国土総合開発特別委員会 第8号
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- 1
- 開催日
- 1959/11/27
会議録
○寺島委員長 これより会議を開きます。 前会に引き続き、臨海地域開発促進法案を議題とし、質疑を続行いたします。 質疑の通告があります。順次これを許します。進藤一馬君。
○進藤委員 東京湾につきましては、帝都の眼前にあるために、非常に国民の注目を引いておるのでありますが、九州の有明湾につきましては一般の関心は薄いのじゃないかと私考えておりますが、この法案の趣旨であります、人口や産業の過度の集中排除をして、国民の地域的な所得の不均衡の是正をはかり、そしてわが国の経済規模の拡大をはかるという趣旨から申しましても、臨海地域の開発を考えるにあたっては、後進地域の開発促進という面に特に考慮を払う必要があるのではないかと思うのでありますが、これについて一つお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○中村(梅)議員 全くあなたの御意見と同感でございます。ただ、私どもといたしましては、あまりこういうような基本的な制度もできないうちに、提案者としての考えをまとめたり、あるいは述べたりすることはいかがかと思って差し控えておりますが、有明湾等につきましても、干拓の問題でありますとか、いろいろ議論はあるようであります。しかし、これらにつきましても、伊勢湾台風の災害等の実情にかんがみましても、やるとすれば、きわめて合理的な開発が行なわれなければならないと思いますので、この開発促進法ができましたならば、この法律の精神にのっとってそれぞれの研究が進められることになると思うのであります。この法律ができました暁における諸般の基礎的な調査及び企画を扱いまするのは、経済企画庁が、附則で定めておりまするように、担任することになると思いますから、それらの機関が、どこを指定地域として、国家的な見地に立って開発をすべきかということは、もちろん積極的に研究されることと思いますが、この種の制度ができますならば、各府県あるいは各地方ごとに、この法律に即した開発に適する地方等は、それぞれまたその方面からの呼びかけ等もございましょうから、それに従いまして、作業を担当いたしまする企画庁、あるいはその他の関係省、あるいは審議会等におきまして、十分具体的に最も適当な調査を進めて、しかるべき結論を得たならば、それらはまた指定地域として指定をされ、開発が進められる、こういうことになっていくものと考えておるわけであります。
○進藤委員 有明海地域の開発は、現在どの程度の進捗状態にありましょうか。また、締め切り地点というものが相当に考慮を要するものじゃないかと思うのでありますが、そういうことにつきましての計画をお聞かせいただきたい。
○藤巻政府委員 有明海の開発につきましては、地元の福岡、熊本、長崎、佐賀、大分の五県におきまして、昭和二十五年以来、有明海地域の総合開発協議会というものを設けまして、総合開発の調査その他推進をはかって参っております。また、私の方といたしましては、二十八年に有明海を調査地域に指定いたしまして、有明海の干拓地及びその背後地をも含めました農地の用水確保、あるいは防災の対策、海底炭の採掘等に関しまして、調査上総合的に調整を必要とする地域といたしまして指定をし、調査を進めで参っております。ただいま御質問のありました開発の構想につきましては、有明海総合開発協議会が、関係各省の出先機関の協力を得まして作りました有明海大締め切り計画というものが、一応はまとまったものと申せるわけでございます。この計画は、風水害あるいは潮害の防除、あるいは大規模な国土の造成によります農産資源の開発と、海底炭の開発、こういうような有明地域の開発の三大目標を同時に可能とする方法といたしまして、あの大きい有明海を締め切ろうというような非常に雄大な構想でございます。ただいままでのところ、この第一線の締め切り予定線といたしましては、口之津と引坂を結ぶ線、三角と貝崎を結ぶ線、長州と菅を結ぶ線、あるいは三池と竹崎を結ぶ線、こういうようないろいろの線が考えられておりまして、それぞれ調査が進められて参っております。現在までに約七千四百万円の調査の経費を投じて調査を行なっておるわけでございますが、今後は、これらの各線につきまして技術的、経済的にいろいろな検討を加えまして、特に防災的な見地及び海洋気象の問題、それから海底の地質等の状況、あるいは補償関係の調査、こういうようないろいろな方面にわたります調査を十分に行なって、有明海の締め切り計画を慎重に検討して参らなければならぬ、かように考えておるわけでございます。 なお、本年の四月に九州地方開発促進法が制定されまして、この法律に基つきまして九州地方開発審議会というものができておりますが、この審議会にも有明海部会を設けまして、今後有明海の開発につきまして詳しく調査を行なっていく、こういうことに相なっておるわけであります。
○進藤委員 場所によりましては非常に深いところもあるようですが、現在の日本の土木技術で開発が可能と見ておられましょうか。
○藤巻政府委員 先ほど申しましたような四つの線の締め切りということが考えられておるわけでございます。その四つの線のうち、外海に近い線ほど、海底の地質の状況はよろしいように考えられておりますが、水深が一方深くなって参ります。また他方、水深の浅いところは、有明海に流れ込んでおります各河川から泥が搬出されまして、これが堆積いたしておりますために、海底の地質の状況は、非常に重い堤防を作るということについて多少の危惧があるわけでございます。これらの点につきましては、十分今後も検討して参らなければならないわけでございますが、ただいままでのところは、そういう関係で、どこの線に引きました場合が一番完全でもあり、かつまた効率がいいかということを検討しておる最中でございます。 なお、伊勢湾台風等の影響を考えますと、特に防災面を考慮しなければならないというふうに考えるわけでございますが、第一線の堤防の構造をどのようにいたしますれば最も安全であるかという問題につきまして、今後解決していかなければならない点があるわけでございます。現在の土木技術からいたしますれば、不可能ではないというふうに考えておりますが、しかし非常にむずかしい問題でございますので、なお十分検討して参りたい、こういうふうに考えております。
○進藤委員 この事業によってどのような効果が上がるかということについての御説明をお伺いします。
○藤巻政府委員 有明海を大きく締め切ります構想によりまして締め切りが完成いたしますと、防災的にもいろいろな効果が見込まれるわけでございます。現在まで私どもが調査いたしました結果によりますと、干満差が六メートルもございます現在の有明海の水位が安定いたしまして、しかもその水位も、東京湾の中等潮位からマイナス〇・五メートルに下げるという計画になっておりますから、これができますれば、現在の海岸線一帯はもちろん、河川の潮入り地域にわたりまして災害の脅威が非常に少なくなるというふうに考えております。数字的に申しますと、これは今後検討しなければならない数字ではございますが、前に申し上げました協議会でまとめました資料によりますと、海岸及び河川の堤防の決壊による年平均被害額が四十二億三千万円と計算されておりますが、これが防止される。それから既設の堤防の年平均維持管理費が約一億九千万円かかりますのが、節約される。さらに、沿岸の耕地約一万九千六百ヘクタールの排水不良田がなくなりまして、これによって年平均五万八千八百石の増産が期待できる。これは試算でございますけれども、そういうふうな大きな効果が出ることが期待されておるわけであります。
○進藤委員 そうした完全締め切りができますと、干拓地のほかに、淡水湖となるところもできようと思います。それが水産業に及ぼす影響について、その対策はお考えでしょうか。
○藤巻政府委員 有明海を締め切りますと、水産業にも、その他、農地等、あるいは石炭の採掘等にもいろいろな影響が出てくるわけでございます。水産関係の影響につきましては、これまでも調査を進めておりますが、協議会でなお今後もどの程度の水産業に対する影響が出てくるかということを検討して、これに対する処置を考えたい、こういうことになっております。ただいまのところ、数字はちょっとまだ出ておらないようであります。
○進藤委員 有明海の開発は、干拓を中心とする国土の造成とともに、農産資源の開発にもなると思うのでありますが、こうした場合には、臨海開発地域とその陸地部の全部をさすことになりますか、どういう程度まで臨海開発地域に含むことになりましょうか。
○藤巻政府委員 有明海が臨海開発地域に指定されますかどうか、これは今後の問題でございますが、一応指定されるといたしましても、どの程度の地域まで指定地域にいたしたらよいか、これも非常にむずかしい問題でございます。御承知のように、あの沿岸にはすでに干拓地等も相当できておりますので、これらとの調整上、どの程度まで臨海開発地域に指定するか、今後の問題として検討される問題だろうと考えております。
○進藤委員 この有明地方は台風の常襲地帯でありまして、この事業を実施せられますと、台風の被害がどの程度軽減できるかということについて、もう少し詳しくお聞かせいただきたい。
○藤巻政府委員 台風常襲地帯になっております有明海を、大締め切りで締め切りました場合に、台風の被害がどの程度軽減されるかということでございますが、数字的には、先ほど私が申し上げました数字が、一応現在試算されておるわけでございます。防災的には、海岸、河川の堤防の決壊が年平均四十二億三千万円ばかりかかっておりましたが、被害がなくなるだろう、あるいは既設堤防の維持管理費等も節約される、こういうようなことで、先ほど申し上げました数字が、一応防災的な効果として試算せられておるわけでございます。あの大きな海を締め切りまして、もちろん干拓地もできますし、そういうような効果もあるわけでございますが、一番大きい効果は、やはり防災の効果でありまして、台風の被害が非常に軽減されるということが一番大きなねらいになるのではなかろうかというふうに考えております。
○進藤委員 新しい土地が造成されますと、その背後地の水利にはどういう影響を与えると見ておられましょうか。
○藤巻政府委員 私ども、あそこを締め切りました場合に、河川に対してどういう影響があるか、あるいは水利上どういうようなことを考えなければいけないかということにつきまして、ただいま調査中で、まだ数字的にはっきり申し上げる段階に至っておらないようでございますが、いずれ、この九州地方開発審議会の有明海部会等におきましても、それらの点につきまして詳しい調査をし、具体的に検討いたすことに相なるかと存じます。
○進藤委員 締め切りによって造成されましたこの土地に作られる臨海工業振興の構想というものは、具体的にはそうはっきり言えないかもしれませんが、大体の構想をお聞かせいただきたい。
○藤巻政府委員 今のところ、有明海の締め切りにつきましては、締め切り自体の技術的な検討ということが、今までのところ調査項目の大きい部分になっておりまして、この上にどういうような工業を持ってくるか、それらの点につきまして具体的にはまだきまっておらないわけでございます。
○進藤委員 この工事着手と完成の予定時期というものについてはどういうお考えですか。
○藤巻政府委員 有明海の締め切りは、先ほども申し上げましたように、だいぶ前から調査をやっておりまして、まだ私どもすぐ締め切りの工事にかかるというほどの自信を持っておらない状況で、今後さらに調査をしなければならない事項も相当ございます。従いまして、これが締め切りをいたし、そこに臨海地域が開発されるのはいつごろになるかということは、今のところ、ちょっと申し上げかねるわけでございます。
○進藤委員 もし有明海が臨海開発地域に指定されますならば、現在調査、計画中の干拓事業との調整についてはどういうふうにお考えになっておりますか。
○藤巻政府委員 有明海沿岸に現在干拓が行なわれつつあり、また計画されておるものもあるわけでございます。これを、もし有明海が臨海地域に指定されました場にどういうふうに取り扱うかは、そこの基本計画の中できまってくる問題と考えております。従いまして、本法案が成立いたしまして審議会ができましてから、それらの点につきまして、干拓と、造成する工業用地との関係を十分に調整して参るということに相なるかと思います。
○進藤委員 北九州方面、あるいはまた瀬戸内海地方は、非常に水力に恵まれておらないのでありますが、今後この地方に産業立地を進めていこうとされれば、どうしても電力の確保が必要であろうと思うのであります。北九州は石炭産業の中心地でありまして、現在石炭産業が不況の一途をたどっておる際、低品位炭の利用によって発電あるいはガス化によって産業の助長、振興をはかるということが必要であろうと思いますが、これに対してのお考えを承りたい。
○藤巻政府委員 瀬戸内あるいは北九州方面は、お話のように水力が窮屈でございます。従いまして、今後この地方に産業立地を進めていく場合に、電力を確保するということになりますと、火力の発電を進めていくということも考えなければならないわけでございます。特に、炭価が低廉であるということも考えますと、今後の電源開発は、火力の開発に重点を置いて考えていかなければならない、こういうふうに考えておりますが、具体的には通産省の方から申し上げます。
○磯野説明員 九州、瀬戸内海の電力の関係につきましては、ほかの地域と違いまして、非常に大きな水力を持った河川という点につきましては、他の地域と少し事情も違います。産炭地に近いので、ただいま企画庁から御説明がございましたように、火力を中心にして今後電源を開発するということになるかと思います。
○進藤委員 瀬戸内海地域の開発をはかっていきますには、この地域は、他の地域に比べまして、大河川がないようであります。そこで、水の問題を解決していかねばならないのではないかと思うのでありますが、この地方の水の点についてのお考えを承りたい。
○藤巻政府委員 瀬戸内の地域を総体として見ますと、お話のように、水資源に恵まれておらないということに相なりますが、個々の地区について考えてみますと、地区によっては、必ずしも水資源の不足する地区だけではないようでございます。たとえば岡山の吉井川、広島の太田川、山口の錦川、徳島の吉野川等は、かなり水資源として期待してもいいものじゃないかというふうに考えておるわけでございます。ただ、今後、水の利用につきましては、工業用水だけではございませんで、いろいろな用途に水を使います関係上、ただいま申しましたようないろいろな河川を中心といたしまして、多目的ダムの築造あるいは流域変更等を考慮して具体的に解決して参りますれば、ある程度は解決がつく問題ではないかというふうに考えております。なお、このために、建設省におきまして、水の利用の実態、あるいは今後の利用可能量というものにつきましていろいろと調査を実施しておりますので、その結果をも見まして、今後の水利用の計画に対処していきたいというふうに考えておるわけでございます。
○進藤委員 今後の重化学工業におきましては、水の利用量はますます増加していく一方でありますが、工業用水が立地条件に最も必要と考えられますので、臨海地域の開発にあたりましては、用水の確保という面から、開発していく地域を検討していくことが必要じゃないかと思うのでありますが、これについての御意見を承りたい。
○藤巻政府委員 お話のように、私ども今後の工業立地の問題を考えるにあたりましては、水の問題が一番重要かと考えておるわけでございます。ほかの関連施設ももちろん不備な点が多いわけでございますが、今後の工業の発展の方向が、いわゆる重化学工業化、あるいは、言いかえますれば、用水型の工業に向かっていくということに相なっておりますので、水の問題が一番重要な問題に相なると考えておるわけでございます。これにつきましては、通商産業省の方で工業用水の施設の計画をお持ちになっていろいろと進めておられるわけでありますから、なお詳しくは通産省の方から御説明申し上げます。
○磯野説明員 通産省と建設省と運輸省と共同作業をいたしました公団が対象としております地域を取りまして、かりに参考までに申し上げますと、四十地域の中の約三十地域を選びまして、八十四億の建設費をもって、一日三百八十万トンの工業用水道の建設をする、こういうような計画にもなっております。工業用地の造成と工業用水道との関連につきましては、いろいろ検討いたしております。
○進藤委員 北部九州の工業地域は、現在でも用水不足に悩んでおる次第でございますが、この臨海地域開発促進に資するにあたりましては、この地方の用水問題についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○磯野説明員 北九州工業地帯の工業用水の状況につきましては、ただいま、一日の需要量で申し上げますと、約七十万トンの水を用意しておるわけでございます。今後十年間の推移を推察いたしますと、これが倍の、大体一日百四、五十万程度になるのではないかというふうに考えております。御承知のように、北九州につきましては、地質の関係から地下水にあまり多くの期待ができませんので、ただいまでももっぱら遠賀川の水にたよっておるわけでございますけれども、今後も河川水による工業用水の建設に力を尽くしていきたいというふうに考えております。御承知のように、北九州では現在五万トンの水道が完成するわけでございますが、今後十年間には二十二万トン程度の工業用水道をあの地域に完成することが必要ではないかというふうに考えております。そういうことに相なりますれば、そのほかの水源との見合いで、大体あの地域の工業用水道の普及はバランスがつくと考えております。
○進藤委員 臨海地域開発に伴いまして、工業排水による水質汚濁ということが当然考えられますが、これに対する対策をお聞かせ願いたい。
○藤巻政府委員 河川の水質汚濁につきましては、水質汚濁の法律が施行になっておりますので、本年はまだ六河川につきまして調査をいたしておる段階でございますが、すみやかに水質の基準を作りまして、それに基づいて水質汚濁の防止をはかっていきたいということに相なっておりますので、あの法律適用によりまして、さような心配がないようにいたしていくことに相なろうかと思います。
○進藤委員 この海面埋め立てによりましては、漁業補償の問題が非常に重大でありまして、この間からもこの委員会で参考人から、漁場埋め立てに伴う補償、生業を失った漁民に対する就業対策の確立というものについて、いろいろ強く要望がありましたようでありますが、その補償は、地方によって力関係によって決定するというような傾向があるようにも聞いておりますが、この補償額の算定につきまして、法律案に何か明文がないかと思いますが、この点につきましてお考えをお聞かせいただきたい。
○中村(梅)議員 非常に重要な問題でありますが、水産関係の補償につきましては、その地域あるいは状況等によりまして、これは一律にはなかなか至難な問題であろうと思います。従来の電源開発その他の補償基準を見ましても、大部分が閣議決定あるいは政令等によって一つの目標をきめられておるようでありまして、法律の上でこれをどういう基準にするかということは、これは容易でありませんし、また実態に即しないものを作りましても、何らの功を奏しませんから、やはりこの基本的な法律ができまして、審議会等ができましたならば、他の例にならいましていろいろな角度から研究をして、できれば、可能な範囲において、従来のほかの制度のもとにおいて行なっておりまする基準のようなものを審議会等で調査立案をいたして、閣議決定あるいは他の方法等できめるのが適当ではないだろうか、従って、法律の中に織り込むということは、これは非常に困難なことであります。また実情に即しないことになりますから、法律の上では見送ってありますけれども、いずれそういったような方向に努力をいたすべきものである、このように考えております。
○進藤委員 漁業補償に関しまする補償の基準には、現在どのようなものがありますか。
○木戸説明員 現在補償基準として設けられておりますのは、電源開発に伴う場合が一つあるわけでございます。この方式は、平均収入に主たる労賃を含めたものを年利回りで資本還元いたしまして、その八割を補償する、こういうことに相なっております。それからもう一つは、建設省の直轄工事の場合に補償がきめられておるわけでございますが、これも電源開発の場合と同様な方針によっております。それから自衛隊と駐留軍関係の補償の規定があるわけでございますが、これは、平均の収益額から、当該海面が使用されておる場合の推定収益額を差し引きまして、つまり推定損害額が出るわけでございますが、その推定損害額の八割に、その使用する年数をかけて補償しておるようでございます。あと、はっきりした補償基準としてきまっておるものはございません。
○進藤委員 埋め立てによりまして漁場を失った人たちに対して、その後の生活を再建するために、これらの人々を埋立地に復帰させて企業体に就職させるなどの措置を促進するように、この法律において何か規定を整備するようなお考えはないのでありましょうか。
○中村(梅)議員 この点も、われわれ立案にあたりましていろいろ考慮を払った点でありますが、法律の上で一つの規格をきめるということは、今の補償の問題と同じように、なかなか容易でありません。しかしながら、この法律の目標とするところは、臨海地帯を開発いたしまして、工業用地を主とした利用度を高め、開発を進めていこうということでありますから、その地帯に新たに産業を興すということが、主要な根幹をなしておるわけであります。従いまして、漁業者がその職業から離れることになり、また適当な補償を受けることになるにいたしましても、他の場合と異なりまして、これは配慮の仕方で、その地域々々に適した就職あっせんの道なり、就業の道なり、更生の道なり、こういうものは十分考える余地のある事柄であります。従いまして、それらの措置につきましては、この法律が基本的なことを定めることを目的といたしておりまするので、やがてできまする審議会あるいは専門委員等の手を通し、あるいはまた、行政的には企画庁が立案の作業を担当する所管になりまするので、それらの方面で、そこに造成しました開発地域にどのような工業を誘致し、建設して活用するかということ等とにらみ合って、その地域に即した、一番適切な具体案を生み出し、離職いたしました漁民の人たちがむしろ更生できて、細々漁業に従事しているよりは、かえって更生をされ、向上した国民生活を維持できるような方向に配慮するのが一番適当であろう、こう考えておる次第でございます。従いまして、この制度は基本的なものでありますが、制定をされて具体的に動きまする場合においては、それらの問題が当然今申し上げたような方向に向かって処理されていくべきものである、こう期待をいたしておる次第であります。
○進藤委員 この法案の第三条に「前条の規定により臨海開発区域の指定があった場合においては、内閣総理大臣は、関係各大臣と協議して、臨海開発基本計画を立案しなければならない。」となっておりますが、この基本計画の中には、調査計画というものも含まれるのでありますか。
○中村(梅)議員 これはもちろん、規模あるいは方法、関連施設、あるいは今お話の出ました関係漁民あるいは地元民の将来等についても、この基本計画の中で十分検討をして、基本的な方向をきめるということが当然であると思います。
○進藤委員 現在、農林、運輸、通産、建設の各省でいろいろ開発についての調査をやっておられるようでありますが、この今後の臨海地域開発という大規模な調査研究が必要であります。そのために、確実で効率的な調査をやるには、ぜひとも予算を一本化するということが必要になってくると思いますが、総合調査機構の新設整備、そういう点につきまして、一本にしてやっていくことにつきまして、何かお考えがありましたら、お聞かせいただきたい。
○中村(梅)議員 具体的には私どもの立場で申しかねるのでありますが、この基本的な法律ができまして、開発地域が指定されまするならば、その指定地域の開発に所要の総合された予算は、この法律に関係した予算として、主管をする役所の予算の一部として当然私は盛り込むべきものであると思います。従来はこの種の制度がございませんから、各省それぞれの立場において若干の予算を獲得いたしまして調査に当たっておるようでありますが、指定地域というものができましたならば、これはどこまでも総合された調査研究並びに立案企画が進まなければならないわけでありますから、従って、予算等におきましても、お説のように総合された、一括した予算の盛り込み方というものは当然考えなければならないことでありますし、われわれとしましては、この法律が成立し、開発地域の指定等が行なわれて進行いたしまする場合には、その方向に向かいまして全力を尽くして努力をいたしたいと思います。
○進藤委員 この基本計画につきましては、関係都道府県知事の意見を聞いて、意向を尊重するということは非常に必要だと思いますが、関係地方公共団体の意見を反映する意味から言いましても、審議会の委員の中に関係都道府県知事を入れるというお考えはありませんでしょうか。
○中村(梅)議員 先日来この点は大へん論議されてきたところでございますし、また、私ども立案をいたします段階におきましても、この点はあらゆる角度から実は議論をいたし、検討を加えたのであります。関係都道府県、地方団体を初め、その地元関係地方の意向が、この指定に当たりましても、基本計画の策定に当たりましても、十分織り込まれなければならないことは当然であります。しかし、その関係都道府県知事を審議会委員に加えてしかるべきやいなやということになりますと、いろいろ検討を加えました結果、どうもそれは適当ではないのではないかという結論に相なったわけであります。考えようといたしましては、その指定地域に関係をしたところの府県知事を臨時委員のような形で加えたらどうか、こういう意見等もございまして、これらにつきましても十分検討を実はいたしたのでありますが、御承知の通り、この種の基本計画を策定し、これを実施するということになりますと、どんなことをいたしましても五年あるいは八年、十年という相当長期にわたって参りますので、その間には、一カ所、二カ所のみならず、逐次指定地域が追加されて参ります。そのつど、関係府県の知事が臨時委員として加わり、また、それが完了するまでは抜けることができないということになりますと、臨時委員の数というものは非常に膨大になる可能性もございますし、その他、先般も申し上げましたようないろいろな事情から、やはり一つのある種の窓口を通して、関係都道府県知事の意見を、その地方の意向として十分聞いて、その意見を尊重する建前でいくということが妥当であろうという結論に実は落ちついたわけでございます。いろいろ御意見の点も、これは議論いたしますと、ごもっともの点もありますが、あらゆる角度から検討しました結果、実はこの結論に落ちつきましたようなわけでありますから、私ども決して自分たちの結論があくまで正しいと主張するわけではありませんけれども、しかしながら、われわれが検討を加えました過去の過程から考えまして、やはりこの程度がよろしかろう、かように考えておるわけであります。
○進藤委員 今日までに、国土開発法の一環として、北海道開発法、あるいは東北開発促進法、九州地方開発促進法等が制定されておりまして、それぞれの法律に基づいて、各審議会によって促進計画が策定されております。その開発促進計画に取り上げられております地域が、今度臨海開発地域に指定されました場合に、臨海地域開発促進法案におきましては、第十五条の二項に「首都圏整備計画その他法律に基く特定の地域に関する開発計画と基本計画との調整は、内閣総理大臣が、それぞれ、首都圏整備委員会その他関係審議会等の意見を聞いて行うものとする。」となっておって、一応各地域開発の審議会を尊重する建前になっておるようでございますが、審議会のメンバーを見ますと、臨海地域開発審議会は、政府側の委員は、各省の大臣が十人であります。一方、九州開発、東北開発審議会の政府側の委員は、各省の次官が十人であります。それでありますから、東北開発審議会、九州開発審議会、こういうところで策定しました計画と、臨海地域開発審議会の策定しました計画の間を調整する場合に、前者が軽視されるおそれが十分にあると私は考えるのでございます。臨海地域開発は、大きな国家的見地から立案されるものでありますが、同時に、現在やっております東北や九州等の地方開発促進計画の一環としてやっていかなければならない問題であろうと思いますが、こういう場合に、審議会の意見を聞くのみでなく、意見を十分尊重するという点に重点を置いていただかなければならないと思うのでありますが、それについてお考えを承りたい。
○中村(梅)議員 全く仰せの通りだと思います。同時に、この法律に基づく基本計画を立てまする場合には、当然の筋道として、勝手に最終決定をしてしまうものではありませんので、最終決定を見るまでの間に、関係の開発審議会等と、関連のある部分については、その方面の意見も審議、御決定を願って、意見を聞いて計画を立案し、最終結論を出すということになるわけでありますから、十分その間調整が行なわれ、また地方的な開発計画等との調整、また意見の尊重は十分行なわれるべきものである。私どもは、同じ政府部内の、同じ目標に向かった総合した公的な考え方に立って参りまする場合においては、その間にそごは起こらないで済む、こう考えております。
○進藤委員 十六条に、特別の機関を設置するということになっておりますが、この特別の機関の説明をもう少しお願いしたいと思います。
○中村(梅)議員 実はこれは、特別の機関を設ける場合が必ず起こってくるであろうということを想定して、この十六条を起こしたわけであります。それは先日も申し上げました通り、地域的にも、また関連施設等の上からも、あるいは開発地域の利用と、今後の高度の総合的な利用開発をはかっていく上からも、一府県、あるいは地方団体、あるいは一企業体というものだけではさばき切れない部分が必ず起こってくるだろう、そこで、そういう場合には、それらを総合して事業を実施いたしまする特殊の機関の要が、地域によって起こってくるに違いない、さような場合を想定いたしまして、特別の機関を設置する場合もあり得るように、この十六条を規定いたしたわけでございます。しかしながら、どのような特別機関を作り、どのような特別機関にその基本計画の実施に当たらしめるかということは、本法の研究及び実施に当たりまする審議会が中心になりまして十分検討をいたし、またその地方の意見も聞き、広く衆知を集めまして最終的にきめていただく以外にはないだろうと思っておるわけでありまして、われわれとしまして、どのような公団、あるいはどのような特殊法人がよろしいと、実はきめてかかっておるわけではないのであります。これらは、今後の必要に応じて、またその方面に即した検討にゆだねたいと思っておるわけでありまして、提案をいたしまする以上は、私どもの意見をもっと具体的に盛っておくべきではないかという意見もあり得ると思いまするけれども、私ども基本法を作ろうとする者のみの考えをそこまで具体化するということは、この際適当ではないと考えておるような次第であります。
○進藤委員 現在、通産、運輸、建設三者で、工業地帯開発のための公団の設立の構想をこの間承りましたが、この公団と、十六条で予定されております特別の機関との関係はどういうふうになりますか。
○中村(梅)議員 これは、実を申しますと、直接の関連はなくて、並行線で参ったのであります。振り返ってみますと、俗に申します三省公団という構想が関係各省の間で起こりまして具体的に進められ始めましたのは、三十四年度予算編成の昨年のことからでございまして、そのころ、これは一つの構想としては非常にいいものだと、私ども個人としては考えてはおりましたが、与党である自由民主党としましては、当時、治山治水特別会計を作って、治山治水に力を入れるべきであるということが、考え方として非常に強かったわけで、昨年、三十四年度予算編成の際には、治山治水特別会計の設置を、党の政調関係等におきましては強く推進をいたしたわけでありますから、一つの考え方で、けっこうとは考えておりましたが、この三省の公団についてはさしたる支援をいたさなかった。従って、予算編成の際にも盛り込むことができなかったわけであります。治山治水の方も大蔵当局の受け入れるところとなりませんで、実現をいたさなかったわけでありますが、さようなことで、われわれの法律の立案をいたしました動機と、三省公団の構想ができ始まったということとは、全然別々に並行線で進んでおったわけであります。しかし今日になって考えてみますると、私ども、特別の機関を設置して、特別の機関にゆだねてこの基本計画というものを実施せしむる必要のある場所が、審議会の調査、審議の結果、起こりました場合には、この種の公団にゆだねるということは、非常に私は歓迎すべき点であろう、かように考えておる次第でありますが、直接の結びつきは、実は事の起こりからして、それはなかったわけであります。今日になってみれば、私どもは、この法律も通り、また、三省公団の関係各省で考えております構想も予算編成等を通じて具体化するならば、期せずして、並行して進むことによって非常にいい結果をもたらし得るのではないか、こう実は私どもとしては期待をいたしておる次第でありますが、直接の関連は実はないわけでございます。
○進藤委員 基本計画に基づいて事業の実施をやっていくのでありますが、国が資金の援助をやることだけで、地方公共団体その他にその実施をまかせてやっていくということを考えられるのじゃないかと思いますが、この点につきましては……。
○中村(梅)議員 その通りであります。私どもとしましては、総合的な立場から調査検討をいたしまして、基本計画ができましたならば、可能な限りにおいては地元の府県、地方団体等に担当さして、それに所要の資金的な援助等を国が加えまして実施するのが、まず第一であると思うのです。しかしながら、数府県にわたるとか、あるいは、先ほど来御意見のありましたように、工業用水等の問題になりますと、なかなか一府県の範囲のみではそれを調弁することができない、数府県にわたり、あるいは他の方面にも非常な関連が起こってくるというようなものも基本計画の中に含まれて、とうてい一府県や一地方公共団体では実施不可能であるというものが含まれると思います。そのような場合には、この特別機関を——どういう特別の機関にするかは別問題といたしまして、特別の機関にその事業の実施をゆだねるということが、所期の目的を達する意味において一番必要である、そのようにいろいろ具体的には仕分けをされていく筋合いになると考えます。
○進藤委員 地方公共団体では現に埋立事業をやっておるのでありますが、この法案が制定されまして、その埋立事業が変更されるとか、あるいは遅延するというようなことがありはしないかと考えますが、これについて御意見を承りたい。
○中村(梅)議員 これも立案段階におきましていろいろ検討いたしたところでございますが、すでに運びつつありまする開発事業、あるいは現に企画されておるものにつきましては、この法律の建前としては十分尊重いたしまして、もしその地域について指定地域を設け、開発計画を立てる必要があるとするならば、既存の計画を尊重してその中に織り込むべきであるという建前に立っているわけでございます。私ども提案者といたしましては、あくまで既存事業なり既存計画の尊重ということは、建前として織り込んでいくべきものである、このように考えておるのであります。
○進藤委員 先般いただきました、臨海工業地帯開発公団設置の資料によりますと、すでに四十地区が設定されておるのでありますが、これはどういう根拠によって選定されたのでありますか。
○磯野説明員 一応公団で四十地区を選びました理由は、まず第一点といたしまして、港湾の隣接地面につきまして、港湾の水深その他水面の関係を考慮いたしまして、埋め立てが経済的に可能であるという地区を選定した。第二番目に、通産省におきましては、工場適地の調査等に関する法律で、三十三年度、三十四年度にわたりまして、全国の百十六カ所の工場適地の調査をやったわけでございますが、その百十六カ所の調査に基づきまして、臨海地の工業適地をその中から選んだわけでございます。第三番目といたしまして、全体的な観点からは、そのような調査その他の結論に対して、既存のいわゆる四大地区を中心にしました——東京、阪神、北九州というふうな四大地区の工業地帯につきましては、工業の過度集中の傾向がございますので、工業を適地に分散していくというような構想もございまして、このような四十地区を選定いたしました。
○進藤委員 この公団案で予想されております四十地区と、農林省で今後干拓適地と考えられている地区との調整はすでにとられているものでありましょうか。
○佐土説明員 現在の公団案で考えております四十地区でございますが、これと干拓地との関係でございますが、現在の計画では干拓地は一応はずしてあると思います。それから、実際に公団ができた暁におきまして工事をやっていくという場合には、農林省と十分連絡しまして、遺漏のないようにしていきたというふうに考えております。
○野田(武)委員 関連して。ただいま進藤委員の御質問に対する関連の問題でちょっとお尋ねしておきたいと思うのです。先ほど九州地方、ことに北九州並びに瀬戸内の開発関係で、電力問題が質問に出ておったようですが、水力の資源が乏しいから、火力によって電力を作りたいということです。これはどなたが御説明になってもいいのですが、臨海工業地帯開発公団では——九州地域並びにこれに関係のある地域の開発についてでありますが、今通産省ではどういう電力計画をこの地域に持っておられますか。また、公団の三省間でおやりになった計画の中に電力関係の計画がございますか。というのは、どうせこれは工場誘致を主としてやっておられるのですから、公団で特に発電事業をおやりになることはありますまいが、総合計画の中には当然これは考えなくてはいけない。ただ言いっぱなしで、火力で将来やるというつもりだというようなことでは、特に私は三省の臨海工業地帯開発公団なんという、具体的に地域を指定してあるから、その程度の総合的な計画はできていなくてはならぬと思う。なぜそういうことを申し上げるかというと、今回のこの案でも、提案者にもぜひ御注文したいと思っておりますが、地域の造成は、これはもう今日私も賛成して質問いたしておりますから、けっこうですが、ただそれはその土地を作るだけであって、先ほどからずいぶんお話があった工業地の問題もそうでありますが、ここに八千万坪も作ると、その地域地域によって、特殊なエネルギー資源をどこに求めるか、あるいは工業用水をどうするかということの総合的な計画をお立てになって、公団なら公団か出てこなければ、土地を作るから金を出すということだけではありますまいけれども、結局、相当具体的な案が伴っていなければ、今後幾ら土地を作っても、活用がなかなかむずかしいと思う。そこで今進藤委員のお話の中の、符に北九州地帯は石炭地帯であって、石炭事情は、私が御説明するまでもなく、今日この石炭対策をどうして立てるかということに苦労しているということでありますから、こういうときに、北九州の石炭はどういうふうに活用して、どのくらい使う予定であるというふうなことが出てきて、ただ言いっぱなしの火力発電の方にいこうということだけでなくて、それよりも相当具体性を持ったものが出てくると、ひいては北九州の石炭対策の将来の見通しについても非常に有意義であると思う。ことに総合開発の計画でございますので、私は非常に重大だと思っておりますから、これはひとり通産省だけに言うのではありませんが、経済企画庁の方はどう考えておられるかということを、ちょっと案があればお尋ねしておきたいと思います。
○藤巻政府委員 お話の御趣旨には私ども全面的に同感でございまして、ただ土地を作るだけではいけないことは、もちろんのことでございます。電力等につきましても、工業用地を作りますにつきましては、十分施設を考えてからでないといけないというふうに考えております。北九州の電力計画につきましては、なお通産省の方からお答えいたします。
○磯野説明員 ただいま御指摘になりました、電力関係とこの公団予定地との立地の関係でございますが、具体的に申し上げますと、われわれまだそこまで具体的に進めておりません。電力につきましては、御承知のように、一応三千七百億円をもちまして長期計画を立てております。最近の電力事情からいたしまして、目下、三十四年度を起点といたしまして、四十三年度までの長期計画を検討中でございます。その検討ができ上がりますれば、私どももそれを手がかりといたしまして、この公団の工業立地との関連を検討いたしたいと考えております。御指摘のように、ただいま具体的に詰めて関連性をつけていくということであります。
○野田(武)委員 私もそうではないかと懸念して質問いたしたのでありますが、私、決して皆さんを困らせて公団にけちをつけようというのじゃございません。私は長い間議会生活をして、商工委員や何かをやって参りましたが、これは別に通産省をやっつけようとかいうのじゃありませんが、ことに今度、通産、運輸、建設という、直接開発に深い関係を持っている三省が、一団となってこういう公団の設置構想をお立てになったということならば、これは通産省だけとか、あるいは建設省だけとか、運輸省だけの構想でないだけに、一段と具体性を持った案が出てきてほしいと希望しているのです。私は特にこの法案について実は提案者に注文がたくさんありますが、私の質問は終わったので、時間の関係で省きますが、そういう点は、構想を練られる場合には、総合的な計画性を持たしていただきたい。日本の行政の進め方か、これは役所の方々に罪を全部負わせるのではありませんが、長期計画とか総合計画とかいうことがよく口に出ますが、あまり実体が伴わないのが多い。これは決してこの公団をいうのではありません。それで、ことに現在石炭事情がこういうふうに非常に困難な事情にある場合には、これはひとりこの公団ばかりではなくて、日本のエネルギー資源をどう持っていくか、ことにその地域のエネルギーはどこをどう開発していくかということが出て参りますと、大きな総合的な産業政策の中の一環として非常に重要性を持ってくると思います。それはやはりこういうときにやればやりやすい。四十カ所も集めてやろう、こういうことでございますから、私、きょうは、それをどうしなさいとは言いません。せっかくこういう構想をお作りになったのだから、やはり私どもとして相当敬意の払える具体性を持った計画をお立て願いたい。私は皆さんを責めるのではなくて、私のほんとうの心からの要望でございます。それで、これ以上私はその問題に触れません。まだできていないというのですから、それはあれこれ言わないでやめます。 それから、特にこれは、役所の方々でなくて、提案者にも一つ希望しておきますが、今回御提案になった法案は、いわゆる国土の総合開発の重要な部門を占める。だから、たとえば、先ほど進藤委員も触れておられましたが、首都圏の計画、北海道の開発、東北の開発、九州開発、こういうものよりも、もっと一段と全国土を想定して、いわゆる日本の国土の総合開発ということになりますから、これは非常に総合的ないろいろな対案が必要である。たとえば、そのうち具体的に一つ例を引いてみますと、先ほどお話のありました漁業者の補償の問題を一つ取り上げましても、東北開発あるいは北海道開発、九州開発となって参りますと、これは地域的の特殊の事情がございますから、いろいろその事情によって、補償問題がお互いの交渉の具体的な要点となってくると思いますが、しかし今度は、国土の総合的な開発の一環というよりも、非常に重要な部分を占めるという高度な立場に立って参りますと、こういう問題については、こういう法案が出たときに一つ何かの基準を設けるということは、私は日本の開発、ことに臨海地区開発に対して、非常な意義を持つのじゃないかと思います。御承知の通り、埋め立てをやる場合に、どうしても漁業補償を解決しなければ、何年でもなかなか解決するものではない。事実できない。どの地区でもそうであります。そこで、土地造成の一番大事なものは、作ってしまえば、関連施設のことについては、これはいろいろ各省の力によってできましょうが、第一に、土地造成の前提として、計画があっても、補償の問題が解決しなければ、できないというのは、これは事実でございます。そこで、先ほど進藤委員もこの点に触れておられましたが、今までは大体補償の基準というものが、一応先ほどの御説明の中で、いろいろこういう方式でやっておるとお言いになりましたが、一つの法規に基づく基準というものが出ていない。各地域によって事情が違いますから、必ずしもこれを法律できめたからそのままいくのじゃございませんが、一応こういう臨海工業地帯の総合的な開発をするという案でございますから、これを実施する上において一番困難な問題である補償問題のごときは、こういう機会に一つ基準を作りまして、これに各土地の特殊の事情をかみ合わせてやるというようなことがあれば、私も解決しやすいと思う。そういうことをやる場合に、これは農林省の関係もありますし、また各役所の関係もありましょうが、これを踏み切って一つやってみたらどうか。やはりそこまで考えなければ、その開発計画が、実施面において年度計画を遂行する上において支障がありはしないか。また、先ほどこれに関連して触れておられました水産関係の職を失った業者の失業対策、これはやはり労働省との関係もありますが、きょうはお見えになりませんが、こういうものもできるだけ、いわゆる新造成地において工場ができた場合に、これを吸収するように進めていく。これは言葉で言うことは非常に簡単でございます。また、そういうことは、行政指導の上において、また実際の面においても相当配慮することは、提案者もおっしゃったようでございますが、しかしこれもなかなか困難です。だから、決して業を離れた漁民を全部吸収する、就職させるというようなことまではいきませんが、やはりこういう場合に安心して離職者の連中が臨海工業の開発に協力できるような何かのめどをつけておくというようなことは、非常に困難でございますけれども、これを促進し、日本の産業を興隆するという大きな前提のもとに、私はそのくらいの飛躍した考え方を持っていていいのじゃないか、こう感じておる。そこで特に繰り返して申し上げますが、補償の基準のような問題は、こういう法案ができてきたときこそ、真剣に農林省その他が考えられるべきじゃないか。今までそのように聞いておるのに、そういうことはいいことですが、今までこうやっておりますとか、あるいは、それができればいいですがというようなこと、これはもう何べん繰り返してもだめだから、こういうときに提案者も一つそういうことに真剣に取り組んでいっていただきたい。私はこの三省公団の行なう事業の内容を拝見しても、これだけでは、平凡な普通の会社でもやれることで、これ以外に三省がほんとうに協力して開発しようという熱意があるならば、もう少し魂の入ったものを作ったら、国家のために非常にいいのじゃないかと思う。提案者の方も、その地域開発にはできるだけ活用しようということを言っておられますから、その場合には、これはほかの役所が加わっても加わらぬでもよろしいが、いずれにしても、この三省をもって構成するような公団ができるならば、そういう機会にこそ、今までの一番困難な諸問題の解決に当たっていくというくらいの熱意を持っていかれると、なるほど、これはやはり三省構成の公団だと、敬意を払われるようになる。ところが、これははなはだ失礼でありますが、非常に平凡な、今までの公団、開発会社と同じようなことが書いてある。ほとんど全然と言っていいくらい新味がありません。こんなことなら、何も三省でおやりにならぬでもいい。十六条に、特別の機関というものがありますが、このくらいのことならだれでもできます。せっかく三省でおやりになるのならば、なるほど、今までの特別の機関とは違うのだ、もっとこういう三省公団を全面的に使いたいと提案者あたりが思い込むくらいの案をお出しいただければよかったろうと思っております。今後もそういう方向にお考えいただきたい。この法案は画期的な法案である。こういうときにこそ、今までの難点を少しでも解決していく、一歩前進した方向に持っていって、日本の国土開発の促進、日本の産業の発展に重要な役割を果たしたい。提案者のねらいもそこにございますから、それに足並みがそろうように、あらゆる問題の解決にこの際こそ当たるのだ、こういうことを、提案者の方もこの法律に織り込めというのではありませんが、一つ行政部の方に対して御指導願いたい。また、行政関係の方々もそれくらいの御熱意を持ってこの法案に協力してやろうということになりますと、われわれ国会の方におきましても、私は自民党でありますが、社会党さんも趣旨は認めておられますから、けだしこれは全面的に協力ができる、こういうふうに考えておりますから、お答えがあっても、なくてもよろしゅうございますが、この際関連して私は要望いたしておきます。
○中村(梅)議員 ただいまの野田議員の御発言は、非常に貴重な御意見として拝聴いたした次第でありますが、漁業関係の問題につきましては、私どもの考え方を率直に申し上げますと、これは業者との関係、水産界との関係もあります。ことに主管庁である農林省は重大な責任を持っているわけであります。そういう方面と格関係省が事務的にも御相談を願いまして、この法律が制定されて出発いたします際には、臨海地帯開発促進法に関する漁業補償基準というようなものを、できれば閣議決定——従来の手続も閣議決定等でやっているようでありますから、そのような方法をとりまして、一定の目標を定めてもらいたい、こう実は考えているわけであります。法律の中にそういったようなことを明記することは、なかなか至難でもございますし、適当でないという考えでございますが、考え方としてはそのように考えております。 それから、いろいろ審議会などでまた識者の意見を徴して参りますと、いい知恵が出てくると思うのですが、大体臨海地帯の開発は、工業を中心といたしておりますから、漁民の中からも労働適格者と申しますか、適格な年令、体質を持った人たちを、その開発地域の指定になった地元府県あたりで、たとえば警備員の養成に関する短期講習とか、養成方法と講習方法を具体的に関連の事項として審議会等できめていただいて、そして府県に、場合によっては国が助成するのもいいでしょうし、あるいは府県のみの独自の財政においてできるところは、そういったような職業訓練のようなことをやっていただいて、そしてそれぞれ一度に補償をもらって、ただそれで手をこまねいておるというのではなしに、さらにその人たちが新しい天地を開拓して幸福な生活のできるような指導方法等も当然考えられなければならないと思います。いろいろ想定いたしますと、考える余地はございますが、今こういう基本的な法律を制定するにあたって、思ったことを一々どうするということを明示することは困難でございますが、審議会ができて、基本計画と同時に関連の諸事項について識者が集まって検討いたしますと、いろいろな知恵が私は出てくると思う。それらを具体化して進めるということは、この法律の運用の上においてまことに緊要なことであると思います。ただいま御意見の点は、私どもまことに貴重な御意見として実は拝聴いたしました。
○寺島委員長 この際暫時休憩いたします。 午後三時四十三分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕