商工委員会 第8号
- 発言数
- 84 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1959/12/02
会議録
○中村委員長 これより会議を開きます。 お諮りいたします。昨日自転車競技に関する問題で参考人より意見を聴取することに決定いたしましたが、この際、なお、京都市長高山義三君及び日本機械工業連合会専務理事橘弘作君の二名を追加して参考人とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中村委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。 ————◇—————
○中村委員長 火薬類取り締まりに関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。門司亮君。
○門司委員 私はこの際ごく簡単に聞いておきたいと思いますが、私ども何も火薬については知識のない者がこういう質問をいたしますので、あるいは的はずれのところが多少あるかもしれませんが、一つ親切に御答弁を願いたいと思います。 第一に聞いておきたいと思いますことは、この事件は火薬の爆発というのじゃなくして、火災が先に起こって、それから爆発をしておる。その火災の原因は何か火薬の研究が行なわれておった、こういうのですけれども、爆発をするようなものが、火災を起こすような設備のところで、一体簡単に火薬の研究ができるのかどうかということです。これは火薬工場だから火薬の研究はよろしいというのか、あるいは火薬の研究というものはどこでもできるのか、こういうことの疑問を持つんですが、その点はどうなっていますか。火薬の研究というものは、法律上何も取り締まることができないような仕組みになっておりますか。
○秋山説明員 東洋化工の爆発を起こしました最初の原因は、御説のように火災でございます。最終的に断定することはいかがかと思いますけれども、まず九分通り間違いがないと思われます技術的な結論を、簡単に申し上げたいと思います。 御質問のございましたような試験あるいは研究ということ、今回事故を起こしましたあの第二熔填工室という工室内で行ないますことは当然違反でございます。火薬類取締法施行規則の設備の基準あるいは作業の基準によりますと、危険工室はその目的とする作業以外に使用しないことということになっておりまして、その目的とする作業と申しますのは、今回の場合で申しますれば、いわゆる熔填作業のみでございます。同時に、その同じ条の中でございますが、火薬類の製造の試験のために特に設けられた危険工室で行なうか、または平常作業を中止し、その目的に転用した危険工室で行なうということになっております。今回の場合は、両方ともに該当しない、すなわち違反でございます。その違反の内容は、あの会社が作っておりました火薬は、米軍から払い下げを受けました砲弾類、銃砲類から抜き出しました、コンポジションBと呼んでおりますが、TNTとヘキソーゲンの混合せられました爆薬を原料といたしまして、これを再度精製、それから製型をいたしまして、ダイナマイトと同様の爆発力を持って、しかも価格は若干安いようでございますが、主として土木工事、それから鉱山用に使いまする爆火薬を製造しておったのでございます。それでただいまの違反に該当する試験の内容は、TNTとヘキソーゲンの混合割合を、産業用爆薬に適するように調整すると申しますか、ことと、それからTNTの純度を上げる、一種の精製でございますが、というやり方の試験を新しく当日始めた。その試験の失敗から起こったと考えております。この試験装置は、あの工場の修理工場、工作工場で作りましたきわめて簡単な装置でございます。原因と思われまするのは、その試験装置を使って初めて試験をやっておりましたときに、あの爆死いたしました係長が、直接自分でやっておったのでございますが、どうやらその不手ぎわから、試験装置そのものに火を起こした。これはまだ学説的にいろいろ検討されておりまして、確定的なものが結論として出ておりませんですが、どうも静電気の放電火花が直接の原因であったのではないかというところまで、現在検討されております。そんなことで、いずれにいたしましても、試験装置から発火をいたしまして、同時に平常作業をやっておったものでございますから、その周辺にあった爆薬類に点火をした。TNTは、実は梱包といいますか、周囲を固めてございませんければ、ただ火がつくだけでございまして、爆薬としては緩燃性の爆薬でございますが、とにかく工室内で火事が起こった、そのために工室そのものが火事を起こして、同時に掩体の土手を工室との中間のあき地に積んでございました約一トン半ばかりの爆薬に点火した、これは製品でございますが、それが大爆発を起こしたという経過になっております。
○門司委員 それでなお私の聞きたいのは、特需関係等の関連性でありますが、二十四日に開かれた委員会の会議録を読ましていただきますと、特需関係はなかったというようなお話が書いてありますので、まあなかったものとして、その次に出て参りますのは、払い下げの問題でありますが、こういう危険物の払い下げについて、政府は何か話をしたことがあるかどうか、いわゆるこういうものを知っておったかどうかということです。これは普通の軍の払い下げについても、調達庁なりその他の関係者が全然知らないわけではない。ことに火薬というようなものの払い下げを行なわれる場合に、政府はその事実を知っておったかどうかということについて、私は聞きたいのですが、その点はどうなんですか。
○秋山説明員 東洋化工の受けております事業の許可は、払い下げの砲弾から火薬を抽出して——解撤と申しておりますが、解撤して、そしてその火薬を原料として使うということを、はっきり事業内容として、私どもの方の許可の内容になっておりますから、砲弾類の払い下げを受けるものであることは、当然私ども承知をいたしております。
○門司委員 政府がそれを知っておったとすれば、この火薬の性質、どういうものが払い下げられておったのかというようなことも大体御存じだと思うのですが、これはどういう火薬でしたか。軍が何に使っておったものですか。普通の砲弾あるいは普通の小銃弾というようなものではなかったように私は思いますが、そこまでお調べになっておりますか、軍はどういうものを払い下げておったか。
○秋山説明員 TNTそれからヘキソーゲンすなわちコンポジションBでありますが、これは米軍の規格火薬であります。米軍と申しますよりは世界的に共通なものでありまして、砲弾の炸薬でございます。砲弾及び銃弾の炸薬に使われるきわめて一般的な火薬でございます。
○門司委員 その答弁だけでは私どもとしては多少問題があると思っておりますのは、これは払い下げられたものである、こういう形で試験を特に行なわなければならないというようなもの、これは新たに試験を始められたという、そういうものではなかったかと考える、疑えばそういう疑いがあるのです。だから普通の場合は今始まった工場ではありませんから、ずっと長い間こういう仕事を続けてきておりまして、軍との間に契約その他があった時代もありますから、こういう仕事をやってきておる。ところがそれが新たに試験をして新しいものをこしらえようと考えたところに今度火災の原因になった。アメリカ側から払い下げられた爆薬については従来のものと変わっておったのではないかというような気がするのですが、そういうところはございませんですか。
○秋山説明員 実は試験装置の簡単な略図も書いてございましたが、きょうは急ぎましてその略図を持って参りませんでしたが、もし御要望がございますれば、技官を呼びまして詳しい技術的な御説明を申し上げたいと思いますが、私の承知しております限りでは、ただいまのコンポジションBの内容すなわち混合度がヘキソーゲン一五とTNT八五という比率になっておりますれば、これは比較的簡単に産業用爆薬としてすぐ溶かして型に入れるという工程でよろしい、ただときにそれが長年月を経ておるとか、あるいは風雨にさらされたとかいうように、多少の変質を来たしておるというようなことで、たとえばヘキソーゲンが二〇でTNTが八〇というように、TNTの純度が下がっておるというような場合には、そのTNTの純度を上げてやる、つまり八五くらいまで上げてやる必要があるというようなことで、それの精製試験をやっておったと承知いたしております。それで試験装置はきわめて簡単な、概略を申し上げますと、一メートル弱の二十数センチの、直径が十二、三センチでございますか、もう少し太い内筒と外筒と二重の筒でございまして、いずれも鉄の二重の筒でございます。その中に活性炭素を詰めまして、上から溶融いたしましたTNTを、これもきわめて幼稚なものですが、アルミニウムのこんなコップでわきで溶かしたものを上から注ぎ込んでやる、漏斗を入れて注ぎ込んで、それを活性炭素を通して、同時に片方から圧搾空気を送りまして強制的に濾過をするというような考え方の試験装置でございまして、この程度のもので純度を上げるか、精製するか、要するに濾過装置でございますから、そういうむずかしい試験は、とうていできそうもないと判断せられるのであります。
○門司委員 私のどうもふに落ちないと思いますことは、元来爆薬については米軍にいたしましても、日本の軍隊でも同じでございますが、ある程度廃棄作業をやるのです。使えない砲弾、使えない爆薬というものをまとめて火をつけてもしてしまう。そうして従来のわれわれの観念からいうと、あと再生するなんということはあまり考えられなかったのです。今でも米軍がやはりときどきある一定の場所、たとえば爆撃演習をやっておる個所が三カ所ばかりあるのです。茨城の爆撃場の廃棄作業、あるいは福岡の芦屋における爆撃場における廃棄作業というようなときには、使えない爆薬を集めてみんな火をつけて処分しているのです。ところがここでは払い下げを受けて、そうしてこれを再生しているという関連が、どう考えてもわれわれにはわからぬのです。ここで米軍から払い下げられたものを再生して、そうして鉱業用に使う新しいダイナマイトにするのだという工業過程、それからでき上がった製品というものについての通産省の受けておる報告あるいはどういう種類のものであって、どのくらいの量で、そうしてそれがどういう目的に使われるかという、いわゆる米軍から払い下げを受けて、いよいよ製品になるまでの過程の数量その他は、これは当然通産省の許可を受けていると思うのですが、それは間違いないのですか。
○秋山説明員 最後の点はその通りでございます。
○門司委員 そうだとすると問題になりますのは、作業の量が多かったとか少なかったとかいうようなことはないはずなんですね。一定の個所に一トンしか置いておけないところに一トン五百置いたとか、あるいは距離の関係で何メートルのところにどれだけ以上のものを置いてはいけないというようないろいろな規則がありますが、こういう規則は別にして、許可を受けたより以上の爆薬というものは、ここではできないはずなんですね。全体を総合して、払い下げを受けたものが何トンの払い下げを受けて、これから精製してこしらえるものはこれだけだ、そして使用目的はこういうことだということ等については、これははっきりした通産省の監督のもとに行なわれているということに解釈して差しつかえございませんか。
○秋山説明員 その通りでございます。
○門司委員 そうすると今度の場合の調査は、一体通産省はどこまでなされたか、データはございますか。幾ら払い下げを受けて、どういうものをこしらえて、どれだけの量のものができるようになって、現在どれだけできておるか。
○秋山説明員 原料の払い下げにつきましては、実は宮川工場というもう一つ別の工場がございまして、その分を含めてやっておるものでございますから、両工場の分の数字は、ちょっと私今持ってきておりません。問題を起こしました横浜工場につきましては、大体の数字を承知いたしております。
○門司委員 大臣がお見えになったようですから、最後に一つだけ聞いておきますが、そうすると今取り締まりその他の問題がいろいろあろうかと思いますが、そういう問題については十分同僚から質問もされ、さらにはきょう何らかの意思表示をしたい、こういうことになっておるそうでありますから、聞きませんが、工場の仕事の中止を現在命令しておりますね。この工場の作業の中止命令は、そうしたいろいろな違反行為に対する中止命令であるのか、あるいは政治的な配慮から行なわれておるのか、もちろんこういう違反があったからだということになろうかと思いますが、そうしますと、具体的にいうと、違反があったから中止をさせたのだということになれば、これはこの行為が事前に行なわれておれば、こういう問題は起こらなかったのだ、こういう事件が起こって、そうして違反の数々があったから、これから先やってはいけないというような通産省の処置は、少し手おくれのような気がするのです。前にそういうことが行なわれておれば、こういう事件はなかったのじゃないかという気がするのですが、この工場に対する作業中止命令を出されたと新聞に書かれているのですが、それはどういうことですか。やはり違反行為についてですか、それともやはり政治的配慮からですか。
○秋山説明員 御質問のような意味の政治的配慮というものは、私どもは全然考慮しておりませんので、製造禁止を命じた前例は幾つもございます。最近は一昨年でございましたか、府中で丸玉屋という日本で一番大きな花火商がございますが、花火工場が事故を起こしまして、そのときも製造及び販売、両方とも禁止をいたしました。その例にならいまして今回は全くのメーカーでございますので、製造だけの禁止を命令したのであります。要するにああいう事故が起こりますと構内はもちろん非常にめちゃくちゃに荒れておるわけでございまして、かりに製品あるいは原料を構内で移動するとしても相当な危険がございます。一時置き場と言っておりますが、小火薬庫——工場に比較的近いところの仮置き場として使う小火薬庫についても、とびらが飛んでおるというようなことがあって危険がございますから、そういう意味での危険防止という意味の製造禁止でございます。
○門司委員 どうも危険防止といっても、危険があったのですね。事実上から言いますと間に合わないですね。いずれも取締規則はある。やればやれるのですね。こういうものは法の不備だといえば多少不備があるかもしれませんが、法の不備というよりも、いずれも事故が起こって、それから中止するというようなことでは、事実上間に合わぬのですよ。だから私の聞いておりますのは、事故の起こるよりも事前に、適当の場所でないと思われるようなところは、政府の権力を発動されて、——爆発したから、あと政府の権力でこれをやめさせるというようなことは、だれでもやるところです。それでは住民は安心できないのですよ。殺されてから仏様に線香をあげてもらったって、大して効果はない。やはり殺されないようにしてもらいたい。そういうことで将来の取り締まり等については、これは全部で三十四とか三十七とかあるそうですが、そのほかに花火やなんかこしらえているものがあると思う。いずれも最近の統計を見てみますと、大きい、小さいは別にして、かなりひんぱんにこういう事故があるのですね。そういう点、どうも政府の取り締まりといいますか、何か欠けておるのではないかと思うのですが、あとから事故を追いかけて、あとからほころびを縫っていくというようなことでなくて、ほころびのないようなことを私は要望するのです。それで私は政治的な配慮かという皮肉なお尋ねをしたのですが、今後の方針といいますか、全国の工場の仕事について、実際にもう少し厳重にといいますか、精密にといいますか、許された検査その他を今直ちに行なわれる意思がございますか。
○池田国務大臣 お話まことにごもっともでございまして、法規上から申しますと、年に一回以上定期検査ということに相なっております。通産省といたしましては法規上の年一回の定期検査はもちろんいたします。また随時できるだけ繰り合わせまして、直轄工場の方の検査はいたしておるのであります。しかし何分にも今通産省には検査をし得る技術者が三人しかいないという状況なんであります。従いましてもうすでに来年度の予算も増員の要求もいたしておりますし、また通産省の役人ばかりでなしに、警察官その他の方々にも、ある条件のもとに検査監督し得るような、いわゆる法規の改正も今度は企てておるような状況であります。私はこの火薬工場のみならず、花火工場につきましても今後十分取り締まりを厳重にいたしまして、あやまちのないようにいたしたいと思っております。また監督という面につきましては、そうでございますが、やはり経営者におかれても技術者その他いわゆる危険防止に対しての対策を十分とっていただくように、四、五日前も全国の直轄工場の技術者並びに社長を集めまして、十分注意をいたしたような次第でございます。毎年ある事故をできるだけ少なく、絶対に起こさないつもりで、今後やっていきたいと考えております。
○田中(榮)委員 関連して。最近花火工場並びに危険物製造の工場におきますいろいろの事故が発生をいたしておりまして、われわれも非常に心配をいたしております。ただいま通産大臣からお話がありましたように、先般危険物取り扱いの製造業者を通産大臣が直接お呼びになりまして、これに対して十分に警告を発せられましたことは従来にない異例の措置であり、通産省が本件につきまして今後の取り締まり監督に相当意を用いておるということを如実に示した一つの実例であると考えまして、われわれも非常に満足いたしておるのでありますが、火薬類であるとか、花火類であるとか、そうした危険物の取り締まりにつきましては、従来警察、消防というものがこれに協力をいたしまして、いろいろと取り締まりをいたしておったのであります。たとえば花火工場で、非常に人跡まれとまでいかなくとも、非常に交通の困難な、あるいはまたへんぴな場所にありますところには、県庁の役人が一々そこまで出張いたしまして臨検検査をするということが非常に困難なために、従来はもよりの警察署員なり消防署員が随時臨検をいたしまして、一応取り締まりはいたしておったのであります。最近におきましては煙火類並びに火薬類の製造取り締まりにつきましては、一切を警察から抜きまして、大体におきまして通産省においてこれを監督するという権限になっておりますので、ただいま池田通産大臣が、できれば法令の改正をして取り締まりに万遺憾なきを期したいというお話でありますが、何でも危険物取り締まりの規定から申しますと、当該官吏の中には警察職員並びに消防職員が含まれていないというような関係から、現実に警察職員なり消防職員が製造工場等に臨検をして、これを指示する権限がないそうでございます。できることならば、私はこの当該官吏の中に警察職員、消防職員を含ます意味におきまして、通産省の協力として警察、消防の協力を得て、取り締まりの上において十分網の目を張ったように取り締まりをいたすならば、ある程度危険防止ということが実際問題としてできるのではないかということも考えるのでありますが、従来警察、消防職員の協力はどういう方法でやっておるか、これをちょっと承りたいと思います。
○池田国務大臣 お話の通り戦前は警察官並びに消防職員の方が臨検検査ができるようになっていて、主としてそういう方々にお願いいたしておったのであります。昭和二十五年の法律改正によりまして、本則的には通産省の職員並びに県の職員がやることになっておりまして、ただ警察官吏は特に危険が迫ったと見た場合には臨検検査ができる、こういうことになっておりますので、この規定によりまして、警察官吏は従来のごとく随時臨検検査はできないことになっております。四十三条の本文は通産大臣と府県知事ということで、そして警察官吏は第二項で、特に必要だというときだけに限っておる。従いまして私が今申し上げましたように、技術者が三人で全国をやるということはとうてい無理でございます。十月の初めに、この事件の起こります前に各県の警察官の方にお集り願いまして、今後どういうふうにしたら、この取り締まりが十分にいけるかという会議を十月七日に設けて、法律改正につきましての参考資料としておるのであります。いずれ通常国会におきましては、この火薬類取締法につきまして適正な改正案を出して、御審議願いたいと考えております。
○中村委員長 本件に関し、小平久雄君より本委員会において決議せられたい旨の提案がなされております。この際、提案者の趣旨弁明を求めます。小平久雄君。
○小平(久)委員 火薬類工場等の災害防止に関しまして当委員会において決議を行ないたいと存じますので、私より決議案の提案理由を簡単に御説明申し上げます。 まず、決議案文を朗読いたします。 火薬類取り締まりに関する決議案 最近火薬及び花火等の製造工場等において爆発事故が頻々と発生しており、なかんずく、去る十一月二十日の東洋化工株式会社横浜工場における大爆発事件は、世間の耳目を震がいさせるものがあった。 この際政府は、この種事故が人命、財産に甚大な被害を及ぼし、社会的に極めて大きな不安を与えている実情を重視し、今後かかる災害の発生を絶滅するため、速やかに取締法規ならびに取締行政等について徹底的な検討を加え、特に次の諸点に留意して根本的な法令改正を行なうとともに充分な予算措置を講ずべきである。 一、監督関係行政機構を整備強化するため、火薬類取締法に基ずく監督官庁である通商産業省と都道府県との間、及びこれらと警察庁、消防庁等他の行政機関との間の権限関係を明確にするとともに、これが緊密化を図ること。 更に要すれば、通商産業省に火薬類取締監督官制度を新設し、火薬類の製造、貯蔵、販売等の監督並びに都道府県の取締行政の監督指導に当らせること。 二、災害予防施設、保安距離等に関する技術基準をさらに厳重にするとともに、関連法規例えば建築基準法等との調整を行ない、もって保安の完ぺきを期すること。 三、火薬類工場等の幹部ならびに従業員に対する保安教育の徹底を図ること。 右決議する。 最近火薬類の爆発による災害事故がひんぴんと発生しておりますが、昭和三十一年以来の事故実績を見ますと、件数は毎年六百件以上に上り、一千人以上の死傷者を出しているのでありまして、しかも逐年少しもその数が減少していないのであります。特に去る十一月二十日には東洋化工株式会社横浜工場において、戦後最大といわれる大爆発事故が起こり、社会的大問題となっていることは御承知の通りであります。 われわれは、この事件を契機として、火薬類取り締まりに関する法令及び行政に根本的検討を加える必要があると考え、政府に対してこれを強く要請すべく本決議案を提出するものであります。 次に、各項目について若干補足的に御説明いたしますと、第一に、監督行政機構については、現行火薬類、取締法及び同施行令によっていわゆる直轄工場は通産大臣、その他は都道府県知事が監督に当たることとなっておりますが、この間の権限関係に必ずしも明確とは言いがたい点があるようであります。また警察官、消防署員は監督官庁と密接な連絡をとりつつ、できる限り綿密な災害予防査察並びにこれが改善指導を行なう必要がありますが、これに関する規定に欠ける点が見受けられるのでありまして、要すれば取り締まり権限の一部を警察、消防当局に委議する等早急な改善が望ましいのであります。 なお、従来から通産省には火薬取り締まりに当たる行政官の数がはなはだ不足しているのでありまして、この際、たとえば鉱山保安監督官制度にならって火薬類取締監督官のごとき制度を新設し、十分な人員と予算を備える必要性を痛感するものであります。 第二は技術基準に関する法令についてであります。火薬類取締法により、工場施設の構造、位置、設備は、施行規則で定める技術基準に適合していなければならないこととなっておりますが、消化施設、警報施設の完備及び妥当な保安距離等を指示する規定については多くの不備が指摘され、これを大幅に是正すべき段階にきていると思われるのであります。特に社会不安を除去するため工場に近接する建造物の規制について再検討を加える必要があると存ずるのであります。 第三に、保安教育の徹底については、火薬工場の幹部技術者は経験が豊富なため、かえって操作が粗雑となりがちな場合があり、反対に臨時工員、女工員には知識の不足している者が多いと考えられますので、保安教育は繰り返し徹底的に行なうよう指導し、また監督官庁においても、経営責任者、技術責任者に対し順法精神を常に保持すべきことを強調する必要があると思うのであります。 以上、本決議案の趣旨について御説明申し上げましたが、何とぞ全会一致をもって御賛成あらんことをお願い申し上げる次第であります。 —————————————
○中村委員長 本動議に関し発言を求められておりますので順次これを許します。松平忠久君。
○松平委員 ただいまの動議に対しまして、日本社会党を代表して賛成の意見を申し述べたいと存じます。 提案理由の説明にもございましたが、ここ三年間で千人以上の人命が失われておるような火薬並びに花火等の爆発事故があったわけであります。私はこの商工委員会におきまして、二回ほどこの問題について質疑をいたしましたが、こういうひんぴんたる災害のよって来たるところはどこにあるかということを分析をしてみますと、第一は現行法規そのものを適用する十分なる予算的措置、人員というものがないことが一番大きな原因であろうと思います。 第二は現行法規そのものに欠陥があるということでございます。そこで、現行法規そのものに欠陥があることは、昨年十月、警察庁から通産省に対しまして二十二の項目にわたって火薬類取り締りに関する申し入れをいたしておるわけであります。その申し入れに対しましては、おそらく通産省におきましても検討を加えられておることと思うわけでありますが、大体がこの火薬類取締法並びにその施行規則というものを、ずっと熟読いたしてみるのに、指揮系統、監督の系統というものが若干統一を欠いておるような感があるわけであります。同時にまたこの法の中の解釈も、まちまちに解釈されるような条文がございます。たとえば火薬類取締法の第四十三条にありますところの、都道府県知事の製造所に対する立ち入り検査の権限でありますが、この立ち入り検査の権限は、通産省の直轄しておる三十四工場については都道府県知事は立ち入り検査の権限がないような解釈が一方ではなされておる。秋山軽工業局長の答弁によっても、都道府都知事がそういう三十四工場に対して立ち入り検査をする権限があるのかないのかということに関しまして、答弁の明確を欠いております。同時にこのことは通産省から法制局に対しましてその見解を求めたところが、法制局もこの法文によると、どうとも解釈ができるのであって、どうもこれはおかしいということを言っておる。ところが内田政務次官の答弁によりますと、都道府県知事は固有の権限をもって立ち入り検査ができるようなことを言っておるわけでありまして、そういうこと自体がもはやあいまいなんです。だから、都道府県知事は三十四の工場に対して立ち入り検査ができるのかどうかということすら、今日法的な解釈の統一がなされておらない、こういう実情であります。 次に都道府県知事に対する委任事務に関しましても、この前の委員会におきまして、火薬類取り締まりに対して、一体どの程度の予算をもってこの委任事務を行なわしめておるかということに関しまして質問をしたところが、秋山軽工業局長は、それは交付税の中に含まれておる——交付税の中に幾ら含まれておるのだ、そういうことに対してはっきりした答弁をいたしません。私は交付税の中に都道府県における火薬類取り締まりのものとしてどの程度の額ということを、自治庁と話し合わなければならぬと思うのだが、そういうことを自治庁との間に明確なる話し合いはしておりません、そうしてたぶん都道府県においては火薬類取り締まりをするための必要な経費として交付税に含まれておるものが、他の方面へ流用されておる節があるのではないかと思います。こういう答弁をいたしておるのであります。当局が自分のやっている仕事について自治庁と話をしてみればすぐわかるのにかかわらず、それをあえてそこまで究明しようとしない。そういうところに一体人員的な欠陥があるのかどうか、委任事務の規定はあるけれども、その委任事務が的確に行なわれておるというふうには、この予算関係、交付税の関係から見て見えないわけであります。 次に動議の説明にもありましたが、現在直接技術的な監督のできる者というのは実質的に三名しかいない。三名しかいないのに三十四の工場がある。こういうことでありますから、とてもできるはずのものではない。従ってこれはどうしても監督官制度とかそういうものを設ける必要があるが、それに伴って予算の大幅増額をしなければならぬ、こういうふうに私は見ておるのであります。 その次に問題はどこにあるかというと、通産省の省令ですか、火薬類取締法施行規則に、相当直さなくちゃならない問題があるのではなかろうか、こういうふうに私は思います。それは技術基準の確定についででありますが、たとえば保安距離に一例をとってみても、火薬庫の場合において、二十トンを貯蔵する火薬庫におきまして、その保安距離はどういうふうになっているかというと、国宝の建物があった場合には二千メートルが保安距離でございます。人家の場合は百メートルでございます一体人家と国宝の建物とどこが違うのか。人間の命と国宝とどこが違うのか。国宝の建物の中にはほとんど人間は住んでおりません。人家には人間が住んでおる。しかるにもかかわらず、通産省の規定によりますと、国宝の建物の場合は二千メートルの保安距離が必要であるけれども、人家の場合は百メートルでよろしい、こういうべらぼうなセンスでもって、すべての施行規則というものの基準が貫かれておる。私はこれは人命軽視の最たるものじゃなかろうかと思う。こういうのを今日なおかつてんとして、そうしてあの東洋化工の問題にもなっておりますところによりましても、そこでも現行の施行細則によって保安距離は十分だ十分だといっておるが、その施行規則の保安距離を調べてみると、人家は百メートルでいいという。そうして国宝の建物は二千メートル、いや鉄道はどうだ、道路はどうだといって、一種、二種、三種、四種と、それぞれメートルが違っておるわけでありますけれども、一番人命に影響のあるものは最も軽く扱って、百メートルでよろしい、こういうことになっておる。そういうようなことが、私はやはり今回の場合におきましても、付近の民家にかなりの損害を与えた大きな原因ではなかろうか、こういうふうに考えておりますので、小平君提案のこの決議には全面的に賛成すると同時に、これは一つ政府におかれてもこの趣旨を体して、法令の全般的な再検討、改正、同時にこれを裏づけするところの十分なる予算的措置を講ぜられんことを私も要望いたしまして、私の討論を終りたいと存じます。
○中村委員長 次は武藤武雄君、
○武藤委員 私は社会クラブを代表いたしまして、ただいま議題となりました火薬類の取り締まり強化に関する決議案に賛成をするものであります。 あらためて申すまでもなく、火薬類による災害は、その被害の甚大なること、残忍なことにおいては、他の追従を許さぬものがあるのであります。特に近来相次いで続出をいたしておりまする火薬工場の爆発事故は、まことに遺憾でありまして、これは国内において大きな社会不安をかもし出しておると言っても過言でないのであります。しかるに従来までのこれらの取り締まりについては、法規上の不備はもちろん、実際の取り締まり方法等についても、いろいろ不備欠陥があったわけでありまして、たとえば主管大臣である通商産業大臣と関係都道府と知事との権限関係、あるいは通産省と警察庁、消防庁等との取り締まりについての権限関係、さらに火薬取締法と関係法規との関係等において、著しく実情にそぐわない点が多いのであります。従いまして、政府は今回の災害を契機といたしまして、火薬類取締法の再検討を行なうとともに、関係法規についても実情に即した改正を行なう旨の趣旨を織り込んでおりまするし、特にまたこの保安教育等についても適切な処置を行なえるような根本的改定の問題を考えろという決議案でありますので、われわれ社会クラブといたしましては、全面的にこれに賛成をいたす次第であります。 同時にまた罹災者に対しましても、会社側が実際に補償を行なう問題等につきましても、報告書にも明らかなように、いろいろ取締法規上の面から見ても、遺憾な点があるという実態が報告されておりますし、またただいま申し上げましたようないろいろの関連法規、取り締まり等についても欠陥があるわけでありますから、これらを通して、発生をいたしました罹災者に対しましては、会社側が誠意を持ってこれの補償を考えるように、政府もまた行政的にこれを的確に指導する責任があるとわれわれは思うのであります。 従いまして、今後のこれらの経過に対しましては、われわれ社会クラブといたしましては、経過いかんによっては政府に対しまして、その責任をただす態度を留保いたしまして、本案に賛成をいたします。
○中村委員長 次は門司亮君。
○門司委員 私も多くは申し上げませんが、この決議が一つ当局は決議倒れにならないように、われわれの意図するところが十分徹底して、国民に不安を与えることのないように、再度こういう不祥事の起こらぬように、十分の御配慮を願って、そして繰り返して申し上げますが、ぜひ決議倒れにならないように、特に一つ御配慮をお願い申し上げたい、このことだけを当局に申し上げまして、賛成をいたします。
○中村委員長 お諮りいたします。火薬類取り締まりに関する件については、小平久雄君の動議の通り決議し、議長に報告の上、関係方面に参考送付することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中村委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。 この際通商産業大臣より発言を求められておりますので、これを許します。通商産業大臣池田勇人君。
○池田国務大臣 ただいまの御決議まことにごもっともでございます。私といたしましては決議の趣旨を十分体しまして、善処いたしたいと思います。 ————◇—————
○中村委員長 次に通商産業の基本施策及び経済総合計画に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますのでこれを許します。田中武夫君。
○田中(武)委員 私は、ガス料金の値上げ及びこれに関連いたしましての物価政策、こういう点についてお伺いをいたしたいと思うのですが、大臣の時間の都合もあるようでございますし、まず大臣に対する質問を先に申し上げたい、このように考えております。なお、本件につきましては、昨日板川委員から質問がありましたので、あるいは重複する点も出てくるかと思いますが、その点はお許し願いたい、このように思います。 そこで、まず通算省当局にお伺いいたしますが、東京瓦斯あるいは大阪瓦斯等から料金値上げ申請が出ているようでありますが、この申請後の経過とそれから通産省における今後の方針、そういうことについて、まず簡単に御説明願いたいと思います。
○小室説明員 東京瓦斯、大阪瓦斯及び後に台風後の情勢にかんがみて取り下げをいたしましたけれども東邦瓦斯のいわゆる大手三社から、九月十一日に、料金改訂を中心とするガス供給規程変更の申請がございました。その後東京、大阪両市において公聴会を開き、賛成意見並びに反対の利害関係者の意見を聴取いたしました。その後審査と申しまするか、検討を続けてきております。まだ結論は出ておりません。
○田中(武)委員 大臣にお伺いいたしますが、今回のガス料金値上げの申請のおもなる理由は、昭和二十七年から上げていないということと、もう一つは設備拡充のための資金が必要である。言うならば設備投資のための値上げ、こういうことが理由ではなかろうかと思うのであります。そうであるならば、自分の会社の設備投資のために消費者に、すなわち大衆に負担を転嫁さす、こういうように考えるのですが、大臣どのようにお考えになりますか。
○池田国務大臣 今回のガス料金値上げの申請の理由は、昭和二十七年から上げていないということはあまり理由にならないのです。おもなる理由は、会社の経営が今の状態では成り立っていかない。何がゆえに経営が成り立っていかないかということになりますると、ガス需要者が非常にふえて参りまして、三都市で、昭和二十七年には百五十五万戸でございましたけれども、ただいまでは二百七十五万戸に相なっております。百二十万戸の需要者の増加によりまして、それに対する設備が非常にかかっておるのでございます。大体五年間に八百億円の設備投資がすでに行なわれております。こういう設備投資が行なわれますると、金利負担が相当かかります。固定資産税がかなりかかります。そういう関係で、資本費に相当の増加を来たしておるのであります。通常の状態によりまして、すでにかかった設備費等の償却をしていきますると、経営が成り立っていかぬ。公益事業でございまするから、健全な経営をはかることが、これが消費者のためになることであると考えまして、ガスの値上げをするかしないか、する場合にどの程度が適正であるかということを検討いたしておるのであります。
○田中(武)委員 ただいまの御答弁によりますると、ガス会社は現在の状況であるならば経営が困難である。だから、ガス料金を値上げしたい、こういうことのようでありますが、しかし東京瓦斯にいたしましても大阪瓦斯にいたしましても、その配当は一割二分をやっております。現在一割二分の配当というならば、それほど経営困難とも考えられない。そこで大臣は、この種公益事業は大体どの程度の配当をすることが経営上必要と考えられるか、あるいは一割二分をやっておって、これが経営困難だというような理由になるか、このことについてお伺いいたしますとともに、ただいまのお話でありますと、だんだん需要者がふえてくる、それに対して設備をふやしていく、それならば新しくガスを必要とする人たちのために、今までガスを引いて使っておった人が負担をする、こういうことになろうと思いますが、むしろそのことであるならば、会社は他の方面から資金を求めて設備を増大するための努力をすべきであって、それにはまたあとで触れたいと思いますが、政府等もある程度の援助といいますか協力をしてやる必要もあるかと思いますが、新しくガスを必要とするその人たちのために、従来からガスを使っておる人にその責任を転嫁さす、こういうことはどうもおかしい、こう思いますが、いかがでございましょうか。
○池田国務大臣 御質問の第一点の一割二分の配当がどうかという問題でございます。この配当率につきましてはいろいろの説がございます。しかしこのガス会社もずっと以前は一割五分ではなかったかと思います。だんだん下げてきておるような状況でございます。私は何も一割二分が適正であるという結論は出しておりません。今研究中でございます。それから増資その他の関係もございますし、いろいろな点から私は考慮しなければならぬ問題だと思っております。 第二の、設備投資のために資本費が非常にかさむのだから、新しい需要者に対して、その費用を特別に負担さしたらどうか、こういうお話でございます。もちろん設備投資の分につきましては、従来の、需要者の増加、その他合理化に使う金ももちろんございますが、私は主として拡張の経費であると思う。お話のような点は、いろいろずっと前から議論されております。たとえば電話の架設につきまして、新規加入者が特別の電電債を持つ、あるいは今度また議論になっておるようでございますが、その持ち方をうんとふやすとかいう考え方もございます。しかし、私はそういう考え方もございますが、公益事業である関係上、やはり会社が相当負担するということが適当ではないか、私もあなたと同じような意見を事務当局に申しまして検討さしたことがございまするが、結論といたしましては、やはり新しい人がある程度の負担はいたしておりますが、特別の負担をするということは、いかがなものかと考えております。
○田中(武)委員 この都市ガスの第一次五カ年計画及び第二次五カ年計画におきまして、これは大体通産省の指示といいますか、これによってやっておると思う。それに対して、たとえば第一次五カ年計画、昭和二十八年から三十二年の間に七百四十億円を投資しておるわけです。それに対して勧銀からの融資といいますか、財政投融資における融資は二十一億、それから第二次五カ年計画の三十三年から見ましたときに、千二百五十八億円の設備資金に対しまして、三十三年に八億、三十四年十億だと思います。今申し上げておりますように、なるほど文化生活をやるためには、生活向上のためには多くガスを引く、これは望ましいことではありますが、それをやるために従来の使用者に対して負担をさすということはどうも筋が通らない、むしろそれならば、会社の責任において資金の借り入れ、いうならば、そういったような財政投融資金等のカバーによって、これを政府の方が貸してやる、こういうことによってガス料金の値上げをやめさして、そういう必要な資金を融資してやる、こういうことが望ましいのではなかろうかと思うのです。たとえばきのう板川君もその点に触れておりましたが、同じ公益事業であって、同じような規制と監督を受けておりながら、電気事業に対する政府の協力といいますか保護といいますか、これとガス事業のそれとは比較にならないような点があります。こういう第一次五カ年計画あるいは第二次五カ年計画といったように、通産省の指示によって拡張していく面につきましては、通産省自体がめんどうを見てやる必要があるのではなかろうか、それをめんどうを見てやらないから、結局ガス料金を値上げして、それを従来の需要者に転嫁していく、こういう方法によるガス料金値上げの問題になると思うのですが、そういうことをやめさせて、もう少し大臣の方からめんどうを見てやって、資金の融通をつけるということによってガス料金の値上げをやめさすという手はないのですか。
○池田国務大臣 お話の点は、ごもっともの点でございまして、私も就任以来そういう方向で進んでおるであります。できるだけ財政投融資の金を使おう、また私は、財政投融資の資金源がそう豊かではございませんから、世界銀行に対しての貸付の申し込みもさす等、いろいろ手を尽くしていこうといたしておるのでございます。しかし何分にもこういう多額の金を、やはり財政投融資の金額だけでは、とてもまかない切らぬと思います。また今の現状から申しまして、資金を見てやるから、値上げをしなくても済むというところまでは私はいかぬと思います。ただ値上げの率を非常に軽減することはできると思いますが、値上げせずに済むというところまではいかないのではないか、しかしこれはまだ検討中でございます。
○田中(武)委員 大臣、今度の値上げの主要な要素が設備の拡張なんですね。そうすると、設備の拡張に要する資金を必要とするために値上げをする、それならば、設備拡張のための融資ということを見てやるならば、値上げをせずに済むのではないか、こう申し上げておるのですが、どうですか。
○池田国務大臣 融資にもやはり利子がかかります。そうして固定資産税も全然払わないというわけにもいきませんし、それからもちろんコークスの値段等にもございますが、金のめんどうを見るからといって、利子のつくお金でございます。なかなかこれは厄介でございます。それから設備投資をいたしますれば、償却も見ていかなければなりません等々で、私は、いろいろの施策によって引き上げられる率を、ある程度緩和はできますけれども、引き上げなくとも済むというところまではいかないのではないかと思っております。検討中でございまするが……。
○田中(武)委員 この点につきましては、昨日板川委員も若干触れておりましたが、三十二年の十一月の十二日に、当商工委員会におきましても、いわゆるガス料金の値上げというようなことを考えまして、次のようなことを決議いたしております。 二、今次決定の「都市ガス普及第二次五ケ年計画」の実施にあたっては、ガス料金の値上げ抑制と、計画の完全な達成を計るため、 イ、長期低利の政府資金の円滑な供給。 ロ、家庭炊事用ガスに対する電気ガス税の減免、他の公益事業の例にならい固定資産税及び道路占用料等における優遇措置を講ずること。 このように決議いたしております。今の大臣のおっしゃっておられるようなことを、二年前にわれわれはおもんぱかって、このようなことの決議をいたしております。大臣は当時通産大臣ではなかったと思いますが、通産省といたしましては、当委員会の今申し上げましたような決議に対して、どのような今までに方策を立てられたか、おそらくは今申しましたような税の面、あるいは金融の面等について何ら考えられていないのではないか、その結果が今申しましたような料金値上げとなって現われてきているのではないかと思いますが、過去におけるこの決議に対してどのような措置を、通産当局としては具体的にとられましたか、お伺いいたします。
○池田国務大臣 電気ガスと並べてお話しになりました。われわれも二つの公益事業として同等に取り扱う気持でございまするが、しかし何分にもガス事業というものは、公益事業でございますが、電気とはよほど性質の違うものでございます。従って、たとえばお金の量にいたしましても、また需要供給に対しての弾力性から申しましても、かなり違っておるので、並んではおりまするが、しょせん、やはりより重要な方面に行政としてはいきがちでございます。しかし、昭和三十二年の御決議もございましたから、ただいまお話のように、開発銀行からの融資も、それ以前よりはだんだんふえてきておるのであります。それからまた固定資産税におきましても、昨年の今ごろ相当問題にいたしまして、通産省といたしましては自治庁に特にかけ合い、そうして強く要望したのでございまするが、党の方でももう一年待てというので、実は今年まで待ったような次第で、決してガス事業というものをおろそかにしているわけではございません。しかし、御趣旨の線は、私先ほど申し上げましたごとく、大衆の必需品である関係上、また生活の向上にぜひなくてはならぬものでございますので、今後も御決議の趣旨に沿って進んでいきたいと思います。
○田中(武)委員 固定資産税の点につきましては、もう一年だけ待て、こういうことであったというようなお話でございますが、そうすると、ことしからは何らか特別措置が講ぜられるという見通しなんですか。
○池田国務大臣 私はきつくこれを要望いたしましてやっておるわけでございます。党の方も、昨年はそういう約束をしてくれておると聞き及んでおります。
○田中(武)委員 昨日の板川君の質問に対しまして大臣は、電気ガスの消費税、この点についても、私個人としては軽減が望ましいと考えておる、だがしかし、国務大臣という立場から、今申し上げられない、このようなお答えがあったと記憶いたしておりますが、この税のことにつきましては、大臣は専門でございますので、これはわれわれが申し上げるまでもなくおわかりと思いますが、私は、一般的にいって消費税というようなものは、大体大衆に負担を転嫁するものであって、税の性格からいってあまり望ましくない、こう考えておるわけなんです。そこで、きのう大臣は、私個人としてはと、こう言うのですが、個人意見では何にもなりませんので、通産大臣として、ことにガスを監督し、管理する立場にある責任者として、このガス電気消費税をどのようにしようとお考えになっておるか。きのう板川君も申しておりましたが、こういった消費税をなくすることによって、この際ガス料金の値上げをやめたらどうか、こういうような意見を述べておりましたが、もう一度、個人でなく通産大臣として、国務大臣としてどう考えておるか。そして、閣議等にそれを持ち出して、これをなくしていく、そうしてガス料金の値上げを押えていく、こういうような方向をとっていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○池田国務大臣 私の記憶が間違いでなかったならば、この電気ガス税は、私が課長時代にこしらえた税金かと考えております。これは戦争前の非常時のときで、やむを得ずやったのでございまするが、私は現存の税の建前から申しましても、新しい税がやはり一番よくない、せっぱ詰まった税だと思います。早い話が、消費税と申しましても、御飯をたいたり、煮ものをするのに税金をかけるということは、私はこれは普通のやり方ではないと思う。これは財政学的に申しましても決していい税ではない。こういう税を新たに設けようと思ったら絶対反対でございますが、何分にもできた税というものは、悪税でも既設の税はいいんだという一つの考え方——これは収入その他からいっておると思いますが、私自身といたしましては、電気ガス税、ことに炊飯に用いるようなものはやめた方がいいという考えでございます。従いましては私は、自治庁長官、大蔵大臣等にも言っておりますが、今回もしガス料金を上げた場合には、上げたものについてまた一割をかけるというようなことはおよし願いたい。それの自然増収は軽減に充てるべきだということを言っておるのでございますが、やはり財政の都合で、財政当局はいかに考えますか、通産大臣といたしましては、こういう税はまず軽くしながら、だんだんやめていくのがほんとうではないかと思います。
○田中(武)委員 若干の値上げはやむを得ないという立場に立っての御答弁のように考えるわけですが、上げた分についてはそれはかけない方がいい、そういうことでなしに、われわれが言っておるのは、この際ガス料金値上げを許可せずして、そして消費税をかくする、そういうことによって何らが方法はとれないかということを申し上げておりますので、大臣には時間の都合もあるようですから、このことを強く要望して、御検討していただくということで大臣は退席していただいてけっこうであります。しかしこれは私個人として、というようなことでなくて、大物大臣らしく、自分のいいと思ったことはうんと推進していたかく、そういうことで期待をいたしております。 次に菅野国務大臣にお伺いをいたしますが、きのうもこれまた板川君が若干触れておりましたが、ことしの四月以来、新聞料金、放送料金等が値上げをし、あるいはガス料金が今値上げをされようとしておる。それから電気の三割頭打ち制度の廃止、これは来年度からでございますから今直ちに影響はない、こういうお答えであったと思いますが、私たちが見ておるところによりますと、大体基礎産業の物資、あるいは公益事業関係の料金がだんだん値上がりの傾向を示しており、政府もまたそういった方向をとっておられるように思いますが、経済企画庁といたしましては、今後の物価政策に対してどのようにお考えになっておるか。政府は高物価改策をとっておられるように考えておりますがいかがですか。
○菅野国務大臣 公益事業の料金の値上げの問題につきましては、物価を上げないという立場からできるだけ押えてきておるのでありまして、経営上やむを得ないもの、また物価の上にそれほど影響のないものは許してもいいのではないかというような考え方でおるのであります。従いまして、最近御承知の通り物価上昇の機運がありますので、そういう場合に、公益事業の料金を上げるということは、物価上昇を一そう促進することになりゃしないかということを心配いたしまして、実は九月二十九日の閣議に諮りまして、この際は自重してもらいたいということを閣議で諮って、皆さんの御了解を得たのであります。従いまして公益事業の料金については、各省の方では慎重にこれを取り扱っておられることと思うのであります。従いましてガス料金の問題も、今通産省には申請がしてあるのでありまして、まだ私のところにはその申請は参っておりませんが、通産省といたしましても、先ほどから通産大臣がお話しになった通り、いろいろの点を考慮されておるのではないかと、こう考えておるのであります。
○田中(武)委員 何か九月二十九日の閣議にそういうことを出されて、物価値上げというようなことを押えていくようにしたい、こういうように考えていた、こういうお話ですが、現実の問題として、もうすでに四月から、新聞、放送料金あるいは私鉄の料金が上がっております。それから来年度からということですが、電気が上がる。そうすると、もう物価にはね返るのは当然です。ガスもまたそういうことがいえると思います。また小さな問題ではありますが、散髪とかパーマ、ふろ代等の値上げもしておるわけです。そういう点から、物価値上げ政策はよくない、物価を押えていくのだ、こういうお考えの経済企画庁長官といたしましては、ガス料金より値上げの認可は通産省でおやりになると思うのですが、それに対して、経済企画庁としては、それはやらないように、こういうようなことを言われるという決意でありますか。
○菅野国務大臣 ただいま申し上げました通り、ガス料金の値上げの問題は、今通産省においていろいろ査定中だと思いますが、通産省といたしましては、ガス会社の経営がうまくいくかどうかという立場から、いろいろ考慮されておることと思います。私の方の立場からいえば、これが物価にどうはね返るかという立場からまた考究したい、こう考えておるのでありまして、今私の方で、これが物価にどう影響するかということについては、まだ事務当局で査定中で、結論が出ておりません。もし物価にそれほど影響がないということであれば、これは経営上どうしても値上げしなければやっていけぬということであれば、やむを得ずやはり値上げをしなければならぬのじゃないか、こう考えております。
○田中(武)委員 公益事業局長、このガス料金の値上げは、家庭のいわゆる炊事用等に消費するガスだけですか。それとも工業用のガスはどうなっていますか。
○小室説明員 全体、工業用も含めて、ガス消費全体について値上げをするという前提で考えておるのであります。
○田中(武)委員 経済企画庁長官、ただいまお聞きのように、いわゆる工業用ガスも値上げする、こうするならば、おっしゃるように、物価に影響を与えないものならば云々と言われておりますが、工業用にまでそれが上がるならば、これは当然物価にはね返ることは言うを待たないのであります。そういう観点から、経済企画庁としては、物価対策上何らかの意思表示を、通産省にせられる用意がありますか。
○小室説明員 私ちょっと補足して申し上げたいのでございますが、電気料金の場合には、御承知のように、電力の消費が、家庭の電灯になっていない電力の方が、大ざっぱにいって八割五分なんです。その反対に、ガスの方は、八割以上、八割ちょっとこえるところまでが家庭燃料と、それから料理店その他に使う燃料です。これは会社によって多少差がございますが、二割以下のものが工業用で、電力とだいぶその辺の事情が違うということを補足して申し上げます。
○菅野国務大臣 今までの例で、たとえば新聞料金の値上げあるいは私鉄の運賃値上げなどは、大体私たちの方では、一般物価に影響ないという見通しをしまして賛成をいたしたのであります。そこでこのガス料金の問題は、今申し上げました通り、一般物価に影響するかどうかというようなことについて、私の方で今事務当局が、いろいろ各方面から研究いたしておるのでありまして、これがすぐ物価に影響するかどうかということは、よほど検討しなければならぬ、こう考えておりますので、今直ちに私から、それは物価に影響があるという結論を下すことはまだできない、こう考えておるのであります。なおこのガスの料金の値上げにつきましては、きのうも通産大臣からもお話がありましたが、新しい地域にガスをつけてくれという要望が相当多い。従って、そういう新しい需要というようなことに応ずるためには、やはりガス料金の値上げをして、そうしてその差だけの増設費用を生みたいというようなお話もあったようでありますが、そういうようなことで、今までの人々には、ガス料金の値上げで負担がふえますが、また一方からいうと、新しい需要に応ずるということで、新しい人々に対してそれだけのサービスということにもなる、そういうようなことであるいは考慮されるべきじゃないか、こう私は考えておるのであります。
○田中(武)委員 大臣の答弁、ちょっと筋をはずれたと思うのですが、私が申し上げておるのは、ガス料金にいたしましても、電気代は来年度からではありますが、そういった工業用のもの、いわゆるコストに影響のあるものが値上がりするならば、一般物価の値上がりを来たすことは当然だと思う。大臣が先ほど申されましたように、物価値上げを来たすような料金の値上げは好ましくない、こういうことでございますならば、当然そういったような面が現われてくるならば、今おっしゃったような物価高騰政策をとるような値上げには反対である、そういった意思表示は、経済企画庁としてできないか、こういうことなんです。
○菅野国務大臣 公益事業料金の値上げが一般物価あるいは消費者物価に対して非常な影響を及ぼすという場合は、それはむろん反対はいたします。しかしその影響がほとんど微動であって、それほど問題にならぬという場合には、これは今言った通り会社の経営がどうしてもやっていけないという場合には、やむを得ず料金の値上げに賛成せざるを得ないのではないか、こう考えておるのであります。
○田中(武)委員 ガス会社の経営の問題はしばらくおいて、いずれにせよ、ものを作る場合のコストとしての材料費の一部になると思う。電気代あるいはガス代が上がれば、当然一割上がるなら一割、五%上がれば五%の原料高になることは当然であります。そういうことについて申し上げておるわけですが、いかがでしょうか。
○菅野国務大臣 一割上がればその制、品が一割上がる、コストが一割上がるかということは、そのときの市況や何かの問題がありますので、すぐにはそういうふうになるとは、決断はできぬと考えておるのであります。
○田中(武)委員 ほかの条件が皆一緒だとすれば、そのうちのガス代なり電気代が一割上がれば上がる、従って……。
○菅野国務大臣 算術的な計算はむろんそうなります。
○田中(武)委員 従って物価の値上げになるような、いわゆる物価にはね返るような値上げに対しては好ましくない、こういうことをおっしゃることを確認いたしたいと思いますが、そうなんですか。
○菅野国務大臣 それが一割上がれば直ちに物価が一割上がるということであれば、それは非常に大きな問題だと私は考えております。しかし私どもいろいろ計算をしておるのでありますが、かりにガス料金が一〇%上がった場合に、一般物価にどれだけ影響するかということで、私の方でいろいろ調査研究しておりますが、その影響がほとんどないというのが今の結論であります。しかしこれはもう少し私の方で検討しなければならぬ、こう思っておりますが、事務当局の計算では、ほとんど影響がないという計算になっておるようであります。
○田中(武)委員 最近の目立った傾向といたしましては、これは政府の方針がそうでありますけれども、独禁法を緩和していろいろと出て参りますところの経済立法の大部分は独禁法緩和の傾向をとっております。あるいは他の名目によって出されたものも結果的にはそういうことになっておる。今日の状況は、たとえば環境衛生法だと、こう言っておるが、その実は独禁法緩和、従ってカルテル協定、こういうような格好において物価が値上げを示しておる、こういうことは争われない事実であります。そういうことに対して物価政策という上に立って、総元締めをしておる経済企画庁長官としては、そういう傾向はどう思われますか。たとえば基礎産業にいたしましても、鉄鋼等も一つの申し合わせ、言うならばカルテル、これによって値上げをいたしております。それがあらゆる物価にはね返ることは当然であります。たとえば私鉄運賃あるいは国鉄等がまた上がるともいわれております。そうすれば運賃の値上げは当然物価にはね返ってくる、こういうように考えるのですが、いかがですか。
○菅野国務大臣 独占価格の問題、今いろいろお話がありましたが、これは料金を値上げすることが直接物価に影響するということも考慮しなければならぬし、また料金を値上げすることによって、会社の経営状態がよくなることによって一般大衆に利益を与えるということも考慮しなければならぬのであります。従いましてたとえばカルテルの廃止などでも、そのカルテルを廃止することによって生産が非常にふえ、それだけまたそれによって物価が下がるということも考えられるのでありますからして、料金を上げたからすぐ物価に影響する、それはいかぬということは直線的に考えてはいけない、あらゆる方面から考慮しなければならぬ、こう私は考えております。
○田中(武)委員 あらゆる方面から考慮するのだが、ともかく一つで押えればどこか上がるのですよ。これは当然そうなんです。基礎産業であれば当然です。その企業が今までのもうけを少なくする、いわゆる利潤を少なくしない限り、同じ利潤を確保しようとする限り、運賃が上がれば物価に影響してくる。鉄鋼料金が上がればそれを材料として作ったものにはね返る。これは当然なんです。要は私先ほど申し上げておるように、独禁法の緩和、すなわち協定あるいはカルテル、こういうようなことによる物価値上げを示しておることについて一つ十分関心を持ってもらって——先ほど申されたように経済企画庁としては高物価政策というか、物価値上げに対しては大きな関心を持っており、もしそういうような傾向があったならば、自分としても大いにそういうことのないように努めたい、こうおっしゃっておられますが、そういう決意があるとして、きょうはこの程度にいたしておきます。 次に自治庁の鎌田市町村税課長が見えておるそうですから、ちょっとお伺いいたしますが、先ほど来の質疑をお聞きの通り、今回のガス料金の値上げにつきましては、われわれは値上げには反対という立場から、値上げを消費税等の廃止または軽減によって押えていったらどうか、こういう観点で申し上げておるわけなんです。先ほどお聞きのようにガス、電気等を管理監督しておられる通産省におきましても、通産大臣はそういうことは望ましい、こういうように発言しておられるのですが、市町村税課長として自治庁の立場から、これは市町村税ですから、どういうようにお考えになっておりますか。
○鎌田説明員 お尋ねの点でございますが、この電気ガス税につきましては、先ほど通産大臣からいろいろお話もございましたが、私どもといたしましては、一つは地方税といたしましては昭和二十三年以来すでに十年余りの沿革があるわけでございます。その間この税の運用の経緯を見ておりますと、税源の所在というものが市町村に普遍的でございますし、また伸張性に乏しい市町村の税の中で住民税、固定資産税に次ぎまして税源といたしましては、非常にいい税源になっておるわけでございます。それで私ども市町村財政の見地、特に御存じの通り明年は災害復旧等もひっくるめまして財政需要も非常に伸びて参っております。かたがた税収の面におきましては所得税の減税に伴いまして住民税の減収等の問題もありまして、非常に財政面でまた困窮する段階に立ち至るのではないだろうか、こういうように考えておる次第でございます。従いましてこの段階におきまして既存の税収を減らすような、いわゆる減税ということは差し控えて参りたい、こういう気持を持っておるわけでございます。 それからこの電気ガス税でありますが、これは消費者から電力会社が徴収をいたしまして市町村に納める、こういうような形でございまして、この電気ガス税は電力会社の収入になるものではございませんので、先ほど来伺っておりますガス料金の値上げという趣旨から考えますと電気ガスに対する消費税を軽減ないし廃止せられましても、このガス料金の値上げを必要とする趣旨からいたしますと、これは別個の問題ではなかろうか、こういうように考える次第でございます。
○田中(武)委員 別個の問題ではなかろうか、こういうことなんだが、結局消費者からいえば税金と料金とごっちゃになって払っているわけなんです。ところが今言われたように、なるほどほっといても使えばそれだけ税金の入ってくるという消費税、これが一番安易なといいますか、一番いい財源だという言葉を使いましたが、そうだと思う。しかし私はそれだけに消費税といったものは大体負担を大衆に転嫁するあまり好ましい税金とは思っていない。先ほど来申し上げておるように、今回たまたまガス料金の値上げが問題になっておるので、前から電気ガス消費税なんというものはあまり好ましくない、こう考えておりますので、それをなくして、財源をまた別に考えられると思う。これをなくして料金の値上げを押さえたらどうか。もちろんおっしゃるようにガス料金の値上げの原因が、ガス消費税にあるとは申し上げていないわけです。しかしガス消費税というものは本来好ましくないからこの際なくしたらどうか、こう申し上げているわけです。自治庁としての立場からいえば、これはあなたがおっしゃったように、じっとしておっても入ってくる、いわゆる徴税の手数等にあまり気を使わなくても、ほっといても入ってくるのだから一番いい、こういうことだと思うのですが、大体こういう消費税についての考え方としてどうですか。私はよくないと思うのですが。
○鎌田説明員 大へん大きな問題になって参るわけでございますが、国の税でも地方の税でも同様でございますが、特に府県なり市町村なりという小さい団体の財源を私ども見て参りますと、財政需要が伸びて参りますにつきまして税収が追いつきません。従いましてそういった意味で財政需要の伸びに対して、やはり税収の伸びでカバーができるような税が必要ではないか、こういうように考えている次第であります。そういういわゆる、税の言葉で申しまして税の伸張性と申しておるわけでございますが、こういう伸張性のある税を市町村税に取り入れていく、こういうことが必要になって参りますと、そういう伸張性は、一つは所得課税、一つは消費課税、こういう二つの税に分類できょうかと思う次第でございます。消費課税自身についてのいろいろの原理的な御議論というものはあると思うのでございますが、私ども何分にも今申しましたような市町村財政の実情でございますので、むしろ消費課税として電気ガス税を純化していくという方向で考えて参りたい、こういうように考えておる次第でございます。
○田中(武)委員 そうすると通産大臣の答弁とあなたの考え方とは食い違っておるわけですね。少なくとも通産大臣としてガス消費税は好ましくない、こういう立場に立って話されておったと思います。まあしかし課長のあなたがそれに対してやめますというようなことは言えないと思いますから、この程度にしておきましょう。しかしそういう一番安易な、財源としてはいいんだから、こういうような頭で税金を考えてもらったら困る、これだけは申し上げておきます。 それから地方税法の三百四十九条の三によって、電気、地方鉄道、船舶、航空機、日本放送協会あるいは日本原子力研究所等の事業の設備については、いわゆる固定資産税について特別の措置が講ぜられておる。ところがこれは、電気、地方鉄道云々こう考えていくと、大体が公益性を強く持っておる事業だと思う。ところがガスだけにはこの特別措置が講じられていない。こういう点は片手落ちではなかろうかと思うのですが、その点いかがでしょうか。
○鎌田説明員 ただいま御指摘になりました地方税法第三百四十九条の三の規定には、今おっしゃいましたようにガスが抜けております。このガスが抜けております経緯につきましては、この制度ができましたのが、昭和二十九年の地方税法の改正の際でございます。昭和二十九年の地方税法改正の際に、同じくその当時は、ガス事業につきましては、第一次五カ年計画が進捗中であったわけであります。その際、やはりこの問題が意識せられながら落とされておるということにつきましては、私その趣旨を考えてみますと、先ほど来いろいろ御議論もございましたが、電気と比較した場合に、ガスの事業に対する、たとえば用途の問題でございますとか、あるいは料金の統制の問題でございますとか、あるいはまた政府の資金対策と申しますか、こういった点について較差が認められる。そういった点から、当時から落とされておったのではないか、こういうふうに私考える次第でございます。 今日の段階でこの問題をどう考えるかということにつきましては、先ほど通産大臣からもお話がございましたように、昨年来非常に大きなむずかしい問題になっておるわけでございます。ただ私どもといたしましては、この三百四十九条の三という規定が、いわゆる課税標準の特例規定でございますが、この規定、あるいはまた地方税法の中にもそのほかに非課税規定がたくさんございます。そういったいわゆる広い意味での特別措置というものにつきまして、こういったあり方でいいのだろうか。たとえば固定資産税の場合でございましても、片方におきまして、母子家庭で、その家を売り払ってしまうと、もうほかには住むところがないといったところの固定資産税という問題が、やはり片方でもあるわけでございます。こういった面を考えてみまして、この非課税規定あるいは課税標準の特例規定というものについて、根本的なあり方をどういうふうに考えるべきであろうかということを、現在せっかく政府に設けておりますところの税制調査会等でも検討していただいておる最中でございます。従いまして、そこでこの問題も、その一環として取り上げて考えていったらいかがなものであろうか、こういうふうに考えておる次第ございます
○田中(武)委員 大体独占企業といいますか、そういったものに対する税の特別措置というようなことには、根本的にはわれわれはあまり賛成できない。しかし、こうして電気とか地方鉄道とか、船舶、航空機等々にあって、同じ公益性を持っておりながら、ガスだけが除外せられておるという点については納得できない、このように申し上げておりますので、その間のバランスを調整する、こういうことを要望いたしておきます。 それから公益事業局長ですか、先ほどの最初のお話に、申請が出て、公聴会を開いて云々と言われたのですが、大体私、この公聴会のあり方ということについて大きな疑問を持っておるわけです。と申しますのは、公聴会を持つためには、それは規則によって官報に掲載して云々、こういうことだと思いますが、一般の人たちは、官報なんてあまり見ない。あるいはその地方の新聞にも出るだろうが、大体公聴会が開かれたことはあまり知らない。そこで公聴会はあらかじめ予定した人を集めて行なわれておる、こういうことが大体の今までの状況だと思うのです。公聴会が終わってから、われわれはそんなことを知らなんだ、公聴会において賛成の意見が出たそうだが、知らなんだといって、そういうことに反対だ、こういうのが間々あるわけです。実は兵庫県の例ですが、大阪瓦斯の申請に対しましても、何か公聴会を持たれたそうですが、尼崎地方におきましては、全然それを知らなんだ。ところがよく調べてみると、なるほど関西主婦連の比嘉さんという勇敢な方もあって、反対を唱えられたと聞いておりますが、大部分の人がやはり賛成するような人を、大体十人中には七人くらいまでは賛成するような人を呼んできて、あと三人くらいは言いわけのために中立、反対の人を呼んで、形式だけの公聴会を持って、そうして公聴会が終わって、こうだからということが名目になっておるようでありますが、公聴会のあり方といいますか、持ち方に対して、何か検討を加える必要など考えていませんか、いかがでしょうか。
○小室説明員 確かに法規の定めておる官報掲載というようなことは、なかなか今どき官報をよく見ている人も少ないわけでございますから、少し不十分じゃなかろうかという点は、私ども考えております。幸いに東京とか大阪とかで公聴会を開きます場合には、新聞紙上等にも掲載されておりますし、今までのところは、知らなかったから参加できなかったという苦情はあまりございません。 それからまた、東京瓦斯、大阪瓦斯の今回の公聴会の場合には、まず賛否ほとんど半々、条件つき賛成を入れればちょっと賛成の方が多いかというくらいの感じでございまして、決して八百長的に賛成の方だけ、かり集めたということは毛頭ございません。議事録をごらんいただいても、その辺はおわかりいただけるだろうと思います。ただ会場、時間等の制限もございますから、どなたも全部ということはなかなか実際問題として困難な点もございますし、公聴会で賛成なり反対なり議論の要点は、ほとんど尽くしたように思いますので、公聴会としては十分御意見を承っておるものと考えておるわけであります。
○田中(武)委員 前に当委員会で、たしか千葉県の茂原市ですか天然ガスの値上げの問題で、それもあとで公聴会が抜き打ち的にやられたというようなことで、問題にしたこともあると記憶いたしております。何もこういう公益料金の値上げだけではありませんが、あらゆる場合に公聴会というものが形式的に持たれるというふうな、にせの民主主義といいますかのために、こういう審議会を作って、その意見を聞いたとか、あるいは調査会の意見を聞いたとか、これは政府がよくやる手なんですが、大体言いわけのために持たれておる。こういうような場合が多いと思うのです。今度の公聴会等におきましても、今局長はそうおっしゃっておりますが、大体その地方の住民の人は全然知らなかった、新聞に出て初めて見て驚いた、こういうような状態でありますので、公聴会を、もう少し一般の人に知らせる方法を考えてもらわねばならないのではないか。もし一回やった公聴会でも、十分その地方の人の民意といいますか考え方を反映していないと見た場合は、さらにもう一ぺん公聴会を開くような手も考える必要があるのではないか、このように考えておりますが、いかがでしょう。
○小室説明員 法規によります公聴会と、それから別途に利害関係者の御意見を十分承る機会を持つということと並行してやれると思うのです。実は尼崎のお話もありましたが、そういう各市の議会などでも、反対なり御批評などもあって、そういう方々の代表にも私お会いして、十分御意見を聞いております。主婦連でもその他の方々でも、公聴会に御出席にはなったけれども、それとは別に言い残した点、言い尽くせなかった点があれば、そういう点は、私一々お会いして十分御意見を聞いております。公聴会だけが政府が御意見を聞く機会だというふうには思っておりません。またお義理で公聴会の御意見を聞いていると申されますが、そうではございませんで、反対の論者の中で、私ども傾聴しなければならぬという御意見は、これは査定の際に十分取り入れているつもりであります。
○田中(武)委員 これでおきます。大体公聴会というものは、持ったということの言いわけにするために、ともかくもお義理で持ったというふうに考えられる公聴会が多いと思うのです。そこで、今回の問題にいたしましても、たとえば尼崎地方におきましては、全然知らない、こう言っておるので、法律による公聴会というものをもう一度持つということは、それは法律的には無理だと思うのですが、会社の方も、十分その地方の人の意見を聞くような、いわば私的な公聴会といいますか、あるいは反対に言うならば、ガス会社の、住民の人たちに対する納得してもらう方法といいますか、そういうことにもなろうと思いますが、十分な意見を聞き、そうしてその意見の上に立って考えるという機会をもう一度持つように、局長の方からも、各東京あるいは大阪のガス会社等にも言っていただくことが必要じゃないか、こう思っておりますが、いかがでしょう。
○小室説明員 利害関係者の御意見を十分会社側としても聞くことは大事なことでございます。料金値上げの問題に限らず、ガス会社はサービスが悪いという声もずいぶんございます。実は東京瓦斯などでもモデル地区なども指定して、そうして苦情を特に聞くような機会を持っていろいろ努力をいたしております。今後もそういう御趣旨に沿ったような努力を重ねていきたいと思います。
○田中(武)委員 最後に、もう大臣も帰られましたが、昨日板川君、そしてきょう私が質問を通じて申し上げていることは、十分おわかりのことと思います。われわれといたしましては、このような公益性を持つものの料金の値上げは、慎重にやってもらいたい。特にガス料金の値上げについては、値上げを考えないという方向でいってもらいたい。そうしてそのかわりに、経営面等においては、設備のための融資あるいは税金等については考えてやれ、こういうことを主張いたしておりますので、その点を十分に検討してもらうよう要望いたして終わります。
○中村委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。 午後零時四十一分散会