斜めに置き去りになって通せんぼする。」これは地方語で要するに通さないということ、通せんぼをするというようなことを実はやっておるわけです。公明選挙のトラックを通さないと、こういうわけなんですね。そこでこれは道路交通取締法上の問題を一つお尋ねしたいことと。もう一つは、これは別の労働組合側からの情報ですが、そこへ入っていって、社宅に入っていってビラをまくときも、守衛が看視してビラを回収するとか、社宅へ行かせないようにするとかいうことをするとか、あるいは私たちがちょうど行ったときに、何かデモ行進があったときに、その道路に対してバリケードを持ち出してきて、デモを社宅の方へ行かせないようにしてしまうとか、あるいはまたちょうど私たちの行った日だったと思いますが、火事があったけれども、その道路を通させぬようにしてしまう、こういうようなことが実はあるわけです。これは道路交通取締法の問題からどういうことになりますか。その点と、もう一つは、これは社宅の人もビラを見なければならないし、デモにも参加したり、見なければならないというようなことがあるから、人権等の問題もあると思いますし、公明選挙のトラックが通せんぼうになってしまうというようなことでは、これは全く公職選挙法の違反かもしれませんが、人権擁護局の立場あるいは刑事局の立場からは、それぞれこういうものはどういうようになりますか、一つその辺を御答弁いただきたいと思うのです。

中川董治警視監(警察庁刑事局長)

○中川説明員 道路交通取締法の関係は、私の方の保安局の方で所管しておりますので、保安局の方が最も権威ある回答ができると思うのですが、私道であっても、一般の用に供するというものにつきましては道路交通取締法の適用を受ける、こう解釈しております。ところが、私道の場合におきましては管理権の作用というものがございますので、管理権の作用としてやれる限度においてはできるだろう、こういうふうに解釈をしておる次第でございます。

鈴木才藏法務事務官(人権擁護局長)

○鈴木説明員 問題があるいは少し私の方から離れておるような気がいたしますが、まあ一般の市民の生活権の問題としての通行権というか、その通行権の根拠がいかにあるかということは、やはり私生活の相当大きな問題ではないかと思うので、もしこういうことが事実であるとするならば、われわれの人権に関する大きな問題ではないかと私は思います。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 道路交通取締法の問題はまた後ほど聞きますが、社宅の人人が会社に支配されるという問題については、私は人権問題上大きな問題があると思うのです。たとえば工場の寄宿舎に入った者については、基準法上寄宿のことについてはいろいろあって、寄宿に入っておる者の過半数の意見によって何か取り締まり規則を作って、それによって寄宿の運営というものはしなければならないということで、寄宿に入った人の人権は相当尊重されるような、これは労働基準法ですね、基準法上からはできておるようです。ところが、会社の土地に会社の社宅を建てて、会社の道路だということで、どうも寄宿以上の制約を受けるような格好が出てきておるわけです。これは一体、私は法律のことはよくわかりませんが、何も取り締まるものはありませんか。今の刑事局長の話だと、管理権が作用するということで、私の見解はあとで質問いたしますが、違うようなんですけれども、管理権が作用して道路はぴたっととめられちまった。ほかの人は入ってこられない、商売人も入ってこられない、出る人も出られないということになると、その管理権というものによってその社宅の人は完全に人権が無視されてしまうということになるのです。私はお尋ねしたいのですが、その社宅の人の権利を守る法律は何もありませんか。会社の土地であり、会社の道路であり、会社の社宅であるということであれば、管理権を発動して道路をとめてしまえば、それきり自由というものは結局みんな無視されて、これは憲法の各章条に違反するようなことが起こるわけなんです。何か法の盲点のように私は感じるわけなんですが、何かそういう点について法的に擁護される点、そのほかありませんか。

鈴木才藏法務事務官(人権擁護局長)

○鈴木説明員 突然の御質問で、私も明快な御答弁はできませんが、今伺いました事実に関しまして、その範囲で考えますと、たとい会社の構内に会社の社宅がある、そこに従業員が住んでおると申しましても、その会社の従業員あるいはその家族の受ける会社の支配というものは、会社の従業員であるという立場と、会社の持っておる社宅に対する管理権の範囲を出ないと思います。その管理権の範囲以外の私生活の問題、あるいは道路を通行する等の行為につきましては、おそらく会社からそういういろいろ禁止あるいは制約を受けるべきではないと私どもは考えております。ただし、これは一つの一般的な法律の建前からの常識解釈であります。何もそういうものについて法令に根拠があるとは私は考えないのであります。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 そこで刑事局長にお尋ねしたいのですが、先ほどの道路は、これはおそらく会社の道路だと思います。バリケードを張って通さないようにしてしまっていますから、会社の道路を会社の立場から管理権を発動して交通どめをやったと思います。たまたま私たちの行ったときに、火事があったときにバリケードを張ってしまったがために消防自動車も飛んでいけないので、どこか遠回りをしていかなければならないような事態が起こったのです。管理権を発動されてしまうと、その中にいる人の人権というものは完全に無視されて参ります。その道路に対して管理権というものは発動できますか。先ほどの答弁はできるということですね。

中川董治警視監(警察庁刑事局長)

○中川説明員 先ほど私が申し上げましたのは、御質問にかかるような一般の用に供する道路は道路交通取締法の適用を受ける道路である。ところが、私道の場合には管理権がありますから、適正な管理権の発動をする限りにおいては可能である。不適正な、管理権なりと称して管理権以上のことをやればいけないのでありまして、問題は具体的な事案において管理権の範囲内のことをやったか、それを越えてやったかということになろうと思います。少し私、一般論を申し上げて恐縮でございますが、たとえば早稲田大学なら早稲田大学という施設がございまして、早稲田大学では早稲田大学の管理権でおやりになっておると思いますが、それによって早稲田大学の道路がありまして、西門はきょう締める、東門だけ通すということは大学の管理権の作用でありますが、だれかがおるときに監禁するというような状態にまで管理権は作用できるかというと、管理権の作用はそこまではできない。こういうふうに申し上げたのでありまして、私の申し上げたことは、管理権の範囲として許せる限度においては適法な行為であるけれども、管理権の適法な範囲を拡大して、極端に申せばだれかを監禁するような状態にまで及ぼすということは、おおむねその管理権は行き過ぎの管理権であろうと、こういうふうに解せる場合が多いだろうと思いますので、問題はケース・バイ・ケースで、ケースごとに社会的妥当性によって考うべきものだと考える次第でございます。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 この道路法の道路は、これは市町村道以上が道路法の道路で、私権というものはそれに加えることができないということなんだそうです。道路交通取締法によると、道路というのは道路法上の道路プラス私の道路、私の道路も加えられているのが道路法上の道路だそうです。それは私が聞いたことなんですが、そういうことだそうです。ところが、その道路法上の道路に対しては公安委員の許可がないと交通どめその他ができないというように明らかにうたわれているわけです。それと今の管理権とは一体どういう関係になるわけでしょう。私は場合によっては、管理権というものはそういうものに作用しなくて、刑法の交通妨害になるような気がするのですが、その辺をもう少し明確に、私たちしろうとにもわかるように説明していただきたいと思うのです。

中川董治警視監(警察庁刑事局長)

○中川説明員 わかるようにと申しましても、管理権でできる限度はできるが、できない限度はできない。こう申しておるのでありまして、できる限度とできない限度の関係は、その中に書いてあります管理権の作用によってだれも通れなくなってしまう場合におきましては、それはできないのであります。ただし私が設例で申しましたように、早稲田大学なら早稲田大学の管理する私道がありまして、一般の八百屋さんも歩いておると思うのです。その場合において、八百屋さんが入っていることを認識しながら西門も東門も締めてしまって、一晩じゅう監禁するという場合においては不法監禁の罪になることもあろうと思います。ところが本日は西門は修繕する必要があるので開かない、東門だけ開いているというような場合におきましては、許される場合があり得るのじゃなかろうか。答えといたしましては、問題の場合において、新潟県の青海町の当該工場の中において、いかなる場合にどうしたか、そのときに中にどういう人がおることを認識する状態にあったかなかったか、こういうことに関連して当該行為が不法の行為であったか、許される行為であったかということの結論が出るものだと私は考えるのであります。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 これは不特定多数の人が絶えず通っているわけです。これは一般の道路とだれも区別ができないように不特定多数の人が絶えず通っている。早稲田大学の門は、夕方になれば締めてしまうようにちゃんとできておる。この門は不特定多数の者が絶えず通るところへもっていって、バリケードなり何なり持っていくことは明らかに交通妨害になりはしないかというように、具体的にお尋ねしたらどうですか。

中川董治警視監(警察庁刑事局長)

○中川説明員 具体的に申された点についてお答えいたしますが、当該道路が、そういう道路を作るときにおいてどういうような目的で、どういうふうにして、通常どうなっているかという、そういうことの内容が明らかになることによって、今申しました行為が違法の行為であるか、適法な行為であるかということがきまると思うのです。一般的に、普通は八百屋さんも通っているのだから、こうしたらいい、悪いということは、にわかに言うのはまだ早い。もっと道路の性格もきわめた上でないと言えないと思います。その点は、先ほど大臣がよく調査するとおっしゃった内容の一部に含めて、よく調査して参りたいと思います。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 それでは先ほど言ったように、公明選挙のトラックがこの写真に出ておるように通せんぼをされて通れなかったとか、あるいは私たちが行ったときに火事があって消防車が通れなかったとか、その前後にデモがあってもバリケードを築かれて通れなかったということ、この三件だけでけっこうです。そういうことを具体的にここで申し上げておきますから、至急調査をして、この次のときに、これは刑法に触れる問題であるのか、あるいは管理権の発動で適正なことであるかということについての調査をしていただきたいと思います。  それではちょうど本会議があと五分ばかりで始まるようですから、調査をしていただく点だけを申し上げて——これは人権擁護局もそうですけれども、刑事局もそうなんですが、質問を終わりたいと思います。  まずその六ページの右方の「その封書を渡してくれ」という見出しがあるわけですが、そこを読んでいただけばわかりますが、これは私は事実を確認しなかったけれども、こういうことが私が行ったあそこの町の雰囲気では平然と行なわれているというような感じを受けたわけですから、あえてここで項目として取り上げていただきたいと思います。信評の秘密を侵した罪に該当しないかどうか、これは具体的にどっちですか。これは刑法に触れますから刑事局になりますか。子供が母あての手紙を受け取った。そこへ守衛の奥さんが来て、その封書を渡してくれと言う。母あての封書なのでその子供がちゅうちょしていると、あけてみなさいと言われ、何げなく開封すると、もう見たからもらっていってもいいでしょうと、持っていってしまったということらしいのです。  その次はその下の、上から四段目の右かどの小さい字の「会社は"新聞"を絶えず注意していて、気に食わん記事が載っていると、これを社宅に配らさせない。これまでに二度も買い占めをやっている。」これは先ほど私が申し上げた点ですから、人権擁護局で、これは刑事問題にはならないですね、どうですか刑事局長。新聞を会社で都合が悪いときには買い占めて見させないというのは、刑事問題になりますか。

中川董治警視監(警察庁刑事局長)

○中川説明員 普通一般には、ならないと思います。

小沢貞孝日本社会党

○小沢(貞)委員 だからこれは人権擁護局で一つ御調査いただく。  それから「見張人に見張り」という点があります。私は社宅に出入りするのは自由だと思いますが、外から入ってくる者を見張りしろというようなことを監視員をつけてやっておるということは、出入ということが自由でないからやはり人権問題だと思いますから、この問題については人権擁護局で具体的に一つ調べていただきたいと思います。  それから先ほど来数々申し上げましたが、「奥さんの分もはんこ押せ」といったところから公職選挙法の問題がありますから、そのはんこをとった事実があるかどうか。これは公職選挙法の第何条ですか、一つ刑事局で調べていただきたいと思います。  それから七ページの一番上の左かど「電炉職場では、組合頭が地区ごとに従業員を集め、候補者と係長が出席して、一人に百円ずつ配り、飲まし、投票を依頼した。」こういうことも事実があるかないかということを調べていただきたい。  それから六ページの一番下の、スピーカーでもって、会社の候補者が来たから出てこい、会社の候補者でないから引っ込んでしまえとやって、それが注意されたら、今度は音楽放送で曲目をきめて、この音楽が鳴ったら会社側の候補者だから出て来て聞きなさい。この音楽は会社側の候補者じゃないから聞きに来てはいかぬ、こういう事実が確かに相当行なわれたそうです。だからこういう事実があったかどうか、この項目を調べていただく。これは公職選挙法違反が明らかですから、その事実を一つ調べていただきたいと思います。  それから九ページの一番上になりますが、商売人が自由に商売できない。先ほど長官のおられたときに私は質問したわけですが、ここに私のところに口述書もきているわけです。なぐられたので白川部長のところに持っていったら、そんなものはどうも電化さんのやることだから最高裁まで行かなければどうにもならないということでネグられてしまった。こういうようなことがあったかなかったか。あったとすればどういうような処置をされたか、それも調べていただきたい。これは刑事局です。それから次に、十ページ「医者が逃げ出す」という項目です。あの医者は「気に食わぬからあの医者にかかってはいかぬといってバリケードを張って医者にかからせないようにした。これは刑法とかそういうものには触れないと思いますが、ひどい人権問題だと思いますので、こういう事実があったかどうかについて一つお調べをいただきたいと思います。その次は、リヤカーに乗ったり松葉杖で通勤したということは、安全競争の行き過ぎなんです。何百万時間、何千日無事故ということで行き過ぎをやっておる。これも私はいろいろ調べてみたところが、どうも基準法の五十一条ですか、何か伝染性のある病気なら休ませるということが基準監督署でもできるらしいけれども、腕を折ったり、足を折ったという者も松葉杖で無理して通わせたというようなことについては、基準監督署でもどうも何することもできなさそうな問題です。これは人権擁護局の問題のような気がするのですが、こういう事実についても一つお調べをいただきたいと思います。以上数々申し上げましたけれども、先ほど長官の、あるいは国家公安委員長の御答弁にあったように、具体的に私が申し上げた事実の有無について至急御調査をいただいて、来週か再来週のこの委員会で私は御答弁をいただきたい、こういうように考えるわけですから、それだけを申し上げておきます。

中川董治警視監(警察庁刑事局長)

○中川説明員 ただいまお話しになりました部分中、現行実定法において犯罪となってまります事柄等につきましては、警察庁にそれぞれ文書がございますが、検察庁と協力いたしまして調べて参りたいと思います。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 時間がありませんので、関連して簡単にこの際私も資料を一つ要請しておきたいと思います。これは自治庁の関係であります。一つは三十一年の四月に工場誘致条例が青海町で施行されておる。ところがこれが電化の田海の有機合成工場、これの新設には適用されておるのですが、今問題となっておる明星セメントの誘致については全然適用をしないというような事実があるということなんです。この事実関係を一つ調査していただきたい。  その資料をこちらへ出していただきたい。それからもう一つは町有の財産である黒姫山というのがあるのですが、この地上権と採掘権が非常に安い値段で電化の方に渡されておる。しかもその電化の方では、これをさらに日本セルロイド会社に、そのごく一部分である九牛の一毛にしか当たらないような小さな場所の採掘権を、五年間に一二千五百万円で譲渡しておる、こういう事実があります。  私は青海電化が全く地方自治体を支配しておるという感覚に立っておりますので、この二つについて一つ調査をして次会に出していただきたい、こういうようにお願いしておきます。

岸昌総理府事務官(自治庁行政局行政課長)

○岸説明員 ただいま御指摘のありました二つにつきましては、さっそく調査をいたしまして、提出いたします。

吉田重延自由民主党

○吉田(重)委員長代理 それでは本日はこれにて散会いたします。     午後三時三十二分散会

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