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33回国会衆議院1959/11/18

災害地対策特別委員会厚生労働等小委員会 第3号

発言数
186
登壇者
12
会派数
2
開催日
1959/11/18

会議録

三田村武夫自由民主党

○三田村小委員長 これより会議を開きます。昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた地域における公衆衛生の保持に関する特別措置法案外十一件並びに昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害により被害を受けた者の援護に関する特別措置法案(伊藤よし子君外十四名提出)外七件、以上二十件を一括議題とし、審査を進めます。  質疑を行ないます。太田一夫君。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 文部大臣がいらっしゃいましたからお尋ねをいたしますが、先回、文化財関係の災害復旧に対しましての文部省としての考え方をお尋ねしたわけです。それに対しまして岡田局長のおっしゃいましたのは、憲法八十九条の関係でございまして、宗教法人に対するところの補助というのはなかなかむずかしいので、場合によっては違憲の疑いも出てくることであるから、十分な考慮を要する、こういうことであったのです。文部大臣として、文化財と私が申しましたのは、指定のものは問題ないわけなのでありますけれども、指定に漏れておるところの有名な神社、仏閣、名所古刹というものがあるわけなんでありまして、こういうものが非常に大きな災害をこうむっているのだが、この復旧に対してはどうあるべきか、これに対するお考えを承りたいと思います。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 宗教法人、宗教団体に対して国家が直接に補助するという建前は、現在のところではいろいろの点でむずかしい、なしがたいという点については、お話にもありました通りに考えております。しかし、神社、仏閣等のうちで、これが文化財として指定されておるものは、文化財保護の建前から、これが復旧をはかるということに対しては、努めてやっていきたい、やっていける、こういうふうに考えておる次第であります。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 世の中にある有名なお寺とか神社、こういうものに対する災害の復旧事業というのは、政府として相当具体的にお打ちになる手というものが何かあるのですか。あれば、こういう手を考えているということをはっきり一つ指摘していただきたいと思います。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 今申し上げた通り、そういうものの中で、文化財として指定されているようなものに対しては、他の文化財と同様に、その災害に対しては政府は補助をいたすことになっておるということを申し上げます。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 従って、指定されてないようなものには何もないということなんですか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 今のところ別に報告はございません。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 そこで問題が起きるわけなんです。この前、あなたの方の文化財保護委員会の事務局長が考え方としておっしゃいましたのは、都道府県は都道府で何か条例があるだろうし、市なら市で何か条例があるだろうから、そういうものでおやりいただく分には差しつかえないだろう、こういうお話があったのです。しかし、そのときに出ましたのは、憲法との問題で、宗教法人に対する国家援助の問題が一つ問題になった。それにひっかかるということをおっしゃっただけなんです。きょうは特にあなたの方の宗教関係担当の方も出ていらっしゃいますから、大臣でお答えがいただけないならば、調査局長さんでもお答えいただいてけっこうだと思うのです。大臣がおっしゃったように、これらの制度はございませんけれども、地方の古いお寺は非常な災害を受けまして、屋根だけでも四百万、五百万の災害というものがある。これを直しますと、お寺に資力があるといっても、少ないのですから、地方の住民の負担になることは火を見るよりも明らかである。そうすると、住民は災害にやられておる上に、さらにそういう方面に金を出さなければ維持ができない。これはほとんど市町村でやってくれません。災害対策といっても、いろいろな減税とかなんとか、スズメの涙ぐらいなことはやっていただけますけれども、そういう妙なところにひっかけて、とんでもないお金を取られちゃうのですよ。学校だって、今度の災害復旧の国庫補助は三分の二とか四分の三しかないのですから、三分一のなり四分の一というのは、必ず地元で負担せなければならぬ、市町村なり地元で負担しなければならないことになりますから、非常に負担が過重になっているわけですね。そこへそういう神社、仏閣の復旧費まで負担をしていたならば、農業の生産物の被害も多ければ土地の被害も多いのですから、とてもたまったものではない。だから、違憲論ということは私はうなずけないのです。これは違憲じゃないということを大臣から一つおっしゃっていただきたいと思う。そういう建物を修復するということは、はたして違憲であるかどうかということです。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 お話でございまするけれども、その点につきましては、私も、この前政府委員が答弁した範囲を出て——御希望なりお気持の上はよくわかりますけれども、政府としてこれらの宗教団体に対して補助をするということは、いたしかねるということを繰り返さざるを得ないのであります。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 なぜいたしかねるのですか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 なぜいたしかねるかというお尋ねでございまするが、やっぱり宗教はそれぞれ信仰の自由に基づいて、一面人の霊魂を扱う団体として非常な強力なものを持っておる。従って、災害に際して、これが修復に対しても、十分その力を持っておる団体が多いと私は考えます。あえて政府の援助などを要しないものも多々あると私は考えております。こういう次第であります。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 霊魂を扱う事業というものは、単独で、いかなる場合におきましても耐え忍ぶだけの、切り抜けるだけの力があるとお考えですか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 いかなる場合でもという言葉に対してはちょっと何でありますが、災害のような場合でも、昔からどこの国におきましても、宗教団体というものは、その信者の多数の力によってすべてまかなって参っておるものと考えております。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 宗教団体は、その信者なり帰依する者によってまかなう、個人については、そのうちの主人の力によってまかなう、地方団体は地方の収入によってまかなう、国家は国家の収入によってまかなうというようなことを考えておるならば、今度の災害において地方に大きな被害が出たから、国庫補助の特例法を作ろうとか、この災害に対して災害救助法を適用しようという理論は、成り立たなくなるわけです。それとの関連はいかがですか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 学校その他については、ちゃんとした法律があって、法律に基づいてやっておることでありまするから、宗教の場合とは違うと思います。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 学校の方は学校の方でやっているが、学校の復旧法と今度の特例法とは違うんでしょう。三分の二を四分の三に変えたでしょう。学校でさえも、国家なり地方自治体のような大きな財源のあるものがやるのに、さらに地方の団体はかわいそうだからというので国家が三分の二を四分の三に変えて補助しようという特例法を作った。災害をこうむったという実体論の上から、これの救助対策は生まれるべきだと思う。これに対して、なぜ宗教法人は、魂を扱うから勝手にやりなさい、こういうことは、その宗教法人だけのことじゃない、お寺とか神社の関係だけじゃない、その付近の住民が大きな負担をこうむるということを認識しますと、今のようなお言葉にはならないと思うのですが、どうなんですか。

北岡健二文部事務官(調査局長)

○北岡説明員 担当の局長でございますので、ただいまの点少し御説明申し上げたいと思います。宗教団体につきましては、憲法八十九条の規定がございまして、公金その他の援助をしないということになっております。もう一つ、宗教法人等におきましても、宗教法人と認められる団体である宗教団体は、宗教的な活動をするということを本体といたしております。宗教活動について、憲法の規定なり宗教法人法の建前なりが出て参っておるわけでございます。従いまして、宗教団体の災害に対しましても、どういうような角度で、どういうようなところまで国なり公共団体なりがタッチできるかということになりますと、今申しましたような建前から見まして、宗教団体そのものに対して、それを対象として国が直接援助をするとかいうふうなことは、現行法制の建前はできないことと了解されておるわけであります。従いまして、文部省といたしましても、その定められておる既定のワク内で宗教団体の復興について可能な限りの努力はいたしたいと考えておりますが、今申し上げましたような援助というふうな形では、今のところいたしかねる。そうして、こういう宗教活動に対する国と宗教団体との関係といいますか、国がとるべき基本的態度というのが規定されている関係から、その他の形での何らかの関心を表わす方法というふうなものは、とれるだけとりたいと思っております。援助というふうな形で考えを表わしますことが、非常にむずかしいというのが現状でございます。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 憲法八十九条との関連につきまして、古いことを思い出してみますと、昭和二十五年、現在の文化財保護法ができます当時の話でございます。宗教上の建物というものは、文化財維持ということであるから、公金を出しても差しつかえないという法制局の見解というものが明らかになって、それができた。そうしてみますと、今日の事態というものは——通常の状態で運営をされる神社、仏閣というものにつきましては、それぞれの民度に応じて、信仰度に応じて無理のない程度のもので維持経営ができてきたんですから、それはいいんです。けれども、今度のような大災害が起きますと、古い歴史上由緒ある建物が廃絶に近い状態になってしまう、荒廃してしまいまして、とても復興は成り立たない。今やっておけば四百万か五百万で直りますけれども、これをほうっておいたならば、四千万、五千万かけてもできないという建物がある。してみますならば、その建物を維持するために、昭和二十五年当時の法制局の見解から考えましても、これを何らかの形において、今日の災害復旧の考え方をそこに持っていく。歴史上由緒ある、そしてなくしちゃならない、なくしたくないという建物ならば、それを維持するということは、何ら八十九条に抵触するものではない。特例法を作れば差しつかえないじゃないかと私は思います。先ほど援助はできないが、とれるだけの措置はとるとおっしゃったことにつきましては、とれるだけの措置という言葉の内容がよくわかりませんが、とれるだけの措置があればいいですけれども、実情に即して、地方の住民生活を圧迫しないで済ませてみるという保障のある措置を御用意になっているかどうか、この点についてお尋ねをいたします。

北岡健二文部事務官(調査局長)

○北岡説明員 ただいま承りました御意見につきまして、建物等について文化財保護法の適用される際に問題があったというふうな点でございますが、その点は、私、直接その関係でございませんのでお答えいたしかねるのでありますが、宗教法人のやっております仕事につきましては、先ほど申し上げましたように、本体は宗教活動でございますが、そのほかに、宗教法人あるいは宗教団体としまして、公益事業なりその他の事業なりを行なうことができると思っております。また、宗教団体の建物の中には、住居に当たる部分があるわけでございます。そういう宗教活動そのものに直接結びついておる部分をはずして参りますと、その点につきましては、たとえば、住宅の部分につきましては、住宅金融公庫の金融の措置なり、あるいはその他の事業の面については、それぞれ現在あります制度の上から、たとえば、国民金融公庫等の生業資金の融資の対象になり得る部分については、その融資の適用の措置が考えられているわけでございます。なお、そのほかの分について、今申しました宗教活動そのものに即しておる部分、そういうものについては、これは憲法の規定の趣旨から見まして、非常にむずかしい点ではないかというふうに考えるわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 それは、小さな仮設住宅を作るなんということでは、問題の本質が解決しません。地方住民にこういう大きな税外負担というものが今のしかかっていることが目に見えているのに、調査局は、宗教関係の仕事を管掌しつつ、その国民の窮状を憲法八十九条によって見殺しにしてしまう、こういうことは成り立たないわけです。憲法八十九条は、そんなに窮屈なものではない。八十九条はあるけれども、文化財保護法によって、特別な建物には国家資金の援助をしている。やろうと思えばやれる。やる意思のあるなしの問題であると思う。政治なんだから、国民生活の実態に、もうちょっとぴたっと合ったものを考えてほしいと思うのです。これは局長でもよろしいから、もう少し答えて下さい。

北岡健二文部事務官(調査局長)

○北岡説明員 文化財保護法の適用になりますのは、文化財保護という特殊な観点から出ておるわけであります。従いまして、御意見のようになりますと、災害というふうなものに対して、災害の民衆に及んだ影響の観点から、その災害の復旧という部分も含めるようにという御意見と承るわけでございますが、その間が非常に微妙な問題でございまして、一方には、宗教団体の宗教活動が、何ものにもとらわれず、公の支配といいますか、影響とか、そういうようなものからはずれて行なわれなければならないという非常に強い政治の建前と申しましょうか、そういうものがございまして、それと見合って、災害というものがそこの部分とどれだけ調節できるかというふうなことになるかと思うのでございます。先ほどから申し上げておりますように、その調節を越えた、宗教団体の公から離れた活動の点を尊重するという今の憲法の建物があって、そのために、ある限度以上には出れないというのが、現在の実情であります。御了解いただきたいと思います。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 現状通り出れないということが、やらないということと一緒ならば、逃げ口上だと私は思うのです。二十五年の五月三十日でしょう、文化財保護法が制定されたのは。その当時、先ほどの法制局の見解が明らかにされていたということは、事実なんです。それはいわゆる宗教上の建物でも、宗教法人の建物でも、文化財としし維持するために、これに国庫の補助金を交付するということは差しつかえないのだ、こういう憲法上の考え方があるのですから、憲法違反だから出せないということじゃない。もし憲法違反でないということなら——この場合に、私は宗教法人の維持や運営のために出してくれと言っているのではない。重要ないわく、故事来歴のある神社、仏閣を廃絶状態にして、ほったらかしにするのは、これは日本の国の有名な準文化財の保護上困るじゃないか、まことに惜しいことじゃないか。同時にそれを維持しようとするならば、現在の制度では、民間の人たち、庶民階級の肩にかかってくるから、それじゃ気の毒じゃないか。それは五百や千の金じゃないのです。一万とか二万とか万台の金を出さなければならぬ。一体、地方税を幾ら負けてくれるのです。あなたたちは、総合的に今度の災害を、東海三県だけでもお調べになったことがあるか。ないでしょう。それから考えて、宗教法人の運営とか維持のために出そうというのではない。建物の保護のために出すことを考えてもらってはどうかというのです。どうです。

北岡健二文部事務官(調査局長)

○北岡説明員 お言葉を返すようで恐縮でございますが、文化財保護の観点から見ます場合と、それからただいまお述べになりましたように、由緒ある建物という、そこまで文化財保護の観点を広げれば別でございます——これも文化財だということで、文化財の観点でいくのなら別でございますが、災害を受けた宗教団体が廃絶するというふうなことを考えまして、その廃絶を食いとめるためにということになりますと、これは宗教活動そのものに触れてくることになると、私残念ながら考えざるを得ないのでございます。そういう点から、現在の憲法のとっておる建前からいって、文化財保護の限度以上に、先ほど申し上げました公益事業であるとかその他の事業、あるいは住宅、そういうような限度以上に、現在法律で認められている以上に出て参りますことは、いかがかというふうに考えておるわけでございます。  なお、宗教団体の復興について、たとえば資材の面であるとか、あるいは金融の面であるとかいうふうなところで、一般の社会の問題であります部分については、できるだけ復興がスムーズにいくように協力いたす考えで、これは行政活動といいますよりも、事実上の活動でございますから、そういう点についてはできるだけ働いておるつもりであります。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 宗教活動に触れてくる問題をやってくれと、直接言うわけじゃないですよ。ただ、あなたたちの答弁を先ほどから聞いておりますと、そういうものはなくなったらなくなってしまえ、かまわぬ、こういうふうに聞こえるのです。かまわぬじゃないでしよう、どうです。

北岡健二文部事務官(調査局長)

○北岡説明員 かまわぬとも申せませんし、かまうとも実は申し上げかねるのでございます。それが特定の宗教であるわけでございますから、特定の宗教あるいは特定の宗教団体に対しまして、廃絶してもいいのだとか、廃絶しては困るのだというふうなことは、私どもの立場では申し上げかねるわけでございます。廃絶とかいうことは、要するに一つの宗教団体の宗教活動そのものについてのことになるわけでございますから、はなはだ残念でございますけれども、そういうふうな点についてのお答えはいたしかねるわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 かまうとも言えぬし、かまわぬとも言えないということですが、憲法九条でさえも、あなたたちの解釈というのは——いやあなたたちじゃない、これは政府の解釈でしょうけれども、あのままにしておいて、なお今日の日本はぐんぐん進んでいるのでしょう。戦闘機も買えるのでしょう。してみれば、これは宗教法人の維持、運営のためじゃないのです。由緒あるものを、地方住民が困らないように、またそういうものをなくしてもかまわぬじゃない、やはり何とかあった方がよろしいというなら、何とか維持しようということで、そういうものをなくしてしまいたくない、滅ぼしてしまいたくないという建物です。宗教じゃない、建物です。心ではありません。屋根です、かわらです。あるいは柱とか土とか石とかいうものです。そうものをしっかりとして、すっとわれわれの気持の済むように、何とか歴史上の由緒が残るようにしたい。こういうことならば、道はあるのでしょう。その道を見つけてやってもらいたいということを申しておるわけです。これは、初めて文化財保護法が二十五年五月三十日にできましたときから、道があるということはわかっているのだから、その道に沿ってもう一本の道を歩くならば、何らか手があるだろうと思うんです。ぜひ考えて下さい。これは文部大臣どうですか。考えるということについて、先ほどいろいろなことをおっしゃいますが、さらにいい方法があると思う。八十九条はそんな厳格なものじゃないと思いますから、従って、文部大臣としても十分考えるだけのことは親身になって真剣に考えてみる、こういう御決意がありますかどうか、伺いたい。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 太田委員の切なるお気持は、私もよくわかります。私も、そういう大きな災害を受けた神社、仏閣、その檀家の人々、関係者の人々の気持を考えれば、自然あなたと同じような気持になるのであります。しかし、宗教活動が旺盛であって、付近住民の精神生活の部面を多分に支配しておるというところまで行っておるものでありまするならば、必ずその再建が付近住民の力によっても私はできると思います。それは付近住民にはそういう力がなくて、その生活にあまりにも多く食い込んできて、重大な負担になるじゃないかというような場合にも、宗教は、それぞれ信仰の自由に基づいて、信者は自発的に寄進をして、その必要のある宗教活動、その必要のある建物に向かって、これを修復し、新たに建築するというふうなことは、従来、いずれの国におきましても、わが国におきましても、行なわれてきたことであります。従って、一般富裕階級に対しても、その応援を求めるということも自然にできるわけでありまして、これをどこまでも国民一般の税金に持つというような考え方はいかがであろうかと、私は考えておる次第でございます。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 非常に不満足な答弁で、いろいろ大臣の考え方と局長の考え方との食い違いもあるようでありますので、もう少し伺いたいのです。  あなたは富裕階級に応援を求めるという手もあるとおっしゃった。信者の信仰の力が足りなければ、富裕階級に求めればいいと、おっしゃった。従って、そういう信仰からはずれた富裕階級というのは、日本の歴史の由緒ある象徴を何か残そうということに非常な力があるとわれわれは思うのですが、あなたもその中の一員であると理解してよろしいのですか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 それはいかようにもお考え下さいませ。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 いかように考えてもよろしいというようなら、勝手に考えてよろしいか。今度の災害がありました各県、そういう富裕度の少ないところにあります歴史上の建物、こういうものが荒廃に近い状態の大きな災害を受けたとしたならば、あなたのところに応分の——これは相当規模が大きいと思います。一般の人だって、お百姓が一万円も出すのですから、一件について何十万、こういうものを奉加帳を回せば、あなたはそれに対して、いかように考えてもよろしいというのなら、いかようなる金額でもよろしいということで、御承諾いただけますか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 私も賛成をし、信仰しているような団体——宗教団体も含めてですが、私も応分の寄付をする場合もございます。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 いろいろなものを含めて、賛成している団体にあなたはこれからおやりになる。それは今までそういうことをおやりになったと思いますが、今度の場合のことは、伊勢湾台風を境にいたしまして、特に大きな災害を受けたところがたくさんある。これはもうほっておけば、その建物はなくなるのです。歴史上の建物というものはなくなっていくのです。こういうものを、民衆の力によって、周囲の人たちの力によって復興させなさい、あなたはこういうことを先ほどから何回かおっしゃっているわけです。政府としてはいささかも援助をしません、個人でやりなさい、こういうことです。そういうことになるならば、あなたから、信者だけではなくして、富裕階級の人たちに応援を求めなさい、こういう道を教えていただいたんだから、それなら富裕階級の人たちがそれを全部やらなければならないのだが、あなたは今までそうだったから、応分のということではなしに、大丈夫そういう歴史上のりっぱな建物を保存するだけの応援をしましょう、こういうことをあなたははっきりおっしゃってもいいと思うのですがね。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 太田委員のお話でございますけれども、私は、あえてみずから富裕階級の一人とは思っておりません。また、富裕階級にも求められるという意味ですけれども、宗教活動が旺盛になれば、私は一般からも、また富裕階級にも、応援を求め得るということを申し上げた次第でありまして、また、私も、自分の信ずる仕事に対しては、応分の応援をやって参っておりますし、今後もそういうことはあろうかと思います。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 信ずる仕事の中に、今度の被災したあらゆる建物の援護をするという意味が含まれておるのですか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 それはどういうものがありますか、まだ直接には触れたことはございません。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 では指定文化財の関係でも、一体どれくらい地方から言ってきておるのですか。損壊があったということの数字を御存じですか。大臣、わかっていたら、すぐ言って下さい。あなたは、文化財に対して興味がないのじゃないですか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 報告額の総額は、一億五千万円であります。これに対しては、とりあえず急を要するものに対しては予備金の支出を願い、また急を要せざる、あるいは延ばしてもいけるというものに対しては、明年度の予算において処置することにいたしております。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 その一億五千万円に対して、文部省は幾ら出されたか。大臣答えてて下さい。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 まだはっきりした数字は出てきておりません。しかし、今申し上げたように、急を要するものに対しては、とりあえず予備金の支出を願って処置するということになっております。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 私は、もうちょっといい話があるだろうとほんとうは思うのです。文部大臣のお気持の上から言っても、あると思うのです。常日ごろのあなたの評判から考えまして、そう私は思っていたのです。ところが、そういうものに対しては、今度は非常に二義的に扱っていらっしゃるようですね。予備費から出すことは、当たっておりますが、何もきまっていないことはないじゃないですか。六千二百万円という予算が、およそきまっているじゃないですか。

齋藤正文部事務官(大臣官房長)

○齋藤(正)政府委員 先般岡田事務局長が申しました六千二百万円は文化財の一応の見積もりでございますから、ただいま大臣の申されましたように、今回の文化財の修理につきましては、補正予算に掲げられております予備費の中から支出を願うということでございますので、ただいまの数字も、文部省としてこれを確定した数字でもないし、はっきり査定した、大蔵省との間のきまった数字でもございませんので、文部大臣から今幾ばくの文化財の修理費を出すということをお答えする段階には至っておらないのであります。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 雨が降れば、屋根が漏って建物が腐る、これは理屈でしょう。いまだにそういうことに対して何もきまっておらない。学校はこうするのだ、こういうところは激甚地であるからこうするのだということはあなたの方でおきめになったが、文化財に対しては、何もきまっておらない。これでは日増しに荒廃するのをますます助長させておるだけです。六千二百万円を本年度三千二百万円、来年度三千万円を出すというのが、大体あなたの方の腹案だと私は聞いていた。それもまだきまっておらないし、大臣は全然御存じない。してみれば、建物なんというものは、国会だけが残ればよろしいとか、国民の住宅が流れてしまったら、あと十万円のバラックで二年なり三年なり住みなさい、こういうことでは、少なくとも思いやりというものはこの中に感じられないですね。今予備費から出すということはわかっておりますが、六千二百万円の予算のことも聞いてみますと、まだきまっておらない。きまっておらないなら、きまっておらないとしてもよろしいです。どうです、この際、そういうことなら、文化財なんてなくしましょう。憲法八十九条からいって、文化財だって宗教に関係がありますよ。その中に入る建物は幾らでもある。そこには善男善女が幾らでもおさい銭をほっているところが幾らでもある。宗教上の建物ですよ。そういうことならやめなさいよ。それならいっそのこと庶民に回したらいい。それほどあなたの方の関心にないものならば、また何をか文化財の保護について言わんや。関心があるならば、信者が自由にやりなさいとか、それは富裕階級に寄付を求めなさい、応援はできますなんというような口約束だけで、あなたまかせ、何でもやりなさい、ほったらかしということでは、それでは政策ではないですよ。それはもちろんほったらかし政策というものはあるかもしれませんが、どうですか、この文化財というものに対して、文化財保護法に指定された文化財でも、いまだに幾ら出そうかということはきまっておらないでしょう。

齋藤正文部事務官(大臣官房長)

○齋藤(正)政府委員 決して文化財の災害の修理を放置しているから予備費に回すとか、翌年度に回すとかいうような考え方ではございません。これは先般の委員会におきましても岡田事務局長が御報告いたしましたように、学校の建物と違いまして、文化財の修理というものは、災害のいかんにかかわらず、計画を追ってやっておるわけであります。従いまして、災害を受けた文化財につきましても、必ずしも災害復旧という観点でなくして、一般の修理事業に織りまぜてやっていけるものもあるわけでございますので、今般は急を、要します問題につきまして予備費の支出を考え、次年度以降の修理の計画の中に必要なものは織り込んでいかなければならない、かように考えておるわけでございまして、もちろん、指定されました文化財の復旧につきましては十分に措置できるように、文部省としては努力いたすつもりであります。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 それは指定された文化財の方でございますね。私が最初から言っておりますのは、それに類したところのりっぱな歴史上の建物のことです。そういう問題について、文部大臣は、どうしても信者の力でやれ、信者のないところはほったらかしにしておけということですが、今宗教なんてそんな力を持っておりません。古寺名刹、そういうところは、単なる歴史上の遺物としては残っておりますが、伊勢神宮を除いては、そんな信仰の力なんてありませんよ。伊勢神宮をやってくれということを言っておるわけじゃないでしょう。してみれば、その辺の小さな檀家とか、村民とか町民とか市民といわれる人たちが困るんだから、それを何とか救う方法はないかと言っているのです。そうすると、文部大臣は、富裕者が寄付の応援をいたしますからとおっしゃるから、それではかりに、愛知県なら愛知県だけでも全部やってもらえるかということになる。ところがどうもそうでもなさそうなんでね。それではちょっと困るのです。  もう一つ承りますが、愛知県だけで宗教上の被害はどのくらいあるとお考えになりますか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 宗教法人団体の報告は二十九億ということであります。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 大へんな被害ですね。学校の被害が愛知県は四十一億という話だが、宗教法人に類するような建物の被害が二十九億。二十九億、地方で出しなさい、信者で出しなさい、富裕階級の人たちが応援をいたします、私も応援をいたしますと大臣がおっしゃっていただきましても、ちょいとこの際、二十九億の金が集まろうとは私は思わない。これはほったらかしにして、たきぎにしてしまえということと同義語だと思うのです。どうですか、今お答えをいただいたのですが、二十九億の被害について何とか道はないでしょうか。これは御相談です。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 どうも太田委員の御熱心なお話に対してにべもないお答えをするのは、まことに私もつらい気持がいたします。お話しのように、文化財に指定しておらない建物でも、由緒のあるお寺なり、また建築上もりっぱなものであるというようなものは、雨ざらしにしておけないではないかというお考え方に対してはまことに同感でございます。しかし、遺憾ながら、太田委員と私と宗教というものに対する考え方が根本的に違う。そこで、あなたの切なる、これらの建物をほうっておいてはいかぬじゃないかということに対して、現在のところでは、政府としてこれに対して援助をするというふうには、遺憾ながら持っていけないということを申し上げるほかないと思います。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 いけないとお断わりを受けますと、なおさら申し上げたくなってしまう。それはなぜかと申しますと、二十九億が全部県民にかかってくるということです。それなら文部省から所管をはずしなさいよ。これは、いっそのこと自治庁に回せばいい。自治庁の長官なら、もうちょっといいことをおっしゃって下さいますね。渡海さん、そうでしょう。なまじっか文部省に所管があるから、それは宗教法人でありますとか、文化財保護法でありますとか、憲法八十九条でございますとかいって、住民の塗炭の苦しみは見て見ぬふりをしてということになるのですね。まことにこれは奇怪千万なことだと私は思うのです。見解の違いというのは、宗教に対する熱意の、見解の違いはあるでしょう。あなたの方は、宗教の信仰力は相当あると見ておる。私の方はないと言っておる。今の二十九億の被害がそのままそっくり県民にかかる、ひどいことですよ。これをあなたたちが出そうとなさらないなら、憲法八十九条を県民が乗り越えてやるということになれば、家計の逼迫はますます著しくなる。これは地方自治の上では困ることなんです。どうですか、そんなことなら、文部省から自治庁に所管を移したらどうですか。この点について……。(「その辺でかんべんしてあげなさい」と呼ぶ者あり)私はかんべんしたいと思うのです。思いますけれども——何も憲法違反だなどとは、私は思っておらない。文化財保護法がある以上、憲法違反じゃない。昭和二十五年の五月三十日付のできる前に、法制局ははっきりと見解を明らかにしておる。そういう点から、何とか対策はないだろうか、考えるだけのことを考えてみようという意思というものを——考えるか考えないかわかりませんが、国民金融公庫から何とか資金を出すという、若干の一般社会通念のことはやりましょうということ、これはいいです。しかしそれでは小さいです。考えてみる気はありませんか、大臣いかがですか、一番はっきりしていらっしゃるから大臣に伺います。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 何かいい工夫がお考えいただければ、そうしてそれが現在の法制下におきましても可能であるというようなことでもございますれば、それは一つ考えてみたいと思います。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 まあ、その辺でおきましょう。よくわかっていただいたと思うから、できるだけのことを大臣も局長も課長も考えて下さいよ。それは考えていただくのが当然だ。幾ら文部省だからといって、血の通わないという話は受け取れませんから。  それでは、以上で、あとまだ少しありますが、私の文化財関係の質問を一応終わらせていただきます。

三田村武夫自由民主党

○三田村小委員長 辻原弘市君。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 最初に、公立文教施設の災害復旧についてお尋ねをいたしたいと思いますが、今度の特例法の中に、社会教育の施設がこれに含まれておりますが、社会教育の法案を見ますると、社会教育のあれについては特別に改良復旧を認めていないような書き方をしておりますが、これはどういう理由に基づくものでしょうか、お伺いいたします。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 法律案の第五条で、予算の範囲内で三分の二を補助するということを規定しておりまして、実際に個々のものを当たってみますと、この改良復旧の必要のあるものはきわめて少ないので、現在の予算においては、この実情上必要がないということでそれを認めておりません。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 認めていない。もう少し具体的には、母法である公立文教施設国庫負担法の第二条は、これを準用しておりますね。ある意味において、効用復旧と改良復旧は社会教育施設についても認めておる。ところが、新しく特例法に特別に入れた、これはもう大臣もしばしば強調せられて、われわれも大いに歓迎するところである災害時の避難所、あるいはその施設の耐久度合いというようなものを考えてコンクリート建にする、だから今度の災害で、できるだけコンクリート建を奨励していって恒久建築にしようという考え方が、法の中にも新しく盛られておるわけなのですが、社会教育については、その部分についての適用を排除しておりますね。これは一体どういう理由なのでしょう。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 学校につきましては、御承知のように、校舎の整備計画を立てまして逐次整備を促進しておるわけでございまして、その整備の促進の中でも、できるだけ従来の木造校舎を鉄筋または鉄骨にしたいということから、予算上も、それ以前のものに比べまして、鉄筋校舎の比率をかなり高めてきておるわけでございます。そういうこともございますし、かたがた災害復旧等におきましては、再度災害の懸念というようなこともございますので、校舎の復旧につきましてはできるだけ改良復旧を強調したいという趣旨から、第四条の第二項に規定するようなことを規定したわけでございますが、社会教育施設につきましては、ただいま校舎について申し上げたような経緯も特にあるわけでございませんので、特に第四条の二項のような規定を入れて強調したということはいたしておりません。ただし、第四条の第一項、すなわち普通の場合の改良復旧は第五条の二項でこれを準用いたしておりますので、最小限度の改良復旧は一応できることになっております。ただ事実上から申しますと、現在これに該当するようなものはきわめて少ないというふうに聞いておる次第でございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 実際問題のあれは別にいたしまして、この法律に基づくと、そうすると社会教育施設についてはコンクリート建、または鉄骨建にすることは、予算上はっきり認めていないということなのですか。その点をおっしゃっていただきたい。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 予算の積算上、特に改良復旧ということにつきまして、校舎と同様な考え方ではやっておりませんが、第四条の第一項の規定が五条にも準用されますので、万やむを得ないものが出れば、そういったものについては改良復旧が一応認められることになっておるわけであります。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 そういたしますと、解釈としては四条の第一項による効用もしくは改良復旧という、この中に、鉄筋その他に対するいわゆる改良復旧をもこれは含んでおる、こういうふうに解釈をしてもいいわけですね。従って、社会教育施設についても、大体公立学校施設と同様に、必要な場合には鉄筋もしくは鉄骨での改良復旧を認めるという文部省の方針である、こういうふうに理解をしていいわけですね。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 第四条は、法文上も規定してございますように、原形復旧が著しく困難または不適当の場合、または不可能の場合というようにかなり制限的な表現をしておりますが、そういったことに該当するものにつきましては、社会教育施設につきましてもこれを認めることができることになっております。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 社会教育施設のその点については、今お話しのごとく大体措置できるもの、こう理解をいたしておきます。  そこで特例法の第二項に、鉄骨もしくは鉄筋コンクリート建のものは原形復旧とみなす、こういうふうにうたっておるわけなのですが、そのお考え方は、法文の通り解釈しますと、鉄筋もしくは鉄骨建にしても、それは事実上改良復旧であるけれども原形復旧という形においてみなしていくのだ、こういう観念に基づいておる。そうすると、第四条の第一項の効用または改良復旧というものとどういう関連を持っておるのか、その点を少し御説明いただきたいと思います。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 御承知のように、災害復旧の場合の一応の原則といたしましては、普通の場合は原形復旧ということになっております。ただこの場合におきまして、原形復旧をすることが不可能である、あるいは不適当であるような場合には、改良復旧あるいは代替復旧を認めることができるということになっております。一般法の場合と異なりまして第二項を入れましたのは、学校の校舎については、先ほど申しましたように、この際できるだけ鉄筋または鉄骨の校舎にするのが適当な状況でもございますし、またこれは必ずしもこれだけということじゃいませんけれども、二十八年災のときにもこれと同趣旨の規定がございますので、こういったものを特に一般法と違って入れまして、この際鉄骨または鉄筋コンクリート造の校舎を強調する方がよかろうという趣旨から、第四条第二項の規定を入れることにいたしたわけでございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 そうすると、従来の負担法にある第一項のままでも、運用としては、新しくコンクリート建のものは十分やっていける、ただここに出たのは、一つの強調したあれにすぎないのだというふうに理解せられるわけですね。どうもこの点が、法文を見ますと非常に煩瑣になっている。今ちょっと申し上げたように、第一項でやれるなら、もう少し書き方があるのではないか。あえてこれを原形復旧とみなすといわなくても、改良復旧あるいは効用復旧の一つの発展的な形なんですから、そういう形の方が私は理解がしやすいと思う。それをあえて原形復旧だというふうにこの法律で書いておる点は、私は法律上もちょっと理解のしにくい表現だと思うし、また、社会教育施設について特別これを排除している。ところが、承ってみれば、排除する特別の理由もないわけなんです。どうも災害復旧法案にあまり精神規定も不必要じゃないかと思うので、もう少しぴっちり善いた方がいいのではないか。これは余談ですけれども……。法文を見ますと、どうも意味があるようで、ないようで、少しとりにくい点があったのでそれを承ったのであります。  それから、私がいつも申し上げておりますように、実際災害復旧をしよう、あるいは建築をしようとする場合に、法律上は何ら支障がなくてできるようになっておるが、実際は、政令基準等によってなかなか思うようにいかないという今までの現状であったと思うのですが、今度の特例法では、その政令によるあれをどうやらはずしておるようで、これは実情に合った災害復旧ができるのではないか、そういう意味で特例法に関する限りは期待しているのです。ところが、先ほど雑談の際に私が申し上げておきましたように、今度の激甚地指定で指定されるところは高率適用で、二十八年のときの経験から考えてみても、相当いいものができるのではないかと考えられるわけですが、それに漏れた地域については、従来の国庫負担法による三分の二の補助でやらなければならぬ。そうなりますと、片やは坪数の制限もなく、しかも改良復旧については大幅に認められている形で、しかも補助率も四分の三に引き上げられておる。ところが、一般国庫負担の方でいく場合には、補助率も低いし、坪数の制限もあるし、いま一つは、いわゆる原形復旧がやはり原則になっておるという点から、取り扱い上そこに非常に不公平が起きはしないかということが懸念されるわけです。そういう点について、今なおこの国庫負担法の中には〇・九、それから一・〇八ですか、そういう政令基準が設けられているようでありますが、こういうものは災害復旧に関してはあえて必要じゃないのではないか。どうも災害復旧が原形復旧の観念に立つならば、要するに元の姿に復旧すればいい、さらにその上に、元の姿のままでは今後その校舎なりあるいは施設の使用に十分なる管理上の責任が持てない、その施設の効用が十分発揮できぬ、そういう点についてこれは必要な程度まで改良復旧を認めていく、その二つの形式で私はいいんじゃないかと思うのです。ところがそれにもかかわらず、一般負担法では、従来かりに六百坪なら六百坪の校舎施設を持っておっても、それが実際収容しておる生徒の数によって計算した場合には、四百五十坪というふうになればそこまでしかやれないというのは、いかにも災害害復旧という立場から見て、実情に合わないように思う。その点について、これは少なくとも災害復旧に関する限り撤廃すべきじゃないか。もしくは、うんと基準率というものを引き上げる必要があるんじゃないか、こういうふうに私は思うのです。大臣は、あまりこまかい点についてはあるいは御存じないかもわかりませんけれども、ただこういう災害復旧というものの考え方について、大臣のお考えを承っておきたいと思います。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 今度の災害の結果を見まして、できる限り改良復旧に持っていきたいという気持は、地元住民も、またわれわれも同じであります。従って、今度の災害にあたって、全壊のものに対しては、従来は三〇%であったのが六〇%まで認められる、また、従来予算、積算の上においてはいまだかつて半壊に対しては例がなかったにもかかわらず、三〇%まで改良復旧を認められておるということ、またさらに、原形復旧の場合に、坪数の点についても、必ずしも破壊された部分の坪数で頭打ちすることのないように措置するという考え方でおりますので、辻原委員の今お話にありましたように、大体において改良復旧の工事が相当程度まで進んでいくのではないかと私どもは考えております。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 今のお話はそれでけっこうなんです。私は、特別法とそれから一般法との関係というものは、やはり思想上の統一をする必要があると思う。一般法の災害国庫負担には三分の二補助率を与えるが、その復旧の場合には、ある一定限度しか認めていない。特例法では、これはやはり必要だというので今度の場合には、そういう一つの制限を政令上設けないという方針を法案の中で出されておる。そこの点がやはり私は問題じゃないかと思う。特例法が全部今度の災害に適用されるならまだけっこうだと思うのだが、必ずしもそうでないと私は思う。指定された地域外はやはり一般法が適用されるということから考えてみれば、災害というものに対する復旧は、できるだけ観念の統一をしておく必要がある。そういう点でやはりこの際災害復旧は、最低原形以上のものに復旧をするというスタンダードに立たなければならぬのじゃないか、こういうことを申し上げているわけです。ところが、今までの一般法ではそこまではやれないわけです。あくまでも基準に縛られてやれない。だから、もともとこの災害についてそういう一定のワクなり一定の基準を置いて、そうして法文上原形復旧をやらせることは、いかにもおかしいと思う。原形復旧はできないのですよ。これは最低原形復旧ができるまで、やはり法律上も予算上も措置することが正しい、こういうふうに思うのです。だから、今度の特例法に関する限りはそれでよろしい。それとの関連による一般法はどうか。これは大災害のあった激甚地はそれでいいかもしれない。しかしそうでない、いわゆる災害を受けておる指定地以外は非常に困った問題になると思うので、その点について何かその方法を考えるべきだと思う。このことについて御意見を承りたい。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 一般の災害復旧につきましては、公立学校施設災害復旧国庫負担法がございます。これと今回の特別法案との懸隔でございますが、確かに御指摘のように、補助率におきましても、また復旧の限度の坪数の点、また改良復旧等の質の問題につきまして開きがございます。今回の特別法案は、特にその被害が激甚であるという点から、一般法では早期の復旧がきわめて困難であるという点を考えて、特別法の提案をし、御審議をお願いしておるわけでございますが、ただ一般災害復旧の場合におきましては、一般の小中学校の整備との関連もございますので、直ちにこれを全部、現在の特別法並みに引き上げるということは困難かとも思いますが、しかし私どもといたしましては、現在の一般の災害復旧法は、必ずしも十分である、完全であるというふうに考えておるわけではございませんので、そういった量的な復旧の問題並びに改良復旧等の質的な復旧の問題、その他いろいろ将来考慮すべき事柄もありますので、文部省として今後十分これらを検討して、改善すべきものは改善するように努力をいたしたいと思います。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 今のお話の補助率を特例法で引き上げることは、私は大賛成です。四分の三でも、まだ実情としては、足りないくらいだと思っておるのです。問題は、政令基準の坪数というものを、この際改めるということに文部省も努力してもらいたい。なぜならば、私どもの見ておる学校の基準というか、現在あるものは、大体基準を上回っておるのが通例です。生徒が百人で、小学校の場合に九十坪という学校はない。おそらく百二十坪なり百五十坪、それ以上のものを持っておるのが実情です。その学校がたまたま災害を受けた、ところが、遺憾ながら特例法の適用は受けられなかった場合に、その学校は全部流失されておりながら、いよいよ復旧建築をしようとするときに、基準にひっかかって九十坪しか建てられない。こういうことでは意味をなさぬわけです。勢いその残余のものについては、地方負担ないしはそれぞれの父兄の負担ということで、非常に重い災害の負担を一般の方に負わせてしまうということになる。だからそういう点はことに実情に合わないと思う。これが計画的にやっておるいわゆる一般校舎の建築ならば、まだ予算の関係から漸次全体を高めていくんだということで、その基準を設定していくということには、まあ大蔵省あたりの若干の理屈はあるかもしれない。災害というものは特異なもの、全体の問題じゃない。受けた地点だけの問題ですから、その受けたところが、もとあった学校よりも小さい学校を建てなければいかぬということも、これはおかしい話です。だからその点だけは是正する必要がある。特に今度のように特例法でやる地域と、一般法でやる地域とがある場合に、ことさら法律面では補助率だけの差になっておるが、実際やってみると補助率だけの差ではない。このことを、こういう機会に是正しておく必要があるんじゃないかということを申し上げておるわけでございますので、その点は一つ文部省でも十分積極的に御検討を願いたいと思います。  時間がありませんから、その問題は以上にとどめまして、次に大臣にお伺いいたしますが、法案が逐次審議をされまして、われわれも災害に関する法案でありますから、できるだけ精力的に審議をして、そうして委員会の審議を終結したいと考えておるのですが、いまだ文教教育施設に関する特例法の適用地域の基準を示されておらないわけです。これはどういう形にきめられるのか、これを一つお伺いいたしたいと思います。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 公立文教施設につきましては、設置者でありますところの市町村の財政力というものを勘案いたしまして、被害激甚地を指定いたしたいと思います。すなわち、その市町村における標準税収額と、公立学校の被害額との比率を一応の基準にして指定するようにいたしております。その比率については、ただいままだ検討中でございます。それから私立学校につきましては、直接その所在地の市町村の財政力等とは関係がございませんので、その市町村にありますところの私立学校の被害の平均額と、その市町村にあります私立学校の被害校数と全体の校数との比率、そういうものを勘案して被害激甚地の指定をしたいというふうに考えております。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 前の二十八年のときの政令を見てみますと、これは大体公共土木施設等についての災害復旧等に関する特別措置法の施行令に準拠しているわけです。大体前のときにはこれで問題はなかったと思うのですが、今お話によりますと、これとは別個な形で、公立文教施設の分は特別な指定の仕方をしようとしておりますが、それで現在あなた方が考えておられる案で、特段の問題はないかどうか。われわれもいろいろ聞いておるわけなんですけれども、その点についてどうなのでしょう。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 ただいま申し上げましたように、公立文教施設につきましては、大体その設置者である市町村の被害額と、市町村の文教施設の被害額と標準税収入の比率ということでありますと、今回の風水害の被害の特徴でありますところの高潮等によるいわゆる湛水地帯というようなものを、一部指定をして参るものがございますので、こういった長期の湛水地帯については別に項を設けまして、一つの要素としてこれを指定するという考えでおります。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 こういうふうに受け取ってよろしいか。いろいろ言われているのですが、公共土木の際にも非常にわれわれが問題にしたのは、被害額と標準税収入の関係が二倍をこえなければならぬということを、最初大蔵省が言っておる。それによってやると、きわめて範囲が限定縮小されて、せっかく特例法を作ったのに適用地域はとても問題にならぬというところから、与野党ともこれは問題にして、結局かなり込み入ったといいますか、若干範囲を拡大した案に今落ちついておるわけです。何か聞くところによると、文教施設の場合も標準税収との見合いは二倍だということをちらと聞くのですが、そういう心配はありませんね。今のお話によれば、大体文教施設の被害額が標準税収の二割をなにすればいいんだというような話で承っておるのですが、どうなんですか。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 大体文教施設の被害額と標準税収額の比率が二〇%ということを想定いたしまして、現在検討中でございます。

小島徹三自由民主党

○小島小委員 関連して。百分の二十で計算なさって、そういう公立学校の総被害のどれくらいが、一体それで救済されることになりますか。総被害に対するよりも、それで、公共土木の激甚地に指定されない市町村のどれくらいの数が、公立学校施設について高率補助になりますか。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 御承知のように、被害額と申しましても、現在相当多くの府県に風水害の被害がございますので、現在調査中でございまして、確定的な、たとえば何市町村の被害額が幾らかというふうなことは、まだ出ておりません。この点は、公共土木につきましても大体同様でございますので、現在、ただいまお尋ねの公共土木と文教施設の激甚地の開きというような点については、はっきりこれこれの開きがあるということをお答えする段階ではない、かように考えております。

小島徹三自由民主党

○小島小委員 それではその比率によろしゅうございますから、ただあなたのお手元にある公立学校等の被害総額と、それから百分の二十でやって高率補助になる被害額とは、どのくらいの割合になっておりますか。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 現在作業の途中の段階でございますが、大体六二、三%というものが激甚地指定の中に入ってくるという計算をいたしております。

小島徹三自由民主党

○小島小委員 被害額に対しては六〇%になる。それで町村についてはどういうことになりますか。たとえば百カ町村のうち何カ町村がかかるか。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 その点についてはまだはっきりいたしておりませんが、被害額から申しますと、先ほど申しましたように六二、三%の地域ということになります。

小島徹三自由民主党

○小島小委員 その被害総額に対する六〇%という数字が出るならば——大体町村の関係もわからなければその数字が出てこないと思うのですが、一体どうですか。大蔵省みたいに、ただ六〇%程度のものがかかるだろうぐらいのことじゃなくて、相当数があるんだと思うのですが、どうでしょうか、その学校数及び町村数……。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 一応百分の二十と査定して積算をいたしておりますが、ただ、私が一番初めに申しましたように、被害額という点が——これはイコール復旧事業費でございますが、これがまだ調査中で、確定した数字になっておりませんので、現在大体六二、三%程度の状況である、六二、三%が被害激甚地に入るであろうということを申し上げる以外に、言い方がないわけであります。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 関連してお尋ねをいたします。大事なところなんで、監理局長も一つはっきと御答弁いただきたいのですが、被害額という言葉をきょうお使いになりましたね。先回文部省が御説明なさいましたときには、災害復旧事業費という言葉をお使いになった。違うじゃないですか。同じことなんですか、どうなんですか。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 災害復旧につきましては、復旧事業費のことを、私ども被害額と申しておるわけであります。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 今六二%とかいうのは、県立学校のことでしょうね。市町村立の方の学校はもうちょっと上がるはずなんですが、七〇%から八〇%ぐらい、その被害額から推定すればそれぐらいになる。そういう六二%なんて低いのは、県立学校の場合じゃございませんか。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 これは全国を通じた数字を申し上げておるのでございまして、県によっていろいろ状況が違うわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 金額について六二%というのを全国平均と理解するとしても、今御質問のあったことにお答えになったのは、町村についてはまだ調査してないからわからぬとおっしゃったでしょう。わからぬはずはない。わからぬというのは非常におかしいと思います。実際、今のあなたの方の基準の二〇%でやりますと、かりにこれは愛知の例だけとりますと、被害をこうむった市町村立の学校がおよそ九百校ある。その中で当てはまるのが五十八校くらいです。百分の二十で当てはまるのが五十八校です。九百校のうち五十八校、これはどうです。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 公立文教の点から申しますと、現在文部省と大蔵省の実態調査は、三重県と岐阜県を調査中でございまして、まだ愛知県には全然調査団が行っておりません。従って、ただいまお尋ねのような点、私どもといたしましては、現在まだ把握はいたしておりません。ただ、県としてのおよその被害の報告はきておりますけれども、これは被害額としてそのまま——被害額と申しますか、復旧事業費額として、そのままそれをとるというわけには参らないわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 これは愛知の一つの例でございますが、正確なものとせずに、現地の方で調査したものとしてお受け取り願いたいのですが、当てはまるのが四十七市町村、そうして該当する校数というのは五十八校、こういうことなんです。九百の中で五十八でしょう。これでは六%にしか当たらない。一割にも当たらないという学校の数では大へんですよ。あとは全部、ほとんど自治庁に持っていかなければならない。文部省のしりぬぐいは、どうもいつも自治庁になる。こんな数字では、百分の二十という数字をお出しになったということは、ほんとうにひどいところの、わずかにしか出さないということと同じことになる。被害額の二〇%以上ということになれば、二〇%といえば長期湛水、それも入れてでしょう。これが常識だというのがあなたの方の腹づもりですか。

三田村武夫自由民主党

○三田村小委員長 ちょっと監理局長に申し上げますが、この小委員会も、御承知のように大体最終段階にきているのです。非常に重要な質問をしておられるので、政令の基準、それから大体それに対する予算措置、そういうことが明確になりませんと、この小委員会としても法案の審議上困るのです、  一つこの点は、現在お調べになっているところでいいから、はっきり御説明願いたいと思います。たとえば今、三重県、岐阜県を調べたけれども、愛知県はまだ調べておらぬと言われましたが、この特例法の適用はこの三県だけでなくて、山梨も長野もありましょう。七月、八月に風水害あった、こういうところはもうすでに調査済みじゃないかと思われますが、そういう点もできるだけはっきり御説明願いませんと、法案の審議に非常に困るのです。そういう建前から、一つ具体的な御説明を求めます。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 ただいま小委員長からのお言葉もございましたが、確かに、たとえば山梨県、長野県等については、前の風水害でございますので、そういう点が比較的はっきりいたしております。ただ今回の台風十五号の被害地のうち、特に被害の激甚でありました愛知、三重、岐阜の三県につきましては、三重並びに岐阜が現在大蔵省と実態査定中でございまして、これが済みましたら愛知県に参りまして、大々的に被害の復旧額の調査をするという状況でございます。  先ほどの太田小委員からのお尋ねでございますが、この事業費につきまして、大体六二、三%程度の市町村がこの激甚地に指定されるだろうということでございまして、私どもといたしましては、この被害校の中には確かに一校としてあがっておりましても、軽微なものも相当ございますので、こういったものにつきましては、私ども何校中何校というような比率をとって、まだ比較はいたしておりません。ただし、この激甚地の指定から漏れるものにつきましても、もちろん御承知のように、当然一般法の適用があるわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田小委員 局長、ちょっとお調べになっていないというのですが、資料はどんどんきておると思うのです。今私は愛知県で九百校と言ったが、これは十万円以上の被害があるところを対象にしたのです。十万円ですから、項目別にすると差があると思います。一校十万円以上の被害があるのが九百校、そのうちで五十八しか対象にならないというあなたの方のものさしだと思う。なお市町村百有余の中で、わずか四十七市町村しか適用されません。そうしますと、かりに屋根が飛ばされた体育館があろうと、かわらを何十枚やられようと、半分の市町村は、全部自治庁の起債の特例によってお救いいただくより方法がありません。あなたの方は、そういうのは見のがしている。だから、いかに百分の二十という数字が不当であるかということは、市町村の数で大体半分にならないということでわかる。半分は救えない。学校の数に至っては一割も救えない。少なくとも、これは百分の十なら十という、十以下にこれは下げるべきなんです。これは学校の被害の実態から考えて、常識だと思うのです。先ほど辻原委員のおっしゃった改良復旧の問題につきまして、全壊の六〇%と半壊の三〇%を含めるとおっしゃるけれども、なかなか査定となると半壊を含めてもらえない。これはそのものさしが問題なのですが、今のお話のように、二〇%でやって町村が半分入らない。学校の数でわずか五、六%。これじゃスズメの涙で、この基準をお作りになった文部省というものは、何かしら魂胆があるとしか思えない。そんな魂胆は国民が納得しないと思うのです。どうです、今のものさしでやったら、どこかの県では町村は何割入る、学校の数はこのくらい入るということを、一つ具体的な例でお答えいただきたい。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 ただいまのお尋ねでございますが、決して私ども、標準税収と復旧事業費との比率をとったということから、特別の魂胆があって、厳格にこの激甚地を狭めよう、狭めて指定しようというような考えでやったことではございません。確かに二〇%という数字を一〇%に下げるということも一つのお考えかとも思いますが、私どもいろいろ作業をいたしまして、現在では大体二〇%程度が妥当ではなかろうかという線を持っているわけでございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 今だんだんの各小委員の質問によって若干明らかになったわけですが、そこでもう一つ明らかにしてもらいたいのは、これは当初公立文教だけではなしに、農林でも公共事業でも、いわゆる特例法を出して、特別な高率補助で災害復旧をやるという場合に、大体予算上の措置をして、それで事業費は大体何ぼだ、こういう方針を立てているはずだと思います。その当初立てた事業費の額と、その後全般的に、いわゆる激甚地というものをかなり範囲を広げなければならぬという、大蔵省なり政府全体の方針に照らして、文部省が再検討した場合の事業費は、一体どの程度ふえるという見通しに立っておるのか。おそらくその案は、今文部省が考えているいわゆる二割という案だろうと思うのでありますが、それにつければどの程度事業費がアップしてくるものか。農林関係では何ぼ、公共事業では何ぼとわれわれは聞いてきたのですが、一体公立文教施設では、当初の予算上の措置から、新しい拡大した形における指定をすれば、その基準でいけばどの程度ふえるかということの概算を出してもらいたい。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 辻原委員のお尋ねの御趣旨は、現在文部省の試算が二〇%であるものを一〇%程度まで引き下げた場合に、どのくらいの金額が要るかという……。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 いや、ちょっと違う。その点ははっきりしておいてもらいたいと思うのだが、その二〇%案というものは、いわゆる高率適用をして予算上措置をした、それと見合って最初から考えておった基準案なのか、それとも最初はもう少しかたいものを考えておって、二〇%という案に前進をしたという案なのか、その点をもう少しはっきりしてもらわないと——私の伺っているのは、あるいは二〇%以前に大蔵省との間で予算措置をしたときに、全体として、政府は六割が予算上措置した高率適用の範囲だ、こう言ったわけです。その範囲の基準ということであるならば二〇%だというのか、それよりも前進したものであるというのかという点がはっきりしないのです。そこをまず明らかにしてもらいたい。その次に、切り下げた場合のことを聞きたい。どっちなんですか。それはもともと変わっていないのですか。ほかのところは前進しているのだから、前進していなければとんでもないことなんです。文部省の方も当然前進しなければならないのです。

今村武俊文部事務官(管理局教育施設部助成課長)

○今村説明員 御説明申し上げます。当初は、一つの考え方によって、大体特例地域に適用されるべきものとして考える事業費が、全体の事業費の六割だということを前提として考えていったわけです。そしてほかの委員会等でも明らかにされておりますように、予算の方を大体先にしながら、あとでその予算をきめる場合にあたっては、もちろん一応の推定の方法を出したわけです。その点はそんなに粗雑ではないわけです。それで順序としては、一応の試案を基礎として予算をきめて、今度はさらに政令案にすべくいろいろこまかな作業をやりまして、そうして一応の案を作っていったわけです。そうして農林、建設の方の案の動きともにらみ合わせながら、さらにまた何回も試算していきまして、そうして二〇%というところに落ちついているわけですから、初めに二〇%がきまっていて、それが変わらないといったような、そういうぴしゃりとしたものでもなく、それからまた当初の考え方が確定していて、全然変わってきて二〇%になったものでもない、そのような関係になっております。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 どうも聞いてもはっきりしませんが、もう少し数字的に、これは概算でけっこうです。調べが上がっておらなければ上がってないでいいけれども、予算を積算したときの基礎があるわけです。その積算の方向は、大体事業費の六割というものを全般的にあなたの方も高率適用の範囲だ、こう言った。そこで今百分の二十の範囲で基準をきめたということになれば、今のあなたの説明によれば、必ずしもその二〇%が六割だという形じゃないといわれるから、そうすると前進していなければならないはずです。どの程度事業費が前進したか、当初の事業費は六割で、六割に見合う事業費は大体何ぼだ、これは出てくると思う。それから二〇%にした場合の事業費は、一体どのくらいに現在概算して見積もられるか、そうすると事業費のふくれ方というものは推定がつく。そうすると個々の町村がわからなくても、事業費全体として、比率がどのくらいふえているかということくらいでもつかめるわけです。その点をここで発表してもらいたい。

今村武俊文部事務官(管理局教育施設部助成課長)

○今村説明員 現在、御承知のように、現地査定をやっております。そうしてこの現地査定でも抽出調査でございまして、個々の学校ごとには、まだ正確な復旧工事費というものはわかっておらないわけでございます。従って、私どもの方で推定をいたします場合は、過去の査定率等から、どの学校も全般的に同じ比率でもって査定されるものだという推定をせざるを得ないわけです。その点が一番危険性があるわけでございまして、たとえば二三%のところが九割の査定率を受けた場合と五割の査定率を受けた場合とでは、二〇%という線をかりに設けたといたしましても、ボーダー・ライン以下に落ちるケースもあり、落ちないケースもあるわけです。それを一律な計算をいたしますために、現在のところ、一律な計算を前提とすれば、六〇%あるいはそれよりも多少はみ出る額が予定されるということでございます。厳密に査定していきますならば、その辺の数%という線はもっと上がるかもしれませんし、あるいはもっと下がるかもしれないといったようなところが、正確な表現であろうと思うのです。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 これは建設農林の場合に再三確かめて、非常に金額としては意外だったけれども、一応政府としては発表した。農林、建設それぞれ二億とか三億とか——大体新しく拡大した場合、ふえてくる額はこの程度だということのめどが、たとえば林道なら千二百万円、こういうふうに金額的に出ているのです。大体その程度の大まかなところは、文教施設についても出てこなければいかぬと思う。そのことを、率で大体三、四%動くだろうということではわからないから、一体三、四%動くなら、三、四%のものは総事業費に対してどのくらいの金額になるか、それがわかれば一応事業費がこれだけふえる、従って、査定基準というものは若干上がったのじゃないか、こういうことがわかるのですが、どうも今までの御説明では、全体六割という線からあまり動いていないように私ども判断される。金額に直してどのくらいふえる見込みか。今までの査定のやり方は、従来たとえば七〇%なら七〇%でやってきておるなら、その基準で大体今後も査定をやられるものという前提を置いてもけっこうです。その額のふえ方が、どの程度かということは出てくるのじゃないか。どうですか見込みは……。

今村武俊文部事務官(管理局教育施設部助成課長)

○今村説明員 正確には、復旧工事費の見積もりの仕方、査定の仕方が、今申しましたような順序で行なわれるのでございますから、その辺は、なお何億とか何千万という金額は出さないのが、一番正確な表現ではないかと思います。しかしながら、農林省、建設省の方で二億とかあるいは一億何千万という数字をいっておられますが、これも同じような推定が入っておるわけでありまして、そのようなことを基礎にして申しますならば、私どもの方は、大まかなところ建設、農林のような何億という数字は出ませんので、何千万円かふえるという程度の見当になると思います。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 そうしますと、現在十一億プラス八百五十万、予算措置しているものが約十二億ですね。それから数字が動いてくる範囲は、二、三千万円、こういうことですね。そうすると、全体として予備費が五十億あるわけだが、文教施設としては、今の基準案でいけば、予備費を食わなければならないというような事態には全然陥らないということですね。それはどうなんですか、予算費が必要になってくるかどうかという点は。

今村武俊文部事務官(管理局教育施設部助成課長)

○今村説明員 御承知のように、今回の予算査定におきましては、従来と違いまして、現地査定が終わらないうちに、査定率も、従来の査定率等を基礎にしながら一応の推定で計算したわけでございます。目下各地で査定をやっておりまして、その査定率が相当に変動して参る、そういう関係もございます。それから、ただいま問題になっておるような条件もございますので、若干ふくらまざるを得ないのじゃないか、かように考えます。従って、その関係が予備費になるのか、あるいは来年度へ分割して予定しておる分をふくらますのか、その辺は、まだこれから出て参ります数字を見た上で考えなければならない問題だ、かように考えております。

小島徹三自由民主党

○小島小委員 関連。実は正直に申し上げまして、百分の二十という数字で基準を定めることについては相当問題があるし、いろんな反対があるのです。そうかといって、われわれ与党の立場としては、そう言えば社会党に怒られるかもしれませんけれども、この基準をあまり勝手ほうだいにきめてしまって、そのために予算が膨大にふえるということも考えなければならぬ。その辺のかね合いがあって、そしてこの法案を審議して終結しなければならぬのですから、その辺のところを腹づもりするために、先ほどからくどくど聞いておるわけなんです。私たちといえども、被害額というか、復旧事業費を全額高率補助にしてしまおうなんて、そんなことを考えておるわけではない。手ごろなところで考えなければならぬ。その腹づもりをするために、実は聞いておるわけなんです。だから、百分の二十ならば、あなた方の方では六割程度とおっしゃる。それならば、今お手元の数字では、百分の十にしたときに、あるいは百分の十五にしたときにどうなるか、これを聞かせていただきたいのです。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 先ほど来いろいろお答えいたしておりますように、被害の状況につきましては現在復旧事業費を査定中でございますので、この数字が出てこないと実ははっきりしたことは申し上げられないわけでございますが、一応府県を通じて市町村から報告されました被害を資料として考えました場合、二〇%を一〇%まで下げることにいたしましても、実は大した数字の開きは出て参りません。六五、六%にしかならぬということであろうと思います。と申しますのは、御承知のように、名古屋市その他非常に大きな都市がさらに低い比率の地域になっておりますので、そういうものは、一〇%まで下げても実はその。パーセンテージの中へは入ってこない、これはまた特別な方法で考慮しなければならぬということになるわけでございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 だんだんの話を聞けば、おそらくこの二〇%というのは、予算上から見れば、当初の考えからあまり動いていないのじゃないかと私は思うのです。それからまた、一〇%にした場合、その動きもごく小部分だということになれば、私は少なくとも今大体の意先としては、二〇%ては少し酷ではないか、与党の諸君が予算上非常にはみ出てくるということをいつも心配されておるわけなんだが、その点の心配もないということになれば、適用地域はやっぱり可能な限り——他の公共事業、農林等との見合いをも勘案すれば、少なくとも一〇%というのは最大限じゃないかと思うのです。そういう意味で、どうですか大臣、これは政令なんで、あなたの方でやられるわけなんだけれども、今の二〇%ということでは、これは極端に言って当初の大蔵案ですよ。大蔵案にすぎぬ。六割ちょっということであれば、ほとんどこれは動いていない。従って、最低基準案は一〇%でとどめることという見解をわれわれは表明せざるを得ないのですが、その点についてはいかがでございましょうか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 私の承知しているところでは、時は三〇%にしようという主張をしておった。それが二〇%におさまったわけであります。今なお小島委員が指摘されましたが、党でもこの線をなお下げたいというような意向もあるように聞いておるような次第で、それがまた最後的なところが決定しておらぬというようなわけでありますから、監理局長からの報告と相まってお考え願いたい。

三田村武夫自由民主党

○三田村小委員長 今の辻原委員の質問に関連して、僕からお尋ねしたいことがあるのです。それは激甚地指定基準の百分の二十、これは公共土木の激甚地指定と別個なケースでやるんですね。そうすると、公共土木の方で激甚地指定になった市町村でも、別に学校災害が百分の二十の水準に達しないと、高率補助の適用は受けられないということになるんですね。別個にするのと一本にするのと、非常に違ってきますね。どのくらい違いますか。結局高率補助をしてやるということは、地方自治体の負担を軽くしてやることなんでしょう。そうすると、公共土木で高率補助を受けなければならない地方自治体、すなわち市町村は、その市町村の経営する学校の復旧に対して、同様の高率補助の適用が受けられないというのは、どうも理屈が合わないような気がするんです。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 確かに二十八年度災害のときには、激甚地指定については、文教施設も農林土木もすべて公共土木の激甚地の指定に合わせていったわけでありますが、今回の災害復旧におきましては、それぞれ公共事業の種別に応じて激甚地の指定をするということを一応政府としてはきめたわけでありますので、文部省としては、学校等の文教施設につきましては、公共土木と別に指定基準を研究したわけでございます。従って、ただいま委員長のお尋ねにもございましたように、たとえば公共土木ではある市町村が激甚地に指定されるけれども、文教施設では激甚地に指定されないというものがございます。と同時に、またそれを裏返しますと、文教施設で激甚地になりましても、公共土木ではならぬというものも出てくるわけでありまして、その間に多少ちぐはぐなところも出てくるわけであります。私どもといたしましては、公共土木の基準をそのまま用いたら、文教施設の現在の指定の予定状況がどうなるかということは、実はまだ特別に研究をいたしておりません。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 今委員長の言われた点は、私が最初に質問をいたしました趣意もそうなんですが、これはどうも数字がはっきりしませんので結論もはっきりしないのですが、前のときには準用した、準用して特別問題はあまり聞いてないんです。今度別個にやる、そうすると、ある場合には食い違う場合も出てくるのじゃないか、こういうことになると、どうもそこらあたりがぴったりこない。だから、前のときのような形で準用して非常に工合が悪い、現在のあなた方が作っておられる案、さらにそれを一〇%切り下げた案で、それよりも下回るんだということであれば、それは別個もけっこうだけれども、大体公共土木できめた案にほとんど包括されるというようなことであれば、特別な基準は必要ないのじゃないかという気もするわけです。だからそこらあたりの関連をもう少し検討してもらわないと、どうも結論が出しにくいように思うんです。その点どうなんでしょうかね。早急に検討できますか。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 先ほど申し上げましたように、今回の災害におきましては、たとえば農林の災害復旧等におきましては、必ずしも公共土木と同一の基準でない方がいいというようなこともございまして、各事業ごとに基準を立てる、そして、その間の地方公共団体の財政力に対する調整は、特別交付税の方で見るということになったわけでございまして、その点、二十八年災とかなり大きな行き方の違いがあるわけでございます。従って、文部省としては、現在文教施設の被害額と、それからその市町村の標準税収入というような、その比率で参ることにしているわけでございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 その点は、以上にとどめておきます。  それから、先ほど質問した私立学校の指定基準についても、これは逐一お尋ねいたしませんから、一つあなたの方から、大体現在の指定基準の案はこういったものである、それに基づくと、先ほどから公立文教施設の基準について質問をいたしましたように、当初の事業費の平均が大体どの程度であった。これは大体六割。それからどの程度ふえていく、全体として現在災害を受けたおもなる私立学校の所在する地域は何割くらいこれに入り得るのか、それも一つ御説明願いたい。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 私立学校につきましては、先ほどお答え申しましたように、その所在地の地方公共団体の財政力ということに関係がございませんので、二十八年災の当時の激甚地の指定基準をとりたいということで、文部省としては予算要求をいたしたわけでございます。現在一応の試算でございますが、御承知の二十八年災は、その市町村内の私立学校の平均被害額が二十万円をこえるもの、それから、その市町村内の被害学校数と全体の学校数の比率が一〇%以上という、この基準をそのままとりまして、全国の被害私学数と、地域内の被害私学数の比率から申しますと、大体六〇%でございます。ただし、全国の被害市町村数と指定地域内の被害市町村数から申しますと、ちょうど三分の一の三三%という数字が出ております。ただ、今度は、復旧事業費の金額から申しますと、御承知のように、名古屋市に私立学校が非常に集中いたしておりまして、ここに私学の被害が大部分あるわけでございますので、ただ被害の金額だけを比較いたしますと、九〇%以上が激甚地ということになるわけでございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 次に、私立学校の高率適用の額は、どの程度以上を考えておられるのか、これを承りたいと思います。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 私立学校のいわゆる適用除外と申しますか、高率適用の最低金額でございますが、これは学校の種類によって実はいろいろ違ってくると思います。今回の私立学校の災害の状況から見ますと、いわゆる激甚地の中に幼稚園の数が相当あるのでございまして、この幼稚園がその規模も経営能力もあまり十分でございませんので、幼稚園等のことも考えまして、最低二十万円程度にいたしたい。それ以上のものにつきましては、大学あるいは小、中、高といたった学校種別等を考えまして、それらの経営能力等も十分考え、それぞれの金額をきめていきたいというふうに考えております。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 二十八年のときには幾らですか。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 二十八年災のときには、たしか十万円であったと思います。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 私もそういうふうに記憶しているのでありますが、法律全般、予算の措置も、いずれも二十八年を下回らざることというのが大原則になっておるのです。ところが私立学校の場合、今度の小災害の取り扱いについては、二十八年災より限度が引き上げられているというふうに今のお話では理解せざるを得ないのです。その点は、大臣、一体どういうことなんですか。二十八年の際には十万円以上のものに適用した。ところが、今度は幼稚園まで入ってきておるにもかかわらず、その限度が、最初は三十万といわれ、今お話によると、二十万円くらいに幼稚園も入っているから考慮しょうという案らしいのでありますが、それにしても、二十八年のときと均衡を失していると思うのです。なぜ二十八年と同じように、十万円以上のものは全部これを対象にするという方針を出せないのか、どうもその率についてのなにがわからないわけです。どうでしょう。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 その点はおっしゃる通りだと思いますが、今回は、個人立の私立学校に対しても特別の措置をとったことでもありますし、また、私学振興会の方からの、相当力を入れて融資をしたいというようなこと等も考えているわけでありまして、その辺で……。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 これは別に大臣に文句を言うているわけでも何でもないが、しかし、今のようなお話では、だれが聞いても了解のいくものではないのです。私学振興会の融資とか、あるいは小さい幼稚園が入っておるとかいうことは、別の理由で入っている。また、私学振興会は、二十八年の災害であろうが、また通例の災害であろうが、やはりこれは手当をしている。今度の異常災害にだけ私学振興会が融資をしているというのではないのです。だから、二十万まで逆に二十八年のときよりも引き上げたということは、何らか別な理由がなければならぬ。ところが、どうもその理由らしきものは見当らないこれは非常にへんぱな措置だと思う。しかも、公立の場合においても従来四十万であったものを、合算十万にまで小災害は切り下げ、その残余のものについても、起債の措置等において、十分ではないがかなり考えている。ところが、私学の場合には、二十八年のときよりも十万円引き上げている。これは、せっかくの法律が画龍点睛を欠くうらみがあると思う。なぜ二十八年と同じような措置をしなかったか。この点については、今大臣がぼそぼそとおっしゃったようなことでは私は理解ができないので、もう少しはっきりして下さい。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 確かにお尋ねのような点がございます。ございますが、御承知のように、二十八年災と今回の特別法とは違った点もございまして、たとえば、個人立の幼稚園等は、実情に応じまして今回初めて補助の対象にするということにいたしたのでございます。また、振興会の方の融資も学校法人に限られておりますのを、これについては特別に融資の対象にするというような措置もとっておりますので、従来の十万が二十万になったという点は確かでございますが、それらをあわせまして、復旧事業上相当遺憾のない手が打てるものと思っております。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 悪く解釈しますと、個人立の幼稚園と小さいものを入れたので、だから限度を下げておればかなり範囲が広まる、そこで、法律へ入れたかわりに、予算の上で少しでもそれはしぼった方がよろしいという考え方で、下を引き上げたではないかと勘ぐっているのです。大かたその辺の理由ではないかと私は勘ぐっている。そうでないと、今まで小災害についても措置しようという考え方で、できるだけその限度を下げてきたのが、それを逆に今度は上げたということは、これはふに落ちないのです。だからこの点も、今度の措置では私は不満です。それと、それらのいわゆる小災害について、公立の場合には起債の特例でもって若干考えておりますが、私立の場合には一体どうするのか、この点を一つ承りたい。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 激甚地の指定を受けない地域にあります私立学校につきましては、これは補助の対象にならないわけでございますけれども、振興会の方の一般の災害復旧の融資が受けられることになっておるわけでございますので、それによって復旧事業を行なうことになっております。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 これは通例の運用から見ますと、振興会のあれというのは、かなり大きなところには金がいきますけれども、小さい私立学校にはいってないのです。そういうことからいうと、建前はいくことになっておりますからというので、あなた方の答弁はできましょうけれども、実際は、これは何にもしていないでしょう。しかし、それ以上文句を言っても始まりませんから申し上げませんが、もう少し限度を、これも切り下げる必要があるんじゃないか、かように思います。  最後に、これはまた別の問題ですけれども、この前も大臣にお伺いをいたしましたが、私立学校について授業料の免除をやはり国としても講ずる必要があるんじゃないか、こう思うのです。そこで国立、公立の現在の措置状況、これを承っておきたいと思います。対象人員、それから免除をした金額、金額の基準、こういうものをまず承って、それとの関係で、私立学校は現状どうなっておるかということをお知らせ願いたい。

齋藤正文部事務官(大臣官房長)

○齋藤(正)政府委員 公立の高等学校の授業料の減免の問題でございますが、現在わかっておりますのは、三重においては、免除の措置を受けたものは約六百人、それから減額の措置を受けますものが千五百人、その減免所要額が四百五十万ということでございます。そのほかに、愛知県は、金額にいたしまして千百万、それから岐阜が四百二十五万ということになっております。国立の学校につきましては、現在人数が三千人程度でございまして、金額はまだ確定いたしておりません。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 その国立で免除する場合のそれぞれの学校種別に応ずる免除の金額、それから期間、これはどうなっておりますか。

齋藤正文部事務官(大臣官房長)

○齋藤(正)政府委員 ただいま申しましたように、国立大学及び国立短期大学の被災の学生、これを三千人と考えまして、これらの学生に対して、全壊、流失、半壊等、被害の程度に応じまして、三十四年度の後期授業料の全額または半額を免除する予定であります。単価といたしましては、半期分でございますから、全壊の場合が四千五百円——年額九千円の半分でございますから四千五百円。流失、半壊の場合も同様でございます。床上浸水につきましては、半額免除でございますから、その半分の二千二百五十円、さようになっております。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 今お聞きいたしますと、国立の場合には約三千人を予定して、年間九千円の授業料を基準にしてその半カ年分を免除しよう、こういう措置をとられつつあるのであります。公立につきましては、これはすでに三重、愛知、岐阜等、激甚地といわれておる地域においては大体措置がとられておるようでありますが、これは都道府県教育委員会あるいは当該市町村等の教育委員会の任意にまかしておるのか、文部省が、国立に準拠して、何らかの行政指導を行なっておるのかどうか。今お聞きますと、愛知、岐阜、三重のこの三県しかないが、そのほかにもあると思うのです。国立はおしなべて全部、公立はある部分、私立は全然やらない、こういう形のへんぱな行政はいかぬと思う。少なくとも授業料を免除するならば、受けるのは学生、生徒、児童なんですから、どこに行っておっても、ひとしく被災者であるという学生、生徒については授業料を免除するという方針がなければならぬ。だから国立をやったということは、国の方針が免除してやるべきだという方針だと私は理解する。そうするならば、それに基づく行政指導が、その他の国立以外の学校に対しても行なわれておらなければならぬと思うのです。それはどういうふうになっておりますか、それを伺いたい。

齋藤正文部事務官(大臣官房長)

○齋藤(正)政府委員 十五号台風によります公立高等学校の授業料の減免の措置につきましては先ほど申し上げた通りでございますが、そのほか、七、八月の風水害によりまして群馬とか、石川、あるいは福井、山梨、長野等、それぞれある程度の減免措置を行なっております。これは今回、文部省としては特別の行政指導をいたしましておりません。それは従来の災害の経験にかんがみまして、都道府県の教育委員会でそれぞれ適切な措置を講じておるわけでございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 公立学校を免除した場合のその歳入の欠陥の扱いは、どういうふうに財政上措置されますか。

齋藤正文部事務官(大臣官房長)

○齋藤(正)政府委員 その問題は、文部省自体として特別の予算措置等は考慮いたしておりませんけれども、こういう災害によって生じます問題につきましては、特別交付金とかあるいは歳入欠陥債等の処理をされる場合に御考慮になっていただくように、文部省としては自治庁にお願いをしておるわけでございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 それは文部省からお願いをしなければ措置できないものか、あるいは現在の交付税の一般方式で自動的に行なわれるものか、この点はどうなんですか。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奥野政府委員 今文部省からお話しになりました通りの取り扱いをする例になっております。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 そうなれば、ここのところはやって、ここはやらぬというような、へんぱな行政をそのままほうっておく手はないと思うのです。ただし、免除したが、そのあとの補てんは国の方で知らぬぞという形になっておるならば、これは私は、強制というか、そういう指導はできないと思うのです。しかしながら、それが今自治庁もおっしゃったように、必ず歳入欠陥として交付税もしくは特別交付税でもって補てんされるものであるならば、自治団体に対して圧迫にはならぬわけですから、当然私は、そういう一つのアンバランスが生じないように、少なくとも国立でやった基準に基づいて、公立も、床上浸水以上に対しては半額、半壊以上に対しては全額を免除するという行政指導を行なうべきだと思うのですが、その点は、私はどうもお聞きしてふに落ちない。文部大臣もお聞きの通りだと思いますが、この際私は、国立三千名を予定して全国的におやりになるならば、公立に対しても当然措置すべきだと思う。そういう行政指導をおやりになるかどうか、お伺いいたしたいと思います。

齋藤正文部事務官(大臣官房長)

○齋藤(正)政府委員 十五号台風につきましては、あの場合には文部省も現地の対策本部へ行きまして、いろいろ御相談した際に、育英資金等もあわせて文部省がやれということではございませんけれども、それぞれ減免の措置をパンフレットにして配ったような実情でございますので、特別文部省としては通達等をいたしておりません。それから従来全国的な災害につきましては、それぞれ各県において適切な措置が行なわれておるような実情でございますので、今回七、八月の風水害についても、文部省としては特別の措置をいたさなかったわけでございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 それではもう一ぺんさかのぼってお聞きしますが、たとえば国立で三千名を対象にしているのは、通例の被害に対する災害復旧であれば、その起きた地点に対していろいろな措置をすればいいわけです。ところが、授業料の免除などというのは、愛知県で災害が起こっても学生は東京の学校へ通っておる、そういう場合が当然含まれてくるものと私どもは理解しておりますが、この三千名というものは、そういう範囲まで含んでおるものでしょうね。

齋藤正文部事務官(大臣官房長)

○齋藤(正)政府委員 お話しの通り、それは出身地の大学だけでなく、全国に在学する者を含んで措置をするわけでございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 そういたしますと、齋藤さん、あなたは特別の通達をいたさないでもできているように思うと言われましたが、私はできていないように思うのです。あなたが先ほど述べられた通り、三重とか、愛知とか、岐阜とか、こういう激甚地は、これはやはり総合的にやられているけれども、私の県の大学に来ている愛知県出身の学生は、必ずしも行なわれていないかしもしれない。そういうような実情を、あなたの方で今わかっておりますか。ほとんど全国的に、国立と同じような措置ができているという確信があるなら、通達を出さぬでもけっこうだと思うのですが、私は老婆心ながら、必ずしもそうじゃないように思っているのです。

齋藤正文部事務官(大臣官房長)

○齋藤(正)政府委員 国立大学につきましては、各大学長あてに通牒を出して、現在調査中でございますから実態はわかりませんけれども、大学の所在地によって、へんぱな取り扱いを受けるということはないと思います。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 いや、僕の言っているのは公立なんです。それに見合って、公立の場合はどうか。公立大学はずいぶんあるわけです。たとえば、それぞれの地方にある医科大学に、愛知県なり岐阜県なりから通っている、そういう者は——片一方の国立の学芸大学なら学芸大学はやられているけれども、片一方の医科大学については行なわれていない、そういうへんぱな問題が起きるでしょう。

齋藤正文部事務官(大臣官房長)

○齋藤(正)政府委員 私どもは、従来たびたびの災害によって、こういう事態はそれぞれ地方において適切な処理が行なわれるものと実は考えておったのでございますけれども、なお現状を調査いたしまして、通牒する必要があれば、お話のような点は措置いたしたいと考えております。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 私が念を入れて歳入欠陥に対する措置までお伺いした理由は、一方的に強制しては地方自治をこわしますし、また地方財政を圧迫しますから、若干であってもただ一方的にはやれない。しかし、自治庁のお話のごとく、その歳入欠陥についてはかなり補てんがされるという前提があるならば、これはどこができて、どこができないというようなことじゃなしに、やはり全般が行なわれるような指導がこの際として必要じゃないか、こういうように思うのです。しかし、なおあなたの方では、そういった点についての十分な調査がまだできていないようでもありますから、それは一つ早急にやっていただいて、やっていない地域がかなりあるようならば、全般的に行政指導をしてもらいたいし、やっていないところが少ないようであるならば、個々の指導でもけっこうだと思いますけれども、少なくとも国立に準拠してやるだけのことは十分措置してもらいたいと思います。大臣、その点について一つお約束をいただけますか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 お話の点につきましては、それぞれ地方の実情を十分に調査いたしまして絶対必要だと考えられるようなところに対しては、さように指導いたしたいと思います。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 もう一つ、今度は公立から私立への問題があるわけなのです。最初に、私立学校について、大体同じような状況が出ていると思うのですが、それの対象人員はどのくらいありますか。そのうちで、それぞれ当該の私立学校内で措置しているものはどの程度あるか、これを承っておきたい。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 現在までに、台風十五号関係で愛知、岐阜、三重、山梨、この四県にあります私立学校で、授業料を減免している状況を申し上げますと、それは六カ月間の減額あるいは免除の額でございますが、金額にいたしまして約五百八十万でございます。人数にしまして——これは大学から幼稚園まで入っておりますが、五千百七十人、学校数にいたしまして百九十校という状況でございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 今の五千百七十名というのは、愛知、三重その他やっているところの数字なのでしょう。私が伺ったのは、全体としてどれくらいあるか。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 今回の罹災者の子弟が、全国の私立学校にどういうふうに入学しておるかということにつきましては、現在までのところ、文部省としてまだ調査をいたしておりません。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 これは非常に調査しにくいと思いますが、私は再三再四この点をお尋ねしているので、少なくとも、たとえば学校育英会等においては、育英資金を給付しなければならない者が今度の被災者の中に何名あるという点の対象人員というのは、大体四千数百名と明らかになっている。これは国立はもちろん、公立、私立をも含むのですけれども、私はある程度まで調査が可能なのだと思うのです。被災者は、愛知県だけで、私立の関係で一万人くらいあると私は聞いているのですが、全国的に見ると、これは相当の数字だと思う。だから、その程度の数字をつかんでもらわぬことには、数字がないからやはり措置ができないのだと私は思う。数字をつかんでもらって、そうして国立がやる、公立がやるというならば、当然これは私立の場合も考慮しなければならぬ。ところが、私立の場合には、自動的に国が歳入欠陥を埋めることはできませんから、特別な方法を講じなければならぬ。この点は、私はやはり均衡論から見て必要だと思うので、一つ大臣にも、しばしばお伺いしておりますが、何とかもう少し積極的におやりになるような考え方はありませんか。予算上はこれはわずかな金であると思うのです。予備費とかいろいろなもので措置できると思う。これはきわめて少額の金だと思う。どうでしょう、大臣。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 私立学校に対しては、とにかく現在のところでは、私学振興会の方の融資によってやるということ、並びに特定の学生に対しては、育英資金をもってそれぞれ貸与するというようなことよりほかには、全般的に公立学校などと同様の扱いはいたしかねるかと思います。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 私は、まことにおかしいと思う。まことにおかしい。これは、事はあるいは小さい問題かもわからぬが、そういう観念がいかぬと私は思うのです。なぜかといえば、免除してやるというのは、現実にその分だけを国が補償するということなんです。ところが私学振興会あたりから融資をするというのは、これは金を返させるわけです。それがまた融資をしたって、必ずしも学校がやるとは限っていない。そういうふうに取り扱うなら、なぜ官学だけをやるか、なぜ国立だけをやるかということです。そういうところに私は一つの矛盾があると思う。教育を受けている者は、公立学校でも、国立の学校でも、私立学校でも、同じ立場なんだ、災害を受けている程度も同じだ、ということならば、平等に取り扱うのが正しいと思う。それをやらないのは、極端に言えば、私は一つの怠慢じゃないかと思うのです。私立学校にその災害復旧についての助成を何ぼ与えるかという問題とは違うのです。これは本質的に違う。私立学校であれば、個人の、あるいはそういう企業体の経営する一つの事業と見られるというところに、いわゆる公のものとは若干の差があってもいいのじゃないかという論が出てくると思うのですが、これは学校に対してやるのではない。経営者に対してやるのではない。教育を受けている学生、生徒に対する授業料を免除してやろうということだから、どこにも国立、公立と私立を分け隔てをする必要はないのです。やるならば同じようにやる、やらなければ同じようにやらぬ。だから一方に与えて、一方にやらないというようなことは、私は、これは行政上の一つの怠慢だと思う。そういうことを見のがしておいてはいかぬと思うのです。だから私は、事はこまかいかもわからぬ、金は大して必要でないかもわからぬが、しかし、取り扱いとしては、これこそ平等にやっていかなければならぬという持論を持っておるのです。前々から、災害のつどそういうへんぱなことがあるから、こういう異常災害の際こそその姿を改めて、将来、国立にやる場合には、公立に対しても、私立に対しても、免除できるような措置をこういう機会に講ずべきだということを主張しておるのです。だから、大臣の今のお話では、私はこれは納得がいきません。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 この授業料の免除については、公立学校も私学校も生徒として受けるわけだから、これは平等に支出しなければならぬではないかという点につきましては、私も一つの理屈であると思います。さりながら、国公立学校と私学校とはまたおのずから異なるものである。これは生徒であるからというが、生徒も進んで、公立学校があっても、私学校に行っているわけであって、私学校というものは設置者の人となり、あるいは教育に対する抱負なり方針なりがあって、そこに一つの特色というか、あるいは校風というものがある、それを慕って進んで自発的にいくわけであります。私は、そうした私学校における校風とか特色というものは、むしろ伸ばしていきたい、伸ばしていくべきものであるというふうに考えておるわけでございます。従って、民主主義下における独立、自主、自尊の観念を植え付けていかなければならぬというような考えで立っておる学校におきましては、むしろ設置者としても、また学生の父兄にしても、そうしたものを免除されることをがえんじないような気持があるのではないかとさえ、私は考えておるわけてす。あなたのおっしゃる点もまことに一理あることと思いますけれども、すでに初めから国公立学校と私学校とはおのずから異なっておる点がありますので、それにはそれだけの理由もあるのであるからという点から申しまして、これは、はなはだあなたと意見は違いますが、私の考えとしては、授業料免除をむしろいさぎよしとしないのではないかというふうに思います。

辻原弘市日本社会党

○辻原小委員 大臣、騎虎の勢いでそこまで考え方が発展したわけですが、私は、ここで論争するということは趣旨でありませんので、それについて、いわゆる私学論争をやろうと思いませんけれども、しかし、現実に愛知県、あるいは岐阜県、三重県等においては、私学がやったことについて、今の私学の現状から考えてみれば、これは私学だけにまかしておくべき問題でないというので、県が財政上の措置をしておるのです。大臣の今のお考え方でいけば、そういう問題をやるということは、少しおかしいじゃないかということになる。しかし、私は授業料の免除という問題は、必ずしも私学の本質の問題とは違うと思うのです。さっき私が前提に申し上げたように、これが経営に対する補助であるとか、あるいは施設に対する復旧であるとか、直接経営者側にいく国の補助であるならば、公立、国立との間に若干の相違点のあることは、私どもも認めておるからこそ、今度の特例法においても、そういった補助率についてのそれぞれの差異について、われわれはそれもある程度認めておるのです。しかし、この授業料については、そういう問題ではないという理由のもとに私は申し上げておるのです。しかし、今はこれを論争する問題ではありませんから、現状に立って十分考察をされて、できるだけの措置を文部省においても積極的におとり願いたい。私どもも必要を感じまして、私学については何らかの所要の立法も必要かと思って出しておりますので、その点については、われわれはわれわれとして独自に検討いたしたい。  以上で終わります。

三田村武夫自由民主党

○三田村小委員長 渡海元三郎君。

渡海元三郎自由民主党

○渡海小委員 自治庁当局に、簡単に二点お伺いいたします。私は、今回の災害に対しまして、建設あるいは農林当局におきましてとられました措置をながめておりますと、特例法の指定する災害の地域に対しましては、団体指定ではなくして、地域指定という方針でやられておるように承っておるのであります。そうなりますと、政府の出しておられます公共団体の起債の特例に関する法律案の第二条並びに第三条におきまして、団体を意味する文字を地域と改めることによって、これらとの関連の均衡がとれるのではないか、修正するのが至当ではないか、かように考えるのでございますが、この点に関する自治庁当局の御意見を承りたい。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奥野政府委員 起債等特別法案を提出いたしました際には、地方団体の行なう事業につきまして国が高率の負担をする場合には、その団体の全事業について行なわれるという予定のもとに提出をいたしたわけでございます。ところが、その後公共土木施設、災害復旧あるいは農業施設災害復旧等におきまして、御指摘の通り、必ずしも地方団体の全域について高率負担をいたしませんで、その一部の区域を限って国が高率の負担をするというような扱いが行なわれるようになって参ってきているようでございます。いわゆる激甚地指定を特例法案についてどう行なううかということにつきましては、先般もお答えを申し上げたわけでございますが、一応の基本的な考え方をとりながらも、他の法案において激甚地指定が行なわれる場合には、それに完全に合わせていきたい、かように申し上げて参っておりますので、他の特例法案におきまする激甚地指定が、地方団体の区域の一部になりました場合には、ただいまの特例法案では不備になって参るわけでございます。そういうような点から「地方団体」とありますのを「地方団体の区域」というように国会において御修正いただくことを希望いたしているわけでございます。

渡海元三郎自由民主党

○渡海小委員 さらに一点お伺いしたいのでございますが、今回の被害激甚地の高率補助適用地域の指定につきまして、いわゆる混合方式というものが用いられまして、混合方式を採用する基準といたしまして、当該市町村における標準税収入と当該市町村の地域からの県税収入、この両者を算定するというふうに聞いておりますが、当該市町村の県税収入の算定の方法は、おそらくいわゆる県税の標準税収入との按分方式といいますか、それによって出されるんじゃないか、すなわち、全県の市町村の標準税収入の合計額に対する当該市町村の標準税収入の按分率というものによってこれを計算するんじゃないか、かように聞いておるのでございますが、その場合、法人税割、あるいは法人事業税等は、特殊な地域に非常に偏在するものでございますから、これも一括して按分した場合においては、実情に合わない。むしろ、法人税割あるいは法人事業税というものに対する県税収入に対しましては、区別して計算するのがより当該市町村の実情に適合するのじゃないか、かように考えるのでございますが、これを区別して算出されますかどうかこの点お伺いいたしておきます。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奥野政府委員 いわゆる混合方式の議論が起こりました場合に、府県税収入を市町村ごとに区分するということは不可能だと申しておりました。従いまして、混合方式をとろうとする場合には、府県税収入を市町村ごとに区分する場合に、一つの推定による以外に方法がないだろう、かように考えておったわけでございます。その推定の方法として、人口に按分するとか、あるいは市町村税に按分するとかいう方法が考えられるだろう、こういうような議論をいたしたことはございます。しかし、大体府県の税収入を市町村の税額に按分するんだというような考え方が固まって参りましてから後、それじゃ具体的にどう按分するかということについては、まだ議論をいたしたことはございません。しかし、御指摘のような問題があるわけでございまして、いずれにしましても、府県の税制と市町村の税制とは仕組みが違っているわけでございますので、按分したからといって、正しい推定になるわけのものではございません。もし正しい推定をしようといたしますならば、同種の府県税収入について同種の市町村税で按分するというようなやり方をすべきだろうと考えるのであります。その場合には、法人事業税収入や府県民税の法人税割収入は、市町村民税の法人税割収入額に按分する、その他の税額は、その他の市町村税額に按分するということが考えられるだろうと思います。若干この場合には手数がかかってくるということになるのではないかと思いますが、両方の長短を検討して決定すべきものだと思うのでございまして、せっかくのお話もございますので、いずれ決定されまするまでには、自治庁といたしましても一つの意見をまとめてみたい、かように存じておるわけであります。

三田村武夫自由民主党

○三田村小委員長 中井徳次郎君。

中井徳次郎日本社会党

○中井(徳)小委員 大へんおそくまで恐縮でございます。私は、簡単に二、三点だけお尋ねをいたしたいのでありますが、その前にちょっと文部省の皆さんに……。先ほどから皆さんと太田君や辻原君との問答を聞いておりますと——実は私は、地方財政の方につきましてはいささか研究をしておる者でありますが、公立学校の管理につきましては、文部省のことでありますから、教育の内容とか教職員その他に対するいろんな施策とかいうことについては、皆さん相当御研究のようでございますけれども、実際公立学校の管理だとか新設だとかいうふうな問題については、地方の過去十五年の歴史から判断してみますと、率で表現するのはおかしな話でありますが、自治体の仕事の少なくとも三分の一程度は、学校の維持経営に頭を使うておる。しかるに、皆さんの返事を伺っておると、どうもその辺のところが何か隔靴掻痒の感があるように思えてなりませんから、ちょっとお尋ねするわけです。今そういうことをやっておりますのは、文部省の監理局の中のどういう課でございますか。

齋藤正文部事務官(大臣官房長)

○齋藤(正)政府委員 公立学校の維持経営に必要な財政的な問題を取り扱いますのは、ただいま問題になっております学校の建築につきましては、監理局の助成課でございます。給与その他の問題につきましては、初等中等教育局の財務課というところで担当いたしております。

中井徳次郎日本社会党

○中井(徳)小委員 助成課とか財務課とかいうふうに分かれておるのですか。それ以外に、何かそれを総合的に見える全般的な財政課というふうなものは、監理局の中にないのですか。

齋藤正文部事務官(大臣官房長)

○齋藤(正)政府委員 文部省の組織の考え方といたしましては、建物の点が監理局に入っておりますが、初等中等教育に関する財政的な全般を見るのは、ただいま申しました財務課でいたしております。

中井徳次郎日本社会党

○中井(徳)小委員 そういたしますと、たとえばPTAの会費が高いとか、ある府県のある市の教材費がべらぼうに少ないが、これはどうするかというふうな問題は、一体どこで扱っておるのですか。

齋藤正文部事務官(大臣官房長)

○齋藤(正)政府委員 ただいまお話しの父兄負担の問題につきまして、これを公費でどう取り扱うかという問題につきましては、ただいま申し上げました財務課で取り扱っておりまして、具体的に申しますれば義務教育国庫負担金の教材費との関連が起こってくるわけであります。

中井徳次郎日本社会党

○中井(徳)小委員 そういうことについて、先ほどから激甚地の話がございましたね。激甚地の指定と今度の公立学校の災害とは、ちょっと基準が違うんだというふうなお話でございましたが、それはどういうことで違うのでございましょうか。その根本の趣旨を聞かせていただきたいと私は思います。

齋藤正文部事務官(大臣官房長)

○齋藤(正)政府委員 これは先ほど担当の監理局長からもお答えしたのでございますけれども、私たち、今回の立法をいたします際に、当初お尋ねの点を検討したのでございます。すなわち、要するに、地方団体が設置、経営いたしますところの公立学校等の災害につきましては、これは財政が同じでございますから、公共土木と合算していたすべきか、すなわち二十八災の方式を用いるべきか、あるいは学校だけを取り扱うべきかについて検討いたしました。その結果、先ほど申し上げましたように、私どもの考えからいたしますれば、公立学校のすみやかな復旧をはかりますために、学校の被害の状況というものは、学校特有に全国的に分布をされておる。そうして総体的には公共土木等と考え方を同じようにしながらも、別の基準を立てた方が、学校の復旧の実態に合うのではないかということで、先ほど申し上げましたような案を立てたわけでございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井(徳)小委員 どうも今の話などを聞きますと、一向私はわからないのでありますが、やはり教育についての財政はだれがやっておるかということについて、皆さんに総合的な御判断をお願いしませんと、今のお話などはまるで御都合主義のように聞こえるのであります。どうですか。たとえば一例を申しますが、道路も橋梁も大した損害はない。しかし、学校のかわらだけはみんな飛んじゃって、ガラスもばらばらにやられてしまって、惨たんたるものである。これは雨が少なくて風が多かったところであります。私は現実に知っています。それは皆さんの場合には、確かに入るわけなんです。ありがたいことだけれども、それは確かに入ります。それじゃ村当局、市当局とすればどうかといいますと、ほかに別にやることがないんですね。たとい一千万円の損害であっても、それだけなんだ。ですから、その市町村は一千万円の負担を何とかすればよろしい。ところが、一方学校は残ってはおる。しかし、道路もやられ、海岸堤防もむちゃくちゃにやられて、学校の損害は百万円程度ではあるけれども、市や村としては、その百万円も全然出せない。あとにうんと大きなものがたくさんある。だれが出すんですか、そういうときには。やはり一緒に考えていただかないと……。私は、いわゆる激甚地指定というのは、そういうことであろうと思うんです。みんなばらばらにしてしまったら、この激甚地指定という精神が、末端へ行ったらまるで死んでしまうように思うのでございます。この辺のところについて、どういう調節をお考えになっておるのか。それは、教育委員会は確かに独立はいたしておりますが、財政はかかって市町村が持っておるのでありますから、教育委員会にしてみれば、文部省はそういう得手勝手なことを言うが、市町村の方では、文部省は一向こうだということで宙ぶらりんになってしまうんじゃないかと思うのです。もっと皆さんの側としては、財政を見た場合には、やはりうしろから教育委員会を応援するごとき態勢をとらねばならぬ。それはやはり自治体の財政を通じてやらなくちゃ、私はいけないと思うんですが、この辺のところについての文部省の皆さんの、地方財政に対する考え方をもっと検討してもらいたい。私は、先ほどから監理局長さんの話なんかを一々聞いておりまして、なかなかどうして皆さんは大蔵省との問に折衝をなさって、適当な率をとっておられて、学校の新築にしても何にしても、皆さんの基準が三千二百円の時代には、実際には四千五百円かかるというのが日本の実情なんです。それで、いかに自治体が苦労しておるか。六三制のときには、村長さんなんかずいぶん自殺をしました。学校の校長さんは死んでおりません、財政の問題なんかでは。そういうふうなことについて、もっと私は突っ込んだ御研究が願いたい。それで先生方は初等中等教育局だ、建築は助成課だ、土地はどうだ、そういうことをどこかでまとめるところを私は皆さんの機構の中でぜひ作ってもらいたいと思います。ちりぢりばらばらですが、下へ参りますと、一緒にしなくてはなりません。一般の仕事は何もなくても、教育のことだけは自治体は残るのでございますから、それの管理を——今日の自治体で教材費その他を調べてごらんなさい。全国では非常な差ができておると思います。そのことだけを皆さんに対するお願いといたします。  それから今度は、自治庁にお尋ねをいたします。これもいい悪いというような基本的な問題よりも、むしろ事実の問題でございますが、災害の関連事業ですか、いわゆる改良工事に対する府県市町村の負担部分につきましては、どの程度起債で見るのですか。起債は全額見てくれるのですか。それは原形復旧に対する負担部分の起債との関係ですが、同様に見られるのでありますか。その辺のところを伺ってみたいのであります。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奥野政府委員 いわゆる改良工事といわれております中に、二つあるだろうと思うのであります。本来ならば原形復旧だけれども、法律の言葉で言いますと、原形復旧工事が不適当でありますとか、困難でありますとかする場合には、改良工事全体を復旧工事とみなす、こうなっております。そういう場合には、災害復旧事業費の地方負担についての起債の取り扱いをいたして参ります。従いまして、災害のありました年度におきましては、一応負担額の全額を起債でまかなえるようにする建前をとっております。過年度災害になって参りますと、七〇%の充当率ということにいたしておるわけでございます。もとより災害がきびしいところにおきましては、若干充当率を引き上げるという取り扱いにいたしております。なお、関連工事ということになって参ります場合には、国が関連の公共事業として扱っているわけでございますので、地方債も公共事業に伴う地方負担額についての地方債の充当という形で処理して参っておるのでございます。関連工事の場合には、やはり災害の起こりました年だけは、原則とてし一〇〇%地方債をつけたい、こういう考え方を持っております。次年度からは、一般の公共事業の地方負担に伴います地方債の充当と同じでありまして、ことしは、全体といたしまして四五%という充当率で地方債計画を立てたわけでございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井(徳)小委員 そういうことになりますと、今回の伊勢湾台風で非常な災害をこうむりましたが、その中でたまたま関連工事、改良工事としてまじめに工事をやっているところは、非常に助かっておるのであります。二十八年の災害でやられました中でも、工事の仕方が悪かったところはだめでございます。しかし、まじめな工事をしたところは、大体助かっているのでありますから、今後もそんな原形復旧ではいけないというのが、政府の大方針でもあり、世論でもあり、また、現地の住民の熱烈なる要望でもあるし、同時に府県市町村等もぜひそういうようにしてもらいたいということでありますが、今お話を承ると、初年度は一〇〇%だ、しかし、次年度からは七〇%になる、あるいは四五%になるというふうなことになりますと、初年度に一〇〇%みんなできてしまうものならばよろしゅうございますけれども、大工事になりますと、そういうふうなわけには参りませんが、その辺のところはどうなるのでございますか。認定さえ受ければ、完成をするまではずっと一〇〇%つくものであるか。その辺のところをちょっと……。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奥野政府委員 中井さんは大へん詳しいので、あるいは饒舌になるかもしれませんが、基準財政需要額を算定して参りますときに、一応あるべき財政需要額の算定ということにいたしております。しかし、災害復旧というものは予測できないものでありますから、算入いたしておりません。従いまして、これにつきましては地方債を原則として一〇〇%つけ、さらに元利償還額を基準財政需要額に算入して参ります。しかし、一般の公共事業につきましては、河川の費用だ、道路の費用だということで、基準財政需要額に算入いたしておりますので、やはりそういうような一般財源でまかなってもらいたい。しかし、災害のあった年だけは、特に災害の関連の工事なんかになって参りますと、そういう予定の財源がございませんので、一〇〇%地方債をつける、こういう考え方に立っておるわけでございます。なお、災害の場合にいたしましても、次年度以降は比較的安定もしてくるわけでございますので、災害復旧の事業分量というものを、年度当初に予算を組むときにすでに予見もできるわけでございますので、あとう限り一般財源をつぎ込んでもらって、健全な運営をしてほしい、こういう考え方をとっておるわけであります。そういたしましても、災害の激しいところにおきましては莫大な負担に上っていきますので、なかなかやりくりがつきにくいかと思います。そういう意味で、先ほど申し上げましたように、平均して過年度災害は七〇%の充当率を用いたわけでございますが、ことしの例で申し上げますと、たとえば静岡につきましては、昨年度大災害が起きておりますので、充当率を九〇%に上げております。従いまして、そういうように一応の原則を考えておりますが、団体の実態に合いますように、あとう限りの工夫はいたして参りたい、こう存じております。災害関連のいわゆる公共事業になりますと、先ほども申し上げましたように、原則として一般財源でやってもらいたいという建前をとっておりますので、次年度になりますと四五%に下がってしまうわけであります。これもやはり今度の愛知、三重のような海岸堤防の大工事になって参りますと、そのこと自体に莫大な負担になりますので、よほど私たちの方でも工夫をいたして参らなければならないだろうというふうに存じております。

中井徳次郎日本社会党

○中井(徳)小委員 今一例を海岸堤防にとっておるわけでありますが、海岸堤防以外にも、道路、学校その他たくさんあるわけでありまして、あなたの御説明によると、七〇%とか四五%とかいうのは、結果としてそいう数字が出たのであって、実情に応じて来年は考えていく。しかし、結果として昭和三十年度はそれでおさまったというのであれば、私も一応わからないわけじゃないのでありますが、この点は実はこういう臨時国会の開かれる前に、私は石原氏と問答したのでありますが、大体三・五・二なんという数字をだれが出したのだ。来年の五月、田植えをどうしてもしなくちゃならぬという場合には、五月までに一〇〇をやらなければいかぬじゃないかという質問をいたしたところが、政府は、三・五・二なんということは前から言ったことはない。しかし、実際に予算に組んでみると、そうできないから、こうなったんだというふうな答弁が実はあったわけです、十月の初めに。それはそれとして私はいいと思いますが、そのおつもりで政府首脳部がおるのならば、末端までそれでいってもらわなければいかぬ。ところが現実には大蔵省の査定官、建設省の査定官が現地へ行きますと、ことは三だからこうだ、ことしは五だからこうだということになりまして、そこに争いがあるわけですが、賢明なる財政局長でありますから、私は、この災害の起債その他財源措置の問題については、一応あなたの御答弁で了解をします。  ただ、今後の問題がありまするので、そういうことで政府が財源を起債という形でごめんどうをいただきましても、その起債の額が非常に小さいならばそれでいいわけでありますが、これは三重県の一つの例ですが、三重県で海岸堤防をいわゆる改良工事でやろうと思えば、三百三十億という数字だそうです。そういたしますと、改良復旧は八割国が出すんですか、八割ということになりますると、二割だけが県の負担ということになってくる。この二割だけでも、一つの県としては六十六億の起債ということになってきますので、この六十六億の起債は、今の御議論から見て、つけるでありましょう。それで、この償還はどうなるかということに私はなってこようと思うのであります。この償還等について、今の府県の窮屈な財政の中におきましては——三重県等は税収入は一年に二十三、四億、多くて三十億くらいでございましょう。隣の岐阜県のごときは二十四、五億ということになりますが、これの二年半分の借金を、海岸堤防だけで、政府がお世話していただいてありがたいのでありますが、負うことになる。それの利子も計算して、償還しますまで大体百億をこえるそうでございますが、その二十五億から三十億くらいの税収入のところで、百億をこえるような負担になると、これの措置を一体どういうふうに考えてもらえるんだろうかというのが、現地の自治体の非常な心配事ではなかろうか、こう私は思うのであります。この点は、私は一例を三重県に置きましたけれども、これは奈良県においてしかり、岐阜県においてしかり、愛知県においても、これまで大いに黒字を誇っておられましたけれども、こういう問題が残ろうと思います。どうもこれまでの議論を聞いておりますると、起債で措置した、ありがとうということでありますが、今三重県で赤字で非常に困って、職員のベース・アップもとめておりますのは、実はこれであります。これのしわ寄せがことしあたり出て参るということでありまするので、将来改良工事その他の府県負担分のお世話を願った起債に対する償還その他についても、皆さんの見通しを私は一応伺っておきたいと思うのであります。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奥野政府委員 今回提案されております伊勢湾高潮対策に関する法案によりますと、御指摘になりました改良工事というものは、原形復旧でなしに、さらにかさ上げして復旧するものと、それらに関連した工事と二つ合わせて規定しているわけであります。おっしゃいました数字は、おそらく全体の数字を言っておられるのではないか、こう思うのでございます。そしてその災害復旧扱いできるものについては、災害復旧並みの国庫負担率でいき、関連工事のものは、いわゆる八割の負担率を適用していくということになっていくと思います。従って、高潮対策の経費も、災害復旧として扱われる部分についての改良工事、これについては、地方債も災害並みの扱いが当然行なわれていくと思います。従いまして、その部分につきましては、元利償還額の九五%が基準財政需要額に算入されて参りますので、地方税がふえませんければ、地方交付税が増額になっていくということになろうかと思います。災害復旧とみなされない純然たる関連工事の場合には地方債の発行は認めましても、その元利償還額を当然基準財政需要額に算入していくという措置はとれないわけでございます。従いまして、今後そのような問題の結果、三重県の財政が全体としてどういう推移をたどるだろうかということを考えまして、それに対応した措置を工夫して参らなければならないだろう、こう思うのでございます。その事業だけを引き出して、どういう措置をするということでなしに、三重県の財政全体の問題になってくるのではないか、かように存じておるわけでございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井(徳)小委員 ちょっとあなた、私もずさんな話をようする男でありますが、今の話は、復旧費はまた別なんだな。私は資料を調べてみましたら、復旧費は百七十一億、それプラス改良費が三百三十億、だからみんなで五百億かかる。その百七十一億というのはまことはありがたいことだが、実際の県の負担が一、二億、せいぜい多くて四億というふうなことになるようであります。ところがこの三百三十億の方が、六十六億という数字になるのです。それは認定で、改良復旧も原形復旧と同じように認定するといいますが、これは二十八年も大いにやりましたが、なかなか困難であります。しかも復旧の百七十一億たけでは、また災害があったらやられるのですから、実質上はプラス三百三十億どうしてもやって、ネコの手のようなことをやらないことにはとてもだめです。これをやりますと、二〇%では六十六億円かかる。それについては、特別交付金とかいろいろ計算しますと言いますが、今特別交付金の中に入っておりますものは、非常に率が少ないようです。今どういう計算の基礎になっておりますか。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奥野政府委員 特別交付税は、公共施設の災害復旧事業費の二%を原則にいたしております。それと災害救助法の補助基本額の二〇%、これも原則でございます。その合算額を配分するという建前をとっております。なお、伊勢湾高潮対策の事業費につきましては、これはまだどこまでかさ上げするかということにつきまして、政府部内にも激しい議論の対立があるわけでございますので、私も正直のところ、幾らに落ちつくものかについての、はっきりした見通しはもとより持っておらないわけであります。

中井徳次郎日本社会党

○中井(徳)小委員 よくわかりました。この三百三十億は、政府の見解をもってすれば、これは二百億でいいとかなんとかいうことがあり得るかもしれません。しかし、二百億としましても四十億、そこで、それに対する起債はつけていただいてありがたいが、来年からどうしてくれるか。特別交付税だ。その特別交付税が、今の御説明では公共土木災害は二%ですか、そういうことでは追っつかないのです。それを改められる御計画があるのかどうか。私は、これは通常国会の問題になると思います。今の問題ではありませんが、今からよくそういう点を御判断濃いたいと思うのです。その点、特別交付税で災害分として配分される分が、そういうことでは非常に私は不安です。県自体としても、実際のところは、住民の要望が徹底した改良復旧である、こういうわけですね。しかし現実は、去年から今年にかけましては、国が国費で道路の改修だなんかやるといいましても、市町村が財源難でこれを返すという形が出ています。ことに赤字県などはそういう形でありますが、これができなくなる。三重県がまじめに赤字財政解消のために努力しようと思えば、この改良復旧は、政府がやれやれと言ったって県は受けられないというふうな、非常な矛盾が出てくるわけなんです。この点について、特別交付税で措置をするとおっしゃるが、どういうふうにやってもらえるか。これまでの二%ではとても足りません。どういうふうに考えておられるか、この点を伺っておきます。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奥野政府委員 私たちは、一般財源で直ちに措置をしていかなければならないような性格のものについて、特別交付税の増額配分を考えているわけであります。災害復旧事業費というような建設的な事業費になって参りますと、それはさしあたっては地方債でまかないまして、それを後年度に分割して負担をしていけばよろしいんじゃないか、こういう考え方に立っておるわけであります。具体的に申し上げますと、災害のありましたときには、租税その他の減免を行なわなければなりません。その減収補てんの問題が起こって参ります。さらにまた、災害諸救助対策、災害救助法の地方負担分もございますし、あるいは独自に見舞金その他のものを支給していくというような問題もございますので、それらのもろもろの諸救助対策、一般財源でまかなっていかなければならないようなもの、そういうものに充てることを予定いたしまして特別交付税を配分いたすのでございます。先ほど申しましたような基準で計算いしますと、大部分六十億から七十億くらいの金額になるだろう、こう考えておるわけであります。またそれだけのものがつけば、今申し上げますような性格のものは大体においてまかなえるのではないか、こう思っております。従いまして、御指摘のような関連事業でありますとか、そういうものにこの特別交付税を充てるということは、全然考えてはいないわけであります。

中井徳次郎日本社会党

○中井(徳)小委員 そうなりますと、あなたのような議論になるとこれはできませんね。この関連工事というようなことはどうなりますか。これはあとの財政で長期にけつをふくのだといわれても、それが六十六億になると、十年年賦なら元金だけで六億六千万、利子を加えますと大体十億返さなければならない。計算してみますと百六億返さなければならぬ、こうなります。その税収入が一年でせいぜい三十億、多くて三十億です。その中で、今もう百億あるんだ、二十八年の災害その他で百億ばかり起債があって、毎年十五億返しているわけです。さらに十億ふえたら、税収入全部を公債費の償還に充てなければならないというふうな、ひどいことになってくるのですが、これはどうですか。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奥野政府委員 災害関連工事につきましても、災害の初年度は、地方負担につきまして原則として一〇〇%起債をつけていきたい、こう考えておるわけでございますから、さしあたりはやっていけるわけでございます。もしお話しのように、数年間のうちに三重県が六十億というような負担をしなければならないということになりますと、これはとても通常の措置では、私は済まされないと思います。また今度のような大災害で、地方団体の負担分が激増して参ったものでございますから、もろもろの特例法律が出されていると思うのでございまして、もし今のような姿でありますと、特別な、三重県についての措置を考えていかなければならない事態になるだろうと思うのでございます。いずれにいたしましても、高潮対策につきましての工事がどのような姿になっていくかということを見きわめました上で、必要な措置は工夫しなければならないだろう、こう考えるのでございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井(徳)小委員 あまりくどくは言いませんが、特別の措置をといって、どういう形で講ぜられるか、今の見通しを一つ伺っておきたい。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奥野政府委員 基本的には、私たちは、事業ごとの国庫負担率を高めていくということだろうと思っております。ただ今回の高潮対策のうちで、どれまで災害復旧事業費に入れるか、どれから先を関連工事に入れるかということによって、負担率が非常に違って参るわけでございまして、今年、私たちが承知しております数字から見て参りますと、大部分が災害復旧事業になっているようでございますので、先ほど八割と言われました率というものが九〇何%かになるのだ、こう私たちは心得ておるわけでございます。しかしながら、今後の計画が具体化するに伴いまして、どういうような率になって参るかまだわかりませんので、それらの問題を見きわめた上で工夫をしなければならないだろう、かように考えておるわけでございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井(徳)小委員 私が言っておりますのは、当面を糊塗するような御返事では困るので、率直に言うと、復旧費だけでも百七十一億かかるのです。それも復旧費だけでは何にもならぬので、何か改良費を加えないことには役に立たぬ。それで県の計算では三百三十億だが、約五百億の工事費になる、それで私は心配するのは、災害のときは、こうやってわれわれもわあわあやります。しかし済んだら忘れてしまって、残されたのは県の赤字だけ、こういうのがこれまでの地方の姿なんですね。地方住民も、りっぱな堤防ができたら、それであとは、それはだれが負担して、どうしたのだというようなことは忘れてしまって、残るのは府県、市町村、こういうことになりまして、御案内の通りの地方財政でありますから、あなたは将来といえども事業費その他の率を上げると言ったところで、その地元負担が、たとい一割でも二割でも、もう負担する能力さえないというふうに圧迫されてきますと、何ともしようがない。経営費を節約するといったって限度がありますから、この辺のところは、何か法律的な措置なり、交付税その他のやり方を、内容等を変えていかないことには、この伊勢湾台風のような大きなものを——これは単に私は三重県のことを言うていますが、もう予言しておきます。奈良県、岐阜県、長野県、山梨県と、必ずくると思います。これは知事や県会が、まじめにやればやるほど赤字になる。これが今の地方財政なんです。これを私は今この臨時国会でやれとは言いませんが、通常国会にそれに対する対策を考えておかないことには、私は大へんなことになりはせぬかと思うのです。百七十億、三百億、これはしかし県のことですから、倍にも書いておりません。三重県というのはまじめな県で、公立学校の損害幾らといったら、八億七千万円というような数字を出しておりましたが、そういう県ですから、これはうそじゃないと思うのです。たとい半分にしたって三十三億ということになる、これは大へんです。一年の税収入以上の負債ということになりますから、これについて、やはりそういう府県は、少なくとも来年あたりから十県あまり出て参りますから、今から対策を考えてもらわねばならぬと思うのであります。岐阜県なんかは、非常にまじめな県で上手にこれまで運営されておりますが、私はもういけないと思います。今度の災害でもって何もしないのならばいいですけれども、仕事をまじめにやって武藤知事時代に作った橋や何かをぴちっと補修をしてやったら、一ぺんにこういう事態が起こる。それはことしの財源措置は起債でけっこうでしょう。しかし、その償還がきたときに非常な窮屈なことになりますから、それで今どういうことを考えているかということを念のためにもう一度お尋ねをして、あなたの見解を尋ねて、同時に、きょうは私はこういうことでありますから、大臣その他の出席をあえて求めませんでした、あなた方のところでこれから事務的にまじめに取り上げていただいて、そうして通常国会に間に合わしていただきたい、かようにも思いまして、私はあなただけ来てもらって尋ねておるわけでありますから、そのことも含めて一つ回答を願いたいと思います。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奥野政府委員 今回の災害につきまして、この復旧事業をどうするかということについては、党の方では、大へん高率な国庫負担をしていかなければならないというような考え方をいち早く出していただきましたが、政府部内の話し合いでは必ずしもそうではなかったのでありまして、地方財政がよくなっているではないかというようなこと、あるいはまた、二十八年災害と比べると、今回の災害の方が公共施設の災害復旧事業費としては少ないじゃないか、あるいはまた地方交付税を相当補正予算で増額できるじゃないかというようなことから、特例法に反対的な意見もかなり強かったのであります。そういう際に、一貫して私たちは、御指摘のように本来の、毎年起こるような災害の規模の地方負担額とは比較にならない莫大なものを負うことになる。かりにさしあたりは借金でまかなっていきましても、将来それは返していかなければならぬわけでございますので、今に必要な財源措置をしておかなければ、再び地方財政が混乱をしてしまう。従って、あくまでも高率負担の特例法を作るべきだ、こういう主張をして参ったわけでございます。幸いにして二十八年災に準じた特例法が設けられることになりまして、相当な部分については、国がその負担額を引き上げるというようなやり方をしてくれたわけでございます。従いまして、これによって相当の部分は解決を見ておると思います。しかしながら、莫大な地方債に今後なお依存していかなければならないわけでございます。そうしますと、その元利償還額についてどう手当するかということでございまして、これは毎年地方財政計画を立てて、元利償還額がどうふえていくか、それに対してどうするかということで手当をして参るわけでございまして、一応特例法が制定されるということで、今年度における措置はできたかと思うのでございます。問題は、地方債の元利償還額がふくれていくが、その年その年の措置を地方財政全体としてどう処置していくかということは、今後になお残されておる問題であります。それはその年その年において、地方財政計画の樹立を通じて解決を考えなければならない問題であろうかと思っております。もし地方財政計画というものが適正に樹立されますならば、地方交付税の配分を通して個々の団体の必要な財源は保障されていくだろう、かように考えておるわけでございます。  なお伊勢湾高潮対策の問題につきましては、先ほどもちょっと申し上げたわけでありますが、いろいろな数字が実はあるのでございます。また、どこまでかさ上げをするかということで激しい対立があるものですから、政府部内で委員会まで作られておるわけでございまして、全体の数字につきましても、建設省の数字とか、大蔵省の数字とか、いろいろなものがあるわけでございますので、私たちが今ここでどういうような目途を持っておるかということになりますと、はっきりお答えをいたしかねるのであります。ただ、一応海岸堤防の復旧改良については、普通は三分の一の国庫負担率だ、それを今回の特例法で八割にする、こういうことになって参ってきておりますので、一応これで国庫負担率をおきめいただき、今後の推移によって、さらに必要な問題が起これば考えていくという以外にはいたし方ないのじゃないか、かように存じておるわけであります。

中井徳次郎日本社会党

○中井(徳)小委員 どうもわかりません。私はその対策を言っておるわけで、地方財政計画は毎年々々煮詰めていって、直していくのだというようなことを言われるが、これはもうきまっておるのです。やったら将来どうなるか、きまっておるのです。たとえば改良復旧を百億なら百億、二百億なら二百億やれば、四十億負担ときまっておる。その四十億は借金ですから、どういうふうにして返していくかきまっておるものを、その年その年全体をにらみ合わせぬことにはできないというふうな継ぎはぎの計画じゃ、困るじゃありませんか。どうなんです。私は県を例にとって話しているのですが、こういう県が、ことしの災害関係といいますか、非常にふえておるわけでございましょう。従って、きまっておるのですから、工事量がきまり、査定がきまり、どんどんやりますと、そういうことについての計画がなければ、やってみてその年になって計算してみるというふうなことでは、どうも答弁にはならぬように思うのですが、いかがですか。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奥野政府委員 私たちは、こういうように問題を考えております。まず第一に、災害が起こりました場合、その災害復旧事業をどう処理していくかという点でございます。これにつきましては、原形復旧じゃなしに、むしろ改良復旧を建前にすべきだ、こういう主張を繰り返して参ってきておるわけでございます。だんだんとそういうふうな取り扱い方が多くなって参ってきておる、こう考えておるわけでございます。その次に、それについての国庫負担、地方負担、これをどう考えていくかという問題でございます。大災害がありました場合には、地方の負担額も莫大に上るわけでございますので、この割合をある程度国の方に比重を置きかえてもらわなければならない、こういう考え方を持っているわけでございます。そういう点につきましても、今回は特例法が設けられて参ったわけでございます。自余の問題は、一般の公共事業、関連公共事業も同じ公共事業だと考えられると思うのでございます。その公共事業についての国庫負担率が現在のままでよろしいか、悪いか、こういうことになろうかと思うのであります。公共事業の分量が非常に大きく全体として伸びます場合には、やはりそれに対応して地方負担額がふえれば、それについての財源措置をどういう形でやるかという問題が当然起こると思います。それは国庫負担率の引き上げであるとか、あるいは交付税の引き上げであるとか、あるいは地方税の増額であるとかということになろうかと思うのでありますが、ただ現在起こっておりますのは、公共事業全体が非常に大きくなるという問題じゃなしに、特に三重県、愛知県等におきます災害復旧に関連した工事分量が非常に大きくなる、こういう問題になってきているだろうと思うのであります。従いまして、それについてはそれについてだけの国庫負担率を引き上げるという措置が今回とられて、その場合に八割でいいか、九割でなければならないか、九割五分でなければならないかという問題があろうかと思うのでございまして、これにつきましては、事業分量全体についての的確なものを今日なお決定し得る段階に至っていないものですから、さしあたりはこれでがまんをせざるを得ないじゃないか、こう思うということを申し上げているのでございます。なお将来も公共事業というものが特定の県に莫大になるのだということになって参りますと、そういう団体のあるべき財政需要額というものがそれだけ多いわけでありますので、交付税計算におきましても一苦労がいるかもしれません。あるいはまた、そういうものが全国的に非常に多くなるということになりますれば、それに対応する地方負担額というものを、財政計画で見ていかなければなりません。見られただけのものは交付税計算をして、各団体ごとに適正に配分していかなければならないということになるだろうと思います。そういうふうな原則的なことを御答弁申し上げたのでございまして、なお個々の問題につきましては、やはり個々に措置を工夫していかなければならないだろう、かように考えているわけであります。

中井徳次郎日本社会党

○中井(徳)小委員 今の答弁の中で、交付税の計算方法なんかも多少考えていかなければいかぬということがあったと思いますが、今公共事業の維持費といいますか、そういうものについてはどういう計算になっておりますか。交付税の中に入っておると思うのですが、どういう程度に入っていますか、ちょっとお尋ねします。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奥野政府委員 現在は、河川の公共事業費でありますと河川費、道路の公共事業費でありますと道路費、海岸堤防の公共事業でありますと海岸堤防その他の土木費という項目で算定をすることにいたしているわけでございます。それぞれ測定単位を使っておりますことは、御承知の通りでございます。ただそれだけでも必ずしも十分じゃございませんので、今回の改正で、面積基準で、それ以外に広く公共事業全体を推定するようなやり方をしようということにして、改正を行なったわけでございます。ただそれらの測定単位によりまして、的確にそれぞれの団体のあるべき財政需要額が完全に把握されているかということになりますと、やはり今後の事態の推移等々と見比べながら工夫、改善は加えていかなければならない、かように考えているわけでございます。ただ現実に、今それじゃどこをどう改正したらいいと考えているかということになりますと、別に具体的にどうするという固まった考えは今持っていないわけでございます。ただ三重県のことをお話しになりましたので、そういう問題が、継続的に相当な分量に上っていくということになりますと、やはりそれだけの財政負担ができるような工夫はしていかなければならないという、原則的なことをお答え申し上げているわけでございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井(徳)小委員 今のお話のような、公共事業の維持費というふうな面から考えましても、財源措置は一応起債でできた。しかし、償還については全然自信がないということなんだな、さっきからの質問をはっきり言うと。それをどうしてくれるか、こういうことなんです。その一つの計算として、たとえば海岸堤防なら海岸堤防の維持費の単価を将来直すのかどうか、そういうふうなことにだんだんとなってこようと私は思うのでありますが、そういう点についての柔軟性のある政府の態度というものがない限りは、災害を受けた県におきましては、仕事はしたいし、あとはこわいということなんです。率直に言いますと、仕事はしたいし、あとはこわい、ことし、来年はわあわあ言って過ぎるが、それからあとがこわい、これをどうしてくれるのだ。私はこの話は実に深刻な、しかもまじめな話だろうと思うのです。ただ木造の学校をコンクリートにせいとかなんとかいう、時の勢いではなくて、静かになってから非常に問題になることなのでありまして、この辺のところについて、政府は、まあやってみないとわからないというのがあなたの今のお話であるけれども、長年の体験のあなた方が、やってみないとわからないというようなことじゃなくて、これぐらいの金額になりますと——交付税、特別交付税その他の特定方式にまで影響があるということを考えていきたいものだから、くどくお尋ねをしておるわけであります。特に市町村は、御案内の通り、それは府県に比べると自主財源も多いのでありまするが、現在府県は、財政的にこれを見れば、ほとんど国依存の政治になっておる。そういう面から見ると、やはりこの点は、府県のまじめなる財務担当の人々の非常な心配であろうと思うのです。私は今日はそれを取り次いで——こんなことをあまりくどく申し上げない性格の男でありますが、きょう申し上げておるのはそういうことでありますので、皆さんにおかれても、この辺のところは十分御判断をいただかぬと、愛知県は日本でも優秀な富裕県だなんと言っておりましたら、とんでもないことになって、借金が一度でき始めますと雪だるまのごとくふえていく。仕事は、海岸の方面におきましては堤防の締め切りだけではなくて、今度は積極的に、いろいろな工業地帯その他のこともございますし、そういうものを油断をして、少しまじめにかたくやり過ぎますると、いつも問題になりまする戦災のあとの横浜の復興のごとく、非常に時間がかかってしまうというようなこともありまするので、この将来に対する見通しについて私はくどく申し上げておるわけでありまするから、どうぞ一つ交付税、特別交付税の算定、それからただ単に起債を一〇〇%認めるというだけじゃなくて、基本的な財源にまで掘り下げて議論をしていって、この辺のところの将来の心配のないように政府は措置をしてもらいたい、かように私は思うのでありますが、最後にあなたの見解を一つ伺っておきます。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奥野政府委員 高潮対策その他の問題につきましては、今後の推移を注視いたしまして、必要な地方財政措置に手抜かりのないように努力して参りたいと考えます。

三田村武夫自由民主党

○三田村小委員長 本日は、これにて散会いたします     午後四時五十九分散会

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