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33回国会衆議院1959/12/09

社会労働委員会 第11号

発言数
95
登壇者
9
会派数
2
開催日
1959/12/09

会議録

永山忠則自由民主党

○永山委員長 これより会議を開きます。  この際、参考人出頭に関する件についてお諮りいたします。ルバング島残留日本兵救出問題について実情を聴取するため、明十日、参考人として小野田敏郎君及び小塚福治君の出頭を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

永山忠則自由民主党

○永山委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。      ————◇—————

永山忠則自由民主党

○永山委員長 去る五日付託になりました、田中正巳君外八名提出の、医師等の免許及び試験の特例に関する法律等の一部を改正する法律案を議題として、審査を進めます。     —————————————

永山忠則自由民主党

○永山委員長 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。田中正巳君。

田中正巳自由民主党

○田中(正)委員 ただいま議題となりました医師等の免許及び試験の特例に関する法律等の一部を改正する法律案につき、提案者を代表して提案理由を御説明いたします。  終戦前に満州国、朝鮮、台湾、樺太等の地において、その地の制度によって医師または歯科医師の免許を得ていた者で、終戦により日本に引き揚げた人々につきましては、医師等の免許及び試験の特例に関する法律により、医師または歯科医師の免許を取得するための選考及び特例試験の措置が講じられております。またこれらの者のうち、昭和二十八年二月以前に引き揚げた者と終戦前満洲方面向けの医師の養成を目的として内地に設けられた医学校を卒業した者等については、医師国家試験予備試験及び歯科医師国家試験予備試験の受験資格の特例に関する法律によって国家試験予備試験の受験資格が与えられております。  しかるにこの両法律による特別措置は、昭和三十四年末をもって期限が切れることになっておりますが、これに該当する者が現在なお若干名実在しておるのであります。  従いまして、今回これらの措置を一年間延長して、医師または歯科医師になり得る道を残し、将来の希望を持たせることが適当と存じまして、本法律を提出いたした次第でございます。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決せられるようお願い申し上げます。

永山忠則自由民主党

○永山委員長 以上で説明は終わりました。本案についての質疑は次会に譲ることにいたします。      ————◇—————

永山忠則自由民主党

○永山委員長 次に、大石武一君外九名提出の、クリーニング業法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑を許します。滝井義高君。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 クリーニング業法の一部改正の法律案について、一、二点質問をしておきたいと思います。  この前、田中君の質問によりまして、クリーニング業界の実態というものは、三万一千四百六十二カ所にクリーニング業所があるということはわかりました。この前の質問でちょっと私は聞き落としたのですが、五人未満の使用人しかないところというのは、一体幾つくらいございますか。

聖成稔厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○聖成説明員 五人未満、四人以下のクリーニング所の総数は二万六千四百二十八、三十三年末現在でございます。     〔委員長退席、田中(正)委員長代   理着席〕

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、この前の田中君の質問に対して、洗たく機を持っておる者が七六・四%で、洗たく機のない者が二三・六%、脱水機のあるものが九二%でない者が八%ですか、そういう御答弁があったのですが、この五人未満の二万六千四百二十八の中における割合というものはどうなっておるのですか、洗たく機、脱水機の有無について。

聖成稔厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○聖成説明員 洗たく機、脱水機を持っておらない者が四千二十四施設です。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、問題は、この法律が改正されることによって、四千二十四の施設が財政的な支出をしなければならぬことになるわけです。問題は、現在これらの施設に環境衛生向上に資するようなそういう設備をせしめるためには、現在問題になっておる環境衛生のいわゆる適正化審議会で審議しました料金の問題とも、これはうらはらの関係になってくるわけです。現在これらの料金引き上げについては、消費者団体、主婦連その他から相当強い反対があることは、厚生省御存じの通りです。そうしますと、現在中央の適正化審議会で——この前いろいろ御質問しましたが、資料を持ってきていなくて、公衆衛生局長から十分な御答弁をいただけなかったのであります。あとで私資料をいただいたのですが、理容とクリーニングですか、これは中央の審議会から一応標準の価格が出たわけですが、これは都道府県の段階に落とされまして適正化の料金規定ができなければならぬと思うのです。これはまだ全国的にはできていない段階でしよう。

聖成稔厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○聖成説明員 ただいまお話のように、先般十月の二十一日付をもちましてクリーニング業並びに理容業の環衛連合会から出ておりました適正化基準の認可を、所要の手続を経ましていたしました。その後、現在は連合会が各都道府県の組合を指導いたしまして、私どもの方は都道府県の主管部局に対しまして、いろいろ会議等をいたしまして、詳細に指示いたしました。現在各県の組合が県の適正化規定を立案中で、やがて県当局の知事あてにこの認可申請が出て参る。現在クリーニングと理容につきましてはそういう段階になっております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 中央の適正化基準の認可が行なわれまして、今度都道府県の段階に認可申請が行なわれる状態が出ておるわけですが、一体それが具体的に末端のクリーニング業者なり理容業者が、その料金で実施できるという時期、これの大体の見通しはどの程度かかりますか。半年くらいかかりますか。

聖成稔厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○聖成説明員 大体私もその程度ではないかと考えております。と申しますのは、やはり県の適正化審議会の審査が必要でございまするし、それが結論が出ましてから一々公正取引委員会の同意を各県知事が得なければなりません。さような手続が要りますことと、さらに価格の規制につきましては計算カルテル方式を採用いたしまして、いわゆる基準価格を示しますが、それより下回っておりましても、企業の合理化あるいはその他の正当な方法によって基準料金よりも安くできるというものはこれを認める、こういう建前にいたしておりますので、基準料金よりも下回る価格でやろうと思う者はその承認を受けなければなりません。その期間を要しまするので、適正化規定が認可になりましてから、大体二ヵ月程度たってから実際に発効するようにというような指導をいたしておるのでございます。従ってこれらを通算してみますと、どうしても半年程度はかかるであろう、かように考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 われわれこの法案の提出者でございますが、これを実施するためには財政的な裏づけが必要だ、そうなると適正な料金の規定というものがはっきり出てこないと、業者の側でそれをたてにして、この法律の通り実施できないという一つの財政的な理由になってくるわけですね。実は私そういうことをおそれて今そういう質問をしたのですが、先般長谷川さんの田中さんに対する御答弁で、商工中金か中小企業金融公庫かどこかわかりませんが、何か金融機関から三千万円くらい借りることにあっせんの成功を見た、従ってそれを十八万か十三万くらい貸してくれて、四カ年の月賦で月二千円くらいだというお話でございました。しかしいずれにしても、業者にしてみればそういう価格の問題、料金の問題というものがやはり問題になると思います。そこでわれわれ一応これを二年間に、こういう業者は業務用洗たく機なり、脱水機を備えつけなければならぬし、それから一人以上のクリーニング師をクリーニング所ごとに置く、こういうことになっておるわけです。二年以内にできるだけそういう努力をしていただかなければならぬことに当然なるわけですが、問題は適正化規定が今後六カ月——順当にいって六カ月、いろいろ派生的な問題が起こって参りますと、これは六カ月でなかなかいかないということは、中央における適正化審議会の結論が出るにも相当長くかかったという実情がありましたから、従ってこういう点について適正化規定が順当に行なわれないために、二年間の期限というものとそごを来たす、その間に幾分食い違いができてくるというような状態になったときには、その場合あなた方はその処置というものはどのようにお考えになりますか。

聖成稔厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○聖成説明員 先般中央の適正化審議会の審議を経まして認可をいたしましたクリーニングの適正化基準、この料金の計算の際に——これはどういう施設を一番基本的な施設として考えるかということが検討されました際に、従業員は四人で電気洗たく機一台、脱水機を一台持っておるような施設が一番ふくらみがあるというわけで、この施設を基準にいたしまして、料金——ワイシャツの場合でありますれば、三十四円六十一銭という数字が出てきたわけでございます。従いまして、まずもって申し上げたいと思いますのは、すでに中央の適正化基準の基準価格算定の際に、一応電気洗たく機あるいは脱水機というようなものは持っておるというのを基準にとっておりますので、その点につきましては今後の地方の適正化規定におきましても、ほぼ同様の基準で参るのではなかろうか、かように考えておるわけであります。問題は、ただいま先生御指摘の中央の審議会が非常に長期にわたったので、県の適正化審議会におきましてもやはり相当の時日がかかるのではないかという御心配でございますが、私どもむしろ中央におきまして、一体何をぐずぐずしておるのかというおしかりもたびたび受けましたが、中央の審議会でかなりこまかいことまできめ、県へ参りましてから円滑に審議が進められるようにということで、十分に審議会の委員の方々に御検討をいただきまして、これをお手本にやっていただくならば、地方におきまして必要な数値を方程式にはめていけば、比較的円滑に結論が出るように仕組まれておりますので、私は長期に中央でやりましたように、そう一年以上もかかるといったようなことはないのではなかろうかと考えておるわけでございます。従いまして二年程度の猶予期間があれば、まず円滑に整備が行なわれるのではなかろうか、かように考えておる次第でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 客観情勢は動くものでございますから、料金の問題というものは一応、われわれも考えないことはなかったので、二年間と期限を切ったものですが、あれほど長くかかろうとは実は予期しなかったので、府県段階では、適正化料金の規定というものはどういうものになるかという全国的な見通しをわれわれは欠いておりましたので、今のような御質問をした次第ですが、厚生省の方で大体二年くらいで大丈夫だろうというお言葉もありますので、一応その問題は二年間でわれわれも安心して、この法案を通していきたいと思います。  次は、こういうような五人以上の従事者を持っておるクリーニング業というものから、だんだん下に人数を下げて、しかもクリーニング師を置かなければならないという形をとって参りますと、これは必然的にクリーニング自体というものがやはり五人以上の従業員を持って大規模化の方向に大体向くことは、方向としてはそういう方向になってくるだろうと思うのです。そういう場合に、従業員の福祉の問題が問題になってくるわけです。現在クリーニング業に従事する従業員というものは社会保険の対象になっておりますか。

聖成稔厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○聖成説明員 大きな施設につきましては、なっております。小企業につきましては、御案内のように、被保険者となるべき定数に達しませんので、なっておらない場合が相当にあるようでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 たとえば、具体的に申し上げますと、これは健康保険の対象になっておりますか。ちょっと今、私は条文を調べてもらってみたのですけれども、どうも該当するようなのがないのですよ。左の事業所は健康保険の対象にするのだという強制適用ですね、それにちょっとないように思うのですが、これはどういう条項で健康保険の対象になっておるのか。そうすると、失業保険とか労災とか厚生年金とか、いろんなものが対象になってくる。それがおわかりになっておれば、保険局もお見えになりましたが、ちょっと聞きになって御答弁願いたいと思います。

田中正巳自由民主党

○田中(正)委員長代理 ちょっと速記をとめて。     〔速記中止〕

田中正巳自由民主党

○田中(正)委員長代理 速記を始めて。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 問題は、環境衛生法という法律を作りまして、クリーニング業とか理容業とか美容業というようなものを一括して、その衛生的な立場の向上をやるために法律で一括して助成政策をとることになるわけですが、そうしますと、実は今の健康保険法の条文を見ますと、そういう理容業、美容業、クリーニング業、これの健康保険法の適用の問題がはっきりしないのです。そうしますと、こういう業者は国民健康保険法だけに放置するというわけにいかぬと思うんです。どうしても健康保険法を適用し、失業保険なり厚生年金なりを適用していただかないと、そこに働く従業員はやはり困る立場が出てくると思うのです。だから、ある程度国が料金の適正なものをきめるということは、そこである程度賃金も適正化するし、それから衛生設備も、その事業主をしてりっぱなものにさせるということがこの法律のねらいだったと思うのです。そういう意味で、やはりそういう点もう少し、法律が不備ならば、すっきりした形で施策を講じていただきたいと思うんです。  そこらの答弁はあとでいただいたらけっこうでございますから、一応クリーニング業法の一部を改正する法律案の質疑は、そのくらいにして終わりたいと思います。      ————◇—————  そこらの答弁はあとでいただいたらけっこうでございますから、一応クリーニング業法の一部を改正する法律案の質疑は、そのくらいにして終わりたいと思います。

田中正巳自由民主党

○田中(正)委員長代理 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。  発言の通告がありますので、これを許します。滝井義高君。     〔田中(正)委員長代理退席、委員   長着席〕

滝井義高日本社会党

○滝井委員 厚生行政の一般的なことを少しお尋ねしたいのですが、まず第一に国民健康保険の問題について、久留米の国民健康保険で起こった問題からだんだん入って参ります。その次には大都市国保の問題もお尋ねします。それから橋本厚生大臣以来懸案となっておりました未払い金の最終責任の問題もお尋ねします。同時に、あとで御質問をいたします久留米のような問題が起こった原因というのは、最近の医療費の増加によって国民健康保険をやっておるそれらの市町村に非常に赤字が増加をしてきたということが、そういうことを生んでおるようであります。従って、この前お願いいたしておりました医療費の増加の原因、そしてそのファクターは一体何か、同時にそれに関連をして、日本の社会医療並びに自由診療を含めた総医療費の動向についてお尋ねをしたいと思います。さらにそういうことと関連をしながら、生活保護の適用を受ける者の中で、生活保護者は全額医療券で見てもらえることになるのですが、たとえば単給の場合なんかは一部自己負担しなければならぬ、それに未払いがだんだん出てきているというような問題、それから同時に、最近は各地で甲地、乙地の地域差が問題になっている、そういうことを尋ねます。同時に国民健康保険の実施により、また一方三十六年からは年金の拠出制が始まるわけです。そうしますと年金に対するいろいろの不平不満というものは全部社会保険審査会にその処理が移されることになっております。ところが最近における社会保険審査会なり審査官の機能というものが非常に低調である、こういうことを御質問いたします。突然ですから一ぺん全部申し上げておかぬと、答弁の準備があるでしょうから。  そこでまず第一に久留米の問題です。十一月七日に久留米市の国民健康保険課が全市の被保険者に対して——日にちは十一月七日かどうかわかりませんが、とにかく十一月七日にそういうことがわかってきたのですが、国民健康保険の療養担当医の診療状況並びにそのサービスぶりについてのアンケートを発したのです。そのアンケートを発しなければならなかった背景は、どうも久留米市は国保では二千万円くらいの赤字があるようでございます。従って三十年の八月以来往診の給付は停止しておるようでございます。これは患者の自己負担になります。それから一般会計からの国保会計への繰り込みは約一千万円くらいになっておるようでございます。そこでアンケートを出すことになったように、どうもいろいろなものを読んでみますと、そういう背景があるようです。問題はそのアンケートの内容でございます。まず「医者のサービスについて」、まず自分がかかったお医者さんの名前を書くわけです。そして「下記の何れかに○を付して下さい。何か気付いた点は書いて下さい。」たとえば太宰という医者にかかるならば、太宰太郎兵衛なら太郎兵衛という医者の名前を書いて、そして「応診について」「すぐに来る。遅くなっても必ず来る。夜間は来ない。雨や風の強い日は来ない。全然来ない。その他何等かの理由で来ない。」これは往診についてです。そのどれか気づいたところに丸をつけなさい、こういうことです。それから「診察について」「気持良く診てもらえる。設備が悪く不愉快である。一度に何人でも診察するので不愉快である。診察代が高い。」これに丸をつける、こういうことです。これは医者のサービスについてです。それから今度アンケートはいろいろなことを書いておりますが、被保険者の記号、番号とか世帯主の氏名、期間は何月何日から何月何日まで、そして世帯主の判を押すことになっております。診療を受けた人の氏名、診療を受けた日数、診察を受けた医者の名、病名、その他、それで診察を受けた日数は何月何日から何月何日まで、さらに今度は「診察の内容」は、往診の回数、昼何回、夜何回、注射の数は皮下何本、静脈何本、その他何本、計何本、投薬の回数は内服何回、外用何回、頓服何回、計何回、その他レントゲン、薬のつけかえ、手術の有無、何月何日に手術した、手術はしない、入院日数何月何日より何月何日まで何日間、医者に支払った診察代、それから備考。「注射した日を書いて下さい。(例えば九日二本)」こういうふうに書いて下さい、こういうことです。注射日を書いて下さいという中に何日に何回、何日に何回と、こうずっと書くわけです。「薬を貰った日を書いて下さい。(例えば九日内服、外用)」何日内服、外用、何日何服、外用、ずっとこうなっておる。こういうような医者のサービスについてのアンケートというものが久留米だけではなくて、他の地区にもあったということを風のたよりに聞いたのですが、厚生省は何か全国的にこのようなことをやるような指導をしておるのかどうかということです。これは見方によったら一種の医者の勤務評定なんです。こういうことを厚生省はやっておるのかどうか。

太宰博邦厚生事務官(保険局長)

○太宰政府委員 今お述べになったようなことは、実は私うかつでございまして、初めて伺うような状態でございます。久留米市がそういうことをやったといたしますれば、はたしてどういう意図でやったのか、近ごろいろいろアンケートをやって内容をよくするということもまま方々でやっておりますので、そういう単純な気持だったのであろうとは思いますけれども、この点は調べましてあとで御報告いたします。それから厚生省といたしましては、さようなことを全国でやるようにという指導は一切いたしておりません。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 保険者がこういう、いわばこれは患者の実態調査の部類に属することになるのですが、これは国民健康保険法の何条でこういうことになるのですか。法律上の根拠ですね。

太宰博邦厚生事務官(保険局長)

○太宰政府委員 アンケートというものはおそらく強制ではないと思うのでありまして、いわば協力できる人から答えてもらうという程度であろうと思いますので、これは保険者がやって悪いということは私はない、直ちにそういう結論を出すわけにはいかぬ、かように考えます。しかしそのアンケートをとりますその意図あるいはこのアンケートの内容等については、これはやはり事がこういう医療の問題、しかもなかなか技術的な点にも触れて参る問題でございますから、これはよほど注意してやってもらわないと、せっかく考えた効果が上がらないのみならず、逆にいろいろな摩擦を生じたりするようなおそれもありますから、こういうことについては私どもとしては十分注意してやるようにということを何らかの機会に指導して参りたい、かように考えます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 アンケートだからということになれば、今私が読んだ内容は、あなた方が監査をやるときと同じことなんですね。いわゆる患者の網打ち調査と同じ形をこれはとっているわけです。何月何日に薬を内服と外用を幾らもらった、注射は何本してもらったということを全部一々書いて出すわけなんですから、そうしますとこれは明らかに患者の網打ち調査と同じことなんですが、やはりこれはこういうことを保険者がやる気分になるというのは、あなた方の指導のよろしきを得ていないということもあるのです。従ってこれをやるからには、やるだけの法律上の根拠がなければ、行政は法律で動くわけですから勝手なことはできないはずなんです。国民健康保険法の一体どういう条項でこういうことをやるのかですね。

太宰博邦厚生事務官(保険局長)

○太宰政府委員 それは個々の条文というものでなくて、保険者として当然その保険の運営が健全にいくように考え、それからそれに必要な、ただいま言った程度のようなことを資料を集めるということは、これは私は差しつかえないことだと思うのであります。ただしそれが先ほど申し上げましたような非常にデリケートなものになります場合においては、自分たちの意図が実現せられないようになり、逆に関係者間に摩擦を起こすようなものについては、これは保険者として十分考えてやってもらわなければならぬ、かように考えておるわけであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと法律上の根拠はない、当然保険者としては法律に書いてなくてもこういうようなことはやれるんだという見解をおとりになるんですか、あなた方は。これは人権問題に発展するおそれがあるんですよ。たとえば医者のサービスについて、すぐ来る、おそくなって必ず来る、夜間は来ないとか、こういうことになれば、そのアンケートをとってそういうことになれば、これは医者の側から言わせれば、おそく来るというのならば、それはおそらく来る理由があるかもしれない。何らの理由もなくしてこういうものを集めて、一方的にあの医者はみんなの患者からおそく来ると言われておる、こういうことになったら、これは大へんなことになるわけです。たとえば夜間開業の医者も来る。夜間開業の医者はいつもおそく来るでしょう。国立病院の医者はみな夜間やっているでしょう。だからこういう点を、当然これはあなた方がおやりになってよろしいということになれば、これはわれわれ考えなければならぬ。これは明らかに勤務評定です。たとえば局長さんの出勤の採点をする場合に、官庁というものは九時なら九時に始まる、ところがあなた方は管理職としての用件があるから、九時半とか十時にならなければ来ない。そうすると局長の出勤はいつもでたらめだ、これと同じですよ。医者というものは一人の患者だけを持っているのではない。何人も患者を持っている。それをこういうアンケートで一々勤務評定をされたひにはかなわぬ。そうしてこういうことがあなた方のところに監査の対象になってやってくるわけですね。だからこういうことについて——どうも今の太宰局長の感覚と認識をもってしては私は納得がいかない。こういう綿密なものをやろうとすれば、当然何か法律上の根拠がなければできないはずです。保険者は何でも勝手にやっていいというなら、それは法律は要らぬ。保険者だけを作れば、あとは保険者が勝手にやれるんだということになれば、法律は要らぬ。だから法律上の根拠がなくてこういうことをやることは、私はおかしいと思う。こういうことの風潮が及んで、全国どこでもやられるということになれば、これは大へんなことですよ。こういう点、今の太宰局長の答弁では私は満足がいかない。これは簡単なものならいいけれども、これだけ詳しいものを、診療内容について全部調査をやるわけです。しかも全被保険者に配るわけなんですよ。特殊のところだけ抜き取りでやるというわけでない。そういうことなら、保険者の方が療養担当者なりあるいはそこの町内の世話人か何かが集まっていろいろやってみたら、これはもっとうまくいきますよ。こういうことになれば、そのサービス状態を勤務評定された側から考えると、感情的になることは当然です。決して国民保険がうまくいかなくなること明らかです。全国に国民健康保険を普及しようとする三十六年を目前に控えて、こういうようなことが平気で行なわれて、そうして厚生省も、十一月に行なわれたことをまだあなたの方がお知りにならぬということでは、福岡県の課長も怠慢だし、あなたの方も大がい——あなたの方の情報網というものは相当な情報網を持っているわけだから、こういうことがわからぬでいるということはどうもうかつ千万だと思う。結局これは法律上の根拠というものはないわけですね。

太宰博邦厚生事務官(保険局長)

○太宰政府委員 保険者は、あえて個々の条文に何をしていいとかいうことは書いてなくても当然保険の制度を運営していく責任者として法律上許されている範囲内においては、その運営の改善のためのいろいろな措置は、私はとって差しつかえないと思う。アンケートというものも、それはそういうための一環として、場合によって私は差しつかえないと思う。ただし、もちろんそのアンケートのとり方いかんによっては、御指摘のように人権の侵害というおそれの問題も出て参りましょうし、またそういう微妙なものについて根掘り葉掘り聞いていったということになれば、場合によっては関係者間の円満なる協調に対して感情を差しはさむような不測の事態をひき起こす危険性もないではない。そういう点については十分注意してやっていかなければならぬことは、先ほど来申し上げた通りであります。御指摘のような点は、個々に行なわれたとすれば、それはどういうような意図であるかということは、私ども調べてみなければならないと思いますので、さっそく調査をいたしまして、その結果また御報告することがございましたら御報告いたしたい。ただし私どももそういうような感覚でおりますので、将来全国のどの保険者でもこういうようなことをやれということを私どもは指導するつもりはございませんし、またもしそういうことをやりたいという分には、十分注意して考慮してやるように指導したい、かように思っております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 保険者としては運営改善の処置というものは当然やり得るんだ、こういう前提です。そうしますと、問題は、運営の改善のためには何でもやり得る、こういうことになるわけです。それなら法律も要らないと思う。運営改善のためにやり得るということについても、あなたの言われたように、これは限界があるはずです。そののりを越えて何でもやるということになれば、保険者一人で国民健康保険をやったらいい。何も療養担当者といろいろ話す必要もないし、被保険者と話す必要もない。ところが一人相撲はとれないです。やはり相撲というものは相手がなくちゃならない、こういうことに私はなると思うのです。ところが、これは明らかに常識を逸しておるのですよ。逸しておることも当然あなたがやり得るんだとおっしゃるから、こっちも食い下がらざるを得ない。だからこれはもしこういうことをやって、全部の被保険者から集まったものと請求書を比べてみて間違っておったら、これは今度は監査の対象になっていくわけです、そうでしょう。そうすると、そういうことをやるのには前もって療養担当者の団体というものは、同じ市に住んでおる団体なんですから、話し合って、そうしてこういうことをやりますがと、事前の了解を得てやることが人情ですよ。ところがどうもそういうことが行なわれずに、白昼公然とこういうことが行なわれるということは、やはり一にかかってあなた方の指導というものが末端に徹底してないという証拠です。これは私に言わせれば、全く保険者というものは万能だという気持を持っておるので、あなた方の持っておる気持と同じですよ。保険者ならば何でもできるのだという気持ですね。だからこういう風潮が全国の保険者に流れておるということは非常に遺憾です。だから保険者ももう少し謙虚な気持にならないと——私だって保険者についての異議を幾らでも持っております。健康保険組合についても、それから個々の連合会についても、幾らでも異議を持っております。しかしそれは言いませんけれども、こういうやり方で一方的に、保険者の行くところは万木なぎ倒していくという、こういう態度というものは私はいけないと思う。だからあなた方は保険者の指導というものをもう少しがちっとやって下さい。療養担当者の指導をがちっとやるばかりでなく、保険者の指導をがちっとやらないと、また東京都における林天皇と同じような状態が起こってくる。医者に対する診療報酬の水増しその他の冗費を倹約するということなら、むしろ国民健康保険組合の連合会、国民健康保険組合の財政というものをもっと切り詰めなければいかぬ。もっと厳粛な会計監査をやって、もっときちっとしたものにしなければいかぬ。むしろそういう点は網から大きな魚が抜けておるのですよ。大物は忘れたころに無罪になるというような、こういう傾向があるわけです。そういう点、もっと注意をしなければいかぬと私は思う。厚生行政というものはまんべんなく目を配っていくところに、ほんとうの厚生行政というものがあると私は思う。あなた方は現在まで、まだこういう点をもお知りにならぬ。大都市の国保を推進していく上に、こういう久留米の問題というものはいかに大きな障害になるかということははっきりしてきておるのです。だからぜひこれは考えてもらってやらなければいかぬと思うのです。今のあなたの、保険者は当然こういうことをやり得るというその認識については、断じて私は了承することができません。そういうことができるならば、これは、法律というものは保険者だけのことを書いたら万能なんですから、だからそれの改善は、被保険者でも、療養担当者の協力を得なくても何でもやれるというなら、厚生省は健康保険の保険者ですから、おやりになったらいい、断じてできません。そういう態度が私はやはり問題だと思う。これ以上この問題は申し上げません。  そこで次に入りますが、橋本厚生大臣以来お約束をしておりました国民健康保険法の四十二条の二の、いわゆる善管注意をした場合には、最終責任者は保険者ですからという、この具体的な項目はもうすでにできておるはずです。国民健康保険法が十二月に国会を通るときに、そのできた案文を出すと私に約束しておきながら、もう十一カ月をけみしておるのにまだ出さない、こういう点についてもルーズです。国会で約束をして、そうしてすぐに出すというものについてもなかなか出さない。一年になんなんとしておるのにまだそれを出さないという状態なんです。しかもそういうことが今度は東京都の国保なり大都市の国保をいよいよ実施する際に問題になって、東京都の国保でも、今他の都市で行なわれておる国保でも、衆議院と参議院の付帯決議というものを一体どうしてくれるのだ、この付帯決議を実行したら初めてわれわれは大都市国保に入りましょうという、いわゆる療養担当者に一つの、何といいますか、大きな理由を与えるようなことになっておるわけです。これは当然われわれ国会としては責任のある問題なんです。その責任のある第一の問題は、四十二条二の善管注意です。善良なる管理者の注意をもってしたならば、その未払い金の最終責任というものは保険者が負うことになっている、まずこういう点について保険者というものは反省しなければいかぬです。一体この善管注意の具体的現われはどういう工合になっておるのか。文書で一つ出してもらいたいということを要求しておったのを出していない、これは一体どういうことになっておりますか。

太宰博邦厚生事務官(保険局長)

○太宰政府委員 国民健康保険における四十二条の二項でうたっております療養取り扱い機関が善良な管理者と同一な注意をもって一部負担の支払いを受けることに努めるということにつきましては、すでに本年の三月に通牒を出しております。それにつきましてあらましのことをちょっと申し上げますと、善良なる管理者と同一の注意というのは、療養取り扱い機関の開設者という地位にある者に対して一般的に要求する相当程度の注意義務をいうものである、そしてその義務が尽くされたかどうかという認定は、主観的な個人的な事由を考慮してやるのではなしに、客観的な事情に基づいて、しかも具体的ケースに基づいて行なわれるものである、ただし次の各号に掲げるような場合はその注意義務を尽くしたものと認めるわけにはいかない、といたしまして、療養の給付が行なわれた際に一部負担金を支払うべきことを告げる、一部負担金を支払うのですよということを言うだけではいけない、それから各月分の診療報酬の請求の前にただ口頭で督促したという程度でもいけない、それから再診の場合にはやはり催促してもらわなければいけないというようなことがうたってございまして、そしてそういうような相当程度の注意義務を払ったにかかわらず、それが支払いをしないというものにつきましては、保険者の方に処分の請求をいたします。保険者はその療養担当者の持っております債権につきまして療養担当者にかわってその債務者から取り立てる、こういうふうなことでございます。善良なる管理者の注意義務というものを、具体的にこれこれというふうな列挙主義をとるということも、いざとなってみますとこの程度の表現でございまして、なかなか思うようにいかない点もございますが、しかし要は法律御審議の際に申し上げましたように、とにかくお医者さんにも御協力をいただいて、一部負担の取り立てられる人については取り立てていただく、そうしてやっていただいたけれども、誠意を持ってやっていただいたけれどもそれがだめだという場合においては、これはいつまでも御迷惑をかけてはいけませんから、保険者の方でもってかわってその債権を取り立ててあげると、こういうふうな方針は変わりはないわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 どうも今のようなことでははっきりしないのです。それならば、このくらいの答弁ならば、何も十  一カ月も待たせる必要はないのです。まず具体的にお聞きしますが、一体保険者は何カ月目に医者に支払ってくれますか。

太宰博邦厚生事務官(保険局長)

○太宰政府委員 療養取り扱い機関の方から保険者の方に処分をしてくれという請求は、大体その一部負担金の支払い義務が発生しました日から起算しましておおむね二カ月くらいたってなおとれない場合には、保険者の方へ請求していただく。それに基づいて保険者の方でそれぞれ取り立て処分を行なって、これは一定の期間を示して一部負担金を納めさせる、納められない場合には滞納処分にまで至る、こういうわけでございます。その期間は場合によっては多少前後するかと思いますが、大体一カ月くらいでその処分を行なう。従いまして、三カ月くらいになれば大体取り立てて療養取り扱い機関の方へお支払いをする、こういうことになるように考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、まず前に返りますが、療養取り扱い機関が請求しなければならぬ請求の持続期間というものは二カ月という根拠ですね、これは払うか払わぬかということは、患者がしょっちゅう来るわけではないですから、一回ずっとかかってそれきりで縁切れになるわけです。十日なら十日かかってよくなると、もうあとは来ないわけですね。そうしますと、一々これは文書で郵送か何かするか、持って回るかというようなことまで療養担当者にさせるのですか。当然医療機関にかかって、そうして帰るときに金を払うのが保険の建前なんでしょう。国民健康保険は半額を払うというのが建前なんですね。その半額を払わなかった、来るたびごとに請求したけれども払わなかった。ところがあとにまた追って文書や何かを出さなければならぬというような、こういう事務を医療機関にまた課すわけですね。今事務が多くて困っておる医療機関に、今度は請求書を持って回ったり、請求書を書かせる事務をやらせるならば、二重に事務が重なるわけですよ。だからそういうことでなくて、当然これは保険者の責任じゃないですか。患者にアンケートまで出して、いわゆる保険の運営をうまくやるためにも、保険者は何でもやってよろしいということなら、当然こういうこともやらなければならぬ。こういう請求の事務の書類まで医者に出させなければならぬという——口頭でけっこうじゃないですか。何で書類まで出さなければならぬ、どういう法律上の根拠で医者にかぶせるのですか。あなた方が勝手にそういう政令を作って医者にやれというのはけしからぬです。医療機関にかかったならば、それを当然患者が払うべきものだ、患者が払わなければ、その患者から金を取り立てることは保険者がやるのは当然じゃないですか。それを払うときには現金で払わないで、半額は掛でもって医者にかかって、翌々月末あるいはそれよりあとにしか払わないくせに、今度はまた患者の方にまであなたは請求書をもって取り立てなさい、二カ月たって取り立て切れないときにはおれがやるというならば、まるきり保険者というものは要らぬじゃないですか。保険者はこういうことならば要らぬですよ。何でもあなた方の制度の立て方を見ると、自分たちの陣営をやるときには、もう漫然として何ら責任を負わぬようにする。しかし、療養担当者の側には何もかも責任を負わせる。こんなことで患者のほんとの治療ができると思ったら大間違いです。もとの国民健康保険法を見てごらんなさい。全部保険者の責任だった。今度は保険者の責任をのがれさして、しかも今度善管注意という形で、医者に、口頭ではだめなんだ、再診のたびごとに言いなさい。そして最後には、文書で出さなければならぬ。こんな踏んだりけったりのことをどうしてのめますか。しかも、これが三月にわかっておるならなぜ三月に言ってくれないのですか。今から二、三カ月前に言ったとき、待ってくれということをおっしゃいました。速記を見てごらんなさい。三月じゃないんです。二、三カ月前にも一ぺん言っておるのに、今になってからそういう政令を出しておる。国会に対する不信感もはなはだしいですよ。そういう文書が出たならばちゃんと国会に出して、こういうようになりましたということを言わなければならぬ。それも言わないのです。橋本厚生大臣がわざわざ私のところに来て、ここで君に答えたいが、保険者と療養担当者の側の納得を得なければ、僕がここで答弁しても工合が悪いから、ちょっと待ってくれ、でき次第答弁をするからと言った。あなたもその席にはおったはずです。第一委員室でやったときにおったはずなんです。どうも今のようなことでは、善管注意なんというものはほんとうの形式で、一切の責任というものを療養担当者に負わせる形になっておる。だから、そういうことではなくて、これは口頭で言う。そしてなお、これは私は妥協してもいい。翌々月末までには払わなければならぬということになっておるから、それまでは療養機関はお待ちなさい。しかし、それでも患者が払わなかったら自動的に、善良な管理者の注意は当然医療機関がやらなければならぬが、同時に保険者がやらなければならぬ。だから、出た請求書の中に、未収なら未収と書いて——未収と書いたものについては、払っていなければ当然その次の月には保険者が払わなければならぬ。これが保険者の保険経済を運営する責任なんです。あなたの言う何でもやるということは、こういうことこそ何でもやらなければいかぬのです。自分の都合のいいことだけは何でもやって、都合の悪いことは何もやらぬということは保険者の建前じゃないわけです。それくらいのこともやれなければ、市町村の保険をおやめなさい。そして県の運営か国の運営にして下さい。そうしないと日本の皆保険なんというのはうまくいきゃせぬですよ。こういう点については、どうもあなた方のやり方というものは——十一ヵ月も待たして出た結論というのがこんなだらしのない結論では、納得できません。一つそこらの政令は、国会が関知せぬでもあなた方で自由に変え得るものだから、これを変えなければ今後の大都市の国保というものはうまくいきませんよ。自動的に口頭その他で請求して、診療報酬請求書に未納と書いて出す。そして、その分については、さらに今度は翌月保険者の側から医療機関に、あなたの方から百件の申請が出ておりますが、その中の二十件は未納になっておるが、二十件は入りましたかということを聞いて、入っていないということになれば自動的に保険者に行く、こういう形にしないと、医者がまるきり患者の家に文書を持って配って回ったり、あるいは速達の書留郵便で出すということはできやせぬですよ。そういうところまで医療担当機関にやらせること自体が問題です。やはり口頭で何回か言ったらそれでいいということにしておかなければならぬ。一々文書まで出させるのでは、このアンケートと同じような内容を書かなければならぬことになる。一件何円じゃ患者側が納得しませんから、内訳を書いてくれということになる。内訳を書けば診療報酬請求書と同じことになる。それは請求書を見せたり、被保険に、あなたは注射五本、往診が三回、投薬十日になっております、その未納は五百円でございますと、未納は赤で書いたらよい。自分がもらっているかもらっておらぬかわかるはずですからそのくらいの事務ならできる。太宰さん、そのくらいにしなければ、こういうことではなかなか納得いかぬ。そうして、三ヵ月後に自動的に払っていく。これは未納と書いておけばわかるはずですから……。どうですか。

太宰博邦厚生事務官(保険局長)

○太宰政府委員 これは今年の三月に出した通牒でございまして、そのときお目にかけなかったとすれば大へん申しわけないと思います。  それから、先般私が御質問に対してまぜ相談してるというようなことを申したといたしますと、それは私の勘違いでございまして、これはおわび申し上げたいと思います。それで、この善良なる管理者の注意ということにつきましては、法律できまっておるわけでございますが、こういうようなものは民法関係法にもあるわけでございまして、そちらの方の注意義務というものは相当なところまでお願いするように解釈されるわけでございます。しかし、先ほどからお話もございましたように、療養担当者の方にあまり御迷惑をかけたくないというようなことで、私どもといたしましては、関係団体とも実は相談もいたしたのでございますが、それで落ちついたところが先ほど申し上げたような線でございまして、まあ今日の段階としますと、口頭で言うということだけでは——もう少しお願いいたしたいということで、少なくとも文書で一回は納めなさいよということを言う。その中身は、必ずカルテみたいに書く必要はない。今の日本においては大体そうだと思います。そう詳しく書かないで、未納なものをやれるということになれば、患者の方にもわかるわけでございます。さような程度のものは一つ御協力をお願いいたしたい、かように考えているわけであります。御指摘のように、これは療養担当者だけではいけないのでありまして、保険者の方も、やはり保険の運営を承る責任者といたしまして、そういう不心得と申しますか、この場合、納められないものは最初から一部負担の猶予なり減免の措置をとるべきはずでございますから、それに該当しない人であるにかかわらず納めないような不心得なものがあって療養担当者に御迷惑をかける場合は、被保険者教育をやらなければならぬ、かように考えているわけでございまして、この点についてはさらに力を入れて、そういう不心得者が出るために療養担当者に御迷惑をかけることがないように指導はできるだけやっていくつもりであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 保険局長は実情をよくお知りにならぬようでありますが、そうすると、医者は同じことを四回書かなければならぬ。まず第一にカルテに書きます。二番目には請求書に書きます。三番目には保険証に書きます。保険証は本人に返すのです。医者は、あなたの治療費は幾らだ、あなたの負担額は幾らだと書くのです。そうして、今度は四番目には、また請求書に書く。そうすると、請求書はどういうことを書いたら善管注意の義務を果たしたことになりますか。

太宰博邦厚生事務官(保険局長)

○太宰政府委員 この一部負担の件について、先ほど申し上げましたようなことを療養担当者にお願いして本人に督促していただいた、そうして納まらない場合においては、これは請求書とは別個の形で保険者の方に処分の請求が参るわけでございます。従いまして、保険者はその処分の請求に基づいてするわけでございます。まあ当然それだけの手数は療養担当者に負担がかかることは事実でございます。こういう建前では、それだけのことは御迷惑でもお願いしなければならぬと私どもは考えます。ただ、先ほど申し上げたように、そういう不心得者が出ないような被保険者の教育については、御注意もありましたので、保険者にさらに徹底するようにいたしたいと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 私の言うことに答えて下さい。今のように、保険者に処分の請求をするというならば、今度は保険者にまた処分の内容を、これだけのものが未収でございましたといって書かなければならない。そうすると、これは五枚同じことを書かなければならない。あなたは現実をよくお知りにならぬと思うが、健康保険の保険証にみんな書くのですよ。何という病気で何月何日から何月何日まで何日間かかった。その病気はよくなった、あるいは中止したと書くのですよ。そしてその請求金額は幾らでございますということを書くのですよ。書いたものは本人に渡すのです。国民保険だって書くのです。それで請求書になるじゃないですか。あなたは保険証をもらいに来ておるのだが、ここに書いてあるだけお払いなさいといえばりっぱな請求書になるじゃありませんか、それをもって請求書にかえ得るとしたら、何も請求書を別に出さなくても。請求書の内容はどういうものを書くかというと、診療報酬の請求書と同じようなものを書かなければならない。同時にまたそれを請求するときに書かなければならぬということで、五回同じことを書かなければならぬ。こういうむだを——あなた方は実情を知らないから、事務を自分でおやりになったらいい。それが健康保険の本人だったら、本人と国民健康保険と二重加入しておった場合には大へんなことになる。実際はそういう場合はないのですが、生活保護法と重なっておるような場合には、ますます事務が複雑になる。あとで生活保護法については、うしろにおる高田さんに質問しますが、こういう事務的なことを五回もやらせるというようなことを平気でおやりになる。そしてそれが善管注意だという。今のあなたの御説明では、各月分の請求を出す前に、口頭ではいかぬ、文書で出せ、こういうことでしょう。そうすると請求書に未収ということを赤で書いたらいい。保険証に未収ということを書けば、未収ということを被保険者に通知したことになる。保険証をとりに来たときに、あなたはこれだけ未収ですよといえば、これはりっぱに文書で請求したことになる。それをもってかえ得るとしたらいいのです。領収証、請求書を書く、それからまた今度は保険者にも処分の請求書を出す。こんなばかなことを何回も保険でやらしておったならば、医者は事務ばかりで、診療するひまはありませんよ。今一日何とか所長というのがはやります。一日基準局長だとか——あなたは一日医者になって事務をやってごらんなさい、私が紹介しますから。なっていって一つ書いてごらんになったらわかる。いかに事務が複雑であるか、あれを作るのに、あなたたちが初めてやるならば、おそらく十日以上かかりますよ。一日何とかいうやつをおやりになってみたらいい。私は医者を十五年やっておるけれども、一回だって請求書を出したことはありません。実際払えぬ患者に書留、速達で請求するなんていうことはできませんよ。実際今のような貧しい人の多いところではできませんよ。それを一々やらなければ善管注意ができぬなんていうことになったら大へんなことです。だから保険証や請求書に未収と書く。保険証は本人に渡すのだから文書の何よりの証拠じゃないですか。その上に内訳を書いて出すということになれば、今言ったように同じことを五回書くことになる。(発言する者あり)古川君の言うように、カルテは当然書かなければならない。請求書も出さなければならない。こういう点は全くあなた方は実情を知らないのですが、あなた方が実際を知ろうとするなら、一度おやりになったらいい。役所の机の上だけではだめです。保険の事務ということを医者に課しておって、そうして今度はそれをやらなかったら善管注意で支払いません、ちょっと未収があったら監査でございます、こういうことになれば日本の保険診療というものが事務によって全く停滞してしまうのです。医学、医術というものはない。科学はそこにない。サイエンスはなくて事務があるだけですよ。事務では人間の命はよくなりませんよ。あなた方が一回病気してみるとわかる。  私はここでこういうことを言いたくないけれども、言ってみます。ある強引な保険者が、ちょっとブドウ糖を打っておっても、けしからぬ、切りなさいといって全部切らしておった。ところがその保険者が病気になった。自分が健康の間は切って切って切りまくる要求を審査員にやる。ところが一たび自分が病気になったら、もう保険でなくてもいいから、ブドウ糖でも何でもいいからして下さい、金は幾らかかってもいい、幾らでも出しますと言った。自分がいよいよ生死の関頭に立って、病気になったら保険を信頼しなかったので物笑いになっておる保険者が私の近所にはある。その者はもうなくなってしまったから名前を言う必要もないのですが、そういうものなんですよ。戦争の直後には、当時の金で五十万円医師会に負債を残したままで、われわれが仲に入って棒引さしたことがある。医者だって人間で、血が通っていますから、取れぬものから無理に取るなんということはしませんよ。保険者がどうしても取れぬからまけてくれといわれればまけてやる。五十万円まけてやった例は私も知っております。医師会で役場を差し押えようといったら手をあげた。だからこういう点については文書を出させるのではなくて、保険証に書かせるとか何とかしたらいい。われわれのところでは、この人は保険料を納めておるかどうか見て診療して下さいということで、保険料を払っておるかどうかまで医者にやらせておる。医師会は人がいいものですから、そうですがといって保険料を支払っておるかどうかまで見て、あなたは保険料を払わなければ医者にかかれないですよ、明日払いなさいということまで、診療担当者は何も言わないでしてやっておるのですよ。そういうものなんですから、文書にまでして出させずに、保険証と請求書でかえ得るというような方法になさったらいかがですか。私はむちゃは言っておらぬ、建設的に具体的に案を提出しておるのですから。

太宰博邦厚生事務官(保険局長)

○太宰政府委員 被保険者証に書いて、それで保険者への処分請求ということをした方が、はたしてお医者さんのために早く入るかどうかということは、ちょっと私疑問に思っております。まあいろいろな場合を考えまして、先ほど申し上げたようなことが一番穏当じゃないかということで処置したわけでございます。なおいろいろ複雑な事務を療養担当者におかけしていることは、これはほんとうに恐縮だと思います。しかし制度としてやはりこの程度の事務は御協力を願わねば、制度の運営がうまくいかぬということで、今日とっておるわけでございます。これをだんだん進めて参りますと、現在の支払い方式というような問題にまで突き詰めていかなければ、なかなか物事が解決せぬというような面も出て参るかと思うのであります。そういう面につきましては将来はなお検討をいたしたいとは思っておりますが、今日のところはやはり口頭だけで済ます、あるいは被保険者証に書いてやるということも、最善の処置であるとは今のところ考えておらないのでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 最善の方法じゃなくても、事務を簡素化するということは保険行政の最大の眼目です。従って、よくなれば患者は保険証を取りにくるのですから、かかっておる間は保険証を医者に置くことが建前でしよう。そうすると治療が終われば、あなたは総医療費が千円でございます。その半分の五百円はあなたが払わなければなりません。だからあなたは五百円の未収になっております。未収の場合は保険証に簡単な記号をつけてとったらいい。あるいは未というふうにしてとったらいいでしょう。そうすると患者に対する善良な管理者の注意をしたということでしょう。五百円払っておりませんから、そのことを書いておきますから払って下さい、二ヵ月以内にお払い下さらぬと私の方は保険者の方に移しますからということを言っておけば、それで善良なる管理者の注意を患者に対してはしたということなんでしょう。同時に保険者には五日の日に請求書を出すのですから、国民健康保険はちょっとおくれて七日か十日ぐらいに出すのですが、それでなお払わないときには、今度は半額は未収という文学を請求書に赤で書いて提出したらいい。今だって未収の分はお書きなさいということはあなた方は言っている。そしてそれを健保では総括表に書いていますよ。未収金は書いてくれということはありますよ。何も書くだけで、それは取り立ててくれぬ、健康保険では……。だから国民健康保険ではそれを未としておけば、ははあ、こいつは未収だなということは、出た請求書の総額をそろばんをしてみれば、一ヵ月前何ぼの未収があるということはすぐわかる。そうするとその中で、今度は払ったやつが出てくる、そうしたら電話か何かで、これは払いましたということを医者がちょっと保険者に言いさえすればいいのです。何か事務的なことをやらせぬようにしてその目的が達成されれば、それでいいんじゃないかと思うのです。何もあなた方が自分がやったことが最上だと思って、役人というものはこだわるからいかぬのです。すみやかに負けたと思ったら陣を引きさないよ。何も善管注意を、文書で出させてやらせなくてもいいじゃないですか。文書で出してもよろしいが、保険証で書いてもよろしいのだ。どっちでもいいことにしておいたらいいのです。あなた方がそう自分の文書にこだわるならば、文書で出してもよろしい。だから文書を出すことが好きな医者なら出すでしょう。保険証に書くことによって事務が簡素化になってもっと有効だと思うならばそれをやるでしょう。何か現在ある制度の中でやるようにしなければ、とてもそれはだめですよ。どうですか、それは検討の余地はありませんか。

太宰博邦厚生事務官(保険局長)

○太宰政府委員 文書で請求するかわりに被保険者証に書くことでどうか。実はこの被保険者証に書くような方式がはたして医療担当者のためになるか、ちょっと今首をかしげているところがあるのですが、ベテランの滝井委員の御提案でありますので、私ども十分これは率直な気持で検討してみたいと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 療養担当者のためになる、ならぬの問題は、善良なる管理者の注意をしたという証拠があればいいのでしょう。問題はそこだけなんです。

太宰博邦厚生事務官(保険局長)

○太宰政府委員 保険者にはどうして連絡しますか。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 保険者には、月末の請求書に未収と書くのですから、今でも未収と書いてくれと言って書いているのはずいぶんありますよ。あなたの方で半額払わなかった患者の分は未と書いて下さいというので、われわれは未と書いている。健康保険だって書かせたでしょう。あなた方書かせた覚えがあるでしょう。私自分で事務を全部やるから知っているのです。未収と書きましたよ。百円の未収のときは未収と書いて下さいといって、あなた方は指令を出したのです。初診料の百円の未収の場合には未収と書いてくれ。書かせたけれども、その未収は保険者はそれを払わない。何か統計上の状態を見るために書かせただけです。福岡県は書かせたのです。私は書いたのです。だからこの方式で月末に出すもので今月の分——あなた方一ヵ月分ずつを請求前にやるというなら、二ヵ月にわたるものは翌月にしたらいいのですから、十一月分の未収というものが百円ありますというのなら、百円は未ということを書いておったらいいのです。それでも保険者には通じているのです。しかしその人があとで払いにきたら電話で、あの者は未収と書いたけれども払いましたということを通知するかどうかしたらいいんです。それは善管注意をしておって、請求書を出しておった。ところがあとで払いにくれば、やはり保険者にまた通知しなければならぬことは、これは善良な管理者の注意とは何ぞやという、あなた方民法にこだわる、その形態を問題にしておるでしょう。だからそれは御検討願いたいと思うのです。現在各都市で大都市国保をやる場合に、一番東京都でも問題になったのはここです。最終責任を一体だれが持つかということについて厚生省の態度があいまいであり、保険者の態度があいまいであるというところに問題が起こってきているのですから、これをもう少しかちっときめて、抽象的ではなくて具体的に書いて下さい。そうして一つあした——私はお願いしますから、これは今後大都市国保を推進する上に一番ガンですから、具体的に一つ今御答弁になったことを、医師の間の責任が二ヵ月なら二ヵ月、そうして二ヵ月したらその責任は保険者に移っていく。移っていったら、保険者は一ヵ月で今度は療養担当者に金を払う、三ヵ月以内に払うのだということを具体的に一つ文書にして、あした当委員会に出して下さい。間違いなくお願いします。そして今の保険証の問題その他も研究して、その結果をあわせて一つ文書で出して下さい。どうも口頭で言うたのでは、あなた方好かぬようでありますから、今度はあなた方が一つ文書でわれわれに出してくれれば、われわれが全部それを全国で演説して回りますから……。  次は、現在東京都は世帯主は七割の療養給付をすることになりました。三割が患者負担です。家族は五割です。この場合におけるいわゆる国の療養給付費に対する二割の負担の問題は、七割にしたものについて二割負担してくれるのか、それとも他の保険者との均衡を保つために、二割というものはもう東京都の損になることになるのか、その点の答弁をお願いします。

太宰博邦厚生事務官(保険局長)

○太宰政府委員 国民健康保険の国庫負担は、全体の給付費の二割を国が負担することになっております。従いまして一部負担の率が、ある場合においては五割であり、ある場合においては三割、つまり給付費が二割というような場合でございましても、それは国の負担の関係には影響なく、全体の二割というものを国が負担する、こういうことになります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、七割であろうと八割の給付であろうと、あるいは負担分が三割、二割、五割であろうと、総医療給付費が療養の給付の支払分もひっくるめて百万円ならば、それに対する二十万円だけは国が持つ、こういうことですね。そうすると七割給付をやったような団体が財政的に苦しい団体であったというときには、五分の調整交付金の支払い方式にも影響はありませんか。

太宰博邦厚生事務官(保険局長)

○太宰政府委員 調整交付金制度の方では、保険者がつまり保険から出したものを基準にして、その財政が赤字になるか黒字になるかというようなことを考慮しておりますので、この方は影響があろうと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 条文はそうなっておりましたか、療養の給付並びに療養費の支払いの総額の五分ではなかったですか。私はやはり同じであったと記憶しておりますがね。条文は同じですよ。七十二条ですね。

太宰博邦厚生事務官(保険局長)

○太宰政府委員 国が出します予算は、七十二条によりましてその医療給付費、つまり全体の先ほどひっくるめた分の五分に相当する額といたしておりますが、これの配り方につきましては、法律の委任を受けた政令におきまして、大体ただいま申し上げましたように一部負担の額を差っ引いたものを基礎にして計算いたすようにいたしております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 政府の政策というのは、三十五年度末までに皆保険政策をやるということです。しかも皆保険政策というのは、福祉国家を建設する一つの大きな柱になっておるわけです。患者負担をできるだけ少なくして、いい政策をやろうというもの、しかもそれが財政が赤字でもがまんして、一般会計から繰り入れてでもやろうという団体に対して、調整交付金を少なくするということは、これは問題だと思うのです。いい制度をやるんですから、財政が苦しくても、一般会計から金を補てんしてでもやろうという、こういう市町村ですから、その心意気は許すべきところがあるからほうびをやらなければいかぬですよ。だから、久留米のようにアンケートを出してみたり、それから往診を給付の対象にしないというような、不心得と言ってはおかしいですが、国民にとっては不心得なんですよ。福祉国家建設の大理想からいえば、これは不心得な保険者です。そういうものにはうんと金を持っていく。ところがいい政策をやるためには、どうもけしからぬといって削ることはおかしい。これは給付の率をだんだん引き上げて負担を引き下げることはできるということは、今度の法律に入っておる。そうしてしかも条文の書き方も、国の負担の分についても調整交付金についても同様に、療養の給付及び療養費の支給に要する費用というものの二割と五分と、こうなっておるわけですから、ちっとも建前は変わっておらぬわけです。そうしますと、今、前の理論については全部でいく、あとの理論については減らしていくというのじゃ、これは納得がいかないですよ。

太宰博邦厚生事務官(保険局長)

○太宰政府委員 ちょっと申し上げようが悪かったので誤解を招いたと思います。そうではございませんで、大体調整交付金は調整いたすわけでございますし、予算は全体の医療費、つまり一部負担をひっくるめたものの五分相当額をとっておりますけれども、実際の配分の場合には、現実にその保険者が自分のふところから出す、つまり一部負担金を除いた額というものを基礎にして計算した方が、七割給付している場合についてはそれだけ正確に見てあげたことになる。五割給付している場合とおのずから差が出てきてしかるべきである、そういう現実を正確にとらえてやるわけでありますから、むしろ御指摘になった場合と逆に…。(滝井委員「よけい見るわけでしょう」と呼ぶ)そういう考え方でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それが私はほんとうだと思って質問したんです。あなたは逆のことをおっしゃったので、これはどうも省令か政令か知らぬが、きめ方がおかしいと思った。今ので納得します。七割給付をすることは多々ますます弁ずで、調整交付金は財政が苦しくなればよけいにいく、そういう答弁ですから、そう理解しております。そうすると、これは七割給付というのが全国的に、東京の七割を契機にしてどんどん進んでいくわけですよ。今の答弁、初めて名答弁。  次は、三十一年に医療保障制度に関する勧告が社会保障制度審議会から出ましたね。そしてこの零細な企業というもの、特に五人未満の企業というものは、端的に申し上げますと、今の健康保険ではとても加入は無理だ。そこでこれはやはり保険料をフラットにするか、あるいは徴収というものをスタンプ制か何かにして、第二種の健康保険というものを作った方がいいじゃないかという勧告があったことは御記憶になっておると思うのです。そういう勧告がありました。ところが現在、この前も私質問をしたのですが、東京都の某特別区の社会保険出張所で、税務署の台帳から未適用事業所二千五百、被保険者として四万人を発見して、加入を推進したことがある。これは日本労働協会から出ている雑誌にそういうことがきちっと書いてありますから、これは国が金を出してやっておる労働省の外郭団体ですから、権威ある雑誌ですよ。東京、大阪では、零細企業で未適用事業所が大体三割から五割もある。これは小田橋という人が、この人はこういう方面のえらい勉強家だそうですが、小田橋氏の推定によると、適用さるべき事業所で実際にまだ適用を免かれている者が失業保険で十七万、健康保険は百三十一万と推定されているわけです。こういうものが現実にあるということがいわれているわけです。そうすると、三十五年度末までは全国の大都市も国民健康保険がずっと出ていきます。問題はやはり東京、大阪のような非常に把握しにくい大都市だと思うのです。そういうことで、これを何とか把握しようというので、国民健康保険だけでは無理であるというので、三十一年の社会保障制度審議会の勧告案の中にも第二種健康保険論というものが出たんです。私どもは第二種健康保険は反対で、現在の政府健康保険に入れるべきだという主張を当時からしてきたんですが、三十五年度末になれば少なくとも四千九百万人くらいの人は国保に入り、その他は健保か船員か共済か日雇いか何かに入っていくわけです。そうしますと、今のように健康保険の対象になるべき事業所というものは、当然国民健康保険の対象にはならぬわけです。だから国民健康保険からは盲点になっておる、健康保険からも盲点になっておる。こういうものが出てくることは火を見るよりも明らかであります。それらの者は財政的に保険料もよけいとれぬ階層です。しかも仕事場の環境が悪いために、罹病率は高い層です。これは両方の保険が入れたがらないという感じが出てきたのはもっともしごくであるとは思いますが、一体あなた方はこういう盲点になっておる者をどうするかということです。国保、健保から盲点になっておる階層は大体六百万から七百万くらい出るといわれているのが常識です。こういう層に対する把握は、何か具体的な対策をお考えになっておるんですか。

太宰博邦厚生事務官(保険局長)

○太宰政府委員 健康保険の強制適用でありながら現在未適用になっておる、これは私どもの努力にもかかわらず、現在大都市などには相当あろうかと思います。この点につきましては先年来努力をいたしまして逐次解消をはかっておるわけでありますが、東京あたりで申しますると、この十二月から一国保が実施になるといたしますと、いやが応うでもそういうものが表に出てくるだろうと思います。これは東京都あたりの調査によりますると、相当数のものが入ってくる、かように考えます。従いましてこれは見つかり次第健康保険の方へ取り入れなければならない。当然それだけ事務量もふえるわけであります。そういう点も今日ただいまやらしておるわけであります。  それから五人未満の零細事業所に働いている人の問題につきましては、これは前々からお話があるわけでございまして、これが任意包括で入らなければ、今日の段階では国保に入るだろうと思います。東京都の国保は、世帯主については七割給付をやっておりますので、他の国保よりは多少はいいものであろうかと思いますが、しかしそれにいたしましても、こういう人たちも被用者でございますから、できるだけ被用者保険の系列にとどめたいと考えているわけであります。その場合に、毎々申し上げますように、はたして把握ができるかどうか、その他賃金の支払い条件はどうであるとかいうようなむずかしい問題がまだありまして、今すぐ一ぺんに全部そういうものを被用者保険に取り入れるということは困難な状況でありますが、これは国保に入ったんだからもういいやというようなことでなしに、私どもとしては今後とも努力を傾けて参りたい、かように考えております。  第二種健保の問題がございましたけれども、こういう制度の改革は相当大きな問題でございまするので、将来の問題として検討して参りたいと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 私はさいぜんクリーニング業をちょっと指摘したのですが、ああいう業態でも、一体入るのか入らぬのかよくわからぬという実態ですから、そうすると五人以上の事業所ということになると、あのたくさん列挙されている事業所の中のものは全部強制適用されなければならぬのですが、東京都は三十年と三十四年の二回、国保の実施にあたって東京都の全域にわたって実態調査をやっておるはずです。この実態調査にならって今各地でやろうとしておるわけですね。その実態調査の結果、あなたの方の五人以上の強制適用事業所で、一体どの程度のものが漏れておったのですか。

太宰博邦厚生事務官(保険局長)

○太宰政府委員 これは都の報告でございますが、二十九年と三十二年に全数調査をいたしました結果、いわゆる健康保険の強制適用になると思われますものが事業所数で約四万、被保険者数で四十万という推定をいたしております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうすると、結局強制適用にならなければならぬもので落ちておるものが四十万というのは莫大なものですよ。これは二十九年、三十二年の調査ですが、最近における中小の事業所というものは、経済の上昇によって急激に増加をしておりますよ。最近は中小企業の方がどんどんふえているのですから、従ってこの数はもっと増加をしてきておると私は思う。さいぜん小田橋氏の論文でちょっと指摘したように、おそらくこれは全国的に見たら、健保の強制適用はやっぱり百万くらいは落ちておると見ていいんじゃないかと思う。小田橋氏は百三十一万と言っておりますが、これは東京で四十万人でしょう、それを今度は大阪とか京都、名古屋、神戸、北九州地方と全国的にずっと伸ばしていくと、百万をはるかにこえますよ。その諸君というものが盲点なんです。百万の人が盲点になっておれば、その家族がおりますから、これは優に四百万人になってしまう。だから、さいぜん私が指摘した六百万ないし七百万というものは、最近のように、たとえば炭鉱地帯における首切りがどんどん行なわれていきますと、首を切られたら一年くらいは何らの保険もない。こういう実態ですから、これはよほどあなた方ふんどしを締めてやってもらわないと、皆保険になっても、九人に一人の割合で、千万に近い人たちが保険の恩典を受けない政策というのは皆保険じゃないですよ。しかもそれらは一番医療を必要とする層だということになるわけです。こういう点をもう少し慎重に御検討になっていただきたい。こういうところが、日本の保険者がもっと一生懸命にやらなければならぬところですよ。そういう点については上手の手から水が漏れておるのです。一つの上手の手から水が漏れないように、手のところにコンクリートをしっかり塗って下さい、お願いしておきます。  次は生活保護の問題です。同じような問題を一括してやる方が能率が上がりますから……。最近生活保護の中で、一部負担を患者が持つものの支払いが非常に悪くなっておる。病院とか診療所の一部負担の支払い状態が一体どういうふうになっておるのか、高田さんの方で調べたものがあればお示しいただきたい。

高田正巳厚生事務官(社会局長)

○高田政府委員 生活保護法の医療扶助の本人支払い分についての支払い状況がどうなっておるかということについての全体的な調査はございません。ただ医療機関側から、こういうふうにおれのところはなっておるから、一つ本人支払い分の徴収について、自分の方でも大いに努力するけれども、実施機関側でも協力してほしいという御要望を承っております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 日本精神病院協会、結核病院協会等から、あなたの方に何かそういう陳情は来ておりませんか。

高田正巳厚生事務官(社会局長)

○高田政府委員 精神病院協会それから結核療養所協会ですか、そういうものから陳情書が来ておるということは私記憶しておりません。これは正式な陳情書でございましたかどうか失念いたしましたけれども、日本病院協会からそのお話を伺ったことを記憶いたしております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 実はここに京都で調査したものがあるんですが、昨年の九月から本年の二月までの生活保護の医療扶助の部負担の未収というものは、病院では一医療機関当たり一ヵ月平均三万百十九円、一部負担の六割七分三厘というのが未収です。それから診療所は、これは生活保護の件数が少ないから未収金額は少ないのですが、五百九十円で一部負担の六一・九%の未収なんです。問題は長期の療養を必要とする結核とか精神病が番やはり多くなるわけです。一体どうしてこういう未収が起こるかという問題は、そこの根源の問題です。これは福祉事務所における新規の医療扶助の決定が非常に長引くということです。ケース・ワーカーはいろいろ調査しなければならぬでしょうから、非常に長引くということが一つです。もう一つは、同時に今度は医療券の発行が遅延する、月末にかかった患者の医療券が出てこない。月の初めにかかった分については出てくるが、月末のものは出てこない。そうすると患者も、全部払ってくれるのか一部自分が負担するのかよくわからぬという形でうやむやになってしまう。来た患者を治療しないというわけにいかない。だから昔のように初診券と医療券をくっつけて出さなければならぬという問題が出てくる。初診券を出す、そうすると初診券だけを医者はもらったのでこれはあとで医療券が来るものだと安心して治療しますと、今度は医療券が出てこないのです。催促するけれども係がまだ調査中でございますからということでなかなか出てこない。これは根本的な原因なんです。今京都の調査によっても、これは私の実体感からも間違いないと思いますが、病院では大体十六日から三十日です。初診券が出て今度医療券が来るまでそのくらいかかる。それから診療所は六日から一ヵ月。だから月末に来たやつは、もう翌月の五日までには全部締め切って、医師会へ持ってきて基金に出すのですから間に合わない。そうしますと、こういう状態で生活保護の医療券の問題というものが処理をされ、そしてしかも事務はとても複雑です。だからこの前から事務の問題をやっておるのですが、事務が複雑です。こういう点について、これはもう少し私が——一番のポイントは、初診券を出すときに、もう思い切って医療券を出すということです。これを切り離して別々にやるところに問題があるのです。昔は全部初診券と医療券は一緒にくっついてきておったのです。ところが今は事務が複雑になって、もとは初診券の片面を医者が取り、片面はこのわれわれ療養担当者の方に残すことにしていたわけです。たとえば母子寮とか養老院等は、そこの主事が医療券を切れたんです。ところが今は母子寮やなんかでは切れないのです。全部福祉事務所に行かなければならぬ。そうしますと、お母さんが日雇いに出ているおばあちゃんが病気だというと、だれももらいに行き手がない。だから一回仕事を休むか、途中でひまをもらうかして初診券をもらいに行く。そして医者に持って行き、診断を受けて、そうしてその病状と見積もりを書いてもらって、また今度は、一日か半日か仕事を休んで医療券をもらいに行く。こういう家を支えなければならぬ支柱の人が、休んで医療券なり初診券を取りにいかなければいかぬというめんどうくさいことをやっております。だから私は、一回は福祉事務所に行かなければならぬと思いますが、一回目でもう医療券と初診券をつけてやる、こういう制度にしなければいかぬと思うのです。そういう制度にぜひやってもらわないと、今の未収というものにだんだん拍車をかけてくる。そうしますと、もうあとは治療をしておっても、あの者は初診券だけで終わりになりました、こういうことになると、患者さんに払いなさいと言っても、生活保護を受けておるその日暮らしの人に部負担をやれということの方が無理なんですよ。これこそ取り立てにいっても、それは、あるところの市役所が言うように、国民健康保険の保険料の差し押えに行ってみたら、なべとかましかなかった、こういう実態です。生活保護を受けるくらいの家庭、あるいは医療扶助を受けるくらいの家庭なら、とてもこれは払えないというのが実態なんです。だからそこは、私はやっぱり医療券を出すならば、そういう形で出す。それからあまり厳重な、単給その他で一部負担を課するということは、これは今の実態でも非常に問題があるのです。そして君の方が重く長くかかるならば、おれの方が見てやろうというけれども、一体長くとはどのくらいかという限界がさっぱりわからない。先生長くかかるようだったら、私の金というものは、市役所が払ってくれるということになりましたと言ってくる。それでは一体長くとはどれくらいか。これは見方によっては十日でも長いことだし、二十日でも長いことなんです。そうすると十日ぐらいならば長いのだろうと思って請求すると、相当の金額になるのです。いやこのくらいのものはあの本人は払える力がある。医者はそういう認定をする資格、権限はないのです。福祉事務所のケース・ワーカーが勝手に認定をして、君払えといっても、これこそ医者というものはみな泣き寝入りです。それは仁術というものがいいかげん薄くなったにしても、なお仁術というものはそういうところに残っておるものなんです。だからそういうところに行って、なべかまを差し押えをするというわけにいきません。だからそれは全部未収になる。だから六割ないし七割というものは、未収のままで医療機関が泣き寝入りになっておるというのが実態なんです。だからこういうところについて、もう少しやはり——今の国民健康保険の一部負担の問題とも関連して、これは善管注意で何かそこにやったならば、あとは福祉事務所が見るという制度をやらないと、医療機関というものも慈善事業ではないわけですから、問題が出てくると思うのです。だから病院協会というのは、いわば親方日の丸です。そう言っては語弊がありますけれども、これをやっている医師が責任を持たなくてもいいわけだけれども、やはりたまらず陳情に来なければならぬというところに問題がある。日赤だって済生会だって、何だって、これは困れば共同募金とか何とかで金を出してくれるのだから、赤字でもいいのです。ところがその赤字の団体も、生活保護の一部負担ではあなた方や国会に陳情して、何とかして下さいということをいわなければならぬ程度にやはり困っておるということです。そうしますと、国保の善管注意と同じような形で最終的には実際に国が責任を持たざるを得ないというところに問題がある。これはとても患者にいけません。患者にいかないとすれば、これは療養担当者が慈善事業をやっているから、たとえば税の方で落とすなら落とすようにしなければならぬ。それを税務署はみな見てしまう。だからこの点について高田さんの方から名案でもあればお聞かせを願いたい。これは全国の公的な医療機関の声でもあるわけです。

高田正巳厚生事務官(社会局長)

○高田政府委員 初診券を出して、医療券を出すのがおくれる、そのために一部負担の未収が多くなるという事情も確かにあろうかと思います。ただ医療券を出す場合には、さかのぼって出すわけでございますので、あるいは一ヵ月なら一ヵ月は本人が負担できる、それ以後になると本人は負担できない、こういうことになれば、もちろんその一ヵ月分はおくれるわけでございますが、それが出るのがおくれるためにということではないのじゃないか。むしろ問題は、単給の場合に、その本人が払える分がこれだけという決定が少しきつ過ぎるのじゃないかというような本質問題にかかっておるのじゃないかと思います。この問題は、いろいろな見方がございましょうが、生活保護法としましては、この法の建前、あるいは国が国民の税金で保護をしておるという事柄の性質からいきまして、本人がまず払えるものは払ってもらう、払えない分だけを足して税金で払っていこう、こういう原則に立っております保護法でございますので、さような単給のような場合に、本人が今までの生活程度を落とさないでいくつもりならば、あるいは払えないけれども、しかし税金で払ってもらうのならば、もう少し生活程度を落として、無理をしても払ってもらいたいというような決定にならざるを得ない場合があることはやむを得ないと思います。  それから初診券と医療券を同時に出したらどうだという御提案でございます。これも主として単給が問題になると思いますが、御存じのように保険と違いまして、生活保護法では、本人がどれだけ払えるかというミーンズ・テストをやらなければならぬ。従ってこの患者には一ヵ月どのくらいかかる——これはいつも滝井先生におしかりを受けるのですけれども、大体この見当かかるだろうという目算をお医者さんに立てていただきまして、本人がどの程度払えるから、あとこの程度を生活保護法で払おう、こういうことをやるわけです。それにはどうしてもミーンズ・テストをやる期間が必要でございますので、初診券とそれを同時に出すということになると、初診をそのミーンズ・テストが済みますまで待ってもらわなければならぬ、こういうことでは患者さんの方でもお困りになる場合がありますので、一応初診は出しまして、どのくらいかかるかということを見当をつけていただく、そしてこれだけかかるならば、これだけ本人に払ってもらって、あとを国庫で払おう、こういうミーンズ・テストをやるわけでございますから、これは同時に出すということは保護法の建前から申しまして、むしろ非常にむずかしい、間違ったやり方じゃないか。その点が保険とは事情が違って参りますので、保護法の建前から、それを同時に出すということはよほど無理な御注文じゃあるまいか、私はかように考えておるのであります。     〔委員長退席、田中(正)委員長代   理着席〕  なお、一部負担ではなく、本人の支払い分が医療機関に未収になって御迷惑をかけておる、この点について従来福祉事務所等であまり関心を持たないで、これは一つ医療機関で何とかしてもらいたいというような態度であった弊害があるやに私も聞いておりますので、この点は保護の実施機関におきましても、医療機関と御協力をして、その本人支払い分を納めるように、実施機関側も十分努力をいたしたい、かように考えておるわけであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 まず単給の場合ですが、単給の場合はなるほどその人は生活保護を受けていないわけです。従って、突如として病気になった、そのために働けない、だが君は幾分のたくわえはあるんだろうから、生活の方はあなたのたくわえの中でいきなさい、医療の方だけは見てあげよう、こういうことになるわけです。そのために、初診券を上げるから見積もってもらいなさい。しかし、あなたのたくわえの中から出せる場合があるんだから、そのときには一部負担してもらわなければなりませんよということで、初診券には一部負担と書いて出してくるわけです。これはミーンズ・テストした結果で出してくるわけです。それはそうでしょう。初診券が出たからこそやってくるわけです。そうして持ってきまして、今度は一部負担を三割なら三割は負担する、千円かかったから三百円とるんだ、こういうことになる。その三百円が出せるという認定はだれがしたのかというと、医者がしたのじゃない、福祉事務所でしたわけです。ところが今度医者の方で、三百円でございますからお払いなさいと言っても、実態はなかなか払えぬのです。払わぬから六割ないし七割の未収が出てくるわけです。そうすると、払いなさいと言って払えないものを、医者が行って取り立てるわけにはいかない。それならそれは一体何によって見たかというと、初診券と医療券が出るであろうという仮定によって見た。もちろん一部負担があるだろうということも認定をして見た。ところが医者の認識は、払えるであろうという認定を役所がしてくれたから、同時にそういう認識になって見た。ところが払ってくれないというときには、患者に言ったって、先生、私はごらんの通り食うや食わずの生活で、たくわえもみんな出してしまったからどうにもなりませんと、こうなった場合に、今度は役所に行かざるを得ないというんです。医者の方は、自分で今度は払えるか払えぬかを調査してみたが払えぬという認定になった、役所は払えるという認定、これは対立したわけです。ところがその患者をだれが頼んだかといえば役所ですから、最終責任は役所が持たなければならぬと言うんです。だから、医者が善管注意を持って、どんどんと催促してみたけれども、これは国民健康保険ほどそういう患者には催促はできませんよ。そうなった場合に、一体福祉事務所なりなんなりが持ってくれるかどうかということなんです。こういう場合に、社会主義の医療政策なら、こんなけちな質問はしませんよ。資本主義、自由主義を信奉する自由民主党の政策、開業医制度のもとで問題を論議するから、こういう問題を質問することになるわけです。社会主義の政策のもとでは、こういう患者は全部国が持ちますよ。そういう点を持てないところに、今度は無理に自由開業医のもとで見るんですから、日赤、済生会でも営利主義に徹底しなければやっていけないんです。そういう資本主義制度のもとにおいて、そういう人たちを国が見てくれというたものを、最終的に国が責任をのがれて逃げてしまうということは許されぬというわけですね。そういう場合に、一体あなた方は責任を持ちますかということを言っているんです。これが一つ。  それからもう一つは、初診券と医療券が一緒に出せない、こういう議論です。これは今のような単給の場合は、私は出せない場合があると思うが、単給の場合でも、この者はもはや自分が  一銭も払う力がないということになれば、これは出しても差しつかえないと思う。生活保護にかかっている者でも、今は出さないんですから、生活保護にかかっている者は初診券を出したら医療券を出すことは当然のことなんです。それが初診だけで済んで、何ら治療を行なわないのなら、医者はその医療券を破ったらいい、請求を白紙で出したらいいんですから。それも、医療券の中にも初診料の請求欄はあるのです。それに初診料の請求を出してもいいのですから、一緒に出しても差しつかえないわけです。それをなぜ出さないかということなのです。貧しい人をわざわざ二日も仕事を休まして福祉事務所にとりにいかせる、こういう血も涙もない政治は、私に言わせればやるものじゃないというのです。私はそういう実情を全部知っているから言うのですよ。往診に行きますとお母さんが寝ておる、学校に行く子供しかいないんです。そうすると市役所に判を持っていかなければならぬが、坊や学校を休んで君行けるかということなのです。おじちゃん学校を休んで僕行けない、よしそれならおじちゃんが学校の先生に、君が一時間おくれるということを言ってやろうといって、われわれ医者がわざわざ学校に電話して、あの子供はお母さんが病気のために医療券をとりにいきますから休みますということを言ってやる。それから今度は市役所に電話をして、これはだれも行き手がないので子供が行くが、こういう病状だから医療券を渡してくれとわれわれが言うのです。これだけの親切を医者はやっているのですよ。ところがこれは母子寮なんかでも、隣り近所の者は仕事に行ってだれもおりはせぬです。そうするとお母さんの病気がよくなるまで、子供が行かなければ医療券は持ってこないのです。先生病気がよくなってから持ってきますという。まず初診券の段階からそういうことになるのです。そうするとどういうことになるかというと、十二月一日に病気になる、ところがお母さんが病気のために初診券をとりにいけない、われわれはこれを見ないというわけにいかない、そうすると十日たって病気がなおって初診券を持ってきたときには十二月十日の初診になっている。十二月一日からかかっているのですが、その初診券は十日になっているから十二月一日から使えぬ、だからお母さんが十日から病気したことにする。そういうインチキをやらなければならぬ。インチキをしなければ初診券は無効になるのです。これは私ははっきり言うわけです。十二月十日に初診して二十日までかかったように請求する、とりにいけないときはそういう形になるわけです。こういうのは実情に沿わないので、初診券と医療券と同時に出してやるとすると、一回行けば済むのですね。そうして見積もりも、生活保護の患者というものはなかなか普通の見積もり通りいかぬのです。われわれが五日でなおると思っておっても、栄養状態が悪い、それから寝込んだらだれも炊事をしてやる人がいないもんだから、近所の人が寄り集まって炊事をしてやる、そうするとろくなものが食えないから、五日でなおる病気が十日、十五日かかってしまう。一週間という見積もりを出したものが、今度書きかえなければならぬ。何もかにもみんな、簡単に言えばうそで固めなければ請求ができないということになってしまう。そういううそでやるような制度を医者に強制して、医者がうそをやらないとすれば請求は一切できないことになる、それが今の生活保護の実態なんですよ。これはあなたがどんな大きな病院をお調べになってもみんなうそをやっています。その実態を知らずにしゃくし定木でものを見て、おれらの決定したものが正しい、医療券も一緒にやれない、初診券をやったあとだ。そうなると病気がよくなったら仕事まで休んで医療券なんかもらいにいきませんよ、一日でも仕事した方が得なんですから。だから初診券を持ってきたら、先生頼みます、私は仕事に行けませんからと、こうなる。そうするとわれわれの方が市役所に電話して医療券をとることになってしまい、日にちは食い違ってしまって、初診券は十二月だけれども、医療券は一月になってくるのです。そうして一月一日くらいの日付になってくる。患者は十二月一日に見ておるけれども、医療券は一月一日になっておるから、この間はうそをせざるを得ない。そうしないと、遺憾ながらつじつまが合わない。それを一々書きかえるとすれば、また市役所に行って福祉事務所で書きかえの手続をとらなければならないという事態が至るところに起こっておるのです。だから、これは一つ高田さんの勇断をもって、初診券と医療券とを一本にして、少なくともケース・ワーカーが調査をして、これは払えないという実態があれば、私は出すべきだと思うのです。その二点についてどうですか。

高田正巳厚生事務官(社会局長)

○高田政府委員 滝井先生の第二点の方の、初診券と医療券を一緒にしろというお話でございますが、これは、私が先ほど申し上げましたように、ことに単給の場合には、一緒にしろと言われても絶対にできない、生活保護法の建前からいってできないと私は思うのです。ただ併給の場合につきましては、これは私もう少し検討してみたいと思います。併給の場合におきましても、入院を新たにするという場合に、入院の必要があるかないかということについて一度お医者さんの判断を願ってというような場合には、これはあるいはどうなるか、私今ちょっと見当はつきませんけれども、併給の場合につきましては一つ十分検討をしてみたい、かように考えます。  第一点の最終の責任を持てというお話でございますが、これは、最初申し上げましたように、頼んだのは役所じゃないか、それからこれだけ本人が払えると認定したのも役所じゃないか、だから全部役所側が責任を持て、こういうお気持は、実際問題として私もわからぬことはありません。従って、本人支払い分の未払いについて、それを支払えるように、実施機関側も病院あるいは診療所と協力をしてその努力をいたしますということを申し上げておるわけでございます。ただ法律的に最終の責任を持てと言われるのは、これは保護法の建前からいきまして、そういうものではないわけであります。その人の医療をまるまる保護法の費用で持つという性格のものではないので、本人が払える分は払ってもらって、そのあとを持つということでございますから、今の国保で議論をされておりますような意味の法律的な最終責任というものは、保護法の場合には、やかましく法律的に論議しますと出てこないのでございます。どれだけ本人が支払うかということにつきましては、保護の実施機関と本人との間に、決定通知書にちゃんと書いてあります。不服のある場合には、その不服の申し立ての手続もあるわけでございますから、これは法律上ははっきりと本人の責任ということになるわけであります。ただ実際問題といたしましては、先ほど申し上げましたように、そのお気持もわかりますので、実施機関側におきましても一つ十分協力をしていこう、こういうことを申し上げておるわけであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 長くなるからこれでやめますが、実施機関が、この者は三割の支払い能力があるのだという認定をしたわけです。ところが、認定をしたけれども、実際にその者が払えないということになれば、これは認定が間違っておるわけです。間違っておるか、本人がずぼらをして払わないか、どちらか二つに一つです。そうすると、医者は、これは、行って差し押えなんかして取り立てるほど、それだけの強引さを持っておる職業でないことは御存じの通りです。そうしますと、現実に——私は現実論から言っておるわけです。現実に公的医療機関においてさえも六割七分、私的医療機関も六割一分の未収がある。この現実なんです。それだったらこの現実を一体どう認識するかということです。それだけの未収があるのに、その未収を放置しておって政治というものは行なわれないと思うのです。この未収を解決していくことが政治だと思う。具体的にこの未収を一体どう解決するか、これは、私は六割七分全部が本人のずぼらだとは思わない。少くもこのうちの何ぼかは認定違いがあったのではないか、こういうことなんです。認定違いがあったとすれば、その最終責任というものは、認定をして、そうして依頼をした役所側が負わなければならぬ。役所側が一切その責任を免れるということは許されないと思う。そこなんです、私の言いたいのは。ですから、それを免れるという理論的な何か根拠でもあれば、それはいい。これは免れるという根拠がないのです。そういう点が一つ。  もう一つは、あなたは単給の場合に初診券と医療券を一緒に出せないとおっしゃるけれども、初診券をお出しになるのですよ。初診券をお出しになれば、初診料は請求する権限があるのですよ。そうでしょう。その初診料は何で請求するかというと、医療券で請求するのですよ。だから、初診券と医療券を一緒に出してもちっとも差しつかえないじゃないですか。それからあとのこと、何ぼ要るかということは、その次の第二段階の決定でおやりになればいい。医療券を二度も三度も取りに行かせるのでなくて、一緒につけてあげなさい、こういうことなんです。それは単給の場合であろうと併給の場合であろうと、生活保護の患者であろうと同じだと私は言うのです。初診券を出したら、初診料というものは医療券で請求するのですから、それからあとの議論の発展はそれからあとのことにしたらよろしい、こういうことなんです。そうでしょう、理論的に。だからあなたが出せぬという理論はない。初診というものは五点なり五・四請求するのですから、検査したら検査料を請求するのですから、だからこれは一緒につけてもおかしくないでしょう。どうしてこれは出さないのですか。初診料まで請求させないというのなら、それは出せぬというあなたの理論は成り立つけれども、成り立たぬじゃないですか、どうですか。

高田正巳厚生事務官(社会局長)

○高田政府委員 初診券は、一つ見て下さいというわけですから、その初診料だけの請求券というようなものをつけて出すということは考えられぬことではないですね。しかし今申し上げましたように、初診をしてもらって、これは一体どのくらい費用がかかるということを認定してもらう。そうしないと、保護法の方で幾らかかるという決定ができないわけですね。入費決定ができないわけです。従ってあとの方の医療券というのは、御存じのように、この患者については幾ら幾ら保護法で持ちますということが書いてある、それを決定してから出すのでございますから、それは最初にはわからぬはずでございます。幾らかかって、幾ら本人が払えて、従ってあと幾ら保護法が持つという計算がどうして最初にできますか。ですから、それを同時にやれとおっしゃるのは、むしろ非常に無理な話なんです。原則的に言って、私はそういうものだと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それは、高田さんが実情を知らないということなんです。そういうことを言っておると、あまり法律にこだわって、生きた人間を殺します。さいぜん私が言ったように、初診券というものを持ってこなければ医者にはかかれません。ところがわれわれは、あなたは一体生活保護ですか、こう聞くわけです。そうです、先生、生活保護です、ずっと役所から食わしてもらっております、患者はみんなこう言うのです。よろしい、そうすると、あなた医療券はもらえますね。もらえます、今お腹が痛くてどうにもなりませんから見て下さい、だれもうちは医療券をもらいに行く人がおりません。こうです、これが実態です。そうすると、君は医療券を持ってこなければだめだから金を出せ、こう言ったって、金は出せませんから、よろしい、医療券はあとで持っていらっしゃい、見てあげますよ、これが医者の立場です。それは見てあげるわけです。そうしますと、今言ったように、これは二日も三日もかかるから、医療券をもらってくるのは三日後になります。見てもらった日は十二月一日だけれども、初診券がくるのは、いつくるかというと、三日後の十二月四日にくる。そのときは十二月四日の日付になっておるわけです。そうすると、私は一日から三日まで見たものは請求できない。あなた方の法律論からいけば請求できない。それはどうしてかと言うと、医療券の初診の日にちが十二月四日になっておるからなんです。ところがそれは、そんなことをしたら大へんだから、われわれも飯を食わなきゃならぬから請求することになる。そのときは、初診券の出た日は十二月四日になっておるんだから、前にさかのぼるわけにいかぬから、十二月四日の初診にしてしまうんです。十二月四日の初診にして、四、五、六、七とこういく。これは健康保険なら監査の対象になりますよ。今はそういうことをやらなきゃならぬ制度になっておるんです。おなかがいたい患者が、だれが一体市役所に行きますか。そうしてよくなって十二月四日の日に初診券を持っていくと、それにあなたの方で書く。ところがこれはよくなったときなら、五百円かかればそれは五十点と、こうきちっと書くことができるけれども、さいぜん私が言ったように、簡単に申し上げまして見積もりなんていうものはみんなでたらめです。そのでたらめのものであなた方が予算を組んで、予算がわかりませんというのは、これはしゃくし定木な議論なんです。われわれ療養担当者が出した見積もりで予算がやられておるかというと、そんなものはどこも見ていません。率直に申し上げまして、そんなものは市役所は見てもおりませんよ。われわれもまた相当でたらめを書きます。でたらめといっては失礼ですけれども。それはどうしてかというと、生活保護の患者は、われわれが普通の常識で五日でなおると思っても五日ではなおらない。それは先ほど申しますように、だれも栄養のあるものを食わせてもらえない、寝てなきゃならぬ患者が起きて、子供のために炊事をやるのですから、五日でなおるものが十日も十五日もかかってしまう。だから五日という計算で予算を出しても、そういう患者ですから十五日になってしまう。そうすると、また市役所に行って延期の手続をしなきゃならぬ。そういう生活保護患者を二十人も持っておったら、医者は毎日々々市役所に行って延期の手続や何かの交渉をしなきゃならぬことになって大へんです。医療はできない。そうして今言ったように、健康保険の方では五回も同じことを書かせるでしょう、あなた方は、今の日本の健康保険なり生活保護の医療の実態を全くお知りにならぬでやっておるんです。だから高田さんもやはり生活保護の医療を一日やらなきゃだめですよ。お知りにならぬのです。だからそんなものをあなた方が聞いて予算を見積もっておったら——それは今の生活保護の予算は二百億ちょっとこえますが、八百億あったって足りない。あなた方がそれを二百億に切ってやるというのはそれなんです。そういうしゃくし定木のことを言わずに、初診券を出したらそれに医療券をつけておやりなさいよ。見積もりなんかやらなくたって今まで何十年かできてきたものを、このごろになってそういうことをやってきた。それはでたらめで当てにならないものですよ。そんな当てにならぬものを医者に作文をさせて、それであなた方の行政が満足するというなら、そんな行政はだめだということなんですよ。そんなことはやめて、お医者さんにもっと一生懸命生活保護のためにやって下さい。それから今言ったように、善管注意をやって、取り立てられないときは取り立てる努力をして下さい。ひまがあったらそういうことをやる方がいい。それはあなたの方の医務局でも、国立病院に入っている患者の未納がだんだん多くなっている。だから、未収金の取り立てに関する法律がありますけれども、大蔵省の方でそれを適用するといったら、患者が全部反対して実際にはできなかったでしょう。それと同じですよ。あなた方の役所が実施しようとしてもできないわけです。今国立病院の未収は幾らありますか。何億という膨大なものに上っておるでしょう。一体それの取り立てができるかというんですよ。あなた方は生活保護なり国民健康保険を医者に取り立てろといって強制しておるわけだけれども、国立病院に何億という未収金があって、それを取り立てるのは医務局長や大臣の責任ですよ。われわれに取り立てろと言う前に、まずあなた方がそれを取り立ててごらんなさい。それを取り立てなければ大臣更迭ですよ。そうでしょう。できないでしょう。国立病院なり健康保険なりの病院で何億という未収があるのに、それができますか。できないはずなんですよ。そういうことはほおかぶりしていっておるんですが、これはどうですか、高田さん。今の理論でいって、初診券は出すのですから、初診券を出したら、初診料は医療券で請求するんだから、医療券をつけて出してどうして悪いですか。

高田正巳厚生事務官(社会局長)

○高田政府委員 医療券は、今のようにミーンズ・テストをした結果、これだけ本人に支払ってもらって保護法でこれだけ出すということをきめるわけです。それをきめてから医療券を出すわけです。そうすると、それができるまでは初診券も出さぬということになりますと、かえって患者さんが死ぬことになります。それをやるにはひまがかかることは事実なんですから、それができるまでは初診券も出さぬということでは、かえって逆になると思うのです。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 併給の患者ですよ。

高田正巳厚生事務官(社会局長)

○高田政府委員 だから、併給の患者については検討するということを私は言っております。その点は先ほど申し上げた通りであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうすると、併給の場合は考慮してくれると言う、ぜひこれは実況をしてもらいたいというふうに思います。単給の場合は、私が言うように、初診券を出すのですから医療券をつけてもちっとも差しつかえない。あとで医者に通知したらいい。そうでしょう。医者に事務をやらせずにあなた方の方が事務をやったらいい。みな給料をもらって仕事をやるんですから。生活保護の方は多いが、単給の患者はそう多くないんだから。だから、それはあとで、あの者は大体このくらいの負担ができますと通知を出したらいい。そうして単給の場合は、初診券を出すときに、この者は大体部負担の可能性がありますということを書いておいたらいいんですよ。僕の方は、全部現場をやって一切の苦労をなめてきておるから、私は自信を持って言っておるのです。私はこういう問題を解決するために国会に出てきておるということを言っておるのです。だからこれはあなた方が何人かかってきても負けぬという自信を持ってやっているんです。全部自分で書いてやってきているんだから。この十年の経験からいって、こういう日本の医療では医者は全部だめになるということを体験しているから言っているんです。そのために国会に出てきて、これを改革しようと思ってやっている。それだけしか私は使命を持っていないんだから、それをあなた方考えて下さい。それをあなた方がわからなければ、一ぺん私と一緒に済生会病院なり日赤の病院にあなたと保険局長と三人で行ってみましょう。そうして月末の状態をよく見たら、医療券なんか来ていませんよ。そのためにどの程度電話や何かで連絡するかわからないのですよ。病院はそういう一つの事務所じゃない。大きい病院には至るところの福祉事務所から来ているから大へんですよ。そうして今われわれのところでは、二十五日になると市役所に行って継続のやつをつき合わせるのですよ。症状を説明して、何の何兵衛というのはこういう病気でもう一ヵ月かかります、だからこのくらいにして下さいといって、またそこでごしゃごしゃやる。こんなばかな制度というものはありゃせぬですよ。もう少し医者を信頼してやったらいい。そんなものを二十五日に医者がやる必要はない。医者が継続しようといったら、それは信頼していいんですよ。そんなことしろうとが幾ら聞いたってわかりゃせぬ。マスターべーションですよ。ただそれを聞くだけなんです。それでいかぬとは言い切れない。医者が必要だと言ったら、医者でない者がだめだと言ったってだめでしょうが。だから、高田さん、そこらあたりの制度を、もう少し現場をごらんになってやらなければだめですよ。具体的な問題についてはきょうはあれしますが、あなたが、生活保護で保護者が初診券を必要とする場合、医療券もつけて出すということを検討する——単給の場合だってつけて出してよろしい。それは今度はあとから通知してくれたらいい。これははがきでけっこうです。お役所でもそのはがき代くらいの予算は出るでしょうから、はがきでもいいですが、電話でもけっこうです。電話は電話料が要るでしょうが、医者にやらせれば同じように医者は電話料が要るんですから、これはやはり役所の負担にしてあなたの方でやっていただく、こういうことからまず改革してもらいたいと思うんです。これだけ、一応検討してくれるということですからお願いしておきます。  あと今度総医療費の問題の地域差になるのですが、午後やらしてもらいます。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 社会局長にお尋ねいたしますけれども、今の問題に関連して、単給の場合に、初診券を持っていない患者が、具体的に申しまして盲腸炎あるいは子宮外妊娠であったとする。これは即時手術しなければならぬ。ところで、盲腸炎なんかですと、大体一週間くらいで全治して退院します。そういうような場合に、まだケース・ワーカーの方で調査が済んでないんです。そうすると医療機関の方は帰さなければならぬ。そういう場合に、その支払いはどうなるか。そのときに患者に、あなたはこれを払わないと帰っていただくわけにはいきませんよ、普通の患者でありますとそういうふうになるわけです。支払いを済まして退院してもらうわけです。ところがその患者は生活保護法の初診券を持ってきている患者なんです。大体初診券を持ってきている限りにおいては、一応それは医療扶助を受ける対象にあるのではないかということが推定される患者であります。従って医療機関としては支払いを強く要求することができません。まあ少なくも六、七〇%の確率において、その患者は支払い能力のない患者と推定しなければならない。ところがその患者を退院さすときに、何らの支払いの保証もなしに退院させなければならない。そういう場合に医療機関としては、具体的にどうすればいいのかということをまずお尋ねしたいと思います。

高田正巳厚生事務官(社会局長)

○高田政府委員 具体的には福祉事務所に御連絡をいただきたいと思います。そうして、はたしてこれは全然払わないで帰ってもいい見込みであるかどうか、あるいはどの程度保護法の方で持ってくれる見込みであるかどうかということを御連絡いただいて、御相談をすること以外には、今のケースは具体的には解決のしようがないと思います。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 福祉事務所にいつもそういうことは言っています。ところが福祉事務所の方の回答は、今調査中でございますのでもうちょっと待っていただきたい、それだけより回答はございません。しかしながらもう全治している患者を、もう置いておく必要のない患者を、決定まで医療機関としては退院を待ってもらうのか。また次から次に入院を待っておる患者もあるから、早く帰ってもらわなければならぬという場合に、支払いの保証も何もなしに帰さなければならぬのですよ。そうしてあとから、福祉事務所の方からまたその医療券を督促しまして、いや、実はあの患者は支払い能力があるから患者からもらってくれ、こういうことになる。そうすると、もう患者は退院してしまっている。一応初診券をもらったから、患者の側は生活保護法の医療扶助を受けられるものという考え方になっていますから、退院のときに、金を払わずに病気を直してもらったという気持で、ほんとうに丁寧に、どうも大へんお世話になりました、ありがとうございますと言って帰るわけです。ただで直してもらったような気持で、喜んで帰るんですよ。ところが、それは患者からもらってくれということがあとになってくるわけです。そういう場合に医療機関はどうしたらいいんですか。かりに請求に行きまても、患者の方は、何分こんな暮らしをしておりますので——決してその患者は裕福じゃないんですよ。それはテレビを持ち、電気洗濯機を持ちというふうな家庭では絶対にない。そういう家庭は、ラジオの一つぐらいはあるかもしれない。しかしながら一応貧困層なんです、ボーダーライン層なんです。だからそういう場合に医療機関は一体支払いの保証をどこに求めればいいのか。われわれ医療機関の場合は、現実的にそういうケースが幾らでもある。しかも全部未払いとして残っている。その残っておるものに対して今度は法人税がかかってきます。被保険者に対しては医療行為をして、全然支払いを受けないで、いろんな材料費その他場合によっては輸血をやるとか、このごろは健康保険でも輸血をなにしまして、血液代なんか相当な金額になる。子宮外妊娠の場合には相当な血液代が要ります。そういうようなものも全部支出して、しかもその上に未払いとなって残って、法人税がかかるのです。だからそういうようななににつきましては、医療機関としてはできるだけ警戒はしなければならないと思いますが、それにしても初診券が出ているということで、その患者は生活保護法の適用が受けられて、一応医療費を支払う必要がないという感覚で医療を受けている。医療機関の方では、まだ医療券が来ないからどうかなと思いましても、全治したものについては退院させなければならない。その場合に支払いの保証は何もない。医療機関はその問題で、いつも生活保護法の患者については要らざる——またある場合には、あなたの方は来てないから、わずかでも保証金を置いていってもらわぬと困るというような、いやなことも言わなければならぬ。ところが能力のない人は怒る。生活保護法の適用を受けなければならないような患者に金を置いていけとは何ですか、こういうようなことをはっきり言って、抗議を申し込む人もある。そんな場合にわれわれ医療機関としても、これはもう方法がないわけです。医は仁術という考え方は今でもやはり一般にまだ残っておりますし、医療機関の方もそういう気持はやはり持っておりますだけに、あらがう言葉もありません。そういう場合に医機療関はどうすればいいのかということを、具体的に教えていただきたい。

高田正巳厚生事務官(社会局長)

○高田政府委員 その御設例も、おそらく単給の場合にそういうことが起こると思うのでございます。法律的にいろいろやかましく言い立てますと、いろいろ法律関係を考えてみなければなりませんけれども、具体的な問題としてはそういうことを伺いますと、ますます初診券は出せないぞ、それこそ滝井先生のお話のように、ちゃんと身分テストをした上でないと初診券は出せないというような感じが強くいたしますが、それだとまた患者の方にいろいろ御不便もあったり、御迷惑もかかると思いますので、従ってさような場合の解決方法といたしましては、先ほど福祉事務所の方へ御連絡願いたいということを申し上げましたが、福祉事務所の方でもすでに治療を済ませて出してしまって、医療機関ではそれだけ御負担をなさっているというふうな例につきましては、ケースの扱いとして十分それを考慮した上で扶助額の決定もいたしますし、あるいはまた本人支払い分が出ますならば、その取り立てについて御協力をする。医療機関からもやっていただかなければなりませんけれども、実施機関側も御協力を十分わがこととして行なうというふうなことで、具体的問題として解決をはかったらどうであろうと私は今考えるわけであります。御指摘のようないろいろなケース、ケースがあると思いますから、それらにつきましてもいろいろお教えをいただきまして、いかにしたならば生活保護法の建前にも沿い、それから患者さんの便宜でもあり、また医療機関側の御負担もできるだけ少なくする、これは結局妥協の線になると思います。どこへ線を引くかということ、片方ばかりの立場を主張しても、片方が困ると思います。どの辺に線を引くかということについて、かねがね滝井先生から手続問題について一ぺん検討をするようにという御要望もございますので、私ども十分一つ研究をしてみたいと思います。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 きょうの委員会は、併給の場合には最初から医療券を出すというのは一つの進歩だと思います。しかし単給の場合に、医療機関に対して従来何ら保障がなかったことが、一つ考えてみようというふうなことになった意見が出て参った点だけ、これも一つの進歩ではある。しかしながらこれは非常に多いケースです。とにかく単給の場合も、医療給付の場合、ことにそれが急患で相当容態が悪くなってきたという場合には、いつも医療機関が悩まなければならない問題の一つでありまして、なるほどおっしゃる通りこれは医療機関の立場、あるいはまた今の役所の立場、いろいろあろうと思うのです。この問題は十分もう一度よく検討していただいて、滝井委員から出ております善良なる管理者の注意を十分払った場合には、やはり終末的には政府側において責任をとる、もし支払い能力があると認定するならば、政府の方でやはり取り立ててもらう、こういうことにしていただかない限り、ほとんど解決の道はないと思う。しかしながらそれについては、どういうふうな措置を講ずるというようなことのある程度の基準、健康保険の場合と違って、もう少し違った形のある程度の医療機関としての取り立てのための努力というものを要求されても私はいいと思う。しかしながら医は仁術でありますから、米屋や炭屋が催促するような形で、医療機関というものは患者に医療費の請求というものはできません。またそんなことを医療機関に要求されるとなれば、日本の医道はすたれます。従来の日本の医療機関の中に、やはり医は仁術という気持の流れがあることが、日本の医道というものをやはり私は美しいものにしていると思う。外国の医療形態と日本の医療形態と違うところは、昔から日本に医は仁術という気持がずっと伝統的に流れておるというところに、日本の大衆は私は恵まれていると思う。それだけまた医療機関も相当な犠牲をそのために払ってきていると思う。だからそういう点については政府の方もよく考えられて、対策を立てていただくことを希望いたしておきます。

高田正巳厚生事務官(社会局長)

○高田政府委員 ちょっと誤解を起こすといけませんので、繰り返して申し上げておきますが、併給の場合には私は必ず初診券と医療券とを緒に出しますということをここでお約束をしたつもりはございません。併給の場合につきましては、なるほどあるいはそういうふうなこともできるかもしれぬというふうな感じがいたしますので、私は検討いたしますということをお約束したわけでございます。  それから生活保護法の本人支払い分についていろいろお話がございましたが、この最終責任を実施機関側が持つというふうなことは、そういう突き詰めた法律上のお気持ではないかもしれません、いろいろ協力をするとかなんとかいうことも含めてのお話だと思いますけれでも、法律的にその本人支払い分について実施機関が責任を持つというふうなことをいたしますには、現在の生活保護法を根底からひっくり返してしまう、さようなことは検討いたしましてもとてもできないと思います。ただ実際問題として御趣旨を体して、何かそこに実施機関側としても御協力をする方法がありはしないかというふうに私ども考えますので、その点について一つ十分検討さしていただきたいと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 実は、なかなか思い切りが悪いようでありますが、私は生活保護法、いわゆる単給の場合だってあとから通知さえしてもらえば問題はないと思う。いわんや併給の場合については、これは論議の余地はない。あなた方が言うように、そういうようにこだわっておるから、一、二年前にこういう事件があったのです。それはやはり単給でございますが、ある労働者が私のところに泣きついてきた。それはどういう工合に泣きついてきたかというと、さいぜん私がちょっと言っておったように、実は私の家内が病院に人質にとられて帰してもらえぬ。どういうわけだと聞いたら、実はある精神病院に入院をさせられた。ところがもう今から一ヵ月くらい前にその病院に見舞いに行ってみたら、君のところは一ヵ月したら帰れる、だから引き取りに来たまえ、こういう話があったので実は引き取りに来ました。ところが三万幾らの金を払わなければならない。そこで、実はきょうは持ってきておりませんが、必ず何とか私工面をして持ってきますから、こう言ったら、いやだめだ、まだもらっておらぬ、こういうことなんです。そこで私のところに泣きついてきまして、実は先生三万何ぼの金が要るけれども、私今払うめどがつきません。それで家内がよくなって帰してもらえると思っていったら、帰してもらえません。何とか家内を帰してもらう方法はありませんか、人質にとられた——岡本君の今の子宮外妊娠をしたとかなんとかで、急にやった、手術をしてしまった、そうして医療券が出ない、こういうことになると、岡本君は人質にはしなかったようでありますが、公的医療機関が人質にしておるのですから、それは君の会社に話して、君の俸給の中から、三万円ならば五ヵ月とか八ヵ月とか月賦で払うように私が言ったといって病院にお頼みしなさい、そのかわり君も間違いないように会社に話して、必ずそれだけはきちきち入れなければならぬぞ、こういうことで話して何とかけりがついたらしい。その後何とも言ってこないから……。こういうことです。医療機関としてみれば、ああいう福祉事務所といっても話にならぬ、そうすると、結局その者が払うためには生活を切り詰めるか何かして、子供の給食費か何かを犠牲にして、子供に学校を休ませてでも払わなければ奥さんは帰さない、公的医療機関がこうなんです。病院の名前を言っては悪いですけれども、公的医療機関は末端に行くとそういう実態です。あなたの方は予算を出さない、独立採算でやれ、こういうから公的医療機関としてはやらざるを得ないのです。公的医療機関は営利性に徹底しております。開業医の岡本さん、岡本病院はそういうことは言わなかった。人質はやらぬ、医道は仁術だと言って帰したけれども、公的医療機関は仁術はない、人質にとるのですから……。だからこういう点で、もはや医道は地に落ちておるというのは公的医療機関の方が地に落ちておる。むしろ済生会とか日赤とかそういうものは、引き受けて博愛と人道で見ておるかと申しましたら、済生会とか日赤は、あなたにこの前指摘したように、健康保険から差額をとるのです。そうしなければ入れない。一等や二等に入ると三万の身代金をとるのですから……。この際そういうところを開放して、そういうものをどんどん入れる、単給をとるのです。ほんとうの仁術でやらなかったら、社会局の予算で出してやればよい、そういうところの大きな——天網かいかい疎にして漏らさずというけれども、厚生行政は大きいところは疎にして漏らしておる。そういう点を国が予算を出して、ああいうところに回る金を、私的医療機関にいく金にどんどん払ってやるのです。これくらいの行政をやるところにほんとうの生きた厚生行政があると思うのです。もう少し大胆率直に、検討すると言ったところは一つ実施してもらいたいと思います。あまり長くほうっておくと忘れてしまって、あなたが局長をかわったら困るから……。こういうことは検討の時間はそう長くかからぬです。二日も検討したら結論が出ますから、次回の委員会くらいまでに検討の結果を一つ報告して下さい。これからも私は検討してもらったことをすぐ報告をきちきちと求めます。そうしないと、太宰さんみたいに十一ヵ月もやって、どうもこの前言うたことは勘違いでございましたという断わりだけで済んでいく行政は困るわけです。だからあなたも一つできるだけ早くやるようにお願いしておきます。これ以上言いません。

田中正巳自由民主党

○田中(正)委員長代理 午後三時まで休憩いたします。     午後一時五十分休憩      ————◇—————     午後三時十五分開議

永山忠則自由民主党

○永山委員長 これより再開いたします。  休憩前の質疑を続けます。滝井義高君。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 さいぜんから医療費の未収の問題を、国民健康保険と生活保護の医療費についていろいろ御質問申しました。実はさいぜん国立病院、国立療養所についても何億かの未収金があるということを指摘をしておいたのですが、三十四年十一月二十日に渡邊厚生大臣あてに行政管理庁長官の益谷秀次さんから、「国立病院及び国立療養所の運営に関する行政監察、「第一次国立結核療養所」結果について」というのが出ておるわけです。これは保険局長も御存じだと思いますが、診療費の収納率は、現年度分は漸次好転しておるが、他面収納未済額は年々累積し、昭和三十二年度末では、当該年度収納未済額五億九千万円を含めて、十六億七千万円に上っておる、こうなっておるでしょう。十六億ですよ。今政府が買おうとしておるグラマン、ロッキード——ロッキードでさえも三機ぐらいですか、三十二年度末で十六億七千万円。三十三、三十四といくと、三十二年度が五億九千万円ですから、これはもう十億ふえる。二十六億になるわけです。これだけのものがたまっておるということなんですね。そうしてみますと、これはいわゆる零細な医療機関だったら、これは大へんなことですよ、国立でこれですから。われわれは国立や何かに入院するときには、何ぼか金を用意しなければ入れぬという気持で入っていくんですね。ところが、国立でこの実態。一体その二十数億の未収金を取り得るのかというと、これは取り得ない情勢ですよ。だから、債権管理法とかいうようなあの新しい法律を作って、未収金には利子までつけて取ろうとしたのです。利子は、私は反対して、利子はつけぬことになりましたが、これは債権管理法という法律をもってしても、なかなか取りにくいのですよ。それはなぜかというと、それだけ払う能力が患者には実際はないんですよ。それを払えるかのごとく作り上げて、やっておるところに問題があるわけです。だから、私的医療機関その他に、取れるというならば、十六億七千万円を一つ国が取って、手本を示してみてくれぬか、こうなるんですね。ところが、手本を示そうとすると、これは患者に無理をしなければならぬ。で、益谷さんのこれは同じ官庁同士のやった報告ですから、これくらい正確なものはないでしょう、これはだいぶ割引をしてこういう報告はおそらく出すでしょうから。そうしますと、自己負担で入った患者で、特に低所得階層だったら、長期にわたる療養に耐え得ない。経済的理由で、療養半ばで退所する者が二割ないし三割です。これにはこの通り書いてある。二割ないし三割です。こういう実態なんですから、これを零細な私的医療機関、まだなお医は仁なりという仁術が生きておる私的医療機関に、そう無理な取り立てを要求することは、これは無理なんですね。これは生活保護法にはないんですよ。こういう点については、これは厚生省もう一回いろいろの——きょうも高田さんは来ておりませんが、高田さんの方と特にこれは関連がある。     〔委員長退席、八田委員長代理着席〕 国民健康保険は重要な関連があるのです。どうしてかというと、国民健康保険を実施しますと、生活保護の医療費が半減するのですよ。だから非常に国民健康保険の所管の方のあなたの方と、高田さんの方とは、これは国の予算編成において密接不可分な関係があるのですよ。従ってこういう点を、益谷さんの行政監察報告も幸い出ておることですから、十分未収金についての検討をやはりやってもらう必要があると思うのです。これはだてに益谷さんはこういう勧告を出しているはずはない。これによって政府が対策を講じてもらうために、税金を使って出しておると思うのです。従ってこれはやはり一ぺん検討してもらわなければならぬと思いますが、保険局長さん、これはまだお読みになっておるかどうか知りませんが、これはお読みになりましたか、益谷さんの行政監察。

太宰博邦厚生事務官(保険局長)

○太宰政府委員 ちょっと目を通しただけです。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 ちょっと目を通しただけだというのですが、こういう十六億七千万円という未収金が明らかにあるわけですね。これはなかなかとれません。とろうとすれば入っておる患者を追い出す以外にない。これ以上ふやさないためには追い出す。追い出せば、これは国立療養所はがらんどうになりますよ。今でさえ二割あいておるのですよ。八割しか入っていない。従って二割あいている。二割あいてこれだけですから、これを払えぬ患者を追い出してしまったら、国立療養所は要らぬことになる。国立療養所が要らぬことになったらどういうことになるか。私的療養機関でますます未収がふえるというところですよ。だからこういう点についても、もう少しあなた方は、三十五年度末に皆保険政策を福祉国家建設の一翼としてやろうとするならば、こういうところに一つ行政の力点を置いてもらわなければいかぬと思うのです。——大臣はきょうはおらぬですかね。これはちょっと大臣にこういう点を聞いておかなければならぬ。大臣を呼んで下さいませんか、さいぜん来ておったのですから。あと三十分ぐらいしかないのですから、あなたじゃ……呼んでもらいたいのです。こういう点、大臣に知っておいてもらわぬとだめですよ。  それで、こういう点については高田さんの方では——あなたの方は払う側です。医務局長がおれば受ける側ですから、だから、医務局長の方でとれないとすれば、一ぺん払う方ととる方と、役所の首脳部が入れかわってみるといい。そうするとわかる。あなたの方はこれだけ払う、あとは患者が払う能力があると認定して受けさせている。ところがだんだん累積してきておるから、これはとれぬことは明らかですよ。医務局長の方はとる力なし、払う方は払えるという認定をしておるから、これは医務局長と保険局の首脳部が入れかわってやってみるとわかる。これはどちらでも成績が上がらぬということになれば、何か対策を講じなければいかぬということになるわけですね。こういう検討をあなた方は払う側の立場としてどういう工合におやりになりますか。国立病院ですよ。国立病院なり国立療養所にこれだけの未収がある。国立療養所だけで十六億七千万円です。これは三十三、三十四を入れたらもう十億加わりますから、二十六億になるんです。これは何かあなた方は対策をお考えになったことがありますか。

太宰博邦厚生事務官(保険局長)

○太宰政府委員 どこの医療機関にかかりましても、それは払うべきものであろうと思います。ただ行管の勧告にもあるということでありますが、国立療養所のように特に長期の疾病というものを受け持つところにおきましては、それからまた国立療養所というので、かりに低所得層の方々などは一般の私的医療機関に行くのもなかなか行きづらいという方も多いと思いますが、そういうような関係から、現実に金が払えない患者が出てくる。そのためにこういうふうな未収ということが起こってくることは、これはあるところまではやむを得ないことだろうと思います。しかしこれを無理やり強引に取り立てるということも、確かに御指摘のように、これはかえってまた大きな社会問題を起こすことにもなるわけであります。どうもこういう点、考えてみますると、これは非常に重大な問題であろうかと思うのでありまして、国民の所得の増と、それから医療の日進月歩のその進歩に伴うところの医療費の負担というものとの間のバランスというものがうまくとれておりまするならば、そう変なことは起きないはずだと思うのでありまするが、どうもその辺がやはり今日のところは大きな問題じゃないか。これは私ども寡分にしてあまり存じませんが、やはり世界各国、最近こういう問題については同様の悩みを持っているようであります。われわれとしては、できるだけ国民の所得はふえて生活水準が増大していくということが一面において大事なことであり、面において、医療費の支払いについて合理的な制度というものを考える。かりに今日のところは医療保障のほかには医療扶助、生活保護のほかには社会保険制度というものがその大宗をなすわけでありますが、社会保険制度につきましても、できるだけその制度の合理化と効率的な運用をはかることによって、できるだけ患者によりよく手厚い給付ができる、こういうことを考えて参らねばならぬと思います。御指摘の点は非常に大事な点にまで及んでいくのじゃないかという感じがいたすわけでございます。この点は関係当局とも連絡をいたしまして、十分検討して参りたいと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 従って私は、国立病院でさえもが二十億をこえる未払い金が出つつあるということは、日本における低所得階層というものに対して一部負担をさせるところの政策というものが一つの限界点に達しておると思うんですよ。従ってそういう低所得階層に対する医療費の一部負担というものを今後一体どうするのか。そういうものは一つこの際ロッキードの何機かでも削って国が責任を持つか持たないか、こういうぎりぎりのところにやってくる。これは厚生省の根本的な政策の転換を意味するわけですよ。所得のある人は負担をしてもらっても、低所得層についてはある程度やはり五割というような一部負担でなくて、それを七割とか八割の給付にして、二割か三割程度の一部負担に後退せざるを得ないという形が私は出てくるんじゃないかと思うんです。そういう点で、根本的な厚生省の今までの医療における方式の再検討をしなければならぬ段階がきておると思うんです。こういう点はいずれ、医療制度の調査会もできておることでありますから、根本的な検討をしてもらいますが、しかし現実にその被害を受けておる医療機関に対して何らかの施策というものは、当面の緊急な措置としては必要だと思うんです。これをそのまま根本的な制度のできるまで待つというわけにはいかぬ、甲乙二表の本化と同じようにいかぬと思うんです。根本的な調査の前に、何らかそこに暫定的、応急的な対策を立てることが必要だと思う。従ってそういう根本的な施策をやる前に、何か暫定的、応急的な処置というものについて御検討願いたいと思う。きょうは善管注意の問題から出て根本的な問題に発展してきましたけれども、それだけ一応要望いたしておきます。  そこで次は、そういうように現在未収もふえつつあるが、日本の医療費全体を考えると、医療費というものは、総医療費にしてみれば、毎年二百億ないし三百億は増加してきているわけです。特に私が二、三ヵ月前以来あなた方にお願いしておったのは、一体現在の健康保険において社会医療の中心的なにない手である健康保険において、今年六月に、五者五悦という観点から、療養担当者には八・五%のワクの拡大をやったんだ。従って保険者と被保険者にも何らかの措置を講じなければいかぬこういうことで千分の六十五の率を二だけまけます、それには千分の一ずつ——千分の一が約十一億にあたりますが、両方で千分の二、二十二、三億か二十四、五億くらいになるらしいが、概算十一億程度を保険者と被保険者にまけますということがあなた方の言明だったんですが、医療費が、今年四月以降の状態を見ると、どうも増高の傾向にあるので、これはここ四、五ヵ月お待ち下さい、こういうことで五ヵ月待つことになって十一月になったわけです。この前、途中で医療費の増加の原因は一体どこにあるんだという質問をいたしましたが、それははっきりしなかったわけです。館林さんがおりに触れて発表したものにおいては、これは消化器系統の、特に赤痢が続出したのであるというようなこともありました。これはそのうちもう少し検討して下さい。それから小山さんが次長のときに、これはどうも結核の医療費というものの減少である、特に入院患者が減少したんだ、これは個人的な考えで、公の場所で言うほどのことではござませんがというお話もあったんです。ところがこれも、結核の状態というものは依然としてここ一、二年大して変わっていないのにもかかわらず増加をしている、こういうことなんです。従って医療費増高の原因を文書で出して下さいと言ったが、これもまたなかなか出さない。きょうはできておると思いますので、みんなに配っていただいて、医療費の増加の原因が一体どこにあるんだということを一つ御説明願いたいと思うのです。かような説明は空で言うてもらってもなかなかですから、統計のようなものがあれば、それをみんなに配ってもらって、しろうとわかりのするように科学的根拠に基づいて御説明願いたいと思う。

太宰博邦厚生事務官(保険局長)

○太宰政府委員 専門的なものでありますので、医療課長から答弁させます。

館林宣夫厚生技官(保険局医療課長)

○館林説明員 本日用意いたしました資料は、なお時間が許しますれば、一二枚追加いたしたいと思いますが、一応お配り申し上げました資料について申し上げます。  御承知のように診療報酬は受診率と一件当たり医療費との相乗積でございますので、このいずれかを検討するということになるわけでございます。そこで後ほどお届け申し上げます件当たりの医療費について、私ども最近の動向を検討いたしておるわけであります。この一件当たりの医療費には、昨年十月の医療費の改定が非常に大きく響いております。先ほど滝井先生から八・五であるかどうかというようなお話がございましたが、応これがかりに八・五程度であるという仮定のもとに、その分だけ除きまして曲線を描きまして、件当たり金額について最近の動向を見てみますと、あまり大きい変動がないわけであります。最近の医療費の動きに大きく影響しておると思われるような変動があまり見られないわけであります。そこで受診率の方を検討いたしてみたわけでございます。それがただいまお配り申し上げましたグラフでございまして、この一枚目のグラフをごらんいただきますと、これは政府管掌を代表としてとったわけでございますが、政府管掌の被保険者の受診率を月別に示したものでございます。そういたしますと昭和二十七年、八年、九年、三十年の四ヵ年度の間の動きは非常に規則正しい動きを示しておるように見えるわけであります。ここに示されておる形がいわゆる受診率の正常な姿である、かように私どもはくみ取ることができると思うわけであります。すなわち夏非常に患者が多くて、寒くなると患者が減る。ただ寒くなったときの多少異常がある動きは三月に小さい山ができております。この三月の山は病気の山というよりは、むしろやや人工的な山ではなかろうか。すなわち年度がわりの時期でございますから、請求をまとめて出す。ことに大きな医療機関等において従来請求漏れになっておったもの、あるいは請求について検討中であったものを、年度の末であるから一括請求するというようなことで小さい山ができておりますが、これはやや人工的な山と見られるわけであります。従ってその翌月の四月は整理がついておりますから、やや反動的に減るということでございまして、むしろ三月と四月とならして考えてもいい種類のものである、かように考えられるわけでございます。この小さい山も毎年出ておりますが、全体的に見て非常に規則正しい曲線を描いてきておるわけでございますが、昭和三十年度と二年度にかけまして、見たこともないような非常に大きい変化がきておるわけであります。従来私どもが予算を組みますに当たりまして、過去何ヵ年平均というようなものを基礎にとって組んで参りましたことは、昭和二十七年、八年、九年、三十年の実情を見ると、まことにいい方法であって、当然そういう組み方が認められると思うのでありますが、三十一年度、二年度あたりの非常に乱れた山が何らかの異常現象によって起こったことを考えますと、予算を組みますにもこれらの配慮がやはり必要であったと思われるわけであります。しからばいつがその異常な山かと申しますと、三十一年度ではございますが三十二年の月、三十二年の六月、それから三十二年の十月、ここに非常に大きい異常な患者増加がございます。それでこれを病類の方で調べてみますと、例の流感の大流行がこのときにまさにあったわけでございます。それがきれいに統計上現われておるわけでございます。この流感の大流行さえなければそれほど乱れた山にはならなかった。従って昭和三十三年度には、元の平静な姿の山に近いような山に戻っておるわけであります。ところが、これも後ほどお届けする資料にございますが、受診率は、従来の経緯をながめてみますと年々歳々ふえる傾向があるのでございます。受診率は何かといいますと、端的に言えば病気の発生率でございますから、医学が進み、民衆の衛生に対する知識が進んでいくにもかかわらず、病気が年々歳々ふえていくということは理論上おかしいようにも思われるのでございますが、実態は、昭和二十七年度から三十年度くらいにかけて見られるように、年々歳々患者の数はふえていくという傾向があるわけであります。しかし無限に患者がふえるものではございませんので、いずれのときにかこれは頂上に達しまして、患者の数は天井をつくはずでございます。それ以後は急激に下がることはないにしても、大体コンスタントに患者の発生があるものと考えるのが常識的な考え方であろうと思われるのでございますが、そのような考え方で昭和三十年度も、三十二年度も、三十三年度も、三十四年度も受診率はそう減りはしなかった、大体従来と同じような傾向を示したとしてかりに曲線を描いてみるとどうなるかということで、昭和三十一年の十一月以降を、もし流感がなかりせばという想定のもとに波を描いてみたわけであります。その波の形は、従来の規則正しい形と同じような形に描いてみたわけであります。そういたしますと、昭和三十三年度の受診率は異常に低い。何も昭和三十三年度になってにわかに国民が健康になったと思われないにもかかわらず、想定線よりも異常に低い。その異常に低い状態が昭和三十四年度も続いておる。しかし何となくこれを見ると、昭和三十四年度の想定線にだんだん近づいてきておるように見える。そこで昭和三十三年度に異常に低いのは実態上何が低いのであろうかということをさらに分析してみたわけであります。それが二枚目以降の表にございますからごらんいただきたいのでございますが、これは昭和三十二年の五月と昭和三十三年の五月を比較したものでございます。まず一枚目の紙の昭和三十二年の五月というのをごらんいただきたいのであります。昭和三十二年の五月というのはまだ流感は流行が始まらない。まさに流感の流行が始まろうとするとば口でございます。まだ流感の流行はないのでありますが、しかし一度大流行を済ましてきております。国民の何十%かは、この年の一月か前の年の十二月にその大流行を済ましてきておる。そういう状態ではあるが、少なくとも流行はしなかった。それと三十三年の五月ですから、これはだいぶ患者は減っておるように見える。非常に低い数字です。この二つの数字の間に、患者の層でどういう変化があるかということを比較してみた表でございます。そういたしますと、昭和三十三年にものすごく減っておるのは八番の呼吸器系の疾患、これの中には結核は入っておりません。結核は一の伝染病、寄生虫の項に入っておりまして、呼吸器系疾患というのは大部分感冒でございます。インフルエンザのたぐいでございますが、それが非常に減っておる。それから六番目の神経、感覚器の疾患、これは目の病気などはこの部類に入っております。従って神経痛とかいうような、感冒に引き続いて起こるような疾患もかなりこれに含まれておりますが、そのほかの病気はそれほど大きく減っておらぬのでございます。多少減っておる、中にはふえておるものもありますが、大きな変化はない。この一番の伝染病、寄生虫、これが少し減っておりますが、最も大きい影響を及ぼしたものは八番である。ということは、昭和三十三年のこのように患者が減少し、しかも予定線よりも非常に低いところにあるのは、感冒が非常に減ったような要素であると思います。  次に八月をごらんいただきたいと思います。次のものが八月でございます。これも昭和三十二年の八月と昭和三十三年の八月と比較してございます。これも、八月はもはや六月の流行が終わって一体みというところでございます。従って昭和三十二年にはそれほど感冒の流行はなかった姿でございます。三十三年の八月と比較したわけでございます。そういたしますと、やはりほかの病気はむしろふえる傾向にある。すなわち昭和三十三年は受診率が下がったような錯覚を起こしておったのはむしろ誤りであって、大部分の病気はやはり受診率がふえてきておる。にもかかわらず感冒のみがものすごく減少しておるという姿が見えるわけであります。私は、この前は九番だけを抜き出しまして比較したものですから、いかにも胃腸疾患がふえたというような錯覚を起こしたわけでございますが、そのほかを調べてみますと、全部ふえておるということでございます。  次の紙をごらんいただきます。十一月でございます。これは、昭和三十二年の十一月は、先ほど申しましたように流感の大流行がございましたので、当然に三十三年の十月の方が流感は減っております。そのほかの病気は、おおむね先ほどの六番の、流感によって派生的に起こりそうな病気だけがやはりやや変化が見えておりますが、そうでないものはやはり受診率の増加のような姿が見えております。今度は流行が終わった、最後の紙の二月でございますが、これは二月を比較いたして見ますと、もうすっかり流行は終わっておる。その二月とことしの二月と比較した図でございますが、これも他の病気は全部増加の傾向を示しておる、にもかかわらず呼吸器系疾患のみが著減しておるという姿が見えるわけであります。このどの月を見ましても、三十二年から三十三年、四年にかけまして、このように流感のみが減少しておる、そのために三十三年度は受診率の異常減少を来たしておるような様相を呈しておるというのは一体なぜかということでございますが、もちろん本質的にはこの感冒の流行というのは、多分インフルエンザ五一型の流行であったのでありますので、直接にインフルエンザの免疫が残っておるというような説明はつかないのでございますが、御承知のようにインフルエンザは混合感染でございまして、同時にインフルエンザ桿菌、あるいは肺炎双球菌、あるいは肺炎のいろいろの型の菌、あるいは連鎖状球菌というような、各種の細菌に対する混合感染を起こす状態があるわけでございます。従いまして、それらの混合感染をほとんど多数の国民が受けた状態によって、一種の免疫のような状態が現われたかもしれない。普通インフルエンザは御承知のように、免疫は約一年といわれておりますので、従って、もし、それに付随するような混合感染も、大体そのような免疫があるものとすれば、年くらいはそれが続くかもしれない。それで、いよいよ免疫状態がなくなってきつつあるので、昭和三十四年度は予定線のように呼吸器系疾患もだんだん減り方が少なくなってくる、その他の疾患は前々からふえる傾向にあったということで、本来あるべき受診率にようやくなりつつあるのではなかろうか、こういうように今までのところは観測せられるわけであります。従いまして、本年度の予測が予想以上にふえておるような実態が見えますのは、受診率が予想以上にふえておるように見えるこの根源は、このような原因ではなかろうか、かように推定しておるわけであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、結論的に申しますと、三十二年に医療費が大体日本のピークなんだという見解を一応あなた方とっておりました。それは実際は間違いであって、三十二年度にはいわゆる流感というものが三回にわたって出てきたためにピークのような姿をとったんだ、従って三十二年度は必ずしもピークでない。その後三十三年、三十四年と、こういうようなときには幾分感冒は残っておったにしても、医療費の増加の決定的な要因ではなくして、三十三年度以降はむしろ全般的なおのおのの疾病に対する受診率というものが上がってきた、このために医療費というものは増加をしておる、要約すればこういうことなんですね。そうしますと、医療費のピークというものがくる時期というものは、体どの程度の状態のもとで医療費が頭打ちだという時期がくるのかということなんですね。これはちょっとしばらく見通しがつかぬということになるのですか。それともここ一年で医療費というものが頭打ちになるという見方なんですか、どうですか。

館林宣夫厚生技官(保険局医療課長)

○館林説明員 ただいま申しましたように、一件当たりの金額はやや安定少しずつ上り坂でございますが、急激な変化はございません。受診率が問題であります。受診率の参考となりますのは、絶えず政府管掌より一年くらいずつ前進していく組合管掌の動きが非常に参考になるわけでございます。これも全体的な動きとしては、受診率の増加は鈍化いたしております。これはただいまこの表でごらんに入れましたように、昭和二十七年以降数年間はものすごい勢いで患者がふえてきておったものが、まあまあ全体的には鈍化しそうな気配があると同じように、受診率の伸びはだいぶ鈍化して参りました。従って今までのように受診率が年々一割ずつも増加するというような傾向は、今後はあまりないものと思われるわけでありますが、しからばどこへ行ったらその頂上になるだろうかということは、ちょっと今の段階では予測がつかぬ状況でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 組合管掌が政府管掌よりも一年ずつ医療費の増加が先行するというのは、一体どういうところに原因があるのですか。

館林宣夫厚生技官(保険局医療課長)

○館林説明員 医療費の増加というよりはむしろ受診率の面で、従来少しずつ先を動いていく気配があるわけでございます。組合管掌の受診率が翌年の政府管掌の受診率になるというように、組合管掌の受診率の方がやや多いのであります。ただしこの組合管掌の受診率が多いという原因にはいろいろな要素がございます。職場に直結して診療所があってみたり、そういういろいろの原因はございますが、総括的に見て相当参考になるということで、両方を比較して見ておるわけでありますが、政府管掌と同じように受診率の鈍化が見られるわけであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 今まで一割ずつ社会保険の医療費が増加をしてきた、ところが政府管掌に先行する組合管掌が鈍化の傾向にある、従っておそらく政府管掌も鈍化するであろうという論法になるのです。これはあとで総医療費のところで比べてみなければならぬことになるのですが、組合管掌の受診率がなぜ政府管掌より先行するか、これはちょっと私わからないのです。そこらあたり、次会にもうちょっとわかりやすく説明してもらいたいと思うのです。どうも受診率は組合管掌より政府管掌の方が先行しなければならぬという感じがするのですが、それが逆になっておるところがちょっと理由がわかりません。きわめて重要なところにきましたけれども、四時にやめろということですし、次会はあすありますから、あす時間があればもうちょっとやらしてもらいたいと思います。  なお一、二追加する資料があるのでしょう。それはあすでもいただけますか。——ではあしたでけっこうですから、きょうはこれで終わります。

八田貞義自由民主党

○八田委員長代理 次会は明十日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後四時二分散会

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