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33回国会衆議院1959/11/12

大蔵委員会 第2号

発言数
55
登壇者
9
会派数
2
開催日
1959/11/12

会議録

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 これより会議を開きま  す。  専売事業に関する件について調査を進めます。  質疑の通告があります。これを許します。横路節雄君。

横路節雄日本社会党

○横路委員 塩業整備の臨時措置について、専売公社にお伺いをしたいと思います。  去る十月十三日の本委員会におきまして、小松委員の質問に答えて塩脳部長から、十月十日現在で塩業整備廃止の申し出があったものが約十万トンであるというお話がございまして、なお、その後この十一月一日から収納価格が下がりましたから、もっと申し出があるだろう、こういう御答弁でございましたが、すでに十一月も半ば近くになっておりますので、その後この塩業整備臨時措置の廃止の申し出が大体どれだけあったか、その点についてまず第一にお伺いいたします。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 十一月十日現在で本社で受理した件数について申し上げます。塩田製塩で五百五十件、海水直煮製塩で一件、温泉熱その他で三十九件、合計五百九十件、その内訳を申しますと、塩田製塩の方は面積で千五百三十三ヘクタール、約千五百ヘクタール、そのうち入浜式が約四百四十七、流下式が千九、それから枝条架その他が七十六万四千平米ございます。合計面積で千五百ヘクタール。それから、工場の数では、直空式が十二、蒸気利用式が二十二、平がまが百二十七、こういうふうになっております。それから、温泉熱の内訳では、直空式が二、平がまが三十二、蒸気利用が二、これが十日現在で集計されたところであります。  それの生産力についてでありますが、これは、工場の方と塩田の方とワンセットでやめておりますと実績でわかるのでありますが、御承知かと思いますが、今回の整備は、塩田だけやめる、また工場だけやめるということもありまして、それらにつきましては今のところ判明いたしておりませんので、能力は幾らかということは正確にはわかりかねますが、大体二十万トン程度になっておるのじゃなかろうか、かように推定いたしておる次第であります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 そうすると、今のお話で、  大体生産能力二十万トンくらいが整備の対象といいますか、廃止の申し出があった。そうすると、当初公社の方では、三十四年度が二十万トンの予定、三十五年度は十万トンの予定というふうに私ども聞いておったのですが、このままの状態でいけば、三十四年度中に予定の三十万トンに達することになるわけでしょうか。その点の見通しはどうですか。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 三十万トンと申しますのは、予算措置として三十万トン分の一応予算措置が講じられておるということでありまして、法律と申しますか、政府といたしましては、何トン切っで何トン残すとか、どことどこを切るとか、どこを残すということにはなつておりませんので、今回の塩業整備につきましては、これも御承知かと思いますが、一方将来の塩価のあるべき姿を示し、一方今回やめていく場合の補償金の基準を示しまして、それで自主的に判断をして、やめるかやめないかということをきめていくということになっておりますので、一体何万トン出たらいいんだというようなことは、政府としてはないわけでありますが、一応予算的措置としては三十万トンが予定されている、こういうことになっておるわけであります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 そこで機械製塩の点についてはどういうようになっているのか、この点について一つお尋ねいたします。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 先ほど御報告申し上げましたように、現在までに機械製塩では一件廃止の申請がございますが、その他は今までのところ一件もない現状でございます。従いまして、残ってやるという企業につきましては、今回は合理化計画書を御提出願いまして、それを臨時塩業整備審議会にお諮りすることになっております。これらの方々につきましては、一応お出し願って、それを審議会にお諮りしたのでありますけれども、審議会でもいろいろ疑義がございまして、だいぶ前でありますが、一応各企業にお話しいたしまして再提出をお願いして、その再提出されたものを目下審議会で御審議願っておるという状態になっております。

横路節雄日本社会党

○横路委員 今の機械製塩の廃止の申し出があったのはどこですか。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 三国製塩でございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 あなたの方でお出しになっておる「塩業整備臨時措置法第十一条に規定する事業合理化計画書について」というのを今拝見しておるわけですが、この二番目に「収納数量」というのがありまして、ここで「昭和三十四年度以降の塩製造者ごとの年間収納数量は、昭和三十四年三月三十一日現在の製塩施設における平年生産量を限度とする。」こうなっておるわけです。そこで、低品位の石炭をもってやっている機械製塩その他について、あなたの方ではそれぞれ関係者を呼んで、収納数量について公社の方では一応数字を示したというように聞いているわけですが、示しておれば今ここで明らかにしてもらいたい。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 収納数量につきましては、これは塩業にとって一番重要なポイントでありますので、今後の生産塩量をどうきめるかということを今年の四月末にかけまして、塩業組合中央会というのがございますが、中央会で全国の塩業者とこのことについて十分御相談をいたしました。ただいま横路委員のおっしゃったような実績主義でやるという方法をきめまして、その方法で算定をいたしまして、一応全部同じ方法できめるということで示しておるわけであります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 そうすると、今までの実績をもとにして収納数量の割当をするということだと思うのですが、今までの実績はどうなっておりますか。一会社ごとに数字を示してもらいたい。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 実績主義というと語弊があるのですが、と申しますのは、機械製塩につきましては、最近できた企業が多いので、実績だけではなかなかむずかしいので、三十三年度末現在の現在ある施設で押えて、それで三十二年、三年に動かした実績を基準にして塩量をきめる。実績をそのまま持ってくるというのでなしに、実際の施設を基準にしてきめる、こういうようにいたしておるわけであります。それで、  一応そういうことできめました塩量を申し上げますと、これは機械製塩ですから全部上質塩でありますが、井華塩業は二万三千八百トン、東北製塩が二万五千六百トン、北陸製塩が三万一千六百トン、三井塩業が二万九千五百ト  ン、崎戸製塩が二万九千トン、江迎製塩が二万八千トン、以上であります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 お尋ねしますが、今の数字、これは公社の方の許可は全部二万五千トンで許可したわけでしょう。二万五千トンで許可した。ところが、今のお話で、三十三年度末の施設、それから実績を勘案して、三菱の崎戸については二方九千トンだ。三井については三万九千五百トン、江迎については二万八千トン、東北については二方五千六百トン、北陸製塩については三万一千六百トンだ。これは、二万五千トン一で許可をされて、忠実にそのワクで施設をし、そのワクで生産をしていたものは、いよいよ今度の塩業整備の臨時措置になってくると、現在までの施設と実績で押えるということになると、公社の許可の方針に従ってやっていたものは、実際には収納数量が少なくて採算がとれないということが実際に起きてくると思うんです。この点は、二万五千トンのワクで許可を与えたのだけれども、施設はどんどんやってよろしい、生産はそれに合わせてどんどん上げてよろしい、だからそういう実績があったからそれでやるのだ、こういうのか。それとも、二万五千トンの許可だったのだから、全部二万五千トンで押えるというのか。公社は、そうでなしに、二万五千トンの許可であったけれども、会社、企業に応じて施設を伸ばし、そして生産が上がったところは、それを基準にして認めていくということは、どうでしょうか。初めの許可の方針と比べて矛盾しませんか。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 ただいま横路委員のおっしゃったこと、ごもっともと思いますが、御承知のように、今回の臨時塩業整備の法律を前国会で御審議願ったときにも、この問題について十分御批判もあったわけでありますが、従来、ことに終戦前後からわが国は塩不足で悩んで参りまして国内塩の増産に一路邁進して参ったわけであります。従いまして塩が足らない足らないということが非常な悩みでありまして、何とかふやしたいというような経緯をたどって参りました。その過程におきましてこういう機械製塩というものもできたわけでありますが、もちろん塩田につきましても流下式転換、また集約煎熬というような進歩した形体になって参ったわけであります。その間におきまして、何分塩が足らぬ足らぬ、何とかふやしたいという場合でありましたので、一応のめどとして許可数量というものはございますが、これが増産になるということについては、多目に見ておったと申しますか、そこにルーズな点があったわけでありましてそれで今回あらためて整理という段階に入りました。この段階に入りました際に、従来のずさんな点があるから、実際の点を押えて実際の設備なり何なりを押えていこうということにいたしまして参ったわけであります。従いまして今回この方針を採用するにつきまして、塩業会とも十分相談して、今後の塩量はこういうことで青めていこうということにいたして、との方針をきめて、あらためてここで現実の設備を押えてきめる、かようにいたしたわけでありますので、何分許可量ということになりますと、機械製塩では一応二万五千トンということになっておりますが、一方塩田整理につきましては、御承知のように何分多目々々に作っておりますので、それがよろしいということになりますと、実際の設備と非常にそごを来たして参りますので、すべて実際の設備を押えていくという方針をとったわけでございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 先ほど私が申し上げた事業合理化計画書のうちの第三項の「合理化計画書の満たすべき要件」という中の第一番目に、「事業損益」、「昭和三十七年度末までに繰越欠損を処理して、なお採算を確保しうるものである」ということが載っておるわけであります。そうすると、今塩脳部長から説明がありましたが、二万五千トンの計画でみな発足した。二方五千トンの許可でやった。ところが、今日一方では整理をして、一方は残っていく。その残っていくときに、二万五千トンを上回って、二万五千トンの計画だけれども、実績があったからといって三万一千六百トンのワクを与える。片方は、二万五千トンのワクだからといってその中でやっていたから、たとえば北海道における井華塩業のように二万三千八百トンのワクしか与えられない。そうすると、三万一千六百トンのワクを与えられた会社と二万三千八百トンのワクを与えられたところでは、二万三千八百トンのワクを与えられたところはますます採算がとれなくなってくる。そういう意味で、公社の方でこの合理化計画を進めていく、しかも、三十七年度の末で、ここにございますように繰越欠損の処理をしていくというのであるならば、一応ここで二万五千トンの計画についてその企業についてある程度機械施設その他をするならば、二万八千トンなり三万トンになり三万五千トンになるという見通しがあるならば、そういう点についてワクを与えて近代的な施設をして、必要かあれば資本の投入をやって、そうして三十七年度末におけるあなたの方で考えている繰越欠損が解消できるようにすべきだ。一方では三万一千六百トンのワクを与え、一方では二万三千八百トンのワクしか与えないというのは、公社の塩業整備の措置としてはどうも私は妥当でないと思う。この点はどうですか。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 そのワクの問題でありますが、実績主義と申しましたが、先ほど申しましたように、三十三年度末の現在の設備で押える。これが一番根本になるわけでありますが、一方で整理をやる、しかもトン当たり約三万円くらいの交付金、これは国費を使うわけでありますが、そういう現状でありますので、片方でまたそれをふやすということは考えられないことでありますので、昨年の塩業審議会の答申を見ましても、はっきり今後の新装施設はいかぬということはいわれたわけであります。従いまして、その設備を押えて、何トンできるかということを基礎にして考えてもらわないと、今回の塩業整備はできないということになろうと思うのであります。御承知のように塩は原料がただで幾らでもあります。固定費が非常に多いわけでありますので、簡単に申しますと、たくさん作れば作るだけ、安くなると申しますか、合理化はできるわけでありますが、今回は一方で、整理ということをいたしておる段階でありますので、当然ある時点で設備を押えて、それ以上勝手にふやすことは困るということでなければ、整理はできないわけであります。現に各業者とも塩量のワクをふやしてくれという個々的な要求は非常に熾烈なものがあるのでございますか、それでは塩業界全体にとって大問題である塩業整備ができないということで、十分塩業会と打ち合わせをしました結果、こういうことで押えてそれぞれの塩量をきめる、それでやっていけるかやっていけないかをきめよう、かようにいたした次第でございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 私は、今の問題については、二万五千トンのワクを守ってやった企業については、その実績で二万五千トンのワクの中で押える。二万五千トンの許可書であったけれども、施設を伸ばして今まで三万トン、三万一千六百トンをやってきているところには、それをそのまま認めるというやり方は、私は、公社の今まで許可をしてきた方針からいってこの点は妥当でないと思うのです。  なお、この点はあとでさらにお尋ねをしますが、実は北海道の——これは私ども八月に大蔵委員会で北海道にみんな参りましたときに問題になったのですが、御承知のように幌別に井華塩業があるわけですね。これは、今あなたから御指摘のように、二万五千トンの許可で、実際は第一期が二万五千トン、第二期が二万五千トンというので、五万トンの計画でいきたいということであったのですが、第二期二万五千トンでやってきたところが、今お話しのように二万三千八百トンのワクしかない。一体北海道における食料用の塩の年間の消費量は幾らになっていますかね。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 昨年度の実績で申し上げますが、食卓塩、精製塩で千四十トン、上質塩で二万八千三百二十七トン、白塩で一万八千三百七十トン、それから粉砕塩で三万四千三百二十七トン、原塩で千六百二十六トン、合計八万三千六百九十トン、それが昨年度の北海道における消費の実績であります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 ちょっと価格についてお尋ねをしたいのですが、十一月一日から上質塩の収納価格がトン当たり一万一千三百五十円、公社の売渡価格が上質塩で一万四千五百円となっておって、その差が三千百五十円出ているわけですが、この公社の売渡価格との差は何の経費を見ているわけですか。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 いわゆる、われわれ専売経費と申しておりますが、諸経費——塩を買い上げまして、それを必要なところに運搬し、必要によって保管し、それを売り渡すというのに要する経費全搬がその中に考えられております。なお、現状ではそれ以上いっているわけですが、その関係で専売益金が赤字になっているのですが、いずれにしてもその差額は経費ということであります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 その経費の内訳を一つ示して下さい。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 大きなのは回送費、その他は人件、事務費等でございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 私の聞いているのは、トン当たり一万一千三百五十円が、公社の売渡価格が一万四千五百円だった、その差は一体どういうようになっておるのかと聞いているのです。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 こまかい円までの数字は現在覚えておりませんけれども、概略申し上げますと、そのうち諸経費が大体平均しまして、ただいま申されました一万一千三百五十円と一万四千五百円との差額ではなしに、公社は御承知のように全国一本価格で販売いたしておりますので、公社の専売諸経費と申しますのは、平均して約三千五百円でございます。そのうち約二千円が回送費で、一千五百円がその他の経費、こういうようになっております。これは大体の数字でございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 回送費というと、これは当然運賃その他を含んでいるわけですね。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 主として運賃でございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 そうすると、今トン当たり約二千円の回送費がかかっているということがはっきりした。そうすれば、先ほど私がお尋ねいたしましたいわゆる北海道における食料用の塩については約八方五千トン近くあるわけです。そうすれば、できるだけ北海道の生産を上げて、そうしてこの回送費二千円というものをできるだけ軽減をしていくというのが、私は、公社として当然とるべき措置ではないかと思う。  これは総裁にお尋ねいたしますが、この井華塩業については、存続をなさる意思でこういう割当をしたのか。それとも廃止せよということなのか。これは、北海道全体としては、御承知のように井華は主として石炭をやっているわけですが、低品位の石炭を約五万トンここで使用しているわけです。今日、御承知のように石炭不況で多角経営をしなければならぬ。こういうときに、一体、公社は、この北海道の井華塩業について存続をして、この企業を伸ばしていこうというのか。それとも、どうもあまり採算がとれなくて赤字だ、合理化計画書の第三項の要件からいけば、三十七年度の繰越欠損についてもうまくいくかどうかわからぬ、だから、できればやめてもらいたいというのか。その辺は、公社の態度、方針は一体どうなのか。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 今回の塩業整備につきましては、ただいま塩脳部長から説明申し上げた通りでありまして、公社といたしましては、井華塩業にやめてくれとか存続してくれとかいうことを、積極的に意思表示するというような建前になっておらないのであります。塩業整備の必要が生じました理由については先ほど説明のあった通りでありまするが、とにかく、現在の設備では内地の塩の生産が必要以上に増大いたしまするので、これをある程度に整理をしたい。その整理の方法といたしましては、塩価の方針を明らかにいたしまして、その塩価に基づきまして自己の企業採算を行なう。そうしまして、非能率採算でとてもやっていけないという見通しのものは廃止申請を出し、残りたいというものについては企業合理化計画書を出してもらう。ただし、この企業合理化計画書については、自己の企業であるから自己が判断するということが一番正しいわけでありまするけれども、時によると判断を誤らないと言うわけにもいかないだろう。そういう心配もありまするので、別に設けられた塩業整備審議会の委員の方々が、企業診断書を審査しまして、この企業であれば将来定められるであろう塩価のもとにおいても企業として健全にやっていける、こういう診断をするか、あるいは、それではこの企業はなかなかやっていけない、将来赤字で企業として非常に窮境に陥る。そういう場合であれば、たまたま今回の法律によって昭和三十四年度中に廃止申請をいたしますれば、法律の定めるところによって一定の補償金がもらえますから、むしろ補償金が出ることを頭に置いて、企業自体として廃止に踏み切るかどうかを判断したらどうか、こういうので、あくまで企業の自主的判断によって廃止申請をするか存続をしていくか、こういう建前になっておるわけであります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 今総裁のお話しの通り、それぞれの企業が自分で、一体やれるかどうかということを判断するのは当然だと思う。しかし、その場合にものを言うのは、公社の方で割当をする収納数量なんです。たとえば、二万五千トンの許可だ、しかしかりに一万五千トンのワクしかやらなければ、成り立たないことは当然なわけです。ですから、なるほど、総裁のおっしゃるように、その企業を存続するかどうかは企業みずから考えてやればいいことに間違いないが、しかし収納数量の割当が問題なんです。御承知のように、あなたの方で指示をしているように、三十七年からトン一万円にするのだ、こういうのです。そうすると、どうしても合理化の方に向いていかなければならない。合理化というのは、近代的な設備をして、それに伴ってやはり生産を上げていくことが合理化だと私は思う。ですから、そういう意味では、その企業が自分で判断をしてやればいいじゃないか、公社の方としては、存続するか廃止するかはお前らの勝手だ、こうはおっしゃるけれども、しかしやはりあなたの方で合理化を進めていくんだ。しかも金額については三十七年には一万円にしていく。そうなれば、当然設備の近代化をはかって生産を上げていくということが一緒になってこなければ、私はトン当たりの価格は下がってこないと思う。  そういう意味で私がお尋ねをしているのは、御承知のように、北海道の井華塩業については、初めから公社の方でいろいろとお勧めがあったわけです。先ほど塩脳部長からも話がありましたように、トン当たり二千円の輸送費がかかっているのです。トン当たり二千円で八万五千トンということになれば、そういう一つの算術計算をやれば、約一億七千万くらいの輸送費がかかっていることになる。そういう意味からいけば、できるだけ北海道における生産を上げて、そして輸送費が軽減されるような方向に行くことが、私は公社としての経営上いいことだと思う。特にこれは公社の方で指図があって、北海道の低品位の石炭というものをもとにしてここに工場が設置された。今二万三千八百トンのワクでは、これはもう総裁もお聞きになっているでしょうが、非常に経営が困難です。たしか一億二千万ですか、一億五千万からの赤字が出ている。この赤字を三十七年度までに解消して収益を上げていくためには、会社自体ももちろん資本金を増加してくるでしょうし、あるいはさしあたり近代的な機械設備をするということもあるでしょう。公社は、非常に生産が足りなかったときには、ぜひ一つやってくれ、こういうようにお勧めをして、北海道総合開発の一還として、低品位石炭の利用ということもあってやった。今度数量がふえてきたら、廃止するか存続するか、お前ら自分で一つよく考えて、損がいくならば、今補償するんだからやめたらどうか——やめたらどうかと言わなくても、お前たち考えたらどうかということは、そういうことになるじゃありませんか。この問題については、足立委員も前に北海道を視察されたあとで、視察団長としてここで報告されておる中にも、井華塩業のことについて触れておるわけです。だから、この点は、今のままの施設でやれ、そうして合理化をはかれというよりは、その施設について近代的な設備を施して、トン当たりの価格の下がるようにし、収益が上がるようにする。そのためにはやはり生産数量というものについても考慮しなければならないと私は思うのです。総裁どうですか。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 横路委員のお説ごもっともな点もあるのでありますが、重大な点についての錯誤があるのではないか——言葉は失礼でありますが、という気がするのです。今回の塩業整備という点がそもそもの出発点であります。塩の設備が多過ぎ、生産量が多過ぎるから、これを何とかして切らなければいけないということが、今回国会において予算並びに法律を審議していただいて公社が着手しておる重大な仕事なのであります。生産を制限するということになれば、勢いある時点で押えて、そのときの状況における生産量をもって打ち切りとしないというと、生産の制限にはならない。これは、他の方面における生産制限等の実例をごらんになっても、大体一定時点で切って、それを基礎にしてどういう割合かで操短とか打ち切りとかいうことをせざるを得ないというのが普通だと思うのであります。従って、今回の塩業整備につきましても、昭和三十三年度末現在の設備で一応押えて、そしてこの設備であれば、従来の実績を参照して、何トンの塩ができる能力があるものという判定をしないと、基礎がきまらないという点があるわけであります。  それから、生産数量を伸ばせばコストが下がって企業が楽になるという点は、お話の通りであります。しかし、今度は塩量が多過ぎるからそれを切りたいというときに、塩の数量を伸ばすことによって合理化ができるという点には、公社として進みかねるのであります。先ほども説明があった通り、製塩事業というものは、比較的ただみたいな海水を処理して塩を作ります関係上、数量の増加によるコスト引き下げ割合が多いのですから、やはりかなりコストは下がっていきます。そういう数量増加によるコスト・ダウンということを認めて整理に入りますと、ひとり機械製塩ばかりでなくて、塩田製塩の方においても、もっと数量をよけいにしてもらえばうちの生産コストは下がるんだ、そうなれば父祖三百年来の塩田を廃止していく必要はないんだ、こういう主張になりますし、先ほども話が出ました通り、塩田製塩なんかについては、許可量というものが塩不足の関係からかなり高目のところにきめてありますから、許可量を目標に数量をふやすというようなことによってコストが下がるから、残りたいというものを認めて参るということになれば、整理をしているのか増加をしているのかというようなことがわからなくなってしまって、今回の塩業整備の目的は根本からくずれてしまう、こういうことになる点が非常にこの事業の妨げ、と言っては少し言葉が行き過ぎになるかもしれませんが、困るわけであります。そこで、塩量の増加以外において合理化する余地があるというのであれば、そういう合理化計画書は出してもらいたい、そういう点はいろいろ工夫し織り込んでもらいたい、しかし、塩量をふやすことによるコスト・ダウンの合理化計画書では、この事業は中絶してしまう。こういう点をぜひ御了承を願いたいのであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 総裁のお話、説明にもちょっと錯誤がある。それは、総裁のお話は日本全体のいわゆる塩業整備です。そういう点からいけば、私は総裁の意見もそうだと思う。しかし、先ほどの塩脳部長のお話のように、トン当たり回送費、輸送費というものが二千円かかっているわけです。そういう意味では、北海道では食料用の塩については八万五千トン近く消化されておる。上質塩についてはちょっと私は数字を忘れましたが、たしか三万トン近くであったかもしれませんが、一つは公社の経理内容をよくするという、こういう点からいけば、やはり私は、北海道でそれだけの消費がある、だから北海道でできるだけそれに見合う生産を上げていくことが、私は輸送費の軽減になると思う。その点を言っているのです。だから、なるほど日本全体の塩業の整備からいけば、総裁のお話の通りでございましょう。——委員長、政務次官はあとに来るのですか。

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 参ります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 これは総裁にこの点をあわせて考えてもらいたいということを言うのは無理かもしれませんが、実際今石炭は御承知のように非常に不況です。ところが、井華塩業ではこの二万三千八百トンでも約五万トンの石炭を使っておるわけです。これが割当が伸びてくれば当然石炭の消費というものはふえてくるわけです。今日石炭不況をどうやったら克服できるかという点からいけば、多角経営をしなければいかぬ。そういう問題が一つあるわけです。これは私が一つ大蔵省側にお尋ねをしようと思う。だから、これを、総裁のように、企業内で自分で考えて、廃止するか存続するかはお前たち考えなさいと、こういうように言われても、一つは私は総裁自身にお考えをいただきたいのは、そういう輸送費が、やはり地元で生産があれば、もしも井華塩業がそれで成り立たない、——廃止するということはないと思うけれども、しかし、今日までの赤字をかかえて今までのトン数の割当でいけば、なかなか経営も容易でない、何年かたっているうちに、どうもうまくないようだからといって、かりにもしも廃止というような不幸な事態にくれば、せっかく北海道で二万三千八百トンからあったその生産というものがなくなれば、その分だけの輸送費だってよけいかかってくるわけです。公社だって常に企業の合理化ということをやかましくいっておるし、公社の合理化というものを常に考えて人員の配置転換その他も大いにやっておる、そういう点からいけば、私は、この問題は、日本全体の塩業の整備ということももちろん私たちもここで議論しておるのですけれども、同時に、私は、北海道におけるそういう特殊事情、こういう点をお考えになられて、これは明らかに、この井華塩業のいろいろな施設というものは、これは大体五万トンの計画にふさわしく、工場、敷地、その他鉄道の引込線その他も全部やっておるわけです。この点をもう一ぺん総裁に伺いたい。総裁のは日本全体の塩業整備、私もそうだと思います。しかし、北海道に関してはそういう特殊事情がある、ここだけしか生産をしていない、しかも消費ははるかに上回っておる、輸送費はトン二千円もかかっておるという、こういう現状から、この割当については私はもう一ぺん当然再考慮さるべきものだと思う。こういう点を申し上げておる。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 ただいま井華塩業の北側道における特殊的な地位という観点からの御議論でありましたけれども、今回のような全国的に生産されておりまする塩業の整備というものは、個々の企業者にとっては重大なことでございますので、そういう案を立てるということになりますれば、やはり全国的視野に立って基準をきめて実行していくということでないと、なかなか実行が困難であります。特殊な場所、地域におきまする事情を申し立ててくるということになりますと、結局企業力の強いものが残る場合がありまするけれども、企業力の弱いものが残ってしまう。それでは、ここで塩業整備をいたしまして、コストの高くかかるような企業があっては、日本の塩業として安定しない。また、そういう状態であれば、塩価の引き下げ——それはなるほど昭和三十七年には一万円ということが表示してありますけれども、その後においてもやはり塩価の引き下げはして、時期ははっきりできませんけれども、将来においては国際価格にまで匹敵できるような生産コストまでいきたい、こういう希望を持っておる。今回の塩業整備の考え方といたしましては、地域的な区別を設けることによりまして弱体な企業が残っては、やはり塩業整備の本来の目的というものがくずれてしまうというおそれがあるわけであります。それから、ただいまもおっしゃったような趣旨でありますれば、元来収納価格を一本にしているということ自体がおかしいのでありまして、地域を考え、そこへの運賃を考えれば、収納価格に差別を設けるという考え方もできるのでありますけれども、これは収納価格を地域によって違えるというようなことをすると、条件の悪いようなところは勢いゆる目な収納価格になるということになって、企業の合理化をはばむ、そういう価格政策に安心して企業の意欲が盛り上がらない、こういうようなことからして収納価格も一本できめられておる、こういうことになっておることも、やはり今回企業整備を考えるというのであれば、全国的規模において考える、こういうことにせざるを得ない一つの理由になるかと思うのであります。  それから、なお、もし塩の需給関係を取り上げて参りますと、ひとり北海道だけではなくて、たとえば東北地方でも塩の生産は少ないのでありますから、東北製塩の場合でも、これもまた例外だということになりますし、九州地方にありまする塩田なんかも、大体九州の生産者は少ない方ですから、九州の方へも特別な考慮を払わなければならぬというようなことになりまして、収拾がつかなくなる。一方、従来からの関係で、わが国の製塩業というものは十州地方、中国地方に集中しております。そうすると、ここでは余るからというので、生産コストが非常に低くて有利な企業にも、ほかの足りない地方の塩業者を生かすために、あなたは企業のコストが低くて有利であるけれども、やめてくれというようなことを言わないと、製塩業の制限ができなくなってくる。そうすると、今申し上げましたように、地域によって、北海道は極端といっていいくらいの例でありますけれども、地域によってかなり需給関係が違う場合に、それを取り入れて残す、いや残せないんだ、こういう判断をしておっては、とてもまとまりがつかない。そこで、割り切りまして、全体的に考えて、生産コストの高いものから自主的判断によってやめてもらったらどうだろうか、そして、やめてもらうについては、今回廃止申請をすれば補償を差し上げます。その期間にやめないで、あとになってやめて、経営が悪くなって行き詰まってしまっても、そのときにはもう補償金を差し上げるわけに参りませんから、補償金の出る間に考えていただきたい、こういうのが今回の塩業整備を行います趣旨でありますので、その辺御了解が得られればと、かように存じて申し上げた次第であります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 今、総裁から、収納価格については地域ごとに設定したらどうかという考え方もあるということですが、これは私は非常にけっこうな考え方だと思います。これは、総裁御承知かと思いますが、食管特別会計の中で——実はこれは生産者米価の方ではなくて消費者米価の方ですが、いわゆる生産が少なくて他から持ってきているという中間県は十キロ当たり八百五十円なんです。生産過剰で他の県に持っていく、そういう生産県は十キロ当たり八百三十円です。さらに特殊な地帯においては八百十円、こういうようにしてあるのです。これはもちろん消費者米価ですから、収納価格というのは言いかえたら生産者米価と見合うようなものでしょうから、消費者米価との関係では必ずしも一致しないと思います。しかし、今の総裁のお話の収納価格について地域ごとに考えていく、こういうことは私当然だと思うのです。なぜなら、遠いところから持ってきて消費をすれば、それだけ輸送費がかかるのです。輸送費が先ほどお話しのようにトン当たり二千円も見ておるのが、地元で生産があって消化できるのと、遠くから持ってくるのとでは違うわけですから、この点は、今総裁がお話しのように、私は、収納価格について地域ごとに設定するというやり方については、ぜひ一つそういう方針でいってもらいたいと思うのです。  そこで、だいぶ時間もたっておりますので、政務次官に一つ——政務次官は話を半分しか聞いていらっしゃらないかもしれませんが、実は、塩業整備について、北海道の幌別に井華塩業、これは御承知のように大体住友ですが、赤平市の赤平炭鉱と三笠市の奔別炭鉱からいわゆる低品位の石炭を約五万トン持ってきて、ここでやっておるわけです。これは、第一期計画が二万五千トンで、第二期計画も二万五千トンで、実際には五万トンの生産ができるように、土地、鉄道の引込線、装置その他一切ができておったのですが、実際には実績は二万三千八百トンしかなかった。ところが、十一月一日から塩の価格がトン当たり一万一千五百円に下がった。三十七年にはさらに一万円にする。この事業合理化書には三十七年末に繰越欠損を処理して、採算が確保できるようにする、こうなっておる。これは今約一億二千万円から一億五千万円の赤字がある。ここで先ほどから私が総裁にお尋ねしておるのは、二万五千トンの計画で許可になった。それが二万三千八百トンの生産しか今上がっていなかったけれども、これをこのまましていけば赤字が累積してくるわけです。そうすれば、公社の方としては、それは赤字が累積するなら、おやめになったらどうですかとは言わないけれども、自分の方で判断をしてやめなさい。ところが実際には二万五千トンのワクだけれどもそれぞれの実績に応じて三万一千六百トンとか三万トンとか二万九千トンとかというところがある。私は八月の初めに委員長あるいは足立委員その他みなで北海道に行ったときに、井華塩業の話が出たわけです。足立委員は、特に北海道視察団を代表して、八月二十五日の大蔵委員会で報告されているわけです。公社側としては、今総裁のお話を聞いたように、弱体の企業を残しては困る、こういうお話で、それは公社としてはそういう考え方もあるだろうが、北海道は特別地域で、北海道を開発するについても特別に法律が制定されておる。税制の面でも、その他給与の面でも違う。だから北海道の食料用の塩が八万五千トン消化がある。その中にはいろいろございますが、この企業については、もう少し手入れをさして合理化される方向にいくためには、機械設備を近代化するということと合わせて、やはり生産を増加するようにしてやらなければならないと思う。この点政務次官どうですか。特に今の全国的な石炭不況に北海道で低品位炭が五万トン、これが伸びれば十万トンも石炭が消費されてくるという。今の石炭不況の対策からいっても絶対必要だと思う。ぜひこれは企業が成り立つように、総裁のお話では弱体企業を残しては困ると言うけれども、これは弱体企業かもしれないけれども、北海道という特別な地域で、もともとこれは公社が率先して、ぜひ北海道でおやりなさいということでやった企業なんです。政治家としてどうですか。

細田義安自由民主党

○細田委員 関連して。  答弁は一括して願いたいと思うのですが、この問題は、私も、商工委員といたしまして現地を視察して、この前にもお尋ねしたわけであります。この企業の整備の決定は自主的な判断でくるということと、あるいは勧告をする、それからいま一つは審議会にかけて最後的にはきめる、こういうことになっておるようであります。先ほど来の問答を聞いておりまして、私は、総裁あるいは塩脳部長のお話は、原則論としてはやはりさような考えられなければならぬ、こう思うのでありますが、物事は原則であるがゆえにおいては常に例外ということを考えるわけでありまして、政府も与野党もあげて北海道の総合開発というものを大きな看板にして押しまくっておるときであります。先ほど来横路委員からお話がありました通り、八万五千トンの塩が使われておる。その中において、二万五千トンの許可を得たうちにおいて、生産量は二万三千八百トンぐらいの数量のものを作っておるわけであります。こういうことで、先般も申し上げたのでありますが、それはプール計算もけっこうでありますが、国家的な判断の立場からいけば、運賃が節約できるということ、貨車を使わなくていいということはやはり大きな利益であります。それから低品位炭を五万トンでも消費ができるということは石炭問題の解決、しかも低品位炭はどこへほっぽり出してももらい手がないということこれが経済価値を生むということ、それから北海道にどんどん金をかけても産業を持っていこうという国の政策こういうものを総合して考えますと、北海道にただ一つの製塩事業でありますからこれに例外的な認めて、同情をもって北海道産業を一育ててやるこういうことの配慮が私は政治的には望ましいと考えておりまして、事務当局の一片の説明によって私どもは納得はしていない。全然納得できない。これは現地を見ましてそういう感じを特に深くしたわけであります。これは社会党とか自民党とかそんなけちくさい考えで私どもは申し述べておるわけじゃありません。いま一歩前進をしまして、原則があるがゆえにおいてはこの際例外もあるのだという点に、高度から判断を下してやってもらいたい。これは私どもわずか三十分か四十分見たのでありますが、海から水を呼んで低品位炭で塩ができる。いま少しめんどうを見てやれば「りっぱにやっていける産業のように私ども感じたわけであります。そういう点で、これは横路さんとか私とかいう問題でなしに、どなたもあれを一見した者は、何とかこれを北海道のために維持してやろうというような感じは持つ。これは、政務次官でも、大臣でも、行って見ればそういう結論になります。こういう点で慎重な御判断を願いたい。まだこまかい資料を私どもはもらっておりませんが自主的といってもこれはなかなか困難でございます。勧告をする、あるいは審議会にかけて決定をするという場合においても、そういうより高度な立場から企業自体だけでなくて国家的な立場からも御判断を願いたいということを強く要請いたします。

奧村又十郎自由民主党大蔵政務次官

○奧村政府委員 お答えいたします。  横路委員からの御質問、またこれに関連して細田委員からの御質問によりまして北海道における塩の需給関係あるいは運賃関係などから、北海道の塩業整備について特殊の事情があるから何とか考えてみよ、あるいは井華塩業は低品位の石炭を活用しておるのであるから、特に今日のごとき石炭不況対策の緊急な事態からしてでも、何とかこれは特殊事情として井華塩業を助けていく例外的な措置を考えられないか、こういう御意見であります。これはかねて足立委員からも詳しく承っておりますし、また井華塩業の関係者も直接陳情に参られまして詳しく事情を承って、実は私どももいろいろ検討しておるところであります。そこでこの塩業の整備につきましては、御承知の通り、ことしの春国会において、特に当大蔵委員会において審議したところでありまして、これについては、非常に困難な問題ではあるが、わが国専売塩価を引き下げるために、企業を合理化するためには、どうしてもやむを得ずやらなければならぬ。しかし、それには合理的に、公平に、慎重に臨時整備をやらなければならぬということで、基本的な方針については臨時措置法という法律を作って今日に参っております。その塩業の臨時整備措置法の規定の執行は、御承知の通り主として専売公社総裁がなさる。政府としては、今日までの塩業整備の足取りを見ておりますと、専売公社総裁におかれて、国会が決定した塩業臨時整備措置法の趣旨に基づいて、公平に慎重に整備を進めておるというふうに、公社総裁のなさることを全幅の信頼をもって見ておるのでありまして、井華塩業等のことについて、公社総裁の御答弁をもって政府の答弁ともいたしたいと思うのであります。  しかし、せっかく政務次官にと特に御指名のことでありますから、これではあいそもにべもありませんので、重ねて申し上げますと、塩価を昭和三十七年度に一万円に引き下げても、それでなお安心というわけにいきません。海外の塩の価格と比べますならばまだまだ高いので、昭和三十七年以後もなお一万円を九千円なり八千円なりに塩価を引き下げる努力をしなければならぬ。しかも、個々の塩業について特殊の事情を認めますと、これがほかの塩業の整備にも響いていくということもありますし、今中途半端な例外措置をとりましては、そういう事情を将来考えますと、かえってその塩業者にほんとうの親切にはならぬ、かように思いますので、ただいまの公社総裁の御答弁のように、政府としても例外措置はとらない、かように考えるので、御了承願いたいと思います。

横路節雄日本社会党

○横路委員 政務次官がそういう答弁をなさるならば、私はあえてあなたにお尋ねしなかった。総裁は、公社の責任者として、全国的な塩業整備でやっていく。しかし、今総裁のお話のように、地域的に収納価格についても考えた方がいいじゃないかということは、これは僕は大きな一つの問題が出されていると思う。しかし、今私が政務次官にお尋ねをしたのは、わざわざ北海道開発法という法律があって、そして北海道開発については特別の措置をしている。それから、もう一つは、今日本全体が石炭不況なんです。その中で、その他には全然利用できない低品位炭が五万トンにしろ活用されている。こういう問題を考え、さらに私が指摘したようにトン当り二千円の輸送費もかかる。そうすれば、今細田さんからお話があったように、せっかく北海道で育ってきたそういう産業が、弱体企業はつぶれても仕方がないのだ、全国的な塩業整備の中で、ということになれば、これはつぶれていくかもしれない。それを私は政治家であるあなたに……。ところが、公社の総裁と同じことを答弁されて、公社の総裁の通りです、地域的なことについては何ら考慮する必要はありませんなどと言うことは、それは立場を変えてこっちへすわってごらんなさい。そんな答弁なんて一つだって出るわけがない。今日の石炭不況の問題にしても、また北海道開発法という特別な地域的開発法もあるし、そしてこれは特別な産業です。そういうことを抜きにして、全国的な塩業整備の中でと、あなたがそういうように答弁されるということは、非常に遺憾ですよ。私は奥村政務次官はそういう方ではないと思った。やはり考えを変えませんか。それではあなたは総裁よりもまだ悪いですよ。総裁の方は、地域別の収納価格については何らか考えなければならぬと言われる点だって一つの進歩ですよ。同じ御答弁であれば、あなたから今御答弁を得なくてもいいのですが、どうですか。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 議事進行。  この問題につきましての論議は、公社的見解とそれからもっとより高次な国家的な見解と、角度が違うと思う。その調整をする必要があると思いますので、この論議に基づきまして委員長に一つお諮り願いたいことは、三党の理事と、それから質問者である横路君、発言者である細田さんをも加えまして、拡大理事会でさらにこの問題を検討する、そういうふうにお取り計らい願いたいということを、動議として一つお取り上げを願います。

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 ちょっとその前に足立委員から関連して質問があるそうですから、これを許します。

足立篤郎自由民主党

○足立委員 横路君の御質問の中にあった回送費の問題について、少し突っ込んで伺ってみたいと思うのですが、今総裁が御説明になった方法で整備をおやりになって、かりに北海道の製塩事業というものが全部なくなってしまうという事態を考えてみますと、一番コストの安い地帯が製塩事業が残ることになるわけでありますから、主産地は先ほどお話があった通り中国沿岸ということになろうかと思います。そうなると、北海道へ供給する塩というものは、そういう事態のもとにおいては、ほとんど大部分が中国地方から貨車へ乗り、船へ乗り、北海道まで送りつけられるといたしますと、北海道の八万五千トンの回送費というものが現在以上になって、非常に高い塩になるということになろうかと思います。先ほど塩脳部長の御説明で、現在トン当り二千円というお話がございましたが、これはもちろん米と同じでフール計算であると思いますので、現在でも北海道で製塩しているもので足りない塩は、主として中国地方あたりから送られておると思うのでありますが、これはおそらく平均回送費の何倍かになっておるのではないかと想像するのであります。そうなると、公社自体のコスト・ダウンということを考えますと、なるほど画一的にやらないと収拾がつかないという御心配のある点は私どもよくわかります。製塩工場を生かすか殺すかというときに、ものさしを変えて、お前のところはこの基準だ、お前のところはこの基準だということで差をつけてやれば、これはなかなかおさまるものではない。いかに国家的な大きな見地からものを言いましても、個々の産業について見れば、自分が生きるか死ぬかでありますから、そういう表面的に不公平な基準ではかられるということになると、必ずその問題に食い下がってきて、公社としても押えがきかなくなる心配があるということはよくわかるのでありますが、今度は公社自体のコスト・ダウンという点を考えていきますと、今申し上げたように、逆に製塩の整備によってコストが上がってくる。少くとも回送費あたりは明らかに上がってくることが私は実証されると思うのでありますから、そういう点も御考慮になれば、私はこれに対して公社自体としてもある程度感覚を変えてお考えになる必要があるのではなかろうか。そうだからといって、北海道の問題だけについて非常に甘い基準をとれば、北の場合その他いろいろお話がありましたが、そういうおそれもあるわけでありますから、少くとも今回の整備は一つの基準でやる。そして将来にわたって北海道の製塩事業があらゆる努力をして生き延びた場合に、この北海道に対する特殊な事情というものを考慮されまして、将来において考える余地はないものかどうか。私も現地に参ったことがあるのでありますが、八月の報告ではそこまで突っ込んでお話を伺わなかったわけであります。どうも今質疑応答を伺っておりますと、公社自体として、いかにも画一的に、きわめてしゃくし定木にお考えになっておられるので——それはごもっともでよくわかるのでありますが、それでは何となく私どもは割り切れない面が出てくるように思う。同時に、公社自体のコスト・ダウンという点も、もっと真剣にお考えになれば、同時に塩の価格も安くし得るわけでありますから、こういう点も含めてお考えになって下さったらどうかと思うわけであります。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 ただいまの回送費の点だけ私から説明いたします。  先ほど私も八万トン消費量があると申しましたが、このうち半分の四万トンは輸入塩でございますので、内地からの回送とは関係ございません。従いまして内地塩として使われますのはあとの四万トンということに相なります。  なお、回送費の問題でありますが、北海道の製塩地、その場所自体で使ったならば、回送費はほとんど要らないということになるわけでありますけれども、広いところに運ぶわけでありますので、やはり全部回送費がかかるわけです。私の方で一応昨年度の実績を見てみますと、登別の倉庫から札幌の倉庫へ運ぶ運賃が千三百五円、小樽へ運ぶのが千三百十六円、函館へ運ぶのが千四百四十八円——代表的な土地だけを選んで見ておるのでありますが、そういうことになっております。これを製塩の主産地の方から運ぶということになりますと、高松、坂出を例にとりますと、高松から札幌に行くのが三千百円、約二千円足らず高い。しかじ、高松から小樽は二千三百円、約千円くらい差がある。それから坂出から函館へ運ぶのが二千六百円、約千円余差がある。ところが、こういう差は当然各地にあるのでございまして、鹿児島の場合を例にとりますと、鹿児島の指宿に製塩工場がございますが、指宿から鹿児島に持っていくのには九百三十円、約千円足らず。ところが、これを主産地の坂出から持っていきますと約二千円というように、やはり千円くらいの差があるということで、運賃の問題になりますと、大体主産地とそうでないところでは、千円または二千円程度の差があるということはやむを得ないのでございます。従いまして、北海道に生産地があれば若干安いということになりますけれども、その運賃の多い少ないは結局土地々々によりましての程度の問題でありますので、これだけでどうだということはきめ手にならないのではなかろうか。そういうことでありますので、公社の経費の運賃の節減の問題にいたしましても、わずかに数千万円以下のものになるのではなかろうかというように考えられるわけであります。  以上かいつまんで回送費の問題につきまして御回答申し上げました。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 ちょっと補足的に申し上げておきたいと思うのであります。先ほど収納価格を地域別に変えたらという点について私が言及したのでありますが、戦前は地域別価格であったのであります。ところが、地域別価格をとりますと、どうも条件の悪いところの価格がゆる目にできて、そこへ引きつけられがちであって、塩業の合理化が行われない。そこで、価格は一本価格にして、条件の悪いところは企業努力によって合理化をはかるという方がよろしいということで、終戦後一本価格にされたわけであります。従って、今日これをまたもとに戻して地域別の収納価格にするということは、今考えておりまする企業整備を中心とし、その後の塩業の合理化、日本塩業の基礎をかたくするというような点からいうと、どうも逆行じゃないかという点が一つと、地域別にきめるという場合に非常にむずかしいのでありまして、たとえば山口県と広島県とでどういうふうにきめるかということになりますと、個々の企業別には山口県の企業の中にも条件のいいのがあり悪いのがあり、広島県にも条件のいいのと悪いのがある、こういうことになって、地域別にきめるとしても実行が非常に困難だということも予想されますので、今のところ地域別収納価格というのはまず実行の見通しが立たぬ。これだけ念のために申し上げておきます。

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 委員長から皆様に御相談いたします。  先ほどの平岡委員からの議事進行についての御発言は、委員長に対する要望ということにしてよろしいという申し出でございます。つきましては、本件に関する先刻来の質疑応答を聞いておりますと、大蔵当局並びに専売公社当局の意見と委員の多数の方々の御意見とだいぶん平行線で、やや調整をする必要があるようにも思われます。つきましては、本委員会の理事並びに本日質疑せられました横路委員、あるいは関連質問をされた細田委員、さらに専売事業に関する小委員長の濱田委員、それから公社当局等若干名の者が適当な時間に寄りまして、何らか善処すべき方法がないか、研究をあらためていたしたいと思いますが、いかがでありますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 それでは、さよう取り計らいます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 今の点は、委員長の取り計らいでけっこうですが、総裁にもう一つお伺いしたい。日本専売公社業務方法書の第四十七条に、割引歩合というところで、「製造たばこの小売人に対する売渡価格を定める場合の割引歩合は、公社が国庫に納付する利益金予定額を確保し得る範囲内において、小売人の販売経費並びに製造たばこの売行状況等を考慮して定める。」となっております。全国の小売人の人々から、八%では少ない、ぜひ一つ一割にしてもらいたいという陳情がずいぶんあるわけですが、この業務方法書の第四十七条によって、今私が提示しました問題、八分を一割にしてもらいたいという問題、これは公社の方にもずいぶん多くの意見が出されていると思いますが、この点についても総裁の見解をお尋ねしておきたい。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 現在小売人の歩率というものは八分になっております。これを引き上げてもらいたいという陳情をしばしば受けておることは、御承知の通りであります。業務方法書四十七条を御引用になりましたが、小売人の販売経費というようなものを考慮するといううちに入っておりますが、結局、販売経費を考慮するというのは、小売人の所得状況がどうか、こういうことであります。われわれの方で調査をいたしました資料によりますと、小売店の一店当たりの販売金額、それから推定されまする所得金額を戦前と比べますと、かなり倍率が高くて七百余倍になっておる。国民所得の増加率よりもはるかに上回っておる。こういうような点を考慮いたしますと、それからまた、一方において、商品の回転率あるいは資本の回転率等から見まして、他の酒、食品等の販売と比べて、必ずしも小売人が不利とは言えない、こういうふうに考えられますので、現在のところ、それは、なるほどたばこの売上金額は増しておりますけれども、ただいま申し上げましたような理由を考えますれば、直ちに八分を引き上げる必要はない、かように考えておる次第であります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 これは、今年度、業者に対して報償金名義で手数料のほかに出しておるわけですね。これは、業務方法書の第四十七条の「公社が国庫に納付する利益金予定額を確保し得る範囲内において、」という問題が一つ、それからもう一つは、「小売人の販売経費並びに製造たばこの売行状況等を考慮して」こうなっておるから、そうすると、八分というのは固定したものではないのですね。国庫に納付する利益金予定額を確保し得る範囲内、それもふえた、あるいは製造たばこの売れ行き状況が非常によろしいということになると、報償金という制度でやるというのですか。この報償金というのはどこから出しておるのですか。これはやはり四十七条から考えて出したのですか。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 昨年小売人の歩率引き上げの問題がありまして、その当時の調査によっても、小売人の販売経費、つまり裏からいえば所得状況等から見て、歩率引き上げの必要はないというふうに公社は踏み切ったのでありまするが、なお、小売人の方から、販売状況が非常にいいのであるからして、また今後とも販売増進をするのには、何一かもう少し刺激的な手を考えてほしい「というような話がありまして、二億円というような報償金を予算に計上することになったのでありまして、その意一味からいえば、売れ行き状況等を勘案した、こういうふうにもいえるかと思うのであります。ただこの四十七条の解釈として、国庫に納付する利益金予定額を確保し得る、つまり予算だけ納付金が出れば、あとはすべて歩率の点は公社が自由にというか、比較的楽に考えて増し得るかという点は、この四十七条だけを見ては疑問でありまして、一方納付金制度の方をごらんになりますると、公社は総益金から総損金を差し引き、さらに固定資産の増は除くけれども、その以外は、最後の一円といえども国庫に納付するんだ、こういうような建前になっております。それと、この四十七条と突き合わせて考えますると、予算に達する専売納付金が出る見込みが立ったからといって、すぐにたばこ小売人の手数料を上げていいというふうには読みにくいというわけであります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 総裁に最後に一つ。そうすると、手数料については、公社の方針としては上げない。しかし報償金については別途考える、こういうことですね、結論としては。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 手数料についてはただいまのところ上げるという考えを持っておりません。報償金については、本年度予算に二億円計上してございます。さらに来年度の見通しにおきましても、大体たばこの売れ行きは上昇傾向にあると思いまするので、目下のところ、来年度予算といたしまして、本年度に計上した程度の報償金を支払いたいという予算要求を大蔵省にいたしておるという実情であります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 総裁、実は、たばこの販売機構について、今あちらこちらで問題になっている代行配給制の問題その他についてお尋ねしたいと思っておったのですが、時間も十二時になり、他の委員の方の質問がありますから、それらの問題はあとで委員部を通して資料の提示方を求めますから、出していただきたいと思います。ほんとうはきょうここで続けてやりたいと思いますが、時間もたちましたので、以上で終ります。

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 速記をとめて。     〔速記中止〕

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 速記を始めて。  本日はこの程度にて散会いたします。     午後零時三十四分散会

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