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33回国会衆議院1959/12/03

大蔵委員会 第6号

発言数
96
登壇者
10
会派数
3
開催日
1959/12/03

会議録

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 これより会議を開きます。  参考人出席の要求の件についてお諮りいたします。  今回の公定歩合引き上げに関する問題について、日本銀行副総裁谷口孟君を参考人として本日の委員会に出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 去る十一月三十日に付託になりました酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。     —————————————     —————————————

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 これより提案理由の説明を聴取いたすのでありますが、本案につきましては参議院において修正されておりますので、その修正点につきましては、この際便宜あわせて政府委員より説明を聴取することといたします。大蔵政務次官奧村又十郎君。

奧村又十郎自由民主党大蔵政務次官

○奥村政府委員 ただいま議題となりました酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその概要を説明いたします。  この法律案は、最近における酒類の取引の状況等に顧み、酒税保全措置を補完するため、酒類の価格について基準販売価格、制限販売価格等の制度を新設するとともに、酒類業組合等の業務の円滑な運営に資するため、これらに理事会を設けることとする等、所要の規定の整備をはかろうとするものであります。  酒類の価格につきましては、現在、清酒、合成清酒、しょうちゅう、みりん及びビールについて物価統制令による最高価格統制が行なわれておりますが、このような最高価格統制は、経済の正常化に伴い、漸次廃止されて、現在は米、酒類のほかには一、二の例外的なものについて行なわれているにすきません。酒類の供給が十分となった現在、具体的な廃止の時期や方法は別として、物価統制令に基づく酒類の最高価格統制は、早晩廃止の方向にあるものと考えられるのであります。しかしながら、現状におきましては、物価統制令に基づく酒類の最高統制価格が酒類取引の基準価格としての役割を果たし、ひいては酒類業界の安定と酒税収入の確保とに役立っている実情にあり、その廃止は、影響するところが大きく、特に慎重に実行に移さなければならないと考えられます。  他面、将来公定価格が廃止された場合を考えてみますと、現行法では不況事態に至るまでは価格についての酒税保全措置がありませんので、酒類は取引の基準となる価格を失って酒類の取引が乱れるおそれがあり、また、乱れた後に対策を講じても酒税負担が大きいために手おくれとなることが多く、酒類業界の安定ひいては二千億円を上回る酒税収入にも悪影響を及ぼすことが予想されるのであります。従いまして、将来物価統制令に基づく最高統制価格が廃止された後においても、酒類業界の安定をはかり、国家財政に重要な地位を持つ酒税の保全に支障を来たさないように、あらかじめ万全の価格制度を法的に準備しておく必要があるわけであります。  このような見地から、今回、酒類の価格制度として、現行の協定価格のほかに、新たに基準販売価格、制限販売価格及び再販売価格の制度を設けようとするものであります。  すなわち、大蔵大臣は、酒税保全のため必要があると認める場合には、酒類の取引の基準となるべき販売価格を各酒類について定めることができることとし、同時に、級別の区分のある酒類については、級別を通ずる酒税収入を確保するため下級酒類の最高制限価格を定めることができるようにいたしております。また、取引の状況から見て適当と認められる酒類については、大蔵大臣の指定した種類の酒類につき、その認可を受けて、再販売価格維持契約を締結することができることといたしております。  なお、最近における立法例や現行法の実施の状況に顧み、酒類業組合等について、理事会制度を設けるとともに、合理化のためのカルテルを締結することができるようにし、あわせて尺貫法系計量単位が法定計量単位とみなされなくなることに伴い、メートル法系計量単位に改める等の所要の規定の整備をはかることといたしております。  以上が、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案の提案の理由及びその概要であります。  なお、この法律案は、第三十一国会において衆議院で可決されたものでありますが、同国会及び第三十二国会において参議院で継続審査になり、第三十三国会において、参議院で、協定違反の組合員に対し必要に応じ大蔵大臣が勧告できるよう修正の上、可決されたものであります。  何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 これにて提案理由の説明並びに参議院における修正部分の説明は終了いたしました。      ————◇—————

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 税制に関する件及び金融に関する件について調査を進めます。  質疑の通告があります。これを許します。横山利秋君。

横山利秋日本社会党

○横山委員 この間青色申告の取り消しの状態について政府側に調査をお願いしておきましたところ、まことにどうも私も一驚を喫したわけでありますが、それに関連いたしまして、私のところへいろいろと情報を提供して下さり、あるいは、青色問題に関連をいたしまして、いろいろと今日の税法上の諸問題について意見を寄せてくれる人が多いのであります。私はその意見並びに情報を取捨選択をいたしておる最中でありますが、ここに今一つの問題を提起いたしたいと思います。  それは、東京国税局調査査察部の有能な調査官でございましたが、本年の春退職をいたしまして、東京において税理士を開業なさっておられるのであります。ところが、その人が、ある光学精工株式会社が税務署に摘発を受けました際に——摘発と言ったところで、まだ具体的に確定をいたしておらないのでありますけれども、その中で自分がやったということで、もみ消し料として六十万円を要求した。それが公になりまして、東京国税局におきましてもその問題を否定いたしておりますけれども、問題はさらにこの人の問題から発展をいたしておるわけであります。考えてみまするに、私ども大蔵委員が、ちょうど今から二年前でございましたが、東京、名古屋、大阪と調査査察をいたしたことがございます。その際、ここにいらっしゃる中にも同席なさった大蔵委員がおられるはずでありますが、名古屋におきまして、調査査察を受けました人を数人県庁の貴賓室へ呼んでいろいろ事情を聞きましたところ、あるビルの経営者でございましたけれども、ついこの間というよりも、その調査のあります一年ほど前に名古屋国税局を退職した税理士であるけれども、私どもが調査査察を受ける前後を通じて三百万円の要求をしたということを証言をいたしました。そのことは当時出席をされておった大蔵委員すべて熟知のことである。もちろん、今回の六十万円も、またそのときの三百万円も出さずじまいであります。出さずじまいであればこそ、こういうふうに公になってきたのでありましょう。もしも出しておったとするなら、これは、やみからやみへと、まあ出した人も言わないでありましょう。そういうことがあります。私どもは、その際に、個々の事案を調査しに来たわけではないからというわけで、その事案を取り上げずに、これを今後の一つの示唆としてわれわれは帰ってきたわけであります。  そこで、問題になりましたことは、そのときと今回を通じて共通の問題が二つあります。一つは、税務職員であって、やめて、そして税理士になった人たちであるということであります。この人たちにとかくの問題が常に現われるということであります。それから、第二番目は、今回の六十万円の要求事件につきましても、この光学精工株式会社の社長が告白をいたしておりますことは、最もおそれたのは青色の取り消しであった、取り消されると過去の特典までがすべて否認をされる、将来にわたってわが社に重大な影響を与えるから、六十万円を要求されても、これはまあ出さねばなるまいと一応は観念をした、こういうわけです。先日この青色の取り消しを本委員会で審議の際に、こういう約束があったはずだ。それは、青色の取り消し処分の度合いを本委員会は軽くしたけれども、その際に、こうしたからといって、どんどん青色を取り消すようなことがあってはならぬ、そう言ったら、国税庁としては、決してさようなことはいたしません、こういうふうに断言をされた。  そのときにやはり問題になりましたのは、青色に対する国税庁としての態度であります。少なくとも青色を慫慂した時代は過ぎたから、もう青色もたくさんできたから、この際量よりは質だというわけで、青色を念査する、青色について厳重な規制と統制と調査をして、不必要なものは取り消すという雰囲気があるが、どうだ、こう言いましたところ、少なくとも、本委員会では、そのように青色に対する態度を基本的に変えるということはありませんと言った。けれども、その後の実情を見ますと、青色に対する態度というものは明らかに当時の指導育成の時代とは違って、もう青色のいいかげんなものについては、これは取り消さなければいかぬという態度歴然たるものがある。今回のこの問題についても、青色を取り消されるのがこわさに、またそれをてこにして税理士が要求をしたというきらいがあるわけです。  こう考えて参りますと、この青色の取り消しという問題については、私はあなた方が考えておる以外の実に大きな副作用が痛感をされてならぬ。繰り返して申しますが、これらの事件については、税理士の中に、ごく少数でございましょうけれども、ずいぶんけしからぬ人間がおる。われわれが税理士法を制定したときの、われわれの満場一致附帯決議をした、その決議をじゅうりんしておる者がある。しかも、それらの中には、かつて税務職員であった人に、より問題があるということについては、私どもは見のがすわけには参らぬ。それらの人はなぜそういうことになるであろうか。言うまでもなく、それは自分が税務署におった、国税局におったという、その顔を利用して仕事をしておるからである。自分の頭で仕事をせずに顔で仕事をしておる税理士がおるというところに、問題がある。この問題を今日の税務署の中から整理しなくてはだめだ、私はそう思います。  第二番目の青色の取り消しについては、あなた方が所期するといなとにかかわらず、非常な不合理がある。しかしながら、青色の取り消しについては簡単になさるべきでない。いま少し、青色を指導育成してきた当時の事情を思い起こして、青色の取り消しについては十分考えるべきであると思う。  以上二点について御意見を承りたい。

奧村又十郎自由民主党大蔵政務次官

○奥村政府委員 まず私から御答弁申し上げます。後ほど補足して国税庁長官から御答弁があると思いますが、ただいまの横山委員の御質問は、大別して二点の問題にしぼられておると存じます。  第一点は、青色の承認取り消しの件でありまして、これについては、御質問の趣旨は、青色の取り消しをみだりにやってはいかぬ、ところがどうも最近どしどし取り消しておるではないか、というような御意見のように承りました。これは、この前の御質問にもそういうお言葉もありました。現に年間約一万数千件の取り消しがありますので、多いように見えますけれども、しかし、御承知の通りもう法人申告の八、九割は青色申告であって、法人の中には実体を十分備えていない法人もあるので、かなり納税しておる法人ならほとんど全部が青色申告をしておるというふうに見られると思うのです。ところが、中には、遺憾ながら青色申告の趣旨を踏み違えまして、簿外に財産を持っておったり、所得を隠したり、はなはだしいのは、いろんな手段を講じておるのもありますので、こういうものに対しての更正決定をいたします場合に、これは、横山委員も昨年来当委員会で追及なさいましたように、当局の処置としては、更正決定をする際に青色申告を取り消すかどうか、これがこの更正決定の処置の非常に大きなめどになる。といいますのは、御承知の通り、青色申告の承認をしたままで更正決定をする場合には、理由を付記しなければならぬ。ところが、その理由たるものは、青色申告の帳簿ではなくして、簿外にいろんな詐偽、不正あるいは隠匿がある。それに対して更正決定をする以上は、建前として青色申告は認められるべきものでない、こういうことにも理論上はなるのです。しかし、今までの政府当局の態度としましては、せっかく青色申告を慫慂してきたので、どうにか軌道に乗ってきたのであるから、そう片っ端から厳罰にして承認を取り消すでは、これもいけないということで、できるだけ寛大なことでいたしまして、しかし、どうしてもやむを得ぬというのは取り消しておるということでありますので、その点は、また御質問があれば、なお国税庁長官からも御答弁があると思いますが、もっと突っ込んで具体的な御答弁をいたして御了解を得たい、かように存じます。  第二段の問題ですが、これは実はただいま初めてこの席で承るのでありますが、ゆゆしい問題と思います。もし、これが事実であるとすれば、非常に困った問題であると思うのであります。それは、一体税理士の業務が適正公平に行なわれておるかということを、政府としてもいつも監督指導いたしておるのでありますが、かりそめにも、かつて税務職員であった者が、税務職員をやめて税理士になって、そうして間もなく、ただいまのお話のように、かつて役所におった顔をきかして金品を強要するというふうなことがもしあるとするならば、これは氷山の一角であって、ほかにもずいぶんあるということを考えなければならぬ。つまり実際に金品が受け渡しされたならば、両方とも黙るものです。実行されなんだから表に出たということで、これはこの際政府としてもよほどこの事実を確かめて善処しなければならぬ。こんな税理士がおるとするならば、これが役所の方となれ合いをして、結局は税務官吏も堕落するということであって、まことにゆゆしいことである、かように思うのであります。しかし、事柄は非常に重大でありますから、こちらからもちょっとお尋ねいたしますが、これはどのようにしてその事実をお確かめになったのでありますか。ただばく然と伝え聞いたということでは、また税理士会全体の名誉にも関することでもありますし、公開の場でお答え願えるか。これはまた委員長の御勘考をいただいて、もう少し事実をはっきり聞かしていただきたいと存じます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 私にそちら側にすわれと言うなら、すわってもいい。まず第一に私があげました名古屋におけるわれわれ大蔵委員会における調査、その場合における調査を受けた某ビルの社長、この点については、すでに皆さんは私が証言するまでもなく御存じです。それから、今回のもみ消し料六十万円の事件は、各自もあるいは御存じになっているのじゃなかろうかと私は思う。あるいは長官も御存じであろうと私は思っているのであります。この光学精工株式会社というのは、ミノルタ・カメラで有名な千代田光学株式会社の下請工場として、レンズを製造しているところであります。場所も明確なところでありまして、ここが今回の調査を受けたのですが、そこで非常に困って、三十四年三月期の決算に当たって、知人を介して、その問題の——国税局を本年の四月に退職した税理士の紹介をされ、その報酬は毎月一万円ときめられたのであります。ところが、ここが問題でありますが、この会社として最もおそれたのが青色の取り消しである。その青色の取り消しについてはないように、税理士に特に強調して頼んだ。ところが、依頼したときには二、三日会社にやってきた。その税理士も、その後はほとんど顔を出さず、まあたまにやってきて、税務署との折衝経過を説明してうまくいっているということだけでおったのですが、本年八月事務所から請求書が舞い込んで、法人税、法人事業税、重加算税、青色特典控除等を計算すると、総額幾らになる。私の腕でそれを減額したことになるから、その報酬に六十万円を支払ってもらいたいという内容の請求書が来た。うまくやったから、それの二割相当額六十万円である、だからこれをよこせ、こういうようなことが事件の全貌であります。それに対しても、東京国税局の総務課の某氏の意見と名前がはっきり出ております。意見も公にされておりますし、それから各方面の意見も明らかになっておるわけであります。問題は、実際問題として、その六十万円に相当するもみ消しが行なわれたのであるかどうか、これがまだかすみにかかっておる。汚職に発展をするおそれなしとしないという状況にあるわけであります。税理士が正当な報酬を要求をするということは当然のことであります。しかしながら、それは幾ら課税があって、そして最終決定が幾らあった、そういうことが明確になった上のことでありましょう。本件につきましては、幾ら課税があった、その幾らが初めからないのであります。まだぼやけておる。結果だけ大体明らかになりかけて六十万円ということでありますから、これは言語道断もはなはだしい。いわんや、わしがずっとあそこもここも知っておるから、大体話をしたからと言うに至っては、そろばんも何もない、数字も何もないのでありますから、まことに言語道断といわなければならぬ。今もここで、大貫議員が、私のそばで、おれもそういう事件を知っておる、けれども、古いことだから、今まで言わずに黙っておったということを言われるのでありますが、こういう点については枚挙にいとまがないのであります。冒頭に私が申し上げましたように、青色の問題を私が取り上げたということを聞いただけで、あちらこちらから、こういうことはどうでしょうかという話を持ってこられたのです。政務次官のおっしゃるように、まさにこれは氷山の一角なんであります。私は、この機会に、この種の問題を十分に議論をして、国税庁としても十分にこの問題の処理をしていただいて、そして、やみに隠れておるこれらの問題について、今後の絶滅を期さなければ相ならぬ、こういうふうに考えておるわけです。お答えになりますか。

北島武雄国税庁長官

○北島政府委員 いわゆる悪徳税理士なる者が一部にあるが、ことにそれは元税務職員であった者に多いのじゃないかというようなお話、特に特定の事案をあげて今お話がございました。約九千人の税理士がおりますが、税理士の中には、もちろんいい方が大部分とは思いますけれども、中には、いわば悪徳税理士に類する方もあるというふうに私は考えております。この問題につきましては、にせ税理士の問題とも関連がございます。日本税理士会におきましては、私どもに対しまして、にせ税理士がこのごろ多いから取り締まってほしいという要望がございました。これに対しては、私も、もちろんにせ税理士はこれからどんどん取り締まる。それとともに、税理士の品位を汚すような方々に対しましては、税理士法に照らして、懲戒処分を行なう必要があると考えております。実を申しますと、今までの税理士に対する懲戒処分というものは、私自身の考え方としては非常に軽いと思っております。そこで、ことしの春か夏でございましたか、今後、税理士に対して、いわゆる悪徳税理士に対する懲戒処分を強行いたしますぞということを日本税理士会連合会の方にお話をして、税理士会の方でもこれを了とされております。お互いに税理士内部において、もちろん相互に反省をいたしまして、品位向上に努めるけれども、もしそういう悪徳の税理士があった場合には、懲戒処分をどんどんやってもやむを得ない、またやってほしいということでございます。私どもといたしましては、そういう方針に従いまして、にせ税理士を取り締まるとともに、いわゆる悪徳税理士に対する懲戒処分を今後厳重にやっていくということであります。これにつきましては、元税務職員であった者といなとはもちろん問わないわけであります。厳正に今後いわゆる悪徳税理士の取り締まりを実現して参りたいと存じます。今特定の事案についてお話がございましたが、これについて私実は承知いたしておりません。おそらくそういうこともあり得ることだと私は思っております。なお、具体的事情を承りますれば、私どもの方といたしましても調査いたしまして、情状において何らかの措置をとりたいと思っております。  次に、青色申告の取り消しの問題であります。この点につきましては、私前回の当委員会に実は所用がありまして出席いたしませんでした。白石直税部長との間に若干の応答があったようでありますが、白石直税部長は、その後、自分の発言に誤解があったから、きょう釈明したいと言っておられますので、まず白石直税部長の釈明をさしていただきまして、それからまた、青色申告の取り消しの問題につきまして、私どもの考えを申し述べたいと存じます。

白石正雄大蔵事務官(国税庁直税部長)

○白石説明員 私、前回横山委員の御質問に対しましてお答えいたしました中に、若干誤りがございましたので、訂正させていただきたいと思います。  その点は、青色申告の取り消しの件数でございますが、三十二年度ごろを境といたしまして、その件数に相当の変化があるというような意味のことを申し上げたと思うわけでございますが、その後調査をいたしました結果、ただいまお手元に配付いたしておりまする資料によって明らかでありまするように、三十一事務年度におきましては一万四千四百三十一件、三十二事務年度におきましては一万五千三百八十二件、三十三事務年度におきましては一万四千六百七十四件で、青色申告法人数に対するその取り消しの割合を見ますと、それぞれ三十一及び三十二事務年度におきましては三・九%となっておりまするし、三十三事務年度におきましては三・六%となっておりまして、この間そう大した変化はなく、逆に三十三事務年度におきましては、若干割合は減少いたしておる、かような数字に相なっておりまするので、この点訂正させていただきます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 これは青色の法人を言っておるのですが、個人はどうなっているのですか。

白石正雄大蔵事務官(国税庁直税部長)

○白石説明員 個人の件につきましては、この前、法人のお話だと思いまして、法人だけの資料を整えた次第でございまするが、個人につきましては資料を整えていない次第でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 私の調査したところによりますと、三十三年の新たに青色になったのが七千百三件、青色からなくなったのが五万九百七十件、その中で取り消しが五千六百六十九件、却下が七百五十九件、その他四万四千五百四十二件。あなたは法人ばかり都合のいい数字を出して、個人は調べておりませんと言うが、個人の方を見ますと、驚くべき青色の減少を示しておる。私の調査に間違いがあれば、一つまたあらためて調査をしてほしいのでありますけれども、確かに取り消しは五千六百六十九件であって、その他青色でなくなったのが四万四千五百四十二件もあるということは、一体その過程でどういう慫慂が行なわれておるか、私は重大な疑問なしとしないのであります。  話が少しあちらこちらになりますから、一つ一つものをきめていきますけれども、先ほどの税理士事件は、国税庁長官並びに政務次官からは、そういうようなことがありましたら厳に措置をいたしたいとおっしゃいました。私は、この種の問題は、おそらく与野党の委員から話を聞いて想像されると思うのでありまするが、一、二にとどまらぬという一つの確信を持っておるわけです。税理士法を強制加入にいたしました際に、これは任意加入が適当であるというふうな意見のあるものもあったけれども、強制加入方式にすることによってみずから切瑳琢磨をして、そういう問題があったときにはこれを自分の手で措置するようにしてもらいたいという重要な付帯事項があるわけです。それが何ら行なわれていないとするならば、税理士会を強制加入にしておく必要はごうもないじゃないですか。また税理士に対する一つの資格等についても新しく考え直す必要があるのではないか。単にそれが行政措置で、国税庁長官がおどしでもって云々と言ったところで、一体それが氷山の一角のようなたくさんの問題ができるものであるかどうか。税理士法の改正の必要を国税庁長官は考えないものであるかどうか、御意見を承りたい。

北島武雄国税庁長官

○北島政府委員 私は今の税理士法にはいろいろ欠けたことがあると思う。いずれ早晩改正しなければならぬ筋合いだと思いまして、目下具体的にいろいろ調査しているわけでありますが、税理士会におきましても、実は私どもの提案、すなわちにせ税理士の取り締まり強化、いわゆる悪徳税理士に対する処分の強化、こういう方針に対しまして、税理士会におきましても内部において何らかの措置を講じたい、従って、定款変更について国税庁の認可を申請するようになるかもしれぬが、その節には何とぞお願いをするというお話がございました。私はまことにけっこうなことだと思う。私どもの懲戒処分権ももちろんであって、内部において何らかそういう反省措置が必要であろうかと考えます。これはまだ具体的な話になっておりませんけれども、たとえば、税理士法に反した場合、あるいは定款に反した場合におきまして、内部において税理士会の会員である特権をある程度停止することができないかというような問題は、それぞれ税理士会においてただいま考えております。税理士会においていろいろ事情がございますが、税理士会全体といたしまして、ただいま内部においても何らかの措置が必要だという機運が盛り上がりつつありますことは、私も大へん喜ばしいと思っております。できるだけこの風を助長いたしまして、まず内部においてそういう規律確保の方途を講じていただき、そして国税庁における監督権を強化していくことだと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 具体的な事案につきましては私の手元にまだ数件ございますけれども、さらにこれの詳細は、今調査しておりますから、追ってまた申し上げたいと思います。基本的には、今のあなたのお話のように、税理士会みずからで何とかしようというふうな機運があることは喜ばしいとおっしゃるけれども、そんなことは、税理士法を改正いたしましたときから、やっこさんたちは言っておるのでありまして、それでちっとも実効が上がらない。そういうものに期待を持ってもだめではないかという気がいたします。警告を発しておきます。  それから、第二番目に、先ほど奥村政務次官からもう少し具体的な話をしてくれというお話がございました。そんな具体的な話を奥村政務次官とやってもいかがかと思うのでございますが、本件については、あなたが法律の改正を本年の春やったことでもあるし、私よりもあなたの方が本件については強い要望がある。そうして具体的な措置をなさったのであります。ところが、具体的な措置をなさったにかかわらず、次から次とまだ問題が発生しているということに、今度は行政の責任をあなたに考えてもらわなければならぬのであります。たとえば青色の更正で理由を付記しなければならぬということにあなたは変えられました。所得税法第四十五条で「政府は、青色申告書について更正をなした場合においては、前条第七項の規定による通知には、同項の規定により附記する事項に代えて、更正の理由を附記しなければならない。」こう書いてあるのでありますから、その理由をいいころかげんなことばかり書いて適当にやっておくために、次から次へと国税庁は裁判で負けているそうであります。どうしてそういうばかげた不親切なことを税務署はしているのであろうか。理由を付記するならば、納税者が納得するような理由を付記しなければならぬにもかかわらず、まあお前さんのところはいかぬのだというようなことで書いている理由なんかのごときは、税務署側の立場に立った理由の付記が行なわれているから、次から次と裁判に負けている。聞くところによれば、国税庁におきましても、この理由付記はどうも工合が悪いという話が一部にあるようでありますが、一体四十五条の理由の付記はどういうふうにやったら一番正しいのか。裁判で敗訴をし続けている反省も含めて、今後の方法を明らかにしてもらいたいと思う。

奧村又十郎自由民主党大蔵政務次官

○奥村政府委員 私にお名ざしでありますから、私から御答弁申し上げます。税理士の問題につきましては、御承知のことと思いますが、現在ある税理士法は改正して現在の法になったのですが、この改正をいたしますときに、現行法に改正することについては、私は一番反対の急先鋒であったと思っております。というのは、税務官吏が職場をやめてすぐ税理士になる。たしかこれは一年間は期間を置いてありますけれども、(「一年の期間はないよ」と呼ぶ者あり)実はせめて一年間の期間を置け、これは国家公務員法にも規定してあるのだからということで私ががんばっておったのを、とうとう一年間の期間がとられたので、従って、税務署をやめて、あるいは国税局をやめてすぐに税理士になって、かつての職場に顔をきかすというようなことになっては、税理士と税務当局とがどうもなれ合いになってもいかぬ、公明な税務行政ができないということでがんばったのでありますが、しかし、結局は、あのときはたしか全会一致でこの法律は通ったのです。だから、政府にだけそう詰問なさっても、国会でもその法律を通したのですよ。それはどうか自覚していただきたい。しかし、それでも、政府としては、このような事例がますます起こるということでは困るので、なお税理士法の改正を企図するということで、今国税庁長官の御答弁の通りであります。しかし、問題は、やはり税理士会を監督指導する責任のある国税庁長官並びに大蔵大臣の責任に究極はなるのでありますから、この際、今お述べになりました事例に  つきましては、すでにかなり具体的にお述べになりましたのですから、この具体的事例をよく調べさせていただきまして、もしこれが事実であるとするならば、適当な処分をし、なお税理士会にも一つ話をいたしまして、税理士法改正の機運があるならば、この際急速にそれを実現に移すというふうに指導いたしたい、かように存ずる次第であります。  第二点の青色申告の取り消しにつきましては、裁判で負けておるじゃないか、こういうお尋ねであります。これは私不勉強でことしの春以後の事例は存じておりませんが、御承知の裁判にかかるまでには相当期間があることで、現在裁判に負けておるということがあるとするならば、これはことしの春の青色申告の取り消しに関する法律改正以前の事例が多い、かように思うのであります。それで、ことしの春の青色申告に関する法律改正は、第何条、何カ条に基づいて取り消すという準拠規定を明確にせい、こういうふうな趣旨の改正でありますから、それを現在実行しておる。従って、これでいくならば、不明確な点がありませんから、裁判に負けるというようなことは断じてない、かように確信を持っておる次第であります。

北島武雄国税庁長官

○北島政府委員 青色申告者に対して更正いたします場合、更正の付記が足りないということで裁判に負けましたことは、ことしの春の通常国会におきまして奥村委員等から御指摘があったのでございます。私どもも、あの裁判の内容を見まして、やはり、われわれとしても、従来の更正の理由の書き方について非常に足りない点があるというふうに痛感いたしまして、あれ以後部内において種々検討いたしまして、できるだけ納税者に対しまして更正の理由がわかるように書こうではないかということにいたしまして、すでに実施をいたしております。私は、今後においては、今まで裁判におきまして指摘いたしましたようなことは、万々ないであろうことを期待しているわけであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 その四十五条の青色の更正の理由の付記について、今の長官のお話は、やはり書き方は悪かったが、この際、理由付記の仕方について、その内容の書き方について、新しき国税庁としての方針をきめて流す、こういう意味ですか。

北島武雄国税庁長官

○北島政府委員 もうすでに流してあります。詳細は直税部長から御説明申し上げます。

白石正雄大蔵事務官(国税庁直税部長)

○白石説明員 青色の理由の付記の問題につきましては、裁判の問題もさることながら、実際の税務行政といたしましては、やはり納税者にできるだけわかりやすいように書いて、これを通知するというのが当然のことであると思いまして、従来、その点の親切さと申しますか、実際の理解の方法につきまして、若干足らない点があったというような点を反省いたしまして、会議等におきましてその後いろいろ打ち合わせをし指示をいたしまして、事務の許す限りにおきまして、できる限り詳細に通知をするように指導をいたして、おる次第であります。さらに、その後、通達といたしましても、なお十月ごろには出しまして、そうしてできる限り詳細に通知をいたすように指導をいたしておる次第であります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 それでは、その通達が今後どういうような効果を現わしていくかは、十分注意したいと思います。もう一つ青色の取り消しで問題になりますのは、個人の場合は、青色を取り消されても、再調査審査請求中は競売、差し押え等ができないことになっておる。ところが、法人の方は、青色を取り消されて、そこですくに再調査または審査請求をしても、国税庁、税務署は差し押え、競売ができることになっておると理解をしておるのです。どうして、個人と法人との間に、青色の取り消しによって起こる問題についてそういう違いを生じさせておるのか。そういうことをしなければならぬ積極的な理由があるかどうか。これを伺いたい。

奧村又十郎自由民主党大蔵政務次官

○奥村政府委員 法人の場合は、お説の通り、青色を取り消したら青色の恩典がなくなりますから、取り消しと同時に、場合によって法人財産の差し押えとか、そういうことができることになっております。個人の場合も同様と思いますが、個人の場合は、青色を取り消しても、差し押え等の処分はできないということを横山委員はおっしゃいますが、そういうことはないと思います。もうちょっと詳しくお述べを願いたいと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 個人の場合は、青色の取り消しがあった、そこですぐに再調査または審査請求をする、その再調査または審査請求期間中は、差し押え、競売等は国税庁はやらないことになっているはずだと思う。これが第一事実の問題です。ところが、法人は、再調査または審査請求中であっても、税務署は差し押え、競売等ができる。全く白色と同じ格好になってしまう。そこで、法人と個人との間に食い違いがあるのは、いかなる理由か、こう言っているのです。

奧村又十郎自由民主党大蔵政務次官

○奥村政府委員 今の個人の場合は、青色申告承認を取り消しても、再調査または再審査請求が納税者から出されるならば、差し押え、競売はしないことになっておるとおっしゃいますが、それは法律や政令できめて。

横山利秋日本社会党

○横山委員 きめてあります。

奧村又十郎自由民主党大蔵政務次官

○奥村政府委員 お尋ねの意味が——それは、今私が申し上げますように、青色申告を取り消した場合は、法人、個人を問わず、青色申告に対するいわゆる恩典はなくなるわけです。青色申告に対する恩典というものは、青色申告を承認しておる間は、その場合にたとい更正決定しても、再審査請求の出ておる間は差し押え、競売はできないということ、これが青色申告の特典です。しかし、青色申告を取り消した場合はその特典はなくなるのだから、法人も個人も同じように——法人は取り消しておいて差し押え、競売はできるが、個人はできない、そんな差別の取り扱いはできぬはずですが、あなたができるというのは、どの法律に基づいておるのですか。ちょっとあなたの方でおっしゃって下さい。

横山利秋日本社会党

○横山委員 どうも質問者と答弁者がきょうは違うようであります。(笑声)

奧村又十郎自由民主党大蔵政務次官

○奥村政府委員 そんなことはない。こっちがあんた間違いないのだから……。

北島武雄国税庁長官

○北島政府委員 ただいま横山先生から個人と法人で取り扱いが違うじゃないかというお話がございましたが、私の記憶によれば違うように思っておりません。ただいま条文を探しておりますが、法人と個人によって取り扱いが違うような税制にはなっておらないと私は思っております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 私が説明してもいいけれども、それでは権威を何するでしょうから、そちらに御検討願うことにして、次の問題へ移ります。  一番根本の問題は、先ほど申しましたように、青色を一体どう見ているかという問題であります、少なくとも、青色制度ができ上がって指導育成しておる段階では、あなたの方は、熱心に青色にしなさい、青色にしなさいといって納税者に勧めておった。今法人で四十万件くらいですかになっておる。そうしたら、もう青色を念査をしろ、取り消すときには取り消さなきゃいかぬというふうに、一ぺんに態度が変わってきたのです。こういう態度を続けるときに、不工合な、先ほどからいろいろ申し上げておるような問題が生じてくるわけです。さらに発展して、政府の一部には、企業課税と相並んで、この際青色をなくしたらどうだ、企業課税の議論の中で、青色を一ぺんなくしたらどうだ、専従者控除については、社会党も、とにかく白色についても専従者控除にしてやれという意見もあるし、この際青色にしたらどうだという意見が一部にあるそうであります。私どもにとってはまことに迷惑千万な話でありますけれども、しかし、もし私どもの言っておるような条件がすべていれられるならば考え直してもいいと思うが、今の一部の意見というものは話が全然違っておるので、政府の中に、青色を将来なくしていく、そして白色と青色との中間なり何なりの方向へ問題を進めていくという考えが一体あるのか、これをこの際明確にされたいのであります。

北島武雄国税庁長官

○北島政府委員 まず、個人と法人とによって青色申告者に対する滞納処分の取り扱いが違ってやしないかという点につきましては、所得税法第四十八条第二項と同様な規定が法人税法第三十四条三項にございまして、先ほど申し上げましたように、法人と個人とによって取り扱いを異にいたしておる税制にはなっておりませんので、御了承願いたいと思います。  なお、青色申告に対する当局の方針はどうか、こういうお尋ねでございますが、青色申告は、実は昭和二十五年から認められたものでございまして、当初においては比較的伸び方が少なかったのでございますが、その後、税法の改正等によりまして、昭和二十八年、九年あたりに急激に青色申告者がふえて参りました。その当時の方針といたしましては、できるだけ青色申告というのはとにかくどんどんどんどん量をふやして、納税者にできるだけ青色申告になじませた方がいいという方針のもとに、育成助長が続けられて参ったのでありますが、これがすでに三十年ごろから私は反省期に入っているというような感じがいたします。と申しますのは、ほんとうの青色の実質を備えていない納税者の方々が青色申告者として相当たくさんおるということは、税法の税務の執行においてはやはり工合が悪いのありまして、税法の要求するような青色申告にだんだん持っていかなければならぬわけであります。そこで、今からすでに数年前、おそらく三十年ごろから反省期に入ったと思いますが、従来の方針に対して多少変換があったように私は思います。そして、青色申告については、今後はできるだけ内容を充実して、質の向上をはかろうということで、国税庁の方針がとられて参りまして、私も実はその方針でやっておるわけであります。青色申告会あるいは法人会に参りましても、私はその方針を述べまして、とにかく、今後は量よりもまず質だ、質をよく向上いたしまして、それからまた相携えて進もうではないか、こういう考え方を申しておるのであります。ただ、往々言われますように、何でもかんでも青色申告はもうこれをふやさないのだ、どんどん取り消していくのだという方針では絶対ございません。私どもは、やはり正当な青色申告というものがますます助長されて、それがやがては全納税者に及ぶということが、私は税務執行の理想だと思っております。その理想に向かって邁進いたして参るつもりではございますが、ただ、今までの、昔のように青色申告の実を備えていない方をずっと長くかかえていくことはやはりよくない、できるだけ一緒に手を携えて質の向上をはかっていく、こういう方針で三十年度あたりからきておるわけでありまして、私もその方針でやっておるわけであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 そういたしますと、青色制度をなくするつもりはない、青色制度の内容を充実していきたい、一言でいうとそういうことでございますか。

北島武雄国税庁長官

○北島政府委員 税制の面では主税局長がいらっしゃいますが、税務の執行に当たる国税庁長官といたしましては、それが理想だと考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 それでは、青色制度に対する基本的な考え方を政府側から伺いたいと思います。

原純夫大蔵事務官(主税局長)

○原政府委員 青色申告をいたします人たちに対していろいろの特典を与えておりますのは、税の適正、公平な課税を実現する基礎を一日も早く築こうというためのものであります。その特典の中には、いわばそういう政策的な意味で、かなり政策的に与えるという特典もありますし、さらに、それと対しまして、いわゆる企業会計原則的に理論的な根拠がある、しかし、帳簿がしっかりするのでなければ、その確実な把握は困難であるというような筋合いのものがあります。いろいろなニュアンスをなして、そういうものが存在いたしております。後者のものについては、だんだんと全体の納税者のレベルが向上して、帳簿のべースがはっきりしてくるというような前提が実現するならば、これを一般のものとして、その点においては白色との区分をなくすということが、将来の問題として考えられないことはないと思います。前段の問題は、これまた全般のレベルの向上、また青色申告者自体の帳簿記帳の励行の程度というようなものとからまる問題でありますので、その実情のいかんに応じて、そのときどき考える向きがあるということになると思います。総じて申しまして、ただいまお尋ねの青色申告制度をやめる気かということに対しましては、制度の根本的な目的が、先ほど申し上げましたように、税の公平適正なベースを一日も早く作りたいということでありますから、その目的はいつまでも堅持いたしたい。その方法として、単純にやめるとかやめぬとかいうようなお答えではなくて、今私が申しましたような角度で問題は考えるというふうにお答えした方がよろしいと思いますので、お答えしたわけであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 やや抽象的でございますけれども、私はあなた方の意見に対して反対の意向を一つ表明しておきたいと思うのであります。それというのは、この青色申告についてあなた方が量より質というふうに態度を変えましたために、さまざまな問題が生じておる。そうして、そのために政務次官も努力をされたように、具体的ないろいろなところで支障を生じておる。その支障が、単に法律をちょっと直せばいいというような支障でなくして、先ほども申し上げておりますように、汚職とかそういうようなところにも発展をしてきておる。この点については、いま少し青色申告についての納税者の諸君の希望というものを十分にくんでなさるべきではなかろうかということを、私は痛感をするものであります。あなた方は、ここではいろいろ言葉をやわらかく言われますものの、現実に税務署の職員がこの青色の取り消しについてとる態度というものは、一つの脅迫的な手段にすらなっておるわけであります。青色が取り消されるかいなかということが簡単に議論をされるようになりましたから、それが納税者に対して非常な脅迫的な雰囲気にまでなっている。言葉は卑俗過ぎるかもしれませんが、そういう雰囲気は、税務署内部においても外においても争われない現実になっておる。税務署がふところ刀に抱いて出ていく一つのたてになってしまったものでありますから、この点については、この青色の取り消しを法律改正をしたこと自身に私は問題があるような気がするのでありますので、十分に考え直すべき問題ではなかろうか。とかく権力を持っておるお役人の権力をなくすのがわれわれの任務であって、さらにそれを、青色を簡単に取り消される、取り消しても処分はそうきついものではないというふうにしたこと自身、私どもとしては反省をいたしております。この点は十分に一つ考え直しておいていただきたいのであります。  それから、先ほど、そういうことは関係はない、個人も法人も一緒だと言うのでありますが、私は一つここで読み上げてみますので、これは間違っておるかどうか確かめて下さい。所得税法第四十八条第二項(青色申告者には再調査中は督促または滞納処分ができない)の規定は、同条第三項によって青色取り消し(同法第二十六条の三第十一項)に対する再調査中にも準用されているから、個人所得税については特典が認められておる。つまり再調査または審査請求中は督促以下の一連の滞納処分ができないことになっておる。ところが、法人税法第三十四条第三項において、所得税法第四十八条第二項ただし書きに相当する青色申告の特典(再調査中は税金の徴収を猶予する)を認めておきながら、同条第四項においては(青色申告の取り消しに対する)再調査第三項の特典の準用がないので、法人の場合は青色申告が取り消されると全く白色と同様な取り扱いとなり、個人と比べて著しく不利になるのである。いかがですか。

白石正雄大蔵事務官(国税庁直税部長)

○白石説明員 法人税法の第二十五条の第九項に規定がございまして、ここで法人に一定の通知をいたすように相なっておるわけでございますが、その規定を三十四条の第四項で準用いたしておりまするので、従いまして同様のことになっている次第であります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 一つ十分に御勉強下さって、あとでそれを正式に答弁をお願いいたします。      ————◇—————

横山利秋日本社会党

○横山委員 それでは、時間があるようでありますので、酒団法の方にいってよろしゅうございますか。

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 どうぞ。

横山利秋日本社会党

○横山委員 それでは、青色申告に関する問題につきましては保留をいたしまして、時間もあるようでありますから、お差しつかえなければ酒団法について質問をしたいと思います。先ほど政務次官から提案理由の説明がございました。政務次官は十分に御存じのことでございますから、あまり抽象的なお話はなるべく避けたいと思うのでございますが、私は、しろうとでございますから、時おりとんでもない質問をいたすことがあるかもしれませんから、お許しを願います。  一つ最初に伺いたいのは、酒の特級の製造原価が二百四十九円、一級が二百三十一円、二級が二百二円、これはもう間違いない数字だと思います。考えてみますに、特級酒と二級酒の製造原価はわずか四十七円二十銭しか違わない。ところが、小売価格になりますと、特級酒が千七十五円、一級酒が八百三十五円、二級酒が四百九十円であります。四十七円の製造原価の違いが、小売価格になりますと驚くなかれ五百円くらい違うのであります。これは、いろいろ議論があるのでありますけれども、一体どういうふうに理解したら一番正当でございましょうか、これをまずお伺いいたします。

原純夫大蔵事務官(主税局長)

○原政府委員 高級な消費には高い税がかかるということがあります。これはいろいろな場合にあるわけで、物品税法の中でも、高級なものには高い税率か使ってある。同じ自動車でも、五割、三割、一割五分というような三段の税率が盛ってあるというような例は方々にございます。酒の特級、一級、二級も、その高級なものには高くかけるということで、原理的には説明さるべきものだと思います。ただ、この違いが、ただいま申しました性質の高級、下級といいますか、高級なものとそうでないものとの差額のバランスがとれておるかどうかという点については、いろいろ御議論があるだろうと思いまするし、むしろ、そういう段になりますれば、沿革的に戦中、戦後を通じて、財政物資としての酒で相当なる収入をあげたいという角度で、御案内の特価酒というような制度があった当時から、この税率構成というものが沿革的に残ってきておるという面のあることも否定できないと思いまするが、理論的な根拠は、前段に申しました消費の性質といいますか、高級なものに高くという考え方に基づくものであると言ってよろしいと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 何だか原さんのお話はよくわからぬのです。素朴な質問として、わずか五十円しか製造原価が違わないものが、五百円も小売価格で違うということについて、ぜいたく——製造原価五十円の違いが非常にぜいたくなものであるかどうかというお答えにはならぬと思います。たとえば特級酒がぜいたくだといたしましょう。一級酒と二級酒の間は二十九円の違いがございますし、その二十九円の違いが、小売価格になりますと三百四十円くらい違うわけであります。二級酒が四百九十円で一級酒が八百三十五円、これは僕はあまり納得ができない。勤労者が飲む二級酒は五百円、わずか二十九円の違いで一ぺんに八百三十五円にいってしまうというところに、準一級酒ですか、そういう議論も出てくるのは私は当然だろうと思う。これは酒屋さんの立場に私は立ちはしません。きょうは消費者の立場で議論するのですが、消費者の立場からいっても、準一級論というものについては考えるべき点がありはしないであろうか。また、合成一級が百六十円で、二級酒が百五十二円ですが、ここに至っては一升についてわずか七円二十銭の違いしかない。ところが、どうですか。小売価格に参りますと、百三十五円くらい違ってくるわけです。これは少しひど過ぎないですか。だから、消費者の立場から見れば、準一級酒とかあるいは合成酒等については考えるべき点があるのではないかと思われる。いかがですか。

原純夫大蔵事務官(主税局長)

○原政府委員 先ほど申しましたように、論理的な説明は、消費の高級、下級という考え方に基づくものである。しかしながら、戦中、戦後の財政需要が大きくて、しかもほかに課税に適当な物件が少なくなっておる。一方、酒は、売り手市場であって、級別に応じての格差を相当つけても売れたという時代から、だんだんその残りが残っておるということを申したわけであります。それは、私も、現在のような趨勢、つまり市場は売り手市場からむしろ買い手市場に転換しつつあるという時期において、こういう税率構成が維持し得るかどうかというのは疑問だと思います。従って、いわゆる準一級酒の要望ないしこれに類する要望というものは、私はもっともな要望だというふうに思っておりまするし、むしろ、役所側として一昨年以来検討を続けております間接税体系の検討の中で、酒税率相互の実証的な研究をいたしますと、清酒の特級、一級というあたりが、売れ行きその他から見て、税率の重みを過当に感じておるということを、私どもは事実で読み取っておるというのが率直な考え方でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 その点については一つ考えていきたいというお話でございますが、私は、この点については十分な結論を得られるように、ぜひお願いをいたしたいと思うのであります。  次の問題に移るところでございますけれども、理事会のお約束もありますから、私の酒税、酒団法に関する質問は一応打ち切りまして、佐藤委員に御質問をしていただきます。私も実は多少関連質問がありますので、あとでお許しを願いたい。

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 佐藤觀次郎君。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 きょうは、金利の引き上げ問題で、実は日銀の総裁を御要求してありましたが、どうも都合が悪くて来られません。そこで、委員長に特にお願いしたいのですが、谷口さんとかわって、他日山際さんにこの次の委員会にぜひ一ぺん出ていただきたい。それはちょっと政策の問題を山際さんに聞きたいことがありますので、委員長、この次の機会にはぜひ一つ日銀の総裁においでを願うことにして、きょうは谷口さんに対する質問をします。

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 御希望に対して善処いたします。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 谷口副総裁にお尋ねいたしますが、今度の金利引き上げについては、山際総裁は、物価の上昇テンポが早まったから、景気の先行きを懸念するために、その予防措置として今度金利を上げたと言われますが、そういう点で、この景気を警戒してやるというところの金利の引き上げであるかどうかということを、この際お尋ねしたいと思うのであります。

谷口孟日本銀行副総裁

○谷口参考人 お答えいたします。  今度の公定歩合の一厘の引き上げは、総裁が声明しました通りに、現在の日本の経済は拡大傾向を続けて、国際収支も黒字の基調を持続はいたしております。しかしながら、数カ月来三つの重要な要素においてわれわれとしては注目すべき事象があるようであります。一つは、今おしやったように、物価の問題で、昨年の十一月から物価は反騰に転じまして、この十一月の中旬までの間に五・三%上っておるのであります。これは相当に大きな動きでございます。もちろん伊勢湾台風そのほか季節的な関係もあると思いますけれども、しかし根本にはやはり需要が強いということだと思うのであります。先行きも強含みといわれているのであります。それから、第二の点といたしましては、資金需要が非常に旺盛だということであります。これは、一般業界におきましても、この際業容を拡大しようという意欲が非常に旺盛でございまして、従って資金需要が多くなり、これに伴い銀行の貸し出しも相当顕著に増加いたしておるのであります。第三点といたしましては、日本銀行券の流通高が相当に増加いたしました。この十一月末の発行高を見ますと、前年同期に比べて一八・一%増加しておるのであります。こういうような情勢下におきまして、経済をこのままの状態に放置いたしますと、先行きやはり懸念すべき情勢が生まれるおそれがある。これを未然に防止する意味において、予防的措置として、公定歩合の一厘引き上げを昨日実施した、こういうことでございます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 今、日本銀行は、ことしの春あたりから、準備預金制度とか、あるいは日銀法の改正という問題とか、いろいろありまして、谷口副総裁は理事をやっておられたから御存じだと思いますが、ただ突然この十二月の二日、きのうから急に金利の引き上げをやられたということは、何かほかに要因があるのか。どうもそのところが納得のいかない点がありますけれども、そういう点について、何かほかの理由はなかったかということを一言お尋ねします。

谷口孟日本銀行副総裁

○谷口参考人 ほかの理由はございません。全く経済の均衡ある発展を持続させたい、そのために、事前に予防的に措置するのが適当だ、こういう判断に基づいたわけでございます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 景気の先行きを懸念するというけれども、この金利の引き上げだけで景気の行き過ぎを押えることができるかどうか。そういう点について、日銀はどういうようにお考えになっておるのか。これは、私たちも、最近伊勢湾台風などの関係で、資金の融通その他の問題で、いろいろそういう要因もありますが、ただ金利の引き上げだけで、この物価、景気の行き過ぎをとめることが簡単にやれるかどうかということについて疑問を持っておりますが、日銀側ではそういうことをどういうようにお考えになっておるのか、一つお尋ねしたいと思います。

谷口孟日本銀行副総裁

○谷口参考人 御説の通りに金利一本で日本の経済の大勢を動かすということはむずかしいと私は思います。これには結局各方面の協力が必要だと思います。今度の措置は事前の措置でありまして、一般に対し、先行きについてみんなで注意して、均衡ある経済の発展を持続するようにしていこうじゃないかという、一つの警告だと私は思うのであります。そうして、初めてこれが一般に協力してもらって効果を発するものだと、こういうふうに解しております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 これは山際さんに聞かなければわかりませんけれども、すでに日銀はこの九月ごろに金利の引き上げの議を出されておりまして、ちょうどそのころ、佐藤大蔵大臣は、そんな必要はないということも言われておりますし、これはあとで大蔵大臣に質問しますが、どうもそういう点が——これは谷口さんに責任を負わせるわけではございませんけれども、どうも、山際総裁という人は、はっきりしないのじゃないか、優柔不断ではないかということがいわれておるわけであります。これは谷口さんに悪いけれども、私はきのう佐々木理事に会ったのですが、どうも副総裁のときにもいろいろごたついた。これは大蔵大臣にも私はここで聞いたこともありますけれども、私はそういうことまで追及することはできませんが、しかし、せっかくいい時期であったと思われる九月にやらないで、この暮れの師走になってやるということが、どうも納得できない点であります。そういう点について、どうも大蔵大臣の圧力で今までとめておったんじゃないかというふうに思われるが、そういうことがあったのかないのか、こういう点も一つ伺っておきます。

谷口孟日本銀行副総裁

○谷口参考人 これは、われわれは、日本銀行と大蔵省とは各段階におきまして随時意見の交換をいたしております。従って、このたびの問題につきまして、われわれは九月ごろに金利引き上げということを考えたことはありません。昨日実施いたしました金利の引き上げは、ずっと情勢をながめてきて、そうしていよいよこれからここらで警戒信号を出すのが適切だ、こう考えてやったことでありまして、おっしゃるようなことは少しもございません。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 どうも谷口副総裁を責めても仕方がありませんので、あとで大蔵大臣に聞きますけれども、ただこの次に第二次の金利引き上げをやるのかやらないのか。そういう意見もありますけれども、そういう点は日銀側はどういうようにお考えになっておりますか。最後に一つお尋ねしたい。

谷口孟日本銀行副総裁

○谷口参考人 公定歩合の操作は、これは経済の情勢によることなんであります。従いまして、今から、引き上げるとか引き上げぬとか、そういうことは申し上げられないのであります。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 それで大蔵大臣にお尋ねしますが、大蔵大臣は、当委員会において、われわれ及び同僚委員から金利引き上げの問題についていろいろ質問いたしましたら、絶対にやらぬ、そんな必要はないということを言っておられました。しかも、九月に、山際総裁が準備預金制度のときにもそういう話があったのですけれども、絶対にそういうことはやらぬ、しかも先月の上旬にも絶対にやらぬと、こう言っておられながら、今度は急にこれを実施することに同意されたというのは一体どういう意味なのか、その点を一つお尋ねしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 これはぜひ私の方からもお話しをして、御理解を得たいと思っておる点でございます。夏、準備預金制度が発足した。これは、もうすでに在来の行き方だけでなしに、金融側においても十分注意してもらいたいということを多分に含んだものでございます。それで、ある程度の効果が上がるかと実は思っていたけれども、経済が膨張拡大する場合には、なかなかこの種の事柄だけで十分の効果を上げるものでもございません。その後経済の動向を十分見きわめておりますと、一部の物価が飛び上がるということもございますが、物価自身がジリ高である。毎回私ども皆さんからお尋ねを受ければ、こういう景気上昇の際は物価が強含みであることは当然だ、こういう表現でその事態を説明をいたしておりましたが、とにかくジリ高であるということは、これは一つ見のがせない事柄でございます。このジリ高であるところへ持ってきて、たとえばゴム等の国際物資が急激に上がっていくとか、あるいは電気銅、アルミ等が相当高くなる。また、設備投資は、操業度が八〇%をこした状況になって参りますと、全般として非常に設備投資の意欲が強い。これも、ものによりましては、もう一〇〇%というようなものが計算の仕方によっては出てくるというようになっておる。そうするとやはり設備投資は非常に旺盛でございます。それから、産業の面においての隘路がなくて大体バランスがとれておるから、強含みであってもあまり心配はないということを申しましたが、たとえば電力であるとか輸送の面においては、鉄道の沿線滞貨なども相当ふえて参っております。御承知のように、一日四十五万トンの輸送力のものが、もうすでに百五十万トン以上になっておる。こういう事態である。電力などは、最近の渇水ということも影響しておりますが、冬季について、あるいは一部大都市等においては不足を招来するんじゃないか、こういうことを実はいわれる。そういうようになりますと、経済の動きについては非常に注意をしなければならない。日銀としては、銀行券の増勢、そういうことも一つの問題でありましょうし、いろいろ勘案いたしまして、山際総裁は、名古屋において、十一月の上旬でありましたか、公定歩合引き上げやむを得ないかというような談話を実はされた。私は急速これを打ち消しました。これを打ち消しましたのは、この種の事柄は経済に非常に思惑的な動きを誘発する危険もある。これは私が申し上げるまでもないことであります。この公定歩合を引き上げても引き下げても、非常に経済に影響のあることでありますが、事前にそういうことがうわさされ、そしてそこに思惑を誘発することは、経済の異常な活動を招来しやすい。そういうことを考えてみますと、真意が誤解されることは非常にまずい、かように私感じましたから、山際君の名古屋における談話というものを実は打ち消した。幸いにいたしまして、大体経済は本来の持つ力において行動しておる。いわゆる思惑をとめたという効果が十分出て参ったように思います。  ところで、経済状勢についてのいろいろの見通しを立てて参りますと、私どもがこの一年の中で気をつけなければならないことは、やはり年末金融、これは十分に考慮に入れなければならない問題であります。そういたしますと、公定歩合を引き上げるという時期、その時期をいかにするかということが一つのポイントなんです。先ほど来申しますように、経済の動きそのものから見ますと、金利の経済調節的機能、これをやはり取り上げざるを得ない段階になっておる、かように考えますので、この点は、しばしば申し上げておるように、私どもは国際金利にさや寄せするということを言っておる。そういう意味では低金利政策を堅持したい。しかし、一時的に金利の経済の調節的作用もあることは見のがすことができませんということを、毎委員会等においてお尋ねには答えて参ったと思います。この長期についての態度に変更を来たしたわけではございませんが、経済的な調整機能をここで発揮さす必要あり、実はかように考え、年末金融についての混乱等も、時期がこの程度ならば支障はないだろう、こういう見きわめをいたしまして、今回の措置をとったわけであります。しかし、これは、先ほど谷口副総裁からお答えいたしておりますように、どこまでも予防的の措置である。この点には変わりはございません。この予防的措置と申しますのは、金融側にとりまして、準備預金制度等で、常に日銀なりあるいはその日銀の窓口規制なりその他から、相当慎重な態度をとっておりますが、企業者側あるいは資金需要者側の方から見ますと、同じ金利でそのまま持続して参りますことは、あらゆる警戒的な意見を発表いたしましても、なかなか自粛自戒できるものではございません。やはり現実に金利自身が変動するということ、これこそは企業者側に対しても積極的な協力を求める、また今日の事態についての十分の注意を促す、そういう予防的効果をねらっての金利の引き上げでございます。そういう意味で、日銀総裁の談話を打ち消した直後、二週間たつやたたずでこのような措置をとったこと、これについて御批判をいただいておると思いますが、ただいま申しますように、経済の非常に敏感な点を考えて参りますと、責任ある人たちはいろいろな思惑を誘発するような言動は厳に慎むべき事柄だ、こう私は考えておるのであります。また、今回の事柄は、これを抜き打ちにやられたと言われますが、この種の事柄が抜き打ちにやられるのは当然でありまして、これをもし抜き打ちにやらないとしますと、私どもが心配するようないろいろな弊害を生ずる。従って、この種の事柄は、実行の段階まで厳秘に付されるのは当然のことであります。私は、その意味においては各方面の協力を得た、かように考えておる次第であります。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 いずれ山際さんにも聞いてみたいと思うのですが、御存じのように日本の金利は非常に高い。これは先進国に比べまして四分も五分も高いといわれておるわけです。今度の金利引き上げで、年間大体七分三厘という高い金利になるのですが、こういう金利政策で一体いいのか悪いのか。大臣は将来低金利を維持されるのか。現に今の日本の金利は高いということは御存じだと思うのですが、アメリカなんかに比べても非常に高い。そういう点についてどういう見解を持っておられるのか。この際関連してお尋ねしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 政府なりあるいは日銀なりが平素考えております、いわゆる国際金利にさや寄せするという基本的態度に変更はございません。どうかその点は長期間にわたって見当をつけていただきたい。しかし、私どもは、先ほど申しましたように、金利というものが経済調節の作用があるということは、見のがすことができないのであります。できるだけ短期的にこの種の措置がりっぱに予防的効果を上げて、そしてさらに金利を引き下げ得るような情勢ができれば、大へんしあわせだと思います。今回の措置はそうでございますが、基本的態度には変更のないこと、これは一つ御了承いただきたいと思います。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 一説には、今度の金利引き上げは、この次の予算との関連から、インフレ傾向になるおそれもあるというようなことでやられたのじゃないかという説もあるわけですが、そういう点の真意は一体どこにあるのか。思惑でなくて、正しいことを言っていただきたい。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 予算との関係はございません。金利そのものは、本来日銀におまかせしていい事柄でございます。これが国会等においてしばしば論議もされておりますが、英国の例あるいはアメリカの例等を見ましても、公定歩合の問題は金融機関にほとんどまかされておるという状況でございまして、これは政治的にとやかく関与することはいいことではないと思います。ことに、中央銀行法の改正等につきまして、金融の中立性ということが強く要望されておりますのも、そういう点だと思います。しかし、政府は、財政、経済、金融全般についての最終の当の責任者だと考えております。いわゆる中立性だと申しましても、日銀だけの責任において処理されるものじゃないと思います。そういう意味においては、政府自身も、こういう問題をまかせ切りにしてはおかないつもりであります。しかし、私の方が、積極的に、今言われるような政治的意図と結びつけて、どうこうというようなことをすべき筋のものじゃない。また、そういう考え方でやりますならば、おそらく日銀自身も絶対にこれに賛成されないと思います。  これは、今日の経済情勢の動き、金融のあり方等を見まして、最も時宜を得た処置だとして、完全に意見の一致した事項でございます。  そこで、来年度予算の編成についてのいろいろの御議論もございますが、今まで新聞等に伝えられておりますように、私は、こういう際は、特に予算の編成に当たりましては、中立性を堅持すべきじゃないかという基本的な考え方をいたしております。従いまして、今までも新聞等に一部出ておりますように、いわゆるインフレ・マネーを使うことは、この際は極力避けるべきだと強く反対をしているというのは、そういう観点に立ってのことでございます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 今度日銀が金利の引き上げをすれば、同じく市中銀行も引き上げをしてくるということで、現に全銀連も、同じように二銭に上げようということになっております。そういうことになると、一般の中小企業者が、せっかくどうにか落ちついたときに、銀行の引き締めのために、暮れになって相当困るのじゃないかというようなことが考えられるわけです。そういう点で中小企業だけしわ寄せになるような危険があるのじゃないかということを心配しておるのですが、そういう点大臣はどういう見解を持っておられるのか、その点もお尋ねしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 標準金利も、おそらくこれに追随して適正化がはかられるだろう、かように私どもは考えます。この適正である点については、私どもも異存を申すつもりはございません。言いかえますならば、一厘程度上がることはやむを得ないだろうと思います。ところで、実際の金利のあり方等は、これは金融機関にもよほど注意していただかなければならないのですが、最近の経済動向を反映いたしまして、競争の面が弊害点として相当出て参っておるように思います。こういう点は、こういう際には特に慎んでいただくということが望ましいと思います。  そこで、佐藤さんのただいまの御意見にもありますように、この種の処置をとればいつも中小企業が圧迫を受けるのじゃないか、こういうようなお話をしばしば聞くのでございます。今回の処置等におきましても、少し早目に措置した事柄でございますが、年末金融等について、百億を中小関係の公庫その他に手当いたしましたことも、こういう点を十分考えて、中小企業にしわ寄せされないようにということを実は考えておる次第でございます。ところで、この百億では足らないじゃないかというようなお話もしばしば聞きます。問題は、金利が安くて、質と量といいますか、金額の多いこと、これが非常に金融として要望されるところでございますが、この資金量あるいは金利のあり方、これはやはり経済の動きと結びつけて考えていかなければならない。そういう意味においては、ひとり大企業ばかりが自粛していただくわけではなくて、中小企業の面においても同様な要望をしなければならない。ことに、日本の産業構造の面から見まして、中小企業の持つパーセンテージの大きいことを考えますと、中小企業の金融を痛めつけては相ならないが、やはり経済の動向、これを健全な方向へ持っていくためには、中小企業の方々も積極的にぜひとも御協力が願いたいことであります。私は、資金的な問題といたしましては、今後の動向を十分見て参るつもりでございますが、もし必要とあれば、さらにその点で私どもが工夫をすることは当然でございます。その点ではあまり御心配をかけなくて済むかと、かように考えます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 こういうような問題がいつも中小企業のしわ寄せにならぬように、一つ十分に警戒していただきたいと思います。  それに関連して、最近株価が非常に上がってきております。とうとうダウ平均千円以上の高値になっておりますが、一体どれくらいの値段が適正価格であるか。大蔵省も、最近は証券界に相当乗り出して、いろいろやっておられるようでありますが、その点についての思惑的な問題、そういう問題についていろいろ心配される点があるのですが、こういう点について大臣はどんなようにお考えになっているのか、この際証券界のことについて一言お尋ねしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 株価が一体どこが適正か、これは非常にむずかしいことでございます。どの程度が適正か、かように聞かれましても、私自身その辺はまことにしろうとでございまして、なかなか申し上げかねますが、ただ、今御指摘にありましたように株価が非常に高い。その事柄がいたずらに経済をあおっている形が非常にある。ことに、大蔵省といたしましては、企業の資本構成について特段の留意をしておりまして、戦前は自己資本三分の二平均くらいのものが、戦後においては三分の一に落ちた。最近の状況を見てみますと、この資本構成を十分考えることが必要だ。こういう際に株価が高いということは、一面増資あるいは社債等を増額し得るようなチャンスのようにも考えますが、そういう方向に持っていかれないで、この株価が高いことで非常に投機的に資金が使われる。これは経済の健全な方向から見まして望ましいことではない。かように実は考えております。今回の公定歩合の引き上げがさつそく株価に影響した。これは当然のことであります。単に予防的措置とは申しますが、この種の影響は当然あってしかるべきだ、かように私ども考えておりますので、今回の予防的措置が経済の面に現実に株価の面で現われておる。これは私どもは一つのいいことと思っております。ただ、株の問題自身は、今回の一厘引き上げが一体どの程度まで効果を続けて参りますか。今日の経済の統制あるいは経済の拡大傾向というものから見ますと、株の問題は金利だけで解決すべきものではない、かように私ども考えておる次第でございます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 きのうも株が下がったそうでありますが、それと関連して、絶えずこの委員会で問題になりました景気過熱の問題であります。大臣はその心配はないというような意見もあったのですが、どうも伊勢湾台風の関係もありますが、そういう点の心配が決してなしとしない。こういう点について大臣はどんなようにお考えになっておるのか、その御意見を承っておきたい。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 今まで申し上げておりますように、経済そのものが拡大傾向にある。いわゆる過熱という事態を招来しているとは実はまだ感じてはおりません。しかしながら、今にして予防的措置をとらない限り、十分の手当にならないだろうということを実は考えておるのであります。そこで、今回の予防的措置というものは、もう賢明な皆様ですから説明をつけ加えなくてもいいかと思いますが、いわゆるある程度これがブレーキ的効果があるかいなかという問題でありますが、準備預金制度にしても、今回のものにしても、ある程度ブレーキ的効果はあると思います。それは予防的措置として当然なことだと思う、しかし、過熱としてとられた処置ならば、経済を引き締めるという方向で物事を考えていくのでありますが、今回はただいま申すようにブレーキ的な効用以上に考えておらない。いわゆる経済の膨張そのものをとめるとか、あるいは縮小方向へ持っていくという考え方でない。この点は誤解のないように願いたいと思います。しかし、これをやりました結果が、各方面でいろいろの考え方をされる。そういうところが予防的措置の措置たるゆえんである。そういうところに効果があるわけでございます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 最近池田通産大臣の意見を聞くと、むしろ物価は横ばいだからそう心配ない、積極的にやれという意見を言われるし、それから、菅野経済企画庁長官は、国際収支が非常に都合がいいから心配することはないという楽観論を言われるわけです。ただ一人大蔵大臣だけが、どうも物価の抑制をしなければいかぬというような意見で、同じ内閣の中で相当意見の食い違いがあるように考えておるのです。こういう点について、国民は、一体だれの言うことがほんとうなのか。それは、それぞれ通産大臣あるいは経済企画庁長官の立場もありますので、大蔵大臣の立場と違う点はわかりますけれども、岸内閣の経済政策はどうもポイントがいろいろあるのじゃないかというようにいわれるわけです。こういう点について大臣はどういう御意見を持っておられるのか。やはりわれわれは中心は大蔵大臣だと思いますが、そういう点どうも国民が迷っておる点がありはしないかと思いますので、その点はどういうように解釈しておられるのか、この際お尋ねしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 新聞の伝えるところはいろいろでございます。しかし、基本的な考え方は相違はないと私は確信をいたしております。ただいま企画庁が発表いたしました月例報告はいかにも楽観的な発表だ、そのとたんに金利を引き上げた、大へんな違いじゃないかというような御意見が一部にあるやに伺いますが、あの月例報告は事態そのものをそのまま実は紹介しておるわけでありまして、この材料の中からも、危険なものがあるか、予防的措置をとる必要ありやいなや、こういうような点が出て参るわけであります。従いまして、月例報告としては、経済のあり方を如実に説明するということに特に留意をいたしております。今後の問題としての注意すべき事項というような事柄は、わずか一行か一行半くらいに書いておる。そういうところが、いわゆるくろうととしては見のがすことのできない点であります。そういうことを申し上げますと、閣内において意見が不統一だといわれるかもしれませんが、そういうことは絶対にございません。それぞれの方々でそれぞれの見方があるだろうと思いますが、ただいま申し上げるように、私は完全に意見は一致していると確信しております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 どうも責任は新聞にあるようでございますが、現実にはちゃんと新聞記者会見で三大臣が発表されていることであって、その点無責任だと思うのですが、都合が悪ければ、新聞が書いたと、こう言われる。しかし、国民は、新聞の書いたことを——しかも、これは、新聞の方で勝手に想像で書いたのではなしに、やはり記者会見で発表されたことが世間に発表されているわけです。こういう点については私たちも経験を持っておりまして、前提が抜けたり、あるいはその他記事の内容もありますけれども、少なくとも言われたエッセンスのことについては、これを新聞のせいだということに付せ去るのは、あまりにひど過ぎる。特に、池田通産大臣と佐藤大蔵大臣との間には、同じ経済閣僚でありながら、だいぶ意見が違うじゃないかということを、私たちはいろいろな点で考えているわけです。この点について、もう一度納得のいくように大臣から説明していただきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 この点は新聞等で私はいろいろ警戒的な言辞を出したつもりですが、なかなか、警戒的な言辞というものは、先ほど申し上げましたように、非常に経済界に思惑的な動きを誘発する、こういう意味で非常に心配なものであります。従いまして、発言の効果をそれぞれ考えていると思います。従いまして、ニュアンスはそれぞれやや違っているような発言はされますが、基本的な動きとしては一致している。この点ははっきり申し上げ得るところであります。特に、昨日など、池田君なども、朝刊に出ているところを見て、大へん成功しているじゃないか、うまくいっているじゃないかと、そういう話まで実は出ているのです。そういう意味でこれはごらん願うと、けっこうかと思います。ただ、言われておりますことは、やはり経済は拡大方向に持っていきたい。先ほど来何度も申し上げておりますように、経済は拡大方向に持っていきたい。従って、拡大を縮小方向べ持っていくような相違のないことは御承知だと思う。拡大方向に持っていく場合に、特にブレーキをかける必要がある。これはその処置として出ている。従いまして、月例報告等の審議にあたりましても、もう池田通産大臣は十分了承しているので、こういう事態に対して大蔵大臣、日銀総裁が処置すること、これは当然ではないかというような発言をしている。その発言は公定歩合をどうこうしろというようなことは言ってはおりませんが、そういうようなことですので、御了承願いたいと思います。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 谷口さんにもう一点お尋ねしておきますが、一厘上げたという基準はどういうところにあるのか。大蔵大臣は日銀にまかせたと言われておりますが、この歩合の上げ方の基準になったものはどういうところにあるのか、われわれに教えていただきたい。

谷口孟日本銀行副総裁

○谷口参考人 一厘上げにいたしましたのは、このたびの引き上げは、すでに過熱して急ブレーキをかけなければならぬという事態ではない、事前の予防的措置でありますので、一厘程度がこの際としては適当である、こういうふうに判断したわけでございます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 そうしますと、大体こういう金利の値上げで一応安定圏をとる。おそらく、この次に、もし物価が下がらなかったら、また第二次の金利の引き上げをやるのではないかというようなことを質問しても、大蔵大臣はそんなことは言えないと言われると思いますか、しかし、一体含みとしてはこの低金利政策を貫いていかれるのかどうか、あるいはこういう金利の引き上げというものは一時的な現象であるのかどうかということを、大蔵大臣に伺いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 先ほど来申しますように、政府なり日銀なりといたしまして、金利のあり方についての基本的態度に変更はございません。これはどこまでも国際金利にさや寄せするという低金利政策を貫く態度でございます。ただ、時期的な問題として、経済に対する調節的効用というものをねらっての金利の変動はございますということを申し上げておるわけであります。私ども、基本的に、ただいま申すような国際金利にさや寄せするということを考えておる立場から申しますならば、今回の予防的措置が十分予防的効果を発揮して、今後の処置をとる必要のないような経済状態であってほしい、そういう意味で、金融機関にも、企業体に対しましても、心から強く協力方を要望しておる次第でございます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 同僚議員の質問もありますから、最後にお尋ねしておきますが、中央銀行のあり方についてはいろいろ論議があって、昨年来日銀法の改正という問題がいろいろあるわけでございます。今度の金利の引き上げの問題とからんで、日本銀行のあり方がこれでいいのかどうか。これは大蔵大臣だけの責任ではありませんけれども、中央銀行のあり方ということが今大きな問題になっておりますが、そういう点について大臣はどんな御意見を持っておられるのか、その点を伺っておきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 先ほどもちょっと触れましたが、金融の問題に積極的に政治が関与するということは、望ましい形だとは私は思いません。従いまして、今後のあり方といたしまして、やはり金融の中立性というか、あるいは中央銀行は中央銀行の独自的な見解によって金融情勢に対処していくべきだ、そういう意味に権限を拡大されることは非常にけっこうだと思います。ただいまでも、公定歩合の問題は、これは日銀総裁が発意できるというか、日銀総裁がやることであって、政府からどうこうしろということを言うことは、政治的関与のあることで、あまり望ましい姿ではございません。しかしながら、政府としての責任は、おそらくあらゆるものについて責任を問われるでしょう。ことに財政、金融というものを二つ結びつけての最終的責任は政府にある、こういうことでございますから、その立場から考えますと、政府は政治的な関与はしないと申しますが、その責任を最終的には引き受けるのだという立場においての考え方は、機会あるごとに十分これを金融機関にも連絡しておく必要がある、かように考えております。銀行法の場合におきましても、この点についてはほとんど議論はないようであります。ただ、最近は、ひとり金融ばかりではない、火事があったといっても政府の責任、風が吹いても政府の責任、また病人が出ても政府の責任、どこそこで自動車の事故があっても政府の責任といわれますが、そういう意味とは事変わって、財政あるいは金融というものの最終的な責任はやはり政治の負うべきものだ、そういう意味においての法規の根拠は十分明確にしておくべきじゃないか、かように私は考えております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 もう一点だけ伺っておきたいと思いますが、今おっしゃったように、政治責任はやはり大蔵大臣が負うべきものだと思いますが、この金利の引き上げの問題については、もうすでに九月ごろからだいぶいろいろ論議もあり、しかも、山際総裁からも、これはいろいろな機密に関する問題であって、非常に影響力が大きいからという話もあった、先ほど大臣もそう言われたんですが、ほんとうの真意は、いろいろ新聞なんかにも、日銀はそういうことに積極的であったけれども、大蔵大臣はがんとして応じなかった、しかし今度はやむなくしぶしぶこれに応じたというような意見も出ておるわけです。そういう点の真相を尋ねたって、なかなか大臣は要領がいいから言われませんけれども、やはり日銀がそういうような態度をとっておるから、これは適切だと思ってやられたのか。あるいは、日銀の方から急に最近の景気の過熱の傾向からやられたものであるか。それは他日の参考になりますので、そのことだけお尋ねしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 大へんむずかしいお話でございます。私どもはもちろんどういうように批判されようとけっこうでございますが、御承知のように、先ほど来申し上げますように、金利を安くというか、国際金利にさや寄せするという基本的な態度をとっております。こういう事柄が日本の国内物価等に対しても好影響をもたらし、貿易拡大の面でも黒字基調を続けるゆえんだと思う。そういうことを考えますと、非常に積極的に金利の咲き上げに大蔵当局がいつも賛成するものでない。これはどういう表現があろうとも事実でございます。しかし、今回の問題に関しましては、その間に何らの異論なしに時期的な検討が遂げられ、そうして措置がとられた。この一事だけは私そのまま御披露できることでございます。これは絶えず気をつけなければならないことでございますが、またあらゆる機会においていつもお話を申し上げておることでございますが、経済自身はとにかく拡大方向に持っていかなければならない。その拡大方向に持っていく場合に、あらゆる努力をしてこれが健全性を維持したいということに、特に私どもは留意をしておるわけであります。これはひとり金融だけの問題ではございません。政府の施策がいろいろ各方面にも影響をもたらすのでありますから、そういう意味において、当面しておる経済の実勢と申しますか、情勢というか、その判断につきましては、絶えず事務当局あるいは日銀当局と連携を緊密にいたしまして、その間にあまり意見の相違のないように、事態の認識に間違いのないようにということを期して参っております。それぞれの時期にそれぞれの施策が講ぜられる、かように御了承をいただきたいと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 関連して二、三御質問したいと思います。  今、日銀と大蔵省の関係について佐藤さんから御質問がありましたが、どう見ても世間はこう見ておるのです。日銀法を中心にして大蔵省と日銀とけんかしておる。今回もそのあおりがきている。だってそうじゃありませんか。八日に名古屋で総裁か上げると言う。十日には大臣が上げないと言う。そうして、帰ってきた山際さんは、現在は上げないのだと言い直す。そうすると、十四日には、あなたは、いや、もう考えないのだ、こう言う。そうすると、今度は、池田さんが上げたっていいじゃないかと言う。それで上げた。意見一致でございます。その辺がどうも釈然としないのです。私は、人格豊かな佐藤さんのことですから、一ぺん上げないと言っておいてぽっと上げるについては、山際さんの顔をつぶしたことになるのですから——あなたのきょうの答弁の御趣旨はよくわかりました。けれども、結果としては山際さんの顔をつぶしたことになるのです。ですから、少なくともまあことし一ぱいは上げないだろうというふうに見るのが、やはり一つの筋であったと思う。私の言いたいのは、けんかの話でなくて、山際さんの顔を結果としてつぶした格好になるにもかかわらず、今上げなければならぬということに意味があると私は思うのです。そこに、実は、経済の認識について、私どもがよく議論をしておかなければならぬところがあるのではないか。言うなれば、あなたは予防措置だとおっしゃっておる。予防措置というのは、走ってくるとあぶないから、ここに一つ置いておこうとか、ブレーキをかけておこうということなんです。今のあなたの言っていらっしゃったこと、おやりになっておることは、やっておきましょうでなくして、今やらなければいけないのだというふうに私は感ずる。つまり赤信号、青信号、黄信号と三つ並べてみると、だいぶ前ですが、日銀の政策局長でしたか、黄信号だと言ったけれども、今は、黄でなくて、赤と黄とのまん中のダイダイではなかろうか。あなたはそうお考えになっているのではなかろうか。希望としては、今あなたは経済がそのままずっと横すべりしてほしいとおっしゃるが、腹の中ではそうはお考えなさるまい。今、予防信号ではあるけれども、実は、過熱とはいわぬけれども、熱くらいはいっておりはせぬかというお気持があなたの腹の中にあっての話ではなかろうか。その辺について、私どもと意見の食い違い、認識の相違があってはいけませんから、もう少し、あまりいろいろなことを言わなくてもいいですから、簡単にさわりだけ言って下さい。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 先ほど来の私の意見なり、またただいまの横山委員のお話、その時点ということは非常に大事なポイントでございます。これは私もその通りに思います。この時点はあるいは少し早いという感じがするかもしれません。ただ、問題は、年末金融というものが一つあります。この年末金融は日本経済の特殊性ですから、そういうものに対してなるべく支障のないように、そしてそれをはずした後に、それでは今後どういうように経済が動くかという点も十分考えなければならない。そういうことを考えて参りますと、時期的には非常に時を得た措置じゃないか、かように実は思うのであります。今日ならば、日銀も申しておりますように、私どもはっきり予防的措置ということが言えますが、これがもう少し経過した場合においては、あるいは予防的措置ではおさまりがつかなくなるかもしれない。これはそれぞれの情勢の判断でございます。これは将来のことでありますから、あるいは将来二、三カ月たちましても、金融機関なりあるいは企業家側なり、十分協力を得て自粛の効果が上がって参るかもわかりません。そういうことはわかりませんが、まず責任の地位にある者から見て時期を選ぶとすれば、今回の時期が非常にいい時期である、私はかように確信をいたしております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 なかなかさわりらしいところが出てこないのでありますが、以心伝心と申しましょうか、あなたのおっしゃるようなこともわからぬではないのであります。それでは、逆にお伺いしますが、今公定歩合を一厘引き上げる前に、普通だったらもっと打つ手があったはずです。少なくとも準備預金制度の準備率を引き上げることによって、まあ一丁にいかぬにしても、半丁くらいのことはできたはずです。それもしないで、山際さんの顔もつぶして、そうしてやらなければならぬところに、今日の景気に対する過熱論とは言いたくないけれども、しかし熱がずっと上がってきているのだから、予防措置ではない、今やらなければならないという気持が、あなたの経済分析の中にあるのじゃないか。私は、あなたが予防措置、予防措置とおっしゃるけれども、そうではあるまい。過熱論とはあなたも思っていないだろう。真実はその中間にあるのじゃないかというふうに判断をしておるのです。私自身の考えは時間がありませんから申しませんけれども、政府のやろうとしておることと、腹の中で考えておることと、口で世間に予防と言っておることとはズレがある、こういうふうに感ずるわけです。それが違うなら違うと言ってもらいたいのですが、もう一度逆の面から伺いましょう。  この筋をずっと追っていくと、あなたはどうしても腹をきめなければならぬところに突き当たる。それはいろいろあるけれども、例をあげるならば、公債発行の問題、今一厘値上げをした道をまっすぐに歩いていくならば、公債を発行してはいけませんよ、私はこう思う。あなたがそこでまた公債を発行するということならば、これは一体何だという話になってくるわけです。その辺はいかがですか。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 先ほど来申しておりますので、それでもう誤解はないことと思っておりますが、さらに念を押されますが、私は、公債といわず、インフレ・マネーは一切使わないという決心をいたしております。これだけははっきり申し上げていいことだと思います。問題は今日の当面しております問題ですが、先ほど来いろいろ日銀の貸し出しという話が出ていますが、貸し出しが必ずしもふえているわけではございません。貸し出しは昨年の同期に比べてむしろ減っている。今おそらく二千四百か二千五百の程度です。これはまた年末になれば模様は一時的に変わるだろうと思います。ただ、銀行券の増発は、これは先ほど谷口副総裁もおっしゃっておりましたが、一八%もふえておる。これは非常なものだと思います。この点では金額的にも非常に大きくなる。これは一体どういうことなのか。これは、申すまでもなく、ことしは非常に食糧事情がいいといいますか、一部には災害も受けましたが、非常に豊作である、あるいは輸出が依然として堅調を持している、こういう点がそれぞれ出ておることでございます。そういう意味から今回の処置が望まれたということであります。私は、そういうようなところをいろいろ勘案いたして参りまして、こういう事柄については十分事態を認識して、しかる上で処置すべきだ、かように考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 大臣が明確にインフレ政策はとらぬとおっしゃったのですから、てにおはのことをあまり言おうとは思わないのですが、大体この臨時国会の審議を通じまして、あなたの言動を通じて、来年度の方向というものは少しずつ出ているわけです。公債発行をしない。それから減税はしない。同時に増税もしない。間違いないですね。そういう方向が出ているわけです。ただ、それは太い柱で、横町は別だということになりますと、問題がありそうな気がするわけです。たとえば、公債発行にしても、国鉄だって電電だって建設公債を発行しているから、治山治水特別会計を作って、そこの建設公債ならば何も関係がないじゃないかという意見もあるわけですが、しかしこういうことは私はインチキだと思うのです。あなたは、その言うところの、政府の中心になっております公債発行論是か非かということは、今日発行されておる三公社とかそのほかの公債、金融公債、そういうものはそれなりにリミットとして、新たに設定する公債、それが特別会計の建設公債であろうと何であろうと、新たに発行される公債についてはやらぬのだ、こういう立場であろうと思うが、いかがですか。これが一つです。  それから、もう一つは、この間政務次官にえらい御苦労を願ったわけですが、たばこや酒についての増税をしないというのが大蔵省の決意であるというふうにお伺いをしておるのです。公定歩合の一厘引き上げの歩いていく道は、当然そういうような格好になると思うのですが、恐縮ながらもう一回それらの点についてお伺いしたい。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 先ほど来申し上げますように、来年度の予算の規模だとかいうことは、まだなかなか明確にする段階でございません。これはいましばらく預からしていただきたいと思います。しかしながら、私どもがあらゆる機会に申しておりますのは、これは一貫しての主張でありますが、経済に対して財政的な刺激を与えるとか、あるいは財政的にこれにブレーキをかけるとかいうことは、よくよくの場合でなければしてはいかぬ。とにかく経済は経済の力によってやはり拡大方向にいく。従って非常に停滞ぎみである、こういう場合には、財政的な援助を与えるとか、資金的な助けをしてこれを持ち上げる。しこうして、非常な急ピッチで拡大する、そういう拡大後の危険を多分に包蔵しておるような場合には、これにブレーキをかける。この基本的な考え方に変わりはございません。そういう点から、来年度の予算の性格を、私どもはいわゆる中立性のある予算ということを実は申し上げておる。もちろん、経済が拡大して参るのでございますし、また各面においての支出等をいろいろ考えて参りますと、国の経済に非常な負担を増すとか、非常な変動を与えることなしに、自然の姿におきましてもおそらくある程度の予算規模は拡大していくに違いない。しかしながら、特殊の意図をこれに加えることは、私ども避けていきたいという考え方を実はしておる。そこで、来年度の予算の中心をなしますものは、治山治水であるとか、あるいは災害復旧であるということがしばしば言われており、また政府もさように申し上げておりますが、来年度の予算につきましては、これは特に力を入れる。そういう場合に、財源的な捻出がはたして可能なりやいなや。そこで今の建設公債というような議論が出ている。その建設公債の内容等については、非常に不明確であります。一体どのくらいの規模のものを必要とするか、その辺はわかりません。私は、本来、何でもかんでも公債はいかぬとか、社債はいかぬとか、公社債はいかぬとか、あるいは地方債はいかぬとか、そういう乱暴な議論をするつもりは毛頭ございません。問題は、当面しておる経済のその時点において、一体どういうような効果を上げるか、あるいはどういうような影響があるかということを十分勘案して考えていかなければならぬというのが、そのポイントであります。ところが、公債発行の議論について、あるいは地方債を発行しているじゃないか。あるいは公社債を発行しているじゃないか。中には、はなはだしきは、内国債には絶対反対だと言っているが、外債で外国からまで金を借りておるじゃないか、一体どういうように違うのかというような議論まで——同じ字が使われるだけに、債務というだけで、そういうような議論まで発展している。私はこれはゆゆしい問題だと思っております。  そこで、今日まで出しておりますところの地方債なり、あるいは公社債等につきましては、いわゆる民間資金を圧迫することなしに、それぞれの民間資金によってこれが消化される、こういう点にそのポイントがあるわけであります。こういうような事態になって参りますと、民間の金融機関におきましても、いろいろ政府に協力するとしても、民間資金の需要が非常に強い際でありますから、そういうように考えて参りますと、公社債なりあるいは地方債等にしても、これを消化することに非常に積極的な御協力を願わなければならなくなってくる。これはもう申し上げるまでもないところであります。ことに金利その他についても今後は非常な問題があり得るだろうと思います。そういう場合に、今日までの事業計画においてもすでにマキシマムに達しておる、かように考えられる状況。非常に極端なことを言いまするならば、もうすでに消化が悪いじゃないか、こうまで言われておるような際に、さらに民間の金融機関の協力を求める措置はまずないのじゃないか。さように考えて参りますと、これは結局日銀において引き受けざるを得なくなる。そういうことはもう明らかにインフレ・マネーになる。そういう点は予算の中立性という面からも避くべきである。実はこの議論に終始いたしておるわけでありますが、この点は各方面でそれぞれ御批判をいただいておるようであります。しかし、これは、私といたしましては、十分自分の信念のあるところのもので今日の経済情勢に対処していく考え方でございまして、先ほど来言われるような公債と外債とどういうように違うとか、地方債とどういうように違うとかいうようなことを議論申し上げる必要はないので、今日当面している経済情勢に対していかなる処置をとるべきが望ましいか。その点から、予算のあり方なり、あるいは債券発行等についての処置を考うべきだ、かように私は思っておる次第でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 時間がありませんから、この機会にお許しを願って金融関係のほかのことを一つだけお伺いしたい。  それは、今産業界で非常に大問題となっておりまする炭労の争議に伴う金融の問題であります。私人手いたしましたところによりますと、「中山中労委会長があっせんに乗り出し、労資双方の首脳を呼び、いろいろと事情を聞いている最中、融資銀行団のある幹部は、会社側がもし労組と筋の通らない変な妥協態度をとるときは、三十三億円の融資はしてもらえないと覚悟すべきだ。何もあの金は無条件で融資するといったものでなく、会社側が合理化を実施するためには、まず退職資金用としてどうしても要るというから、融資銀行団が集まり話し合って融資することをきめた金だ。だから会社側が組合側と妥協したいのなら、会社再建に必要な金は、中山会長から融資してもらうべきだ。」こういうことを言っておるのであります。私は金融機関としては実に言語道断な態度だと思う。金を貸す以上は返してもらわなければいけない。返してもらうについては、何かの担保なり保証がいるという点は、これは三才の童子でもわかることであります。しかしながら、このように、おれの言うことを聞かなければ絶対に金を貸さぬとか、組合側と妥協することは絶対けしからぬとか、こういう態度が、今日の日本の重大問題であります炭鉱争議に、もしも影響があるといたしますならば、また中山あっせん案が不調に終わった有力な原因といたしますならば、これはゆゆしい大事だと思う。本委員会は、従来から、金融機関が私企業に対して金融をもって介入をすることには、厳重なる警告もいたして参りました。また人事の支配についても厳重なる態度をとって参ったわけでありますが、なかなかその跡を断たないのであります。政府は炭労の争議の金融についてどういう態度をとっておられるのか。また本件について承知をしておられるのか。承知していられないにしても、このような金融機関融資あっせん団の態度については、いささか考えさせられるべき点があるのではないか。労働争議というものは未来永劫続くものではありません。長期にわたりましてもいつかは妥結し、いつかは労使双方一体となって炭鉱の再建にかからなければいけない。すでに株価は、そういうことが時間の問題としてわかっておるから、三十円が四十円になり四十八円になって回復をいたしておる。そういう状況の中で、なおかつ融資あっせん団なるものが、かかる態度をもって、炭鉱資本家なりあるいは中労委に対して圧迫をかけるというのは、言語道断だと思うのでありますが、大蔵大臣の御意見を承りたいのであります。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 政府は全然関与しておる問題じゃございませんが、ただいまの炭鉱事業に対する整理の問題、これは純経済的な問題からあわせて政治的問題にも実は発展しております。従いまして、その種の問題についての意見発表は慎重であるべきことが望ましい、かように私は思います。今言われますように、新聞が悪いというわけじゃございませんが、新聞に出ておる記事自身が真意なりやいなや、これは十分確かめる必要があることで、ただ新聞にもっともらしいことが書いてあるから、これは事実だろう、かように結論を出すことはいかがかと私は思います。問題といたしましては、政府も金融につきましてまだ積極的に関与しておる段階ではございません。これだけははっきり申し上げます。政府がまた金融自身に干渉するということは、これはもう厳に慎むべきことだ、かように考えております。ただそれは一般金融についてのあり方でありますが、ただいま申し上げますように、純経済問題からすでに政治問題に発展してくる、こういうことになると、金融機関だけではなかなか済まない場合もありましょうから、そういう場合におきましては、また政府としてもそれぞれの必要な処置は講じて参らなければならない。今、炭鉱の合理化については、通産省も積極的に業界の自主的な合理化運動に十分な力を添えるつもりでおるようでありますから、この点はその結果を一つごらん願いたい。  ただいまの問題そのものについて私の意見を徴されれば、なるほど新聞にそういう記事が出ていても、その記事だけでいきなりがんとやかましく言うということは、必ずしも適正なことでないので、十分その事態をつかんで、しかる上に措置していきたい、かように考えます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 きょうはあなたは新聞の悪口ばかり言われておるのですが、これは新聞ではないのです。日銀総裁の山際さんが顧問をやって、農林大臣の福田さんが理事長で、わが党の佐多忠隆氏が理事をやっておるりっぱな権威ある機関誌です。ですから、新聞の悪口を言えば済むと思ったら大間違い。これは一つお考え方を直していただきたい。  そこで、最近聞くところによると、一カ月六億円くらい融資あっせん団が炭鉱資本家に融資をしておるそうであります。六億円というのは何のためかというと、闘争資金であります。組合とけんかする銭はおれが貸してやるからけんかしろ、こういうことだそうでありますが、ここまで事態が発展して参りますと、いささか融資の態度については考えなければならぬのではなかろうか。私が今これをきっかけにお伺いをいたしたゆえんのものは、根本的には政府としてもすみやかに炭鉱争議の終息を進めるべき努力をする必要があったのではなかろうか。また、たといこういう機関誌に出ていたとしても、融資あっせん団が、少しも譲歩してはならぬという態度で金を貸しておるとするならば、この点はいかがなものであろうか。こういうふうな観点に立っておるわけであります。最後に重ねて恐縮でありますが、今金融資本家が月に六億円とかあるいは三十六億円の闘争資金を出して、けんかをせい、三十三億円は組合側の言うことを聞かなかったら出すというような態度が、かりにあなたがおっしゃるように一部にあるといえども、その一部が中山あっせん案を不調に陥れた相当の原因と信ずべきところがあるのでありますから、その点について銀行、金融機関に対して反省を求めるべきではないかという感じがするのであります。重ねて御意見を伺いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 今回のような長期にわたる、また非常に深刻な争議になって参りますと、経営者側に対しての資金はどこから出たとか、あるいは組合側に対する資金はどこから出たとか、いろんなうわさが出るものでございます。しかし、私は、その資金の出方が右から出たとか、片一方は左から出たとか、こういうような事柄に一々耳をかすよりも、やはり事態をできるだけ早く、労使協調の立場において、これを解決することに最善の努力をすべきものだ、かように考えておりますが、政府自身といたしましては、そういう派生的な問題、というとおしかりを受けますが、大局的な見地に立ちまして、やはり中立的な見地に立って、事態をいかに終息さすか、これを十分考えていくべきじゃないか、かように私は考えておる次第であります。ただいまの点でいろいろお尋ねはございましたが、同時にまた横山委員の御意見も多分に入れてのお尋ねでございました。私はその御意見も十分拝聴いたした次第でございます。私ども、お話のありましたような点も十分考えまして、そうして、大局的見地に立って、事態をさらに悪化さすことなく、できるだけ早く労使双方とも満足のいくような方向でこれを終息さし、また日本産業のあり方といたしましてもその健全な方向にさらに踏み出していく、こういうように処理をしたいものだ、かように実は考えております。

春日一幸社会クラブ

○春日委員 実は、本日こんな時刻になっておるのですが、私といたしましては、明年度予算の編成に関する政府の基本構想、それから基本方針などを中心といたしまして経済の見通し、それからもう一つはかねてから懸案になっております証券行政に関する政府の措置、これを中心として少し時間をいただいて大臣に御質問をいたしたいと思うのでございます。しかし、まあこんな時刻でございますから、引き続いて質問することはできがたいと存じますので、次の機会にぜひともその機会を与えられたいと思うのでございます。従いまして、大臣はいつ御出席が可能であられましょうか。委員長におかれまして、願わくはできるだけすみやかな機会に——と申しますのは、臨時国会中の会期において、本委員会といたしましては、毎会期、明年度の予算編成に関する政府の基本構想、基本方針、これを中心として深刻な経済論議をいたしておるのでございます。従いまして、当面当然その審議を尽くすことによって、国民に政府の考えておるところを明らかにしたい。この責任もあろうかと考えますので、この審議は相当早い機会にお開きをいただきたいと思うのでございます。次期委員会が開かれまするときに、大臣は万障お繰り合わせて御出席いただきたいと思うのでありますが、大臣の御都合はいかがでございましょうか。お計らいの上一つ適当に処理をお願いいたしたいと思います。

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 了承いたしました。来週なるべく早い機会において、ただいまの御希望に沿うように取り計らいます。  次会は追って公報をもって通知することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後一時十四分散会

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