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33回国会衆議院1959/12/03

地方行政委員会 第7号

発言数
109
登壇者
14
会派数
3
開催日
1959/12/03

会議録

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長代理 これより会議を開きます。  本日は濱地委員長にはお差しつかえがありますので、指定によりまして私が委員長の職務を行ないます。  まず警察及び消防に関する件について調査を進めます。質疑の通告があります。これを許します。亀山孝一君。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員 去る十一月の二十日、横浜の東洋化工の火薬製造工場が爆発いたしましたが、まことにわれわれとしては遺憾千万な事柄であります。つきましては、この際、最近の火薬製造工場その他花火等の製造工場等の災害につきまして、警察庁当局から概況を一つお話し願いたい。

木村行藏警視監(警察庁保安局長)

○木村説明員 最近の火薬類の爆発災害事故、過去約三年間の状況について御報告申し上げます。もしお許しいただければ、消費その他全般についても御報告申し上げたいと思います。  それによりますと、三十二年、一昨年の火薬類の爆発災害事故は、発生件数で五百九十二件でございます。死者が二百五名、負傷者が八百六十六名、その損害の見積額が九千二百三十三万円、それから昨年の昭和三十三年の発生件数は五百九十件、ほぼ三十二年と同じ件数であります。それから死者は百六十八名、死者は若干一昨年よりは減っております。それから負傷者は七百九十四名、これも一昨年とほぼ似たような数字でございます。損害見積額は約五百万円。それからことしになりましてから、一月から六月までの上半期の状況を申し上げますと、発生件数が二百六十一件でございまして、発生件数そのものは若干減っております。死者は八十七名、これは若干昨年よりはふえております。ところがそこで注目すべきことは、ことしになりまして負傷者、けが人がものすごくふえております。六月まで六百五十九名、約六百六十名でございます。これを年間で推定いたしますと、千三百十八名くらいになるわけですけれども、この数字は昨年同期、すなわち昨年の一月から六月までの火薬類の事故によるところの負傷者に比較しまして六割増になっており、非常なふえ方であります。これは最近の横浜の事故を入れておりませんので、横浜の事故などを入れますと、おそらくこのけが人は千七、八百名になるのではないかと思いますので、この数は昨年のけが人の二倍半前後になるというような状況であります。それから物的の損害見積額も、今年は横浜その他を入れますと、年末には一年間で、推定でございますけれども、約三億円前後になるのではないかと思います。そうしますと、三十三年の損害見積額は約五百万円でありますので数倍になる、こういうふうな大きな状況であります。件数その他ではここ三年間大して消長はございませんが、死者がふえておること、ことにけが人がものすごくふえておること、さらに物的損害も非常に大きい、こういうことが概況上申し上げられます。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員 今御報告を伺いまして、毎年大体五百件有余の災害が出ておる。この問題については過ぐる二十八国会で銃砲刀剣類等所持取締法の改正の際に、本委員会は、附帯決議をしておる。この附帯決議をこの際もう一度読んでみます。附帯決議の一つの項目でありますが、「本法の適正な運用により、銃砲刀剣類等に因る危害の予防に万全を期するとともに、火薬・爆薬・高圧ガス等が保安上至大の関係を有することに鑑み、これら爆発物類等の取締についても警察機関は関係官公庁と緊密な連繋の下に互に協力して有効適正な措置を講じ得るよう体制を整備すべきこと。」こういう附帯決議をつけておりますことはよく御存じと思います。今さら私が申すまでもないのでありますが、この爆発物、危険物、火薬類の取り締まりというものは治安上も非常に重大な問題で、戦前には銃砲、火薬、刀剣、一緒に取り締まりをしておりまして、これは警察関係で取り締まりをしていたものです。それを戦後分けて、銃砲、刀剣は警察、火薬はこれを通産省側に移した。しかも、この銃砲刀剣類等所持取締法の改正の際にもいろいろ質疑をしてはっきりわかりましたことは、火薬類に対する通産省側の取り締まりといいますか、これが非常に遺憾である。その結果相当の危害が出るということはわれわれ指摘したところなんです。これに対して、この附帯決議にもありますように政府当局の善処を要望した。その後の委員会におきましても、私ども並びに社会党におかれましても、ともにこの点は指摘したことなんです。その後何らの法の改正あるいはことに要求した体制の整備を行なわれずして、そして十一月二十日のごとき、まことに悲惨なる惨害を起こして初めて大騒ぎをする。私どもは、この問題に対してはまことに遺憾の意を表するところでありまして、それに対してその後どういうように警察庁及び通産省の間において話があったのか、同時に今後はどうなさるおつもりか、はっきりと一つ政府の御所見をお伺いしたい。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○石原国務大臣 ただいま亀山委員からるるお話しになりましたように、火薬その他の危険物の取り締まりにつきましては、従来、戦前におきましては、警察当局が中心になって主管しておったことはお話しの通りであります。私も地方の警察のその主管課長を勤めておったこともあるのでございます。先般、私ただいまの立場に就任いたしまして以来、この問題を鋭意取り上げまして、通産当局とも警察庁を通じてそれぞれ折衝せしめ、私もまた政府の立場の一員として、関係閣僚ともいろいろ意見の交換をしておりました。たまたま昨年から本年にかけていろいろの危険物の災害も発生し、去る十一月二十日には東洋化工の非常な災害が起こった。こういうことにより拍車がかけられまして、通産当局におきましても、この危険物の取り締まりについては、警察なり消防なりと密接な関連をとっていかねばならないということを痛感しておられるようでありまして、御承知のように当院の商工委員会においても、そのような決議がされておるようであります。政府の閣内におきましても、大体そういう意見が各員そろっての意見ということになっておるようでございます。来たるべき通常国会までに何らかの成案を得まして、国家公安委員会としても協議を受けるとか、いろいろな意見を言うとか、あるいはまた警察官の立ち入り等につきましても、危険物警察等の建前から警察官がいま少しく立ち入りし得るような法制の整備をいたしたいと思います。また、これらと関連して消防の方の関係法令の整備につきましても、さらに一段と検討を加えまして、何らかの成案を得たい、かような状況でございまして、今後とも私といたしましては、この問題の解決のために全力を尽くすつもりでおりますので、御了承を得たいと思います。

木村行藏警視監(警察庁保安局長)

○木村説明員 ただいまの国家公安委員長の御答弁で大体尽きていると思いますけれども、若干事務的に補足申し上げておきたいと思います。  この委員会でもたびたび先ほど亀山委員からの御指摘の通り、警察の立場についてもいろいろ御鞭撻いただきまして、また附帯決議の趣旨も私ども非常に了得いたしまして、鋭意その線に沿うべくいろいろ検討いたしておるわけであります。まず第一点は、通産省の関係部局との連絡をさらに一そう密にして、できるだけ現下におけるいろいろな事故防止を十分整備するということについて、まず連絡を密にしていくということで、絶えず行ったり来たりして連絡を密にしております。それと同時に現在の火薬類の取締法の法的な内容についても、警察の立場からいろいろ研究いたしたのであります。その研究の結果、若干この法の修正をしていただいた方がいいのではないか、こういう結論をもちまして通産省にいろいろ要望いたしまして折衝いたしております。先ほど委員長からお話がありましたように、都道府県公安委員会から知事側に、あるいは国家公安委員会を通じて通産大臣に対しまして、火薬類の製造なり販売なり貯蔵なりあるいは浪費なりについて、災害防止あるいは人命保護の立場から十分に意見が言い得るような態勢が必要ではないか、あるいは現行法の警察官の立ち入りの条件をもう少し緩和していただいて、もっと密接に実体に触れ得るような警察措置がとられるように改正していただいた方がいいのではないかということで折衝いたしております。大体そういう折衝はおおむね順調にいっているのではないかと私たち思います。それと同時に、法改正はやはり若干時間がかかりますので、それに至るまでの間においても、警察部内において十分に事故防止につき万全を期していかなければなりませんので、予算措置なり、あるいは全国の本部長会議なり、あるいは担当部長、担当課長の全国会議の際には、絶えず火薬類の爆発事故の未然防止ということについて関係方面との密接な連絡、その他十分に防止について万全を期してもらうように通達いたしておるわけであります。それにもかかわらず、このような大きな事件が起こりましたことについては、まことに残念に思っておる次第であります。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員 今の石原公安委員長からの御答弁及び木村保安局長からの御答弁で大体了承いたしましたが、通産省の軽工業局長が見えておりますので、局長に一つ私はお伺いしたい。  局長は御存じかどうか知りませんけれども、この火薬の取り締まりについては、去る三十三年の二十八国会以来われわれはこれが取り締まりを要望しておる。それは今までのようにわずかな通産省所管の監督官、係官で、この火薬の製造及び火薬の取り扱いを危険から防止することは困難である。ある程度警察官と協力されてはどうだということを強く申し上げておいたのであります。その後の経過においてもたびたび申し上げたけれども、この十一月の東洋化工の事件まではうまくいかなかった。私たちは、率直に申し上げるが、これは政府の怠慢である。われわれは与党でありますから、あまり強く申し上げたくないけれども、この問題だけは、ほんとうにわれわれは不愉快な気持を持っております。従っ今伺いますと、前よりもよほど積極的に通産当局もこの取り締まりに対しては乗り出されたようですが、どの方向にいかれますか、この点を一つお伺いしたい。

秋山武夫通商産業事務官(軽工業局長)

○秋山説明員 今回東洋化工の大事故を起こしたことにつきましては、まことに申しわけないと思っております。ただいまの亀山委員からの御質問の点、実は私まだこの夏に現在の職につきました関係で、過去の詳しいいきさつを承知はいたしておりませんが、必ずしも両者の意見が全然対立しておったというふうには実は承知はいたしておりませんで、いずれかといえば、むしろ消極的権限争議のような感じを、私過去の記録からは受けておるのでありますが、つまり、昔警察官が保安という立場から、主として警察取り締まりということを火薬類について行なっておったという当時の状態に戻してもいいんじゃないかという意見は、実は私どもの内部にもないことはないのであります。そういうように受け取ってもらえないだろうかというような趣旨の提案も一時あった時期もあったようでございますが、実際上は警察自体も昔とはなかなか違いますし、現行法の関係もあって、非常にその点の話し合いもつかなかった。細部のいろいろ意見の交換であるとか、通報であるとか、立ち入りの問題もございましたが、二十二項目でございましたかの要望書が提出されて、それについていろいろ事務的に検討が加えられた、両者ひざをまじえての検討が加えられたという記録も残っております。実は私就任いたしまして、全くしろうとでございまして、この系統の仕事は全然経験がございませんが、この火薬類取締法全体を眺めましたときに受けました印象は、やや過度に民主的過ぎるのではないかという関係があるようでございます。これは私が参りました最初に、商工委員会で主として煙火の問題でございましたが御質問を受けましたときにも、私はそのことを率直に申し上げたのでございます。当時二十五年でございましたか制定されまして、まだ司令部もございましたし、全体的な空気がそういった方向に向いておったということの反映であったかと思うのでありますが、昔であれば、ああまで寛大な扱いはおそらくしなかったであろうと思われるような規定がところどころに見受らけれるということで、多少奇異の感を受けた次第でございます。そういう意味で実は法律を改正しなければいけないだろうということは、私の前任者からの引き継ぎもございましたし、私自身も参りまして早々、ただいま申し上げましたようなことで、何とかこれはやはりもう少し取り締まり強化を考えなければならぬと思っておりましたやさきに、実はあのような問題を起こしてしまったという経過をとっておるわけでございまして、先ほど石原国務大臣、保安局長からそれぞれ御答弁もございましたように、私どもこの問題について権限争議ということは毛頭考えておりません。要は警察官と都道府県知事とを通ずる系統の仕事の区分、あるいは責任の区分というものをはっきりして、連絡を緊密にやるにはどうしたらいいかというむしろ技術的な問題があって、昨日も実は両課長会談をいたしております。今回の法案に盛るべき大筋を考えておるわけでありまして、至急に成案を得ましてしかるべく審議をお願いしたいと考えておる次第でございます。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員 局長はまだ就任日浅くあられるので、前からの事情を詳しく御存じないと思いますが、私どもが昭和三十三年以来両省の係官の方々の話を漏れ聞くところによると、われわれとしてはまことに遺憾千万である。当時われわれはこの火薬製造の取り締まり権を完全に警察に持ってこいと言っているのじゃない。事前にこれを予防するために警察官が立ち入るということが必要じゃないか、こういうことを申し上げてきた。ところが率直にいうと、業者の方々からのいろいろなお話もあって、私どもがこの十一月の事件までに承知しておるところでは難航しておりました。幸いに局長が見えて、今、お話しのように大いにやるという誠意を持っておられる。また、不幸ではありましたけれども、この事件があったからおそらく解決することと思う。また解決しなければならぬ。そこでこれ以上過去のことは言いませんが、一つわれわれとして希望したいことは、火薬製造の問題だけでなく、これの貯蔵する場所及びこれの所持に対して十分慎重な態度をもって検討していただきたい。私が申すまでもなく、銃砲、刀剣については非常に厳重な制限がしてある。しかるに、これよりもっと危険である火薬が野放しとなっている。現に飛行機で自殺しかけた人も火薬を持っているというようなわけで、われわれとしてはまことに懸念をしておる。そういう方面までこの際取り締まりというか、予防の措置を講ぜられる御方針かどうか、これを一つ局長にお伺いしたい。

秋山武夫通商産業事務官(軽工業局長)

○秋山説明員 実は、私参りまして以後間もなくでございますから、多分九月であったかと記憶いたしますが、木村保安局長の御来訪を受けまして、この問題についていろいろ話し合いをいたしました。やはりただいま申し上げましたような私の率直な気持を申し上げて、警察官との間の連絡を緊密にするという方法についてどうしたらいいかという御相談をいたしましたが、そのとき大体大筋として得ました成案は、先刻保安局長からお答えのありましたような、要するに両者すなわち通産省あるいは国家公安委員会という最上部の機構を直接結ぶということ、同時に末端においては府県の公安委員会と都道府県知事の系統とを直接結ぶということでございまして、その線は、実は東洋化工事件が起こるといなとにかかわらず、その前から両局長の間ではおよそ了解を得ておった大筋でございまして、あの事件がありまして以後、急遽そういう線が出たわけではございません。その意味で私どもの真意は御了解を願いたいと存じます。  それから、ただいま飛行機に持ち込んだ例のお話がございましたが、実は現在の法規でも、警察官の取り締まりを全然排除しているものでないことはもちろん御承知の通りであります。ただそれが具体的な、すなわち人の生命、身体、財産に特に危険が及ぶおそれがあると認めたときに限ってというような、非常に限定された書き方になっておるところに、実はこの問題があるのであります。これを今回はできるだけ広い書き方に改めるというのが具体的な案でございますが、ただいまの飛行機のケースのような場合には、もしその人の挙動その他不審がありとすれば、それは現行法においてもおそらく警察官が取り締まり得たケースに該当するのではないかと私どもには解釈せられるのであります。これは法規の解釈の問題であり、また具体的なケースに適用するかいなかの問題でございますから、私どもがどうこう言う問題ではございませんが、そういう意味で、やはり運用基準についても、単に法規のみならず相当細則にわたって綿密な規定を作らなければならぬと考えておる次第であります。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員 消防本部長にちょっと伺いたいのですが、消防関係として、この問題に対してその後において何らかの処置をとられましたか、あるいは法改正に対して希望を申し出られたかその点をちょっとお伺いしたい。

鈴木琢二国家消防本部長

○鈴木政府委員 火薬類取締法の対象となっております火薬類のほとんど大部分は、同時に消防法にいいますところの危険物の対象になっております。従来からそうなっておったわけでございますが、ただ従来は、危険物の取り締まりは御承知のように市町村条例にほとんどまかされておりましたし、一方火薬類取締法の方は、政令並びにそれに基づく通産省令等で緻密に規定されておりますために、火薬関係の工場に対する実際の指導、取り締まりという点になると、第一次的には通産省が所管官庁ということになりまして、消防の方は二次的という形になっておったわけでございます。従いまして、もちろん消防も消防法の四条による火災予防のための立ち入り検査等の権限がございますので、それぞれ立ち入り検査によって査察はいたしておりますけれども、先ほど申し上げたような関係で、消防の指導というものは第二次的になります関係で、予防査察で立ち入り検査はいたしましても、その重点が、一つ一つの作業状況とかあるいは設備の構造等について指図をするということよりも、むしろその火薬工場の建物の状況とか、あるいは敷地内における全体の構造、あるいは設備、消防上の諸施設というようなものをしさいに検査いたしまして、その状況を消防が十分に詳しく把握しておって、いざ災害の場合に、防災のために処置する素地を作っておくということが中心になるような結果になっておったわけでございます。その点消防としてやりたいができないという状態になって、大へん不完全な状態にあったのでございますが、たまたま去る三十一通常国会で改正をお願いして、去る九月三十日から施行いたしたのでございますが、例の危険物に関する消防法の一部改正によりまして、従来市町村条例によって規定いたしておりましたものを、政令あるいは総理府令によって規定するということになりましたので、この法律制定の当時から通産省といろいろと事務的に打ち合わせをいたしまして、結局火薬類の大部分は危険物に該当するものであるから、一つ共同で火薬の取り締まりをやろう、共同の責任にしようということに話がつきまして、そういう考え方のもとに一部改正されて、消防法の危険物取り締まりに基づく政令並びに総理府令を作ったわけでございます。今日では、そういう経過をたどりまして、火薬については消防も通産省と同じ立場において取り締まりをする、こういうことになったわけでございます。ただ実際問題としまして、建物の状況にしましても、いろいろな設備の状況にしましても、火薬と、いわゆる消防法でいう危険物とは、取り扱いの異なる問題がございますので、たとえば建物の構造に対する規制あるいは設備に対する規制、あるいは空地に対する規制等について、さらに細部にわたって検討しなければならない問題が残っております。この問題につきましては、通産省令を改正してもらいまして、それに準じて消防法の危険物に関する総理府令をきめていくという話し合いになっておりまして、近いうちに通産省令並びに総理府令につきまして審議をいたしまして、通産省と消防とが共同して完全な取り締まりができるような措置をとるという運びになっております。将来総理府令が完成いたしますれば、十分通産省と連絡を密にいたしまして、取り締まりが二元的になりませんように、第一線の取り締まりが統一していきますように、通産省とも十分連絡をとり、また県なりあるいは市町村を指導して、取り締まりが円滑にいくように取り計らいたい、かように考えております。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員 最後に石原公安委員長に一つお願いをいたします。  るる申し上げませんが、先ほどの御答弁で、来たる通常国会には何かの処置をとる、またおそらくこれに関する法令の改正が提案されると思いますが、万一お出しにならぬ場合には、われわれは議員提案として出すという決意をつけ加えて申し上げます。これは何も十一月二十日の事件で申し上げるのではないのです。その前から、とかく通産省と警察庁との話が円満にいかぬといううわさを聞いたときに、われわれとしてはもう捨ておけない、議員立法をもってしてもこの災害を防止したいという決意を持っておることを考慮されて、どうかこれ以上申し上げませんから、十分これまで起こりました災害にかんがみられて、万全の予防措置及び適当な災害措置をおとり願いたい。それだけ希望を申し上げまして私の質問を終ります。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○石原国務大臣 私の気持、考え方は先ほど申し上げました通りでありまして、また通産省の秋山局長からもお話がありましたように、今回の十一月二十日の爆発を契機としてこの問題を検討し、取り上げているのではないのでありまして、私ども就任以来、従来の経緯を調べ、また私の従来の体験からいたしまして、これはぜひやらなければならぬということでやっているわけでございます。先ほどもちょっと申し上げましたように、閣内におきましても、ほとんど何らの異議なくそういう気持で動いておりますので、必ず来たるべき通常国会に相当の内容を盛り込んだ提案が行なわれるものと私自身かたく信じております。何分よろしくお願い申し上げる次第でございます。

田中榮一自由民主党

○田中(榮)委員 関連して。昨日商工委員会におきまして、やはり危険物の取り締まりにつきましていろいろ論議されまして、数項目のきわめて重要なる事項につきまして商工委員会として決議をいたしたまして、その決議を議長まで提出いたしたのでございます。昨日も社会党の松平委員からいろいろ有益な意見が出ておったのでありますが、私が不安とするところは、警察から通産省に対しまして二十数項目の注意事項を提示されているそうでありますが、それはいつごろやったのでありましょうか。

木村行藏警視監(警察庁保安局長)

○木村説明員 昨年の、ちょうど一年ぐらい前だったと思います。二十二項目にわたりまして要望いたしました。それからさらに回を重ねまして、大体現在は八項目ばかりにわたって問題がしぼられてきました。昨年の秋、一年ぐらい前でございます。

田中榮一自由民主党

○田中(榮)委員 その注意事項と申しますか、警告事項と申しますか、それにつきましては消防庁では内部的に御関係になったのでありましょうか。警察だけで単独で協議の上提出したのであるか、その点消防庁、どうですか。

鈴木琢二国家消防本部長

○鈴木政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、消防の方といたしましては、ちょうど昨年は消防法の一部改正を準備中でございまして、すでに火薬については先ほど申し上げましたような関係で、話は進めておりましたので、警察と通産省との関係で、消防は別に入っておりません。

田中榮一自由民主党

○田中(榮)委員 こうした爆発物の製造、貯蔵、販売、使用の過程におきましては、よほど注意をいたしませんと、人命に関する大きな問題でありますので、こういう問題につきましては、通産省が主体になりまして、警察、消防が常時の連絡会議か何かそういうものを持って、常にお互いに情報の交換をして、なお足らざる点があればそれに対して直ちに措置をとるというような、恒久的な協議機関を設ける筋合いのものではないかと考えておりますが、それらにつきまして木村保安局長にお尋ねいたしますが、常時そうした協議機関のようなもの、連絡機関のようなものをお持ちになっているのでしょうか、どうですか。

木村行藏警視監(警察庁保安局長)

○木村説明員 常時三者の連絡機関というようなものは、現在コンクリートなものは持っておりません。しかし非常に必要なことだと思いますので、検討いたしてみます。

田中榮一自由民主党

○田中(榮)委員 実はこれは公安委員長にお願いでございますが、こうした問題につきましては事務的に通産大臣とも御協議になりまして、何らか常時連絡し合うような恒久的な事務の連絡機関を設けておく必要があるのではないかと思いますが、いかがでございましょうか。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○石原国務大臣 警察と消防関係は私の主管しております国家公安委員会の組織の中に入っていますので、私は両当局に対しましては随時いろいろ指示しております。また通産省の秋山局長とも前々から知り合っておりますので、秋山局長とも随時私は話をいたしております。それから閣内においても随時この問題を話し合いをいたしております。今田中委員の御指摘になられました点は、将来法制がいかに改正されるとかどうとかいうことと切り離してでも、適切なる御意見だと思いますので、そういう線でさらに三当局に話し合いをさせていきたいと思います。

田中榮一自由民主党

○田中(榮)委員 昨日池田通産大臣は、必要によって法令を根本的に改正をして、火薬類取締法その他関係付属法令を全面的に検討して改正に乗り出すということをお答えになったのでございますが、これにつきまして今回の東洋化工の事故を見ますと、一体知事の権限、所轄警察署の監督、そういったものが非常に不明確のようにも、昨日もいろいろ論議があったのでありまして、たとえば今回の東洋化工の事故のようなものは、常時所轄の警察官あるいは消防職員がそこで事前の監督ができないわけであります。と同時にまた知事も、知事の部下がそういう大工場に出張して内部監査してよろしいかどうかというような権限の規定が明確でないようであります。そのために府県庁としては、通産省がやっておるのだから通産省にまかしておこうじゃないか、こういうような気持になっておるということを聞いておるのであります。一体三十二の通産省直轄の工場には、従来警察官とかそういう人が取り締まりのために入ったことがあるのでしょうかどうでしょうか。今通産省で直轄監督しております三十二の工場があるそうでありますが、そういったものは、たとえば今度の東洋化工も常時取り締まりの警察官等が、これは危険であるというように感じた場合には——昨日も池田通産大臣のお答えでは、危険があると認めた場合には、警察官として常時立ち入りをして監督をする。こういうお答えであったのでありますが、危険であるかどうかということは外部からではわからぬ。一応内部に入った上でないと、危険であるかどうかということはわからぬのでありまして、そういう場合に必要があると認めたときには警察官も随時立ち入りをして監査をするとか監督をするとか、そういうことが東洋化工の場合においてもあったかどうか、それを一つお答え願いたいと思います。

秋山武夫通商産業事務官(軽工業局長)

○秋山説明員 東洋化工の所管と申しますか、これはいわゆる通産省の直轄工場というわけで、火薬類の製造工場については通産省みずからが直接監督をするという原則は一応定まっておりますが、実は若干法の不備も確かにあるようでございまして、法律と、それからその権限を都道府県知事に委任をいたしました政令も、施行令の第八条の規定の解釈について、制定当時は一応はっきりしておったつもりのようでございましたが、あらためて法制局の意見を尋ねてみましても、成文として読み直してみると、どうもいろいろの説が立ちます。すなわち直轄工場には都道府県の係官は立ち入りができるのかできないのか、これは実は先日商工委員会でのお答えの際も、私と政務次官とで見解が食い違ったような始末で、まことに申しわけなかったのでございますが、私ども都道府県知事が立ち入りができると思っておるのであります。ただ実際問題としては、直轄工場には県が遠慮をして行かぬというのが慣習のようでございます。  それから問題はやや別になりまするが、警察官については、実は委任という規定ではないのでございます。  これはもう四十三条の二項に規定をせられております。それは先ほど田中委員の御質問にお答え申し上げましたように、人の生命、身体、財産に特に危険を及ぼすおそれがあって、特に必要と認める場合というような規定になっております。すなわち解釈上は具体的な危険が予想される場合というふうに従来は解釈して参りました。従って今回の東洋化工のような場合も、実際上中に入らなければああいう規定違反事実があったということは警察といえどもわからなかったと思うのであります。しかし、建前として警察官の立ち入りが排除されておるわけではないのでございまして、一般的に警察官が普通の工場に立ち入りができると同様の立場においては火薬工場といえども立ち入りはできる。火薬類取締法は一種の特別法としていわば技術的にやや高度な判断を要する問題について、いろいろ警察的な取り締まり規定を設けておる。一般法と特別法というような関係になっておると思いますので、ただその特別法の中での警察官の立ち入り範囲というものの仕方がかなり限定的である。これはまことにその通りでありますので、それを先ほど来のお話のように、警察官がわれわれに十分協力してもらえるような形に改めようという方向で今検討を進めておるわけであります。

田中榮一自由民主党

○田中(榮)委員 今回の法令の改正には、たとえば今の東洋化工のような大規模な工場につきましては、いろいろ技術的に高度の知識が必要でありますので、これは現場の警察官が指図するということはできないと思うのでありますが、しかし少くとも花火の製造工場、貯蔵所、販売所、その程度の監督は警察官吏もしくは消防官吏でもできるのではないかと私は思うのであります。そういう場合におきまして、高度の技術工場の内部の監査につきましては、法第四十三条をある程度改正をしていただきまして、そうして取り締まりの警察官も年に一度や二度は現場の実情をよく把握をしておくという程度において、やはり警察官吏も立ち会いができる、通産省の公務員と同時に現場において立ち会いができるというような、権限の一部を移譲するというところまでいかなくとも、そういう権限を何らか付与しておく必要があるのではないかと私は思うのであります。それからなおきわめて単純な煙火の製造工場、貯蔵所、販売所のごときは、これは私はかつて警察においてそういうような取り締まりをした経験もございますし、また技術者もいると思いますので、これらにつきましてはむしろ全面的に権限を移譲いたしまして、そうして消防官吏あるいは警察官吏が現場において随時こういうような法令的の事前措置というものを十分お考えを願いたいと思うのであります。これはほんとうに人命に関する重大な問題でございますので、いつも事が起こってから騒ぐということは非常に困るのでありまして、どうかそういう点を御考慮願いたいと思います  それからもう一つは、秋山軽工業局長にお尋ねしたいのは、明年度の予算の点でありますが、通産省の予算の中に、取り締まりのために全国に二十二名の必要なる人員を増員するということでありますが、これを通産局だけにとめおくということになりますと、むしろ地方庁がそっぽを向くのじゃないか。やはり二十二名増員した場合において、その二十二名のうちで、最も重要なるところには、やはり府県庁にもこれを駐在させて、そして府県庁の職員として現場の監督をせしめるということの方が、かえって私は効果的ではないかと考えておりますが、これを全部通産局だけに配置するものであるかどうか、あるいは府県庁にもこれを増員配置することができるものであるかどうか、その点をお伺いしておきたいと思います。

秋山武夫通商産業事務官(軽工業局長)

○秋山説明員 ただいまの法律改正にあたっての権限関係の問題でありますが、これは目下具体的に警察庁の方とお話し合いをしておる最中でございます。御意見のあるところを十分考慮いたしまして進めたいと思っております。  それから警察官の立ち入りの問題でございますが、田中議員は年に一、二回はとおっしゃいましたが、実は現在花火工場につきましても、年に一、二回は都道府県の吏員も立ち入りは当然いたしておるのであります。警察官に期待いたしますところは、実はもっと回数をひんぱんにやってもらいたいということなのでございます。同時に、かつてやっておった経験上、経験者あるいは技術者もおるはずだというお尋ねでございましたが、これは実は戦後火薬類の取り締まりが当時の商工省に移管せられましたときに、内務省系統の人たちが、仕事について商工省、現在の通産省あるいは都道府県の系統に籍を移して参ったわけでございます。現に私どもの方で取り締まりを担当しております係官は、上の者は内務省から移って参った者でございます。従って、もちろん警察にも鑑識その他科学関係の知識のあるこういった方々が多数おられると思いますが、その方たちは、昔内務省関係でそういう関係をやられた方ではないわけです。  それから予算のお尋ねでございますが、実はただいまお尋ねの二十二名は、高圧ガスの関係と両方合わせての人数でございまして、火薬関係だけでは十五名でございます。この十五名も、実は私ども従来の経験から通産局に置いて、できるだけ現場に近いところで、いわばブロックごとにという考え方で、建前として通産局に置くという内容の大蔵省への要求になっております。確かに、できれば県の関係に直接通産省から人員予算を配賦して人を入れてもらうということが望ましいということで、私どもも実は研究してみたのでございますが、どうも現在の自治法の建前等からは、そういう道は開かれておらぬようなことでございまして、やや余談になりますが、もし人が配置できないとすれば、せめて旅費くらい何とか国費から出せないものであろうかということも実は検討してみたのでございますが、これも唯一の例外的な前例は、麻薬類の取締官が厚生省にございますが、管轄を越えて容疑者が逃亡したために、それを追跡していって他の管内に入るという場合の旅費だけが、これは厚生省から直接補助金として出されておるのでございますが、少なくとも管内への旅費については麻薬等についても厚生省は出していない。これもやはり現在の地方交付税なりあるいは地方財政なりの建前からいうと、国から直接そういうものを県に交付するということはどうもむずかしいようでございます。実は地方交付税交付金の問題につきましては、別にあらためて自治庁長官としての石原国務大臣にもぜひお願いを申し上げなければならぬ点もございますが、その前に実は各府県の実際使っておる予算の内容を、私どもが手に入ります範囲の資料で検討いたしまして、この十月の初めに都道府県の担当課長会議を開きました際、各府県から資料を提出させまして検討いたしましたところが、残念ながら、実は国から交付税交付金の標準府県を基礎とする計算によって交付される額まで、あるいはもっとひどいところは、火薬類のいろいろな手続に手数料が入るのでありますが、その手数料の額までも実は歳出予算として火薬類の取り締まりのために組んでいないというところも相当あるという事実がはっきりいたしまして、実は今年の課長会議の申し合わせと申しますか、決議のようなものとして、最小限度手数料収入だけは一つ火薬類に使わしてもらおう、できれば交付税をもらえる範囲で、それに乗せて取り締まり態勢の充実のために使いたいという趣旨の決定を申し合わせた次第でございます。従いまして、これは実はかなり私も強い言葉で、都道府県当局、ことに首脳部の火薬類取り締まりについての認識の徹底をぜひ課長から進言してもらいたいということを強調いたした次第であります。御指摘を受けましたように、私どもも取り締まり関係の意識ということにおいて、若干の手抜かりがあるということは認めざるを得ないと思います。同時に多数の煙火の製造業者あるいは火薬類販売業者など、諸種の末端での数多くの取り締まりを担当してもらいます都道府県の体制を確立するということについて、これは何らか適切な処置が必要ではないかということで、これまたあわせて考えていきたいと思っておる次第であります。

田中榮一自由民主党

○田中(榮)委員 ただいまお話がございましたが、通産省では三十五年度予算に二十二名の増員を要求する、それから煙火業者に対しましては相当な融資をするように要求しておるのでありますが、今度の法令改正で、もしも警察庁の方に監督の権限の一部が移譲されて、警察がその取り締まりの任に当たるということになった場合において、警察側としては、これに要する技術陣といいますか、あるいは警察官の増員とか、そういったものにつきましては何か三十五年度予算に組んであるとか、そういうような計画はないのでございましょうか、ちょっとお伺いしたい。

木村行藏警視監(警察庁保安局長)

○木村説明員 増員の面につきましては、例の四千五百人ですか、要求をいたしております。その中に火薬類の取り締まりの関係で若干従来よりも積極的な態勢を考えなければならぬ場合には、第一線のことも考えて、火薬類について検討をいたさなければならぬと思っておりますが、それ以外に技術そのものずばりの増員についてはまだ考えておりませんが、いくいくはそういう問題も検討しなければならぬと思います。それからとりあえずの問題といたしましては、従来よりも工場側に対しましていろいろ警察が通産省あるいは知事側と協力して、未然防止をさらに一歩進めます関係上、火薬類に対する知識を十分に教養したいと思いまして、その教養の費用についての予算を要求いたしております。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員  幸いに内田通産政務次官が御出席になりましたので、一言希望を申し上げて御所見をお伺いしたいと思います。内田政務次官は、この地方行政委員会の委員とせられまして、この委員会において火薬類の取り締まりに対して非常に強い要望をしたことは御存じの通りであります。つきましては、先ほど来国家公安委員長である石原国務大臣からも、この火薬に対する取り締まりについて、来たる通常国会にはできる限りの危害予防措置、災害の予防措置を講ずる規定を挿入して改正を提案したい、こういう御趣旨の御発言がありました。この際通産政務次官も同じ所見であるかどうか、くどいようでありますけれどもお伺いをいたしたい。

内田常雄自由民主党通商産業政務次官

○内田(常)政府委員 今回、東洋化工会社の爆発事故がありましたが、これは非常に大きなものでありましたけれどしも、しかし皆さん御承知のように、かような大きな規模でなくても、ここ数年来地方の花火工場等の事故がひんぴんとして起こりますことは私ども非常に憂慮いたしております。そこで、私も通産省に参りましてから、これに対する取り締まり法規をいろいろ調べてみますると、火薬類取締法というものは昭和二十五年に制定されておりますが、これは私の個人的見解にわたるかもしれませんけれども、この法律の建前というものは、名前は取締法になっていますが、内容はほとんど取締法になっておりません。というのは、二十五年当時の社会風潮あるいは法制の風潮などそのまま反映しておりますために、この法律の立て方が、火薬、爆薬あるいは煙火等の製造業者の民主的利益を保護するという建前がおもでありまして、ある場合には、これらの事業の育成という建前もありますが、それよりもこれらの業者の民主的あるいは産業上の立場を守っていく、こういう立て方でありまして、それはそのこと自身まことにけっこうでありますが、しかし、その対象でありますところの製品あるいは事業そのものが、社会公安に非常な影響がありますので、私は、今の法律の建前は今日においてはよほど思い切って直した方がいい、公安と事業者の利益と、さらにこれは重要産業の原材料であります場合もありますから、それらの助成措置ということも考えねばならぬので、これらの三者をそれぞれ適正なウエートを置いてこの法律を立て直す必要がある。かように考えまして、今回の事故後ではありませんが、すでに私などが着任いたしましたことしの夏ごろからも、具体的に法律の改正を準備いたしておりますから、来たる通常国会あたりには、考え方を思い切って変えましたところの法制として、皆様方の御批判を仰ぎたいと思います。  さらに今日取り締まりの主体になっておりますのは、通商産業大臣と地方公共団体の長ということになっております。通商産業大臣と地方公共団体の長が相並んで保安監督等をやる建前のものもありますが、あるものにつきましては通商産業大臣の権限を地方公共団体の長に委譲をしておる、こういう建前もとられております。その間におきまして、必ずしも通商産業大臣と地方公共団体の長の保安に対する連絡などの建前が法制上十分とられておらない。ことに地方の警察関係、公安委員長の職能というものがはっきりされておりません。ある条文につきましては、警察官吏の立ち入り検査等を認めておりますが、それはどういう指揮系統で、どういう職能でやるのかさえもはっきりいたしておりませんので、今度改正の場合におきましては、通産大臣の職能、地方公共団体の長の職能、公安委員会を含めまして警察官吏の職能というものをはっきりさせ、しかも通産省は、これは中央の役人でありまして、今お話に出ましたように当該官吏を五十人、百人も置くということはとうていできませんので、取り締まりなどの面におきましては、公安委員会も、地方公共団体の長に相当しっかりした基準のもとにこれを行なっていただくように固有の権限を与えるような仕組みにせなければならぬと思います。  さらに先ほどから聞いておりますと、秋山局長のお話がありましたが、今日通産大臣から権限の委任をされておるのか、あるいは地方公共団体の長の固有の権限としてあるのか、地方公共団体の長は火薬ことに煙火類の取り締まりの権限を持っておるのでありますが、これらの経費関係、あるいは国の補助あるいは予算の関係等がはなはだはっきりしておらぬ。私は、これはこれからこう考えねばならぬのじゃないかと思ます。煙火類等は、これは地方に当該企業がありますが、これは必ずしも私は国の行政であるとも言い切れないので、一つの地方産業とも言えるものでありますから、これはもうそれらの形式面等におきましても、国から特に補助をつけた、人件費をつけた職員を置くということも、これはある限界においては考えねばならぬ場合もあるかもしれませんが、一般的には、私は地方公共団体の固有の仕事として、地方公共団体が相当の経費をさいて、そうしてやらなければならぬ面もあるのではないかと考えます。むろんその反面におきましては、これらのそれぞれの指数が地方交付税の算出基準等に盛られることはもちろんでありましょうが、そういう面もありますが、今日の法制上、ことに地方自治法の建前で、国が国の仕事を地方公共団体にやらせるためには何か法律の規定が要る、またその予算区分を明確にしなければならぬという規定があるかと思いますが、今回の法制改正の際には、それらの点も十分検討いたしまして、必要な予算は地方へ十分やる場合もあろうし、また国がやらなくても、地方が固有の仕事として、地方の財政をもってやるというようなことを十分検討いたしまして、明確にいたしたいと思います。  さらにまた通産省と警察庁関係で今度は協力していくように法律改正をいたしますが、私は、ただいま申しましたような趣旨から通産省の考え方を指導いたしておりますので、この両者の考え方は食い違っておらないと思います。先般、亀山委員から両者の考え方に相当食い違いがあるのではなかろうかというような憂慮が表明されたこともありますが、さようなことはありません。なお、その点については私が責任を持って指導して参ります。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員 ただいま内田政務次官の非常に明快な御答弁であります。今までは両者の間に多少悪い点があった。あなたが行かれてからよくなった。どうかそのおつもりで各関係省よく連絡をとられまして、万全な一つ改正をされますように希望を申し上げて私は終わります。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長代理 門司亮君。

門司亮民社クラブ

○門司委員 私はちょっとあとで消防の諸君に聞きたいことがあるのです。この事件で……。その前段に一応話しておきたいと思いますことは、通産省の意見というのはおかしいのですよ。花火だとか何とか小さな同じ火薬類を取り扱っているものは、ある程度地方産業と認めていいかもしれない。しかし今日の火薬の主体は何といっても軍備です。軍備をおやめになるなら、私は今のような議論は成り立つと思うのです。火薬は日本で一体何に使っているのですか。軍備以外にどれだけ日本で火薬をこしらえているか。鉱山用の火薬あるいは花火というものは、そう大したものではないと思う。あるいは今日の火薬において三十四工場というものは通産省の直轄なんです。危険が非常に多いと思われるようなものは国が直轄してこれをやっておる。直轄として取り締まりをしておる通産省が、費用が少ないから取り締まりができなかったというような言いのがれをすることは、私は困ると思う。この際言いのがれをされない方がいいと思う。通産省は通産省の責任でこういう事故が起こらぬように防止することをお考えになることが賢明だと思う。その中で地方の長官の取り締まり分野がある、あるいは手続その他についての手数料も多少入っておることは事実です。それらの具体的な問題については、私どもは考えないわけではないですよ。通産省は、今日の事故が起こったというようなことの原因とまでは私は言いませんが、措置が十分できなかったという一つの言いわけの中に、どうも交付税の中にこれが入れられてなかったとか、あるいは費用について非常に都道府県が冷淡だとかということは、この際やめておいてもらいたいと思う何のために一体三十四工場ないし三十七工場というものを通産省の直轄で取り締まりをしているのか、私は、その辺をこれは通産省も少し考えてもらいたいと思う。これは答弁は要求いたしません。  私がお聞きしたいのは消防関係ですが、今度の東洋化工の事件でも、このあなたの方の報告にも書いてありますように、私は地元の関係から多少調べた資料もありますが、最初起こったのは実際は火災なんですね。爆発までの間にあなた方の資料の中にも十三分間の間がある。火災が起こって、それから爆発になっておる。そうすると、消化の設備が万全であったかどうかということは、私は一つの問題だと思う。もちろん今度の爆発の原因が新しい何か火薬をこしらえるというか、研究するというようなことで、法律的には研究をしてはならない場所、あるいは研究をすることができないような違反行為によったものであるということが言われております。しかし、現実にやっておった人はなくなっておる。同時に、やっておった試験はその日初めてやった試験であって、それまでどういう作業をしたかというようなことはちょっともわかっていない。原因は何が何だかわからない。わからないが、しかし火災が起こって爆発までの間に時間があったということは事実なんです。そういたしますと、火災に対する処置がある程度万全であったなら、こういう爆発は起こらなかったのじゃないかということが一応言えると思います。火災に対する取り締まり、立ち入り検査は、消防はできるはずなんです。自由にいつでもやれるはずなんです。その辺を私どもが考えてくると、こういう危険、特に危険物に対する危険な場所その他に対する消防の立ち入り検査なり、あるいは注意なりが、この際私は必要じゃないかと思う。これは現行の消防法ないし消防組織法の規定でやれると私は思うのですが、これはどうなんですか。これがやれないということになれば、この法律を変えなければならない。特に危険な場合にはどういう処置をさせるとか、あるいは自動的に水が出るような仕組みも必要かもしれない。ことにこういう火薬工場等の火災予防施設とういものには、特別の法律なり、特別の研究が必要になってくるのではないかと思う。こういう考え方がありはしないかと思うのですが、その点についての御見解があれば一つお聞かせ願いたいと思う

鈴木琢二国家消防本部長

○鈴木政府委員 この東洋化工の火災災害の原因につきまして、御指摘のように当初小さな火災が発生し、それが爆発の原因になったという形は御指摘の通りであります。またその間に通報施設あるいは消防施設等が完全でなかったということも、横浜消防局の調査によりましても、そういう欠点があったことは事実のようでございます。消防といたしましては、例の消防法の第四条の予防査察の権限による立ち入り検査を昨年の八月とそれから今年の六月にやっております。その途中で、中間にまた火薬の爆発事故の事例について注意を文書でもって達しておる。そういうことで予防査察はいたしておりますが、実際問題といたしまして、先ほども御答弁を申し上げたのでございますが、火薬関係の工場は、火薬類取締法によりまして通産省の所管になっております。特にこの東洋化工は直轄工場ということになっておりますので、消防は、横浜消防局の報告によりますと、相当事こまかに火災予防上の警告を発しております。直轄工場であるし、また火薬関係の取り締まりは火薬類取締法によって通産省の所管になっておるという関係で、実際問題として、消防が言っても、なかなかすぐに言うことを聞かないという事実上の欠陥があるわけです。たびたび警告いたしておりますが、一応警告されたことを完全にやっておるような報告は会社から出ておりますけれども、しかし必ずしも完全にやっているとは、この結果から見て考えられない。厳重に警告いたしましても、なかなか会社の方が言う通りにやってくれないということが、今日の制度上の一つの欠陥と申しましょうか、それをもちろん消防は強くやらなければいかぬのでございますが、制度上の所管関係がそうなっておるものですから、なかなか言うことを聞いてくれないという、これは東洋化工の問題ばかりでございません。そのほかの火薬工場、あるいは高圧ガス関係の工場等についても同様のことが言えるのでございます。そういう欠陥がございます。ただ火薬類につきましては、去る三十一通常国会で消防法の一部改正をしていただきました。これに基づきまして、火薬につきましては、火薬の原料となるものは大部分は消防法にいう危険物に関連いたすものでございますので、この危険物に関する消防法の一部改正に関連いたしまして、それに基づく政令並びに総理府令の制定段階におきまして、通産省と十分折衝いたしまして、火薬についてはそういった危険物、同時に消防法でいう危険物の対象でありますものにつきましては、共同で取り締まりをやっていこうということに話がつきまして、まだ具体的に完全に総理府令まで完成はいたしておりませんが、近いうちに通産省と打ち合わせをいたしまして、総理府令も改正し、また通産省の方におきましては、通産省令を改正していただきまして、法制上の歩調を一にして共同で取り締まりをやっていこうということに話が進んでおる次第であります。今後は消防も自分の直接の責任として通産省と同様に取り締まりをすることが可能になるわけでございますので、従来のような、消防の面から申しますと、いわば中途半端なやり方でなしに、徹底した消防の面からの取り締まりが可能な状態になると考えております。

門司亮民社クラブ

○門司委員 そういう消極的なことでは私はいけないと思う。私が聞いておりますのは、法律を改正したこともわかっておりますし、それから問題は通産省との関係がどうもうまくいかないということは、これもだいぶわかっております。私、きのうの商工委員会にも出ましたし、会議録も一応読んでみたのでありますが、今のような答弁が書いてあります。責任の所在について、金が足りなかったとか、役人がどうであったとか書いてありますが、そんなものは行政上誤まりでありまして、言いわけにも何にもならぬのであります。危険が伴うなら、通産省としては何人人をお雇いになろうと、どれだけの費用をお使いになろうと、そのくらいの予算折衝ができないで一体どうするのです。それはどこまでも通産省の責任だと考えてよいと思う。ただ消防に聞きたいのは、いろいろ原因、その他の危険物についての取り締まりをするというような予防措置が、こういう火薬工場、花火工場というような特に危険の伴うところには必要である。火災があれば必ず爆発するにきまっておる。ほとんど火災がなくても取り扱い上で爆発しておる。火災があればなおそういうことがあるにきまっておる。火災のたびに危険度の多いところには、特別に何か火災の予防処置を講ずるようなものを必要としないかということです。たとえば東洋化工においても十二、三分の時間があったのです。七分と言う人もあり、十分と言う人も、十五分と言う人もある。これには十三分と書いてありますから、大体十分前後だと思います。その間に消防活動がどれだけ行なわれたか、消防施設がどれだけ十分であったか。もしその間に、たとえば爆発までの十三分の間の五分のうちに、消防活動が完全であって火が消されてしまっておれば、爆発しなかったと思う。そういう処置を特別にこういう危険な場所にする必要があるとすれば、これはもう少し強い権限を消防なりあるいはどこかに与えて、そういう処置をさせる。そして火災による爆発なんというものはできるだけこれを防除していく建前がこの際私は必要だと思います。そういうことの御用意があるかどうかということを聞いておるのであります。単に危険物に対する取り締まりということでなくして、火災の予防処置というものがもう少し強化されなければならぬ。私は普通の工場と同じように立ち入り検査をしただけではいけないと思う。やはり火災が起こった場合、すぐこういう危険な工場には消防活動が十分できて、火災を十分鎮圧できるような処置を講じていただきたい。火災は最初から大きくなるのじゃなくて、必ず時間があるのです。最初はマッチの火一本かタバコの火一つから火事が起こってくるので、一ぺんに起こるのじゃない。爆発の方は一ぺんに起こる。それまでの時間に、こういう問題の起らぬようにするには特別の処置が必要ではないか。一般の消防の立ち入り検査、一般の消防の注意というようなものよりも、もう少し強く義務的にそういうものを背負わせる。そうしてこういう危険な工場から火災は絶対に起こさぬというところまで処置をしていただきたいというように考えておりますので、そういうものに対する消防庁としての御意見があるならお聞かせを願いたい、こういうことなんです。

鈴木琢二国家消防本部長

○鈴木政府委員 従来はこういう工場に対して、もちろん火薬工場の実情に合うような消防施設をすることは、各市町村条例において危険物取締条例において規定されておるわけでございます。お話の点は結局消防職員の現場における執行力の問題であろうかと思うのでございます。この執行力の点では、先ほど申し上げましたように、従来火薬等の工場に対する所管の関係で、執行力がどうしても十分にいかなかったといううらみはあったろうと思うのでございます。今度は、先ほど申し上げましたように、制度を改正いたしまして、全国一律に政令でもって基準を定め、また総理府令でその方法を定めておりますので、所管関係と申しますか、権限関係におきましては通産省と同じ立場に立ちまして、自分の直接の責任として、消防が火薬関係の工場に対しましても取り締まりの権限を持つことになりますので、所管とか権限ということが法制上、制度上はっきりして参りましたので、それの取り締まりの執行力についても、徹底した取り締まりができますようにこれを指導していきたい、さように考えております。      ————◇—————

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長代理 次に、地方財政に関する件について調査を進めます。  質疑の通告があります。順次これを許します。安井吉典君。

安井吉典日本社会党

○安井委員 私きょうは地方財政の昭和三十五年度の動きにつきまして、自治庁がさきに発表をいたされておりますものが、その後においていろいろと災害の問題やら、あるいはまた自民党の新しい予算編成への方針等によりまして変わってくるであろうということが予想されますので、それらの全体につきまして、いろいろな面からお伺いをいたしたいというふうに考えておりましたけれども、だいぶ時間が過ぎておりますので、そういった総体的な見通しの問題は日を改めてお伺いをすることにいたしまして、きょうはその地方財政の見通しの中でも、特に関心を持たれております競輪の廃止問題と地方税の減税補てんの問題に限定いたしまして、政府のお考えをお尋ねいたしたいと思います。  まず競輪の廃止の問題につきましては、近来世論が非常に盛り上がってきているようであります。この競輪が地方財政の立場からも非常に大きな関係があるわけでございますので、この見通しについて私どもも関心を持たざるを得ないわけでありますが、特に競輪がいろいろな社会悪と関係を持っている、これを何とかしなければいけないというふうな世論の盛り上がりもまことにもっともだと思うわけであります。ずっと最近の新聞記事の中から競輪に関係のあります犯罪だとか、そういったようなものを拾ってみますと、ごく最近のことでありますけれども、十一月の十七日には、東京の八百屋さんが水戸駅で常磐線から飛びおりて自殺をしておる。これは競輪にこって財産をなくして悲観をした結果だというふうに報道されております。次ぐ翌十八日の日には三鷹で前科一犯の三十二才の男が置き引きで逮捕されておりますが、これは盗んだ物を古物商に売っては競輪につぎ込んでいた、そういうようなことが報ぜられております。さらにその翌日の十九日には、横浜の三十五才の人が大宮で東北線の下り貨物列車に飛び込んで自殺をしております。この人のポケットからは大宮競輪の予想表が出てきた。同じく十一月の二十九日には取手駅の構内で睡眠薬で自殺をした人がある。これは競輪にこって借金の末家内と別れて悲観して死んだのだ。さらについ十二月の一日には、後楽園で予想屋とテキ屋の大乱闘事件があるようであります。競輪についての世論がいろいろ高まっておりますその際においてさえ、ごく最近の社会事象の中からそういったようなものをわれわれピックアップすることができるわけでありますが、社会悪とか犯罪がことごとく競輪に関連しているという言い方は若干誇張があるかもしれません。しかし、現実に家庭悲劇の種になったり、犯罪の温床になっているという例はきわめて多いというのが事実であります。もちろん競輪が戦後の地方財政の改善や機械工業の振興等に対しましていろいろ貢献があったということは認めるといたしましても、最近の競輪だとか、オートレースだとか、モーター・ボート競走等の賭博的な事業の、しかもそれらが公営によって行なわれているわけでありますけれども、社会に与える被害というものはまことに目に余るものがあるわけです。大衆娯楽というふうな言い方もありますし、またその言い方にふさわしい観客もその中にはいると思うのでありますけれども、しかし失業者や半失業者であるところの常習的観客とでもいいますか、職業的観客あるいは騒ぎ屋といったような人たちもずいぶんまじっているわけで、そういうところから事故が起きているように思うわけであります。しかし、社会道義の面や、あるいはまた犯罪の面から競輪の問題を扱うことは多くの場合になされておりますので、私はきょうはもっと具体的に、一体この際において、これに一番関連のあります通産省なり自治庁なとがどう処理されるのか、そういったようなことについてお尋ねをし、政府のお考え方をはっきりさせていただきたいと思うわけであります。  新聞などもプレス・キャンペーンといってもいいほどに非常に大きくこの問題を取り上げている際でございますが、そうはいっても、簡単に競輪は廃止できないのだということであろうと思うのでありますけれども、そういった問題点を当初通産省と自治庁と両方の側からまずお話しをいただきたいと思います。

内田常雄自由民主党通商産業政務次官

○内田(常)政府委員 ただいま安井委員からお話がございましたように、最近競輪はいろいろ問題を起こし、また社会の批判の対象になっておりますことも、われわれよく承知いたしております。競輪制度が始まりましたのは、御承知のように今から十一年前の昭和二十三年で、これは国会の議員立法で、国会議員の方々の総意で制定された経緯がありますことは御承知の通りでありますが、経緯はともかくとして、この十年間に、競輪が地方財政の面で、あるいはまた機械工業の振興の面で、あるいはまた体育とか社会福祉その他の面で、いろいろ貢献をいたして参ったことはそれといたしまして、私どもは今日の世評をすなおに受けまして、競輪につきましては、今日はさらにこの際再検討をすべき時期に到達しているのではないか、かようなことを考えております。でありますから、結論といたしますと、競輪制度の運営のために競輪審議会というものが通産省にありまして、これは自治庁でありますとか、文部省でありますとか、警察庁などの関係官庁の方々、並びに民間の評論家でありますとか、あるいはスポーツ団体の方でありますとか、各方面の方々を代表される委員が入っておられるのでありますが、ごく近く今月中にもこの競輪審議会を開きまして、競輪に関する基本問題をも含めて、その運営などにつきまして相当突っ込んだ審議をしていただくことになっております。さらに私どもが考えなければなりませんのは、こういう賭博的なことはひとり競輪に限りません。たとえばオート・レースでありますとか、あるいは競艇でありますとか、あるいはまた競馬のようなものもあります。これはいずれも国または公共団体が施行者となってやっておるもので、同じ建前にありますので、この際競輪審議会というようなもので、競輪だけの運営の改善という狭い面で検討するだけでなしに、今申しました各種の公営賭博全体を取り上げまして、これらの存廃問題までも含めて検討をすることが適当ではないかと思いまして、先ほど申し上げましたように、これは国会議員の総意で起こりました制度でありますために、私どもとしては、党とも打ち合わせをいたしまして、近く何らか全体の問題を含めました仕組みを作って、問題を根本的に洗って参りたいと思います。さような状態になっておりますが、しかしながら私ども通産省といたしましては、すでに昨年来競輪は広げないという原則を打ち立てております。昨年の七月末の閣議におきましても、競輪場の施設に関する所管は通産省でありますが、新しい施設は作らない、許可をしない、こういうことをすでに昨年きめておりますし、その後におきましても、競輪の施行日数でありますとか、あるいは施行方法とかいうような面におきましても、どちらかといいますと、できるだけこれを狭めていこうというような建前をとって参っておりますとともに、狭められた競輪の運営の中におきましても、それがいろいろ問題を起こしますような点を常に検討をいたしまして、できる限りこれらの狭い範囲で施行されて参っておりますところの競輪が社会的弊害をかもすことのないような手段、方法をいろいろとって参ってきておる、こういうのが現在の私どもの立っておる状況でございます。なおまた自治庁からお話があると思いますが、今日競輪場の施設は、私の方で監督をしておる施設が五十幾つかあるはずでありますが、この五十幾つの競輪場で競輪を施行しております地方公共団体は現在二百二、三十ありまして、二百二、三十の府県また市町村がこの競輪によって相当の地方財政収入を上げておるという状況にございます。昨年、昭和三十三年一年間の競輪の売り上げは、私の記憶では約八百億近くでありまして、そのうち純粋に地方公共団体の収入になって地方財政に貢献しているものは八、九十億円、こういうような状況でありますので申し上げておきます。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○石原国務大臣 ただいま内田通産政務次官からるるお話があったのでありますが、ただいまのお話にも出ておりましたように、競輪が最近いろいろ問題になってきておるのでございますが、そのお話にもございましたように、昨年七月の閣議、それから三十年三月の閣議にも出ておるわけでありますが、競輪開催の自粛の申し合せをいたしまして、今お話しのごとく新設は認めないという方針をとっております。それから自治庁といたしましても、施行団体を指定するのは自治庁の関係になっておるのでありますが、私は、新しく市町村の施行団体としての指定は今後原則としては認めたくないという考えを持っております。それからまた収益性の乏しい競輪場につきましては、なるべく廃止の方向に持っていったらいいのじゃないか、こういうことを考えております。また特別交付税などを配付いたします際に、従来競輪関係で非常に収入を上げておる自治体には若干手かげんといいますか、差し引いておったのでございますが、今後はさらにこういう考え方を強化していきたい。なお私は地方財政が競輪に依存しているような形はなるべくなくするような方向に指導していきたい。そういう方向に持っていきますために、これからいろいろ工夫していかなければならぬ面もあると思うのでありますが、結論といたしましては、今お話のありましたように、地方財政に関係している部分は八十億前後でございまして、この数字から見ましたならば、地方財政全体としてはそれほど大きなものではございませんけれども、競輪を施行している団体にとりましては、その団体の財政面ではいろいろな関係があるので、これを一ぺんにどうこうするということになれば、やはり激変を与えるとか、あるいはこれに従事しているいろいろな人々の問題であるとか、こういう問題もありますので、方向としては一定の期間を限ってだんだん漸減、整理していきたい、こういうふうに持っていくべきものではないかと私は思っておるのでございますが、ただいま通産省からお話のありましたように、党におきましても公営競技特別委員会というものを設けまして、競輪その他の公営競技につきまして根本的な検討をしたい、また競輪審議会等におきましても特別の検討をしたいということになっております。大体今日までの情勢はそういうところではないかと思っております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 一わたりのお話を今伺ったわけでありますが、現在競輪に従業しておる人たちが相当たくさんいるわけでありますけれども、廃止ということになりますと、そういったような労働問題があるということ、それからもう一つは、車券売り上げの一部が、自転車産業の育成とでもいいますか、そういったような方向にもだいぶ向いているようでありますが、廃止とそれらの関連について少し伺いたいと思います。

内田常雄自由民主党通商産業政務次官

○内田(常)政府委員 私が承知しておりますところでは、現在なお競輪選手が五千人くらいおるそうでありますが、競輪選手ばかりでなく、競輪の施行者あるいは自転車振興会その他競輪関係に従事いたしております人間の数は、家族を含めて十八万人から二十万人くらいと私は記憶をいたしておるのであります。それから先ほども述べましたように、競輪の総収入が昨年は八百億前後であったわけでありまして、そのうち地方公共団体の収入になったものは八十億前後でありますが、一方機械産業振興費として中央に納付されましたものが、昨年八億ないし九億くらいだろうと思います。これを競輪施行以来この十年間を通算いたしてみますと、おそらく機械産業振興費として納付されたものは百億近いものではなかろうか。一方公共団体の財政収入になったものは、累計いたしますと千億まではいきませんが、七百億ないし千億くらいの金額になっておるはずでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 それから全体的なお話の前に、もう少し地方財政上のいろいろな問題を先に伺いまして、競輪問題の背景を明らかにして、それから問題点に入りたいと思うわけでありますが、自治庁に対しまして最近いろいろ申請が行なわれていると思いますが、最近における情勢はどういうことになっていますか。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奧野政府委員 三十四年度において競輪を開催できる市町村として指定いたしましたのが三十八団体ございます。しかしこれは形式上指定したというのが三十三団体まであるわけでございまして、といいますのは、一応三年間だけ開催を認めるという式に期限を付して指定をしておりますので、なお団体の財政状況その他が変わって参りませんと、期限の更新をしなければなりません。それを指定という格好でやっておるわけでございます。残りの五団体は、これは従来市が組合を作って競輪を開催している。従来の町村が合併をして市になった。そこでその組合に入れてもらって競輪の益金の分配にあずかりたいということでございます。そういう場合には、やはりその団体も指定をいたしませんと、益金の分配にあずかれないわけであります。いずれにいたしましても、指定は三十八団体いたしているわけでございますが、それによって特に競輪の開催がふえてきたというようなことではないわけでございます。

加賀田進日本社会党

○加賀田委員 ちょっと関連してお尋ねしたいのですが、まず競輪というものが戦後作り上げられた大きな原因、社会的背景というものはなくなっておるのじゃないかと私は思うのです。今のお話では機械産業振興費として九億ですか、これが通産省として相当機械産業に対して貢献しているという話もありました。経済的な面だけで通産省としてはこの競輪というものを考えているのか。競輪が作られた大きな原因というものは、終戦直後の経済の混乱の中でやみ所得といいましょうか、表面に現われてない所得、税金の対象として取れない所得がある。これらを吸収する方法はないかということで、この競輪問題というものがまず大きく取り上げられてきたのじゃないかと私は思うのです。従って競輪そのものから、たとえば自転車産業の復興とか、機械産業の復興というものを見出すということは困難じゃないかと私は思うのです。そこから出てくる利益、いわゆる一般にいわれているテラ銭によって機械産業を復興させる、あるいは地方公共団体の財源の裏づけをする、こういう形が競輪というものの生まれてきた大きな原因である。そう見て参りますと、やみ所得というものはほとんど現在の経済状態の中では期待できない。期待というよりも見出せない状態ではないか。やはり経済が安定して参りますと、そういうやみ所得に基づく税金の対象とならない所得を、そういう競輪によって吸収するという性格というものは、現状では私は認められないような状態だと思うのです。そういう状態の中で今の競輪の状態を見ると、競馬と違って特に競輪というのは低所得者とか、そういう人々が生活の困窮状態を何とかこういう夢によって打開したいということで、非常に不幸な生活状態に追い込まれて、現在の社会悪を生んできている大きな原因になっているのではないか。そういうことを考えるときに、やはり競輪に対する英断を下すべき時期がきておるのではないか。もちろん選手の問題とか、あるいは従業員の将来の問題等について付帯的に考慮しなければならぬことは当然でありますが、これは単なるばくち行為だから、その他競艇とか競馬等について総合的に検討する必要があるとかいう性格のものと私は違うのではないかと思います。もちろんそのことも国政全体として、そういうばくち行為というものを、国民の将来を考えたときにはどうするかということを検討すべき必要があると思いますが、競輪そのものをどうするかということは、世論にもかんがみてやはり私は急務だと思います。通産省としては競輪審議会を作って、この問題について広く意見を聞いて措置をするという非常に緩慢な態度をとっております。それにゆだねて競輪問題を通産省としては考えたいというような話を私も聞いておるのですけれども、もっと的確に競輪問題に対しての通産省としての態度を早急にきめるべき性格があるのではないか、こう思うのですが、この点に対して通産省としての意見を聞きたい。  それと同時に自治庁長官には、これはやはり将来廃止すべきであるが、しかし交付税の中の基準財政収入額である程度長期間にわたって、四年間ないし五年間の期間をおいて、そうして競輪収入を財政収入の中に認めて、交付税で実質的に削減していって、そういう競輪収入の地方公共団体の魅力をなくしていく。そうすると、地方公共団体としても、交付税に作用されて実質的な財政収入がないとすれば、これは魅力がないからやめていこうというふうに、こういう財政的な圧力の中で自治体が自主的にやめるというような、そういう考え方があるということを聞いたんですが、もちろんそれも一つの方法だと思うのですけれども、現在の地方公共団体の財政状態を考えたときには、これがもし取り上げられたとしたら、府県等では単独事業はほとんどできないような状態に現在追い込まれてくるのではないか。しかも単独事業を継続されておる公共団体が、たとい四年ないし五年の長期にわたってのそういう政策であろうとも、非常に大きな影響をもたらしてくる。従って、競輪そのものは廃止するという原則には地方公共団体は反対はしていないだろうと思います。その財政の収入減に対する政府の裏づけというものが明らかになるとするなら、これはいつでも廃止するという態度をとっている。しかしその裏づけが全然ない。四年ないし五年、知らない間に交付税の中で作用されて、実質的にはそれが少なくなっていく、こういう財政圧力というものから競輪廃止を考えるということは、地方公共団体の財政の現状というものを、自治庁はあまりにも冷たく考えているのではないか。従って私は地方公共団体の要請通りに、もちろん自治庁だけでこの問題を解決するわけにいかないが、大蔵省とも折衝して、その現状を訴えて、競輪廃止への財政的な裏づけというものをやっていただかなければならぬと思うのですが、その点に対してもう一度明確に、自治庁の考えているそういう廃止への方向は事実なのかどうか、あるいは財政的裏づけを何とか考えて廃止の方向に持っていこうという意思があるのか、この二点に対して一応御説明を願いたい。

内田常雄自由民主党通商産業政務次官

○内田(常)政府委員 先ほども申し述べましたように、機械振興費として納付されておるものは、昨年度をとってみましてもわずかに十億足らずであります。この金額は、それがなければ通産行政、機械振興行政、機械輸出振興行政がやれないというものではないと私は思います。ただ、御承知のように通産省の予算は、昨年をとってみましても、天下の通商産業省でありましても、全体でわずかに百二、三十億でございますから、それに対する割合というものは八分から一割近いものでありますから、これは大きいとも小さいとも言えるのであります。しかし、それがなければ通産省が立たないということではもちろんありませんので、私どもはそれにこだわるつもりは毛頭ありません。地方財政の方は、これは八十億から九十億くらいの収入減になりますので、やや趣は異なりますが、今日競輪が世評の中に置かれている状態は、冒頭申し述べましたようによく承知をいたしておるのでありまして、ただいまの御意見も十分参照させていただきたいと考えております。ただ要は、今日あります自転車競技法を廃止する法律をここで作れば万事はそれで解決するというものではないのでありまして、妙な例でありますが、昔住宅営団のようなものがありまして、住宅営団法というものを廃止いたしたのでありますが、今日また別の形で住宅公団というものができております。営団法を廃止しても、そこに入っている借家人並びに物理的に存在する借家施設その他の問題がありますために、私はこれの清算人として非常に苦労いたしたことがあるのでございまして、私個人の考えを申しますならば、今日実在する競輪の弊害というものはできるだけ除去するというようなことをやって、幅もだんだん狭めて参る。社会の状態等に比べまして、廃止する場合には廃止しやすい状況は、今日少なくとも私ども政策としては準備をして参ったつもりであります。でありますから、今日競輪審議会というような、競輪をやる前提のもとにこの運営を改良するというようなことだけでなしに、別個に存廃をも含めたいわば公営競技審議会というようなものを法律に基づいて作りたいと考えます。ことに先生御承知のように、今触れました機械振興費年八億から十億くらい取り上げておりますものは、たしか来年の九月くらいで、これの取り方は別に法律できめなければなりません。でありますから、競輪をやめないといたしましても、この部分につきましては当然次の通常国会に、今の機械振興費の扱い方をどうするか、昔のように大蔵省の予算に歳入として組み入れて、これを歳出として予算に盛るか、あるいは今までやってきておるように、国の歳入予算、歳出予算に関係せしめないで、日本自転車振興会という特別法人に納付させて、関係の審議会を作ってそれを公正に分配するという方法を続けるか。これはどうしても法律事項でそれを出さなければなりませんので、それとも見比べまして、競輪の根本問題、またできますならば——先生は今、競輪と競馬その他オートレース、競艇とは違うと申しましたが、私は必ずしもそうは思わないのでありますから、これらの問題を含めました根本的な問題を取り上げる法律をぜひ出すようにいたしたいと考えております。  ついででありますが、今日競輪が一番やかましい問題になっておりますが、なぜやかましい問題かといいますと、競輪は庶民層が大ぜい行くからけしからぬ、競馬は富裕なる者がよけい行くからいいのだということでは成り立たないと思うのでありまして、競馬もたしか馬券は競輪と同じように百円でありまして、特に地方競馬等についてはいろいろな問題もあると考えますので、私はぜひ一緒に考えなければならないと思うのであります。ただ競輪がやかましい問題になっておりますのは、競馬の方は年じゅうやっておりませんが、競輪は毎日やらない日はございません。さっきも申しましたように、五十幾つか六十近い競輪場がございます。これが一月に六日やるといたしまして、延べにいたしますと三百六十回やっておりますから、競輪は毎日どこかで必ずやっているということになります。でありますから、それを追っかけておりますと、一年じゅう競輪を追っかけている人がある計算になりますので、これはいかぬのじゃないか。御承知のように先年六日制を四日制に主たる地域においては縮めました。それをさらに四日を二日に縮めたらいいのじゃないかということもにわかに言えませんが、施行の点につきましてもいろいろ工夫すべき点はありますので、それは今後あわせて考えますけれども、要するに、今前段述べましたような考え方で進み、皆様方のお声も十分に一つ吸収反映するように努めて参る所存でございます。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○石原国務大臣 先ほど申し上げましたように、私は、やはり地方団体側としても競輪に大きくおぶさっておるという考え方をだんだん払拭してもらいたいという気持で、今後とも何らかの形を整え、指導もしていきたいと思っておるのであります。全国で三千七百くらい地方公共団体があると思いますが、競輪を施行しておるのは現在約二百数十の団体であろうと思います。今加賀田委員は、これを漸減してやめていく場合に、財政の裏づけをさらに考えなければいかぬじゃないかという御意見でありましたが、私は必ずしもそういう考え方には同調していないのでありまして、三千七百のうち二百数十という団体が競輪というものを特別にやって、それでいろいろな仕事をやっておる。こういうことでありまするので、露骨な言葉でいえば、地方財政にとっておまけになっておるわけであります。だからそのおまけを一ぺんにけ落としてしまうというと、その団体としても非常に混乱を来たす場合もあろと思いまするから、目標をきめて、何年かの間にだんだん整理していくという方法をとりたい。こう思っておるのでありまして、ただいまそれによって減った財源を新しく裏づけるために特別のものを考えていくということは、私は考えていないのであります。

加賀田進日本社会党

○加賀田委員 もちろん競輪を行なっておる地方公共団体、従来やっていない公共団体という形で、そのことによってすべての財源を裏づけすると、従来やっていたところは得で、やらないところは、おれたちは損をしているという意見も出てくると思うのです。だから競輪廃止に伴う収入減をそのまま裏づけするという形は、全般的な地方財政として好ましくない。やはり全般的な地方財政の困窮状態の中でそういう声が出ているわけですから、私の言っているのは、個々の廃止された公共団体に対して財政を裏づけするという意味ではなくて、全般的な地方財政の現状の中での解決方法として、そういう問題が個々に残らないような将来の処置を講じてもらいたい、こういうように考えるのであります。そこで私が特に危惧するのは、今問題になった五千名にわたる競輪選手の将来の生活の問題、あるいは相当数に及ぶ女子を中心とする従業員の将来の問題等も、廃止の中では十分考慮しなければならぬ。もしこのまますっぽりとやめて、お前たちは失業したんだからということでは社会の不安というものはなお残るという弊害が起こって参ります。この点、やはり地方公共団体に対する大きな指導をも打ち立てて、総合的な意味での廃止の方向に一つ努力してもらいたい、こういうことを要求しておきます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 いろいろお話がございましたけれども、それらの中で競輪に対する政府の考え方がまだもぞもぞしているという気がするわけでありますが、自転車産業の面からの問題と、地方財政の面からの問題と、一体どちらが踏み切りを悪くしている原因になっているでしょうか。

内田常雄自由民主党通商産業政務次官

○内田(常)政府委員 なかなかむずかしいお尋ねでありますが、金額的にいえば、先ほども申しましたように、機械産業振興費の方は約十億でございますから、それだけ影響が少ないわけでありますが、御承知のように自転車競技法の目的そのものは両建になっております。これは申すまでもないことで、地方公共団体の財政に対する貢献と、それから機械の改良、輸出の振興、機械工業の合理化に寄与するためにこれをやる、こういうことになっておりますので、これは将来を考えてみますときは、通産省の方はやめてもいいんだが自治庁の方は未練があるんだとか、自治庁の方はやめてもいいんだが通産省の方は未練があるんだというようなことがないように、これは両方あわせまして、かつまた、さらにおしかりを受けるかもしれませんが、今日競輪が存在するのは、単にそういう産業奨励とか地方財政貢献とかいう金銭上、財政上だけの面ではないのでありまして、よかれあしかれ、私は一つの今日の日本の社会上の制度にもなってきておりますので、これを存続するにしても、廃止するにいたしましても、社会上の制度としての問題の方が、今や財政収入でありますとか、機械振興費とかいう問題よりも多いのではないかとも考えますので、この要素を重視をいたしまして今後の対策を立てて参る所存でございます。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○石原国務大臣 私は、先ほどから申しておりますように、地方財政の側から、競輪というものがなくなったならばこれは地方財政に非常な大きな影響を与えるので困るということのないように、地方財政が競輪に大きくおぶさらないようにこれを指導して漸減する態勢を固めていきたい、こういう気持でおるのでありまして、その範囲で一つ御了承を願いたいと思います。

門司亮民社クラブ

○門司委員 関連して。そこまで話がきたから聞いておきますが、どうもやめたい意向らしいのですが、政府はこの法律の廃止をお出しになる意思がございますか。もしあるとすれば、それはいつごろの時期になるか、それを一つ率直に言っておいてもらいたい。あまり議論していても始まらぬから。

内田常雄自由民主党通商産業政務次官

○内田(常)政府委員 今直ちに廃止法を出すという結論にまで到達をいたしておりません。それに到達するために、先ほどちょっと触れましたように、明年九月で期限の参ります自転車振興費の扱いの問題をも含めまして、さらにまた同種の公営競技の問題をも含めまして——これは競馬だけではございません。通産省がやっております同じ小型自動車競技もございます。また運輸省でやっておりますモーターボート・レースもございますので、これらも取り上げましてどうするかということをきめる法律をこの際出そう、ぜひ出したいと考えているわけであります。これは結論は、私は同じじゃないかと思う。今日自転車競技法を廃止するという法律を出しましても、先ほどるる申しましたように、その法律施行の日からすべてとめるというわけには参りません。新聞などで承知をいたしましたが、社会党におかれましては競輪法の廃止法律を出されるが、これも三年とかなんかの猶余期間を与えて、その間はやはり競輪を狭い幅の中でやらせざるを得ないような建前の法律であるように新聞は伝えておりますが、とどのつまりはどう持っていきましても、技術の問題はありましょうけれども、その辺のいろいろな摩擦をできるだけ少なくするような形で、しかもまた国会の立法でございますがために、各方面の御意見をも参照にしながら遺憾なきを期して参りたい、かように考えます。

門司亮民社クラブ

○門司委員 どうも奥歯にもののはさまったような言い方なんです。私の聞いているのは、率直にやめる意思があるかないかということを聞いておる。同時に、もし政府に意思がなければ、われわれの方は大体廃止する方向——手段とか方法とかいうものは別問題にして、基本的には廃止するという考え方を持っているんだが、議員立法として廃止のことに踏み切って法案を出せば、たとえば来年の九月で切れるものをどういうふうに直すか知らないが、そういう技術的のものは別にして、一応廃止の方向に法律案を議員立法として提案すれば、政府は応ずる用意がありますか、そこまできょうははっきり聞いておきますが、どうでしょう

内田常雄自由民主党通商産業政務次官

○内田(常)政府委員 社会党の法律案に今直ちに応ずる用意があるというよとは申し上げられません。存廃の問題をも含めまして慎重の取扱いを検討いたしております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 いずれにしても奥歯にもののはさまったという言い方が確かに当てはまると思うわけでありますが、自転車競技法の改正の問題も存廃の問題をも含めてということになりますと、自治庁長官は漸減の方向だと言うし、しかし今度の競輪審議会は存廃の問題をもということになりますと、何か自治庁の方が少し先へ進んでいて、通産省はまだまだ未練が多いような、そういったようなニュアンスですけれども、そういうような気がするわけです。勘ぐるわけではありませんけれども、日本自転車振興会の中にも通産省出身の人なんかずいぶん入っておられるとか、あるいはまた先ほどおっしゃったような機械工業振興のための金をそちらの方からだいぶもらっておるというようなことからも、何か負い目を通産省の方は負っておるのではないか。それからもう一つ、自治庁の方も自治研修会の会費とかいうものに、やはり競輪のテラ銭の方の上がり高を幾らかもらっておるというようなことを聞くわけでありますが、何かそういうようなところから、通産省なり自治庁なりが負い目の原因がそこにもあるのではないか、そういうような気がするわけでありますが、そういう点はどうでしょう。

内田常雄自由民主党通商産業政務次官

○内田(常)政府委員 結論から申しますと、負い目を持っておるような気持はいたしておりません。日本自転車振興会は国会できめられました特殊法人でありまして、いわば国の一種の外郭機関でもありますために、通産省から人間が行っておることは行っておりますが、これも役員の中では、私が気がついておる者はただ一人行っておるだけでありまして、その人間の始末に困るから自転車振興会、ひいては競技法を存続しなければならないというような問題ではございません。なおまた、これは先ほども触れましたように、ただ機械産業振興費とか、あるいは地方財政収入ばかりでなしに、社会福祉関係への資金供与、あるいはスポーツ関係への資金供与などもありまして、私どもの方では機械産業振興費だけに決してこだわっておるものではございません。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○石原国務大臣 自治大学の研修施設につきまして、これは国費並びに地方に非常に関係の深い研修機関でありますから、地方団体からも応分の協賛を得てやっておるわけであります。その中にいわゆる競輪関係から地方団体に入ってくる収入が入っておることは事実でありますが、現在の制度におきましては、これは別に悪いことでも何でもないのであります。しかし、そういう問題があるために競輪全体の問題についてもやもやしておるとか、そういうことは断じてございません。

安井吉典日本社会党

○安井委員 その金額はどのくらいですか。競輪のあれから直接入ってくるわけじゃないということですか。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奧野政府委員 社会福祉その他に奉仕いたしますために特別競輪の開催が認められておるわけであります。その特別競輪によります純益の分配として、三十三年度において三千万円を自治研修協議会に出してもらう。その金で今大臣がお話しになりましたような研修施設を設けるということになっておるのであります。三十四年度におきましても若干そういう問題があろうと思います。

安井吉典日本社会党

○安井委員 先ほど自治庁側の御説明の中でも、健全財政を建前にして、その中で漸減していけというようなことになり、あるいはまた普通交付税で特交の減額率をだんだん引き上げていくとか、そういうふうなことから競輪をやめさすということになりますと、これはむしろ逆じゃないかと思うのです。つまり、競輪におぶさっておる率の少ないところは、それはやめましょうということになるかもしれません。しかしながら、公共団体によりましては競輪に非常に大きく依存しておるところもあります。そういうところは、お前たちそんなことをしたら財政がだめになるぞということを逆に教えておるようで、廃止しようという勇気も逆にくじけてくるのではないかというような気がするのです。自治体の側からも、たとえば兵庫県でも阪本知事が主唱して廃止の呼びかけが行なわれておりますし、さきには大阪府ですか、それから京都市も廃止を決定いたしましたし、最近の報道によりますと、高崎市、小野田市、松本市、松江市、豊中市、静岡市等が時限的に廃止企図を明らかにしているようであります。ところが、自治庁の出方というものが積極的でないために、せっかくのそれらの意気込みも逆にチェックされている。そういうような気がするわけです。先ほど加賀田委員からも言われましたように、戦災復興をにしきの御旗として出発したこの競輪も、そういうふうな任務というものは一応終わったというふうに見ることができるわけでありますけれども、地方団体の側は、これはもう社会悪の原因だということを知りながらも、赤字で苦労してその財源にしがみついているというのが実際の姿だろうと思うのです。しかし実際最近のマスコミもこの問題を強く取り上げまして、ばくちは人を深入りさせる性質を持っているが、地方自治体までが、臨時措置として出発した競輪の始末をつけることができないほど、その生み出す悪銭に対して無力となってしまっている。あるいはまた安易な方法で悪いとは知りながらもたよるということは、これは当局者の無能を示すようなものだ。あるいは競輪という安易な収入源があるために、この最も安易なことをやっているのであって、地方財政の運用はこれでは邪道に入っている。数字の上ではつじつまが合っているかもしれないが、性格的には財政は破産しているようなものだと、こんな手きびしい批判も出ているように思います。まあ財源として年間七十億か八十億、これは決して少なくない額でありますけれども、しかしこれはさっきの話じゃありませんが、貧乏人の中から集められて、ギャンブルという形でそのうちの七五%のものが貧乏人同士の間で分配されるということです。従って富める階級と貧しい階級の階層間の分配という姿では決してないと思います。だからいわば大衆課税の変形だと言うこともできるわけです。そんなことを言ったって、やめたら地方財源は困るじゃないかというようなことを言われるかもしれませんけれども、たとえば大企業に対する租税特別控除というような方法を考えあわせてみてもおわかりだと思います。地方財政の問題ですから地方税の問題に限りましても、たとえば電気ガス税のいろいろな特例があるじゃないですか。あるいはまた固定資産税にも大企業についてのいろいろな特例措置があるわけです。そういうものがもし改められましたら、これはもう競輪で見込んだ財源どころじゃない。非常に大きな額が、これこそ貧乏人には無関係に、地方財政の潤いという形で財源として浮かび上がってくるわけです。そういうことになりますれば、この貧乏な競輪のファンが、もう生活の一部というようなことで競輪に没頭している、そういう人たちを救うための社会保障の制度の充実にも向けられるでありましょうし、あるいはまた競輪の従業員の新たな雇用の場を準備するというような方向もこれも可能になってくるだろう、こういうことにもなるだろうと思うのです。ですから地方財政に限定しても、まだまだその競輪の問題を補って余りあるほどの財源が浮かび上がってくるということを考えれば、方法は十分にあると思います。ことに競輪の問題は通産省と自治庁の共管かもしれませんけれども、自治庁長官だけが思い切っていただけば、これはやめることができると思うのです。つまり地方自治体に対する財源の問題を十分に付与するというふうな措置さえ講ずれば、この競輪のような社会悪の根源を地方公共団体自体が進めていくというふうな方法にたよらない方向に、これはだれでも踏み切るだろうと思うのです。ちょうど日本の今の姿は、ばくちのテラ銭で学校を建てて、その学校で、警察官の援護を受けながら道徳教育が文部省において進められている。そういったようなノルマルでない姿が今あるような気がするわけです。ですからこの問題の解決については、自治庁自体がもっともっと積極的な態勢をとれば、私はできないわけではないと思うのです。一つそういったことにつきまして大臣のお考えを伺いたいと思います。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○石原国務大臣 私の競輪問題に対する考え方は、いろいろな機会にたびたび言っておりますし、本日もここで大体の方向を申し上げたつもりでありますが、くどいようでありますが重ねて言えば、地方財政が競輪というものに大きくおぶさるという形でないように指導をしていきたい。問題は、その際に財源の付与という問題に関連していろいろ論じられているようでありますが、私はかりに財源を考えるにいたしましても、これは今まで競輪を施行しておった団体についてだけ考えるべき問題ではないので、これは三千七百のうち競輪をやっておったものが二百二、三十であります。相当の期間の間にそれぞれある程度のその地方としての施設をもうすでにやっておると思うのでありますから、今後、地方財政全体に八十億円前後の競輪関係のものがあったとすれば、この八十数億については地方財政全体としてこれを埋めていくような方法を何か講ずるようなことを私は考えていきたいと思うのでありまして、私の考えといたしましては、現在のような形での競輪についてはこれは漸減して整理をしていきたい。そのためにあわてて地方財政側から困るというようなことは言わないように、また言わせないように指導をしていきたいと思っておるのであります。競輪の根本の全体の問題につきましては、先ほど来からお話のありましたように競輪審議会であるとか、あるいは自由民主党におきましても公営競技特別委員会というようなものが設けられて検討されていっておるわけでありまして、今大きく問題になっておりますのは、公営の競輪ということについて非常に大きく問題になっておるのでありますが、公営ばかりがやめられても、民営の競輪がまたあるというようなことであれば、そういう面での弊害も出てくると思いますけれども、競輪全体についての基本方針は、総合的にそういうところできめられていくと思うのでありますが、自治庁といたしましては、地方財政側からの立場において混乱を来たさないように、あわてさせないように、ことに私は現在の形のままの競輪についてはこれは漸減して整理すべきものだという信念といいますか、考えを持っておるものでありまして、こういう考えのもとに自治庁としては財政を整理していきたい、こう思っておる次第であります。

安井吉典日本社会党

○安井委員 社会党は、この競輪廃止についての態度を一応きめまして、それらの法案も、競輪だけではなしに、オート・レースやモーターボート・レース等も含めまして、それそのものを、公営だけを廃止するわけではなしに、そういうものを廃止するというふうな考え方を一つ打ち出そうと考え、それにつきましては、もちろんこれは過渡的な整理、たとえば労働問題もありますし、その他地方財政についてのいろいろな考慮も必要でありますから、若干の期間、一年ぐらいの期間を置いて廃止をする。そういう方向を現に打ち出しているわけでありますが、政府においても、あるいは与党でも、これからそれらの問題について一そう対策を練ろうというようなお考えでありますので、きょうはこの程度にいたしたいと思いますけれども、あくまで廃止という原則をまず打ち立てていただきたい。それから具体的に、そのためにどうするかという考え方をそれに従って並べていく、こういう態勢でなければならないと思うわけです。その点を強く要望いたすわけであります。  次に、時間がだいぶ過ぎて長官お急ぎのようでありますから、先に長官に対するお尋ねだけ済ませておきたいと思います。  本年の地方税制度の改正に伴いまして、減税補給の問題でありますが、その中におきましても、特に固定資産税の減税補給措置の問題は、この間の全国町村長大会や町村議長大会等におきましても、大きく取り上げられていたようでございますし、関係市町村においての関心もきわめて高いようでございますので、この点若干お尋ねをいたしたいと思うわけでございます。三十四年度におきましては一応の補給方法が考えられたわけでありますが、しかし明年度以後の補給措置というものが、今までのところは全く明らかにされていないわけであります。各市町村におきましては、それぞれ明年度の予算編成にとりかかるという段階に来ているにもかかわらず、いまだにそのような姿でありますことは、ほんとうに遺憾なことだと思います。この際石原自治庁長官のお考えを伺っておきたいと思います。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○石原国務大臣 今回の税制改正によりまして、固定資産税の制限率を引き下げるということによりまして、北海道と東北の一部等に相当の減収を来たしておるのでございます。その問題について三十四年度の予算編成の際には、一応減収分の起債を認めて、その元利を補給するという形でその問題に対処して参ったことは御承知の通りであります。しかし私はこの問題を、今後そういう形のままでいつまでも続けていくということでは、減税であるとかあるいは制限税率を下げるということの本旨に沿わないわけでありまして、やはり何年かの間には新しい制度に地方団体が馴化していくというか、応じていくような形に持っていかなければならぬのじゃないか、こう思うのでありまして、一応の考え方としては、四年なり五年の間に漸減していって通常の形にならさしめる。そういう意味で三十五年度の予算編成にあたりましては、幾らか漸減をしていきたい、こういう気持でおるわけであります。しかし、その漸減によって特に困るような団体が出てきております際には、特別交付税その他でこれを補って混乱を来たさしめないようにしていきたい、こういう考え方でございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 八月十日付の自治庁の「地方財政の見通し」というプリントによりますと、「固定資産税の制限率の引き下げに伴う減収額については、固定資産税減税補給金による補てん措置を引き続き講ずること。」と書いてあります。さらに地方財政措置要領には、「固定資産税の制限税率の引き下げに伴う減収額については、固定資産税減収補給金により補てんすることとして引き続き補てん措置を講ずる。」こういうふうに記されているわけであります。漸減するというふうなことはちっとも書いてないのですが、急に変わったのですか。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○石原国務大臣 漸減とかどうとかでなしに、引き続き補てんしていくことに変わりないので、数年間引き続いて補てんしていくのでありますが、補てんの内容まではそこには詳細に出ていないので、引き続き補てんしていくということについては何ら変わりはないと私は思っております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 そういうことになりますと、この表現はその点若干ごまかして書いたというふうにしかとれないのですがね。引き続き補てんするという考え方が、漸減するというふうにいつの間にか——きょうははっきり表現をされたわけですね。つまり八月十日から今日までの段階では、あのときはそういうことが明らかにされていないままであったのが、きょうの御答弁の中ではっきりそれが出てきたわけです。ですからそういうことからすれば、それまでの間にいろいろ関係市町村の財政を検討した結果、大体漸減してもやっていけるというお見通しでも新たについたか、そういう事態の変化があったのですか。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○石原国務大臣 私はこの固定資産税の問題につきましては、新しく工場ができるような問題もありましようし、家も建っていく、あるいはその他いろいろの施設、資産等もふえていくわけでありますから、一面には増加する面も出てくると思うのであります。そこで本年度とりました全体についての制限税率の引き下がった部分をそのままそっくりこれからずっと補てんしていくという考え方につきましては、これは何人が考えても、若干無理もあり矛盾もあると思うのでありまして、その漸減といいますか、補てん方法をどういうふうに持っていくかということについては、互いに検討してみなければならぬと思うのであります。そこで増税された増収の面もありましょうし、またそういう面がなくて、非常にその他にその地方の市町村の財政として困るというところがあれば、これまた特別交付税の配付にあたって特別に考慮をしていくというようなことも考えて、数年間かの間にだんだん本来の形になれるように持っていきたいと思うのでありますが、私も北海道あるいは東北方面に対しましては、後進地域として、あるいは開発地域として、重大な関心を持っておる一人でありますので、自治庁のいわゆる地方財政的考え方からは、今のような考え方で進んでおりまするけれども、北海道なり東北には、それぞれその地方の開発審議会なり開発促進のためのいろいろの団体もあるのでありますから、そういう方面でまたいろいろ御活動を願いまして、そういう方面の力によってまたいろいろ方法が講ぜられていくことになれば、これもまた一つの考え方ではないかと思っております。北海道、東北の財政を充実せしめなければならないということについては、私も十分認識を持っておる一人であることをここに、これは余分でありまするけれどもつけ加えて申し上げておきたいと思います。

安井吉典日本社会党

○安井委員 ですから、私申し上げたいのは、漸減なら漸減という方式にお考え方がはっきりしてきたというのなら、それについての具体的な裏づけがなければ、何かこの文章の表にだけ現われていたものと、裏に隠されていたものとが違って、ごまかされたという印象をどうしても受けがちだと思うのです。ですからそういう意味におきましても、一体固定資産税の超過課税といったようなものが、どういうことのために現在まで行なわれているか、そういう原因を探求することから出発することこそ、ほんとうの行き方じゃないか、こういうふうに思うわけです。その点、どういうふうに処理されるわけですか。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奧野政府委員 お話、ごもっともでございまして、北海道の地方に特に固定資産税についての増税が多く行なわれておったその原因を求めまして、問題の解決をはかっていかなくてはならないと思います。そういう意味におきまして、開発振興に関しましては、税法の問題もございましょうし、あるいは地方交付税制度の運用の問題もあろうかと存じますので、引き続きそういう問題については検討を加えて参りたいというふうに考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 ちょっとこちらで話をしているうちに聞きそこねた部分もあるわけでございますが、いずれにしても財政需要が非常にこれらの地域は多いということだと思うんです。その半面一方において自由財源が非常に乏しい。つまり両面からこれらの団体は押し詰められてきた。結局超過課税といった形で問題が現われている、こういうことでないかと思います。だから未開発地域の、しかも未開発な市町村に限って、そういうものが特に多いという姿が現われているということも御承知の通りだと思います。僻地教育とか、僻地医療の問題だとか、そういったものにずいぶんお金がかかるわけです。たとえば私のいろいろな記憶の中からも、一つの村で小、中学校が合わせて三十何校もあるところがあるわけです。しかもその人口は一万人か一万二、三千人くらいのところでそうなんです。それではどうしても経費がよけいかかるということはあたりまえでありますし、そういったようなところでも、やはり病院がなければいけない。個人病院はとても成り立たないから、公立の病院をこしらえる。例外なく赤字になる。それらの負担がやはり一般会計から国民健康保険特別会計への補いという形で出されて、それがまた超過課税の原因になっている。こういうことがあるのではないかと思います。ですから北海道庁から出ました資料によって見ましても、たとえば人口密度も、全国の市の人口密度は一平方キロ当たり六百七人くらいが、北海道では二百三十三人、町村の場合は百二十六人なのがただの三十五人ぐらい。全国では市町村の一割二、三分ぐらいが人口五十人未満だそうでありますが、北海道では六割が、五十人未満の市町村だ。こういうふうなことから言いましても、こういった面は明らかだろうと思います。きょうはとてもお天気がよろしいわけでありますが、新聞によると北海道は零下二十五度で、そのあくる日には猛烈な吹雪で、小学校も中学校も交通途絶で休んだというふうなことであります。それくらいの差が気候の上にも現われている、こういうことでないかと思います。ですからそういうところであるだけに、歳入総額の中に占める市町村税の役割は非常に大きいわけです。自主財源が乏しい、それだけにそういうことになるわけでありますが、その中でも固定資産税の要素というものは非常に高い。固定資産税総額のうちの二九%が超過課税によってまかなわれている、こういった姿にあるようであります。ところが北海道のようなところ、これは東北の一部も入ると思いますけれども、固定資産税が高いのは評価が安いのじゃないか、そういったような反論もあるそうでありますけれども、実際この統計によりますと、自治庁の指示平均価格と実際評価平均価格との比率、それから売買価格との比率、こういったようなものはむしろ全国平均よりも上回っているようであります。一件当たりのたとえば田畑の評価というものは、内地と北海道と比べますと、北海道の方がずっと安いのは、生産力が低いから安いのは当然でありますが、それだけ面積がよけい必要なわけです。だから私は、むしろ一つの生活単位当たりの計算で平均を出してみるというのが適当でないかと思います。つまり納税義務者一人当たりとしての課税標準のきめられ方あるいは税額のあり方は、課税標準価格では、全国は納税義務者一人当たり三十万七千四百五十五円。これを一〇〇といたしますと、北海道の場合は三十五万八千五百十八円で、指数は一一七になっております。これを税額にしてみますと、全国の場合は四千三百二十三円、これを一〇〇といたしますと、北海道の場合は六千九百五十円で一六一という指数になっております。ですから納税義務者一人当たりの負担は非常に高い姿になっておる。こういうようなことがここでもはっきり数字の上からも立証できるように思います。ですからこの補てん措置が十分に行なわれなければ、かつてない財政危機を招来することになるのではないか、こういうふうに言われているわけであります。で、自治庁の方で今までいろいろお答えがありましたけれども、大蔵省のこれについてのお考え方をこの際お聞かせを願いたいと思います。

大村筆雄大蔵事務官(主計官)

○大村説明員 本年行なわれました北海道の固定資産税の制限税率の引き下げに伴う補てんでございますが、この問題につきましては、先ほど来御議論もございまするように、部分的には財政需要の見方なり、あるいは評価の問題、その他いろいろな基本的な問題があると思いますが、これが減税に伴う補てんにつきましては、今年は債務補給特例債によることになっておりますが、これについては来年度以降これの債務補給金が計上されて参ってくるわけであります。ただ三十五年度以降の減税をどうするかということにつきましては、いずれ三十五年度予算の編成を待ってその結論が出ることになっておりますが、さしあたってまだ結論が——先ほど自治庁長官からるるお話がございましたが、私どもといたしましては、結論的に申し上げますと、従来の住民税の減収に伴う原資補てんの措置と同様に特別交付税で措置して参りたいと考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 去年この問題が処理される場合に、三十四年度については地方税法の改正の中で規定がなされているわけでありますが、三十五年度については、はっきりしてないと言いますが、補給金制度を引き続いてやるんだが、そのやり方についてはどうしようとか、そういうようなことに話がなっておるんじゃないですか。

大村筆雄大蔵事務官(主計官)

○大村説明員 三十四年度につきましては、さしあたり債務補給特例債でもって暫定的に措置されたわけでございまして、三十五年度以降につきましては、必ずしもそれでやるということにはきまっていないのでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 じゃ、なぜ三十四年度については、その特例債を認めて補給金で埋めて、どうして去年も特別交付税でやるような方向にしなかったのですか。つじつまがちょっと合わないと思います。

大村筆雄大蔵事務官(主計官)

○大村説明員 なぜかとお聞きになりましても、これはちょっと御答弁しにくいのでありますけれども、私どもといたしましては、従来木材引取税の例とか、あるいは住民税の減収補てんとか、あるいは李ラインにおける拿捕船舶の拿捕に伴う固定資産税の減税、それぞれいろいろな例があるのでありますが、それと同様に特別交付税で補てんするのが適当ではあるまいかと考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 それなら去年もそういうふうにはっきりすべきであったと思うのです。一応そこで固定資産税減税の補てん方式の方向というものだけはできたように思うのですが、三十四年度は一応そういうふうな形ができて、三十五年度からぽちっと方式が変わる。そういうことはどうもふに落ちないのですが、その変化のいきさつというものをどうぞお聞かせ願いたいと思います。

大村筆雄大蔵事務官(主計官)

○大村説明員 その変化のいきさつと申しますか、本年度さしあたりの特例措置といたしまして元利補給づきの特例債を認めたのでありまして、三十五年度以降は従来の原則に従って特別交付税で措置して参る、そういうことでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 そういう話し合いがついていたわけですか。

大村筆雄大蔵事務官(主計官)

○大村説明員 ということで私どもは了解いたしております。

後藤田正晴総理府事務官(自治庁税務局長)

○後藤田政府委員 私の方から少しつけ加えさせていただきたいと思います。  昨年度のときには、私どもはやはり減税補給金でぜひ出してもらいたいということで、それが特例債という形になったのでございます。先ほど来特別交付税でやるのが適当だというお話でございますが、私どもといたしましては、やはり漸減方式ではございますが、補給金でやっていただきたい、これは今後の折衝の問題でございます。と申し上げますのは、およそ減税をするというのは、やはり一般の財政の需要に対して上回ったところの収入に余裕がある、こういうときにやるものであると思います。ところが本年度の地方の減税というのは、必ずしもそういう観点が十分検討せられた上でなくして、国の減税措置の一環としてとられた。こういうことでございますので、これはやはり何らかの形で補給金でやっていただきたい、かように自治庁としては現在の段階考えております。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長代理 ちょっと私にこの際関連して発言させていただきたいのでございますが、今大村主計官は、昨年度本制度の制定にあたって、三十五年度は原則に返って特別交付税に返るように了承している、こういう御答弁でありましたが、私はそうは了解していないのでございます。いずれ予算編成期にこれは議論されるべきものだが、今の御答弁は一方的な御答弁だと思うのでございますが、この点はっきりしていただきたい。  もう一つ、今税務局長並びに自治庁長官は、漸減方式でやられるということでございましたが、本制度そのものを考えましたなれば、あくまでも特例措置でございまして、漸減方式ということを考えられるのも当然でございます。しかしながら、北海道の財政事情その他は安井君がるる述べられた通りでございますが、私はこれを漸減措置に持っていく前に、まず現在の交付税制度において北海道の特異性をまかない得るかどうか、こういうことが検討された後に初めて漸減措置がとられる。われわれが昨年あの措置を臨時的にもやりましたときに、少なくとも現在の政府において設置されておる国と地方を通ずる税制の改革のときにこれを論議すべき問題である。暫定的、漸進的という意味も、この時期までの意味であって、少なくともこの制度まで特別交付税の暫定基準等において何らかの処置がなされぬ限りにおいては、当然昨年行なわれたと同じ効果をもたらす全面補給まで行なわれるものだ、私はこのように解するのでございますが、この点に関する自治庁の見解をあわせてお聞かせ願いたい。

大村筆雄大蔵事務官(主計官)

○大村説明員 昨年度の期限の点でございますが、私ども直接当時この問題をやっておりませんので、私のうわさに聞いたところによりますと、来年度からは一つ原則的に特別交付金でやってもらいたいというふうに私どもは聞いておる次第でございます。

後藤田正晴総理府事務官(自治庁税務局長)

○後藤田政府委員 従来地方税の減税が、国税の減税が行なわれた際におきましては、地方の財政の状況を見まして、従来の実例は税率をはね返して地方に影響が及ばないようにやっておるように私は伺っておるのであります。ところが今回の場合はそういう措置がとられてない。従いまして、これは何らかの形で補てんをせざるを得ない、かように考えております。ただその方法につきまして、漸減方式をとりました理由につきましては、先ほど石原大臣からお答えを申し上げた通りでございます。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長代理 ただいま大村主計官から、昨年度のこの方式のきまりました当時、担当官でなかったから確定的なことは言えない。引き継いだ方からそういうふうに伺ったということでございますが、私は、当時これらの問題を取り扱った者といたしまして、その引き継ぎ事項は独断である、誤まっておる。このように考えておりますので、この点をはっきりと認識を変えていただくように、これは答弁は求めません、要望だけいたしておきます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 どうも話が、去年私どもが聞いたのとだいぶ違うようです。その点今後の話し合いではっきりさせていただかなければいけないと思います。  いずれにしても、ことしの春の税制改正は市町村の方から出たというわけじゃなしに、政府の一方的な意図で行なわれているわけです。申すまでもなく、地方自治は住民の総意と負担によって運営されるものだということからすれば、ゆとりを持った税制の中で、国の差し出がましい制約なしに、真に地方自治の本旨に沿った運営にまかせるということが正しい国の態度だと思う。それを国は国の都合で、たとえばことしの春の場合は、与党である自民党の減税公約という形で行なわれているわけです。あるいはまた北海道の知事選挙にからんで、これらの制限率の引き下げが行なわれたのだというふうなうわさも飛んでおります。つまり標準率の引き下げということでしたら、これは全国的な影響の問題でありますけれども、局部的な影響をねらったというところに、そうじゃないかといううわささえ実はあったわけであります。ですから制限率を引き下げたというところには、そういう場合でありますから、特定の団体にだけ目に見えて財政の欠陥が生ずる、そういうふうなことになっているわけです。だからそこに住んでいる住民のために、市町村長が市町村長の公約として、うちの方はまだこれだけ下げてもいいのだから下げるのだということでありますれば、これは話がわかりますけれども、国が押しつけたような形で下げたのですから、これは国が当然補てんをしてやるというのがあたりまえだと思うのです。それとも知事選挙が終ったから、あとはどうでもいいというようなことだったら、これは話が全く筋のつかないことになってしまう。そういうことではないと思いますが、これは賢明な自民党とされましても、あるいは政府としても、そのようなお考えでものごとを処理しようとされていないということは、私もそう考えます。つまり市町村は、完全補てんという目標のもとに国の命令に従って減税したということなんですから、もしこれが国の責任において完全補てんができないということになると、これはむしろ国の背信行為だということさえ言ってもいいのじゃないかと思うのです。少なくとも超過課税の原因を当該市町村について十分に調べて、その原因に見合うような対策を十分に講じなければ、市町村は納得できないでありましょうし、国の政治としてはそこまで入らなければほんとうの政治ではない、私はそういうふうに思います。そのような問題の背景の中から、この固定資産税減税補給の問題は政府当局においても十分にお考えをいただかなければならないと思うわけです。今後の自治庁としての考え方の方向、大蔵省としての御努力の方向を一つ一伺っておきたいと思います。

後藤田正晴総理府事務官(自治庁税務局長)

○後藤田政府委員 御説まことにごもっともでございます。私どもといたしましては、局部的な影響を受ける制限税率の引き下げの問題でございますだけに、減税補給金という形でこの問題をできるだけ解決し得るように折衝をいたすつもりでございます。

大村筆雄大蔵事務官(主計官)

○大村説明員 御質問にあります通りに、なぜ北海道その他一部市町村で超過課税の問題が起きておるかということは、根本的に問題があるかと思うのであります。そういう問題の検討は、ぜひその問題を解決する必要があろうかと思うのであります。従いましてそれに関連いたしまして、あるいは普通交付税の配分で解決しなければならぬ問題もあるでしょうし、また私どもの方といたしましては、繰り返し申し上げますように、地方で減税が行なわれます場合には、いずれにいたしましてもこれは国会における立法措置を必要とするわけでございますから、国税全体の施策に伴う一斑としてやられるものであります。ただその減税に伴う影響緩和という意味で、従来からも特別交付税でずっと処置されている点でもございますので、そういう前例をも勘案して検討して参りたいと思います。

安井吉典日本社会党

○安井委員 特別交付税、特別交付税という話がよく大蔵省の方から出るわけでありますけれども、たとえば木材引取税の場合は、制限率の引き下げじゃなしに、標準税率の引き下げに対するカバーという意味で特別交付税の問題が行なわれておるわけですね。だから今度の場合は制限率の引き下げなんですから、その点若干性格が違うということが言えるだろうと思います。それからまた御承知のように、特交は総額の六%でワクは小さいのですから、全国的にもほかの団体がこの特別交付税に期待をしているという向きが非常に多いわけです。だから去年の場合には補給金という姿で処置されたが、特別交付税という形で今後処置されるとすれば、それだけ他の団体にいくワクが減ってしまうわけです。これはあくまでやはり特別交付税の中へ何もかも入れてしまうというお考え方は間違いだと思うのです。今日まで政府のいろいろな御処置を私ども見ておりますと、何か特別な問題ができた、一体これはどうするのかというと、特交で処理する、何かまたできたというと、これも特交だと言う。もう特別交付税という袋は無限大にお金が入っているような印象さえ受けるわけです。ところが、実際はそういうわけではないということはその通りなんで、ほかの関係のない市町村にそのような影響を受ける形でこの問題が処理されるということは間違いだと思います。そういう意味で特にこの問題は慎重に御検討を願いたいわけです。  なお、政府側の結論が出るのはいつごろでしょう

後藤田正晴総理府事務官(自治庁税務局長)

○後藤田政府委員 私の方は、減税補給金という形で予算要求しておりますので、政府の予算案が決定するおそらく年末か年を越した一月の初めということに一応予想しております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 その減税補給金に際しましても、これは先ほど渡海委員長代理からもお話がありましたように、自治庁のお考えを根本的に直していただかなければいけないと思いますし、大蔵省の方も一つ御検討を願いたい、そういうふうに思います。  なお時間がおくれて恐縮ですが、木材引取税の関係についていろいろこの間大臣から意見が出ておりますので、この点ちょっとお尋ねして終りたいと思います。  木材引取税も、これもまた国の措置によっての減税、この補てんの問題が、税法改正当時のいきさつの中で、政府はこういうふうに措置するのだというふうに言明していたことが、その通り行なわれていなかったということに市町村側では現在なお予想以上の強い不満を持っているようであります。三十四年度以降の政府の措置についても、従ってそれにからんでさまざまな予想が行なわれて、関係市町村の財政上の不安が非常に増大しているというふうに見られます。私の耳にしておりますところはそういうことなんですが、政府はそういうような動きを御承知でしょうか、またことしからどういうふうに措置されるお気持か、一つお尋ねしたいと思います。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奧野政府委員 木材引取税の減収補てんにつきまして、昨年度の分に対しまして北海道の市町村が相当の不満を持ったということは事実でございます。それは自治庁の方で一つの補てん方法を算式によって示しておるわけであります。ところがいろいろ検討して参りますと、問題は減収補てんすることにあるわけでございますが、その算式ではどうも不都合な面もあったわけでございますので、今申し上げますような結論に従って、いろいろな角度から検討して数字をはじき出したわけであります。ところが、減収補てんという意味ではそういう数字が出てくるだろうけれども、以前に出ておった算式通りでやればもっと大きな金額が北海道にくるはずだ、こういうようなことで若干論争がございました。従ってその結果、ある程度の調整をいたしまして、三十三年度の特別交付税の配分を了したわけでございます。  なおこの補てんにつきましては、三年間二分の一、二分の一というように減らしながら続けていくということも申し上げておるわけでございまして、それはやはり三十四年度におきましても、三十三年度分の半分をこういう意味において交付するという予定はいたしておるわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 三十三年六月十三日付の自治庁税務局長から各都道府県知事に出した内翰の計算方式と、それから実際計算されたものとでは相当の不足額が出ているそうでありますが、両方の額とその差額を一つお知らせ願いたいし、その差額をあらためて本年度に交付するとか、そういうようなことで市町村側の不満をカバーするとか、そういうようなお気持はありませんか。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奧野政府委員 内翰方式というものについての金額を正確に覚えておりませんが——二億八千九百万だそうでございます。これに対しまして交付いたしました額は二億一千三百万円であります。しかし、問題は原資を補てんするということでございますので、三十三年度の収入額と、その前の三十二年度の収入額との差額を見て参りますと、一億三千八百万円であります。これは個々の団体につきましては若干食い違っておるかもしれませんが、三十二年度から三年度へかけての減収額は、総額で一億三千八百万円であります。これに対しまして特別交付税を交付いたしましたのが二億一千三百万円であります。なお、内翰方式という額は二億八千九百万円ということになっておるわけでございます。内翰方式に理論的な間違いがあると私たちは考えたわけでありまして、そこで問題は減収補てんでございますので、その点からいろいろ検討いたしました結果、今申し上げましたような数字にいたしたわけでございます。いずれにしましても、特別交付税は全地方団体の実体に応じて配分されるべき額でございますので、理論的に間違いであるということを承知しながらも、北海道なるがゆえに特別に増額交付するということは不穏当だ、私たちはこう考えておるわけでございますので、今お話しになりましたような、差額を追加して交付する意思はないかというお尋ねに対しましては、そういう意思は全然持っておりませんということをお答えせざるを得ないと考えるのであります。

安井吉典日本社会党

○安井委員 その理論的な間違いというものについて、市町村側に十分納得させるような御措置をとられたのですか。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奧野政府委員 当時計算方式につきまして、内翰方式も加えまして三つの方式を示しておるわけでございます。その三つのいずれかが充足されれば、当時の考え方の点は貫かれているんじゃないかということを申し上げたわけでございます。なおその上で、しかし相当な期待も持っておられたわけでございますので、そういう点も考慮いたしまして、ある程度の増額は行ないまして、その問題についての調整をはかったということが実態でございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 その三つの方式をきめて、一番国の腹のいたまないような方式をただ採用した、何かそういうふうな理解が市町村側にあるように思います。ですから、初め約束し、期待をした額があったというなら、それに近いように、特別交付税のそれに向けた総ワクが少ないならばワクふやしさえすればよかったのだ、そういうふうな理解があるようであります。だから、やはりそういうふうな措置にあたっては、市町村の側の理解を十分に深めるような措置をおとりになるということが非常に大切なことでないかと思います。今言いましたように、ただ単に三つの方式の中の一番安上がりなものをとった、そういうふうな理由に基づくわけではないのですね。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奧野政府委員 先ほども申し上げましたように、要するに、実績が減ってきたという金額は一億三千八百万円であります。これに対しまして特別交付税を交付いたしましたのは二億一千三百万円でございます。内翰方式というのは二億八千九百万円ございます。従いまして、三つの方寸への一番低いものをとってそれきりにしてしまったということではないわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 二分の一から四分の一というふうに、漸減の方式というようなことでありますが、しかし政府が一応漸減というようなことをはっきりお打ち出しになる以上は、これらの関係市町村が二年目、三年目には、もう完全補てんをやらなくても、それの減収の補給は何とか補っていけるのだ、大丈夫財政はやっていけるのだというお見通しに立ってのお考えだと思うのですが、どうでしょう。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奧野政府委員 基本的には、標準税率の引き下げでございますので、基準財政収入額を計算します場合には、新しい標準税率を基礎にして算定をしていくわけでございます。従いまして、当然木材引取税にかかる税収入は減ってくるわけでございますので、基準財政需要額との差額の財源不足額は増大して参ります。それだけ地方交付税はふえてくる、こういうことになるわけでございます。もとより基準税率が標準税率の七〇%でございますので、減収になりました額の三割分は地方交付税で補てんされない、こういう事情は残るわけでございます。しかしながら、一応財源補てんという点につきましては今までのような仕組みになっているわけでございますので、三年間程度補てんを続けていくならば、ある程度それに対して順応していただけるのじゃないだろうかというように考えているわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 そういうお考えも、何だかどうもはっきりとのみ込めないような気がするわけでありますが、いずれにしても、国の政策として市町村財政が転換を余儀なくされるというふうな方向ですから、国はこれに対し無責任であってはいけないと思うのです。あくまでも責任を負った御措置で方向をお進めいただかなくてはならないと思うわけでありますが、三十四年度では、特交の中でどれぐらいこれに向けた額をお考えなんですか。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奧野政府委員 三十三年度は、北海道の二億一千三百万円を含めまして、全額で四億二千七百万円でございまして、その二分の一程度のものを三十四年度にさらに特別交付税で配分をしていきたい、かように考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 急に二分の一に減らすとかなんとかいうような方向では、これはおそらく非常に大きな変動があると思うのですが、完全補てんという意味を、これはさっき三つの方式というふうなお考えも示されましたけれども、ずいぶんいろいろな考え方で、計算によっては三つでも四つでもあるようなそういう印象を受けるわけですが、そういう方向までその額を一つふやしてやって、市町村の財政の激変というふうなものをできるだけ少なくするという方向は、お考えになれないでしょうか。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奧野政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたように、交付税計算で、標準税率が下がった結果減収になるものの相当部分は補てんされて参るわけでございます。補てんされるにかかわらず、税収入だけを対比しまして、減った分は完全に補てんをする。そういうことは一種の二重の補てんをいたしておるわけでございまして、二重の補てんをして、なおかつ木材引取税の税率を引き下げろという地元の状況を考えた場合には、なお相当な不満が残っておるということもやはり事実であろうと思います。しかしながら、そういうようなことでもございますので、ある程度漸減をしながら新しい制度に順応していただくようにしなければならぬのではないか、こう思うのでございます。二重の補てんを将来も続けていくということは、私は、制度改正の本質から考えました場合には、適当だとは考えないわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 しかし、その交付税での補給は、今完全に補てんできないのではありませんか。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奧野政府委員 標準税収入が減りました七割が補てんをされるのであります。三割分は残るわけでございます。七割補てんされているにかかわらず、三十三年度におきましては完全な補てんを考えたわけでございます。もちろん計算方式にはいろいろ議論があるかもしれませんが、決算見込みにおきます差額は完全に補てんをいたしております。ただ、総ワクにおいては補てんはいたしておりますが、北海道の市町村の問題につきましては、道庁が総合的にいろいろ判断をいたしまして若干増額はいたしておるかもしれません。そういうような事情でございますので、さらに同じような状態を続けていくということは行き過ぎではないか、かように私たちは考えておるわけでございます。三割分の問題につきましては、今回なお昨年の補てん額を半減いたしましても、それを補って余りあるんじゃないだろうか、こう思っておるわけでございます。なお、全体の問題といたしましては、基準財政需要額が漸次増額になって参ってきておりますし、あるいは北海道の問題といたしましては、新たに面積基準を設けることによりまして、市町村の基準財政需要額を内地の他の市町村よりはよりよい方向に持っていったはずでございます。将来とも、なおそういうような根本的な問題につきましては、私どもとして検討を続けていきたいと思っております。また大蔵省に対しまして、国費の支出の仕方についていろいろな希望も持っておるわけでございまして、そういう点につきましても、今後なお相談を申し上げていきたい、かように考えておるわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 時間がおそくなりましたし、財政局長もお急ぎだそうでありますので、結論だけ申し上げて終わりたいと思います。  市町村の中には木引が占める割合が税収全体の七一%、そういうようなものが北海道には一カ村、それから五〇%から七〇%のものも相当数あるようです。つまり、ほかに税財源のないところの山奥の山村で、木引だけに村の財政をたよっているというようなところだけが非常に大きく減少させられているというのがここの問題点だと思うのですが、三十三年は曲がりなりにも期待額の七〇%くらいにおさまったというように市町村長はよく言っております。それでも一応おさまったけれども、三十四年度は、市町村長側の期待は一〇〇%のつもりだったのが七〇%だ、それが二分の一になると三五%じゃないか、四分の一になると一七・五%の補てんにとどまるのじゃないか、そういうふうな印象を市町村長側は持っているわけです。だから、こういう非常に大きな不満が出てくると思うのですが、そういう意味において自治庁側も、理解ができるように十分に一つお話し合いを願いたいと思うわけです。さらにそのような御措置でも、総体的にはつじつまが合っても、個々の市町村ごとには非常に問題の多いというところも最後的に出てくるのじゃないかと思うのです。そういうようなところは、一つさらにめんどうを見るというようなあたたかい、そしてきめのこまかい対策がやはり望まれるわけです。最後にその点だけ一つお答えをいただきたいと思います。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奧野政府委員 木材引取税の税率改正に伴います措置は、先ほど申し上げた通りの考え方を持っております。しかしながら、北海道の市町村財政全体につきましては、私たちも絶えず検討を続けておるわけでございますし、今の措置で十分だとは考えておりません。またそういう点を、三十四年度の特別交付税の配分につきましても改正を加えて、今お話のありましたきめのこまかい措置といいますか、そういう配慮がいたしたいというように考えておるわけでございます。具体的のことを今申し上げるわけでございませんが、若干いろいろな考え方を持っておるわけでございます。御趣旨を体しまして配分に当たりたい、かように考えております。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長代理 本日はこれにて散会いたします。     午後一時五十三分散会

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